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事務所通信2022年3月

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2022年3月号『何月決算が多いのか?』

確定申告シーズンを終えましたが、会計事務所は、世間一般的に、確定申告シーズンや3月決算企業が多いためその申告時期の4月や5月が忙しいと思われています。

しかしながら、実際にはそうではありませんし、弊事務所のクライアントは、なぜか10月決算企業が多いです。

そこで今回は、『何月決算が多いのか?』について、書きたいと思います。

1.決算期別の普通法人数

国税庁の令和2年度の統計情報を見ると、『決算期別の普通法人数』が記載されていますが、年1回決算の場合、以下のようになっています。

事業年度終了月

申告法人数

4月

198,275

5月

230,954

6月

272,022

7月

212,615

8月

243,747

9月

303,271

10月

138,238

11月

105,141

12月

290,397

1月

102,042

2月

183,988

3月

508,378

2,789,068

このデータから計算すると、事業年度終了月ごとの割合は以下のようになります。

事業年度終了月

申告法人割合

4月

7.1%

5月

8.3%

6月

9.8%

7月

7.6%

8月

8.7%

9月

10.9%

10月

5.0%

11月

3.8%

12月

10.4%

1月

3.7%

2月

6.6%

3月

18.2%

100.0%

2.何月決算が多いのか?

予想どおり、3月が最も多かったですが、割合は18.2%であり、それほど高くはなかった感じです。

6月、9月、12月が約10%で、3月と合わせるとこれらの4か月で、全体の半分弱を占めています。

逆に少ないのは、1月、11月、10月の順で、弊事務所のクライアントは10月が最も多いですが、1月決算と11月決算はありませんね。

個人的には、流通関係の法人は2月決算のところが多いと思っていましたが、4月、5月、7月、8月よりも少ないのが意外でした。

会計事務所に決算・申告を頼むのであれば、繁忙期を避けた6月から8月決算あたりにすれば、何かと良いことがあるかもしれませんよ。

3.最後に

ある程度は予想どおりでしたが、多いのは3月、9月、12月、少ないのは1月、11月、10月の順でした。

 

2022年3月29日 國村 年

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事務所通信2022年2月

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2022年2月号『事業復活支援金とは?』

 

確定申告シーズンですが、最近、再び支援金のお手伝いすることが多くなっています。

その中で、2022年1月31日に通常申請が、2月18日に特例申請が始まったものが、『事業復活支援金』です。

そこで今回は、『事業復活支援金とは?』について、書きたいと思います。

 

1.事業復活支援金とは?

事業復活支援金は、新型コロナウイルス感染症により、大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業規模に応じた給付金を支給するものです。

以下の①、②を満たす事業者は、業種や所在地を問わず給付対象となり得ます。

新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に伴う需要の減少または供給の制約により大きな影響を受けた

自らの事業判断によらずに対象月の売上が基準月と比べて50%以上または30%以50%未満減少している

 給付額は、以下のとおりです。

基準期間の売上高-対象月の売上高×5

 基準期間は、以下のいずれかの期間です。

「2018年11月~2019年3月」、

「2019年11月~2020年3月」、

「2020年11月~2021年3月」

対象月は、以下のいずれかの月です。

2021年11月~2022年3月

給付上限額は、以下のとおりです。

売上高
減少率

個 人
事業主

法人(年間売上高)

1億円以下

1億円超

5億円以下

5億円超

50%以上

50万円

100万円

150万円

250万円

30%以上50%未満

30万円

60万円

90万円

150万円

 

2.申請フロー

「一時支援金または月次支援金を既に受給された方」、「一時支援金及び月次支援金を受給していないが継続支援関係がある方」は申請ステップの一部を省略できます。

また、事前確認は、継続支援関係に当たる登録確認機関がある方は当該機関への依頼を推奨します。

1

アカウントの申請・登録等

2

登録確認機関の事前確認

3

申請(5月31日まで)

4

審査

5

給付

 

3.申請書類

申請はWEBページから行いますが、主に以下の書類が必要となります。

1

確定申告書

2

対象月の売上に係る帳簿

3

(法人)履歴事項全部証明書

(個人)本人確認書類

4

通帳(振込先が確認できるページ)

5

宣誓・同意書

6

基準月の売上に係る帳簿

7

基準月の売上に係る1取引分の請求書・領収書等

8

基準月の売上に係る通帳等(取引が確認できるページ)

 

4.最後に

一昨年の『持続化給付金』ほど要件は甘くありませんが、コロナの影響を受け、要件を満たす方はぜひ申請しましょう。

 

2022年2月28日 國村 年

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事務所通信2022年1月

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2022年1月号『戦略会計STRACとは?』

遅くなりましたが、2022年もよろしくお願いします。

最近、戦略MGマネジメントゲームをよくやっています。

その中で大切なことの一つが、『戦略会計STRAC』です。

そこで今回は、『戦略会計STRACとは?』について、書きたいと思います。

 

1.戦略会計STRACとは?

損益分岐点分析を行うには、費用を『変動費』と『固定費』とに分ける必要があります。

いわゆる『直接原価計算』の考え方です。

ちなみに、制度上認められているのは、いわゆる『全部原価計算』です。

損益分岐点図表を見れば、売上高に比例して変化する費用(変動費)と、比例しない費用(固定費)から構成されていることが分かります。

この直接原価計算の考え方に基づき損益計算書を作成したものを、いわゆる『変動損益計算書』と呼びます。

戦略MGマネジメントゲームでの決算(原価の計算方法等)もこの『直接原価計算』で行いますので、作成する損益計算書も『変動損益計算書』になります。

この『変動損益計算書』のことを、戦略MGでは『戦略会計STRAC』といいます。

なお、『戦略会計STRAC』の『STRAC』は、『Strategic Accounting』の造語です。

 この『戦略会計STRAC』と『変動損益計算書』には、下記の2つの大きな違いがあります。

1

戦略会計STRACは要素法=記号化である

2

戦略会計STRACは図解変動損益計算書である

要素法とは、単価・変動単価・粗利単価・売上個数・売上高・変動費・固定費・経常利益を、P・vP・mP・Q・PQ・mPQ・vPQ・F・Gと記号で変動損益計算書を表します。

図解変動損益計算書とは、変動損益計算書を要素法で四角の図形で表します。

2.戦略会計STRACの学習効果

戦略会計STRACを理解することにより、下記の学習効果が得られます。

1

損益分岐点の考え方が誰にでも簡単にわかります

2

経営戦略・戦術の考え方に幅が広がります

3

固定費を戦略固定費・管理可能固定費・管理不能固定費と分けて考えます

4

経営シミュレーションができます

5

経営計画作成に役立ちます

3.最後に

 ここ数年、『戦略会計STRAC』を用いて、経営者の方などに数値の説明をすることが多いのですが、多くの方に『分かりやすい』と言っていただけます。

 上(売上高)からではなく下(利益)から作っていく経営計画の作成にも非常に役立ちますので、参考にしてくださいね。

2022年1月31日 國村 年

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事務所通信2021年12月

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2021年12月号『200%定率法の謎!』

2021年も1年間どうもありがとうございました。

最近、固定資産台帳に触れることが多く、改めて感じることが多々あります。

その中の一つが、定率法の償却率に関するものです。

そこで今回は、『200%定率法の謎!』について、書きたいと思います。

1.200%定率法とは?

2007年度税制改正により、2007年4月1日以後に取得した減価償却資産の償却限度額についての定率法の計算方法等は以下のとおりとなっています。

<算式1>

定率法の償却限度額=(取得価額-既償却額(※2))×定率法の償却率(※3)

<算式2>

調整前償却額が償却保証額に満たない場合の定率法の償却限度額=改定取得価額(※4)×改定償却率(※5)

(※1)「償却保証額」とは、減価償却資産の取得価額にその減価償却資産の耐用年数に応じた保証率(耐用年数省令別表第九、十に規定されています。)を乗じて計算した金額です。

(※2)「既償却額」とは、前事業年度までに損金の額に算入された償却費の累積額です。

(※3)「定率法の償却率」は耐用年数省令別表第九、十に規定されています。

(※4)「改定取得価額」とは、原則として、調整前償却額が最初に償却保証額に満たなくなる事業年度の期首未償却残高(取得価額から既償却費を控除した後の金額)をいいます。

(※5)「改定償却率」は耐用年数省令別表第九、十に規定されています。

2011年12月の税制改正により、2012年4月1日以後に取得をされた減価償却資産に適用される定率法の償却率について、定額法の償却率を2.5倍した償却(いわゆる「250%定率法」)から、定額法の償却率を2倍した償却率(いわゆる「200%定率法」)に引き下げられました(「保証率」及び「改定償却率」についても、この償却率の改正に合わせて見直されました。)。

2.200%定率法の謎!

例えば、中古資産で耐用年数が2年の場合、償却率が1.000、つまり1年で償却できるのです。

『耐用年数2年なのに、1年で償却なの?』と、不思議な感じがしませんか?

これは、定額法の場合、耐用年数2年だと、償却率は0.500(1÷2年)ですので、定率法の場合、償却率は0.500×2=1.000になるということです。

同様に、4年の場合、0.500(1÷4年×2)、つまり、2年で償却できるのです。

3.最後に

昔から、4年落ちの中古車を購入すると節税になるとよく言われますので、お聞きになったことがあるかもしれませんが、これは、耐用年数が2年になることを利用するものです。

ただし、減価償却は月割計算ですので、期中に事業の用に供すると、その事業年度に全額損金処理できるわけではないことには、ご注意くださいね。

2021年12月27日 國村 年

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事務所通信2021年11月

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2021年11月号『資金別貸借対照表とは?』

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などはご存知かと思いますが、『資金別貸借対照表』についてはご存じない方がほとんどなのではないかと思います。

そこで今回は、『資金別貸借対照表とは?』について、書きたいと思います。

1.経営の結果は貸借対照表に現れる!

経営の結果はすべてB/Sに現れます。

すなわち、経営の目的は、つぶれないB/Sを作ることなのです。

企業の財務の成長の基準は、無借金企業に近づいているかどうかです。

長期借入金の返済原資は理論的には『減価償却費』と『税引後利益』なのですが、現実には『お金』なのです。

よって、キャッシュベースのB/Sが必要になります。

2.資金別貸借対処表の見方!

『資金移動表』や『キャッシュフロー計算書』は1期間に生み出したキャッシュを表す一方、『資金別B/S』は、現在のキャッシュの状態を表しており、分かりやすいです。

例えば、経営者に対し、『なぜ過去の繰越利益や当期利益があるのに現預金がないのか?』が納得できるように説明できます。

『資金移動表』や『キャッシュフロー計算書』では、そこまで説明できません。

つまり、『資金別B/S』は、企業の財政状態や財務体質を表しているわけなのです。

3.粉飾と資金別貸借対照表

『資金別B/S』は、利益を見ているのではなく、現預金を見ているので、粉飾に非常に強いのです。

利益はチェックできませんが、現預金は金種表や残高証明書でチェックできます。

例えば。粉飾して利益があると偽っても、たな卸資産や売掛金や仮払金などに消えて、キャッシュがないことになります。

また、減価償却をしないという粉飾は、固定資産が減価償却費に振り替わるかどうかの違いに過ぎません。

ともに資金運用ゆえ、現預金は同じです。

むしろ粉飾すると、利益が増えた分、法人税が増え、現預金は減り、財務体質は悪化してしまいます。

よって、従来の決算書のように、粉飾されているかどうかを見破る必要はありません。

そのまま見れば良いのです。

4.最後に

『資金別B/S』を作ると、B/SとP/Lはいらなくなります。

なぜなら、完全に含んでいるからです。

また、『資金別B/S』を数期間並べて各資金の増減を出せば、『資金運用表』や『資金移動表』や『キャッシュフロー計算書』も見なくて良くなります。

『資金別B/S』で、①過去の蓄積も分かりますし、②P/Lの規模も分かりますし、③設備投資の規模も分かりますし、④その調達状況も分かりますし、⑤運転資金も分かりますし、⑥どこにキャッシュがあり、どこに消えているかもすべて手に取るように分かります。

しかも、粉飾しているかどうかどうかはまったく関係ありません。

皆さんも、『資金別B/S』を使ってみてはいかがですか?

2021年11月29日 國村 年

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2021年10月号『110万円までは贈与税はかからない制度はなくなるのか?』

2020年12月10日に自民党・公明党が発表した『令和3年度税制改正大綱』に『相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直す』という文言が盛り込まれました。

よって、『令和4年度税制改正大綱』では、贈与税が見直されると考えられます。

そこで今回は、『110万円までは贈与税はかからない制度はなくなるのか?』について、書きたいと思います。

1.暦年課税制度とは?

暦年課税制度とは、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対して贈与税がかかるという制度です。

『110万円までは贈与税はかからない』とよく言われますが、この制度のことです。

2.相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子または孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額は2,500万円。ただし、前年以前において既にこの特別控除額を控除している場合は残額が限度額となる。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。

3.贈与税の見直し

『令和4年度税制改正大綱』はどうなるか分かりませんが、以下のようになるのではないかと個人的には推測しています。

暦年課税制度の廃止

基礎控除額の110万円から60万円の引き下げ

相続前の贈与の加算期間を3年前から5年前、10年前、15年前などに延長

 

4.暦年課税制度の廃止

暦年課税制度を廃止し、相続時精算課税制度へ一本化することが考えられます。

5.基礎控除額の110万円から60万円の引き下げ

基礎控除額を、110万円から2000年までの60万円に引き下げることが考えられます。

ちなみに、110万円は租税特別措置法に規定されており、今なお相続税法では60万円となっています。

6.相続前の贈与の加算期間を3年前から5年前、10年前、15年前などに延長

現在、相続前の3年間に贈与したものはなかったものとして相続税の計算上加算されますが、3年間を5年間、10年間、15年間に延長することが考えられます。

7.最後に

贈与税がどう改正されるかは、我々税理士にとって非常に興味のあるところです。

個人的には、③かなと推測しています。

あとは、改正される場合も、スタートがいつからになるかも重要です。

場合によっては、改正の前に、暦年課税制度を使って贈与をすることもあるでしょう。

どう改正されるか注視したいですね。

2021年10月28日 國村 年

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事務所通信2021年9月

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2021年9月号『M&A支援機関登録制度!』

2021年9月13日に、中小企業庁の推進するM&A支援機関に國村公認会計士事務所及び株式会社Your Partnerが登録されました。

そこで今回は、『M&A支援機関登録制度!』について、書きたいと思います。

1.M&A支援機関登録制度の趣旨

2021年4月28日、中小企業庁は中小企業を当事者とするM&A(以下「中小M&A」という。)を推進するため今後5年間に実施すべき官民の取組を「中小M&A推進計画」として取りまとめました。

この計画では、中小企業におけるM&A支援機関に対する信頼感醸成の必要性が課題の一つとして掲げられ、対応への方向性として、①事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)において、M&A支援機関の登録制度を創設し、M&A支援機関の活用に係る費用の補助については、予め登録された機関の提供する支援に係るもののみを補助対象とすること、②登録したM&A支援機関による支援を巡る問題等を抱える中小企業等からの情報提供を受け付ける窓口も創設することに取り組むこととしています。

M&A支援機関に係る登録制度の実施を通じて、M&Aの基本的な事項及び手数料の目安や適切なM&Aのための行動指針を提示した「中小M&Aガイドライン」の理解及び普及を促し、中小企業が、培ってきた貴重な経営資源を将来につないでいこうとする際、より一層円滑にかつ安心してM&Aを手段の一つとして選択できる環境の実現を目指すものです。

2.中小M&A支援機関とは?

本登録制度の対象者は、本制度の趣旨(前述1.)を踏まえ、中小M&Aガイドラインにおける「支援機関」(以下「中小M&A支援機関」という。)のうち、中小企業に対してファイナンシャルアドバイザー(以下「FA」という。)業務又は仲介業務を行う者です。なお、FA業務又は仲介業務を専業で行う者に限らず、例えば仲介業務を行う金融機関なども対象になります。逆に、FA業務及び仲介業務を行わず、例えばデューデリジェンス業務のみを行う士業等専門家などは対象となりません。

具体的には中小企業とFA業務又は仲介業務に係る契約(契約の名称や形態を問わない。)を締結する者とし、譲渡側・譲受側に対するマッチング支援や中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援を行う者、又は中小M&AのFA業務又は仲介業務に係る、相談料、着手金、中間報酬、成功報酬等の手数料を受け取って支援を行う者です。

中小企業庁が実施する「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)」において、FA業務又は仲介業務に係る手数料については、本登録制度にあらかじめ登録されたFA業務又は仲介業務を行う者(以下「登録FA・仲介業者」という。)によるもののみ補助対象となります。

3.最後に

開業当初からFA業務を年間数件やっていますが、今回、申請し登録されました。

補助金の対象にもなりますので、M&Aのお話がある方やM&Aに興味のある方は、お気軽にご相談くださいね。

2021年9月27日 國村 年

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事務所通信2021年8月

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2021年8月号『インボイス制度の登録申請開始!』

2019年10月1日より消費税率が8%から10%にアップして2年近く経ちましたが、2023年10月1日から導入される『インボイス制度』の登録申請が2021年10月1日からスタートします。

そこで今回は、『インボイス制度の登録申請開始!』について、書きたいと思います。

1.インボイスとは?

売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。

具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータです。

2.インボイス(適格請求書)制度とは?

<売手側>

売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません。

また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります。

<買手側>

買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス()の保存等が必要となります。

(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。

3.適格請求書発行事業者登録制度

適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。

適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」といいます。)を提出し、登録を受ける必要があります。

なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできませんので、ご留意ください。

4.適格請求書発行事業者の申請~登録

登録申請手続

税務署による審査

登録及び公表・登録簿への登載

税務署からの通知

 

5.登録申請のスケジュール

登録申請手続は、2021年10月1日から行うことができますが、インボイス制度が導入される2023年10月1日から登録を受けるためには、原則として、2023年3月31日までに登録申請手続を行う必要があります。

なお、登録申請手続は、郵送もしくはe-Taxにより行いますが、e-Taxの場合、登録申請時に電子データでの受け取りを選択すれば、『登録通知書』を電子データで受領することができます。

6.免税事業者の登録手続

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要がありますが、2023年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられています。

7.最後に

売手の立場、買手の立場双方を考え、登録するかどうかの検討を早めに行いましょう。

2021年8月23日 國村 年

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事務所通信2021年7月

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2021年7月号『公認会計士のできること!』

最近、行政書士登録をしようかどうかなどと考えたりしているので、公認会計士のできる業務を確認したりしています。

その中で、恥ずかしながら知らなかったこともありました。

そこで今回は、『公認会計士のできること!』について、書きたいと思います。

1.公認会計士法

公認会計士の業務は、公認会計士法第二条に定められています。

第一項

公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。

第二項

公認会計士は、前項に規定する業務のほか、公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

第三項

第一項の規定は、公認会計士が他の公認会計士又は監査法人の補助者として同項の業務に従事することを妨げない。

第一項は、いわゆる『監査業務』であり、公認会計士の独占業務です。

第二項は、いわゆる『コンサルティング業務』や『アドバイザリー業務』です。

2.税理士登録

公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)は、税理士となる資格があります(なお、2017年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者については、公認会計士法第16条第1項に規定する実務補習団体等が実施する研修のうち、財務省令で定める税法に関する研修を修了した公認会計士となります。)。

3.行政書士登録

公認会計士は、行政書士となる資格があります。

4.社会保険労務士業務

公認会計士は、公認会計士法第二条二項に規定する業務に付随して行う場合には社会保険労務士法第2条に掲げる事務(社会保険労務士の業務)を業として行うことができます。

なお、税理士はできません。

一方、社会保険労務士は年末調整業務はできません。

5.商業登記

公認会計士は、司法書士法第七十三条ただし書きに相当する公認会計士法第二条第二項に付随する商業登記を業として行うことができます。

なお、税理士・行政書士はできません。

6.最後に

最近、色々なことを聞かれたりするため、もっと幅広い業務の提供ができないかと思案しています。

その中で、意外とできる業務が広いということを知りました。

難しい案件は専門家に任せますが、徐々に業務の幅を広げていきたいと思います。

 

2021年7月26日 國村 年

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事務所通信2021年6月

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2021年6月号『バトンズM&A相談所!』

2011年7月1日の開業後、毎月この事務所通信を書いていますが、今回、No.120となりました。

つまり、今月末で、開業後丸10年です。

いつも、ありがとうございます。

守りに入らず、常に前を向いて進んでいくことをモットーとしていますので、株式会社Your Partnerの方で、先日、『バトンズM&A相談所』を開設しました。

そこで今回は、『バトンズM&A相談所!』について、書きたいと思います。

1.バトンズM&A相談所とは?

バトンズM&A相談所は、日本全国で、譲渡検討について無料相談できるサービスです(https://batonz.jp/lp/counter/)。

お住まいの近くの店舗で対面相談ができますし、オンライン・お電話での相談も可能となっています。

各店舗は、バトンズが提供する相談システムを使って、経験豊富なM&Aアドバイザーが運営しています。

2.ご相談の流れ

ご相談の流れは、以下のとおりです。

時間的には、60分から90分くらいを想定しています。

Step1

現状やご希望のヒアリング

Step2

『ご提案シート』の提示

Step3

今後に関するご相談

 

なお、『ご提案シート』は、以下のような内容をお示しするものです。

01

事業承継の方法

02

M&Aによる第三者承継のメリット

03

M&Aの進め方

04

バトンズを活用するメリット

05

バトンズの成約事例

06

譲渡スキームのご紹介

07

譲渡価格の相場

08

買い手候補のご紹介

 

3.まずはご相談ください!

バトンズM&A相談所では、社長のこんなニーズにお応えします。

<譲渡金額を知りたい!>

 

会社・事業はいくらで譲渡できるのか?10,000件以上の成約事例価格を参考に、評価額や相場額をお伝えします。

<手取り額を増やしたい!>

 

退職金・貸付金、株価を組み合わせるなど、手取り額を増やす方法をお伝えします。

<譲受先がいるかを見てみたい!>

 

自社を引き継いでくれる譲受先はいるのか?バトンズに登録している譲受先候補をご紹介します。

<進め方を知りたい!>

 

譲渡には複数の方法があり、準備しておくことや進め方が異なってくるため、最適な進め方をご提案します。

 

4.最後に

バトンズM&A相談所は、それぞれ支店名が付いており、株式会社Your Partnerは、高松市木太町店となっています(https://batonz.jp/counters/38)。

こちらから無料相談を申し込めますので、会社・事業の譲渡をご検討されている方は、お気軽にお申し込みくださいね。

 

2021年6月28日 國村 年