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大江戸は「Oedo」→「Ōedo」「Ooedo」とローマ字表記がヘボン式に!

日本経済新聞によると、ローマ字表記の目安が約70年ぶりに見直されることになったようです。

国は内閣告示で母音と子音を規則的に並べる「訓令式」を用いるとしてきましたが、英語の発音に近い「ヘボン式」を基本とする方針です。

ヘボン式が社会で定着している実態に合わせるとともに、外国人らにも読みやすくする狙いのようです。

文化審議会の小委員会が先日、ヘボン式に移行する案を大筋で了承しました。

内閣告示は審議会の答申を受け、改定される見通しです。

訓令式では「し」は「si」、「しゃ」は「sya」、「つ」は「tu」と表記していますが、ヘボン式ではそれぞれ「shi」「sha」「tsu」となります。

「ふ」は「hu」から「fu」に変わります。

ヘボン式は幕末に来日したアメリカ人宣教師が考案したとされています。

1954年の内閣告示は「一般に国語を書き表す場合」は訓令式を用い、ヘボン式は限定的に使うとしました。

ただし、実際には、ローマ字は外国人向けに固有名詞を表記する際に使われることが多く、ヘボン式が浸透しました。

文化審議会の小委員会はこうした実態を踏まえるとともに、グローバル化への対応も考慮しました。

インバウンド(訪日外国人)や日本に住む外国人は増えており、日本語を母語としない人が読みやすいようにします。

文化庁が2024年に日本で生活する外国人を対象に実施した調査では、母語や国籍にかかわらず、95%が訓令式よりヘボン式が読みやすいと答えています。

改定案は、表記の割れが目立つ長音の示し方も明記しました。

訓令式とヘボン式ではそれぞれ母音字に長音符号の「^」「¯」をつけるとされていますが、英語の影響で符号を用いない表記が広がりました。

この場合は「大野」も「小野」も「Ono」と書き、音の長短を判別しにくいのが難点でした。

このため、符号としてより社会に定着している「¯」を使用するか、符号をつけず母音字を並べるとした。例えば「大江戸」は「Ōedo」「Ooedo」と表記します。

はねる音である撥音(はつおん)の「ん」は「n」を統一的に用い、つまる音の促音は子音字を重ねて「zasshi(雑誌)」などとします。

文化庁によると、内閣告示は国として示す目安という位置づけで、強制力はないそうです。

「judo(柔道)」のように定着している表記の変更を直ちに求めるものではなく、当事者の意思が尊重されるそうです。

学校では訓令式を教えてきました。

改定されればヘボン式に変更します。

2030年度をめどに小学校で全面実施予定の次期学習指導要領でヘボン式を採用し、教科書の表記が変わる見通しです。

数年前に、こどもの宿題を見ているときに、ローマ字の問題があって、『si』とか『tu』とか書いていたので『間違えているやん。「shi」とか「tsu」でしょ。』と言ったら、『これであっているわ。教科書に書いているやん。』と怒られて、教科書を見たり、ネットで調べると、今は、僕が習った『ヘボン式』ではなく『訓令式』が使われていることを知り、カルチャーショックを受けたことがありましたが、どうも『訓令式』はなじめないので、今回、『訓令式』から『ヘボン式』に変更になると知り、嬉しかったです(笑)。

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ネットに広がる「JA不要論」をコメ農家が農家直売がスーパーよりも高くなる理由で一蹴!

2025年06月24日(火)

ENCOUNTによると、コメの価格高騰が止まりません。

農林水産省の発表によると、2025年5月18日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は5キロあたり4,285円で、前の週から17円値上がりし、2週連続で過去最高を更新しました。

昨年同時期の2倍以上の高値が続いています。

高騰が国民生活を直撃する中、ネット上では「中抜きするJAこそ諸悪の根源」という臆測をもとにした、JA悪玉論や解体論が噴出しています。

JAとはどういった組織で、仮になくなるとどんな事態が起こるのでしょうか?

SNS上でJAの必要性を力説したある農家に話を聞いています。

JA(全国農業協同組合)とは、農業従事者によって全国に組織された協同組合(農協)のことです。

組合員の農家に対する技術指導や必要資材の共同購入、農産物の共同販売や直売所運営の他、資金の融資や共済に至るまで幅広い支援を行っています。

農作物の生産をなりわいとし、流通や販売まで手が回らない農家にとってなくてはならない存在ですが、流通の過程で農作物に中間手数料が上乗せされることから、昨今の価格高騰を背景に一部でその在り方が疑問視されているのです。

そんな“JA不要論”に対し、「JA要らない。農家から直接買えば直接の利益になるし、安く買える。は妄想です」とSNS上に反論を投稿したのが、栃木県在住のあるコメ農家です。

投稿者は「ちょっとだけ想像してみてください。私は3ha(ヘクタール)の田んぼで米を作っています」と一般論を交えつつコメ作りの規模感を語っています。

1ヘクタールは100メートル×100メートルの広さの土地で、スタンドまでを含めた甲子園球場の総面積3.85ヘクタールと比較すると、おおよその大きさがイメージできるでしょう。

田んぼ3ヘクタールの稲刈りには、コンバイン1台で約10日ほどの日数がかかるとされています。

投稿ではまず、3ヘクタールある自身の田んぼで年間に収穫できるコメの量が1万4,400キロ、市場で販売される30キロのコメ袋に換算すると480袋にもなると説明しています。

その上で「私のような小さな農家でもこの量になります。では私の10倍規模の農家なら簡単に計算しても凡そ10倍。4,800袋のお米を在庫しなければなりません」「『玄米じゃなくて精米しろ』となれば精米設備も必要になりますし、米は生鮮食品なので保管するにしても『冷蔵設備完備』でないと鮮度は維持できません」と、JAを介さず直販するには多額の設備投資がかかる事情を解説しています。

さらに、仮に設備を整えたとしても、精米する時間、袋詰め、配送手配などさまざまな販売コストや人件費がかかるとし、「それ等も販売価格に上乗せしますので、結果スーパーで買うよりも高くなる事が解ると思います」と結論付けています。

JAがなくなることで、よりコメの価格が高くなる可能性をつづっているのです。

投稿は1万件以上のリポスト、3.7万件の“いいね”を集めるなど話題になりました。

「現場の声をありがとうございます JAはなくてはならない組織なんですね!」「これだけわかりやすく説明しても米農家とJA悪論で確定バイアスのかかっている人は全く理解できないだろうな」「いわゆるJA解体を掲げてる人たちは部外者が多いですよね」「JA解体したらどうせよくわからない企業や外資系とかが入り乱れて、今より荒れた状況になりそうです」といった声が寄せられています。

投稿者は、今回の投稿の意図について、「農家から直接買えば安くなるという風潮について、個人的に『果たしてそうなのか?』と感じて投稿しました。実際には収穫から販売までに多数の過程が存在し、それらの工程を経て販売に至ります。出荷し小売店の店頭に並ぶにはさまざまな業者さんがそれぞれの役割を分担している訳ですが、直販となればその負担を生産者自らが行わなければならない。安直に『生産者から直接買えば安く買える』というのは少し違うのかなと思ったので、ざっくりではありますが投稿させていただきました」と説明しています。

一連の反響については、「本当に驚きました。当初は特に何も考えず、『こんな風になってるんだよ~』と知ってもらえたらありがたいなぁと思っていただけでしたが、ふたを開けたら多くの方からコメントを多数いただきました。もちろん賛否両論ありますし、それらを否定しようとも思いませんが、生産者の裏側を少しは知ってもらえたのかなとは思っています」と話しています。

農家の方の貴重な意見ですね。

農業、特にお米はコストがかかるのは間違いありませんので、現在、米が高いのは悪みたいな感じに世の中がなっていますが、米の価格が上がってようやくお米を作っている方も利益が出るようになった(儲からないので辞める方も多い。)という事実もきちんとマスコミ等は伝えていかないといけないと思います。

個人的には、精米や保管の設備を持っている農業法人などが設備等を貸したり、持っていない農家の方から買い取って販売するということもできるでしょうから、JAは必ずしもいらないのではないかと考えています。

また、JAはきちんと値付けができる組織になれば、存在価値が出てくる(高まる)のではないかと思っています。

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羽田空港の駐車場予約枠を高額転売か?

日本テレビによると、予約が取りにくいという羽田空港の駐車場の背景に、高額転売の可能性が出ています。

事前予約枠をめぐり、転売禁止に乗り出す事態となっています。

“東京の空の玄関口”羽田空港は、出張や旅行を控え、ただでさえ慌ただしい朝を迎えます。

月3回ほど駐車場を利用している方
「(空港の駐車場に)来たらいっぱい。冷や汗かきながら近所の駐車場探して。きょうも結構やばかったかもしれない」

月2回ほど駐車場を利用している方
「(朝)7時とかになってくると、とめられないので、できるだけ早く来ている」

駐車場の混雑を避けるため早起きをしたという人もいるようです。

3連休など繁忙期は“数時間待ち”になるなど慢性的に混雑している羽田空港の駐車場ですが、今、その「事前予約枠」をめぐり、中野国土交通大臣が「買い占めや転売が行われているとの報告を、私も運営する各事業者から受けている。1人でも多くの方に利用をしていただくということが重要であると」国が“問題視”する事態になっているのです。

そもそも羽田空港の駐車場では、およそ800台分の「事前予約」が可能となっています。

専用サイトで利用したい日の30日前から名前や車のナンバーなどを登録し、予約料金「1,000円」を支払えば利用できます。

しかしながら、羽田空港、予約代行で検索するとずらっと業者が出てきます。
ネット上には“予約代行”をうたう業者がズラリと並んでいます。

駐車場代でしょうか、中には「3万円台」で販売されているものもありました。

駐車場の「運営事業者」が調査を行ったところ、「予約代行業者」が受け付け開始後、すぐに予約枠を買い占め、高額で転売している可能性が浮上しました。

登録した車のナンバーをあとから変更するケースが見つかったといいます。

実際、羽田空港のサイトを見てみると、午前10時からの予約開始分があっという間に埋まってしまいました。
30日後の予約枠が受け付け開始とほぼ同時に埋まってしまいました。

この状況に利用者からは“不満”の声が噴出しています。
月2回ほど駐車場を利用している方
「利益がほしい人たちによって奪われるのは、憤慨。憤りを感じる」

月3回ほど駐車場を利用している方
「(Q.3万円とかで売っている)赤ちゃんがいるとか、荷物がある人は電車で来たくないから、少々お金払ってもと思う」

年に3~4回ほど駐車場を利用している方
「3万円ですよね、考えられない。僕はバカバカしくてもったいないと感じるので朝イチに来る」

駐車場の“代行業者”を利用したという方
「(公式サイトの)1か月前の(受け付け開始日)から狙いましたが ダメでした。妻が頑張ってやったけど瞬く間に赤(満車)になっちゃって、じゃあほかで頼むしかないよねと。何千円か割高かな。でも安心を買うようなもの」

every.は駐車場の「予約代行」を行っている業者を取材しました。
駐車場の“予約代行”行う業者
「客からの依頼を受けて予約を確保しているので転売ではない。予約枠を確保したら手数料をいただく」

依頼の数は月20件ほどで、「予約の枠」が少ないのが問題だと話しています。

駐車場の運営事業者は、来月から利用規約に転売禁止を盛り込み、予約後の車のナンバーの変更も禁止にするようです。

誰もが安心して利用できるよう対策を強化するとしています。

やはりお困りごとを解決することがお仕事につながりますから、ニーズに対して、こういう業者が出てくるのでしょうね。

登録した車のナンバーをあとから変更できる仕組み自体にもんだいがあると思いますので、身元確認から始まり、対策をしていくしかないでしょうね。対策したとしても、おそらく、いたちごっこになるでしょうから。

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「アメ車」は日本で一人負けのシェア0.4%ゆえ非関税障壁より消費者の壁!

日本経済新聞によると、日本市場でアメリカ車の販売が振るいません。

2024年の年間販売台数は1996年のピークから8割減り、アメリカ車が新車販売に占める割合はわずか0.4%にとどまります。

アメリカのトランプ大統領は安全基準の違いなどを「非関税障壁」としてやり玉に挙げていますが、当事者のアメリカメーカーは影響を否定しています。

「アメ車」はなぜ日本で売れなくなったのでしょうか?

日本自動車輸入組合(JAIA)のデータからアメリカブランド車の販売台数を集計しています。

アメリカで生産しているかは考慮していません。

アメリカ電気自動車(EV)大手のテスラは地域別の販売台数を公表していないため推計しました。

2024年のアメリカ車の販売台数は約1万6,700台でした。

国内新車販売全体は442万1,494台で、アメリカ車の割合は0.4%しかありません。

輸入車販売(22万7,202台)でみても割合は1割に満たないです。

実はアメ車は日本で一人負けなのが実態なのです。

輸入車で首位がドイツのメルセデス・ベンツの5万3,195台、2位が同じくドイツのBMWの3万5,240台です。

アメリカ車はジープが9,633台と7位でようやく顔を出します。

アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)のブランド「シボレー」は587台、「キャデラック」は449台しか売れていないのです。

なぜ日本でアメ車離れが起きているのでしょうか?
1990年代にアメ車ブームが巻き起こり、1996年に販売台数は約7万2,900台とピークに達しました。

けん引したのはフォード・モーターとGM、クライスラーの「ビッグ3」です。

シボレーのミニバン「アストロ」などを中心に人気を集めました。

そこから販売は減少の一途をたどっています。

2009年に約8,700台まで落ち込み、2016年にフォードは日本から撤退しました。

車体の大きさや燃費性能の悪さなどが消費者から敬遠されたのです。

伊藤忠総研の深尾三四郎エグゼクティブ・フェローは当時のビッグ3について「顧客へのサービスが不十分だった」と指摘しています。

一方、アメリカ勢で気を吐くジープは主力の「ラングラー」などをアメリカから輸入しているが、日本市場に合わせて右ハンドル車を導入しています。

ジープを傘下に持つヨーロッパのステランティス日本法人の成田仁社長は非関税障壁について「日本に参入しにくいと感じたことはない」とし、「顧客が求める形で提供することが大前提」と強調しています。

アメ車も変わろうとしています。

キャデラックは2025年3月に日本で発売したEVで約12年ぶりに右ハンドルを導入しました。

日本法人の若松格社長は「新しい需要を開拓する」といっています。

世界で不買運動が起きているテスラは日本で好調です。

日本車メーカーのEVが低迷しているためで、深尾氏は「日本市場に合ったEVを投入できれば、アメリカ車でも売れる余地はある」と話しています。

トランプ大統領は日本の充電規格にも不満を示していますが、中国のEV大手の比亜迪(BYD)は規格に対応したうえで、軽自動車に参入して日本の牙城を切り崩しにかかっています。

日本に対する自動車の非関税障壁の見直しは、オバマ元大統領の時から要求が続いています。

今回、日本政府は関税撤廃に向けた交渉カードの一つとして、輸入自動車への特例措置を想定しています。

しかしながら、非関税障壁が一部見直されたとしても、日本市場に合った車がなければ売れません。

今も左ハンドルは多く、燃費性能が悪い印象が消費者から持たれています。

大事なことはアメ車に対する消費者の心の壁を崩せるかです。

僕も昔、アストロとかハマー3とかを買うことを考えたことがありますが、大きさ、左ハンドル、燃費の悪さなどを考え、買いませんでした。

今だと、ガソリン価格も当時の2倍くらいになっていますから、なかなか買う人は少ないでしょうね。

トランプ大統領は、関税が原因のようなことを言っていますが、関税では何も解決しないと思いますね。

プロダクトアウトかマーケットインかの話しのように感じます。

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「何てことをしてくれたんだ」とシャインマスカット農家はショックを隠し切れず!

信越放送によると、長野県須坂市が、地元産ではないシャインマスカットをふるさと納税の返礼品にしていた問題について、生産農家はショックを隠し切れないようです。

吉池果樹園 吉池拓也代表:「そういうことされたらもう信用がないじゃないですか」

3年ほど前から須坂市の返礼品としてシャインマスカットを出荷する吉池拓也さん。

吉池果樹園 吉池拓也代表:「信頼していた部分が大きかったのでとてもショックです。何てことしてくれたんだと」

吉池さんは偽装の情報を知ってすぐに、日本グルメ市場との取引の中止を決めたといいます。

吉池果樹園 吉池拓也代表:「まずは信頼できる業者を市が判断して頂いた方が、ブランドもあるのでそこら辺を農家と話し合いながら進めていければ」

市民の反応は…。

須坂市民:「ブランドを傷付けるような行為なので迷惑で今後どうなっていくか不安。把握した段階で是正すれば、仕方ないことはないが対応できたのかなと。隠したのは完全にアウトだと思います」

須坂市民:「皆さん産地偽装を知らないで買い求めている。それを知ったらショック」

日本グルメ市場の長野営業所はSBCの取材に対し、「社長が長野に訪れる予定はしばらくない」と説明しています。

こういった事件が出てくるとは思っていましたが、やはり出てきましたね。

当然、農作物などは収穫量が天候や病気等に左右されるわけですし、人気のあるものには申し込みが殺到するわけですから、きちんと数量管理をして、申込件数を制限しないと、同じような事件は今後も出てくるのではないかと思います。

今回、日本グルメ市場は、長野県ではなく和歌山県の会社ですから、業者も市内とか県内とかに制限する方が、ふるさとへの貢献にもつながるのではないかと思いました。

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ドバイに続く「億万長者の街」として世界の富裕層がバンコクへ!

日本経済新聞によると、タイの首都バンコクに世界の富裕層が集い始めているようです。

東南アジアの比較的温暖な気候や豊かな食文化が生活拠点として評価され、中国や欧米の資産家の移住先として人気が高まっています。

ドイツのポルシェやフランスのバカラなど欧州ブランドが手掛ける高級マンションの建設も相次ぎ、ドバイやシンガポールに続く「億万長者の街」として注目されています。

バンコク中心部にそびえる高さ314メートルの「キングパワー・マハナコン」の66階の住居フロアに個人投資家の与沢翼さん(42)とその家族が居を構えています。

2024年に、3年ほど住んだドバイを離れてバンコクに移り住んだのです。

「物価や食事、教育面などを総合的に考えればタイが一番」と与沢さんは語っています。

ドバイやマレーシア、日本にマンションなど複数の物件を保有していますが、将来はタイへの投資に集中する考えのようです。

2025年3月にはおよそ2億バーツ(約8億8,000万円)の新規物件を購入しました。

「高級住宅市場が急速に立ち上がっている。富裕層がバンコクに移る動きも出ている」とのことです。

富裕層向けの投資コンサルティング会社、イギリスのヘンリー・アンド・パートナーズによると、100万ドル(約1億5,000万円)以上の流動資産を持つ富裕層のタイへの流入数は2024年におよそ300人と、2023年比で倍増しました。

アラブ首長国連邦(UAE、6,700人)やアメリカ(3,800人)に数は及ばないものの、伸び率は世界最大です。

ヘンリー・アンド・パートナーズのアンドリュー・アモイル氏は「富裕層がバンコクに向かう流れは2025年にさらに加速する」とみています。

充実した教育制度やナイトライフなど生活の利便性も人気の理由だそうです。

周辺に150を超えるインターナショナルスクールがあり、年率2桁のペースで増えています。

イギリスのユーロモニターによると、2024年にバンコクを訪れた外国人観光客は3,240万人と世界の主要都市で最多でした。

旅行でこの街を気に入り、移住を考える富裕層も多いようです。

バンコク市内では、富裕層の流入を見越した高級マンションの開発ラッシュが起きています。

バンコクの目抜き通り「スクンビット」の一角で、ドイツの高級車ブランド「ポルシェ」の名前を冠した超高級マンションの建設が進んでいます。

2028年にも完成する22戸は平均価格が1,500万ドル(約22億円)です。

最高級は4,000万ドルと、タイの分譲マンションで過去最高額となる見通しです。

開発会社ポルシェ・ライフスタイル・グループのステファン・ビュッシャー最高経営責任者(CEO)は「新たな生活体験を求めて、金に糸目をつけない富裕層が購入意欲を示している」と話しています。

ポルシェはドイツのシュツットガルト、アメリカのマイアミに次ぐアジア初のマンション開発地にバンコクを選んだのです。

ビュッシャー氏はその理由として「街の活気」を挙げています。

東京や上海も候補として検討したようですが、高額物件の需要に加え、都心の一等地を確保しやすく建設費が比較的安いことも決め手になったそうです。

不動産調査会社C9ホテルワークスによると、ホテル名などを冠した高級マンションの販売総額は2024年末時点でタイが62億ドルと、アジア圏で最大、日本のおよそ7倍に及びます。

フランスのバカラは現地の不動産開発大手と提携し、自社がデザインを手掛ける高級住宅の開発を進めています。

戸数は4戸限定で価格は48億円です。

高級ホテルブランド「アマン」も2023年に竣工した東京都港区の「麻布台ヒルズ」に続き、バンコクの中心部に高級マンションを開発中です。

タイの不動産市場に詳しいCBREタイランドのアティタヤ氏は「ドバイの物件は投資対象として人気だが、バンコクは住居用の需要が高い」と解説しています。

バンコク中心部の一等地を保有し、タイ最大の「地主」とされるタイ王室も富裕層の誘致に一役買っています。

王室財産管理局は不動産開発会社を傘下に置き、ドイツの高級ホテル系などのマンション開発を手掛けています。

民間最大の投資プロジェクト「ワンバンコク」や老舗ホテル「デュシタニ・バンコク」の再開発にも王室が保有する土地をマンション用地として拠出しました。

タイ政府住宅銀行がまとめた2024年1〜9月のタイ国内における外国人の物件購入件数は1万1,036件で、そのうち4割が中国人でした。

ヘンリー・アンド・パートナーズは、中国の富裕層の国外流出数が2024年に1万5,200人と過去最多になったと推計しています。

経済成長の鈍化や政府当局による監視強化を避けて国外移住する富裕層が増えているとみられ、バンコクが受け皿の一つになっているのです。

アメリカのトランプ大統領は2025年2月、外国人が500万ドル(約7億5,000万円)を支払えば米国で永住権を得られる「トランプ・ゴールドカード制度」の創設を表明しました。

「100万枚以上売れるだろう。世界の富裕層がアメリカに集まり、大成功を収める」と唱えました。

世界各国で富裕層の誘致競争が過熱しているのです。

資金力のある個人を自国に呼び込み、経済の活性化や投資の促進につなげようとしています。

シンガポールは2004年に「グローバル投資プログラム」を導入し、外国人の一定規模の投資家や起業家に永住権の取得を可能にしました。

タイは2022年に純資産額1,00万ドル、年収8万ドル以上の富裕層向けに長期滞在ビザを設けました。

インドネシアやマレーシアでも同様の仕組みが始まっています。

富裕層の流入数でトップのドバイは永住権制度はありませんが、預金額200万ディルハム(約8,100万円)以上などの条件で最長10年のビザを提供しています。

一方、国内の不動産価格の高騰や安全保障上の理由から、富裕層への永住権や長期ビザの発行を取りやめる動きもあるようです。

イギリスやオランダが近年廃止したほか、スペインも2025年4月に長期ビザ制度を終了します。

国際社会では、税制優遇などで富裕層を呼び込む手法が課税逃れやマネーロンダリング(資金洗浄)につながっているという批判もあります。

■富裕層■

一般的に日本では1億円以上、国際的には100万ドル(約1億5,000万円)以上の流動資産を保有する個人や世帯と定義されています。
イギリスのヘンリー・アンド・パートナーズの推計では、100万ドル以上の「ミリオネア」は世界におよそ1,700万人、全人口の0.2%に相当します。

国別の居住者数は2023年末時点でアメリカが549万人と最多で、以下、中国(86万人)、ドイツ(80万人)、日本(75万人)と続きます。

10億ドル以上の「ビリオネア」となると世界で2,650人に限られます。
より良い生活環境や税制などの好条件を求めて外国に移り住む富裕層も多くなっています。

2024年に国外移住した富裕層は12万8,000人と、2014年比で2.2倍に増えました。

色々な国が富裕層の誘致に力を入れているんですね。

日本は、都道府県では移住に力を入れているところ(我がうどん県もそうだと思いますが。)もありますが、所詮、日本国内での奪い合いであり、世界的には取り残されているような気はしますが。

まぁ、複雑な税制を根本的にシンプルなものに変えないと無理でしょうね。

あとは、先日のミャンマーの地震で1,000キロメートル以上も離れたバンコクの建設中のビルが倒壊したりしていましたが、これが影響を及ぼすかもしれません。

ドバイに続く「億万長者の街」として世界の富裕層がバンコクへ移住していることについて、あなたはどう思われましたか?


顧問税理士が語った中居正広さんとの“30年”の関係!

FLASHによると、20代女性との性的なトラブルで、解決金を払ったと「NEWSポスセブン」「文春オンライン」に報じられた、タレントの中居正広さんですが、女性との仲介役として、フジテレビの編成幹部社員が関与した疑惑も浮上し、フジテレビの港浩一社長が緊急記者会見を開くなど、社会問題にまで発展しています。

そうした影響で、中居さんがレギュラー出演していたテレビ番組5本、ラジオ番組1本の全6本はすべて消滅することになりました。

中居さんは2025年1月23日、芸能界からの引退を発表しました。

中居さんは1987年にジャニーズ事務所に入所し、翌1988年に結成されたアイドルグループ・SMAPに加入し、リーダーとなりました。

2016年12月末にSMAPが解散した後は、ソロ活動に入り、2020年2月19日に個人事務所「のんびりなかい」を設立しました。

代表取締役社長に就任し、2020年3月末にジャニーズ事務所を退所しました。

中居さんの個人事務所は、都内のオフィス街の一角にある、古いマンションの1室に法人登記されています。

代表取締役である中居さんの住所も、登記上は同じ住所になっていました。

FLASHの記者がそのオフィスを訪ねると、ドアには「〇〇税務会計事務所」という表記が貼られていたようです。

ドアをノックすると、年配の男性が対応しました。

記者が名刺を差し出すと、男性は理解したようで「ああ、中居さんの件?」と言い、こう話し始めました。
「私は、中居さん本人と会社の顧問税理士です。登記簿謄本に『のんびりなかい』の本社と中居さんの自宅住所をのせるのに、本当の住所をのせたくないということで、中居さんのほうから、本社の住所と自宅住所をここに置かせてください、ということで、こちらの住所になっています。ただ、今回の件は何も聞いていませんので、ノーコメントでお願いします」

さらに聞くと、この男性は、中居さんの顧問税理士になってから30年近いのだそうです。

「1995年か、1996年ころからです。いまほど(中居が)有名ではないころですね。そのくらいから、中居さん個人の確定申告をやっています。それまでは、お母さまがされていたそうです。

もともとジャニーズにいたマネージャーさんから、『中居さんが顧問税理士を探している』という話があり、私が引き受けることになりました。そういう関係ですから、今回のことはびっくりしています。

(中居さんは今年の収入が激減して、去年の所得分の税金を払うのに大変では?)

まあ、細かいことは言えませんけどね。

その辺はちょっと、まだ連絡もないし。2024年の3月ごろに、確定申告の件でお会いしたのが最後ですね。

『のんびりなかい』のほうは3月決算、5月申告ですので、個人と会社の確定申告の件でした。

中居さんとは毎年1、2回会うくらいです。

ここには1回も来たことはないです。

ここを調べたようで、中居さんのファンの方がお見えになったことがあります。

女性の方が3、4人で『会わせてください』と。

こちらは、オフィスのなかを見てもらいながら、顧問税理士の事務所であることを説明し、お引き取り願いました。

不満そうな顔をして帰りましたけど。

『中居さんの弟子になりたい』と話す、若い男性の方も来ましたね。

(中居さんの収入がどんどん増えていくのを目の当たりにされたのですね?)

長者番付が発表されていたころには、タレントさん部門で中居さんはトップになったこともありましたね」

中居さんは2002年度の確定申告では、俳優・タレント部門で2001年まで5年連続トップだった、とんねるずの石橋貴明さんを抑え、所得税額1億6,808万円と、初の1位に躍り出ていました。

中居さんの人柄については、こんなエピソードも。
「中居さんは、私から見るとまじめな方ですよ。

昔、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)をやっているころ、収録の合間にスタジオでよくお会いしました。

夏で暑くて、私は最初、アイスコーヒーを飲んでいたのですが、クーラーが効いて、途中からちょっと寒いと感じていたところ、中居さんは気をきかせて『温かいコーヒーを頼みましょうか』と。気配りのできる方でした。

2002年か2003年ころからは、草彅剛さんの個人の確定申告も、私がやっています。

草彅さんの所属事務所・CULENの飯島三智社長の紹介です。

飯島さんの確定申告もやっています。

昔は事務所に4人ほどいたのですが、いまは事務所を縮小して、私ひとりでやっています」

芸能界から姿を消した中居さんですが、今後、税金の支払いはどうしていくのか、気になるところです。

顧問税理士に話しを聞くというのもスゴいと思いますが、顧問税理士は答える必要はあったのでしょうか?

詳細が分からないので何とも言えないですが、中居さんの行為は問題があったとは推測されますが、当事者間で示談が成立しているわけであり、引退する必要はあったのでしょうか?

司会者や俳優としても才能があり、長者番付トップになったことがある方ですから、非常に残念でなりません。

芸能界が昭和時代のままなのかもしれませんが、この件を機に令和時代に変わって欲しいなぁと思います。

一方、フジテレビの対応はあまりにもひどかったのではないかと感じています。

報道機関でありながら、クローズの記者会見はありえないのではないかと思いました。

この事件があって、急に労働組合への加入者が増えているようですが、フジテレビも特殊な世界なんでしょうね。

以前、株式を保有していて好きなテレビ局ですが、今回、膿を出し切って変わらないと将来はないのではないかと思います。

第三者委員会の報告がきっかけとなることに期待したいですね。

顧問税理士が語った中居正広さんとの“30年”の関係について、あなたはどう思われましたか?


なぜ外資系高級ホテルの進出計画が続々と瀬戸内に?

中国新聞によると、瀬戸内で外資系の高級ホテルの出店計画が相次いでいます。

音戸の瀬戸公園(広島県呉市)での計画に加え、アメリカ大手ヒルトンは2028年に廿日市市宮島口西に高級ホテルを開業します。

複数の外資系高級ホテルができることで、面としての魅力が高まり、外国人観光客の集客につながりそうです。

音戸の瀬戸公園の事業で、ひろぎんホールディングス(HD、広島県広島市中区)のグループ企業は資金調達やコンサルティングなどを担っています。

ひろぎんHDは、外国人観光客にとって音戸の知名度は低いですが、高級ホテルの誘致などを通じて人気を高められると評価しました。

部谷俊雄社長は「瀬戸内には観光資源がたくさんあるのに、高級ホテルがあまりなかった」と説明しています。

広島市、呉市、尾道市でのクルーズなど「面的に瀬戸内海をうまく使うことを考えなければいけない」と語っています。

ヒルトンが宮島の対岸に開業するのは、上級ブランド「LXRホテルズ&リゾーツ」です。

ひろぎんHDのグループ社員向け保養施設の跡地に建てます。

「厳島神社を望む海辺で、ぜいたくで唯一無二の体験を提供する」とし、国内で高まる高級ホテルへの需要に対応する考えです。

広島県内では、世界的高級ホテル「アマン」の創業者が手がける新ブランドの旅館「アズミ瀬戸田」が2021年、尾道市瀬戸田町に開業しました。

四国でも、香港拠点のマンダリンオリエンタルホテルグループが2027年夏、国内2か所目のホテルを我が香川県高松市にオープンする計画です。

香川県の直島にも富裕層向けの古民家風ホテルを2027年に開業します。

観光庁の宿泊旅行統計によると、2023年に広島県に宿泊した外国人は延べ144万人と10年前の約3倍に増えました。

安田女子大国際観光ビジネス学科のジョアン・ロマォン准教授(観光学)は「繰り返し日本を訪れたい外国人は、混雑を避けられる観光スポットを瀬戸内に求めている」と分析しています。

多島美や瀬戸内しまなみ海道のサイクリングなどの魅力が広く知られるようになったのも要因とみています。

我が香川県の話しは当然知っていますが、広島でもたくさんできているんですね。

昨年、広島市に久しぶりに行ったときに、路面電車や原爆ドームなどは外国人だらけだなぁと思いましたが、外国人観光客向けとしてはいいんでしょうね。

先日、広島にお住まいの方が、広島は外国人がたくさん来ているけれど、富裕層ではないので、お金はあまり使わないとおっしゃっていましたが、どうなるんでしょうね。

札幌・東京・名古屋・大阪・福岡だけではなく、中四国地方にも来て、お金を使って欲しいと思っていますので、期待したいですね。

なぜ外資系高級ホテルの進出計画が続々と瀬戸内に?について、あなたはどう思われましたか?


「ついにナイキ王国落城へ」箱根駅伝の厚底戦争で新首位候補の”2社”が完全包囲!

PRESIDENT Onlineによると、2025年の箱根駅伝のレースの行方とともに、毎年注目されるのが選手が履くシューズのようです。

ナイキが2017年に厚底を投入後、ずっとシェア率のトップを突っ走ってきましたが、最近はライバル社も猛追しています。

スポーツライターの酒井政人さんがシューズ戦争の最新事情を報告しています。

国民的行事となっている箱根駅伝ですが、近年は箱根ランナーたちが着用するシューズも注目を浴びており、スポーツブランドの“戦い”が過熱しています。

ナイキが2017年に反発力のあるカーボンプレートを軽量でエネルギーリターンの高いフォームで挟んだ“厚底シューズ”を投入すると、シューズ革命が起こりました。

駅伝やマラソンのタイムが大幅短縮したのです。

箱根駅伝を走る選手のシューズシェア率は2018年大会からナイキがトップを独走しています。

2021年大会では95.7%(210人中201人)に到達して、1社独占のような異常事態となったのです。

その間、他社もカーボンプレート搭載の厚底モデルを開発しています。

近年はナイキの圧倒的優位が崩れているのです。

前回の2024年大会(記念大会で230人が出場)はナイキが42.6%(98人)でトップを守るも、アシックスが24.8%(57人)まで上昇しました。

アディダスも18.3%(42人)と肉薄しました。

さらにプーマが8.7%(20人)と大躍進しました。

他にもミズノ(5人)、オン(3人)、ホカ(2人)、ニューバランス(1人)、アンダーアーマー(1人)、ブルックス(1人)がいて、過去最多となる10ブランドが新春の舞台を駆け抜けたのです。

箱根駅伝のシューズシェア争いは“群雄割拠”の時代に入ったと言っていいでしょう。

そして2025年大会ですが、「ついに王者・ナイキが首位から陥落する」との予測も出てきました。

では、新王者はどこなのでしょうか?

候補はアシックスとアディダスです。

アシックスは2017年大会でシェアトップでしたが、2021年大会でまさかの0人となりました。

かつての王者が屈辱的な大惨敗を喫したのです。

崖っぷちに立ったアシックスは2019年11月にトップアスリートが勝てるシューズを開発すべく各部署の精鋭を集めた社長直轄組織「Cプロジェクト」を発足しました。

2021年3月にランナーの走り方に着目した「METASPEED」シリーズを発売したのです。

ストライド型(歩幅を伸ばすことでスピードを上げる)のランナーに向けた「SKY」と、ピッチ型(ピッチの回転数を上げることでスピードを上げる)に向けた「EDGE」の2種類があり、ともにストライド(歩幅)が伸びやすい仕様になっています。

同モデルを履いた当時33歳だった川内優輝選手が、25歳の時に出した自己ベスト(2時間8分14秒)を大幅に塗り替える2時間7分27秒をマークしたのです。

「METASPEED」が脚光を浴びるようなると、アシックスが反撃を開始しました。

箱根駅伝は2022年大会でシェア率を11.4%まで取り戻して、2023年大会で15.2%にアップしました。

前回大会で24.8%まで引き上げて、ナイキの背中がグンと近づいてきたのです。

2024年3月にはパリ五輪を前に「METASPEED PARIS」シリーズを発売しました。

新採用された「FF TURBO PLUS」というミッドソール素材が従来素材と比較して、約8.0%軽く、反発性は約8.2%、クッション性は約6.0%向上しました。

その結果、「SKY」は約20g、「EDGE」は約25g軽くなったのです。

また「SKY」はカーボンプレート前足部の幅を拡大、「EDGE」は前足部の厚みを3mm増加させたことで反発性がアップしました。

今季の学生駅伝は前年と比べて、10月の出雲駅伝で4.4%、箱根予選会で7.6%、全日本大学駅伝大会で2.7%も着用率がアップしました。

先日行われた全国高校駅伝でもアシックスの着用者が目立っていました。

前回の箱根駅伝は青山学院大学が往路をぶっち切ると、復路も独走しました。

優勝の立役者となったのが、花の2区で区間賞を獲得した黒田朝日選手と、3区で日本人最高記録を叩き出した太田蒼生選手です。

このふたりは8万2,500円(税込)のスーパーシューズ「アディゼロ アディオス Pro EVO 1」で爆走しました。

従来のレース用シューズより40%軽い片足138g(27.0cm)という超軽量モデルが彼らのポテンシャルを引き出したのです。

「抜群に軽さが違っていて、履いていても、シューズが気にならないくらいに軽いんです。僕はなかなかすごいペースで入ったんですけど、後半に何回も仕掛けることができた。脚に余力があったのは、シューズのおかげでもあるのかなと思います」と太田選手は振り返っています。

「アディゼロ アディオス Pro EVO 1」は大量生産が困難なモデルで、前回大会の着用者は3人しかいませんでした。

徐々に有力選手への提供も進んでおり、着用者が大幅に増えそうです。

今大会でもレースの命運を左右する存在になるかもしれません。

アディダスは最新のレーシングモデル「アディゼロ アディオス プロ 4」を11月27日、世界に先駆けて日本国内限定で先行発売しました。

箱根駅伝ではこちらが主要モデルになるでしょう。

また、國學院大学のエース平林清澄選手(4年)はさほどソールが厚くない「アディゼロ タクミ セン ナイン」を愛用しています。

アディダスは2025年の箱根駅伝で「ブランドシェアNo.1」を目標に掲げていますが、正月決戦の前哨戦ともいえる11月の全日本大学駅伝(関東15校)のシューズシェア率はナイキの32%に迫る28%でした。

前年(59%)を27ポイントも下落したナイキに対して、アディダスは前年を8ポイントも上回ったのです。

また、プーマも前年の6%から17%に伸ばしています。

プーマは全日本大学駅伝での着用者が2021年0人、2022年3人、2023年10人、2024年22人と右肩上がりです。

箱根駅伝でも着用者が倍増するでしょう。

山口智規選手(早稲田大学3)、斎藤将也選手(城西大学3)、青木瑠郁選手(國學院大学3)、馬場賢人選手(立教大学3)らレースのカギを握る選手が着用予定で、新たなドラマをつくるかもしれません。

最近はアディダス、アシックスらに押され気味のナイキですが、世界の舞台では結果を残しています。

2023年9月のベルリンマラソンで「アディゼロ アディオス Pro EVO 1」を履いたティギスト・アセファ(エチオピア)が2時間11分53秒の世界記録(当時)を打ち立てて、関係者を驚かせましたが、2024年10月のシカゴマラソンでその記録を今度は「ナイキ アルファフライ 3」を着用したルース・チェプンゲティチ(ケニア)が2時間9分56秒という驚異的なタイムで塗り替えたのです。

ナイキが現在販売中の最新レーシングシューズは「アルファフライ 3」と「ヴェイパーフライ 3」というモデルです。

しかし、ナイキは水面下で「ヴェイパーフライ 4」と思われる一般発売前のモデルを一部選手にプッシュしているようで、その影響がどれぐらいあるのでしょうか?

それから前回の箱根駅伝で3人が着用したオンにも注目です。

全日本大学駅伝は5人の選手がオンのシューズで出走しました。

国内ではまだ未発売の「Cloudboom 4」というモデルを着用した駒澤大学・篠原倖太朗選手(4年)が7区で青山学院大学・太田蒼生選手(4年)、國學院大学・平林清澄選手(4年)らを抑えて、ハイレベルの区間賞をゲットしたのです。

また、全日本大学駅伝では3区でトップを突っ走った青山学院大学・折田壮太選手(1年)、創価大学・吉田凌選手(4年)という実力者もオンを着用していました。

ふたりが使用していたシューズがまた斬新だったのです。

2024年7月に発表した最新テクノロジーを搭載した「Cloudboom Strike LS」というモデルになります。

自動化されたロボットアームで素材をスプレー噴射することで、接着剤フリーのつなぎ目のないアッパーを実現しています。

超軽量の立体成型のため、極薄でシームレスなつくりで靴紐なしで着用できるのです。

とにかく足へのフィット感が抜群で、サポート性を発揮しています。

インソールも中敷きもなく、足が直接ハイパーフォームに接するため、エネルギーのロスも少ないのです。

ビジュアル面でも目立つ“近未来シューズ”で快走する選手が出てくると一気に話題になりそうです。

王座奪還を目指す駒澤大学のキーマンとなる佐藤圭汰選手(3年)もオンを着用する可能性が高いです。

前回はシューズシェア率が1.2%(3人)だったブランドが、箱根駅伝2度目の登場で強烈なインパクトを残すかもしれません。

結果は、青山学院大学の優勝でしたね。

Runtripの速報によると、アディダスが76名で着用数トップでした。
今大会の出場全210選手のうち、ブランド別着用率ではアディダスが36.2%(76名)となり大きく躍進しました。

METASPEEDシリーズを展開するアシックスが25.7%(54名)と続く形となりました。
そして、ナイキの着用率は23.3%(49名)でした。

2017年にヴェイパーフライ 4%登場以来、ヴェイパーフライやアルファフライといったナイキのレーシングシューズを着用する選手が数多く見られましたが、その情勢が変化する結果となりました。

すでに登場しているアルファフライ 3やヴェイパーフライ 3のほか、ヴェイパーフライ ネクスト% 4プロトタイプを着用する選手も見られました。
さらに、プーマは11.9%(25名)、Onが1.4%(3名)、ミズノ、ニューバランス、ブルックスがそれぞれ0.5%(各ブランド1名)と続きました。
全10区間の区間賞選手の着用シューズに絞ると、10選手中着用シューズの最多は6名のアディダスでした。

全体のシューズ着用率のみならず、“速さ”においてもその勢いが現れました。
なお、アディダスを着用した選手の中でも最新モデルのADIZERO ADIOS PRO 4を着用して区間賞を獲得した選手は4名、極めて軽量なモデルとして注目を集めるADIZERO ADIOS PRO EVO1を履いて区間賞を獲得したのは2名と、選手たちの中でも選択は分かれた模様です。
なお、7区区間新記録で区間賞を獲得した駒澤大学・佐藤圭汰選手はOnのCloudboom Strikeを着用してレースに出走するなど、話題となりました。
そのほか、9区区間賞を獲得した城西大学・桜井優我選手をはじめプーマ『ディヴィエイト ニトロ エリート 3』を着用した選手も多く見られました。
沿道にも多くの観客が駆けつけ、210名の選手たちが力走する姿に声援が送られた第101回箱根駅伝ですが、選手たちを支えるシューズの今後の動向にも、注目が集まりますね。

個人的には、マラソンとかをするわけではないですが、ニューバランスとかアディダスとかプーマとかアシックスとかが好きなので、頑張って欲しいですね。

「ついにナイキ王国落城へ」箱根駅伝の厚底戦争で新首位候補の”2社”が完全包囲したことについて、あなたはどう思われましたか?


厚生労働省が次期年金制度改革での専業主婦優遇「3号」廃止を見送り!

毎日新聞によると、厚生労働省は、2025年の通常国会に法案の提出を目指している年金制度改革で、会社員らに扶養される配偶者が年金保険料を納めなくても基礎年金を受け取れる「第3号被保険者制度(3号)」の廃止を盛り込まない方針だそうです。

パート従業員らの働き控えを招く「年収の壁」の温床と批判され、日本商工会議所や連合などが将来的な廃止を求めていました。

直ちに廃止すると不利益を被る人が多いため、本格的な議論は5年後の次回以降になるとみられます。

公的年金制度の加入者には3つの区分があります。

自営業者やフリーランスなど国民年金の保険料を自ら納める「第1号被保険者」と、会社員や公務員など労使折半で厚生年金保険料を支払う「第2号被保険者」に加え、3号です。

3号の主な加入者は専業主婦やパート労働者らで、勤務する企業の規模が従業員50人以下なら年収130万円、51人以上なら同106万円未満であれば3号にとどまれます。

3号は1985年に、サラリーマン世帯の専業主婦でも自分名義の年金権を確保できるよう創設されました。

当時は約1,093万人が加入していましたが、共働き世帯の増加を背景に2024年5月時点で約676万人に減少しています。

20代女性で3号の人は1割未満ですが、35歳以上になると約3割を占めています。

2024年10月以降、連合や日本商工会議所、経済同友会が中小企業の人手不足を背景に「将来的な廃止」を求める提言を公表しました。

共働きが増加する中、働かずに年金を受け取れることに不公平感も残り、男女の賃金格差を助長するとの批判も上がっています。

年金制度改革を議論する厚労省の社会保障審議会年金部会では、これまで3号のあり方を複数回議論しています。

委員からは「女性の就労を阻む」と廃止を求める意見が上がる一方、「3号には所得保障機能がある」などと存続を求める声もあり、現段階で議論は収束していません。

年金制度は5年に1度見直されており、厚生労働省は次回以降、廃止するかどうか本格的な議論を始める方向です。

当面はパート労働者が厚生年金に入りやすくなるよう要件を緩和し、3号からの移行を目指しています。

個人的には、3号が人手不足の一因だと考えていますし、優秀な方が労働市場に出てこず、日本経済にとってマイナス効果を与えていると思いますので、5年後と言わず、早めに廃止等の検討して欲しいと思います。

厚生労働省が次期年金制度改革での専業主婦優遇「3号」廃止を見送ることについて、あなたはどう思われましたか?


王子ファイバーがマイクロプラスチック汚染対策で人工芝を紙製に!

日本経済新聞によると、細かく砕けたプラスチック片が分解されずに海中を漂う「マイクロプラスチック」は、排出源としてレジ袋や飲料ボトルを思い浮かべがちですが、実は人工芝が大きな原因であることが明らかになってきたようです。

健康や生態系への悪影響が懸念されるなか、日本のメーカーが対策に乗り出しました。

「紙から人工芝を作る。」と、2024年9月中旬、王子ファイバー(東京都中央区)の幹部らが研究開発の進捗について議論しました。

「引っ張る力に対しては合成繊維に負けない強度になってきた」「屋外のスポーツで使うためにさらに摩擦にも強くしていこう」

紙原料の糸の製造を手掛ける王子ファイバーは、技術力の応用展開の一環として2023年から人工芝の販売を始めました。

紙幣にも使われているマニラ麻の繊維で紙をつくり、それを独自の製法で糸にして編み上げます。

水に弱い紙の弱点は克服し、環境に負荷をかけない生分解性を強みとして屋内向け市場に参入する段階まできました。

「すでに家庭やオフィスのラグの引き合いがある」(平井雅一社長)ようです。

次のステップは市場規模が大きい屋外向けの人工芝です。

サッカーや野球などスポーツのフィールドに使うには、まだ耐久性が十分ではありません。

張り替えの頻度を踏まえると、価格は通常製品の4〜5倍程度にしなければ収益化しません。

販売開始は2025年度、3年ほどで年間10億円規模の売上高が当面の目標です。

コスト削減に向けて他の原料も模索するなど試行錯誤が続いています。

プラスチックごみ問題は深刻度を増しています。

経済協力開発機構(OECD)の2022年の発表によると、2019年には世界で年間2,200万トンのプラスチックが海や陸上などに流出しました。

プラごみのなかでも5ミリメートル以下のマイクロプラは、飲み水や魚から人間へと取り込まれるリスクが高くなっています。

世界自然保護基金(WWF)の資料では、クレジットカード1枚分に相当する約5グラムのマイクロプラが世界の人々の口に毎週入っている可能性が示唆されました。

人体への影響については、世界の様々な機関で研究が行われている段階です。

名古屋大学の春里暁人特任講師が海などを漂うマイクロプラを再現したものを、通常実験で使われる投与量の1,000分の1以下にして2か月間、水に含ませてマウスに与えたところ、腸の免疫の働きが落ちました。

「ごく微量の投与で安全を確認するつもりだったが、健康に何らかの影響が出るという懸念が残った」(春里氏)

人工芝が問題視されるのは、スポーツ競技などで摩耗するとマイクロプラの排出源となるためです。

パイルと呼ぶ芝部分と根元の隙間を埋めて人の足腰の負担を和らげる充塡剤で構成されるが、パイルはプラスチック製、充塡剤はゴムチップ製が主流です。

環境問題に取り組むピリカ(東京都渋谷区)は2020年から2021年にかけて、国内120地点で河川や海などに流出したマイクロプラを調査しました。

質量でみると、人工芝が25.3%を占めて最多でした。

発生源を突き止めたピリカの調査手法は国連でも導入されました。

小嶌不二夫社長は「企業は予防的に対処すべきだ」と話しています。

規制の動きも出ています。

欧州連合(EU)では2023年9月、充塡剤などマイクロプラの原因となる部材を意図的に添加した製品の域内での販売を2031年以降に禁止することを決めました。

2024年3月には東京都多摩市が国内で初めて独自の人工芝のマイクロプラ流出対策ガイドラインを公表しました。

人工芝はパイルなどの原料を仕入れて編めば一定の品質の製品になるため、中小企業や地場の織物企業が取り扱う事例も多いようです。

世界の参入業者が正確につかめないなか、環境対策の先頭に立つのは日本の大手企業となります。

住友ゴム工業はピリカの調査結果を受け、2021年から独自システムの実証実験を始めました。

流出経路となる排水溝と施設を囲むフェンスにフィルターやネットを設けたり、人工芝の外周部に流出しづらい高比重の充塡剤を使ったりする仕組みです。

定期的なメンテナンスは必要ですが、流出をほぼ防げるそうです。

住友ゴム工業は新設と張り替えの合算で年間にテニスコート約400面、サッカー場70面ほどの人工芝の敷設を手がけ、国内の面積シェアは4割程度とみられます。

ハイブリッド事業本部の長谷川浩氏は「全件にシステムを設置するべく根気よく説明を続ける」と語っています。

ミズノはマイクロプラの流出を抑えた人工芝を2014年から販売し、現在は人工芝の売上高のほとんどを占めています。

パイル1本ずつが縮れる特殊な加工を施し、ちぎれにくくしました。

充塡剤の流出は従来品と比べて新品で84%、摩耗後でも70%少ないそうです。

環境省が2023年に「環境技術実証事業」に選定し、2023年12月には台湾の「台北ドーム」でも採用されました。

足元では毎年10%ほど売上高が伸長しており、スポーツ用品で販売網のある海外展開の拡大を視野に入れています。

カネカは人工芝への導入を視野に同社が開発した生分解性プラ原料の耐久性強化などの研究を進めています。

海に流出しても微生物が分解し、最終的に二酸化炭素と水になる強みがあり、使い捨てのストローやフォークなどで利用の裾野が広がっています。

調査会社のグローバルインフォメーションは、人工芝の世界市場が2030年には2023年比で63%増の57億8千万ドル(約8,500億円)に達すると予測しています。

具体的な健康被害が出てからでは遅いです。

将来のリスクを率先して極小化する努力は、高い技術力を持つ日本企業が販路を拡大するための武器にもなるでしょう。

少し前から、『マイクロプラスチック』のことがニュース等で取り上げられ、ペットボトルなどが結構気になっていましたが、人工芝が大きな原因なのと、対策は日本企業が進んでいるということを知り、驚きました。

スポーツに影響を及ぼしてはいけないと思いますし、日本企業の技術力の高さを世界に示し、対策ができるといいですね。

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タリーズの顧客9万人の情報漏洩の可能性!

朝日新聞によると、タリーズコーヒージャパンは、先日、通販サイト「タリーズオンラインストア」が不正アクセスを受け、会員登録していた顧客9万2,685人の個人情報が漏えいした可能性があると発表しました。

このうち5万2,958人は、クレジットカードの情報が流出したおそれがあるそうです。

タリーズコーヒージャパンは、2024年5月、不正アクセスによって顧客情報が漏れた可能性があると発表し、サイトを一時閉鎖し、第三者調査機関による調査を進めてきました。

漏えいした可能性があるのは顧客の氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどです。

さらに、2021年7月以降に通販サイトの決済で使ったクレジットカードについて、カード番号と名義人名、有効期限、セキュリティーコードが漏れた可能性があります。

対象者にはメールや郵送で個別に連絡しているそうです。

タリーズコーヒージャパンは「今回の公表に至るまで時間を要しましたことを深くおわび申し上げます。このたびの事態を厳粛に受け止め、再発防止を図ってまいります」などとコメントしました。

クレジットカードのセキュリティーコードが漏れた可能性があるというのがよく分からないのですが、セキュリティーコードを保存しているのでしょうか?

一律に補償(お礼?)するにしろ、かなりの額になると思いますし、委託先とかから漏れていたのかもしれませんが、そういうところに委託することに責任があるわけですから、タリーズコーヒージャパンは信用をかなり失ったでしょうね。

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金融庁がビッグモーターの不正で大型保険代理店に新規制!

日本経済新聞によると、金融庁は大規模な保険代理店の規制強化に乗り出します。

複数の保険会社の商品を扱う一定規模以上の乗り合い代理店に対し、コンプライアンス(法令順守)担当者の設置を義務づけるなど複数の案を検討します。

内部管理体制の拡充を求めることで、中古車販売店大手の旧ビッグモーターによる保険金不正請求のような不正が再発する事態を防ぎます。

鈴木俊一金融相が、金融審議会(首相の諮問機関)総会で、新規制の検討を諮問する見込みです。

金融庁は2024年9月中に新たな会議体を立ち上げ、有識者を交えた議論を始めます。

2025年に保険業法改正案を国会に提出することを視野に、新規制案の具体化を急ぎます。

15社以上の保険会社の商品を扱うなど一定規模以上の代理店は現在、保険会社から受け取る手数料などを記した事業報告書を年1回提出する必要があります。

こうした代理店は500社程度あるとみられます。

新たに上乗せする規制では対象の代理店を更に絞り込んだうえで、法令順守の強化につながるルールを追加で課していく方針です。

法令順守担当者の配置や、内部通報体制の構築を義務づける案などを検討する見通しです。

新規制の対象となる代理店を決めるため、保険会社に取引関係がある大規模代理店の保険料収入の提出を求めるなど現状把握のための調査を進めます。

調査結果を基に、保険料収入や従業員数といった新たな大型代理店の基準を設けた上で、規制を適用していく方向です。

金融庁が大規模な乗り合い代理店に照準を合わせる背景には、旧ビッグモーターによる大規模な不正の発覚があります。

旧ビッグモーターでは、会社法上の要件を満たす取締役会を開いていなかったり、内部通報の規定が整備されていなかったりするなどガバナンス(企業統治)上の不備が多数見つかりました。

金融庁は、不適切な内部管理体制が不正の拡大を招いたとみています。

大型代理店は顧客の数が多く、不正が実行された場合の被害も大きくなる可能性があるため、規模の小さな代理店よりも厳しい規制が必要だと判断しました。

ブローカー(保険仲立ち人)の活用促進に向けた議論も始めます。

今の規制ではブローカーと保険代理店が協業することはできませんが、この規制の緩和を検討し、企業がブローカーと代理店の両方を使って、より良い内容の保険契約を結べるようにします。

2023年に発覚した大手損保による企業向け保険の価格調整問題では、企業が自社グループの代理店に依存し、不適切な保険契約を見破れない実態も浮き彫りになりました。

より中立的な立場のブローカーが関与することで、企業が対等な立場で保険会社側と交渉し、カルテルなどの不正が起きないようにします。

金融庁は大型代理店に対する新規制の検討と並行して、資金決済法の見直しについても議論を始めます。

同法は銀行以外の事業者にも一定の決済サービスなどの提供を認める「資金移動業」を規定しています。

この資金移動業の登録に関する要件が、現在の金融サービスの状況に合っているかを検討します。

例えば、近年増えている後払い決済サービスを提供する事業者は資金移動業の登録対象になっていません。

利用者から資金を事前に預かり、支払いに充てる従来の決済サービスとは異なるためです。

ただ、事前に資金を預かっていないとしても、提供しているサービスの質は同等だとの指摘もあります。

金融庁関係者は「世の中の動きに法律が追いついていないなら必要な部分は見直していきたい」と語っており、今後立ち上げる金融審議会の作業部会で議論していく考えのようです。

自己の利益のために、お互いが修理を依頼したり、保険の契約を取っていたりしていたわけですから、その辺りはきちんと規制して欲しいですね。

あと、保険会社が大手代理店に広告費を支払うなど、自分のところの保険を扱ってもらうために渡したり、大手代理店に出向した保険会社の職員が個人情報を漏らしたりしているわけですから、コンプライアンスの面も含めて、保険会社と大手代理店のおかしな関係を断ち切って欲しいですね。

金融庁がビッグモーターの不正で大型保険代理店に新規制をすることについて、あなたはどう思われましたか?


日本生命の元職員が顧客個人情報を公開など生保会社で客の金銭詐取が続出の理由!

日本生命保険の元女性職員が、インターネット上にプロ野球球団・読売巨人軍の選手への殺害予告を30回以上にわたり投稿し、威力業務妨害の容疑で逮捕されました。

女性は日本生命の顧客情報管理システムの当該選手の画面を撮影し投稿していました。

なぜ生保職員・元職員による不正や犯罪が絶えないのでしょうか?

Business Journalが、業界関係者の見解を交えて追っています。

生保元職員による不正事件として世間から大きな関心が寄せられたのが、2020年に発覚した、第一生命保険の元・特別調査役の女性による約19億円の金銭詐取事件でした。

女性は計24人の顧客に架空の金融取引を持ちかけていたが、第一生命保険では他にも元職員による複数の金銭詐取事案が発覚し、被害総額は20億7,690万円に達しました。

2023年には、日本生命の元営業職員が90代の女性に架空の保険契約を提案するなどし、約1,532万円をだまし取っていたことが発覚しました。

先月には明治安田生命保険の元営業職員が顧客10人から約1億3,000万円をだまし取っていたと発表しました。

1994年から2021年までの間、保険料を着服したり、顧客から預かった通帳を使って、契約した保険を担保にお金を借りる制度を悪用して振り込まれたお金を着服していたのです。

なぜ生保職員による不正が相次いでいるのでしょうか?

大手生保社員は言っています。
「現場の生保レディは顧客と非常に親密、かつ何年ものお付き合いをするケースも珍しくなく、顧客から心を許されて通帳を預けられることもある。顧客のなかには高齢で高額な資産を持つ人もおり、業務で扱う金額は何千万単位と高額で金銭感覚が麻痺しやすいうえに、生保レディの給与はそれほど高いわけではない。こうした事情が重なり、『自分もちょっとぐらい得していい』『相手の判断能力が低下しているからバレない』と勘違いして不正に走る人が出る。もっとも、生保会社で働く営業職員は全国で20万人以上おり、確率論的に悪いことをする人が一定数出てくるのは避けられない」

不正が相次ぐ生保会社だが、その業務は金融庁によって厳しく監督されています。

発売する商品や各種契約書類などはすべて金融庁の認可が必要であり、保険募集においては顧客への情報提供や意向把握が義務化されており、逸脱行為があれば金融庁から業務改善命令や業務停止命令などの行政処分を受けます。

そんな生保の営業現場を支えてきた営業職員の労働環境は、独特であることが知られてきました。

いわゆる「ターンオーバー」といわれる大量採用・大量離職が常態化し、かつては入社2年後の離職率は7~8割にも上るといわれ、人の入れ替わりが激しかったのです。

背景には過酷なノルマと歩合給があります。

飛び込み営業を強いられ、ノルマ未達の際には知人に名義を借りて新規の保険契約をつくり、自腹で払う「自爆営業」も横行しました。

給料のうち歩合給の割合が大きいため、契約が取れないと給料が著しく落ち込む仕組みも長く続いていたのです。

「親戚や知人の生命保険契約を切り替えさせ、契約に入ってくれる知り合いがいなくなれば辞めてもらうという“使い捨て”が当たり前だった」(同)

そんな環境がここ数年、大きく変化しています。

日本生命は採用数の目標値を撤廃し、2021年度の採用数は前年度より15%程度減少するなど、各社は年間の採用数を抑制しています。

平均賃金を一律で引き上げ、固定給の割合を増やしたり、既存顧客の継続率やアフターフォローへの取り組みを評価に組み入れるなど“新規契約獲得主義”からの脱却を進めつつあるのです。

「かつて生保の支店や営業所では、営業職員の成績を壁に貼りだしたり、成績が悪い職員を怒鳴ったりといったことが普通に行われていたが、今ではどの大手でも、そのような光景はほとんどみられなくなったのではないか。

ネット生保や保険ショップの台頭により、対面の営業職員経由での新規契約の数が減っているものの、いまだに対面営業は主要な販売チャネルではことには変わりない。

だが、“生保の営業の仕事はキツイ”というイメージが定着していることや、全業界での人手不足で他にも仕事がたくさんあることも影響して、かつてのように黙っていても営業職員のなり手が集まるという状況ではなくなった。
なので生保各社は、待遇を引き上げる一方で人材を厳選して採用するようにし、優秀な人材には長く働いてもらえるよう努力するようになった。

かつてのような“ムチで叩く”やり方ではすぐに人が辞めてしまうため、研修を充実させるなどして職員一人ひとりのスキルとモチベーションを向上させてパフォーマンスを発揮させるという方向に大きくシフトした。

要は、長い年月を経て生保業界もやっと、まともになったということ」(前出・大手生保社員)

また、金融業界関係者は言っています。

「かつては昼休み時間に生保レディが職場に出入りして社員に声をかけ、グッズやパンフレットを配って営業活動する光景がみられたが、現在ではオフィスビルのセキュリティーが厳しくなったこともあり、ほとんどなくなった。

会社の受付に備え付けられた内線電話前に陣取って、片っ端から社員に内線で営業電話をかけたり、若い男性社員をターゲットに合コンを設定して囲い込みを図る猛者もいたが、最近ではそれすらも難しくなっており、生保レディたちはいろいろな工夫をして見込み顧客への接触を図ろうとしている。
生保各社は営業職員の評価基準に既存顧客の契約継続率や顧客訪問の頻度といった項目も加えて評価軸の多様化に努めているが、依然として新規獲得件数が最重要視される傾向は変わらない。

業界特有の、入社3年目くらいから固定給が減る仕組みも残っている。

加えて、最近では顧客者側も保険の購入を検討する際には自分で情報を入念に調べたりフィナンシャルプランナーに相談したりして知識が豊富になっており、営業職員はこれまでのようなGNP(義理・人情・プレゼント)が通用せず、自社・他社の商品に関する知識量とロジカルな説明スキルが求められるようになった。

こうした変化も踏まえ生保各社は、営業職員の採用で厳密な選考を行い人材をより厳選する一方、優秀な職員には長く残ってもらうように取り組み始めた。

要は人材の取捨選択の度合いを強めている」

僕の担当者も過去に何人か変わっていますが、個人情報保護法やコロナなどでなかなか会うこともできず、生保レディも大変なんでしょうね。

まったく話しのかみ合わない飛び込みの生保レディも過去に何人かいましたが。

あとは、商業施設などに来店型の保険代理店も結構入っていますから。

日本生命の元職員が顧客個人情報を公開など生保会社で客の金銭詐取が続出の理由について、あなたはどう思われましたか?


イオンが定額減税で「4万円均一」消費喚起セール!

日本経済新聞によると、イオンは先日、全国の総合スーパー(GMS)の500店舗で定額減税に伴うセールを順次、始めると発表しました。

GMS子会社のイオンリテールでは関東や関西など本州の店舗で寝具やベビーカーなどの「4万円均一」商品を用意しました。

トマトなど野菜の値下げ品も企画します。

インフレで低迷する消費を喚起し、6月の売上高を前年同月に比べ1割増やします。

セールはイオングループの北海道から沖縄まで全国に出店する500のGMSでそれぞれ実施します。

対象とする商品や数量などセールの中身は、地域によって異なります。

このうち、イオンリテールは本州の380店でセールします。

6月のセール企画は前年に比べて2倍の19種類を投入し、セール対象品は前年同月比2倍の850品目に及びます。

まず、税抜きで4万円均一の企画ではマットレスと枕とベッドのセット品やコードレスの掃除機、ベビーカーなどメーカー製品を中心とした11品目を数量限定でそろえました。

通常は5万円~6万円程度の商品で、最大4割引きで提供します。

また、トマト1個やジャガイモ3個などで「105円」均一などインフレで節約志向の強い消費者の購入を促すセール企画も提供します。

小売り各社も動きます。

スーパー大手の西友は13日から加工食品や日用品などを最大3割引きで特売しています。

百貨店の松屋は1日から松屋浅草店(東京都台東区)で和牛や果物など食料品の一部商品を1〜2割引きで提供しています。

定額減税は、政府が近年の税収増を還元して家計支援につなげる目的で6月から実施しています。

1人当たり所得税から年3万円、住民税から年1万円を差し引きます。

納税者本人だけでなく配偶者や子供ら扶養親族も対象になり、家計負担の一定の軽減につながると期待されています。

ただし、インフレに伴う消費動向は冷え込んでいます。

物価変動の影響を除いた実質賃金は3月に24か月連続でマイナスになりました。

3月の家計調査でも、2人以上世帯の消費支出は実質で13か月連続のマイナスを記録しています。

公的年金は2024年度に前年度から2.7%引き上げられましたが、生鮮食品を除く総合の物価上昇率の3.1%(2023年)より低くなっています。

大企業では賃上げが広がりましたが、中小企業まで波及は厳しく、年金受給者も余裕ありません。

先日、イオンスタイル品川シーサイド(東京都品川区)を訪れた30代女性は「野菜の価格が高騰し、子供の離乳食用には買うけど大人の分は安いカット野菜で済ませている。定額減税はあまり意識していなかったが、安ければ買いたいと思う」と話していました。

イオンリテールの伊藤竜也営業企画本部長は「インフレで生活防衛意識が高まり、国内消費は低迷している。イオングループとして定額減税をきっかけとして消費を喚起し、日本を元気にしたい」と語っています。

個人的には、一度に1人当たり4万円支給・減税されるわけではないので、4万円均一のセールをしたところでそれほど効果はないのではないかと思います。あとは、セールによる値下げ分をイオンが全額負担するのであれば構わないと思いますが、おそらく仕入先にも負担させているので、仕入先は大変だろうなぁと思います。特に、野菜を作っている法人や個人事業主は、需給関係によって価格が決まるため、物価高騰などによるコストアップ分を販売価格に転嫁できていないところが多いと思いますので。

いつもイオンなどを見ていると、消費者のためということで値下げとか価格据え置きとかやっていますが、買いたたかれる仕入先の役員・従業員・従業員(そのご家族)も結局、消費者なので、仕入先の方の給料が上がらず、消費に回らないという誰も得しないことになっているのではないかと思いますね。

やはり、安ければいいということでなく、適正な価格で売るというのが重要なのでないかと考えます。

イオンが定額減税で「4万円均一」消費喚起セールをしていることについて、あなたはどう思われましたか?


ホタルイカ大漁は南海トラフ地震の前兆か?

暗闇の中、海面を神秘的に青白く照らす無数の光、その正体は「イカ」です。

週刊現代によると、今春、富山湾でホタルイカが文字通り“爆湧き”しているようです。

2024年3月の漁獲量は、昨シーズンの16倍、1953年の統計開始以来最も多かったようです。

当然、地元は大喜びかと思いきや、この奇妙な現象に一抹の不安を抱えていました。

滑川漁港のベテラン漁師は言っています。
「イカ漁師の間では、大地震の前にはイカがよく獲れるってのは、有名な話さ。おらの親父も南海地震が起きた年(1946年)は、イカが豊漁だったと言ってたな。能登半島地震が起きたばかりだけど、もうすぐでっかい地震が来るかもな」

地震大国の日本では、古くから様々な自然現象を大地震の予兆と捉えてきました。

海の生物の異常行動もその一つです。

2011年の東日本大震災、さらに1995年の阪神・淡路大震災でも、直前にイカの漁獲量が大きく増えています。

これは偶然ではありません。

2024年4月に入り、研究者たちの間でにわかに大地震、マグニチュード(以下M)8~9クラスの南海トラフ地震への警戒度が高まっているのです。

東京大学地震研究所名誉教授の笠原順三氏が警鐘を鳴らしています。
「4月以降、日本列島近辺でフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む動きに起因する地震が多発しています。プレートの境界である南海トラフにひずみがどんどん蓄積しているのは間違いありません」

4月3日、台湾をM7.7の大地震が襲ったことはまだ記憶に新しいですが、震源に近い花蓮県では震度6強を記録し、高層ビルの倒壊などで多くの死傷者を出しました。

それからわずか5日後の4月8日、鹿児島県・大隅半島東方沖を震源とするM5.1の地震が発生しました。
「地震の波がじわじわと日本のほうへ近づいているのではないか……?」
その不安は現実となりました。

4月17日、今度は愛媛県と大分県に挟まれた豊後水道を震源とするM6.6の地震が起きたためです。

同地域では実に56年ぶりの大規模地震です。

とはいえ専門家の中には「豊後水道の地震と南海トラフ地震とは関係しない」と主張する者も少なくないようです。
その論拠は、豊後水道の地震が、プレートを引き裂くような引っぱりの力が働いて起こる「正断層」型だったという点にあります。

他方、南海トラフ地震はプレートを押し潰すような圧縮の力が働いて起こる「逆断層」型ということがわかっています。

そもそも2つの地震はメカニズムが異なる、というわけです。

ところが、笠原氏の考えはまったく違います。
「正断層型と逆断層型が連動することを多くの人は見落としています。2006年に千島列島沖で起きたM7.9の大地震がよい例でしょう。この時は最初に逆断層型が、その直後に正断層型の地震が起き、研究者をはじめ皆が驚きました。したがってその逆、正断層型により逆断層型が誘発されることも想定できます」

台湾もいまだ予断を許さない状況が続いています。

4月23日には再びM6.6の大きな地震を観測しました。

笠原氏が続けています。
「台湾で相次ぐ揺れは、当初こそ3日の余震と考えられていましたが、今では群発地震の様相を呈しています。南海トラフに関連する場所での地震に引き続き警戒する必要があります」

ついつい大きな地震にばかり目がいってしまうかもしれませんが、「小さな地震」にも注視したいですね。
気象庁の調べによれば、4月16日~22日の1週間に観測された地震活動は6,000回以上です。

そのうち、豊後水道だけで2,079回にものぼっています。

その大部分を占めるのが震度1程度の「人間が感じることのできない小さな揺れ」です。

個人的には、兵庫県で阪神・淡路大震災、東京都で東日本大震災を経験していますので、地震はすごく気になるのですが、先日、こどもたちの小学校の参観の時に、『南海トラフ』の授業をやっていましたが、我が香川県は南海トラフがいつ来てもおかしくない状況でしょうね。

個人的には、物流はどうなるのだろうか?、四国が孤立化するのではないだろうか?、瀬戸内海では津波はどうなるのだろうか?などと色々考えています。

備えられることは、備えていきたいと思いますね。

ホタルイカ大漁は南海トラフ地震の前兆か?について、あなたはどう思われましたか?


和牛の子牛価格は暴落しブロッコリーは高騰!

テレビ朝日によると、物価高や異常気象で食材の価格の波が大きくなり、消費者の負担が増しています。

一方で、生産者も高騰や暴落に頭を悩ませていて、沖縄では日本が世界に誇る和牛に異変が起きています。

石垣島で30年以上、親子三代で牛の繁殖農家を営む宮良妙子さん(62)は現状をこう話しています。

宮良さん
「1頭70万~80万円で売れていた牛が、コロナ禍で50万円ぐらい下がって、今は30万円ぐらいになってますね」

今月ここまで行われていた市場の平均価格は1頭あたりおよそ40万円です。

去年の同じ月と比べ、マイナス7万円になりました。

JA沖縄によると、その要因の一つは、物価高だといいます。

比較的安い鶏肉や豚肉などへ消費の流れが変わり、和牛の価格が上がりにくくなっているのです。

それに加えて、ウクライナ侵攻や円安の影響で、エサ代が高騰しています。

石垣島という立地にも理由がありました。

宮良さん
「特に離島は遠いので、飼料も牛自体も運搬する上でのハンディもある。(買い手は)ちょっとためらうのではないかなと思います」

宮良さんの農家では、(メスの子牛の場合)30年前ならば子牛をセリに出すまで18万円ほどかけて育て、36万円ほどで売れていました。

現在は育てるまでに40万円もかかるため、平均販売価格のおよそ35万円で売ると5万円の赤字になってしまいます。

宮良さん
「子牛を育てれば育てるほど、赤字が増えるという現状があります」

同じ石垣島の繁殖農家の中には、専業から離れる決意をしたという人もいるといいます。

繁殖農家 歴3年 30代男性
「兼業がもし赤字補填できるほどにうまくいかなければ、いずれは体力が尽きて離農するしかなくなるのかなという感じはしますね」

男性のように兼業に切り替えたり、農業をやめたりした人が増えたといいます。

畜産農家の努力だけでは、もはやどうにもならないと宮良さんは話します。

宮良さん
「和牛は本当に世界的なブランドなので。和牛が潰れてしまう、和牛を守る手立てを政治が考えてほしいと思います。一生懸命育ててるのにね。消費者にきちんと届いてくれたら、本望だと思うんだけど」

価格が暴落する食品もあれば、反対に高騰している食品もあります。

ブロッコリーの価格が跳ね上がっているのです。

買い物客
「最近しばらく買ってない」
「(Q.きょうは398円)買わない」

青果店の店主も、あきれるほどの高値です。

千駄木金杉青果店 鈴木孝弘店主
「150円から高くても180円ぐらいで売れていたかなという記憶はあるんですけど、398円はちょっと高すぎますよね」

ブロッコリーの仕入れ値は通常、1株100円から150円でしたが、直近では378円で仕入れたといいます。

398円で売っても、ほぼ利益が出ません。

先週はキャベツの店頭価格が1,000円を超える事態になったため、店主は頭を抱えています。

鈴木店主
「(Q.キャベツとブロッコリーの価格高騰について)八百屋さんでは上位の人気野菜で、皆さん大体買われるので。それが高いというのは、売り上げにも大ダメージです」

なぜこんなにまで値上がりしているのでしょうか?

卸売業者を訪ねました。

國崎青果 関東営業所 小園智之所長
「全国的に今年は天候不良によって、ブロッコリーが順調に成長しなかった」

特に九州と四国では、出荷量が去年のおよそ5分の1に落ち込んでいる地域もあるといいます。

ブロッコリーがいつもの価格に戻るのは、いつになるのでしょうか?

小園所長
「今週から徐々に下がってくるとは思うんですけど。福島、新潟、鳥取(の出荷)が出てきて、今後落ち着いてくると思います」

ブロッコリーの他にも、リンゴやミカンも値上がりしているという状況です。

食卓に当たり前にある食材が軒並み高騰していて、家計への圧迫はしばらく続きそうです。

先日新聞に載っていましたが、我が香川県(うどん県)はブロッコリーの出荷額で全国2位になっています。

需要と供給により価格が決まる世界ですから、個人的には、当然ではないかと思います。

農家の方も、価格が高騰するときは野菜などを作れていないわけですから。

基本的に、野菜などは高くなったときにニュースなどで取り上げられますが、基本的に農家の方が値付けをできない市場出荷やJA出荷を根本的に見直す時期に来ているのではないかと思います。

肥料や苗などの価格が上がっても、価格転嫁ができない状況なのですから。

和牛の子牛価格は暴落しブロッコリーは高騰していることについて、あなたはどう思われましたか?


“家族の代わり”担う「身元保証」サービスの指針案の課題は?

「介護施設に入るには保証人が必要と言われましたが私は1人なので…」。
夫に先立たれ、その後、重度のやけどをして1人での生活が難しくなった80歳の女性に頼める家族はなく、途方に暮れる中、助けとなったのは高齢者の「身元保証」を行う事業者でした。

単身高齢者の増加を背景にいま、こうした事業のニーズが高まっています。

しかしながら、NHKによると、ルールがないことから契約上のトラブルも相次いでいて、国は初めて指針の案を示すなど対策に乗り出しています。

入院や施設への入所などの際に、緊急時の対応などのために求められることがある「身元保証」は、法律などで規定されたものではなく、病院や介護施設などが慣習的に求めているものですが、身寄りのない人や頼れる親族などがいない人がサービスを受けられないケースが問題となっています。

静岡県静岡市の介護施設で暮らす80歳の女性は夫に先立たれて市内の自宅で暮らしてきましたが料理中に大やけどをして手術をしたあと、1人での生活は難しくなり、ことし1月、介護施設への入所を希望しました。

ところが、入所の際に求められた「身元保証人」を頼める人がなく、希望した施設には入所できませんでした。

当時の状況について、女性は「介護施設は今の世の中、どこに入るにも保証人などが必要ですが、私は1人なのでしかたがないと思いました」と振り返ります。

その後、女性は市内で身元保証事業を行う社会福祉法人に相談し、事業者に保証人になってもらい、別の介護施設への入所が実現しました。

事業者は入所時の「保証人」になるだけでなく、施設での暮らしに必要なものを買って届けるなど、日常生活の支援もしていて、この日は女性と一緒に振り込みの手続きのため、郵便局の窓口まで付き添っていました。

女性は「病院の付き添いなどもいつも助けていただいて非常に助かっています。お互いに信頼がなければ、そうしたことを頼むこともできないので、家族のような存在です」と話していました。

事業者が保証人になることを条件に、女性を受け入れた介護施設の施設長は「利用者の体調に変化があったときの相談や病院の受診、容体急変時の救急搬送、入院手続きなどはこれまでは親族に頼らざるをえなかったので、事業者のこうしたサービスはとても助かります」と話していました。

身寄りのない高齢者に入院時の「身元保証」などを行う民間のサポート事業をめぐっては、単身の高齢者の増加などで需要が高まる一方、監督する省庁や法律はなく、契約をめぐるトラブルも相次いでいます。

国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられた相談件数は2018年は100件でしたが去年は302件と5年で3倍以上に増えていることがわかりました。

契約や解約に関する相談が最も多く、「希望していないサービスを追加され高額になった」や「解約を申し出たが返金されない」といった相談があったということです。

こうした状況を受け、厚生労働省などはサービスの健全性を確保し、高齢者などが安心して利用できるよう事業者が守るべき指針の案を初めてとりまとめました。

指針案ではサービスの内容や費用をホームページなどで表示することや、解約や返金方法は重要事項として書面で説明することが望ましいとしています。

また、サービスの提供にあたっては、内容や費用などを記録して定期的に利用者に知らせることや認知症などで利用者が十分に判断できない場合は成年後見制度の活用も求めています。

厚生労働省などは、指針の案についてパブリックコメントを行って意見を募ったうえで最終的な策定を目指すことにしていますが、指針に強制力はなく、監督官庁も決まっていないことから今後、事業が適正に行われているかチェックする体制の整備などが課題となります。

今回の指針の案で、身寄りのない人が入院や施設入所などの際に求められる「身元保証」や、買い物や通院の付き添いなどの「日常生活支援」、亡くなったあとの葬儀や遺品の処分などの「死後事務」を行うサービスは「高齢者等終身サポート事業」と位置づけられました。

こうした事業は、高齢化や単身世帯の増加などを背景に、「介護保険」といった既存の制度では補いきれない部分のニーズを引き受ける形で利用者が増えているとみられます。

事業を利用している殿岡さえ子さん(71)は都内で1人暮らしをしていて、交通事故の影響で高次脳機能障害があるほか、腰椎に痛みもあります。

そのため、月に数回のクリニックへの通院時には、事業者の付き添いサービスを利用していて、この日は男性スタッフが診察に立ち会い、医師の問診を一緒に聞いたり、骨折予防の注射を打つのを見守ったりしたほか、受診料の支払いなどをサポートしていました。

殿岡さんは「今は特に体の具合が悪いので重い荷物を持ってくれたり、一緒にあちこち連れて行ってくれたりするのはとても楽で助かります」と話していました。

こうしたサービスは、事業者との契約に基づいて行われ、支援は亡くなったあとまで続くことから契約が長期にわたるのも特徴です。

そのため、この事業者は利用者の容体が急変したときに備え、受けたい医療や最期に過ごしたい場所などの要望を定期的に確認しているほか、亡くなった後に備え、葬儀や納骨などを行うことをあらかじめ定める契約も結んでいます。

身元保証などを行う事業者の小池安喜さんは「利用者が元気なうちからいざというときの希望や思いを聞いておくことではじめて本人の意思を代弁することができます。高齢で身寄りがなければ、生活に不備が生じる場面が現実にはあり、支援を通じて安心につなげられればと思います」と話していました。

「身元保証」などを行う事業のニーズが高まる中、独自に事業者の質の確保に取り組み始めた自治体も出てきています。

静岡県静岡市ではことし、契約ルールや解約時の返金手続き、利用者からの寄付の扱いなどの基準を新たに定め、条件を満たす場合に限って3年間「優良事業者」として認証する制度を導入しました。

認証の取得を希望した事業者に対しては市がヒアリング調査などを行い、支援や契約の内容、個人情報の取り扱いなど市の定めた基準にのっとった運用をしているか、細かく確認します。

そして基準を満たすと確認できれば「優良事業者」として認証しますが、基準は30項目以上と多岐にわたるため、認証を得たのはまだこの1法人だけです。

今後どれだけ公的な枠組みの中で「身元保証」などの事業の普及が進むかが課題になっています。

認証事業を始めた静岡市地域包括ケア・誰もが活躍推進本部の担当者は「市が一定のルールを作って事業者の質の確保に関わることで、一人暮らしで困っている高齢者が安心して過ごせるよう、終活支援の手伝いができればと考えています」と話していました。

静岡県静岡市内で唯一の認証を受けた事業者で、社会福祉法人「まごころ」の田中努さんは「何もルールがない中での運営は高齢者からすればどの事業者を選んだらいいかわからず戸惑う一方、私たちも手探り状態で支援をするには不安があったので、認証という形でルールを設けてもらえるのはありがたいです。いま多くの高齢者に求められる大事な事業だと思うので、これからは自信を持ってサービスを提供していきたい」と話していました。

事業者向けの指針の案が初めて示されたことについて、「身元保証」などの問題に詳しい日本総合研究所の沢村香苗研究員は「身寄りのない人の増加とともにこれまでは家族が担ってきた役割を代行するサービスへのニーズが高まる中、今回、指針が示されたことで事業者の質をある程度担保して高齢者に不利益がないよう手だてがとられた意義は大きい」と話しています。

その上で、今後の課題については「事業を監督する官庁がない前提は変わっていないので示された指針を事業者がしっかり守れているか、守らなかったらどうなるのかといった実効性や仕組みの検討が必要です。また、支援は有償なので、経済的な事情や判断能力が十分でないなどの理由で利用できない高齢者への対応も考える必要がある。そして、事業者がいるからといって全部を担ってもらおうとすると負荷が高まるため、自治体や地域のほか、親族がいる人はその力も借りて身寄りがない人をより多くの人で高齢者を支えていく体制づくりを目指すべきだ」と話していました。

現代社会においては、『身元保証』は必要なサービスだと思いますが、監督する省庁や法律がないというのは驚きでした。

静岡県静岡市の取り組みはとても素晴らしいことだと思います。し国としても、早く対応して欲しいですね。

そうしないと、きちんとしていない業者がたくさん出てきて、『身元保証』というサービス自体が信頼されない状況になってしまうと思います。

“家族の代わり”担う「身元保証」サービスの指針案の課題について、あなたはどう思われましたか?


Googleが迷惑メール対策を大幅強化しGmailに送れなくなる恐れ! 

日本経済新聞によると、アメリカのGoogleが2024年2月以降、迷惑メール(なりすましメール)対策を大幅に強化した「メール送信者のガイドライン(Email sender guidelines)」を適用すると発表し、メールに携わるIT(情報技術)業界関係者に衝撃が走っているようです。

メールの送信者がこのガイドラインの要件を満たしていない場合、世界最大規模のメールサービス「Gmail」にメールを送れなくなる恐れがあるためです。

具体的には、送信したメールが拒否されたり、受信者の迷惑メールフォルダーに配信されたりする可能性があります。

メール配信事業者や企業のメールサーバー管理者などは、2024年2月の適用開始までに対策を施す必要があります。

なお、通信事業者やインターネット接続事業者(ISP)のほとんどは対応済みなので、それらが割り当てたメールアドレスのユーザーは影響を受けません。

Googleが2023年10月3日(米国時間、以下同)に発表したガイドラインによると、対象になる宛先アドレスは、個人向けのGmailアカウントです。

末尾が@gmail.comまたは@googlemail.comのメールアドレスです。

ガイドライン公開当初は、法人向けクラウドサービスGoogle WorkspaceのGmailアカウントも対象になるとしていました。

しかしながら、2023年12月初めに実施したガイドラインアップデートで対象から外しました。

また、その後、メールの送信にTLSを使用するという要件も加えました(要件については後述)。

TLSは通信を暗号化するプロトコル(通信規約)です。

Googleは今後もガイドラインを適宜アップデートする可能性があります。

このため関係する企業は最新の情報を絶えずチェックする必要があるのです(ガイドラインのURLはhttps://support.google.com/mail/answer/81126)。

今回のガイドラインはすべてのメール送信者が影響を受けます。

しかしながら、特に深刻なのは、Gmailアカウント宛てに大量のメールを送信しているメール配信事業者や企業です。

ガイドラインに記された要件は、Gmailアカウントに1日当たり5,000件以上のメールを送っているかどうかで異なるからです。

一番の違いは、対応すべき送信ドメイン認証の種類です。

送信ドメイン認証とは、送信元メールサーバーのIPアドレスや送信元が施した電子署名を利用して、メールがなりすまされていないかどうかを判断する仕組みです。

1日当たり5,000件未満の送信元は、送信ドメイン認証の「SPF」と「DKIM」のどちらか一方に対応する必要があります。

一方、5,000件以上の送信元はSPFとDKIMの両方に対応した上で「DMARC(ディーマーク)」にも対応しなければならないのです。

1日当たり5,000件未満と5,000件以上で共通の要件もあります。

具体的には「送信元のドメインまたはIPアドレスに有効な正引き及び逆引きDNSレコードを設定する」「メールの送信にTLSを使用する」「受信者から報告される迷惑メールの割合を0.1%未満に保ち、0.3%を超えないようにする」「Internet Message Format標準に準拠する」などです。

国内最大のメールセキュリティー団体「JPAAWG」の会長を務める、インターネットイニシアティブ(IIJ)技術研究所技術連携室の櫻庭秀次シニアリサーチエンジニアによると、これら共通の要件については「配信事業者や企業の多くは既に対応済み」だそうです。

1日当たり5,000件以上の送信元だけの要件もいくつかあります。

その1つがDMARCをパスすることです。

これはメールソフトやウェブブラウザーなどに表示される送信者アドレス(ヘッダーFrom)がなりすまされていないことを意味します。

マーケティング目的のメールや配信登録されたメールの場合には、ワンクリックで登録を解除できるようにするとともに、そのリンクをメールの本文中に分かりやすく表示する必要があります。

前述のように、Gmailアカウントにメールを送信するには送信ドメイン認証に対応する必要があります。

送信ドメイン認証にはSPF、DKIM、DMARCがあります。

SPFとDKIMは、それぞれIPアドレス及び電子署名を利用して、メールの送信元ドメインがなりすまされていないかを確認する仕組みです。

SPFあるいはDKIMを利用すれば送信元ドメインの詐称は見抜けます。

しかしながら、メールソフトやウェブブラウザーなどに表示される送信者アドレスは偽装できてしまいます。

近年の迷惑メールの多くは送信者アドレスを偽装します。

そこで開発されたのがDMARCです。

DMARCは送信ドメイン認証の1つとされるが、厳密には送信元のドメインは検証しません。

SPFやDKIMとの併用を前提としています。

DMARCは、SPFやDKIMの検証をパスした送信元ドメインとメールの送信者アドレスのドメインを照合し、これらが一致したメールのみパス(合格)とするのです。

つまり、DMARCを導入すれば、送信者アドレスのなりすましを見抜けます。

Googleの新しいガイドラインの主な目的は、大量のメールを送信する事業者/企業にDMARCを導入させることだといえるでしょう。

3種類の送信ドメイン認証のうち、国内普及率が最も高いのはSPFです。

総務省の情報通信白書(2023年版)によれば、2022年12月時点でのJPドメインにおけるSPFの普及率は77.2%だそうです。

導入が容易な上に「NTTドコモによる対応が普及を後押しした」(櫻庭シニアリサーチエンジニア)。

NTTドコモは2007年11月、携帯電話の迷惑メール対策の一環として、SPFによる検証機能を用意しました。

ユーザーがなりすましメールを拒否する設定にした場合、SPFに対応していないドメインからのメールは届かなくなりました。

このため企業やISPなどはSPFに対応し、普及率が向上したのです。

前出の情報通信白書によれば、2022年12月時点でDMARCの普及率はわずか2.7%です。

ところが、2023年以降、導入の機運は高まっています。

総務省と警察庁および経済産業省は2023年2月、「クレジットカード会社等に対するフィッシング対策強化の要請」を発表しました。

その中でクレジット会社に対してDMARCの導入を要請しています。

また、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が2023年7月に公開した「政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(2023年度版)」でも、基本対策事項の1つとしてDMARCの導入を挙げています。

今回のGoogleのガイドラインが、さらに導入を後押しする可能性は高いでしょう。

「SPFのときと同じような普及率の向上が期待できる」(櫻庭シニアリサーチエンジニア)。

ただし、ガイドラインの要件を満たす最低限のハードルは、DMARCよりもDKIMのほうが高いです。

SPFとDMARCについては、DNSサーバーに特定の設定情報(TXTレコード)を追加すればガイドラインをクリアできます。

一方、DKIMはそれだけでは済みません。

送信するメールに電子署名を付与する仕組みが必要です。

自社でメールサーバーを運用している場合にはDKIM用のサーバーを用意します。

オープンソースソフトウエア(OSS)のサーバーソフトとしてはOpenDKIMが有名です。

クラウドメールサービスを利用している場合には、設定変更などが必要になります。

今回のガイドラインでは送信ドメイン認証が注目されますが、メールマガジンなどを配信している事業者や企業は、ワンクリック登録解除への対応も必須です。

メール中の目立つ場所にリンクを用意し、それをクリックするだけでメール配信の登録を解除できるようにする必要があります。

登録解除の申請ページに誘導するリンクや、登録解除のメールを送るようなリンクでは不十分です。

櫻庭シニアリサーチエンジニアによると、ワンクリック登録解除を用意していないメールマガジンは「とても多い」。

2024年2月1日以降、そういったメールマガジンはGmailユーザーに届かなくなる可能性が高いです。

ガイドラインにはワンクリック登録解除の実装方法が記されているため、該当する事業者や企業は参考にしましょう。

メールマガジンなどの送信をメール配信事業者に委託している企業は、その事業者の対応状況を確認する必要があります。

さもないと2024年2月1日以降、Gmailユーザーから「メールマガジンが届かない」といった苦情が押し寄せることになります。

世界中のメールユーザーに大きな影響を与えるであろう今回のガイドラインですが、特にメール配信事業者からの反発は必至です。

Googleとしても当然予想していたでしょう。

迷惑メール撲滅に注力するGoogleの覚悟のほどがうかがえます。

今回のガイドラインを機に、メールを利用している企業は送信量にかかわらず迷惑メールの対策状況、特に送信ドメイン認証の対応状況を確認すべきです。

今後、Googleに続けとばかりに、迷惑メール対策を強化するメールサービスが増える可能性が高いでしょう。

実際、アメリカのYahooはGoogleと同様の対策をすると公表しています。

送信ドメイン認証、特にDMARCに対応していないとメールを受け取ってもらえなくなる時代がすぐそこまで来ているのです。

僕もメルマガを配信したり、受信したりしていますが、対応しないといけないですね。

確かに、毎日、数え切れないほどの迷惑メールが送信されてきますので、Googleの対応を機に、迷惑メールが減れば良いなぁと思います。

Googleが迷惑メール対策を大幅強化しGmailに送れなくなる恐れがあることについて、あなたはどう思われましたか?


「若者集まる」高松中央商店街に大手チェーンが続々出店!

日本経済新聞によると、高松市の中心商店街に外食大手のサイゼリヤやディスカウント店「ドン・キホーテ」など、大手チェーンの新規出店が相次いでいるようです。

これまで香川県内の郊外の大型店舗やロードサイドへの出店が中心だでした。

アーケードの総延長の長さが日本一で、活性化の成功例とされてきた高松中央商店街ですが、新型コロナウイルス禍が落ち着いて若者の往来が戻りつつある機会をとらえ、大手チェーンが進出したかっこうです。

2023年11月下旬、高松中央商店街の中でも注目度が高い丸亀町商店街に、その複合型商業施設「丸亀町グリーン」でサイゼリヤの新店舗がオープンしました。

開業から1か月以上たった現在も、ランチの時間帯をはじめ多くの人でにぎわっています。

サイゼリヤは四国では香川県にしか店舗が無く、新店舗が香川県内4店舗目です。

高松市内では2店舗目となります。

丸亀町グリーンでは、2022年にマクドナルドの新店舗も開業しています。

丸亀町商店街では2023年8月、ディスカウント店「ドン・キホーテ」の新店舗がオープンしました。

ドン・キホーテも高松市郊外に店舗を構えていましたが、商店街を「再開発が進み注目が高まっている地域」(運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの担当者)と位置づけ、出店を決めたようです。

各社は商店街に若者が集まっていることに注目しています。

サイゼリヤは「多くの人が往来していることに加え、若い世代の方の比率が高い」と出店の背景を説明しています。

パン・パシフィックHDも「若い単身世帯の人や学生が楽しめる店舗づくりをしている」そうです。

2012年に開業した丸亀町グリーンは出店誘致の方針の一つとして「飲食メジャーブランドのエリア初出店による集客の強化」を掲げており、マクドナルドやサイゼリヤの誘致に成功しました。

2022年のマクドナルド出店により若者の客足が増えたといい、さらなる出店につながる好循環が生まれているようです。

高松丸亀町商店街振興組合の古川康造理事長は「大手チェーンばかりになるのはよくないが、来てくれるのは歓迎だ」と語っています。

実際にドン・キホーテの集客力が商店街の客足を押し上げている面もあるそうです。

高松市中心部に位置する中央商店街は「日本一長いアーケード商店街」として知られています。

丸亀町商店街など各商店街を合わせた全長は2.7キロメートルで、近隣にはオフィスに加え学校も多く、若者の往来が盛んです。

地方都市の商店街は郊外店舗に押されて活気が失われる地域が多い中で、中央商店街は空き店舗ができても新陳代謝が速く進んでいます。

高松市に見学に訪れる商店街関係者も多いです。

さらにアーケード商店街内ではマンションの建設が相次いでおり、にぎわいの場を持続させる要因になりそうです。

個人的には、チェーン店ばっかりできてと思っていましたが、やはり、集客力はあるんですね。

昔のトキワ街などのにぎわいを知っている人間からすると、現状、商店街を見るとさみしい気持ちになりますし、現在の丸亀町商店街も決して成功しているわけではないと思っていますが、少しでもにぎわいが戻るといいですね。

郊外のショッピングモールに人が集まっても、儲かるのは運営会社だけであまり地域活性化につながらないと思いますので、通勤している人、観光客、出張に来ている人、大学生、専門学生、高校生、何かの会合などで街中に来ている人などが、商店街を訪れてお金を使ってくれて、商店街が活性化すれば、高松市の活性化につながると思いますので、期待したいですね。

「若者集まる」高松中央商店街に大手チェーンが続々出店していることについて、あなたはどう思われましたか?


脱毛サロン大手「銀座カラー」の営業停止で「返金は?」などと戸惑い!

「返金はされるのか」。

毎日新聞によると、美容脱毛サロン大手「銀座カラー」の運営会社「エム・シーネットワークスジャパン」(東京都港区)が、2023年12月15日に破産手続き開始を公表したことを受け、利用者とみられる人たちはX(ツイッター)への投稿で不満と戸惑いをにじませています。

「会員の皆さまへ」と、毎日新聞の記者が12月16日昼過ぎに銀座本店(東京都中央区)が入るビルの階段を上ると、店舗に通じる扉にこう題した紙が張ってありました。

「16日以降、全店で営業を停止させていただきますので、会員の皆さまへの施術を行うことはできません」とあり、今後の会員への対応については、登録されているメールアドレスに送信し、破産管財人のホームページに掲載しているとしています。

銀座カラーのウェブサイトによると、過去には約40万円で全身脱毛の施術を何度も受けられる「通い放題プラン」や、約30万円で2年間有効な「脱毛し放題プラン」もあったが、最近は全身脱毛6回コース5万9,400円などがあったようです。

こうしたサービスなどに関し、Xには利用客とみられる人たちからの投稿が相次いだ。

<8年くらい前に永久会員? みたいなのになって、育児落ち着いたらまた通おうと思ってたのに! まだ期限も毛も残ってますけど!!>

<さっき急に倒産の連絡来た…最近、店舗の閉鎖が相次いでたからヤバいのかなって思ってたけど…ショックがでかすぎる>

<急に部分だけの施術になるし、おかしいなとは思ってた。次どこ通えばいいん? また新しく契約?>

<銀座カラー倒産? 40万のプランまだ途中ですけど…>

<脱毛行く準備しよと思って起きたら倒産!?今日まさに予約入れてるけど?? 脱毛し放題コースはどうなるん??>

「会員の皆さまへ」と題された紙には、上野保弁護士(東京第二弁護士会)が破産管財人となり、コールセンターが存在することが示されていました。

また、管財人ホームページを紹介しており、このページには、回数プランの未消化分のサービスは「一切受けられません」と記され、サービスを継承する会社も「現時点ではありません」としています。

また、未消化分のサービスに関する返金は「できません」と説明しており、クレジット会社や信販会社を通じたローン契約などは「クレジット会社などに直接お問い合わせください」としています。

過去にも結構あると思いますが、前払いのところとか、極端に安いところは危険ですね。

利用者も、きちんとお店を選ばないといけないですね。

お店の数が多いから安心とはいかないのが、なかなか難しいところですが。

美容とかダイエットはいつの時代も、ニーズがあるということでしょうから、引っかかる方も多くはなりますね。

脱毛サロン大手「銀座カラー」の営業停止で「返金は?」などと戸惑っていることについて、あなたはどう思われましたか?


世相を表す2023年の漢字は「税」!

NHKによると、ことし1年の世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」が京都の清水寺で発表され、「税」の文字が選ばれました。

「今年の漢字」は京都市に本部がある「日本漢字能力検定協会」が、その年の世相を表す漢字ひと文字を一般から募集し、最も多かった字が選ばれています。

ことしは11月1日から12月6日までの14万7,878票の応募の中から、最も多い5,976票を集めた「税」の文字が選ばれました。

京都市東山区にある清水寺では午後2時すぎ、森清範貫主が大きな和紙に「税」の字を一気に書き上げました。

「税」が選ばれたのは、消費税率が引き上げられた2014年以来、2です。

「税」の字が選ばれた理由について協会は、1年を通して増税の議論が行われたことに加えて、所得税などの定額減税が話題にのぼったことのほか、インボイス制度の導入やふるさと納税のルールの厳格化など、「税」にまつわるさまざまな改正や検討が行われたことなどをあげています。

筆を執った清水寺の森清範 貫主は「税」が選ばれたことについて「国民がシビアに税の行方を見ている。税に対する意識が非常に強いことを改めて感じた」と話しました。

その上で「世の中は不穏な空気ばかりだが、来年こそは世界の人々が和むような『和』という字が選ばれることを願っている」と話していました。

「今年の漢字」に寄せられた文字は去年に続いて戦争を意識したものが目立った一方、野球に関連した明るいイメージのものも多く並んでいます。

「日本漢字能力検定協会」によりますと2番目は「暑」で、夏の平均気温が気象庁が統計を取り始めてから最も高くなったことを理由にあげています。

1番目の「税」との差は405票でした。

3番目は去年最も多かった「戦」でした。

12番目の「争」とともに2年連続でトップ20に入っていて、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの軍事衝突などの不安が続いていることを物語っています。

一方、野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで日本が優勝したことや、阪神タイガースがプロ野球で38年ぶりの日本一に輝いたこと、それに大リーグの大谷翔平選手の活躍を受けて、野球に関連した「虎」「勝」「球」「翔」「侍」が、トップ20に相次いでランクインしました。

「今年の漢字」は、京都市に本部がある「日本漢字能力検定協会」が1995年に始めました。

これまでの漢字を振り返ると、最も多く選ばれたのは「金」が4回です。

いずれもオリンピックが開催された年に選ばれています。

2番目に多かったのは、「災」と「戦」で2回でした。

気象や災害に関する漢字も多く、東日本大震災が発生した2011年には「絆」が、阪神・淡路大震災が発生した1995年には「震」が選ばれています。

このほか、暮らしや生活に関わる漢字では消費税が8%に引き上げられた2014年には「税」が、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年には「密」が選ばれています。

先日、長男から『ことしの漢字は「熱」だと思うけどどう思う?』と聞かれて、『同じことを思ったけど「暑」かな?』という会話をしましたが、『税』でしたね。

やはり2023年は10月1日から導入された消費税の『インボイス制度』に翻弄されましたし、税務調査とかで今までで圧倒的に『税務署』の方と会うことが多かったですね。

最近話題の『パーティー券』の問題も『脱税』ではないかと思っていますし、『税』で妙に納得もしました。

世相を表す2023年の漢字は「税」であったことについて、あなたはどう思われましたか?


事業再構築補助金の新規採択の停止を有識者が提言!

東京新聞によると、中央省庁の予算執行の無駄を有識者がチェックする「秋の行政事業レビュー」で、先日、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた中小企業の事業転換を支援する「事業再構築補助金」の新規採択をいったん停止するべきだと有識者が提言したそうです。

所管する経済産業省が補助金の効果を検証していないことを問題視し、給付後の企業の状況を調べる仕組みの構築や給付審査の厳格化を求めました。

事業再構築補助金は中小企業の設備投資の費用などを補助する仕組みで、これまでに計7万6,224社が採択されました。

財務省によると、2023年9月末時点で、累計約2兆4千億円の予算を確保しました。

有識者の一人は、「いったん新規採択を停止すべきだ」と指摘しました。

この事業再構築補助金は、基本的に今までにやっていないことに新たにチャレンジする際の設備投資などを補助するというものなので、成功の確率は低いのでしょうが、詐欺的なものもおそらくあると推測されますので、効果を検証することは必要でしょうね。

金額も、中小企業が使える補助金の中ではずば抜けて多額ですから。

僕自身も、事業再構築補助金のお手伝いをさせていただいておりますが、(規模の小さな)中小企業の実態を分かっていない方々が制度設計をされていると思いますし、誰が補助金の恩恵をこうむっているのだろうかと疑問を感じたりもします。

事業再構築補助金の新規採択の停止を有識者が提言したことについて、あなたはどう思われましたか?


2022年の出生数は想定より11年早く初の80万人割れ!

日本経済新聞によると、厚生労働省は、先日、2022年の出生数が外国人を含む速報値で前年比5.1%減の79万9,728人だったと発表しました。
80万人割れは比較可能な1899年以降で初めてです。
国の推計より11年早くなっています。
出産期にあたる世代の減少に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で結婚や妊娠・出産をためらう人が増えました。
若い世代の経済不安を和らげ、出産に前向きになれる社会に変える必要があります。

出生数は7年連続で過去最少を更新しました。
2022年の出生数は2019年の89.9万人より10万人少なくなっています。
出生数が最も多かった1949年の269.6万人に比べると、2022年は3割に満たないのです。

急速な出生減の主因はコロナ禍での結婚の減少です。
2019年に60万組を超えていた婚姻数が2020年に53.7万組、2021年に51.4万組に減り、2022年も51万9823組にとどまりました。
日本では結婚数がその後の出生数に直結する傾向があり、影響が色濃く出ました。
コロナ下の経済の混乱も妊娠・出産をためらう要因となりました。

行動制限などは和らいだものの出生数が反転する兆しは見えないようです。
2022年の出生数を月ごとに見ると12月は前年同月に比べて6.8%減っています。
減少率は4か月続けて拡大しています。
年間の減少率も2022年は5.1%で、2021年の3.4%減より大きくなっています。

人口の動きは日本経済の成長力や社会保障の持続性を左右します。
国立社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した最新の推計では、基本的なシナリオとされる出生中位の場合に出生数が80万人を下回るのは2033年でした。
実際には11年も前倒しとなりました。
低位では2021年に77万人となって80万人を割る想定で、現状は最も悪いシナリオに近くなっています。

人口減も加速しています。
死亡数は8.9%増の158万2,033人で過去最多を更新しました。
新型コロナによる死亡が影響した可能性があります。
出生から死亡を引いた自然減も78万2,305人と過去最大です。
減少幅は2021年より17万人ほど広がりました。

今回の速報値は外国人による出産や死亡などを含んでいます。
日本人のみの出生数や合計特殊出生率は6月に公表予定です。
減少ペースをもとに、加藤勝信厚労相は2月に「77万人前後になるのではないか」との見方を示しています。

日本の社会保障制度は持続可能性を問われます。
高齢者自身の負担に加えて、現役世代が果たす役割が大きいためです。
年金や医療、介護など約130兆円の給付費の財源のうち、現役が多くを拠出する保険料は全体の半分以上を占めています。
出生が減れば、高齢者を支える将来世代が減ります。
保険料の引き上げなど一段の負担増が避けられなくなるでしょう。

欧米の多くの国はコロナ禍による出生減からすでに回復しています。
ドイツやフランス、ベルギーなど少子化対策が手厚い国は回復が早い傾向があります。

ドイツは2021年の出生数が二十数年ぶりの高水準になりました。
男性の育児参加など子育てしやすい環境作りに取り組んでいます。
フランスは多子世帯の税優遇や育児休業中の賃金保障などで支援しています。

岸田文雄首相は政権の最重要課題として次元の異なる少子化対策を掲げ、3月末をメドに具体策をまとます。

短期的には出産・育児への支援充実が欠かせません。
厚労省の調査によると、妻が35歳未満で理想の数の子どもを持たない夫婦の77.8%が「お金がかかりすぎる」ことを理由に挙げています。

京都大の柴田悠准教授は2023年2月20日の政府会議で児童手当の増額や学費の軽減、保育の定員拡大などが必要と訴えました。
即時に必要な政策に2025年ごろまでに年間6.1兆円規模を投じる必要があるそうです。

コロナの影響で、出会いや結婚が減っているのはあるのでしょうが、その辺を差し引いても、政府の少子化対策の失敗でしょう。
中国の人口が減少したというのも驚きましたが、11年も早いというのは日本の将来がすごく心配になりますね。
うちも子どもが2人いますが、お金は結構かかるなぁと普段から感じますし、一方で、昔はこども手当てや医療費の無償化はなかったでしょうから、自分の両親とかは結構大変だっただろうなぁとよく思います。
将来の日本を支える人達ですから、みんなで知恵を出し合って、安心して結婚や出産や子育てができる日本にしないといけないと本当に思いますね。

2022年の出生数は想定より11年早く初の80万人割れだったことについて、どう思われましたか?


金融庁が「エヌエヌ生命保険」に立ち入り検査へ!

東洋経済によると、金融庁が外資系のエヌエヌ生命保険(旧アイエヌジー生命保険)に対して、近く立ち入り検査に入ることがわかったようです。

エヌエヌ生命の関係者によると、8月19日までに検査予告があったそうです。
中小企業オーナーなどを対象にした「節税保険」の販売や商品開発の実態について、今後検査を進めるとみられます。

節税保険の不適切販売を巡っては、金融庁が2022年7月にマニュライフ生命保険に対して初の行政処分を下したばかりです。
販売行為の組織性や悪質性が生保各社の中でも際立っていたことでやり玉に挙がった格好でしたが、同じく節税保険販売における組織性などが強く疑われていたのがエヌエヌ生命でした。

そもそも同社は2022年2月、金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けており、逓増定期保険などを活用し、「租税回避行為」を指南する私製の資料が多数見つかったことをすでに報告しています。

今後の立ち入り検査の動向次第では、マニュライフ生命の事例と同様に、他社に転じたエヌエヌ生命の旧経営陣に対する責任追及に発展する可能性もあります。

保険の本質を忘れているような生命保険会社は処分されて当然かと思います。
僕自身も代理店をやっていますが、こういったことで色々なことが厳しくなっていきますので、勘弁して欲しいですね。
他社に転じた旧経営陣の責任もきちんと追求して欲しいと思います。
やってはいけないことをやって、多額の報酬を得たり、多額の報酬で他社に転じているのでしょうから。

金融庁が「エヌエヌ生命保険」に立ち入り検査することについて、どう思われましたか?


国税庁をかたる不審なメールにご注意!

TabisLandによると、国税庁をかたる不審なショートメッセージやメールから、国税庁ホームページになりすました偽のホームページに誘導する事例が見つかっているとして、国税庁が注意を呼びかけています。

情報によると、国税庁の名称や国税庁と類似した名称を使用した団体から、携帯電話等に「還付金を振り込む。」、「受取口座情報を返信してください。」などの内容のメールが届く事例が発生しているようです。

一例としては、「National Tax Agency(国税庁)」を名乗る者から、「You are eligible to receive a tax return of JPY~(~円の税金の払い戻しを受ける権利がある)」という旨のフィッシングメールが届き、メールに記載されたアドレス(https://www.nta.go.jp/~)をクリックすると、国税庁の偽サイト画面が表示され、本人確認と称して「Name(氏名)」「Date of birth(生年月日)」「16 digit debit card number(16桁のデビットカード番号)」等の個人情報を取得しようとする事例が発生しています。

国税庁(国税局、税務署を含む)からショートメッセージによる案内を送信することはなく、国税の納付を求める旨や、差押えの執行を予告する旨のショートメッセージやメールも送信していません。
国税庁からのメールによる案内は、国税庁ホームページ新着情報の配信サービスの登録をしている場合、国税庁メールマガジン配信サービスの登録をしている場合、e-Taxの利用にあたりメールアドレスを登録している場合に限って送信しています。

国税庁では、不審なショートメッセージやメールを受信した場合や、国税庁ホームページをかたるサイトを発見した場合には、アクセスすると被害を受けるおそれがあるためアクセスしないこと、また、国税庁ホームページを利用する際にはブラウザのアドレス欄(国税庁ホームページアドレスは、https://www.nta.go.jp/)を必ず確認するよう呼びかけています。

最近は、色々な不審メールがたくさん送られてきますね。
国税庁からメールが送られてくると、焦る方もおられると思いますので、そのあたりの心理状況もついているんでしょうね。
安易に、クリックとかしないようにしましょう。

国税庁をかたる不審なメールにご注意!について、どう思われましたか?


持続化給付金の不正受給が続々発覚し自主返還は166億円に!

朝日新聞によると、家族ぐるみで計約9億6千万円もの持続化給付金の不正受給にかかわったとして、住居不詳の男性(47)が詐欺容疑で指名手配され(インドネシアで逮捕)、男性の元妻と長男、次男が逮捕されました。
新型コロナウイルスの経済対策として導入された持続化給付金は、迅速な支給のため手続きが簡素化された半面、後に数多くの不正受給が発覚しています。

中小企業庁によると、要件を満たさなかったとして給付金の受給者が自主返還を申し出た件数は、2022年5月26日時点で約2万2千件です。
このうち約1万5千件についてはすでに返還があり、その総額は約166億円に上っています。
中小企業庁は、自主返還があった場合には警察への通報や被害相談はしていないそうです。

一方で、全国の警察による摘発も相次いでいます。
2021年3月、衆院議員事務所元スタッフの男ら4人が給付金100万円を詐取した疑いで愛知県警に逮捕されました。
セミナーを開いて「私ども自民党としましては、みなさんが持っていない情報を持っている」などと話し、不正受給を持ちかけていたとされます。

大阪国税局OBで元税理士の男も、身分を個人事業主と偽るなどして同じく4,500万円を詐取したとして2022年1月に有罪判決を受けました。

キャリア官僚の関与が明るみに出たこともありました。
経済産業省の元官僚2人はペーパーカンパニー2社の売り上げを偽造し、持続化給付金など計約1,550万円を詐取したとして2021年12月に東京地裁で有罪判決を受けました。

早く給付する必要はあったと思いますが、明るみに出ているところでこれだけの不正受給があったということは、制度がザルだったと言わざるを得ませんね。
このような給付金があったからこそ、犯罪者がたくさん生まれたわけですから。
中小企業庁にも反省してもらい、今後に活かしてほしいですね。
今回の事業復活支援金を見ると、改善されたところはありますが、支給されないケースもあり、ビジネスのことが分からない人たちが作っているんだろうなぁと感じる点がありますが。

持続化給付金の不正受給が続々発覚し自主返還は166億円にのぼったことについて、どう思われましたか?


国税職員ら20代男女7人が給付金詐欺で逮捕!

読売新聞によると、新型コロナウイルス対策の国の給付金をだまし取ったとして、警視庁が東京国税局職員(24)(神奈川県横浜市)ら20歳代の男女7人を詐欺容疑で逮捕しました。
7人は投資仲間で、名義人に不正受給させた約2億円の大半を暗号資産に投資していたといい、警視庁が金の行方を調べています。

ほかに逮捕されたのは、東京国税局職員と同期入庁だった東京国税局元職員の男(24)(詐欺罪で起訴)らです。
警視庁は2022年2月頃にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに出国した30歳代の男が中心メンバーだったとみて行方を追っています。

捜査関係者によると、7人は2020年8月頃、埼玉県に住む当時17歳の少年(詐欺容疑で書類送検)がコロナ禍で収入を減らした個人投資家だと偽り、中小企業庁から持続化給付金100万円をだまし取った疑いです。
東京国税局職員は黙秘していますが、一部のメンバーは容疑を認めています。

7人のうち東京国税局職員ら複数のメンバーがオンライン上の投資サロンに所属しています。
「給付金をビットコインに投資して2倍にする」などと言って知人らを勧誘し、約200件の不正受給を行わせたようです。
東京国税局職員と元国税職員は申請に必要な確定申告書の作成を担当し、1件当たり5万円の報酬を得たとみられます。

申請名義人は高校生や大学生など若者が多かったようです。
グループは給付金を全額回収し、メンバーの報酬を差し引いた残りの大半を暗号資産に投資しましたが、その後、元金などは名義人に返還されていないそうです。

名義人の一人が2020年8月頃、警視庁に不正受給を申告し、警視庁が捜査していました。
持続化給付金の不正受給を巡っては、2020年12月にも東京国税局の甲府税務署員が逮捕され、詐欺罪などで有罪判決を受けています。

最近は国税庁職員の不祥事も目につきますね。
こういう人たちがいる組織に税務調査などはできるのでしょうか?
報酬を申告しているのかも気になりますが、国税局もご多分に漏れず人がなかなか採用できないのかもしれませんが、採用時にきちんと適性を確かめ、採用後も全職員を対象にモラルなど研修が必要なのでないかと思います。
本当に、持続化給付金は、期限内に申告している人のみを対象にして、過去何年間かの納税額を給付額のMAXにした方が良かったのではないかと改めて思います。
簡単に申請できたことが、逮捕者がたくさん出る状況を生み出しているわけですので。

国税職員ら20代男女7人が給付金詐欺で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


事業復活支援金の申請期限及び事前確認期限が延長!

2022年5月31日火曜日までとされていた事業復活支援金の申請期限が、6月17日金曜日まで延長されました。
なお、申請前に必要な「登録確認機関による事前確認」の実施は6月14日火曜日までとなります。

ただし、申請や事前確認のために必要な「申請IDの発行」は5月31日火曜日までとなりますので、ご注意ください。

申請をお考えの事業者の方は、お早めに申請IDを発行していただき、必要書類を準備し、登録確認機関での事前確認を受けたうえで、申請をしてくださいね。

事業復活支援金では、申請を行う前に事務局が募集・登録した「登録確認機関」において、①事業を実施しているか、②給付対象等を正しく理解しているか等の事前確認を受けていただく必要があります。

事前確認を受ける際には「申請ID」を登録確認機関に掲示する必要があります。
事前確認を受ける前に本ホームページにて仮登録(申請ID発番)を行ってください。
なお、コールセンターでも仮登録(申請ID発番)を受け付けておりますので、ホームページのご利用が難しい方は、コールセンターまでお問い合わせください。

いったん期限を決めたのであれば、きちんと守って欲しいですね。
弊事務所も登録確認機関となっていますが、何かと時間はかかりますし、確定申告や3月決算で忙しい時期に大変ですので。
ちなみに、弊事務所は顧問先の事前確認しかやっていませんので、これ以上やりませんが。

事業復活支援金の申請期限及び事前確認期限が延長になったことについて、どう思われましたか?


高校で「金融教育」が始動したことで金融各社が教材開発に注力!

日本経済新聞によると、学習指導要領の改訂で2022年4月1日から高校で本格的な金融教育が始まったのを受け、金融各社が教材開発や教員育成に本腰を入れているようです。

若い時から日々の家計の管理や金融商品の知識をつけることで金融リテラシーの向上を狙う施策です。
証券会社などが培ってきたノウハウを提供し、国全体で「豊かさ」を追求する動きが手探りで始まっているようです。

新学習指導要領では、家庭科の中で預貯金や株式・債券などの基本的な金融商品の特徴、資産形成の視点も教えることとされました。
新たに必修科目となった「公共」の授業でも、金融の役割を学びます。
こちらは企業の資金調達のしくみなどお金がどのように社会の中で動いているかという観点が中心になります。

20年以上金融教育に注力してきた野村ホールディングスの出張講座は、小学生から大学生、学校の教員まで延べ約91万人が受講しました。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、学校支援の「教育と探求社」(東京都千代田区)と組み、人生とお金について考える教材を中高生向けに開発し、2023年度から提供します。
さいたま市教育委員会と金融経済教育に関する連携協定を結んでおり、2022年度は小学生向けに同市に加えて東京都や京都府など複数地域で授業を提供する予定です。

三井住友フィナンシャルグループ(FG)でも傘下のSMBC日興証券やSMBCコンシューマーファイナンスが協力してグループ共通で使える教材を開発しています。
投機と投資の違いや長期投資のポイントなどを解説する出張授業のプログラムを、この春から始めます。

金融教育の流れは資産運用会社にも広がります。
ニッセイアセットマネジメントはタカラトミーと金沢工業大学と組み、SDGs(持続可能な開発目標)に特化した教育用の「人生ゲーム」を制作しています。
8月以降、全国の小学校で展開する計画です。
ニッセイアセットはESG(環境・社会・企業統治)運用の実績を生かして、ESGをテーマにした盤面の開発を担いました。

教員にとっては慣れないテーマで、授業の方法も確立されていないため授業時間を割くハードルは高くなっています。
みずほ証券は、早稲田大学と共同で投資教育を担える教員養成の研究を実施しています。
大学院との研究の一環で、中高生向けの教材作成を取り入れています。
証券会社などにとっては教育活動は大きな収益源にはなりませんが、国民の資産形成への意識を高める活動として注力し始めているようです。

投資ではなく貯蓄が好きな日本人が多いため、貯蓄から投資へのシフトを図るためには、金融教育も必要なことだと思います。
投資をすることで、潜在的な先を含め投資先の企業にも興味を持つと思いますし、企業の活動にも興味を持つでしょうから。
しかしながら、個人的には、物価が上がる中で給与が上がらない日本の現状を考えると、稼ぐ(経営)ということも学んだ方が良いのではないかと思います。
稼がないと運用に回す資金もないわけですから、まずは稼がないと始まらないわけですから。
また、日本の将来に不安があって、投資ではなく貯蓄に回してしまう方も多いでしょうから、みんなが稼げる日本を作っていけば、当然、投資をするようになるのではないかと思います。
この『稼ぐ』ということを学ぶためには、『戦略マネジメント・ゲーム』がふさわしいのではないかと改めて感じた記事でした。

高校で「金融教育」が始動したことで金融各社が教材開発に注力していることについて、どう思われましたか?


給付金搾取で逮捕された経済産業省のキャリア官僚は慶應義塾高校の同級生!

朝日新聞によると、経済産業省のキャリア官僚2人がコロナ禍の影響を受けた中小企業を支援する家賃支援給付金を詐取したとして逮捕された事件で、2人が「相談して2人でやった」などと容疑を認める供述をしていることが、先日、捜査関係者への取材でわかったようです。
1人は「警察の捜査を免れるために職場で証拠隠滅の相談をした」といった趣旨の話もしているそうです。
警視庁は関係者に事情を聴くなどして裏付けをする方針です。

逮捕されたのは、経済産業省産業資金課係長(28)と産業組織課職員(28)の両容疑者です。
2人は慶應義塾高校の同級生だそうです。

警視庁捜査2課によると、2人は共謀して2020年12月、コロナ禍で収入が減った中小企業を装い、給付金を専用サイトから申請しました。
2021年1月に約550万円を詐取した疑いがあります。
申請には、職員が入省前の2019年に設立し、社長を親族に引き継いだとみられるペーパーカンパニーを使い、売り上げ台帳などを偽造した可能性が高いそうです。

捜査関係者によると、2人はいずれも容疑を認め、「2人でやった」「2人で相談した」などと供述しているようです。
また、2人のうち1人は「警察の捜査を察知した」といった趣旨の説明もし、「職場で申請に使ったデータの消去方法などについて話し合った」などと話しているそうです。
警視庁捜査2課は、経済産業省の防犯カメラの映像を分析するなどして、裏付け捜査をする考えです。

一方、係長は世界有数の高級時計メーカーの腕時計や複数のブランド品をクレジットカードで買っていたことが、捜査関係者への取材でわかっています。
警視庁は、給付金の大半を係長が受け取っていたとみており、支払いに充てた可能性があるとみています。
また、自宅マンションの1か月の賃料は国家公務員としての給与額を超えていたほか、複数の外車にも乗っていたといい、収入源や生活実態を調べているようです。

他の報道などによると、2人は暗号資産(仮想通貨)の世界で有名とか、株取引で稼いでいたとか、持続化給付金200万円なども受け取っていたようですが、1人はメガバンク出身、もう一人は司法試験合格者とのことであり、慶應義塾高校を出ているくらいですからそれなりの裕福な家庭に育った方だと思われますので、なぜ給付金を管轄する経済産業省に属する優秀な方が、このようなことをするのだろうか理解できません。
こういう給付金などの詐欺事件を目にするたびに、何度もこのBLOGでも書いていますが、コロナ前の期限内申告を要件とすべきだったと思ってしまいますね。

給付金搾取で逮捕された経済産業省のキャリア官僚は慶應義塾高校の同級生だったことについて、どう思われましたか?


東北新社の総務省接待問題で総務省の調査漏れの会食が複数あった!

讀賣新聞によると、総務省幹部への接待問題を巡り、放送関連会社「東北新社」が設置した特別調査委員会が、総務省の調査で公表されていない複数の接待を確認したことが、先日、東北新社関係者への取材でわかったようです。
総務省側も報告を受けており、接待が放送行政に影響を与えていないか調査しているようです。

東北新社は、問題の経緯をまとめた特別調査委員会の報告書を2021年5月24日に公表する予定です。

関係者によると、東北新社が2017年、認可を担当する衛星・地域放送課長(当時)を接待していたことが新たに判明しました。
東北新社が衛星放送事業に関する外資規制違反を認識した時期です。
会食と近い時期に、この課長に野球観戦チケットも渡していたそうです。
当時の課長は、先日、読売新聞の取材に「(会食の有無は)答えられない」と述べました。

東北新社は2017年1月、「BS4K放送」事業の認定を受けました。
その後、外資比率が20%以上と放送法違反の状態であると認識し、違反を解消するため、総務省の認定を受けたうえで2017年10月に子会社に事業承継しました。
この過程で総務省と東北新社でどのようなやり取りがあったかが焦点となっています。

総務省は2021年2月、東北新社側と延べ38回会食したとの内部調査を公表しました。
当時の総務審議官ら11人を処分しています。

総務省の調査がいい加減ということでしょうね。
きちんと、説明責任を果たしてもらいたいと思います。
そもそも、放送法違反の状況を、子会社に事業譲渡することで解消が認められるのであれば、放送法の存在意義はあるのだろうかと思ってしまいます。
おそらく、この会社に限らず、接待をしている会社はたくさんあるでしょうから、総務省を解体して、不正が起こらないような許認可の仕組みを作ってほしいと思います。
そして、接待を受けた側も、懲戒解雇(退職金なし)くらいにして欲しいですね。

東北新社の総務省接待問題で総務省の調査漏れの会食が複数あったことについて、どう思われましたか?


離婚発表のビル・ゲイツ氏がメリンダさんに1,980億円相当の株式を譲渡!

日刊スポーツによると、先日、離婚を発表したアメリカのマイクロソフトの共同創設者で慈善活動家のビル・ゲイツ氏(65)が、27年間連れ添った妻のメリンダさん(56)にすでに18億ドル(1,980億円)相当の株式を譲渡していたことが明らかになったようです。

芸能情報サイトのE!ニュースやアメリカの経済誌フォーブスが報じました。
フォーブスは推定1,304億ドルと言われるビル・ゲイツ氏の保有資産は、わずかに減少して1,286億ドルになったと伝えています。

アメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、ビル・ゲイツ氏の投資会社カスケード・インベストメント社が離婚を発表した日にカナダ国内最大の鉄道会社カナディアン・ナショナル鉄道の株式約1,400万株と自動車ディーラーのオートネーション社の株式290万株をメリンダさんに譲渡していたそうです。

一方、ウォールストリート・ジャーナル紙は、他にもコカ・コーラなども含め24億ドル相当の株式を譲渡したと伝えています。

1994年に結婚した2人は、「人生の次の段階において夫婦としては共に成長できるとは考えられなくなった」と理由を明かして離婚することをツイッターで発表しました。

共同で2000年に創設したビル・アンド・メリンダ財団については今後も共に活動を続けていくことを表明していますが、財産分与に関しては婚前契約を結んでいなかったことが明らかになっています。

メリンダさんが裁判所に提出した離婚申請の書類によると、離婚前に巨額の資産の分割方法について別離契約書を作成しており、それに基づいて資産を分割することが記されていたことから、今回の株式譲渡は離婚による資産分与の一環であることは間違いないとみられています。

別離契約の内容は明らかにされていないことから、今回明らかにされた株式譲渡以外にも非公開の取引で資産の一部をメリンダさんに譲渡している可能性もあるとフォーブス誌は伝えています。

税理士の中には節税目的では?という方もいるようですが、それはさておき、保有資産が1,286億ドルというのは想像もつかない数値ですね。
マイクロソフトの功績の表れでしょうが、使いきれないでしょうし、税金対策も大変だろうなぁと思います。
どういう方が顧問税理士なのかにすごく興味があります。

離婚発表のビル・ゲイツ氏がメリンダさんに1,980億円相当の株式を譲渡したことについて、どう思われましたか?


「あなたと同姓の富豪が死んだ」との周到な「ドバイ詐欺」相次ぐ!

毎日新聞によると、オイルマネーの流れ込む中東屈指の金融センターや林立する超高層ビルなど、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイが持つ華やかなイメージを利用した「ドバイ詐欺」が全国で相次いでいるようです。
在ドバイ総領事館によると、2019年~2020年と21年3月までの邦人被害額は、少なくとも計約7,800万円に上ります。
未遂に終わったものの約50億円を要求されたケースもあり、1件当たりの最高被害額は2,500万円です。
奈良県では、60代の男性が約830万円をだまし取られる被害が発生しています。
在ドバイ総領事館が国内外の邦人に向けて、ホームページで注意を呼びかける事態となっています。

「私はドバイに住んでいます」。
2018年冬ごろ、60代男性のSNS「インスタグラム」アカウントに1通のメッセージが届いたそうです。
差出人は、国際的に有名な銀行の取締役だという男で、この男性は外国の友人を増やしたいとの思いもあり、SNS上の友人になりました。

「ドバイの富豪が大いなる遺産を残して死んだ。偶然にもあなたと同じ姓だ」。
メッセージのやり取りを始めてから約2か月後、突然こう告げられました。
詳しい話を聞くと、共に事業を進めていた親しいドバイの富豪が亡くなり、遺産相続人を探していると言いました。
「同じ姓のあなたは関係があるのではないか?」
男性には心当たりがあったそうです。
以前、親戚から外国人の身内がいると聞かされたことがあったからです。
「ひょっとすると……」。
どうすればよいか尋ねると、「銀行の顧問弁護士」を紹介されました。

「遺産相続の法的手続きを取るための着手金が必要です」。
その弁護士にメールで連絡を取ると、初めて金銭を要求されました。
高額だったこともあり一度は断ったそうですが、しばらくして男から「着手金は私が払う。遺産を相続してほしい」とのメッセージが届きました。
弁護士からもメッセージが届きました。
「裁判所に書類を提出し、遺産相続が認められた。金額は1億500万ドルだ」

「相続人」となった男性の元には、弁護士から次々と関係書類がメールで送られてきました。
富豪の死亡届に国際通貨基金(IMF)の資金証明書など精巧に作り込まれた十数通の書類をメールで受け取るうち、男性は完全に男たちを信用するようになっていました。
着手金を肩代わりしてもらった「恩義」もあり、泥沼にはまり込むようでした。

証明書取得のための手数料や巨額送金をするための銀行員への賄賂など、男性は、弁護士から次々と出される指示を受け、日本やトルコの銀行口座に計約830万円を送金しました。
「遺産を相続したら、一緒に事業をやろう」という話も持ちかけられましたが、いつまでたっても男性の口座には肝心の遺産が振り込まれないため、「だまされたのではないか?」と思い始めた時には、男とも弁護士とも連絡が取れなくなっていました。

奈良県警郡山署などは、2021年2月、送金先とされた銀行口座を管理していた外国籍の50代男性を詐欺容疑などで逮捕しましたが、容疑不十分で不起訴となりました。
奈良県警は引き続き、男の周辺捜査を進めています。

在ドバイ総領事館によると、ドバイで見られる詐欺は、①金融機関をかたる詐欺、②王族、政府機関をかたる詐欺、③高利商取引を持ちかける詐欺、④王族や紛争地域に在住する軍人や医師らとのロマンス詐欺の4類型が多いようです。
2021年1月からは、総領事館に寄せられた相談事案などをまとめた注意喚起文書をホームページに掲載し、類型ごとの特徴を詳しく紹介し、詐欺被害に遭わないためのポイントを解説しています。

総領事館の関口昇総領事(54)は「王族の存在や日本の生活にはないきらびやかさなどドバイのイメージが詐欺に使われ、被害が生じていることは非常に残念だ」と話し、「ドバイ政府自身が観光や経済のイメージを積極的に発信していることもあって、荒唐無稽な話を信じ込んでしまうのだろう。おいしい話が入ってきたら、一度相手と接触を絶ち、周りの人に相談して」と注意を呼びかけています。

ドバイというイメージを使うのは巧みだとは思いますが、やはり、目の前にお金がちらつくと、簡単に騙されてしまう方がいらっしゃるんですね。
少し冷静になって、周りの方や弁護士さんに早めに相談しましょう。

「あなたと同姓の富豪が死んだ」との周到な「ドバイ詐欺」相次いでいることについて、どう思われましたか?


詐欺と大麻で逮捕の「甲府税務署職員」の父親は東京国税局の「エース」職員!

新型コロナウイルス禍を受けて、2019年2月半ばから9月末まで原則として税務調査を見合わせていた国税当局ですが、調査は10月から再開されたものの、相手側にウイルス感染させる可能性を排除できないとして、強制権限を持つ査察部(マルサ)を除けば、必ず相手側の同意を事前に得るよう、例年以上に徹底されているそうです。
このため調査の対象も自ずと限定されることになり、現場はストレスのたまる毎日が続いているようです。
また、確定申告期限の延長により、確定申告期限の終了までは、新規の案件に着手できないことになっており、事実上、当事務年度(6月末まで)の新規の案件の着手は事実上できないと言えるでしょう。

その国税当局を震撼させる一大不祥事が、2020年12月2日に山梨県で起きました。
東京国税局甲府税務署に勤務する26歳の男性職員が、新型コロナ禍対策として国から支給される持続化給付金100万円をだまし取った疑いで愛知県警に逮捕され、自宅から乾燥大麻が押収されたのです。
ただでさえ思い通りに調査できない日々の中で起きた前代未聞の事件に、東京・築地の東京国税局は重苦しい空気に包まれたようです。

ただ、デイリー新潮によると、この事件が国税当局に衝撃を与えた本当の理由は、実は別のところにあるそうです。
国税関係者が「東京国税局の今後の人事構想や調査方針に悪影響が出かねない」と表情を曇らせる、その理由とは何なのでしょうか?

まず、今回の事件の内容を振り返っておきます。
甲府税務署の資産課税第2部門に所属する調査官(26)は、愛知大学生の男性2人(起訴済み)と共謀して2020年5月下旬、愛知県内に住む20代の男子学生を個人事業主(美容業)と偽り、2020年4月の事業収入が前年同月比で大幅に減少したとする虚偽の内容を中小企業庁に申請しました。
2020年6月2日に申請者の口座に給付金100万円を振り込ませた詐欺の疑いで、愛知県警に逮捕されました。

国税職員だった調査官は、給付金申請の際に添付する確定申告書の偽造を担当し、2020年9月に愛知大学生2人が逮捕・起訴された後の捜査で関与が浮上しました。
2020年12月24日には、この愛知大学生1人の不正請求にも関わった疑いで再逮捕されました。
自宅から押収された資料からは虚偽の確定申告書を約250件作成していたことが判明したそうです。

また、愛知県警が2020年12月2日朝に調査官の自宅を詐欺容疑で家宅捜索した際、乾燥大麻や吸引用具が発見され、同容疑者はその場にいた埼玉県川越市の無職男(25)と自称フィリピン国籍の男(24)とともに大麻取締法違反容疑で緊急逮捕されました。
起訴済みの愛知大学生のうち1人は、大麻取締法違反罪でも起訴されています。

調査官は都内の私立大学を卒業後、2016年に国税専門官として東京国税局に採用され、杉並署など東京都内の複数の税務署を経て、2019年7月に甲府署に異動となり、相続税などの調査を担当する資産課税第2部門に勤務していました。

東京国税局元幹部は「杉並署から甲府署への異動は、将来有望と目される若手職員が歩むルートとされています。その有望株がよりによって持続化給付金の詐欺に加えて、薬物絡みの事件まで起こすなど前代未聞。セクハラやパワハラなど比較にならない、言語道断の行いです」と憤っているようです。

調査官の逮捕を受けて、東京国税局は西川健士総務部長名で「職務外の行為とはいえ、職員が逮捕される事態は公務に対する信頼を著しく損なうもので遺憾。事実関係を確認し、厳正に対処する」とコメントしましたが、公式の謝罪会見は調査官の起訴を待って行われるようです。

国税職員としてどころか、社会人として当たり前のモラルさえ持ち合わせていなかった調査官ですが、大学卒業後5年目の社会人とはいいながら、いったいどんな家庭教育を受けてきたのか、それこそ親の顔が見てみたいものです。

前出の国税関係者が声を潜めて話したようです。
「実は両親とも国税局の現役職員なんです。特に50代半ばの父親は、甲府署で息子も配属された資産課税畑の専門家。東京国税局の中枢を担うノンキャリのエースの一人としてここ数年、局内の重要ポストを次々と歴任しました。その点からも、今回の事件はまさに痛恨事。エースの一人である父親の将来に禍根を残したと断罪されています」

ここ数年間の父親のキャリアを遡ると、資産課税課筆頭課長補佐→浜松西税務副署長(名古屋国税局への出向)→東京派遣国税庁監察官→調査第1部特別国税調査官(特官)→査察部査察第10部門統括査察官と1、2年で異動を繰り返し、現在は今事務年度に新設された課税第1部統括国税実査官(富裕層担当)を務めています。
これがどれほどピカピカの経歴なのか、国税OB税理士が解説しています。

「他局の大規模署の副署長、東京局職員の不正を捜査する監察官、超大法人を調査する特官、マルサの情報部門(通称ナサケ)の統括官と、重要ポストを短期間に幅広く経験させてもらっています。ナサケ第10部門は、マルサ未経験の幹部候補が希望して着任する、いわば“お客様ポスト”。画に描いたような出世コースで、課長以上の幹部就任に向けた階段を、猛スピードで駆け上っている感じです。その中でも期待度の高さを示すのが、初代として就任した富裕層統轄実査官(統実官)のポストでしょう」

統実官とは、縦割りの組織の弊害を打破して調査の精度や効率を上げる狙いから、東京局では所得税と資産税を担当する課税第1部に7つ、資本金1億円未満の法人税と消費税、酒税を担当する課税第2部に1つ設置されている重要ポストです。
中でも今事務年度から新設された東京局課税第1部の富裕層統実官は、新型コロナ禍で任意の税務調査を思うように進められない国税当局の“打ち出の小槌”として、期待度大なのです。

「税務調査の“米櫃”的な存在の飲食店やパチンコ店などの現金商売業者に対しては例年、無予告調査が多用されますが、新型コロナ禍の今事務年度はその手がおいそれとは使えません。一方で海外の税務当局との情報交換制度であるCRS(共通報告基準)が軌道に乗り、日本人富裕層が海外に所有する資産の監視体制は急速に整備されています。
2019事務年度の富裕層に対する追徴税額は前年度に比べて約28%増の259億円と過去最多を記録しており、今事務年度もCRSの効果は大いに期待できます。それに知的レベルの高い納税者が大半の富裕層は、こちらが不正蓄財の証拠さえ明示すれば調査に協力的で、効率も上がります」(国税庁幹部)

その富裕層を専門的に調査する新たなポストを与えられたのが、他ならぬ調査の父親だったのです。
結果を残せて当然のお誂え向きのポストが、資産課税畑のエースに用意されたというわけです。

前出の国税OB税理士が話しています。
「自身が起こした不祥事ではないものの、国税職員になった息子への教育の責任を問われる事態は避けられないでしょう。少なくとも、これまでのような出世街道を歩むことはもう難しいのでは。今後の東京局内の人事構想や調査方針に及ぼす悪影響は必至です」

今回の息子の不祥事を受けて、国税関係者の間では、父親が重責の富裕層統実官を適切に遂行できるのか危ぶむ声が出るなど、動揺が広がっているそうです。

事の重大性は、世間が考える以上に深刻のようです。

税務当局は、パートの方も職員のご家族を採用していると聞きますし、閉ざされた世界だと思いますが、親の力で採用され、エリートコースを歩んでいるのではないかと推測されますが、別人格とはゆえ、親にも責任はあるのではないかと思われる1件ですよね。
国民の脱税とかを防ぐ立場にある人が、国からお金だまし取っているわけですから。
銀行の職員の横領などもそうですが、やはり、『資質』というものが大事であり、『資質』は親の教育などにも影響を受けるのではないかと思います。
この事件に限ることではありませんが、最近、その職業や資格を目指した時の夢や希望をすっかり忘れて事件を起こしているケースが多いのではないかと感じています。
自分への戒めもありますが、時には、初心を思い出すことがとても重要ですね。
そこは、会社員の方も、クレドを見て経営企業などの理念に立ち返るということと同じかと思います。

詐欺と大麻で逮捕の「甲府税務署職員」の父親は東京国税局の「エース」職員であることについて、どう思われましたか?


クラウド会計のfreeeの顧客情報2,800件が漏えいの恐れ!

日本経済新聞によると、クラウド会計ソフト大手のフリーで、クレジットカード番号を含む約2,800件の顧客情報が漏えいした恐れがあることが、先日わかったようです。
フリーが使う外部のクラウドシステムのセキュリティー設定に不備があり、第三者がアクセスできる状態でした。
実際に情報が閲覧されたり、悪用されたりした被害は確認していないそうです。

情報漏洩の恐れがあるのは、顧客からのアカウント設定や支払い方法に関する問い合わせフォームの内容です。
外部からアクセス可能だった約2,800件の大半は顧客のメールアドレスでしたが、問い合わせの際に記載されていた氏名、住所、電話番号に加え、銀行口座やクレジットカードの番号、会計ソフトにログインするためのIDとパスワードも含まれていました。

フリーが展開する会計ソフトなどの自社サービスから顧客情報は流出していません。

フリーが情報管理に使っていたのは、企業向けソフトウエア大手であるアメリカのセールスフォース・ドットコムのクラウドシステムとみられます。
フリーが、先日、外部のセキュリティー関係者から情報提供を受け社内調査したところ、同日までの約1年間、第三者が情報にアクセスできる状態が続いていました。
すでに外部からアクセスできないように閲覧権限の設定を変更したそうです。

セールスフォースのクラウドシステムを巡っては、導入企業である楽天のほか、ソフトバンク傘下のスマートフォン決済大手PayPay(ペイペイ)などでも、設定ミスによって加盟店や個人の顧客情報が漏洩した疑いが明らかになっています。
これを受け、セールスフォースは導入企業に対し、アクセス権限の設定を確認するよう注意を呼びかけています。

フリーは2013年にクラウド会計ソフトのサービスを始めた国内の先駆けです。
登録した銀行口座やクレジットカードなどの明細を自動取得し、帳簿を作成できるソフトを手がけています。
経理業務の専門知識がなくても手軽に使える利便性を売りに、個人事業主や中小企業を中心に直近の有料会員は23万件に上ります。
2019年12月、東証マザーズに上場しました。

最近、情報漏えいのニュースを見ると、セールスフォースのクラウドシステムを使っているところばかりですね。
きちんと説明などがされているのかわかりませんが、これだけの大手が設定をみすしているわけですから、セールスフォース側にも原因はあるんでしょうね。
おそらく、信頼も失っているでしょう。
いずれにしても、丸投げではなく、きちんと管理していかないと痛い目にあいますね。

クラウド会計のfreeeの顧客情報2,800件が漏えいの恐れがあることについて、どう思われましたか?


持続化給付金詐欺事件で元税理士の親族ら9人も書類送検!

毎日新聞によると、大阪国税局OBの元税理士が新型コロナウイルスに伴う国の持続化給付金をだまし取った詐欺事件で、大阪府警東淀川署は、先日、逮捕された元税理士(43)=詐欺罪で公判中=の親族や事務所スタッフら20~70代の男女9人を詐欺の疑いで書類送検したと発表しました。
名義貸しや虚偽申請を手伝っていたとみられ、東淀川署は事務所ぐるみで不正に手を染めていたとみて全容解明を進めています。

書類送検されたのは、元税理士が代表を務める税理士事務所(閉鎖)のスタッフ5人と元税理士の親族4人の合わせて9人です。
容疑は、2020年5月から6月に、元税理士と共謀して個人事業主と偽ったり、うその売り上げを提出したりして給付金計1,500万円をだまし取ったとされます。

東淀川署などによると、元税理士は2020年4月に中小企業庁から給付金の申請手続きが公表された時に、開業届の提出が必ずしも求められていないことに着目しました。
申請が殺到して調査が追いつかない上に、規模の小さい零細事業者を装えば、営業実態の把握が困難になるだろうと考えて虚偽申請を計画したようです。
申請が始まった5月からスタッフや親族、顧問先に名義貸しを持ち掛け、成功報酬を受け取っていました。
スタッフは役割分担して申請業務を進めていました。

元税理士の事務所が申請した給付金の総額は計4億3,700万円で、このうち約1億円分を不正受給したとみられます。

元税理士は論外でしょうが、税理士事務所のスタッフもおかしいと思う人がいなかったのでしょうか?
おそらく、法人ではなく個人事業主でしょうが、1億円分は不正受給だとしても、4億3,700万円分申請するというのはスゴイですね。
それだけクライアントがあれば、そんなにせこいことをしなくても、他に稼ぐ方法はあるように推測されますが、なぜ、こんなことに手を染めたんでしょうね。
気のせいかもしれませんが、問題を起こす税理士は国税局OBが多いように思いますが、モラルが低いんでしょうか?

国税局OBが税理士登録できるという制度もそろそろ見直す時期に来ているのではないでしょうか?


給付金詐欺容疑の慶応大学生は「起業の金欲しかった」!

サンケイスポーツによると、新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして、島根県警に詐欺容疑で逮捕された慶応大学4年生(22)が「起業のためにお金が欲しかった」と動機を供述していることが、先日、捜査関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、慶応大学生はプロ野球の監督を務めた方の孫で、慶応大学野球部で捕手として活動していました。

慶応大学生は、受給対象でない松江市の男子大学生に給付金を申請するよう指南し、2020年7月に中小企業庁から100万円を大学生の口座に振り込ませて詐取した疑いで、島根県警松江署に2020年1月26日に逮捕されました。
島根県警松江署によると容疑を認めているようです。

捜査関係者によると、慶応大学生は知人らに会員制交流サイト(SNS)で不正申請を促し、関与した給付金の不正受給額は計1,000万円以上とみられます。
受給者はそれぞれ数十万円を慶応大学生に「アドバイス料」として渡した疑いがあります。

お金に困っている企業や個人事業主に早めにお金を渡すということを優先したのでしょうが、これだけ、大学生や税務署職員や税理士やそれ以外の方が逮捕されているところを見ると、制度の設計がザルだったということでしょうね。
個人的には、当初から、過年度の期限内の確定申告や2019年の開業の開業届の募集要項公表までの提出は条件に入れるべきだったと考えています。
そうすれば、不正受給はかなり防げたと思いますし、開業届の提出や確定申告をきちんとしておかないといけないという国民の意識の向上、正直者が得をするということにつながったのではないかと思います。

給付金詐欺容疑の慶応大学生は「起業の金欲しかった」とコメントしていることについて、どう思われましたか?


Clubhouseの利用規約が早くも有名無実化!

Business Journalによると、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が大流行中です。
まだiOS版のみでAndroid版が出ていないものの、連日メディアを賑わせる人気ぶりとなっています。
現状は芸能人などが大量に参入しており、ここだけの話が聞けることでも人気となっています。

ある40代男性は、入浴中もトイレ中も使い続け、「クラブハウスに住んでいる状態」だそうです。
「憧れの漫画家さんと直接話せて夢のよう。すべてClubhouseのおかげ」。
一方、眠っている間に貴重な話を聞き逃すのが怖くて、ほとんど眠れなくなってしまったのだそうです。

あまりの人気から、Facebookでも対抗となる音声SNSを開発中と報道されています。
Twitterでも2020年末より「Spaces」という音声チャットルームのβテストを開始しており、音声SNSへの注目は当分続きそうです。

一方、Clubhouseにはさまざまな問題点が指摘されています。
改めて3つの大きな問題について紹介されています。

<データの取扱いは不透明、セキュリティリスクは高い>
Clubhouseではじめから指摘されていたのは、セキュリティ上の問題です。
「セキュリティ的に考えると怖くてできない」という人も少なくなく、利用していても「セキュリティは心配だけれど利用したいから仕方がない」という人もいるようです。

2021年2月、ドイツのハンブルクのデータ保護当局は、同アプリの個人情報の扱いを問題視する文書を公表しています。
「運営会社がルーム内の全ての会話を録音・保存している」と指摘すると同時に、個人情報の収集方法にも問題があるとしています。
ユーザーが誰かを招待する際はスマホの連絡先データを全てアプリ側に渡す必要があり、運営会社はサービスの利用者以外の個人情報も得ますが、データ管理や削除方法については不透明のままです。
このようなデータは、知らぬ間に第三者に利用される可能性もあります。

さらに、アメリカのスタンフォード大学の調査によると、同アプリのデータの一部に中国企業がアクセスできる可能性があるそうです。
同アプリにAPIを提供している上海のソフトウェアプロバイダーAgora社に、ユーザーのIDとチャットルームのIDを送信しているというのです。
つまり、Agora社を経由すれば、誰がどのチャットルームにいたかがわかってしまうというわけです。
さらに、アカウントも一度つくったら簡単には削除できない点も問題です。
削除ボタンがあるわけではなく、アカウント削除や無効を希望する場合にはメールアドレスを登録の上、support@joinclubhouse.comに削除申請を送る必要があります。
しかも、申請が受理されるまでに時間がかかるという声もあがっています。

<出会い系利用や情報ビジネスの温床にも>
Clubhouseで興味があるテーマのルームに参加すると新しい出会いにつながることがあるようです。
これは楽しい経験だそうですが、一方で諸刃の剣にもなりえます。

あるルームで初めて会った同士が、「明日会おう」と言っていたそうです。
つまり、すでに出会い系に使われているということです。

以下で述べるとおり、未成年も多く参加しており、音声でのやり取りが残らない以上、出会い系被害につながっても証拠も残らない可能性があるのです。

すでに誹謗中傷や差別発言などが見られるだけでなく、情報ビジネスや宗教関係とも相性が良いといわれています。
海外ではすでに情報ビジネスの温床となっているようです。
他のSNSではフォロワーがそれほど多くないのに同アプリ内ではフォロワーを多く集め、「一般人が○日でフォロワー☓☓人になったコツ」などとルームを立てて語っているのを見かけることもあるようです。

話が上手い人が活躍できるSNSですが、逆に話術によって騙されるリスクも出てくるので注意が必要です。

<18歳以下も多く、録音録画される例も>
Clubhouseには利用規約があるが、規約はまったく守られていないようです。
たとえば18歳以上対象とされていますが、年齢確認などの仕組みはなく誰でも利用可能です。
「高校生(17)」「高校生、17歳です」「15歳の中学生です」「中学生、13歳です」などというユーザーが多数見つかる状態です。
なんと「8歳の小学生がいた」という声もあがっています。

大人が18歳以下のユーザーをフォローしたり、話しかけることもできます。
実際、「高校生と話せた」と喜んでいる40代男性もいるようです。
前述のように出会い系にも使われていることを考えると、リスクが高いことは言うまでもありません。

同アプリは、規約で会話の録音や記録を禁じています。
ところが、藤田ニコルさんが話していた内容が週刊誌の記事となってしまい、規約が守られていないことが明らかになりました。
また、YouTubeなどで検索すると、同アプリでの芸能人などの会話が録音・録画された例が多数見つかる状態です。
「規約で禁止されていても、アカウント停止になる程度。スクープがとれるなら自分でもやると思う」とある記者は言っているようです。

フォロワーを増やすために相互フォローを目的としたいわゆる「フォロー部屋」も禁止されています。
ところが、フォロー部屋を名乗るルームは頻繁に立ち上がっており、こちらも特に罰則などもないようです。
規約が有名無実化しているのが現実です。

この他にも、電話番号を使った招待制のため、思わぬ問題も起きているようです。
SNSでつながる今の時代、電話帳に登録されているのは友だちとは限らず、最新の人間関係を反映させたものではなくなっています。
「友だちの多い本名も知らないキャバクラ嬢に招待されてしまった」とか、「縁を切ったはずの元カレや絶交した元友人が表示されて気分が悪い」という話も聞きます。

その他、アーカイブが残らないリアルタイムで聞かねばならないサービスのため、時間を食ってしまい睡眠不足になっている人もいます。

問題を中心に述べてきたが、Clubhouseが楽しいものであることは確かなようです。
このサービスが向いている人にとっては、コロナ禍でもリアルコミュニケーションできる貴重な場であり、新しい出会いにつながる場でもあるのでしょう。

すでにビジネスに活用している人も出てきています。
なかには、ルームでのトークで数十万円の物販につながったという人もいるようです。
ただし、「特に承諾のないまま商業目的で商品またはサービスの売買を広告しまたは販売すること」は規約で禁止されており、注意が必要でしょう。

新しいサービスが、はじめから問題がないということはまずありません。
リスクもありますが、可能性も秘めていることは間違いありません。
リスクに気をつけながら使ってみるのはいいかもしれません。

当初からFacebookなどで招待してとか書かれている方がたくさんいたので、知ってはいたのですが、Androidユーザーなので、僕自身はやっていません(できません)。
自分にはあまり向かないだろうなぁと思っています。
セキュリティについては、昨年、セキュリティに問題があると言われたZoomがセキュリティの改善などをしてあれほど流行った(定着した?)わけですから、Clubhouseも徐々に改善はしていくことでしょう。

Clubhouseの利用規約が早くも有名無実化であることについて、どう思われましたか?


国税局OBの元税理士が約100人に持続化給付金の不正受給を指南か?

新型コロナウイルスの影響で収入が減った個人事業主らを支援する国の持続化給付金をだまし取ったとして、大阪府警東淀川署は、先日、大阪国税局OBの元税理士(43)と、税理士事務所の事務員だった30歳代の男を詐欺容疑で逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかったようです。

大阪府警東淀川署は、大阪国税局OBの元税理士が顧問先企業の従業員ら約100人に不正受給を指南したとみており、被害総額は約1億円に上る可能性があるそうです。

捜査関係者によると、大阪国税局OBの元税理士は2020年6月、代表を務める大阪市内の税理士事務所(2020年11月に閉鎖)で、当時事務員の男と共謀し、顧問先の会社に勤める男性(20歳代)を個人事業主と偽った2019年分の確定申告書などの書類を準備し、新型コロナウイルスの影響で収入が減ったように装って、中小企業庁の専用サイトから持続化給付金を申請し、男性の口座に100万円を振り込ませ、詐取した疑いです。

大阪国税局OBの元税理士は手数料名目で数十万円を受け取ったといい、大阪府警東淀川署は男性からも任意で事情を聞くようです。

大阪国税局OBの元税理士らは、手数料を稼ぐ目的で顧問先企業の社員やその家族らに次々と不正受給を持ちかけ、応じた人に対して給付金の申請手続きに必要な身分証の写真や通帳のコピーをメールなどで送信するよう指示し、事務所内で、うその収入などを記した確定申告を電子申請し、虚偽の書類を入手していたとみられます。

大阪国税局OBの元税理士は、2015年に大阪国税局を退職し、税理士事務所を開業しました。
不動産オーナー向けに節税方法を指南する書籍を出版し、税務調査への対応方法を解説するセミナーなどで講師も務めていましたが、2020年9月に入ってから日本税理士会連合会に登録抹消届を提出し、9月29日付で受理されています。

ちなみに、持続化給付金は、コロナ禍で、月の売上高が前年同月比50%以上減った事業者などを対象に、中小企業は200万円、個人事業主やフリーランスは100万円を上限に支給するものです。
2020年11月23日時点で約380万件、約5兆円を給付しているそうです。
申請は2021年1月15日までです。

なぜ、この大阪国税局OBの元税理士が、このようなことをするのか、同業者として理解できません。
よほどお金に困っていたのでしょうか?
国税局OBはモラルがないのでしょうか?
こういう人が、業界の信用を失墜させるので、本当に勘弁してほしいですね。

国税局OBの元税理士が約100人に持続化給付金の不正受給を指南していたことについて、どう思われましたか?


持続化給付金詐欺の疑いの税務署職員は100件以上のうその確定申告書を作成か?

東京国税局甲府税務署の職員が、新型コロナウイルスで影響を受けた事業者に支給される、国の持続化給付金をだまし取ったとして逮捕された事件で、職員がこれまでに100件以上のうその確定申告書を作成していたとみられることが分かったようです。
警察は職員がうその申告書を作成した見返りに、報酬を得ていたとみて調べを進めています。

東京国税局甲府税務署の職員(26)は、2020年6月、国の持続化給付金をめぐり、受給対象ではない大学生を申請者にして、事業収入が大幅に減ったという、うその確定申告書を作成し、100万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで逮捕され、先日、検察庁に送られました。

警察が東京国税局甲府税務署の職員の携帯電話に残された、やり取りなどを解析したところ、これまでに100件以上のうその確定申告書を作成していたとみられることが分かりました。

すでに逮捕・起訴されている愛知大学の学生2人の捜査の過程で、東京国税局甲府税務署の職員が確定申告書の作成に関わっていたことが分かりましたが、学生2人との面識はなく、間をとりもった人物がいるとみられるということです。

警察はうその申告書を作成した見返りに、報酬を得ていたとみて調べを進めています。

こういう人が税務署の職員というのは驚きです。
報道によると、資産税の担当だったようですが、こういう人に税務調査とかでとやかく言ってほしくないですよね。
資質の問題かとは思われますが、税務署も、教育とかがきちんとできていないということなのでしょうね。この件だけではないのですが、これ以外にも税務署の職員の不祥事は起こっていますので、税務調査がやりにくくなるでしょうね。

持続化給付金詐欺の疑いの税務署職員が100件以上のうその確定申告書を作成していたことについて、どう思われましたか?


持続化給付金の詐取容疑で国立印刷局職員2人を逮捕!

新型コロナウイルスの影響で経営に打撃を受けた個人事業主などに国が支給する持続化給付金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は、先日、詐欺容疑でいずれも国立印刷局職員の21歳の容疑者と20歳の容疑者を逮捕しました。
警視庁捜査2課によると、2人は容疑を認めているようです。

持続化給付金詐取事件で国家公務員が逮捕されるのは初だそうです。
警視庁捜査2課によると、21歳の容疑者が指南役だったとみられ、「身分証を出せばお金がもらえる」などと20歳の容疑者に不正受給を持ちかけたそうです。
職場の同世代の同僚や、会員制交流サイト(SNS)で計数十人を勧誘し不正受給を指南したそうで、実際に受給したケースもあるとみられます。

逮捕容疑は2020年6月ごろ、それぞれ個人事業主と偽り、虚偽の確定申告書の写しや売り上げ台帳を中小企業庁所管の事務局に提出し、同給付金計200万円を詐取したとしています。

事件をめぐっては、SNSを通じて21歳の容疑者に不正受給を指南した人物がいた可能性もあり、警視庁捜査2課は全容解明を進める方針だそうです。

すぐに支給できるよう制度設計が簡単すぎたのが原因だとは感じますが、とある税理士の方が言っているように、税務調査ができなかったので、持続化給付金の事務局を税務署の職員が手伝ったら良かったのではないかと思います。
また、持続化給付金のために今まで申告をしていなかったのに過去の申告をした人をどんどん税務調査してほしいと思います。
何度かこのBLOGでも書いていますが、本当に、過去から事業をしている人は2018年度などの期限内申告、2019年に開業した人は持続化給付金の公表までの開業届の提出などを要件にしておけば良かったのにと感じます。

持続化給付金の詐取容疑で国立印刷局職員2人が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


摘発を恐れる持続化給付金の不正受給者の返金希望が殺到し返金手続きが一部停止!

共同通信によると、新型コロナ対策で個人事業主らに支給される持続化給付金を巡り、警察の摘発などを恐れる不正受給者から返還希望が殺到していることを受け、国が返金手続きの一部を7月から停止していることが、先日、中小企業庁への取材で分かったようです。

希望自体は受け付けていますが、誰からの返金かを明確にするため個別に受付口座を準備中で、振り込みを待たせている状態が続いているようです。

2020年10月下旬ごろをめどに返金の方法を郵送で案内する方針だそうです。

当初はいずれの受給者に対しても同じ口座に振り込ませていたようですが、名義の入力を誤るケースが続出し、7月はさらに希望者が増え、返金方法を見直したそうです。

返金すれば良いのだろうかという気はしますね。
確か当初の想定だと、1件当たりの事務費が4、5万円くらい想定されていたと思いますので、その分も返してもらわないといけないように思いますね。
最初に申請要項を見たときにこれで大丈夫なのだろうか?(抜け穴がいくつでもあるのでは?)と思うくらい要件等を簡単にしすぎたので、不正も横行したという感じですね。
その当たりは、制度設計の段階である程度は分かっていたのではないのかと思いますが。

摘発を恐れる持続化給付金の不正受給者の返金希望が殺到し返金手続きが一部停止していることについて、どう思われましたか?


加速する三井物産の印鑑レスだがそれでも残る「岩盤」!

日本経済新聞によると、新型コロナウイルスの感染拡大の結果、在宅勤務によるテレワークが当たり前になり、様々な局面で接触を減らす努力がなされるようになりました。
変化を余儀なくされる中で浮かび上がってきたのは、デジタルを使いこなせていない日本の姿です。
押印のための出勤など、デジタル化を真剣に進めていれば、容易に解決できた問題もたくさんあります。
多くの日本企業も、コロナ禍を契機にデジタル化をもう一歩進めようとしています。
新本社の本格稼働を機に「印鑑レス」を加速している三井物産の事例が紹介されています。

コロナ禍は、机に置かれた決裁箱から印鑑待ちのりん議書の山を取り出し、次々とはんこを押していくという日本のオフィスのこのような日常を変えられるのでしょうか?

2020年6月に東京都千代田区大手町の新本社を本格移動させた三井物産が「印鑑レス」を加速させています。
電子署名サービス大手のアメリカのドキュサインのサービスを全社に導入しました。
新型コロナウイルスの脅威がまだ広がっていなかった2月と比較すると、6月の利用数は10倍以上になっています。

新本社は、社員一人ひとりに割り当てられた席がありません。
執務席は本社で働く4,500人に対し7割しか用意されておらず、社員には高さ約50センチのロッカーが割り当てられただけです。
その日、仕事をする席は、その日ごとに選ぶフリーアドレス制なのです。

新オフィスは社内外の活発な交流を期待しての仕掛けなのですが、大量の書類を持ち歩いて座席を探していては、かえって効率が落ちます。
新本社の移転前にペーパーレスをなじませる必要があると、2019年11月にドキュサインを使い始めました。
世界で50万社以上が利用し、最大手とされます。

クラウドに契約書やりん議書などの書類データをアップし、関係者はクラウド上で承認(署名)します。
社員が書いたりん議を上長が承認すると、さらに役員へ通知が行くといった具合にワークフローが可視化されています。
自分が提出した書類の決裁がどこまで進んでいるか不安になることもありません。

三井物産には、はんこ待ちの紙は「インボックス」、はんこを押した後は「アウトボックス」という箱に入れる慣習があるそうですが、新本社移転によりかなり廃れたようです。

はんこレスの習慣をさらに加速させたのが、新型コロナです。
ドキュサインの利用数は2019年11月が66、12月は306と、そろりと滑り出しましたが、2020年3月は2,364と、2月の651の3倍超に急伸しています。
4月は5,940、5月が6,491と増え続け、6月以降は7,000を超えています。
赤石理・企画法務室室長補佐は、「1~2月は取引先にドキュサインに移行したいと申し出るのを面倒がる雰囲気があったが、コロナで一気に変わった」と話しています。

ある社員は「ドキュサイン導入後、りん議の文章直しに伴う再提出が減った。紙で回ってくると上司は、『てにをは』を直したくなるが、デジタルだと突き返すのをためらうようだ」と笑っています。

導入前に多かった疑問は「法務的に通用するかどうか」でした。
総合商社は、取引先が世界にまたがるため、「この国も使えるか」「紙を使わなければならない分野はあるか」など実用面での不安を解消する必要がありました。

このため国際的な法律事務所や現地法人の法務担当の協力を得て、主要取引国上位約30か国を調査しました。
10数か国でドキュサインが利用できると判断し、紙の契約を前提にした内規を変更しました。
グループ会社も含めて10回以上の説明会を開き、日本の法律に必要なカスタマイズを行い、準備に1年かけました。

安永竜夫社長は就任直後に取締役会資料を電子化するなど率先してペーパーレス化を進めていたため、社内への浸透も速かったようです。
現場からの意見で、韓国やカナダなどに対象国を広げたり、通関用の書類に適用したりと改善を進めました。

デジタル総合戦略部の下田幸大氏は、「デジタル、法務、財務部門が三位一体になって進められた」と語っています。

三井物産で急速に浸透するペーパーレスですが、「岩盤」が残っているようです。

ドキュサインは、対外的な契約書だけでなく、りん議書や月報、報告書など社内の書類にも使われています。
社外と交わしている紙の売買契約書は年5万件程度で、ドキュサインの利用数月7,000のうち8割が社内、2割が社外となっており、社外文書の電子化率は3割程度となっているようです。

取引先にドキュサインの利用を依頼すると、「ITの会社でも、『契約に関するルール変更を取締役会にかけなければならない』と返答がくる」(下田氏)そうです。
ドキュサインを利用する際は、三井物産がライセンスを持っていれば取引先は不要だが、契約書にまつわる内規という壁は高いようです。
同じ反応はグループ会社からも出たそうです。

もっと硬い岩盤は、「行政」です。
ドキュサインの利用が加速した4月以降も、法務部の社員は「社印」を押すために交代で出勤したようです。

例えば、農薬や劇物などの化学品関係で農林水産省などに提出する報告書は、「営業担当から『どうしてもはんこが必要です』と要望があった」(赤石氏)ようです。
外国政府に提出する書類の作成や商業登記の変更、トラックや乗用車の所有名義の変更など、総合商社の業務は多岐にわたるので仕方がない面はあるにしても、多くが行政向けです。
緊急事態宣言時は、曜日や時間を限定して社印が必要な書類を受け付けたそうです。

財務担当も頭を悩ませています。
税務調査では、電子帳簿保存法が求める「検索機能の確保」に対応が必要ですが、ハードルが高く十分に進められていないようです。

同法は、「取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索条件として設定」でき、「日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定」できることなどを求めているほか、訂正や削除履歴が確認できることも必要とされています。

契約書だけでなく、領収書、請求書、業務委託に関する書類、委任状など文書の種類ごとに要件を備えるコストが高く、三井物産はさしあたり契約書だけ対応しました。

紙からデジタルになるなら、「より便利に使えるべきだ」という「ディマンディング(過剰要求)現象」がデジタル化を阻んでいる一例です。

2019年10月、三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、電子契約サービスを手掛ける弁護士ドットコムと合弁会社、SMBCクラウドサイン(東京都港区)を設立しました。

契約書をクラウドにアップし、「いつ」「誰」が契約を承認したかを、電子署名と暗号技術を用いて改ざんできないように記録する「立会人型」と呼ばれるサービスで、ドキュサインと同じタイプです。
銀行の取引網を通じて、売り込んでいます。

4月の緊急事態宣言を受けて、外資系とIT系企業がこぞって導入しています。
導入期間は約2か月から、2週間から3週間に縮まりました。
利用者数は1.5倍に増え、契約送信数は10倍になりました。

大手企業も6月頃から動き出しました。
緊急事態宣言で業務がストップし、電子契約の必要性を体感して「本腰を上げ始めた」(SMBCクラウドサインの三嶋英城社長)ようです。
コロナ以降、「電子契約はNO」と安易に断ってはいけない雰囲気が高まっているそうです。

三井住友FGが、電子契約サービスに参入したのは、銀行の信用力が生かせるリーガルテックに狙いを定めたと同時に、銀行こそが印鑑に縛られている業種だからです。
銀行に届け出た印鑑と異なる印鑑を書類に押してしまった「印鑑相違」は、利用者、銀行の双方にとって大きなストレスです。

三嶋社長は、「『レガシー企業』の代表格である銀行が取り組むことに意義がある」と話しています。
メガバンクや総合商社という日本を代表する企業が日本をデジタル先進国へと導こうとしています。

僕も数年前に、印紙税を削減できるということで電子契約について調べた時期があり、少し前から、取引先から電子契約や電子サインを求められるケースが出てきています。
うちの事務所もそろそろ電子契約にしようかなぁと思っていたところなので、コロナがきっかけで進めやすい環境にはなってきたなぁとは思っているところです。
大企業がどんどん進めてくれれば、中小企業もせざるをえなくなり、世間一般的に行われるようになることを期待したいと思います。
あとは、普段は政治に期待はしていませんが(笑)、行政のはんこをなくそうとしている河野太郎行政改革大臣には期待しています。

加速する三井物産の印鑑レスだがそれでも残る「岩盤」について、どう思われましたか?


持続化給付金を大学生グループが不正受給か?

東京新聞によると、新型コロナウイルスで収入が半減した個人事業主や中小企業への持続化給付金を、関東地方の大学生のグループが不正受給していた疑いがあることが、関係者への取材で分かったようです。
迅速な支給のため手続きが簡素化されている点につけ込んだとみられます。
友人の誘いで不正受給に加担した大学生は警察の摘発を恐れ、被害弁済の手続きを始めたそうです。

関係者によると、「持続化給付金が簡単に手に入る。君たちも申請すればもらえるからやってくれないか」と4月下旬に、関東地方に住む20代の大学生に、友人の他大学の男子学生から会員制交流サイト(SNS)でそんなメッセージが届いたそうです。
友人は他にも首都圏の学生を十数人集め、インターネットのビデオ会議システムを使って受け取り方法を指南しました。
「確定申告の書類を作れるやつがいるから、大丈夫」「あとは(その書類を)近くの税務署に出すだけ」などと説明しました。

大学生が住所や銀行口座などの個人情報を指南役の友人に知らせると、税務署に申請する書類がPDFファイルで送られてきたようです。
大学生は前年度、収入がありませんでしたが、個人事業主として確定申告するよう言われ、収入があったと偽って最寄りの税務署で確定申告を済ませ、ネットで持続化給付金の受給を申請しました。
5月中旬、口座に100万円近い給付金が振り込まれ、当初の約束通り、大半を友人に渡しました。
後日、犯罪行為に当たると知り、国民生活センターや弁護士に相談したようです。
大学生は現在、持続化給付金事務局のコールセンターを通じて被害弁済の手続きを進め、警察への自首も検討しているそうです。
周囲には「友人を信じ切っていた。申し訳ない」と話しています。

事務局のコールセンターには、こうした弁済に関する相談が相次いで寄せられているようです。
不正受給が発覚すると、詐欺罪に問われる可能性があるほか、支給額に年3%の延滞金を加えた額に20%の加算金を上乗せして返金する必要があります。
制度を所管する中小企業庁の担当者は、「不正が疑われる事案は警察と情報を共有している。逃げ得は許さない、というスタンスでやっていく。給付金の原資は税金。不正受給をしてしまったなら、まずは返金し、警察の捜査に協力してほしい」と話しています。

<持続化給付金>
新型コロナウイルスの影響を受けた個人、中小企業が対象で、今年1月以降に前年同月比で事業収入が50%以上減った月があることなどが条件です。
支給額は個人事業主が最大100万円、中小企業は同200万円です。
迅速な支給のため手続きは簡素化され、申請はインターネットで今年の収入を自己申告で記載し、確定申告書などの写しを添付します。
申請期間は2021年1月15日までで、経済産業省によると、8月5日現在で、293万件、3兆8,150億円が支給済みだそうです。

持続化給付金の不正受給を巡っては、実際に若者の逮捕者も出ています。
山梨県警は、7月22日、100万円を詐取したとして、詐欺の疑いで埼玉県内の男子大学生(19)を逮捕しました。
捜査関係者は「容疑者は普通の大学生」と話しています。
ツイッターなどのSNS上には不正受給を誘う書き込みが相次いでいます。
多くは「給付金案件」「申請代行」といった投稿で不特定多数を勧誘し、これまで犯罪に手を染めたことのない若者らが、軽い気持ちで応じていることがうかがえます。
各地の消費生活センターには5月下旬以降、20~30代からの不審な勧誘に関する相談が増加しています。
中小企業庁の担当者も「不正受給が疑われる情報はたくさん入ってきている」と明かしています。
山梨県警の事件が報道された後、詐欺の発覚を恐れたのか、返金の申し出が増えたそうです。

警察当局も今回の大学生グループとは別に、組織的な不正受給に関する情報を把握しており、詐欺容疑で捜査する方針だそうです。
警察庁幹部は「被害弁済が済んでいれば、それを加味して対応する」と話す一方、「組織的詐欺の指南役には厳しく対処したい」と強調しています。

制度設計に不備があったと言われればそれまでかもしれませんが、迅速に対応するためにはある程度はシンプルな設計で仕方なかったとは思います。
もちろん、不正受給は言うまでもなくアウトですが、個人的には、2018年と2019年の確定申告をしているとか、2018年は期限内申告をしているとか、マイナンバーを使うなどのやり方はあったのではないかと今でも思っています。
あまり深く考えずに応じている大学生が多いのかもしれませんが、自分できちんと判断するようにしないといけないですね。

持続化給付金を大学生グループが不正受給していた疑いがあることについて、どう思われましたか?


国家公務員に昨年の夏より多いボーナスの支給!

国家公務員に、6月30日、夏のボーナス(期末・勤勉手当)が支給されました。
管理職を除く一般行政職(平均35歳)の支給額は平均680,100円です。
昨年までの民間企業の賃金アップを踏まえ、昨夏より1,000円多く、8年連続プラスとなりました。安倍晋三首相は404万円、閣僚は337万円でした。
一般行政職は支給平均年齢が0.5歳若くなり減額要因となった一方、昨年の人事院勧告に基づき、支給月数が0.025か月引き上げられ、月給の2.22か月分に増加し、結果として支給額は増加しました。支給額トップは最高裁長官の577万円(前年同期比8万円増)です。
衆参両院の議長は535万円(同8万円増)で、国会議員319万円(同5万円増)、中央省庁の事務次官328万円(同5万円増)となりました。首相ら特別職は平成24年から、行財政改革に取り組む姿勢を示すため、首相が支給額の30%、閣僚が20%を自主返納しています。
内閣人事局の試算によると、返納後の金額は首相404万円(昨年同期比6万円増)、閣僚337万円(同5万円増)となりました。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響から、今年度の通常国会では「内閣、国会議員は特権的待遇と国民は見ている」(4月27日の参院本会議、鈴木宗男参院議員)などとボーナス返上を求める声も上がっていました。
これに対し首相は「国会での議論を踏まえつつ、適切に判断する」(同)と答えていました。

このような状況下で、増加するというのは国民の感情的にどうなんでしょうね?
もちろん頑張られている方もたくさんいらっしゃると思いますが、最近、麻雀、なんちゃらハウス、夫婦で逮捕、給付金の支給遅延、給付金の事務局選定の不透明さなど、国民の国や公務員に対する不信感が高まっているのではないでしょうか?
増えても当然と思われるような仕事をして欲しいですね。
国家公務員に昨年の夏より多いボーナスの支給がされたことについて、どう思われましたか?


時効を教えず町が勝訴し14年間分の水道料金を請求!

朝日新聞によると、長野県富士見町が、住民の男性(82)に水道料金徴収の時効を大きく超える14年前からの滞納分と延滞金計約607万円の支払いを求めて提訴し、その主張を認める長野地裁諏訪支部(手塚隆成裁判官)の判決が確定したことが分かったようです。
提訴時の水道料金の時効は2年でしたが、時効の成立には債務者側がそれを主張する必要がありました。
行政絡みの訴訟に詳しい弁護士は「住民に有利になることは行政側が教えるべきだ。地方自治体は一般企業とは違う」と、町の対応を疑問視しています。

町が男性を提訴したのは2018年夏でした。
町は弁護士を代理人にし、男性は「お金がなかったので」と弁護士を雇いませんでした。

提訴を知るとほぼ同時に自宅隣で営む製造会社が倒産状態になっていました。
県地方税滞納整理機構から同社への発注元に、支払代金の差し押さえが通告されたのです。
半月後に税金は支払ったものの、発注は消えました。
男性は「町県民税は分割で払い続けていたのに」と話しています。
その後は生活するだけでやっとの状態が続いているようです。

判決が言い渡されたのは翌2019年11月21日です。
支払いを命じられた606万8,892円の内訳は、2004年3月~2018年4月の水道料金約335万円と延滞金約271万円でした。
町は2020年3月13日に男性への給水を停止しました。
4月7日、長野地裁諏訪支部が自宅とその敷地一帯の強制競売開始を決定しました。

公債権の税金と違い、水道料は私債権として民法が適用されます。
時効は公債権の原則5年に対し、2年(2020年4月の新民法施行からは5年)です。
ただし、債務者側が主張(「時効の援用」と呼ぶ)しなければ時効が有効とはならないのです。

提訴を前に、町は「債権がある限り請求しない理由はない」(上下水道課)として、滞納が始まった14年前からの水道料金と延滞金を請求しました。
時効は男性に知らせないことにしたようです。
同課は「裁判で時効の援用をされると想定したが、それがなかった」と明かしています。

男性の方は「時効なんて全く知らなかった」と説明しています。
控訴をしなかったため、判決が確定しました。
直後、町は提訴後(2018年5月以降)の水道料金も請求しました。
2019年12月までの約28万円を、男性側は2020年1月末までに支払っています。

行政関係の訴訟を数多く手がけた岡谷市の松村文夫弁護士は、富士見町のやり方に「違和感を感じる」と話しています。
「地方自治の目的は住民福祉の増進」としたうえで、町が時効を教えなかったことを「配慮が足りなかった」と指摘しています。
「特に、(弁護士を付けない)本人訴訟ですから。時効を教えなかったのはよくないと思う」と、延滞金の利率が14・6%と高いことにも疑問を呈しています。

裁判では町が男性に支払いを促す面談をしていないことも明らかになりましたが、判決は「面接をして任意の納付を促す義務があるとはいえない」としたのです。

強制競売に先立ち、同支部の執行官が男性宅を訪れ、家屋や自宅敷地、会社敷地の現況調査をしています。

時効だけでなく延滞金にも疑問の声が出ています。

町は延滞金徴収条例に基づいて利率14・6%の延滞金(民法では遅延損害金)を請求し、認められました。

これに関し、行政実例に詳しい全国町村会法務支援室は「14・6%は高い。普通は旧民法にある法定利率の5%だ」と話しています。
半面、一般論として「市町村が条例で(延滞金の利率を)定めていればそちらが適用される」とも指摘しています。

ただし、それは私債権を対象とした条例がある場合のようです。
又坂常人・信州大名誉教授(行政法)は富士見町の延滞金徴収条例を読み込んだ上で、「この条例は(税金などの)公債権を対象としている」と結論づけています。

又坂氏によると、同条例は地方自治法第231条の3が規定する延滞料について定めている▽同条は公債権について定めたもので私債権には適用されないという解釈が一般的であり、多くの自治体でもそのように運用されている▽私債権について条例に規定がない以上、(提訴当時の)民法を適用して法定利率の5%で再計算しなければいけない―と指摘しています。

又坂氏は「間違った債権額で強制執行が行われると、国家賠償請求を起こされる可能性もある」と話しています。

長野県諏訪市役所3階にある諏訪湖記者クラブですが、室内の掲示板に男性が数枚の紙を貼ったのは3月半ばでした。
手書きの文面には「焼身自殺」の文字があったようです。

自宅を訪ねると、男性は「先祖の墓の前で焼身自殺するつもりだった」と話し始めたそうです。
「家族に迷惑をかけたらだめだから、女房とは離婚した。子どもとも縁を切った」

自宅には仏壇があり、壁には家族の写真や標語などがたくさん掲げてあります。
幼少期に一家で満蒙開拓団に加わったため、それにかかわる記念の品もあるようです。

男性は、53年前から自宅の隣でアルミ鋳造の会社を営んできました。
取引先を失った後も細々と仕事を続けていましたが、給水停止で不可能になりました。
「溶かしたアルミを入れる金型と鋳造機械を冷やすために水がいるんです」

町とは約20年前、自宅隣のマンホールポンプ場をめぐって裁判になりました。
水道料金を滞納し始めたのはそのさなかです。
「東京の弁護士を雇ったので弁護士代がかさんでしまって……」

税金や電気代の支払いを優先し、水道料金は後回しにしてきたと話しています。
「町はいろんなトラブルを棚に上げて水道料金だけ『これでもか』ってやってくる。先祖代々の土地と汗水垂らして建てた家をこんなことで取られるなんて」と悔しさをにじませました。

こういう間違ったやり方が原因で、もし自殺などで尊い命が失われると、どうするんでしょうね。
固定資産税の計算を間違っていた場合は、時効を主張して、過去の分を市町村は支払わないのに、逆の立場になると、黙っておくんですね。
やはり税金もそうですが、知らないと損をすることが世の中にはたくさんありますので、国民も色々と勉強しないといけないですね。

時効を教えず町が勝訴し14年間分の水道料金を請求したことについて、どう思われましたか?


指南役暗躍し「カラ研修」で助成金を詐取する不正が審査追いつかず横行!

日本経済新聞によると、非正規労働者の待遇改善を支援する「キャリアアップ助成金」の不正受給が全国で横行しているようです。
大阪府警は4月までに指南役ら30人を詐欺容疑で摘発しています。
急増する申請に対して、十分な審査を行う体制が整っていないことが不正受給の背景にあるようです。

「労せずしてもうかる国の支援制度がある」と、コンサルタント会社顧問だった30代の男らは接骨院の事業主らを集めたセミナーで、こんな誘いの言葉をかけていたようです。

関心を示した事業主に男らが指南したのはキャリアアップ助成金の不正受給の手口でした。
受給の要件を満たすために、実際には行っていない従業員の研修を実施したと申請書類に記入するよう指示し、受け取る助成金の額を水増しするため、架空の人物や知人を従業員として申請させていたようです。

コンサルタント会社顧問だった男らは、報酬として助成金の2~3割を受け取っていたそうです。
2019年に大阪労働局の調査で不正が発覚し、大阪府警は2019年10月、詐欺容疑で男を逮捕(詐欺罪で起訴)しました。
事業主側の捜査も進め、2020年4月までに計30人を摘発しました。
だまし取られた助成金は、2013~2016年で計1億2千万円に上るそうです。

キャリアアップ助成金は、厚生労働省が2013年度に創設しました。
研修や賃金増など、雇用する非正規労働者の処遇を改善した事業主に支給します。
処遇改善の対象は7種類あり、事業主が各地の労働局に申請します。
最大1千万円超の助成が受けられます。

厚生労働省によると、キャリアアップ助成金の不正受給が発覚した件数は2014年度は2件でしたが、2016年度は26件、2018年度は70件と急増傾向にあるようです。

刑事事件に発展するケースも相次いでいます。
奈良県警は2019年2月までに約1,700万円をだまし取ったとして、指南役とされる50代の男ら31人を詐欺容疑などで摘発しました。
複数の申請書で、同じマンションの一室が事業所の住所として記載されていることに奈良労働局の職員が気付き、発覚したそうです。

キャリアアップ助成金の申請件数は、2018年度は約9万3千件で2015年度(約4万7千件)からほぼ倍増しました。
審査を担う現場である労働局の体制が追いついておらず、不正受給が横行する要因になっているようです。

会計検査院の調査報告書では、2015~2018年度に大阪や神奈川など8労働局で計約5,400万円の支給が不当だったと認定しています。
「申請書の記載内容が事実と違っていたにもかかわらず、労働局の確認が不十分だった」と指摘しています。
大阪労働局の担当者は「人手不足で不正の発見が遅れたことは否定できない。再発防止の体制を整えたい」と話しています。

厚生労働省は2019年4月、不正受給した事業主が助成金を申請できない期間を3年から5年に延長するなどペナルティーを強化しました。
指南役が不正を主導するケースがあることなどから、同省の担当者は「『100%助成金を受け取れる』『無料で受給額を査定する』といった勧誘には注意してほしい」と呼びかけています。

助成金制度に詳しい社会保険労務士の藤原郁子さんは、「不正を一目で見抜くのは難しく、審査は性善説に頼っているところが大きい」と説明しています。
「本当に必要としている人への迅速な支給と、支給後の抜き打ち検査など不正抑止策を両立させていくことが必要だ」と話しています。

もう明らかなことだと思いますが、補助金や助成金や給付金などは、一定数、不正受給が出てくることを想定したうえで制度を設計しないといけないのではないかと思います。
設計する側は、要件等をこうすれば、抜け道としてこういったことを考えて来る人もいるだろうなと想定し、できる限り不正受給の芽をつぶしていかないといけないのではないかと思います。
その辺は、公務員一筋の方にはなかなか難しいかもしれませんね。
あとは、国がやっているものは、ペナルティが管轄の省庁を問わず及ぶようにしないといけないと思います。
根本的には、本当に必要な方ができるだけ早く使える制度にしてほしいですね。

指南役暗躍し「カラ研修」で助成金を詐取する不正が審査追いつかず横行していることについて、どう思われましたか?


持続化給付金の業務の受託団体が設立時から一度も決算公告せず!

国から持続化給付金の業務を受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、2016年の設立以降、法律で定められている決算公告を一度も出していなかったことが、先日、わかったようです。

一般社団法人サービスデザイン推進協議会をめぐっては、電話番号が明示されていないなど、運営の実態がはっきりしないとの指摘が相次いでいました。
新たに財務情報を公開していなかったこともわかり、不透明な民間団体に巨額の公的事業を発注した経済産業省の対応が問われます。

一般社団法人は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づき、定時社員総会などの終了後、遅滞なく貸借対照表を公告しなければなりません。
法人の財務情報をきちんと知ってもらうためです。
しなかった場合は、「百万円以下の過料」という罰則もあります。

衆院経産委員会で、経済産業省は野党の質問に対し、「協議会に確認したところ、設立年度である16年度以来、3カ年分の決算は適切に行われているものの、決算公告は行われていない」と答えました。

過去3年度分の決算については、直近の2019年度分に合わせて、6月の社員総会終了後に公告する予定だそうです。

実は、決算公告は、一般社団法人だけでなく株式会社にも会社法で義務づけられています。
中小企業などでは公告をしていないケースも目立ちますが、国から巨額の公的事業を多数受注してきた一般社団法人がしていないというのは異例です。

一般社団法人サービスデザイン推進協議会は今回の給付金事業を含め、過去に経済産業省の事業計14件(総額約1,600億円)を受注していました。
経済産業省は一般社団法人サービスデザイン推進協議会について、事業実施を通じて「つきあいの深い団体」であることを認めています。

また、一般社団法人サービスデザイン推進協議会は持続化給付金の業務を769億円で受注し、その97%にあたる749億円で広告大手電通に再委託していたこともわかっています。

経産省中小企業庁の前田泰宏長官は経産委で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会との契約にあたり、電通に再委託することは知っていたが、協議会の提案書には金額が明記されていなかったと説明しています。
「97%(分の金額で再委託する)という認識はなかった」と述べました。

経済産業省はこれまで、契約は適切だったと繰り返し主張してきました。
業務の大部分を電通に再委託することの是非が、改めて問題になりそうです。

さらに野党側は、契約の手続きについても追及しています。

経済産業省は給付金事業の実施事業者について、競争入札で公募することを4月8日に公示しました。

経済産業省によると公示前の4月2日に、経済産業省担当者が一般社団法人サービスデザイン推進協議会関係者と接触し、意見を聞いていました。
過去の受注実績などを考慮して、経済産業省側から声をかけたそうです。
一般社団法人サービスデザイン推進協議会は4月7日の理事会で、入札に参加することを決めていたとされます。

野党議員は「事前に声をかけている。競争入札のあり方として変じゃないか」などと問いただしました。

経済産業省は、入札の公示前に協議会のほかにも2団体から意見を聞いており、一般社団法人サービスデザイン推進協議会だけ特別扱いしたわけではないとの立場のようです。

これほどの規模のものを短期間にということになると、受けられる企業も限られてくると思いますので、事前に声をかけるのは致し方ないところもあるのではないかと思います。
ただし、社会保険庁などが再委託で問題を起こしていますので、再委託を制限しないといけないのではないかと思いますし、税金を使っているわけですから、黒塗りではなく内容を明らかにしてほしいと思いますね。
あとは、今後は入札時に、決算公告とか(これについては大臣もおっしゃっていましたが)、納税とか、財務状態や損益状況などをきちんと確認しないといけないのではないかと思います。

持続化給付金の業務の受託団体が設立時から一度も決算公告をしていないことについて、どう思われましたか?


「持続化給付金」の受託団体の入札の経緯に野党が注目!

「持続化給付金」をめぐり、国から業務委託を受けた民間団体の実態が不透明とされる問題ですが、野党側は、入札の経緯について詳細な数字を開示するよう政府に求めました。

「つまり事実上、全部委託しているんです。中身何もないから。だから幽霊会社だって務まるんですよ」(「立国社」会派 田嶋要衆院議員)

野党が“幽霊会社”と指摘するのは、「持続化給付金」の業務を受託した「サービスデザイン推進協議会」です。
この団体は業務を769億円で受託しましたが、そこから電通におよそ749億円で再委託されていて、差額について野党は「中抜きではないか」と批判しています。

先日、野党側が追及したのは、この団体の入札の経緯です。
経済産業省が提出した資料によると、入札では、この団体と外資系のコンサルタント会社が競いました。
会社のランクを示す等級では、コンサルタント会社がAなのに対し、団体がCと劣勢でしたが、最終的に団体が落札しています。

「等級Aの『デロイトトーマツ』よりもCの『協議会』が落札をしたと先ほども議論がありました。ランクの低いCランクの『協議会』法人の方が、結局なぜ総合評価で高かったかと」(共産党 笠井亮衆院議員)

「一般競争入札の評価方法は総合評価でございますので、提案内容の技術点であるとか、あるいは価格、こういったものを総合的に勘案して決定するもの」(中小企業庁担当者)

しかしながら、資料では価格や技術点、総合評価点などの部分は全て黒塗りとなっていて、全体像が把握できません。

「疑念が持たれないように、価格についても開示するからねと、デロイトトーマツさんにお話していただいて開示してください」(立憲民主党 川内博史衆院議員)

「今のところ2度確認をしましたけれども、公表していただきたくないということでありました」(梶山弘志経済産業相)

梶山大臣は、開示は難しいという考えを繰り返しました。
野党側は、実態解明のため、改めて安倍総理が出席する予算委員会の集中審議の開催を求めることにしています。

川内博史衆院議員がデロイトトーマツに確認したところ、開示に関しては聞かれていないと答えているようですが、この大臣は大丈夫なのでしょうか?
このサービスデザイン推進協議会の共同代表理事と電通グループの執行社員などが記者会見を開いていましたが、イマイチ納得はできない感じでしたね。
税金を使っているわけですから、入札の結果は、きちんと開示して欲しいですね。
応札の前提として、入札の内容が開示されることもあるということにしておけば、いいのではないかと思います。
それが、色々な面で抑止力になるのではないかと思いますから。

「持続化給付金」の受託団体の入札の経緯に野党が注目していることについて、どう思われましたか?


持続化給付金の事業費の97%が電通へ!

東京新聞によると、新型コロナウイルスで売り上げが減少した中小企業などに最大200万円を給付する持続化給付金で、国の委託先であるか『一般社団法人サービスデザイン推進協議会』が広告大手の電通に対して、事業の大半を再委託していることが分かったようです。
国の委託費の97%は法人経由で電通に流れるようです。
実質的な給付事業は電通が行っているといえ、法人の実体の乏しさが鮮明となりました。

経済産業省が、立憲民主党の川内博史衆院議員に回答しました。
経済産業省は、法人に769億円の委託費を支払うことを公表しています。
今回、法人が電通に支払う再委託費が749億円に上ることが判明しました。

法人は、電通、パソナ、トランスコスモスが2016年に設立しています。
約150万件を想定している膨大な給付件数を処理するには多くの人手が必要で、電通から他の企業に事業の外注が行われている可能性もあります。

電通が設立した法人から電通へ「事業が丸投げされているのではないか」というこれまでの本紙の取材に対し、中小企業庁は「迅速に体制をつくり、誰がどんな業務に当たるかを考える上で法人は大事だ」と回答しているようです。

一方、法人や電通は「経産省の事業なので回答は控える」などとして、給付金事業の運営体制を明らかにしていません。

法人から電通への再委託について、財政が専門の法政大学の小黒一正教授は、「経産省は再委託を含めた業務の流れを承認している。法人が(電通への再委託額との差額にあたる)20億円に見合った役割を果たしているのかどうかを説明する責任がある」と指摘しています。

それでは、『一般社団法人サービスデザイン推進協議会』とはどんな団体なのでしょうか?
ホームページに情報はほとんどなく、電話番号も公表されていません。
先日、登記簿上の所在地を訪ねると、東京・築地の9階建ての小さなビルの9階に入居していたようです。
インターホンに応答はなく、「お問い合わせは(給付金の)コールセンターまで」の張り紙があるだけだそうです。

登記簿情報から代表理事の男性に電話すると、「私はアドバイザーで、詳しいことは不明。実態は電通の人たちがやっているので聞いてほしい」と述べたそうです。
電通は「回答を控える」とコメントしています。

立憲民主党の川内博史衆院議員が中小企業庁に問い合わせると、作業は「少なくとも5千人以上で対応している」と回答したようです。
国が当初想定した申請は約150万件で、マンパワーが必要なため、電通以外にも再委託されている可能性があります。
しかしながら、中小企業庁は取材に対し、「国が契約しているのは協議会。その先の再委託は公表しない」と回答しています。
コールセンターの場所すら明かさなかったようです。

設立以降の経緯からは経済産業省との距離の近さが浮かびます。
法人の設立日は経済産業省が主導した優良ホテルなどの認定事業の委託者公募が始まったのと同日で、法人はこの事業を受託しています。
以来、持続化給付金も含め、4年間で計14件の事業を経済産業省から受託しています。

持続化給付金事業の入札には、もう1社が応札しましたが、法人は公募開始の2日前に持続化給付金のウェブサイト用アドレスをすでに取得していたようです。
事業受託を見越したような対応ですが、同法人は「受託できた場合に備えた」としています。

国税庁出身で中央大法科大学院の酒井克彦教授は、「多額の税を使いながら持続化給付金の交付が滞っており、経産省には再委託を含めた委託先の業務の実態について国民に説明する責任がある。ブラックボックスのまま検証ができなければ問題だ」と話しています。

税金を使っている以上、国民にきちんと説明してほしいですね。
1件当たり50,000円くらい入ってくる計算ですから、電通はおいしい商売をしていますよね。
公募開始前にウェブサイト用アドレスを取得していたということは、裏ですでに決まっていたんでしょうね。
公募の意味はあるのでしょうか?

持続化給付金の事業費の97%が電通へ入いることについて、どう思われましたか?


福島県天栄村が特別定額給付金10万円を1,162人に二重払い!

時事ドットコムによると、福島県天栄村は、先日、政府が国民に1人10万円を配る特別定額給付金について、375世帯の1,162人に誤って二重払いしていたと発表しました。

福島県天栄村が振込先のデータを金融機関に2度渡すミスがあったそうです。

福岡県天栄村総務課によると、給付事務では出納室の職員が金融機関の担当者に振込先のデータをDVDで渡しているようです。
2020年5月19日に振り込む分のデータを5月15日に渡したつもりでしたが、実際は5月14日に渡し済みの5月18日分のデータだったそうです。

金融機関や住民の問い合わせで二重払いが分かったようです。

人口5,300人くらいのところで、2割発生して、1億円強ですから、人口が数十万規模の市とかになると、間違うと、かなりの額になりますし、返してもらう手続きも大変でしょうね。
色々と市町村の方も大変だとは思いますが、きちんとチェックして、間違いのないようにして欲しいですね。
そうしないと、余計な負担がかかって、他でもミスが生じる可能性が高まり、悪循環に陥ると思いますから。

福島県天栄村が特別定額給付金10万円を1,162人に二重払いしていたことについて、どう思われましたか?


売れ筋は「テイクアウト用弁当箱」だが隠れ営業やダミー休業の横行も!

飲食店や喫茶店などに食材を卸す会社の担当者が、世相を囁いています。
「今の売れ筋は、食材ではなくテイクアウト用の弁当箱や小分けしたケチャップ、ドレッシングだ」。
そう話した後、東京商工リサーチ(TSR)の取材に、一斉休業の裏話を話し始めたそうです。

担当者によると、多くの飲食店は当面の店舗営業が期待できず、穴埋めでテイクアウトにシフトしています。
それを裏付けるように、今まで発注がなかった「テイクアウト用弁当箱」や「小分けされた調味料」、「弁当用の総菜」が急増しています。
なかでも、「弁当箱」の在庫が一気に捌けたそうです。
「発注しても全部は入ってこない」ため、このままでは数週間で在庫が無くなる可能性すらあるそうです。
とはいえ、特需があっても「全体の売上は、通常から7割減少している。おかげで週2~3日は自宅待機だ」とこぼしています。

いま、「新型コロナウイルス」感染拡大の防止で政府や自治体は事業者に休業を要請し、要請に応じた事業者には協力金の支給に向けた準備が進んでいます。
ところが、この担当者が声を潜めて驚くようなことを話し出しました。
「表に休業中の紙を張り出し、消灯しているお店が常連客にこっそり営業時間を伝え、暗闇の中で営業している」というのです。
「休業中」なのに発注があり、「隠れ営業」がわかるそうです。
別の飲食店は、毎年ゴールデンウィーク中は定休日にしています。
しかしながら、今年はあえて「ゴールデンウィーク中は休業」と告知しました。
営業マンは、「休業補償の協力金を狙っているのだろう」と憶測しています。
あの手この手で難局を乗り切る知恵なのでしょうか、それとも姑息な手段なのでしょうか?

この担当者は、これまで苦労している経営者を見てきました。
それだけに新型コロナの感染拡大の中で、「休業や時短が続けば生き残りは難しい。グレーとわかっていても事業継続したいと思うのだろう」と、やるせない心情を漏らしています。

要件を厳しくしないとこういうケースが一定数出てくるということは、当初から分かっていますよね。
できるだけシンプルな制度が良いと思いますが、極力、不正が起こらないようにしてほしいですね。

売れ筋は「テイクアウト用弁当箱」だが隠れ営業やダミー休業が横行していることについて、どう思われましたか?


税務大学校和光校舎における専門官基礎研修がオンライン研修等に!

税務大学校においては、令和2年4月6日より国税専門官採用試験により新規に採用された約1,100名を対象とする専門官基礎研修を実施することとしていました。

この研修は、国税庁使命である適正・公平な課徴収の実現ため、税務職員として必要となる税法や会計学などの高度な知識を習得させ、全国統一的な納税者対応を確保するためのものです。

大勢の人が一堂に会するということで、批判がたくさんあったようですが、ようやく、専門官基礎研修の実施に当たっては、専門家等の意見を踏まえ、感染防止対策を徹底することとしていましたが、今般、新型コロナウイルスの感染拡大の状況等を踏まえ、当分の間、和光校舎での専門官基礎研修を、在宅でのオンライン等研修により実施することとしました。

高知県など税務署職員が新型コロナウイルスに何名か感染していますので、もう少し危機感があっても良いように思いますが、決めるのが遅すぎたという感じですね。
期間は約3か月で9割が寮に入る見通しだったようですが、新型コロナウイルスの拡大を不安視する市民から和光市に苦情が相次ぎ、市長もツイッターで「クラスター(感染集団)が発生したら責任を取れるのか」と批判していましたが、クラスター感染が発生する可能性があるような行為は、参加する方やそのご家族の方々も不安でしょうし、国関係のところが率先して避けて欲しかったと思います。

税務大学校和光校舎における専門官基礎研修がオンライン研修等になったことについて、どう思われましたか?


過払い金をめぐる紹介料で東京弁護士会が弁護士法人を業務停止に!

時事ドットコムによると、大手司法書士法人から過払い金返還請求事件を引き継いだ際、弁護士職務基本規程で禁じられた紹介料を支払ったとして、東京弁護士会は、先日、「弁護士法人ベリーベスト法律事務所」(東京都港区)を業務停止6か月の懲戒処分としたようです。
代表社員の両弁護士(ともに43歳)も業務停止6か月としました。

同事務所は2010年設立の新興大手です。
ホームページや東京弁護士会によると、約220人の弁護士を抱え、国内外に38の支店を構えています。

懲戒請求を受けた後、別の弁護士会に新法人を立ち上げ、国内支店の登録も移しました。
新法人や支店に処分は及ばず、東京弁護士会は「懲戒逃れ」と指摘しています。

別の弁護士法人を立ち上げ、支店の登録も移すと、処分は及ばず、やっていけるんですね。
弁護士ゆえ、法律に詳しいのでしょうが、そういったケースを想定しないものになっているのでしょうか?
時代に即していないのであれば、早めに変えた方がいいんでしょうね。

過払い金をめぐる紹介料で東京弁護士会が弁護士法人を業務停止にしたことについて、どう思われましたか?


介護施設が競合激化などで年100件超倒産し戸惑う家族!

 日本経済新聞によると、自宅で暮らせない高齢者の受け皿となる介護施設の倒産が高止まりしているようです。
競合激化や人手不足などから福祉・介護事業の倒産は2016年以降、毎年100件を超え、入居時に払った前払い金が戻らないトラブルもあるようです。
倒産に備えた業界団体の保証制度はあるものの要件が厳しく、国は緩和を検討しているそうです。

「ようやく母が穏やかに暮らすことができる」と、2019年12月、神奈川県平塚市の男性(54)は母(83)が乗る車椅子を押しながら、胸をなでおろしました。
母が入居していた東京都内の有料老人ホームの倒産に巻き込まれ、対応に追われてきましたが、2019年末に同市の別の施設に無事、転居できたそうです。

母は脳梗塞の後遺症で会話や体を動かすことが難しく、2017年10月に、都内の施設に入居しました。
立地も気に入り、迷いなく前払い金570万円を支払ったそうです。

しかしながら、最初から気がかりなことが続いたようです。
部屋に運んだはずの荷物が一時行方不明になるなど、ずさんな管理が目に付いたほか、母の着替えが行われずにパジャマ姿のままだったこともあるようです。
職員に問いただしても「すみません」と言うばかりでした。

2018年秋、体調を崩した母が入退院を繰り返すようになり我慢も限界に達しました。
退去して「戻ってくる前払い金で転居しよう」と考えていた2019年1月、運営会社が倒産し、前払い金が戻ってこないことを知らされたのです。

契約時に支払う前払い金は高額ですが、月々の利用料が安くなり、入居者が退去・死亡した場合は返金されます。
しかしながら、経営が破綻し、運営を引き継いだ別会社に返済債務が引き継がれない場合、返金されることはなくなるのです。

こうした場合に備えて、全国有料老人ホーム協会(東京都)は最大500万円の保証制度を設けています。
男性もこの制度を頼りにしましたが、運営は入居者ごと別会社が引き継いだため、保証要件の「入居者全員が退去する場合」に該当せず、前払い金は返ってきませんでした。

男性は弁護士の助言に従い、毎月の利用料を前払い金で相殺することを施設側に提案しましたが、施設側は受け入れず、「利用料の滞納」を理由に2019年中の退去を要請され、2019年12月末にようやく転居のめどがついたのです。
男性は「引っ越し後は心なしか母の体調も良く、ひとまず安心している」としつつも、前の施設での未納分については今後、弁護士と話し合う予定です。

東京商工リサーチによると、福祉・介護事業の倒産は2012年ごろから増加傾向となり、2016年以降は100件を超えて高止まりが続いています。
担当者は「介護や福祉の市場が大きくなり、ノウハウがないまま参入した業者の倒産が増加している」と分析しています。
「利用者側に前払い金が戻らなかったりヘルパーが定着しなかったりするなど様々な問題が起きている。新規参入はまだ多く、倒産は今後も増えるだろう」とみているようです。

一般社団法人「有料老人ホーム入居支援センター」(東京都)の上岡栄信代表理事は、「施設の質は運営者で大きく変わる。利用者側は入居前に施設をしっかり確認することが重要だ」と強調しています。
施設を見極めるポイントとして、(1)職員数が入居者数の8割以上、(2)職員の勤続年数が長い、(3)広告なしでも満室状態が継続などを挙げています。

マイホーム建設やリフォームなどでも同じだと思いますが、やはり、多額のお金を支払うのであれば、運営会社のことを調べるのは当然のことではないかと思います。
性善説ではなく、性悪説で考えないといけない時代になっているわけですから。
自分の目で現場を確かめたり、運営会社の状況を調べたりして、入居するかどうかを決めて欲しいですね。

介護施設が競合激化などで年100件超倒産し戸惑う家族が増えていることについて、どう思われましたか?


総務次官を日本郵政への情報漏えいで更迭!

 読売新聞によると、監督官庁の事務方トップが、大物OBに行政処分の情報を事前に漏らしていました。
癒着を疑われても仕方ないでしょう。
前代未聞の不祥事です。

 高市総務大臣は、鈴木茂樹総務次官が日本郵政の鈴木康雄上級副社長に対して情報を漏えいしたとして、停職3か月の懲戒処分を科したと発表しました。
鈴木次官は漏えいを認め、辞職しました。
事実上の更迭です。

鈴木前次官は、かんぽ生命保険と日本郵便による保険商品の不適切契約問題を巡り、日本郵政グループへの行政処分の検討状況を電話などで複数回伝えていたそうです。
行政の公正性をゆがめる行為であり、厳正な処分は当然でしょう。

高市総務大臣は、大臣室で開かれた少数の幹部による会議内容が日本郵政側に漏れているとの疑念が浮かんだことから、内部監察を命じ、問題が発覚したとしています。

鈴木康雄氏は総務次官を退任した後、2013年に日本郵政副社長に就任し、現在は上級副社長を務めています。
かんぽ問題をいち早く報道したNHKに対して強硬に抗議し、批判を浴びた方です。

監督官庁が民間企業と必要な情報交換をすること自体は悪いことではありません。
しかしながら、行政処分の情報を事前に企業に伝えることは通常あり得ません。
先輩後輩の関係があるからと言って、機密を漏らすことは到底許されません。

かんぽ問題では、法令違反や社内規定違反が疑われる事案が約1万3,000件に上ります。
日本郵政と日本郵便を所管する総務省は、監督が不十分だったとして業務改善命令の発動を検討していました。

高市総務大臣は記者会見で、「次官が公務に対する信頼性を著しく失墜させる行為を行ってしまったことは誠に残念だ」と語りました。

「逐一情報が漏れていくことによって、先方の対応の仕方などが変わってくる可能性がある」と指摘したのは、もっともです。
総務省は情報管理の適正化を図り、信頼回復に努めねばならないでしょう。

持ち株会社である日本郵政だけでなく、日本郵便、かんぽ生命、ゆうちょ銀行でも総務省OBが役員になっているそうです。

高市総務大臣は「OBが日本郵政グループの取締役などに就任することは好ましくない」と述べ、今後、役員人事を認可する際に厳正な態度で臨む考えを示しました。
グループのガバナンス(企業統治)のあり方を問題視しているのでしょう。

日本郵政と総務省はまず、なれ合いと見られるような両者の関係を改めることが必要ですね。

あってはならない事件ですね。
事務次官ともあろう方が、善悪が分からないのでしょうか?
将来的に、後を引き継ぐことが想定されていたのでしょうか?
停職3か月というのも、甘過ぎますよね。
個人的には、懲戒解雇でもいいのではないかと思います。
高市総務大臣には、天下りに対して、厳しい姿勢で取り組んでほしいですね。

総務次官が日本郵政への情報漏えいで更迭されたことについて、どう思われましたか?


徳島県からデパートがなくなる!

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、先日、徳島市寺島本町西のそごう徳島店の営業を2020年8月末で終了すると発表しました。
人口減が進む地方を中心とした経営合理化の一環で、徳島県内唯一の百貨店が姿を消します。
徳島県都のにぎわいに影を落としそうです。

そごう徳島店は1983年10月、徳島駅前市街地再開発事業で再開発ビルの核テナントに誘致され、「徳島そごう」として開業しました。
2000年7月に民事再生法の適用を申請し、その後、そごう徳島店となりました。
営業面積は22,512㎡です。

徳島県都の玄関口の顔として高い集客力を誇り、売上高はピークの1993年2月期で444億円あったようですが、明石海峡大橋の開通などによる買い物客の県外流出などもあり、2019年2月期には3割以下の128億2,500万円に落ちていたようです。
社員数は社員72人と契約社員104人の計176人です。

セブン&アイHDは2020年8月末で、そごう徳島店のほか、西神店(神戸市)、西武大津店(大津市)、西武岡崎店(愛知県岡崎市)の4店舗を閉店します。
また、2021年2月末に、川口店(埼玉県川口市)を閉めます。
西武の福井店(福井市)と秋田店(秋田市)も2021年2月末に店舗面積を縮小します。

年に数回はこの辺りを車で通りますが、あまり人が入っている感じではなかったので、いつまでもつのかなぁと思っていましたが、とうとうこの時が来たかという感じですね。
若い方は、神戸とか大阪に気軽に高速バスで行くんでしょうね。
年配の方にとっては、デパートに行くことがステータスだったかもしれませんので、なくなってしまうことで行くという楽しみところがなくなってしまうのが残念ですね。
香川県にとっても他人事とは思えないニュースでした。

徳島県からデパートがなくなることについて、どう思われましたか?


暗号資産は政治家個人への寄付禁止規制の対象外!

 時事ドットコムによると、高市早苗総務大臣は、先日の閣議後記者会見で、政治資金規正法が原則禁じている政治家個人への寄付について、暗号資産(仮想通貨)による寄付は違反の対象にならないとの見解を示しました。

「金銭などと同様に規制の対象とするためには法的な手当てが必要。新たに政治家の政治活動に制限を加えることになるので、各党、各会派でまず議論してもらう問題だ」と述べました。

政治資金規正法が政治家個人への寄付を禁じている「金銭等」は、金銭・有価証券と規定されています。
高市総務大臣は「暗号資産は、いずれにも該当しないため、寄付の制限の対象にならないものと解されている」と説明しました。

こんなんでいいんですかね?
この辺の感覚がよく分からないですね。
政治資金規正法を早く改正して欲しいと思います。

暗号資産は政治家個人への寄付禁止規制の対象外であることについて、どう思われましたか?


「タピオカ屋さん」の動向調査!

 「タピオカ屋さん」が増えています。
東京商工リサーチ(TSR)が保有する日本最大級の企業データベース(約379万社)から、「タピオカ」専業及び関連事業を営む企業を抽出したところ、2019年8月末現在で60社あることがわかったようです。
2019年3月末時点では32社でしたが、夏場の半年間でほぼ2倍に急増しました。

60社のうち、49社(構成比81.6%)は2018年以前の設立で、空前の「タピオカブーム」に乗り、新規に会社を興すより、既存企業が業態や扱い品を変更して参入しているのが特徴です。

貿易統計(財務省)によると、2019年1~7月の「タピオカ」と「タピオカ代用物」の輸入は約6,300トンで、2018年(1~12月)の約3,000トンをすでに大幅に上回っています。
大手飲食チェーンでもタピオカ関連メニューの提供を始めており、街はタピオカブームで溢れています。

なお、本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象約379万社)から、営業種目や業績変動要因(主要分)に「タピオカ」の記載があるものを抽出、分析したものです。

街を席巻する勢いの「タピオカ屋さん」60社のうち、2019年設立は8社(構成比13.3%)に過ぎません。
ただし、設立年別では、2017年が3社(同5.0%) 、2018年が6社(同10.0%)と年々増え、「インスタ映え」を狙い、多様なタピオカドリンクを生み出しています。
「タピオカ屋さん」 60社の本業は、「パンケーキカフェ」、「肉バル」、「助成金コンサルティング」や「売電事業」など、飲食業から電力事業まで様々です。
本業とは別にタピオカブームにあやかる副業的な店舗展開が特徴になっています。

60社の本社所在地は、東京都が25社(構成比41.6%)で最も多く、次いで、神奈川県と大阪府、福岡県が各5社(同8.3%)、千葉県4社(同6.6%)、沖縄県3社(同5.0%)と続きます。
大都市圏やインバウンドで活気づく地方都市を中心にタピオカが広がっていることがわかります。
中国地方で数年前から「タピオカ屋さん」を運営する企業は、「昨年から来店客数が以前の倍になった」と語っていますが、「毎年、冬場は売上が落ちるが、今年は夏過ぎから来店客数が落ちている」とブーム終焉の兆しも感じ始めているようです。
関東地方で「タピオカ屋さん」を営む企業は、「ライバルが増え、味やインスタ映えなど戦略が重要」と語っています。
ブームが終焉を迎えるのか、落ち着くのか、まだ盛り上がるのか。分岐点に差し掛かっているようです。

タピオカブームは景気と微妙に関連があります。
第1次ブームは、バブル崩壊の1992年頃、第2次ブームは、リーマン・ショックの2008年頃です。
いずれも不況に前後してブームが起きています。
今回の第3次ブームは、米中の貿易摩擦、英国のEU離脱、国内では消費税増税と重なります。
果たして景気を占うブームとなるのか、今後の動きが注目されます。
ちなみに、タピオカミルクティーは“バブル”ティーとも呼ばれています。

我が高松市でも商店街にここ1か月以内で数店舗が出店しています。
個人的には、既にブームは終わっていると思っていますが、どうなるのでしょうか?
あと、最近数多く出てきている相続税対策の商品である東京の区分所有不動産も、1階のテナントがタピオカ屋さんだったりして、この商品はどうなのかなぁと思ってしまいます。

「タピオカ屋さん」の動向調査について、どう思われましたか?


農業票が勝敗を左右する!

 日本経済新聞によると、55年体制下で自民党の最大の票田といわれた農業票ですが、農業人口の激減でかつての神通力は失われたといわれてきました。
しかしながら、過去の参院選で自民・非自民勢力が激突した1人区を分析すると、揺れ動く農業票が勝敗を左右してきたことが浮き彫りとなるようです。
21日投開票の参院選で、日本の「スイングボート(勝敗を決する票)」はどう動くのでしょうか?

参院選の主戦場は全国に32ある改選定数1の1人区です。
野党5党派は全区で候補者を一本化し自民党は16区を「激戦区」に指定しました。
1人区には農村部が多くなっています。
かつては自民・非自民の勝敗は固定的でしたが、1990年代以降は振り子のように動いているようです。

「都市部」と「農村部」で自民党の比例代表の得票率を見ると、変化はわかりやすいです。
農業者比率3%未満の14都府県を「都市部」、3%以上の33道県を「農村部」と定義すると、2013年参院選から2017年衆院選の4回の選挙で都市部の得票率はほぼ動いていませんが、農村部の得票率は乱高下しながら下がっています。

背景にあるのは農産品の輸入自由化と、その対策としての「ばらまき」の歴史です。

自民党の安定が崩れたきっかけは1989年参院選です。
竹下政権が前年の日米交渉で牛肉とオレンジの輸入自由化を決め、惨敗しました。
1993年の多角的貿易交渉「ウルグアイ・ラウンド」合意時は6兆円の対策費が配られました。
一方、民主党は2009年衆院選でコメなどの生産・販売価格の差額を交付する戸別所得補償制度を掲げ、農家の支持を取り付けました。

2016年参院選は直前に環太平洋経済連携協定(TPP)に署名し、自民圧勝のなか東北6県中5県で野党が勝利しました。
安倍晋三首相は参院選をにらみ、農業票奪回に力を注いできました。
1月の施政方針演説で「政権交代前の3倍の6,000億円を上回る土地改良予算」を強調し、5,000億円超の巨額の補正予算もつけました。

存在感と比べ、農家の数は激減しています。
1960年に1,175万人いた人口は1980年には約3分の1の412万人に減少しました。
2018年は145万人です。
もはや日本の多数派ではありませんが、激戦区のスイングボートであるがゆえに予算の優先権を握り続けているのです。

参院選を前に農家はなお揺れています。
5月に来日したアメリカのトランプ大統領は日米貿易交渉について、「多くは7月の選挙後。大きな数字を期待している!」とツイッターでつぶやきました。
2020年に大統領選を控えたトランプ氏にとっても農業票は重いのです。
2016年大統領選と2018年下院選を比べると、農家が多い23州では共和党候補の得票率が下がっているためです。

農村では疑心暗鬼が広がっています。
秋田県の農政連は自民現職の推薦を決めましたが、秋田県内13支部のうち3支部は「自主投票」としました。
組合長は「農家をまとめきれない」と語っています。

与野党は30年間、攻守を変えながらスイングボートの争奪戦に明け暮れてきました。
その間、農村にばらまかれた税金は100兆円規模にも迫ります。
その結果、小規模農家が温存され農業の刷新も遅れてきました。
農家の平均年齢は66.6歳で、65歳以上が68%を占めています。
このままでは農業は消滅していくでしょう。

今、必要なのは「消える農村」に税金を注ぎ続けることではないでしょう。
農業を若者やベンチャー企業が魅力を感じるフロンティアへと立て直し、縮小を続ける地方経済をインバウンドなどで活性化することでしょう。
与野党が参院選で競うべきは、そんな未来像です。

選挙のために必要以上に予算が割り振られてきた典型例ですね。
時代の変化に伴った変革が必要だと思いますので、こういう政治も変えていかないといけないでしょうね。
農業に関わっている優秀な方がたくさんいますので、政治に振り回されることなく、農業の発達を期待しています。

農業票が勝敗を左右することについて、どう思われましたか?


タピオカブームは本当に「株価暴落の前兆」なのか?

 MONEY PLUSによると、「タピオカブームは株価暴落の前兆ではないか」と、SNSを中心に、タピオカがブームになると株価が暴落するというウワサが広がっているようです。

2019年は「第3次タピオカブーム」とも呼ばれる、タピオカドリンクの流行が起きています。
これが一部の投資家にとって懸念材料となっているようです。

今回のブームでは、若年層の女性を中心に人気が広がり、「タピる」(タピオカドリンクを飲むこと)や「タピ活」(タピオカドリンクを飲む活動のこと)といった新しい言葉が生まれました。
業務スーパーでは即席のタピオカが品切れ続出となるなど、第3次ブームの勢いはとどまるところを知りません。

日本で初めてタピオカブームが起こったのは、1992年といわれています。
ちょうど平成バブルが崩壊している最中の出来事になります。

2回目のブームは、リーマンショックが発生した2008年です。
このように考えると、2019年のタピオカブームが不況の前兆ではないかというウワサ話にも、妙な説得力があるように思えてしまいます。

タピオブームが不況のシグナルであるという考え方は、株式市場でよく生まれる「アノマリー」の1つといえるでしょう。
アノマリーとは、具体的な根拠や理論をもって説明することはできないものの、経験則上よく当たるといわれる物事のことをいいます。
大安に結婚式を挙げると幸せな生活が送れるという経験則も、典型的なアノマリーです。

株式市場で有名なアノマリーといえば「夏枯れ相場」です。
夏枯れ相場とは、8月ごろになると株式の取引高が減少するというもので、8月はお盆やバカンスによって市場参加者が取引を控えるため、取引高が減少する、と解説されることがあります。

実際のところ、本当に休暇が理由で夏枯れ相場になっているのかは判明していません。
ここ10年の傾向でいえば、夏に取引高が減少し、9月から再び活発に取引される傾向にあるようです。

タピオカブームと不況の時期が今後もピッタリ重なるのであれば、夏枯れ相場と同様に、株式市場における有用なアノマリーとなってくるかもしれません。

夏枯れ相場のようなメジャーなアノマリーと比べて、市場との関連が薄いアノマリーには“賞味期限”がある場合もあります。

市場との関連が薄いアノマリーとして、「芸能人の結婚が日経平均株価の暴落を引き起こす」というものがありました。
このアノマリーがどのような顛末をたどったか、実際の例を挙げながら考えてみたいと思います。

2015年に女優の堀北真希さんが俳優の山本耕史さんと結婚発表した翌営業日、8月24日の日経平均は前日比▲895.15円と大きく下落しました。
同年に俳優・歌手の福山雅治さんと女優の吹石一恵さんが結婚したと報じられた翌日、9月28日の日経平均は同▲715円となりました。

2016年に入ると、女優の北川景子さんと歌手のDAIGOさん、女優の優香さんと俳優の青木崇高さんが結婚したと報じられ、どちらのパターンも日経平均が大きく下落しました。
これらの経験則から、芸能人が結婚発表すると日経平均が一時的に急落するというアノマリーが生まれ、内容の面白さも相まって知名度を向上させていきました。

しかしながら、このアノマリーが広く知られることとなった2017年ごろから、ぱったりと株価の急落は起きなくなってきています。

2017年の女優の佐々木希さんとお笑いタレントの渡部建さんの結婚報道では、むしろプラスになりました。
2018年は、結婚報道ではありませんが、女優の石原さとみさんとSHOWROOM社長の前田裕二さんの熱愛が報じられました。
この時、確かに株価は下落しましたが、暴落というほどの下げ幅ではありませんでした。

先日明らかになった女優の蒼井優さんとお笑いタレントの山里亮太さんの結婚報道でも、その翌日6月5日の日経平均株価は+367円と大幅高となりました。

ここ2年に限っていえば、芸能人の結婚は暴落というよりも、むしろ株価の上昇を引き起こす可能性が高いといえます。
市場の反応としても、蒼井優さんの事例で日経平均の暴落を懸念する書き込みはあまりみられませんでした。
芸能人の結婚で日経平均が暴落するというアノマリーは、賞味期限が切れたといっても差し支えなさそうです。

タピオカブームも芸能人の結婚と同様に市場との関連が薄いと考えられるため、賞味期限が切れている可能性に注意が必要です。

アノマリーが成立する要因としては、アノマリーを信じる投資家たちがその通りに行動することで株価に影響が出てくるという説があります。
つまり、ある出来事と株価の変動に本質的な因果関係がなくても、それを信じる人が多ければ、その通りに株価が動くということです。

本当は因果関係のないものに相関性を見出してしまうことを、心理学では「錯誤相関」といいます。
そのルーツは、古代における雨乞いの儀式にまでさかのぼります。

本来、雨乞いの儀式と降水の間に因果関係はないはずです。
しかしながら、雨乞いをした日に降水があると、人は雨乞いをしたら雨が降ったと考えてしまいます。
特に、雨乞いが連続して成功していけば、雨乞いの有効性が徐々に確信に変わってきます。

こうなってしまうと、雨乞いを行なった日に降水がなくても「祈りが足りない」、ないしは「供物が少ない」などといったやり方の部分に視点が移ってしまい、雨乞いという儀式自体を否定しなくなります。
そのため、多少失敗したとしても、雨乞いの儀式はいろいろな地域で長きにわたり受け継がれていったのではないでしょうか?

私たちも、このような心理は持ち合わせています。
たとえばルーレットで、2回連続で赤が出たら次は黒が出るというパターンを10回繰り返しているような時、次に2回連続で赤が出たら黒に賭けたくなってくるのではないでしょうか?
しかしながら、実際にはそこに法則はなく、たまたまそのようなパターンが連続して出てきただけといえます。

タピオカブームと株価暴落について考えると、たった2回のサンプルしかないうえ、初回のブームはバブル崩壊後、しばらくしてから発生しています。
わずか2回の中でも整合性に微妙な点があることを踏まえると、タピオカブームと株価の暴落はいまだ錯誤相関の域を出ないと考えて差し支えないでしょう。

MONEY PLUSのこの記事を読んで安心しました。
最近、月に1回大阪に行っていますが、タピオカを売っているお店は大行列です。
東京オリンピック前が残された消費税率アップの最後のチャンスと言われているため、ここで株価暴落が起こると、しばらく(景気が回復するまで)、消費税率を上げることはできなくなるでしょう。
個人的には、軽減税率には反対ですが、消費税率アップは仕方ないし、10%の方が分かりやすいと思っています。
特に支持政党があるわけではないのですが、消費税率アップに反対や延期と言っている政党には、代替財源を示して欲しいなぁとは思いますね。

タピオカブームは本当に「株価暴落の前兆」なのか?について、どう思われましたか?


オリンピック選手村マンション用地の「不透明」な格安払い下げ!

 東京オリンピック・パラリンピックの選手村宿泊棟(21棟)が建設中ですが、都有地だったこの敷地が格安でマンション開発業者に売却されたことが問題視されているようです。
この選手村宿泊棟は、オリンピック後にリフォームされて分譲マンションなどになりますが、はやくもこのGWからはモデルルームが公開されました。

この土地を巡っては、2016年、東京都都市整備局長に、一般財団法人「日本不動産研究所」(東京都港区)が作成した「調査報告書」が提出されましたが、東京都は主要部分を黒塗りし、開示してこなかったそうです。
今回、黒塗りしていない「調査報告書」(別表含め全119ページ)の全文を、ノンフィクション作家の清武英利氏が入手し、ライターの小野悠史氏と「週刊文春」取材班とともに分析・取材したところ、大幅に値引きする根拠が不透明なことがわかったようです。

13.4ヘクタール、東京ドーム約3個分にあたる東京・晴海の同敷地は、もともと都有地でしたが、払い下げの際に約1,500億円とも試算される破格の値引きが行われた経緯が、これまでも疑問視されてきました。
2017年には、値引き分(または適正価格との差額)を舛添前知事と小池知事に求める住民訴訟が起きています(訴訟は現在も継続中)。

これまで住民団体や報道機関が、度々東京都に情報公開請求を行いましたが、東京都は肝心な部分を黒塗りにした“のり弁”資料しか開示してこなかったようです。

「それに強い疑問を感じた」という選手村事業関係者から、“のり弁”のない原本の写しが清武氏に提供されたようです。

報告書の「原本」には、比較対象となったマンションの実名が記載されており、その用地の売買価格を調査したところ、選手村用地の約19倍だったそうです。
都の払い下げ価格が、異常に安い(時価の約5%)ことを、東京都の鑑定資料自体が物語っていることになります。

東京都は、こうした情報を開示しない理由について、次のように回答しています。
「日本不動産研究所が独自に収集、加工した情報が含まれており、公にすることによって研究所の競争上、または事業運営上の地位、その他社会的な地位が損なわれる」(東京都都市整備局)。

小池百合子知事は、都知事選で〈“のり弁”から“日の丸弁当”へ〉と、情報開示の重要性を訴えていましたが、その情報公開に対する姿勢が問われそうです。

おそらく表に出てきているのは一部だけで、本当はこのようなことが他にもあるんでしょうね。
ここ数年、これだけ色々な問題が表沙汰になっているのに、いまだに行われているということは、美味しい思いをしている人がたくさんしるということなんでしょうね。
東京都民ではありませんが、結局は住民が損しているということになると思いますので、こういったことをどんどん表沙汰にしていって、少しでも減ることを期待したいですね。
まともな方々には、どんどん告発していただきたいですね。

オリンピック選手村マンション用地の「不透明」な格安払い下げについて、どう思われましたか?


日付表示はあなたは和暦派?それとも西暦派?

 「平成」の次の元号が「令和」に決まりました。
とはいえ元号が発表されるまでの間、和暦を主とする官公庁などの書類のほか、会計基準等の適用時期に関しても「平成33年」など、すでに平成が使われていない年であっても便宜上は平成として記載が行われてきました。
経営財務によると、このため、有価証券報告書などの提出書類における日付表示を西暦に統一したいと考える企業もあるようです。

有価証券報告書における開示に関する規定を定めた「企業内容等の開示に関する内閣府令」の第三号様式をみると、例えば、【提出日】については「平成 年 月 日」となっており、【事業年度】も同様に当該様式上は和暦で示されています。
そのため、和暦表示をしなければならないように思えますが、実務上は全て西暦表示でも問題はないようです。
特別な手続き等は不要で、西暦表示に統一したい企業は、任意で西暦に変更ができます。

経営財務が2018年中に提出された有報の表紙ページを調査したところ、トヨタ自動車や日立製作所、ファーストリテイリングなど、500社以上が西暦表示だったようです。
その中には、ヤマトホールディングスのように表紙に「(注)第153期有価証券報告書より、日付の表示を和暦から西暦に変更しております。」(2018年3月期有価証券報告書)と注釈を入れている事例もあり、同社は監査報告書も含めて西暦表示に変更していました。

しばらく、ややこしい状況が続きそうですね。
僕自身も公的な仕事をいくつかしていますが、2月と3月は書類の提出が結構多かったのですが、同じところに提出する資料でも、和暦と西暦が混在していましたね。
日本人ゆえ、和暦は大事だと思いますし、今後も残していただきたいと考えていますが、混乱・コスト増加などを防ぐため、書類などは西暦で統一してもいいのではないかと思います。
外国から来ている方も多いでしょうから。
個人的にも、元号が変わると発表されたころから、ホームページやブログなどもできる限り西暦に変更をしていますので、僕は『西暦派』です。
『平成』と印刷している事務所の封筒も今後は西暦にしようと思います。

日付表示について、どう思われましたか?


京王電鉄子会社が『キセル』で2億円詐取の疑い!

 ニュースでも結構取り上げられていますが、京王電鉄が株式を100%保有する子会社で、法人・学校向け団体旅行を数多く手掛ける京王観光が、組織ぐるみで“キセル”(不正乗車)を行い、JR各社から少なくとも2億円を詐取していた疑いのあることが「週刊文春」の取材で分かったようです。

「不正が行われていたのは、京王観光の大阪支店と大阪西支店の2支店(2018年秋に統合)です。
団体旅行を実施する際、ツアー参加人数分のJR乗車券を購入せず、差額分の乗車料金を利益に計上していたのです。
京王観光にはJR乗車券の発券端末が各支店に設置されており、京王側の責任で発券・発売が行えるようになっています。
この仕組みはJRとの信頼関係のもと、性善説で成り立っており、団体旅行で改札を通過する際、JR側も発券数と乗車人数が合致するかなど、いちいちカウントしていません。
それを逆手に取った不正乗車ですから極めて悪質です」(京王観光関係者)とのことです。

被害に遭ったうちの一社であるJR東海は、「JRの乗車券類を発売できる立場を悪用した不正乗車であって、極めて遺憾であり、厳正に対処する考えである」と回答しています。

一方、親会社の京王電鉄は、「同じ鉄道業界に身を置く同業であると同時に、重要なお取引先様でもあるJR様への背信行為ですので、極めて重大な不正と考えております。JR様や監督官庁の判断結果が下されるのを待って(公表を)検討します」と回答しています。

ヒドい話ですね。
従業員のモラルが低すぎます。
京王電鉄のはキセルに寛容なところなのでしょうか?
こういう事件によって、今後、ツアー参加者側で諸々の手続きが面倒になったりするのは避けてほしいですね。
JRにも厳粛に対応してほしいです。

京王電鉄子会社が『キセル』で2億円詐取の疑いがあることについて、どう思われましたか?


廃校となった小学校の体育館と敷地をマイナス795万円で売却!

 埼玉県深谷市は、先日、廃校となった小学校の体育館と敷地について、入札によりマイナス795万円で売却することになったと発表しました。
落札者側で体育館を解体することが条件でした。
マイナス価格で入札が成立し、自治体が資産を手放すのは全国で初めてだそうです。

対象は深谷市中瀬の旧市立中瀬小学校の体育館と敷地約1,505平方メートルです。
統合で1984年に廃校になりました。
体育館は2010年末まで活用され、2015年6月と2017年7月の2回、1,782万1千円の予定価格で入札にかけられましたが、応札はありませんでした。

深谷市は、今回、体育館を落札者が解体する条件を付け、解体費の負担を考慮して予定価格をマイナス1,340万6千円(市が支払う最高額)として入札を行いました。

民間への「無償譲渡」になるため、正式契約には地方自治法に基づく市議会の議決が必要となるそうです。

解体費は結構高いですし、土地の価格がどんどん下がっていく地方では、こういう案件は今後もどんどん出てくるでしょうね。
10年ほど前に、上場企業などには『資産除去債務に関する会計基準』が適用されることになりましたが、有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいう『資産除去債務』を考慮するという考え方は正しかったという感じはしますね。

廃校となった小学校の体育館と敷地をマイナス795万円で売却したことについて、どう思われましたか?


「税を考える週間」ってなに?

 国税庁は、日頃から国民各層・納税者の皆様に租税の意義、役割や税務行政の現状について、より深く理解してもらい、自発的かつ適正に納税義務を履行していただくために納税意識の向上に向けた施策を行っています。
特に、毎年1111日から1117日までの一週間を「税を考える週間」とし、この期間を中心に様々な広報広聴施策を実施するとともに、税務行政に対するご意見やご要望をお寄せいただく機会としています。
2018年の「税を考える週間」では、「くらしを支える税」をテーマとして、国民各層・納税者の皆様に国民生活と税の関わりを理解してもらうことにより、納税意識の向上を図ることとしています。

<「税を考える週間」の取組み>
「税を考える週間」期間中は、主に次のような広報広聴活動を行います。
①マスメディアを通じた広報
新聞広告やインターネット広告などのマスメディアを通じて広報します。
②国税庁ホームページの活用
国税庁ホームページに国税庁の取組を紹介するページを開設します。
このページでは、インターネット番組「Web-TAX-TV」で国税庁の仕事をドラマ仕立てで紹介した番組に加え、社会保障・税番号制度(マイナンバー)、e-Tax、消費税の軽減税率制度の概要を解説した番組を紹介するほか、講演会資料も掲載します。
Web-TAX-TV」の番組については、国税庁ホームページのほかYouTubeに開設している国税庁動画チャンネルにおいても配信します。
③講演会及び説明会等
国税局や税務署による主に大学生や社会人を対象とした講演会や説明会を開催し、くらしを支える税をテーマに説明を行います。
④国税モニター座談会
国税局や税務署では、幅広い分野の方にお願いしている国税モニターと座談会を行い、税に関するご意見・ご要望をお聴きし、双方向の情報交換に努めます。
⑤税に関する作文の表彰
全国の中学生・高校生の皆さんから応募のあった税に関する作文の入選作品の表彰が、全国各地で行われます。
なお、優秀作品は、国税庁ホームページ及び各種広報紙等に掲載し広く発表します。
⑥その他
関係民間団体による講演会や税の作品展の開催などが全国各地で行われます。

<「税を考える週間」の歴史>
「税を考える週間」のようなキャンペーン期間を設けて集中的に行う広報活動は、かなり古くから行っています。
その歴史は、昭和22年に申告納税制度が導入され、昭和24年に国税局が発足しておりますが、当時は税務行政に対する納税者の不満が多く聞かれていたという時代でした。
そのような時代背景があり、円滑な税務行政の成否は、納税者の協力いかんにかかっている点に顧み、昭和29年から、「納税者の声を聞く月間」を設けたことから始まります。
当時は、積極的な苦情相談、納税施設の改善及び各税法の趣旨の周知を中心とした納税思想の高揚に関する各施策を中央及び地方を通じて組織的に行うこととしていました。
そして、昭和31年からは、苦情相談を重点項目として期間を「月間」から「旬間」に改め、税務行政に対する納税者の皆様の意見や要望を積極的に聴き、各種の行事を通じて納税者の皆様との信頼を深め、納税者の皆様にとって近づきやすい税務署というイメージを作り、納税意識の高揚を図ることを目的に実施していました。
その後、昭和49年には、「旬間」の全般的な見直しを行い、毎年同じ時期に行うこととして「税を知る週間」に改称しました。
「週間」の実施に当たっては、税を社会全体の役割の中で捉える見地から、納税者の方だけでなく国民各層が、税のよき理解者、協力者であるべきことを改めて認識し、広報広聴の対象とするとともに、各種の施策を通じて、声を聞くという受身の姿勢だけでなく、積極的に税の重要性、執行の公平性等を広報することを目的に実施しました。
そして、平成16年からは、国民一人一人が、わが国をどのようにして支えていくのか、公的サービスと負担をどのように選択するのかを含めて、税のあり方、国のあり様を真剣に考えていただく時期に来ているという観点から、単に税を知るだけでなく、能動的に税の仕組みや目的を考えてもらい、国の基本となる税に対する理解を深めていただくことを明確にするため「税を考える週間」に改称しています。
このように、この取組は大変歴史のあるものなのです。

納税は国民の義務ですので、僕ら税理士のように業務として日々税務のことを考えている人は別にして、一般の方々も使い道なども含めて『税金のことを考える』機会を持つことは重要だと思います。
ただし、古くからやっている割には、一般の方々に『税を考える週間』のことがほとんど知られていないのは、国税庁の努力不足だと思います。
彼らは真っ先にチラシなどを送ったり、ホームページに掲載するということを考えるのでしょうが、どれほどの人が見たり聞いたりしているのでしょうか?
最近では、税理士が高校などに行って、『租税教室』を開催していますが、将来の納税者はもちろんですが、既存の納税者にリーチできるものを考えないといけないと思います。
国税庁が考えるべきことだとは思いますが、税務署などで『税金教室』のようなものを頻繁にして、これを受けた方には何らかの所得控除を設けるといったようなことを考えても良いのではないかと思います。
そうすることによって、サラリーマンの方などの税金に対する知識が高まり、経営にも良い影響が出るのではないかと考えます。
教育の中でも、『税金』の授業を義務化するとか、商業学校などだけではなく、どこの学校でも『簿記』を選択科目にすることが、会計や財務や税務に対する興味はもちろんのこと、将来的に素晴らしい経営者を生み出すことになるのではないかと思います。

「税を考える週間」について、どう思われましたか?


新天皇即位日は祝日で2019年の大型連休は10連休に!

 2019年春の天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位の準備を進めるため、政府は先日午前の閣議で、安倍晋三首相が委員長を務める「式典委員会」の設置を決めました。
直後に首相官邸で初会合を開き、安倍首相はあいさつで、新天皇の即位日となる201951日を2019年限りの祝日とし、2019年の大型連休を10連休とする方針を表明しました。

安倍首相は、新天皇の即位を国内外に宣言する「即位礼正殿(せいでん)の儀」の20191022日も、祝日とする方針を明らかにしました。
51日と1022日を、2019年に限って祝日とする政府提出法案を臨時国会に提出する見通しです。

この日設置した委員会の名称は「天皇陛下の退位及び皇太子殿下の即位に伴う式典委員会」です。
菅義偉官房長官が副委員長を務め、杉田和博、西村康稔、野上浩太郎の3官房副長官、横畠裕介内閣法制局長官、山本信一郎宮内庁長官、河内隆内閣府次官で構成します。
12か月に1度会合を開き、式次第や参列者の範囲などを検討、皇位継承の各儀式の実施指針となる大綱を取りまとめまるようです。

安倍首相は「天皇陛下の退位と、皇太子殿下の即位が同時に行われるのは約200年ぶり。我が国の歴史にとって極めて重要な節目だ。国民こぞって言祝(ことほ)ぐことができるよう、政府として万全の準備を進めていかなければならない」と述べました。

初会合では、皇位継承順位第1位の皇嗣(こうし)となる秋篠宮さまが、皇太子と同様の立場であることを内外に示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」の2儀式を、憲法が定める国事行為として2020419日に行うことも決定しました。

立皇嗣の礼は、天皇の弟が皇太子待遇となるのに伴い初めて実施されるようです。
浩宮さまが皇太子となった際の「立太子(りったいし)の礼」にならい、皇太子待遇となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」を2020419日に行います。
立太子の礼では賓客を招く祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」も行われましたが、宮内庁内には見送り論があるようです。

この日の会合では、2019224日に政府主催で行う「天皇陛下在位30年記念式典」の概要も決まりました。
即位20年の式典を基本的に踏襲し、安倍首相が式辞、衆参両院の議長と最高裁長官らが祝辞を述べるようです。
「国民代表の辞」もあり、民間から研究や芸術、スポーツなどで業績をあげた人々も招くそうです。

内閣府には、各府省庁の事務次官らで構成する「式典実施連絡本部」(本部長=菅官房長官)を設置しました。
警備、外国からの賓客、国内の参列者といった分担ごとに班を立ち上げ、事務的な準備を加速させるようです。

ちなみに、政府は20184月に、皇位継承に伴う一連の儀式や式典に関する基本方針を閣議決定し、憲政史上初となる退位の礼として2019430日に「退位礼正殿の儀」、51日に皇位のしるしとされる神器などを引き継ぐ「剣璽(けんじ)等承継の儀」といった一連の日程を決めていました。

2019年は427日土曜日から56日月曜日まで(430日火曜日と52日木曜日は祝日に挟まれ休日、56日月曜日は振替休日)10連休となるようで、休日が増えることは喜ばしいことかもしれませんが、公認会計士・税理士という職業柄、財務・会計・税務に関わる仕事をしているため、月末の仕入先などへの支払い、金融機関への借入金の返済、給与計算や支払い、決算業務、申告業務などに多大なる影響を与えるのではないかという点がすごく気になります。
実務のことをよく知らない方々が決めているんでしょうね。
2月決算企業の場合、実質は申告期限が57日になるのかもしれませんが、決算・申告後にやっていた業務を前倒してしないといけなくなったり、3月決算企業や4月決算企業は、決算業務や申告業務に使える営業日が少なくなったりしますので、大変でしょうね。
結局のところ、通常より前倒しのルーチン業務が多くなり、決算や申告のために大型連休中も出社して仕事をするということになりそうに思いますね。
あと、月末や月初に返済しているところには、金融機関も返済予定表を出し直さないといけなくなるでしょうね。

新天皇即位日は祝日で2019年の大型連休は10連休になることについて、どう思われましたか?


中央省庁の障害者雇用が実際は半数以下!

2018年09月06日(木)

毎日新聞によると、中央省庁による障害者雇用の水増し問題で、厚生労働省が先日公表した調査結果は、不適切に算入した人数は3,460人に上り、実際の雇用者数は半数以下だったことが明らかになったようです。
意図的な不正もあったとの証言もあり、障害者の支援団体や企業からは「裏切られた」「民間なら誰かのクビが飛ぶ問題」などと怒りの声が上がりました。

「国家公務員になれたかもしれない3,460人の障害者の期待を裏切った」と、障害のある地方議員らでつくる「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」代表の伝田ひろみ・さいたま市議は憤っているようです。
伝田市議は幼いころの病気で手足に障害が残り、車いすで生活しています。
今回の調査結果を受け、「障害者と共に暮らす環境整備ができていないというのが根本的な問題だ」と語気を強めました。

NPO法人「障害者の職場参加をすすめる会」(埼玉県越谷市)の山下浩志事務局長も、「率先垂範すべき行政が、水増しをしていたなんてとんでもない」と怒りを隠しません。
法定雇用率を定めた障害者雇用促進法について「数合わせをすればよいという制度の問題が明らかになった」と指摘し、「数字を見るだけでなく、障害者の雇用実態や労働環境を検証すべきだ」と訴えました。

一方、今回の雇用率の問題以外にも、障害者に関する制度で不正が横行しているのではないかと心配する声もあるようです。
知的障害者や家族でつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」で統括を務める田中正博さんは、「それぞれの制度が本来の趣旨に沿って運用されているか、行政は確認してほしい」と訴えました。

ある大手銀行の幹部は「障害者雇用の旗を振っている官が、こんなにも水増しをしていたなんて、信じられない」と憤慨しているようです。
民間企業は、厚生労働省から毎年6月1日時点で障害者雇用数の報告を求められ、雇用率が達成できなければ、1人につき月5万円を納めなければなりません。
3年に1度は独立行政法人の調査も受けており、それぞれ雇用率を達成するために試行錯誤しています。
この銀行でも障害者が働きやすい会社を設立して多くを雇用し、グループでの雇用率を高めているようです。

ユニクロを展開するファーストリテイリングは、2018年の国内での障害者雇用率は5.28%と、企業の法定雇用率(2.2%)を大幅に上回ります。
担当者は「一人一人の特性を見極めるため、個人面談を重ねて担当業務を決めている。足が不自由な人には座ってできる作業を、耳が不自由な人には聴覚障害を示す名札をつけてもらい、顧客の理解を得やすいようにして接客業務を任せている」と話しています。

こうした取り組みの結果、民間企業の障害者雇用者数は、2017年まで14年連続で過去最高を更新し、法定雇用率を達成した企業の割合は19年ぶりに5割を超えました。
大手電機メーカーの幹部は「民間企業で今回の省庁と同じことをすれば誰かのクビは飛ぶ。省庁の水増しは意図的な不正であり、しっかり原因究明をしてもらいたい」と注文を付けました。

最近、公務員の存在価値はあるのかと思うような事件が多いですね。
何かを進めるのであれば、自らが規範となるべきであり、民間企業が独立行政法人の調査を受けるのであれば、中央省庁なども受けるべきであり、達成していない場合は、関係者のボーナスを減らして負担すべきではないかと思います。
他の報道によると、国税庁が最も水増しが多いとのことですが、国税庁相手に税務調査で戦ったりしている税理士としては、国税庁に、調査などをする資格はないと思ってしまいますね。
公務員制度を含め、中央省庁の解体・再構築を考えないといけない時期になっているのではないかと切に感じます。

中央省庁の障害者雇用が実際は半数以下であったことについて、どう思われましたか?


日本銀行が投資信託の家計保有額を30兆円以上も誤計上!

 毎日新聞によると、個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日本銀行の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明したようです。
 近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっているそうです。
 過剰計上があったのは、金融機関や家計など各部門の資産や負債の推移などを示す「資金循環統計」です。
 同統計では年1回調査方法を見直す改定を行っており、20186月下旬発表分の改定値を算出する際に、過剰計上が見つかったようです。
 2005年以降の数値をさかのぼって改定した結果、201712月末の家計の投信保有額は、改定前の1091,000億円から約33兆円少ない764,000億円まで激減しました。
 個人金融資産に占める投信の割合も、改定前は2012年の3.8%から2017年の5.8%まで上昇していましたが、改定後は2014年の4.6%をピークに低下し、2017年は4.1%まで下落していたことが分かったようです。
 これほど大きな修正が生じたのは、日本銀行が、ゆうちょ銀行が保有する投信を個人が保有しているものと誤って計算していたことが原因です。
 家計の保有額は、投信の総額から、金融機関など他部門の保有額を差し引くことで算出しています。
 関係者によると、日本銀行が改定作業を行う際、ゆうちょ銀の保有分でこれまで「外国債券」としていた資産の一部が実は投信だったことが判明しました。
 改定後はその分だけ金融機関の投信保有額が膨らみ、逆に家計保有分は減額されました。
 ゆうちょ銀が近年、比較的利回りのいい投信の保有額を急増させていたことも、「誤差」の巨大化につながったようです。
 日本銀行調査統計局は「調査項目が多数あり、見直しが追いつかなかった」と釈明していますが、証券業界は「30億円なら分かるが、個別指標で30兆円も変わる改定は聞いたことがない」(大手証券幹部)と怒り心頭のようです。
 政府や証券業界は、現預金に偏る家計の資金が、経済成長に資する企業への投資資金として回るような政策を進めてきました。
 日銀の統計に基づく投信保有額の増加は政策効果の表れとみていただけに、金融庁幹部は「我々の認識以上に個人の投資への動きが進んでいないなら、改めてどうすべきか考えないといけない」と厳しい表情を見せたようです。
 個人や、法人形態を取らない自営業者(農林業従事者を含む)が保有する現預金、株式、投資信託などの金融商品の合計です。
 日本銀行が四半期ごとに「資金循環統計」で公表しており、20183月時点の総額は1,829205億円です。
 資産ごとの比率は、現預金が52%、保険・年金準備金28%、株式6%、投資信託4%などです。
 現預金は近年52%前後にとどまっています。
 意図的でないのであれば、これだけの金額のミスを犯すということは、内部のチェック体制が構築されていないんでしょうね。
 責任感を持って、きちんと仕事してもらいたいですね。
 国などが公表する指標などを信用してもいいか疑問に思いますね。
 金融機関などが、近年、手数料を稼ぐために投資信託を販売したりしているので、増えている面もあるのかもしれませんが、個人的には、相続関連の仕事をしていると、投資信託や株をやっていた方が亡くなった場合、相続人は引き継がず、解約や売却などをしているケースが圧倒的に多いような気はします。
 これだけ金利が低い中、投資信託が減っているのであれば、『貯蓄から投資へ』ということを目指すのであれば、手数料などを含め、魅力的な商品や会社にならないといけないんでしょうね。
 日本銀行が投資信託の家計保有額を30兆円以上も誤計上していたことについて、どう思われましたか?

金融庁が公開請求者の情報漏出認め野田総務大臣も謝罪!

 野田聖子総務大臣の事務所による金融庁への説明要求に絡み、朝日新聞が同庁に情報公開請求していた内容が開示決定前に漏出していた問題で、金融庁は、先日、請求者に関する情報も含めて総務省に伝えていたことを、取材に対して認めました。
 また、野田氏は閣議後の会見で、伝え聞いた内容を第三者に漏らしていたことをあらためて認め、「慎重さに欠けたと反省している」と述べて謝罪しました。
 朝日新聞は201852日、金融庁に対し、野田氏の事務所が違法性を指摘されている会社の関係者を同席させ、同庁の担当者に説明をさせた際の面会記録の開示を求めました。
 金融庁は531日付で開示決定通知を出し、66日に開示文書の写しを交付しました。
 一方で、野田氏が開示決定前に請求の内容を知り、5月下旬に第三者に対し、自身の事務所に絡んで朝日新聞が金融庁に情報公開請求をしたと話していたことが朝日新聞の取材で分かりました。
 先日の会見でこうした内容を野田氏に質問したところ、野田氏は外形的事実を認め、「私の事務所の活動について情報公開請求が行われていると聞き、(記者との)懇親会の席で話題にしたと記憶している」と説明しました。
 ただし、「(聞いた内容は)そういうことが言われているよという話」「明確に事実が漏出したということではない」とも主張し、不適切ではないとの認識を示していました。
 野田氏は先日の閣議後会見で、「事実確認したところ、総務省の担当者が金融庁の担当者から伝えられていたことがわかった。請求者の情報も含まれており、不適切だった。(自分が知った時点で)確認して注意喚起するなどの対応を取るべきだった」としました。
 さらに「自分が記者との懇親会で問題意識を持たず、話題としてしまったのは慎重さに欠けたと反省している」などと述べました。
 一方、金融庁は朝日新聞の取材に総務省への伝達を認め、「請求者の情報を伝えたということは法の趣旨からして好ましくない。今後、情報公開法の適切な運用に努めたい」とコメントしました。
 別の報道によると、野田氏の配偶者が関わっている案件のようなことが書かれていましたが、これだけ色々な問題が批判されている時代に、平気でできるというのが普通では考えられないですね。
 そもそも議員としての資質がない人が多いのではないかと思います。
 こういうことがあると、総務省や金融庁がどこかを監督とかする資格がないように思えますね。
 立て続けに逮捕者が出ているところもありますが、省庁を根本的なところから見直さないといけない時期に来ているのではないかと思った1件でした。
 金融庁が公開請求者の情報漏出認め野田総務大臣も謝罪したことについて、どう思われましたか?

滋賀県内の税務署職員3人が紛失した書類を作り直し減給処分!

 大阪国税局は、先日、滋賀県内の税務署の課長級職員3人が、紛失した納税者の書類を作り直すなどして国家公務員法に違反したとして、いずれも減給10分の13か月)の懲戒処分にしました。
 国税局によると、3人は、50代の統括国税徴収官と50代の統括国税調査官、40代の連絡調整官です。
 納税者が確定申告後、税金の減額を請求するために提出する書類を作成し直していたようです。
 20184月、税務署に提出された書類5件が署内で紛失したことが判明しました。
 3人は、納税者が税務署に相談をした際のメモをもとに書類を作り直し、上司に「既に発見された」とうその報告をしたようです。
 後日、別の職員の指摘で発覚しました。
 3人は「署内の事務処理を滞らせてはいけないと考え、書類を作り直した。大変申し訳ない」と反省しているようです。
 納税者には既に謝罪し、書類は見つかっていないようですが、外部流出は確認されていないとしています。
 こういう人たちがいる組織に税務調査などをしてほしくないですね。
 こういう人たちがいるのに、もし、税務調査先が書類を作り直していたなどしていた場合、税務署は、指摘できるのでしょうか?
 また、他にも同じようなことはないのでしょうか?
 紛失したものに限らず、税務署にとって都合がよいように変えたりしていないのでしょうか?
 すごく重大なことを犯していると個人的には思いますが、たった減給10分の13か月)なんですね。
 滋賀県内の税務署職員3人が紛失した書類を作り直し減給処分を受けたことについて、どう思われましたか?

レオパレス21が建築基準法違反疑いで3.7万棟を調査へ!

2018年06月04日(月)

レオパレス21は、先日、計206棟のアパートで施工不良を確認したと発表しました。
「界壁」と呼ばれる防火性などを高める部材が天井裏に未設置だったり、十分な範囲に設けられていなかったりしたようです。
建築基準法違反の疑いがあります。
2019年6月までに全3万7,853棟を調査し、不備のある物件を改修するようです。

田尻和人取締役専務執行役員が、都内で記者会見し、「当社に施工管理責任があった」と謝罪しました。
施工不良が見つかったのは19962009年に施工したアパート6シリーズです。
すでに調査を終えた290棟のうち、38棟で界壁がないなどの不備があったようです。

建築基準法は、火災時の延焼防止などの観点から界壁を天井裏に設置するよう定めています。

施工業者に渡したマニュアルには界壁の記載があったのに、個別の下請け業者が参照する図面には記載がないなど整合性に不備があったようです。
施工時の検査でも、図面との照合確認が不十分だったそうです。

これとは別に、19941995年に竣工した2シリーズでも、調査した184棟のうち168棟で界壁がありませんでした。
レオパレス21は、2018年4月末に施工の不備がみつかったと発表していました。

一連の調査での不備は200棟を超え、今後も増える見通しです。
2019年6月までに全棟を調査し、201910月までに改修工事を終える方針です。
工事費は10室程度の物件の場合、1棟あたり60万円程度としています。

レオパレス21は意図的な手抜き工事の可能性を否定する一方、天井に不燃材が使われており「安全性はある」と強調しています。

これだけあるのに、意図的ではないと言えるのでしょうか?
違う問題でも訴訟を抱えていますし、今回の件で、信用を失い、今後は厳しいでしょうね。
アパート建設に対する銀行の融資も厳しくなっているようですし、数年後にはこの会社はなくなっているかもしれませんね。
オーナーにとっては、建てたら終わりではなく、長い間にわたり所有するものですので、メーカー側もその点を認識しないと未来はないでしょうね。

レオパレス21が建築基準法違反疑いで3.7万棟を調査することについて、どう思われましたか?


シェアハウス投資の不動産会社スマートデイズが民事再生法申請!

2018年04月27日(金)

シェアハウス投資の賃料不払い問題で、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」などを運営する不動産会社スマートデイズ(東京都中央区、赤間健太社長)は、先日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、地裁から保全処分と監督命令を受けたと発表しました。
帝国データバンクによると、負債額は20183月末時点で約60億円です。

スマートデイズは2012年設立で、一括借り上げによる長期の賃料保証をうたって会社員らをシェアハウスオーナーに勧誘し、会社員らは億単位のお金を借りてスマートデイズから割高な物件を買いました。
スマートデイズは、入居者募集や管理を担いましたが入居率は低迷し、オーナーへの物件売却益で賃料を払う自転車操業状態でした。

20181月には資金繰り悪化を理由に賃料支払いを停止し、オーナーの借金返済が難しくなって問題が表面化しました。
物件は20181月時点で未完成分を含め約1千棟で、オーナーは約700人にのぼります。

スマートデイズは、先日、「目下の資金繰りに鑑みると、物件の水道、電気などの生活インフラの確保が困難となるおそれがある」とのコメントを公表し、オーナーらに管理会社を変更するよう求めています。
先日、債権者となるオーナー向け説明会を開きました。
スマートデイズでは、経営再建のため20181月に社長に就いた菅沢聡氏が今月初めに退き、取締役の赤間氏が社長に就任しています。

そもそも投資家は一括借上げに飛びつきがちですが、相手がどこで稼ぐのかを考えてやったほうがいいですね。
一括借上げは儲からないはずなので、販売時にその分まで回収しているはずです。
本人が投資という商売が成り立つかどうかのけんとうはもちろんのこと、相手の商売も成り立つかどうか考えないといけないですね。

シェアハウス投資の不動産会社スマートデイズが民事再生法を申請したことについて、どう思われましたか?


会計検査院は財務省や官邸に頭が上がらない!

 週刊ダイヤモンドによると、会計検査院による森友問題の検査について、財務省に配慮したと思わせる対応が批判されているようです。
 元官僚からすれば、それは当たり前のことだそうです。
 会計検査院は内閣に対して“独立”の地位を有する特別な組織ですが、それは形式的なものであり、財務省や官邸には頭が上がらない組織になっています。
 国会法第105条に基づき、参議院からの検査要請を受けて行われた「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査」において、会計検査院が決裁文書の改ざんと、改ざん前の原本の存在を知っていながら、改ざんされた文書を対象として検査を行っていたことが明らかとなりました。
これでは何のための検査だったのでしょうか?
まるで財務省と示し合わせたアリバイ作りのための“出来レース”、「茶番劇ではないか」と批判されても仕方ないでしょう。問題は、会計検査院がなぜそのようなことをしたのかです。
それを考えていくと、会計検査院という組織の置かれた立場、制度的状況から来る、避けがたいジレンマが見えてきます。
そもそも会計検査院とは、憲法第90条にその根拠を持つ機関であり、内閣に対して“独立”の地位を有している、特殊かつ特別な行政機関です。
会計検査院には担当の大臣等は置かれず、その任命に国会の同意を要する検査官3名が置かれ、うち1名が互選により院長となります。
ただし、検査官を任命するのは内閣であり、院長についても互選の上、任命するのは内閣です。
この検査官の人事、かつてこのうち一人が大蔵省(当時)からの天下りポストの事実上の“指定席”になっていたのです。ところが、大蔵省不祥事に端を発する霞が関バッシングの嵐が吹き荒れる中、国会同意を前に大蔵省出身の検査官候補が蹴られて、なぜか総務庁(当時)出身者(元事務次官)に棚からぼたもちのようにお鉢が回ってきたということがあり、その後2代は旧総務庁系(二人目も元事務次官)の指定席になったこともありました。
まさにこの人事に関連して、衆参両院での同意後の平成9325日の第140回国会衆議院決算員会の参考人質疑において、参考人として出席した岸井成格・毎日新聞編集局次長(当時)は、この件について、以下のように述べています。
「 ~(前略)~ 会計検査官の大事(原文ママ・おそらく「人事」の打ち間違い?)については、あの当時、特に大蔵省からOBを起用するというのは、あれだけ大蔵省の問題が騒がれ、まさに監督権限の分離問題という議論の真っ最中にそういう人事任命を発令するということ自体が、ちょっと政治的には不用意だったという点が一つと、やはり基本的には、会計検査院の独立性、信頼性からいえば、官僚OBの起用は慎むべきである ~(後略)~ 」要するに、会計検査院のトップ人事は、霞が関や永田町の事情に大きく左右されてきたということです。また、会計検査院の職員は独自の試験によって採用されるのではなく、国家公務員採用試験によって選抜し、採用者を決定するという、他の府省と同じ方法によっています。
つまり、会計検査院の職員といっても国家公務員法が適用される一般職の国家公務員であり(幹部職への任命等に関する規定については適用除外)、給与体系も同様に給与法が適用されているのです。
予算についても、査定するのは財務省であり、国会及び裁判所と同様に財政法第19条に二重予算制度と呼ばれる“例外的な規定”が設けられてはいるものの、基本的には各府省と変わりありません(財務省の説明よると、同条に基づくこの取り扱いの適用があったのは昭和27年度予算に関する1例のみとのこと)。
19条 内閣は、国会、裁判所及び会計検査院の歳出見積を減額した場合においては、国会、裁判所又は会計検査院の送付に係る歳出見積について、その詳細を歳入歳出予算に附記するとともに、国会が、国会、裁判所又は会計検査院に係る歳出額を修正する場合における必要な財源についても明記しなければならない。ちなみにこの例外的な取り扱いがある国会及び裁判所については、各府省との人事交流はあるものの職員の身分は別であり、当然採用も国家公務員とは別の試験等によっています。
こうした点を踏まえても、会計検査院については非常に“中途半端な扱い”をされていると言えるでしょう。加えて、かつて会計検査院は、検査、特に地方等での検査に当たって、いわゆる官官接待を受けていたことが大問題となり、会計検査院への風当たりが非常に強くなったことがあるようです。要するに、会計検査院は“独立”の地位を占めているといってもそれは形式的である面が多く、基本的には霞が関の各府省と同じ、「並びの存在」であって、その活動、職権の行使についてもおのずと制約というか、自制がかかってしまう傾向があると考えた方がいいようです。
分かりやすく言えば、会計検査院といえども、対財務省、対官邸ということになると慎重にならざるをえない、単刀直入に言えば、「頭が上がらない」ということでしょう。
それが今回の森友問題に関する検査における不祥事につながったのではないでしょうか?
実際、会計検査院の、まさに森友問題検査を担当した部局は、参院に提出した報告書には相当自信を持っていたようです。
一方で、検査の対象はあくまでも国の収入および支出であること等を盾に、必要十分な行政文書が把握できないために詳細な内容が確認できなかったことを報告書において指摘しながら、「検査をやり直す必要はない」としていたようです。
検査に必要な資料がなければそれの提出を求める、そうしなければ、検査の対象が国の収入および支出だとして、それを全うすることすることすらできないはずです。
しかしながら、実際には文書がないのではなく、改ざん前の文書が存在していることを認識していながら、それを検査の対象としなかったわけですから、なんらかの自制が働かなければそうしたことは起こりえないと考えるのが自然でしょう。
従って、森友問題に関しては、財務省のみならず会計検査院の検査についても国会において追求されるべき点は多々あるはずです。
ただし、その最終的な目的は、一部で主張されているやに聞く“会計検査院解体論”といった極端なものではあるまい(会計検査院解体ということになれば憲法第90条を改正する必要があるから、もしかしたら改憲のとっかかりとすることが解体論の真の目的?)。
その目指すべきところはといえば、すなわち会計検査院を現状の中途半端な位置から解放し、高い倫理観を堅持しつつ、自制も萎縮もすることなくその職責を心置きなく全うできるようにすること、つまり権限の適正化(実質的には強化)であるはずです。
その対象は、会計検査院の組織および権限を規定した会計検査院法にとどまらず、先にも触れた国家公務員法等も含まれるべきでしょう。
もっとも、それは容易な話ではない。霞が関の各府省からの相当強い抵抗や反発が想定されるからです。
会計検査院ともなれば、強い抵抗が予想されるため、政治が一体となって進める必要があるでしょう。
 そのためにも、森友問題に関する国会での審議においては、やみくもに財務省の責任追及一辺倒になったり、大上段に構えた官邸や安倍総理の責任追及に終始したりすることなく(これはこれで重要ですが、そこに至るには議論の積み上げが必要であるわけですし)、バランス感覚を持って、徹底した課題・問題の洗い出しと整理が必要不可欠でしょう。
 公正取引委員会と会計検査院は頑張っていると思っていましたが、こういう状況なのですね。
完全に独立の立場から、業務ができる組織であってほしいですし、そのための改革をしてほしいですね。
 会計検査院は財務省や官邸に頭が上がらないことについて、どう思われましたか?

シェアハウス融資で役員に不正行為の疑いがあり金融庁がスルガ銀行を緊急検査!

2018年04月24日(火)

  金融庁は、スルガ銀行への緊急の立ち入り検査を始めたようです。

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐる投資トラブルに絡んで銀行側の対応を調べるようです。
大半の建設費用を融資したスルガ銀行で、審査を通りやすくするために書類の改ざんなど不正行為に役員が関与していた可能性もあるとみています。

かぼちゃの馬車は、先日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻したスマートデイズ(東京・中央)が運営するシェアハウスです。
所有者の建物を借り上げ、女子学生らに転貸する「サブリース」と呼ばれる事業を展開していました。
長期の賃料保証をうたい、会社員らの投資を勧誘しました。
空室を埋められず、1月に賃料の支払いを止めました。
スルガ銀行は、1棟で1億円前後する土地・建物の資金を約700人の投資家に融資しました。
融資額は1千億円規模に上るとされます。

複数の関係者によると、スルガ銀行の一部役員が主導する形で、投資家の年収を証明したり、預貯金の残高を示したりする審査書類を改ざんするなどの行為に関与した疑いが持たれています。
金融庁は、スルガ銀行が不正を見抜けなかっただけでなく、スルガ銀行の役員が不正に加担していた例もあるとみています。

金融庁は3月中旬、銀行法に基づく報告命令をスルガ銀行に出し、状況を把握しています。
今回の検査で役員の関与や組織的な不正行為が判明すれば、厳しい行政処分を検討するでしょう。

投資家の相談を受けている弁護士によると、スマート社の販売代理店経由でスルガ銀行に提出された審査書類では、預貯金残高が100倍程度に水増しされているといった例が多数みつかったようです。
販売代理店が融資審査を通りやすくするため改ざんした可能性が高いようです。
弁護士によると、販売代理店は投資家に対して「(改ざんは)スルガ銀行も承知していることだ」と話しているようです。

スルガ銀行の広報担当者は、先日、「指摘のような事実を認識していないため、コメントは差し控える」と話しています。

実際はどうなのか分かりませんが、調査をして全容を明らかにしてほしいですね。
銀行のビジネスのために、個人の方々が損をするのは許せないですね。

シェアハウス融資で役員に不正行為の疑いがあり金融庁がスルガ銀行を緊急検査したことについて、どう思われましたか?


仮想通貨交換業者7社が業務改善計画を提出!

 580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、金融庁から2度の業務改善命令を受けたコインチェック(東京)など交換業者7社は、先日、経営管理体制の見直しなどを盛り込んだ業務改善計画を同庁に提出しました。
 業界は信頼回復を図ろうとしていますが、規制強化の流れは強まり、取り巻く環境は厳しさを増しているようです。  改善命令を受け、計画を提出したのはコインチェックのほか、バイクリメンツ(東京)、GMOコイン(同)、テックビューロ(大阪市)、ミスターエクスチェンジ(福岡市)、ビットステーション(名古屋市)、FSHO(横浜市)の6社です。
 ビットステーション、FSHO2社は、顧客資産の私的流用などが確認され、1か月間の業務停止も命じられています。  コインチェックの改善計画提出は、2月に続き2度目です。
 今回は、送金先を追跡できず、匿名性が高い「Monero(モネロ)」など4種類の仮想通貨の取り扱い打ち切りも盛り込まれたとみられます。
 コインチェックは提出後、「改善策を着実に実施する。信頼回復に向け、最善の努力をしていく」とのコメントを出しています。  2018322日には、NEM流出後に停止していた「リスク」「ファクトム」の2種類の仮想通貨の引き出しと売却の再開も発表しています。
 取引を停止している仮想通貨は残り5種類となります。
 先日、流出発覚時のNEM保有者に対して日本円で計約466億円を補償金として支払ったほか、一部通貨の出金や売却を再開していました。  先にルールを作って、それを満たすことのできる企業のみが参入するという流れではなく、既に取引が行われていた中で、あとからルールを作った以上、こういった企業が出てくるのは仕方ないでしょうね。
 実務を考慮し、規制する以上、安心して投資ができる環境を作らないと、仮想通貨市場は成り立っていかないでしょうね。
 コインチェックのマネックスグループによる買収のように、大手に買収されるところもたくさん出てくるでしょうね。
 金融庁には、頑張ってもらいたいですね。  仮想通貨交換業者7社が業務改善計画を提出したことについて、どう思われましたか?

仮想通貨交換業者7社に対して一斉に行政処分!

 金融庁が201838日、仮想通貨交換業者7社に対して一斉に行政処分を出しました。
 業務停止命令を含む厳しい対応で臨み、利用者保護最優先の姿勢を鮮明にしました。
 一方で、「育成路線」とのバランスに腐心する苦悩もにじんでいます。

 2018216日、衆議院財務金融委員会で、「内部管理体制などを検証し、早期に登録の可否を判断したい」と、金融庁で仮想通貨チームのヘッドをつとめる佐々木清隆総括審議官は、正規の登録が済んでいない「みなし業者」のまま営業しているコインチェックへの対応を問われると、こう答えました。

中途半端な「みなし業者」という位置づけが多額の仮想通貨の流出事件を招いたのではないか?という空気が広がるなか、答弁は金融庁がコインチェックを廃業に追い込む「登録拒否」に突き進んでいると受け止められたようです。
“封印”してきた強権路線が頭をもたげた瞬間でした。

このころ、金融庁内にもじわりと温度差が広がり始めました。
「ほかのみなし業者にも検査に入っている以上、実態を比較しながらきちんと手続きを踏む必要がある」(金融庁幹部)と、コインチェックだけ抜き出して処分を急げば、監督方針に整合性が取れないという意見も現場にはあったようです。

2018年2月末に、コインチェックは当初、補償時期などを公表する考えを持っていました。
記者会見の予定まで立てていたようですが、直前になって自主的に取りやめました。
金融庁の検査が続き、追加の処分の中身が見えないなか「事業の継続ありき」で公表するのはかえって金融庁を刺激しかねないという思惑が働いたとみられます。

2018年3月初旬には、「(コインチェックに)かなり厳しい要求を投げかけている。まだ足りない部分はたくさんある」(金融庁)と言ったようですが、それでも1回目の業務改善命令で求めたシステム管理の強化はある程度めどが立ちつつあったようです。
検査に入った一部のみなし業者には違法行為も見つかりました。
実態を比較し、業務停止命令は早計だとの判断に傾きました。

答弁から約3週間たった2018年3月8日、金融庁がコインチェックに出したのは2度目の業務改善命令でした。
「経営体制の抜本的な見直し」など厳しい要求事項が並ぶ半面「取引再開や新規顧客のアカウント開設に先立ち」といった文言もみられ、金融庁の対応への苦慮が垣間見えました。

「けしからん、と登録拒否するのは簡単かもしれないが、まずやるべきは補償と顧客資産の返還だ」と、ある金融庁幹部は冷静にこう話しているようです。

顧客の約580億円相当の仮想通貨を流出させた事実は、きわめて重いでしょう。
かと言って、懲罰的に登録を拒否すれば問題が解決するわけではなく、利用者保護にもつながりません。
また、麻生太郎金融相が掲げる「金融処分庁から金融育成庁へ」という路線の自己否定にもつながりかねません。

片っ端から厳しく処分しては、生まれたての仮想通貨市場が一気にしぼみかねず、それは避けたいというのが金融庁の本音のようです。
フィンテックの「テック」部分の担い手は、金融庁がこれまで監督してきた金融業界の外にいた人たちでもあります。
登録の可否を性急に判断せず「じっくりと丁寧に手順を踏む」(幹部)と、金融庁も模索が続いています。

コインチェックは設立からわずか6年だが、自己資金で460億円もの補償ができてしまうほど「軽視できない顧客基盤を抱えている」(幹部)のが実態です。

ただし、懲罰的な「処分のための処分」では意味がありません。
まだ続くコインチェックへの対応に「育成庁」をめざす金融庁のあり方も試されていますね。

金融庁が関わる以上は、きちんと規制もしないといけないと思いますが、仮想通貨は実態が見えないところも多々あるでしょうから、金融庁も大変でしょうね。
仮想通貨は素晴らしいものだと思いますので、規制をきちんとして、皆さんが安心して取引ができるように早くなってほしいですね。

仮想通貨交換業者7社に対して一斉に行政処分が行われたことについて、どう思われましたか?


「Zaif」のシステム異常で仮想通貨をゼロ円で販売!

2018年03月07日(水)

仮想通貨交換業者のテックビューロ(大阪市)は、先日、運営する交換所「Zaif(ザイフ)」で、仮想通貨をゼロ円で販売するトラブルがあったと発表しました。
顧客の7人がゼロ円で仮想通貨を取得したようです。
価格の計算システムに異常が生じたのが原因で、訂正扱いとして顧客の残高データを修正しました。

テックビューロによると、約18分間、仮想通貨の「ビットコイン」や「モナコイン」を扱う「簡単売買」と呼ばれる取引で、無料で仮想通貨を取得できる状態になったようです。
その後、完全復旧しました。

一部の顧客が、取得した仮想通貨を売り注文に出したため、購入したい人と売却したい人の注文を合わせる取引でも異常な数値が表示されたそうです。

テックビューロはしばらく、事実関係に関する取材に回答していませんでしたが、後日ネット上で「お客さまには多大なご心配とご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません」とコメントしました。

取得した人がどうなるか分かりませんが、先日の件もそうですが、こういうことがあると、取引をしてよいのだろうかと不安に思ってしまいますね。
きちんと取引の仕組みなどを確立したうえで、システムの構築をして、こういうことがないようにしてほしいですね。
そうしないと、仮想通貨は素晴らしいとは思いますが、信用をどんどん失って行くと思いますので。

「Zaif」のシステム異常で仮想通貨をゼロ円で販売できたことについて、どう思われましたか?


日本株は予想重視ではなく決算後に買え!

2018年02月20日(火)

決算発表で企業業績の実績を確認してから投資する方がパフォーマンスが上がりやすいという構造変化が日本株市場で起こっているようです。
規制の影響でアナリスト予想の正確性が落ち、世界景気の好調さなどを背景に企業業績の実績値は着実に拡大が続いているからです。
「思惑で買って、事実で売れ」との相場格言は過去のものになるかもしれません。

先日も「実績重視」を感じさせる銘柄がありました。
前週末発表の2017年4~12月期決算で純利益が前年同期比で47%増と大幅に拡大したファナックです。
寄り付きから買い注文を集め、朝方には一時5%高まで上昇しました。

ファナックは四半期受注高を公表し、業績の予想が容易なため、好決算でも「材料出尽くし」として売られやすい銘柄だとされています。
しかし今回は、「業績の好調さが確認でき、まだ弱気になる必要はない」(アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之氏)との受け止めが優勢だったようです。

「予想重視」が従来の常識でした。
証券アナリストの予想を織り込む形で業績拡大が期待される銘柄は先んじて買われてきました。
そうなると、決算内容が予想通りでも「驚きはない」として利益確定売りに押されやすくなります。
実際、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析によると、2008年以降、アナリスト予想をもとに先回りで投資すると高い運用成績を上げてきました。

ところが、2017年は、実績重視で「決算後に買う」方が運用成績がよくなるという変化が生じました。
具体的には、発表された四半期決算で増益率の高さなどがはっきりした好決算銘柄を買い、低調な銘柄を売る戦略だ。特に10月下旬から11月の決算発表シーズンで運用成績のよさが顕著でした。

背景には2つの環境変化があるようです。
まず1つめは、円相場とアメリカ長期金利の安定です。
実績重視の投資法が高成績をあげた2017年3月から年末まで、円相場は7円程度の幅で安定的に推移していました。
将来の為替・金利動向に不透明感があれば、早めに利益を確定したくなるのが投資家心理です。
一方で、安定した環境下であれば、好業績企業が今後も好調を維持するとの見通しが成り立ちやすくなります。
2つめは、上場企業が一部のアナリストなどだけに業績動向を示唆するのを禁じた規制の影響で、事前に業績予想を立てるのが難しくもなりました。
この結果、アナリスト予想の上方修正や下方修正といった短期的な情報の価値が低下し、「実績を見てから買う投資行動になりやすくなった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏)。

2018年に入っても、投資家の間で「為替・金利の安定」という前提条件は崩れていません。
ピクテ投信投資顧問の松元浩氏は、「円相場が108円台をつけたといっても、17年の変動幅の範囲。為替よりも景気拡大の持続性が重要な局面」と指摘しています。
アメリカの税制改革による需要の押し上げなどを理由に、日本株に強気な姿勢を続けています。
実績重視の投資行動が定着したとすれば、決算発表シーズン終了後に買いが優勢になる展開も期待できそうです。

証券アナリストも、AIに取って代わられる代表的な職業だと思いますので、厳しい時代になってきたなぁと改めて感じました。
我々、公認会計士や税理士も、AIに取って代わられる代表的な職業ですので、差別化を図ってずっと生き延びていきたいですね。

日本株は予想重視ではなく決算後に買えという構造変化が起きていることについて、どう思われましたか?


森友学園との交渉の関連文書である「照会票」や「相談記録」などを開示!

2018年02月14日(水)

学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く取得した問題で、財務省近畿財務局が学園への売却を検討した際に作成した内部文書を保管していたことが、先日、分かったようです。
これまで同省は「交渉記録は廃棄した」と説明していました。
同省担当者は「近畿財務局内での問い合わせと回答内容を記載したもので、学園との交渉記録には当たらない」としています。

国に情報公開請求し、開示を受けた上脇博之神戸学院大教授が明らかにしたものです。
開示されたのは、近畿財務局が2015~2016年度に作成した文書で、財務局の売却担当者から法務担当者への質問を記した「照会票」や回答をまとめた「相談記録」などです。

文書には、学園側が国有地から新たにごみが見つかったとして「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」と提案し「無理であれば事業を中止して損害賠償請求をせざるを得ない」などと主張したと記載されています。

売却担当者は法務担当者に「法的にどういう責任を負担することになるのか」と照会し、法務担当者が「速やかに方針を決定し、方策を講じることが望ましい」と回答した経緯も記されていました。

大半の文書で、事案概要などとして学園の主張や交渉経緯が説明され、学園側が「(国有地を)買い受ける場合、損害賠償請求などは一切行わない」と約束したことも記載していました。

これが交渉記録なのか交渉記録ではないのか分かりませんが、あれだけの問題になったわけなのですから、国会の場などで自ら明らかにすべきだったのではないかと思いますね。
そうしないと、今後も『廃棄した』と言えばいいということになりかねないのではないでしょうか?

森友学園との交渉の関連文書である「照会票」や「相談記録」などが開示されたことについて、どう思われましたか?


国土交通省が公用メールを1年で自動廃棄!

2018年02月06日(火)

省庁で利用が急増している公用電子メールについて、国土交通省は2月から、送受信後1年が経過したものをサーバーから自動的に廃棄することを決めたようです。
保存が必要な公文書に該当するメールは職場で保存するよう指示しましたが、廃棄可能なメールとして、国会議員からの説明要求の連絡文書などを挙げています。
専門家は「政策の検証に必要なメールが消去される」と懸念しているようです。

毎日新聞が入手したメール管理指針案や国土交通省の説明によると、国土交通省は昨年、自動廃棄の方針を職員に伝えたうえで、今年1月末までに保存期間が1年以上の公文書に該当するメールをデータファイル化し、共有フォルダーなどに保存・登録するよう指示しました。
登録手続きをしないメールは、サーバーから自動廃棄された時点で見られなくなります。

公文書に該当する場合でも、官僚の裁量で重要性が低いと分類されれば保存期間は1年未満となるようです。
指針案は保存期間1年未満のメールについて、職員間で共有する必要性が高いものを除いて廃棄するよう求めました。
廃棄可能な例として、国会議員からのレクチャー要求の内容を記載した連絡文書、会議や国会議員への説明の日程調整のためのメールなどを挙げています。

指針案には、廃棄可能なメールが「(情報公開の)対象になり得ることに留意する必要がある」と記されているようですが、国土交通省関係者は「職員にまずいメールは捨てろというふうに受け止められかねない」と話しているようです。

森友学園問題や南スーダンPKO日報問題では、政府が「保存期間1年未満」との理由で文書を廃棄したと説明していますが、1年未満の文書の定義があいまいだと批判が出ていました。
国土交通省は、森友学園への国有地売却の事務手続きを担当していました。

国交省はメールを自動廃棄する理由について、政府の公文書管理のガイドラインが改正され適正な管理が求められたことや、サーバーの容量確保の必要があるためなどと説明しています。
廃棄可能なメールは、紙であっても保存期間1年未満のものだとしています。

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、『メールが自動廃棄されれば、本来なら公文書として保存すべきものまで消えるのは確実だ。メールを選別して保存するには手間もかかるし、どのメールを保存するかの判断は個々の官僚の能力や意識、職場の文化によっても異なる。導入すべきは、重要なメールを確実に保存させるシステムと言える。国交省は森友学園問題に関するような都合の悪いメールを大量に廃棄してしまおうとしていると疑わざるを得ない。』と話しています。

森友問題で、現国税庁長官である佐川氏の発言が、国民の方々に不信感を抱かせたと思っています。
そのような中で、国土交通省のこのような方針は、『都合の悪いメールを大量に廃棄してしまおうとしている』と思われても仕方ないと思いますし、ますます国民の不信感を助長させるのではないでしょうか?
公務員も高い給料をもらって働いているわけですから、責任感を持って仕事をして、問題があれば隠すのではなく、きちんと責任を取って欲しいですね。

国土交通省が公用メールを1年で自動廃棄することについて、どう思われましたか?


月面探査レースに参加しているHAKUTOが3月末までの打ち上げを断念!

2018年01月17日(水)

ショックなニュースがありました。
アメリカのグーグルが支援するXプライズ財団が主催する月面探査レースに参加しているHAKUTO(ハクト)の袴田武史代表が、先日、東京都内で記者会見し、当初レースの期限とされた3月末までの打ち上げを断念すると正式に発表しました。
今後は財団側にレースの期限延期を打診するなどして、3月以降での月面到達を目指すそうです。

「Xプライズ財団に期限の延期を要望している。すでにコミュニケーションは取り始めた」。会見で袴田代表は硬い面持ちでこう話しました。
HAKUTOは、月面探査スタートアップのispace(東京・港)が中心となって結成された月面探査レースのプロジェクトチームで、KDDIやスズキなどが支援しています。

インドの探査チーム「チームインダス」が開発する月面着陸機に相乗りし、インドのロケットPSLVで打ち上げて月を目指す計画でしたが、チームインダス側とロケットを打ち上げるインド宇宙研究機構(ISRO)との交渉が難航し、3月末までの打ち上げが不可能になったそうです。
「資金難と開発の遅れが原因だと推測している」(HAKUTO関係者)ようです。

月面でのレースにはHAKUTOを含め、世界各国の5チームが月を目指していましたが、現時点で各チームとも打ち上げ日程が明確になっていません。
期限が3月末に迫っており、月面での探査機の走行などの期間が必要なだけに、各チームとも瀬戸際のスケジュールです。
財団としても、期限を延期できなければ勝者が決まらない可能性もあります。
HAKUTOは、「延期の可能性はある」(袴田代表)と見て、交渉を続けるようですが、先行きは不透明なままです。

スタートアップによる宇宙への挑戦は、外的な要因で困難になることが多いようです。
2017年11月にも、宇宙ゴミ(デブリ)回収スタートアップのアストロスケール(シンガポール、岡田光信最高経営責任者=CEO)が打ち上げたデブリ観測衛星も、ロシアのロケット打ち上げの失敗の影響で失われました。
「もらい事故」の様相も否めませんが、衛星や探査機の開発は膨大な資金がかかるため「運が悪かった」では片付けられないでしょう。
HAKUTOは今後もチームインダスが打ち上げるロケットに相乗りする方向で進めていくそうです。

HAKUTOの中心を担うispaceは、2020年までに月面着陸ができる探査機の打ち上げを計画しています。
HAKUTOの取り組みとispaceの計画は直接関係しませんが、ispace単独での探査を前に、月面探査の技術的な実証を済ませておきたいという狙いもあったようです。

袴田代表は「チャレンジをあきらめたわけではない。ハクトは7年間やってきていろんな困難があったが一歩ずつ前進することで乗り越えてきた。大きな山だが、必ず解決したい」と話しました。

年明けに、テレビでHAKUTOのことをやっていて、日本にもスゴいことをやっている会社があるんだなぁとか、優勝賞金が2,000万ドル(約22億円)なんてグーグルってやっぱりスゴいなぁとか、元ヤンキーの開発者もいるんだぁなどと思っていただけに、非常にショックです。
他の国にも頑張って欲しいですが、HAKUTOを応援しているので、期限が延期になって欲しい気はしますね。

月面探査レースに参加しているHAKUTOが3月末までの打ち上げを断念したことについて、どう思われましたか?


立憲民主党代表の枝野氏が佐川国税庁長官に「確定申告前にけじめを!」

2018年01月15日(月)

『森友学園問題は(国有地売却額の)値引きが不正・不当であったことの結論は出ていますので、しっかりと「けじめ」をつけてほしい。』と、立憲民主党代表枝野幸男氏が、先日、発言したようです。

『まず国会でおかしな説明をしていた人(佐川宣寿〈のぶひさ〉・前財務省理財局長)がいま国税庁の長官をしている。これから確定申告だが、全国の税務署の職員は気の毒だ。トップがいい加減な説明で、捨てちゃいけない書類を捨てておいて、(納税者側から)「こんな小さなお金の書類がないといって何を言っているんだ」と確定申告の窓口で様々な声が上がってくるのではないか。その前にしっかりとけじめをつけていかないといけない。』と、NHKの番組で発言しています。

特に、枝野氏を支持しているわけではありませんが、おっしゃるとおりかと思います。
税理士向けの新聞に、日税連会長と国税庁長官の対談の記事が載っていましたが、きちんと表に出てきて話をして欲しいものですね。

立憲民主党代表の枝野氏が佐川国税庁長官に「確定申告前にけじめを!」という旨の発言をしたことについて、どう思われましたか?


森友学園の撤去ごみは100分の1!

2018年01月12日(金)

学校法人「森友学園」が大阪府豊中市の国有地を小学校建設用地として格安で取得した問題で、国土交通省大阪航空局は、先日、建設用地から実際に撤去したごみが、算定の100分の1に当たる194トンだったと明らかにしました。

国は、撤去すべきごみの量を1万9,500トンと算定し、土地売却額を約8億円値引きしており、値引きした根拠がより揺らぐことになりました。

森友、加計学園の疑惑を追及する民進党調査チームの会合で、大阪航空局の担当者は、「まだ学園内に積まれたごみもあるが、最終処分場で処理したごみは非常に少ない。」と言っているそうです。

早く、佐川宣寿国税庁長官に、記者会見して説明して欲しいものですね。
あとは、8億円を、当時の国土交通省大阪航空局の方々に弁償してもらいたいですね。

森友学園の撤去ごみは100分の1だったことについて、どう思われましたか?


金融庁職員が天下り斡旋!

2018年01月05日(金) 

金融庁の発表によると、金融庁職員が天下り斡旋をしていたようです。

 2017年1月、内閣官房内閣人事局が再就職等規制に関する全省庁調査を実施した結果、同局から再就職等監視委員会に対して規制違反の疑いのある27事案の報告が行われた。
 この報告を受けて再就職等監視委員会が調査を実施した結果、金融庁職員の再就職等規制に違反する行為が認められた。
 本件に係る事案の概要及び当庁の対応は、下記のとおり。

                        記

1.事案の概要
室長級職員Aは、
①平成28年、法人Bに再就職していた元職員Cの求めに応じ、同人を介して、法人Bに対し、職員Dをその離職後に法人Bの地位に就かせることを目的として、職員Dの退職時期に関する情報を提供した。
②平成28年、元職員Eの求めに応じ、同人を介して、法人Fに対し、職員Gをその離職後に法人Fの地位に就かせることを目的として、職員Gの略歴書の提供及び再就職意思の伝達をして各情報を提供した。
こうした行為は、国家公務員法第106条の2第1項に違反する行為であったと認められた。

2.関係者の処分
 職員Aを国家公務員法第82条第1項に基づく懲戒処分として、3月間俸給の月額の10分の1を減額する。なお、職員Aは、処分と同時に総務企画局付へ異動させた。
 また、職員Aの上司である課長級職員(当時)については、部下職員に対する管理監督責任があったとして、内規に基づく処分である「訓告」を行った。

3.再発防止策
 本件の背景には、職員及び金融庁OBの再就職等規制に関する適切な認識が欠けていたことがあるため、本件のような違反行為が再び行われることのないよう、全職員に対して、改めて再就職等規制の周知・徹底を図る。特に、OBから再就職に係る情報提供等の依頼を受けた場合にはそれに応じてはならない旨を徹底する。また、OBに対しても、改めて再就職等規制の周知・徹底を図る。

4.金融庁による調査
 今後、当庁においては、上記2事案以外にも他に違反行為がないか全容を解明するため、外部の法曹資格者を含めるなど適切な人選の調査体制を整備し、徹底した調査を行う。

(注)当庁は、再就職等監視委員会から、金融庁職員に係る上記2事案を調査する過程で当該2事案以外にも再就職等規制違反行為を行った疑いがあるとして国家公務員法第106条の18第1項に基づく調査(任命権者調査)を行うよう求められている。

一般企業でこのような問題が生じた場合、株主等に対する謝罪の言葉などがあると思いますが、金融庁の場合、ないんですね。
この辺りが、悪いことをしているという意識に欠けているという感じがしてなりません。
また、元職員に対する何らかの処分はできないのでしょうか?
当然、優秀な方が民間授業などに行くことを否定するつもりはまったくないですが、天下り問題は、本当にどうにかして欲しいですね。
あとは、金融機関や監査法人などを検査している金融庁がこういうコンプライアンスを無視した行為をしていると、こういう組織が検査する組織に値するのかと思いますね。

金融庁職員が天下り斡旋をしていたことについて、どう思われましたか?

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波乱の日本公認会計士協会の会長選はサステナ推進に中小そっぽで初の大手以外!

日本経済新聞によると、日本公認会計士協会の新会長に仰星監査法人の南成人氏が就きます。

2006年以降で準大手や中堅監査法人から選ばれるのは初めてです。

「予想外」の結果になった背景には、サステナビリティー保証などを巡り、大手とそれ以外で温度差があったとの声が多いようです。

公認会計士の業務は多様になっており、これまで以上に難しいかじ取りが求められます。

「驚いた。会長のイスは大手で持ち回りと思っていた」(大手監査法人パートナー)と、次期会長選考の結果は公認会計士業界に驚きをもって受け止められました。

立候補したのは仰星監査法人理事の南氏と、あずさ監査法人専務理事の小倉加奈子氏の2人で、前評判では小倉氏が有利とみられていたようです。

日本公認会計士協会は法律で設立が義務付けられています。

「公認会計士の業務について調査研究を行い、必要に応じて官公署に建議または諮問に応ずること」などと事業内容も定められています。

「ビッグ4」と呼ばれる四大監査法人の体制になった2006年以降、会長は四大法人の出身者が占め、現在の茂木哲也会長はEY新日本監査法人の出身です。

会長は会員の投票ではなく、推薦委員と呼ばれる代表者16人の投票で決まります。

16人の内訳は会計士協会の役員7人、各地の会員が所属する地域会が推薦する7人、学者など外部委員の2人です。

2025年4月の選挙では南氏が11票、小倉氏が5票を獲得し、南氏に軍配が上がりました。

準大手から会長が選ばれた背景を探ると、会計士の業務が多様化し、協会が取り組むべきテーマが広がってきていることがあります。

ある会計士は「『サステナ推進の小倉』と『中小支援の南』の争い」と評しています。

あずさ監査法人の小倉氏が重点的に主張したのはサステナ開示保証の制度化と、それに伴う法改正対応です。

仰星監査法人を小規模法人から準大手に成長させた南氏は中小への支援などを訴えました。

国内では2027年3月期から時価総額3兆円以上の東証プライム上場企業を対象にサステナ情報の開示が必要になり、翌年度から監査法人などによる保証も義務化される方向で議論が進んでいます。

報酬は現行の3割程度が目安とされ、監査法人には新たなビジネスチャンスになる一方で、システム投資や人材育成も必要になります。

3兆円以上の大企業の会計監査は大手監査法人の独壇場で、サステナ保証の「恩恵」を受けるのは当面、大手が中心になる見通しです。

金融庁は段階的に時価総額基準を引き下げプライム全社に広げる方針ですが、企業側の負担増加に加え、アメリカ発の「反ESG」の潮流もあり、どこまで対象が広がるかは不透明です。

こうした中で中堅・中小にはサステナ保証は「大手の話」と映ったようです。

中堅のふじみ監査法人の山田浩一理事長は「中小法人にとってサステナ保証の対象になるのは仮に基準が下がっても数社あるかないかだ。システムや人材教育にそこまで投資できない」と話しています。

「サステナ保証」への支持が広がりを欠いた要因は監査業務で大手監査法人のシェアが低下し、準大手や中堅の存在感が増していることもあげられます。

公認会計士・監査審査会によると、大手法人所属の会計士の比率は10年で4割から3割に低下しました。

経理や経営企画など企業内で働いたり、税理士業務で生計を立てたりする会計士にとっても喫緊の課題ではありません。

ある日本公認会計士協会の幹部は「多くの会員にとってサステナ保証は優先順位が低く、全体のニーズに満たないと判断されたのだろう」とみています。

大手監査法人に所属しない公認会計士の代弁者として期待が高まる南新会長ですが、協会運営は容易ではありません。

「公約」の中堅・中小への支援を強化しつつ、迫るサステナ保証への対応は必要です。

青山学院大学の八田進二名誉教授は「選出は、地方や中小などに光が当たっていないとの意思表示だった。運営には大手の協力が不可欠だ」とクギを刺しています。

新会長就任は7月23日付を予定しています。

一部には「準大手出身で会長が務まるのか」と冷ややかな見方もあるようです。

南氏は公認会計士受験予備校の「名物講師」だった顔も持っています。

大手監査法人の公認会計士にも「南先生の授業を受けた」という人は多いようです。

地域や規模を問わず気脈を通じる強みを生かして実績を重ねる必要があります。

日本経済新聞は、7月23日付で日本公認会計士協会の会長に就任する南成人氏に立候補した背景や任期中の抱負を聞いています。

――会長選に立候補された理由は何ですか。
「監査法人の経営をしながら会計士協会の仕事を20年近くやってきた。経営の方は達成感がある一方で、業界内の課題を感じることが増えた。一番は若い会計士が監査法人に入って作業に追われ、経営への助言など仕事に魅力を感じる前にやめてしまうことだ。若い世代に魅力ある業界にしていきたい」

――会長選はどのように臨みましたか。
「16人の推薦委員の前で2回のプレゼンと質疑応答の準備を進めた。現在、協会では副会長として中小支援や地域活性化などを担当している。それ以外の施策も考えないといけない。業界の課題を関係者にヒアリングしながら準備を進めた」

――どういった点が推薦委員から評価されたと思いますか。
「監査において社会から信頼され、若い世代がやりがいを感じてもらえる業界をつくりたいと訴えた。サステナ保証など新しい領域で会員が活躍する仕組みを整え、社会の信頼を得るとの点に共感していただいたのではないか」

――会計士協会の会長就任後、どんなことに取り組まれますか。
「魅力ある業界にしていくために、十分な監査時間の確保が必要だ。有価証券報告書の株主総会前開示が政府から要請されたが、大幅な前倒しは現状では難しい。しっかり時間を確保できる制度設計を協会としてもお願いしていく。並行して監査調書の電子化や人工知能(AI)を活用した監査の効率化も進める」

「中小法人については監査品質を底上げしていかないといけない。公認会計士・監査審査会の検査に基づく総合評価は大手と準大手・中小で差がある。5段階評価で上から3つ目以上の評価を得ることを全法人に求めたい。相当厳しいが、言っていくつもりだ」

「地域も活性化していかないといけない。非監査法人所属の会員が全体の6割で税理士や社外役員などで生計を立てている。成長するための研修や業務領域を増やす取り組みを進める。監査法人を離れると個の世界に入りがちだ。成功事例など暗黙知を共有するためのネットワーキングの機会を提供したい」

――サステナ保証は従来より優先順位が下がるのではとの見方もあります。
「(優先順位が)下がることはない。サステナ保証は時価総額5,000億円以上のプライム上場企業で30年3月期からとロードマップが敷かれている。その先はどうなるかわからないが、仮にプライム全体に広がる場合、まだ時間的に余裕があり、中小法人を含めて対応できると考えている。業界として教育制度を整えていきたい」

日本公認会計士協会四国会の総会には、毎年、茂木会長は来られていましたが、僕も個人的には、監査法人関係の話ばかりしていて、監査法人に属していない公認会計士のことは重視されていないのではないかと思っていましたので、南次期会長には期待したいと思います。

南次期会長も監査法人の人なので、監査法人に属していない人のことを本当に分かるのだろうかという気はしますが。

波乱の日本公認会計士協会の会長選はサステナ推進に中小そっぽで初の大手以外から選出されたことについて、あなたはどう思われましたか?


真の勝者はMLBの会計士?

RONSPOによると、メジャーリーグ機構はドジャースとカブスの東京ドームでの開幕シリーズがメジャー史上最大の単独国際イベントとなったことを発表しました。

ドジャースの大谷翔平(30)選手ら日本人メジャーリーガー5人が出場した今回のシリーズの視聴者数、グッズ販売数、観客動員数でメジャーの新記録を樹立しました。

アメリカのメディアは「真の勝者はメジャーリーグの会計士だ」と皮肉っています。

“MVP男”大谷選手が凱旋帰国した東京シリーズは記録づくしの大成功に終わりました。
史上初の日本人同士の開幕対決となった山本由伸選手と今永昇太選手が投げ合い、大谷選手が2安打2得点をマークして、ドジャースがカブスに4-1で勝利した開幕戦の日本での平均視聴者数は、2,500万人以上で、国際イベントでは過去最高だった昨年のドジャースとパドレスの韓国シリーズの1,870万人を600万人以上も上回ったのです。
マリナーズのイチローの引退試合となった2019年のマリナーズとアスレチックスの東京シリーズの開幕戦の560万人に比べると1,900万人以上も多かったそうです。
全米での過去最高記録である2017年のワールドシリーズ第7戦、ドジャース対アストロズの2,820万人には届かなかったですが、2位の記録だった2019年のワールドシリーズ第7戦、アストロズ対ナショナルズの2,300万人を上回りました。
大谷選手が今季1号を放ちドジャースが連勝した第2戦も2,300万人以上の視聴者数を記録しました。

また、ドジャース対巨人のエキシビションゲームも1,800万人の平均視聴者数を記録し、これは全米で最も視聴されたMLBのエキシビションゲームとなりました。

ドジャース対阪神の平均視聴者数も1,230万人でした。
時間帯が悪かったアメリカでの視聴者数も大成功でした。

シカゴで午前5時、ロサンゼルスで午前3時に試合が始まりましたが、開幕戦がFOXで平均83万8,000人の視聴者を記録し、アジアで行われた開幕戦としてはMLB史上最高記録を更新しました。

昨年の韓国シリーズでの平均視聴者数35万人を139%上回っています。
グッズ販売も史上最大の売り上げを記録しました。

Fanatics社によると、総売り上げは4,029万ドル(約60億円)にのぼり、同社の最高記録となりました。

東京ドームの場外に設置された巨大なオフィシャルストアには、140台のレジが設置され、1時間あたり平均1,000件以上の取引があり、50万以上の商品が販売されました。

最も売れたのは東京シリーズのワッペンが貼られた大谷選手のユニホームでした。

また、ネットで販売されたアーティストの村上隆氏とコラボした東京シリーズのユニホームは、発売開始1時間で在庫がなくなったそうです。

約60億円の売り上げは、国際イベントでは過去最大だった2024年のロンドンシリーズを320%も上回り、全米で最もグッズ売り上げのあった2022年のロサンゼルスでのオールスター戦ウイークの数字も105%上回っています。
トレーディングカードのTOPP社も、特別に「TokyoSeries MegaBox」を販売しました。

これも大ヒットで1週間で1万2,000箱を販売し、約20万人が楽しんだそうです。
また、観客動員も、阪神、巨人のエキシビションゲーム4試合と開幕2試合を合わせた6試合で計25万2,795人を数えました。

Mastercardのチケットの先行販売では、38万人以上が同時に殺到しました。
さらに、東京スカイツリーなど東京ドーム以外の各所でファンフェスティバルも行われ、12日間で45万人以上のファンが集まりました。
SNSやネットの世界も席巻しました。

MLBの公式アカウントに投稿された動画コンテンツは、計8,807万回も再生され、昨年の韓国シリーズに比べて75%増でした。

SNSの関連コンテンツのインタラクションは、917万回で、これも韓国シリーズの50%増でした。

今回は、MLBアプリ内で初めて日本語のコンテンツが公開されたことで、期間中のアクセスが急増したのです。

アプリへのアクセス数は、平均的な春季キャンプ時に比べて約2倍になっています。
スポンサー収入も記録を更新しました。

今回は23社のスポンサーが全国各地で活動を展開しました。

MLB公式サイトは、各社の広告企画を紹介しています。

セブンイレブンは全国2万2,000以上の店舗でプロモーションを行い、日本航空は大谷とMLBのロゴが描いたドリームショウジェットを運航し、チケットプレゼント企画を実施して27万人以上の応募者があったそうです。

アサヒビールは、東京シリーズの記念のビール缶を200万本以上製造し、チケットプレゼント企画には、44万8,000人が応募したそうです。

スポンサー収入は、これまで最多だった2024年の韓国シリーズを240%上回りました。
アメリカのスポーツサイトの「エッセンシャリスポーツ」は「ポケモンや鬼滅の刃などの人気アニメメシリーズとコラボしたファンイベントもたくさんあった。試合だけでなくMLBと日本の野球の絆が強まった。東京シリーズは、単なる野球の試合ではなく、スポーツマーケティング、文化融合、経済的成功の特別な舞台だった」と、東京シリーズの成功を評価した上で、こう皮肉ることを忘れていませんでした。
「MLBは野球だけのために活動しているのではなく収益のために活動している。この傾向が続けば真の勝者はMLBの会計士になるのかもしれない」

会計士が儲かるのかどうか分かりませんが、マーケティング会社やコンサルティング会社とかと契約していて、結構な報酬を支払っているんでしょうね。

皮肉られるほど日本が熱狂したのだと思いますが、やはり、大谷選手をはじめ、たくさんの選手がメジャーリーグで主力として活躍していることやWBCなんかが影響しているんでしょうね。

それを考えると、野茂選手やイチロー選手たちが築いてきた道が素晴らしかったんだなぁと改めて感じました。

真の勝者はMLBの会計士?について、あなたはどう思われましたか?


インボイス制度開始で8割超の公認会計士や税理士の業務量が増加!

2024年04月26日(金)

TECH+によると、freeeは2024年4月11日、公認会計士や税理士を対象に実施した、インボイス制度と電子帳簿保存法対応に関するアンケート調査の結果を公表しました。

インボイス制度開始によって80.6%の公認会計士や税理士は業務量が増えたことが明らかになりました。

このレポートは、freeeが2024年2月22日〜3月1日、公認会計士または税理士196人を対象にWEBアンケート方式で実施したインボイス制度と電子帳簿保存法対応に関する調査の結果に基づいています。

インボイス制度対応は業務量に影響をおよぼしたか尋ねると、「20〜39%増えた」が36.2%、「1〜19%増えた」が31.1%、「変わらない」が18.9%「40%以上増えた」が13.3%、「減った」が0.1%の回答となっています。

全体の80.6%がインボイス制度対応で業務量が増えたと回答しました。

インボイス制度対応のために顧問料を値上げしたか質問すると、「行っておらず、検討もしていない」が41.8%、次いで「行ってはいないが、検討している」が32.7%、「行った」が20.9%、「その他」が4.6%となり、インボイス制度対応を目的とした値上げは現状74.5%が行っていませんでした。

インボイス制度対応のために従業員を増員したかという問いには、「行っておらず、検討もしていない」が85.2%、次いで「行ってはいないが、検討している」が12.2%、「行った」が1.5%、「その他」が1%と、従業員増員は行わず現状維持で対応する事務所がほとんどでした。

また、電子帳簿保存法対応は業務量が増えたか聞くと、「変わらない」が46.9%、「1〜19%増えた」が32.1%、「20〜39%増えた」が15.3%、「40%以上増えた」が4.1%、「その他」が1.5%と、電帳法対応で業務量が増えた先は半数を超えることがわかりました。

今後新たに生じる制度対応に不安はあるか尋ねると、「少しある」が41.3%、「大いにある」が24.5%、「ある」が19.4%、「全くない 」12.2%、「その他」が2.6%で、85.2%が将来の制度変更対応に関して不安を感じていることが明らかになりました。

記帳代行を基本的にやっていない弊事務所でも、グダグダの電子帳簿保存法はともかく、インボイスは質問対応を含めて業務量は増加しています。

そして今年は、定額減税で業務量が増えることが明らかです。

個人的には、賃上げと言っている割に、一方で収益を生まないような業務を増やしているので、時間やコストが増加しているのは明らかなので、業務量が増加した事業者や会計事務所に、1人当たりいくらとか税額控除してくれるような仕組みを作ってほしいなぁと思います。

インボイス制度開始で8割超の公認会計士や税理士の業務量が増加していることについて、あなたはどう思われましたか?


公認会計士のマネロン対策が厳格に!

日本経済新聞によると、政府は2024年4月から司法書士や公認会計士に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を厳しくするように求める見通しです。

顧客となる企業や個人に、取引目的や職業を確認することを義務付け、疑わしい取引は行政に報告することを課します。

改正犯罪収益移転防止法の施行に伴うもので、対象は司法書士や行政書士、公認会計士、税理士といった士業になります。

これまでは氏名や住居、生年月日など顧客の基本情報を確認する義務が課されていました。

今後は本人確認以外に、取引を行う目的、職業・事業内容も確認します。

法人の場合は、実質的支配者の確認も求めます。

すでに義務化している金融機関と同様の内容を求めることになるのです。

行政書士、公認会計士、税理士には新たに「疑わしい取引」の届け出義務を課します。

顧客から得た収益が犯罪による収益である疑いがあると判断した場合に、所管行政庁に速やかに届け出ることを義務付けます。

200万円を超える取引は、資産や収入の状況も確認します。

公認会計士は顧客の会社設立の手続きを行うことがあります。

例えば、事業実態のないペーパーカンパニーは、資金洗浄に使われる可能性があります。

こうした場合は「疑わしい取引」として届け出対象になることが想定されます。

マネロン対策を強化する背景には、特殊詐欺などが増え、犯罪者の資金源となっている可能性があるからです。

警察庁によると、2022年には特殊詐欺の被害額が8年ぶりに増加し、2023年も11月末時点で2022年を上回る被害額となりました。

クレジットカードの不正利用被害額も2022年には約437億円にのぼり、過去最悪を更新しました。

テロ資金などを警戒する国際社会からの圧力も強まっています。

各国・地域のマネロン対策を調べる国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が2021年に公表した第4次審査の結果で、日本は実質的に不合格を意味する「重点フォローアップ国」という評価を受けたのです。

なかでも士業や非金融機関は「マネロン対策への理解が不十分」「その監督当局もリスクベースによる監督を実施していない」など厳しい評価を受けました。

数年後に控える第5次審査では士業・非金融機関への審査が強化される見込みです。

士業の一つである公認会計士を所管する金融庁は、公認会計士と監査法人を対象に改正犯収法施行に伴う実務上の新たな指針を2024年3月末までに示すようです。

指針案によると取引目的や職業などの確認義務の対象業務は、財務に関する相談業務に付随した会社設立の手続き時などになる見通しです。

金融庁は新たな指針をもとにモニタリングも行います。

問題が見つかれば犯収法に基づき報告徴収や是正命令を出すことも視野に入れています。

マネロン対策は預金を扱う大手銀行や地域金融機関にとっても喫緊の課題です。

金融庁が2021年から金融機関にマネロンに関する体制整備を要請していました。

80超の項目を並べて対応を求めており、2024年3月末は対応完了の期限となります。

金融庁や財務局は、各地域でマネロン担当役員を対象としたフォーラムや勉強会を開いて対応を促します。

金融庁は2024年4月以降、指針に関する不備がある金融機関には業務改善命令などの行政処分を出すことも辞さない構えです。

公認会計士も、マネロンに関する対応が必要な時代なんですね。

それだけ、特殊詐欺などが増えているということなんでしょうけど。

公認会計士のマネロン対策が厳格になることについて、あなたはどう思われましたか?


PwCあらたとPwC京都が合併して「PwC Japan有限責任監査法人」へ!

LIMOによると、PwCあらた監査法人(以下「あらた」という)とPwC京都監査法人(以下「京都」という)は、2023年12月1日付で合併すると発表しました。

あらた・京都ともに4大国際会計ファーム・コンサルティングファーム(Big 4)の一つである「PwC(PricewaterhouseCoopers、プライスウォーターハウスクーパース)」のメンバーファームです。

監査法人とは、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明を組織的に行うことを目的として、公認会計士法第34条の2の2第1項によって、公認会計士が共同して設立した法人のことです(公認会計士法第1条の3第3項、第2条第1項)。

一般的には、上場している企業の決算を監査する、公認会計士資格を持つ者が所属する組織と言われます。

実際は、上述の法定監査以外にも、「任意監査」「決算早期化支援」「経理・財務に関する相談業務」「コンサルティング業務」など多くの業務を行っています。

そのため、社員も公認会計士資格者のみで組織されているわけではなく、様々なバックグラウンドを持った者が在籍しています(法律上、公認会計士でない社員の割合は決められています)。

国際会計ファーム・コンサルティングファームとしては大規模グループが存在し、
・Deloitte Touche Tohmatsu(デロイト トウシュ トーマツ)
・EY(Ernst & Young、アーンスト&ヤング)
・KPMG
・PwC(PricewaterhouseCoopers、プライスウォーターハウスクーパース)
の4グループ(順不同)が「Big 4」と呼ばれます。

「Big 4」それぞれのメンバーファームが日本国内にも存在し、4大監査法人と呼ばれており、以下のとおりです。
・有限責任監査法人トーマツ(デロイト)
・EY新日本有限責任監査法人(EY)
・有限責任あずさ監査法人(KPMG)
・PwCあらた有限責任監査法人(PwC)

2023年6月1日、あらたは京都との統合に向けた協議を開始したと公表しています。
ともに同じPwCのメンバーファームであるため、Purposeも共通しています。

また、監査業界では、人的資本や気候変動対策を記載する、サステナビリティ関連開示情報の保証業務(著者注:「経理の状況」に対してと同様に何らかの保証をすること)を担うことが想定されることや、テクノロジーを用いた監査の更なる高度化が求められることなど、監査法人を取り巻く環境が大きく変化することが見込まれています。

両法人の強みを活かすことで、統合して規模を拡大することが高品質の保証サービスを提供できるとしています。

<各社概要>
●PwCあらた有限責任監査法人
・設立:2006年6月1日
・人員:3,006名(2023年6月30日時点)
・売上高:609億8,100万円(2022年7月1日~2023年6月30日)
・主要顧客:トヨタ自動車株式会社(東証プライム、7203)、ソニーグループ株式会社(東証プライム、6758)ほか、トヨタ傘下企業、ソニーグループ傘下企業など

●PwC京都監査法人
・設立:2007年3月19日
・人員:443名(2023年6月30日時点) ・売上高:69億9,000万円(2022年7月1日~2023年6月30日)
・主要顧客:KDDI株式会社(東証プライム、9433)、ニデック(旧:日本電産)(東証プライム、6594)、京セラ株式会社(東証プライム、6971)、任天堂(東証プライム、7974)

京都の主要顧客を見て、驚かれた方もいるのではないでしょうか?
準大手監査法人ながら、多くのグローバル企業の会計検査人を担当しているのです。

2023年12月より、4大監査法人の名称が変更となります。
17年の歴史がある「あらた」の名が消えて、「PwC Japan有限責任監査法人」となります。

僕は、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)の出身ですが、就職活動をしていた頃は、6大監査法人と言われていました。
・太田昭和監査法人(E&Y)
・中央監査法人(C&L)
・監査法人トーマツ(DTT)
・朝日監査法人(AA)
・センチュリー監査法人(KPMG)
・青山監査法人(Pw)
色々とくっついたり、離れたりで提携ファームが変わったり、この中にはカネボウ事件でなくなった監査法人もありますし、今でも名前が残っているのはトーマツだけですね。
『トーマツ』はあまり知られていないのかもしれませんが、実は、監査法人等松・青木・津田・塚田・青木・宇野・月下部事務所の『等松』なのです。
大手監査法人がくっついたり、離れたりするたびに、粉飾の歴史などを思い出しますね。

PwCあらたとPwC京都が合併して「PwC Japan有限責任監査法人」になることについて、あなたはどう思われましたか?


会計監査の現場離れ!

日本経済新聞に東京都立大学大学院の松田千恵子教授が以下のように、書かれています。記録的な猛暑とそれに続く豪雨などで体調を崩した人も多いでしょう。
新型コロナウイルスも相変わらず猛威を振るっています。
しかしながら、感染症法上の分類が「5類」に移行して以来、会食や旅行需要は相当回復してきました。

コーポレートガバナンス(企業統治)の世界でも、社外役員を含む現場視察やオフサイト、監査役員による現場実査などもコロナ前と同様に活発に行われるようになっています。
ただひとつ気になるのは、時たまささやかれる「会計監査のリモート化が戻らない」という点だそうです。

もちろん、多くの会計監査人は真摯に現場で業務を遂行しています。
移動にさしたる障害がなくなった今、リアルでの監査は通常のことでしょう。
しかしながら、コロナ禍で行われていたような、実地棚卸をスマートフォン越しに済ませるといったことも引き続きあるという声を時々耳にするようです。

リモートワークに異を唱えるつもりはありません。
むしろ、適宜活用して生産性を上げることは大事です。
会計など情報を扱う分野は、リモートワークとの親和性も高いでしょう。
ただし、率直に言えば、実地棚卸などを含む会計監査については、当然ながら現場をしっかり見てほしいというのが本音です。

ある監査法人の調査によれば「今後は不正リスクが高まる」と感じている企業の割合は2020年に59%でしたが、22年には64%へと上昇しました。
これまで現場のチェックや対面での状況把握が難しかったため、不正の芽が見えなくなっているのではという不安の表れとも言えるでしょう。

一般に、景気の先行きが不透明になれば、将来への不安や金銭面の困窮、ノルマ達成圧力の増大などにより、不正に走る動機は多くなります。
基本中の基本とも言える、「しっかりと現場を把握すること」の重要性を改めてかみしめるべき時機でしょう。

僕自身は、実地棚卸の本を出していますので、少し前に監査法人の後輩から棚卸の立会はZoomとかで現場でつないでやっていますと聞いて、コロナ禍とはいえ大丈夫なのだろうか?と思いましたが、やはり現場に行って現物を確認することが重要だと思いますね。
過去においても、棚卸を通じた粉飾がたくさんあり、会計監査人が基本的に必ずやらなければならないこととして、実査・立会・確認があるわけですから、実地棚卸の立会は必ず現場に行ってやってほしいですね。

会計監査の現場離れについて、どう思われましたか?


形式的な作業に失望し公認会計士の監査法人離れが進む!

日本経済新聞によると、財務諸表をチェックする会計監査の担い手不足が深刻になっているようです。
監査法人で働く公認会計士の比率は10年で10ポイント下がりました。
上場企業数や監査業務量が増え続けるなか、やりがいに乏しい形式的な作業に失望し、スタートアップやコンサルティング企業に転身する動きが目立っています。
資本市場の門番役を担う監査制度に、空洞化の危機が迫っています。

「お世話になりました」と、監査法人の年度末から初めにあたる6月から7月、大手法人幹部のメールボックスには所属公認会計士から届く離職のあいさつが引きも切らないようです。
「採用するのと同じ規模の人数がやめてしまう」と頭を抱えています。

公認会計士登録者は2023年3月末時点で3万4,436人と10年前から38%増えていますが、監査法人所属の公認会計士は1万3,980人と7%しか増えていません。
10年前に51%だった監査法人所属者比率は41%まで低下しました。

公認会計士は歴史的に流動性の高い職種です。
監査法人内でパートナーと呼ばれる役職者になれるのは同期の1割ほどで、経験を重ねつつ徐々に責任が重くなるピラミッド構造にあります。
入所10年程度で昇格するマネジャー職まで経験を積み、別の道を歩むのがかつての典型でした。

しかしながら、近年は離職する公認会計士が若手スタッフからパートナーまで全職階に広がりました。
「マネジャーまで頑張ろうと思っていたが、1年働くごとに気持ちが変わっていった」と、2021年8月に監査法人を去った20代公認会計士は吐露しています。

なぜなのでしょうか?
まず、「本当に意味があるのかと思う部分まで、全てをしゃくし定規に記録に残す」(30代公認会計士)監査業務への失望が挙げられます。
監査法人を退職した公認会計士約10人への取材で多く聞かれたのが、日本公認会計士協会が監査でやるべき手続きを定めた「監査基準委員会報告書」、通称「カンキホウ」への不満です。
元あずさ監査法人所属の40代独立公認会計士は「(報告書では)形式的で膨大な作業が積み上がっている」と明かしています。

東芝や英カリリオン、独ワイヤーカードなど、世界的に大きな会計不正は絶えず、発覚の度に監査法人に批判の矛先が向きました。
国際的な監査基準の要求事項は上乗せされ、監査法人も所属公認会計士に、規制当局から責められないように実施手続きを監査調書に細かく記録するよう求めたことも形式化に一段と拍車をかけています。

前出の20代公認会計士は「労働時間の概念を取っ払って大量のチェック項目をつぶすことが生きがいなのか、自問した」と話しています。
監査法人トーマツパートナーを経て早稲田大学会計大学院で教える林敬子教授は「(若い公認会計士に)回り道したくないという意識が強まっている」と指摘しています。
成長に寄与しない業務を避ける構図が、監査法人離れの背景にあるようです。

全体の業務が増える一方、近年は若手スタッフの残業時間上限が管理されるため、上司であるマネジャーやシニアスタッフらが「残務を巻き取っていた」(2022年に大手法人を退職した30代公認会計士)。
若手の離脱や働き方改革のしわ寄せが上の階層に波及し、監査現場全体の疲弊が進んでいるようです。

監査法人以外の「活躍のフィールドが広がっている」(日本公認会計士協会の鶴田光夫副会長)ことも要因です。
企業では経理のほか、経営企画や内部監査など引く手あまたです。
スタートアップでは若くして最高財務責任者(CFO)も珍しくありません。

かつては高収入の代表格だった監査法人ですが、一般企業の待遇面は遜色なくなってきています。
監査法人入所後、数年で昇格するシニアスタッフの年収が最低でも600万円程度、10年前後でなれるマネジャーは800万〜1,000万円程度とされます。
他方、会計系の転職エージェントでは内部監査や経理で700万円程度、戦略コンサルだと900万円強が提示されます。

監査法人に公認会計士をつなぎ留めるには、賃上げやデジタルを活用した業務効率化が必要です。
原資となる顧客から受け取る監査報酬の引き上げが欠かせませんが、時間単価はここ10年ほど1万2,000円弱と一向に伸びていません。
日本の上場企業は過去最高水準まで増えているにもかかわらず、顧客企業に危機感が伝わっていないようです。
EY新日本監査法人の片倉正美理事長は「値上げを納得してもらうには、単に監査意見を出すだけでなく付加価値のある知見を提供する必要がある」と語っています。

監査が空洞化して情報の信頼性が欠如すれば市場は効率的に機能しなくなります。
ある会計監査業界の関係者は「中小企業と大企業で同じ情報開示が必要かなど、資本市場システムの全体像を議論すべきだ」と強調しています。
公認会計士の監査法人離れは監査制度の土台を揺るがしかねず、すでに崩壊の瀬戸際にあるのかもしれません。

公認会計士に時間的な余裕を生み出すための監査DX(デジタルトランスフォーメーション)で各法人がしのぎを削っています。
カギを握るのが人工知能(AI)の活用です。

理化学研究所が日本公認会計士協会の協力で実施した2022年発表の調査によると、監査現場の進捗管理や取りまとめなどを担う現場責任者「主査」の各業務はAI活用で10年後に平均35%の時間短縮をもたらす可能性があります。
特に定型的な監査手続きは70%減、監査契約時のリスク評価は42%減と想定効果が大きいようです。

AI監査は実証段階から本格導入へ移行し始めています。
EY新日本監査法人は「リアルタイム監査」などと呼ばれる仕組みの本格展開を開始しました。
企業の統合基幹業務システム(ERP)からの取引データなどの定期的抽出や加工、AI分析による異常検知まで人手を介さず進めます。
足元では10社程度で、3年後までに100社に広げます。

今後は生成AIも広がりそうです。
あずさ監査法人では取引を勘定科目で記録した仕訳データの分析で活用を目指します。
「基礎分析して」と指示すると平均や分散などの統計量を出すとともに「金額が大きい項目の詳細分析をする」など次の行動も推奨するのです。

生成AIは、一見もっともらしいが事実と異なる内容を返す「ハルシネーション(幻覚)」を起こすこともあります。
業務効率化を理由に監査の質を落とさないため、回答をうのみにしないで高度な判断につなげる知見は欠かせません。

<公認会計士>
財務諸表に不正などがないか確認する監査業務を独占的に担います。
イギリスで誕生し、日本では医師、司法試験に並ぶ難関資格とされています。
資格取得には短答式と論文式試験の合格、監査法人勤務など3年以上の実務経験のうえ、修了考査合格が必要になります。
2006年以降の新試験制度から大学卒業などの受験資格要件をなくしました。
直後に試験合格率は2割弱まで上昇しましたが、近年の合格率は1割程度、人数はおよそ1,300〜1,400人で推移しています。
2022年試験合格者の平均年齢は24.4歳と、10年前から2歳下がるなど低年齢化が進んでおり、資格自体の若者の人気は高いようです。
試験合格後に監査法人を経ず、コンサルティング企業に就職を希望する例も増えています。

僕は、約11年監査法人に勤め、そのあと東京の会計事務所に転職し、約4年勤めてから独立開業しましたが、監査法人をやめた理由のうちの大きな一つが、当時、カネボウの粉飾事件があり、金融庁の検査のために行っているのではないかと思われる手続きが増えたことです。
もう16年以上前の話しになりますが、その当時と比べても、格段にそのようなことが増えているんでしょうね。
個人的には、会計監査は、マニュアルも重要かもしれませんが、直観も非常に大事だと思っていますので、マニュアル化やAIは、直観とか経験があまり生かせなくなりますので、自分で考えて仕事がしたい方には、会計監査という仕事は面白くないでしょうね。
かと言って、公認会計士になったからといって、企業の経理やコンサルティングがすぐにできるわけはない(会計監査という仕事は、会社が作った財務諸表などに大きな間違いがないかどうかを確かめる仕事)ということは、雇う側も公認会計士も知っておいた方がよいかと思います。
僕自身、転職活動をするときに、監査法人で会計監査のみしていた人間にセールスポイントはあるのだろうか?と本当に思いましたから。

形式的な作業に失望し公認会計士の監査法人離れが進んでいることについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁が専門部署を設置し監査法人を直接監督へ!

日本経済新聞によると、金融庁が監査法人を直接監督する体制を整えます。
2023年度に金融庁内に「監査モニタリング室」を置き、傘下の公認会計士・監査審査会の中に「公認会計士監査検査室」を設置する方向です。

15年ぶりに公認会計士法を改正し、自主規制機関(日本公認会計士協会)だけでなく、金融庁も直接監督・検査できるようにしました。

金融庁が近くまとめる23年度の機構・定員要求に盛り込むそうです。

2022年5月に改正公認会計士法が成立していました。
上場企業の監査を担うにあたって、自主規制団体の日本公認会計士協会による登録を法律で義務付けます。
また、公認会計士・監査審査会の立ち入り検査などにおいて、通常の業務運営体制に加えて新たに有価証券報告書に対する虚偽の監査証明の検証も行えるようになります。

金融庁による監査法人への検査・監督では行政処分を発動するといった監督権限は企画市場局が持ち、検査については公認会計士・監査審査会が担っています。
監査モニタリング室は企画市場局に、公認会計士監査検査室は公認会計士・監査審査会にそれぞれ設置することを想定しているようです。

大手監査法人からそれ以外の監査法人への監査契約のシフトがここ数年、急激に進んでいます。
『監査難民』ということばが使われるほど、監査法人との監査契約が締結できないところも増えています。
当然、大手監査法人と監査レベルが大きく異なる監査法人が、上場企業の監査をしていることがあるのも事実です。
自主規制機関では年間に検査できる件数が限られているようですので、今後、一定のレベルに達していない監査法人の排除が進めばいいですね。

金融庁が専門部署を設置し監査法人を直接監督することについて、どう思われましたか?


あずさ監査法人の公認会計士が法定研修で不正で45人処分!

大手のあずさ監査法人は、先日、所属する公認会計士45人が法律で義務づけられた研修をオンラインで不正に受講していた疑いがあると発表しました。
2つの講座に同時にログインして受講したと偽り、単位認定を受けた可能性があるようです。
あずさ監査法人は公認会計士たちを減給などの懲戒処分にすることを検討中だそうです。
また、高波博之理事長ら役員10人の報酬をカットする方針を決めました。

公認会計士たちが不正に受講していたのは、公認会計士法で義務づけられている「継続的専門研修」(CPE)です。
「職業倫理」「不正リスク対応」などの科目を直近3年間で120単位以上、年20単位以上取得する必要があります。

2020年3月に内部告発があり、過去数年にわたってパソコンのログなどを調べたところ、20代~40代の45人が1台の端末を使って2つのオンライン講義を同時に受講した可能性があることがわかったようです。
あずさ監査法人は最終的な調査を現在進めていますが、対象となる公認会計士の中に「パートナー」と呼ばれる幹部社員も含まれています。

システムに二重ログインができるようになった2014年から、不正受講を繰り返していた公認会計士もいるようです。
あずさ監査法人は2020年5月にシステムを改修し、現在は同時にアクセスできない仕組みに変えています。

CPEは、アメリカのエンロン事件など続発した会計不祥事に対応するため、監査の質向上をめざし、2004年から法律で義務づけられました。
ただし、オンラインで受講したり、学会に出席したりすれば単位取得が認められることもあるため、研修制度そのものが形骸化していた可能性もあります。

先日会見した日本公認会計士協会の手塚正彦会長は「会計士制度の根幹をなす研修を怠ったのは極めて遺憾だ」と語り、協会として他の監査法人にも同様の不正がなかったのか調べる考えのようです。
不正を繰り返し悪質な場合は、金融庁の行政処分を受けて公認会計士の登録を抹消される可能性もあるそうです。

公認会計士の教育や研修をめぐっては2017年、公認会計士試験に合格した補習生12人が実務補習中に提出した論文に、他の文献を引き写す盗用行為が見つかり、大手監査法人から処分を受けたことがあります。
公認会計士としての資質が問われかねない事態が再び起こり、2006年に簡素化され、試験合格者を大量に出すようになった会計士試験のあり方を変えるべきだとの声もあがっているようです。

青山学院大の八田進二名誉教授は「不正を見抜く立場にある会計士としての資質に欠けていると言わざるをえない。試験制度そのものを見直し、マナーや倫理観を兼ね備えるような会計士を育てていく必要がある」と指摘しています。

ちなみに、あずさ監査法人は、旧新日本監査法人(現EY新日本監査法人)から国際会計事務所KPMGと提携する部門が独立し、2004年に旧朝日監査法人と合併して発足した監査法人です。
国内の4大監査法人のひとつで、約3千人の会計士が所属し、約3,600にのぼる企業や学校法人などの監査を手がけています。

同業者として恥ずかしい限りです。
普段、内部統制がどうとか、決算の数値がどうとか言っている監査法人の人間が、このような不正をしているとは、モラルが低すぎますね。
こういう人たちは、会計監査をすべきではないと思いますし、公認会計士をやめるべきだと思います。
社風なども影響しているでしょうから、あずさ監査法人にも責任があるのではないでしょうか。
あずさ監査法人にも会計監査を受けている企業はどう思われるのでしょうか?
コンプライアンスが重要とは監査法人の人間は言っているでしょうから、これをきっかけに契約解除されても仕方ないようなことだと思います。
日本公認会計士協会も、厳しい処分を課して欲しいと思います。

あずさ監査法人の公認会計士が法定研修で不正で45人処分されたことについて、どう思われましたか?


BACK TO THE BASIC!

 今日は、いつもと違った感じです。

 現在、連載もので執筆しているものがあるのですが、来年度も継続の依頼をいただきました。

 2か月ごとに発行されますので、年間6回書くことになるのですが、初回はこれについて書いて欲しいというオーダーをいただきました。

 税務のテクニカルな話しではなく、会計のベーシックな話しでしたので、事務所の本棚から古い本を取り出しました。

 飯野利夫氏の書かれた『財務会計論(三訂版)』です。

 10数年以上前にお亡くなりになっていますが、僕が大学2年生のときに、公認会計士試験のために専門学校にも通い始めて一番最初に買った会計の本なのではないかと思いますので、僕の公認会計士としてのベースになっている本ですね。

 それから25年以上経っていますが、さらっと見たところ、会計の理論は色褪せていないかもしれないですね。

 この本を参考に、来年度は6回の連載を執筆していこうと思います。

 さらっと見ましたが、日頃は目の前の仕訳や税務に対応していることが多いですが、会計のベーシックなことを久しぶりに目にして、スゴく新鮮な気持ちになりました。

 普段もシンプルにものごとを考えるということを念頭に置いて仕事に取り組んでいますが、たまには、こういうベーシックなところに立ち返って、シンプルにものごとを考えるということを改めて考えるというのも良いなぁと感じました。

 ちなみに、櫻井通晴氏の書かれた『原価計算<理論と計算>』や『経営原価計算論(増補版)』も、僕の公認会計士としてのベースになっている本です。


金融庁が清流監査法人を処分!

 金融庁は、清流監査法人に対して処分を行いました。

内容は、以下のとおりです。

 金融庁は、令和元年7月5日、公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)から、清流監査法人(法人番号8011205001626)に対して行った検査の結果、当監査法人の運営が著しく不当なものと認められたとして、当監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるよう勧告を受けました。
 同勧告を踏まえ、金融庁は本日、下記のとおり、当監査法人に対して公認会計士法第34条の21第2項に基づき、以下の処分を行いました。

                      記

1.処分の概要
(1)処分の対象
名称:清流監査法人(法人番号8011205001626)
事務所所在地:東京都千代田区

(2)処分の内容
業務改善命令(業務管理体制の改善)

(3)処分理由
別紙のとおり、運営が著しく不当と認められるため。

2.業務改善命令の内容
(1)総括代表社員は、組織的に監査の品質を確保する必要性を十分に認識し、社員の職責の明確化、社員会の機能発揮、社員及び職員の経験に依存した業務運営の改善など、実効性のある品質管理のシステムの構築に向け、当監査法人の業務管理態勢を整備すること。
(2)総括代表社員は、審査会の検査及び日本公認会計士協会の品質管理レビューにおいて指摘された不備の原因を十分に分析したうえで改善策を策定及び実施し、改善状況の適切な検証ができる態勢を整備するとともに、監査契約の新規の締結における十分かつ適切なリスク評価、監査実施者に対する実効性のある教育・訓練、審査担当責任者による批判的かつ適切な審査、実効性のある日常的監視及び定期的な検証を実施できる態勢を整備するなど、当監査法人の品質管理態勢の整備に責任を持って取り組むこと。
(3)現行の監査の基準に準拠した監査手続を実施するための態勢を強化すること(固定資産の減損会計における兆候判定、株式移転の会計処理、関連当事者取引に関する検討など、審査会の検査において指摘された事項の改善を含む。)。
(4)上記(1)から(3)に関する業務の改善計画について、令和元年11月末日までに提出し、直ちに実行すること。
(5)上記(4)の報告後、当該計画の実施完了までの間、令和2年4月末日を第1回目とし、以後、6か月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。

上記の『別紙』の内容は以下のとおりです。

清流監査法人の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。

               記

1 業務管理態勢
 当監査法人は、社員5名、非常勤職員を中心とした監査補助者等により構成されているが、総括代表社員を除く社員は、それぞれの個人事務所等の業務を主としており、当監査法人の業務への関与は低く、総括代表社員が品質管理担当責任者を兼務している。
 また、当監査法人は、設立以来、特定の個人により実質的に支配されている企業グループを主な被監査会社とし、その監査報酬は当監査法人の業務収入の大部分を占めている。
 当監査法人の監査業務は、社員2名がそれぞれ審査又は定期的な検証の専任であることから、総括代表社員を含む3名の社員を中心に実施されている。また、監査補助者は主に非常勤職員で構成され、業務執行社員が主査を担当する監査業務もあるなど監査実施態勢は十分ではない。この点について、総括代表社員は、当監査法人の強みを、経験を積んだ公認会計士を基本に監査チームを編成していることであるとし、社員及び職員のこれまでの経験に依存した運営を継続しており、品質管理態勢を十分に整備する必要性を認識していない。
 このような状況において、当監査法人は、日本公認会計士協会(以下「協会」という。)の平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項を付されており、総括代表社員は、限定事項とされた関連当事者取引の不備の根本原因を会計基準や監査の基準の理解不足にあると認識している。
 しかしながら、下記2に記載するとおり、その改善は、チェックリストの整備等の対症療法的な対応であり、知識や能力の向上を各自に委ねており、適切な教育・訓練態勢を構築していない。また、限定事項とされた審査態勢や定期的な検証等の実施態勢の改善を検討していない。
 そのため、下記3に記載するとおり、今回公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)検査で検証対象とした全ての個別監査業務の業務執行社員及び監査補助者において、会計基準及び現行の監査の基準が求める水準の理解が不足している状況、職業的懐疑心が発揮できていない状況がみられ、それらに起因する重要な不備を含む不備が広範かつ多数認められている。
 また、総括代表社員以外の社員は、当監査法人の業務運営を総括代表社員に委ね、重要事項の意思決定に十分に関与していない。そのため、財務諸表等の訂正要否や監査契約の新規の締結の審査などの重要事項が社員会に付議されているにもかかわらず、十分に検討されることなく承認されるなど社員会の機能が発揮されていない。
 このように、総括代表社員においては、法人トップとして組織的に監査の品質を確保するという意識に欠けており、当監査法人の監査業務の現状を踏まえた実効的な品質管理のシステムを構築するためにリーダーシップを発揮していない。また、総括代表社員以外の社員においては、当監査法人の業務運営、品質管理のシステムの整備及び運用を総括代表社員に委ね、これに関与するという意識に乏しく、社員としての職責を十分に果たしていない。

2 品質管理態勢
(前回審査会検査及び品質管理レビューでの指摘事項に対する改善状況)
 総括代表社員は、前回審査会検査及び平成29年度品質管理レビューでの指摘事項を踏まえた対応として、全社員及び職員を対象として品質管理レビュー等の結果報告会を開催し、指摘事項を周知するとともに、指摘事項を反映したチェックリストを作成し、業務執行社員が当該チェックリストを用いて改善状況を確認する等の改善措置を指示している。
 しかしながら、総括代表社員は、社員及び職員が会計基準や監査の基準を十分に理解していないことを個別監査業務における不備の根本原因として認識していたにもかかわらず、法人内での指示やチェックリストは、指摘事項に直接対応する対症療法的な内容にとどまっており、認識していた根本原因に対応したものとしていない。
 また、平成29年度品質管理レビューにおいて、「指示と監督及び監査調書の査閲並びに監査業務の審査、定期的な検証」について限定事項とされているが、これに対する改善は、限定事項の理由とされた関連当事者取引を重点的に確認する等の措置のみにとどまっており、総括代表社員は、審査、定期的な検証等の実施態勢の改善を検討していない。
 このように、いずれの取組も不十分であることから、今回審査会検査で検証した個別監査業務の全てにおいて、これまでの品質管理レビュー等での指摘事項と同様の不備が繰り返されている。

(監査契約の新規の締結及び更新)
 当監査法人は、監査契約の新規の締結及び更新に関する方針及び手続を「監査の品質管理規程」に定めているが、業務執行社員予定者の選任、独立性の確認、リスク評価などについて具体的な実施手続を整備していない。
 また、前回審査会検査において監査契約の新規の締結に伴うリスク評価の不備について指摘を受けているが、今回審査会検査においても監査契約の新規の締結に当たり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況に係る検討が不足しており、また、主要な経営者、監査役等の異動をリスクとして識別していないなど、リスク評価が不十分である。
 さらに、限定事項付き結論となった平成29年度品質管理レビューの結果を会計監査人の選任議案の決定権限を有する監査役等に書面で伝達していない。

(監査実施者の教育・訓練)
 監査実施者の教育・訓練を担当する総括代表社員は、前回審査会検査及び平成29年度品質管理レビューにおいて指摘された不備には、社員及び職員の会計基準及び監査の基準の理解不足に起因するものがあると認識している。このような認識の下、総括代表社員は、自ら出席した協会研修のうち業務上重要と判断した研修資料を社員及び職員へのメール等で共有し、また、専門要員の年間40単位以上の継続的専門研修の履修を確認したとしている。
 しかしながら、今回審査会検査においても、会計基準及び監査の基準の理解不足に起因した不備が多数生じており、当監査法人の教育・訓練は実効性のあるものとなっていない。

(監査業務に係る審査)
 当監査法人は、特定の社員を審査担当責任者として選任し、全ての監査業務の審査を担当させている。
 当該審査担当責任者は、審査で気付いた点を監査チームに伝達するにとどまり、最終的な判断を業務執行社員に委ねていること、監査チームの説明に過度に依存し、監査調書に基づいた客観的な検証が不足していることなどから、今回審査会検査において指摘した重要な不備を指摘できていない。
 このように、平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項とされた後も、審査担当責任者は、審査の職責を果たしておらず、当監査法人の審査態勢は十分に機能していない。また、総括代表社員は、限定事項とされた後も、このような審査態勢の改善を検討していない。

(品質管理のシステムの監視)
 当監査法人は、特定の社員を定期的な検証担当責任者として選任し、日常的監視及び監査業務の定期的な検証の全てを担当させている。
 当該定期的な検証担当責任者は、日常的監視において、内部規程の内容を十分に確認しておらず、定期的な検証業務においては、会計上の論点を中心に検証し、監査証拠の適切性及び十分性の観点からの検証が不足している。このようなことから、今回審査会検査において認められた内部規程等の整備及び運用状況に係る不備や個別監査業務の重要な不備を看過しており、定期的な検証担当責任者が実施する、日常的監視及び定期的な検証による品質管理システムの監視は不十分である。また、総括代表社員は、定期的な検証について平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項とされた後も、このような実施態勢の改善を検討していない。
 このように、当監査法人の品質管理態勢は、前回審査会検査及び品質管理レビューでの指摘事項に対する改善状況、監査契約の新規の締結及び更新並びに監査業務に係る審査に重要な不備が認められるほか、広範に不備が認められており、著しく不十分である。

3 個別監査業務
 総括代表社員を含む業務執行社員及び監査補助者は、会計基準及び現行の監査の基準が求める水準の理解が不足している。そのため、固定資産の減損会計における兆候判定の誤りや株式移転の会計処理の誤りを見落としている事例、関連当事者取引の開示や連結財務諸表に関する会計基準に従った連結範囲の検討が不足している事例などの重要な不備が認められる。
 また、当監査法人の主な被監査会社は、特定の個人により実質的に支配されており、関連当事者間で多様な取引が行われている状況にあるが、総括代表社員を含む業務執行社員及び監査補助者は、関連当事者取引の検討や会計上の見積りの監査などにおいて、職業的懐疑心が不足している。そのため、当該特定の個人との通例ではない重要な取引を批判的に検討していない事例、工事進行基準の適用における会計上の見積りの検討が不足している事例などの重要な不備が認められる。
 上記のような重要な不備は今回審査会検査で検証対象とした個別監査業務の全てにみられる。そのほか重要な不備ではないものの、被監査会社が作成した情報の信頼性を評価していない事例、経営者が利用する専門家の適性・能力及び客観性の評価が不足している事例、不正リスクを識別している売上高の実証手続が不足している事例、監査報告書日後に実施した手続を監査報告書日前に実施したように監査調書に記載している事例など、不備が広範かつ多数認められる。
 このように、検証した個別監査業務において、重要な不備を含めて広範かつ多数の不備が認められており、当監査法人の個別監査業務の実施は著しく不十分なものとなっている。

以上

このような状況の監査法人が、上場企業の会計監査をやっていて良いのでしょうか?
毎年、いくつかの監査法人が処分されていると思いますが、オピニオンショッピング(会計監査を受ける企業が、自社にとって都合の良い監査意見を表明してくれる監査法人や公認会計士を新たに選任すること。)の温床とならないこと祈るばかりです。
市場から退場していただかないといけないところは早めに退場していただかないと思いますし、このようなことがあると、公認会計士業界全体の信頼が失われてしまいますので。

金融庁が清流監査法人を処分したことについて、どう思われましたか?


女子中学生にわいせつな行為をしようとした公認会計士を逮捕!

 先日、公認会計士の男が女子中学生にわいせつな行為をしようとしたとして、警視庁に逮捕されました。

強制わいせつ未遂の疑いで逮捕されたのは、東京都調布市の公認会計士(32)です。
公認会計士は5月12日午後5時ごろ、調布市のマンションで帰宅途中の女子中学生がエレベーターからおりたところ、後ろから抱きついて口を塞ぎ、わいせつな行為をしようとした疑いがもたれています。

警視庁によると、2人に面識はなく、女子中学生が悲鳴をあげたため、公認会計士は非常階段から逃げましたが、防犯カメラの捜査で関与が浮上したようです。
取り調べに対し、公認会計士は「間違いありません」と容疑を認めているということです。

後日、PwCあらた有限責任監査法人が、『当法人の職員の逮捕に関するお詫び』という以下のプレスリリースを行っています。
 昨日PwCあらた有限責任監査法人の職員が逮捕されました。詳細は現在調査中であり、事実関係を確認次第、厳正に対処いたします。皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
                                    2019年5月22日
                              PwCあらた有限責任監査法人

本当にこういったことはやめて欲しいですね。
1人の行為が、所属監査法人、公認会計士業界に多大なる影響を与えてしまいます。
先生と呼ばれることの多い士業には、人格や品位などが必要だと思いますね。
PwCあらた有限責任監査法人のプレスリリースも『皆様』になっていますが、まずは被害者の方やご家族に謝罪すべきであると思いますので、このプレスリリースはどうなんだろうと思いますね。
クライアントに向けてリリースしているのでしょうか?

女子中学生にわいせつな行為をしようとした公認会計士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


イギリスの競争当局が4大監査法人の「業務分離」を報告!

 イギリスの競争当局である競争・市場庁は、先日、イギリス監査業界の改革に関する最終報告書を公表しました。
「ビッグ4」と呼ばれる4大監査法人グループについて、監査とそれ以外の業務を組織内で分離するよう求めるのが柱です。
大手4社の寡占が監査の質を下げていると問題視し、上場する大企業には複数の監査法人による共同監査を義務付けることも提言しました。

イギリス政府は、報告書への見解や対応方針を90日以内に明らかにし、法制化の必要性などを判断するようです。

イギリスでは建設大手カリリオンが2018年1月に経営破綻したのを機に、経営悪化を見抜けなかった外部監査人のKPMGなど大手監査法人への批判が強まりました。
競争・市場庁は、2018年12月、利益相反リスクを減らすため監査とそれ以外の非監査業務を組織内で分けたり、共同監査を導入したりする案を示して意見を募っていました。

最終報告書は、これまでの議論を踏襲しました。
まず大手4グループについて、決算書類が正しいか調べる監査業務と、経営や税務戦略を指南するコンサルティングなどの非監査業務を運営上分離するよう求めました。
グループ内で経営や収益管理などを分け、監査部門は監査に集中すべきだと訴えました。

この背景には利益相反の懸念に加え、高収益な非監査部門の存在が監査部門を資金的にも支え、準大手以下の参入を妨げる一因になっているとの問題意識もあるようです。
政界からは別法人として完全に切り分ける「解体」論も上がっていたようですが、急進的な変更はリスクがあるとして踏み込みませんでした。

ロンドン証券取引所に上場する主要350社を対象に、原則として2つ以上の監査法人による共同監査を義務付けることも提案しました。
イギリスでは主要350社の97%の監査を4大法人が行っています。
寡占を打破するため少なくとも1つは4大監査法人以外とし、準大手以下の参入による競争の活性化を促すようです。

競争・市場庁は声明で「市民の生計や貯蓄、年金は監査が高い基準で行われているかにかかっている」と述べ、改革の必要性を強調しました。
一方で、市場関係者からは実効性に疑問の声も出ているようです。
英金融業界団体ザ・シティーUKは「真の監査の質向上につながる証拠はない」とし、急進的な改革で副作用が出ないよう慎重な実施を求めました。

僕は公認会計士で、もともと監査法人に勤めていた人間ですが、個人的には、独立性の観点からは、一般の方々にとっては、同一クライアントに対して監査以外のサービスを提供しているという状況は監査上大丈夫なのだろうかという疑問は生じると思いますので、同一クライアントに対して監査業務以外のサービス提供はやめた方がよいのではないかと思います。
共同監査については、個人的には、反対です。
日本でもあまり行われていないということは効果がないことの表れだと思いますが、監査法人ごとに監査手続きの進め方などに独自のやり方があると思いますが、共同監査になると、それを見せることになり、独自性がなくなっていく(存在意義がなくなる)と思います。
結局、お互いが手の内を見せないことになると、担当を完全に切り分けるだけになると思いますが、コミュニケーションのなさが粉飾等を見落とす原因となると推測されます。
あとは、監査意見や会計処理についてもそれぞれ独自のものがあるでしょうから、監査法人間の意見の対立・調整という監査の本質ではない無駄な時間が増加する可能性があるように思います。

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東芝の監査法人である新日本監査法人に1兆円請求!

 東芝の不適切会計問題を巡り、株主が会計監査を担った新日本監査法人(東京)に損害賠償を求めた株主代表訴訟で、原告の株主側が請求額を約105億円から1兆円に増額したことがわかったようです。
監査法人を訴えた同種訴訟は珍しく、請求額が1兆円に上るのは異例です。

東芝は、20157月、パソコン部門で利益を水増しするなどの不適切会計があったとする外部の第三者委員会の報告書を公表し、3人の歴代社長が辞任しました。
金融庁は201512月~20161月、不適切会計を見抜けなかったとして、新日本監査法人に一部業務停止や約21億円の課徴金納付を命じ、20169月、大阪府内の株主が約105億円の賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

ただし、その約3か月後、アメリカにある東芝の原発子会社ウェスチングハウス(WH)が201512月に買収したアメリカの原発建設企業の資産価値が想定より大幅に低かったことも発覚し、東芝は、アメリカの原子力事業で1兆円超の損失を計上する事態となりました。

原告側が問題視するのは、アメリカでの原発建設の遅れに伴ってWH20122013年度に計上した約1,100億円の損失を東芝がすぐには公表しなかった点です。
東芝は201511月に公表したものの、この時にはWHと原発建設企業が買収に合意していました。

原告側は「WHの損失が早く公表されていれば、株主は原発建設企業の買収を認めなかった。公表しないという東芝の判断を追認した監査法人は損失の責任を負う」として、20191月に請求額を増額しました。
これに対し、新日本監査法人は「企業が何を公表するかは監査法人の監査対象ではない」として請求棄却を求めています。

株主代表訴訟は、提訴時の手数料が一律13,000円で、請求額に応じて上昇する通常の民事訴訟よりも巨額訴訟を起こしやすいとされます。
会社法に詳しい上村達男早稲田大教授は、今回の訴訟について、「会社で生じた損失には多くの要因があり、全てを監査法人に負担させようというのは無理がある」とした上で、「1兆円の請求額は根拠に乏しい」と指摘しています。

一方、原告側代理人の弁護士は「監査法人の責任でどれだけ損害が生じたのかを裁判で明らかにすることは、再発防止のためにも意味がある」と話しているようです。

僕自身、公認会計士というのもあるとは思いますが、上村教授のおっしゃるとおりだと思います、
粉飾も第一義的には、東芝に責任があるということをきちんと認識してほしいですね。
当然、会計監査人に責任がないとは思いませんが、こういうことがどんどん出てくると、最近増えている大手監査法人が監査契約を断るというケースがますます増え、いわゆる『監査難民』となる上場企業が増えるのではないかと思います。
世間一般的に、会計監査人側と投資家側の会計監査に対する『ギャップ』があるのは事実だと思いますが、金融庁とか証券取引所とか日本公認会計士協会などが、地道に取り組んでいかないといけないでしょうね。

東芝の監査法人である新日本監査法人に1兆円請求がなされたことについて、どう思われましたか?


日本公認会計士協会が通年でビジネスカジュアルを実施!

 日本公認会計士協会は、これまで、官庁が提唱する温暖化対策への対応として、夏季期間に会館内で執務する役職員の軽装を実施していました。
しかしながら、今後は、通年で「ビジネスカジュアル」を実施するようです。

役職員のビジネスカジュアルに当たっては、『来館者の方々に対し、失礼とならない服装に努めますので、何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。』とコメントしています。

僕自身も、普段お会いしている方はご存知かと思いますが、監査法人トーマツ時代に、夏場はビジネスカジュアルだったこともありますが、年がら年中、ビジネスカジュアルで、スーツを着るのは年間数日です。

昔は、スーツや靴やネクタイやシャツに結構お金をかけていましたし、スーツが嫌いなわけではないのですが、特に必要もないのではないかと思っています。
クールビズでも、上着を着ず、ネクタイをしない(クールビズにふさわしくないようなシャツ)だけなのは、中途半端さが個人的には大嫌いで、やめた方が良いと思っています。
服装で仕事をするわけではないので、こういった流れがどんどん広がり、ビジネスカジュアルが普通という時代に早くなってほしいですね。

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監査法人トーマツが罰金2億円を支払い!

 アメリカ証券取引委員会(SEC)は、先日、僕の出身の監査法人トーマツが会計監査の独立性ルールに違反し、200万ドル(約2億2,000万円)の罰金を支払うと発表しました。
トーマツ元幹部は同法人が監査を担当する金融機関の口座に一定基準を上回る金額を預けていました。
「独立性が損なわれた状態」で監査報告書が提出されていた上に、法人内の監督体制も不十分で、今回の処分につながったようです。

SECの発表によると、トーマツの元最高経営責任者(CEO)である天野太道氏が独立性ルールに違反しました。
金融機関名は公表されていませんが、アメリカニューヨーク証券取引所に上場する三菱UFJフィナンシャル・グループとみられます。
三菱UFJフィナンシャル・グループが2015年にSECに提出した資料で、トーマツ幹部の預金残高が限度額を超え、独立性ルールに抵触していたと開示していました。
天野氏、は2015年7月末にトーマツのCEO職を辞任しています。

SECのルールでは会計監査の独立性を保つために、監査法人の幹部や監査チームのスタッフが、監査担当企業の銀行口座に一定水準を超す金額を預けないように求めています。
日本企業の場合、預金保険機構の保険限度額(1千万円)がこの水準に当てはまります。
天野氏は三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の銀行に口座を持ち、預金額が一定期間、1千万円を超えていたとみられます。
この間、三菱UFJフィナンシャル・グループは、トーマツの監査報告書を添付してSECに財務書類を提出していた。

SECによると、天野氏の違反は2014年3月にトーマツ内で発見されましたが、監査先の金融機関に伝達されたのは2015年に入ってからでした。
さらに別の調査によって、トーマツに所属する計88人が「独立性ルール」に違反していたことが判明したそうです。
SECはトーマツの違反発見後の対応のまずさや、ずさんな監督体制を問題視し、今回の重い処分につながったようです。

トーマツは「品質管理態勢への影響はない。今後とも監査品質の向上に最善を尽くす」とコメントしています。

独立性が重要な監査法人のトップがこれでは、処分されて当然のように思います。
僕が勤務していた時から、こういったことはチェックするシステムがありましたが、甘かったんでしょうね。
幹部の方々はたくさん報酬をもらっていらっしゃるでしょうから、忙しくて数か月放置しておくとすぐに超えてしまうのかもしれませんね。
それについては、元々、報酬の振込口座としてクライアントを除くことにしておけば良いかと思いますが。

監査法人トーマツが罰金2億円を支払ったことについて、どう思われましたか?


タクシー運転手を蹴った公認会計士を暴行容疑で逮捕!

 タクシー運転手の男性に暴行を加えたとして、神奈川県警緑署は、先日、暴行容疑で、横浜市緑区長津田町の公認会計士(49)を逮捕したようです。
公認会計者は、「覚えていない」と供述しているそうです。

逮捕容疑は、2019日午前2時5分ごろ、自宅近くの路上に止まったタクシー車内で男性運転手(54)を蹴ったとしています。

神奈川県警緑署によると、公認会計士は東京都千代田区内からタクシーに乗車し、自宅付近にさしかかったため寝ていた公認会計士を男性運転手が起こそうとした際、足蹴りしたそうです。
男性運転手が取り押さえて通報し、駆け付けた同署員に引き渡しました。

こういったことで『公認会計士』の名前が出ることは、残念なことです。
人格なども大事ですね。
おそらく、この方はコンサル会社の執行役員だと思いますが、そもそもこういう方がコンサルをできるのでしょうか?
あとは、公認会計士協会のホームページから検索すると、平成29年度は、継続的専門研修(いわゆるCPE)の履修義務が不履行になっていますね。

タクシー運転手を蹴った公認会計士が暴行容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


1億8千万円横領容疑で弁護士を逮捕!

 土地建物管理会社から依頼を受けて弁護士の業務として預かっていた計約18,200万円を着服したとして、大阪地検特捜部は、先日、業務上横領容疑で、大阪弁護士会所属の弁護士(66)を逮捕したようです。
大阪地検特捜部は認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は、土地建物管理会社が所有するビルの賃料相当損害金を管理する業務を行っていた20135月~201412月、19回にわたり、同社から預かっていた賃料相当損害金を、預かり金口座から出金して流用したり、自分個人名義の口座に振り込んだりして計約18,200万円を着服したとしています。

弁護士をめぐっては、大阪弁護士会が20183月、預かり金をめぐるトラブルの調査に誠実な回答をしなかったとして、業務停止3か月の懲戒処分にしたと発表していました。

大阪弁護士会によると、弁護士が建物の明け渡しや賃料の支払いをめぐる訴訟の代理人をしていた2012年~2014年、相手方が賃料として預かり金口座に振り込んだうち、約9,200万円の行方が分からなくなったようです。

大阪弁護士会が調査に乗り出したようですが、弁護士は口座の取引明細証明書の一部を黒塗りにして大阪弁護士会に提出し、開示を求めても応じなかったりしたため、懲戒処分を決定したそうです。

毎年何人かこのような弁護士のことが新聞などに出ていますが、専門家としては、悲しくなりますね。
信用で成り立っている専門家ですので、一人の行為が、業界全体の信用失墜につながりますからね。
専門家として、プライドを持って仕事をしてほしいですね。
仕事を頼まれる方も、誰を信じていいのか分からなくなると思いますので。

18千万円横領容疑で弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


公認会計士の継続的専門研修における「会員の研修履修結果の開示」!

 公認会計士は、導入されてかなり経ちますが、継続的専門研修制度(いわゆるCPE制度)は、公認会計士としての使命及び職責を全うし、監査業務等の質的向上を図るため、公認会計士の資質の向上及び公認会計士が環境の変化に適応するための支援を目的とし行われ、会員は所定の単位数の取得を義務付けられています。

日本公認会計士協会の会員の義務達成率は平成29年度では98.8%となっており、大多数の会員が義務を達成し、その資質の向上に役立てています。

この度、公認会計士に業務を依頼する際の参考に資するための情報充実の観点から、会員の研修履修結果が開示されることになりました。

会員の研修履修結果については、公認会計士等検索システムで会員個人を検索していただいた画面で確認することができます。

僕も自分のものを確認してみましたが、開示されるようになっています。
僕自身も、年間に、公認会計士や税理士向けの研修だけでなく、かなりの数の研修を受講していますので、良い試みではないかと思います。
これを見て、この人に仕事を頼もうなどといった考えが働くかどうかは疑問ではありますが。

公認会計士の継続的専門研修における「会員の研修履修結果の開示」について、どう思われましたか?


ユニクロの柳井氏が記念式典で講演し「公認会計士がハンコを押す人になっている」!

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、先日、日本公認会計士協会が開催した記念講演で、公認会計士に対して「経営者と経営課題を議論できるパートナーになってもらいたい」と語った。人工知能(AI)の発達などで会計業務が標準化される可能性について言及したうえで、会計知識の経営への活用を参加者らに呼びかけました。

 日本公認会計士協会が東京国際フォーラム(東京・千代田)で開いた「公認会計士制度70周年記念式典及び記念講演」に登壇しました。

柳井氏は、公認会計士が「(監査業務で)ハンコを押す人になっている」と指摘しました。
AIの発達などで「単純な計算や分析は必要がなくなる」との見通しを示したうえで、経営者との協調を呼びかけました。

柳井氏は、また、国内企業の経営力が劣化しているとの持論を展開し、その例として「一番もうかっている半導体の部門を売って時代遅れの重厚長大な部門を残す経営判断はおかしい」と半導体メモリー子会社を売却した東芝を挙げました。

近くで開催されれば行ったのですが、流石に、柳井さんは的をついたことをおっしゃいますね。
日本公認会計士協会は、AIが発達しても、業務に影響がないことをアピールしたいのでしょうが(笑)。
僕が、監査法人にいた頃から、指導はしてはいけないということがあったので、疑問は感じでいました。
本当に、『ハンコを押す人』になっていると思います。
やはり、監査に関すること以外も経営者と協議をして、色々なことに対して発言・指導することによって、存在感が増し、クライアントとの良好な関係が構築されるのではないかと思います。
当然、監査を行う公認会計士に、幅広い知識が要求されます。

ユニクロの柳井氏が記念式典で講演し「公認会計士はハンコを押す人になっている。」と述べられたことについて、どう思われましたか?

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三井住友海上とあいおい損保が合併し東京海上日動を抜き売上首位に!

朝日新聞によると、損害保険業界3位の三井住友海上火災保険と4位のあいおいニッセイ同和損害保険が合併する方針を決めました。

持ち株会社のMS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)が、先日、正式に発表しました。

実現すれば東京海上日動火災保険を抜き、国内損保の事業規模で首位となります。

人口減などで国内市場は縮小が見込まれており、合併による効率化で収益性を高め、より強固な事業体制を構築します。

発表によると、合併時期は2027年4月をめどとします。

「今後、具体的な検討・対応準備を進める」とし、新社名や合併方式、トップの選任などは未定だそうです。

両社をめぐっては2010年4月、持ち株会社にぶら下がる形で、三井住友海上と、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合しました。

そして、2010年10月、あいおい損保とニッセイ同和損保が合併し、あいおいニッセイ同和損保となりました。

その結果、損保大手3グループのなかで唯一、中核損保を2社持つ体制となっていました。

売上高に相当する正味収入保険料(2023年度)でみると、三井住友海上は1兆6,233億円、あいおいニッセイ同和が1兆3,689億円でした。

首位の東京海上日動が2兆4,179億円、2位の損害保険ジャパンが2兆1,779億円なので、今回の2社が合併すれば収入規模で3兆円近くに増え、首位に躍り出ます。

以前から、グループの中でなぜ2社あるのだろうか?と疑問に思っていましたが、ようやく一つになりますね。

ビッグモーターの事件やら、出向者の情報漏洩問題やらで、色々と大変なんでしょうね。

時代的に人手不足でしょうから、合併することによって重複している業務は統合して、その分、新たな業務等に回すことで、人手不足の解消かつ収益の改善を図ってほしいですね。

三井住友海上とあいおい損保が合併し東京海上日動を抜き売上首位になることについて、あなたはどう思われましたか?


旧年金施設の組織改編巡り運営会社が20億円の申告漏れ!

読売新聞によると、旧「年金福祉施設」を運営する企業グループの組織再編を巡り、運営会社「ホテルマネージメントインターナショナル」(HMI、東京都中央区)が東京国税局から約20億円の申告漏れを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。
吸収合併した子会社の欠損金を取り込むことで所得が圧縮されていましたが、税負担の軽減が目的の「租税回避行為」に当たると判断されたとみられます。

過少申告加算税を含む法人税の追徴税額は約5億円です。
HMIは修正申告に応じており、取材に「解釈の相違があったが、意見交換をしていく中で国税局の解釈が正しいと判断した。租税回避や仮装・ 隠蔽いんぺいの認定を受けた事実はない」と文書などで回答しました。

関係者によると、HMIは2017年10月、ホテル運営会社「 知立観光」(愛知県、解散)を子会社化しました。
翌11月21日、知立観光が出資して新たに合同会社を設立し、知立観光が全国約10か所で運営していた旧年金福祉施設などのホテル事業を合同会社に承継しました。

会社間で事業や不動産を承継する場合、帳簿上の価格(簿価)と時価に差があれば、譲渡益や欠損金が発生します。
知立観光が運営していた施設は建設から年数がたち、時価が簿価を下回っていたことから、知立観光に約35億円の欠損金が生じました。

8日後の11月29日、HMIは知立観光を吸収合併し、欠損金をHMIに取り込みました。
HMIはその後の2019年6月期の税務申告で、この欠損金のうち約20億円を自社の黒字と相殺し、法人税額をゼロと申告しました。

これに対し、2020年に開始された東京国税局の調査では、吸収合併の前日、知立観光が合同会社の経営権(持ち分)を別の関連会社に譲渡していたことが判明しました。

企業の合併や分割に関わる「組織再編税制」では、別会社に譲った事業や不動産に対する「支配」が続いていると、欠損金が発生しない仕組みになっています。
HMIの組織再編では、知立観光が合同会社の経営権を手放したことで、欠損金が生まれていました。

しかしながら、東京国税局の調査では、再編後、接客や仕入れなどの施設の運営は、合同会社やその経営権を持つ関連会社ではなく、HMIが実質的に行っていたことが確認されたそうです。

東京国税局はこうした経緯を踏まえ、一連の再編には欠損金を利用して税負担を減らす狙いがあったと判断し、欠損金の計上や黒字との相殺は認められないと指摘したとみられます。

ちなみに、HMIは2005年設立で、旧年金福祉施設などを買収して事業を拡大しています。
2008年には郵政民営化に伴う「かんぽの宿」の入札にも参加しました。
2022年6月時点で全国46施設を運営しています。
民間の信用調査会社によると、2021年6月期の売上高は約196億円です。

なお、年金福祉施設 とは、「厚生年金会館」や「健康福祉センター(サンピア)」など、国が厚生年金や国民年金の保険料を使って建設したものです。
保険料の無駄遣いと批判され、2005~2010年に約300施設が民間に売却されました。

その後、HMIのホームページに、この件に関して、ニュースリリースが公表されています。
それによると、『意図的な租税回避行為や仮装隠蔽などの不正行為を行ったというような事実は一切ございません。また、今回の修正申告において、重加算税も課されておりません。』と書かれています。
重加算税が課されていないのであれば、仮装・隠ぺいはなかったということですね。
組織再編に詳しい税理士も付かれているでしょうから。

旧年金施設の組織改編巡り運営会社が20億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


「合併は租税回避目的」でPMG子会社が57億円の申告漏れ指摘も不服で提訴!

産経新聞によると、全国で100か所以上のゴルフ場を経営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)の子会社が、東京国税局の税務調査を受け、約57億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
合併で引き継いだ欠損金(赤字)を用い、租税回避を図ったと判断されたもようです。

PGM側は過少申告加算税を含む約15億円を追徴課税(更正処分)され、処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こしました。

関係者によると、ゴルフ場などの資産を保有する子会社「PGMプロパティーズ」は2017年2月、グループ会社と合併し、企業再編を優遇する税制に基づきグループ会社の約57億円の赤字を引き継ぎ、利益と通算(相殺)して税務申告しました。
ただし、グループ会社の赤字はもともと別のグループ会社で発生したもので、直前に別のグループ会社との合併を通じて引き継いでいました。

これに対し国税局は、別のグループ会社は事実上の休眠会社で、2度にわたる合併は赤字を子会社に移すことが目的だったと指摘しました。
税制の乱用と判断して赤字の引き継ぎを認めず、申告漏れの対象にしたようです。

PGM側は、合併は経営の効率化などが目的で、別のグループ会社も「休眠会社ではない」と主張し、課税処分を不服として2021年4月に提訴しました。
PGMは、「買収によって増加した法人を合併で減少させるビジネスモデルを基本としている。今回の合併も従前どおりで何ら『不当』なものでなく、税制度の乱用を行った事実もない」とコメントしています。

『買収によって増加した法人を合併で減少させる』というのがビジネスモデルと言えるのかどうか疑問ですが、合併を2段階で行う必要性があるのかどうかが問題とされたんでしょうね。
直前ということなので、節税目的と判断されても仕方ないような気はしますが。
一昔前のように、条文で細かい規定がなされているからこれを満たせば良いというのは間違いで、組織再編は、きちんとストーリーを描いて、租税回避と判断されないようにきちんと理屈付けしておかないと否認される可能性が結構高いということを改めて感じた1件でした。

「合併は租税回避目的」でPMG子会社が57億円の申告漏れ指摘も不服で提訴したことについて、どう思われましたか?


使い捨てカイロ大手の「桐灰化学」が日本初の「地球温暖化」で姿を消す!

 使い捨てカイロ国内大手の桐灰化学(大阪市淀川区)が、親会社の小林製薬に吸収合併され、104年にわたる歴史の幕を閉じることになったようです。
百年企業だった桐灰化学の息の根を止めたのは、「地球温暖化」でした。

2019年1月に米カリフォルニア州の電力大手PG&Eが、異常乾燥で発生した大規模な山火事により経営が悪化し、連邦破産法11条の適用を裁判所に申請したのが「世界初の地球温暖化による経営破綻」とされます。
日本でもスキー場などの廃業は相次いでいますが、地球温暖化よりもスキー人口の減少による影響が大きいようです。
国内で公式に地球温暖化を理由とした会社の消滅は、桐灰化学が初めてとみられます。
今後も温暖化による企業の倒産や救済合併が増加する可能性が高いようです。

桐灰化学は1915(大正4)年に広島市で、創業者の植木康之氏が半練製カイロ灰を製造する「植木カイロ灰製造所」として創業しました。
1928年に大阪市東淀川区に三国工場を設置して以降、同区内に工場を建設し、大阪を拠点に事業を拡大しました。

同社の転機は1989年の「はるカイロ」の発売です。
使い捨てカイロの片側を粘着面に加工し、衣服の上から貼るというアイデアが大ヒットし、使い捨てカイロ市場をリードする存在となりました。
1997年には群馬県藤岡市に藤岡工場を開設し、東日本での生産にも乗り出しました。

ところが、消耗品である使い捨てカイロはスーパーやドラッグストアなどで「安売り」の目玉となり、市場競争が激化しました。
2001年に小林製薬の100%子会社になり、その後は2006年に米Heat Max, nc.を、2012年には米Grabber,Inc.を、それぞれ子会社化するカイロ事業の海外展開などで、温熱製品は小林製薬グループの主力製品の一つに育ちました。

しかしながら、「地球温暖化に伴う暖冬傾向が想定され、市場も競争激化の流れにある中で、カイロを中心とした温熱製品のさらなる成長のためには開発・販売体制を抜本的に見直す必要がある」(小林製薬)として、2020年7月1日に吸収合併の上、桐灰化学を解散することになりました。

今後は小林製薬の営業力を活かして使い捨てカイロの国内販売力を強化するとともに、桐灰化学の温熱技術をより効果的に活用した新製品開発を加速するようです。
地球温暖化で気温は上昇していますが、冬向けのシーズンビジネスを展開する企業にとっては背筋も凍る「超氷河期」を迎えたようです。

僕の中では、カイロと言えば、『桐灰』でしたので、非常に残念ですね。
地球温暖化は、様々なところに影響を及ぼすんだなぁと改めて感じました。
使い捨てカイロは、旭化成が発明し、ロッテ電子工業が『ホカロン』を発売したことで一気に売れたということですが、本当に素晴らしい発明でしょうね。
別の技術に応用して、新たなヒット商品を出してほしいと思います。

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ユニマットグループ3社が組織再編で100億円の申告漏れ!

2018年06月26日(火)

オフィス向けのコーヒーサービス事業などを展開する「ユニマットライフ」(東京都港区)などグループ企業3社が、平成283月期までの数年間で総額約100億円の申告漏れを東京国税局から指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、税務調査を受け申告漏れを指摘されたのは、ユニマットライフのほかに、グループ持ち株会社の「ユニマットホールディング」と、リゾートホテルやゴルフ場などを経営する「ユニマットプレシャス」(いずれも東京都港区)だそうです。

グループ企業内の組織再編を進める中で、赤字企業を取り込んで黒字企業の所得を減らす行為があったようです。
国税局は、こうした組織再編について、租税を回避する目的があったと判断したとみられます。

個人的には、税法で組織再編時の要件をかっちりと決めているのに、伝家の宝刀である『行為計算の否認』を安易に用いるのはやめてほしいですね。
怖くて何もできなくなると、組織再編税制を作った意味がなくなってしまいかねないような気がします。
過去にも合併などを何度もやっている会社なので、事前に慎重に検討していると思いますので、不服であれば、争ってほしいですね。

ユニマットグループ3社が組織再編で100億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?

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ベネッセがデジタルハリウッドを買収し社会人などデジタル人材育成事業を強化!

瀬戸内海放送によると、ベネッセホールディングスは、先日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が保有するデジタルハリウッド(東京都千代田区)の全株式を取得する譲渡契約を結んだと発表しました。

2025年1月31日に取得し、連結子会社にします。

デジタルハリウッドは、日本で初めて株式会社が設立した大学である「デジタルハリウッド大学」を運営しています。

ベネッセは、新たな成長領域として大学・社会人のデジタル人材育成事業を位置付けており、デジタルハリウッドの世界レベルの高品質な教育サービスを大学や企業に紹介すると共に、新たな教育コンテンツを開発してDX人材を育成したいとしています。

ベネッセグループは2022年に「大学・社会人カンパニー」を発足させ、オンライン動画学習プラットフォーム「Udemy」を提供しています。

ベネッセホールディングスは、業績が芳しくなく、2024年3月期の連結決算は、売上高は微減の4,108億円、営業利益は2%減の202億円、純利益が前の期比43%減の64億円で、MBO(経営陣が参加する買収)により上場廃止になりました。

僕も株主でしたが、スクイーズアウトとなりました。

営業利益は過去最高だった2011年3月期の半分の水準に落ち込んでいます。

主力の「進研ゼミ」が個人情報流出や少子化で苦戦するなか、教育のデジタル化や介護分野も含めたM&A(合併・買収)などで再成長を目指していくようです。

うちのこどもたちも教材を使っていますし、我が香川県の瀬戸内海を挟んでお向かいの岡山県を代表する企業だと思いますので、ぜひとも再成長を果たして欲しいですね。

ベネッセがデジタルハリウッドを買収し社会人などデジタル人材育成事業を強化することについて、あなたはどう思われましたか?


DTFAがM&Aなどの企業価値評価で重要な指標「割引率」を数分で算出するオンラインサービスを開始!

デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長:福島 和宏 以下、DTFA)は、企業がM&Aなどの取引や会計目的で企業価値評価を行う際に重要な指標となる割引率(加重平均資本コスト、WACC 以下、割引率)を専門知識のない人でも数分で算出できるオンラインサービス「Valuation Assist」(バリュエーションアシスト https://lp.valuation-assist.fa-biz.deloitte.jp/)を2023年12月7日から本格的に提供しました。

企業価値は、企業の価値を定量的に(金額で)表すことで、会社の収益力や保有資産、評価対象と類似する企業との比較など様々な観点から評価されます。

Valuation Assistには、企業価値評価の重要な指標である割引率の計算に必要な金利や財務データ、市場データが集められリアルタイムにアップデートされる仕組みになっており、割引率の計算が初めての方でも、類似企業の選択や評価基準日などを設定するだけで、短時間で客観性の⾼い割引率を算出することができます。

さらに、割引率の計算結果だけでなく計算式やサポートデータをエクセルで出力することができ、計算結果を客観的に説明する資料としても活用できます。

日本のM&A件数は年々増加しており、この傾向は今後も続くと予想されています。

割引率の計算を含む企業価値評価は、従来のM&Aの意思決定に加えて国際財務報告基準(IFRS)導⼊に伴う公正価値評価、コーポレートガバナンスにおける業績管理などでも求められており、ニーズは高まっています。

しかしながら、これらの業務は専門知識を要し、金利や財務データなど様々な所に散在するデータを取得し計算するため⼀定の⼯数がかかります。

また、外部機関に依頼すれば、必要な工数に応じて一件ごとに数百万円のコストがかかるなど、ハードルがあります。

そういった背景を受け、一定の客観性があり定額で割引率の算出ができるValuation Assistを開発しました。

Valuation Assistの特長は以下のとおりです。

・定額制で何件計算を行っても従量課金なし

・企業価値評価に豊富な経験を有する者が設計しており、ツールに組み込まれているナビゲーション機能を利⽤し、初⼼者でも簡単に割引率の計算を実施可能

・割引率の計算結果をExcelでダウンロードでき、社内説明資料作成等に利用可能

・ダウンロードしたExcelには計算過程や計算式、データの出典などが一定程度網羅的に含まれる

・割引率の計算に使⽤する財務‧市場データはリアルタイムにアップデートされるため、ある程度最新の計算が可能

<Valuation Assistのサービス概要>

利用料金:

3か月利用プラン30万円、年間利用プラン90万円(いずれも税別)

申込方法:

WEBサイトからお申し込みください

*利用に際して一定の審査を行います

利用方法:

類似企業検索・選択、評価基準日や各種パラメータの計算タイプなど計算前提を選択すると、割引率が表示され、WEBページ上で計算の明細と数値を確認できます

用語の説明やデータソースの確認もでき、計算式やサポートデータをエクセルで出力可能です

他社のサービスと比べるとかなり安価のようですから、一定のニーズはあるでしょうね。

一方で、株価算定業務で難しいこと、特に中小企業向けの場合の一つに、数値の説明が難しいというのがあると思いますが、この点は自動で計算されても、説明するのは知識のある人間という点は変わらないように思いますね。

DTFAがM&Aなどの企業価値評価で重要な指標「割引率」を数分で算出するオンラインサービスを開始したことについて、あなたはどう思われましたか?


「そごう・西武」全株式の売却額は8,500万円で企業価値2,200億円から大幅減額!

ITmedia ビジネスオンラインによると、セブン&アイ・ホールディングス(HD)は2023年9月1日に、子会社そごう・西武の全株式の売却が完了したと発表しました。
アメリカ投資ファンドFortress Investment Group(フォートレス)への売却額は8,500万円です。
2023年8月31日の発表時は、企業価値を2,200億円としており、売却額も同規模とみられていましたが、負債などがかさみ、実際の売却額は大幅に減額となったようです。

売却額は、企業価値2,200億円からそごう・西武とその子会社が抱える純有利子負債や運転資本に関する調整などを経て算出しました。

事業売却に合わせて、セブン&アイHDは業績も下方修正すると発表しました。
直近の2023年3月~8月期決算で1,457億円の特別損失を計上します。
そごう・西武の株式譲渡に伴い、1,659億円の貸付金のうち916億円の債権放棄のほか、損失補填を行ったためです。
修正前の純利益は1,380億円の黒字を見込んでいましたが、修正後は650億円減の730億円の黒字になる見通しです。
同様に通期(2023年3月~2024年2月)では、550億円減の2,300億円の黒字を見込んでいます。修正前は2,850億円の黒字としていました。

最近は久しぶりのストライキで話題になっていましたが、売却額は予想をはるかに下回る金額でしたね。
個人的には、百貨店は現在の世の中を考えると非常に厳しい商売だと思いますので、ヨドバシカメラが入った方が集客力は高まるように思うのですが、どうなんでしょうか?

「そごう・西武」全株式の売却額は8,500万円で企業価値2,200億円から大幅減額となったことについて、あなたはどう思われましたか?


2022年2月にADRを申請した調剤大手のさくら薬局のクラフトを投資ファンドのNSSKが買収!

ミクスOnlineによると、調剤大手クラフトは、先日、さくら薬局グループの全株式を投資ファンドの日本産業推進機構グループ(NSSK)に譲渡し、経営支援を受けると発表しました。
クラフトは2022年2月、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請しており、金融機関と協議を進めていました。
買収は、株式譲渡を含む事業再生計画案が取引金融機関の同意を得て成立することなどが条件となっています。

クラフトはさくら薬局などを全国に展開しており、2008年の非上場化以降、中小薬局を中心に積極的なM&Aを進め、270店舗から900店舗に拡張しました。
売上高も1,700億円を超え、調剤大手第3位となるまで成長していました。
ただし、借入金の返済負担が重くのしかかり、「営業キャッシュ・フローと有利子負債のミスマッチが生じていた」としています。

クラフトは、「NSSKグループの経営支援を受けることによって、より一層強固な収益体質の確立と管理体制の抜本的な改革・拡充を図り、社会インフラとしての調剤薬局の社会的使命を再認識し、強固な企業ブランドの構築と更なる成長を通じた企業価値の更なる向上を目指す」とコメントしています。
「NSSKグループの支援のもとで、今後も地域包括ケアシステムの一翼を担う薬局として、医師や看護師、介護従事者等と連携して、最良の医療・介護サービスを提供し地域住民の健康をサポートする。“健康や薬のことなどを、いつでも気軽に相談できる場所”として、今後も皆様に信頼される薬局であり続ける」としています。

NSSKは、独自の経営支援パッケージやメンバーの培った知見、国内外のネットワークを活用します。
「さらなる売上高の成長を企図した新規出店の実施、地域医療貢献等の各種体制強化とそれによる既存店舗の売上高の増加、経営管理指標(KPI)の見える化を含む経営管理手法の導入、ガバナンス・コンプライアンス体制の強化、コーポレート・フィロソフィーの浸透及びESG活動の推進等、クラフトが次のステージに向けてさらに力強く成長するための施策の立案・実行を支援する」としています。

店舗を増やし、売上高を増やそうとするあまり、M&Aの際に、結局高く買ったということなんでしょうね。
商売は売上高ではなく、利益が重要ということや、M&Aの際には、採算の計算をきちんとすべきだということを改めて感じた1件でした。

2022年2月にADRを申請した調剤大手のさくら薬局のクラフトを投資ファンドのNSSKが買収されたことについて、どう思われましたか?


株式譲渡で約1億6,500万円脱税した会社役員を高松国税局が告発!

NHKによると、高松国税局は、株式を譲り渡した際に得た所得を隠し、所得税およそ1億6,500万円を脱税したとして、不動産管理などを行う会社の代表取締役を、所得税法違反の疑いで松山地方検察庁に告発しました。

告発されたのは、東京都江東区に住む、不動産管理などを行う会社の代表取締役(71)です。

高松国税局によりますと、代表取締役は、自身の株式を譲り渡した際に得た平成28年分の所得、およそ11億600万円を隠し、所得税およそ1億6,500万円を脱税したとして、所得税法違反の疑いが持たれています。

高松国税局は、2022年6月に松山地方検察庁に所得税法違反で告発したということで、その後、修正申告があったかどうかや、認否については明らかにしていません。

東京にお住まいの方を高松国税局が告発しているということは、途中で住所を変えているんですかね。
会社の経営者であれば申告が必要なのは当然分かっているでしょうし、株主の異動は法人税別表2などで分かると思いますが、バレないとでも思っていたのでしょうか?
株式の譲渡所得は分離課税で税率が低いと思いますが、どういう考えで申告しなかったのか知りたいですね。

株式譲渡で約1億6,500万円脱税した会社役員を高松国税局が告発したことについて、どう思われましたか?


アシックスがランナーのためのポータルサイトを運営するアールビーズの株式を取得し子会社化!

日本M&Aセンターによると、株式会社アシックスは、日本テレビホールディングス株式会社(東京都港区)と共同で、株式会社アールビーズ(東京都渋谷区)の自己株式を除く発行済株式の全てを取得する株式譲渡契約を締結しました。

アシックスがアールビーズの株式の65%を取得し、グループ会社化するとともに、日本テレビHDが35%を取得するようです。

アシックスは、各種スポーツ用品等の製造および販売を行っています。
ランニング事業を重点戦略の一つとして、マーケットシェアの拡大やプレゼンスの向上などを図っています。

アールビーズは、ランナーのためのポータルサイト「RUNNET」や大会エントリー連動型トレーニングアプリ「TATTA」の運営、国内ランニングイベントの運営受託および企画開発などを行っています。

本件M&Aにより、アシックスは、アシックスの顧客にはアールビーズが手掛けるランニングイベントへの参加を促し、RUNNET会員にはアシックスの製品およびサービスを利用してもらうなど、より多くのランナーに対してシームレスにサービスを提供することを目指します。

また、日本テレビHDとは、日本テレビHDが運営するフィットネスクラブ「ティップネス」やアスリートによるコーチ事業「ドリームコーチング」などと連携し、3社協業による「ランニングに関わるすべてが揃う」プラットフォームの構築を目指します。

アシックスは海外売上が多く、過去最高益を計上するなど最近、業績が好調のようですが、そういう時に次なる手を打つということは、経営者が優秀なんでしょうね。
個人的にも、アシックスのシューズは好きなので、頑張って欲しいですね。
ちなみに、アシックスはオニツカタイガーというブランドを持っていますが、元々は、鬼塚株式会社だったそうです。

アシックスがランナーのためのポータルサイトを運営するアールビーズの株式を取得し子会社化することについて、どう思われましたか?


ソフトバンク及びZホールディングスがPayPayを連結子会社化へ!

日本M&Aセンターによると、ソフトバンク株式会社は、Zホールディングス株式会社との間で、PayPay株式会社(東京都千代田区)を両社の連結子会社とする取引契約を締結しました。

ソフトバンクとZホールディングスは折半で出資し、持ち株会社「Bホールディングス」を新たに設立し、BホールディングスはPayPayの優先株を普通株に転換するなどの方法で、PayPayの親会社となります。

ソフトバンクは、移動通信サービス・固定通信サービス・インターネット接続サービスの提供、携帯端末の販売を行っています。

一方、Zホールディングスは、グループ会社の経営管理を行っています。
グループ会社は、ヤフー株式会社、LINE株式会社、アスクル株式会社、株式会社GYAOなどがあります。

また、PayPayは、モバイルペイメントなど電子決済サービスの開発・提供を行っています。

ソフトバンクとZホールディングスは、PayPayの収益機会と経済圏の拡大と、グループ内のシナジー強化を図ります。

今後の予定としては、2022年10月1日に株式交付の効力が発生するようです。

色々とグループ内で再編を行う会社ですね。
過去には、節税が目的と思われるものもあったかもしれませんが、再編で、シナジー効果が強化されるのであれば、どんどんやればいいなぁと思います。
個人的には、電子決済サービスはたくさんあり過ぎるので、淘汰されて数社になればいいのになぁと思っていますので。

ソフトバンク及びZホールディングスがPayPayを連結子会社化することについて、どう思われましたか?


天満屋ストアが駅弁等の製造販売を行う三好野本店の株式を取得し子会社化へ!

日本M&Aセンターによると、株式会社天満屋ストア(9846)は、株式会社三好野本店(岡山県岡山市)の全株式を取得し、子会社化することを決定しました。

取得価格は、アドバイザリー費用等も含め、約705百万円だそうです。

天満屋ストアは、食料品・生活用品・衣料品の販売を行っており、岡山県を中心に広島県東部、鳥取県にて店舗を展開しています。

三好野本店は、駅弁などの製造販売、高速道路のサービスエリア運営を行っています。

天満屋ストアは、三好野本店の製造販売事業におけるブランド力や運営ノウハウの活用による、天満屋店舗とのセールスシナジーやコストシナジーを期待し、本件M&Aに至ったようです。
更なる販路拡大や、三好野本店がもつ冷凍技術を活用した新たな商品展開を進めるなど事業拡大を図ります。

香川県と岡山県は近いですし、新幹線に乗るときは岡山駅から乗りますし、ドクターイエローのお弁当などを売っていたので、三好野本店の名前は知っていたのですが、天満屋ストアに買収されるんですね。
天満屋ストアは、親会社の天満屋の高松天満屋もそうですが、以前は高松市などに出店していましたが、10年近く前に香川県からは撤退してしまいましたが、頑張って、こどもたちが喜ぶような駅弁を今後も作っていって欲しいですね。

天満屋ストアが駅弁等の製造販売を行う三好野本店の株式を取得し子会社化することについて、どう思われましたか?


「企業価値417億円」Origamiをメルカリが買収した理由!

2020年1月23日、メルカリの100%子会社でスマホ決済サービスを提供するメルペイが、同じくスマホ決済サービス企業であるOrigami(オリガミ)を買収すると発表しました。

このときは、買収金額は非公表でした。

メルカリ広報担当者はBusiness Insider Japanの取材に対し、Origami Payとメルペイのサービスは今後統合される方針と説明しました。

ただし、加盟店やアプリを使っているユーザーには今後、移行を促していくものの、Origami Payアプリそのものがメルペイに切り替わったり、加盟店がそのままメルペイ加盟店として吸収されるわけではない、としました。

買収後も当面、法人格としてのオリガミは存続します。

これは、トヨタが提供する決済アプリ「TOYOTA Wallet」の決済機能や、全国の数百の信用金庫へのキャッシュレス決済基盤など、企業向けの決済技術をオリガミが提供しているためだそうです。

とはいえ、この時点では基本合意という段階でもあり、買収後の人材配置については「現時点では何も決まっていない」(メルペイ広報)とのことでした。

これまでもメルペイは加盟店開拓に関する協業などのために、他の事業者との連携は密にとってきました。

オリガミの買収交渉のスタート時期について、メルペイ広報は「(2019年)11月以降、業界全体の動きが加速していった」と説明しました。

「11月」とは、言うまでもなくヤフーとLINEの経営統合発表のことです。

キャッシュレス決済の巨大プレイヤーどうしが1つのグループになることによる「業界再編」が急速に進む中で、メルペイ、オリガミはさらに一歩踏み込んだ「協業」を模索し、それが今回の買収に至ったのです。

オリガミは地方の個人店舗など、中小事業者のネットワークを持っており、中規模の事業者に強みのあるメルペイにとっては、相互に補完関係のあるビジネスでした。

オリガミは2012年に創業し、2016年から他社に先駆けてQRコードをつかったキャッシュレス決済サービスを国内で展開してきました。

Origami Payを導入する加盟店は、累計で19万か所で、日本経済新聞は2019年11月に発表した「NEXTユニコーン調査」で、オリガミの企業価値を417億円としていました。

一方、DIAMOND onlineによると、2020年1月23日には両社は売却価格を非公表としていましたが、複数の関係者は1株1円だったことを明らかにしたようです。

オリガミの株数は259万株であるため、譲渡価格は総額約259万円だったことになります。

日本経済新聞社が2019年11月に発表した発表した「NEXTユニコーン調査」では、オリガミの企業価値は417億円と算定されており、今回の売却価格は市場評価を大きく下回ったことになります。

金融関係者は「フィンテック(金融とITの融合)・バブルの崩壊」と語っています。

複数の関係者によると、オリガミは売却発表と同時に社内向けに大規模な人員削減策を公表したようです。

社員185人のうち約9割にあたる160~170人規模のリストラ策に踏み切るようです。

大半の社員は1月末が最終出社となり、2月末で退職になるようです。

これは事実上の解雇に当たりますが、今回のメルカリへの売却は実質的な経営破綻となるため、「人員削減の必要性という項目に該当し、いわゆる整理解雇の位置付けだ」と関係者は明かしたようです。

ダイヤモンド編集部の取材に対し、譲渡価格についてメルカリの広報担当者は「非公表のためノーコメント」とし、リストラの人数についてはオリガミとメルカリの両広報担当者共に「両社が最大に強みを発揮できる適切な人員配置を検討している」と語るにとどめました。

オリガミはコスト面の負担が大きい一方で収益が追い付かず、2020年1月中旬の段階で「残り数週間で資金がショートするレベル」(関係者)だったようです。

康井義貴社長をはじめ、オリガミ幹部は資本調達に走り回りましたが、出資先が見つからずに八方ふさがりとなり、最後にたどり着いたのがメルカリでした。

康井社長は1株1円という破格での売却の代わりに従業員の雇用維持を申し入れたが、従業員の削減が「メルカリからの買収条件だった」(オリガミ元社員)ようです。

日本企業では、買収元が買収先企業の従業員の大リストラに着手する事例は少ないが、「スタートアップの救済であれば妥当だ」とベンチャーキャピタル関係者は指摘しています。

オリガミがしのぎを削っていたキャッシュレス決済の分野は、官民一体による推進と消費増税の緩和策として取られたポイント還元制度などを追い風に、多数の新規プレイヤーの参入が続いていました。

中でもオリガミは、2012年創業でいち早くキャッシュレス決済に進出した業界のフロントランナーで、信用金庫の中央銀行としての役割を担う信用中央金庫と資本業務提携を結び、地方の加盟店開拓にも取り組んでいます。

しかしながら、ソフトバンクグループ傘下の PayPay(ペイペイ)は、消費者還元キャンペーンを繰り返して顧客を拡大しました。

加えて、ヤフーとLINEの経営統合によりLINEPayの顧客基盤が加わることになりました。

PayPayの加盟店数185万か所に対して、オリガミは約19万か所にとどまり、すでに大きく劣後しています。

レガシー(負の遺産)を抱える銀行や証券会社など従来の金融プレイヤーがサービス改革に出遅れる中、イノベーターとして勃興してきたフィンテック・ベンチャーですが、「これまでは、赤字でも粗利益さえ増やせば資金は後から付いてくるというビジネスモデルだったが、大きな転機に差し掛かっている」と話す金融業界関係者もいるようです。

現在、多額のリスクマネーがフィンテック・ベンチャーに流れていますが、今後はより一層スタートアップの真贋が問われるでしょう。

何ちゃらPayがたくさんありますが、複数社に集約されるのが目に見えている中で、オリガミが買収されるのは当然の結果だと思います。
利用者としては、何ちゃらPayの数をできれば絞りたいはずで、使える店が少ないオリガミなどは淘汰されてしまうでしょう。
2019年11月の企業価値が417億円だったというのが驚きですね。
弊事務所も加盟店になっているPayPayも、手数料がいらないということで加盟店を増やしているはずですから、手数料を取り始めると、加盟店はおそらくかなり減ると思います。
PayPayですら、将来稼いでいけるのか疑問なわけですから、加盟店の少ないそれ以外のところは将来性があるのでしょうか?

「企業価値417億円」Origamiをメルカリが買収した理由について、どう思われましたか?


親族外への事業承継の税優遇として株式の売却が5,000万円までを上限に検討!

 日本経済新聞によると、後継者難の中小企業経営者に第三者への事業譲渡を促す新たな税優遇について、経済産業省と財務省は、売却額5,000万円を上限とする案の検討に入ったようです。
後継者難による廃業を防ぎつつ、過剰な税優遇による不公平や制度の不正利用が生じないよう制限をかける方向だそうです。

中小企業のオーナー経営者が、自分の会社を他社などに売ると、売却額と売った株の簿価との差分だけ利益が生じ、通常は20%の所得税がかかります。
2020年度の税制改正で、経済産業省は、この利益にかかる税負担を一定条件のもとで軽減したり、先送りしたりできる税優遇を創設するよう求めています。
今後、与党の税制調査会で議論し、制度創設を判断するようです。

財務省側からは制度の乱用や税逃れを懸念する声が上がっています。
このため経産省は、税優遇を利用できる対象に制限を設け、売却額5,000万円を上限とする案を提示しました。
また、伝統産業やサプライチェーン維持に重要な役割を果たす「地域経済に不可欠な存在」と、国に認定された中小企業だけが、税優遇を使えるようにすることも盛り込みました。

会社の買い手に対して一定期間、事業を続けることを求めることも盛り込まれるようです。
前オーナーから会社を買い、すぐに重要な資産を売却したり事業をたたんだりすると、税優遇をしてまで事業承継を支援した意味がなくなるためです。

もしそのような事態になったら、売り手側の前オーナー経営者に、軽減された税負担分を国庫に返納させる仕組みにする案も有力です。

「一定期間」をどのくらいの長さとするかについては、経済産業省と財務省の間で意見の違いが出ているようです。
できるだけ短くしたい経産省側は1年程度を考えているようですが、財務省側は制度の悪用を防ぐためにも5年程度は必要だとみているようです。
親子など親族内の承継を後押しする「事業承継税制」では、5年間は事業を継続するという条件を課しているからです。

経済産業省によると、2025年には全国の中小企業の経営者の約6割が70歳以上になり、その半分の約127万人はまだ後継者が未定だそうです。
経済産業省は、後継者難による廃業を回避するため、親族内の事業承継に限らず第三者への譲渡にも支援が必要と主張しています。

一方、第三者への承継は要するに「身売り」そのもので、親族内での承継とは全く異なるという指摘も与党や財務省から出ています。
中小企業の後継者が見つからなかったり、身売りがうまくいかなかったりする理由は税以外にもあるという意見も根強く、与党税調でも主な議論のテーマの一つになりそうです。

個人的には、税負担が重いため、事業承継をしないケースがそれほどあるのだろうかと思いますが、優遇制度を作れば、第三者承継(いわゆるM&A)という形の事業承継も少しは進むのかなぁとも思います。
所得税の世界では、20パーセントの税率というのはそれほど高くないからです。
また、5,000万円という上限を決めると、テクニカルに株式の譲渡価額を5,000万円以下に抑えるようなことが行われるでしょうから、その辺りも含めて、慎重に決めて欲しいなぁと思います。

親族外への事業承継の税優遇として株式の売却が5,000万円までを上限に検討していることについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループの節税策を受け財務省が抜け穴封じへ!

 財務省は、ソフトバンクグループ(SBG)が用いたM&A(合併・買収)に絡んだ節税策を防止する方針を固めたようです。
同一グループ内の資本取引で実態に変化がないにもかかわらず巨額の赤字を意図的につくり出して、ほかの部門の黒字と相殺して法人税を減らす手法を認めないようにします。
予期せぬ大規模な節税につながった制度の抜け穴をふさぎます。

財務省が問題視しているのは、子会社などが中核事業を放出して企業価値が落ちた状態にしてから売却し、簿価と売却額の差だけ赤字を発生させる仕組みです。
このため、子会社の中核事業を手放す際には簿価も目減りさせるルールを軸に検討するようです。
子会社を売却しても簿価と売却額の間に差がなくなり、意図的に赤字をつくれなくなります。

与党の税制調査会での議論も踏まえて、2020年度の税制改正大綱に関連法令の見直し方針を盛り込みたい考えのようです。

SBGは買収したアーム・ホールディングス(HD)と、その中核事業を担う子会社の「アーム・リミテッド」に関する資本取引で大規模な節税を実施しました。
開示資料などによると、SBGは2018年3月にリミテッド株の4分の3をアームHDから配当という形で吸い上げました。
これにより、アームHDの実質的な価値は大きく目減りしました。

SBGは買収時より価値が大幅に落ちたアームHD株の8割弱を同じく傘下にあるソフトバンク・ビジョン・ファンドなどに売却して赤字を発生させました。
この赤字をほかの事業で生じた黒字と相殺し、SBGの法人税負担はゼロになりました。
中核事業のアーム・リミテッドは親会社が変わりましたが、SBGの傘下にあることに変わりはありません。

一つ一つの取引には違法性はなく、制度の抜け穴となっていました。
国税庁からの相談を受け、財務省は今夏ごろから対策の検討を始めていたようです。

一部有識者の間では、包括的に税逃れを制限する規定をつくるべきだという意見もあったようです。
こうした規定は一般的租税回避防止規定(GAAR)と呼ばれ、英国やインドなども導入しています。
ただし、発動の判断が難しいこともあり、各国当局もまだGAARを使いこなせていない状況です。

企業側からは、税務当局の出方が読みづらくなり、予期しない追徴課税を受ける可能性も高まるとして慎重な声も多いようです。
財務省は現段階でGAARの検討に踏み込まず、個別の節税策を封じることにしました。

僕自身、税理士なので、こういったスキームを提案できる税理士を尊敬しますし、ある種、それが税理士の存在価値の一つだと思っていますが、世論はそうではありませんね。
最近、良い節税スキームがあると、国税庁も研究して、結構早く改正してきますね。
結局のところ、税法の不備でしょうから、国税庁も悔しいんでしょうね。
一方で、現行ではO.K.という表れでもあります。
僕も、税理士として、いつの日か何か国税庁に塞がれるようなスキームを編み出したいですね(笑)。

ソフトバンクグループの節税策を受け財務省が抜け穴封じを行うことについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループの納税ゼロで税法・資本取引の対応の遅れが露呈!

 このBlogで何度も取り上げていますが、ソフトバンクグループ(SBG)が4,200億円の申告漏れを国税当局に指摘され修正申告しました。
問題は計上時期が異なった「期ずれ」にとどまりません。
2018年3月期に国内の法人税がゼロとなった裏側には、グループ内の株式移転のみで2兆円もの損失が生じる仕組みがあったのです。
企業グループの複雑化と資本取引の増加に対応できない税制の不備が露呈したのです。

国税当局は一連の税務処理を調査しましたが、不当な税逃れとまではいえないとの結論に至ったようです。
専門家は「一つ一つの行為は適法だが、全体としてみれば、税制の穴をつく租税回避行為との印象を受ける」(財務省主税局で税法の企画立案を長く担当した朝長英樹税理士)と指摘しています。

SBGは「税法に従って適正な処理を行った」とコメントしており、資本取引については「海外事業における最適な資本関係を実現するため」としています。

資本取引の流れはこうです。
SBGは2016年9月、イギリスのアーム・ホールディングス(HD)の全株を3.3兆円(当時の為替レート)で買収しました。
アームHD自体は持ち株会社で、価値の大半は半導体の設計子会社、アーム・リミテッドにあります。

イギリスの開示資料や関係者によると、アームHD社は2018年3月23日、SBGにリミテッド株の75%(2.6兆円)を現物配当しました。
同日、今度はSBGがアームHD株の78%を傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」などに譲渡しました。
配当を出し、価値が落ちたアームHD株を譲渡したため2兆円の損が生じました。

業績悪化などの事態があったわけではなく、親会社が自ら配当として吸い上げたために損は発生したのです。
再編後もSBGはリミテッドの支配権の100%を間接分も含めて保有します。
実態に変化がないのに税のメリットを受けられたのです。

背景には2つの税の論点があります。
1つは日本の2009年度の税制改正で導入された「外国子会社配当益金不算入制度」です。
海外子会社からの配当は95%が益金不算入(非課税)となります。
二重課税を避けるとともに、海外の利益を日本に還流させ、経済を活性化する狙いがあります。

この制度では株式による現物配当も認められている点をSBGは活用したのです。
今回、SBGが受け取ったリミテッド株の2.4兆円分は非課税となったのです。
課税額が少なく、移転が容易になりました。

税務上の価値評価も影響しました。
日本の税法は原則、取得時の帳簿価格を重視します。
アームHDの簿価は、リミテッド株の75%を配当に出した時点で残り25%分の0.7兆円に修正されるのが実態に合います。
しかしながら、簿価は買収時のまま維持され、譲渡時に時価との差が損となってしまうのです。

専門家は「アームHD株の簿価が、適切に調整される規定が現行法では存在せず、不適切な譲渡損が発生してしまった」(アンパサンド税理士事務所の山田典正・代表税理士)と指摘しています。

日本の法人税法には、組織再編などで税負担を不当に減少させたと国税当局が判断した場合は申告内容を否認できる規定があるのです。
法人税法第132条の「行為計算否認規定」です。
ただし、何をもって「不当」とするかは法律上の明文規定はなく、見解の違いが生じやすくなっています。

この規定が適用され、約58億円を追徴課税された大手レコード会社が処分の取り消しを求めた訴訟では、2019年6月に東京地裁は国税当局の処分を取り消す判決を言い渡しました。
組織再編に伴う資金の借り入れなどが問題となりましたが、「経済的合理性がある」と判断されたのです。

今回のSBGでも同規定の適用が検討されたもようですが、国税当局は調査の結果、不当に法人税を減少させたとまではいえないと結論づけました。

企業活動は複雑化し、税の「抜け穴」全てはふさげません。
欧米では行きすぎた租税回避に対応できる「一般的否認規定(GAAR)」があります。
「日本でもGAARの導入議論が必要で、その際には適用条件も明確にすべきだ」(森信茂樹・東京財団政策研究所研究主幹)との声が強まっているようです。

組織再編をやるうえで、税額ができるだけ少なくなるような手法を使うのは、経済的合理性を考えれば当然かと思います。
結局のところ、税制の不備なのですから、おかしなところがあれば直せばよいと思いますし、条文を作るときから、もっと色々なことを想定して作らないといけないのではないかと思います。
そこには、高度な専門知識が不可欠だと思いますので、条文を作る側の方も常に情報を収集し、スキルアップをはからないと厳しいでしょうね。
批判もあるかと思いますが、僕も税理士ですので、これだけ巨額な取引に関し、こういったスキームを描いた税理士もすごいと思いますし、そういうことが税理士の存在価値を高めるのだと思っており、提案のできる公認会計士・税理士でありたいと思っています。

ソフトバンクグループの納税ゼで税法・資本取引の対応の遅れが露呈したことについて、どう思われましたか?


ソフトバンクグループがヤフーの再編で税務メリット!

 ソフトバンクグループ(SBG)は、先日、ヤフーを巡るグループ内の資本再編を完了させました。
ヤフーの親会社はSBGから国内通信子会社ソフトバンク(SB)に移り、5,000億円強の資金がSBGに入いります。
ヤフーの第三者割当増資と自社株TOB(株式公開買い付け)を組み合わせたことで、SBGとSBの間で株を直接譲渡するより、SBG側に税メリットが生じる見通しです。
SBGは「節税が目的ではない」としていますが、子会社がヤフーから受け取る資金の大部分が課税対象とならない可能性が高くなっています。
2018年3月期もグループ内の資本移動に関連し、巨額の税務上の欠損金を出して法人税を払っていません。
資金流出を抑え、株主価値の最大化を図る手法とみるべきなのでしょうか?
税務の視点から追っています。

今回の再編で、ヤフーの親会社はSBGからSBに移ります。
SBにとってはこれまで兄弟会社だったヤフーと、親子の関係になるわけです。
SBの宮内謙社長は独立した上場会社として通信以外の新規事業に成長を求めるには、兄弟会社のヤフーとの関係を深めるのがベストと考えました。
事業上の「シナジー(相乗効果)」が再編の狙いと説明しています。

再編のスキームは入り組んでいます。
SBGは同社からSBに直接ヤフー株を譲渡するのではなく、ヤフーの自社株買いや増資を組み合わせる手法をとりました。

まず、ヤフーがSBを割当先とする第三者割当増資を実施しました。
新株約15億株を発行し、4,565億円を調達します。
次にヤフーはTOBによって自社株を買い取ります。
この自社株買いにヤフー株を約18億株持つSBGの中間持ち株会社ソフトバンクグループジャパン(SBGJ)が保有株の売却で応じます。

この一連の取引で、最も税務上のメリットを享受するのは、SBGJです。
SBGJはTOBに応募し、5,145億円を受け取りますが、この大半について税金がかからないのです。

読み解くヒントは「みなし配当」です。
今回のスキームでいえば、SBGJがTOBに応募して受け取る資金のうち、ヤフーの資本金などの額を超える部分を指します。

公表された情報をもとに試算しています。
計算式は、TOBの対価から、ヤフー株の資本持分と負債利子を引いた額です。

SBGJはヤフー株の約36%を保有します。
資本持分の計算には、税務上の資本金を使いますが、開示されていないため、会計上の数値で推計しています。
ヤフーの資本金と資本剰余金(単体)は合計で約130億円です。
この36%にあたる約47億円と、負債利子(非開示、比較的少額と仮定)を5,145億円から差し引きます。

概算では、5,000億円を超える規模の金額が「みなし配当」となります。

SBGJはヤフー株の約36%、つまり3分の1以上を保有していました。
法人税法の規定により、TOBに応じてSBGJが得た売却代金は配当を受け取ったとみなされ(みなし配当)、3分の1以上を保有する株主の場合、大半が課税対象にならない「益金不算入」(税金の計算にいれなくてよい)となります。

次にSBGJとヤフーの間の譲渡損益を考えます。
TOB対価からヤフー株の取得原価を差し引いて計算しますが、SBGとヤフーは取得原価について「開示しない」としており、ここでは推計が難しくなっています。
ヤフー株の売却によって益がでれば課税され、損が出れば他の所得と通算して税金を減らすことができるのです。

今回のような再編スキームをとらずに、単純にSBGがSBに直接ヤフー株を譲渡したとしたらどうなるでしょうか?
売却価格から取得価格を引いた差額は利益として、課税対象になります。
つまり、税務上は正反対の結果となるのです。

組織再編や同族会社の間の取引では、企業と国税当局の間で係争が起きることがあります。
IBM`が子会社株の売買に伴う税務上の赤字を連結納税を使ってグループ内で相殺したことなどが問題となりました。
東京国税局は「節税が主目的だ」として、法人税法132条(行為計算否認)の規定を使い、約3,995億円の申告漏れを指摘しました。
ただし、IBM`側が不服として争った結果、2016年には課税が取り消される判決が確定しました。

今回の案件について、専門家の評価は分かれているようです。
財務省主税局で税法の企画立案を長く担当した朝長英樹日本税制研究所代表理事は、「IBM訴訟と同様の問題があるとの指摘を受けるリスクは残る。取引が経済合理性のあるものか、そして不自然・不合理な点がないかどうかが当局の判断の焦点となる」と指摘しています。

一方、税務関連の訴訟を多く手掛ける鳥飼総合法律事務所の高田貴史税務部部長は、「節税のみを目的にした再編だと明確に示す情報がない限り、(法人税の負担を不当に減少させたと指摘するのは)かなり難しいだろう」とみています。
「税務のプロなら当然とりうる手段だ。グループ外に資金流出せず、節税メリットもとれる」と話しています。

僕は、後者の立場です。
節税が目的ではなく、組織再編などを行う際に、税金が多額にかかる手法とほとんどかからなない手法があるのであれば、かからない手法を検討するのが当然ではないかと思います。
税務は知らない人は損をする世界ですし、同じことをするにしても、やり方によって税額に大きな差が生じるのは税法の不備なのではないかと思います。
こういったことで、納税者の主張が認められ、国税局の考えが変わっていくのを期待したいと思います。

ソフトバンクグループがヤフーの再編で税務メリットを取っていることについて、どう思われましたか?

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生前贈与が税制改正でお得になり「相続時精算課税制度」を使うべき4つの理由!

週間ダイヤモンドによると、2024年5月、国税庁は2023年分の贈与税の確定申告状況について公表しました。

報道向けの発表資料によると、贈与税申告書の提出者は51万人に上り、前年よりも2.6%増加しています。

51万人のうち、申告納税額があった方は37万6,000人と、こちらは前年比より0.9%減少しています。

同資料では、贈与税の課税方法についても公表しており、暦年課税を適用した人は46万1,000人(前年比1.5%増)、相続時精算課税を適用した人は4万9,000人(同13.3%増)となっています。

いずれの贈与方法も前年より伸びていますが、特に注目すべきは「相続時精算課税制度」です。

これまで「使いにくい」とも言われていた相続時精算課税制度ですが、高い伸び率であり、今年は法改正もあったことから、さらに注目が高まっています。

では、本制度を使うべき理由とはどのようなものなのでしょうか?

今回の記事では、2024年最新版の情報に触れながら、相続時精算課税制度を使うべき4つの理由を紹介しています。

2024年は「相続時精算課税制度」に法改正があったことはご存じでしょうか?

今回の改正により、新たに非課税枠が新設されたのです。

元々本制度は2,500万円までの生前贈与なら贈与税がかからない(特別控除)しくみであり、贈与者が死亡した際に相続財産に持ち戻しをして、相続税計算を行うものです。

なお、暦年贈与と併用することはできません。

例えば、母親が子に対して生前に本制度を使って2,500万円の贈与を行い、母親の死去後に遺産が1億円あったと仮定します。

この場合、2,500万円を持ち戻して計算するため、相続税計算は1億2,500万円が対象となります。

本制度は贈与税を支払わなくてもよい代わりに、相続税が発生する可能性があるため注意が必要です。

また、「相続時精算課税制度」は誰でも利用できる制度ではありません。

対象者は以下のように制限されています。
・贈与できる人(贈与者)は60歳以上の父母や祖父母
・贈与される人(受贈者)は18歳以上の子や孫

また、本制度は使用を開始する場合、相続時精算課税制度に関する所定の書類を税務署に対して届け出る必要があります。

法改正により、今後は年に110万円までの基礎控除が認められたため、「年間110万円」までの贈与なら贈与税もかからず、累計2,500万円までの特別控除にも含む必要がなくなりました。

以前よりも若干ではあるが、制度としてお得になったと言えるでしょう。

2024年の法改正も踏まえると、今後相続時精算課税制度はさらに利用者が増す可能性は高いでしょう。

高齢者から若年層へ財産を承継できる本制度に、関心を持っている方も多いのではないでしょうか?

しかしながら、本制度は暦年贈与と比較すると利用が避けられてきた過去もあります。

その理由は主に以下の4つです。

まず1つ目は、「暦年贈与に戻れない」という点です。

年間110万円までの贈与なら非課税である暦年贈与は、広く活用されている贈与方法です。

暦年贈与は相続時精算課税制度とは異なり、贈与者・受贈者の双方に制限がありません。

自分の財産を誰に贈与しても適用される柔軟な贈与のしくみです。

ところが、一度相続時精算課税制度に切り替えてしまうと、便利な暦年贈与には戻れないのです。

長く暦年贈与を使っている方にとっては、相続時精算課税制度の魅力は低く感じるでしょう。

2つ目は、「必要書類が多い」点です。

相続時精算課税制度の利用にあたっては、選択届出書や受贈者の戸籍謄本などを提出する必要があり、こちらも暦年贈与と比較すると手続きがややこしいのです。

電子申告も可能だが、最初に贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、書類を整えて税務署に提出する必要があります。

次に3つ目は、「そもそもあまり知られていない」という問題です。

贈与は110万円までは贈与税がかからないという暦年贈与しか知らないという方は多く、相続時精算課税制度はもちろん、教育資金の一括贈与やおしどり贈与などはあまり知られていません。

贈与の方法には暦年贈与以外の選択肢もありますが、手続きの複雑さや対象者が限られているなどの理由から、見落とされる傾向があります。

最後に4つ目は、「贈与税の先送り、というイメージが強い」点です。

相続時精算課税制度は贈与時には税金を納めなくてもよいのですが、相続時にはその他の遺産と合わせて相続税計算をするため、結局相続税として税金を納めなければならない可能性もあります。

手続きがややこしく、税金も将来支払う必要があるなら…と本制度利用のメリットはない、と判断する人は多いでしょう。

これまで利用が避けられてきた相続時精算課税制度ですが、法改正後の今だからこそ知っておきたい「使うべき」4つの理由を紹介しています。

まず1つ目は、「値上がりしそうな財産の贈与はお得」になるという点です。

本制度の活用で高額の贈与をしても、2,500万円までは非課税となるほか、この金額を超えても贈与税の税率は一律20%しかかかりません。

暦年贈与は最大で55%の贈与税が発生するため、実は一気に行う高額贈与なら本制度の方がお得なのです。

相続時精算課税制度で贈与した財産は「贈与時の価額」で評価するため、将来的に値上がりする財産を贈与しておけば相続税対策にもつながるのです。

2つ目は、「高齢者の贈与に向いている」点です。

暦年贈与も法改正があり、これまで相続開始3年前までの贈与を相続財産に持ち戻しする必要がありましたが、今後7年へと段階的に延長されます。

高齢者にとっては病気などをきっかけに贈与を始めても、思うような相続税の節税効果が得られない可能性があります。

高額の財産を贈与するなら、少しずつ暦年贈与するよりも、思いきって相続時精算課税制度を選択することも検討の余地があります。

次に3つ目は、「110万円の基礎控除の誕生」です。

これまでこのしくみがなかったため、たとえ少額であっても相続時精算課税制度を利用するなら贈与税申告が必要でした。

しかしながら、110万円の基礎控除枠ができたことにより、この金額以下なら申告は不要です。

以前よりも制度が使いやすくなったのです。

また、毎年110万円までの贈与は、相続時の持ち戻しの対象外となる点も注目したいですね。

最後に4つ目は、「相続トラブルを防ぐ効果がある」点です。

相続人間で争う可能性がある財産を贈与であげたい人に渡してしまえば、遺産分割協議時に争いは起きにくくなります。

遺言書を使う方法も考えられますが、1つ目に触れたように値上がりしそうな財産は早期に渡すことで相続税の節税効果も得られます。

特に資産が多い方は、本制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

魅力が多い相続時精算課税制度ですが、暦年贈与に戻れない以外にも意外な落とし穴もあるのです。

まず、不動産の贈与時には税金への注意が必要です。

登録免許税と不動産取得税の負担がそれぞれ重くなる可能性があります。

相続時よりも贈与時の方が税率は高いため、事前に税理士に相談し計算結果を見てから判断することもおすすめです。

小規模宅地等の特例も使えなくなるため、不動産の贈与は慎重に進めてほしいですね。

また、本制度は孫へ贈与できる点が魅力ですが、相続人ではない孫(代襲相続除く)は相続税が2割加算となるのです。

今回は相続時精算課税制度について、2024年最新の情報を交えながら解説しています。

本制度は今後も利用率が伸びていくと思われますが、先述のとおり、意外な落とし穴があることも忘れずに利用してほしいですね。

相続時精算課税制度以外にも、相続税対策には遺言書や家族信託の活用なども考えられます。

いずれの方法でも、相続開始後のトラブルを未然に防ぐために、家族で資産形成のゆくえについて話し合いをしたうえで制度利用を決めましょう。

特に高額の贈与は、もらえなかった方に「なぜ自分はもらえなかったのか」という禍根を残してしまうおそれがあります。

明るい相続を目指すためにも、贈与の段階から丁寧な話し合いを重ねておきましょう。

先日、とある金融機関の方から、持ち戻し期間が3年から7年になった一方、相続時精算課税に非課税枠ができたわけですから、使わないと損じゃないですか?と聞かれましたが、メリットばかりではなく、デメリットもあることをお伝えしました。

安易に相続時精算課税を選択するのではなく、慎重に選択して欲しいですね。

生前贈与が税制改正でお得になり「相続時精算課税制度」を使うべき4つの理由について、あなたはどう思われましたか?


ハイデイ日高の創業者が創業50周年で従業員へ株4億円分贈与!

埼玉新聞社によると、埼玉県内を中心に中華料理店「日高屋」などを展開しているハイデイ日高(さいたま市大宮区、青野敬成社長)の創業者で、代表取締役会長の神田正氏は、自身の保有株式の一部約4億円分を従業員に贈与することを、先日発表しました。
2018年以来、2度目の実施となります。

贈与する株式数は約20万株(2023年4月5日現在、約4億2千万円相当)で、対象者は役員、正社員のほか、条件を満たしたパート・アルバイト従業員で、2023年6月の実施を予定しています。

今回の贈与は、株式公開から20年以上が経過し、2023年2月に創業50周年の節目を迎えた同社の発展に尽力し、共に働いてきた従業員への感謝の気持ちを込めています。

神田会長は「会社が成長して、利益を社員に還元する『分かち合う資本主義』を大切にしていきたいと思っている」とし、従業員への還元によって、安心して働ける環境を整備していくそうです。

たまに見かけますが、なかなかできないことだと思いますので、すごいですね。
こういう会社で働く方は幸せでしょうね。

ハイデイ日高の創業者が創業50周年で従業員へ株4億円分贈与したことについて、どう思われましたか?


生前贈与の相続税加算は「7年に拡大」軸に調整!

読売新聞によると、政府・与党は生前贈与を行う際の相続税の加算期間について、7年を軸に広げる方向で調整に入ったようです。
相続税がかかる加算期間をのばすことで、早めに若年世代への資産移転を促す狙いがあります。

生前贈与には、年間110万円までは贈与税がかからない「暦年課税」と、相続時に贈与税と相続税の差額を精算する「相続時精算課税」の2種類があります。

このうち暦年課税は、死亡前の3年間に相続人が受け取った資産は相続税の対象になります。

3年の加算期間を7年に拡大することにより、税負担を軽減しようと前倒しで生前贈与を行う動きが進むことが期待されます。

一方、相続時精算課税については、少額の贈与を申告不要とする方向で調整を進めており、額は今後詰めるようです。
現在は少額贈与でも税務署への申告が義務づけられています。

2022年12月15日に令和5年度税制改正大綱が公表されると言われていますが、個人的には、これが何年になるのかに最も注目しています。
長くなると、相続税対策も変わってくるでしょうから。
今年、お手伝いさせていただいた相続税の申告案件も、ちょうど半分、3年以内の贈与を足し戻す案件でした。

生前贈与の相続税加算は「7年に拡大」軸に調整していることについて、どう思われましたか?


政府の税制調査会が相続税・贈与税の専門家会合を設置!

日本経済新聞によると、政府の税制調査会(首相の諮問機関)は、先日の総会で、相続税と贈与税のあり方を議論する専門家会合を設置すると決めました。
贈与税は相続税の負担回避を防ぐために相続税よりも高い税率がかかる一方、多額の資産を持つ人が分割して贈与する場合は税率が低くなるため、格差の固定化につながらないような税制のあり方を議論します。

政府の税制調査会の中里実会長(東大名誉教授)は総会で「資産移転の時期の選択に中立的な税制に向け、どのように対応できるかが当面の課題となる」と述べました。

贈与税の課税方式には毎年の贈与額に累進税率を適用し、年間110万円まで非課税になる暦年課税制度と、60歳以上の贈与側1人につき2,500万円まで非課税となる相続時精算課税制度の2つがあります。

政府が富裕層向けに相続税の節税対策を強化するため「暦年課税を廃止するのではないか」との見方が一部にあります。
中里氏は総会後の記者会見で「そういった議論はせずに、理論的・実務的な観点から議論してもらう」と強調しました。

資産税に関わる僕らにとって、数年前からの贈与税の見直しの方向性の話しは、非常に気になるところです。
改正になると、過去の相続税対策が無意味なものになる可能性もありますし、今後の相続税対策が今までとまったく違ったものになる可能性があるからです。
個人的には、暦年贈与の廃止や縮小などが噂されていますが、どうせ改正するなら、失われた30年間と言われるように、給料がほとんど上がっていない状況を少しでも解消するために、ためこんで相続が発生するよりは、贈与をしてもらって、消費にあて、日本経済の活性化につながるような改正方向になればいいなぁと思っています。

政府の税制調査会が相続税・贈与税の専門家会合を設置したことについて、どう思われましたか?


被相続人からの毎年一定額の入金は相続財産に該当しないと認定!

TabisLandによると、被相続人が毎年一定額を入金していた未成年であった者の名義の普通預金口座に係る預金が相続財産に含まれるか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、被相続人が作成した贈与証に基づく贈与を未成年であった者の母親が受諾し、入金していたものであるから、その普通預金口座に係る預金は当時未成年であった者に帰属する財産であり、相続財産には含まれないと認定して、原処分の一部を取り消しました。

この事件は、審査請求人が、相続税の修正申告において課税価格に加算した請求人及び兄名義の普通預金はいずれも相続開始日の3年より前に被相続人から贈与されたものであるから、相続税の課税対象ではないとして更正の請求をしたのが発端となったものです。

これに対して原処分庁が、兄名義の預金についてのみの請求を認める減額更正処分等を行ってきたことから、請求人が請求人名義の預金も請求人の母が親権者として受贈済みであるから原処分庁の認定には誤りがあるなどと主張、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案です。

現金預金が相続財産に含まれるか否か、贈与された時期はいつか、請求人名義の預金が相続財産に含まれるか否か(具体的には、請求人名義の預金は被相続人と請求人のいずれに帰属するものか)が争点になった事件ですが、原処分庁側は、請求人の亡父(被相続人)が毎年一定金額を当時未成年だった請求人に贈与する旨を記した贈与証を作成した上で、請求人の母を介して請求人名義の普通預金口座に11年間にわたって毎年入金していたことについて、請求人の母親が贈与証の具体的な内容を理解しておらず、被相続人の指示に従って普通預金口座に入金していたにすぎず、その入金が請求人へ贈与されたものとは認識していないのであるから、被相続人から請求人への贈与は成立しておらず、その預金は被相続人の相続財産に含まれる旨主張して、審査請求の棄却を求めました。

裁決は、贈与証の内容はその理解が特別困難なものとはいえない上、請求人の母親は贈与証を預かるとともに、被相続人の依頼により預金口座へ毎年入金し、預金口座の通帳等を口座開設当時から管理していたことからすれば、入金が開始した当時、請求人の唯一の親権者であった母親は請求人の法定代理人として贈与証による贈与の申込みを受諾し、その履行として普通預金口座へ毎年入金していたと認めるのが相当であると指摘しました。

また、普通預金口座には、利息を除き、毎年の入金以外に入金はないのでから、預金口座に係る預金は口座開設当初から請求人に帰属するものであって、相続財産には含まれないと判断し、原処分の一部を取り消しました。

いわゆる名義預金の話ですが、事実認定の話になりますから、なかなか難しいですね。
僕自身も、過去に税務調査で名義預金だと指摘され、反論をしたものの、詳細は述べませんが、確固たる証拠を提出することが物理的にできず、反論が認められなかったことがありますが、この事案は認められて良かったですね。
生前から相続税対策などで関わることができれば防げることは色々とあると思うのですが、相続が発生した後に相続税の申告を頼まれることが圧倒的に多いため、少しでも生前からお手伝いできればいいなぁと改めて感じた1件でした。

被相続人からの毎年一定額の入金は相続財産に該当しないと認定されたことについて、どう思われましたか?


妻名義の証券口座への入金はみなし贈与に該当しないと判断!

TabisLandによると、夫名義の預金口座から妻名義の証券口座に金員が入金されたことが、相続税法9条が定める対価を支払わないで利益を受けた場合つまりみなし贈与に該当するか否かの判断が争われた事件で、国税不服審判所は、妻名義の証券口座において夫の財産がそのまま管理されていたものと評価するのが相当であるとして、対価を支払わないで利益を受けた場合には該当しないと判断、原処分を取り消しました。

この事件は、夫名義の預金口座から出金され、妻(審査請求人)名義の預金口座等に入金された金員に相当する金額について、原処分庁が相続税法9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当すると判断、妻(請求人)側に対して贈与税の決定処分等をしてきたのが発端です。
そこで妻側が、そうした金員の財産的な移転はなく、何らの利益も受けていないと主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案です。

原処分庁側は、請求人の夫名義の預金口座からの金員が入金された請求人名義の証券口座について、①請求人自身の判断で取引を行っていたこと、②証券口座の投資信託の分配金が請求人名義の普通預金口座に入金されていたこと、さらに③その分配金等を請求人の所得として確定申告がされていたことなどを理由に挙げて、妻の証券口座への金員の入金は、相続税法9条が規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当する旨主張して、審査請求の棄却を求めたわけです。

裁決はまず、夫婦間における財産の帰属については、①財産又は購入原資の出捐者、②財産の管理及び運用の状況、③財産の費消状況等、④財産の名義を有することとなった経緯等を総合考慮して判断するのが相当であると指摘しました。

その上で、①請求人は入金の前後を通じて夫の財産の管理を主体的に行っており、その管理に係る全部の財産について請求人に帰属していたものと認めることはできないから、証券口座において請求人自身の判断で取引を行った事実をもって利益を受けたと認めることはできないうえ、②分配金等の入金があっても、請求人が私的に費消した事実が認められないこの事案においては、これを管理・運用していたとの評価の範疇を超えるものとはいえず、③確定申告をしたことは、申告をすれば税金が還付されるとの銀行員の教示に従い深く考えずに行ったものとした請求人の主張が不自然とまではいえず、ことさら重要視すべきものとは認められないことなどの諸々の事情を考慮すれば、妻の証券口座への入金によっても、夫の財産は、証券口座においてそのまま管理されていたものと評価するのが相当であると認定しました。

その結果、妻名義の証券口座への入金は、請求人に贈与と同様の経済的利益の移転があったものと認めることはできず、相続税法9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合には該当しないと判断、原処分を全部取り消しました。

事実認定の話になるので、なかなか難しい案件だと思いますが、納税者側の主張が認められたことはいいことですね。
一般的に、税務調査において、名義預金とか名義有価証券とか名義保険というもので相続税を取ろうとしますが、それとは逆のパターンですから、もっと明確なものを示して欲しいなぁと思いますね。

妻名義の証券口座への入金はみなし贈与に該当しないと判断したことについて、どう思われましたか?


小室圭さんが振り込んだ解決金409万円に関し「夫婦間贈与」を専門家が解説!

NEWSポストセブンによると、4年にもわたりくすぶり続けた金銭問題に、とうとう終止符が打たれました。
秋篠宮家の長女・眞子さん(30)と結婚した小室圭さん(30)の母・佳代さんと元婚約者の金銭トラブルに関して、小室さん側から元婚約者に対し解決金409万3,000円が振り込まれました。

2021年4月に「28枚文書」で「解決金を払わない理由」を長文で綴っていた小室さんでしたが、アメリカへ渡る直前、電撃的に解決に動きました。
新婚生活のために渡米する2日前の11月12日、元婚約者が圭さんの母・佳代さんに貸したと主張する約400万円を額面通りに支払うことで双方が解決とする書面が取り交わされると、渡米後の11月15日、ついにそれが振り込まれました。

小室さんがこの400万円をどのように工面したのかは明らかになっていませんが、結婚した夫婦の一方がもう一方と金銭のやりとりをすることは普通に考えられ、何もおかしいことではありません。
しかし、日本の税制には贈与税というものがあり、金銭の贈与には一定の税金がかかるのです。
それがたとえ夫婦間であっても、1年当たり110万円を超える財産の贈与には贈与税がかかるのです。

円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏は、「夫婦間でお金を渡した、振り込んだといった金銭の授受があった場合、それが“あげた”なのか“貸した”なのかが問題になります」と話しています。

「“立て替える”という言葉がありますが、金銭の授受があっても、返済の意思があって、分割でもいいので返せば贈与にはなりません。また、生活費等を管理しやすいようにまとめるために夫から妻に振り込んだ、といった場合も問題は生じません」(橘氏)

贈与であれば、贈与があった年の翌年の2月1日から3月15日に申告をして納税しなくてはなりません。
しかしながら、通常夫婦間で貸借の契約書を交わすことはまれであり、将来的に返済すれば贈与にはならないため、金銭のやりとりだけで問題になるケースはほとんどありません。
夫婦間の贈与が問題になるのは、不動産を購入した際に支払った割合と名義が異なるケースや、どちらかが亡くなり相続税の申告が必要になるケースがほとんどです。

橘氏は今回の小室さんの件にも触れ、「制度上、仮に眞子さんの財産から払われていたとしても、分割払いでもいいので小室さんが妻に返済すれば問題ありませんし、個人間の金銭貸借のため利息をつけてもつけなくても構いません。肝心なのはそれが贈与なのか貸借なのか、お互いの認識です」と話しています。

お金に色はついていません。
今回の解決金の出所は夫婦にしか分からないのが現実です。

職業柄、相続関連のお仕事をしておりますが、『贈与はお金を口座に振り込んでおけばいいんでしょ?』とおっしゃられる方が結構います。
それに対して僕は、『例えば、お母さまからお子さまの口座にお金が振り込まれたとして、それが贈与なのか借入金なのか客観的に分かりますか?』と答えています。
客観的に分からないのは明らかでしょう。
そして、『それが問題となるのは、お母さまがお亡くなりになったあとの相続税の税務調査などでしょうから、既に当事者がいないわけですから。』と。
夫婦間であろうと、親子間であろうと、おじいちゃんおばあちゃんから孫であろうと、贈与するのであれば、贈与契約書・金銭消費貸借契約書をきちんと作りましょうということです。

小室圭さんが振り込んだ解決金409万円に関する「夫婦間贈与」の専門家の解説について、どう思われましたか?


「2億5千万を贈与」との詐欺メールで70代男性が8千円被害!

秋田魁新報によると、秋田県警鹿角署は、先日、秋田県鹿角市の70代男性が特殊詐欺に遭い、電子マネー利用権8千円分をだまし取られたと発表しました。

秋田県警鹿角署によると、先日、男性の携帯電話に「2億5千万円を贈与します」と記載されたメールが届き、贈与のため必要な名義変更などの費用として、電子マネーを購入するよう指示されました。

男性は2日間にわたり、鹿角市内のコンビニを複数回訪れ、要求どおり電子マネー計8千円分を3回に分けて購入しました。
そして、相手から指示されたサイトに電子マネーの利用に必要な番号を入力しました。

秋田県警鹿角署は、「多額の現金を贈与するとの名目で電子マネーをだまし取る特殊詐欺の手口。同様のメールが来たら警察に相談してほしい」と呼び掛けています。

いまだに、このような詐欺にひっかかる方がいらっしゃるんですね。
関係のない方が多額の贈与をしてくれるというおいしい話はないと思いますし、何かをもらうのに先にお金などを支払うというのはそもそも怪しいですよね。
電子マネーの購入という時点で、詐欺という気はしますが。
被害が8千円ですんで良かったと思いますが、こういった事件はなくなってほしいと思いますし、だます方も、その能力をまっとうな商売に使ってほしいですね。

「2億5千万を贈与」との詐欺メールで70代男性が8千円被害にあったことについて、どう思われましたか?


生前贈与は「愚の骨頂」?

現代ビジネスによると、良かれと思って子どもに財産を生前贈与する人は多いようです。

しかしながら、長男に渡せば次男も「自分にも贈与してくれ」と言い出してくるなど、かえって揉めごとを招く原因になることがあります。

自分で稼いだおカネは自分で遣えばいいでしょう。
それでも余ったおカネがある場合、「遺贈寄付」という手があるのです。

遺贈寄付とは、あらかじめ遺産の寄付先を決めておき、自分が死んだら引き渡してもらうことです。

胃がんで2年前から闘病生活を送っている米沢康太さん(76歳・仮名)も、遺贈寄付を計画しているそうです。

「金遣いの荒い息子におカネをくれてやるくらいならと思い、治療でお世話になっている国立がん研究センターへの遺贈寄付を思い立ちました。
がん研究センターには、立派な銘板に寄付者の名前がズラリと並べられている。私のカネが世のため人のためになり、名前まで残せるなら、こんなにうれしいことはない」

米沢さんのように、自分の関心や趣味に従い遺贈寄付を選択する人は、年々増えているそうです。

たとえば、母校の大学を指定して寄付を行うと、自分の名前を冠した奨学金を設立できるケースもあり、後輩の学業を助けることができます。

実際の遺贈寄付の手順は極めてシンプルです。
「遺言書に寄付先の団体と金額を明記し、司法書士などの遺言執行者を指定する。寄付先の団体に事前に伝えておくと、先方もありがたい。
寄付をできるのは現金のみというところも多いので、不動産を寄付したい場合は要確認です」(司法書士の村山澄江氏)。

感謝されて生きた証も残せるため、一石二鳥です。

相続で揉めることは結構ありますが、仲が良かった兄弟姉妹などが相続をきっかけに仲が悪くなるのは残念でありません。
そうなることを防ぐためにも、相続人ではなく、財産を持っている方ができるだけ早く、相続のことを考えましょう。
その中の選択肢の一つが、生前贈与とか遺贈寄付だと思います。
ちなみに、税理士のところには、毎年、日赤から『遺贈・財産寄付ご案内パンフレット』というものが送られてきます(笑)。

生前贈与は「愚の骨頂」?について、どう思われましたか?


サラリーマン家庭でも増えてきた「生前贈与」封じのため改正に動く財務省の言い分!

文春オンラインによると、サラリーマン家庭の間でも増えている相続税の節税策が、近々封じられる可能性があるそうです。

相続税は、一定額以上の財産を持つ富裕層に課せられてきたものですが、2015年の課税ライン引き下げにより課税対象者が増えたことで世の関心が高まり、サラリーマン家庭または定年退職者でも生前の節税策に着手する人が増えています。

その代表は、親の課税対象財産を減らして将来の相続税を軽減するために、親が子や孫に財産の一部を生前贈与することです。

国は、財産の移転に関しては人が亡くなった時の相続税で課税することを基本としています。
課税されることが分かれば、人は生前に財産を贈与して課税を回避しようとするため、相続税を補完するものとして贈与税を作り、1年毎に、贈与額に応じて累進で10%~55%の贈与税を課しています(いわゆる暦年贈与)。
この贈与税の税率は相続税の税率より高く設定され、相続を待たずに生前贈与すれば損する仕組みとなり、生前贈与が抑制されてきました。

ただし、贈与税には特例が設けられ、1人につき誰からもらったかは問わず年間110万円までの贈与は非課税になっています。
これを利用して、親が子や孫にそれぞれ年間110万円ずつ生前贈与するという節税策に着手する人が増えているのです。

1人当たり年間110万円の贈与でも効果は小さくないのです。
例えば、父親が8,000万円の財産を持ち、相続人が子供2人の場合、計470万円の相続税がかかります。
これに対し、父親が子供2人と孫2人の計4人にそれぞれ年間110万円(合計440万円)の非課税贈与を2年間続ければ、相続税は概算で計338万円まで下がり132万円の節税になるのです。
もちろん、期間が長くなれば、節税効果は大きくなっていきます。

生前贈与については、「贈与すれば子供が浪費するだけ」「財産を貰ってしまえば子供は親の面倒を見なくなる」といった指摘もあるのも事実です。
親の財産や家族の状況を見極める必要はありますが、非課税贈与を続ければ節税額は増え、課税ラインを下回って相続税をゼロにすることもできます。

国の制度は、上手に利用する人が得をして、そうでない人が損をしますが、生前贈与はその1つと言えるでしょう。

この生前贈与を最も利用しているのは富裕層でしょう。
年間110万円以上の贈与には贈与税がかかりますが、贈与税を払ってでも生前贈与したほうが相続税の軽減が図れるケースもあります。

ちなみに、2019年の1年間に贈与された額は全体で2兆430億円あまりとなり、1,000万円を超える贈与を受けた人は約1万5,000人に上ります(申告分。相続時精算課税分を含む。)。
当然、年間110万円以下であれば申告は必要ないため、実際にはかなりの額になるでしょう。

問題は、この生前贈与が税制改正によって封じられる可能性があることです。
税制改正の“建前”上の理由は、「若い世代への資産移転の促進」です。

日本では高齢者への資産偏重が進んでいます。
財務省が税制改正に向けて2018年10月に示した資料によれば、個人の金融資産約1,700兆円のうち、60歳以上の人がその約6割(1,000兆円)を保有するに至り、この20年間で倍増しています。

また、高齢化の進行により、2016年には、死亡時の年齢が80歳を超えている親が7割に達しました。
80歳を超えた親の資産を50歳以上の子供が相続するといった、高齢者が高齢者に財産を相続するケースが増えています。

財務省は、この現象を「老老相続」という言葉で表現し、「相続による若年世代への資産移転が進みにくい状況となっている」と問題視しています。
子育てや住宅の購入など支出が多い30代~50代を過ぎた後に財産を相続しても、有効に活用されないからです。

2020年12月の与党の税制改正大綱でも、経済を活性化するために「資産の早期の世代間移転を促進するための税制を構築することが重要」として検討課題に挙げられました。
ここで出て来たのが「相続税と贈与税の一体化」です。
生前贈与には贈与税を課さず、相続時に、生前贈与された分も加えて相続税を課し、財産の贈与時期を選択できるようにする方向が示されています。

その具体化は進んでいませんが、先行されると見られるのが「3年ルール」の延長だそうです。

親が亡くなり相続が発生すると、亡くなってから過去3年間の贈与は相続財産に加算して相続税の課税対象になると定められています(相続税法第19条)。
つまり、贈与税を払って贈与していても、年110万円の非課税贈与を続けていても、課税対象なってしまう(贈与がなかったものとされる。)のです。

3年間の生前贈与を認めないのは、親の死を前にした駆け込み贈与により、相続税の節税を防ぐためとされています。
生前贈与は「早めに着手するべき」と言われるが、その理由の1つはここにあります。

財務省の資料では諸外国の例を挙げ、英国は過去7年分、ドイツは過去10年分、フランスは過去15年分、アメリカは過去全ての生前贈与を相続税の課税対象にしていると説明されており、日本の3年ルールの延長が示唆されている(ただし、世界には相続税のない国もあり、アメリカは基礎控除額の10億円を超えて課税されるのはごく一部であるなど、相続税制度そのものが各国で異なり、このルールだけを当てはめようとすることに批判があります。)。

前述の税制改正大綱では、「現在の税率構造では、富裕層による財産の分割贈与を通じた負担回避を防止するには限界がある」としており、3年ルールの延長は富裕層の節税封じも目的にあると見られます。

しかしながら、同時に、現行の3年ルールで110万円の非課税贈与も対象となっていることから、期間が延長されれば同様にすでに贈与した分についてもそのまま対象になる可能性があります。
10年、15年、またはそれ以上に延びれば、サラリーマン家庭でもできるささやかな節税策が封じられてしまうのです。

相続税制では抜け道があれば広まり、広まれば国税庁が封じるイタチごっこが続いてきました。
予想以上に110万円の非課税贈与の利用者が増えており、それを封じるための改正にも見えます。

「相続税と贈与税の一体化」は、僕を含め資産税系の税理士にとっては、非常に気になるところです。
税金単独ではなく、社会保障などとの絡みもありますので、個人的には、都合がいい時だけ諸外国と比べることはあまり意味がないと考えています。
税理士として普段から暦年贈与のお話しや提案などをしていますが、改正のリスクをきちんと伝えておかないといけないのはもちろんですが、改正がどうなるか分からないので、提案もしにくい状況です。
2021年12月に出る税制改正大綱で改正が行われるとは思いますが、我々税理士としては、スタート時期もとても重要です。
例えば、4月から改正になるのであれば、12月中旬から3月までに実行しないといけませんので。
どのような改正になるかウォッチし、早めに適切な対応ができればいいなぁと考えています。

サラリーマン家庭でも増えてきた「生前贈与」封じのため改正に動く財務省の言い分について、どう思われましたか?


すぐに贈与税の申告ができない!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。

<所得税>
①事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!
<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!
<贈与税>
すぐに贈与税の申告ができない!

すでに、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』、『役所を信じてはいけない!』、『雑所得でも所得税の還付申告ができる!』、『新型コロナウイルス影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!』については書きましたので、最終回の本日は、『すぐに贈与税の申告ができない!』です。

贈与税には、①暦年課税と②相続時精算課税とがあります。
<1.暦年課税>
贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)。

<2.相続時精算課税>
「相続時精算課税」を選択した贈与者ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかります。
なお、この特別控除額は贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ控除することができます。
また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。

贈与税がかかる場合及び相続時精算課税を適用する場合には、財産をもらった人が申告と納税をする必要があります。
申告と納税は、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に行ってください。
なお、相続時精算課税を適用する場合には、納税額がないときであっても財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間に申告する必要があります。

贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。
続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。
ここでは計算に便利な速算表を掲載します。
速算表の利用に当たっては基礎控除額の110万円を差し引いた後の金額を当てはめて計算してください。
それにより贈与税額が分かります。

<贈与税の速算表>
平成27年以降の贈与税の税率は、次のとおり、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」に区分されました。
【一般贈与財産用】(一般税率)
この速算表は、「特例贈与財産用」に該当しない場合の贈与税の計算に使用します。
例えば、兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。

基礎控除後の課税価格

200万円

以下

300万円

以下

400万円

以下

600万円

以下

1,000万円

以下

1,500万円

以下

3,000万円

以下

3,000万円

税 率

10%

15%

20%

30%

40%

45%

50%

55%

控除額

10万円

25万円

65万円

125万円

175万円

250万円

400万円

【特例贈与財産用】(特例税率)
この速算表は、直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)※への贈与税の計算に使用します。
※「その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)」とは、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属のことをいいます。
例えば、祖父から孫への贈与、父から子への贈与などに使用します(夫の父からの贈与等には使用できません。)。

基礎控除後の課税価格

200万円

以下

400万円

以下

600万円

以下

1,000万円

以下

1,500万円

以下

3,000万円

以下

4,500万円

以下

4,500万円

税 率

10%

15%

20%

30%

40%

45%

50%

55%

控除額

10万円

30万円

90万円

190万円

265万円

415万円

640万円

基本的には、贈与税の申告書は1ページのみです。
しかしながら、「特例税率」の適用を受ける場合で、以下の①または②のいずれかに該当するときは、贈与税の申告書とともに、受贈者の戸籍の謄本または抄本その他の書類でその人の氏名、生年月日及びその人が贈与者の直系卑属(子や孫など)に該当することを証する書類を提出する必要があります。
ただし、過去の年分において同じ贈与者からの贈与について「特例税率」の適用を受けるために当該書類を提出している場合には、申告書第一表の「過去の贈与税の申告状況」欄に、その提出した年分及び税務署名を記入することにより、当該書類を重ねて提出する必要はありません。
①「特例贈与財産」のみの贈与を受けた場合で、その財産の価額から基礎控除額(110万円)を差し引いた後の課税価格が300万円を超えるとき
②「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の両方の贈与を受けた場合で、その両方の財産の価額の合計額から基礎控除額(110万円)を差し引いた後の課税価格((注)参照)が300万円を超えるとき
(注)「一般贈与財産」について配偶者控除の特例の適用を受ける場合には、基礎控除額(110万円)と配偶者控除額を差し引いた後の課税価格となります。

つまり、祖父母や両親などから贈与された金額が410万円を超えると、もらった方の戸籍の謄本の入手が必要になります。
市役所の出先機関であるコミュニティセンター内の出張所でも可能ですが、すぐにというわけにはいかないかもしれません。
よって、贈与税の申告直前になって慌てて入手するのではなく、余裕を持って入手しておくことをお勧めします。
ちなみに、電子申告の場合、戸籍の謄本はイメージ添付できますので、原本を提出する必要はありません。

あと、贈与税の申告以前に、当然、『贈与』という行為が必要ですが、そもそも『贈与』はあげる方のあげるという意思ともらう方のもらうという意思がないと成立しません。
もちろん、口頭でも成立はしますが、後日、税務調査が入った時などに、『贈与』であるという証明が困難で、対応に苦慮する可能性があります。
特に、相続税の税務調査の時に『贈与』が論点となることが多いため、『贈与』してから数年後、数十年後に『贈与』があったことを証明する必要が生じる可能性があるため、個人的には、贈与契約書を作成し、それなりの金額の場合は、公正役場で『確定日付』を取ることをお勧めしています。
なお、『確定日付』は内容の正確性などを証明するものではありませんが、その日に存在していたことを証明する日付の入ったスタンプを押してもらうものです。

ところが、公証役場は、平日の昼間しか開いておらず、それほどたくさんあるわけではありません(我が香川県は高松市と丸亀市の2か所のみ)ので、急ぎで作成が必要な場合、土日祝や早朝や夜間は、『確定日付』を押してもらうことができません。

そこで、『確定日付』ほどの効力はないと思いますが、その日に、その贈与契約書が存在していたことを示すためには、郵便局で、贈与契約書に切手を貼って、『記念押印』をしてくださいと言うと、切手のところに郵便局の日付の入ったスタンプを押してくれますので、それも良いかと思います。
ちなみに、郵便を出した際に通常切手に押されているのは『引受消印』と言うそうです。
また、『記念押印』の場合、最低63円の切手を貼る必要があります(郵便局の担当者が『記念押印』のことをよく知らない場合、それ未満でも押印してくれるケースはありますが。)。
よって、公証役場が開いていない場合、『確定日付』の手数料700円がもったいない場合などは、『記念押印』という手もあります。

すぐに贈与税の申告ができないことがあることについて、どう思われましたか?


小室佳代さんは報道を受け時効ギリギリで「贈与税」支払っていた!

女性自身によると、秋篠宮家の長女・眞子さまとの婚約が延期となっている小室圭さんが先日、母・佳代さんと元婚約者X氏との「金銭トラブル」について説明する文書を発表した。

その中で、小室さんはこう記しています。
《平成24年(2012年)9月13日午後11時15分、母は元婚約者の方から、婚約を解消したいという一方的な申し入れを突然受けました。(中略)このとき母が、婚約期間中に受けた支援について清算させていただきたいとお伝えしたところ、元婚約者から『返してもらうつもりはなかった』というお返事が返ってきました》

実は小室さんが金銭トラブルについての説明文書を発表するのは2度目のことです。
2019年1月22日に公表された文書でも、X氏の「返してもらうつもりはなかった」という発言から、金銭的な問題はすべて解決済みと認識してきたと説明していました。

しかしながら、前回の文書発表直後の2019年2月、WEB女性自身では「小室圭さんの母・佳代さんに脱税疑惑…税務調査の可能性も」との記事を配信しています。
X氏から佳代さんに渡されたという409万円が、小室さんの説明通り返済の必要がない金銭なのであれば、贈与税を納めなければいけないのではないかという疑惑です。

贈与税の時効は贈与があった翌年3月から数えて7年です。
佳代さんがX氏から金銭を受け取ったのは2012年1月の200万円が最後だったので、その時点で、時効は2020年3月に迫っていたのです。

女性自身は、当時、小室圭さんの代理人・上芝弁護士にこの疑惑について電話で質問したそうです。
しかしながら、上芝氏は質問の核心には触れず、409万円の金銭が贈与だったのか貸与だったのかについても明言を避けました。
佳代さんが贈与税を納付したかどうかについて、この時点で真相を掴むことはできなかったのです。

しかしながら、今回の小室さんの文書には、注釈の部分にこんな一節がありました。
《なお、贈与税を負担しているのかという報道がありますが、母は贈与税を納付しています。それまでは贈与税を納付する必要があると思っていなかったのですが、報道の後に知人から贈与税は納付しているのかと聞かれたことがきっかけで、念のためにということで納付しました》

小室さんは、女性自身の指摘に応えるように、佳代さんの“脱税疑惑”もしっかり晴らしていたようです。

贈与は、あげる方のあげるという意思と、もらう方のもらうという意思で成り立ちます。
そして、誰にもらったかは関係なく、1月1日から12月31日の間にもらった額が110万円を超えると、原則として、贈与税が課税されます(110万円までは贈与税がかからないという、いわゆる暦年課税)。
申告漏れのないようにしたいですね。

小室佳代さんは報道を受け時効ギリギリで「贈与税」支払っていたことについて、どう思われましたか?


身元保証の愛知県のNPO法人が死後全額贈与契約で敗訴!

日本経済新聞によると、身寄りのない高齢者の身元保証を請け負う愛知県安城市のNPO法人が、死亡した高齢者との贈与契約に基づき、預金全額の支払いを金融機関に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁岡崎支部は、先日、「契約は公序良俗に反し無効」として請求を棄却しました。

判決によると、このNPO法人は2017年1月、安城市社会福祉協議会が運営していた養護老人ホームに入所中の80代女性と身元保証契約を締結し、翌月には、死亡後に不動産を除く全財産を贈与するとの契約も結びました。
女性は2018年7月に死亡し、このNPO法人が安城市の碧海信用金庫に預金約620万円の支払いを求めていました。

近田正晴裁判官は判決理由で「契約は不必要で内容も不明確。死後事務処理の費用は50万円ほどなのに、預金全額を受け取るというのは対価性を欠き、暴利と言わざるを得ない」と指摘しました。

さらに、ホームの入所者の半数以上が同会と身元保証契約を結んでいることや、同会代表者の夫が、安城市社会福祉協議会を指導する立場の安城市職員だったことから「契約の背景には市や社協、会との間の癒着構造が認められる」とも批判しました。

このNPO法人の代表は「多くの人を支援してきたのに、癒着は事実無根で、名誉を傷つけられた」とし、控訴する方針だそうです。
安城市高齢福祉課の担当者は「癒着はなく、裁判所の判断に戸惑っている」と話しているようです。

最近、身元保証業務を事業として取り組んでいる会計事務所があるようで、少し気にはなっていたのですが、こういうことを言われる可能性があるんですね。
認知症の問題もあり、贈与契約が有効かどうかということも難しいと思いますが、法を整備し、きちんとした団体等を作ってやっていかないと、悪質な業者等が出てくるような気はします。
家族信託もそうですが、専門家が契約書をきちんと作ることが重要ですね。

身元保証の愛知県のNPO法人が死後全額贈与契約で敗訴したことについて、どう思われましたか?


千葉銀行と千葉大学医学部付属病院が円滑な「遺贈」を後押し!

千葉銀行と千葉大学医学部付属病院は、相続人以外に財産を残す「遺贈」に関する協定を結んだそうです
病院に遺贈を申し出た希望者に対し、相談先として千葉銀行を紹介します。
千葉銀行は個別相談に応じたり、関連サービスを紹介したりして円滑な遺贈を後押しします。

遺贈は、遺言に基づき、相続の発生後に財産を法人やNPOなどに寄付するしくみです。
生前に意思を遺言書に残すなどの事前手続きが必要となります。

高齢化の進展に伴い、関連サービスのニーズが高まっています。
千葉銀行は病院から紹介された遺贈希望者に対し、1人につき1回無料で個別相談に応じるほか、遺言信託などのサービスを紹介します。
また、病院が高齢者向けセミナーなどを開く際、千葉銀行の行員を講師として派遣します。

千葉大付属病院が民間企業と遺贈に関する協定を結ぶのは初めてだそうです。
千葉銀行はこれまでに千葉市や松戸市といった千葉県内自治体のほか、日本赤十字社千葉県支部とも遺贈に関する協定を交わしています。

協定を結んだからといってどこまで案件があるのかは分かりませんが、個人的には、病院側がどうやって遺贈の話を持ち掛けるのかに興味があります。
あとは、金融機関は顧客を紹介すると紹介料を求めたりしますが、紹介してもらう場合はどうしているのかも気にはなりますね。

千葉銀行と千葉大学医学部付属病院が円滑な「遺贈」を後押しすることについて、どう思われましたか?


みのもんたさんが“後妻業の女性”に手切れ金1億5,000万円!

日刊ゲンダイDIGITALによると、みのもんたさん(76)が40歳年下の恋人に東京都港区にある1億5,000万円のマンションを贈与したと発売中の「週刊文春」が報じて話題だそうです。
相手は元銀座の高級クラブのホステス(35)で、7年前からの交際だそうです。

きっかけは彼女が勤めるクラブにみのさんが来店し、数日後に彼女が「お昼ご飯にお弁当を作ったので、よければ食べていただけませんか」と連絡し、「胃袋を掴まれた」のだそうです。
彼女は介護の学校の学費稼ぎのためにホステスに。糖尿病を患うみのさんの体調を気遣った弁当に、介護のプロならではの行き届いた気遣い、しかも27、28歳の美人とあらば、妻に先立たれた独り身の70男がコロリといくのは至極当然でしょう。
そんな“弁当交際”から4年後、彼女はホステスを辞め、介護士のパート仕事と、みのさんの面倒を見る生活にシフトし、みのさんはマンションに彼女を住まわせ、通っていたそうです。

みのさんは2019年末に持病の糖尿病に加え、パーキンソン病を発症し、これを機に、2020年3月に「秘密のケンミンSHOW」(読売テレビ系)を降板しました。
2020年12月には自身が経営するニッコクも社長を退く予定で、資産50億円を持つといわれるみのさんは終活状態です。
そんな中、先日、彼女に住まわせていた1億5,000万円のマンションの登記が、みのさんの会社であるニッコクから、みのさん個人、さらに、彼女に贈与移転しています。
同誌によると、彼女が再婚を望むも、子供たちに反対され“手切れ金”としてマンションを贈与したそうです。

家族問題評論家の池内ひろ美氏がこう言っています。
「一般的に女性が多額の資産を受け取ったとき、男性から離れていく可能性は高い。35歳の女性なら、後妻に入って“将来受け取ることができる資産”に関心は薄いでしょう。それより、結婚、出産、今まで積み上げたキャリアを生かした事業など、もうひと頑張りしたい時。むしろ2人の関係が公になったことで、次のステップに進むべく、結論を出したいと思っているのでは」

みのさんの会社に問い合わせると「彼女は友達。マンションの件は『ご想像におまかせします』とのことです」(担当者)とのことで、現在は鎌倉の家から出ず、隠遁生活しているそうです。

手切れに1億5,000万円という、夜の帝王に武勇伝がまたひとつ刻まれました。

個人的には、事実であるならば、手切れ金で1億5,000万円はすごいなぁと感じる一方、職業柄、贈与税はどうするのだろうか?(贈与税の申告・納税の期限は2021年3月15日までですので、まだです。)、贈与税も考慮のうえ、現預金も贈与したのだろうか?と下世話なことを考えてします(笑)。
また、マンションは元々、法人名義だったようですが、税務上、どう扱っていたのだろうか?と気になります。

みのもんたさんが“後妻業の女性”に手切れ金1億5,000万円と報じられていることについて、どう思われましたか?


甘利氏が「資産移転公平に」と相続税と贈与税の一体化に意欲!

自民党税制調査会は、先日、幹部会合を党本部で開きました。
甘利明税調会長は終了後、記者団に「相続税と贈与税に関し、海外ではいつ資産を移転しても公平で公正な制度がある」と述べ、二つの税の一体化に向けた見直しに意欲を示ましした。

日本では相続税と贈与税を原則として別々に適用しており、贈与税は「暦年課税」が中心で、生前贈与と死後の相続では税負担額が大きく変わります。
一方、欧米主要国では二つの税を統合して累積額に一体的に課税しており、資産移転の時期によって税負担が左右されにくい利点があります。
甘利氏は「国際標準に極力沿う形にしていきたい」と表明しました。

先日の与党税調総会から作業が本格化した令和3年度税制改正で議論する方針です。
ただし、相続税と贈与税については、政府税制調査会(首相の諮問機関)でも集中的に議論する専門家会合を年明けに設置するようです。
政府税制調査会の議論を待つべきだとの声もあり、結論を出せるかどうかは不透明のようです。

そもそも、日本でも、贈与税法というものは存在せず、相続税法の中に規定されており、昔から『贈与税は相続税の補完税』と言われています。
違いがあるからこそ、僕ら税理士にとっては相続税対策の提案などができたわけなので、どう改正されるかをきちんとウォッチしたいです。
令和3年度の税制改正大綱は、2020年12月10日に出るようですね。
場合によっては、相続税対策というものがガラッと変わるかもしれませんし、過去に相続税対策としてやったものが効果がなくなったり、減少したりするかもしれません。

甘利氏が「資産移転公平に」と相続税と贈与税の一体化に意欲を示したことについて、どう思われましたか?


樹木希林さんも実践した「孫への贈与」が相続対策として注目を集める!

女性セブンによると、新型コロナウイルスの影響で、相続対策について考え始める高齢者が増えているそうです。

「志村けんさんや岡江久美子さんが感染し急逝されたことで、自分にも“もしものことがあったら”と考える人が増え、相談に来るケースも増えています」と話すのは相続対策を行う夢相続代表の曽根恵子さんです。
一般的に相続対策とは相続税の節税を指すことが多いようです。
「うちは相続税がかかるほどの財産はない」と思っている人も少なくないでしょうが、2015年の民法改正で相続税の基礎控除額が大幅に変更され、相続税を支払う人は、2019年には全国で約12人に1人、東京都では約6人に1人まで、拡大しているのです。

「東京だけでなく、横浜や名古屋、大阪、京都、神戸、さらには福岡などの大都市圏に住んでいる人は油断禁物です。不動産や一定の金融資産を抱えていれば、相続税が発生する可能性があります。早めに対策をしておくことをおすすめします」(曽根さん・以下同)

相続といえば、被相続人が亡くなってから発生するものですが、それでは遅いのです。
亡くなる前に相続対策を取るか取らないかで、支払う税額に大きな差がつくからです。

なかでも注目したいのが、「孫への贈与」です。
実は2年前に亡くなった樹木希林さん(享年75)も孫への“贈与”を実践していた1人なのです。
樹木さんは合計10億円以上ともいわれる不動産を所有していたようですが、生前、「私が死んでも、夫に遺産は残さない」と宣言していました。
残された不動産はこの宣言どおり、娘の也哉子さん(44才)や娘婿の本木雅弘(54才)の名義に書き換えられましたが、所有していた不動産の1つは、樹木さんが存命のうちに孫の伽羅(21才)の所有になっていたようです。

「日本人全体の平均寿命が伸びたことで、遺産を相続する人が65才以上の高齢者というケースが増えています。これだと相続税を払って相続したものの、10年後にその人も亡くなり、再びその子が相続する際に相続税を払うという問題も現実的に起こっています。そこで一世代抜かして、孫に生前贈与する“相続対策”が注目されているのです。また、消費活動の盛んな孫世代に遺産が引き継がれるよう、孫への贈与が“お得”になる制度を国が用意しているんです」

配偶者と子供は民法で定められた相続人(法定相続人)となりますが、孫は含まれません。
そのため、さまざまな“抜け道”があります。
「孫相続」の賢いやり方を具体的に見ていきましょう。

生きている間に子供や孫に財産を渡すと、通常は贈与税が発生します。
しかしながら、年間110万円以内(基礎控除)なら非課税となります。
この仕組みを活用するのが「暦年贈与」で、親子より祖父母と孫で行うと、メリットが大きくなります。

暦年贈与は親子間でも可能ですが、子は法定相続人にあたるため、相続時に過去3年以内に行われた贈与はなかったものとされ、相続税がかかります。
ところが、(代襲相続人を除く)孫は法定相続人にあたらないため、過去にさかのぼって課税対象とならないのです。
「孫が10人いてもそれぞれ110万円まで非課税で渡せます。贈与したお金の使用用途に制限はありません。何年でも繰り返し暦年贈与を行うことができます」

ただし、毎年、定期的に同額を贈与するのはNGです。
「『連年贈与(定期贈与)』とみなされ、基礎控除が初年分しか適用されなくなる可能性があります。贈与する月を不定期にし、金額も1年目は100万円、2年目は90万円にするなど計画的な贈与にしない工夫が必要です。
ほかにも注意点があります。贈与を受ける孫が自分名義の口座を持ち、自分で管理することです。孫が未成年で自分で管理できない場合は、贈与する側の祖父母ではなく親が管理しましょう」

個人的には、早くから長期に渡って行う暦年贈与は非常的に簡単で効果的だと思っています。
しかしながら、この記事に疑問もあります。
『ただし、毎年、定期的に同額を贈与するのはNGです。』というのは、違うのではないかと思います。
『連年贈与』というのは、例えば、1,000万円を10年間で贈与する(1年当たりは100万円)という贈与契約がある場合に生じるものなので、そのような契約書を作る方はほとんどいないと思われるからです。
毎年、贈与契約書を作成し、実際にあげる方ともらう方の贈与の意思があれば、同じ日に同じ金額を贈与しても連年贈与と認定されることはないと考えています。

樹木希林さんも実践した「孫への贈与」が相続対策として注目を集めていることについて、どう思われましたか?


日本郵便のかんぽ不適正販売の「社員大量処分」の杜撰すぎる実態!

東洋経済によると、9月10日、全国の郵便局にある“指示”が出たようです。
タイトルは、「金融商品の販売時における税制の説明等の対応」です。
指示を出したのは、日本郵便本社の保険販売に関連する3人の部長です。
添付資料の「不適正なケースの具体例」を見て、かんぽ生命保険の契約を媒介してきた日本郵便の社員は思わずのけぞったそうです。
そこに書いてある具体例の多くが、かんぽや日本郵便の本社・支社が最近まで正しいとしてきた話法そのものだったからです。

●「相続税が下げられる節税プランをすすめます」は相続税対策ニーズを喚起している
●「相続税を減らせる」は税制の専門的な内容を断定している
●「相続税対策に保険を利用している人が多い」はニーズがない人に提案している
●「無対策で相続税が多くかかった人がいる」は第三者話法を使ってニーズ喚起している
として、不適正だとされました。

2018年4月付の研修用資料で、「生前贈与を含む生命保険を活用した相続対策提案」というものがあるようです。
冒頭の指示にある「不適正なケースの具体例」に照らせば、2年半前の多くの話法が不適正だったということになります。

「高齢のお客様にアプローチするときに、相続対策としてABA契約をテキストに掲載していた。契約者(子ども・A)、孫(被保険者・B)、契約者(受取人である子ども・A)の関係になる。相続税を大幅に下げる効果はなく、相続対策として有効ではない」。
これは2020年1月23日、北海道支社での社員との対話集会「第3回フロントライン・セッション」での日本郵便の長谷川篤執行役員の発言です。
本社の改革推進部は、「当日、孫と説明しましたが、テキスト上の記載は配偶者(相続人)でした」と当日の議事録「やり取り模様」に注意書きをしています。

しかしながら、東洋経済が入手した「テキスト」、すなわち社外秘の研修資料「かんぽで早めの相続準備」には、「孫」と明記されているようです。
同資料はかんぽが作成し、毎年最新版に更新してきたものです。
資料をめくると「暦年贈与を使って財産承継することも可能です!」と書いたページがあります。
「暦年贈与」とは毎年一定額を生前に贈与することです。
きちんと手続きを踏めば、年間110万円までは基礎控除となります。
そのページには、相続人である子どもが契約者(A)、孫が被契約者(B)、満期保険金の受取人は子ども(A)とする例が書いてあります。
保険料を実際に払うのは子どもの親であり、孫の祖父母に当たる高齢者です。

この事例は2018年版にも2019年版にも書いてあるようです。
保険料が年110万円を超えると生前贈与と見なされない。
単なる贈与と見なされ、節税メリットはない。
年110万円を超えなくても、贈与契約書を親子で取り交わしておかないと、生前贈与にはならない。

日本郵便は東洋経済の質問状に対して、「過去の研修資料にお客さま本位とは言えない表現が含まれていたことは事実。今後は真のお客さま本位の営業スタイルを募集人全体に浸透させていきたい」「管理者を含む関係者にも厳正に処分を実施しているが今後、不適正募集に直接的に影響した事実が判明した場合は、引き続き厳正に対処する」と回答したようです。

この記事では、赤字のことが書いてありますが、生前贈与というのは法律用語ではなく、俗語であり、遺贈とか死因贈与と区別するために使われることばだと思いますので、110万円を境に生前贈与か贈与かが変わるものではありませんので、記事を書いた方も分からずに書いていますね。
別に110万円を超えても、110万円を超える部分に対して贈与税がかかるだけであり、110万円部分には課税されませんので、この部分に関しては節税効果は当然ありますよね。
まぁ、相続とか贈与のことがよく分からず販売していた方もおられると思いますので、かんぽだから安心と思うのではなく、信頼できる方を通じて保険に入ってほしいと思います。

日本郵便のかんぽ不適正販売の「社員大量処分」の杜撰すぎる実態について、どう思われましたか?


祖父母から孫への贈与が非課税になる4つの制度!

週刊ポストによると、3世代にまたがる家族で、資産を“有効活用”するために重要となるのが「贈与」です。
高齢の祖父母が預貯金などの資産を抱えて亡くなると、その総額が基礎控除(3,000万円+法定相続人の数×600万円)を超えた分が、相続税の課税対象となるからです。

2015年に相続税の課税強化が実施されて以降、都内に持ち家がある場合などは対象になることが珍しくないため、あらかじめ子や孫へ贈与しておくことが資産の有効活用(節税)になるでしょう。

とりわけ「祖父母から孫」への贈与では“得する制度”が複数あり、主なものをまとめています。

まずは、ご存知の方が多い、年間110万円までの非課税枠がある暦年贈与です。
山本宏税理士事務所の山本宏税理士によると、「祖父母と孫の関係に限らず使える制度ですが、親子間の場合、贈与から3年以内に親が亡くなると相続財産に戻されて課税対象となってしまいます。これが孫の場合、もともと法定相続人ではないため、基礎控除以内の贈与は非課税のままで済むのです。」

さらに、結婚・子育て、教育資金、住宅取得資金などの用途に限定した一括贈与があります。
いずれも“期間限定”の制度です。
直系尊属からの贈与が要件なので、親子間でも使えますが、年齢差を踏まえると祖父母から孫への贈与が、相続財産の圧縮に使いやすくなっています。

「こちらは非課税枠の金額は大きいが、使い方に注意が必要です。とくに結婚・子育て資金の一括贈与は、祖父母が亡くなった時点で専用口座の資金が使い切れていないと、残りは相続財産に戻さないといけないので、節税メリットは小さい。
一方、教育資金は祖父母が亡くなっても、贈与を受けた孫が30歳になるまでに専用口座の資金を教育目的の使途で使い切れば課税対象にならないので、使い勝手が比較的いいでしょう。また、住宅取得資金は自宅購入時に贈与するので、“使い切れない”という心配はない。タイミングさえ合えば有効に活用しやすい」(山本宏税理士)。

ただし、メリットが大きいぶん、かえって“争続”のタネにもなり得るので注意しなくてはなりません。

「たとえば長男に子供(孫)が3人、次男には1人だった場合、すべての孫に均等に贈与すると、長男の世帯と次男の世帯の間では受け取った額に大きな差が生じ、亡くなった後の遺産分割で揉めごとが生じるリスクがある。あらかじめ贈与、相続でどのような配分をするか、家族で話し合って合意しておくのがよいでしょう」(山本宏税理士)

教育資金の一括贈与は、一時爆発的にヒットしましたが、数年前に改正され、少し使い勝手が悪くなりました。
領収書を提出したり、色々と手間もかかりますので。
ただし、すぐに財産を減らしたいときは有効な方法だとは思います。
税金は知らないと損することが多い(知らなくて損をしていても税務署は教えてくれない)ので、情報収集も必要だと思いますね。

祖父母から孫への贈与が非課税になる4つの制度について、どう思われましたか?


コロナ対策の生前贈与はかえって危険?

ガシェット通信によると、コロナウイルスの影響で、いつ誰が被害を受けてもおかしくない状況になってきています。
そのせいで今もし自分が死亡したとしても大丈夫なように、予め自分の財産の振り分けを始めている人たちがいるのです。
実はこの情報、やって意味がある人とかえって税負担が増えてしまう人がいるため注意しなければなりません。

相続発生時に相続財産が減っていれば、その分課税される税金は減りますので相続税の節税効果があるように思います。
しかしながら、相続はそんなに甘くありません。
というのも、仮に今から急いで贈与したとしても、3年以内に本人が死亡して相続が発生したら、生前贈与分もすべて相続税の課税対象になるのです。
それゆえ、早く生前贈与したからといって相続税負担を免れるわけではありません。

この話をすると、「それなら贈与税の基礎控除額である年間110万円以下の範囲でだけ贈与すればよいのでは?」と言われる方がいるのですが、残念ながら相続開始前3年以内の贈与財産については、贈与税の基礎控除額である110万円以下のものも含めて相続税の課税対象となります。
よって、節税という観点からすると慌てて今から生前贈与する行為にはあまり意味がありません。

自分の死後の相続に不安を感じているのであれば、慌てて贈与するよりも遺言書を書く方がおすすめです。
特にコロナウイルスは容体が急変してお亡くなりになるケースもあるようなので、もしものことを考えると元気なうちに書いておくことがとても重要になります。
遺言書に希望する遺産配分を記載しておけば、相続発生後のもめごとを防ぐことができます。
特に重要なのが、法定相続人以外への「遺贈」です。
遺言書がなくても法定相続人であれば財産を相続できますが、それ以外の人に遺産を残したいと思ったら必ず遺言書を書かないと取得させることができません。

このケースに特に当てはまるのが、「内縁関係」の方たちです。
内縁関係では婚姻関係は成立していないので、万が一どちらかが死亡しても一切遺産を相続することができません。
相続人として本人の父母や兄弟姉妹が出てくると、最悪の場合住む家を失う可能性もありえます。
このようなケースを回避するためには、遺言書によって一定の財産を遺贈するよう記載するか、亡くなる前に婚姻届を提出する必要があります。

遺言書は法的な効力のある書類ですが、実は家の中にあるものだけを使って作成することが可能で、専用の用紙などは必要ありません。
用意するものは以下3つだけです。
・紙(なんでもいい、便箋なども可能)
・ボールペン
・実印

印鑑は実印である必要はありませんが、信憑性を高めるためにも実印で捺印することをおすすめします。
これらを準備した上で、以下の事項を満たしていれば遺言書は有効に成立します。
・作成した日
・署名捺印
・一部を除いて直筆
このようにして作成した遺言書のことを「自筆証書遺言」といいます。

相続税の節税という意味ではそこまで効果がない駆け込み贈与ですが、遺産分割という角度から見た場合に生前贈与が有効といえるケースもあります。
それは経営者の方です。
オーナー社長の場合、自社の株式の100%を自分で保有しています。
万が一死亡した場合は、株式が配偶者や子供たちに相続されるわけですが、一箇所に集約していた株式が分散してしまうと、会社の意思決定機能に支障が出ることがあるのです。
このようなケースでは、後継者と決めている子供にあらかじめ株式を贈与しておいたほうが、会社の経営体制を守れる可能性があります。

コロナウイルスの早期収束を願うばかりですが、もしもの時の対策をとることもとても大切です。
ただ、闇雲に動いてもかえってマイナスになってしまうので、各ご家庭にあった対策を考えることを心がけましょう。

この記事では110万円以下の贈与も3年以内のものであれば、相続財産に足されるようなことが書いていますが、必ずしも正しくありません。
足されるのは、基本的に、法定相続人だけなのです。
それゆえ、法定相続人ではないお孫さんやお子さんの配偶者への贈与は3年以内であっても足し戻されることはありませんので、相続税対策としては比較的容易で有効な方法です。
あとは、個人的には、紛失や改ざんのおそれがあり、要件を充たしておらず無効となる可能性のある『自筆証書遺言』よりは、多少費用はかかりますが『公正証書遺言』をお勧めします。

コロナ対策の生前贈与はかえって危険?について、どう思われましたか?


皇位の証しである「三種の神器」の贈与税は非課税に!

 皇位の証しとして歴代天皇に受け継がれてきた「三種の神器」などは、皇室経済法で定められた「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」とされており、相続税の課税対象外になっているのです。
退位による生前贈与はこれまで想定されていなかったため、新たに設けられた皇室典範特例法の規定で、今回の皇位継承に限って贈与税を非課税とする措置がとられました。

宮内庁は、約600件を「由緒ある物」に指定しています。
三種の神器以外に、宮中祭祀(さいし)が行われる皇居・宮中三殿や歴代天皇の直筆の書などが含まれています。

2019年5月1日午前0時から新天皇陛下の持ち物となったのです。

今回、平成から令和になりましたが、テレビなどを見ていると、日本人として、やはり天皇は日本の象徴であり、必要であることを改めて感じました。
1年半ほど前に、大学院での授業の中で、「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」は相続税の課税対象外なんですねということをおっしゃっていた生徒さんがいたので、相続税が非課税ということは知っていたのですが、当時調べると、贈与税は規定はないんだなぁと思った記憶があります。
ノーベル経済学賞の賞金だけが所得税が非課税になっていないのと同じような感じですね。
反対する方もおられるでしょうが、やはり天皇の存在は日本にとって欠かせないと思いますので、贈与税の非課税措置は当然かなと思いました。

元号が変わると諸々のコストが発生する企業や省庁などはあるかもしれませんが、それを避けたいのであれば西暦を使えば良いと思いますし、日常生活の中で、元号を使うのか西暦を使うのかという問題は、別個で考えれば良いと思います。

皇位の証しである「三種の神器」の贈与税は非課税であることについて、どう思われましたか?


東京国税局がオーストラリア当局と協力して滞納贈与税8億円を徴収!

 日本国内で贈与税を滞納していたオーストラリア人男性について、東京国税局がオーストラリアの税務当局に税金の徴収共助を要請し、男性の預金から延滞税を含む約8億円を徴収したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
オーストラリアの税務当局が男性の預金を差し押さえました。
日本の国税当局が租税条約に基づく徴収共助を要請した例は11件あるようですが、億単位の徴収は初めてで過去最高額となりました。

関係者によると、オーストラリア人男性は数年前、日本在住の親から数十億円の贈与を受けました。
しかしながら、男性は贈与税を納付せず、国税局の再三の催促に対しても拒否し、国税局は日本国内の男性の預金を差し押さえて一部を徴収しましたが、約8億円が未納となっていたため、国税庁を通じオーストラリアの税務当局に徴収共助を要請していました。

国をまたぐ個人や法人の資金の動きを探る場合、国税庁は租税条約に基づき海外の税務当局と情報交換できます。
滞納者の税徴収については、現在53の国・地域の税務当局に要請できます。

タックスヘイブン(租税回避地)での節税実態を暴いたパナマ文書問題では、各国の税務当局がグローバル経済に対応できていない実態が浮き彫りになっただけに、国税庁は海外に多額の資産を持つ富裕層の税逃れ対策を強化しています。
今回のケースのように、海外の税務当局との連携を深めているようです。

良いニュースですね。
悪質なものに対しては、厳格に対応してほしいです。
おそらく、表に出てきていないこのような滞納案件が結構あり、回収できていないものがそれなりにあるのではないかと思います。
こういうニュースが出れば、抑制になると思いますので、少なからず、滞留発生が減り、回収率も上がるでしょうね。

東京国税局がオーストラリア当局と協力して滞納贈与税8億円を徴収したことについて、どう思われましたか?

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急拡大でひずみが生じた太陽監査法人が業務改善計画を提出!

日本経済新聞によると、太陽監査法人は2024年1月末までに金融庁に業務改善計画を提出します。

ディー・ディー・エス(DDS、2023年8月に上場廃止)に対する監査に重大な不備があり昨年12月に行政処分を受けていました。

企業の監査人交代の受け皿役を積極的に引き受け、大手法人の一角をしのぐ規模まで成長してきた太陽監査法人の拡大路線は方針転換を余儀なくされます。

2023年12月下旬、監査業界に激震が走りました。

「重大な虚偽記載がある財務諸表を虚偽がないと証明した」として、金融庁が太陽に対する処分を公表したためです。

処分内容は2024年1〜3月における新規契約締結の停止や業務改善命令などで、9,595万円の課徴金納付命令も出ました。

監査法人への課徴金納付命令は会計不正があった東芝を担当していた新日本監査法人(現EY新日本監査法人)が2015年12月に受けて以来です。

公認会計士法上の課徴金制度が導入された2008年以降で2例目と、ほぼ例がないのです。

事の発端はDDSの会計不正です。

2022年5月に売上高の過大記載の疑いが発覚しました。

貸倒引当金繰入額の過少計上なども明らかになり、訂正報告書の提出を求められていました。

DDSは2022年8月12日に太陽監査法人の監査意見付きの訂正報告書を提出しました。

しかしながら、当期と前期の繰越利益剰余金の差額が損益計算書の最終損益と整合しないなど多くの虚偽記載があったのです。

実は太陽監査法人は、DDSの訂正報告書のドラフト段階で修正が必要な箇所があることを認識しており、修正が必要な箇所もDDSに伝えていました。

ところが、DDSは修正しないまま提出を強行してしまったのです。

太陽監査法人の石井雅也経営管理本部長は「クライアントへの指導力不足が露呈した」と語っています。

今回の失敗はいくつもの要因が重なっています。

DDSは度重なる不正で経理人材の退職が相次ぎ、正しい財務諸表を作る能力が著しく下がっていました。

また、訂正報告書の提出がこれ以上遅れれば、上場廃止になると焦っていました。

太陽監査法人の担当会計士は「指摘部分は当然修正されるはず」と考え、業務効率化のため事前にレビュー報告書を渡していたのです。

青山学院大学大学院の町田祥弘教授は、太陽監査法人について「中身を確認せずレビュー報告書を事前に渡すなど言語道断だ」と話しています。

金融庁の担当者も「簿記3級程度の基本的部分の見逃しで到底考えられない」と憤っているようです。

太陽監査法人が規模を急拡大させてきたことへのひずみを指摘する声もあるようです。

上場企業監査顧客数は350社と2019年比で6割増えました。

監査業界で太陽は「ビッグ4」と呼ばれる大手に次ぐ「準大手」の位置づけですが、上場企業顧客数だけでみれば大手の一角のPwC Japan(約200社)より多いのです。

ある大手法人の公認会計士は、「公認会計士の負担が増すなか太陽監査法人側の顧客受け入れや従業員の教育体制が十分だったか疑問だ」と話しています。

太陽監査法人がリスクの高い会社の監査の受け皿になっていたという事実もあります。

5〜6年前から企業が会計監査人を大手法人から準大手や中小に交代する動きが加速しています。

金融庁傘下の公認会計士・監査審査会によると2022年度の監査シェアは準大手と中小法人が合計で40%を超えました。

人手不足に悩む大手法人は、不正リスクが高く採算も厳しい中堅中小企業の監査を絞る、実質的な顧客選別を進めてきたのです。

大手法人から切られた企業にとって太陽監査法人は頼れる先で、金融庁などが課題視する「監査難民」問題の緩和に一役買っていました。

DDS事案を教訓に、太陽監査法人は監査や審査体制の見直しを始めました。

顧客のガバナンスリスクに応じた適切な人員配置ができるようにします。

さらに、今後はリスクの高い企業の監査契約にはより慎重になる公算が大きいでしょう。

よって、拡大路線にはブレーキがかかりそうです。

駆け込み寺的な役割を担っていた太陽監査法人が選別を始めれば、国が進める新興企業などの育成に支障がでる可能性が高いです。

しかしながら、DDSのように「上場の意義を理解していない企業が存在しているのも事実」(町田教授)です。

監査インフラが有限である現実を踏まえ、野放図な上場企業増加も見直す必要があるでしょう。

事前にレビュー報告書を渡すというのは完全にアウトですね。

太陽監査法人が駆け込み寺みたいになっていたのは知りませんでしたが、駆け込み寺となる監査法人が今後出てこないことを願いたいですね。

監査法人が会計監査を引き受けないような会社は、何かしらの問題があるということでしょうから、上場にふさわしくない会社ということでしょう。

急拡大でひずみが生じた太陽監査法人が業務改善計画を提出することについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁が太陽監査法人に業務停止命令及び担当公認会計士2人も処分!

日本経済新聞によると、金融庁は、先日、準大手の太陽監査法人(東京都港区)に対して契約の新規締結を3か月間停止する業務停止命令を出しました。

財務諸表で多くの虚偽記載をしていたディー・ディー・エスの監査で、注意を怠り虚偽記載がないと証明したのが理由です。

業務停止の期間は2024年1月1日から3月31日までです。

担当した公認会計士2人にも業務停止6か月間の懲戒処分を出しました。

2人の公認会計士は財務書類の間違いが初歩的なものにもかかわらず注意を怠り、適正であると監査証明していました。

さらに、チェックする立場にあった審査担当の社員1人に対しても監査業務の審査に関与することを3か月間禁止する処分を出しました。

この社員は会計士の評価内容を十分に検証しないまま対応を終えていました。

太陽監査法人には、業務管理体制の改善を求める業務改善命令も出した。

2024年1月31日までに業務の改善計画を提出し、直ちに実行することを求めました。

太陽監査法人への行政処分は、処分基準を制定した2005年以降で初めてです。

太陽監査法人は4大監査法人(トーマツ・新日本・あずさ・あらた)に次ぐ準大手の監査法人です。

上場企業の監査数で第4位で、2023年9月末時点でプライム上場企業118社を含む計約350社の上場企業を監査しています。

大手がクライアントを減らし、準大手が増やしている中、準大手の中でも大きな太陽監査法人がこのような実態であれば、会計監査に対する社会的信用を失うことは明らかですので、本当に勘弁してほしいですね。

そういうことを考えると、投資家の視点で考えると、大手が会計監査をやっている企業がやはり信用できますね。

個人的には、処分は甘すぎると思いますし、このような監査法人は解散して、きちんと会計監査をできる監査法人が上場企業の会計監査をすべきだと思います。

金融庁が太陽監査法人に業務停止命令及び担当公認会計士2人も処分したことについて、あなたはどう思われましたか?


メガネスーパー運営のビジョナリーHDの監査人が結論の不表明!

日本経済新聞によると、眼鏡店「メガネスーパー」運営のビジョナリーホールディングスは、先日、2022年5月〜2023年1月期の四半期報告書について、PwCあらた有限責任監査法人から結論を表明しないとの報告書を受け取ったと発表しました。

第三者委員会を設立し前社長の利益相反行為を調査しましたが、影響額などを示す詳細情報を得られていないようです。

第三者委は前社長の利益相反行為について業務委託先など25社を調査しました。
前社長が一部の取引先で「意思決定機関を支配している」とし、ビジョナリーHDが一部取引先から不合理な賃料増額や業務実態が確認できない費用を請求されている可能性を指摘しました。

ところが、ビジョナリーHDは取引先から必要な情報を入手できず、先日発表した決算短信で「重要な虚偽記載が存在する可能性がある」と記載しました。
PwCあらたは「未発見の虚偽表示があるとすれば影響は広範囲である。結論を表明する十分な証拠がなく、重要な修正が必要か判断できなかった」としています。

ビジョナリーHDは前社長らによる利益相反行為の影響を精査するため、3月に予定していた決算発表を延期していました。
四半期報告書の提出遅れから東京証券取引所の上場廃止基準に抵触する恐れがある「監理銘柄」に指定されていましたが、6月14日付で解除されました。

2022年5月〜2023年1月期の連結純利益は9,100万円でした。
なお、前期の同期間は4億200万円の赤字でした。

前社長側が制限などしているようですが、元々は、監査法人の通報窓口に通報があったようです。
正義感の強い方が社内におられるというのは、ある意味、素晴らしい会社なのかなぁと思います。
嘘の通報がたくさん行われるようになると問題はあるかと思いますが、もっともっと上場企業で通報が普通に行われ、有効なものになればいいなぁと思った1件でした。

メガネスーパー運営のビジョナリーHDの監査人が結論の不表明だったことについて、あなたはどう思われましたか?


中小監査法人を登録制で選別!

日本経済新聞によると、上場企業の会計監査において役割が増す中小監査法人の選別が進みそうです。
監査担当を大手から替える動きが目立つ一方、ずさんな監査体制で行政処分を受ける中小は少なくありません。
金融庁は上場企業の監査を担うための登録制度を法律で定め、情報開示などを強化する方針です。
自主規制団体の日本公認会計士協会が登録制をどの程度厳格に運用できるかが焦点となっています。

監査法人のあり方を巡り、金融庁は公認会計士法などを改正し、自主規制の枠組みにとどまる登録制を法律で定める方針です。
政府は2022年3月に改正法案を国会に提出し、2022年度内の施行を目指しています。

金融庁は2017年に策定した「監査法人のガバナンス・コード」などに基づき、監査の品質向上や透明性の確保の徹底を求めます。
登録制を運用する日本公認会計士協会の手塚正彦会長は「情報開示を強化し、各事務所の強みや特徴を理解してもらうことが重要」とした上で、「重大な不備があれば、上場監査マーケットから退場してもらう」と断言しています。

上場企業を監査する中小監査法人は約120あります。
100人超の規模の法人がある一方、個人で事務所を開き、共同で監査する場合もあります。
IT(情報技術)資源も法人間でばらついており、新しいビジネスへの対応でも情報量に差があります。

中小監査法人では近年、行政処分に至る事例が相次いでいます。
2021年8月、原会計事務所は金融庁から1か月の業務停止命令を受けました。
2020年11月には大手門会計事務所に対して同様に5か月の業務停止命令が下りました。

金融庁幹部は経営陣の意識次第としながらも「企業との癒着が起きやすく、組織的監査も機能しにくい」と話しています。
「一部の監査法人は、明らかに身の丈に合わない量の監査業務を引き受けている」とも指摘しています。

応和監査法人(東京都千代田区)はIT専門担当3人を含む約40人で上場企業9社を担当しています。
大手監査法人出身で総括代表の沢田昌輝氏は「監査業務の本質は規模で変わるものではない」とする一方、「中小は特に問題が起こった際に、ひとくくりで見られる」と語っています。
優秀な人材の確保も「大手に比べると難しい」と指摘しています。

中小監査法人の役割自体は増しています。
公認会計士・監査審査会の報告書では、企業が監査担当を大手監査法人から中小監査法人に替えた件数は2021年6月までの1年間で87件と前年の2倍以上でした。
大手監査法人は手数料などコストが高くなっています。
シェアでは大手がなお7割弱(社数ベース)を占めていますが、中小のシェアは拡大傾向が続いています。

情報開示の強化など登録制の厳格運用で中小監査法人の選別は進む可能性が高いでしょう。
企業が自らに適した監査法人を選びやすくなり、財務情報の信頼性もより高まります。

ただし、日本公認会計士協会が実効性のある運用ができるか懐疑的な見方もあります。
2016年度以降に会計士協会が登録を取り消したケースは2件しかありません。
日本公認会計士協会が甘い評価を下せば、登録制の法定化は意味をなしません。

監査業界は問題が起こるたびに規制強化の議論が出ますが、規制対応で負担がかさみ、業務に支障をきたせば本末転倒です。
登録制で自浄作用を発揮できるか、監査人の自覚が改めて問われています。

少し前の伝説の監査法人のような駆け込み寺的存在になっている監査法人が存在するのも事実だと思いますし、監査法人が処分を受けたとしても、同じようなメンバーで新しい監査法人を作っているケースもあるのではないかと思います。
あと、たまに、監査法人のホームページを見たりしますが、代表者の経歴を見て、このような業界の経歴の浅い人がトップの監査法人が上場企業の会計監査をやっていいのかと疑問に思うことがあります。
結局、誰かが問題を起こすと、公認会計士の信頼が失われることになりますので、実効性のある運用がなされることを期待したいと思います。

中小監査法人を登録制で選別することになることについて、どう思われましたか?


トーマツが不正会計リスクをAIで“監査”し過去の不正企業との近似率を計算!

ITmediaによると、デロイトトーマツグループの監査法人トーマツは、先日、AI技術を活用して不正会計のリスクを予測する「不正検知モデル」を開発したと発表しました。

AIによる監査の高度化を目指すそうです。

2005年以降に公開された有価証券報告者の財務データや、為替レート、物価指数といった市況データをAIに学習させました。

対象企業・勘定科目の財務データから不正企業との近似率を「不正スコア」として算出します。

計算に影響を与えた項目など、スコアの理由を表示できるほか、類似度の高い不正企業の事例も参照できます。

トーマツは2022年1月から不正検知モデルを本格導入しました。

今後2年間で100社以上の監査先で活用し、入手した財務データは同意を得てAIの学習データとして使うとしています。

AIが馴染む仕事かもしれませんが、元トーマツの人間で、会計監査をしていた僕としては、個人的には、監査人としての経験からくる直感というものがとても重要だと思っています。
もちろん、AIも使うということは否定しませんが、AIに頼りすぎるのもどうかと思います。
会計監査の報酬は、現場での時間がベースとなるでしょうから、クライアントの見えないところで使っている時間はチャージしにくいでしょうから、監査報酬の値下げに繋がる可能性もあるのではないかと思っています。
また、監査人があまり考えず、機械的な判断になってしまうのではないかと危惧しています。
もちろん、監査法人は人手不足や働き方改革にも対応しないといけないことは重々承知ですが、直感とAIをうまく組み合わせて効率的な監査ができるようになり、不正が少なくなればいいなぁと思います。

トーマツが不正会計リスクをAIで“監査”し過去の不正企業との近似率を計算するようになったことについて、どう思われましたか?


金融庁が質向上を狙い監査法人登録の法制化を検討!

時事通信によると、金融庁は、先日、企業の会計監査を行う監査法人に関する論点整理案を有識者会議に提示しました。

監査法人の登録制度について「法律に基づく制度の枠組みを検討する必要がある」と指摘しています。

現在は日本公認会計士協会による自主規制としての登録制度がありますが、中小監査法人を含め、上場会社の監査の質を向上させるため、法律に基づく新制度を検討するようです。

上場会社の監査を担う中小監査法人は増加傾向にあります。

しかしながら、企業側の事業規模拡大に十分対応できていないとの見方があります。

論点整理案では、中小監査法人も上場会社の監査に十分な能力・体制の確保が必要だと強調しています。

問題を起こした監査法人のパートナーが新しく監査法人を作ってパートナーとなり、監査法人は変わったものの実態は同じみたいな案件もありますし、金融庁の検査を受けた監査法人が処分されたケースで、指摘内容を見てみると、こんなところが上場企業の会計監査をやっているのかと思うことがあります。
公認会計士や監査法人の信頼性を担保し、会計監査の重要性を認識してもらうには、質の向上は避けることができないと思います。
金融庁がどうするのかは分かりませんが、非常に良いことだと、個人的には思います。

金融庁が質向上を狙い監査法人登録の法制化を検討していることについて、どう思われましたか?


公認会計士が帳簿や領収書を在宅チェックする「リモート監査」!

日本企業の2020年3月期決算の監査業務が大詰めを迎えています。
今年は、監査法人の会計士が在宅で企業の帳簿や領収書をチェックする「リモート監査」が広がりました。
公認会計士が新型コロナウイルスに感染し、担当企業の決算や株主総会に影響するのを防ぐためです。
ただし、効率低下は避けられないでしょう。
書類の電子化や期末直後に集中する業務の分散など課題も浮き彫りになりました。

企業は株主総会の招集通知や有価証券報告書に損益計算書などの計算書類を掲載します。
正確さを担保するために公認会計士または監査法人による会計監査が欠かせません。
法律上は必要のない決算も会計監査を終えて臨むことがほとんどです。

契約書や請求書などの電子化が進んでいない企業の監査では、公認会計士が会社を訪れて資料を直接確認し、会社が報告する決算資料と照らし合わす作業が必要でした。

今年は新型コロナの影響で企業への訪問が難しくなり、監査法人は「リモート監査」で対応しています。
公認会計士は1人が複数企業の業務を掛け持ちします。
従来のような企業訪問を続ければ感染リスクが高いうえ、オフィスで監査法人内に濃厚接触者が増えれば監査業務が滞りかねません。

大手のトーマツは2月末から、原則的にオフィス作業を在宅勤務に切り替えました。
在宅で監査ができるよう上場企業など顧客企業900社に携帯端末の配布も始めました。

企業の経理担当者などが領収書や契約書など、公認会計士の確認が必要な書類を撮影し画像を送ります。
送り先が設定されており、誤送信がありません。
データは端末に残らず、情報流出リスクを抑えています。

アメリカのアップルの多機能携帯端末「iPodタッチ」に独自開発のアプリやセキュリティー対策ソフトを加えました。
1社につき1台は無料で、2台目以降は1台あたり2万9,000円で貸し出しています。

公認会計士は1社当たり数千枚の書類照合作業が在宅でできます。
国井泰成包括代表は「顧客企業と監査法人双方の負担軽減にもなる」と期待しています。
トーマツが属する世界のデロイトグループでも初めてで、今後は海外にも広がる可能性があります。

EY新日本監査法人は監査先企業とオンラインでデータをやり取りするためのポータルサイトを活用しています。
2018年ごろから利用を始めました。
上場、非上場あわせて約3,800社の顧客企業のうち630社程度が利用しています。
3月末にもある上場食品メーカーが採用を決めました。

顧客が使うポータルサイトは、EY新日本の会計士が業務で使うシステムと連携しています。
各公認会計士が自分に割り当てられた業務のために該当ページを開くと、企業側がアップした資料から必要なデータだけが自動的に表示される仕組みです。
EY新日本は2月末よりオフィス業務は原則在宅にしました。

もっとも監査業務全てをリモートに置き換えられるわけではありません。
紙の契約書や請求書などはPDFデータをいったん参照しますが「改ざんがないか最終的に現物を確認する作業は残る」(EY新日本の片倉正美理事長)。
各監査法人は最小限の人数で会社を訪問しています。

遠隔作業は手間がかかる面もあります。
大手監査法人に所属する30代の公認会計士は「対面で同じ資料を突き合わせてやり取りするのに比べると意思が伝わりにくい」と語っています。
在宅勤務は経験が少ない若手公認会計士にとってベテランの指導を仰ぎにくい面もあります。

「現場では作業効率が20%程度落ちている」(日本公認会計士協会の手塚正彦会長)といい、作業の遅れから決算発表を当初予定から延期する企業が続出しています。

監査業務が決算期末後に集中するという問題がコロナでより顕在化しました。
一つの解決策は「常時監査」です。
企業の基幹システムと監査システムを常に接続し、人工知能(AI)も活用しながら不正の有無をリアルタイムで確認するものです。
業務の平準化と訪問機会の減少につながるでしょう。

EY新日本が導入を検討しており、AIを使った監査ツールの開発人材を3年後に2.5倍の75人に増やす予定です。

会計監査は、担当者の態度や話しからおかしいなぁと思うこともあるでしょうし、質問することもたくさんあります。
それゆえ、在宅になると時間もかかりますし、不正などを見落とす可能性も高くなるでしょう。
一方で、現金や受取手形や有価証券や預金証書などの現物を確かめたり(いわゆる実査)、実地棚卸の現場に出向いて状況を把握したり、現物を確かめたり(いわゆる立会)することは、監査手続上、非常に重要なものとなるため、在宅では不可能な手続も存在します。
また、上場企業の場合、一つの部屋で数人が数週間監査を行っていることが多いため、感染しやすい環境にあるかと思います。
窓がない部屋のことも多いですから。
今回の新型コロナウイルス感染症は会計監査を根本的に見直す機会になるかもしれませんね。
ただし、会計監査は、担当者の単価×見積時間の積み上げによって監査報酬が決まるでしょうから、在宅やAIによる会計監査などが増えると、見積時間がクライアント側には感覚的に分かりにくくなるかもしれませんので、監査報酬の交渉が重要性を増すかもしれませんね。

公認会計士が帳簿や領収書を在宅チェックする「リモート監査」について、どう思われましたか?


プリントネットが『公認会計士等の異動に関するお知らせ』を一部変更!

 プリントネットというJASDAQに上場している企業が、先日、「公認会計士等の異動に関するお知らせ」というプレスリリースを一部変更しています。
文章は、以下のとおりです。

(訂正)「公認会計士等の異動に関するお知らせ」の一部訂正について

 2019年10月24日に開示いたしました「公認会計士等の異動に関するおしらせ」の記載内容について、下記のとおり訂正させていただきます。

                 記

1.訂正の理由
当社が2019年10月24日に開示いたしました「公認会計士等の異動に関するお知らせ」の記載内容につき、退任する有限責任監査法人トーマツより、訂正の依頼が本日付けであったため、その訂正を行うものであります。

2.訂正の内容
 訂正箇所には下線を付して表示しております。
 2ページ「6.異動の決定または異動に至った経緯」

<訂正前>

当社は、監査体制に疑念を抱く点並びに近年の監査報酬が増加傾向であることなどから、公認会計士等の評価・見直しを行うべきと考え、監査役会において複数の監査法人と検討してまいりました。

<訂正後>
 当社は、監査証明が出されている期より以前の期における監査体制に不備があったこと、また、近年の監査報酬が増加傾向であることなどから、公認会計士等の評価・見直しを行うべきと考え、監査役会において複数の監査法人と検討してまいりました。

2ページ「7.6.の理由及び経緯に対する意見」
(1)退任する公認会計士等の意見1行目
<訂正前>
 特段の意見はない旨の回答を得ております。

<訂正後>
 退任する公認会計士等からは、「監査報酬に関し合意するに至らなかったため、任期満了により退任する旨申し出たものであります。なお、当監査法人は所定の品質管理体制のもと適切に監査を実施しております。」との回答を得ております。

                                     以上

監査法人に対する不信感はあったのでしょうが、監査法人の意見も聞かず、プレスリリースするというのもどうなんでしょうね。
『監査証明が出されている期より以前の期における監査体制に不備があったこと』というのもよく分かりませんが。
まぁ、あまり会社と監査法人の関係性が良くはなかったということなのでしょうけど。
個人的には、最近では、監査法人変更の理由にすごく興味がわきます。
会社もきちんと理由を書き、監査法人もそれに対する意見をきちんと書くということが、投資家のためになるでしょうね。

プリントネットが『公認会計士等の異動に関するお知らせ』を一部変更したことについて、どう思われましたか?


現場を衰退させる形式主義!

 日本経済新聞によると、行き過ぎた形式主義が現場の思考停止を招いているようです。
不祥事が起きるたび新たな制度やルールが作られ、それらすべての規則を守ることを目的化してしまい、現場力の著しい低下を招いているようです。

企業統治(コーポレートガバナンス)の強化は大切ですが、実態はどうなのでしょうか?
本来、社外役員に求める能力やキャリアは企業ごとに異なるはずですが、知名度や性別、資格など形式要件だけで選定する企業も少なくありません。
機関投資家が画一的な形式基準で評価することも一因です。
担当する企業数が少なければいいというものではありません。
むしろ少なすぎれば1社当たりの報酬に対する依存度が高まり、言いたいことが言えない環境を作ることになってしまいます。

規制当局による検査の在り方も同様です。
実態を見よう、事業性を正しく評価しようと号令がかかるのです。
ただし、マイナスの評価基準は明確でも、プラスの基準は示されていません。
検査結果次第で人事評価を受ける現場にとって、いい仕事やリスクを取って成功した時、それを評価する基準が無ければ、顧客や社会と向き合い議論などできません。
その結果、検査のみに視点が行ってしまいます。

現場にも問題があります。
コンプライアンス(法令順守)強化により、マニュアルなどの整備が進み、ルールやルーティンを守りさえすればいいという組織は責任をとらない楽な仕組みです。
しかしながら、目先の手順や仕組みに依存していては、本質を理解する力や物事を考える力は大きく衰退するのです。

専門家も同じです。
公認会計士は『会計監査六法』に基づき監査を行いますが、20年前までは1,182ページだったものが、今では3,168ページに達します。
監査を取り巻く環境は厳しくなり、厳格な対応が求められています。
その結果、例えば棚卸しの監査時に現品の記録確認に気を取られるあまり、在庫管理状況の確認を失念するという具合に本質的な問題を見逃すことになりかねません。

ガイドラインやマニュアルなどへの依存は責任の所在を分散させ、組織的に動かすには便利な手段です。
しかしながら、職場での対話や各人が考えたり、五感で感じ取ったりという人間本来の能力を低下させているのです。
洞察力、思考力、対話力といった能力は一旦失われてしまうと容易には取り戻せません。
経済環境が好調な時こそ、コストと時間をかけてでも人を育てるという視点が不可欠でしょう。

このBlogでも何度か書いていると思いますが、僕が監査法人を辞めた理由の一つは、不祥事があり、金融庁の検査のための書類作りが増えたことにあります。
監査手続きとは直接関係のないような作業が増え、誰のために監査をしているのだろうと疑問がわいたからです。
当時以上にその作業は増えていると推測しますし、今も本質的に変わらないですね。
近年、『会計監査六法』を見るたびに、以前は『会計監査小六法』だったのになぁとか、実際にはページ数も増えているし、金融用・学校法人用・非営利法人用など種類も増えているなぁと思います。
形式にとらわれすぎて、本質を見落とさないようにして欲しいですね。

現場を衰退させる形式主義について、どう思われましたか?


「本3月期決算に係る監査の実施に当たって」の公表!

 日本公認会計士協会は、2019年03月27日付けで、「本3月期決算に係る監査の実施に当たって」を公表しました。

 内容は以下のとおりです。
 本3月期決算に係る監査の実施に当たって企業活動の複雑化・グローバル化が加速する中で、企業が作成する財務諸表は、様々な立場の人がその信頼性に注目しています。このため、財務報告の信頼性を担保するための監査の役割は、一層重要性を増しています。加えて、監査基準の改訂によるKAMの導入、通常とは異なる監査意見等に係る対応についての議論など、昨今の監査の信頼性向上への取組からも明らかなように、従来にも増して、ステークホルダーからの監査に対する期待も高まっています。
 一方で、近時においても盛んに報道されているとおり、企業の不正が後を絶ちません。また、海外でも会計不正やその監査を巡る問題を受けて、監査の信頼性を更に向上させるための議論が行われています。
 当協会では、監査業務改善のために、毎年監査業務審査会の審査内容を参考にした『監査提言集』を公表しています。この『監査提言集』では、監査人が心掛けるべき「11の提言」を記載しています。
 3月期決算に係る監査の繁忙期を迎えるに当たり、会員各位には引き続き、「11の提言」も有効に活用し、職業的懐疑心をもって、監査の基準に従いリスク・アプローチに基づく監査の実施に努めるようお願いします。

以 上

 こういう文書を出さないといけない状況であるということ自体、残念な気がしますね。
ここでは書きませんが、『11の提言』も、こんなこと書く必要があるのか?と思うようなものがいくつか入っています。
個人的には、不祥事の発生→監査の厳格化→マニュアルなどの強化→職業的懐疑心の低下という悪循環に陥っているのではないかと思います。
あと、最近、『KAM』(Key Audit Matters)ということばを、日本公認会計士協会が良く使っているような気はしますが、もう少し、一般の方々でもわかりやすいことばにした方が良いのではないかと思うのは、僕だけなのでしょうか?

「本3月期決算に係る監査の実施に当たって」の公表について、どう思われましたか?


指針変更でわかった「監査法人交代」の理由は結局お金!

 12月期決算の上場会社の定時株主総会が終わりました。
上場会社は決算書を監査法人にチェックしてもらう義務を負っています。
どの監査法人に監査を依頼するかの決定プロセスは会社によって異なり、会社が候補を決めて総会に諮る場合と、会社自体に決定権があって総会では報告するだけで良い場合があります。
しかし、いずれにしても総会マターです。
このため、監査法人の交代は、定時総会開催月の前々月の下旬から当月上旬くらいまでに公表されるのが一般的です。
2019年も12月期決算企業の監査法人交代の発表が1月下旬から始まりましたが、2019年は例年とは少々趣きが異なっています。
交代を知らせる各社のリリースに、これまでにはなかったほどしっかりと交代理由が書き込まれているのです。
逆に言えば、これまではなぜ監査法人が交代するのか、その理由がちゃんと書かれてきませんでした。
なぜ2019年になって、こうした変化が生じているのでしょうか?
これに関する記事が、Money Forwardが運営するMONEY PLUSというサイトに書かれています。

上場会社が監査法人を変える理由はいくつかあります。
1つは、会計処理の方針で会社側と監査法人の意見が対立したり、その会社の事業特性や業界慣習に対する理解をしてもらえない場合、2つ目が、監査法人の担当者が重大なミスを犯したり、何らかの粗相があって会社側を怒らせた場合、3つ目が、監査報酬で折り合えなかった場合です。
このほかに、海外子会社が増えて海外の会計事務所とのネットワークがある監査法人に乗り換える場合などがあります。
かつて、監査法人の変更は、上場会社にとって非常に重大なことでした。
会社が何か重大なリスクを抱えていて、監査法人に逃げられてしまったのではないか、と市場から疑いの目で見られる可能性があったからです。

しかしながら、平成不況が長引く中で、新規に上場する会社の数が激減し、監査法人間でクライアントの奪い合いが発生しました。
これによって、少しでも監査報酬を安くしたい会社側の思惑とが合致し、4大監査法人(EY新日本、あずさ、トーマツ、PwCあらた)間での変更や、4大監査法人から準大手への変更であれば、投資家も色眼鏡で見ることがなくなったため、監査法人変更のハードルがぐっと下がったのです。
そして景気が回復すると、今度は監査法人の人手不足が深刻化してきました。
それまで買いたたかれる一方だった監査法人も、会社に対して原価に見合う報酬を要求するようになり、一転して売り手市場になったのです。
東芝問題をはじめ、次々と不正会計が発覚したため、より厳格な監査手続が求められるようになったことも、監査法人の人手不足の原因になっています。
このため、かつては監査先数と売上高で競い合っていた監査法人も、ちゃんと採算が合うだけの報酬を払ってくれて、なおかつ粉飾発覚リスクも低い監査先しか監査を引き受けないという方針に転換し、近年では監査報酬で折り合わなかったために、監査法人が代わるケースが激増しているらしいということは、噂レベルでは出ていたのです。

ところが、会社側はその本音、つまり「監査報酬で折り合わなかったから監査法人を変えた」という理由を、なぜか交代のリリースに書かないことが一般化していたのです。
監査を受ける会社の現場の人にとって、監査法人を変えるというのは大変負担が重いものです。
会社によって業界の慣習は異なり、監査法人に会社のことや会社が手掛けている事業のことをわかってもらうまでには大変な労力がかかります。
それゆえ、監査法人を変えるというのは、そう簡単なものではないのです。
ところが、リリースに書かれる前任監査法人の退任理由は「今度の総会で任期が満了するから」となっていたのです。
後任は「監査を任せられるだけの資質があるから」、あるいは「総合的に判断して」といった、真の理由がわからない書き方であるのが普通で、まるでコピペしたかのように、大半の会社が同じ文言を書き連ねていました。

その状況が一変したのが2019年1月下旬です。
理由は、金融庁が有識者を集めて発足させた「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」が、1月22日に公表した報告書に「監査法人の実質的な交代理由をちゃんと書くべき」と書かれたからなのです。

効果はてきめんです。
それ以降、3月8日までに開示された監査法人の交代リリースをまとめてみたところ、19社中18社が明確に交代理由を書き、そのうち9社が監査報酬で折り合えなかったことを理由に挙げています。

このほか、監査時間を理由にした会社が1社あり、監査報酬は「単価×のべ作業時間」で計算されますので、監査報酬が理由と考えられます。
この1社も含めれば10社です。

4月に入ると、3月期決算会社の監査法人交代の発表が出始めます。
昔に比べれば、監査法人の交代で会社側が風評リスクにさらされる確率は低下したとはいえ、それでも大手から中堅以下の規模の監査法人に交代した場合は、あらぬ噂を立てられるリスクを伴います。
理由を明示することが常識になれば、会社側は不本意な風評リスクから解放され、それは投資家にとっても歓迎すべきことだと思います。

僕自身は、監査法人に勤めていた人間なので、監査法人を変えると事業のことをわかるようになるまでかなりの時間を要するので結局高く付くと思っているのですが、そうではないようですね。
あとは、IPOしそうな企業を探し出して、IPOまではかなり安い報酬で引き受け、上場してから回収していくというのが一般的なのかなぁと思っていたのですが、簡単に監査法人を変更するのが一般的になってくると、IPOまでの期間の報酬もきちんと取るようになる、つまり、監査法人側も選別を強めるような気はします。
あとは、投資家という立場からすると、考えが古いのかもしれませんが、今後は大手が監査先を絞っていくことになると思いますので、大手が監査しているところに投資しようとは思いますね。

指針変更でわかった「監査法人交代」の理由は結局お金であることについて、どう思われましたか?


登録政治資金監査人に対する個別の指導・助言の取組について!

 政治資金適正化委員会は、政治資金監査の質の確保を図るための取組の一つとして、平成26年分の収支報告書(定期分)に係る政治資金監査から、政治資金監査報告書や収支報告書の記載状況等に不備のあった登録政治資金監査人に対して指導・助言を行う取組を実施しています。
個別の指導・助言の取組は、都道府県選挙管理委員会及び総務省に対して、政治資金監査報告書の記載状況等について報告を求め、当該報告に基づいて、関係する登録政治資金監査人に対して直接当委員会から個別に指導・助言を行うものです。
指導・助言の対象となる事例は、以下のとおりです。

(1) 政治資金監査報告書の基本的な構成に係るもの
(2) 収支報告書(支出に係る分に限る。)上に金額の不整合(計算誤り、表間不突合等)があるもの
(3) 政治資金監査を適確に実施していないことが明らかであると考えられ、政治資金監査制度への国民の信頼に影響を及ぼしかねないと認められるもの等

これに基づき、指導・助言の対象とした事例等が公表されています。
平成29年分の収支報告書(定期分)に係る政治資金監査を対象とした個別の指導・助言の取組において、個別の指導・助言の対象とした主な事例等は、下記のとおりです。
政治資金監査は、法令及び政治資金監査に関する具体的な指針(政治資金監査マニュアル)に基づき適確に行う必要がありますので、このような事例が生じないよう、この機会に改めて、政治資金監査マニュアル、政治資金監査チェックリスト及び政治資金監査報告書チェックリストをご覧いただき、引き続き適確な政治資金監査の実施に努めていく必要があります。

<指導・助言の対象とした主な事例>
○都道府県選管の最初の受付時に、収支報告書(支出に係る分に限る。以下同じ。)上に金額の不整合(計算誤り、表間不突合等)があった。
○都道府県選管の最初の受付時に、収支報告書と領収書等の写しとで、金額の不整合があった。
※上記事例には以下の事例を含む。
・支出に重複計上があったため、後に重複分を削除した。
・対象年以外の年月日の領収書等の写しを添付していたが、後に当該支出を削除した。
・領収書等の写しのない支出を記載していたが、後に当該支出を削除した。
・収支報告書に計上されていない支出に係る領収書等の写しが添付されており、後に当該支出を追加した。
○都道府県選管の最初の受付時に、収支報告書と領収書等の写しとで、年の不整合があった(領収書等の「年」の記載が誤っていた)。
○その他、収支報告書に計上されている支出について、領収書等との確認を行っていなかった。
○政治資金監査報告書の基本的な構成に不備があった。
○同一の登録政治資金監査人について、2か年連続で同一又は異なる事例の報告があった。
○同一の登録政治資金監査人について、複数事例の報告があった。

<上記以外に都道府県選挙管理委員会等から報告のあった誤りの事例>
1)政治資金監査報告書に関するもの
○「1 監査の概要」(1)で監査対象期間が「平成28年」「平成30年」等となっていた。
○「1 監査の概要」(1)で監査対象期間が「平成○年○月○日から平成○年○月○日まで」と旧記載例で記載されており、かつ、監査の対象となった収支報告書等に係る会計の開始日が誤っていた。
○政治資金監査報告書の本文中で政治団体名の記載不備があった(異なる政治団体の名称が記載されていた)。
○政治資金監査報告書上で矛盾した記載があった(徴難明細書に係る支出があるのに徴難明細書が存在しなかった旨の記載等)。
2)収支報告書に関するもの
○収支報告書上で氏名及び住所の記載不備(記載誤り)があった。
○収支報告書と領収書等の写しとで、月日の不整合があった(収支報告書の月日の記載が誤っていた)。
○収支報告書と領収書等を徴し難かった支出の明細書とで、支出の目的に不整合があった(領収書等を徴し難かった支出の明細書の支出目的の記載が誤っていた)。

これらを見ると、しょうもないミスが多いですね。
このようなミスをすると非常に恥ずかしいと思いますが、登録政治資金監査人はこのようなレベルの仕事で大丈夫なのでしょうか?
こういうレベルのものに、『監査』ということばを使ってほしくない感じですね。

登録政治資金監査人に対する個別の指導・助言の取組について、どう思われましたか?


内部統制報告書の訂正件数が不適切会計増加で過去最多に!

 正しい財務諸表を作成するための社内管理体制が整っていると上場企業が投資家に向けて宣言する文書、「内部統制報告書」を訂正する事例が急増しているようです。
2018年の訂正件数は106件と、2017年の61件を上回り過去最多になりました。
不適切な会計処理が発覚したことを受け、報告書の有効性を過去にさかのぼって取り消すケースが目立つそうです。

内部統制報告書は、2009年3月期から有価証券報告書と併せて金融庁への提出が求められるようになりました。
不正会計が起きない社内体制作りを促すのが目的で、財務諸表の妥当性を証明するための重要な書類なのです。

企業は報告書で、財務諸表を作成するための適切な管理体制が整っているかどうかを説明します。
そのうえで内部統制が「有効」「有効でない」「表明できない」のいずれかを明記します。

報告書の訂正の理由として目立つのが、内部告発や内部監査などをきっかけに発覚した不適切な会計処理です。
ジャストシステムは一部従業員が会社に無断で返品条項を付けて販売店に売っていた問題が判明し、2015~2018年の報告書を「有効でない」に訂正しました。
東建コーポレーションも、不適切会計が発覚し、2013~2017年分を訂正した。

まだ実現には至っていませんが、日産自動車も、元会長のカルロス・ゴーン容疑者の報酬過少記載事件を受け、報告書の訂正を検討しているようです。

訂正の増加に対し、市場関係者からは懸念の声が出ているようです。
野村総合研究所の大崎貞和フェローは「現状では不正会計の発生リスクを示す役割を果たせていない」と指摘しています。
「形式的な対応にとどまっている企業が多いのかもしれない」(大和総研の横山淳金融調査部副部長)との見方もあります。

内部統制報告書が導入されてからもう10年になるんですね。
今なお不祥事などが多くて内部統制報告書を訂正するケースが増えているということは、内部統制の重要性を認識できていない経営者が多いということなんでしょうね。
以前から、規模の小さい企業は内部統制報告書の提出を緩和すべきというような意見が出ていますが、僕は反対です。
基本的に、内部統制がきちんと構築されているからこそ、日々の取引の積み重ねの結果である決算書の数値が信用できるということだと思いますし、規模が小さいほど、人員の問題で属人的になったり、チェック機能が働かない可能性が高まると思いますので、規模が小さいから簡便にするというのは間違っているのでないかと思います。
もう少し、内部統制の重要性を認識してほしいですね。

内部統制報告書の訂正件数が不適切会計増加で過去最多になったことについて、どう思われましたか?


報酬値上げで監査法人の交代が相次ぐ!

 決算をチェックする監査法人を変更する企業が増えているようです。
2018年は監査法人の合併など特殊要因を除いた変更件数が125社と2017年を上回り、リーマン・ショック直後の2009年以来、9年ぶりの高水準となりました。
東芝などの会計不祥事を受けた監査の厳格化で大手を中心に報酬を引き上げる動きが背景にあるようです。
一方で、監査法人との「なれ合い」を防ごうとして監査法人を変更する企業もあります。

税務研究会(東京都千代田区)によると2017年の変更件数は123社で、監査人・監査報酬問題研究会によると、上場企業の監査報酬は2017年度で1社平均6,604万円でした。
2016年度は6,300万円、2015年度は6,152万円で、年々高額化しています。
企業ごとの差が大きく、協和発酵キリンの直近の監査報酬は1億300万円、日本ペイントホールディングスは1億2,600万円。ニトリホールディングスは4,600万円でした。
企業規模や子会社数などが関係します。

2018年に目立ったのは4大監査法人の1つ、僕が以前勤めていたトーマツからの変更のようです。
40社強が他の監査法人に変更しました。
中堅以下の企業が多く、「報酬引き上げについていけなかった」(製造業)との声が漏れています。

東芝の会計不祥事以降、大手監査法人を中心に監査の厳格化を進めています。
デロイトトーマツグループの永田高士最高経営責任者(CEO)は、「監査の品質を確保するために適正な人員配置をしている」と話しています。
監査業務に詳しい青山学院大の町田祥弘教授は、「長時間の監査に見合う報酬を払えない企業は、監査法人も業務を引き受けづらいはずだ」と指摘しています。

監査法人とのなれ合いを防ごうとする動きもあるようです。
日本ペイントホールディングスは約40年間担当したEY新日本から大手のあずさに変更しました。
どこまで本当か分かりませんが、日本ペイントホールディングスのIR担当者は、「欧州で義務化されている監査法人のローテーション(強制交代制)を意識した」と言っているそうです。

課題は情報開示です。
監査法人を変更する場合、企業の内部管理体制などに問題があり監査法人が業務を引き受けないケースもあります。
2018年に開かれた会計監査の情報開示に関する金融庁の懇談会でも、監査人交代の理由や経緯は投資家にとって重要なのに、実質的な交代理由が説明されていないなどの指摘があったようです。

現状は「任期満了」といった簡単な説明にとどまる企業が大半です。
大和総研の吉井一洋氏は、「情報開示に納得していない投資家は多い」と指摘しています。
決算の信頼性を高める上でも、監査法人との関係性を投資家に開示する姿勢が求められています。
個人的には、監査契約の期間は契約書上1年だと思いますが、実質的には自動更新だと思いますので、交代したときに任期満了というのはどうなのかなぁと感じます。
あとは、働き方改革も影響しているんでしょうね。
よって、交代の場合は、企業と監査法人双方がコメントするようにすればいいのではないかと思います。

報酬値上げで監査法人の交代が相次いでいることについて、どう思われましたか?


監査法人選任はJAの実態に合わせて慎重に(会計監査人評価のポイント)!

 農業協同組合新聞に、会計監査人評価のポイントが載っていました。
戸津禎介有限責任監査法人トーマツJA支援室の講演を、新世紀JA研究会の責任でまとめたものです。

 農協法の改正を受けて平成31年10月1日以降、農協等の会計監査は従来の中央会監査から公認会計士監査に移行されることになりました。公認会計士監査の受監に向けて、いよいよ多くの公認会計士や監査法人(以下監査法人等)から会計監査人を選任することが必要な時期となっています。
 具体的な選任は、日本監査役協会の『会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針』やJA全国監事協議会の『監事が農協等の会計監査人予定者の選定において留意すべき事項』等が公表されており、これらに従って進めていくことが通例と考えられます。
 選任プロセス自体の説明は、平成29年10月の講演で説明しましたので、本論では、実際に会計監査人選任の場でいただいた質問をもとに、会計監査人の選任を進めるための具体的な留意点を伝えることで、選任に向けての理解の深化や、系統全体に蔓延しているよくある誤解の解消を目指します。
 具体的な話をする前に、改めて農協等の会計監査人の選任にあたっては、透明で的確な選任過程を経ることの必要性を再確認させていただきます。選任にあたっては、透明で的確な選任過程を経ることで、監事、役員の説明責任を果たすことが重要になると考えます。
 具体的には、組合員に対して、監査品質はもとより、組合経営に資する監査法人等を会計監査人として選任したのだと説得的な説明を行い、特に外部(政府、マスコミ等)の目を意識し、現状維持ではなく、自己改革を進めるため適任の監査法人等を選任したことを主張できるような選任をすることが重要と考えます。
 このような透明で的確な選任過程を経ることの重要性は、ここ数か月で急激に高まっており、以下のような背景があるものと考えられます。
◇既定路線に従い会計監査人を選任するとしても、十分な検討をせずに選任してしまうと、農協改革が骨抜きになっているとの批判を受ける恐れがあるとの周知が進んでいる。
◇今後、農協の経営環境が厳しくなることが見込まれる中で、単に財務諸表を批判的に検討するだけでなく、経営課題の解決に向けて示唆を与えてくれるような指導的な機能を発揮する会計監査人に対する期待が高まっている。
◇農林水産省による報酬調査の公表や監査法人等による具体的な提案活動が進んだ結果、監査報酬の水準が想定より高くなる恐れが高まった。
◇会計監査人の選任過程を常例検査の対象にする可能性がでてきている。
◇透明で的確な選任過程を経ることの必要性を十分に認識いただいたところで、実際に会計監査人選任の場で、各農協からよく質問のある8つのポイントに絞って具体的な話をさせていただきます。
ポイント(1)「品質管理」
 品質は監査の根幹をなすものであるため、監査品質の水準は関心が高い領域です。監査の品質は、見た目で良し悪しの判断が難しく、通常、監査法人の提案書には品質管理体制に関する膨大な情報が盛り込まれることから、見極めるべきポイントを絞り込む必要があります。
 審査担当のパートナーの設置や難易度の高い事案の解決をサポートする機能があるか、などの仕組みの有無に加えて、過去の金融庁(公認会計士監査審査会)や公認会計士協会の検査結果を確認することが最低限確認すべきポイントと考えられます。
ポイント(2)「情報セキュリティ」
 監査は多くの秘匿情報を扱いますが、近年、監査法人による情報漏えい事案が少なくありません。そのため監査クライアントは、監査法人に重要情報の管理体制を整備・運用することを求める傾向が強まっています。見極めのためには、情報セキュリティマネジメント規格の取得状況など、情報セキュリティ強化に向けた取り組みを確認することが有用です。
ポイント(3)「業界理解」
 公認会計士監査はリスクアプローチにより行われます。リスクを正しく把握して、リスクに対応する監査手続を立案して対応するわけですが、リスクを把握するためには、総合事業の理解も必要ですし、そもそも株式会社と協同組合の違いを理解しておくことが必要になります。
 今まで一般事業会社ばかり監査していた公認会計士が協同組合や総合事業に対する基本的な理解を持ち合わせていなのではないかとの不安は大きいようです。系統への業務提供等の実績を把握することで、不安が顕在化しないことを確認することが考えられます。
ポイント(4)「非監査業務」
 農協を取り巻く今後の厳しい経営環境に鑑みれば、公認会計士が持つ知見を経営に活用していくことは有用であり、会計監査だけに限られてしまうことは実にもったいないと感じます。多くの農協では、公認会計士からの様々なアドバイスを期待していると思われますが、会計監査人が非監査業務を提供してはいけないとの誤解が蔓延しています。
 まずはこのような誤解を正すことが重要ですが、一方で非監査業務の提供を志向しない公認会計士がいることも事実です。公認会計士の知見を今後の農協経営に活用していくために、非監査業務に対する考え方や知見の有無を確認することをお勧め致します。
ポイント(5)「業務監査」
 これまで業務監査が農協経営の高度化に貢献してきたことから、今後公認会計士監査に移行した場合に業務監査の取り扱いがどのように変化するのかが大きな関心事になっています。公認会計士監査は会計監査を目的としているため、農協から特段の要請を受けない限り業務監査は実施されません。公認会計士の指導的機能の発揮や非監査業務の提供を通じて代替されていくものと考えられます。
ポイント(6)「是正指導」
 監査はJA全国監査機構、指導は中央会という歴史からか、公認会計士監査になったら公認会計士は指導機能を発揮してくれなくなるとの誤解をよく耳にします。公認会計士によって、指導的機能を発揮するための意思・能力に差があることも事実ですが、少なくとも指導機能の発揮は制限されるものではありません。
 どの程度指導機能の発揮が期待されるのかを、意思や能力の点から見極めることを勧めます。せっかく公認会計士監査が導入されるのですから、公認会計士を経営課題の解決に役立つ存在として取り込んだ方がよいことに異論はないと思われます。
ポイント(7)「監査チーム」
 悲しい事実ですが、監査は誰がやっても同じということはなく、監査法人もっと言ってしまうと、だれが担当するかによって監査のスタイルは大きく変わってきます。提案書では通常、監査担当者の氏名や担当者の経歴が記載されますし、プレゼンテーションの場を通じて個性を見極め、自らの組織にあうスタンスの公認会計士であるかを見極めることが重要です。
ポイント(8)「監査報酬」
 監査報酬は、最も関心が高い項目であり、多くの質問が寄せられています。内訳ごとの監査時間の合理性を確認することはもとより、次のような大前提を確認し、実質的な負担を理解することが重要と考えます。
 (1)監査時間及び監査報酬は、概算なのか確定なのか?
 (2)監査時間及び監査報酬は、工数のかさむ初年度を前提にしたものなのか、数年後の安定的な状況を前提にしたものなのか?
 (3)初年度特別価格で、2年目以降報酬が上がる可能性はないのか?
 (4)非監査業務が提供されている場合、監査報酬に取り込まれる部分はどれくらいあるのか?
 以上のように、監査人選任にあたっての具体的な留意点を説明しました。冒頭に申し上げた通り、会計監査人の選任の目的は組合員のために現状維持ではなく、自己改革を進めるため適任の監査法人等を選任することにあります。その目的を忘れることなく、上記の留意点を踏まえ、各農協がベストな会計監査人を選任いただくことを強く祈念致します。

個人的には、非監査業務が監査報酬の中に含まれていて良いのか?という疑問はありますね。
この記事を読んで、あまりクライアントの方から評価を受けることの少ない監査業務において、過去何度か高く評価していただいたのは、指導業務だったということが思い出されましたが、ここが重要なんでしょうね。
指導業務が行えるからこそ、クライアントの方も、事前に相談できるようになるのではないかと思います。
非監査業務との線引は必要だと思いますが、農協に限らず、監査人も指導機能が発揮できるよう日々スキルアップしないといけないですね。

会計監査人評価のポイントについて、どう思われましたか?


監査法人選任はJAの実態に合わせて慎重に(公認会計士移行の留意点)!

 農業協同組合新聞に、公認会計士移行の留意点が載っていました。
日向彰農水省経営局協同組織課課長の講演を、新世紀JA研究会の責任でまとめたものです。

農協改革集中推進期間が来年5月に終わります。これが農協改革の第1ステージです。そして334月以降から改正農協法施行に伴う5年後の見直しが始まり、これが第2ステージとなります。そのなかで、農協の理事構成、中央会制度の見直しなどがあります。そのうえで公認会計士監査を導入し、31年度決算から監査が始まります。系統では昨年4月にみのり監査法人をつくりましたが、各農協では監査法人の選定作業に入っているところだと思います。
 3月決算の農協では、来年6月の総会で監査法人を決めて、内部統制の整備、公認会計士監査ということになります。最後に准組合員の利用規制ですが、農水省ではいま、正組合員、准組合員、員外3者の事業利用量を調査しています。平成333月までの予定で、その結果をもとに、いろいろ検討することになっています。
 農協によっては323月には、31年度の財務諸表づくり、来年の春ころから期中監査の結果を踏まえ期末監査となり、会計士が財務諸表の適正さをチェック。326月に監査意見の表明が行われ、通常総会で決算の承認ということになります。
 では、農水省はなにをするかというと、監査コストの引き下げのお手伝いをさせていただきます。公認会計士監査は、農協にとって意義あることだということを理解し、農協経営に活かしてほしい。

 公認会計士監査を導入したのは、農協の信用、共済事業の規模が大きいという重い事実があります。信用不安を起こさないため、第三者の意見をしっかりもらって、適正に財務諸表がつくられ、健全に経営されているのだというお墨付きを得ることです。それが組合員、国民の信頼をえることです。信金や労金などにも信用事業を営んでいるところは公認会計士監査が義務つけられています。
 というのは、秋田県のおばこ農協の問題があります。農業白書でも紹介され、輸出や直接販売を行うなど立派な農協でした。しかし会計監査の財務諸表の作り方があまりにもいいかげんだったといわざるを得ない。公認会計士に聞くと、経済受託債務と債権に80100億円もの差があり、おかしいと思わなかったのがおかしいと言っています。
 60数億の赤字で、4%割れはなかったものの、11.11%あった自己資本比率が、あっという間に8%割れを起こしました。この重みを、しっかり受け止め、農水省もそうですが、緊張感を持っていただきたい。世の中の目はきびしくなっています。住専問題をくりかえしてはなりません。法律で公認会計士監査が決まっている以上、しっかり公認会計士とキャッチボールして、役職員にとっても監査を受けたというのは、リスク回避など、農協にとっていいことだという認識をもっていただきたい。

 では農水省は何を支援できるか。監査コストは上がることも下がることもあります。高くなると、国は補填して欲しいという声も多く聞かれました。しかし、医療法人、社会福祉法人などもみんな自腹でやっています。モラルハザードを起こしてはならないと思います。農協だけ支援すると必ず批判が出ます。いろいろな思いがあるのは承知していますが、ご理解いただきたい。JAグループが批判されるようにはなって欲しくはありません。
 その代わり、監査コストを下げるお手伝いをします。本年度、全中やあずさ監査法人と、公認会計士監査のマニュアルづくりに取りかかっています。監査法人選任の一助になれば幸いです。その上で、夏の概算要求で2億円の「監査法人のコストの合理化支援」を要求しています。農協の取り組みに任すといっても、離島の農協や大きな経済事業を展開する農協があります。コストを引き下げるための相談を受けます。その場合、中央会は、これまでの経営指導のノウハウを活かし、内部統制強化にリーダーシップを発揮していただきたい。
 また、農水省、金融庁、全中、公認会計士協会の4者で、農協が監査法人を選ぶにあたっての留意点について「JA常勤監事協議会研究レポート」をまとめました。参考にしていただきたい。農協が監査法人を選ぶ場合は、なぜこの法人を選ぶのかを説明できることが重要です。また監査法人を公募するという農協もありますが、その場合も、公募していることが、ちゃんと分かるようにしていただきたい。それが組合員の農協への信頼を高めることになります。
 お願いになりますが、全中監査機構のこれまでのノウハウの蓄積を新しい監査法人に引き継ぐためのしっかりした仕組みをつくってほしい。また、来年5月、自己改革集中推進期間が終わった時点で、生産資材価格の引き下げ、農産物の有利販売などの自己改革で、農家の所得向上のためどれだけ頑張ったか、いったん総括しなければなりません。そのため、ひとつでも多く取り組み、組合員の評価を高めて、頑張っているよということを組合員に示してほしい。改革を評価するのは組合員です。
 農業者が農協を利用するかどうかが物差しです。その意味でも公認会計士監査は経営改善の一助になるのです。農協はリーダーシップを発揮し、農業者所得増大への高い評価を得て、それを農水省にバックしていただきたい。

『高くなると、国は補填して欲しいという声も多く聞かれました。しかし、医療法人、社会福祉法人などもみんな自腹でやっています。モラルハザードを起こしてはならないと思います。農協だけ支援すると必ず批判が出ます。いろいろな思いがあるのは承知していますが、ご理解いただきたい。JAグループが批判されるようにはなって欲しくはありません。』などというコメントを見ると、まともなことをおっしゃっているなぁと思いました。
あとは、『その代わり、監査コストを下げるお手伝いをします。本年度、全中やあずさ監査法人と、公認会計士監査のマニュアルづくりに取りかかっています。監査法人選任の一助になれば幸いです。その上で、夏の概算要求で2億円の「監査法人のコストの合理化支援」を要求しています。農協の取り組みに任すといっても、離島の農協や大きな経済事業を展開する農協があります。コストを引き下げるための相談を受けます。』という点については、どうすれば安い金額で契約してくれる監査法人を見つけられるかという誤った解釈の方をなくす努力をしてほしいとは思います。
監査法人は、当然、見積もりの工数ベースで報酬を提示すると思いますので、監査を受ける側に起因して工数が多くなり、結果として監査報酬が高くなるところもあるでしょうから、監査を受ける側に起因しているものを取り除くためのマニュアルとなってほしいと思います。
結局は、会計監査をきちんと受け、内部統制などをきちんと整えることが自らの信用を高めることであること、監査報酬は出資者が負担しているものであることなどを認識のうえ、監査法人を選定し、契約してほしいですね。

公認会計士移行の留意点について、どう思われましたか?


監査不信「10年周期説」に現実味!

 企業決算にお墨付きを与える会計監査の世界大手「ビッグ4」に再び批判が高まっているようです。
欧米で相次ぎ粉飾見落とし騒動が浮上し、リーマン・ショック後10年、エンロン事件からやがて20年というタイミングに、会計不祥事「10年周期説」も現実味を帯びているようです。
監査という「資本主義のインフラ」を巡るコスト分担が未解決な限り、好況期に緩むマネーの規律が不祥事の種を育て続けるでしょう。

 イギリスの企業会計の監視主体、財務報告評議(FRC)は今、異例のハイペースで、「●●の監査に関する■■への罰金」という監査法人への罰則を発表しています。
背中を押したのが、イギリス議会による5月の報告書で、「必要レベルの独立した監査をできない、なれ合い集団」と、世界企業の監査を一手に担うビッグ4、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(EY)、デロイトトウシュトーマツ(DTT)、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)を厳しく指弾した。

直接のきっかけが建設2位のカリリオン社の破綻です。
公共サービスに民間資金を生かす「PFI」発祥の地で、病院や道路などを多く手掛ける大手でした。
それが突如、15億ポンド(約2,300億円)の負債を抱え清算されたとあって、批判の矛先がKPMGの監査に向かったのです。

KPMGは南アフリカで銀行の破綻に関連し現地経営陣が総辞職しています。
アメリカでも米ゼネラル・エレクトリック(GE)の保険部門が巨額損失を計上した件で米証券取引委員会(SEC)が調査中です。
他の監査法人でも、PwCが「インド版エンロン事件」と呼ばれた件に絡む罰則で、上場企業監査を禁じられるなど、今年に入りニュースが相次いでいます。

企業が投資家からお金を集め、利益を生み、成長の歯車を回す資本主義で欠かせないのが企業の姿を正しく表す決算書です。
監査はそれを担保するプロセスです。
産業革命後の英国を源に、大恐慌を経て上場企業に作成と定期的な開示が義務付けられるようになったのです。

その欠かせない「インフラ」に「約10年周期でスキャンダルが起きる流れがある」と、大原大学院大学の八田進二教授は指摘しています。
10年前に、アメリカのリーマン・ブラザーズが破綻し、さらに、その10年前はアメリカのエンロンが簿外に債務を隠し「驚異の利益」を粉飾計上していた頃です。

10年」に明確な根拠はありません。
しかしながら、あるサイクルの存在を歴史が示しています。
成長率の高い好況時には企業がその前提の下、設備投資やM&A(合併・買収)を実行しますが、監査する側も足元の延長線上で妥当であれば問題視しにくいと言えます。
ところが、実際には常にバブルがはじけ、資産価格が下がり「時価」へと修正を迫られるという繰り返しです。

対応し、規制強化は進んでいます。
エンロン後の2002年、アメリカで企業改革法(SOX法)が成立し、決算の虚偽報告に最長20年の禁錮刑が導入されました。
日本でもカネボウの粉飾後に「日本版SOX法」が開始し、ヨーロッパでは同じ監査法人が同一企業を担当するのは最長20年となりました。

それでも絶えぬ不祥事にイギリスでは今、懲罰的ビッグ4解体論も浮上しているようです。
実際、エンロンの監査担当だったアーサー・アンダーセンは、粉飾を見抜けなかっただけでなく、積極的な加担も疑われ解散に追い込まれました。
監査部隊はデロイトトウシュなどに吸収され、現在のビッグ4になりました。

しかしながら、その結果、欧米の大企業の9798%がビッグ4の顧客となっています。
寡占ゆえの競争欠如が緩みの元凶との批判は根強いようですが、実際はこれ以上潰せない「ラスト4」と呼ばれる存在です。

「監査は(未来を映す)水晶玉ではない」と、イギリスKPMGのビル・マイケル会長は英誌で批判に反論しています。
投資家は会社の不正を見抜けといいますが、監査とは決算書類が適正に作られている確認を行う作業であり、万能ではないとの主張です。

根本には企業と監査人を巡る、本質的な緊張関係の欠如が横たわっています。
KPMGがカリリオンから得た監査報酬は約2,900万ポンド(約41億円)で、報酬を受けながら、企業性悪説に立つ厳しいチェックは果たして可能なのでしょうか?
一方、企業にしてみれば監査は必要ですが、利益を生まない経費です。
この資本主義のインフラのコスト分担が未解決なことが、10年周期の遠因です。

代案の議論はあるようです。
保険会社が監査リスクを見積もり最低価格をはじき、監査人が入札する、企業と投資家がコストを折半し取引所に監査費用をプールする。
要は企業と監査を相対にせず、第三者を挟むアイデアです。
しかしながら、「公的監査が試みられた国で成功例はない」(青山学院大学の町田祥弘教授)ようです。
自由競争に基づくのが、資本主義であり、コスト分担の解は見えないようです。

そんな中、トランプ米大統領は先日、突然「費用の節約だ」と企業業績の四半期開示見直しを指示しました。
戦後最長に並ぶ好景気の下で踏まれるアクセルですが、規律が緩み、そして次の会計不祥事の芽が育っているのでしょう。

 元々、監査法人に勤めていた人間としては、監査費用は、企業が負担しているのではなく株主が負担しているという考え方をすれば、現状で問題ないのではないかと思います。
監査は決算の数値だけをチェックしていると思われがちですが、普段の取引の流れ(内部統制)もチェックしており、内部統制がきちんと整備・運用されていることを確かめられたからこそ、決算の数値はある程度信用でき、決算時のチェックも少なくなっています。
この普段の取引の流れを把握するのが大変なのです。
当然、業界の特性もあるでしょうし、それぞれの企業によって異なるからです。
これは、決算の数値の監査においても同じことが言えます。
あとは、ここが理解を得ることが難しいところだとは思いますが、すべての粉飾を見破るのは不可能だと思いますし、粉飾の歴史に伴って、監査技術も向上しています。
よって、頻繁に監査法人が変わるとなると、これを新たに把握するのに膨大な時間がかかり、結局、監査報酬が上がることになってしまいますし、その企業のことをよく知らないということになりますので、粉飾のリスクは高まります。
ここは、大手監査法人の担当者の定期的な変更で、新たな視点や緊張感は担保できるのではないかと思います。
結果的に、現状が良いと考えています。

 監査不信「10年周期説」に現実味が帯びていることについて、どう思われましたか?


シンガポール取引所が世界の動きに対応して決算・四半期開示を見直し!

2018年01月30日(火)

シンガポール取引所は、先日、上場企業に課している四半期決算の開示ルールの見直しを検討すると発表しました。
年4回の開示義務を年2回に軽減したり、開示が必要な項目を減らしたりする案を検討するようです。
開示ルールを簡素化する世界の取引所の流れに対応する狙いだそうです。

シンガポール取引所は、まず、四半期決算制度を維持するかどうかを検討します。
仮に、四半期決算の維持を決めた場合も、開示を義務づける対象企業を現在の時価総額7,500万シンガポールドル(約63億円)以上から1億5,000万シンガポールドル以上に引きあげるなど、負担軽減策を検討します。
市場関係者から意見を集め、2018年後半から新制度を導入します。

シンガポール取引所が開示制度を見直すのは、中小企業などから情報開示にかかるコストが重いとの不満が高まっているためです。
四半期開示を実施する企業の割合も、2003年の制度導入当初は全体の37%でしたが、今は70%まで高まっているそうです。

東京証券取引所も、2017年3月期決算から決算短信の記載内容の一部を自由に変更できる簡素化に踏みきっています。
シンガポール取引所は、他の取引所に比べ開示負担が重い状態が続けば、有望なベンチャー企業が他に上場する事態を加速しかねないと判断したようです。

一方で、開示の頻度や項目が減れば、投資家が情報を入手しにくくなります。
情報開示の不備が原因で株価が乱高下するなどすれば、市場開設者としての取引所の信頼性も低下する可能性があります。
シンガポール取引所は、別の施策によって少数株主の権利保護を確保すると説明しています。

日本も検討した方が良いかもしれませんね。
四半期開示は、会社にも監査法人にも過度な負担を与えているように思います。
当然、監査報酬のアップにもつながっているでしょう。
開示したい企業がすればいいのではないでしょうか?
そういう積極的な姿勢が評価されて、株価に反映するようになるのではないでしょうか?
ただし、一方で、投資家の保護も考えないといけませんが、これは、市場を分けるといったようなことで対応できるのではないでしょうか?
四半期開示がないという条件のうえ、そのリスクを考慮しても株式を買いたい人が買えばいいわけですから。
ちなみに、シンガポール取引所は、お昼休みも取引ができます。

シンガポール取引所が世界の動きに対応して決算・四半期開示を見直すことについて、どう思われましたか?


海外の監査チームの人事権までも持つ!

2017年12月27日(水)

先日、日本経済新聞に『揺れる監査法人』という記事が連載されていました。
タイトルと内容が合っていないような気はしますが、今週3日間は、これについて書きました。
2017年9月下旬、港区の東京ミッドタウンにある富士フイルムホールディングスの本社に約20人の外国人の集団がやってきました。
国際会計事務所KPMGの公認会計士です。
富士フイルムと今後の会計監査について意見交換する会議に集まったようです。

「複合機のリース債権について貸し倒れ引き当てを正確に積むべきだった」などと、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど各地域を担当する公認会計士が監査で気付いた注意点を次々と報告し、経営陣は聞き入ったようです。

富士フイルムは2016年6月末の株主総会後に、会計監査の担当を新日本監査法人からあずさ監査法人に切り替えました。
国内はあずさ監査法人が監査し、海外グループ会社はあずさ監査法人と提携するKPMGが各地域を受け持つ体制になっています。

「日本のあずさがまとめ役となり海外から情報を吸い上げる仕組みが効果的」と、富士フイルムのグローバル監査部の花田信夫部長はKPMGのネットワークを評価しています。

実際に子会社の富士ゼロックスの海外子会社が起こしたリース取引の不適切会計では、このネットワークが機能しました。
あずさ監査法人とKPMGが監査で疑問点を見つけ、不適切会計問題にメスを入れるきっかけにつながりました。

海外販売子会社の不適切会計では、累計で375億円の損失が発生しました。
2017年7月には過年度にさかのぼって決算訂正を余儀なくされました。
優良会社とされてきた富士フイルムが経験した不祥事だけに、衝撃は大きかったようです。

あずさ監査法人で監査の品質を担当する金井沢治専務理事は「一般的に親会社の財務担当者が海外子会社について外部の視点で客観的な情報を入手する機会は多くない」と会合を開催した狙いを明かしています。

海外ネットワークの整備が急ピッチで進んでいます。
あずさ監査法人は海外の会計事務所とのやり取りを密にするため、海外赴任経験のある人材を大幅に増やしました。
さらにグローバル企業を担当する国内の監査チームが、海外子会社を担当するKPMGの現地事務所の監査チームに直接指示を出す体制に切り替えました。
「現地の情報を収集しやすくなり、不正につながる情報も素早く把握できる」そうです(金井氏)。

かつてあずさ監査法人は、現地拠点を通じて国内と海外の監査チームが間接的に情報をやり取りする体制でした。
今は国内で監査全体のリーダーを務める公認会計士は、海外の監査チームの人事権までも持っています。

もちろん企業側の対応が大前提です。
富士フイルムも監査の仕組みを根底から変えました。
9月に監査部をグローバル監査部へと衣替えし、持ち株会社が直接300社にのぼるグループ会社を監査する体制に切り替えました。
「子会社任せをやめ、問題が起こる前に芽を摘む」ようです(花田氏)。
今回のKPMGとの会合も監査のグローバル体制構築に向けた一環です。

日本企業のグローバル展開が広がる中、目が届きにくい海外子会社の不正会計をどう見つけるのか。上場企業と監査法人の双方で再発防止に向けた地道な取り組みが進み始めました。
個人的にも、ここ数年、海外子会社での不正が増えていると感じています。
今までは、提携先の海外の会計事務所に丸投げという感じだったのでしょうが、あすさ監査法人のようなこちらが主導権を持つということは、見習わないといけないでしょうね。

あずさ監査法人は海外の監査チームの人事権までも持っていることについて、どう思われましたか?


世界で最も複雑な財務諸表?

 先日、日本経済新聞に『揺れる監査法人』という記事が連載されていました。

 タイトルと内容が合っていないような気はしますが、今週3日間は、これについて書いています。
「日本、いや世界で最も複雑な財務諸表かもしれない」と、トーマツ幹部がこう形容する担当企業があります。
それは大型M&A(合併・買収)を繰り返し、姿が大きく変わり続けるソフトバンクグループです。
担当公認会計士は、当然、エース級を送り込んでいるようです。

担当公認会計士を悩ませる原因の一つは、ソフトバンクの資産評価だそうです。
英半導体設計、アーム・ホールディングスの買収では2.9兆円(20179月末)という巨額の「のれん」が注目を集めました。
「のれん」とは、買収価格と純資産の差を示すものです。
それが膨らむのは、ソフトバンクはアームが将来、大きな価値を生み出すと考えているからです。
ソフトバンクの「のれん」は、2017年9月末で計4兆3,900億円と総資産全体の16%を占めています。

しかしながら、すべてのビジネスが企業の計画通りに進むわけではありません。
見通しの甘さが巨額の減損につながる可能性もあります。
「のれんはできるだけ保守的に評価したい」(あるベテラン公認会計士)というのが本音であり、リスクに敏感な公認会計士が、のれんの金額を巡って担当企業とせめぎ合うのは必然でしょう。

「(あらゆるモノがネットにつながる)I o Tが普及すれば、このくらいの売上高と利益は出る」と、孫正義会長兼社長は本社の会議室でアームの成長性について熱弁を振るいました。
面談相手は投資家ではなく、トーマツの担当公認会計士です。

実はソフトバンクは昨年のアーム買収では、孫会長兼社長とトーマツの担当公認会計士の面談を年4回程度に増やしたようです。
これまでも孫会長兼社長が年2回ほど、公認会計士に経営の現状を説明してきました。
回数を増やした理由は、公認会計士の理解を得るにはトップの懇切丁寧な説明が不可欠との判断のようです。

ソフトバンクで孫会長兼社長を支える一人は、経理統括の君和田和子常務執行役員です。
公認会計士の資格を持ち、かつてデロイト系の会計事務所にも在籍していました。
アームの買収手続きが一段落し、君和田氏の視線は新たに買収する米投資会社フォートレス・インベストメント・グループに向いています。
 「新しい事業なので監査業務にはトーマツでも(ファンドに詳しい)専門家が入らないといけない」と注文を付けています。

買収した事業の将来性をどう評価するのか?は、ソフトバンクを担当するトーマツだけの問題ではありません。
成功も失敗もありますが、日本企業による巨額買収の事例は増える一方です。
2017年3月期に東芝は買収した米原子力事業で7,316億円の減損損失を計上しました。
公認会計士に、買収先の経営を目利きする力も必要になってきます。

君和田氏は「会計士は過去のことを見るのは得意だが、将来の見積もりは不得意」と指摘しています。
担当企業側から投げられたボールをどう受け止めるのでしょうか?
監査法人が抱える課題は大きくなっていますね。
僕が監査業界に入った約21年前と比べると、将来の見積もりが必要な会計ルールも増えていますし、その頃には想像もできなかったような事業をやられている会社もたくさん存在します。
公認会計士は、事業をやっているわけではないので、専門分野を設けていく必要があると思いますが、色々な会社を担当していることが強みだと思いますので、過去の数値のチェックだけでなく、財務諸表などから将来のことも読み取れるように、日頃からアンテナを張り巡らせておかないといけないですね。
個人的には、監査の仕事は将来AIに置き換わると言われていますが、将来のことが考えられる公認会計士が生き残っていくんでしょうね。

ソフトバンクグループの世界で最も複雑な財務諸表について、どう思われましたか?


毎日が決算!

 先日、日本経済新聞に『揺れる監査法人』という記事が連載されていました。

 タイトルと内容が合っていないような気はしますが、今週3日間は、これについて書きたいと思います。
監査法人を取り巻く環境が目まぐるしく変化しています。
顧客企業のグローバル化が進み、買収ファンドを通じた複雑な経営形態も広がっています。
相次ぐ不正会計問題で打撃を受けた監査業界ですが、今の課題を監査法人と企業の取り組みを通じて探っています。

決算発表で毎回先陣を切るのが愛知県拠点のレストランチェーン『あみやき亭』です。
同社と監査法人の取り組みは、将来の会計監査の在り方を示すモデルの一つになるでしょう。

10月1日の日曜日に、愛知県春日井市にある、あみやき亭本部の一室では、あずさ監査法人の公認会計士が決算短信の最終確認に追われていました。
「月末の資産残高を確認するのに追加資料が必要」ということで、資料を片手に電卓をはじきながら経理担当者に矢継ぎ早に注文を繰り返し、作業は夜遅くまで続いたようです。

翌2日、あみやき亭は2017年4月から9月期の決算を発表しました。
3月期の決算企業では一番乗りです。
2002年の上場当初から原則、締め日の翌営業日に決算を開示してきました。
開示1番を巡ってIT(情報技術)企業などと競う時期もありました。

しかしながら、監査の厳格化が進む中、翌営業日に開示する3月期企業は、あみやき亭だけになりました。
同社の佐藤啓介会長は、「やるからには1番にこだわりたい」と意気込んでいます。

高速決算の裏にあるのが「日次決算」です。
月ごとが一般的な締め日を日ごとにして毎日の収支を把握する管理会計のひとつで、あみやき亭はこれを徹底しています。

その実現にはあずさ監査法人の協力が欠かせません。
売り上げや仕入れ代、人件費といった各店舗のデータは毎晩、本部が集約していますが、日次決算のデータは公認会計士のもとに毎日送られます。
公認会計士は不自然な点が見つかればその都度、会社側に確認します。
あみやき亭の経理部門と担当公認会計士は情報を共有し、売り上げが落ち込むなど店舗に減損処理の兆候が見られれば即座に対応します。

情報が毎日オープンに伝わることで、あみやき亭側は「監査法人と会計処理を巡った意見対立はほとんどない」(幹部)と話しています。
公認会計士側も決算集中日を避けて業務を分散できる利点があります。

「カギは単純化と平準化だ」と佐藤会長は強調しています。
あみやき亭では交通費などの即日精算は当たり前で、経費は原則、当日に現金で払い戻しを受けます。
経費を勘定システムに入力するのはパート社員で、経理部門の正社員は2人のみです。

あみやき亭の2017年3月期の売上高に占める販管費の割合は53%と同業の安楽亭などに比べ10ポイントほど低くなっています。
監査法人と協業した高速決算が業務の効率化を促しているようです。

実は、あみやき亭のように経理処理などの作業をできるだけ標準化し、「早く決算発表する企業は欧米では一般的」(あずさ幹部)だそうです。
複雑なシステムや組織が災いし、作業に手間取る企業や監査法人が学ぶ点は多いでしょう。

不正会計問題などを受け、我が公認会計士の人気は下落傾向が続いています。
監査法人が顧客企業と切磋琢磨し、業務の効率化を進めることが深刻な人手不足を乗り越える手段の一つになると言えるでしょう。
個人的には、正確性なども必要なため、決算は早ければいいわけではないと思っていますが、できる限り早く公表することが投資家のためにはなるんでしょうね。
決算短信は監査報告書は不要ですが、監査法人内の手続きはどうなっているんでしょうね?
1番乗りということが良い宣伝にはなるのでしょうが、従業員の方や監査法人の担当者に過度な負担をかけ過ぎていないのかも気にはなります。
ただ、業務の標準化というのは見習うべき点は多いんでしょうね。

毎日が決算のあみやき亭について、どう思われましたか?

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最新型ロボット導入で医薬品の出庫や在庫管理を効率化する「レデイ薬局木太店」が高松市にオープン!

瀬戸内海放送によると、医薬品の取り出しや在庫管理ができる最新型のロボットを導入した調剤薬局が香川県高松市にオープンしました。

我が高松市木太町にオープンした「レデイ薬局木太店」です。
ドラッグストア「くすりのレデイ」に併設しています。

全国の病院の処方箋を受け付けていて、服薬指導や健康相談も行っています。

そして、目玉は最新型のロボットです。
香川県の薬局では初めて導入されました。
処方箋のデータを選ぶと自動で薬の箱が出てきます。

これまで人の手で行っていた医薬品の出庫や在庫管理をロボットが自動でやってくれます。
こうした効率化で生まれた時間を患者さんの対応にあてることができます。

レデイ薬局木太店は月曜から土曜日の朝9時から夕方6時まで営業しています。

同じ町内なので、一度見に行きたいと思います。
おそらくドラッグストアが増えていて薬剤師の方も人手不足ゆえ、人手不足の解消にもつんがるんでしょうね。
また、小さな薬がたくさんあるでしょうから、棚卸もおそらく楽になるでしょう。

最新型ロボット導入で医薬品の出庫や在庫管理を効率化する「レデイ薬局木太店」が高松市にオープンしたことについて、あなたはどう思われましたか?


東芝テックが福井県立恐竜博物館内のミュージアムショップにRFIDを活用したセルフレジを導入!

東芝テック株式会社は、2023年7月14日にリニューアルオープンした福井県立恐竜博物館内のミュージアムショップ(運営:東急リゾーツ&ステイ株式会社)に、RFIDを活用したセルフレジを導入しました。
ちなみに、RFID(Radio Frequency Identification)とは、情報が書き込まれたICタグ・RFタグ(RFIDタグともいいます。)と電波などでワイヤレス通信し、情報の読み取りや書き換えをするシステムです。

ミュージアムショップでは、特に夏季休暇など来場者が増える繁忙期においてレジが混雑し、会計に大きく時間を要するといった課題がありました。
東芝テックは、今回の施設リニューアルオープンに合わせて、RFIDを活用したセルフレジを導入しました。

このセルフレジは、消費者が商品を専用台に置いた時点から、RFタグが付いた商品を袋詰めする過程で自動読み取りを行うため、従来のように1品ごとにバーコードを読み取る手間がなくなり、会計スピードが格段に向上します。
また、将来的には、RFタグを活用した棚卸業務ソリューションを導入することにより、店舗側のさらなる業務効率改善を目指します。

<「RFIDを活用したセルフレジ」の主な特⻑>
1.スピーディーな会計
店舗で取り扱う全ての商品にRFタグを取付け、RFID技術を利用したスピーディーな会計を実現します。
2.什器の工夫
消費者自身で袋詰めをしながらスムーズに商品登録を行える運用にし、レジ周りの什器を工夫しました。

<会計の流れ>
①専用台に商品を置く(RFID読取)
②ショップ袋のセット
③袋詰め(RFIDで商品点数の確認)
④会計

RFIDの導入で、棚卸が早くなるといいですね。
RFIDの導入がなかなか進まないのは、コストの面だと思いますが、県立博物館で導入するということは、かなり、安くなったんですかね?
どんどんコストが安くなることを期待したいですね。

東芝テックが福井県立恐竜博物館内のミュージアムショップにRFIDを活用したセルフレジを導入したことについて、あなたはどう思われましたか?


ドローンで全自動棚卸!

LogisticsTodayによると、ロジスティクス自律制御システム研究所(ACSL、東京都江戸川区)とブルーイノベーション(東京都文京区)は、先日、国産ドローンを活用した屋内DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスを共同開発したと発表しました。

共同開発したサービスは、ACSLの国産産業用ドローン「Mini」(ミニ)と、ブルーイノベーションのソフトウエアプラットフォーム「Blue Earth Platform」(BEP)を連携させたもので、5G通信とエッジAIを組み合わせた「プラント自動点検」と、RFIDリーダーを搭載した「倉庫内自動在庫管理」の2種類です。

このうちRFIDドローンによる倉庫内在庫管理ソリューションは、RFIDリーダーを搭載したドローンでデータを取得し、倉庫内棚卸作業のデジタル化・効率化につなげる仕組みで、トッパン・フォームズが協力しています。

BEPを活用することで複数のドローンによる同時棚卸や、AGVやロボットなどの既存システムと連携させ、ほかの作業工程も含めた統合管理が可能となります。
今後は業務終了後にドローンなどの既存システムが全自動で在庫棚卸を行い、翌朝に結果を確認できるサービスにも対応するそうです。

入出庫管理やその情報をもとにした理論在庫管理など倉庫内業務を対象としたデジタル化が進んでいるなか、棚卸業務は依然として作業員による計数作業が主流となっており、ほかの業務を止めて人手で棚卸作業を行う効率の悪さや高所作業に伴う危険性が指摘されていました。

僕自身、棚卸の重要性を以前から認識しており、棚卸の書籍を出版し、14回増刷になっているのですが、こういう時代になることは数年前から色々なところで言っていました。
網羅性が担保できるのか、カウント時に把握すべき破損や汚れなどをどうしていくかなど難しい問題もあると思いますが、スピードと精度を高めるには必要なことだと思います。
そのためには、RFIDがかなり安くなることが前提でしょうが。

ドローンで全自動棚卸することについて、どう思われましたか?


大日本印刷がRFID導入前の運用効果検証キットの提供開始!

大日本印刷(DNP)はこのほど、RFID導入前の効果検証が行えるトライアルキットを開発しました。
入出荷・棚卸し管理や読み取りの効果を把握できる「DNP RFID導入検証支援サービス」の提供を開始しました。

製造、流通、小売など各現場の業務効率化を支援するRFIDは、サプライチェーン上の商品の流れを可視化して食品ロス削減や在庫の偏重解消にも寄与。また工程内で取得したデータを分析して次の商品企画に反映したり、より効果的に販売するために店頭の配置を検証したりと、製造・配送・販売の各チャネルで有用性が期待されています。

RFIDの運用においては、事前の導入効果検証や課題抽出が重要。従来は機器を購入したり簡易システムを開発したりと負荷が大きく、RFID導入を妨げる一因となっていました。
こうした背景から、1999年からRFID事業を展開しているDNPは今回、効果検証を安価かつ短期間で実施できる導入支援サービスを開始します。

このサービスは、システムと機器の貸与、現場でのRFID読み取り環境構築のノウハウを提供して、2つの専用アプリで検証・評価レポートの作成を支援するというものです。
RFIDの読み取りを検証評価する「RFID読取評価アプリ」は、ハンディーリーダーライター・据置型リーダーライターの2機種を使用します。
RFIDとバーコードの読み取り速度を比較し、導入効果試算に役立つデータを作成するほか、RFIDの貼付位置やリーダーライターのアンテナの位置の違いによる読み取り速度の差を比較して、RFIDタグの最適な貼付位置や最適なアンテナ設置位置などを導き出すものです。

また、入荷・出荷・棚卸のステータス管理が行える「サプライチェーン業務系アプリ」は、製品の入荷・出荷・棚卸の結果を可視化するクラウドサービスです。

これら支援作業と機器貸出の一式で30万円(税別)からです。
DNPは「新型コロナウイルスの感染防止対策の一環で、非接触での業務も増えている。その効率化に向けて、数メートル離れていても複数のIDを読み取ることのできるRFIDの導入を検討している企業が、計画から評価まで一連の概念実証をスムーズに実施できるよう支援するもの」とサービスを説明しています。

僕自身、7年半ほど前に棚卸の書籍を出版し、何度も増刷になっていますが、改訂版を出すときには、当然、RFIDのことを付け加えないと思っています。
RFIDを使っているユニクロのレジは、感動すらおぼえますよね。
こういうのをきっかけに、RFIDが少しでも普及し、コストも安くなってくれればなぁと思います。

大日本印刷がRFID導入前の運用効果検証キットの提供を開始したことについて、どう思われましたか?


東レがICタグの価格を5分の1に!

 日本経済新聞によると、東レは衣料など商品の在庫管理などに使うICタグを、1枚2円以下と従来の5分の1程度のコストで生産できる技術を開発したようです。
情報などを記録する集積回路を特殊な素材で直接印刷し、生産工程を大幅に減らせます。
ICタグは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」にとって重要な部品です。
価格が大幅に下がり、関連サービスの普及を後押しすることになるでしょう。

 東レは、2022年度にもICタグ事業に参入するようです。
ICタグはICチップとアンテナを内蔵し、商品の製造日や賞味期限といった情報を記録できます。
無線自動識別(RFID)機能を持ち、記録された情報は専用の機械を使って無線で読み取ることができます。
アメリカのエイブリィ・デニソンなど欧米企業が約6割の世界シェアを占め、日本勢では村田製作所や大日本印刷などが手掛けています。

東レは炭素原子が筒状につながった高強度のカーボンナノチューブを原料として、一定の条件下で導電性を示す新素材を開発しました。
これを活用し、ICタグの記憶装置となるICチップを基板フィルムに直接印刷・形成できるようになったのです。

従来品は、ICチップを組み込むための生産工程などがコスト増の原因でした。
東レの新技術で生産コストは5分の1程度になります。
東レは、1枚当たりの販売価格を2円以下に設定する方針で、従来品の10~20円前後と比べ大幅に安くなります。
東レは、衣料、食品大手などに売り込むようです。
2020年代後半に年500億円規模の売上高をめざすそうです。

調査会社の富士キメラ総研(東京都中央区)によると、ICタグなどのRFIDの世界市場規模は2022年度に4,090億円程度と2019年度(予測)比で1.6倍となる見通しです。

近年は、企業がICタグなどのセンサーを使って商品などの情報を常時収集・分析し、業務の効率化などにつなげる動きが広がっています。
例えば「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングはICタグを活用し、商品の搬送や検品作業を大幅に効率化しています。

価格低下でICタグを使った商品が増えれば、企業に加え、消費者が自分で会計を済ませることが可能なセルフレジなど利便性の高いサービスの普及にもつながりそうです。
需給や繁閑をみて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」などの新しい小売りシステムの普及のカギも握るでしょう。

東レは、2020年代後半にはICタグの市場規模が1兆円以上になると見込んでいます。
国内でも経済産業省がコンビニ大手各社と、2025年までに全商品にICタグをつける構想を掲げるなど、急速な需要の拡大が見込まれます。

ユニクロに行くと、レジでカゴを渡すとICタグを読み込んで、即座にお会計ができるのですごいなぁと思いますね。
個人的には、ロングセラーになっている『実地棚卸』の本を出版していますが、ずっと、ICタグが安くなって世間一般に普及しだすと、在庫管理はもちろんですが、『実地棚卸』のやり方も大きく変わると言ってきました。
それゆえ、数年前から改訂版を出したいと思っていましたが、そろそろ書き始めないといけなくなってきましたね。
早く価格が下がり、ICタグが普及し、『実地棚卸』も楽になる時代が来て欲しいですね。

東レがICタグの価格を5分の1にすることについて、どう思われましたか?


中間決算棚卸のポイント(5/5)

 日本においては3月決算の企業が多いと思いますが、3月決算企業の場合、9月末にも、在庫の棚卸(中間決算棚卸)を実施するかもしれません。
そこで、今週1週間は、中間決算棚卸について書きたいと思います。
既に『事前準備』『当日の作業(1/3)』『当日の作業(2/3)』『当日の作業(3/3)』について書きましたので、最終日の本日は、『後日のフォロー』についてです。

 なお、今週は、以下の内容で書いています。

事前準備

当日の作業(1/3)

当日の作業(2/3)

当日の作業(3/3)

後日のフォロー

 あまり実行していない会社が多いように感じていますが、中間決算棚卸の後日のフォローは非常に重要なものなのです。

 中間決算棚卸当日に、中間決算棚卸講評会を行うことは昨日述べましたが、後日、経営改善の観点から、中間決算棚卸に関与しなかった人も含めた在庫関係者が一堂に介し、中間決算棚卸検討会議を行うことが望ましいと言えます。

中間決算棚卸検討会議の議題としては、以下のようなものが考えられます。

A

棚卸差異の発生原因とこれに対する予防対策

B

中間決算棚卸方法の改善

C

不良在庫の発生原因の把握と予防対策、最終的な処分

D

保管設備の環境、整備及び保管管理の状況

E

在庫量の適正化などについての指摘

F

物流費用等に関する配慮

A『棚卸差異の発生原因とこれに対する予防対策』ですが、棚卸差異の発生原因とこれに対する予防対策を検討します。
これにより、今後の中間決算棚卸や記帳や業務フローなどの精度を高めることができ、中間決算棚卸の時間短縮や業務の効率化などにつながります。

B『中間決算棚卸方法の改善』ですが、中間決算棚卸担当者や立会者が中間決算棚卸方法の要改善点に気付くことがありますので、これらの要改善点を全社的に集約し、今後の中間決算棚卸方法の改善について検討します。
改善は、とある部門での改善のみならず、全社的な改善につながることもあります。

C『不良在庫の発生原因の把握と予防対策、最終的な処分』ですが、中間決算棚卸の過程で不良在庫が発見されることもあります。
不良在庫の発生原因を把握するとともに、今後の予防対策を検討します。
また、不良在庫を廃棄する・廉価で売却するなど、今後どう処分していくかの処分方法を検討します。

D『保管設備の環境、整備及び保管管理の状況』ですが、中間決算棚卸時に、倉庫の雨漏りが発見されたり、防虫対策等の不備が発見されたりすることがあります。
また、在庫が直射日光に当たっていたり、倉庫の湿気が多かったり、在庫が雨ざらしになっていることなどに気付いたりします。
これらの保管設備の環境、整備及び保管管理の状況を全員で共有し、今後どうするかの検討を行います。

E『在庫量の適正化などについての指摘』ですが、中間決算棚卸の過程で現場を見ることにより、想像していたより在庫が多かったことに気付くことがあります。
また、適正在庫に問題があることに気付くこともあります。
中間決算棚卸をきっかけに、在庫量の適正化も検討しても良いでしょう。

F『物流費用等に関する配慮』ですが、中間決算棚卸時には、入出庫の状況も確認することになりますが、1回当たりの発注量や出荷量によっては、物流費用等が多大にかかってしまっていることもあります。
中間決算棚卸の過程において、これらに気付くこともありますので、物流費用等の検討を行うことも有益でしょう。

詳細については、20132月に中央経済社から出版した拙著『誰も教えてくれなかった中間決算棚卸の実務Q&A(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/)に載っていますので、ご覧くださいね。

中間決算棚卸の後日のフォローについて、お分かりいただけましたか?


中間決算棚卸のポイント(4/5)

 日本においては3月決算の企業が多いと思いますが、3月決算企業の場合、9月末にも、在庫の棚卸(中間決算棚卸)を実施するかもしれません。

 そこで、今週1週間は、中間決算棚卸について書きたいと思います。
既に『事前準備』『当日の作業(1/3)』『当日の作業(2/3)』について書きましたので、4日目の本日は、『当日の作業(3/3)』についてです。

 なお、今週は、以下の内容で書きたいと考えています。

事前準備

当日の作業(1/3)

当日の作業(2/3)

当日の作業(3/3)

後日のフォロー

 既に1か月を切っている9月末の中間決算棚卸の事前準備として、今から何をしますか?
当日の流れは、一般的に、以下のようになっています。

A

中間決算棚卸の説明

B

棚卸原票を配布し、コントロールシートに配布枚数などを記入

C

在庫をカウントし、棚卸原票に記入

D

立会者のテストカウント及び棚卸原票()の回収

E

棚卸集計表による集計及び在庫管理システムへの入力

F

差異分析の実施

G

棚卸原票の回収枚数などをコントロールシートで確認

H

現物または棚に添付された棚卸原票()の回収

I

中間決算棚卸講評会

既にAFについては書きましたので、今日はGIを取り上げます。

G『棚卸原票の回収枚数などをコントロールシートで確認』ですが、棚卸原票を、①使用したもの、②書き損じたもの、③未使用のものに分けて回収し、配布した枚数と回収した枚数が一致し、棚卸原票のすべて回収されていることを確かめます。
これによって、モレがないこと、ダブリがないこと、後日追加で記入といった不正に利用されないことが担保されます。

H『現物または棚に添付された棚卸原票()の回収』ですが、現物または棚に、2枚複写の棚卸原票のうち()の方が残っていますので、回収します。

I『中間決算棚卸講評会』ですが、中間決算棚卸終了後、中間決算棚卸責任者は中間決算棚卸の関係者を集めて、中間決算棚卸講評会を開催し、総括を行います。
今回の中間決算棚卸の問題点などについても取り上げ、次回以降の棚卸及び今後の業務改善に役立てるようにします。

詳細については、20132月に中央経済社から出版した拙著『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/)に載っていますので、ご覧下さいね。

中間決算棚卸の当日の作業について、お分かりいただけましたか?


中間決算棚卸のポイント(3/5)

 そこで、今週1週間は、中間決算棚卸について書きたいと思います。
既に『事前準備』『当日の作業(1/3)』について書きましたので、3日目の本日は、『当日の作業(2/3)についてです。

 なお、今週は、以下の内容で書きたいと考えています。

事前準備

当日の作業(1/3)

当日の作業(2/3)

当日の作業(3/3)

後日のフォロー

 既に1か月を切っている9月末の中間決算棚卸の事前準備として、今から何をしますか?
当日の流れは、一般的に、以下のようになっています。

A

中間決算棚卸の説明

B

棚卸原票を配布し、コントロールシートに配布枚数などを記入

C

在庫をカウントし、棚卸原票に記入

D

立会者のテストカウント及び棚卸原票()の回収

E

棚卸集計表による集計及び在庫管理システムへの入力

F

差異分析の実施

G

棚卸原票の回収枚数などをコントロールシートで確認

H

現物または棚に添付された棚卸原票()の回収

I

中間決算棚卸講評会

昨日はACについて書きましたので、今日はDFを取り上げます。
GIは明日書く予定です。

D『立会者のテストカウント及び棚卸原票()の回収』ですが、立会者が、網羅性(カウントが漏れているものはないか?)と実在性(棚卸原票に記入されているものが実際に存在するか?)の観点から、サンプルベースでテストカウントを行います。
カウントミスがないようであれば、2枚複写の棚卸原票のうちの1枚である()を剥がして回収します。
企業が独自のルールを決めることになりますが、一定数もしくは一定率以上のカウントミスがあれば、そのエリアを再カウントすることになります。

E『棚卸集計表による集計及び在庫管理システムへの入力』ですが、回収した棚卸原票()をもとに、同じものが1箇所ではなく複数箇所に保管していることもあるため、棚卸集計表で集計のうえ、在庫数量などを在庫管理システムに入力していきます。

F『差異分析の実施』ですが、帳簿上の在庫数量と、カウントに基づく実際の在庫数量とを比較します。
差異が生じているものについては、再カウントを行ったり、入出庫の記録にモレや誤りがないかを確認するなどして差異分析を行い、最終的な在庫数量を確定します。
なお、カウントが漏れていたり、カウントミスをしてしまうこともあるため、必ずしも、カウントした在庫数量が正しいとは限りませんので、ご留意下さい。

詳細については、20132月に中央経済社から出版した拙著『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/)に載っていますので、ご覧下さいね。

中間決算棚卸の当日の作業について、お分かりいただけましたか?


中間決算棚卸のポイント(2/5)

 そこで、今週1週間は、中間決算棚卸について書きたいと思います。
昨日は『事前準備』について書きましたので、2日目の本日は、『当日の作業(1/3)』についてです。

 なお、今週は、以下の内容で書きたいと考えています。

事前準備

当日の作業(1/3)

当日の作業(2/3)

当日の作業(3/3)

後日のフォロー

 既に1か月を切っている9月末の中間決算棚卸の事前準備として、今から何をしますか?
当日の流れは、一般的に、以下のようになっています。

A

中間決算棚卸の説明

B

棚卸原票を配布し、コントロールシートに配布枚数などを記入

C

在庫をカウントし、棚卸原票に記入

D

立会者のテストカウント及び棚卸原票()の回収

E

棚卸集計表による集計及び在庫管理システムへの入力

F

差異分析の実施

G

棚卸原票の回収枚数などをコントロールシートで確認

H

現物または棚に添付された棚卸原票()の回収

I

中間決算棚卸講評会

今日はACを取り上げます。
DFは明日、GIは明後日書きたいと思います。

A『中間決算棚卸の説明』ですが、昨日書いたとおり、中間決算棚卸当日ではなく、事前に説明等をしておくべきものですが、確認のために、中間決算棚卸の当日に、中間決算棚卸管理者が、当日のスケジュール・中間決算棚卸の留意点・カウントを行うペア(カウントは通常21組で行ないます。)・カウントを行うエリアなどの説明を行います。

B『棚卸原票を配布し、コントロールシートに配布枚数などを記入』ですが、中間決算棚卸管理者が、棚卸原票をカウント担当者に配布し、コントロールシートに、エリア・担当者名・棚卸原票No.ex.151200)・配布枚数などを記入します。

C『在庫をカウントし、棚卸原票に記入』ですが、21組のうちカウント担当者が在庫をカウントし、もう1人の記入担当者が棚卸原票に数量などを記入し、押印します。
カウントが終われば、現物または棚に、棚卸原票を貼り付けるのです。
これは、その現物または棚のカウントが終わったことが分かるようにするためです。

詳細については、20132月に中央経済社から出版した拙著『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/)に載っていますので、ご覧下さいね。

中間決算棚卸の当日の作業について、お分かりいただけましたか?


中間決算棚卸のポイント(1/5)

 そこで、今週1週間は、中間決算棚卸について書きたいと思います。
初日の本日は、『事前準備』についてです。

 なお、今週は、以下の内容で書きたいと考えています。

事前準備

当日の作業(1/3)

当日の作業(2/3)

当日の作業(3/3)

後日のフォロー

 既に1か月を切っている9月末の中間決算棚卸の事前準備として、今から何をしますか?
以下の点に留意することが必要だと考えられます。

責任者・管理者の選任

中間決算棚卸計画書の作成

中間決算棚卸マニュアルの作成

中間決算棚卸計画書及び中間決算棚卸マニュアルの配布

中間決算棚卸現品の事前準備

その他

①『責任者・管理者の選任』ですが、誰の責任で中間決算棚卸を行うかを明確にします。
『中間決算棚卸全体を統括する責任者』と、『現場レベルでの責任者』とを選任します。
また、現場では『責任者を補助する管理者』も選任することが必要となってきます。

②『中間決算棚卸計画書の作成』ですが、責任者・管理者の選任、中間決算棚卸当日のタイムスケジュール、中間決算棚卸の対象範囲、チーム編成及び作業分担などを決めることになります。

③『中間決算棚卸マニュアルの作成』ですが、中間決算棚卸をルールをきちんと決めたうえで実施するため、作成する必要があります。
この『中間決算棚卸マニュアル』をきちんと作成しておかないと、それぞれが独自のルールで勝手に中間決算棚卸を行うことになり、全社的に統一された中間決算棚卸、つまり、効率的な中間決算棚卸を行うことができません。

④『中間決算棚卸計画書及び中間決算棚卸マニュアルの配布』ですが、中間決算棚卸の関係者に中間決算棚卸のことを理解しておいてもらうために、事前に配布します。
企業によっては、事前に中間決算棚卸の関係者を一同に集めて説明会を開催することもありますが、中間決算棚卸を効率的かつ効果的に行うために有効な手段と言えるでしょう。

⑤『中間決算棚卸現品の事前準備』ですが、中間決算棚卸をスムーズに行うため、事前に整理整頓を行っておきます。
普段からも必要ですが、効率的かつ効果的に中間決算棚卸を行うためには、整理整頓は重要です。

⑥『その他』ですが、中間決算棚卸当日の効率性を高めるため、中間決算棚卸当日までに動きがないと思われるものは事前にカウントしておいたりします。
ただし、事前にカウントしたものについては、まだカウントしていないものと明確に区別できるようにしておく必要があります。
あと、コントロールシート、棚卸原票などの準備も必要となります。

詳細については、20132月に中央経済社から出版した拙著『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/)に載っていますので、そちらをご覧下さいね。

中間決算棚卸の事前準備について、お分かりいただけましたか?

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納付税額300万円超の無申告加算税を30%に引上げ!

TabisLandによると、加算税は、申告納税制度の定着と発展を図るため、申告義務が適正に履行されない場合に課されるもので、一種の行政制裁的な性格があります。
令和5年度税制改正においては、納税環境の整備の一環として、加算税制度が見直されます。
まず、無申告加算税の割合(現行15%(納付すべき税額が50万円を超える部分は20%))について、納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合が30%に引き上げられます。

調査通知以後に、かつ、その調査があることで更正・決定があるべきことを予知(「更正予知」)する前にされた期限後申告・修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は15%))は、上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を25%とします。
また、納付すべき税額が300万円を超えることにつき納税者の責めに帰すべき事由がない場合の適用に関する所要の措置が講じられます。

次に、過去に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合に無申告加算税・重加算税の割合を10%加重する措置の対象に、前年度及び前々年度の国税について、期限後申告・修正申告(調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものを除く)または更正・決定(「期限後申告等」)があった場合において、無申告加算税・無申告重加算税が課される者が行う更なる無申告行為が加えられます。

つまり、前年度及び前々年度に無申告加算税(期限後申告・修正申告が、調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものであるときに課されたものを除く)や無申告加算税に代えて課される重加算税(「無申告加算税等」)を課されたことがあるとき、またはその無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認めるときに、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税等を10%加重する措置の対象に加えられることになるのです。

ただし、過少申告加算税、源泉徴収等による国税に係る不納付加算税及び重加算税(無申告加算税に代えて課されるものを除く)については、上記の見直しの対象としません。
上記の改正は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。

今までは、真面目に期限内に申告している人より、無申告の人が税務調査やお尋ねによりあとから出すほうが有利なこともあり、どう考えてもおかしいなぁと思うことがあったのですが、少しずつ改正されていることはいいことだと思います。
税務調査も無申告の人を増やし、罰則を与えることにより、きちんと申告するようにしないと、真面目に申告している人が馬鹿らしくなると思いますので、無申告の人には厳正に対処してほしいと思います。

納付税額300万円超の無申告加算税を30%に引上げることについて、どう思われましたか?


確定申告などの押印が廃止へ!

政府・与党は確定申告などの税務手続きで押印の原則廃止を検討するようです。
2021年度の税制改正で検討し、年末にまとめる与党税制改正大綱に反映させます。
新型コロナウイルス禍を受けて菅義偉政権が掲げる社会のデジタル化の一環です。
税に関わる他の書類でも「脱ハンコ」を進めます。

加藤勝信官房長官は、先日の記者会見で、「政府全体として不要な押印は廃止する方向で検討を進めている。国税関係手続きでの押印についても、納税者の利便性向上の観点から財務省で見直しを検討している」と述べました。

現在は国税通則法で納税手続きの際に必要な書類には原則、押印を求める規定があります。
オンラインで国税電子申告・納税システム「e-Tax」を使えば電子署名で済みますが、書類で申告するときは押印が求められます。
2021年度税制改正で結論を得て、法改正を検討するようです。

確定申告以外では財産形成貯蓄制度(財形)の届け出書などでも押印が求められています。
こうした書類でも不要にする方向です。
財務省は税に関する手続きのオンライン化を加速する契機にしたい考えのようです。

与党税制調査会幹部も押印廃止には前向きです。
菅首相は、先日の規制改革推進会議で、押印廃止に向けて行政全体の手続きを改めて見直すよう指示していました。
河野太郎規制改革相は行政手続きで求める押印のうち、99%を廃止できる見込みだと発表済みです。

菅さんになって一気に進みましたね。
うちの事務所は基本的に電子申告をしていますので、あまり影響ないかもしれませんが、望ましいことですね。
あとは、押印のみならず、e-Tax(国税)とeLTAX(地方税)の統合、届出の際の添付書類の削減なども進めてほしいですね。

確定申告などの押印が廃止されることについて、どう思われましたか?

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令和5年度税制改正大綱(速報)

2022年12月16日(金)

本日2022年12月16日に『令和5年度税制改正大綱』が公表されました。
ここ数年、小粒な改正が続きましたが、今回は結構改正があります。
ただし、事前に報道等も多く、報道のとおりで、驚くようなものはありませんが。
(個人的に興味があるのは資産課税ですので)主な改正は、以下のとおりです。

二 資産課税
1 資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築
(1)相続時精算課税制度について、次の見直しを行う。
①相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、現行の基礎控除とは別途、課税価格から基礎控除110万円を控除できることとするとともに、特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算等をされる当該特定贈与者から贈与により取得した財産の価額は、上記の控除をした後の残額とする。
(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用する。

②相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した一定の土地又は建物が当該贈与の日から当該特定贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限までの間に災害によって一定の被害を受けた場合には、当該相続税の課税価格への加算等の基礎となる当該土地又は建物の価額は、当該贈与の時における価額から当該価額のうち当該災害によって被害を受けた部分に相当する額を控除した残額とする。
(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に生ずる災害により被害を受ける場合について適用する。

③その他所要の措置を講ずる。

(2)相続開始前に贈与があった場合の相続税の課税価格への加算期間等について、次の見直しを行う。
①相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該相続の開始前7年以内(現行:3年以内)に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、当該贈与により取得した財産の価額(当該財産のうち当該相続の開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、当該財産の価額の合計額から100万円を控除した残額)を相続税の課税価格に加算することとする。
(注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税について適用する。

②その他所要の整備を行う。

2 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
(1)直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する。
①信託等があった日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合において、当該贈与者の死亡に係る相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、受贈者が23歳未満である場合等であっても、その死亡の日における非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額を、当該受贈者が当該贈与者から相続等により取得したものとみなす。
(注)上記の改正は、令和5年4月1日以後に取得する信託受益権等に係る相続税について適用する。

②受贈者が30歳に達した場合等において、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額に贈与税が課されるときは、一般税率を適用することとす る。
(注)上記の改正は、令和5年4月1日以後に取得する信託受益権等に係る贈与税について適用する。

③本措置の対象となる教育資金の範囲に、都道府県知事等から国家戦略特別 区域内に所在する場合の外国の保育士資格を有する者の人員配置基準等のー定の基準を満たす旨の証明書の交付を受けた認可外保育施設に支払われる保育料等を加える。
(注)上記の改正は、令和5年4月1日以後に支払われる教育資金について適用する。

④その他所要の措置を講ずる。

(2)直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、受贈者が50歳に達した場合等において、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額に贈与税が課されるときは、一般税率を適用することとした上、その適用期限を2年延長する。
(注)上記の改正は、令和5年4月1日以後に取得する信託受益権等に係る贈与税について適用する。

今後は相続税対策が変わると思いますが、とりあえず、2023年は贈与が増えるでしょうね。

ちなみに、全文は以下からご覧ください。
https://storage.jimin.jp/pdf/news/information/204848_1.pdf

令和5年度税制改正大綱について、どう思われましたか?


金融所得課税と1億円の壁!

ITmedia ビジネスオンラインによると、日経平均株価は2021年9月24日以降、10月7日まで8営業日連続で下落し、下げ幅は2,700円を超えました。
特に、岸田文雄氏が自民党新総裁に選出されて以降、下げ足が早まったように見受けられます。
岸田氏は、成長と分配の好循環に向けた政策の1つとして、「金融所得課税」の見直しを掲げており、足元の株安はこれを嫌気した反応との声も市場で聞かれます。

金融所得課税とは、株式譲渡益や配当金などの金融所得に課される税金で、現在、税率は一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。

岸田氏は2021年10月4日の記者会見で、改めて金融所得課税の見直しを検討する意向を示しており、今後は年末の2022年度税制改正で、一律20.315%の税率を引き上げる案や、高所得者の負担が重くなるよう累進的に課税する案などについて、議論される見通しです。

なお、金融所得の税率は、前述のとおり一律20.315%に定められています。
そのため、金融所得の割合が相対的に高い高所得者層は、株式譲渡益がいくら大きくなっても、累進的に課税されることはなく、税率は20.315%で変わらないということになります。
このような状況から、現行の金融所得課税は、金持ちを優遇する制度になっているという批判が根強くみられます。

一方、給与所得の税率は、所得が増えるほど累進的に課税され、最高税率は課税所得4,000万円超について設定されている45%です。
このほかに住民税が10%かかります。
そのため、年間所得の増加につれ、給与所得が多く金融所得が少ない場合は所得税の負担率が上昇し、給与所得が少なく金融所得が多い場合は負担率が低下することが起こり得ます。
実際、所得税の負担率は、年間所得が1億円を超えると低下しており、これを「1億円の壁」といいます。

岸田氏は、金融所得課税を見直すことで、1億円の壁を打破し、中低所得者層への配分を増やすことを検討しています。
ただし、金融所得の税率を一律に引き上げた場合、一定程度の税収増は見込まれるものの、増税前の株式売却や株式投資の敬遠につながる恐れもあります。
また、累進課税とした場合、対象を高所得者層に絞ることはできますが、配分の原資となる税収は小さくなるため、具体的な方向性は今後の議論を待つことになります。

なお、岸田氏が改めて金融所得課税を見直す意向を示した10月4日夜の記者会見以降、日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)および業種別株価指数の動きですが、10月6日は両指数で上昇銘柄数と下落銘柄数が拮抗し、業種別では原油高や長期金利上昇の影響もうかがえます。
金融所得課税の見直しは、足元の株安要因の1つと思われますが、市場では比較的冷静な物色の動きもみられます。

この後、岸田氏は今度の税制改正には織り込まないと発言したようですが、将来的には改正するんでしょうね。
数年前から盛んに言われており、税制改正大綱も『貯蓄から投資へ』というスタンスですが、これに逆行するのではないかと思いますね。
あとは、実現していない単なる含み益であっても、株価が上昇しているということは消費者のマインドに好影響を与えると思いますので、この辺りもマイナスに働くかもしれませんね。
金持ち優遇と批判されたりしますが、やはり、お金持ちが消費を支えているという面は否定できないのではないかと思っています。
しばらくは、改正しないようなことを発言したりしていますが、個人的には、外国人投資家が減ったり、外国に移住するお金持ちが増えたりするような政策は避けてほしいなぁと思います。

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令和3年度税制改正大綱(速報)

本日2020年12月10日に『令和3年度税制改正大綱』が公表されました。
相続税と贈与税の一体化はなされず、個人的には、予想どおり、非常に小粒な改正だと感じます。
(個人的に)主な改正は、以下のとおりです。

一 個人所得課税
4 その他
(3)退職所得課税の適正化
勤続期間5年以下の退職者に対する退職金
(短期退職手当等の収入金額―退職所得控除)が300万円を超える部分については、1/2とする措置を適用しない
(注)令和4年分以後の所得税について適用

二 資産課税
3 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
(1)直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、一定の措置を講じた上、その適用期限を2年延長

(2)直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、一定の措置を講じた上、その適用期限を2年延長

三 法人課税
2 株式対価M&Aを促進するための措置の創設
法人が会社法の株式交付により、その有する株式を譲渡し、株式交付親会社の株式等の交付を受けた場合には、その譲渡した株式の譲渡損益の計上を繰り延べる(所得税についても同様)

四 消費課税
3 その他
(6)金又は白金の地金の課税仕入に係る仕入税額控除の要件として保存することとされている消費税法上の本人確認書類のうち、在留カードの写し並びに国内に住所を有しない者の旅券の写し及びその他これらに類する書類をその対象から除外
(注)令和3年10月1日以後に国内において事業者が行う課税仕入れについて適用

七 納税環境整備
1 納税関係書類における押印義務の見直し
提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、以下に掲げる税務関係書類を除き、押印しないこととするほか、所要の措置を講ずる。
(1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類
(注)令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用。なお、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めない。

ちなみに、全文は以下からご覧ください。
令和3年度税制改正大綱

令和3年度税制改正大綱について、どう思われましたか?


富裕層への課税を強化し海外住宅投資の節税を認めない方向!

 日本経済新聞によると、政府・与党は海外の不動産への投資を通じた節税をできないようにする方針のようです。
現在は高額な海外物件への投資で出る赤字と国内の所得を合算して税負担を減らせますが、この合算を認めないこととするようです。
海外の不動産への投資は富裕層に多い節税策で、ほかの納税者との間で公平でない仕組みと判断しました。

与党の税制調査会で詳細を詰めたうえで、2020年度の税制改正大綱に所得税法の見直しを盛り込むようです。
2021年分以降の所得税に適用される見通しです。

この節税はアメリカやイギリスなどで高額な中古物件を購入し、家賃収入を上回る減価償却費などの赤字を発生させて日本での所得を圧縮するというものです。
2020年度の税制改正では、海外の中古物件で生じた赤字はなかったものと扱い、日本国内での損益通算には使えないようにするようです。

節税の背景には、日本と欧米で中古住宅の平均寿命や利用可能年数の考え方が違うことがあります。
長い間使える中古物件でも、日本のルールに沿って計算すると使用可能年数が4~9年になります。
本来なら10年以上使える物件の価値を4年程度でゼロにするため、決算上は大きな赤字が発生するのです。

高額な物件を買うほど節税の恩恵が得られるため、富裕層を中心に利用されています。
会計検査院が富裕層の多い東京都の麹町税務署管内などで調べたところ、海外の中古物件で延べ337人が39億8千万円超の赤字を計上していたそうです。

会計検査院が「公平性を高める検討が必要」と指摘し、政府・与党で対応を議論してきました。
この節税策は、不動産会社などがセミナーを開いて勧誘することも多くなっています。
適用できなくなれば、高収入の個人や不動産を取り扱う企業に影響が広がりそうです。

最近、会計検査院が指摘した事項については税制改正が早いと言われたりしていますが、今回もそうですね。
個人的には、当たり前の改正だとは思いますが、海外不動産投資のことが記載されたチラシなどをまぁまぁ目にしますので、そういう企業などは影響が大きいでしょうし、税制改正のリスクの説明をした、していないでもめそうな気はしますね。

富裕層への課税を強化し海外住宅投資の節税を認めない方向であることについて、どう思われましたか?


多国籍企業の税逃れ対策でOECDが複数国平均での課税を検討!

 時事ドットコムニュースによると、経済協力開発機構(OECD)がまとめる多国籍企業による税逃れ防止策が、先日、分かったようです。
租税回避地にグループ会社を置いて利益を移転するケースでは、各国・地域共通の法人税率の最低水準を設定し、租税回避地で実際に払っている法人税を差し引いて課税するようです。
税逃れが複数の国・地域に及ぶ場合には、それらの地域の法人税の平均を元に課税する案などが議論されています。

OECDが先日公表し、新たな国際課税に関して2020年中に策定する最終報告書に盛り込まれる見通しです。
現状では、多国籍企業が租税回避地にあるグループ会社に特許料や使用料の支払いといった名目で利益を移し、法人税の負担を免れるといった例が相次いでいます。
これに対し、租税回避地の低い税率で納められているグループ会社の法人税を、共通の最低水準から差し引いた上で、本社のある国が多国籍企業に課税できるようにします。
例えば、法人税率の最低水準を15%、租税回避地を2%とすると、差し引いた13%の法人税を課税できます。

問題はグループ会社が複数の国・地域にあるケースです。
共通税率の最低水準を15%、グループ会社の所在地をA国(10%)、B国(2%)と仮定し、税率の平均を採用すると、法人税率は6%となり、本社のある国は多国籍企業に対してそれぞれの国で差額分の9%を新たに課税できます。
平均を取ると、税率の高い国の影響で数字が高めに出やすい。国ごとに税率を差し引くケースに比べ、課税対象部分が小さくなるため、低税率国には有利となりますが、高税率国に不利となります。

日本は国ごとに差し引く案を支持していますが、平均案の方が極端に税率の低い国にも受け入れられやすく、有力視されているそうです。
法人税率の最低水準を決めること自体、各国の主権に関わるため容易ではなく、こうした面も含め協議は難航が予想されます。

国ごとに税率などには政策的なものがあるでしょうから、難しいでしょうね。
個人的には、色々と研究して、可能な限り税金の支払いを減らすということは営利企業として当然に経済的合理性があると思っていますが、そういう流れではなく、防ぐということになってきていますね。
いわゆるGAFAの節税が度を越しているということなのでしょうが。

多国籍企業の税逃れ対策でOECDが複数国平均での課税を検討していることについて、どう思われましたか?


平成31年度税制改正大綱(速報)

 当初の予定より2日遅れとなりましたが、本日2018年12月14日に『平成31年度税制改正大綱』が公表されました。
個人的には、新聞等で取り上げられていた『個人事業者の納税猶予制度』が目玉だと思いますが、それ以外は、それほど目立ったものはないなぁという小粒な改正だと感じます。
(個人的に)主な改正は、以下のとおりです。

一 個人所得課税
5その他
(3)個人が保有する資金決済に関する法律に規定する仮想通貨につき、その者の所得の金額の計算上必要経費に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる期末において有する仮想通貨の価額は、移動平均法又は総平均法により算出した取得価額をもって評価した金額とするほか、所要の措置を講ずる。

(10)個人住民税における都道府県又は市区町村(以下「都道府県等」という。)に対する寄附金に係る寄附金税額控除について、次の見直しを行う。
①総務大臣は、次の基準に適合する都道府県等をふるさと納税(特例控除)の対象として指定することとする。
イ 寄附金の募集を適正に実施する都道府県等
ロ イの都道府県等で返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす都道府県等
(イ)返礼品の返礼割合を3割以下とすること
(ロ)返礼品を地場産品とすること
②①の基準は総務大臣が定めることとする。
③指定は、都道府県等の申出により行うこととする。
④総務大臣は、指定をした都道府県等が基準に適合しなくなったと認める場合等には、指定を取り消すことができることとする。
⑤総務大臣は指定をし、又は指定を取り消したときは、直ちにその旨を告示しなければならないこととする。
⑥基準の制定や改廃、指定や指定の取消しについては、地方財政審議会の意見を聴かなければならないこととする。
⑦その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成31年6月1日以後に支出された寄附金について適用する。

(11)子どもの貧困に対応するため、次の措置を講ずる。
①児童扶養手当の支給を受けている児童の父又は母のうち、現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない者(これらの者の前年の合計所得金額が135万円を超える場合を除く。)を個人住民税の非課税措置の対象に加える。
②個人住民税の申告書、給与所得者の扶養親族申告書及び給与支払報告書等について、上記①の者に該当する旨の記載をし、申告することとする等の所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成 33 年度分以後の個人住民税について適用する。

二 資産課税
1 個人事業者の事業用資産に係る納税猶予制度の創設等
(1)個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度の創設
①概要
認定相続人が、平成31年1月1日から平成40年12月31日までの間に、相続等により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する相続税の納税を猶予する。

(2)個人事業者の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度の創設
①認定受贈者(18歳(平成34年3月31日までの贈与については、20歳)以上である者に限る。以下同じ。)が、平成31年1月1日から平成40年12月31日までの間に、贈与により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定受贈者が納付すべき贈与税額のうち、贈与により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する贈与税の納税を猶予する。
(注)上記(1)及び(2)の改正は、平成31年1月1日以後に相続等又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用する。

(3)特定事業用宅地等に係る小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の見直し
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、特定事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等(当該宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、当該宅地等の相続時の価額の15%以上である場合を除く。)を除外する。
(注)上記の改正は、平成31年4月1日以後に相続等により取得する財産に係る相続税について適用する。ただし、同日前から事業の用に供されている宅地等については、適用しない。

(2)非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、次の措置を講ずる(特例制度についても同様とする。)。
1 贈与税の納税猶予における受贈者の年齢要件を18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げる。
2 一定のやむを得ない事情により認定承継会社等が資産保有型会社・資産運用型会社に該当した場合においても、その該当した日から6月以内にこれらの会社に該当しなくなったときは、納税猶予の取消事由に該当しないものとする。
3 非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予の適用を受ける場合には贈与税の納税猶予の免除届出の添付書類を不要とする等、手続の簡素化を行う。
(注)上記1の改正は、平成 34 年4月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。

(1)相続税の未成年者控除の対象となる相続人の年齢を18歳未満(現行:20歳未満)に引き下げる。
(2)次に掲げる制度における受贈者の年齢要件を18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げる。
①相続時精算課税制度
②直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例
③相続時精算課税適用者の特例
④非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度(特例制度についても同様とする。)(再掲)
(注)上記(1)及び(2)の改正は、平成34年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用する。
(3)民法(相続関係)の改正に伴い、次の措置を講ずる。
①相続税における配偶者居住権等の評価額を次のとおりとする。
イ 配偶者居住権
建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)÷残存耐用年数
×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
ロ 配偶者居住権が設定された建物(以下「居住建物」という。)の所有権
建物の時価-配偶者居住権の価額
ハ 配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利
土地等の時価-土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
ニ 居住建物の敷地の所有権等
土地等の時価-敷地の利用に関する権利の価額
②物納劣後財産の範囲に居住建物及びその敷地を加える。
③配偶者居住権の設定の登記について、居住建物の価額(固定資産税評価額)に対し1,000分の2の税率により登録免許税を課税する。
④特別寄与料に係る課税について、次のとおりとする。
イ 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、当該特別寄与者が、当該特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税する。
ロ 上記イの事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、当該事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければならない。
ハ 相続人が支払うべき特別寄与料の額は、当該相続人に係る相続税の課税価格から控除する。
ニ 相続税における更正の請求の特則等の対象に上記イの事由を加える。
⑤遺留分制度の見直しに伴う所要の措置を講ずる(所得税についても同様とする。)。
⑥その他所要の措置を講ずる。

三 法人課税
6 円滑・適正な納税のための環境整備
(2)法人税における仮想通貨の評価方法等について、次のとおり時価法を導入する等の措置を講ずる。
①法人が事業年度末に有する仮想通貨のうち、活発な市場が存在する仮想通貨については、時価評価により評価損益を計上する。
②法人が仮想通貨の譲渡をした場合の譲渡損益については、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度に計上する。
③仮想通貨の譲渡に係る原価の額を計算する場合における一単位当たりの帳簿価額の算出方法を移動平均法又は総平均法による原価法とし、法定算出方法を移動平均法による原価法とする。
④法人が事業年度末に有する未決済の仮想通貨の信用取引等については、事業年度末に決済したものとみなして計算した損益相当額を計上する。
⑤その他所要の措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成31年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用する。なお、同日前に開始し、かつ、同日以後に終了する事業年度については、会計上仮想通貨につき時価評価していない場合には、上記①及び④を適用しないことができる経過措置を講ずる。

四 消費課税
4 その他
(2)金地金等の密輸に対応するための消費税における仕入税額控除制度の見直し
①密輸品と知りながら行った課税仕入れについて、仕入税額控除制度の適用を認めないこととする。
②金又は白金の地金の課税仕入れについて、本人確認書類の写しの保存を仕入税額控除の要件に加える。
(注)上記①の改正は平成31年4月1日以後に国内において事業者が行う課税仕入れについて、上記②の改正は同年10月1日以後に国内において事業者が行う課税仕入れについて、それぞれ適用する。

六 納税環境整備
3 eLTAX 障害発生時の申告等に係る期限延長
eLTAX(地方税のオンライン手続のためのシステム)に障害が発生した場合の申告等に係る期限について、迅速かつ全国統一的な対応を行うため、次の見直しを行う等の所要の措置を講ずる。
(1)総務大臣は、eLTAX の障害によって多くの納税者が期限までに申告等をすることができないと認めるときは、告示を行うことにより、当該期限を延長することができることとする。
(2)地方税共同機構(eLTAX の運営主体)は、eLTAX の障害が生じたときは、遅滞なく総務大臣に報告しなければならないこととする。

平成31年度税制改正大綱について、どう思われましたか?


日本税理士会連合会による平成31年度税制改正に関する重要建議・要望項目!

 日本税理士会連合会は、2018628日に開催された第1回理事会において「平成31年度税制改正に関する建議書」を決定し、810日に財務省、国税庁、総務省、中小企業庁などに提出しました。

内容は、以下のとおりです。

<最重要建議・要望項目>
●消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持
①単一税率の維持
軽減税率(複数税率)制度は、区分経理等により事業者の事務負担が増加すること、逆進性対策として非効率であること、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となること等の理由により、従来、単一税率制度の維持を強く主張している。低所得者への逆進性対策としては、例えば、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配付する方法や、一定額の簡素な給付措置などによる消費支出の負担軽減策等を検討すべきである。
②請求書等保存方式の維持
平成3510月に導入予定の区分経理等のための適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)への移行は、事業者及び税務官公署の事務に多大な影響を与えることから、行政手続コスト削減の方向性に逆行することのないように配慮又は見直しをする必要がある。この点については、例えば、請求書等に一定の記載事項を追加することにより、区分経理等は十分可能である。
③消費税のあり方についての抜本的な見直し
事業者の負担と徴税コスト等を考慮し、仕入税額控除方式(インボイス方式を含む。)及び免税点制度等の見直しを含めた消費税のあり方について抜本的に再検討すべきである。特に、免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、不当な値下げ要求等により経営状態が圧迫されることのないよう対策を講じなければならない。

●所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフトと基礎的な人的控除のあり方
①所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフト
基礎的な人的控除(基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除及び扶養控除)は、憲法第25条が定める生存権の保障を目的としたものと解されており、健康で文化的な最低限度の生活を維持するために侵害してはならない課税最低限を構成するものである。したがって、このような性質を有する課税最低限は、財政事情を考慮しつつ、生活保護の水準に合わせていくことが望ましい。その際、給与所得控除及び公的年金等控除の水準が過大であることや、こうした所得計算上の控除が適用されない事業所得等とのバランスも踏まえ、所得計算上の控除を縮減した上で、基礎的な人的控除を中心として課税最低限を確保することが適切である。
②基礎的な人的控除のあり方
最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力を持たないとする最低生活費不課税の観点から、基礎的な人的控除については、その額を引き上げた上で、所得控除方式を維持すべきである。その際、課税最低限を構成する基礎控除を逓減・消失させることについては、憲法の要請もまえ慎重な検討が必要である。
なお、その他の人的控除項目については、整理合理化を図りつつ、可能な範囲で税額控除化すれば、所得再分配機能が低下していることや高所得者の負担軽減額が大きくなるという問題は相当程度解消することとなる。

●償却資産に係る固定資産税制度の抜本的見直し
償却資産課税について、(一財)資産評価システム研究センターの「償却資産課税のあり方に関する調査研究-申告制度の簡素化・効率化に向けた制度設計について-」(2018年3月)において、現行の賦課期日(11日)はそのままとし、申告期限については、現行制度(131日)と電子申告(eLTAX)に限り法人税の申告期限と一致させる新方式との選択制にするとの方向性が示された。事業者の事務負担軽減、市町村の課税事務効率化及び電子申告率の向上に伴う実務の簡素化・効率化の観点から評価できるものであり、まずは、これを早期に実現すべきである。
また、当面の課題として、下記の項目についても検討する必要がある。
・中小企業の設備投資促進と事務負担軽減のため、免税点を現行150万円から倍額程度まで引き上げる。
・租税特別措置法により費用化が認められる30万円未満の少額資産は、償却資産課税の対象から除外する。

僕も、基本的に同意見です。
消費税の軽減税率制度は導入すべきではないと思っていますし、低所得者の保護が目的であるならば、期限付きの商品券を渡すのが良いと以前からこのブログでも書いています。
日刊紙の軽減税率についても、低所得者の保護が目的であるならば、まずは、所得別の日刊紙購読者数を把握し、開示する必要があると思います。
償却資産税についても、決算期にかかわらず一律に131日までに申告するのではなく、決算期に合わせて、申告時に固定資産台帳を提出する方が、漏れもなく、効率的かつ効果的なのではないかと思います。
月次決算などを行っておらず、年に1回決算時にのみ入力などを行っているところが、漏れなく申告するのは現実的に厳しいと思います。
あとは、印紙税の廃止も織り込んでほしいですね。

日本税理士会連合会による平成31年度税制改正に関する重要建議・要望項目について、どう思われましたか?

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法務省が違反認定なら過料も視野に海外IT48社に日本での登記を要請!

 

日本経済新聞によると、古川禎久法務大臣は、先日の記者会見で、アメリカのグーグルなど海外に本社を置く大手IT(情報技術)企業48社に、日本での登記を要請したと明らかにしました。
法務省と総務省が2022年3月29日、電気通信事業者として届け出済みの48社に要請文を出したようです。

会社法では、日本で継続的にビジネスをしている外国企業に、日本法人だけでなく、本国の本社も登記することを義務づけていています。
IT企業の多くはこのルールを把握しつつも、日本法人だけを登記していた可能性があるようです。

法務省と総務省は48社に登記をしない場合、4月15日までにその理由を説明することも求めていました。
複数社から回答が来ているとみられ、古川氏は「回答状況は現在精査中」と述べました。
要請を受けた全48社の社名は明らかになっていません。

法務省は日本国内で電気通信事業の届け出をしている外国企業の中から、登記をしていない企業を選び、一斉に要請文を出しました。
届け出を継続的なビジネスをしている証拠と考えたためです。

総務省によると、電気通信事業の届け出をしている企業数は国内外合わせて約1万3,000社あるそうです。
海外勢ではツイッターやメタ(旧フェイスブック)などアメリカのIT大手のほか、華為技術(ファーウェイ)や動画共有アプリ「TikTok」など中国系大手の関連会社も届け出をしています。

複数の関係者によると、法務省はこれまでにも海外IT大手に登記を要請したことがあったが、各社は対応してこなかったようです。
今回は法務省と総務省の連名の要請で、回答期限も区切り、今後の対応方針を検討しているもようです。

登記の徹底を求める声は、国会議員や弁護士の間からも上がっていたようです。
2021年に施行したデジタルプラットフォーム取引透明化法の付帯決議や、2021年6月に出されたネット上の中傷対策を巡る自民党の緊急提言でも、政府に対策を取るよう求めていました。

法務省は今後、各社からの回答内容を精査し、会社法違反と判断した場合には過料(100万円以下)の手続きに移ることを視野に入れています。
過料の可否は裁判所が判断するため、法務省は会社法違反と判断した企業を裁判所に通知することを検討しているようです。

今まで知りませんでしたが、会社法では本国の本社も登記しないといけないことになっているんですね。
それなのに、今まで要請しても無視されてきたのはなぜなのでしょうか?
登記するとマズいことがあるのでしょうか?
登記関係で過料が科されるのはあまりないのではないかと思われますが、企業のコンプライアンスに対するスタンスの問題だと思いますので、今後どうなるか注目したいですね。

法務省が違反認定なら過料も視野に海外IT48社に日本での登記を要請していることについて、どう思われましたか?


官報の決算公告を実施している株式会社は「わずか1.5%」!

 

東京商工リサーチによると、会社法で定める「決算公告」ですが、決算公告が義務付けられている「株式会社」では、約8割の企業が決算公告を官報と記載しています。
しかしながら、2021年に官報に決算公告した株式会社は40,154社で、全株式会社のわずか1.5%にとどまることがわかったようです。
経営の透明性が重要視されていますが、情報開示に消極的な中小企業が多いようです。

「合併」や「資本金の額の減少」など、一部の法的公告は法令で官報公告と定められています。
ただし、「決算公告」は「官報」だけでなく、「電子公告」や「日刊新聞紙」も可能です。

東京商工リサーチ(TSR)が保有する企業データベースによると、株式会社の公告方法は「官報」が83.1%と大半を占め、日刊新聞紙ほかが14.5%、電子公告が2.4%でした。

会社法では決算公告の義務を怠った場合、100万円以下の過料という罰則規定が定められています。
ところが、同法が適用されたケースはほとんど確認されていません。
決算公告が進まない理由は、貸借対照表の公告料が最低でも74,331円(税込)、損益計算書を付記すると15万円近くかかります。
こうした高額の公告料も、決算公告が進まない一因とみられます。

政府の「中小企業活性化パッケージ」では、経営者の個人破産回避や再チャレンジなどの中小企業支援策が強化されています。
その一方で、決算公告など情報開示が不十分な状況だけに、債権者(取引先)が取引対象先の信用力を判断する客観的な材料が少ないのも事実です。
中小企業が経営の透明性を高めるためにも、法律に沿った決算公告の運用意識と配慮が求められます。

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースを活用し、株式会社の公告方法を調査しました。
公告方法は、官報、日刊新聞紙、電子公告の大きく3つに分類されます。
最も多いのは「官報」で、全体の83.1%と8割を超えました。
合併公告や資本金の額の減少公告などは、法令で官報掲載と定められています。
日本経済新聞などの全国紙、地方紙などの「日刊新聞紙」ほかの公告は14.5%で、本社所在地の地元紙に掲載するケースも少なくありません。
「電子公告」は商法等の改正で2017年から始まり、自社ホームページなどでの公告で利便性は高いが、まだ2.4%にとどまっています。

2021年に「官報」に決算公告した未上場の株式会社40,154社の産業を調査しています。
最多は、サービス業他の27.4%で、3割に届きませんでしたが、積極的に官報公告を利用しています。
次いで、大手企業の子会社なども多い製造業の19.1%、卸売業11.5%、情報通信業10.4%と続いています。
社数の多い建設業は5.4%にとどまり、決算公告に消極的な姿勢がみられました。

資本金別では、1千万円以上5千万円未満が構成比39.5%と約4割を占めました。
次いで、1億円以上の大企業が29.7%と3割近くを占め、5千万円以上1億円未満が19.3%と続いています。
一方、100万円未満はわずか1.9%にとどまり、小規模事業者の情報開示への認識が低いことを示しています。

売上高別(判明分)では、売上規模が大きいほど公告比率が高かったようです。
最高は10億円以上50億円未満の31.6%。次いで、100億円以上の18.3%と続いています。
売上規模の小さい1億円未満も9.3%と一定の水準があり、大手企業の系列やベンチャー企業などが決算公告を実施しているようです。

決算公告を実施している株式会社は、全体のわずか1.5%にとどまります。
罰則の適用例がほとんどないことに加え、官報公告の掲載費用が高いことが背景にあるとみられます。
しかしながら、同時にコンプライアンス(法令遵守)やコーポレートガバナンス(企業統治)の意識の乏しさも問われています。

決算公告は、金融機関や取引先など第三者でも決算数値の整合性を確認できます。
万が一、複数の異なる決算書を作成している場合、官報公告で差異発覚の端緒となる可能性もあります。
決算公告は、経営の透明性を向上させ、企業への信頼性を高めることにつながります。

2016年に官報の公告料金が値上げされました。
官報公告が高額になると中小・零細企業では活用しにくくなります。
官報公告の意義を認識し、掲載費用の見直しも必要でしょう。

長引くコロナ禍で、中小企業への支援策は拡充されました。
ただし、インターネットで取得できる商業登記の代表者住所は2022年9月から非表示となる見通しで、代表者の資産把握が難しくなります。
また、経営者保証ガイドラインでは、経営者保証に依存しない動きも加速しますが、債権者側の保全対応が難しくなるだけに債務者(経営者)の責任感や意識も問われます。

事業再構築、復活支援金など、コロナ禍でも中小企業向けの支援策が多く打ち出されました。
「事業再生ガイドライン」では地域の経済合理性も打ち出されました。
地域社会を構成する取引先への情報開示も必要でしょう。
様々な支援を求める企業や上場企業だけでなく、情報公開が少ない外資系企業にも、会社法で定める決算公告など最低限の遵守が求められます。

なお、本調査は、TSRが独自集計した2021年(1-12月)の株式会社で官報に決算公告した40,154社と、TSRの企業情報や国税庁の「令和元年分会社標本調査」による株式会社の単体法人数2,545,100社を比較・分析したものです。
有価証券報告書提出会社は会社法で決算公告の義務などの適用がないため、上場企業は除いています。
複数回掲載は重複を避けるため1社でカウントしています。
また、合併公告や資本金の額の減少公告、通常の決算公告などすべての決算公告を対象にしました。
調査は今回が初めてです。

この記事は、会社法で定められているので中小企業も決算公告をしましょうという論調ですが、個人的には、実態を考慮し、資本金や売上高や従業員数などで決算公告が必要な会社を定めるなど、会社法を変える必要があるのではないかと思っています。
おそらく、決算公告が本当にすべての株式会社に必要なものと国や金融機関が考えているのであれば、支援金などの添付資料などに、決算公告を加えても良いと思いますし、金融機関の融資の際の提出書類に加えても良いと思いますので。

官報の決算公告を実施している株式会社は「わずか1.5%」であることについて、どう思われましたか?


関西スーパーの株主総会は取引先持ち株会が賛否の「隠れみの」に!

 

日本経済新聞によると、司法判断を受けて、先日、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下となった関西スーパーマーケットですが、最高裁までもつれた原因は株主総会での1人の株主の行動でしたが、僅差の可決を後押ししたとみられるのは9%超を保有する第2位株主の取引先持ち株会だったそうです。

関西スーパーの取引先持ち株会には、食品スーパーや卸などが参加しています。
総会前には伊藤忠食品が、理事長一任での議決権行使という慣例に異を唱えて、自主投票となりました。

上場企業の多くの取引先持ち株会は同じような慣例があります。
そしてほとんどが議案への賛成になっているとみられます。

「相互間の親睦関係の増進に寄与することを目的とする」と、日本証券業協会の「持ち株制度に関するガイドライン」には、取引先持ち株会の目的について記されています。

取引先持ち株会は、社歴の長い伝統的な企業に多く存在します。
昔は上場時の安定株主対策や定期的な売買手数料を得る狙いもあって、主幹事証券会社が「取引先に株を持ってもらいましょう」と持ち株会の設立を提案することも多かったようです。

関西スーパーの総会では、取引先持ち株会の議決権行使の透明性も課題として浮かび上がりました。

株主総会の議決権行使書面は総会日から3か月間保管しなければならず、株主は閲覧や複写を求めることができます。
今回の場合、総会を開いた関西スーパーだけでなく、オーケーも株主ごとに賛否を知ることが可能なのです。

しかしながら、持ち株会の中の議決権行使結果は開示されません。
持ち株会全体として賛成、反対、棄権の比率が開示されるだけです。
自主投票となった持ち株会の会員企業の賛否は、関西スーパーにしかわからないのです。

今回、この仕組みをうまく活用できないか検討した取引先株主がいたようです。
持ち株会は定期的に資金を拠出して株式を買い付けるため、少しずつ会員企業の保有株数は増えていきます。
一部を持株会から引き出して自社名義での保有にする企業も多いです。

この株主は「自社名義分は不行使や棄権、反対に、持ち株会での保有分は賛成にと使い分けできると考えていた」(関係者)ようです。
オーケーが知ることができる部分はオーケー寄りに、関西スーパーにしかわからない部分は関西スーパー寄りにすれば両方に義理立てできるわけです。

取引先持ち株会を通して保有する株は、政策保有株扱いになることが多いようです。
上場企業に課されているコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)は、政策保有株式の削減を促すと同時に、政策保有株式に係る議決権の行使について具体的な基準を策定・開示し、その基準に沿った対応を行うべきだと定めています。

取引先持ち株会を「隠れみの」にした議決権行使の使い分けはコーポレートガバナンス・コードに沿っているとは言いがたいでしょう。
伊藤忠食品が関西スーパーに統合相手の価値評価額や算定根拠の開示などを求める質問状を送り、持ち株会の理事長一任に異を唱えたのは、自らの株主への説明責任を果たすためでした。

2019年にはある国内投資家が日証協に対し、コーポレートガバナンス・コードの趣旨に沿えば取引先持ち株会は解散されるべきだとの要望をしています。
日本企業の古き伝統は企業統治強化の中で存在意義を問われています。

知りませんでしたが、取引先持ち株会はそうなっているんですね。
取引先は、どちらとも取引があるところが多いでしょうから、困ったと思いますが、うまく使い分けていたところもあるんですね。
これをきっかけに、取引先持ち株会のあり方が議論されるといいですね。

関西スーパーの株主総会は取引先持ち株会が賛否の「隠れみの」になったことについて、どう思われましたか?


国税が過去に「高額すぎる」と指摘した京都新聞HDの大株主への報酬を第三者委員会が調査!

 

産経新聞によると、京都新聞社を傘下に置く京都新聞ホールディングス(HD、非上場、京都市中京区)で、大株主の元相談役(80)に不適切な報酬を支払っていた疑いがあるとの問題が浮上しているようです。
報酬をめぐっては国税当局が約10年前、「不相当に高額」と指摘していたことも、先日、関係者への取材で判明したようです。
報酬の支出は2021年2月まで継続していました。
京都新聞の報道によると、報酬の年間総額は4千万円を超えるとみられます。

特定の株主に配当とは別に報酬を支払い続けたことが「株主の権利の行使に関し、財産上の利益の供与をしてはならない」と定めた会社法に抵触する疑いがあるとして、京都新聞HDは弁護士でつくる第三者委員会を設置し、調査しています。

京都新聞の報道や関係者によると、元相談役が代表を務める資産管理会社は京都新聞HD株式の25.9%を保有しています。
元相談役に京都新聞HDなどのグループ3社が長年、株主配当とは別に相談役報酬を支払っていました。
年間総額は4千万円超とみられます。
2020年2月以降の内部調査の結果、不適切な支出だった可能性があるとして報酬の支払いを停止し、2021年3月に相談役を解嘱しました。

一方、関係者によると、2011年ごろの国税当局の税務調査で元相談役の報酬について、ほかの相談役の報酬や業務内容との比較などから「不相当に高額」と指摘され、高額と判断された部分は損金として認められなかったようです。

京都新聞によると、元相談役への高額報酬は長年にわたって続いたとされます。
関係者によると、元相談役の年間報酬額を知る人物は社内のごく一部に限られていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に2020年2月から経費の見直しを進めていた過程で判明しました。
元相談役は、近年は、3か月に1度のペースで京都新聞HDの社長から社の近況報告を受けていましたが、自ら出社することはほぼなかったそうです。

京都新聞HDは、先日、記者会見し、特定株主に報酬を支払い続けたことが会社法に抵触する疑いがあるとして第三者委員会を設置したことを明らかにしましたが、調査への影響などを理由に、支出先や額は伏せました。
一方、京都新聞は、翌日の朝刊1面でそれらを報じました。
京都新聞社は京都新聞HDの100%子会社ですが、記事では「独立した立場で今回の問題を取材、報道する」と伝えています。

産経新聞の取材に対し、京都新聞HDは、「会見で発表した以上のことは申し上げられない。第三者委員会の調査結果は公表する」とコメントしました。
京都新聞HDを通じて元相談役にも取材を申し込んだようですが、応じなかったようです。

京都新聞HDをめぐる問題で、小原正敏元大阪弁護士会会長ら3人の弁護士で構成される第三者委員会が調査する報酬を受け取っていた元相談役は、京都新聞の経営に長年携わってきた一族の方です。

昭和17年の合併で誕生した京都新聞社(現京都新聞HD)の社長は、この一族の方が30年以上務めました。
この社長は、昭和40年代に日本新聞協会の会長にも就いています。
この社長の後を継いだのが息子で、息子は京都新聞社と兄弟会社だった近畿放送(現京都放送、呼称・KBS京都)でも社長を務めましたが、昭和58年に死去しました。

巨額の簿外債務をめぐってグループ内部で騒動となり、京都新聞社会長だった元相談役はその関連で昭和62年に相談役に退きました。
KBS京都は、「戦後最大の経済事件」と呼ばれた平成3年のイトマン事件にからみ平成6年に経営破綻し、会社更生法の適用を申請しました。
平成19年10月に裁判所が更生手続きの終結を決定し、再建を果たしました。

京都新聞HDは、2021年6月29日の株主総会で役員を新たに選任しました。
現在この一族では、元相談役の息子(47)が取締役に名を連ねるのみです。
ただし、元相談役が代表を務める資産管理会社は京都新聞HDの25.9%の株式を保有しているため、出席株主の3分の2の賛成が必要な重要事項にこの一族側が難色を示せば、京都新聞HD側の提案が否決される可能性があります。

関係者の一人は、「この一族の機嫌を損ねる行動を取るには覚悟がいる」としつつ、問題となった元相談役報酬をめぐり「個人のためではなく、新聞が社会的な使命を果たすために使われてほしい」と話しました。

なお、京都新聞ホールディングスは、昭和17年の合併で京都新聞社として設立され、平成26年4月の持ち株会社化で「京都新聞ホールディングス」に商号変更され、新聞制作と編集を行う事業会社として、京都新聞HDが100%出資する京都新聞社が新たに誕生しました。

実態は配当のような気はしますが、社会的な影響力のある新聞社のホールディングカンパニーが会社法に抵触する疑いがあるようなことをしているんですね。
100%子会社の新聞社が、きちんと報道しているのはスゴイですね。
昔から相談役というもの自体の存在に疑問を持っていましたが、この事件が、相談役を見直すきっかけのひとつになればいいですね。

国税が過去に「高額すぎる」と指摘した京都新聞HDの大株主への報酬を第三者委員会が調査していることについて、どう思われましたか?


「バーチャル開催」は株主総会の新潮流になるか?

 

東洋経済ONLINEによると、政府からの自粛要請を受け、大規模な集会やイベントが中止を余儀なくされています。

そんな中、法律上中止にできないのが定時株主総会です。
会社法の規定により、株主全員の同意があった場合以外は、必ず総会を開催しなければならないことになっています。

3月は12月決算企業の定時株主総会が開催される月で、12月決算の上場会社は453社(2020年3月10日時点)あり、このうち4月開催の窪田製薬ホールディングスを除く452社が3月中の開催を予定しています。

その窪田製薬も、2016年の上場当時から毎年4月に総会を開催しています。
つまり、新型コロナウイルス対策を理由に株主総会の開催を4月以降に延期する上場会社はゼロなのです。

法務省は定時株主総会の開催時期について、「会社法上、事業年度の終了後3カ月以内に必ず定時株主総会を招集しなければならないものとされているわけではありません」というコメントを発表しています。

しかしながら、株主総会の開催日はそう簡単に動かせません。
株主総会の開催が決算期末から3カ月を越えてしまうと、翌期の第1四半期が終わっても役員人事が確定しないという事態を招いてしまいます。
配当の決議機関を株主総会としている会社では配当の支払いが遅れ、税務処理の面でも影響が出ます。

12月決算の上場会社を単元株主数の多い順に並べ、上位50社を見てみると、2019年と同様、総会開催日も総会開催会場もほぼ同じという企業がほとんどです。

大半の企業が招集通知に新型コロナ対策についての注意書きを付し、議決権行使は総会会場に来場せずに、郵送もしくはインターネットで行使することを推奨しています。
会社側のスタッフはマスクを着用し、具合が悪そうな人には声かけをし、退場を促すなど、臨戦態勢モード全開です。

カゴメとライオンは例年手渡しているお土産を中止し、ライオンは総会後に開催していた懇談会も取りやめます。

ヤマハ発動機は会場に保健師を待機させ、お土産、飲料提供は中止します。
自社製品の展示や、総会後に実施していたコミュニケーションプラザの視察会も2020年は実施しません。

クックパッドやキヤノン、花王、電通グループ、DICは会場入口での検温を実施し、体温が37.5度以上の株主は入場を制限するとしています。
資生堂は、株主が座る座席の間隔を大きくとるなど、各種の対策をこらしています。

屋外作業向け工具卸のトラスコ中山は、2019年は3月8日に開催した総会を2020年は3月13日に開催しました。
見かけ上は1週間後ろ倒したように見えますが、3月の第2金曜日開催という従来のルールどおりで、新型コロナ問題を理由に後ろ倒したのではありません。

同社は開催会場を東京と大阪の2カ所としている唯一の上場会社だそうです。
取締役は2カ所に分かれて出席しますが、議長は1年おきに出席会場を変えます。
2019年は大阪だったので、2020年は東京会場に出席しました。

総会の進行は通信回線で両会場を結び、議長のいない方の会場の株主は、議事進行状況を会場に設けられたスクリーンで見ることができます。
議決権行使や質問、動議はもう1つの会場の議長に伝わるので、どちらの会場にいても議決権行使は可能です。

同社の2019年12月末時点の株主総数は4万106人で、2会場での総会開催ゆえか、リアル総会への出席率は例年7%を超えます。
基本的には総会への来場・出席を促しているが、今回はさすがに郵送かインターネットによる議決権行使を促しました。

12月決算会社中51番目に多い2万9,335人の株主を擁するGMOインターネットは、株主が参加しやすくするため、2019年は上場しているグループ会社8社中5社が、日曜もしくは祝日に開催しました。

ところが、2020年は逆に来場を控えるよう呼びかけ、開催日も3月30日とするなど、開催日を後ろ倒しにしました。

総会の当日はホームページ上でライブ中継も実施し、株主以外でも視聴可能です。
ソフトバンクも決算説明会や株主総会をライブ中継してきましたが、GMOは2020年が初めてで、「2021年以降も株主の反応をみて、株主の不利益やハードルがない限り継続したい」(同社広報)とのことです。

経済産業省は、2020年2月26日、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」(以下、バーチャル総会)に関する実施ガイドを公表しました。
バーチャル総会とは、取締役などがリアルの株主総会を開催しつつ、インターネットなどを使って遠隔地の株主が総会に参加・出席できる総会のことです。
ソフトバンクなどのような一般公開型の株主総会中継と異なり、参加・出席できるのは議決権を持った株主に限定しています。

バーチャル総会には、参加者が議決権行使や質問などをすることができない「参加型」と、それができる「出席型」があります。
参加型は、希望する株主にIDとパスワードを発行し、WEBサイト等で配信される中継動画を視聴してもらいます。
質問や動議を出せないが、参加者のコメントを議長の裁量で取り上げることはできます。
議決権行使は事前に郵送かインターネットで済ませておく必要があり、すでにグリーやアステリアで実施された実績があります。

これに対し、出席型の場合、会社側は通信障害の対策を施さねばならず、株主側も参加可能な通信環境を備えていることが前提になります。
12月決算企業で唯一、この出席型総会の実施に踏み切ったのは、独立系ソフト開発大手の富士ソフトです。
2019年12月末時点の株主総数は1万1,118人で、例年の出席株主数は200人前後にとどまっています。

同社が3月13日に開いた総会でバーチャル出席を希望したのは11人でした。
事前に通信環境を会社側に申請させ、議決権行使に必要なiPadを保有していることを必須条件としました。

一方、リアル会場での出席者は159人でした。
当日は密集を避けるために複数の会議室に映像と音声を同時中継し、座席の間隔を大きくとりました。
同社は以前からバーチャル総会用のソフト開発を進めており、今回もリアルの総会会場に、出席者の人数分のiPadを用意し、iPad上で議決権行使できるようにしました。

同社は「少人数だからこそ実施できたが、マンモス総会に対応できるかどうかは未知数」(広報)としています。

バーチャル総会の議論はそもそも、企業と株主・投資家の建設的な対話を促すための環境整備という視点で始まったものです。

取締役会が不適切な意思決定をすれば、株主は会社側と対話をしたり、取締役の選任議案に反対するなど、株主総会で権利を行使したりすることもなく、その会社を見限って株を売ってしまいます。
一部のエンゲージメントファンドが根気強く会社と対話をし、権利を行使する場合もありますが、それはあくまでも例外でしかありません。

株主総会の実務に詳しい大塚和成弁護士によると、「上場会社と株主の対話をどのように促し、株主総会を活性化させるかというのは、昔からある、古くて新しいテーマ」だそうです。

日本は3月期決算企業が上場会社の6割強を占め、総会開催日が特定の日に集中しやすくなっています。
さらに、株主総会の招集通知を発送してから総会開催日までの日数が短く、議案を検討する時間が十分にとれません。
欧米の投資家は長年、こうした点の弊害を指摘し続けていますが、バーチャル総会には日本の株主総会慣行を多少なりとも変える機能を期待できるでしょう。

ある上場会社の幹部からは「今後、バーチャル総会が一般化すると、経営側は緊張感が高まる」という声もあがっているようです。

日本企業は株主に総会前の議決権行使を促し、会社提案の議案可決ラインの票を確保した上で総会に臨むことが多くなっています。
しかしながら、バーチャル総会が一般化すると、事前に議決権行使をせず、当日の総会の場で議決権行使をする株主が増え、総会終了まで結果がわからないという事態が一般化する可能性があります。
そうすると、その分だけ経営陣の緊張感は高まり、ガバナンス上は好ましいでしょう。

想定外の新型コロナウイルス禍でバーチャル総会が広まれば、日本企業のガバナンス向上に一役買うことになるのかもしれませんね。

限られた時間の中で、新しいことをするのは大変だと思いますが、新型コロナウイルスがきっかけとは言え、株主にとっては株主総会に参加する方法が増えることは望ましいことだと思います。
このような状況下で、感染のリスクを背負ってまで株主総会に参加しなくても良いと思います。
お土産目的で株主総会に参加される方もそれなりに多いようなことを聞きますが、個人的には、そもそもお土産は必要なのかと疑問に思っています。
株主総会に参加できる人とそうでない人がいると思いますので、お土産を出すのであれば、配当を1円でも増やしたり、株主優待を増やしたりして欲しいですね。
僕みたいに地方に住んでいる人間にとっては、株主総会にリアルで参加するには、時間もコストもかなりかかりますので。
今後、株主総会が新たな方向に向かうことを期待したいと思います。

「バーチャル開催」は株主総会の新潮流になるか?について、どう思われましたか?


会社法改正案では非上場の大企業にも社外取締役を義務化!

 

 法制審議会(法相の諮問機関)の会社法部会がまとめた会社法改正の要綱案の全容が判明しました。
 上場会社や非上場の大会社を対象に、社外取締役の設置を義務付けることなどが柱です。
 株主総会での一部の株主による提案権の乱発も抑え、企業と株主の対話を促します。
 2月に山下貴司法相に答申し、2019年の通常国会に改正案を提出し、2020年の施行を目指すようです。

 海外の機関投資家などから企業の外部監査機能が不十分との指摘があるため、経営の監視機能を高めます。
 社内の利害関係に縛られず、第三者の視点から経営をチェックするのが狙いです。

 社外取締役の設置は、(1)監査役会を置き、株式の譲渡制限がない会社、(2)資本金が5億円以上または負債総額200億円以上の大会社、(3)有価証券報告書の提出義務があるのいずれも満たす企業が対象です。

 上場企業のほか、少数株主がいる非上場の大会社も含みます。
 法務省幹部は「今回の法改正で非上場では数百社が義務化の対象になる」とみています。
 要綱案には「社外取締役を置かなければならない」と明記し、人数は1人以上を想定しています。

 2015年5月施行の改正会社法は、監査役会を置き、株式の譲渡制限がない会社で大会社が社外取締役を置かない場合には、株主総会で理由を説明するよう求めています。
 すでに東京証券取引所の上場企業は9割超が社外取締役を置いています。
 一方、コストを敬遠したり、適任者がいなかったりして、未設置の企業も2.3%あります。

 社外取締役の義務化で会社の意思決定に外部の見方を反映できます。
 企業統治の多様性や透明性を確保することが、上場会社の収益性の向上や国際競争力の確保にもつながります。
 取締役会の位置付けは異なるものの、欧米などでは上場会社の取締役の半数以上を独立した社外取締役にすることが多いようです。

 要綱案では株主提案権の制限も盛り込みました。
 株を持つ期間など一定の条件を満たせば、上限なく提案できる現行のルールを改めます。
 1人の株主が株主総会で提案できる議案数を最大10に制限し、株主提案の内容にも制約を設けます。
 誹謗中傷や侮辱行為、総会運営を妨げるような提案は認めません。

 日産自動車の元会長のカルロス・ゴーン容疑者の報酬過少記載事件で役員報酬の透明化への関心が高まるなか、報酬の概要や基本的な考え方を取締役会が決定し、開示することも明記しました。
 固定報酬や業績連動型報酬など、報酬の種類ごとの基準なども示します。
 個々の役員の報酬開示については見送りました。

 取締役会で決定した概要を開示し、株主に役員報酬の中身をわかりやすくし、妥当性の判断や株主総会で疑問点を追及できるようにします。
 社外取締役が義務化される会社のほか、監査等委員会設置会社も対象とします。
 事業報告には決定方針や報酬に関する決議、報酬の種類ごとの総額などを盛り込みます。

 事業報告などの株主総会資料はインターネット上で提供できるようにします。
 これまでは原則書面で、電子データでの提供は株主から個別に承諾を得る必要がありました。
 定款で電子提供をすると定めれば、株主の承諾なしに電子化できるようにし、企業の負担軽減につなげます。
 システム対応が必要なため、電子提供については2021年以降に施行する見通しです。

 電子提供を定款に盛り込んだ企業は、株主総会の日時や資料を「総会の3週間前」からインターネット上で提供します。
 書面での株主総会の招集通知の発送時期は現行通り「総会の2週間前」に据え置きます。
 上場企業には施行日から電子化を義務付けます。

 不適切会計の東芝にも社外取締役はいたわけですから、義務化すれば良いとは思いません。
 同じ方が何社も社外取締役を兼務しているようですので、兼務を禁止するとか、お友達を禁止するとかしないと、何ら有効なものにならないような気はします。
 どうせ改正するのであれば、有効なものにしてほしいですね。

 会社法改正案では非上場の大企業にも社外取締役を義務化していることについて、どう思われましたか?