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消費税

仕入控除税額の計算方法

<概要>
課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に係る消費税額(以下「仕入控除税額」といいます。)の計算方法は、その課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が95パーセント以上の場合、その課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が95パーセント未満の場合で異なります。

なお、簡易課税制度による仕入控除税額の計算については、コード6505「簡易課税制度」を参照してください。

(注)課税仕入れに係る消費税額の計算については、コード6391「課税仕入れに係る消費税額の計算」を参照してください。

【申告・控除の内容】
1.課税期間中の課税売上高が5億円以下(注1)、かつ、課税売上割合が95パーセント以上(注2)の場合
課税期間中の課税売上げに係る消費税額から、その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除します。

(注1)当課税期間が1年に満たない場合には、当課税期間の課税売上高を当課税期間の月数で除し、これに12を乗じて算出した金額(年換算した金額)で判定します。

(注2)事業者が、課税売上割合に準ずる割合について、所轄税務署長の承認を受けていたとしても、その課税期間における課税売上高が5億円以下である場合に、課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除することができる「課税売上割合が95パーセント以上」であるかどうかは、本来の課税売上割合で判定します。

2.課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が95パーセント未満の場合
課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除するのではなく、課税売上げに対応する部分のみを控除します。

したがって、「個別対応方式」、または、「一括比例配分方式」のいずれかの方式によって計算した仕入控除税額を、その課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。

<対象者または対象物>
事業者(免税事業者を除く)

<計算方法・計算式>
【個別対応方式】
その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、
イ.課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
ロ.非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
ハ.課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
に区分し、次の算式により計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。

(算式)
仕入控除税額 = イ + (ハ × 課税売上割合)
この方式は上記の区分がされている場合に限り、採用することができます。

(注)課税売上割合に代えて、所轄税務署長の承認を受けた課税売上割合に準ずる割合とすることもできます。

なお、課税売上割合に準ずる割合については、コード6417「課税売上割合に準ずる割合」を参照してください。

【一括比例配分方式】
その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額が上記「個別対応方式」のイ、ロおよびハのように区分されていない場合または区分されていてもこの方式を選択する場合に適用します。

その課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除する仕入控除税額は、次の算式によって計算した金額になります。

(算式)
仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合

なお、この一括比例配分方式を選択した場合には、2年間以上継続して適用した後でなければ、個別対応方式に変更することはできません。

(注)課税売上割合に準ずる割合は適用できません。

★リンクはこちら⇒ 仕入控除税額の計算方法

2025年7月30日


課税仕入れに係る消費税額の計算

<適格請求書等保存方式の下での(令和5年10月1日以降の取引に係る)税額計算>

1.積上げ計算

仕入税額 = 請求書等に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額 * (78/100)

(1)請求書等積上げ計算
原則として、交付された適格請求書等(提供を受けた電磁的記録を含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて算出します。

(2)帳簿積上げ計算
(1)以外の方法として、課税仕入れの都度(注1)、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨てまたは四捨五入します。)を仮払消費税額等(注2)などとし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に100分の78を掛けて算出する方法も認められます。

(注1)
例えば、課税仕入れに係る適格請求書の交付を受けた際に、当該適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合のほか、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税仕入れにつきまとめて交付を受けた適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合が含まれます。
なお、帳簿積上げ計算において計上する仮払消費税額等については、受領した適格請求書ではない納品書または請求書を単位として計上することや継続的に買手の支払基準といった合理的な基準による単位により計上することでも差し支えありません。

(注2)
課税仕入れに係る支払対価の額には消費税額等を含みますので、帳簿に記載する仮払消費税額等は、一般的に、適格請求書等に記載された課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出するものと考えられますが、例えば、課税仕入れに係る税抜対価の額が記載された納品書を基礎として帳簿に仮払消費税額等を記載する場合において、当該税抜対価の額に100分の10(軽減税率の対象となる場合は100分の8)を乗じて算出する方法も認められます。

2.割戻し計算

税率ごとに区分した課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に、108分の6.24または110分の7.8を掛けて算出した金額を仕入税額とすることができます。

なお、割戻し計算により仕入税額を計算できるのは、売上税額を割戻し計算している場合に限られます。

仕入税額={標準税率の対象となる税込仕入額*(7.8/110)}+{軽減税率の対象となる税込仕入額*(6.24/108)}

<令和5年9月30日までの取引に係る税額計算の特例>

適格請求書等保存方式の開始前、すなわち、令和5年9月30日までの取引については、仕入税額は、課税期間中の課税仕入高に110分の7.8(軽減税率の適用対象となる取引については108分の6.24)を乗じて計算していました。

一方、この税額計算の特例として、課税仕入れの都度課税仕入れに係る支払対価の額について、税抜経理方式により経理処理を行う場合において、次の処理をしているときは、その処理が認められていました。

(1)その課税仕入れの相手方が、領収書または請求書などに1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税および地方消費税の合計額(以下「消費税等相当額」といいます。)と、本体価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額とに区分して記載している場合、すなわち、コード6383「課税標準額に対する消費税額の計算」の経過措置1または3(「消費税および地方消費税相当額を区分領収している場合の申告税額の計算」(旧規則第22条第1項))を適用できる事業者からの課税仕入れについては、課税期間中におけるその請求書等に別記された消費税等相当額を仮払消費税等として経理し、その課税期間中における仮払消費税等の合計額の100分の78(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては、80分の62.4)に相当する金額を課税仕入れに対する消費税額とすることができます。

(2)その課税仕入れの相手方が、領収書または請求書などに税込価格とその税込価格に含まれる1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税等相当額を記載している場合、すなわち、コード6383「課税標準額に対する消費税額の計算」の経過措置2(「税込価格を基礎とした代金決済を行う場合の課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置」(平15改正消費税法施行規則附則2条3項))を適用できる事業者からの課税仕入れについては、請求書等で明示されている消費税等相当額を仮払消費税等として経理し、その課税期間中における仮払消費税等の合計額の100分の78(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては、80分の62.4)に相当する金額を課税仕入れに対する消費税額とすることができます。

(3)その課税仕入れの相手方が、領収書または請求書などに消費税等相当額を記載していない場合、または記載していてもコード6383「課税標準額に対する消費税額の計算」の各経過措置が適用できないような端数処理を行っている場合の課税仕入れについては、請求の都度帳簿等において支払対価の額に110分の10(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては108分の8)を乗じた金額を仮払消費税等として経理する方法を継続して行っているときは、その課税期間中における仮払消費税等の合計額の100分の78(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては、80分の62.4)に相当する金額を課税仕入れに対する消費税額とすることができます。

なお、この方法を適用する場合の、その取引ごとに行う消費税等相当額の1円未満の端数処理は、切捨てまたは四捨五入によります。

また、この方法は上記(1)または(2)が適用できない場合について認められます。

★リンクはこちら⇒ 課税仕入れに係る消費税額の計算

2025年6月12日


課税標準額に対する消費税額の計算

<適格請求書等保存方式の下での(令和5年10月1日以降の取引に係る)税額計算>

1.原則(割戻し計算)
適格請求書等保存方式における売上税額については、原則として、課税期間中の課税資産の譲渡等の税込金額の合計額に110分の100(軽減税率の対象となる場合は108分の100)を掛けて計算した課税標準額に7.8%(軽減税率の対象となる場合は6.24%)を掛けて算出します(割戻し計算)。

売上税額={標準税率の対象となる税込売上額*(7.8/110)}+{軽減税率の対象となる税込売上額*(6.24/108)}

2.特例(積上げ計算)
交付した適格請求書および適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものも含みます。)を保存している場合に、これらの書類に記載した税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を掛けて計算した金額とすることもできます(積上げ計算)。

ただし、適格簡易請求書の記載事項は、「適用税率または税率ごとに区分した消費税額等」であるため、「適用税率」のみを記載して交付する場合、税率ごとの消費税額等の記載がないため、積上げ計算を行うことはできません。

(注)
売上税額の計算は、取引先ごとに割戻し計算と積上げ計算を分けて適用するなど、併用することも認められます。

売上税額=適格請求書等に記載した消費税額等の合計額*(78/100)

<令和5年9月30日までの取引に係る税額計算の特例>

適格請求書等保存方式が開始前、すなわち、令和5年9月30日までの取引については、売上税額は、課税期間中の課税売上高に7.8パーセント(軽減税率の適用対象となる取引については6.24パーセント)を乗じて計算していました。

一方、この税額計算の特例として設けられていた「課税標準額に対する消費税額の計算の特例」(以下「旧規則第22条第1項の規定」といいます。)は、「税抜価格」を前提に、決済段階で上乗せされる消費税相当額の1円未満の端数処理に伴う事業者の負担等に配慮して、少額・大量の取引を行う小売業者等を念頭に設けられていた特例制度でした。「税込価格」の表示を行う総額表示が義務付けられたことを踏まえ、「税抜価格」を前提とした旧規則第22条第1項は廃止されました(平成16年4月1日)が、令和5年9月30日までの取引については、以下の経過措置が設けられていました。

<経過措置の概要>

(1) 「総額表示義務の対象とならない取引(事業者間取引等)」については、「税抜価格」を前提とした端数処理の特例の適用が令和5年9月30日までの間認められる次の経過措置1が適用されます。
(2) 「総額表示義務の対象となる取引」および「総額表示義務の対象とならない取引(事業者間取引等)で「税込価格」を前提とした代金決済を行う場合」には、令和5年9月30日までの間、次の経過措置2が適用されます。
(3) 「総額表示義務の対象となる取引で、総額表示は行っているものの「税抜価格」を基に計算するレジシステム等を使用せざるを得ない場合等のやむを得ない事情により、「税込価格」を基礎とした代金決済ができない場合」には、平成26年4月1日以後に行う課税資産の譲渡等について、次の経過措置3を適用することができます(経過措置3は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)第10条第1項に規定する総額表示義務の特例の適用を受ける場合にも適用することができます。)。

(注)
消費税転嫁対策特別措置法は、令和3年3月31日をもって失効しています。

【経過措置適用一覧表】

「税抜価格」を
前提とした
代金決済
「税込価格」を
前提とした
代金決済
事業者間
取引等
経過措置1
(令和5年9月30日までの間)
経過措置2
(令和5年9月30日
までの間)
対消費者取引
(総額表示義務
対象取引)
経過措置3
(平成26年4月1日から
令和5年9月30日までの間)

<経過措置1(「総額表示義務の対象とならない取引(事業者間取引等)」)>

総額表示義務の規定の適用を受けない課税資産の譲渡等(事業者間取引等)については、代金の決済に当たって、取引の相手方へ交付する領収書等で、その取引における「課税資産の譲渡等の対価の額(税抜価格)を税率の異なるごとに区分して合計した額」と「その税抜価格の合計額に税率を乗じて1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税および地方消費税の合計額(以下「消費税等相当額」といいます。)」を区分して明示している場合には、令和5年9月30日までの間、旧規則第22条第1項の規定を適用することができます。

(注1)
経過措置1は、総額表示義務の対象とならない事業者間取引等で「税抜価格」を前提とした代金決済を行う場合に適用することができます。「税込価格」を前提とした代金決済を行う事業者間取引等については、次の経過措置2を適用することができます。

(注2)
旧規則第22条第1項の内容は、課税事業者が、課税資産の譲渡等に係る決済上受領すべき金額を、その課税資産の譲渡等の対価の額(本体価格)を税率の異なるごとに区分して合計した金額とその課税資産の譲渡等に課されるべき消費税等相当額を税率の異なるごとに区分して合計した金額とに区分して領収する場合に、その消費税等相当額の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理しているときには、その端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税等相当額の課税期間中の合計額を基礎として、その課税期間の課税標準額に対する消費税額とすることができるというものです。

<経過措置2(総額表示義務の対象となる取引等(対消費者取引等))>

課税資産の譲渡等(総額表示義務の規定の適用を受けない事業者間取引等も含まれます。)について、「税込価格」を前提とした代金決済を行う場合で、税率の異なるごとに区分して合計した決済上受領すべき金額(例えば、複数の商品を一括して販売し、その代金を一括して受領する場合には、一括販売した商品の税込価格の合計額)に含まれる「消費税等相当額(その決済上受領すべき金額に「(100+税率)分の税率」を乗じて算出した金額)」の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の金額を領収書等にそれぞれ明示した場合には、令和5年9月30日までの間、その端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税等相当額を基礎として課税標準額に対する消費税額を計算することができます。

(注)
経過措置2は、決済上受領すべき金額、すなわち一領収単位で行われる消費税等相当額の端数処理について認められる特例ですので、商品単品ごとに消費税等相当額の端数処理を行っている場合には適用できません。

<経過措置3(総額表示義務の対象となる取引(対消費者取引)で、総額表示は行っているものの「税抜価格」を基に計算するレジシステム等を使用せざるを得ない場合等のやむを得ない事情がある場合)>

総額表示義務の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等(対消費者取引)については、総額表示を行っている場合で、「税抜価格」を基に計算するレジシステム等を使用せざるを得ない場合等のやむを得ない事情により、「税込価格」を基礎とした代金決済ができない場合には、平成26年4月1日以後に行われる課税資産の譲渡等について、令和5年9月30日までの間、旧規則第22条第1項の規定を適用することができます。

消費税転嫁対策特別措置法第10条第1項<総額表示義務に関する消費税法の特例>の規定の適用を受ける場合にも、総額表示を行っているものとして経過措置が適用されます。

(注1)
この経過措置は、平成19年3月31日までに行われる課税資産の譲渡等に適用されることとされていたものが改正され、平成26年4月1日以後に行われる課税資産の譲渡等について令和5年9月30日までの間適用されます。

(注2)
旧規則第22条第1項の内容は、課税事業者が、課税資産の譲渡等に係る決済上受領すべき金額を、その課税資産の譲渡等の対価の額(本体価格)を税率の異なるごとに区分して合計した金額とその課税資産の譲渡等に課されるべき消費税等相当額を税率の異なるごとに区分して合計した金額とに区分して領収する場合に、その消費税等相当額の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理しているときには、その端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税等相当額の課税期間中の合計額を基礎として、その課税期間の課税標準額に対する消費税額とすることができるというものです。

<経過措置を適用する場合の端数処理>

上記の各経過措置を適用する場合の端数処理は、取引ごと、すなわち、決済上受領すべき金額ごとに行います。なお、ここでいう「決済上受領すべき金額」とは、例えば、次の場合には、それぞれ次の金額をいいます。

  1. 顧客に販売した複数の商品(課税資産に限ります。)を一括して引き渡した場合
    これらの商品の代金としてその顧客から一括して受領した場合におけるその領収書(レシートその他代金の受領事実を証するものとして顧客に交付するものを含みます。以下同じ。)に記載された金額の合計額
  2. 取引の都度掛売りをし、その掛売りの額について一定期間分をまとめて請求する場合
    一の請求書に係る金額
  3. 電気、ガス、水道水等を継続的に供給し、または提供するもので、その一定期間分の料金をまとめて請求する場合
    一の請求書に係る金額
  4. 納品の都度請求書を発行する場合
    納品の都度発行される請求書に係る金額

したがって、税率の異なるごとに区分して行う消費税等相当額の1円未満の端数の処理は、1.の場合には領収書ごとに行い、2.から4.の場合には交付する請求書ごとに行います。

<消費税等相当額を明示したとき>

上記の各経過措置を適用するためには、それぞれの経過措置に定める方法により1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税等相当額とその基礎となった税込価格または税抜価格とを領収書または請求書等においてそれぞれ明示していることが必要です。

したがって、上記の「経過措置2」を適用するためには、一括販売した複数の商品の税込価格の合計額と、この合計額に「(100+税率)分の税率」を乗じて算出された消費税等相当額の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の金額を領収書等にそれぞれ明示していることが必要です。

また、「経過措置1」または「経過措置3」を適用するためには、一括販売した複数の商品の税抜価格を税率の異なるごとに区分して合計した金額と、この合計額に税率を乗じて算出された消費税等相当額の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の金額を領収書等に区分して明示していることが必要です。

【対象者または対象物】

事業者(免税事業者を除く)

★リンクはこちら⇒ 課税標準額に対する消費税額の計算

2025年6月10日


税抜経理方式または税込経理方式による経理処理

消費税の課税事業者である事業者は、所得税または法人税の所得金額の計算に当たり、消費税および地方消費税(以下「消費税等」といいます。)について、税抜経理方式または税込経理方式のどちらを選択してもよいこととされています。

なお、いずれの方式によっても納付する消費税等の額は同額となります。

<税抜経理方式の場合>
税抜経理方式による場合は、課税売上げに係る消費税等の額は仮受消費税等とし、課税仕入れに係る消費税等の額については仮払消費税等とします。

令和5年10月1日からは、消費税の仕入税額控除の方式として「適格請求書等保存方式」(以下「インボイス制度)」といいます。)が導入され、仕入税額控除の適用を受ける消費税額は、適格請求書発行事業者から交付を受けた、適格請求書または適格簡易請求書(以下「適格請求書等」といいます。)の記載事項に基づき計算した金額その他の政令で定めるところにより計算した金額とされました。

このことから、インボイス制度導入後は、課税仕入れであっても適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がないものは、原則として仕入税額控除の適用を受けることができないため、事業者が税抜経理方式で経理している場合、適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者または登録を受けていない課税事業者をいいます。以下同じです。)からの課税仕入れ(古物営業を営む者が棚卸資産を取得する取引等を除きます。以下同じです。)のように、適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない課税仕入れについては、仕入税額控除の適用を受ける消費税額はないこととなります。

所得税または法人税においては、仕入税額控除の適用を受ける課税仕入れ等の消費税額およびこれに係る地方消費税額に相当する金額の合計額が仮払消費税等の額とされていますので、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、インボイス制度導入前のようにその対価の額と区分して経理をした仮払消費税等の額に相当する金額があっても、その金額は原則としてその課税仕入れに係る取引の対価の額に含めて所得税または法人税の所得金額の計算を行うことになります。

なお、インボイス制度開始後令和11年9月30日までの期間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、従前の仕入控除税額相当額の一定割合(80パーセント相当額または50パーセント相当額)を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。

したがって、この経過措置の適用を受ける課税仕入れについて、支払対価の額のうちインボイス制度開始前の仮払消費税等の額の80パーセント相当額または50パーセント相当額を仮払消費税等の額とし、残額をその取引の対価の額として所得税または法人税の所得金額の計算を行うことになります。

しかしながら、簡易課税制度を適用している事業者または2割特例制度(適格請求書発行事業者となる小規模事業者が納税額を課税売上げに係る税額の2割に軽減できる制度をいいます。)を適用している事業者(以下「簡易課税制度適用事業者等」といいます。」)は、適格請求書等の保存の有無にかかわらず、課税売上げに係る消費税額にみなし仕入率を乗じて計算した金額または特別控除額(課税売上げに係る税額の80パーセント相当額)の仕入税額控除が認められることとされていることから、税抜経理方式を適用している簡易課税制度適用事業者等が課税仕入れを行った場合に、その取引相手が適格請求書発行事業者か適格請求書発行事業者以外の者かを厳密に区分する事務負担を軽減する観点から、簡易課税制度または2割特例制度を適用している課税期間を含む事業年度における継続適用を条件として、適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額の有無にかかわらず全ての課税仕入れについて、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となるものは108分の8)を乗じて算出した金額を仮払消費税等の額として経理した場合にはその処理も認めることとされています。

また、適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない課税仕入れについて、経過措置期間(令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間をいいます。以下同じです。)においては、従前の仕入税額相当額の50パーセント相当額または80パーセント相当額を課税仕入れに係る消費税額として仮払消費税等の額を経理することとなりますが、段階的に会計システムの改修を行うことの事務負担に配慮する観点から、経過措置期間中に適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない課税仕入れについて、消費税等の額に相当する金額を取引の対価の額と区分して経理しなかったときは、仮払消費税等の額はないものとして所得税または法人税の所得金額の計算を行うことも認められることとされています。

なお、この仮払消費税等の額はないものとして所得金額の計算を行うことも認められる取扱いは、簡易課税制度や2割特例制度を適用していない事業者についても適用できることとされています。

これらの取扱いをまとめると、次の図のとおりとなります。

<税込経理方式の場合>
税込経理方式による場合は、課税売上げに係る消費税等の額は売上金額、課税仕入れに係る消費税等の額は仕入金額などに含めて計上し、消費税等の納付税額は租税公課として必要経費または損金の額に算入します。

なお、消費税の納税義務が免除されている免税事業者は、その行う取引について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、税込経理方式を適用して所得税または法人税の所得金額を計算することになります。

【具体例】
小売店が商品(標準税率10パーセントが適用されるもの)を7,000円(税抜き)で掛仕入し、10,000円(税抜き)で現金で販売した場合の具体的な仕訳は次のとおりです。取引の例の図

1.税抜経理方式
(1)仕入時

(借方)

仕    入 7,000円 (貸方) 買   掛   金

7,700円

仮払消費税等 700円
(2)売上時

(借方)

現    金

11,000円

(貸方)

売    上 10,000円
仮受消費税等 1,000円
2.税込経理方式
(1)仕入時

(借方)

仕    入

7,700円

(貸方)

買   掛   金

7,700円

(2)売上時

(借方)

現    金

11,000円

(貸方)

売    上

11,000円

★リンクはこちら⇒ 税抜経理方式または税込経理方式による経理処理

2025年6月6日


端数計算

消費税の課税標準額および税額などの端数計算の方法は、次のとおりです。

<課税標準額の端数について>
その課税期間の課税標準額は、原則として、その課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額(消費税額および地方消費税額を含みます。)の合計額に110分の100(軽減税率の適用対象となる課税資産の譲渡等については108分の100)を掛けて算出した金額となります。

そして、この金額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

<消費税額の端数について>
その課税期間の課税標準額に対する消費税額は、原則として、上記「課税標準額の端数について」によって算出した課税標準額に7.8パーセント(軽減税率の適用対象となる課税資産の譲渡等については6.24パーセント)の税率を掛けて算出します(注)。

そして、この金額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

(注)
課税標準額に対する消費税額の計算については、コード6383「課税標準額に対する消費税額の計算」を参照してください。

<納付すべき消費税額などの端数について>

  1. 課税期間ごとの課税仕入れに係る消費税額は、原則として、その課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては108分の6.24)を掛けて計算した金額となり、この金額に1円未満の端数があるときはその端数を切り捨てます。
    また、売上対価の返還等に係る消費税額および貸倒れに係る消費税額に1円未満の端数があるときも同様に、その端数を切り捨てます。(注)
    課税仕入れに係る消費税額の計算については、コード6391「課税仕入れに係る消費税額の計算」を参照してください。
  2. 課税標準額に対する消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額などを控除した税額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
  3. 還付金に相当する消費税額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、還付金に相当する消費税額が1円未満であるときは、1円とします。

<適格請求書に記載すべき消費税額等の端数について>
適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります。

なお、切上げ、切捨て、四捨五入などの端数処理の方法については、任意の方法とすることができます。

(注)
一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められません。

★リンクはこちら⇒ 端数計算

2025年6月4日


貸倒れに係る税額の調整

売掛金その他の債権が貸倒れとなったときは、貸倒れとなった金額に対応する消費税額を貸倒れの発生した課税期間の売上げに対する消費税額から控除します。

<対象となる貸倒れ>
控除の対象となる貸倒れは、消費税の課税対象となる取引の売掛金その他の債権(以下「売掛金等」といいます。)に限られます。

貸倒れとして認められる主な例は次のとおりです。

  1. 更生計画認可の決定、再生計画認可の決定などにより債権の切捨てがあったこと。
  2. 債務者の財産状況、支払能力等からみてその債務者が債務の全額を弁済できないことが明らかであること。
  3. 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で、一定の要件に該当する基準により債権の切捨てがあったこと。
  4. 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権の弁済を受けることができないと認められる場合に、その債務者に対し書面により債務の免除を行ったこと。

<適用要件>
貸倒れに係る消費税額について控除を受けるには、債権の切捨ての事実を証する書類その他貸倒れの事実を明らかにする書類を保存する必要があります。

【対象者または対象物】
国内で課税資産の譲渡等を行った事業者(免税事業者を除く)

【計算方法・計算式】
貸倒れの金額に消費税および地方消費税が含まれている場合には、貸倒れの金額の合計額に110分の7.8(軽減税率の適用対象の貸倒れの金額の合計額に108分の6.24)(注)を乗じて貸倒れとなった売掛金等に含まれる消費税額を計算し、その消費税額につき1円未満の端数を切り捨てた金額が課税売上げに対する消費税額から控除する消費税額となります。

(注)
平成9年3月31日までの課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒れとなった場合には、貸倒れとなった売掛金等の合計額に103分の3、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒れとなった場合には、貸倒れとなった売掛金等の合計額に105分の4、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒れとなった場合には、貸倒れとなった売掛金等の合計額に108分の6.3を乗じて課税売上げに対する消費税額から控除する消費税を計算します。

また、貸倒れ等において、その領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額が課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る部分と軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分とに合理的に区分されていないときは、その領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に、その貸倒れ等の対象となった課税資産の譲渡等の税込価額の合計額のうちに軽減対象課税資産の譲渡等の税込価額の占める割合を乗じて計算した金額を、当該軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分の金額として、計算します。

なお、貸倒れとして控除した後に売掛金等を受け取った場合の消費税額の計算についてはコード6631「貸倒債権を回収したときの消費税額の計算」を参照してください。

★リンクはこちら⇒ 貸倒れに係る税額の調整

2025年5月28日


値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入れに係る対価の返還等)

商品を購入した事業者がその取引を行った後に、販売業者から仕入値引きを受けたり、仕入割戻金や販売奨励金の支払を受けたり、仕入れた商品について販売業者へ返品をしたこと等により買掛金の減額等を行う場合には、商品を購入した事業者は、これらの金額に対応する消費税額について調整する必要があります。

その調整方法等は次のとおりです。

<調整が必要な取引>
国内で行った課税仕入れに該当する取引に基因して受け取る次のもの(以下「仕入れに係る対価の返還等」といいます。)が調整の必要な取引となります。

  1. 返品
  2. 値引き
  3. 事業者がその直接の取引先から受ける割戻し
    この他、間接の取引先(商品等の卸売業者、製造業者等)から支払われる飛越しリベート等とされるもの
  4. 海上運送事業を営む事業者から収受する船舶の早出料
  5. 販売奨励金等のうち、事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先から金銭により支払を受けるもの
  6. 協同組合等から組合員等が収受する事業分量配当金のうち、課税仕入れの分量等に応じた部分
  7. 課税仕入れに係る対価をその支払期日より前に支払ったこと等を基因として支払を受ける仕入割引
  8. 保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税額の還付税額

<調整が必要ない取引>
上記の仕入れに係る対価の返還等であっても次に掲げる場合は調整の必要はありません。

  1. 免税事業者であった課税期間において行った課税仕入れにつき、課税事業者となった後の課税期間において受けるもの
  2. 課税事業者であった課税期間において行った課税仕入れにつき、事業を廃止し、または免税事業者となった後の課税期間において受けるもの

<調整を行わない取引>
以下の取引については調整を行いません。

  1. 保税地域からの引取りに係る課税貨物について、輸入品に係る仕入割戻しとして課税貨物の購入先から受けたもの
  2. 債務免除として事業者が課税仕入れの相手方に対する買掛金その他の債務の全部または一部について免除を受けたもの

<調整を行う時期>
当初の課税仕入れを行った課税期間ではなく、仕入れに係る対価の返還等を受けた課税期間において調整を行います。

<調整の方法>
課税期間において控除される課税仕入れ等の消費税額の合計額から課税仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除します。

ただし、課税仕入れの金額からその課税仕入れに係る対価の返還等の金額を控除する経理処理を継続して行っているときは、この処理も認められます。

なお、課税仕入れ等の消費税額の合計額から課税仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除しきれないときは、その控除しきれない金額を課税売上げに係る消費税額に加算します。

【対象者または対象物】
<調整を行う必要がある事業者>
国内で課税仕入れを行った事業者(免税事業者を除く)

【計算方法・計算式】
控除税額の算出方法については、次のとおりです。

(1)課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が95パーセント以上の場合
(その課税期間の課税仕入れ等に係る消費税額の合計額) - (その課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額)

(2)課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が95パーセント未満の場合
イ.個別対応方式
(イ)と(ロ)の合計額

(イ) (課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ等に係る消費税額の合計額) - (課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつきその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額(注1)の合計額)
(ロ) (課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等に係る消費税額の合計額 × 課税売上割合(注2)) - (課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつきその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額(注1) × 課税売上割合(注2))

ロ.一括比例配分方式
(課税仕入れ等に係る消費税額の合計額×課税売上割合) - (その課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額(注1)×課税売上割合)

ただし、仕入れに係る対価の返還等につき適格返還請求書の交付を受け、または適格返還請求書に記載すべき事項に係る電磁的記録の提供を受けた場合、その適格返還請求書に記載され、または当該電磁的記録に記録された消費税額等(その適格返還請求書にその消費税額等の記載がない、またはその電磁的記録にその消費税額等の記録がないときは、その消費税額等として一定の方法で算出した金額)に100分の78を乗じて算出した金額を仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額とすることができます。

(注1)
「仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額」は、その支払対価の額につき返還を受けた金額またはその減額を受けた債務の額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となった仕入れに係るものについては108分の6.24)(※)を乗じて計算します。

(※)
平成9年3月31日までの課税仕入れに係るものについては103分の3、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税仕入れに係るものについては105分の4、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの課税仕入れに係るものについては108分の6.3。

また、仕入れに係る対価の返還等を受けた金額が他の者から受けた課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る部分と軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分とに合理的に区分されていないときは、その仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に、その仕入れに係る対価の返還等に係る課税仕入れに係る支払対価の額の合計額のうちに軽減対象課税資産の譲渡等に係る課税仕入れに係る支払対価の額の占める割合を乗じて計算した金額を、その軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分の金額として、計算します。

(注2)
課税売上割合に準ずる割合を含みます。

★リンクはこちら⇒ 値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入れに係る対価の返還等)

2025年5月26日


値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)

商品を販売した事業者がその取引を行った後に、売上値引きをしたり、売上割戻金や販売奨励金を支払ったり、売り上げた商品について返品を受けたこと等により売掛金の減額等を行う場合には、商品を販売した事業者は、これらの金額に対応する消費税額について調整する必要があります。

その調整方法等は次のとおりです。

<調整が必要な取引>
国内で行った課税資産の譲渡等に該当する取引に基因して支払われる次のもの(以下「売上げに係る対価の返還等」といいます。)が調整の必要な取引となります。

ただし、輸出取引など消費税が免除される取引に基因して支払われるものを除きます。

  1. 返品
  2. 値引き
  3. 事業者がその直接の取引先に支払う割戻しこの他、間接の取引先(商品等の卸売業者、製造業者等)に支払う飛越しリベート等とされるもの
  4. 海上運送事業を営む事業者が支払う船舶の早出料
  5. 販売奨励金等のうち、事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先に対して金銭で支払うもの
  6. 協同組合等が組合員等に支払う事業分量配当金のうち、課税資産の譲渡等の分量等に応じた部分
  7. 課税資産の譲渡等に係る対価をその支払期日より前に支払を受けたこと等を基因として支払われる売上割引

<調整を行うことができない取引>
上記の売上げに係る対価の返還等であっても次に掲げる場合は調整を行うことができません。

(1)免税事業者であった課税期間における課税資産の譲渡等につき、課税事業者となった後の課税期間において行ったもの
(2)課税事業者であった課税期間における課税資産の譲渡等につき、事業を廃止し、または免税事業者となった後の課税期間において行ったもの

<調整を行う時期>
当初の課税資産の譲渡等を行った課税期間でなく、売上げに係る対価の返還等を行った課税期間において調整を行います。

<調整の方法>
課税標準額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等に係る消費税額を控除します。

ただし、課税資産の譲渡等の金額からその売上げに係る対価の返還等の金額を控除する経理処理を継続して行っているときは、この処理も認められます。

<適用要件>
売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額について控除を受けるには、売上げに係る対価の返還等をした金額の明細等を記録した帳簿を保存する必要があります。

課税資産の譲渡等の金額からその売上げに係る対価の返還等の金額を控除する経理処理を行っている場合も同様です。

なお、売上げに係る対価の返還等につき交付した適格返還請求書の写しまたは提供した適格返還請求書に記載すべき事項に係る電磁的記録に記載された消費税額等に基づき計算した金額を、売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額とする場合には、その適格返還請求書またはその電磁的記録を併せて保存する必要があります。

<適格返還請求書の交付>
売上げに係る対価の返還等を行う適格請求書発行事業者は、その売上げに係る対価の返還等を受ける他の事業者に対して、一定の事項を記載した請求書、納品書その他これらに類する書類(適格返還請求書)を交付する義務があります。

ただし、その売上げに係る対価の返還等の金額が税込1万円未満である場合など一定の場合には、その義務は免除されます。

【対象者または対象物】
<調整を行う必要がある事業者>
国内で課税資産の譲渡等を行った事業者(免税事業者を除く)

【計算方法・計算式】
売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額は、税込みの売上げに係る対価の返還等の金額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となった売上げに係るものについては108分の6.24)(注)を乗じて算出した金額となります。

(注)
平成9年3月31日までの課税資産の譲渡等に係るものについては103分の3、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税資産の譲渡等に係るものについては105分の4、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの課税資産の譲渡等に係るものについては108分の6.3。

また、売上げに係る対価の返還等の金額が課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る部分と軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分とに合理的に区分されていないときは、その売上げに係る対価の返還等に係る税込価額に、その売上げに係る対価の返還等に係る課税資産の譲渡等の税込価額の合計額のうちに軽減対象課税資産の譲渡等の税込価額の占める割合を乗じて計算した金額を、その軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分の金額として、計算します。

ただし、売上げに係る対価の返還等につき交付した適格返還請求書の写しまたは提供した適格返還請求書に記載すべき事項に係る電磁的記録を保存している場合には、その適格返還請求書に記載し、またはその電磁的記録に記録した消費税額等に100分の78を乗じて算出した金額を、売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額とすることができます。

★リンクはこちら⇒ 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)

2025年5月21日


課税売上げと課税仕入れ

事業者が国内で商品の販売やサービスの提供などを行った場合には、原則として消費税が課税されます。

この消費税の納付税額は課税期間中の課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引いて計算します。

ここで課税仕入れ等に係る消費税額を差し引くことを仕入税額控除といいます。

<課税売上げ>
課税売上げとは、商品の売上げのほか、機械や建物等の事業用資産の売却など事業のための資産の譲渡、貸付け、サービスの提供をいいます。

ただし、土地の売却や貸付けなどの非課税取引は課税売上げに含まれません。

<課税仕入れ>
課税仕入れとは、商品などの棚卸資産の仕入れ、機械や建物等の事業用資産の購入または賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサービスの購入、そのほか事業者が事業として他の者から資産を譲り受けることなどをいいます。

これは、仕入先が免税事業者や消費者の場合でも課税仕入れに当たります。

ただし、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、原則として、仕入税額控除の対象とはなりません。

また、土地の購入や賃借などの非課税取引、課税対象とならない給与、賃金などは課税仕入れに含まれません。

<仕入税額控除>
仕入税額の控除は、実際に仕入れなどをした課税期間において行います。

したがって、建物などの減価償却資産であっても、それらの資産を購入した課税期間において、その購入価額の全額に対する消費税の額が仕入税額控除の対象になります。

なお、消費税の納税義務が免除されている事業者については、この仕入税額控除は受けられません。

(注)
適格請求書等保存方式の下、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、一定の事項が記載された帳簿および請求書等(適格請求書等)を保存する必要があります。

詳しくは、コード6496「仕入税額控除をするための帳簿および請求書等の保存」を参照ください。

★リンクはこちら⇒ 課税売上げと課税仕入れ

2025年5月19日


納付税額の計算のしかた

<納付税額の計算>
消費税の税率は、標準税率(10パーセント)と軽減税率(8パーセント)の複数税率であることから、売上げと仕入れを税率ごとに区分して税額計算を行う必要がありますが、課税期間中の売上税額から仕入税額を控除するといった消費税額の計算方法は、適格請求書等保存方式においても、これまでと変わりません。

課税期間は、原則として、個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間で、法人の場合は事業年度です。

具体的な売上税額と仕入税額の計算方法は、次のとおりとなります。

1.売上税額
(1)原則(割戻し計算)
税率ごとに区分した課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額の合計額に、110分の100または108分の100を掛けて税率ごとの課税標準額を算出し、それぞれの税率(7.8%または6.24%)を掛けて売上税額を算出します。
原則(割戻し計算)

(2)特例(積上げ計算)
相手方に交付した適格請求書または適格簡易請求書(以下これらを併せて「適格請求書等」といいます。)の写しを保存している場合(適格請求書等の記載事項に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)には、これらの書類に記載した消費税額等の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とすることができます。
なお、売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません。
特例(積上げ計算)

2.仕入税額
(1)原則(積上げ計算)
相手方から交付を受けた適格請求書などの請求書等(提供を受けた電磁的記録を含みます。)に記載されている消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて仕入税額を算出します。
原則(積上げ計算)

(2)特例(割戻し計算)
税率ごとに区分した課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に、110分の7.8または108分の6.24を掛けて算出した金額を仕入税額とすることができます。
なお、割戻し計算により仕入税額を計算できるのは、売上税額を割戻し計算している場合に限られます。
特例(割戻し計算)

(参考1)
売上税額と仕入税額の計算方法
売上税額と仕入税額の計算方法
(注)売上税額の計算方法において、「割戻し計算」と「積上げ計算」を併用することは認められていますが、仕入税額の計算方法において、「積上げ計算」と「割戻し計算」を併用することはできません。

※仕入税額の積上げ計算の方法として、課税仕入れの都度、課税仕入れに係る支払対価の額に10/110(軽減税率の対象となる場合は8/108)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)を仮払消費税額とし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に78/100を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)。

(参考2)
消費税額は、原則として、税率ごとに計算しますが、売上げを税率ごとに区分することが困難な事情がある一定の事業者については一定期間、税額計算の特例を用いて売上税額を計算することが認められていました。詳しくは、特設ページ「消費税の軽減税率制度について」を参照ください。

<簡易課税制度>
「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、その提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間について、その課税期間の前々年または前々事業年度(基準期間)の課税売上高が5,000万円以下である場合に、その課税期間の仕入れに係る消費税額を実額によらないで計算する簡易課税制度の特例が適用されます。

(参考)
インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になられた方については、仕入税額控除の金額を、特別控除税額(課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額)とすることができます(いわゆる2割特例)。

詳しくは、2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要をご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 納付税額の計算のしかた

2025年5月8日


外貨建取引の取扱い

外貨建ての取引の売上金額や仕入金額の円換算は、為替予約がある場合を除き、原則として売上げや仕入れとして計上する日の電信売買相場の仲値(いわゆるTTM)によることとされています。

このため、これらの売上金額が入金された場合や、仕入金額を支払った場合には、売上げや仕入れに計上した日と実際に円貨で決済した日との為替レートの差により、いわゆる為替差損益が発生します。

外貨建取引に伴う消費税の取扱いにおいては、原則として資産の譲渡等を行った日または課税仕入れを行った日の電信売買相場の仲値(いわゆるTTM)で換算した円貨による金額を資産の譲渡等の金額または課税仕入の金額とすることになり、決済時との差額は調整する必要はありません。

なお、為替差損益は、資産の譲渡等の対価の額または課税仕入れに係る支払対価の額に当たりません。

★リンクはこちら⇒ 外貨建取引の取扱い

2025年5月2日


法人の役員に対する贈与・低額譲渡の取扱い

消費税は、原則として、課税資産の譲渡等の対価の額が課税標準となります。例外として、対価を得ない取引に対して、対価を得て行う資産の譲渡とみなして課税される場合と一定の取引でその対価の額が時価に比べて著しく低い場合には、その時価を対価の額とみなして課税されます。

これには、個人事業者の自家消費と法人がその役員に対して行う資産の贈与および著しく低い金額による譲渡があります。
このコードでは、法人がその役員に対して行う資産の贈与などの取扱いについて説明します。

<法人が資産をその役員に対して贈与した場合>
法人が資産をその役員に対して贈与した場合は、その資産を贈与した時のその資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準として消費税が課税されます。

ただし、棚卸資産を贈与した場合において、その棚卸資産の仕入価額以上の金額、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50パーセントに相当する金額以上の金額を対価の額として確定申告したときはその取扱いが認められます。

<法人が資産をその役員に対して低額譲渡した場合>
法人が資産をその役員に対してその資産の価額に比べて著しく低い金額により譲渡した場合は、実際に役員から受領した金額ではなく、その資産を譲渡した時のその資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準として消費税が課税されます。

この場合の、その資産の価額に比べて著しく低い金額により譲渡した場合とは、その資産の時価のおおむね50パーセントに相当する金額に満たない金額により譲渡した場合をいいます。

なお、その譲渡した資産が棚卸資産である場合で、その棚卸資産の譲渡金額が、その資産の仕入金額以上の金額で、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50パーセントに相当する金額以上の金額であるときは、著しく低い金額により譲渡した場合には該当しないものとして取り扱われます。

ただし、その資産の譲渡が、役員および使用人の全部について一律に、または勤続年数などに応じて合理的に定められた値引率に基づき行われた場合は、時価ではなく実際に役員から受領した金額により課税されます。

★リンクはこちら⇒ 法人の役員に対する贈与・低額譲渡の取扱い

2025年4月28日


個人事業者の自家消費の取扱い

消費税は、原則として、課税資産の譲渡等の対価の額が課税標準となります。

例外として、対価を得ない取引に対して、対価を得て行う資産の譲渡とみなして課税される場合と一定の取引でその対価の額が時価に比べて著しく低い場合には、その時価を対価の額とみなして課税されます。

これには、個人事業者の自家消費と法人がその役員に対して行う資産の贈与および著しく低い金額による譲渡があります。

このコードでは、個人事業者の自家消費の取扱いについて説明します。

<内容>
個人事業者の自家消費とは、個人事業者が棚卸資産または棚卸資産以外の資産で事業用に使用していたものを家事のために消費または使用することをいいます。

個人事業者が自家消費を行った場合は、その資産を消費または使用した時のその資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準として消費税が課税されます。

ただし、棚卸資産を自家消費した場合は、その棚卸資産の仕入価額以上の金額、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50パーセントに相当する金額以上の金額を対価の額として確定申告したときはその取扱いが認められます。

★リンクはこちら⇒ 個人事業者の自家消費の取扱い

2025年4月24日


酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い

消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税などが含まれます。

これは、酒税やたばこ税などの個別消費税は、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の一部を構成しているので、課税標準に含まれることになるものです。

これに対して、軽油引取税、ゴルフ場利用税、入湯税は、利用者などが納税義務者となっているものですから、その税額に相当する金額を請求書や領収証等で相手方に明らかにし、預り金または立替金等の科目で経理するなど明確に区分している場合には、課税標準には含まれないことになります。

なお、その税額に相当する金額を明確に区分していない場合には、課税標準に含まれることになります。

(注)
軽油引取税は、その特別徴収義務者である特約店等が販売する場合(特約店等からその販売委託を受けてサービス・ステーション等が販売を行う場合を含みます。)は課税標準に含まれませんが、特別徴収義務者に該当しないサービス・ステーション等が販売する場合には、課税標準から軽油引取税を控除することはできません。

★リンクはこちら⇒ 酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い

2025年4月22日


商品の安売りや下取りがあるとき

(1)原則的な取扱い
消費税の税額は、課税標準に税率を掛けて計算します。

この課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額によることとされています。

課税資産の譲渡等の対価の額とは、資産の譲渡、資産の貸付けや役務の提供について対価として収受し、または収受すべき一切の金銭等の額のことをいいます。

したがって、実際の取引に当たって、その資産の通常の価額(時価)よりも低い価額で譲渡しても、その資産の通常の価額に引き戻す必要はなく、当事者間で取引した実際の価額を課税標準として税額を計算することになります。

(2)みなし譲渡の場合
ただし、法人が役員に対してその資産の通常の価額よりも著しく低い価額で譲渡等した場合または個人事業者が棚卸資産もしくは棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のため消費もしくは使用した場合には、その資産の時価を対価の額とみなして税額を算出することになります。

(3)下取りがあるとき
また、課税資産の譲渡等に際し下取りをした場合の課税資産の譲渡等の対価の額は、譲渡価額から下取価額を控除した金額とすることはできません。

下取りを伴う取引については、課税資産の譲渡等と課税仕入れの2つの取引が同時に行われていますので、それぞれ別個の取引として取り扱うことになります。

例えば、自動車の販売会社が消費者に100万円の自動車を販売するときに消費者が所有する自動車を30万円で下取りしたとします。

この場合は、100万円から30万円を差し引いて70万円を課税資産の譲渡等の対価の額とすることはできません。

課税資産の譲渡等の対価の額は100万円および課税仕入れに係る支払対価の額は30万円としてそれぞれ計算することになります。

★リンクはこちら⇒ 商品の安売りや下取りがあるとき

2025年4月21日


消費税および地方消費税の税率

消費者が負担する消費税は、消費税および地方消費税の合計額であり、標準税率10%と軽減税率8%の複数税率になっています。

消費税率および地方消費税率については次のとおりです。

標準税率(注1) 軽減税率(注2)
消費税率 7.8% 6.24%
地方消費税率 2.2%
(消費税額の22/78)
 1.76%
(消費税額の22/78)
合計  10% 8%

(注1)令和元年10月1日以後に事業者が行う資産の譲渡等および課税仕入れであっても、経過措置が適用されるものについては、旧税率(8%(消費税率6.3%、地方消費税率1.7%))が適用されることとなります。詳しくは「消費税率等の引上げについて(令和元年10月1日~)」 をご覧ください。

(注2)軽減税率の適用対象は、次のとおりとされています。詳しくはコードNo.6102「消費税の軽減税率制度」をご覧ください。

  1. 飲食料品の譲渡(食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類を除きます。)の譲渡をいい、外食を含みません。)
  2. 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡

★リンクはこちら⇒ 消費税および地方消費税の税率

2025年4月17日


課税標準

消費税の税額は、課税標準に税率を掛けて計算します。

この課税標準とは、課税資産の譲渡等の対価の額によることとされています。

<課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準>
課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額、すなわち、資産の譲渡、資産の貸付けや役務の提供について受け取る金額または受け取るべき金額です。

この金額は、金銭で受け取るものに限られず、金銭以外の物や権利その他経済的利益の額など、対価として受け取るすべてのものが含まれます。

なお、この課税標準となる対価の額には、消費税相当額および地方消費税相当額は含まれません()。

()特定課税仕入れ()に係る消費税の課税標準は、特定課税仕入れに係る「支払対価の額」となりますが、特定課税仕入れについては、当該特定課税仕入れを行った事業者に納税義務が課されていますので、支払った対価の額には消費税等に相当する金額は含まれていません。

したがって、課税資産の譲渡等の対価の額のように110 分の100 を乗じて税抜計算する必要はなく、支払った(支払うべき)金額がそのまま課税標準額となります。

()特定課税仕入れとは、国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」をいいます。

このように、課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、当事者間で授受することとした対価の額となりますが、例えば、次に掲げる場合には、次の金額が対価の額になります。

(1) 法人が自社商品などをその役員に贈与したり、著しく低い価額で譲渡した場合:その自社商品の時価
(2) 個人事業者が、自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合:その商品などの時価
(3) 代物弁済をした場合:代物弁済により消滅する債務の額
(4) 資産を交換した場合:交換により取得する資産の時価(交換差金を受け取る場合はその金額を加算した金額とし、交換差金を支払う場合はその金額を控除した金額となります。)

<保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準>
保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は、関税課税価格いわゆるCIF価格に消費税以外の個別消費税の額および関税の額に相当する金額を加算した合計額です。

詳しくは、コード6563「輸入取引」を参照してください。

★リンクはこちら⇒ 課税標準

2025年4月15日


建物賃貸借契約の違約金など

<建物賃貸借契約を中途解約する場合の違約金>
建物の賃貸人は、建物の賃貸借の契約期間の終了前に入居者から解約の申入れによる中途解約の違約金として数か月分の家賃相当額を受け取る場合があります。

この違約金は、賃貸人が賃借人から中途解約されたことに伴い生じる逸失利益を補填するために受け取るものですから、損害賠償金として課税の対象とはなりません。

<建物賃貸借に係る保証金等から差し引く原状回復工事費用>
賃借人が立ち退く際に、賃貸人が賃借人から預かっている保証金等の中から原状回復工事に要した費用相当額を差し引いて受け取る場合があります。

賃借人には立退きに際して建物を原状に回復する義務がありますので、賃借人に代わって賃貸人が原状回復工事を行うことは、賃貸人の賃借人に対する役務の提供に当たります。

したがって、賃貸人が受け取る工事費に相当する額は、賃貸人の賃借人に対する役務の提供の対価となりますので、課税の対象となります。

<違約入居者から受け取る割増賃借料>
賃貸借契約の契約期間終了後においても入居者が立ち退かない場合に、店舗および事務所等の賃貸人がその入居者から規定の賃貸料以上の金額を受け取ることがあります。

この場合に受け取る金額は、入居者が正当な権利なくして使用していることに対して受け取る割増賃貸料の性格を有していますので、その全額が店舗および事務所等の貸付けの対価として課税の対象となります。

なお、住宅の貸付けに係る契約において住宅用であることが明らかとされている場合や貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合における割増賃借料については、住宅の貸付けの対価として非課税となります。

★リンクはこちら⇒ 建物賃貸借契約の違約金など

2025年4月11日


損害賠償金

心身または資産に対して加えられた損害の発生に伴って受ける損害賠償金については、通常は資産の譲渡等の対価に当たりません。

ただし、その損害賠償金が資産の譲渡等の対価に当たるかどうかは、その名称によって判定するのではなく、その実質によって判定すべきものとされています。

<具体例>
例えば、次のような損害賠償金は、その実質からみて資産の譲渡または貸付けの対価に当たり、課税の対象となります。

  1. 損害を受けた棚卸資産等が加害者に対して引き渡される場合において、その資産がそのまままたは軽微な修理を加えることによって使用することができるときにその資産の所有者が収受する損害賠償金
  2. 特許権や商標権などの無体財産権の侵害を受けた場合に権利者が収受する損害賠償金
  3. 事務所の明渡しが遅れた場合に賃貸人が収受する損害賠償金

★リンクはこちら⇒ 損害賠償金

2025年4月8日


キャンセル料

いわゆるキャンセル料といわれるものの中には、解約に伴う事務手数料としての性格のものと、解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のものとがあります。

キャンセル料に係る消費税の取扱いは、次のとおりです。
<解約に伴う事務手数料としてのキャンセル料>
解約手続などの事務を行う役務の提供の対価ですから課税の対象となります。

例えば、航空運賃のキャンセル料などで、解約等の時期に関係なく一定額を受け取ることとされている部分の金額は、解約等に伴う事務手数料に該当し課税の対象になります。

<逸失利益に対する損害賠償金としてのキャンセル料>
本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補填金ですから、資産の譲渡等の対価に該当しないため課税の対象となりません。

例えば、航空運賃のキャンセル料などで、搭乗区間や解約等の時期などにより金額の異なるものは、逸失利益等に対する損害賠償金に該当するので課税の対象となりません。

<全額について事務手数料に相当する部分と損害賠償金に相当する部分を区分することなく一括して受領しているキャンセル料>
事業者がその全額について事務手数料に相当する部分と損害賠償金に相当する部分を区分することなく一括して受領しているときは、その全額を不課税として取り扱うこととされています。

例えば、ゴルフ場の予約をキャンセルした際に受領するキャンセル料などがこれに該当します。

★リンクはこちら⇒ キャンセル料

2025年4月4日


ゴルフ会員権

ゴルフクラブが発行するゴルフ会員権には株式形態のものと金銭を一定期間預託する預託形態のものとがありますが、基本的にはその形態の相違により消費税の課税関係が異なることはありません。

具体的な取扱いは、次のようになります。
<ゴルフクラブの課税関係>
ゴルフクラブが会員権を発行する場合において、その発行に関して収受する金銭は株式形態の場合は出資金であり、預託形態の場合は預り金ですから、いずれも資産の譲渡等の対価に該当せず課税の対象になりません。

ただし、入会に際して出資金や預託金とは別に収受する入会金などで会員等の資格を付与することと引換えに収受する返還を要しないものについては、役務の提供の対価として課税の対象となります。

また、プレー代、ロッカー使用料、年会費、会員権の所有者の変更に伴う名義書換料等も課税の対象となります。

<ゴルフ会員権業者の課税関係>
会員権業者が会員権の所有者または購入希望者からの委託を受けて会員権売買の仲介を行った場合、その仲介に係る手数料は役務の提供の対価として課税の対象になります。

また、会員権の所有者から買い取った会員権を売買する場合、株式形態のものは株式の譲渡に、預託形態のものは金銭債権の譲渡にそれぞれ該当しますが、これらのゴルフ会員権に係る株式又は金銭債権の譲渡は非課税の対象から除かれていますから、いずれも課税の対象になります。この場合、これらの譲渡について購入者から収受する金額が課税資産の譲渡等の対価の額となります。

なお、会員権の所有者からのゴルフ会員権に係る株式又は金銭債権の買取りは課税仕入れとなります。

<ゴルフ会員権所有者の課税関係>
事業者である会員権所有者がゴルフクラブに支払う年会費等は課税仕入れに係る支払対価に該当します。また、事業者が会員権業者から会員権を購入した場合、その購入は課税仕入れとなります。

ただし、ゴルフクラブが発行した会員権をそのゴルフクラブから直接取得する行為は不課税取引に係るものですから、返還を要しない入会金などを除き、課税仕入れとはなりません。

なお、事業者(個人事業者を除きます。)が所有しているゴルフ会員権に係る株式又は金銭債権を譲渡した場合の課税関係は、ゴルフ会員権業者の課税関係の場合と同様です。

★リンクはこちら⇒ ゴルフ会員権

2025年4月2日


有価証券の先物取引

国債や株式などの有価証券の譲渡は、原則として、消費税の非課税取引とされています。

株式の信用取引による売付けも現物の株式を借りて売却しているため、有価証券の譲渡として取り扱われ非課税取引となります。

<内容>
現在国内において有価証券または有価証券指数を対象とした先物取引の市場が開設されており、次のような取引があります。

  1. 大阪取引所における国債先物取引(長期国債先物取引)
  2. 大阪取引所における東証株価指数先物取引(TOPIX先物取引等)
  3. 大阪取引所における日経平均株価指数先物取引(日経225先物取引等)

このような先物取引については、有価証券の現物の受渡しが行われる場合は、有価証券の譲渡として非課税取引となりますが、現物の受渡しが伴わない場合は消費税の対象外、すなわち不課税取引となります。

国債先物取引については、証券取引所における売買取引最終日が到来した後に売建玉または買建玉を持っている場合に有価証券の受渡しが行われます。

したがって、この場合には有価証券の譲渡として非課税取引になります。

また、TOPIX先物取引や日経225先物取引は、株価指数を取引の対象とするもので、有価証券の受渡しが行われることはありませんから不課税取引となります。

さらに売買取引最終日の前に行う新規の売買取引や反対売買による差金の決済を行う取引は資産の引渡しを伴わない取引となり消費税の対象外、すなわち不課税取引となります。

このように、有価証券の先物取引は非課税取引または不課税取引に当てはまりますから、消費税は課税されません。

★リンクはこちら⇒ 有価証券の先物取引

2025年3月25日


売掛債権とは別に請求する利子

預貯金や貸付金の利子、公社債の利子および手形の割引料など利子を対価とする金融取引については非課税とされていますが、売上代金を手形により回収する場合には、手形の支払期間に応じて計算した利息相当額を売上代金とは別にして請求することがあります。

このような場合、その利息相当額が適正金利に相当する金額であるときは、売上代金部分だけが課税標準となり、利息相当額は非課税となります。

★リンクはこちら⇒ 売掛債権とは別に請求する利子

2025年3月24日


学校の授業料や入学検定料、教科用図書の譲渡など

消費税は商品の販売やサービスの提供などあらゆる取引を課税の対象としています。

しかし、学校教育については、社会政策的配慮から授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明書等手数料、検定済教科書などの教科用図書の譲渡を非課税としています。

<非課税となる学校の範囲>
授業料などが非課税となる学校の範囲は、学校教育法に規定する学校(幼稚園、小中高等学校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校)、専修学校および次の6つの要件すべてに当てはまる各種学校などです。

  1. 修業年限が1年以上であること。
  2. 1年間の授業時間数が680時間以上であること。
  3. 教員数を含む施設等が同時に授業を受ける生徒数からみて十分であること。
  4. 年2回を超えない一定の時期に授業が開始され、その終期が明確に定められていること。
  5. 学年または学期ごとにその成績の評価が行われ、成績考査に関する表簿などに登載されていること。
  6. 成績の評価に基づいて卒業証書または修了証書が授与されていること。
(注1) 一般的に上記1から6の要件にあてはまらない学習塾、自動車学校、カルチャースクール等の授業料は非課税にはなりません。
(注2) 幼稚園が、給食に係る経費を「授業料」として、スクールバスの運営に要する費用を「施設設備費」として徴収している場合は、非課税となります。なお、給食代、スクールバス代として別途徴収している場合は、非課税にはなりません。
(注3) 参考書、問題集等で学校における教育を補助するための、いわゆる補助教材の譲渡については、学校が指定したものであっても、非課税にはなりません。

★リンクはこちら⇒ 学校の授業料や入学検定料、教科用図書の譲渡など

2025年3月19日


住宅の貸付け

<住宅の範囲>
(1)住宅とは、人の居住の用に供する家屋または家屋のうち人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほか、マンション、アパート、社宅、寮、貸間等が含まれます。

(2)通常住宅に付随して、または住宅と一体となって貸し付けられる次のようなものは「住宅の貸付け」に含まれます。
イ.庭、塀、給排水施設等住宅の一部と認められるもの
ロ.家具、じゅうたん、照明設備、冷暖房設備等の住宅の附属設備で住宅と一体となって貸し付けられるもの
(注)
これらの設備を別の賃貸借の目的物として賃料を別に定めている場合は、課税されます。

(3)駐車場等の施設については、次によります。
イ.駐車場の貸付けは、次のいずれにも該当する場合、非課税となります。
A.一戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている等の場合
B.家賃とは別に駐車場使用料等を収受していない場合
ロ.プール、アスレチック、温泉などの施設を備えた住宅については、居住者のみが使用でき、家賃とは別に利用料等を収受していない場合、非課税となります。

(4)店舗等併設住宅については、住宅部分のみが非課税とされますので、その家賃については住宅部分と店舗部分とを合理的に区分することとなります。

<住宅の貸付けの範囲>
(1)住宅の貸付けとして非課税となるのは、その貸付けに係る契約において住宅用に供することが明らかにされているものや、契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかなものに限られます。

(2)次に該当する場合は非課税となる住宅の貸付けから除かれます。
イ.貸付期間が1か月未満の場合
ロ.旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合
(注)
例えば、旅館、ホテル、貸別荘、リゾートマンション、ウィークリーマンション等は、その利用期間が1か月以上となる場合であっても、非課税とはなりません。
また、住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業(いわゆる民泊)も、旅館業法に規定する旅館業に該当しますので、非課税の対象となりません。

<対価たる家賃の範囲>
(1)家賃には、月決め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分を含みます。

(2)共同住宅における共用部分に係る費用(エレベーターの運行費用、廊下等の光熱費、集会所の維持費等)を入居者が応分に負担する、いわゆる共益費も家賃に含まれます。
(注)
入居者から家賃とは別に収受する専有部分の電気、ガス、水道等の利用料は、非課税とされる家賃には含まれません。

(3)「まかない」などのサービスが伴う下宿、有料老人ホーム等の場合、まかないなどのサービス部分は課税となり、部屋代部分は非課税となります。

<転貸する場合の取扱い>
住宅用の建物を賃貸する場合において、賃借人が自ら使用しない場合であっても、その賃貸人と賃借人との間の契約において、賃借人が住宅として転貸することが明らかな場合には、住宅の貸付けとして非課税とされます。
なお、賃貸人と賃借人との間の契約においてその貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、例えば、次のような場合には、その貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合に該当し、住宅の貸付けとして非課税とされます。

(1)住宅の賃借人がその住宅を第三者に転貸している場合であって、その賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合

(2)住宅の賃借人がその住宅を第三者に転貸している場合であって、その賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされていないが、その転借人が個人であって、その住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合

<用途変更の場合>
住宅として貸し付けられた建物について、契約当事者間で住宅以外の用途に契約変更した場合には、契約変更後のその建物の貸付けは課税の対象となります。

★リンクはこちら⇒ 住宅の貸付け

2025年3月17日


地金が消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当するとした事例

令和3年3月1日から令和4年2月28日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却
令和6年4月25日裁決

<ポイント>
本事例は、金地金の売買が請求人の事業目的から離れたところで行われたものとはいえず、請求人が当該金地金を取得した時点においてこれを売却する方針を有していたことから、当該金地金は消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当すると判断したものである。

<要旨>
請求人は、金地金の売買を反復継続して行うものではないから、金地金の売買が請求人の営業に当たることはなく、請求人が消費税を納める義務が免除されることとなった課税期間の初日の前日において保有していた金地金(本件金地金)は消費税法第36条《納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整》第5項に規定する「棚卸資産」に該当しない旨主張する。

しかしながら、消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当するか否かについては、会計処理のみにより形式的に判断するのではなく、判断の対象とされている資産と事業者の属性及び事業目的との関係、当該資産の取得時の使用・収益・処分に係る方針等といった客観的な事実に基づき、事業者が、通常の営業過程、すなわち、その事業目的に係る業務の過程において売却することを目的として保有する資産に当たるといえるかどうかにより実質的に判断するのが相当である。

そして、請求人が行う金地金の売買に係る取引額が、いずれも、請求人の事業規模に照らして大きなものである等、請求人の事業に及ぼす影響が大きいことからすると、請求人における金地金の売買は、補助ないし付随的な活動とはいえず、定款に明示的に掲げられた事業目的そのものではないとしても、事業目的から離れたところで行われているものとはいえないから、本件金地金は、請求人の事業目的に係る取引の客体にほかならないと認められる。

また、本件金地金の取得から売却に至る経緯及び本件金地金を取得するための借入金を返済するためには本件金地金を売却する必要があったこと等からすると、請求人は、本件金地金を取得した時点において、将来、これを売却する方針を有していたと認められる。

これらの事実に基づけば、請求人は、その事業目的に係る業務の過程において売却することを目的として本件金地金を保有していたものと認められるから、本件金地金は消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当する。

★リンクはこちら⇒ 地金が消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当するとした事例

2025年3月13日


商品券やプリペイドカードなど

<商品券やプリペイドカードなどの譲渡>
商品券、ギフト券、旅行券のほかテレホンカードなどのいわゆるプリペイドカードの譲渡は、物品切手等の譲渡として非課税とされています。

(注)
商品券などの譲渡に課税すると、最終的に提供を受ける商品やサービスが同じ一つのものであるにもかかわらず、二重に課税されることになります。

したがって、このような二重課税を避けるために商品券などの譲渡には課税しないことになっています。

<商品券やプリペイドカードを使用して商品を購入等した場合>
(1)課税仕入れの時期
商品券など物品切手等を用いる取引では、物品切手等の購入は非課税とされ、後日、物品切手等を使って実際に商品を購入したり、サービスの提供を受けた時が課税の時期となります。

すなわち、仕入れに含まれる消費税額の控除は、商品券などを購入した時ではなく、後日その商品券などを使って実際に商品の購入またはサービスの提供を受けた者が、その時に行うことになります。

なお、事業者が商品券などの物品切手等を自ら使用する場合で、その物品切手等が、商品やサービスの引換給付を受ける相手方(適格請求書発行事業者)により回収されるものであるときは、継続して当該物品切手等を購入した日の属する課税期間の課税仕入れとしていることを条件として、その経理処理が認められることになります。

(2)課税仕入れに係る支払対価の額
事業者が商品券などの物品切手等を商品やサービスの引換給付を受ける相手方から直接購入した場合において、当該物品切手等による引換給付として行った課税仕入れの際に、当該物品切手がその引換給付を受ける相手方(適格請求書発行事業者)により回収されるものであるときにおける当該課税仕入れに係る支払対価の額は、引換を受けた商品やサービスの価格ではなく、その物品切手等の購入に要した金額となります。

<チケット業者の取扱い>
チケット業者が販売する郵便切手、印紙、証紙は非課税取引とはなりませんが、物品切手等の販売は非課税取引になります。

★リンクはこちら⇒ 商品券やプリペイドカードなど

2025年2月28日


地代、家賃や権利金、敷金など

<地代>
土地の譲渡や貸付けは、消費税の課税の対象とならないこととされています(非課税取引)。

なお、土地の貸付けのうち、貸付けに係る期間が1か月に満たない場合および駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税にはなりません。

土地には、土地の上に存する権利も含まれます。

土地の上に存する権利とは、地上権、土地の賃借権、地役権、永小作権などの土地の使用収益に関する権利をいいます。

<家賃>
事務所などの建物を貸し付ける場合の家賃は課税の対象となります。

この場合、家賃を土地部分と建物部分とに区分している場合でも、その総額が建物の貸付けの対価として取り扱われます。

なお、住宅の貸付けは、貸付期間が1か月に満たない場合などを除き非課税となります。

ただし、契約において住宅用であることが明らかにされているものや、契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかなものに限られます。

<権利金、敷金などの取扱い>
(1)地上権、土地の賃借権の設定に伴い授受される更新料や名義書換料は、土地の貸付けまたは土地の上に存する権利の設定の対価として、非課税となります。

(2)事業用の建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料などのうち、返還しないものは、権利の設定の対価となりますので、資産の譲渡等の対価として課税の対象となり、契約の終了により返還される保証金や敷金などは、資産の譲渡等の対価に該当しないので、課税の対象にはなりません。

ただし、上記の住宅に係る賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料などのうち、返還しないものは非課税となります。

★リンクはこちら⇒ 地代、家賃や権利金、敷金など

2025年2月14日


預金や貸付金の利子など

消費税は、財貨やサービスの流れを通して消費に負担を求める税です。したがって、消費税の課税の対象になじまない資金の流れに関する取引などは非課税とされています。

<非課税となる取引>
具体的には、次のものを対価とする金融取引などが非課税とされています。

1 預貯金や貸付金の利子
2 国債、地方債、社債、新株予約権付社債、投資法人債券の利子
3 国際通貨基金協定に規定する特別引出権の利子
4 信用の保証料
5 合同運用信託、公社債投資信託(株式または出資に対する投資として運用しないものに限ります。)または公社債等運用投資信託の信託報酬
6 保険料(厚生年金基金契約等に係る事務費用部分を除きます。)
7 保険料に類する共済掛金
8 集団投資信託、法人課税信託または退職年金信託もしくは特定公益信託の収益の分配金
9 相互掛金または定期積金の給付補填金
10 無尽契約の掛金差益
11 抵当証券(これに類する外国の証券を含みます。)の利息
12 割引債(利付債を含みます。)の償還差益
13 手形の割引料
14 金銭債権の買取または立替払に係る差益
15 有価証券(登録国債等を含み、ゴルフ場利用株式等を除きます。)の賃貸料
16 物上保証料
17 割賦販売法に基づく割賦販売、ローン提携販売、包括信用購入あっせんまたは個別信用購入あっせんの手数料(契約においてその額が明示されているものに限ります。)
18 割賦販売などに準ずる方法により資産の譲渡等を行う場合の利子または保証料相当額(契約においてその額が明示されている部分に限ります。)
19 動産または不動産の貸付けを行う信託で、貸付期間の終了時に未償却残額で譲渡する旨の特約が付されたものの利子または保険料相当額で契約において明らかに区分されている部分の金額 (契約において明示されている部分に限ります。)
20 いわゆるファイナンス・リースのリース料のうち、利子または保険料相当額(契約において利子または保険料の額として明示されている部分に限ります。)

★リンクはこちら⇒ 預金や貸付金の利子など

2025年2月12日


社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に係る非課税範囲

(1)社会福祉法に規定する社会福祉事業および更生保護事業法に規定する更生保護事業として行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、消費税が非課税となります。

(2)また、次に掲げる資産の譲渡等についても、社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に類するものとして、消費税が非課税となります。

児童福祉法に規定する児童福祉施設を経営する事業として行われる資産の譲渡等および同法に規定する保育所を経営する事業に類する事業として行われる資産の譲渡等(平成17年厚生労働省告示第128号に定める資産の譲渡等)
児童福祉法の規定に基づき指定発達支援医療機関が行う一定の治療等
児童福祉法に規定する一時保護
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定に基づき独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園がその設置する施設において行う同法に規定する介護給付費等の支給に係る施設障害福祉サービスおよび知的障害者福祉法の規定に基づき同園がその設置する施設において行う同法の更生援護
介護保険法に規定する包括的支援事業として行われる資産の譲渡等(社会福祉法に規定する老人介護支援センターを経営する事業に類する事業として行われる資産の譲渡等(平成18年厚生労働省告示第311号に定める資産の譲渡等)に限る)
子ども・子育て支援法の規定に基づく施設型給付費等の支給に係る事業として行われる資産の譲渡等
母子保健法に規定する産後ケア事業として行われる資産の譲渡等
老人福祉法に規定する老人居宅生活支援事業および障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害福祉サービス事業のうち一定の事業として行われる資産の譲渡等

(3)さらに、上記(2)チに掲げる事業に類するものとして、次に掲げる事業のうち、その要する費用の2分の1以上が国または地方公共団体により負担される事業として行われる資産の譲渡等(平成3年厚生省告示第129号に定める資産の譲渡等)についても、消費税が非課税となります。
イ.身体障害者、知的障害者または精神障害者等(注1)に対して行う次に掲げる事業

(イ) 居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜を供与する事業
(ロ) 施設に通わせ、入浴、食事の提供、機能訓練、介護方法の指導その他の便宜を供与する事業
(ハ) 居宅において介護を受けることが一時的に困難になった者を、施設に短期間入所させ、養護する事業

ロ.身体障害者、知的障害者または精神障害者(注2)が共同生活を営むべき住居において食事の提供、相談その他の日常生活上の援助を行う事業

ハ.原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に規定する被爆者であって、居宅において介護を受けることが困難な者を施設に入所させ、養護する事業

ニ.身体に障害がある児童等(注3)に対してその者の居宅において入浴の便宜を供与する事業

ホ.身体に障害がある児童等(注3)に対してその者の居宅において食事を提供する事業

(注1)
身体に障害のある18歳に満たない者、知的障害の18歳に満たない者、身体障害者福祉法に規定する身体障害者、知的障害者、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する精神障害者(発達障害のある方を含む)、身体上もしくは精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障のある65歳以上の者等(これらの者を現に介護または養護する者を含む)、母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定する配偶者のない女子もしくはその者に現に扶養されている20歳に満たない者、65歳以上の者等のみにより構成される世帯に属する者、同法に規定する配偶者のない男子に現に扶養されている20歳に満たない者もしくはその者を扶養している当該配偶者のない男子または父および母以外の者に現に扶養されている20歳に満たない者もしくはその者を扶養している者

(注2)
身体障害者福祉法に規定する身体障害者、知的障害者、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する精神障害者(発達障害のある方を含む)

(注3)
身体に障害がある児童、身体障害者福祉法に規定する身体障害者、身体上もしくは精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障のある65歳以上の者等または65歳以上の者等のみにより構成される世帯に属する者

(注4)
消費税が非課税となるかどうかを判断するに当たり、その事業が社会福祉法に規定する社会福祉事業等に該当するか否かについて疑義が生じた場合には、その事業を実施する地方公共団体等にご確認下さい。

★リンクはこちら⇒ 社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に係る非課税範囲

2025年2月6日


身体障害者用物品に該当する自動車

(1)乗用自動車のうち非課税となるものは、身体障害者の使用に供するものとして特殊な性状、構造または機能を有する次の自動車です。

身体障害者による運転に支障がないよう、道路交通法第91条《免許の条件》の規定により付される運転免許の条件の趣旨に従い、その身体障害者の身体の状態に応じて、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段が講じられている自動車
車椅子および電動車椅子(以下「車椅子等」といいます。)を使用する者を車椅子等とともに搬送できるよう、車椅子等昇降装置を装備し、かつ、車椅子等の固定等に必要な手段を施した自動車(乗車定員11人以上の普通自動車については、車椅子等を使用する者を専ら搬送するものに限ります。)

(2)(1)に該当する自動車であれば、その譲渡、貸付けおよび製作の請負と、次の修理が非課税とされます。

(1)イの補助手段に係る修理
(1)ロの車椅子等昇降装置および必要な手段に係る修理

(注1)
他の者から委託を受けて一般自動車を非課税対象となる自動車に改造する行為は、製作の請負に該当し、非課税となります。

(注2)
改造代金のみならず、改造をした自動車の譲渡代金が非課税となりますが、例えば、いったん一般自動車を購入し、その後改造を行う場合には、当初の一般自動車の購入は課税となり、改造代金についてのみ非課税となります。

(注3)
補助手段の部品や装置自体の譲渡は非課税とはなりません。

★リンクはこちら⇒ 身体障害者用物品に該当する自動車

2025年1月31日


駐車場の使用料など

<土地の一時的貸付け>
土地の譲渡や貸付けは、消費税が非課税となります。

しかし、土地の貸付けであっても、貸付期間が1か月に満たない場合は、消費税が課されます。

<駐車場、野球場等の貸付け>
駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合は、消費税が課されます。

したがって、駐車している車両の管理を行っている場合や、駐車場としての地面の整備またはフェンス、区画、建物の設置などをして駐車場として利用させる場合には、消費税が課されます。

このほか、建物や野球場、プールまたはテニスコートなどの施設の利用に伴って土地が使用される場合も消費税が課されます。

<建物部分と敷地部分の区分>
建物(住宅を除きます。)などの施設の貸付けをする場合に、その使用料を建物部分と敷地部分とに区分しているときでも、その総額が建物の使用料として消費税が課されます。

<住宅の貸付け>
契約において住宅用であることが明らかにされている場合や貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合には、その住宅の貸付けは、貸付期間が1か月に満たない場合や、旅館業法第2条1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合を除き消費税が非課税となります。

★リンクはこちら⇒ 駐車場の使用料など

2025年1月17日


国外取引

国外取引や三国間貿易などの消費税の課税関係については、次のとおりです。

<国外取引>
国外取引については、消費税は課税されません(不課税)。

国内取引か国外取引かの判定(内外判定)は、次によります。
イ.資産の譲渡または貸付けの場合
資産の譲渡または貸付けの場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その譲渡または貸付けが行われる時においてその資産が所在していた場所で国内取引かどうかを判定します。

ロ.役務の提供の場合
役務の提供の場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その役務の提供が行われた場所で、国内取引かどうかを判定します。

(注)
電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供(電気通信利用役務の提供)については、当該役務の提供を受ける者の住所等で国内取引かどうかを判定します。

これにより、国内に住所等を有する者に提供する「電気通信利用役務の提供」については、国内、国外いずれから提供を行っても課税対象となります。

詳しくはコード6118「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係」についてをご参照ください。

<三国間貿易>
事業者が国外において購入した資産を国内に搬入することなく他へ譲渡するいわゆる三国間貿易の場合は、国外に所在する資産の譲渡であり国外取引に該当しますので、その経理処理のいかんに関わらず課税の対象とはなりません。

<国内および国外にわたって行われる役務の提供>
例えば、国内の事業者から特定国の市場調査を請け負い、国外で市場調査を行い、日本で調査結果を分析し報告書を作成する取引は、国内および国外にわたって行われる役務の提供に該当し、国内対応部分と国外対応部分の対価が契約において合理的に区分されている場合は、その区分されているところによりますが、それぞれの対価が合理的に区分されていない場合には、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地で内外判定を行います。

★リンクはこちら⇒ 国外取引

2025年1月15日


非課税と不課税の違い

<不課税取引>
消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引です。

これに当たらない取引には消費税はかかりません。

これを一般的に不課税取引といいます。

例えば、国外取引、対価を得て行うことに当たらない寄附や単なる贈与、出資に対する配当などがこれに当たります。

<非課税取引>
国内において事業者が事業として対価を得て行う取引であっても、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。

これを非課税取引といいます。

例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。

<課税売上割合の計算上の非課税と不課税の違い>
非課税取引と不課税取引では、消費税が課税されないことは同じですが、課税売上割合の計算においてその取扱いが異なります。

課税売上割合は、分母を総売上高(課税取引、非課税取引および免税取引の合計額)とし、分子を課税売上高(課税取引および免税取引の合計額)としたときの割合です。

非課税取引は、原則として分母のみに算入しますが、これに対して、不課税取引は、そもそも消費税の適用の対象にならない取引ですから、分母にも分子にも算入しません。

★リンクはこちら⇒ 非課税と不課税の違い

2025年1月10日


非課税と免税の違い

非課税と免税は、その取引のために行った課税仕入れについて仕入税額の控除を行うことができるかどうかという点が異なります。

<非課税取引>
消費税は国内で消費される財貨やサービスに対して広く公平に負担を求める税金です。原則として国内におけるすべての取引が課税の対象となります。

しかし、国内取引であっても消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引があり、これを「非課税取引」といいます。

例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。

非課税とされる取引には消費税が課税されませんので、非課税取引のために行った課税仕入れについては、原則としてその仕入れに係る消費税額を控除することができません。

<免税取引>
消費税では、非課税取引のほかにも、消費税が免除される「免税取引」があります。

例えば、商品の輸出や国際輸送、外国にある事業者に対するサービスの提供などのいわゆる輸出類似取引などです。

この場合には、輸出証明書を保管するなど、一定の要件を備えている必要があります。

免税とされる輸出や輸出類似取引は、課税資産の譲渡等に当たりますが、一定の要件が満たされる場合に、その売上げについて消費税が免除されるものです。

したがって、その輸出や輸出類似取引などの免税取引のために行った課税仕入れについては、原則として仕入れに係る消費税額を控除することができることとなります。

★リンクはこちら⇒ 非課税と免税の違い

2024年12月13日


消費税還付申告に関する国税当局の対応について(令和6年11月)

消費税は、輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合、ないしは多額の設備投資を行った場合などに、還付申告書を提出することで還付金を受けることができる仕組みとなっています。

多くの納税者の方々が正しく申告をする一方、そのような消費税の仕組みを悪用し、実際に取引をしたように見せかけるなど、虚偽の内容で申告書を提出して、消費税の還付を不正に受けようとする事案も発生しています。

消費税の還付申告の中には、上記のような不正還付事案の他にも、各取引に関する課税取引や非課税取引といった区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられます。

そのため、国税当局としては、各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留しつつ、還付申告の原因を確認するため、行政指導において、証拠書類(例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイス等の写し、設備投資である場合には契約書や請求書等の写しのほか、取引実態の確認できる資料)の提出をお願いすることや、税務調査を実施する場合もあります。

還付申告の原因の確認に当たっては、個別具体的な各種の事情に応じた対応を行うことから、例えば、課税仕入れや免税取引等の相手方と連絡が取れないことなどにより取引の実態の確認が困難である場合や、取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合、輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などにおいては、それらの確認に時間を要し、還付を保留する期間が長期にわたる場合があります。

国税当局としては、可能な限り速やかに上記の実態の確認等に努めるとともに、これらの結果、還付税額が過大と認められる事由がないことが判明した場合には、遅滞なく還付を行うこととしていますので、納税者の皆様のご理解とご協力をお願いします。

★リンクはこちら⇒ 消費税還付申告に関する国税当局の対応について(令和6年11月)

2024年12月11日


非課税となる取引

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています。

しかし、これらの取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。

<主な非課税取引>

(1) 土地の譲渡および貸付け
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付けおよび駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。
(2) 有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。
(3) 支払手段(注)の譲渡
銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。
(注)
支払手段に類するものとして、資金決済に関する法律第2条に規定する電子決済手段及び暗号資産(令和2年4月までは「仮想通貨」という名称が用いられていました。)及び電子決済手段の譲渡も非課税となります。
(4) 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など
(5) 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡
(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。
(8) 外国為替業務に係る役務の提供
(9) 社会保険医療の給付等
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など
ただし、美容整形や差額ベッドの料金および市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。
(10) 介護保険サービスの提供等
介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど
ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。
(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供等
社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供など
(12) 助産
医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供等
(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等
義肢、視覚障害者安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車椅子、身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造または機能を有する自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負およびこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの
(15) 学校教育
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など
(16) 教科用図書の譲渡
(17) 住宅の貸付け

契約において人の居住の用に供することが明らかにされているもの(契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかなものを含みます。)に限られます。
ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。

★リンクはこちら⇒ 非課税となる取引

2024年12月9日


消費税の軽減税率制度

令和元年10月1日から、消費税および地方消費税の税率が8パーセントから10パーセントへ引き上げられ、この税率引き上げと同時に消費税の軽減税率制度が実施されました。

<消費税率および地方消費税率>
令和元年10月1日(適用開始日)以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れおよび保税地域から引き取られる課税貨物に適用される税率は、次のとおりとなります。

  • 標準税率は10パーセント(消費税率7.8パーセント、地方消費税率2.2パーセント)です。
  • 軽減税率は8パーセント(消費税率6.24パーセント、地方消費税率1.76パーセント)です。

<軽減税率の対象となる品目>
軽減税率が適用されるのは、次の対象品目の譲渡(販売)です。
(1)飲食料品(酒類を除く)
飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(注1)をいい、一定の一体資産(注2)を含みます。

なお、外食やケータリング等(注3)は軽減税率の対象には含まれません。

(注1)
食品表示法に規定する食品とは、人の飲用または食用に供されるものをいい、医薬品、医薬部外品および再生医療等製品が含まれず、食品衛生法に規定する添加物が含まれます。

(注2)
一体資産とは、例えば、おもちゃ付きのお菓子など、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているものをいいます。一体資産のうち、税抜価額が1万円以下であって、食品の価額の占める割合が3分の2以上の場合に限り、その全体が軽減税率の対象となります(それ以外は全体が標準税率の対象となります)。

(注3)
外食とは、飲食店業等の事業を営む者が飲食に用いられる設備がある場所において行う食事の提供をいいます。
ケータリング等とは、相手方が指定した場所において行う加熱、調理または給仕等の役務を伴う飲食料品の提供をいいます。

(2)新聞
軽減税率の対象となる新聞とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもの(定期購読契約に基づくものに限ります。)をいいます。

<適用税率の判定時期>
軽減税率が適用される取引か否かの判定は、事業者が課税資産の譲渡等を行うとき(飲食料品を提供する時点)で行うことになります。

販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合には、顧客がそれ以外の目的で購入し、又はそれ以外の目的で使用したとしても、その取引は「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

<帳簿および請求書等の記載と保存>
消費税等の税率が標準税率(10パーセント)と軽減税率(8パーセント)の複数税率となっていますので、事業者は、消費税等の申告等を行うために、取引等を税率の異なるごとに区分して記帳するなどの経理(以下「区分経理」といいます。)を行う必要があります。

令和5年10月1日から、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が開始し、仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿および税務署長に申請して登録を受けた課税事業者(適格請求書発行事業者)から交付を受けた「適格請求書(インボイス)」などの請求書等の保存が必要です。

適格請求書には、「登録番号」、「適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額等」などの法定記載事項を記載する必要があります。

ただし、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

この経過措置の適用を受けるためには、次の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が必要となります。

  • 帳簿:区分記載請求書等保存方式の記載事項に加え、「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」
  • 請求書等:区分記載請求書等と同様の記載事項

(参考)区分記載請求書等保存方式
令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間において、消費税の仕入税額控除を適用するためには、区分経理に対応した帳簿および請求書等(区分記載請求書等)の保存が要件となっていました(区分記載請求書等保存方式)。

適格請求書等保存方式とは異なり、免税事業者であっても、課税事業者に対して軽減税率の対象となる商品を販売する場合には、相手方に対して区分記載請求書等を交付することができました。

<税額計算の特例(参考)>
消費税額は税率ごとに計算しますが、売上げを税率ごとに区分することにつき困難な事情がある中小事業者(注)については、令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間において、税額計算の特例を用いて売上税額を計算することができます。

(注)
中小事業者とは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者をいいます。

詳しくは、特設ページ「消費税の軽減税率制度」をご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 消費税の軽減税率制度

2024年12月5日


前受金や前払金などがあるとき

消費税の課税資産の譲渡等や課税仕入れの時期は、所得税や法人税の場合と同じように、原則として資産の引渡しやサービスの提供があった時とされています。

したがって、例えば、工事代金の前受金を受け取ったり、機械の購入について前払金を支払っていたとしても、その受取や支払の時期に関係なく、実際に引渡しやサービスの提供があった時が売上げや仕入れの時期となります。

同じように、未収金や未払金がある時も、その代金の決済の時期に関係なく、資産の引渡しやサービスの提供があった時が売上げや仕入れの時期になります。

なお、前払費用のうち、所得税または法人税の取扱いによりその支出した年度において必要経費の額または損金の額に算入している短期前払費用は、その支出した課税期間の課税仕入れとして取り扱われます。

(注)
個人事業者で所得税法第67条の規定により、現金主義による所得計算の特例の適用を受ける者(小規模事業者等)の資産の譲渡等および課税仕入れを行った時期は、その資産の譲渡等にかかる対価の額を収入した日およびその課税仕入れにかかる費用の額を支出した日とすることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。

★リンクはこちら⇒ 前受金や前払金などがあるとき

2024年12月3日


リース取引についての消費税の取扱いの概要

<リース取引の賃貸人における処理>
(1)原則的な処理方法
所得税法または法人税法の規定により売買があったものとされるリース取引(以下「リース取引」といいます。)については、原則として、賃貸人が賃借人にその取引の目的となる資産(以下「リース資産」といいます。)の引渡し(以下「リース譲渡」といいます。)を行った日に資産の譲渡があったことになります。

したがって、事業者が行ったリース譲渡が課税資産の譲渡等に該当する場合には、そのリース資産の譲渡対価の全額がその引渡しを行った日の属する課税期間における資産の譲渡等の対価の額に含まれます。

(2)リース譲渡に係る譲渡等の時期の特例
事業者がリース取引について所得税法または法人税法の所得金額の計算において延払基準の方法により経理することにより、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます。

この場合には、リース譲渡をした日の属する課税期間においてリース料の支払期日の到来しないものに係る部分については、その課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなしてその部分に係る対価の額をその課税期間におけるリース譲渡に係る対価の額から控除することができます。

また、リース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなされた部分は、その翌課税期間以後、そのリース料の支払期日の到来する日の属する課税期間において資産の譲渡等を行ったものとみなされます。

(注)
「延払基準の方法」については、コード5703「リース取引の賃貸人における収益及び費用の計上方法(平成20年4月1日以後契約分)」を参照してください。

<リース取引の賃借人における処理>
リース取引による資産の譲受けが課税仕入れに該当する場合には、その課税仕入れを行った日はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。

したがって、その課税仕入れについては、そのリース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間において仕入税額控除の規定の適用を受けることになります。

(注1)
リース取引の賃貸人が上記リース取引の賃貸人における処理の(2)のリース譲渡に係る譲渡等の時期の特例の適用を受ける場合であっても、そのリース取引の賃借人の課税仕入れの時期はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。

(注2)
リース取引の契約においてリース料のうち利子に相当する部分とそれ以外の部分に区分表示されている場合には、利子に相当する部分は非課税となりますので、その部分は課税仕入れとはなりません。

(注3)
賃借人が所有権移転外リース取引に係るリース資産につき、賃貸借取引として会計処理している場合には、「所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い」を参照してください。

(注4)
所有権移転外リース取引については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

★リンクはこちら⇒ リース取引についての消費税の取扱いの概要

2024年11月27日


延払基準、工事進行基準を用いているとき

消費税の納税義務の成立の時期は、資産の譲渡等の時とされていますが、所得税や法人税の申告に当たって、延払基準や工事進行基準により経理処理が行われ収入計上されている場合は、消費税でもこれらの基準によって申告を行うことができます。

<リース譲渡を行った場合の延払基準>
事業者がリース取引について所得税法または法人税法の所得金額の計算において延払基準の方法により経理することにより、リース譲渡にかかる資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。

この場合は、その課税期間において支払期限の到来しない賦払金の部分については、現実に支払を受けたものを除き、その課税期間において資産の譲渡等はなかったものとすることができます。

この資産の譲渡等はなかったものとした部分は、支払期限の到来したときに資産の譲渡等が行われたものとされます。

(注1)
リース取引についてこの取扱いの適用を受ける場合、コード6163「リース取引についての消費税の取扱いの概要」を参照してください。

(注2)
長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例は、平成30年4月1日から廃止されました(リース譲渡については、引き続き、延払基準による計上に関する特例の措置が設けられています。)。

なお、長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例の廃止にあたっては、以下の経過措置が設けられています。

1 平成30年4月1日(施行日)前に特定長期割賦販売等(長期割賦販売等からリース譲渡を除いたもの。)を行った事業者(施行日前に行われた特定長期割賦販売等に係る契約の移転を受けた事業者を含みます。)は、令和5年3月31日以前に開始する各事業年度に含まれる各課税期間(個人事業者の方は、令和5年12月31日以前に開始する各課税期間)については、延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算することができます。なお、当該経過措置の適用を受ける特定長期割賦販売等のうち、令和5年3月31日以前に開始した事業年度に含まれる各課税期間(個人事業者の方は、令和5年12月31日以前に開始した各課税期間)において、資産の譲渡等を行ったものとしなかった部分がある場合には、令和5年3月31日後最初に開始する事業年度終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、令和6年12月31日の属する課税期間)に資産の譲渡等を行ったものとみなされます。
2 1の経過措置の適用を受ける特定長期割賦販売等について、長期割賦販売等に係る特例の適用を受けないこととした場合や所得税、法人税において延払基準の方法による経理をやめた場合には、賦払金残額についてそれぞれ、その適用を受けないこととした課税期間または延払基準の方法による経理をやめた事業年度終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、その適用を受けないこととした課税期間または延払基準の方法による経理をやめた年の12月31日の属する課税期間)に資産の譲渡等を行ったものとみなされます。
3 法人税または所得税における経過措置(10年均等取崩特例)の規定の適用を受けようとするときは、当該規定の適用による各事業年度の益金の額に算入される収益の額または各年の総収入金額に算入される金額に係る部分については、当該規定の適用を受ける事業年度の終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、当該規定の適用を受ける年の12月31日の属する課税期間)において、資産の譲渡等を行ったものとみなすことができることとされており、賦払金の残額について所得税または法人税と同様に10年間の均等計上を行うことができることとされています(この場合には、その規定の適用を受けようとする最初の課税期間に係る申告書にその旨を付記するものとされています。)。

<工事を請け負った場合の工事進行基準>
事業者が所得税法または法人税法の所得金額の計算において工事進行基準の方法により経理することにより、工事の請負にかかる資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。

この場合は、その課税期間において売上処理した金額の部分については、その課税期間に資産の譲渡等を行ったこととすることができます。

また、工事進行基準により経理を行っていたものについて、その後その経理を行わないこととした場合の取扱いは、所得税または法人税の取扱いと同様になります。

なお、所得税または法人税の申告に当たって、工事進行基準による経理処理が行われ収入計上されている場合でも、消費税については原則どおり資産の譲渡等の時を基準として申告することも認められます。

したがって、所得税または法人税の申告に当たって、工事進行基準により経理しなければならない長期大規模工事の場合であっても、消費税については実際の資産の譲渡等の時を基準として申告することが認められます。

★リンクはこちら⇒ 延払基準、工事進行基準を用いているとき

2024年11月25日


課税の対象とならないもの(不課税)の具体例

国内において事業者が事業として(注1)対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供(以下「資産の譲渡等」といいます。)は、消費税の課税の対象となります。

したがって、国外で行われる取引や、資産の譲渡等に該当しない取引は課税の対象となりません。

(注1) 事業者が事業として行う取引

「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業として行う取引となります。

(注2) 対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売などをして反対給付を受けることをいいます。
すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。

<具体例>

(1) 給与・賃金
雇用契約に基づく労働の対価であり、事業者が事業として行う取引(注1)ではないからです。
(2) 寄附金、祝金、見舞金、国または地方公共団体からの補助金や助成金等
一般的に対価を得て行う(注2)取引ではないからです。
(3) 無償による試供品や見本品の提供
対価を得て行う取引(注2)ではないからです。
(4) 保険金や共済金
資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。
(5) 株式の配当金やその他の出資分配金
株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであり、資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。
(6) 資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合
資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。
(7) 心身または資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金
対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。ただし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引であり、課税の対象となります。
イ.損害を受けた製品などの棚卸資産が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合
ロ.無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合
ハ.事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合

★リンクはこちら⇒ 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例

2024年11月21日


役務の提供の具体例

国内において事業者が事業として対価を得て行う役務の提供(サービスの提供)は、消費税の課税の対象となります。

この「役務の提供(サービスの提供)」とは、請負契約、運送契約、委任契約、寄託契約などに基づいて労務、便益その他のサービスを提供することをいいます。

また、税理士、公認会計士、作家、スポーツ選手、映画監督、棋士などによる、その専門的知識、技能に基づく役務の提供もこれに含まれます。

<具体例>
・土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、技術援助、情報の提供、便益、出演、著述は、役務の提供に該当します。

・弁護士、公認会計士、税理士、作家、スポーツ選手、映画監督、囲碁や将棋の棋士による専門的知識、技能に基づく役務の提供は、役務の提供に該当します。

なお、信用の保証、保険、登記・検査・裁判などの公共サービスといった消費税の性格からみて課税対象とすることになじまない役務の提供のほか、一定の医療、教育といった社会政策的な配慮から課税することが適用でない役務の提供は、非課税となっています。

★リンクはこちら⇒ 役務の提供の具体例

2024年11月18日


資産の貸付けの具体例

<概要>
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の貸付けは、消費税の課税の対象となります。

この「資産の貸付け」とは、事務所の賃貸借や自動車のレンタルなど賃貸料を受け取る一般の資産の貸付けだけでなく、資産に係る権利の設定のほか他人に資産を使用させる一切の行為(電気通信利用役務の提供に該当するものを除きます。)を含むものとされています。

事業として行われる資産の貸付けは、通常の貸付けのほか使用や利用も含まれます。

また、資産を貸し付けたときや利用させるときに、権利金や保証金などの名目で金銭を受け取ることがあります。これらのうち、契約の終了に際して返還する必要のない金銭は、資産の貸付けの対価として課税の対象になります。

なお、いわゆる無償の貸付けなど対価を受け取らないで行うものは課税されません。

<具体例>

自動車などの有形資産の貸付けのほか、特許権、実用新案権、ノウハウなどの無形の資産を利用させることは、資産の貸付けに該当します。
保養所などの福利厚生施設を割安な料金で社員に利用させる場合や音楽、デザインなどの著作物を使用させる場合は、資産の貸付けに該当します。

なお、土地の貸付けや住宅の貸付けは、原則として非課税となっています。

★リンクはこちら⇒ 資産の貸付けの具体例

2024年11月11日


資産の譲渡の具体例

国内において事業者が事業として対価を得て行う資産(注)の譲渡は、消費税の課税の対象となります。

この「資産の譲渡」とは、資産につき同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。例えば、売買、代物弁済、交換、現物出資などにより、資産の所有権を他人に移転することをいいます。

資産の譲渡はその原因を問いませんので、例えば、他人の債務の保証を履行するために行う資産の譲渡または強制換価手続により換価された場合の資産の譲渡は、いずれも、事業として対価を得て行う資産の譲渡に該当します。

また、土地収用法その他の法律の規定に基づいてその所有権その他の権利を収用され、かつ、その権利を取得する者からその権利の消滅にかかる補償金を取得した場合は、対価を得て資産の譲渡を行ったものとされています。

なお、相続や時効により財産が移転した場合は、資産の譲渡には当たりません。

(注)
「資産」とは、販売用の商品、事業等に用いている建物、機械、備品などの有形資産のほか、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの権利やノウハウその他の無体財産権など、およそ取引の対象となるすべてのものをいいます。

<事業として対価を得て行う資産の譲渡とみなす場合>
次の場合には、その時点で、原則として、時価により譲渡したものとみなされ、消費税の課税の対象となります。

(1) 個人事業者が自己の販売する商品や事業に用いている資産を家庭で使用したり消費した場合
(2) 法人が自社の製品などをその役員に対して贈与した場合

【具体例】

商品の販売、事業等に用いている建物、機械、備品などの売却、特許権などの無体財産権の譲渡は、資産の譲渡に該当します。
代物弁済による資産の譲渡、負担付き贈与による資産の譲渡、資産の交換、金銭以外の資産の出資(現物出資)は、対価を得て行う資産の譲渡に該当します。
土地や建物が収用され、対価補償金を取得した場合は、対価を得て資産の譲渡を行ったものに該当します。

なお、土地、有価証券、郵便切手類、印紙、物品切手や一定の身体障害者用物品の譲渡は、原則として非課税となっています。

★リンクはこちら⇒ 資産の譲渡の具体例

2024年11月7日


納税義務の成立の時期

<国内取引の場合>
国内取引にかかる消費税の納税義務は、「課税資産の譲渡等をした時」又は「特定課税仕入れをした時」に成立します(注)。

納税義務はその都度成立しますが、申告や納付は課税期間ごとに行います。

課税資産の譲渡等の時期は、原則として、その取引の態様に応じた資産の引渡しの時または役務の提供の時となります。

その引渡しや役務の提供時期について取引の態様に応じて例示すると以下のとおりになります。
(1)棚卸資産の販売または固定資産の譲渡
棚卸資産の販売または固定資産の譲渡の時期は、原則としてその引渡しの日です。

(2)資産の貸付け
資産の貸付けについては、契約や慣習などにより支払日が定められている場合はその定められた支払日です。

(3)役務の提供
請負による役務の提供の時期は、原則として、物の引渡しを要する請負契約にあっては目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部の提供を完了した日です。

また、請負を除く人的役務の提供の時期は、原則としてその人的役務の提供を完了した日です。

(4)延払基準等
リース譲渡で延払基準を適用している場合や工事の請負で工事進行基準を適用している場合には、それらの基準に従って売上げを計上する日とすることができます。

(注)
課税資産の引渡しや役務の提供が行われる前に、前受金の収受が行われた場合には、前受金の収受の時にかかわらず、現実に課税資産の引渡しや役務の提供等をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。

また、未収金についても代金決済の時期に関係なく、課税資産の引渡しや役務の提供をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。

ただし、所得税法上の現金主義の適用を受けている小規模事業者は、対価を受領した日を資産の譲渡等の時期とすることができます。

<輸入取引の場合>
輸入取引の場合には、「課税貨物を保税地域から引き取る時」に消費税の納税義務が成立します。

★リンクはこちら⇒ 納税義務の成立の時期

2024年11月5日


課税期間

<課税期間>
個人事業者の課税期間は、1月1日から12月31日までの期間です。

年の中途で新たに事業を開始した場合や事業を廃止した場合においても、課税期間の開始の日は1月1日、終了の日は12月31日となります。

法人の課税期間は、その法人の事業年度です。

新たに法人を設立した場合には、課税期間の開始の日は設立の日、終了の日はその事業年度の末日となります。

なお、課税事業者は、課税期間ごとに、原則として、その課税期間の終了の日の翌日から2か月以内(個人事業者の12月31日の属する課税期間は翌年3月31日まで)に、納税地の所轄税務署長に消費税および地方消費税の確定申告書を提出するとともに、その申告に係る消費税額と地方消費税額を併せて納付しなければなりません。

<課税期間の特例>
課税期間は、特例として事業者の選択により、3か月ごとまたは1か月ごとに区分して短縮することができます。

個人事業者が課税期間を3か月ごとに短縮する場合には、1月1日から3月31日まで、4月1日から6月30日まで、7月1日から9月30日まで、10月1日から12月31日までの各期間を課税期間とすることができます。

また、課税期間を1か月ごとに短縮する場合には、1月1日から1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。

法人が課税期間を短縮する場合には、事業年度の初日から3か月または1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。(注1)

課税期間の特例の適用を受けようとするときや、既に課税期間の特例の適用を受けている事業者が他の課税期間の特例に変更しようとするときは、原則として、その特例の適用を受けようとするまたは変更しようとする短縮に係る課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。(注2)

また、課税期間の特例の適用を受けている事業者が、その適用をやめようとする場合には、課税期間の特例の適用をやめようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

なお、課税期間の特例の適用を受けた場合には、事業を廃止した場合を除き、2年間はその特例をやめることはできません。

(注1)
年または事業年度の途中でこの特例の適用を受けた場合は、課税期間の開始の日から適用開始の日の前日までの期間を、また、3か月ごとの課税期間の特例を適用している事業者が、1か月ごとの特例へ変更する場合は、課税期間の開始の日から変更後の課税期間の開始の日の前日までの期間を1つの課税期間とみなして確定申告をすることになります。

なお、年または事業年度の途中でこの特例の適用をやめた場合にも、その適用をしないこととした課税期間の末日の翌日から、その年の12月31日またはその事業年度の末日までが1つの課税期間となります。

(注2)
3か月ごとの課税期間から1か月ごとの課税期間へ変更する場合または1か月ごとの課税期間から3か月ごとの課税期間へ変更する場合は、変更前の特例の適用を受けた課税期間の開始の日から2年間はその特例を変更することはできません。

★リンクはこちら⇒ 課税期間

2024年10月31日


輸入する貨物の納税義務者

輸入する貨物については、その貨物を保税地域から引き取る時に消費税が課税されます。

輸入する貨物についての消費税の納税義務者は、その貨物を保税地域から引き取る者です。そして、この貨物を保税地域から引き取る者とは、輸入申告者のことです。

したがって、通関業務を通関業者に委託して輸入貨物を引き取る場合の納税義務者は、その通関業者ではなく、通関業務を委託した者となります。

<納税義務者>
輸入取引の場合の納税義務者は、国内取引の場合のように事業者に限定されず、また、事業者免税点制度などの規定も設けられていません。

したがって、事業者だけでなく給与所得者等も、外国貨物を輸入すれば消費税の納税義務者となります。

また、輸入とは、外国から我が国に到着した貨物または輸出の許可を受けた貨物を我が国に引き取ることをいいます。

したがって、一般的な貿易により輸入される貨物のほか、海外旅行からの帰国の際におみやげなどとして持ち帰ったものも課税の対象になります。

ただし、海外旅行から帰国したときに課税される輸入関税がいわゆる携帯品免税として免除されるものについては、消費税も免除になります。

なお、輸入する貨物についても地方消費税が課税されますから、保税地域から引き取る場合には、消費税と併せて地方消費税も税関長に納付する必要があります。

★リンクはこちら⇒ 輸入する貨物の納税義務者

2024年10月28日


共同企業体の納税義務

<概要>
建設工事や土木工事では、共同企業体、いわゆるジョイントベンチャーを組んで行われる場合があります。

この共同企業体は、通常、各構成員が共同企業体に対して出資を行い、その出資金の持分割合により、利益の分配を受けることになっています。

この共同企業体は、民法上の組合に当たりますので、消費税法上、共同企業体が行う資産の譲渡等や課税仕入れは、各構成員の利益の分配割合に応じて、それぞれの構成員に直接帰属することになります。

なお、法人税法上も共同企業体の損益は直接各構成員に帰属するものとして取り扱われます。

したがって、共同企業体が建設機材などの購入や請負った工事の目的物の引渡しを行ったときは、それぞれ各構成員の利益の分配割合に応じて、各構成員が課税仕入れや課税資産の譲渡等を行ったことになります。

<資産の譲渡等の時期>
共同事業において各構成員が行ったこととされる資産の譲渡等については、原則として、当該共同企業体として資産の譲渡等を行った時に各構成員が資産の譲渡等を行ったことになりますが、各構成員が、当該資産の譲渡等の時期を当該共同事業の計算期間(1年以内のものに限ります。)の終了する日の属する自己の課税期間において行ったものとして取り扱っている場合には、それも認められます。

なお、発注者から共同企業体が中間金などの名目で金銭を受領した場合に、その受領した金銭を出資金等の持分割合に応じて、各構成員に配賦金として分配したとしても、工事の発注者に対して目的物の引渡しがなされるまでは、単なる前受金でしかありませんから、消費税の課税関係は生じないことになります。

<適格請求書の発行>
共同企業体等の任意組合等が事業として行う課税資産の譲渡等については、その構成員の全てが適格請求書発行事業者であり、民法第670条第3項に規定する業務執行者などの業務執行組合員が、納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を提出した場合に限り、その任意組合等の事業として国内において行った課税資産の譲渡等について適格請求書を交付することができます。

★リンクはこちら⇒ 共同企業体の納税義務

2024年10月24日


国内取引の納税義務者

国内取引の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等および特定課税仕入れを行った事業者です。

この事業者とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

なお、法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めのあるもの(人格のない社団等)は、法人とみなされます。

したがって、事業を行っていない給与所得者などは消費税の納税義務者にはなりません。また、国や地方公共団体、公共法人、公益法人等などが資産の譲渡や貸付け、役務の提供を行う場合は、消費税の納税義務者となります。

<納税義務の免除>
消費税には事業者免税点制度が設けられており、基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます。

ただし、令和5年10月1日以後、適格請求書発行事業者として登録を受けた事業者については、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の納税義務は免除されません。

詳しくは、コード6501「納税義務の免除」およびコード6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」をご参照ください。

<高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例>
課税事業者が、高額特定資産または自己建設高額特定資産の仕入れ等を行った場合は、当該高額特定資産等の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から一定の期間について、事業者免税点制度の適用および簡易課税制度の選択が制限されます。

詳しくは、コード6502「高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例」をご参照ください。

<基準期間がない法人の納税義務の免除の特例>
新たに設立された法人については、設立当初の2年間は基準期間が存在しないことから、原則として免税事業者となります。

ただし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人や特定新規設立法人に該当する法人の場合、その基準期間のない事業年度については、納税義務は免除されません。

詳しくは、コード6503「基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」をご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 国内取引の納税義務者

2024年10月21日


納税義務者

消費税の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除きます。)および特定課税仕入れを行った事業者と外国貨物を保税地域から引き取る者です。

<国内取引の納税義務者>
国内取引の場合には、事業者は、非課税取引を除き、事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供について消費税の納税義務を負うことになっています。

このように、国内取引の消費税の納税義務者は事業者ですから、事業者でない者は納税の義務はありません。

事業者とは個人事業者(事業を行う個人)および法人をいい、法人には株式会社等の営利法人、公共法人、公益法人等のほか人格のない社団等も法人とみなされますので、これらの法人が課税資産の譲渡等を行う場合には納税義務者となります。

また、国や地方公共団体も事業者となり課税資産の譲渡等を行う限り納税義務者となります。

ただし、その課税期間の基準期間(個人事業者は前々年、法人は原則として前々事業年度)における課税売上高および特定期間における課税売上高等が1,000万円以下の事業者は、課税事業者となることを選択した場合や、適格請求書発行事業者として登録を受けている場合を除き、原則として、その課税期間の納税義務が免除されています(以下「事業者免税点制度」といいます。)。

詳細については、コード6125「国内取引の納税義務者」コード6501「納税義務の免除」を参照してください。

<特定課税仕入れにかかる納税義務者(リバースチャージ方式)>
消費税は、資産の譲渡等を行った事業者がその資産の譲渡等について申告・納付を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」の課税方式については、国外事業者からその役務の提供を受けた国内事業者が、その役務の提供に係る申告・納税を行う「リバースチャージ方式」が採られています。

(注)
「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」を「特定資産の譲渡等」といい、また、事業として他の者から受けた「特定資産の譲渡等」を「特定仕入れ」といいます。

この特定仕入れには消費税が課されます。

課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものを「特定課税仕入れ」といい、事業者は国内において行った「特定課税仕入れ」について消費税を納める義務があります。

<輸入取引の納税義務者>
輸入取引の納税義務者は、その輸入品を保税地域から引き取る者です。

したがって、事業者だけでなく給与所得者等も輸入品を保税地域から引き取った場合には、納税義務を負うことになります。

輸入品を保税地域から引き取る者には、事業者免税点制度は適用されません。

★リンクはこちら⇒ 納税義務者

2024年10月16日


国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について

電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が国内の事業者・消費者に対して行われるものについては、国内、国外いずれから行われるものも国内取引として消費税が課税されることとされています(注)

(注)
平成27年10月1日以後、国外から行われる「電気通信利用役務の提供」についても消費税が課税されることとされました。

<「事業者向け電気通信利用役務の提供」にかかる課税方式(リバースチャージ方式)>
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のものとに区分されます。


「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「役務の性質または当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」をいいます。

消費税法においては、課税資産の譲渡等を行った事業者が、当該課税資産の譲渡等に係る申告・納税を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が、「特定課税仕入れ」として、申告・納税を行います(注)

(注)
平成28年4月1日以後に国外事業者が国内で行う「特定役務の提供(国外事業者が国内で行う芸能・スポーツ等の役務の提供)」については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と同様に、当該役務の提供を受けた事業者が「特定課税仕入れ」としてリバースチャージ方式による申告・納税義務が課されています。

<リバースチャージ方式に関する経過措置>
「事業者向け電気通信利用役務の提供」等の特定課税仕入れ(注1)を行った国内事業者は、当該特定課税仕入れについて、申告・納税の義務が課されるとともに、仕入税額控除の対象とすることができますが、一般課税かつ当該課税期間における課税売上割合が95パーセント以上である課税期間又は簡易課税制度並びに小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(注2)が適用される課税期間については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます(注3)(注4)。

したがって、これらに該当する場合は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れを申告等に含める必要はありません。

(注1)特定課税仕入れとは、国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」をいいます。

(注2)小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置とは、インボイス制度を機に免税事業者から適格請求書発行事業者として課税事業者になった事業者が、納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができる特例(2割特例)をいいます。

(注3)これらに該当する場合は特定課税仕入れがなかったものとされますので、特定課税仕入れに係る申告納税義務もありません。また、仕入税額控除のみを行うこともできません。

(注4)免税事業者は、消費税の確定申告等を行う必要がありませんので、特定課税仕入れを行ったとしても申告等を行う必要はありません。
これらの詳細については、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

<「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の電気通信利用役務の提供にかかる課税方式(国外事業者申告納税方式)>
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外のもの(いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」)については、原則どおり、その電気通信利用役務の提供を行う国外事業者が申告・納税を行います(注)

(注)
令和7年4月以降、プラットフォーム課税の対象となる「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、特定プラットフォーム事業者(一定の要件を満たすものとして国税庁長官の指定を受けたプラットフォーム事業者をいいます。)が申告・納税を行うこととなります。プラットフォーム課税についての詳細は、「消費税のプラットフォーム課税について」をご参照ください。

<登録国外事業者制度のインボイス制度への移行について>
令和5年10月1日から、適格請求書等保存方式(インボイス制度)が開始されました。

インボイス制度では、「帳簿」および登録を受けた「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)の保存が仕入税額控除の要件となります。

これに伴い、登録国外事業者制度(注)は、令和5年9月30日をもって廃止され、インボイス制度に移行されました。

インボイス制度についての詳細は、「消費税インボイス制度特設サイト」を、廃止前の制度についての詳細は、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」を、それぞれご参照ください。

なお、令和5年9月1日において登録国外事業者であって、「登録国外事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出していない者について、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたものとみなされる経過措置が設けられており、この経過措置により適格請求書発行事業者となった事業者については、適格請求書等に適格請求書発行事業者の登録番号を記載等することにつき困難な事情がある場合には、令和5年10月1日から令和6年3月31日までの間は、登録国外事業者名簿に記載された登録番号(00001等の5桁の番号)を記載等することができることとされていました。

令和5年9月30日時点の登録国外事業者については、こちら(登録国外事業者名簿)をご覧ください。

(注)
登録国外事業者制度(令和5年9月30日をもって廃止)
国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は、当該役務の提供に係る仕入税額控除が制限されますが、国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受ける当該役務の提供については、その仕入税額控除を行うことができる制度です(平成27年10月1日から令和5年9月30日までの間に行った取引に適用されます。)。

★リンクはこちら⇒ 「資産の譲渡等」とは

2024年10月11日


「資産の譲渡等」とは

「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供をいいます。

(1)資産の譲渡
「資産の譲渡」とは、売買等の契約により、資産の同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。

したがって、例えば、商品や製品の販売のほか、事業用設備を売却することが資産の譲渡に当たり、また、これら有形の資産のほか、例えば、特許権や商標権などの無体財産権の譲渡も資産の譲渡に含まれます。

さらに、現物出資、負担付贈与、代物弁済なども資産の譲渡に含まれます。

(2)資産の貸付け
「資産の貸付け」とは、資産に係る権利の設定など他の者に資産を使用させる一切の行為をいいます。

なお、無体財産権の実施権や使用権等を設定する行為も資産の貸付けに含まれます。

(3)役務の提供
「役務の提供」とは、例えば、土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、情報の提供、出演などのサービスを提供することをいいます。

医師、弁護士、公認会計士、税理士などによるその専門的知識、技能等に基づく役務の提供も含まれます。

★リンクはこちら⇒ 「資産の譲渡等」とは

2024年10月8日


「対価を得て行われる」の意義

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。

<「対価を得て行われる」の意義>
「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供に対して反対給付を受けることをいいます。

例えば、商品を販売して代金を受け取ったり、事務所を貸し付けて家賃を受け取ったり、工事を請け負って代金を受け取ったりするような取引です。

また、交換、代物弁済、現物出資などのように金銭の支払を伴わない資産の引渡しでも、何らかの反対給付があるものは、対価を得て行われる取引になりますので、課税の対象となります。

負担付き贈与については、その負担部分を対価として行われる取引になります。

しかし、単なる贈与や寄附金、補助金、損害賠償金などは、原則として対価を得て行われる取引に当たりませんので、課税の対象になりません。

また、試供品や見本品の提供は対価を受け取らない限り課税の対象になりません。

その他、商品を販売する際にサービス品をつけたり、自社製品を得意先に無償で贈与した場合も対価を得て行われる取引となりません。

なお、個人事業者が自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となります。

★リンクはこちら⇒ 「対価を得て行われる」の意義

2024年10月4日


事業者が事業として行うものとは

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。

<「事業者」の意義>
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

(1)個人事業者の場合
個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になります。

さらに、医師、弁護士、公認会計士、税理士などの業を営む人も事業者になります。

(2)法人の場合
株式会社などの会社、国、都道府県や市町村、公共法人、宗教法人や医療法人などの公益法人など、法人はすべて事業者になります。

なお、法人でない社団または財団で、代表者または管理人の定めがあるものは、法人とみなされることにより事業者となります。

<「事業として」の意義>
「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。

例えば、商店が販売用の商品を売った場合や、運送業者が運送サービスを提供して対価を受け取るような場合が典型的なものです。

なお、事業活動の一環としてまたはこれに関連して行われる取引も課税対象となります。

例えば、商品の配達用に使用していたトラックを売ったときのように、事業に使用していた自動車、機械、建物などの事業用資産を売った場合も、事業として行う取引になります。

しかし、個人事業者が事業用でない自家用車やテレビなどの生活用に使用していた資産を売った場合には、事業として行う取引とはなりませんので、消費税は課税されません。

(注)個人事業者の場合、事業者の立場と消費者の立場とを兼ねていますが、事業者の立場で行う取引が「事業として」に該当し、消費者の立場で行う取引は「事業として」には該当しません。

★リンクはこちら⇒ 事業者が事業として行うものとは

2024年9月30日


課税の対象

消費税の課税対象は、次の3つの取引に限られます。

(1) 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等
(2) 特定仕入れ
(3) 保税地域から引き取られる外国貨物の引取り(輸入取引)

なお、国外において行われる取引および資産の譲渡等に該当しない取引は、課税の対象とはなりません。

<国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等>
(1)事業者が事業として行う取引
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。

「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続かつ独立して行うことをいいます。

したがって、個人の中古車販売業者が行う中古車の販売は事業として行う取引になりますが、給与所得者がたまたま自家用車を売却する行為などは、事業として行う取引とはなりません。

なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業として行う取引となります。

(2)対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売など(資産の譲渡等)をして反対給付を受けることをいいます。すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。

したがって、無償で行われる取引は、消費税の課税の対象とはなりません。

また、寄附金、補助金および宝くじの賞金などは、一般的には対価とは認められませんので、これらを受け取る取引も原則として課税の対象とはなりません。

なお、個人事業者が、販売する商品などを家庭で消費したり使用した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、事業として対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となりますのでご注意ください。

(3)資産の譲渡等
消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産(注)の譲渡(商品や製品などの販売)および資産の貸付けならびに役務(サービス)の提供をいいます。

(注)資産とは、取引の対象となる一切の資産をいい、棚卸資産または固定資産のような有形資産のほか、権利その他の無形資産が含まれます。

<特定仕入れ>
「特定仕入れ」とは、事業として他の者から受けた「特定資産の譲渡等」をいいます。

ここでいう「特定資産の譲渡等」とは、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と「特定役務の提供」であり、特定資産の譲渡等を仕入れた場合、その仕入れが「特定仕入れ」となります。

また、「特定課税仕入れ」とは、課税仕入れのうち国内において行った「特定仕入れ」に該当するものをいいます。

「特定課税仕入れ」は、リバースチャージ方式により、「特定課税仕入れ」を行った事業者に消費税の納税義務が課されることとなります。

詳しくはコード6118「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。

<外国貨物の引取り>
外国貨物の引取り(輸入取引)については、保税地域から引き取られる外国貨物が課税対象となります。

この場合、引き取る者が事業者であるかどうかは問いませんので、事業者はもとより一般消費者も納税義務者になります。

★リンクはこちら⇒ 課税の対象

2024年9月26日


消費税の基本的なしくみ

<概要>
消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税(酒税・たばこ税等)とは異なり、消費一般に広く公平に課税する間接税です。消費税が課税される取引には、併せて地方消費税も課税されます。

ほぼ全ての国内における商品の販売、サービスの提供等および保税地域から引き取られる外国貨物を課税の対象とし、取引の各段階ごとに標準税率10パーセント(うち2.2パーセントは地方消費税)、軽減税率8パーセント(うち1.76パーセントは地方消費税)の税率で課税されます。

なお、消費税の消費一般に広く公平に負担を求める税の性格からみて、課税の対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない一定の取引については、消費税を課税しない非課税取引とされています。

<消費税の負担者>
消費税は、事業者に負担を求めるものではありません。

税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費しまたはサービスの提供を受ける消費者が負担することとなります。

<課税のしくみ>
生産、流通の各段階で二重、三重に税が課されることのないよう、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除し、税が累積しないしくみとなっています。

この課税仕入れ等に係る消費税額を控除することを「仕入税額控除」といいます。

令和5年10月1日から開始した「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」では、この仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)から交付を受けた適格請求書(インボイス)と一定の事項を記載した帳簿の保存が必要です。

詳しくは「インボイス制度特設サイト」をご参照ください。

<申告・納付>
納税義務者は、製造、卸、小売、サービスなどの各段階の事業者と、保税地域からの外国貨物の引取者です。

納税義務者は、納税地の所轄税務署長に、原則として、課税期間の末日の翌日から2か月以内(個人事業者の場合は翌年の3月31日まで)に消費税および地方消費税の確定申告書を提出し、消費税額と地方消費税額とを併せて納付します。

なお、直前の課税期間の確定消費税額に基づき中間申告・納付をすることになります。

また、外国貨物の引取者は、保税地域から引き取る時までに、その所轄税関長に引取りに係る消費税額および地方消費税額を申告し、納付します。

<納税事務の負担軽減措置等>
事業者の納税事務の負担等を軽減するために、次のような措置が講じられています。

1.事業者免税点制度
基準期間および特定期間()の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、免税事業者となります。

(注)適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者は、基準期間および特定期間の課税売上高に関わらず、免税事業者となることはありません。

特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

2.簡易課税制度
基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、課税売上高から納付する消費税額を計算する簡易課税制度が選択できます。

3.2割特例(経過措置)
免税事業者がインボイス制度を機に課税事業者(インボイス発行事業者)となった場合に、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間において、納付する消費税額を売上に係る消費税額の2割とすることができます。

★リンクはこちら⇒ 消費税の基本的なしくみ

2024年9月20日


消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

標題のことについては、下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
消費税及び地方消費税の更正等を行う場合並びにこれらの税について過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税を課する場合の取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

2024年8月7日


消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)

国税庁は、『消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)』をホームページに掲載した。

令和6年4月に消費税法等の一部が改正された。

主な改正内容は以下のとおり。
Ⅰ 消費税のプラットフォーム課税の創設
Ⅱ 国外事業者等における事業者免税点制度の特例等の見直し
1 国外事業者における「特定期間の課税売上高による納税義務の免除の特例」の見直し
2 外国法人が国内において事業を開始した場合の納税義務の免除の特例の見直し
3 「特定新規設立法人の納税義務の免除の特例」における判定対象者に係る金額基準の見直し
4 恒久的施設を有しない国外事業者における簡易課税制度及び2割特例の適用の見直し
Ⅲ 金又は白金の地金等を取得した場合の事業者免税点制度等の制限
Ⅳ 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の適用の制限
Ⅴ 仕入税額控除に係る帳簿の記載事項の見直し
Ⅵ 免税購入品と知りながら行った課税仕入れに係る仕入税額控除の制限

★リンクはこちら⇒ 消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)

2024年4月2日


帳簿及び請求書等の保存要件を充足するとして消費税の仕入税額控除の適用を認めた事例

  • ①平成26年分以後の所得税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成26年分から平成29年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ③平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに重加算税の賦課決定処分
  • ④平成26年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分」
  • ⑤平成29年分及び平成30年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ⑥平成27年分及び平成28年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各変更決定処分
  • ⑦平成26年1月1日から平成28年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑧平成29年1月1日から平成30年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • ⑨平成26年1月から令和元年6月までの各期間の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • ①③⑧棄却、②一部取消し、棄却、却下、④⑤⑦一部取消し、棄却、⑥却下、⑨一部取消し

<ポイント>
本事例は、原処分庁が調査を行った日において消費税の請求書等の保存を要する期間を経過していた課税期間について、当該課税期間の帳簿は保存されていたことから帳簿及び請求書等の保存要件を充足しているとして、当該課税期間に係る支払対価の額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用されるとしたものである。

<要旨>
請求人は、平成26年1月1日から同年12月31日まで(平成26年課税期間)、平成27年1月1日から同年12月31日まで(平成27年課税期間)及び平成28年1月1日から同年12月31日まで(平成28年課税期間)の各課税期間(本件3課税期間)の消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第7項の規定に係る帳簿(法定帳簿)及び請求書等(法定請求書等)は、消費税等の実地の調査の初日に保存があり、調査担当職員に対し法定帳簿を提示し、また法定請求書等についても提示しようとしていたことなどから、本件3課税期間においては課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用されるべきである旨主張する。

しかしながら、法定請求書等を実際に保存している場合において、税務職員が法定請求書等を検査することができるときに限り、仕入税額控除の適用が認められるところ、平成27年課税期間及び平成28年課税期間については、請求人は調査担当職員に対して法定請求書等を、その保存を要する期間内に適時に提示しなかったのであるから、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引については仕入税額控除が認められない。

一方で、原処分庁は、本件3課税期間の法定請求書等の保存はない旨主張するが、平成26年課税期間の処分の適法性に関し具体的に主張しておらず、同課税期間については、調査初日において法定請求書等の保存を要する期間を経過しており、よって、平成26年課税期間の消費税等については、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用される。

★リンクはこちら⇒ 帳簿及び請求書等の保存要件を充足するとして消費税の仕入税額控除の適用を認めた事例

2023年12月14日


売上先において課税仕入れの過大計上額と認定した金額を、請求人における課税売上額の過大計上額と認定した事例

  • ①平成28年4月1日から平成29年3月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成28年4月1日から平成29年3月31日まで及び平成29年4月1日から平成30年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
  • ③平成28年4月1日から平成28年6月30日まで、平成28年7月1日から平成28年9月30日まで、平成28年10月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年3月31日まで、平成29年4月1日から平成29年6月30日まで、平成29年7月1日から平成29年9月30日まで、平成29年10月1日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①棄却、②却下、③全部取消し、一部取消し、棄却
  • 令和4年10月25日裁決

<ポイント>
本事例は、当審判所が認定した請求人の売上先における請求人からの課税仕入れの過大計上額が、請求人における課税売上の過大計上額に該当すると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、原処分庁が請求人の売上先の更正処分において過大であると認定した課税仕入れの額は、間接的な資料を用いて所得金額を認定する推計課税の方式により算出したものであり、請求人と当該売上先との取引に係る実額で認定された課税仕入れの額とは性質が異なるから、当該売上先の課税仕入れの額を過大であると認定したとしても、請求人の課税売上額が過大であるとは認められない旨主張する。

しかしながら、当審判所は、当該売上先の課税仕入れの過大計上額を実額で認定しているところ、請求人と当該売上先との間の売買取引が私法上同一の取引であることは明らかであり、当該売上先における課税仕入れの金額と請求人における課税売上の金額とは一致しているから、当該売上先における課税仕入れの過大計上額は、請求人における課税売上の過大計上額と認められ、請求人の課税売上額から減額することが相当である。

★リンクはこちら⇒ 売上先において課税仕入れの過大計上額と認定した金額を、請求人における課税売上額の過大計上額と認定した事例

2023年12月13日


請求人が輸出者として輸出免税の適用を受けることができるとした事例

  • ①平成29年1月〇日から平成29年12月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
  • ③平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分
  • ④平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各事業年度の法人税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ⑤令和2年1月1日から令和2年12月31日までの事業年度の欠損金の繰戻しによる平成31年1月1日から令和元年12月31日までの事業年度の法人税の還付請求に理由がない旨の通知処分
  • ⑥平成29年1月〇日から令和元年5月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑦平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ①④⑤⑦棄却、②③却下、⑥一部取消し、棄却
  • 令和4年10月25日裁決

<ポイント>
本事例は、本邦からの輸出取引について、輸出許可の申請や、輸出許可通知書の保存状況から、請求人において輸出免税の適用を受けることができると判断した事例である。

<要旨>
原処分庁は、本件における輸出取引(本件取引)は、請求人から商品を仕入れた取引先が国外に販売したものであるから、請求人が、消費税法第7条《輸出免税等》第1項第1号に規定する本邦からの輸出として行われる資産の譲渡を行ったものではない旨主張する。

しかしながら、請求人は、取引先から受注した商品を国内でコンテナに積載し、自らの名義で輸出許可を申請して国外へ搬出しているのであり、本件取引は、請求人による本邦からの輸出として行われる資産の譲渡であると認められる。

そして、請求人は、請求人名義の輸出許可通知書を保存していることから、請求人において、輸出免税の適用を受けることができる。

★リンクはこちら⇒ 請求人が輸出者として輸出免税の適用を受けることができるとした事例

2023年12月12日


任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書

国税庁は、ホームページに「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書

2023年1月12日


任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書

国税庁は、ホームページに「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書

2023年1月6日


消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)の改訂(令和4年11月改訂)

国税庁は、『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A』を改訂した。

★リンクはこちら⇒ 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)の改訂(令和4年11月改訂)

2022年11月29日


e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へ

<e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へのお知らせ>
適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合に提出が必要な「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)及び(国外事業者用)」については、令和4年9月20日(火)以降、令和4年度税制改正内容を反映した「新様式」の送信が可能となった。

なお、これまで令和4年度税制改正内容が反映されていない「旧様式」による送信も可能としておりましたが、令和4年10月11日(火)以降、「旧様式」で送信できないこととなる(※1)ので、現在ご利用のベンダーソフトやe-Taxソフト(※2)などについては、「新様式」に対応したソフトウェアのダウンロードやバージョンアップをした上で提出のこと。

(※1)即時通知にエラーが表示される。

(※2)e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)をご利用の方は、そのままご利用のこと。

★リンクはこちら⇒ e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へ

2022年10月6日


税務相談チャットボット(インボイス制度)が始まりました

個人の方の国税に関する相談は、チャットボット(ふたば)を気軽にご利用ください。

ご質問したいことをメニューから選択するか、自由に文字で入力いただくとAI(人工知能)が自動回答します。

土日、夜間でもご利用いただけます。

<チャットボットの利用可能期間>
インボイス制度に関するご相談
令和4年5月12日(木)から
※24時間ご利用いただけます(メンテナンス時間を除く)。

<チャットボットの相談範囲>
チャットボットは、次のご相談に対応しています。
“インボイス制度”に関するご相談
・インボイス制度の概要に関すること
・登録申請の手続に関すること
・インボイス発行事業者の情報の公表(公表サイト)に関すること
・インボイスの作成に当たっての留意点に関すること
・売手の留意点(インボイス発行事業者の義務)に関すること
・買手の留意点(仕入税額控除の要件)に関すること
・消費税の基本的な仕組みに関すること

★リンクはこちら⇒ チャットボット(ふたば)に質問する

2022年7月28日


『消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)』の改訂

国税庁は、『消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)』を改訂した。

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の皆様方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、国、地方公共団体及び公共法人の皆様が消費税申告書の作成及び提出をするにあたり、その内容の自主的な点検に活用いただくためのチェックシートを作成している。

このページは、当該取組の内容を案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、提供するものである。

様式はダウンロードして活用してください。

(注)
チェックシートの様式については、Excel版とPDF版の2種類が用意されている。

Excel版については、印刷時にご利用のPC環境により改ページ位置の変更等レイアウトが変更される場合があるので、利用の際は留意すること。

★消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(Excel版)はこちら⇒ 消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(Excel版)

★消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(PDF版)はこちら⇒ 消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(PDF版)

2022年7月26日


適格請求書発行事業者公表サイトに屋号(お店の名前)を公表することができます!

屋号を公表することで、あなたがインボイス(請求書やレシート)に記載した登録番号を、取引先が公表サイトで確認する際に、それがあなたのお店の登録番号なのかを確認しやすくなる。

「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出することで、公表サイトに屋号を公表することができる。

是非、ご検討ください!

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイトに 屋号(お店の名前)を公表することができます!

2022年6月9日


「適格請求書発行事業者の登録申請書」の処理期間について

登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでの期間については、提出された登録申請書の件数や個々の審査等に要する期間によって異なるが、おおまかな目安として、

  • 書面で提出された登録申請書については1か月程度
  • e-Tax で提出された登録申請書については2週間程度

の期間を見込んでいるところである。

現在、登録申請の受付開始直後で多くの登録申請書が提出されたこと、また、記載誤りや記載漏れ等が多く見受けられ、上記の期間内に登録通知が終了しないケースが発生している。

まだ登録通知が届いていない方においては、提出された登録申請書は順次審査をしているので、登録処理終了までしばらくお待ちください。

また、これから登録申請書を提出される事業者の方においては、提出前に記載誤りや記載漏れ等がないかどうか確認のうえ、提出をしましょう。

「適格請求書発行事業者の登録申請書の提出に当たりご注意いただきたい事項」は
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0021011-019.pdf
をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 「適格請求書発行事業者の登録申請書」の処理期間について

2021年11月25日


インボイス登録センター

国税局(所)では、「インボイス登録センター」を設置し、インボイス制度に関する申請書の入力や電話照会等の事務について集約処理を行う。

インボイス制度に関する申請書等を書面により提出される場合は、郵送でインボイス登録センターへ送付すること。

各局(所) 管轄地域
札幌国税局インボイス登録センター 北海道
仙台国税局インボイス登録センター 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
関東信越国税局インボイス登録センター 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 新潟県 長野県
東京国税局インボイス登録センター 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県
金沢国税局インボイス登録センター 富山県 石川県 福井県
名古屋国税局インボイス登録センター 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県
大阪国税局インボイス登録センター 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
広島国税局インボイス登録センター 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
高松国税局インボイス登録センター 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
福岡国税局インボイス登録センター 福岡県 佐賀県 長崎県
熊本国税局インボイス登録センター 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
沖縄国税事務所インボイス登録センター 沖縄県

インボイス登録センター名をクリックすると各局(所)のインボイス登録センターの所在地等の詳細ページに遷移する。

<相談窓口>
提出いただいた申請書等の記載内容などについて、インボイス登録センターから連絡がある場合があるが、インボイス登録センターでは、インボイス制度に関する相談は受け付けていないので注意すること。

インボイス制度に関する一般的な電話相談については、軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)で受け付けている。

インボイス制度に関して、税務署での個別相談を希望される方は、あらかじめ相談日時等を予約が必要なので、所轄の税務署に電話し、自動音声案内に沿って、「2」を選択すること。

★リンクはこちら⇒ インボイス登録センター

2021年10月13日


適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書

[概要]
適格請求書発行事業者の公表に当たり、国税庁ホームページでの公表事項について「屋号」、「本店又は主たる事務所等の所在地」、「外国人の通称又は旧姓氏名」を新たに追加するまたは変更しようとする場合の手続である。

[手続根拠]

[手続対象者]
国税庁ホームページでの公表事項を新たに公表を追加するまたは変更しようとする個人事業者または人格のない社団等

[提出時期]
国税庁ホームページでの公表事項を新たに追加するまたは変更しようとするとき
なお、適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者の方が、登録申請書と同時にこの申出書を提出した場合、申出書の内容を反映した状態で公表される。

[提出方法]
申出書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申出書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

[添付書類・部数]
外国人の通称または旧姓氏名を公表する場合 住民票の写し 1部

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書

2021年10月12日


適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書

[概要]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があった場合の手続きである。

[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第2項

[手続対象者]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があった適格請求書発行事業者

[提出時期]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があったとき速やかに

[提出方法]
届出書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書

2021年10月11日


適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)

[概要]
国外事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の手続きである。

[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第1項

[手続対象者]
適格請求書発行事業者の登録を受けようする事業者

[提出時期]
2023年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、原則として2021年10月1日から2023年3月31日までに提出する必要がある。

[提出方法]
申請書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

0020009-098_05

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)

2021年10月8日


適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)

[概要]
国内事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の手続きである。

[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第1項

[手続対象者]
適格請求書発行事業者の登録を受けようする事業者

[提出時期]
2023年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、原則として2021年10月1日から2023年3月31日までに提出する必要がある。

[提出方法]
申請書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。

[手数料]
不要

0020009-098_04

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)

2021年10月7日


受け取ると「書面」に比べてこんなに便利!!

登録申請書をe-Taxで作成する際に「登録通知書の電子通知」に同意すると登録通知をデータで受け取れる。

<申請者にとって…>
➢登録通知が早く受け取れる!
税務署における登録とほぼ同時に受け取れる。
➢紛失リスクがない!
登録通知は、メッセージボックス内に保管されるため書面のように紛失リスクがない(1,900日間保存)。
➢取引先への連絡が便利!
メールに登録通知のデータを添付して取引先に連絡することもできる。

<関与税理士にとって…>
➢税理士にもお知らせが届く!
事前にメールアドレスを登録しておけば、関与先の登録通知があったことをメールで関与税理士にもお知らせする。

<取引先にとって…>
➢書面保存が不要!
登録通知を電子データで受領することで書面保管が不要である。
➢真正性の確認が可能!
登録通知の電子データに税務署による認証を付しているため、e-Taxソフト又はe-Taxソフト(WEB版)を利用すれば、税務署が作成した改ざんのないデータであることが確認できる。

★リンクはこちら⇒ 「データ」で受け取ると「書面」に比べてこんなに便利!!

2021年10月6日


適格請求書発行事業者公表サイトの機能等について

適格請求書発行事業者公表サイトでは、「登録番号」から検索できる機能のほか、

  • 「Web-API」によるシステム連携を可能とする機能
  • 適格請求書発行事業者のデータを一定の形式でダウンロードできる機能

があり、こうした機能を活用することで、業務の効率化を図ることも可能である。

詳しくは、適格請求書発行事業者公表サイトを確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイトの機能等について

2021年10月5日


適格請求書発行事業者公表サイト(2021年10月運用開始)の概要

適格請求書発行事業者公表サイトでは、「登録番号」を入力し、その登録番号に係る適格請求書発行事業者に関する公表事項を確認できる。

<確認できる事項>

適格請求書発行事業者の氏名又は名称()
法人の場合、本店又は主たる事務所の所在地
登録番号
登録年月日
登録取消年月日、登録失効年月日

個人事業者の氏名について、「住民票に記載されている外国人の通称」又は「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を氏名として公表することを希望する場合又はこれらを氏名と併記して公表を希望する場合は、必要事項を記載した公表申出書の提出が必要

上記のほか、以下の項目について事業者から公表の申出があった場合には、追加で公表可能

  • 個人事業者:主たる屋号、主たる事務所の所在地等
  • 人格のない社団等:本店又は主たる事務所の所在地

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイト(2021年10月運用開始)の概要

2021年10月4日


簡易課税制度による消費税額の計算

消費税額は課税仕入れ等に係る消費税額を課税売上げに係る消費税額から算出する。

そのため、実額による仕入税額の計算や課税仕入れ等に係る適格請求書等の保存などが不要となり、事務負担の軽減を図ることができる。

★リンクはこちら⇒ 簡易課税制度による消費税額の計算

2021年9月30日


簡易課税制度を選択する場合の届出書の提出

簡易課税制度は、課税期間の基準期間の課税売上高が 5,000 万円以下であり、原則として、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出している場合に適用することができる(簡易課税制度の選択は任意である。)。

ただし、免税事業者が2023年10月1日の属する課税期間に適格請求書発行事業者の登録を受け、登録を受けた日から課税事業者となる場合、その課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書をその課税期間中に提出すれば、その課税期間から簡易課税制度を適用することができる。

★リンクはこちら⇒ 簡易課税制度を選択する場合の届出書の提出

2021年9月29日


免税事業者の登録に当たっての留意点

  • 適格請求書発行事業者になると・・・
    基準期間の課税売上高が1,000万円以下となっても、登録の効力が失われない限り、申告が必要である。
    取引の相手方(課税事業者に限る。)から求められたときは、適格請求書を交付しなければならない(交付義務)。
  • 登録を受けるかどうかは、事業者の任意である。

★リンクはこちら⇒ 免税事業者の登録に当たっての留意点

2021年9月28日


免税事業者の登録申請手続

2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受けた場合は、登録を受けた日から課税事業者となることが可能である(経過措置)。

登録を受けるためには登録申請手続を行う。

この場合、「消費税課税事業者選択届出書」の提出は必要ない。


上記以外の課税期間について免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請手続を行うだけでなく、消費税課税事業者選択届出書を提出する必要がある。

「消費税課税事業者選択届出書」()を提出し、課税事業者を選択するとともに、課税事業者となる課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに登録申請手続を行う必要がある。
原則として、課税事業者選択届出書を提出した課税期間の翌課税期間から、課税事業者となる。

★リンクはこちら⇒ 免税事業者の登録申請手続

2021年9月27日


適格請求書発行事業者になると

  • 基準期間の課税売上高が1,000万円以下となっても、登録の効力が失われない限り、申告が必要である。
  • 適格請求書の記載事項には、登録番号が含まれるので、現在使用している請求書等の様式の改定や、取引先への登録番号の通知など、事業実態に応じて準備を行う必要がある。
  • 公表事項に変更が生じた場合や、登録を失効させる以下のような場合には、一定の手続が必要である。

※1  2023年10月1日以降提出することができる。
※2  「消費税課税事業者選択届出書」を提出した事業者が、免税事業者に戻るためには「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出も必要となる。

(注)次の取消事由に該当する場合には、適格請求書発行事業者の登録が取り消されることがある。

1年以上所在不明である場合(「所在不明」とは、例えば、消費税の申告書の提出がない場合などにおいて、文書の返戻や電話の不通をはじめとして、事業者と必要な連絡がとれないときをいう。)
事業を廃止したと認められる場合
合併により消滅したと認められる場合(法人の場合)
消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた場合

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者になると

2021年9月22日


登録申請のスケジュール

登録申請のスケジュールは、以下のようになっている。

★リンクはこちら⇒ 登録申請のスケジュール

2021年9月21日


登録通知の受領もe-Taxで

e-Tax で登録申請する際に、「登録通知書の電子通知」に同意することで、登録通知をデータで受け取ることができ、データで受け取った場合、以下のメリットがある。

書面通知より、登録通知を早く受け取ることができる(郵送によるタイムラグがない。)。
登録通知の紛失リスクがない。
取引先への連絡が便利(メールに登録通知のデータを添付して、メールでの送信が可能)。

★リンクはこちら⇒ 登録通知の受領もe-Taxで

2021年9月17日


登録申請手続は、e-Taxで!!

  • e-Taxソフトのほか、「e-Taxソフト(WEB版)」(パソコンで利用可能)又は「e-Taxソフト(SP版)」(スマートフォンで利用可能)を利用して登録申請手続を行うことができる。
  • 「e-Taxソフト(WEB版)」又は「e-Taxソフト(SP版)」を利用すると、画面案内に従い入力する(問答形式)ことにより、入力に必要な項目に漏れのない登録申請データを作成・送信することができる。

(注)e-Taxを利用した作成・送信は、2021年10月1日から利用可能となる。

e-Tax を利用した登録申請手続には、電子証明書(マイナンバーカード等)が必要となるので、事前に準備をしておくこと。

★リンクはこちら⇒ 登録申請手続は、e-Taxで!!

2021年9月16日


適格請求書発行事業者になる(登録を受ける)には?

  • 適格請求書発行事業者の登録申請手続が必要である。
  • 登録は課税事業者が受けることができる。登録を受けなければ適格請求書を交付できない。登録を受けるかどうかは、事業者の任意である。
  • 税務署による審査を経て、登録された場合は、登録番号などの通知及び公表が行われる。
通知される登録番号の構成は、次のとおり。
法人番号を有する課税事業者は、T+法人番号
上記以外の課税事業者(個人事業者及び人格のない社団等)は、T+13桁の数字
e-Taxで登録申請し、登録通知について電子データでの通知(電子通知)を希望した場合は、電子データで登録通知が送信される。その他の場合は、税務署から登録通知書が郵送される。
公表事項は、適格請求書発行事業者公表サイトで確認することができる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者になる(登録を受ける)には?

2021年9月15日


免税事業者の登録手続

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要があるが、2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合は、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられている。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における税額計算の方法

2021年9月13日


適格請求書等保存方式における税額計算の方法

2023年10月1日以降の売上税額及び仕入税額の計算は、以下の①または②を選択することができる。

適格請求書に記載のある消費税額等を積み上げて計算する「積上げ計算」
適用税率ごとの取引総額を割り戻して計算する「割戻し計算」

ただし、売上税額を「積上げ計算」により計算する場合には、仕入税額も「積上げ計算」により計算しなければならない。

なお、売上税額について「積上げ計算」を選択できるのは、適格請求書発行事業者に限られる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における税額計算の方法

2021年9月10日


免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

適格請求書等保存方式の導入後は、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除を行うことができない。

ただし、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等及びこの経過措置の規定の適用を受ける旨を記載した帳簿を保存している場合には、以下の表のとおり、一定の期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられている。

期  間 割  合
2023年10月1日から2026年9月30日まで 仕入税額相当額の80%
2026年10月1日から2029年9月30日まで 仕入税額相当額の50%

★リンクはこちら⇒ 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

2021年9月9日


適格請求書等保存方式における帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

請求書等の交付を受けることが困難な以下の取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる。

適格請求書の交付義務が免除される(a)公共交通機関である船舶、バスまたは鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限る。)、 (b)自動販売機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る。)、(c)郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る。)
適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除く。)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
古物営業、質屋または宅地建物取引業を営む者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を取得する取引
適格請求書発行事業者でない者から再生資源または再生部品(棚卸資産に限る。)を購入する取引
従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入れ

★リンクはこちら ⇒ 適格請求書等保存方式における帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

2021年9月8日


適格請求書等保存方式における請求書等の範囲

保存が必要となる請求書等には、以下のものが含まれる。

適格請求書または適格簡易請求書
仕入明細書等(適格請求書の記載事項が記載されており、相手方の確認を受けたもの)
卸売市場において委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受ける一定の書類
①から③の書類に係る電磁的記録

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における請求書等の範囲

2021年9月7日


適格請求書等保存方式における帳簿の記載事項

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書などの請求書等の交付を受けることが困難な一定の場合を除き、一定の事項を記載した帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件となる。

<帳簿の記載事項>
保存が必要となる帳簿の記載事項は、以下のとおり(現行と同様)。

課税仕入れの相手方の氏名又は名称
取引年月日
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
対価の額

★リンクはこちら⇒ 適格請求書等保存方式における帳簿の記載事項

2021年9月6日


適格請求書の交付方法の特例

媒介又は取次ぎに係る業務を行う者(媒介者等)を介して行う課税資産の譲渡等について、委託者及び媒介者等の双方が適格請求書発行事業者である場合には、一定の要件の下、媒介者等が、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を委託者に代わって交付することができる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書の交付方法の特例

2021年9月3日


適格請求書の交付義務免除

媒介又は取次ぎに係る業務を行う者(媒介者等)を介して行う課税資産の譲渡等について、委託者及び媒介者等の双方が適格請求書発行事業者である場合には、一定の要件の下、媒介者等が、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を委託者に代わって交付することができる。

適格請求書を交付することが困難な以下の取引は、適格請求書の交付義務が免除される。

公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限る。)
出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る。)
生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る。)
自動販売機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る。)
郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る。)

★リンクはこちら⇒ 適格請求書の交付義務免除

2021年9月2日


適格請求書の記載事項

適格請求書発行事業者は、以下の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類を交付しなければならない(下線の項目が、現行の区分記載請求書の記載事項に追加される事項である。)。

適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
取引年月日
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
消費税額等(端数処理は一請求書当たり、税率ごとに1回ずつ)
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

(注)適格簡易請求書の記載事項は上記①から⑤となり(ただし、「適用税率」「消費税額等」はいずれか一方の記載で足りる。)、上記⑥の「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」は記載不要である。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書の記載事項

2021年8月31日


適格請求書発行事業者の義務等(売手側の留意点)

適格請求書発行事業者には、適格請求書を交付することが困難な一定の場合を除き、取引の相手方(課税事業者に限る。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務及び交付した適格請求書の写しを保存する義務が課される。

なお、不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等については、記載事項を簡易なものとした「適格簡易請求書」を交付することができる。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の義務等(売手側の留意点)

2021年8月30日


登録申請のスケジュール

登録申請のスケジュールは、以下のようになっています。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の申請から登録まで

2021年8月27日


適格請求書発行事業者の申請から登録まで

適格請求書発行事業者の申請から登録までは、以下のようになっています。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者の申請から登録まで

2021年8月26日


適格請求書発行事業者登録制度

適格請求書(いわゆるインボイス)を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られる。

適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」という。)を提出し、登録を受ける必要がある。

なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできない。

ちなみに、適格請求書発行事業者は、基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下となった場合であっても免税事業者にはならず、消費税及び地方消費税の申告義務が生じるので注意すること。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者登録制度

2021年8月25日


適格請求書(いわゆるインボイス)とは?

適格請求書(いわゆるインボイス)とは、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいう。

請求書や納品書、領収書、レシート等、その書類の名称は問わない。

★リンクはこちら⇒ 適格請求書(いわゆるインボイス)とは?

2021年8月24日


インボイス制度とは?

2023年10 月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入される。

適格請求書等保存方式の下では、税務署長に申請して登録受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)等の保存が仕入税額控除の要件となる。

ちなみに、2019年10 月1日から2023年9月30日までの間の仕入税額控除の方式は、区分記載請求書等保存方式である。

★リンクはこちら⇒ インボイス制度とは?

2021年8月23日


「インボイス制度特設サイト」に登録申請手続に係る詳細な情報等を掲載しました

2023年(令和5年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入される。

適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要がある。

★リンクはこちら⇒ 「インボイス制度特設サイト」に登録申請手続に係る詳細な情報等を掲載しました

2021年8月11日


「インボイス制度特設サイト」をリニューアルしました

国税庁は、「インボイス制度特設サイト」をリニューアルした。

2023年(令和5年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入される。

適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要がある。

なお、登録申請書の提出が可能となるのは、2021年(令和3年)10月1日(金)以降である。

★リンクはこちら⇒ 「インボイス制度特設サイト」をリニューアルしました

2021年5月28日


消費税法改正のお知らせ(令和3年4月)

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★リンクはこちら⇒ 消費税法改正のお知らせ(令和3年4月)

2021年4月27日


イメージデータで提出可能な添付書類(消費税確定申告(法人))

イメージデータ(PDF形式)による提出が可能な主な添付書類は、次のとおり。

なお、この一覧は、令和3年4月1日現在の法令に基づくものである。

<添付書類をイメージデータで提出する場合の注意事項>
「消費税の還付申告に関する明細書」など、電子データ(XML形式)により提出が可能な添付書類については、イメージデータで提出することができない。

なお、電子データにより提出が可能な添付書類は、「利用可能手続(消費税確定申告等)」でご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ イメージデータで提出可能な添付書類(消費税確定申告(法人))

2021年3月23日


消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)

下記リンクのページは、当該取組の内容をご案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、ご提供するものである。様式はダウンロードしてご活用のこと。

(注)チェックシートの様式については、Excel版とPDF版の二種類をご用意している。Excel版については、印刷時にご利用のPC環境により改ページ位置の変更等レイアウトが変更される場合があるので、ご利用の際には留意すること。

1.取組の内容
本取組の内容については、リーフレットをご参照のこと。
リーフレット

2.消費税申告チェックシート(様式)
令和2年4月1日以後終了課税期間分
消費税申告チェックシート

3.問合せ先
本取組についての問合せは、国税庁または所轄の国税局(事務所)まで。

問合せ先 電話番号(代表) 内線
国税庁 調査査察部 調査課 調査係 03-3581-4161 3417
札幌国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 011-231-5011 6130
仙台国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 022-263-1111 3484
関東信越国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画係 048-600-3111 2716
東京国税局 調査第一部 調査開発課 消費税担当 03-3542-2111 3845
金沢国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 076-231-2131 2817
名古屋国税局 調査部 調査開発課 052-951-3511 7512
大阪国税局 調査第一部 調査開発課 06-6941-5331 2620
広島国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 082-221-9211 3848
高松国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 087-831-3111 514
福岡国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 092-411-0031 5125
熊本国税局 調査査察部 調査管理課 管理企画担当 096-354-6171 6266
沖縄国税事務所 調査課 総務係 098-867-3601 459

★リンクはこちら⇒ 消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)

2021年2月3日


令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!

財務省は、リーフレット『令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!』を作成した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年4月1日より、税込価格の表示(総額表示)が必要になります!

2021年1月28日


請求人と取引先との売買契約は通謀虚偽表示には当たらないとした事例

  • 平成31年2月28日付でされた平成27年1月1日から平成27年12月31日まで及び平成29年1月1日から平成29年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和2年5月19日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が、請求人が取引先の法人から軽種馬を購入する取引に係る売買契約は、通謀虚偽表示により無効であるとして、請求人の課税仕入れに係る支払対価の額の一部を認めない旨の更正処分をしたところ、本件における売買契約は、契約内容のとおり履行されており、また、請求人と当該法人との間に通謀虚偽表示を行う十分な動機があったとまでいえない上、これを基礎付ける証拠もないから、通謀虚偽表示により無効であると認めることはできないと判断して、原処分を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が取引先の法人(本件法人)から軽種馬(本件軽種馬)を購入する取引(本件各取引)に係る売買契約は、通謀虚偽表示により無効であり、実体は、請求人が軽種馬生産に関する農業協同組合を通じて直接本件軽種馬を購入したものであるから、本件法人が当該農業協同組合から落札し購入した金額と、本件各取引に係る売買金額の差額分に相当する金額(本件各差額)は、請求人の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件各取引に係る売買契約については、契約内容のとおり履行されており、また、請求人と本件法人との間に通謀虚偽表示を行う十分な動機があったとまでいえない上、これを基礎付ける証拠もないから、通謀虚偽表示により無効であると認めることはできない。

したがって、本件各差額は課税仕入れに係る支払対価の額に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人と取引先との売買契約は通謀虚偽表示には当たらないとした事例

2021年1月25日


個人的な使用に供される輸入貨物について、税関告知書記載の価格に基づいてされた消費税等の賦課決定処分に誤りがあるとして取り消した事例

  • 令和元年6月9日付でされた課税物品を内容とする郵便物の輸入に係る消費税及び地方消費税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和2年5月7日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が、請求人を名宛人とする外国からの郵便物に添付された税関告知書記載の価格に基づき消費税の課税標準を算出するなどした上で、請求人に消費税等の賦課決定処分を行ったところ、当該郵便物の内容品の価格は、請求人が購入した商品の価格であると認められ、当該税関告知書に記載された価格は誤りであると判断して、原処分を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、外国から発送された請求人を名宛人とする郵便物(本件郵便物)の内容品の価格は、税関告知書に記載された金額(本件金額)と認められることから、関税定率法(定率法)第4条の6《航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例》第2項の適用がある場合における本件郵便物の課税価格は本件金額に基づいて算出すべきである旨主張する。

しかしながら、請求人は中古のミニカー1個(本件商品)を購入していたところ、①請求人による本件商品の発注から本件郵便物の受取までを一連の手続としてみた場合に時系列の点で矛盾点がなく、かつ、不自然な点がないことに加え、請求人と本件商品の譲渡人との電子メールの件名や添付された画像データからも、本件郵便物の内容品は本件商品であったと考えるのが自然であること、②本件郵便物の内容品及び本件商品の原産国や重量などをみても、本件郵便物の内容品は本件商品であったと考えるのが自然であること、③請求人と本件商品の譲渡人との電子メールでのやり取りから、本件郵便物の内容品が本件商品以外の別の貨物である可能性は極めて低いことを総合勘案すると、本件郵便物の内容品は本件商品であったと認められる。

したがって、本件郵便物の課税価格を本件金額に基づいて算出した賦課決定処分はその全部を取り消すべきである。

★リンクはこちら⇒ 個人的な使用に供される輸入貨物について、税関告知書記載の価格に基づいてされた消費税等の賦課決定処分に誤りがあるとして取り消した事例

2021年1月18日


消費税法第30条第2項第1号の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額を計算するに当たり、調剤薬品等の課税仕入れは、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分すべきと判断した事例

  • ①平成23年10月1日から平成24年9月30日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対して平成30年2月28日付でされた更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • ②平成24年10月1日から平成25年9月30日まで、平成25年10月1日から平成26年9月30日まで、平成26年10月1日から平成27年9月30日まで及び平成27年10月1日から平成28年9月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正の請求に対して平成30年8月28日付でされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 一部取消し
  • 令和元年7月17日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が問屋から医薬品等を仕入れた日の状況等を客観的にみれば、仕入れた医薬品等を全て非課税となる売上げのために使用するとは限らず、課税となる売上げのために使用する場合もあったと認められるから、当該問屋からの課税仕入れについては、課税資産の譲渡等のみに要するものにも、その他の資産の譲渡等のみに要するものにも区分することができず、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分するのが相当であると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第2項第1号に基づき医薬品等の課税仕入れの用途区分を課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等(その他の資産の譲渡等)のみに要するものに区分したことは、その目的等に照らして合理的であるから、用途区分を誤っていたことを理由とする請求人の更正の請求は、国税通則法第23条《更正の請求》第1項第1号の要件を満たさない旨主張する。

しかしながら、請求人が問屋から医薬品等を仕入れた日の状況等を客観的にみれば、仕入れた医薬品等を全て非課税となる売上げのために使用するとは限らず、課税となる売上げのために使用する場合もあったと認められるから、当該問屋からの課税仕入れについては、課税資産の譲渡等のみに要するものにも、その他の資産の譲渡等のみに要するものにも区分することができず、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分するのが相当である。

よって、請求人が、問屋からの医薬品等の課税仕入れをその他の資産の譲渡等のみに要するものに区分したことは、消費税法第30条第2項第1号の適用を誤ったものと認められ、国税通則法第23条第1項第1号に規定する国税に関する法律の規定に従っていなかった場合に該当する。

★リンクはこちら ⇒ 消費税法第30条第2項第1号の規定により控除する課税仕入れに係る消費税額を計算するに当たり、調剤薬品等の課税仕入れは、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに区分すべきと判断した事例

2020年5月25日


消費税軽減税率制度対応申告前チェック!

国税庁は、ホームページに『消費税軽減税率制度対応申告前チェック!』を掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 消費税軽減税率制度対応申告前チェック!

2020年3月9日


消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和元年7月改訂)

国税庁は、『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和元年7月改訂)』を、ホームページに掲載した。

2023年10月1日から消費税の仕入税額控除制度において適格請求書等保存方式が導入される。

この「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」は、事業者の皆様が、2019年10月1日に実施される消費税の軽減税率制度への対応とともに適格請求書等保存方式への対応もご検討いただけるよう、適格請求書等保存方式について、わかりやすく解説したものである。

また、今後、寄せられた質問や頂いた疑問点を踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂を行っていく予定とのこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和元年7月改訂)

2019年10月25日


消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(令和元年7月改訂)

国税庁は、『消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(令和元年7月改訂)』を、ホームページに掲載した。

令和元年 10 月1日の消費税率の引上げと同時に、消費税の軽減税率制度が実施された。

消費税の軽減税率制度は事業者の方のみならず、日々の買い物等で消費者の方にも関係するものである。

この「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」は、軽減税率制度について、広く国民に理解を深めていただけるよう、わかりやすく解説したものである。

また、今後、寄せられた質問や頂いた疑問点を踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂を行っていく予定である。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(令和元年7月改訂)

2019年10月10日


請求人が土地及び建物を信託財産とする信託受益権の取得に要した手数料に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であるとした事例 

平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成30年4月25日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の信託受益権の取得時においては、信託財産である土地及び建物の事業用資産の賃貸のみではなく、当該信託受益権を譲渡することを目的としていたと認められることから、当該信託受益権の取得に要した手数料に係る課税仕入れの用途区分は、課税用ではなく共通用に該当するとしたものである。

<要旨>
請求人は、土地及び建物(本件各物件)を信託財産とする各信託受益権(本件各信託受益権)の取得に要した各手数料(本件各手数料)に係る課税仕入れについて、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第2項第1号に規定する個別対応方式による用途区分の判定をするに当たっては、その用途区分は、当該課税仕入れをした事業者が有する、その課税仕入れを行った日における確定的な状況の下においての、目的、意図等をも勘案した上で、なお客観的に判断すべきであり、また、本件各物件はその取得時には事業用に賃貸されており、決算上も有形固定資産に計上しているから、本件各手数料に係る課税仕入れは課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当する旨主張する。

しかしながら、個別対応方式による用途区分の判定は、課税仕入れを行った日の状況により行うこととされ、課税仕入れを行った日の状況とは、当該課税仕入れの目的及び当該課税仕入れに対応する資産の譲渡等がある場合にはその資産の譲渡等の内容等を勘案して判断するのが相当であり、本件各信託受益権の取得時においては、本件各物件の賃貸のみではなく本件各信託受益権を譲渡することを目的としていたと認められること及び会計上の科目の判定が課税仕入れの用途区分の判定につながるものではないことなどからすれば、本件各手数料に係る課税仕入れは、課税資産の譲渡等と課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に共通して要するものに区分するのが相当である。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が土地及び建物を信託財産とする信託受益権の取得に要した手数料に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であるとした事例 

2019年7月12日


請求人が国際郵便により輸出した資産の譲渡については、消費税法第7条《輸出免税等》第2項に規定する証明がされていないため、輸出免税規定の適用はないとした事例

  • 平成25年8月1日から平成26年7月31日まで、平成26年8月1日から平成27年7月31日まで及び平成27年8月1日から平成28年7月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の①各更正処分並びに②過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①棄却、②却下
  • 平成30年6月5日裁決

<ポイント>
本事例は、輸出申告時点で資産の価格が未確定である郵便物については、郵便物1個当たりの輸出時見積価格をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であるとした事例

<要旨>
請求人は、国際便物により輸出した資産の譲渡(本件取引)について、郵便物1個当たりの価格が20万円を超えないことから消費税法施行規則第5条《輸出取引等の証明》第1項第2号(本件条文)に規定する郵便物(簡易郵便物)として資産を輸出した場合に該当し、同号に規定する帳簿又は郵便物受領証等を保存をしているのだから、消費税法第7条第2項に規定する証明がされている旨主張する。

しかしながら、本件取引の輸出申告時点では、取引の対象となる資産の価格が未確定の状態であり、そのような場合には郵便物1個当たりの輸出時見積価格(調達原価に通常の利潤、一般管理費等を加えた額又は値引き等の調整が加えられる前の額)をもって当該郵便物の価格とみるのが相当であるところ、本件取引においては、1個の郵便物にまとめられた各資産のそれぞれの仕入金額の合計額は、最も少ないもので20万円の2倍超であることから、郵便物1個当たりの輸出時見積価格は、いずれも20万円を上回ると認められ、本件取引は、本件条文に規定する簡易郵便物としての資産の輸出には該当せず、消費税法第7条第2項に規定する証明がされているとは認められない。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が国際郵便により輸出した資産の譲渡については、消費税法第7条《輸出免税等》第2項に規定する証明がされていないため、輸出免税規定の適用はないとした事例

2019年7月11日


消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド ~区分経理(記帳)から消費税申告書作成まで~

国税庁は、『消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド~区分経理(記帳)から消費税申告書作成まで~』を作成し、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税の軽減税率制度に対応した経理・申告ガイド ~区分経理(記帳)から消費税申告書作成まで~

2019年6月20日


臨時販売場制度に関するQ&A(2019年4月)

国税庁は、『臨時販売場制度に関するQ&A』を公表した。

 ★リンクはこちら ⇒ 臨時販売場制度に関するQ&A(2019年4月)

2019年5月21日


「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂しました

中小企業庁は、軽減税率対策補助金がよくわかる「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂した。

<国の軽減税率対策について>

2019年10月の消費税率10%への引き上げと同時に、低所得者層へ配慮する観点から「軽減税率制度」(複数税率)を実施する。

国は、中小企業者・小規模事業者の方々が、「軽減税率制度」に対応するための負担を少なくするため、地方自治体、商工会・商工会議所、中小企業団体中央会、メーカー・ベンダー等と連携した理解促進と対応のための支援に取り組んでいる。

また、「軽減税率制度」に対応するために必要なレジの導入・改修や受発注システムの改修等のための支援(軽減税率対策補助金)を行っている。

<軽減税率対策補助金について>

「軽減税率制度」への対応が必要となる中小企業・小規模事業者等の方には、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修等を行う際(リースによる導入も補助対象となる。)に、その経費の一部を補助する「軽減税率対策補助金」を実施している。

2019年1月から、軽減税率対策補助金制度の拡充を行ったので、軽減税率対策補助金がよくわかる「消費税軽減税率まるわかりBOOK」の改訂を行った。

<拡充の内容>

  • 補助対象の拡大
従来は補助対象外としていた事業者間取引における請求書等の作成に係る対応(「区分記載請求書等保存方式」への対応)について、これに対応するシステムの開発・改修、パッケージ製品・事務機器等の導入に係る費用を補助対象とする。
また、これまでレジの設置と同時に行われる商品情報(商品マスタ)の登録に係る費用を補助対象としてきましたが、レジ設置時とは別に行う場合も補助対象とする。
さらに、複数税率に対応する「券売機」についても、補助の対象とする。
  • 補助率の引上げ

レジの設置・改修、受発注システムの改修等に要する経費の「3分の2以内」であった補助率を、原則「4分の3以内」に引き上げる。併せて、3万円未満のレジを1台のみ導入する場合の補助率を「4分の3以内」から「5分の4以内」に引き上げる。

  • 補助対象事業者の取扱い

事業者が営む事業に関連する規制により、補助対象外となっていた旅館・ホテル等の一部の事業者に係る取扱いについて、広く補助対象として認められるよう、制度の運用改善を行う。

<軽減税率対策補助金の申請期限、問い合わせ>

軽減税率対策補助金の内容及び申請期限等の詳細は、以下のホームページまたは「軽減税率対策補助金事務局」に問い合せること。

  • 軽減税率対策補助金ホームページ(既に削除済み)
  • 軽減税率対策補助金事務局 電話:0120-398-111

 ★リンクはこちら ⇒ 「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂しました

2019年5月10日


飲食料品の製造業者が発注元から有償又は無償で支給される原材料等を使用して飲食料品を製造し、発注元へ納品した場合の資産の譲渡等に係る適用税率について

<事前照会の趣旨>

 当社は、国内において飲料製品の受託製造販売を主な業とする内国法人で、発注元から飲料製品の製造委託を受け、発注元の定める飲料製品の仕様書や製造基準等に基づき、当社自らが発注元の商標が表示される飲料製品を製造し(ペットボトル容器の成型等を含む。)、当該飲料製品を発注元へ納品(販売)している。
飲料製品の製造に当たって、原材料(飲用水を除く。)及び包装資材については、発注元から有償又は無償により支給される場合と当社が調達する場合(以下「自社調達」という。)があり、次の表(以下「表」という。)のとおりの形態となっている。

原材料A 原材料B 包装資材A 包装資材B
発注元1 有償支給 自社調達 有償支給
発注元2 有償支給 自社調達 自社調達 有償支給
発注元3 無償支給 自社調達 無償支給
発注元4 無償支給 自社調達 自社調達 無償支給
発注元5 無償支給

※1
原材料Aはコーヒー豆、茶葉、砂糖又は乳等、原材料Bは基本的に添加物である。

※2
包装資材Aはペットボトル容器の素となる原材料(以下「プリフォーム」という。)、包装資材Bはキャップ、ラベル、梱包用のダンボール(以下「キャップ等」という。)である。

 軽減税率制度の実施後に行われる当社から各発注元への当該飲料製品に係る資産の譲渡等の適用税率は、次のとおりと解して差し支えないか照会する。

(1) 当社から発注元1又は発注元2への飲料製品に係る資産の譲渡等は「飲食料品の譲渡」に該当することから、その適用税率は軽減税率となる。
(2) 当社から発注元3、発注元4又は発注元5への飲料製品に係る資産の譲渡等は「役務の提供」(製品の加工)に該当することから、その適用税率は標準税率となる。

<事前照会に係る取引等の事実関係>

(1)製造工程について
飲料製品の製造・販売に係る工程の概要は、以下のとおりとなっている。

発注元から注文を受け、必要な原材料と包装資材を仕入れる。
原材料に飲用水を混ぜ合わせ、製品液を調合・殺菌する。
製品液をペットボトル容器(ペットボトル容器は自社でプリフォームから成型する。)に充填し、キャップで密封する。
製品液が充填されキャップで密封されたペットボトル容器に発注元の商標が表示されているラベルを巻き付け、ダンボールに箱詰めし、発注元へ納品する。

飲料製品の製造・販売に係る工程の概要

(2)発注元との間の契約内容
当社と発注元との間の飲料製品の製造委託に係る契約は、いわゆる製作物供給契約に該当するものであり、当社が製造を委託された飲料製品の完成品を発注元へ納品し、当該製造委託に係る対価を発注元が当社へ支払うものとなっている。
また、原材料及び包装資材の調達方法については下記(3)、製造委託に係る対価の算出根拠については同(4)、完成した飲料製品等の所有権の帰属については同(5)のとおりとなっている。

(3)原材料等の調達方法
飲料製品の製造において使用する飲用水以外の原材料及び包装資材の調達方法は、上記1の表のとおりである。
なお、飲用水については、当社工場の地下水源からくみ上げた水で浄化したものを使用している。

(4)飲料製品の製造委託に係る対価について
一般的に、事業者が原材料等の支給を受けて加工等を行い、その加工等による完成品を他の事業者に引き渡す場合のいわゆる製作物供給契約は、大別すると下記3(1)ニに記載の「製造販売方式」によるものと「賃加工方式」によるものとがあるものと考えられる。
また、経理方法もそれに対応して、製造販売方式を採用している場合には、支給を受けた原材料については当事者間で売買されていることから、原材料費を費用に計上するとともに、完成品の販売代金をその原材料費込みで収益に計上し、一方、賃加工方式を採用している場合には、原材料については無償支給されていることから、賃加工料収入のみを収益に計上することが一般的と考えられる。
したがって、当社が発注元へ請求する飲料製品の製造委託に係る対価の額は、原材料及び包装資材の取引形態によって、次のとおりに分類することとしている。

イ.原材料の全てと包装資材B(キャップ等)については発注元から有償支給を受け、包装資材A(プリフォーム)のみ自社調達する場合(発注元1との取引)には、当社は製造販売方式を採用しており、原材料代と包装資材代(自社調達した物の購入費用を含む。)に加工料(主として地下水の浄化、原材料と飲用水との調合、プリフォームからペットボトル容器の成型及びペットボトルへの充填等に係る手間賃をいう。以下同じ。)を加算した金額を対価の額とし、同額を販売代金として請求する。

ロ.原材料Aと包装資材B(キャップ等)は発注元から有償支給を受け、原材料B(添加物)と包装資材A(プリフォーム)を自社調達する場合(発注元2との取引)には、当社は製造販売方式を採用しており、原材料代と包装資材代(自社調達した物の購入費用を含みます。)に加工料を加算した金額を対価の額とし、同額を販売代金として請求する。

ハ.原材料の全てと包装資材B(キャップ等)は発注元から無償支給を受け、包装資材A(プリフォーム)のみ自社調達する場合(発注元3との取引)には、当社は賃加工方式を採用しており、自社調達したプリフォーム代に加工料を加算した金額を対価の額とし、同額を賃加工料として請求する。

ニ.原材料Aと包装資材B(キャップ等)は発注元から無償支給を受け、原材料B(添加物)と包装資材A(プリフォーム)を自社調達する場合(発注元4との取引)には、当社は賃加工方式を採用しており、自社調達した原材料代とプリフォーム代に加工料を加算した金額を対価の額とし、同額を賃加工料として請求する。

ホ.全ての原材料と包装資材は発注元から無償支給を受ける場合(発注元5との取引)には、当社は賃加工方式を採用しており、加工料のみを対価の額とし、同額を賃加工料として請求する。

(5)飲料製品等の所有権

イ.飲料製品
飲料製品の所有権は、完成品の引渡時にその所有権が当社から発注元へ移転する場合と、当社にその所有権が一度も帰属することなく、発注元にその所有権が帰属する場合がある。
発注元1及び発注元2との取引では、完成品の引渡時(契約により、完成品を納入した後の納品報告時や完成品を納入した後の受入数量検査の合格時)にその所有権は当社から発注元へ移転することとされている。
一方、発注元3、発注元4及び発注元5との取引では、無償で支給された原材料及び包装資材とともに、当社にその所有権が一度も帰属することなく、発注元にその所有権が帰属することとされている。

ロ.原材料及び包装資材
有償で支給される原材料及び包装資材は、これらの引渡しの完了と同時に、その所有権が発注元から当社へ移転し、以後、当社が自己の資産として管理している。
また、無償で支給される原材料及び包装資材は、その所有権が当社に一度も帰属することなく発注元に帰属するため、数量等の管理は行うが、自己の資産として管理していない。
なお、自社調達した原材料及び包装資材は、当社が自己の資産として管理している。

(6)その他
当社が製造する飲料製品は、コーヒー、お茶、スポーツ飲料等であり、酒類や医薬品等に該当する栄養ドリンク等は含まれない。

<事前照会者の求める見解となる理由>

(1)消費税法令等の規定

イ.課税の対象
消費税法第4条第1項は、国内において事業者が行った資産の譲渡等が消費税の課税の対象となる旨、同法第2条第1項第8号は、「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいう旨規定している。

ロ.軽減対象課税資産の譲渡等
平成28年法律第15号による改正後の消費税法第2条第1項第9号の2は、「軽減対象課税資産の譲渡等」とは、課税資産の譲渡等のうち別表第一に掲げるものをいう旨、また、同法別表第一第1号において、飲食料品の譲渡(一定の食事の提供等を除く。)を掲げている(平成28年法律第15号附則第34条第1項に規定する「31年軽減対象資産の譲渡等」同旨)。

ハ.飲食料品の販売に係る包装材料等の取扱い
消費税の軽減税率制度に関する取扱通達第3項は、飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器(以下「包装材料等」という。)が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、当該包装材料等も含め軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」に該当する旨定めている。

ニ.原材料等の支給による加工等の場合の課税売上高の計算
消費税法基本通達1-4-3は、事業者が原材料等の支給を受けて加工等を行った場合の基準期間における課税売上高に算入される国内において行った課税資産の譲渡等の対価の額は、原則として、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる対価の額となることに留意する旨定めている。

(イ)製造販売契約の方式により原材料等の有償支給を受けている場合
加工等を行った製品の譲渡の対価の額

(ロ)賃加工契約の方式により原材料等の無償支給を受けている場合
加工等に係る役務の提供の対価の額

(2)本件の当てはめ

イ.消費税の課税対象
本件飲料製品に係る受託製造販売は、国内において事業者が事業として対価を得て行われる資産の譲渡等に該当するので、消費税の課税対象となる。

ロ.適用税率の判断
軽減税率制度の実施後に行われる当社から各発注元への飲料製品に係る資産の譲渡等の適用税率については、当該資産の譲渡等が「飲食料品の譲渡」に該当する場合は軽減税率を適用し、「役務の提供」(製品の加工)に該当する場合は標準税率を適用することとなるが、その適用税率の判断に当たっては、当社と各発注元との間の契約内容(原材料等の調達方法、委託に係る対価の額の設定、製品の所有権の帰属等)を総合的に勘案して行うことになるものと考える。
これを踏まえ、上記2の事実関係を前提とすれば、軽減税率制度の実施後に行われる当社から各発注元への当該飲料製品に係る資産の譲渡等の適用税率は、以下のとおりになるものと考える。

(イ)当社から発注元1又は発注元2への当該資産の譲渡等
飲料製品の製造に当たって、当社は全ての原材料及び包装資材に係る対価を支払って仕入れているので、仕入れ後、当社が全ての原材料等を管理している。
また、完成品の所有権は、発注元へ完成品を引き渡すことで、当社から発注元へ移転することとしている。
そのうえ、当社は、いわゆる製作物供給契約における製造販売方式を採用しており、支出した原材料代及び包装資材代を費用に計上し、これに加工代を加算した金額を販売代金として請求の上、発注元へ納品し、当該販売代金を収益に計上することとしている。
これらの事実関係を踏まえれば、当該取引は飲料製品の製造販売契約と考えられ、一般の製造業者が原材料等を仕入れて製品を製造し、当該製品を発注元へ販売していることと何ら変わらないことから、当該取引は「飲食料品の譲渡」に該当するものと判断する。
したがって、当社は、発注元1又は発注元2との間の飲料製品に係る資産の譲渡等について、軽減税率を適用する。

(ロ)当社から発注元3、発注元4又は発注元5への当該資産の譲渡等
飲料製品の製造に当たって、当社は原材料の一部(添加物)又は包装資材の一部(プリフォーム)を自社調達する場合があるものの、他の原材料と包装資材は全て発注元から無償で支給され(発注元5との間の取引にあっては、全ての原材料及び包装資材が無償で支給される。)、無償で支給された原材料等は当社で自己の資産として管理していない。
また、当社が自社調達する原材料等の一部は、例えば、添加物やプリフォームなど、飲料製品の製造に際して使用する副次的なものであるため、完成品の所有権は、当社に一度も帰属することなく、発注元に帰属することとしている。
そのうえ、当社は、いわゆる製作物供給契約における賃加工方式を採用しており、支出(費用計上)した包装資材代に加工代を加算した金額を賃加工料として請求の上、発注元へ納品し、当該賃加工料金を収益に計上することとしている。
これらの事実関係を踏まえれば、当該取引は、原材料又は包装資材の一部を自社調達する場合があるものの、包装の加工も含め、無償で支給された原材料等を用いて飲料製品としての完成品とすることを内容とする一連の役務の提供(製品の製造行為)を行い、その製造に係る対価として賃加工料を受領しているものと考えられるから、当該取引は「役務の提供」に該当するものと判断する。
したがって、当社は、発注元3、発注元4又は発注元5との間の飲料製品に係る資産の譲渡等について、標準税率を適用する。

<回答>

回答年月日
平成30年12月7日

回答者
東京国税局審理課長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 飲食料品の製造業者が発注元から有償又は無償で支給される原材料等を使用して飲食料品を製造し、発注元へ納品した場合の資産の譲渡等に係る適用税率について

2019年3月29日


計量法関係法令改正後の器差検定を中心とした指定検定機関が行う特定計量器の検定に係る手数料の消費税の取扱いについて

<照会の趣旨>
計量法では、社会・経済活動において取引又は証明に使用する計量器で、その精度を公的に担保することが必要なもの等を特定計量器として定めており、適正な計量の確保の観点から、指定製造事業者が製造するものを除き、経済産業大臣(以下「経産大臣」といいます。)、都道府県知事、日本電気計器検定所(以下「日電検」という。)又は経産大臣が指定した者(以下「指定検定機関」という。)が行う検定に合格したものとして検定証印が付されている特定計量器以外の特定計量器については、取引又は証明における計量に使用してはならないこととされている。
今般、平成28年11月に計量行政審議会で取りまとめられた答申「今後の計量行政の在り方-次なる10年に向けて-」(平成28年11月)を踏まえて、指定検定機関の指定要件の見直しに関する計量法関係法令の改正が行われた。
従来の指定検定機関が、その指定を受ける要件として、器差検定、構造検定、型式承認の試験及び指定製造事業者の品質管理の調査などの業務を全国規模で実施できることが求められていたが、今般の改正により、その要件が見直され、器差検定と構造検定の一部のみを実施する検定機関(以下「器差検定を中心とした指定検定機関」という。)の指定や、地域ブロック単位に限定した業務の実施が可能とされている。
この場合、器差検定を中心とした指定検定機関が行う特定計量器の検定に係る手数料については、消費税が非課税となる行政手数料に該当するものと解して差し支えないか伺う。

<照会に係る取引等の事実関係>
1.検定の実施機関(指定検定機関)について
指定検定機関とは、特定計量器の検定を実施する者(検定の実施主体)として、経産大臣から検定に関する事務(指定検定機関の指定に係るものを除く。)を委任されている国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)、都道府県知事及び日電検といった公的機関と並ぶものであり、経産大臣が指定する民間の検定機関のことをいう。
計量法(平成4年法律第51号)第106条《指定検定機関》の規定に基づく同法第16条第1項第2号イ《使用の制限》の指定は、計量法施行令(平成5年政令第329号)第26条《指定検定機関の指定の区分》で定める区分ごとに、指定定期検査機関、指定検定機関、指定計量証明検査機関及び特定計量証明認定機関の指定等に関する省令(平成5年通商産業省令第72号。以下「機関等省令」という。)で定めるところにより、検定を行おうとする者の申請により行うこととされており、現在、この指定を受けている指定検定機関は、一般財団法人日本品質保証機構(昭和32年10月28日に財団法人日本機械金属検査協会という名称で設立された法人をいう。)のみとなっている。
また、当該指定には、計量法第27条《欠格条項》から第33条《事業計画等》まで及び第35条《解任命令》から第38条《指定の取消し等》までの規定が準用されることから、例えば、同法第28条《指定の基準》の規定に基づき、指定機関への無秩序な民間事業者(検定機関)の参入を制限する観点から、行政の裁量により、経産大臣はその申請のあった者の指定を行わないことがあるほか、同法第36条《役員及び職員の地位》の規定に基づき、検査業務に従事する指定検定機関の役員又は職員は、いわゆるみなし公務員となることが求められる。
今般、平成28年11月の計量行政審議会答申を踏まえて、適正な計量の実施を確保するため、制度の信頼性は確保した上で検定実施者の拡大を図ることを目的とし、器差検定を中心とした検定を実施する者を認めるべく、指定検定機関の指定要件の見直しが行われた。
具体的には、機関等省令第9条《指定の申請》の改正により、経産大臣は、検定を行おうとする者の能力又は申請により、当該者が行うことができる検定の種類を、器差検定と構造検定の一部のものに限ることとする指定が可能とされるとともに、その業務の範囲についても、関東・甲信越ブロックなど全国を6つのブロックに区分した地域ブロックに限定して指定することが可能とされている。
以上のことから、従来の指定検定機関は、器差検定、構造検定、型式承認の試験及び指定製造事業者の品質管理の調査などの業務を全国規模で実施できることが、その指定を受ける際の要件となっていたが、新たに経産大臣が指定する器差検定を中心とする指定検定機関については、これらの指定に関する要件が緩和されることとなった。
なお、器差検定を中心とする指定検定機関の指定についても、従来の指定検定機関に対する指定と同様、計量法第106条の規定に基づき、検定を行おうとする者の申請により経産大臣が行うことに変更点はない。

2.特定計量器の検定業務について
(1)特定計量器について
計量器とは、長さ・質量・時間等の「計量」の対象となる量(「物象の状態の量」)を計るための器具、機械又は装置のことをいう。また、これらのうち、取引若しくは証明における計量に使用され、又は主として一般消費者の生活の用に供される計量器(例えば、体温計や血圧計など)について、適正な計量の実施を確保するためにその構造(計量器の基本的な構造や性能を示す基準)又は器差(計量器の精度、許容される誤差)に係る基準を定める必要がある一定の計量器を「特定計量器」という。
特定計量器には、電気・ガス・水道メーター、非自動はかり、体温計、タクシーメーター、燃料油メーター等が指定されており、それぞれに技術基準が規定されている。
(2)特定計量器の使用について
計量法は、特定計量器の使用者がこれを取引(有償、無償を問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいう。)又は証明(公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。)に用いる場合、国や自治体等が精度を確認した計量器を使用すること等を義務づけることで、正確な計量を確保することとしている。
計量法第16条《使用の制限》は、経産大臣、都道府県知事、日電検又は指定検定機関が行う検定を受け、これに合格したものとして同法第72条第1項《検定証印》の検定証印が付されている特定計量器及び指定製造事業者が製造し、基準適合証印が付された特定計量器以外のものは、取引又は証明における法定計量単位による計量に使用してはならないとしている。また、同法第172条《罰則》の規定により、この使用制限に違反した場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられる。
(3)特定計量器の検定について
特定計量器の検定は、計量法第70条《検定の申請》の規定に基づき、特定計量器について同法第16条の検定を受けようとする者の申請に基づき行われるものであり、当該検定とは、特定計量器の構造と器差について、特定計量器検定検査規則(平成5年通商産業省令第70号)で定める技術基準への適合性を、国、都道府県などが確認する計量法上の検査のことをいう。
具体的な検定の方法は、特定計量器検定検査規則及び同規則において引用される日本工業規格(JIS)によることとされており、これに合格した計量器には、「検定証印」というマークが付される。
なお、検定に有効期限が定められている計量器もある。
(4)特定計量器の検定に係る手数料について
産総研又は日電検による特定計量器の検定を受けようとする者は、計量法第158条《手数料》の規定に基づき、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならないとされている。
他方、指定検定機関が特定計量器の検定を受けようとする者から徴収する特定計量器の検定に係る手数料(以下「検定手数料」という。)については、前述のようなその徴収の根拠となる法令上の規定はないが、当該検定手数料は指定検定機関が定める検定業務に関する規程の記載事項とされて経産大臣の認可が必要とされていることから、指定検定機関は、当該認可を受けた検定手数料について、その検定を受けようとする者から徴収している。
なお、経産大臣は、指定検定機関の検定手数料の額について、前述の実費を勘案して定める計量法関係手数料令(平成5年政令第340号)の考え方を踏まえた審査を行うこととしており、その積算根拠が不明瞭なものや極端な額のものについては、審査に合格しない場合がある。

<上記の事実関係に対して照会者の求める見解となることの理由>
1.検定に係る手数料に関する消費税の非課税規定等
国、地方公共団体、消費税法別表第三に掲げる法人(以下「別表第三法人」という。)その他法令に基づき国若しくは地方公共団体の委託若しくは指定を受けた者が、法令に基づき行う検査、検定、試験、審査、証明及び講習に係る役務の提供で、その手数料その他の料金の徴収が法令に基づく一定のもの及び当該役務の提供に類するものとして政令で定める一定のものについては、消費税が非課税とされている(消費税法第6条第1項、別表第一第五号イ及びロ)。
また、これを受けて、消費税法施行令第12条第2項第2号《国、地方公共団体等の役務の提供》では、国、地方公共団体、別表第三法人その他法令に基づき国又は地方公共団体の委託又は指定を受けた者が法令に基づき行う登録、認定、確認、指定、検査、検定、試験、審査及び講習(以下「検定等」という。)のうち、法令において、資産の輸出その他の行為を行う場合にその使用する資産について当該検定等に係る役務の提供を受けることが要件とされているものについては、消費税が非課税となる旨を定めている(消費税法施行令第12条第2項第2号イ(2))。
なお、「料金の徴収が法令に基づくもの」とは、「手数料を徴収することができる」又は「手数料を支払わなければならない」等の規定をいい、「別途手数料に関する事項を定める」又は「手数料の額は〇〇〇円とする」との規定は含まれないと解されている(消費税法基本通達6-5-2)。

2.照会者の求める見解となることの理由
上記のとおり、指定検定機関が特定計量器の検定を受けようとする者から徴収する検定手数料については、その徴収の根拠となる法令上の規定がないことから、上記のとおり、照会の検定手数料について、これが非課税となる場合の要件としては次のような点について検討する必要があると考えるので、当該要件の該当性について、以下検討する。
①検定を行う者が、国、地方公共団体、別表第三法人その他法令に基づき国若しくは地方公共団体の委託若しくは指定を受けた者であること
②当該事務が、法令に基づき行う検定等に係る役務の提供で、法令において、資産の輸出その他の行為を行う場合にその使用する資産について当該検定等に係る役務の提供を受けることが要件とされているものであること
(1)検定を行う者が国等に該当するか
上記のとおり、指定検定機関は、特定計量器の検定を実施する者(検定の実施主体)として、産総研、都道府県及び日電検といった公的機関と並ぶものであり、計量法第106条の規定に基づき経産大臣が指定するものである。
また、今般の改正による指定検定機関の指定要件の見直しは、あくまで経産大臣が検定機関を指定する際の要件緩和に止まるものであり、当該改正により新たに指定されることとなる「器差検定を中心とした指定検定機関」についても、経産大臣がその指定を受けようとする者の申請により、計量法第106条の規定に基づき、所定の審査を実施した上で指定するものである。
したがって、器差検定を中心とした指定検定機関は、法令に基づき国の指定を受ける者に該当するものと認められ、上記①の要件を満たすものと考える。
(2)法令に基づき行う検定等に係る役務の提供に該当し、法令において、一定の行為を行う場合にその使用する資産について当該検定等に係る役務の提供を受けることが要件とされているものに該当するか
特定計量器の検定は、上記II2(3)のとおり、計量法及び特定計量器検定検査規則の定めるところにより実施されるものであり、法令に基づき行われるものである。
また、上記Iのとおり、指定製造事業者が製造し、基準適合証印が付されているものを除き、指定検定機関等が行う検定を受け、これに合格したものでない特定計量器については、計量法第16条の規定に基づき、取引又は証明における計量に使用してはならないこととされており、例えば、食料品(肉等)の量り売りにおいて使用する計量器は、当該検定を受ける必要があるものと認められることから、特定計量器の検定は、上記②の要件を満たすものと考える。
(3)まとめ
以上のことからすると、照会の器差検定を中心とした指定検定機関が行う特定計量器の検定に係る手数料は、消費税法第6条第1項及び消費税法別表第一第5号ロ並びに消費税法施行令第12条第2項第2号イ(2)の規定に基づき、消費税が非課税となるものと考える。

<回答>

回答年月日
平成30年12月13日

回答者
国税庁課税部審理室長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1)この文書回答は、ご照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答ですので、個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は国税庁としての見解であり、個々の納税者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税法第9条の2第1項及び第3項の規定により、基準期間がない場合でも請求人の消費税の納税義務は免除されないとした事例

2019年3月19日


消費税法第9条の2第1項及び第3項の規定により、基準期間がない場合でも請求人の消費税の納税義務は免除されないとした事例

  • 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年2月23日裁決

<ポイント>
本事例は、消費税法第9条の2第1項に規定する「法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合」には、「その事業年度の基準期間がない」場合が含まれるとしたものである。

<要旨>
請求人は、消費税法第9条の2《前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例》第1項の規定は「法人のその事業年度の基準期間の課税売上高が1,000万円以下である場合において」と限定されており、同項の規定を条文に沿って解釈すれば、その事業年度の基準期間がない場合には同項の適用はないところ、請求人の場合、同項の規定の適用はなく、また、同法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項の規定の適用もないから、同法第9条《小規模事業者に係る納税義務の免除》第1項本文の規定により、消費税の納税義務はない旨主張する。

しかしながら、消費税法第9条第1項本文に規定する「事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者」には、当然に「その事業年度の基準期間がない法人」も含まれ、同法第9条の2第1項に規定する「法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合」についても、同様に「その事業年度の基準期間がない」場合が含まれる。

また、同法第12条の2第1項の括弧書において、同条の適用がある法人の課税期間から同法第9条の2第1項の規定により納税義務が免除されないこととなる課税期間が除かれていることからすると、同法第12条の2第1項は、同法第9条の2第1項の規定の適用対象に「その事業年度の基準期間がない法人」が含まれていることを前提に規定されており、このことをみても、同法第9条の2第1項の規定の適用対象に「その事業年度の基準期間がない法人」が含まれることは明らかである。

以上のことから、消費税法第9条の2第1項の規定は、その事業年度の基準期間がない場合についても適用があり、同項の規定の適用がある場合、同法第12条の2第1項の規定の適用はないことから、同法第9条の2第1項及び第3項の規定により、請求人の消費税の納税義務は免除されない。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税法第9条の2第1項及び第3項の規定により、基準期間がない場合でも請求人の消費税の納税義務は免除されないとした事例

2019年1月24日


平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A

国税庁は、「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」をホームページに掲載した。

 【基本的な考え方編】と【具体的事例編】とがある。

 ★【基本的な考え方編】 はこちら ⇒ 平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【基本的な考え方編】

★【具体的事例編】はこちら ⇒ 平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【具体的事例編】

2018年12月17日


消費税軽減税率制度の手引き(平成30年8月版)

国税庁は、『消費税軽減税率制度の手引き(平成30年8月版)』を、ホームページに掲載した。

目次は、以下のとおり。

消費税の軽減税率制度
軽減税率の対象品目
区分記載請求書等保存方式
税額計算
中小事業者の税額計算の特例
適格請求書等保存方式
免税事業者の方に留意していただきたい事項

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税軽減税率制度の手引き(平成30年8月版)

2018年9月28日


中古車販売における未経過自動車税等の取扱い

<照会要旨> 中古車を販売する際に、車両本体価格と未経過分の自動車税相当額及びリサイクル預託金相当額を区分して表示した場合、未経過分の自動車税相当額及びリサイクル預託金相当額は、資産の譲渡等の対価の額に含まれないこととなるのか?

<回答要旨> 自動車税は、4月1日現在の所有者に対して課税される税(道府県税)であるから、買主が支払う自動車税の未経過期間に対応する金額は、自動車税そのものとして都道府県に対して支払うものではなく、当該未経過の期間内に継続して乗用できる中古車の購入代金の一部として支払うものである。

したがって、車両本体価格と区分表示したとしても、自動車税相当額は資産の譲渡等の対価に含まれる(消費税法基本通達10-1-6)。 また、未経過分の自賠責保険料相当額を区分して表示する場合も、自動車税相当額と同様、資産の譲渡等の対価の額に含まれる。

一方、リサイクル預託金相当額については、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」に基づき資金管理法人に預託されているものだから、中古車として転売する際のリサイクル預託金相当額は、売主から買主への預託金の譲渡となり、金銭債権の譲渡として非課税となる(消費税法別表第一第2号、消費税法施行令第9条第1項第4号)。

 ★リンクはこちら ⇒ 中古車販売における未経過自動車税等の取扱い

2018年8月31日


よくわかる消費税軽減税率制度

国税庁は、「よくわかる消費税軽減税率制度」(リーフレット)を公表した。

内容は、以下のとおり。

  • 軽減税率制度は全ての事業者の方に関係があります。
  • 事業者の方に知っておいていただきたい軽減税率制度のポイントを紹介します。
  • 平成 35 年 10 月1日から導入される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)の概要を説明します。
  • 事業者の方からのよくある質問に答えます。

本当に、消費税軽減税率制度はやめてほしいと思う。

 ★リンクはこちら ⇒ よくわかる消費税軽減税率制度

2018年8月24日


価格が20万円を超える郵便物として資産を輸出した場合に消費税の輸出免税規定が適用されるには、税関長が証明した書類の保存を要するとした事例

  • 平成23年10月1日から平成27年6月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに当該各課税期間のうち特定の課税期間を除く各課税期間の消費税及び地方消費税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分 →棄却または却下
  • 平成29年9月15日裁決

<ポイント> 本事例は、関税法上の郵便物の輸出入に係る簡易手続を経て資産を輸出した場合であっても、その郵便物の現実の取引価格が20万円を超えるものである場合には、消費税の輸出免税規定の適用に当たり、税関長が証明した書類の保存が要件とされるとしたものである。

<要旨> 請求人は、その現実の取引価格が20万円を超えていた郵便物(本件郵便物)について、郵便発送伝票に20万円以下の金額が記載され、税関長の管理の下、何らの指摘もなく輸出されたものである以上、関税法第76条《郵便物の輸出入の簡易手続》第1項に規定する郵便物(簡易郵便物)として輸出されたものとして、消費税法施行規則第5条《輸出取引等の証明》第1項第1号に規定する輸出許可書等の保存がなくても、消費税法第7条《輸出免税等》第1項第1号の規定(輸出免税規定)が適用される旨主張する。

しかしながら、関税法第76条第1項に規定する「価格」とは、現実の取引価格であると解されることなどからすると、ある郵便物が簡易郵便物に該当するか否かは、当該郵便物の現実の取引価格を基準として判断されるべきであり、また、簡易郵便物として資産を輸出した場合に当たるか否かは、当該郵便物が簡易郵便物に該当するか否かにより判断されるべきである。

本件郵便物は、現実の取引価格が20万円を超えていることから、簡易郵便物として輸出したことには該当せず、したがって、輸出許可書等の一定期間の保存がない限り、輸出免税規定の適用はない。

 ★リンクはこちら ⇒ 価格が20万円を超える郵便物として資産を輸出した場合に消費税の輸出免税規定が適用されるには、税関長が証明した書類の保存を要するとした事例

2018年6月28日


請求人が行った商品券の販売は物品切手の譲渡に該当し、非課税取引に該当するとした事例

  • 消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成29年8月7日裁決

<ポイント> 本事例は、請求人は、発行を受けた商品券の同一性を保持しつつ、顧客へ販売しているから、当該商品券の販売は、消費税法別表第一第4号ハに規定する物品切手の譲渡に該当し、当該取引は非課税取引であるとしたものである。

<要旨> 請求人は、①請求人の店舗のみで使用できる商品券(本件商品券)が、資金決済に関する法律(資金決済法)上の自家型前払式支払手段に該当し、②本件商品券は流通している商品券等には該当しないことなどから、本件商品券の発行者は請求人であり、請求人の本件商品券の顧客への販売は、消費税法別表第一第4号ハに規定する物品切手の譲渡に該当しない旨主張する。

しかしながら、請求人と本件商品券の発行会社との間で締結した本件商品券の発行及び販売に関する契約(本件契約)は、当該発行会社が本件商品券を作成・発行の上で請求人に券面金額で販売し、これを請求人が顧客に再販売するものとされていること、請求人が購入代金を支払うまで本件商品券の所有権は当該発行会社に留保されること、本件商品券の裏面に発行元は当該発行会社である旨表示されていることからすれば、当該発行会社が本件商品券を発行し、それを請求人に販売するものとして締結されたと認められる。そして、本件商品券は、資金決済法に規定する前払式支払手段に該当し、その発行者に義務付けられた手続を実際に行っていたのは当該発行会社であったことなどからすると、当該発行会社が資金決済法上の発行者として本件商品券の発行の業務を行っていたといえる。

これらの事情から判断すると、本件商品券の発行者は当該発行会社であると認められ、請求人は当該発行会社から発行を受けた本件商品券につきその同一性を保持しつつ顧客へ移転させることにより、資産の譲渡を行ったものであるから、請求人が行った本件商品券の顧客への販売は、物品切手の譲渡に該当する。 ただし、請求人の課税売上割合及び控除対象仕入税額を再計算すると、原処分の一部を取り消すべきである。

★リンクはこちら ⇒ 請求人が行った商品券の販売は物品切手の譲渡に該当し、非課税取引に該当するとした事例

2018年6月25日


平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます(リーフレット)

国税庁のホームページに、『平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます』(リーフレット)が掲載された。

★リンクはこちら ⇒ 平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます(リーフレット)

2018年5月18日


消費税申告チェックシート(国、地方公共団体、公共法人用)

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、国、地方公共団体及び公共法人のが消費税申告書を作成される前の自主的な確認や、申告書を提出される直前の自主的な点検にご活用いただくためのチェックシートを作成している。

国税庁のホームページで、当該取組の内容を案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、提供している。

★リンクはこちら ⇒ 消費税申告チェックシート(国、地方公共団体、公共法人用)

2018年4月10日


事業を行うために必要な準備行為を行った日の属する課税期間は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たるとした事例

  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成29年6月16日裁決

<ポイント> 本事例は、新たに事業を開始した場合にはその事業を開始した日の属する課税期間の末日までに課税事業者選択届出書を提出すればその課税期間から課税事業者となるところ、請求人は、当該届出書を提出した課税期間の前年に新たに事業を行うための必要な準備行為を行っていることから、当該届出書は事業を開始した日の属する課税期間に提出されたものではあるとはいえず、本件課税期間は免税事業者となるとしたものである。

<要旨> 請求人は、消費税法施行令第20条《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》第1号に規定する「事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」の判断に当たっては、「事業を開始した日」について法令等に明確な規定がない以上、納税者の意思を尊重し、かつ、経済活動の実態に即した一般的な社会通念に沿って判断すべきであり、本件では、請求人が事業(本件事業)を開始したと認識し、個人事業開業届出書に本件事業を開始した日として記載した日の属する課税期間(本件課税期間)が同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」に該当する旨主張する。

しかし、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日の属する課税期間は、同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」に当たると解するのが相当であり、本件において、請求人は、本件課税期間の前の課税期間中に請負契約を締結してその契約金を支払うなどしており、これらの行為は本件事業を行うために必要な準備行為と認められるから、本件課税期間は、同号に規定する「事業を開始した日の属する課税期間」には該当せず、請求人が本件課税期間中に提出した課税事業者選択届出書の効力は、本件課税期間の翌課税期間から生ずるため、本件課税期間について、請求人は消費税の免税事業者となる。

★リンクはこちら ⇒ 事業を行うために必要な準備行為を行った日の属する課税期間は「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たるとした事例

2018年4月3日


信用を出資の目的とした出資の額は消費税法上の出資の金額に含まれ、請求人は消費税法上の新設法人に該当するため消費税等を納める義務が免除されないとした事例

  • 消費税及び地方消費税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分 →棄却
  • 平成29年6月15日裁決

<ポイント> 本事例は、信用を出資の目的とした出資の額は消費税法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項に規定する「出資の金額」に該当するとしたものである。

<要旨> 請求人は、消費税法第12条の2《新設法人の納税義務の免除の特例》第1項に規定する「事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額」について、消費税法に定義規定が置かれていないから会社計算規則第30条《資本金の額》第1項の規定を借用すべきであり、これを借用すると信用を出資の目的とした出資(以下「信用出資」という。)は資本金概念に含まれないから、当該課税期間において消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)を納める義務はない旨主張する。

しかしながら、関係法令の規定からすると、請求人が受け入れた信用出資は消費税法第12条の2第1項に規定する「出資の金額」に該当するものと解され、当該信用出資の額は1千万円以上であることから、請求人は当該課税期間において消費税等を納める義務を免除されない。

★リンクはこちら ⇒ 信用を出資の目的とした出資の額は消費税法上の出資の金額に含まれ、請求人は消費税法上の新設法人に該当するため消費税等を納める義務が免除されないとした事例

2018年3月29日


請求人が合衆国軍隊と請求人との間に介在する米国法人と行った取引が日米地位協定の所得税等特例法に規定する免税取引には該当しないとした事例 Edit

  • 平成23年4月1日から平成27年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 →棄却
  • 平成28年12月20日裁決

<ポイント> 本事例は、請求人が合衆国軍隊と請求人との間に介在する米国法人と行った取引について、日米地位協定の所得税等特例法及びそれを受けた所得税等特例法施行令に定める免税証明書の保存要件を満たしていないことから、所得税等特例法に規定する免税取引には該当しないとしたものである。

<要旨> 請求人は、請求人とアメリカ合衆国(合衆国)軍隊の調達機関との間に合衆国の法人(本件米国法人)が介在する商品販売取引(本件取引)について、本件米国法人は合衆国軍隊の公認調達機関であり、合衆国軍隊の権限ある官憲の発給する免税証明書(本件免税証明書)が発給されたのであるから、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律(日米地位協定の所得税等特例法)第7条《消費税法の特例》第1項が適用され、消費税及び地方消費税が免除される旨主張する。

しかしながら、同条第2項では、同条第1項の適用を受けるには政令で定めるところによる証明が必要である旨規定し、その委任を受けた日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律施行令第2条《消費税の免税手続》では、事業者が、同条に規定する免税証明書を日米地位協定の所得税等特例法第7条第1項の免税取引を行った日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、所定の方法で保存することを手続要件としているところ、本件免税証明書は審査請求後に発給されたものであり、本件取引においては、免税証明書の保存要件を満たしていないから、日米地位協定の所得税等特例法第7条第1項の適用を受けることはできない。

★リンクはこちら ⇒ 請求人が合衆国軍隊と請求人との間に介在する米国法人と行った取引が日米地位協定の所得税等特例法に規定する免税取引には該当しないとした事例

2017年11月30日

請求人が所有する物件の賃貸借に係る契約において、賃借人が当該物件を住宅として転貸することが契約書その他において明らかであるとした事例 Edit

  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成28年9月7日裁決

<ポイント> 本事例は、消費税法上、非課税とされる住宅の貸付け(消費税法別表第一第13号)には、住宅が転貸借及び再転貸借される場合も含まれると判断したものである。

<要旨> 請求人は、消費税法基本通達6-13-7《転貸する場合の取扱い》(本件通達)が想定するのは転貸借取引のみであるところ、請求人が不動産販売会社(本件会社)から取得した物件(本物件)を本件会社に賃貸する取引(本件賃貸借取引)は、その契約(本件賃貸借契約)の内容からすれば、本物件が再転貸借されること及び本物件に実際に居住することができない法人が再転貸人になることが想定されているから、本件通達適用の前提を欠いており、また、仮に本件通達適用の余地があるとしても、本件賃貸借契約等において、本件会社が本物件を実際に人の居住の用に供することが明らかでないなどとして、本件賃貸借取引は、非課税取引である「住宅の貸付け」には該当しない旨主張する。

しかしながら、「住宅の貸付け」が非課税とされる趣旨は、住宅の貸付けを行う事業者が賃借人に対し、消費税相当額を転嫁しないことにより、住宅賃借人を政策的に保護することにあるものと解され、消費税法第6条《非課税》に規定する別表第一第13号に掲げる「住宅の貸付け」は、「当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」と規定されていることからすれば、本件通達の適用範囲を限定しようとする請求人の主張に合理性は認められず、また、本物件に係る本件会社との売買契約書及び賃貸借契約書の記載内容、本件賃貸借契約締結時の請求人に対する本件会社の社員の説明などからすれば、本件賃貸借契約における賃借人である本件会社が本物件を住宅(人の居住の用に供する家屋等)として転貸することが契約書その他において明らかであるから、本件賃貸借取引は「住宅の貸付け」に該当し、その全額が非課税取引となる。

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2017年10月3日

いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合の仕入税額控除

<照会要旨> 当社は、国外事業者からインターネットを介して電子書籍を購入した。この取引は、「事業者向け電気通信利用役務の提供」には該当せず、いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」()に該当するものであるが、仕入税額控除をすることができるか。 ()「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当しないものを、ここでは便宜的に「消費者向け電気通信利用役務の提供」という。

<回答要旨> 事業者が、国内において行った課税仕入れのうち、国外事業者から受けた、いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、当分の間、仕入税額控除の適用は認められていない。

ただし、「登録国外事業者」から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、帳簿及び請求書等の保存など、一定の要件を満たす場合には、仕入税額控除の適用が認められる。 この場合、他の課税仕入れの要件に加えて、帳簿については「登録国外事業者」に付された「登録番号」、請求書等については「登録番号」と「当該役務の提供を行った事業者において消費税を納める義務があること」の記載が要件とされている。

【消費者向け電気通信利用役務の提供」に係る請求書等の記載事項 】

  • 書類の作成者の氏名または名称及び登録番号
  • 課税資産の譲渡等を行った年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
  • 課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容
  • 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
  • 書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称
  • 課税資産の譲渡等を行った者が消費税を納める義務がある旨

太字が、他の課税仕入れに係る請求書等の記載事項と異なる部分である。

なお、その取引の性質に鑑み、取引相手から交付される請求書等の保存については、紙によるものに代えて、法令に規定された記載事項を満たした電子的な請求書等の保存によることができることとされている。

また、「登録国外事業者」は、その消費者向け電気通信利用役務の提供を受ける事業者の求めに応じ、必要な事項が記載された請求書等を交付する義務が課されている。

おって、国外事業者が「登録国外事業者」に該当するかどうかは、当該事業者の氏名または名称、登録番号及び登録年月日等について、国税庁ホームページで公表しているので、国税庁ホームページで確認することができる。

 ★リンクはこちら ⇒ いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合の仕入税額控除

2016年3月7日

特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算

<照会要旨> 特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算は、どのように行うのか。

<回答要旨> 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されている。

課税売上割合の計算は、原則として、事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等の対価の額により計算するので、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた事業者の課税売上割合の計算においては、その事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等ではない「特定課税仕入れ」に係る金額は考慮する必要はなく、その金額は、分母にも分子にも算入しないで計算する。

また、「事業者向け電気通信利用役務の提供」を行った国外事業者の課税売上割合の計算においても、資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等からは「特定資産の譲渡等」(事業者向け電気通信利用役務の提供)が除かれているので、特定資産の譲渡等に係る金額は、分母にも分子にも算入しないで計算する。

 ★リンクはこちら ⇒ 特定課税仕入れがある場合の課税売上割合の計算

2016年3月3日

免税事業者からの特定課税仕入れ

<照会要旨> 当社は、当課税期間について簡易課税制度の適用がなく、課税売上割合も95%未満の事業者である。 このたび、国外の免税事業者にインターネットによる広告配信を依頼したが、免税事業者からの特定課税仕入れ(事業者向け電気通信利用役務の提供)についても、リバースチャージ方式により申告を行う必要があるのか。

<回答要旨> 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されており、いわゆるリバースチャージ方式により消費税の申告をする必要がある。

ところで、「特定課税仕入れ」とは、課税仕入れのうち事業として他の者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」をいうこととされており、その提供者が免税事業者であっても、提供される役務が「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するのであれば、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた事業者に納税義務が課される。

したがって、ご質問のように当課税期間に簡易課税制度の適用がなく、課税売上割合が95%未満であれば、リバースチャージ方式による申告が必要である。

 ★リンクはこちら ⇒ 免税事業者からの特定課税仕入れ

2016年3月1日

リバースチャージ方式による申告を要する者

<照会要旨> 国外事業者から「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合、リバースチャージ方式により消費税の申告をする必要があるのは、どのような者なのか。

<回答要旨> 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されており、いわゆるリバースチャージ方式により消費税の申告をする必要がある。

また、特定課税仕入れは、他の課税仕入れと同様に、役務の提供を受けた事業者において仕入税額控除の対象となる。 ただし、国外事業者から「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた場合であっても、役務の提供を受けた事業者の、

  • 一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期
  • 簡易課税制度が適用される課税期間

については、当分の間、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(特定課税仕入れ)はなかったものとされるので、「特定課税仕入れ」として申告する必要はなく、また仕入税額控除の対象にもならない。

したがって、リバースチャージ方式により申告をする必要があるのは、一般課税により申告を行う事業者で、その課税期間の課税売上割合が95%未満の事業者に限られる。

(注) 平成27年10月1日以降に、国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係については、見直しが行われている。 詳しくは、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について」を参照のこと。

 ★リンクはこちら ⇒ リバースチャージ方式による申告を要する者

2016年2月26日

特定課税仕入れがある場合の納税義務の判定

<照会要旨> 当社は、国内に本店を有する法人だが、当課税期間に国外事業者から「特定課税仕入れ」である「事業者向け電気通信利用役務の提供」を受けた。 また、当課税期間は一般課税で課税売上割合も95%未満なので、特定課税仕入れに係る支払対価の額を課税標準として申告を行う。 この場合に、翌々課税期間の納税義務の判定を行う際の基準期間における課税売上高に、特定課税仕入れに係る支払対価の額は含まれるのか。

<回答要旨> 納税義務の判定は、その事業者が行った課税資産の譲渡等の対価の額から計算した「課税売上高」により判定することとされている。 「特定課税仕入れ」は、その事業者の仕入れであって、課税資産の譲渡等ではないので、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額を課税標準として消費税の申告・納税を行っていたとしても、納税義務の判定や簡易課税制度が適用されるか否かの判定における課税売上高には、特定課税仕入れに係る支払対価の額は含まれない。

 ★リンクはこちら ⇒ 特定課税仕入れがある場合の納税義務の判定

2016年2月24日

消費税の複数税率(軽減税率)について(日本税理士会連合会会長コメント)

 日本税理士会連合会会長が、消費税の複数税率(軽減税率)について、以下のコメントを出しているが、僕自身も同感である。

消費税の複数税率については、平成27年度の与党税制改正大綱に「関係事業者を含む国民の理解を得た上で税率10%時に導入する」と記載され、先般、安倍首相から自民党税制調査会の会長に対し、商工業者への配慮をしつつ、平成29年4月の消費税率引き上げ時に軽減税率を導入する方向で検討するようにとの指示がありました。これを受け、与党税制協議会では、具体的な対象品目、区分経理及び財源等について検討が進められています。 消費税率の引き上げは、少子化・高齢化の進展に伴う社会保障費の増加に対応する財源について、現役世代にこれ以上の負担は求められないこと等から決定されたものであり、消費税の制度設計にあたっては、慎重な検討が必要です。 日本税理士会連合会では、対象品目の公平な選定や区分経理の方法が困難であること、事業者の事務負担が増加すること、低所得者対策としては非効率であること、財政再建が損なわれ社会保障給付の抑制が必要となること、簡易課税制度が複雑な制度となってしまうこと等の観点から、かねてより、税制改正建議書において単一税率制度を維持すべきことを強く主張し、低所得者対策としては給付付き税額控除制度の導入を検討するよう求めてきました。 複数税率の導入は、「単一税率は、公平・中立・簡素で、かつ広く薄くという消費税の長所」を後退させます。その結果、納税義務を負う事業者は、今まで以上に複雑な事務処理を要することになり、特に中小・小規模事業者は、これらの事務負担だけでなく、複数税率に対応するための人件費など、過度なコスト負担も強いられることになります。また、行政コストも増加します。 日本税理士会連合会では、今後も、税務の専門家団体として、消費税の複数税率制度が内包する欠陥や実現した場合に発生する問題点を明らかにしつつ、消費税制を含めたあるべき税制の全体像について意見表明を行ってまいります。

2015年11月27日

公正取引委員会及び中小企業庁が実施する「消費税の転嫁拒否等に関する調査」における調査票の送付

今般の消費税率の引上げに伴う消費税の円滑かつ適正な転嫁については、政府全体で取り組むこととしている。 この取組の一環として、公正取引委員会及び中小企業庁では、商品または役務(サービス)を供給している事業者が、取引先事業者から消費税の転嫁拒否等の法律上問題となる行為を受けていないかの実態を把握し、問題のある行為の是正につなげるため、「消費税の転嫁拒否等に関する調査」を実施している。

この度、公正取引委員会及び中小企業庁から、事業者の皆様から幅広く情報を収集するため、消費税転嫁対策特別措置法第16条第2項に基づき、調査票の送付について国税庁に協力依頼があった。 この協力依頼に応じて、以下のスケジュールにて調査票を税務署から送付することを予定している。

  • 皆様の個人情報等について税務署から公正取引委員会及び中小企業庁には一切提供していない。
  • 回答用紙の回答者氏名欄等の記載は、任意となっている。
  • 幅広く情報を収集するため、昨年度送付した方についても改めて送付している。

<調査票送付予定日>

 税務署  調査票送付予定日
東京国税局・大阪国税局・福岡国税局・熊本国税局・沖縄国税事務所管内の税務署 平成27年10月20日(火)及び10月27日(火)
札幌国税局・仙台国税局・関東信越国税局・金沢国税局・名古屋国税局・広島国税局・高松国税局管内の税務署 平成27年11月16日(月)及び11月24日(火)

本書面調査に関して御不明な点等があれば、公正取引委員会及び中小企業庁が設置している「照会センター」(0570-783-731)に問い合わせること。

個人的には、なぜ有料ダイヤルなのか疑問である。

 ★リンクはこちら ⇒ 公正取引委員会及び中小企業庁が実施する「消費税の転嫁拒否等に関する調査」における調査票の送付

2015年10月20日

請求人が行った建物のリース取引に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であると認定した事例

①平22.9.1~平23.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 ②平23.9.1~平24.8.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 ①一部取消し 却下 ②棄却 却下 平成26年12月10日裁決

<ポイント> 本事例は、請求人が賃借する建物の賃貸借契約に係る取引は、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当し、当該リース取引に係る課税仕入れの用途区分は、非課税用ではなく共通用に該当するとして、原処分の一部を取り消したものである。

<要旨> 原処分庁は、請求人が締結した有料老人ホーム(本件物件)の賃貸借契約については、法人税法上売買があったものとされるリース取引に該当するところ、本件物件は、入居者が生活を営む場所及び日常生活を送る上で必要不可欠な場所で構成されており、その全体が住宅に該当することから、本件物件に係る課税仕入れの用途区分は、個別対応方式の計算上、非課税売上げのみに要するものに該当する旨主張する。

しかしながら、本件物件においては、入居者に対して、非課税売上げである居住スペースの貸付け及び介護サービスの提供だけでなく、課税売上げである居室清掃や洗濯等の各種サービスの提供が予定されていた上、実際にこれらの売上げに必要な設備を備えていたことが認められるから、本件物件に係る課税仕入れの用途区分は、個別対応方式の計算上、課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れに該当する。

 ★リンクはこちら ⇒ 「請求人が行った建物のリース取引に係る課税仕入れの用途区分については、共通用に区分するのが相当であると認定した事例

2015年9月14日

ケースで考える消費税率引上げ対策(改訂版)

この度、日本商工会議所は、消費税率引上げに伴う価格転嫁対策をわかりやすく解説した小冊子「ケースで考える消費税率引上げ対策」(改訂版)を発行した。 本小冊子は、消費税率10%への引上げが平成29年4月に延期されたことを踏まえ、作成したものである。

中小企業がさらなる税率引上げを乗り越えられるように、駆け込み需要とその反動減、物流の混雑等、今回の税率引上げ前後に発生した様々な影響を振り返るとともに、価格表示、新商品開発、資金繰り、消費税転嫁対策特別措置法への対応等、業種別のケーススタディを掲載し、わかりやすく解説している。

なお、本小冊子は、ホームページでダウンロードも可能であるし、各地商工会議所を通じて、全国の中小企業・小規模事業者へ無料で配布している。

 ★リンクはこちら ⇒ 「ケースで考える消費税率引上げ対策」(改訂版)

2015年8月4日

消費税法改正のお知らせ(平成27年4月)

国税庁は、「消費税法改正のお知らせ(平成27年4月)」をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税法改正のお知らせ(平成27年4月)

2015年6月8日

消費税転嫁拒否に関する主な違反事例

公正取引委員会はこのほど、パンフレット「消費税の転嫁拒否に関する主な違反事例」をホームページに掲載した。

今般の消費税率(8%・10%)の引上げに当たり、平成25年10月1日に、「消費税転嫁対策特別措置法」が施行されたが、パンフレットは、消費税転嫁対策特措法の施行以降の主な違反事例の概要紹介を通じて、事業者等に消費税の転嫁拒否等の行為に関する理解をより一層深めてもらうことを目的として作成したもの。

パンフレットはまず、平成26年4月1日以降に特定供給事業者(売手)から受ける商品または役務(サービス)の供給について、特定事業者(買手)が特定供給事業者(売手)に対して消費税の転嫁拒否等の行為を行う場合が規制対象となると説明。 禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為として、『買いたたき』、『減額』、『商品購入、役務利用、利益提供の要請』、『本体価格での交渉の拒否』、『報復行為』の5類型を挙げている。 その上で、特定事業者(買手)が消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合には、公取委等による調査が行われ、転嫁拒否による不利益の回復など必要な指導が行われ、また、重大な転嫁拒否等の行為を行った事業者に対しては、公取委が勧告を行い、事業者名等を公表することを明らかにしている。 そして、禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為5類型についての違反事例を紹介しながら、分かりやすく解説している。

 ★リンクはこちら ⇒ 消費税転嫁拒否に関する主な違反事例

2015年5月18日

米軍基地内における資産の譲渡等は非課税取引に該当するとした事例

平22.5.1~平24.4.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 棄却 平成26年5月8日裁決

<要旨> 請求人は、在日米軍基地内の営業店舗におけるアメリカ合衆国軍隊の構成員等に対する物品の販売(本件米軍基地内取引)については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)第15条の規定により消費税法が適用されないから、消費税法上の「国内において行った資産の譲渡等」に該当せず、また、消費税法別表第一にも掲げられていないため、課税売上割合の計算において分母及び分子のいずれにも算入されない旨主張する。

しかしながら、消費税法第2条《定義》第1項第1号が「国内」を「この法律の施行地」と定義しており、在日米軍基地が日本の領土内にあることは明らかであるから、本件米軍基地内取引は、消費税法上の国内における資産の譲渡等に該当する。 そして、条約である日米地位協定は国内法である消費税法に優先して適用されることになるところ、本件米軍基地内取引は、日米地位協定第15条第2項前段に規定する諸機関による商品等の販売に該当し消費税が課されないが、本件米軍基地内取引に係る商品の購入については、同項後段の規定により消費税が課されることとなる。

ところで、仕入税額控除の制度は、多段階課税である消費税の累積を避けるため仕入れに含まれている消費税額を控除するという制度であるから、消費税が課されない売上げに対応する課税仕入れに係る消費税は本来的に仕入税額控除の対象とはなり得ないものであるところ、日米地位協定第15条第2項が「諸機関による商品及び需品の日本国内における購入」には日本の租税である消費税を課する旨規定していることからすると、本件米軍基地内取引は、消費税法における仕入税額控除に関する規定の適用上、同法別表第一に掲げられているか否かとは関わりなく、国内において行った資産の譲渡等には該当するものの、国内において行った課税資産の譲渡等には該当しないものと取り扱うのが相当であり、その対価の額は課税売上割合の計算において分母に算入され、かつ、分子に算入されないこととなる。

 ★リンクはこちら ⇒ 米軍基地内における資産の譲渡等は非課税取引に該当するとした事例

2015年4月27日

請求人が販売員に支払った金員は給与等に該当するとした事例

①平21.5.1~平23.4.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 ②平成20年1月~平成22年6月の各期間分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分 棄却 平成26年2月17日裁決

<ポイント> 本事例は、百貨店の物産展において弁当の調理・販売を行っている請求人が、職業紹介事業者等を介して手配した各販売員(いわゆるマネキン)に支払った金員について、当該販売業務の具体的態様等に基づき、所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当するとして、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないと判断したものである。

<要旨> 請求人は、マネキン紹介所等からの紹介に基づいて請求人に対する役務の提供を行った販売員(本件各販売員)に金員を支払っていたところ、当該金員に関して、イ.本件各販売員は販売のプロであること、ロ.販売業務に必要なエプロン等は本件各販売員が用意していたこと、ハ.本件各販売員は他者をして代わりに販売に当たらせることができること、ニ.請求人は業務委託契約を締結する意思であったこと等から、本件各販売員は業務委託契約に基づき役務の提供を行っていたのであり、請求人が本件各販売員に支払った金員は給与等に該当しない旨主張する。

しかしながら、給与等とは、雇用契約又はこれに類する原因に基づき、自己の危険と計算によることなく、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいうものと解され、具体的には、受給者が①指揮監督を受けているかどうか、②時間的な拘束を受けているかどうか、③材料や用具等の供与を受けているかどうか、④自己の責任において他者を手配して役務の提供に当たらせることが認められるものではないかどうか等の事情を総合勘案して判断するのが相当であると解されるところ、販売業務を行う際に必要なエプロン等については請求人が用意したものでなかったことが認められるが、本件各販売員は、請求人の指揮監督を受けるとともに、時間的拘束を受け、役務の提供の代替が認められていなかったこと、さらに、本件各販売員の役務提供に至る経緯等を併せ考慮すれば、本件各販売員に支払われた金員は、いずれも雇用契約に基づき、自己の危険と計算によることなく、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として支給されたものといえ、給与等に該当すると認められる。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が販売員に支払った金員は給与等に該当するとした事例

2015年2月3日

平成26年の中間申告の方法と納付

中間申告は、以下の2つの方法のいずれかによることができる。

1.前年実績による中間申告 平成25年分の確定消費税額に応じて、以下により算出した中間納付税額を記載した「消費税及び地方消費税の中間申告書」及び「納付書」が所轄税務署から送付されるので、必要事項を記入の上、税務署に中間申告書を提出するとともに、納付書により消費税及び地方消費税を納付する。

平成25年分の確定消費税額(注) 中間申告・納付の回数 中間納付税額 申告・納付期限
48万円超 400万円以下 年1回 平成25年分の確定消費税額の12分の6の消費税額とその25%の地方消費税 平成26年9月1日(月) (振替納税利用の場合の振替日) 平成26年9月29日(月)
400万円超 4,800万円以下 年3回 平成25年分の確定消費税額の12分の3の消費税額とその25%の地方消費税 詳しくは、国税庁ホームページ(www.nta.go.jp)で確認のこと。
4,800万円超 年11回 平成25年分の確定消費税額の12分の1の消費税額とその25%の地方消費税

(注) 「確定消費税額」とは、中間申告対象期間末日までに確定した消費税の年税額(申告書⑨欄の差引税額)をいう。

2.仮決算に基づく中間申告 事業状況が平成25年と著しく異なる場合などは、「1.前年実績による中間申告」の方法に代えて、各中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、これに基づいて計算した消費税額及び地方消費税額により中間申告・納付ができる。 なお、この計算によりマイナスとなった場合でも還付を受けることはできない(この場合、中間申告税額は「0」になる。)。 また、仮決算による中間申告書は、提出期限を過ぎて提出することはできない。 中間申告の期限までに、中間申告書を提出しない場合でも、上記「1.前年実績による中間申告」の消費税額及び地方消費税額が納付すべき税額として確定するので、納付期限までに必ず納付すること。

  • 消費税及び地方消費税の中間申告は、「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」を利用できる。
  • 詳しくは、e-Taxホームページ(www.e-tax.nta.go.jp)を見ること。
  • 消費税及び地方消費税(個人事業者)の納税には、振替納税が便利である。
  • 振替納税を利用するために必要な振替依頼書は、国税庁ホームページから入手できる。

2014年9月2日

平成26年に消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要な個人事業者

個人事業者の方で、平成25年分の確定消費税額(地方消費税額は含まない。)が48万円を超える方は、消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要である。

この「平成25年分の確定消費税額」とは、平成25年分の確定申告により確定した消費税の年税額をいい、期限後申告または修正申告等が行われた場合には、これらによって確定した消費税の年税額をいう。

2014年9月1日

平成26年4月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の申告書・添付書類

国税庁は、平成26年4月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の確定申告書及び添付書類の様式等をホームベージに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 平成26年4月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の申告書・添付書類

2014年3月20日

消費税法改正への対応

日本政策金融公庫は、トピックとして「消費税法改正への対応」を公表した。

2014年4月1日からの消費税増税に備え、事業者が心得ておくべきポイントを分かりやすく紹介している。

★リンクはこちら⇒ 消費税法改正への対応(既に削除済み)

2014年3月17日

会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却

【照会要旨】 会社員が自宅に太陽光発電設備を設置し、いわゆる太陽光発電による固定価格買取制度に基づき、その余剰電力を電力会社に売却している場合、課税の対象となるのか。

【回答要旨】 余剰電力の買取りは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、太陽光発電による電気が太陽光発電設備が設置された施設等において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分が当該施設等に接続されている配電線に逆流し、これを一般電気事業者である電力会社が一定期間買い取ることとされているものである。 消費税の課税対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であり、個人事業者が生活の用に供している資産を譲渡する場合の当該譲渡は課税対象とならないが、会社員が行う取引であっても、反復、継続、独立して行われるものであれば、課税対象となる。 余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合に当該余剰電力を電力会社に売却しているものであって、これは消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っているものであることから、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しない。 したがって、事業者ではない者が生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた余剰電力の売却は、課税の対象とならない。

(注) 会社員が自宅で行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされている(全量売電)。 会社員が行うこの全量売電は、電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、課税の対象となる。

★リンクはこちら⇒ 会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却

2014年3月4日

中小企業・小規模事業者のための消費税の転嫁万全対策マニュアル

平成26年4月1日の消費税率引上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方々、 とりわけ中小企業・小規模事業者にとって最大の懸案事項の一つである。 このため、消費者や取引先への消費税の転嫁を円滑かつ適正に進めることを目的として、 「買いたたき」や「減額」などの行為を禁止する「消費税転嫁対策特別措置法」が制定され、平成25年10月1日に施行された。

中小企業庁は、中小企業・小規模事業者をはじめとする事業者の方々に対して、 本法における規制や実務等の内容を分かりやすく解説したパンフレットを作成した。 このパンフレットは、経済産業省・中小企業庁のホームページで公表するほか、中小企業庁・各経済産業局、 各地域の商工会・商工会議所・中小企業団体中央会・商店街振興組合連合会に配布しているので、 冊子を希望の方は最寄りの窓口に問い合わせのこと。

★リンクはこちら⇒ 中小企業・小規模事業者のための消費税の転嫁万全対策マニュアル

2014年1月29日

改正消費税法に関するQ&A(平成25年11月11日Q9追加)

公益社団法人リース事業協会が、改正消費税法に関するQ&Aを出しているが、平成25年11月11日にQ9(第三者保証が付されたリース取引)を追加した。

Q9 第三者保証が付されたリース取引(平成20年4月1日以後のリース取引)について、改正消費税法の経過措置の適用関係(借手・貸手)を教えてください。

A9 消費税の取扱いとしては、当該取引に対して、資産の譲渡等を受ける側借手)の認識にかかわらず、資産の譲渡等を行う側(貸手)の消費税率が適用される。 これにより、貸手側がファイナンス・リース取引として認識する場合は、借受日が改正法施行日前(平成26年3月31日まで)の場合は旧税率(5%)、改正法施行後(平成26年4月1日以降)の場合は新税率(8%)が適用される。この適用関係は、借手が分割控除した場合も同じ取扱いとなる。 また、貸手側がオペレーティング・リース取引として認識し、経過措置の要件を満たした場合は、経過措置の適用により借受日の税率が適用される。一方、経過措置の要件を満たさない場合は、改正法施行後のリース料については新税率(8%)が適用される。 このようなことから、借手は貸手の請求書に基づき適用される消費税率を確認して課税仕入れの計算をする必要がある。

★リンクはこちら⇒ 改正消費税法に関するQ&A(平成25年11月11日Q9追加)(既に削除済み)

<2014年3月31日 Q10~12追加>

★リンクはこちら⇒ 改正消費税法に関するQ&A(平成26年3月31日Q10~12追加)

2014年1月8日

小冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために」

内閣官房、内閣府、公正取引委員会、消費者庁、財務省は、小冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために」を発行した。

内容は以下のとおり。

  • 消費税率引上げの趣旨・消費税の性格
  • 転嫁拒否等の行為の是正
  • 転嫁を阻害する表示の是正
  • 総額表示義務の特例
  • 総額表示に係る景品表示法の適用除外
  • 転嫁カルテル・表示カルテルの独占禁止法適用除外
  • 便乗値上げ

★リンクはこちら⇒ 小冊子「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために」(既に削除済み)

2013年11月15日

小冊子「消費税率引上げ対策早わかりハンドブック」

この度、日本商工会議所では、消費税率引上げに伴う価格転嫁対策をわかりやすく解説した小冊子「消費税率引上げ対策早わかりハンドブック」を発行した。

本ハンドブックは、中小企業・小規模事業者が、消費税率引上げを乗り切ることができるように、収益確保策、資金繰り、社内体制の整備、経理処理、本年10月1日に施行された消費税転嫁対策特別措置法の活用等について、ポイントを絞り、わかりやすく解説していることが特徴である。

なお、本小冊子は、各地商工会議所を通じて、全国の中小企業・小規模事業者へ無料配布する。

★リンクはこちら⇒ 小冊子「消費税率引上げ対策早わかりハンドブック」

2013年10月23日

中小企業・小規模事業者のための消費税の手引き

平成26年4月1日の消費税率引上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方々、 とりわけ中小企業・小規模事業者にとって最大の懸案事項の一つである。 このため、消費者や取引先への消費税の転嫁を円滑かつ適正に進めることを目的として、 「買いたたき」や「減額」などの行為を禁止する「消費税転嫁対策特別措置法」が制定され、平成25年10月1日に施行された。

この度、中小企業庁は、中小企業・小規模事業者をはじめとする事業者の方々に対して、 本法の内容を周知・普及するため、本法の内容を分かりやすく解説したパンフレットを作成した。 本パンフレットは、経済産業省・中小企業庁のホームページで公表する他、中小企業庁・各経済産業局、 各地域の商工会・商工会議所・中小企業団体中央会・商店街振興組合連合会に配布しているので、 冊子を御希望の方は最寄りの窓口にお問い合わせのこと。

★リンクはこちら⇒ 中小企業・小規模事業者のための消費税の手引き

2013年10月18日

消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(平成25年10月1日閣議決定)の概要

<冒頭>

  • 消費税率(国・地方)を平成26年4月1日に5%から8%へ引き上げることを確認する。
  • 消費税率の引上げによる反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげるため、経済政策パッケージを決定。

<消費税率引上げにあたっての対応> 消費税率の引上げにあたっては、税収増を社会保障の充実・安定化に充てるのみならず、デフレ脱却と経済再生に向けた取組みを更に強化するため、以下の(1)~(7)を「経済政策パッケージ」として取り組む。 (1)成長力底上げのための政策 ①成長戦略関連施策の当面の実行方針 ②投資減税措置等

  • 設備投資減税・研究開発減税、事業再編促進税制、ベンチャーファンドへの投資を促す税制等について、所要の措置を講ずる。

(2)「政・労・使」の連携による経済の好循環の実現

  • 企業収益の拡大が賃金上昇や雇用拡大による消費拡大・投資増加につながる好循環を実現するため、政府は、9月20日に立ち上げた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」等において取組を進める。
  • 所得拡大促進税制について、企業による賃金引上げの取組を強力に促進するため、拡充を行う。
  • 足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に、復興特別法人税の一年前倒しでの廃止について検討する。その検討にあたっては、税収の動向などを見極めて復興特別法人税に代わる復興財源を確保すること、国民の理解、なかでも被災地の方々の十分な理解を得ること、及び復興特別法人税の廃止を確実に賃金上昇につなげられる方策と見通しを確認すること等を踏まえたうえで、12月中に結論を得る。

(3)新たな経済対策の策定

  • 消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力を底上げして成長軌道に早期に復帰できるよう、反動減等に対応した給付措置(後述)と合わせて、新たな経済対策を策定する。
  • 来年度4~6月期に見込まれる反動減を大きく上回る5兆円規模とし、3%の消費税率引上げによる影響を大幅に緩和するとともに、経済の成長力の底上げ、成長軌道への早期の復帰に対応。
  • その中で、 ・競争力強化策(中小企業に重点を置いた投資補助金などの設備投資支援策、エネルギーコスト対策、東京オリンピックへの対応などの交通・物流ネットワークの整備、競争力強化・イノベーションにつながる重点課題の研究開発、地域活性化のための農業の6次産業化の推進など) ・高齢者・女性・若者向け施策(簡素な給付措置の加算措置、若者や女性を含めた雇用拡大・賃上げ促進のための措置、子育て支援など) ・復興、防災・安全対策の加速(被災地の災害復旧、学校施設の耐震化、地域経済に配慮した社会資本の老朽化対策など。復興事業については、復興特別法人税を減税する場合には復興財源を補填。) などを措置すべく、今後、来年度予算と併せて具体化し、景気や税収の動向を見極めた上で、12月上旬に新たな経済対策として策定する。
  • その上で、これらの施策を実行するための平成25年度補正予算を、来年度予算と併せて編成する。
  • また、来年度予算においても、経済成長に資する施策に重点化する。

(4)簡素な給付措置 : 市町村民税非課税者2,400万人に1万円支給。老齢基礎年金(65歳以上)の受給者等に5,000円を加算。

(5)住宅取得等に係る給付措置(給与収入約500万円以下の住宅購入者に10~30万円給付。 被災地は標準的な負担増加額を給付。)、車体課税の見直し

(6)転嫁対策:消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保するため、実効性ある対策を推進。

(7)復興の加速等(再掲):①新たな経済対策の中で復旧・復興の加速に取り組み、平成25年度補正予算及び平成26年度当初予算で予算措置を講じる。②その対策の中で、復興特別法人税を廃止する場合は復興財源を補填する。③被災者の住宅再建に係る給付措置を行う。

★リンクはこちら⇒ 「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」(平成25年10月1日閣議決定)の概要

2013年10月10日

消費税転嫁対策室

平成26年4月1日に予定される消費税率の引上げに際し、消費税を円滑かつ適正に転嫁できるかどうかは、事業を行う方にとって最大の懸念事項の一つである。

このため、経済産業省は、2013年10月2日で「消費税転嫁対策室」を設置し、消費税の転嫁に係る取引上の悩み等に関し、電話で、または直接会って相談できる体制を整備した。

★リンクはこちら⇒ 「消費税転嫁対策室」を設置しました

2013年10月7日

消費税転嫁対策特別措置法のガイドライン

平成25年10月1日から施行される消費税転嫁対策特別措置法の円滑な施行に向けて,法運用の透明性の確保や事業者の予見可能性を高めること等を目的として、公正取引委員会、消費者庁及び財務省は,同法のガイドラインを策定することとし、同年7月25日にガイドライン(原案)を公表し、同年8月23日を期限として関係各方面から広く意見を求めた。 今回の意見募集では関係各方面から多くの意見が寄せられ、提出された意見について担当省庁において慎重に検討した結果、「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方(案)」、「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方(案)」及び「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方(案)」については一部を修正した上で、また、「総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方(案)」については原案どおりガイドラインを公表することとした。

各ガイドラインの,担当省庁は以下のとおり。

消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方 公正取引委員会
消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方 消費者庁
総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方 財務省
総額表示義務に関する消費税法の特例に係る不当景品類及び不当表示防止法の適用除外についての考え方 消費者庁

★リンクはこちら⇒ (平成25年9月10日)消費税転嫁対策特別措置法のガイドラインの公表について(既に削除済み)

2013年9月13日

消費税のあらまし(平成25年6月)

国税庁は、先日、消費税のあらまし(平成25年6月)を公表した。

リンクはこちら⇒ 消費税のあらまし

2013年7月25日

国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(平成25年6月)

国税庁から、国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(平成25年6月)が公表された。

リンクはこちら⇒ 国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税(平成25年6月)

2013年7月16日

消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント

この度、日本商工会議所は、2013年6月5日に国会で成立した消費税転嫁対策特別措置法の概要について解説した小冊子「消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント」を作成した。 図表などをまじえ、分かりやすく解説している。

本小冊子は、各地商工会議所を通じて、全国の中小企業・小規模事業者へ配布される。

リンクはこちら⇒ 消費税の転嫁対策特別措置法5つのポイント

2013年7月12日

通信販売等の税率等に関する経過措置

通信販売(不特定かつ多数の者に商品の内容、販売価格その他の条件を提示し、郵便、電話その他の方法により売買契約の申込みを受けて当該提示した条件に従って行う商品の販売をいい、予約販売に係る書籍等の税率等に関する経過措置に規定する契約に係る販売を除く。)の方法により商品を販売する事業者が、指定日前にその販売価格等の条件を提示し、または提示する準備を完了した場合において、施行日前に申込みを受け、提示した条件に従って施行日以後に商品を販売するときは、その商品の販売については旧税率が適用される。

2013年6月28日

予約販売に係る書籍等の税率等に関する経過措置

事業者が、指定日前に締結した不特定かつ多数の者に対する定期継続供給契約に基づき譲渡する書籍その他の物品に係る対価の全部または一部を施行日前に領収している場合において、その書籍等の譲渡を施行日以後に行うときは、その領収した対価に係る部分の書籍等の譲渡については旧税率が適用される。

2013年6月24日

指定役務の提供の税率等に関する経過措置

平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した役務の提供に係る契約で、その契約の性質上、当該役務の提供の時期をあらかじめ定めることができないものであって、当該役務の提供に先立って対価の全部または一部が分割して支払われる契約(割賦販売法第2条第6項に規定する前払式特定取引に係る契約のうち、同項に規定する指定役務の提供に係るもの)に基づき、施行日以後に当該契約に係る役務の提供を行う場合において、当該役務の内容が以下の①及び②に掲げる要件に該当するときは、当該役務の提供については、旧税率が適用される。

ただし、指定日以後において当該役務の提供の対価の額の変更が行われた場合は、この経過措置は適用されない。

①当該契約に係る役務の提供の対価の額が定められていること ②事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

例えば、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便宜の提供等に係る役務の提供などが挙げられる。

2013年6月21日

資産の貸付けに係る契約における「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定め

資産の貸付けに関する税率等の経過措置に規定する経過措置の適用要件の1つとして、「対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと」が掲げられているが、「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めは、「事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定め」に該当しないものとして取り扱われる。

したがって、資産の貸付けに係る契約において「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めがあったとしても、当該契約の内容が他の要件を満たす場合には経過措置が適用され、新税率が適用されないこととなるから、結果として、当該契約に定める「消費税率の改正があったとき」には該当しないこととなる。

なお、経過措置の対象となる資産の貸付けについて、当該資産の貸付けに係る契約における「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の定めに基づき、指定日以後に賃貸料を変更した場合には、変更後の資産の貸付けについては経過措置の対象とならない。

2013年6月19日

資産の貸付けの税率等に関する経過措置

平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が以下の「①及び②」または「①及び③」に掲げる要件に該当するときは、施行日以後に行う当該資産の貸付けについては、旧税率が適用される。 ただし、指定日以後に当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合、当該変更後における当該資産の貸付けについては、この経過措置は適用されない。

当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること
事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
契約期間中に当事者の一方または双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額(利子または保険料の額を含む。)の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められていること

なお、事業者が、この経過措置の適用を受けた課税資産の譲渡等を行った場合には、その相手方に対して当該課税資産の譲渡等がこの経過措置の適用を受けたものであることを書面で通知することとされている。

2013年6月17日

「建物の譲渡を受ける者の注文」の範囲

「建物の譲渡を受ける者の注文」とは、例えば、以下に掲げる区分に応じ、それぞれに掲げるものにつき付される注文をいう。

  • 建物の内装…畳、ふすま、障子、戸、扉、壁面、床面、天井等
  • 建物の外装…玄関、外壁面、屋根等
  • 建物の設備…電気設備、給排水または衛生設備及びガス設備、昇降機設備、冷房、暖房、通風またはボイラー設備等
  • 建物の構造…基礎、柱、壁、はり、階段、窓、床、間仕切り等

(注1)注文の内容、注文に係る規模の程度及び対価の額の多寡は問わない。 (注2)その注文が壁の色またはドアの形状等の建物の構造に直接影響を与えないものも含まれる。

2013年6月13日

「仕事の内容につき相手方の注文が付されていること」の範囲

「仕事の内容につき相手方の注文が付されている」契約とは、例えば、以下のような契約をいい、注文の内容、注文に係る規模の程度及び対価の額の多寡は問わない。

  1. 請負等の契約に係る目的物の仕様または規格等について相手方の指示が付されている場合のその契約
  2. 請負等の契約に係る目的物の原材料を相手方が支給することとされている場合のその契約
  3. 修理または加工等を目的とする請負等の契約

なお、具体的には、以下のようなものが該当する。

  • 名入アルバム、名入タオル、名入引出物の製作
  • カップ、トロフィーの名入
  • 絵画、工芸品等の修復
  • 肖像画、胸像等の製作
  • パック旅行の引受け
  • 結婚式、披露宴の引受け
  • インテリアの製作(カーテン、敷物の取付工事を含む。)
  • どん帳の製作
  • 服、ワイシャツ等の仕立て
  • 宝飾品の加工

2013年6月11日

工事の請負等に関する税率等の経過措置に規定する経過措置の適用対象となる契約

工事の請負等に関する税率等の経過措置に規定する経過措置の適用対象となる契約は、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した以下の契約である。

  1. 工事の請負に係る契約 日本標準産業分類(総務省)の大分類の建設業に分類される工事につき、その工事の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約をいう。
  2. 製造の請負に係る契約 日本標準産業分類(総務省)の大分類の製造業に分類される製造につき、その製造に係る目的物の完成を約し、かつ、それに対する対価を支払うことを約する契約をいう。 (注) 製造物品であっても、その製造がいわゆる「見込み生産」によるものは「製造の請負に係る契約」によって製造されたものにはならない。
  3. これらに類する契約 測量、地質調査、工事の施工に関する調査、企画、立案及び監理並びに設計、映画の制作、ソフトウエアの開発その他の請負に係る契約(委任その他の請負に類する契約を含む。)で、仕事の完成に長期間を要し、かつ、当該仕事の目的物の引渡しが一括して行われることとされているもののうち、当該契約に係る仕事の内容につき相手方の注文が付されているものをいう。 (注) 「仕事の内容につき相手方の注文が付されているもの」には、建物の譲渡に係る契約で、当該建物の内装もしくは外装または設備の設置もしくは構造についての当該建物の譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物に係るものも含まれる。

2013年6月10日

工事の請負等の税率等に関する経過措置

事業者が、平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した工事の請負に係る契約、製造の請負に係る契約及びこれらに類する一定の契約に基づき、施行日以後に当該契約に係る課税資産の譲渡等を行う場合には、当該課税資産の譲渡等(指定日以後に当該契約に係る対価の額が増額された場合には、当該増額される前の対価の額に相当する部分に限る。)については、旧税率が適用される。

なお、事業者が、この経過措置の適用を受けた課税資産の譲渡等を行った場合には、その相手方に対して当該課税資産の譲渡等がこの経過措置の適用を受けたものであることを書面で通知することとされている。

2013年6月6日

施行日前にICカードに現金をチャージ(入金)し、施行日以後にそのICカードにより乗車券等を購入する等の場合の経過措置の適用

事業者が、旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金を施行日前に領収している場合において、当該対価の領収に係る課税資産の譲渡等が施行日以後に行われるときは、当該課税資産の譲渡等については旧税率が適用される。

この「施行日前に領収している場合」とは、具体的には、乗車券等を施行日前に販売した場合をいう。

したがって、利用者によってICカードへ現金がチャージ(入金)された時点では、乗車券等の販売を行っていることとならないから、旅客運賃等の税率等に関する経過措置は適用されない。

2013年6月4日

旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金の消費税率等に関する経過措置

事業者が、旅客運賃、映画・演劇を催す場所等への入場料金を施行日前に領収している場合において、当該対価の領収に係る課税資産の譲渡等が施行日以後に行われるときは、当該課税資産の譲渡等については、旧税率が適用される。

この経過措置の適用対象となる旅客運賃等の範囲は、以下のとおり。

  • 汽車、電車、乗合自動車、船舶又は航空機に係る旅客運賃(料金を含む。)
  • 映画、演劇、演芸、音楽、スポーツまたは見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、または聴かせる場所への入場料金
  • 競馬場、競輪場、小型自動車競走場又はモーターボート競走場への入場料金
  • 美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設または場所でこれらに類するものへの入場料金

2013年5月31日

施行日前に行った製商品の販売について、施行日以後に製商品が返品などになった場合の消費税の取扱い

施行日前に行った商品の販売について、施行日以後に商品が返品され、対価の返還などをした場合には、旧消費税法の規定に基づき売上げに係る対価の返還などに係る消費税額の計算することとされている。

合理的な方法(例えば、4月中に返品を受けた商品は、3月中の販売に対応するものとして処理している場合)により継続して返品などの処理を行っている場合には、事業者が継続している方法により、売上げに係る対価の返還などに係る消費税額を計算しても差し支えない。

なお、このように取り扱う場合には、取引当事者間において取り交わす請求書などに適用税率を明記し、取引の相手方は当該請求書等に記載された税率により仕入れに係る対価の返還などに係る消費税額を計算することとなる。

2013年5月30日

施行日を含む1年間の役務提供を行う場合の消費税法の適用関係

役務の提供に係る資産の譲渡等の時期は、物の引渡しを要するものにあってはその目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しないものにあってはその約した役務の全部を完了した日とされている。 役務の提供は、物の引渡しを要しないものだから、資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了する日となる。

したがって、施行日以後に行う課税資産の譲渡等となるから、原則として新消費税法(新税率)が適用される。

ただし、契約または慣行により、1年分の対価を収受することとしており、事業者が継続して当該対価を収受したときに収益に計上しているときは、施行日の前日(平成26年3月31日)までに収益に計上したものについて旧消費税法(旧税率)を適用して差し支えない。

2013年5月28日

施行日の前日(平成26年3月31日)までに仕入れた商品を施行日以後に販売した場合の消費税法の適用関係

消費税法は、経過措置が適用される場合を除き、施行日以後に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等について適用される。

したがって、施行日の前日(平成26年3月31日)までに仕入れた商品を施行日以後に販売する場合には、当該販売については新消費税法(新税率)が適用されるが、商品の仕入れについては施行日の前日までに行われたものであるから、課税仕入れに係る消費税額は旧消費税法の規定に基づき計算することとなる。

2013年5月27日

施行日前後の取引に係る消費税法の適用関係

消費税法は、施行日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等並びに施行日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物(以下「課税仕入れ等」という。)に係る消費税について適用し、施行日前に国内において事業者が行った資産の譲渡等及び課税仕入れ等に係る消費税については、なお従前の例によることとされている。

したがって、施行日の前日(平成26年3月31日)までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、施行日以後に行われるものは、経過措置が適用される場合を除き、当該資産の譲渡等及び課税仕入れ等について新消費税法が適用されることとなる。

2013年5月24日

消費税法改正(税率引上げに伴う経過措置)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、税率引上げに伴う経過措置が設けられた。

改正後の税率は、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税について適用され、適用開始日前に行われた資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税については、改正前の税率が適用されることとなる。 ただし、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、改正前の税率を適用することとするなどの経過措置が講じられている。

2013年4月12日

消費税法改正(任意の中間申告制度)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、任意の中間申告制度が創設された。

<制度の概要> 直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税額を含まない年税額)が48万円以下の事業者(中間申告義務のない事業者)が、任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、当該届出書を提出した日以後にその末日が最初に到来する6月中間申告対象期間(注1)から、自主的に中間申告・納付(注2)することができることとされた。

(注1) 「6月中間申告対象期間」とは、その課税期間開始の日以後6月の期間で、年1回の中間申告の対象となる期間をいう。 (注2) 中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となる。また、中間納付税額と併せて地方消費税の中間納付税額を納付することとなる。 なお、任意の中間申告制度を適用する場合であっても、仮決算を行って計算した消費税額及び地方消費税額により中間申告・納付することができる。

<適用開始時期> 個人事業者の場合には平成27年分から、また、事業年度が1年の法人については、平成26年4月1日以後開始する課税期間(平成27年3月末決算分)から適用される。

2013年4月11日

消費税法改正(特定新規設立法人の事業者免税点制度の不適用制度)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、特定新規設立法人に係る事業者免税点制度の不適用制度が創設された。

<制度の概要> その事業年度の基準期間(原則として、その事業年度の前々事業年度をいう。)がない法人で、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円未満の法人(新規設立法人)のうち、以下のいずれにも該当するもの(特定新規設立法人)については、当該特定新規設立法人の基準期間のない事業年度に含まれる各課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されないこととなった。

  • その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者により当該新規設立法人の株式等の50%超を直接または間接に保有される場合など、他の者により当該新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。
  • 上記の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及び当該他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)の当該新規設立法人の当該事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。

<適用開始時期> 平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人で、特定新規設立法人に該当するものについて適用される。

2013年4月8日

消費税法改正(消費税率の引上げ)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、消費税率を引き上げることとされた。

消費税率及び地方消費税率について、以下のとおり2段階で引き上げることとされた。

区 分 現 行 平成26年4月1日 平成27年10月1日
消費税 4.0% 6.3% 7.8%
地方消費税 1.0%(消費税額の25/100) 1.7%(消費税額の17/63) 2.2%(消費税額の22/78)
合  計 5.0% 8.0% 10.0%
  • 経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、消費税率引上げの前に、経済状況等を総合的に勘案した上で、消費税率の引上げの停止を含め所要の措置を講ずることとされている。
  • 引上げ後の税率は、経過措置が適用されるものを除き、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等について適用される。

2013年4月8日

平成25年3月期決算における消費税の改正点

消費税の益税が問題となっていたこともあり、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から、課税売上高が5億円を超える事業者は95%ルールの適用対象外とされたため、課税仕入れ等に対する消費税額の全額の仕入税額控除は認められず、個別対応方式または一括比例配分方式で仕入税額控除額の計算をすることとなった。

95%ルールの見直しによって、控除対象外消費税が生じるが、企業会計上も費用、税務上も法人税の所得計算において損金の額に算入される。

2013年4月3日

消費税法改正(使途の明確化)

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正された。

その中で、消費税収入の使途が明確化された。

国分の消費税収入については、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費(社会保障4経費)に充てるものとされた。

(注) 地方消費税収入(引上げ分)及び消費税収入に係る地方交付税分については、社会保障4経費を含む社会保障施策に要する経費に充てるものとされている。

2013年4月2日

消費税課税期間特例選択不適用届出書

課税期間の特例の適用をやめようとするときには、適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに消費税課税期間特例選択不適用届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

ただし、課税期間の特例を選択した場合は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用した後でなければ、課税期間の特例の適用をやめることはできない。

なお、年または事業年度の途中でこの特例の適用を受けることをやめた場合には、その適用しないこととした課税期間の開始日以後、その年の12月31日またはその事業年度の終了する日までが一課税期間となる。

2013年3月14日

消費税課税期間特例選択・変更届出書

課税期間は、個人事業者は暦年、法人は事業年度だが、消費税課税期間特例選択・変更届出書を、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、納税地の所轄税務署長に提出することにより、3月または1月ごとに区分した期間に短縮することができる。

この届出書を提出して課税期間の特例を受けようとする場合には、特例を受けようとする短縮に係る課税期間(3月または1月ごとに区分した期間)の初日の前日までに提出しなければならない。ただし、新規開業等した事業者については、この届出書を提出した日の属する3月または1月ごとに区分した期間からこの特例の適用を受けることができる。

なお、この特例の適用を受けている場合は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用した後でなければ、他の課税期間の特例に変更することはできない。

2013年3月12日

消費税課税事業者選択不適用届出書

消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者を選択していた事業者が、選択をやめようとするときは、選択をやめようとする課税期間の初日の前日までに消費税課税事業者選択不適用届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

ただし、消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となった事業者は、事業を廃止した場合を除き、課税事業者となった日から2年間は、免税事業者となることはできない。

2013年3月11日

消費税課税事業者選択届出書

基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者であっても、消費税課税事業者選択届出書を、選択する課税期間の初日の前日までに、納税地の所轄税務署長に提出することにより、課税事業者となることができる。

なお、新規開業等した事業者は、その開業等した課税期間の末日までにこの届出書を提出すれば、開業等した日の属する課税期間から課税事業者となることができる。

2013年3月8日

消費税の新設法人に該当する旨の届出書

その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度の開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人(以下、「新設法人」という。)は、その課税期間の納税義務が免除されない。

新設法人に該当する場合は、速やかに消費税の新設法人に該当する旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

なお、法人設立届出書の提出時に、その届出書に消費税の新設法人に該当する旨を記載したときは、改めて消費税の新設法人に該当する旨の届出書を提出する必要はない。

2013年3月7日

消費税の納税者でなくなった旨の届出書

その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった場合には、速やかに消費税の納税者でなくなった旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

2013年3月5日

消費税簡易課税制度選択不適用届出書

簡易課税制度の適用を受けている事業者が、その適用をやめようとする場合は、適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに消費税簡易課税制度選択不適用届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

ただし、簡易課税制度の適用を受けている事業者は、事業を廃止した場合を除き、2年間継続して適用した後でなければ、消費税簡易課税制度選択不適用届出書を提出して、その適用をやめることはできない。

2013年3月4日

消費税簡易課税制度選択届出書

その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに消費税簡易課税制度選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出することにより、簡易課税制度を選択することができる。 なお、新規開業等した事業者は、その開業等した課税期間の末日までにこの提出書を提出すれば、簡易課税制度を選択することができる。

  • 簡易課税制度とは、課税売上高から納付する消費税額を計算する制度のことである。 具体的には、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものである。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用する。
    事業区分 みなし仕入率
    第一種事業(卸売業) 90%
    第二種事業(小売業) 80%
    第三種事業(製造業等) 70%
    第四種事業(その他の事業) 60%
    第五種事業(サービス業等) 50%

2013年3月1日

消費税課税事業者届出書

その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超えた事業者は消費税の課税事業者となり、消費税課税事業者届出書(基準期間用)を、速やかに、納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

  • 基準期間とは、個人事業者はその年の前々年、事業年度が1年である法人はその事業年度の前々事業年度である。
  • 課税期間とは、個人事業者は1月1日から12月31日までの1年間、法人は事業年度である。
  • 課税売上高とは、消費税が課税される取引の売上金額(消費税等を除く。)と輸出取引等の免税売上高の合計額をいう(売上返品等に係る金額ある場合には、これらの金額を控除した残額)。

ただし、平成25年1月1日以後に開始する年または事業年度については、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間から課税事業者となる。なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。

  • 特定期間とは、個人事業者は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいう。

2013年2月28日

スキャン文書の保存による仕入税額控除の適用

国税関係書類の全部または一部について、当該国税関係書類に記載されている事項をスキャナにより電磁的記録に記録する場合に、所轄税務署長等の承認を受けたときは、当該承認を受けた国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該承認を受けた国税関係書類の保存に代えることができることとされている(以下「スキャナ保存」という。)。

したがって、スキャナ保存の承認を受けて国税関係書類(取引先から受け取った請求書等)に係る電磁的記録を保存している場合には、その基となった書類を保存していない場合であっても消費税法第30条第7項に規定する請求書等が保存されていることとなるので、仕入税額控除の適用を受けることができる。

2012年11月28日

インターネットを通じて取引を行った場合の仕入税額控除の適用

課税事業者が仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として課税仕入れ等の事実の帳簿への記載、保存及び課税仕入れ等の事実を証する請求書等の保存をしなければならないこととされている。 この場合の請求書等とは、事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付する請求書、納品書その他これらに類する書類で、書類の作成者の氏名または名称、課税資産の譲渡等を行った年月日、課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容、課税資産の譲渡等の対価の額及び書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称(以下「法定事項」という。)が記載されているものとされている。 また、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは、帳簿に消費税法第30条第8項の記載事項に加えて当該やむを得ない理由及び課税仕入れの相手方の住所または所在地を記載して保存することにより、仕入税額控除の適用を受けることができる旨が定められている。

インターネットを通じて取引を行った場合には、請求書等に記載されるべき法定事項が通信回線を介してコンピュータ間で電子データとして交換されるため、請求書等そのものが作成・交付されないこととなり、当該電子データ以外の保存が行えない状況となるが、これは、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由がある場合に該当するものと考えられる。 したがって、帳簿に記載すべき事項に加えて、インターネットを通じた取引による課税仕入れであること及び課税仕入れの相手方の住所又は所在地を記載して保存する場合には、仕入税額控除の適用を受けることができる。

2012年11月26日

消費税の届出はお早めに

個人事業者で、新たに課税事業者(消費税の申告・納付が必要な方)となる場合には、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(基準期間用)の提出が必要である。

課税事業者とは、基準期間(※1)における課税売上高(※2)が1,000万円を超える方が該当する(※3)。 したがって、個人事業者は、平成23年分の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。

※1 「基準期間」とは、個人事業者の場合は、その年の前々年をいう。 ※2 「課税売上高」とは、消費税が課税される取引の売上金額と輸出取引等の免税売上金額の合計額(これらの売上げに係る売上返品、売上値引や売上割戻し等に係る金額がある場合には、これらの金額を差し引いた金額)をいう。 ※3 基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいう。)の課税売上高が1,000万円を超える方はその年から消費税の課税事業者となる。 したがって、個人事業者は、平成24年1月1日から6月30日の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。この場合、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(特定期間用)を提出する必要がある。 なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。

基準期間における課税売上高が5,000万円以下の方は、簡易課税制度を選択することができる。 なお、平成25年分から簡易課税制度を適用して申告する方は、平成24年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

(注1) 簡易課税制度は、「みなし仕入率」により納付税額を計算するので、多額の設備投資を行った場合などで一般課税(簡易課税制度を選択しなかった場合)により計算すれば還付となるような場合でも、還付を受けることはできない。 (注2) 簡易課税制度を選択された方は、事業を廃止した場合を除き2年間以上継続した後でなければ選択をやめることはできない。なお、選択をやめる場合にはやめようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

※ 課税事業者は、消費税法に基づく帳簿の記載が必要となる。 また、一般課税で申告される方(簡易課税制度を選択しない方)は、課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び請求書等の両方の保存がない場合、仕入税額控除の適用を受けることができないので注意が必要である。

2012年11月21日

消費税の届出

個人事業者で、新たに課税事業者(消費税の申告・納付が必要な方)となる場合には、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(基準期間用)の提出が必要である。 課税事業者とは、基準期間(※1)における課税売上高(※2)が1,000万円を超える方が該当する(※3)。 したがって、個人事業者は、平成23年分の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。

※1 「基準期間」とは、個人事業者の場合は、その年の前々年をいう。 ※2 「課税売上高」とは、消費税が課税される取引の売上金額と輸出取引等の免税売上金額の合計額(これらの売上げに係る売上返品、売上値引や売上割戻し等に係る金額がある場合には、これらの金額を差し引いた金額)をいう。 ※3 基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいう。)の課税売上高が1,000万円を超える方はその年から消費税の課税事業者となる。したがって、個人事業者は、平成24年1月1日から6月30日の課税売上高が1,000万円を超えている場合には、平成25年分は消費税の課税事業者に該当する。この場合、納税地の所轄税務署長に「消費税課税事業者届出書」(特定期間用)を提出する必要がある。 なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできる。

また、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の方は、簡易課税制度を選択することができる。 なお、平成25年分から簡易課税制度を適用して申告する方は、平成24年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

(注1)簡易課税制度は、「みなし仕入率」により納付税額を計算するので、多額の設備投資を行った場合などで一般課税(簡易課税制度を選択しなかった場合)により計算すれば還付となるような場合でも、還付を受けることはできない。 (注2)簡易課税制度を選択された方は、事業を廃止した場合を除き2年間以上継続した後でなければ選択をやめることはできない。なお、選択をやめる場合にはやめようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。

※ 課税事業者の方は、消費税法に基づく帳簿の記載が必要となる。 また、一般課税で申告される方(簡易課税制度を選択されない方)は、課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び請求書等の両方の保存がない場合、仕入税額控除の適用を受けることができない。

2012年9月24日

個人事業者の消費税の中間申告

前年(平成23年)の消費税の年税額(注1)が48万円を超える個人事業者は、消費税の中間申告をする必要がある。 ただし、課税期間の特例制度(注2)を適用している個人事業者については、中間申告をする必要はない。 また、事業を開始した日の属する課税期間については、中間申告をする必要はない。

(注1) 地方消費税額は含まない。 (注2) 課税期間の特例とは、事業者が届出により消費税の課税期間を3か月または1か月に短縮できる制度である。

2012年8月29日

個人事業者の消費税及び地方消費税の中間申告と納付

個人事業者で、平成23年分の確定消費税額(地方消費含まない。)が48万円を超える場合、消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要である。 この「平成23年分の確定消費税額」とは、平成23年分の確定申告により確定した消費税の年税額をいい、期限後申告または修正申告等が行われた場合には、これらによって確定した消費税の年税額をいう。

中間申告の方法 以下の2つの方法があり、いずれかの方法によることができる。

  1. 前年実績による中間申告 平成23年分の確定消費税額が以下の表に当てはまる場合、中間申告・納付の期限に応じて、以下により算出した中間納付税額を記載した「消費税及び地方消費税の中間申告書」及び「納付書」が所轄の税務署から送付されるので、必要事項を記入の上、税務署に中間申告書を提出するとともに、納付書により消費税及び地方消費税を納付する必要がある。
    平成23年分の確定消費税額(注) 中間申告・納付の回数 中間納付税額
    48万円を超え400万円以下 年1回 平成23年分の確定消費税額の12分の6の消費税額とその25%の地方消費税
    400万円を超え4,800万円以下 年3回 平成23年分の確定消費税額の12分の3の消費税額とその25%の地方消費税
    4,800万円超 年11回 平成23年分の確定消費税額の12分の1の消費税額とその25%の地方消費税

    (注)「確定消費税額」とは、中間申告対象期間末日までに確定した消費税の年税額(申告書欄の差引税額)をいう。

  2. 仮決算に基づく中間申告 事業状況が平成23年と著しく異なる場合などは、上記1の方法に代えて、各中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、これに基づいて計算した消費税額及び地方消費税額により、中間申告・納付することができる。 なお、この計算によりマイナスとなった場合でも還付を受けることはできない(マイナスとなった場合は、中間申告税額はゼロになる。)。 また、仮決算による中間申告書は、提出期限を過ぎて提出することはできないので留意が必要である。
  • 中間申告及び納付の期限について 平成23年分の確定消費税額が48万円を超え400万円以下の方(年1回の中間申告・納付)は、平成24年8月31日(金)までに、申告・納付する必要がある(同確定消費税額が400万円を超え4,800万円以下の方(年3回の中間申告・納付)の2回目と4,800万円を超える方(年11回の中間申告・納付)の6回目の中間申告・納付の期限も同一日になる。)。 振替納税をご利用の方の振替日は、平成24年9月27日(木)である。 平成23年分の確定消費税額が400万円を超える方の次回以後の期限等については、国税庁ホームページ(www.nta.go.jp)でご確認を。 なお、中間申告の期限までに中間申告書を提出しなかった場合でも、上記「中間申告の方法」の「1.前年実績による中間申告」の消費税額及び地方消費税額が納付すべき税額として確定することになるので、納期限までに必ず納付する必要がある。

2012年8月9日

平成23年度租税滞留状況

国税庁が、『平成23年度租税滞留状況について』を先日公表した(単位:億円)。

区分 A

平成22年度滞納

整理中のものの額

(前期繰越額)
B

新規発生滞納額
C

整理済額
D(A+B-C)

平成23年度滞納

整理中のものの額

(次期繰越額)
全税目 (95.0%) 

14,201
(88.8%) 

6,073
(87.7%) 

6,657
(95.9%) 

13,617
うち消費税 (96.3%) 

4,256
(94.8%) 

3,220
(92.9%) 

3,307
(98.0%) 

4,169
  • 注1 新規発生滞納額とは、国税が納期限までに納付されず、督促状が発付されたものをいう。
  • 注2 括弧内の数値は、対前年度比である。
  • 注3 地方消費税を除いている。
  • 注4 平成24年4月及び5月に督促状を発付した滞納のうち、その国税の所属年度(納税義務が成立した日の属する年度)が平成23年度所属となるものを含んでいる。

2012年8月6日

DESの消費税

DES(デット・エクイティ・スワップ)によって株式を取得する場合、 金銭出資による通常の株式取得は消費税法上資本取引として不課税取引であることとの整合性、消費税における「資産の譲渡の意義」は、「同一性を保持して他者に資産を移転させることをいう」とされている点から、実際にDESの実態をみると,資産の移転・譲渡ではないことから,消費税法上は不課税取引に該当すると考えられる。

2012年7月12日

国税庁レポート2012

国税庁が、『国税庁レポート2012』を公表した。 平成22年度租税及び印紙収入決算額を見ると、源泉所得税消費税が10兆円、法人税が8兆円、相続税が1兆円で、合計41兆円である。

これを見ると、消費税の増税はインパクトが大きい一方、相続税の増税はインパクトはあまりないことが見て取れる。

国税庁レポートはこちらから。 国税庁レポート

2012年7月11日

総額表示

「総額表示」とは、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者が、値札やチラシなどにおいて、あらかじめその取引価格を表示する際に、消費税額(地方消費税額を含む。)を含めた価格を表示することをいう。 消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合、いわゆる小売段階の価格表示をするときには総額表示が義務付けられる。 なお、事業者間での取引は総額表示義務の対象とはならない。 例えば、以下に掲げるような表示が「総額表示」に該当する。

  • 10,500円
  • 10,500円(税込)
  • 10,500円(税抜価格10,000円)
  • 10,500円(うち消費税額等500円)
  • 10,500円(税抜価格10,000円、消費税額等500円)

支払総額である「10,500円」さえ表示されていればよく、「消費税額等」や「税抜価格」が表示されていても構わない。 対象となる価格表示は、商品本体による表示(商品に添付または貼付される値札等)、店頭における表示、チラシ広告、新聞・テレビによる広告など、消費者に対して行われる価格表示であれば、それがどのような表示媒体により行われるものであるかを問わず、総額表示が義務付けられる。 なお、口頭による価格の提示は、これに含まれない。 総額表示が義務付けられるのは、あらかじめ取引価格を表示している場合であり、価格表示がされていない場合にまで価格表示を強制するものではない。総額表示の義務付けは、不特定かつ多数の者に対する値札や店内掲示、チラシあるいは商品カタログにおいて、「あらかじめ」価格を表示する場合を対象としているため、見積書、契約書、請求書等については、総額表示義務の対象とはならない。

2012年6月26日

簡易課税制度の事業区分

みなし仕入率の適用を受けるそれぞれの事業の意義は、以下のとおり。

  • 第一種事業…90% 卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業)をいう。
  • 第二種事業…80% 小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第一種事業以外のもの)をいう。
  • 第三種事業…70% 農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業、第二種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く。
  • 第四種事業…60% 第一種事業、第二種事業、第三種事業及び第五種事業以外の事業をいい、具体的には、飲食店業、金融・保険業などである。 なお、第三種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業も第四種事業となる。
  • 第五種事業…50% 不動産業、運輸通信業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除く。)をいい、第一種事業から第三種事業までの事業に該当する事業を除く。

なお、事業区分の判定に当たっては、以下の点に留意が必要である。

  • 事業区分 事業者が行う事業が第一種事業から第五種事業までのいずれに該当するかの判定は、原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行う。
  • 第一種事業 消費者から購入した商品を品質又は形状を変更しないで他の事業者に販売する事業も卸売業に該当することになります。また、業務用に消費される商品の販売(業務用小売)であっても事業者に対する販売であることが帳簿、書類等で明らかであれば卸売業に該当することになる。
  • 第二種事業 食料品小売店が他から購入した食料品を、その小売店舗において、仕入商品に軽微な加工をして販売する場合で、加工前の食料品の販売店舗において一般的に行われると認められるもので、当該加工後の商品が当該加工前の商品と同一の店舗において販売されるものについては、加工後の商品の販売についても第二種事業に該当するものとして差し支えない。
  • 第三種事業 第三種事業は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定する。なお、以下の事業は、第三種事業に該当するものとして取り扱われる。 イ 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品とする、いわゆる製造問屋 ロ 自己が請け負った建設工事の全部を下請に施工させる建設工事の元請 ハ 天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業 ニ 新聞・書籍等の発行、出版を行う事業
  • 第五種事業 第五種事業も、第一種事業から第三種事業以外の事業とされる事業を対象として、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定する。 なお、日本標準産業分類の大分類の区分が不動産業、運輸通信業、サービス業に該当するものは、「加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業」であっても、第五種事業に該当する。 また、サービス業から除くこととされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば以下のようなものいう。 イ ホテル内にある宴会場、レストラン、バー等のように、そのホテルの宿泊者以外の者でも利用でき、その場で料金の精算をすることもできるようになっている施設での飲食物の提供 ロ 宿泊者に対する飲食物の提供で、宿泊サービスとセットの夕食等の提供時に宿泊者の注文に応じて行う特別料理、飲料等の提供や客室内に冷蔵庫を設置して行う飲料等の提供のように、料金体系上も宿泊に係る料金と区分されており、料金の精算時に宿泊料と区分して領収されるもの なお、例えば、「一泊二食付で2万円」というように、食事代込みで宿泊料金が定められている場合は、その料金の全額が第五種事業の対価となる。
  • 第四種事業 事業者が自己において使用していた固定資産の譲渡を行う事業は、第四種事業に該当することになる。

2012年5月9日

簡易課税制度

消費税の納付税額は、通常は以下のように計算する。

(課税売上高(税抜き)×4%-課税仕入高(税込み)×4/105)

しかし、その課税期間の前々年または前々事業年度の課税売上高が5千万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができる。 この制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものである。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとの以下のみなし仕入率を適用する。

  • 第一種事業(卸売業)…90%
  • 第二種事業(小売業)…80%
  • 第三種事業(製造業等)…70%
  • 第四種事業(その他の事業)…60%
  • 第五種事業(サービス業等)…50%

2012年5月8日

寄附金や交際費の消費税

寄附金の支出は、対価を得て行われる取引ではないため、課税仕入れとはならない。 ただし、名目は寄附であっても、その寄附に対価性が認められる場合には課税仕入れとなる。 また、金銭を寄附するのではなく、物品を購入して寄附した場合には、その物品の購入代金は課税仕入れとなる。

交際費については、その支出がお中元やお歳暮のように得意先への贈答品としての物品の購入代金や、得意先の接待のための飲食代の支払である場合には、原則として課税仕入れとなる。 ただし、得意先へ商品券の交付をする場合や、祝金・餞別・弔慰金などを支出した場合には、課税仕入れとならない。 なお、渡切交際費などで、その使途が明らかにされていない場合には、仕入税額控除の対象とならない。

2012年4月24日

平成23年分の消費税の振替納税日

平成23年分の個人事業者の消費税及び地方消費税の振替納税日は、平成24年4月25日(水曜日)である。

振替口座に残高があることの確認が必要である。

2012年4月23日

運転手などに対するチップの消費税

運転手などに対するチップは、運送などの役務の提供の対価の支払とは別に支出するものであり、提供を受ける役務との間に明白な対価関係は認められないから、課税仕入れに該当しない。

2012年4月20日

物品を寄付した場合の消費税

今回の東日本大震災が起こったような場合に、企業が物品を寄付することがある。

このような場合、対価を得て行われる取引ではないため、原則として資産の譲渡等には該当しないが、寄付した物品が購入してきたものであれば、課税仕入れに該当するため、仕入税額控除の対象となる。

個別対応方式により仕入控除税額を計算する場合、 ①課税資産の譲渡等にのみ要するもの ②その他の資産の譲渡等のみに要するもの ③課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの のいずれかに区分しなければならないが、購入してきたもの寄付した場合、③とされる。

一方、自社製品を寄付した場合、①とされる。

2011年8月22日

未経過固定資産税等の精算

不動産を売買する際に、未経過の固定資産税(都市計画税を含む。)の精算を行うのが一般的である。

この未経過固定資産税の精算は、資産の譲渡の金額に含まれることに留意が必要である。よって、建物部分は課税、土地部分は非課税となる。

固定資産税は、毎年1月1日現在の土地・建物(家屋)の所有者に課せられる税金であることから、未経過の固定資産税の精算は、消費税法上、税金の精算ではなく、譲渡対価の一部とされている。

2011年8月8日

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香川県中小企業者融資制度『中小企業高度化資金貸付制度』

中小企業者が相互扶助の精神に基づいて事業協同組合などを設立し、事業の共同化、店舗などの集団化など中小企業構造の高度化を図るために行う事業に対して融資します。

<中小企業高度化資金貸付制度について>

対 象 中小企業者により組織された事業協同組合、商工組合、商店街振興組合など
限度額 貸付対象事業費の原則80%以内
期 間 20年(据置3年以内)以内
利 率 年1.0%※(固定金利)、特別な法律の認定を受けた事業などについては無利子
※令和7年度現在

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3344

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『中小企業高度化資金貸付制度』

2025年7月29日


香川県中小企業者融資制度『危機関連融資』

全国規模の経済危機、災害等が発生した際に、経営の安定のために必要な資金を融資します。

【現在、取扱いを行っていません。】

<危機関連融資について>

融 資
対象者
県内で1年以上引き続いて同一事業を営む中小企業者又は組合であって、中小企業信用保険法第2条第6項の規定に基づき、会社の本店所在地(個人は主たる事業所)を管轄する市町長の認定を受けている方
※本融資は、危機関連保証制度(全国統一保証制度)に準拠しています
使 途 経営の安定に必要な事業資金
限度額
  • 2億8,000万円以内(無担保8,000万円以内+有担保2億円以内)
  • 組合の場合は4億8,000万円以内(無担保8,000万円以内+有担保4億円以内)
期 間 10年以内(うち据置期間2年以内)
原則として毎月元金均等償還
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.30%以内
  • 融資期間7年超の場合固定  年1.40%以内
信 用
保証率
年0.60%
申 込
方 法
各取扱金融機関が定める融資申込書に香川県信用保証協会が定める信用保証委託申込書及び危機関連保証に係る中小企業信用保険法第2条第6項の規定に基づく市町長の認定書を添えて、取扱金融機関にお申し込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『危機関連融資』

2025年7月25日


香川県中小企業者融資制度『商店街活性化融資』

商店街で事業を行うのに必要な資金を融資します。

<商店街活性化融資について>

対 象 県内の商店街(商店街振興組合法に基づく組合が存在する商店街に限る。)で既に事業を行っている、若しくは事業を行おうとしている中小企業者(会社・個人・NPO法人※ただし、創業を除く。)
使 途 商店街で事業を行うのに必要な設備・運転資金
限度額 5,000万円以内
ただし、運転資金は2,000万円以内
期 間
  • 設備資金 10年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金 7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.60%
  • 融資期間7年超の場合固定  年1.70%
信 用
保証率
年0.40%~1.55%
経営安定関連(セーフティネット)保証を利用する場合は、年0.60%
申 込
方 法
商店街振興組合の推薦状を添付して、取扱金融機関の窓口にお申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『商店街活性化融資』

2025年7月24日


香川県中小企業者融資制度『子育て応援企業支援融資』

子育て支援に関する認証・認定を取得された企業は、事業に必要な資金の借入に幅広くご利用いただけます。

<子育て応援企業支援融資について>

対 象 県内に事業所を有し、6か月以上引き続いて同一事業を営む中小企業者又は組合であって、次の要件のいずれかに該当するもの
(1)香川県から、子育て行動計画策定企業認証マークを取得したもの
(2)国から、プラチナくるみん認定・くるみん認定・トライくるみん認定のいずれかの認定を受けたもの
使 途 従業員の子育て支援に取り組む企業の事業に必要な設備・運転資金
※子育て支援以外の使途にもご利用いただけます
限度額 8,000万円以内(運転資金は5,000万円以内)
期 間
  • 設備資金10年以内(うち据置期間1年以内)
  • 運転資金 7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.60%以内
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.70%以内
信 用
保証率
年0.35%~1.50%
申 込
方 法
各取扱金融機関が定める融資申込書に、香川県信用保証協会が定める信用保証委託申込書及び県から交付された子育て行動計画策定企業認証の写し、または国から交付されたくるみん認定等にかかる基準適合認定一般事業主認定通知書の写しを添えて、取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『子育て応援企業支援融資』

2025年7月22日


香川県中小企業者融資制度『物流施設整備促進資金』

中小企業が県内に物流施設の新設、増設等を行うために必要な資金の一部を融資します。

物流施設整備促進資金の様式

<物流施設整備促進資金について>

対 象 1年以上引き続いて同一事業を営む中小企業者又はこれと同等以上の業歴を有すると認められる中小企業者で、県内において、物流施設を新設又は増設するもの及び県内の既存の物流施設を取得するもので、次の要件を全て満たしているもの

  • 土地を含む投下固定資産額が1億5千万円以上(ただし、特定地区内の地方公共団体又は土地開発公社が分譲を行っている区域への設置の場合は、土地を含む投下固定資産が5千万円以上)
  • 新規常用雇用者5人以上(県内在住者)
  • 3年以内に当該物流施設において業務を開始すること
使 途
  • 物流施設の新設又は増設の用に供する土地、建物及びその他の施設の取得又は建設に要する費用
  • 既存の物流施設の取得及びその他の施設の取得又は建設に要する費用
限度額 融資対象施設の取得又は建設に要した費用の3分の2の額と1億円のいずれか低い額以内
ただし、知事が必要と認めた場合は3億円以内
期 間 10年以内(うち据置期間3年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年2.10%以内
  • 融資期間7年超の場合固定 年2.20%以内
信 用
保証率
任意 年0.40%~1.55%
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『物流施設整備促進資金』

2025年7月18日


香川県中小企業者融資制度『工場等立地促進資金』

中小企業が県内に工場等の新設、増設等を行うために必要な資金の一部を融資します。

工場等立地促進資金の様式

<工場等立地促進資金について>

対 象 1年以上引き続いて同一事業を営む中小企業者であって、香川県企業誘致条例に規定する工場、試験研究施設、情報処理関連施設、物流拠点施設(以下「工場等」という)を県内で新設又は増設するもの及び県内の既存の工場等を取得するもので、次の要件を全て満たしている者

  • 土地を除く投下固定資産額が5千万円以上
  • 新規常用雇用者5人以上(県内在住者)
  • 3年以内に当該工場等において業務を開始すること
  • 県内移転の場合は、業務を廃止する工場等の生産施設面積より、新たに設置する工場等の生産施設面積が増加すること(試験研究施設にあっては、生産施設面積を試験研究施設面積とする)
使 途
  • 工場等の新設又は増設の用に供する土地、建物及びその他の施設の取得又は建設に要する費用
  • 既存の工場等の取得及びその他の施設の取得又は建設に要する費用
限度額 融資対象施設の取得又は建設に要した費用の3分の2の額と5億円のいずれか低い額以内
期 間 10年以内(うち据置期間3年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年2.10%以内
  • 融資期間7年超の場合固定 年2.20%以内
信 用
保証率
任意 年0.40%~1.55%
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『工場等立地促進資金』

2025年7月17日


香川県中小企業者融資制度『特産振興小口融資』

小規模企業者に必要な資金を市町との協調で融資します(700万円以内)。

詳細については、県内各市町にお問い合わせください。

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度

2025年7月16日


香川県中小企業者融資制度『BCP策定企業融資』

事業継続のために必要な資金を融資します。

<BCP策定企業融資について>

対 象 県内に事業所を有し、6か月以上引き続いて同一事業を営む中小企業者又は組合であって、BCP(事業継続計画)を策定し、申込日において次の要件のいずれかに該当する方(1)香川県BCP優良取組事業所認定制度に基づき、香川県から認定を受け、かつ認定証の有効期間内のもの
(2)香川県建設業BCP認定制度に基づき、香川県から認定を受け、かつ認定証の有効期間内のもの
使 途 事業の継続のために必要な設備・運転資金
限度額 8,000万円以内
ただし、運転資金は5,000万円以内
期 間
  • 設備資金10年以内(うち据置期間1年以内)
  • 運転資金7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 香川県BCP優良取組事業所認定を受けた方
    融資期間7年以内の場合固定 年1.60%以内
    融資期間7年超の場合固定 年1.70%以内
  • 香川県建設業BCP認定会社
    融資期間7年以内の場合固定 年1.80%以内
    融資期間7年超の場合固定 年1.90%以内
信 用
保証率
  • 香川県BCP優良取組事業所認定を受けた方
    年0.21%~0.85%
  • 香川県建設業BCP認定会社
    年0.25%~1.40%
申 込
方 法
香川県BCP優良取組事業所認定制度に基づく認定書の写し又は香川県建設業BCP認定制度に基づく認定証の写しを添付して、取扱金融機関の窓口へお申込下さい。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『BCP策定企業融資』

2025年7月15日


香川県中小企業者融資制度『中小企業再生支援融資』

一時的に経営に支障が生じた地域経済を担う中小企業が、中小企業活性化協議会の支援を受けて又は経営サポート会議による検討に基づき再生するために必要な事業資金を融資します。

<中小企業再生支援融資(一般タイプ)について>

対 象 県内で1年以上引き続いて同一事業を営む中小企業者(会社・個人)又は組合であって、香川県中小企業活性化協議会の支援を受けて又は経営サポート会議による検討に基づき策定した「経営改善計画」(当該計画に係る債権者全員の合意が成立したものに限る。)に基づき事業の再生を図る方(経営改善計画に従って設立された法人も対象です。)
本融資は、事業再生計画実施関連保証制度(全国統一保証制度)に準拠しています。
本融資を受けた後、金融機関に対して計画の実行及び進捗の状況の報告を行う必要があります。
使 途 経営改善計画の実施に必要な設備・運転資金(「経営改善計画」に明記されたもの)
限度額 8,000万円以内
期 間 10年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年2.00%
  • 融資期間7年超の場合固定 年2.10%
信 用
保証率
年0.80%
責任共有制度の対象除外の場合 年1.00%
申 込
方 法
  • 香川県中小企業活性化協議会の支援を受けたもの
    「経営改善計画」を添えて、取扱金融機関にお申込みください。
  • 経営サポート会議による検討に基づくもの
    「経営改善計画」を添えて、取扱金融機関にお申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343
所 属 香川県中小企業活性化協議会
TEL 087-811-5885

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『中小企業再生支援融資』

2025年7月14日


香川県中小企業者融資制度『事業承継支援融資(特別保証タイプ)』

業承継時に一定の要件の下で経営者保証が不要となるほか、専門家の支援・確認を受けた場合、保証料負担が軽減されることがあります。

<事業承継支援融資(特別保証タイプ)について>

対 象
  1. 県内に事業所を有し、次の1又は2に該当し、かつ、3及び4に該当する中小企業者
    ただし、本要件により本制度を既に利用している中小企業者は、上記に該当することに加え、本制度1回目の保証日(ただし、貸付実行されたものに限る。)から3年以内に保証申込みを行うものに限る

    1 信用保証協会の保証申込受付日から3年以内に事業承継を予定する事業承継計画を有する法人
    2 令和2年1月1日から令和7年3月31日までに事業承継を実施した法人であって、事業承継日から3年を経過していない方
    3 信用保証協会への申込日の直前の決算において次の全ての要件を満たすこと
    (ア)資産超過であること
    (イ)EBITDA有利子負債倍率(注1)が10倍以内であること
    (ウ)法人・個人の分離がなされていること
    4 信用保証協会への申込日(注2)において、返済緩和している借入金がないこと
  2. 県内に事業所を有し、次の1から3のいずれにも該当する会社である中小企業者
    1 次のいずれにも該当することにつき、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12条第1項第1号二に規定する認定を受けていること
    (ア)中小企業者の代表者が当該中小企業者の金融機関からの借入れによる債務を保証していることにより、当該中小企業者の事業活動の継続に支障が生じていると認められること
    (イ)認定申請日の直前の決算において、資産超過であること
    (ウ)認定申請日の直前の決算において、EBITDA有利子負債倍率(注1)が10倍以内であること
    (エ)当該中小企業者が認定申請日より3年以内に事業承継を予定していること
    2 信用保証協会への申込日の直前の決算において次の全ての要件を満たすこと
    (ア)資産超過であること
    (イ)EBITDA有利子負債倍率(注1)が10倍以内であること
    (ウ)法人・個人の分離がなされていること
    3 3 信用保証協会への申込日(注2)において、返済緩和している借入金がないこと

(注1)EBITDA有利子負債倍率 =(借入金・社債-現預金)÷(営業利益+減価償却費)
なお、国の制度の改正に伴い、令和6年9月2日より倍率を10倍に変更

(注2)申込日が、中小企業信用保険法第2条第6項の規定に基づき、内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じたため我が国の中小企業に著しい信用の収縮が全国的に生じていると経済産業
大臣が認める場合に係る期間中である場合においては、当該期間の始期の前日でも差し支えない

使 途 対象の1については、事業資金であって、次に掲げるものとする1に該当する中小企業者にあっては、保証人(個人に限る。以下において同じ。)を提供していない既往借入金の返済資金以外のもの
2に該当する中小企業者にあっては、事業承継前における保証人を提供している既往借入金の返済資金対象の2については、認定を受けた中小企業者の経営の承継に必要な資金のうち、当該認定の日から経営の承継の日までの間における借換資金(当該中小企業者の代表者が保証債務を負う借入れに係るもの)とする
限度額 8,000万円以内
期 間 10年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.60%以内
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.70%以内
信 用
保証率
年0.40%~1.55%
ただし、「申込方法」欄の(6)の書面に掲げる項目のうち、確認が必要な項目の全てについて専門家(香川県中小企業活性化協議会及び香川県事業承継・引継ぎ支援センター)が満たすものと判断した場合は、年0.15%~0.80%
申 込
方 法
対象の1については、各取扱金融機関が定める融資申込書に香川県信用保証協会が定める信用保証委託申込書及び次の(1)及び(3)の所定の書面を添えて、与信取引のある取扱金融機関にお申し込みください。(既往借入金を借り換える場合は、(4)の書面も添付するものとします。)対象の2については、各取扱金融機関が定める融資申込書に香川県信用保証協会が定める信用保証委託申込書及び次の(2)、(3)及び(4)の所定の書面を添えて、与信取引のある取扱金融機関にお申し込みください。ただし、対象の1及び対象の2のいずれにおいても、既往借入金を借り換える場合で申込金融機関以外からの借入金を含むときは(5)、専門家の確認を受けた場合の信用保証料率を適用する場合にあっては(6)の書面を(1)又は(2)及び(3)、(4)に加えてそれぞれ添付するものとします。(1)事業承継計画書
(2)中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則様式第6の3の知事の認定書(申請書の写しを含む)の写し及び認定申請の提出書類の写し
(3)財務要件等確認書
(4)借換債務等確認書
(5)他行借換依頼書兼確認書
(6)ガバナンス体制の整備に関するチェックシート

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

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2025年7月11日


香川県中小企業者融資制度『事業承継支援融資(一般タイプ)』

認定支援機関や香川県信用保証協会等の支援を受けて策定した事業承継計画に基づいて実施する事業承継のために必要な資金を融資します。

<事業承継支援融資(一般タイプ)について>

対 象 県内で1年以上引き続き事業を営む中小企業者であって、認定支援機関や香川県信用保証協会等の支援を受けて策定した事業承継計画に基づき、5年以内に事業承継の予定がある方又は事業承継を行ってから5年以内の方
限度額 8,000万円以内
期 間 20年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.60%以内
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.70%以内
信 用
保証率
年0.40%~1.55%
申 込
方 法
認定支援機関や香川県信用保証協会等の支援を受けて策定した事業承継計画を添付して取扱金融機関の窓口にお申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

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2025年7月10日


香川県中小企業者融資制度『小口零細企業融資』

小規模企業者に必要な設備・運転資金を融資します。

<小口零細企業融資について>

対 象 県内で1年以上引き続いて同一事業を営む小規模企業者(会社・個人)
※本融資は、小口零細企業保証制度(全国統一保証制度)に準拠しています
使 途 設備・運転資金
限度額 2,000万円以内
※ただし、信用保証協会の保証付き融資残高との合計額が、2,000万円を超えないこと
期 間 10年以内(うち据置期間2年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合:固定 年2.00%
  • 融資期間7年超の場合:固定 年2.30%
信 用
保証率
年0.45%~1.75%
セーフティネット保証を利用する場合は 年0.60%
申 込
方 法
取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。
※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

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2025年7月2日


香川県中小企業者融資制度『経済変動対策融資』

中小企業の経営の改善・安定化のために必要な資金を融資します。

経済的環境の著しい変化による販売不振などにより、資金繰りにお困りの中小企業の方へ。

<経済変動対策融資について>

対 象 県内で1年以上引き続いて同一事業を営む中小企業者(会社・個人・NPO法人等)又は組合であって、次の要件のいずれかを満たす方

  1. 中小企業信用保険法第2条第5項の1~8号のいずれかの規定に基づき、会社の本店所在地(個人は主たる事業所)を管轄する市町長の認定を受けていること
    (セーフティネット保証利用者) セーフティネット保証について
  2. 経済的環境の変化により、最近3か月又は6か月の売上高が直近3か年のいずれかの同期の売上高に比べて5%以上減少していることにより、経営の安定に支障が生じていること
    売上高状況報告書様式
  3. 取引先の倒産により、債権回収が困難になっていること
    債権保有状況報告書様式
  4. 原材料の高騰その他の経済的環境の変化により、最近3か月若しくは6か月又は直近決算期における売上総利益率又は営業利益率が、その前年における同期の売上総利益率又は営業利益率に比べて5ポイント以上減少し、経営の安定に支障が生じていること
    利益率状況報告書様式
  5. 感染症法における「指定感染症」又は知事が特に対応が必要と認めた疾病等による影響により、最近1か月の売上高が直近3か年のいずれかの同期の売上高に比べて5%以上減少していること
    売上高状況報告書様式(指定感染症等関連)
限度額 8,000万円以内
期 間 運転資金:10年以内(据置期間:2年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定年 1.70%
  • 融資期間7年超の場合固定年 2.00%
信 用
保証率
年 0.40%~1.55%
※セーフティネット保証を利用する場合は 年 0.60%
申 込
方 法
県が定める必要書類を添付して取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
必 要
書 類
1.に該当する場合

  • 市町長の認定書(認定申請に当たって必要となる書類は、申請を行おうとする市町の商工担当課に確認してください)
  • その他の必要書類

2.に該当する場合

  • 売上高状況報告書(リンク先からダウンロードできます)
  • その他の必要書類

3.に該当する場合

  • 債権保有状況報告書(リンク先からダウンロードできます)
  • その他の必要書類

4.に該当する場合

  • 利益率状況影響報告書(リンク先からダウンロードできます)
  • その他の必要書類

5.に該当する場合

  • 売上高状況報告書[指定感染症等関連](リンク先からダウンロードできます)
  • その他の必要書類
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

<セーフティネット保証認定のお問い合わせは>

所 属 各市町の商工担当課


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 香川県中小企業者融資制度『経済変動対策融資』

2025年6月30日


香川県中小企業者融資制度『経営安定融資(経営者保証非提供促進タイプ)』

保証料の上乗せ等を条件に、経営者保証が不要となる融資制度です。中小企業の経営の合理化のために必要な資金を融資します。

<経営安定融資(経営者保証非提供促進タイプ)について>

対 象 県内に事業所を有し、6か月以上引き続いて同一事業を営む法人である中小企業者又は組合(以下「中小企業者等」という)であって、次の要件のいずれにも該当するもの
ただし、法人の設立後最初の事業年度(以下「設立事業年度」という)の決算がない法人である中小企業者等は(1)、(2)及び(3)、設立事業年度の次の事業年度の決算がない法人である中小企業者等は(3)の要件は問わない(1)信用保証協会への保証申込日(以下「申込日」という)以前2年間(法人の設立日から起算して申込日までの期間が2年間に満たない場合は、その期間)において、決算書等を申込金融機関の求めに応じて提出していること
(2)申込日の直前の決算において、当該中小企業者等の代表者(代表者に準ずる者を含む)への貸付金その他の金銭債権(当該中小企業者等の事業の実施に必要なもの及び少額のものを除く)がなく、かつ、当該中小企業者等の代表者(代表者に準ずる者を含む)への役員報酬、賞与、配当その他の金銭の支払が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと
(3)次の両方又はいずれかを満たすこと
1申込日の直前の決算における貸借対照表上、債務超過※1でないこと
2申込日の直前2期の決算における損益計算書上、減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと※2
(4)次の1及び2について継続的に充足することを誓約する書面を提出していること
1申込日以降においても、決算書等を申込金融機関の求めに応じて提出すること
2申込日を含む事業年度以降の決算において、当該中小企業者等の代表者(代表者に準ずる者を含む)への貸付金その他の金銭債権(当該中小企業者等の事業の実施に必要なもの及び少額のものを除く)がなく、かつ、申込日を含む事業年度以降の決算において、当該中小企業者等の代表者(代表者に準ずる者を含む)への役員報酬、賞与、配当金その他の金銭の支払が社会通念上相当と認められる額を超えないこと
(5)信用保証料率の引上げ※3により経営者保証を提供しないことを希望していること※1 「純資産の額≧0」であること
※2 「経常利益+減価償却≧0」であること
※3 中小企業信用保険法施行規則(昭和37年通商産業省令第14号)第4条の2第5号に掲げる規定に基づき、保険料率が加算されることに伴うものに限る
使 途
  • 長期資金 経営の合理化のために必要な設備・運転資金
  • 短期資金 短期運転資金
限度額
  • 長期資金 8,000万円以内
  • 短期資金 1,000万円以内
期 間
  • 長期資金 設備資金:10年以内(うち据置期間1年以内)
  • 長期資金 運転資金:7年以内(うち据置期間6か月以内)
  • 短期資金 運転資金:1年以内
利 率
  • 長期資金 融資期間7年以内の場合固定 年2.10%以内
  • 長期資金 融資期間7年超の場合固定 年2.20%以内
  • 短期資金 固定 年2.00%以内
信 用
保証率
保証付 信用保証料率
1.(3)1及び2のいずれにも該当する融資対象者
年 0.65%~1.80%
経営安定関連(セーフティネット)保証(4号又は5号)が適用された場合は
年 0.85%とする
1.(3)1又は2のいずれか一方のみに該当する融資対象者又は法人の設立後2事業年度の決算がない融資対象者
年 0.85%~2.00%
経営安定関連(セーフティネット)保証(4号又は5号)が適用された場合は
年 1.05%とする保証料補助について
上記いずれの融資対象者に対しても、申込日に応じて、0.05%から0.15%に相当する額を国が補助する。
具体的には、申込日が令和6年4月1日から令和7年3月31日までは0.15%、令和7年4月1日から令和8年3月31日までは0.10%、令和8年4月1日から令和9年3月31日までは0.05%とする。
なお、条件変更に伴い追加して生じる信用保証料については、国の補助の対象外とする
申 込
方 法
各取扱金融機関が定める融資申込書に香川県信用保証協会が定める信用保証委託申込書のほか、事業者選択型経営者保証非提供制度要件確認書兼誓約書を添えて、取扱金融機関に申し込むものとする
なお、経営安定関連(セーフティネット)保証(4号又は5号)を利用する場合は、中小企業信用保険法第2条第5項に基づく市町長の認定書の添付を要する
備 考 本融資は、事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度(全国統一保証制度)に準拠しています

<問い合わせ先>

所属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

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2025年6月27日


香川県中小企業者融資制度『経営安定融資(一般タイプ)』

中小企業の経営の合理化のために必要な資金を融資します。

<経営安定融資について>

対 象 県内に事業所を有し、6か月以上引き続いて同一事業を営む中小企業者(会社・個人・NPO法人等)又は組合
使 途
  • 長期資金 経営の合理化のために必要な設備・運転資金
  • 短期資金 短期運転資金
限度額
  • 長期資金 8,000万円以内
  • 短期資金 1,000万円以内
期 間
  • 長期資金 設備資金:10年以内(うち据置期間1年以内)
  • 長期資金 運転資金:7年以内(うち据置期間6か月以内)
  • 短期資金 運転資金:1年以内
利 率
  • 長期資金 融資期間7年以内の場合固定 年2.10%以内
  • 長期資金 融資期間7年超の場合固定 年2.20%以内
  • 短期資金 固定 年2.00%以内
信 用
保証率
年0.40%~1.55%
セーフティネット保証を利用する場合は 年0.60%
申 込
方 法
取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。
※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

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2025年6月26日


香川県中小企業者融資制度『経営活性化支援融資』

中小企業の経営の効率化・安定化のために必要な資金を融資します。

<経営活性化支援融資について>

対 象 県内に事業所を有し、6カ月以上引き続いて同一事業を営む中小企業者(会社・個人・NPO法人等)又は組合であって、次の要件のいずれかに該当し、本制度の活用により、経営の効率化・安定化が図られること

  1. 構築物、機械、装置等を新設、増設、更新又は改造しようとするもの
  2. 工場、店舗、倉庫等を新築、増築、改築又は改装しようとするもの
  3. 事業の用に供するための既存建物を取得しようとするもの
  4. 温室効果ガスの排出削減に資する機械、装置等を新設、増設、更新又は改造しようとするもの
限度額 8,000万円以内
期 間 設備資金:10年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.80%以内
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.90%以内
信 用
保証率
年0.40%~1.55%
申 込
方 法
取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。
※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343


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 香川県中小企業者融資制度『経営活性化支援融資』

2025年6月16日


香川県中小企業者融資制度『フロンティア融資(新事業進出支援)』

中小企業が新しい事業分野に進出・転換するために必要な資金を融資します。

<フロンティア融資(新事業進出支援)について>

対 象 県内で1年以上引き続いて事業を営む中小企業者(会社・個人・NPO法人等)で、次のいずれかに該当し、かつ、新分野への進出にあたって(公財)かがわ産業支援財団の支援を受けて「新事業進出計画書」を作成した方

  1. 中小企業者が、現在の事業を継続しながら、新たにこれまで行ってきた事業と日本標準産業分類(中分類)が異なる業種分類に属する事業に進出すること
  2. 中小企業者が、現在の事業を廃止し、新たにこれまで行ってきた事業と日本標準産業分類(中分類)が異なる業種分類に属する分野に事業転換すること
使 途 新事業に進出するために必要な設備・運転資金
限度額 8,000万円以内(ただし、運転資金は5,000万円以内)
期 間
  • 設備資金:10年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.75%
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.85%
信 用
保証率
年0.40%~1.55%(ただし、香川県中小企業振興融資制度保証料補給金交付要綱により、県から年0.40%の補給があります。)
【保証料補給について】
香川県信用保証協会の保証日が令和6年4月1日以降の案件については、保証料補給金の申請手続きは不要です。
ただし、同協会の保証日が令和6年3月31日以前の案件について、条件変更による追加の保証料補給を申請する際は、以下の様式に所定の事項を記載のうえ、県にご提出ください。
香川県中小企業振興融資制度保証料補給金の申請について(要綱及び様式)
申 込
方 法
(公財)かがわ産業支援財団の支援を受けて「新事業進出計画書」を作成し、取扱金融機関の窓口にお申し込みください。
必 要
書 類
  1. 新事業進出計画書(様式は下記リンク先からダウンロードできます)
  2. 最近2か年の決算書(貸借対照表、損益計算書、内訳書等)、税務申告書の写し及び最近時の残高試算表
  3. 法人の場合、商業登記簿謄本及び定款 個人の場合、住民票
  4. 設備・原材料等の見積書、図面又は、カタログ等
  5. 許認可業種の場合、許認可書(写)
  6. その他の必要書類
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。
※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343
所 属 (公財)かがわ産業支援財団 企業振興部企業支援課
所在地 高松市林町2217-15 香川産業頭脳化センタービル2階
TEL 087-840-0391

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『フロンティア融資(新事業進出支援)』

2025年6月11日


香川県中小企業者融資制度『フロンティア融資(ベンチャー企業育成支援)』

優れた新技術・新製品などの開発を行うための資金を融資するもので、承認を受けた日から5年を経過していないことが必要です。

<フロンティア融資(ベンチャー企業育成支援)について>

対 象 県内で6か月以上引き続いて同一事業を営み中小企業等経営強化法に基づき、経営革新計画(優れた新技術・新商品等の開発を行うもの)に係る香川県知事の承認を受け、5年を経過していない特定事業者であって、次の要件のいずれかに該当するもののうち、本制度による融資の必要性・妥当性のあるもの

  1. 特定事業者であって、中小企業信用保険法第2条第1項に規定する中小企業者(以下「保険対象中小企業者」という。)に該当するもの
  2. 特定事業者であって、中小企業等経営強化法第22条第1項の規定により保険対象中小企業者とみなされるもの
  3. 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律附則第8条第2項の規定により特定事業者とみなされるものであって、保険対象中小企業者に該当するもの
使 途 知事の承認を受けた事業の実施に必要な設備・運転資金
限度額 5,000万円以内
期 間
  • 設備資金:10年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.75%
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.85%
信 用
保証率
年0.75%(ただし、香川県中小企業振興融資制度保証料補給金交付要綱により、県から年0.40%の補給があります。)【保証料補給について】
香川県信用保証協会の保証日が令和6年4月1日以降の案件については、保証料補給金の申請手続きは不要です。
ただし、同協会の保証日が令和6年3月31日以前の案件について、条件変更による追加の保証料補給を申請する際は、以下の様式に所定の事項を記載のうえ、県にご提出ください。
香川県中小企業振興融資制度保証料補給金の申請について(要綱及び様式)
申 込
方 法
知事の承認を得て、取扱金融機関の窓口にお申込みください。
必 要
書 類
経営革新計画に係る承認通知書(写)及び計画書(写)
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。
※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

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2025年6月9日


香川県中小企業者融資制度『新規創業融資(経営者保証免除タイプ)』

県内で新たに事業を始めるための設備・運転資金を融資します。

<新規創業融資(経営者保証免除タイプ)について>

対 象 県内で新たに事業を開始しようとする方で、次の要件のいずれかに該当する方

  1. 事業を営んでいない個人であって、2か月以内に新たに会社を設立し、その新たに設立された会社が、事業を開始する具体的な計画を有すること
  2. 事業を営んでいない個人によって設立された会社であって、その設立の日以後1年を経過しないこと
  3. 事業を営んでいない個人が事業を開始し、開始後1年を経過していない創業者であって新たに会社を設立したものが、事業の譲渡により事業の全部又は一部を当該会社に承継させる場合であって、個人の事業開始後1年を経過しないこと

保証申込受付時点において税務申告1期未終了の方にあっては、創業資金総額の1月10日以上の自己資金を有していることを要する

使 途 県内で新たに事業を始めるための設備・運転資金
限度額 2,000万円以内
期 間
  • 設備資金:10年以内(うち据置期間1年以内)
    申込金融機関において本融資と原則同時にプロパー融資を実行する、又は本融資の申込時においてプロパー融資の残高がある場合は、設備資金に係る据置期間を2年以内とする
  • 運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.75%
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.85%
信 用
保証率
年0.78%(ただし、香川県中小企業振興融資制度保証料補給金交付要綱により、県から年0.58%の補給があります。)【保証料補給について】
香川県信用保証協会の保証日が令和6年4月1日以降の案件については、保証料補給金の申請手続きは不要です。
ただし、同協会の保証日が令和6年3月31日以前の案件について、条件変更による追加の保証料補給を申請する際は、以下の様式に所定の事項を記載のうえ、県にご提出ください。
香川県中小企業振興融資制度保証料補給金の申請について(要綱及び様式)担保割引等なし
申 込
方 法
取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
必 要
書 類
  1. 創業計画書(様式は以下のリンクからダウンロードできます)
  2. 客観的に事業を開始した時期が明らかになる書類
  3. 宣誓書(香川県信用保証協会で定めた様式)(様式は以下のリンクからダウンロードできます)
  4. 許認可業種の場合、許認可書等(写)
  5. その他の必要書類

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『新規創業融資(経営者保証免除タイプ)』

2025年6月3日


香川県中小企業者融資制度『新規創業融資(一般タイプ)』

県内で新たに事業を始めるための設備・運転資金を融資します。

<新規創業融資(一般タイプ)について>

対 象 県内で新たに事業を開始しようとする方で、次の要件のいずれかに該当する方

  1. 事業を営んでない個人で、1か月以内に新たに事業を開始する具体的な計画を有すること
  2. 事業を営んでいない個人で、2か月以内に新たな会社を設立し、当該会社が事業を開始する具体的な計画を有すること
  3. 事業を営んでいない個人が事業を開始し、開始後1年を経過しないこと
  4. 事業を営んでいない個人により設立された会社であって、その設立の日以後1年を経過しないこと
  5. 3.に規定する事業者であって新たに会社を設立したものが、事業の譲渡により事業の全部又は一部を当該会社に承継させる場合であって、個人の事業開始後1年を経過しないこと
使 途 県内で新たに事業を始めるための設備・運転資金
限度額 2,000万円以内
期 間
  • 設備資金:10年以内(うち据置期間2年以内)
  • 運転資金:7年以内(うち据置期間1年以内)
利 率
  • 融資期間7年以内の場合固定 年1.75%
  • 融資期間7年超の場合固定 年1.85%
信 用
保証率
年0.58%(ただし、香川県中小企業振興融資制度保証料補給金交付要綱により、県から年0.58%の補給があります。)【保証料補給について】
香川県信用保証協会の保証日が令和6年4月1日以降の案件については、保証料補給金の申請手続きは不要です。
ただし、同協会の保証日が令和6年3月31日以前の案件について、条件変更による追加の保証料補給を申請する際は、以下の様式に所定の事項を記載のうえ、県にご提出ください。
香川県中小企業振興融資制度保証料補給金の申請について(要綱及び様式)担保割引等なし
申 込
方 法
取扱金融機関の窓口に直接お申込みください。
必 要
書 類
  1. 創業計画書(様式はリンク先からダウンロードできます)
  2. 客観的に事業を開始した時期が明らかになる書類
  3. 法人の場合、商業法人登記簿謄本と定款(写) 個人の場合、住民票
  4. 宣誓書(香川県信用保証協会で定めた様式)(様式はリンク先からダウンロードできます)
  5. 許認可業種の場合、許認可書等(写)
  6. その他の必要書類
備 考 本融資制度は、保証料を上乗せすること等により、経営者保証の提供を不要とする制度(事業者選択型経営者保証非提供制度)をご利用いただけます。詳細については、取扱金融機関または香川県信用保証協会にお問い合わせください。※経営者保証の提供を不要とする保証制度の概要

<問い合わせ先>

所 属 香川県商工労働部経営支援課(商業・金融グループ)
所在地 高松市番町四丁目1番10号 県庁東館6階
TEL 087-832-3343

★リンクはこちら⇒ 香川県中小企業者融資制度『新規創業融資(一般タイプ)』

2025年6月3日


「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)に対するパブリックコメントの結果等について

金融庁は、『「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)に対するパブリックコメントの結果等について』を公表した。

金融庁は、「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)について、令和元年9月10日(火)から令和元年10月11日(金)にかけて公表し、意見募集を行った。

その結果、20の個人及び団体より99件のご意見をいただいた。

お寄せいただいたコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は、リンクの『別紙1』をご覧のこと。

パブリックコメントでお寄せいただいたご意見を踏まえ、必要な追記・修正を行い、リンクの『別紙2「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」』を策定した。

本文書は、引当・償却について現状の実務を否定するものではなく、現在の債務者区分を出発点に、現行の会計基準に沿って、金融機関が自らの融資方針や債務者の実態等を踏まえ、認識している信用リスクをより的確に引当に反映するための見積りの道筋を示している。

この点、金融機関の経営理念、経営戦略・方針、内部管理態勢、融資方針やリスク管理等と切り離して、特定の引当の見積方針の是非を問うご意見があった。

しかしながら、どのような見積方法が信用リスクをより的確に引当に反映することができるかは、金融機関ごとに異なると考えられ、当該ご意見についても、金融機関の経営理念、経営戦略・方針、内部管理態勢、融資方針やリスク管理等を踏まえた上で検討いただくことが考えられる。

なお、金融機関が、自らの融資方針や債務者の実態等を踏まえ、信用リスクをより的確に引当に反映する方法を検討するにあたっては、様々な悩みや課題が生じるものと思われる。

このような悩みや課題について関係者で議論できるよう、金融庁に相談受付窓口を設置した。ご相談を希望される場合は、リンクの『相談受付窓口の設置について』をご確認のこと。

引き続き、金融庁・財務(支)局が一体となって、金融機関との建設的で双方向の対話を続けながら、金融行政の質を継続的に高めていく。

<お問い合わせ先>
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第二課地域金融企画室(内線2209、2564)

★コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方はこちら⇒ コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方

★検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方 はこちら⇒ 検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方

★融資に関する検査・監督についての相談受付窓口の設置についてはこちら⇒ 融資に関する検査・監督についての相談受付窓口の設置について

2020年3月17日


全国上場会社のエクイティファイナンスの状況(2019年)

日本証券業協会は、全国上場会社の国内、国外における公募、売り出し等エクイティファイナンスの状況を発行形態別、発行規模別等にまとめている。

<統計の目的>
広く一般の皆様に全国の証券取引所の上場会社(証券取引所から新規上場承認され、新規上場した会社を含む。以下「上場会社」という。)が行う資金調達の状況をご理解いただく指標の一つとして、全国上場会社のエクイティファイナンスの状況を公表している。

<お問い合わせ>
日本証券業協会 公社債・金融商品部 市場統計業務室
TEL:03-6665-6774

★リンクはこちら⇒ 全国上場会社のエクイティファイナンスの状況(2019年)

2019年5月28日


政府系金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績

中小企業庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、中小企業者等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促しているところである。

今般、ガイドラインの更なる活用促進を図る観点から、政府系金融機関におけるガイドラインの活用実績(ガイドラインの適用が開始された平成26年2月から平成28年9月末までの実績)に加えて融資全体に占める割合を公表した。

なお、今般、公表するのは現時点(平成28年12月28日)の集計値であり、今後の精査によって変動し得るものである。

★リンクはこちら⇒ 政府系金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績

2017年1月19日

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン

一般社団法人全国銀行協会は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を公表している。

このガイドラインは、自然災害の影響によって、住宅ローン等を借りている個人や事業性ローンを借りている個人事業主が、既往債務を弁済できず再スタートが困難となることを想定し、そのような債務者が一定の要件を満たした場合に、法的倒産手続によらずに、債権者と債務者の合意に基づき、債務整理を行う際の準則として取りまとめられたものである。

今般、内閣府が「平成28年熊本県熊本地方の地震」について災害救助法の適用を決定したことに伴い、当該災害の影響によって住宅ローンの既往債務を弁済できなくなるなど一定の条件に該当する方は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の対象となる。

★リンクはこちら⇒ 自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン

2016年6月17日

『経営者保証に関するガイドライン』サイト

独立行政法人中小企業基盤整備機構(いわゆる中小機構)は、『経営者保証に関するガイドライン』サイトを開設した 。

★リンクはこちら⇒ 『経営者保証に関するガイドライン』サイト(既に削除済み)

2016年2月4日

「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集(平成27年7月改訂版)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促しているところである。

その一環として、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表しているところであるが、この度、金融機関等における取組事例を追加的に収集したので、改訂版を公表した。
これにより、金融機関等においてガイドラインの積極的な活用が促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくこと、中小企業等にとっても思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々にとっても経営支援等の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

★「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集についてはこちら⇒ 「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集について
★「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集はこちら⇒ 「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集

2015年8月11日

事業再生ADR を活用して保証債務を整理した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 当社は、宿泊業者であり、過去、多額の資金を投じ設備投資や事業の多角化を行ったものの、企図した投資効果を得られずに過剰債務・債務超過に陥った。
  • その後、一定のキャッシュフローの創出はできていたが、事業価値を維持するための設備投資資金の調達が困難であることや競争環境が厳しくなったこと等から、自主再建は困難と判断されたため、メインの地元銀行から抜本的改善スキームの必要性を説明し、事業再生ADR を活用した事業再生計画の策定に着手した。

2.当該整理の具体的内容

  • スポンサーから出資・貸付により拠出を受けた資金を金融債務の一部弁済に充て、残りは債務免除を受けることで再建を図ることとなった。事業再生計画の概要は以下のとおり。
    金融機関の債権(うち大半を経営者が連帯保証)について、スポンサーからの出資・貸付、不動産の売却等、経営者の保証履行で一部を弁済し、残りの債務については免除した。
  • 経営者の保証債務については、「経営者保証に関するガイドライン」に即して、以下のような形で保証債務の免除を行うこととした。
    保証人が保有資産の内容を開示するとともに、その正確性について表明保証を行い、支援専門家である弁護士がその適正性について確認を行った旨の報告書の提出を行った。
    保証人が、表明保証を行った資力の状況が事実と異なる場合には追加弁済を行う旨を表明した。
    早期再生に伴う回収見込額の増加額は、スポンサーからの出資・貸付により主たる債務の一部弁済に充てた金額であった。
    保証人の退職金により、保証債務の一部を履行した。
    保証人の残存資産については、以下のとおりとした。
    ★破産手続の自由財産に相当する現預金
    ★生命保険を解約した場合の返戻金(破産手続においても自由財産として認められる可能性が高いことを考慮)
    ★自宅(華美とは認められず、今後の生活の維持を考慮)
  • 生命保険の解約返戻金のほか、自宅を残存資産として保証人に残したことにより、その後の保証人の生活再建に大きく寄与することとなった。

2014年8月6日

中小企業再生支援協議会を活用して保証債務を整理した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.整理の申し出を行うに至った経緯・状況等

  • 当社は、小売業者であり、競合店の進出、市況の悪化等による売上の減少、収益力の低下のため、再生計画を策定して各種改善策に取り組んだが、実績は計画から大幅に乖離したため、計画の見直しが求められていた。
  • 数年前から店舗閉鎖を進め、閉鎖した店舗を転貸することにより平成25 年度決算期には黒字に転換し、一定の事業継続の可能性が認められたことから、再度、債権放棄を含む抜本的な再生計画に取り組むため、中小企業再生支援協議会に相談することとなった。

2.当該整理の具体的内容

  • 中小企業再生支援協議会に相談し、経営者の息子が設立する新会社が受皿会社として当社の全事業を承継し、当社は特別清算手続により清算される第二会社方式による事業再建計画が策定された。
  • 中小企業再生支援協議会の斡旋による当事者間の協議に基づき債務整理を行い、保証債務の一部履行後、主債権と保証債権を中小企業再生ファンドに譲渡した。当該譲渡後、当社から新会社に債務の一部を承継するとともに、当社に残存する債務については、特別清算手続による債権放棄及び残存保証債務の債務免除が行われる予定である。
  • 保証債務の整理の概要は以下のとおり。
    金融機関の債権は数億円(経営者を含む取締役数名が連帯保証)、早期再生に伴う回収見込額の増加額は44百万円であった。
    調査の結果、保証人は計1億円超の私財を保有していることが判明したため、各保証人の財産に関する表明保証に加え、いずれの保証人とも利害関係のない弁護士が調査・確認して保有資産を明らかにした上で、一定の資産を保証人の手元に残した上で、保証債務の一部履行を実施した。
    具体的には、計14百万円を生計費として保証人の手元に残した(原則として各4百万円。うち1名に医療費2百万円を追加)。
    また、新会社の運転資金11百万円及び不動産転貸に係る預かり保証金の返戻金請求に備えた19百万円の計30百万円を保証人から新会社に対する貸付金とした。このようにして、最終的には、保証人の私財から手元に残る資産計44百万円を控除した金額で保証債務の履行を受け、保証人の手元に残る資産の額に相当する残存債務計44百万円については免除した。
  • 債務整理に当たり、取締役は責任をとって退任し、また、株主は会社分割後の特別清算(予定)により株主責任を果たした。
  • 債務整理に関する合意は「経営者保証に関するガイドライン」の適用開始前に行われたが、ガイドラインの趣旨を踏まえて、メイン行として保証債務の整理に係る金融機関間の調整を行った。その際に、各行の債務免除額の決定に当たっては、新会社への貸付分30百万円及び医療費分2百万円に相当する債務免除額をメイン行である当行が負担した上で、残余の債務免除額については各行が融資シェア比で按分することとし、下位行からの計画合意を取り付けた。
  • 最終的に、保証人の残存資産を、上限である早期再生に伴う回収見込額の増加額と同額として、保証債務の免除を行ったことから、保証人の生計の維持及び新会社の事業継続に大きく寄与することとなった。

2014年8月4日

当社との関係がなくなった前経営者の保証を解除した事例(信用金庫)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設業者として高い施工技術を持ち、一定の経営基盤や収益環境を構築している。
  • 平成25年10月期決算は、公共工事の減少により売上は事業計画を下回ったものの、コスト削減により事業計画を上回る経常利益を確保するなど、財務内容の改善に向けた取組みが見られた。
  • こうした中、健康上の理由により前経営者が平成25年10月に退任したが、既存の借入金について前経営者が提供していた保証の解除は行わず、新経営者とともに保証の提供を引き続き受けていた。
  • 今般、当金庫から、「経営者保証に関するガイドライン」の説明を行ったところ、前経営者が当社の株式を譲渡するなど、当社と全く関係のない立場となったことから、前経営者による保証の解除について当金庫に相談があった。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの相談を受け、前経営者と当社の現在の関係を確認したところ、前経営者が保有していた当社の株式は全て譲渡され、前経営者は経営にも全く参画しておらず、実質的にも当社と関係のない立場にあることが確認できたため、「経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする」監督指針の趣旨を踏まえ、前経営者との保証契約の見直しを検討することとした。
  • 当金庫において検討を行ったところ、新経営者から保証の提供を受けていることや業況回復への当社の取組状況を勘案し、前経営者の保証を解除することとした。
  • 当金庫は、メインバンクとして当社との信頼関係を維持するため、本件保証契約の見直しに取り組んだところ、当社からは当金庫の対応を高く評価され、リレーションシップの強化を図ることができた。

2014年8月1日

他の金融機関と協調して経営者保証を解除した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、仏壇仏具店として広く店舗を展開している。
  • 当社は、経営者保証を提供して借入しているが、経営者が高齢なため、保証の必要性については以前から関心があったところ、今般、メイン行から「経営者保証に関するガイドライン」についての説明を受け、当行を含む全取引金融機関に対して、経営者保証の解除についての検討の申し出があった。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの申し出を受け、当行において経営者保証の必要性について改めて検討したところ、以下のような点を勘案し、経営者保証を解除することとした。
    法人と経営者との資金のやり取りもなく、法人と経営者との関係が明確に区分・分離できていること
    増収増益のため業績は良く、法人のみの資産・収益で借入金返済が可能であること(自己資本比率は31.7%、債務償還年数は5年)
    決算関係資料や試算表の提出等、必要に応じて信頼性のある情報の開示・説明があり、経営の透明性が確保できていること
  • なお、メイン行を始めとする他の金融機関も経営者保証の解除について了解した。

2014年7月30日

事業承継に際し、元社長の保証を解除した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、不動産賃貸業者であり、当行のメインの取引先である。
  • 元社長は高齢で経営の一線からは退いているが、筆頭株主で取締役ということもあり、配偶者である現社長と共に保証を提供していた。
  • このような状況の下、社長から取締役である長男への事業承継について相談があり、既に実質的な経営者である長男に対し、社長から保有する自社株を譲渡したいとの意向が示された。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 社長からの相談を受け、当行の営業店において「経営者保証に関するガイドライン」の事業承継時の対応に則して、今回の事業承継を機に元社長の保証を解除する可能性を検討したが、当行所定のチェックシートでは、法人と経営者との関係の区分・分離が不十分なため、引き続き保証を求める可能性を検討することとなった。
  • しかしながら、これまでの返済状況や担保による債権の保全状況に全く問題がなかったことから、前経営者の実質的な経営権・支配権、既存債権の保全状況、法人の資産・収益力を勘案し、ガイドラインの趣旨に則して、元社長の保証を解除することを営業店の方針とし、保証解除の稟議を本部に申請した。
  • また、元社長との面談時にガイドラインについての説明を行い、元社長の保証解除を検討する用意がある旨を伝えた。
  • 後日、正式に当社から元社長の保証解除の依頼があったところ、本部において稟議も承認され、元社長の保証を解除することとした。

2014年7月28日

経営者の交替に際し、前経営者の保証を解除し、新経営者から保証を求めなかった事例(2)(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、親会社グループの運送部門を担っている貨物運送業者であり、グループ会社の商品搬送が主な業務である。
  • 当社は小規模ながら営業基盤が確立されており、業績は安定している(25年9月期は、売上高200百万円、経常利益20百万円と増収増益)。
  • 従来は、経営者から根保証の提供を受けて融資を行ってきたが、経営者の交替に当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」について説明したところ、新経営者から経営者保証なしの融資を検討してほしい旨の要請を受けた。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社からの要請を踏まえ、当行において検討を行ったところ、以下のような点を勘案し、経営者の交替に当たり、前経営者の根保証を解除するとともに、新経営者からの新たな保証も求めることなく融資を行った。
    当社の経営者は、任期が2 年乃至4 年程度のいわゆるサラリーマン社長であり、当社への出資や貸付金など金銭のやり取りはなく、会社決定事項も組織的に決議されているなど社内における牽制機能・管理体制が構築されていること等に鑑み、法人と経営者との関係の区分・分離が図られていること
    親会社・当社ともに財務内容に懸念がなく、また、収益による償還能力も問題のない水準であること

2014年7月25日

経営者の交替に際し、前経営者の保証を解除し、新経営者から保証を求めなかった事例(1)(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、自動車用品卸売業者であり、ガソリンスタンドを主な販売先とし、業況は堅調に推移している。
  • 今般、当社から経営者の交替の連絡を受けた際に、当行において「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証契約の適切な見直しが必要な状況に該当するものと判断し、当社にその旨を説明したところ、前経営者の保証の解除とともに、新経営者からの保証も可能であれば提供せずに取引を継続したい旨の意向が示された。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 当社の意向を受けて、当行において検討したところ、以下のような点から、法人と経営者との関係の区分・分離が図られていること等を勘案し、前経営者の保証を解除するとともに、新経営者に対しても新たな保証を求めないこととした。
    事業用資産は全て法人所有であること
    法人から役員への貸付がないこと
    当社の代表者は内部昇進での登用が中心であり、その親族は取締役に就任しておらず、取締役会には顧問税理士が監査役として参加しているなど、一定の牽制機能の発揮による社内管理態勢の整備が認められること
    法人単体の収益力により、将来に亘って、借入金の返済が可能であると判断できること
    財務諸表のほか当行が求める詳細な資料(試算表等)の提出にも協力的であること

2014年7月22日

保証契約の期限到来に伴い、経営者保証を解除した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、パン・菓子製造業者であり、国内大手のパン製造業者との業務提携により、同社の一部商品の県内での製造・販売を受託するなど、業況は安定的に推移している。
  • 既存の根保証契約の期限到来に伴い、当行から「経営者保証に関するガイドライン」の説明を行ったところ、当社から現社長の根保証契約の解除について相談があった。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 当行において検討を行ったところ、以下のような点を勘案し、既存の根保証契約の解除を行うこととした。
    本社、工場、営業車等の事業活動に必要な資産は全て法人所有となっており、役員への貸付金や不透明な経費計上等もなく資金のやりとりは適切な範囲内に収まっており、また、役員報酬は、業況、事業規模等から妥当な水準と判断されるなど、法人と経営者との関係の明確な区分・分離がなされていること
    好業績が続いており、充分な利益が確保されていること
    決算関連資料が継続的に提供されているほか、渉外担当行員が週1 回訪問し、業況変化の報告や資金需要等の相談を受けるなど、情報開示についても協力的であること
    創業以来のメイン行として、業況変化や資金需要等ある際には事前に相談を受けるなど、従前から良好なリレーションシップが構築されていること

2014年7月18日

不動産担保による保全状況等を考慮して保証金額を減額した事例(信用金庫)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、親会社が当地の営業所の位置付けで設立した酒類や醸造米の卸売業者であり、経営基盤には不安定な部分があるが、着実に業績を上げてきている。
  • 従来は、親会社から運転資金を調達してきたが、親会社からの独立を経営方針としたため、金融機関から初めて資金調達を行うこととなり、当金庫に融資の申込みがあった。
  • 初めての融資取引ということもあり、経営者からは、本人による保証と所有不動産の担保提供の申し出があったが、当金庫から「経営者保証に関するガイドライン」を説明するとともに、経営者の保証金額を不動産担保による保全が図られない部分に限定することを検討することとなった。

2.保証契約の見直しの具体的内容

  • 当金庫において、経営者による保証の金額を限定することについて検討したところ、融資金額25百万円に対して、不動産担保物件の評価額は17百万円であるが、物件の所在地は、市内の住宅開発地として人気の高い地区にあり、将来的に保全価値が減少する可能性は低いと判断したことから、不動産担保物件による保全部分、今後の与信増加の可能性を総合的に勘案の上、経営者の保証金額を25百万円から10百万円に減額して融資を実行した。
  • 経営者からは「保証金額は融資額と同額となっても仕方がないと思っていたが、減額してもらえたのはありがたい。貴金庫の期待に応えられるよう経営に注力したい。今後もいろいろと相談に乗ってもらいたい。」との発言があった。当金庫としても、引き続き当社の事業の発展を支援し、取引の深耕を図っていく方針である。

2014年7月16日

会長の保証契約の解除と社長の保証金額の減額を同時に行った事例(信用金庫)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、主業である材木・建材の卸売業と副業である住宅リフォーム等の建築工事請負業者を兼業しており、いずれの事業も地元工務店を中心とした取引先から安定した受注を確保しているため、業況は堅調に推移している。
  • 当金庫とは法人設立当初から、材木・建材仕入資金等の運転資金を中心に貸出取引(36 百万円)があるが、代表権を持つ会長及び社長から連帯して根保証(極度額36 百万円)の提供を受けるとともに、事務所に根抵当(第1 順位。極度額25 百万円)を設定していた。
  • 今般、当社から長期運転資金15 百万円の追加借入の申込みがあったため、当金庫から「経営者保証に関するガイドライン」に基づく経営者保証の見直しを提案した。

2.適切な保証金額の設定に関する具体的内容

  • 今回の見直しに先立ち、会長が代表取締役を退任して実質的に経営から退いたことから、新規融資については会長の保証を求めず、単独で代表となった現社長とのみ根保証契約を締結することとした。
  • また、既存分と新規分を合計した債権額(計51百万円)に対する根保証の極度額については、根抵当による保全が図られていない部分に限定し、36 百万円から26 百万円に減額することとした。

2014年7月14日

不動産担保による保全状況等を考慮して保証金額を減額した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、大手電気器具製造業者である。
  • 過去に当社が窮境に陥った際には、中小企業再生支援協議会及び整理回収機構を活用した債務整理を実施するなど、当行は長年に亘って当社を支援してきた。
  • 近年の機器の電子化の進行により海外を含め受注が拡大傾向にあるため、堅調な業績を維持しており、未だ繰越損失を抱えているものの、今後1 年程度で解消できるまでに財務基盤が回復している。
  • 従来、当社への与信については、債権額(52 億円)をほぼ全額カバーする額の経営者による根保証や不動産への根抵当権の設定等(計40 億円)の提供を受けていたが、今般、根保証契約の期限到来に際し、当行から「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証金額の見直しの提案を行い、経営者と協議を行った。

2.適切な保証金額の設定に関する具体的内容

  • 当社との協議においては、過去の経緯もあり、現時点で経営者保証を全て解除することは困難であると認識しつつも、根抵当権を設定している不動産担保等の保全や、足元の業績、経営者の業務意欲等を考慮した。
  • 当該協議の過程で経営者の繰越損失解消に向けた強い意欲を確認することができたことや経営者からの希望もあり、保証金額は繰越損失金額相当を目処として5 億円(保証期間は1 年)に設定することで保証契約の更改に合意した。
  • 今回、経営者保証の全額解除までには至らなかったものの、経営者からは「保証金額の減額は事業への取組意欲の増進に繋がるものであり、好決算に向けて一層の努力を行う励みとなる。1 年後の保証期限到来時には改めて保証金額について相談に乗ってほしい。」と前向きな発言があった。

2014年7月11日

預金担保による保全状況等を考慮して保証金額を設定した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、飲食店及びモバイル端末の販売代理店を運営しているが、不況の煽りを受け、平成21 年に売上が悪化。平成22 年3 月から貸出条件の変更を実施し、現在も各金融機関に対して貸出シェアに応じ、当初の約定返済額から減額した金額での返済を継続している。
  • 今般、根保証の期限到来に伴う更改手続の際に、当行から、「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証金額の見直しの提案を行った。

2.適切な保証金額の設定に関する具体的内容

  • 当社に対する融資額25 百万円に対して同額の保証金額を設定していたが、今回の更改に際して、預金担保が10 百万円あることから、ガイドラインに基づき当該担保分を保証金額から控除するとともに与信残高の減少見込分等も勘案し、保証金額を12 百万円に減額することを提案し、当社と合意に至った。
  • 当社は条件変更先ではあるが、ガイドラインに基づき、担保のうち保全の確実性が認められる部分を控除して保証金額を設定したところ、経営者は保証負担が軽減されたことに謝意を示し、「金融機関も変わってきたのですね」と高く評価している。

2014年7月9日

経営者保証の機能の代替として停止条件付保証契約を活用した事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、各種帳票の特殊印刷(主に損害保険会社向け保険約款)を中心に、ロールペーパーの製造、一般印刷も手掛けている。
  • 近年の保険契約におけるネット通販化やWEB 手続によるペーパーレス化を背景とした主力取引先からの値下げ圧力等から、大幅な減収・赤字となり、既存のシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触するまで業績が悪化した。
  • このため、外部コンサルを導入し、安定受注の確保と経費削減を骨子とした「経営改善5ヵ年計画」を策定したところ、経営改善計画1期目は、売上の減少に歯止めが掛からなかったものの、利益面では計画を達成した。
  • このように業績が改善傾向にある中、期限一括返済としていた既存のシンジケート・ローンの期限到来によってリファイナンスを行うに当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」の内容を説明したところ、当社から経営者保証を求めないでほしい旨の申し出があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行での検討においては、当社は経営改善計画を遂行中であり、法人のみの資産・収益力での借入金の返済は難しい状況にあるものの、以下のような点を勘案し、特約条項(注)に抵触しない限り保証契約が発生しない停止条件付連帯保証契約を活用することとした。なお、本対応については、シンジケート・ローンの協調融資行とも協調の上行っている。
    外部コンサルによる計画策定やモニタリングの徹底により、透明性の高い経営がなされていること
    経営改善計画2期目の計画達成も視野に入ってきているなど、一定の経営改善が図られてきていること

(注)特約条項の主な内容
いずれかの表明事項が真実でないことが判明したこと
借入人又は保証人の本契約上の義務違反が発生したこと(純資産維持、2期連続赤字回避等の財務特約条項を含む。)
保証人による財産、経営又は業況に関する虚偽の開示がなされたこと

  • また、弁護士の指導により、保証債務の整理に関して、「保証人がガイドラインに則った整理を申し立てた場合、各貸付人及びエージェントはガイドラインに基づき、当該整理に誠実に対応するよう努める」旨の規定を保証契約に盛り込んだ。
  • 今回の対応により、今後の当社の経営に関する規律付けと情報開示等による更なるリレーションシップの強化が期待できる。

【参考】停止条件付保証契約の特約条項の例
商工組合中央金庫の停止条件付保証契約においては、以下の①~⑤のような特約条項が付されている。仮に表明保証が真実でなかった場合、報告、届出、承諾、確約事項の義務違反が生じた場合等において、代表者が債務者と連帯して保証する旨の契約を、あらかじめ債務者及び代表者、金融機関との間で締結している。
①真実性の表明、保証
債務者及び代表者が、以下の事項について、真実に相違ないことを表明、保証
例 計算書類等が正確かつ適法に作成されていること
事業が関係諸法令に違反していないこと
②財務状況等の報告
債務者が、以下の資料を一定の期限までに提出することを約束。また、代表者は、資料の真実性を表明し、保証
例 ○ヶ月毎の試算表
○ヶ月毎の各取引金融機関からの借入残高の一覧表
各事業年度の計算書類等
③報告、届出事項の取決め
債務者及び代表者が、以下の事項について、報告、届出することを約束
例 商号、代表者、主たる事務所、役員等の変更
訴訟、行政手続、その他の紛争等の開始
財産、経営、業況の重大な変化の発生
④承諾事項の取決め
債務者及び代表者が、以下の事項について、事前承諾がない限り行わないことを約束
例 減資、合併、会社分割
重要な資産、事業の譲渡
経営状況、財務内容に重大な影響を及ぼすおそれのある行為
⑤確約事項の取決め
債務者及び代表者が、以下の事項について、確約
例 主たる事業に必要な許認可等を継続すること
全ての法令を遵守して事業を継続すること

2014年7月7日

経営者保証の機能の代替として解除条件付保証契約を活用した事例(主要行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、システム開発会社であり、大手他社に先駆けてクラウド環境でのインターネットサイト構築に参入し、大手企業を中心に取引先が増加している。
  • 今般、取引先の増加に伴う運転資金に係る新規融資の申し出があったため、当行から「経営者保証に関するガイドライン」の内容を説明するとともに、当社を巡る状況を勘案し、解除条件付保証契約での融資を提案した。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 法人と経営者との関係の区分・分離は不十分であったが、以下のような点を勘案し、上場申請を解除条件とする解除条件付保証契約(注)の活用を提案したところ、当社の了解が得られたため、当行の提案どおり、解除条件付保証契約での新規融資を行うこととなった。
    業歴が浅く、直近決算は赤字であるものの、一定の販路を構築済みであり、足元の試算表では黒字に転換しており、今期決算は黒字が見込まれること
    試算表等の定期的な提出があり、情報開示の姿勢が良好であること
    上場を志向しており、主幹事先である当行関連証券会社と具体的な協議を進めていること

    (注)解除条件付保証契約とは、特約条項(本事例では、上場申請)を充足する場合は保証債務が効力を失う契約。

2014年7月3日

海外進出企業に対して経営者保証を求めなかった事例(信用金庫)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、冷間鍛造部品製造及び精密部品加工を行っている取引先である。
  • 平成25年9月期は中国向けの生産縮小により売上が減少して営業赤字となったが、為替差益により最終利益は黒字となっている。
  • 平成26年5月のタイ子会社の工場操業開始に向けて準備を行っているところ、今般、取引先からの要請によりタイ子会社の増資及び工場の増設を行うこととなり、必要資金の融資の申込みがあった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当社からの申込みを受けて検討した結果、以下のような点を勘案し、新規融資に関し経営者保証を求めないこととした。
    事業用の資産は法人の所有としており、法人と経営者の間の貸借や不明瞭な資金のやりとりもないなど、法人と経営者の関係が区分・分離されていること
    平成25 年9 月期は減収減益となったため返済キャッシュフローは不足しており、債務償還年数は20 年を超えているが、タイ子会社は既に207百万円の受注を確保しており、当社の子会社への貸付金は早期に回収可能と見込まれることや、現預金を毎期10億円超保有していることから、返済に懸念はないものと判断されること
    決算時等に定期的な経営状況の報告があるほか、当金庫の求めに応じて、営業状況が把握できる資料の提出を行うなど情報開示にも協力的であり、従来から良好なリレーションシップが構築されていること

2014年6月30日

今後の事業承継を考慮して経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設業を営む当行メインの取引先であり、一般建設工事の受注を中心とした堅実な経営により、近年の業況は安定的に推移している。
  • 今般、長期運転資金の申込みがあり、「経営者保証に関するガイドライン」に基づく経営者保証に依存しない融資の検討について打診したところ、代表者は高齢で、後継者に、相続により保証債務の負担を残したくないとの希望を有しており、経営者保証を提供しないで資金調達ができるのであれば是非利用したいとの申し出があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 「経営者保証に関するガイドライン」に基づく検討を行う中で、当社から経営者への立替金勘定が存在し、法人と経営者の資産・経理の明確な区分・分離について課題が残っていたため、この点を含めて経営者保証を求めないことについての検討を行った。
  • 検討の結果、以下のような点を勘案し、経営者保証を求めないで融資を行うことを決定した。
    経営者への立替金勘定については近年減少しており、今後さらに解消に向けて減少を図る旨の意向が示されていること
    法人のみの資産や収益力で借入の返済が可能であること
    適時適切な情報開示がなされ、従来から良好なリレーションシップが構築されていること
  • 当社の希望に沿った対応を図ったことにより、当社から、今後の事業承継が円滑に進められると高い評価を受けることとなった。

2014年6月27日

ABL等の代替手法も検討したが、結果として経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、院外処方薬局を展開しており、財務基盤は強固で、業況は堅調に推移している。
  • 当行との取引は預金のみの取引であり、貸出取引はない。
  • 当社の手許資金は潤沢であるが、一時的な資金不足に対応するため、当行に対し、新規の当座貸越枠の設定の申込みがあった。
  • 当該申込みを受け、当行から「経営者保証に関するガイドライン」を説明し、経営者保証に依存しない融資の検討について打診したところ、可能であれば利用したいので、是非検討してほしい旨の申し出があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行の検討においては、ABL等の経営者保証を代替する手法についても併せて検討したが、①上記のように財務内容が良好であり堅調な業況を受けて利益による償還が十分可能であること、②以下のような法人と経営者の関係の明確な区分・分離がなされていること、③今回の融資において適時適切な情報開示がなされ、今後も良好なリレーションシップの下での情報開示が期待されること、等を勘案し、経営者保証を求めないで融資を行うこととした。
    <法人と経営者の関係の明確な区分・分離の状況>
    ・事業用資産は法人所有となっている。
    ・適切な牽制機能を発揮するため、以下のような仕組みが構築されている。

    (イ) 経営者及び親族による自社株の保有を定款で制限し、株主総会で役員報酬の総額を決定
    (ロ) 取締役の過半数は、経営者及び親族以外の第三者が就任

2014年6月28日

債務超過ではあるが、経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、ガス設備工事、メンテナンス、ガス機器販売等を営む当行メインの取引先。
  • 今般、一般家庭向け省エネ設備の仕入のため、当社から新規融資の申込みがあり、当行が「経営者保証に関するガイドライン」に基づく経営者保証に依存しない融資の検討について打診したところ、可能であれば利用したいので検討してほしいとの申し出があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行での検討においては、以下のような点を勘案し、経営者保証を求めないで融資することとなった。
    当社の事業用資産は関連会社(事業用資産の管理会社)の所有であり、社外取締役及び監査役といった外部からの適切な牽制機能の発揮による社内管理体制が整備されているなど、法人と経営者との関係の区分・分離がなされていること
    現在、当社単体では債務超過(関連会社との連結では資産超過)であるが、業績が堅調であることから、今後も利益計上が見込まれ、利益による債務の返済が十分可能であり、2 年後の債務超過の解消も見込まれること
    当社からは定期的に試算表及び銀行取引状況表の提出があり、当行からの資料提出の求めにも速やかに対応するなど、適時適切な財務情報の開示が行われていること
    従来から良好なリレーションシップが構築されており、取引状況も良好であること
  • 本件融資については他行との競合があったが、堅調な業況や今後の事業見通し、財務情報の適切な開示、良好なリレーションシップや取引状況といった点について当行が高く評価したことを当社が好感し、当行からの融資を利用することとなった。

2014年6月23日

保全不足ではあるが、経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、放送・インターネット関連事業を営んでいる地元の優良企業であり、山間部への放送・通信等設備の整備を進め、加入世帯数も増加基調を維持しているなど、業況は安定的に推移している。
  • 今般、当社からの通信設備等に関する新規融資の申込みに当たり、当行から「経営者保証に関するガイドライン」について説明し、当社の意向を確認したところ、将来的に株式公開等も見据えているため、無保証の融資を検討してほしいとの申し出があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当社の意向を受け、当行において検討したところ、経営者等から十分な物的担保の提供がないなど、大幅な保全不足ではあるが、以下のような点を考慮し、本件融資については経営者保証を求めずに対応することとした。また、既存の融資に関する保証契約についても、今後、解除することとした。
    本社等の資産の一部は経営者名義であるが、当社より適正な賃料が支払われているなど、法人と経営者の資産は明確に区分されていること
    キャッシュフローが潤沢で利益償還が十分可能なこと
    年度決算時や中間決算時等に定期的な経営状況の報告があるほか、当行の求めに応じて、営業の状況が把握できる各種資料の提出を行うなど情報開示には協力的であり、従来から良好なリレーションシップが構築されていること
  • 当社の意向に基づき、経営者保証を求めない新規融資及び既存の保証契約の解除について、迅速に対応したことから、今後一層の取引の深耕が期待される。

2014年6月20日

牽制機能の発揮に課題が残っているが、経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、HID ランプ(高輝度放電ランプ)を主力とする自動車用照明器具製造・販売業者であり、近年はLED ランプも好調なため、売上、キャッシュフローともに安定的に推移している。
  • 取引金融機関は当行をはじめ4行で、当行と県外地銀が各々貸出シェア30%前後であり、並行してメイン行となっている。
  • 当社の今年度の資金調達に当たり、「経営者保証に関するガイドライン」を説明したところ、可能であれば、今後は経営者保証なしで借入したいとの要望があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行の検討においては、当社が同族会社であることから適切な牽制機能の発揮には未だ課題が残っているものの、以下のような点を勘案し、当社への融資に当たり経営者保証を求めないこととした。
    当社は、以前から「中小企業の会計に関する基本要領」に拠った計算書類を作成しており、法人と経営者の間に資金の貸借はなく、役員報酬も適正な金額となっているなど、法人と経営者の資産・経理が明確に区分・分離されていること
    当社の収益力で借入金の返済が十分可能であり、また、借換資金の調達余力にも問題がないこと
    情報開示の必要性にも十分な理解を示し、適時適切に試算表や資金繰り表により財務情報等を提供しており、長年の取引の中で良好なリレーションシップが構築されていること
  • なお、並行してメイン行となっている県外地銀も、今後は経営者保証を求めない予定とのこと。

2014年6月17日

他の金融機関と協調して経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、段ボール紙の製造業者である。営業地域内に競合先がないことから、安定的に受注を確保し業況は堅調に推移している。
  • 震災直後は売上低下により減収となったが、新たな事業展開として、段ボールによるインテリア製品の製造や簡易防音施設の開発を開始している。
  • 上記の新事業展開もあり、当社は企業立地補助金を活用した新工場の設備投資を計画しており、補助金以外の設備資金については、当行及び地元信金の2 行が4 億円の協調融資を行うこととなった。
  • 本件協調融資については、当初、経営者保証の提供を条件として検討を進めていたが、ガイドライン適用開始後の融資実行となることから、協調先の地元信金とも連携の上、保証人の条件について見直しを図ることとした。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当社は上場企業も含めた優良取引先を有しており、業況は安定している。また、新工場の稼動により生産能力の拡充が見込まれるため、当行としても設備資金の需要に積極的に対応する方針としている。
  • 当社については、以下のような点に鑑み、保証人は不要と判断した。
    当社は実質的にはオーナー企業であるが、その親族は取締役に就任しておらず、適切な牽制機能が発揮されていること
    当社から経営者への貸付等もなく、事業用資産は全て法人所有であるなど法人と経営者の関係の区分・分離が図られていること
    法人単体での返済力も十分であること
  • また、協調先の地元信金との目線合わせも行い、当該金庫においても保証人を求めないで融資を行うこととなった。

2014年6月16日

経営管理の強化に取り組んでいる取引先に対して経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、建設工事及び建材卸売業を営んでおり、建材卸売部門では大手メーカーや商社等と代理店・特約店契約を結んでおり、多種多様な商品(内外装タイル、ユニットバス、耐火壁、エレベーター等)を取り扱っている。
  • 震災復興関連工事の受注の増加により増収基調が続いており、内部留保も厚く堅固な財務内容を維持している。
  • 当行は、メイン行ではないものの、増加する震災復興関連工事に伴う資金需要に対応してきたところ、当社から短期資金の借入の相談があった。
  • また、借入の相談の際に、当行本部から送付されたガイドラインのパンフレットを見た経営者から、経営者保証を求めない融資の相談を受けたことから、ガイドラインの内容を改めて説明するとともに、当社から提出のあった直近の試算表や工事概況調等を勘案しつつ、ガイドラインの適用要件等の確認を行った上で回答することとした。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行の営業店では、案件受付票の作成に合わせ、今回新設した「経営者保証に関するガイドラインチェックシート」を活用し、適用要件の確認を実施している。当該手続による確認の結果、以下のような点を勘案し、経営者保証を求めないで新規融資に応じることとした。
    決算書類について「中小企業の会計に関する基本要領」に則った計算書類を作成し、地元の大手会計事務所が検証等を行っているなど、法人と経営者の関係の明確な区分・分離がなされていること
    内部留保も厚く堅固な財務内容を維持しており、償還面に問題がないこと
    四半期毎に試算表等の提出を行うなど、当社の業況等が継続的に確認可能なこと
  • 当社とは、長年の取引を通じてリレーションシップは十分に構築されている。震災復興関連工事の増加による業況の拡大が、ガイドラインで求められている返済能力の向上に寄与している面は否めないが、当社が、外部専門家による検証等を含め、経営管理の強化に従来以上に取り組むことを表明していることから、当行としても、業況の把握に留まらず、当社の経営管理体制の構築について引き続き積極的にアドバイスを行っていく方針である。

2014年6月13日

事業計画の実現可能性等を考慮して経営者保証を求めなかった事例(地域銀行)

金融庁は、「経営者保証に関するガイドライン」を融資慣行として浸透・定着させていくことが重要であると考えており、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みを促している。
その一環として、今般、ガイドラインの活用に関して、金融機関等により広く実践されることが望ましい取組みを事例集として取りまとめ、公表した。
これにより、金融機関等によるガイドラインの積極的な活用に向けた取組みが促進され、ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくとともに、中小企業等の経営者の方々にとっても、思い切った事業展開や早期の事業再生等の取組みの参考としていただくこと、さらには、その他の経営支援の担い手の方々が行う経営支援の一助にしていただくことを期待している。
なお、本事例集は、各金融機関から提出を受けた資料により作成しており、文中等における取組みに対する評価等については、当該資料を作成した各金融機関における見解であり、金融庁の見解を表したものではない。

1.主債務者及び保証人の状況、事案の背景等

  • 当社は、宿泊業者であり、当行の主力取引先である。
  • 今般、新事業計画に基づき10 億円の運転資金の申込みがあり、当行より「経営者保証に関するガイドライン」に基づく経営者保証に依存しない融資の検討について打診したところ、可能であれば利用したいので是非検討してほしいとの申し出があった。

2.経営者保証に依存しない融資の具体的内容

  • 当行において、保証を求めない可能性について検討したところ、以下のような点を勘案し、経営者保証を求めないで融資を行うことになった。
    当社から提出を受けた事業計画の実現可能性が高く、また、事業計画の達成には当行の支援が必要不可欠であること
    計算書類の作成に当たっては公認会計士による監査を受け、取締役会の適切な牽制機能発揮のため、親族以外の第三者から選任された取締役が取締役会に出席するなど、法人と経営者の関係の明確な区分・分離がなされていること
    毎月月初に自発的に前月の営業実績、資金繰り表、銀行取引状況表等を持参して経営状況の報告を行うとともに、公認会計士による適切な決算資料の作成を行うなど、情報開示に積極的であり、従来から良好なリレーションシップが構築されていること
  • 申込みがあった10億円のうち、8億円を無担保のプロパー融資で実行し、2億円を有担保の信用保証(「経営者保証ガイドライン対応保証」)付融資で実行した。なお、信用保証付融資の担保は、当行の既存融資に対して設定していた担保を当該融資に優先適用するものとしたものであり、当社からの追加提供ではない。
  • 本件融資が、当社の事業計画の達成に向けた当行の支援の強化に繋がることが期待される。

★リンクはこちら⇒ 「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集

2014年6月11日

「貸金業法施行令等の一部を改正する政令(案)」等の公表

金融庁は、「貸金業法施行令等の一部を改正する政令(案)」等及び「貸金業者向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)並びに「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」を以下のとおり取りまとめ、公表した。

本件の概要は以下のとおり。

1.改正の概要
(1)「貸金業法施行令等の一部を改正する政令(案)」等について

  • 貸金業法施行令及び貸金業法施行規則の一部改正
    親会社と実質支配力基準に基づく子会社で構成されるグループ会社(親子・兄弟会社等)間で行われる貸付け、及び合弁事業における共同出資者(株主)から合弁会社への貸付けについて、一定の議決権保有等の要件の下に、貸金業規制の適用除外とする改正を行うものである。
  • 貸金業者向けの総合的な監督指針及び貸金業法施行規則別紙様式の一部改正
    上記政令等の改正に伴い、グループ会社間及び合弁会社への貸付けのみを行う貸金業者が貸金業登録を抹消した場合における監督上の対応を規定するものである。このほか、所要の改正を行うものである。

(2)「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」について
元本補填契約の付された合同運用金銭信託(自益信託)に係る契約の締結の代理・媒介について、金融商品取引法の適用を除外し、信託業法が適用されるよう改正を行うものである。

2.施行期日
平成26年4月1日から施行する予定としている。

★リンクはこちら⇒ 「貸金業法施行令等の一部を改正する政令(案)」等の公表について

2014年2月5日

「経営者保証に関するガイドライン」の適用開始

日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」から、2013年12月5日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」の適用が2月1日から開始された。
本ガイドラインの利用促進を図るため、経済産業省では、中小機構・地域本部等に経営者保証に関する相談を受け付ける体制を整えるとともに、平成25年度補正予算の成立後、ガイドラインの利用をご希望の方への専門家派遣制度を創設する。

1.背景
経営者保証には経営者への規律付けや信用補完として資金調達の円滑化に寄与する面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、早期の事業再生等を阻害する要因となっているなど、保証契約時・履行時等において様々な課題が存在する。
これらの課題を解消し中小企業の活力を引き出すため、中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルールとして本ガイドラインが策定された。

2.「経営者保証に関するガイドライン」の概要
経営者保証に関するガイドラインは、経営者の個人保証について、
(1)法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと
(2)多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること
(3)保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
などを定めることにより、経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や、早期事業再生等を応援する。

第三者保証人についても、上記(2)、(3)については経営者本人と同様の取扱となる。

ガイドラインの詳細は、日本商工会議所及び全国銀行協会のHPをご覧のこと。

3.相談受付体制の構築・専門家派遣制度の創設
中小機構・地域本部等では、中小企業・小規模事業者の経営者保証に関するご相談を受け付けている。
また、最寄りの商工会・商工会議所、認定支援機関等でも、経営者保証に関するお問い合わせ・窓口相談に、随時応じる。
加えて、平成25年度補正予算の成立後には、以下の方々に対して、ガイドラインに基づいて適切なアドバイスが可能な専門家を紹介する(平成25年度補正予算の成立を前提としている)。

  • 経営者保証を提供せずに資金調達を希望する方
  • 中小企業の経営者の方で、会社の事業再生や事業清算に伴って、個人保証債務の整理についてお悩みの方

4.日本政策金融公庫による保証人特例制度の拡充・創設
日本政策金融公庫は、中小企業向けの経営者の個人保証を免除・猶予する特例制度について、積極的に対応する。
また、小規模事業者向けに、個人保証を免除する特例制度を創設した。 ガイドラインの適用開始日である2014年2月1日以降、相談受付を開始している。

★リンクはこちら⇒ 「経営者保証に関するガイドライン」が2月1日より適用開始します

2014年2月3日

金融庁の1年(平成24事務年度版)

先日、金融庁は、『金融庁の1年(平成24年事務年度版)』を公表した。

  1. 趣旨
    金融庁は、日本の金融の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等の保護を図るとともに、公正・透明な市場の構築を任務として、透明かつ公正な行政の実施に努めている。
    平成24事務年度(24年7月~25年6月)においては、東日本大震災の復興支援に引き続き取り組むとともに、(1)中小企業等に対する円滑な資金供給の確保や経営支援の促進、(2)日本経済のデフレ不況からの脱却と力強い成長の実現に向けた金融面からの取組み、(3)国際的な金融規制の改革の議論などへの積極的な参加・貢献、に取り組んできた。
    具体的には、中小企業金融円滑化法の期限到来にあたり、金融機関が、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきことや、そうした監督・検査の方針が、期限到来後も何ら変わらないことを明確化するとともに、関係省庁と連携して、中小企業・小規模事業者に対する経営支援の強化、個々の借り手への説明・周知等を含む総合的な対策を推進してきた。
    また、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」に次ぐ第三の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」として策定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(平成25年1月11日閣議決定)や「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)を踏まえ、新規・成長企業へのリスクマネーの供給強化などを図るため、資金調達の多様化、個人保証制度の見直しやコーポレートガバナンスの強化など金融・資本市場の活性化に向けた取組みについて検討を行ってきた。
    国際的には、G20財務大臣・中央銀行総裁会議やFSB(金融安定理事会)等において、システム上重要な金融機関(SIFIs)の監督・破綻処理の枠組み、店頭デリバティブ取引の規制やシャドー・バンキングに対する規制・監督のあり方などについて、更なる検討が進められてきた。
    本冊子「金融庁の1年」は、こうした金融庁の24事務年度における様々な取組みを、制度の企画立案・検査・監督の各般にわたって取りまとめたものである。
  2. 全体の構成
    『金融庁の1年(平成24事務年度版)』は、本編及び資料編から成り立っている。
    本編は、
  • 第1部 金融庁の組織及び行政運営
  • 第2部 金融に関する制度の企画及び立案
  • 第3部 金融監督等
  • 第4部 金融検査
  • 第5部 国際関係の動き
    から構成されており、本編に関連する資料(報道発表資料等)を資料編としてまとめている。

★リンクはこちら⇒ 金融庁の1年(平成24事務年度版)

2013年12月17日

「経営者保証に関するガイドライン」の公表

日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」では、中小企業・小規模事業者等の経営者による個人保証の契約時と履行時等における課題への解決策を具体化するため、2013年8月から、中小企業団体及び金融機関団体の関係者、学識経験者、専門家等の委員により精力的に検討が行われてきた。

2013年12月5日、検討の成果として、経営者保証に関する中小企業、経営者及び金融機関による対応についての自主的かつ自律的な準則である「経営者保証に関するガイドライン」と本ガイドラインに関するQ&Aが公表された。
本ガイドラインは、保証契約時等の対応として、(1)中小企業が経営者保証を提供することなく資金調達を希望する場合に必要な経営状況とそれを踏まえた債権者の対応、(2)やむを得ず保証契約を締結する際の保証の必要性等の説明や適切な保証金額の設定に関する債権者の努力義務、(3)事業承継時等における既存の保証契約の適切な見直し等について規定している。
また、保証債務の整理の際の対応として、(1)経営者の経営責任の在り方、(2)保証人の手元に残す資産の範囲についての考え方、(3)保証債務の一部履行後に残った保証債務の取扱いに関する考え方等について規定している。

金融庁は、本ガイドラインの周知・広報に努めるとともに、金融機関に対して積極的な活用を促すことにより、本ガイドラインが融資慣行として浸透・定着していくよう努めていく。

★ガイドラインのリンクはこちら⇒ 経営者保証に関するガイドライン
★Q&Aのリンクはこちら⇒ 経営者保証に関するガイドラインQ&A

2013年12月12日

少人数私募債

少人数私募債とは、会社が少人数私募により発行する社債のことである。

要件は以下のとおり。

  • 適格機関投資家(金融機関など)を除いた勧誘対象先が50人未満
  • 社債の発行総額が社債の一口額面の50倍未満
  • 一括譲渡を除く譲渡制限を設け、譲渡には取締役会の決議が必要

2013年3月19日

コベナンツ

コベナンツとは、社債や金銭消費貸借契約などの資金を調達する際に、資金供給側に不利益が起きた場合に契約解除や条件の変更ができるように契約条項中に盛り込まれる制限条項あるいは誓約条項である。

例えば、今般、オリンパスが過去の有価証券報告書や四半期報告書を訂正しているが、その中で、損失計上先送りがコベナンツに抵触している旨を追加している。
有価証券報告書の訂正報告書

2012年8月10日

中小企業等貸出金残高調査

東京商工リサーチが、銀行117行の2011年3月期単独決算ベースの中小企業等貸出金残高を発表した。

これによると、前年比で0.7%減少(4年連続)している。
減少している銀行数と増加している銀行数はほぼ半々で三菱東京UFJ銀行などのメガが大きく減らし、静岡銀行などの地銀が大きく増やしているようである。

我が四国は、増加行2、減少行6である。

3月11日に東日本大震災があり、3月末という一時点の数値が必ずしも実態を表していないようにも思われるが、企業サイドの資金需要の低迷と、銀行サイドの慎重な貸出姿勢が影響しているのであろう。

2011年10月7日

創業時の借入

創業時には何かと資金が必要となるが、創業時の借入先の一つに、『日本政策金融公庫』がある。

100%政府出資の政策金融機関で、以前あった『国民生活金融公庫』や『中小企業金融公庫』などが統合して出来た株式会社である。

新規開業資金の貸付など様々な融資を行なっており、また、金利も低いので、創業時に借入が必要な場合には、検討する価値はある。

ちなみに、高松支店は『さぬきうどん店創業ガイド』というものを独自に作っており、うどん屋を始める人には役立つであろう。

2011年8月29日

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法人税

給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等における賃上げ促進税制)

<概要>
中小企業者等が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その事業年度においてその中小企業者等の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額のその比較雇用者給与等支給額に対する割合が1.5パーセント以上であるときは、その事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額の15パーセント相当額の法人税額の特別控除ができることとされています。

なお、下記の「適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)」の(上乗せ要件)を満たす場合には、控除対象雇用者給与等支給増加額の最大45パーセント相当額となります。

※本制度の詳細については、中小企業庁ホームページをご覧ください。

【適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)】
次の1および2の要件を満たすこと。

  1. 国内雇用者(注1)に対して給与等を支給すること。
  2. (雇用者給与等支給額(注2)-比較雇用者給与等支給額(注3))/比較雇用者給与等支給額≧1.5パーセント
    ※比較雇用者給与等支給額が0である場合には、要件を満たさないものとされます。(上乗せ要件)
    次の3ないし5の要件を満たす場合に応じて、それぞれ一定の税額控除率が上乗せされます。
  3. (雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)/比較雇用者給与等支給額≧2.5パーセント
  4. (教育訓練費の額(注4)-比較教育訓練費の額(注5)/比較教育訓練費の額≧5パーセント、かつ、教育訓練費の額/雇用者給与等支給額≧0.05パーセント
  5. 次の(1)ないし(4)に掲げる要件のいずれかを満たすこと
    (1)その事業年度において次世代育成支援対策推進法第13条の認定(くるみん認定)を受けたこと(同法第2条に規定する次世代育成支援対策の実施の状況が良好な一定の場合に限り、その事業年度終了の日までにその認定が取り消された場合を除きます。)。
    (2)その事業年度終了の時において次世代育成支援対策推進法第15条の3第1項に規定する特例認定一般事業主(プラチナくるみん認定を受けている者)に該当すること。
    (3)その事業年度において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第9条の認定(えるぼし認定(2段階目以上))を受けたこと(同法第4条の女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供及び同条の雇用環境の整備の状況が良好な一定の場合に限り、その事業年度終了の日までにその認定が取り消された場合を除きます。)。
    (4)その事業年度終了の時において女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第13条第1項に規定する特例認定一般事業主(プラチナえるぼし認定を受けている者)に該当すること。

(注1)国内雇用者とは、法人の使用人(その法人の役員と特殊の関係のある者等の一定の者を除きます。)のうちその法人の国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者をいいます。

(注2)雇用者給与等支給額とは、法人の各事業年度(以下「適用年度」といいます。)の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。ただし、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(国または地方公共団体から受ける雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金その他これに類するものの額(以下「雇用安定助成金額」といいます。)および役務の提供の対価として支払を受ける金額(※)を除きます。以下「補塡額」といいます 。)がある場合には、その金額を控除します。

※「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」から除かれる補塡額については、令和6年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されますが、同日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度分の法人税についても、「役務提供の対価として支払を受ける金額」は補塡額に含まれないこととしても差し支えありません。

(注3)比較雇用者給与等支給額とは、前事業年度における雇用者給与等支給額をいいます。

(注4)教育訓練費とは、法人がその国内雇用者の職務に必要な技術または知識を習得させ、または向上させるために支出する費用で以下のものをいいます。

  1. 法人がその国内雇用者に対して教育、訓練、研修、講習その他これらに類するもの(以下「教育訓練等」といいます。)を自ら行う場合の次の費用
    (1)教育訓練等のために講師または指導者(その法人の役員または使用人である者を除きます。以下「講師等」といいます。)に対して支払う報酬、料金、謝金その他これらに類するものおよび教育訓練等を行うために要する講師等の旅費のうちその法人が負担するものならびに教育訓練等に関する計画または内容の作成についてその教育訓練等に関する専門的知識を有する者(その法人の役員または使用人である者を除きます。)に委託している場合のその専門的知識を有する者に対して支払う委託費その他これに類するもの
    (2)その教育訓練等のために施設、設備その他の資産を賃借する場合におけるその賃借に要する費用およびコンテンツ(文字、図形、色彩、音声、動作もしくは映像またはこれらを組み合わせたものをいいます。)の使用料(コンテンツの取得に要する費用に該当するものを除きます。)
  2. 法人から委託を受けた他の者がその法人の国内雇用者に対して教育訓練等を行う場合の、その教育訓練等のために当該他の者に対して支払う費用
  3. 法人がその国内雇用者を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の、当該他の者に対して支払う授業料、受講料、受験手数料その他の当該他の者が行う教育訓練等に対する対価として支払うもの

(注5)比較教育訓練費の額とは、法人の適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額の合計額をその1年以内に開始した各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。

【適用要件(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)】
次の1および2の要件を満たすこと。

  1. 国内雇用者(注1)に対して給与等を支給すること。
  2. (雇用者給与等支給額(注2)-比較雇用者給与等支給額(注3))/比較雇用者給与等支給額≧1.5パーセント
    ※比較雇用者給与等支給額が0である場合には、要件を満たさないものとされます。(上乗せ要件)
    次の3または4の要件を満たす場合に応じて、それぞれ一定の税額控除率が上乗せされます。
  3. (雇用者給与等支給額-比較雇用者給与等支給額)/比較雇用者給与等支給額≧2.5パーセント
  4. (教育訓練費の額(注4)-比較教育訓練費の額(注5))/比較教育訓練費の額≧10パーセント

(注1)国内雇用者とは、法人の使用人(その法人の役員と特殊の関係のある者等の一定の者を除きます。)のうちその法人の国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者をいいます。

(注2)雇用者給与等支給額とは、法人の適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。ただし、その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(国または地方公共団体から受ける雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金その他これに類するものの額(以下「雇用安定助成金額」といいます。)を除きます。)がある場合には、その金額を控除します。

(注3)比較雇用者給与等支給額とは、前事業年度における雇用者給与等支給額をいいます。

(注4)教育訓練費とは、法人がその国内雇用者の職務に必要な技術または知識を習得させ、または向上させるために支出する費用で以下のものをいいます。

  1. 法人がその国内雇用者に対して教育、訓練、研修、講習その他これらに類するもの(以下「教育訓練等」といいます。)を自ら行う場合の次の費用
    (1)教育訓練等のために講師または指導者(その法人の役員または使用人である者を除きます。以下「講師等」といいます。)に対して支払う報酬、料金、謝金その他これらに類するものおよび教育訓練等を行うために要する講師等の旅費のうちその法人が負担するものならびに教育訓練等に関する計画または内容の作成についてその教育訓練等に関する専門的知識を有する者(その法人の役員または使用人である者を除きます。)に委託している場合のその専門的知識を有する者に対して支払う委託費その他これに類するもの
    (2)その教育訓練等のために施設、設備その他の資産を賃借する場合におけるその賃借に要する費用およびコンテンツ(文字、図形、色彩、音声、動作もしくは映像またはこれらを組み合わせたものをいいます。)の使用料(コンテンツの取得に要する費用に該当するものを除きます。)
  2. 法人から委託を受けた他の者がその法人の国内雇用者に対して教育訓練等を行う場合の、その教育訓練等のために当該他の者に対して支払う費用
  3. 法人がその国内雇用者を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の、当該他の者に対して支払う授業料、受講料、受験手数料その他の当該他の者が行う教育訓練等に対する対価として支払うもの

(注5)比較教育訓練費の額とは、法人の適用年度開始の日前1年以内開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額の合計額をその1年以内に開始した各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。

【税額控除限度額(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)】
税額控除限度額は、次の算式により計算します。

税額控除限度額=控除対象雇用者給与等支給増加額(注1、注2)×15パーセント(注3)

(注1)控除対象雇用者給与等支給増加額とは、法人の雇用者給与等支給額(※1)からその比較雇用者給与等支給額(※1)を控除した金額をいいます。

(※1)雇用安定助成金額がある場合でも、雇用安定助成金額を控除しないで計算します。
ただし、その金額がその法人の調整雇用者給与等支給増加額(次の1の金額から2の金額を差し引いた金額をいいます。)を超える場合には、その調整雇用者給与等支給増加額とされます。

  1. 雇用者給与等支給額(※2)
  2. 比較雇用者給与等支給額(※2)

(※2)雇用安定助成金額がある場合には、雇用安定助成金額を控除して計算します。

(注2)その事業年度において、「地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度」(措法42の12)の適用を受ける場合には、その規定による控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額を基に計算した金額を控除した残額とされています。

(注3)上記の「適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)」の(上乗せ要件)の要件3を満たす場合には15パーセント、要件4を満たす場合には10パーセント、また、要件5を満たす場合には5パーセントがそれぞれ加算されます。なお、いずれの要件も満たす場合には30パーセントが加算されます。
なお、この税額控除限度額が、その事業年度の調整前法人税額の20パーセント相当額を超える場合には、その控除を受ける金額は、その20パーセント相当額が上限となります。

【税額控除限度額(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)】
税額控除限度額は、次の算式により計算します。

税額控除限度額=控除対象雇用者給与等支給増加額(注1、注2)×15パーセント(注3)

(注1)控除対象雇用者給与等支給増加額とは、法人の雇用者給与等支給額(※1)からその比較雇用者給与等支給額(※1)を控除した金額をいいます。

(※1)雇用安定助成金額がある場合でも、雇用安定助成金額を控除しないで計算します。
ただし、その金額がその法人の調整雇用者給与等支給増加額(次の1の金額から2の金額を差し引いた金額をいいます。)を超える場合には、その調整雇用者給与等支給増加額とされます。

  1. 雇用者給与等支給額(※2)
  2. 比較雇用者給与等支給額(※2)

(※2)雇用安定助成金額がある場合には、雇用安定助成金額を控除して計算します。

(注2)その事業年度において、「地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度」(措法42の12)の適用を受ける場合には、その規定による控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額を基に計算した金額を控除した残額とされています。

(注3)上記の「適用要件(令和4年4月1日以後に開始する事業年度)」の(上乗せ要件)の要件3を満たす場合には、15パーセントが加算され、要件4を満たす場合には10パーセントが加算されます。なお、いずれも満たす場合には25パーセントが加算されます。
なお、この税額控除限度額が、その事業年度の調整前法人税額の20パーセント相当額を超える場合には、その控除を受ける金額は、その20パーセント相当額が上限となります。

【税額控除限度超過額の繰越し(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)】
税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20パーセント相当額を超えるために、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」といいます。)について5年間の繰越しが認められます。

ただし、税額控除限度超過額を控除する事業年度において、その法人の雇用者給与等支給額がその比較雇用者給与等支給額を超えることとの要件を満たす必要があります。

<対象者または対象物>
適用対象法人は中小企業者または農業協同組合等で、青色申告書を提出するものです。

中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(注1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)に掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1)その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (2)上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (3)他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(注1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。

(注2)大規模法人とは、次の1から4に掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3)受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合において、そのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときの普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

<対象期間>
【適用の対象となる期間(年度)】
平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、適用できます。

ただし、コード5927「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(大企業向け賃上げ促進税制)」またはコードNo.5927-3「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中堅企業向け賃上げ促進税制)」の適用を受ける事業年度、設立事業年度(設立の日を含む事業年度をいいます。)、合併以外の事由による解散の日を含む事業年度および清算中の各事業年度においては、適用できません。

<手続き>
申告に当たっての注意点については、次のとおりです。

  1. 対象となる期間内に新たに設立された法人の設立の日を含む事業年度については、この制度の適用を受けることができません。
  2. 確定申告書等(控除を受ける金額を増加させる修正申告書または更正請求書を提出する場合には、その修正申告書または更正請求書を含みます。)に控除の対象となる控除対象雇用者給与等支給増加額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用されます。この場合において、控除される金額の計算の基礎となる控除対象雇用者給与等支給増加額は、確定申告書等に添付された書類に記載された控除対象雇用者給与等支給増加額が限度とされています。
  3. 繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けるためには、繰越税額控除限度超過額が生じた事業年度以後の各事業年度(繰越控除の適用を受けない事業年度を含みます。)の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付し、かつ、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けようとする事業年度の確定申告書等に、控除の対象となる繰越税額控除限度超過額、繰越控除を受ける金額、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

上記の「適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)」または「適用要件(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)の(上乗せ要件)の要件4を満たすものとしてこの制度の適用を受けようとする場合には、教育訓練費の額および比較教育訓練費の額に関する次の事項を記載した書類を、保存する必要があります。
(1)教育訓練等の実施時期、内容、対象となる国内雇用者の氏名
(2)教育訓練等の費用を支出した年月日、内容および金額ならびに相手先の氏名または名称

★リンクはこちら⇒ 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等における賃上げ促進税制)

2025年7月28日


給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(大企業向け賃上げ促進税制)

青色申告書を提出する法人が、令和4年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その事業年度においてその法人の継続雇用者給与等支給額からその継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が3パーセント以上であるときは、その事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額に一定の割合を乗じて計算した金額(以下「税額控除限度額」といいます。)の法人税額の特別控除ができることとされています。

※制度の詳細については、経済産業省ホームページをご覧ください。

<適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)>
次の1および2の要件を満たす必要があります。

  1. 国内雇用者(注1)に対して給与等を支給すること。
  2. (継続雇用者給与等支給額(注2)-継続雇用者比較給与等支給額(注2))/継続雇用者比較給与等支給額≧3パーセント※継続雇用者比較給与等支給額が0である場合には、要件を満たさないものとされます。ただし、その事業年度終了の時において、資本金の額もしくは出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその事業年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合には、次の(1)および(2)の要件も満たす必要があります。
    (1) インターネットを利用する方法によりマルチステークホルダー方針(給与等の支給額の引上げの方針、下請事業者その他の取引先との適切な関係の構築の方針その他の事業上の関係者との関係の構築の方針に関する一定の事項)を公表すること
    (2) そのマルチステークホルダー方針を公表していることについて経済産業大臣に届出があった旨を証する書類の写しを確定申告書等に添付していること

    <上乗せ要件>
    次の3ないし5の要件を満たす場合に応じて、それぞれ一定の税額控除率が上乗せされます。

  3. (継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧4パーセント(※)※割合が5パーセント以上または7パーセント以上となる場合には、税額控除率がさらに段階的に上乗せされます。
  4. (教育訓練費の額(注3)-比較教育訓練費の額(注4))/比較教育訓練費の額≧10パーセント、かつ、教育訓練費の額/雇用者給与等支給額(注5)≧0.05パーセント
  5. その事業年度終了の時において次の(1)または(2)に掲げる者のいずれかに該当すること
    (1) 次世代育成支援対策推進法第15条の3第1項に規定する特例認定一般事業主(プラチナくるみん認定を受けている者)
    (2) (2)女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第13条第1項に規定する特例認定一般事業主(プラチナえるぼし認定を受けている者)


    (注1)
    国内雇用者とは、法人の使用人(その法人の役員と特殊の関係のある者等の一定の者を除きます。)のうちその法人の国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者をいいます。

    (注2)
    継続雇用者給与等支給額とは、法人の各事業年度(以下「適用年度」といいます。)およびその適用年度開始の日の前日を含む事業年度(以下「前事業年度」といいます。)の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその適用年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(国または地方公共団体から受ける雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金その他これに類するものの額および役務の提供の対価として支払を受ける金額(※)を除きます。以下「補塡額」といいます。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

    また継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

    ※「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」から除かれる補塡額については、令和6年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されますが、同日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度分の法人税についても、「役務提供の対価として支払を受ける金額」は補塡額に含まれないこととしても差し支えありません。

    (注3)
    教育訓練費とは、法人がその国内雇用者の職務に必要な技術または知識を習得させ、または向上させるために支出する費用で以下のものをいいます。

  1. 法人がその国内雇用者に対して教育、訓練、研修、講習その他これらに類するもの(以下「教育訓練等」といいます。)を自ら行う場合の次の費用
    (1) (教育訓練等のために講師または指導者(その法人の役員または使用人である者を除きます。以下「講師等」といいます。)に対して支払う報酬、料金、謝金その他これらに類するものおよび教育訓練等を行うために要する講師等の旅費のうちその法人が負担するものならびに教育訓練等に関する計画または内容の作成についてその教育訓練等に関する専門的知識を有する者(その法人の役員または使用人である者を除きます。)に委託している場合のその専門的知識を有する者に対して支払う委託費その他これに類するもの
    (2) その教育訓練等のために施設、設備その他の資産を賃借する場合におけるその賃借に要する費用およびコンテンツ(文字、図形、色彩、音声、動作もしくは映像またはこれらを組み合わせたものをいいます。)の使用料(コンテンツの取得に要する費用に該当するものを除きます。)
  2. 法人から委託を受けた他の者がその法人の国内雇用者に対して教育訓練等を行う場合の、その教育訓練等のために当該他の者に対して支払う費用
  3. 法人がその国内雇用者を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の、当該他の者に対して支払う授業料、受講料、受験手数料その他の当該他の者が行う教育訓練等に対する対価として支払うもの(注4)
    比較教育訓練費の額とは、法人の適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額の合計額をその1年以内に開始した各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。(注5)
    雇用者給与等支給額とは、法人の適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。

<適用要件(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)>
次の1および2の要件を満たす必要があります。

  1. 国内雇用者(注1)に対して給与等を支給すること。
  2. (継続雇用者給与等支給額(注2)-継続雇用者比較給与等支給額(注2))/継続雇用者比較給与等支給額≧3パーセント※ 継続雇用者比較給与等支給額が0である場合には、要件を満たさないものとされます。ただし、その事業年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合には、次の(1)および(2)の要件も満たす必要があります。
    (1) インターネットを利用する方法によりマルチステークホルダー方針(給与等の支給額の引上げの方針、下請事業者その他の取引先との適切な関係の構築の方針その他の事業上の関係者との関係の構築の方針に関する一定の事項)を公表すること
    (2) そのマルチステークホルダー方針を公表していることについて経済産業大臣に届出があった旨を証する書類の写しを確定申告書等に添付していること

    <上乗せ要件>
    次の3または4の要件を満たす場合に応じて、それぞれ一定の税額控除率が上乗せされます。

  3. (継続雇用者給与等支給額(注2)-継続雇用者比較給与等支給額(注2))/継続雇用者比較給与等支給額≧4パーセント
  4. (教育訓練費の額(注3)-比較教育訓練費の額(注4))/比較教育訓練費の額≧20パーセント

(注1)
国内雇用者とは、法人の使用人(その法人の役員と特殊の関係のある者等の一定の者を除きます。)のうちその法人の国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者をいいます。

(注2)
継続雇用者給与等支給額とは、法人の適用年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。

以下「継続雇用者」といいます。)に対する適用年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(国または地方公共団体から受ける雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金その他これに類するものを除きます。)がある場合には、その金額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

また継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

(注3)
教育訓練費とは、法人がその国内雇用者の職務に必要な技術または知識を習得させ、または向上させるために支出する費用で以下のものをいいます。

  1. 法人がその国内雇用者に対して教育、訓練、研修、講習その他これらに類するもの(以下「教育訓練等」といいます。)を自ら行う場合の次の費用
    (1)教育訓練等のために講師または指導者(その法人の役員または使用人である者を除きます。以下「講師等」といいます。)に対して支払う報酬、料金、謝金その他これらに類するものおよび教育訓練等を行うために要する講師等の旅費のうちその法人が負担するものならびに教育訓練等に関する計画または内容の作成についてその教育訓練等に関する専門的知識を有する者(その法人の役員または使用人である者を除きます。)に委託している場合のその専門的知識を有する者に対して支払う委託費その他これに類するもの(2)その教育訓練等のために施設、設備その他の資産を賃借する場合におけるその賃借に要する費用およびコンテンツ(文字、図形、色彩、音声、動作もしくは映像またはこれらを組み合わせたものをいいます。)の使用料(コンテンツの取得に要する費用に該当するものを除きます。)
  2. 法人から委託を受けた他の者がその法人の国内雇用者に対して教育訓練等を行う場合の、その教育訓練等のために当該他の者に対して支払う費用
  3. 法人がその国内雇用者を他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の、当該他の者に対して支払う授業料、受講料、受験手数料その他の当該他の者が行う教育訓練等に対する対価として支払うもの

(注4)
比較教育訓練費の額とは、法人の適用業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される教育訓練費の額の合計額をその1年以内に開始した各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。

<税額控除限度額(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)>
税額控除限度額は、次の算式により計算します。

税額控除限度額=控除対象雇用者給与等支給増加額(注1、注2)×10パーセント(注3)

(注1)
控除対象雇用者給与等支給増加額とは、法人の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額(※)を控除した金額をいいます。

※比較雇用者給与等支給額とは、前事業年度における雇用者給与等支給額をいいます。

ただし、その金額がその法人の調整雇用者給与等支給増加額(次の1の金額から2の金額を控除した金額をいいます。)を超える場合には、その調整雇用者給与等支給増加額とされます。

  1. 雇用者給与等支給額(雇用者安定助成金額がある場合には、その金額を控除します。)
  2. 比較雇用者給与等支給額(雇用安定助成金額がある場合には、その金額を控除します。)

(注2)
その事業年度において「地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除」(措法42の12)の規定の適用を受ける場合には、その規定による控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額を基に計算した金額を控除した残額とされています。

(注3)
上記の「適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)」の<上乗せ要件>の要件3を満たす場合には、5パーセントが加算され(要件3の割合が5パーセント以上である場合には10パーセントが加算され、7パーセント以上である場合には15パーセントが加算されます。)、要件4または要件5を満たす場合には、それぞれ5パーセントが加算されます。なお、要件3の割合が7パーセント以上で、かつ、要件4および要件5をいずれも満たす場合には25パーセントが加算されます。

なお、この税額控除限度額が、その事業年度の調整前法人税額の20パーセント相当額を超える場合には、その控除を受ける金額は、その20パーセント相当額が上限となります。

<税額控除限度額(令和4年4月1日から令和6年3月31日までに間に開始する事業年度)>
税額控除限度額は、次の算式により計算します。

税額控除限度額=控除対象雇用者給与等支給増加額(注1、注2)×15パーセント(注3)

(注1)
控除対象雇用者給与等支給増加額とは、法人の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額をいいます。

ただし、その金額がその法人の調整雇用者給与等支給増加額(次の1の金額から2の金額を控除した金額をいいます。)を超える場合には、その調整雇用者給与等支給増加額とされます。

  1. 雇用者給与等支給額(雇用者安定助成金額がある場合には、その金額を控除します。)
  2. 比較雇用者給与等支給額(雇用者安定助成金額がある場合には、その金額を控除します。)

(注2)
その事業年度において「地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除」(措法42の12)の規定の適用を受ける場合には、その規定による控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額を基に計算した金額を控除した残額とされています。

(注3)
上記の「適用要件(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)」の<上乗せ要件>の要件3を満たす場合には、10パーセントが加算され、要件4を満たす場合には、5パーセントが加算されます。なお、いずれも満たす場合には15パーセントが加算されます。
なお、この税額控除限度額が、その事業年度の調整前法人税額の20パーセント相当額を超える場合には、その控除を受ける金額は、その20パーセント相当額が上限となります。

<対象者または対象物>
青色申告書を提出する法人

<対象期間>
【適用の対象となる期間(年度)】
令和4年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用できます。

ただし、設立事業年度(法人の設立の日を含む事業年度)、合併以外の事由による解散の日を含む事業年度および清算中の各事業年度においては、適用できません。

<手続き>
申告に当たっての注意点については、次のとおりです。

  1. 対象となる期間内に新たに設立された法人の設立の日を含む事業年度については、この制度の適用を受けることができません。
  2. 確定申告書等(控除を受ける金額を増加させる修正申告書または更正請求書を提出する場合には、その修正申告書または更正請求書を含みます。)に控除の対象となる控除対象雇用者給与等支給増加額(継続雇用者給与等支給額および継続雇用者比較給与等支給額を含みます。)、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用されます。この場合において、控除される金額の計算の基礎となる控除対象雇用者給与等支給増加額は、確定申告書等に添付された書類に記載された控除対象雇用者給与等支給増加額が限度となります。
  3. その事業年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその事業年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合には、上記の「適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)」の2(2)および「適用要件(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)」の2(2)のとおり、マルチステークホルダー方針を公表していることについて経済産業大臣に届出があった旨を証する書類の写しを確定申告書等に添付する必要があります。なお、令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度である場合には、上記のマルチステークホルダー方針の公表の対象となる法人に係る要件から、「その事業年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合」は除かれます。上記の「適用要件(令和6年4月1日以後に開始する事業年度)」または「適用要件(令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度)」の<上乗せ要件>の要件4を満たすものとしてこの制度の適用を受けようとする場合には、教育訓練費の額および比較教育訓練費の額に関する次の事項を記載した書類を、保存する必要があります。
(1) 教育訓練等の実施時期、内容、対象となる国内雇用者の氏名
(2) 教育訓練等の費用を支出した年月日、内容および金額ならびに相手先の氏名または名称

★リンクはこちら⇒ 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(大企業向け賃上げ促進税制)

2025年6月13日


合同会社の社員に対して事前確定届出給与を支給する場合の税務上の取扱いについて

<1.事前照会の趣旨及び事前照会に係る取引等の事実関係>
合同会社である当社(同族会社に該当します。)は、当社の業務を執行する社員(以下「業務執行社員」といいます。)に対して、毎月支給する役員給与とは別に所定の時期に役員給与(以下「本件役員賞与」といいます。)の支給を予定しています。

本件役員賞与の支給にあたり、当社は以下の①から③までの手続を行う予定ですが、これらの手続を行うこととした場合に、本件役員賞与の額は法人税法第34条第1項第2号に規定する定めに基づいて支給する給与(以下「事前確定届出給与」といいます。)に該当する給与の額として、その支給した日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができ、かつ、同号イに掲げる場合のその給与に関する届出書(以下「事前確定届出給与に関する届出書」といいます。)の届出期限は定時社員総会の開催日から1月を経過する日と解して差し支えないか照会申し上げます。

なお、当該業務執行社員は、法人税法施行令第7条第1号に規定する法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事しているものに該当し、法人税法第2条第15号に規定する役員に該当することを前提とします。

また、当社は新設法人ではありません。

(本件役員賞与が支給されるまでの手続)

当社は、事業年度終了の日から3月以内に定時社員総会を開催することとしており、また、その定時社員総会に先立つ臨時社員総会において、業務執行社員ごとの任期を総社員の同意をもって決定し、定款に明記する。
なお、業務執行社員の任期は10年とし、当該定時社員総会で決定された本件役員賞与に係る職務執行期間の開始の日は、定時社員総会の開催日とする。
当社は定時社員総会において、業務執行社員に支給する役員給与及び本件役員賞与の支給日及び支給金額を総社員の同意をもって決定する。
なお、その業務執行社員に支給する役員給与及び本件役員賞与については、前事業年度以前の決算の状況を踏まえた当事業年度の業績見込みを考慮して決定する。
上記②で支給を決定した役員給与及び本件役員賞与について、事前確定届出給与に関する届出書に記載し、その届出期限までに納税地の所轄税務署長に届け出るとともに、事前確定届出給与に関する届出書に記載した本件役員賞与をその記載した支給日に支給する。

<2.事前照会者の求める見解となることの理由>
(1)事前確定届出給与について
法人税法第34条第1項第2号には、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入しない給与から除くものの一つとして、その内国法人がその役員に対して支給する給与のうち、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭等を交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しないもの(一定の要件を満たすものに限ります。)で、納税地の所轄税務署長に事前確定届出給与に関する届出書により届け出ているものが規定されています。

また、法人税法施行令第69条第4項第1号には、事前確定届出給与に関する届出書の届出期限について、株主総会等の決議により、役員の職務につき所定の時期に確定した額の金銭等を交付する旨の定めをした場合におけるその決議をした日(同日がその職務の執行の開始の日後である場合には、その開始の日)から1月を経過する日とし、その1月を経過する日がその開始の日の属する会計期間開始の日から4月を経過する日後等である場合には、その4月を経過する日等とする旨規定されています。

(2)本照会について
当社は、上記1に記載のとおり、業務執行社員に対して支給する役員給与及び本件役員賞与について、定時社員総会においてその支給日及び支給金額をその総社員の同意をもって決定することとしており、この定時社員総会は法人税法施行令第69条第3項第1号に規定する「株主総会、社員総会その他これらに準ずるもの」に該当するものと考えられ、また、その定時社員総会の決定は同条第4項第1号に規定する「株主総会等の決議」に該当するものと考えられ、かつ、その決定内容について記載した事前確定届出給与に関する届出書をその届出期限までに届け出るものとしていることから、本件役員賞与の額は事前確定届出給与に該当する給与としてその支給した日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができるものと考えられます。

ところで、上記(1)のとおり、その事前確定届出給与に関する届出書の届出期限については、株主総会等の決議日が職務の執行の開始の日後である場合には、その開始の日から1月を経過する日とされており、合同会社の社員の場合にその職務の執行の開始の日をいつとするかが問題となります。

この点、法人税基本通達9-2-16によれば、同条第3項第1号及び第4項第1号の「職務の執行の開始の日」とは、その役員がいつから就任するかなど個々の事情によるとされており、また、会社法上、合同会社の社員については、株式会社の取締役に対して規定されている任期に関する定め(会社法332)や株主総会の決議による選任の手続についての定め(会社法329①)などが規定されておらず、定款に別段の定めがある場合を除き、社員となった者が合同会社の業務を執行することとされています(会社法590①)。

したがって、合同会社の社員については、会社法上、「職務の執行の開始の日」を強いて定める必要がなく、社員となったときからその業務を執行することとなり、その合同会社の社員となった日の属する事業年度の翌事業年度以後の「職務の執行の開始の日」が明らかではありません。

その点、株式会社においては、会社法に、役員の選任やその職務執行の対価の決定を株主総会の決議により行うこととする定め(会社法329①、332①、361①)や、取締役が計算書類を定時株主総会に提出し、その承認を受けなければならないこととする定め(会社法438)があることからすれば、一般的には、役員給与及び役員賞与は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務執行の対価であり、その職務の執行の開始の日は定時株主総会の開催日となると解されます。

一方、会社法上、合同会社には、株式会社における株主総会の決議で役員の職務執行の対価を決定することとする定めや株主総会で計算書類の承認を受けなければならないこととする定めといった定めが設けられていないところ、当社は、その業務執行社員に支給する役員給与及び本件役員賞与について、前事業年度以前の決算の状況を踏まえた当事業年度の業績見込みを考慮してその決定を行うため、前事業年度の決算が確定する定時社員総会において、その役員給与及び本件役員賞与の支給日及び支給金額をその総社員の同意をもって決定することとしており、このような手続で決定した当社の役員給与及び本件役員賞与は、その定時社員総会から次の定時社員総会までの職務執行の対価であると考えられ、加えて、当社では定時社員総会の開催日を業務執行社員の「職務の執行の開始の日」としていることからすると、本件役員賞与に係る「職務の執行の開始の日」はその定時社員総会の開催日となると考えられますので、上記届出期限はその定時社員総会の開催日から1月を経過する日となります。

【回答】

回答年月日 令和7年2月7日
回答者 東京国税局審理課長
回答内容 標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1) ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2) この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

★リンクはこちら⇒ 合同会社の社員に対して事前確定届出給与を支給する場合の税務上の取扱いについて

2025年5月30日


地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除

<拡充型計画または移転型計画の認定を受けた法人に対する特例>
青色申告書を提出する法人で地域再生法の一部を改正する法律の施行の日(平成27年8月10日)から令和8年3月31日までの間に地域再生法に規定する地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(拡充型計画(注1)または移転型計画(注2))について認定を受けた法人(以下「認定事業者」といいます。)であるものが、下記の「適用年度」において、「適用要件」を満たす場合には、「計算方法・計算式」により計算した金額(税額控除限度額)の法人税額の特別控除ができることとされています。

ただし、適用年度の調整前法人税額の20パーセント相当額が上限とされています。

また、本措置については、「地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除」(措法42の11の3)との重複適用はできないこととされています。

(注1)
拡充型計画とは、地域再生法第17条の2第1項第2号に掲げる事業に関する地方活力向上地域等特定業務施設整備計画をいいます。

(注2)
移転型計画とは、地域再生法第17条の2第1項第1号に掲げる事業に関する地方活力向上地域等特定業務施設整備計画をいいます。

※この制度については、厚生労働省ホームページに「地方拠点化税制における雇用促進税制に関するQ&A」等が掲載されていますので、詳細は、厚生労働省ホームページをご参照ください。

<移転型計画の認定を受けた法人に対する上乗せ措置>
青色申告書を提出する法人で移転型計画の認定を受けたもののうち上記の「拡充型計画または移転型計画の認定を受けた法人に対する特例」の適用を受けるまたは受けたものが、その適用を受ける事業年度以後の各適用年度(注1)において、「適用要件」の〔上乗せ要件〕を満たす場合には、「計算方法・計算式」により計算した金額(地方事業所特別税額控除限度額)の法人税額の特別控除ができることとされています。

ただし、適用年度の調整前法人税額の20パーセント相当額(上記の「拡充型計画または移転型計画の認定を受けた法人に対する特例」または「地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の法人税額の特別控除」(措法42の11の3)による特別控除額がある場合には、これらの金額を控除した残額)が上限とされています。

(注1)
移転型計画に係る基準日(注2)以後に終了する事業年度で基準雇用者数又は地方事業所基準雇用者数が零に満たない事業年度以後の事業年度を除きます。

(注2)
基準日とは、地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について計画の認定を受けた法人のその計画の認定を受けた日(その計画が特定業務施設の新設に係るものである場合には、その特定業務施設を事業の用に供した日)をいいます。

また、「地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除」(措法42の11の3)の適用を受ける事業年度において、その適用を受けないものとしたならば上記の「拡充型計画または移転型計画の認定を受けた法人に対する特例」の措置の適用のある法人である場合には、本措置を適用できることとされています。

<適用要件>

  1. 雇用保険法の適用事業を行い、かつ、他の法律により業務の規制および適正化のための措置が講じられている一定の事業を行っていないこと。
  2. この特例の適用を受けようとする事業年度およびその事業年度開始の日前2年以内(注)に開始した各事業年度において、事業主都合による離職者がいないことにつき所定の証明がされたこと。

(注)
令和6年4月1日前に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について認定を受けた法人については、その事業年度開始の日前1年以内になります。

〔上乗せ要件〕
上記1および2の要件

<対象者または対象物>
青色申告書を提出する法人で認定事業者である法人

<適用年度>
この制度の適用年度とは、地方活力向上地域等特定業務施設整備計画(拡充型計画または移転型計画)に係る基準日(注)から同日の翌日以後2年を経過する日までの期間内の日を含む事業年度で、設立(合併、分割または現物出資による設立を除きます。)の日を含む事業年度、解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度および清算中の各事業年度を除いたものをいいます。

(注)
令和6年4月1日前に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について認定を受けた法人については、その計画が特定業務施設の新設に係るものであっても、特定業務施設を事業の用に供した日ではなく計画の認定を受けた日となります。

【計算方法・計算式】
<拡充型計画または移転型計画の認定を受けた法人に対する特例(令和4年4月1日以後に開始する事業年度)>
次の事業年度の区分に応じて計算した金額が「税額控除限度額」として控除できます。
税額控除限度額 = 1の金額 + 2の金額

  1. 30万円(または50万円)(注1) × 地方事業所基準雇用者数(注2)(基準雇用者数(注3)が上限となります。)のうち特定新規雇用者数(注6)に達するまでの数
  2. 20万円(または40万円)(注1) ×地方事業所基準雇用者数(基準雇用者数が上限となります。)から新規雇用者総数(注7)を控除した数のうち特定非新規雇用者数(注8)に達するまでの数

(注1)
括弧書きの金額は、移転型計画の場合に適用します。

(注2)
地方事業所基準雇用者数とは、地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について計画の認定を受けた法人(その計画に係る基準日が適用年度開始の日から起算して2年前の日から適用年度終了の日までの期間内であるものに限ります。)のその計画の認定に係る特定業務施設(以下「適用対象特定業務施設」といいます。)のみをその法人の事業所とみなした場合における基準雇用者数として所定の証明がされた数をいいます。

なお、令和6年4月1日前に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について認定を受けた法人については、適用年度開始の日から起算して2年前の日からその適用年度終了の日までの間に地方活力向上地域等特定業務施設整備計画について計画の認定を受けた法人のその計画の認定に係る特定業務施設のみをその法人の事業所とみなした場合における基準雇用者数として所定の照明がされた数とされています。

(注3)
基準雇用者数とは、適用年度終了の日における雇用者(注4)の数からその適用年度開始の日の前日における雇用者(その適用年度終了の日において高年齢雇用者(注5)に該当する者を除きます。)の数を減算した数をいいます。

(注4)
雇用者とは、法人の使用人のうち雇用保険法の一般被保険者であるものをいい、使用人からは役員の特殊関係者および使用人兼務役員は除かれます。 なお、役員の特殊関係者とは、次に掲げる者をいいます。

  1. 役員の親族
  2. 役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
  3. 上記1、2以外の者で役員から生計の支援を受けているもの
  4. 上記2、3の者と生計を一にするこれらの者の親族

(注5)
高年齢雇用者とは、法人の使用人のうち雇用保険法の高年齢被保険者であるものをいいます。

(注6)
特定新規雇用者数とは、適用年度に新たに雇用された次に掲げる要件を満たす雇用者(以下「特定雇用者」といいます。)でその適用年度終了の日において適用対象特定業務施設に勤務するものの数として所定の証明がされた数をいいます。

  1. その法人との間で労働契約法の有期労働契約以外の労働契約を締結していること(無期雇用)
  2. 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の短時間労働者でないこと(フルタイム)

(注7)
新規雇用者総数とは、適用年度に新たに雇用された雇用者でその適用年度終了の日において適用対象特定業務施設に勤務するもの(以下「新規雇用者」といいます。)の総数として所定の証明がされた数をいいます。

(注8)
特定非新規雇用者数とは、適用年度に他の事業所から適用対象特定業務施設に転勤した特定雇用者(新規雇用者を除きます。)でその適用年度終了の日においてその特定業務施設に勤務するものの数として所定の証明がされた数をいいます。

<移転型計画の認定を受けた法人に対する上乗せ措置>
次の事業年度の区分に応じて計算した金額が「地方事業所特別税額控除限度額」として控除できます。

地方事業所特別税額控除限度額 = 40万円(または30万円)(注1) × 地方事業所特別基準雇用者数(注2)

(注1)
括弧書きの金額は、特定業務施設が地域再生法第5条第4項第5号ロに規定する準地方活力向上地域内にある場合に適用します。

(注2)
地方事業所特別基準雇用者数とは、移転型計画の認定を受けた法人(その計画に係る基準日が適用年度開始の日から起算して2年前の日から適用年度終了の日までの期間内であるものに限ります。)の適用年度以前の各事業年度のうち、その基準日以後に終了する各事業年度の次の1の数から2に達するまでの合計数をいいます。

  1. その法人のその計画の認定に係る特定業務施設のみをその法人の事業所とみなした場合における基準雇用者数として所定の証明がされた数
  2. その法人のその計画の認定に係る特定業務施設のみをその法人の事業所と、その法人の特定雇用者のみをその法人の雇用者と、それぞれみなした場合における基準雇用者数として所定の証明がされた数

なお、令和6年4月1日前に移転型計画について認定を受けた法人の地方事業所特別基準雇用者数は、その適用年度開始の日から起算して2年前の日からその適用年度終了の日までの間にその計画について計画の認定を受けた法人のその適用年度以前の各事業年度のうち、その計画の認定日以後に終了する各事業年度のその法人のその計画の認定に係る特定業務施設のみをその法人の事業所とみなした場合における基準雇用者数として所定の証明がされた数の合計数をいいます。

【手続き】
この制度の適用を受けるためには、確定申告書等に次の書類の添付が必要です。

  1. 法人の事業所の所在地を管轄する都道府県労働局または公共職業安定所の長がその法人に対して交付する雇用促進計画の達成状況を確認した旨の書類の写し
  2. 控除の対象となる地方事業所基準雇用者数または地方事業所特別基準雇用者数、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細を記載した書類

★リンクはこちら⇒ 地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除

2025年5月29日


カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(生産工程効率化等設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行の日(令和3年8月2日)から令和8年3月31日までの間にされた産業競争力強化法の認定に係る認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者(注1)であるものが、その認定の日から同日以後3年を経過する日までの間(以下「適用期間」といいます。)に、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された生産工程効率化等設備の取得または製作もしくは建設をし、国内にあるその法人の事業の用に供した場合には、その供用年度において特別償却または税額控除(注2、3)のいずれかの規定の適用を受けることができます。

(注1)
認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者とは、産業競争力強化法第21条の23第1項に規定する認定事業適応事業者のうち、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画(同条第2項に規定する認定事業適応計画のうち、同法第21条の20第2項第2号に規定するエネルギー利用環境負荷低減事業適応に関するものをいいます。以下同じです。)にその認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に従って行う同号に規定するエネルギー利用環境負荷低減事業適応のための措置として生産工程効率化等設備を導入する旨の記載があるものをいいます。詳細については、経済産業省ホームページをご覧ください。

(注2)
中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)または農業協同組合等以外の法人が平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、下記「注意事項」の1の要件のいずれにも該当しない場合には、税額控除の規定の適用が受けられません。

(注3)
所有権移転外リース取引により取得した情報技術事業適応設備については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

<償却限度額(令和6年4月1日以後に取得または製作もしくは建設をする適用対象資産)>
特別償却限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額となります。

  1. 生産工程効率化等設備の取得価額の合計額が500億円以下の場合
    特別償却限度額=生産工程効率化等設備の取得価額×50パーセント
  2. 生産工程効率化等設備の取得価額の合計額が500億円を超える場合
    特別償却限度額=500億円×(生産工程効率化等設備の取得価額/生産工程効率化等設備の取得価額の合計額)×50パーセント

<償却限度額(令和6年4月1日前に取得または製作もしくは建設をする適用対象資産)>
特別償却限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額となります。

  1. 生産工程効率化等設備等の取得価額の合計額が500億円以下の場合
    特別償却限度額=生産工程効率化等設備等の取得価額×50パーセント
  2. 生産工程効率化等設備等の取得価額の合計額が500億円を超える場合
    特別償却限度額=500億円×(生産工程効率化等設備等の取得価額/生産工程効率化等設備等の取得価額の合計額)×50パーセント

<税額控除限度額(令和6年4月1日以後に取得または製作もしくは建設をする適用対象資産)>
税額控除限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額とされています。

  1. 生産工程効率化等設備の取得価額の合計額が500億円以下の場合
    税額控除限度額(調整前法人税額の20パーセント(注1)を上限)=生産工程効率化等設備の取得価額×5パーセント(一定の場合には14パーセントまたは10パーセント(注2))
  2. 生産工程効率化等設備の取得価額の合計額が500億円を超える場合
    税額控除限度額(調整前法人税額の20パーセント(注1)を上限)=500億円×(生産工程効率化等設備の取得価額/生産工程効率化等設備の取得価額の合計額)×5パーセント(一定の場合には14パーセントまたは10パーセント(注2))

(注1)
コード5924「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制(情報技術事業適応設備を取得等した場合の特別償却又は税額控除)」による法人税額の特別控除、生産工程効率化等設備を取得した場合の法人税額の特別控除および コードNo.5922「戦略分野国内生産促進税制」との合計で調整前法人税額の20パーセント相当額が上限とされています。

(注2)
次の場合の区分に応じて14%または10%の割合となります。

  1. 中小企業者(※)(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)が事業の用に供した生産工程効率化等設備のうちエネルギーの利用による環境への負荷の低減に著しく資するものとして経済産業大臣が定める基準に適合するものに該当する場合には14%とされます。
  2. 中小企業者(※)(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)が事業の用に供した生産工程効率化等設備のうち上記1以外のものまたは中小企業者以外の法人が生産工程効率化等設備のうちエネルギーの利用による環境への負荷の低減に特に著しく資するものとして経済産業大臣が定める基準に適合するものに該当する場合には10%とされます。


中小企業者の範囲については、下記「注意事項」の1の注2を参照してください。

<税額控除限度額(令和6年4月1日前に取得または製作もしくは建設をする適用対象資産)>
税額控除限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額とされています。

  1. 生産工程効率化等設備等の取得価額の合計額が500億円以下の場合
    税額控除限度額(調整前法人税額の20パーセント(注1)を上限)=生産工程効率化等設備等の取得価額×5パーセント(一定の場合には10パーセント(注2))
  2. 生産工程効率化等設備等の取得価額の合計額が500億円を超える場合
    税額控除限度額(調整前法人税額の20パーセント(注1)を上限)=500億円×(生産工程効率化等設備等の取得価額/生産工程効率化等設備等の取得価額の合計額)×5パーセント(一定の場合には10パーセント(注2))

(注1)
コード5924「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制(情報技術事業適応設備を取得等した場合の特別償却又は税額控除)」による法人税額の特別控除、生産工程効率化等設備を取得した場合の法人税額の特別控除およびコードNo.5922「戦略分野国内生産促進税制」 との合計で調整前法人税額の20パーセント相当額が上限とされています。

(注2)
一定の場合とは、生産工程効率化等設備のうちエネルギーの利用による環境への負荷の低減に著しく資するものとして経済産業大臣が定める基準に適合するものに該当する場合または需要開拓商品生産設備に該当する場合をいいます。

<対象者または対象物>
【適用対象法人】
適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行の日(令和3年8月2日)から令和8年3月31日までの間にされた産業競争力強化法の認定に係る認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者である法人です。

【適用対象資産】
適用対象資産は、その認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された生産工程効率化等設備でその製作または建設の後事業の用に供されたことのないものとされています。

生産工程効率化等設備とは、産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産工程効率化等設備をいいます。

ただし、令和6年4月1日前に産業競争力強化法上の認定の申請がされた認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画(同日以後に変更の認定の申請がされた場合において、その変更の認定があったときは、その変更後のものを除きます。)に記載された生産工程効率化等設備で同日以後に取得または製作もしくは建設をされたものは適用対象資産から除かれます。

なお、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律による改正前の産業競争力強化法第2条第14項に規定する需要開拓商品生産設備については、令和6年4月1日前に取得または製作もしくは建設をするものが適用対象資産となります。

(注)
生産工程効率化等設備の具体的な内容については、経済産業省ホームページ「エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画(CN税制)の申請方法・審査のポイント」をご覧ください。

<対象期間>
【適用の対象となる期間(年度)】
適用対象法人が、適用期間内に、適用対象資産の取得等をし、これをその事業の用に供した場合におけるその事業の用に供した日を含む事業年度(以下「供用年度」といいます。)(注)とされています。

(注)
供用年度からは、合併以外の事由による解散の日を含む事業年度および清算中の各事業年度を除くこととされています。

<手続き>
特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書等を添付して申告する必要があります。

また、税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額に関する明細書等を添付して申告する必要があります。

(注)
特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てることまたはその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。

この場合、確定申告書等に特別償却準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載をし、その積み立てた金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

<注意事項>

  1. 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。
    (1) 継続雇用者給与等支給額 (注3) > 継続雇用者比較給与等支給額 (注4)
    ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合()で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合の前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。

    令和6年4月1日前に 開始した事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります 。
    (継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1パーセント
    (2) 国内設備投資額 (注6) > 当期償却費総額 (注7) × 30パーセント(上記(1)のただし書きの法人は、40パーセント)
    (3) その対象年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額()
    ()
    (3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
  2. 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
  3. 本制度による特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。

(注1)
特定の税額控除規定とは、次に掲げる規定をいいます。

  1. 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
  2. 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
  3. 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
  4. 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)

(注2)
中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。

ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1) その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (2) 上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (3) 他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(※1)
通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」を参照してください。

(※2)
大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2) 相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3) 受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(3に掲げる法人を除きます。)

(注3)
継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

(注4)
継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

(注5)
合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割又は現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。

(注6)
国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。

(注7)
当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

★リンクはこちら⇒ カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(生産工程効率化等設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

2025年5月27日


デジタルトランスフォーメーション投資促進税制(情報技術事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は税額控除)

<情報技術事業適応設備を取得した場合の特別償却または法人税額の特別控除>
青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者(注1)であるものが、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律の施行の日(令和3年8月2日)から令和7年3月31日までの期間(以下「適用期間」といいます。)内に、認定事業適応計画に従って実施される情報技術事業適応(「情報技術事業適応設備を取得した場合の特別償却または法人税額の特別控除」および「事業適応繰延資産となる費用の額を支出した場合の特別償却または法人税額の特別控除」において「情報技術事業適応」といいます。)の用に供するために特定ソフトウエアの新設もしくは増設をし、または情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用(繰延資産となるものに限ります。以下同じです。)を支出する場合において、情報技術事業適応設備の取得または製作をし、国内にあるその法人の事業の用に供したときは、その供用年度において特別償却または税額控除(注2、3)のいずれかの規定の適用を受けることができます。

(注1)
認定事業適応計画(産業競争力強化法第21条の23第2項に規定する認定事業適応計画をいいます。)に従って実施される情報技術事業適応(生産性の向上または需要の開拓に特に資するものとして主務大臣の確認を受けたものに限ります。以下「情報技術事業適応」といいます。)を行う同法第21条の35第1項 に規定する認定事業適応事業者をいいます。

事業適応計画の認定要件および主務大臣が確認を受けるための基準として、データ連携を行うこと、クラウド技術を活用すること、情報処理の促進に関する法律第31条の認定を受けていること、対象事業の売上高が一定の期間における全事業の売上高の平均値の10%以上の達成が見込まれること、対象事業の海外売上高比率が一定割合以上となることが見込まれることなどがありますが、詳細については、経済産業省ホームページをご覧ください。

(注2)
中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)または農業協同組合等以外の法人が平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、下記「注意事項」の1の要件のいずれにも該当しない場合には、税額控除の規定の適用が受けられません。

(注3)
所有権移転外リース取引により取得した情報技術事業適応設備については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

<事業適応繰延資産となる費用の額を支出した場合の特別償却または法人税額の特別控除>
青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法の認定事業適応事業者であるものが、適用期間内に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出した場合には、その支出年度において特別償却または税額控除のいずれかの措置の適用を受けることができます。

【対象者または対象物】
<適用対象法人>
適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で認定事業適応事業者である法人です。

<適用対象資産>
本制度の適用対象資産は、情報技術事業適応設備(その製作の後事業の用に供されたことのないものに限ります。)または事業適応繰延資産です。

  1. 情報技術事業適応設備(上記の「情報技術事業適応設備を取得した場合の特別償却または法人税額の特別控除」に対応)認定事業適応事業者が、指定期間内に、情報技術事業適応の用に供するために特定ソフトウエアの新設もしくは増設をし、または情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出する場合における、その特定ソフトウエアならびにこれらのソフトウエアとともに情報技術事業適応の用に供する機械および装置ならびに器具および備品(主として産業試験研究の用に供される一定の資産を除きます。)をいいます。ただし、令和5年4月1日前に産業競争力強化法上の認定の申請がされた認定事業適応計画(同日以後に変更の認定の申請がされた場合において、その変更の認定があったときは、その変更後のものを除きます。)に従って実施される情報技術事業対応の用に供する情報技術事業対応設備で同日以後に取得または製作されたものは適用対象資産から除かれます。
  2. 事業適応繰延資産(上記の「事業適応繰延資産となる費用の額を支出した場合の特別償却または法人税額の特別控除」に対応)認定事業適応事業者が、指定期間内に、情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用を支出した場合における、その支出した費用に係る繰延資産をいいます。ただし、令和5年4月1日前に産業競争力強化法上の認定の申請がされた認定事業適応計画(同日以後に変更の認定の申請がされた場合において、その変更の認定があったときは、その変更後のものを除きます。)に従って実施される情報技術事業対応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用で同日以後に支出される繰延資産は適用対象資産から除かれます。(注)
    情報技術事業適応設備の取得価額および事業適応繰延資産の額の合計額のうち本制度の対象となる金額は300億円が上限とされています。

【対象期間】
<適用の対象となる期間(年度)>
情報技術事業適応設備については、適用対象法人が、適用期間内に、情報技術事業適応設備でその製作の後事業の用に供されたことのないものを取得し、またはその情報技術事業適応設備を製作して、これをその適用対象法人の適用対象事業の用に供した場合におけるその事業の用に供した日を含む事業年度(以下「供用年度」といいます。)(注)とされています。

事業適応繰延資産については、適用対象法人が、適用期間内に、事業適応繰延資産となる費用を支出した場合におけるその支出した日を含む事業年度(以下「支出年度」といいます。)(注)とされています。

(注)
供用年度および支出年度からは、合併以外の事由による解散の日を含む事業年度および清算中の各事業年度を除くこととされています。

【計算方法・計算式】
<特別償却限度額>
特別償却限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額となります。

  1. 情報技術事業適応設備の取得価額および事業適応繰延資産の額の合計額(以下「対象資産合計額」といいます。)が300億円以下の場合
    特別償却限度額=情報技術事業適応設備の取得価額または事業適応繰延資産の額×30パーセント
  2. 対象資産合計額が300億円を超える場合
    特別償却限度額=300億円×{(情報技術事業適応設備の取得価額または事業適応繰延資産の額)/対象資産合計額}×30パーセント

<税額控除限度額>
税額控除限度額は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した金額とされています。

  1. 対象資産合計額が300億円以下の場合
    税額控除限度額(調整前法人税額の20パーセント(注1)を上限)=情報技術事業適応設備の取得価額または事業適応繰延資産の額×3パーセント(一定の場合(注2)には5パーセント)
  2. 対象資産合計額が300億円を超える場合
    税額控除限度額(調整前法人税額の20パーセント(注1)を上限)=300億円×{(情報技術事業適応設備の取得価額または事業適応繰延資産の額)/対象資産合計額}×3パーセント(一定の場合(注2)には5パーセント)

(注1)
情報技術事業適応設備を取得した場合の法人税額の特別控除、事業適応繰延資産となる費用の額を支出した場合の法人税額の特別控除コード5925「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(生産工程効率化等設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」による法人税額の特別控除およびコードNo.5922「戦略分野国内生産促進税制」との合計で調整前法人税額の20パーセント相当額が上限とされています。

(注2)
一定の場合とは、情報技術事業適応のうち産業競争力強化法第2条第1項に規定する産業競争力の強化に著しく資するものとして経済産業大臣が定める基準に適合するものであることについて主務大臣の確認を受けたものの用に供する情報技術事業適応設備に該当する場合またはその確認を受けた情報技術事業適応を実施するために利用するソフトウエアのその利用に係る費用に係る事業適応繰延資産に該当する場合をいいます。

【手続き】
特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書等を添付して申告する必要があります。

また、税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額に関する明細書等を添付して申告する必要があります。

(注)
特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てることまたはその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。

この場合、確定申告書等に特別償却準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載をし、その積み立てた金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

【注意事項】
1 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。
(1) 継続雇用者給与等支給額 (注3) > 継続雇用者比較給与等支給額 (注4)
ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合(※)で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合の前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。
※ 令和6年4月1日前に開始した事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります。
(継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1パーセント
(2) 国内設備投資額 (注6) > 当期償却費総額 (注7) × 30パーセント(上記(1)のただし書きの法人は、40パーセント)
(3) その対象年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額(※)
(※) (3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
2 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
3 本制度による特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。

(注1)
特定の税額控除の規定とは、次に掲げる規定をいいます。

1 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
2 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
3 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
4 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)

(注2)
中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。

ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1) その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (2) 上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (3) 他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)(※1)
    通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」を参照してください。(※2)
    大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

    1 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
    2 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    3 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2) 相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3) 受託法人
    4 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。) および出資の全部をすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(3に掲げる法人を除きます。)

(注3)
継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます 。)がある場合には、その補塡額 を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

(注4)
継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

(注5)
合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割又は現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。

(注6)
国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。

(注7)
当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

★リンクはこちら⇒ デジタルトランスフォーメーション投資促進税制(情報技術事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は税額控除)

2025年5月23日


戦略分野国内生産促進税制

青色申告書を提出する法人で、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律(以下「産競法等改正法」といいます。) の施行の日(令和6年9月2日)から令和9年3月31日までの期間内にされた産業競争力強化法の認定に係る認定産業競争力基盤強化商品生産販売事業者(注1)であるものが、その認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された産業競争力基盤強化商品(注2)の生産をするための設備の新設または増設をする場合において、その新設または増設に係る機械その他の減価償却資産(注3)の取得または製作もしくは建設をして、これを国内にあるその法人の事業の用に供したときは、事業の用に供した日からその認定の日以後10年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度(解散(合併による解散を除きます)の日を含む事業年度および清算中の事業年度を除きます。

以下「供用中年度」といいます。)において、法人税額の特別控除(注4)を受けることができることができます。

(注1) 認定産業競争力基盤強化商品生産販売事業者とは、産業競争力強化法第21条の22第1項の事業適応計画の認定に係る同法第21条の35第2項に規定する認定事業適応事業者をいいます。
(注2) 産業競争力基盤強化商品とは、産業競争力強化法第2条第14項に規定する半導体、自動車、鉄鋼、基礎化学品、燃料をいいます。
(注3) 事業の用に供されたことのないものに限ります。
(注4) 下記「注意事項」の1の要件のいずれにも該当しない場合には、税額控除の適用が受けられません。

<税額控除限度額>
税額控除限度額は、次の1および2の区分に応じたそれぞれの金額とされます。

  1. 産業競争力強化商品のうち半導体(産業競争力強化法第2条第14項の半導体をいいます。以下同じです。)を生産するための機械その他の減価償却資産(以下「半導体生産用資産」といいます。)である場合その半導体生産用資産により生産された半導体が次の区分のいずれに該当するかに応じそれぞれ次の金額と、事業の用に供したその半導体生産用資産およびこれとともに半導体を生産するために直接または間接に使用する減価償却資産に対して投資した金額の合計額として定める一定の金額(注1)に相当する金額とのうちいずれか少ない金額の合計額(注2)(1)演算を行う半導体(以下「演算半導体」といいます。)
    1万6千円(一定の演算半導体の場合には、1万6千円に所定の割合を乗じて計算した金額)に供用中年度において販売されたものの直径200ミリメートルのウエハーで換算した枚数を次の販売された日の属する期間ごとに区分した枚数として所定の証明がされた数にそれぞれ次の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

    供用日から供用日以後7年を経過する日までの期間 100分の100
    供用日以後7年を経過する日の翌日から供用日以後8年を経過する日までの期間 100分の75
    供用日以後8年を経過する日の翌日から供用日以後9年を経過する日までの期間 100分の50
    供用日以後9年を経過する日の翌日以後の期間 100分の25

    (2)上記(1)以外の半導体(以下「その他半導体」といいます。)
    4千円(一定のその他半導体の場合には、4千円に所定の割合を乗じて計算した金額)に、供用中年度において販売されたものの直径200ミリメートルのウエハーで換算した枚数を上記(1)イからニまでの期間ごとに区分した枚数として所定の証明がされた数にそれぞれ上記(1)イからニまでの割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

  2. 産業競争力基盤強化商品(半導体を除きます。以下「特定産業競争力基盤強化商品」といいます。)の生産をするための機械その他の減価償却資産(以下「特定商品生産用資産」といいます。)である場合その特定商品生産用資産により生産された特定産業競争力基盤強化商品が次の区分のいずれに該当するかに応じそれぞれ次の金額と、事業の用に供したその特定商品生産用資産およびこれとともに特定産業競争力基盤強化商品を生産するために直接又は間接に使用する減価償却資産に対して投資した金額の合計額として定める一定の金額(注1)に相当する金額とのうちいずれか少ない金額の合計額(注2)(1) 自動車(産業競争力強化法第2条第14項に規定する自動車をいいます。以下同じです。)
    20万円(内燃機関を有しないもの(道路運送車両法第3条に規定する軽自動車を除きます。)は、40万円)に、その特定商品生産用資産により生産された自動車のうちその供用中年度において販売されたものの台数を次の販売された日の属する期間ごとに区分した台数として所定の証明がされた数にそれぞれ次の割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

    供用日から供用日以後7年を経過する日までの期間 100分の100
    供用日以後7年を経過する日の翌日から供用日以後8年を経過する日までの期間 100分の75
    供用日以後8年を経過する日の翌日から供用日以後9年を経過する日までの期間 100分の50
    供用日以後9年を経過する日の翌日以後の期間 100分の25

    (2)鉄鋼(産業競争力強化法第2条第14項の鉄鋼をいいます。以下同じです。)
    2万円に、その特定商品生産用資産により生産された鉄鋼のうちその供用中年度において販売されたもののトンで表した重量を上記(1)イからニまでの販売された日の属する期間ごとに区分した数値として所定の証明がされた数にそれぞれ上記(1)イからニまでの割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

    (3)基礎化学品(産業競争力強化法第2条第14項に規定する基礎化学品をいいます。)
    5万円に、その特定商品生産用資産により生産された基礎化学品のうちその供用中年度において販売されたもののトンで表した重量を上記(1)イからニまでの販売された日の属する期間ごとに区分した数値として所定の証明がされた数にそれぞれ上記(1)イからニまでの割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

    (4)燃料(産業競争力強化法第2条第14項の燃料をいいます。以下同じです。)
    30円に、その特定商品生産用資産により生産された燃料のうちその供用中年度において販売されたもののリットルで表した体積を上記(1)イからニまでの販売された日の属する期間ごとに区分した数値として所定の証明がされた数にそれぞれ上記(1)イからニまでの割合を乗じて計算した数の合計を乗じて計算した金額

    (注1) 半導体生産用資産又は特定商品生産用資産について既にこの制度により供用中年度前の各事業年度の所得に対する調整前法人税額から控除された金額等がある場合には、その金額を控除した残額になります。
    (注2) 税額控除の上限は、この制度による税額控除、コード5924「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制(情報技術事業適応設備を取得等した場合の特別償却又は税額控除)」による税額控除およびコード5925「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(生産工程効率化等設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」による税額控除との合計でその事業年度の調整前法人税額の40パーセント相当額(半導体生産用資産に係る税額控除については20パーセント相当額)とされています。

<税額控除限度額の繰越し>
税額控除限度額がその事業年度の法人税額の40パーセント相当額(半導体生産用資産に係る税額控除については20パーセント相当額)を超えるために、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」といいます。)について4年間(半導体生産用資産に係る繰越税額控除限度超過額は3年間)の繰越しが認められます。

【対象者または対象物】
<適用対象法人>
適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、産競法等改正法の施行の日(令和6年9月2日)から令和9年3月31日までの期間内にされた産業競争力強化法の認定に係る認定産業競争力基盤強化商品生産販売事業者である法人です。

<適用対象資産>
適用対象資産は、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された産業競争力強化法第2条第14項に規定する産業競争力基盤強化商品を生産するための設備の新設または増設をする場合において、その新設または増設に係る機械その他の減価償却資産でその製作または建設の後事業の用に供されたことのないものとされています。

【対象期間】
<適用の対象となる期間(年度)>
適用対象法人が、適用期間内に、適用対象資産の取得等をし、これをその事業の用に供した場合におけるその事業の用に供した日から産業競争力強化法第21条の22第1項の認定の日以後10年を経過する日まで(注1)の期間内の日を含む各事業年度(注2)とされています。

(注1) 産業競争力強化法の認定の日以後10年を経過する日までに同法の規定によりその認定を取り消された場合は、その取り消された日の前日までとされています。
(注2) 合併以外の事由による解散の日を含む事業年度および清算中の各事業年度を除くこととされています。

【手続き】
税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額に関する明細書等を添付して申告する必要があります。

なお、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けるためには、繰越税額控除限度超過額が生じた事業年度以後の各事業年度の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付し、かつ、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けようとする事業年度の確定申告書等に、控除の対象となる繰越税額控除限度超過額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

【注意事項】

  1. この制度の税額控除は、次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。
    (1)
    (継続雇用者給与等支給額 (注1) - 継続雇用者比較給与等支給額(注2)) / 継続雇用者比較給与等支給額 ≧ 1パーセント
    (2) 国内設備投資額 (注3) > 当期償却費総額 (注4) × 40パーセント
    (3) その事業年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額(※)
    (※) (3)の要件は、その事業年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
  2. 本制度による税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。
  3. 本制度のうち特定産業競争力基盤強化商品に係る措置の適用を受ける場合には、地方法人税の課税標準となる基準法人税額の計算に当たっては、本措置を適用しないで計算することとされています。
(注1) 継続雇用者給与等支給額とは、法人の各事業年度(以下「適用年度」といいます。)および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその適用年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補填額」といいます。)がある場合には、その補填額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。
(注2) 継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。
(注3) 国内設備投資額とは、法人がその事業年度において取得等をした国内にある法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその事業年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。
(注4) 当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につきその事業年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。
(注5) 合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割または現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。

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2025年5月20日


中小企業技術基盤強化税制

<概要>
「中小企業技術基盤強化税制」は、中小企業者等が各事業年度において、試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

(注)この制度は、コード5442「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」との重複適用はできません。

【試験研究費の額】
この制度の対象となる試験研究費の額とは、次の1および2に掲げる金額の合計額(その金額に係る費用に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額となります。)(※)をいいます。

(※)令和7年4月1日以後に開始する事業年度にあっては、その法人が内国法人である場合のその法人の国外事業所等を通じて行う事業に係る費用の額は除かれます。

  1. 次に掲げる費用の額(売上原価等の原価の額を除きます。)で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるもの
    (1)製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究(新たな知見を得るためまたは利用可能な知見の新たな応用を考案するために行うものに限ります。)のために要する費用(研究開発費として損金経理をした金額のうち、下記2の固定資産または繰延資産の償却費、除却による損失および譲渡による損失を除きます。)で次に掲げるもの

    その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費
    他の者に委託をして試験研究を行う法人(人格のない社団等を含みます。)のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用
    技術研究組合法第9条第1項の規定により賦課される費用

    (2)対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究(以下「新サービス研究」といいます。)として次に掲げるもののすべてが行われる場合のその試験研究(その役務の開発を目的として、次のイ(イ)の方法によって情報を収集し、または次のイ(ロ)の情報を取得する場合には、その収集または取得を含みます。)のために要する一定の費用(注)

    次に掲げる情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家(※)により専ら情報の解析を行う機能を有するソフトウェア(これに準ずるソフトウェアを含みます。)を用いて行われる分析
    (※)情報解析専門家とは、上記の情報の解析に必要な確率論および統計学に関する知識ならびに情報処理に関して必要な知識を有すると認められる者をいいます。
    (イ) 大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部または主要な部分が自動化されている機器または技術を用いる方法によって収集された情報
    (ロ) (イ)に掲げるもののほか、その法人が有する情報で、その法則の発見が十分見込まれる量のもの
    上記イの分析により発見された法則を利用した新サービスの設計
    その発見された法則が予測と結果の一致度が高い等妥当であると認められるものであることおよびその発見された法則を利用した新サービスがその目的に照らして適当であると認められるものであることの確認

    (注)上記の「一定の費用」とは、次の費用をいいます。

    その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(情報解析専門家でその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費(外注費にあっては、これらの原材料費および人件費に相当する部分ならびにその試験研究を行うために要する経費に相当する部分(外注費に相当する部分を除きます。)に限ります。)
    他の者に委託をして試験研究を行うその法人のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用(上記①の原材料費、人件費および経費に相当する部分に限ります。)
  2. 上記1(1)または(2)に掲げる費用の額で各事業年度において研究開発費として損金経理をした金額のうち、棚卸資産もしくは固定資産(事業の用に供する時において試験研究の用に供する固定資産を除きます。)の取得に要した金額とされるべき費用の額または繰延資産(試験研究のために支出した費用に係る繰延資産を除きます。)となる費用の額

【中小企業者等税額控除限度額】

  1. 税額控除限度額
    税額控除限度額は、試験研究費の額に次の区分に応じてそれぞれ次により計算した税額控除割合(小数点以下3位未満切捨て)を乗じて計算した金額となります。
    (1)試験研究費割合が10パーセント以下の場合

    イ.下記ロ以外の場合
    税額控除割合=12%
    ロ.増減試験研究費割合が12パーセントを超える場合
    税額控除割合(17%を上限)
    =12%+{(増減試験研究費割合-12%)×0.375}

    (2)試験研究費割合が10パーセントを超える場合

    イ.下記ロ以外の場合
    税額控除割合(上限17%)=12%+12%×控除割増率(※)
    (※)控除割増率(上限10%)=(試験研究費割合-10%)×0.5
    ロ.増減試験研究費割合が12パーセントを超える場合
    税額控除割合(上限17%)=(上記(1)ロの割合)+{(上記(1)ロの割合)×控除割増率(※)}
    (※)控除割増率(上限10%)=(試験研究費割合-10%)×0.5
  2. 税額控除上限額
    上記1の税額控除限度額がその事業年度の調整前法人税額の25パーセントに相当する金額を超える場合には、その25パーセントに相当する金額が税額控除の上限額となります。ただし、その事業年度が次に掲げる事業年度に該当する場合には、上記の25パーセントに相当する金額にそれぞれ次の金額を加算した金額が、その事業年度の税額控除上限額となります。なお、下記の(1)と(2)については重複適用することができません((1)が優先適用されます。)。

    (1) 増減試験研究費割合が12パーセントを超える事業年度
    上乗せ額=調整前法人税額×10%
    (2) 試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度
    上乗せ額=調整前法人税額×{(試験研究費割合-10%)×2}(※)

    (※){(試験研究費割合-10%)×2}は10%を上限

<対象者または対象物>
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する中小企業者または農業協同組合等です。

中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(注1)に該当するものは対象から除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1) その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (2) 上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (3) 他の通算法人のいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(注1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。

(注2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2) 相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3) 受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

<対象期間>
【適用の対象となる期間(年度)】
この制度の適用対象年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。

  1. 「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」の適用を受ける事業年度
  2. 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度
  3. 清算中の各事業年度

<手続き>
この制度の適用を受けるためには、控除の対象となる試験研究費の額および控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

<注意事項>
減価償却資産の取得価額または繰延資産の額のうちに試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額について本制度による税額控除の適用を受けたときは、その減価償却資産または繰延資産については、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。

★リンクはこちら⇒ 中小企業技術基盤強化税制

2025年5月7日


特別試験研究費の額に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)

<概要>
「特別試験研究費の額に係る税額控除制度」は、各事業年度において、特別試験研究費の額(その事業年度において「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」、「中小企業技術基盤強化税制」の適用を受けた特別試験研究費の額を除きます。)がある場合に、その特別試験研究費の額の一定割合の金額をその事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

【特別試験研究費の額等】
この制度の対象となる特別試験研究費の額とは、試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他の者と共同して行う試験研究、国の試験研究機関、大学その他の者に委託する試験研究、中小企業者からその有する知的財産権の設定または許諾を受けて行う試験研究、その用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究、高度専門知識等を有する者に対して人件費を支出して行う試験研究などに係る試験研究費の額をいいます。

【特別研究税額控除限度額】
法人のその事業年度の調整前法人税額から、次の1から3までに掲げる金額の合計額(以下「特別研究税額控除限度額」といいます。)を控除します。

  1. 特別試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他これらに準ずる者(以下「特別試験研究機関等」といいます。)との共同研究または特別試験研究機関等への委託研究に係る一定の試験研究費の額の30パーセントに相当する金額
  2. 特別試験研究費の額のうち特定新事業開拓事業者、成果活用促進事業者との共同研究または特定新事業開拓事業者、成果活用促進事業者への委託研究に係る一定の試験研究費の額の25パーセントに相当する金額
  3. 特別試験研究費の額のうち上記1および2の一定の試験研究費の額以外の金額の20パーセントに相当する金額
    この場合において、特別研究税額控除限度額が、法人のその事業年度の調整前法人税額の10パーセントに相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その10パーセントに相当する金額が上限となります。
税額控除上限額 = 調整前法人税額 × 10%

<対象者または対象物>
【適用対象法人】
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人(人格のない社団等を含みます。)です。

<対象期間>
【適用の対象となる期間(年度)】
この制度の適用対象年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。

(1) 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度
(2) 清算中の各事業年度

<手続き>
この制度の適用を受けるためには、控除の対象となる特別試験研究費の額および控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

<注意事項>

  1. 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。(1)継続雇用者給与等支給額 (注3) > 継続雇用者比較給与等支給額 (注4)ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合(※)で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合の前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。※令和6年4月1日前開始事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります。
    (継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1%(2)国内設備投資額 (注6) > 当期償却費総額 (注7) × 30%(上記(1)のただし書きの法人は40%)(3)その対象年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額(※)
    (※)(3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
  2. 減価償却資産の取得価額または繰延資産の額のうちに試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額について本制度による税額控除の適用を受けたときは、その減価償却資産または繰延資産については、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。(注1)特定の税額控除の規定とは、次に掲げる規定をいいます。
    1 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
    2 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
    3 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
    4 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)

    (注2) 中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。
    ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。
    1.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)

    (1) その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (2) 上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (3) 他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

    2.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

    (※1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。

    (※2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

    1 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
    2 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2) 相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3) 受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)(注3)継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。(注4)継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。(注5)合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割または現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。(注6)国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。(注7)当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

★リンクはこちら⇒ 特別試験研究費の額に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)

2025年4月30日


一般試験研究費の額に係る税額控除制度

「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」は、各事業年度において、試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

(注)この制度は、コード5444「中小企業技術基盤強化税制」との重複適用は認められません。

<試験研究費の額>
この制度の対象となる試験研究費の額とは、次の1および2に掲げる金額の合計額(その金額に係る費用に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額となります。)(※)をいいます。

(※)令和7年4月1日以後に開始する事業年度にあっては、その法人が内国法人である場合のその法人の国外事業所等を通じて行う事業に係る費用の額は除かれます。

  1. 次に掲げる費用の額(売上原価等の原価の額を除きます。)で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるもの
    (1)製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究(新たな知見を得るためまたは利用可能な知見の新たな応用を考案するために行うものに限ります。)のために要する費用(研究開発費として損金経理をした金額のうち、下記2の固定資産または繰延資産の償却費、除却による損失および譲渡による損失を除きます。)で次に掲げるものイ.その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費ロ.他の者に委託をして試験研究を行う法人(人格のない社団等を含みます。)のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用ハ.技術研究組合法第9条第1項の規定により賦課される費用(2)対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究(以下「新サービス研究」といいます。)として次に掲げるもののすべてが行われる場合のその試験研究(その役務の開発を目的として、次のイ(イ)の方法によって情報を収集し、または次のイ(ロ)の情報を取得する場合には、その収集または取得を含みます。)のために要する一定の費用(注)イ.次に掲げる情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家(※)により専ら情報の解析を行う機能を有するソフトウェア(これに準ずるソフトウェアを含みます。)を用いて行われる分析

    (イ) 大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部または主要な部分が自動化されている機器または技術を用いる方法によって収集された情報
    (ロ) (イ)に掲げるもののほか、その法人が有する情報で、その法則の発見が十分見込まれる量のもの

    (※)情報解析専門家とは、上記の情報の解析に必要な確率論および統計学に関する知識ならびに情報処理に関して必要な知識を有すると認められる者をいいます。

    ロ.上記イの分析により発見された法則を利用した新サービスの設計

    ハ.その発見された法則が予測と結果の一致度が高い等妥当であると認められるものであることおよびその発見された法則を利用した新サービスがその目的に照らして適当であると認められるものであることの確認
    (注)上記の「一定の費用」とは、次の費用をいいます。

    その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(情報解析専門家でその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費(外注費にあっては、これらの原材料費および人件費に相当する部分ならびにその試験研究を行うために要する経費に相当する部分(外注費に相当する部分を除きます。)に限ります。)
    他の者に委託をして試験研究を行うその法人のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用(上記①の原材料費、人件費および経費に相当する部分に限ります。)
  2. 上記1(1)または(2)に掲げる費用の額で各事業年度において研究開発費として損金経理をした金額のうち、棚卸資産もしくは固定資産(事業の用に供する時において試験研究の用に供する固定資産を除きます。)の取得に要した金額とされるべき費用の額または繰延資産(試験研究のために支出した費用に係る繰延資産を除きます。)となる費用の額

<税額控除限度額>

  1. 税額控除限度額
    税額控除限度額は、試験研究費の額に次の区分に応じそれぞれ次により計算した税額控除割合(小数点以下3位未満切捨て)を乗じて計算した金額となります。(1)試験研究費割合が10パーセント以下の場合
    イ.増減試験研究費割合が12パーセントを超える場合(ハに掲げる場合を除きます。)
    税額控除割合(14%を上限)=11.5%+{(増減試験研究費割合-12%)×0.375}ロ.増減試験研究費割合が12パーセント以下である場合(ハに掲げる場合を除きます。)
    税額控除割合(1%を下限)=11.5%-{(12%-増減試験研究費割合)×0.25}ハ.設立事業年度である場合または比較試験研究費の額が0である場合
    税額控除割合=8.5%(2)試験研究費割合が10パーセントを超える場合
    税額控除割合(上限14%)=(上記(1)イ、ロまたはハの割合)+{(上記(1)イ、ロまたはハの割合)×控除割増率(※)}(※)控除割増率(上限10%)=(試験研究費割合-10%)×0.5
  2. 税額控除上限額
    上記1の税額控除限度額がその事業年度の調整前法人税額の25パーセントに相当する金額を超える場合には、その25パーセントに相当する金額が税額控除の上限額となります。ただし、その事業年度が次に掲げる事業年度に該当する場合には、それぞれ次の金額を加算した金額となります。なお、下記の(1)と(2)は重複適用できます。
    (1)研究開発を行う一定のベンチャー企業に該当する事業年度
    上乗せ額=調整前法人税額×15%(2)試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度
    上乗せ額=調整前法人税額×{(試験研究費割合-10%)×2}(※)(※){(試験研究費割合-10%)×2}は10パーセントを上限さらに、その事業年度が次に掲げる事業年度に該当する場合には、それぞれ次の金額を加算または減算した金額となります。なお、試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度の場合は、上記の(2)と下記の(3)のうち、税額控除上限額の大きくなる方を適用します。(3)増減試験研究費割合が4パーセントを超える事業年度
    加算額=調整前法人税額×{(増減試験研究費割合-4%)×0.625} (※)(※) {(増減試験研究費割合-4%)×0.625}は5パーセントを上限(4) 増減試験研究費割合がマイナス4パーセントを下回る事業年度(上記(2)の事業年度を除きます。)
    減算額=調整前法人税額×{(増減試験研究費割合の絶対値-4%)×0.625} (※)(※) {(増減試験研究費割合の絶対値-4%)×0.625}は5パーセントを上限

【対象者または対象物】
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人(人格のない社団等を含みます。)です。

【対象期間】
<適用の対象となる期間(年度)>
この制度の適用対象事業年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。

  • 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度
  • 清算中の各事業年度

【手続き】
この制度の適用を受けるためには、控除の対象となる試験研究費の額および控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

【注意事項】

  1. 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。(1)継続雇用者給与等支給額(注3) > 継続雇用者比較給与等支給額(注4)ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合(※)で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合の前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。※令和6年4月1日前開始事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります。
    (継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1%(2)国内設備投資額(注6) > 当期償却費総額 (注7) × 30%(上記(1)のただし書きの法人は、40%)(3)その対象年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額(※)(※)(3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
  2. 減価償却資産の取得価額または繰延資産の額のうちに試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額について本制度による税額控除の適用を受けたときは、その減価償却資産または繰延資産については、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。

(注1)特定の税額控除の規定とは、次に掲げる規定をいいます。

  1. 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
  2. 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
  3. 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
  4. 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)

(注2)中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1) その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (2) 上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (3) 他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(※1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。

(※2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2) 相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3) 受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

(注3)継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。

以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます 。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

(注4)継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

(注5)合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割または現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。

(注6)国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。

(注7)当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

★リンクはこちら⇒ 一般試験研究費の額に係る税額控除制度

2025年4月23日


研究開発税制について(概要)

研究開発税制は、次のとおり、「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」、「中小企業技術基盤強化税制」および「特別試験研究費の額に係る税額控除制度」の3つの制度によって構成されています。

なお、「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」と「中小企業技術基盤強化税制」は同時に選択することはできません(選択適用)。

各制度の内容については、コード5442「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」コード5443「特別試験研究費の額に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)」、またはコード5444「中小企業技術基盤強化税制」をそれぞれ参照してください。

なお、中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)または農業協同組合等以外の法人が平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、下記「注意事項」の要件のいずれにも該当しない場合には、「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」および「特別試験研究費の額に係る税額控除制度」の適用が受けられません。

※この制度については、経済産業省ホームページに制度概要等が掲載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

<一般試験研究費の額に係る税額控除制度>
この制度は、青色申告書を提出する法人の各事業年度において、試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

<中小企業技術基盤強化税制>
この制度は、中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)または農業協同組合等である青色申告書を提出する法人の各事業年度において、試験研究費の額がある場合に、上記の「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」に代えて適用するときは、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

<特別試験研究費の額に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)>
この制度は、青色申告書を提出する法人の各事業年度において特別試験研究費の額がある場合に、上記「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」および「中小企業技術基盤強化税制」とは別枠でその特別試験研究費の額の一定割合の金額をその事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

なお、「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」または「中小企業技術基盤強化税制」の計算の基礎に含めた試験研究費の額は、特別試験研究費の額に含めないこととなります。

【注意事項】

  1. 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。
    (1)継続雇用者給与等支給額 (注3) > 継続雇用者比較給与等支給額 (注4)

    ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合()で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合の前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。
    令和6年4月1日前開始事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります。
    (継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1%

    (2)国内設備投資額 (注6) > 当期償却費総額 (注7) × 30%(上記(1)のただし書きの法人は40%)
    (3) その対象年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額(※)

    (※)(3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。

  2. 減価償却資産の取得価額または繰延資産の額のうち試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額について本制度による税額控除の適用を受けたときは、その減価償却資産または繰延資産については、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。

(注1)特定の税額控除の規定とは、次に掲げる規定をいいます。

  1. 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
  2. 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
  3. 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
  4. 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)

(注2)中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1)その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (2)上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (3)他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)(※1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。(※2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。
    1 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
    2 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    3 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1) 資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2) 相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3) 受託法人
    4 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

    (注3)継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。(注4)継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

    (注5)合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割又は現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。

    (注6)国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。

    (注7)当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

★リンクはこちら⇒ 研究開発税制について(概要)

2025年4月18日


地域未来投資促進税制(地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

【概要】
この制度は、青色申告書を提出する法人で承認地域経済牽引事業者であるものが、地域未来投資促進法の施行の日(平成29年7月31日)から令和7年3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に、承認地域経済牽引事業に係る促進区域内においてその承認地域経済牽引事業に係る承認地域経済牽引事業計画に従って特定地域経済牽引事業施設等の新設または増設をする場合において、その新設もしくは増設に係る特定地域経済牽引事業施設等を構成する新品の機械装置、器具備品、建物およびその附属設備ならびに構築物(以下「特定事業用機械等」といいます。)の取得または製作もしくは建設をして、その事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合を除きます。)に、特別償却または税額控除(注1、2)を認めるものです。

(注1)中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)または農業協同組合等以外の法人が平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、下記「注意事項」の1の要件のいずれにも該当しない場合には、この税額控除の適用が受けられません。

(注2)所有権移転外リース取引により取得した特定事業用機械等については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

【対象者または対象物】
●適用対象法人●
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律に規定する承認地域経済牽引事業者です。

●適用対象資産●
この制度の対象となる資産(特定事業用機械等)は、新設もしくは増設に係る特定地域経済牽引事業施設等を構成する機械および装置、器具および備品、建物およびその附属設備ならびに構築物でその製作もしくは建設の後事業の用に供されたことのないものとされています。なお、貸付けの用に供されるものは、対象となりません。

(注)特定地域経済牽引事業施設等とは、承認地域経済牽引事業計画に定められた施設または設備で一の承認地域経済牽引事業計画に定められた施設または設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が2,000万円以上のものをいいます。

また、一の特定地域経済牽引事業施設等を構成する特定事業用機械等の取得価額の合計額のうち本制度の対象となる金額は80億円が限度とされています。

【対象期間】
●適用の対象となる期間(年度)●
この制度の適用対象事業年度は、指定期間内に特定事業用機械等の取得または製作もしくは建設して承認地域経済牽引事業の用に供した場合におけるその承認地域経済牽引事業の用に供した日を含む事業年度です。

ただし、この事業年度であっても、解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度および清算中の各事業年度は除きます。

【計算方法・計算式】
●特別償却限度額●
特別償却限度額は、それぞれ次の算式により計算します。
<特定事業用機械等の取得価額の合計額が80億円以下の場合>

  1. 機械および装置ならびに器具および備品
    (1)平成31年4月1日以後に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の承認を受けた法人がその承認地域経済牽引事業(地域の成長発展の基盤強化に著しく資するものとしての基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものに限ります。)の用に供したもの
    特別償却限度額=特定事業用機械等の取得価額×50%
    (2)上記(1)以外のもの
    特別償却限度額=特定事業用機械等の取得価額×40%
  2. 建物およびその附属設備ならびに構築物
    特別償却限度額=特定事業用機械等の取得価額×20%

<特定事業用機械等の取得価額の合計額が80億円を超える場合>

  1. 機械および装置ならびに器具および備品
    (1)平成31年4月1日以後に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の承認を受けた法人がその承認地域経済牽引事業(地域の成長発展の基盤強化に著しく資するものとしての基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものに限ります。)の用に供したもの
    特別償却限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×50%
    (2)上記(1)以外のもの
    特別償却限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×40%
  2. 建物およびその附属設備ならびに構築物
    特別償却限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×20%

●税額控除限度額●
税額控除限度額は、次の算式により計算します。

ただし、その税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20パーセント相当額を超える場合には、控除を受ける金額は、その20パーセント相当額が上限となります。

<特定事業用機械等の取得価額の合計額が80億円以下の場合>

  1. 機械および装置ならびに器具および備品
    (1)平成31年4月1日以後に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の承認を受けた法人がその承認地域経済牽引事業(地域の成長発展の基盤強化に著しく資するものとしての基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものに限ります。)の用に供したもの
    税額控除限度額=特定事業用機械等の取得価額×5%
    (2)上記(1)のもののうち、その承認地域経済牽引事業が地域の事業者に対して著しい経済的効果を及ぼすものとしての基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものの用に供したもの
    税額控除限度額=特定事業用機械等の取得価額×6%
    (3)上記(1)および(2)以外のもの
    税額控除限度額=特定事業用機械等の取得価額×4%
  2. 建物およびその附属設備ならびに構築物
    税額控除限度額=特定事業用機械等の取得価額×2%

<特定事業用機械等の取得価額の合計額が80億円を超える場合>

  1. 機械および装置ならびに器具および備品
    (1)平成31年4月1日以後に地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の承認を受けた法人がその承認地域経済牽引事業(地域の成長発展の基盤強化に著しく資するものとしての基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものに限ります。)の用に供したもの
    税額控除限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×5%
    (2)上記(1)のもののうち、その承認地域経済牽引事業が地域の事業者に対して著しい経済的効果を及ぼすものとしての基準に適合することについて主務大臣の確認を受けたものの用に供したもの
    税額控除限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×6%
    (3)上記(1)および(2)以外のもの
    税額控除限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×4%
  2. 建物およびその附属設備ならびに構築物
    税額控除限度額=80億円×特定事業用機械等の取得価額/特定事業用機械等の取得価額の合計額×2%

【手続き】
特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

また、税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

(注)特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てることまたはその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。

この適用を受けるには、確定申告書等に特別償却準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載をし、その積み立てた金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

【注意事項】

  1. 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。
    (1)継続雇用者給与等支給額(注3)>継続雇用者比較給与等支給額(注4)
    ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合(※)で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合の前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。
    ※令和6年4月1日前開始事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります。
    (継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1パーセント
    (2)国内設備投資額 (注6)>当期償却費総額 (注7)× 30パーセント(上記(1)のただし書きの法人は、40パーセント)
    (3)その対象年度の所得金額≦前事業年度の所得金額(※)
    (※)(3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
  2. 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
  3. 本制度による特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。

(注1)特定の税額控除の規定とは、次に掲げる規定をいいます。

  1. 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
  2. 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
  3. 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
  4. 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)

(注2) 中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。

ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1)その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (2)上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
    (3)他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(※1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。

(※2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3)受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

(注3)継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

(注4)継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

(注5)合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割又は現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。

(注6)国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。

(注7)当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

★リンクはこちら⇒ 地域未来投資促進税制(地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

2025年4月14日


中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

【概要】
この制度は、青色申告書を提出する中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた一定の中小企業者などが平成29年4月1日から令和7年3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に、新品の特定経営力向上設備等の取得または製作もしくは建設をして、国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、特別償却または税額控除を認めるものです。

(注)所有権移転外リース取引により取得した特定経営力向上設備等については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。

所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

中小企業庁ホームページにおいて、中小企業等経営強化法による経営力向上計画に係る手続き(経営力向上計画策定の手引き、認定事例集、経営力向上計画の申請様式類等)、経営力向上設備等に係る生産性向上要件証明書(工業会等による証明書について)および税制等のパンフレット(税制措置・金融支援活用の手引き)が掲載されていますので、そちらもご参照ください。

<特別償却限度額>
特別償却限度額は、取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額とされ、普通償却限度額と併せその取得価額の全額を償却(即時償却)することができます。

<税額控除限度額>
税額控除限度額は、特定経営力向上設備等の取得価額の7パーセント相当額(特定中小企業者等(注)においては10パーセント)です。

なお、税額控除の控除上限は、この制度における税額控除および「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度」(措法42の6)における税額控除の合計でその事業年度の調整前法人税額の20パーセント相当額を上限とされています。

(注)「適用対象法人」の中小企業者のうち、資本金の額または出資金の額が3,000万円を超える法人以外の法人または農業協同組合等もしくは商店街振興組合をいいます。

<税額控除限度超過額の繰越し>
税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20パーセント相当額を超えるために、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」といいます。)について1年間の繰越しが認められます。

【対象者または対象物】
<適用対象法人>
この制度の適用対象法人は、中小企業者または農業協同組合等もしくは商店街振興組合で、青色申告書を提出するもののうち、中小企業等経営強化法に規定する経営力向上計画の認定を受けた同法に規定する特定事業者等に該当するものとされています。

中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。

ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(注1)に該当するものは除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1)その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (2)上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (3)他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイおよびロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(注1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」を参照してください。

(注2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3)受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

<適用対象資産>
この制度の対象となる資産(以下「特定経営力向上設備等(注1)」といいます。)は、その製作の後事業の用に供されたことのない(つまり新品の)生産等設備(注2)を構成する機械および装置、工具、器具および備品、建物附属設備ならびにソフトウェアで、一定の規模以上のもの(注3)とされています。

ただし、貸付けの用に供する資産は、特定経営力向上設備等には該当しません。(注4)

(注1)特定経営力向上設備等とは、中小企業等経営強化法施行規則第16条第2項に規定する経営力向上に著しく資する設備等(生産性向上設備・収益力強化設備・デジタル化設備・経営資源集約化設備)(中小企業等経営強化法第17条第1項に規定する経営力向上計画に記載されたものに限ります。)をいいます。

(注2)生産等設備とは、その法人が行う生産活動、販売活動、役務提供活動その他収益を稼得するために行う活動の用に直接供される減価償却資産で構成されているものをいい、本店、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設のようなものは該当しません。

(注3)「一定の規模以上のもの」とは、それぞれ次のものをいいます。

  1. 機械および装置
    1台または1基の取得価額が160万円以上のもの
  2. 工具、器具および備品
    1台または1基の取得価額が30万円以上のもの
  3. 建物附属設備
    一の取得価額が60万円以上のもの
  4. ソフトウェア
    一の取得価額が70万円以上のもの(複写して販売するための原本、開発研究用のものまたはサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは除きます。)

(注4)特定経営力向上設備等からは、コインランドリー業または暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除きます。)の用に供するものでその管理のおおむね全部を他の者に委託するものが除かれています。

<指定事業>
この制度の適用対象となる指定事業は次に掲げる事業です。

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業にあっては、生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、情報通信業、損害保険代理業、不動産業、駐車場業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)およびサービス業(他に分類されないもの)

(注)娯楽業(映画業を除きます。)は対象になりません。

また、性風俗関連特殊営業に該当する事業も対象となりません。

【対象期間】
<適用の対象となる期間(年度)>
この制度の適用対象事業年度は、指定期間内に適用対象資産の取得または製作もしくは建設をして指定事業の用に供した場合におけるその指定事業の用に供した日を含む事業年度です。

ただし、この事業年度であっても、解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度および清算中の各事業年度は除きます。

【手続き】
特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書ならびに経営力向上計画に係る認定申請書の写しおよび経営力向上計画に係る認定書の写しを添付して申告する必要があります。(注)

また、税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書ならびに経営力向上計画に係る認定申請書の写しおよび経営力向上計画に係る認定書の写しを添付して申告する必要があります。

なお、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けるためには、繰越税額控除限度超過額が生じた事業年度以後の各事業年度の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付し、かつ、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けようとする事業年度の確定申告書等に繰越控除を受ける金額を記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

(注)特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てることまたはその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。

この適用を受けるには、確定申告書等に特別償却準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載をし、その積み立てた金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

【注意事項】

  1. 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
  2. この制度による特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の税額控除の規定の重複適用は認められません。

★リンクはこちら⇒ 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

2025年4月7日


中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

(概要)
この制度は、青色申告書を提出する中小企業者などが平成10年6月1日から令和7年3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に新品の機械装置などの取得または製作をして、国内にある製造業、建設業などの指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、特別償却または税額控除を認めるものです。

(注)所有権移転外リース取引により賃借人が取得したものとされる資産については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。

所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

※中小企業庁ホームページにおいて、中小企業投資促進税制の概要をまとめた資料、Q&Aが掲載されていますので、そちらもご参照ください。

【特別償却限度額】
特別償却限度額は、基準取得価額の30パーセント相当額の特別償却限度額を普通償却限度額に加えた金額です。

基準取得価額とは、船舶についてはその取得価額に75パーセントを乗じた金額をいい、その他の資産についてはその取得価額をいいます(以下同じです。)。

【税額控除限度額】
税額控除限度額は、基準取得価額の7パーセント相当額です。

なお、税額控除の控除上限は、この制度における税額控除および「中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度」(措法42の12の4)における税額控除の合計でその事業年度の調整前法人税額の20パーセント相当額を上限とされています。

【税額控除限度超過額の繰越し】
税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20パーセント相当額を超えるために、その事業年度において税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」といいます。)について1年間の繰越しが認められます。

【機械装置等が特定経営力向上設備等に該当する場合】
中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた中小企業者などが、平成29年4月1日から令和7年3月31日までの期間内に、生産等設備を構成する機械および装置、工具、器具および備品、建物附属設備ならびに特定のソフトウェアで中小企業等経営強化法の経営力向上設備等に該当するもののうち一定の規模のものの取得等をして、国内の対象事業の用に供した場合には、その事業の用に供した事業年度において、即時償却または7パーセント(特定の中小企業者などについては10パーセント)の税額控除ができます。

詳しくはコード5434「中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」を参照してください。

(対象者または対象物)
【適用対象法人】
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人である次の法人です。

<特別償却>
中小企業者または農業協同組合等もしくは商店街振興組合

中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。
ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。以下同じです。)または通算制度における適用除外事業者(注1)に該当するものは対象から除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1)その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (2)上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(注2)に所有されている法人
    (3)他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイおよびロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ.資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ.資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(注1)通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。

(注2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3)受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

<税額控除>
上記の<特別償却>に掲げる中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者(上記<特別償却>(注1))に該当するものを除きます。)のうち資本金の額もしくは出資金の額が3,000万円以下の法人または農業協同組合等もしくは商店街振興組合

【適用対象資産】
この制度の対象となる資産(以下「特定機械装置等」といいます。)は、その製作の後事業の用に供されたことのない(つまり新品の)次に掲げる資産(匿名組合契約その他これに類する一定の契約の目的である事業の用に供するものを除きます。)で、指定期間内に取得しまたは製作して指定事業の用に供したものです。

ただし、内航運送の用に供される船舶の貸渡しをする事業を営む法人以外の法人が貸付けの用に供する資産は、特定機械装置等には該当しません。

  1. 機械および装置(注1)で1台または1基の取得価額が160万円以上のもの
  2. 製品の品質管理の向上等に資する測定工具および検査工具で、1台または1基の取得価額が120万円以上のもの
  3. 上記2に準ずるものとして測定工具および検査工具の取得価額の合計額が120万円以上であるもの(1台または1基の取得価額が30万円未満であるものを除きます。)
  4. ソフトウェア(複写して販売するための原本、開発研究用のものまたはサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは除きます。以下同じ。)で次に掲げるいずれかのもの
    (1)一のソフトウェアの取得価額が70万円以上のもの
    (2)その事業年度において事業の用に供したソフトウェアの取得価額の合計額が70万円以上のもの
  5. 車両および運搬具のうち一定の普通自動車(注2)で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの
  6. 内航海運業の用に供される船舶(注3)

(注1)コインランドリー業(主要な事業であるものを除きます。)の用に供するもので、その管理のおおむね全部を他の者に委託するものは除かれています。

(注2)普通自動車とは、道路運送車両法施行規則別表第一に規定するものであり、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一で判定することはできません。

(注3)総トン数500トン以上の船舶は、環境への負荷の低減に資する設備の設置状況等を国土交通大臣に届け出た船舶に限られます。

【指定事業】
この制度の適用対象となる指定事業は次に掲げる事業です。

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業にあっては、生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、情報通信業、損害保険代理業、不動産業、駐車場業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)およびサービス業(他に分類されないもの)

(注)娯楽業(映画業を除きます。)は対象になりません。

また、性風俗関連特殊営業に該当する事業も対象となりません。

(対象期間)
【適用の対象となる期間(年度)】
この制度の適用対象事業年度は、指定期間内に適用対象資産の取得または製作をして指定事業の用に供した場合におけるその指定事業の用に供した日を含む事業年度です。

ただし、この事業年度であっても、解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度および清算中の各事業年度は除きます。

(手続き)
特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。(注)

また、税額控除の適用を受けるためには、控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

なお、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けるためには、繰越税額控除限度超過額が生じた事業年度以後の各事業年度の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付し、かつ、繰越税額控除限度超過額の繰越控除を受けようとする事業年度の確定申告書等に繰越控除を受ける金額を記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

(注)特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てることまたはその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。
この適用を受けるには、確定申告書等に特別償却準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載をし、その積み立てた金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

(注意事項)

  1. 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
  2. この制度による特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の税額控除の規定の重複適用は認められません。

★リンクはこちら⇒ 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

2025年4月3日


平成21年及び平成22年に取得した長期所有土地等の1,000万円特別控除

法人が、長期所有土地等を譲渡した場合には、譲渡利益金額のうち一定の金額をその譲渡の日を含む事業年度において損金の額に算入(所得の特別控除)することが認められます。

<特例の対象となる長期所有土地等>
長期所有土地等とは、法人が平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に取得をした国内にある土地または土地の上に存する権利(棚卸資産を除きます。以下「土地等」といいます。)で、その取得をした日の翌日から譲渡をした日の属する年の1月1日までの期間が5年を超えるものをいいます。ただし、次に掲げるものはこの場合の取得に含まれません。

  1. その法人と特殊の関係のある個人または法人からの取得
  2. 合併、分割、贈与、交換、出資または平成22年9月30日以前に行われた適格事後設立もしくは平成22年10月1日以後に行われる適格現物分配による取得
  3. 所有権移転外リース取引(注)または代物弁済としての取得

(注)
所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

<特例の対象となる譲渡の範囲>
この制度の対象となる譲渡には、土地等を使用させることによりその土地等の価値が著しく減少する場合(法人税法施行令第138条第1項(借地権の設定等)に該当するもの)のその使用させる行為を含みます。ただし、次に掲げるものは対象となる譲渡には含まれません。

  1. 土地収用法などの規定に基づく収用、買取り、換地処分、権利変換または買収による譲渡(租税特別措置法第64条第1項第1号から第4号までおよび第8号ならびに第65条第1項第1号および第3号から第7号までに規定するもの(同法第64条第2項または第65条第7項から第9項までの規定により収用等または換地処分等による譲渡があったものとみなされる場合におけるその譲渡を含みます。))
  2. 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除等の適用を受ける譲渡(租税特別措置法第65条の3から第65条の5までの規定の適用を受けるもの)
  3. 交換により取得した資産の圧縮記帳等の適用を受ける譲渡(法人税法第50条第1項または第5項の規定の適用を受けるもの)
  4. 適格合併、適格分割、適格現物出資または適格現物分配による土地等の移転

<損金算入限度額>
損金算入限度額は、長期所有土地等の譲渡により取得した対価の額または資産(以下「交換取得資産」といいます。)の価額がその譲渡をした長期所有土地等の帳簿価額とその譲渡に要した経費のうち一定のものとの合計額を超える場合における、その超える部分の金額と1,000万円とのいずれか低い金額です。

また、交換取得資産の価額は、その価額がその譲渡をした長期所有土地等の価額を超える場合において、その差額に相当する金額をその譲渡に際して支出したときは、その差額に相当する金額を控除した金額です。

<適用除外>
法人が、長期所有土地等の譲渡をした日の属する事業年度のうち同一の年に属する期間中に、その譲渡をした土地等のいずれかについて、特定資産の買換えの場合の圧縮記帳等の規定(租税特別措置法第65条の7から第65条の9までまたは第66条)の適用を受けた場合には、この制度の適用を受けることができません。

また、清算中の法人もこの制度の適用を受けることができません。

<手続き>
この制度の適用を受けるためには、確定申告書等に損金の額に算入される金額を記載するとともに、その確定申告書等にその損金の額に算入される金額の計算に関する明細書(別表10(5))を添付することが必要です。

★リンクはこちら⇒ 平成21年及び平成22年に取得した長期所有土地等の1,000万円特別控除

2025年3月27日


法人税の額から控除される特別控除額の特例

<法人税の額から控除される特別控除額の特例繰越>
法人が一の事業年度において、租税特別措置法における特別税額控除制度のうち複数の規定の適用を受けようとする場合において、その適用を受けようとする規定による税額控除可能額の合計額がその法人のその事業年度の調整前法人税額の90パーセント相当額を超える場合には、その超える部分の金額(以下「調整前法人税額超過額」といいます。)は、その法人のその事業年度の調整前法人税額から控除することができません。

なお、調整前法人税額超過額を構成する金額のうち、次の税額控除制度によるものに限っては、その構成することとされた部分の金額は、次のそれぞれの税額控除制度による控除をしても控除をしきれなかった金額として、繰越税額控除に関する規定を適用する(つまり、次のそれぞれの税額控除制度の繰越税額控除限度超過額として翌期以降に繰越控除することができる。)こととされています。

  1. 中小企業者等が機械等を取得した場合の税額控除制度(措法42の6)
  2. 沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の税額控除制度(措法42の9)
  3. 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の税額控除制度(措法42の12の4)
  4. 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等における賃上げ促進税制)(措法42の12の5)
  5. 戦略分野国内生産促進税制(措法42の12の7)

<調整前法人税額超過額の意義>
法人が一の事業年度において適用を受けようとする特別税額控除制度の税額控除可能額の合計額のうち、その法人のその事業年度の調整前法人税額の90パーセント相当額を超える部分の金額が調整前法人税額超過額になります。この調整前法人税額超過額は各種特別税額控除制度による控除可能期間が最も長いものから順次成ることとされています。

<適用を受けるための要件>
上記の「法人税の額から控除される特別控除額の特例繰越」の繰越税額控除の適用を受けるためには調整前法人税額超過額が生じた事業年度以後の各事業年度の確定申告書に調整前法人税額超過額の明細書の添付をし、また、繰越控除の適用を受ける事業年度の確定申告書等に控除の対象となる調整前法人税額超過額、控除を受ける金額を記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

★リンクはこちら⇒ 法人税の額から控除される特別控除額の特例

2025年3月26日


措置法上の中小法人及び中小企業者

令和6年4月1日以後に開始する事業年度において、措置法における各制度の中小法人および中小企業者の範囲については、次のとおりです。

<中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人>
中小企業者等の法人税率の特例制度の適用対象となる一定の普通法人(以下「中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人」において「中小法人」といいます。)は、普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるものまたは資本もしくは出資を有しないもので、各事業年度終了の時において次の1から7までに掲げる法人に該当するものを除いたものです。ただし、中小法人のうち適用除外事業者(注1)または通算制度における適用除外事業者(注2)に該当するものについては、適用対象から除かれます。

  1. 相互会社
  2. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下「中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人」において同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社
    (3)受託法人
  3. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記2に掲げる法人を除きます。)
  4. 投資法人
  5. 特定目的会社
  6. 受託法人
  7. 大通算法人(注3)

(注1)
適用除外事業者とは、基準年度(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度をいいます。以下同じです。)の所得金額の合計額を各基準年度の月数の合計数で除し、これに12を乗じて計算した金額(設立後3年を経過していないことなどの一定の事由がある場合には、一定の調整を加えた金額)が15億円を超える法人をいいます。

(注2)
通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」を参照してください。

(注3)
大通算法人とは、通算グループ内のいずれかの法人が、その各事業年度終了の時における資本金の額もしくは出資金の額が1億円を超える法人に該当する場合またはその各事業年度終了の時において上記1から3もしくは6に掲げる法人に該当する場合におけるその通算グループ内の普通法人をいいます。

<研究開発税制に規定する中小企業者(措法42の4⑲七、措令27の4⑰)>
中小企業者の範囲が同じである主な制度については、次のとおりです。

  • 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(措法42の6①②)
  • 地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(措法42の11の3①②、措令27の11の3)
  • 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(措法42の12の4①②)
  • 給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度(措法42の12の5③)
  • 法人税の額から控除される特別控除額の特例(特定税額控除制度の不適用措置)(措法42の13⑤)
  • 被災代替資産等の特別償却制度(措法43の2①②)
  • 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度(措法44の2①)
  • 中小企業事業再編投資損失準備金のうち経営力向上計画に係る措置(措法56①一)
  • 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(措法67の5①)

中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。

ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(注1)または通算制度における適用除外事業者(注2)に該当するものは対象から除かれます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
    (1)その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下「研究開発税制に規定する中小企業者(措法42の4⑲七、措令27の4⑰)」において同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(注3)に所有されている法人
    (2)上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(注3)に所有されている法人
    (3)他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイおよびロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算法人
    イ 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
    ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)

(注1)
適用除外事業者とは、上記「中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人」(注1)の適用除外事業者と同じです。

(注2)
通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」を参照してください。

(注3)
大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

  1. 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  2. 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
  3. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下「研究開発税制に規定する中小企業者(措法42の4⑲七、措令27の4⑰)」において同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
    (3)受託法人
  4. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)

<中小企業者等の貸倒引当金の特例(措法57の9①)の中小法人>
中小企業者等の貸倒引当金の特例における中小法人(以下「中小企業者等の貸倒引当金の特例(措法57の9①)の中小法人」において「中小法人」といいます。)は、普通法人(投資法人および特定目的会社を除きます。)のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの(次の1から4までに掲げる法人を除きます。)または資本もしくは出資を有しないもの(次の3および4に掲げる法人を除きます。)です。ただし、中小法人のうち適用除外事業者(注1)または通算制度における適用除外事業者(注2)に該当するものは、適用対象から除かれます。

  1. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下「中小企業者等の貸倒引当金の特例(措法57の9①)の中小法人」において同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社
    (3)受託法人
  2. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記1に掲げる法人を除きます。)
  3. 大通算法人(注3)
  4. 相互会社及び外国相互会社

(注1)
適用除外事業者とは、上記「中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人」(注1)の適用除外事業者と同じです。

(注2)
通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」を参照してください。

(注3)
大通算法人とは、上記「中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人」(注3)の大通算法人と同じです。

<交際費等の損金不算入制度の中小特例(措法61の4②)の中小法人>
本制度のうち、損金算入限度額の中小特例(措法61の4②)の適用対象となる普通法人(以下「交際費等の損金不算入制度の中小特例(措法61の4②)の中小法人」において「中小法人」といいます。)は、法人(投資法人、特定目的会社および受託法人を除きます。)のうち、各事業年度終了の日において資本金の額または出資金の額(資本または出資を有しない法人については、一定の計算をした金額)が1億円以下であるものをいいます。

ただし、各事業年度終了の日において次の1から3に掲げる法人に該当するものについては、中小法人から除かれます。

  1. 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下「交際費等の損金不算入制度の中小特例(措法61の4②)の中小法人」において同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社
    (3)受託法人
  2. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記1に掲げる法人を除きます。)
  3. 通算法人の事業年度終了の日においてその通算法人との間に通算完全支配関係があるほかの通算法人のうちいずれかの法人が次の(1)および(2)に掲げる法人または受託法人である場合におけるその通算法人
    (1)資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
    (2)上記1および2に掲げる法人

<中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度(措法66の12①)の中小法人>
本制度の対象とならない普通法人は、普通法人(投資法人、特定目的会社および受託法人を除きます。)のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの(各事業年度終了の時において次の1から3までに掲げる法人を除きます。)または資本もしくは出資を有しないもの(次の3および4に掲げる法人を除きます。)です。

  1. 1大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下「中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度(措法66の12①)の中小法人」において同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
    (1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
    (2)相互会社および外国相互会社
    (3)受託法人
  2. 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記1に掲げる法人を除きます。)
  3. 大通算法人(注)
  4. 相互会社および外国相互会社

(注)
大通算法人とは、上記「中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2①)の中小法人」(注3)の大通算法人と同じです。

★リンクはこちら⇒ 措置法上の中小法人及び中小企業者

2025年3月21日


定期付養老保険等の保険料の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする定期付養老保険等に加入して支払った保険料は、次のとおり取り扱われます。

なお、定期付養老保険等とは、養老保険に定期保険または第三分野保険を付したものをいいます。

<保険料が生命保険証券などにおいて養老保険の保険料と定期保険または第三分野保険の保険料とに区分されている場合>
1.養老保険の保険料について(「No.5363 養老保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)」によります。)
(1)死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、保険事故の発生または保険契約の解除もしくは失効によりその保険契約が終了する時まで損金の額に算入されず、資産に計上する必要があります。

(2)死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

(3)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額の2分の1は上記1(1)により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はその役員または使用人に対する給与となります。
なお、給与と認定された保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

2.定期保険または第三分野保険の保険料について
(1)その保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合(「No.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)」によります。)
イ.保険金また給付金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、原則として、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ロ.保険金または給付金の受取人が被保険者またはその遺族である場合
その支払った保険料の額は、原則として、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その保険料の額はその役員または使用人に対する給与となります。

なお、給与と認定された保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

(2)その保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合(「No.5364-2 定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)」によります。)
原則として、以下のとおり、支払保険料のうち最高解約返戻率の区分に応じて計算される一定額を一定期間資産に計上し、その資産計上額は所定の期間経過後に取り崩して損金の額に算入することとなります。

ただし、保険金または給付金の受取人が被保険者またはその遺族である場合であって、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としているときには、その支払った保険料の額は、その役員又は使用人に対する給与となります。

なお、給与と認定された保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。
イ.その事業年度に次表の資産計上期間がある場合には、当期分支払保険料の額のうち、次表の資産計上額の欄に掲げる金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。

ロ.その事業年度に次表の資産計上期間および取崩期間のいずれもない場合には、当期分支払保険料の額は損金の額に算入します。

ハ.その事業年度に次表の取崩期間がある場合には、当期分支払保険料の額を損金の額に算入するとともに、上記イにより資産に計上した金額の累積額を取崩期間の経過に応じて均等に取り崩した金額のうち、その事業年度に対応する金額を損金の額に算入します。

区分 資産計上期間 資産計上額 取崩期間
最高解約返戻率50%超70%以下 保険期間の開始の日から当該保険期間の100分の40相当期間を経過する日まで 当期分支払保険料の額に100分の40を乗じて計算した金額 保険期間の100分の75相当期間の経過後から、保険期間の終了の日まで
最高解約返戻率70%超85%以下 当期分支払保険料の額に100分の60を乗じて計算した金額
最高解約返戻率85%超 保険期間開始の日から最高解約返戻率となる期間(その期間経過後の各期間において、その期間における解約返戻金相当額からその直前の期間における解約返戻金相当額を控除した金額を年換算保険料相当額で除した割合が100分の70を超える期間がある場合には、その超えることとなる期間)の終了の日まで
(注)上記の資産計上期間が5年未満となる場合には、保険期間開始の日から5年を経過する日まで(保険期間が10年未満の場合には、保険期間開始の日からその保険期間の100分の50相当期間を経過する日まで)とする。
当期分支払保険料の額に最高解約返戻率の100分の70(保険期間の開始の日から10年を経過する日までは100分の90)を乗じて計算した金額 解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間(左記資産計上期間の欄の(注)に該当する場合には、当該(注)による資産計上期間)経過後から保険期間終了の日まで

<保険料が定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されていない場合>
支払った保険料の全額を養老保険の保険料とみなして、上記の「保険料が生命保険証券などにおいて養老保険の保険料と定期保険または第三分野保険の保険料とに区分されている場合」の(1)により取り扱います。

<特約の保険料>
特約に係る保険料の支払いがある場合には、その特約の内容に応じて養老保険または定期保険および第三分野保険の取扱いによることになります。

★リンクはこちら⇒ 定期付養老保険等の保険料の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

2025年3月18日


定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険または第三分野保険で最高解約返戻率が50パーセントを超えるものに加入して支払った保険料は、原則として、支払保険料のうち最高解約返戻率の区分に応じて計算される一定額を一定期間資産に計上し、その資産計上額は所定の期間経過後に取り崩して損金の額に算入することとなります。

なお、定期保険とは、一定期間内に被保険者が死亡した場合にのみ保険金が支払われる生命保険をいい、養老保険のように生存保険金の支払はありません。

また、第三分野保険とは、保険業法第3条第4項第2号に掲げる保険(これに類するものを含み、例えば、被保険者が病気や怪我等の一定の事由に該当した場合に保険金または給付金が支払われる保険)をいいます。

<保険料の取扱い>

  1. その事業年度に次表の資産計上期間がある場合には、当期分支払保険料の額のうち、次表の資産計上額の欄に掲げる金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。
  2. その事業年度に次表の資産計上期間および取崩期間のいずれもない場合には、当期分支払保険料の額は損金の額に算入します。
  3. その事業年度に次表の取崩期間がある場合には、当期分支払保険料の額を損金の額に算入するとともに、(1)により資産に計上した金額の累積額を取崩期間の経過に応じて均等に取り崩した金額のうち、その事業年度に対応する金額を損金の額に算入します。
区分 資産計上期間 資産計上額 取崩期間
最高解約返戻率50%超70%以下 保険期間の開始の日からその保険期間の100分の40相当期間を経過する日まで 当期分支払保険料の額に100分の40を乗じて計算した金額 保険期間の100分の75相当期間の経過後から、保険期間の終了の日まで
最高解約返戻率70%超85%以下 当期分支払保険料の額に100分の60を乗じて計算した金額
最高解約返戻率85%超 保険期間開始の日から最高解約返戻率となる期間(その期間経過後の各期間において、その期間における解約返戻金相当額からその直前の期間における解約返戻金相当額を控除した金額を年換算保険料相当額で除した割合が100分の70を超える期間がある場合には、その超えることとなる期間)の終了の日まで
(注)
上記の資産計上期間が5年未満となる場合には、保険期間開始の日から5年を経過する日まで(保険期間が10年未満の場合には、保険期間開始の日からその保険期間の100分の50相当期間を経過する日まで)とします。
当期分支払保険料の額に最高解約返戻率の100分の70(保険期間の開始の日から10年を経過する日までは100分の90)を乗じて計算した金額 解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間(左記の資産計上期間の欄の(注)に該当する場合には、当該(注)による資産計上期間)経過後から保険期間終了の日まで
注1 保険期間が3年以上の定期保険または第三分野保険で最高解約返戻率が50パーセントを超えるものであっても、最高解約返戻率が70パーセント以下で、かつ、年換算保険料相当額(年換算保険料相当額とは、その保険の保険料の総額を保険期間の年数で除した金額をいいます。)が一の被保険者につき合計30万円以下の保険に係る保険料を支払った場合については、相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合の取扱い(No.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分))によります。
注2 最高解約返戻率とは、その保険の保険期間を通じて解約返戻率が最も高い割合となる期間におけるその割合をいいます。
注3 当期分支払保険料の額とは、その支払った保険料の額のうちその事業年度に対応する部分の金額をいいます。
注4 保険期間が終身である第三分野保険については、保険期間の開始の日から被保険者の年齢が116歳に達する日までを計算上の保険期間とします。
注5 上記表の資産計上期間の欄の「最高解約返戻率となる期間」及び「100分の70を超える期間」並びに取崩期間の欄の「解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間」が複数ある場合には、いずれもその最も遅い期間がそれぞれの期間となります。
注6 特約に係る保険料の支払いがある場合は、その特約の内容に応じて養老保険または定期保険および第三分野保険の保険料の取扱いによることになります。
注7 保険金または給付金の受取人が被保険者またはその遺族である場合であって、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としているときは、その支払った保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。
注8 役員に対する給与とされる保険料の額で、法人が経常的に負担するものは、その役員が受ける経済的利益の額が毎月おおむね一定であるので、定期同額給与となります。

★リンクはこちら⇒ 定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

2025年3月14日


外国子会社合算税制の適用において法人税法第12条第1項の規定が適用されるとした事例

  • ①令和2年1月1日から令和2年12月31日までの連結事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②令和2年1月1日から令和2年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ①②一部取消し
  • 令和6年3月14日裁決

<ポイント>
本事例は、外国私法により成立した法律関係が信託に該当し、外国子会社合算税制の適用において法人税法第12条第1項の規定が適用されることから、特定外国関係会社の基準所得金額の計算上、信託財産たる株式に係る配当に相当する金額は、子会社から受ける配当等の額として控除されると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、オランダ王国で設立された財団が株式(本件株式)と引き換えにデポジタリー・レシートを発行する契約(本件発行契約)により成立した法律関係は、法人税法(令和2年法律第8号による改正前のもの)第12条《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》第1項に規定する信託に該当せず、また、外国子会社合算税制における基準所得金額の計算において、同項の規定は適用されないから、本件株式に係る配当(本件配当)に相当する金額は、租税特別措置法施行令(令和2年政令第207号による改正前のもの)第39条の115第1項第4号に規定する子会社から受ける配当等の額に該当せず、請求人の特定外国関係会社(本件h法人1)の基準所得金額の計算上控除することはできない旨主張する。

しかしながら、本件発行契約等における合意のうち我が国の信託法第3条《信託の方法》第1号に規定する内容に当てはまる部分については、我が国の信託法上の信託契約に相当し、本件発行契約等により成立した法律関係は、法人税法第12条第1項に規定する信託に該当するものと認められる。

また、外国子会社合算税制における基準所得金額を計算する場合においても、法人税法第12条第1項本文の規定の適用により、同項本文に規定する信託の受益者が当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされると解される。

したがって、本件h法人1は、同項本文の規定により、信託財産に属する資産である本件株式を有するものとみなされ、かつ、本件配当は受益者である本件h法人1の収益とみなされるから、本件h法人1の基準所得金額の計算上、本件配当に相当する金額は、租税特別措置法施行令第39条の115第1項第4号に規定する子会社から受ける配当等の額に該当し、控除される。

★リンクはこちら⇒ 外国子会社合算税制の適用において法人税法第12条第1項の規定が適用されるとした事例

2025年2月25日


保険金を支払通知日の属する事業年度の収益に計上した請求人の会計処理を正当と判断した事例

  • ①令和3年1月1日から令和3年12月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②令和3年1月1日から令和3年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ①②全部取消し
  • 令和6年2月26日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の前代表者を被保険者とした生命保険契約に係る保険金の額について、当該保険金の支払通知日の属する事業年度の雑収入に計上した請求人の会計処理は、取引の経済的実態からみて合理的な収益計上の基準に即したものであるから、法人税法上も正当なものとして是認すべきと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の前代表者を被保険者とした生命保険契約において、前代表者の死因は当該保険契約に係る保険金の支払事由に該当するとともに、免責事由のいずれにも該当しないことからすると、請求人は、前代表者の死亡日において、当該保険金に係る保険金請求権の実現可能性を客観的に認識でき、その行使が可能となったといえるから、請求人が受領した死亡保険金(本件保険金)の額は、前代表者の死亡日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、本件保険金は、保険会社の確認調査等の結果次第では支払われないこともあり得たこと、請求人が恣意的に本件保険金の額の収益計上時期を繰り延べようと企図した事実は認められないことを踏まえれば、本件保険金の額を支払通知日の属する事業年度の雑収入に計上した請求人の会計処理は、取引の経済的実態からみて合理的な収益計上の基準に則したものであり、法人税法上も正当なものとして是認すべきと認められる。

★リンクはこちら⇒ 保険金を支払通知日の属する事業年度の収益に計上した請求人の会計処理を正当と判断した事例

2025年2月21日


定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする定期保険または第三分野保険(相当多額の前払部分の保険料が含まれるものを除きます。)に加入して支払った保険料は、保険金または給付金の受取人に応じて次のとおり取り扱われます。

なお、定期保険とは、一定期間内に被保険者が死亡した場合にのみ保険金が支払われる生命保険をいい、養老保険のように生存保険金の支払はありません。

また、第三分野保険とは、保険業法第3条第4項第2号に掲げる保険(これに類するものを含み、例えば、被保険者が病気や怪我等の一定の事由に該当した場合に保険金または給付金が支払われる保険)をいいます。

<保険料の取扱い>
1.保険金または給付金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、原則として、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

2.保険金または給付金の受取人が被保険者またはその遺族である場合
その支払った保険料の額は、原則として、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その保険料の額はその役員または使用人に対する給与となります。

なお、給与と認定された保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

(注1)
「相当多額の前払部分の保険料が含まれるもの」とは、保険期間が3年以上の定期保険または第三分野保険のうち最高解約返戻率が50パーセントを超えるものをいいます。

ただし、これらの保険のうち、最高解約返戻率が70パーセント以下で、かつ、年換算保険料相当額が一の被保険者につき合計30万円以下の保険に係る保険料を支払った場合については、上記1および2により取り扱います。なお、(注3)の取扱いの対象とはなりません。

(注2)
保険期間が終身である第三分野保険については、保険期間の開始の日から被保険者の年齢が116歳に達する日までを計算上の保険期間とします。

(注3)
法人が令和元年10月8日以後に、保険期間を通じて解約返戻金相当額のない定期保険または第三分野保険(ごく少額の払戻金のある契約を含み、保険料の払込期間が保険期間より短いものに限ります。)に加入した場合において、一の被保険者につきその事業年度に支払った保険料の額が合計30万円以下であるものについて、その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときには、その処理が認められます。

(注4)
特約に係る保険料の支払いがある場合は、その特約の内容に応じて養老保険または定期保険および第三分野保険の保険料の取扱いによることになります。

(注5)
役員に対する給与とされる保険料の額で、法人が経常的に負担するものは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるので、定期同額給与となります。

★リンクはこちら⇒ 定期保険及び第三分野保険の保険料(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合)の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

2025年2月13日


養老保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする養老保険に加入して支払った保険料は、保険金の受取人に応じて次のとおり取り扱われます。

なお、養老保険とは、満期または被保険者の死亡によって保険金が支払われる生命保険です。

<保険料の取扱い>
1.死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、保険事故の発生または保険契約の解除もしくは失効によりその保険契約が終了する時まで損金の額に算入されず、資産に計上する必要があります。

2.死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

なお、給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

3.死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額のうち、その2分の1に相当する金額は上記1により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はそれぞれその役員または使用人に対する給与になります(給与とされた保険料の取扱いについては上記2と同様となります。)。

(注1)
特約に係る保険料の支払いがある場合は、その特約の内容に応じて養老保険または定期保険および第三分野保険の保険料の取扱いによることになります。

(注2)
役員に対する給与とされる保険料の額で法人が経常的に負担するものは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるので、定期同額給与となります。

★リンクはこちら⇒ 養老保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)

2025年2月10日


定期付養老保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日前契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする定期付養老保険に加入して支払った保険料は、次のとおり取り扱われます。

なお、定期付養老保険とは、養老保険に定期保険を付加したものをいいます。

<保険料が生命保険証券などにおいて定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されている場合>
1.養老保険の保険料について
(1)死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、保険事故の発生または保険契約の解除もしくは失効によりその保険契約が終了する時までは、損金の額に算入されず資産に計上します。

(2)死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

(3)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額の2分の1は上記1(1)により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はその役員または使用人に対する給与となります。

2.定期保険の保険料について
(1)死亡保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。

(2)死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合
その支払った保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その保険料の額はその役員または使用人に対する給与となります。

<保険料が定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されていない場合>
支払った保険料の全額を養老保険の保険料とみなして、上記の「保険料が生命保険証券などにおいて定期保険の保険料と養老保険の保険料とに区分されている場合」の1により取り扱います。

<傷害特約などの保険料>
傷害特約などの特約を付した定期付養老保険などの保険料については、その支払った特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

(注1)
給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

(注2)
役員に対する給与とされる保険料の額で、法人が経常的に負担するものは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるので、定期同額給与となります。

★リンクはこちら⇒ 定期付養老保険保険料の取扱い(令和元年7月8日前契約分)

2025年2月5日


定期保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日前契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする定期保険に加入して支払った保険料は、保険金の受取人に応じて次のとおり取り扱われます。

なお、定期保険とは、一定期間内に被保険者が死亡した場合にのみ保険金が支払われる生命保険をいい、養老保険のように生存保険金の支払はありません。

<保険料の取扱い>
1.死亡保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

2.死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合
その支払った保険料の額は、期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その保険料の額はその役員または使用人に対する給与となります。

(注1)
傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

(注2)
給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

(注3)
役員に対する給与とされる保険料の額で、法人が経常的に負担するものは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるので、定期同額給与となります。

★リンクはこちら⇒ 定期保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日前契約分)

2025年1月30日


中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産(以下「少額減価償却資産」といいます。)を平成18年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

<対象者または対象物>
●適用対象法人●
この特例の対象となる法人は、中小企業者(注1)または農業協同組合等で、青色申告書を提出するもの(通算法人を除きます。)のうち、常時使用する従業員の数が500人以下(特定法人(注2)については、300人以下が対象です。)の法人(以下「中小企業者等」といいます。)に限られます。

また、法人が中小企業者等に該当するかどうかの判定(適用除外事業者に該当するかどうかの判定を除きます。)は、原則として、少額減価償却資産の取得などをした日および少額減価償却資産を事業の用に供した日の現況によるものとされます。

ただし、事業年度終了の日において常時使用する従業員の数が500人以下の法人(特定法人については、常時使用する従業員の数が300人以下)が、その事業年度の中小企業者等に該当する期間において取得などして事業の用に供した少額減価償却資産については、この制度の適用を受けることができます。

なお、令和2年3月31日までの取得などについては、中小企業者または農業協同組合で、青色申告書を提出する法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人が、この特例の対象となります。

(注1)
中小企業者については、コード5432「措置法上の中小法人及び中小企業者」を参照してください。

(注2)
特定法人とは、次の1から5までに掲げる法人をいいます。

1 その事業年度開始の時における資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
2 通算法人(1に掲げる法人を除きます。)
3 保険業法に規定する相互会社(1に掲げる法人を除きます。)
4 投資法人(1に掲げる法人を除きます。)
5 特定目的会社(1に掲げる法人を除きます。)

●適用対象資産●
この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産です。

ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じたときは、これを1か月とします。以下同じです。)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

なお、令和4年4月1日以後に取得などする場合は、少額減価償却資産から貸付け(主要な事業として行われるものは除きます。)の用に供したものが除かれます。

<手続き>
この特例の適用を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付して申告することが必要です。

<注意事項>

1 この特例の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳と重複適用はできません。
また、取得価額が10万円未満のものまたは一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについてもこの特例の適用はありません。
2 この特例は、取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用がありますので、器具および備品、機械・装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となり、また、所有権移転外リース取引に係る賃借人が取得したとされる資産や、中古資産であっても対象となります。

(注)
所有権移転外リース取引については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

★リンクはこちら⇒ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

2025年1月24日


少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示

法人が取得した少額の減価償却資産については、その法人がこの減価償却資産を事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理した場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます。

<少額の減価償却資産>
少額の減価償却資産とは、次のいずれかに該当するものです。

1.使用可能期間が1年未満のもの
この場合の「使用可能期間が1年未満のもの」とは、法定耐用年数でみるのではなく、その法人の営む業種において一般的に消耗性のものと認識され、かつ、その法人の平均的な使用状況、補充状況などからみて、その使用可能期間が1年未満であるものをいいます。

例えば、テレビ放映用のコマーシャルフィルムは、通常、減価償却資産として資産計上し、法定耐用年数2年で減価償却しますが、テレビ放映期間は1年未満であることが一般的です。したがって、テレビ放映の期間が1年未満のものは、「使用可能期間が1年未満のもの」に該当します。

2.取得価額が10万円未満のもの
この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。

例えば、応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。

また、カーテンの場合は、1枚で機能するものではなく、一つの部屋で数枚が組み合わされて機能するものですから、部屋ごとにその合計額が10万円未満になるかどうかを判定します。

なお、令和4年4月1日以後に取得などをして、貸付け(主要な事業として行われるものは除かれます。)の用に供したものは除かれます。

(注1)
取得価額が20万円未満の減価償却資産(令和4年4月1日以後に取得などをして、貸付け(主要な事業として行われるものは除かれます。)の用に供したものは除かれます。)については、各事業年度ごとに、その全部または一部を一括したものの取得価額の合計額を3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。

(注2)
少額の減価償却資産は、事業の用に供した事業年度においてその取得価額の全額を損金経理している場合に、損金の額に算入することができます。

したがって、いったん資産に計上したものをその後の事業年度で一時に損金経理をしても損金の額に算入することはできませんのでご注意ください。

(注3)
中小企業者等の少額減価償却資産(取得価額30万円未満のもの)の取得価額の損金算入の特例制度については、コード5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を参照してください。

★リンクはこちら⇒ 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示

2025年1月20日


宅地開発等に際して支出する開発負担金等

法人が固定資産として使用する土地、建物等の造成や建築等の許可を受けるために地方公共団体に対して支出した開発負担金等の額は、その負担金等の性質に応じて次のとおり取り扱います。
<開発負担金等の取扱い>
1.直接土地の効用を形成すると認められる施設の負担金等の額は、その土地の取得価額に算入します。
例えば、団地内の道路、公園や緑地、公道との取付道路、流下水路を含む雨水調整池などの負担金等がこれに当たります。
2.その施設自体が独立した効用を形成し、法人の便益に直接寄与すると認められる施設の負担金等の額は、それぞれの施設の性質に応じて無形減価償却資産の取得価額または繰延資産とします。
例えば、上下水道や工業用水道の負担金等の額については、無形減価償却資産の水道施設利用権または工業用水道施設利用権の取得価額となり、その償却期間は15年です。また、取付道路を除く団地近辺の道路などの負担金等の額は、繰延資産となり、その償却期間はその施設の耐用年数の10分の7に相当する年数(1年未満の端数は切り捨てます。)になります。
3.主として団地の周辺住民などとの関係を調整するために整備される施設の負担金等の額は、繰延資産となり、その償却期間は8年とされています。
例えば、団地の周辺などに設置されるいわゆる緩衝緑地、文教福祉施設、環境衛生施設、消防施設等の負担金等がこれに当たります。

★リンクはこちら⇒ 宅地開発等に際して支出する開発負担金等

2025年1月16日


土地とともに取得した建物を取り壊した場合の土地の取得価額

法人が建物の敷地を建物とともに取得した場合または自社の土地の上にある借地人の建物を取得した場合で、その取得後おおむね1年以内にその建物の取壊しに着手するなど、初めからその建物を取り壊して土地を利用する目的であることが明らかな場合には、その建物の取壊しのときの帳簿価額と取壊費用の合計額(廃材の処分によって得た金額があるときは、それを控除した金額)は、その土地の取得価額に算入することとされています。

しかし、初めは建物を事業に使用する目的で取得したが、その後やむを得ない理由が生じたことにより、その使用をあきらめなければならないような場合には、その取得後おおむね1年以内にその建物を取り壊したときであっても、その建物の帳簿価額と取壊費用の合計額は、土地の取得価額に含めないで、取り壊したときの損金の額に算入することができます。

★リンクはこちら⇒ 土地とともに取得した建物を取り壊した場合の土地の取得価額

2025年1月14日


事業の用に供した日

減価償却資産とは、法人税法施行令第13条に掲げるもので、事業の用に供しているものをいいますが、資産を事業の用に供したか否かは、業種・業態・その資産の構成および使用の状況を総合的に勘案して判断することになります。

「事業の用に供した日」とは、一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいいますので、例えば、機械等を購入した場合は、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となります。

なお、事業の用に供した日とは、資産を物理的に使用し始めた日のみをいうのではなく、例えば、賃貸マンションの場合には、建物が完成し、現実の入居がなかった場合でも、入居募集を始めていれば、事業の用に供したものと考えられます。

★リンクはこちら⇒ 事業の用に供した日

2025年1月8日


租税特別措置法関係通達(法人税編)の一部改正について(法令解釈通達)(課法2-26 課審6-7 令和6年10月11日)

昭和50年2月14日付直法2-2「租税特別措置法関係通達(法人税編)の制定について」(法令解釈通達)の一部を別紙のとおり改正したから、これによられたい。

(注)アンダーラインを付した箇所が改正した箇所である。

★リンクはこちら⇒ 租税特別措置法関係通達(法人税編)の一部改正について(法令解釈通達)(課法2-26 課審6-7 令和6年10月11日)

2024年12月26日


令和6年8月5日付課法2-21ほか2課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

第1 法人税基本通達関係
1 定義
【新設】18-1-7の2(総収入金額の円換算)
【新設】18-1-40の2(本店配賦経費がある場合の恒久的施設等の作成されることとなる個別財務諸表)
【新設】18-1-46の2(直接又は間接保有の持分)
【新設】18-1-46の3(会社等の持分)
【新設】18-1-46の4(割引率として合理的と認められるもの)
【新設】18-1-80の2(利益の配当に係る被配分当期対象租税額等に含まれないものの額)
【新設】18-1-80の3(導管会社等に対する持分を有することにより受けることができると見込まれる収益の額)

2 国際最低課税額
【新設】18-2-1の2(構成会社等の所在地国における勤務割合が50%を超える場合の特定費用の額)
【新設】18-2-1の3(特定費用の額又は特定資産の額に係る取扱い)
【新設】18-2-2の2(構成会社等の所在地国における所在割合が50%を超える場合の特定資産の額)
【新設】18-2-8の2(所在地国等財務諸表が作成されていない場合)

3 その他
【新設】18-3-1(課税標準国際最低課税額の円換算)

第2 「法人税基本通達の一部改正について」通達関係
経過的取扱い
【新設】(経過的取扱い(3)…特定会計処理に準ずる会計処理)
【新設】(経過的取扱い(4)…収入金額及び税引前当期利益の額の円換算)
【新設】(経過的取扱い(5)…その他これに準ずる金額の例示)

★リンクはこちら⇒ 令和6年8月5日付課法2-21ほか2課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

2024年12月23日


令和6年版法人税のあらましと申告の手引

法人税・地方法人税に関する基本的事項を「法人税のあらましと申告の手引」に、法人税・地方法人税申告書の別表を作成する際の留意事項を「申告書作成上の留意点」に、中小企業者の判定方法を「中小企業者の判定等フロー」にそれぞれまとめましたので、ご活用ください。

各別表の記載の仕方については、各別表様式の記載要領のほか、この手引の「申告書作成上の留意点」を参照してください。

★令和6年版法人税のあらましと申告の手引はこちら⇒ 令和6年版法人税のあらましと申告の手引

★令和6年版申告書作成上の留意点はこちら⇒ 令和6年版申告書作成上の留意点

★令和6年版中小企業者の判定等フロー⇒ 令和6年版中小企業者の判定等フロー

2024年12月16日


令和6年6月21日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

この趣旨説明は、令和6年6月21日現在の法令に基づいて作成している。

目次

<第1 法人税基本通達関係>
1.組織再編成
【新設】1-4-12(工業所有権等の意義)
【改正】1-4-13(内部取引その他これに準ずるものの例示)

2.有価証券等の譲渡損益、時価評価損益等
【新設】2-3-67の5(棚卸資産の評価方法の選定等に係る取扱いの準用)

<第2 租税特別措置法関係通達(法人税編)関係>
1.第42条の11の3《地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》関係
【新設】42の11の3-4(取得価額の合計額が80億円を超えるかどうかの判定)
【新設】42の11の3-5(2以上の事業年度において事業の用に供した場合の取得価額の計算)

2.第42条の12の5《給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》関係
【改正】42の12の5-1の3(中小企業者であるかどうかの判定の時期)
【改正】42の12の5-2(補塡額の範囲)
【改正】42の12の5-5(被合併法人等が有する繰越税額控除限度超過額)

3.第42条の12の7《事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》関係
【新設】42の12の7-4(中小企業者であるかどうかの判定の時期)

4.第46条《輸出事業用資産の割増償却》関係
【新設】46-2(開発研究の意義)

5.第66条の2《株式等を対価とする株式の譲渡に係る所得の計算の特例》関係
【新設】66の2-4(本制度の適用対象から除外されない同族会社の範囲)

6.経過的取扱い
【新設】(経過的取扱い(2)…補塡額の範囲に関する改正通達の適用時期の取扱い)

★リンクはこちら⇒ 令和6年6月21日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

2024年12月12日


減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用

購入した減価償却資産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。

また、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。

ただし、次に掲げるような費用については、減価償却資産の取得に関連して支出した費用であっても、取得価額に算入しないことができます。

<取得価額に含めないことができる付随費用>

1 次のような租税公課等
(1)不動産取得税または自動車取得税
(2)新増設に係る事業所税
(3)登録免許税その他登記または登録のために要する費用
2 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用
3 いったん結んだ減価償却資産の取得に関する契約を解除して、他の減価償却資産を取得することにした場合に支出する違約金
4 減価償却資産を取得するための借入金の利子(使用を開始するまでの期間に係る部分)
(注)使用を開始した後の期間に係る借入金の利子は、期間の経過に応じて損金の額に算入します。
5 割賦販売契約などによって購入した減価償却資産の取得価額のうち、契約において購入代価と割賦期間分の利息や売手側の代金回収のための費用等が明らかに区分されている場合のその利息や費用

★リンクはこちら⇒ 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用

2024年12月10日


養老保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日前契約分)

法人が契約者となり、役員または使用人を被保険者とする養老保険に加入して支払った保険料は、保険金の受取人に応じて次のとおり取り扱われます。

なお、養老保険とは、満期または被保険者の死亡によって保険金が支払われる生命保険です。

<保険料の取扱い>
1.死亡保険金および生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額は、保険事故の発生または保険契約の解除もしくは失効によりその保険契約が終了する時まで損金の額に算入されず、資産に計上する必要があります。

2.死亡保険金および生存保険金の受取人が被保険者またはその遺族の場合
その支払った保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

なお、給与とされた保険料は、その役員または使用人の生命保険料控除の対象となります。

3.死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合
その支払った保険料の額のうち、その2分の1に相当する金額は上記1により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はそれぞれその役員または使用人に対する給与になります(給与とされた保険料の取扱いについては上記2と同様となります。)。

(注1)
傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料の額を期間の経過に応じて損金の額に算入することができます。ただし、役員または部課長その他特定の使用人のみを傷害特約等に係る給付金の受取人としている場合には、その特約部分の保険料の額は、その役員または使用人に対する給与となります。

(注2)役員に対する給与とされる保険料の額で法人が経常的に負担するものは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるので、定期同額給与となります。

★リンクはこちら⇒ 養老保険の保険料の取扱い(令和元年7月8日前契約分)

2024年12月6日


他人の建物に対する造作の耐用年数

法人が建物を賃借し、その建物に造作した場合には、自己が所有している建物に対して行った資本的支出とは異なりその造作を一の資産として、その造作した建物の耐用年数およびその造作の種類・用途・使用材質等を勘案して合理的に耐用年数を見積もることとされています。

また、建物附属設備に造作した場合には、その建物附属設備の耐用年数により、その造作を償却します。

ただし、その造作した建物について賃借期間の定めがあり、その賃借期間の更新ができないもので、かつ、有益費の請求または買取請求をすることができないものについては、その賃借期間を耐用年数として、これらの造作を償却することができます。

なお、同一の建物についてされた造作は、そのすべてをまとめて一の資産として償却をしますから、その耐用年数は、造作の種類別に見積もるのではなく、その造作全部を一の資産として総合して見積もることになります。

★リンクはこちら⇒ 他人の建物に対する造作の耐用年数

2024年12月4日


ソフトウエアの取得価額と耐用年数

ソフトウエアは、減価償却資産(無形固定資産)に該当し、その取得価額および耐用年数は次のとおりです。

<取得価額>
1.取得の形態による取得価額の計算方法
(1)購入した場合
購入の代価+購入に要した費用の額+事業の用に供するために直接要した費用の額

(注)
そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業および自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、取得価額に算入します。

(2)自社で製作した場合
製作に要した原材料費、労務費および経費の額+事業の用に供するために直接要した費用の額

(注1)
既に有しているソフトウエアまたは購入したパッケージソフトウエア等(以下「既存ソフトウエア等」といいます。)の仕様を大幅に変更して、新たなソフトウエアを製作するための費用の額は、その新たなソフトウエアの取得価額になりますが、その場合(新たなソフトウエアを製作することに伴い、その製作後既存ソフトウエア等を利用することが見込まれない場合に限ります。)におけるその既存ソフトウエア等の残存簿価は、その新たなソフトウエアの製作のために要した原材料費となります。

(注2)
市場販売目的のソフトウエアにつき、完成品となるまでの間に製品マスターに要した改良または強化に係る費用の額は、そのソフトウエアの取得価額に算入します。

2.取得価額に算入しないことができる費用
次のような費用の額は、取得価額に算入しないことができます。

(1) 自己の製作に係るソフトウエアの製作計画の変更等により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係る費用の額
(2) 研究開発費の額(自社利用のソフトウエアに係る研究開発費の額については、その自社利用ソフトウエアの利用により将来の収益獲得または費用削減にならないことが明らかな場合におけるその研究開発費の額に限ります。)
(3) 製作等のために要した間接費、付随費用等で、その合計額が少額(その製作原価のおおむね3パーセント以内の金額)であるもの

<耐用年数>
ソフトウエアの耐用年数については、その利用目的に応じて次のとおりです。

1 「複写して販売するための原本」または「研究開発用のもの」 3年
2 「その他のもの」 5年

★リンクはこちら⇒ ソフトウエアの取得価額と耐用年数

2024年11月28日


中古資産の耐用年数

中古資産を取得して事業の用に供した場合には、その資産の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。

また、使用可能期間の見積りが困難であるときは、簡便法により算定した年数によることができます。

ただし、その中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の再取得価額(中古資産と同じ新品のものを取得する場合のその取得価額をいいます。)の50パーセントに相当する金額を超える場合には、使用可能期間の見積りや簡便法による耐用年数の算定をすることはできず、法定耐用年数を適用することになります。

<計算方法・計算式>
簡便法による耐用年数の算定方法は、次のとおりです。
1.法定耐用年数の全部を経過した資産
その法定耐用年数の20パーセントに相当する年数

2.法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20パーセントに相当する年数を加えた年数

なお、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には2年とします。

(注)
中古資産の耐用年数の算定は、その中古資産を事業の用に供した事業年度においてすることができるものですから、その事業年度において耐用年数の算定をしなかったときは、その後の事業年度において耐用年数の算定をすることはできません。

<具体例>
法定耐用年数が30年で、経過年数が10年の中古資産の簡便法による見積耐用年数

【計算】
1.法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数
30年-10年=20年

2.経過年数10年の20パーセントに相当する年数
10年×20%=2年

3.耐用年数
20年+2年=22年

★リンクはこちら⇒ 中古資産の耐用年数

2024年11月26日


修繕費とならないものの判定

固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した時に損金算入が認められます。

ただし、その修理、改良等が固定資産の使用可能期間を延長させ、または価値を増加させるものである場合は、その延長および増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず、資本的支出となります。

<修繕費になるかどうかの判定>
修繕費になるかどうかの判定は修繕費、改良費などの名目によって判断するのではなく、その実質によって判定します。

例えば、次のような支出は原則として修繕費にはならず資本的支出となります。

  1. 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
  2. 用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
  3. 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額

ただし、一つの修理や改良などの金額が20万円未満の場合またはおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかな修理、改良などである場合は、その支出した金額を修繕費とすることができます。

<修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合>
次に、一つの修理、改良などの金額のうちに、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合には、次の基準によりその区分を行うことができます。

  1. その支出した金額が60万円未満のときまたはその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10パーセント相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
  2. 法人が継続してその支出した金額の30パーセント相当額とその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額の10パーセント相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出としているときは、その処理が認められます。ただし、上記の一つの修理、改修などの金額が20万円未満の場合またはおおむね3年以内の期間を周期として行われることが明らかな修理、改修などである場合の費用および上記1の適用のある支出額については、それぞれの取扱いが優先して適用されます。

<災害により固定資産について被害を受けた場合>
災害により被害を受けた固定資産(被災資産)について支出した金額については、次により資本的支出と修繕費の区分をします。

ただし、評価損を計上した被災資産を除きます。

  1. 被災資産につきその原状を回復するために支出した金額は修繕費とします。
  2. 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水または土砂崩れの防止などのために支出した金額については、法人が修繕費とする経理を行っている場合はその処理が認められます。
  3. 法人が賃借資産(賃借をしている土地、建物、機械装置等をいいます。)につき修繕等の補修義務がない場合においても、その賃借資産が災害により被害を受けたため、その法人が、その賃借資産の原状回復のための補修を行い、その補修のために要した費用を修繕費として経理したときは、その処理が認められます。
    法人が修繕等の補修義務がない販売をしたまたは賃貸をしている資産につき補修のための費用を支出した場合においても同様です。
  4. 被災資産について支出した金額(上記1および2の金額は除きます。)のうち、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでないものがある場合において、法人がその金額の30パーセント相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理を行っているときは、その処理が認められます。
    ただし、被災資産の復旧に代えて新規に資産を取得したり、災害の発生を契機としての貯水池や避難緑地などを設置したりする場合は、新たな資産の取得になりますので、修繕費としての処理は認められません。

★リンクはこちら⇒ 修繕費とならないものの判定

2024年11月22日


資本的支出後の減価償却資産の償却方法等

<原則>
減価償却資産に対して資本的支出を行った場合、その資本的支出は、その支出金額を固有の取得価額として、資本的支出の対象資産である既存減価償却資産本体(以下「旧減価償却資産」といいます。)と種類および耐用年数を同じくする新たな減価償却資産(以下「追加償却資産」といいます。)を取得したものとして、その種類と耐用年数に応じて償却を行うこととなります。

一方、旧減価償却資産については、この資本的支出を行った後においても、現に採用されている償却方法による償却を継続して行うこととなります。

<平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産に資本的支出を行った場合>
平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産に対して資本的支出を行った場合には、その資本的支出を行った事業年度(以下「資本的支出事業年度」といいます。)において、その資本的支出の金額を旧減価償却資産の取得価額に加算して償却を行う方法も認められます。

ただし、この方法による場合には、旧減価償却資産の種類、耐用年数および償却方法に基づいて、加算を行った資本的支出部分を含めた減価償却資産全体の償却を行うこととなります。

【設例】3月決算法人

(注)
一旦、資本的支出部分を加算した減価償却資産全体について、資本的支出事業年度に償却費の計上を行った場合には、その翌事業年度以後において、その資本的支出を上記の「原則」の新たに取得をしたものとして償却する方法は採用できません。

<平成24年4月1日以後に取得をされた減価償却資産(定率法適用)に資本的支出を行った場合>
法人の有する減価償却資産について定率法を採用している場合には、適用される償却率が同じ旧減価償却資産と追加償却資産については、資本的支出事業年度の翌事業年度開始の時において、その旧減価償却資産の帳簿価額と追加償却資産の帳簿価額との合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとすることができます。

この場合、新たに取得したものとされる一の減価償却資産については、翌事業年度開始の日を取得日として、旧減価償却資産の種類および耐用年数に基づいて償却を行うこととなります。

【設例】4月決算法人

なお、平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得された旧減価償却資産に対して、資本的支出を行った場合には、旧減価償却資産は250%定率法、追加償却資産は200%定率法により、それぞれ異なる償却率が適用されるため、この特例の適用はありません。

【設例】3月決算法人

(注)
一旦、資本的支出部分を含めて減価償却資産全体に対して、資本的支出事業年度の翌事業年度において償却費の計上を行った場合には、その翌々事業年度以後において、その資本的支出を上記の「原則」の新たに取得をしたものとして償却する方法は採用できません。

<同一事業年度内に複数回の資本的支出を行った場合>
同一事業年度内に減価償却資産に対して行った資本的支出が複数回ある場合に、その各資本的支出について定率法を採用し、かつ、上記の「平成24年4月1日以後に取得をされた減価償却資産に資本的支出を行った場合」の適用を受けないときは、その資本的支出事業年度の翌事業年度開始の時において、その資本的支出のうち種類および耐用年数を同じくするもののその事業年度開始の時の帳簿価額の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとすることができます。

この場合、新たに取得したものとされる一の減価償却資産については、翌事業年度開始の日を取得日として、旧減価償却資産と同じ種類および耐用年数に基づいて償却を行うこととなります。

【設例】4月決算法人

(注1)
旧減価償却資産と合算した資本的支出については、資本的支出事業年度の翌々事業年度以後において、他の資本的支出との合算は選択できません。

(注2)
他の資本的支出と合算した資本的支出については、その資本的支出事業年度の翌々事業年度において、旧減価償却資産本体との合算は選択できません。

(注3)
旧減価償却資産に合算する複数の資本的支出の組合せ、または資本的支出間の合算の組合せは選択的に行うことができます。
ただし、一旦合算した組合せで翌事業年度に償却費の計上を行った場合には、翌々事業年度以後において、他の合算の組合せに変更することはできません。

★リンクはこちら⇒ 資本的支出後の減価償却資産の償却方法等

2024年11月19日


減価償却資産の償却方法の変更手続

減価償却資産の償却方法を変更しようとするときは、原則として、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに償却方法を変更しようとする理由などを記載した「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を所轄税務署長に提出して、所轄税務署長の承認を受けなければなりません。

なお、償却方法の変更申請は、その法人が現によっている償却の方法を採用してから相当期間を経過していないとき、または変更しようとする償却の方法によっては各事業年度の所得の金額の計算が適正に行われ難いと認められるときは、承認されませんのでご注意ください。

(注)
その法人が現によっている償却の方法を採用してから3年を経過していない場合は、その変更が合併や分割に伴うものである等特別な理由があるときを除き、相当の期間を経過していないときに該当します。

<申告先等>
所轄税務署

<提出書類等>
減価償却資産の償却方法の変更承認申請書

★リンクはこちら⇒ 減価償却資産の償却方法の変更手続

2024年11月8日


鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物に限る。)の償却方法の選定手続(平成28年4月1日以後取得分)

平成28年度の税制改正により、平成28年4月1日以後に取得をされた建物附属設備および構築物ならびに鉱業用の建物、建物附属設備および構築物の償却限度額の計算上選定をすることができる償却方法について、定率法が廃止されましたので、建物附属設備および構築物についての償却方法は「定額法」を、鉱業用の建物、建物附属設備および構築物についての償却方法は「定額法」または「生産高比例法」のいずれかを選定することとなります。

鉱業用の建物、建物附属設備および構築物の償却方法の選定手続は次のとおりとなります。

<償却方法の選定>
法人は、平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備および構築物の償却方法について、平成28年3月31日以前に取得をされたものと区分した上で、資産の種類ごとや事務所または船舶ごとに選定し、確定申告書の提出期限までに、「減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署長に届け出ることとされています。

<償却方法のみなし選定>
平成19年3月31日以前に取得をされた鉱業用減価償却資産につき「旧定額法」または「旧生産高比例法」を選定している場合において、平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備および構築物で、平成19年3月31日前に取得をされるとしたならば、同日以前に取得をされた減価償却資産と同一の区分に属するものにつき「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出していないときは、それぞれが選定していた償却方法の区分に応じた選定をしたとみなされ、それぞれ「定額法」または「生産高比例法」を適用することになります。

なお、平成28年3月31日以前に取得をされた鉱業用減価償却資産につき「定額法」を選定している場合において、平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備および構築物で、平成28年3月31日以前に取得をされるとしたならば、同日以前に取得をされた減価償却資産と同一の区分に属するものにつき「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出していないときは、「定額法」を選定したものとみなされます。

<法定償却方法>
「減価償却資産の償却方法の届出書」の提出をしていない場合で、上記「償却方法のみなし選定」に該当しないときは、法定償却方法を適用することになります。

したがって、例えば、鉱業用の建物の法定償却方法は生産高比例法ですので、定額法の選定を希望される場合は、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要があります。

<申告先等>
所轄税務署

<提出書類等>
減価償却資産の償却方法の届出書

★リンクはこちら⇒ 鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物に限る。)の償却方法の選定手続(平成28年4月1日以後取得分)

2024年11月6日


減価償却資産(平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備及び構築物を除く。)の償却方法の選定手続(平成19年4月1日以後取得分)

<概要>
平成19年度の税制改正により、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の償却限度額についての償却方法、償却率等が改正され、この減価償却資産について新たな償却方法を採用するための選定手続が次のとおりとされました。

(注)
平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備および構築物の償却方法の選定手続については、コード5409-2「鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物に限る。)の償却方法の選定手続(平成28年4月1日以後取得分)」を参照してください。

【減価償却資産の償却方法の選定】
法人は、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の償却方法について、平成19年3月31日以前に取得をされたものと区分した上で、資産の種類ごとや事務所または船舶ごとに選定し、確定申告書の提出期限までに、「減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署長に届け出ることとされています。

【償却方法のみなし選定】
平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産について、「旧定額法」、「旧定率法」または「旧生産高比例法」を選定している場合において、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産で、同日前に取得をされたとしたならば、平成19年3月31日以前に取得をされた資産と同一の区分に属するものについては、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出していないときは、それぞれが選定していた償却方法の区分に応じた選定をしたとみなされ、それぞれ「定額法」、「定率法」または「生産高比例法」を適用することになります。

【法定償却方法】
「減価償却資産の償却方法の届出書」の提出をしていない場合で、上記「償却方法のみなし選定」に該当しないときは、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の償却方法は、法定償却方法を適用することになります。

したがって、例えば、機械および装置の法定償却方法は定率法ですので、定額法の選定を希望される場合は、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要があります。

<申告先等>
所轄税務署

<提出書類等>
減価償却資産の償却方法の届出書

★リンクはこちら⇒ 減価償却資産(平成28年4月1日以後に取得をされた鉱業用の建物、建物附属設備及び構築物を除く。)の償却方法の選定手続(平成19年4月1日以後取得分)償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)

2024年10月29日


減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)

<概要>
平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産については、償却可能限度額および残存価額が廃止され、耐用年数経過時に残存簿価1円まで償却できるようになるとともに、新たな償却方法として、従前における計算の仕組みとは異なる定額法や定率法などが導入されました。

この改正により、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の償却限度額についての計算方法等は次のとおりとなります。

なお、法人が平成19年3月31日以前に取得をし、かつ、同年4月1日以後に事業の用に供した減価償却資産については、その事業の用に供した日において取得をしたものとみなされますので、これらの新たな償却方法が適用されることになります。

また、平成23年12月の税制改正により、平成24年4月1日以後に取得をされた減価償却資産に適用される定率法の償却率について、定額法の償却率を2.5倍した償却率(以下この償却率による償却方法を「250%定率法」といいます。)から、定額法の償却率を2倍した償却率(以下この償却率による償却方法を「200%定率法」といいます。)に引き下げられました(「保証率」および「改定償却率」についても、この償却率の改正に合わせて見直されました。)。

この改正に伴い、平成24年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度において同日以後の期間内に取得をされる減価償却資産に適用される償却費や、平成24年3月31日以前に取得をされた減価償却資産に適用される償却費について、法人の事務負担の軽減を図るための措置が講じられています。

<計算方法・計算式>
【定額法】
定額法とは、次の算式により計算した金額を各事業年度の償却限度額とする方法です。

(算式)

定額法の償却限度額=取得価額×定額法の償却率(注)

(注)「定額法の償却率」は耐用年数省令別表第八に規定されています。

【定率法】
定率法とは、次の算式1により計算した金額(以下「調整前償却額」といいます。)を各事業年度の償却限度額とする方法です。

ただし、調整前償却額が償却保証額(注1)に満たない場合は、次の算式2により計算した金額が各事業年度の償却限度額となります。

(算式1)

定率法の償却限度額=(取得価額-既償却額(注2))×定率法の償却率(注3)

(算式2)

調整前償却額が償却保証額に満たない場合の定率法の償却限度額=改定取得価額(注4)×改定償却率(注5)

(注1)
「償却保証額」とは、減価償却資産の取得価額にその減価償却資産の耐用年数に応じた保証率(耐用年数省令別表第九、十に規定されています。)を乗じて計算した金額です。

(注2)
「既償却額」とは、前事業年度までに損金の額に算入された償却費の累積額です。

(注3)
「定率法の償却率」は耐用年数省令別表第九、第十に規定されています。

(注4)
「改定取得価額」とは、原則として、調整前償却額が最初に償却保証額に満たなくなる事業年度の期首未償却残高(取得価額から既償却費を控除した後の金額)をいいます。

(注5)
「改定償却率」は耐用年数省令別表第九、第十に規定されています。

【生産高比例法】
生産高比例法とは、次の算式により計算した金額を各事業年度の償却限度額とする方法です。

(算式)

生産高比例法の償却限度額=(鉱業用減価償却資産の取得価額÷その資産の耐用年数(注)の期間内におけるその資産の属する鉱区の採掘予定数量)×その事業年度におけるその鉱区の採掘数量

(注)その資産の属する鉱区の採掘予定年数がその資産の耐用年数より短い場合には、その採掘予定年数になります。

【リース期間定額法】
リース期間定額法とは、次の算式により計算した金額を各事業年度の償却限度額とする方法です。

なお、リース期間定額法は、平成20年4月1日以後に締結された所有権移転外リース取引(注1)により賃借人が取得したものとされる減価償却資産について適用されます。

(算式)

リース期間定額法の償却限度額=((リース資産の取得価額-残価保証額(注2))÷リース期間の月数)×その事業年度におけるそのリース期間の月数

(注1)
「所有権移転外リース取引」については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。

(注2)
「残価保証額」とは、リース期間終了の時にリース資産の処分価額が所有権移転外リース取引に係る契約において定められている保証額に満たない場合にその満たない部分の金額を賃借人が支払うこととされている場合におけるその保証額をいいます。

≪具体例≫
1.定額法
取得年月日 平成19年4月1日(3月決算法人)
取得価額  100万円
耐用年数  8年    定額法の償却率  0.125
なお、各事業年度の償却費の額は償却限度額相当額とします。

(単位:円)

事業年度
(至)
償却費(償却限度額) 償却累積額 未償却残高
20.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 125,000 875,000
21.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 250,000 750,000
22.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 375,000 625,000
23.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 500,000 500,000
24.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 625,000 375,000
25.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 750,000 250,000
26.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000 875,000 125,000
27.3.31 1,000,000× 0.125×12÷12=125,000
→ 124,999
999,999 1

(注)8年目における計算上の償却限度額は12万5,000円ですが、残存簿価が1円になりますので、結果として実際の償却限度額は12万4,999円になります。

2.定率法
<200%定率法による計算例>
取得年月日 平成24年4月1日(3月決算法人)
取得価額  100万円
耐用年数  8年    償却率  0.250
改定償却率 0.334
保証率   0.07909(償却保証額79,090円)
なお、各事業年度の償却費の額は償却限度額相当額とします。

(単位:円)

事業年度
(至)
償却費(償却限度額) 償却累積額 未償却残高
25.3.31 1,000,000×0.250×12÷12=250,000 250,000 750,000
26.3.31 750,000×0.250×12÷12=187,500 437,500 562,500
27.3.31 562,500×0.250×12÷12=140,625 578,125 421,875
28.3.31 421,875×0.250×12÷12=105,468 683,593 316,407
29.3.31 316,407×0.250×12÷12=79,101 762,694 237,306
30.3.31 237,306×0.250×12÷12=59,326
< 償却保証額79,090
→ 237,306×0.334×12÷12=79,260
841,954 158,046
31.3.31 237,306×0.334×12÷12=79,260 921,214 78,786
R2.3.31 237,306×0.334×12÷12=79,260
→ 78,785
999,999 1

(注)8年目における計算上の償却限度額は79,260円ですが、残存簿価が1円になりますので、結果として実際の償却限度額は78,785円になります。

<250%定率法による計算例>
取得年月日 平成19年4月1日(3月決算法人)
取得価額  100万円
耐用年数  8年    償却率  0.313
改定償却率 0.334
保証率   0.05111(償却保証額51,110円)
なお、各事業年度の償却費の額は償却限度額相当額とします。

(単位:円)

事業年度
(至)
償却費(償却限度額) 償却累積額 未償却残高
20.3.31 1,000,000×0.313×12÷12=313,000 313,000 687,000
21.3.31 687,000×0.313×12÷12=215,031 528,031 471,969
22.3.31 471,969×0.313×12÷12=147,726 675,757 324,243
23.3.31 324,243×0.313×12÷12=101,488 777,245 222,755
24.3.31 222,755×0.313×12÷12=69,722 846,967 153,033
25.3.31 153,033×0.313×12÷12=47,899
< 償却保証額51,110
→ 153,033×0.334×12÷12=51,113
898,080 101,920
26.3.31 153,033×0.334×12÷12=51,113 949,193 50,807
27.3.31 153,033×0.334×12÷12=51,113
→ 50,806
999,999 1

(注)8年目における計算上の償却限度額は51,113円ですが、残存簿価が1円になりますので、結果として実際の償却限度額は50,806円になります。

★リンクはこちら⇒ 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)

2024年10月22日


減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年3月31日以前取得分)

平成19年度税制改正により、平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産の償却限度額についての計算方法等は、次のとおりとなりました。

<償却方法>
平成19年度税制改正前の償却方法の計算の仕組みが維持されつつ、その名称が、例えば、改正前の定額法は「旧定額法」、改正前の定率法は「旧定率法」というように改められました。

【旧定額法(改正前の定額法)】
旧定額法とは、次の算式により計算した金額を各事業年度の償却限度額とする方法です。

(算式)

旧定額法の償却限度額=(取得価額-残存価額(注1))×旧定額法の償却率(注2)

(注1)「残存価額」は、取得価額に耐用年数省令別表第十一に規定されている残存割合を乗じた金額です。

(注2)「旧定額法の償却率」は耐用年数省令別表第七に規定されています。

【旧定率法(改正前の定率法)】
旧定率法とは、次の算式により計算した金額を各事業年度の償却限度額とする方法です。

(算式)

旧定率法の償却限度額=(取得価額-既償却額(注1))×旧定率法の償却率(注2)

(注1)「既償却額」とは、前事業年度までに損金の額に算入された償却費の累積額です。

(注2)「旧定率法の償却率」は耐用年数省令別表第七に規定されています。

【旧生産高比例法(改正前の生産高比例法)】
旧生産高比例法とは、次の算式により計算した金額を各事業年度の償却限度額とする方法です。

(算式)

旧生産高比例法の償却限度額={(鉱業用減価償却資産の取得価額-残存価額(注1))/その資産の耐用年数(注2)の期間内におけるその資産の属する鉱区の採掘予定数量}×その事業年度におけるその鉱区の採掘数量

(注1)「残存価額」は、取得価額に耐用年数省令別表第十一に規定されている残存割合を乗じた金額です。

(注2)その資産の属する鉱区の採掘予定年数がその資産の耐用年数より短い場合には、その採掘予定年数になります。

<償却累積額による償却限度額の特例>
1.償却累積額が従前の償却可能限度額に到達する事業年度
平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産で、そのよるべき償却方法として旧定額法、旧定率法、旧生産高比例法、旧国外リース期間定額法または旧リース期間定額法等を採用しているものについては、次の表に掲げる減価償却資産の各々の区分において、前事業年度までの各事業年度においてした償却の額(損金の額に算入されたものに限ります。以下同じ。)の累積額とその減価償却資産について採用している償却方法によるその事業年度の償却限度額との合計額が次の表の減価償却資産の区分に応じた金額(従前の償却可能限度額)を超える場合には、その償却限度額からその超える部分の金額を控除した金額がその事業年度における償却限度額となります。

減価償却資産の区分 金額
イ 建物等の有形減価償却資産(観賞用等の生物を含み、ロ、ホおよびヘに該当するものを除きます。) 取得価額×95%
ロ 坑道 取得価額
ハ 無形減価償却資産(ヘに該当するものを除きます。)
ニ 生物(イに含まれるものおよびヘに該当するものを除きます。) 取得価額-残存価額
ホ 国外リース資産(注) 取得価額-見積残存価額
ヘ 旧リース期間定額法を採用しているリース賃貸資産(注) 取得価額-残価保証額
(残価保証額がゼロの場合は1円)

(注)ホおよびヘの資産は、平成20年3月31日以前に締結された契約に係るリース取引(平成19年度税制改正前の法人税法施行令第136条の3第1項に規定するリース取引に限ります。)の目的とされる減価償却資産です。

2.上記1の事業年度の翌事業年度以後の事業年度
平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産で、そのよるべき償却方法として旧定額法、旧定率法、旧生産高比例法、旧国外リース期間定額法または旧リース期間定額法等を採用している上記の(1)の表の「イ 建物等の有形減価償却資産」および「ニ 生物」については、前事業年度までの各事業年度においてした償却の額の累積額が同表の右欄の金額(従前の償却可能限度額)に到達している場合には、その到達した事業年度の翌事業年度(平成19年4月1日以後に開始する事業年度に限られます。)以後において、次の算式により計算した金額を償却限度額として、残存簿価1円まで償却することができます。

(算式)

償却限度額=(取得価額-(1)の表のイまたはニの金額-1円)×各事業年度の月数/60

<注意事項>
法人が平成19年3月31日以前に取得をし、かつ、同年4月1日以後に事業の用に供した減価償却資産については、その事業の用に供した日において取得をしたものとみなされます。

★リンクはこちら⇒ 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年3月31日以前取得分)

2024年10月22日


役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以後に役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与の取扱いは、以下のとおりとなります。

(注)
新株予約権による給与および退職給与については、平成29年10月1日以後の役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与から適用されます。

法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。

ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

(注)
上記の給与からは、(1)退職給与で業績連動給与に該当しないもの、(2)左記(1)以外のもので使用人兼務役員に対して支給する使用人としての職務に対するものおよび(3)法人が事実を隠蔽し、または仮装して経理することによりその役員に対して支給するものは除かれます。

<定期同額給与>
定期同額給与とは、次に掲げる給与です。

1

その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額(注)を控除した金額が同額であるもの
(注)
源泉税等の額とは、源泉徴収をされる所得税の額、特別徴収をされる地方税の額、定期給与の額から控除される社会保険料の額その他これらに類するものの額の合計額をいいます。

2 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日または給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日またはその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額を控除した金額が同額であるもの
(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定
(2) その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(上記(1)に掲げる改定を除きます。)
(3) その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記(1)および(2)に掲げる改定を除きます。)
3 継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

<事前確定届出給与>
事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭または確定した数の株式(出資を含みます。以下同じです。)もしくは新株予約権もしくは確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式もしくは特定新株予約権を交付する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給される給与で、上記の「定期同額給与」および下記の「業績連動給与」のいずれにも該当しないもの(承継譲渡制限付株式または承継新株予約権による給与を含み、次に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ次に定める要件を満たすものに限ります。)をいいます。

1 その給与が次のいずれにも該当しない場合 事前確定届出給与に関する届出をしていること。
(1) 定期給与を支給しない役員に対して同族会社に該当しない法人が支給する金銭による給与
(2) 株式または新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係る一定のもの
(注1) (1)または(2)に該当する給与については、事前確定届出給与に関する届出は必要ありません。
(注2) 将来の役務の提供に係る一定の給与とは、役員の職務につき株主総会、社員総会その他これらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議(その職務の執行の開始の日から1か月を経過する日までにされるものに限ります。)により事前確定届出給与に関する定め(その決議の日から1か月を経過する日までに、特定譲渡制限付株式または特定新株予約権を交付する旨の定めに限ります。)をした場合のその定めに基づいて交付される特定譲渡制限付株式または特定新株予約権による給与をいいます。
2 株式を交付する場合 その株式が市場価格のある株式または市場価格のある株式と交換される株式(その法人または関係法人が発行したものに限ります。以下「適格株式」といいます。)であること。
3 新株予約権を交付する場合 その新株予約権がその行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権(その法人または関係法人が発行したものに限ります。以下「適格新株予約権」といいます。)であること。
(注1) 関係法人とは、その法人の役員の職務につき支給する給与(株式または新株予約権によるものに限ります。)に係る株主総会等の決議日からその株式または新株予約権を交付する日までの間、その法人と他の法人との間に当該他法人による支配関係が継続することが見込まれている場合の当該他の法人をいいます。
(注2) 特定譲渡制限付株式とは、譲渡制限付株式(※)であって次に掲げる要件に該当するものをいいます。
1 その譲渡制限付株式がその役務の提供の対価としてその個人に生ずる債権の給付と引換えにその個人に交付されるものであること。
2 1に掲げるもののほか、その譲渡制限付株式(※)が実質的にその役務の提供の対価と認められるものであること。
(※) 譲渡制限付株式とは、次の要件に該当する株式をいいます。
1 譲渡(担保権の設定その他の処分を含みます。)についての制限がされており、かつ、譲渡制限期間が設けられていること。
2 個人から役務提供を受ける法人またはその株式を発行し、もしくはその個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる事由(その株式の交付を受けた個人が譲渡制限期間内の所定の期間勤務を継続しないこともしくはその個人の勤務実績が良好でないことその他のその個人の勤務の状況に基づく事由、またはこれらの法人の業績があらかじめ定めた基準に達しないことその他のこれらの法人の業績その他の指標の状況に基づく事由に限ります。)が定められていること。
(注3) 特定新株予約権とは、譲渡制限付新株予約権(※)であって次に掲げる要件に該当するものをいいます。
1 その譲渡制限付新株予約権と引換えにする払込みに代えてその役務の提供の対価としてその個人に生ずる債権をもって相殺されること。
2 1に掲げるもののほか、その譲渡制限付新株予約権が実質的にその役務の提供の対価と認められるものであること。
(※) 譲渡制限付新株予約権とは、発行法人から一定の権利の譲渡についての制限その他特別の条件が付されているものをいいます。

また、役員の職務につき、確定した額に相当する適格株式または適格新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与(確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式または特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与を除きます。)は、確定した額の金銭を交付する旨の定めに基づいて支給する給与に該当するものとして取り扱われます。

<事前確定届出給与に関する届出期限>
1.原則
事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日)までに所定の届出書を提出する必要があります。

(1) 株主総会等の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
(2) その会計期間開始の日から4か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けている法人のうち、一定の通算法人については5か月、それ以外の法人についてはその指定に係る月数に3を加えた月数)を経過する日

2.臨時改定事由が生じたことにより事前確定届出給与に関する定めをした場合
臨時改定事由が生じたことによりその臨時改定事由に係る役員の職務について事前確定届出給与に関する定めをした場合には、次に掲げる日のうちいずれか遅い日が届出期限です。

(1) 上記1の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人にあっては、その設立の日以後2か月を経過する日)
(2) 臨時改定事由が生じた日から1か月を経過する日

3.事前確定届出給与に関する定めを変更する場合
既に上記1または2の届出をしている法人が、その届出をした事前確定届出給与に関する定めの内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に基因するものであるときのその変更後の定めの内容に関する届出の届出期限は、次に掲げる事由の区分に応じてそれぞれ次に定める日です。

(1) 臨時改定事由
その事由が生じた日から1か月を経過する日
(2) 業績悪化改定事由(給与の支給額を減額し、または交付する株式もしくは新株予約権の数を減少させる場合に限ります。)
その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日(変更前の直前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日がその1か月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)

4.やむを得ない事情がある場合
上記1から3までの届出期限までに届出がなかった場合においても、その届出がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、それらの届出期限までに届出があったものとして事前確定届出給与の損金算入をすることができます。

<業績連動給与>
業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の法人またはその法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標を基礎として算定される額または数の金銭または株式もしくは新株予約権による給与および特定譲渡制限付株式もしくは承継譲渡制限付株式または特定新株予約権もしくは承継新株予約権による給与で無償で取得され、または消滅する株式または新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものをいいます。

損金算入となる業績連動給与は、法人(同族会社にあっては同族会社以外の法人との間にその法人による完全支配関係があるものに限ります。)が、業務執行役員(※)に対して支給する業績連動給与(金銭以外の資産が交付されるものにあっては、適格株式または適格新株予約権が交付されるものに限ります。)で、次の1から3までのすべての要件を満たすもの(他の業務執行役員のすべてに対して次の要件を満たす業績連動給与を支給する場合に限ります。)となります。

(注)
業務執行役員とは、業務連動給与の算定方法の決定または手続の終了の日において、法人の業務を執行することとされている役員をいいます。

1.交付される金銭の額もしくは株式もしくは新株予約権の数または交付される新株予約権の数のうち無償で取得され、もしくは消滅する数の算定方法が、その給与に係る職務執行期間開始日以後に終了する事業年度の利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標または売上高の状況を示す指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること。

(1) 確定額または確定数を限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
(2) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けた法人のうち、一定の通算法人については4か月、それ以外の法人についてはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日までに一定の報酬委員会等がその算定方法を決定していることその他これに準ずる一定の適正な手続を経ていること。
(3) その内容が上記(2)の適正手続終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他一定の方法により開示されていること。

2.次に掲げる給与の区分に応じそれぞれ次の要件を満たすものであること。
(1)(2)に掲げる給与以外の給与
次に掲げる給与の区分に応じてそれぞれ次に定める日までに交付され、または交付される見込みであること。

金銭による給与
その金銭の額の算定の基礎とした利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標または売上高の状況を示す指標の数値が確定した日の翌日から1か月を経過する日
株式または新株予約権による給与
その株式または新株予約権の数の算定の基礎とした業績連動指標の数値が確定した日の翌日から2か月を経過する日

(2)特定新株予約権または承継新株予約権による給与で、無償で取得され、または消滅する新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するもの
その特定新株予約権または承継新株予約権に係る特定新株予約権が業績連動給与の算定方法につき適正な手続の終了の日の翌日から1か月を経過する日までに交付されること。

3.損金経理をしていること(給与の見込額として損金経理により引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法により経理していることを含みます。)。

(※)この制度については、経済産業省ホームページに「「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-」等(https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210607001/20210607001.html)が掲載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

2024年10月17日


役員に対する給与(平成29年4月1日前支給決議分)

法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または利益連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。

ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

(注)
平成29年4月1日前に支給決議がなされたものに限ります。

なお、上記の給与からは、(1)退職給与、(2)法人税法第54条第1項に規定する新株予約権によるもの、(3)左記(1)および(2)以外のもので使用人兼務役員に対して支給する使用人としての職務に対するものならびに(4)法人が事実を隠蔽しまたは仮装して経理することによりその役員に対して支給するものは除かれます。

<定期同額給与>
定期同額給与とは、次に掲げる給与です。

1 その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの
2 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日または給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日またはその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの
(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定。ただし、その3か月を経過する日後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改定の時期にされたもの
(2) その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたその役員に係る定期給与の額の改定(上記(1)に掲げる改定を除きます。)
(3) その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記(1)および(2)に掲げる改定を除きます。)
3 継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

<事前確定届出給与>
事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給する給与(上記の「定期同額給与」および下記の「利益連動給与」を除きます。)で、次に掲げる場合に応じてそれぞれ次に定める届出期限までに納税地の所轄税務署長にその事前確定届出給与に関する定めの内容に関する届出をしているものです。

なお、同族会社以外の法人(注)が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与については、その届出をする必要はありません。

(注)
同族会社に該当するかどうかの判定は、その法人が定期給与を支給しない役員の職務につき、その定めをした日(新設法人にあっては設立の日)の現況によります。

また、役員から受ける将来の役務の提供の対価として交付する特定譲渡制限付株式(※)およびその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式による給与も、事前確定の届出は不要となります。

(※)
特定譲渡制限付株式とは、役員の職務につき株主総会等の決議(その職務の執行の開始の日から1か月を経過する日までにされるものに限ります。)によりその職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(その決議の日から1か月を経過する日までに、その職務につきその役員に生ずる債権の額に相当する特定譲渡制限付株式を交付する旨の定めに限ります。)をした場合のその定めに基づいて交付される特定譲渡制限付株式とされています。

1.原則
事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日)が届出期限です。

(1) 株主総会、社員総会またはこれらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
(2) その会計期間開始の日から4か月を経過する日

2.臨時改定事由により定めをした場合
臨時改定事由によりその臨時改定事由に係る役員の職務について事前確定届出給与に関する定めをした場合(その役員のその臨時改定事由が生ずる直前の職務について事前確定届出給与に関する定めがある場合を除きます。)は、次に掲げる日のうちいずれか遅い日が届出期限です。

(1) 上記1の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人にあっては、その設立の日以後2か月を経過する日)
(2) 臨時改定事由が生じた日から1か月を経過する日

3.既に上記1または2の届出をしている法人が、その届出をした事前確定届出給与に関する定めの内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に基因するものであるときのその変更後の定めの内容に関する届出の届出期限は、次に掲げる事由の区分に応じてそれぞれ次に定める日です。

(1) 臨時改定事由
その事由が生じた日から1か月を経過する日
(2) 業績悪化改定事由(給与の額を減額する場合に限ります。)
その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日(変更前の直前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日が1か月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)

<利益連動給与>
同族会社以外の法人が業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与(利益の状況を示す指標を基礎として算定される給与)で次の(1)から(3)までのすべての要件を満たすもの(他の業務を執行する役員のすべてに対しても次の要件を満たす連動給与を支給する場合に限られます。)となります。

1.その支給額の算定方法が、利益の額、利益の額に有価証券報告書に記載されるべき事項の調整を加えた指標等その事業年度の利益の状況を示す指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること。

(1) 確定額を限度としているものであり、かつ、他の業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
(2) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに一定の報酬委員会が決定していることその他これに準ずる一定の適正な手続を経ていること。
(3) その内容が上記ロの決定または手続終了の日以後遅滞なく有価証券報告書に記載されていることその他一定の方法により開示されていること。

2.有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益の状況を示す指標の数値が確定した後1か月以内に支払われ、または支払われる見込みであること。

3.損金経理をしていること。

★リンクはこちら⇒ 役員に対する給与(平成29年4月1日前支給決議分)

2024年10月15日


役員のうち使用人兼務役員になれない人

使用人兼務役員とは、役員のうち部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者をいいますが、次のような役員は、使用人兼務役員となりません。

なお、同族会社の使用人のうち税務上みなし役員とされる者も使用人兼務役員となりません。

<使用人兼務役員になれない役員の範囲>

  1. 代表取締役、代表執行役、代表理事および清算人
  2. 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
  3. 合名会社、合資会社および合同会社の業務執行社員
  4. 取締役(委員会設置会社の取締役に限ります。)、会計参与および監査役ならびに監事
  5. 上記1から4までのほか、同族会社の役員のうち所有割合(注1)によって判定した結果、次のすべての要件を満たす役員
(1) その会社の株主グループ(注2)をその所有割合の大きいものから順に並べた場合に、その役員が所有割合50パーセントを超える第一順位の株主グループに属しているか、第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属しているか、または第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属していること。
(2) その役員の属する株主グループの所有割合が10パーセントを超えていること。
(3) その役員(その配偶者およびこれらの者の所有割合が50パーセントを超える場合における他の会社を含みます。)の所有割合が5パーセントを超えていること。

(注1)
「所有割合」とは、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める割合をいいます。

1 その会社がその株主等の有する株式または出資の数または金額による判定により同族会社に該当する場合
その株主グループの有する株式の数または出資の金額の合計額がその会社の発行済株式または出資(その会社が有する自己の株式または出資を除きます。)の総数または総額のうちに占める割合
2 その会社が一定の議決権による判定により同族会社に該当することとなる場合
その株主グループの有する議決権の数がその会社の議決権の総数(議決権を行使することができない株主等が有するその議決権を除きます。)のうちに占める割合
3 その会社が社員または業務執行社員の数による判定により同族会社に該当する場合
その株主グループに属する社員または業務執行社員の数がその会社の社員または業務執行社員の総数のうちに占める割合

(注2)
「株主グループ」とは、その会社の一の株主等およびその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいいます。

★リンクはこちら⇒ 役員のうち使用人兼務役員になれない人

2024年10月9日


役員の退職金の損金算入時期

法人が役員に支給する退職金で適正な額のものは、損金の額に算入されます。

その退職金の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。

ただし、法人が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められます。

(注1)
退職金の額が具体的に確定する事業年度より前の事業年度において、取締役会で内定した金額を損金経理により未払金に計上した場合であっても、未払金に計上した時点での損金の額に算入することはできません。

(注2)
法人が退職年金制度を実施している場合に支給する退職年金は、その年金を支給すべき事業年度が損金算入時期となります。

したがって、退職した時に年金の総額を計算して未払金に計上しても損金の額に算入することができません。

★リンクはこちら⇒ 役員の退職金の損金算入時期

2024年10月7日


使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金

法人が退職した役員に対して支給する退職金で、その役員の業務に従事した期間、退職の事情、その法人と同業種同規模の法人の役員に対する退職金の支給状況などからみて相当であると認められる金額は、原則として、その退職金の額が確定した事業年度において損金の額に算入します。

なお、現実に退職はしていなくても、使用人が役員に昇格した場合または役員が分掌変更した場合の退職金については、それぞれ次によります。

<法人の使用人が役員に昇格した場合の退職金>
1.法人の使用人が役員に昇格した場合において、退職給与規程に基づき、使用人であった期間の退職金として計算される金額を支給したときは、その支給した事業年度の損金の額に算入されます。

ただし、未払金に計上した場合には損金の額に算入されませんので注意してください。

2.使用人兼務役員が、副社長や専務取締役など使用人兼務役員とされない役員となった場合において、使用人兼務役員であった期間の退職金として支給した金額は、たとえ使用人の職務に対する退職金として計算されているときであっても、その役員に対する退職金以外の給与となります。

ただし、その支給が次のいずれにも該当するものについては、その支給した金額は使用人としての退職金として取り扱われます。

(1) 過去において使用人から使用人兼務役員に昇格した者(使用人であった期間が相当の期間であるものに限ります。)であり、その昇格をした時に使用人であった期間に係る退職金の支給をしていないこと。
(2) 支給した金額が使用人としての退職給与規程に基づき、使用人であった期間および使用人兼務役員であった期間を通算して、その使用人としての職務に対する退職金として計算され、かつ、退職金として相当な金額であると認められること。

3.法人が退職給与規程を制定または改正して、使用人から役員に昇格した人に退職金を支給することとした場合に、その制定等の時に既に使用人から役員に昇格している人の全員に使用人であった期間の退職金をその制定の時に支給して損金の額に算入したときは、その支給が次のいずれにも該当するものについては、その損金の額に算入することが認められます。

(1) 過去において、これらの人に使用人であった期間の退職金の支給をしていないこと。

この場合、中小企業退職金共済制度または確定拠出年金制度への移行等により、退職給与規程を制定または改正し、使用人に退職金を打切支給した場合でも、その支給に相当の理由があり、かつ、その後は過去の在職年数を加味しないこととしているときは、過去において、退職金を支給していないものとして取り扱われます。

(2) 支給した退職金の額が、その役員が役員となった直前の給与の額を基礎として、その後のベースアップの状況等をしんしゃくして計算される退職金の額として相当な金額であること。

<役員が分掌変更した場合の退職金>
例えば、次のように、分掌変更によって役員としての地位や職務の内容が激変して、実質的に退職したと同様の事情にある場合に退職金として支給したものは退職金として取り扱うことができます。

ただし、未払金に計上したものは、原則として退職金に含まれません。
1.常勤役員が非常勤役員になったこと。
ただし、常勤していなくても代表権があったり、実質的にその法人の経営上主要な地位にある場合は除かれます。

2.取締役が監査役になったこと。
ただし、監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地位を占めている場合や、使用人兼務役員として認められない大株主である場合は除かれます。

3.分掌変更の後の役員の給与がおおむね50パーセント以上減少したこと。
ただし、分掌変更の後においても、その法人の経営上主要な地位を占めていると認められる場合は除かれます。

★リンクはこちら⇒ 使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金

2024年10月2日


役員に対する経済的利益

<経済的利益とは>
法人が役員に支給する給与には、金銭によるもののほか、債務の免除による利益その他の経済的な利益も含まれます。

この経済的な利益とは、例えば次に掲げるもののように、法人の行為によって実質的にその役員に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらすものをいいます。

  1. 役員等に対して資産を贈与した場合におけるその資産の時価
  2. 役員等に対して資産を時価より低額で譲渡した場合における時価と譲渡価額との差額
  3. 役員等から資産を時価より高額で買い入れた場合における買入れ価額と時価との差額
  4. 役員等に対して有する債権を放棄しまたは免除した場合における債権の放棄額等
  5. 役員等から債務を無償で引き受けた場合における債務の引受け額
  6. 役員等に対して居住用土地または家屋を無償または低額で提供した場合における通常取得すべき賃貸料の額と実際徴収した賃貸料の額との差額
  7. 役員等に対して無利息または低率で金銭の貸付けをした場合における通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際徴収した利息の額との差額
  8. 役員等に対して無償または低額で上記6・7以外の用役の提供をした場合における通常取得すべき対価の額と実際に収入した対価の額との差額
  9. 役員等に対して機密費等の名義で支給したもののうち法人業務のために使用したことが明らかでないもの
  10. 役員等の個人的費用の負担額
  11. 役員等の社交団体の入会金等で役員等が負担すべきものの額
  12. 役員等を被保険者および保険金受取人とする生命保険契約の保険料の額の全部または一部を負担した場合におけるその負担した保険料の額

ただし、法人が役員に対し経済的な利益の供与をした場合において、それが所得税法上経済的な利益として課税されないものであり、かつ、その法人がその役員に対する給与として経理しなかったものであるときは、給与として扱われません。

<経済的利益の法人税法上の取扱い>
役員に対して継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるものは定期同額給与に該当し、損金の額に算入されますが、その他のものは定額同額給与に該当せず、損金の額に算入されません。

(注)法人が使用人兼務役員に対して供与した経済的な利益の額(住宅等の貸与をした場合の経済的な利益を除きます。)が他の使用人に対して供与される程度のものである場合には、その経済的な利益の額は使用人としての職務に係るものとされ、損金の額に算入されます。

また、役員に対する経済的利益の額(使用人兼務役員に対する使用人部分を除きます。)が不相当に高額である場合や法人が事実を隠蔽しまたは仮装して経理することにより、その役員に対して供与した経済的な利益の額は損金の額に算入されません。

★リンクはこちら⇒ 役員に対する経済的利益

2024年9月27日


役員の範囲

役員とは次の者をいいます。

  1. 法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人
  2. 1以外の者で次のいずれかに当たるもの

(1)法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限ります。)以外の者で、その法人の経営に従事しているもの

なお、「使用人以外の者で、その法人の経営に従事しているもの」には、例えば、①取締役または理事となっていない総裁、副総裁、会長、副会長、理事長、副理事長、組合長等、②合名会社、合資会社および合同会社の業務執行社員、③人格のない社団等の代表者または管理人、または④法定役員ではないが法人が定款等において役員として定めている者だけをいうのではなく、相談役、顧問などで、その法人内における地位、職務等からみて実質的に法人の経営に従事していると認められるものも含まれます。

(2)同族会社の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限ります。)のうち、次に掲げるすべての要件を満たす者で、その会社の経営に従事しているもの

イ その会社の株主グループ(注1)をその所有割合(注2)の大きいものから順に並べた場合に、その使用人が所有割合50パーセントを超える第一順位の株主グループに属しているか、または第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属しているか、あるいは第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属していること。

口 その使用人の属する株主グループの所有割合が10パーセントを超えていること。

ハ その使用人(その配偶者およびこれらの者の所有割合が50パーセントを超える場合における他の会社を含みます。)の所有割合が5パーセントを超えていること。

(注1)「株主グループ」とは、その会社の一の株主等およびその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいいます。

(注2)「所有割合」とは、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める割合をいいます。

(1)その会社がその株主等の有する株式または出資の数または金額による判定により同族会社に該当する場合

その株主グループの有する株式の数または出資の金額の合計額がその会社の発行済株式または出資(その会社が有する自己の株式または出資を除きます。)の総数または総額のうちに占める割合

(2)その会社が一定の議決権による判定により同族会社に該当することとなる場合

その株主グループの有する議決権の数がその会社の議決権の総数(議決権を行使することができない株主等が有するその議決権を除きます。)のうちに占める割合

(3)その会社が社員または業務執行社員の数による判定により同族会社に該当する場合

その株主グループに属する社員または業務執行社員の数がその会社の社員または業務執行社員の総数のうちに占める割合

★リンクはこちら⇒ 役員の範囲

2024年9月24日


一括払された金型等相当額を24か月にわたり収益計上した請求人の会計処理が公正処理基準に適合するものとした事例

  • 令和2年4月1日から令和3年3月31日までの事業年度の法人税、令和2年4月1日から令和3年3月31日までの課税事業年度の地方法人税及び令和2年4月1日から令和3年3月31日までの課税期間の消費税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和5年12月21日裁決

<ポイント>
本事例は、一括払された金型等相当額について、その全額を請求人が受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきとしてされた更正処分に対し、金型等相当額の負担に係る契約の法的性質等からすれば、24か月にわたり収益計上した請求人の会計処理は公正処理基準に適合すると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が、発注者から24回の月額均等分割払で受領し、部品の量産開始日を含む月から24か月に分割して毎月月末に収益に計上していた、請求人が所有権を有する金型等の製作費用相当額(金型等相当額)について、契約の変更により一括で受領しており、請求人が受領した時点で請求人の管理支配下に置かれ所得が実現したとして、金型等相当額を受領した日の属する事業年度において、全額を益金の額に算入すべき旨主張する。

しかしながら、金型等相当額の負担に係る請求人と発注者との契約の法的性質及び当該契約に係る各役務の特質からすれば、請求人が受領した金型等相当額は、請求人から発注者に対し、継続的に日々提供される役務に応じて、1か月を単位として対価が支払われる約定に基づき、各月末日の経過ごとに、24回にわたり、過去1か月分の役務に対する対価として代金が確定し、その支払期日を翌月とする発注者と請求人との間の契約に基づき支払われるものと認められること及び金型等相当額の支払に関する基本契約書の条項が変更されていないことから、請求人が、部品の量産開始日を含む月から24回にわたり、毎月末日に収益に計上した会計処理は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準(公正処理基準)に適合するものであり、一括で受領した金型等相当額の全額を受領した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきとは認められない。

★リンクはこちら⇒ 一括払された金型等相当額を24か月にわたり収益計上した請求人の会計処理が公正処理基準に適合するものとした事例

2024年9月10日


法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第68条第1項若しくは第2項又は第4項の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
法人税の重加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

2024年8月5日


法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)(令和6年6月21日)

課法2-14
課審6-5
令和6年6月21日

昭和44年5月1日付直審(法)25「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)ほか3件の法令解釈通達の一部を別紙のとおり改正したから、これによられたい。

(注)アンダーラインを付した箇所が改正した箇所であり、「……」とした箇所は記載を省略した箇所である。

(令6.6.21 課法2-14他1課共同)
この法令解釈通達は、令和6年度の法人税関係法令等の改正に対応し、法人税基本通達等につき所要の整備を図ったものです。

★リンクはこちら⇒ 法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)(令和6年6月21日)

2024年7月25日


適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等の掲載について

平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定されました。

このため、法人税関係特別措置のうち税額又は所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要があります。

国税庁は、令和6年4月1日以降終了事業年度に使用する区分番号一覧表を、ホームページに掲載しました。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等の掲載について

2024年6月18日


「賃上げ促進税制」が強化されます!(令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度が対象)

中小企業向け「賃上げ促進税制」は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。


中小企業庁は、令和6年度税制改正「賃上げ促進税制」についてのパンフレット(暫定版)をホームページに掲載しています。

★リンクはこちら⇒ 「賃上げ促進税制」が強化されます!(令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度が対象)

2024年6月6日


買戻条件の付された種類株式について買戻しが行われた場合における譲渡法人の税務上の取扱いについて(株価算定書の価額を参酌して決定された価額に基づき買戻しが行われた場合)

1.事前照会の趣旨
昨今のスタートアップにおける多様化する資本政策の検討及び実行に際しては、会社法上の権利の内容の異なる種類の株式や株主間契約等に基づきその異なる種類の株式と類似の効果をもたらすような取決めがされた株式等(これらを併せて以下「種類株式等」といいます。)の発行が増加している状況にあります(主なものとしては【我が国の種類株式及び類似の効果をもたらす契約等】ご参照。)。

種類株式等の内容は多様なものが考えられるところ、一般的にスタートアップにおいて発行される種類株式等は市場が形成されていないため、これらを譲渡する際の株価については、実務上、専門性を有する第三者にその算定を依頼することが考えられ、その第三者が算定した株価算定書の価額(注)を参酌して決定することが考えられます。

ところで、税務上、種類株式等の評価については、特定のもの(平成19年2月26日付国税庁ホームページ文書回答「相続等により取得した種類株式の評価について」により明らかにされているものなど)を除き、明確な取扱い等がなく、また、種類株式等の譲渡価額の計算方法等について明らかにされているものはないため、低廉譲渡や高額譲渡(以下「低廉譲渡等」といいます。)に該当するのではないかと考える向きもあるところです。

特に、買戻条件の付された種類株式等についての買戻価額の計算方法等をあらかじめ定款、株主間契約又は投資契約に定める場合、これらの定めは様々なものが考えられ、買戻価額の計算方法等によっては、低廉譲渡等に該当することも考えられるところです。

そこで、今回、買戻条件の付された種類株式等が当該条件に基づき買い戻される場合の株主の税務上の取扱いについてご照会申し上げます。

(注)
具体的には、公認会計士又は企業価値評価を専業とする事業会社により評価された価額で、評価対象となる企業の過年度の財務諸表等、中期事業計画その他の必要な書類を確認し、類似企業の状況を加味するとともに日本公認会計士協会から公表されている以下の研究報告を参考に価格算定が行われていることが一般的と考えられます。

  • 経営研究調査会研究報告第32号「企業価値評価ガイドライン」(平成19年5月16日公表、平成25年7月3日改正)
  • 経営研究調査会研究報告第41号「事例に見る企業価値評価上の論点-紛争の予防及び解決の見地から-」(平成22年7月22日公表、平成25年11月6日改正)
  • 経営研究調査会研究報告第53号「種類株式の評価事例」(平成25年11月6日公表)
  • 経営研究調査会研究報告第70号「スタートアップ企業の価値評価実務」(令和5年3月16日公表)

【我が国の種類株式及び類似の効果をもたらす契約等】

(出典:日本公認会計士協会経営研究調査会研究報告第53号「種類株式の評価事例」5頁)

2.事前照会に係る取引等の事実関係及び照会事項
(1)スタートアップ(非上場の会社)であるX社は、X社の代表取締役である甲により、資本金1,000万円(1株当たり10,000円で1,000株発行)として5年前に設立され、順調に業況が拡大し、更なる収益獲得を見据えた研究開発を検討し、そのための資金を調達するため資本政策を考えていたところ、3年前に資本関係や取引関係等の利害関係のないベンチャーキャピタルY社から出資の打診を受けました。

具体的には、X社が設立時に発行した株式と権利の内容を同じくする株式(以下「普通株式」といいます。)500株(1株当たり43,000円)、剰余金の配当について優先的に受けることが定められ(会社法1081一)、かつ、議決権を行使することができる事項に制限が定められた(会社法1081三)配当優先付無議決権株式(以下「本件種類株式」といいます。)500株(1株当たり57,000円)を新たに発行(これらの株式の新たな発行を以下「本件新株発行」といいます。)して、総額5,000万円の資金調達を行うこと、及びこれらの株式を引き受けることについてY社からの提案があり、X社取締役会は当該提案を受け入れ、X社はY社と投資契約を締結し、X社は本件新株発行をし、Y社はこれを引き受けています。

(2)X社は将来の株式公開を見据えており、両者で合意した当該投資契約には、本件新株発行を行った日から3年経過後、本件種類株式500株について、X社により買戻しができる旨が定められ、その買戻価額は、買戻しの請求時において、専門性を有する第三者が算定した株価算定書の価額を参酌してX社とY社との間で合意した価額による旨が付記されています。

この株価算定を行う専門性を有する第三者として、X社及びY社の合意により、双方と資本関係や取引関係等の利害関係がない企業価値評価を専門として行っているZ社に依頼することとされ、X社又はY社から申出があった場合には、両者で改めて協議し、別途、利害関係のない企業価値評価を専門として行う別の会社に株価の算定を依頼することも合意されています。

【取引関係図】

(3)今般、本件新株発行を行った日から3年が経過し、X社はY社の保有する本件種類株式を買い戻すこととしたため、Z社に株価算定を依頼したところ、本件種類株式について、1株当たり63,000円から66,000円までの株価が提示されました。X社は、買取価額を64,500円とすることでY社と交渉し、Y社もこれに応じ、X社は金銭を対価として本件種類株式を取得しています。このようにZ社が算定した株価算定書の価額を参酌してX社とY社との間で合意された価額により買戻しが実行された場合には、Y社からX社への本件種類株式の譲渡について、税務上、低廉譲渡等であるかどうかについての疑義は生じないと考えられます。

(4)なお、本照会においては、次のイ及びロのことを前提とします。
イ.本件新株発行に伴う普通株式及び本件種類株式の引受けによる取得は、法人税法施行令第119条第1項第4号に規定する「その有価証券の取得のために通常要する価額に比して有利な金額である場合における当該払込み又は当該給付(・・・)により取得をした有価証券(・・・)」に該当せず、税務上、本件新株発行は有利発行に該当しないこと。

ロ.Z社が算定した株価算定書の価額は、日本公認会計士協会から公表されている上記注書の各種研究報告に基づき算定されており、その算定方法は本照会の場面において一般的に採用されるべき適正なものであること。また、株価算定の前提として、X社において提示される財務内容や経営計画等に合理性があり、これについてZ社において十分な検証がされ、算定に用いる数値等の諸要素が合理的で適正なものであること。

3.上記の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由
(1)内国法人が有価証券の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額(その有価証券の譲渡の時における有償によるその有価証券の譲渡により通常得べき対価の額がその有価証券の譲渡に係る原価の額を超える場合のその超える部分の金額をいいます。)又は譲渡損失額(その有価証券の譲渡に係る原価の額がその有価証券の譲渡の時における有償によるその有価証券の譲渡により通常得べき対価の額を超える場合のその超える部分の金額をいいます。)は、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入することとされており(法法61の21)、その譲渡の時における通常得べき対価の額、すなわち時価が問題となるところ、この時価とは、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立する価額、すなわち客観的な交換価値をいうものと解されています。
また、純然たる第三者間において種々の経済性を考慮して定められた取引価額は、一般に合理的なものとして是認されると考えられています。

(2)種類株式等に関する権利の内容は様々なものが考えられ、これらの税務上の評価については、特定のものを除いて明確な取扱い等がなく、また、譲渡価額の計算方法等についても明らかにされているものはないため、本件種類株式の買戻条件に基づくY社からX社への譲渡について、それが税務上、低廉譲渡等に該当するのではないかとの疑問も生ずるところです。

この点、本照会においては、買戻しの請求時の価額として、X社及びY社と資本関係や取引関係等の利害関係がない株式評価実務において専門性を有する第三者であるZ社により、上記2(4)ロを前提として本件種類株式の価額算定が行われており、これを参酌しつつ、本件種類株式に係る取引以外の取引関係がないX社とY社との間において合意された価額に基づき買戻しが行われますので、このようにして取り決められた買戻価額による譲渡は、原則として、税務上、低廉譲渡等に該当することはないと考えられます。

4.国税庁の回答(令和6年3月28日)
標題のことについては、御照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。

ただし、次のことを申し添えます。
(1)この文書回答は、御照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答ですので、個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。

(2)この回答内容は国税庁としての見解であり、個々の納税者の申告内容等を拘束するものではありません。

★リンクはこちら⇒ 買戻条件の付された種類株式について買戻しが行われた場合における譲渡法人の税務上の取扱いについて(株価算定書の価額を参酌して決定された価額に基づき買戻しが行われた場合)

2024年5月13日


令和6年3月25日以降に、令和5年4月1日以後終了事業年度等分の法人税申告を行う方へ

法人の皆様が、令和6年3月1日以後終了事業年度等分より使用していただく「法人事業概況説明書」及び「勘定科目内訳明細書」に関して、e-Taxでは、令和6年3月25日リリースでの対応を予定しております。

そのため、令和6年3月25日以降に、令和5年4月1日以後終了事業年度等分の申告(修正申告を含む)を行う方については、お手数ですが下記のご対応をお願いします。

<法人事業概況説明書について>
事業者の方々のデジタル化の状況を含め、その法人の経理状況等を把握するため、令和6年3月1日以後終了事業年度分より使用していただく法人事業概況説明書の様式を改訂しております。

具体的な改訂内容は、国税庁ホームページ「『法人事業概況説明書』の様式が改訂されます。(令和6年1月)」をご確認ください。

リリース日以降、令和5年4月1日以後終了事業年度等分の申告(修正申告を含む)を行う際には、改訂後の法人事業概況説明書をご利用いただくことになります。

そのため、改訂前の法人事業概況説明書をご利用になる方については、改訂後の法人事業概況説明書を改訂前の法人事業概況説明書に読み替え、入力していただく必要がありますので、ご注意いただきますようお願いいたします。

【例】令和6年1月決算法人が、令和6年3月29日に申告した場合
「5 PC利用状況」欄の(7)について、改訂前の法人事業概況説明書では「データの保存先」を記載しますが、改訂後の法人事業概況説明書では「電帳法適用状況」になっているため、下記のとおり、読み替えて入力してください。

<勘定科目内訳明細書について>
インボイス制度の開始に伴い、令和6年3月1日以後終了事業年度等分より使用していただく勘定科目内訳明細書の様式に取引先の「登録番号」又は「法人番号」を記載する欄を設ける改訂をしております。

なお、取引先の「登録番号」又は「法人番号」を記載する場合には、取引先の名称(氏名)及び所在地(住所)の記載を省略することができます。

リリース日以降、令和5年4月1日以後終了事業年度等分の申告(修正申告を含む)を行う際には、改訂後の勘定科目内訳明細書をご利用いただくことになります。

そのため、改訂前の勘定科目内訳明細書をご利用になる方については、改訂後の勘定科目内訳明細書の「登録番号」、「法人番号」欄については、入力いただかなくても差し支えありません。

★リンクはこちら⇒ 令和6年3月25日以降に、令和5年4月1日以後終了事業年度等分の法人税申告を行う方へ

2024年3月26日


一括取得した土地及び建物について、各資産の取得価額等の算定に当たり、不動産鑑定評価における積算価格比によりあん分するのが合理的であるとした事例

  • ①平成30年3月1日から平成31年2月28日まで及び平成31年3月1日から令和2年2月29日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに令和2年3月1日から令和3年2月28日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②令和2年3月1日から令和3年2月28日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ③平成30年3月1日から平成31年2月28日まで及び平成31年3月1日から令和2年2月29日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①③一部取消し、棄却
  • ②一部取消し
  • 令和5年6月21日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が一括取得した土地及び建物について各資産の取得価額等を算定するに当たり、建物の価値を増加させると認められる改修工事が行われていた建物及びこれと一括取得した土地については、当該価値の増加が反映されていないと認められる固定資産税評価額の比ではなく、不動産鑑定評価における積算価格比によりあん分するのが合理的であると判断した事例である。

<要旨>
請求人は、売買により一括取得した土地及び建物について、まず当該土地の路線価に地積を乗じることにより当該土地の売買代金相当額を算出し、これを売買代金の総額から差し引くことにより当該建物の売買代金相当額を算出する方法(本件差引法)により算出すべきである旨主張する。

しかしながら、本件差引法を用いて土地及び建物の売買代金相当額を区分した場合、土地の売買代金相当額に反映されるべき価額が反映されず、土地の売買代金相当額が客観的な時価に比して低額になる一方、当該価額が建物の売買代金相当額に転嫁され、建物の売買代金相当額が客観的な時価に比して高額になるという看過し難い不均衡が生じるから、本件差引法は合理的とは認められない。

一方、原処分庁は、当該土地及び建物の各売買代金相当額は、土地及び建物の売買代金総額を各資産の固定資産税評価額比によりあん分する方法(固定資産税評価額比あん分法)により算出すべきである旨主張するところ、確かに、固定資産税評価額比は、土地及び建物の価額比を推認する手がかりとして一般的な合理性を有するものであるから、固定資産税評価額比あん分法は、一般的には合理的な算定方法であると認められる。

しかしながら、本件の一部の建物には時価を増加させると認められる改修工事が実施されていたにもかかわらず、当該建物の固定資産税評価額にはこれらの時価の増加が反映されていない。

他方、当該一部の建物及びこれと一括取得された土地について請求人が提出した不動産鑑定評価書における土地及び建物の積算価格の比は、土地及び建物の時価の価額比を推認する手がかりとして一定の合理性が認められる上、改修工事の実施を踏まえたものであり、当該一部の土地・建物については、固定資産税評価額比あん分法よりも当該積算価格比によりあん分する方法を用いることがより合理的であると認められる。

したがって、当該一部の土地・建物については当該積算価格比によりあん分する方法を、他の土地・建物については、固定資産税評価額比あん分法を用いるのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 一括取得した土地及び建物について、各資産の取得価額等の算定に当たり、不動産鑑定評価における積算価格比によりあん分するのが合理的であるとした事例

2024年3月26日


仕入金額の一部は寄附金の額に該当しないとした事例

  • ①平成25年11月1日から平成26年10月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②平成26年11月1日から平成27年10月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(重加算税の賦課決定処分を併せ審理)
  • ③平成25年11月1日から平成26年10月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ④平成26年11月1日から平成27年10月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 全部取消し、一部取消し
  • 令和5年3月8日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が算出した仕入金額が時価相当額であるとはいえず、仕入金額に時価相当額よりも不相当に高額な部分があるとは認められないから、仕入金額の一部が寄附金の額に該当するとはいえないと判断した事例である。

<要旨>
原処分庁は、請求人が取締役(本件取締役)と親族関係にある業者(本件業者)から仕入れた資材の仕入金額は時価相当額と比較して不相当に高額であるから、時価相当額を超える部分の金額は法人税法第37条《寄附金の損金不算入》に規定する寄附金の額に該当する旨主張する。

しかしながら、原処分庁が時価相当額を算出するために用いた計算式には合理性が認められるものの、原処分庁が計算に用いた具体的な数値については、これを用いることが相当であるとはいえないから、原処分庁が算出した仕入金額は時価相当額とは認められない。

また、原処分庁は、本件業者に対する仕入単価は、一定の金額が上乗せされた「いわゆる親戚価格」である旨主張するが、仕入単価の決定は、本件業者と本件業者とは親族関係にない営業部長との間で交渉により決められており、本件取締役が仕入単価の決定に介入したとは認められないから、本件業者に係る仕入金額は、時価に比して不相当に高額であったとは認められない。

★リンクはこちら⇒ 仕入金額の一部は寄附金の額に該当しないとした事例

2024年1月11日


請求人が支払った客引きに対する報酬について原処分庁の認定額を超えると判断した事例

  • ①平成29年1月〇日から平成29年12月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月日から平成30年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
  • ③平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分
  • ④平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各事業年度の法人税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ⑤令和2年1月1日から令和2年12月31日までの事業年度の欠損金の繰戻しによる平成31年1月1日から令和元年12月31日までの事業年度の法人税の還付請求に理由がない旨の通知処分
  • ⑥平成29年1月〇日から令和元年5月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑦平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ①④⑤⑦棄却、②③却下、⑥一部取消し、棄却
  • 令和4年10月25日裁決

<ポイント>
本事例は、本邦からの輸出取引について、輸出許可の申請や、輸出許可通知書の保存状況から、請求人において輸出免税の適用を受けることができると判断した事例である。

<要旨>
原処分庁は、本件における輸出取引(本件取引)は、請求人から商品を仕入れた取引先が国外に販売したものであるから、請求人が、消費税法第7条《輸出免税等》第1項第1号に規定する本邦からの輸出として行われる資産の譲渡を行ったものではない旨主張する。

しかしながら、請求人は、取引先から受注した商品を国内でコンテナに積載し、自らの名義で輸出許可を申請して国外へ搬出しているのであり、本件取引は、請求人による本邦からの輸出として行われる資産の譲渡であると認められる。

そして、請求人は、請求人名義の輸出許可通知書を保存していることから、請求人において、輸出免税の適用を受けることができる。

★リンクはこちら⇒ 請求人が支払った客引きに対する報酬について原処分庁の認定額を超えると判断した事例

2023年12月11日


交際費等と寄附金との区分

交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。

ただし、カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用や次のような不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用は、交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費となります。

<不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用>

  1. 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用または一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用
  2. 製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用
  3. 製造業者や販売業者が、一定の商品などを購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品などを購入した一般消費者を招待するための費用
  4. 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用
  5. 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用
  6. 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用
  7. 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や取扱商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用

(注)次のような場合、「一般消費者」を対象としていることには当たらないので注意してください。

  1. 医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合
  2. 化粧品の製造業者や販売業者が美容業者や理容業者を対象とする場合
  3. 建築材料の製造業者や販売業者が、大工、左官などの建築業者を対象とする場合
  4. 飼料、肥料などの農業用資材の製造業者や販売業者が農家を対象とする場合
  5. 機械または工具の製造業者や販売業者が鉄工業者を対象とする場合

★リンクはこちら⇒ 交際費等と寄附金との区分

2023年7月27日


交際費等と福利厚生費との区分

交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。

ただし、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用については交際費等から除かれ、福利厚生費などとされます。

また、社内の行事に際して支出される金額などで、次のようなものは福利厚生費となります。

  1. 創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
  2. 従業員等(従業員等であった者を含みます。)またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります。)

★リンクはこちら⇒ 交際費等と福利厚生費との区分

2023年7月21日


交際費等と広告宣伝費との区分

交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。

ただし、カレンダー、手帳、手ぬぐいなどを贈与するために通常要する費用や次のような不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用は、交際費等には含まれないものとされ、広告宣伝費となります。

<不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図した費用>

1 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用または一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用
2 製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用
3 製造業者や販売業者が、一定の商品などを購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品などを購入した一般消費者を招待するための費用
4 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用
5 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用
6 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用
7 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や取扱商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用

(注)次のような場合、「一般消費者」を対象としていることには当たらないので注意してください。

(1) 医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合
(2) 化粧品の製造業者や販売業者が美容業者や理容業者を対象とする場合
(3) 建築材料の製造業者や販売業者が、大工、左官などの建築業者を対象とする場合
(4) 飼料、肥料などの農業用資材の製造業者や販売業者が農家を対象とする場合
(5) 機械または工具の製造業者や販売業者が鉄工業者を対象とする場合

★リンクはこちら⇒ 交際費等と広告宣伝費との区分

2023年7月13日


納付書の事前送付に関するお知らせ

国税庁では、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」の実現に向けて、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいるところ、社会全体の効率化と行政コスト抑制の観点を踏まえ、令和6年5月以降に送付する分から、e-Taxにより申告書を提出している法人の方などについて、納付書の事前の送付を取りやめることとしている。

納付書の事前の送付を行わないこととなる方は次のとおり。
<事前送付を行わないこととなる方>

  • e-Taxにより申告書を提出されている法人の方
  • e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人の方
  • e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人の方
  • 「納付書」を使用しない次の手段により納付されている法人・個人の方
  1. ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
  2. 振替納税
  3. インターネットバンキング等による納付
  4. クレジットカード納付
  5. スマホアプリ納付
  6. コンビニ納付(QRコード)

(注)
1.現在、e-Taxを利用されず、税務署から送付された納付書で納付されている方など納付書を必要とされる方に対しては、引き続き、納付書を送付する予定としている。
2.源泉所得税の徴収高計算書については、引き続き送付する予定であるが、電子申告及びキャッシュレス納付を是非ご利用ください。
3.「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標である。

国税庁では、納税者の方が納付書を手書きで作成する手間を省くと共に、税務署や金融機関の窓口に行かなくても国税の納付ができるよう、キャッシュレス納付を用意している。

キャッシュレス納付については、納付の手続をより簡単・便利に行うことが可能であり、納付書が不要となる。

納付書の事前の送付を行わないこととなる方は、キャッシュレス納付を是非ご利用ください。

★リンクはこちら⇒ 納付書の事前送付に関するお知らせ

2023年7月11日


交際費等の範囲と損金不算入額の計算

【概要】

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。

<交際費等の範囲から除かれるもの>
次に掲げる費用は交際費等から除かれます。

1.専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
2.飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

なお、この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。

(1) 飲食等のあった年月日
(2) 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
(3) 飲食等に参加した者の数
(4) その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
(5) その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

3.その他の費用

(1) カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用
(2) 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
(3) 新聞、雑誌等の出版物または放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、または放送のための取材に通常要する費用

(注)上記2.の費用の金額基準である5,000円の判定や交際費等の額の計算は、法人の適用している消費税等の経理処理(税抜経理方式または税込経理方式)により算定した価額により行います。

【計算方法・計算式】
交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされていますが、損金不算入額の計算に当たっては、下記の法人の区分に応じ、一定の措置が設けられています。

<期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人(注)>
1.平成25年3月31日以前に開始する事業年度
損金不算入額は、交際費等の額のうち、600万円(平成21年3月31日以前に終了した事業年度においては400万円となります。)にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(以下「旧定額控除限度額」といいます。)に達するまでの金額の10パーセントに相当する金額と、交際費等の額が旧定額控除限度額に達するまでの金額を超える場合におけるその超える部分の金額の合計額となります。

2.平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度
損金不算入額は、上記の「概要」の交際費等の額のうち、800万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(以下「定額控除限度額」といいます。)に達するまでの金額を超える部分の金額となります。

3.平成26年4月1日以後に開始する事業年度
損金不算入額は、次のいずれかの金額となります。

(1) 交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)の50パーセントに相当する金額を超える部分の金額
(2) 上記2.の金額(定額控除限度額)を超える部分の金額

(注)法人税法第66条第5項第2号もしくは第3号に規定する法人(資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人の100パーセント子法人等)または租税特別措置法第61条の4第2項第2号に規定する法人(通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかの法人の資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人である場合におけるその通算法人など)の損金不算入額は、上記の「期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人」ではなく、下記の「上記以外の法人」により計算します。

<上記以外の法人>
1.平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度
損金不算入額は、支出する交際費等の額の全額となります。

2.平成26年4月1日以後に開始する事業年度
損金不算入額は、上記の「期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人」の3の(1)の金額となります。

3.令和2年4月1日以後に開始する事業年度

(1) 期末の資本金の額または出資金の額が100億円を超える法人(注)
損金不算入額は、支出する交際費等の額の全額となります。
(2) 上記(1)以外の法人
損金不算入額は、上記の「期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人」の3の(1)の金額となります。

(注)令和4年4月1日以後に開始する事業年度においては、期末の資本金の額または出資金の額が100億円を超える法人以外の法人で、通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかの法人の適用年度終了の日における資本金の額または出資金の額が100億円を超える場合におけるその通算法人を含みます。

★リンクはこちら⇒ 交際費等の範囲と損金不算入額の計算

2023年6月20日


出向先法人が支出する退職金の負担金の取扱い

出向者の退職金は出向元の法人が出向者へ支払うこととなりますが、このうち出向期間中に対応する退職金については出向先の法人が負担すべきものとして、通常、出向先の法人から出向元の法人へ負担金が支出されます。

<負担金の支出時期>
この負担金の支出の時期として次の3つの場合があります。

1 出向先の法人から出向元の法人へ復帰した時
2 出向元の法人を退職した時
3 出向期間中

<負担金の取扱い>
1.上記の「負担金の支出時期」の1または2の場合、つまり、出向先の法人から出向元の法人へ復帰した時または出向元の法人を退職した時に負担金を支出する場合には、原則として、出向先の法人の支出した事業年度の損金の額に算入されます。

2.上記の「負担金の支出時期」の3の出向期間中に負担金を支出する場合には、次の2つの要件のいずれにも該当するときは、出向先の法人の支出した事業年度の損金の額に算入されます。

(1) あらかじめ定めた負担区分に基づいて定期的に支出していること。
(2) その支出する金額が、出向期間に対応する退職金の負担額として合理的に計算された金額であること。

この負担金を損金の額に算入することは、出向者が出向先の法人において役員になっているときでも認められます。

また、出向者が出向元の法人を退職しても、出向先の法人で引き続き勤務していることがあります。

この場合に、出向先の法人が出向元の法人に支出する出向期間に対応する退職金相当額は、たとえその出向者が、出向先の法人において引き続き役員または使用人として勤務しているときでも、その支出した事業年度の損金の額に算入されます。

★リンクはこちら⇒ 出向先法人が支出する退職金の負担金の取扱い

2023年6月15日


出向者に対する給与の較差補てん金の取扱い

出向元の法人が出向先の法人との給与条件の較差を補てんするため出向者に対して支給した給与は、出向期間中であっても、出向者と出向元の法人との雇用契約が依然として維持されていることから、出向元の法人の損金の額に算入されます。

また、次のような場合も、給与較差補てん金として取り扱われます。

1 出向先の法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため、出向元の法人がその出向者に賞与を支給する場合
2 出向先の法人が海外にあるため、出向元の法人が留守宅手当を支給する場合

この給与較差補てん金は、出向元の法人が出向者に直接支給しても、出向先の法人を通じて支給しても同様に取り扱われます。

★リンクはこちら⇒ 出向者に対する給与の較差補てん金の取扱い

2023年6月13日


請求人の取締役に対する給与の額に不相当に高額な部分はないとした事例

  • ①平成27年12月1日から平成28年11月30日まで、平成28年12月1日から平成29年11月30日まで、平成29年12月1日から平成30年11月30日まで、平成30年12月1日から令和元年11月30日まで及び令和元年12月1日から令和2年11月30日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(平成30年12月1日から令和元年11月30日までの事業年度の法人税の更正をすべき理由がない旨の通知処分を併せ審理)
  • ②平成27年12月1日から平成28年11月30日まで、平成28年12月1日から平成29年11月30日まで、平成29年12月1日から平成30年11月30日まで及び令和元年12月1日から令和2年11月30日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成30年12月1日から令和元年11月30日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分(更正をすべき理由がない旨の通知処分を併せ審理)
  • ①全部取消し、一部取消し
  • ②全部取消し
  • ③一部取消し・令和4年7月1日裁決

<ポイント>
本事例は、法人税法上の使用人兼務役員に該当しない取締役に対する役員給与について、請求人の代表者が作成した書面に当該取締役の役員報酬として記載された金額は、その算出過程及び書面の作成過程から、当該取締役に対する給与の積算根拠にすぎず、いわゆる形式基準限度額には当たらないと判断した事例である。

<要旨>
原処分庁は、各取締役が受けるべき報酬の割当額の決定を一任された代表取締役が作成した「取締役の報酬金額に対する決定書」(本件決定書)に記載された報酬金額は、法人税法施行令(令和3年政令第39号による改正前のもの。)第70条《過大な役員給与の額》第1号ロの「金銭の額の限度額」(形式基準限度額)に当たり、法人税法上の使用人兼務役員に該当しない取締役(本件取締役)に対しこれを超えて支給された金額は、不相当に高額な役員給与である旨主張する。

しかしながら、当該代表取締役は、本件取締役に対する役員給与について、取締役分と使用人分を勘案した上で、その合計額を支給額として決定したと認められ、本件決定書に記載された金額は本件取締役に対する給与の額の積算根拠にすぎず、本件取締役の給与に係る形式基準限度額とは認められない。

★リンクはこちら⇒ 請求人の取締役に対する給与の額に不相当に高額な部分はないとした事例

2023年6月8日


出向先法人が支出する給与負担金に係る役員給与の取扱い

法人の使用人が他の法人に出向した場合において、その出向した使用人(以下「出向者」といいます。)に対する給与を出向元の法人が支給することとしているため、出向先の法人がその出向者の給与(退職給与を除きます。)に相当する金額(以下「給与負担金」といいます。)を出向元の法人に支出したときは、当該給与負担金の額は、出向先の法人におけるその出向者に対する給与(退職給与を除きます。)として取り扱われます。

この給与負担金の取扱いは、出向者が出向先の法人において使用人となっているか、役員になっているかにより異なります。

具体的には次のとおりとなります。

<出向者が出向先の法人において使用人である場合>
その給与負担金の額は、原則として、出向先の法人における使用人に対する給与として、損金の額に算入されます。

<出向者が出向先の法人において役員となっている場合>
出向者が出向先の法人において役員となっている場合において次のいずれにも該当するときは、出向先の法人が支出する当該役員に係る給与負担金の支出を出向先の法人における当該役員に対する給与の支給として、法人税法第34条《役員給与の損金不算入》の規定が適用されます。

1 当該役員に係る給与負担金の額について、当該役員に対する給与として出向先の法人の株主総会、社員総会またはこれらに準ずるものの決議がされていること。
2 出向契約等において当該出向者に係る出向期間および給与負担金の額があらかじめ定められていること。

この取扱いの適用を受ける給与負担金について、事前確定届出給与の規定の適用を受ける場合には、出向先の法人がその納税地の所轄税務署長にその出向契約等に基づき支出する給与負担金に係る定めの内容に関する届出を行うこととなります。

なお、出向先の法人が給与負担金として支出した金額が、出向元の法人が当該出向者に支給する給与の額を超える場合には、その超える部分の金額については給与負担金としての性格はないこととなります。

したがって、そのことについて合理的な理由がない場合には、出向元の法人に対する寄附金として取り扱われることになりますので注意してください。

★リンクはこちら⇒ 出向先法人が支出する給与負担金に係る役員給与の取扱い

2023年6月6日


請求人が購入した電子マネーの購入対価について、その一部は売上原価として損金の額に算入されるとした事例

  • ①平成27年1月1日から平成27年12月31日まで、平成28年1月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年12月31日まで、平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から平成31年2月28日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ②平成27年1月1日から平成27年12月31日まで、平成28年1月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成31年1月1日から平成31年2月28日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分
  • ④平成27年1月1日から平成27年12月31日まで、平成28年1月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年12月31日まで、平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から平成31年2月28日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①②全部取消し、一部取消し
  • ③全部取消し
  • ④棄却
  • 令和4年8月4日裁決

<ポイント>
本事例は、電子マネーの購入対価が請求人の損金の額に算入されるか否かについて、関連会社における当該電子マネーの管理状況や請求人への入金の状況等から、当該電子マネーの一部は当該関連会社に譲渡したと認められ、その購入対価は請求人の売上原価に該当すると判断した事例である。

<要旨>
原処分庁は、請求人が購入した電子マネーについて、請求人の業務との関連性を有する用途に使用された事実が確認できないことから、当該電子マネーの購入対価は損金の額に算入されない旨主張する。

しかしながら、請求人が提出した証拠資料から、当該電子マネーの一部は関係法人に譲渡した事実が認められることから、その取得価額は売上原価として損金の額に算入される。

他方、その他の電子マネーについては、その費途が確認できず、請求人の業務との関連性の有無が明らかでないことから、その取得価額を損金の額に算入することはできない。

★リンクはこちら⇒ 請求人が購入した電子マネーの購入対価について、その一部は売上原価として損金の額に算入されるとした事例

2023年5月30日


使用人賞与の損金算入時期

法人が使用人に対して支給する賞与の額は、次に掲げる賞与の区分に応じ、それぞれ次の事業年度の損金の額に算入します。

なお、使用人に対して支給する賞与の額には、使用人兼務役員に対して支給する賞与のうち使用人としての職務に対応する部分の金額が含まれます。

1.労働協約または就業規則により定められる支給予定日が到来している賞与(使用人にその支給額が通知されているもので、かつ、その支給予定日またはその通知をした日の属する事業年度においてその支給額につき損金経理したものに限ります。)
その支給予定日またはその通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度

2.次に掲げる要件のすべてを満たす賞与
使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度

(1) その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること。
(注1) 法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合のその支給額の通知は、ここでいう「通知」には該当しません。
(注2) 法人が、その使用人に対する賞与の支給について、いわゆるパートタイマーまたは臨時雇い等の身分で雇用している者(雇用関係が継続的なものであって、他の使用人と同様に賞与の支給の対象としている者を除きます。)とその他の使用人を区分している場合には、その区分ごとに支給額の通知を行ったかどうかを判定することができます。
(2) (1)の通知をした金額を通知したすべての使用人に対しその通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること。
(3) その支給額につき(1)の通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

3.上記1および2に掲げる賞与以外の賞与
その支払をした日の属する事業年度

★リンクはこちら⇒ 使用人賞与の損金算入時期

2023年5月16日


確定給付企業年金等に係る課税関係

退職した使用人を受給者として年金給付を行うため、事業主が支出する掛金および使用人が受け取る給付額の課税関係は次のとおりです。

1.事業主が支出した次に掲げる掛金の額は、事業主の法人税または所得税の課税所得の計算上、損金の額または必要経費に算入されます。

また、使用人については、事業主が掛金を支出した時点では給与として課税されません。

なお、掛金の一部を使用人が負担した場合には、使用人において、(2)の掛金は生命保険料控除の対象、(3)の企業型年金規約に基づく加入者掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となります。

(1) 独立行政法人勤労者退職金共済機構または所得税法施行令第74条第5項に規定する特定退職金共済団体が行う退職金共済制度に係る掛金
(2) 確定給付企業年金法第3条第1項に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて支出した掛金
(3) 確定拠出年金法に規定する企業型年金規約に基づいて企業型年金加入者のために支出した事業主掛金

2.使用人が退職に伴って受け取る退職年金等については、退職年金として給付されたものは公的年金等に該当し、雑所得として、また、退職一時金として給付されたものはみなし退職手当等に該当し、退職所得として課税されます。

また、信託銀行等に積み立てられている退職年金等積立金に対しては、原則として、毎年1パーセントの税率で法人税が課税されます。

ただし、平成11年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する事業年度の退職年金等積立金に対しては、法人税を課さないこととされています。

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2023年5月11日


適格退職年金契約とはどのような退職年金契約をいうのですか

適格退職年金契約とは、原則として平成14年3月31日までに締結した使用人に対する退職年金の支給を目的とした信託、生命保険または生命共済の契約で、一定の要件を備えているものとして国税庁長官の承認を受けた契約をいいます。

この場合の「一定の要件」とは、主に次のような要件です。

  1. 事業主がその使用人を受益者等として掛金を払い込み、信託銀行や生命保険会社等が退職した使用人に退職年金を支給するものであること。
  2. 掛金および給付の額が適正な年金数理に基づいて算定されていること。
  3. 年金財産として積み立てられた金額は原則として事業主に返還されず、契約を解除したときは受益者等に帰属するものであること。
  4. 受益者等のうち特定の者について不当に差別的な取扱いをしないこと。

(注)
適格退職年金制度は、平成14年3月31日において廃止され、平成14年4月1日以後は、原則として新たな契約の締結は適格退職年金契約として認められないこととなりました。

ただし、平成14年3月31日までに締結した適格退職年金契約については、平成24年3月31日まで経過的に存続することとされ、平成24年4月1日以後もその契約が継続しているときは、同日において一定の事実が生じている場合に限り、存続することとなりました。

★リンクはこちら⇒ 適格退職年金契約とはどのような退職年金契約をいうのですか

2023年5月9日


個人事業当時からの使用人に対する退職金

個人事業を引き継いで設立された法人が、個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職に伴い個人時代からの勤務年数など個人時代を含めた勤務実績を基に退職金を算定し支給した場合は、個人時代の勤務に対応する部分の金額は法人の損金の額には算入されず、個人事業の最終年分の事業所得の計算上、必要経費になります。

しかし、その退職が法人設立後相当の期間が経過した後であるときは、その支給した退職金の金額が法人の損金の額に算入されます。

★リンクはこちら⇒ 個人事業当時からの使用人に対する退職金

2023年4月27日


役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以後に役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与の取扱いは、以下のとおりとなります。

(注)新株予約権による給与および退職給与については、平成29年10月1日以後の役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与から適用されます。

法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。
ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

(注)上記の給与からは、(1)退職給与で業績連動給与に該当しないもの、(2)左記(1)以外のもので使用人兼務役員に対して支給する使用人としての職務に対するものおよび(3)法人が事実を隠蔽し、または仮装して経理することによりその役員に対して支給するものは除かれます。

<定期同額給与>
定期同額給与とは、次に掲げる給与です。

1 その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額(注)を控除した金額が同額であるもの
(注)源泉税等の額とは、源泉徴収をされる所得税の額、特別徴収をされる地方税の額、定期給与の額から控除される社会保険料の額その他これらに類するものの額の合計額をいいます。
2 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日または給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日またはその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額を控除した金額が同額であるもの
(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定
(2) その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(上記イに掲げる改定を除きます。)
(3) その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記イおよびロに掲げる改定を除きます。)
3 継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

<事前確定届出給与>
事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭または確定した数の株式(出資を含みます。以下同じです。)もしくは新株予約権もしくは確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式もしくは特定新株予約権を交付する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給される給与で、上記の「定期同額給与」および下記の「業績連動給与」のいずれにも該当しないもの(承継譲渡制限付株式または承継新株予約権による給与を含み、次に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ次に定める要件を満たすものに限ります。)をいいます。

1 その給与が次のいずれにも該当しない場合 事前確定届出給与に関する届出をしていること。
(1) 定期給与を支給しない役員に対して同族会社に該当しない法人が支給する金銭による給与
(2) 株式または新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係る一定のもの
(注1) (1)または(2)に該当する給与については、事前確定届出給与に関する届出は必要ありません。
(注2) 将来の役務の提供に係る一定の給与とは、役員の職務につき株主総会、社員総会その他これらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議(その職務の執行の開始の日から1か月を経過する日までにされるものに限ります。)により事前確定届出給与に関する定め(その決議の日から1か月を経過する日までに、特定譲渡制限付株式または特定新株予約権を交付する旨の定めに限ります。)をした場合のその定めに基づいて交付される特定譲渡制限付株式または特定新株予約権による給与をいいます。
2 株式を交付する場合
その株式が市場価格のある株式または市場価格のある株式と交換される株式(その法人または関係法人が発行したものに限ります。以下「適格株式」といいます。)であること。
3 新株予約権を交付する場合
その新株予約権がその行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権(その法人または関係法人が発行したものに限ります。以下「適格新株予約権」といいます。)であること。
(注1) 関係法人とは、その法人の役員の職務につき支給する給与(株式または新株予約権によるものに限ります。)に係る株主総会等の決議日からその株式または新株予約権を交付する日までの間、その法人と他の法人との間に当該他法人による支配関係が継続することが見込まれている場合の当該他の法人をいいます。
(注2) 特定譲渡制限付株式とは、譲渡制限付株式(※)であって役務の提供の対価として個人に生ずる債権の給付と引換えにその個人に交付されるものその他その個人に給付されることに伴ってその債権が消滅する場合のその譲渡制限付株式をいいます。
(※) 譲渡制限付株式とは、次の要件に該当する株式をいいます。
1 譲渡(担保権の設定その他の処分を含みます。)についての制限がされており、かつ、譲渡制限期間が設けられていること。
2 個人から役務提供を受ける法人またはその株式を発行し、もしくはその個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる事由(その株式の交付を受けた個人が譲渡制限期間内の所定の期間勤務を継続しないこともしくはその個人の勤務実績が良好でないことその他のその個人の勤務の状況に基づく事由、またはこれらの法人の業績があらかじめ定めた基準に達しないことその他のこれらの法人の業績その他の指標の状況に基づく事由に限ります。)が定められていること。
(注3) 特定新株予約権とは、譲渡制限付新株予約権(※)であって次に掲げる要件に該当するものをいいます。
1 その譲渡制限付新株予約権と引換えにする払込みに代えてその役務の提供の対価としてその個人に生ずる債権をもって相殺されること。
2 1に掲げるもののほか、その譲渡制限付新株予約権が実質的にその役務の提供の対価と認められるものであること。
(※) 譲渡制限付新株予約権とは、発行法人から一定の権利の譲渡についての制限その他特別の条件が付されているものをいいます。

また、役員の職務につき、確定した額に相当する適格株式または適格新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与(確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式または特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与を除きます。)は、確定した額の金銭を交付する旨の定めに基づいて支給する給与に該当するものとして取り扱われます。

<事前確定届出給与に関する届出期限>

1 原則
事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日)までに所定の届出書を提出する必要があります。
(1) 株主総会等の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
(2) その会計期間開始の日から4か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けている法人はその指定に係る月数に3を加えた月数)を経過する日
2 臨時改定事由が生じたことにより事前確定届出給与に関する定めをした場合
臨時改定事由が生じたことによりその臨時改定事由に係る役員の職務について事前確定届出給与に関する定めをした場合には、次に掲げる日のうちいずれか遅い日が届出期限です。
(1) 上記1の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人にあっては、その設立の日以後2か月を経過する日)
(2) 臨時改定事由が生じた日から1か月を経過する日
3 事前確定届出給与に関する定めを変更する場合
既に上記1または2の届出をしている法人が、その届出をした事前確定届出給与に関する定めの内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に基因するものであるときのその変更後の定めの内容に関する届出の届出期限は、次に掲げる事由の区分に応じてそれぞれ次に定める日です。
(1) 臨時改定事由
その事由が生じた日から1か月を経過する日
(2) 業績悪化改定事由(給与の支給額を減額し、または交付する株式もしくは新株予約権の数を減少させる場合に限ります。)
その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日(変更前の直前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日がその1か月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)
4 やむを得ない事情がある場合
上記1から3までの届出期限までに届出がなかった場合においても、その届出がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、それらの届出期限までに届出があったものとして事前確定届出給与の損金算入をすることができます。

<業績連動給与>
業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の法人またはその法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標を基礎として算定される額または数の金銭または株式もしくは新株予約権による給与および特定譲渡制限付株式もしくは承継譲渡制限付株式または特定新株予約権もしくは承継新株予約権による給与で無償で取得され、または消滅する株式または新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものをいいます。

損金算入となる業績連動給与は、法人(同族会社にあっては同族会社以外の法人との間にその法人による完全支配関係があるものに限ります。)が、業務執行役員()に対して支給する業績連動給与(金銭以外の資産が交付されるものにあっては、適格株式または適格新株予約権が交付されるものに限ります。)で、次の1から3までのすべての要件を満たすもの(他の業務執行役員のすべてに対して次の要件を満たす業績連動給与を支給する場合に限ります。)となります。

()業務執行役員とは、業務連動給与の算定方法の決定または手続の終了の日において、法人の業務を執行することとされている役員をいいます。

1 交付される金銭の額もしくは株式もしくは新株予約権の数または交付される新株予約権の数のうち無償で取得され、もしくは消滅する数の算定方法が、その給与に係る職務執行期間開始日以後に終了する事業年度の利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標または売上高の状況を示す指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること。
(1) 確定額または確定数を限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
(2) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けた法人はその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日までに一定の報酬委員会等がその算定方法を決定していることその他これに準ずる一定の適正な手続を経ていること。
(3) その内容が上記(2)の適正手続終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他一定の方法により開示されていること。
2 次に掲げる給与の区分に応じそれぞれ次の要件を満たすものであること。
(1) (2)に掲げる給与以外の給与 次に掲げる給与の区分に応じてそれぞれ次に定める日までに交付され、または交付される見込みであること。
金銭による給与
その金銭の額の算定の基礎とした利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標または売上高の状況を示す指標の数値が確定した日の翌日から1か月を経過する日
株式または新株予約権による給与
その株式または新株予約権の数の算定の基礎とした業績連動指標の数値が確定した日の翌日から2か月を経過する日
(2) 特定新株予約権または承継新株予約権による給与で、無償で取得され、または消滅する新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するもの その特定新株予約権または承継新株予約権に係る特定新株予約権が業績連動給与の算定方法につき適正な手続の終了の日の翌日から1か月を経過する日までに交付されること。
3 損金経理をしていること(給与の見込額として損金経理により引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法により経理していることを含みます。)。

(※)この制度については、経済産業省ホームページに「「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-」等(https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210607001/20210607001.html)が掲載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

★リンクはこちら⇒ 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

2023年4月25日


役員に対する給与(平成29年4月1日前支給決議分)

法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または利益連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。

ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

(注)平成29年4月1日前に支給決議がなされたものに限ります。

なお、上記の給与からは、

(1) 退職給与
(2) 法人税法第54条第1項に規定する新株予約権によるもの
(3) 上記(1)および(2)以外のもので使用人兼務役員に対して支給する使用人としての職務に対するもの
(4) 法人が事実を隠蔽しまたは仮装して経理することによりその役員に対して支給するもの

は除かれます。

<定期同額給与>
定期同額給与とは、次に掲げる給与です。

1 その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの
2 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日または給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日またはその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの
(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定。ただし、その3か月を経過する日後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改定の時期にされたもの
(2) その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたその役員に係る定期給与の額の改定(上記イに掲げる改定を除きます。)
(3) その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記イおよびロに掲げる改定を除きます。)
3 継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

<事前確定届出給与>
事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給する給与(上記の「定期同額給与」および下記の「利益連動給与」を除きます。)で、次に掲げる場合に応じてそれぞれ次に定める届出期限までに納税地の所轄税務署長にその事前確定届出給与に関する定めの内容に関する届出をしているものです。

なお、同族会社以外の法人(注)が定期給与を支給しない役員に対して支給する給与については、その届出をする必要はありません。

(注)同族会社に該当するかどうかの判定は、その法人が定期給与を支給しない役員の職務につき、その定めをした日(新設法人にあっては設立の日)の現況によります。

また、役員から受ける将来の役務の提供の対価として交付する特定譲渡制限付株式(※)およびその特定譲渡制限付株式に係る承継譲渡制限付株式による給与も、事前確定の届出は不要となります。

(※)特定譲渡制限付株式とは、役員の職務につき株主総会等の決議(その職務の執行の開始の日から1か月を経過する日までにされるものに限ります。)によりその職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(その決議の日から1か月を経過する日までに、その職務につきその役員に生ずる債権の額に相当する特定譲渡制限付株式を交付する旨の定めに限ります。)をした場合のその定めに基づいて交付される特定譲渡制限付株式とされています。

1 原則
事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日)が届出期限です。
(1) 株主総会、社員総会またはこれらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日
(2) その会計期間開始の日から4か月を経過する日
2 臨時改定事由により定めをした場合
臨時改定事由によりその臨時改定事由に係る役員の職務について事前確定届出給与に関する定めをした場合(その役員のその臨時改定事由が生ずる直前の職務について事前確定届出給与に関する定めがある場合を除きます。)は、次に掲げる日のうちいずれか遅い日が届出期限です。
(1) 上記1の(1)または(2)のうちいずれか早い日(新設法人にあっては、その設立の日以後2か月を経過する日)
(2) 臨時改定事由が生じた日から1か月を経過する日
3 既に上記1または2の届出をしている法人が、その届出をした事前確定届出給与に関する定めの内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に基因するものであるときのその変更後の定めの内容に関する届出の届出期限は、次に掲げる事由の区分に応じてそれぞれ次に定める日です。
(1) 臨時改定事由
その事由が生じた日から1か月を経過する日
(2) 業績悪化改定事由(給与の額を減額する場合に限ります。)
その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日(変更前の直前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日が1か月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)

<利益連動給与>
同族会社以外の法人が業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与(利益の状況を示す指標を基礎として算定される給与)で次の(1)から(3)までのすべての要件を満たすもの(他の業務を執行する役員のすべてに対しても次の要件を満たす連動給与を支給する場合に限られます。)となります。

1 その支給額の算定方法が、利益の額、利益の額に有価証券報告書に記載されるべき事項の調整を加えた指標等その事業年度の利益の状況を示す指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること。
(1) 確定額を限度としているものであり、かつ、他の業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
(2) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに一定の報酬委員会が決定していることその他これに準ずる一定の適正な手続を経ていること。
(3) その内容が上記ロの決定または手続終了の日以後遅滞なく有価証券報告書に記載されていることその他一定の方法により開示されていること。
2 有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益の状況を示す指標の数値が確定した後1か月以内に支払われ、または支払われる見込みであること。
3 損金経理をしていること。

★リンクはこちら⇒ 役員に対する給与(平成29年4月1日前支給決議分)

2023年4月20日


役員のうち使用人兼務役員になれない人

使用人兼務役員とは、役員のうち部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者をいうが、次のような役員は、使用人兼務役員とならない。

なお、同族会社の使用人のうち税務上みなし役員とされる者も使用人兼務役員とならない。

使用人兼務役員になれない役員の範囲

1 代表取締役、代表執行役、代表理事および清算人
2 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
3 合名会社、合資会社および合同会社の業務執行社員
4 取締役(委員会設置会社の取締役に限る。)、会計参与および監査役ならびに監事
5 上記1から4までのほか、同族会社の役員のうち所有割合(注1)によって判定した結果、次のすべての要件を満たす役員
(1) その会社の株主グループ(注2)をその所有割合の大きいものから順に並べた場合に、その役員が所有割合50パーセントを超える第一順位の株主グループに属しているか、第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属しているか、または第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属していること。
(2) その役員の属する株主グループの所有割合が10パーセントを超えていること。
(3) その役員(その配偶者およびこれらの者の所有割合が50パーセントを超える場合における他の会社を含みます。)の所有割合が5パーセントを超えていること。

(注1)
「所有割合」とは、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める割合をいう。

1 その会社がその株主等の有する株式または出資の数または金額による判定により同族会社に該当する場合
その株主グループの有する株式の数または出資の金額の合計額がその会社の発行済株式または出資(その会社が有する自己の株式または出資を除きます。)の総数または総額のうちに占める割合
2 その会社が一定の議決権による判定により同族会社に該当することとなる場合
その株主グループの有する議決権の数がその会社の議決権の総数(議決権を行使することができない株主等が有するその議決権を除きます。)のうちに占める割合
3 その会社が社員または業務執行社員の数による判定により同族会社に該当する場合
その株主グループに属する社員または業務執行社員の数がその会社の社員または業務執行社員の総数のうちに占める割合

(注2)
「株主グループ」とは、その会社の一の株主等およびその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいう。

★リンクはこちら⇒ 役員のうち使用人兼務役員になれない人

2023年4月18日


役員の退職金の損金算入時期

法人が役員に支給する退職金で適正な額のものは、損金の額に算入される。

その退職金の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となる。

ただし、法人が退職金を実際に支払った事業年度において、損金経理をした場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められる。

(注1)
退職金の額が具体的に確定する事業年度より前の事業年度において、取締役会で内定した金額を損金経理により未払金に計上した場合であっても、未払金に計上した時点での損金の額に算入することはできない。

(注2)
法人が退職年金制度を実施している場合に支給する退職年金は、その年金を支給すべき事業年度が損金算入時期となる。
したがって、退職した時に年金の総額を計算して未払金に計上しても損金の額に算入することができない。

★リンクはこちら⇒ 役員の退職金の損金算入時期

2023年4月13日


使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金

法人が退職した役員に対して支給する退職金で、その役員の業務に従事した期間、退職の事情、その法人と同業種同規模の法人の役員に対する退職金の支給状況などからみて相当であると認められる金額は、原則として、その退職金の額が確定した事業年度において損金の額に算入する。

なお、現実に退職はしていなくても、使用人が役員に昇格した場合または役員が分掌変更した場合の退職金については、それぞれ以下による。

<法人の使用人が役員に昇格した場合の退職金>
1.法人の使用人が役員に昇格した場合において、退職給与規程に基づき、使用人であった期間の退職金として計算される金額を支給したときは、その支給した事業年度の損金の額に算入される。

ただし、未払金に計上した場合には損金の額に算入されないので注意すること。

2.使用人兼務役員が、副社長や専務取締役など使用人兼務役員とされない役員となった場合において、使用人兼務役員であった期間の退職金として支給した金額は、たとえ使用人の職務に対する退職金として計算されているときであっても、その役員に対する退職金以外の給与となる。

ただし、その支給が以下のいずれにも該当するものについては、その支給した金額は使用人としての退職金として取り扱われる。

(1) 過去において使用人から使用人兼務役員に昇格した者(使用人であった期間が相当の期間であるものに限る。)であり、その昇格をした時に使用人であった期間に係る退職金の支給をしていないこと。
(2) 支給した金額が使用人としての退職給与規程に基づき、使用人であった期間および使用人兼務役員であった期間を通算して、その使用人としての職務に対する退職金として計算され、かつ、退職金として相当な金額であると認められること。

3.法人が退職給与規程を制定または改正して、使用人から役員に昇格した人に退職金を支給することとした場合に、その制定等の時に既に使用人から役員に昇格している人の全員に使用人であった期間の退職金をその制定の時に支給して損金の額に算入したときは、その支給が次のいずれにも該当するものについては、その損金の額に算入することが認められる。

(1) 過去において、これらの人に使用人であった期間の退職金の支給をしていないこと。
この場合、中小企業退職金共済制度または確定拠出年金制度への移行等により、退職給与規程を制定または改正し、使用人に退職金を打切支給した場合でも、その支給に相当の理由があり、かつ、その後は過去の在職年数を加味しないこととしているときは、過去において、退職金を支給していないものとして取り扱われる。
(2) 支給した退職金の額が、その役員が役員となった直前の給与の額を基礎として、その後のベースアップの状況等をしんしゃくして計算される退職金の額として相当な金額であること。

<役員が分掌変更した場合の退職金>
例えば、以下のように、分掌変更によって役員としての地位や職務の内容が激変して、実質的に退職したと同様の事情にある場合に退職金として支給したものは退職金として取り扱うことができる。

ただし、未払金に計上したものは、原則として退職金に含まれない。

1.常勤役員が非常勤役員になったこと。
ただし、常勤していなくても代表権があったり、実質的にその法人の経営上主要な地位にある場合は除かれる。

2.取締役が監査役になったこと。
ただし、監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地位を占めている場合や、使用人兼務役員として認められない大株主である場合は除かれる。

3.分掌変更の後の役員の給与がおおむね50パーセント以上減少したこと。
ただし、分掌変更の後においても、その法人の経営上主要な地位を占めていると認められる場合は除かれる。

★リンクはこちら⇒ 使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金

2023年4月11日


役員に対する経済的利益

<経済的利益とは?>
法人が役員に支給する給与には、金銭によるもののほか、債務の免除による利益その他の経済的な利益も含まれる。

この経済的な利益とは、例えば次に掲げるもののように、法人の行為によって実質的にその役員に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらすものをいう。

1 資産を贈与した場合におけるその資産の時価
2 資産を時価より低額で譲渡した場合における時価と譲渡価額との差額
3 債権を放棄しまたは免除した場合における債権の放棄額等
4 無償または低額で居住用土地または家屋の提供をした場合における通常取得すべき賃貸料の額と実際徴収した賃貸料の額との差額
5 無利息または低率で金銭の貸付けをした場合における通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際徴収した利息の額との差額
6 役員を被保険者および保険金受取人とする生命保険契約の保険料の額の全部または一部を負担した場合におけるその負担した保険料の額の負担額

ただし、法人が役員に対し経済的な利益の供与をした場合において、それが所得税法上経済的な利益として課税されないものであり、かつ、その法人がその役員に対する給与として経理しなかったものであるときは、給与として扱われない。

<経済的利益の法人税法上の取扱い>
役員に対して継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるものは定期同額給与に該当し、損金の額に算入されるが、その他のものは定額同額給与に該当せず、損金の額に算入されない。

(注)法人が使用人兼務役員に対して供与した経済的な利益の額(住宅等の貸与をした場合の経済的な利益を除く。)が他の使用人に対して供与される程度のものである場合には、その経済的な利益の額は使用人としての職務に係るものとされ、損金の額に算入される。

また、役員に対する経済的利益の額(使用人兼務役員に対する使用人部分を除く。)が不相当に高額である場合や法人が事実を隠蔽しまたは仮装して経理することにより、その役員に対して供与した経済的な利益の額は損金の額に算入されない。

★リンクはこちら⇒ 役員に対する経済的利益

2023年4月7日


役員の範囲

役員とは以下の者をいう。

1.法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人

2.1以外の者で次のいずれかに当たるもの
(1)法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限ります。)以外の者で、その法人の経営に従事しているもの
なお、「使用人以外の者で、その法人の経営に従事しているもの」には、例えば、①取締役または理事となっていない総裁、副総裁、会長、副会長、理事長、副理事長、組合長等、②合名会社、合資会社および合同会社の業務執行社員、③人格のない社団等の代表者または管理人、または④法定役員ではないが、法人が定款等において役員として定めている者のほか、⑤相談役、顧問などで、その法人内における地位、職務等からみて他の役員と同様に実質的に法人の経営に従事していると認められるものも含まれる。

(2)同族会社の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限る。)のうち、以下に掲げるすべての要件を満たす者で、その会社の経営に従事しているもの
イ.その会社の株主グループ(注1)をその所有割合(注2)の大きいものから順に並べた場合に、その使用人が所有割合50パーセントを超える第一順位の株主グループに属しているか、または第一順位と第二順位の株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属しているか、あるいは第一順位から第三順位までの株主グループの所有割合を合計したときに初めて50パーセントを超える場合のこれらの株主グループに属していること。

口.その使用人の属する株主グループの所有割合が10パーセントを超えていること。

ハ.その使用人(その配偶者およびこれらの者の所有割合が50パーセントを超える場合における他の会社を含みます。)の所有割合が5パーセントを超えていること。

(注1)「株主グループ」とは、その会社の一の株主等およびその株主等と親族関係など特殊な関係のある個人や法人をいう。

(注2)「所有割合」とは、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める割合をいう。
(1)その会社がその株主等の有する株式または出資の数または金額による判定により同族会社に該当する場合
その株主グループの有する株式の数または出資の金額の合計額がその会社の発行済株式または出資(その会社が有する自己の株式または出資を除きます。)の総数または総額のうちに占める割合
(2)その会社が一定の議決権による判定により同族会社に該当することとなる場合
その株主グループの有する議決権の数がその会社の議決権の総数(議決権を行使することができない株主等が有するその議決権を除く。)のうちに占める割合
(3)その会社が社員または業務執行社員の数による判定により同族会社に該当する場合
その株主グループに属する社員または業務執行社員の数がその会社の社員または業務執行社員の総数のうちに占める割合

★リンクはこちら⇒ 役員の範囲

2023年4月5日


新設法人の届出書類

新設法人の届出書類は、次のとおり。

なお、これらの届出書類の様式は、「税務手続の案内」ページからダウンロードできるほか、税務署にも用意している。

<提出しなければならない書類>
法人を設立した場合、以下の届出書の提出をしなければならない。

1.法人設立届出書
内国法人(国内に本店または主たる事務所を有する法人)である普通法人または協同組合等を設立した場合は、設立の日(設立登記の日)以後2か月以内に「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署長に1部(調査課所管法人は2部)提出しなければならない。
この法人設立届出書には、「定款、寄附行為、規則または規約等の写し」を1部(調査課所管法人は2部)添付する。

2.源泉所得税関係の届出書
コード2502「源泉徴収義務者とは」およびコード2505「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」を参照のこと。

3.消費税関係の届出書
コード6629「消費税の各種届出書」を参照のこと。

<必要に応じて提出する書類>
法人を設立した場合には、必要に応じて、以下のような申請書や届出書を納税地の所轄税務署長に提出する。

1.青色申告の承認申請書
設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までである。なお、この期限が休日等に当たる場合は、休日等明けの日が提出期限となる。

2.棚卸資産の評価方法の届出書
提出期限は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限までである。

3.減価償却資産の償却方法の届出書
提出期限は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限までである。

4.有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
提出期限は、有価証券を取得した日の属する事業年度(必ずしも、設立第1期とは限らない。)の確定申告書の提出期限までである。

5.申告期限の延長の特例の申請書
提出期限は、適用を受けようとする事業年度終了日までである。

6.事前確定届出給与に関する届出書(付表1、付表2)
提出期限は、設立の日以後2か月を経過する日までである。

★リンクはこちら⇒ 新設法人の届出書類

2023年3月30日


法人事業概況説明書・会社事業概況書の記載要領の変更について

令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税の課税期間の初日から、一定の国税関係帳簿について優良な電子帳簿の要件を満たして電磁的記録による備付け及び保存を行い、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受ける旨等を記載した届出書をあらかじめ所轄税務署長に提出している保存義務者については、その国税関係帳簿(優良な電子帳簿)に記録された事項に関し申告漏れがあった場合に、その申告漏れに課される過少申告加算税が5%軽減される措置の適用を受けることができる。

この措置を踏まえ、以下のとおり令和5年3月1日以後に提出する法人事業概況説明書・会社事業概況書の記載要領を変更した。

★リンクはこちら⇒ 法人事業概況説明書・会社事業概況書の記載要領の変更について

2023年3月9日


法人が保有する暗号資産に係る期末時価評価の取扱いについて(情報)

標題のことについては、暗号資産に関する法人税法上の取扱いのうち、期末の時価評価に係る質疑応答事例についてリンクのとおり取りまとめたから、執務の参考とされたい。

なお、暗号資産に関する一般的な法人税法上の取扱いについては、令和4年12月22日付課税総括課情報第10号ほか5課共同「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」を参照されたい。

★リンクはこちら⇒ 法人が保有する暗号資産に係る期末時価評価の取扱いについて(情報)

2023年1月31日


令和4年版法人税のあらましと申告の手引

国税庁は、法人税・地方法人税に関する基本的事項を「令和4年版法人税のあらましと申告の手引」に、法人税・地方法人税申告書の別表を作成する際の留意事項を「令和4年版申告書作成上の留意点」に、中小企業者の判定方法を「中小企業者の判定等フロー」にそれぞれまとめた。

なお、法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引は令和4年度版をもって更新を停止する。

各別表の記載の仕方については、各別表様式の記載要領のほか、この手引の「申告書作成上の留意点」を参照のこと。

★令和4年版法人税のあらましと申告の手引はこちら⇒ 令和4年版法人税のあらましと申告の手引

★令和4年版申告書作成上の留意点はこちら⇒令和4年版申告書作成上の留意点

★中小企業者の判定等フローはこちら⇒中小企業者の判定等フロー

2023年1月20日


令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

国税庁は、『令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

2022年12月6日


令和3事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要

1.令和3年度における法人税の申告事績の概要
令和3年度における法人税の申告件数は307万件で、その申告所得金額の総額は79兆4,790億円、申告税額の総額は13兆9,232億円となり、前年度に比べ、それぞれ9兆3,489億円(13.3%)、1兆8,012億円(14.9%)増加し、共に2年連続の増加となった。

なお、申告所得金額の総額は、過去最高となった。

2.令和3事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要
令和3事務年度における源泉所得税等の税額は20兆6,919億円で、前事務年度に比べ1兆6,295億円(8.5%)増加し、2年ぶりの増加となった。

主な所得についてみると、給与所得の税額は5,517億円(4.9%)増加し、配当所得の税額は7,009億円(14.6%)増加している。

なお、源泉所得税等の税額は、過去最高となった。

3.e-Tax の利用状況等(トピックス)
令和3年度における法人税の申告の e-Tax 利用件数は256万8千件で、前年度に比べ14万4千件(5.9%)増加となり、e-Tax 利用率は87.9%と、前年度に比べ1.2ポイント上昇となった。

なお、国税庁では、令和2年4月から始まった大法人の e-Tax 義務化の導入に併せて、大法人はもとより、全ての法人が申告データを円滑に電子提出できるよう環境整備を図っているほか、引き続き更なる利便性の向上に努める。

★リンクはこちら⇒ 令和3事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要

2022年11月15日


請求人とは別の法人名義で行われた取引に係る収入は請求人に帰属するとは認められないとした事例

  • 平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • 平成24年4月1日から平成25年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成29年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分並びに平成25年4月1日から平成26年3月31日まで及び平成29年4月1日から平成30年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • 平成24年4月1日から平成26年3月31日までの各課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • 平成27年4月1日から平成29年3月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分並びに平成29年4月1日から平成30年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分
  • 平成24年4月1日から平成30年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • 平成25年7月から平成29年6月までの各期間分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和4年1月12日裁決

<ポイント>
本事例は、別法人の代表者及び請求人の関係者の申述の信用性を検討した上で、事業の経緯、業務の遂行状況、費用の支払状況などから、別法人名義で行われた取引に係る収入が請求人に帰属するとは認められないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人とは別法人(本件法人)名義で行われた土地売買取引等(本件取引)について、本件法人の代表者や請求人の関係者などの各申述から、請求人が主体となって本件取引に係る業務を遂行し、請求人の代表者が本件法人名義の預金通帳を管理し、本件法人の代表者は請求人の代表者の指示により本件法人名義の預金口座から現金を引き出し同人に渡していたのであり、請求人が本件取引に係る収益を享受していたというべきであるから、本件法人の総勘定元帳に記載された売上高(本件収入)は請求人に帰属する収益である旨主張する。

しかしながら、本件法人の代表者や請求人の関係者などの各申述を的確に裏付ける証拠資料がなく、本件法人の代表者は後に当初の申述を全面的に否定しており、当該申述をそのまま信用することはできない。

そのほかに審判所に提出された証拠資料等を精査しても、請求人が本件取引に係る業務を主体的に行った事実や請求人が本件取引に係る収益を享受した事実は認められず、本件法人の事業の経緯、本件取引に係る業務の遂行状況、当該業務に係る費用の支払状況などを総合的に判断すると、本件収入が請求人に帰属する収益であるとは認められない。

★リンクはこちら⇒ 請求人とは別の法人名義で行われた取引に係る収入は請求人に帰属するとは認められないとした事例

2022年10月18日


租税調査会研究報告第38号「グループ通算制度と実務上の留意点」

日本公認会計士協会は、2022年4月14日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第38号「グループ通算制度と実務上の留意点」」を公表した。

令和2年度税制改正において、これまでの連結納税制度に代わり、グループ通算制度を創設し、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることとなった。

グループ通算制度の税務実務において資するべく、連結納税制度からグループ通算制度への移行の背景も踏まえ、実務上の留意点等などを取りまとめて報告するものである。

本研究報告が会員の行う業務の参考となれば幸いである。

★リンクはこちら⇒ 租税調査会研究報告第38号「グループ通算制度と実務上の留意点」

2022年8月10日


令和4年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は、「令和4年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和4年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2022年8月9日


「法人の青色申告の承認の取消しについて」の一部改正について(事務運営指針)

平成12年7月3日付課法2-10ほか3課共同「法人の青色申告の承認の取消しについて」(事務運営指針)の一部を別紙のとおり改正したから、令和4年1月1日以後は、これによられたい。

(注)アンダーラインを付した箇所が、改正した箇所である。

<趣旨>
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴い、所要の整備を図るものである。

★リンクはこちら⇒ 「法人の青色申告の承認の取消しについて」の一部改正について(事務運営指針)

2022年1月21日


令和3年6月25日付課法2-21ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

この趣旨説明は、令和3年7月9日現在の法令に基づいて作成している。

第1 法人税基本通達関係
1 固定資産の取得価額等
【改正】7-3-15の2(自己の製作に係るソフトウエアの取得価額等)
【改正】7-3-15の3(ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用)
2 資本的支出と修繕費
【改正】7-8-6の2(ソフトウエアに係る資本的支出と修繕費)
3 役員給与等
【新設】9-2-27の2(退職給与に該当しない役員給与)
4 寄附金
【新設】9-4-7の2(出資に関する業務に充てられることが明らかな寄附金)
5 租税公課
【改正】9-5-2(事業税及び特別法人事業税の損金算入の時期の特例)
第2 租税特別措置法関係通達(法人税編)関係
1 第42条の4《試験研究を行った場合の法人税額の特別控除》関係
【新設】42の4(1)-1(試験研究の意義)
【新設】42の4(1)-2(試験研究に含まれないもの)
【新設】42の4(1)-3(研究開発費として損金経理をした金額の範囲)
2 第42条の12の5《給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》関係
【改正】42の12の5-2(他の者から支払を受ける金額の範囲)
【新設】42の12の5-2の2(雇用安定助成金額の範囲)
【改正】42の12の5-3(出向先法人が支出する給与負担金)
3 第42条の13《法人税の額から控除される特別控除額の特例》関係
【新設】42の13-3(他の者から支払を受ける金額の範囲)
【新設】42の13-4(雇用安定助成金額の範囲)
【新設】42の13-5(国内資産の内外判定)
【新設】42の13-6(国内事業供用が見込まれる場合の国内資産の判定)
【新設】42の13-7(資本的支出)
【新設】42の13-8(圧縮記帳をした国内資産の取得価額)
【新設】42の13-9(贈与による取得があったものとされる場合の適用除外)
【新設】42の13-10(償却費として損金経理をした金額)
4 第66条の2の2《株式等を対価とする株式の譲渡に係る所得の計算の特例》関係
【新設】66の2の2-1(株式の占める割合が8割以上となる場合の本制度の適用)
【新設】66の2の2-2(株式の占める割合の判定等における株式交付親会社の株式の価額)
【新設】66の2の2-3(1株未満の株式の譲渡代金を交付した場合の株式の占める割合の判定等)
5 第66条の5の2《対象純支払利子等に係る課税の特例》関係
【新設】66の5の2-19(公社債の利子から成る部分の金額)

★リンクはこちら⇒ 令和3年6月25日付課法2-21ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明

2021年8月20日


請求人が請求人の元代表者に退職金として支払った金員は、当該元代表者に退職の事実があるから、損金の額に算入されるとした事例

  • ①平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分
  • ②平成25年4月1日から平成26年3月31日まで、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで、平成27年4月1日から平成28年3月31日まで及び平成28年4月1日から平成29年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成25年4月1日から平成26年3月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ④平成27年4月1日から平成28年3月31日まで及び平成28年4月1日から平成29年3月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和2年12月15日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の取締役が、職務分掌の変更により使用人としての職制上の地位を有しないこととなったと認められることから、当該職務分掌以後は使用人兼務役員に該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人は、同族会社である請求人の取締役(本件取締役)について、取締役に就任した後も、請求人の営業部の部長職である職制上の地位を有していること、営業部長として代表取締役の指揮命令系統に属する職務を行っていること、請求人の代表取締役の親族でもなくまた株主でもないこと、及び請求人の実質的な意思決定の場である月例会議にも参加していないことから、使用人兼務役員に該当し、当該取締役に対して支払った賞与は使用人としての職務に対する賞与であるから、損金の額に算入できる旨主張する。

しかしながら、請求人では、機構上、使用人としての職制上の地位が明確に定められているところ、本件取締役は、請求人及び請求人のグループ法人内での職務分掌の変更(分掌変更)により請求人の営業部の部長職の地位を失っていることから、請求人における使用人としての職制上の地位を有していないと認められるので、分掌変更以後、本件取締役は使用人兼務役員には該当せず、分掌変更以後に支給された賞与の額は損金の額に算入されない。

なお、分掌変更前の使用人兼務役員に該当する期間において支給された賞与の額については、他の使用人と同様に給与規程に基づく方法で決定されているものではないものの、他の使用人に対する賞与の支給時期に支給され、使用人としての職務の対価であったことを否定するに足りる証拠はないことから、損金の額に算入される。

★リンクはこちら⇒ 請求人が請求人の元代表者に退職金として支払った金員は、当該元代表者に退職の事実があるから、損金の額に算入されるとした事例

2021年8月5日


請求人の取締役が使用人兼務役員に該当しないとした事例

  • ①平成26年8月1日から平成27年7月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②平成27年8月1日から平成28年7月31日まで、平成28年8月1日から平成29年7月31日まで及び平成29年8月1日から平成30年7月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成26年8月1日から平成27年7月31日まで、平成27年8月1日から平成28年7月31日まで、平成28年8月1日から平成29年7月31日まで及び平成29年8月1日から平成30年7月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①一部取消し、②③棄却
  • 令和2年12月17日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の取締役が、職務分掌の変更により使用人としての職制上の地位を有しないこととなったと認められることから、当該職務分掌以後は使用人兼務役員に該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人は、同族会社である請求人の取締役(本件取締役)について、取締役に就任した後も、請求人の営業部の部長職である職制上の地位を有していること、営業部長として代表取締役の指揮命令系統に属する職務を行っていること、請求人の代表取締役の親族でもなくまた株主でもないこと、及び請求人の実質的な意思決定の場である月例会議にも参加していないことから、使用人兼務役員に該当し、当該取締役に対して支払った賞与は使用人としての職務に対する賞与であるから、損金の額に算入できる旨主張する。

しかしながら、請求人では、機構上、使用人としての職制上の地位が明確に定められているところ、本件取締役は、請求人及び請求人のグループ法人内での職務分掌の変更(分掌変更)により請求人の営業部の部長職の地位を失っていることから、請求人における使用人としての職制上の地位を有していないと認められるので、分掌変更以後、本件取締役は使用人兼務役員には該当せず、分掌変更以後に支給された賞与の額は損金の額に算入されない。

なお、分掌変更前の使用人兼務役員に該当する期間において支給された賞与の額については、他の使用人と同様に給与規程に基づく方法で決定されているものではないものの、他の使用人に対する賞与の支給時期に支給され、使用人としての職務の対価であったことを否定するに足りる証拠はないことから、損金の額に算入される。

★リンクはこちら⇒ 請求人の取締役が使用人兼務役員に該当しないとした事例

2021年8月4日


不動産売買契約に基づく土地等の譲渡に係る収益が請求人に帰属しないとした事例

  • ①平成28年4月1日から平成29年3月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度の法人税の決定処分及び重加算税の賦課決定処分
  • ③平成28年4月1日から平成29年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分
  • ④平成29年4月1日から平成30年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分
  • ⑤平成24年4月1日から平成25年3月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の決定処分及び重加算税の賦課決定処分
  • ⑥平成28年4月1日から平成29年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑦平成29年4月1日から平成30年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • ①②③⑤⑥全部取消し
  • ④⑦一部取消し
  • 令和2年12月15日裁決

<ポイント>
本事例は、土地等の譲渡に係る事業において、その主体は、請求人以外の法人であるから、その収益も当該法人に帰属するとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、売主を請求人又は請求人以外の法人(本件法人)とする土地及び地上権(本件土地等)並びに施設等(本件施設等)の売買契約(本件不動産等売買契約)に係る収益について、①所得の帰属主体は、諸要素を総合的に判断し、実質的に決定すべきであるから、そうすると、本件法人が本件不動産等売買契約に係る経費を支払っていなかったり、本件不動産等売買契約に係る代金が請求人名義の預金口座等に入金されていたなどのことから、本件不動産等売買契約に係る収益全てが請求人に帰属し、また、②本件不動産等売買契約は、本件土地等及び本件施設等の譲渡が一体となった一つの契約であるから、その収益は、その全てが引き渡された当該事業年度に計上すべきである旨主張する。

しかしながら、①請求人及び本件法人は、本件不動産等売買契約において、それぞれの意思に従い、それぞれ別の債務を負う内容の契約を締結し、他にも本件法人の従業員が本件土地等の買収に係る業務を行っていたなどの諸事情があることからすれば、本件不動産等売買契約に係る収益の全てが請求人に帰属するわけではなく、また、②本件不動産等売買契約がそれぞれ別個の契約であると認められるところ、請求人が譲渡した土地等は、当該事業年度以前に買主へ移転登記がされ、さらに、当該事業年度中にその代金の相当部分も支払われていたなどからすると、当該移転登記の日をもって「引渡しがあった日」であると判断するのが相当である。

したがって、本件不動産等売買契約に係る収益は、当該事業年度には計上されない。

★リンクはこちら⇒ 不動産売買契約に基づく土地等の譲渡に係る収益が請求人に帰属しないとした事例

2021年8月3日


適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等

国税庁は、『適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等』をホームページに掲載した。

平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定された。

このため、法人税関係特別措置のうち税額又は所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要がある。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等

2021年7月26日


適用額明細書記載の手引(連結法人用)≪令和3年4月1日以後終了連結事業年度≫

国税庁は、『適用額明細書記載の手引(連結法人用)≪令和3年4月1日以後終了連結事業年度≫』をホームページに掲載した。

法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付して税務署に提出する必要がある。

この手引は、本制度の概要をはじめ、「適用額明細書」の具体的な記載の仕方や留意点について取りまとめたものである。

「適用額明細書」を作成する際にご参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書記載の手引(連結法人用)≪令和3年4月1日以後終了連結事業年度≫

2021年7月15日


税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組について(調査課所管法人の皆様へ)

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の皆様方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、国税局調査課所管法人のうち、特別国税調査官が所掌する法人に対して、税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組を促進している。

リンク先のページは、当該取組の概要を案内するとともに、効果的な取組事例を紹介するものである。

★リンクはこちら⇒ 税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組について(調査課所管法人の皆様へ)

2021年7月13日


適用額明細書記載の手引(単体法人用)≪令和3年4月1日以後終了事業年度≫

国税庁は、『適用額明細書記載の手引(単体法人用)≪令和3年4月1日以後終了事業年度≫』をホームページに掲載した。

法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付して税務署に提出する必要がある。

この手引は、本制度の概要をはじめ、「適用額明細書」の具体的な記載の仕方や留意点について取りまとめたものである。

「適用額明細書」を作成する際にご参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書記載の手引(単体法人用)≪令和3年4月1日以後終了事業年度≫

2021年7月8日


法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達 課法2-21 課審6-3 令和3年6月25日 )

昭和44年5月1日付直審(法)25「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)ほか7件の法令解釈通達の一部を別紙のとおり改正したから、これによられたい。

なお、別紙には、この通達により新たに取扱いを定めたものについてはその全文を掲げ、それ以外のものについてはその改正箇所のみを掲げることとした。

(注)アンダーラインを付した箇所が、新設し、又は改正した箇所である。

この法令解釈通達は、令和3年度の法人税関係法令等の改正に対応し、法人税基本通達等につき所要の整備を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達 課法2-21 課審6-3 令和3年6月25日 )

2021年7月5日


令和3年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は、『令和3年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2021年6月30日


契約書や領収書と印紙税(令和3年5月)

国税庁は、『令和3年度法人税関係法令の改正の概要』を掲載した。

①このパンフレットでは、令和3年度税制改正のうち法人税関係法令の概要(グループ通算制度に係る改正項目を除く。)について、令和3年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」の内容を中心に説明している。

②このうち「第1編 法人税法等に関する改正」では、法人税法や租税特別措置法など震災特例法以外の改正事項について、法人税を計算する際の項目ごとに分類し、主要な改正項目とそれ以外の改正項目とに区分して説明している。 「第2編 震災特例法に関する改正」では、震災特例法に関する改正事項について説明している。

③それぞれの主要な改正項目の説明に当たっては、措置された制度の概要について極力イメージ図や算式等を交えている。また、〔適用時期〕において、措置の適用関係について説明している。

④主要な改正項目以外の改正項目については、表形式により改正のポイントを説明している。

★リンクはこちら⇒ 契約書や領収書と印紙税(令和3年5月)

2021年5月26日


イメージデータで提出可能な添付書類(法人税確定申告等)

イメージデータ(PDF形式)による提出が可能な主な添付書類は、次のとおり。

なお、この一覧は、令和2年4月1日以後終了事業年度分(令和2年6月1日現在の法令に基づくもの)に対応している。

<添付書類をイメージデータで提出する場合の注意事項>
「勘定科目内訳明細書」、「財務諸表」など、電子データ(XML形式、XBRL形式またはCSV形式)により提出が可能な添付書類については、イメージデータで提出することができない。

なお、電子データにより提出が可能な添付書類は、「利用可能手続(法人税確定申告等)」でご確認のこと。

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★リンクはこちら⇒ イメージデータで提出可能な添付書類(法人税確定申告等)

2021年3月19日


法人設立ワンストップサービスの対象が全ての手続に拡大されました

これまで法人を設立する際には、設立届出書の提出のような複数の各種手続を行政機関毎にそれぞれ個別に行う必要があった。

「法人設立ワンストップサービス」では、マイナポータルという一つのオンラインサービスを利用して、これらの一連の手続を一度で行うことができるようになった。

<本サービスで行える手続>
○国税・地方税に関する設立届
※利用可能な国税関連手続一覧は下記参照
○雇用に関する届出(年金事務所・ハローワーク)などの法人設立後に必要な全ての行政手続
※法人設立ワンストップサービスでは、「かんたん問診」の質問事項に答えていくことで、利用者のみなさまに必要な手続が表示される。
○定款認証・設立登記(令和3年2月26日から)
○GビズIDの発行(令和3年2月26日から)

<本サービス利用に必要なもの>
○法人代表者のマイナンバーカード
※必ず法人代表者のマイナンバーカードを利用すること。なお、代表者以外の方から提出された届出書等については、税務署から後日お問い合わせがある。
○マイナンバーカード対応のスマートフォンまたはパソコン
○(パソコンをご利用の方のみ)ICカードリーダライタ

<サービス開始日>
○令和3年2月26日(金)
※定款認証・設立登記及びGビズIDの発行以外の手続については、令和2年1月20日から利用可能となっている。

<運用時間>
24時間
※メンテナンス期間を除く。
メンテナンス期間は「法人設立ワンストップサービスホームページ」(外部リンク)を確認のこと。
※国税関係手続について、e-Tax受付時間外に提出された場合は、翌稼働日に提出されたことになるので、提出期限に注意すること。
e-Tax受付時間は「e-Taxホームページ」を確認のこと。

<利用可能な国税関連手続一覧>

項番 税   目 手 続 名
1 法人税 法人設立届出
2 法人税 申告期限の延長の特例の申請
3 法人税 青色申告の承認申請
4 法人税 事前確定届出給与に関する届出
5 法人税 棚卸資産の評価方法の届出
6 法人税 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出
7 法人税 減価償却資産の償却方法の届出
8 消費税 消費税課税事業者選択届出
9 消費税 消費税の新設法人に該当する旨の届出
10 消費税 消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出
11 消費税 消費税課税期間特例選択・変更届出
12 消費税 消費税簡易課税制度選択届出
13 源泉所得税 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出
14 源泉所得税 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
15 電子申告・納税等開始届出

<問合せ先>
・法人設立ワンストップサービスの操作方法でお困りの場合
法人設立ワンストップサービスヘルプデスクへおかけください。
0120-95-0178
(マイナンバー総合フリーダイヤル)
音声ガイダンスに従って「4→1→3」の順にお進みください。

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2021年3月5日


損金の額に算入した仕入額が過大であったとは認められず、請求人に隠蔽又は仮装の行為があったとは認められないとして重加算税の賦課決定処分を取り消した事例

  • ①平成27年2月1日から平成28年1月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成26年2月1日から平成27年1月31日まで、平成27年2月1日から平成28年1月31日まで及び平成28年2月1日から平成29年1月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • ③平成26年2月1日から平成27年1月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分
  • ④平成26年2月1日から平成27年1月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の重加算税の賦課決定処分
  • ⑤平成27年2月1日から平成28年1月31日まで及び平成28年2月1日から平成29年1月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • ①②④⑤全部取消し、③一部取消し
  • 令和2年2月5日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が海外の関係会社から輸入取引により仕入れた商品に係る仕入額(本件仕入額)について、請求人の代表者の申述からは、請求人がした輸入申告の価格が正しい価格であり、それが正しい仕入額であるという具体的理由が明らかではなく、また、本件代表者の申述のほかに原処分庁の主張を裏付ける証拠もないことから、請求人の本件輸入取引に係る仕入額が本件輸入申告額であるとはいえず、損金の額に算入された仕入額が過大であったとは認められないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が海外の関係会社から輸入取引(本件輸入取引)により仕入れた商品に係る仕入額(本件仕入額)について、請求人は、本件仕入額を当該関係会社が発行した請求書(本件請求書)に記載された金額としているが、本件仕入額は、輸入申告における申告価格に基づき原処分庁が算出した額(本件輸入申告額)であるから、そうすると、請求人は本件仕入額を過大に計上しており、また、本件輸入取引において虚偽の請求書を作成し、本件請求書に基づき請求人が総勘定元帳に過大に仕入額を計上したことは、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠蔽又は仮装に該当する旨主張する。

しかしながら、原処分庁がその主張を裏付ける証拠として指摘した、税関調査時における請求人の代表者(本件代表者)の申述からは、請求人がした輸入申告の価格が正しい価格であり、それが正しい仕入額であるという具体的理由が明らかではなく、また、本件代表者の申述のほかに原処分庁の主張を裏付ける証拠もないことから、請求人の本件輸入取引に係る仕入額が本件輸入申告額であるとはいえず、損金の額に算入された仕入額が過大であったとも認められない。

また、本件輸入取引に係る仕入額につき、損金の額に算入された仕入額が過大であったとは認められないことから、請求人に隠蔽又は仮装の行為があったとは認められない。

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2020年11月10日


公益法人等である請求人が行う事業が、その事業に従事する65歳以上の者(特定従事者)の生活の保護に寄与しているものに該当しないとした事例

  • 平成29年3月期及び平成30年3月期の法人税の各更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 平成29年3月課税事業年度及び平成30年3月課税事業年度の地方法人税の各更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 棄却
  • 令和2年3月5日裁決

<ポイント>
本事例は、法人税法施行令第5条第2項第2号に規定する「生活の保護に寄与しているもの」とは、事業に係る剰余金等の処分可能な金額の相当部分を特定従事者に給与等として支給していると認められる場合の当該事業をいい、剰余金等の処分可能な金額は、当該事業に係る利益の額に特定従事者への給与等支給額を含む人件費支給総額を加算した金額とすることが相当としたものである。

<要旨>
請求人は、請求人が行う公の施設の管理受託の事業等(本件事業)の一部の業務については、法人税法施行令第5条《収益事業の範囲》第1項に規定する収益事業に該当しない旨主張する。

また、本件事業のうち請負業として収益事業に該当するものについては、当該事業に従事する者の総数の半数以上が65歳以上の高齢者(特定従事者)であり、同条第2項第2号に規定する「生活の保護に寄与しているもの」か否かは、税引前当期正味財産増減額に特定従事者への給与等支給額のみを加算した金額に占める特定従事者への給与等支給額の割合により、緩やかに判断するのが相当であるから、当該事業は収益事業から除かれる旨主張する。

しかしながら、請求人が収益事業に該当しないと主張する一部の業務は本件事業の付随行為であり、本件事業はその付随行為も含め全体として一つの請負業と認められる。

また、「生活の保護に寄与しているもの」か否かについては、事業に係る剰余金等の処分可能な金額の相当部分を特定従事者に給与等として支給しているかどうかにより判定することになるが、剰余金等の処分可能な金額は、本件事業に係る利益の額(税引前当期正味財産増減額)に特定従事者への給与等支給額を含む人件費支給総額を加算した金額とすることが相当である。そして、これにより剰余金等の処分可能な金額に占める特定従事者への給与等支給額の割合を計算すると過半にも満たないから、本件事業は「生活の保護に寄与しているもの」に該当しない。

★リンクはこちら⇒ 公益法人等である請求人が行う事業が、その事業に従事する65歳以上の者(特定従事者)の生活の保護に寄与しているものに該当しないとした事例

2020年11月9日


連結法人における適用額明細書の記載の手引(令和2年4月1日以後終了事業年度分)

法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付して税務署に提出する必要がある。

この手引は、本制度の概要をはじめ、「適用額明細書」の具体的な記載の仕方や留意点について取りまとめたものである。

「適用額明細書」を作成する際に参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ 連結法人における適用額明細書の記載の手引(令和2年4月1日以後終了事業年度分)

2020年7月27日


電子帳簿保存法Q&A(一問一答)

電子取引を行った場合の電磁的記録の保存要件を緩和(選択肢の追加)する見直し(以下の(1)及び(2))については令和2年10月1日以後に行う電磁的記録の保存について適用されることとなる。

(1) 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された後、その取引情報の授受を行うこと(電子帳簿保存法規則81一)。
(2) 次の要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムを使用して、その取引情報の授受及びその電磁的記録の保存を行うこと(電子帳簿保存法規則81三)。
①その電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。
②その電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。

★電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】はこちら ⇒ 電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】

★電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】はこちら ⇒電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】

★電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】はこちら ⇒電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】

2020年7月16日


単体法人における適用額明細書の記載の手引(令和2年4月1日以後終了事業年度分)

法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付して税務署に提出する必要がある。

この手引は、本制度の概要をはじめ、「適用額明細書」の具体的な記載の仕方や留意点について取りまとめたものである。

「適用額明細書」を作成する際に参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ 単体法人における適用額明細書の記載の手引(令和2年4月1日以後終了事業年度分)

2020年7月15日


令和2年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は『令和2年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』をホームページに掲載した。

この手引は、令和2年4月1日以後に終了する事業年度等分の法人税及び地方法人税の申告書別表に対応している。

中小企業者等の法人税率の特例(措置法42の3の2)をはじめとする法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付する必要がある。

適用額明細書の記載方法については、国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp)に「租特透明化法に基づく『適用額明細書の記載の手引(単体法人用)』」を掲載しているので参照のこと。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2020年7月9日


令和2年度法人税関係法令の改正の概要

国税庁は『令和2年度法人税関係法令の改正の概要)』をホームページに掲載した。

1 このパンフレットでは、令和2年度税制改正のうち法人税関係法令の概要について、令和2年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」の内容を中心に説明している。
2 このうち改正項目を、「Ⅰ 減価償却又は税額の計算に関する改正」から「Ⅵ 連結納税制度の見直しに伴う改正」までに区分した上で、法人税法及び租税特別措置法などの改正事項について、法人税を計算する際の項目ごとに分類し、主要な改正項目とそれ以外の改正項目とに区分して説明している。
なお、グループ通算制度の概要及び同制度への移行に合わせた改正項目のうち、主要なものについては、このパンフレットではなく「グループ通算制度の概要(令和2年4月)」で説明している。
3 それぞれの主要な改正項目の説明に当たっては、措置された制度の概要について極力イメージ図や算式等を使用して説明している。
また、〔適用時期〕において、措置の適用関係について説明している。
4 主要な改正項目以外の改正項目については、表形式により改正のポイントを説明している。
5 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置については以下をご参照のこと。
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/keizaitaisaku/index.htm)

★リンクはこちら ⇒ 令和2年度法人税関係法令の改正の概要

2020年7月6日


元従業員が請求人の仕入れた商品を窃取したことによる当該元従業員に対する損害賠償請求権を益金の額に算入すべきとした事例

  • ①平成22年2月1日から平成23年1月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成22年2月1日から平成27年1月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • ③平成27年2月1日から平成29年1月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ④平成25年2月1日から平成27年1月31日までの各課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑤平成27年2月1日から平成28年1月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
  • ⑥平成28年2月1日から平成29年1月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分
  • ⑦平成22年2月1日から平成29年1月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • ①⑦全部取消し、②全部取消し、一部取消し、棄却、③⑤⑥一部取消し、④一部取消し、棄却
  • 令和元年5月16日裁決

<ポイント>
本件は、従業員等による横領があった場合の損害賠償請求権について先例が示した判断と基本的に同様の判断をしたものであるが、請求人の隠蔽行為があったと認められないこと等から、更正処分の全部又は一部、重加算税の賦課決定処分の全部又は一部及び青色申告の承認取消処分が取り消されたものである。

<要旨>
請求人は、請求人の従業員であった者(本件元従業員)が請求人の仕入れた商品を窃取してインターネットオークションで販売した取引(本件取引)による本件元従業員に対する損害賠償請求権(本件損害賠償請求権)の額は、本件取引の日を含む事業年度(本件事業年度)の終了時に確定できる状況になかった旨主張する。

しかしながら、本件損害賠償請求権の額は、請求人が本件事業年度の当時において仕入れに係る資料と売上げ及び棚卸しに係る資料とを照合し、窃取された商品を特定した上、その商品に係る価額等に係る資料を保全することで計算することのできた金額を上回らないものと認められるから、通常人を基準とすれば、本件事業年度においてその金額を把握し得ないとはいえず、また、本件損害賠償請求権につき権利行使を期待できない客観的状況があったとはいえない。したがって、本件損害賠償請求権の確定による収益の額を本件事業年度の益金の額に算入すべきである。

なお、本件元従業員の地位から、その行為が請求人の行為と同視されるとは認められず、請求人が法人税等及び消費税等の課税標準等及び税額等の計算の基礎となるべき事実を隠蔽したとは認められないこと等から、法人税の青色申告の承認取消処分を取り消すほか、法定申告期限から5年経過後の事業年度等の法人税等及び消費税等の更正処分及び重加算税の賦課決定処分の全部、法定申告期限から5年以内の事業年度等の法人税等の更正処分及び重加算税の賦課決定処分の一部並びに消費税等の更正処分及び重加算税の賦課決定処分の全部を取り消した。

★リンクはこちら ⇒ 元従業員が請求人の仕入れた商品を窃取したことによる当該元従業員に対する損害賠償請求権を益金の額に算入すべきとした事例

2020年3月23日


2019研究開発税制Q&Aの公表について

経済産業省ホームページにて「2019研究開発税制Q&A」パンフレットが公表された。

当該パンフレットは、日本税理士会連合会調査研究部が作成したもので、令和元年度税制改正における研究開発税制の拡充を反映した内容となっている。

★リンクはこちら ⇒ 2019研究開発税制Q&Aの公表について

2020年3月12日


空撮専用ドローンの耐用年数

<照会要旨>
建設業を営む当社は、次の空撮専用ドローン(以下「本件ドローン」という。)を取得した。本件ドローンの耐用年数は何年となるか?

(ドローンの概要)
1.構造等:樹脂製で、航空の用に供されるものの人が乗れる構造となっておらず(送信機で遠隔操作します。)、航空法上の「無人航空機」(注)に該当します。また、本件ドローンは空撮専用の仕様(カメラの着脱は可能)とされている。

2.寸法及び重量:100cm/10kg

3.用途:空撮した画像を解析ソフトに落とし込み、施工時の無人重機の動作制御やその施工結果の確認等のために使用する。

4.価格: 600,000円

5.その他:モーター(寿命期間は100時間程度)を動力とし、1回の飛行可能時間は30分程度である。

(注)無人航空機とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空着、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもので重量200グラム以上のものをいう(航空法2㉒)。

<回答要旨>
本件ドローンは、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一の「器具及び備品」の「4 光学機器及び写真製作機器」に掲げる「カメラ」に該当し、その耐用年数は5年となる。

(理由)
1.減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」という。)の別表第一の「航空機」とは、航空法の規定(注)等を参照し、人が乗って航空の用に供することができる飛行機等と解される。

(注)航空法第2条第1項において「航空機とは、人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器をいう。」とされている。

2.ご照会によれば、本件ドローンは、航空の用に供されるものの人が乗れる構造となっていないので、耐用年数省令別表第一の「航空機」には該当しないこととなる。

そこで、本件ドローンの規模、構造、用途等を総合的に勘案すると、本件ドローンは、空中から写真撮影することを主たる目的とするものであり、写真撮影機能に移動手段を取り付けたものであるから、その主たる機能は写真撮影であると考えられる。

また、本件ドローンはカメラの着脱が可能とのことだが、本件ドローンはカメラと移動手段とが一体となって設備を形成し、その固有の機能(空撮)を発揮するものであるため、それぞれを独立した減価償却資産として適用される耐用年数を判定するのは適当でないと考えられる。

したがって、本件ドローンは、耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」の「4 光学機器及び写真製作機器」に掲げる「カメラ」に該当し、その耐用年数は5年となる。

なお、ご照会の本件ドローンとは異なり、カメラが内蔵されたドローンであっても、その規模、構造、用途等が同様であれば、その耐用年数は同様に5年となる。

★リンクはこちら ⇒ 空撮専用ドローンの耐用年数

2020年2月20日


租税調査会研究報告第35号「法人税法上の役員報酬の損金不算入規定の適用をめぐる実務上の論点整理」の公表について

日本公認会計士協会は、2019年7月18日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第35号「法人税法上の役員報酬の損金不算入規定の適用をめぐる実務上の論点整理」」を公表した。

経済のAI・IT化及びグローバル化が進展する中で、企業の競争は一段と厳しさを増している。
このような状況の中で、役員報酬の改革を通じて、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促すことが期待されている。
税法においても、特に平成28年度及び平成29年度において役員報酬の改革に対応した改正として、株式報酬等の導入等に関する税制改正が行われた。

一方で、法人税法上、役員給与は恣意性の排除の観点から損金算入が制限されてきたこともあり、これらの立法の在り方やその解釈をめぐって従来から多くの議論がある。
また、所得税法上も退職所得が優遇されていることもあって、所得区分の問題など古くから議論がなされている。

本研究報告は、上場企業における役員報酬制度改革の更なる推進の一助となるため、また、会員の実務に資することを目的として、役員給与に関する税務上の論点について検討を行い、その結果を報告するものである。

本研究報告が会員の行う業務の参考となれば幸いである。

 ★租税調査会研究報告第35号「法人税法上の役員報酬の損金不算入規定の適用をめぐる実務上の論点整理」はこちら ⇒ 租税調査会研究報告第35号「法人税法上の役員報酬の損金不算入規定の適用をめぐる実務上の論点整理」

★参考事例資料 はこちら ⇒ 参考事例資料

2020年1月30日


各経費が収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用と認められ、当該各経費の収益事業への配賦については、個々の費用の性質及び内容などに応じた合理的な基準により配賦するのが相当であるとした事例

  • ①平成23年10月1日から平成27年9月30日までの各事業年度の法人税の更正をすべき理由がない旨の各通知処分及び無申告加算税の各賦課決定処分
  • ②平成24年10月1日から平成26年9月30日までの各課税事業年度の復興特別法人税の更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • ③平成26年10月1日から平成27年9月30日までの課税事業年度の地方法人税の更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • 一部取消し
  • 平成31年2月15日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人は、建物の区分所有等に関する法律第47条《成立等》第13項に基づき、法人税法の規定の適用については公益法人等とみなされ、公益法人等は収益事業を行う場合に限り、当該収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課されるところ、収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用(共通費用)の配賦については、常に一律の基準で配賦するのではなく、個々の費用の性質及び内容などに応じた合理的な基準によりそれぞれ収益事業と収益事業以外の事業に配賦するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が支払う委託費、点検費及び火災保険料(本件各経費)は、請求人が行う収益事業(本件収益事業)に直接要した費用とは認められず、また、本件各経費は、請求人が本件収益事業を行っていなくても発生するものであり、本件収益事業及び本件収益事業に付随する行為から生じた費用であるとはいえないから共通費用にも該当しない旨主張し、請求人は、本件各経費は共通費用に該当し、請求人の全ての収入の額のうち本件収益事業の収入の額の占める割合(本件収入割合)を乗じた金額で損金の額に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、本件各経費は、本件収益事業と本件収益事業以外の事業の両方について生じたもので本件収益事業に必要な費用であるから共通費用と認められ、また、本件収益事業への本件各経費の配賦については、常に一律の基準で配賦するのではなく、個々の費用の性質及び内容などに応じた合理的な基準によりそれぞれ収益事業と収益事業以外の事業に配賦するのが相当であるから、管理員の従事時間あん分割合や共用面積あん分割合などにより収益事業に配賦するのが合理的であり、原処分の一部を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 各経費が収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用と認められ、当該各経費の収益事業への配賦については、個々の費用の性質及び内容などに応じた合理的な基準により配賦するのが相当であるとした事例

2020年1月27日


不動産開発に係る開発権の譲渡について、収益計上時期を繰り延べた事実はないとした事例

  • ①平成26年11月1日から平成27年10月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
  • ②平成26年11月1日から平成27年10月31日まで及び平成27年11月1日から平成28年10月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
  • ③平成26年11月1日から平成27年10月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに重加算税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成31年3月14日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁は、請求人が譲渡した不動産開発に係る開発権(本件開発権)の譲渡契約書(本件契約書)等には、本件開発権が決済日前に適法かつ有効に取引先に移転し取得され承継手続が全て完了している旨記載されていると主張するが、当該記載は、譲渡対価の支払条件等を定めたものであって、当該条件が成就されているとの趣旨ではないことから、原処分庁の主張はその前提を欠いているとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、本件開発権の譲渡の収益計上時期について、本件契約書等には、本件開発権が決済日前に適法かつ有効に取引先に移転し取得され承継手続が全て完了している旨記載されており、また、当該取引先が市から開発許可に基づく地位の承継承認通知書(本件通知書)の交付を受けた日が、当該取引先において本件開発権を使用収益できることとなった日であると認められることから、本件開発権は当該取引先が本件通知書の交付を受けた日に譲渡された旨主張する。

しかしながら、本件開発権の譲渡に係る収入すべき権利が確定する時期は、請求人が本件契約書に定められた物又は権利の全てを引き渡し、当該取引先に移転又は取得させた時と認められるところ、請求人と当該取引先との清算合意書の締結時まで、その全てが引き渡されておらず、当該清算合意書が締結された日に収入すべき権利が確定したと認められることから、原処分の全部を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 不動産開発に係る開発権の譲渡について、収益計上時期を繰り延べた事実はないとした事例

2020年1月20日


共同開発契約に基づいて支払った負担金は、役務の提供を受けるために支出する費用で、支出の効果が1年以上に及ぶことから繰延資産に該当するとした事例

  • ①平成25年4月1日から平成26年3月31日まで及び平成26年4月1日から平成27年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分並びに平成25年4月1日から平成26年3月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • ②平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒一部取消し
  • 平成30年10月10日裁決

<ポイント>
本事例は、企業会計においては、費用収益対応の原則がとられており、法人税法においても同原則が妥当するものと解されるところ、法人税法上の繰延資産は、費用を支出しても、それにより当該費用と収益の対応関係が即時的に完結せず、その後においても収益を生み出す性質を有する場合のその継続的な収益に着目し、複数年にわたり償却(損金算入)を行うという制度であるから、「支出の効果」についても同原則に照らして考慮すべく、「支出の効果」とは、費用収益対応の原則における「収益」の発生を意味するものであって、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」というのは、費用収益対応の原則の下、当該費用の支出が1年以上に及ぶ継続的な収益を発生させる性質を有するものをいうと解するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、製品の共同開発契約(本件契約)に基づき一方の契約当事者(本件当事者)に支払った負担金(本件負担金)について、本件契約の製品に係る大臣の承認(本承認)を得るために本件当事者から開示された資料等は、共同開発の成果であって請求人が自己開発したものと同様であること、また、本件負担金の支出には、本承認が得られないリスクがありその支出の効果がその後に及ぶものといえないことなどから、本件負担金は繰延資産に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件負担金の対象となる各業務は、本件当事者が担当する業務であり、ほとんどが本件契約の締結日までに完了していたことに加え、請求人は本承認の申請に必要なデータを本件当事者から取得し、本件契約の締結日から短期間で本承認の申請をしていたことなどから、請求人が当該共同開発の主体であったとみることはできず、本件負担金は、本件当事者が開発の過程で得た成果の提供という役務の提供を受けるために支出する費用であると認められる。

そして、当該製品は現に製造販売されていることに加え、本承認の取得後5年ごとに大臣の調査を受けなければならないことなどからすると、本承認を取得した効果は少なくとも5年は継続するということができる。

したがって、本件負担金は、役務の提供を受けるために支出する費用で、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものと認められるから、繰延資産に該当する。

なお、平成27年3月期に繰延資産の償却超過額の損金不算入額が増加したことに伴い、平成28年3月期に繰延資産の償却超過額の前期からの繰越額のうち当期損金算入額が増加したことから、平成28年3月期に一部取消しが発生したものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 共同開発契約に基づいて支払った負担金は、役務の提供を受けるために支出する費用で、支出の効果が1年以上に及ぶことから繰延資産に該当するとした事例

2019年12月12日


外国法人が株式会社である場合、外国子会社配当益金不算入制度の対象となる外国子会社に該当するかどうかは、「株式の数」により判断すべきとした事例

  • 平成25年6月1日から平成26年5月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 平成25年6月1日から平成26年5月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年12月14日裁決

<ポイント>
本事例は、法人税法施行令第22条の4第1項第1号の「株式又は出資の数又は金額」の読み方は、「株式の数」、「出資の金額」、「株式の金額」及び「出資の数」の四通りの組合せがあるが、外国法人が株式会社である場合、外国法人の経営判断への内国法人の支配力(影響力)を示すのは「株式の数」であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、請求人に剰余金の配当を行った海外法人(本件法人)が法人税法施行令第22条の4《外国子会社の要件等》第1項第2号に規定する要件を満たす外国子会社に該当するか否かは、「議決権のある株式の金額」等を判断基準とするものと解され、これによれば同号に規定する割合は100分の25以上となるから、当該配当を行った日において本件法人は外国子会社に該当する旨主張する。

しかしながら、外国法人が株式会社である場合、外国子会社の判断基準は「株式の数」であると解するのが相当であるところ、これによれば本件法人の同項各号に規定する割合は、当該配当を行った日においていずれも100分の25未満であると認められるのであるから、本件法人は外国子会社には該当しない。

 ★リンクはこちら ⇒ 外国法人が株式会社である場合、外国子会社配当益金不算入制度の対象となる外国子会社に該当するかどうかは、「株式の数」により判断すべきとした事例

2019年12月10日


収益は、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきものとした事例

  • ①平成23年1月1日から平成23年12月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処 →棄却
  • ②平成24年1月1日から平成25年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分 →一部取消し
  • ③平成23年1月1日から平成23年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分 →棄却
  • ④平成24年1月1日から平成24年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処 →一部取消し
  • ⑤平成25年1月1日から平成25年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処 →却下
  • 平成30年11月14日裁決

<ポイント>
本事例は、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定したときの属する年度の益金に計上すべきものと解されるとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁が売上計上漏れがあったとした事件業務に係る請求金額の一部について、①請求した金額ではなく調停により減額決定した金額であること、②着手金の支払がなく委任契約が途中解約されたことから零円であること及び③日当旅費は、委任契約上免除する旨の合意がありその支払もなかったことから零円であることなどから益金の額が過大である旨主張し、原処分庁は、当該事件業務の売上高は、請求人が保管していた顧客との委任契約書及び請求書を基に算出したもので、当該事件業務に係る契約が解除された等の事実は認められない旨主張する。

しかしながら、収益はその収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきところ、①及び②については、請求人は報酬金を依頼人に請求していることから、この時点で当該報酬金の支払請求権が確定したものと認められ、当該請求金額は請求した事業年度の益金の額に算入されることとなり、③については、依頼人との委任契約書において、日当を免除する旨定められていることから、請求人は、当該依頼人に対して日当を請求する権利を有していたとは認められず、請求書に記載されている日当の額は益金の額には算入されない。

そして、①の減額金額については、請求した事業年度の益金の額に算入されるものの、翌事業年度に減額が確定しており、当該減額金額は翌事業年度の損金の額に算入されること及び③の金額は益金の額に算入されないことになるから、それらの部分を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 収益は、その収入すべき権利が確定したときの属する事業年度の益金に計上すべきものとした事例

2019年12月6日


「欠損金の繰戻しによる還付請求書」等の誤りについて

国税庁が、平成30年6月29日付課法7-21ほか4課共同「『法人課税関係の申請、届出等の様式の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)で定めた以下の4様式に誤りがあった。

欠損金の繰戻しによる還付請求書(平成30年4月1日以後終了事業年度分)
災害損失の繰戻しによる還付請求書(平成30年4月1日以後終了事業年度分)
連結欠損金の繰戻しによる還付請求書(平成30年4月1日以後終了連結事業年度分)
連結法人の災害損失の繰戻しによる還付請求書(平成30年4月1日以後終了連結事業年度分)

(参考・誤りのあった箇所)
《例》上記様式①の場合
(7)のうち、「外国関係会社等に係る控除対象所得税額等相当額の控除額」が不要。
②~④についても同様。

国税庁ホームページにおいては、誤った様式は既に削除されているが、e-Taxにおいては、それぞれ以下の手続(名称に「平成30年4月1日以後終了(連結)事業年度分」という記載のない手続)を利用するよう注意すること。

・欠損金の繰戻しによる還付請求
・災害損失の繰戻しによる還付請求
・連結欠損金の繰戻しによる還付請求
・連結法人の災害損失の繰戻しによる還付請求

詳細については、国税庁ホームページ及びe-Taxホームページをご確認のこと。

 ★単体法人用はこちら ⇒ [手続名]欠損金の繰戻しによる還付の請求

 ★連結法人用はこちら ⇒ [手続名]連結欠損金の繰戻しによる還付の請求

2019年10月23日


令和元年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は、『令和元年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 令和元年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2019年9月8日


設備の賃借及び転貸はいずれも法人税法上のリース取引に該当し、売買があったものとして処理することが相当とした事例

  • 平成25年1月1日から平成25年12月31日まで、平成26年1月1日から平成26年12月31日まで及び平成27年1月1日から平成27年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成25年1月1日から平成25年12月31日まで及び平成26年1月1日から平成26年12月31日までの各課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成27年1月1日から平成27年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成25年1月1日から平成25年12月31日まで、平成26年1月1日から平成26年12月31日まで及び平成27年1月1日から平成27年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成30年8月23日裁決

<ポイント>
 本事例は、請求人が、設備の賃借及び転貸のいずれも賃貸借取引として処理していたことに対し、原処分庁は、設備の賃借を売買取引、転貸を賃貸借取引として原処分を行ったところ、審判所は、いずれも売買取引として処理すべきとした上で、延払基準の方法により収益の額及び費用の額を計算するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人による設備(本件リース資産)を賃借する取引(本件リース取引)は、法人税法第64条の2《リース取引に係る所得の金額の計算》第3項に規定するリース取引(法人税法上のリース取引)に該当する旨主張する。

確かに、本件リース取引は、資産の賃貸借であり、中途解約禁止要件及びフルペイアウト要件のいずれも充足し法人税法上のリース取引に該当するものと認められるが、請求人は、さらに本件リース資産を本件リース取引とほぼ同条件で転リースしていることから、当該転リース取引についても同様に法人税法上のリース取引に該当するものと認められる。

よって、本件リース取引のみならず、当該転リース取引についても売買があったものとして処理することが相当であり、当該転リース取引に係る収益の額及び費用の額は、法人税基本通達2-4-2の2《売買があったものとされたリース取引》の定めにより、法人税法63条《長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度》第1項の延払基準の方法により計算した収益の額及び費用の額とし、各事業年度の課税所得を計算することとなる。

 ★リンクはこちら ⇒ 設備の賃借及び転貸はいずれも法人税法上のリース取引に該当し、売買があったものとして処理することが相当とした事例

2019年8月27日


請求人が裁判上の和解に基づいて受領した解決金は、株式の公開買付けの対象となった法人の不適切な会計処理に起因し、当該公開買付け等により請求人に生じた損害を当該法人の役員らが連帯して支払った損害賠償金と認められ、益金の額に算入されるとした事例

  • ①平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • ②平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成30年9月12日裁決

<ポイント>
本事例は、裁判上の和解に基づく解決金の性質の検討に当たっては、和解調書に記載された条項の文言解釈が中心となることはもちろんであるが、一般法律の解釈と同様、文言とともにその解釈に資するべき他の事情、特に裁判上の和解であることからこそ、訴訟の経過等をも十分に参酌して、当事者の真意を探求してなされるべきであるとしたものである。

<要旨>
請求人は、法人(本件法人)の株式を公開買付け等(本件公開買付け等)により取得した際に算定した株式価額について、本件法人において不適切な会計処理があったことから過大に算定していたとして、本件法人の代表取締役ら(本件役員ら)を相手に訴訟(本件訴訟)を提起した後、裁判上の和解(本件和解)により本件役員らから受け取った解決金(本件解決金)は、本件法人の代表取締役から本件公開買付け等により取得した株式(本件株式)の売買代金の減額調整金として支払われたものであり、株式の取得価額を減額すべきものである旨主張する。

しかしながら、本件和解の和解調書の条項の文言は、本件解決金を支払うことになった理由を示したものであり、本件解決金が本件株式の売買代金の返還であるとの記載ではない。
本件和解の協議においても、本件解決金が本件株式の売買代金の返還である旨の合意はなされていない。

また、本件和解に至る経過等によると、①本件訴訟の請求は損害賠償請求であり、②本件法人の代表取締役以外の株主からも取得した全ての株式の取得対価の過大支払額を損害額として請求するとともに、③株式の取得対価とは異なる損害額(調査委員会費用、追加監査費用及び課徴金の損害額)についても請求し、④本件解決金の支払義務を負う者として本件法人の代表取締役のほか本件法人の役員が含まれ、⑤実際に本件法人の役員も本件解決金の一部を支払っていることから、本件解決金は、本件法人の不適切な会計処理に起因し、本件公開買付け等により請求人に生じた損害を本件役員らが連帯して支払った損害賠償金と認められることから、本件解決金の額は、益金の額に算入される。

 ★リンクはこちら ⇒ 法人の不適切な会計処理に起因し、当該公開買付け等により請求人に生じた損害を当該法人の役員らが連帯して支払った損害賠償金と認められ、益金の額に算入されるとした事例

2019年8月26日


適用額明細書に関するお知らせ

平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定された。

このため、法人税関係特別措置のうち税額または所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要がある。

 ★リンクはこちら ⇒ 適用額明細書に関するお知らせ

2019年8月8日


不動産に係る賃借物件の賃料として損金の額に算入される金額及び転貸物件の賃料として益金の額に算入される金額は、賃借契約及び転貸契約による減額後の月額賃料に基づいて算出された金額であって、当該各契約の全期間の月額賃料の合計額を当該全期間で均等あん分した月額賃料相当額に基づいて算出した金額ではないとした事例

  • 平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年6月15日裁決

<要旨>
請求人は、不動産に係る中途解約不能で、中途解約した場合に残りの賃借期間の賃料を支払うことになっている長期の賃料減額期間のある賃借契約(本件賃借契約)の場合、その契約時に契約期間全体にわたる賃料総額の支払をすべき義務が確定していると解すべきであり、契約期間における賃料総額を当該契約期間で均等あん分した月額賃料相当額(本件あん分計算方式)に基づいて算出した金額は、合理的に算定された金額であり、その金額が損金の額に算入できる旨主張し、また中途解約禁止条項のある長期の賃料減額期間のある転貸契約(本件転貸契約)の場合も、本件あん分計算方式に基づいて算出した金額が益金の額に算入される旨主張する。

しかしながら、本件賃借契約及び本件転貸契約における契約当事者間では、賃借物件及び転貸物件に係る賃料減額期間の賃料の減額という法律効果が本件賃借契約及び本件転貸契約(法律行為)に基づき成立し、当該法律効果を変更又は消滅させる他の法律行為があるとする証拠も認められないことからすれば、当該賃借物件に係る賃料として事業年度終了の日までに債務が確定した金額は、本件賃借契約の特約条項により減額された月額賃料に基づいて算出された金額であり、当該金額が損金の額に算入される。

また、当該転貸物件に係る賃料として事業年度終了の日までに収入すべき権利として確定しているのは、本件転貸契約の特約条項により減額された月額賃料に基づいて算出された金額であり、当該金額が益金の額に算入される。

 ★リンクはこちら ⇒ 不動産に係る賃借物件の賃料として損金の額に算入される金額及び転貸物件の賃料として益金の額に算入される金額は、賃借契約及び転貸契約による減額後の月額賃料に基づいて算出された金額であって、当該各契約の全期間の月額賃料の合計額を当該全期間で均等あん分した月額賃料相当額に基づいて算出した金額ではないとした事例

2019年7月8日


太陽光発電設備を囲むフェンス、門扉等は、当該発電設備とは別個の減価償却資産と認められ、その取得の日に事業の用に供されたと認められるとした事例

  • 平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成30年6月19日裁決

<ポイント>
本事例は、太陽光発電設備は、その取得の日を含む事業年度の末日において系統連系のための工事が完了していないから、当該事業年度に事業の用に供されたとは認められないが、当該発電設備とともに取得した同設備を囲むフェンス、門扉等は、その取得の日から機能を発揮しているから、当該事業年度に事業の用に供されたと認められ、特別償却の適用があるとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、太陽光発電設備(本件設備)を囲むフェンス、門扉等(本件フェンス等)は、本件設備とともに生産性向上設備等の確認を受けたのであり、単独では生産活動等の用に直接供される減価償却資産とは認められないから、請求人は本件フェンス等を本件設備と一体で取得し、一体で事業の用に供したとみるべきであり、本件設備について系統連系が行われて事業の用に供したのは、取得の日を含む事業年度の末日よりも後であるから、本件フェンス等は当該事業年度に事業の用に供していない旨主張する。

しかしながら、本件フェンス等は本件設備とは物理的にも機能的にも一体とはいえず、別個の減価償却資産であると認められるところ、本件フェンス等は、太陽光発電所内への外部からの侵入を防止し、同発電所内での事故や本件設備の毀損、盗難等を避けることを目的として設置されたものと認められ、請求人が本件設備を取得してから系統連系が行われ売電を開始するまでの間も、本件フェンス等は本件設備を第三者による毀損や盗難から保護し、接触による感電事故等を防止する機能を発揮していたと認められるから、本件フェンス等はその取得の日から使用を開始され、事業の用に供されたと認めるのが相当である。

 ★リンクはこちら ⇒ 太陽光発電設備を囲むフェンス、門扉等は、当該発電設備とは別個の減価償却資産と認められ、その取得の日に事業の用に供されたと認められるとした事例

2019年7月5日


請求人が支出した風俗事業以外の事業に係る業務委託費は、業務遂行上必要と認められるから、法人税の所得金額の計算上損金の額に算入されるとした事例

  • ①平成23年5月1日から平成24年4月30日まで及び平成24年5月1日から平成25年4月30日までの各事業年度の法人税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分 ⇒棄却
  • ②平成25年5月1日から平成26年4月30日まで及び平成26年5月1日から平成27年4月30日までの各事業年度の法人税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分 ⇒一部取消し
  • ③平成24年5月1日から平成25年4月30日までの課税事業年度の復興特別法人税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • ④平成25年5月1日から平成26年4月30日までの課税事業年度の復興特別法人税の決定処分 ⇒一部取消し
  • ⑤平成23年5月1日から平成24年4月30日まで、平成24年5月1日から平成25年4月30日まで、平成25年5月1日から平成26年4月30日まで及び平成26年5月1日から平成27年4月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分 ⇒棄却
  • 平成30年6月29日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が、風俗事業におけるコンパニオン送迎に係る業務委託費を運転手が作成した原始記録により算定して損金算入する一方で、風俗事業以外の事業に係る業務委託費は損金算入できないとしたところ、前者については、請求人が審判所に提出した業務委託領収証により算定して損金算入することはできないが、後者については、業務遂行上必要と認められるから損金算入されるとしたものである。

<要旨>
調査対象事業年度(本件事業年度)のうち、コンパニオン送迎の業務委託先である運転手(本件運転手)が作成した原始記録(本件原始記録)の存在する期間において、請求人は、コンパニオン送迎の業務委託費(本件業務委託費)につき、本件原始記録ではなく、請求人が審判所に提出した本件運転手に係る領収書(本件業務委託領収証)により算定した金額を、法人税の所得金額の計算上損金に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、本件運転手の答述等によれば、本件業務委託領収証の記載内容に信用性はないと認められるから、本件業務委託領収書により本件業務委託費の額を算定してこれを損金に算入することはできない。

ただし、請求人の業務委託先の中には、コンパニオン送迎ではなく、風俗事業以外の事業の業務を請け負っている者が存在する事実が認められ、当該事業に係る業務委託費は、当該業務の遂行上必要と認められるから、法人税の所得金額の計算上損金に算入することが相当と認められる。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が支出した風俗事業以外の事業に係る業務委託費は、業務遂行上必要と認められるから、法人税の所得金額の計算上損金の額に算入されるとした事例

2019年7月4日


請負による収益の額は、約した役務の全部を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入するとした事例

  • 平成23年4月1日から平成24年3月31日まで、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成23年4月1日から平成24年3月31日まで、平成24年4月1日から平成25年3月31日まで、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成30年4月13日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が、注文書等に記載された請負代金の支払条件である「検収に基づく出来高払い」の文言を誤って解し、請負による収益の額を部分完成基準により益金の額に算入すべきとした原処分の全部を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が元請先から請け負った各工事(本件各工事)に係る注文書及び注文請書には、請負代金の支払条件として、元請先の検収に基づく出来高払いによることとされていることから、法人税基本通達2-1-9《部分完成基準による収益の帰属時期の特例》が定める特約又は慣習があり、出来高に応じた請求金額(本件各出来高請求金額)を出来高が検収された日の属する事業年度の益金の額に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、本件各出来高請求金額は、本件各工事の工事監督者が本件各工事の出来高を査定したもので、本件各工事の出来高の請求書ではこの査定を「検収」と記載しているが、これは出来高の金額を確認する、あるいは出来高の金額の支払を認めるという意味で使用しているものであり、元請先が本件各出来高請求金額に相当する部分の完成を確認したものではない。

そして、元請先は、工事の竣工検査における合格日(検査合格日)を検収日(引渡日)としているから、本件各工事はそれぞれの検査合格日に請求人の役務の提供が完了したと認められる。

したがって、本件各工事に係る収益は、法人税基本通達2-1-5《請負による収益の帰属の時期》に定めるいわゆる工事完成基準により、本件各工事の請負代金の全額を本件各工事の検査合格日の属する事業年度の益金の額に算入すべきものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 請負による収益の額は、約した役務の全部を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入するとした事例

2019年7月3日


請求人が請求人の従業員に帰属するとした販売業務の収益は、請求人に帰属するところ、一部売上原価等は損金の額に算入されるとした事例

  • ①平成25年6月1日から平成26年5月31日までの事業年度の法人税及び同期間の課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分 ⇒棄却
  • ②平成26年6月1日から平成27年5月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分 ⇒一部取消し
  • ③平成27年6月1日から平成28年5月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • ④平成27年6月1日から平成28年5月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • ⑤平成26年6月1日から平成28年5月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分 ⇒棄却
  • 平成30年6月28日裁決

<ポイント>
本件は、事業収益

の帰属者が誰であるかについて、当該事業の遂行に際して行われる法律行為の名義だけでなく、①事業の経緯、②業務の遂行状況、③業務に係る費用の支払状況及び④請求人の認識などの事実関係を総合勘案して判断したものである。

<要旨>
請求人は、インターネットオークションによる販売業務(本件業務)の事業主体は請求人の従業員であるから、本件業務に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。

しかしながら、①本件業務は個人名義で出品するものの請求人の従業員名義であったこと、②請求人の事務所において従業員が本件業務の事務及び商品の発送を行っていたこと、③請求人が仕入れた商品を出品することによって収益が獲得されていたこと、④本件業務に従事する者の給与を請求人が支払っていたこと及び⑤請求人の代表者は、本件業務で収益を得ていたとの認識があったことなどの事実関係から、本件業務は請求人の業務の一環として行われたものとみるのが相当であり、本件業務に係る収益は請求人に帰属する。

そこで、①本件業務において売り上げた商品のうち一部請求人の仕入れに計上されていない商品の仕入額及び②本件業務に係る人件費のうち一部請求人の給与手当勘定に計上されていない給与支給額については、請求人の損金の額に算入するのが相当である。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が請求人の従業員に帰属するとした販売業務の収益は、請求人に帰属するところ、一部売上原価等は損金の額に算入されるとした事例

2019年7月2日


関連法人名義の口座への入金額は請求人に帰属しないとした事例

  • 平成22年12月1日から平成23年11月30日までの事業年度の法人税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分並びに平成22年12月1日から平成23年11月30日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • 全部取消し
  • 平成30年5月10日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が、請求人の関連法人が休業中の時期に関連法人名義の口座に振り込まれた運送事業等の入金額は請求人に帰属するとして、法人税の修正申告をした後、当該入金額は請求人に帰属しないとして更正の請求をしたところ、原処分庁が、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行ったという事案について、当該口座に当該入金額が振り込まれた当時、請求人は運送事業を営んでいなかったとして、当該通知処分の全部を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の関連法人(本件関連法人)は平成20年9月以後運送事業を休業しているから、本件関連法人名義の口座(本件口座)への同年10月以降の入金額は請求人に帰属する旨主張する。

しかしながら、本件関連法人は、少なくとも平成21年3月頃までは運送事業を行っていたとみることができる一方、請求人が運送事業を行うのに必要な許可を受けたのは平成25年9月であり、本件口座に入金があった頃に請求人が運送事業を行っていたと認めることはできないなどのことから、本件口座への運送事業の入金、保険会社からの振込み、自動車販売業者からの振込みは、本件関連法人が休業となる以前の運送事業に係る収入金額とみるのが相当であり、したがって、本件口座への入金額は、請求人に帰属しないと認められる。

 ★リンクはこちら ⇒ 関連法人名義の口座への入金額は請求人に帰属しないとした事例

2019年6月28日


e-Taxで「法人番号」を未入力のまま申告データを送信した場合のエラーについて

2019年5月7日以降、法人番号の記載が必要な申告・申請等を送信される際、法人番号の入力がなかった場合は、以下のエラーメッセージが表示される。

このメッセージが表示された場合には、法人番号を入力のうえ、再度送信が必要である。

なお、法人番号が未通知の場合など法人番号の入力ができない場合は、「次へ(再送信する)」ボタンをクリックすれば、そのまま再送信することが可能である。

<エラーメッセージ>
HUU0315E :

送信された申告等データは、受け付けられていません。

送信された申告等データの法人番号が入力されていません。申告等データの法人番号欄に入力し、再度、申告等データを送信してください。

なお、法人番号を指定する必要のない場合は、そのまま申告等データを送信してください。

 ★リンクはこちら ⇒ 法人番号の記載が必要な申告・申請等を送信する場合の留意点について(平成31年4月26日)

2019年5月8日


労働保険料や社会保険料の延滞金の損金性

労災保険及び雇用保険の労働保険料、厚生年金保険料、健康保険料の延滞金は、税務上損金不算入と考えがちである。

しかしながら、 損金不算入とされるのは税法で限定列挙している延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税、過怠税、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金、延滞金(社会保険を除く。)、罰金、科料、過料、課徴金のみである(下記リンクのとおり。)。

よって、労働保険、社会保険の保険料に係る延滞金はこれらに含まれていないため、損金算入できる。

 ★リンクはこちら ⇒ 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期

2019年2月7日


設備を事業の用に供していなかったことから損金不算入額となった償却費は償却超過額には該当せず、翌事業年度において損金経理額に含まれないとした事例

  • 平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分、平成26年4月1日から平成27年3月31日まで及び平成27年4月1日から平成28年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • 平成30年3月27日裁決

<ポイント>
本事例は、事業年度終了時において事業の用に供されていない資産について、当該事業年度において償却費として損金経理した金額が損金不算入額となった場合、それは法人税法上の減価償却資産に該当しない資産に係るものであるから、当該事業年度の償却超過額には該当せず、翌事業年度の損金経理額に含まれないとしたものである。

<要旨>
請求人は、太陽光発電設備を取得した事業年度において、同設備に係る償却費の額を損金の額に算入して法人税の確定申告をした後、同設備を当該事業年度内に事業の用に供していなかったとして当該償却費の額を償却超過額として修正申告したところ、当該事業年度の翌事業年度に電力の供給を開始して同設備を事業の用に供したことから、当該翌事業年度の法人税について、同設備に係る償却費の額を損金の額に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、同設備は当該事業年度終了時においては事業の用に供されていないから、法人税法上の減価償却資産に該当しない。
そして、当該事業年度において償却費として損金経理をしていたとしても、それは法人税法上の減価償却資産に該当しない資産に係るものであって、法人税法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》第1項に規定する償却費として損金経理をした金額(損金経理額)に該当せず、また、法人税法上の減価償却資産に係る償却超過額にも当たらない。

そうすると、請求人が当該事業年度に償却超過額とした金額は、当該翌事業年度において、同条第4項に規定する当該償却事業年度前の各事業年度における当該減価償却資産に係る損金経理額のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかった金額(償却超過額)には該当せず、当該翌事業年度の損金経理額に含まれないから、当該翌事業年度の損金の額に算入することはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 設備を事業の用に供していなかったことから損金不算入額となった償却費は償却超過額には該当せず、翌事業年度において損金経理額に含まれないとした事例

2019年1月22日


平成30年4月から平成31年3月の間に提供した法人税等各種別表関係(平成30年4月1日以後終了事業年度等又は連結事業年度等分)

国税庁は、『平成30年4月から平成31年3月の間に提供した法人税等各種別表関係(平成30年4月1日以後終了事業年度等又は連結事業年度等分)』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年4月から平成31年3月の間に提供した法人税等各種別表関係(平成30年4月1日以後終了事業年度等又は連結事業年度等分)

2018年10月4日


本件機械装置は、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しないとした事例

  • 平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • 平成29年10月31日裁決

<ポイント>
本事例は、租税特別措置法第42条の6第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断するとしたものである。

<要旨>
請求人は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作の後、製作者又は製作者から取得した者の下で固定資産として使用されたことのないものをいうとして、請求人が取得した機械装置(本件機械装置)は、製作された後請求人が取得するまでの間、①その販売者(本件販売者)の固定資産として使用されたことはなく、また、棚卸資産として管理されていて資産価値の減少はないこと、②本件販売者による1年間の保証の下、新品として取得したものであることから、本件機械装置は同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当する旨主張する。

しかしながら、同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者(販売者等)において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断することとなる。本件機械装置は、製作された後、本件販売者において1年以上にわたり展示場での展示及び実演に供され、部品交換もされていたのであり、これらの事情を総合的に勘案すると、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しない。

 ★リンクはこちら ⇒ 本件機械装置は、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しないとした事例

2018年7月25日


請求人は、本件発注者に対して、工事完了年月日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当であるとした事例

  • ①平成26年7月1日から平成27年6月30日までの事業年度の法人税の更正処分 ⇒一部取消し
  • ②平成26年7月1日から平成27年6月30日までの事業年度の法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • ③平成26年7月1日から平成27年6月30日までの消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • ④延滞税 ⇒却下
  • 平成29年10月4日裁決

<ポイント>
本事例は、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、工事完了年月日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるとしたものである。

<要旨>
請求人は、改修工事(本件工事)を請け負い、主要な工事を終えて発注者(本件発注者)に対し、竣工日を平成27年3月27日とする竣工届(本件竣工届)を提出し、本件発注者から工事完了年月日を同月31日とする工事検査通知書(本件検査通知書)を受領しているが、本件工事には、次期工事が開始されるまでの間、本件工事の完了箇所及び次期工事予定区域を囲うためにバリケードを設置して現場管理することが含まれ、それらを同年9月まで継続して行っていたのであり、本件工事は同年3月31日までに完了していなかったから、本件工事の請負代金の額は、同日を含む事業年度(本件事業年度)の益金の額に算入されない旨主張する。

しかしながら、本件工事には設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等は含まれておらず、請求人は、本件発注者に対して本件竣工届を提出して、同月31日付で本件工事の請負代金の残額を請求したこと、本件発注者は、請求人に対して本件検査通知書を発行し、同日以降、設置したバリケードの管理及び本件工事の施工区域の管理等をしていたことからすると、請求人は、本件発注者に対して、同日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当である。

ただし、本件事業年度の益金の額に算入される本件工事の請負代金の額には、請求人が設置したバリケードの使用料が含まれており、それに個別対応する原価であるバリケードの賃借料の一部を本件事業年度の損金の額に算入すべきところ算入されていなかったことから、原処分の一部を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人は、本件発注者に対して、工事完了年月日までに本件工事の全部を完了して引き渡したものと認められるから、本件工事の請負代金の額は、本件事業年度の益金の額に算入するのが相当であるとした事例

2018年7月23日


2018年7月の税務と期限

期 限 項  目
7月10日 6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
7月17日 所得税の予定納税額の減額申請
7月31日 所得税の予定納税額の納付(第1期分)
5月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
11月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の
1月ごとの中間申告(3月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付


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2018年7月2日


「収益認識に関する会計基準」への対応について

国税庁は、「収益認識に関する会計基準」(平成30年3月30日 企業会計基準委員会)及び平成30年度税制改正を踏まえ、法人税基本通達の見直しを行うとともに、これらの解説資料を取りまとめ、ホームページに公表した。

中小企業(監査対象法人以外)の会計処理(消費税を含む。)については、従来どおり企業会計原則、中小企業の会計に関する指針及び中小企業の会計に関する基本要領等によることが認められるため、①返品調整引当金制度の廃止、②長期割賦販売等に該当する資産の販売等について延払基準により収益の額及び費用の額を計算する選択制度の廃止(いずれも経過措置が設けられている。)以外は、今般の通達改正等により従来の取扱いが変更されるものではない。

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2018年6月26日


請求人の国外関連者に当たる子会社に対してされた米ドルの各貸付けにつき、その利息額の独立企業間価格の算定においては、各米国債の利率による方法が相当とした事例

  • ①平成25年7月1日から平成26年6月30日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ②平成26年7月1日から平成27年6月30日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →全部取消し
  • ③平成25年7月1日から平成26年6月30日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • 平成29年9月26日裁決

<ポイント>
本事例は、米ドルの各貸付けに係る利息額の独立企業間価格の算定について、借り手の銀行調達利率による方法及び貸手の銀行調達利率による方法を採用することができないときは、各米国債の利率による方法を採用することが相当であるとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の国外関連者に該当する子会社(本件子会社)に対して請求人が行った米ドルの各貸付け(本件各貸付け)につき、その利息額の独立企業間価格の算定については、独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法である貸手の銀行調達利率による方法(米ドルのスワップレートにスプレッドを加えた利率)によることが最も適切である旨主張する。

確かに、借手である本件子会社には非関連者である銀行等からの借入れの実績がなく、本件子会社が非関連者である銀行等から本件各貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を見いだすことができないことから、借り手の銀行調達利率による方法を採用することはできない。

しかしながら、原処分庁が用いたスプレッドは、請求人が本件各貸付けと同様の状況で銀行等から借り入れた場合のスプレッドとして正確性を有するものとは認められず、当審判所の調査によっても他に請求人が非関連者である銀行等から本件各貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を算定する適切な方法を見いだすことはできないことから、貸手の銀行調達利率による方法を採用することはできない。

もっとも、本件各貸付けにおいては、発行日が本件各貸付けの貸付開始日と近接し、発行日から満期償還日までの期間が本件各貸付けの貸付期間に近似する各米国債(本件各米国債)が存在することが認められ、本件各米国債の利率は、本件各貸付けに係る資金を本件各貸付けと通貨、取引時期、期間等が同様の状況の下で国債等により運用した場合に得られるであろう利率に当たると認められることから、本件各米国債の運用利率による方法を採用することが相当というべきである。

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2018年6月22日


大法人の電子申告の義務化の概要について

経済社会のICT化等が進展する中、税務手続においても、ICTの活用を推進し、データの円滑な利用を進めることにより、社会全体のコスト削減及び企業の生産性向上を図ることが重要であることから、平成30年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、一定の法人が行う法人税等の申告は、電子情報処理組織(以下「e-Tax」という。)により提出しなければならないこととされた (以下この提出に関する制度を「電子申告の義務化」という。)。
今回、その概要等について以下のとおり掲載した。

<電子申告の義務化の概要>
「電子申告の義務化」の対象となる税目、法人の範囲、手続等は以下のとおりとなる。
1.対象税目(注1)
法人税及び地方法人税並びに消費税及び地方消費税

2.対象法人の範囲(注2)
(1)法人税及び地方法人税
①内国法人のうち、その事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額(以下「資本金の額等」という。)が1億円を超える法人
②相互会社、投資法人及び特定目的会社
(2)消費税及び地方消費税
(1)に掲げる法人に加え、国及び地方公共団体

3.対象手続
確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書(以下これらを総称して「申告書」という。)

4.対象書類
申告書及び申告書に添付すべきものとされている書類の全て

5.例外的書面申告
電気通信回線の故障、災害その他の理由によりe-Taxを使用することが困難であると認められる場合(注3)において、書面により申告書を提出することができると認められるときは、納税地の所轄税務署長の事前の承認を要件として、法人税等の申告書及び添付書類を書面によって提出することができる。

6.適用開始届出
電子申告の義務化の対象となる法人(以下「義務化対象法人」という。)は、以下のとおり納税地の所轄税務署長に対し、適用開始事業年度等を記載した届出書(「電子申告義務化適用届出書(仮)」)を提出することが必要である。
(1)平成32年3月31日以前に設立された法人で平成32年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合
当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内
(2)平成32年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合
イ増資により義務化対象法人となる場合
資本金の額等が1億円超となった日から1か月以内
ロ新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合
設立の日から2か月以内
(3)平成32年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合
課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内

7. 適用日
平成32(2020)年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から適用
(注)1
地方税の法人住民税及び法人事業税についても電子申告が義務化される(地方税の電子申告の義務化については、各地方公共団体のホームページをご覧のこと)。
(注)2
義務化対象法人には、人格のない社団等及び外国法人は含まれない。
(注)3
電子的に提出することが困難であると認められる具体的な事例は、今後公表していくことを予定している。

<電子申告の義務化に伴い導入する利便性向上施策等>
電子申告の義務化に当たっては、法人税等に係る申告データを円滑に電子提出できるよう環境整備を進めることとされており、国税庁においては、以下のとおり利便性の向上に向けた施策を電子申告の義務化までの間に順次実施していくこととしている。
なお、これらの施策については、電子申告が義務化されない中小法人等にも適用されるものとなっている。

 ★リンクはこちら ⇒ 大法人の電子申告の義務化の概要について

2018年6月18日


代表取締役が代表権のない取締役に分掌変更したことに伴って請求人が支給した金員について、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、法人税法上の損金算入することができる退職給与に該当しないとした事例

  • 平成22年6月1日から平成23年5月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成23年5月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成29年7月14日裁決

<ポイント>
本事例は、分掌変更後も、請求人の経営ないし業務において主要な地位を占め、請求人の取締役として重要な決定事項に関与していたことが認められるから、当該取締役は、分掌変更により、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえないとしたものである。

<要旨>
請求人は、その代表者(本件役員)が代表取締役社長を辞任し、代表権のない取締役会長となったこと(本件分掌変更)に伴い、請求人が本件役員に対し支給した金員(本件金員)について、本件役員は本件分掌変更により本件役員の各業務に関する権限を他の役員等に移譲し、仕事量、質及び内容が大幅に縮小または変更したため、請求人の役員としての地位または職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあったといえるから、本件金員は法人税法上の退職給与に該当する旨主張する。

しかしながら、本件分掌変更に伴い、本件役員の地位や職務につき相当程度の変動が生じたことは認められるものの、本件役員は、本件分掌変更後も、請求人の経営ないし業務において主要な地位を占め、請求人の取締役として重要な決定事項に関与していたことが認められるから、本件役員は、本件分掌変更により、役員としての地位または職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、本件金員は法人税法上の損金算入することができる退職給与に該当しないものと認められる。

 ★リンクはこちら ⇒ 代表取締役が代表権のない取締役に分掌変更したことに伴って請求人が支給した金員について、実質的に退職したと同様の事情にあるとはいえず、法人税法上の損金算入することができる退職給与に該当しないとした事例

2018年6月14日


適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等の掲載

平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定された。

このため、法人税関係特別措置のうち税額または所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要がある。

平成30年4月1日以後終了事業年度に使用する区分番号一覧表が国税庁のホームページに掲載された。

 ★リンクはこちら ⇒ 適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等の掲載

2018年6月13日


請求人の行った土地の売買取引について、請求人と最終取得者との間で売買契約が成立しているとは認められないとした事例

  • ①平成24年11月1日から平成25年10月31日までの事業年度の法人税の更正処分 →棄却
  • ②平成24年11月1日から平成25年10月31日までの事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ③平成24年11月1日から平成25年10月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分 →棄却
  • ④平成24年11月1日から平成25年10月31日までの課税事業年度の復興特別法人税に係る重加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ⑤平成25年11月1日から平成26年10月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分 →全部取消し
  • ⑥平成25年11月1日から平成26年10月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分 →全部取消し
  • ⑦平成25年11月1日から平成26年10月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに重加算税の賦課決定処分 →全部取消し
  • 平成29年8月21日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人と中間取得者は、当該土地について売買する旨合意し、売買契約を締結したと認められ、また、中間取得者と最終取得者の売買契約も有効に成立しているものと認められるから、本件土地取引は請求人と中間取得者との間で有効に成立しているとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の行った土地の売買取引(本件土地取引)について、最終取得者の妻が中間取得者の担当者とは会っていない旨の申述をしていること等を理由として、請求人が中間取得者に売却した事実は認められず、最終取得者に対し売却されたものである旨主張する。

しかしながら、中間取得者には、本件土地取引について包括的に委任していた者がおり、同人主導の下、請求人と中間取得者は、当該土地について売買する旨合意し、売買契約を締結したと認められる。また、最終取得者は中間取得者を売買契約の相手方と認識し、かつ、当該土地の売買代金が中間取得者に支払われていることからすれば、中間取得者と最終取得者の売買契約は有効に成立しているものと認められる。

したがって、本件土地取引は有効に成立しているから、原処分の一部を取り消すべきである。

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2018年6月1日


2018年6月の税務と期限

期  限 項  目
6月11日 5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額(前年12月~当年5月分)の納付
6月15日 所得税の予定納税額の通知
7月2日 4月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
10月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(2月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)


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2018年6月1日


2018年5月の税務と期限

期  限 項  目
5月10日 4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
5月15日 特別農業所得者の承認申請
5月31日 個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
3月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
9月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付
自動車税の納付
鉱区税の納付


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2018年5月7日


2018年4月の税務と期限

期  限 項  目
4月10日 3月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
4月16日 給与支払報告に係る給与所得者異動届出(市町村長へ)
5月1日 公共法人等の道府県民税及び市町村民税均等割の申告
2月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
8月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の5月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の1月、2月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(12月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
軽自動車税の納付
固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付
固定資産課税台帳の縦覧期間(4月1日から20日または最初の固定資産税の納期限のいずれか遅い日以後の日までの期間)
固定資産課税台帳への登録価格の審査の申出の期間(市町村が固定資産の価格を登録したことを公示した日から納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日までの期間等)


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2018年4月2日


請求人の代表取締役に対する役員給与の額のうち、同業類似法人の代表者に対する役員給与の額の最高額を超える部分の金額は不相当に高額な部分の金額であるとした事例

  • ①平成25年8月1日から平成27年7月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分並びに平成25年8月1日から平成26年7月31日までの課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ②平成22年8月1日から平成25年7月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分ほか →棄却
  • 平成29年4月25日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人の同業類似法人における代表者に対する役員給与の最高額と比較すると、請求人の代表取締役(本件代表者)に対する役員給与(本件役員給与)の額は、極めて高額であり、明らかに不相当に高額な部分があるから、当該最高額を本件代表者に対する役員給与相当額とし、本件役員給与の額のうち役員給与相当額を超える部分の金額は、不相当に高額な部分の金額として損金の額に算入されない旨主張し、請求人は、本件代表者の職務は格別であり、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準は合理性を有するものではないから、本件役員給与の額について不相当に高額な部分の金額はない旨主張する。

しかしながら、審判所の調査の結果、本件代表者の職務の内容が特別に高額な役員給与を支給すべきほどのものとは評価し難く、原処分庁が採用した同業類似法人の抽出基準は合理性があるものと認められる。
そして、本件代表者の職務内容に大きな変化はなく、請求人の収益の状況及び使用人給与の支給状況もおおむね一定であるところ、本件役員給与の額は同業類似法人の代表者に対する役員給与の額の最高額を上回るものであり、しかも当該最高額を支給する法人は、請求人よりも相当に経営状況が良好と評価される点を鑑みれば、本件役員給与の額のうち当該最高額を超える部分の金額は不相当に高額な部分の金額であるといえる。
ただし、原処分庁が抽出した同業類似法人の中に、請求人とは業種の異なる法人が認められることから、同社を同業類似法人から除外した上で役員給与相当額を算定し、不相当に高額な部分の金額として損金の額に算入されない金額を計算すると、原処分の額を下回ることから、原処分の一部を取り消すのが相当である。

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2018年3月21日


2018年3月の税務と期限

期 限 項 目
3月12日 2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
3月15日 前年分所得税の確定申告
所得税確定損失申告書の提出
前年分所得税の総収入金額報告書の提出
確定申告税額の延納の届出書の提出
個人の青色申告の承認申請
前年分贈与税の申告
国外財産調書の提出
個人の道府県民税・市町村民税・事業税(事業所税)の申告
4月2日 個人事業者の前年分の消費税・地方消費税の確定申告
1月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
1月、4月、7月、10月決算法人及び個人事業者(前年12月分)の3月ごとの
期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者(前年12月分及び当年1月分)の1月ごとの期間短縮に係る
確定申告<消費税・地方消費税>
7月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の4月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の12月、1月決算法人を除く法人の1月ごとの
中間申告(11月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>


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2018年3月1日


2018年2月の税務と期限

期 限 項 目
2月13日 1月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
2月28日 前年12月決算法人及び決算期の定めのない人格なき社団等の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
6月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の3月、6月、9月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の11月、12月決算法人を除く法人の1月ごとの
中間申告(10月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
前年分所得税の確定申告(2月16日から3月15日まで)
前年分贈与税の申告(2月1日から3月15日まで)
固定資産税(都市計画税)の第4期分の納付


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2018年2月1日


法人税額から控除される所得税の額の計算において、配当の計算期間のうちにその元本を所有していた期間の占める割合を判断した事例

  • ①平成24年12月1日から平成25年11月30日までの事業年度の法人税の更正処分 →棄却
  • ②平成25年12月1日から平成26年11月30日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • 平成29年1月26日裁決

<ポイント>
本事例は、法人税法施行令第140条の2第2項に規定する判定対象配当等がその支払に係る基準日の1年前の日以前に設立された法人からその設立の日以後最初に支払われる剰余金配当等である場合において、法人税の額から控除される所得税の額について判断した事例である。

<要旨>
請求人が所有する関連会社の株式(本件株式)に対する配当(本件配当)について、本件配当の計算の基礎となった期間(配当計算期間)の月数のうちに請求人がその元本を所有していた期間(元本所有期間)の月数の占める割合(所有期間割合)の算定に当たり、原処分庁は、配当計算期間の月数は、平成25年6月1日から平成26年5月31日までの12か月であり、請求人の元本所有期間の月数は、本件株式を取得した日である同年3月18日から同年5月31日までの3か月であるから、法人税法施行令(平成25年政令第166号による改正前のもの)第140条の2《法人税額から控除する所得税額の計算》第2項の規定により所有期間割合(3か月/12か月)は0.250となる旨主張する一方、請求人は、配当計算期間の月数は、平成26年6月1日から当該関連会社の臨時株主総会における配当決議の日である同年9月18日までの4か月であり、請求人の元本所有期間の月数は、同年6月1日から同年9月18日までの4か月であるから、同項の規定により所有期間割合(4か月/4か月)は1.000となる旨主張する。

しかしながら、本件配当は、同項に規定する判定対象配当等がその1年前の日以前に設立された法人からその設立の日以後最初に支払われる剰余金配当等である場合に該当すると認められるから、配当計算期間の初日は、本件配当の支払に係る基準日である平成26年9月18日の1年前の日の翌日である平成25年9月19日となり、配当計算期間の月数は、同日から本件配当の基準日である平成26年9月18日までの12か月となる。
そして、請求人の元本所有期間の月数は、本件株式を取得した日である同年3月18日から同年9月18日までの7か月と認められるから、同項の規定により所有期間割合(7か月/12か月)は0.584となる。

したがって、これを前提に法人税額から控除される所得税等の額を計算すると、原処分の一部を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら⇒ 法人税額から控除される所得税の額の計算において、配当の計算期間のうちにその元本を所有していた期間の占める割合を判断した事例

2018年1月10日


取引先から元代表者に支払われた金員は、請求人に帰属する収益とは認められないと認定した事例

  • ①平成23年7月1日から平成24年6月30日までの事業年度の法人税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分 →一部取消し
  • ②平成23年7月1日から平成24年6月30日まで及び平成25年7月1日から平成26年6月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 →棄却
  • 平成29年3月10日裁決

<ポイント>
本事例は、取引先から請求人の元代表者に支払われた金員について、当該金員の支払に係る事実関係を総合すれば、元代表者個人に支払われたものとみるのが相当であり、請求人に帰属する収益と認めることはできないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の元代表者からの求めに応じて支払われた金員(本件金員)について、①元代表者が取引先に対して請求人の会長として振る舞っていたこと、②本件金員が請求人宛の支払明細書(本件支払明細書)に基づき支払われたこと、③本件金員の支払者が請求人との取引の継続を条件として支払っていたことから、本件金員は請求人に支払われたものである旨主張する。

しかしながら、当時、元代表者は請求人の役員や従業員ではなく、請求人が受注した工事に飽くまで仲介人として関与したにとどまることからすれば、元代表者の行為を請求人の行為と同視することはできない。
また、本件支払明細書が請求人に送付されたと認めるに足る証拠はないから、本件支払明細書の記載をもって、本件金員が請求人に支払われたものとは認められず、さらに、請求人との取引の継続を目的として本件金員が支払われたことは、本件金員が請求人に支払われたことの決め手とはいえない。
以上のことからすると、本件金員は、元代表者個人に支払われたものと認めるのが相当であり、請求人に帰属する収益とは認められない。

 ★リンクはこちら⇒ 取引先から元代表者に支払われた金員は、請求人に帰属する収益とは認められないと認定した事例

2018年1月5日


2018年1月の税務と期限

期 限 項 目
1月10日 前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
1月31日 支払調書の提出
源泉徴収票の交付
固定資産税の償却資産に関する申告
前年11月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
5月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
給与支払報告書の提出
給与所得者の扶養控除等申告書の提出
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分)

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2018年1月4日


2017年12月の税務と期限

期 限 項 目
12月11日 11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額(当年6月~11月分)の納付
1月4日 10月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
4月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
給与所得の年末調整
給与所得者の保険料控除申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出
固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付

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2017年12月1日


2017研究開発税制Q&A

経済産業省ホームページに、「2017研究開発税制Q&A」パンフレットが公表された。

当該パンフレットは、沖縄税理士会調査研究部が執筆し、日本税理士会連合会(いわゆる日税連)調査研究部が監修したもので、平成29年度税制改正における研究開発税制の拡充を反映した内容となっている。

★リンクはこちら⇒2017研究開発税制Q&A(既に削除済み)

2017年11月21日

決定処分において損金の額に含まれていないと主張する経費のうち一部は当該事業年度の損金の額に算入することが認められるとした事例

  • ①平成21年10月1日から平成22年9月30日までの事業年度の法人税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分 一部取消し
  • ②平成22年10月1日から平成26年9月30日までの各事業年度の法人税の各決定処分及び無申告加算税の各賦課決定処分ほか 棄却
  • ③平成21年10月1日から平成26年9月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分 棄却
  • 平成28年11月7日裁決

<ポイント>
本事例は、審査請求に至って初めてされたさらに認められるべき経費支出がある旨の主張について、請求人において業務関連性の立証がある支出は損金の額に算入されるが、請求人においてその立証がない支出は損金の額に算入されないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、決定処分(本件決定処分)に係る不動産賃貸事業の所得の計算において、損金の額に算入された経費以外に追加して損金の額に算入すべき経費(本件追加経費)はない旨主張する。

しかしながら、請求人は総勘定元帳等その他の帳簿書類等を一切作成しておらず、本件決定処分を受けた後、本審査請求に至って初めて本件追加経費があると主張して当該追加経費に係る証拠として領収証等を当審判所に対して提出したものであるが、その一部については請求人の当該不動産賃貸事業に関連して支出したものと認められることから損金の額に算入することができる。

他方、それ以外の領収証等に係る支出については、当該業務との関連性の立証等がないこと等から損金該当性を認めることはできず、損金の額に算入することはできない。

★リンクはこちら⇒決定処分において損金の額に含まれていないと主張する経費のうち一部は当該事業年度の損金の額に算入することが認められるとした事例

2017年11月17日

2017年11月の税務と期限

期 限 項 目
11月10日 10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
11月15日 所得税の予定納税額の減額申請
11月30日 所得税の予定納税額の納付(第2期分)
特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
9月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
消費税・地方消費税
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税
3月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人の3月ごとの中間申告
消費税・地方消費税
消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の
1月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
個人の事業税の納付(第2期分)

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2017年11月1日

法人事業概況説明書の様式改訂(平成30年4月1日以後終了事業年度分より)

国税庁は、『「法人事業概況説明書」の様式が改訂されます。』を、ホームページに掲載した。

平成30年4月1日以後終了事業年度分から、法人事業概況説明書の様式が改訂される。

★リンクはこちら⇒法人事業概況説明書の様式改訂(平成30年4月1日以後終了事業年度分より)

2017年10月13日

平成29年4月1日以後終了事業年度分の適用額明細書記載の手引(単体法人用)及び適用額明細書記載の手引(連結法人用)

国税庁は、平成29年4月1日以後終了事業年度分の『適用額明細書記載の手引(単体法人用)及び適用額明細書記載の手引(連結法人用)』を、ホームページに掲載した。

法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付して税務署に提出する必要がある。
この手引は、本制度の概要をはじめ、「適用額明細書」の具体的な記載の仕方や留意点について取りまとめたものである。
「適用額明細書」を作成する際にご参照のこと。

★適用額明細書の記載の手引(単体法人用)はこちら⇒適用額明細書の記載の手引(単体法人用)
★適用額明細書の記載の手引(連結法人用)はこちら⇒適用額明細書の記載の手引(連結法人用)

2017年10月11日

2017年10月の税務と期限

期 限 項 目
10月10日 9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10月16日 特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
10月31日 8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告 

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告 

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告 

(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)

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2017年10月2日

NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務

<照会要旨>
NPO法人A会(以下「A会」という。)は、特定非営利活動促進法により設立された特定非営利活動法人であり、法人税法上の公益法人等に該当する(法法2六、特定非営利活動促進法70①)。
今般、A会は、障害者総合支援法()に規定する障害福祉サービスを、利用者に対して提供することとしているが、当該サービスはA会の本来の目的として行う事業であり、公益性を有するものであることから、法人税の納税義務はないと解してよいか?

()障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律をいう。

<回答要旨>
原則、法人税法上の収益事業に該当し、法人税の納税義務がある。
(理由)
法人税法上、公益法人等は、収益事業から生ずる所得以外の所得については、法人税を課さないこととされている(法法4①)。ここにいう収益事業とは、法人税法施行令第5条第1項各号(収益事業の範囲)に掲げる34の事業をいう。
このため、その行う事業が公益法人等の本来の目的たる事業であるかどうかや会員等に対して利益の分配を行わない(非営利)といったことにより、収益事業に該当するかどうかの判断を行うものではない。

障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスは、障害者に対して介護等の提供を行う対人サービスであり、こうした障害者は医療保健面でのケアを必要とするのが通例であることから、医療と密接な連携がなされており、実際面において、これらは、個別支援計画の策定過程等を通じて確保されるので、このような特徴を有する障害福祉サービスは、原則として収益事業である「医療保健業」に該当する(法令5①二十九)。他方、就労移行支援に代表されるように、看護師の関与も求められていないものについては、必ずしも「医療保健業」とは言えないのではないかと考える向きもあるようである。
この点、基本的には上述のとおり、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスは「医療保健業」に該当すると考えられるが、仮に、個別の事業者のサービス内容から見て、実態として医療や保健といった要素がないサービスを提供しているようなケースがあったとしても、障害者総合支援法の下で、事業者と利用者との間で利用契約を締結し、利用者からそのサービスの対価を受領することになるので、そうした契約関係等を踏まえれば、法人税法施行令第5条第1項第10号に規定する収益事業である「請負業(事務処理の委託を受ける業を含む。)」に該当する。

したがって、NPO法人が行う障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスは通常、医療保健業か請負業のいずれかに該当し、法人税の納税義務がある。
ただし、NPO法人が提供する障害福祉サービスが、実費弁償方式(①個々の契約ごとにその都度実費精算が行われるもの、②ごく短期間に実費精算が行われるもの、③手数料等の額が法令により実費弁償の範囲内で定められ、仮に剰余金が生じた場合には手数料を減額する等の適正な是正措置を講ずることになっているもの)により行われるもので、あらかじめそのことについて税務署長の確認を受けた場合については、収益事業としないものとされ(法人税基本通達15-1-28)、また、その障害福祉サービスに従事する者の半数以上が身体障害者等であり、かつそのサービスが身体障害者等の生活の保護に寄与している場合については、収益事業に含まれないものとされるので(法令5②二)、いずれかの場合に該当するときには法人税の納税義務はない。
なお、法人税の額は、各事業年度の所得の金額を課税標準として、その所得の金額に税率を乗じて計算する仕組みとなっているので、公益法人等が納税義務者として、法人税の申告をする場合であっても、収益事業から生じた所得がない(例えば赤字)場合には、納付する法人税額は生じない。

★リンクはこちら⇒NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務

2017年9月14日

平成29年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は、『平成29年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』を作成した。

★リンクはこちら⇒平成29年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2017年9月6日

各店舗の収益の帰属は、当該各店舗の営業許可の名義人ではなく請求人であるとした事例

  • ①平成22年2月1日から平成23年1月31日まで及び平成24年2月1日から平成25年1月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成22年2月1日から平成23年1月31日まで及び平成24年2月1日から平成25年1月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分、平成23年1月分の源泉徴収に係る所得税の納税告知処分並びに不納付加算税及び重加算税の各賦課決定処分、平成25年1月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分並びに不納付加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ②法人税の青色申告の承認の取消処分ほか →棄却
  • 平成28年8月22日裁決

<ポイント>
本件は、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている飲食店について、当該各飲食店に係る収益は当該各名義人ではなく請求人と認められるものの、当該各店舗に係る収益の計算において原処分庁が算定した売上原価の額等に誤りがあることから、原処分の一部を取り消したものである。

<要旨>
請求人は、請求人とは異なる者が営業許可の名義人となっている複数の飲食店(本件各店舗)について、本件各店舗の経営者は営業許可の各名義人(本件各名義人)であるから、本件各店舗に係る収益は請求人に帰属しない旨主張する。

ところで、実質的な費用収益の帰属主体及び資産の譲渡等の帰属主体については、名義と実質が一致しない場合、実質的にこれらを享受する者に対して課税されることとなるところ、その判断は事業に至る経緯、経営の実態、経理関係、関係者の認識等を総合して行うべきである。
これを本件についてみると、①請求人の代表者(本件代表者)の指示により、本件各名義人が本件各店舗の賃借人及び営業許可の名義人になっていること、②本件代表者が開業前の工事等に関与していたこと、③本件代表者によって、本件各名義人及び本件各店舗の従業員の勤務状況が管理されていたことからすると、本件代表者が本件各店舗の開業を決意し、経営の実権を握っていたといえる。また、本件代表者の指示の下、本件各店舗の売上日報等が作成され、本件代表者が売上金の回収、売上げ及び経費の管理を行い、給与を支給していたことからすると、本件代表者が主体となって本件各店舗に係る経理処理をしていたと認められる。
そうすると、かかる経営状況は、本件代表者が自ら主体となって経理処理をしている請求人が経営する飲食店(申告店舗)と同様であって、申告店舗と本件各店舗はその経営実態において何ら変わることはないことから、本件代表者には本件各店舗の収益が全て請求人に帰属するとの認識があったものと認められる。

したがって、本件各店舗に係る収益の帰属者は請求人であると認められる。ただし、原処分庁が算定した売上原価の額等に誤りがあることから、原処分の一部を取り消すべきである。

★リンクはこちら⇒各店舗の収益の帰属は、当該各店舗の営業許可の名義人ではなく請求人であるとした事例

2017年9月5日

2017年9月の税務と期限

期 限 項 目
9月11日 8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10月2日 7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告 

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告 

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告 

(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

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2017年9月1日

2017年8月の税務と期限

期 限 項 目
8月10日 7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8月31日 6月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告 

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

12月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告 

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告 

(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

個人事業者の当年分の消費税・地方消費税の中間申告
個人事業税の納付(第1期分)

個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年8月1日

適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等

国税庁は、『適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等』を、ホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等

2017年7月28日

パンフレット「所得拡大促進税制ご利用ガイドブック」(平成29年4月以降に始まる事業年度から)

経済産業省は、パンフレット「所得拡大促進税制ご利用ガイドブック」(平成29年4月以降に始まる事業年度から)をホームページに掲載した。

所得拡大促進税制は、平成29年度税制改正において、制度の拡充が行われた。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「所得拡大促進税制ご利用ガイドブック」(平成29年4月以降に始まる事業年度から)(既に削除済み)

2017年7月26日

2017年7月の税務と期限

期 限 項 目
7月10日 6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
7月18日 所得税の予定納税額の減額申請
7月31日 所得税の予定納税額の納付(第1期分)

5月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

11月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告 

(3月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年7月3日

2017年6月の税務と期限

期 限  項 目
6月12日 5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額 

(前年12月~当年5月分)の納付
6月15日 所得税の予定納税額の通知
6月30日 4月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

10月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告 

(2月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年6月1日

平成29年度税制改正に関する中小企業向けパンフレット

平成29年度の税制改正においては、設備投資を始めとして、研究開発、給料引上げ、事業承継など、中小企業の企業活動を支援する税制措置が広く拡充されることになった。

中小企業庁は、改正の概要や措置の内容、適用要件等について、中小企業・小規模事業者の方々向けに分かりやすく解説したパンフレットを作成した。

★リンクはこちら⇒ 平成29年度税制改正に関する中小企業向けパンフレット

2017年5月15日

2017年5月の税務と期限

期 限 項 目
5月10日 4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
5月15日 特別農業所得者の承認申請
5月31日 個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知

3月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告 

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

9月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告 

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人の 1月ごとの中間申告  

(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)<消費税・地方消費税

確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付
自動車税の納付

鉱区税の納付

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年5月8日

租税調査会研究報告第32号「法人税法上の包括的な租税回避否認規定の適用をめぐる実務上の問題点」の公表

日本公認会計士協会は、平成29年3月15日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第32号「法人税法上の包括的な租税回避否認規定の適用をめぐる実務上の問題点」」を公表した。

実務上、企業や個人が行った取引等につき租税回避行為として、行為計算の否認が問題となることは少なくなく、租税専門家としては、関連する重要な裁判例や議論を踏まえながら適正に税務実務(助言等を含む。)を遂行する必要がある。
そのため、本研究報告では、近時の「租税回避」の否認に関する議論の概要並びに「法人税法上の包括的な租税回避否認規定」に係る裁判例の動向及び当該裁判例に基づく実務上の留意点の検討を行い、その結果を報告するものである。

また、「包括的な租税回避否認規定」に関する今後の議論の参考とするべく、国際的租税回避行為に対する国際協調的取組の動向及びこれに対する我が国の対応並びに一般否認規定の導入に関する議論の紹介を行っている。

★リンクはこちら⇒ 租税調査会研究報告第32号「法人税法上の包括的な租税回避否認規定の適用をめぐる実務上の問題点」

2017年4月11日

2017年4月の税務と期限

期 限 項 目
4月10日 3月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
4月15日 給与支払報告に係る給与所得者異動届出(市町村長へ)
5月1日 公共法人等の道府県民税及び市町村民税均等割の申告

2月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

8月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の5月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の1月、2月決算法人を除く法人の 1月ごとの中間申告  

(12月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
軽自動車税の納付

固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付

固定資産課税台帳の縦覧期間(4月1日から20日または最初の固定資産税の納期限のいずれか遅い日 

以後の日までの期間)

固定資産課税台帳への登録価格の審査の申出の期間(市町村が固定資産の価格を登録したことを公示 

した日から納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日までの期間等)

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年4月3日

申告書確認表

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、調査課所管法人の皆様が申告書を提出される前に、申告書の自主点検や税務上の観点からの自主監査を行う際にご活用いただくための確認表を作成している。

国税庁のホームページでは、当該取組の内容を案内するとともに、確認表の様式を掲載し、提供しているので、様式はダウンロードして活用できる。

★リンクはこちら⇒ 申告書確認表

2017年3月6日

2017年3月の税務と期限

期 限 項 目
3月10日 2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
3月15日 前年分所得税の確定申告

所得税確定損失申告書の提出

前年分所得税の総収入金額報告書の提出

確定申告税額の延納の届出書の提出

個人の青色申告の承認申請

前年分贈与税の申告

国外財産調書の提出

個人の道府県民税・市町村民税・事業税(事業所税)の申告
3月31日 個人事業者の前年分の消費税・地方消費税の確定申告

1月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人及び個人事業者(前年12月分)の3月ごとの期間短縮に係る確定申告 

消費税・地方消費税

法人・個人事業者(前年12月分及び当年1月分)の1月ごとの期間短縮に係る確定申告 

消費税・地方消費税

7月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の4月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の12月、1月決算法人を除く法人の 1月ごとの中間申告  

(11月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

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2017年3月1日

子会社に対する売掛債権の放棄に係る損失は法人税法上の寄附金に該当するとして、原処分の一部を取り消した事例

  • 法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分並びに復興特別法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成28年4月14日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人は子会社に対する売掛債権を有効に放棄したものと認められるところ、当該売掛債権の放棄に係る損失は法人税法上の寄附金に該当するとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、債権放棄に関する請求人と子会社との間の意思について、回収不能額が不確定な状態の下、子会社に対する売掛債権(本件売掛債権)の全額を放棄する旨の内容虚偽の債権放棄声明文(本件声明文)を作成し交付することで子会社の清算を進めることを企図し、その交付後において、子会社の請求人に対する返済不足額として確定した回収不能額を債権放棄する趣旨であることが明らかであるなどとして、本件声明文の交付をもって請求人が本件売掛債権を放棄したとは認められない旨主張する。

しかしながら、本件売掛債権の放棄に至る経緯等からすれば、請求人は、子会社を破産させることなく清算する必要から本件売掛債権の全額を放棄したと認めるのが自然であり、本件売掛債権の放棄は、請求人の真意に基づくものといえることから、本件声明文の交付をもって、請求人は、本件売掛債権を有効に放棄したものと認められる。
そして、請求人が子会社の清算に伴う損失負担を行う理由は認められないので、本件売掛債権の放棄に経済的合理性があるとはいえず、当該子会社の債務超過が相当期間継続した事実もないことから、本件売掛債権の放棄に係る損失の額は法人税法上の寄附金の額に該当する。

★リンクはこちら⇒ 子会社に対する売掛債権の放棄に係る損失は法人税法上の寄附金に該当するとして、原処分の一部を取り消した事例

2017年2月21日

2017年2月の税務と期限

期 限 項 目
2月10日 1月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
2月28日 前年12月決算法人及び決算期の定めのない人格なき社団等の確定申告 

法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業主の3月ごとの期間短縮に係る確定申告

消費税・地方消費税

法人の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

6月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の3月、6月、9月決算法人の3月ごとの中間申告

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの

中間申告(10月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
固定資産税(都市計画税)の第4期分の納付
2月16日
~3月15日
前年分所得税等の確定申告
1月4日
~3月31日
前年分個人事業者の消費税の申告
2月1日
~3月15日
前年分贈与税の確定申告

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年2月1日

国外関連者に対する貸付金利息について原処分庁が行った独立企業間価格の算定は相当であるとした事例

①平19.6.1から平25.5.31の各事業年度の法人税の各更正処分
②平19.6.1から平20.5.31、平22.6.1から平23.5.31及び平24.6.1から平25.5.31の各事業年度の法人税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分
③平24.6.1から平25.5.31の課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
棄却
平成28年2月19日裁決

<ポイント>
本事例は、国外関連者に対する貸付金利息の独立企業間価格について、原処分庁が独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法により算定したことは相当であるとした事例である。

<要旨>
請求人は、国外関連者に対する金銭の貸付け(本件貸付け)に係る利息の独立企業間価格について、原価基準法と同等の方法により算定できる旨主張する。

しかしながら、①当該国外関連者は請求人以外の者から借入れを行ったことはないこと、②原処分庁は本件各貸付けに係る比較対象取引を把握することができず、当審判所の調査の結果によっても当該比較対象取引を見いだすことができないこと、③請求人からも比較対象取引の具体的な提示がないことから、原価基準法と同等の方法を用いることはできず、他の基本三法と同等の方法を用いることもできない。
そして、金融市場が存在する通貨の貸借取引について、比較可能な取引が実在しない場合には、融資取引の代表例である金融機関による貸付けを基準とすることにも十分な合理性があるというべきであるところ、本件貸付けの貸手である請求人は、本件貸付けの資金を金融機関からの借入れにより調達しており、当該借入れに係るスプレッド情報を得られるから、原処分庁が本件貸付けに係る利息の独立企業間価格を独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法である貸手が金融機関から本件貸付けと同様の状況の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を用いる方法により算定したことは相当である。

★リンクはこちら⇒ 国外関連者に対する貸付金利息について原処分庁が行った独立企業間価格の算定は相当であるとした事例

2017年1月18日

残余財産の分配に係るみなし配当の額の計算における資本金の額は、確定決算において資本金として計上された金額を意味すると解するのが相当であるとした事例

①平23.8.1から平24.7.31の事業年度の法人税の更正処分
②平24.8.1から平25.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
③平24.8.1から平25.7.31の課税事業年度の復興特別法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
棄却
平成28年3月25日裁決

<ポイント>
本事例は、外国子会社の残余財産の分配に係るみなし配当の額の計算における資本金の額は、確定決算において資本金として計上された金額を意味すると解するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、外国の子会社(本件子会社)の残余財産の分配に係るみなし配当の額の計算において、法人税法施行令第23条《所有株式に対応する資本金等の額又は連結個別資本金等の額の計算方法等》第1項第3号でいう直前資本金額等は、請求人が本件子会社に払い込んだ米ドルで表示された金額に基づき算定すべきである旨主張する。

しかしながら、直前資本金額等とは、残余財産の分配を行った法人の当該分配の直前の資本金等の額をいうものであるところ、資本金の額については、法人税法に資本金等として払い込まれた額又は法人の財務諸表に表示された額のいずれをいうのかを判断するための明確な定義が置かれていないことから、会社法における資本金の額、すなわち、確定決算において資本金として計上された金額を意味すると解するのが相当であり、本件における直前資本金額等は、本件子会社の貸借対照表に資本金として計上された人民元で表示された金額に基づき算定するのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 残余財産の分配に係るみなし配当の額の計算における資本金の額は、確定決算において資本金として計上された金額を意味すると解するのが相当であるとした事例

2017年1月16日

請求人が債権放棄をしたとして計上した雑損失の金額は寄附金の額に該当するとした事例

平24.1.1から平24.12.31の事業年度の法人税の更正処分及び無申告加算税の賦課決定処分
一部取消し
平成28年2月8日裁決

<要旨>
請求人は、請求人が個人事業を営む代表者に有していた売掛金(本件債権)の放棄は、代表者が旧賃貸人から賃借していた建物(本件建物)に係る旧賃貸人による本件建物の明渡し等を求めた訴訟についての和解により旧賃貸人が代表者に対して債権放棄を行っている事実からも明らかなように、その時点において本件債権の回収可能性がなく、本件債権の放棄の金額は法人税基本通達9-6-1《金銭債権の全部又は一部の切捨てをした場合の貸倒れ》の(4)の取扱いにより損金の額に算入することができる旨主張する。

しかしながら、本件債権の放棄が行われた事業年度(本件事業年度)末の前後における代表者の収入の状況及び本件事業年度中の代表者からの売掛金の回収の状況を考慮すると、本件債権の全額が回収不能とは認められない。
また、本件債権を放棄した事実は認められるが、本件債権の放棄が書面により行われたことを示す証拠がないことからすれば、債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額はないのであるから、本件債権の放棄は同通達の(4)に掲げる事実に該当しない。
さらに、法人税基本通達9-6-1の(1)ないし(3)に掲げる事実に関する証拠はなく、これらの事実も認められない。

したがって、本件債権の放棄は法人税基本通達9-6-1に定める法律上の貸倒れに該当せず、請求人が本件債権の放棄をしたとして計上した雑損失の金額は、貸倒損失として損金の額に算入されない。
そして、本件債権の放棄は、回収不能とはいえない債権を放棄したものであるから、対価なくして経済的価値を有する債権を債権者が任意に処分したものであり、かつ、その行為について通常の経済取引として是認できる合理的な理由が存在するとは認められないから、請求人が本件債権の放棄をしたとして計上した雑損失の金額は、寄附金の額に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人が債権放棄をしたとして計上した雑損失の金額は寄附金の額に該当するとした事例

2017年1月13日

請求人の使用人について経営に従事していたとは認められず、みなし役員に該当しないとして処分の全部を取り消した事例

①平22.4.1から平24.3.31の各事業年度の法人税の各更正処分
②平22.4.1から平23.3.31の法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分
③平23.4.1から平24.3.31の法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分
④平23.4.1から平24.3.31の課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分(過少申告加算税の賦課決定処分をあわせ審理)
⑤平成22年7月から平成23年12月の各期間分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分
⑥平24.4.1から平25.3.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分ほか
②⑤全部取消し、①③④一部取消し、⑥棄却
平成28年3月31日裁決

<要旨>
原処分庁は、現代表者(E)が代表取締役に就任する前において、請求人の発行済株式の50%を超える株式を保有していたところ、Eが代表取締役として署名押印している契約書面があり、本件調査時に請求人から提出された文書の記載内容やEの申述からすれば、Eは法人税法施行令第7条《役員の範囲》第2号に規定する経営に従事しているものに該当し、法人税法第2条《定義》第15号の役員に該当する旨主張する。

しかしながら、代表取締役でなかったEが代表取締役として署名押印している契約書面があるからといって、代表者でない者が契約当事者になっているにすぎず、その内容も重要な業務に係るものとはいえないことから、経営に従事していたことを裏付けるものとまでは認められず、また、本件調査時に請求人から提出された文書及びEの申述の内容からでは、Eが人事や資金計画に関わっていたことについて、いつの時点においていかなる役割を担っていたのか明らかでなく、これを具体的に裏付ける証拠収集がなされていない。さらに、Eが請求人の経営に従事していたかどうかについて、役員や従業員に確認を行っておらず、経営に従事していたとする具体的な事実関係が証拠資料上明らかではない。

そうすると、原処分庁が主張する事実をもって、Eが請求人の経営に従事していたと認めるに足りないといわざるを得ないから、代表取締役に就任する前においてEが法人税法上の役員に該当するとはいえない。

★リンクはこちら⇒ 請求人の使用人について経営に従事していたとは認められず、みなし役員に該当しないとして処分の全部を取り消した事例

2017年1月11日

2017年1月の税務と期限

期 限 項 目
1月10日 前年12月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
1月31日 支払調書の提出

源泉徴収票の交付

固定資産税の償却資産に関する申告

前年11月決算法人の確定申告 

法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

2月、5月、8月、11月決算法人・個人事業主の3月ごとの期間短縮に係る確定申告

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

5月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の2月、5月、8月決算法人の3月ごとの中間申告

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の10月、11月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(9月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
給与所得者の扶養控除等申告書の提出

個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第4期分) 

給与支払報告書の提出

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2017年1月4日

12月の税務

期 限 項 目
12月12日 11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
1月4日 10月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人・個人事業主の3月ごとの期間短縮に係る確定申告

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

4月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
給与所得の年末調整

給与所得者の保険料控除申告書・住宅取得控除申告書の提出 

固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付

★リンクはこちら⇒ 税務カレンダー

2016年12月2日

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税
4月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税
消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
給与所得の年末調整
給与所得者の保険料控除申告書・住宅取得控除申告書の提出納付
固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付

平成28年版連結確定申告書・地方法人税確定申告書・個別帰属額等の届出書等の記載の手引

国税庁は、『平成28年版連結確定申告書・地方法人税確定申告書・個別帰属額等の届出書等の記載の手引』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 平成28年版連結確定申告書・地方法人税確定申告書・個別帰属額等の届出書等の記載の手引

2016年11月15日

2016年11月の税務

期 限 項 目
11月10日 10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
11月15日 所得税の予定納税額の減額申請
11月30日 9月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業主の3月ごとの期間短縮に係る確定申告

消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

3月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人の3月ごとの中間申告

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(7月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)

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2016年11月1日

平成28年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引(追補版)

国税庁は、『平成28年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引(追補版)』をホームページに公表した。

この手引は、平成28年9月1日付で法人税法施行規則が改正されたことに伴い、平成28年9月1日以後に終了する事業年度で使用する別表について、「平成28年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引」に説明を追加または補正したものである。

★リンクはこちら⇒ 平成28年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2016年10月31日

建物附属設備の除却損について、当該建物附属設備に係る建物が売却された日の属する事業年度の損金の額に算入されるとした事例

平24.3.1~平25.2.28事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
全部取消し
平成27年11月30日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人が建物についてした造作(本件建物附属設備)を固定資産除却損(本件除却損)として損金の額に算入したことについて、本件建物附属設備は、本件除却損を計上した事業年度(本件事業年度)前の事業年度において、当該建物の売却とともに売却されていることから、本件除却損を本件事業年度に計上することはできない旨主張する。

しかしながら、本件建物附属設備は、当該建物とは別の建物(本件建物)の造作であり、本件事業年度において本件建物が売却された日に、請求人がその所有権を放棄し処分を委ねたものと認められることから、本件除却損は、本件事業年度の損金の額に算入することができる。

★リンクはこちら⇒ 建物附属設備の除却損について、当該建物附属設備に係る建物が売却された日の属する事業年度の損金の額に算入されるとした事例

2016年10月12日

2016年10月の税務

期 限 項 目
10月11日 9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10月17日 特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
10月31日 8月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

2月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)

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2016年10月4日

2016年9月の税務

期 限 項 目
9月12日 8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
9月30日 7月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

1月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

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2016年9月1日

―中小企業等経営強化法―経営力向上計画策定・活用の手引き

経済産業省は、平成28年度税制改正で創設された中小企業等経営強化法の利活用のための「-中小企業等経営強化法-経営力向上計画策定・活用の手引き」を作成し、ホームページ上に掲載した。

★リンクはこちら⇒ ―中小企業等経営強化法―経営力向上計画策定・活用の手引き(既に削除済み)

2016年8月17日

2016年8月の税務

期 限 項 目
8月10日 7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8月31日 6月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

12月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

個人事業者の当年分の消費税・地方消費税の中間申告
個人事業税の納付(第1期分)
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)

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2016年8月1日

単体法人における適用額明細書の記載の手引(平成28年4月1日以後終了事業年度分)

国税庁は、『単体法人における適用額明細書の記載の手引(平成28年4月1日以後終了事業年度分)』を公表した。
法人税関係の租税特別措置の適用を受けようとする場合には、「適用額明細書」を作成し、法人税申告書に添付して税務署に提出する必要がある。

この手引は、本制度の概要をはじめ、「適用額明細書」の具体的な記載の仕方や留意点について取りまとめたものである。
「適用額明細書」を作成する際に参照すること。

★リンクはこちら⇒ 単体法人における適用額明細書の記載の手引(平成28年4月1日以後終了事業年度分)

2016年7月26日

平成28年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は、『平成28年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 平成28年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2016年7月15日

売上除外をして請求人の役員らの各預金口座に振り込まれた金員は、請求人からの役員給与に該当し、じ後に請求人に対し役員らの返還債務が発生した場合であっても、当該金員につき役員らが現実に取得している限り、当該各預金口座に振り込まれた時点で役員らの給与に該当するとした事例

  • 平18.6.1~平25.5.31の各事業年度の法人税の各更正処分ほか
  • 棄却
  • 平成27年7月1日裁決

<要旨>
請求人は、請求人の役員ら名義の各預金口座に振り込まれた金員(本件各金員)は、請求人の意思決定の下に役員らへ支給されたとはいえず、また、本件各金員については、役員らが請求人へ返金する旨株主総会において決議したのであるから、本件各金員を請求人から役員らに支給された給与であるとした納税告知処分は違法である旨主張する。

しかしながら、法人の代表者等が法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配している事情がある場合には、法人の代表者等が当該法人の事業活動を通じて得た利得は、給与支出の外形を有しない利得であっても、それが法人の資産から支出されたと認められる場合には、当該利得は法人の代表者等がその地位及び権限に対して受けた給与であると解されるところ、本件においては、役員らが請求人の株式の3分の1ずつを保有し、役員らの決議の下に請求人の経営方針が決定されていることから、請求人の業務においては、役員らが法人経営の実権を掌握し、法人を実質的に支配しているものと認められ、また、本件各金員は、役員らが請求人の事業活動を通じて得た利得であり、役員らが管理する各預金口座に振り込まれ任意に処分できる状態になったことからすれば、役員らの各預金口座に振り込まれた時点で役員らに帰属したといえる。

そうすると、本件各金員は、役員らがその地位及び権限に対して請求人から受けた給与であると認められ、当該給与につき、じ後に返還債務が発生した場合であっても、本件役員らが現実に本件各金員を取得した限り、その時点で給与に該当するというべきである。

★リンクはこちら⇒ 売上除外をして請求人の役員らの各預金口座に振り込まれた金員は、請求人からの役員給与に該当し、じ後に請求人に対し役員らの返還債務が発生した場合であっても、当該金員につき役員らが現実に取得している限り、当該各預金口座に振り込まれた時点で役員らの給与に該当するとした事例

2016年7月4日

2016年7月の税務

期 限 項 目
7月11日 6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
7月15日 所得税の予定納税額の減額申請
8月1日 5月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

所得税の予定納税額の納付(第1期分)

2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

11月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(3月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付

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2016年7月1日

平成28年度法人税関係法令の改正の概要

国税庁は、『平成28年度法人税関係法令の改正の概要』を公表した。

  1. このパンフレットでは、平成28年度税制改正のうち法人税関係法令の概要について、平成28年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」の内容を中心に説明している。
  2. このうち「第1編 法人税法等に関する改正」では、法人税法や租税特別措置法など震災特例法以外の改正事項について、法人税を計算する際の項目ごとに分類し、主要な改正項目とそれ以外の改正項目とに区分して説明している。
    「第2編 震災特例法に関する改正」では、震災特例法に関する改正事項について説明している。
  3. それぞれの主要な改正項目の説明に当たっては、措置された制度の概要について極力イメージ図や算式等を交えている。
    また、〔適用時期〕において、措置の適用関係について説明している。
  4. 主要な改正項目以外の改正項目については、表形式により改正のポイントを説明している。

★リンクはこちら⇒ 平成28年度法人税関係法令の改正の概要

2016年6月27日

2016年6月の税務

期 限 項 目
6月10日 5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額

(前年12月~当年5月分)の納付
6月15日 所得税の予定納税額の通知
6月30日 4月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

10月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(2月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)

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2016年6月2日

請求人の負担した代表者が青年会議所の会議等に出席するための交通費、宿泊費及び日当は、代表者に対する給与に該当するとした事例

①平成21年11月、平成22年10月、平成22年11月及び平成23年1月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分、平成24年5月、平成24年7月及び平成25年7月の各月分の源泉徴収に係る不納付加算税の各賦課決定処分
②平20.8.1~平22.7.31の各事業年度の法人税の各更正処分、平23.8.1~平24.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成21年10月、平成22年6月、平成23年5月、平成23年7月、平成23年10月、平成23年11月、平成24年1月~7月及び平成24年12月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分、平成25年7月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分
③平22.8.1~平23.7.31の事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分ほか
①全部取消し、②一部取消し、③棄却 平成27年7月28日裁決

<要旨>
請求人は、代表者が青年会議所の会議等(本件各会議等)に出席するための交通費、宿泊費及び日当(本件旅費交通費)は、本件各会議等を含む青年会議所の活動が経営者に対する教育費用、請求人の受注活動費用及び新規事業開拓費用としての性質を有していることなどからすると、請求人の事業の遂行上必要な費用であり、代表者が負担すべきものではないことから、代表者に対する給与に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件会議等は、特定の個人又は法人の利益を目的として行われるものではなく、青年会議所の定款に掲げられた公益的な目的及び事業の内容に則した活動が行われ、代表者は、そのプログラムに沿った活動を行っており、代表者が本件会議等に出席したことが、取引先の確保や代表者の経営者としての能力の向上、新規事業の開拓に寄与することになったとしても、それは青年会議所の活動に付随する副次的な効果にすぎないことなどからすると、本件旅費交通費は、社会通念に照らし客観的にみて、請求人の事業遂行上必要な費用ではなく、代表者が個人的に負担すべきものであるから、代表者に対する給与に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人の負担した代表者が青年会議所の会議等に出席するための交通費、宿泊費及び日当は、代表者に対する給与に該当するとした事例

2016年5月27日

2016年5月の税務

期 限 項 目
5月10日 4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
5月16日 特別農業所得者の承認申請
5月31日 3月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知

3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告

消費税・地方消費税

9月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告

消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告

(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)<消費税・地方消費税

確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付
自動車税の納付
鉱区税の納付

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2016年5月10日

2016年4月の税務

期 限 項 目
4月11日 3月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
4月15日 給与支払報告に係る給与所得者異動届出(市町村長へ)
5月2日 2月決算法人の確定申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

8月決算法人の中間申告<法人税消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が400万円超の5月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税

消費税の年税額が4,800万円超の1月、2月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告

(12月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税

公共法人等の道府県民税及び市町村民税均等割の申告
固定資産課税台帳の縦覧期間(4月1日から20日又は最初の固定資産税の納期限のいずれか遅い日以後

の日までの期間)
固定資産課税台帳への登録価格の審査の申出の期間(市町村が固定資産の価格を登録したことを公示

した日から納税通知書の交付を受けた日後60日までの期間等)
軽自動車税の納付
固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付

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2016年4月5日

いわゆる屋根貸し事業における環境関連投資促進税制(租税特別措置法第42条の5)の適用

<照会要旨>
甲社は、複数の住宅の屋根のスペースをそれぞれ第三者から賃借し、当該賃借した屋根に次のとおり太陽光発電設備を設置して発電事業を行うことを予定している。

 設置場所  甲社が設置した各太陽光発電設備  出力の合計
 屋根A  設備a 出力3kw  12kw
 屋根B  設備b 出力4kw
 屋根C  設備c 出力5kw

(注)屋根A、B、Cはそれぞれ離れた場所にある。

甲社は、自らが行う発電事業の用に供する上記各太陽光発電設備について、その出力を合計すると10kw以上となることから、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下「再生エネルギー法」という。)第6条第1項《再生可能エネルギー発電設備を用いた発電の認定等》に規定する経済産業大臣による認定(以下「設備認定」という。)を受ける予定である。
この場合、租税特別措置法第42条の5《エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》(以下「環境関連投資促進税制」といいます。)の適用対象資産の要件である「(認定発電設備の)出力が10 kw以上」(措令27の51)であるかの判定においても、甲社が設置する各太陽光発電設備の出力を合計すると10 kw以上となるので、当該要件を満たすと解して差しないか。

(注)
再生エネルギー法に定める固定価格買取制度で売電するためには、発電設備が経済産業省令で定める基準に適合すること等について、設備認定を受ける必要があるところ、次の①から④までの要件を全て満たす、複数太陽光発電設備設置事業(いわゆる「屋根貸し事業」)を営む発電事業者は、当該事業に用いる太陽光発電設備について設備認定を受けた場合には、固定価格買取制度の対象とすることとされています(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(以下「再生エネルギー法規則」という。)81六、七)。
①太陽光発電設備を自らが所有していない複数の場所に設置すること
②太陽光発電設備は、出力が1箇所当たり10kw未満で、合計すると10kw以上になること
(10kw未満を複数戸組み合わせる。)
③全量配線であること
④設置場所(屋根)の所有者の承諾を得ていること

<回答要旨>
「(認定発電設備の)出力が10kw以上」であるかどうかは、法人が行う発電事業の用に供する設備ごとに判定する。
各設備の出力の合計により判定を行うものでないので、甲社が設置する各設備はいずれも当該出力の要件を満たさない。

【理由】
環境関連投資促進税制の対象となる資産は、設備認定を受けた設備であるため、租税特別措置法施行令第27条の5第1項《エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》に規定する「出力が10kw以上」かどうかの判定については、設備認定を受けた設備ごとに行うことが適当である。
また、設備認定において、再生エネルギー法規則第8条第6号《認定基準》に規定する複数太陽光発電設備設置事業に用いる太陽光発電設備についても、あくまで一の需要場所(電気事業法施行規則第2条の2第2項に規定する一の需要場所をいう。)ごとに認定を行うこととされている。
その結果、複数太陽光発電設備設置事業に係る認定通知書(「再生可能エネルギー発電設備を用いた発電の認定について(通知)」)は、全ての設備を合計して1通の認定通知書が発行されるわけではなく、設備ごとに発行がされている。

以上のとおり、「出力が10kw以上」であるかの判定については、法人が行う発電事業の用に供する設備ごとに行うこととなるので、甲社が本件屋根貸し事業(複数太陽光発電設備設置事業)に供しているa、b、cの各設備については、いずれも出力が10kw未満であり、各認定通知書の発電出力欄にもそれぞれ10kw未満の数値が記載されることからすれば、「出力が10kw以上」の要件を満たさないため、環境関連投資促進税制の対象とはならない。

【参考】
1.青色申告法人が、平成23年6月30日から平成28年3月31日までの期間内に一定の太陽光発電設備を取得等し、取得等した日から1年以内に事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合及び電気事業法第2条第1項第9号に規定する電気事業の用に供した場合を除く。)には、その取得価額の30%の特別償却(中小企業者等は7%の税額控除との選択適用)ができることとされている(措法42の512)。
なお、平成27年4月1日前に取得した太陽光発電設備については、即時償却の対象だったが、平成27年度税制改正により、同日以後に取得した太陽光発電設備については、即時償却の対象から除外されているので留意すること(平成27年改正前の措法42の56、平成27年改正法附則74、平23財務省告示第219号、平27財務省告示第111号)。
2.太陽光発電設備について、環境関連投資促進税制の適用を受ける場合には、その適用を受ける事業年度の確定申告書等に、その減価償却資産が太陽光を電気に変換する認定発電設備でその出力が10kw以上であるものであることを証するものとして、1再生エネルギー法規則第7条第1項《認定手続》の申請書の写し及び2経済産業大臣の再生エネルギー法第6条第1項の認定をした旨を証する書類(認定通知書)の写しを添付しなければならないとされている(措令27の5 1、9、措規20の23)。
3.複数太陽光発電設備設置事業に係る認定通知書には、配線方法欄に「全量配線」、設備仕様欄の発電出力欄には各太陽光発電設備の出力(10kw未満の数値)が記載される。また、備考欄に「屋根貸し」と記載されることとなる。

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2016年4月1日

新たな会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱い

<照会要旨>
1.会社法の解釈の明確化
(1)従前の取扱い
会社役員賠償責任保険は、会社法(商法)上の問題に配慮し、従前、普通保険約款等において、株主代表訴訟で役員が敗訴して損害賠償責任を負担する場合の危険を担保する部分(以下「株主代表訴訟敗訴時担保部分」という。)を免責する旨の条項を設けた上で、別途、当該部分を保険対象に含める旨の特約(以下「株主代表訴訟担保特約」という。)を付帯する形態で販売されてきた。
また、株主代表訴訟担保特約の保険料についても、会社法(商法)上の問題に配慮し、これを会社が負担した場合には、会社から役員に対して経済的利益の供与があったものとして給与課税の対象とされていた。

(2)会社法の解釈の明確化
このような状況の中、コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会(経済産業省の研究会)が取りまとめた報告書「コーポレート・ガバナンスの実践~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」(平成27年7月24日公表)においては、会社が利益相反の問題を解消するための次の手続を行えば、会社が株主代表訴訟敗訴時担保部分に係る保険料を会社法上適法に負担することができるとの解釈が示された。
①取締役会の承認
②社外取締役が過半数の構成員である任意の委員会の同意又は社外取締役全員の同意の取得

2.新たな会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱い
今般の会社法の解釈の明確化を踏まえると、会社が株主代表訴訟敗訴時担保部分に係る保険料を会社法上適法に負担することができる場合には、株主代表訴訟敗訴時担保部分を特約として区分する必要がなくなることから、普通保険約款等において株主代表訴訟敗訴時担保部分を免責する旨の条項を設けない新たな会社役員賠償責任保険の販売が想定される。
以上を踏まえると、今後の会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いはどのようになるか。

(注)
損害保険会社各社において、普通保険約款等の変更に時間を要する等の事情があることも考慮し、普通保険約款等を変更するまでの暫定的な取扱いとして、普通保険約款等において設けられている株主代表訴訟敗訴時担保部分を免責する旨の条項を適用除外とし、普通保険約款等の保険料と株主代表訴訟敗訴時担保部分の保険料が一体と見なされる旨の特約を追加で付帯したものについても新たな会社役員賠償責任保険に含まれるものと考える。

<回答>
照会内容を前提にすれば、今後の会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについては、以下のとおりに取り扱われるものと考える。
①新たな会社役員賠償責任保険の保険料を会社が上記1(2)1及び2の手続きを行うことにより会社法上適法に負担した場合には、役員に対する経済的利益の供与はないと考えられることから、役員個人に対する給与課税を行う必要はない。
②上記①以外の会社役員賠償責任保険の保険料を会社が負担した場合には、従前の取扱いのとおり、役員に対する経済的利益の供与があったと考えられることから、役員個人に対する給与課税を行う必要がある。

★リンクはこちら⇒ 新たな会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱い

2016年3月23日

「申告書の自主点検と税務上の自主監査」に関する情報(調査課所管法人の皆様へ)

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の皆様方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、調査課所管法人の皆様が申告書を提出される前に、申告書の自主点検や税務上の観点からの自主監査を行う際に活用いただくための確認表を作成している。

このページは、当該取組の内容をご案内するとともに、確認表の様式を掲載し、提供するものである。
様式はダウンロードして活用のこと。

★リンクはこちら⇒ 「申告書の自主点検と税務上の自主監査」に関する情報(調査課所管法人の皆様へ)

2016年3月23日

一部を自社使用し、一部を賃貸の用に供している建物に設置したエレベーターの生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用

<照会要旨>
甲社は、以前から4階建て建物(以下「本件建物」という。)を所有しており、1階及び2階は第三者である乙社に賃貸し、3階及び4階は甲社が販売活動の拠点として自ら使用している。
甲社は、このたび、本件建物に設置していたエレベーターの更新のため、既存のエレベーターを撤去した上で、新たに租税特別措置法第42条の12の5第1項《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》に規定する特定生産性向上設備等のうち、いわゆる先端設備に該当するエレベーター(以下「本件エレベーター」という。)を設置し、直ちに事業の用に供した。
甲社と乙社(賃借人)との間で締結された賃貸借契約書上、賃貸借の目的物は、賃借人が専用して使用する貸室部分(以下「貸室部分」という。)のみであり、本件エレベーターは含まれていない。
ところで、租税特別措置法第42条の12の5の生産性向上設備投資促進税制(以下「本制度」という。)においては、対象設備を貸付けの用に供した場合は、本制度の対象外とされているが、本件建物のように一部を自社で使用し、一部を貸付けの用に供している建物に設置したエレベーターについても、貸付けの用に供した場合に該当するものとして、本制度の対象外となるのか。

【参考】

  • 甲社と賃借人との間で締結された賃貸借契約書の内容はリンクのとおり。
  • 甲社は、本件エレベーターについて、保守点検業者との間で保守点検等に係る契約を締結し、当該保守点検等に係る費用を支出している。
  • また、本件エレベーターについては、利用規約において、利用者(甲社及び賃借人の他、訪問者を含む。)が使用する上で遵守すべき事項(荷物の搬出入時や地震・停電時の注意事項等)が定められている。

<回答要旨>
照会の事実関係を前提とすれば、貸付けの用に供した場合に該当しないものと認められる。
【理由】
1.本制度の対象資産である生産性向上設備等(先端設備)については、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則第5条第1号《生産性向上設備等の定義》に、建物附属設備に区分される電気設備、冷暖房設備、エレベーターなどが各設備ごとに掲げられている。
本制度の規定上、対象資産を「貸付けの用に供した場合」には本制度の適用はないこととされているが、自社ビルの一部を賃貸する場合、この「貸付けの用に供した」かどうかの判定は、各設備(電気設備、冷暖房設備、エレベーターなど)ごとに行うこととなる。

2.各設備を「貸付けの用に供した」かどうかは、当事者間の契約の定めに従うほか実際の使用状況もみて判断することになる。
建物の一部を自社使用し、一部を第三者に貸し付けている場合、建物の共用部分に設置されたエレベーターは、一般的には、その賃貸借の目的物の範囲に含まれておらず(注)、また、実際の使用状況をみても、貸室部分とは異なり、賃借人に一定のルールの下に使用を認めているに過ぎないのであれば、本制度の適用において「貸付けの用に供した場合」に該当しないと取り扱われるものと解される。
なお、賃貸人による自社使用部分がない建物に係る建物附属設備については、一般的にはその全てを「貸付けの用に供した」ことになる。
()
賃貸借契約書に賃貸借の目的物として記載されていない場合のほか、賃貸借契約書に添付される「平面図」等により賃貸借の目的となっていないことが明らかである場合を含む。

3.本件についてみると、賃貸借契約書に記載されている賃貸借の目的物は、貸室部分のみとされており、本件エレベーターは、賃貸借の目的物に含まれていない。
また、本件エレベーターは、甲社、賃借人及び訪問者が使用するものであり、賃借人のみが専属的に使用する実態もない。

4.したがって、本件エレベーターについては、貸付けの用に供した場合には該当しないものと認められることから、他の要件を満たす場合には、その取得価額の全額について本制度の適用を受けることができる。

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2016年3月22日

生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の対象設備であることについての証明書を取得するため工業会等に対して支払った発行手数料の取扱い

<照会要旨>
当社は、産業競争力強化法の生産性向上設備等のうちいわゆる先端設備である機械及び装置を取得したことから、租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の生産性向上設備投資促進税制の適用を受けたいと考えている。
当社は、取得した機械及び装置が、生産性向上設備等のうちいわゆる先端設備であることについて、A工業会の証明書の発行を受け、その発行手数料として3,000円を支払った。
この証明書の発行手数料については、当該先端設備の取得価額に含めるとともに、生産性向上設備投資促進税制における法人税額の特別控除の適用対象となると解してよろしいか。

<回答要旨>
お尋ねの発行手数料は、先端設備の取得価額には含まれないため、法人税額の特別控除の適用対象とならない。
なお、その支出した事業年度の費用として損金の額に算入される。

(理由)

  1. 租税特別措置法第42条の12の5第1項に規定する特定生産性向上設備等とは、生産等設備を構成する機械及び装置等で産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等に該当するもののうち、一定の規模以上のものをいう。
    また、同項に規定する生産性向上設備等とは、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に供する施設、設備、機器、装置又はプログラムであって、事業の生産性の向上に特に資するものとして経済産業省令で定めるもの(いわゆる「先端設備」又は「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に該当するもの)をいう(産業競争力強化法213、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(以下「経産省強化法規則」という。)5)。
    この「先端設備」とは、次のイ及びロの要件をいずれも満たす経産省強化法規則第5条第1号に規定する指定設備(以下「指定設備」という。)とされている(経産省強化法規則5一)。

    最新モデル要件(指定設備ごとに販売開始年度内で最新モデル又は販売開始年度が取得等年度若しくはその前年度であるモデルであること)
    生産性向上要件(旧モデル比で生産性指標(生産効率、エネルギー効率、精度等をいう。)が年平均1%以上向上していること)

    この「先端設備」の要件を満たす指定設備であることについて、各工業会等から証明書の発行を受けることができる。

  2. 購入した減価償却資産の取得価額は次のイ及びロの合計額とされている(法令541一)。
    当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
    当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額
  3. ご質問の趣旨は、A工業会から証明書の発行を受けた際に支出した手数料の額が、①資産の購入のために要した費用(上記2イ括弧書)又は②その資産を事業の用に供するために直接要した費用(上記2ロ)に該当し、資産の取得価額に算入すべきものかという点にあるものと思われる。
    この点、各工業会等が発行する証明書は、ある指定設備が「先端設備」の要件を満たすことを各工業会等が証明する書類であり、本税制の適用を受けられる指定設備であることの参考資料であることからすれば、本証明書の発行手数料は、上記1及び2のいずれの費用にも該当しないため、資産の取得価額には含まれず、支出した事業年度の損金の額に算入されることとなる。
    したがって、本税制における法人税額の特別控除の適用対象とはならない。

★リンクはこちら⇒ 生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の対象設備であることについての証明書を取得するため工業会等に対して支払った発行手数料の取扱い

2016年1月26日

避難指示解除準備区域内にある土地等を譲渡した場合における震災特例法第19条≪特定の資産の買換えの場合の課税の特例≫の適用

<照会要旨>
当社は、A県内の避難指示解除準備区域()に工場として使用していた建物及びその敷地(以下これらを併せて「本件土地等」という。)を所有している。
避難指示解除準備区域とは、当面の間、住民は避難を続けるものの、除染やインフラ復旧を優先的に進め、一日でも早い自宅帰還を目指す地域をいう。
当社は、本件土地等を譲渡することを検討しているが、本件土地等は、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(以下「震災特例法」という。)第19条第1項≪特定の資産の買換えの場合の課税の特例≫に規定する譲渡資産に該当するか。
また、本件土地等が除染作業により使用可能な状況になった後、本件土地等を譲渡した場合であっても、同項に規定する譲渡資産に該当するか。

<回答要旨>
本件土地等は、震災特例法第19条第1項に規定する譲渡資産に該当する。

(理由)
1.震災特例法第19条の買換特例制度(以下「本制度」という。)は、法人が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間内に、被災区域内にある土地等の譲渡をして、その譲渡の日を含む事業年度において国内にある土地等又は減価償却資産の取得をした場合等で、かつ、その取得の日から1年以内にその取得をした資産を事業の用に供したとき又は供する見込みであるときは、その取得をした資産につき、圧縮記帳を行うことができるという制度である(震災特例法19)。
本制度の対象となる譲渡資産として、被災区域である土地若しくはその土地の上に存する権利又はこれらとともに譲渡をするその土地の区域内にある建物若しくは構築物で、平成23年3月11日前に取得がされたものが掲げられている(震災特例法191表一)。
この「被災区域」とは、東日本大震災()により滅失(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊を含む。)をした建物又は構築物の敷地及びその建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域とされている(震災特例法181)。
東日本大震災とは、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう(震災特例法21)。

2.本件土地等は、除染により放射性物質を除去するといった作業を経てからでないと使用できないことからすると、本制度の対象となる被災区域の譲渡資産としての性質をもっていると考えることができる。
さらに、本制度が、被災企業が有していた土地等の譲渡益に対する課税を繰り延べることによって、被災企業の活動を税制上支援しようとするものであり、東日本大震災による被害の実態に鑑み、被災企業の再建と被災地域の経済的復興を最優先するとの考え方に基づくものであることからすると、東日本大震災に起因して事業の用に供することのできなくなった本件土地等についても本制度の適用を認めることが、その趣旨にも合致するところである。

したがって、本件土地等は、本制度の対象となる譲渡資産に該当するものと考えられる。
なお、本制度の適用対象となる被災区域の譲渡資産について、その後、当該被災区域の状況が改善されたとしても、その譲渡資産該当性には影響がないため、仮に除染作業が終了し本件土地等が使用可能な状態になった場合であっても、本制度の適用対象とされる譲渡資産に該当することとなる。

★リンクはこちら⇒ 避難指示解除準備区域内にある土地等を譲渡した場合における震災特例法第19条≪特定の資産の買換えの場合の課税の特例≫の適用について

2016年1月12日

太陽光発電設備の連系工事負担金の取扱い

<照会要旨>
甲社は、太陽光発電設備を取得し、発電した電力を電力会社へ売電する事業を行う予定である。
太陽光発電設備により発電した電力を電力会社に供給するためには、電力会社の電気供給設備に太陽光発電設備を接続(系統連系)する必要があり、この系統連系に伴い、電力会社の電気供給設備を新たに設置または変更する場合には、その工事費用については、電力会社との間の契約に基づき甲社が負担することとしている。
この場合、甲社が負担する工事費用(以下「連系工事負担金」という。)は、繰延資産に該当するか。
また、繰延資産に該当するのであれば、「電気ガス供給施設利用権」(耐用年数省令別表三)の耐用年数に準じて15年間で償却して差しないか。

<回答要旨>
当該連系工事負担金は、繰延資産に該当する。
また、その償却期間は15年として差し支えない。

【理由】
1.連系工事負担金について
甲社は、連系工事負担金を支出することで電力会社の送配電網を利用して、発電した電力を売電できるようになるため、連系工事負担金は、甲社にとって自己が便益を受けるために支出する費用でその支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶものとして繰延資産に該当する(法2二十四、法令141六ホ)。
なお、連系工事負担金は、電力会社の所有物となる電気供給設備の工事費用を甲社が負担するものであり、甲社の所有する太陽光発電設備に対する支出ではないため、これを固定資産の取得価額に含めることはできない。

2.償却期間について
連系工事負担金(繰延資産)の償却期間については、系統連系工事によって設置される電気供給設備の耐用年数や電力会社との契約期間等を基に合理的に見積もることとなる(法基通8-2-1)。
ところで、事業者が、電力会社から電気の供給を受けるため、電力会社における電気供給施設を設けるための費用を当該事業者が負担することがあり、この場合の負担金は、無形減価償却資産である「電気ガス供給施設利用権」に該当し、その法定耐用年数は当該施設の耐用年数等も踏まえ「15年」とされている(法令13八ヨ、耐用年数省令別表第三)。
連系工事負担金は、電力会社の電気供給設備についてその工事費を負担するという点や系統連系工事により設置される電気供給設備と上記負担金により設置される施設の内容とが類似しており、連系工事負担金の償却期間について、「電気ガス供給施設利用権」の耐用年数に準じて「15年」とすることは合理的と考えられる。
なお、連系工事負担金の償却期間について、例えば、電力会社との契約における受給期間とするなど、発電事業者が償却期間を合理的に見積もっている場合は、当該期間によっても差し支えない。

(注)
受給期間は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法第3条第1項《調達価格及び調達期間》に規定する調達期間(固定価格で買い取る期間)を限度として電力会社と発電事業者との契約で設定される期間であり、その期間内は売電を行うことが合意されている。
なお、例えば、受給期間を1年とし、自動更新というような場合は受給期間の終期が定められていないことから、調達期間(10KW以上20年、その他10年)を受給期間とみることとなる。

また、繰延資産として支出する金額が20万円未満である場合には、その支出の日の属する事業年度において損金経理をした金額は損金の額に算入することとされている(法令134)。したがって、連系工事負担金として支出する金額が20万円未満である場合には、その全額を支出の日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

★リンクはこちら⇒ 太陽光発電設備の連系工事負担金の取扱い

2016年1月8日

生産性向上設備等を段階的に事業の用に供した場合の生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用

<照会要旨>
当社は、工場を建て替え、最新のめっき処理設備及び廃水設備を導入する投資計画(以下「本件投資計画」という。)を策定し、本件投資計画における投資利益率が15%以上となることが見込まれることにつき経済産業大臣の確認を受けた。
本件投資計画は、第1期工事(工期:平成26年10月~平成27年1月)から第5期工事(工期:平成29年1月~平成29年3月)までの複数事業年度にまたがる計画であるが、本件投資計画に記載された各建物、機械及び装置等は、その完成または設置の都度、事業の用に供する予定である。
この場合において、事業の用に供した各建物、機械及び装置等は、本件投資計画の全てが終了する前においても、それぞれ事業の用に供した日の属する事業年度において租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の適用を受けることができるか。
なお、これらの各建物、機械及び装置等はいずれも特定生産性向上設備等に該当する。

<回答要旨>
照会意見のとおり、適用を受けることができる。

【理由】
青色申告書を提出する法人が、指定期間内()に、特定生産性向上設備等の取得等をして、これを国内にあるその法人の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度(以下「供用年度」という。)において、その特定生産性向上設備等につき特別償却または税額控除の適用ができることとされている(措法42の12の5)。
また、特定生産性向上設備等とは、生産等設備を構成する機械及び装置、工具、器具及び備品、建物、建物附属設備、構築物並びに一定のソフトウエアで、産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等(注)に該当するもののうち、一定の規模以上のものとされている(措法42の12の51)。

産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの期間をいう。

(注)
産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等とは、商品の生産もしくは販売または役務の提供の用に供する施設、設備、機器、装置またはプログラムであって、事業の生産性の向上に特に資するものとして経済産業省令で定めるもの(いわゆる「先端設備」または「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に該当するもの)とされている。
このうち、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」とは、本制度の対象となる設備のうち、法人(事業者)が策定した投資計画(投資利益率が15%以上(中小企業者等は5%以上)となることが見込まれるものであることにつき経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けたものに限る。)に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠なものとされている(経済産業省関係産業競争力強化法施行規則5二)。

したがって、投資計画の全ての投資が完了したか否かにかかわらず、指定期間内に特定生産性向上設備等に該当する各建物、機械及び装置等の取得等をして、これを事業の用に供した場合には、供用年度において、特別償却または税額控除の適用を受けることができる。

★リンクはこちら⇒ 生産性向上設備等を段階的に事業の用に供した場合の生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用について

2016年1月6日

太陽光発電設備の系統連系に当たり支出するアクセス検討料

<照会要旨>
甲社は、太陽光発電設備を取得し、発電した電力を電力会社へ売電する事業を行う予定である。
太陽光発電設備により発電した電力を電力会社に供給するためには、電力会社の電気供給設備に太陽光発電設備を接続(系統連系)する必要があるが、その接続に当たり、電力会社の側において他の顧客等に影響がないか、技術的な検討(以下「アクセス検討」という。)を行うことになった。
アクセス検討の結果、電力会社の電力供給設備を新たに設置または変更する必要がある場合には、必要となる工事の概要や工期、工事費負担金(概算額)の回答を電力会社から受けることとなる。
このアクセス検討のために電力会社へ支払った費用(以下「アクセス検討料」という。)については、太陽光発電設備の取得価額に含まれず、電力会社からアクセス検討の結果の回答を受けた時の一時の損金になるか。

<回答要旨>
照会意見のとおり、アクセス検討の結果の回答を受けた時の損金の額に算入することとなる。

(理由)
アクセス検討料は、発電設備の接続(系統連系)に先立ち、電力会社が行うアクセス検討に要する費用を契約に基づき発電事業者側が負担するというものであり、アクセス検討の結果、系統連系工事を行うか否かにかかわらず、支出することとなる費用である。

したがって、アクセス検討料は、電力会社によるアクセス検討という役務提供の対価であると考えられるので、その役務の提供を受けた時、すなわち、電力会社からアクセス検討の結果の回答を受けた時に損金の額に算入することになる。

(参考)
上記の系統連系工事に係る工事費負担金の税務上の取扱いについては、以下の質疑応答事例を参すること。
太陽光発電設備の連系工事負担金の取扱いについて

★リンクはこちら⇒ 太陽光発電設備の系統連系に当たり支出するアクセス検討料について

2015年12月22日

2015研究開発税制Q&A

経済産業省は、ホームページに「2015研究開発税制Q&A」のパンフレットを公表した。

当該パンフレットは、沖縄税理士会調査研究部が執筆し、日本税理士会連合会調査研究部が監修したもので、平成27年度税制改正における研究開発税制の拡充を反映したほか、これまで沖縄県内の中小企業を主な対象としていたのを、大企業も含めた全国の企業を対象とするよう改めている。

★リンクはこちら⇒ 2015研究開発税制Q&A(既に削除済み)

2015年10月23日

業務チェックリスト(法人税用)

日本税理士会連合会(日税連)業務対策部では、税理士税理士事務所(以下「事務所」という。)内に書面添付制度を定着させ、良好な内容の添付書面を作成するため、また、使用人等の経験や能力を踏まえた事務所全体の業務水準の向上を図るため、「業務チェックリスト(法人税用)」を策定・公表した。

事務所内における業務内容のチェック及び添付書面の作成に活用できる。

なお、日本税理士会連合会(日税連)のホームページに掲載されているが、ユーザー名とパスワードが必要である。

2015年9月7日

請求人から提出されたノート等に記載された取引の一部については、取引の事実及び金額が特定できるとした事例

①平16.9.1~平18.8.31、平20.9.1~平21.8.31の事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
②平18.9.1~平20.8.31、平21.9.1~平23.8.31の事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
①棄却 ②一部取消し 平成26年12月8日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人の主張する原処分庁が更正処分により益金の額に算入した特定の取引先への売上げ(本件売上げ)に係る売上原価(本件売上原価)の額について、請求人の帳簿には、本件売上げに係る仕入れ(本件仕入れ)について継続的な記録がされていないことから、本件売上原価の支払いの事実も不明であり、確定申告書に添付された貸借対照表、損益計算書に記載された仕入金額及び棚卸金額について不相当と認められる事実はないなどとして、損金の額に算入済みであると推認される旨主張する。

しかしながら、帳簿書類による以上に客観的信頼性のある資料及び計算方法に基づき、本件仕入れの事実及び金額を特定し、本件仕入れの金額が当初申告の仕入れ金額に含まれていないこと及び請求人の各事業年度の売上金額と対応することを具体的に主張立証できれば、当該主張が排斥されるものではなく、請求人から提出されたノート等に記載された取引の一部については、取引先、取引年月日、取引金額及び取引内容等により取引の事実及び金額が特定でき、当該取引金額が該当する事業年度の当初申告の仕入金額に含まれていないことが認められる。
また、請求人の期首期末の棚卸金額については、不相当とする理由は認められないことから、当該取引金額は、当該事業年度の本件売上金額と対応関係を有するということができ、当該事業年度の損金の額に算入することが相当と認められる。

★リンクはこちら⇒ 請求人から提出されたノート等に記載された取引の一部については、取引の事実及び金額が特定できるとした事例

2015年9月1日

請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体によって開催された行事に係る損益は、請求人に帰属しないと認定した事例

平18.3.1~平24.2.29の各事業年度の法人税の各更正処分及び重加算税の各賦課決定処分
全部取消し 平成26年11月10日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体(本件親睦団体)によって開催された懇親会及び新年会(本件懇親会等)は、請求人の意思決定により開催され、会費収入及び開催費用を含むその使途も請求人が決定していることから、請求人の業務に関連して開催されたものであり、本件懇親会等に伴う利益金は、本件親睦団体ではなく請求人に帰属する旨主張する。

しかしながら、本件懇親会等は本件親睦団体の会則に沿った行事であること、本件懇親会等に伴う利益金は、本件親睦団体名義の預金口座に預け入れられ、本件親睦団体の年会費とともに本件親睦団体により管理されていること、及び原処分庁の主張を裏付ける証拠もないことからすると、本件懇親会等に伴う損益は、請求人に帰属するとは認められない。

★リンクはこちら⇒ 請求人及び請求人の取引業者で組織された親睦団体によって開催された行事に係る損益は、請求人に帰属しないと認定した事例

2015年8月26日

墓地管理者が墓地使用権者から収受した管理料収入は、収益事業たる請負業に係る収入に該当すると認定した事例

平24.4.1~平25.3.31の事業年度の法人税及び平24.4.1~平25.3.31の課税事業年度の復興特別法人税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
棄却 平成26年12月8日裁決

<要旨>
請求人は、墓地管理者として、墓地使用権者から永代使用料とは別個に管理料を収受しているところ、当該管理料は、墓地埋葬法等によって義務付けられた墓地全体の保全管理を行うための費用として収受しているのであるから、請負業に係る収入には該当しない旨主張する。

しかしながら、請求人が定めた霊園使用規程等をみると、墳墓地の貸付けと共用部分の管理運営等を行う管理行為とは、業務形態として別個独立のものであるし、それぞれの事業についての対価も別個に定められている。
さらに、請求人と墓地使用権者との間で、請求人が共用部分の管理行為に係る役務を提供すべきことを約し、墓地使用権者がその対価として当該管理料を支払う旨を約したのであって、請求人が提供する当該管理行為という役務の対価として当該管理料が支払われている関係にあるとみるのが相当である。

したがって、当該管理行為は、収益事業たる請負業として行われたものであり、当該行為によって収受した当該管理料は、請負業に係る収入と認められる。

★リンクはこちら⇒ 墓地管理者が墓地使用権者から収受した管理料収入は、収益事業たる請負業に係る収入に該当すると認定した事例

2015年8月21日

適用額明細書の記載の手引(平成27年4月1日以後終了事業年度分)

国税庁は『適用額明細書の記載の手引(平成27年4月1日以後終了事業年度分)』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書の記載の手引(平成27年4月1日以後終了事業年度分)

2015年8月6日

美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ

国税庁は、『美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ』を公表した。

美術品等(絵画や彫刻等の美術品のほか工芸品などが該当する。以下「美術品等」という。)が減価償却資産に該当するかどうかの判定については、平成26年12月19日付課法2-12ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)等が発遣され、取扱通達(法基通7-1-1等)の改正が行われており、平成27年1月1日以後取得する美術品等について新しい取扱いが適用されている。

このFAQは、歴史的価値を有し、代替性のないもの(古美術品、古文書、出土品、遺物等)に該当しない美術品等が、減価償却資産に該当するかどうかの判定について、その改正内容等を周知するため、これまで寄せられた主な質問に対する回答を取りまとめたものである。

★リンクはこちら⇒ 美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ

2015年7月3日

平成27年度法人税関係法令の改正の概要

国税庁は、『平成27年度法人税関係法令の改正の概要』を作成した。

目次は、以下のとおり。
  第1編 法人税法等に関する改正
法人税の税率の引下げに関する改正
Ⅱ 受取配当等の益金不算入制度の見直し
Ⅲ 欠損金の繰越控除制度等の見直し
Ⅳ 減価償却に関する改正
Ⅴ 税額の計算に関する改正
Ⅵ 引当金・準備金制度に関する改正
Ⅶ 資産譲渡等の場合の課税の特例制度に関する改正
Ⅷ 国際課税に関する改正
Ⅸ その他の改正
  第2編 震災特例法に関する改正

★リンクはこちら⇒ 平成27年度法人税関係法令の改正の概要

2015年6月24日

「平成27年分法人税申告書別表等」の一部掲載

国税庁は、「平成27年分法人税申告書別表等」の一部をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ [手続名]法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)

2015年6月23日

取引先に支払ったとする販売手数料は費途不明であるとはいえないとした事例

①平18.10.1~平23.9.30の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
②平18.10.1~平23.9.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
①全部取消し ②棄却 平成26年7月28日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が取引先に支払ったとする販売手数料は、請求人から取引先に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められることから、費途不明であるということはできず、請求人業務との関連性を有するものと認められるから、損金の額に算入することができるとして、原処分の全部を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人がj社に対して支払ったと主張する販売手数料(本件販売手数料)は、その費途が不明であり、また、業務関連性も明らかではないので本件各事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。

しかしながら、請求人が保存するi社名義の請求書や領収証に記載された数量が請求人が主張するj社に対する商品の販売数量と一致し、本件販売手数料の支払金額が請求人のj社に対する商品の販売数量に応じて割戻単価を乗じて算定されているものと認められることや、請求人が振り出した小切手がj社の常務取締役に支払われており、同人が管理する銀行口座で取り立てられていることなどからすれば、本件販売手数料は、j社に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められ、請求人業務との関連性を有するものと認められることから、費途不明であるということはできず損金の額に算入することができる。

★リンクはこちら⇒ 取引先に支払ったとする販売手数料は費途不明であるとはいえないとした事例

2015年6月5日

申告書の自主点検と税務上の自主監査

国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の方に自発的な適正申告をしてもらう取組を充実させていくこととしており、今般、調査課所管法人が申告書を提出される前に、申告書の自主点検や税務上の観点からの自主監査を行う際に活用いただくための確認表を作成した。
このページは、当該取組の内容を案内するとともに、確認表の様式を掲載し、提供するものである。

様式はダウンロードして活用のこと。
なお、本取組は平成27年3月以降に決算期が到来する法人を対象としている。

(注)
確認表の様式については、Excel版とPDF版の二種類を用意している。
Excel版については、印刷時に利用しているPC環境により改ページ位置の変更等レイアウトが変更される場合があるので、利用の際には留意すること。

★リンクはこちら⇒ 申告書の自主点検と税務上の自主監査

2015年4月20日

請求人が建物補償金などの名義で取得した金員の一部について、収用等の場合の課税の特例を適用することはできないとした事例

平22.4.1~平23.3.31までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
棄却 平成26年6月3日裁決

<要旨>
請求人は、請求人の建物の敷地として賃借していた土地の一部(本件土地)の公共用地の買取りに伴い起業者(本件起業者)から取得した補償金(本件建物補償金)について、①租税特別措置法関係通達(措置法通達)64(2)-3《対価補償金等の判定》の定めにより本件起業者の判断が尊重されるところ、本件起業者が請求人に交付した「公共事業用資産の買取り等の証明書」に「買取」と記載されていること、また、②本件建物補償金の算定根拠となった建物の庇部分を取り壊していることからすると64(2)-8《ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金》の各定めに該当又は類似し、本件建物補償金の全額が、租税特別措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》第1項の規定による所得の特別控除の特例(本件特例)の対象となる補償金に該当する旨主張する。

しかしながら、①措置法通達64(2)-3は、交付の目的が明らかでない補償金について、対価補償金、収益補償金、経費補償金、移転補償金又はその他対価補償金たる実質を有しない補償金のいずれに該当するかの判定が困難な場合に、課税上弊害がない限り、起業者が証明するところによる旨定めているのであって、請求人は、本件起業者から本件建物補償金の算定資料の交付を受けており、本件建物補償金については、その算定の内訳等が明らかであり、いずれの補償金に該当するかが判断できる。
また、②請求人が本件起業者から交付を受けた本件建物補償金の算定資料によれば、本件建物補償金のうち、本件土地の買取りによって減少する展示場及び駐車場の代替として本件土地の外に立体駐車場を設置する費用の補償及び当該立体駐車場を設置する際に支障となる建物の移転に要する費用の補償の各金額は、いずれも本件土地の上に存する資産に係るものではないから、措置法通達64(2)-8の定めに該当しない。

★リンクはこちら⇒ 請求人が建物補償金などの名義で取得した金員の一部について、収用等の場合の課税の特例を適用することはできないとした事例

2015年4月13日

生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産を2以上取得した場合の特別償却と税額控除の選択適用

<照会要旨>
甲社は、生産等設備を構成する器具及び備品に該当する測定機器(取得価額60万円)及び電気冷蔵庫(取得価額70万円)を同一事業年度内に取得し、国内にある甲社の事業の用に供する予定です。これらの設備は、いずれも租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却または法人税額の特別控除》に規定する生産性向上設備等に該当し、その取得価額の合計額が120万円以上となるので、同条の適用対象資産(特定生産性向上設備等)に該当する。
この場合、同条の適用に当たり、測定機器については、同条第2項の即時償却を適用し、電気冷蔵庫については、同条第8項の法人税額の特別控除を適用できるか。

<回答要旨>
照会意見のとおり、適用することができる。
(理由)
租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の適用対象となる特定生産性向上設備等とは、器具及び備品については、1台または1基の取得価額が120万円以上のものとされているが、1台または1基の取得価額が30万円以上の器具及び備品で、同一事業年度内における取得価額の合計額が120万円以上である場合のものも含むこととされている(措令27の12の52ニ)。

ご質問の趣旨は、上記の「取得価額の合計額が120万円以上である」との要件により特定生産性向上設備等に該当した減価償却資産について、個々の減価償却資産ごとに即時償却または税額控除のいずれかを選択してよいのかという点にあるかと思われる。
この点、同条の適用に当たっては、同一事業年度内に取得した全ての特定生産性向上設備等を対象として一律に即時償却または税額控除のいずれかを選択するわけではなく、個々の特定生産性向上設備等ごとにいずれかを選択して適用することができる。
甲社が取得する測定機器と電気冷蔵庫の取得価額はそれぞれ120万円未満ですが、甲社は、同一事業年度内に測定機器と電気冷蔵庫を取得し、国内にある自らの事業の用に供するとのことなので、同一事業年度内において取得等をした生産等設備を構成する器具及び備品の取得価額の合計額が120万円以上となるため、測定機器と電気冷蔵庫のそれぞれが特定生産性向上設備等に該当することとなる。

したがって、甲社は、他の要件を満たすかぎり、測定機器については、同条第2項の即時償却を適用し、電気冷蔵庫については、同条第8項の税額控除を適用することができる。

★リンクはこちら⇒ 生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産を2以上取得した場合の特別償却と税額控除の選択適用

2015年2月23日

生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産(リース資産)

<照会要旨>
法人がリース取引(法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引をいう。以下同じ。)により取得した生産性向上設備等は、租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却または法人税額の特別控除》(以下「本制度」という。)の適用対象資産となるのか。

<回答要旨>
リース取引により取得した生産性向上設備等についても、所定の要件を満たす場合には本制度の適用対象資産となる。
ただし、所有権移転外リース取引により取得したものについては、特別償却の適用はなく、法人税額の特別控除のみ適用することができる。
(理由)
法人がリース取引を行った場合には、リース資産の賃貸人から賃借人への引渡しの時にそのリース資産の売買があったものとして、その賃貸人及び賃借人である法人の各事業年度の所得の金額の計算を行うこととされている(法法64の21)。
すなわち、リース取引を行った場合には、そのリース資産は賃借人において取得したものとして取り扱われる。
本制度は、青色申告法人が、所定の期間内に特定生産性向上設備等の取得等をして、これを国内にある当該法人の事業の用に供した場合に、特別償却または法人税額の特別控除を適用できるというものである。
ここでいう「取得等」とは、「取得(その製作または建設の後事業の用に供されたことのないものの取得に限る。)または製作若しくは建設をいい、建物にあっては改修(増築、改築、修繕または模様替をいう。)のための工事による取得または建設を含む」ものを指し、リース取引による取得は除かれていないので、リース取引により取得した生産性向上設備等についても、本制度の対象とすることができる。
ただし、所有権移転外リース取引(法人税法施行令第48条の2第5項第5号に規定する所有権移転外リース取引をいう。以下同じ。)により取得した特定生産性向上設備等については、本制度のうち、特別償却の適用はないので、法人税額の特別控除のみ適用できることになる(措法42の12の510)。

(注)
租税特別措置法の規定による特別償却制度においては、所有権移転外リース取引により取得したリース資産はその適用対象から除かれている。

★リンクはこちら⇒ 生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産(リース資産)

2015年2月19日

中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の特定生産性向上設備等の判定

<照会要旨>
中小企業者等に該当する甲社は、次表に掲げる器具及び備品(いずれも租税特別措置法第42条の12の5第1項に規定する生産性向上設備等に該当。)を同一事業年度内に取得し、自らの製造業の用に供する予定である。
租税特別措置法第42条の6(中小企業投資促進税制)においては、同条第1項に規定する特定機械装置等が同法第42条の12の5(生産性向上設備投資促進税制)の対象設備等である場合には、即時償却又は法人税額の特別控除を選択適用できることとされているが、次表のうち、電子計算機Bについては、即時償却または法人税額の特別控除(租税特別措置法第42条の6第2項または第8項のいわゆる上乗せ措置)を適用できるか。
なお、次表の器具及び備品のうち、電子計算機A及び電子計算機Bは中小企業投資促進税制の対象資産に該当するが、その他事務機器Cは中小企業投資促進税制の対象資産として掲げられている器具及び備品の細目のいずれにも該当しない。

 器具及び備品の内容  取得価額  中小企業投資促進 

税制の対象資産
 生産性向上設備等
 電子計算機A  25万円  ○  ○
 電子計算機B  100万円  ○  ○
 その他事務機器C  100万円  ×  ○

<回答要旨>
照会意見のとおり、適用することができる。
(理由)
1.租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第2項の即時償却又は同条第8項の法人税額の特別控除の対象資産(以下「中小企業投資促進税制の特定生産性向上設備等」という。)とは、同条第1項に規定する特定機械装置等のうち、生産性向上設備投資促進税制の対象設備等に該当するものをいい、例えば、器具及び備品にあっては、次のとおり(1)中小企業投資促進税制の特定機械装置等の判定と(2)生産性向上設備投資促進税制の対象設備等の判定をそれぞれ行い、いずれにも該当するものをいう。
(1)中小企業投資促進税制の特定機械装置等(電子計算機の場合)
一定の要件を満たす電子計算機のうち、1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの(法人税法施行令第133条又は第133条の2の適用を受けていない一定の要件を満たす電子計算機で、同一事業年度におけるその取得価額の合計額が120万円以上である場合のものを含む。)(措令27の63、措規20の35)。
(2)生産性向上設備投資促進税制の対象設備等
1台又は1基の取得価額が120万円以上の器具及び備品(1台又は1基の取得価額が30万円以上の器具及び備品で、同一事業年度内におけるその取得価額の合計額が120万円以上である場合のものを含む。)(措令27の12の52ニ)。

2.ご質問の趣旨は、上記1(2)括弧書の「取得価額の合計額が120万円以上である」との要件(以下「合計規模要件」という。)について、特定機械装置等に該当しない資産の取得価額も含めて合計規模要件を満たすかどうかを判定してよいのかという点にあるかと思われる。
この点、「生産性向上設備投資促進税制の対象設備等」とは生産性向上設備等のうち上記1(2)に掲げた取得価額要件を満たすものをいい、特定機械装置等に該当するかどうかは要件とされていないので、特定機械装置等に該当する減価償却資産の取得価額のみの合計額による判定では合計規模要件を満たさない場合であっても、特定機械装置等に該当しない減価償却資産を含めた判定において合計規模要件を満たすときには、その合計規模要件を満たす減価償却資産のうち特定機械装置等に該当するものは、中小企業投資促進税制の特定生産性向上設備等に該当することになる。

3.甲社が取得する各器具及び備品に係る中小企業投資促進税制の特定機械装置等の判定については、電子計算機A及びBの取得価額の合計額は120万円以上であるため、それぞれが特定機械装置等に該当する。
また、生産性向上設備投資促進税制の対象設備等の判定に当たっては、電子計算機Aは、その取得価額が30万円未満であるため対象資産から除かれるが、電子計算機Bとその他事務機器Cの取得価額の合計額が120万円以上となるので、電子計算機Bとその他事務機器Cは生産性向上設備投資促進税制の対象設備等に該当する。
よって、電子計算機Bは、特定機械装置等及び生産性向上設備投資促進税制の対象設備等のいずれにも該当するので、中小企業投資促進税制の特定生産性向上設備等に該当することになる。
したがって、甲社は、同一事業年度内に上記表の各器具及び備品を取得し、自らの製造業の用に供するとのことなので、他の要件を満たすかぎり、電子計算機Bについては、租税特別措置法第42条の6第2項の即時償却又は同条第8項の法人税額の特別控除を適用することができる。

〔中小企業投資促進税制の特定生産性向上設備等の判定〕

 器具及び備品の内容  取得価額  中小企業投資促進税制 

の特定機械装置等の判定
 生産性向上設備投資促進税制 

の対象設備等の判定
 判定
 電子計算機A  25万円  合計120万円以上○  30万円未満のため×  ×
 電子計算機B  100万円  合計120万円以上○  30万円以上かつ合計120万円以上○  ○
 その他事務機器C  100万円   (対象外)×  30万円以上かつ合計120万円以上○  ×

2015年1月20日

適用額明細書の記載の手引き(平成26年10月1日以後開始事業年度分)

国税庁は、「適用額明細書の記載の手引き(平成26年10月1日以後開始事業年度分)」をホームページに掲載した。

平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定された。
このため、法人税関係特別措置のうち税額または所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要がある。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書の記載の手引き(平成26年10月1日以後開始事業年度分)

2015年1月16日

賃貸不動産物件のフリーレント期間の税務上の取扱い

賃貸不動産物件のフリーレント期間に係る収益計上の考え方には、以下の2つが考えられる。

  1. フリーレント期間は収益計上せずに、実際に賃料を受領した期間から収益認識する方法
  2. 賃料総額をフリーレント期間を含む賃貸期間で按分し、賃貸期間にわたって収益計上する方法

従来、中途契約できないことを条件にフリーレントを行っている契約の場合は、2.の処理が妥当であるとされていたが、最近では、前提条件が変化し、稼働率向上を目的としてフリーレント期間を儲けるケースが一般化している。

週刊税務通信が国税庁に確認したところ、1.の処理でも税務上認容されるようである(この場合、税務上の調整は不要である。)。

2014年12月18日

平成26年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

国税庁は、『平成26年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』をHPに掲載した。

この手引では、平成26年10月1日以後に開始する事業年度等の法人税及び地方法人税の申告書の記載の仕方について説明している。

なお、平成26年10月1日前に開始する事業年度については、地方法人税の申告は不要なので、申告書の記載に当たっては、「平成26年版法人税申告書の記載の手引」を参照のこと。

★リンクはこちら⇒ 平成26年版法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引

2014年12月5日

マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定

<照会要旨>
Aマンション管理組合は、移動体通信業者Xとの間で、携帯電話基地局(アンテナ)設置のためにマンション屋上(共用部分)の使用を目的として、建物賃貸借契約を締結することとなった。今後、Aマンション管理組合は、当該建物賃貸借契約に基づきマンション屋上の使用の対価として設置料収入を得ることとなるが、当該設置料収入は、法人税法上の収益事業(不動産貸付業)に該当することとなるか。
なお、Aマンション管理組合は、法人税法上、人格のない社団等又は公益法人等に該当することを照会の前提とする。

<回答要旨>
収益事業たる不動産貸付業に該当する。
(理由)
1.人格のない社団等及び公益法人等の課税関係
法人税法上、内国法人(人格のない社団等を含む。)に対しては、各事業年度の所得について法人税を課することとされており(法法3、5)、このうち人格のない社団等及び公益法人等に対しては、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得には法人税を課さないこととされている(法法7)。
したがって、マンション管理組合(人格のない社団等又は公益法人等)に対する法人税は、収益事業から生じた所得にのみ課されることとなる。

2.収益事業の範囲
法人税法上の収益事業とは、販売業、製造業その他の一定の事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいい(法法2十三)、この一定の事業には不動産貸付業が含まれている(法令5①五)。
したがって、マンション管理組合が賃貸借契約に基づいてマンション(建物)の一部を他の者に使用させ、その対価を得た場合には、収益事業(不動産貸付業)に該当し、その収益事業から生じた所得に対して法人税が課されることになる。

3.本照会について
Aマンション管理組合は、移動体通信業者Xとの間で建物賃貸借契約を締結し、当該契約に基づいてマンション屋上の一部を移動体通信業者Xに使用させ、その設置料収入を得ているので、当該行為は不動産貸付業に該当することとなる。

★リンクはこちら⇒ マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定

2014年8月5日

「中小企業再生支援協議会の支援による再生計画の策定手順(再生計画検討委員会が再生計画案の調査・報告を行う場合)」に従って策定された再生計画により債務免除等が行われた場合の税務上の取扱い

<今回の照会事項>
青色申告書を提出する中小企業者(租税特別措置法第67条の5の2に規定する中小企業者をいう。以下同じ。)について平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に、再生計画認可の決定があったことに準ずる一定の事実が生じ、かつ、2以上の金融機関等が有するその中小企業者に対する債権が債務処理に関する計画によって特定の投資事業有限責任組合の財産となる場合において、その中小企業者が、その有する資産の価額につき一定の評定を行い、又は債務処理に関する計画に従って債務の免除を受けたときは、その債務者である中小企業者は、いわゆる企業再生税制を適用することができるとされている(措法67の5の2。以下「本特例」という。)。
この組合の財産となる債権の債務者についての債務処理に関する計画を策定する場合に従うべき準則として、協議会の定める準則が規定されている(平成25年内閣府・経済産業省告示第2号)。
このことを踏まえ、策定手順について、本特例に係る確認手続を追加する等の改定を、平成26年6月16日付で行っているが、改定後の策定手順(以下「新策定手順」という。)に基づき策定された再生計画により債務免除等が行われる場合においては、本特例の適用があるものと解して差し支えないか。

(注)
企業再生税制とは、再生計画認可の決定があったことその他これに準ずる一定の事実が生じた場合において、法人がその有する資産の価額につき所定の評定を行っているときは、その資産の評価益又は評価損を益金の額又は損金の額に算入することができ(法人税法第25条第3項又は第33条第4項)、これらの適用を受ける場合には期限切れ欠損金を損金算入できる措置(同法第59条第2項第3号)をいう。

<理由(照会者の求める見解となる理由)>
新策定手順に従って、2以上の金融機関等の有するその中小企業者に対する債権が、租税特別措置法第67条の5の2第2項第3号に規定する特定投資事業有限責任組合契約(以下「特定投資事業有限責任組合契約」という。)に係る組合財産となることを定めた再生計画が策定され、これが対象債権者全員の同意により成立した場合において、以下の(1)のとおり、再生計画認可の決定があったことに準ずる事実に該当し、以下の(2)のとおり一定の資産評定が行われることになるので、本特例の適用があるものと考える。
したがって、当該中小企業者において、当該資産評定による価額を基礎とした貸借対照表に計上されている資産の価額と帳簿価額との差額(評価益又は評価損)は、法人税法第25条第3項及び第33条第4項の規定を適用することができる。
また、この場合、同法第59条第2項の規定により損金の額に算入する金額は、同項第3号に掲げる場合に該当するものとして計算することができる。
(1)再生計画認可の決定があったことに準ずる事実に該当すること
本特例において、再生計画認可の決定があったことに準ずる事実とは、法人税法施行令第24条の2第1項各号に掲げる要件に加え、以下の要件に該当する必要があるが、以下のとおり追加された各要件を満たすものと考えられる。

イ 2以上の金融機関等の有するその中小企業者に対する債権が組合財産となることが定められていること
この要件では、再生債権を有する2以上の金融機関等のその再生債権が特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となることが求められている(措令39の28の21による読替後の法令24の21三)。
この点、新策定手順において、租税特別措置法第67条の5の2の適用を受ける場合には、再生債権を有する2以上の金融機関等の当該再生債権が特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となることが定められており、この定めに従って再生計画が策定されることから、この要件を満たす(新策定手順10.(1))。

ロ いわゆる実態貸借対照表、損益の見込み等に基づいて組合財産となる債権の譲渡額等が定められていること
この要件では、準則に定められた公正な価額による資産評定が行われ、それを基礎とした債務者の貸借対照表における資産及び負債の価額、再生計画における損益の見込み等に基づいて債務免除等をする金額並びに再生債権がその組合財産となるときにおいて、その再生債権の対価として取得する金銭の額及び金銭以外の資産の価額が定められていることが求められている(措令39の28の2①による読替後の法令24の2①三)。
この点、新策定手順10.(1)において、租税特別措置法第67条の5の2の適用を受ける場合には、別紙「実態貸借対照表の作成に当たっての評定基準」に基づき債務者の有する資産及び負債の価額の評定を行い、その資産評定に基づいて実態貸借対照表が作成される。また、当該実態貸借対照表及び再生計画における損益の見込み等に基づき、債務者に対して債務免除等をする金額並びに当該再生債権が、特定投資事業有限責任組合契約に係る組合財産となる時において当該再生債権の対価として取得する金銭の額及び金銭以外の資産の価額が定められることとされており、この定めに従って再生計画が策定されることから、この要件を満たす(新策定手順7.(3)、10.)。

ハ 上記イ及びロの要件について確認をする手続並びにその確認を確認者が行うことが準則に定められていること
新策定手順では、再生計画が新策定手順に従って策定されたものであることに加え(新策定手順7.(4))、上記イ及びロの要件についても確認手続を定めている(新策定手順10.(1))。
また、新策定手順において、これらの確認を再生計画検討委員会の委員が行うこととしているが(新策定手順7.(3)、(4))、当該委員は法人税法施行令第24条の2第1項第1号ロに規定する確認をする者として法人税法施行規則第8条の6第1項第1号に定める者(確認者)に該当することから、この要件を満たす。

(2)一定の資産評定を行っていること
租税特別措置法第67条の5の2第1項に規定する政令で定める評定は、債務処理に関する計画の策定に当たり従うこととされている法人税法施行令第24条の2第1項第1号に規定する準則に定められている同号イに規定する事項に従って行う同項第2号の資産評定とされている(措令39の28の21)。
この点、債務者の有する資産及び負債の価額の評定(資産評定)は、新策定手順の7.(4)2において公正な価額により行うことが定められており、かつ、その資産評定に関する具体的な評定方法が新策定手順の別紙「実態貸借対照表の作成に当たっての評価基準」に定められているとともに、これに基づき債務者の有する資産及び負債の価額の評定が行われていることから、この要件を満たす。

★リンクはこちら⇒ 「中小企業再生支援協議会の支援による再生計画の策定手順(再生計画検討委員会が再生計画案の調査・報告を行う場合)」に従って策定された再生計画により債務免除等が行われた場合の税務上の取扱いについて(照会)

2014年7月31日

適用額明細書に関するお知らせ

平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定された。

このため、法人税関係特別措置のうち税額または所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要がある。

この適用額明細書の平成26年度用のものが国税庁のホームページでいくつか公表された(作成中)。

★リンクはこちら⇒ 適用額明細書に関するお知らせ

2014年7月23日

平成26年版法人税申告書の記載の手引

国税庁から、『平成26年版法人税申告書の記載の手引』が公表された。

★リンクはこちら⇒ 平成26年版法人税申告書の記載の手引

2014年7月4日

接待飲食費に該当する費用の一部について、確定申告書に添付した別表15の接待飲食費の額に含めず、接待飲食費以外の交際費等として申告してしまったが、当該接待飲食費の50%の損金算入を内容とする更正の請求をすることはできるか

法人が、接待飲食費とすべき金額の一部又は全部につき50%相当額の損金算入をしていなかった場合には、更正の請求の要件である「課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったこと」に該当するので、これを損金算入することを内容とする更正の請求書を提出することができる。

2014年6月10日

中小法人については接待飲食費の額の50%相当額の損金算入と交際費等の額の年800万円(定額控除限度額)までの損金算入を選択適用できると聞いたが、具体的にはどのように手続きをすればよいか

中小法人については、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入と、定額控除限度額までの損金算入のいずれかを、事業年度ごとに選択できることとされている。

具体的には、申告書等に添付する別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)において、いずれかの方法により損金算入額を計算し、申告等の手続きを行うことになる。

2014年6月9日

接待飲食費に関する帳簿書類への記載事項について注意すべき点はあるか

帳簿書類への記載事項として「飲食費に係る飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係」がある。

これは、社内飲食費でないことを明らかにするためのものであり、原則として、飲食等を行った相手方である社外の得意先等に関する事項を「○○会社・□□部、△△◇◇(氏名)、卸売先」というようにして相手方の氏名や名称の全てを記載する必要がある。

ただし、相手方の氏名について、その一部が不明の場合や多数参加したような場合には、その参加者が真正である限りにおいて、「○○会社・□□部、△△◇◇(氏名)部長他10名、卸売先」という記載であっても差し支えない(氏名の一部または全部が相当の理由があることにより明らかでないときには、記載を省略して差し支えない。)。

2014年6月6日

接待飲食費については所定の事項を帳簿書類に記載することとされているが、具体的にはどのような事項を記載すればよいか

接待飲食費については、交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)で、かつ、法人税法上で整理・保存が義務付けられている帳簿書類(総勘定元帳や飲食店等から受け取った領収書、請求書等が該当する。)に、飲食費であることを明らかにするために以下の事項を記載する必要がある。

  • 飲食費に係る飲食等(飲食その他これに類する行為をいう。以下同じ。)のあった年月日
  • 飲食費に係る飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称及びその関係
  • 飲食費の額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地
  • その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項

(注)
1人当たり5,000円以下の飲食費に係る保存書類への記載事項については、「交際費等(飲食費)に関するQ&A(平成18年5月)」を参照のこと。
申告の際は、交際費等の額から接待飲食費の額の50%相当額を差し引いた金額を損金不算入額として申告することとなるので、申告書等に別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)を添付し、別表15の所定の欄に接待飲食費の金額を記載すること。

2014年6月4日

自社から親会社へ出向している役員等に対する接待等のために支出する飲食費は社内飲食費に該当するか

出向者については、一般に、出向先法人及び出向元法人の双方において雇用関係が存在するので、その者が出向先法人の役員等の立場で飲食等の場に出席したか、出向元法人の役員等の立場で飲食等の場に出席したかにより判断することになる。

具体的には、例えば、出向者が出向先である親会社の役員等を接待する会合に親会社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、社内飲食費には該当しないこととなる。
他方、出向者が自社の懇親会の席に、あくまで自社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、社内飲食費に該当することとなる。

2014年6月2日

社内飲食費に該当しない費用にはどのようなものがあるか

社内飲食費の支出の対象者について法令では、「専ら当該法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する」と規定されているので、自社(当該法人)の役員、従業員(これらの者の親族を含む。)に該当しない者に対する接待等のために支出する飲食費等であれば、社内飲食費には該当しない。

したがって、例えば以下のような費用は社内飲食費に該当しないこととなる。

  • 親会社の役員等やグループ内の他社の役員等に対する接待等のために支出する飲食費
  • 同業者同士の懇親会に出席した場合や得意先等と共同で開催する懇親会に出席した場合に支出する自己負担分の飲食費相当額

2014年5月30日

飲食費に該当しない費用にはどのようなものがあるか

以下に掲げる費用は飲食費に該当しない。

  • ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用
    通常、ゴルフや観劇、旅行等の催事を実施することを主たる目的とした行為の一環として飲食等が実施されるものであり、その飲食等は主たる目的である催事と一体不可分なものとしてそれらの催事に吸収される行為と考えられるので、飲食等が催事とは別に単独で行われていると認められる場合(例えば、企画した旅行の行程の全てが終了して解散した後に、一部の取引先の者を誘って飲食等を行った場合など)を除き、ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用は飲食費に該当しないこととなる。
  • 接待等を行う飲食店等へ得意先等を送迎するために支出する送迎費
    本来、接待・供応に当たる飲食等を目的とした送迎という行為のために要する費用として支出したものであり、その送迎費は飲食費に該当しないこととなる。
  • 飲食物の詰め合わせを贈答するために要する費用
    単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は、いわゆる中元・歳暮と変わらないことから、その贈答のために要する費用は飲食費に該当しないこととなる。

2014年5月29日

どのような費用が飲食費に該当するか

飲食費について法令上は、「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)」と規定されている。
このため、以下のような費用については、社内飲食費に該当するものを除き、飲食費に該当する。

  • 自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」
  • 飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料等
  • 飲食等のために支払う会場費
  • 得意先等の業務の遂行や行事の開催に際して、弁当の差入れを行うための「弁当代」(得意先等において差入れ後相応の時間内に飲食されるようなもの)
  • 飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供されている飲食物の持ち帰りに要する「お土産代」

(注)
接待飲食費は、「交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)であって、帳簿書類により飲食費であることが明らかにされているもの」とされており、ここでいう「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)」は、改正前の飲食費の定義である「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)」と同一の用語であることから、その範囲は変わらない。

2014年5月28日

接待飲食費に関する平成26年度税制改正の概要

改正前における交際費等の損金不算入制度は、以下のとおりとされていた。

  • 中小法人以外の法人…支出する交際費等の全額が損金不算入
  • 中小法人…支出する交際費等の額のうち年800万円(以下「定額控除限度額」という。)を超える部分の金額が損金不算入

(注)
「中小法人」とは、事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人をいい、普通法人のうち事業年度終了の日における資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人などの一定の法人による完全支配関係がある子法人等を除く。以下同じ。

平成26年度税制改正では、この交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を平成28年3月31日まで2年延長するとともに、交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。以下「飲食費」という。)であって、帳簿書類に飲食費であることについて所定の事項が記載されているもの(以下「接待飲食費」という。)の額の50%に相当する金額は損金の額に算入することとされた。

(注)
「社内飲食費」とは、飲食その他これに類する行為のために要する費用であって、専ら当該法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものをいう。以下同じ。

1人当たり5,000円以下の飲食費で書類の保存要件を満たしているものについては、従前どおり、交際費等に該当しないこととされている。

なお、中小法人については、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入と、従前どおりの定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用することができ、定額控除限度額までの損金算入を適用する場合には、確定申告書、中間申告書、修正申告書または更正請求書(以下「申告書等」という。)に定額控除限度額の計算を記載した別表15(交際費等の損金算入に関する明細書)を添付することとされている。

これらの改正は、法人の平成26年4月1日以後に開始する事業年度から適用されている。

2014年5月27日

子会社に対する仕入れの値増し金は当該子会社の資金不足を補うための資金供与としての寄附金であると認定した事例

<要旨>
原処分庁は、請求人の中国の子会社への送金(本件送金)は、請求人と当該子会社との間の金銭消費貸借契約に基づく貸付けである旨主張し、請求人は、本件送金に係る金員は、当該子会社からの仕入れに係る値増し金であって損金の額に算入されるものであり、仮に、本件送金が経済的利益の無償の供与等とされる場合であっても、合理的な経済目的に基づいて行ったものであるから寄附金には該当しない旨主張する。

しかしながら、請求人及び当該子会社が金銭消費貸借契約書を作成したことは、請求人が中国の外貨管理局の許可を得て当該子会社に必要な資金を送付するために、金銭消費貸借契約の形式を採用したにすぎないと認められ、請求人と当該子会社との間に当該金銭消費貸借契約に基づく貸付けがあったと認めることはできず、一方、本件において作成された値増しに係る合意書及び覚書に記載された値増し金の算定根拠によれば、本件送金は、当該子会社の為替差損、諸経費の増加、裁判費用、建物の補修費及び赤字補填のために行われたとみるのが相当であり、親会社である請求人が、資金不足に陥った当該子会社に対し、金銭の贈与(本件金銭贈与)を行ったものと認めるのが相当である。
そして、本件金銭贈与がなければ当該子会社が倒産する状況にあったとは認められないから、本件金銭贈与が当該子会社の倒産を防止するなどのためにやむを得ず行われたものとはいえず、また、合理的な再建計画に基づくものであるなど、本件金銭贈与をしたことについて、相当な理由があるとは認められないから、本件金銭贈与の額は、租税特別措置法第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第3項に規定する寄附金の額に該当し、その全額が損金の額に算入されない。

★リンクはこちら⇒ 子会社に対する仕入れの値増し金は当該子会社の資金不足を補うための資金供与としての寄附金であると認定した事例

2014年5月16日

未経過固定資産税等相当額は譲受資産に係る購入対価を構成するものとして固定資産の取得価額に算入すべきであるとした事例

<要旨>
請求人は、不動産を譲り受けた際に譲渡人に支払った未経過固定資産税等相当額(当該不動産に係るその譲受けの年度の固定資産税及び都市計画税のうち当該不動産の引渡日以後の所有期間分に相当する額をいう。)は、固定資産税等そのものであり租税公課であるから不動産の取得価額に含まれない旨主張する。

しかしながら、固定資産税等は地方税法に基づき1月1日の不動産の所有者が納税義務を負うことになっており、賦課期日後に所有者となった譲受人が固定資産税等の納税義務を負うものではないから、譲受人が譲渡人に支払った未経過固定資産税等相当額を租税公課そのものであるということはできない。
そして、売買当事者間で合意に基づき授受された未経過固定資産税等相当額は、あくまでも合意された売買の取引条件の一つであり、当該条件を満たさないことには売買取引そのものが完了しないと考えられるから、当該未経過固定資産税等相当額は取得関連費用ではなく、狭義の購入の代価として取得価額に含まれるとするのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 未経過固定資産税等相当額は譲受資産に係る購入対価を構成するものとして固定資産の取得価額に算入すべきであるとした事例

2014年4月24日

請求人が代表者個人から引き継いだとする借入金等に係る支払利息について、その一部は損金の額に算入されるとした事例

<ポイント>
本事例は、請求人が、いわゆる法人成りによる設立の際、代表者個人の債務を引き継いだとして各金融機関等に利息等(本件支払利息)を支払ったことについて、請求人が各金融機関から借入れをしたとは認められず、代表者個人が支払うべき利息であると認定したが、本件支払利息のうち一部(当座貸越利息及び手形割引料等)は、いずれも請求人の責任により生じたものと認め、損金の額に算入したものである。

<要旨>
請求人は、代表者から引き継いだ借入金に係る利息(本件支払利息)の支払は、事業を引き継いだ請求人に対して金融機関から請求され、請求人が負担すべきものとして支払をしたものであり、本件支払利息は損金の額に算入することができる旨主張し、原処分庁は、請求人が代表者の債務を引き受けたとは認められず、本件支払利息は代表者が支払うべきものであり、損金の額に算入できない旨主張する。
しかしながら、請求人と代表者との間には、金融機関等に対する債務の引受けの合意はあると認められるものの、金融機関は正式にそれを受け入れる旨の表明等をしておらず、債務者を代表者としたままであったことが推認される。そうすると、請求人に生じた債務は飽くまで代表者に対するものであり、請求人が借入れの相手先を金融機関としていたとしても、請求人が金融機関から借入れをしたと認められるものではない。

したがって、金融機関に対し利息を支払うべき者は代表者というべきであり、請求人には支払の義務は認められず、代表者に対して求償権が発生したものと認められるから、請求人の損金の額に算入されない。
他方、本件支払利息のうち当座貸越利息及び手形割引料等は、いずれも請求人の責任により生じたものと認められることから、損金の額に算入すべきである。

★リンクはこちら⇒ 請求人が代表者個人から引き継いだとする借入金等に係る支払利息について、その一部は損金の額に算入されるとした事例

2014年4月15日

平成24年度分会社標本調査

国税庁は、平成24年度の会社標本調査の調査結果を報告した。

この調査は、我が国の法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的としている。

★リンクはこちら⇒ 平成24年度分会社標本調査

2014年4月1日

生産性向上設備投資促進税制の生産ラインやオペレーションの改善に資する設備投資計画申請書に関して公認会計士等が実施する「事前確認書(手続実施結果報告書)」の記載例の公表

平成26年1月20日に施行された「産業競争力強化法(平成25年法律第98号)」において、「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)に盛り込まれた施策を確実に実行するため、事業の発展段階に合わせた様々な支援措置(注)が講じられた。

上記支援措置の一つである「生産性向上設備投資促進税制」では、一定の要件を満たした「先端設備(A類型)」や「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)」を事業者が取得し、事業の用に供した場合には、即時償却または税額控除を受けることができることとされている。


B類型において当該税制措置を受けるに当たっては、投資の目的を達成するために必要不可欠な設備か否か等について、経済産業省経済産業局の確認を受けることが求められており、経済産業局の確認を受ける際の申請書の添付書類として、公認会計士または税理士の事前確認書(手続実施結果報告書)の添付が求められている。
上記の申請及び公認会計士または税理士の事前確認に関して、経済産業省のウェブサイトにおいて、
様式1:事業者の申請書
様式2:公認会計士又は税理士による事前確認書(手続実施結果報告書)
等が公表された。

★リンクはこちら⇒ 生産性向上設備投資促進税制

2014年2月24日

平成26年度税制改正における中小企業・小規模事業者関係税制の概要

中小企業庁は、平成26年度税制改正における中小企業・小規模事業者関係税制の概要を公表した。

★リンクはこちら⇒ 平成26年度税制改正における中小企業・小規模事業者関係税制の概要

2014年1月27日

平成25年版法人税申告書の記載の手引

国税庁から、平成25年版法人税申告書の記載の手引が公表された。

記載の順序や各表の記載の仕方が載っている。

リンクはこちら⇒ 平成25年版法人税申告書の記載の手引

2013年7月22日

平成25年度法人税関係法令の改正の概要の説明の追加または補正(平成25年6月6日)

平成25年度法人税関係法令の改正の概要であるが、国税庁が、平成25年6月6日に、以下のとおり、説明の追加または補正を行った。

  • 平成25年5月31日付で法人税法施行令、租税特別措置法施行令及び租税特別措置法施行規則が改正されたことに伴う説明の追加または補正
  • 「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の創設」について、説明の追加

リンクはこちら⇒ 平成25年度 法人税関係法令の改正の概要

2013年7月8日

平成25年4月1日以後に終了する事業年度(連結事業年度)分法人税申告書一覧表

平成25年4月1日以後に終了する事業年度(連結事業年度)分法人税申告書の一覧表が国税庁のHPに掲載されている。

リンクはこちら⇒ 平成25年4月1日以後に終了する事業年度(連結事業年度)分法人税申告書一覧表

2013年7月3日

平成25年度法人税関係法令の改正の概要

国税庁は、『平成25年度法人税関係法令の改正の概要』を公表した。
目次は、以下のとおり。

第1編 租税特別措置法等に関する改正
Ⅰ 減価償却に関する改正
1 国内の設備投資額が増加した場合の機械等の特別償却制度の創設
2 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却制度の創設
3 特定信頼性向上設備の特別償却制度の創設
4 その他
Ⅱ 税額の計算に関する改正
1 国内の設備投資額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の創設
2 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の法人税額の特別控除制度の創設
3 雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の創設
4 その他
Ⅲ 引当金・準備金制度に関する改正
Ⅳ 資産譲渡等の場合の課税の特例制度に関する改正
Ⅴ 国際課税に関する改正
Ⅵ その他の改正
1 中小企業者の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例制度の創設
2 交際費等の損金不算入制度に関する改正
3 その他

第2編 震災特例法に関する改正
Ⅰ 原子力災害からの復興支援措置-企業立地促進区域に係る措置-
1 企業立地促進区域において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の創設
2 企業立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度の創設
Ⅱ 原子力災害からの復興支援措置-避難解除区域等に係る措置-
1 避難解除区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度の整備
2 避難解除区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除制度の整備
Ⅲ その他の改正
1 被災法人について債務免除等がある場合の評価損益等の特例制度の整備

平成25年度法人税関係法令の改正の概要

2013年5月29日

経済対策に関連する平成25年度税制改正の分かりやすい資料

政府は、日本経済再生に向けた取組として、平成25年1月11日に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」をとりまとめた。
このとりまとめに関連し、平成25年1月29日に税制改正大綱を閣議決定し、平成25年度税制改正法案が国会で了承された。

経済産業省が、今回、この税制改正について、業種を問わず活用できる施策を分かりやすく冊子にまとめた。
★リンクはこちら → 経済対策に関連する平成25年度税制改正の分かりやすい資料(既に削除済み)

2013年5月10日

平成25年3月期決算における法人税の改正点(繰越欠損金)

中小法人等以外の法人の青色欠損金の控除限度額は、欠損金控除前所得金額の80%相当になる。

また、すべての法人において平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額は、青色欠損金の繰越期間が7年から9年に延長されている。

中小法人等
各事業年度終了時における資本金の額または出資金の額が1億円以下である普通法人(資本金の額が5億円以上である法人等による完全支配関係がある法人を除く。)、資本もしくは出資を有しない普通法人、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等をいう。

2013年3月29日

平成25年3月期決算における法人税の改正点(貸倒引当金)

貸倒引当金繰入額の損金算入できる法人が限定された。

 適用となる法人  対象となる債権
 中小法人等  金銭債権(従来のまま)
 銀行、保険会社その他これらに準ずる一定の法人  〃
 売買があったものとされるリース資産の対価の額 

に係る金銭債権を有する法人、その他の金融取引 

に係る金銭債権を有する一定の法人
 売買があったものとされる 

リース債権の対価の額に係る 

金銭債権その他一定の金銭債権

ただし、経過措置があり、改正前の繰入限度額をベースに一部損金算入できる。

 事業年度  繰入限度額
 H24.4.1~H25.3.31開始事業年度  改正前の繰入限度額×3/4
 H25.4.1~H26.3.31開始事業年度  改正前の繰入限度額×2/4
 H26.4.1~H27.3.31開始事業年度  改正前の繰入限度額×1/4

2013年3月28日

平成25年3月期決算における法人税の改正点(減価償却)

定率法の償却率が、250%定率法(定額法の償却率×250%)から200%定率法(定額法の償却率×200%)となっている。

なお、平成19年4月1日~平成24年3月31日に取得した250%定率法が適用される減価償却資産につき、平成24年4月1日以降に支出した資本的支出については、所得価額に合算することはできない。
一方、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産については、合算することができる。

2013年3月27日

平成25年3月期決算における法人税の改正点(法人税率)

法人税率が引き下げになっている。
一方で、復興特別法人税が創設された。

 区分  旧  新
 法人税  30%  25.5%
 復興特別法人税  ―  2.55%

2013年3月26日

国税庁の機構

国税庁の機構は、以下のようになっている。

 国税庁
 国税局・沖縄国税事務所  12局(所)  札幌・仙台・関東信越・東京・金沢・名古屋 

・大阪・広島・高松・福岡・熊本・沖縄
 税務署  524署  札幌(30)・仙台(52)・関東信越(63)・東京(84) 

・金沢(15)・名古屋(48)・大阪(83)・広島(50) 

・高松(26)・福岡(31)・熊本(36)・沖縄(6)

2013年3月22日

第三者に対して債務免除を行った場合の貸倒れ

法人が第三者に対して債務免除を行った場合に、その債務免除額は損金の額に算入できるかということであるが、この点、法人の有する金銭債権について、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額は、その明らかにされた日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入することとされている(法人税基本通達9-6-1(4))。
この場合の貸倒損失の計上は、金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合の債務免除の取扱いなので、その債務者が第三者であることをもって無条件に貸倒損失の計上ができるというものではないが、第三者に対して債務免除を行う場合には、金銭債権の回収可能性を充分に検討した上で、やむなく債務免除を行うというのが一般的かと思われるので、一般的には同通達の取扱いにより貸倒れとして損金の額に算入される。

(注)

  • 第三者に対して債務免除を行う場合であっても、同通達に掲げる場合と異なり、金銭債権の弁済を受けることができるにもかかわらず、債務免除を行い、債務者に対して実質的な利益供与を図ったと認められるような場合には、その免除額は税務上貸倒損失には当たらない。
  • 「債務者の債務超過の状態が相当期間継続」しているという場合における「相当期間」とは、債権者が債務者の経営状態をみて回収不能かどうかを判断するために必要な合理的な期間をいうから、形式的に何年ということではなく、個別の事情に応じその期間は異なる。
  • 債務者に対する債務免除の事実は書面により明らかにされていれば足りる。この場合、必ずしも公正証書等の公証力のある書面によることを要しないが、書面の交付の事実を明らかにするためには、債務者から受領書を受け取るか、内容証明郵便等により交付することが望ましいと考えられる。

2012年12月4日RIGHT:

保証人がいる場合の貸倒れ

法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができることとされている(法人税基本通達9-6-2)。
この場合において、保証人があるときには、保証人からも回収できないときに貸倒処理ができる。
たとえば、保証人が生活保護と同程度の収入しかないうえ、その資産からも回収することができないと見込まれるような場合には、実質的に保証人からは回収できないものと考えられる。
したがって、このような場合には、保証人に対して保証債務の履行を求めていない場合であっても、保証人からの回収がないものとして取り扱って、貸倒れとして損金の額に算入することができる。

2012年12月3日

担保物がある場合の貸倒れ

  1. 法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができることとされている(法人税基本通達9-6-2)。
    この場合において、その金銭債権について担保物があるときは、その担保物の処分後の状況によって回収不能かどうかを判断すべきなので、その担保物を処分し、その処分によって受け入れた金額を控除した残額について、その全額が回収できないかどうかを判定することになる。
  2. したがって、原則としては、担保物が劣後抵当権であっても、その担保物を処分した後でなければ貸倒処理を行うことはできない。
    ただし、担保物の適正な評価額からみて、その劣後抵当権が名目的なものであり、実質的に全く担保されていないことが明らかである場合には、担保物はないものと取り扱って差し支えない。
    債権者にとって実質的に全く担保されていないことが判明し、債務者の資産状況、支払能力等からみて貸付金の全額が回収不能と判断される場合、担保物を処分する前であっても貸倒れとして処理することができる。
    なお、担保物の処分によって回収可能な金額がないとは言えない場合には、その担保物を処分した後でなければ貸倒処理することはできない(法人税基本通達9-6-2)。
    また、担保物の処分による回収可能額がないとは言えないケースであっても、回収可能性のある金額が少額に過ぎず、その担保物の処分に多額の費用が掛�%
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税務署

国税庁・国税局では、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」といいます。)において、次のとおり(日付順に掲載)日本産酒類に関する情報発信を行います。

このページには、随時、最新の情報を掲載していきます。(実施済みの取組はこちらに掲載しています。)

7/22~9/12
日本産酒類及び「伝統的酒造り」等の情報発信(於:フェスティバルステーション)

日本産酒類や令和6年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」等をPRするブースを、以下のとおり出展します。

展示期間 令和7年7月22日(火)から9月12日(金)までの53日間
展示場所 フェスティバルステーション
実施主体 国税庁
展示内容 ①日本産酒類、ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」に関するパネル展示
※「伝統的酒造り」の詳細はこちらをご覧ください。
②ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」に関する動画放映
③酒蔵ツーリズムに関するパネルや酒蔵マップの展示
④体験コンテンツ「麹蓋こうじぶたを使った仕舞しまい仕事体験」※ 「麹(こうじ)」は「伝統的酒造り」で重要な役割を果たしており、この「麹づくり」の一部を疑似体験できるコンテンツをご用意しています。
・参考①:「麹ができるまでのプロセス」の御紹介
・参考②:「麹蓋を使った仕舞仕事体験」の御紹介
⑤「もやしもん+」×「伝統的酒造り」のパネル展示※ 「アフタヌーン(講談社)」で連載中の「もやしもん+」の作者・石川雅之さんに書き下ろしていただいた「伝統的酒造り」に関するパネルを展示します。
⑥フォトスポットの設置(「もやしもん+」ほか)

8/13~8/17
関西産酒類及び「伝統的酒造り」の情報発信(於:関西パビリオン)

関西産酒類や「伝統的酒造り」をPRするため、以下のとおりイベントを開催します。

○概要

開催期間 令和7年8月13日(水)から8月17日(日)までの5日間
開催時間 10:00~17:00
開催場所 関西パビリオン(多目的エリア)
実施主体 大阪国税局
内   容 ①試飲
実施回数:1日当たり6回程度(開催時間は未定)
定  員:1回当たり50名程度
②「伝統的酒造り」に係るPRブースの常設(パネル・映像展示を予定)

<参考>
関西パビリオン(外部リンク)

★リンクはこちら⇒ 大阪・関西万博における取組

2025年7月23日


税理士等が「申請書等の取下書」を代理送信することができますか?

令和6年11月から「税務代理権限証書」の「その他の事項」欄に申請書等の取下げの意向を入力のうえ、代理送信いただければ、税務署等において「申請書等の取下書」として取り扱います。

「税務代理権限証書」の作成にあたっては、以下の【作成方法】をご確認いただき、申告等データとは別に「税務代理権限証書」のみ送信してください。

なお、受信通知に以下のワーニングメッセージが表示されますが、「申請書等の取下書」として正常に受け付けておりますので、再度送信いただく必要はありません。
【ワーニングメッセージ】
税務代理権限証書に入力された受付番号及び依頼者の利用者識別番号のいずれかに誤りがあり代理受領欄の選択の有無を確認できませんでした。通知書の代理受領を希望される場合は、入力内容を確認のうえ、税務代理権限証書のみを再度送信してください。

(※1)上記のワーニングメッセージが表示されない場合は、送信先の税務署等へ電話連絡いただきますようお願いいたします。

(※2)以下の取下書については、既定の様式を使用していただくようお願いいたします。
これらの様式は、イメージデータ(PDF)でe-Taxへ送信が可能です。

  • 延納申請取下げ書
  • 物納申請取下げ書
  • 審査請求取下書
  • 審査請求参加取下書
  • 行政文書開示請求取下書
  • 保有個人情報(開示・訂正・利用停止)請求取下書

【作成方法】申請書等の取下げの意向を示す「税務代理権限証書」
税務代理権限証書で「取下」の意思表示を行う場合は、以下の2点にご留意いただき、申告等データとは別に「税務代理権限証書」のみ送信してください。

★留意事項1
⇒「基申告書(申請書)の受付番号」欄には、「123」と入力してください。

⇒ご利用の民間税務ソフトで「123」と入力するとエラーになる場合は、未入力でも差し支えありません。

★留意事項2
⇒「3 その他の事項」欄には「受付番号」、「申請書等の手続名称」及び「取下の意向」を入力してください。

⇒<例>受付番号(xxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxx)の●●税申告書(申請書)について、取下げます。

★リンクはこちら⇒ 税理士等が「申請書等の取下書」を代理送信することができますか?

2025年4月10日


「納税証明に係る交付請求書及び証明書様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

平成14年5月23日付徴管2-17ほか7課共同「納税証明に係る交付請求書及び証明書様式の制定について」(法令解釈通達)の各様式について、別紙「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる事項を「改正後」欄のとおり改正したから、令和7年4月1日以降はこれによられたい。

なお、従前の様式により交付請求がなされた場合においても受理することとして差し支えない。

★リンクはこちら⇒ 「納税証明に係る交付請求書及び証明書様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

2025年4月9日


登記情報連携システムを使用した登記情報の連携に関する合意書(法務省民事局/国税庁)

合意書

法務省民事局(以下「甲」という。)及び国税庁(以下「乙」という。)は、登記情報連携システムを使用した登記情報の連携に当たって、次のとおり合意した。

1 乙の職員は、登記手数料令(昭和24年政令第140号)第18条等の法令の規定に基づき、手数料を納付することなく職務上取得する登記事項証明書の代替として登記情報連携システムを使用して取得した登記情報(以下「登記情報」という。)を当該職務以外の目的に使用し、又は他に漏らしてはならない。

2 上記1の目的を達成するため、乙は、甲に対し、登記情報の取扱い及びこれを処理するシステムに関するセキュリティポリシーを提示する。セキュリティポリシーを変更したときも同様とする。

3 乙は、登記情報等を利用したことに起因して発生した損害(第三者の権利の侵害も含む。)については、自らこれを負担する。

4 登記情報等の適切な管理のための要請等については、次のとおりとする。
一 甲は乙に対し、登記情報等の適切な管理のための措置の実施状況について、報告を求めることができる。

二 甲は、乙の報告に基づき、必要に応じて、当該情報等の適切な管理のための措置の実施について要請を行うことができる。

三 乙は、甲に対し、一の求め又は二の要請があったときは、誠実に対応するものとする。

令和6年12月10日

法務省民事局長   竹 内   努
国税庁次長     小 宮 敦 史

★リンクはこちら⇒ 登記情報連携システムを使用した登記情報の連携に関する合意書(法務省民事局/国税庁)

2025年3月31日


申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)

標題のことについては、下記のとおり定めたので、平成17年4月1日以降はこれにより適正に取り扱われたい。

(目的)
申告書等の閲覧については、法令等により定められたものではないが、「財務省設置法」(平成11年法律第95号)第19条に規定された国税庁の任務である「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達」に資するため、行政サービスとしてこれを実施することとし、その事務処理要領を定めるものである(本事務運営指針において、当該行政サービスを「申告書等閲覧サービス」という。)。

なお、本事務処理要領により行う申告書等閲覧サービスは、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)に規定する保有個人情報の開示請求制度とは異なるものであるが、同法及び「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号)の規定を踏まえ、納税者又はその代理人から当該納税者に係る申告書等の閲覧申請を受けた場合の対応について、当該納税者及び第三者の個人情報(個人番号を含む。)を保護する見地から必要な措置を講ずるものである。

★リンクはこちら⇒ 申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)

2025年2月7日


国税庁レポート2024

国税庁は『国税庁レポート2024』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 国税庁レポート2024

2024年8月2日


令和5年度査察の概要

国税庁は、『令和5年度査察の概要』をホームページに掲載した。

査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としている。

国税査察官は、経済取引の広域化、デジタル化、国際化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施している。

★リンクはこちら⇒ 令和5年度査察の概要

2024年7月31日


パンフレット『国税査察制度~脱税は、犯罪。~』(令和6年6月)

国税庁は、パンフレット『国税査察制度~脱税は、犯罪。~』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ パンフレット『国税査察制度~脱税は、犯罪。~』(令和6年6月)

2024年7月30日


電子帳簿保存法に関する「お問い合わせの多いご質問」(随時更新)

国税庁は、電子帳簿保存法に関する「お問い合わせの多いご質問」に質問を追加した。

★リンクはこちら⇒ 電子帳簿保存法に関する「お問い合わせの多いご質問」(随時更新)

2024年3月22日


パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)

国税庁は、ホームページに「パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)

2023年8月18日


電話等の事前予約による申告相談体制への移行のお知らせ

具体的に書類や事実関係を確認する必要がある場合など、電話での回答が困難な相談内容については、所轄の税務署において面接にて相談を受けている。

面接相談は、面接時間を十分に確保するほか、持参していただく書類などを伝える必要があることから、電話等で事前に相談日時等をご予約いただいている。

入場整理券による個人の確定申告に関する申告相談体制については、令和5年3月16日(木)以降、税務署ごとに順次終了し、電話等の事前予約による申告相談体制に移行していく。

★リンクはこちら⇒ 電話等の事前予約による申告相談体制への移行のお知らせ

2023年3月14日


国税庁ホームページ携帯版サイト閉鎖のお知らせ

国税庁ホームページ携帯版サイト(https://www.nta.go.jp/m/)は、2021年5月31日(月)をもって閉鎖となる。

2021年5月31日(月)以降は、パソコン、スマートフォンなどから国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/)をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 国税庁ホームページ携帯版サイト閉鎖のお知らせ

2021年5月19日


税務署の内部事務のセンター化について

<内部事務のセンター化の概要>
国税庁では、内部事務の効率化・高度化を図るとともに、納税者利便の向上や外部事務(調査・徴収事務)の充実・高度化を目指し、令和元年7月から、複数の税務署(対象署)の内部事務(※)を専担部署(センター)で集約処理する「内部事務のセンター化」の試行に取り組んでいる。

令和3年7月からは、国税局の組織として「業務センター室」(仮称)を設置するなど国税組織の体制を変更した上で、一部の税務署を対象とした「内部事務のセンター化」の実施へ移行する。

()内部事務とは、例えば、申告書の入力処理、申告内容等についての照会文書の発送などの事務をいう。

<納税者や税理士の皆様へのお願い>
内部事務のセンター化は、納税者の皆様の所轄税務署を変更するものではないが、内部事務を処理するため、納税者や税理士の皆様に対し、センターから電話や文書により問合せることがある。

なお、センターから送付する文書によって、行政指導の責任者が国税局長となる場合がある。

令和3年7月以降、内部事務のセンター化の対象となっている税務署(対象署)に、申告書、申請書等を提出する場合は、以下のとおり対応すること。

  • e-Tax(データ)により提出する場合は、従来どおり所轄税務署へ送信。
  • 書面により提出する場合は、郵送でセンターへ送付。

()書面の申告書、申請書等を、センターへ直接持ち込むことはできない。

電話による税務相談や申請書、申告書等の送付は、従来どおり電話相談センターまたは所轄税務署まで問い合わせること。

納税証明書の交付や現金領収、面接による相談等の窓口対応は、従来どおり所轄税務署で行う。

★リンクはこちら⇒ 税務署の内部事務のセンター化について

2021年5月12日


PDFファイルによる電子納税証明書の発行等について

2021年7月から、電子納税証明書について、従来のXMLファイルに加え、PDFファイル(以下「電子納税証明書(PDF)」という。)による発行ができるようになる。

なお、電子納税証明書(PDF)の導入に伴い、納税証明書のデザインが変わる。

パソコンからe-Tax(Web版)にログインし、「納税証明書の交付請求書(電子交付用)」から、PDFデータを選択し、画面表示に従い必要事項を入力し、送信することで電子納税証明書(PDF)の申請ができる。

また、e-Taxでの送信及びメッセージボックスの確認には、マイナンバーカードなどの電子証明書が必要でである。

★リンクはこちら⇒ PDFファイルによる電子納税証明書の発行等について

2021年5月11日


税務署窓口における押印の取扱いについて

令和2年12月21日に「令和3年度税制改正の大綱」が閣議決定され、税務関係書類の押印の見直しについて、以下の方針が示された。

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1) 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(2) 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類
(注1) 国税犯則調査手続における質問調書等への押印については、刑事訴訟手続に準じた取扱いとする。
(注2) 上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用する。
(注3) 上記の改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。

この閣議決定に基づき、全国の税務署窓口においては、本件見直しの対象となる税務関係書類について押印がなくとも改めて求めないこととする。

★リンクはこちら⇒ 税務署窓口における押印の取扱いについて

2021年1月8日


令和元年度における再調査の請求の概要

  • 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁(税務署長など)に対する再調査の請求や国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。
  • このうち、「再調査の請求」は、税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続である。
  • 国税庁においては、納税者の権利利益の救済及び行政の適正な運営の確保という制度の趣旨を踏まえた適切な不服申立事務の遂行に努めている。

1.再調査の請求の発生状況
再調査の請求の発生件数は1,359件で、前年度より33.5%減少

2.再調査の請求の処理状況
再調査の請求における認容割合は12.4%

★リンクはこちら⇒ 令和元年度における再調査の請求の概要

2020年7月30日


令和元年度における訴訟の概要(令和2年6月)

  • 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する再調査の請求及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。
  • 納税者は、上記の行政上の不服申立てを経た後、なお不服があるときは、裁判所に対して「訴訟」を提起することができる。
  • 国税庁においては、法務当局とも連携し訴訟事務の適切な遂行に努めている。

1.訴訟の発生状況
訴訟の発生件数は223件で、前年度より23.2%増加(第一審発生件数は微増)

2.訴訟の終結状況
国側敗訴件数は21件、国側敗訴割合は9.7%

★リンクはこちら⇒ 令和元年度における訴訟の概要(令和2年6月)

2020年7月21日


令和元年度査察の概要

査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としている。

国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施している。

【令和元年度の取組】

  • 検察庁に告発した件数は116件、脱税総額(告発分)は93億円
  • 海外に不正資金を隠す国際事案、無申告ほ脱事案のほか、市場が拡大する分野や時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発
  • 重点事案(注)として、消費税受還付事案11件、無申告ほ脱事案27件、国際事案25件を告発。
  • 国際事案では、海外に不正資金を隠した所得税ほ脱事案で、国外財産調書の不提出犯を初適用。
  • 無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、過去5年間で最も多い27件を告発。
  • その他、インターネット広告会社や消費税還付コンサルにより多額の利益を得た税理士など、市場が拡大する分野や時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発。

(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。

【令和元年度中の判決状況】

  • 124件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、5人に実刑判決
  • 最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役 10 月、他の犯罪と併合されたものが懲役9年。

★リンクはこちら⇒ 令和元年度査察の概要

2020年7月17日


公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について

2019年10月25日の「公用文等における日本人の姓名のローマ字表記に関する関係府省庁連絡会議」において、各府省庁が作成する公用文等において日本人の姓名をローマ字表記する際は、原則として「姓―名」の順で表記することの申合せが行われた。

詳細はリンク先の首相官邸ホームページをご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について

2020年4月20日


国税庁レポート2019

国税庁は、「国税庁レポート2019」を公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 国税庁レポート2019

2019年8月19日


QRコードを利用したコンビニ納付手続の開始について

コンビニ納付は、従来、税務署から交付又は送付されたバーコード付の納付書がなければ利用できなかったが、平成31年(2019年)1月4日(金)以降、自宅等において納付に必要な情報(氏名や税額など)をいわゆる「QRコード」(PDFファイル)として作成・出力することにより可能となる。

利用方法は以下のとおり。

自宅等で作成・出力した「QRコード」(PDFファイル)をコンビニ店舗に持参
いわゆるキオスク端末(「Loppi」や「Famiポート」)に読み取らせることによりバーコード(納付書)が出力
バーコード(納付書)によりレジで納付

(注)詳細な利用方法等については、今後お知らせがある。


1.QRコードの作成・出力方法

(1)確定申告書等作成コーナーからの作成・出力
確定申告書等作成コーナーにおいて、所得税、消費税、贈与税の申告書を作成する際に、QRコードの作成を選択することで、申告書に併せて、QRコード(PDFファイル)を印字した書面が出力(作成)される。
(2)国税庁ホームページからの作成・出力
国税庁ホームページのコンビニ納付用QRコード作成専用画面において、納付に必要な情報(住所、氏名、納付税目、納付金額等)を入力することで、QRコード(PDFファイル)を印字した書面が出力(作成)される。
(注1)納付できる金額は従来のコンビニ納付と同様に30万円以下となる。
(注2)作成したQRコード(PDFファイル)をスマートフォンやタブレット端末に保存し、スマートフォンやタブレット端末の画面に表示してキオスク端末に読み取らせることも可能である。

2.利用可能コンビニ
ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(いずれも「Loppi」端末設置店舗のみ)
ファミリーマート(「Famiポート」端末設置店舗のみ)

QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標である。

 ★リンクはこちら⇒ QRコードを利用したコンビニ納付手続の開始について

2018年11月13日


「平成30年7月豪雨」により被災された納税者の国税に関する法律に基づく申告・納付等の期限の延長について

この度の平成30年7月豪雨により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

国税庁は、下記の指定地域に納税地のある方について、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出及びその他の書類の提出並びに納付等の期限を延長(地域指定)することとした。

1.対象となる納税者
下記の指定地域に納税地のある方(法人を含む。)

(注)対象地域については、今後の状況を踏まえて見直す可能性がある。

2.延長される期限
平成30年7月5日以後に到来する国税の申告・納付等の期限について、自動的に延長されることとなる。
なお、申告・納付等の期限をいつまで延長するかについては、今後、被災者の状況に十分配慮して検討するとのこと。

3.指定地域外に納税地のある方の期限延長
指定地域外に納税地のある方であっても、今回の豪雨により被災された方については、所轄の税務署長に対して個別に申請することにより、申告・納付等の期限の延長を受けることができるので、状況が落ち着けば、税務署へご相談ください。

 ★リンクはこちら⇒ 「平成30年7月豪雨」により被災された納税者の国税に関する法律に基づく申告・納付等の期限の延長について

2018年8月3日


国税審判官(特定任期付職員)のコラム

国税不服審判所は、国税審判官(特定任期付職員)を志す方の多くが国税不服審判所を身近に感じるとともに、国税審判官の業務に興味・関心を抱いていただけるよう、ホームページに、特定任期付職員によるコラムの掲載を開始した。

コラムは、税理士・弁護士・公認会計士の現職国税審判官がリレー形式で執筆し、毎月1回の掲載を予定している。

ちなみに、第1回は『審判所ってこんなところ』である。

 ★リンクはこちら⇒ 国税審判官(特定任期付職員)のコラム

2018年4月6日


国税庁ホームページリニューアルのお知らせ(2018年3月)

国税庁では、電子政府指針等を踏まえ、ホームページの更なる利便性の向上を図るため、平成30年(2018年)3月31日(土)に国税庁ホームページのリニューアルを行う。

<リニューアルの対象>
国税庁ホームページ(www.nta.go.jpをドメインとするサイト)

※以下のサイトは、今回のリニューアルの対象にはならない。
•国税電子申告・納税システム(e-Tax)(www.e-tax.nta.go.jp)
•確定申告書等作成コーナー(www.keisan.nta.go.jp)
•財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)(www.rosenka.nta.go.jp)
•公売情報(www.koubai.nta.go.jp)
•法人番号公表サイト(www.houjin-bangou.nta.go.jp)
•国税不服審判所(www.kfs.go.jp)

<ご留意いただきたい事項>
リニューアルに当たり、トップページのURL(https://www.nta.go.jp)に変更はないが、情報分類の整理を行ったことから、各ページの掲載場所や全てのページのURLが変更になる。
各ページをブックマークに登録されている方やリンク設定をされている方は、リニューアル後にブックマークの再登録やリンク設定の変更が必要になる。

 ★リンクはこちら⇒ 国税庁ホームページリニューアルのお知らせ(2018年3月)

2018年3月27日


~口座開設等を行う法人の方へ~
金融機関等で法人の方が口座開設等をする際は、「特定法人」に該当するかどうかの確認が必要です!(平成30年2月)

平成27年度税制改正(平成29年1月1日施行)により、平成29年1月1日以後、新たに国内に所在する金融機関等(銀行、証券会社、保険会社、組合、信託等)で口座開設等を行う方(自然人、法人、組合等)は、金融機関等へその方の居住地国等を記載した届出書()の提出が必要となる。

届出書には、氏名・住所(名称・所在地)、居住地国、外国の納税者番号などを記載する必要がある。
詳しくは、リーフレット「~口座開設等を行う方へ~ 金融機関等で口座開設等をする際は、居住地国等を記載した届出書の提出が必要です!」をご覧のこと。

さらに、口座開設等を行う方が法人である場合、「特定法人」に該当するかどうかを確認していただき、「特定法人」に該当するときには、その法人の「実質的支配者」に係る居住地国等についても届出書に記載する必要がある。

 ★リンクはこちら⇒ ~口座開設等を行う法人の方へ~ 金融機関等で法人の方が口座開設等をする際は、「特定法人」に該当するかどうかの確認が必要です!(平成30年2月)

2018年3月13日


「審査請求書作成・提出時のセルフチェックシート」の新設

国税不服審判所は、審査請求をされる方に向けて、審査請求書が正しく作成・提出されるよう、ポイントや誤りやすい点をまとめた「審査請求書作成・提出時のセルフチェックシート」を、ホームページに掲載した。

審査請求書を提出する前に、ご自身で、記載漏れや不備等がないことを確認する際にご活用のこと。

 ★リンクはこちら⇒ 提出書類一覧(審査請求関係)

2018年2月15日


ダイレクト納付口座の複数利用の開始

預貯金口座ごとにあらかじめ「ダイレクト納付利用届出書」を提出することで、平成30年1月4日(木)から、ダイレクト納付の際に利用する預貯金口座を選択することができるようになる。

これにより、例えば、源泉所得税や法人税など、税金の種類別に異なる預貯金口座を使用して、ダイレクト納付が利用できる。

ますます便利なダイレクト納付を、この機会に是非利用しよう。

※1
同一金融機関における複数の預貯金口座のダイレクト納付の利用可否については、「利用可能金融機関一覧」を確認のこと。
※2
各金融機関における複数の預貯金口座の開設の可否については、利用金融機関に確認のこと。

 ★リンクはこちら⇒ ダイレクト納付口座の複数利用の開始

2017年12月20日


平成29年度版暮らしの税情報 Edit

国税庁は、『平成29年度版暮らしの税情報』を、ホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒平成29年度版暮らしの税情報

2017年10月10日

「同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針) Edit

標題のことについては、平成16年2月17日付課審1-3ほか8課共同「同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)の一部を下記のとおり改正したから、平成29年7月1日以後に受け付ける照会に対する文書回答手続等については、これによること。

<趣旨>
同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について、納税者利便の一層の向上の観点から、所要の整備を行うものである。

★リンクはこちら⇒「同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針)(課審1-31 課総2-5 課個1-11 課資1-21 課法1-39 課酒1-28 課評1-7 課消1-11 課軽1-3 査調1-29 平成29年5月23日)

2017年10月4日

「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針)

標題のことについては、平成14年6月28日付課審1-14ほか8課共同「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」(事務運営指針)の一部をリンクのとおり改正したから、平成29年7月1日以後に受け付ける事前照会に対する文書回答手続等については、これによること。

<趣旨>
事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について、納税者利便の一層の向上の観点から、所要の整備を行うものである。

★リンクはこちら⇒ 「事前照会に対する文書回答の事務処理手続等について」の一部改正について(事務運営指針)(課審1-31 課総2-5 課個1-11 課資1-21 課法1-39 課酒1-28 課評1-7 課消1-11 課軽1-3 査調1-29 平成29年5月23日)

2017年7月20日

国税庁レポート2017

国税庁は、『国税庁レポート2017』を、ホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 国税庁レポート2017

2017年7月19日

平成29年2月19日及び2月26日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署

平成28年分確定申告期間中は、平日(月から金曜日)以外でも、一部の税務署では、2月19日と2月26日に限り日曜日も、確定申告の相談・申告書の受付を行う。

閉庁日対応を行う税務署等については、下記リンクを参照のこと。

道府県内の一部の税務署で閉庁日対応を行う場合、確定申告電話相談センターなどで、広く道府県内の納税者の方々からの電話相談にお答えする。
税務署にお越しの際は、なるべく公共交通機関を利用すること。

なお、税務署は、通常、土・日・祝日は閉庁している。

ちなみに、香川県は高松税務署のみである。

★リンクはこちら⇒ 平成29年2月19日及び2月26日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署

2017年2月3日

税務署窓口へ税務関係書類を提出される際の「提出票」作成

平成29年1月から 納税者の方が 税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で申告書・届出書等の税務関係書類を提出される際には、以下のとおり「提出票」を記載・提出することになった。

<施策の概要>
平成29年1月から、税務署に多くのマイナンバー記載書類が提出されることなり、税務行政において社会保障・税番号制度が本格化した 。
これを契機に、重要な個人情報を取り扱う行政関として提出された書類を従来にも増して厳格に管理する必要があることから、納税者(税理士)の方が税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で申告書・届出等の税務関係類を提出される際には、併せて「提出票」の記載・提出をお願いすることした。

<施策の開始時期>
本施策は、原則として平成29年1月から実施している。

税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)で税務関係書類を提出される際、提出票を作成し、提出書類及び提出票を総合窓口へ提出する。
提出票の様式は、税務署総合窓口で渡される。
受付担当者が、提出受付担当者が、提出書類の概要を提出票に記録するとともに、提出書類の収受手続を行う。

★リンクはこちら⇒ 税務署窓口へ税務関係書類を提出される際の「提出票」作成

2017年1月6日

クレジットカード納付

<概要>
クレジットカード納付とは、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ、国税の納付の立替払いを委託することにより国税を納付する手続である。
クレジットカード納付は、平成29年1月4日8時30分からサービスを開始することとしており、同日10時00分に当ページから専用のWebサイトにアクセスを可能とする更新を行う予定である。

<対象となる国税>
申告所得税及び復興特別所得税法人税消費税及び地方消費税、贈与税、酒税などほぼ全ての税目で利用可能である(一部対象外の税目がある。)。
詳しくは下記リンクの『クレジットカード納付のQ&A』を参照のこと。

<ご準備いただくもの>
納付する税目や金額のわかるもの(確定申告書など)と、利用するクレジットカード

<受付時間>
24時間利用可能
※メンテナンス作業等でご利用いただけない時間が生じる場合がある。

<注意事項>
1.クレジットカード納付では、納付税額に応じた決済手数料がかかる。
※決済手数料は、国の収入になるものではない。
2.クレジットカード納付ができる金額は、1,000万円未満、かつ、ご利用になるクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)である。
3.利用可能なクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARDである。
4.領収証書は発行されない。
※領収証書が必要な方は、最寄りの金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付のこと。
5.「国税クレジットカードお支払サイト」での納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできない。
6.納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることはできない。
7.国税のクレジットカード納付はインターネット上のみの手続であり、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では、クレジットカードによる納付はできない。
8.クレジットカード納付をしてから、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで、3週間程度かかる場合がある。

<クレジットカード納付の方法>
・インターネットの利用が可能なパソコン、スマートフォン及びタブレット端末から「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスする。
※アクセス方法
①国税庁ホームページから
国税庁ホームページで「国税クレジットカードお支払サイト」をクリックしてアクセス(平成29年1月4日からアクセス可能)
②確定申告書等作成コーナーから
確定申告書等作成コーナーで、納税額のある申告書を作成した場合などに表示される納付方法の案内画面からアクセス(平成29年1月4日からアクセス可能)
③サイトの検索等
各種検索エンジンで「国税クレジットカード納付」と検索していただくか、サイトURL「https://kokuzei.noufu.jp」を入力してアクセス
④e-Tax(国税電子申告・納税システム)から
平成29年6月からの開始を予定している。
・「国税クレジットカードお支払サイト」での手続は『クレジットカード納付手続の流れ』を参考のこと。

<その他>
その他ご不明な点は、下記リンクの『クレジットカード納付のQ&A』を参照のこと。

★リンクはこちら⇒ クレジットカード納付のQ&A

2016年12月20日

平成29年度税制改正大綱

自民党・公明党は、2016年12月8日に『平成29年度税制改正大綱』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 平成29年度税制改正大綱

2016年12月8日

パンフレット『暮らしの税情報』(平成28年度版)

国税庁は、パンフレット『暮らしの税情報』(平成28年度版)を作成した。

目次は、以下のとおり。

  • 税の基礎知識
  • 給与所得者と税暮らしの中の税不動産と税
  • 贈与・相続と税申告と納税
  • 高齢者や障害者と税
  • 暮らしの中の税
  • 不動産と税 贈与・相続と税
  • 申告と納税
  • その他

★リンクはこちら⇒ パンフレット『暮らしの税情報』(平成28年度版)

2016年8月10日

租税教育の事例集(平成28年5月改訂版)

平成27年4月、租税教育推進関係省庁等協議会(中央租推協)では、租税教育に対する教員等の意識啓発を図ることを目的とし、全国で行われている租税教育の優れた取組事例などを基に、租税教育の事例集を作成した。

租税教育に関係する様々な立場の方に広く御活用いただけるつくりとしているので、よりよい租税教育の授業づくりのため、関連する教科・時間などにおいて、ぜひ活用すること。

★リンクはこちら⇒ 租税教育の事例集(平成28年5月改訂版)

2016年7月11日

添付書類のイメージデータによる提出

e-Taxでの添付書類のイメージデータによる提出については、平成28年4月1日より開始している。
ただし、以下に掲載している添付書類については、平成29年1月4日(水)までは、イメージデータによる提出はできない。
また、平成29年1月3日(火)以前に提出した申告、申請・届出等に係る添付書類については、平成29年1月4日(水)以降もイメージデータによる提出はできない。

<申告>

  1. 所得税確定申告等
  2. 贈与税申告

<申請・届出等>

  1. 所得税関係
  2. 相続税・贈与税関係
  3. 消費税(個人)関係
  4. 電子帳簿保存法関係(個人)

★リンクはこちら⇒ 添付書類のイメージデータによる提出

2016年6月3日

e-Taxの受付日の拡大

e-Taxの受付日については、平成28年5月以降、利用者の利便性向上の観点から、法人税申告書等の提出が多い、5月、8月、11月の最後の土曜日及び日曜日を拡大する。

なお、平成28年5月以降のe-Taxの受付日等は以下のとおり。
1.通常期
【受付日】

  • 月曜日~金曜日(祝日等及び12月29日~1月3日を除く。)
  • 5月、8月、11月の最後の土曜日及び日曜日(月末が土曜日の場合は、最後の日曜日を翌月の最初の日曜日とする。)

【受付時間】

  • 8時30分~24時

【平成28年度における土日対応】

  • 平成28年5月28日(土)、29日(日)
  • 平成28年8月27日(土)、28日(日)
  • 平成28年11月26日(土)、27日(日)

2.所得税等の確定申告時期

  • 全日(土日祝日等を含む。)24時間(メンテナンス時間を除く。)

具体的な期間については、12月上旬にe-Taxのホームページでお知らせする予定である。

★リンクはこちら⇒ e-Taxの受付日の拡大について

2016年5月16日

平成27年度の確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

国税庁は、『平成27年分確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスクの電話混雑予想』を公表した。

それによると、平成27年分確定申告が始まる2月16日前後や3月に入ると「比較的電話が繋がりにくい状況」や「多少お待ちいただく場合がある」と予想しているほか、月曜日や12~16時の時間帯は問い合わせが集中する傾向にあるとしており、問い合わせの際は注意したい。

★リンクはこちら⇒ 平成27年度の確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

2016年1月29日

税務当局における税務代理人の本人確認書類

日本税理士会連合会(日税連)は、税務当局における税務代理人の本人確認について、国税庁及び総務省にその取扱いを確認し、一覧に取りまとめた。

国税関係手続、地方税関係手続ともに、基本的には同様の取扱いとなる。

なお、税務代理権限証書の添付の有無により、実際に番号を提供したとみなされる者及び提出する書類が異なる点に留意すること。

★リンクはこちら⇒ 税務当局における税務代理人の本人確認書類

2016年1月7日

マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!

内閣府のコールセンターや地方公共団体、消費生活センターなどに、マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得を行おうとする電話、メール、手紙、訪問等に関する情報が寄せられている。
注意していただきたい事項、困った場合の相談窓口、これまでに寄せられている相談事例をお知らせしている。

マイナンバー制度をかたった不審な電話、メール、手紙、訪問等には十分注意し、内容に応じて、相談窓口を利用してください。

★リンクはこちら⇒ マイナンバー制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得にご注意ください!

2015年11月19日

社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQページの改修

国税庁は、社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQページを改修した。

申告書等の税務関係書類に個人番号・法人番号を記載しなければならない対象者、申告書等の税務関係書類への個人番号・法人番号の記載時期、法定調書提出義務者等(個人番号関係事務実施者)における本人確認方法など、国税分野における個人番号・法人番号の利用に関するFAQを掲載している。

★リンクはこちら⇒ 社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQページの改修

2015年11月12日

税の役割と税務署の仕事

国税庁は、取組紹介ページ「税の役割と税務署の仕事」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 税の役割と税務署の仕事

2015年11月5日

法人番号公表サイト

法人にもマイナンバーが付与されるが、平成27年10月26日(月)の夕刻以降、通知したものから順次、法人の基本3情報を検索・閲覧することができるようになっている。

このサイトでは、法人番号の指定を受けた者の
1.商号又は名称
2.本店又は主たる事務所の所在地
3.法人番号(基本3情報)
を公表している。

また、「基本3情報ダウンロード」画面より、データをダウンロードすることもできる。

★リンクはこちら⇒ 法人番号公表サイト

2015年10月29日

法人番号指定通知書の転送

国税庁では、本年10月から通知を開始している法人番号について、よくある質問と回答をホームページ上で「法人番号に関するFAQ」として公表している。

この度、当該FAQのうちQ5-2「法人番号指定通知書が届かない場合は、どのようにすればいいのでしょうか。」に、登記上の本店所在地と実態が異なる場合、郵便局の転居・転送サービスを利用することができるとの記載が追加された。

★リンクはこちら⇒ 法人番号指定通知書の転送

2015年10月22日

個人番号カードの交付申請を予定されている方へ

個人の方がe-Taxで申告手続等を行う際に必要な公的個人認証サービスに基づく電子証明書については、現在、「住民基本台帳カード」に格納されているが、平成28年1月以降、「個人番号カード」に格納されることとなる。

この「個人番号カード」の交付申請については、平成27年10月から可能となるが、申請が集中した場合、カードの作成に時間を要し、市区町村窓口における交付が遅れる可能性がある旨の注意が総務省ホームページに掲載されている。

詳しくは、総務省ホームページ「『住民基本台帳カードの電子証明書を利用されている皆様へ』~有効期間満了に伴う失効について~」を確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 住民基本台帳カードの電子証明書を利用されている皆様へ』~有効期間満了に伴う失効について~

2015年10月16日

退職手当金等受給者別支払調書

死亡退職により退職手当等を支払った場合は、「退職所得の源泉徴収票」は提出する必要はなく、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を提出することになる。

支払った日の属する月の翌月15日までに、「退職手当金等受給者別支払調書」に「平成 年 月分 退職手当金等受給者別支払調書合計表」を添付して、納税地等を所轄する税務署長に送付または持参する必要がある。

★リンクはこちら⇒ 退職手当金等受給者別支払調書

2015年9月18日

「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&A(平成26年12月11日)(平成27年8月6日更新)

特定個人情報保護委員会は、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&Aを追加・更新した。

★リンクはこちら⇒ 「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&A(平成26年12月11日)(平成27年8月6日更新)

2015年9月3日

東日本大震災による被災者、 DV・ストーカー行為等・児童虐待等の被害者、 一人暮らしで長期間医療機関・施設に入院・入所されている方へ

平成27年10月以降、国民一人一人の住民票の住所地にマイナンバー(個人番号)が「通知カード」により通知される。
この「通知カード」は、皆さまの住民票の住所地に簡易書留で送付される。

しかしながら、

  • 東日本大震災による被災者
  • ドメスティック・バイオレンス(DV)、ストーカー行為等、児童虐待等の被害者(以下「DV等被害者」という。)
    の方で、住民票を残して、別の場所(居所)にお住まいの方や、
  • 長期間にわたって医療機関・施設等に入院・入所することが見込まれ、かつ、入院・入所期間中は住所地に誰も居住していない方

などについては、住民票の住所地では通知カードを受け取ることができないこと、また、住民票の住所地に送付された通知カードをDV等の加害者が受け取ってしまうことも想定される。

住民票の住所地と異なる場所(居所)にお住まいの方は、居所に生活の本拠がある場合にはそこに住民票を異動することが基本だが、上記のような方については、現在お住まいの場所(居所)を登録すれば、そこに通知カードを送付してもらうことも可能なので、該当する方は居所情報の登録申請をすること。

★リンクはこちら⇒ 東日本大震災による被災者、 DV・ストーカー行為等・児童虐待等の被害者、 一人暮らしで長期間医療機関・施設に入院・入所されている方へ

2015年8月24日

FY2015 Japan Tax Reform

財務省は先日、パンフレット「平成27年度税制改正」の英語版を発刊した。
目次は、以下のとおり。

 Chapter1  Corporate Taxation
 Chapter2  Consumption Taxation
 Chapter3  International Taxation
 Chapter4  Development of the Environment for Tax Payment
 Chapter5  Individual Income Taxation
 Chapter6  Property Taxation

★リンクはこちら⇒ FY2015 Japan Tax Reform

2015年8月17日

パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)

国税庁は、パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)を作成した。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)

2015年8月5日

中小企業・小規模事業者向けのマイナンバー電子書籍(入門編資料、チェックリスト)

日本商工会議所は、経営に役立つ情報を電子書籍で提供する『商工会議所ライブラリー』において、中小企業向けにマイナンバー制度のポイントを絞って分かりやすく説明した『マイナンバー(社会保障・税番号制度)がはじまります!中小企業の皆さんへ(入門編)』および、小規模事業者がマイナンバー導入時に対応すべき内容をまとめた『マイナンバー導入チェックリスト』(いずれも内閣府作成)を掲載した。

★『マイナンバー(社会保障・税番号制度)がはじまります!中小企業の皆さんへ(入門編)』のリンクはこちら⇒ 『マイナンバー(社会保障・税番号制度)がはじまります!中小企業の皆さんへ(入門編)』
★『マイナンバー導入チェックリスト』のリンクはこちら⇒ 『マイナンバー導入チェックリスト』

2015年7月7日

インターネット番組ダイジェスト版

国税庁は、『インターネット番組ダイジェスト版』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ インターネット番組ダイジェスト版(既に削除済み)

2015年6月18日

国税電子申告・納税システム(e-Tax)ご利用案内(平成27年4月)

国税庁は、「国税電子申告・納税システム(e-Tax)ご利用案内(平成27年4月)」をホームページに掲載した。

e-Taxのメリットとしては以下のようなものがある。

  • 税務署へ出向くことなく、インターネットを利用して申告、申請・届出、納付などの手続を行うことができる。
  • 所得税の確定申告において、添付書類(源泉徴収票や医療費の領収書など)の内容を入力して送信することにより、添付を省略することができる。
  • e-Taxで提出された還付申告は、還付金を3週間程度で受け取ることができる。
  • 確定申告書等作成コーナーを利用すれば、自動計算機能等により容易かつ正確に申告書を作成することができる。
  • 納税証明書の交付請求手数料が書面請求の場合よりも安価である。

★リンクはこちら⇒ 国税電子申告・納税システム(e-Tax)ご利用案内(平成27年4月)(既に削除済み)

2015年6月12日

マイナンバーの利用開始日が平成28年1月1日で確定

マイナンバーの利用開始日が、平成28年1月1日で確定した。

既に利用開始日を平成28年1月1日とする予定で周知されていたが、マイナンバー法の施行日を平成27年10月5日とし、同法附則第1条4号に定めるマイナンバーの利用等の施行日を平成28年1月1日とする政令が4月3日に公布されたことから確定した。

平成27年度税制改改正では、マイナンバー導入後、確定申告書等に住民票の写し等の添付が不要になる規定が盛り込まれた。
これらの適用期日は、マイナンバーの利用等の施行日とリンクしてくる。
施行日の確定により、確定申告書等は平成28年1月1日の属する年分以後、相続・贈与税申告書等は平成28年1月1日以後の相続・遺贈・贈与により取得する財産に係るもの、地方税申告書等は平成28年1月1日以後に提出する申告書に適用される。

1人に1つ。マイナンバー

番号制度の概要、メリットや今後のスケジュールについて分かりやすく解説している政府広報のサイトである。

★リンクはこちら⇒ 1人に1つ。マイナンバー

2015年5月8日

法人番号について(ご紹介コーナー)

国税庁は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)」に基づき、法人番号の指定、通知、公表に関する事務を行うこととなった。

国税庁では、法人番号の付番機関として、平成27年10月からの番号の指定、通知、公表業務の適切な実施に向け、法人番号のシステム構築などの準備を進めている。

現在構築中である法人番号の公表サイトの運用開始までの間、このコーナーを通じて、法人番号に関する最新情報を、順次提供していく。

★リンクはこちら⇒ 法人番号について(ご紹介コーナー)

2015年4月23日

国税の番号制度に関する情報

国税庁のホームページで、番号制度の概要・よくある質問や国税関係書類への番号記載時期や国税関係手続の本人確認方法など、番号制度に関連した国税に関する情報をカテゴリー別に整理している。

★リンクはこちら⇒ 国税の番号制度に関する情報

2015年4月14日

平成25年度分会社標本調査結果

国税庁は、平成25年度分会社標本調査結果について、ホームページに掲載した。
平成25年度分の推計調査結果から見た主要な点は、以下のとおりである。

  • 平成25年度分の法人数は259万5,903社で、このうち連結親法人は1,392社、連結子法人は10,171社となっている。
  • 資本金の総額は139兆6,664億円となっている。
  • 平成25年度分の法人数259万5,903社から、連結子法人の数(10,171社)を差し引いた258万5,732社のうち、欠損法人は176万2,596社で、欠損法人の割合は68.2%となっている。
    このうち連結法人(1,392社)について見ると、欠損法人が589社で、欠損法人の割合は42.3%となっている。
  • 営業収入金額は1,493兆4,688億円で、このうち利益計上法人の営業収入金額は、
    1,138兆1,711億円、所得金額は49兆7,926億円で、営業収入金額に対する所得金額の割合(所得率)は4.4%となっている。
  • 利益計上法人における益金処分の内訳を構成比で見ると、社内留保51.1%、支払配当23.0%、法人税額15.3%、その他の社外流出10.6%となっている。
  • 法人税額は10兆1,122億円となっている。また、所得税額控除は2兆885億円、外国税額控除は6,492億円となっている。
  • 繰越欠損金の当期控除額は9兆8,041億円で、翌期繰越額は68兆6,344億円となっている。
  • 交際費等の支出額は3兆825億円で、営業収入金額10万円当たりの交際費等は
    206円となっている。
  • 寄附金の支出額は6,986億円で、営業収入金額10万円当たりの寄附金は47円となっている。
  • 貸倒引当金の期末残高は3兆6,451億円となっている。
  • 当期発生分の減価償却費の損金算入額は35兆6,198億円で、損金算入限度額に対する損金算入の割合は92.3%となっている。

★リンクはこちら⇒ 平成25年度分会社標本調査結果

2015年4月7日

税のはたらきから社会の仕組みを学ぼう(小学生以上向け)

国税庁は、インターネット番組『税のはたらきから社会の仕組みを学ぼう(小学生以上向け)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 税のはたらきから社会の仕組みを学ぼう(小学生以上向け)

2015年3月24日

マイナンバー制度への対応準備のお願い

一般社団法人日本経済団体連合会(いわゆる経団連)が、先日、『マイナンバー制度への対応準備のお願い』を公表した。

マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の導入に向け、2015年10月より、マイナンバー(個人番号)の市区町村から全国民への通知が開始される。
企業においては、給与所得の源泉徴収票の作成、社会保険料の支払・事務手続きなどでマイナンバーの取扱いが必要となり、対象業務の洗い出しや対処方針の決定等、マイナンバー制度への円滑な対応に向けた準備を行う必要がある。
各社においては、政府の事業者向けマイナンバー広報資料や特定個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」を参照のうえ、実務上の対応準備を進めていただきたい。

★リンクはこちら⇒ マイナンバー制度への対応準備のお願い

2015年3月20日

マイナンバー社会保障・税番号制度

内閣官房は先日、2015年10月から導入される『マイナンバー社会保障・税番号制度』についての概要資料等を公表した。

もうすぐ導入する割には、ほとんど知られておらず、もっと広報活動が必要だと思われる。

★リンクはこちら⇒ マイナンバー社会保障・税番号制度

2015年3月10日

インターネット番組「国税庁ホームページの上手な使い方」

国税庁は、インターネット番組「国税庁ホームページの上手な使い方」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ インターネット番組「国税庁ホームページの上手な使い方」

2015年2月5日

平成27年2月22日及び3月1日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署

平成26年分確定申告期間中は、平日(月~金曜日)以外でも、一部の税務署では、平成27年2月22日と3月1日に限り日曜日も、確定申告の相談・申告書の受付を行う。
閉庁日対応を行う税務署等については、ホームページを参照のこと。
ちなみに、香川県は高松税務署のみである。

道府県内の一部の税務署で閉庁日対応を行う場合、確定申告電話相談センターなどで、広く道府県内の納税者の方からの電話相談に答える。
税務署に行く際には、なるべく公共交通機関を利用すること。
なお、税務署は、通常、土・日・祝日は閉庁している。

★リンクはこちら⇒ 平成27年2月22日及び3月1日の日曜日に確定申告の相談を行う税務署(既に削除済み)

2015年2月4日

確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

国税庁は、平成26年分所得税等の確定申告におけるe-Tax利用者へのサービスとして、e-Taxの利用開始のための手続き、e-Taxソフト、確定申告書等作成コーナー及びその利用のためのパソコン操作などに関する問い合わせに電話で対応する専門窓口である「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク」の混雑状況を、ホームページ上のe-Taxサイトに掲載した。
このサービスは、ヘルプデスクに電話をかけてもなかなかつながらないとの声を受ける形で平成23年分所得税等の確定申告期から実施しているものである。

混雑予想は、週間混雑予想(時間帯別)と月間混雑予想(日別)に分かれており、週間混雑予想は、縦軸を日付(1週間)、横軸を利用可能時間(「9時~12時」、「12時~14時」、「14時~17時」、「17時~20時」の4区分)とした表形式中に、ほとんど待たずに電話が繋がる場合は「◎」、比較的電話がつながりやすい場合は「○」、混雑することが予想され、つながるまで時間がかかる場合は「△」、非常に混雑することが予想されるため、つながりやすい時間帯への電話を勧める場合は「▲」で明記している。
また、月間混雑予想は、カレンダー様式を用いて1月19日から3月15日まで日別同様にその日の混雑予想をマークで区分している。

ちなみに現在の予想をみると、申告期限間近では3月9日~11日に「▲」が付いている。また、曜日では「月曜日」、時間帯では「11時~16時」に問い合わせが集中する傾向にあるとしている。

★リンクはこちら⇒ 確定申告期におけるe-Tax・作成コーナーヘルプデスク電話混雑予想

2015年1月30日

査察の役割

<査察調査とは>
査察調査とは、悪質な脱税をしている疑いのある者に対し、犯罪捜査に準じた方法で行われる特別な調査ある。調査に当たる国税査察官には、裁判官の発する許可状を受けて事務所などの捜索をしたり、帳簿などの証拠物件を差し押えたりする強制調査を行う権限が与えられている。

<査察調査の目的>
査察調査は、悪質な脱税者に対して単に免れた税金(本税)や重加算税等を納めさせるだけでなく、検察官への告発を通じて懲役や罰金といった刑罰を科すことを目的としている。

<悪質な脱税者に対する刑事責任の追及>
検察官によって裁判所に起訴され有罪が確定すると、懲役や罰金の刑罰が科される。この刑罰は、10年以下の懲役または1,000万円(脱税額が1,000万円を超える場合は、脱税相当額)以下の罰金となるか、あるいは懲役と罰金の併科となる。

<平成25年度の査察の概要>
平成25年度においては、185件の査察調査に着手し、118件(前年度以前の着手事案を含む。)を検察官に告発した(表1)。
平成25年度中に一審判決が言い渡された査察事件116件のうち、115件の事件において有罪判決が出され、実刑判決が9人に出された(表2)。

(表1)平成25年度の査察調査の状況

着手件数 処理件数 告発件数 告発率 脱税総額 内告発分
185件 185件 118件 63.8% 145億円 117億円

(注)脱税額には、加算税額を含む。

(表2)平成25年度中の査察事件の判決(第一審判決)の状況

判決件数 有罪件数 実刑判決数 一件当たり
犯則税額
一人当たり
懲役月数
一人(社)当たり
罰金額
116件 115件 9人 52百万円 12.9か月 12百万円

(注)一件(人・社)当たりの計数は、他の犯罪との併合事件を除いて算出している。

多くの納税者は適正な申告・納税を行っているが、一部に悪質な脱税者がいることは非常に残念なことである。全国に配置されている国税査察官は、悪質な脱税者に対して厳正な態度で臨み、その告発に全力を挙げている。

★リンクはこちら⇒ 査察の役割(既に削除済み)

2014年10月28日

マイナちゃんのマイナンバー解説

内閣官房は、マイナンバーという言葉自体を知らない方や、言葉は聞いたことがあるけれど内容がよくわからないという方向けにマイナンバー制度に関する基本的な疑問点に答えている。

INDEXは、以下のとおり。

  • マイナンバーって、何?何のために導入されるの?
  • 自分のマイナンバーはいつわかるの?
  • マイナンバーはいつから誰がどのような場面で使うの?
  • マイナンバーは自由に使っていいの?個人情報の管理は安全なの?
  • カードが配布されるの?使い道は?
  • 詳しい情報はどこで分かるの?

★リンクはこちら⇒ マイナちゃんのマイナンバー解説

2014年9月25日

平成26年の「税を考える週間」

国税庁は、国民に租税の意義や役割、税務行政に対する知識と理解を深めてもらうため、1年を通じて租税に関する啓発活動を行っているが、毎年11月11日から11月17日を「税を考える週間」として、集中的に様々な広報広聴施策を実施している。

平成26年の「税を考える週間」は、テーマを「税の役割と税務署の仕事」とし、以下のとおり実施する。

1.インターネットを活用した広報
国税庁の取組等を紹介するコーナーを更新
国税庁ホームページ内の「ご紹介します 税の役割と税務署の仕事」を「税を考える週間」の開催に合わせて更新する。
また、スマートフォン版も更新する。

  • 動画で見る税務署の仕事 調査や徴収などの業務をドラマ仕立てで紹介する。
  • イラストやグラフで見る税の役割と税務署の仕事  国税庁の取組等を分かりやすく最新のデータで紹介する。

ツイッターの活用
「税を考える週間」の開催に合わせて各種情報を提供する。
(YouTubeの国税庁動画チャンネルや、国税庁ホームページのインターネット番組「Web-TAX-TV」などの情報を発信する。

2.講演会の実施や関係民間団体等との連携
職員による講演会や関係民間団体、地方公共団体等と連携してイベントや作品展などを実施する。

2014年8月29日

平成26年度版暮らしの税情報

国税庁は、パンフレット「暮らしの税情報」(平成26年度版)を公表した。

どれだけの方が読まれているのかは分からないが、大変分かりやすいものになっている。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(平成26年度版)

2014年7月1日

6月16日から、スマートフォン等でのe-Taxの利用開始

近年、スマートフォンやタブレット端末(以下、「スマートフォン等」という。)の急速な普及が進み、パソコンの代替としてのアクセス手段の多様化が進んでいる。
これらスマートフォン等の普及や利用者からの意見要望を受けて、利便性の向上を図るため、これまでパソコンでの利用を前提としていたe-Taxのサービスのうち、一部の手続等について、スマートフォン等でのご利用を平成26年6月16日(月)より開始する。

1.新たなサービスの名称

  • 「e-Taxソフト(SP版)」
    ※ e-Taxソフト(SP版)のSPとは【SmartPhone】の略称である。

2.利用できる機能及び手続
以下の機能及び手続が利用できる。

  • e-Taxホームページ(スマートフォン等専用)の閲覧
    スマートフォン等専用のe-Taxホームページにて「重要なお知らせ」及び「お知らせ」の閲覧等ができる。
  • e-Taxソフト(SP版)の利用
    スマートフォン等専用のe-Taxホームページへアクセスし、「e-Taxソフト(SP版)」へのログインにより利用できる。

    利用者情報の登録・確認・変更
    申告・申請等データの基本情報となる氏名、住所等の情報、「税務署からのお知らせ」等を受信するメールアドレスの登録・確認・変更(法人利用者については、利用者情報の確認機能のみ利用が可能。)
    納税
    納付情報登録依頼(税目、納付金額等の納付情報データの作成及び送信等)、ダイレクト納付、インターネットバンキング(金融機関等サイト)へのリンク
    メッセージボックスの確認
    e-Taxに送信した申告・申請等データの送信結果、「税務署からのお知らせ」等の確認
    還付金処理状況の確認
    e-Taxを利用して還付申告を行った場合の、還付金の処理状況の確認

3.推奨環境
スマートフォン等で利用可能なOS及びブラウザ等は、以下のとおり。

  • 対応OS等
    端末 OS バージョン ブラウザ
    Android Android Android4以降 Android Browser
    iPhone iOS iOS6以降 iOS Safari

    ※標準ブラウザ(スマートフォン等に初期搭載されているブラウザ)以外では、正常に動作しない場合がある。

4.利用可能時間
e-Taxソフト(SP版)の利用可能時間は、e-Taxの利用可能時間と同様。
なお、ダイレクト納付(即時納付)及びインターネットバンキングによる電子納税については、e-Taxの利用可能時間内で、かつ、納税手続を行う金融機関のシステムが稼動している時間となる。

2014年6月12日

暮らしを支える税を学ぼう

国税庁は、インターネット番組(Web-TAX-TV)『暮らしを支える税を学ぼう』を作成し、学校教育の中で税の意義や役割などを考えるきっかけとなるような内容を、ドラマ仕立てで紹介している。

★リンクはこちら⇒ 暮らしを支える税を学ぼう

2014年3月18日

税の役割と税務署の仕事

国税庁は、取組み紹介ページ「税の役割と税務署の仕事」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 税の役割と税務署の仕事

2013年11月19日

税を考える週間

11月11日(月)から17日(日)は、『税を考える週間』である。
毎年11月11日から11月17日までを、『税を考える週間』とし、国民の皆様に税の意義や役割についてより能動的に考えていただくとともに、税務行政への理解を深めていただくため、国税庁及び税務署は各種広報広聴活動を行っている。

2013年度は、「税の役割と税務署の仕事」をテーマとし、適正・公平な税務行政の推進や納税者サービスの向上に関する取組を紹介し、特に、e-TaxをはじめとしたITを活用した納税環境の整備について、納税者の皆様から広く意見を聴く。

また、期間中は、国税庁ホームページに『税を考える週間』特集ページを開設し、テーマに即した情報の提供を行う。

★リンクはこちら⇒ 税を考える週間(既に削除済み)

2013年11月8日

国税庁レポート2013

国税庁が、『国税庁レポート2013』を公表した。
平成23年度租税及び印紙収入決算額(一般会計分)を見ると、源泉所得税が11兆円、消費税が10兆円、法人税が9兆円、揮発油税・申告所得税が2兆円、相続税・酒税・たばこ税が1兆円で、合計42兆円で、前年度より増加している。

これらを見ると、法人実効税率の引き下げの代替収入はあるのかという疑問が生じ、消費税の増税はインパクトが大きいが相続税の増税はインパクトはあまりないことが見て取れる。

リンクはこちら⇒  国税庁レポート2013

2013年8月14日

暮らしの税情報(平成25年度版)

国税庁は、パンフレット『暮らしの税情報』(平成25年度版)を公表した。

とても分かりやすいものとなっている。

リンクはこちら⇒ 『暮らしの税情報』(平成25年度版)

2013年7月29日

納税証明書交付請求時の本人確認方法等の変更

平成25年7月から、納税証明書交付請求時の本人確認方法等変更になる。
納税者の大切な情報を保護するために、納税証明書交付請求時の本人確認方法等が以下ののとおり変更された。

<税務署窓口で提示する本人確認書類>
本人(法人の場合は代表者本人)または代理人本人であることを確認する本人確認書類は、以下のとおりとなる。
なお、本人確認書類の種類により、1枚の提示で足りるものと2枚の提示が必要なものに分かれるので、留意すること。

(注1)有効期限のある本人確認書類は、有効期限内のものに限る。
(注2)本人確認書類に記載された識別番号等を控えるので、あらかじめ了承のこと。

~1枚の提示で足りるもの~

  • 運転免許証
  • 写真付き住民基本台帳カード
  • 旅券(パスポート)
  • 海技免状
  • 小型船舶操縦免許証
  • 電気工事士免状
  • 宅地建物取引主任者証
  • 教習資格認定証
  • 船員手帳
  • 戦傷病者手帳
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • 国または地方公共団体の機関が発行した身分・資格証明書(顔写真付き)

~2枚の提示が必要なもの~

  • 写真の貼付のない住民基本台帳カード
  • 国民健康保険、健康保険、船員保険、または介護保険の被保険者証
  • 共済組合員証
  • 国民年金手帳
  • 国民年金、厚生年金保険または船員保険の年金証書
  • 共済年金または恩給の証書
  • 上記に掲げる書類を除く、国または地方公共団体の機関が発行した身分・資格証明書(顔写真なし)※
  • 学生証、法人が発行した身分証明書(顔写真付き)※

(注)「※」を表示した本人確認書類は、「※」を表示していない本人確認書類と組み合わせて提示のこと。「※」を表示した本人確認書類のみを2枚以上ご提示いただいても本人確認できない。

<郵送で請求した場合の納税証明書の送付先>
納税証明書は、原則として本人または法人の住所(納税地)以外には送付できないので、あらかじめ了承のこと。
なお、代理人の住所への送付を希望する場合は、以下の書類が必要となる。
①本人(法人の場合は代表者本人)からの委任状
委任状には、必ず、本人が署名・押印(法人の場合は代表者の署名及び代表者の印鑑を押印)すること。
なお、委任されたかどうかを本人に電話で確認することがあるので、あらかじめ了承のこと。
②代理人本人であることを確認できる書類(<税務署窓口でご提示いただく本人確認書類>を参照)のうち送付先住所が確認できるいずれか1種類の写し
代理人の方の住所及び氏名が記載された面(ページ)の写しが必要となる。
なお、代理人本人であることを確認できる書類に記載された住所以外には送付できないので、あらかじめ了承のこと。
有効期限のある書類は、有効期限が記載されている面(ページ)の写しも同封すること。

(注)
代理人が税理士等である場合は、委任状のほか、税理士等であることを証する書類の写しを同封すれば、税理士等の事務所へ送付できる。

2013年7月1日

租税史料室

税務大学校和光校舎の「租税史料室」は、税に関する貴重な歴史的資料(租税史料)を保存・展示しており、国税庁ホームページ(税務大学校コーナー)を通じて広く一般の方々に租税史料を公開している。
「租税史料室」は、社会人、大学生の方をはじめ、小中学生、高校生等の校外学習の場としても活用でき、開館時間中は、誰でも展示室を見学できるほか、備え付けの音声ガイド(所要時間は約30分)を利用すると、展示史料の解説を聞くことができ大変便利である。

※団体の場合は、事前に連絡すれば、専門スタッフが展示室を案内してくれる。
※展示していない所蔵史料を閲覧希望する方は、租税史料室1階事務室で受付を行っている。

<平成25年度特別展示の案内>
平成25年度特別展示を行う。
平成25年度特別展示のテーマ:「災害からの復興と税」
日本では、過去から様々な災害が発生しており、災害による被害の大きさを物語る租税史料や災害における税との関わり、そして災害からの復興に関する租税史料を展示する。
展示開設期間(予定) 平成25年10月1日(火)~平成26年9月29日(月)
参考:特別展示とは、毎年テーマを定めて行う1年間限定の展示である。

<租税史料の収集に協力を>
「租税史料室」では、所蔵史料の一層の充実を図るため、租税史料の収集に努めている。
皆さんのお近くに、税務行政に関する文書に限らず、図書、写真、器具など人々の暮らしと税との関係が感じられる史料があれば、最寄りの税務署(総務課)まで問い合わせのこと。

2013年6月26日

平成25年度以降のe-Tax受付時間

利用者の利便性の向上を図る観点から、利用者のニーズ、費用対効果を踏まえて受付時間の検討を行った結果、以下のとおり、e-Taxの受付時間を拡大している。

  • 平成25年7月31日(水)まで
    月曜日~金曜日(祝日等及び以下の期間を除く。) 8時30分~21時
    平成25年5月28日(火)~31日(金) 8時30分~22時30分
  • 平成25年8月1日(木)以降
    月曜日~金曜日(祝日等及び年末年始(12月29日
    ~1月3日)並びに以下の期間を除く。)
    8時30分~24時
    確定申告時期(1月第3週月曜日~所得税確定申告期限) 24時間

    ※メンテナンス時間(毎週月曜日0時~8時30分)を除く。
    ※具体的な期間については、2013年12月上旬に国税庁のホームページで知らされる。

2013年4月15日

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相続税

相続税の申告のしかた(令和7年分用)

国税庁は、『相続税の申告のしかた(令和7年分用)』をホームページに公表しました。

この『相続税の申告のしかた(令和7年分用)』は、令和7年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、令和7年1月1日から令和7年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものです。

なお、この申告のしかたでは、所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)による改正前の租税特別措置法を「平成21年改正前の租税特別措置法」と表記しています。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(令和7年分用)

2025年7月9日


相続税の申告書等の様式一覧(令和7年分用)

国税庁は、『相続税の申告書等の様式一覧(令和7年分用)』をホームページに公表しました。

(注1)
こちらに掲載されている申告書等は、令和7年1月1日から令和7年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告に使用するものです。

(注2)
「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となります。

なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者又は相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいいます。

詳しくは、「相続税の申告のしかた(令和7年分)」の75ページからの「相続税の申告書の記載例等」をご確認ください。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(令和7年分用)

2025年7月7日


事業協同組合の出資持分の価額は財産評価基本通達196に定める評価方法(純資産価額)に基づき評価するのが相当であるとした事例

  • 平成29年4月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和6年4月11日裁決

<ポイント>
本事例は、本件における事業協同組合の出資持分が究極的には当該組合の純資産価額を体現したものといえるものであり、評価に当たって財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めを適用することが合理的であると判断したものである。

<要旨>
請求人は、その主張する相続により取得した事業協同組合の出資持分(本件持分)の価額は、当該組合の定款(本件定款)に定める脱退組合員の払戻金を根拠として組合員の間でも適正価額として流通していたものであるから、当該価額をもって評価すべき旨主張する。

しかしながら、本件定款に当該組合を脱退した際の払戻金を定めていることを前提としても、当該組合の純資産価額を基礎とした持分の価額が出資額を上回っていれば、その差額は当該組合の内部に留保された状態であり、最終的に解散して清算することになれば、純資産価額に基づく財産が分配されることになるから、本件持分は究極的には当該組合の純資産価額を体現したものといえる。

したがって、本件持分の評価に当たっては、財産評価基本通達196《企業組合等の出資の評価》の定めを適用することが合理的であることに加え、本件持分の譲渡には当該組合の承諾が必要であり、市場を通じた不特定多数の当事者間の自由な取引が行われるものではなく、本件持分の価額が組合員の間において請求人が主張する価額と認識されていたとしても、その価額は当事者間において限定的に形成されたものであって、これを本件持分の時価と認めることはできない。

★リンクはこちら⇒ 事業協同組合の出資持分の価額は財産評価基本通達196に定める評価方法(純資産価額)に基づき評価するのが相当であるとした事例

2025年3月11日


市街化調整区域内に所在する宅地について、「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することはできないとした事例

  • 令和2年8月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 棄却
  • 令和6年3月6日裁決

<ポイント>
本事例は、市街化調整区域のうち都市計画法第34条第12号の規定に基づき開発行為の対象となる宅地は、仮に宅地分譲に係る開発行為が可能な区域に所在していたとしても、財産評価基本通達20-2《地積規模の大きな宅地の評価》に定める「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することはできないとしたものである。

<要旨>
請求人らは、相続により取得した各土地(本件各土地)は、市街化調整区域のうち都市計画法第34条第12号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域(12号区域)に所在しており、宅地の分割分譲が可能であって、分割分譲に伴う減価が発生する土地であるため、財産評価基本通達20-2《地積規模の大きな宅地の評価》(本件通達)に定める「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することができる旨主張する。

しかしながら、本件通達に定める「地積規模の大きな宅地」は、「戸建住宅用地としての分割分譲が法的に可能であり、かつ、戸建住宅用地として利用されるのが標準的である地域に所在する宅地」の範囲をもって定められているところ、都市計画法第34条第12号に相当する開発行為としては、分家に伴う住宅、収用対象事業の施行による移転等による建築物、社寺仏閣、研究施設等の建築物の用に供するものが予定されているのであるから、同号の規定に基づく開発行為の対象となる宅地は、仮に宅地分譲に係る開発行為が可能な区域に所在していたとしても、本件通達が適用対象とする当該範囲に含むべきものではないとしたものと解するのが相当である。

したがって、当該範囲に含まれるとする市街化調整区域のうち都市計画法第34条第10号及び第11号の各規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことができる区域に所在する宅地と当該範囲に含まれないとする12号区域に所在する宅地とで本件通達上異なる取扱いを定めていることは合理的なものであって、本件各土地を「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することはできない。

★リンクはこちら⇒ 市街化調整区域内に所在する宅地について、「地積規模の大きな宅地」に準じて評価することはできないとした事例

2025年2月27日


取引相場のない株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反するということはできないとした事例

  • 平成29年7月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和6年3月25日裁決

<ポイント>
本事例は、会社の事業年度の変更及び剰余金の配当が、請求人の相続税の負担を著しく軽減し、これを意図してされたものであり、財産評価基本通達の定める画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するため、当該評価による価額を上回る価額とすることに合理的な理由があると判断したものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁が、財産評価基本通達(評価通達)6《この通達の定めにより難い場合の評価》の定めに基づき、請求人の祖母(本件被相続人)が保有していた取引相場のない株式(本件株式)の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額(原処分庁評価額)によるものとしたことが租税法上の一般原則としての平等原則に違反する旨主張する。

しかしながら、①本件株式を発行する会社(本件会社)の事業年度の変更及びその決算期中の剰余金の配当(本件各行為)を行ったことによって、請求人の納付すべき税額は、本件各行為が行われなかった場合に比べて、約50%もの減少となることから、請求人の相続税の負担は著しく軽減されたといえ、また、②請求人は、本件各行為が近い将来発生することが予想される本件被相続人からの相続において請求人の相続税の負担を減じさせるものであることを知り、かつ、これを期待して、本件各行為に係る各々の臨時株主総会を開催し、本件被相続人らと意思を相通じて賛成の議決権を行使したと推認できるから、本件各行為は請求人の租税負担の軽減をも意図して行われたものということができ、上記①及び②の事情の下においては、本件株式の価額について評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが、本件各行為のような行為をせず、又はすることのできない他の納税者と請求人との間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであり、合理的な理由があると認められるから、本件株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが平等原則に違反するということはできない。

★リンクはこちら⇒ 取引相場のない株式の価額を国税庁長官の指示を受けて評価した価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反するということはできないとした事例

2025年2月26日


戸籍に振り仮名が記載されます

令和5年6月2日、戸籍法(昭和22年法律第224号)の一部改正を含む「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和5年法律第48号。以下「改正法」といいます。)が成立し、同月9日に公布されました。

従前、戸籍においては、氏名の振り仮名は記載事項とされておらず、戸籍上公証されていませんでしたが、この改正法の施行により、戸籍の記載事項に氏名に加えて、新たにその振り仮名が追加されることになりました。

改正法は、令和7年5月26日に施行予定です。

★リンクはこちら⇒ 戸籍に振り仮名が記載されます

2024年11月20日


相続税申告書第11表の様式改訂(令和6年1月以降相続開始分)

相続税申告書第11表(相続税がかかる財産の明細書)については、不動産や預貯金、有価証券などの全ての財産で同じ様式を使用していたが、令和6年1月以降相続開始分の相続税申告書から、各財産の種類別に所在場所や数量等の記載方法を明確化し、申告書作成に当たっての利便性の向上を図ることを目的として、相続税申告書第11表(相続税がかかる財産の明細書)の様式を分割するなどの改訂を行うこととした。

★リンクはこちら⇒ 相続税申告書第11表の様式改訂(令和6年1月以降相続開始分)

2024年10月3日


請求人が相続により取得した土地について、財産評価基本通達に定める評価方法によるべきではない特別の事情があるとは認められず、固定資産税評価額に基づいて当該通達に従って評価された価額は適正な時価を上回るものではないと事実上推認することができると判断した事例

  • 平成28年6月相続開始に係る相続税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • 棄却
  • 令和5年11月9日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が相続により取得した土地についてした、市街化調整区域内に所在することなどにより財産評価基本通達の定める評価方法によるべきではない特別の事情があるとの主張に対し、固定資産税評価額の算定において市街化調整区域の市場の特性等が考慮されており、当該事情には当たらないと判断したものである。

<要旨>
請求人は、相続により取得した土地(本件各土地)について、①市街化調整区域内に所在し、かつ、既存宅地でない土地であること、②本件各土地の上には被相続人等が建築した建物等(本件各建物)があり、本件各土地を売却するには本件各建物の取壊し費用等を負担することから、財産評価基本通達(評価通達)の定める評価方法によるべきではない特別の事情があるとして、本件各土地の時価は、評価通達の定める評価方法に従って算定すべきではなく、③複数の不動産業者に依頼して得た各査定額を基に、高く見積もっても評価通達の定める評価方法による本件各土地の評価額(本件各通達評価額)の2分の1に相当する金額となるから、本件各通達評価額には相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価を上回る違法がある旨主張する。

しかしながら、本件各通達評価額は、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有している評価通達の定める評価方法により算定されており、①本件各土地が既存宅地でない土地であることの宅地利用上の制限については、評価通達の基礎となる固定資産税評価において減価修正がされ本件各通達評価額の算定過程において考慮されていること、②本件土地の上には相続開始日において本件各建物が存在し、居宅等として使用されている状況にあって、本件各建物の取壊し費用等を本件各土地の価額に反映させるべき事情は見当たらないことから、請求人が主張する事情は、いずれも評価通達の定める評価方法によるべきではない特別な事情に該当しない。

なお、③請求人が本件各土地の時価の根拠として主張する上記各査定額は、客観的な数値及び具体的な算定根拠が明らかではないから、本件各土地の時価と認めることはできない。

したがって、本件各通達評価額は適正な時価を上回るものではないと事実上推認することができるから、相続税法第22条に規定する時価を上回る違法があるとは認められない。

★リンクはこちら⇒ 請求人が相続により取得した土地について、財産評価基本通達に定める評価方法によるべきではない特別の事情があるとは認められず、固定資産税評価額に基づいて当該通達に従って評価された価額は適正な時価を上回るものではないと事実上推認することができると判断した事例

2024年9月13日


相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第68条第1項若しくは第2項又は第4項の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
相続税及び贈与税の重加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

2024年8月8


相続税の申告のしかた(令和6年分用)

国税庁は『相続税の申告のしかた(令和6年分用)』をホームページに掲載した。

この「相続税の申告のしかた(令和6年分用)」は、令和6年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、令和6年1月1日から令和6年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものである。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(令和6年分用)

2024年7月5


相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(令和6年3月21日)

所得税法等の一部を改正する法律(令和5年法律第3号)等の施行に伴い、「相続税法基本通達」(法令解釈通達)及び「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)については、令和5年12月1日付課資2-21ほか2課共同「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)により、所要の整備を行ったところであるが、そのあらましについて別添のとおり送付するので、執務の参考とされたい。

なお、単なる条項の異動等その改正の内容が形式的なものについては省略した。

★リンクはこちら⇒ 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(令和6年3月21日)

2024年5月2


相続税法第34条第1項が規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から控除すべき金額は、相続等により財産を取得することに伴って現実に支払義務が生じた金額と解することが相当であるとした事例

  • 連帯納付義務の各納付通知処分
  • 棄却
  • 令和5年6月21日裁決

<ポイント>
本事例は、連帯納付責任限度額の算定において、相続登記に係る登録免許税は、連帯納付の通知処分時までに現実に納付した税額だけを相続等により取得した財産の価額から控除することが相当であることを明らかにしたものである。

<要旨>
請求人らは、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の各納付通知処分(本件各通知処分)について、連帯納付責任の限度額の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から①相続財産の不動産登記を行う場合の司法書士報酬、登録免許税及び印紙税等の各見積額並びに②相続税申告等のための税理士報酬及び本件各通知処分等に対応するための弁護士報酬の各負担額が控除されていないため違法である旨主張する。

しかしながら、相続税法第34条第1項に規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」とは、相続人等が現実に取得した利益の価額に相当する金額であって、現実に支払義務が生じた金額を控除した後の金額と解するのが相当である。

そして、相続税法基本通達34-1(本件通達)において、「相続等により受けた利益の価額」とは、相続等により取得した財産の価額から、相続税法第13条に規定する債務控除の額のほか、相続等により取得した財産に係る相続税額及び登録免許税額を控除した後の金額をいう旨定めているところ、①相続財産である不動産は、いずれも相続による権利の移転の登記がされていないため、司法書士報酬等の各見積額は請求人らに現実に支払義務が生じたものとは認められず、②税理士報酬等は、相続税額のように納税義務に基づいて当然に負担が生じるものではないし、登録免許税額のように一般的に生じるものとも言い難いものであり、本件通達に定める債務控除の額等のいずれにも該当しないことから、請求人らの主張する各金額は、連帯納付責任限度額の算定に当たり相続等により取得した財産の価額から控除することはできない。

★リンクはこちら⇒ 相続税法第34条第1項が規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から控除すべき金額は、相続等により財産を取得することに伴って現実に支払義務が生じた金額と解することが相当であるとした事例

2024年4月4


相続税法第34条第1項が規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から控除すべき金額は、相続等により財産を取得することに伴って現実に支払義務が生じた金額と解することが相当であるとした事例

  • 連帯納付義務の納付通知処分
  • 棄却
  • 令和5年6月21日裁決

<ポイント>
本事例は、連帯納付責任限度額の算定において、相続登記に係る登録免許税は、連帯納付の通知処分時までに現実に納付した税額だけを相続等により取得した財産の価額から控除することが相当であることを明らかにしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁がした相続税の連帯納付義務の納付通知処分(本件通知処分)について、連帯納付責任の限度額の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から①相続財産の不動産登記を行う場合の司法書士報酬、登録免許税及び印紙税等の各見積額並びに②相続税申告等のための税理士報酬及び本件通知処分等に対応するための弁護士報酬の各負担額が控除されていないため違法である旨主張する。

しかしながら、相続税法第34条第1項に規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」とは、相続人等が現実に取得した利益の価額に相当する金額であって、現実に支払義務が生じた金額を控除した後の金額と解するのが相当である。

そして、相続税法基本通達34-1(本件通達)において、「相続等により受けた利益の価額」とは、相続等により取得した財産の価額から、相続税法第13条に規定する債務控除の額のほか、相続等により取得した財産に係る相続税額及び登録免許税額を控除した後の金額をいう旨定めているところ、①相続財産である不動産は、いずれも相続による権利の移転の登記がされていないため、司法書士報酬及び登録免許税等の各見積額は請求人に現実に支払義務が生じたものとは認められず、②税理士報酬等は、相続税額のように納税義務に基づいて当然に負担が生じるものではないし、登録免許税額のように一般的に生じるものとも言い難いものであり、本件通達に定める債務控除の額等のいずれにも該当しないことから、請求人の主張する各金額は、連帯納付責任限度額の算定に当たり相続等により取得した財産の価額から控除することはできない。

★リンクはこちら⇒ 相続税法第34条第1項が規定する「相続等により受けた利益の価額に相当する金額」の算定に当たり、相続等により取得した財産の価額から控除すべき金額は、相続等により財産を取得することに伴って現実に支払義務が生じた金額と解することが相当であるとした事例

2024年3月29


相続開始後にされた修繕工事代金相当額は、相続税の課税価格の計算における債務控除をすることができないと判断した事例

  • 令和元年8月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和5年6月27日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人が生前にした工事請負契約に基づき、相続開始後にされた修繕工事に係る請負代金相当額は、相続開始当時、工事が着工されていないことや、従前どおり賃借人が使用収益していたことなどの現況に照らし、その履行が確実と認められる債務には当たらないと判断したものである。

<要旨>
請求人は、相続により取得した賃貸倉庫に係る修繕工事(本件修繕工事)について、被相続人は、①生前に請負契約を締結していたことから、相続開始日時点に当該請負契約に係る支払債務を負っていたと認められ、また、②民法第606条《賃貸人による修繕等》第1項の規定に基づき、当該賃貸倉庫に係る土間床の修繕義務を負っていたことから、相続税の課税価格の計算上、その請負代金相当額を債務控除することができる旨主張する。

しかしながら、被相続人は、①本件修繕工事の着工日前である相続開始日時点において、その請負代金の支払債務の履行を施工業者から求められる状況になく、その履行の要否すらも不確実な状況にあり、また、②本件修繕工事の着工日までは、従前どおり賃借人が賃貸倉庫を引き続き使用収益していたなどの状況からは、当該賃貸倉庫に係る修繕は、任意の履行が事実上期待されていたにすぎないものであったとみるのが相当であることからすると、当該請負代金の支払債務ないし当該賃貸倉庫に係る修繕義務は、その履行が確実と認められる債務には当たらないというべきであるから、相続税の課税価格の計算上、当該請負代金相当額を債務控除することはできない。

★リンクはこちら⇒ 相続開始後にされた修繕工事代金相当額は、相続税の課税価格の計算における債務控除をすることができないと判断した事例

2024年3月27


令和4年分相続税の申告事績の概要

国税庁は、「令和4年分相続税の申告事績の概要」をホームページに掲載した。

令和4年分における被相続⼈数(死亡者数)は1,569,050⼈(前年対⽐109.0%)だった。

そのうち相続税の申告書の提出に係る被相続⼈数は150,858 ⼈(同112.4%)、その課税価格の総額は20兆6,840 億円(同111.3%)、申告税額の総額は2兆7,989億円(同114.6%)だった。

★リンクはこちら⇒ 令和4年分相続税の申告事績の概要

2024年2月16


「相続税申告書の代理送信等に関するQ&A」の改訂

国税庁は、「相続税申告書の代理送信等に関するQ&A」を改訂した。

★リンクはこちら⇒ 「相続税申告書の代理送信等に関するQ&A」の改訂

2024年2月2


自宅の庭園設備について、評価通達92《附属設備等の評価》の(3)の定めに基づいて評価するのが相当であるとした事例

  • 平成30年9月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和5年3月7日裁決

<ポイント>
本事例は、自宅の庭園設備も、評価通達92《附属設備等の評価》の(3)に定める「庭園設備」として評価することが相当であると判断したものである。

<要旨>
請求人は、被相続人の自宅庭園(本件庭園設備)について、個人宅の庭であり、その立地条件等からしても本件庭園設備を一体として売却できず、また、立木や庭石、灯篭等を個別に売却するとしても買取り価額は低額である上、実際に買手が見つからないことから、交換価値がなく財産評価基本通達(評価通達)は適用されない旨主張する。

しかしながら、評価通達92《附属設備等の評価》の (3)(本件通達)は、「庭園設備」について、家屋の固定資産税評価額に含まれていないことから、金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのものが相続税法に規定する財産であることに照らし、家屋とは別に独立した財産として評価すべきであるとしたものと解するのが相当であるところ、本件庭園設備は、家屋とは別異の設備として、複数の業者によって金銭に見積もることができる経済的価値が認められているものであることからして、家屋とは別に独立した財産として評価すべきものである。

また、本件庭園設備は、造園されたものであるから、庭石商の店頭におけるように、立木や庭石、灯篭等を個別に売却することを前提に評価することは相当ではなく、上記のとおり、経済的価値が認められているものである。

よって、本件庭園設備の相続税の課税価格に算入される価額は、本件通達の定める方法によって評価するのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 自宅の庭園設備について、評価通達92《附属設備等の評価》の(3)の定めに基づいて評価するのが相当であるとした事例

2024年1月16


「相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」の一部改正について(事務運営指針)

平成12年7月3日付課資2-264ほか2課共同「相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」(事務運営指針)の一部を下記のとおり改正したから、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する相続税及び贈与税について処理するものからこれによられたい。

(趣旨)
国税通則法の一部が改正されたことに伴い、所要の整備を図るものである。


別紙「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

★リンクはこちら⇒ 「相続税、贈与税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」の一部改正について(事務運営指針)

2023年8月24


相続税の申告書等の様式一覧(令和5年分用)

国税庁は、ホームページに「相続税の申告書等の様式一覧(令和5年分用)」を掲載した。

(注1)
こちらに掲載されている申告書等は、令和5年1月1日から令和5年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告に使用するものである。

(注2)
「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となる。
なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者または相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいう。

詳しくは、「相続税の申告のしかた(令和5年分)」の75ページからの「相続税の申告書の記載例等」をご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(令和5年分用)

2023年8月16


相続税の申告のしかた(令和5年分用)

国税庁は、ホームページに「相続税の申告のしかた(令和5年分用)」を掲載した。

Ⅰ.この冊子をご利用していただく人
この「相続税の申告のしかた(令和5年分用)」は、令和5年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、令和5年1月1日から令和5年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものです。

Ⅱ.マイナンバー(個人番号)の記載等について
相続や遺贈によって財産を取得した人が、相続税の申告書を提出する際には、申告書にマイナンバーを記載する必要があります。
また、マイナンバーを記載した申告書を提出する際は、税務署で本人確認(番号確認及び身元確認)を行うため、申告書に記載された各相続人等の本人確認書類(108ページ参照)の写しを添付する必要があります(各相続人等のうち税務署の窓口で申告書を提出する方は、ご自身の本人確認書類の写しの添付に代えて、本人確認書類を提示していただいても構いません。)。

Ⅲ.この冊子は、所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)による改正前の租税特別措置法を「平成21年改正前の租税特別措置法」と表記しています。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(令和5年分用)

2023年8月8


令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし

国税庁は、ホームページに「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」を掲載した。

令和5年度税制改正により、相続税法及び租税特別措置法の一部が改正された。

0023006-004

★リンクはこちら⇒ 令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし

2023年7月25


相続税の申告のためのチェックシート(令和5年1月以降提出用)

国税庁は、ホームページに「相続税の申告のためのチェックシート(令和5年1月以降提出用)」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のためのチェックシート(令和5年1月以降提出用)

2023年1月10


令和3事務年度における相続税の調査等の状況

国税庁は、ホームページに「令和3事務年度における相続税の調査等の状況」を掲載した。

令 和 3事務年 度 に お け る相 続 税 の調 査 等 の状 況

★リンクはこちら⇒ 令和3事務年度における相続税の調査等の状況

2022年12月28


令和3年分相続税の申告事績の概要

国税庁は、ホームページに「令和3年分相続税の申告事績の概要」を掲載した。

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★リンクはこちら⇒ 令和3年分相続税の申告事績の概要

2022年12月23


相続税の申告書に計上された預貯金口座から出金された現金並びに配偶者名義及び次男名義の預貯金は、いずれも被相続人に帰属する相続財産とは認められないとした事例

  • 平成30年2月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し
  • 令和4年2月15日裁決

<ポイント>
本事例は、相続税の申告書に計上された預貯金の口座から出金された現金並びに配偶者名義及び次男名義の預貯金について、いずれも被相続人の収入を原資とするものと断定することができないことなどを理由として、被相続人に帰属する相続財産とは認められないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、相続税の申告書(本件申告書)に計上されていない現金(本件現金)、被相続人の配偶者(本件配偶者)名義及び次男名義の預貯金(本件預貯金)は、出捐者や被相続人及び本件配偶者の収入比率などからその帰属を判断すると、いずれも被相続人に帰属する財産である旨主張する。

しかしながら、①本件現金の出金元である本件申告書に計上された預貯金口座で管理運用されていた預貯金の原資が特定できないことや、本件配偶者も収入を得ていたと認められることなどからすると、本件現金には被相続人及び本件配偶者の収入が混在している可能性を否定できない中、審判所においても、被相続人及び本件配偶者の収入比率等により本件現金を合理的にあん分することもできず、また、②本件預貯金についても、本件現金と同様、それらの原資を特定することができず、本件配偶者が管理運用しており、被相続人の収入が混在している可能性を否定できない中、被相続人及び本件配偶者の収入比率等により合理的にあん分することができないのであるから、本件申告書に計上された預貯金及び現金の額を超えて、本件現金、本件預貯金が被相続人に帰属する相続財産として存在していたと断定することはできない。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書に計上された預貯金口座から出金された現金並びに配偶者名義及び次男名義の預貯金は、いずれも被相続人に帰属する相続財産とは認められないとした事例

2022年10月21


評価対象地は、相続開始日において、土壌汚染のある土地と認められ、当該評価対象地の評価に当たり、浄化・改善費用相当額を控除すべきとした事例

  • 平成28年1月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和3年10月8日裁決

<ポイント>
本事例は、法令等により土壌汚染の除去等の措置を講ずる義務が生じていない評価対象地について、相続開始日において、土壌汚染対策法所定の基準を超える特定有害物質を地中に含有していたことが認められ、土壌汚染のある土地と認めるのが相当であるとして、当該評価対象地の評価に当たり、浄化・改善費用相当額を控除すべきとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、評価対象地(本件各土地)は法令等により土壌汚染の除去等の措置を講ずる義務が生じておらず、本件各土地の価格形成に影響を及ぼすような土壌汚染は認められないから、本件各土地の評価に当たり、土壌汚染がないものとした場合の評価額から浄化・改善費用相当額を控除する必要はない旨主張する。

しかしながら、本件各土地は、相続開始日において、土壌汚染対策法所定の基準を超える特定有害物質を地中に含有していたことが認められ、土壌汚染のある土地と認めるのが相当であることから、本件各土地の評価に当たり、浄化・改善費用相当額を控除すべきである。

そして、本件各土地及びその周辺の状況や土壌汚染の状況から、本件各土地について最有効使用ができる最も合理的な土壌汚染の除去等の措置は掘削除去であると認められるところ、請求人が主張する土壌汚染対策工事の各見積額(本件各見積額)の算定過程に特段不合理な点は見当たらず、浄化・改善費用の金額として相当であると認められるので、本件各土地の評価に当たり、土壌汚染がないものとした場合の評価額から、浄化・改善費用相当額として本件各見積額の80%相当額を控除して評価するのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 評価対象地は、相続開始日において、土壌汚染のある土地と認められ、当該評価対象地の評価に当たり、浄化・改善費用相当額を控除すべきとした事例

2022年9月27


租税調査会研究報告第39号「不動産をめぐる課税上の論点整理」

日本公認会計士協会は、2022年5月19日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第39号「不動産をめぐる課税上の論点整理」」を公表した。

不動産は一物四価とも言われており、それぞれの場面で使用される時価が複数存在し、「時価」という概念を画一的に決めることが非常に難しいため、その使用する場面に応じて、どちらの「時価」を使うのかを実務家が常に認識した上で処理を行わなければならない。

本研究報告では、相続時における評価の問題点だけではなく、取得・保有・移転時での問題点、民法と税法との関係性など、多岐にわたって検討しており、実務家が日々取り組んでいる課題そのものを整理して報告するものである。

本研究報告が会員の行う業務の参考となれば幸いである。

★リンクはこちら⇒ 租税調査会研究報告第39号「不動産をめぐる課税上の論点整理」

2022年8月29


相続税の申告書等の様式一覧(令和4年分用)

国税庁は、『相続税の申告書等の様式一覧(令和4年分用)』をホームページに掲載した。

こちらに掲載されている申告書等は、令和4年1月1日から令和4年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告に使用するものである。

「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となる。

なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者または相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいう。

詳しくは、「相続税の申告のしかた(令和4年分)」の75ページからの「相続税の申告書の記載例等」をご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(令和4年分用)

2022年7月19


相続税の申告のしかた(令和4年分用)

国税庁は、『相続税の申告のしかた(令和4年分用)』をホームページに掲載した。

この『相続税の申告のしかた(令和4年分用)』は、令和4年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、令和4年1月1日から令和4年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものである。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(令和4年分用)

2022年7月7


特定農業団体に対し農作業の一部を委託した場合

<照会要旨>
相続税の納税猶予の特例適用者が、農業経営基盤強化促進法第4条第3項に規定する農業経営基盤強化促進事業のうち同項第3号に規定する委託を受けて行う農作業の実施を促進する事業を行う特定農業団体に対し特例農地等に係る農作業の一部を委託した場合、相続税の納税猶予の確定事由に該当するか?

<回答要旨>
相続税の納税猶予の特例適用者が、特定農業団体に対し特例適用農地等に係る農作業の一部を委託した場合であっても、その者が農業経営を継続している場合には、納税猶予の確定事由には該当しない(贈与税の納税猶予についても同様である。)。

(注)
1.農作業とは、例えば米であれば、育苗、耕起、代かき、田植え、基肥、追肥、除草、防除、稲刈り、脱穀、乾燥等をいう。
2.実質的に農業経営を委託したと認められる場合は、納税猶予の確定事由に該当する場合があり得る。

(参考)
特定農業団体とは、農業経営の担い手不足が見込まれる地域において、地縁的まとまりをもつ地権者が、当該地域の農地の3分の2以上について農作業を委託することとして合意した任意組織(民法上の組合又は人格なき社団)であり、組合員との契約に基づき、組合員が所有する農地について委託を受けた農作業を集約して行う団体をいう(基盤法23④)。

組合員は、農作業のうち集約可能な作業(例えば米であれば、耕起、代かき、田植え、稲刈り、脱穀)の全部又は一部を特定農業団体へ委託することが可能であり、また、組合員は、特定農業団体との間で農作業の受託契約を締結することにより、特定農業団体が集約化した農作業に従事することも可能である。


特例農地等について農業経営基盤強化促進法第7条第2号に掲げる事業(農地売渡信託等事業)による信託契約を締結した場合の納税猶予期限の確定

<照会要旨>
農業経営基盤強化促進法第7条第2号に掲げる事業(農地売渡信託等事業)とは、同法第8条第1項の承認を受けた農地中間管理機構(受託者)が、離農又は農業経営規模の縮小を希望する農家(委託者・受益者)が所有する農地の売渡信託の引き受けを行い、その委託者に対しその農地等の評価額の7割以内の資金を無利子で貸し付けるものだが、特例農地等について、この信託を設定した場合には納税猶予期限の確定事由となるか?

<回答要旨>
特例農地等についてこの信託の設定があった場合には、委託者から受託者へ当該農地等に係る管理・処分権が移転するから、納税猶予期限の確定事由となる。

★リンクはこちら⇒ 特例農地等について農業経営基盤強化促進法第7条第2号に掲げる事業(農地売渡信託等事業)による信託契約を締結した場合の納税猶予期限の確定

2022年6月29日


特例適用農地の譲渡代金の一部について代替農地の取得の見積承認申請があった場合

<照会要旨>
農地に係る贈与税の納税猶予の特例の適用を受けた者が、特例適用農地を譲渡し、その譲渡代金の一部をもって代替農地を取得する見込みであるため、租税特別措置法第70条の4第15項に規定する見積承認申請をした場合において、同項第1号に規定する「当該承認に係る譲渡等は、なかったものとみなす。」の解釈については、以下の考え方があるがいずれによるべきか?

  • 甲説
    譲渡代金のうち代替農地等の取得について承認を受けた取得価額の見積額に対応する部分の譲渡等に限り譲渡等がなかったものとみなす。
  • 乙説
    代替農地等の取得についての承認を受けた取得価額の見積額が譲渡等の対価の額の全部であるか一部であるかにかかわらず、当該譲渡等の全部について譲渡等がなかったものとみなす。

<回答要旨>
乙説による。

なお、譲渡があった日から1年を経過する日において代替農地等の取得に充てられなかった部分について譲渡があったものとみなされる。

★リンクはこちら⇒ 特例適用農地の譲渡代金の一部について代替農地の取得の見積承認申請があった場合

2022年6月23日


経営移譲年金の受給資格取得のために経営移譲が行われていた場合の相続税の納税猶予の特例の適用

<照会要旨>
父は経営移譲年金(現行:農業者年金基金法の一部を改正する法律(平成13年法律第39号)附則第8条第1項に規定する経営移譲年金)の支給を受けるため、生前にその所有農地の全部について使用貸借権を設定し長男に農業経営の移譲を行っていた。

父について相続が開始し、父所有の当該農地については、長男と二男が分割して相続により取得した。

この場合、両名は相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
長男については、取得した農地に自己の使用貸借権が設定されているが、これは相続により取得することによって混同により消滅することとなるので、引き続き農業経営を行うなど一定の要件を満たす限り納税猶予の特例の適用が受けられる。

また、二男についても、取得した農地に設定されている長男の使用貸借権を抹消し、農業経営を開始するなど一定の要件を満たす限り納税猶予の特例の適用が受けられる。

★リンクはこちら⇒ 経営移譲年金の受給資格取得のために経営移譲が行われていた場合の相続税の納税猶予の特例の適用

2022年6月21日


養子縁組前に出生した養子の子の代襲相続権の有無

<照会要旨>
以下の場合、被相続人に相続が開始したときに、G、H及びIは、養子Cの代襲相続人となるか?

<回答要旨>
民法第887条第2項に規定する「被相続人の直系卑属」とは、相続開始前に死亡した被相続人の子を通じて「被相続人の直系卑属」でなければならないと解されるから、G、H及びIは養子Cの代襲相続人とならない。

★リンクはこちら⇒ 養子縁組前に出生した養子の子の代襲相続権の有無

2022年6月15日


⺠法の改正(成年年齢引下げ)に伴う贈与税・相続税の改正のあらまし

国税庁は、ホームページに『⺠法の改正(成年年齢引下げ)に伴う贈与税・相続税の改正のあらまし』を掲載した。

⺠法の改正により、2022年4⽉1⽇から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられた。

これに伴い、贈与税・相続税の規定における20歳を基準とする要件についても18歳に引き下げる税制改正が⾏われている。

贈与・相続等の時期によって、受贈者や相続人等の年齢に関する要件が異なっているので、留意すること。

★リンクはこちら⇒ ⺠法の改正(成年年齢引下げ)に伴う贈与税・相続税の改正のあらまし

2022年6月13日


仮換地が指定されている相続税の納税猶予の適用を受けている農地等について特定転用を受けた者が、その後の換地処分により清算金の交付を受けた場合の猶予期限の確定処理

<照会要旨>
仮換地が指定されている相続税の納税猶予の特例の適用を受けているA農地について特定転用の承認を受けた者が、その後の換地処分により清算金の交付を受けた場合には、猶予期限の確定処理はどのように行うのか?

<回答要旨>
換地処分は、相続税の納税猶予の特例の猶予期限の確定事由の一つである「譲渡等」に該当することとされているが、仮換地の指定されている場合の特定転用の申請が、将来、換地処分があったときにおいて、当該換地処分により取得する土地を引き続き共同住宅の敷地として使用することを前提として行われている場合には、当該換地処分は猶予期限の確定事由に該当しない。

なお、換地処分に伴って清算金を取得した場合には、清算金に対応する部分(従前地の面積×清算金の額÷従前地の価額)について換地処分が行われた時に譲渡されたものとして、猶予期限の確定処理を行うことになる。

★リンクはこちら⇒ 仮換地が指定されている相続税の納税猶予の適用を受けている農地等について特定転用を受けた者が、その後の換地処分により清算金の交付を受けた場合の猶予期限の確定処理

2022年6月3日


納税猶予の特例の適用を受けている農地等の大半が収用により譲渡されたために農業経営を廃止した場合の利子税の特例

<照会要旨>
贈与税の納税猶予の特例の適用を受けている農地等の約9割が収用交換等により譲渡されたため、農業経営を廃止した場合、その全ての猶予税額に係る利子税について措置法第70条の8第1項《農地等についての贈与税の納税猶予等に係る利子税の特例》の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
措置法第70条の8第1項の規定の適用要件は、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けている農地等について、特例適用者が、収用交換等による譲渡をしたことにより、措置法第70条の4第35項第2号に掲げる場合に該当することとなった場合に限られている。

そして、同号に掲げる場合に該当することとなった場合とは、同条第4項の規定の適用があった場合、すなわち、その一部が収用交換等により譲渡されたときをいう。

したがって、その農地等のうち収用交換等により譲渡された部分については、措置法第70条の8第1項の規定の適用があるが、譲渡されなかった残余の部分については、同項の規定の適用はない。

★リンクはこちら⇒ 納税猶予の特例の適用を受けている農地等の大半が収用により譲渡されたために農業経営を廃止した場合の利子税の特例

2022年6月2日


未成年者が農業相続人となる場合の農業委員会の証明

<照会要旨>
未成年者が農業相続人となる場合において、農業委員会が証明する「相続税の納税猶予に関する適格者証明書」の「農地等の相続人」欄の記載については、どのようにすればよいか?

<回答要旨>

  • 「住所」欄から「相続開始前において農業に従事した実績の有無」欄までの各欄には、その未成年者の住所等及びその実績を記載する。
  • 「左記の農地等による農業経営の開始年月日」及び「今後引き続き農業経営を行うことに関する事項」欄には、その未成年者に代わり農業経営を行う者についての事項を記載する。
  • 「その他参考事項」欄には、その未成年者に代わり農業経営を行う者の氏名、その未成年者との続柄、その他措置法関係通達70の6-8((農業経営を行う者))後段の取扱いに該当するかどうかの判定上必要な事項を記載するとともに、農地等の相続人である未成年者についての必要な参考事項を記載する。

★リンクはこちら⇒ 未成年者が農業相続人となる場合の農業委員会の証明

2022年5月31日


相続放棄と相続税の納税猶予

<照会要旨>
農業を営む長男が死亡したが、長男には配偶者も子もいないことから、相続人は母親一人である。

母親は、財産を二男に引き継がせることを目的として相続の放棄をし、農業従事者である二男が農地等を相続した場合は、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
長男の相続人である母親が、民法の規定に従い長男の死亡したことを知った時から3か月以内に相続の放棄をした場合には、母親ははじめから相続人とならなかったものとみなされるため、相続人は兄弟である二男となる。

したがって、相続人である二男が農地等を相続した場合には、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができる。

★リンクはこちら⇒ 相続放棄と相続税の納税猶予

2022年5月30日


未成年者が農業相続人となった場合の農業所得の申告

<照会要旨>
未成年者が農業相続人となっており、農業所得はその未成年者に代わって農業経営を行っている親族が申告している。この場合、相続税の納税猶予の特例の適用上、問題はないか?

<回答要旨>
相続または遺贈により農地等を取得した相続人が未成年者に該当し、かつ、その未成年者に代わりその未成年者と住居及び生計を一にする親族が、その未成年者の取得した農地等につき農業経営を行う場合には、当該未成年者が農業経営を行う者に該当するものとして取り扱っているが、この場合において、当該未成年者が所得税の農業所得の申告をしなければならないという要件を課していないことから、相続税の納税猶予の特例の適用上、問題はない。

★リンクはこちら⇒ 未成年者が農業相続人となった場合の農業所得の申告

2022年5月26日


2人以上の者が農地等を共有で相続した場合の納税猶予の特例の可否

<照会要旨>
共同相続人のうち妻と子、兄弟など2人以上の者が遺産分割により共有で農地等を相続した場合において、次に掲げるケースのときに相続税の納税猶予の特例の適用を受けられるのか?
(1)共有者が共に農業を行う場合

(2)共有者のうち一人だけ農業を行う場合

(3)共有者のうち未成年者がいる場合

<回答要旨>
(1)共有者が共に農業を行う場合
相続税の納税猶予の特例の適用要件として農地等を共有で相続した場合を排除していないことから、取得した農業相続人がそれぞれ農業を行うのであれば、それぞれ納税猶予の特例の適用を受けられる。

(2)共有者のうち一人だけ農業を行う場合
相続税の納税猶予の特例の適用要件として相続した農地等において農業経営を行うこととされていることから、農業を行う者は、その取得した農地等の持分について納税猶予の特例の適用を受けられるが、農業を行わない者は、その取得した農地等の持分について納税猶予の特例の適用を受けられない。

(3)共有者のうち未成年者がいる場合
未成年者が農地等を相続した場合には、上記(2)にかかわらず、その未成年者に代わりその未成年者と住居及び生計を一にする親族が、その未成年者の取得した農地等につき農業経営を行う場合には、その未成年者の取得した農地等の持分について納税猶予の特例の適用を受けることができる。

ただし、その未成年者について、次に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、その者が自ら農業経営を行うときを除き、その事実が生じた日において農業経営を廃止したものとみなされる。
〔1〕その未成年者が成年に達したこと(引き続き就学している場合を除く。)
〔2〕その未成年者が成年に達した後、就学を了したこと。
〔3〕その未成年者とその未成年者の取得した農地又は採草放牧地につき農業経営を行っているその未成年者の親族とが住居又は生計を一にしないこととなったこと。
〔4〕その未成年者の取得した農地又は採草放牧地につき農業経営を行っていた親族が農業経営を行わないこととなったこと。

★リンクはこちら⇒ 2人以上の者が農地等を共有で相続した場合の納税猶予の特例の可否

2022年5月24日


同一年中に2人の贈与者から農地等の生前一括贈与を受けた場合

<照会要旨>
同一年中に父と母からそれぞれ農地等の生前一括贈与を受け、その各贈与について贈与税の納税猶予の特例の適用を受けたいと考えている。
この場合、
(1)納税猶予税額の計算はどうなるか?

(2)その適用を受けた後、それらの農地等を譲渡した場合の20%の計算はどのように計算するのか?

(3)一方の贈与者が死亡した場合の納税猶予税額の免除額はどのように計算するのか?

<回答要旨>
(1)贈与税の納税猶予の特例の適用に当たっては、納税猶予税額を父と母から受けたそれぞれの農地等の価額の比によりあん分し、父と母からの贈与に係る納税猶予税額を区分して贈与税の納税猶予の特例の適用を受けることになる。

(2)その譲渡等した農地等が父から贈与を受けたものか母から受けたものかの別により、上記(1)で計算した納税猶予税額を基として各人別に計算する。

(3)父の死亡か、母の死亡かの別により、上記(1)により計算した納税猶予税額が免除される。

★リンクはこちら⇒ 同一年中に2人の贈与者から農地等の生前一括贈与を受けた場合

2022年5月16日


貸付農地がある場合の贈与税の納税猶予の適用

<照会要旨>
農地等の生前一括贈与に該当するかどうかを判定する場合、貸し付けられている農地は除外してよいか?

<回答要旨>
贈与税の納税猶予の特例の適用を受けるためには、贈与者が農業の用に供している農地の全部を推定相続人の一人に贈与しなければならない。

したがって、他に貸し付けられている農地は、贈与者の農業の用に供していた農地には該当しないので、一括贈与する必要はない。

★リンクはこちら⇒ 貸付農地がある場合の贈与税の納税猶予の適用

2022年5月13日


農業所得の申告が贈与者以外の者によって行われていた場合

<照会要旨>
農地等を所有する甲は、会社に勤務しているため農業所得の申告は甲の妻名義で申告している。

今回、所有農地の全部を長男に生前一括贈与するつもりだが、この場合、甲は納税猶予の適用上「農業を営む個人」に該当するか?

<回答要旨>
贈与税の納税猶予の適用にあたって、「農業を営む個人」とは、耕作又は養畜の行為を反復、かつ、継続的に行う個人をいうこととされており、農業を営む個人が必ずしも所得税の課税上、農業の事業主となっていることを要件としていないので、農地等の贈与者が会社に勤務するかたわら農業を営んでいる場合には、その農業所得を妻名義で申告しているときであっても、その贈与者は、農業を営む個人に該当するものとして取り扱われている。

したがって、甲から農地等の一括贈与を受ける長男が、一定の要件を満たすものであれば、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けることができる。

★リンクはこちら⇒ 農業所得の申告が贈与者以外の者によって行われていた場合

2022年5月12日


同一年中に複数の者に贈与した場合

<照会要旨>
甲は7ヘクタールの農地について30年間にわたって農業経営を行ってきたが、その農地のうち2ヘクタールを○年3月に長男A(引き続き3年以上農業に従事)に、残余の農地を同年10月に次男B(引き続き3年以上農業に従事)にそれぞれ贈与した。

この場合、Bは、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
贈与税の納税猶予の特例は、農地等の贈与者が贈与をした日の属する年において他に農地等の贈与をしていないことなど条件として認められるものである。

したがって、A・Bの両名はいずれも贈与税の納税猶予の特例を受けることはできない。

★リンクはこちら⇒ 同一年中に複数の者に贈与した場合

2022年5月11日


農地所有適格法人に貸し付けることとなった農地

<照会要旨>
贈与税(相続税)の納税猶予の特例適用者が、農地所有適格法人の常時従事者となり特例農地等をその法人に貸し付けた場合には、租税特別措置法施行令第40条の6第11項第2号(第40条の7第10項)の規定による20%の計算除外を受けることができるか?

<回答要旨>
租税特別措置法施行令第40条の6第11項第2号(第40条の7第10項)の規定は、農地等を農地所有適格法人に「出資」した場合に適用されることから、貸し付けた場合又は譲渡した場合など、出資に該当しない権利の設定又は移転には、その適用がない。

★リンクはこちら⇒ 農地所有適格法人に貸し付けることとなった農地

2022年5月10日


砂利採取中の土地

<照会要旨>
生前一括贈与(相続)により取得した土地のうちに、贈与者(被相続人)が贈与前(相続開始前)に期限1年の契約でA会社に砂利を採取させているものがある。

この土地は、従前から贈与者(被相続人)が耕作しており、その期限徒過後も農地として耕作する予定である。

このような土地について贈与税(相続税)の納税猶予の適用は受けられるか?

<回答要旨>
贈与の時(相続開始の時)において、国又は地方公共団体等の行う事業のため一時的に農業の用に供することができない土地で、かつ、その時期が、例えば、気温、積雪その他の自然条件により概ね農作物の作付ができない期間、連作の害を防ぐため休耕している期間に当たる場合などその土地の農業上の利用を害さないものと認められるものについては、納税猶予の特例対象農地として取り扱っているが、次に掲げるいずれかに該当するものについては、この取扱いをしていない。

(1) その土地が国又は地方公共団体等の行う事業のため一時的に農業に供することができなくなることについて、公共性、緊急性及び非代替性が認められないもの
(2) その土地を国又は地方公共団体等の行う事業のために農業の用に供することができなくなる期間が、その事業のため必要最小限の期間でないもの又はその土地を農業の用に供することができなくなる期間がその事業のため必要最小限の期間であっても、その期間が1年を超えるもの
(3) 一時的な使用後において、その土地が従前の農地又は採草放牧地と同等以上の利用価値を有する農地又は採草放牧地に復元されることが確実であると認められないもの

したがって、照会の砂利採取中の土地について上記のいずれにも該当せず、他の一定の要件を満たす限り、贈与税(相続税)の納税猶予の適用は受けられる。

なお、砂利の採取については、公共事業による骨材需要に応えるため安定的に供給する必要があること及び陸砂利は限られた地域に分布していることなどから、公共性、緊急性及び非代替性があるものと判断できるため上記(1)には抵触しないと考えられる。

★リンクはこちら⇒ 砂利採取中の土地

2022年5月9日


鉄塔の建替え工事のため仮鉄塔の敷地として一時使用されている土地

<照会要旨>
生前一括贈与(相続)により取得した土地のうちに、贈与者(被相続人)が贈与の前(相続開始の前) にA電力会社に対し送電線の鉄塔の建替え工事のため仮鉄塔の敷地として1年6か月間の契約で貸し付けられているものがある。この土地は、当該貸付けの直前において農地であり、贈与者(被相続人)が耕作していた。

このような土地について贈与税(相続税)の納税猶予の適用は受けられるか?

また、贈与税(相続税)の納税猶予の適用を受けている特例適用農地等(特例農地等)を同様に貸し付けた場合はどうか?

<回答要旨>
1.贈与の時(相続開始の時)において、国又は地方公共団体等の行う事業のため一時的に農業の用に供することができない土地で、かつ、その時期が、例えば、気温、積雪その他の自然条件により概ね農作物の作付ができない期間、連作の害を防ぐため休耕している期間に当たる場合などその土地の農業上の利用を害さないものと認められるものについては、納税猶予の特例対象農地として取り扱っているが、次に掲げるいずれかに該当するものについては、この取扱いをしていない。

(1) その土地が国又は地方公共団体等の行う事業のため一時的に農業に供することができなくなることについて、公共性、緊急性及び非代替性が認められないもの
(2) その土地を国又は地方公共団体等の行う事業のために農業の用に供することができなくなる期間が、その事業のため必要最小限の期間でないもの又はその土地を農業の用に供することができなくなる期間がその事業のため必要最小限の期間であっても、その期間が1年を超えるもの
(3) 一時的な使用後において、その土地が従前の農地又は採草放牧地と同等以上の利用価値を有する農地又は採草放牧地に復元されることが確実であると認められないもの

電力会社の行う送電線の鉄塔の建替え工事は、一般に電力需要に対する安定供給を確保するために必要な工事であるため、公共性及び緊急性があるものと判断できることから上記(1)には抵触しない場合もあるが、その土地がその事業のために農業の用に供することができなくなる期間が1年を超えていることから上記(2)に抵触する。

したがって、A電力会社に対し貸し付けられている土地は、納税猶予の対象となる農地に当たらないことから贈与税(相続税)の納税猶予の適用は受けられない。

2.贈与税(相続税)の納税猶予の適用を受けている特例適用農地等(特例農地等)をA電力会社に貸し付けた場合には、上記1と同様の理由により本取扱いの適用はできないことから納税猶予の継続はできないが、一時的道路用地の貸付特例(措置法第70条の4第18項、第70条の6第22項)の適用を受けたときには、納税猶予が継続される。

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2022年5月6日


農業協同組合の受託経営に係る農地

<照会要旨>
農業協同組合の行う受託農業経営事業に係る農地には、同組合のため使用収益権が設定されているが、当該受託農業経営事業から生ずる収益は、委託者の農業所得として取り扱われているので、当該農地は、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に該当するか?

<回答要旨>
贈与税(相続税)の納税猶予の特例の適用要件の一つとして、贈与者(被相続人)がその適用を受ける農地に係る農業経営を行うこととされており、農作業の全部を農業協同組合に委託した場合には、たとえ、所得税の取扱いにおいて受託農業経営事業から生ずる収益が委託者(特例適用者)の農業所得とされていたとしても、その委託に係る農地は、委託者自身が農業を行っているわけではないので、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の適用を受けることができない。

(注)
受託農業経営事業は、「農業協同組合農業経営受託規程例」に基づき、昭和46年から実施されている。
当該事業を行う場合には、当該農地について農地法第3条第1項の規定による使用収益権が設定されるが、受託者はその使用収益の対価を支払うことはなく、一方、受託農業経営事業から生ずる損益は委託者に帰属することとされている。

★リンクはこちら⇒ 農業協同組合の受託経営に係る農地

2022年4月28日


特例農地等の一部を市に寄附した場合の100分の20の判定

<照会要旨>
相続税の特例農地等の一部を市に寄附した場合には、当該農地等の面積は、一般の譲渡があったときと同様に100分の20の判定に含めることとなるか?

<回答要旨>
現行法上、100分の20の判定の対象外とされる譲渡等は、収用等による譲渡のほか租税特別措置法施行令第40条の7第10項に規定する一定のものに限られており、これには地方公共団体等への寄附は含まれていないので、照会意見のとおり、100分の20の判定に含めることとなる。

★リンクはこちら⇒ 相特例農地等の一部を市に寄附した場合の100分の20の判定

2022年4月27日


広大地の判定に当たり、開発許可面積基準を満たさないことをもって直ちに広大地に該当しないとすることはできないとした事例

  • 平成26年11月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分・全部取消し
  • 令和3年8月3日裁決

<ポイント>
本事例は、広大地の判定に当たり、開発許可面積基準を指標とすることに合理性はあるものの、当該基準を満たさないことをもって直ちに広大地に該当しないとすることはできず、評価対象地の経済的に最も合理的な使用は道路を開設して戸建住宅の敷地とする開発を行うことであるなどとして、評価対象地は広大地に該当すると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当するか否かの判定に当たり、①評価対象地(本件土地)は共同住宅の敷地として利用されており、現に有効利用されていること、②その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく地積が広大かについては、指標となる各自治体が定める開発許可を要する面積基準(開発許可面積基準)を満たすか否かにより判断すべきであること、③本件土地は、路地状開発をすることができ、公共公益的施設用地の負担が必要とは認められないことから、本件土地は広大地に該当しない旨主張する。

しかしながら、①その地域における標準的な宅地の使用は、戸建住宅の敷地としての利用であるから、本件土地は、現に宅地として有効利用されているとは認められないこと、②広大地の判定に当たり、開発許可面積基準を指標とすることに合理性はあるものの、当該基準を満たさないことをもって直ちに広大地に該当しないとすることはできないこと、また、③本件土地の経済的に最も合理的な使用は、道路を開設して戸建住宅の敷地とする開発を行うことであると認められることから、広大地に該当する。

★リンクはこちら⇒ 広大地の判定に当たり、開発許可面積基準を満たさないことをもって直ちに広大地に該当しないとすることはできないとした事例

2022年4月26日


相続税の特例農地等の一部について地役権が設定された場合

<照会要旨>
相続税の特例農地等の一部について、K(株)が上空に電線路を架設するため、地役権を設定し、その対価の支払いを特例適用者が受けた場合には、納税猶予の確定事由に該当するか?

<回答要旨>
地役権の設定は、納税猶予の確定事由に該当しない。

★リンクはこちら⇒ 相続税の特例農地等の一部について地役権が設定された場合

2022年4月25日


請求人の夫名義の預金口座から請求人名義の証券口座に金員が入金されたことは、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しないとした事例

  • 平成27年分の贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和3年7月12日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の夫名義の預金口座から請求人名義の証券口座に金員が入金されたことは、本件の各事情を考慮すれば、当該請求人名義の証券口座において夫の財産がそのまま管理されていたものと評価するのが相当であるとして、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の夫名義の預金口座からの金員が入金(本件入金)された請求人名義の証券口座(本件口座)について、①請求人自身の判断で取引を行っていたこと、②本件口座の投資信託の分配金が請求人名義の普通預金口座に入金されていたこと、③当該分配金等を請求人の所得として確定申告がされていたことから、本件入金は、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当する旨主張する。

しかしながら、①請求人は、本件入金の前後を通じて夫の財産の管理を主体的に行っており、その管理に係る全部の財産について請求人に帰属していたものと認めることはできないから、本件口座において請求人自身の判断で取引を行った事実をもって利益を受けたと認めることはできない上、②分配金等の入金があっても、請求人が私的に費消した事実が認められない本件においては、これを管理・運用していたとの評価の範疇を超えるものとはいえず、③確定申告をしたことは、申告をすれば税金が還付されるとの銀行員の教示に従い深く考えずに行ったものとの請求人の主張が不自然とまではいえず、殊更重要視すべきものとは認められないことなどの各事情を考慮すれば、本件入金によっても、夫の財産は、本件口座においてそのまま管理されていたものと評価するのが相当であるため、本件入金は、請求人に贈与と同様の経済的利益の移転があったものと認めることはできず、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しない。

★リンクはこちら⇒ 請求人の夫名義の預金口座から請求人名義の証券口座に金員が入金されたことは、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しないとした事例

2022年4月22日


納付すべき相続税額が算出されない配偶者についての納税猶予の適用

<照会要旨>
農地に係る相続税の納税猶予の特例の適用上、被相続人の配偶者が子とともに農地を相続により取得し、農業相続人として配偶者の税額軽減の規定を適用したところ、納付すべき相続税額が算出されず、また、農業相続人でないものとして相続税額を計算した場合においても配偶者の税額軽減の規定が適用されて納付すべき税額が算出されないときでも、その配偶者について納税猶予の特例を認めて差し支えないか?

(注)
その配偶者について納税猶予の特例を適用した場合には、その者が取得した農地の価額は、農業投資価格を適用することができるため、納税猶予税額の総額が増加し、他の農業相続人である子の税負担が減少するメリットがある。

<回答要旨>
配偶者について納税猶予の特例が適用されるのは、次に掲げるいずれかの場合に限られる。
①配偶者が農業相続人であるものとして計算すれば納付すべき相続税額が算出される場合で、かつ、農業相続人以外の者であるものとして計算すれば納付すべき相続税額が算出される場合
②配偶者が農業相続人であるものとして計算すれば納付すべき相続税額が算出されない場合で、かつ、農業相続人以外の者であるものとして計算すれば納付すべき相続税額が算出される場合
③配偶者が農業相続人であるものとして計算すれば納付すべき相続税額が算出される場合で、かつ、農業相続人以外の者であるものとして計算すれば納付すべき相続税額が算出されない場合
したがって、照会の場合の配偶者については、納税猶予の特例は認められない。

★リンクはこちら⇒ 納付すべき相続税額が算出されない配偶者についての納税猶予の適用

2022年4月21日


被相続人が毎年一定額を入金していた請求人名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

  • ①平成29年1月相続開始に係る相続税の更正処分及び更正の請求に対する更正処分 一部取消し
  • ②平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の各賦課決定処分 全部取消し、一部取消し
  • ③平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の変更決定処分 →却下
  • 令和3年9月17日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人が、毎年一定の金額を当時未成年であった請求人に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、請求人の唯一の法定代理人である母を介し、請求人名義の普通預金口座に毎年入金していたことにつき、当該母が、その贈与証に基づく贈与を受諾し、入金していたものであるから、当該口座に係る預金は請求人に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の亡父(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった請求人に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、請求人の母を介し、請求人名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、請求人の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が請求人へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から請求人への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。

しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、請求人の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、請求人の唯一の親権者であった請求人の母は、請求人の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から請求人に帰属するものであって、相続財産には含まれない。

★リンクはこちら⇒ 被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

2022年4月20日


修正申告等に係る贈与税(相続税)額の納税猶予に係る加算税

<照会要旨>
贈与税(相続税)の期限内申告に係る修正申告又は更正により増加した税額については、租税特別措置法関係通達70の4-18((修正申告等に係る贈与税額の納税猶予))により特例適用農地等の評価誤り又は計算誤りのみに基づくものだけに限り納税猶予の特例の適用が認められることとされているが、この納税猶予が認められた部分についても加算税が賦課されるか?

<回答要旨>
加算税は、納税猶予の特例の適用が認められる増加した税額についても、一般の例により国税通則法第65条の規定に基づき賦課されることとなる。

★リンクはこちら⇒ 修正申告等に係る贈与税(相続税)額の納税猶予に係る加算税

2022年4月19日


被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

  • ①平成29年1月相続開始に係る相続税の更正処分及び更正の請求に対する更正処分 →一部取消し
  • ②平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の賦課決定処分  →一部取消し
  • ③平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の変更決定処分 →却下
  • 令和3年9月17日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人が、毎年一定の金額を当時未成年であった嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の唯一の法定代理人である母を介し、長女名義の普通預金口座に毎年入金していたことにつき、当該母が、その贈与証に基づく贈与を受諾し、入金していたものであるから、当該口座に係る預金は長女に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の亡父(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、長女の母を介し、長女名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、長女の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が長女へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。

しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母は、長女の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれない。

★リンクはこちら⇒ 被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

2022年4月18日


修正申告等による増差税額の納税猶予の適用

<照会要旨>
相続税の申告期限後、農業相続人以外の者の取得した財産について評価誤りがあり、農業相続人の農業投資価格超過額に対応する相続税額が増加することとなった。

この場合、その増加税額については、租税特別措置法関係通達70の6-18により納税猶予の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
その増差税額については、納税猶予の対象とすることはできない。

(注)
租税特別措置法関係通達70の6-18の趣旨は、特例適用農地等の評価誤り又は税額計算の誤りにのみに基づいて修正申告又は更正があった場合の増差税額について納税猶予の適用を認めるものである。

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2022年4月15日


被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

  • ①平成29年1月相続開始に係る相続税の更正処分及び更正の請求に対する更正処分 一部取消し
  • ②平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の賦課決定処分 一部取消し
  • ③平成27年分の贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分並びに平成29年1月相続開始に係る相続税の修正申告に基づく過少申告加算税の賦課決定処分 棄却
  • ④平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の変更決定処分 →却下
  • 令和3年9月17日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人が、毎年一定の金額を当時未成年であった嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の唯一の法定代理人である母を介し、長女名義の普通預金口座に毎年入金していたことにつき、当該母が、その贈与証に基づく贈与を受諾し、入金していたものであるから、当該口座に係る預金は長女に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の亡父(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、長女の母を介し、長女名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、長女の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が長女へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。

しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母は、長女の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれない。

★リンクはこちら⇒ 被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

2022年4月14日


納税猶予の適用を受ける場合の贈与者の農業に従事していた期間

<照会要旨>
(1)他家(農家)に嫁いだ娘が離婚して実家に戻り農地の贈与を受けた場合において、その娘が他家で農業に従事していた期間は、租税特別措置法施行令第40条の6第6項第2号の「農業に従事」した期間に含まれると解してよろしいか?

(2)租税特別措置法関係通達70の4-11に規定する「農業に関する学科を学んだ期間」の期間中は、受贈者は必ずしも贈与者と住所を一にしている必要はないと解してよろしいか?

<回答要旨>
(1)及び(2)のいずれについても照会意見のとおり解して差し支えない。

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2022年4月13日


被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例

  • ①平成29年1月相続開始に係る相続税の更正処分及び更正の請求に対する更正処分 →一部取消し
  • ②平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の各賦課決定処分及び重加算税の各賦課決定処分並びに過少申告加算税の変更決定処分 →一部取消し
  • ③平成29年1月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の再変更決定処分及び重加算税の変更決定処分 →却下
  • 令和3年9月17日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人が、毎年一定の金額を当時未成年であった嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、長女の唯一の法定代理人である母を介し、長女名義の普通預金口座に毎年入金していたことにつき、当該母が、その贈与証に基づく贈与を受諾し、入金していたものであるから、当該口座に係る預金は長女に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の亡夫(被相続人)が、毎年一定の金額を当時未成年であった被相続人の嫡出でない子(長女)に贈与する旨を記した贈与証(本件贈与証)を作成した上で、長女の母を介し、長女名義の普通預金口座(本件預金口座)に平成13年から平成24年までの間、毎年入金していたことについて、長女の母は、本件贈与証の具体的内容を理解しておらず、被相続人の指示に従い本件預金口座に入金していたにすぎず、当該入金が長女へ贈与されたものとは認識していないから、被相続人から長女への贈与は成立しておらず、本件預金口座に係る預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張する。

しかしながら、本件贈与証の内容は、その理解が特別困難なものとはいえない上、長女の母は、本件贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により本件預金口座へ毎年入金し、本件預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、平成13年当時、長女の唯一の親権者であった長女の母は、長女の法定代理人として、本件贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として本件預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であり、また、本件預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないから、本件預金口座に係る預金は、平成13年の口座開設当初から長女に帰属するものであって、相続財産には含まれない。

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2022年4月12日


相続税の納税猶予の適用を受けることができる農業相続人

<照会要旨>
農業経営を行っていた被相続人の死亡により、被相続人の孫である甲は被相続人の全財産を包括遺贈により取得した。この場合、甲は農地等についての相続税の納税猶予の特例を適用することができるか?

なお、被相続人の相続人は、長男、長女及び二女である。

<回答要旨>
甲は農業相続人に該当しないため、農地等についての相続税の納税猶予の特例を適用することはできない。

(理由)
相続税の納税猶予の適用を受けられる農業相続人は、被相続人の相続人で、一定の要件に該当することにつき農業委員会が証明した者に限られている。

この場合の相続人は民法第5編第2章の規定による相続人(相続を放棄した者及び相続権を失った者を含まない。)をいうから、照会の被相続人の相続人は、長男、長女及び二女であり、孫甲はこれに該当しない。

★リンクはこちら⇒ 相続税の納税猶予の適用を受けることができる農業相続人

2022年4月11日


対象年の前年以前又は対象年に農地法第5条の許可を受けた農地等の贈与を行った場合の贈与税の納税猶予の適用

<照会要旨>
父親から農地等の贈与を受けたが、贈与を受けた年の前年に弟が父親から農地法第5条第1項本文((農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限))の規定による許可を受けた農地の贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けている。この場合、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
租税特別措置法施行令第40条の6第1項の規定により、贈与者が、①贈与をした日の属する年(以下「対象年」という。)の前年以前において、その農業の用に供していた農地をその者の推定相続人に対し贈与をしている場合であって、その農地について相続時精算課税の適用を受けているとき、又は②対象年において、その贈与以外の贈与により農地等を贈与しているときには、農地等を贈与した場合の贈与税の納税猶予の特例の適用を受けることができないこととされている。

ところで、農地法第5条第1項本文の規定による許可を受けた農地を贈与していた場合に納税猶予の特例の適用を受けることができるかどうかについては、法文上、明らかではない。

しかしながら、平成15年度税制改正において、納税猶予の特例を受ける場合の贈与税について要件を付された趣旨が、農業経営の細分化の防止の観点からであることに鑑みると、既に、農業委員会において、農地等以外のものとすることが許可された農地等までを租税特別措置法施行令第40条の6第1項に規定する農地等に含めて考えることは適当でない。

したがって、贈与を受けた前年に弟が父親から農地の贈与を受け、その農地について相続時精算課税の適用を受けている場合であっても、その農地が農地法第5条第1項本文の規定による許可を受けたものである場合には、贈与税の納税猶予の特例の適用の対象として差し支えない。

★リンクはこちら⇒ 対象年の前年以前又は対象年に農地法第5条の許可を受けた農地等の贈与を行った場合の贈与税の納税猶予の適用

2022年4月7日


調整水田に対する納税猶予の適用

<照会要旨>
調整水田とは、米の生産調整のため、各年ごとの市町村水田営農活性化計画により、農地である水田の全部又は一部について、農家の選択により「水を張ることにより常に水稲の生産力が維持される状態に管理」はするが耕作をしないこととした水田をいうが、この調整水田について、納税猶予の適用を受けることができるか?

<回答要旨>
農地法上、農地とは耕作の目的に供される土地をいい(農地法21)、「耕作の目的に供される土地」には、現に耕作される土地のほか、現に耕作されていない土地のうち現状が耕作し得る状態にあり、通常であれば耕作されていると認められるものも含まれると解されている。

したがって、調整水田についても、客観的にみてその現状が耕作の目的に供されるものと認められるものは特例農地等に該当する。

★リンクはこちら⇒ 調整水田に対する納税猶予の適用

2022年4月5日


レジャー農園の用に供されている農地

<照会要旨>
贈与時(相続開始時)においてレジャー農園の用に供されている農地であっても、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に該当するか?

<回答要旨>
贈与時(相続開始時)においてレジャー農園の用に供されている農地であっても、その農地の所有者が、その農地に係る農業経営を自ら行い、利用者はその農地に係る農作業の一部を行うためにその農園に入園するにすぎない場合には、農作業の一部のみを請け負わせている農地と同様、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に該当する。

★リンクはこちら ⇒ レジャー農園の用に供されている農地

2022年3月30日


市民菜園として貸し付けている農地

<照会要旨>
甲は、所有する農地(都市計画法第8条第1項第14号に掲げる生産緑地地区内にある農地ではない。)の一部をA市の条例による市民菜園として貸し付けている。

この農地について贈与税(相続税)の納税猶予の特例の適用を受けることができるか?

なお、この貸付関係を図示すると次のようになる。
(図)

<回答要旨>
市民菜園としてA市に貸し付けられている農地は、甲の農業の用に供されていた農地に該当しないので、その農地等について贈与税(相続税)の納税猶予の特例の適用を受けることができない。

(注)生産緑地地区内にある農地については、租税特別措置法第70条の6の4第2項第3号に規定する農園用地貸付けに該当する場合には、その農地等について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができる(措法70の6の5)。

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2022年3月28日


納税猶予の特例の適用を受けた休耕地をその後転用した場合

<照会要旨>
贈与時(相続開始時)において農業の用に供されていない農地につき、租税特別措置法関係通達70の4-12((贈与者の農業の用に供している農地又は採草放牧地))に掲げる事由により、やむを得ず一時的に休耕しているものとして取り扱った場合において、その後、当該農地について特例適用者がその農地をその者の農業の用に供しないまま転用した場合、その農地については、当初から納税猶予の適用が受けられなかったことになるのか、又は、転用があった時に猶予期限を確定させることになるのか?

<回答要旨>
納税猶予の規定を適用する時において、租税特別措置法関係通達70の4-12(70の6-13)に該当することから農業の用に供されている農地に含まれるとしたものについて、その後その農地をその者の農業の用に供しないまま転用した場合には、農地の転用があった時に猶予期限が確定することとなる。

★リンクはこちら ⇒ 納税猶予の特例の適用を受けた休耕地をその後転用した場合

2022年3月24日


土地区画整理事業に係る土地

<照会要旨>
土地区画整理事業の完了した地域に所在する土地は、たとえ作物を栽培している場合であっても、農地法第2条第1項に規定する農地には該当しないものと考えてよいか?

<回答要旨>
土地区画整理事業の施行地区は、宅地のほか農地も含まれる場合があり、また、土地区画整理事業における換地は、原則として従前の土地の利用状況に照応して行うことが建前となっているので、土地区画整理事業が完了したからといって直ちにその施行地区内の土地が全て宅地になるわけではないことから、農地法第2条第1項に規定する農地に該当するか否かは、その土地の現況に応じて判断することとなる。

なお、区画整理中の土地で当該事業施行中のため農業の用に供することができない土地について、当該事業を施行する直前において農地である場合には、農地に該当する。

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2022年3月22日


農業の用に供されていた農地

<照会要旨>
次の事例の土地は、相続税の納税猶予の適用上、農業の用に供されていた農地と判断されるか?

(1)甲は、土地区画整理組合の設立準備中の○年4月に死亡した。
(2)その準備中、付近の小学校建設のための埋立てがあり、その残土が生じたので、それを組合設立予定者が引き受け農地の一部を埋め立てた。その農地のうちに、甲の所有地があったが、甲のその農地は相続開始時においては農業の用に供されていなかった。

<回答要旨>
照会の農地は、相続開始時には農業の用に供していないため、租税特別措置法関係通達70の6-13(同通達70の4-12を準用)のやむを得ず一時的に休耕している農地に該当するかどうかが問題となる。

照会の場合、埋立ての目的及び埋立て後の現況(農業の用に供し得る状態にあるのかどうか)について検討し、その農地がやむを得ず一時的に休耕地となっているものであり、かつ、近く農業の用に供されることが明らかである場合には、現に農業の用に供されていた農地として取り扱って差し支えない。

★リンクはこちら ⇒ 農業の用に供されていた農地

2022年3月18日


納税猶予の対象となる農地(2)

<照会要旨>
1.農地は現況主義によって判断すると聞いたのが、登記簿上の地目が宅地であっても農地に該当するものがあるか?

2.純農地に係る耕作権の農業投資価格は、耕作権の割合が50%と定められているので、その農地の農業投資価格による価額の50%相当額と解してよろしいか?

<回答要旨>
1.農地の判定に当たっては現況主義によることとされている。

したがって、登記簿上の地目が田・畑等であっても農地に該当しないものがある一方で、宅地であっても農地に該当するものがある。ただし、宅地の休閑地利用等のための家庭菜園のようなものは農地に該当しない。

2.照会意見のとおりである。

★リンクはこちら ⇒ 納税猶予の対象となる農地(2)

2022年3月16日


納税猶予の対象となる農地(1)

<照会要旨>
次に掲げる土地は、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に該当するか?
(1)温室の敷地
(2)畜舎の敷地
(3)農作業場の敷地
(4)農業のかんがい用ため池
(5)養魚に利用している土地
(6)植木の植栽されている土地

<回答要旨>
(1)温室の敷地
贈与時(相続開始時)において温室の敷地となっている土地は、その土地を従前の農地の状態のまま耕作を継続している場合には農地に該当する。しかし、その敷地を農地以外のものとして直接耕作の用に供しない場合、例えば、温室の敷地をコンクリート等で地固めするなど農地以外のものとした場合には、たとえ、その上に土を盛って作物を栽培しているときであっても、温室の敷地は農地に該当しないことから、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に該当しない。なお、農地法第43条第1項の規定に従い、農業委員会に届け出て農地をコンクリート等で覆い同条第2項に規定する農作物栽培高度化施設の用に供される当該農地については、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に該当する。

(2)畜舎の敷地
贈与時(相続開始時)において畜舎の敷地となっている土地は、農地法第2条第1項に規定する農地又は採草放牧地に該当しないことから、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に当たらない。

(3)農作業場の敷地
贈与時(相続開始時)において農作業場の敷地となっている土地は、農地法第2条第1項に規定する農地又は採草放牧地に該当しないことから、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に当たらない。

(4)農業のかんがい用ため池
贈与時(相続開始時)において農業のかんがい用ため池の用に供されている土地は、農地法第2条第1項に規定する農地又は採草放牧地に該当しないことから、準農地に該当する場合を除き、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に当たらない。

(5)養魚に利用している土地
農地には、現に耕作されている土地のほか、その現状が耕作し得る状態にあり、通常であれば耕作されているものが含まれるので、贈与時(相続開始時)において水田を従前の状態のままで水を張って一時的に稚魚を飼育している場合には、当該土地は農地に該当することから、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に当たる。
ただし、当該土地を通常の水田として利用するのに必要な程度を超えたけいはん(畦畔)の補強、本地の掘削などをして養魚池とした場合には、当該土地は農地に該当しないことから、その特例の対象となる農地に当たらない。

(6)植木の植栽されている土地
贈与時(相続開始時)において植木を育成する目的で苗木を植栽し、かつ、その苗木の育成について肥培管理を行っている土地は、農地に該当することから、贈与税(相続税)の納税猶予の特例の対象となる農地に当たる。
ただし、既に育成された植木を販売目的で販売するまでの間一時的に仮植しておく土地は、たとえ、その間その商品価値を維持するための管理が行われているとしても、農地法第2条第1項に規定する農地に該当しないことから、その特例の対象となる農地に当たらない。

(注)
納税猶予の適用を受けた後において、特例農地等を温室の敷地、畜舎の敷地、かんがい用ため池及び農作業場の敷地として利用するためにその農地等を農地等以外のものにした場合であっても、その転用は措置法令第40条の6第9項(措置法令第40条の7第8項)に規定する事務所、作業場、倉庫その他の施設又は使用人の宿舎の敷地にするための転用に該当するので、猶予期限の確定事由に該当しないことに留意すること。

★リンクはこちら ⇒ 納税猶予の対象となる農地(1)

2022年3月14日


相続開始後3年以内に遺産分割された土地について、租税特別措置法第69条の4の適用を受ける場合の更正の請求の期限は、当該土地の遺産分割の日から4か月以内であるとした事例

  • 平成29年11月相続開始に係る相続税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 棄却
  • 令和3年6月22日裁決

<ポイント>
本事例は、租税特別措置法第69条の4の適用について準用される相続税法第32条第1項に規定する更正の請求は、本件特例対象宅地等の遺産分割の日の翌日から4月以内にしたものに限られるとしたものである。

<要旨>
請求人らは、租税特別措置法第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第4項ただし書にある「特例対象宅地等が申告期限から3年以内に分割された」というのは、「全ての相続財産が申告期限から3年以内に分割された」と解釈して、相続税法第32条《更正の請求の特則》第1項の更正の請求を認めるべきであるから、本件の各更正の請求(本件各更正請求)は、相続税法第32条第1項所定の期限内にされたものである旨主張する。

しかしながら、請求人らによって、租税特別措置法第69条の4第1項の規定による特例(本件特例)の対象とした土地(本件土地)は、遺産分割協議書の作成日付の日において遺産分割がされたものと認められるところ、本件各更正請求は、本件特例対象宅地等の価額の計算における本件特例の適用について、申告の時点では未分割であったが、本件土地の遺産分割により「申告期限から3年以内に分割された場合」に該当したことによりされたものであるから、相続税法第32条第1項第1号及び第8号に規定する課税価格及び相続税額が異なることとなったことを知った日についても、本件土地の遺産分割の日(遺産分割協議書が作成された日)であるというべきであり、本件特例の適用についてされる相続税法第32条第1項に規定する更正の請求は、本件土地の遺産分割の日の翌日から4月以内にしたものに限られることとなり、請求人らは、これをしなかったものであるから、その後にされた本件各更正請求が相続税法第32条第1項所定の期限内にされたものに該当することはない。

★リンクはこちら ⇒ 相続開始後3年以内に遺産分割された土地について、租税特別措置法第69条の4の適用を受ける場合の更正の請求の期限は、当該土地の遺産分割の日から4か月以内であるとした事例

2022年3月2日


建物売買に伴い被相続人に生じた債務のうち、当該建物の経済的価値を超える部分については、相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないとした事例②

  • 平成26年12月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和3年6月17日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が被相続人と生前締結した建物売買契約(売主:請求人、買主:被相続人)に伴い被相続人に生じた売買代金相当額の債務について、当該債務のうち、当該建物の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)を超える部分は、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎず、相続開始日現在における消極的財産価値を示すものとはいえないため、相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人が、被相続人と生前に締結した売主を請求人、買主を被相続人とする建物売買契約に伴い被相続人に生じた売買代金相当額の債務(本件債務)は、真正に成立した処分証書が存在し、法的に履行が強制されることから、その全額が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張するのに対し、原処分庁は、本件債務は履行を予定していないことから、その全額が「確実と認められるもの」には該当しない旨主張する。

しかしながら、本件債務の発生原因となった建物売買契約は、建物の売買金額と相続税評価額との間に生じる差額により相続税の軽減効果が期待できるとの提案があった上で締結されたことからすると、本件債務のうち、売買対象となった建物(本件建物)の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)に相当する部分については、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示しているものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎないのであるから、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示すものとはいえない。

したがって、本件債務のうち、本件建物の経済的価値に相当する部分については、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、「確実と認められるもの」には該当しない。

★リンクはこちら ⇒ 建物売買に伴い被相続人に生じた債務のうち、当該建物の経済的価値を超える部分については、相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないとした事例②

2022年2月28日


建物売買に伴い被相続人に生じた債務のうち、当該建物の経済的価値を超える部分については、相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないとした事例①

  • 平成26年12月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和3年6月17日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が被相続人と生前締結した建物売買契約(売主:請求人、買主:被相続人)に伴い被相続人に生じた売買代金相当額の債務について、当該債務のうち、当該建物の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)を超える部分は、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎず、相続開始日現在における消極的財産価値を示すものとはいえないため、相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人が、被相続人と生前に締結した売主を請求人、買主を被相続人とする建物売買契約に伴い被相続人に生じた売買代金相当額の債務(本件債務)は、真正に成立した処分証書が存在し、法的に履行が強制されることから、その全額が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当する旨主張するのに対し、原処分庁は、本件債務は履行を予定していないことから、その全額が「確実と認められるもの」には該当しない旨主張する。

しかしながら、本件債務の発生原因となった建物売買契約は、建物の売買金額と相続税評価額との間に生じる差額により相続税の軽減効果が期待できるとの提案があった上で締結されたことからすると、本件債務のうち、売買対象となった建物(本件建物)の経済的価値(評価通達に基づき算出された評価額)に相当する部分については、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示しているものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、いずれ混同により消滅させるべき債務を、いわば名目的に成立させたにすぎないのであるから、相続開始日時点における債務としての消極的経済価値を示すものとはいえない。

したがって、本件債務のうち、本件建物の経済的価値に相当する部分については、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するものの、本件建物の経済的価値を超える部分については、「確実と認められるもの」には該当しない。

★リンクはこちら ⇒ 建物売買に伴い被相続人に生じた債務のうち、当該建物の経済的価値を超える部分については、相続税の債務控除の対象となる「確実と認められるもの」には該当しないとした事例①

2022年2月24日


前住職から請求人への資金移動により相続税法第66条第4項に規定する贈与者である前住職の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果になるとは認められないとした事例

<ポイント>
本事例は、前住職から請求人への資金移動は、相続税法第66条第4項に規定する財産の贈与に該当すると認められるものの、前住職及びその親族が、請求人の業務運営、財産運用及び解散した場合の財産の帰属等を事実上私的に支配している事実は認められないことから、相続税法第66条《人格のない社団又は財団等に対する課税》第4項に規定する贈与者である前住職の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果となるとは認められないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が相続税法施行令第33条《人格のない社団又は財団等に課される贈与税等の額の計算の方法等》第3項第1号ないし第3号の各要件をいずれも満たしていないことに加え、①前住職から請求人への資金移動(本件資金移動)の時点における請求人の役員の3分の2を前住職及びその親族(前住職ら)で占めており、請求人の業務を自由に裁量できる立場であったこと、②請求人は前住職らに対し、生活費の供与など特別の利益を与えていること、及び③請求人が解散した場合、前住職らに財産が帰属することなどを理由として、前住職から請求人への資金移動により相続税法第66条第4項に規定する贈与者である前住職の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果となる旨主張する。

しかしながら、請求人は上記施行令の規定には該当しないものの、①前住職らによる請求人の業務運営及び財産管理については、請求人の総代が相当程度に監督しているものと認められるほか、前住職らが私的に業務運営や財産管理を行っていたとまでは認められないこと、②前住職らが、本件資金移動の時点において、請求人の財産から私的に生活費などの財産上の利益を享受した事実は見当たらないこと、及び③前住職らが恣意的に請求人を解散し、その財産を私的に支配することができるとはいえないことから、本件資金移動は、前住職から請求人への贈与に該当するとしても、本件資金移動により相続税法第66条第4項に規定する前住職の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果となるとは認められない。

★リンクはこちら ⇒ 前住職から請求人への資金移動により相続税法第66条第4項に規定する贈与者である前住職の親族等の相続税の負担が不当に減少する結果になるとは認められないとした事例

2022年2月21日


令和2年分相続税の申告事績の概要

令和2年分における被相続人数(死亡者数)は1,372,755人(前年対⽐99.4%)だった。

そのうち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は120,372人(同104.4%)で、その課税価格の総額は16兆3,937億円(同103.9%)、申告税額の総額は2兆915億円(同105.9%)だった。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年分相続税の申告事績の概要

2022年1月31日


相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(資産課税課情報第16号 令和3年7月7日 国税庁 資産課税課

所得税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第11号)等の施行に伴い、「相続税法基本通達」(法令解釈通達)及び「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)については、令和3年6月24日付課資2-14ほか2課共同「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)により、所要の整備を行ったところであるが、そのあらましについて別添のとおり送付するので、執務の参考とされたい。

なお、単なる条項の異動等その改正の内容が形式的なものについては省略した。

★リンクはこちら ⇒ 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(資産課税課情報第16号 令和3年7月7日 国税庁 資産課税課)

2021年8月10日


死因贈与契約に基づき権利を取得した請求人らが、自己のために相続の開始があったことを知った日は、「相続債権者・受遺者に対する債権申出催告の公告に係る請求申出期間満了日」ではなく、「被相続人の死亡を知った日」であるとした事例

  • 平成30年4月相続開始に係る相続税の無申告加算税の各賦課決定処分・棄却
  • 令和2年12月14日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人らが被相続人と生前締結した死因贈与契約について、被相続人の相続開始日に、請求人らが死因贈与契約に基づく権利を取得することが確定していたので、請求人らが自己のために相続の開始があったことを知った日は、「(相続人が不存在であったために行われた相続財産管理人による)相続債権者及び受遺者への請求申出の催告に係る公告の請求申出期間満了日」ではなく、「被相続人の死亡を知った日」であるから、請求人らが提出した相続税の申告書は期限後申告書であるとしたものである。

<要旨>
請求人らは、被相続人と生前締結した死因贈与契約について、相続人不存在の場合、相続債権者・受遺者に対する債権申出催告の公告に係る請求申出期間満了日以前は、当該契約に基づく権利は未確定であり、相続税法第27条《相続税の申告書》第1項に規定する「その相続の開始があったことを知った日」は当該催告期間満了日となるから、その翌日から10月を経過する日までに提出した相続税の申告書は期限内申告書である旨主張する。

しかしながら、請求人らは、被相続人に係る相続開始日に、死因贈与契約に基づく権利を取得することが確定し、自己のために相続開始があったことを知ったのであるから、被相続人の死亡を知った日の翌日から10月を経過する日までに相続税の申告書を提出しなければならなかったところ、当該経過する日までに相続税の申告書を提出しなかったのであるから、請求人らが提出した相続税の申告書は期限後申告書である。

★リンクはこちら ⇒ 死因贈与契約に基づき権利を取得した請求人らが、自己のために相続の開始があったことを知った日は、「相続債権者・受遺者に対する債権申出催告の公告に係る請求申出期間満了日」ではなく、「被相続人の死亡を知った日」であるとした事例

2021年8月6日


相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達 課資2-14 課審7-9 課評2-47 令和3年6月24日)

標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。

(趣旨)

所得税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第11号)等の施行に伴い、所要の整備を行うものである。

第1
昭和34年1月28日付直資10「相続税法基本通達」(法令解釈通達)について、別紙1の「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

第2
昭和50年11月4日付直資2-224ほか2課共同「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)について、別紙2の「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

第3
1 この法令解釈通達による上記第1の改正後の取扱いは、令和3年4月1日以後に贈与又は相続若しくは遺贈により取得をする財産に係る贈与税又は相続税について適用し、同日前については、なお従前の例による。

2 この法令解釈通達による上記第2の改正後の取扱いの適用については、次による。
(1)改正後の〔措置法第70条の2((直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税))関係〕のうち70の2-8の2((既存住宅用家屋等が面積要件及び経過年数基準を満たすことの確認を受けるための書類))については、令和4年1月1日以後に租税特別措置法第70条の2第1項の規定の適用に係る贈与税の申告書を提出する場合について適用する。

(2)改正後の〔措置法第70条の3((特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例))関係〕については、令和4年1月1日以後に租税特別措置法第70条の3第1項の規定の適用に係る贈与税の申告書を提出する場合について適用する。

(3)上記(1)及び(2)以外の改正後の取扱いについては、令和3年4月1日から適用する。

★リンクはこちら ⇒ 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達 課資2-14 課審7-9 課評2-47 令和3年6月24日)

2021年7月27日


相続税の申告書等の様式一覧(令和3年分用)

国税庁は、『相続税の申告書等の様式一覧(令和3年分用)』をホームページに掲載した。

こちらに掲載されている申告書等は、令和3年1月1日から令和3年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告に使用するものである。

「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となる。

なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者または相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいう。

詳しくは、「相続税の申告のしかた(令和3年分)」の75ページからの「相続税の申告書の記載例等」をご確認のこと。

★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(令和3年分用)

2021年7月14日


相続税の申告のしかた(令和3年分用)

国税庁は、『相続税の申告のしかた(令和3年分用)』をホームページに掲載した。

この「相続税の申告のしかた(令和3年分用)」は、令和3年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、令和3年1月1日から令和3年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものである。

★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告のしかた(令和3年分用)

2021年7月7日


特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、『特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除のあらまし(令和3年5月)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 特定の美術品についての相続税の納税猶予及び免除のあらまし(令和3年5月)

2021年6月11日


取得財産に算入する遺留分減殺請求に基づく価額弁償金につき、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(2)に定める方法により計算すべきとした事例

  • 平成28年2月相続開始に係る相続税の更正の請求に対する更正処分
  • 全部取消し
  • 令和2年8月11日裁決

<ポイント>
本事例は、共同相続人の間で相続税の取得財産の価額に算入又は控除する遺留分減殺請求に基づく価額弁償金の金額について、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(1)ではなく、同通達(2)に定める方法により計算すべきであると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、遺留分減殺請求訴訟の和解(本件和解)の際に、共同相続人の間で相続税の取得財産の価額に算入又は控除する価額弁償金(本件価額弁償金)の金額について何らかの合意があったと考えるのが自然であるとして、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する本件価額弁償金の金額は、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(本件通達)(1)の要件を満たしており、本件通達(2)によるべきとする更正の請求は認められない旨主張する。

しかしながら、訴訟中から申告までの間に直接やり取りをしていた訴訟代理人間において、本件価額弁償金をいくらとして申告するかについて協議がされていないことについては、同人らを含む関係者の答述が一致しており、訴訟中から申告に至るまでの経緯等に照らしても、本件価額弁償金については、その申告額を具体的に協議した事実は認められず、他に申告額についての具体的な協議の事実が認められるような事情もないことからすれば、その協議はなかったと認められるから、本件通達(1)の場合には該当しない。

そして、本件価額弁償金の金額は、対象財産が特定され、かつ、本件和解時に合意された当該対象財産の通常の取引価額を基として決定されたものであるから、本件通達(2)の場合に該当するので、請求人の相続税の取得財産の価額に算入する金額は、本件通達(2)に定める方法により計算すべきである。

★リンクはこちら ⇒ 取得財産に算入する遺留分減殺請求に基づく価額弁償金につき、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(2)に定める方法により計算すべきとした事例

2021年4月16日


イメージデータで提出可能な添付書類(相続税申告)

イメージデータ(PDF形式)による提出が可能な主な添付書類は、次のとおり。

なお、添付書類の名称は、例示として掲げているものであり、送付する添付書類の名称が相違している場合であっても類似するものであれば、イメージデータにより提出することができる。

また、この一覧は、令和2年4月1日現在の法令に基づくものである。

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★リンクはこちら ⇒ イメージデータで提出可能な添付書類(相続税申告)

2021年3月22日


令和元事務年度における相続税の調査等の状況

国税庁は、令和元事務年度における相続税の調査等の状況がまとめ、その概要を報告した。

★リンクはこちら ⇒ 令和元事務年度における相続税の調査等の状況

2021年2月5日


相続税申告書の代理送信等に関するQ&A(改訂)

国税庁資産課税課は、2021年1月に『相続税申告書の代理送信等に関するQ&A』を改訂した。

★リンクはこちら ⇒ 相続税申告書の代理送信等に関するQ&A(改訂)

2021年2月4日


令和元年分相続税の申告事績の概要

国税庁は、令和元年分の相続税の申告事績をまとめ、その概要を報告した。

★リンクはこちら ⇒ 令和元年分相続税の申告事績の概要

2021年2月2日


複数の相続人等がいる場合の相続税の申告書の作成方法(リーフレット)

国税庁は、「複数の相続人等がいる場合の相続税の申告書の作成方法」(リーフレット)をホームページに掲載した。

令和3年度税制改正の大綱において、税務関係書類における押印義務の見直しを行うこととされた趣旨を踏まえ、税制改正前であっても、税務関係書類に押印がなくとも改めて押印を求めないこととし、相続人又は受遺者(以下「相続人等」という。)による相続税申告書への押印についても同様に取り扱う。

このため、2人以上の相続人等がいる場合に相続税の申告書へ押印をしないときは、申告書の提出意思の有無を明らかにするため、申告書第1表及び第1表(続)(以下「第1表等」という。)には共同して提出する方のみを記載して提出すること。

なお、共同して申告書を提出しない相続人等の方は、別途申告書を作成・提出していただく必要がある。

法令上、相続税の申告書は、2人以上の相続人等が共同して提出する場合に一の申告書に連署して提出することとされている。

★リンクはこちら ⇒ 複数の相続人等がいる場合の相続税の申告書の作成方法(リーフレット)

2021年1月29日


相続税の課税財産である土地が、騒音により利用価値が著しく低下している土地に該当するとして、評価上減額すべきとした事例

  • 平成27年2月相続開始に係る相続税の更正の請求に対して平成31年3月6日付でされた更正処分(令和元年8月7日付でされた更正処分によりその一部が取り消された後のもの)
  • 全部取消し
  • 令和2年6月2日

<ポイント>
本事例は、騒音により利用価値が著しく低下している土地に該当するか否かの判断に当たり、評価上適用すべき路線価に騒音要因がしんしゃくされておらず、合理的と認められる方法に基づく騒音測定結果で相当程度の騒音が日常的に発生していることが明らかにされ、固定資産税の評価上も騒音による減価が行われていたことをもって、騒音により利用価値が著しく低下している土地に該当すると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、相続財産である土地(本件土地)について、請求人が行った列車走行による騒音測定では、騒音による取引金額への影響を確認できないから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」において示された10%減額して評価する取扱い(本件取扱い)を適用することはできない旨主張する。

しかしながら、①本件土地の評価上適用すべき路線価には騒音要因がしんしゃくされていないこと、②本件土地において列車通過時に実際に騒音が生じていること、③本件土地の所在する自治体は、本件土地の固定資産税評価額の算定上、鉄道騒音補正を適用したことが認められるから、本件土地は、騒音により取引金額に影響を受ける宅地に該当すると認められる。

したがって、これらを併せて判断すると、本件土地においては相当程度の騒音が日常的に発生し、騒音により取引金額に影響を受けていたと認めるのが相当であるから、本件土地は、騒音により利用価値が著しく低下している土地に該当するとして、本件取扱いを適用して評価すべきである。

★リンクはこちら ⇒ 相続税の課税財産である土地が、騒音により利用価値が著しく低下している土地に該当するとして、評価上減額すべきとした事例

2021年1月13日


商業施設の敷地等として一体で使用(又は潰れ地が発生しないように区分して使用)することが経済的に最も合理的であると認められるため、広大地に該当しないとした事例

  • 平成26年3月相続開始に係る更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分及び重加算税又は過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和2年3月17日裁決

<ポイント>
本事例は、本件地域に存する土地の経済的に最も合理的な使用は、幹線道路沿いの駐車場を備えた商業施設(いわゆるロードサイド店舗)の敷地としての使用であると認められ、A土地は、地積が大きく、駐車場を備えた商業施設の敷地として使用することが可能な土地であり、現に、相続前から駐車場を備えた商業施設の敷地として一体で使用されていることからすると、A土地の経済的に最も合理的な使用は駐車場を備えた商業施設の敷地として一体で使用することであり、潰れ地が生じない場合に該当すると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、相続により取得したA土地及びB土地(本件各土地)について、いずれも財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張する。

しかしながら、請求人らの主張する広大地通達に定める「その地域」は、交通量の多い幹線道路沿いの地域と当該道路沿いでない地域を一つの地域とし、また、用途地域、建蔽率及び容積率がいずれも異なる二つの地域を一つの地域としていることから、広大地通達の趣旨に照らして、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域と認めることはできない。

そして、当審判所が認定した「その地域」(本件地域)における宅地の標準的な使用である駐車場を備えた商業施設の敷地5画地の平均地積は1,190㎡程度であることからすると、本件地域における「標準的な宅地の地積」は1,190㎡程度であると認められるから、B土地(1,190.61㎡)は広大地通達に定める標準的な地積に比して著しく地積が広大な土地とは認められず、また、本件地域に存する土地の経済的に最も合理的な使用は、幹線道路沿いの駐車場を備えた商業施設(いわゆるロードサイド店舗)の敷地としての使用であると認められ、A土地(2213.77㎡)は、地積が大きく、駐車場を備えた商業施設の敷地として使用することが可能な土地であり、現に、相続前から駐車場を備えた商業施設の敷地として一体で使用されていることからすると、A土地の経済的に最も合理的な使用は駐車場を備えた商業施設の敷地として一体で使用することであり、潰れ地が生じない場合に該当する。

したがって、本件各土地はいずれも広大地通達に定める広大地に該当しない。

なお、B土地の評価に当たり、適用する奥行価格補正率が誤っていたため、原処分の一部を取り消した。

★リンクはこちら ⇒ 商業施設の敷地等として一体で使用(又は潰れ地が発生しないように区分して使用)することが経済的に最も合理的であると認められるため、広大地に該当しないとした事例

2020年11月11日


死亡退職金の課税時期

<照会要旨>
相続税法第3条第1項第2号の規定は、「被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合」と規定しているが、死亡退職金の課税時期は、死亡退職金の支給が確定した時か、それとも当該死亡退職金の支払いがあった時のいずれか?

<回答要旨>
死亡退職金の支給の確定があれば、死亡退職金の支払請求権(債権)という財産を取得したことになるため、その時点において相続税の課税原因が発生しているというべきである。相続税法第3条の規定は、相続財産とみなされる財産を擬制しているに過ぎず、課税時期については、定めていないと解される。

したがって、死亡退職金については、死亡後3年以内にその支給が確定すれば、実際の支払いが3年以内であるかどうかを問わず相続税が課税されることになる。

★リンクはこちら ⇒ 死亡退職金の課税時期

2020年10月14日


建物更生共済契約に係る課税関係

<照会要旨>
甲は、乙所有の建物の共済を目的とする建物更生共済に加入し、掛金を負担していた。

甲又は乙について相続が開始した場合、建物更生共済契約に関する相続税の課税関係はどのようになるか?

[契約関係]

共済契約者(掛金負担者) 甲(長男)
被共済者(建物所有者) 乙(父)
満期共済金受取人

<回答要旨>
共済契約者甲について相続が開始した場合には、建物更生共済契約の約款によれば、共済契約者の相続人に契約が承継されることとなっていることから、建物更生共済契約に関する権利が甲の本来の相続財産として相続税の課税対象となり、その評価額は、相続開始時における解約返戻金相当額となる。

また、乙について相続が開始した場合、当該共済契約に関して相続税の課税対象となるものはない。

なお、満期時に取得する満期共済金は、満期共済金受取人の一時所得の課税対象となる。

★リンクはこちら ⇒ 建物更生共済契約に係る課税関係

2020年10月7日


死亡退職金を辞退した場合

<照会要旨>
A㈱は、社長が死亡したため、株主総会及び取締役会の決議に基づき死亡退職金として1億円をその遺族に支払っていたが、その後、遺族から退職金受領を辞退したい旨の申し入れがあり、1億円が返還された。

この場合、相続税の課税はどのようになるのか?

<回答要旨>
社長の遺族が受領した退職金1億円は、その支給について正当な権限を有する株主総会及び取締役会の決議に基づいて支給されたものであることから、受領した退職金を返還したとしても相続税が課税されることにかわりはない。

ただし、返還理由がその退職金の支給決議が無効又は取り消し得べきものであった場合において、その無効が確認されまたは取り消しがなされたことが、権限を有する機関の議事録等から明らかであれば、相続税の課税対象とはならない。

★リンクはこちら ⇒ 死亡退職金を辞退した場合

2020年10月2日


未支給の国民年金に係る相続税の課税関係

<照会要旨>
老齢基礎年金(国民年金)の給付の受給権者が死亡した場合に、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給されていない年金がある場合には、その者の配偶者(内縁の配偶者を含む。)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものが、「自己の名」で、その未支給の年金の支給を請求することができることとされている(国民年金法191)。

老齢基礎年金の受給権者の相続開始時に当該死亡した受給権者に係る未支給年金がある場合に、当該死亡した受給権者に係る当該未支給年金を配偶者等が請求することができる権利(以下「未支給年金請求権」という。)は相続税の課税対象となる財産に含まれるか?

<回答要旨>
未支給年金請求権については、当該死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはならない。

なお、遺族が支給を受けた当該未支給の年金は、当該遺族の一時所得に該当する。

(理由)
1.国民年金法に基づく未支給年金請求権の相続性については、最高裁判決(平成7年11月7日)において、その相続性を否定している。
すなわち、国民年金法第19条の規定については、同条が未支給年金の支給請求することのできる者の範囲及び順位について民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは異なった定め方をしており、これは民法の相続とは別の被保険者の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とした立場から未支給の年金給付の支給を一定の遺族に対して認めたものと解されているものである。
したがって、未支給年金請求権を本来の相続財産として相続税の課税対象となると解することはできない。

2.また、未支給年金請求権は、国民年金法の規定に基づき一方的に付与されるものであることから契約に基づかない権利(請求権)であるが、相続税法第3条第1項第6号に規定する「これに係る一時金」には、継続受取人が受給を受けるべき「定期金が特別に又は選択的に一時金とされる場合の一時金のみが含まれる」こととされている趣旨からすると、照会の場合の未支給年金については、定期金ではなく最初から一時金のみを支給するものであるため、同号に規定するみなし相続財産にも該当しない。

3.以上のことから、未支給年金請求権については、死亡した受給権者に係る遺族が、当該未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはならない。
なお、遺族が支給を受けた当該未支給の年金は、所得税基本通達34-2により、当該遺族の一時所得に該当する。

★リンクはこちら ⇒ 未支給の国民年金に係る相続税の課税関係

2020年9月2日


支払期日未到来の既経過家賃と相続財産

<照会要旨>
アパートの賃貸を業務としている者が本年4月24日に死亡した。

賃貸借契約において、そのアパートの賃貸料の支払期日は、毎月の末日とする旨が明定されており、その契約に従って賃貸料が支払われてきた。未収家賃はない。

この場合、4月分の家賃は、4月30日に相続人が収受したが、その家賃のうち4月1日から24日までの期間に対応する既経過分の家賃については、相続税の課税価格に算入する必要があるか?

<回答要旨>
死亡した日においてその月の家賃の支払期日が到来していない場合は、既経過分の家賃相当額を相続税の課税価格に算入しなくて差し支えない。

★リンクはこちら ⇒ 支払期日未到来の既経過家賃と相続財産

2020年8月31日


相続税の申告書等の様式一覧(令和2年分用)

国税庁は『相続税の申告書等の様式一覧(令和2年分用)』をホームページに掲載した。

こちらに掲載されている申告書等は、令和2年1月1日から令和2年12月31までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告に使用するものである。

「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となる。

なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者又は相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいう。

詳しくは、『相続税の申告のしかた(令和2年分)』の75ページからの「相続税の申告書の記載例等」をご確認のこと。

★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(令和2年分用)

2020年7月13日


相続税の申告のしかた(令和2年分用)

国税庁は『相続税の申告のしかた(令和2年分用)』をホームページに掲載した。

この『相続税の申告のしかた(令和2年分用)』は、令和2年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、令和2年1月1日から令和2年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものである。

なお、この申告のしかたでは、所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)による改正前の租税特別措置法を「平成21年改正前の租税特別措置法」と、所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)による改正前の租税特別措置法を「平成30年改正前の租税特別措置法」と、租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(平成22年政令第58号)による改正前の租税特別措置法施行令を「平成22年改正前の租税特別措置法施行令」と、租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成22年財務省令第17号)による改正前の租税特別措置法施行規則を「平成22年改正前の租税特別措置法施行規則」と表記している。

★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告のしかた(令和2年分用)

2020年7月8日


評価対象土地はマンション適地と認められることから広大地には該当しないが、当該土地の評価に当たり控除すべき土壌汚染の浄化費用に相当する金額は、土壌汚染対策工事見積金額の80%とするのが相当であると判断した事例

  • 平成27年1月相続開始に係る相続税の更正処分
  • 一部取消し
  • 令和元年11月12日裁決

<ポイント>
本事例は、評価対象土地はマンション適地であると認められることから広大地には該当しないが、当該土地の評価に当たり控除すべき土壌汚染の浄化費用に相当する金額は、土壌汚染対策工事を単独で行うのではなく、当該土地に新築する建物の建築工事を並行して行うという事情の下における土壌汚染対策工事費用の金額とするのは相当ではなく、当該土地を評価するに際し減額すべき金額は、公正に算出された土壌汚染対策工事費用見積金額の80%相当額とすることが相当と認めたものでる。

<要旨>
請求人らは、その地域に存するマンションの棟数は少なく、マンション建築の進行度合いが遅いこと及び同地域におけるマンションの敷地の占有割合も大きくないことからすると、評価対象土地(本件土地)は、明らかにマンションの敷地に適しているとは認めらないから、マンション適地に該当しない旨主張する。

しかしながら、その地域における大規模な土地については、主としてマンションが建築されている上に、相続の開始時の前年にもマンションが建築されていること、本件土地はマンションの建築に係る規制が厳しくない地域に存し、都心への交通接近性、公共施設及び商業施設への接近性に優れていることなどからすると、本件土地はマンション適地であると認められる。

また、原処分庁は、本件土地の評価につき控除すべき土壌汚染の浄化費用に相当する金額は、請求人らが実際に負担した土壌汚染対策工事費用の金額の80%相当額とすべきであり、実額が明らかである以上、請求人らが主張する土壌汚染対策工事費用の見積金額の80%相当額を減額することは相当でない旨主張する。

しかしながら、当該実額は本件土地に新築する建物の建築業者に同建物の建築工事と本件土地の土壌汚染対策工事を並行して行わせることにより、重複工事部分の費用を節減させて行うという事情の下における土壌汚染対策工事費用の金額であるから、本件土地の評価につき、減額する金額として相当でない。

そして、請求人らの主張する土壌汚染対策工事費用の見積金額は公正に算出された適正なものと認められるから、本件土地を評価するに際し減額すべき土壌汚染の浄化費用の金額は当該見積金額の80%相当額とすることが相当であって、原処分の一部を取消すべきである。

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2020年7月2日


租税調査会研究報告第36号「我が国の資産課税の在り方に関する論点整理」の公表について

日本公認会計士協会は、2020年1月16日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第36号「我が国の資産課税の在り方に関する論点整理」」を公表した。

法人税や所得税が独立の税体系であることに比して、資産税とはそもそも概念的であり独立の税体系ではなく、多層的かつ複雑な領域であると言える。そのため、実務においては、国税と地方税とを交差する多層的な税目間の比較を含む深い理解と経験が必要とされる。

そこで、本研究報告は、将来の税体系の整理に資することを一義的な目的としつつ、実務家の直面する複雑な課題について共有するという観点も含めて論点整理を行い、その結果を報告するものである。

本研究報告が会員の行う業務の参考となれば幸いである。

★リンクはこちら ⇒ 租税調査会研究報告第36号「我が国の資産課税の在り方に関する論点整理」の公表について

2020年6月4日


同族会社が所有する建物の敷地について、当該会社の借地権が存すると判断した事例

  • 平成26年4月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し、一部取消し、棄却
  • 令和元年8月19日裁決

<ポイント>
本事例は、同族会社が所有する建物の敷地(本件敷地)について、当該会社が医療法人からの転貸ではなく、直接被相続人らから借りていると認められること、また、将来、当該会社が本件敷地に係る借地権を無償で返還するというような特別な事情も存しないことから、当該会社の借地権が存すると認めたものである。

<要旨>
原処分庁は、被相続人らは、同族会社(本件会社)が所有する登記された建物の敷地(本件敷地)を含む全ての土地(本件土地)を医療法人に賃貸しているから、本件敷地は、医療法人が本件会社に更に賃貸(転貸)したものというべきであり、また、被相続人ら及び医療法人は、土地の無償返還に関する届出書を原処分庁へ提出しているから、本件敷地の評価は、自用地としての価額の80%で評価することとなる旨主張する。

しかしながら、本件会社は、権利金の支払はしていないものの、本件敷地の上に、昭和55年8月に上記の建物を建築した後、直接被相続人らから無償又は有償で本件敷地を借りていたと認められ、また、本件会社が被相続人らに対し、将来、本件敷地に係る借地権を無償で返還するというような特別の事情も存しないことからすれば、本件敷地については、本件会社の借地権が存すると認めるのが相当である。

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2020年5月22日


遺言書情報証明書及び遺言書保管事実証明書の見本について

法務省は、遺言書情報証明書及び遺言書保管事実証明書の見本を公表した。

<遺言書情報証明書>

<遺言書保管事実証明書>

・請求人の資格が「相続人」で,遺言書が保管されている場合

・請求人の資格が「相続人以外」で,遺言書が保管されていない場合

遺言書情報証明書はこちら ⇒ 遺言書情報証明書

★遺言書保管事実証明書(請求人の資格が「相続人」で,遺言書が保管されている場合)はこちら ⇒遺言書保管事実証明書(請求人の資格が「相続人」で,遺言書が保管されている場合)

★遺言書保管事実証明書(請求人の資格が「相続人以外」で,遺言書が保管されていない場合)はこちら ⇒ 遺言書保管事実証明書(請求人の資格が「相続人以外」で,遺言書が保管されていない場合)

2020年5月21日


相続により取得した各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断した事例

  • 平成27年12月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和元年9月17日裁決

<ポイント>
本事例は、相続により取得した各土地について、貸借関係における権利金の有無、支払地代の水準、貸主と借主との関係及びその契約の経緯や趣旨を総合的に考慮すると、使用貸借契約に基づくものと認めるのが相当であるため、当該各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断したものである。

<要旨>
請求人らは、それぞれが相続した被相続人所有の土地(本件各土地)について、被相続人と請求人らとの間で本件各土地上の請求人らのそれぞれの建物の所有を目的とした各土地賃貸借契約(本件各土地契約)を締結していたところ、請求人らは本件各土地契約に基づく地代に係る金員(本件各支払金員)を被相続人に対してそれぞれ支払っており、その年額は本件各土地に係る固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)の額をそれぞれ上回っていたのであるから、使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについての1《使用貸借による土地の借受けがあった場合》の定めによって、本件各土地契約は使用貸借に係るものではないなどとして、本件各土地は借地権の目的となっている土地である旨主張する。

しかしながら、①請求人らによる本件各土地の使用は、本件各支払金員の支払が開始する以前においては使用貸借によるものであって、その後においても、請求人らと被相続人との間で権利金の授受はないこと、②本件各支払金員の額は固定資産税等の額と同程度であること、③本件各支払金員の年額は被相続人が第三者に対して賃貸していた本件各土地の近隣の駐車場用地の賃料の年額に比して低廉であること、④被相続人と請求人らは親子関係にあることなどから客観的に判断すると、本件各支払金員は本件各土地の使用収益に対する対価であるとは認められず、請求人らは使用貸借契約に基づき使用収益したものと認めるのが相当であることから、本件各土地は借地権の目的となっている土地であると認めることはできない。

なお、本事例においては、一部の土地について、評価単位を見直したところにより評価したことに伴い、原処分の一部を取り消している。

★リンクはこちら ⇒ 相続により取得した各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断した事例

2020年5月20日


被相続人名義の口座に入金された金員の合計額の一部は、請求人らの亡父から贈与されたものではなく、贈与により取得した財産には当たらないと判断した事例

  • 平成26年分の贈与税の決定処分
  • 一部取消し
  • 令和元年9月24日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人名義の口座に入金された金員の合計額の一部については、その原資は請求人らの亡父の預金口座から同人の意思に基づき出金された金員であると認められ贈与により取得した財産に当たるが、その余の金員の原資は請求人らの亡父に帰属していたとは認められず、贈与により取得した財産には当たらないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、被相続人(本件被相続人)名義の口座(本件被相続人口座)に入金された金員の合計額(本件金員)は、請求人らの亡父が本件被相続人に贈与したものであるから、相続税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)第2条の2《贈与税の課税財産の範囲》第1項に規定する贈与により取得した財産に当たる旨主張し、請求人らは、請求人らの亡父が本件被相続人に本件金員を贈与する旨の意思表示をしたとする客観的証拠はないことから、本件金員は、同項に規定する贈与により取得した財産に当たらない旨主張する。

しかしながら、本件金員の一部については、その原資が請求人らの亡父の預貯金から同人の意思に基づき出金された金員であり、本件被相続人口座に当該出金された金員と同額が入金された後に本件被相続人口座から本件被相続人の老人ホームの利用料が支払われていることなどから、同項に規定する贈与により取得した財産に当たるが、本件金員から左記の贈与により取得したと認められる金員を差し引いた残部については、その原資が請求人らの亡父に帰属していたと認めることはできないことから、同項に規定する贈与により取得した財産に当たらない。

★リンクはこちら ⇒ 被相続人名義の口座に入金された金員の合計額の一部は、請求人らの亡父から贈与されたものではなく、贈与により取得した財産には当たらないと判断した事例

2020年5月18日


相続税法基本通達の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(令和2年2月21日 資産評価企画官情報第1号 資産課税課情報第6号 管理運営課情報第1号 国税庁資産評価企画官 資産課税課 管理運営課)

所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)の施行等に伴い、「相続税法基本通達」(法令解釈通達)については、令和2年2月12日付課評2-5ほか3課共同「相続税法基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)により、所要の整備を行ったところであるが、そのあらましについて別添のとおり送付するので、執務の参考とされたい。

【第23条の2(配偶者居住権等の評価)関係】
【第43条(物納財産の収納価額等)関係】

★リンクはこちら ⇒ 相続税法基本通達の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(令和2年2月21日 資産評価企画官情報第1号 資産課税課情報第6号 管理運営課情報第1号 国税庁資産評価企画官 資産課税課 管理運営課)

2020年4月22日


請求人の主張する各種事情によっても、相続により取得した土地の財産評価基本通達の定めに従った原処分庁の評価額は時価であるとの推認を覆されないから、不動産販売業者が試算した価格によって評価することはできないとした事例

  • 平成27年7月相続開始に係る相続税の①更正処分及び②過少申告加算税の賦課決定処分
  • ①棄却、②一部取消し
  • 令和元年5月29日裁決

<ポイント>
本事例は、評価通達の定めに従って相続財産を評価したものと認められる場合には、当該評価額は事実上の時価と推認され、請求人において当該評価額が当該財産の客観的交換価値を上回るものであることを主張立証するなどして、上記推認を覆すことがない限り、当該評価額を時価と認めるのが相当であると判断したものである。

<要旨>
請求人は、相続により取得した土地(本件土地)について、原処分庁が財産評価基本通達(評価通達)の定めに従って評価した価額(本件通達評価額)は、本件土地の客観的交換価値に影響を及ぼす各事情を看過しており、請求人が売買価格の見積りを依頼した不動産販売業者が試算した価格を上回ることから、時価を上回る違法がある旨主張する。

しかしながら、評価通達の定めに従って相続財産を評価したものと認められる場合には、当該評価額は事実上の時価と推認され、請求人において当該評価額が当該財産の客観的交換価値を上回るものであることを主張立証するなどして、上記推認を覆すことがない限り、当該評価額を時価と認めるのが相当である。

この点、本件通達評価額は、評価通達の定めに従っており、時価と推認されるところ、請求人の主張する各事情は、本件土地の客観的交換価値に影響を及ぼす事情とは認められず、不動産販売業者の試算価格も本件土地の客観的交換価値とは認められないことからすれば、本件通達評価額が時価であることの推認は覆えることはなく、本件通達評価額に時価を上回る違法はないが、原処分庁のした過少申告加算税の賦課決定処分は、過少申告加算税の加重分の計算に誤りがあることから、その一部を取り消すべきである。

★リンクはこちら ⇒ 請求人の主張する各種事情によっても、相続により取得した土地の財産評価基本通達の定めに従った原処分庁の評価額は時価であるとの推認を覆されないから、不動産販売業者が試算した価格によって評価することはできないとした事例

2020年4月13日


請求人が受贈した現金に係る贈与者は、被相続人の配偶者ではなく被相続人であると判断した事例

  • 平成27年7月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和元年6月17日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人甲が受贈した現金に係る贈与者について、当該現金の原資、被相続人の配偶者から請求人甲へ贈与した旨記載された「贈与契約書」は事後的に作成されたものと認められることなどから、被相続人の配偶者ではなく、被相続人であると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、請求人甲が受贈した現金(本件現金贈与)に係る贈与者は、被相続人ではなく、被相続人の配偶者(本件配偶者)であり、本件現金贈与に係る贈与契約は、本件配偶者と請求人甲との間で成立していたものである旨主張し、当該主張に沿う証拠として、本件配偶者から請求人甲へ贈与した旨記載された「贈与契約書」と題する書面(本件書面)を当審判所に提出した。

しかしながら、①請求人甲の預金口座に入金された本件現金贈与に係る原資は、被相続人の固有の財産である預金口座から出金された現金であること、②被相続人は、本件現金贈与に係る現金を贈与する旨の明確な意思を有していたこと、③本件書面は、本件現金贈与に際して作成されたものではなく、事後的に作成されたものと認められることなどからすれば、本件現金贈与に係る贈与者は、被相続人であり、本件現金贈与に係る贈与契約は、被相続人と請求人甲との間で成立していたものと認められる。

★リンクはこちら ⇒ 請求人が受贈した現金に係る贈与者は、被相続人の配偶者ではなく被相続人であると判断した事例

2020年4月9日


個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除に関する質疑応答事例について(情報)

国税庁は、『個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除に関する質疑応答事例について(情報)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予及び免除に関する質疑応答事例について(情報)

2020年4月8日


被相続人が生前に解除した建築工事請負契約に基づく約定違約金等は、相続開始日現在、現に存しその履行が確実であったと認めるのが相当であると判断した事例

  • 平成25年8月相続開始に係る相続税の①各更正の請求に対する各通知処分及び更正処分、②各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①却下、棄却、②一部取消し
  • 平成31年4月19日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人が生前に解除した建築請負契約に基づく約定違約金は相続開始日に現に存し、その履行を免れないものであり、原処分庁が指摘する審査請求人らも支払を拒否して係争中であったことは、請求人が他の事由により請負業者に対して損害賠償を求めたものであって、そのことをもって当該約定違約金の支払義務が消滅等するものではないから、履行が確実な債務であったと認めるのが相当であると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、被相続人が生前に解除した建築工事請負契約に基づく約定違約金等について、被相続人に支払う意思はなく、相続人である審査請求人も支払を拒否して係争中であったことをもって、確実な債務ではない旨主張する。

しかしながら、相続税の課税価格から控除する債務は、相続開始当時の現況に照らし、債務が現に存するとともに、その履行が確実と認められるものをいうと解されるところ、当該約定違約金等は、相続開始日に現に存し、その履行を免れないものであるから、履行が確実な債務であったと認めるのが相当であり、債務者の履行の意思によってその確実性の判断を異にするものとは解されず、また、原処分庁が指摘する「係争」は、審査請求人が請負者側の説明義務違反等を理由として損害賠償を求めたものであり、そのことをもって当該約定違約金等の支払義務が消滅したり、履行の確実性が失われたりするものではないから、原処分庁の主張はいずれも採用できず、当該約定違約金等は相続税の課税価格から控除する債務に当たる。

★リンクはこちら ⇒ 被相続人が生前に解除した建築工事請負契約に基づく約定違約金等は、相続開始日現在、現に存しその履行が確実であったと認めるのが相当であると判断した事例

2020年4月7日


請求人の父(甲)の預金口座から請求人の預金口座に入金された資金は、請求人が甲の指示に基づき会議等に出席するための交通費等を支弁する目的のものであったと認められ、甲から請求人への贈与があったと認めることはできないと判断した事例

  • 平成23年分の贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分並びに平成24年分の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和元年6月27日裁決

<ポイント>
請求人の父(甲)の預金口座から請求人の預金口座への資金移動は、甲又は請求人の母が行っており、請求人は甲の指示に基づき、医療専門団体の会議等へ月1~2回程度出席していた旨申述し、会議に出席するための交通費等の支払が請求人の口座から支払われている等の事実からすれば、甲は甲の指示に基づき、請求人が会議に出席する際に要する交通費等の費用を支弁する目的で甲の預金口座から請求人の預金口座に資金を移動していたとみるのが自然であり、当該資金移動により、請求人が甲から贈与により財産を取得したものとは認められないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の父(甲)の預金口座から出金された金銭が請求人の預金口座(本件請求人口座)に入金されたこと(本件資金移動)について、請求人と甲との間で金銭消費貸借契約が締結された事実及び請求人が主張する本来甲が従事すべき医療業務に請求人が代理人として従事した際に立て替えて支払った費用の精算等の事実は認められないから、請求人と甲との間には、民法第549条《贈与》に規定する贈与契約の要件事実について黙示の合意があったと認めるのが相当であり、請求人は、本件資金移動により、甲からの贈与により財産を取得したものといえる旨主張する。

しかしながら、本件資金移動について、請求人と甲との間で金銭消費貸借契約が締結されていた事実は認められないものの、本件資金移動に係る出金及び入金の各手続は、甲又は請求人の母により行われていると認められ、請求人は、原処分庁所属の調査担当職員に対して、甲の指示により月1回から2回程度の頻度で医療専門団体の会議に出席していた旨申述し、本件請求人口座から交通費等の支払がされていることなどを併せ考慮すれば、甲は、当該会議に出席した際の交通費等を支弁する目的で本件資金移動をしていたとみるのが自然であり、請求人に、本件資金移動によって贈与と同様の経済的利益が生じていたと認めることはできないから、請求人は甲からの贈与により財産を取得したと認めることはできない。

★リンクはこちら ⇒ 請求人の父(甲)の預金口座から請求人の預金口座に入金された資金は、請求人が甲の指示に基づき会議等に出席するための交通費等を支弁する目的のものであったと認められ、甲から請求人への贈与があったと認めることはできないと判断した事例

2020年4月3日


被相続人名義の預貯金は請求人の固有財産ではなく、被相続人に帰属する相続財産であると判断した事例

  • 平成27年11月相続開始に係る相続税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成31年4月19日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人名義の預貯金の相続開始時における帰属について、その名義のみならず、当該預貯金の原資の出捐者、管理及び運用状況等を総合考慮して判断したものである。

<要旨>
請求人は、亡母名義の預貯金(本件預貯金)について、請求人が亡母(本件被相続人)に預けた金員を原資として運用し形成されたものであり、請求人の固有財産である旨主張する。

しかしながら、①本件預貯金の名義は、いずれも本件被相続人であること、②本件被相続人が、各口座を開設し、各金融機関への届出住所等の変更手続を行い、各口座で使用された印鑑を管理していたと認められること、③本件被相続人が負担すべき公租公課等が口座振替により支払われていること及び④本件預貯金の金融機関の窓口での入出金手続は本件被相続人によりされているなどからすれば、各口座の管理運用は本件被相続人が行っていたと認められる。

また、⑤本件各預貯金の原資は、大部分が本件被相続人の別の預金、共済の満期金、公的年金等であること、⑥請求人の主張の根拠となる証拠は、請求人の答述しかなく、他にこれを裏付ける証拠は存在しないことを考え併せれば、本件預貯金は請求人の固有財産ではなく、本件被相続人に帰属する相続財産であると認められる。

なお、相続開始時において、本件被相続人が所有していた不動産に係る未納となっていた固定資産税額があり、これは相続税法第13条第1項第1号に規定する相続財産の価額から控除される本件被相続人の債務に該当すると認められたため、原処分の一部を取り消した。

★リンクはこちら ⇒ 被相続人名義の預貯金は請求人の固有財産ではなく、被相続人に帰属する相続財産であると判断した事例

2020年3月30日


日本赤十字社への遺贈・相続財産等の寄付

近年、「自分が亡くなった後、これまで築いた財産の一部を赤十字に寄付したい」といったご相談や、大切な方を亡くされたご遺族から、「故人の遺産を社会のために役立ててほしい」という申し出が多いようである。

日本赤十字社では、このような尊いご意思に応えるために、遺贈(遺言によるご寄付)、相続財産等の寄付を承っている。

遺産・相続財産のご寄付については、下記リンクのパンフレット及び関連ページ(「遺贈(遺言による寄付)」、「相続財産からのご寄付」、「よくあるご質問」等)を参照のこと。

質問・不明点等があれば下記担当まで連絡のこと。
<担当窓口>
日本赤十字社 遺贈・相続寄付ご相談窓口
TEL: 03-3437-7082 FAX: 03-3432-5507

★リンクはこちら ⇒ 日本赤十字社への遺贈・相続財産等の寄付

2020年3月19日


相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(令和元年11月5日)

所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)等の施行等に伴い、「相続税法基本通達」(法令解釈通達)及び「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)については、令和元年7月2日付課資2-10ほか2課共同「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)により、所要の整備を行ったところであるが、そのあらましについて別添のとおり送付するので、執務の参考とされたい。

なお、単なる条項の異動等その改正の内容が形式的なものについては省略した。

★リンクはこちら ⇒ 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(令和元年11月5日)

2020年2月10日


令和元年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、『令和元年分贈与税の申告書等の様式一覧』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 令和元年分贈与税の申告書等の様式一覧

2020年1月7日


令和元年分贈与税申告のしかた

国税庁は、『令和元年分贈与税申告のしかた』をホームページに掲載した。

  • この冊子は、一般的な事項を説明している。この「贈与税の申告のしかた」において、「令和元年分」とあるのは、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの期間に係る年分をいう。
  • 令和元年分の贈与税の申告書の受付は、令和2年2月3日(月)から同年3月16日(月)までである。
  • 令和元年分の贈与税の納期限は、令和2年3月16日(月)である。

 ★リンクはこちら ⇒ 令和元年分贈与税申告のしかた

2019年12月23日


相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(資産課税課情報 第17号 令和元年11月5日 国税庁資産課税課)

所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)等の施行等に伴い、「相続税法基本通達」(法令解釈通達)及び「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)については、令和元年7月2日付課資2-10ほか2課共同「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)により、所要の整備を行ったところであるが、そのあらましについて別添のとおり送付するので、執務の参考とされたい。

なお、単なる条項の異動等その改正の内容が形式的なものについては省略した。

 ★別添はこちら ⇒ 別添

2019年11月21日


相続税申告のe-Taxが始まります

国税庁は『相続税申告のe-Taxが始まります』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税申告のe-Taxが始まります

2019年11月5日


直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(令和元年8月)

国税庁は『直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(令和元年8月)』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(令和元年8月)

2019年10月28日


直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(令和元年8月)

国税庁は『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(令和元年8月)』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(令和元年8月)

2019年10月18日


相続税申告書の代理送信等に関するQ&A

国税庁は『相続税申告書の代理送信等に関するQ&A』をホームページに掲載した。

相続税の申告書は、2019年10月1日(火)午前0時から、e-Taxによる提出(送信)が可能となっている。

また、2019年分の申告(2019年1月1日以降に相続等により財産を取得した人の申告)からe-Taxの対象となる。

(注)
2018年以前の年分の申告(2018年12月31日以前に相続等により財産を取得した人の申告)をe-Taxにより行うことはできない。

従来どおり書面による申告が必要である。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税申告書の代理送信等に関するQ&A

2019年10月15日


請求人らが相続により取得した土地のうち、集合住宅の敷地の用に供されている土地は開発行為を了し、既に有効利用されていることから、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定める広大地には該当しないが、被相続人の居宅の敷地の用に供されている土地は、開発行為を想定した場合、公共公益的施設用地の負担が必要と認められるから当該広大地に該当すると判断した事例

  • 平成24年6月相続開始の相続税の各更正の請求に対する各更正処分
  • 一部取消し
  • 平成30年9月20日裁決

<ポイント>
本事例は、集合住宅の敷地の用に供されている土地については、集合住宅の入居率や利用可能期間からすれば、近い将来新たな開発行為を行う必要は認められず、集合住宅の敷地として既に有効利用されているといえるから広大地には該当せず、一方、被相続人の居宅の敷地の用に供されていた土地については、合理的な開発を行うことを想定した場合、公共公益的施設用地の負担が必要であると認められるから広大地に該当すると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、相続により取得した集合住宅(本件集合住宅)の敷地の用に供されている土地(本件1土地)及び被相続人の居宅の敷地の用に供されていた土地(本件2土地)の所在する周辺地域における標準的使用は戸建住宅の敷地であるから、本件1土地及び本件2土地は財産評価基本通達24-4(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)《広大地の評価》に定める広大地(広大地)に該当する旨主張する。

しかしながら、本件1土地上に存する本件集合住宅は、入居率100%を実現していたと認められる上、今後相当の期間利用することができるものと認められることからすると、近い将来において新たな開発行為を行う必要があるなどの特段の事情は認められないから、本件1土地は本件集合住宅の敷地として現に有効に利用されているといえ広大地には該当しない。

一方、本件2土地については、原処分庁が主張する開発想定図によれば、本件私道に隣接する各土地に道路を拡幅したとしても、①集合住宅の入居者の駐車場の移設が必要となること、②道路用地に本件土地を取得した相続人以外の相続人の所有権が及ぶこと、③借家人の立ち退きが必要となることなどが考えられ、これらの事情を考慮すると原処分庁の開発想定図は合理性があるものとは認められず、請求人らが主張する開発想定図は、本件土地の所有者以外の者の所有権や賃借権を侵害するような事情はないことなどを考慮すると、合理性があるものと認められ、本件土地を開発する場合、公共公益的施設用地の負担が必要であることから、本件2土地は広大地に該当する。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人らが相続により取得した土地のうち、集合住宅の敷地の用に供されている土地は開発行為を了し、既に有効利用されていることから、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定める広大地には該当しないが、被相続人の居宅の敷地の用に供されている土地は、開発行為を想定した場合、公共公益的施設用地の負担が必要と認められるから当該広大地に該当すると判断した事例

2019年8月30日


被相続人の生前に解除された借地契約の約定により請求人らが負うこととなった建物を収去して土地を明け渡す債務は、相続開始日に現に存し、その履行が確実であったと認められるから、債務控除の対象となると判断した事例

  • 平成23年5月相続開始に係る相続税の更正処分
  • 一部取消し
  • 平成30年7月9日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人の生前に解除された借地契約の約定により請求人らが負うこととなった建物を収去して土地を明け渡す債務は、相続開始日に現に存し、その履行が確実であったと認められるところ、請求人らが負担した建物収去費用の根拠となった見積書については、その算定根拠が不正確ないし不明なものがあり、経済合理性を欠くものであるが、請求人らが別途依頼していた他の業者が作成した見積書は、経済合理性にかなうものと認められるから、当該他の業者が作成した見積書の金額をもって、債務控除の対象となる金額とするのが相当であるとしたものである。

<要旨>
被相続人の生前に解除された借地契約の約定により請求人らが負うこととなった建物収去及び土地明渡しに係る債務(本件債務)について、原処分庁は、土地明渡しに係る債務については確実な債務であるが、当該土地明渡しに要する金額は零円であり、建物収去に係る債務については建物を収去することなく現状有姿で引き渡すことも選択可能であったから、確実な債務ではなく、いずれも相続税の課税価格の計算上控除すべき債務には当たらないと主張し、請求人らは、本件債務は相続開始時に現に存し、確実と認められる債務であるから、控除すべき債務であると主張する。

しかしながら、本件債務は、相続開始日に現に存し、その履行が確実な債務であったと認められるのであり、原処分庁の主張するところは、確実な債務の履行手段であって、これは相続開始後の事情というほかないから、相続税法第22条《評価の原則》が「控除すべき債務の金額は、その時の現況による」旨規定している趣旨に照らし、採用できない。

なお、請求人らが負担した建物収去費用の根拠となった見積書については、算定根拠が不正確ないし不明なものがあり、経済合理性を欠く内容であるから、当該見積書を算定根拠とした金額を控除すべき債務の金額としては採用できず、他方、請求人らが別途見積りをしていた他の業者による見積書は詳細かつ正確なものであり、経済合理性にかなうものと認められるから、当該見積書の見積金額をもって控除すべき債務の金額とするのが相当であり、原処分については、その一部を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 被相続人の生前に解除された借地契約の約定により請求人らが負うこととなった建物を収去して土地を明け渡す債務は、相続開始日に現に存し、その履行が確実であったと認められるから、債務控除の対象となると判断した事例

2019年8月29日


相続人名義預金に入金された資金及び上場株式の購入資金の運用から生じた化体財産は、過去に被相続人から相続人に贈与があったと認められるため、これらの資金に相当する預け金返還請求権は相続財産には当たらないとした事例

  • 平成26年12月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成30年8月22日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人から相続人名義の銀行口座に入金された資金及び上場株式の購入資金の合計(本件資金)について、その化体財産が過去に被相続人から相続人に贈与により移転したものとみるのが相当であることからすると、被相続人は、相続開始日において、相続人に対して本件資金相当額の預け金返還請求権を有しているとは認められないため、相続財産に当たらないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、相続人(本件相続人)名義の銀行口座(本件預金口座)に入金された資金及び上場株式の購入資金の合計(本件資金)について、本件資金の原資(本件資金となる直前の財産)は、被相続人(本件被相続人)に帰属するものと認められ、本件被相続人と本件相続人との間で、贈与やその他の債権債務関係があったとは認められないことからすると、本件被相続人は、本件相続人に対し、本件資金相当額の預け金返還請求権を有している旨主張する。

しかしながら、①本件資金及び本件資金の原資の管理運用は、本件被相続人が行っていたものであり、そうであれば、本件資金を本件預金口座に入金したり、その後、本件相続人名義の上場株式の購入資金に充てたりしたことは、財産の管理運用の一環として、本件相続人の名義で本件被相続人が実質的に行っていたものと認められること、②平成18年頃に本件資金の運用から生じた化体財産は本件被相続人から本件相続人に贈与されていたことからすれば、そもそも本件資金相当額の預け金返還請求権の存在はおろか発生していたとすらいえない。

したがって、本件被相続人は、相続開始日において、本件相続人に対し、本件資金相当額の預け金返還請求権を有しているとは認められない。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続人名義預金に入金された資金及び上場株式の購入資金の運用から生じた化体財産は、過去に被相続人から相続人に贈与があったと認められるため、これらの資金に相当する預け金返還請求権は相続財産には当たらないとした事例

2019年8月28日


相続税の申告書等の様式一覧(令和元年分用)

国税庁は、『令和元年版 法人税申告書・地方法人税申告書の記載の手引』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(令和元年分用)

2019年8月21日


相続税の申告のしかた(令和元年分用)

国税庁は、『相続税の申告のしかた(令和元年分用)』をホープページに掲載した。

これは、平成31年4月1日現在の法令等に基づいて作成しているもので、原則として、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告のしかたなどについて説明したものである。

なお、この申告のしかたでは、所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)による改正前の租税特別措置法を「平成21年改正前の租税特別措置法」と、所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)による改正前の租税特別措置法を「平成30年改正前の租税特別措置法」と、租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(平成22年政令第58号)による改正前の租税特別措置法施行令を「平成22年改正前の租税特別措置法施行令」と、租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成22年財務省令第17号)による改正前の租税特別措置法施行規則を「平成22年改正前の租税特別措置法施行規則」と表記している。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告のしかた(令和元年分用)

2019年8月7日


老人ホームに入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法第69条の4)の適用について

1.事前照会の趣旨及び事実関係

(1)被相続人甲は、平成29年4月、X有料老人ホーム(老人福祉法第29条≪届出等≫第1項に規定する有料老人ホームに該当する。)に入居した。

(2)被相続人甲は、平成29年6月、X有料老人ホームに入居する直前において居住の用に供していた家屋(以下「本件家屋」という。)及びその敷地の用に供されていた宅地等(以下「本件宅地等」という。)を、Y有料老人ホームに入居(平成28年7月)していた配偶者乙から相続により取得した。

(3)被相続人甲は、平成30年2月、本件家屋に戻ることなく死亡した。
 なお、本件家屋は、被相続人甲がX有料老人ホームに入居した後は、空家となっていた。

(4)被相続人甲は、死亡する前に介護保険法第19条≪市町村の認定≫第1項に規定する要介護認定を受けている。

(5)このような事実関係を前提として、本件家屋及び本件宅地等を長男丙が相続により取得した場合において、丙は本件宅地等について租税特別措置法第69条の4第1項に規定する被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するとして、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(措法69の4)(以下「本件特例」という。)の適用を受けることができると解してよいか、照会する。

 なお、丙は、本件特例に係る他の要件を満たしている。

 参考として、相続関係図及び時系列は以下のとおりとなる。

【相続関係図】
相続関係図

【時系列】
時系列

2.照会者の求める見解となることの理由

(1)本件において、被相続人甲はX有料老人ホームへの入居前に、本件宅地等を居住の用に供していたが、X有料老人ホームに入居中に本件家屋及び本件宅地等を相続により取得し、その後本件家屋に戻ることなく死亡した。

 被相続人の居住の用に供されていた宅地等で一定のものについては、本件特例の対象となるところ、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等であっても、租税特別措置法施行令第40条の2≪小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例≫第2項に定める事由(要介護認定又は要支援認定等を受けていた被相続人が同項の住居又は施設(以下「有料老人ホーム等」という。)に入居又は入所(以下「入居等」という。)していたこと)により居住の用に供されなくなる直前に被相続人の居住の用に供されていた宅地等(被相続人が有料老人ホーム等に入居等した後に、事業の用又は新たに被相続人等以外の者の居住の用に供されている場合を除く。)については、本件特例の対象となる宅地等に該当するとされている(措法69の4①)。

 被相続人が有料老人ホーム等に入居等する直前において宅地等の所有者であればその宅地等が本件特例の対象となる宅地等に当たることは明らかだが、本件における被相続人甲は、X有料老人ホーム入居の直前においては本件宅地等を居住の用に供していたものの本件宅地等の所有者ではなく、本件宅地等を取得した後はこれを居住の用に供していない場合であっても、本件宅地等が本件特例の対象となると解してよいか疑義が生じるところである。

(2)上記事由により相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等が、本件特例の対象となる居住の用に供されていた宅地等に該当するか否かについては、被相続人が有料老人ホーム等に入居等して居住の用に供されなくなった直前の利用状況で判定することとされているが、その時において被相続人が宅地等を所有していたか否かについては、法令上特段の規定は設けられていない。

(3)したがって、本件宅地等は、被相続人甲がX有料老人ホームに入居し居住の用に供されなくなった直前において、被相続人甲の居住の用に供されていたものであることから、その時において被相続人甲が本件宅地等を所有していなかったとしても本件特例の対象となる宅地等に該当すると解され、丙は本件特例の適用を受けることができるものと考える。

3.回答

回答年月日 平成30年12月7日

回答者 東京国税局審理課長

回答内容

標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。

ただし、次のことを申し添えます。

(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。

(2)この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 老人ホームに入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(租税特別措置法第69条の4)の適用について

2019年3月26日


「教育用財産に対する相続税の非課税制度における幼稚園等事業経営者に係る家事充当金限度額の認定基準等について」の一部改正について(法令解釈通達)

平30.12.27 課資2-21

 この法令解釈通達では、平成31年分以後に適用する個人立幼稚園又は個人立幼保連携型認定こども園(以下「幼稚園等」という。)の教育用財産に対する相続税の非課税制度(相続税法第12条第1項第3号、相続税法施行令附則第4項)における幼稚園等の事業経営者の家事充当金限度額の認定基準額及びその者の親族等の適正給与額の判定基準額の改正について定めている。


幼稚園等の事業経営者の家事充当金限度額の認定基準額は、幼稚園等に入園している幼児又は園児の数(以下、「幼児数」という。)により算定することとしている。

幼児数560人以下の幼稚園等
については
「家事充当金限度額の規模別基準額」又は「家事充当金限度額の幼児又は園児一人当たりの基準単価を用いて計算した基準額」のいずれか高い方の金額
幼児数560人超の幼稚園等
については
 「家事充当金限度額の幼児又は園児一人当たりの基準単価を用いて計算した基準額」

「家事充当金限度額の幼児又は園児一人当たりの基準単価を用いて計算した基準額」は、次の算式により計算する。

A+B×(幼児数-240人)

なお、上記算式における符号は次のとおり。

A…別紙1「家事充当金限度額の規模別基準額」に掲げる幼児数規模別区分の「280人以下」の欄の地域区分に応ずる金額

B…別紙2「家事充当金限度額の幼児又は園児一人当たりの基準単価」に掲げる地域区分に応ずる金額


課資2-21
平成30年12月27日

各国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官

「教育用財産に対する相続税の非課税制度における幼稚園等事業経営者に係る家事充当金限度額の認定基準等について」の一部改正について(法令解釈通達)

昭和51年6月7日付直資2-219「教育用財産に対する相続税の非課税制度における幼稚園等事業経営者に係る家事充当金限度額の認定基準等について」(法令解釈通達)について、その一部を下記のとおり改正したから、平成31年分以後の家事充当金限度額の認定等について適用されたい。

(趣旨)
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成30年法律第82号) による国家公務員の給与の改正等に伴い、家事充当金限度額の認定基準等について所要の改定を行ったものである。

1.別紙1「家事充当金限度額の規模別基準額」を次のように改める。

別紙1

家事充当金限度額の規模別基準額
幼児数規模別区分
地域区分
280人以下 280人超
400人以下
400人超
560人以下
地域手当支給地域 地域手当20%
支給地域
千円 千円 千円
8,960 10,730 13,420
地域手当16%
支給地域
8,660 10,370 12,970
地域手当15%
支給地域
8,590 10,280 12,860
地域手当12%
支給地域
8,360 10,010 12,520
地域手当10%
支給地域
8,210 9,830 12,300
地域手当6%
支給地域
7,920 9,480 11,850
地域手当3%
支給地域
7,690 9,210 11,520
その他地域
(地域手当の支給なし)
7,470 8,940 11,180
(注) 1 「幼児数規模別区分」の各欄は、その幼稚園等に入園している幼児数に応ずる欄を使用する。
2 「地域区分」の欄における「地域手当支給地域」の各欄は、その幼稚園等の所在する人事院規則9-49 ((地域手当))第3条により定められた別表第一(第二条、第三条関係)の支給地域及び人事院規則9-49附則第2条各号に定められた級地の区分に応じた割合を使用し、「その他地域(地域手当の支給なし)」の欄は、地域手当支給地域に該当しない地域について使用する(別紙2及び別紙3において同じ。)。

2.別紙2「家事充当金限度額の幼児又は園児一人当たりの基準単価」を次のように改める。

別紙2

家事充当金限度額の幼児又は園児一人当たりの基準単価
地域区分 幼児又は園児一人当たりの基準単価
地域手当支給地域 地域手当20%
支給地域
18,810
地域手当16%
支給地域
18,180
地域手当15%
支給地域
18,030
地域手当12%
支給地域
17,560
地域手当10%
支給地域
17,240
地域手当6%
支給地域
16,620
地域手当3%
支給地域
16,150
その他地域
(地域手当の支給なし)
15,680

3.別紙3「事業経営者の親族等の適正給与額の判定基準額(教諭)」を次のように改める。

別紙3

事業経営者の親族等の適正給与額の判定基準額(教諭)
在職期間区分
地域区分
4年未満 4年以上
6年未満
6年以上
8年未満
8年以上
10年未満
地域手当支給地域

地域手当20%
支給地域

千円 千円 千円 千円
4,520 4,830 5,220 5,450
地域手当16%
支給地域
4,370 4,670 5,050 5,270
地域手当15%
支給地域
4,330 4,630 5,000 5,220
地域手当12%
支給地域
4,220 4,500 4,870 5,090
地域手当10%
支給地域
4,140 4,420 4,790 5,000
地域手当6%
支給地域
3,990 4,260 4,610 4,810
地域手当3%
支給地域
3,880 4,140 4,480 4,680
その他地域
(地域手当の支給なし)
3,770 4,020 4,350 4,540

(注)「在職期間区分」の各欄は、事業経営者の親族等である教諭がその幼稚園等に在職している期間に応ずる欄を使用する。

 ★リンクはこちら ⇒ 「教育用財産に対する相続税の非課税制度における幼稚園等事業経営者に係る家事充当金限度額の認定基準等について」の一部改正について(法令解釈通達)

2019年3月22日


贈与税の申告をする場合は、インターネットで申告ができます!(リーフ)

国税庁は、『贈与税の申告をする場合は、インターネットで申告ができます!』(リーフ)を作成した。

  • STEP1 「確定申告書等作成コーナー」ヘアクセス
  • STEP2 申告書を作成
  • STEP3 申告書を提出

 ★リンクはこちら ⇒ 贈与税の申告をする場合は、インターネットで申告ができます!(リーフ)

2019年1月10日


平成30年度税制改正により農地等の納税猶予制度が変わりました!!(リーフレット)

平成30年度税制改正により、農地等についての贈与税・相続税の納税猶予制度が改正された。
このリーフレットでは、主な改正の概要を掲載している。

<改正項目>
1 都市農地の貸付けの特例の創設【相続税】
生産緑地地区内の農地について、①認定都市農地貸付け(農業者向けの貸付け)または②農園用地貸付け(市民農園向けの貸付け)を行った場合にも納税猶予を継続

2 適用対象地域等の見直し【相続税・贈与税】
三大都市圏の特定市に所在する①特定生産緑地である農地等及び②田園住居地域内にある農地を納税猶予の適用対象に追加等

3 納税猶予期限及び免除事由の見直し【相続税】
三大都市圏の特定市以外の生産緑地地区内の農地等について、20年免除から終身営農に

4 農地法の改正に伴う農地の定義の見直し【相続税・贈与税】
水耕栽培を行う農業用ハウスにするなど、農地の全面をコンクリートで覆った場合についても引き続き「農地」とする見直し

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年度税制改正により農地等の納税猶予制度が変わりました!!

2019年1月7日


相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(2018年10月5日)

所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号)等の施行等に伴い、「相続税法基本通達」(法令解釈通達)、「贈与税の非課税財産(公益を目的とする事業の用に供する財産に関する部分)及び持分の定めのない法人に対して財産の贈与等があった場合の取扱いについて」(法令解釈通達)及び「租税特別措置法(相続税法の特例関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)については、平成30年7月3日付課資2-9ほか2課共同「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)により、所要の整備を行ったところであるが、そのあらましについてリンクのとおり送付するので、執務の参考とされたい。

なお、単なる条項の異動等その改正の内容が形式的なものについては省略している。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)のあらまし(情報)(2018年10月5日)

2018年11月27日


相続税の申告書等の様式一覧(平成30年分用)

国税庁は、『相続税の申告書等の様式一覧(平成30年分用)』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(平成30年分用)

2018年7月26日


相続税の申告のしかた(平成30年分用)

国税庁は、『相続税の申告のしかた(平成30年分用)』をホームページに掲載した。

目次は以下のとおり。
➊ 相続税のあらまし
1 相続税とはどのような税金でしょうか
2 相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与とはどのようなことでしょうか
➋ 相続税の申告
1 どのような人が相続税の申告をする必要があるのでしょうか
2 相続税の申告書は、いつまでに、どこに提出するのでしょうか
Q&A 私は相続税の申告書の提出が必要ですか?
3 相続税は、どのような財産にかかるのでしょうか
Q&A 家族名義の財産は?
Q&A 相続税の課税対象となる生命保険金(退職手当金等)の金額は?
4 相続税は、どのように計算するのでしょうか
(1) 相続税額の計算方法について
Q&A 相続税額の計算方法は?
(2) 税額控除のあらまし
Q&A 配偶者は相続税が軽減される?
(3) 相続財産の評価のあらまし
Q&A 不動産の評価方法は?
Q&A 居住用宅地や事業用宅地について、どのような特例があるのですか?
(4) 小規模宅地等の特例
(5) 特定計画山林の特例
(6) 特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例
(7) 小規模宅地等の特例及び特定計画山林の特例の併用等
(8) 農地等についての相続税の納税猶予及び免除等
(9) 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例等
(10) 山林についての相続税の納税猶予及び免除
(11) 医療法人の持分についての相続税の納税猶予及び免除・税額控除
5 相続税の申告期限前に災害により相続財産に被害を受けた場合には相続税が軽減されるのでしょうか
6 提出した申告書を訂正する必要がある場合は、どうすればよいのでしょうか
(参考) 社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の導入に伴うマイナンバー(個人番号)の記載について
➌ 相続税の納付
1 相続税はどのように納めるのでしょうか(金銭納付)
Q&A 相続税の納付は?
Q&A 相続税の還付金の受取方法は?
2 連帯納付義務とは、どのような義務でしょうか
3 金銭納付が困難な場合は、どうすればよいのでしょうか(延納及び物納)
➍ 相続税の申告書の記載例
1 申告書の記載の順序について
2 具体的な記載例について
Q&A 具体的な相続税額は?
(参考) 相続税の申告の際に提出していただく主な書類

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告のしかた(平成30年分用)

2018年7月12日


相続税の申告書の添付書類の範囲が広がりました(平成30年4月1日以後に提出する申告書から適用)

これまで、相続税の申告書には①の書類を添付しなければならないこととされていたが、平成30年4月1日以後は、①の書類に代えて、②または③のいずれかの書類を添付することができるようになった(引き続き、①の書類も添付できる。)。

「戸籍の謄本」で被相続人の全ての相続人を明らかにするもの
図形式の「法定相続情報一覧図の写し」(子の続柄が、実子または養子のいずれであるかが分かるように記載されたものに限る。)(注)
①または②をコピー機で複写したもの


(注)
被相続人に養子がいる場合には、その養子の戸籍の謄本または抄本(コピー機で複写したものも含む。)の添付も必要である。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続税の申告書の添付書類の範囲が広がりました(平成30年4月1日以後に提出する申告書から適用)

2018年4月19日


本件各土地は利用価値が著しく低下していると認められることから、財産評価額から10%を減額して評価すべきであり、本件意見価額は客観的な根拠が何ら示されておらず、請求人の主張には理由がないとした事例

  • 平成26年7月相続開始に係る相続税の更正の請求に対する通知処分 →一部取消し
  • 平29年4月7日裁決

<ポイント>
本事例は、本件各土地の現況を的確に確認した上で、本件各土地は一体として利用されているとは認められず、畑と宅地ごとにそれぞれ一の評価単位として評価すべきであること、また、本件各土地は利用価値が著しく低下しているから、本件各土地の財産評価額から10%を減額して評価することが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人が、相続で取得した畑及び各宅地(本件各土地)の評価は不動産業者の作成した意見書による価額(本件意見価額)によるべきであるとして更正の請求をしたことに対し、原処分庁が、更正をすべき理由がない旨の通知処分をしたところ、請求人は、本件各土地の評価に当たって、本件各土地が無道路地であり、がけ地を含む上、公道から本件各土地まで重機が届かないという制約のために本件各土地の上の建物を取り壊すことができないなどの事情を考慮すべきであるから、本件意見価額を踏まえると、財産評価基本通達の定めにより算定した価額(財産評価額)からの減額割合を60%とすべきである旨主張する。

しかしながら、本件意見価額は、本件各土地の周辺の取引相場の裏付けを欠く上、具体的な数値や客観的な根拠が何も示されておらず、適正な時価を示しているとはいえないため、請求人の主張には理由がない。

なお、本件各土地は、本件各土地の周辺の一連の土地との高低差を比較検討すると著しい高低差があり、その利用価値が付近にある他の土地の利用状況からみて著しく低下していると認められることから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」の取扱いにより、本件各土地の財産評価額から10%を減額して評価するのが相当である。

また、本件各土地は一体の土地として利用されているとは認められないことから、畑と宅地ごとにそれぞれ一の評価単位として評価すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 本件各土地は利用価値が著しく低下していると認められることから、財産評価額から10%を減額して評価すべきであり、本件意見価額は客観的な根拠が何ら示されておらず、請求人の主張には理由がないとした事例

2018年3月26日


相続財産のうち一部の不動産については、財産評価基本通達によらないことが相当と認められる特別の事情があると認められることから、ほかの合理的な時価の評価方法である不動産鑑定評価に基づいて評価することが相当であるとした事例

  • 平成24年6月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分 →棄却
  • 平成29年5月23日裁決

<ポイント>
本事例は、被相続人による各不動産の取得から借入れまでの一連の行為は、他の納税者との間での租税負担の公平を著しく害し、富の再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反するものであるから、各不動産について、財産評価基本通達に定める評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであり、財産評価基本通達によらないことが相当と認められる特別の事情があると認められると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、相続財産のうち一部の不動産(本件各不動産)については、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法によらないことが相当と認められる特別の事情がないから、評価通達6《この通達の定めにより難い場合の評価》を適用することはできず、評価通達に定める評価方法により評価すべきである旨主張する。

しかしながら、被相続人による本件各不動産の取得から借入れまでの一連の行為は、被相続人が、多額の借入金により不動産を取得することで相続税の負担を免れることを認識した上で、当該負担の軽減を主たる目的として本件各不動産を取得したものと推認されるところ、結果としても、本件各不動産の取得に係る借入金が、本件各不動産に係る評価通達に定める評価方法による評価額を著しく上回ることから、本件不動産以外の相続財産の価額からも控除されることとなり、請求人らが本来負担すべき相続税を免れるものである。
このような事態は、相続税負担の軽減策を採らなかったほかの納税者はもちろん、被相続人が多額の財産を保有していないために同様の軽減策によって相続税負担の軽減という効果を享受する余地のないほかの納税者との間での租税負担の公平を著しく害し、富の再分配機能を通じて経済的平等を実現するという相続税の目的に反するものであるから、本件各不動産について、評価通達に定める評価方法を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであり、評価通達によらないことが相当と認められる特別の事情があると認められることから、ほかの合理的な時価の評価方法である不動産鑑定評価に基づいて評価することが相当である。

 ★リンクはこちら ⇒ 相続財産のうち一部の不動産については、財産評価基本通達によらないことが相当と認められる特別の事情があると認められることから、ほかの合理的な時価の評価方法である不動産鑑定評価に基づいて評価することが相当であるとした事例

2018年3月23日


土地上に建物を有していた被相続人が当該土地の所有者に対し地代として支払っていた金員は、当該土地の使用収益に対する対価であると認められないから、被相続人が当該土地上に借地権を有していたとは認めることはできないとした事例

  • 平成24年10月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成29年1月17日裁決

<ポイント>
本事例は、土地上に建物を有していた被相続人が当該土地の所有者に対し地代として支払っていた金員が、当該土地の固定資産税等年税額を超えていたものの、その他の事実関係からすると、かかる事情のみでは、当該金員が本件土地の使用収益に対する対価であるとは認めるに足りないというべきであるとして、被相続人が当該土地上に借地権を有していたとは認めることはできないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、①本件土地上に建物を有していた被相続人が、本件土地の所有者である請求人に対し地代として金員(本件金員)を支払っていたこと、②請求人は本件金員を不動産所得に係る地代収入として所得税の確定申告をしたこと、③本件土地に係る各年度の固定資産税相当額及び都市計画税相当額の合計額(固定資産税等年税額)は変動するにもかかわらず本件金員の額が一定であり、請求人と被相続人との間において本件土地に係る通常の必要費を負担することを約していたとは認められないこと、④本件金員の年額は、本件土地に係る相続開始年度の固定資産税等年税額に本件建物に係る被相続人の持分を乗じた金額を優に上回るから、使用貸借通達からも使用貸借とみる余地はないことなどを理由に、被相続人は本件土地上に借地権を有していた旨主張する。

しかしながら、①被相続人による本件土地の使用収益は、本件金員の支払が開始する以前(本件土地を請求人が被相続人の父から相続により取得したとき以前)においては使用貸借契約に基づくものであったと認められること、②本件金員の支払開始に当たり、請求人と被相続人との間で契約書が作成されたなどの事情は見当たらないこと、③本件金員の支払開始の経緯や本件金員の算定根拠も明らかではないこと、さらに、④被相続人と請求人は親子であり、本件金員の支払が開始された当時、請求人が未成年者であったことを併せ考慮すると、本件金員が本件土地の使用収益に対する対価であると認めるに足りないというべきであるから、被相続人による本件土地の使用収益は使用貸借契約に基づくものであったと認めるのが相当であり、被相続人が本件土地上に借地権を有していたとは認めることはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 土地上に建物を有していた被相続人が当該土地の所有者に対し地代として支払っていた金員は、当該土地の使用収益に対する対価であると認められないから、被相続人が当該土地上に借地権を有していたとは認めることはできないとした事例

2018年1月12日


平成29年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、『平成29年分贈与税の申告書等の様式一覧』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成29年分贈与税の申告書等の様式一覧

2017年12月21日


平成29年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、『平成29年分贈与税の申告のしかた』をホームページに掲載した。

  • 平成29年分の贈与税の申告書の受付は、平成30年2月1日(木)から3月15日(木)までである。
  • 平成29年分の贈与税の納期限は、平成30年3月15日(木)である。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成29年分贈与税の申告のしかた

2017年12月14日


使用貸借により貸し付けている土地の評価単位について判断した事例 Edit

  • 平成23年6月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分
  • 一部取消し、棄却
  • 平成28年12月20日裁決

<ポイント>
本事例は、所有する土地(雑種地)の一部を自ら使用し、他の部分を使用貸借により宅地又は雑種地として貸し付けている場合に、地目が相違しても、その全体を一団の雑種地として評価するのが相当であると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、テニスクラブ(本件テニスクラブ)の敷地の一部として利用している各土地の価額は、本相続財産以外の土地を含む本件テニスクラブの敷地として利用されていた土地全体を一つの「評価単位」として財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(本件通達)に定める広大地補正率を適用すべきである旨、及びf市との締結に基づく各協定書において、開発行為を行おうとした場合に制約を受けたことを理由にその協定に関する区域を一つの評価単位として、居宅として利用されていた土地(本件B区画)及び駐車場として利用されていた土地(本件C区画)を評価する際に、本件通達に定める広大地補正率を適用して評価すべきである旨主張する。

しかしながら、土地の評価単位は、原則として、遺産分割後の取得者ごとに区分した後、利用の単位となっている土地ごとに判定した評価単位を基に評価すべきであり、本件の場合、取得者別、利用の単位別に区分した4区画の土地をもって、それぞれを一つの評価単位として評価すべきである。
また、本件B区画及び本件C区画について、協定を締結したとの事実関係を前提としても、本件通達の定めに照らし、何ら影響を及ぼすものではない。

したがって、請求人らの各主張は認めることはできない。

なお、本件に係る各相続財産の土地の評価単位の認定につき、当該土地の使用貸借に係る利用状況などに照らせば、使用貸借に基づく権利は、貸主、借主間の人的なつながりのみを基盤とするもので借主の権利が極めて弱いことから、自己の所有する雑種地の一部を自ら使用し、他の部分を使用貸借により宅地又は雑種地として貸し付けている場合には、たとえ地目が相違しても、その全体を一団の雑種地として評価するのが相当であり、また、同様に、自己の所有する宅地又は雑種地に隣接する宅地又は雑種地を使用貸借により借り受け、自己の所有する宅地又は雑種地と一体として利用している場合であっても、所有する宅地又は雑種地のみを1画地の宅地又は一団の雑種地として評価するのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 使用貸借により貸し付けている土地の評価単位について判断した事例

2017年11月28日

青地(旧水路)により分断されている2つの土地についてその利用状況等から1つの評価単位とすると判断した事例 Edit

  • 平成24年11月相続開始に係る相続税の再更正処分及び更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成28年12月7日裁決

<ポイント>
本事例は、青地(旧水路)により分断されている2つの土地についてその利用状況等(物理的及び法的)から1つの評価単位として取り扱うのが相当であると判断した上で、各土地を評価するに当たっては、まず青地部分の土地を含む各土地全体の評価額を算出し、その後、当該評価額から青地部分の土地の価額を控除して評価するのが相当であると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、本件1土地(生産緑地)と本件2土地(生産緑地)は、市が所有する青地(旧水路)により分断されており、各土地は別個の評価単位として取り扱うべきである旨主張する。

しかしながら、相続開始日において、①本件1土地と本件2土地との間には青地が介在していたものの、当該青地は全て埋め立てられており、水路としての機能を失っていたこと、②本件1土地及び本件2土地は、青地部分の土地を含めて一体の畑として耕作されていたこと、③市は、本件1土地、本件2土地及び青地部分の土地を一体の生産緑地地区に定める都市計画を決定していたことなどの各事実が認められる。

したがって、本件1土地及び本件2土地の各土地は、物理的にも法的にも分断されておらず、また、その利用も一体であったと認められるため、一団の生産緑地、すなわち1つの評価単位として取り扱うのが相当である。
そして、本件1土地及び本件2土地の各土地を評価するに当たっては、まず青地部分の土地を含む各土地全体の評価額を算出し、その後、当該評価額から青地部分の土地の価額を控除して評価するのが相当であり、その場合、①当該青地部分の土地の売買が成立し得るのは請求人らと市の間に限定されること、②市が当該青地部分の土地を請求人らに売却した場合の売買代金である払下げ費用相当額は、国有財産評価基準によりその算定方法が画一的に決められていることからすると、青地部分の土地の価額については、相続開始日において当該青地が請求人らに払い下げられたとした場合の払下げ費用相当額とするのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 青地(旧水路)により分断されている2つの土地についてその利用状況等から1つの評価単位とすると判断した事例

2017年11月24日

家族名義預金の一部は相続財産に当たらないと判断した事例 Edit

平成24年2月相続開始に係る相続税の

  • ①各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分 棄却・一部取消し
  • ②決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分 一部取消し
  • 平成28年11月8日裁決

<ポイント>
本事例は、相続財産と認定された家族名義預金の一部については、その原資、管理及び運用の実態から相続財産に当たらないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、被相続人の子(P1)の配偶者(P5)名義の各貯金(P5名義各貯金)及びP1とP5の子(P10)名義の各定期預金(P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2)について、P5及びP10に当該各預貯金を形成する資力があったとは認められず、また、当該各預貯金の管理及び運用は、被相続人及び被相続人の配偶者が共同して行っていたと認められ、そのほかに贈与があったと認められる事実もないことから、当該各預貯金は被相続人に帰属する相続財産である旨主張する。

しかしながら、P5名義各貯金及びP10名義定期預金1の原資は、いずれもP5名義の普通預金口座(P5名義口座)から引き出された金員、又はP5名義口座から引き出された金員を原資とする貯金の払戻金であると認められるところ、①P5名義口座においては、公共料金等の支払のほか小口の入出金が大半を占めていること、②当該口座はP1とP5が婚姻後早々に設定されたものであり、その印鑑票の筆跡はP5のものであること、③P1が生活費等の名目で受け取った金員はP5が管理していたこと及び④当該口座の通帳はP5が管理していたことなどの事実に照らせば、P5名義口座の預金はP5又はP1に帰属する財産であると認められ、P5名義口座から引き出された金員を原資とするP5名義各貯金及びP10名義定期預金1の出捐者が被相続人であるとは認められない。
また、P10名義定期預金2については、P1を受取人とする保険の満期保険金を原資とするものであり、当該満期保険金をP1以外の者が受け取ったと認めるに足る事情や証拠資料もない以上、当該定期預金の出捐者はP1であると認められる。

そうすると、P5名義各貯金、P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2の出捐者が被相続人であるとは認められず、他に当該各預貯金について、被相続人に帰属する財産であることを裏付ける事情や証拠資料も存しないから、P5名義各貯金、P10名義定期預金1及びP10名義定期預金2は本件相続に係る相続財産と認めることはできない。

★リンクはこちら⇒ 家族名義預金の一部は相続財産に当たらないと判断した事例

2017年11月20日

相続税の申告のしかた(平成29年分用) Edit

国税庁は、『相続税の申告のしかた(平成29年分用)』を、ホームページに掲載した。

相続税は、個人が被相続人(亡くなられた人のことをいう。)の財産を相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって取得した場合に、その取得した財産の価額を基に課される税金である。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(平成29年分用)

2017年9月22日

相続税の申告書等の様式一覧(平成29年分用)

国税庁は、相続税の申告書等の様式一覧(平成29年分用)を、ホームページに掲載した。

(注)
「一般用」に「○」が付いている申告書は、一般の場合に使用する申告書となる。
なお、一般の場合とは、相続時精算課税適用者又は相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける人がいない場合をいう。
詳しくは、「相続税の申告のしかた(平成29年分)」の53ページからの「相続税の申告書の記載例 等」をご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(平成29年分用)

2017年7月18日

法定相続情報証明制度

法務省は、所有者不明土地問題、空き家問題等の改善を図るため、相続登記促進策として「法定相続情報証明制度」を新設し、平成29年5月29日より運用を開始する。

現在,相続手続では,お亡くなりになられた方の戸除籍謄本等の束を,相続手続を取り扱う各種窓口に何度も出し直す必要がある。

法定相続情報証明制度は,登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出し,併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出せば,登記官がその一覧図に認証文を付した写しが無料で交付される。
その後の相続手続は,法定相続情報一覧図の写しを利用いただくことで,戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなる。

★リンクはこちら⇒ 「法定相続情報証明制度」が始まります!

2017年5月26日

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例のあらまし(平成29年5月)

国税庁は、「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例のあらまし(平成29年5月)」をホームページに掲載した。

<非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例>
後継者である相続人等が、相続等により、円滑化法の認定を受ける非上場会社の株式等を被相続人(先代経営者)から取得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき相続税のうち、その株式等(一定の部分に限る。)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予され、後継者の死亡等により、納税が猶予されている相続税の納付が免除される。

<非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例>
後継者である受贈者が、贈与により、円滑化法の認定を受ける非上場会社の株式等を贈与者(先代経営者)から全部又は一定以上取得し、その会社を経営していく場合には、その後継者が納付すべき贈与税のうち、その株式等(一定の部分に限る。)に対応する贈与税の全額の納税が猶予され、先代経営者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税の納付が免除される。

★リンクはこちら⇒ 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例のあらまし(平成29年5月)

2017年5月22日

本件土地の想定整形地の間口距離、奥行距離は、建築計画概要書の写しにある配置図によれば、原処分庁が主張するものとは異なるとした事例

平成24年4月相続開始に係る相続税の

  • 各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分 一部取消し
  • 各更正処分 棄却

平成28年5月6日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人らが相続により取得した東側と西側でそれぞれ道路に接する不整形な土地(本件土地)について、財産評価基本通達20《不整形地の評価》にいう「想定整形地」の間口距離は50.35m、奥行距離は35.0mであるから、本件土地の評価につき適用すべき同通達に定める不整形地補正率は0.98となる旨主張する。

しかしながら、建築計画概要書の写しにある配置図によれば、本件土地に係る想定整形地の間口距離は50.50m、奥行距離は35.28mであるから、本件土地の評価につき適用すべき同通達に定める不整形地補正率は0.97となる。

★リンクはこちら⇒ 本件土地の想定整形地の間口距離、奥行距離は、建築計画概要書の写しにある配置図によれば、原処分庁が主張するものとは異なるとした事例

2017年2月24日

被相続人は、生前、不動産を売却していないから、当該売却に係る代金債権は発生していないと判断した事例

  • 平成23年3月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成28年6月28日裁決

<ポイント>
本事例は、不動産に係る親子間の売買契約書は存在するが、当該売買契約書は、実体を伴わない架空の内容を記載した契約書であると認めるのが相当であり、当該売買に係る代金債権は発生していないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、被相続人は、生前、子に対して、不動産(本件不動産)を売却しているところ、相続開始時点において、本件不動産の売買に関する契約書(本件売買契約書)記載の代金が支払われていなかったことから、被相続人は、上記代金に相当する債権(本件代金債権)を有していた旨主張する。

しかしながら、本件売買契約書は存在するものの、本件売買契約書の作成に、買主とされる子が関与していないこと、本件売買契約書において、所有権移転登記手続は、売買代金全額の支払と引替えに行うとされているが、現在に至るまで売買代金は全く支払われておらず、そうであるのに、所有権移転登記が完了しているのは不自然であること、子が請求人との間で作成した金銭消費貸借契約書記載の金員を受け取っておらず、当該金員の返済もしていないこと、請求人及び子の間では、本件不動産の子の所有名義は便宜上のものであり、真実は請求人が所有者であることを確認する旨の合意書が作成されていること、子が本件不動産の所有者としてこれを管理、支配している形跡がうかがわれないことの事情に照らせば、本件売買契約書は、実体を伴わない架空の内容を記載した契約書であるものと認めるのが相当であり、したがって、本件代金債権は発生していないというべきである。

★リンクはこちら⇒ 被相続人は、生前、不動産を売却していないから、当該売却に係る代金債権は発生していないと判断した事例

2017年2月23日

請求人らが相続により取得した土地の一部は、財産評価基本通達24-4に定める広大地に当たるとして処分の一部を取り消した事例

平成23年4月相続開始に係る相続税の各更正処分(各更正の請求に対してされた各再更正処分をあわせ審理)及び過少申告加算税の各賦課決定処分(各変更決定処分後のもの)
一部取消し
平成28年2月29日裁決

<要旨>
4区画の各土地(本件各土地)の財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(本件通達)の適用につき、原処分庁は、本件各土地のうち3区画の各土地(本件1ないし3土地)の本件通達に定める「その地域」(本件地域)は、財産評価基本通達14-2《地区》(6)の中小工業地区として定められた地域(原処分庁主張地域)であり、本件1ないし3土地は、いずれも原処分庁主張地域の標準的な宅地の地積と同程度であるから、本件通達の適用はない旨主張し、請求人らは本件各土地の本件地域は、道路等の施設の状況等を勘案した住居表示を基本単位とする地域(請求人ら主張地域)であり、本件各土地は、いずれも、請求人ら主張地域の標準的な宅地の地積に比して広大な土地で、かつ、開発に当たっては公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるから、本件通達の適用はある旨主張する。

しかしながら、本件各土地の本件地域は、本件1ないし3土地と同土地の以外の土地(本件4土地)で相違し、本件1ないし3土地の本件地域は、原処分庁主張地域を含んだより広範な地域(審判所認定地域①)であり、また、本件4土地の本件地域は、請求人ら主張地域のうち河川により分断された地域(審判所認定地域②)であると認められる。
そして、本件1ないし3土地は、いずれも、審判所認定地域①の標準的な宅地の地積に比して広大な土地で、かつ、開発に当たっては公共公益的施設用地の負担が必要な土地であるから、本件通達の適用はある一方で、本件4土地は、審判所認定地域②の標準的な宅地の地積と同程度であるから、本件通達の適用はない。

★リンクはこちら⇒ 請求人らが相続により取得した土地の一部は、財産評価基本通達24-4に定める広大地に当たるとして処分の一部を取り消した事例

2017年1月26日

請求人らが相続により取得した土地は、財産評価基本通達24-4に定める広大地に当たるとして処分の全部を取り消した事例

平成25年6月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
全部取消し
平成28年2月9日裁決

<要旨>
原処分庁は、請求人ら以外の第三者が所有する位置指定道路(本件位置指定道路といい、その所有者らを本件私道所有者らという。)に接する土地(本件土地)について、都市計画法第4条《定義》第12項に規定する開発行為(開発行為)を行うとした場合、本件私道所有者らの同意を要するとしても、そのような事情は本件土地自体に起因する客観的な事情ではないから財産の評価に当たって考慮されず、本件位置指定道路を利用した開発行為を行うことが経済的に最も合理的であり、当該開発行為においては、公共公益的施設用地の負担は必要ないので、本件土地は、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定める広大地(広大地)に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件位置指定道路は、本件私道所有者らが所有するもので、被相続人及び請求人らは本件位置指定道路に係る権利を何ら有していない。
そのため、本件位置指定道路を利用した開発の可否は、本件私道所有者らの意向に左右されるものであるところ、本件土地については、請求人らの主張するように、本件土地の敷地内に新たな道路を開設して行う開発方法が想定でき、その開発の方法が十分合理性を有するものである以上、このような場合にまで、第三者の所有に係る土地を利用しての開発方法を想定することに合理性があるとはいえない。
そして、請求人らの主張する開発方法においては、公共公益的施設用地の負担が必要であると認められるから、本件土地は広大地に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人らが相続により取得した土地は、財産評価基本通達24-4に定める広大地に当たるとして処分の全部を取り消した事例

2017年1月25日

平成28年10月~12月分の基準年利率

平成28年10月~12月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-3)が公表された。

平成28年10月~12月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成29年1月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期と中期は横這いであるが、長期は9月から0.05%であったが、12月から0.1%に上昇している。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の基準年利率について」(法令解釈通達)(課評2-3)

2017年1月24日

平成28年11月及び12月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1)が公表された。

今回は平成28年11月及び12月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

贈与税の申告があるためだと思われるが、11月及び12月分については公表が早く、また、文書の日付とホームページへの掲載には、ほとんどタイムラグはない。
毎回そうして欲しいものである。

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-1)

2017年1月23日

米国e州f市に所在する不動産について、その時価をe州遺産税の申告に当たりe州税務当局により是認された鑑定価額により評価した原処分を相当と認めた事例

平成22年3月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
棄却
平成28年2月4日裁決

<ポイント>
本事例は、e州遺産税等の適正市場価額とは、相続税法第22条に規定する時価と基本的に同義の価額を指向するものであるとし、対象不動産の鑑定価額を基にしたe州遺産税の申告がe州税務当局によって是認されていることから、同鑑定価額は客観的交換価値を表すものであり、対象不動産の時価と認められると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、米国e州f市に所在する不動産17物件(本件対象不動産)の価額について、f市財産税の算定の基礎となる財産税評価額(本件財産税評価額)は、財産評価基本通達(評価通達)5-2《国外財産の評価》に定める売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価した価額であるから、本件財産税評価額から借家権として当該価額に30%の割合を乗じた金額を控除した価額が、本件対象不動産の価額である旨主張する。

しかしながら、請求人らは、被相続人に係るe州遺産税について、e州認定の鑑定人による鑑定価額(本件鑑定価額)を本件対象不動産の価額として申告しているところ、米国内国歳入法等に規定するe州遺産税における財産の価額である適正市場価額と相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価とは同義の価額を指向するものと認められること、本件鑑定価額の算定手順に別段不合理な点は認められないこと、e州遺産税の申告がe州税務当局により是認されていることから、本件鑑定価額は相続税法第22条に規定する時価と認められる。
一方で、本件財産税評価額は、収益方式によって評価されており、売買実例価額と比較して大幅に低い価額であること、財産税評価額に関する公的報告書等においても、財産税評価額が相当低額であり市場価格との相関関係が見出せない状況である旨の指摘がされていること等から、相続税法第22条に規定する時価とは認められない。
また、借家権の控除は認められるべきとする点については、本件対象不動産は評価通達に定める評価方法に準じて評価することができない財産であるから、借家権の控除に関してのみ評価通達に準じて評価することを許容すべき理由はない。

以上のことから、本件対象不動産の価額は、本件鑑定価額によることが相当である。

★リンクはこちら⇒ 米国e州f市に所在する不動産について、その時価をe州遺産税の申告に当たりe州税務当局により是認された鑑定価額により評価した原処分を相当と認めた事例

2017年1月20日

平成28年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、ホームページに『平成28年分贈与税の申告のしかた』を掲載した。

この冊子は、一般的な事項を説明している。

  • 平成28年分の贈与税の申告書の受付は、平成29年2月1日(水)から同年3月15日(水)まで
  • 平成28年分の贈与税の納期限は、平成29年3月15日(水)

★リンクはこちら⇒ 平成28年分贈与税の申告のしかた

2017年1月12日

平成28年分贈与税の申告書等

国税庁は、ホームページに『平成28年分贈与税の申告書等』を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 平成28年分贈与税の申告書等

2016年12月16日

平成28年9月及び10月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-49)が公表された。

今回は平成28年9月及び10月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

相変わらず、文書の日付とホームページへの掲載には、タイムラグがある。

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-49)

2016年12月1日

贈与税の申告は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で

国税庁は、『贈与税の申告は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で』(チラシ)を作成した。

★リンクはこちら⇒ 贈与税の申告は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で

2016年12月1日

パンフレット「あなたと歩む成年後見制度(税理士は財産管理の専門家です)」

日本税理士会連合会(いわゆる日税連)成年後見支援センターは、パンフレット「あなたと歩む成年後見制度(税理士は財産管理の専門家です)」を作製した。

このパンフレットは、成年後見制度の仕組みと税理士の役割などを分かりやすく説明したものである。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「あなたと歩む成年後見制度(税理士は財産管理の専門家です)」

2016年11月22日

平成28年7月~9月分の基準年利率

平成28年7月~9月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-46)が公表された。

平成28年7月~9月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成28年10月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期と中期は横這いであるが、長期は5月から0.01%であったが、9月から0.05%となっている。

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-46)

2016年10月18日

平成28年7月及び8月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-44)が公表された。

今回は平成28年7月及び8月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

相変わらず、文書の日付とホームページへの掲載には、タイムラグがある。

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-44)

2016年10月18日

評価対象地は、道路等の公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められないから、財産評価基本通達24-4に定める広大地に該当しないとした事例

平成23年11月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
一部取消し
平成27年11月25日裁決

<ポイント>
本事例は、評価対象地について道路等の公共公益的施設用地の負担を必要としない開発想定図は接道状況を踏まえた経済的に合理的な開発想定図と認められ、道路の接続状況が評価対象地と明らかに異なる開発事例は評価に当たり比較すべき開発事例とは認められず、また、評価対象地の相続開始日後の開発形態のみにより経済的に最も合理的と認められる開発であるか否かを判断することは相当でないと判断したものである。

<要旨>
請求人らは、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める開発行為を行うとした場合における公共公益的施設用地の負担が必要か否かの判断について、分譲が販売である以上、購入者側のニーズや需要という経済的合理性に応えた上でのものでなければならず、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)は、請求人らの開発想定図又は分譲完了直前図のように道路を設置することにより、宅地としての財産価値が高まり、経済的に最も合理的な分譲ができることから、広大地通達に定める広大地に該当する旨主張する。

しかしながら、①本件土地について道路等の公共公益的施設用地の負担を必要としない原処分庁の開発想定図は、本件土地の広大地通達に定めるその地域(本件地域)における標準的な宅地の地積に、本件土地がその四方を幅員約6mないし約8mの公道に面している接道状況を踏まえたものであり、同図の各区画には、間口距離、奥行距離及びその形状も特段不合理とする点は認められないこと、②本件土地の所在する地域及びその周辺地域において、相続開始日前おおむね10年以内に行われた戸建住宅用地としての開発は4事例が認められ、いずれも道路の設置を伴う開発であるところ、これら開発事例の土地は公道と面していないなど道路の接続状況が本件土地と明らかに異なるとして、いずれも本件土地の評価に当たり比較すべき開発事例とは認められないことからすると、本件土地は、戸建住宅の敷地として都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に道路等の公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められないから、広大地通達に定める広大地に該当しない。
また、本件土地は、相続開始日から約1年5か月を経過した頃に実際に道路が設置された開発が行われているが、本件土地の相続開始日後の開発形態のみにより、本件土地について相続開始日において開発行為を行うとした場合に道路の設置を伴う開発が経済的に最も合理的と認められる開発であるか否かを判断することは相当でない。

★リンクはこちら⇒ 評価対象地は、道路等の公共公益的施設用地の負担が必要であるとは認められないから、財産評価基本通達24-4に定める広大地に該当しないとした事例

2016年10月13日

後見ポータルサイト

裁判所は、『後見ポータルサイト』を開設した。

ここでは,成年後見制度の利用を検討されている方に向けて,後見制度についての説明や手続の流れ,申立てに必要な書式や資料等を紹介している。

  • 成年後見制度について
  • 未成年後見制度について
  • 後見制度支援信託について
  • 後見監督について
  • 資料・ビデオ
  • よくある質問
  • 手続案内及び各種書式
  • 各地の裁判所一覧

★リンクはこちら⇒ 後見ポータルサイト

2016年8月29日

平成28年5月及び6月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-23)が公表された。

今回は平成28年5月及び6月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

相変わらず、文書の日付とホームページへの掲載には、タイムラグが2、3週間くらいあるが、なぜすぐにホームページに掲載しないのだろうか?

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-39)

2016年8月24日

平成28年3月及び4月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-30)が公表された。

今回は平成28年3月及び4月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

相変わらず、文書の日付とホームページへの掲載には、タイムラグが2、3週間くらいある。

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-30)

2016年8月23日

相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集(平成28年分用)

国税庁は、『相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集(平成28年分用)』を作成した。
この事例集は、相続税申告書を作成するに当たって、誤りやすい項目について事例形式で紹介したものである。
「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減」を適用した相続税申告書の記載例(平成28年分用)と併せてご覧いただくと良い。
 http://www.nta.go.jp/souzoku-tokushu/sozoku-shinkokukisairei28.pdf

また、相続税の申告書が正しく作成されるよう一般に誤りやすい事項をまとめた「相続税の申告のためのチェックシート(平成28年分以降用)」も利用すること。
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/checksheet2015/pdf/28-01.pdf

 ★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集(平成28年分用)(既に削除済み)

<追加 平成29年4月1日現在>

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集(平成29年4月1日現在)

2016年8月16日

相続税の申告のしかた(平成28年分用)

国税庁は、『相続税の申告のしかた(平成28年分用)』を公表した。

相続税は、個人が被相続人(亡くなられた人のことをいう。)の財産を相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって取得した場合に、その取得した財産の価額を基に課される税金である。

(1)相続
相続は、原則として、死亡によって開始する。
そして、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に関する一切の権利義務を承継することになる(扶養を請求する権利や文化功労者年金を受ける権利など被相続人の一身に専属していたものは、承継されない。)。
(2)遺贈
遺贈とは、被相続人の遺言によってその財産を移転することをいう。
(注)
 贈与をした人が亡くなることによって効力を生じる贈与(これを死因贈与という。)については、相続税法上、遺贈として取り扱われる。
(3)相続時精算課税に係る贈与
相続時精算課税とは、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納付し、贈与者が亡くなったときにその贈与財産の価額と相続や遺贈によって取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納付した贈与税に相当する金額を控除した額をもって納付すべき相続税額とする制度(相続時に精算)で、その贈与者から受ける贈与を「相続時精算課税に係る贈与」という。
贈与により財産を取得した人が、この制度の適用を受けるためには、一定の要件の下、原則として贈与税の申告期限までに贈与税の申告書とともに「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する必要がある。
この届出書を提出した人を「相続時精算課税適用者」という。

(4)相続人
民法では、相続人の範囲と順位について以下のとおり定めている。
ただし、相続を放棄した人や相続権を失った人は初めから相続人でなかったものとされる。
イ.被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
(注)
 配偶者とは、婚姻の届出をした夫または妻をいい、内縁関係にある人は含まれない。
ロ.以下の人は、以下の順序で配偶者とともに相続人となる。

(イ) 被相続人の子(子が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや相続権を失っているときは、孫(直系卑属)が相続人となる。)
(ロ) 被相続人に子や孫(直系卑属)がいないときは、被相続人の父母(父母が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや相続権を失っているときは、祖父母(直系尊属)が相続人となる。)
(ハ) 被相続人に子や孫(直系卑属)も父母や祖父母(直系尊属)もいないときは、被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや相続権を失っているときは、おい、めい(兄弟姉妹の子)が相続人となる。)

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(平成28年分用)

2016年8月8日

相続税の申告書等の様式一覧(平成28年分用)

国税庁は、『相続税の申告書等の様式一覧(平成28年分用)』を公表した。

個人的には、路線価の公表に合わせて公表されるが、税務用のソフトの対応は数か月後になるので、早く相続税の申告をしたいと思っていてもできない方がいるので、7月1日ではなく、もっと早く出してほしいと思う。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(平成28年分用)

2016年8月4日

平成28年4月~6月分の基準年利率

平成28年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-37)が公表された。

平成28年4月~6月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成28年7月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期と中期は横這いであるが、長期は1月0.5%、2月0.25%、3月0.1%、4月0.05%、5・6月0.01%と、マイナス金利の影響で大幅に下落している。

★リンクはこちら⇒ 平成28年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-37)

2016年7月29日

割引発行の公社債の評価

平成25年度税制改正において、公社債等に係る所得に対する所得税の課税方式が見直され、平成28年1月1日以後に発行される割引発行の公社債の償還差益に係る源泉徴収は、発行時ではなく償還時に行うこととされたことから、割引発行の公社債の評価について、割引発行の公社債の差益金額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には、その金額を控除した金額によって評価する所要の改正を行った。

1.従来の取扱い
割引発行の公社債の評価については、以下に掲げる区分に従い、原則として市場価額を基に評価することとしている。

(1) 金融商品取引所に上場されている割引発行の公社債
(2) 日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定された割引発行の公社債(金融商品取引所に上場されている割引発行の公社債及び割引金融債を除く。)
(3) (1)または(2)に掲げる割引発行の公社債以外の割引発行の公社債

2.通達改正の概要等
(1)税制改正の概要(公社債等に係る所得に対する課税方式の見直し)
従来、割引債の償還差益に係る所得に対する課税については、割引債の発行時に源泉徴収することとされており、個人については他の所得と分離して源泉徴収のみで課税が終了する源泉分離課税とされ、割引債の譲渡所得は非課税とされていたが、平成25年度税制改正により、割引債を含む公社債の譲渡による譲渡所得に対して所得税を課税することとされたことに伴い、平成28年1月1日以後に発行される割引債の償還差益に係る所得税の源泉徴収については発行時ではなく、利付公社債の利子と同様に償還時に行うこととされた。

(2)通達改正の概要
従来、割引発行の公社債の償還差益に係る所得税相当額は発行時に源泉徴収されていたため、評価通達上、当該所得税相当額に係る取扱いは明記されていない。
今般の改正を受けて、割引発行の公社債の償還差益に係る源泉所得税相当額が、発行時ではなく償還時に源泉徴収がなされる場合が生じることとなることから、このような場合の償還差益に係る源泉所得税相当額については、評価上、考慮する必要があるものと考えられる。
そこで、割引発行の公社債の評価について、差益金額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には、その差益金額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額を控除した金額によって評価することとした。

(3)適用時期
平成28年1月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価に適用することとした。

★リンクはこちら⇒ 割引発行の公社債の評価

2016年7月25日

利付公社債の評価等

平成25年度税制改正において、公社債等に係る所得に対する道府県民税の課税方式が見直され、平成28年1月1日以後に受ける特定公社債等の利子等に係る所得については、利子割の課税対象から除外した上で、配当割の課税対象とされたことから、利付公社債の評価等について、「源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額」に含むこととしている「特別徴収されるべき道府県民税」に利子割の額のみならず配当割の額に相当する金額も含まれるよう所要の改正を行った。

1.従来の取扱い
利付公社債については、以下の(1)から(3)に分類した上で、各々以下のとおり評価することとしている。

(1)金融商品取引所に上場されているもの
金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格+源泉所得税額相当額()控除後の既経過利息の額
()
源泉所得税額相当額には、特別徴収されるべき道府県民税の利子割の額に相当する金額を含む。以下(2)及び(3)について同じ。

(2)日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定されたもの((1)に該当するものを除く。)
日本証券業協会から公表された課税時期の平均値+源泉所得税額相当額控除後の既経過利息の額

(3)(1)または(2)に掲げる以外のもの
発行価額+源泉所得税額相当額控除後の既経過利息の額

2.通達改正の概要等
(1)税制改正の概要(公社債等に係る所得に対する課税方式の見直し)
平成25年度税制改正により、地方税(道府県民税)に関し、平成28年1月1日以後に受ける特定公社債等()の利子等に係る所得については、利子割の課税対象から除外した上で、配当割の課税対象とされた。
()
特定公社債等とは、特定公社債(特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公 社債などの一定の公社債をいう。)、公募公社債投資信託の受益権、証券投資信託以外の公募投資信託 の受益権及び特定目的信託(その社債的受益権の募集が公募により行われたものに限る。)の社債的受益権のことをいう。

(2)通達改正の概要
利付公社債については、上記⑴の税制改正により、平成28年1月1日以後に受ける利子等に係る所得に対して課される道府県民税に関し、利子割に加えて配当割が含まれることとされたことから、利付公社債の評価について「源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額」に含むこととしている「特別徴収されるべき道府県民税」に、配当割も含まれるよう、「特別徴収されるべき道府県民税の利子割の額に相当する金額」を「特別徴収されるべき道府県民税の額に相当する金額」と改正することとした。
また、評価通達において「源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額」を控除することとしている他の財産についても同様に取り扱うことを明確にした。

(3)適用時期
平成28年1月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価に適用することとした。

★リンクはこちら⇒ 利付公社債の評価等

2016年7月21日

取引相場のない株式等の評価(純資産価額方式における法人税額等相当額)

平成28年度税制改正において、法人税率の改正が行われたことに伴い、純資産価額方式における「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」の算定に用いる「法人税(地方法人税を含む。)、事業税(地方法人特別税を含む。)、道府県民税及び市町村民税の税率の合計に相当する割合」を38%から37%に改正するなど所要の改正を行った。

1.従来の取扱い
取引相場のない株式等を評価する場合の純資産価額方式は、次の算式により計算することとしている。
 (算式)
純資産価額=【総資産価額()-負債の合計額-評価差額に対する法人税額等に
相当する金額】÷発行済株式数
相続税評価額による総資産価額
この場合の「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」は、「相続税評価額による純資産価額」から「帳簿価額による純資産価額」を控除した残額に「法人税(地方法人税を含む。)、事業税(地方法人特別税を含む。)、道府県民税及び市町村民税の税率の合計に相当する割合」(以下「法人税率等の合計割合」という。)として「38%」を乗じて計算した金額としていた。

2.通達改正の概要等
(1)法人税の税率の改正の内容
平成28年度税制改正により、法人税率が23.9%から23.4%()に引き下げられ、平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用することとされた。
()
所得税法等の一部を改正する法律第2条に基づく改正後の法人税率は23.2%であるが、同法附則第26条により、平成28年4月1日から平成30年3月31日までに開始する事業年度における法人税率は23.4%とされている。

(2)通達改正の概要
上記(1)の改正により、「法人税率等の合計割合」の根拠となる税率が変わることから、「法人税率等の合計割合」を「38%」から「37%」に改正することとした。

(3)明細書通達の改正
本改正に伴い、次の評価明細書における「評価差額に対する法人税額等相当額」欄について改正した。

  • 「第5表 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」
  • 「第8表 株式保有特定会社の株式の価額の計算明細書(続)」

(4)適用時期
平成28年4月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した取引相場のない株式等の評価に適用することとした。

★リンクはこちら⇒ 取引相場のない株式等の評価(純資産価額方式における法人税額等相当額)

2016年7月19日

被相続人が米国f州にジョイント・テナンシーの形態で所有していた不動産について、生存合有者(ジョイント・テナンツ)が取得した被相続人の持分は、みなし贈与財産に該当し、相続税の課税価格に加算されるとした事例

①平成21年12月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の変更決定処分
②平成21年12月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
③平成21年12月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の各賦課決定処分
①全部取消し
②一部取消し
③棄却
平成27年8月4日裁決

<要旨>
請求人らは、ジョイント・テナンシーの形態により被相続人が米国f州に所在する不動産(本件不動産)について有する持分は、我が国における共有財産ではないから、相続税の課税価格に算入されるべきものではない旨主張する。

しかしながら、被相続人及び請求人P2がジョイント・テナンシーの形態で所有している本件不動産については、ジョイント・テナンツ(合有者)の一人である被相続人が死亡したことにより、その権利は、相続されることなく、生存者への権利の帰属(サバイバー・シップ)の原則に基づいて、残りのジョイント・テナンツである請求人P2の権利に吸収されたものと認められる。
そして、サバイバー・シップの原則により請求人P2の権利が増加した時に対価の授受があった事実は認められないから、生存者である請求人P2は相続税法第9条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合―その他の利益の享受》に規定する「対価を支払わないで利益を受けた場合」に該当すると認められるところ、この権利の増加は、同条により、請求人P2が被相続人から贈与により取得したものとみなされる。
さらに、この権利の増加につき、請求人P2には、相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項が適用されることとなる。

したがって、被相続人がジョイント・テナンシーの形態で所有する本件不動産の持分については、請求人P2が被相続人から贈与により取得したものとみなされ、本件不動産の価額の2分の1に相当する部分の金額については、相続税の課税価格に加算すべきものと認められる。

★リンクはこちら⇒ 被相続人が米国f州にジョイント・テナンシーの形態で所有していた不動産について、生存合有者(ジョイント・テナンツ)が取得した被相続人の持分は、みなし贈与財産に該当し、相続税の課税価格に加算されるとした事例

2016年7月8日

登録された車両は、請求人の父がその資金の全額を拠出しており、贈与に当たるとして行われた贈与税の決定処分について、請求人に対する贈与の事実はないとして、贈与税の決定処分の全部を取り消した事例

平成20年分贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分
全部取消し
平成27年9月1日裁決

<ポイント>
本事例は、取得資金の拠出者以外の名義で登録された財産について、相続税法基本通達9-9に基づく贈与税課税の課否を問題としたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の父(父)が請求人の名義で新たに購入した車両(本件車両)は、相続税法基本通達(相基通)9-9《財産の名義変更があった場合》により、原則として贈与として取り扱われるべきものである旨、及び本件車両の名義を請求人として登録したことが過誤に基づき、又は軽率にされたものであり、かつ、それが取得者等の年齢その他により当該事実を確認できるに足る証拠は認められないから、昭和39年5月23日付直審(資)22、直資68「名義変更等が行われた後にその取消し等があった場合の贈与税の取扱いについて」(本件通達)の5を適用することはできない旨主張する。

しかしながら、相基通9-9は、反証があれば、贈与として取り扱わない場合があるところ、本件においては、父は購入特典の利用のために、請求人の名義を使用したことが認められ、これに加えて、①父が本件車両を請求人に贈与する動機はなかったと認められること、②請求人への贈与の事実を疑わせる事情が存在すること、③父は、本件車両の取得資金を出捐し、売却に際してはその売却代金を自ら受領・費消するとともに、その間本件車両に係る維持管理費用を全て負担していたことなどの諸事情を総合すると、本件車両の贈与の不存在について反証がされているといえる。

したがって、請求人は本件車両の贈与を受けたとは認められない。
なお、本件通達は、相基通9-9の要件を満たしているにも関わらず課税庁の立場から贈与として取り扱わない場合を類型化したものにすぎず、相手方による反証はこれに限定されるものではないところ、本件においてはその反証がされている。

★リンクはこちら⇒ 登録された車両は、請求人の父がその資金の全額を拠出しており、贈与に当たるとして行われた贈与税の決定処分について、請求人に対する贈与の事実はないとして、贈与税の決定処分の全部を取り消した事例

2016年7月6日

平成28年度路線価の公表

2016年7月1日に、国税庁が、『平成28年度の路線価』を公表した。

我がうどん県は、24年連続下落である。

個人的には、路線価が出ないと相続税の申告ができない方がいるので、7月1日ではなく、もっと早く出してほしいと思う。

★リンクはこちら⇒ 平成28年分財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

2016年7月5日

平成28年1月~3月分の基準年利率

平成28年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-25)が公表された。

平成28年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成28年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

平成27年と比べると、短期は横這いであるが、中期は下落後横這い、長期は大幅に下落している。

★リンクはこちら⇒ 平成28年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-25)

2016年6月24日

平成28年1月、2月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-23)がようやく公表された。

今回は平成28年1月及び2月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

そもそも1月分と2月分が6月に公表されるというのはあまりにも遅すぎると思われるが、相変わらず、文書の日付とホームページへの掲載には、タイムラグが3週間くらいある。

★リンクはこちら⇒ 「平成28年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-23)

2016年6月23日

相続税の申告要否判定コーナー

国税庁は、リーフレット『「相続税の申告要否判定コーナー」をご利用ください』(平成28年5月)をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告要否判定コーナー

2016年5月11日

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正

平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部をリンクのとおり改正し、平成28年4月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。

(注)
リンクの別紙のうち、アンダーラインを付した部分が改正部分である。

★リンクはこちら⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-12・課資2-6・課審7-3)

2016年5月11日

平成28年分の路線価図等の公開予定日

平成28年分の路線価図等は、7月1日(金)10時に公開することを予定とのこと。

公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがある。

★リンクはこちら⇒ 平成28年分の路線価図等の公開予定日について

2016年4月26日

平成27年11月、12月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1)が公表された。

今回は平成27年11月及び12月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1)

2016年1月25日

平成27年10月~12月分の基準年利率

平成27年10月~12月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-3)が公表された。

平成27年10月~12月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期・中期・長期ともに、横這いである(それぞれ、0.01%、0.05%、0.5%)。

★リンクはこちら⇒ 平成27年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-13 平成27年5月12日 (最終改正)平成28年1月12日 課評2-3)

2016年1月21日

平成27年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、『平成27年分贈与税の申告書等の様式一覧』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 平成27年分贈与税の申告書等の様式一覧

2015年12月25日

住宅取得等資金の贈与と住宅借入金等特別控除との関係

<照会要旨>
私は、新築の店舗兼住宅を取得するに当たり、父から金銭の贈与を受ける予定である。
この贈与については、租税特別措置法第70条の2の規定の適用を受けたいと考えている。
ところで、この非課税制度には、取得した新築住宅の床面積が50平方メートル以上240平方メートル未満でなければならいないという基準が設けられているところ、私が取得しようとしている店舗兼併用住宅の床面積は、店舗として使用する部分が150平方メートル、住宅として使用する部分の床面積は100平方メートルとなっている。
このように、取得しようとしている新築の店舗兼住宅の全体の床面積は250平方メートルあり、この新築の店舗兼住宅は、上記の床面積基準に該当しない新築住宅であるとも考えられるが、住宅として使用する部分の床面積だけ見れば、上記の床面積基準に該当するため、非課税制度の適用を受けるための他の要件を満たしていれば、父からの金銭の贈与については、この非課税制度の適用があると考えるがいかがか。

<回答要旨>
この金銭の贈与について、非課税制度の適用はない。

非課税制度の床面積基準の判定は、贈与を受けた者の居住の用以外の用に供されている部分も含めた家屋全体の床面積で行うことになる。

★リンクはこちら⇒ 住宅取得等資金の贈与と住宅借入金等特別控除との関係

2015年12月18日

店舗兼住宅を取得した場合の床面積要件

<照会要旨>
私は、新築の店舗兼住宅を取得するに当たり、父から金銭の贈与を受ける予定である。
この贈与については、租税特別措置法第70条の2の規定の適用を受けたいと考えている。
ところで、この非課税制度には、取得した新築住宅の床面積が50平方メートル以上240平方メートル未満でなければならいないという基準が設けられているところ、私が取得しようとしている店舗兼併用住宅の床面積は、店舗として使用する部分が150平方メートル、住宅として使用する部分の床面積は100平方メートルとなっている。
このように、取得しようとしている新築の店舗兼住宅の全体の床面積は250平方メートルあり、この新築の店舗兼住宅は、上記の床面積基準に該当しない新築住宅であるとも考えられるが、住宅として使用する部分の床面積だけ見れば、上記の床面積基準に該当するため、非課税制度の適用を受けるための他の要件を満たしていれば、父からの金銭の贈与については、この非課税制度の適用があると考えるが如何か。

<回答要旨>
この金銭の贈与について、非課税制度の適用はない。

非課税制度の床面積基準の判定は、贈与を受けた者の居住の用以外の用に供されている部分も含めた家屋全体の床面積で行うことになる。

★リンクはこちら⇒ 店舗兼住宅を取得した場合の床面積要件

2015年12月18日

老人ホームに入所していた被相続人が要介護認定の申請中に死亡した場合の小規模宅地等の特例

<照会要旨>
老人ホームに入所していた被相続人が、要介護認定の申請中に亡くなったが、相続開始の時において要介護認定を受けていなかった。
この場合において、相続の開始後に被相続人に要介護認定があったときには、租税特別措置法施行令第40条の2第2項第1号に規定する要介護認定を受けていた被相続人に該当するものと考えてよいか。

<回答要旨>
照会のとおりで差し支えない。

1.税法の規定
租税特別措置法第69条の4第1項に規定する居住の用に供することができない事由の一つとして、介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定又は同条第2項に規定する要支援認定(以下「要介護認定等」という。)を受けていた被相続人が、租税特別措置法施行令第40条の2第2項第1号イに規定する特別養護老人ホーム等に入所していたことが定められている。
「租税特別措置法(相続税の特例関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」69の4-7の2《要介護認定等の判定時期》で、この要介護認定等を受けていたかどうかは、その被相続人が、その被相続人の相続の開始の直前においてその要介護認定等を受けていたかにより判定することとしている。

2.介護保険法の規定
介護保険法では、要介護認定等の申請を受けた市町村は、被保険者の心身の状況等を調査し、その調査の結果を認定審査会に通知し、審査及び判定を求め、認定審査会の審査判定の結果に基づき認定を行った場合には、被保険者に通知しなければならないとされている(介護保険法第27条①~⑦、第32条①~⑥)。
また、市町村は上記の申請のあった日から30日以内にその申請に対する処分を行わなければならないとされ、市町村が要介護認定等を行った場合には、その効力は、申請のあった日にさかのぼって生ずるものとされている(介護保険法第27条⑧⑪、第32条⑦)。

3.相続開始の日以後に要介護認定等があった場合
老人ホームに入所していた被相続人が要介護認定等の申請中に相続が開始した場合で、その被相続人の相続開始の日以後に要介護認定等があったときには、要介護認定等はその申請のあった日にさかのぼってその効力が生ずることとなる。
要介護認定等が行われる場合、市町村は、被相続人の生前に心身の状況等の調査を行っていることから、被相続人が、相続の開始の直前において介護又は支援を必要とする状態にあったことは明らかであると認められる。

したがって、被相続人は相続の開始の直前において要介護認定等を受けていた者に該当するものとして差し支えない。

★リンクはこちら⇒ 老人ホームに入所していた被相続人が要介護認定の申請中に死亡した場合の小規模宅地等の特例

2015年12月16日

平成27年9月、10月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-41)が公表された。

いつも思うが、法令解釈通達の日付とホームページ公表日に半月くらいの差があるのはなぜなのだろうか?。

今回は平成27年9月及び10月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-41)

2015年12月15日

相当の地代を支払っている場合の借地権は、贈与財産である株式の純資産価額の計算上、株式の発行会社の資産の部に算入するとした事例

平成24年分贈与税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
一部取消し
平成27年3月25日裁決

<ポイント>
本事例は、同族会社に土地を貸し付けている当該同族会社の同族関係者が、当該同族会社の株式を贈与した場合においても、相当地代通達6の注書の適用があるとしたものである。

<要旨>
請求人は、実父(父H)から贈与により取得した同族会社(本件同族会社)の株式(本件株式)の評価に当たり、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60直資2-58ほか)(60年通達)の6の注書及び「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」(昭和43直資3-22ほか)は、いずれも相続税の課税上のみの取扱いであるから、20%の借地権相当額を本件同族会社の純資産価額に算入すべきではない旨主張する。

しかしながら、60年通達の6の注書は、生前贈与の場合にも及ぼすべきであると考えられるところ、より一般的にいうなら、同族会社の株式を贈与する同族関係者からみて、相当程度年下の第1順位の推定相続人が受贈者である場合には、当該会社に借地権が設定されている土地の所有者との関係次第で、60年通達の注書の取扱いにより借地権相当額を当該会社の純資産価額に算入すべき場合があるということになる。

本件においては、本件株式の贈与者である父Hが所有する土地を、相当の地代を収受して父Hが同族関係者となっている本件同族会社に貸し付けている状況において、本件株式を同人の実子である請求人に贈与していることから、本件株式の評価に当たり、借地権の価額を本件同族会社の純資産価額に算入することは相当である。

★リンクはこちら⇒ 相当の地代を支払っている場合の借地権は、贈与財産である株式の純資産価額の計算上、株式の発行会社の資産の部に算入するとした事例

2015年11月18日

平成27年7月~9月分の基準年利率

平成27年7月~9月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-39)が公表された。

平成27年7月~9月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

  • 短期は、横這い(0.01%)。
  • 中期も、7月に上昇した(0.05%→0.1%)が、8月には元に戻っている。
  • 長期は、9月に下落した(0.75%→0.5%)。

★リンクはこちら⇒ 平成27年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-39)

2015年10月28日

平成27年7月、8月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-37)が公表された。

いつも思うが、法令解釈通達の日付とホームページ公表日に半月くらいの差があるのはなぜなのだろうか?

今回は平成27年7月及び8月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-37)

2015年10月27日

農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の評価

<照会要旨>
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の価額は、その農地の自用地としての価額からその価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(理由)
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により設定されている賃借権に係る農地の賃貸借については、農地法第17条(農地又は採草放牧地の賃貸借の更新)本文の賃貸借の法定更新などの適用が除外されており、いわゆる耕作権としての価格が生じるような強い権利ではない。
そのため、この農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、その価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(注)
なお、その賃貸借に基づく賃借権の価額(その農地の自用地としての価額の100分の5相当額)については、相続税または贈与税の課税価格に算入する必要はない。

★リンクはこちら⇒ 農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の評価

2015年9月29日

相続税の申告のためのチェックシート(平成27年分以降用)

国税庁は、相続税の申告のためのチェックシート(平成27年分以降用)を公表した。

このチェックシートは、相続税の申告書が正しく作成されるよう、一般に誤りやすい事項をまとめたものである。

国税庁は、申告書作成に際して、このチェックシートでチェックのうえ、申告書に添付して提出するようお願いしている。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のためのチェックシート(平成27年分以降用)

2015年9月15日

担保物の一部に対する強制換価手続が相続税法第40条第2項に規定する「強制換価手続が開始されたとき」に該当するとした事例

相続税の延納許可の取消処分
棄却 平成26年11月25日裁決

<要旨>
請求人は、原処分庁が行った延納許可の取消処分(本件取消処分)について、相続税法第40条《延納申請に係る徴収猶予等》第2項の「延納税額に係る担保物につき国税徴収法第2条《定義》第12号に規定する強制換価手続が開始されたとき」とは、延納許可に係る担保物全てについて強制換価手続が開始されたときをいうことから、複数の担保物の一部のみに強制換価手続が開始されたことをもってなされた本件取消処分は適切な弁明聴取を欠いた違法な処分である旨主張する。

しかしながら、延納許可に係る担保物の一部について第三者による強制換価手続が開始された場合においても、弁明の聴取を行っていては、当該強制換価手続によって担保物の一部が換価され、延納税額等の徴収を確保できなくなるおそれがあることから、相続税法第40条第2項に基づき、弁明を聴取することなく延納許可を取り消すことができる。

したがって、適切な弁明聴取が行われたか否かについて判断するまでもなく、本件取消処分が適切な弁明聴取を欠くことを理由に違法な処分であるとはいえない。

★リンクはこちら⇒ 「担保物の一部に対する強制換価手続が相続税法第40条第2項に規定する「強制換価手続が開始されたとき」に該当するとした事例

2015年9月8日

平成27年5月、6月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-32)が公表された。

いつも思うが、法令解釈通達の日付とホームページ公表日に半月くらいの差があるのはなぜなのだろうか?。

今回は平成27年5月及び6月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-32)

2015年8月20日

相続税の申告書等の様式一覧(平成27年分用)

国税庁は、『相続税の申告書等の様式一覧(平成27年分用)』をホームページに公表した。

個人的には、公表があまりにも遅すぎると思う。

なぜなら、7月1日に公表すると、それに対応して申告ソフトメーカーが、申告ソフトをバージョンアップするため、申告ソフトが使えるようになるまで2か月くらいかかってしまう。
国税庁は、例えば、1月1日に亡くなっても11月1日までに申告すれば良いと考えているのかもしれないが、世の中には早く申告をしたいと考えている方もたくさんいらっしゃるのである。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告書等の様式一覧(平成27年分用)

2015年7月29日

平成27年4月~6月分の基準年利率

平成27年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-23)が公表された。

平成27年4月~6月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
短期は、4月に上昇した(0.01%→0.05%)が、5月には元に戻っている。
中期も、4月に上昇した(0.05%→0.1%)が、5月には元に戻っている。
長期は、6月から上昇している(0.5%→0.75%)。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-23 平成27年7月1日)

2015年7月17日

相続税の申告の仕方(平成27年分用)

国税庁は、『相続税の申告の仕方(平成27年分用)』を作成した。

内容は、以下のとおり。
1.相続税のあらまし
2.相続税の申告
3.相続税の納付
4.相続税の申告書の記載例

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告の仕方(平成27年分用)

2015年7月16日

相続税の申告要否判定コーナー

国税庁は、相続税の申告要否判定コーナーをホームページ上に設けた。
相続税の申告要否判定コーナーは、

  • 相続財産の金額などを入力することにより、相続税の申告のおおよその要否を判定するものである。
  • 相続税の申告書を作成するものではないので、留意すること。
  • 税務署から「相続税についてのお尋ね」が届いた方が、税務署への回答を作成する場合にも利用することができる。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告要否判定コーナー

2015年7月9日

「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」など

国税庁は、「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」などについてをホームページに掲載した。

このページでは、平成27年度税制改正において創設された「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」に関する情報を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」などについて

2015年7月6日

平成27年度分の路線価図等

国税庁が、2015年7月1日に『平成27年分の路線価図等』を公表した。

この財産評価基準は、平成27年度中に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。

★リンクはこちら⇒ 財産評価基準書(平成27年分)

2015年7月2日

平成27年3月、4月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-18)が公表された。

いつも思うが、法令解釈通達の日付とホームページ公表日に半月くらいの差があるのはなぜなのだろうか?

今回は平成27年3月及び4月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-18)

2015年7月1日

インターネット番組『相続税の申告要否判定コーナーを利用した申告要否の確認』

国税庁は、インターネット番組『相続税の申告要否判定コーナーを利用した申告要否の確認』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ インターネット番組『相続税の申告要否判定コーナーを利用した申告要否の確認』

2015年6月30日

平成27年1月、2月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-15)がようやく公表された。

今回は平成27年1月及び2月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

個人的には、1月と2月のものが、6月に公表されるのはあまりにも遅すぎると思う。
もっと早く公表して欲しい。

★リンクはこちら⇒ 「平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)(課評2-15)

2015年6月17日

相続税の小規模宅地等の特例について、特例適用対象土地を取得した相続人全員の同意を証する書類の提出がないことから、同特例の適用はないとした事例

平成22年2月相続開始に係る相続税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
棄却 平成26年8月8日裁決

<要旨>
請求人は、同人に相続させる旨の遺言により相続した宅地について、①他の相続人は、遺言無効確認等訴訟が終了したときには、当該宅地に租税特別措置法(平成22年法律第6号による改正前のもの)第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第1項の規定(本件特例)を適用することに反対していない、②遺言書の効力について訴訟で争われている場合には、当該宅地を選択特例対象宅地等とすることについて相続人全員の同意を必要とすることは、不可能なことを要求するものであるなどとして、当該宅地には、相続人全員の同意を証する書類の提出がなくても本件特例の適用が認められるべきである旨主張する。

しかしながら、本件特例を適用するためには、租税特別措置法施行令(平成22年政令第58号による改正前のもの)第40条の2《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第3項第3号により、特例対象宅地等のうち本件特例の適用を受けるものの選択について、当該特例対象宅地等を取得した全ての個人の同意を証する書類の提出が必要とされているところ、請求人は、当該宅地につき特例対象宅地等を取得した全ての個人の同意を証する書類を提出していないから、当該宅地に本件特例を適用することはできない。
なお、請求人の主張するような個別事情がある場合において、例外的に同意を証する書類の提出が必要でないとする規定はなく、また、租税特別措置法の規定をみだりに拡張解釈することは許されない。

★リンクはこちら⇒ 相続税の小規模宅地等の特例について、特例適用対象土地を取得した相続人全員の同意を証する書類の提出がないことから、同特例の適用はないとした事例

2015年6月9日

平成27年1月~3月分の基準年利率

平成27年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-13)が公表された。

平成27年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
なお、平成27年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期と長期は横這いであるが、中期は上昇している。

★リンクはこちら⇒ 平成27年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-13)

2015年5月29日

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正

平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部をリンクのとおり改正し、平成27年4月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。

★リンクはこちら⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正(課評2-7 課資2-3 課審7-4 平成27年4月3日)

2015年5月26日

評価差額に対する法人税額等に相当する金額の40%から38%への引き下げ

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部が下記のとおり改正され、平成27年4月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価に適用することとされたから、これによられたい。

(趣旨)
所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)の施行等に伴い、所要の改正を行うものである。

★リンクはこちら⇒ 「昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部改正(課評2-5 課資2-2 課審7-2 平成27年4月3日)

2015年5月22日

父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

国税等のホームページで、平成27年度税制改正において創設された「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」に関する情報を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」などについて

2015年5月7日

共同相続人や遺産の範囲は確定しており、客観的に遺産分割ができ得る状態であったから、請求人が行った相続税の申告期限から3年以内に遺産が分割されなかったことについてのやむを得ない事由の承認申請を却下した処分は適法であるとした事例

平成21年4月相続開始に係る相続税について遺産が未分割であることにつきやむを得ない事由がある旨の各承認申請の各却下処分
棄却 平成26年6月2日裁決

<要旨>
請求人らは、本件相続に係る財産が本件相続に係る申告期限の翌日から3年を経過する日(本件申告期限3年経過日)までに分割されなかったことにつき、租税特別措置法施行令(平成22年3月政令第58号による改正前のもの)第40条の2《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》第11項の規定により準用される相続税法施行令第4条の2《配偶者に対する相続税額の軽減の場合の財産分割の特例》第1項第4号に規定する「税務署長においてやむを得ない事情があると認められる場合」に該当する旨主張する。

しかしながら、同号に規定する「税務署長においてやむを得ない事情があると認められる場合」に該当するか否かは、相続に係る財産が当該相続に係る相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日において、客観的に遺産分割ができないと認められる状態にあったといえるか否かにより行うことが相当であるところ、本件申告期限3年経過日の前に本件相続に係る共同相続人の範囲や本件相続に係る遺産の範囲は確定していたことが認められ、また、請求人らの遺産分割協議において協議された事項は、①別件第一次相続により取得した預金の一部に係る返済の問題、②本件相続に係る遺産のうち賃貸不動産からの収入の清算等の問題、③本件相続に係る代償金の額の問題(本件相続に係る代償金の額の決定に当たり、その対象不動産の評価額は算定されていたにもかかわらず、当該価額に納得しない者がいた。)であったと認められる。

そうすると、本件においては、本件申告期限3年経過日において、客観的に遺産分割ができないと認められる状態にあったとはいえないから、本件申告期限3年経過日までに分割されなかったことにつき、同号に規定する「税務署長においてやむを得ない事情があると認められる場合」には該当しない。

★リンクはこちら⇒ 共同相続人や遺産の範囲は確定しており、客観的に遺産分割ができ得る状態であったから、請求人が行った相続税の申告期限から3年以内に遺産が分割されなかったことについてのやむを得ない事由の承認申請を却下した処分は適法であるとした事例

2015年4月24日

相続税法第34条第6項に規定する連帯納付義務の納付通知処分が適法であるとした事例

連帯納付義務の納付通知処分
棄却 平成26年6月25日裁決

<要旨>
請求人は、本来の納税義務者には滞納相続税を納付できる十分な資力等があり、同人から徴収することが極めて容易であるにもかかわらず、原処分庁が請求人に対して恣意的に相続税法第34条《連帯納付の義務等》第6項に規定する連帯納付義務の納付通知処分を行ったことは徴収権の濫用に当たる旨主張する。

しかしながら、同法第34条第1項に規定する連帯納付義務は補充性を有しないのであって、連帯納付義務者は第二次納税義務等のように本来の納税義務者に滞納処分を執行しても徴収すべき額に不足すると認められる場合に限って納付義務を負担するというものではない。

したがって、原処分庁が徴収手続を怠った結果、本来の納税義務者から滞納相続税を徴収することができなくなったという事実があったとしても、同人又は第三者の利益を図る目的をもって恣意的に当該滞納相続税の徴収を行わず、他の相続人に対して徴収処分をしたというような事情がない限り、徴収権の濫用には当たらない。
本件の場合、このような事情は認められないことから、請求人の主張は採用することができない。

★リンクはこちら⇒ 相続税法第34条第6項に規定する連帯納付義務の納付通知処分が適法であるとした事例

2015年4月22日

相続財産である貸家の空室部分は、一時的に賃貸されていなかったものではないため、評価額の減額は認められないとした事例

平成21年8月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
棄却 平成26年4月18日裁決

<要旨>
請求人らは、相続財産である貸家(本件各貸家)について、賃貸の意図をもって経常的に維持・管理を行い、賃借人の募集業務を継続して行っていることなどを理由に、相続開始日において現に賃貸されていない各独立部分(本件各独立部分)は、財産評価基本通達26《貸家建付地の評価》の(注)2に定める「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当するから、同通達に定める賃貸割合を100%として、本件各貸家及びその敷地を評価すべきである旨主張する。

しかしながら、相続税法第22条《評価の原則》に規定する時価とは、相続により財産を取得した日における客観的な交換価値をいうことからすれば、各独立部分を有する家屋の全部又は一部が貸し付けられているかどうかについては、課税時期の現況に基づいて判断するのが原則である。
その上で、同通達26の(注)2が、例外として、賃貸割合の算出に当たり、賃貸されている各独立部分には、継続的に賃貸されていた各独立部分で、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含むこととして差し支えない旨定めているのである。
本件各独立部分については、相続開始日の前後の空室期間は、最も長いもので8年間、最短のもので4か月を超える期間に及んでいることから、「課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるもの」に該当しない。

したがって、同通達に定める賃貸割合を100%として、本件各独立部分及びその敷地を評価することはできない。

★リンクはこちら⇒ 相続財産である貸家の空室部分は、一時的に賃貸されていなかったものではないため、評価額の減額は認められないとした事例

2015年4月21日

贈与財産である宅地について、借地権の存する土地として評価するのが相当とした事例

①平成21年分の贈与税の更正処分 ②平成21年分の贈与税に係る過少申告加算税の賦課決定処分
①一部取消し ②全部取消し 平成26年5月9日裁決

<ポイント>
本事例は、贈与により取得した土地について、当該土地には借地権があるため、自用地としての価額から借地権の価額を控除して評価すべきであるとの請求人の主張を認め、処分の一部を取り消したものである。
なお、本事例は相続税法第21条の9《相続時精算課税の選択》第1項の適用事案である。

<要旨>
原処分庁は、請求人が母からの贈与(本件贈与)により取得した各土地(本件土地)について、請求人が代表者であるJ社が建築した建物(本件建物)は、本件贈与時前に滅失し、滅失後はJ社によって本件土地に建物は再建されていないことから、本件贈与時には、本件土地に係る借地権(本件借地権)は滅失している旨主張する。

しかしながら、借地法(大正10年法律第49号、平成4年8月1日廃止前のもの)第2条《借地権の存続期間》第1項ただし書は、建物がその期間満了前に朽廃したときは借地権は消滅する旨規定され、滅失はこれと区分され、建物が滅失したことのみをもって借地権は消滅しないと解されていることから、この点についての原処分庁の主張は採用できない。
J社は、遅くとも昭和63年から本件贈与時まで、本件土地の地代を支払っていたことが認められ、また、母は、亡父から本件土地を相続してから本件贈与時までの間に、J社が本件土地の使用を継続することに対して何ら異議を述べておらず、一方、J社は本件土地を継続して使用していたことが認められることからすると、遅くとも昭和63年に、J社と亡父の間には、本件土地に係る本件建物の所有を目的とする賃貸借契約が成立するとともに、母が亡父から本件土地を相続してから本件贈与時まで、同契約は継続しているものと認められる。

したがって、本件贈与時には本件借地権は存在したものと認められる。

★リンクはこちら⇒ 贈与財産である宅地について、借地権の存する土地として評価するのが相当とした事例

2015年4月17日

所有する宅地とその宅地に隣接する相当の地代を支払って借り受けている借地権は、一体で評価することが相当であるとした事例

平成22年8月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
棄却 平成26年4月22日裁決

<ポイント>
本事例は、所有する宅地に隣接する宅地を相当の地代を支払い借り受けている場合において、相当の地代を支払って借り受けている借地権の価額は零と評価されるが、当該借地権は土地を専属的に利用できる権利であるから、所有する宅地と当該借地権が一体で利用されている場合には、これらを併せた全体を評価単位(1画地の宅地)として一体で評価することが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人らは、相続により取得し、隣接する各借地(本件各借地)とともに貸家の敷地として利用していた宅地(本件宅地)の価額について、本件各借地に係る借地権は、相当の地代の支払により、その価額が零とされ財産的価値がないものであるから、財産的価値がない使用借権が設定された場合と同様に、本件宅地のみを財産評価基本通達7-2《評価単位》(1)に定める評価単位(1画地の宅地)として評価すべきと主張する。

しかしながら、本件各借地に係る借地権は、借地借家法上の借地権であり、被相続人は、本件各借地を継続的かつ専属的に利用できる権利を有し、相続開始日において、本件宅地と本件各借地を併せて、貸家の敷地としてその全体を一体として利用していたものであるから、借主の死亡が終了原因とされ、人的つながりのみを基盤とする使用借権が設定された場合と同一にみることはできないので、本件宅地の価額は、隣接する本件各借地と併せた全体を評価単位(1画地の宅地)として評価することが相当である。

★リンクはこちら⇒ 所有する宅地とその宅地に隣接する相当の地代を支払って借り受けている借地権は、一体で評価することが相当であるとした事例

2015年4月15日

平成26年10月~12月分の基準年利率

平成26年5月15日付課評2-13「平成26年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、平成26年10月分から12月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

長期は変化はないが、短期と中期は下がっている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1)

2015年1月23日

平成26年11月、12月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-3)が公表された。

今回は平成26年11月及び12月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-3)

2015年1月22日

平成26年分贈与税の申告書等の様式一覧・平成26年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、「平成26年分贈与税の申告書等の様式一覧・平成26年分贈与税の申告のしかた」をホームページに掲載した。
これは、贈与税の申告書及び申告のしかた並びに添付書類等について掲載している。

贈与税の申告書は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に提出すること。
なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となる。

★リンクはこちら⇒ 平成26年分贈与税の申告書等の様式一覧・平成26年分贈与税の申告のしかた

2014年12月22日

平成26年9月、10月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-51)が公表された。

今回は平成26年9月及び10月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-51)

2014年12月17日

相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分用)

国税庁は、『相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分用)』を作成した。
これは、法定相続人の数及びおおよその財産価額を入力することにより、相続税の申告の要否を確認するものである。
利用の際は、『相続税のあらまし(平成27年分用)』と併せて利用すること。

なお、入力したおおよその財産価額を基に申告の要否を確認するので、確認結果は、あくまでも目安(概算)となることに留意すること。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分用)

2014年12月11日

相続税のあらまし(平成27年分用)

国税庁は、『相続税のあらまし(平成27年分用)』を作成した。
これは、相続税の仕組みを簡単に説明したものである。

(注)
この相続税のあらましは、平成26年4月1日現在の法律等に基づいて作成している。
また、平成26年分以前は、相続税の基礎控除額などが異なるので、注意すること。

★リンクはこちら⇒ 相続税のあらまし(平成27年分用)

2014年12月9日

農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の評価

【照会要旨】
農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地はどのように評価するのか?

【回答要旨】
農地中間管理事業の推進に関する法律第2条第4項に規定する農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の価額は、その農地の自用地としての価額からその価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(注)
農地法第3条第1項第14号の2の規定に基づき貸し付けられている農地のうち、賃貸借期間が10年未満のものを除く。
(理由)
農地中間管理機構に貸し付けられている農地の賃貸借については、農地法第17条(農地または採草放牧地の賃貸借の更新)本文の賃貸借の法定更新の規定の適用が除外され、また、同法第18条(農地または採草放牧地の賃貸借の解約等の制限)第1項本文の規定の適用が除外されるなど、いわゆる耕作権としての価格が生じるような強い権利ではない。
このため、農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、その価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
なお、農地法第3条第1項第14号の2の規定に基づき農地中間管理機構に貸し付けられている農地のうち、賃貸借期間が10年未満のものについては、農地法第17条本文及び同法18条第1項本文の規定が適用されるので、耕作権の目的となっている農地として評価する。
(注)
農地中間管理事業の推進に関する法律に基づく農用地利用配分計画の認可の公告により設定された賃借権の価額については、相続税または贈与税の課税価格に算入する必要はない。

2014年11月27日

老人ホームへの入所により空家となっていた建物の敷地についての小規模宅地等の特例(平成26年1月1日以後に相続または遺贈により取得する場合の取扱い

【照会要旨】
被相続人は、介護保険法に規定する要介護認定を受け、居住していた建物を離れて特別養護老人ホーム(老人福祉法第20条の5)に入所したが、一度も退所することなく亡くなった。
被相続人が特別養護老人ホームへの入所前まで居住していた建物は、相続の開始の直前まで空家となっていたが、この建物の敷地は、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するのか?

【回答要旨】
照会のケースにおける、被相続人が所有していた建物の敷地は、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当することになる。
(理由)
平成25年度の税制改正において、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等の場合であっても、①被相続人が、相続の開始の直前において介護保険法等に規定する要介護認定等を受けていたこと及び②その被相続人が老人福祉法等に規定する特別養護老人ホーム等(以下「老人ホーム等」という。)に入居または入所(以下「入居等」という。)していたことという要件を満たすときには、その被相続人により老人ホーム等に入居等をする直前まで居住の用に供されていた宅地等(その被相続人の特別養護老人ホーム等に入居等後に、事業の用または新たに被相続人等(被相続人またはその被相続人と生計を一にしていた親族をいう。以下同じ。)以外の者の居住の用に供されている場合を除く。)については、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等に当たることとされた。

なお、この改正後の規定は、平成26年1月1日以後に相続または遺贈により取得する場合について適用されている。
(注)
被相続人が介護保険法等に規定する要介護認定等を受けていたかどうかは、その被相続人が、その被相続人が相続の開始の直前において要介護認定等を受けていたかにより判定する。
したがって、老人ホーム等に入居等をする時点において要介護認定等を受けていない場合であっても、その被相続人が相続の開始の直前において要介護認定等を受けていれば、老人ホーム等に入居等をする直前まで被相続人の居住の用に供されていた建物の敷地は、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当することになる。

2014年11月25日

平成26年7月~9月分の基準年利率

平成26年中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」であるが、平成26年5月15日付課評2-13「平成26年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、平成26年7月分から9月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期・中期・長期ともに横バイである。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-46)

2014年10月22日

平成26年7月、8月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-44)が公表された。

今回は平成26年7月及び8月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-44)

2014年10月20日

平成26年4月~6月分の基準年利率

平成26年中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」であるが、平成26年5月15日付課評2-13「平成26年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、平成26年4月分から6月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期・中期・長期ともに下落傾向である。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-29)

2014年10月17日

平成26年5月、6月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-37)が公表された。

今回は平成26年5月及び6月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-37)

2014年10月16日

相続税の申告のためのチェックシート(平成26年分以降用)

国税庁は、相続税の申告のためのチェックシート(平成26年分以降用)を公表した。
このチェックシートは、相続税の申告書が正しく作成されるよう、一般に誤りやすい事項をまとめたものである。
申告書作成に際しては、このチェックシートでチェックのうえ、申告書に添付して提出するよう呼びかけている。

なお、「(平成26年1月1日以降用)非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例のチェックシート」も別途用意されている。

★リンクはこちら⇒ 相続税の申告のためのチェックシート(平成26年分以降用)

2014年10月2日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(牧場、池沼欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

牧場、池沼欄には、その地域の「牧場」及び「池沼」の価額を評価する場合における評価方式及び固定資産税評価額に乗ずる倍率を記載している。

2014年8月28日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(原野欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

原野欄には、その地域の「原野」の価額を評価する場合における原野の分類、評価方式及び固定資産税評価額に乗ずる倍率を記載している。

なお、原野の分類等は、以下に掲げる略称を用いて記載している。

原野の分類等 略称
純原野
中間原野
市街地原野 比準又は市比準

(注)
「比準」及び「市比準」と表示してある地域は、付近の宅地の価額に比準(「宅地比準方式」という。)して評価する地域である。

2014年8月27日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(山林欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

山林欄には、その地域の「山林」の価額を評価する場合における山林の分類、評価方式及び固定資産税評価額に乗ずる倍率を記載している。

なお、山林の分類等は、以下に掲げる略称を用いて記載している。

山林の分類等 略称
純山林
中間山林
市街地山林 比準又は市比準

(注)
「比準」及び「市比準」と表示してある地域は、付近の宅地の価額に比準(「宅地比準方式」という。)して評価する地域である。

2014年8月26日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(田、畑欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

田、畑欄には、その地域の「田」、「畑」の価額を評価する場合における農地の分類、評価方式及び固定資産税評価額に乗ずる倍率を記載している。

なお、農地の分類等は、以下に掲げる略称を用いて記載している。

農地の分類等 略称
純農地
中間農地
市街地周辺農地 周比準
市街地農地 比準又は市比準

(注)
「比準」、「市比準」及び「周比準」と表示してある地域は、付近の宅地の価額に比準(「宅地比準方式」という。)して評価する地域である。

2014年8月25日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(宅地欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

宅地欄には、その町(丁目)又は大字の地域の「宅地」の価額を評価する場合における固定資産税評価額に乗ずる倍率を記載しているが、「路線」と表示してあるのは、その地域が路線価地域であることを示している。

ただし、農用地区域又は市街化調整区域内に存する農業用施設用地の価額は、財産評価基本通達24-5(農業用施設用地の評価)の定めによって評価する。

2014年8月22日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(借地権割合欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

借地権割合欄には、倍率地域におけるその町(丁目)又は大字の地域につき、「借地権」の価額を評価する場合の借地権割合を掲げている。

(注)
路線価地域の借地権割合については、路線価図を参照のこと。
なお、例えば路線価地域で2路線以上に面する場合の借地権割合又は路線価地域と倍率地域が接続する地域の借地権割合は、原則として、路線価地域の正面路線価に表示してある借地権割合による。

2014年8月21日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(適用地域名欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順 町(丁目)又は大字名 適用地域名 借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

適用地域名欄に、「全域」とある場合には、その町(丁目)又は大字の全域が路線価地域又は倍率地域であることを示している。
また、「一部」又は「路線価地域」とある場合には、その町(丁目)又は大字の地域に路線価地域と倍率地域が存在することを示している。
したがって、この場合には、路線価図により、その評価しようとする土地等が路線価地域又は倍率地域のいずれに所在するかを確認する必要がある。

2014年8月12日

評価倍率表(一般の土地等用)の説明(町(丁目)又は大字名欄)

評価倍率は、路線価が定められていない地域の土地等を評価する場合に用いる。

音順  町(丁目)
又は大字名
適用
地域名
借地権
割合
固定資産税評価額に乗ずる倍率等
宅地 山林 原野 牧場 池沼

町(丁目)又は大字名欄には、市区町村ごとに、町(丁目)又は大字名を五十音順に記載している。

2014年8月11日

財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらまし(受益証券発行信託証券等の評価)

1.通達制定の趣旨
金融商品取引所に上場されている受益証券発行信託の受益証券(注)(「ETN」と呼称される「指標連動証券」等)が近時増加していることから、その評価方法を明らかにした。
(注)
「受益証券発行信託」は、1又は2以上の受益権を表示する証券(受益証券)を発行する旨の定めがある信託をいう(信託法185①)。
受益証券発行信託の受益証券のうち、ETN(指標連動証券)は、その価額が株価指数・商品指数等の特定の指標に連動し、発行者がその信用力を基に発行する債券である。

2.通達の内容
金融商品取引所に上場されている受益証券発行信託の受益証券については、①上場株式と同様に、金融商品取引所において取引され、日々の取引価格及び最終価格の月平均額が公表されていること、②上場株式における権利落又は配当落に相当する事象が生じることから、評価通達169から評価通達172までの定めに準じて評価することとした。
また、金融商品取引所に上場されている受益証券発行信託の受益証券については、株式に係る配当期待権に相当する金銭分配期待権が生じることから、この金銭分配期待権の価額について、評価通達193の定めに準じて評価することとした。

2014年7月17日

財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらまし(証券投資信託受益証券の評価)

1.従来の取扱い
金融商品取引所に上場されている証券投資信託の受益証券については、評価通達169及び評価通達171の(1)の定めに準じて評価することとしていた。

2.通達改正の概要
金融商品取引所に上場されている証券投資信託の受益証券については、上場株式における権利落又は配当落に相当する事象が生じることから、これらを評価方法に反映させるため、評価通達170、評価通達171の⑵及び⑶並びに評価通達172の定めに準じて評価することとした。
また、金融商品取引所に上場されている証券投資信託の受益証券については、株式に係る配当期待権に相当する金銭分配期待権が生じることから、この金銭分配期待権の価額について、評価通達193の定めに準じて評価することとした。

2014年7月15日

財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらまし(上場新株予約権の評価)

1.通達制定の趣旨
上場会社が、既存株主全員に対して新株予約権無償割当て(会社法277)を行い、その新株予約権自体が金融商品取引所に上場される事例が近時増加していることから、その評価方法を明らかにした。

(参考) 新株予約権の上場の概要
新株予約権の上場は、一般的に、上場会社が、ライツ・オファリングと呼ばれる新株予約権を利用した資金調達方法を採用する場合に行われる。
ライツ・オファリングとは、上場会社である発行会社が、既存株主全員に対して新株予約権無償割当てを行い、割当てを受けた既存株主が新株予約権を行使して所定の権利行使価額を払い込むことにより発行会社から上場株式の交付を受け、この払い込まれた金銭が発行会社の調達資金となる仕組みによる資金調達方法である。
また、この新株予約権が上場されることから、新株予約権の割当てを受けた既存株主は、新株予約権を行使する代わりに、これを市場で売却することによってその対価を取得することもできる。

2.通達の内容
新株予約権無償割当てにより株主に割り当てられた新株予約権のうち、①金融商品取引所に上場されているもの及び②上場廃止後権利行使期間内にあるものを「上場新株予約権」と定義し(注)、以下の区分に従い、それぞれ以下のように評価することとした。
(注)
上場新株予約権の評価を新設することに伴い、ストックオプションの定義から上場新株予約権に該当するものを除く改正を行った。

(1)新株予約権が上場期間内にある場合
その新株予約権が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格(注1)と上場期間中の新株予約権の毎日の最終価格の平均額(注2)のいずれか低い価額によって評価する(負担付贈与または個人間の対価を伴う取引により取得した場合を除く(注3)。)。
(注1)
課税時期に金融商品取引所の公表する最終価格がない場合には、課税時期前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格とする。
(注2)
上場新株予約権の評価に当たっては、①上場株式の評価と同様に、一時点における需給関係による偶然性を排除して評価する必要があること、及び②上場新株予約権の上場期間が2か月程度と比較的短期間であることを考慮し、課税時期における最終価格に加え、上場期間中の毎日の最終価格の平均額を採用することとした。
(注3)
負担付贈与等による財産の取得は、一般の売買取引に準じた対価を伴う経済取引行為であるため、一般の相続や贈与による財産の取得のような偶発的な無償取得であること等に配慮した評価上のしんしゃくは不要であると考えられることから、負担付贈与等により取得した上場新株予約権については、原則的な評価方法である課税時期における最終価格によることとした。

(2)上場廃止された新株予約権が権利行使期間内にある場合
課税時期におけるその目的たる株式の価額から権利行使価額を控除した金額に、新株予約権1個の行使により取得できる株式数を乗じて計算した金額(その金額が負数のときは、0とする。)によって評価する。
ただし、権利行使期間内に権利行使されなかった新株予約権について、発行法人が事前に定めた算定式に基づく価格により取得する旨の条項が付されている場合には、上記の金額と取得条項に基づく取得価格のいずれか低い金額によって評価する。

2014年7月10日

財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらまし(気配相場等のある株式の評価)

1.従来の取扱い
「気配相場等のある株式」のうち、「公開途上にある株式」については、以下のいずれかに該当する株式をいうこととしていた。

(1) 金融商品取引所が内閣総理大臣に対して株式の上場の届出を行うことを明らかにした日から上場の日の前日までのその株式(登録銘柄を除く。)
(2) 日本証券業協会が株式を登録銘柄として登録することを明らかにした日から登録の日の前日までのその株式(店頭管理銘柄を除く。)

また、公開途上にある株式の公開価格については、金融商品取引所または日本証券業協会の内規によって行われる入札により決定される入札後の公募等の価格をいうこととしていた。

2.通達改正の概要
公開途上にある株式に該当する期間の始期について、株式取引の実態を踏まえ、「金融商品取引所が内閣総理大臣に対して株式の上場の届出を行うことを明らかにした日」から「金融商品取引所が株式の上場を承認したことを明らかにした日」に改めた。
また、公開途上にある株式の公開価格については、現在、入札方式とブックビルディング方式(注)のいずれかの方法により決定されていることから、株式の公開価格の定義を「金融商品取引所又は日本証券業協会の内規によって行われるブックビルディング方式又は競争入札方式のいずれかの方式により決定される公募等の価格」に改めた。

(注)「ブックビルディング方式」は、機関投資家の意見を基に仮条件を決定し、この仮条件を基に投資家が提示した価格、購入株式数により公開価格を決定する方式である。

2014年7月8日

平成26年分路線価

2014年7月1日に路線価が発表された。

我が香川県は22年連続下落のようである。高松市の最高路線価も1992年の445万円から2014年は31万円となっており、7%以下になっている。

路線価とは、1月1日時点の路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示している。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用いる。
なお、路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」を閲覧のこと。
相続税または贈与税の申告に際し、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地の評価をするために、特定路線価の設定の申出が必要となる場合がある。

ちなみに、路線価は、不動産鑑定士による鑑定評価や売買実績を参考にしており、公示価格の8割程度と言われている。

★リンクはこちら⇒ 平成26年分の路線価図等

2014年7月2日

平成26年3月、4月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-26)が公表された。

1週間ほど前に、1月及び2月分が公表されたが、なぜ同時の公表でないか疑問ではある。

今回は平成26年3月及び4月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-23)

2014年6月25日

子の結婚式及び披露宴の費用を親が負担した場合、贈与税の課税対象となるか?

結婚式・披露宴の費用を誰(子(新郎・新婦)、その親(両家))が負担するかは、その結婚式・披露宴の内容、招待客との関係・人数や地域の慣習などによって様々であると考えられるが、それらの事情に応じて、本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している場合には、そもそも贈与には当たらないことから、贈与税の課税対象とならない。

2014年6月24日

数年間分の「生活費」または「教育費」を一括して贈与を受けた場合、贈与税の課税対象となるか?

贈与税の課税対象とならない生活費または教育費は、生活費または教育費として必要な 都度直接これらの用に充てるために贈与を受けた財産である。

したがって、数年間分の生活費または教育費を一括して贈与を受けた場合において、その財産が生活費または教育費に充てられずに預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費または教育費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となる。

(注)
「教育費」については、別途、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税(措法第70条の2の2)」が設けられている。

2014年6月19日

平成26年1月、2月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-21)がようやく公表された。

今回は平成26年1月及び2月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成26年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-21)

2014年6月18日

財産評価基本通達の一部改正(法令解釈通達)

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成26年1月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価に適用することとなったので、これによる必要がある。

<趣旨>
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。

<記>
別表2「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表」をリンクのとおり改める。

★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)

2014年6月5日

平成26年1月~3月分の基準年利率

平成26年中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」であるが、平成26年5月15日付課評2-13「平成26年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、平成26年1月分から3月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期・中期・長期ともに下がっている。

★リンクはこちら⇒ 平成26年分の基準年利率について(法令解釈通達)

2014年6月3日

平成26年分の路線価図等の閲覧

相続税・贈与税の土地などの評価に用いる平成26年分の路線価図等の閲覧は、7月1日(火)からを予定している。

  • 路線価図等は、自宅などでインターネットにより閲覧できる。
    国税庁ホームページでは、全国の過去3年分の路線価図等が閲覧できる。
    http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm
  • 全国の国税局・税務署でもパソコンにより閲覧できる。
    ただし、混雑時はお待ちいただく場合がある。

2014年5月26日

相続税法施行令第8条第1号に規定する判決は、請求人が訴訟当事者である判決に限られるとした事例

<要旨>
請求人は、共同相続人Eが原告となって提起した、相続財産として申告していた貸付金のうち原告の法定相続分に相当する金員の支払を求める貸金請求訴訟において、当該貸付金の存在を認めることはできないとして原告の請求を棄却する旨の判決(本件判決)が確定し、本件判決は相続税法施行令(平成17年政令第37号による改正前のもの)第8条《更正の請求の対象となる事由》第1号に規定する判決に該当するから、相続税法(平成16年法律第147号による改正前のもの)第32条《更正の請求の特則》第5号の規定に基づいて行った更正の請求を認めるべきである旨主張する。

しかしながら、国税通則法第23条《更正の請求》第2項第1号は、判決が確定したことを要件としており、同号に規定する判決は、更正の請求をする者が訴訟当事者である判決に限られるものと解されるところ、相続税法施行令第8条第1号が、平成15年度税制改正により相続税法第32条の更正の請求の特則事由として追加された改正趣旨は、同号の事由が、国税通則法第23条第2項の規定により、期限なしに更正の請求ができる事由であることから、税額の減額には対応できるが、その影響で他の相続人の税額が増加することとなる場合の増額の処分を可能とする規定が国税通則法にはないため、相続税法第32条においてこれを更正の請求の特則事由として特記することにより、相続税法第35条《更正及び決定の特則》第3項の規定による他の相続人に対する増額処分も可能とするためであると解されることからすれば、相続税法施行令第8条第1号に規定する判決は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する判決と同義のものといえるから、更正の請求をする者が訴訟当事者である判決に限られるものと解される。これを本件についてみると、本件判決は、共同相続人Eが提起した貸金請求事件の判決であり、請求人が訴訟当事者ではない判決であるから、請求人にとって相続税法施行令第8条第1号に規定する判決には該当しない。

★リンクはこちら⇒ 相続税法施行令第8条第1号に規定する判決は、請求人が訴訟当事者である判決に限られるとした事例

2014年5月23日

請求人らの主張する鑑定評価額は、相続開始日現在の時価を表しているとは認められないことから、財産評価基本通達に定める評価方法により評価することが相当であるとした事例

<要旨>
請求人らは、請求人らの一人が相続により取得した土地(本件土地)について、請求人らの依頼による鑑定評価額(本件鑑定評価額)は、本件相続開始日における本件土地の時価であり、財産評価基本通達(評価通達)による評価額は本件鑑定評価額を上回っているから、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情があるので、本件土地の価額は、本件鑑定評価額に基づき評価すべきである旨主張する。

しかしながら、本件鑑定評価額は、開発法による価格を重視し、比準価格を比較考量して決定されているところ、まる1比準価格及び規準価格の試算において考慮されている減価40%(当該宅地の画地規模が大きいことに伴い市場参加者が限定されることによる減価)の必要性が認められないこと、まる2開発法による価格は上記まる1の減価40%を除いて試算した比準価格及び規準価格と大きく乖離することから、いずれの試算価格も合理性が認められないので、本件鑑定評価額は、本件相続開始日における本件土地の客観的交換価値を表しているとは認められない。したがって、本件土地の価額について、評価通達の定めによらないことが正当と認められる特別の事情はないといえるので、本件土地の価額は、評価通達に定められた評価方法により評価すべきである。

 ★リンクはこちら⇒ 請求人らの主張する鑑定評価額は、相続開始日現在の時価を表しているとは認められないことから、財産評価基本通達に定める評価方法により評価することが相当であるとした事例

2014年5月19日

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)

平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を別紙1及び別紙2のとおり改正し、別紙1については、平成26年4月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価から適用することとし、別紙2については、平成26年10月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価に適用することとなった。

なお、リンクの別紙1及び2のうち、アンダーラインを付した部分が改正部分である。

★リンクはこちら⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)

2014年5月7日

請求人が被相続人から承継した連帯保証債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」には当たらず、債務控除の対象とならないとした事例

<要旨>
請求人は、相続税法第14条《控除すべき債務》第1項に規定する「確実と認められるもの」について、主たる債務者が弁済不能で保証債務の履行が必要であり、保証債務履行後の求償権の行使が不可能であるという条件が相続開始日に現実に存在しているだけでなく、相続開始日における主たる債務者の財産状態や信用能力を客観的に観察した結果、当該条件に該当する事実が潜在的に存在する場合にも、保証債務は同項に規定する「確実と認められるもの」に当たるという解釈を前提に、本件における被相続人(本件被相続人)が代表社員に就任したN社及びQ社(本件各会社)の金融機関からの借入れに係る本件被相続人の各連帯保証債務は、同項に規定する「確実と認められるもの」に当たる旨主張する。

しかしながら、保証債務が相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するのは、相続開始時点を基準として、主たる債務者がその債務を弁済することができないため保証人がその債務を履行しなければならない場合で、主たる債務者に求償しても補填を受ける見込みがないことが客観的に認められる場合に限られることからすると、請求人の同項に規定する「確実と認められるもの」の解釈は、保証債務一般の性質を述べるものであって、正当な解釈とはいえない。本件各会社は、本件被相続人の相続開始日において、債務超過の状況にはなく、また、各金融機関に対して弁済条件に従った返済を行っていることなどからすると、本件各会社が債務を弁済することができないため、保証人である本件被相続人がその債務を弁済しなければならい場合であったとは認められない。

★リンクはこちら⇒ 請求人が被相続人から承継した連帯保証債務は、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」には当たらず、債務控除の対象とならないとした事例

2014年4月25日

遺留分減殺請求により、価額弁償金を受領した場合の相続税の課税価格に算入すべき価額は、相続税基本通達11の2-10(2)に定める要件を充足した場合には、同(2)に定める計算方法を準用して評価することが相当であるとした事例

<要旨>
原処分庁は、請求人が提起した遺留分減殺請求訴訟(本件訴訟)の判決(本件確定判決)において、①価額弁償の対象となった不動産(本件分割対象不動産)は特定されているが、②価額弁償金の額は、価額弁償の時ではなく、相続開始日における本件分割対象不動産の通常の取引価額を基に決定されていることから、相続税法基本通達11の2-10《代償財産の価額》(2)の定めは適用できない旨主張する。
しかしながら、遺留分減殺請求訴訟において、受贈者又は受遺者が遺留分権利者に対し事実審口頭弁論終結前に裁判所が定めた価額により民法第1041条《遺留分権利者に対する価額による弁償》の規定による遺留分の価額の弁償をなすべき旨の意思表示をした場合、相続税法基本通達11の2-10 (2)を準用する際に用いる上記まる2の「価額弁償の時」とは、「事実審口頭弁論終結の時」と解されるところ、本件確定判決において、本件分割対象不動産の価額につき、「この価額は、請求人提出の相続開始日を価格時点とする不動産鑑定評価書等における価額であり、現時点で、同価額と異なる証拠はないことから、同証拠により価額を認定する」旨判示されていることからすると、本件確定判決において認定された「現時点」の価額は、本件訴訟の控訴審の口頭弁論終結の時を基準日とする価額であると認められ、また、その価額は、その基準日における通常の取引価額であると認められる。

そうすると、本件確定判決は、価額弁償の対象となった財産の価額弁償の時における通常の取引価額を基に価額弁償金の金額を決定しているということができるから、相続税基本通達法11の2-10(2)の定めを適用することが相当である。

★リンクはこちら⇒ 遺留分減殺請求により、価額弁償金を受領した場合の相続税の課税価格に算入すべき価額は、相続税基本通達11の2-10(2)に定める要件を充足した場合には、同(2)に定める計算方法を準用して評価することが相当であるとした事例

2014年4月16日

贈与税の課税対象とならない生活費または教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち「通常必要と認められるもの」とは、どのような財産をいうのか?

贈与税の課税対象とならない生活費または教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち「通常必要と認められるもの」とは、贈与を受けた者(被扶養者)の需要と贈与をした者(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいう。

2014年4月10日

「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正

平成25年6月3日付課評2-24「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)の別紙「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目株価等(平成25年分)」の「A(株価)」欄の12月分については、平成26年1月8日付課評2-3「『平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について』の一部改正について」(法令解釈通達)において定めているところである。

今回、一部の業種目に係る「A(株価)」欄の12月分の金額について誤りがあることが確認されたため、その訂正を行っている(具体的な内容については、平成26年3月17日付課評2-6の一部改正通達をご覧のこと。)。

平成25年12月中に相続または贈与により取引相場のない株式を取得した方については、類似業種比準価額の計算上、①平成25年12月の類似業種の株価、②平成25年11月の類似業種の株価、③平成25年10月の類似業種の株価、④平成24年の類似業種の平均株価(前年平均株価)のうち最も低い株価を類似業種の株価として用いることとなるが、訂正後の平成25年12月の類似業種の株価を基にした場合であっても、121業種目の全てについて、訂正前と同様、平成24年の類似業種の平均株価(前年平均株価)が最も低くなることが確認されたため、今回の改正による影響はない

なお、ご不明な点等があれば、国税庁課税部資産評価企画官審理係まで問い合わせること。

『改正』ではなく、『訂正』のように思いますね。

★リンクはこちら⇒ 「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正

2014年4月3日

「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)

平成25年6月3日付課評2-24「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)の別紙「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目株価等(平成25年分)」の「A(株価)」欄の12月分については、平成26年1月8日付課評2-3「『平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について』の一部改正について」(法令解釈通達)において定めているところであるが、その金額のうち一部の業種目に対応するものをリンクのとおり改正したから、これによられたい。

★リンクはこちら⇒ 新旧対照表

2014年4月2日

子が居住する賃貸住宅の家賃等を親が負担した場合、贈与税の課税対象となるか?

扶養義務者相互間において生活費に充てるために贈与を受けた場合に、贈与税の課税対象とならない「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除く。)をいい、通常の日常生活を営むのに必要な費用に該当するかどうかは、贈与を受けた者(被扶養者)の需要と贈与をした者(扶養者)の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲かどうかで判断することとなる。

したがって、子が自らの資力によって居住する賃貸住宅の家賃等を負担し得ないなどの事情を勘案し、社会通念上適当と認められる範囲の家賃等を親が負担している場合には、贈与税の課税対象とならない。

2014年3月31日

出産に当たって子が親から検査・検診、分娩・入院に要する費用について贈与を受けた場合、贈与税の課税対象となるか?

扶養義務者相互間において生活費に充てるために贈与を受けた場合に、贈与税の課税対象とならない「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除く。)をいい、治療費、養育費その他これらに準ずるもの(保険金または損害賠償金により補てんされる部分の金額を除く。)も含まれる。
したがって、出産に要する費用で、検査・検診代、分娩・入院費に充てるために贈与を受けた場合には、これらについては治療費に準ずるものであることから、(保険等により補てんされる部分を除き、)贈与税の課税対象とならない。

また、新生児のための寝具、産着等ベビー用品の購入費に充てるため金銭の贈与を受けた場合についても、生まれてくる子供が通常の日常生活を営むのに必要なものの購入費に充てられている部分については、贈与税の課税対象とならない。

(注)
個人から受ける出産祝の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした者と贈与を受けた者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象とならない。

2014年3月27日

婚姻に当たって子が親から金品の贈与を受けた場合、贈与税の課税対象となるか?

婚姻に当たって、子が親から婚姻後の生活を営むために、家具、寝具、家電製品等の通常の日常生活を営むのに必要な家具什器等の贈与を受けた場合、またはそれらの購入費用に充てるために金銭の贈与を受け、その全額を家具什器等の購入費用に充てた場合等には、贈与税の課税対象とならない。

なお、贈与を受けた金銭が預貯金となっている場合、株式や家屋の購入費用に充てられた場合等のように、その生活費(家具什器等の購入費用)に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象となる。

(注1)
子が親から金品を受け取った場合は、原則として贈与税の課税対象となる。
ただし、扶養義務者相互間において生活費に充てるために贈与を受けた財産のうち通常必要と認められるものであり、必要な都度直接生活費に充てるために贈与を受けた財産については、贈与税の課税対象とならない。
(注2)
個人から受ける結婚祝等の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした者と贈与を受けた者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象とならない。

2014年3月25日

増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価

<照会要旨>
所有する家屋について増改築を行いましたが、家屋の固定資産税評価額が改訂されていないため、その固定資産税評価額が増改築に係る家屋の状況を反映していない。
このような家屋は、どのように評価するのか。

<回答要旨>
増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合の家屋の価額は、増改築等に係る部分以外の部分に対応する固定資産税評価額に、当該増改築等に係る部分の価額として、当該増改築等に係る家屋と状況の類似した付近の家屋の固定資産税評価額を基として、その付近の家屋との構造、経過年数、用途等の差を考慮して評定した価額(ただし、状況の類似した付近の家屋がない場合には、その増改築等に係る部分の再建築価額から課税時期までの間における償却費相当額を控除した価額の100分の70に相当する金額)を加算した価額(課税時期から申告期限までの間に、その家屋の課税時期の状況に応じた固定資産税評価額が付された場合には、その固定資産税評価額)に基づき財産評価基本通達89(家屋の評価)または93(貸家の評価)の定めにより評価する。
なお、償却費相当額は、財産評価基本通達89-2(文化財建造物である家屋の評価)の(2)に定める評価方法に準じて、再建築価額から当該価額に0.1を乗じて計算した金額を控除した価額に、その家屋の耐用年数(減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定する耐用年数)のうちに占める経過年数(増改築等の時から課税時期までの期間に相当する年数(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は、1年とする。))の割合を乗じて計算する。

★リンクはこちら⇒ 増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価

2014年3月19日

贈与税の課税対象とならない「教育費」には、どのようなものがあるのか?

贈与税の課税対象とならない「教育費」とは、子や孫(被扶養者)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費、通学のための交通費、学級費、修学旅行参加費等をいい、義務教育に係る費用に限らない。

(注)
個人から受ける入学祝等の金品は、社交上の必要によるもので贈与をした者と贈与を受けた者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象とならない。

2014年3月13日

扶養義務者(父母や祖父母)から生活費または教育費の贈与を受けたが贈与税の課税対象となるか?

扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち「通常必要と認められるもの」については、贈与税の課税対象とならない。

(注1)
「扶養義務者」とは、以下の者をいう。

 配偶者
 直系血族及び兄弟姉妹
 家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族
 三親等内の親族で生計を一にする者

なお、扶養義務者に該当するかどうかは、贈与の時の状況により判断する。

(注2)
「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除く。)をいう。また、治療費や養育費その他これらに準ずるもの(保険金または損害賠償金により補てんされる部分の金額を除く。)を含む。

(注3)
「教育費」とは、被扶養者(子や孫)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限られない。

2014年3月5日

平成25年10月~12月分の基準年利率

平成26年1月6日付課評2-1「平成25年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、平成25年10月分から12月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

短期と長期は変化はないが、中期は下がっている。

★リンクはこちら⇒ 「平成25年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)

2014年1月24日

平成25年11月、12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-3)が公表された。

今回は平成25年11月及び12月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-3)

2014年1月23日

平成25年分の所得税における未分割遺産から生ずる不動産所得に係る取扱い

平成13年7月に相続が開始した被相続人の遺産について、民法第900条第4号ただし書の規定のうち「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」とするとの部分(民法第900条第4号ただし書前段。以下「嫡出に関する規定」という。)を適用して遺産の分割をすべきかが争われていた遺産分割審判に係る特別抗告事件において、最高裁判所は、平成25年9月4日付の最高裁決定において、嫡出に関する規定は「違憲」との判断(以下「違憲決定」という。)をしたところである。
また、民法の一部を改正する法律(平成25年法律第94号。以下「民法改正法」という。)により、嫡出に関する規定が削除されたところである。
標題のことについては、当該違憲決定及び民法改正法を踏まえ、下記のとおり取りまとめられた。
(注)
民法改正法は、平成25年12月11日に公布・施行され、平成25年9月5日以後に開始された相続について適用することとされている。以下、民法改正法による改正前の民法を「旧民法」、改正後の民法を「新民法」という。

  1. 未分割遺産から生ずる不動産所得の収入金額
    未分割遺産から生ずる不動産所得の収入金額については、以下の区分に応じ、それぞれ以下のとおり取り扱う。
    (1)平成25年9月5日以後に開始された相続の場合
    新民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。
    (2)平成25年9月4日以前に開始された相続の場合
    旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。
    (3)(2)のうち、平成13年7月から平成25年9月4日までの間に開始された相続の場合
    不動産所得の総収入金額の収入すべき時期に応じ、以下のとおり取り扱う。
    ①その収入すべき時期が平成25年9月4日以前である賃貸料等
    旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。
    ②その収入すべき時期が平成25年9月5日以後である賃貸料等
    嫡出に関する規定がないものとして旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分に応じて各相続人に帰属する。
  2. 供託された賃貸料等に係る調整
    上記1の(3)の場合において、未分割遺産から生ずる不動産の賃貸料等が供託され、当該供託に係る供託金の全部または一部についての払渡請求が、平成25年9月5日以後に行われたときは、嫡出に関する規定がないものとして旧民法第900条第4号の規定を適用した相続分により払渡しが行われることとされている(法務省民事局に確認済)。
    このため、その収入すべき時期が平成25年9月4日以前である賃貸料等について供託されている場合には、当該賃貸料等について各相続人が不動産所得の総収入金額に算入した金額の合計額と各相続人に帰属する供託金の額に差額が生じることとなるが、この差額については、平成25年分の不動産所得に係る総収入金額又は必要経費に算入する。

(参考)未分割遺産から生ずる不動産所得の取扱い
相続財産について遺産分割が確定していない場合、その相続財産は各共同相続人の共有に属するものとされ、その相続財産から生ずる所得は、各共同相続人にその相続分に応じて帰属するものとされているところ、未分割遺産から生ずる不動産所得については、遺産分割が確定するまでの間は、各相続人にその法定相続分に応じて帰属することとなる。
遺産分割協議が整い、分割が確定した場合であっても、その効果は未分割期間中の所得の帰属に影響を及ぼさない。

2014年1月10日

平成25年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁が、『平成25年分贈与税の申告書等の様式一覧』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 平成25年分贈与税の申告書等の様式一覧

2014年1月9日

平成25年分贈与税の申告のしかた

国税庁が、『平成25年分贈与税の申告のしかた』を公表した。

★リンクはこちら⇒ 平成25年分贈与税の申告のしかた

2014年1月7日

平成25年9月、10月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-41)が公表された。

今回は平成25年9月及び10月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-41)

2013年12月19日

被相続人の直系卑属である者が養子となっている場合の相続税の2割加算

<照会要旨>
被相続人甲の子Aの子B(甲の孫)が、甲の養子になっている場合、Bは相続税額の加算の規定の対象となる者に該当するか。

<回答要旨>
相続税の加算の対象となるのは、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の者とされているが、この「一親等の血族」には、被相続人の直系卑属である者であって、その被相続人の養子となっている者は含まないこととされている(相続税法第18条第2項)。
したがって、Bは、相続税の加算の対象となる。
ただし、甲の子A(Bの親)が甲の相続開始以前に死亡し、または相続権を失ったため、BがAの代襲相続人となっている場合は、Bは、相続税の加算の対象とはならない。

2013年11月28日

平成25年7月、8月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-39)が公表された。

今回は平成25年7月及び8月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

★リンクはこちら⇒ 「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-39)

2013年10月28日

平成25年7月~9月分の基準年利率

平成25年10月3日付課評2-37「平成25年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、7月分から9月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

短期・中期・長期とも変化はない。

★リンクはこちら⇒ 「平成25年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)

2013年10月22日

贈与税の申告はe-Taxで(平成25年10月)

国税庁は、HPに『贈与税の申告はe-Taxで(チラシ)(平成25年10月)』を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 贈与税の申告はe-Taxで(平成25年10月)(既に削除済み)

2013年10月15日

相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて(平成25年9月4日付最高裁判所の決定を受けた対応)

平成25年9月4日付最高裁判所の決定(以下「違憲決定」という。)を受け、その趣旨を尊重し、平成25年9月5日以後、申告(期限内申告、期限後申告及び修正申告をいう。)または処分により相続税額を確定する場合(平成13年7月以後に開始された相続に限る。)においては、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」とする民法第900条第4号ただし書前段(以下「嫡出に関する規定」という。)がないものとして民法第900条第4号の規定を適用した相続分に基づいて相続税額を計算する。

なお、この取扱いに係る留意事項は、以下のとおり。
1.平成25年9月4日以前に相続税額が確定している場合
違憲決定では、嫡出に関する規定についての違憲判断が「確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものでない」旨の判示がなされていることに鑑み、平成25年9月4日以前に、申告または処分(以下「申告等」という。)により相続税額が確定している場合には、嫡出に関する規定を適用した相続分に基づいて相続税額の計算を行っていたとしても、相続税額の是正はできない。
また、嫡出に関する規定を適用した相続分に基づいて、相続税額の計算を行っていることのみでは、更正の請求の事由には当たらない。

2.平成25年9月5日以後に相続税額が確定する場合
(1)平成25年9月4日以前に確定していた相続税額が異動する場合

  • 更正の請求または修正申告の場合
    平成25年9月4日以前に、申告等により相続税額が確定している場合において、同年9月5日以後に、相続人が、財産の申告漏れ、評価誤りなどの理由により、更正の請求書(更正の申出書を含む。)(国税通則法第23条)もしくは修正申告書(国税通則法第19条)を提出する場合または相続税法第32条第1項に掲げる事由により更正の請求書もしくは修正申告書(相続税法第31条)を提出するときには、改めて相続税額を確定する必要がある。これらの新たに確定すべき相続税額の計算に当たっては、嫡出に関する規定がないものとして民法第900条第4号の規定を適用した相続分に基づいて、更正の請求または修正申告に係る相続税額を計算する。
  • 更正または決定の場合
    平成25年9月4日以前に、申告等により相続税額が確定している場合において、同年9月5日以後に、税務署長が、財産の申告漏れ、評価誤りなどの理由により、更正または決定を行うときには、上記イと同様、新たに確定すべき相続税額の計算に当たっては、嫡出に関する規定がないものとして民法第900条第4号の規定を適用した相続分に基づいて、更正または決定に係る相続税額を計算する。

(2)平成25年9月5日以後に新たに相続税額が確定する場合

  • 期限内申告または期限後申告の場合
    平成25年9月5日以後に、相続税の期限内申告書または期限後申告書を提出する場合には、嫡出に関する規定がないものとして民法第900条第4号の規定を適用した相続分に基づいて、期限内申告または期限後申告に係る相続税額を計算する。
  • 決定の場合
    相続税の申告書を提出する義務があると認められる相続人が、当該申告書を提出していなかったことが明らかとなった場合には、嫡出に関する規定がないものとして民法第900条第4号の規定を適用した相続分に基づいて、決定に係る相続税額を計算する。

★リンクはこちら⇒ 相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて(平成25年9月4日付最高裁判所の決定を受けた対応)

2013年10月4日

相続税の申告のしかた(平成25年分用)

国税庁は、相続税の申告のしかた(平成25年分用)を公表した。

主な内容は、以下のとおり。

  • 相続税のあらまし
  • 相続税の申告
  • 相続税の納付
  • 相続税の申告書の記載例

リンクはこちら⇒ 相続税の申告のしかた(平成25年分用)

2013年8月22日

平成25年5月、6月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-34)が公表された。

今回は平成25年5月及び6月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンクはこちら⇒ 「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-34)

2013年8月20日

中小企業の経営者に関係する相続税制と手続について

日本公認会計士協会は、平成25年6月4日に開催した常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第27号『中小企業の経営者に関係する相続税制と手続について』」を公表した。
本研究報告は、平成23年9月20日付けの諮問事項「中小企業の経営者に関係する税制について調査研究されたい。」に対するものである。

平成22年度税制改正において小規模宅地の特例の改正が行われるとともに、平成23年度税制改正大綱において相続税の基礎控除の引下げ、役員報酬の給与所得控除の削減等が盛り込まれるなど課税の強化が図られており、中小企業の経営者を取り巻く課税環境が変化してきている。
このような状況の中、公認会計士は、中小企業経営者の一支援者として、また、税の専門家として、相続税制の知識が必要となってくると考えられる。
本研究報告では、特に中小企業経営者に関連して問題となりやすい相続税制上の問題について、従前の相続税、贈与税の節税の議論ではなく、中小企業の経営者を取り巻く環境の変化を考慮した事業承継に係る様々な論点について検討を行った。
本研究報告が、我が国の中小企業の経営者を取り巻く環境の変化に伴って生じる事業承継に絡んだリスク対応に利用いただけると幸いである。

リンクはこちら⇒ 中小企業の経営者に関係する相続税制と手続について

2013年7月30日

平成24年度の相続税の物納申請・処理等の状況

国税庁は、『相続税の物納処理状況等(平成3年度から平成24年度)』と『相続税の延納処理状況等(平成3年度から平成24年度)』を公表した。

物納も延納も減少している。

物納のリンクはこちら⇒ 相続税の物納処理状況等(平成3年度から平成24年度)
延納のリンクはこちら⇒ 相続税の延納処理状況等(平成3年度から平成24年度)

2013年7月24日

平成25年4月~6月分の基準年利率

平成25年7月1日付課評2-32「平成25年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、4月分から6月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

短期・中期・長期とも上昇傾向にある。

リンクはこちら⇒ 「平成25年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)

2013年7月18日

平成25年分路線価

2013年7月1日に路線価が発表された。

我が香川県は21年連続下落のようである。高松市の最高路線価も1992年の445万円から2011年は31万円となっており、7%以下になっている。

路線価とは、1月1日時点の路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示している。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用いる。
なお、路線価が定められていない地域については、その市区町村の「評価倍率表」を閲覧のこと。
相続税または贈与税の申告に際し、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地の評価をするために、特定路線価の設定の申出が必要となる場合がある。
路線価は、不動産鑑定士による鑑定評価や売買実績を参考にしており、公示価格の8割程度と言われている。

リンクはこちら⇒ 平成25年分路線価図(既に削除済み)

2013年7月2日

平成25年3月、4月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-26)が公表された。

半月ほど前に、1月及び2月分が公表されたが、なぜ同時の公表でないか疑問ではある。

今回は平成25年3月及び4月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-26)

2013年6月27日

平成25年1月、2月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-24)がようやく公表された。

今回は平成25年1月及び2月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
「平成25年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-24)

2013年6月14日

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正(法令解釈通達)(平成25年5月27日)

平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を改正し、平成25年5月27日以後に相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価から適用することになったので、今後はこれによる。

大会社の株式保有割合による株式保有特定会社の判定基準について、大会社も、従来の25%以上から50%以上となった。

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)

2013年6月7日

財産評価基本通達の一部改正(法令解釈通達)(平成25年5月27日)

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部が以下のとおり改正され、相続、遺贈または贈与により取得した財産の評価に適用することになったので、今後はこれによることになる。

<趣旨>
財産評価基本通達189*10(2)における大会社の株式保有割合による株式保有特定会社の判定基準について東京高等裁判所平成25年2月28日判決があったことを受け、現下の上場会社の株式等の保有状況等に基づき、所要の改正(大会社も、従来の25%以上から50%以上へ)を行うものである。

財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)

2013年6月5日

平成25年1月~3月分の基準年利率

平成25年5月16日付課評2-16「平成25年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、1月分から3月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

また、4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

なお、複利も同様である。

平成25年分の基準年利率について(法令解釈通達)

2013年6月3日

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置のQ&A(追加)

2013年4月1日から2015年12月31日までに教育資金を一括贈与した場合に贈与税が非課税措置となることが、平成25年度税制改正で決まったが、文部科学省がQ&Aを追加した(13問⇒28問)。

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について

2013年5月20日

仙台国税局管内の平成24年分の評価倍率表の訂正

平成24年7月2日(月)から国税庁ホームページに掲載している平成24年分の路線価図及び評価倍率表のうち、仙台国税局管内の評価倍率表の一部(岩手県・宮城県・福島県の一部)について誤りがあり、訂正されている。

具体的な内容については、路線価図等の正誤表を参照のこと。
仙台国税局管内の平成24年分の評価倍率表の訂正について

2013年5月9日

平成25年分の路線価図等の閲覧

相続税・贈与税の土地などの評価に用いる平成25年分の路線価図等の閲覧は、平成25年7月1日(月)から予定されている。

路線価図等は、自宅などでインターネットにより閲覧できる。国税庁ホームページでは、全国の過去3年分の路線価図等が閲覧できる。
国税庁ホームページ『路線価図』

また、全国の国税局・税務署でもパソコンにより閲覧できる。

2013年4月25日

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A

所得税法等の一部を改正する法律(平成25年法律第5号)、租税特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第114号)及び租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成25年財務省令第21号)により、創設された「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」について、国税庁がQ&Aを取りまとめた。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A

2013年4月23日

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置のQ&A

2013年4月1日から2015年12月31日までに教育資金を一括贈与した場合に贈与税が1500万円まで非課税措置となることが、平成25年度税制改正で決まったが、文部科学省がQ&Aを公表した。

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について

2013年4月5日

財産評価基本通達の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施

先日の高裁の判決を受けて、国税庁が財産評価基本通達を改正しようとしている。

パブコメの期間は、2013年4月2日から5月1日である。

<改正の背景>
取引相場のない株式の発行会社の中には、類似業種比準方式における標本会社である上場会社に比べて、資産構成が著しく株式等に偏った会社が見受けられる。このような会社の株式については、一般の評価会社に適用される類似業種比準方式により適正な株価の算定を行うことが期し難いものと考えられることから、財産評価基本通達では、株式保有割合(評価会社の有する各資産の価額の合計額のうちに占める株式等の価額の合計額の割合)が25%以上である大会社を株式保有特定会社とし、その株式の価額を類似業種比準方式ではなく、原則として純資産価額方式で評価することとしている。
ところで、平成25年2月28日東京高等裁判所判決(以下「高裁判決」という。)において、この株式保有特定会社の株式の価額を原則として純資産価額方式により評価すること自体は合理的であると認められるものの、平成9年の独占禁止法の改正に伴って会社の株式保有に関する状況が、株式保有特定会社に係る評価通達の定めが置かれた平成2年の通達改正時から大きく変化していることなどから、株式保有割合25%という数値は、もはや資産構成が著しく株式等に偏っているとまでは評価できなくなっていたといわざるを得ないと判断された。
このため、現下の上場会社の株式等の保有状況に基づき、通達における大会社の株式保有割合による株式保有特定会社の判定基準(以下「大会社の判定基準」という。)を改正するものである。
(注)
高裁判決においては、株式保有割合に加えて、その企業としての規模や事業の実態等を総合考慮して判断するとしているが、これは、現行の「大会社の判定基準」(25%以上)が合理性を有していたものとはいえないことを前提としているためであり、「大会社の判定基準」が合理性を有するものであれば、企業としての規模や事業の実態等を総合考慮することまでを求めるものではないと解される。

<改正案の概要>
「大会社の判定基準」について、「25%以上」を「50%以上」に改正する。
なお、改正後の通達は、相続税または贈与税について、改正後に納税者の方が申告する場合または税務署長が更正・決定する場合における財産の評価に適用することとする。

2013年4月4日

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-4)が公表された。

平成24年分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

「平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)

2013年1月23日

平成24年10月~12月分の基準年利率

平成24年5月22日付課評2-18「平成24年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、10月分から12月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。
なお、複利も同様である。

「平成24年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)

2013年1月22日

住宅取得等資金の贈与税の非課税の住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等の要件

住宅取得等資金の贈与税の非課税の住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等の要件は以下のとおり。

「住宅用の家屋の新築」には、その新築とともにするその敷地の用に供される土地等または住宅の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含み、「住宅用の家屋の取得または増改築等」には、その住宅の取得または増改築等とともにするその敷地の用に供される土地等の取得を含む。
また、対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られる。

(1)新築または取得の場合の要件

  1. 新築または取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  2. 取得した住宅が次のいずれかに該当すること。
    ①建築後使用されたことのない住宅用の家屋
    ②建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの
    (注)耐火建築物とは、登記簿に記録された家屋の構造が鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などのものをいう。
    ③建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、耐震基準(耐震等級(構造躯く体の倒壊等防止)1相当以上であること)に適合するものであることにつき、「耐震基準適合証明書」または「住宅性能評価書の写し」により証明がされたもの
    (注)家屋の取得の日前2年以内にその証明のための家屋の調査が終了したまたは評価されたものに限る。

(2)増改築等の場合の要件

  1. 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  2. 増改築等の工事が、自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」により証明されたものであること。
  3. 増改築等の工事に要した費用の額が100万円以上であること。
    (注)増改築等の工事の部分に居住の用以外の用に供される部分がある場合には、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住の用に供される部分の工事に充てられていなければならない。
    (注)「新築」には、贈与を受けた年の翌年3月15日において屋根(その骨組みを含む。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものが含まれる。また、「増改築等」には、贈与を受けた年の翌年3月15日において増築または改築部分の屋根(その骨組みを含む。)を有し、既存の家屋と一体となって土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものが含まれる。
    なお、「取得」の場合には、これらの状態にあるものが含まれないので、贈与を受けた住宅取得等のための金銭を建売住宅または分譲マンションの取得の対価に充てている場合でも、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその引渡しを受けていなければ、新非課税制度の適用を受けることはできない。

2013年1月15日

住宅取得等資金の贈与税の非課税の受贈者の要件

住宅取得等資金の贈与税の非課税の受贈者の要件は以下のとおり。

  1. 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること。
    (注)
    贈与を受けた時に日本国内に住所を有しない方でも、以下のa 及びb に該当する場合は対象となる。
    a 贈与を受けた時に日本国籍を有していること。
    b 受贈者または贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
  2. 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること。
    (注)
    配偶者の父母(または祖父母)は直系尊属には当たらないが、養子縁組をしている場合は直系尊属に当たる。
  3. 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること(平成24年の贈与については平成4年1月2日以前に生まれた方、平成25年の贈与については平成5年1月2日以前に生まれた方、平成26年の贈与については平成6年1月2日以前に生まれた方となる。)。
  4. 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。
  5. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等をすること。
    (注)
    受贈者が「住宅用の家屋」を所有する(共有持分を有する場合も含まれる。)ことにならない場合は、この新非課税制度の適用を受けることはできない。
  6. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住することまたは同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
    (注)
    贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、新非課税制度は適用されず、修正申告が必要となる。
  7. 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある方から住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等をしたものではないこと。
  8. 平成23年分以前の年分において、旧非課税制度(平成22・24年の各税制改正前の「住宅取得等資金の贈与税の非課税」のことをいう。以下同じ。)の適用を受けたことがないこと。

2012年1月11日

省エネ等住宅

省エネ等住宅とは、省エネ等基準(省エネルギー対策等級4相当であること、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上であることまたは免震建築物であることをいう。)に適合する住宅用の家屋であることにつき、以下のいずれかの証明書などを贈与税の申告書に添付することにより証明がされたものをいう。

  • 住宅性能証明書・建設住宅性能評価書の写し
  1. 新築をした住宅用の家屋
  2. 建築後使用されたことのない住宅用の家屋
  3. 建築後使用されたことのある住宅用の家屋(注1)
  4. 増改築等をした住宅用の家屋(注2)
  • 長期優良住宅認定通知書の写し及び認定長期優良住宅建築証明書など
  1. 新築をした住宅用の家屋
  2. 建築後使用されたことのない住宅用の家屋(注1)
    建築後使用されたことのある住宅用の家屋の場合は、その取得の日前2年以内または取得の日以降にその証明のための家屋の調査が終了したまたは評価されたものに限る。
    (注2)
    住宅用の家屋の増改築等をした場合に、省エネ等基準に適合させるための工事であることについての証明がされた「増改築等工事証明書」を、「住宅性能証明書」または「建設住宅性能評価書の写し」に代えることができる。
    (注3)
    上記の証明書などの発行については、国土交通省または地方整備局に尋ねること。

2013年1月10日

住宅取得等資金の贈与税の非課税

平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」という。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、以下の表の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる。

  • 受贈者ごとの非課税限度額
     住宅の種類  平成24年  平成25年  平成26年
     省エネ等住宅  1,500万円  1,200万円  1,000万円
     上記以外の住宅  1,000万円  700万円  500万円

    (注)
    最初に新非課税制度の適用を受けようとする住宅取得等資金の贈与を受けた年分に係る金額が受贈者ごとの非課税限度額となる。
    なお、既に新非課税制度の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となる。

2013年1月9日

平成24年9月、10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-50)が公表された。

今回は平成24年9月及び10月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
「平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-50)

2012年12月20日

平成24年分贈与税の申告のしかた

平成24年分の贈与税の申告の相談及び申告書の受付は、平成25年2月1日(金)から平成25年3月15日(金)までである。
贈与税の申告書は、受贈者の住所地の所轄税務署長に提出しなければならない。
申告書は、郵便や信書便による送付、または税務署の時間外収受箱への投函により、提出することもできる。
これらのことが記載された『平成24 年分贈与税の申告のしかた』が、国税庁のHPに掲載されている。
平成24年分贈与税の申告のしかた

2012年12月19日

遺言書の内容と異なる遺産分割をした場合は…

相続人の1人に全部の遺産を与える旨の遺言書がある場合に、相続人全員で遺言書の内容と異なった遺産分割をしたときには、受遺者である相続人が遺贈を事実上放棄し、共同相続人間で遺産分割が行われたとみるのが相当である。
したがって、各人の相続税の課税価格は、相続人全員で行われた分割協議の内容によることとなる。
なお、受遺者である相続人から他の相続人に対して贈与があったものとして贈与税が課されることにはならない。

2012年11月12日

代償分割が行われた場合の相続税の計算は…

代償分割とは、遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人または数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して債務を負担するもので現物分割が困難な場合に行われる方法である。

1.この場合の相続税の課税価格の計算は、以下のとおりとなる。

  • 代償財産を交付した人の課税価格は、相続または遺贈により取得した現物の財産の価額から交付した代償財産の価額を控除した金額
  • 代償財産の交付を受けた人の課税価格は、相続または遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額の合計額

2.この場合の代償財産の価額は、代償分割の対象となった財産を現物で取得した人が他の共同相続人などに対して負担した債務の額の相続開始の時における金額になる。
ただし、代償財産の価額については、以下の場合には、それぞれ以下のとおりとなる。

  • 代償分割の対象となった財産が特定され、かつ、代償債務の額がその財産の代償分割の時における通常の取引価額を基として決定されている場合には、その代償債務の額に、代償分割の対象となった財産の相続開始の時における相続税評価額が代償分割の対象となった財産の代償分割の時において通常取引されると認められる価額に占める割合を掛けて求めた価額となる。
  • 共同相続人及び包括受遺者の全員の協議に基づいて、上記で説明した方法に準じた方法または他の合理的と認められる方法により代償財産の額を計算して申告する場合には、その申告した額によることが認められる。

2012年11月5日

相続人の中に養子がいる時は…

1.相続税の計算をする場合、以下の4項目については、法定相続人の数を基に行う。

  • 相続税の基礎控除額
  • 生命保険金の非課税限度額
  • 死亡退職金の非課税限度額
  • 相続税の総額の計算

2.これらの計算をするときの法定相続人の数に含める被相続人の養子の数は、一定数に制限されている。

  • 被相続人に実の子供がいる場合…一人まで
  • 被相続人に実の子供がいない場合…二人まで
    ただし、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は、上記の養子の数に含めることはできない。

3.なお、以下のいずれかに当てはまる人は、実の子供として取り扱われるので、すべて法定相続人の数に含まれる。

  • 被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子となっている人
  • 被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人
  • 被相続人と配偶者の結婚前に特別養子縁組によりその配偶者の養子となっていた人で、被相続人と配偶者の結婚後に被相続人の養子となった人
  • 被相続人の実の子供、養子または直系卑属が既に死亡しているか、相続権を失ったため、その子供などに代わって相続人となった直系卑属。
    なお、直系卑属とは子供や孫のことである。

2012年10月31日

平成24年7月、8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-46)が公表された。

今回は平成24年7月及び8月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
「平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-46)

2012年10月26日

相続人の範囲と法定相続分は…

相続人の範囲や法定相続分は、民法で以下のとおり定められている。

(1)相続人の範囲
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、以下の順序で配偶者と一緒に相続人になる。

  • 第1順位
    死亡した人の子供
    その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となる。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先する。
  • 第2順位
    死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
    父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先する。
    第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になる。
  • 第3順位
    死亡した人の兄弟姉妹
    その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となる。
    第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になる。
    なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされる。
    また、内縁関係の人は、相続人に含まれない。

(2)法定相続分

  • 配偶者と子供が相続人のケース
    配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2
  • 配偶者と直系尊属が相続人のケース
    配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人のケース
    配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分ける。
また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではない。

2012年10月24日

平成24年7月~9月分の基準年利率

平成24年5月22日付課評2-18「平成24年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、7月分から9月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

なお、複利も同様である。

「平成24年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)

2012年10月18日

相続財産から控除できる葬式費用

相続税を計算するときは、一定の相続人及び包括受遺者が負担した葬式費用を遺産総額から差し引く。

1.葬式費用となるもの
遺産総額から差し引く葬式費用は、通常以下のようなものである。

  • 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用
  • 遺体や遺骨の回送にかかった費用
  • 葬式や葬送などを行うときやそれ以前に火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬式と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められる。
  • 葬式などの前後に生じた出費で通常葬式などにかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたる。)
  • 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用

2.葬式費用に含まれないもの
以下のような費用は、遺産総額から差し引く葬式費用には該当しない。

  • 香典返しのためにかかった費用
  • 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
  • 初七日や法事などのためにかかった費用

2012年10月16日

離婚して財産をあげたら…

夫婦が離婚したとき、相手方の請求に基づいて一方の人が相手方に財産を渡すことを財産分与という。
財産分与が土地や建物などで行われたときは、分与した人に譲渡所得の課税が行われる。
この場合、分与した時の土地や建物などの時価が譲渡所得の収入金額となる。

2012年10月4日

離婚して財産をもらったら…

離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税が課税されることはない。
これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからである。
ただし、以下のいずれかに当てはまる場合には贈与税が課税される。

  • 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
    この場合は、その多過ぎる部分に贈与税が課税される。
  • 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
    この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税が課税される。

分与を受けた人は、分与を受けた日にその時の時価で土地や建物を取得したことになる。
したがって、将来、分与を受けた土地や建物を売った場合には、財産分与を受けた日を基に、長期譲渡になるか短期譲渡になるかを判定することになる。

2012年10月3日

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のあらまし(平成24年8月)

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のあらまし(平成24年8月)が公表された。
内容は以下のとおり。

  • 非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例
  1. 特例の要件や申告手続などの流れ
  2. 納税が猶予される相続税などの計算方法
  • 非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例
  1. 特例の要件や申告手続などの流れ
  2. 納税が猶予される贈与税などの計算方法
    (参考)手続書類一覧表

非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予の特例のあらまし(平成24年8月)

2012年9月5日

平成24年5月、6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-40)が公表された。

今回は平成24年5月及び6月の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
「平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-40)

2012年8月24日

相続税法基本通達の一部改正(平成24年)

経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律(平成23年法律第14号)及び租税特別措置法等の一部を改正する法律(平成24年法律第16号)等の施行等に伴い、相続税及び贈与税の延納及び物納に関する法令の改正等に係るものについて、所要の整備が行われた。

新旧対照表は、以下のリンクから。
新旧対照表

2012年8月3日

相続税の申告の仕方(平成24年分用)

相続税の申告の仕方(平成24年分用)が作成された。

目次は、以下のとおり。

  • 相続税のあらまし
  • 相続税の申告
  • 相続税の納付
  • 相続税の申告書の記載例

国税庁のHPは、以下のとおり。
相続税の申告の仕方(平成24年分用)   

2012年8月2日

平成24年4月~6月分の基準年利率

平成24年5月22日付課評2-18「平成24年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、4月分から6月分の基準年利率が定められ、リンクのとおり改正されたので、これによる必要がある。

なお、複利も同様である。

「平成24年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)

2012年7月24日

「庭内神し」の敷地等に係る相続税法第12条第1項第2号の相続税の非課税規定の取扱いの変更

「庭内神し(ていないしんし、もしくは、ていないじんし)」の敷地については、「庭内神し」とその敷地とは別個のものであり、相続税法第12条第1項第2号の相続税の非課税規定の適用対象とはならないものと取り扱ってきた。
しかし、「庭内神し」の設備とその敷地、附属設備との位置関係やその設備の敷地への定着性その他それらの現況等といった外形や、その設備及びその附属設備等の建立の経緯・目的、現在の礼拝の態様等も踏まえた上でのその設備及び附属設備等の機能の面から、その設備と社会通念上一体の物として日常礼拝の対象とされているといってよい程度に密接不可分の関係にある相当範囲の敷地や附属設備である場合には、その敷地及び附属設備は、その設備と一体の物として相続税法第12条第1項第2号の相続税の非課税規定の適用対象となるものとして取り扱うことに改められた。

(注)
「庭内神し」とは、一般に、屋敷内にある神の社や祠等といったご神体を祀り日常礼拝の用に供しているものをいい、ご神体とは不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申塔、稲荷等で特定の者または地域住民等の信仰の対象とされているものをいう。

この変更後の取扱いは、既に相続税の申告をされた方であっても、相続した土地の中に変更後の取扱いの対象となるものがある場合には適用がある。

2012年7月18日

平成24年3月、4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等についての一部改正について(法令解釈通達)(課評2-24)が公表された。

前回はなぜか平成24年1月および2月分だけであったが、今回は平成24年4月分までの相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
「平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-30)

2012年7月10日

平成24年分の路線価図等

本日(7月2日)から閲覧可能となった。

路線価等は販売もされているが、全国の国税庁・税務署でパソコンにより閲覧でき、自宅などからインターネットでも過去3年分の閲覧ができる。

国税庁の路線価図等に関するページは、以下のとおり。
路線価図・評価倍率表

2012年7月2日

平成24年1月~3月分の基準年利率

平成24年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-18)が公表された。

平成24年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
なお、平成24年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

平成24年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-18)

2012年6月29日

平成24年1月、2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-24)が公表された。

平成24年1月および2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価について定められている。

リンク先は以下のとおりである。
平成24年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-24)

2012年6月28日

贈与税の電子申告

従来、贈与税については電子申告できなかったが、平成24年分の申告から利用できる。

2012年6月22日

固定資産税評価額が付されていない家屋の評価

固定資産税評価額が付されていない家屋の評価としては、以下のようなものが考えられる。

  1. 申告書を提出するまでの間に、固定資産税評価額が付された場合には、その固定資産税評価額により評価する。
  2. その家屋の付近にある状況の類似した家屋の固定資産税評価額を基とし、その評価対象である家屋と付近にある類似家屋との構造、経過年数、用途等の差を考慮して評定した価額により評価する。
  3. 付近に類似する家屋がないときは、その家屋の再建築価額から経過年数に応ずる減価償却費累計額おもしくは減価額を控除した価額に70%を乗じた金額によって評価する。

2012年6月11日

負担付贈与

負担付贈与とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいう。例えば、1億円の土地を贈与する際に借入金6千万円も負担させるようなケースである。

個人から負担付贈与を受けた場合は、贈与財産の価額から負担額を控除した価額に課税されることになる。
この場合の課税価格は、贈与された財産が土地や借地権などである場合及び家屋や構築物などである場合には、一般的に評価額が低いとされる相続税評価額ではなく、その贈与の時における通常の取引価額に相当する金額から負担額を控除した価額によることになっていることに留意すべきである。
また、贈与された財産が上記の財産以外のものである場合は、その財産の相続税評価額から負担額を控除した価額となる。

なお、負担付贈与があった場合においてその負担額が第三者の利益に帰すときは、第三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したことになる。

2012年6月8日

使用貸借の宅地の評価単位

所有する宅地の一部を自ら使用し、他の部分を使用貸借により貸し付けている場合には、その全体を1画地の宅地として評価する。また、自己の所有する宅地に隣接する宅地を使用貸借により借り受け、自己の所有する宅地と一体として利用している場合であっても、所有する土地のみを1画地の宅地として評価する。
なお、使用貸借に係る使用借権の価額は、零として取り扱い、使用貸借により貸し付けている宅地の価額は自用地価額で評価することに留意が必要である。

2012年6月6日

山林及び山林の上に存する権利の評価

山林の評価は、以下に掲げる区分に従い、それぞれ以下に掲げる方式によって行う。

  1. 純山林及び中間山林(通常の山林と状況を異にするため純山林として評価することを不適当と認めるものに限る。以下同じ。)
    …倍率方式
  2. 市街地山林
    …比準方式または倍率方式
  • 純山林の価額
    その山林の固定資産税評価額に、地勢、土層、林産物の搬出の便等の状況の類似する地域ごとに、その地域にある山林の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。
  • 中間山林の価額
    その山林の固定資産税評価額に、地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある山林の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。
  • 市街地山林の価額
    その山林が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額から、その山林を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛りまたは土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に、その山林の地積を乗じて計算した金額によって評価する。
    ただし、その市街地山林の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある山林の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することができるものとし、その倍率が定められている地域にある市街地山林の価額は、その山林の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する。
    なお、その市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合には、その山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価する。

(注1)
「その山林が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額」は、その付近にある宅地について財産評価基本通達11(評価の方式)に定める方式によって評価した1㎡当たりの価額を基とし、その宅地とその山林との位置、形状等の条件の差を考慮して評価する。
(注2)
「その市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合」とは、その山林を本項本文によって評価した場合の価額が近隣の純山林の価額に比準して評価した価額を下回る場合、またはその山林が急傾斜地等であるために宅地造成ができないと認められる場合をいう。

2012年6月5日

三方または四方路線影響加算

三方または四方に路線がある宅地の価額は、財産評価基本通達16≪側方路線影響加算≫及び前項に定める方法を併用して計算したその宅地の価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。

2012年6月1日

側方路線価影響加算

正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」という。)の価額は、以下の1.及び2.に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。

  1. 正面路線(原則として、前項の定めにより計算した1㎡当たりの価額の高い方の路線をいう。以下同じ。)の路線価に基づき計算した価額
  2. 側方路線(正面路線以外の路線をいう。)の路線価を正面路線の路線価とみなし、その路線価に基づ き計算した価額に付表2「側方路線影響加算率表」 に定める加算率を乗じて計算した価額

2012年5月30日

奥行価格補正

一方のみが路線に接する宅地の価額は、路線価にその宅地の奥行距離に応じて奥行価格補正率を乗じて求めた価額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。

2012年5月29日

特定路線価

路線価地域内において、相続税、贈与税または地価税の課税上、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地を評価する必要がある場合には、当該道路を路線とみなして当該宅地を評価するための路線価(以下「特定路線価」という。)を納税義務者からの申出等に基づき設定することができる

特定路線価は、その特定路線価を設定しようとする道路に接続する路線及び当該道路の付近の路線に設定されている路線価を基に、当該道路の状況、前項に定める地区の別等を考慮して税務署長が評定した1㎡当たりの価額とする。

2012年5月28日

地区

路線価方式により評価する地域(以下「路線価地域」という。)については、宅地の利用状況がおおむね同一と認められる一定の地域ごとに、国税局長が以下に掲げる地区を定めている。
(1)ビル街地区
(2)高度商業地区
(3)繁華街地区
(4)普通商業・併用住宅地区
(5)普通住宅地区
(6)中小工場地区
(7)大工場地区

なお、どれに該当するかについては、路線価図の上の方を見れば把握できる。

2012年5月25日

路線価

路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう。以下同じ。)ごとに設定される。
路線価は、路線に接する宅地で以下に掲げるすべての事項に該当するものについて、売買実例価額、公示価格(地価公示法(昭和44年法律第49号)第6条≪標準地の価格等の公示≫の規定により公示された標準地の価格をいう。以下同じ。)、不動産鑑定士等による鑑 定評価額(不動産鑑定士または不動産鑑定士補が国税局長の委嘱により鑑定評価した価額をいう。以下同じ。)、精通者意見価格等を基として国税局長がその路線ごとに評定した1㎡当たりの価額とする。
(1)その路線のほぼ中央部にあること。
(2)その一連の宅地に共通している地勢にあること。
(3)その路線だけに接していること。
(4)その路線に面している宅地の標準的な間口距離及び奥行距離を有するく形または正方形のものであるこ と。

(注)
(4)の「標準的な間口距離及び奥行距離」には、それぞれ付表1「奥行価格補正率表」に定める補正率(以下「奥行価格補正率」という。)及び付表6「間口狭小補正率表」に定める補正率(以下「間口狭小補正率」という。)がいずれも1.00であり、かつ、付表7「奥行長大補正率表」に定める補正率(以下「奥行長大補正率」という。)の適用を要しないものが該当する。

2012年5月24日

宅地及び宅地の上に存する権利の評価の方式

宅地の評価は、原則として、以下の区分に従い、それぞれ以下に掲げる方式によって行う。

  • 市街地的形態を形成する地域にある宅地…路線価方式
  • 上記以外の宅地…倍率方式

路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、財産評価基本通達15≪奥行価格補正≫から20-5≪容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価≫までの定めにより計算した金額によって評価する方式をいう。

倍率方式とは、固定資産税評価額(地方税法第381条≪固定資産課税台帳の登録事項≫の規定により土地課税台帳もしくは土地補充課税台帳(同条第8項の規定により土地補充課税台帳とみなされるものを含む。)に登録された基準年度の価格または比準価格をいう。以下この章において同じ。)に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するように定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいう。

2012年5月23日

間口が狭小な宅地等の評価

以下に掲げる宅地(不整形地及び無道路地を除く。)の価額は、財産評価基本通達15≪奥行価格補正≫の定めにより計算した1㎡当たりの価額にそれぞれ以下に掲げる補正率表に定める補正率を乗じて求めた価額にこれらの宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する。
この場合において、地積が大きいもの等にあっては、近傍の宅地の価額との均衡を考慮し、それぞれの補正率表に定める補正率を適宜修正することができる。

(1)間口が狭小な宅地 付表6「間口狭小補正率表」
(2)奥行が長大な宅地 付表7「奥行長大補正率表」

2012年5月22日

不整形地の評価

不整形地(三角地を含む。以下同じ。)の価額は、以下の(1)から(4)までのいずれかの方法により財産評価基本通達15≪奥行価格補正≫から18≪三方又は四方路線影響加算≫までの定めによって計算した価額に、その不整形の程度、位置及び地積の大小に応じ、付表4「地積区分表」に掲げる地区区分及び地積区分に応じた付表5「不整形地補正率表」に定める補正率(以下「不整形地補正率」という。)を乗じて計算した価額により評価する。

(1)不整形地を区分して求めた整形地を基として計算する方法
画像の説明

(2)不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基として求めた整形地により計算する方法
画像の説明
(注)ただし、計算上の奥行距離は、不整形地の全域を囲む、正面路線に面するく形または正方形の土地(以下「想定整形地」という。)の奥行距離を限度とする。

(3)不整形地に近似する整形地(以下「近似整形地」という。)を求め、その設定した近似整形地を基として計算する方法
画像の説明
(注)近似整形地は、近似整形地からはみ出す不整形地の部分の地積と近似整形地に含まれる不整形地以外の部分の地積がおおむね等しく、かつ、その合計地積ができるだけ小さくなるように求める((4)において同じ。)。

(4)近似整形地(①)を求め、隣接する整形地(②)と合わせて全体の整形地の価額の計算をしてから、隣接する整形地(②)の価額を差し引いた価額を基として計算する方法
画像の説明

2012年5月21日

無道路地の評価

無道路地の価額は、実際に利用している路線の路線価に基づき財産評価基本通達20≪不整形地の評価≫の定めによって計算した価額からその価額の100分の40の範囲内において相当と認める金額を控除した価額によって評価する。この場合において、100分の40の範囲内において相当と認める金額は、無道路地について建築基準法(昭和25年法律第201号)その他の法令において規定されている建築物を建築するために必要な道路に接すべき最小限の間口距離の要件(以下「接道義務」という。)に基づき最小限度の通路を開設する場合のその通路に相当する部分の価額(路線価に地積を乗じた価額)とする。

(注)

  • 無道路地とは、道路に接しない宅地(接道義務を満たしていない宅地を含む。)をいう。
  • 財産評価基本通達20≪不整形地の評価≫の定めにより、付表5「不整形地補正率表」の(注)3の計算をするに当たっては、無道路地が接道義務に基づく最小限度の間口距離を有するものとして間口狭小補正率を適用する。

2012年5月18日

倍率方式

相続税や贈与税を計算するときに、相続や贈与などにより取得した土地や家屋を評価する必要がある。
土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価する。

土地の評価方法には、路線価方式倍率方式がある。

倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法である。
倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額(都税事務所、市区役所または町村役場で確認できる。)に一定の倍率を乗じて計算する。
路線価図及び評価倍率表は、国税庁のホームページで閲覧できる。

なお、平成24年分の路線価図等の閲覧は、7月2日(月)から予定されている。

2012年5月11日

路線価方式

相続税や贈与税を計算するときに、相続や贈与などにより取得した土地や家屋を評価する必要がある。
土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価する。

土地の評価方法には、路線価方式倍率方式がある。

路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法である。

路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、千円単位で表示している。
路線価方式における土地の価額は、路線価をその土地の形状等に応じた奥行価格補正率などの各種補正率で補正した後に、その土地の面積を乗じて計算する。

2012年5月10日

平成22年分の相続税の申告の状況について

東日本大震災の影響もあってか、『平成22年分の相続税の申告の状況について』がようやく公表された。
これによると、主なものは以下のとおり。

  • 被相続人数
    …約120万人(平成21年は約114万人)
  • 課税価格
    …10兆4,470億円で、被相続人1人当たり2億1,006万円(平成21年は、それぞれ10兆1,072億円、2億1,765万円)
  • 税額
    …1兆1,754億円で、被相続人1人当たり2,363万円(平成21年は、それぞれ1兆1,618億円、2,502万円)
  • 相続財産の金額の構成比
    …土地48.4%、現預金等23.2%、有価証券12.1%(平成21年はそれぞれ、49.7%、22.3%、12.0%)

2012年5月2日

平成24年分の路線価図等の閲覧

相続税・贈与税の土地などの評価に用いる平成24年分の路線価図等の閲覧は、7月2日(月)から予定されている。

路線価図等は、自宅などでインターネットにより閲覧できる。

国税庁のホームページでは、全国の過去3年分の路線価図等を見ることができる。リンク先は以下のとおり。
http://www.rosenka.nta.go.jp

また、全国の国税局・税務署でパソコンにより閲覧できる。

2012年4月25日

配当還元方式

配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る1年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価する方法である。

算式は、以下のとおり。
(その株式に係る年配当金額÷10%)×(その株式の1株当たりの資本金等の額÷50円)

ここで、その株式に係る年配当金額は、直前期末以前2年間の配当金額÷1株当たりの資本金の額を50円とした場合の発行済株式数となる。
なお、年配当金額が2円50銭未満となる場合は2円50銭となる。

2012年4月19日

併用方式

類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式は、類似業種比準方式と純資産価額方式のそれぞれの方式により評価した価額にそれぞれ一定の割合(Lの割合(類似業種比準価額の割合))を加味して評価額を求める方式をいう。

算式は、以下のとおり。
類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1-L)

Lの割合は、

  • 中の大会社…0.9
  • 中の中会社…0.75
  • 小の中会社…0.6
  • 小会社…0.5
  • 比準要素数1の会社…0.25

2012年4月18日

類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、類似業種の平均株価並びに1株当たりの配当金額、年利益金額及び純資産価額の3つの要素を類似業種と比準して計算する方法である。
具体的な計算式は、次のとおり。

A×(b/B+c/C×3+d/D)/5×0.7(大会社の場合。中会社は0.6、小会社は0.5)

A:類似業種の株価
B:類似業種の1株当たりの配当金額
C:類似業種の1株当たりの年利益金額
D:類似業種の1株当たりの純資産価額
b:評価会社の直前期末以前2年間における1株当たりの年配当金額
c:評価会社の直前期末以前1年(または2年)間における1株当たりの年利益金額
d:評価会社の直前期末における1株当たりの純資産価額

なお、A・B・C・Dは国税庁から公表されている。

2012年4月17日

純資産価額方式

純資産価額方式とは、課税時期における純資産を基に計算する評価方法である。
計算方法は以下のとおり。

  • 課税時期における評価会社が所有する各資産を相続税評価額により評価した価額の合計額(総資産価額)から、課税時期における各負債を相続税評価額に基づき評価した金額の合計額(総負債価額)を差し引き、相続税評価額による純資産価額を算定する。
  • 相続税評価額による純資産価額から、帳簿価額の純資産を差し引くことで評価差額を求め、これに42%(平成24年4月から。平成22年10月~平成24年3月は45%)を乗じた金額(評価差額に対する法人税等相当額)を算定する。
  • 相続税評価額による純資産価額から評価差額に対する法人税等相当額を控除して法人税等相当額控除後の純資産価額を計算し、課税時期における発行済株式数で除して1株当たりの純資産の金額を求める。

2012年4月16日

農地の相続税の納税猶予

農業を営んでいた被相続人または特定貸付けを行っていた被相続人から相続人が一定の農地等を相続し、農業を営む場合または特定貸付けを行う場合には、農地等の価額のうち農業投資価格による価額を超える部分に対応する相続税額については、その相続した農地等について相続人が農業を営んでいるまたは特定貸付けを行っている限り、その納税が猶予される。これが、『農業後継者が農地等の相続を受けた場合の納税猶予の特例』と呼ばれるものである。

この場合の農地等納税猶予税額は、以下のいずれかに該当することとなった場合には、その納税が免除される。

  • 特例の適用を受けた相続人が死亡
  • 特例の適用を受けた相続人が、この特例の適用を受けている農地等の全部を贈与税の納税猶予が適用される生前一括贈与
  • 特例の適用を受けた相続人が相続税の申告期限から農業を20年間継続(市街化区域内農地等に対応する農地等納税猶予税額の部分に限る。)

<特例を受けるための要件>
この特例を受けることができるのは、以下の要件に該当する場合である。

a.被相続人の要件
次のいずれかに該当する人

  • 死亡の日まで農業を営んでいた
  • 農地等の生前一括贈与をした
    死亡の日まで受贈者が贈与税の納税猶予または納期限の延長の特例の適用を受けていた場合に限られる。
  • 死亡の日まで相続税の納税猶予の適用を受けていた農業相続人または農地等の生前一括贈与の適用を受けていた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権等の設定による貸付けをし、税務署長に届出た
  • 死亡の日まで特定貸付けを行っていた

b.農業相続人の要件
被相続人の相続人で、以下のいずれかに該当する人

  • 相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うと認められる
  • 農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者で、特例付加年金または経営移譲年金の支給を受けるためその推定相続人の1人に対し農地等について使用貸借による権利を設定して、農業経営を移譲し、税務署長に届出た
    贈与者の死亡の日後も引き続いてその推定相続人が農業経営を行うものに限る。
  • 農地等の生前一括贈与の特例の適用を受けた受贈者で、障害、疾病などの事由により自己の農業の用に供することが困難な状態であるため賃借権等の設定による貸付けをし、税務署長に届出た
    贈与者の死亡後も引き続いて賃借権等の設定による貸付けを行うものに限る。
  • 相続税の申告期限までに特定貸付けを行った

c.特例農地等の要件
以下のいずれかに該当するものであり、相続税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨が記載されたもの。

  • 被相続人が農業の用に供していた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割された
  • 被相続人が特定貸付けを行っていた農地または採草放牧地で相続税の申告期限までに遺産分割された
  • 被相続人が営農困難時貸付け(注)を行っていた農地等で相続税の申告期限までに遺産分割された
  • 被相続人から生前一括贈与により取得した農地等で被相続人の死亡の時まで贈与税の納税猶予または納期限の延長の特例の適用を受けていた
  • 相続や遺贈によって財産を取得した人が相続開始の年に被相続人から生前一括贈与を受けていた農地等

2012年3月16日

農地の贈与税の納税猶予

農業を営んでいる人が、農業の用に供している農地の全部並びに採草放牧地及び準農地の一定部分をその農業を引き継ぐ推定相続人の1名に贈与した場合には、その贈与を受けた人(受贈者という。)に課税される贈与税については、その贈与を受けた農地等について受贈者が農業を営んでいる限り、その納税が猶予される制度がある。
これが、『農業後継者が農地等の贈与を受けた場合の納税猶予の特例』と呼ばれるものである。

この制度による納税猶予税額は、受贈者または贈与者のいずれかが死亡した場合には、その納税が免除される。
ただし、贈与者の死亡により農地等納税猶予税額の納税が免除された場合には、特例の適用を受けて納税猶予の対象になっていた農地等(特例農地等という。)は、贈与者から相続したものとみなされて相続税の課税対象となる。

<特例を受けるための要件>
1.贈与者の要件
a 農地等を贈与した日まで引き続き3年以上農業を営んでいた者であること。
b 以下に掲げる場合に該当しない者であること。

  • 贈与をした年の前年以前において、贈与者の農業の用に供していた農地をその者の推定相続人に対し贈与をしている場合であって、その農地が相続時精算課税の適用を受けているとき
  • 贈与をした年において、その贈与以外の贈与により農地及び採草放牧地並びに準農地の贈与をしている場合
  • 過去に、この納税猶予の特例の適用を受ける贈与を行っている場合

2.受贈者の要件
a 贈与者の推定相続人であること。
b 以下の要件に該当するものとして農業委員会が証明した者であること。

  • 贈与により農地等を取得した日における年齢が18歳以上であること
  • 贈与により農地等を取得した日まで引き続き3年以上農業に従事していたこと
  • 贈与により農地及び採草放牧地を取得した後、速やかにその農地及び採草放牧地について農業経営を行うと認められること
    なお、贈与を受けた農地等について、この特例の適用を受ける場合には、その農地等については、相続時精算課税の適用を受けることはできない。

3.特例農地等の要件
以下のすべてに該当するものであり、贈与税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける旨が記載されたものであること。

  • 贈与者が農業の用に供している農地等であること
  • 贈与者が農業の用に供している農地の全部と採草放牧地及び準農地の面積の3分の2以上であること

    2012年3月15日

農地の評価

財産評価上、農地は以下の4つに分けられる。

  • 純農地
  • 中間農地
  • 市街地周辺農地
  • 市街地農地

それぞれの評価は、以下のとおり。

  • 純農地及び中間農地…倍率方式
    ここで、倍率方式とは、その農地の固定資産税評価額に、国税局長が定める一定の倍率を乗じて評価する方法をいう。
  • 市街地周辺農地…その農地が市街地農地であるとした場合の価額の80%に相当する金額
  • 市街地農地…宅地比準方式または倍率方式
    ここで、宅地比準方式とは、その農地が宅地であるとした場合の価額からその農地を宅地に転用する場合にかかる造成費に相当する金額を控除した金額により評価する方法をいう。

2012年3月14日

住民票

相続時精算課税制度を選択した時に、住民票が添付書類として必要になる。

住民票は市町村などで作成される住民に関する記録である。
住民票に記載されている主なものは、以下のとおり。

  • 氏名
  • 出生の年月日
  • 男女の別
  • 世帯主の氏名、世帯主との続き柄
  • 戸籍の表示
  • 住民となった年月日
  • 住所を定めた年月日
  • 前住所
  • 転出先の住所

2012年3月13日

戸籍謄本と戸籍妙本

相続時精算課税制度を選択した時に、戸籍の謄本または妙本が添付書類として必要になる。

戸籍謄本とは、戸籍原本に記載されている人全部を複写したもので、全部事項証明ともいう。

戸籍抄本とは、戸籍原本から必要とする人の部分だけを複写したもので、個人事項証明ともいう。

2012年3月12日

戸籍の附票

相続時精算課税制度を選択した時に、戸籍の附票が添付書類として必要になる。

戸籍は、市町村などで作成される該当市区町村に本籍がある者の住所履歴に関する記録である。
一方、住民票は住所の異動や世帯の構成、戸籍が出生・死亡・結婚などの身分事項の記録である。
この2つを結びつけるものが戸籍の附票である。
戸籍の附票の記載事項は以下の4つである。

  • 戸籍の表示(=本籍および筆頭者)
  • 氏名
  • 住所
  • 住所を定めた年月日

戸籍の附票は本籍地が管理する記録である。よって、市区町村をまたいで住所が変わったとしても、戸籍が変わっていなければ、1つの戸籍の附票の中にすべての住所履歴が記録される。一方、戸籍が変わった場合、別の戸籍の附票で住所履歴の確認をすることになる。

2012年3月8日

贈与税の納付方法

贈与税の納付方法については、以下の方法がある。

  • 現金で納付 現金に納付書を添えて、金融機関(日本銀行歳入代理店)または住所地等の所轄の税務署の納税窓口で納付する。
  • e-Taxで納付 自宅等からインターネットを利用して納付できる。
  • コンビニで納付 平成20年1月21日から国税をコンビニエンスストアで納付することができる。

一方、一度に多額の納税をすることが難しい場合もあり、そのような方のために延納という納税方法がある。この延納は一定の条件のもとに、5年以内の年賦により納税する方法である。
(1)延納の要件
延納を受けるには、以下の3つのすべてに当てはまることが必要である。

  • 申告による納付税額が10万円を超えていること
  • 金銭で一度に納めることが難しい理由があること
  • 担保を提供すること。ただし、延納税額が50万円未満で延納期間が3年以下の場合、担保は不要。

(2)延納するための手続
延納しようとする贈与税の納期限または納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して所轄税務署長に提出することが必要である。
税務署長は延納申請書に基づいて延納の許可または却下をすることになる。なお、延納できることになった税金には年率6.6%の利子税がかかる。
ただし、平成12年1月1日以後の期間に対応する延納税額にかかる利子税の割合については以下の特例が設けられている。
贈与税の延納利子税の割合について、各分納期間の開始の日の属する月の2ヵ月前の月の末日の日本銀行の定める基準割引率に4%を加算した割合(以下「延納特例基準割合」という。)が7.3%に満たない場合には、その分納期間においては現行の利子税の割合に延納特例基準割合が7.3%に占める割合を乗じて計算した割合(以下「延納特例割合」という。)となる。

2012年3月7日

贈与税の申告期限

贈与税の申告と納税は、原則として、受贈者が、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっている。

贈与税の申告書の提出先は、原則として、受贈者の住所を所轄する税務署である。

2012年3月6日

基準年利率

基準年利率は、著作権や営業権などの財産評価を行う際に使用される利率である。
また、財産評価基本通達4-4によると、日本証券業協会において売買参考統計値が公表される利付国債に係る複利利回りを基に計算した年利率によることとし、その率は、短期(3年未満)、中期(3年以上7年未満)及び長期(7年以上)に区分し、各月ごとに別に定めるものとされている。

この「平成23年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)が国税庁より公表されている。

2012年1月25日

類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

取引相場のない株式評価方法の原則的評価方法の一つに類似業種比準方式がある。
これは、事業内容が類似する上場企業の株価を基に、評価を行う自社の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額の3要素(比準要素)を比較することで株価を算定する方法である。

この算定に用いる、平成23年度の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等が国税庁より公表されている。

2012年1月24日

相続を放棄した場合の相続開始前3年以内の贈与

相続を放棄して遺産を相続しておらず、かつ、遺贈による財産の取得もない場合、相続税の申告につき、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産を、課税価格に含めなくてよい。

なお、相続時精算課税を適用している場合は、課税価格に含める必要がある。

2011年11月24日

香川県の2010事務年度の相続税の税務調査の調査結果

高松国税局が2011年11月21日に発表した香川県の2010事務年度(2010年7月~2011年6月)の相続税の税務調査の調査結果の特徴は以下のとおり。

  • 申告漏れ件数は、152件(前期比1.3%増)。
  • 申告漏れ総額は、47億円(前期比31.9%増)。6年ぶりの増加。
  • 重加算税を課されたのは、16件、4億円。
  • 現金などの資産を相続したにも関わらず、まったく申告しない無申告事案が増加。
  • 申告漏れで多いのは、現金・預貯金、土地、有価証券。

2011年11月22日

著作権の評価

著作者の別に一括して以下の算式によって計算した金額によって評価する。なお、個々の著作物に係る著作物を評価する場合は、その著作物ごとに計算する。

年平均印税収入の額×0.5×評価倍率

ここで、年平均印税収入の額は、課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額とする。

また、評価倍率は、著作物に関し精通している者の意見等を基として推算したその印税収入期間に応ずる基準年利率による複利年金現価率とする。

2011年11月16日

特許権の評価

権利に基づき将来受ける補償金の額の基準割引率による複利現価の額の合計額による。
具体的には、第n年目の補償金年額×n年後の基準年利率による複利原価率を、1年目からn年目まで足したものとなる。

補償金を受ける期間は、課税時期から特許法第67条に規定する特許権の存続期間が終了する時期までの年数の範囲内において推算した年数とする。

なお、実用新案権、意匠権及びそれらの実施権も同様の評価を行う。

2011年11月9日

小規模宅地等の評価減の特例の平成22年改正

平成22年4月1日以後の相続または遺贈から、以下のものが適用されている。

  • 配偶者と別居親族(一定の者に限る)を除き、相続税の申告期限までに所有または事業もしくは居住を継続しないと適用対象とならない。
  • 1つの宅地等につき共同相続があった場合、取得した者ごとに適用要件の判定を行う。
  • 1棟の建物に特定居住用宅地等の要件を満たす部分とそれ以外の部分がある場合、それぞれの用途ごとに適用要件の判定を行う。
  • 特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた1つの宅地等に限られることが明確化された。

2011年10月27日

特別養子縁組

特別養子縁組とは、養子が戸籍上も実親との親子関係を断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにする縁組のことをいう。この場合における養子を特別養子という。

実子として取り扱われ、人数制限からは外れ、「法定相続人の数」に含めることができる。

2011年10月26日

普通養子とは?

養子縁組とは、親子関係にない者を、法律上親子関係があるとすることである。

養子縁組には、以下の2つがある。

  • 普通養子縁組
  • 特別養子縁組

普通養子縁組とは、養子が実親との親子関係を残したまま、養親との親子関係を作る二重の親子関係となる縁組のことをいう。
この場合における養子を普通養子という。

養親の相続権のみならず、実親の相続権もある。

2011年10月25日

養子と相続税

相続税対策として養子縁組をしているケースがある。

例えば、孫を養子とした場合、2割加算となるものの、基礎控除額などの計算上、法定相続人の人数に含まれるため、相続税対策として養子を用いるのであるが、無制限に認められているわけではない。
以下のような制限がある。

  • 被相続人に実子がいる場合…1人まで
  • 被相続人に実子がいない場合…2人まで

ただし、養子を法定相続人に含めることにより、相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、含めることはできない。

2011年10月24日

二世帯住宅における小規模宅地等の特例

  • 構造上区分されていないケース

同居親族に該当するため、居住継続要件および所有継続要件(配偶者を除く。)を満たせば、特例を使うことができる。

  • 構造上区分されているケース

措置法通達69の4-21のなお書きにより、みなし同居親族として申告することを選択できる。
なお、1棟の建物のうち、1つの独立部分に被相続人が居住し、他の独立部分に被相続人の親族が居住し、以下の要件をすべて満たすケースは、その親族は非相続人の同居親族とみなされる。
①その建物1棟全部を被相続人または被相続人の親族が所有していた。
②被相続人の配偶者または被相続人が居住の用に供していた独立部分に共に起居していた親族等がいなかった。
③その親族について、同居親族として申告をした。

2011年10月21日

各独立部分とは?

「各独立部分」については、相続税法上定義はない。

地価税法施行令9条1項1号では「各独立部分」ということばが使われており、地価税法取扱通達7-20で、「建物の構成部分である隔壁、扉、階層(天井及び床)等によって他の部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入口を有するなど独立して住居その他の用途に供することができるものをいい、~」とある。

なお、区分所有権の登記がされているかどうかは考慮しなくてよい。

2011年10月20日

同居親族とは?

同居親族については、租税特別措置法通達69の4-21に定義があり、その家屋で被相続人と共に起居していた親族をいう。

また、1棟の建物が各独立部分に区別されており、被相続人がそのうちの独立部分の1つに居住していた場合には、被相続人が居住の用に供していた独立部分において、被相続人と共に起居していた親族が同居親族となる。

なお、1棟の建物のうち、1つの独立部分に被相続人が居住し、他の独立部分に被相続人の親族が居住し、以下の要件をすべて満たすケースは、その親族は非相続人の同居親族とみなされる。
①その建物1棟全部を被相続人または被相続人の親族が所有していた。
②被相続人の配偶者または被相続人が居住の用に供していた独立部分に共に起居していた親族等がいなかった。
③その親族について、同居親族として申告をした。

2011年10月19日

生計を一とは?

最近、相続税法の改正により改正が予想される生命保険金など、「生計を一」ということが重要になるケースがあるが、相続税法には定義はなく、所基通2-47を判断基準として判定することになると思われる。

財布が一つであることと言われるが、同居は必ずしも必要ではなく、別居していても該当するケースがある。
例えば、お子様が大学生で、親元を離れてアパート等を借りて住んでおり、親からの仕送りによって生活しているようなケースである。

2011年10月18日

相続税法上の行為計算否認規定

法人税法上、以下の3つの行為計算否認規定があり、

①同族会社等の行為計算否認(法人税法132条)
②組織再編成に係る行為計算否認(法人税法132条の2)
③連結法人に係る行為計算否認(法人税法132条の3)

所得税法上も、以下の行為計算否認規定があるが、

同族会社等の行為計算否認(所得税法157条)

相続税法にも、以下の行為計算否認規定がある。

同族会社等の行為計算否認(相続税法64条)

その一方で、財産評価基本通達第6項に、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」とあり、どちらが適用されるのか不明確であると考えられる。

2011年9月14日

贈与税の基礎控除額

一般的に、110万円以下だと無税ということ、つまり贈与税の基礎控除額は110万円ということはよく知られているが、相続税法上は60万円となっている(相法21の5)。

110万円というのは、租税特別措置法に定められているのである(措法70の2の2)。

ちなみに110万円となったのは平成13年からであり、その前は60万円だった。

2011年8月3日

住所

相続税法上、住所の具体的な規定はなく、民法22条の住所(各人の生活の本拠をその者の住所とする。)を借用することになる。

住所が複数ある場合もありうると考えられるが、判例上、民法上の住所は単一である。

2011年7月29日

武富士事件

今年に入って大変興味のある訴訟の判決が出た。2011年2月18日、最高裁の判決により、武富士側が勝訴したのである。

武富士株を保有するオランダ法人の株式を両親から香港に住む子供へ贈与した案件であり、住所が争点となった。

武富士側の勝訴となったものの、残念ながら、判決で住所の具体的な判断は示されていない。

ただし、最近、国側が敗訴する事例が増えているようである。租税法律主義が徹底されてきているということであろう。

2011年7月28日

路線価

2011年7月1日に路線価が発表された。
我が香川県は19年連続下落のようである。高松市の最高路線価も1992年の445万円から2011年は37万円となっており、10分の1以下になっている。

路線価とは、1月1日時点の主要道路に面した1㎡当たりの土地評価額で、相続税や贈与税の評価に用いられ、基準となる標準地点の路線価を定め、周辺の路線価を決定する。
不動産鑑定士による鑑定評価や売買実績を参考にしており、公示価格の8割程度と言われている。

2011年7月4日

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源泉所得税

令和7年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『令和7年分年末調整のための各種様式』をホームページに公表した。

★リンクはこちら⇒ 令和7年分年末調整のための各種様式

2025年7月8日


源泉所得税の改正のあらまし(令和7年4月)

国税庁は、『源泉所得税の改正のあらまし(令和7年4月)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 源泉所得税の改正のあらまし(令和7年4月)

2025年5月12日


源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナーの開設(e-Taxホームページへリンク)

国税庁は、『源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナー』を開設しました。

源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナーとは、e-Taxソフト(WEB版)と同様の画面操作を用いて、給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般用及び納期特例用)及び報酬・料金等の所得税徴収高計算書について、作成・送信・キャッシュレス納付手続(ダイレクト納付・インターネットバンキング)の一連の流れを体験することができるツールです。

★リンクはこちら⇒ 源泉所得税のキャッシュレス納付体験コーナーの開設(e-Taxホームページへリンク)

2025年3月28日


令和7年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、『令和7年版源泉徴収のあらまし』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和7年版源泉徴収のあらまし

2025年1月8日


令和7年版源泉徴収のしかた

国税庁は、『令和7年版源泉徴収のしかた』をホームページに掲載しました。

この「源泉徴収のしかた」は、給与の源泉徴収事務を中心にその概要を説明したものです。

正しく源泉徴収をするため、この説明書を十分活用していただきたいと思います。

★リンクはこちら⇒ 令和7年版源泉徴収のしかた

2024年12月25日


令和6年分年調ソフト等

国税庁は、『令和6年分年調ソフト等』をホームページで公開・更新した。

★リンクはこちら⇒ 令和6年分年調ソフト等

2024年10月30日


令和6年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『令和6年分年末調整のための各種様式』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和6年分年末調整のための各種様式

2024年10月23日


税務相談チャットボットによる年末調整に関するご相談(令和6年分)の開始

国税庁は、『税務相談チャットボットによる年末調整に関するご相談(令和6年分)』をホームページで開始した。

★リンクはこちら⇒ 税務相談チャットボットによる年末調整に関するご相談(令和6年分)の開始

2024年10月18日


年末調整がよくわかるページ(令和6年分)

国税庁は、『年末調整がよくわかるページ(令和6年分)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 年末調整がよくわかるページ(令和6年分)

2024年10月10日


源泉所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第68条第3項又は第4項第1号の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
源泉所得税の重加算税の徴収に関する取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 源泉所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

2024年8月9日


簡易な扶養控除等申告書に関するFAQ(源泉所得税関係)(令和6年6月)

国税庁は、『簡易な扶養控除等申告書に関するFAQ(源泉所得税関係)(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

このFAQは、令和7年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について提出する扶養控除等申告書から提出できることとなる「簡易な扶養控除等申告書」の取扱いについて、一般的な質問を取りまとめたものである。

(注)この資料は、令和6年6月1日現在の法令等に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 簡易な扶養控除等申告書に関するFAQ(源泉所得税関係)(令和6年6月)

2024年7月18日


令和6年4月源泉所得税の改正のあらまし

国税庁は『令和6年4月源泉所得税の改正のあらまし』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和6年4月源泉所得税の改正のあらまし

2024年5月9日


定額減税特設サイト

国税庁は、『定額減税特設サイト』を開設した。

このサイトでは、定額減税について解説したパンフレット、様式など、国税庁が提供している定額減税に関する情報を入手・閲覧できる。

★リンクはこちら⇒ 定額減税特設サイト

2024年3月19日


令和6年版宗教法人の税務

国税庁は、「令和6年版宗教法人の税務」をホームページに掲載した。

このパンフレットは宗教法人において特に注意していただきたい以下の事項について、その概要を説明したものである。

  1. 宗教法人が支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
  2. 宗教法人が行う収益事業に対する法人税及び地方法人税の課税
  3. 宗教法人が行う資産の譲渡等に対する消費税及び地方消費税の課税
  4. 宗教法人が作成する一定の文書に対する印紙税

★リンクはこちら⇒ 令和6年版宗教法人の税務

2024年2月7日


令和6年版源泉徴収のしかた

国税庁は、「令和6年版源泉徴収のしかた」をホームページに掲載した。

この「源泉徴収のしかた」は、給与の源泉徴収事務を中心にその概要を説明したものである。

正しく源泉徴収をするため、この説明書を十分活用していただきたい。

★リンクはこちら⇒ 令和6年版源泉徴収のしかた

2024年1月31日


令和6年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、「令和6年版源泉徴収のあらまし」をホームページに掲載した。

この「源泉徴収のあらまし」は、令和5年9月8日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、令和6年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

★リンクはこちら⇒ 令和6年版源泉徴収のあらまし

2024年1月29日


源泉所得税の改正のあらまし(令和5年4月)

令和5年度の税制改正により、源泉所得税関係について主に改正が行われた。

(注)このパンフレットは、令和5年4月1日現在の法令に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 源泉所得税の改正のあらまし(令和5年4月)

2023年5月24日


令和5年版宗教法人の税務(令和5年1月)

このパンフレットは、宗教法人が支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人が行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人が行う資産の譲渡等に対する消費税の課税、宗教法人が作成する一定の文章に対する印紙税等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

このパンフレットは、令和4年11月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 令和5年版宗教法人の税務(令和5年1月)

2023年1月24日


令和5年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、ホームページに「令和5年版源泉徴収のあらまし」を掲載した。

この「源泉徴収のあらまし」は、令和4年9月4日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、令和5年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

★リンクはこちら⇒ 令和5年版源泉徴収のあらまし

2022年12月27日


令和5年版源泉徴収のしかた

国税庁は、『令和5年版源泉徴収のしかた』を公表した。

この『源泉徴収のしかた』は、会社や商店などで通常行う源泉徴収事務の概要を説明したものである。

★リンクはこちら⇒ 令和5年版源泉徴収のしかた

2022年12月21日


帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A(2022年10月)

令和4年度税制改正により、記帳水準の向上に資する観点から、記帳義務の適正な履⾏を担保し、帳簿の不保存や記載不備を未然に抑⽌するため、過少申告加算税・無申告加算税の加重措置が講じられた。

このQ&Aは、帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関して、その概要や適⽤上の留意点等を取りまとめたものである。

(注)2022年10月25日現在の法令等に基づき作成している。

★リンクはこちら⇒ 帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A(2022年10月)

2022年11月11日


税務相談チャットボット(年末調整)が始まりました

チャットボット(ふたば)の年末調整に関するご相談(2022年分)が2022年10月6日(木)から始まった。

★リンクはこちら⇒ 税務相談チャットボット(年末調整)が始まりました

2022年11月7日


令和4年分年未調整のための各種様式

国税庁は、『令和4年分年未調整のための各種様式』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和4年分年未調整のための各種様式

2022年10月5日


年末調整がよくわかるページ(令和4年分)

国税庁は、『年末調整がよくわかるページ(令和4年分)』をホームページに開設した。

年末調整の手順等を解説した動画やパンフレット、年末調整時に必要な各種様式など、国税庁が提供している年末調整に関する情報はこのページから入手・閲覧できる。

★リンクはこちら⇒ 年末調整がよくわかるページ(令和4年分)

2022年9月29日


源泉所得税の改正のあらまし(令和4年4月)

国税庁は、ホームページに『⺠源泉所得税の改正のあらまし(令和4年4月)』を掲載した。

令和4年度の税制改正により、源泉所得税関係について改正が行われた。

(注)このパンフレットは、令和4年4月1日現在の法令に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 源泉所得税の改正のあらまし(令和4年4月)

2022年6月8日


令和4年版宗教法人の税務

国税庁は、ホームページに「令和4年版宗教法人の税務」を掲載した。

このパンフレットは、

  • 宗教法人が支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
  • 宗教法人が行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税
  • 宗教法人が行う資産の譲渡等に対する消費税の課税

等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

このパンフレットは、令和3年12月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 令和4年版宗教法人の税務

2022年1月27日


令和4年版源泉徴収のしかた

国税庁はホームページに『令和4年版源泉徴収のしかた』を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和4年版源泉徴収のしかた

2022年1月20日


令和4年版源泉徴収のあらまし

国税庁はホームページに『令和4年版源泉徴収のあらまし』を掲載した。

この「源泉徴収のあらまし」は、令和3年9月1日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、令和4年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

★リンクはこちら⇒ 令和4年版源泉徴収のあらまし

2021年12月23日


令和3年分年末調整のための各種様式等

国税庁は、「令和3年分年末調整のための各種様式等」を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年分年末調整のための各種様式等

2021年10月29日


「年末調整がよくわかるページ」を開設しました

国税庁は、「年末調整がよくわかるページ」を開設した。

年末調整の手順等を解説した動画やパンフレット、年末調整時に必要な各種申告書など、国税庁が提供している年末調整に関する情報はこのページから入手・閲覧できる。

<お知らせ>

  • 令和3年分の年末調整は令和2年分と同じ手順となる。
  • 基礎控除の適用を受ける方は基礎控除申告書の提出が必要となるので、提出漏れがないよう注意すること。
  • 税務署主催で実施していた年末調整説明会について、令和3年以降は実施しないこととしている。

★リンクはこちら⇒ 「年末調整がよくわかるページ」を開設しました

2021年10月27日


HP掲載用の写真と源泉徴収

(税務通信3530号 2018年11月05日)

会社がプロのカメラマン(個人)にHP掲載用の写真撮影を依頼した場合,報酬の支払に際して源泉徴収を行う必要があるかどうかは議論のあるところである。

源泉徴収を怠った場合の加算税等のペナルティは報酬を支払う会社側に課されるため,実務上は,カメラマンの方が配慮し,源泉徴収ありで報酬の請求を行うケースも多いようだが,税務通信が確認したところ,源泉徴収を行う必要はないということである。

所得税法では,居住者に対し国内において一定の報酬・料金の支払をするものは,その支払の際,所得税を徴収し,その徴収の日の属する月の翌月10日までに国へ納付しなければならないとしている(所法204)。

そして,この源泉徴収の必要な報酬・料金のひとつとして「雑誌,広告その他の印刷物に掲載するための写真の報酬」が規定されている(所令320)。

ここで, 印刷物に掲載するための写真の報酬と記載されていることから,例えば,会社のパンフレットに掲載するための写真の報酬が,源泉徴収の必要な報酬・料金に該当することは明らかである。

他方で,これがHPに掲載するための写真であった場合,同じ写真であっても,HPは印刷物ではない。

このため,源泉徴収の必要な報酬・料金に該当するかどうかについて疑問が生じていたが,法令に規定されていない以上,源泉徴収を行う必要はないということである。

なお,会社のパンフレットとHPの両方に掲載する写真の場合,両者の報酬が明細書などで明確に区分されていないのであれば,報酬の全額に対して源泉徴収を行うことになるということである。

一方,両者が区分されていれば,パンフレット用の写真の報酬のみ源泉徴収を行うことになる。

2021年5月20日


在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)(令和3年4月30日更新)

国税庁のホームページの「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」が2021年4月30日に更新された。

★リンクはこちら⇒ 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)(令和3年4月30日更新)

2021年5月17日


令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし

国税庁は、「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし

2021年5月13日


令和3年度版宗教法人の税務

国税庁が、『令和3年度版 宗教法人の税務 -源泉所得税・法人税・地方法人税・消費税-』を公表した。

このパンフレットは、

  • 宗教法人が支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
  • 宗教法人が行う収益事業に対する法人税の課税
  • 地方法人税の課税
  • 宗教法人が行う資産の譲渡等に対する消費税の課税

等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

このパンフレットは、令和2年12月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 令和3年度版宗教法人の税務

2021年1月27日


在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)

国税庁は、『在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を掲載した。

目次は、以下のとおり。

1.在宅勤務手当
〔問1〕 企業が従業員に在宅勤務手当を支給した場合は、従業員の給与として課税する必要はあ
りますか。
2.在宅勤務に係る事務用品等の支給
〔問2〕 在宅勤務を開始するに当たって、企業が従業員に事務用品等(パソコン等)を支給した
場合は、従業員の給与として課税する必要はありますか。
3.業務使用部分の精算方法
〔問3〕 在宅勤務に通常必要な費用を精算する方法による場合は、従業員に対する給与として課
税する必要がないとのことですが、その方法とはどのようなものですか。
4.通信費に係る業務使用部分の計算方法
〔問4〕 従業員が負担した通信費について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業務のため
に使用した部分はどのように計算すればよいですか。
5.通信費の業務使用部分の計算例
〔問5〕 企業が、従業員に対して、次のとおり従業員本人が所有するスマートフォンに係る料金
4,800 円(令和2年9月分)を支給し、上記【問4】により業務使用部分の計算をするこ
ととした場合の課税関係について教えてください。
6.電気料金に係る業務使用部分の計算方法
〔問6〕 従業員が負担した電気料金について、在宅勤務に要した部分を支給する場合、業務のた
めに使用した部分はどのように計算すればよいですか。
7.レンタルオフィス
〔問7〕 当社では、自宅に在宅勤務をするスペースがない従業員に対して、自宅近くのレンタル
オフィス等で在宅勤務をすることを認めています。このレンタルオフィス代等を従業員が
立替払いし、そのレンタルオフィス代等に係る領収証等の提出を受けてその代金の精算を
した場合、その精算をした金額について従業員に対する給与として課税する必要はありま
すか。

★リンクはこちら⇒ 在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)

2021年1月22日


令和3年版源泉徴収のしかた

国税庁は、「令和3年版源泉徴収のしかた」をホームページに掲載した。

<源泉徴収制度の意義>

所得税は、所得者自身が、その年の所得金額とこれに対する税額を計算し、これらを自主的に申告して納付する、いわゆる「申告納税制度」が建前とされていますが、これと併せて特定の所得については、その所得の支払の際に支払者が所得税を徴収して納付する源泉徴収制度が採用されている。

この源泉徴収制度は、①給与や利子、配当、税理士報酬などの所得を支払う者が、②その所得を支払う際に所定の方法により所得税額を計算し、③支払金額からその所得税額を差し引いて国に納付するというものである。

また、復興特別所得税においても、平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生じる所得のうち、所得税の源泉徴収の対象とされている所得については、所得税を徴収する際に、復興特別所得税を併せて徴収し、徴収した所得税と併せて納付する源泉徴収制度が採用されている。

この制度により源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額は、源泉徴収だけで納税義務が完結する源泉分離課税とされる利子所得などを除き、最終的にはその年の年末調整や確定申告によって精算される。

★リンクはこちら⇒ 令和3年版源泉徴収のしかた

2020年12月21日


年末調整手続の電子化に係るFAQの改訂(令和2年7月27日)

国税庁は、ホームページに、年末調整手続の電子化の概要、電子化へ向けた準備、マイナポータル連携を利用した控除証明書等データの取得方法、年末調整控除申告書作成用ソフトウェアの概要など、年末調整手続の電子化に関するFAQを掲載しているが、このたび改訂された。

★リンクはこちら⇒ 年末調整手続の電子化に係るFAQの改訂(令和2年7月27日)

2020年8月28日


年末調整手続の電子化に関するパンフレットについて

国税庁は、年末調整手続の電子化に関するパンフレットをホームページに掲載した。

○令和2年分からの年末調整手続の電子化について
年末調整手続を電子化するにあたり、勤務先及び従業員が準備すべき事項等を記載したパンフレットとなる。

★リンクはこちら⇒ 年末調整手続の電子化に関するパンフレットについて

2020年8月21日


源泉所得税の改正のあらまし(令和2年4月)

国税庁は、「令和2年4月源泉所得税の改正のあらまし」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 源泉所得税の改正のあらまし(令和2年4月)

2020年6月9日


令和2年版宗教法人の税務(令和2年1月)

国税庁は、ホームページに『令和2年版宗教法人の税務』を掲載した。

このパンフレットは、宗教法人が支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人が行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人が行う資産の譲渡等に対する消費税の課税等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

このパンフレットは、令和元年12月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

★リンクはこちら⇒ 令和2年版宗教法人の税務(令和2年1月)

2020年3月6日


令和2年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、『令和2年版源泉徴収のあらまし』をホームページに掲載した。

この「源泉徴収のあらまし」は、令和元年8月1日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、令和2年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

 ★リンクはこちら⇒ 令和2年版源泉徴収のあらまし

2020年1月15日


令和元年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『令和元年分年末調整のための各種様式』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 令和元年分年末調整のための各種様式

2019年11月6日


令和元年分年末調整のしかた

国税庁は、『令和元年分年末調整のしかた』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 令和元年分年末調整のしかた

2019年10月21日


令和元年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

国税庁は、『令和元年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 令和元年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

2019年10月16日


令和元年版給与所得者と年末調整

国税庁は、『令和元年版給与所得者と年末調整』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 令和元年版給与所得者と年末調整

2019年10月11日


改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた

天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)に基づく皇位の継承に伴い、2019年5月1日から元号が改められる予定である。

源泉所得税の納付の際には、改元後においても、「平成」が印字された「源泉所得税の所得税徴収高計算書(納付書)」(以下「納付書」という。)を引き続き使用することができる(注)

「平成」が印字された納付書の記載に当たっては、「改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた(リーフレット)」を参照のこと。

(注)対象となる納付書は、以下のとおり。

  • 利子等の所得税徴収高計算書
  • 配当等の所得税徴収高計算書
  • 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般用)
  • 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)
  • 非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書
  • 報酬・料金等の所得税徴収高計算書
  • 定期積金の給与補てん金等の所得税徴収高計算書
  • 上場株式等の源泉徴収選択口座調整所得金額及び源泉徴収選択口座内配当等・未成年者口座等において契約不履行等事由が生じた場合の所得税徴収高計算書
  • 償還差益の所得税徴収高計算書
  • 割引債の償還金に係る差益金額の所得税徴収高計算書

 ★リンクはこちら⇒ 改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた

2019年4月11日


平成31年(2019年)版宗教法人の税務(平成31年1月)

このパンフレットは、宗教法人が支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人が行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人が行う資産の譲渡等に対する消費税の課税等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

このパンフレットは、平成30年12月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

平成31年以降の元号の表示については、便宜上、平成を使用するとともに西暦を併記している。

 ★リンクはこちら⇒ 平成31年(2019年)版宗教法人の税務(平成31年1月)

2019年2月13日


平成31年(2019年)版源泉徴収のしかた

国税庁は、『平成31年(2019年)版源泉徴収のしかた』をホームページに掲載した。

この「源泉徴収のしかた」は、会社や商店などで通常行う源泉徴収事務の概要を説明したものである。

<源泉徴収制度の意義>
所得税は、所得者自身が、その年の所得金額とこれに対する税額を計算し、これらを自主的に申告して納付する、いわゆる「申告納税制度」が建前とされているが、これと併せて特定の所得については、その所得の支払の際に支払者が所得税を徴収して納付する源泉徴収制度が採用されている。

この源泉徴収制度は、①給与や利子、配当、税理士報酬などの所得を支払う者が、②その所得を支払う際に所定の方法により所得税額を計算し、③支払金額からその所得税額を差し引いて国に納付するというものである。

また、復興特別所得税においても、平成25年1月1日から平成49年(2037年)12月31日までの間に生じる所得のうち、所得税の源泉徴収の対象とされている所得については、所得税を徴収する際に、復興特別所得税を併せて徴収し、徴収した所得税と併せて納付する源泉徴収制度が採用されている。

この制度により源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額は、源泉徴収だけで課税関係が終了する源泉分離課税とされる利子所得などを除き、最終的にはその年の年末調整や確定申告によって精算される。

 ★リンクはこちら⇒ 平成31年(2019年)版源泉徴収のしかた

2019年1月28日


平成31年(2019年)版源泉徴収のあらまし

この「源泉徴収のあらまし」は、平成30年9月1日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、平成31年(2019年)における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

<お知らせ>
税務署で配布する「平成31年(2019年)版源泉徴収のあらまし」の冊子については、147頁に掲載している「退職所得の源泉徴収税額の速算表(平成31年(2019年)分)」の(注)について、1円未満と記載すべきところ、誤って100円未満と記載されているので、ご利用に当たっては注意すること。
訂正内容につきましては、正誤表をご確認のこと。
(注)
リンク先に掲載されている「平成31年(2019年)版源泉徴収のあらまし」のファイルは、誤りを訂正した後のものとなっている。

 ★リンクはこちら⇒ 平成31年(2019年)版源泉徴収のあらまし

2019年1月8日


食事を支給したとき

役員や使用人に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されない。
 (1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
 (2)次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。
   (食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
この要件を満たしていなければ、食事の価額から役員や使用人の負担している金額を差し引いた金額が給与として課税される。

(例)1か月当たりの食事の価額が5千円で、役員や使用人の負担している金額が2千円の場合
この場合には、上記(1)の条件を満たしていない。
したがって、食事の価額の5千円と役員や使用人の負担している金額の2千円との差額の3千円が、給与として課税される。
なお、ここでいう食事の価額は、次の金額になる。
 (1)仕出し弁当などを取り寄せて支給している場合には、業者に支払う金額
 (2)社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額

また、現金で食事代の補助をする場合には、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり300円(税抜き)以下の金額を支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税される。
なお、残業または宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっている。

 ★リンクはこちら⇒ 食事を支給したとき

2018年12月11日


年末調整がよくわかるページ

国税庁は、ホームページに「年末調整がよくわかるページ」を開設した。

 ★リンクはこちら⇒ 年末調整がよくわかるページ

2018年11月20日


平成30年分年末調整のしかた

国税庁は、『平成30年分年末調整のしかた』を、ホームページに掲載した。

2018年も、年末調整を行う時期となった。
「年末調整」は、ご承知のとおり、給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(毎日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続で、給与の源泉徴収の総決算ともいうべきものである。
大部分の給与所得者は、この「年末調整」によってその年の所得税及び復興特別所得税の納税が完了し、改めて確定申告の手続をとる必要がないこととなるわけだから、この意味からも非常に大切な手続である。

 ★リンクはこちら⇒ 平成30年分年末調整のしかた

2018年11月12日


平成30年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『平成30年分年末調整のための各種様式』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成30年分年末調整のための各種様式

2018年11月6日


平成30年版給与所得者と年末調整

国税庁は、『平成30年版給与所得者と年末調整』を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成30年版給与所得者と年末調整

2018年10月16日


平成30年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

国税庁は、『平成30年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引』を、ホームページに掲載した。

法定調書には多くの種類があるが、この手引は、そのうち、多くの方が提出をしなければならない6種類の法定調書の作成や提出方法についてまとめたものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成30年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

2018年10月2日


町が町内の私立保育所に勤務する保育士等に対して支給する助成金の課税上の取扱いについて

1.事前照会の趣旨
A町は、子ども・子育て支援法第7条第4項に規定する保育所のうち町内に所在する私立保育所(以下「対象保育所」という。)に勤務する保育士、保育教諭及びその他の職員(以下「保育士等」という。)に対し、保育人材の確保、定着及び離職防止を図ることを目的として、保育士等が毎年3月1日に対象保育所に在籍し、一定の要件のもと継続して勤務しているときに、A町保育士等助成金(以下「本件助成金」という。)を支給する制度(以下「本件助成制度」という。)を設けている。
この場合、本件助成金について、その所得区分及びA町における源泉徴収の要否について、それぞれ下記3のとおり解して差し支えないか、照会する。

2.事前照会に係る取引等の事実関係
(1)本件助成制度の目的
本件助成制度は、対象保育所に勤務する保育士等に対して、本件助成金を支給することにより、保育人材の確保、定着及び離職防止を図ることを目的としている。
(2)本件助成制度の概要
イ.本件助成制度の実施期間
本件助成制度の実施期間は、平成29年4月1日から平成32年3月31日までの3年間とし、支給対象期間は各年4月1日から翌年3月31日までの期間とする。
ロ.本件助成金の支給対象者
本件助成金の支給対象となる保育士等は、次に掲げる要件の全てを満たす者である。
(イ)本件助成制度の実施期間内の各年3月1日において、対象保育所に保育士等として在籍していること。
(ロ)対象保育所において、1年以上の期間の労働契約を結んでおり、1日6時間以上かつ月20日以上常態的に継続して勤務していること。
(ハ)対象保育所を適用事業所とする社会保険の被保険者であること。
ハ.本件助成金の額
本件助成金の額は、年額3万円とする。
ただし、年度途中で採用された者については採用された日が属する月から月割計算をするものとする。
(3)本件助成金の支給申請手続等
A町は、本件助成金の支給に当たり、本件助成金の支給対象となる保育士等からA町保育士等助成金届出書に、上記(2)ロ(ロ)の要件が確認できる書類、社会保険の被保険者であることを証する書類及びその他A町が必要と認める書類を添付の上、提出させるものとする。
そして、A町は、上記のA町保育士等助成金届出書等を受理したときは、速やかにその内容を確認のうえ、本件助成金を支給するものとする。

3.2の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由
(1)本件助成金の所得区分
イ.給与所得について
所得税法第28条《給与所得》第1項は、給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいうと規定している。
A町と保育士等との間に雇用関係及びこれに類する関係はないことから、本件助成金は給与所得には該当しないものと考える。
ロ.一時所得について
所得税法第34条《一時所得》第1項は、一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいうと規定している。
本件助成金は、本件助成制度に基づき、A町から保育士等に対し3年にわたって支給することが予定されていることからすれば、上記の「一時の所得」に該当しないものと考えられる。
したがって、本件助成金は一時所得にも該当しないものと考える。
ハ.雑所得について
所得税法第35条《雑所得》第1項は、雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいうと規定している。
本件助成金は、上記の利子所得ないし一時所得のいずれにも該当しないことから、雑所得に該当するものと考える。
(2)源泉徴収の要否
源泉徴収が必要となる支払については、所得税法に限定的に列挙されているところ、本件助成金は、所得税法に規定されている源泉徴収を要する支払のいずれにも該当しないことから、A町は本件助成金の支払の際に、源泉徴収を要しないと考える。

4.回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えない。
ただし、次のことを申し添える。
(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合または新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがある。
(2)この回答内容は広島国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではない。

 ★リンクはこちら⇒ 町が町内の私立保育所に勤務する保育士等に対して支給する助成金の課税上の取扱いについて

2018年7月17日


源泉所得税及び復興特別所得税を納め過ぎたとき

源泉徴収義務者が次の理由で源泉所得税及び復興特別所得税を納め過ぎたときには、「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額還付請求書」(以下「還付請求書」という。)を作成し、誤りが生じた事実を記載した帳簿書類の写しを添付して、源泉所得税の納税地の所轄税務署長に提出することで過誤納金の還付を請求することができる。

(1) 源泉徴収義務者における源泉所得税及び復興特別所得税額の計算誤り等による過誤納金
(2) 支払額が誤払等により過大であったため返還を受けたことによる過誤納金
(3) 支払額が条件付のものであったため返還を受けたことによる過誤納金

また、誤って納めた源泉所得税及び復興特別所得税が給与や賞与に係るものであるときは、上記還付請求書に代えて「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額充当届出書」を提出することで、その過誤納金に相当する金額を、届出書を提出した日以後に納付すべきこととなる給与や賞与に対する源泉所得税及び復興特別所得税の額から控除することができる。

 ★リンクはこちら⇒ 源泉所得税及び復興特別所得税を納め過ぎたとき

2018年4月5日


平成30年版宗教法人の税務

国税庁は、「平成30年版宗教法人の税務」をホームページに掲載した。

このパンフレットは、宗教法人の支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人の行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人の行う資産の譲渡等に対する消費税の課税等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成30年版宗教法人の税務

2018年3月2日


平成30年版源泉徴収のしかた

国税庁は、「平成30年版源泉徴収のしかた」を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成30年版源泉徴収のしかた

2017年12月27日


年末調整がよくわかるページ

国税庁は、『年末調整がよくわかるページ』を開設した。

なお、『年末調整がよくわかるページ』は、平成29年11月1日(水)から平成30年2月28日(水)までの期間のみ掲載しているので、注意すること。

 ★リンクはこちら⇒ 年末調整がよくわかるページ(既に削除済み)

2017年12月12日


平成29年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

国税庁は、「平成29年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

2017年12月11日


平成29年分年末調整のしかた Edit

国税庁は、「平成29年分年末調整のしかた」を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年分年末調整のしかた

2017年11月14日

平成29年分年末調整のための各種様式 Edit

国税庁は、「平成29年分年末調整のための各種様式」を、ホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年分年末調整のための各種様式

2017年11月8日

平成29年版給与所得者と年末調整(リーフレット) Edit

国税庁は、「平成29年版給与所得者と年末調整(リーフレット)」を、ホームページに掲載した。

年末調整では、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・保険料控除などの控除が受けられるので、扶養控除等申告書などを提出して、これらの控除を正しく受けましょう。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年版給与所得者と年末調整(リーフレット)

2017年11月2日

平成29年版宗教法人の税務

国税庁は、「平成29年版宗教法人の税務」をホームページに掲載した。

このパンフレットは、宗教法人の支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人の行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人の行う資産の譲渡等に対する消費税の課税等に関し、特に注意していただきたい事項について、その概要を説明したものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年版宗教法人の税務

2017年2月7日

平成29年版源泉徴収のしかた

国税庁は、ホームページに『平成29年版源泉徴収のしかた』を掲載した。

この「源泉徴収のしかた」は、会社や商店などで通常行う源泉徴収事務の概要を説明したものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年版源泉徴収のしかた

2017年1月17日

給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票のeLTAXでの一括作成・提出(電子的提出の一元化)

<概要>
給与や公的年金等の支払をする事業者の方は、一定額以上の支払に係るものについて、受給者の方がお住まいの市町村に支払報告書を提出するほか、記載内容がほぼ同一の源泉徴収票を事業者の方の所轄税務署にも提出する必要がある。
平成29年1月以降は、地方税における手続を電子的に行うシステムである地方税ポータルシステム(eLTAX)を利用して、市町村に提出する給与や公的年金等の支払報告書の電子申告用のデータを作成する際、税務署に提出が必要な源泉徴収票の電子申告(e-Tax)用のデータも同時に作成することができるようになる。
同時に作成したデータは、eLTAXに一括して送信することで支払報告書は各市町村に、源泉徴収票についてはe-Taxで事業者の方の所轄税務署にそれぞれ提出される。
【ご注意!】
この提出方法は、オンラインにより電子的に給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票を作成・提出する場合の仕組みであるため、光ディスク等や書面により提出する場合には、従来どおり、市町村及び税務署にそれぞれ提出する必要がある。
この提出方法は、eLTAX対応ソフトであるPCdesk(対応税務ソフトを含みます。)を利用することが必要となるので、e-Taxソフト等、e-Taxのみを対象としたソフトでは、一括作成・送信は行えない。
1.電子的提出の一元化ができる対象帳票
(1)地方税
①給与支払報告書(個人別明細書)(平成28年分以降用)
②給与支払報告書(総括表)(平成28年分以降用)
③公的年金等支払報告書(個人別明細書)(平成28年分以降用)
④公的年金等支払報告書(総括表)(平成28年分以降用)
(2)国税
①給与所得の源泉徴収票(平成28年分以降用)
②給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(平成28年分以降用)
③公的年金等の源泉徴収票(平成28年分以降用)
④公的年金等の源泉徴収票合計表(平成28年分以降用)
2.電子的提出の一元化を行うためのe-Taxにおける事前準備
給与・公的年金等の源泉徴収票をeLTAXに一括送信するためには、e-Taxの利用者識別番号の取得や電子証明書の登録などの事前準備が必要である。
3.送信内容の確認
送信した源泉徴収票のe-Taxでの受信結果については、e-Tax受付システムへログインし、メッセージボックスに格納されている受信通知により確認する必要がある。

<電子的提出の一元化により源泉徴収票の本店等一括提出を行う場合>
(1)本店等一括提出に係る承認がお済みの方
①eLTAXにおいて合計表作成の際に、「本店一括」欄にチェックを行った上で、合計表及び源泉徴収票を送信すること。
②本店等一括提出を行う場合に添付する合計表付表は、eLTAXでは作成・送信ができませんので、別途、e-Taxソフト(WEB版)等から作成の上、送信すること。
(2)本店等一括提出に係る承認がお済みでない方
①提出する日の2カ月前までに「支払調書等の光ディスク等による提出承認申請書(兼)支払調書等の本店等一括提出に係る承認申請書」を所轄税務署に提出すること。
②①の申請書を提出し、承認された後の手続は、(1)と同様である。

<ソフトウェア開発業者の方へ(仕様書について)>
e-Tax及びeLTAXの仕様については、eLTAXホームページに掲載しているので、確認すること。

 ★リンクはこちら⇒ 給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票のeLTAXでの一括作成・提出(電子的提出の一元化)

2016年12月22日

平成29年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、ホームページに『平成29年版源泉徴収のあらまし』を掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成29年版源泉徴収のあらまし

2016年12月21日

源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度

国税庁は、『源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度』をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度

2016年11月29日

年末調整がよくわかるページ

国税庁は、「年末調整がよくわかるページ」を開設した。

 ★リンクはこちら⇒ 年末調整がよくわかるページ

2016年11月24日

平成28年版給与所得者と年末調整(リーフレット)

国税庁は、『平成28年版給与所得者と年末調整(リーフレット)』をホームページに公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成28年版給与所得者と年末調整(リーフレット)

2016年11月21日

平成28年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『平成28年分年末調整のための各種様式』をホームページに公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成28年分年末調整のための各種様式

2016年11月8日

平成28年分年末調整のしかた

国税庁は、『平成28年分年末調整のしかた』をホームページに公表した。

本年も、年末調整を行う時期となった。
「年末調整」は、ご承知のとおり、給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続で、給与の源泉徴
収の総決算ともいうべきものである。

大部分の給与所得者は、この「年末調整」によってその年の所得税及び復興特別所得税の納税が完了し、改めて確定申告の手続をとる必要がないこととなるわけなので、この意味からも非常に大切な手続といえるだろう。

 ★リンクはこちら⇒ 平成28年分年末調整のしかた

2016年10月17日

給与の改訂差額に対する税額の計算

使用人に支払う給与について、いわゆるベースアップが行われることがある。

使用人に支払われる給与のベースアップが過去にさかのぼって行われ、そのベースアップ部分の給与がまとめて支払われる場合の収入すべき時期と税額の計算は以下のようになる。

使用人のベースアップが過去にさかのぼって実施された場合には、ベースアップ前の給与とベースアップ後の給与とに差額が生じる。
この差額を一括して支給する場合の給与の収入すべき時期は、ベースアップを取り決めた労働協約等において支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその労働協約等の効力が生じた日となる。

また、この場合の源泉徴収税額の計算は、定められた支給日または効力が生じた日の属する月に支給する通常の給与と差額分の給与を合計した金額について「給与所得の源泉徴収税額表」を用いて税額を求める。

なお、この方法によって税額の計算を行うと、源泉徴収税額が多額となることがある。
そのため、数か月分の差額を一括して一時に支給するような場合には、その差額分を臨時的な給与として、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を用いて計算してもよいことになっている。

 ★リンクはこちら⇒ 給与の改訂差額に対する税額の計算

2016年7月12日

源泉所得税の改正のあらまし(平成28年4月)

国税庁は、『源泉所得税の改正のあらまし』を作成した。

このパンフレットは、平成28 年4月1日現在の法令に基づいて作成している(平成28 年度税制改正に係る政省令の改正は平成28 年3月に一部行われたが、平成28 年4月以降も行われる予定である。)。

 ★リンクはこちら⇒ 源泉所得税の改正のあらまし(平成28年4月)

2016年5月12日

平成28年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、「平成28年版源泉徴収のあらまし」をホームページに掲載している。

この「源泉徴収のあらまし」は、平成27年10月2日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、平成28年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

なお、税務署で配付している「平成28年版 源泉徴収のあらまし」の冊子については、177頁の表〔居住者に支払う利子所得の概要〕に一部誤りがあるので、利用に当たっては注意すること。

 ★リンクはこちら⇒ 平成28年版源泉徴収のあらまし

2016年3月25日

平成28年版宗教法人の税務

国税庁は、「平成28年版宗教法人の税務」をホームページに掲載した。

このパンフレットは、宗教法人の支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人の行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人の行う資産の譲渡等に対する消費税の課税等に関し、特に注意していただく事項について、その概要を説明したものである。

このパンフレットは、平成27年12月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

 ★リンクはこちら⇒ 平成28年版宗教法人の税務

2016年2月9日

平成28年版源泉徴収のしかた

国税庁は、「平成28年版源泉徴収のしかた」をホームページに掲載した。

  • 平成28年以後に税務署に提出する申請書等には、源泉徴収義務者の個人番号または法人番号を記載する必要がある。
  • 平成28年以後は、給与所得者から給与所得者本人または配偶者等の個人番号が記載された「扶養控除等申告書」等の提出を受ける必要がある。
  • 平成28年1月以後の給与などの支払に係る源泉徴収票(税務署提出用)には、給与所得者本人等の個人番号を記載する必要がある。
    なお、受給者交付用の源泉徴収票には、個人番号の記載はしないこととされている。

 ★リンクはこちら⇒ 平成28年版源泉徴収のしかた

2016年1月4日

講習会の出席費用の負担

<照会要旨>
A社は、雇用を通じて少年院出院者等の改善更生を助ける協力雇用主として、少年院出院者等を雇用しているが、接遇やマナー、社会教養を身につけることは、顧客や取引先、あるいは社内において円滑な関係を構築し、ひいては、長期的な就労に資すると考えられることから、今般、これらの者に接遇・マナー・社会教養に関する講座を受講させることとした。
この接遇・マナー・社会教養に関する講座の受講料を会社が負担した場合、その従業員に対する給与等として課税すべきか。

<回答要旨>
給与等として課税しなくて差し支えない。

使用人本人が負担すべき費用を会社が負担した場合には、その使用人に対して費用相当額の給与等が支払われたものとして課税する必要がある。

しかしながら、お尋ねのように、使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、使用人にその使用人としての職務に直接必要な知識を習得させるための研修会、講習会等の出席費用等に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、給与等として課税しなくて差し支えない。

 ★リンクはこちら⇒ 講習会の出席費用の負担

2015年12月10日

平成27年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『平成27年分年末調整のための各種様式』を掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成27年分年末調整のための各種様式

2015年10月13日

平成27年版給与所得者と年末調整(リーフレット)

国税庁は、『平成27年版給与所得者と年末調整(リーフレット)』を掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成27年版給与所得者と年末調整(リーフレット)

2015年10月9日

国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(リーフレット)

国税庁は、『国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(リーフレット)』を掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(リーフレット)

2015年10月8日

本人へ交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載は必要ない!

平成27年10月2日に所得税法施行規則等の改正が行われ、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下「番号法」という。)施行後の平成28年1月以降も、給与などの支払を受ける方に交付する源泉徴収票などへの個人番号の記載は行わないこととされた(個人番号が記載不要となる税務関係書類は、以下のものである。)。

なお、税務署に提出する源泉徴収票などには個人番号の記載が必要なので注意すること。

<個人番号の記載が不要となる税務関係書類>
(給与などの支払を受ける方に交付するものに限る。)

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 退職所得の源泉徴収票
  • 公的年金等の源泉徴収票
  • 配当等とみなす金額に関する支払通知書
  • オープン型証券投資信託収益の分配の支払通知書
  • 上場株式配当等の支払に関する通知書
  • 特定口座年間取引報告書
  • 未成年者口座年間取引報告書
  • 特定割引債の償還金の支払通知書
    ※未成年者口座年間取引報告書及び特定割引債の償還金の支払通知書は、平成28年1月施行予定

 ★リンクはこちら⇒ 本人へ交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載は必要ない!

2015年10月7日

平成27年分年末調整のしかた

国税庁は、『平成27年分年末調整のしかた』を掲載した。

本年も、年末調整を行う時期となった。
「年末調整」は、ご承知のとおり、給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続で、給与の源泉徴収の総決算ともいうべきものである。

大部分の給与所得者は、この「年末調整」によってその年の所得税及び復興特別所得税の納税が完了し、改めて確定申告の手続をとる必要がないこととなるため、この意味からも非常に大切な手続といえよう。

 ★リンクはこちら⇒ 平成27年分年末調整のしかた

2015年10月2日

国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)

国税庁は、『国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)』をホームページに掲載した。

所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)により、平成28年1月1日以後に支払うべき給与等及び公的年金等から、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、当該親族に係る親族関係書類や送金関係書類を提出または提示することが義務化されたことに伴い、国外居住親族に関する事項をQ&Aとして取りまとめた。

 ★リンクはこちら⇒ 「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)

2015年10月1日

「源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書の様式について」の一部改正について(事務運営指針)(平成27年7月9日)(平成27年8月18日)

平成20年6月23日付課法8-3ほか2課共同「源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書の様式について」(事務運営指針)の別紙1「利子等の所得税徴収高計算書の様式及び記載要領」、別紙2「配当等の所得税徴収高計算書の様式及び記載要領」、別紙5「非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書の様式及び記載要領」、別紙8「上場株式等の源泉徴収選択口座内調整所得金額及び源泉徴収選択口座内配当等の所得税徴収高計算書の様式及び記載要領」及び別紙9「償還差益の所得税徴収高計算書の様式及び記載要領」を別紙のとおり改め、別紙10「割引債の償還金に係る差益金額の所得税徴収高計算書の様式及び記載要領」を新たに定めたから、別紙2及び別紙5については今後、別紙1及び別紙8から別紙10までについては平成28年1月1日以後これによられたい。

<趣旨>
所得税法施行規則の一部を改正する省令(平成25年財務省令第35号)及び租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成25年財務省令第39号)等により、所得税法施行規則別表第三(一)「居住者又は内国法人の利子等、投資信託又は特定受益証券発行信託の収益の分配及び匿名組合契約等に基づく利益の分配についての所得税徴収高計算書」、別表第三(二)「居住者又は内国法人の配当等についての所得税徴収高計算書」、別表第三(四)「非居住者又は外国法人の所得についての所得税徴収高計算書」、租税特別措置法施行規則別表第七(二)「上場株式等の源泉徴収選択口座内調整所得金額及び源泉徴収選択口座内配当等についての所得税徴収高計算書」及び別表第九(二)「割引債の償還金に係る差益金額の所得税徴収高計算書」の改正が行われたこと等に伴い、様式及び記載要領の一部変更するなど所要の改正を行うものである。

 ★リンクはこちら⇒ 「源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書の様式について」の一部改正について(事務運営指針)(平成27年7月9日)(平成27年8月18日)

2015年9月10日

平成28年分以後使用予定の法定調書関係などの様式

国税庁は、社会保障・税番号制度導入に伴い、平成28年1月以後に使用することとなる法定調書関係などの様式をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 事前の情報提供分(既に削除済み)

2015年9月4日

平成27年4月源泉所得税の改正のあらまし

国税庁は、「平成27年4月源泉所得税の改正のあらまし」をホームページに掲載した。

  • 非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、当該親族に係る親族関係書類及び送金関係書類を提出または提示しなければならないこととされた。
  • 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)について、非課税口座に設けられる各年分の非課税管理勘定に受け入れることができる上場株式等の取得対価の額の限度額を 120 万円(現行:100 万円)に引き上げる改正が行われた。
  • 20歳未満の居住者等について、未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(いわゆるジュニアNISA)が創設された。
  • (特定増改築等)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について、適用期限(現行:平成29年12月31日)が平成31年6月30日まで1年6月延長された。
  • 外国金融機関等が平成30年3月31日までに行う店頭デリバティブ取引に係る一定の証拠金の利子について、非課税適用申告書等の提出等を要件とし、所得税等を非課税とする制度が創設された。

 ★リンクはこちら⇒ 平成27年4月源泉所得税の改正のあらまし

2015年6月10日

平成27年版宗教法人の税務

国税庁は、『平成27年版宗教法人の税務』をホームページに掲載した。

このパンフレットは、宗教法人の支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収、宗教法人の行う収益事業に対する法人税の課税、地方法人税の課税、宗教法人の行う資産の譲渡等に対する消費税の課税等に関し、特に注意していただく事項について、その概要を説明したものである。
なお、このパンフレットは、平成26年12月1日現在の所得税法等関係法令に基づいて作成している。

 ★リンクはこちら⇒ 平成27年版宗教法人の税務

2015年2月13日

インターネット番組「源泉所得税はe-Taxで納付」

国税庁は、インターネット番組「源泉所得税はe-Taxで納付」をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ インターネット番組「源泉所得税はe-Taxで納付」

2015年2月12日

平成27年版源泉徴収のあらまし

国税庁は、『平成27年版源泉徴収のあらまし』をホームページに掲載した。
この『源泉徴収のあらまし』は、平成26年10月20日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含みます。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、平成27年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解してもらうために作成しているものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成27年版源泉徴収のあらまし

2015年1月5日

2年前納された国民年金保険料の社会保険料控除

平成26年4月から、2年分の国民年金保険料を前納することができることとされている。
この2年前納された国民年金保険料に係る社会保険料控除については、①納めた年に全額控除する方法と、②各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法を選択することができる。

いずれの方法を選択した場合であっても、年末調整において、所得者本人が納めた国民年金保険料について社会保険料控除を受けるためには、日本年金機構が発行した社会保険料控除証明書を給与所得者の保険料控除申告書に添付して、給与等の支払者へ提出または提示することとなっている。

ただし、日本年金機構が発行する社会保険料控除証明書には、前納分を含め、その年に納付された保険料の総額が記載されていることから、上記②の各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法を選択される場合には、所得者自らが各年において「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」を作成の上、日本年金機構が発行した社会保険料控除証明書と併せて給与所得者の保険料控除申告書に添付して給与等の支払者へ提出することとなっている。

年末調整の際には、これらの証明書類から給与所得者の保険料控除申告書に記載された保険料の金額が正しく記載されているかを確認した上で、正しい控除を行うようにすること。
なお、「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」については、日本年金機構ホームページを見るか、お近くの年金事務所へ問い合わせること。

★リンクはこちら ⇒ 2年前納された国民年金保険料の社会保険料控除について

2014年12月3日

法定調書の作成・提出は、e-Taxで!(平成26年10月チラシ)

国税庁は、「法定調書の作成・提出は、e-Taxで!(チラシ)(平成26年10月)」をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ 法定調書の作成・提出は、e-Taxで!(平成26年10月チラシ)

2014年11月14日

インターネット番組「平成26年分年末調整のしかた」

国税庁は、インターネット番組「平成26年分年末調整のしかた」をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ インターネット番組「平成26年分年末調整のしかた」(既に削除済み)

2014年11月12日

インターネット番組「平成26年分法定調書の作成と提出」

国税庁は、インターネット番組「平成26年分法定調書の作成と提出」をホームページに掲載した。

 ★リンクはこちら⇒ インターネット番組「平成26年分法定調書の作成と提出」(既に削除済み)

2014年11月7日

平成26年分年末調整がよくわかるページ

国税庁は、平成26年分年末調整がよくわかるページを開設した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年分年末調整がよくわかるページ(既に削除済み)

2014年11月5日

平成26年分年末調整のしかた

国税庁は、『平成26年分年末調整のしかた』を公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年分年末調整のしかた

2014年10月23日

平成26年分年末調整のための各種様式

国税庁は、『平成26年分年末調整のための各種様式』を公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年分年末調整のための各種様式

2014年10月15日

平成26年版給与所得者と年末調整(リーフレット)

国税庁は、『平成26年版給与所得者と年末調整(リーフレット)』を公表した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年版給与所得者と年末調整(リーフレット)(既に削除済み)

2014年10月9日

平成26年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

国税庁は、『平成26年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引』を公表した。

もう、そういう時期なのである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

2014年10月7日

同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき

役員または使用人に退職金を支払うとき、同じ年に既に他の会社などから退職金をもらっていることがある。
また、1つの会社を退職するとき、同時に2か所以上から退職金が支払われることもある。
これらの場合には、支払者は他の会社などが支払った退職金も含めて、源泉徴収税額を計算しなければならない。
このため支払者は、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」(以下「受給に関する申告書」という。)の提出を受ける必要がある。
そして既に他の会社などから退職金をもらっている場合には、「退職所得の源泉徴収票」も併せて提出を受ける必要がある。
この場合、「受給に関する申告書」には、以前に支払を受けた退職金等の額、源泉徴収された税額、支払年月日及び勤続年数等を記入することになる。

同じ年に2か所以上から退職金をもらったときの勤続年数は、それぞれの勤続期間のうち、最も長い期間により計算する。
ただし、その最も長い期間以外の期間のうちにその最も長い期間と重複していない期間がある場合は、その重複しない部分の期間を最も長い期間に加算して勤続年数を計算する。
この勤続年数に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げる。
例えば、以下のとおり。

会社名 就職日 退職予定日 計算
X社 平成17年4月1日 平成26年3月31日 平成17年4月1日から平成26年3月31日の9年で計算する。
Y社 平成19年4月1日 平成26年7月31日 平成17年4月1日から平成26年7月31日までの10年(9年4か月ゆえ10年に切り上げ)で計算する。

1回目の退職金に対する税額を差し引いた結果、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額がマイナスになったときは、今回支給する退職金から、源泉徴収する税額はないことになる。
この場合、マイナスの金額の還付を受けるためには、退職金の受給者本人が確定申告をする必要がある。

「受給に関する申告書」の提出を受けていない場合には、退職金の支給額(退職所得控除額の控除前の金額)に20.42%の税率を乗じて計算した所得税及び復興特別所得税の額を源泉徴収しなければいけない。
この場合には、退職金の受給者本人が確定申告を行い、所得税及び復興特別所得税の額を精算する。
なお、支払われるべき退職金のうち、役員等としての勤続年数が5年以下の法人役員等の退職金については、課税退職所得金額の計算過程で2分の1にしない。

 ★リンクはこちら⇒ 同じ年に2か所以上から退職金をもらったとき

2014年8月7日

平成26年度版宗教法人の税務

国税庁が、『平成26年度版 宗教法人の税務 -源泉所得税法人税消費税-』を公表した。

このパンフレットは、

  • 宗教法人の支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
  • 宗教法人の行う収益事業に対する法人税の課税
  • 宗教法人の行う資産の譲渡等に対する消費税の課税
    等に関し、特に注意していただく事項について、その概要を説明したものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年度版宗教法人の税務

2014年3月14日

平成26年版源泉徴収のしかた

国税庁が、『平成26年版源泉徴収のしかた』を公表した。

これは、会社や商店などで通常行う源泉徴収事務の概要を説明したものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年版源泉徴収のしかた

2014年1月21日

平成26年版源泉徴収のあらまし

この「源泉徴収のあらまし」は、国税庁が、平成25年9月30日現在の所得税法等関係法令(租税条約については発効予定条約を含む。)の規定に基づいて、源泉徴収の事務に携わっている方に、平成26年における源泉徴収の仕組みやその内容を十分理解していただくために作成しているものである。

 ★リンクはこちら⇒ 平成26年版源泉徴収のあらまし

2014年1月20日

法定調書の「源泉徴収税額」欄への復興特別所得税の記載方法

<照会要旨>
法定調書の中には、「源泉徴収税額」欄が設けられているものがあるが、この「源泉徴収税額」欄には、所得税と復興特別所得税をどのように記載することとなるか。

<回答要旨>
所得税と復興特別所得税の合計額を記載する。
所得税の源泉徴収義務者は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税の法定納期限までに、その復興特別所得税を源泉所得税と併せて国に納付しなければならないこととされている。
法定調書の中には、「給与所得の源泉徴収票」や「利子等の支払調書」など、「源泉徴収税額」欄が設けられているものがあるが、これらの調書の「源泉徴収税額」欄には、所得税と復興特別所得税の合計額を記載する必要がある。
なお、国税庁ホームページ掲載の平成25年分以後の源泉徴収税額表は、復興特別所得税を含んだものとなっている。

 ★リンクはこちら⇒ 法定調書の「源泉徴収税額」欄への復興特別所得税の記載方法

2014年1月15日

創業●●周年を記念して従業員に支給した商品券

<照会要旨>
創業●●周年を迎えたことから、本年12月に在籍する全従業員に対し、一律1万円分の商品券を支給することとした。
この場合、従業員に支給した商品券については、どのように取り扱われるのか。

<回答要旨>
給与等として課税の対象になる。
創業●●周年等の区切りを記念して従業員に対し記念品等を支給することは、一般的に行われているものであり、この記念品等については、①その支給する記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであり、かつ、そのものの価額(処分見込価額により評価した価額)が1万円以下のものであること、②創業記念のように一定期間ごとに到来する記念に際し支給する記念品については、創業後相当な期間(おおむね5年以上の期間)ごとに支給するものであること、のいずれにも該当するものについては、強いて課税しなくて差し支えないとしている(所得税基本通達36-22)。
この取扱いを受けるのは記念品に係る経済的利益に限られるため、記念品に代えて支給する金銭については、給与等として課税の対象になる。
会社の創業記念として商品券の支給が行われる場合、その支給を受けた各従業員は当該商品券と引き換えに、商品を自由に選択して入手することが可能となるので、商品券の支給については金銭による支給と異ならないといえる。
したがって、照会の商品券の支給については、課税しない経済的利益には該当せず、給与等として課税の対象になる。

2013年11月21日

平成25年分年末調整がよくわかるページ

国税庁は、『平成25年分年末調整がよくわかるページ』を開設した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成25年分年末調整がよくわかるページ

2013年11月14日

平成25年分年末調整のしかた

国税庁は、『平成25年分年末調整のしかた』を作成した。

昨年とは、以下の点が異なっている。

  • 復興特別所得税を源泉徴収することとされた。
  • 給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の定額とすることとされた。
  • 特定の役員等に対する退職手当等に係る退職所得の金額の計算については、退職所得控除額を控除した残額を2分の1する措置が廃止された。

 ★リンクはこちら⇒ 平成25年分年末調整のしかた

2013年10月9日

平成25年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

国税庁は、『平成25年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引』を作成した。

 ★リンクはこちら⇒ 平成25年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

2013年9月25日

源泉所得税の改正のあらまし(平成25年4月)

国税庁は、源泉所得税の改正のあらまし(平成25年4月)を公表した。

源泉所得税の改正のあらまし(平成25年4月)

2013年5月14日

平成25年度版宗教法人の税務

国税庁が、『平成25年度版 宗教法人の税務 -源泉所得税法人税消費税-』を公表した。
このパンフレットは、

  • 宗教法人の支払う給与や報酬・料金に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
  • 宗教法人の行う収益事業に対する法人税の課税
  • 宗教法人の行う資産の譲渡等に対する消費税の課税

等に関し、特に注意していただく事項について、その概要を説明したものである。

★リンクはこちら ⇒ 平成25年度版宗教法人の税務(既に削除済み)

2013年1月31日

平成25年版源泉徴収のしかた

所得税は、所得者自身がその年の所得金額とこれに対する税額を計算し、これらを自主的に申告して納付する、いわゆる「申告納税制度」が建前とされているが、これと併せて特定の所得については、その所得の支払の際に支払者が所得税を徴収して納付する源泉徴収制度が採用されている。

この源泉徴収制度は、①給与や利子、配当、税理士報酬などの所得を支払う者が、②その所得を支払う際に所定の方法により所得税額を計算し、③支払金額からその所得税額を差し引いて国に納付するというものである。
また、復興特別所得税においても、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生じる所得のうち、所得税の源泉徴収の対象とされている所得については、所得税を徴収する際に、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を併せて徴収し、徴収した所得税と併せて納付する源泉徴収制度が採用されている。

この制度により源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額は、源泉徴収だけで課税関係が終了する源泉分離課税の利子所得などを除き、最終的にはその年の年末調整や確定申告によって精算される。

これらのことが記載された『平成25年版源泉徴収のしかた』が、国税庁のHPに掲載されている。
平成25年版源泉徴収のしかた

2012年12月21日

源泉徴収制度とは

所得税は、所得者自身が、その年の所得金額とこれに対する税額を計算し、これらを自主的に申告して納付する、いわゆる「申告納税制度」が建前とされているが、これと併せて特定の所得については、その所得の支払の際に支払者が所得税を徴収して納付する源泉徴収制度が採用されている。
この源泉徴収制度は、①給与や利子、配当、税理士報酬などの所得を支払う者が、②その所得を支払う際に所定の方法により所得税額を計算し、③支払金額からその所得税額を差し引いて国に納付するというものである。
また、復興特別所得税においても、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間に生じる所得のうち、所得税の源泉徴収の対象とされている所得については、所得税を徴収する際に、復興特別所得税を併せて徴収し、徴収した所得税と併せて納付する源泉徴収制度が採用されている。
この源泉徴収制度により徴収された所得税及び復興特別所得税の額は、源泉分離課税とされる利子所得などを除き、例えば、報酬・料金等に対する源泉徴収税額については確定申告により、また、給与に対する源泉徴収税額については、通常は年末調整という手続を通じて、精算される仕組みになっている。

2012年11月30日

平成24年分年末調整のしかた

国税庁が、『平成24年分年末調整のしかた』を先日公表した。
昨年から変更になった点は、以下のとおり。

  1. 生命保険料控除が改組された。
  2. 「納期の特例」の承認を受けている源泉徴収義務者が7月から12月までの間に支払った給与等及び退職手当等から徴収した源泉所得税の納期限が、翌年1月20日とされた。
  3. 自動車などの交通用具を使用して通勤する人が受ける通勤手当の非課税限度額が変わった。

平成24年分年末調整のしかた

2012年9月21日

平成24年分年末調整のための各種様式

平成24年分年末調整のための各種様式が国税庁のHPに掲載された。
以下のものが更新されたものである。

  • 復興特別所得税関係(源泉徴収関係)
  • 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
  • 給与所得・退職所得に対する所得税源泉徴収簿の作成
  • 給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告
  • 従たる給与についての扶養控除等の(異動)申告
  • 公的年金等の受給者の扶養親族等の申告

平成24年分年末調整のための各種様式

2012年9月18日

寡婦などの場合の源泉徴収

給与等の支払を受ける人が寡婦(特別の寡婦を含む。)、障害者(特別障害者を含む。)、寡夫または勤労学生に該当する場合には、その該当する数を加え、その人の控除対象配偶者や扶養親族(年齢16歳未満の人を含む。)のうちに障害者(特別障害者を含む。)または同居特別障害者に該当する人がいる場合には、これらの一に該当するごとに扶養親族等の数に1人を加算した数を扶養親族等の数とする。

2012年7月5日

平成25年からの源泉徴収税額

平成23年12月2日に東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律第117号)が公布され、これにより、所得税の源泉徴収義務者は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際に、復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税の法定納期限までに、その復興特別所得税を源泉所得税と併せて国に納付しなければならないこととされた。

源泉徴収すべき復興特別所得税の額は、源泉徴収すべき所得税の額の2.1%相当額とされており、復興特別所得税は、所得税の源泉徴収の際に併せて源泉徴収することとされている。
実際には、以下のとおり、源泉徴収の対象となる支払金額等に対して、所得税と復興特別所得税の合計税率を乗じて計算した金額を徴収し、1枚の所得税徴収高計算書(納付書)で納付する。

<源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額>

(支払金額等 × 合計税率(%) = 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額(1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨て))

合計税率の計算式

(合計税率(%) = 所得税率(%) × 102.1%)

ちなみに、手取り額で100,000円支給する場合、支払金額は111,370円、合計税額は11,370円となる。

2012年6月25日

配当の源泉徴収と納期の特例

源泉徴収した所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければならない。
しかし、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税を、半年分まとめて納めることができる特例がある。
これが、納期の特例といわれるものである。

ただし、この特例の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収をした所得税と、税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収をした所得税に限られているので、配当を支払った際に源泉徴収をした所得税対象とはならなず翌月10日が納付期限になるので注意が必要である。

2012年6月20日

納期の特例

源泉徴収した所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納める必要がある。
しかし、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税を、半年分まとめて納めることができる特例がある。
これを納期の特例という。

この特例の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収をした所得税と、税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収をした所得税に限られている。
この特例を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月10日が、それぞれ納付期限になる。

この特例を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(以下「納期の特例申請書」という。)を提出することが必要である。
この納期の特例申請書の提出先は、給与等の支払を行う事務所などの所在地を所轄する税務署長である。
税務署長から納期の特例申請書の却下の通知がない場合には、この納期の特例申請書を提出した月の翌月末日に、承認があったものとみなされる。
この場合には、承認を受けた月に源泉徴収する所得税から、納期の特例の対象になる。

さらに、納期の特例を受けている者は、届出によって、翌年1月10日の納付期限を、1月20日に延長する特例を受けることができる。
この特例を受けるには、その年の12月20日までに「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を所轄税務署長に提出して、以下の要件をどちらも満たすことが必要である。

  1. その年の12月31日において、源泉所得税の滞納がないこと
  2. その年の7月から12月までの間に源泉徴収した所得税を翌年1月20日までに納めること

なお、これらの納付期限が日曜日、祝日などの休日や土曜日に当たる場合には、その休日明けの日が納付期限となる。

2012年6月18日

配当等の支払調書

  • 手続対象者…利益の配当、剰余金の分配又は基金利息の支払をする法人
  • 提出時期…支払確定日(記名)または支払った日(無記名)から1か月以内
  • 提出方法…支払調書に合計表を添付して提出先に送付または持参
  • 手数料…不要
  • 申請書様式・記載要領…以下のリンクからダウンロード可能
    http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/annai/23100023.htm

2012年6月4日

法定調書の提出義務者

法定調書とは、所得税法などの規定により税務署に提出が義務づけられている書類をいい、それぞれ様式が定められている。
主な法定調書の提出義務者は、次のとおり。

  • 給与所得の源泉徴収票・給与支払報告書
    俸給、給料、賃金、歳費、賞与などの給与等の支払をする者
  • 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
    役員等に対して退職手当、一時恩給その他これらの性質を有する給与等の支払をする者
    ただし、死亡退職により退職手当等を支払った場合は、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を提出することになるので、退職所得の源泉徴収票と特別徴収票は提出する必要はない。
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
    外交員報酬、税理士報酬など所得税法第24条第1項各号並びに所得税法第174条第10号及び租税特別措置法第41条の20に規定されている報酬、料金、契約金及び賞金の支払をする者
  • 不動産の使用料等の支払調書
    不動産不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の借受けの対価や不動産の上に存する権利の設定の対価の支払をする法人と不動産業者である個人
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書
    不動産不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の譲受けの対価の支払をする法人と不動産業者である個人
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
    不動産不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払をする法人と不動産業者である個人

以上の法定調書の提出期限は、例外的な場合を除き、その年の翌年1月31日となっており、また、その提出先は、「給与支払報告書」及び「特別徴収票」を除き、支払事務を取り扱う事務所、事業所等の所在地を所轄する税務署である。

2012年1月19日

給与等の支払状況内訳書

以前は、翌年1月末までに「給与等の支払状況内訳書」を提出していたが、平成22年分から廃止されている。

2012年1月5日

利子等の源泉徴収

源泉徴収は利子等の支払いの際に行うが、支払債務が消滅する一切の行為が含まれる。これには債務免除も含まれる。

ただし、支払者の債務超過の状態が相当期間継続し、その支払をすることができないと認められる場合に行われたものである場合には、源泉徴収は不要である。

2011年12月9日

未払いの役員賞与

業績の悪化などにより、未払いの役員賞与を支払わないこととした場合でも、源泉徴収義務はある。支払確定日から1年を経過した時点で支払いがあったものと見做し、源泉徴収が必要である。
これは、役員賞与をいったん受け取った後に、会社へ役員賞与分を返したものとして扱うからである。

それゆえ、還付もできない。

2011年12月6日

配当の源泉徴収

配当については、支払いの際に所得税を徴収し、翌月10日までに納付する。

ただし、支払確定日から1年を経過した日までにその支払がされない場合には、1年を経過した日に支払があったものとみなす(利子にはこの規定はない。)。

2011年11月18日

2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収

2か所以上から給与をもらっている人の場合、主たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「甲欄」で求める。
ここで、主たる給与とは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与のことである。

従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」で求める。
ここで、従たる給与とは、主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与のことである。

ちなみに、「丙欄」は「日額表」(この他に「月額表」と「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」がある)にだけあり、日雇いの人や短期間雇い入れるアルバイトなどに一定の給与を支払う場合に使う。

2011年10月28日

ホステス報酬に係る源泉所得税

ホステス等に支払う業務の対価については、1回の支払いにつき5,000円にその支払金額の計算期間の日数を乗じて計算した金額を控除した残額に10%の税率を乗じて計算した金額を源泉徴収する。

従来、この場合の「計算期間の日数」については、「営業日数」または「出勤日数」なのか、「支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数」であるかの解釈が不明確であった。

しかしながら、2010年3月2日の最高裁判決により、「計算期間の日数」は、「営業日数」または「出勤日数」ではなく、支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数であるとの判断が下された。

2011年9月27日

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財産評価

相続税法における配偶者居住権等の評価方法の概要は次のとおり。

〔配偶者居住権の評価方法〕
配偶者居住権の価額は、次の算式により評価することとされている。

ここでいう「時価」は、相続税法第22条に規定する時価をいう。ただし、居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合又は被相続人が相続開始の直前において居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となる(相法 23の2①一)。以下、これらを併せて「配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額」という。

〔居住建物の評価方法〕
居住建物の価額は、次の算式により評価することとされている。

ここでいう「時価」は、相続税法第 22条に規定する時価をいう。

〔敷地利用権の評価方法〕
敷地利用権の価額は、次の算式により評価することとされている。

ここでいう「時価」は、相続税法第22条に規定する時価をいう。ただし、居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合又は被相続人が相続開始の直前において居住建物の敷地を他の者と共有し、若しくは居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となる(相法23の2③一)。以下、これらを併せて「敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額」という。

(注)1
敷地利用権の及ぶ範囲は、居住建物の敷地の用に供されている部分となるので、当該建物の敷地の評価単位と同一となる。
(注)2
居住建物の敷地が建物の区分所有等に関する法律の規定に基づく敷地利用権又は借地権である場合についても、被相続人が土地等の所有権を有していた場合と同様、上記の算式により評価する。

〔居住建物の敷地の評価方法〕
居住建物の敷地の価額は、次の算式により評価することとされている。

ここでいう「時価」は、相続税法第22条に規定する時価をいう。

★リンクはこちら ⇒ 相続税法における配偶者居住権等の評価方法の概要

2020年9月8日

平成30年10月~12月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-1)が公表された。

平成30年10月~12月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、平成30年はずっと横這いである。

★リンクはこちら ⇒ 平成30年10月~12月分の基準年利率

2019年1月30日

<照会要旨>
 甲は、以下の図のように、宅地と雑種地を乙に貸し付けている。
この場合の甲の所有する宅地及び雑種地の価額はどのように評価するのか?

※B土地には、乙が構築物を設置して駐車場として利用している。
また、賃貸借契約の残存期間は5年である。

<回答要旨>
 A、B土地を一団の土地として評価した価額を、各々の地積の割合に応じてあん分し、A土地については借地権の価額を、B土地については賃借権の価額をそれぞれ控除して評価する。
図の場合において、B土地の賃借権の割合を5%とすると、具体的にはそれぞれ以下のように評価する。

A土地とB土地とを一体として評価した価額

(400,000円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)+250,000円(側方路線価)×0.99(奥行価格補正率)×0.03(側方路線影響加算率)×450平方メートル=183,341,250円

A土地の評価額(貸宅地の評価額)

183,341,250円(A、B一体の価額)×(200平方メートル÷(250平方メートル+200平方メートル))×(1-0.6(借地権割合))=32,594,000円

B土地の評価額(貸し付けられている雑種地の評価額)

183,341,250円(A、B一体の価額)×(250平方メートル÷(250平方メートル+200平方メートル))×(1-0.05(借地権割合))=96,763,437円

(説明)
A、B土地に設定された権利は異なる(借地権及び賃借権)が、権利者が同一であり一体として利用していることから、その貸宅地(底地)等についても「1画地の宅地」として一体で評価する。

 ★リンクはこちら ⇒ 複数の地目の土地を一体利用している貸宅地等の評価

2019年1月11日


平成30年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成30年9月・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

★リンクはこちら ⇒ 平成30年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

2018年12月12日


一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(2)

<照会要旨>
個別通達「一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて」(平成10年8月25日付課評2-8外)に定める、「課税上弊害がある」ものとされている親族等の範囲は具体的にはどのような範囲なのか?

<回答要旨>
「課税上弊害がある」ものとされている親族等の範囲は、具体的には次のとおりである。

通達該
当番号
範 囲
(1)
「親族」~民法第725条参照
1  6親等内の血族
2  配偶者
3  3親等内の姻族
(2)
1  借地権設定者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
2  1の親族でその者と生計を一にしているもの
(3)
1  借地権設定者の使用人
2  使用人以外の者で借地権設定者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
3  1または2の親族でその者と生計を一にしているもの
(4) 借地権設定者が会社役員となっている場合の当該会社。この場合の会社役員とは、次の1または2の者をいう。

1  法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人
2  1以外の者で法人の経営に従事している者のうち、次に掲げる者(法令7)

 法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事しているもの(法基通9-2-1参照)

相談役、顧問その他これに類する者で、その法人内における地位、職務等からみて他の役員と同様に実質的に法人の経営に従事している者
使用人としての職制上の地位のみを有する営業所長、支配人、主任等は含まれない。
 同族会社の使用人のうち、特定株主に該当する場合
(注) 上記法人は、2ロ以外、同族、非同族を問わない。
(5) 借地権設定者、その親族、上記(2)及び(3)に掲げる者並びにこれらの者と特殊の関係にある法人を判定の基礎とした場合に「同族会社」に該当する法人(法人税法施行令第4条第2項)
(6) 上記(4)または(5)に掲げる法人の役員または使用人
(7)
1  借地権設定者が、他人とともに借地人となる場合に限り、自己を借地人として借地権を設定する場合
2  借地権設定者が、他にも土地所有者以外の借地権者が存する場合で、後発的に借地権者となった場合(中古定期借地権を取得した場合)

★リンクはこちら ⇒ 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(2)

2018年11月30日


租税調査会研究報告第33号「取引相場のない株式の評価の実務上の論点整理」の公表について

日本公認会計士協会は、2018年8月21日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第33号「取引相場のない株式の評価の実務上の論点整理」」を公表した。

財産評価基本通達に従って、取引相場のない株式の評価を行うに際しては、これまでも評価の要素、過程、基準等実務上の論点が指摘されているところである。

そこで、本研究報告では、取引相場のない株式の評価を取り扱って来た多くの実務家がおおむね経験していると思われる実務上の論点にできる限り多く触れ、今後の税制改正等で取り上げられるべき議論として、個別具体的な論点整理を行った。

なお、本研究報告では、取引相場のない株式の評価に係る実務上の論点を中心に取り上げ、それに関する周辺の論点にも触れているが、本研究報告の立場をより明確にするために、議論の過程で取り扱った様々な論点、例えば、平成30年度税制改正で創設された事業承継税制の特例など、評価そのものの論点以外については、あえて取り上げていない。

本研究報告が会員の行う業務の参考となれば幸いである。

★リンクはこちら ⇒ 租税調査会研究報告第33号「取引相場のない株式の評価の実務上の論点整理」の公表について

2018年11月21日


一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(1)

<照会要旨>
個別通達「一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて」(平成10年8月25日付課評2-8外)に定める底地割合の適用は、財産評価基本通達27-2(定期借地権等の評価)の原則的評価方法と選択できるのか?

<回答要旨>
財産評価基本通達27-2の原則的評価方法と選択はできない。

(理由)
個別通達における一般定期借地権の目的となっている宅地の評価方法は、財産評価基本通達27-2の原則的評価に代えて適用することとしたものであるが、納税者の便宜を考慮して定めたものであり、評価の安全性にも配慮しているので、いずれか有利な方を選択することはできない。

例えば、普通借地権割合のE(借地権割合50%)地域にある定期借地権の目的となっている宅地(底地)について、実際の保証金等の割合が2割であっても、その底地については80%をベースとして評価することはできず、65%をベース(底地割合)として評価することになる。

なお、これは、物納申請を行う場合にも同様である。

★リンクはこちら ⇒ 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(1)

2018年11月15日


農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地の評価

<照会要旨>
農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地については、どのように評価するのか?

<回答要旨>
その農業用施設の用に供されている土地の地目に従い、通常の宅地または雑種地の評価方法により評価する。

(理由)
1.農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域内または都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域内(以下「農用地区域内等」という。)に存する農業用施設の用に供されている土地については、開発行為や建築物の建築等の土地の利用が制限されており、その用途が農業用に限定されていることから、その土地が農地であるとした場合の価額に、その農地を当該農業用施設の用に供されている土地とする場合に通常必要と認められる造成費相当額を加算した金額によって評価することとしている。

2.一方、農用地区域内等以外の地域に存する土地、すなわち、都市計画区域内の市街化調整区域外の土地(農用地区域内を除く。)及び都市計画区域外の土地(農用地区域内を除く。)は、開発行為、建築物の建築等の土地利用に関して農用地区域内等のような制限がないので、これらの地域に存する農業用施設の用に供されている土地の価額の水準はその付近に存する通常の宅地や雑種地と同程度の価格水準になっていると考えられる。
したがって、これらの地域に存する農業用施設の用に供されている土地については、その地目に従い、通常の宅地または雑種地の評価方法により評価することになる。

(注)「農業用施設」とは、畜舎、蚕室、温室、農産物集出荷施設、農機具収納施設など、農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号及び第4号に規定する施設をいう。

★リンクはこちら ⇒ 農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地の評価

2018年11月5日


平成30年7月~9月分の基準年利率

平成30年7月~9月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-38)が公表された。

平成30年7月~9月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、平成30年はずっと横這いである。

★リンクはこちら ⇒ 平成30年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

2018年10月24日


平成30年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成30年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

★リンクはこちら ⇒ 平成30年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

2018年10月23日


農業用施設用地の評価

<照会要旨>
財産評価基本通達24-5に定める農業用施設用地の価額は、どのように評価するのか?

<回答要旨>
農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域内または都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域内に存する農業用施設用地の価額は、その宅地が農地であるとした場合の1㎡当たりの価額に、その農地を課税時期において当該農業用施設の用に供されている宅地とする場合に通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛りまたは土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を加算した金額に、その宅地の地積を乗じて計算した金額によって評価する。

ただし、農業用施設用地であっても、いわゆる条例指定区域内(都市計画法第34条第11号の規定に基づき都道府県等が条例で定めた区域)に存するため用途変更に制限のない農業用施設用地など、その位置、都市計画法の規定による建物の建築制限の内容等により、その地域における農業用施設用地以外の宅地の価格水準で取引されると見込まれるものについては、その付近にある宅地(農業用施設用地を除く)の価額に比準して評価する。

農業用施設用地の価額=(農地であるとした場合の1㎡当たりの価額+1㎡当たりの造成費相当額)×地積

(注)「農業用施設用地」とは、農業用施設(畜舎、蚕室、温室、農産物集出荷施設、農機具収納施設など、農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号及び第4号に規定する施設をいう。)の用に供されている宅地をいう。

★リンクはこちら ⇒ 農業用施設用地の評価

2018年10月22日


造成中の宅地の評価

<照会要旨>
課税時期において、評価する土地が宅地造成工事中である場合には、どのように評価するのか?

<回答要旨>
造成中の宅地の価額は、その土地の造成工事着手直前の地目により評価した課税時期における価額とその宅地の造成に要した費用現価の80%相当額との合計額によって評価する。

この場合の費用現価とは、課税時期までに投下した造成費用(例えば、埋立て費、土盛り費、土止め費、地ならし費等)の額を課税時期の価額に引き直した額の合計額をいう。

★リンクはこちら ⇒ 造成中の宅地の評価

2018年10月18日


土地区画整理事業施行中の宅地の評価

<照会要旨>
土地区画整理事業の施行地区内にある土地について、仮換地の指定を受けている。

この場合の土地の価額は、どのように評価するのか?

<回答要旨>
土地区画整理事業の施行地区内にある宅地について、土地区画整理法第98条(仮換地の指定)の規定に基づき仮換地が指定されている場合には、その宅地の価額は、仮換地の価額に相当する価額によって評価する。

ただし、その仮換地の造成工事が施行中で、当該工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合の仮換地の価額に相当する価額は、その仮換地について造成工事が完了したものとして、路線価方式または倍率方式によって評価した価額の100分の95に相当する価額によって評価する。

この場合において、換地処分により徴収または交付されることとなる清算金のうち、課税時期において確実と見込まれるものがあるときには、その金額を評価上考慮して、徴収されるものは仮換地の価額から減算し、交付されるものは加算して評価する。

なお、仮換地が指定されている場合であっても、次の事項のいずれにも該当するときには、従前の宅地の価額により評価する。

1 仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、当該仮換地について使用または収益を開始することができないこと
2 仮換地の造成工事が行われていないこと

★リンクはこちら ⇒ 土地区画整理事業施行中の宅地の評価

2018年10月15日


歩道状空地の用に供されている宅地の評価

<照会要旨>
都市計画法所定の開発行為の許可を受けるため、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって設置された、次のような「歩道状空地」の用に供されている宅地については、どのように評価するのか?

なお、この「歩道状空地」はインターロッキング舗装が施されたもので、居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている。

歩道状空地

<回答要旨>
 「歩道状空地」の用に供されている宅地が、法令上の制約の有無のみならず、その宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、客観的交換価値に低下が認められる場合には、その宅地を財産評価基本通達24に基づき評価する。

具体的には、①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備され、②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであり、③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている上図の「歩道状空地」は、財産評価基本通達24に基づき評価することとなる。

上図の「歩道状空地」が、不特定多数の者の通行の用に供されている場合には、その価額は評価しない。

★リンクはこちら ⇒ 歩道状空地の用に供されている宅地の評価

2018年10月11日


不特定多数の者の通行の用に供されている私道

<照会要旨>
1.私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評価しないこととなっているが、具体的にはどのようなものをいうのか?

2.幅員2メートル程度で通り抜けのできる私道は財産評価基本通達24に定める不特定多数の者の通行の用に供されている私道に該当するか?

<回答要旨>
1.「不特定多数の者の通行の用に供されている」例を具体的に挙げると、次のようなものがある。

公道から公道へ通り抜けできる私道
行き止まりの私道であるが、その私道を通行して不特定多数の者が地域等の集会所、地域センター及び公園などの公共施設や商店街等に出入りしている場合などにおけるその私道
私道の一部に公共バスの転回場や停留所が設けられており、不特定多数の者が利用している場合などのその私道

2.不特定多数の者の通行の用に供されている私道とは、上記のようにある程度の公共性が認められるものであることが必要だが、道路の幅員の大小によって区別するものではない。

★リンクはこちら ⇒ 不特定多数の者の通行の用に供されている私道

2018年10月9日


私道の用に供されている宅地の評価

<照会要旨>

(1)倍率地域にある私道の用に供されている宅地はどのように評価するのか?

(2)専用利用している路地状敷地についてはどのように評価するのか?

<回答要旨>

(1)専ら特定の者の通行の用に供されている宅地(私道)の価額は、その宅地が私道でないものとして評価した価額の30%相当額で評価する。
この場合、私道の固定資産税評価額が私道であることを考慮して付されている場合には、その宅地が私道でないものとした場合の固定資産税評価額に倍率を乗じて評価した価額の30%相当額で評価する。
なお、その私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評価しない。

(2)以下の図のAの部分のように、宅地Bへの通路として専用利用している路地状敷地については、私道として評価することはせず、隣接する宅地Bとともに1画地の宅地として評価する。

私道の用に供されている宅地の評価の図

 ★リンクはこちら ⇒ 私道の用に供されている宅地の評価

2018年10月5日


固定資産税評価額が付されていない土地の評価

<照会要旨>
倍率方式により評価する土地について、課税時期の直前に払下げがあったこと等により固定資産税評価額が付されていない場合には、どのように評価するのか?

また、課税時期直前に地目変更等があり現況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合には、どのように評価するのか?

<回答要旨>
倍率方式により評価する土地について、課税時期において、固定資産税評価額が付されていない場合及び地目の変更等により現況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合には、その土地の現況に応じ、状況が類似する付近の土地の固定資産税評価額を基とし、付近の土地とその土地との位置、形状等の条件差を考慮して、その土地の固定資産税評価額に相当する額を算出し、その額に評価倍率を乗じて評価する。

ただし、相続税等の申告書の提出期限までに、その土地に新たに固定資産税評価額が付された場合には、その付された価額を基として評価する。

★リンクはこちら ⇒ 固定資産税評価額が付されていない土地の評価

2018年10月3日


倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い

<照会要旨>
固定資産課税台帳に登録されている地積が実際の面積と異なる土地を倍率方式で評価する場合には、具体的にはどのように計算するのか?

<回答要旨>
 土地の価額は、課税時期における実際の面積に基づいて評価する。
ところで、固定資産課税台帳に登録されている地積は、原則として、登記簿地積とされているから、実際の面積と異なる場合がある。
このような土地を倍率方式により評価する場合には、土地の実際の面積に対応する固定資産税評価額を仮に求め、その金額に倍率を乗じて計算した価額で評価する必要がある。
この場合、仮に求める固定資産税評価額は、特に支障のない限り次の算式で計算して差し支えない。

★リンクはこちら ⇒ 倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い

2018年9月18日


容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となっている宅地の評価

<照会要旨>
次の図のように、容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となっている場合、財産評価基本通達24-7(都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価)に定める補正率表の適用に当たり、「容積率」は、①都市計画道路予定地に係る部分の容積率によるべきか、それとも②各容積率を加重平均して求められる容積率(建築基準法第52条第7項)によるべきか?

容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となる宅地の評価の説明図

<回答要旨>
②各容積率を加重平均して求められる容積率による。
(理由)
都市計画道路予定地の区域内にある宅地は、地域の土地利用が高層化されているなど立体的利用が進んでいる地域に存するものほど都市計画事業により土地の効用を阻害される割合は大きくなり、また、評価対象地に占める都市計画道路予定地の面積の割合が大きくなるほど土地価格に及ぼす影響は大きくなるという実態を踏まえ、宅地全体の容積率に対する補正率(しんしゃく率)を定めている。
したがって、財産評価基本通達24-7に定める補正率表を適用する場合の基となる容積率は、実際の都市計画道路予定地に係る容積率によるよりも、宅地全体の容積率、すなわち各容積率を加重平均して求められる容積率によるのが合理的と考えられる。

★リンクはこちら ⇒ 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となっている宅地の評価

2018年9月18日


容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(2)

<照会要旨>
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価をする場合の留意事項は何か?

<回答要旨>
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価についての留意事項は以下のとおりである。

1.1画地の宅地の正面路線に接する部分の容積率が2以上であるが、その正面路線に接する部分の容積率と異なる容積率の部分がない場合には、財産評価基本通達20-5による容積率の格差による減額調整を行わない。

容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の図1

2.その宅地の正面路線に接する部分の容積率が2以上である場合で、その正面路線に接する部分の容積率と異なる容積率の部分がある場合には、異なる容積率の部分との違いによる減額調整を行う。

容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の図2

(注)この場合の調整計算に当たっては、容積率500%地域は容積率400%地域と一体であるものとして取扱い、容積率400%地域と容積率300%地域との格差の調整計算とする。

容積率の格差に基づく減額率の算式

3.1画地の宅地が2以上の路線に面する場合において、正面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額について容積率の格差による減額調整を行った価額が、正面路線以外の各路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額のいずれかを下回る場合には、容積率の格差による減額調整を適用せず、正面路線以外の路線の路線価について、それぞれ奥行価格補正率を乗じて計算した価額のうち最も高い価額となる路線を当該画地の正面路線とみなして、財産評価基本通達15(奥行価格補正)から20-4(がけ地等を有する宅地の評価)までの定めにより計算した価額によって評価する。

容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の図3

(1)正面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額に容積率の格差による減額調整を行った価額
600,000円×1.00-(600,000円×1.00×0.167)=499,800円

(2)裏面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額
500,000円×1.00=500,000円

(3)(1)<(2)となるので、容積率の格差による減額調整の適用はなく、裏面路線を正面路線とみなして、当該画地の評価額を求める。
なお、この場合、宅地の価額は最も高い効用を有する路線から影響を強く受けることから、正面路線とみなされた路線(裏面路線)の路線価の地区区分に応じた補正率を適用することに留意すること。

 ★リンクはこちら ⇒ 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(2)

2018年9月14日


容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(1)

<照会要旨>
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価に当たり、減額割合の計算を行う場合に適用する容積率は、指定容積率と基準容積率とのいずれによるのか?

<回答要旨>
指定容積率と基準容積率とのいずれか小さい方の容積率による。

(理由)
建築基準法は、道路、公園、上下水道等の公共施設と建築物の規模との均衡を図り、その地域全体の環境を守るために、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最高限度を定めており、この割合を「容積率」という。

容積率には、都市計画にあわせて指定されるもの(指定容積率)と建築基準法独自のもの(基準容積率)とがあり、実際に適用される容積率は、これらのうちいずれか小さい方である。

財産評価基本通達20-5において適用する容積率もいずれか小さい方であり、この場合の基準容積率は、建築基準法第52条第2項の規定によるものをいう。

(注)この取扱いは、減額調整方法としての統一基準を定めたものであることから、減額割合の計算上は、容積率の制限を緩和する特例を定めた建築基準法に規定する基準容積率(①特定道路との関係による容積率の制限の緩和、②都市計画道路がある場合の特例、③壁面線の指定がある場合の特例、④一定の条件を備えた建築物の場合の特例)は関係ない。

★リンクはこちら ⇒ 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(1)

2018年9月12日


がけ地補正率を適用するがけ地等を有する宅地

<照会要旨>
がけ地補正率を適用して評価するがけ地等を有する宅地とは、どのような宅地をいうのか?

<回答要旨>
がけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地であり、例えば、ヒナ段式に造成された住宅団地に見られるような、擁壁部分(人工擁壁と自然擁壁とを問わない。)を有する宅地である。

このような宅地のがけ部分等は、採光、通風等による平たん宅地部分への効用増に寄与すると認められるものの通常の用途に供することができないため、全体を通常の用途に供することができる宅地に比し減価があると認められるので、がけ地補正率表によるがけ地補正を行うものである。

このように、がけ地補正率が適用されるがけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地をいい、平たん部分である宅地とそれ以外の部分(山林、雑種地等)を別の評価単位として評価すべき場合はこれに該当しない。

★リンクはこちら ⇒ がけ地補正率を適用するがけ地等を有する宅地

2018年9月10日


占用権の意義

<照会要旨>
財産評価基本通達上の占用権とは、どのようなものをいうのか?

<回答要旨>
財産評価基本通達上の占用権とは、①河川法第24条の規定による河川区域内の土地の占用の許可に基づく権利で、ゴルフ場、自動車練習所、運動場その他の工作物(対価を得て他人の利用に供するものまたは専ら特定の者の用に供するものに限る。)の設置を目的とするもの、②道路法第32条第1項の規定による道路の占用の許可または都市公園法第6条第1項の規定による都市公園の占用の許可に基づく経済的利益を生ずる権利で駐車場、建物その他の工作物(対価を得て他人の利用に供するものまたは専ら特定の者の用に供するものに限る。)の設置を目的とするものをいう。

①の代表的な例として河川敷ゴルフ場、②の代表的な例として地下街が挙げられる。

なお、占用権の価額は、上記のような施設の完成後評価することとしているので、占用許可を得ていても施設の建築中である場合には評価しないこととして差し支えない。

 ★リンクはこちら ⇒ 占用権の意義

2018年9月5日


区分地上権に準ずる地役権の意義

<照会要旨>
財産評価基本通達上の区分地上権に準ずる地役権とは、どのようなものをいうのか?

<回答要旨>
財産評価基本通達上の区分地上権に準ずる地役権とは、特別高圧架空電線の架設、高圧のガスを通ずる導管の敷設、飛行場の設置、建築物の建築その他の目的のため地下または空間について上下の範囲を定めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するものをいい、登記の有無は問わない。

 ★リンクはこちら ⇒ 区分地上権に準ずる地役権の意義

2018年8月29日


借地権の意義

<照会要旨>
 構築物の所有を目的とする土地の賃借権は、所得税法や法人税法の借地権に含まれているが、財産評価基本通達上の借地権には、構築物の所有を目的とする賃借権も含まれるのか?

<回答要旨>
 財産評価基本通達上の借地権は、借地借家法第2条に規定する借地権すなわち建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権に限られることから構築物の所有を目的とする賃借権は含まれない。
(理由)
 建物の所有を目的とする借地権は、地域的な格差はあるとしても、その権利の内容がおおむね一様であることから、その価額の評価の方法については、自用地としての価額にその地域における一定の借地権割合を乗じて算出するのに対し、構築物の所有を目的とする賃借権については、その構築物の種類が雑多であり、かつ、その構築物の所有を目的とする賃借権の権利の態様も一様ではないことから、建物の所有を目的とする借地権とは区別してその賃借権または地上権の権利の内容に応じて個別に評価することを目的として、借地権の範囲には構築物の所有を目的とする賃借権または地上権は含まない取扱いとしている。

 したがって、所得税法や法人税法で規定する借地権とは異なり、構築物の所有を目的とする賃借権は、財産評価基本通達上の借地権には該当しない。

 なお、構築物の所有を目的とする賃借権の価額は、財産評価基本通達87(賃借権の評価)の定めにより評価することになる。

 ★リンクはこちら ⇒ 借地権の意義

2018年8月27日


一団の雑種地の判定

<照会要旨>
雑種地を評価する場合の「一団の雑種地」はどのように判定するのか?

<回答要旨>
雑種地の価額は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地)ごとに評価することとしているが、この場合の「一団の雑種地」の判定は、物理的一体性を有しているか否かで行うことになる。

したがって、その雑種地が不特定多数の者の通行の用に供される道路、河川等により分離されている場合には、その分離されている部分ごとに一団の雑種地として評価する。
なお、雑種地でいずれの用にも供されていないものについては、その全体を一団の雑種地として評価する。
また、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成している地域において、宅地と状況が類似する雑種地が2以上の利用の単位により隣接しており、その形状、地積の大小、位置関係等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、それらを一団の雑種地として評価する。

 ★リンクはこちら ⇒ 一団の雑種地の判定

2018年8月21日


平成30年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成30年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(課評2-32 平成30年8月10日)

2018年8月20日


平成30年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成30年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(課評2-25 平成30年6月29日)

2018年8月16日


市街地農地等の評価単位

<照会要旨>
市街地農地及び市街地周辺農地(以下、市街地農地等という。)の評価単位は、「利用の単位となっている一団の農地」とされているが、この「利用の単位」とは、具体的にはどのように判定するのか?

<回答要旨>
市街地農地等は、利用の単位となっている一団の農地を評価単位とするのですが、具体的には、次のように判定する。
(1)所有している農地を自ら使用している場合には、耕作の単位にかかわらず、その全体をその利用の単位となっている一団の農地とする。
(2)所有している農地を自ら使用している場合において、その一部が生産緑地である場合には、生産緑地とそれ以外の部分をそれぞれ利用の単位となっている一団の農地とする。
(3)所有する農地の一部について、永小作権または耕作権を設定させ、他の部分を自ら使用している場合には、永小作権または耕作権が設定されている部分と自ら使用している部分をそれぞれ利用の単位となっている一団の農地とする。
(4)所有する農地を区分して複数の者に対して永小作権または耕作権を設定させている場合には、同一人に貸し付けられている部分ごとに利用の単位となっている一団の農地とする。

なお、市街地山林及び市街地原野の評価単位についても同様の考え方により判定する。

(理由)
市街地農地等の価額は、宅地の価額の影響を強く受けることから宅地比準方式により評価することとしており、これとの整合性を図るため、評価の単位についても宅地としての効用を果たす規模での評価を行う必要がある。
したがって、市街地農地等については、1枚または1筆ごとといった評価単位によらず、利用の単位となっている一団の農地を評価単位とすることが相当と考えられる。

利用の単位とは、一体として利用される範囲を指し、自用の土地であれば、他人の権利による制約がないので、その全体が一体として利用されるものであり、他人の権利が存する土地とは区分される。
したがって、自用の土地は、その全体を利用の単位として評価することとなる。

また、他人の権利の存する土地について、貸付先がそれぞれ異なっている場合には、利用についてもそれぞれ異なっているので、同一人に貸し付けられている部分ごとに利用の単位とする。

なお、生産緑地は農地等として管理しなければならないという制約があることから、市街地農地と隣接しているような場合であっても、それぞれを「利用の単位となっている一団の農地」としている。

 ★リンクはこちら ⇒ 市街地農地等の評価単位

2018年8月15日


土地の評価単位-市街地農地等

<照会要旨>
宅地に比準して評価する市街地農地等、及び宅地と状況が類似する雑種地について一団の土地として評価する場合とは、具体的にはどのような場合をいうのか?

<回答要旨>
(事例1)市街地農地等


 市街地農地、市街地山林及び市街地原野(以下市街地農地等という。)の価額は、付近の宅地の価格形成要因の影響を受けるため、宅地比準方式により評価することとしている。
図のような市街地農地等について、1枚または1筆ごとに評価することとすると、宅地の効用を果たさない規模や形状で評価することとなり、隣接宅地と同じような規模及び形状であるにもかかわらず、価額が異なることとなるため、利用の単位となっている一団の土地を評価単位とする。
なお、農地については、市街地農地のほか、市街地周辺農地及び生産緑地についてもそれぞれごとに「利用の単位となっている一団の農地」を判定する。

(事例2)市街地的形態を形成している地域における宅地と状況が類似する雑種地

宅地と状況が類似する雑種地は、宅地の価格形成要因の影響を受けるため、宅地比準方式により評価することとしているが、A、B及びCそれぞれを利用の単位となっている一団ごとに評価した場合に、宅地の効用を果たさない規模や形状で評価することになる。
このため、それぞれの利用単位となっている雑種地の形状、地積の大小、位置等からみて全体を一団の雑種地として評価することが合理的な場合には、全体を一の評価単位とする。

 ★リンクはこちら ⇒ 土地の評価単位-市街地農地等

2018年8月6日


平成30年4月~6月分の基準年利率

平成30年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-30)が公表された。

平成30年4月~6月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、横這いである。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-30 平成30年7月24日)

2018年8月2日


土地の評価単位-地目の異なる土地を一団として評価する場合

<照会要旨>
市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、市街地農地、市街地山林、市街地原野及び宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目が隣接している場合で、全体を一団として評価することが合理的と認められる場合とは、具体的にはどのような場合か?

<回答要旨>
以下の事例1~4のような場合に、農地、山林及び雑種地の全体を一団として評価することが合理的と認められる。
なお、事例5のような場合はそれぞれを地目の別に評価する。

(理由)
宅地化が進展している地域のうちに介在する市街地農地等及び宅地と状況が類似する雑種地が隣接しており、その規模、形状、位置関係等から一団の土地として価格形成がなされるものもある。また、これらの土地は、近隣の宅地の価額の影響を強く受けるため、原則としていわゆる宅地比準方式により評価することとしており、基本的な評価方法はいずれも同一であることから、地目の別に評価する土地の評価単位の例外として、その形状、地積の大小、位置等からみて一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価する。

(事例1)の場合、標準的な宅地規模を考えた場合にはA土地は地積が小さく、形状を考えた場合には、B土地は単独で評価するのではなくA土地と合わせて評価するのが妥当と認められる。また、位置を考えた場合には、C土地は道路に面していない土地となり、単独で評価するのは妥当でないと認められることから、A、B及びC土地全体を一団の土地として評価することが合理的であると認められる。
(事例2)の場合、山林のみで評価することとすると、形状が間口狭小、奥行長大な土地となり、また、山林部分のみを宅地として利用する場合には、周辺の標準的な宅地と比較した場合に宅地の効用を十分に果たし得ない土地となってしまう。同様に(事例3)では、各地目の地積が小さいこと、(事例4)では山林部分が道路に面していないことから、やはり宅地の効用を果たすことができない土地となる。これらのような場合には、土地取引の実情からみても隣接の地目を含めて一団の土地を構成しているものとみるのが妥当であることから、全体を一団の土地として評価する。
また、このように全体を一団の土地として評価するときに、その一団の土地がその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大となる場合には、財産評価基本通達24-4(広大地の評価)、同40-2(広大な市街地農地等の評価)、同49-2(広大な市街地山林の評価)及び同58-4(広大な市街地原野の評価)を適用する。
しかし、(事例5)のように農地と山林をそれぞれ別としても、その形状、地積の大小、位置等からみても宅地の効用を果たすと認められる場合には、一団としては評価しない。

 ★リンクはこちら ⇒ 土地の評価単位-地目の異なる土地を一団として評価する場合

2018年7月30日


平成30年分財産評価基準

国税庁は、2018年7月2日に、平成30年分財産評価基準を公表した。

財産評価基準は、平成30年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。

ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年分財産評価基準

2018年7月3日


主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6標準伐期にある森林の立木の標準価額表」の一部改定

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。

<趣旨>
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。 記 別表2「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表」を次のとおり改める。

 ★リンクはこちら ⇒ 「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6標準伐期にある森林の立木の標準価額表」の一部改定

2018年6月27日


平成30年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成30年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

ようやく、平成30年1月・2月分が出た。
もう少し早く出せないのだろうか?

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(課評2-19 平成30年6月6日)

2018年6月20日


平成30年1月~3月分の基準年利率

平成30年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-12)が公表された。

平成30年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、横這いである。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-12 平成30年5月21日)

2018年6月12日


地積規模の大きな宅地の評価-計算例⑤(倍率地域に所在する場合)

<照会要旨>
 以下の図のような倍率地域に所在する宅地(地積3,000㎡、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)。
説明図

1宅地の固定資産税評価額:105,000,000円
2近傍の固定資産税評価に係る標準宅地の1㎡当たりの価額:50,000円
3倍率:1.1倍

<回答要旨>
1.標準的な1㎡当たりの価額の計算
標準的な1平方メートル当たりの価額の計算式

2.規模格差補正率(小数点以下第2位未満切捨て)
規模格差補正率計算式

3.評価額

評価額の計算式

※1:倍率地域に所在する宅地は、普通住宅地区に所在するものとして計算する。

※2:その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額が「地積規模の大きな宅地の評価」(財産評価基本通達20-2)に準じて計算した価額を上回る場合には、「地積規模の大きな宅地の評価」に準じて計算した価額により評価する。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例⑤(倍率地域に所在する場合)

2018年6月8日


地積規模の大きな宅地の評価-計算例④(正面路線が2以上の地区にわたる場合)

<照会要旨>
以下の図のような宅地(地積1,500㎡、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(地区以外の地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)。
説明図

<回答要旨>
1.地区の判定
評価対象となる宅地の接する正面路線が2以上の地区にわたる場合には、その宅地の過半の属する地区をもって、その宅地の全部が所在する地区と判定する。
上図の宅地の場合、普通住宅地区に属する部分の地積(900㎡)が中小工場地区に属する部分の地積(600㎡)よりも大きいことから、その宅地の全部が普通住宅地区に属するものと判定する。
したがって、上図の宅地は、その全部が「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる。

2.規模格差補正率の計算(小数点以下第2位未満切捨て)
規模格差補正率の計算式

3.評価額
評価額の計算式
※1:路線価の加重平均の計算
加重平均の計算式
※2:原則として、判定した地区に係る画地調整率を用いる。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例④(正面路線が2以上の地区にわたる場合)

2018年6月5日


地積規模の大きな宅地の評価-計算例③(指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合)

<照会要旨>
次の図のような宅地(地積4,000平方メートル、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(用途地域以外の地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)
説明図

<回答要旨>
1.用途地域の判定
評価対象となる宅地が2以上の用途地域にわたる場合には、その宅地の全部がその宅地の過半の属する用途地域に所在するものと判定する。
上図の宅地については、工業地域に属する部分の宅地の面積(3,000平方メートル)が敷地の過半に属していることから、その宅地の全部が工業地域内に所在するものと判定する。
したがって、上図の宅地は、その全部が「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる。

2.規模格差補正率の計算(小数点以下第2位未満切捨て)
規模格差補正率の計算式

3.評価額
評価額の計算式

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例③(指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合)

2018年5月28日


地積規模の大きな宅地の評価-計算例②(用途地域が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合)

<照会要旨>
 次の図のような宅地(地積4,000㎡、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(用途地域以外の地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)
説明図

<回答要旨>
1.用途地域の判定
評価対象となる宅地が2以上の用途地域にわたる場合には、その宅地の全部がその宅地の過半の属する用途地域に所在するものと判定する。
上図の宅地については、工業地域に属する部分の宅地の面積(3,000平方メートル)が敷地の過半に属していることから、その宅地の全部が工業地域内に所在するものと判定する。
したがって、上図の宅地は、その全部が「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる。

2.規模格差補正率の計算(小数点以下第2位未満切捨て)
規模格差補正率の計算式

3.評価額
評価額の計算式


 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例②(用途地域が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合)

2018年5月25日


地積規模の大きな宅地の評価-計算例①(一般的な宅地の場合)

<照会要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合には、その宅地の容積率はどのように判定するのか?

<回答要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率(建築基準法第52条第1項)の異なる2以上の地域にわたる場合には、各地域の指定容積率に、その宅地の当該地域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計により容積率を判定する。

(例)
次の図のような宅地(地積1,400平方メートル、三大都市圏以外の地域に所在)の指定容積率は、
指定容積率の計算式
となる。
指定容積率の図

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例①(一般的な宅地の場合)

2018年5月21日


地積規模の大きな宅地の評価-市街地農地等

<照会要旨>
市街地農地については「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となるのか?

<回答要旨>
市街地農地について、「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件を満たす場合には、その適用対象となる(市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野についても同様である。)。

ただし、路線価地域にあっては、宅地の場合と同様に、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものに限られる。

なお、市街地農地等であっても、①宅地へ転用するには多額の造成費を要するため、経済合理性の観点から宅地への転用が見込めない場合や、②急傾斜地などのように宅地への造成が物理的に不可能であるため宅地への転用が見込めない場合については、戸建住宅用地としての分割分譲が想定されないので、「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象とならない。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-市街地農地等

2018年5月15日


地積規模の大きな宅地の評価-倍率地域に所在する場合の評価方法

<照会要旨>
倍率地域に所在する「地積規模の大きな宅地」はどのように評価するのか?

<回答要旨>
倍率地域に所在する「地積規模の大きな宅地」については、次のうちいずれか低い方の価額により評価する。

倍率方式により評価した価額
その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額を路線価とし、かつ、その宅地が普通住宅地区に所在するものとして「地積規模の大きな宅地の評価」に準じて計算した価額

(注)「その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額」は、付近にある標準的な画地規模を有する宅地の価額との均衡を考慮して算定する必要がある。具体的には、評価対象となる宅地の近傍の固定資産税評価に係る標準宅地の1㎡当たりの価額を基に計算することが考えられるが、当該標準宅地が固定資産税評価に係る各種補正の適用を受ける場合には、その適用がないものとしたときの1㎡当たりの価額に基づき計算する。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-倍率地域に所在する場合の評価方法

2018年5月8日


平成30年分の路線価図等の公開予定日について

平成30年分の路線価図等は、7月2日(月)10時に公開することを予定している。

公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがあるので、あらかじめご了承のこと。

なお、路線価図等の見方等がわからない場合には、「国税に関するご相談について」をご覧の上、最寄りの税務署に電話していただき、自動音声に従って「1」を選択すること(電話相談センターにつながる。)。

 ★リンクはこちら ⇒ 平成30年分の路線価図等の公開予定日について

2018年4月27日


地積規模の大きな宅地の評価-正面路線が2以上の地区にわたる場合の地区の判定

<照会要旨>
評価対象となる宅地の接する正面路線が普通住宅地区などの地区のうち2以上の地区にわたる場合には、その宅地の所在する地区はどのように判定するのか?

<回答要旨>
評価対象となる宅地の接する正面路線が2以上の地区にわたる場合には、その宅地の過半の属する地区をもって、その宅地の全部が所在する地区と判定する。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-正面路線が2以上の地区にわたる場合の地区の判定

2018年4月20日


地積規模の大きな宅地の評価-基準容積率が指定容積率を下回る場合の容積率の判定

<照会要旨>
評価対象となる宅地は、指定容積率が400%以上の地域に所在するが、前面道路の幅員に基づく容積率(基準容積率)は400%未満となる。
このような場合には容積率の要件を満たすこととなるか?

<回答要旨>
「地積規模の大きな宅地の評価」の適用に係る容積率は、指定容積率(建築基準法第52条第1項)により判定する。

したがって、指定容積率が400%以上(東京都の特別区においては300%以上)である場合には、前面道路の幅員に基づく容積率(基準容積率(建築基準法第52条第2項))が400%未満(東京都の特別区においては300%未満)であったとしても、容積率の要件を満たさない。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-基準容積率が指定容積率を下回る場合の容積率の判定

2018年4月16日


地積規模の大きな宅地の評価-指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合の容積率の判定

<照会要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合には、その宅地の容積率はどのように判定するのか?

<回答要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率(建築基準法第52条第1項)の異なる2以上の地域にわたる場合には、各地域の指定容積率に、その宅地の当該地域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計により容積率を判定する。

《例》
次の図のような宅地(地積1,400平方メートル、三大都市圏以外の地域に所在)の指定容積率は、
指定容積率の計算式
となる。
指定容積率の図

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合の容積率の判定規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定

2018年4月11日


地積規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定

<照会要旨>
評価対象となる宅地が工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合には、その宅地の所在する用途地域はどのように判定するのか?

<回答要旨>
評価対象となる宅地が工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合には、その宅地の全部がその宅地の過半の属する用途地域に所在するものと判定する。

したがって、例えば評価対象となる宅地が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合において、その宅地の過半が工業専用地域に属しているときには、その宅地全体に工業専用地域に係る用途地域の制限が適用されるため、その宅地は工業専用地域に所在する宅地と判定する。

よって、この場合には、評価対象となる宅地は「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象とならない。

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定

2018年4月9日


地積規模の大きな宅地の評価-共有地の場合の地積規模の判定

<照会要旨>
 複数の者に共有されている宅地の場合、地積規模の要件を満たすかどうかは、共有者の持分に応じてあん分した後の地積により判定するのか?

<回答要旨>
 複数の者に共有されている宅地については、共有者の持分に応じてあん分する前の共有地全体の地積により地積規模を判定する。

(例)
次の図のようなAとBに持分2分の1ずつで共有されている三大都市圏に所在する地積800平方メートルの宅地については、AとBの持分に応じてあん分した地積はそれぞれ400平方メートルずつとなりますが、持分に応じてあん分する前の共有地全体の地積は800平方メートルであることから、三大都市圏における500平方メートル以上という地積規模の要件を満たす宅地に該当する。

普通住宅地図

 ★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-共有地の場合の地積規模の判定

2018年4月4日


がけ地等を有する宅地の評価-2方向にがけ地部分を有する場合

<照会要旨>
次のように2方向にがけ地部分を有する宅地のがけ地補正率はどのようにして求めるのか?

がけ地を有する宅地の図

<回答要旨>
 2方向以上にがけ地を有する宅地のがけ地補正率は、評価対象地の総地積に対するがけ地部分の全地積の割合に応ずる各方位別のがけ地補正率を求め、それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均して求める。

(計算例)
1.総地積に対するがけ地部分の割合

総地積に対するがけ地部分の割合の計算例

2.方位別のがけ地補正率
がけ地割合0.50の場合の西方位のがけ地補正率 0.78
がけ地割合0.50の場合の南方位のがけ地補正率 0.82

3.加重平均によるがけ地補正率

加重平均による地積補正率の計算例

 ★リンクはこちら ⇒ がけ地等を有する宅地の評価-2方向にがけ地部分を有する場合

2018年3月30日


がけ地等を有する宅地の評価-南東を向いている場合

<照会要旨>
次のように南東を向いているがけ地部分を有する宅地のがけ地補正率はどのようにして求めるのか?

がけ地等を有する宅地の図

<回答要旨>
「がけ地補正率表」に定められた方位の中間を向いているがけ地は、それぞれの方位のがけ地補正率を平均して求める。

がけ地等を有する宅地の計算例

なお、「北北西」のような場合には、「北」のみの方位によることとしても差し支えない。

 ★リンクはこちら ⇒ がけ地等を有する宅地の評価-南東を向いている場合

2018年3月22日


がけ地等を有する宅地の評価

<照会要旨>
 がけ地等を有する宅地については、どのように評価するのか?

<回答要旨>
 がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等の部分ががけ地等でないとした場合の価額に、がけ地補正率を乗じて計算した価額によって評価する。

がけ地等を有する宅地の図

総地積に対するかげ地部分の割合の計算例

評価額

評価額の計算例

(注)がけ地の方位は斜面の向きによる。

 ★リンクはこちら ⇒ がけ地等を有する宅地の評価

2018年3月19日


接道義務を満たしていない宅地の評価

<照会要旨>
次のように間口距離が短く接道義務を満たしていない宅地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
通路部分を拡幅しなければ、建物の建築に対して著しい制限のある宅地なので、無道路地に準じた評価を行う。
なお、無道路地として評価する際に控除する通路に相当する部分の価額は、通路拡幅のための費用相当額(正面路線価に通路拡幅地積を乗じた価額)とする。
(計算例)
1.評価対象地(①)の奥行価格補正後の価額
(1)評価対象地(①)と前面宅地(②)を合わせた土地の奥行価格補正後の価額

(2)前面宅地(②)の奥行価格補正後の価額

(注)奥行距離が5mの場合の奥行価格補正率は「0.92」であるが、「0.92」とすると前記(1)の評価対象地(①)と前面宅地(②)を合わせた整形地の奥行価格補正後の単価より、道路に接する部分が欠落している不整形地の奥行価格補正後の単価が高くなり不合理なので、このように前面宅地の奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、当該奥行価格補正率は1.00とする。
ただし、前記(1)の評価対象地(①)と前面宅地(②)を合わせて評価する場合において奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、前面宅地の奥行価格補正率もその数値とする。

(3)(1)の価額から(2)の価額を控除して求めた評価対象地(①)の奥行価格補正後の価額

2.不整形地補正(又は間口狭小・奥行長大補正)後の価額

間口狭小補正率0.90(通路拡幅後の間口距離2mに対するもの)
奥行長大補正率0.90(通路拡幅後の間口距離2m・奥行距離25mに対するもの)

3.通路拡幅部分の価額

4.評価額

 ★リンクはこちら ⇒ 接道義務を満たしていない宅地の評価

2018年3月15日


無道路地の評価

<照会要旨>
次のような無道路地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
次のとおり評価する。
1.無道路地(①)の奥行価格補正後の価格
(1)無道路地(①)と前面宅地(②)を合わせた土地の奥行価格補正後の価額

(2)前面宅地(2)の奥行価格補正後の価額

(3)(1)の価額から(2)の価額を控除して求めた無道路地(①)の奥行価格補正後の価額

2.不整形地補正(または間口狭小・奥行長大補正)

間口狭小補正率0.90(間口距離2m)
奥行長大補正率0.90(間口距離2m・奥行距離40m)

3.通路部分の価額

4.評価額 評価額の算式

 ★リンクはこちら ⇒ 無道路地の評価

2018年3月12日


不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合②

<照会要旨>
次のような帯状部分を有する宅地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
帯状部分(乙)とその他部分(甲・丙)に分けて評価した価額の合計額により評価し、不整形地としての評価は行わない。
(計算例)
1.甲、丙土地を合わせて評価した価額

2.乙土地の評価額
(1)乙、丙土地を合わせた土地の奥行価格補正後の価額

(2)丙土地の奥行価格補正後の価額

(3)(1)の価額から(2)の価額を差し引いて求めた乙土地の奥行価格補正後の価額

(4)乙土地の評価額

3.評価額

(参考)
評価対象地を不整形地として評価するとした場合
1.甲地の奥行価格補正後の価額

2.乙・丙地の奥行価格補正後の価額

3.不整形地補正率

4.評価額

このように、帯状部分を有する土地について、形式的に不整形地補正を行うとかげ地割合が過大となり、帯状部分以外の部分を単独で評価した価額(40,000千円)より低い不合理な評価額となるため、不整形地としての評価は行わない。

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合②

2018年3月8日


不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合①

<照会要旨>
次のような帯状部分を有する宅地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
帯状部分(乙)とその他部分(甲)に分けて評価した価額の合計額により評価し、不整形地としての評価は行わない。

(計算例)
1.甲土地の評価額

2.乙土地の評価額

3.評価額

(参考)
評価対象地を不整形地として評価するとした場合


このように、帯状部分を有する土地について、形式的に不整形地補正を行うとかげ地割合が過大となり、帯状部分以外の部分を単独で評価した価額(20,000千円)より低い不合理な評価額となるため、不整形地としての評価は行わない。

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合①

2018年2月26日


不整形地の評価-差引き計算により評価する場合

<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
近似整形地(①)を求め、隣接する整形地(②)と合わせて全体の整形地の価額の計算をしてから隣接する整形地(②)の価額を差し引いた価額を基として計算した価額に、不整形地補正率を乗じて評価する。

(計算例)
1.近似整形地(①)と隣接する整形地(②)を合わせた全体の整形地の奥行価格補正後の価額

2.隣接する整形地(②)の奥行価格補正後の価額

3.1の価額から2の価額を控除して求めた近似整形地(①)の奥行価格補正後の価額

4.近似整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額(不整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額)

5.不整形地補正率

6.評価額

(注意事項)
1.近似整形地を設定する場合、その屈折角は90度とする。
2.想定整形地の地積は、近似整形地の地積と隣接する整形地の地積との合計と必ずしも一致しない。
3.全体の整形地の価額から差し引く隣接する整形地の価額の計算に当たって、奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、当該奥行価格補正率は1.00とする。
ただし、全体の整形地の奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、隣接する整形地の奥行価格補正率もその数値とする。

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-差引き計算により評価する場合

2018年2月22日


平成29年11月・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成29年11月・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

これで、平成29年分は出揃った。

 ★リンクはこちら ⇒ 「平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 平成30年1月17日)

★一括ダウンロードはこちら ⇒ 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(平成29年分)

2018年1月26日


平成29年10月~12月分の基準年利率

平成29年10月~12月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-3)が公表された。

平成29年10月~12月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

これで、平成29年分は出揃った。

短期(0.01%)及び中期(0.01%)は横這いであるが、長期は10月から0.25%に上昇している(9月は0.1%)。

 ★リンクはこちら ⇒ 「平成29年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-3 平成30年1月17日)

2018年1月24日


不整形地の評価-近似整形地を基として評価する場合

<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
不整形地に近似する整形地を求め、その近似整形地を基として求めた価額に不整形地補正率を乗じて評価する。
(注意事項)
1.近似整形地は、近似整形地からはみ出す不整形地の部分の地積と近似整形地に含まれる不整形地以外の部分の地積がおおむね等しく、かつ、その合計地積ができるだけ小さくなるように求める。
2.近似整形地の屈折角は90度とする。
3.近似整形地と想定整形地の地積は必ずしも同一ではない。
(計算例)
1.近似整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額(不整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額)

2.不整形地補正率

3.評価額

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-近似整形地を基として評価する場合

2018年1月15日


不整形地の評価-計算上の奥行距離を基として評価する場合

<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基として求めた整形地としての価額に、不整形地補正率を乗じて評価する。

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-計算上の奥行距離を基として評価する場合

2018年1月11日


不整形地の評価-区分した整形地を基として評価する場合

<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?

<回答要旨>
不整形地を区分して求めた整形地を基として計算した価額の合計額に、不整形地補正率を乗じて評価する。
(計算例)
1.不整形地を整形地に区分して個々に奥行価格補正を行った価額の合計額

2.不整形地補正率
不整形地補正率 0.94(普通住宅地区 地積区分A かげ地割合20%)

3.評価額

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-区分した整形地を基として評価する場合

2018年1月9日


屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方

<照会要旨>
屈折路に面する不整形地の場合、想定整形地はどのようにとるのか?

<回答要旨>
屈折路に面する不整形地に係る想定整形地は、いずれかの路線からの垂線によって又は路線に接する両端を結ぶ直線によって、評価しようとする宅地の全域を囲むく形又は正方形のうち最も面積の小さいものを想定整形地とする。

以下の場合には、AからCまでのく形のうち最も面積の小さいもの、すなわちAが想定整形地となる。


 ★リンクはこちら ⇒ 屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方

2017年12月19日


不整形地の奥行距離の求め方

<照会要旨>
以下の図のような不整形地の奥行距離はどのようにして求めるのか?

<回答要旨>
奥行距離が一様でないものは平均的な奥行距離による。
具体的には、不整形地にかかる想定整形地の奥行距離を限度として、その不整形地の面積をその間口距離で除して得た数値する。
上の図のような不整形地にかかる想定整形地は以下のとおりとなる。
したがって、この不整形地の奥行距離は17.1m(600㎡÷35m=17.1<20)となる。

一般に不整形地について、その奥行距離を図示すれば以下のようになる。

 ★リンクはこちら ⇒ 不整形地の奥行距離の求め方

2017年12月18日


平成29年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等

この法令解釈通達では、平成29年9月・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

 ★リンクはこちら ⇒ 「平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達 課評2-60)(平成29年12月5日)

2017年12月13日


「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(平成29年10月3日)

平成29年9月20日付課評2-46ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)及び平成29年9月29日付課評2-48ほか2課共同「『相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について』の一部改正について」(法令解釈通達)により、地積規模の大きな宅地の評価について定めるほか、取引相場のない株式等の評価等について所要の改正を行ったところであるが、そのあらましはリンクのとおりである。

 ★地積規模の大きな宅地の評価はこちら ⇒ 「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(資産評価企画官情報第5号 資産課税課情報第17号 国税庁資産評価企画官資産課税課 平成29年10月3日)

 ★取引相場のない株式等の評価はこちら ⇒ 「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(資産評価企画官情報第5号 資産課税課情報第17号 国税庁資産評価企画官資産課税課 平成29年10月3日)

2017年12月8日


「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年9月29日)

平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を別紙のとおり改正し、平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。

 ★リンクはこちら ⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達 課評2-48 課資2-19 課審7-17)(平成29年9月29日)

2017年12月6日


財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年9月20日)

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価及び平成30年分以後の地価税の課税価格の計算の基礎となる土地等の評価に適用することとしたから、これによられたい。

<趣旨>
現下の社会経済の実態等を踏まえ、広大地の評価等について所要の改正を行うものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達 課評2-46 課資2-17 課審7-20)(平成29年9月20日)

2017年12月5日


屈折路に面する宅地の間口距離の求め方 Edit

<照会要旨>
宅地が屈折路に面している場合の間口距離はどのようにして求めるのか?

<回答要旨>
屈折路に面する不整形地の間口距離は、その不整形地に係る想定整形地の間口に相当する距離と、屈折路に実際に面している距離とのいずれか短い距離となる。
このことから、Aの場合にはa(<「b+c」)が、Bの場合には「b+c」(<a)がそれぞれ間口距離となる。
画像の説明

なお、屈折路に面する不整形地に係る想定整形地は、いずれかの路線からの垂線によって又は路線に接する両端を結ぶ直線によって、評価しようとする宅地の全域を囲むく形又は正方形のうち最も面積の小さいものとする。

★リンクはこちら⇒屈折路に面する宅地の間口距離の求め方

2017年11月29日

間口が狭い宅地の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように路線に接する間口が狭い宅地はどのように評価するのか?
間口が狭い宅地の評価

<回答要旨>
路線価に奥行価格補正率及び間口狭小補正率を乗じ、更に奥行が長大な宅地については、奥行長大補正率を乗じた価額によって評価する。

なお、間口が狭小な宅地とは、以下の表に掲げる間口距離を有する宅地をいい、奥行が長大な宅地とは奥行距離を間口距離で除して得た数値が次の表に掲げるものをいう。
間口が狭い宅地の評価

★リンクはこちら⇒間口が狭い宅地の評価

2017年11月27日

間口距離の求め方 Edit

<照会要旨>
以下の図のような形状の宅地の間口距離はいずれによるのか?
間口距離の求め方

<回答要旨>
間口距離は、原則として道路と接する部分の距離による。

したがって、Aの場合はa、Bの場合はa+cによる。

Cの場合はbによるが、aによっても差し支えない。

また、Aの場合で私道部分を評価する際には、角切で広がった部分は間口距離に含めない。

★リンクはこちら⇒間口距離の求め方

2017年11月22日

路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように路線価の高い方の路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合であっても、その路線価の高い路線を正面路線として評価しなければならないのか?
路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価

<回答要旨>
正面路線とは、原則として、路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の最も高い路線をいうこととされている。

しかし、図のように間口が狭小で接道義務を満たさないなど正面路線の影響を受ける度合いが著しく低い立地条件にある宅地については、その宅地が影響を受ける度合いが最も高いと認められる路線を正面路線として差し支えない。

なお、上記のような帯状部分を有する土地は、帯状部分(乙)とその他の部分(甲)に分けて評価した価額の合計額により評価し、不整形地としての評価は行わない。

★リンクはこちら⇒路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価

2017年11月16日

多数の路線に接する宅地の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように多数の路線に接する宅地の価額はどのように評価するのか?
多数の路線に接する宅地の評価

<回答要旨>
多数の路線に接する宅地の価額は、各路線が正面路線に対し側方路線としての効用を果たすのか、裏面路線としての効用を果たすのかを個々に検討し、それぞれの路線価にその適用すべき側方路線影響加算率又は二方路線影響加算率を乗じた金額を基に評価する。

また、図のように裏面路線等に2以上の路線価が付されている場合には、a及びbの路線価を宅地が接する距離により加重平均した価額を基に二方路線影響加算等を行う。

★リンクはこちら⇒多数の路線に接する宅地の評価

2017年11月13日

側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合 Edit

<照会要旨>
以下の図のように、現実に角地としての効用を有しない場合で、三方路線に面しているB宅地の価額を評価する場合の側方路線影響加算又は二方路線影響加算はどのように計算するのか?
側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合

<回答要旨>
側方路線に接する場合であっても現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用する。
これは、側方路線に接することの影響を加算するものだが、角地としての効用を有しないことから加算率の値としては側方路線影響加算率ではなく二方路線影響加算率を使用するという趣旨である。

したがって、この場合の側方路線影響加算及び二方路線影響加算は以下のとおり。
側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合
側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合
側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合

(注1)奥行距離は、面積(600平方メートル)を間口距離(25m)で除して求めている。
(注2)側方路線影響加算額は次の計算方法により算出しても差し支えない。
画像の説明
※A土地の奥行距離10mにかかる奥行価格補正率は0.99であるが、0.99とするとAとBを合わせた整形地の奥行価格補正後の単価より、側方路線に接する部分が欠落している不整形地Bの奥行価格補正後の単価が高くなり不合理なので、このように前面宅地の奥行が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、奥行価格補正率を1.00とする。
ただし、AとBを合わせて評価する場合において奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、Aの奥行価格補正率もその数値とする。
(注3)二方路線影響加算額は、以下の計算方法により算出しても差し支えない。
画像の説明

★リンクはこちら⇒側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合

2017年11月10日

三方又は四方が路線に接する宅地の評価 Edit

<照会要旨>
正面と側方と裏面の三つの路線又は四つの路線に接する宅地の価額はどのように評価するのか?

<回答要旨>
三方又は四方が路線に接する宅地の価額は、正面と側方が路線に接する宅地の評価方法と正面と裏面が路線に接する宅地の評価方法を併用して計算した価額に地積を乗じた金額によって評価する。

(設例)
三方又は四方が路線に接する宅地の評価

(計算例)
(1)三方が路線に接する宅地の価額
三方又は四方が路線に接する宅地の評価

(2)四方が路線に接する宅地の価額
三方又は四方が路線に接する宅地の評価

★リンクはこちら⇒三方又は四方が路線に接する宅地の評価

2017年11月6日

2の路線に接する宅地の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように2の路線に接する宅地Bの価額を評価する場合にも、角地に該当するものとして側方路線影響加算率を適用して評価するのか?
2の路線に接する宅地の評価

<回答要旨>
図のAの部分の面積が大きく、現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用して評価する。
図の場合には、具体的には以下のように評価する。

  1. A、Bを合わせた全体の整形地の奥行価格補正後の価額からA部分の奥行価格補正後の価額を差し引き、宅地Bの奥行価格補正後の1㎡当たりの価額を算出する。
    2の路線に接する宅地の評価
  2. 宅地Bの奥行価格補正後の1㎡当たりの価額に、側方路線影響加算(この場合は二方路線影響加算率を適用)及び不整形地補正を行い評価額を算出する。
    2の路線に接する宅地の評価

(注)

  1. 側方路線影響加算額は次の計算方法により算出しても差し支えない。
    2の路線に接する宅地の評価
  2. 評価する土地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合には、正面路線価に広大地補正率及び地積を乗じて評価するため、二方路線影響加算の必要はないことに留意すること。

★リンクはこちら⇒2の路線に接する宅地の評価

2017年10月30日

側方路線影響加算等の計算-特定路線価を設定した場合 Edit

<照会要旨>
以下の図のA、B、C及びD土地を評価するために特定路線価が設定された場合に、E及びF土地の評価に当たって、特定路線価に基づく側方路線影響加算を行うべきか?
側方路線影響加算等の計算-特定路線価を設定した場合

<回答要旨>
E及びF土地の価額の評価に当たっては、特定路線価に基づく側方路線影響加算は行わない。
(説明)
相続税や贈与税の申告のために路線価地域において路線価の設定されていない道路のみに接している土地を評価する必要があるときには、納税義務者からの申出等に基づき特定路線価を設定することができることとしている(評基通14-3)。
事例の場合において特定路線価は、A、B、C及びD土地の価額の評価に用いるものですから、E及びF土地の価額の評価に当たっては、この特定路線価に基づく側方路線影響加算は行わない。

また、以下の図のような場合も同様に、J土地の価額の評価に当たっては、G、H及びI土地の価額を評価するために設定した特定路線価に基づく二方路線影響加算は行わない。

なお、特定路線価に基づいて評価する場合においても、財産評価基本通達15(奥行価格補正)から20-5(容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価)までの定め(同通達16(側方路線影響加算)から18(三方又は四方路線影響加算)までの定めを除く。)により評価する。
側方路線影響加算等の計算-特定路線価を設定した場合

★リンクはこちら⇒側方路線影響加算等の計算-特定路線価を設定した場合

2017年10月26日

平成29年7月~9月分の基準年利率 Edit

平成29年7月~9月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-53)が公表された。

平成29年7月~9月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成29年10月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期(0.01%)及び中期(0.01%)は横這いであるが、長期は9月から0.1%に下落している(8月までは0.25%)。

★リンクはこちら⇒「平成29年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-53 平成29年10月12日)

2017年10月24日

平成29年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等 Edit

この法令解釈通達では、平成29年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

★リンクはこちら⇒平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-51 平成29年10月12日)

2017年10月23日

二方路線影響加算の方法 Edit

<照会要旨>
以下の図のような不整形地の二方路線影響加算はどのような計算をするのか?
二方路線影響加算の方法

<回答要旨>
上記のように、裏面路線に接する部分がその宅地に係る想定整形地の間口距離より短い場合には、裏面路線に接する部分がその宅地に係る想定整形地の間口距離に占める割合により加算額を調整する。
二方路線影響加算の方法

★リンクはこちら⇒二方路線影響加算の方法

2017年10月5日

小規模宅地等の特例について、建物が区分登記され、各々が独立して生活できる構造になっている場合、被相続人が居住していた当該建物の区分所有に係る部分の敷地のみが被相続人の居住の用に供していた宅地に当たるとした事例 Edit

  • 平成22年10月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分
  • 棄却
  • 平成28年9月29日裁決

<ポイント>
本事例は、小規模宅地等の特例について、建物が区分登記され、各々が独立して生活できる構造になっている場合、被相続人が居住していた当該建物の区分所有に係る部分の敷地が被相続人の居住の用に供していた宅地に当たり、被相続人と生計を一にしていない者が居住していた当該建物の部分の敷地に相当する宅地は、被相続人等の居住の用に供されていた宅地に当たらないと判断したものである。

<要旨>
請求人らは、請求人の一人である兄E及びその弟Gが2分の1ずつ相続により取得した宅地(本件宅地)について、本件宅地を敷地とする建物(本件建物)の2階部分に居住していた兄Eが、1階部分に居住していた被相続人(本件被相続人)及び弟G(本件被相続人ら)の面倒を見ていたという事情を踏まえ、本件建物の1階部分と2階部分を区別せずに1棟の建物として考えれば、建物全体が、租税特別措置法(平成23年法律第114号による改正前のもの)(措置法)第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》(本件特例)第1項に規定する「被相続人等の居住の用に供されていた家屋」に該当し、さらに、兄Eが、措置法第69条の4第3項第2号イに規定する本件被相続人らと同居していた親族に該当するので、本件宅地の全体を措置法第69条の4第3項第2号に規定する特定居住用宅地等として本件特例が適用できる旨主張する。

しかしながら、本件建物はその構造上1階部分及び2階部分に区分でき、それぞれが独立して居住の用に供することができる設備・構造を備えている上、区分登記されていることからすれば、本件被相続人の居住の用に供されていた「家屋」は、本件建物の1階部分に限られる。
また、実際の生活状況をみても、兄Eは本件被相続人と同居していた親族、あるいは生計を一にしていた親族とは認められない。

したがって、本件宅地のうち、本件被相続人らの居住の用に供されていた1階部分の敷地に相当する宅地で、本件被相続人と同居していた弟Gが相続した部分のみが、特定居住用宅地等として本件特例の適用対象となり、その他の部分は本件特例を適用することができない。

★リンクはこちら⇒小規模宅地等の特例について、建物が区分登記され、各々が独立して生活できる構造になっている場合、被相続人が居住していた当該建物の区分所有に係る部分の敷地のみが被相続人の居住の用に供していた宅地に当たるとした事例

2017年9月13日

側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合 Edit

<照会要旨>
以下の図のような不整形地の評価額は、具体的にはどのようにして計算するのか?
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合

<回答要旨>
不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基とし、側方路線影響加算、不整形地補正を行い評価する。
(計算例)
1.不整形地の計算上の奥行距離による奥行価格補正
(1)正面路線に対応する奥行距離…49.3m
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合
(2)側方路線影響加算を行う場合の奥行距離…43.2m
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合
(3)側方路線影響加額の計算
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合
(4)側方路線影響加算後の価額
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合
(5)③に地積を乗じた後不整形地補正を行い評価額を算出する。
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合

(注)
評価する土地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合には、正面路線価に広大地補正率及び地積を乗じて評価するため、側方路線影響加算及び不整形地補正の必要はないことに留意すること。

★リンクはこちら⇒側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合

2017年9月12日

審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例 Edit

  • 平成24年5月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分
  • 全部取消し
  • 平成28年9月26日裁決

<ポイント>
本事例は、各土地の地域に係る土地の利用状況及び周辺地域の状況等の事情を総合勘案して、審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人らが相続(本件相続)により取得した各土地(本件各土地)の財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)の適用につき、広大地通達に定める本件各土地の「その地域」は、原処分庁の主張する地域(原処分庁主張地域)は用途地域が工業地域に指定され、工場、事務所、戸建住宅及び駐車場等が混在する地域であるのに対し、その周囲は用途地域が第一種住居地域と指定されており、戸建住宅を中心とする地域であることから、本件各土地に係る「その地域」は原処分庁主張地域の用途地域、すなわち工業地域である旨主張する。

しかしながら、原処分庁主張地域において、①本件相続の開始前20年間に工場の新築はなく、工場として利用されている戸数の割合は僅かであること、②良好な住宅地としての発展等を目的とした土地区画整理事業が施行されたこと、③本件各土地の所在する地方自治体の都市計画の方針により、住居系の土地利用への誘導が図られていることを踏まえると、本件各土地の所在する地域(本件地域)における土地の標準的な使用は工場用地から住宅用地に移行しつつあるものと認められる。
そして、④本件地域は戸建住宅や共同住宅の建築において用途制限に差のない第一種住居地域に定められた地域(本件周辺地域)に囲まれるように存しており、容積率及び建ぺい率も同一であること、⑤本件地域及び本件周辺地域(審判所認定地域)の東側には川幅約8mの川が流れており、これを境に土地の利用状況が異なることなどの事情を総合勘案すると、審判所認定地域が本件各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると認めるのが相当である。

★リンクはこちら⇒審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例

2017年9月8日

側方路線に宅地の一部が接している場合の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように、評価する宅地の一部分のみが側方路線に接している場合には、その宅地の全体について、側方路線影響加算の計算を行うのか?
側方路線に宅地の一部が接している場合の評価

<回答要旨>
図の場合において、側方路線の影響を直接受けているのは、その側方路線に直接面している30メートルに対応する部分であることから、以下のとおり、側方路線影響加算額を調整の上、評価する。
側方路線に宅地の一部が接している場合の評価

<評価額>
①    ②    地積
(846,000円+48,000円)×1,200㎡=1,072,800,000円

なお、評価する宅地が正面路線に部分的に接しない場合には、正面路線に接する距離による調整計算は行わない。

(注)
評価する宅地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合には、正面路線価に広大地補正率及び地積を乗じて評価するため、側方路線影響加算は必要ないことに留意すること。

★リンクはこちら⇒側方路線に宅地の一部が接している場合の評価

2017年9月7日

側方路線影響加算又は二方路線影響加算と間口狭小補正との関係 Edit

<照会要旨>
以下の図のような間口が狭小である宅地の評価額はどのように計算するのか?
側方路線影響加算又は二方路線影響加算と間口狭小補正との関係

<回答要旨>
正面路線に面する間口が狭小である宅地が、側方路線等(正面路線以外の路線をいう。)にも接する場合には、側方路線影響加算又は二方路線影響加算をして計算した1㎡当たりの価額に、間口狭小補正率、奥行長大補正率及び宅地の地積を乗じて評価額の計算をする。
したがって、事例の場合の評価額は以下のとおりとなる。
側方路線影響加算又は二方路線影響加算と間口狭小補正との関係
3,092,360円 × 140㎡ = 432,930,400円

★リンクはこちら⇒地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価

2017年9月4日

地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように、地区の異なる2の路線に接する宅地の価額は、高度商業地区、普通商業・併用住宅地区のいずれの地区の奥行価格補正率を適用して評価するのか?
画像の説明

<回答要旨>
正面路線の地区である高度商業地区の奥行価格補正率を適用して評価する。
また、側方路線影響加算額についても正面路線の地区、すなわち高度商業地区の奥行価格補正率及び側方路線影響加算率を適用して計算する。
画像の説明

なお、借地権の価額を評価する場合において、接する各路線の借地権割合が異なるときには、原則として、正面路線の借地権割合を適用して評価する。
したがって、図の場合の借地権割合は80%となる。

★リンクはこちら⇒地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価

2017年8月30日

宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整 Edit

<照会要旨>
以下の図のように、宅地が2以上の異なる地区にまたがる場合の画地調整はどのように行うのか?
宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整

<回答要旨>
宅地が2以上の地区にまたがる場合には、原則として、その宅地の面積により、いずれか一の地区を判定し、判定した地区にかかる画地調整率を用いて評価する。
事例の場合には普通商業・併用住宅地区の画地調整率を用いて以下のように評価することになる。

宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整

(注)
上図のように奥行距離が一定でない宅地の奥行距離は地積を間口距離で除して求める。
(この場合の奥行距離は、想定整形地の奥行距離を限度とする。)
315㎡ ÷ 20m = 15.75m < 20m
不整形地補正率を乗じて全体の価額を算出する。

宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整

ただし、それぞれの地区の画地調整率を用いて、例えば、以下のように合理的な方法により評価することができる場合には、その方法によって差し支えない。

宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整

宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整

(注)
上記の場合、普通商業・併用住宅地区に属する部分の宅地については、普通住宅地区に属する部分の宅地と合わせて判断するため、間口狭小補正及び奥行長大補正は行わないこととなる。

★リンクはこちら⇒宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整

2017年8月28日

正面路線に2以上の路線価が付されている場合の宅地の評価 Edit

<照会要旨>
以下の図のように、正面路線に2以上の路線価が付されている宅地の価額は、どのように評価するのか?
画像の説明

<回答要旨>
上の図のように一の路線に2以上の路線価が付されている場合には、それぞれの路線価に接する距離により加重平均して正面路線価を計算し、その正面路線価を基に画地調整等を行い評価する。

(計算例)
路線価の加重平均
(700,000円×15㍍+790,000円×5㍍)÷(15㍍+5㍍)=722,500円(正面路線価)
宅地の評価額
722,500円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)×400㎡(地積)=289,000,000円(宅地の評価額)

(注)
設問のように路線価が異なる部分ごと(A,B)に合理的に分けることができる場合には、異なる部分に分けて評価して差し支えない。
なお、この場合、B部分のみに係る間口狭小補正及び奥行長大補正は行わない。

★リンクはこちら⇒正面路線に2以上の路線価が付されている場合の宅地の評価

2017年8月23日

平成29年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等 Edit

この法令解釈通達では、平成29年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

★リンクはこちら⇒「平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-42 平成29年8月7日)

2017年8月22日

正面路線の判定(2) Edit

<照会要旨>
以下のような不整形地甲は、いずれの路線が正面路線となるのか?

正面路線の判定(2)

<回答要旨>
正面路線は、原則として、その宅地の接する路線の路線価(一路線に2以上の路線価が付されている場合には、路線に接する距離により加重平均した価額)に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線となる。

この場合における奥行価格補正率を適用する際の奥行距離は、不整形地の場合には、その不整形地に係る想定整形地の奥行距離を限度として、不整形地の面積を間口距離で除して得た数値とする。
したがって、事例の場合には、A路線からみた場合の奥行距離は20m(500㎡÷25m=20m<30m)、B路線からみた場合の奥行距離は30m(500㎡÷10m=50m>30m)となる。

これらのことから、事例の場合には、以下のとおりB路線を正面路線と判定することになる。

A路線
B路線

★リンクはこちら⇒正面路線の判定(2)

2017年8月18日

正面路線の判定(1) Edit

<照会要旨>
以下の図のように2の路線に面している宅地の価額を評価する場合には、a、bどちらの路線を正面路線として評価するのか?
正面路線の判定(1)

<回答要旨>
原則として、その宅地の接する各路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線を正面路線とする。
したがって、図の場合には、bの路線を正面路線として評価する。
     路線価  奥行価格補正率
a路線 4,000,000円 × 0.96 = 3,840,000円
     路線価  奥行価格補正率
b路線 3,900,000円 × 1.00 = 3,900,000円
なお、地区の異なる2以上の路線に接する宅地の場合には、正面路線は、それぞれの路線の路線価に各路線の地区に適用される奥行価格補正率を乗じて計算した金額を基に判定する。
この場合、路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額が同額となる場合には、原則として、路線に接する距離の長い方の路線を正面路線とすることとなる。

(注)
評価する土地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合の正面路線の判定は、原則として、その広大地が面する路線の路線価のうち最も高いものとなることに留意すること。
したがって、上図の評価対象地が広大地に該当するときには、a路線の価額を基として広大地評価を行うことになる。

★リンクはこちら⇒正面路線の判定(1)

2017年8月16日

宅地の評価単位-不合理分割(2)

<照会要旨>
乙は、亡父甲から以下の図のような宅地のうち、A土地を生前に贈与を受けた。今回、甲の相続開始により、乙はB土地を相続により取得することとなったが、この場合のB土地はどのように評価するのか?
宅地の評価単位-不合理分割(2)

<回答要旨>
A土地は単独では通常の宅地として利用できない宅地であり、生前の贈与における土地の分割は不合理なものと認めらる。

したがって、分割前の画地(A、B土地全体)を「1画地の宅地」とし、その価額を評価した上で個々の宅地を評価するのが相当であるから、原則として、A、B土地全体を1画地の宅地として評価した価額に、A、B土地を別個に評価した価額の合計額に占めるB土地の価額の比を乗じて評価する。

(計算例)
A、B土地全体を1画地として評価した価額
A、B土地全体を1画地として評価した価額

Aを単独で評価した価額
Aを単独で評価した価額

Bを単独で評価した価額
Bを単独で評価した価額

Bの評価額
Bの評価額

なお、贈与税の申告におけるA土地の評価額も、原則として、A、B土地全体を評価した価額にA土地の価額の比を乗じて算出することに留意すること。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-不合理分割(2)

2017年8月10日

宅地の評価単位-不合理分割(1)

<照会要旨>
以下の図のように宅地のうちA部分は甲が、B部分は乙が相続した場合の宅地の評価単位は、それぞれどのようになるのか?
宅地の評価単位-不合理分割(1)
宅地の評価単位-不合理分割(1)

<回答要旨>
(1)については現実の利用状況を無視した分割であり、(2)は無道路地を、(3)は無道路地及び不整形地を、(4)は不整形地を、(5)は奥行短小な土地と無道路地を、(6)は接道義務を満たさないような間口が狭小な土地を創出する分割であり、分割時のみならず将来においても有効な土地利用が図られず通常の用途に供することができない、著しく不合理な分割と認められるため、全体を1画地の宅地としてその価額を評価した上で、個々の宅地を評価することとするのが相当である。
具体的には、原則としてA、B宅地全体を1画地の宅地として評価した価額に、各土地の価額の比を乗じた価額により評価する。

(理由)
贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われ、その分割が著しく不合理であると認められる場合における宅地の価額は、所有者単位で評価するのではなくその分割前の画地を「1画地の宅地」として評価する。
例えば、遺産分割により設例のように現実の利用状況を無視した不合理な分割が行われた場合において、仮に甲、乙それぞれが取得した部分ごとに宅地の評価を行うこととすると、無道路地としての補正や奥行が短小であることによる補正を行うことになるなど、実態に則した評価がなされないことになる。
そのため、著しく不合理な分割が行われた場合は、実態に則した評価が行えるよう、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価することとしている。「その分割が著しく不合理であると認められる場合」とは、無道路地、帯状地または著しく狭あいな画地を創出するなど分割後の画地では現在及び将来においても有効な土地利用が図られないと認められる分割をした場合が考えられる。
なお、この取扱いは同族会社間等でこのような不合理分割が行われた場合にも適用される。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-不合理分割(1)

2017年8月8日

財産評価基本通達24(私道の用に供されている宅地の評価)における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い

1.従来の取扱い
財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)24(私道の用に供されている宅地の評価)に定める「私道」については、道路としての利用状況や、所有者が自己の意思によって自由に使用、収益をすることに制約が存すること等の事実関係に照らして判断しているところである。
また、上記事実関係に照らして判断した結果、「歩道状空地」の用に供されている宅地については、建物の敷地の一部として、評価通達24を適用せずに評価していた事例があった。

2.最高裁判決を踏まえた「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
(1)最高裁判決の判示事項
最高裁判所平成29年2月28日判決(以下「最高裁判決」という。)において、「私道の用に供されている宅地につき客観的交換価値が低下するものとして減額されるべき場合を、建築基準法等の法令によって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理由はなく、そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるというべきである。

これを本件についてみると、本件各歩道状空地は、車道に沿って幅員2mの歩道としてインターロッキング舗装が施されたもので、いずれも相応の面積がある上に、本件各共同住宅の居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていることがうかがわれる。
また、本件各歩道状空地は、いずれも本件各共同住宅を建築する際、都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、市の指導要綱等を踏まえた行政指導によって私道の用に供されるに至ったものであり、本件各共同住宅が存在する限りにおいて、上告人らが道路以外の用途へ転用することが容易であるとは認め難い。そして、これらの事情に照らせば、本件各共同住宅の建築のための開発行為が被相続人による選択の結果であるとしても、このことから直ちに本件各歩道状空地について減額して評価をする必要がないということはできない。」と判示された。

(2)「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
上記(1)の最高裁判決の判示事項を踏まえ、①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備され、②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであり、③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている「歩道状空地」については、評価通達24に基づき評価することとする。

3.相続税等の更正の請求
上記2の取扱いは、過去に遡って適用されるので、これにより、過去の相続税又は贈与税(以下「相続税等」という。)の申告の内容に異動が生じ、相続税等が納めすぎになる場合には、国税通則法の規定に基づき所轄の税務署に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている相続税等の還付を受けることができる。
なお、法定申告期限等から既に5年(贈与税の場合は6年)を経過している相続税等については、法令上、減額できないこととされているので注意すること。

★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達24(私道の用に供されている宅地の評価)における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い

2017年8月3日

平成29年4月~6月分の基準年利率

平成29年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-40)が公表された。

平成29年4月~6月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成29年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期(0.01%)、中期(0.01%)、長期(0.25%)ともに横這いである。

★リンクはこちら⇒ 平成29年4月~6月分の基準年利率(法令解釈通達)(課評2-40)(平成29年7月25日)

2017年8月2日

平成29年分の路線価図等の公開

国税庁は、平成29年分の路線価図等を公開した。

これらは、平成29年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。

★リンクはこちら⇒ 平成29年分財産評価基準書路線価図・評価倍率表

2017年7月14日

標準伐期にある森林の立木の標準価額表

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部をリンク先のとおり改正し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによること。

(趣旨)
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。

★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-18)(平成29年5月16日)

2017年7月6日

平成29年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等の公表

国税庁は、平成29年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等を公表した。

この法令解釈通達では、平成29年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

★リンクはこちら⇒ 平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-30)

2017年7月4日

平成29年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等の公表

国税庁は、平成29年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等を公表した。

この法令解釈通達では、平成29年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。

★リンクはこちら⇒ 平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-26)

2017年6月21日

財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)

平成29年4月27日付課評2-12ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)及び平成29年4月27日付課評2-14ほか2課共同「『相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について』の一部改正について」(法令解釈通達)により、森林の立木の評価及び取引相場のない株式等の評価について所要の改正を行ったが、そのあらましはリンクのとおりである。

<目 次>
1.森林の主要樹種の立木の評価
2.森林の主要樹種以外の立木の評価
3.取引相場のない株式等の評価(類似業種比準方式の見直し)
4.取引相場のない株式等の評価(会社規模の判定基準の見直し等)

★1.はこちら⇒ 1.森林の主要樹種の立木の評価
★2.はこちら⇒ 2.森林の主要樹種以外の立木の評価
★3.はこちら⇒ 3.取引相場のない株式等の評価(類似業種比準方式の見直し)
★4.はこちら⇒ 4.取引相場のない株式等の評価(会社規模の判定基準の見直し等)

2017年6月20日

宅地の評価単位-共同ビルの敷地

<照会要旨>
甲、乙、丙及び丁は以下の図のような土地の上に共同ビルを建築している。
この場合のA、B、C及びD土地の価額はどのように評価するのか?
宅地の評価単位-共同ビルの敷地

<回答要旨>
A、B、C及びD土地全体を1画地の宅地として評価した価額に、各土地の価額の比を乗じた金額により評価する。
この場合、価額の比は以下の算式によって計算して差し支えない。

算式

ただし、1画地の宅地として評価した価額に基づき、各土地の地積の割合により価額を算出しても差し支えない。

(説明)
共同ビルの敷地のように個々の宅地が他の筆の宅地と一体となって利用されているのであれば、他の筆の宅地をも併せた、利用の単位となっている1画地の宅地の価額を評価した上で、個々の宅地を評価するのが合理的である。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-共同ビルの敷地

2017年6月15日

平成29年1月~3月分の基準年利率

平成29年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-20)が公表された。
平成29年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。

なお、平成29年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。

短期は横這い(0.01%)であるが、中期は平成28年8月から0.05%であったが、平成29年1月から0.01%に下落し、長期は平成28年9月から0.50%であったが、平成29年1月から0.25%に下落している。

★リンクはこちら⇒ 平成29年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-20 平成29年5月17日)

2017年5月31日

宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(2)

<照会要旨>
甲は、以下の図のように自己の所有するA土地に隣接するB土地を乙から賃借し、資材置場として利用している。この場合の甲の所有するA土地の価額は、どのように評価するのか?
宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(2)

<回答要旨>
所有する土地に隣接する土地を賃借して所有する土地と一体として利用している場合には、原則として、所有する土地と賃借権の設定されている土地を一団の土地(1画地の宅地)として評価した価額を基礎として所有する土地と賃借権の価額を計算することになるが、その賃借権の賃貸借期間が短いことによりその賃借権の価額を評価しない場合には、所有する土地のみを1画地の宅地として評価する。

したがって、図の場合には、甲の所有するA土地のみを1画地の宅地として評価する。

これは、一時的、臨時的な賃借権については、その経済的価値が極めて小さいものと考えられることから、その価額は評価せず、またその一方、賃借権の目的となっている雑種地の価額は、自用地価額で評価するためである。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(2)

2017年5月24日

「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年4月27日)

平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を以下のリンクのとおり改正し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。

(注)
以下のリンクのうち、アンダーラインを付した部分が改正部分である。

★『評価明細書の様式』はこちら⇒ 取引相場のない株式(出資)の評価明細書の様式
★『評価明細書の記載方法』はこちら⇒ 取引相場のない株式(出資)の評価明細書の記載方法

2017年5月18日

財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年4月27日)

昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。

(趣旨)
現下の社会経済の実態等を踏まえ、森林の立木の評価及び取引相場のない株式の評価について所要の改正を行うものである。

下記リンクの「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-12 課資2-6 課審7-1 平成29年4月27日)

2017年5月17日

宅地の評価単位-自用地と借地権

<照会要旨>
甲は、以下の図のように所有するA土地に隣接しているB土地を借地して、A、B土地上に建物を所有している。
この場合の宅地及び借地権の価額は、どのように評価するのか?
宅地の評価単位-自用地と借地権
<回答要旨>
甲の所有する土地及び借地権の価額は、A、B土地全体を1画地として評価した価額を基に、以下の算式によって評価する。
宅地の評価単位-自用地と借地権
なお、丙の貸宅地を評価する場合には、B土地を1画地の宅地として評価する。

(説明)
甲は、A土地に所有権、B土地に借地権という異なる権利を有しているが、同一の者が権利を有し一体として利用していることから、全体を1画地として評価し、各々の権利の価額はそれぞれの宅地の地積の割合に応じてあん分した価額を基に評価する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-自用地と借地権

2017年5月16日

宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(1)

<照会要旨>
甲は、以下の図のように建物の敷地部分は乙から、駐車場部分は丙からそれぞれ賃借している。
この場合の甲の有する借地権と賃借権はどのように評価するのか?
宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(1)

<回答要旨>
B土地は、スーパーマーケットの買物客の駐車場としてA土地と一体として利用されていることから、A、B土地を一団の土地(宅地)として評価し、その価額をそれぞれの土地の地積の割合に応じてあん分してA土地とB土地の価額を求め、A土地の価額に借地権割合を、B土地の価額に賃借権割合をそれぞれ乗じて借地権の価額及び賃借権の価額を評価する。
なお、乙の貸宅地(底地)の価額を評価する場合には、A土地を1画地の宅地として評価し、丙の貸し付けられている雑種地の価額を評価する場合には、B土地を一団の雑種地として評価する。

(説明)
一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価するものとしている(評基通7)。
また、一団の土地の上に存する権利が借地権及び賃借権と異なっていても、それらの権利に基づき1の者が一団の土地を一体として利用しており、その者にとって一団の土地の価額に差異は生じないものと認められることから、一団の土地の価額をそれぞれの地積の割合に応じてあん分し、借地権及び賃借権の評価の基礎となる土地(自用地)価額を算出する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(1)

2017年5月12日

平成29年分の路線価図等の公開予定日

平成29年分の路線価図等は、7月3日(月)10時に公開することを予定している。

公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがある。

2017年4月26日

宅地の評価単位-貸宅地

<照会要旨>
2以上の者に貸し付けられている宅地の価額を評価する場合の評価単位は、どのように判定するのか?

<回答要旨>
2以上の者に貸し付けられている宅地の価額は、同一人に貸し付けられている1区画の宅地ごとに評価する。
したがって、以下の図のような宅地については、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
宅地の評価単位-貸宅地

(理由)
A、B土地には、ともに他人の権利(借地権)が存し、いずれも貸宅地として利用しているが、異なる者の権利の対象となっている(借地権者が異なる)ことから、利用の単位が異なると認められるため、別個に評価する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-貸宅地

2017年4月21日

宅地の評価単位-貸宅地と貸家建付地

<照会要旨>
甲は、以下の図のように、所有する宅地の一部を乙に貸し付け、他の部分は貸家の敷地として使用している。
このような宅地の評価単位はどのように判定するのか?
宅地の評価単位-貸宅地と貸家建付地

<回答要旨>
所有する宅地の一部分を他人に貸し付け、他の部分を貸家の敷地の用に供している場合には、それぞれを1画地の宅地として評価する。
したがって、図のような宅地については、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。

(理由)
A土地には借地権が、B土地には借家権という他人の権利が存し、また、権利を有する者(借地権者、借家権者)が異なることから、利用の単位はそれぞれ異なると認められるため、別個に評価する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-貸宅地と貸家建付地

2017年4月19日

宅地の評価単位-使用貸借

<照会要旨>
使用貸借により貸し付けられている以下の図のような宅地の価額を評価する場合の評価単位は、どのように判定するのか?
宅地の評価単位-使用貸借

<回答要旨>
所有する宅地の一部を自ら使用し、他の部分を使用貸借により貸し付けている場合には、その全体を1画地の宅地として評価する。
また、自己の所有する宅地に隣接する宅地を使用貸借により借り受け、自己の所有する宅地と一体として利用している場合であっても、所有する土地のみを1画地の宅地として評価する。

したがって、上の図の(1)については、A、B土地全体を1画地の宅地として評価し、(2)については、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
なお、使用貸借に係る使用借権の価額は、零として取り扱い、使用貸借により貸し付けている宅地の価額は自用地価額で評価することに留意すること。

(理由)
使用借権は、対価を伴わずに貸主、借主間の人的つながりのみを基盤とするもので借主の権利は極めて弱いことから、宅地の評価に当たってはこのような使用借権の価額を控除すべきではない。

したがって、(1)のように、所有する宅地の一部を自己が使用し、他の部分を使用貸借により貸し付けている場合には、全体を自用の土地として1画地の宅地として評価する。
また、(2)のように、使用貸借で借り受けた宅地を自己の所有する宅地と一体として利用している場合であっても、甲の権利は極めて弱いことから、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
なお、B土地は乙の自用の土地として評価する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-使用貸借

2017年4月17日

宅地の評価単位-借地権

<照会要旨>
甲は、以下の図のように隣接している土地を乙、丙から借地して、これを一体として利用しているが、この場合の借地権の評価単位はどのように判定するのか?
宅地の評価単位-借地権

<回答要旨>
2以上の者から隣接している土地を借りてこれを一体として利用している場合の借地権の価額は、借地権の目的となっているA土地及びB土地を合わせて1画地の宅地として評価する。

なお、乙及び丙の貸宅地を評価する場合には、それぞれの所有する土地ごとに1画地の宅地として評価する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-借地権

2017年4月14日

宅地の評価単位-自用地と自用地以外の宅地が連接している場合

<照会要旨>
以下のように利用している宅地の評価単位はどのように判定するのか?
宅地の評価単位-自用地と自用地以外の宅地が連接している場合

<回答要旨>
A土地は所有者が自ら使用する他者の権利が存しない土地だが、B土地は所有者が自ら使用する一方で他人の権利(借家権)も存する土地であり、A、B両土地は利用の単位が異なっているといえるから、別個の評価単位となる。

なお、これらの土地は以下のように評価することになる。
①A土地については、通路部分が明確に区分されている場合には、その通路部分も含めたところで不整形地としての評価を行う。
通路部分が明確に区分されていない場合には、原則として、接道義務を満たす最小の幅員の通路が設置されている土地(不整形地)として評価するが、この場合には、当該通路部分の面積はA土地には算入しない。
また、無道路地としての補正は行わないことに留意する。

②B土地については、B土地を一体として評価した価額を、原則として、建物の自用部分と貸付部分との床面積の比により按分し、それぞれ自用部分の価額と貸付部分について貸家建付地としての評価をした価額を算出し、その合計金額をもって評価額とする。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-自用地と自用地以外の宅地が連接している場合

2017年4月13日

宅地の評価単位-自用地

<照会要旨>
甲は、その所有する宅地を以下の図のように居宅と自己の経営する店舗の敷地として使用している。
この場合の宅地の評価単位はどのように判定するのか?
宅地の評価単位-自用地

<回答要旨>
所有する宅地を自ら使用している場合には、居住の用か事業の用かにかかわらず、その全体を1画地の宅地として評価する。
したがって、図のように、所有する宅地をいずれも自用建物の敷地の用に供している場合には、その全体を1画地の宅地として評価する。

(理由)
自用の宅地であれば、他人の権利(借地権、賃借権、借家権等)による制約がないので、その全体を一体として利用することが可能である。
したがって、自用の宅地は、その全体を利用の単位として評価することになる。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-自用地

2017年4月7日

宅地の評価単位

<照会要旨>
宅地の評価単位である1画地の判定は、どのように行うのか?

<回答要旨>
宅地の価額は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいう。)ごとに評価する。

この場合における「1画地の宅地」の判定は、原則として、①宅地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利(原則として使用貸借による使用借権を除く)の存在の有無により区分し、②他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分するので、具体的には、例えば以下のように判定する。
なお、贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、例えば分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなどその分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」とする(いわゆる不合理分割)。

(1) 所有する宅地を自ら使用している場合には、居住の用か事業の用かにかかわらず、その全体を1画地の宅地とする。
(2) 所有する宅地の一部について普通借地権または定期借地権等を設定させ、他の部分を自己が使用している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とする。一部を貸家の敷地、他の部分を自己が使用している場合にも同様とする。
(3) 所有する宅地の一部について普通借地権または定期借地権等を設定させ、他の部分を貸家の敷地の用に供している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とする。
(4) 普通借地権または定期借地権等の目的となっている宅地を評価する場合において、貸付先が複数であるときには、同一人に貸し付けられている部分ごとに1画地の宅地とする。
(5) 貸家建付地を評価する場合において、貸家が数棟あるときには、原則として、各棟の敷地ごとに1画地の宅地とする。
(6) 2以上の者から隣接している土地を借りて、これを一体として利用している場合には、その借主の普通借地権または定期借地権等の評価に当たっては、その全体を1画地として評価する。この場合、貸主側の貸宅地の評価に当たっては、各貸主の所有する部分ごとに区分して、それぞれを1画地の宅地として評価する。
(7) 共同ビルの敷地の用に供されている宅地は、その全体を1画地の宅地として評価する。

★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位

2017年4月7日

山林の地積

<照会要旨>
山林の地積は、水平面積または傾斜面積のいずれによるのか?

<回答要旨>
立木は地表より垂線的に生育するものであり、また植樹本数は一般的には傾斜面積の多少に影響されるものではないので水平面積をその山林の地積とする。

★リンクはこちら⇒ 山林の地積

2017年4月6日

「実際の地積」によることの意義

<照会要旨>
土地の地積は、「実際の地積」によることとなっているが、全ての土地について、実測することを要求しているのか?

<回答要旨>
土地の地積を「実際の地積」によることとしているのは、台帳地積と実際地積とが異なるものについて、実際地積によることとする基本的な考え方を打ち出したものである。
したがって、全ての土地について、実測を要求しているのではない。

実務上の取扱いとしては、特に縄延(なわのび)の多い山林等について、立木に関する実地調査の実施、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄延割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することとし、それらの方法によってもその把握ができないもので、台帳地積によることが他の土地との評価の均衡を著しく失すると認められるものについては、実測を行うこととなる。

★リンクはこちら⇒ 「実際の地積」によることの意義

2017年4月4日

地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価

<照会要旨>
建物の敷地となっている宅地と、その他の雑種地からなる以下の図のようなゴルフ練習場がある。
このような土地を評価する場合には、地目ごとに区分し評価するのか?
地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価

<回答要旨>
土地の価額は、原則として地目の別に評価するが、2以上の地目からなる一団の土地が一体として利用されている場合には、その一団の土地はそのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価する。

したがって、図のように、A土地及びB土地の一団の土地がゴルフ練習場として一体利用されている場合には、その一部に建物があっても建物敷地以外の目的による土地(雑種地)の利用を主としていると認められることから、その全体が雑種地からなるものとして雑種地の評価方法に準じて評価することになる。

なお、駐車場の用に供されているC土地は、不特定多数の者の通行の用に供されている道路によりA土地及びB土地とは物理的に分離されているから、これらの土地とは区分して評価する。

(理由)
土地の価額は、原則として、宅地、田、畑、山林等の地目の別に評価する。
これは、課税時期における現況による地目の異なるごとに、価格形成要因が異なると考えられるためである。

しかし、地目別評価の原則に従うと、大規模な工場用地、ゴルフ練習場用地のように一体として利用されている一団の土地のうちに2以上の地目がある場合にも、その一団の土地をそれぞれ地目ごとに区分して評価することとなるが、これでは一体として利用されていることによる効用が評価額に反映されないため、実態に即するよう評価を行うこととしている。

★リンクはこちら⇒ 地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価

2017年3月28日

採草放牧地の地目

<照会要旨>
採草放牧地の地目はどのように判定するのか?

<回答要旨>
採草放牧地とは、農地以外の土地で、主として耕作または養畜の事業のための採草または家畜の放牧の目的に供されるものをいう(農地法21)が、これは、農地法上の土地の区分であって、不動産登記法上の土地の区分ではない。

財産評価基本通達7のいずれの地目(通常、原野または牧場)に該当するかは、課税時期の現況により判定することとなる。

★リンクはこちら⇒ 採草放牧地の地目

2017年3月27日

土地の地目の判定-農地

<照会要旨>
登記簿の地目は農地(田または畑)であるが、現況が以下のような場合には地目はどのように判定するのか?

(1) 数年前から耕作しないで放置している土地
(2) 砂利を入れて青空駐車場として利用している土地

<回答要旨>
土地の地目は、登記簿上の地目によるのではなく課税時期の現況によって判定する。

ところで、農地とは耕作の目的に供される土地をいい(農地法21)、耕作とは土地に労費を加え肥培管理を行って作物を栽培することをいう。
また、耕作の目的に供される土地とは、現に耕作されている土地のほか、現在は耕作されていなくても耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見てその現状が耕作の目的に供されるものと認められる土地(休耕地、不耕作地)も含むものとされている(平成12年6月1日12構改B第404号農林水産事務次官依命通知)。

したがって、(1)の耕作していない土地が上記のような状態に該当すれば農地と判定するが、長期間放置されていたため、雑草等が生育し、容易に農地に復元し得ないような状況にある場合には原野または雑種地と判定することになる。
また、(2)の土地のように駐車場の用に供している土地は、雑種地と判定することになる。

★リンクはこちら⇒ 土地の地目の判定-農地

2017年3月24日

土地の地目の判定

<照会要旨>
土地の地目はどのような基準で判定するのか?

<回答要旨>
土地の地目は全て課税時期の現況によって判定することとし、地目の区分は不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日民二第456号法務省民事局長通達)第68条及び第69条に準じて判定する。

なお、同準則に定める地目の定め方の概要は以下のとおり。

(1) 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地
(2) 農耕地で用水を利用して耕作する土地
(3) 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
(4) 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
(5) 原野 耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地
(6) 牧場 家畜を放牧する土地
(7) 池沼 かんがい用水でない水の貯留池
(8) 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
(9) 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地

(注)駐車場(宅地に該当するものを除く。)、ゴルフ場、遊園地、運動場、鉄軌道等の用地は雑種地となる。

★リンクはこちら⇒ 土地の地目の判定

2017年3月22日

共有地の評価

<照会要旨>
共有地の各共有者の持分の価額はどのように評価するのか?

<回答要旨>
評価しようとする土地が共有となっている場合には、その共有地全体の価額に共有持分の割合を乗じて、各人の持分の価額を算出する。

したがって、例えば共有地全体の価額が1億円の宅地を甲が4分の3、乙が4分の1の割合で共有している場合には、甲の持分の価額は7,500万円(1億円×3/4)、乙の持分の価額は2,500万円(1億円×1/4)となる。

★リンクはこちら⇒ 共有地の評価

2017年3月21日

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2024年2月1日


外国において通関手続を経ることなく本邦に返送された郵便物は、輸出の許可を受けた製造たばこに係る郵便物の本邦への引取りであり、輸入に当たるとした事例

  • 課税物品を内容とする郵便物の輸入に係るたばこ税及びたばこ特別税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和5年3月17日裁決

<ポイント>
本事例は、外国において通関手続を経ることなく本邦に返送された本件の郵便物は、外国に向けた発送手続において輸出を許可したものとみなされていることから、当該郵便物の本邦への引取りは輸入に当たり、当該郵便物は製造たばこを内容としているから、その交付を受けるためにはたばこ税等の納付等を要するものであると判断したものである。

<要旨>
請求人は、請求人が本邦から発送して輸出した製造たばこを内容とする郵便物(本件郵便物)は、外国において輸入のための通関手続を経ることなく、輸入が取りやめとなって本邦に返送されてきたものであって、外国において通関していない以上、外国から本邦に到着した貨物に当たらないから、本件郵便物の交付を受けることは「輸入」に当たらず、その交付を受けるに当たり、製造たばこの輸入に係るたばこ税及びたばこ特別税(たばこ税等)の納付等の必要はない旨主張する。

しかしながら、関税法第2条《定義》第1号のとおり、「輸入」とは、外国から本邦に到着した貨物又は輸出の許可を受けた貨物を本邦に引き取ることをいう旨規定されている。そして、本件郵便物は、本邦からの輸出を許可された貨物とみなされるところ、請求人が本件郵便物に係る製造たばこの交付を受けることは、輸出の許可を受けた製造たばこを内容とする郵便物の本邦への引取りであり、「輸入」に当たる。

よって、請求人が、本件郵便物に係る製造たばこの交付を受けるためには、たばこ税等の納付等を要することとなる。

★PDFはこちら ⇒ 外国において通関手続を経ることなく本邦に返送された郵便物は、輸出の許可を受けた製造たばこに係る郵便物の本邦への引取りであり、輸入に当たるとした事例

2024年1月18日


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2023年2月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2023年1月)

お仕事カレンダー202301 お仕事備忘録202301

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2023年1月4日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年12月)

お仕事カレンダー202212 お仕事備忘録202212

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2022年12月1日


スマホアプリ納付の利用開始について

スマホアプリ納付とは、国税庁長官が指定した納付受託者(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)が運営するスマートフォン決済専用のWebサイト(国税スマートフォン決済専用サイト)から、納税者が利用可能なPay払い(〇〇ペイ)を選択して納付する手続である。

「国税スマートフォン決済専用サイト」は、国税庁長官が指定した納付受託者が運営する国税のスマホアプリ納付専用の外部サイトである。

(注)スマホアプリ納付については、2022年12月1日(木)から利用可能である。

≪スマホアプリ納付に関する各種情報≫
国税スマートフォン決済専用サイト
外部サイト(納付受託者が運営するサイト)へ移動する。
(注)2022年12月1日(木)からアクセス可能である。

スマホアプリQ&A
スマホアプリ納付に関するQ&Aはこちらからご覧いただける。
(注)2022年12月1日(木)からアクセス可能である。

リーフレット
スマホアプリ納付のリーフレットはこちらからご覧いただける。

≪重要なお知らせ≫
フィッシング詐欺に注意!
インターネット上の手続である国税のスマホアプリ納付のご利用に当たっては、所定のアクセス方法以外の方法でアクセスすることのないよう注意すること。
(注)専用サイトのURL及び所定のアクセス方法については、2022年12月1日(木)に掲載を予定している。

≪ご利用に当たっての注意事項≫

  • アカウント残高を利用した支払方法のみ利用可能なため、事前に利用するPay払い(○○ペイ)へのアカウント登録及び残高へのチャージが必要である。
  • 全ての税目が納付可能である。ただし、印紙を貼り付けて納付する場合等、ご利用ができない税目がある。
  • 一度の納付での利用上限金額は30万円である。
    ※利用するPay払い(〇〇ペイ)で設定された上限金額により、利用可能な金額が制限される場合がある。
  • 領収書は発行されない。
    領収書が必要な方は、最寄りの金融機関又は所轄の税務署窓口で納付すること。
  • 決済手数料は発生しない。

【ご利用可能なPay払い】

  • PayPay
  • d払い
  • au PAY
  • LINE Pay
  • メルペイ
  • amazon pay

【納付手続(事前準備)】

  • 専用サイトへの入力情報の準備
    納付する税目や金額の分かるもの(確定申告書等)と、利用するスマートフォンをご準備のこと。

【納付手続】
1.専用サイトへのアクセス
インターネットの利用が可能なスマートフォンから、納付受託者が運営する「国税スマートフォン決済専用サイト」へアクセスする。
アクセス方法については、
①e-Taxから
e-Taxを利用して申告書・源泉所得税徴収高計算書データの送信又は納付情報登録依頼をした後に、メッセージボックスに格納される受信通知からアクセス

②国税庁ホームページから
国税庁ホームページに表示されている「国税スマートフォン決済専用サイト」からアクセスする方法がある。
(注)詳しい情報は2022年12月1日(木)に掲載を予定している。

2.専用サイトで納付情報を入力
(注)「国税スマートフォン決済専用サイト」での手続の流れは、2022年12月1日(木)に掲載を予定している。

★PDFはこちら⇒ [手続名]スマホアプリ納付の手続

2022年11月9日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年11月)

お仕事カレンダー202211 お仕事備忘録202211

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★お仕事備忘録のPDFはこちら⇒ お仕事備忘録2022.11

2022年11月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年10月)

お仕事カレンダー202210 お仕事備忘録202210

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2022年10月3日


パンフレット「暮らしの税情報」(令和4年度版)

国税庁は、パンフレット「暮らしの税情報」(令和4年度版)を掲載した。

このパンフレットは、令和4年4月1日現在の法令等に基づいて作成されている。

パンフレットは、2022年7月中旬頃、各税務署の窓口に設置されている。

★PDFはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(令和4年度版)

2022年9月8日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年9月)

お仕事カレンダー202209 お仕事備忘録202209

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2022年9月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年8月)

お仕事カレンダー202208 お仕事備忘録202208

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2022年8月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年7月)

お仕事カレンダー202207 お仕事備忘録202207

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2022年7月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年6月)

お仕事カレンダー202206 お仕事備忘録202206

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★お仕事備忘録のPDFはこちら⇒ お仕事備忘録2022.6

2022年6月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年5月)

お仕事カレンダー202205 お仕事備忘録202205

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★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2022.5

2022年5月2日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年4月)

お仕事カレンダー202204 お仕事備忘録202204

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★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2022.4

2022年4月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年3月)

お仕事カレンダー202203 お仕事備忘録202203

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2022年3月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年2月)

お仕事カレンダー202202 お仕事備忘録202202

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2022年2月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2022年1月)

お仕事カレンダー 202201 お仕事備忘録 202201

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2022年1月4日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年12月)

お仕事カレンダー 202112 お仕事備忘録 202112

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2021年12月1日


うんこと税金のコラボに成功!?「日本一楽しい税金ドリル」について

「税金って何のためにあるんだろう。」

財務省は、小学生の皆さんが、税金について考えるきっかけにしてほしいと思い、株式会社文響社さんの「うんこドリル」とコラボして、「うんこ税金ドリル」をつくった。

「うんこ税金ドリル」で楽しく税金について学び、家族や周りの方々と一緒に、これからの税金のあり方について関心をもってもらえれば幸いである。

「うんこ税金ドリル」には冊子とゲームがある。

詳しくはリンクからご覧のこと。

★PDFはこちら ⇒ うんこと税金のコラボに成功!?「日本一楽しい税金ドリル」について

2021年11月24日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年11月)

お仕事カレンダー202111 お仕事備忘録202111

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2021年11月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年10月)

お仕事カレンダー202110 お仕事備忘録202110

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2021年10月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年9月)

お仕事カレンダー202109 お仕事備忘録202109

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2021年9月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年8月)

お仕事カレンダー202108 お仕事備忘録202108

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★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2021.8

2021年8月2日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年7月)

お仕事カレンダー202107 お仕事備忘録202107

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★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2021.7

2021年7月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年6月)

お仕事カレンダー202106 お仕事備忘録202106

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★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2021.6

2021年6月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年5月)

お仕事カレンダー202105 お仕事備忘録202105

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★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2021.5

2021年5月6日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年4月)

取引先のゴールデンウィークによる休業日の確認を行い、納期遅れや債権の回収もれを防ぎましょう。
特に、月末月初の資金繰りは要注意です。

曜日
六曜
項  目
1 先負
2 仏滅
3 大安
4 赤口 清明
5 先勝
6 友引
7 先負
8 仏滅
9 大安
10 赤口
11 先勝
12 先負 ●源泉所得税・復興所得税・住民税特別徴収分の納付(3月分)
13 仏滅
14 大安
15 赤口 ●申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付(緊急事態宣言発令により、3月より期限延長)
●給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出
16 先勝
17 友引
18 先負
19 仏滅 ○所得税及び復興特別所得税の確定申告納付振替日(口座振替の場合)は、緊急事態宣言発令に伴い、2021年5月31日(月)に延長されました。
20 大安 穀雨
21 赤口
22 先勝
23 友引 ○個人事業者の消費税及び地方消費税の確定申告納付振替日(口座振替の場合)は、緊急事態宣言発令に伴い、2021年5月24日(月)に延長されました。
24 先負
25 仏滅
26 大安
27 赤口
28 先勝
29 友引 昭和の日
30 先負 ●固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付 ※市町村の条例で定める日まで
●健康保険・厚生年金保険料の支払(3月分)
●労働者死傷病報告書の提出(休業4日未満の1月~3月の労災事故について報告)
<お仕事備忘録>
  1. 所得税、贈与税等の申告納付期限の延長
  2. 36協定届の様式と本社一括届出の取扱い変更
  3. 改正高年齢者雇用安定法の施行(70歳までの就業機会確保の努力義務化)
  4. 賞与支払届・算定基礎届の総括表廃止
  5. 給与支払報告に係る給与所得者異動届出
  6. 社会保険料率等の変更
  7. 労働者名簿の調製
1.所得税、贈与税等の申告納付期限の延長
令和2年分の所得税、贈与税、個人事業者の消費税の確定申告・納付は、1月の緊急事態宣言の発令に伴い、4月15日まで延長されました。
また、所得税の確定申告の振替日、個人事業者の消費税の振替日も、それぞれ5月31日、5月24日に延長されています。
2.36協定届の様式と本社一括届出の取扱い変更
4月から36協定届(時間外・休日労働に関する協定届)の様式が新しくなります。
3月末からは、事業場ごとに労働者代表が異なる場合であっても、電子申請に限り36協定の本社一括届出が可能になります。
3.改正高年齢者雇用安定法の施行(70歳までの就業機会確保の努力義務化)
4月より、従来の65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会を確保するため、定年引上げや継続雇用制度導入などの「高年齢者就業確保措置」を講ずることが努力義務になります。
4.賞与支払届・算定基礎届の総括表廃止
4月1日以降、社会保険の賞与支払届や算定基礎届に添付する総括表が廃止されます。
これに伴い、賞与を不支給とする際は、新たに「健康保険・厚生年金保険賞与不支給報告書」により届け出ることになります。
5.給与支払報告に係る給与所得者異動届出
住民税の徴収方法が特別徴収である事業者で、4月1日現在で昨年の給与支払報告書を提出した社員のうち、給与の支払を受けなくなった社員がいる場合には、4月15日までにその社員が住んでいる市区町村長に届出をします。
6.社会保険料率等の変更
令和3年度の雇用保険料率は令和2年度より変更はありません。
健康保険料率、介護保険料率は3月分(4月納付分)から変更となります。
7.労働者名簿の調製
新年度が始まりましたので、労働者名簿を調製する必要があります。
退職者については退職日と退職事由を記入し、入社した者については新たに作成しておきましょう。
また、この労働者名簿については退職の日から3年間は必ず保存しておくことになっています。

★お仕事カレンダーのPDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2021.4

★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2021.4

2021年4月1日


お仕事カレンダー&お仕事備忘録(2021年3月)

確定申告期限は延長されましたが、3月決算会社は年度末です。
また、4月入社の準備等に追われる時期でもあります。
もれのないようにスケジュールを立てましょう。

<お仕事カレンダー>

曜日
六曜
項  目
1 赤口
2 先勝
3 友引
4 先負
5 仏滅 啓蟄
6 大安
7 赤口
8 先勝
9 友引
10 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(2月分)
11 仏滅
12 大安
13 友引
14 先負
15 仏滅 ●確定申告の提出期限(所得税、住民税)、所得税納付期限(現金納付)
●国外財産調書・財産債務調書の提出期限
●確定申告の税額の延納の届出期限
●所得税の総収入金額報告書提出期限
●個人の青色申告の承認申請期限(1月16日以降新規業務開始を除く)
●贈与税の申告の提出・納付期限
16 大安
17 赤口
18 先勝
19 友引
20 先負 春分の日
春分
21 仏滅
22 大安
23 赤口
24 先勝
25 友引
26 先負
27 仏滅
28 大安
29 赤口
30 先勝
31 友引 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(2月分)
●個人事業の消費税確定申告の提出期限、納付期限(現金納付)
●有害物ばく露作業報告書の提出
)4月15日まで延長。
<お仕事備忘録>
  1. 国外財産調書の提出
  2. 財産債務調書の提出
  3. 確定申告の税額の延納の届出書
  4. 個人の青色申告の承認申請
  5. 所得税の更正の請求
  6. 障害者の法定雇用率の引き上げ
  7. 同一労働同一賃金に関する法律の施行(中小企業)
1.国外財産調書の提出
居住者(非永住者以外の居住者に限られます。)が、その年の12月31日時点で、総額5,000万円を超える国外財産を有している場合には、必要事項を記載した「国外財産調書」をその年の翌年3月15日(4月15日に延長)までに提出しなければなりません。
2.財産債務調書の提出
平成27年度税制改正で財産及び債務の明細書が見直され、「財産債務調書」の提出が求められる制度が施行されています。
これにより、従来の「その年分の所得金額が2,000万円超であること」に、“かつ、「その年の12月31日において有する財産の価額の合計額が3億円以上であること、又は、同日において有する国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の対象資産の価額の合計額が1億円以上であること」”が加わっています。
提出期限は、その年の翌年3月15日(4月15日に延長)です。
3.確定申告の税額の延納の届出書
確定申告書の所定の欄に延納税額を書いて提出することにより、その税額につき延納することができます。
ただし、納付すべき所得税額の1/2相当額以上を納付期限までに納付することが条件のため、延納申請できる税額は、納付すべき所得税額の1/2相当額未満となります。
なお、納付期限は3月15日(4月15日に延長)、延納期限は納付した年の5月31日です。
4.個人の青色申告の承認申請
個人の青色申告の承認申請は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日(4月15日に延長)までに提出します。
ただし、1月16日以降に新規業務を開始する場合は、業務開始日から2ヶ月以内の申請となります。
5.所得税の更正の請求
確定申告を提出し、その申告期限後に計算の誤り等がある場合については、原則、法定申告期限から5年以内に限り、誤った申告額の訂正を求める更正の請求ができます。
6.障害者の法定雇用率の引き上げ
令和3年3月から障害者の法定雇用率が引き上げになります。
民間企業では、現行の2.2%から2.3%へと引き上げになり、障害者雇用の義務の範囲が従業員数43.5人以上の企業にまで広がります。
7.同一労働同一賃金に関する法律の施行(中小企業)
令和3年4月から、中小企業においても同一労働同一賃金に関する法律が施行されます。
企業の実態に応じて、正規労働者と非正規労働者の間に不合理な待遇差があれば、それを解消することが求められます。

★お仕事カレンダーのPDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2021.3

★お仕事備忘録のPDFはこちら ⇒ お仕事備忘録2021.3

2021年3月1日


お仕事カレンダー(2021年2月)

 2月は日にちが少ないことから、月末は日ごとの資金の出入りが激しくなります。
 スケジュール管理を徹底しましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先勝 ●贈与税の申告の提出・納付(〜3月15日)
2 友引
3 先負 立春
4 仏滅
5 大安
6 赤口
7 先勝
8 友引
9 先負
10 仏滅 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(1月分)
11 大安 建国記念の日
12 先勝
13 友引
14 先負
15 仏滅 ●労働保険料の支払(第3期分※口座振替を利用する場合)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第3期分 口座振替を利用する場合)
16 大安 ●所得税確定申告の受付開始(〜3月15日)
●所得税確定申告税額の延納届出(〜3月15日)
●所得税及び復興特別所得税の納付(〜3月15日 現金納付の場合)
17 赤口
18 先勝 雨水
19 友引
20 先負
21 仏滅
22 大安
23 赤口 天皇誕生日
24 先勝
25 友引
26 先負
27 仏滅
28 大安 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(1月分)(3月1日期限)
●じん肺健康管理実施状況報告書(3月1日期限)
●固定資産税第4期分の納付 市町村の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2021.2

2021年2月1日


お仕事カレンダー(2021年1月)

新年を迎え、気持ちも新たに仕事をスタートさせましょう。
新年早々やるべきことがたくさんあります。
もれのないように計画的に業務を進めましょう。

曜日
六曜
項  目
1 仏滅 元日
2 大安
3 赤口
4 先勝 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(2020年11月分)
●還付申告(所得税の確定申告)の受付開始
5 友引
6 先負 小寒
7 仏滅
8 大安
9 赤口
10 先勝
11 友引 成人の日
12 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(2020年12月分)
13 赤口
14 先勝
15 友引
16 先負
17 仏滅
18 大安
19 赤口
20 先勝 大寒
●源泉所得税の納期限の特例納付(2020年7~12月分)
21 友引
22 先負
23 仏滅
24 大安
25 赤口
26 先勝
27 友引
28 先負
29 仏滅
30 大安
31 赤口 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(2020年12月分)(2月1日期限)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第3期分) 口座振替を利用しない場合(2月1日期限)
●労働者死傷病報告書の提出(休業日数1~3日の労災事故[10~12月]について報告)(2月1日期限)
●個人の県民税・市町村民税の納付(第4期分)※市町村の条例で定める日まで
●税務署へ法定調書の提出(2月1日期限)
●市区町村への給与支払報告書の提出(2月1日期限)
●固定資産税の償却資産に関する申告(2月1日期限)
●給与所得者の扶養控除等申告書の回収 最初の給与支払日の前日まで
●源泉徴収票の交付

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2021.1

2021年1月4日


お仕事カレンダー(2020年12月)

12月は、賞与の支給、年末調整、年末年始の休み等で資金繰りが窮する時期です。
計画の確認をしつつ、日単位で資金繰りを管理しましょう。

曜日
六曜
項  目
1 友引 令和2年度年末年始無災害運動(~2021年1月15日)
2 先負
3 仏滅 障害者週間(~12月9日)
4 大安
5 赤口
6 先勝
7 友引 大雪
8 先負
9 仏滅
10 大安 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(11月分)
11 赤口
12 先勝
13 友引
14 先負
15 大安
16 赤口
17 先勝
18 友引
19 先負
20 仏滅
21 大安 冬至
22 赤口
23 先勝
24 友引
25 先負
26 仏滅
27 大安
28 赤口
29 先勝
30 友引
31 先負 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(11月分)(1月4日期限)
●固定資産税(都市計画税)の納付(第3期分)※市町村の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.12

2020年12月1日


お仕事カレンダー(2020年11月)

11月は、年末調整や賞与支給などの準備に追われます。
段取りよく計画をたててスムーズに業務ができるようにしましょう。

曜日
六曜
項  目
1 赤口 ●過労死等防止啓発月間(~30日まで)
●労働保険適用促進月間(~30日まで)
●テレワーク月間(~30日まで)
2 先勝
3 友引 文化の日
4 先負
5 仏滅
6 大安
7 赤口 立冬
8 先勝
9 友引 ●秋季全国火災予防運動(~15日まで)
10 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(10月分)
11 仏滅
12 大安
13 赤口
14 先勝
15 仏滅
16 大安 ●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第2期分※口座振替を利用する場合)
●所得税の予定納税額の減額申請(第2期分のみ)提出期限
17 赤口
18 先勝
19 友引
20 先負
21 仏滅
22 大安 小雪
23 赤口 勤労感謝の日
24 先勝
25 友引
26 先負
27 仏滅
28 大安
29 赤口
30 先勝 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(10月分)
●所得税の予定納税額の納付期限(第2期分)
●個人の事業税納付(第2期分) ※各都道府県の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.11

2020年11月2日


お仕事カレンダー(2020年10月)

10月は、年の終盤です。
やり残しがないように、進捗の確認や計画の見直しを随時行いましょう。

曜日
六曜
項  目
1 仏滅 ●全国労働衛生週間(~7日(水)まで)
●大学生への採用内定の通知開始
●高年齢者雇用支援月間(~31日(土)まで)
●年次有給休暇取得促進期間(~31日(土)まで)
2 大安
3 赤口
4 先勝
5 友引
6 先負
7 仏滅
8 大安 寒露
9 赤口
10 先勝
11 友引
12 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(9月分)
13 仏滅
14 大安
15 赤口
16 先勝
17 先負
18 仏滅
19 大安
20 赤口
21 先勝
22 友引
23 先負 霜降
24 仏滅
25 大安
26 赤口
27 先勝
28 友引
29 先負
30 仏滅
31 大安 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(9月分)(11月2日期限)
●労働保険料の納付(第2期分) ※口座振替を利用しない場合(11月2日期限)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第2期分) ※口座振替を利用しない場合(11月2日期限)
●労働者死傷病報告提出(休業日数1~3日の労災事故[7月~9月]について報告)(11月2日期限)
●個人の県民税・市町村民税の納付(普通徴収・第3期分) ※市町村の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.10

2020年10月1日


お仕事カレンダー(2020年9月)

台風シーズンです。
防災や安全対策の見直しを図るとともに、納期遅れ等のトラブルに備えた整備(取引先への連絡手段、代替手段など)もしておきましょう。

曜日
六曜
項  目
1 友引
2 先負
3 仏滅
4 大安
5 赤口
6 先勝
7 友引 白露
8 先負
9 仏滅
10 大安 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(8月分)
11 赤口
12 先勝
13 友引
14 先負
15 仏滅
16 大安 ※例年9月16日に開始される新卒高校生の採用選考・内定は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、本年度は10月16日より開始となります。
17 友引
18 先負
19 仏滅
20 大安
21 赤口 敬老の日
●秋の全国交通安全運動(~30日まで)
22 先勝 秋分
秋分の日
23 友引
24 先負
25 仏滅
26 大安
27 赤口
28 先勝
29 友引
30 先負 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(8月分)

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.9

2020年9月1日


お仕事カレンダー(2020年8月)

今年の夏は、マスク着用や換気など、職場の感染対策を進めながら、熱中症にも注意する必要があります。
政府が作成したガイドラインなどを参考にしながら、従業員の健康管理を行っていきましょう。

曜日
六曜
項  目
1 大安
2 赤口
3 先勝
4 友引
5 先負
6 仏滅
7 大安 立秋
8 赤口
9 先勝
10 友引 山の日
11 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(7月分)
12 仏滅
13 大安
14 赤口
15 先勝
16 友引
17 先負
18 仏滅
19 先勝
20 友引
21 先負
22 仏滅
23 大安 処暑
24 赤口
25 先勝
26 友引
27 先負
28 仏滅
29 大安
30 赤口 防災週間(~9月5日まで)
31 先勝 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(7月分)
●個人の県民税・市町村民税の納付(第2期分) ※市町村の条例で定める日まで
●個人の事業税納付(第1期分) ※各都道府県の条例で定める日まで
●労働保険の年度更新(7月10日より期限延長)
●高年齢者雇用状況報告書及び障害者雇用状況報告書の提出(7月15日より期限延長)

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.8

2020年8月3日


お仕事カレンダー(2020年7月)

社会保険の算定基礎届のほか、夏季休暇がある場合には、取引先へ事前にお知らせするとともに、取引先の休暇状況も確認しておきましょう。
新型コロナウイルスの影響を踏まえ、期限延長や猶予等の措置も講じられています。
最新情報をご確認ください。

曜日
六曜
項  目
1 先負 ●社会保険の算定基礎届の提出((~7月10日)
●所得税の予定納税額の減額申請(~7月15日)
●来春高校卒業予定者に対する学校への求人申込及び学校訪問開始
2 仏滅
3 大安
4 赤口
5 先勝
6 友引
7 先負 小暑
8 仏滅
9 大安
10 赤口 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(6月分)
●源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合の源泉所得税の納付(1~6月分)
●社会保険の算定基礎届の提出
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第1期分) ※口座振替を利用しない場合
●労働保険の年度更新は、8月31日(月)まで期限延長となりました
11 先勝
12 友引
13 先負
14 仏滅
15 大安 ●高年齢者雇用状況報告書及び障害者雇用状況報告書の提出は8月31日(月)まで期限延長となりました
●所得税の予定納税額の減額申請
16 赤口
17 先勝
18 友引
19 先負
20 仏滅
21 赤口
22 先勝 大暑
23 友引 海の日
24 先負 スポーツの日
25 仏滅
26 大安
27 赤口
28 先勝
29 友引
30 先負
31 仏滅 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(6月分)
●所得税の予定納税(第1期分)
●労働者死傷病報告書の提出(休業日数1~3日の労災事故[4月~6月]について報告)
●固定資産税(都市計画税)の納付(第2期分) ※市町村の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.7

2020年7月1日


お仕事カレンダー(2020年6月)

労働保険の年度更新、住民税の特別徴収金額の変更以外に、お中元や暑中見舞いの準備など通常業務以外の業務が立て込みます。
計画を立てて早めに業務を進めましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先勝 ●労働保険の年度更新(〜8月31日)
●高卒者の求人票受付開始
●令和3年3月大卒予定者の採用選考活動解禁日
2 友引
3 先負
4 仏滅
5 大安 芒種
6 赤口
7 先勝
8 友引
9 先負
10 仏滅 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(5月分)
11 大安
12 赤口
13 先勝
14 友引
15 先負
16 仏滅
17 大安
18 赤口
19 先勝
20 友引
21 大安 夏至
22 赤口
23 先勝
24 友引
25 先負
26 仏滅
27 大安
28 赤口
29 先勝
30 友引 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(5月分)

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.6

2020年6月1日


お仕事カレンダー(2020年5月)

月初のゴールデンウィークの休みがある事業者は、稼働日が少ない月となります。
効率よく業務を行えるように計画を立てましょう。

曜日
六曜
項  目
1 赤口
2 先勝
3 友引 憲法記念日
4 先負 みどりの日
5 仏滅 こどもの日
立夏
6 大安 振替休日
7 赤口
8 先勝
9 友引
10 先負
11 仏滅 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(4月分)
12 大安
13 赤口
14 先勝
15 友引 ●障害者雇用納付金の申告期限
●所得税及び復興特別所得税の確定申告納付振替日(口座振替の場合)
16 先負
17 仏滅
18 大安
19 赤口 ●個人事業者の消費税及び地方消費税の確定申告納付振替日(口座振替の場合)
20 先勝 小満
21 友引
22 先負
23 仏滅
24 大安
25 赤口
26 先勝
27 友引
28 先負
29 仏滅
30 大安
31 赤口 ●自動車税の納付 ※都道府県の条例で定める日まで
●健康保険・厚生年金保険料の支払(4月分)(6月1日期限)
●確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付(6月1日期限)

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.5

2020年5月1日


お仕事カレンダー(2020年4月)

取引先のゴールデンウィークによる休業日の確認を行い、納期遅れや債権の回収もれを防ぎましょう。
特に月末月初の資金繰りは要注意です。

曜日
六曜
項  目
1 大安
2 赤口
3 先勝
4 友引 清明
5 先負
6 仏滅
7 大安
8 赤口
9 先勝
10 友引 ●源泉所得税・復興所得税・住民税特別徴収分の納付(3月分)
11 先負
12 仏滅
13 大安
14 赤口
15 先勝 ●給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出
16 友引 ●確定申告の提出期限(所得税)、所得税納付期限(現金納付)
●個人事業の消費税確定申告の提出期限、納付期限(現金納付)
●贈与税の申告の提出・納付期限
※上記期限はいずれも、令和2年2月27日に国税庁より発表された期限延長の措置に基いています。
17 先負
18 仏滅
19 大安 穀雨
20 赤口
21 先勝
22 友引
23 仏滅
24 大安
25 赤口
26 先勝
27 友引
28 先負
29 仏滅 昭和の日
30 大安 ●固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付 ※市町村の条例で定める日まで
●健康保険・厚生年金保険料の支払(3月分)
●労働者死傷病報告書の提出(休業4日未満の1月~3月の労災事故について報告)

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.4

2020年4月1日


お仕事カレンダー(2020年3月)

3月は、個人事業者は確定申告手続き(2020年2月27日に、4月16日まで延長されることになりました。)、3月決算会社は年度末です。
また、4月入社の準備等に追われる時期でもあります。もれのないようにスケジュールを立てましょう。

曜日
六曜
項  目
1 友引
2 先負
3 仏滅
4 大安
5 赤口 啓蟄
6 先勝
7 友引
8 先負
9 仏滅
10 大安 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(2月分)
11 赤口
12 先勝
13 友引
14 先負
15 仏滅
16 大安 ●確定申告の提出期限(所得税、住民税)、所得税納付期限(現金納付)(※)
●贈与税の申告の提出・納付期限(※)
●国外財産調書・財産債務調書の提出期限
●個人の青色申告の承認申請期限(1月16日以降新規業務開始を除く)
(※)所得税・贈与税の確定申告提出期限や納付期限について、4月16日まで延長されることになりました(2020年2月27日)。
     住民税の確定申告提出期限の延長有無については、現時点では公表されておりませんので、各自治体にご確認ください。
17 赤口
18 先勝
19 友引
20 先負 春分の日
春分
21 仏滅
22 大安
23 赤口
24 先負
25 仏滅
26 大安
27 赤口
28 先勝
29 友引
30 先負
31 仏滅 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(2月分)
●有害物ばく露作業報告書の提出
●個人事業の消費税確定申告の提出期限、納付期限(現金納付)(※)
(※)4月16日まで延長されることになりました(2020年2月27日)。

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.3

2020年3月2日


お仕事カレンダー(2020年2月)

 2月は日にちが少ないことから、月末は日ごとの資金の出入りが激しくなります。
スケジュール管理を徹底しましょう。

曜日
六曜
項  目
1 友引
2 先負
3 仏滅 ●贈与税の申告書(書面)の受付開始(~3月16日)
●贈与税の納付(~3月16日)
4 大安 立春
5 赤口
6 先勝
7 友引
8 先負
9 仏滅
10 大安 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(1月分)
11 赤口 建国記念の日
12 先勝
13 友引
14 先負 ●労働保険料の支払(第3期分口座振替を利用する場合)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第3期分口座振替を利用する場合)
15 仏滅
16 大安
17 赤口 ●所得税確定申告(書面)の受付開始(~3月16日)
●所得税確定申告税額の延納届出(~3月16日)
●所得税及び復興特別所得税の納付(~3月16日現金納付の場合)
18 先勝
19 友引 雨水
20 先負
21 仏滅
22 大安
23 赤口 天皇誕生日
24 友引 振替休日
25 先負
26 仏滅
27 大安
28 赤口
29 先勝 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(1月分)(3月2日期限)
●じん肺健康管理実施状況報告書
●固定資産税第4期分の納付 市町村の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.2

2020年2月3日


お仕事カレンダー(2020年1月)

新年を迎え、気持ちも新たに仕事をスタートさせましょう。
新年早々やるべきことがたくさんあります。
もれのないように計画的に業務を進めましょう。

曜日
六曜
項  目
1 赤口 元日
●還付申告(所得税の確定申告)の受付開始(~3月15日)
2 先勝
3 友引
4 先負
5 仏滅
6 大安 小寒
●健康保険・厚生年金保険料の支払(11月分)
7 赤口
8 先勝
9 友引
10 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(12月分)
11 仏滅
12 大安
13 赤口 成人の日
14 先勝
15 友引
16 先負
17 仏滅
18 大安
19 赤口
20 先勝 大寒
●源泉所得税の納期限の特例納付(前年7~12月分)
21 友引
22 先負
23 仏滅
24 大安
25 先勝
26 友引
27 先負
28 仏滅
29 大安
30 赤口
31 先勝 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(12月分)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第3期分) ※口座振替を利用しない場合
●労働者死傷病報告書の提出(休業日数1~3日の労災事故[10~12月]について報告)
●個人の県民税・市町村民税の納付(第4期分) ※市町村の条例で定める日まで
●税務署へ法定調書の提出
●市区町村への給与支払報告書の提出
●固定資産税の償却資産に関する申告
●給与所得者の扶養控除等申告書の回収 ※最初の給与支払日の前日まで
●源泉徴収票の交付

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2020.1

2020年1月6日


お仕事カレンダー(2019年12月)

12月は、賞与の支給、年末調整、年末年始の休み等で資金繰りが窮する時期です。
計画の確認をしつつ、日単位で資金繰りを管理しましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先負 令和元年度年末年始無災害運動(~令和2年1月15日)
2 仏滅
3 大安 障害者週間(~12/9)
4 赤口
5 先勝
6 友引
7 先負 大雪
8 仏滅
9 大安
10 赤口 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(11月分)
11 先勝
12 友引
13 先負
14 仏滅
15 大安
16 赤口
17 先勝
18 友引
19 先負
20 仏滅
21 大安
22 赤口 冬至
23 先勝
24 友引
25 先負
26 赤口
27 先勝
28 友引
29 先負
30 仏滅
31 大安 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(11月分)(1月6日期限)
●固定資産税(都市計画税)の納付(第3期分) ※市町村の条例で定める日まで

★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.12

2019年12月2日


もっと知りたい税のこと(令和元年10月発行)

 財務省は、『もっと知りたい税のこと(令和元年10月発行)』を発行した。

2019年11月12日


お仕事カレンダー(2019年11月)

11月は、年末調整や賞与支給などの準備に追われます。
段取りよく計画をたててスムーズに業務ができるようにしましょう。

曜日
六曜
項  目
1 友引 ●過重労働解消キャンペーン(~30日まで)
●労働保険適用促進月間(~30日まで)
●テレワーク月間(~30日まで)
2 先負
3 仏滅 文化の日
4 大安 振替休日
5 赤口
6 先勝
7 友引
8 先負 立冬
9 仏滅 ●秋季全国火災予防運動(~15日まで)
10 大安
11 赤口 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(10月分)
12 先勝
13 友引
14 先負 ●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第2期分 ※口座振替を利用する場合)
15 仏滅 ●所得税の予定納税額の減額申請(第2期分のみ)提出期限
16 大安
17 赤口
18 先勝
19 友引
20 先負
21 仏滅
22 大安 小雪
23 赤口 勤労感謝の日
24 先勝
25 友引
26 先負
27 大安
28 赤口
29 先勝
30 友引 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(10月分)(12月2日期限)
●所得税の予定納税額の納付期限(第2期分)(12月2日期限)
●個人の事業税納付(第2期分) ※各都道府県の条例で定める日まで
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.11

2019年11月1日


パンフレット「暮らしの税情報」(令和元年度版)

 国税庁は、『パンフレット「暮らしの税情報」(令和元年度版)』を作成した。
 このパンフレットは、平成31年4月1日現在の法令等に基づいて作成されている。
 このパンフレットにおいて「令和元年分」とあるのは、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの期間に係る年分をいう。
 ※パンフレットは、各税務署の窓口に設置されている。

2019年10月29日


お仕事カレンダー(2019年10月)

 10月は年の終盤です。
やり残しがないように、進捗の確認や計画の見直しを随時行いましょう。
曜日
六曜
項  目
1 大安 ●全国労働衛生週間(~7日(月)まで)
●大学生への採用内定の通知開始
●高年齢者雇用支援月間
●年次有給休暇取得促進期間(~31日(木)まで)
2 赤口
3 先勝
4 友引
5 先負
6 仏滅
7 大安
8 赤口 寒露
9 先勝
10 友引 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(9月分)
11 先負
12 仏滅
13 大安
14 赤口 体育の日
15 先勝
16 友引
17 先負
18 仏滅
19 大安
20 赤口
21 先勝
22 友引 即位礼正殿の儀の行われる日
23 先負
24 仏滅 霜降
25 大安
26 赤口
27 先勝
28 仏滅
29 大安
30 赤口
31 先勝 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(9月分)
●労働保険料の納付(第2期分) ※口座振替を利用しない場合
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第2期分) ※口座振替を利用しない場合
●労働者死傷病(軽度)報告提出(休業日数1~3日の労災事故[7月~9月]について報告)
●個人の県民税・市町村民税の納付(普通徴収・第3期分) ※市町村の条例で定める日まで
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.10

2019年10月1日


お仕事カレンダー(2019年9月)

9月は台風シーズンです。
防災や安全対策の見直しを図るとともに、納期遅れ等のトラブルに備えた整備(取引先への連絡手段、代替手段など)もしておきましょう。

曜日
六曜
項  目
1 仏滅
2 大安
3 赤口
4 先勝
5 友引
6 先負
7 仏滅
8 大安 白露
9 赤口
10 先勝 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(8月分)
11 友引
12 先負
13 仏滅
14 大安
15 赤口
16 先勝 敬老の日
●新卒高校生の採用選考・内定開始
17 友引
18 先負
19 仏滅
20 大安
21 赤口 ●秋の全国交通安全運動(~30日まで)
22 先勝
23 友引 秋分
秋分の日
24 先負
25 仏滅
26 大安
27 赤口
28 先勝
29 先負
30 仏滅 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(8月分)
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー(2019年9月)

2019年9月2日


お仕事カレンダー(2019年8月)

 8月に夏季休暇がある場合には、夏季休暇分の仕事の段取りを整え、取引先への配達、支払や回収などが滞らないように注意しましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先勝
2 友引
3 先負
4 仏滅
5 大安
6 赤口
7 先勝
8 友引 立秋
9 先負
10 仏滅
11 大安 山の日
12 赤口 振替休日
13 先勝 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(7月分)
14 友引
15 先負
16 仏滅
17 大安
18 赤口
19 先勝
20 友引
21 先負
22 仏滅
23 大安 処暑
24 赤口
25 先勝
26 友引
27 先負
28 仏滅
29 大安
30 友引
31 先負 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(7月分)(9月2日期限)
●個人の県民税・市町村民税の納付(第2期分) ※市町村の条例で定める日まで
●個人の事業税納付(第1期分) ※各都道府県の条例で定める日まで
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.8

2019年8月1日


お仕事カレンダー(2019年7月)

 7月は、労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届のほか、夏季休暇がある場合には、取引先へ事前にお知らせするとともに、取引先の休暇状況も確認しておきましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先負 ●社会保険の算定基礎届の提出(~7月10日)
●所得税の予定納税額の減額申請(~7月16日)
●来春高校卒業予定者に対する学校への求人申込及び学校訪問開始
2 仏滅
3 赤口
4 先勝
5 友引
6 先負
7 仏滅 小暑
8 大安
9 赤口
10 先勝 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(6月分)
●源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合の源泉所得税の納付(1~6月分)
●労働保険の年度更新
●社会保険の算定基礎届の提出
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第1期分) ※口座振替を利用しない場合
11 友引
12 先負
13 仏滅
14 大安
15 赤口 海の日
16 先勝 ●高年齢者雇用状況報告書及び障害者雇用状況報告書の提出
●所得税の予定納税額の減額申請
17 友引
18 先負
19 仏滅
20 大安
21 赤口
22 先勝
23 友引 大暑
24 先負
25 仏滅
26 大安
27 赤口
28 先勝
29 友引
30 先負
31 仏滅 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(6月分)
●所得税の予定納税(第1期分)
●労働者死傷病報告書の提出(休業日数1~3日の労災事故[4月~6月]について報告)
●固定資産税(都市計画税)の納付(第2期分) ※市町村の条例で定める日まで
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.7

2019年7月1日


お仕事カレンダー(2019年6月)

 6月は、労働保険の年度更新、住民税の特別徴収金額の変更等のほか、お中元や暑中見舞いの準備など通常業務以外の業務が立て込みます。
 計画を立てて早めに業務を終わらせましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先勝 ●高卒者の求人票受付開始
●2020年(令和2年)3月大卒予定者の採用選考活動解禁日
2 友引
3 大安 ●労働保険の年度更新(~7月10日)
4 赤口
5 先勝
6 友引 芒種
7 先負
8 仏滅
9 大安
10 赤口 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(5月分)
●一括有期事業開始届(建設業)届出
11 先勝
12 友引
13 先負
14 仏滅
15 大安
16 赤口
17 先勝
18 友引
19 先負
20 仏滅
21 大安
22 赤口 夏至
23 先勝
24 友引
25 先負
26 仏滅
27 大安
28 赤口
29 先勝
30 友引 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(5月分)(7月1日期限)
●個人の県民税・市町村民税の納付(第1期分)※市町村の条例で定める日まで
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.6

2019年6月3日


お仕事カレンダー(2019年5月)

今年の5月は、改元に伴い、新元号への様式等の書き換えや、各種システムの変更作業等が発生します。
通常の定例業務に支障が出ないように段取りよく進めていきましょう。

曜日
六曜
項  目
1 大安 天皇の即位の日
2 赤口 国民の休日
3 先勝 憲法記念日
4 友引 みどりの日
5 仏滅 こどもの日
6 大安 振替休日
立夏
7 赤口
8 先勝
9 友引
10 先負 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(4月分)
●一括有期事業開始届(建設業)届出
11 仏滅
12 大安
13 赤口
14 先勝
15 友引 ●障害者雇用納付金の申告期限
16 先負
17 仏滅
18 大安
19 赤口
20 先勝
21 友引 小満
22 先負
23 仏滅
24 大安
25 赤口
26 先勝
27 友引
28 先負
29 仏滅
30 大安
31 赤口 ●自動車税の納付 ※都道府県の条例で定める日まで
●健康保険・厚生年金保険料の支払(4月分)
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.5

2019年5月7日


新元号に関するお知らせ(国税庁)

 天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)に基づく皇位の継承に伴い、2019年5月1日から元号が改められる予定である。
 新元号への移行に伴い国税庁ホームページや申告書等の各種様式を順次更新していく。
 なお、納税者の皆様方からご提出いただく書類は、例えば平成31年6月1日と平成表記の日付でご提出いただいても有効なものとして取り扱うこととしている。
(参考)
 元号表示を西暦で表記すると以下のとおり。
平成31年…2019年
平成32年…2020年

平成49年…2037年
 ★リンクはこちら ⇒ 新元号に関するお知らせ(国税庁)

2019年4月8日


お仕事カレンダー(2019年4月)

 今年のゴールデンウィークは改元に伴う大型連休となります。
取引先の休業日の確認を行い、納期遅れや債権の回収もれを防ぎましょう。
特に月末月初の資金繰りは要注意です。

曜日
六曜
項  目
1 先負
2 仏滅
3 大安
4 赤口
5 先負 清明
6 仏滅
7 大安
8 赤口
9 先勝
10 友引 ●源泉所得税・復興所得税・住民税特別徴収分の納付(3月分)
●一括有期事業開始届(建設業)届出
11 先負
12 仏滅
13 大安
14 赤口
15 先勝 ●給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出
16 友引
17 先負
18 仏滅
19 大安
20 赤口 穀雨
21 先勝
22 友引 ●所得税及び復興特別所得税の確定申告納付振替日(口座振替の場合)
23 先負
24 仏滅
25 大安 ●個人事業者の消費税及び地方消費税の確定申告納付振替日(口座振替の場合)
26 赤口 ●労働者死傷病報告書の提出(休業日数1~3日の労災事故[1月~3月]について報告)
27 先勝
28 友引
29 先負 昭和の日
30 仏滅 国民の休日
[以下、5月7日まで]※期限日は変更になる可能性があります。
●軽自動車税の納付 ※市町村の条例で定める日まで
●固定資産税(都市計画税)の第1期分の納付 ※市町村の条例で定める日まで
●健康保険・厚生年金保険料の支払(3月分)
●最低賃金適用報告・最低工賃適用報告・預金管理状況報告
●安全衛生教育実施結果報告
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.4

2019年4月1日


お仕事カレンダー(2019年3月)

 3月は確定申告期限であると同時に、3月決算会社は年度末です。
 また、4月入社の準備等に追われる時期でもあります。
 もれのないようにスケジュールを立てましょう。

曜日
六曜
項  目
1 先勝
2 友引
3 先負
4 仏滅
5 大安
6 赤口 啓蟄
7 友引
8 先負
9 仏滅
10 大安
11 赤口 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(2月分)
●一括有期事業開始届(建設業)届出
12 先勝
13 友引
14 先負
15 仏滅 ●確定申告の提出期限(所得税、住民税)、所得税納付期限(現金納付)
●国外財産調書・財産債務調書の提出期限
●確定申告の税額の延納の届出期限
●所得税の総収入金額報告書提出期限
●個人の青色申告の承認申請期限(1月16日以降新規業務開始を除く)
●贈与税の申告の提出・納付期限
16 大安
17 赤口
18 先勝
19 友引
20 先負
21 仏滅 春分の日
春分
22 大安
23 赤口
24 先勝
25 友引
26 先負
27 仏滅
28 大安
29 赤口
30 先勝
31 友引 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(2月分)(4月1日期限)
●個人事業の消費税確定申告の提出期限、納付期限(現金納付)(4月1日期限)
●有害物ばく露作業報告書の提出(4月1日期限)
 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.3

2019年3月1日


お仕事カレンダー(2019年2月)

2月は日にちが少ないことから、月末は日ごとの資金の出入りが激しくなります。
スケジュール管理を徹底しましょう。

曜日
六曜
項  目
1 友引 ●贈与税の申告の提出・納付(~3月15日)
2 先負
3 仏滅
4 大安 立春
5 先勝
6 友引
7 先負
8 仏滅
9 大安
10 赤口
11 先勝 建国記念の日
12 友引 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(1月分)
●一括有期事業開始届(建設業)届出
13 先負
14 仏滅 ●労働保険料の支払(第3期分※口座振替を利用する場合)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第3期分※口座振替を利用する場合)
15 大安
16 赤口
17 先勝
18 友引 ●所得税確定申告(書面)の受付開始(~3月15日)
●所得税確定申告税額の延納届出(~3月15日)
●所得税及び復興特別所得税の納付(~3月15日※現金納付の場合)
19 先負 雨水
20 仏滅
21 大安
22 赤口
23 先勝
24 友引
25 先負
26 仏滅
27 大安
28 赤口 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(1月分)
●じん肺健康管理実施状況報告書
●固定資産税第4期分の納付 ※市町村の条例で定める日まで

 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.2

2019年2月1日


お仕事カレンダー(2019年1月)

新年を迎え、気持ちも新たに仕事をスタートさせましょう。
新年早々やるべきことがたくさんあります。
もれのないように計画的に業務を進めましょう。

曜日
六曜
項  目
1 赤口 元日
●還付申告(所得税の確定申告)の受付開始(~3月15日)
2 先勝
3 友引
4 先負 ●健康保険・厚生年金保険料の支払(11月分)
5 仏滅
6 赤口 小寒
7 先勝
8 友引
9 先負
10 仏滅 ●源泉所得税・復興特別所得税・住民税特別徴収分の納付(12月分)
●一括有期事業開始届(建設業)届出
11 大安
12 赤口
13 先勝
14 友引 成人の日
15 先負
16 仏滅
17 大安
18 赤口
19 先勝
20 友引 大寒
21 先負 ●源泉所得税の納期限の特例納付(前年7~12月分)
22 仏滅
23 大安
24 赤口
25 先勝
26 友引
27 先負
28 仏滅
29 大安
30 赤口
31 先勝

●健康保険・厚生年金保険料の支払(12月分)
●継続・有期事業概算保険料延納額の支払(第3期分)
※口座振替を利用しない場合
●労働者死傷病報告書の提出(休業日数1~3日の労災事故[10~12月]について報告)
●個人の県民税・市町村民税の納付(第4期分)
※市町村の条例で定める日まで
●税務署へ法定調書の提出
●市区町村への給与支払報告書の提出
●固定資産税の償却資産に関する申告
●給与所得者の扶養控除等申告書の回収
※最初の給与支払日の前日まで
●源泉徴収票の交付

 ★PDFはこちら ⇒ お仕事カレンダー2019.1

2019年1月4日


2018年12月の税務と期限

期  限 項  目
12月10日 11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額(当年6月~11月分)の納付
 1月  4日 10月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
4月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
給与所得の年末調整
給与所得者の保険料控除申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出
固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付


★リンクはこちら ⇒ 
税務カレンダー

2018年12月1日


2018年11月の税務と期限

期 限 項 目
11月12日 10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
11月15日 所得税の予定納税額の減額申請
11月30日 所得税の予定納税額の納付(第2期分)
特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
9月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
3月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
個人事業税の納付(第2期分)

 ★リンクはこちら ⇒ 税務カレンダー

2018年11月1日


「やさしい税金教室」「こんなときこんな税金~私の税金ナビ」について

日本税理士会連合会(いわゆる日税連)は、平成30年度版の「やさしい税金教室」と「こんなときこんな税金~私の税金ナビ」を作成した。

「やさしい税金教室」は、納税者の方向けに複雑な税金の仕組みについてQ&A形式で解説した小冊子である。

また、「こんなときこんな税金~私の税金ナビ」は、人生のさまざまな場面でどのような税金を負担する必要があるかを簡単に紹介したものである。

 ★「やさしい税金教室」はこちら ⇒ やさしい税金教室
 ★「こんなときこんな税金~私の税金ナビ」はこちら ⇒ こんなときこんな税金~私の税金ナビ

2018年10月26日


タックスアンサーコード一覧

 国税庁は、「タックスアンサー」・「タックスアンサーコード一覧」の掲載内容を更新した(平成30年8月31日)。

 ★リンクはこちら ⇒ タックスアンサーコード一覧

2018年10月1日


2018年10月の税務と期限

期 限 項 目
10月10日 9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10月15日 特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
10月31日 8月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
2月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)

 ★リンクはこちら ⇒ 税務カレンダー

2018年10月1日


租税教育講義用テキスト2018

日本税理士会連合会(いわゆる日税連)は、税理士が租税教育に取り組むにあたっての考え方や方針を示し、租税教室の講師を務める際の参考に資することを目的に「租税教育講義用テキスト」を発行しており、授業準備にあたっての注意事項や小中学校及び高校向けの授業シナリオ、各種教材・資料、日税連が制定した租税教育等基本指針などを掲載している。

パワーポイントデータについて、画像がうまく表示されない場合は、一度デスクトップ等にファイルを保存してから開くこと。

 ★リンクはこちら ⇒ 租税教育講義用テキスト2018

2018年9月19日


パンフレット「暮らしの税情報」(平成30年度版)

国税庁は、『パンフレット「暮らしの税情報」(平成30年度版)』をホームページに掲載した。
目次は以下のとおり。

  • 税の基礎知識
  • 給与所得者と税
  • 高齢者や障害者と税
  • 暮らしの中の税
  • 不動産と税 贈与・相続と税
  • 申告と納税
  • その他

 ★リンクはこちら ⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(平成30年度版)

2018年9月7日


2018年9月の税務と期限

期  限 項  目
9月10日 8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10月1日 7月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
1月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の
1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

 ★リンクはこちら ⇒ 税務カレンダー

2018年9月3日


2018年8月の税務と期限

期  限 項  目
8月10日 7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8月31日 6月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
12月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごと
の中間申告<消費税・地方消費税>
消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の
1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
個人事業者の当年分の消費税・地方消費税の中間申告
個人事業税の納付(第1期分)
個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)


★リンクはこちら ⇒ 
税務カレンダー

2018年8月1日


もっと知りたい税のこと(平成30年6月発行)

財務省は、『もっと知りたい税のこと(平成30年6月発行)』をホームページに公表した。

本パンフレットは現在、印刷製本作業中であり、発送は7月下旬~8月中旬頃から開始する予定とのこと。

目次は、以下のとおり。

1 「税」の意義と役割を知ろう
2 「税」の現状を知ろう
3 「所得税」を知ろう
4 「相続税」と「贈与税」を知ろう
5 「消費税」を知ろう
6 「法人税」を知ろう
7 「国際課税」を知ろう


★リンクはこちら ⇒ 
もっと知りたい税のこと(平成30年6月発行)

2018年7月20日

カテゴリー
記事

譲渡所得

個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の令和7年度税制改正のあらまし(令和7年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の令和7年度税制改正のあらまし(令和7年5月)』を掲載しました。

このあらましは、令和7年3月31日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)」等の主な改正の概要を掲載しています。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の令和7年度税制改正のあらまし(令和7年5月)

2025年6月25日


公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし(令和7年5月)

国税庁は、ホームページに『公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし(令和7年5月)』を掲載しました。

個人が、土地、建物、株式などの財産(事業所得の基因となるものを除きます。)を法人に寄附した場合には、これらの財産は寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税されます


これは、個人から法人に土地、建物などの財産が無償で移転するときに、個人に帰属する値上がり益に対する所得税を精算するための制度的要請によるものです。

ただし、これらの財産(国外の土地など一定のものを除きます。)を公益法人等に寄附した場合に、一定の承認要件を満たすものとして国税庁長官の承認(以下「非課税承認」
といいます。)を受けたときは、この所得税を非課税とする制度が設けられています。

この非課税制度には、「一般特例」と「承認特例」の2つの制度があり、それぞれ対象となる法人の種類や承認要件などが異なります。

★リンクはこちら⇒ 公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし(令和7年5月)

2025年6月23日


特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要です(令和6年6月)

国税庁は、『特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要です(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

「特定の事業用資産の買換えの特例」の内容についての詳細は、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例」をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けるためには事前に届出が必要です(令和6年6月)

2024年7月19日


個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和6年度税制改正のあらまし(令和6年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和6年度税制改正のあらまし(令和6年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、令和6年3月30日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和6年法律第8号)」等の主な改正の概要を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和6年度税制改正のあらまし(令和6年5月)

2024年6月14日


個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の令和5年度税制改正のあらまし(令和5年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和5年度税制改正のあらまし(令和5年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、令和5年3月31日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和5年法律第3号)」等の主な改正の概要を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和5年度税制改正のあらまし(令和5年5月)

2023年6月5日


個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和4年度税制改正のあらまし(令和4年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和4年度税制改正のあらまし(令和4年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、令和4年3月31日付で公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和4年法律第4号)」等の主な改正の概要を掲載している。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和4年度税制改正のあらまし(令和4年5月)

2022年7月21日


「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達 課資3-5 課個2-8 課法11-25 課審7-11 令和3年6月25日)

平成14年6月24日付課資3-1ほか3課共同「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)、昭和46年8月26日付直資4-5ほか2課共同「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)、昭和45年7月1日付直審(所)30「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)、平成24年1月26日付課資3-1ほか2課共同「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の制定等に伴う所得税(譲渡所得関係)の取扱いについて」(法令解釈通達)及び令和元年6月28日付課資3-3ほか3課共同「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について」(法令解釈通達)の一部を下記のとおり改正したから、これによられたい。

(趣旨)
所得税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第11号)等の施行に伴い、譲渡所得等に関する取扱いの整備を行ったものである。

リンク先の「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

(注)リンク先には、この改正により新たに取扱いを定めたものについてはその全文を掲げ、単に法令改正に伴い引用条文等を改めたものについては原則としてその改正箇所のみ掲げることとした。

★「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」関係はこちら⇒ 「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」関係

★「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」本文関係はこちら⇒ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」本文関係

「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」別表関係はこちら⇒ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」別表関係

★「所得税基本通達の制定について」関係はこちら⇒ 「所得税基本通達の制定について」関係

★「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の制定等に伴う所得税(譲渡所得関係)の取扱いについて」関係はこちら⇒ 「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の制定等に伴う所得税(譲渡所得関係)の取扱いについて」関係

★令和元年6月28日付課資3-3ほか3課共同「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について」関係はこちら⇒ 令和元年6月28日付課資3-3ほか3課共同「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について」関係

2021年7月21日


個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和3年度税制改正のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、「個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和3年度税制改正のあらまし(令和3年5月)」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が土地・建物等や株式等を譲渡した場合の令和3年度税制改正のあらまし(令和3年5月)

2021年5月14日


公益法人等に財産を寄附した場合おける譲渡所得等の非課税の特例のあらまし

国税庁は、『公益法人等に財産を寄附した場合おける譲渡所得等の非課税の特例のあらまし』をホームページに掲載した。

個人が、土地、建物、株式などの財産 (事業所得の基因となるもを除く。)を法人に寄附した場合には、これらの財産は寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、 これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税される

これは、個人から法人に土地、建物などの財産が無償で移転するときに、個人に帰属する値上がり益に対する所得税を精算するための制度的要請によるものである。

ただし、これらの財産(国外の土地など一定のものを除きます。)を公益法人等に寄附した場合に、一定の承認要件を満たすものとして国税庁長官の承認(以下「非課税承認」という。)を受けたときは、この所得税を非課税とする制度が設けられている。

この非課税制度には、「一般特例」と「承認特例」の2つの制度があり、それぞれ対象となる法人の種類や承認要件などが異なる。

★リンクはこちら⇒ 公益法人等に財産を寄附した場合おける譲渡所得等の非課税の特例のあらまし

2020年8月25日


未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合

<照会要旨>
私は、今年の6月に、所有する土地及び家屋を3,000万円で譲渡する売買契約を締結した。譲渡した土地及び家屋には本年度分の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)が課されているところ、その売買契約では、譲渡から今年の年末までの期間に係る固定資産税等に相当する額(以下「未経過固定資産税等に相当する額」という。)を、買主が私に支払うことになっている。
この受け取った未経過固定資産税等に相当する額は、譲渡所得の計算上、収入金額に算入することになるか。

<回答要旨>
支払を受けた未経過固定資産税等に相当する額は、譲渡所得の収入金額に算入される。

固定資産税等は、各年ごとに、その賦課期日(その年度の初日の属する年の1月1日)における土地または家屋の所有者を納税義務者として課されるものであり、その年度の賦課期日後に所有者の異動が生じたとしても、新たに所有者となった者がその賦課期日を基準として課される固定資産税等の納税義務を負担することはない。
固定資産税等の賦課期日とは異なる日をもって土地建物の売買契約を締結するに際し、買主が売主に対し、売主が納税義務を負担する固定資産税等の税額のうち未経過固定資産税等に相当する額を支払うことを合意した場合、この合意は、土地及び家屋の売買契約を締結するに際し、売主が1年を単位として納税義務を負う固定資産税等につき、買主がこれを負担することなくその土地及び家屋を所有する期間があるという状況を調整するために個々的に行われるものであると考えられる。

このことからすれば、支払を受けた未経過固定資産税等に相当する額は、実質的にはその土地及び家屋の譲渡の対価の一部を成すものと解するのが相当と考えられる。

★リンクはこちら⇒ 未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合

2015年12月14日

NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の拡充等(平成27年10月)

  • 20歳以上の居住者等を対象として、非課税口座で取得した上場株式等の配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益が非課税となるNISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)について、平成28年1月1日以後、非課税口座に設けられる各年分の非課税管理勘定に受け入れることができる上場株式等の取得対価の額の限度額が120万円(平成27年分以前は100万円)になる。
  • 平成28年1月1日以後、非課税口座を開設するため、金融商品取引業者等に対して「非課税適用確認書の交付申請書」及び「基準日(注)における住所を証する書類(住民票の写し(提出日前6か月以内に作成されたもの)等)」の提出をする際、または「非課税適用確認書」及び「非課税口座開設届出書」の提出をする際には、氏名、生年月日、住所に加え、個人番号の告知が必要になる。
    また、平成28年1月1日前に非課税口座開設届出書を提出して非課税口座を開設した居住者等は、同日から3年を経過した日以後最初に非課税口座内の上場株式等の譲渡または配当等の受入れをする日までに、金融商品取引業者等に対して個人番号を告知する必要がある。
 非課税対象  非課税口座内の少額上場株式等の配当等、譲渡益
 開設者(対象者)  口座開設の年の1月1日において20歳以上の居住者等
 口座開設可能期間  平成26年1月1日から平成35年12月31日までの10年間
 金融商品取引業者等の変更 一定の手続の下で、1非課税管理勘定(各年分)ごとに変更可
 非課税投資額  1非課税管理勘定における投資額(①新規投資額及び②継続適用する 

上場株式等の移管された日における終値に相当する金額の合計額) 

は120万円を上限(未使用枠は翌年以後繰越不可)
 非課税期間  最長5年間、途中売却可(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
 非課税投資総額  最大600万円(120万円(平成27年分以前は100万円)×5年間)

(注)勘定設定期間及び各勘定設定期間に対応する基準日は、以下のとおり。

 勘定設定期間  基準日
 平成26年1月1日から平成29年12月31日まで  平成25年1月1日
 平成30年1月1日から平成33年12月31日まで  平成29年1月1日
 平成34年1月1日から平成35年12月31日まで  平成33年1月1日

★リンクはこちら⇒ NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の拡充等(平成27年10月)

2015年11月20日

ジュニアNISA(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)が始まります(平成27年10月)

 非課税対象  未成年者口座内の少額上場株式等の配当等、譲渡益
 開設者(対象者)  口座開設の年の1月1日において20歳未満又はその年に出生した居住者等
 口座開設可能期間  平成28年4月1日から平成35年12月31日までの8年間 

(口座開設の申込みは平成28年1月から可)
 金融商品取引 

業者等の変更
 変更不可(1人につき1口座のみ)
 非課税投資額  1非課税管理勘定における投資額(①新規投資額及び②継続適用する上場株式等の移管された 

日における終値に相当する金額の合計額)は80万円を上限(未使用枠は翌年以後繰越不可)
 非課税期間  最長5年間、途中売却可(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
 非課税投資総額  最大400万円(80万円×5年間)
 払出制限  その年の3月31日において18歳である年(基準年)の前年12月31日までは、原則として 

未成年者口座及び課税未成年者口座からの払出しは不可

★リンクはこちら⇒ ジュニアNISA(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)が始まります(平成27年10月)

2015年11月10日

特定口座制度

特定口座には、以下のとおり、簡易申告口座と源泉徴収口座の2種類があり、金融商品取引業者等に特定口座を開設した場合、その特定口座内における上場株式等の売却による所得の金額については、他の株式等の売却による所得と区分して計算する。
なお、この計算は金融商品取引業者等が行う。

(1)簡易申告口座
簡易申告口座とは、金融商品取引業者等から送られてくる特定口座年間取引報告書により、簡便に申告を行うことができる口座のことをいう。

(2)源泉徴収口座
源泉徴収口座とは、特定口座内で生じる所得に対して源泉徴収(20%(所得税15%、住民税5%))することを選択することにより、その特定口座における上場株式等の売却による所得を申告不要とすることができる口座のことをいう。
なお、金融商品取引業者等を通じて支払を受ける上場株式等の配当等については、その金融商品取引業者等に開設している源泉徴収口座に受け入れることができる。
また、上場株式等の配当等を受け入れた源泉徴収口座内に上場株式等を売却したことにより生じた譲渡損失の金額があるときは、上場株式等の配当等の額の総額からその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡損失の金額を控除(損益通算)した金額を基に源泉徴収税額が計算される。

◆源泉徴収口座における留意点◆

  • 源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得またはその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得を申告するかどうかは口座ごとに選択できる(1回の売却ごと、1回に支払を受ける配当等ごとの選択はできない。)。
  • 源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得とその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得のいずれかのみを申告することができる。
    ただし、源泉徴収口座の譲渡損失の金額を申告する場合には、その源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得も併せて申告しなければならない。
  • 源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得または配当所得を申告した後に、その源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得または配当所得を申告しないこととする変更はできない。
    また、源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得の金額または配当所得の金額を含めないで申告した後に、その源泉徴収口座における上場株式等の売却による所得または配当所得を申告することとする変更もできない。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が上場株式等を保有・売却した場合の金融・証券税制について

2015年3月18日

上場株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除

平成21年分以後の各年分において上場株式等を金融商品取引業者等を通じて売却したことにより生じた譲渡損失の金額は、確定申告により、その年分の上場株式等に係る配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る。以下同じ。)と損益通算ができる。

また、損益通算してもなお控除しきれない譲渡損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除できる。

★リンクはこちら⇒ 個人の方が上場株式等を保有・売却した場合の金融・証券税制について

2015年3月16日

株式を売却した場合の所得金額及び所得税額(住民税額)の計算

株式等の売却による所得金額及び所得税額(住民税額)は、以下のように計算する。

(1)所得金額の計算
売却価額-(取得費()十委託手数料等)=所得金額


株式等の取得費は、その購入価額(購入手数料等を含む。)となるが、同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合には、総平均法に準ずる方法によって算出した1株当たりの金額に売却株数を乗じて計算した金額が、その取得費の金額となる。

(2)所得税額(住民税額)の計算
所得金額(譲渡益)×所得税15%(ほかに住民税5%)=所得税額(住民税額)

★リンクはこちら⇒ 個人の方が上場株式等を保有・売却した場合の金融・証券税制について

2015年3月13日

同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費は…

同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入し、その株式等の一部を譲渡した場合の取得費は、総平均法に準ずる方法によって求めた1単位当たりの価額を基に計算する。

総平均法に準ずる方法とは、株式等をその種類及び銘柄の異なるごとに区分して、その種類等の同じものについて以下の算式により計算する方法を言う。

((A+B)÷(C+D)=1単位当たりの価額)

 A  株式等を最初に購入した時(その後既にその株式等を譲渡している場合には、直前の譲渡の時)の購入価額の総額
 B  株式等を最初に購入した後(その後既にその株式等を譲渡している場合には、直前の譲渡の後)から今回の譲渡の時までの購入価額の総額
 C  Aに係る株式等の総数
 D  Bに係る株式等の総数

2013年5月21日

取得費を計算する際の1単位当たりの価額の調整が必要な場合は…

取得費は、株式等の取得に要した1単位当たりの価額に株数等を乗じて計算するが、その1単位当たりの価額が調整される場合がある。
その主なものは以下のことが生じた場合またはそれによる株式等の取得があった場合である。

  1. 株式等の分割または併合が行われた場合
  2. 同一種類の株式を株主割当てにより取得した場合
  3. 課税の繰延べの対象となる合併により合併法人の株式等を取得した場合
  4. 課税の繰延べの対象となる分割型分割により分割承継法人の株式等を取得した場合
  5. 課税の繰延べの対象となる株式交換または株式移転により株式交換完全親法人または株式移転完全親法人の株式等を取得した場合

2013年5月17日

払込みや購入以外で株式等を取得した場合の取得費は…

払込みや購入以外での株式等の主な取得原因とそれに係る取得費は、以下のとおり。
(1)相続(限定承認を除く。)、遺贈(限定承認を除く。)または贈与により取得した場合
●被相続人、遺贈者又は贈与者の取得費を引き継ぐ。

(2)発行法人から与えられた以下に掲げる権利の行使により取得した株式等(いわゆる税制適格ストックオプションの行使により取得する特定権利行使株式を除く。)
イ 平成13年法律第79号による改正前の商法に規定する株式譲渡請求権
●その権利の行使の日における価額
ロ 平成13年法律第128号による改正前の商法に規定する新株の引受権
●その権利の行使の日における価額
ハ 改正前の商法に規定する新株予約権
●その権利の行使の日における価額
会社法第238条第2項の決議等に基づき交付された新株予約権(新株予約権を引き受ける者に特に有利な条件、金額であるとされるものまたは役務の提供による対価であるとされるものに限る。)
●その権利の行使の日における価額
ホ 株式と引換えに払い込むべき金額が有利な場合におけるその株式を取得する権利(イからニに該当するものを除く。)
●その権利に基づく払込みまたは給付の期日における価額

(3)発行法人の株主等として与えられた新たな払込みや給付を要しないで取得した株式(下記の3(2)で取得費を調整する場合を除く。)または新株予約権
●零

(4)(1)から(3)以外の方法により取得した株式
●その取得の時におけるその株式等の取得のために通常要する価額

2013年5月15日

譲渡した株式等の取得費は…

株式等を譲渡(売却)した場合の譲渡所得の金額は、以下のように計算する。

(譲渡所得=譲渡価額(売却金額)-取得費(取得価額)-売却手数料等)

取得費(取得価額)は、株式等を取得したときに支払った払込代金や購入代金だが、購入手数料(購入手数料に係る消費税も含まれる。)のほか購入時の名義書換料などその株式等を取得するために要した費用も含まれる。

2013年5月13日

株式としての価値を失ったことによる損失と上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の関係

特定管理株式について、その発行会社が解散し清算が結了したことから、その株式としての価値を失ったことによる損失が株式等の譲渡による損失の金額とみなされることになったが、特定管理株式は「上場株式等に該当しないこととなった内国法人の株式」であることから、上場株式等を対象とする「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」の適用対象とはならない。
したがって、株式としての価値を失ったことによる損失の金額が当年分の他の株式等の譲渡益から控除しきれない場合に、これを翌年以降に繰り越して控除することはできない。

2012年11月13日

ゴルフ会員権を譲渡したときは…

1.課税方法
ゴルフ会員権は、特定の会社の株主にならなければ、会員となれない会員権とその他の会員権とに区分されるが、これらの会員権を譲渡したときの所得は、いずれも譲渡所得として事業所得や給与所得などの所得と合わせて総合課税の対象となる。

2.計算方法
この場合の所得金額の計算は、その会員権の所有期間に応じて以下のとおりとなる。
(1)所有期間が5年以内のもの(短期譲渡所得)
譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-50万円(特別控除額(注))
(2)所有期間が5年を超えるもの(長期譲渡所得)
課税される金額={譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-50万円(特別控除額(注))}✕1/2
(注)
譲渡所得の特別控除の額は、その年のゴルフ会員権の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額に対して50万円である。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できない。
また、(1)と(2)の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合わせて50万円が限度で、(1)の譲渡益から先に控除する。

3.注意事項

  • ゴルフ会員権を売ったことにより生じた損失は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することができる。
    ただし、ゴルフ場経営法人が破産した場合など損益通算できない場合がある。
  • ゴルフ会員権の譲渡が営利を目的として継続的に行われている場合には、その実態に応じて事業所得または雑所得となる。

2012年10月30日

譲渡した土地・建物の取得費が分からない時はどうするのか…

譲渡所得の金額は、土地や建物を譲渡した金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算する。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額である。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額である。

しかし、譲渡した土地建物が先祖伝来のものであるとか、 買い入れた時期が古いなどのため取得費が分からない場合には、取得費の額を譲渡した金額の5%相当額とすることができる。
なお、取得費が分かっている場合でも、実際の取得費が譲渡した金額の5%相当額を下回る場合も同様である。

2012年10月25日

相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期はいつになるのか…

1.相続や贈与によって取得した資産の取得費
譲渡所得の金額は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算する。
取得費は、土地の場合、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額である。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額である。
譲渡した土地建物の中には相続や贈与により取得したものもある。
この場合の取得費は、死亡した人や贈与した人がその土地建物を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算する。
なお、業務に使われていない土地建物を相続や贈与により取得した際に相続人や受贈者が支払った登記費用や不動産取得税の金額も取得費に含まれる。

2.相続や贈与によって取得した資産の取得の時期
取得の時期は、通常、売った土地建物を買い入れた日だが、相続や贈与で取得したときは、死亡した人や贈与した人の取得の時期がそのまま取得した人に引き継がれる。
したがって、死亡した人や贈与した人が取得した時から、相続や贈与で取得した人が譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期か短期かを判定することになる。

2012年10月23日

ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱い

ゴルフ会員権の譲渡所得に係る取得費の取扱いが変更になった。

<従来の取扱い>
預託金会員制ゴルフ会員権とは、契約上の地位であり、優先的施設利用権と預託金返還請求権をその内容とする譲渡所得の基因となる資産(事実上の権利)となる。このため、ゴルフ会員権を巡る種々の方策の判定に当たってのメルクマールは、そのゴルフ会員権はゴルフ会員権としての性質を有しているか(維持しているか)、という点を基本として取り扱ってきた。
このことから、自主再建型の再建が行われたゴルフクラブのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費は、会社更生法に基づく更生計画による更生手続等により、預託金債権の一部のみを切り捨てられた場合には、切り捨てられた損失の金額は認識せず、取得価額から減額(付け替え)しないものと取り扱い、また、預託金債権の全額を切り捨てられた場合には、更生手続等により取得した優先的施設利用権のみのゴルフ会員権の時価相当額として取り扱ってきた。

<今後の取扱い>
上記の従来の取扱いの一部を以下のとおり変更する。
預託金会員制ゴルフ会員権が会社更生法に基づく更生計画による更生手続等(注)によって、預託金債権の全額を切り捨てられたことにより優先的施設利用権(年会費等納入義務等を含む。以下同じ。)のみのゴルフ会員権となったときであっても、当該更生手続等により優先的施設利用権が、以下に掲げる状況その他の事情を総合勘案し、更生手続等の前後で変更なく存続し同一性を有していると認められる場合には、その後に当該優先的施設利用権のみのゴルフ会員権を譲渡した際の譲渡所得の金額の計算において、当該譲渡による収入金額から控除する取得費については、更生手続等前の預託金会員制ゴルフ会員権を取得したときの優先的施設利用権部分に相当する取得価額とする。

  • 当該更生計画等の内容から、優先的施設利用権が会員の選択等にかかわらず、当該更生手続等の前後で変更がなく存続することが明示的に定められていること。
  • 当該更生手続等により優先的施設利用権のみのゴルフ会員権となるときに、新たに入会金の支払いがなく、かつ、年会費等納入義務等を約束する新たな入会手続が執られていないこと。

(注)
会社更生法に基づく更生計画による更生手続と同等の法的効果を有する民事再生法に基づく再生計画による再生手続等を含む。

<所得税の還付手続>
上記の取扱いの変更は、過去に遡って適用することとし、これにより、過去の所得税の申告の内容に異動が生じ所得税が納めすぎになる場合には、国税通則法の規定に基づき、この取扱いの変更を知った日の翌日から2か月以内に所轄の税務署に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている所得税が還付となる。
更正の請求をする場合は、更生計画など上記に掲げた内容が分かる書類を併せて提出する必要がある。
なお、法定申告期限等から既に5年を経過している年分の所得税については、法令上、減額できないこととされているので留意が必要である。

2012年8月28日

個人から個人への固定資産の低額譲渡

時価の2分の1以上であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は課税されない
  • 譲受者
    相続税評価額または通常の取引価額(土地・家屋などはこちらのみ)と譲受価額の差額はみなし贈与
    取得価額は譲受価額

時価の2分の1未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は課税されない
    (時価で譲渡したとされる、いわゆる『みなし譲渡』課税はない)
    ただし、譲渡損はなかったものとされる
  • 譲受者
    相続税評価額または通常の取引価額(土地・家屋などはこちらのみ)と譲受価額の差額はみなし贈与
    取得価額は譲受価額
    ただし、譲渡者に譲渡損が発生する場合は、譲渡者の取得価額・取得時期を引き継ぐ

2011年11月4日

個人から法人への固定資産の低額譲渡

時価の2分の1以上であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は原則として課税されない
    (同族会社等の行為計算の否認の可能性あり)
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は受贈益
    取得価額は時価

時価の2分の1未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は譲渡所得
    (時価で譲渡したとされる、いわゆる『みなし譲渡』となる)
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は受贈益
    取得価額は時価

2011年11月2日

法人から個人への固定資産の低額譲渡

時価未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は寄附金(譲受者が役員の場合は役員給与)
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は一般的には一時所得(譲受者が役員の場合は役員給与)
    取得価額は時価

2011年11月1日

法人から法人への固定資産の低額譲渡

時価未満であれば、以下ような取り扱いとなる。

  • 譲渡者
    時価と譲渡価額の差額は寄附金
  • 譲受者
    時価と譲受価額の差額は受贈益
    取得価額は時価

2011年10月31日

相続税評価額による土地の譲渡

時価とは、客観的交換価値のことをいう。

よって、相続税評価額が時価と言えるかどうかが問題となる。

相続税評価額と同水準かそれ以上の価額で譲渡すれば、原則として、『著しく低い価額』による譲渡とはいえず、例外として、何らかの事情により相続税評価額が時価の80%よりも低くなっており、それが明らかであると認められる場合のみ、『著しく低い価額』による譲渡となりうる。

(東京地方裁判所 平成19年8月23日判決)

2011年9月29日

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贈与税

非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和7年5月)

国税庁は、ホームページに『非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和7年5月)』を掲載しました。

法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。

この法人版事業承継税制には、「一般措置」と「特例措置」の2つの制度があり、特例措置については、事前の計画策定等や適用期限が設けられていますが、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の最大3分の2まで)の撤廃や納税猶予割合の引上げ(80%から100%)がされているなどの違いがあります。

★リンクはこちら ⇒ 非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和7年5月)

2025年6月24日


個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和7年5月)

国税庁は、ホームページに『個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和7年5月)』を掲載した。

個人版事業承継税制は、青色申告(正規の簿記の原則によるものに限ります。)に係る事業(不動産貸付業等を除きます。)を行っていた事業者の後継者(※1)として円滑化法の認定を受けた者が、平成31年1月1日から令和10年12月31日まで(※2)の贈与又は相続等により、特定事業用資産を取得した場合は、

その青色申告に係る事業の継続等、一定の要件のもと、その特定事業用資産に係る贈与税・相続税の全額の納税が猶予され、
後継者の死亡等、一定の事由により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納税が免除されるものです。

※1
平成31年4月1日から令和8年3月31日までに「個人事業承継計画」を都道府県知事に提出し、確認を受けた者に限ります。

※2
先代事業者と生計を一にする親族からの特定事業用資産の贈与・相続等については、上記の期間内で、先代事業者からの贈与・相続等の日から1年を経過する日までにされたものに限ります。

★リンクはこちら ⇒ 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和7年5月)

2025年6月20日


「資産課税関係の申請、届出等の様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

標題のことについては、平成17年3月22日付課資5-11ほか6課共同「資産課税関係の申請、届出等の様式の制定について」(法令解釈通達)の一部を別紙「新旧対照表」のとおり改正したから、今後これによられたい。

(趣旨)
税制改正等に伴い、所要の整備を図るものである。

★リンクはこちら ⇒ 「資産課税関係の申請、届出等の様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)

2025年1月28日


令和6年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、『令和6年分贈与税の申告書等の様式一覧)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和6年分贈与税の申告書等の様式一覧

2025年1月7日


令和6年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、『令和6年分贈与税の申告のしかた』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和6年分贈与税の申告のしかた

2024年12月18日


非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要(令和6年6月)

国税庁は、『非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

災害により被害を受けた会社又は中小企業信用保険法第2条第5項第1号から第4号までのいずれかの事由(これらの事由と災害を併せて、以下「災害等」といいます。)に該当した会社に係る非上場株式等については、贈与税・相続税の納税猶予及び免除(法人版事業承継税制)の適用に当たり一定の要件のもと、次の措置が講じられています。

⑴納税猶予の免除事由の追加
贈与税・相続税の納税猶予の適用を受けている次の①又は②の者については、経営承継期間等内に破産等した場合でも納税猶予税額が免除されます。
①災害等の発生前に贈与によりその非上場株式等を取得した者
②災害等の発生した日から1年を経過する日の前日までにその非上場株式等を相続又は遺贈(以下「相続等」といいます。)により取得した者

⑵納税猶予期間中の事業継続要件等の緩和
上記⑴①又は②の者については、納税猶予期間中の要件が免除又は緩和されます。

⑶相続税の納税猶予の適用要件の緩和
災害等が発生した日から同日以後1年を経過する日までの間に相続等により取得等したその会社の非上場株式等について後継者が相続税の納税猶予の適用を受ける場合には、その適用要件のうちの一部が不要とされています。

「災害」とは、震災、風水害、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害及び火災、鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害並びに害虫、害獣その他の生物による異常な災害をいいます。

★リンクはこちら ⇒ 非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要(令和6年6月)

2024年7月24日


年次報告書・継続届出書の「報告基準日」について~申告期限が延長されている場合は報告基準日も延長されます~(令和6年6月)

国税庁は、『年次報告書・継続届出書の「報告基準日」について~申告期限が延長されている場合は報告基準日も延長されます~(令和6年6月)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 年次報告書・継続届出書の「報告基準日」について~申告期限が延長されている場合は報告基準日も延長されます~(令和6年6月)

2024年7月22日


法人版事業承継税制の適用を受けられている方に~継続届出書の提出について~(令和6年6月)

国税庁は、『法人版事業承継税制の適用を受けられている方に~継続届出書の提出について~(令和6年6月)』をホームページに掲載しました。

●法人版事業承継税制(非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除)の適用を受けられている方は、納税猶予期間中は、
① (特例)経営(贈与)承継期間については毎年
② その期間経過後は3年ごと
一定の書類を添付した継続届出書を所轄の税務署へ提出する必要があります。

(注1)この制度の適用に係る円滑化法の認定(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律第12条第1項の認定をいいます。以下同じです。)を受けた会社も、(特例)経営(贈与)承継期間内は、毎年、都道府県知事に対し年次報告書を提出し、その確認を受ける必要があります。

(注2)「(特例)経営(贈与)承継期間」とは、原則として、その会社の株式等に係る最初のこの制度の適用に係る贈与税又は相続税の申告期限の翌日から同日以後5年を経過する日までの期間をいいます。

災害等により、国税通則法第11条又は租税特別措置法第69条の8の規定に基づく申告期限の延長(以下「申告期限の延長」といいます。)がされた場合には、その延長後の申告期限となります。

●この「継続届出書」の提出がない場合には、猶予されている贈与税・相続税の全額と利子税を納付する必要があります。

●このパンフレットは、継続届出書の提出に当たり必要となる手続や添付書類等について、その概要を説明したものです。

★リンクはこちら ⇒ 法人版事業承継税制の適用を受けられている方に~継続届出書の提出について~(令和6年6月)

2024年7月17日


相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例に関する質疑応答事例について(情報)(令和6年6月20日)

国税庁は、『相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例に関する質疑応答事例について(情報)(令和6年6月20日)』をホームページに掲載した。

令和5年度税制改正において創設された相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例に関する質疑応答事例を取りまとめたので、執務の参考として送付する。

なお、質疑応答事例は、令和6年4月1日現在の法令等に基づくものである。

<制度の概要>
(問1-1)相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例の概要

<適用要件>
(問2-1)適用要件の概要
(問2-2)土地又は建物の範囲
(問2-3)特例の対象となる被害の範囲
(問2-4)継続所有要件の判定(災害発生日前に相続時精算課税適用者が死亡している場合)
(問2-5)災害減免法との重複適用

<想定価額の計算>
(問3-1)想定価額の計算
(問3-2)想定使用可能期間の年数の判定方法

<被災価額及び被災割合の計算>
(問4-1)被災価額の計算(その1):概要
(問4-2)被災価額の計算(その2):被害を受けた部分の価額が明らかでない場合
(問4-3)被災価額の計算(その3):造成工事や増改築があった場合
(問4-4)被災価額の計算(その4):保険金等により補塡される金額が確定していない場合
(問4-5)被災割合の判定(その1):同一の災害により2以上の土地又は建物が被害を受けた場合
(問4-6)被災割合の判定(その2):同一の建物の持分を2以上の贈与により取得した場合
(問4-7)被災割合の判定(その3):承認を受けた後に被災価額に異動があった場合

<相続税の課税価格に加算される金額の計算>
(問5-1)相続税の課税価格に加算される金額の計算(その1):概要
(問5-2)相続税の課税価格に加算される金額の計算(その2):特定贈与者が2人以上いる場合
(問5-3)相続税の課税価格に加算される金額の計算(その3):同一の土地又は建物が2以上の災害により被害を受けた場合
(問5-4)相続税の課税価格に加算される金額の計算(その4):災害発生前に土地の一部を贈与している場合

<特例の適用に関する手続等>
(問6-1)精算課税の災害特例の適用を受けるための手続
(問6-2)承認を受けた後の手続(被災価額の異動届出書の提出)

<その他>
(問7-1)相続税の申告書の提出期限までに承認を受けていない場合の相続税の課税価格に加算される金額等
(問7-2)特定土地等に係る相続税の特例と精算課税の災害特例の重複適用
(問7-3)個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予との関係

<記載例>
1 建物が災害により被害を受けた場合の承認申請書等の記載例
2 土地が災害により被害を受けた場合の承認申請書の記載例

★リンクはこちら ⇒ 相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例に関する質疑応答事例について(情報)(令和6年6月20日)

2024年7月16日


「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和6年5月)

国税庁は、ホームページに、『「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和6年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、次の制度の概要を解説したものである。

  1.  「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」
  2. 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」
  3. 「災害等に関する税制上の措置」

★リンクはこちら ⇒ 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和6年5月)

2024年6月25日


一般贈与と特例贈与の両方がある場合の贈与税の計算方法

例えば、財産の贈与を受けた年の1月1日現在において18歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合などに、この計算となる。

この場合には、以下のとおり計算する。

すべての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算する。
すべての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額を計算する。
納付すべき贈与税額は、①と②の合計額である。

(例)
一般贈与財産が100万円、特例贈与財産が400万円の場合の計算
①この場合、まず、合計価額500万円を基に以下のように計算する。
(すべての贈与財産を「一般贈与財産」として税額計算)
500万円-110万円=390万円
390万円×20%-25万円=53万円
(上記の税額のうち、一般贈与財産に対応する税額(一般税率)の計算)
53万円×100万円/(100万円+400万円)=10.6万円…①

次に「特例贈与財産」の部分の税額計算を行う。
②この場合も、まず、合計価額500万円を基に以下のように計算する。
(すべての贈与財産を「特例贈与財産」として税額計算)
500万円-110万円=390万円
390万円×15%-10万円=48.5万円
(上記の税額のうち、特例贈与財産に対応する税額(特例税率)の計算)
48.5万円×400万円/(100万円+400万円)=38.8万円…②

(贈与税額の計算)
③贈与税額=①一般贈与財産の税額+②特例贈与財産の税額
上記の場合 ①10.6万円+②38.8万円=49.4万円…贈与税額

★リンクはこちら ⇒ 一般贈与と特例贈与の両方がある場合の贈与税の計算方法

2024年2月20日


令和5年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、「令和5年分贈与税の申告書等の様式一覧」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和5年分贈与税の申告書等の様式一覧

2024年1月30日


令和5年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、「令和5年分贈与税の申告のしかた」をホームページに掲載した。

  • 令和5年分の贈与税の申告書の受付は、令和6年2月1日(木)から同年3月15日(金)まで
  • 令和5年分の贈与税の納期限は、令和6年3月15日(金)

★リンクはこちら ⇒ 令和5年分贈与税の申告のしかた

2024年1月26日


父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和5年5月)

国税庁は、「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和5年5月)」をホームページに掲載した。

<制度の概要>
平成27年4月1日から令和7年3月31日までの間に、18歳以上50歳未満の方(以下「受贈者」といいます。)が、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など。以下「贈与者」という。)から①信託受益権を取得した場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合(以下「結婚・子育て資金口座の開設等」という。)には、その信託受益権又は金銭等の価額のうち1,000万円までの金額に相当する部分の価額については、受贈者が金融機関等の営業所等に結婚・子育て資金非課税申告書の提出等をすることにより、贈与税が非課税となる

なお、契約期間中に贈与者が死亡した場合には、その死亡日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額(結婚に際して支払う金銭については、300万円を限度とする。)を控除した残額のうち、一定の計算をした金額(以下「管理残額」という。)を、その贈与者から相続等により取得したものとみなされる

また、結婚・子育て資金口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除(相続等により取得したものとみなされた管理残額がある場合には、その管理残額も控除する。)した残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされる

★リンクはこちら ⇒ 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和5年5月)

2023年7月5日


祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和5年5月)

国税庁は、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和5年5月)」をホームページに掲載した。

<制度の概要>
平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間
に、30歳未満の方(以下「受贈者」という。)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など。以下「贈与者」という。)から①信託受益権を取得した場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合(以下「教育資金口座の開設等」という。)には、その信託受益権等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、受贈者が金融機関等の営業所等に教育資金非課税申告書の提出等をすることにより、贈与税が非課税となる

なお、契約期間中に贈与者が死亡した場合には、原則として、その死亡日における非課税拠出額から教育資金支出額(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とする。)を控除した残額のうち、一定の計算をした金額(以下「管理残額」という。)を、その贈与者から相続等により取得したものとみなされる

また、教育資金口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額から教育資金支出額を控除(相続等により取得したものとみなされた管理残額がある場合には、その管理残額も控除する。)した残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされる

★リンクはこちら ⇒ 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和5年5月)

2023年6月29日


令和4年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、ホームページに「令和4年分贈与税の申告書等の様式一覧」を掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和4年分贈与税の申告書等の様式一覧

2022年12月26日


令和4年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、ホームページに「令和4年分贈与税の申告のしかた」を掲載した。

  • この冊子は、一般的な事項を説明している。申告や納税について分からない点があれば、国税庁ホームページをご覧のこと。
  • 令和4年分の贈与税の申告書の受付は、令和5年2月1日(水)から同年3月15日(水)までである。
  • 令和4年分の贈与税の納期限は、令和5年3月15日(水)である。

★リンクはこちら ⇒ 令和4年分贈与税の申告のしかた

2022年12月20日


「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和4年5月)(令和4年11月改訂)を掲載しました

国税庁は、『「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和4年5月)(令和4年11月改訂)』をホームページに掲載した。

このパンフレットは、以下の制度の概要を解説したものである。

  1. 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」
  2. 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」
  3. 「災害等に関する税制上の措置」

★リンクはこちら ⇒ 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和4年5月)(令和4年11月改訂)を掲載しました

2022年12月15日


「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和4年5月)

国税庁は、ホームページに『「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和4年5月)』を掲載した。

このパンフレットは、次の制度の概要を解説したものである。

  1.  住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
  2.  住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例
  3.  災害等に関する税制上の措置

★リンクはこちら ⇒ 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和4年5月)

2022年8月3日


令和3年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁はホームページに『令和3年分贈与税の申告書等の様式一覧』を掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和3年分贈与税の申告書等の様式一覧

2022年1月17日


令和3年分贈与税の申告のしかた

国税庁はホームページに『令和3年分贈与税の申告のしかた』を掲載した。

この冊子は、一般的な事項を説明している。

申告や納税についてお分かりにならない点がありましたら、税理士もしくは最寄りの税務署にお尋ねのこと。

  • 令和3年分の贈与税の申告書の受付は、令和4年2月1日(火)から同年3月15日(火)までである。
  • 令和3年分の贈与税の納期限は、令和4年3月15日(火)である。

★リンクはこちら ⇒ 令和3年分贈与税の申告のしかた

2021年12月24日


非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、『非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和3年5月)』をホームページに掲載した。

法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与または相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度である。

★リンクはこちら ⇒ 非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和3年5月)

2021年6月24日


非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要(令和3年5月)

国税庁は、『非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要(令和3年5月)』をホームページに掲載した。

災害()により被害を受けた会社または中小企業信用保険法第2条第5項第1号から第4号までのいずれかの事由(これらの事由と災害を併せて、以下「災害等」という。)に該当した会社に係る非上場株式等については、贈与税・相続税の納税猶予及び免除(法人版事業承継税制)の適用に当たり一定の要件のもと、以下の措置が講じられている。

⑴納税猶予の免除事由の追加
贈与税・相続税の納税猶予の適用を受けている以下の①または②の者については、経営承継期間等内に破産等した場合でも納税猶予税額が免除される。
①災害等の発生前に贈与によりその非上場株式等を取得した者
②災害等の発生した日から1年を経過する日の前日までにその非上場株式等を相続または遺贈(以下「相続等」という。)により取得した者

⑵納税猶予期間中の事業継続要件等の緩和
上記⑴①又は②の者については、納税猶予期間中の要件が免除または緩和される。

⑶相続税の納税猶予の適用要件の緩和
災害等が発生した日から同日以後1年を経過する日までの間に相続等により取得等したその会社の非上場株式等について後継者が相続税の納税猶予の適用を受ける場合には、その適用要件のうちの一部が不要とされている。

「災害」とは、震災、風水害、火災、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害及び鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害並びに害虫、害獣その他の生物による異常な災害をいう。

★リンクはこちら ⇒ 非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要(令和3年5月)

2021年6月22日


「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、『「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和3年5月)』をホームページに掲載した。

平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」という。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」という。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる。

★リンクはこちら ⇒ 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし(令和3年5月)

2021年6月18日


個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、『個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和3年5月)』をホームページに掲載した。

令和元年度税制改正により創設された個人版事業承継税制は、青色申告(正規の簿記の原則によるものに限る。)に係る事業(不動産貸付業等を除く。)を行っていた事業者の後継者(※1)として円滑化法の認定を受けた者が、平成31年1月1日から令和10年12月31日まで(※2)の贈与または相続等により、特定事業用資産を取得した場合は、

  1. その青色申告に係る事業の継続等、一定の要件のもと、その特定事業用資産に係る贈与税・相続税の全額の納税が猶予され、
  2. 後継者の死亡等、一定の事由により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納税が免除されるものである。

※1
平成31年4月1日から令和6年3月31日までに「個人事業承継計画」を都道府県知事に提出し、確認を受けた者に限る。
※2
先代事業者の生計一親族からの特定事業用資産の贈与・相続等については、上記の期間内で、先代事業者からの贈与・相続等の日から1年を経過する日までにされたものに限る。

★リンクはこちら ⇒ 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし(令和3年5月)

2021年6月15日


父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、『父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和3年5月)』をホームページに掲載した。

平成27年4月1日から令和5年3月31日までの間に、20歳以上50歳未満の方(以下「受贈者」という。)が、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など。以下「贈与者」という。)から①信託受益権を付与された場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合(以下「結婚・子育て資金口座の開設等」という。)には、信託受益権又は金銭等の価額のうち1,000万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して結婚・子育て資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税となる。

契約期間中に贈与者が死亡した場合には、死亡日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額(結婚に際して支払う金銭については、300万円を限度とする。)を控除した残額(以下「管理残額」という。)を、贈与者から相続等により取得したこととされる。

また、受贈者が50歳に達することなどにより、結婚・子育て口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除(管理残額がある場合には、管理残額も控除する。)した残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされる。

★リンクはこちら ⇒ 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和3年5月)

2021年6月8日


祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和3年5月)

国税庁は、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(令和3年5月)」をホームページに掲載した。

平成25年4月1日から令和5年3月31日までの間に、30歳未満の方(以下「受贈者」という。)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から①信託受益権を取得した場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合または③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合(以下「教育資金口座の開設等」という。)には、その信託受益権等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となる。

なお、契約期間中に贈与者が死亡した場合には、原則として、その死亡日における非課税拠出額から教育資金支出額(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とする。)を控除した残額のうち、一定の計算をした金額(以下「管理残額」という。)を、贈与者から相続等により取得したこととされる。

また、教育資金口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額から教育資金支出額を控除(管理残額がある場合には、管理残額も控除する。)した残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされる。

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2021年5月25日


貸付自粛制度

貸付自粛制度は、2019年3月29日にスタートした。

<1.貸付自粛制度とは>
ご本人が、自らに浪費の習癖があることやギャンブル等依存症によりご本人やその家族の生活に支障を生じさせるおそれがあること、その他の理由により、ご本人自らを自粛対象者とする旨または法定代理人等または親族のうち一定の範囲の者が、金銭貸付による債務者を自粛対象者とする旨を当全国銀行個人信用情報センターに対して申告することにより、全国銀行個人信用情報センターに貸付自粛情報を登録し、一定期間、当センターの会員に対してその情報を提供する制度である。

<2.情報連携および提供について>
全国銀行個人信用情報センターは受付した申告にもとづく貸付自粛情報を日本貸金業協会に提供し、また、日本貸金業協会が受付した貸付自粛情報の提供を受けることにより、それぞれで受付した申告が当センターに登録されるとともに、日本貸金業協会が指定する個人信用情報機関(㈱日本信用情報機構、㈱シー・アイ・シー)においても登録され、それぞれの会員が利用できるよう情報連携している。
ただし、貸付自粛情報がセンターおよび日本貸金業協会が指定する各情報機関に登録された場合であっても、当該情報は、センターおよび各情報機関の会員による与信判断を拘束するものではない。

<3.貸付自粛情報の登録内容>
貸付自粛情報として登録される内容は以下のとおりである。

  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 住所
  • 自宅電話番号(または携帯電話番号)
  • 勤務先名
  • 勤務先電話番号

<4.貸付自粛情報の登録期間>
貸付自粛申告日(以下、「申告日」という。)から5年を超えない期間

<5.撤回の制限>
貸付自粛の申告をした場合には、原則として申告日から3か月が経過するまで貸付自粛情報を撤回できない。
また、貸付自粛の申告が法定代理人等によるものである場合には、原則として自粛対象者はその貸付自粛情報を取消すことができない。
ただし、貸付自粛の申告が自粛対象者または法定代理人等によるものでない場合には、申告日から3か月が経過しなくても自粛対象者はその貸付自粛情報を取消すことができる。

<6.申告者の範囲>
申告できるのはご本人のみである。
ご家族が手続きすることは原則できない(ただし、以下の法定代理人等の場合を除く。)。

(1) ご本人
(2) ご本人以外の方
i) 法定代理人(親権者、後見人、保佐人、補助人(ただし、補助人にあたっては借財について同意する権限を有する者に限る))
ii) 自粛対象者の配偶者または二親等内の親族
ただし、以下のすべての要件が満たされる必要がある。
1) 自粛対象者の配偶者または二親等内の親族であることを客観的な資料で確認できること
2) 自粛対象者が所在不明であることが客観的な事実により証明できること(家庭裁判所が発行する失踪宣言の審判書等)
3) 自粛対象者の所在不明の原因が、金銭の貸付による金銭債務の負担を原因としている可能性があること
4) 貸付自粛の対応をとることが自粛対象者の生命、身体又は財産の保護のために必要があると認められる場合であること
5) 自粛対象者本人の同意を得ることが困難であること
iii) 自粛対象者と同居する三親等内の親族。ただし、以下の全ての要件が満たされる必要がある。
前項2)~5)までの要件が満たされていること
配偶者または二親等内の親族が申告することが著しく困難と認められること
申告者が自粛対象者と同居する三親等内の親族であることを客観的な資料で確認できること

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2021年5月18日


イメージデータで提出可能な添付書類(贈与税申告)

イメージデータ(PDF形式)による提出が可能な主な添付書類は、次のとおり。

なお、この一覧は、令和2年4月1日現在の法令に基づくものである。

<添付書類をイメージデータで提出する場合の注意事項>
「相続時精算課税選択届出書」など、電子データ(XML形式)により提出が可能な添付書類については、イメージデータで提出することができない。
なお、電子データにより提出が可能な添付書類は、「利用可能手続(贈与税申告)」でご確認のこと。

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2021年3月18日


令和2年分贈与税の申告のしかた

国税庁は、「令和2年分贈与税の申告のしかた」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年分贈与税の申告のしかた

2020年12月25日


令和2年分贈与税の申告書等の様式一覧

国税庁は、「令和2年分贈与税の申告書等の様式一覧」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年分贈与税の申告書等の様式一覧

2020年12月18日