Warning: Constant TRUE already defined in /home/minoru7227/kunimura-cpa.jp/public_html/wp-content/plugins/amazon-associates-link-builder/plugin_config.php on line 114
BLOG アーカイブ - 2ページ目 (4ページ中) - 棚卸、事業承継、M&A・組織再編、贈与・相続などのコンサルティングが中心の國村公認会計士事務所・株式会社Your Partner(香川県高松市木太町)
カテゴリー
BLOG

BLOG(内部統制)

福島県郡山市が「これほどの規模は例がない」固定資産税“算定ミス”で納税通知書発送を延期!

テレビュー福島によると、福島県郡山市は、令和7年度の固定資産税の算定に誤りがあったとして、2025年5月15日に発送予定だった納税通知書の発送を、約1か月延期すると発表しました。

郡山市税務部によると、令和7年度の固定資産税の税額を算定する際の基礎になる課税標準額の土地に関する算定プログラムに誤りがあったことが、2025年5月12日の最終点検で明らかになりました。

委託した事業者の設定に誤りがあり、算定プログラムの中で、地価の著しい上昇や下落に対応する負担調整措置と下落修正の設定に漏れがあり、郡山市側のこれまでの点検でも見落としていたということです。

誤りがあったのは住宅用地、商業地あわせて全体の半数近い47.7%にあたる5万6,063件に上っています。

これを受け、算定プログラムの修正と算定の見直しを行ったため、2025年5月15日に発送予定だった固定資産税納税通知書の発送を延期することにということです。

発送はおよそ1か月遅れの2025年6月16日となり、このため第1期の納付期限も、予定していた6月2日ではなく、およそ1か月ずれ込み、6月30日までとしています。

2期から最終4期までの納付期限に変更はないということです。

郡山市では、これほどの規模の納税通知に関わる誤りは過去に例がなく、事業者や個人の納税に影響を及ぼしたとして謝罪するとともに、二度と同じ事態を招くことがないようチェック体制の強化を図ることにしています。

業者の選定も誤ったのでしょうが、チェックも甘かったということだと思います。

無駄なコストも発生していることでしょう。

委託すればそれで終わりというわけではなく、最終的な責任は委託側にあるということを認識しておかないといけないということを改めて感じた1件でした。

福島県郡山市が「これほどの規模は例がない」固定資産税“算定ミス”で納税通知書発送を延期したことについて、あなたはどう思われましたか?


被害総額16億円で私腹を肥やした郵便局長の「だましの手口」!

デイリー新潮によると、詐欺は相手に自分を信用させるところから始まりました。

その点、逮捕された男には大きなアドバンテージがありました。

父も、息子も、そして自分も、3代続く郵便局長で、しかも、23年間異動なしで地域社会に溶けこむ名士だったのだから。

しかしながら、いくら信用を得ようとも、悪事はいつか露見するのです。

それがなかなか発覚しなかった背景には、日本郵便の中で巨大な権力を持つ「ある組織」の存在がありました。

2021年4月5日、ある人物から情報が寄せられました。
「日本郵便が公表していない不祥事があります。長崎市の元郵便局長が、現職時代からの長期間、顧客などから現金をだまし取り続けていました。社内調査で判明した分だけで、被害額は10億円に上ります」
不祥事を起こしたとされるのは、元局長のU氏(67)です。

郵便局で過去に使用されていた証書を手渡して相手を信用させ、貯金名目で現金を詐取するという手口だそうです。

被害額の大きさに驚きながら、長崎総局の記者に連絡し、2年前までU氏が局長を務めていたという郵便局へと急いでもらいました。
長崎市中心部の商業施設内に、その郵便局はありました。

近くには住宅地や商店街があり、小規模局の中では比較的大きな局です。

記者の取材に対応した現局長は「何も答えられません」と繰り返すばかりです。

名札には、U氏と同じ名字が書かれています。

情報提供者によると、この局の局長職は、U氏が父親から受け継ぎ、退職後は息子に譲った3世代にわたる世襲です。
複数の関係者に裏取りし、日本郵便の広報に事実関係を尋ねると、夜になって回答がありました。
「元社員がお客さまから現金をだまし取った疑いがあり、全容解明に向け社内調査を行っています」

これを受け、この記事の筆者は翌日の朝刊に向けて急いで記事を出しました。
〈「元郵便局長10億円詐取か/長崎市/『高金利』かたり25年」(2021年4月6日付、西日本新聞朝刊一面)
長崎市の元郵便局長の男性(60代)が約25年にわたり、「高い金利が得られる」などと勧誘し、知人ら四十数人から郵便貯金などの名目で約10億円をだまし取った疑いがあるとして、日本郵便が調査していることが同社関係者への取材で分かった。長崎県警も把握し、捜査しているとみられる。〉

朝刊に記事を出すと、その日の午後、日本郵便は緊急の記者会見を開き、常務執行役員が「関係者に多大なご迷惑をお掛けし、深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。

会社がU氏に代わり、被害者に損失を補償する方針を示したのです。

U氏が社内調査に対して犯行を認め「遊興費などに使った」と話していることも説明しましたが、詳細については「調査中」を理由に明かしませんでした。

取材を進めると、U氏の生々しい語り口や暮らしぶりが見えてきました。
「特別な金利で優待します。ごく限られた信頼できる人にしか紹介していません。明後日までに500万円用意できませんか?」

長崎市の医療機関経営の男性(60代)は、U氏からこんな勧誘を受けたと明かしています。

20年ほど前に患者として来院してからの付き合いで、郵便局の口座の取り扱いなどについてアドバイスしてもらったこともあったようです。

この時は急な話だったため現金を準備できず断りましたが、「期限が1週間ぐらいあれば現金を渡したかもしれない。だまそうとしていたなんて残念だ」と憤りました。

長崎市の70代の女性は「貯金」の勧誘を繰り返し受け、合計数千万円をだまし取られていました。

U氏の妻とゴルフ仲間だったことからのつながりです。

U氏から渡された「証書」には局長印が押されており、「疑いもしなかった」とショックを受けていました。

登記情報によれば、U氏は1995年ごろに、職場の郵便局近くに一軒家を購入しています。

2009年には、長崎県中央部の海沿いに別荘地として売り出されたエリアでも、土地と建物を取得しています。

このエリアの入り口には「御用の方は、管理事務所にて受付をお願いします」と立て看板があり、敷地内には高級住宅が並んでいます。

ここに住む男性は、U氏について「礼儀正しい人だった。海に面した一番良い場所を購入していたので、どんな仕事をしてるんだろうと思っていた」と話しました。

元同僚によると、U氏は部下にも慕われる気さくな人柄です。

「郵便局近くのスナックでよくおごってもらった。ゴルフにもしょっちゅう通っていると聞いていたので、局長の給料で、よくこんな生活ができるなと不思議だった」と振り返っています。

後に日本郵便が公表した調査結果によると、U氏は詐取した現金のうち3億円を、一戸建て4軒とアパート1棟、自家用車21台の購入費のほか、ゴルフ代、飲食代などに使ったと確認されています。

U氏は2019年に退職するまで、長崎市北部の14の郵便局を束ねる「部会」で、コンプライアンスの責任者を務めていました。

研修では「当たり前のことを当たり前にやっていこう」と法令遵守を呼びかけていたそうです。

2021年6月、長崎県警は詐欺容疑でU氏を逮捕しました。
起訴に至ったのは4億3,000万円分でしたが、長崎県警は、公訴時効で立件できなかった分も含めると被害者は63人、被害総額は16億4,000万円に上ると説明しています。

被告人となったU氏は2021年9月29日、長崎地裁で開かれた初公判に出廷し、「間違いございません」と起訴された内容を認めました。

刑事裁判や日本郵便の調査により、U被告が犯行を重ねる中で、郵便局員の立場、特に小規模郵便局の局長に与えられた特別な地位を悪用していた実態がつまびらかになっていきます。
U被告は1975年、長崎市内の別の郵便局で、一般の局員として働き始めた。

最初に顧客の金に手を付けたのは、入局から8年がたった頃です。

顧客宅で現金を預かった際、「特別な口座に預けておきますね」とうそをつき、遊興費に使ったのです。

裁判の被告人質問で当時のことを問われ、「ついつい手を出してしまった。長男が生まれたばかりで金に困っていた」と身勝手な動機を語っています。

相手を信用させるために利用したのは、バブル期に高金利が得られた「MMC定期郵便貯金」の証書でした。

この金融商品が廃止された1993年当時、U被告は、関連書類の破棄を担当していましたが、「いつか使えるかもしれない」と考え、証書を処分せず自宅に持ち帰って保管していたのです。

詐取の際には、この証書を「預かり証」として渡し、「年利2.6%」などと通常では考えられない高利率をうたっていました。

本格的に詐欺を繰り返すようになったのは、1996年に父親の後を継ぎ局長に就任してからです。

退職までの23年間、一度も人事異動がないまま地域との関係を深めました。

だました相手は、顧客や所属していたロータリークラブの会員、ゴルフ仲間など、局長の立場を信頼する相手ばかりです。

退職後も、架空の「監査役」という役職を名乗り、息子が局長を務める局舎の応接スペースを使って犯行を続けたのです。

最初の逮捕容疑となったのも退職後の事案です。

営業中の局内で、既に5,000万円をだまし取っていた会社役員の男性(68)に対し、「三つの貯金を解約して、例の口座に預けましょう」と持ちかけています。

男性は窓口に移動して事情を知らない局員に貯金の解約手続きを頼み、そのままU被告に1,300万円を渡していました。

だました相手から返金を求められれば応じていたため、後半は「自転車操業」の状態でした。

しつこく勧誘してくるU被告を不審に思う人が出始め、2020年12月、顧客の一人が別の郵便局に「元局長から高利率の貯金を誘われたが断った」と相談しました。

日本郵便が調査を始めたと気付いたU被告は翌月、長崎県警大村署に自首し、事件は発覚したのです。

日本郵便はU被告に代わって、被害者たちに少なくとも8億8,000万円を補償しましたが、U被告が判決の日までに日本郵便に弁済したのは15万円でした。

長崎地裁は2022年7月26日、「局長である被告人に対する信頼を悪用し、犯行は巧妙で悪質」と指摘、懲役8年を言い渡し、判決は確定しました。

16億円超という被害額の大きさもさることながら、筆者がより深刻だと考えたのは、長期間にわたり、犯行が見過ごされてきた点でした。

U被告が転勤もなく同じ局で局長を務め続けた上、3世代にわたる「世襲」により局の運営が家族だけで行われたことで、チェックの目が入らなくなっていたのではないだろうか?

局長会が2008年、民営化後の組織運営の方針などを記し、内部での教育のために作成した「礎(いしずえ)」という教本があります。

この中で、郵便局長が地域に密着するために重要だと説かれている三つの仕組みがあります。
「不転勤」「選考任用」「自営局舎」です。

「礎」では、これらを合わせて「三本柱」と呼んでいます。

「不転勤」は、その名のとおり、局長には原則として転勤がないことです。

「選考任用」は、一般の局員とは別枠で局長の採用が行われる制度、「自営局舎」は、局長が局舎を所有することを指します。

「礎」では、これらの三本柱について、民営化後も「明確に担保されることが必要」と位置づけています。

国営時代、小規模郵便局の局長は、公務員でありながら原則として転勤がなく、世襲も事実上容認されていました。

調べてみると、こうした慣例は、局長会が「三本柱」を掲げて会社側に働きかけ、民営化後も守られ続けていたことが分かってきました。

「不転勤」「世襲」はU被告だけが特別だったわけではないのです。

局長会がこれほど重視する三本柱とは何なのでしょうか?

筆者は内部資料や証言を基に、一つずつひもといていきました。
「不転勤」は、局長を特別扱いするような人事の仕組みです。

U被告の事件でも明らかなように、現金を取り扱う役職を長期間、同じ人物が務めるのはリスクが伴います。

このため、日本郵便は、不祥事を防止するため、金融業務に携わる社員を定期的に異動させると定めた社内ルールを設けています。

ルールができたのは、浜松市の小規模郵便局の局長が7億円余りを着服した事案などが発覚し、関東財務局が2009年12月に郵便局会社(現・日本郵便)に出した業務改善命令がきっかけでした。

同社は業務改善計画を提出し、その中で「原則として、10年以上異動のない社員に対して、他郵便局等への人事異動を実施する」と明記しました。

ただし、日本郵便は例外を作ったのです。

局長による横領事件が異動ルール導入の出発点だったにもかかわらず、小規模局の局長については「地域に密着する役割がある」という理由で対象外としたのです。

浜松市や長崎市の事件以外にも、▽熊本県の局長が局内の金庫に入っていた約1億4,000万円を横領(2015年発覚)、▽愛媛県の局長が2億4,000万円を横領・詐取(2021年発覚)など、局長による横領や詐欺は後を絶ちません。

それでも、局長だけは原則として転勤がなく、退職するまで同じ局に務める運用が続けられているのです。

三本柱の二つ目の「選考任用」は、局長を一般の局員とは別枠で採用する仕組みで、それだけでは問題があるようには見えません。

しかしながら、実際の採用までの過程には、局長会が自分たちの意に沿う人物を局長として選べるように、表からは分からないプロセスが隠されていたのです。

複数の関係者が明らかにしたのが、日本郵便の採用試験の前、局長会が局長志望者に対して行っている「事前選考」の手続きでした。

志望者に対してはまず、地区局長会の会長らが「面接」を実施し、「局長会の活動に協力できるか」などを確認します。

これに“合格”した志望者は、局長会が開く研修を受け、会の歴史や考え方などを教え込まれます。

こうしたプロセスを経た上で、日本郵便の採用試験を受けるというのです。

取材に応じた複数の関係者が「会社側は、局長会が事前に人選していることを把握しており、局長会が適任者と認めた人物しか採用試験に合格できない仕組みになっている」と口をそろえています。
局長会が人選するに当たって重視するのが「世襲」です。
これを裏付ける内部資料があります。

2018年1月、役員らが出席した局長会の「人事制度・人材育成専門委員会」の議事概要です。

この日の委員会では、全国の小規模局長1万8,730人の属性を調査したところ、5,004人が「局長経験者の親族」だったとの結果が報告されています。

つまり、約27%が「世襲」の局長です。

日本郵便という大企業の管理職が、これだけ高い割合で世襲によって引き継がれていることに驚かされます。

しかし、この委員会ではむしろ「27%まで低下」「ショッキングな結果」との見解が示され、「親族からの局長任用率低下の原因分析とその向上策」を検討していくとの方針が記載されているのです。

ある局長は「局長会が世襲で後任を選べば、会社はたいていそのまま採用してくれる。世襲率が低下しているのは、局長職を継ぎたいと考える子どもが減っているからです」と解説してくれました。

3代にわたる世襲だったU被告は、父親から引き継いだ局長職の信用を詐欺に悪用しただけでなく、退職後も、息子が局長となった局舎を自由に使い、犯行に利用していました。

U被告の詐欺事件に際し、日本郵便は、この“世襲”への批判を警戒していた節があります。

筆者たちが事件の情報をキャッチし、郵便局に取材に行った日、局長として対応したのはU被告の息子でした。

しかし、翌日の緊急記者会見で配布された資料に記載されていた局長の氏名は全くの別人でした。

日本郵便はこの1日の間に、急きょ局長を交代させていたのです。

犯行を許した背景に世襲があることを隠したかったのではないのでしょうか?

郵便局長の世襲については国営時代から問題視されてきたが、当時の政府、その後の日本郵便とも「世襲を前提に採用しているわけではなく、そもそも採用試験受験者の親の職業を把握していない」との説明を貫いています。

三本柱の三つ目、「自営局舎」。

局長会は局長たちに、勤務する郵便局の局舎を所有するよう奨励しています。
教本「礎」の中では、「自営局舎」は、「選考任用」や「不転勤」の土台だと位置づけられています。

局長が局舎を持つことで、これらの仕組みがより守りやすくなるということなのでしょう。

オーナーの局長は、個人として局舎の土地や建物を事前に購入した上で、日本郵便との間で賃貸借契約を結び、賃借料を受け取っています。
日本郵便にとっては、局長から物件を借りることは、社員に対する不当な利益供与につながりかねません。

このため、親会社の日本郵政が2015年に株式上場した際、取引の透明化を図るため、「他に優良な物件がない」といったやむを得ない場合に限り、局長の局舎所有を認めるというルールを導入しました。

ところが、それ以降も局長会は自営局舎の方針を掲げ続け、局長が局舎を取得するケースは続いているようです。

2023年4月には、朝日新聞の報道が端緒となり、103件の局舎移転・建て替えの手続きの際に、日本郵便の担当社員が、局長が局舎を持てるように虚偽の記録を作成して取締役会に報告していたという不祥事が明らかになり、73人が社内処分されています。

「三本柱」は、郵政グループの経営方針とは必ずしも相容れず、むしろガバナンス、コンプライアンス上の弊害となっています。

にもかかわらず、会社側は局長会の求めに応じてルールの例外を設けたり、黙認したりしながら容認しているのです。

上場企業グループなので、三本柱はどうなのかなぁと思いますね。

内部統制の機能する組織とは思えません。

ただでさえ、不祥事が多く、それほど儲かっているわけではないので、根本的なところから見直す時期に来ているように感じます。

そもそも、上場時に解消すべき問題だったのはないかと思いますが。

被害総額16億円で私腹を肥やした郵便局長の「だましの手口」について、あなたはどう思われましたか?


京都市バス元運転手の1,000円着服で退職金1,200万円不支給は適法!

毎日新聞によると、バスの乗客が支払った運賃1,000円を着服したとして、懲戒免職となった京都市バスの元運転手の男性(58)が、京都市に約1,200万円の退職金不支給処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は、先日、処分が重すぎるとした2審判決を破棄し、退職金不支給は適法とする判決を言い渡し、男性の逆転敗訴が確定しました。

裁判官5人全員一致の意見でした。

判決によると、男性は2022年2月、乗客から受け取った1,000円札を運賃として処理する精算機に納めず、制服のポケットに入れて着服しました。

京都市交通局が業務点検でドライブレコーダーを確認して、発覚したのです。

小法廷は、公金の着服は重大な非違行為で、1人で乗務する運転手には運賃の適正な取り扱いが強く求められると指摘しました。

着服でバス事業に対する信頼は大きく損なわれるとし、1,200万円の退職金全額を不支給とした処分に「裁量権の逸脱はない」と結論づけました。

京都地裁判決(2023年7月)は不支給処分を適法としましたが、大阪高裁判決(2024年2月)は着服金額が少額で、被害弁償もされていることから処分を取り消していました。

個人的には、金額の大小の問題ではないと思いますので、適切な判決だったのではないかと思います。

詳細は分かりませんが、過去の横領の事件を見てみると、長期間にわたり横領し続けていることも多いですし。

京都市バス元運転手の1,000円着服で退職金1,200万円不支給は適法とされたことについて、あなたはどう思われましたか?


中古車販売「BUDDICA」で従業員数名の「横領行為」が発覚し代表が謝罪!

J-CASTニュースによると、中古車販売の「BUDDICA(バディカ)」(香川県高松市)代表取締役の中野優作氏は、2025年4月10日にXで、従業員数名による「横領行為」が確認されたと発表しました。

現在、「最優先で被害の実態解明を行っています」とのことです。

中野氏によると、横領行為は2025年4月1日に中野氏に報告があり、「社内外の調査を進める中で発覚しました」とのことです。

「名前の挙がった全社員が不正を認めており、関係各所にもすでに報告と確認を進めております」と報告しました。

なお、被害額は「限定的」であり、経営に影響はないとしています。

続けて、「バディカの中から加害者を出してしまったことや、それを許す環境を生んでしまったことは、すべて、私の責任です。深く反省しております」とコメントしました。

「私たちを信じて、大切な愛車を託してくださったお客さまや、応援してくださっている皆さまを落胆させ、信頼を裏切ってしまいました」とし、顧客や関係者に謝罪しました。

現状について、「最優先で被害の実態解明を行っています」と報告しています。

仮に利用者に不利益が及ぶ取引きが発覚した場合は「個別に謝罪とご説明、補償のご連絡をさせていただきます」と案内しました。

今後について、「まだ見ぬ大きな問題に直面するかもしれませんが、私たちは、どんな現実も隠さずに、誠実に向き合っていくことをお約束いたします」と宣言しています。

「調査中の内容が固まり次第、今後の対応方針についても、改めてこちらでご報告させていただきます」としました。

ビッグモーターの事件で、有名になった我が香川県高松市の「BUDDICA」でこういうことが起こったことは非常に残念に思いますが、とても良い対応をされたのではないかと感じました。

おそらく、内部統制の構築ができていないのだと思いますが、今回の事件を機に、内部統制の重要性を認識して、きちんと構築してほしいですね。

この会社とまったく接点はないですが、香川県高松市を代表する会社の一つだと思いますので、陰ながら応援したいですね。

中古車販売「BUDDICA」で従業員数名の「横領行為」が発覚し代表が謝罪したことについて、あなたはどう思われましたか?


個人情報漏えいし200万円を着服したJAバンク職員を懲戒解雇!

南日本放送によると、取引先や関係者の個人情報を漏らし、知人から預かった200万円を着服したとして、鹿児島県信用農業協同組合連合会(以下、JA鹿児島県信連)の職員が懲戒解雇されました。

先日懲戒解雇処分となったのは、JA鹿児島県信連で農協の支援業務を行っていた30代の男性職員です。

JA鹿児島県信連によると、男性職員は2025年1月頃、私用の携帯電話に登録していた取引先や関係者の名前や電話番号などの個人情報およそ500件を外部に流出させたということです。

また、2024年4月、定期貯金の口座をつくると言って、知人から預かった現金200万円を着服したということです。

男性職員は「借金の返済に困っていた」と話しているということです。

青山健司理事長は「再発防止に向けた態勢の強化に努め、信頼回復に取り組む」とコメントしています。

今時、金融機関で私用の携帯電話を使っているところがあるんですね。

そもそも内部統制とかいう概念がないのかもしれませんが、ゼロベースで業務を見直さないと、かなりヤバいのではないでしょうか?

個人情報漏えいし200万円を着服したJAバンク職員を懲戒解雇されたことについて、あなたはどう思われましたか?


JAが「白ナンバー営業」で組合員のコンバインなどを運搬して38万円を受領!

信越放送によると、長野県のJA上伊那が、法律で定める資格がないにも関わらず、組合員の要望を受けてコンバインなどを運送し、その費用を受け取っていたことが、先日分かったようです。

JA上伊那によると、2018年5月から2024年9月まで、職員が個人と農業法人の27の取引先から田植え機やコンバインを運搬して欲しいと頼まれ、32件分の代金38万円余りを受け取っていました。

運送業を許可なく請け負うことは、白ナンバー営業とも呼ばれ、貨物自動車運送事業法に違反する可能性があります。

JA上伊那は、職員がサービスの一環として行ってきたことで、悪意による無許可営業を認識していたわけではないとしています。

今後、組合員に受け取った費用を返すとともに関係者には厳正な処分を行うということです。

JAも横領だけではなく、色々と問題が起こりますね。

どうやって発覚したのか分かりませんが、業務内容もゼロから見直した方が良いのではないかと思います。

JA不要論とかが叫ばれている中で、不祥事は致命傷になりかねませんので。

JAが「白ナンバー営業」で組合員のコンバインなどを運搬して38万円を受領していたことについて、あなたはどう思われましたか?


不正請求の調査報告書によるとサンウェルズは看護行為なく加算請求!

日本経済新聞によると、サンウェルズ、先日、訪問看護事業の診療報酬を不正請求したという指摘を受けて設置した特別調査委員会による調査報告書を受領しました。

複数の人数での訪問看護の際、実質的には訪問看護加算に値する行為がないにもかかわらず、加算請求するといった事例があったそうです。

調査報告書では、サンウェルズが展開するパーキンソン病患者専門施設「PDハウス」で、各施設の売上高目標が1日3回、複数で訪問しなければ達成できない水準に設定されていたことや、事例や時間帯によっては複数回・複数人数での訪問は必要ないとの認識が十分に広がっていないことなどが明らかとなりました。

不正に対する経営陣の積極的関与は認められませんでした。

ただし、不正が広まっている事実を認識する機会があったにもかかわらず、あくまで個別事例と判断し、適切な対応が取られなかったことは問題性が大きいとの指摘もありました。

再発防止策としては、事業継続にあたってのリスク評価体制の導入や従業員への適切な教育の充実化に加え、施設ごとの売上高目標の廃止や業務内容が限られている就寝時間帯における看護体制の見直しなどが提言されました。

上場企業として、不正請求はどうなんでしょうね。

個人的には、上場すべき企業ではないように思います。

不正請求分は返さないといけないと思いますし、加算金も高いので、かなり、過去の利益を含めて減りますね。

指定とかも取り消されるべきなのではないでしょうか?

不正請求の調査報告書によるとサンウェルズは看護行為なく加算請求していたことについて、あなたはどう思われましたか?


停職3か月の懲戒処分の巡査長を捜査情報漏えい疑いで書類送検!

NHKによると、山口県内の警察署に勤務する20代の巡査長が、捜査情報を外部に漏えいした疑いで書類送検されました。

警察は、巡査長を停職3か月の懲戒処分としています。

書類送検されたのは山口県内の警察署に勤務する20代の巡査長の女性です。

警察によると、巡査長は2024年4月、知人男性に捜査情報や業務の内容など職務上知り得た情報を少なくとも2回にわたってSNSのメッセージで漏えいした疑いがあるということで、警察は巡査長を地方公務員法違反の疑いで書類送検しました。

また、巡査長は2024年6月には警察に寄せられた相談情報を、業務上の目的外で複数回にわたって不正に照会したということです。

2024年6月下旬に巡査長と知人男性の間に起きたトラブル対応をする中で一連の不正が発覚したということで、巡査長は聞き取りに対し、情報漏えいについては「警察の仕事をしていることを理解してもらうためだった」と話し、不正な照会については「業務外で知っていた人についてどんな人か知りたかった」と話しているということです。

巡査長は停職3か月の懲戒処分を受けています。
山口県警察本部の末永徹哉首席監察官は「警察官がこのような事案を起こしたことはもってのほかで、県民の皆様に深くお詫びを申し上げます。今後、業務管理の徹底を図るとともに職員に対する職務倫理教養などに取り組み、皆様の信頼回復に努める」と話しています。

警察官もとんでもない方が年に何名か出てきますね。

どういう気持ちで警察官になったのか知りたいですね。

人手不足で採用は困難とは言え、やはり、その職業にふさわしい資質を持った人を採用しないと、色々な人が不幸になるのではないかと思います。

あとは、職務倫理教養は何とかなるとは思いますが、業務管理の徹底は個人のスマホとか利用することを考えると、ここに限らず、難しいような気はしますね。

停職3か月の懲戒処分の巡査長を捜査情報漏えい疑いで書類送検したことについて、あなたはどう思われましたか?


バイクなど窃盗否認の松山市職員が市役所から個人情報書類など持ち帰り判明し懲戒免職!

テレビ愛媛によると、愛媛県松山市の職員によるバイクなどの窃盗事件を巡り、この職員が松山市役所から物品や個人情報が記された書類を持ち帰っていたことが判明したとして、松山市が懲戒免職にしました。

懲戒免職されたのは、松山市の中島B&G海洋センターの所長(58)です。

松山市によると、所長がバイクなどの窃盗事件で逮捕されたあと、警察からの依頼で押収物を確認した際、松山市役所の廃棄予定の物品や個人情報が記された複数の届出書を発見しました。

所長が持ちかえったことを認めました。

このため地方公務員法違反にあたると判断し、懲戒免職にしました。

個人情報の書類は興味のため持ち帰ったということです。

所長は松山市の聞き取りに対し、「申し訳ございませんでした」と反省を示しているとしています。

この一方で、所長が逮捕・起訴されている3件の窃盗事件は、否認しているとして処分の対象になっていません。

野志市長は「職員の立場を利用した不適切な行為。心からお詫び申し上げる」とし職員一丸となって再発防止に取り組むとしています。

松山市は、先日も、勤務時間中にジムに行っていた方が懲戒免職になっていたと思いますが、色々な方がおられますね。

教育も大事かとは思いますが、やはり資質が大事であり、採用時に見抜かないといけないなぁと思いました。

あとは、『職員一丸となって再発防止に取り組む』というのは、職員一丸であればこういう事件は起こらないと思いますので、具体的にどうやって実現するのか知りたいですね。

バイクなど窃盗否認の松山市職員が市役所から個人情報書類など持ち帰り判明し懲戒免職となったことについて、あなたはどう思われましたか?


非番の日に隊長が副業を強要し発覚後に口止めも行い千葉県袖ケ浦市の消防職員12人を懲戒処分!

千葉日報によると、袖ケ浦市消防本部は、先日、副業をしていたとして、長浦消防署の男性隊長(50)を停職3か月にするなど計12人を懲戒処分にしました。

袖ケ浦市消防本部によると、2024年8月に匿名の通報があって調査を進めた結果、2020年8月ごろから、隊長が後輩職員を勧誘し、非番の日を利用して袖ケ浦市内農家が収穫した米を集めて倉庫に搬入するなど、地方公務員法に違反する副業と認識しながら1日当たり1万2千円を受け取っていました。

隊長は、副業への従事を強要したパワーハラスメントと、発覚後に口止めやライングループ削除などの隠ぺい工作をしたことも処分の対象としました。

令和の時代に、まだまだ昭和の時代みたいな人がいらっしゃいますね。

体育会みたいな組織でしょうから、後輩は断りにくいでしょうし、被害者ですね。

個人的には、支払った農家の方がどのような経理処理をされていたのか?(公務員は副業が禁止されていることを知って支払っていたのだろうか?)、この方は年間いくらくらい稼いでいたのだろうか?(確定申告しなくてよいくらいの金額だったのだろうか?)というところが気になりました。

継続的に教育とかが必要なんでしょうね。

非番の日に隊長が副業を強要し発覚後に口止めも行い千葉県袖ケ浦市の消防職員12人が懲戒処分となったことについて、あなたはどう思われましたか?


被害は最大約9億円かマンション修繕積立金約4,700万円を着服した疑いで管理会社元社員を逮捕!

読売テレビによると、マンションの修繕積立金など約4,700万円を着服したとして、マンション管理会社『ビケンテクノ』の社員だった68歳の男が逮捕されました。先日送検された元社員(68)は、マンション管理会社『ビケンテクノ』の社員だった2023年、会社が管理していた大阪市中央区のマンションの修繕積立金など約4,700万円を着服した疑いがもたれています。元社員は当時、マンション管理課の課長を務めていて、保管していた管理組合の通帳から金を自身の口座に移す手口で着服したとみられています。警察の調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めています。『ビケンテクノ』は、他のマンションも含めると最大で約9億円に上る被害があった可能性があるとしていて、警察は元社員の関与についても捜査しています。

やはり、多額のお金が動く組織については、内部統制をきちんと構築しておかないと、着服等のリスクはかなり高いと思っていた方が良いのではないかと思います。

マンション管理を依頼する方も、こんな会社に安心して頼めないですよね。

上場企業なので、内部統制は構築しているはずですが、簡単に着服できてしまうというのは会社として大丈夫なのかなぁと心配になってしまいます。

被害は最大約9億円かマンション修繕積立金約4,700万円を着服した疑いで管理会社元社員が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


うそ報告で勤務手当て不正受給した警察官を停職及び書類送検!

NHKによると、高知県警察本部は30代の巡査長がうその報告書を作り駐在所勤務に関わる手当てを不正に受け取っていたなどとして、先日、停職6か月の懲戒処分としました。

懲戒処分を受けたのは高知県警察本部の30代の男性巡査長です。

高知県警察本部によると、巡査長は2023年から2024年にかけて高知県内の駐在所に勤務していた際、手当てのひとつである「駐在所家族報償費」あわせて14万2,000円を不正に受け取っていたということです。

この手当ては警察官がパトロールなどで駐在所にいない間、家族が留守番などをして業務を手伝った際に支払われるもので、巡査長はうその報告書を作成して家族が手伝ったように見せかけていました。

また、この巡査長は上司に対し「警らを行う」などとうその報告をしたうえで、実際には駐在所でゲームなどをして職務を怠っていたということです。

巡査長は「ご迷惑をおかけしたすべての方に謝罪したい」などと話しているということです。

高知県警察本部は、先日、巡査長を停職6か月の懲戒処分としたほか、詐欺などの疑いで書類送検しました。

高知県警察本部の監察課は「公金を適正に取り扱うべき立場にある警察として重く受け止めている。信頼の回復に向け全力で取り組んでいく」としています。

警察官も年間に何件かは不祥事が出てきますね。

そもそも、なぜ警察官になったのでしょうか?

人手不足で採用が難しいとは思いますが、資質を見極めることは大事だと思いますし、継続的な教育も必要なんでしょうね。

どうやって『信頼の回復に向け全力で取り組んでいく』のか、具体的な施策が気にはなります。

うそ報告で勤務手当て不正受給した警察官を停職及び書類送検としたことについて、あなたはどう思われましたか?


東京女子医科大学元理事長の関係先から4億円相当の現金や金塊を押収!

毎日新聞によると、東京女子医科大(東京都新宿区)を巡る資金流出事件で、背任容疑で逮捕された元理事長の岩本絹子容疑者(78)の関係先から、約4億円相当の現金や金塊が見つかっていたことが、捜査関係者への取材で判明しました。

警視庁捜査2課は、岩本容疑者が大学から多額の資金を自らに還流していたとみて関連を調べています。

事件を巡り、警視庁は2024年3月、一般社団法人法違反(特別背任)の疑いで、大学本部や岩本容疑者の自宅などに1回目の家宅捜索に入いりました。

捜査関係者によると、その後、2024年7月に岩本容疑者が経営する産婦人科医院の関係者が住む東京都港区のマンション一室を捜索したところ、納戸にあったスーツケースから、帯封が付いた状態の1万円札の束や金塊2キロを発見しました。

さらに、2か月後に岩本容疑者宅の2回目の捜索をした際は、寝室で現金約1,350万円や金塊が見つかり、産婦人科医院に置かれたスーツケースに約3,500万円が保管されていました。

これらの捜索で見つかった現金は約2億円で、金塊も約2億円相当に上り、警視庁が押収しています。

岩本容疑者は、大学の新校舎2棟の建設工事で2018年7月~2020年2月、1級建築士の男性(68)に、業務実態のない「建築アドバイザー報酬」を支払うなどし、大学に計約1億1,700万円の損害を与えた疑いで逮捕されました。

報酬は、岩本容疑者の指示で開設された男性名義の口座に振り込まれていたようです。

男性は報酬から税金を差し引いた額のうち、3分の1を手数料として受け取っていたとされます。

残り3分の2の計約3,700万円は、当時大学の経営統括部次長で岩本容疑者の側近とされる女性(52)と東京都江戸川区の東京メトロ・葛西駅周辺で定期的に落ち合い、紙袋に入れた現金で手渡していたとみられます。

女性はその現金を岩本容疑者に渡したとされ、女性の携帯電話のメッセージにはこういった経緯が残っていたとされます。

警視庁は、岩本容疑者があらかじめ分配額を決め、不正な資金の移動が発覚しないよう現金でのやり取りを指示したとみています。

還流された現金は、ブランド品の購入などに充てた可能性があるようです。

大学が設置した第三者委員会は、大学発注工事の元請け業者に支払われた工事費のうち1億数千万円が2016~2023年ごろ、岩本容疑者の側近の女性が管理する会社に渡っていたなど、複数の不透明な資金移動を認定しています。

警視庁は、押収した金品の出所など資金の流れを詳しく調べています。

岩本容疑者は2023年4月、大学の同窓会組織「至誠会」の臨時総会で「大学と至誠会に対して、損害与えるようなことはあり得ない」と話していました。

僕自身あまり記憶にないですが、女性でこのようながめつい方は珍しいように思いますね。

こういう大学にもおそらく国から補助金が出ていると思いますが、腹立たしいです。

やはり、ガバナンスは重要ですね。

一方で、1級建築士の男性は、どういった経理処理や申告をしていたのかにスゴく興味があります。

東京女子医科大学元理事長の関係先から4億円相当の現金や金塊を押収したことについて、あなたはどう思われましたか?


警察手帳を見せ郵便局から700万円“詐取”で起訴の神奈川県警警察官を懲戒免職処分!

テレビ朝日によると、神奈川県警横須賀署の警察官が偽造した書類を使って郵便局から現金700万円をだまし取ったとして逮捕・起訴された事件で、神奈川県警は、先日、この警察官を懲戒免職処分としました。

横須賀警察署地域課の巡査長(36)は2024年5月、横須賀市内の郵便局で偽造した委任状と払い戻し請求書などを提出するとともに、警察手帳を見せて現金700万円をだまし取った疑いで逮捕・起訴されました。

神奈川県警によると、この事件の捜査の過程で、巡査長が横須賀南警察署に所属する男性巡査長(40)に依頼し、2人で郵便局を訪れて一緒に警察手帳を見せていたことが分かったということです。

これを受けて神奈川県警は、先日、巡査長を懲戒免職処分、男性巡査長を戒告処分としました。

加藤秋人監察官室長は「被害者、関係者をはじめ、県民の皆様に深くおわび申し上げます。職員に対する業務管理をより徹底し、信頼の回復に務めて参ります」とコメントしています。

警察官が委任状を持って払い戻し請求などをすることがあるんですかね?

最近は警察を装った詐欺が増えているようですが、複数の警察官が警察手帳を見せると、詐欺とは思わず、信じる人がほとんどでしょうね。

バレないとでも思っているのでしょうか?

どういう気持ちで、警察官になったんでしょうね。

本当に、誰を信じて良いのか分からない時代になってしまいましたね。

警察手帳を見せ郵便局から700万円“詐取”で起訴の神奈川県警警察官を懲戒免職処分としたことについて、あなたはどう思われましたか?


愛媛県松山市が勤務時間中にジム通いの作業主任を懲戒免職処分!

NHKによると、愛媛県松山市は、55歳の作業主任が勤務時間に職場を離れてスポーツジムに通っていたとして、懲戒免職の処分にしました。

懲戒免職の処分を受けたのは、松山市市街地整備課の総合公園分室の作業主任(55)です。

松山市によると、作業主任は2021年4月から2024年11月までの期間中、回数にして633回、658時間余りにわたって勤務時間中にも関わらず職場を離れ市内のスポーツジムに通っていたということです。

職場を離れていた時間は、給与に換算すると176万円余りに上り、松山市は作業主任に対して全額の返還を求め、作業主任も応じているということです。

2024年8月に松山市に寄せられた情報提供で発覚し、作業主任は松山市の聞き取りに対して職場を離れたことを認めた上で、「腕がしびれる症状があり、スポーツジムでストレッチや温泉に入るために通ってしまった。度が過ぎたことをしてしまい、後悔している」などと話しているということです。

あわせて監督責任として、当時と今の上司にあたる開発建築部や都市整備部などに所属する課長、あわせて4人を戒告に、開発建築部の部長と副主幹を訓告の処分にしました。

松山市の野志市長は「誠に遺憾でありおわび申し上げます。改めて服務規律の徹底と再発防止に取り組んで参ります」とコメントしています。

周りも気づかないのだろうかと思いますね。

一人で作業とかしているのかもしれませんが。

ジムに行くなら仕事が終わってから行けば良いと思いますし、ストレッチがしたいなら家でやれば良いと思いますが、やはり、資質の見極めとか教育とが必要なんでしょうね。

もちろん、業務の管理は必要だと思いますが。

愛媛県松山市が勤務時間中にジム通いの作業主任を懲戒免職処分としたことについて、あなたはどう思われましたか?


昭和産業の元従業員がノートPC転売で1億800万円を着服!

日本経済新聞によると、東証プライム上場の昭和産業は、先日、元従業員が不正に購入したノートパソコンを転売して約1億800万円を着服していたと発表しました。

約1億3,000万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴し、刑事告訴も予定しているようです。

同従業員を懲戒解雇したほか、代表取締役らの月額報酬を20%減額しました。

昭和産業によると、2023年7月に鹿島工場品質管理室で仕入れデータに異常値があることが発覚して社内調査しました。

その結果、元従業員が2013年から2022年にかけ、「品質管理検査に必要な消耗品等の購入」と偽り約1億4,900万円分のパソコンを購入していたことが分かりました。

買い取り事業者に売却して、約1億800万円を着服していたのです。

昭和産業は今回の件を受けて、2024年8月にコンプライアンス向上プロジェクトを設置し、再発防止に取り組むとしています。

東証プライ未上場企業とは言え、まともな内部統制が整備されていないんでしょうね。

どのような役職の方か分かりませんが、購入の稟議、発注、検収、支払、使用(投入)、棚卸、原価計算などの局面で、チェックなどが行われるのではないかと思われますが、約10年に渡り、気づかなかったわけですからね。

ジョブローテーションも行われていなかったのでしょう。

残念ではありますが、性善説は通じない世の中になってきていますので、真剣に、経営者は内部統制について、考え直して欲しいですね。

昭和産業の元従業員がノートPC転売で1億800万円を着服していたことについて、あなたはどう思われましたか?


宮崎県安全協会元職員が免許更新の証紙代横領の罪の起訴内容を認める!

NHKによると、運転免許を更新する際に私たちが支払う収入証紙の売上金を横領した罪に問われている、宮崎県交通安全協会の元職員の初公判が宮崎地方裁判所で開かれ、被告の女性は起訴された内容を認めました。

宮崎県交通安全協会の係長だった被告の女性(50)は、運転免許を更新する際に私たちが購入する収入証紙の売上金を回収して口座に入金する業務を担当していましたが、2023年から2024年にかけて、預かっていた売上金214万円余りを着服したとして業務上横領の罪に問われています。

先日、宮崎地方裁判所で開かれた初公判で、被告の女性は「間違いありません」と述べ、起訴された内容を認めました。

検察は冒頭陳述で、「被告は協会の口座がある金融機関に着いてから横領する分の現金を取り出し、私物のバッグに入れて着服していた。以前の勤め先でも横領をしていて、その分を補てんするために今回の犯行に及んだ」と指摘しました。

宮崎交通安全協会によると、被告の女性は同様の手口で14年間にわたって着服を繰り返し、被害額はおよそ3,000万円に上っています。

検察は被告が横領する金額を差し引いた書類を作って決裁を受けていたと指摘しましたが、長期にわたる不正に気づけなかった協会の管理のあり方も問われています。

以前横領した人を雇って、14年間も気づかないというのがすごいですね。

収入印紙を購入した人数と金額は分かるでしょうから、何もチェックがされていないんでしょうね。

やはり、同じ女性が長年に渡って経理業務をしているそれなりに多額のお金が動く、経営者がいないような組織(公的なところ、業界団体など)は危ないです。

これだけ年間に多数の横領事件が発覚しているわけですから、そろそろ他人事ではなく自分事として、内部統制について、真剣に考えて欲しいですね。

宮崎県安全協会元職員が免許更新の証紙代横領の罪の起訴内容を認めたことについて、あなたはどう思われましたか?


窃盗を受け貸金庫の管理体制を全銀協が各行に点検要請!

日本経済新聞によると、全国銀行協会は会員の銀行に貸金庫の管理体制の点検を求めます。

予備の鍵の管理状況といった不正が生じるリスクがないかなどを調べるように促す通達を出しました。

三菱UFJ銀行の40代女性の元行員が東京都内の2支店の貸金庫で十数億円相当の顧客の資産を盗んだ問題を踏まえ、体制に不備がないか確認します。

通達を受けて各行は貸金庫の管理体制の再確認を進めます。

三井住友銀行やみずほ銀行、りそな銀行は既に調査に着手しています。

三菱UFJ銀行の窃盗問題を受けて顧客の貸金庫サービスへの不信感が高まっており、業界全体で不正のリスクを洗い出す必要があると判断しました。

三菱UFJ銀行では元行員が支店で保管する予備鍵を使って顧客の貸金庫の中身を盗み取り、子会社などによるチェックで使用の形跡を見抜けませんでした。

同じようなリスクの有無などが調査で課題になるとみられています。

貸金庫サービスは3メガバンク合計で約40万件の契約があり、地方銀行や信用金庫でも取り扱いがあります。

全国地方銀行協会の秋野哲也会長(常陽銀行頭取)は、先日の記者会見で「お客さんの信頼を損ない、銀行ビジネスの根幹を揺るがしかねない極めて重大な事案だ」と述べました。

同日に開いた例会で、会員行に対し管理ルールの再点検の徹底を要請したと明らかにしました。

今回の三菱UFJ銀行の事件で、銀行などに対する信頼はかなり損なわれたでしょうね。

個人的には、貸金庫に何を入れているかは銀行などは知らないでしょうから(知っていたらおかしい)、どうやって金額などを算出して、三菱UFJ銀行は補償をするのだろうか?と思っています。

盗んだ元行員の証言や、売却などをしておらず残っているものの確認、消費や売却の証拠などをもとに算出するのでしょうけれど、思い出の品とかプライスレスなものもあるでしょうから、ある程度、貸金庫を借りている人からの申告によることになるのでしょうか?

三菱UFJ銀行の業績悪化は避けられないでしょうね。

窃盗を受け貸金庫の管理体制を全銀協が各行に点検要請をしたことについて、あなたはどう思われましたか?


三菱UFJ銀行員が貸金庫から現金・貴金属を十数億円盗む!

日本経済新聞によると、三菱UFJ銀行は、先日、東京都内の2つの支店の貸金庫から顧客の現金や貴金属を盗んだとして、貸金庫の管理を担当していた行員を懲戒解雇したと発表しました。

三菱UFJ銀行は、盗まれた資産が顧客約60人分で被害総額は十数億円に上るとしています。

三菱UFJ銀行によると、懲戒解雇されたのは、店頭の業務責任者だった行員です。

2020年4月〜2024年10月、練馬支店(旧江古田支店を含む)、玉川支店の2支店で貸金庫を無断で開け、顧客の資産を繰り返し盗んでいました。

2024年10月末に貸金庫を使っている顧客からの指摘によって発覚しました。

行員は一連の行為を認め、「大変申し訳ないことをした」と話しているそうです。

三菱UFJ銀行は問題の発覚を受け、警視庁に相談するとともにすべての支店の緊急点検を実施しました。

2支店のほかに被害は確認されなかったとしています。

「厳格な管理ルールを定めていたが未然防止に至らなかった。事案を厳粛に受け止め、信頼回復に努める」そうです。

ちなみに、貸金庫は個人や法人の顧客の重要書類や貴金属、思い出の品などを盗難や災害から守るため、銀行が金庫を貸し出すサービスで、暗証番号や専用の鍵などによって開閉します。

三菱UFJ銀行ともあろうメガバンクにしては、お粗末な話しですね。

ルールを定めていても盗んでいるということは、ルールや運用に問題があったということでしょうから、内部統制の重要性を認識し、改めて内部統制の整備と運用に努めて欲しいと思います。

どういう緊急点検をしたのか分かりませんが、後日、新たなものが出てこないといいですね。

三菱UFJ銀行員が貸金庫から現金・貴金属を十数億円盗んでいたことについて、あなたはどう思われましたか?


いわき信用組合の大口融資先への10億円超の迂回融資がSNS投稿で判明し会長が引責辞任!

読売新聞によると、いわき信用組合(本店・福島県いわき市)は、先日、旧経営陣が大口融資先に10億円超の迂回融資を行っていたと発表しました。

この不正融資に加え、旧経営陣は元職員の横領を隠ぺいしていたことも判明しました。

この日設けた弁護士らによる第三者委員会で調査し、関係者の刑事告訴などを検討するようです。

いわき信用組合によると、迂回融資は2008年7月頃から2011年頃まで、いわき市内の1社に対して行われました。

この会社の赤字補てんを目的に、同社の役員や親族ら個人名義を使って融資を迂回させていました。

不正融資額は分かっているだけで、10億円を超えるそうです。

このほか、いわき信用組合では、2014年7月に当時の支店係長がギャンブルのために約4,500万円を横領していました。

発覚後も旧経営陣が隠ぺいしていました。

また、2009年6月頃には当時の支店次長が金庫内の現金約20万円を着服しましたが、当時の支店長が本部に報告していませんでした。

先日、上部組織の全国信用協同組合連合会から、SNSに「不祥事を隠蔽している」との投稿があると連絡を受け、内部調査を進めていました。

隠ぺいに関与したとして、江尻次郎会長は引責辞任しました。

記者会見した本多洋八理事長は「発生時の事情を知る者が退任、退職していく中で、次第に『不正』を感知するのが難しくなった」と述べて陳謝しました。

いまだにこういう金融機関があるんですね。

内部統制の不備は経営者の責任だと思います。

本当に、内部統制の重要性を経営者は認識して欲しいですね。

いわき信用組合の大口融資先への10億円超の迂回融資がSNS投稿で判明し会長が引責辞任したことについて、あなたはどう思われましたか?


通勤や帰省に公用車を不正利用した岡山市職員を懲戒処分!

瀬戸内海放送によると、岡山市は県外の実家への帰省などで不正に公用車を利用していた男性職員を減給処分としました。

減給10分の1、6か月の処分を受けたのは、岡山市環境局に所属する副主査級の40代の男性職員です。

岡山市によると、男性職員は2023年12月から2024年9月にかけて市外にある自宅からの通勤や広島県の実家への帰省で所属する課の車を合わせて13回利用しました。

走行距離は約2,100kmです。

2024年9月、金曜日に公用車に給油した職員が週明けに同じ車に乗ろうとした際、ガソリンがほとんどなく走行距離が450kmほど進んでいたことから市が調査し発覚しました。

岡山市によると、公用車の鍵を持ちだすには上司に申請するルールになっていますが、この男性職員は職員であれば誰でも開けることができるロッカーから合鍵を持ち出していました。

男性職員は車を不正利用した際、運行記録に一度も記入していませんでした。

岡山市の調べに対して、男性職員は「バイクで通勤していて寒いときなどに公用車を使ってしまった」「帰省の際もばれないと思った」などと話しているということです。

結構大胆なことをされる方もいらっしゃるんですね。

ばれないと思ったという自信がどこからくるのか知りたいですね。

まぁ、合鍵の管理ができていない、つまり、内部統制が構築できていないことが原因だとは思います。

性善説は通用しない時代になっていると思いますので、その点は理解して、内部統制を構築して欲しいですね。

通勤や帰省に公用車を不正利用した岡山市職員が懲戒処分となったことについて、あなたはどう思われましたか?


JA職員がコメ2,500キロを横流しして100万円を着服!

読売新聞によると、栃木県のJAしおのやは、先日、喜連川地区営農経済センター(栃木県さくら市)に勤務する40歳代の男性職員がコメ約2,500キロを卸売業者に横流しして現金約100万円を着服したと発表しました。

発表によると、男性職員は、先日、喜連川地区営農経済センター管内の鶴ヶ坂ライスセンター(栃木県さくら市)で、袋詰めにされたコメ計84袋を栃木県内の米穀卸売業者のトラックに積み込んで横流ししたのです。

代金を受け取った時期は不明ですが、販売金額は100万8,000円に達するそうです。

コメは本来、JA全農とちぎに出荷する予定だったものです。

男性職員は農家が自家用に保有する「自家保有米」の名目で袋詰めして、鶴ヶ坂ライスセンター内に保管していました。

そして、先日、卸売業者に自ら買い取りを依頼していたのです。

男性職員の行動に不審な点があるとの匿名の通報がJA側にあり、調査しました。

横流し直前には、鶴ヶ坂ライスセンターの担当職員がコメをトラックに積み込む男性職員を発見して制止しましたが、そのまま作業を強行されたようです。

JAしおのやは刑事告発を視野に、「関係機関、弁護士と連携し適切な対応を図っていく」としています。

JAも色々なところで、色々な問題を起こしますね。

JA離れが進んでいる中で、このようなことがあると、ますます信頼を失うのではないかと思います。

教育以前に資質の問題のように思いますが、採用や教育、そして内部統制でこういった事件を防いで欲しいですね。

JA職員がコメ2,500キロを横流しして100万円を着服したことについて、あなたはどう思われましたか?


給食費など約900万円を机に保管し紛失の「誤ってごみに出した」小学校の事務職員を懲戒処分!

TBSによると、茨城県教育委員会は、先日、茨城県内の小学校に勤務する40代の事務職員について、学校の預金口座から引き出した現金900万円あまりを紛失したとして、懲戒処分にしたと発表しました。

先日、停職12か月の懲戒処分を受けたのは、茨城県内の小学校に勤務する40代の事務職員の男性です。

茨城県教育委員会によると、男性は2018年度から2020年度までの間、当時、勤務していたつくば市の市立小学校で、児童会費や給食費を徴収するための預金口座から現金を引き出し、その一部を職員室にある自分の机に保管していたところ、あわせて900万円あまりを紛失したということです。

男性事務職員は聞き取りに対し、「他の書類が入った封筒とともに、誤ってごみに出した」と話しているということです。

つくば市は2023年7月、横領の疑いがあるとして警察に被害届を提出していて、男性は先日、依願退職したということです。

誤ってごみに出したというのは、常識的に考えられないので、おそらく横領なんでしょうね。

口座からどうのような手続きを経て、何の名目で引き出したのか分かりませんが、内部統制というものがないんでしょうね。

やはり、目の前の現預金は横領しようとする気持ち(最初は、借りてすぐに返すというくらいの気持ちかもしれませんが。)が出てくることは避けられませんので、可能な限り、現預金を触らせないように、各学校ではなく、教育委員会などで預金などは管理する方が良いのではないかと思います。

本人が悪いのは間違いないですが、横領できるような状況にいていた学校や教育委員会にも責任があると考えます。

給食費など約900万円を机に保管し紛失の「誤ってごみに出した」小学校の事務職員を懲戒処分にしたことについて、あなたはどう思われましたか?


東京都神社庁が2,580万円の資金を着服した元幹部を横領で告訴!

東京新聞によると、宗教法人「東京都神社庁」(東京都港区、小野貴嗣庁長)が、東京都神社庁の2,580万円の資金を着服したとして、元財務担当幹部の男性(48)=懲戒解雇=を業務上横領容疑で、警視庁赤坂署に告訴したことが分かったようです。

元幹部は事務局長を務めた任意団体「東京都神職教誨師会」(中川文隆会長)の預金600万円を着服した疑いもあり、東京都神職教誨師会が告訴を検討しています。

東京都神社庁は国内最大の神道系包括宗教法人「神社本庁」の地方組織で、東京都内約1,400の神社を取りまとめています。

元幹部は東京都港区内の神社の宮司で、2023年3月まで府中刑務所(東京都府中市)の受刑者に矯正教育を行う教誨師としても活動していました。

東京都神社庁の依頼で弁護士らがまとめた調査報告書によると、元幹部は2020年2月から2022年12月にかけて延べ40回にわたり、東京都神社庁の資金を自身や都神職教誨師会の口座に移して、総額2,580万円を横領した疑いが持たれています。

同月に不正が発覚した際、横領した金を競馬などに使ったと認めて謝罪し、既に全額を弁済しています。

東京都神社庁は2023年1月に元幹部を解雇する一方、懲戒処分は見送りましたが、その後に東京都神職教誨師会の口座悪用と預金着服が判明したため、懲戒解雇処分に改めました。

弁護士らによる調査チームの報告書を受け、2024年6月の役員会で告訴する方針を決めました。

元幹部は現在も宮司にとどまりますが、東京都内の神社関係者からは「神職資格を剝奪されず、堂々と続ける現状は社会正義に反する」と指摘する声もあるようです。

東京都神社庁の小野庁長は東京新聞の取材に対し、今回の資金横領問題について「監督責任は重大で、猛省して再発防止策に取り組んでいる」と説明する一方、元幹部の神職資格の取り扱いに関しては「刑事罰を受けた場合に神社本庁が判断すること」と述べるにとどめました。

この問題を巡っては、内部告発した職員が小野庁長から叱責とパワハラを受けたとして退職しています。

小野庁長は「外部への情報漏えいを叱責したが、それが退職の直接原因ではない」と主張しました。

最近、神社関係のところも、色々とニュースになりますね。

内部統制がきちんと整備・運用されていないというのはあるでしょうけれども、こういう寄せ集めのような組織は危険ということを改めて示したのではないかと思いました。

東京都神社庁が2,580万円の資金を着服した元幹部を横領で告訴したことについて、あなたはどう思われましたか?


1億4,400万円横領の疑いで愛媛県漁協壬生川支所の女性職員を懲戒解雇!

テレビ愛媛によると、愛媛県漁協の壬生川支所の元女性職員が組合員の貯金など約1億4,400万円を横領していたとみられることが分かりました。

愛媛県漁協が、先日、会見を開き、不祥事の発生を謝罪しました。

愛媛県漁業協同組合・平井義則組合長:
「職員による不祥事が発生をいたしました。ここに深くお詫びを申し上げます」

横領の疑いが持たれているのは、愛媛県漁協壬生川支所で会計責任者だった50代の元女性職員です。

愛媛県漁協によると、2024年5月、壬生川支所で約4,100万円が使途不明になっていることが発覚しました。

不明金について当時会計責任者だった女性職員は組合員への貸付けだと説明しましたが、組合員はこの事実を否定しました。

さらに調査を進めたところ、壬生川支所の13人の貯金口座から過去10年間に約1億300万円が無断で解約・出金されていたことが分かりました。

この女性職員は2024年7月に懲戒解雇され、警察への説明に対し着服したことをほのめかしているということです。

愛媛県漁協は警察の捜査を踏まえて、元女性職員に対し告訴や損害賠償請求をする方針です。

10年間も気付かないというのはスゴイですね。

内部統制というものが存在しないんでしょうね。

今回も、長年経理を担当していた女性だと思いますが、いくつか支所などがあるのであれば、数年ごとに異動をさせることにより防げるのではないかと感じました。

きっかけや手法も知りたい事件でした。

1億4,400万円横領の疑いで愛媛県漁協壬生川支所の女性職員を懲戒解雇したことについて、あなたはどう思われましたか?


兵庫県立大の元嘱託員が600万円余りを着服!

NHKによると、兵庫県立大学の元嘱託員が、教員たちに支払われる研究費の架空の請求書を作るなどして、合わせて600万円余りを着服していたことがわかりました。

研究費を着服していたのは、兵庫県立大学神戸商科キャンパスで2018年11月から2023年10月末まで、経理を担当していた58歳の女性の元事務嘱託員です。
大学によると、元嘱託員は海外から訪れた研究者の旅費として架空の請求書を作成したり、研究に協力した学生に謝礼として渡す図書カードを不正に発注して換金したりして、勤務していたおよそ5年間に、合わせて89件604万円余りを着服したということです。

退職したあと、図書カードを納品した業者から大学に「支払いがない」と問い合わせがあり、着服が発覚しました。

研究費は独立行政法人から出されていて、大学は法人に不正を報告するとともに、私文書偽造や詐欺などの疑いで、元嘱託員を刑事告発する準備を進めています。
 

大学の調査に対して元嘱託員は着服を認め「金に困っていた。迷惑をかけて申し訳ない」と話しているということで、大学は元嘱託員の上司だった2人を戒告の懲戒処分としました。
 

兵庫県立大学の田中建一 事務局副局長は「不正を防げず処分者を出してしまい、たいへん反省しおわびいたします。再発防止に努力します」と述べました。

業者から言われて気付くくらいですから、内部統制というものがないんでしょうね。

嘱託の方に資金をさわらせて良いのかという気はしますし、さわらせるとなると、きっちりと内部統制を構築していないと、同じことが繰り返されるのではないかと思います。

あと、コスト削減のため嘱託の方を採用されているのではないかと思いますが、はたしてそれが良いのだろうか?と疑問も感じますね。

兵庫県立大の元嘱託員が600万円余りを着服していたことについて、あなたはどう思われましたか?


広告の元幹部が業者から不正にキックバックで遊興費などに流用!

瀬戸内海放送によると、セーラー広告(本社:うどん県高松市)は、元徳島支社長が、発注先に水増し請求をさせて代金の一部を不正にキックバックさせていたと発表しました。

この元支社長は、既に懲戒解雇されています。

セーラー広告では、外部からの通報を受けて、2024年5月に社内調査委員会を設置し調査を進めていました。

調査結果によると、元徳島支社長は、デザインなどの仕事を業者に発注する際、一次請けの業者から二次受けの業者に正当な代金を支払わせ、一次請けの業者には水増しした額を会社に請求させるなどして、その差額からキックバックを要求していたということです。

被害額は、確認できた2021年4月から2024年3月までの3年間で約417万円だということです。

元支社長は、キックバックされた金を私的な飲食やゴルフに使ったそうです。

セーラー広告は、社内のコンプライアンス意識の向上や、発注内容を支社長以外も確認するなどの再発防止策をまとめ、元徳島支社長に対しては、刑事告訴や損害賠償請求を検討しているということです。

上場企業としては、お粗末な感じがしますね。

内部統制がきちんと整備・運用できていないということでしょうから。

結局、会社がその分高く支払っていることになりますし、取引先もキックバック分の扱いに困ると思います。

キックバック分の支払いのために裏金を作らないといけないようになると、取引先も不正を行わなくてはなりませんから。

こういうことが、起こらないように内部統制を整備・運用するのはもちろんですが、今回のような通報が一般的に行われるようになって、通報したとしても取引がなくならない、むしろ感謝されるような社会になって欲しいなぁと思います。

今回も思いましたが、おそらく元支社長は自分のことを偉いと思ってキックバックを要求したのだと推測されますが、取引先は本人ではなく、その会社のそのポジションの人に近づこうとしているということを勘違いせずに認識して欲しいですね。

個人的には,大企業を辞めた人が起業しても上手くいかないことが多いのは、ここに理由があると思っています。

セーラー広告の元幹部が業者から不正にキックバックで遊興費などに流用していたことについて、あなたはどう思われましたか?


飲食費支出などめぐりJFしまね会長に松江地裁が4千万円の賠償命令!

朝日新聞によると、不適切な会計支出などで漁業協同組合JFしまね(島根県松江市)が損害を受けたとして、組合員35人が組合の岸宏会長に対し約1億741万円の損害賠償金を組合に支払うよう求めた組合員代表訴訟の判決が、先日、松江地裁でありました。

三島恭子裁判長は、組合員の主張を一部認め、岸会長に約4151万円を支払うよう命じました。

訴状などによると組合員側は、

・小売り大手への視察などの名目で2008年8月以降、業務上必要のない飲食費や旅費などが旅費規程を超えて約5,558万円が岸会長に支払われた

・岸会長は2013年に閉店した組合直営の鮮魚販売店の預金残高1,500万円の会計処理を怠って所在不明にした

・岸会長は法人・消費税の申告・納付の決裁を怠り約1,444万円の加算税・延滞金が発生した

などと訴えていました。

一方、岸会長は訴訟の中で、「取引にはトップセールスが必要」と視察にかかった費用は必要経費だったと反論しました。

また、鮮魚販売店の閉店時の預金残高は「未払い代金などに充てた」などと主張していました。

この日の判決で三島裁判長は、視察時の飲食費などは私的なものだったと認定しました。

税務申告・納付をめぐっても組合に損害を与えたとして、岸会長に計約4,151万円の損害賠償を命じました。

鮮魚販売店の会計処理については、所在不明金はないと判断しました。

原告の1人の福田薫理事は、判決後に会見し「判決を真摯(しんし)に受け止めて(損害賠償を)受け入れてもらいたい」と話しました。

一方、組合は「主張が認められなかった部分は控訴する」との岸会長コメントを発表しました。

トップセールスが必要だとしても、証拠はきちんと残す必要があるのではないでしょうか?

組合みたいなところも従業員の方の横領や、役員の私的なものの支払いの事件も多いですね。

役員が非常勤とかで関係が希薄だったり、トップが力を持っていると危険ですので、内部統制をきちんと構築し、また、役員もきちんと手続きを踏んだうえで業務を執行するようにしないといけないですね。

飲食費支出などめぐりJFしまね会長に松江地裁が4千万円の賠償命令があったことについて、あなたはどう思われましたか?


顧客に定期預金持ちかけ偽造証書渡した九州ひぜん信用金庫の元役員が4,300万円を着服!

読売新聞によると、九州ひぜん信用金庫(本店・佐賀県武雄市)は、先日、元役員の男性が、定期預金として顧客から預かった現金約4,300万円を着服していたと発表しました。

発表によると、男性は2000年4月7日から2024年3月12日までの間、顧客に定期預金作成を持ちかけ、5人から預かった計約4,300万円を着服していました。

偽造した証書を交付して、隠ぺいしていたようです。

男性は退職し、2024年3月、顧客の1人が定期預金解約のために長崎県佐世保市の九州びぜん信用金庫本島支店を訪れ、偽造した証書を提示したことから発覚したそうです。

金はパチンコや外食費に使用しており、「申し訳ないことをした」と着服を認めています。

男性とその家族が一部を返済し、残りを九州びぜん信用金庫が立て替えて支払いました。

既に長崎県警に相談しており、刑事告訴するかどうかは検討中だそうです。

九州びぜん信用金庫は、「再発防止を講じ、内部管理態勢強化を図る」などとしています。

偽造できるような状況だったので、内部統制に不備があるんでしょうね。

当然、いつかバレると思いますが、なぜそのまま退職したのでしょうか?

こういう人が役員をしていたのですから、根本的なところから変えないと、また同じようなことが起こるような気がしますね。

顧客に定期預金持ちかけ偽造証書渡した九州ひぜん信用金庫の元役員が4,300万円を着服していたことについて、あなたはどう思われましたか?


ニデックが2期分で純利益82億円の下方修正!

日本経済新聞によると、ニデックは、先日、過去に公表した有価証券報告書と決算短信の一部を訂正すると発表しました。

減速機を手掛ける子会社ニデックドライブテクノロジーによる売上高計上などにミスが見つかり、2023年3月期と2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)を計82億円下方修正しました。

ミスを防ぐための内部統制に不備があったことを認め、再発防止に努めます。

2023年3月期の有価証券報告書と、2022年4〜6月期から2023年10〜12月期までの四半期報告書、2024年3月期の決算短信などを訂正しました。

2年間の連結決算における下方修正は売上高が138億円、営業利益は104億円です。

金額の大半は2023年3月期が占めています。

訂正により、2023年3月期の売上高は前の期比16%増の2兆2,300億円、営業利益は47%減の899億円になりました。

従来発表に比べ、それぞれ127億円、101億円下振れしました。

グループ間の取引を伴う売上高などの連結調整の一部で誤認があったそうです。

2024年5月に入り、会計監査人であるPwC Japanと連結調整にかかわる処理を再確認するなかで発覚しました。

ニデックは「多大なご迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」とコメントしました。

原因については「組織間でのコミュニケーション不足により、決算処理に関するモニタリング体制が不十分だった」としています。

ニデックは2023年、分配可能額を超えた配当を2022年4〜9月期に実施していたと発表しました。

内部統制に課題が残るとみられがちな中で、今回の事案が判明しました。

信頼回復へ実効性のある対策が求められます。

また、自社株取得枠の設定期間の延長も、発表しました。

新しい設定期間は2024年5月27日〜2025年5月26日で、発行済み株式数(自社株除く)の0.87%に当たる500万株を上限に最大350億円の自社株買いを実施します。

株主還元を手厚くし、資本効率の改善につなげます。

買収などでニュースになることの多いニデックですが、まぁまぁインパクトのある下方修正ですね。

個人的には、後継者がなかなか決まらず、結構売上高や利益に対してのプレッシャーのある会社ではないかと思っていますが、色々と変わるチャンスかもしれませんね。

上場企業ゆえ、内部統制をもっと重視してほしいと思います。

ニデックが2期分で純利益82億円の下方修正を行ったことについて、あなたはどう思われましたか?


横領額”3億5,000万円”元社員の男を業務上横領で再逮捕!

ネットバンキングを利用して、会社から現金約354万円を横領したとして北海道小樽市の製缶工場の経理担当だった元社員の男が、先日、再逮捕されました。

業務上横領の疑いで再逮捕されたのは、小樽市の元社員(47)です。

元社員は小樽市の昭和製器の経理担当でした。

警察によると、2021年1月13日ごろから27日ごろまでの間、ネットバンキングを利用して会社の預金口座から自身の預金口座に5回にわたり送金させ、現金合計約354万円を横領した疑いが持たれています。

警察の調べに対し元社員は「弁解することはありません」と話し、容疑を認めています。

会社側によると、2015年からの8年半で、元社員が会社の預金3億5,000万円を横領したとして懲戒解雇処分していて、警察は余罪を調べています。

この手の事件もよくありますが、いつも、会社の経営者は気付かないのだろうか?と疑問に思います。

今回も、8年半で3億5,000万円ということは、年間平均4,000万円を超えていますから。

儲かっていて、資金繰りに余裕のある会社なんでしょうね。

親会社は東証プライム上場企業のようですが、内部統制が整備されていないということでしょう。

東証プライムにはふさわしくない企業グループのように感じますね。

横領額”3億5,000万円”元社員の男が業務上横領で再逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


国税局からの「重加算税」通知が発覚のきっかけに学校法人理事長を私的流用で解任!

CBCテレビによると、学園の運営資金を私的に流用し、理事長が解任されました。

20日解任されたのは高山西高校などを運営する、岐阜県高山市の学校法人飛騨学園の下屋浩実前理事長(63)です。

飛騨学園によると、2023年12月、名古屋国税局から飛騨学園宛てに下屋前理事長の重加算税などに関する通知が届いたため学園が調査したところ、下屋前理事長の私的流用が確認されたということです。

これを受け、飛騨学園は、先日の緊急理事会で下屋理事長を解任しました。

名古屋国税局の調査に対し、下屋前理事長は私的流用を認めているということです。

飛騨学園は私的流用の金額や期間について明らかにしていません。

学園は再発防止に努めるとともに、前理事長に私的流用した資金の返還を求めていくとしています。

何をしていたのか知りたいですね。

日本大学の問題で、ガバナンスの重要性が叫ばれていると思いますが、なぜ詳細を公表しないのでしょうか?

補助金とかを受けて経営をしているわけですから、きちんと説明してほしいですね。

内部統制が機能していないということでしょうから、内部統制の重要性を認識するとともに、対応策もきちんと考えないといけないですね。

国税局からの「重加算税」通知が発覚のきっかけに学校法人理事長を私的流用で解任したことについて、あなたはどう思われました?


沖縄地方協力本部所属の自衛官が発注書を偽造してテレビなど転売し着服の疑いで再逮捕!

琉球新報によると、自衛隊沖縄地方協力本部に所属し会計担当を務めていた20代男性自衛官が、自衛隊名義の発注書を偽造して受け取った物品を転売し、現金を着服したとして逮捕・送検された件で、別の着服事案に関与したとして、自衛隊の警務隊が先日までに詐欺の疑いで自衛官を再逮捕したことが分かったようです。

警務隊は11月20日に自衛官を逮捕し、同21日に那覇地検に送致しました。
那覇地検は12月11日に処分保留で釈放しましたが、警務隊が同日に再逮捕しました。

沖縄地方協力本部は今後、男性自衛官の処分を検討するとしています。

関係者によると、男性自衛官は1年以上前から自衛隊の部隊名義で発注書を偽造してテレビなどの注文を繰り返し、リサイクルショップなどで転売していました。

被害総額は2千万円超に上る可能性があるそうです。

内部統制というものは存在しないんでしょうね。
これだけ世の中で、横領事件が起こっているわけですから、そろそろ、国や地方自治体でも、真剣に内部統制について考えてほしいですね。
ただでさえ人材不足の時代に、内部統制をきちんと構築していれば守ることのできた職員も失うことになりますので。

沖縄地方協力本部所属の自衛官が発注書を偽造してテレビなど転売し着服の疑いで再逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


NHK報道局職員の不正な経費請求は410件789万円と発表!

スポニチによると、NHKは、先日、報道局の複数の記者による不正な経費請求が見つかったと公表しました。

NHKの公式サイトに「報道局職員の不正な経費請求に関する調査報告書」などを掲載しました。

それによると、懲戒免職のNHK元記者の不正請求は410件で789万円に上ったと発表しました。

不正請求をめぐっては、2023年11月2日に、30代の報道局記者が私的な飲食を「取材」として、2020年7月から2023年5月にかけて合計12件、およそ34万円を不正に経費請求していたことが判明し、同日付でこの記者を懲戒免職にしていました。

この日は、経費手続きで内規を逸脱した運用を続けるなど不正請求が繰り返される事態を招いたとして、2018年以降に報道局社会部長を務めた3人を停職1か月とし、全員現職を解任しました。

前任の報道局長を減給、2018年以降に報道局社会部庶務担当基幹職を務めた5人をけん責としました。

会長から、当時の報道局長を務めていた役員2人に対して厳重注意を行ったほか、小池英夫専務理事と根本拓也理事がそれぞれ役員報酬の10%を1か月、自主返納しました。

報告書では、記者による不正請求の実態も明らかになりました。

記者は打ち合わせについて手書き領収書や明細のない印字領収書を悪用、不自然な参加人数、氏名を偽ったほか、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言期間中などにも134件の打ち合わせを経費請求。取材先ではない知人との飲み会などを繰り返していたと認められ、うち84件が不正請求とみなされました。

また、取材先との打ち合わせを行う場合は事前に申請書類(伺票)を提出して局長や部長に許可を得る必要がありましたが、社会部では「庶務担が日常的に部長決定印を管理し、特別な場合を除き自らの判断で部長決定印を押していた」とずさんな管理体制も明るみになりました。

1人1万円以下の伺票は部長のチェックや決定を経ることなく「庶務担のチェックのみで経理担当者に回付されるという運用が恒常化していた」と指摘しています。

部長経験者の中には在任中に部長決定印を押した記憶がないという者もいたといい、報告書では「こうした運用は社会部で長期間にわたって続けられてきたとみられる」としています。

同様の不正がないか、過去7年間を対象に調査したところ、他に2人が不正行為を行っていたことも新たに発表されました。

NHKはこの問題で、外部有識者からなる第三者委員会を設置し、指導や助言を受けながら調査を進めていました。

不正と認められたものについては、全額弁済させることにしていると発表していました。

NHKが発表したコメントは、以下のとおりです。

受信料で支えられているNHKの職員として許されない行為であり、報道という中核において、取材と称した不正な経費請求が行われていた事は、NHKに対する信頼を大きく損ねるもので、視聴者の皆様に深くお詫びいたします。今回の事案を深く反省し、管理監督をするなど再発防止策に取り組んでまいります。

NHKは、子会社を含めて過去からかなりの数の不祥事が起こっていると思いますが、いまだに続いているということは、内部統制を構築するという気が経営者にないのでしょうか?

個人的には、受信料を放っていおいて入ってくるものだという認識があるから不祥事がいつまでも続くわけであり、そもそもNHKの存在意義はあるのだろうかと疑問に思っていますので、ゼロベースでNHKの在り方について真剣に議論してほしいなぁと思います。

NHK報道局職員の不正な経費請求は410件789万円と発表したことについて、あなたはどう思われましたか?


「JRホテルクレメント高松」の従業員がポイントを不正に受け取り!

NHKによると、我が香川県高松市の高松駅前にある「JRホテルクレメント高松」のレストランの従業員が、客が支払ったお金や会員カードのポイントを不正に受けとっていたことが分かったようです。

ホテルは謝罪するとともに、対象者へ全額を返還するとしています。

これは、ホテルを運営するJR四国ホテルズが記者会見を開いて明らかにしたものです。

それによると、JRホテルクレメント高松の20階にあるレストラン「フィオーレ」で接客や会計を担当していた20代の女性従業員が、2023年10月10日から11月12日にかけて、客が支払ったお金や会員カードのポイントを不正に受けとっていたということです。

会計の際に

▽実際よりも多い金額を伝える手口で、あわせて14件、金額にして4万340円を不正に受け取ったほか、

▽利用額の3%が付与される会員カードを提示した客に対しポイントを付与せずに自分のカードに付ける手口で、あわせて2件、809ポイントを受け取っていました。

このほか、

▽会員カードを持っていない客が会計する際にも、機器を不正に操作して自分のカードにポイントを付与していて、こうしたケースがあわせて36件およそ1万5,500ポイント確認されました。

2023年11月15日に、この従業員が客として店に訪れた際、およそ1万3,000円分を自分の会員カードのポイントで支払ったことを不審に思い、調査したところ不正が発覚したということです。

女性は会社の調べに対し、「生活費の一部にあてた。もし客に指摘されたら計算を間違えたと答えるつもりだった」と話しているということです。

全額を返済する意思を示していることから、会社は刑事告訴をしないとしています。

今後、該当する客に全額を返金するとしていますが、連絡が取れない人もいるということで、心当たりのある人はホテルに連絡するよう呼びかけています。

JR四国ホテルズの矢田栄一社長は、「再発防止と社員指導の徹底を図り、信頼回復に努めたい」と話しています。

不審に思った従業員は鋭いなぁと思いました。

確かに、3%のポイント付与で13,000ポイントを貯めようと思ったら、43万円以上支払わないといけないですからね。

一方で、内部統制に不備があったわけですから、内部統制をきちんと構築してほしいですね。

今回の事件で、お客さんの信頼を失っているでしょうから。

「JRホテルクレメント高松」の従業員がポイントを不正に受け取っていたことについて、あなたはどう思われましたか?


常陽銀行の女性行員が顧客預金記録を改ざんして5,400万円を着服し懲戒解雇処分!

毎日新聞によると、常陽銀行(茨城県水戸市)は、先日、境支店(茨城県境町)に勤務していた40代女性行員が顧客による払い戻しを装い銀行の資金約5,400万円を着服していたと発表しました。

常陽銀行は、女性を懲戒解雇処分としました。

常陽銀行によると、女性は2022年4月から境支店で「店頭営業係」として勤務し、預金と預かり資産に関する業務を担っていました。

2022年7月~2023年10月ごろ、5人の客の預金記録を不正に改ざんし、現金計5,398万円を着服しました。

記録はすでに復元され、客に実害は生じていないそうです。

先日、5人のうちの1人が店頭窓口を訪れ手続きをする中で、過去に不正な引き出しがあった疑いが生じ、発覚しました。

内部調査によると、着服金は生活費や借入金の返済などに充てたとみられます。

500万円は弁済されたものの、残りは回収の見込みが立っておらず、常陽銀行は、境署に被害届を提出しました。

常陽銀行は、現金支払いの事務を見直す方針です。

どのような手口か分かりませんが、窓口の女性が着服できるくらいですから、内部統制がきちんと構築できておらず、これだったら簡単に着服できると思って5,400万円にも上ったのではないかと思います。

これだけ世の中で着服がたくさん起こっており、金融機関での着服も多いわけですから、経営者の方々も内部統制の重要性をきちんと理解して、一度構築すればよいというものではなく、絶えず見直すということをしないと、いつまで経っても着服はなくならないのではないでしょうか?

常陽銀行の女性行員が顧客預金記録を改ざんして5,400万円を着服し懲戒解雇処分となったことについて、あなたはどう思われましたか?


業務上横領の疑いで逮捕・起訴の男性をさらに1億2,300万円横領の疑いで再逮捕!

四国放送によると、勤めていた会社の口座から金を引き出して着服したとして業務上横領の疑いで逮捕され、先日起訴された徳島県鳴門市瀬戸町の元会社員の60歳の男性が、さらに1億2,300万円を横領していた疑いで、再逮捕されました。

警察によると、男性は2018年1月から2021年11月にかけ、当時勤めていた徳島日野自動車の口座から41回にわたって合計1億2,300万円を引き出し着服した、業務上横領の疑いがもたれています。

犯行当時、男性は会社の経理責任者の立場でしたが、2021年の社内調査で横領が発覚し、2022年7月に懲戒解雇されています。

男性は、2017年1月から12月にかけて、徳島日野自動車の口座から3,900万円を横領した罪で、先日起訴されています。

徳島日野自動車では、男性が約5億6,400万円を横領したとして損害賠償を求める訴えを起こしています。

警察は余罪がないか、引き続き調べを進める方針だそうです。

5億6,400万円も横領されていて、何年も気付かないというのは、どうなんでしょうね。
よっぽど儲かっていて、資金的に何ら困っていないのかもしれませんね。
内部統制が構築されていないのは明白でしょうから、経営者は内部統制の重要性をきちんと認識してほしいですね。
きちんと内部統制を構築していれば、横領され、逮捕者を出すことはなかったわけですから。
どういった手法で5億6,400万円も横領したかを知りたいですね。

業務上横領の疑いで逮捕・起訴の男性をさらに1億2,300万円横領の疑いで再逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


カラ出張が7年で755回のイトーヨーカ堂元社員を詐欺容疑で逮捕!

朝日新聞によると、総合スーパーを運営する「イトーヨーカ堂」から出張の名目で新幹線の乗車券などをだまし取ったとして、警視庁は、先日、イトーヨーカ堂の元社員を私電磁的記録不正作出・同供用と詐欺の疑いで逮捕したと発表しました。

元社員は「間違いありません」と容疑を認めているそうです。

麴町署によると、イトーヨーカ堂の元社員はイトーヨーカ堂営業本部の販売促進部で管理職の「マネジャー」だった2022年1月ごろ、青森や大阪などへの架空の出張情報を社内システムに入力し、新幹線のチケット計24枚(計約19万円相当)をだまし取った疑いがあります。
実際に出張はせず、チケットを換金して着服したと麹町署はみているようです。

麹町署は、イトーヨーカ堂の元社員が2015年4月から2022年3月までの約7年間で、逮捕容疑も含め架空出張を755回繰り返し、計約2,400万円相当のチケットをだまし取ったとみています。
全国の店舗の改装に関する打ち合わせという名目が多かったそうです。

社内調査で発覚し、イトーヨーカ堂は2022年5月に懲戒解雇し、翌6月に警視庁に相談していました。
社内調査に換金や着服を認め、「生活費や趣味にあてた」と話していたそうです。

出張の申請とか承認とか報告はないのでしょうか?
もっと早く気付けたように思いますが、内部統制が機能していないんでしょうね。
イトーヨーカ堂のニュースリリースを見ても出ていないように思いますが、内部統制の重要性をもっと理解して欲しいなぁと思いました。

カラ出張が7年で755回のイトーヨーカ堂元社員を詐欺容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


香川県三木町のふるさと納税の担当職員が返礼率6割の食料品を不正取得し免職!

朝日新聞によると、ふるさと納税のシステムを不正に操作して、国の基準を超えた高い割合の返礼品を受け取ったとして、香川県三木町は、先日、課長補佐級の男性職員(46)を懲戒免職処分にしたと発表しました。
この職員は、三木町のふるさと納税に関わる業務を担当していました。

三木町によると、職員は2019年1月から2021年3月まで、ふるさと納税の返礼品を指定する際、不正にシステムを操作し、自身や妻の名義で計7回、寄付額に対する返礼品の割合が町が認めていない6割以上の物品を受け取ったそうです。

国は2019年に返礼品の割合を寄付額の3割以下としましたが、職員はシステムのリストに残っていた返礼率6割以上7割未満の品を選び、業者へ発注していました。
いずれも食料品(計約23万円相当)でした。

2023年6月のふるさと納税の現況調査をきっかけに発覚しました。
職員は三木町の聞き取りに対し、「返礼率が引き下げられ、収入が少なくなる業者に負い目があり、担当としてできることをした」と釈明しているそうです。

三木町は伊藤良春町長と高西功副町長もそれぞれ10%の減給処分(1か月)とする方針だそうです。
この職員の上司に当たる課長級職員(55)も戒告とし、関係する職員6人を書面訓告や口頭厳重注意としました。

三木町役場で会見した伊藤町長は「町民の信頼を著しく損ない、心からおわび申し上げる。再発防止に向けて、町民の信頼回復に全力で取り組む」と話しました。

職員が事実を認め、全額を弁済していることなどから、刑事告発はしないそうです。

ふるさと納税は色々とルールが変わっているので、こういったことが起こるんでしょうね。
こういうことで、懲戒免職になるのも残念ですね。
不正にシステムを操作できるということは、内部統制が構築されていないということでしょうし、三木町も内部統制について考えないといけないでしょうね。

香川県三木町のふるさと納税の担当職員が返礼率6割の食料品を不正取得し免職になったことについて、あなたはどう思われましたか?


NHKで“エース記者”のセコすぎる不正経費請求が発覚!

デイリー新潮によると、NHKは、先日、報道局の職員による不正な経費請求が発覚したと発表しました。
詳細については調査中としていますが、不正が疑われているのは社会部所属のX記者(30代)で、局内では「懲戒免職は免れないだろう」と言われているようです。
社会部の花形部署をわたり歩き、“エース記者”と呼び声が高かった男が手を染めたセコすぎる「業務上横領」の手口とはどういうものだったのでしょうか?

「Xという社会部の記者が『162』の件で『リスク管理室』から事情聴取を受けている」という噂は2週間くらい前からNHK局内に流れ、社外にも漏れ伝わっていたようです。
162とは、NHK内の経費精算で、取材先との飲食費を申請する際に使うコード名だそうです。
リスク管理室とは、局内コンプライアンスを統括している不祥事を調査する部署です。

「162を主に使うのは、東京の社会部や政治部など、会食が取材に不可欠な部署。Xは警視庁を担当するようになった数年前から162を使うようになったのですが、いつしかエスカレートしてしまい、同僚や友人との飲み会、挙句、自宅近くの焼き鳥屋での一人飲みの精算にまで使っていたと言われています」(NHK関係者)。

発覚のきっかけは、同僚だったとされています。「他部署の職員がXやXの知人と飲食した時、Xが『いいよ、これ162で落とすから』と平然と領収書を切っていた。そんな使い方まずいだろうと部内で話題になり、それを聞きつけたある職員がリスク管理室に通報したことで調査が始まった」ようです(同)。

そして、リスク管理室が、X記者が過去に申請した162を徹底して調べたところ、同僚との飲み食いも経費申請していたことが発覚し、その一人ひとりを呼び出して話を聞くと、「『あの時は会費制だった』という声まで出始めたようです。
つまり、Xは会合参加者から募った会費をポッケに入れ、さらに会社にまで請求する二重取りまでしていたのです。
Xは事情聴取でこの点を突き詰められると、『こっちのテーブルでは同僚と飲んでいたが、別のテーブルに取材先がいて、会社に出した領収書はあっちのテーブルの代金』などと苦しい言い訳をしていたようです。Xが使っていた162は多い年で年間300万円以上に及ぶそうです」(同)。

実は今回の不祥事が発覚する半年ほど前にも、やはり社会部のYという女性記者にも同様の不正経費利用疑惑が浮上したことがあったようです。
局内関係者に言わせると、「162高額利用者ランキングのナンバー1がX。2位がY」。
しかしながら、Y記者の場合は「付箋」を貼って経費処理していたことが理由で調査が難航し、結局、「嫌疑不十分」でお咎めなしになったそうです。

「会食相手が隠したいネタ元、例えば警察幹部ではなくヒラの刑事などの場合、同席者の名前を『付箋』に書いて貼って出すワザが認められています。Yの場合、付箋に書いてあった相手の名前が実在するかどうかまでは調べきれなかったからセーフとなった。一方、Xは同僚や後輩が同席していたケースが複数あったため、不正が突き詰められてしまったわけです」(同)。

つまり、今回の話は氷山の一角で、他にもNHK局内で接待・交際費の私的利用が蔓延している可能性もあるようです。
局内では、これから社会部記者が出した過去4年分の経費申請を洗いざらい調査すると言う話も持ち上がっているそうです。

X記者の入局は2012年。
鳥取支局、さいたま支局を経て、東京社会部に上がり、警視庁捜査一課担当、警察庁担当、宮内庁担当を歴任してきました。
ある同僚記者は「当局取材が好きな、昔ながらの記者だった。将来の警視庁キャップとも言われていた」と評しています。

「捜査幹部をきっちり周って、“明日逮捕へ”“着手へ”などの一報を抜くのに長けていた。逆に言えば、それだけで勝負していた記者で、調査報道のような手法で手柄を上げたという話は一切聞きません。ただ、上からの覚えは愛でたく、本人も完全に調子に乗っていて、『オレだからこのくらいの金の使い方が許されている』みたいなことも吹聴していたオラオラ系の記者です」。

警視庁時代に関わりのあった他社の記者も「やたら自慢話が多いやつだった」と振り返っています。

「『オレ、この調子で行くと次はサッチョウ(警察庁担当)でその次は宮内庁やらされるよ』って満更でもなさそうでしたね。『実はウチって残業代も含めると民放とそう変わらないんだ』と急に給料自慢を始めて、周囲を閉口させたこともある。下北沢のあたりに1億円くらいの家を買ったばかりだそうで、『ローンが大変だ』とか、とかく金の話が多かった。確か娘さんがいたはず。」

仕事ぶりについては、「熱心に回っていたと思いますよ。ある捜査幹部の家の最寄り駅で昼過ぎから立っていたと聞いたこともある。最初に到着した社が一番長く幹部に取材できるというルールがあったんですが、いくらなんでも早すぎだろって」。

NHKは今後、第三者委員会を設置して徹底調査し、厳正に対処するとして、下記のコメントを出しました。
「NHK報道の中核組織において、公金である受信料の私的利用という、あってはならないことが生じたことは言語道断であり、徹底的に調査して厳正に対処してまいります」

X記者一人の話で終わらせるつもりなのか、それとも全ての不正を洗いざらい表沙汰にする覚悟なのか。NHKの今後の出方を注目していきたいですね。

NHKも毎年のように不祥事が出てきますね。
過去から色々出てきているわけですから、根本的なところから変えようという気はないのでしょうか?

NHKで“エース記者”のセコすぎる不正経費請求が発覚したことについて、あなたはどう思われましたか?


津軽みらい農協の作業員が約7.1トンの玄米を盗む!

2023年10月10日(火)

青森テレビによると、青森県平川市に本店がある津軽みらい農協で臨時作業員が2023年3月から4月にかけて倉庫で保管していた玄米約7.1トン(161万円相当)を盗んでいたことがわかったようです。

津軽みらい農協によると、玄米を盗んだのはコメの保管倉庫を管理している男性臨時作業員(60代)です。
被害は青森県産米の「まっしぐら」6810キロ(153万2,250円相当)と「青天の霹靂」300キロ(8万500円)にのぼります。
男性は品質検査を終えて出荷待ちとなっていた「まっしぐら」を別の袋に入れ替えて複数回持ち出していました。
「青天の霹靂」は、農家が自家消費用のものとして保管しているものを複数回抜き取っていたということです。

津軽みらい農協が検査したところ、「青天の霹靂」の数量が少ないことに気が付き、発覚しました。
男性は津軽みらい農協に対して、「個人的なトラブルにまきこまれて、代償としてコメを相手方に渡していた」と話していて、被害額は全額返還しています。

男性は2023年5月26日付で懲戒解雇となっていて、津軽みらい農協の工藤俊博組合長は「組合員・利用者の皆さまには多大なご迷惑とご心配をおかけしたことにつきまして、心から深くお詫び申し上げます。今回の事件を厳粛に受け止め、今後もさらなるコンプライアンス意識の醸成及び内部牽制の確立を図り信頼回復に努めて参ります」とコメントしています。

JAは色々なところで、不祥事が起こりますね。
内部統制の構築が不十分なんでしょうね、
これだけJAで不祥事が起こっているのに、他人事なのでしょうか?
内部統制を構築する責任は経営者にあり、横領等が生じるのは本人が悪いのは言うまでもないですが、経営者にも責任があることをきちんと認識してほしいですね。

津軽みらい農協の作業員が約7.1トンの玄米を盗んでいたことについて、あなたはどう思われましたか?


JAおちいまばり職員が顧客の貯金2,700万円余りを横領か?

NHKによると、愛媛県今治市に本店がある「JAおちいまばり」は、支店に勤務する30代の職員が顧客の貯金合わせて2,700万円余りを横領していたとして、懲戒解雇すると発表しました。

JAおちいまばりによると、顧客の貯金を横領していたとされているのは、今治市内の支店で金融業務などを担当していた30代の男の職員です。

この職員は、2023年3月から6月にかけて、うその伝票などを作成して顧客から依頼があったように装い、5人の顧客の口座から9回にわたり合わせて2,700万円余りを引き出していたということです。

このうち800万円余りは顧客の口座に戻していたということですが、2023年8月、顧客の1人から現金の出し入れについて問い合わせがあり、JAおちいまばりが調べたところ横領が発覚したということです。

聞き取りに対して職員は不正な現金の引き出しについて、「競艇や競馬に使った」と認め、今後、全額返済すると話しているということです。

JAおちいまばりは、ほかにも不正な現金の引き出しがないか調べたうえで、職員を懲戒解雇することにしていて、警察に被害を届けるかどうかは今後、弁護士などと相談して、検討するとしています。

JAおちいまばりは、「被害に遭われた皆様へは謝罪と被害額の全額返済に向け誠意をもって対応します。今後は、コンプライアンスの強化と適正な事務処理手順を構築し、グループをあげて再発防止に取り組みます」としています。

ここのJAは数年前にも不祥事があったように思いますが、内部統制がきちんと構築されていないんでしょうね。
経営者の方々には、今一度、内部統制の重要性を認識してほしいですね。

JAおちいまばり職員が顧客の貯金2,700万円余りを横領したことについて、あなたはどう思われましたか?


“漁協の女性”が預かった貯金で横領か?

テレビ朝日によると、北海道南部にあるひだか漁協を舞台に100万円を横領した疑いで職員の女が逮捕された事件ですが、背景にあるのは通帳を漁協に預けるという小さな港町の慣習だそうです。
通帳を女性に預けていた他の組合員も被害を訴えていることが分かりました。

人口およそ550人の小さな港町が横領事件に揺れています。

漁協の女性に通帳を預けていた組合員:「(お金を)下ろしていないのに下ろされている。(通帳を)見たら結構大きい額も下ろされている」
そう話すのはやはり、漁協の女性(48)に通帳を預けていた組合員です。

逮捕前 漁協の女性:「(Q.漁協でお金のトラブルがあった?)弁護士を通して下さい」

漁協の女性は業務上横領の疑いで、先日、逮捕され、送検されました。
漁協の女性は北海道新冠町にある漁協の職員で、組合員の貯金を管理する立場でした。
この町では清算などの利便性から漁協に通帳を預ける漁業関係者も多いといいます。

仏壇に手を合わせるのは17年前に漁師だった夫を亡くした女性(68)です。
被害に遭った女性:「本当に命と引き換えに置いていったお金をちゃっかりと私腹を肥やしていると思ったら、やっぱりいたたまれない気持ちになる」

2006年、海難事故で命を落とした夫(当時56)の残した遺産ですが、それを組合員の通帳を預かり、1人で管理していた漁協の女性が勝手に引き出したり、別の口座に移したりしていた疑いが浮上しました。

被害に遭った女性:「これ見て下さい。娘と2019年から2人で一緒に調べて」
女性によると、覚えのない取引はおよそ4,000万円に上るといいます。
漁協の女性に女性が説明を求めた際の音声です。

音声 漁協の女性:「契約しているの、積み立て保険。本当にごめん、本当にごめん。私が悪いんだ」
漁協の女性は口座の金を勝手に動かしていた点について、女性の家族のための資産運用だと釈明しました。

音声 漁協の女性:「私が勝手なことをしたの。色んな人たちを見てきて、相続とかも見てきて、あや(女性の娘さん)に一番残してやりたいと思ったの」

しかし同時に、うち300万円は自分名義の口座に移していたことを認めました。
他にも300万円の使途不明金があり、横領を指摘すると…。

音声 漁協の女性:「だってやってないけど。ほんとやってないよ。信じてって言っても信じてもらえないんだもん。てなったら、会社に迷惑掛けて皆に迷惑掛けて、そしたら私、滅ぶしかないでしょう」

漁協の女性の逮捕容疑は、女性の口座から2016年に2度にわたって合わせておよそ100万円を引き出し、横領した疑いです。

他にも、同様の被害を訴える組合員が現れました。
漁協の女性に通帳を預けていた組合員:「調べたら、たまに1万円抜けているって感じ。(合わせて)30万円くらい」

やはり、漁協に通帳を預けていた組合員です。
漁協の女性に通帳を預けていた組合員:「(お金を)下ろしていないのに下ろされている。(通帳を)見たら、結構大きい額も下ろされている」

警察は、漁協の女性が管理していた複数の通帳から横領していた可能性も含め、余罪を捜査しています。

1人で管理しているのもどうかと思いますが、通帳を預けるということはリスクがあるということを認識しないといけないでしょうね。
少し前に売上を勝手に抜いていた漁協もありましたので、ここの魚協だけの話ではないように思いますので、他の漁協等も内部統制の構築が必要でしょうね。

“漁協の女性”が預かった貯金で横領していたことについて、あなたはどう思われましたか?


「競馬や競艇に使った」愛知県名古屋市の飲食店元店長が800万円超を横領か?

CBCテレビによると、愛知県名古屋市の飲食店に勤務していた男が売上金を横領したとして逮捕されました。

逮捕されたのは、元店長(26歳)です。
警察によると、元店長は2022年7月、当時店長として勤務していた愛知県名古屋市の居酒屋で、売上金およそ19万円を横領した疑いが持たれています。

2022年7月、売上金が無くなっていることを不審に思ったオーナーが警察に相談して発覚しました。

警察の調べに元店長は容疑を認めた上で、競馬や競艇などのギャンブルに使ったという趣旨の供述をしているということです。

警察は、元店長がこの居酒屋で働いていた2021年11月からの9か月間で総額800万円以上を横領していたとみて、余罪を追及しています。

元店長ということは、オーナーは信頼してお店を任せていたのでしょうし、コロナ禍で売上がおそらく激減している中で800万円も横領されると、オーナーはキツいですね。
9か月間という期間は、ニュースになるような事件の中では短いと思いますので、オーナーもそれなりの対応はしていたのでしょうが、どれくらいの規模で経営しているのかは分かりませんが、現金商売ゆえ、内部統制の構築が必要でしょうね。
やはり、現金を目の前にすると、最初は、すぐに返すからちょっと借りようとかいう気持ちが抑えきれない方もいるでしょうから。

「競馬や競艇に使った」愛知県名古屋市の飲食店元店長が800万円超を横領していたことについて、あなたはどう思われましたか?


交通違反取締中に現金17万円入りバッグを盗んだ静岡県警41歳白バイ隊員を逮捕!

SBSによると、静岡県浜松市内の駐車場に停めてあった車の中から現金入りのバッグを盗んだ疑いで、静岡県警交通機動隊に所属する巡査部長の男が逮捕されました。
巡査部長は白バイに乗り、交通違反の取り締まり中に犯行に及んだとみられます。

窃盗の疑いで逮捕されたのは、静岡県警交通機動隊所属の巡査部長の男(41)です。
巡査部長は、先日、浜松市中区佐鳴台にある店舗の駐車場に止めてあった車の中から現金17万円や携帯電話などが入ったバッグ1個を盗んだ疑いがもたれています。

持ち主の男性(80)がバッグがなくなっていることに気づき、翌日、警察に届け出て、事件が明らかになりました。

警察によると、巡査部長は当日、白バイに乗って交通違反の取り締まりを行っていたということです。
巡査部長と男性に面識はなかったとみられ、車のカギはかかっていませんでした。
調べに対し、巡査部長は「バッグを持ち出したことは間違いありません」と話しているということです。

日吉知洋警務部長は「被害者と県民のみなさまに対し深くお詫び申し上げます。警察職員として言語道断であり、厳正に処分いたします。職員の指導教養を徹底し、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。

静岡県警では、三島警察署刑事課に所属する警部補の男(36)が20代の女性宅に侵入した疑いで、先日、逮捕されたばかりで、相次ぐ職員の不祥事に鈴木光弘主席監察官は「重く受け止めている」としています。

最近、『資質』というものが非常に重要だと感じます。
警察官でなくても人のものを盗んではいけないということは自明のことだと思いますが、そういった方を取り締まる立場にある警察官が盗みを行うなど、言語道断っだと思います。
税務署の職員が脱税するのと同じようなことだと思います。
やはり、性善説ではなく、性悪説で考えないといけない時代になっていますね。

交通違反取締中に現金17万円入りバッグを盗んだ静岡県警41歳白バイ隊員が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


周南市文化振興財団の職員が1億4,000万円着服の疑い!

テレビ山口によると、山口県周南市の文化振興財団で1億4,000万円あまりが使途不明となり、職員2人の着服が疑われている問題です。
市議会の委員会で指摘が相次ぎました。

この問題は、周南市文化振興財団で、2021年度末の決算書と預金との差額が1億4,000万円あまりあることが分かり、先日発表されました。

2023年5月に自己申告した会計担当の60代の元職員と、イベント企画などを担当している50代の職員が着服した疑いがあり、犯行の一部について刑事告訴状が提出されています。

先日開かれた市議会の企画総務委員会で、議員から監査の状況や、会計担当が1人という組織の体制、事件発覚から発表まで2か月を要したことについて、問題視する発言が相次ぎました。

財団の理事長を務める藤井律子市長は定例の会見で、財団を含む市内11団体に監査を要求したとして「再発防止に向けて、できることを何でもやる」と話しました。

起こるべくして起こった事件でしょうね。
これだけ世の中で、それなりにお金の動き、経理担当者が一人という組織で横領事件などがたくさん起こっているのに、内部統制を構築しないということは、役員として責任があるのではないかと思います。

山口県周南市文化振興財団の職員が1億4,000万円着服の疑いがあうことについて、あなたはどう思われましたか?


「お得意さん扱いで気持ち良くなった」66歳女性が橋田壽賀子さんの財団から横領!

FNNによると、警視庁に逮捕された橋田文化財団の元経理担当職員(66)が、逮捕容疑であるおよそ1,100万円の横領以外にも余罪がある旨の供述をしていることが新たに分かったようです。

「“あとで返せばいい”という“借りるつもり”で横領してしまった。思い出せないくらい(犯行を)やっている。財団や橋田先生には申し訳ない」

また、犯行の動機については10年ほど前、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランド品に興味を持ったことがきっかけだと供述しています。

「(高級ブランドの)店で店員と仲良くなり、常連、お得意さんと扱われて気持ちが良くなった」

ブランド品に身を包む元経理担当職員の様子は、自宅周辺でも目撃されていました。

近隣住民によると、元経理担当職員の自宅周辺では、カバンや靴など、全身に高級ブランドを身に着けた元経理担当職員の姿が目撃されていたという。

橋田さんが亡くなった2021年4月までは、お金の使い込みを周りには知られず、世間を渡っていたとみられる元経理担当職員ですが、警視庁への取材で、元経理担当職員が行っていたとみられる横領の手口の一端も明らかになりました。

放送文化の向上に貢献した番組や個人などを表彰する目的で、毎年行われている橋田賞の授賞式ですが、元経理担当職員は、実際にはつくっていない橋田賞のパンフレット代名目で、架空の請求書を作るなどして犯行に及んでいたようです。

浮き彫りになりつつある犯行の筋書きですが、警視庁は、事件の全容解明に向け捜査を続けています。

横領したお金でブランド品を買って、身に着けているときは、どういう気持ちなのでしょうか?
財団とかも、同じ人がずっと経理の担当をしていることも多いでしょうから、横領等のリスクは高いことをトップは認識しておいた方が良いでしょうね。
横領等が起こったら誰も得する人はいませんので、内部統制の重要性を認識して欲しいですね。

「お得意さん扱いで気持ち良くなった」66歳女性が橋田壽賀子さんの財団から横領していたことについて、あなたはどう思われましたか?


群馬県太田市の元消防団員が12年間にわたり420万円余を横領!

NHKによると、太田市消防本部は、2023年3月に退団した50代の元消防団員が12年間にわたって消防団の運営資金420万円あまりを横領していたことを、先日発表しました。

太田市消防本部によると、太田市消防団で行事などの際に楽器を演奏する「ラッパ隊」の会計担当を務めていた52歳の元消防団員が、2011年度から2022度までの12年間にわたり、ラッパ隊の運営資金420万円あまりを横領していたということです。

2023年3月末に消防団を退団しましたが、その翌週に消防本部を訪れて、自ら横領を打ち明けたことから発覚したということです。

これを受け、太田市消防本部は、2023年5月、懲戒免職相当として、退職金などを支給しない処分にしました。

横領した金について、元消防団員は「家族の介護費用などの生活費に充てた」と話していて、すでに全額が返済されたということです。

ラッパ隊の会計業務は12年間にわたってこの元消防団員1人が行っていたということで、消防団では会計担当を複数人にするなど、チェック体制を強化することにしています。

太田市消防本部の竹内富雄消防長は「消防団に対する指導が不足していた。今後は公金管理などについて適正に指導し、市民の信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。

消防団の位置づけが良く分かりませんが、公金が投入されているわけですから、『指導』で足りるのでしょうか?
消防本部には、もっと当事者意識が必要なのではないでしょうか。
会計担当を複数人にするだけでは、足りないように思います。

群馬県太田市の元消防団員が12年間にわたり420万円余を横領していたことについて、あなたはどう思われましたか?


出動先住宅で「大金を目にしてつい」828万円を横領した三鷹署員を免職!

朝日新聞によると、110番通報で赴いた住宅から現金数百万円を盗んだとして窃盗容疑で逮捕され、占有離脱物横領罪で起訴された三鷹署地域課の男性巡査長(25)について、警視庁は、先日、懲戒免職にしたと発表しました。

人事1課によると、巡査長は、先日、110番通報を受け、一人暮らしだった60代男性が自宅で死亡した事案の現場に入いりました。
その際に現金入りのショルダーバッグを室内で見つけ、当日夜に2回に分け計828万円を抜き取り、横領しました。

バッグにはもともと1,278万円が入っていました。
あったはずの現金がないと三鷹署内で問題になり、翌日夜、巡査長は持ち去ったうち433万円を戻していました。
巡査長は「大金を目にしてついとってしまった」と話しているそうです。
横領した現金の大半は預金するなどしていたようです。

警察官が横領とは、考えられない事件ですね。
資質の問題もあるでしょうし、教育の問題もあるんでしょうね。
警察官も持ち物検査が必要になるかもしれませんね。

出動先住宅で「大金を目にしてつい」828万円を横領した三鷹署員を免職になったことについて、あなたはどう思われましたか?


長野県駒ヶ根市の建設会社ヤマウラの経理責任者が子どもなどへ少なくとも25億円を不正に送金!

信越放送によると、長野県駒ヶ根市の建設会社ヤマウラで、従業員が、自分の子どもが代表を務める会社に3億円余りを送金するなどの不適切な支出があったことがわかりました。
総額は少なくとも25億円に上ると見られています。

不適切な支出については、2023年5月、監査人の指摘で発覚しました。

第三者委員会などの調査の結果、関与したのは30年近くにわたって経理の責任者をつとめてきた従業員と判明しました。

この従業員は、2023年3月までの2年間に自身がひとりで経理を担当していた子会社から合わせて25億円を不正に送金した可能性があるということです。

送金先は少なくとも4か所で、自分の子どもが代表を務める会社には3億3千400万円を、また子ども名義の個人口座や取引関係のない会社にも送金していました。

長野県駒ヶ根市の建設会社によると、従業員は不正に送金したことを認めていますが、他にも疑わしい支出があるとして第三者委員会が調査を進めています。

ひとりで経理を担当したり、内部統制という概念はこの会社にはないのでしょうか。
ヤマウラは、東証プライムに上場していますけどね。

長野県駒ヶ根市の建設会社の経理責任者が子どもなどへ少なくとも25億円を不正に送金していたことについて、あなたはどう思われましたか?


死亡の物質・材料研究機構の室長級・元職員が2,700万円を私的流用!

毎日新聞によると、国立研究開発法人「物質・材料研究機構」(茨城県つくば市)は、先日、室長級だった元職員が2015~2021年度、架空の業者に69回にわたって計約2,700万円分の業務を発注したように装い、委託料を私的流用していたと発表しました。

元職員は流用を認めた後に死亡したといい、物質・材料研究機構は、先日、懲戒解雇相当と認定し、死亡退職金を全額不支給としました。

2022年12月に匿名の情報提供を受け内部調査を開始したよう物質・材料研究機構です。

元職員は実際は自分で業務を行っていたとして私的流用を認めた後、死亡していました。

物質・材料研究機構は、従来、50万円未満の経費申請は経理部門の承認を必要としていませんでした。

2023年4月以降は承認を義務付け、直近の確定申告書などで個人事業主の事業実態を確認しているそうです。

決算書を見てみると、費用で225億円くらいありますので、50万円という基準は問題ないように思いますが、部門長が自分の行為が誰にもチェックされないような内部統制なんでしょうね。
ということは、内部統制の構築に不備があったということだと思いますので、私的流用で人財の命を失うような内部統制状況を放置していた経営者にも責任があるのではあないかと思います。
そろそろ内部統制の重要性を経営者の方々にも認識してほしいですね。
そもそも経営者としてふさわしくない(資質がない)方々が経営者になっている組織も多いのかもしれませんが。

死亡の物質・材料研究機構の室長級・元職員が2,700万円を私的流用していたことについて、あなたはどう思われましたか?


ヴィトン830万円「裏金でぜーんぶ処理」の楽天モバイル・元部長の妻も逮捕!

日本テレビによると、楽天モバイルの基地局建設をめぐる巨額詐欺事件で、先日、新たに楽天モバイル元部長の妻が逮捕されました。
詐欺で得た金と知りながら約6,600万円を受け取った疑いが持たれています。
夫である楽天モバイル元部長(47)とのSNSのやりとりには、“豪遊”の記録が残されていたようです。

先日、楽天モバイル・元部長の妻(44)は車に乗り、東京都港区の麻布警察署から出てきました。
車内では、うつむいていました。

被害総額300億円にのぼるとみられる楽天モバイルの基地局建設をめぐる巨額詐欺事件ですが、楽天モバイル・元部長は事件化されている98億円のうち、約19億6,000万円を架空の請求書を発行するなどして隠したとして、先日、再逮捕されました。
楽天モバイル・元部長の妻は詐欺で得た金と知りながら、約6,600万円を受け取った疑いが持たれています。

警視庁によると、楽天モバイル・元部長は当時、楽天モバイルの基地局の物流管理部長だったということです。
2021年、下請けなどで基地局建設に関わったX被告(53)・Y被告(49)と共謀し、事件は起きました。

まず、楽天モバイル・元部長は下請けのX被告の物流会社に業務を依頼し、そこから、実質、楽天モバイル・元部長が管理していたとみられる会社に12億3,000万円を流し、隠匿したといいます。

また、Y被告の運輸会社を通し、さらに下請けの3社を介して楽天モバイル・元部長の妻が代表を務める“実態のない下請け会社”へ金が流れたということです。

あわせて7億3,000万円が振り込まれたとみられ、楽天モバイル・元部長の妻は約6,600万円を役員報酬として受け取った疑いが持たれています。

この構図で、楽天モバイル・元部長は水増し分だけで100億円にものぼる請求を繰り返し、うち50億円を受け取ったとみられ、楽天モバイル・元部長の妻は多い時で月2,700万円の役員報酬を受け取っていたとみられています。

2人のSNSのやりとりから“豪遊ぶり”が明らかになりました。
【楽天モバイル・元部長と妻のやりとり】(捜査関係者による)
楽天モバイル・元部長の妻
「今日のルイ・ヴィトン、830万落ちるって。すごい金額。カード切れるかな」
楽天モバイル・元部長
「ダイジョブ。裏金でぜーんぶ処理するから」
「我々はルイ・ヴィトン・ジャパンで5本の指に入る客みたいよwww」

【楽天モバイル・元部長と妻の別のやりとり】(捜査関係者による)
楽天モバイル・元部長の妻
「シャネルで240万買わせてもらいました!!」
楽天モバイル・元部長
「どーぞーwww」
「レクサス、オーダーしました」
楽天モバイル・元部長の妻
「凄いな。私。フェラーリもあるのに」
楽天モバイル・元部長
「ポルシェもある」

2人は東京都港区の高輪にある高層マンションの最上階に住んでいました。
同じマンションに住む人が、先日行われた警視庁の家宅捜索の様子を目撃し、撮影していました。

写真には、捜査員とみられる男性らが、トラックに黒いスーツケースを運び込む様子が捉えられていました。
捜査関係者によると、自宅からは約1,000万円するとみられるルイ・ヴィトンの化粧台や多数のブランド品のバッグなどが押収されたということです。

楽天モバイル・元部長の妻は不法に得た金で貴金属やブランド品などを少なくとも1億円以上購入し、楽天モバイル・元部長も高級車の購入や不動産投資にあてていたとみられています。

ここまでの額になるまでなぜ、楽天モバイル側は気づけなかったのでしょうか?
ポイントは、楽天モバイル・元部長が基地局を所管する部のトップだったことです。
楽天は3年前、第4の「携帯電話事業者」としてスタートしました。
当時、楽天モバイルの三木谷浩史会長は「基地局を全て開通させる」と述べていました。

専門家によると、大手3社に追いつくため、スマートフォンの通信に欠かせない基地局の建設が急務だったといいます。

ITジャーナリスト 石川温氏
「(新規参入で)建設に詳しい人がほとんどいなかったと(推測される)。基地局をつくるのにどれくらい金が必要なのか、把握できていなかったのかなと」
「発注担当者(楽天モバイル・元部長)だけが多少水増ししても、誰も気づくことができなかった。好きなように発注をかけ、結果として一部を抜いたと。とにかく、イケイケドンドンで基地局をつくったというところに、今回の問題は出たのかなと」

警視庁は、夫婦が詐欺で得た多額の金を私的に使っていたとみて調べています。

楽天モバイルが多額の赤字で、楽天に関しては色々と噂されていますが、様々な事業をしている楽天としては、あまりにもお粗末な気がします。
やはり、急ぎすぎたのでしょうか?
弊事務所のお客様の土地にも基地局が設置されていて、見たことがありますが、それほどお金がかかるものではないように思えました。
設置することを認めてくれる(土地を貸してくれる)人を探すのにお金がかかるのかもしれませんが。

ヴィトン830万円「裏金でぜーんぶ処理」の楽天モバイル・元部長の妻も逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


群馬県信用組合で約3,500万円着服した営業担当の元職員を懲戒解雇!

TBSによると、群馬県信用組合は、元職員の男性が2021年11月から202 年3月までに顧客の預金や払い出し金など、あわせておよそ3,500万円を着服していたと発表しました。

群馬県信用組合によると、高崎貝沢支店で営業を担当していた元職員の男性(30代)は、2021年11月から2023年3月までに担当していた68の個人や法人の預金や払い出し金など、あわせておよそ3,500万円を着服していたということです。

元職員は、定期預金の掛け金や客から集金した金を受け取った当日に口座に入金しないなどの手口で着服していました。

着服した金は、元職員とその親族によりすべて弁済されたということです。

社内調査に対し、元職員は「ギャンブルや遊興費に充てた」「申し訳なく思っている」と話しているということです。

元職員は、先日、懲戒解雇処分となっています。

未だに、1人で集金をするんですね。
現金を目の前にすると横領のリスクは生じますから、内部統制上、現金での集金をやめるとか、集金の際は複数人で行くようにするとか、端末に入力して必ず預り証などを打ち出して渡すようにするとかしないと、いつまで経っても同じようなことが起こるのではないかと思います。

群馬県信用組合で約3,500万円着服した営業担当の元職員が懲戒解雇となったことについて、どう思われましたか?


時効まで残り1か月で4,700万円横領容疑の女性を逮捕!

熊本県民テレビによると、7年前、勤務していた会社の口座から4,700万円を横領したとして、先日、61歳の女性が逮捕されました。
時効まで残り1か月あまりでの逮捕でした。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは熊本県熊本市の会社員です。

この女性は2016年6月と7月、当時勤めていた保険調査会社の銀行口座からネットバンキングで自身が管理する口座に計4,700万円を送り、着服した疑いが持たれています。

警察によるとこの女性は会社の代表が死亡した日に送金していて、横領に気づいた次の代表者が、2021年10月に警察に届け出たそうです。

この女性は、着服した数か月後にこの会社を辞めていました。

警察の調べに対し、この女性は「送金は、会社の借金を返済するためにした」と話し、容疑を否認しているそうです。

業務上横領罪の時効は7年で、時効まで残り1か月での逮捕でした。

会社の借金の返済であれば、送金の相手先や金銭消費貸借契約書などを見れば分かるように思いますが、どうなんでしょうね?
小さな企業は、代表者が死亡したときなどは、内部統制が危険にさらされるかもしれないと思った1件でした。

時効まで残り1か月で4,700万円横領容疑の女性が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


3,000万円を着服した財団法人の元経理担当の女性を逮捕!

2023年06月09日(金)

FNNによると、東京都から補助金を受ける財団法人の元経理担当の女性が、200万円を横領した疑いで逮捕されたようです。

総額は、3,000万円を超えるとみられます。

東京都学校保健会の元職員(51)は、2022年、管理していた職場の口座から、自分の口座に200万円を移した、業務上横領の疑いが持たれています。

元経理担当の女性は、仮想通貨の投資をめぐり、現金を支払うよう要求されるなど、金銭トラブルを抱えていて、「損失補てんのためだった。暗号資産で得た収益で返済すれば問題ないと思った」と容疑を認めているそうです。

警視庁は、元経理担当の女性がこれまでに、3,000万円以上を着服していたとみて捜査しています。

内部統制がないような財団法人なんでしょうね。
横領は、最初は、収益等ですぐに返せると思って比較的少額から始め、バレないと思うと、どんどんエスカレートしていくというケースが多いと思われますが、ギャンブルにしても、投資にしても、ローンにしても、返せないという状況になるのは、そもそも儲からない、投資のセンスがない、将来的な資金の計算ができないなど、そもそもお金が足りなくなるような方だと思いますので、取り返すことはなかなか厳しいでしょうね。

3,000万円を着服した財団法人の元経理担当の女性が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


「衣類やフィギュアの購入に使った」JAおおいた職員が1,700万円を横領!

2023年06月07日(水)

テレビ大分によると、JAおおいたの職員が生産者部会の口座から無断で現金を引き出し、合わせて約1,700万円を横領していたことが分かりました。

◆平間悟理事長
「この場をお借りいたしまして、深くお詫びを申し上げます。この度は大変申し訳ございませんでした」

現金を横領していたのはJAおおいたの西部営農経済センターの職員です。

JAおおいたによりますと、この職員は2021年8月以降、生産者の部会の6口座からあわせて約1,700万円を着服していました。

JAおおいたから部会の口座に売り上げを入金する際、本来は差し引くべき販売手数料分を上乗せし、その後、自ら引き出していたということです。

2023年4月、販売手数料の一部が計上されていないことが分かり、この職員に確認したところ不正を認めました。

JAの聞き取りに対し「衣類やフィギュアの購入に使った」と話しているということです。

JAおおいたでは職員の着服など不祥事が相次いだため、2020年10月、大分県から業務改善命令を受けています。

今回の不祥事についてJAおおいたは「再発防止策に不足があったためこういう事態になったと考えている。今後、新たな再発防止策を考えていく」としています。

また、この職員の刑事告訴を検討するとしています。

着服などの不祥事により業務改善命令を受けているにもかかわらず、このような事件が起こるということは、そもそも業務フローを把握せずに内部統制を構築しているか、一応、内部統制を構築していたとしても、きちんと運用できていないということだと思います。
どちらにしても、経営陣の内部統制への意識の低さに起因しているでしょうから、経営陣を刷新しないと厳しいかもしれませんね。

「衣類やフィギュアの購入に使った」JAおおいた職員が1,700万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


消防団で積み立てていた220万円を横領してギャンブルに!

2023年06月05日(月)

OHKによると、消防団の部内で積み立てていた金を遊興費に使ったとして、岡山県里庄町の男性消防団員が懲戒免職処分となりました。

先日、懲戒免職処分となったのは、里庄町消防団の40代の男性団員です。

里庄町などによると、この団員は、所属する消防団の部の会計を任されていた2019年4月から2023年3月までの間に、部内で積み立てられていた懇親会費などの現金を複数回にわたって横領し、あわせて220万円をギャンブルに使ったということです。

2023年3月に消防団の関係者がこの団員に会計報告を求めたところ、自ら使い込みの事実を明らかにしたということです。

里庄町と町消防団では、今後、部内の会計を複数人で取り扱うよう指導するなど再発防止に取り組むとしています。

どこで横領が起こるか分からない時代になってきていますね。
むしろ、横領は、どこでも起こりうる時代になっているのでしょう。
やはり、横領が起こらないようなルール作りは、組織が大きかろうと小さかろうと、お金がそれなりにあるところは、必ず必要でしょうね。

消防団で積み立てていた220万円を横領してギャンブルに使っていたことについて、どう思われましたか?


横領隠ぺいのJAちば東葛に対し千葉県が業務改善命令!

2023年06月01日(木)

千葉テレビによると、職員の横領を把握したにも関わらず、千葉県に報告せず、隠ぺいしていたJAちば東葛に対し、千葉県は、先日、農協法に基づく業務改善命令を行いました。

千葉県から業務改善命令を受けたJAちば東葛では、関宿支店の副支店長だった男性が、2022年4月までのおよそ5年間にわたり、約325万円を横領していました。

JAちば東葛は横領を把握していましたが、農協法で規定された県への報告をせず、隠ぺいしていました。

隠ぺいは内部通報で発覚し、隠ぺいを主導した当時の組合長は辞任しました。

また、横領した元副支店長は依願退職しています。

JAちば東葛では、2021年にも別の横領事件が発覚していました。

千葉県の業務改善命令はこうしたことを受けたもので、ガバナンスの強化などを命じた他、業務改善計画を7月末までに提出するよう求めています。

JAちば東葛は「県の業務改善命令を重く受け止め、役職員一同、改善に向けて取り組んでいく」とコメントしています。

元々、組合長が不祥事をもみ消そうとしていたような組織なので、ゼロベースで色々なものを見直さないと、なかなか厳しいかもしれませんね。

横領隠ぺいのJAちば東葛に対し千葉県が業務改善命令を出したことについて、どう思われましたか?


郵便局主任が保険契約を悪用して“詐取”し懲戒解雇!

2023年05月29日(月)

九州朝日放送によると、福岡県行橋市の行橋郵便局の男性主任が担当していた顧客から87万円をだまし取ったとして懲戒解雇されました。

保険契約を悪用していたということです。

日本郵便九州支社によると、懲戒解雇となったのは行橋郵便局の郵便部に所属していた40代の男性主任です。

男性主任は、福岡県内の郵便局の窓口で2020年4月から5月までの間、担当していた顧客から委任されたように装い、顧客の契約金あわせて87万円をだまし取ったということです。

2022年11月、顧客の親族が契約内容を照会したことで事態が発覚しました。

男性主任は、発覚当初、否定していたものの、現在は「借金を返済する金がほしかった」と話しているということで、先日、懲戒解雇されました。

日本郵便九州支社は、警察にも相談していて、「お客様の信頼を損なうこととなり深くお詫び申し上げます。指導を徹底してまいります」とコメントしています。

『指導』で足りるのでしょうか?
採用の際に資質を見極めることが重要だと思いますし、内部統制の構築も当然必要だと思います。

郵便局主任が保険契約を悪用して“詐取”し懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


秋田県鹿角市が元職員の公金着服で警察に被害届を提出!

2023年05月25日(木)

NHKによると、秋田県鹿角市は、教育委員会に勤務していた30代の男性元職員が、駅伝大会の運営資金などあわせて628万円あまりを着服していた問題で、警察に被害届を提出することを決めたようです。

鹿角市教育委員会スポーツ振興課に勤務していた30代の男性元職員は、2022年、鹿角市内で開かれた駅伝大会の資金や職員の親睦会の会費などあわせて628万円あまりを着服していたとして、先日、懲戒免職となっています。

これを受け、鹿角市役所で開かれた2023年の駅伝大会の開催に向けた会合で、関市長は改めて陳謝し、「市職員としてのあるまじき行為により市への信用を大きく失墜させた。総合的に判断し警察に被害届を提出することとした」と述べました。

そのうえで、「市の看板の1つである『駅伝』が傷つけられたことなどを踏まえ弁済はされているものの着服があったことは事実だ」として、被害届を出すに至った理由を明らかにしました。

鹿角市は、今月中にも警察に被害届を提出したいとしています。

また、今回の問題を踏まえ、今年開催する駅伝大会では、新たに中間監査を行うなどして、再発防止を図ることにしています。

会社員だろうと公務員だろうと、横領のリスクはあります。
これだけ、世の中には横領事件がたくさんあるわけですから、トップはリスクを考え、内部統制の構築をやらないといけないと思いますが、自分のところは関係ないと思っているんですかね。

秋田県鹿角市が元職員の公金着服で警察に被害届を提出したことについて、どう思われましたか?


顧客口座から1億6千万円を着服した元鹿児島信金支店長代理を横領容疑で逮捕!

2023年05月17日(水)

南日本新聞によると、鹿児島信用金庫湯之元支店の顧客の預金口座から現金700万円を払い戻し着服したとして、鹿児島県警日置署などは、先日、業務上横領の疑いで元支店長代理の清掃作業員の男(39)を逮捕しました。

逮捕容疑は、湯之元支店に勤務していた2021年6月7日、顧客の依頼で普通預金口座から払い戻した現金700万円を、依頼通り運用せず着服した疑いです。

鹿児島県警日置署によると、元職員は容疑を認めています。
鹿児島信用金庫からの被害届は2023年1月に受理し、今後、余罪を含めた捜査を続けるようです。

鹿児島信用金庫によると、元職員は湯之元支店長代理だった2020年1月~2021年6月にかけ、定期預金を勝手に解約するなどして98件、約1億6,000万円を着服しました。
2021年6月に「満期処理を頼んだ定期預金証書を受け取りたい」と顧客から問い合わせがあり発覚しました。
借金返済やボートレースなどに使ったと説明しており、2021年8月4日付で懲戒解雇されました。

中俣義公理事長は「心よりおわび申し上げる。監査機能の強化など再発防止策を徹底しており、今後も継続していく」とコメントしました。

内部統制というものが存在しないんでしょうね。
横領ができない仕組みを作れば、横領する人も出て来ず、企業の信頼を横領により失うこともありませんので、経営者の方々には、本当に内部統制の重要性を認識して欲しいですね。

顧客口座から1億6千万円を着服した元鹿児島信金支店長代理を横領容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


日本郵便子会社が古物営業の許可なく中古iPhoneを転売目的で仕入れ!

LOGI-BIZ online.によると、日本郵便子会社で郵便局を活用した物販を手掛ける「郵便局物販サービス」が2020年に、古物営業の許可を得ていないのにスマートフォン「iPhone(アイフォン)」の中古品330台を転売目的で仕入れていたことが分かったようです。

都道府県公安委員会の許可なく古物を売買するのを禁じている古物営業法に違反していた可能性があるそうです。
警視庁も郵便局物販サービスに注意したもようです。

日本郵便の衣川和秀社長は、先日の記者会見で、郵便局物販サービスは定款の事業目的の中に「古物業」と明記していたため、担当者は許可を取得済みと考えていたが、実際には許可を得ていなかったと説明しました。

「(郵便局物販サービスの)内部統制が十分ではなかった。物販関連の体制を一新させ、現在は改善されていると認識している。再発防止に取り組んでいきたい」と強調しました。

この問題を最初に報じた西日本新聞は、記事の中で「取引を要請したのは日本郵便の元執行役員(当時は現職)とされ、内部で違法性が指摘されたにもかかわらず進められたという」と伝えていました。

衣川社長は会見で「誰かが違法行為を企てたというものではなく、営業許可の確認不足だった。利益を得ているといったことは調査した結果でも出てこなかった」と語り、違法性を認識しながら取引が進められたとの見方を否定しました。

実際はどうなのか分かりませんが、大企業にしては脇が甘いという感じはしますね。
これで、この後、違法性を認識していたということが明るみに出れば、会社自体の隠匿主義とか、都合の悪いことは上に伝えないとか、内部統制以前の話であり、会社の存続問題にもつながるのではないかと思った1件でした。

日本郵便子会社が古物営業の許可なく中古iPhoneを転売目的で仕入れていたことについて、どう思われましたか?


経理の女性が家族のため「ちょっとだけ」札束をつかみ罪悪感を抱きつつ5千万円超を着服!

読売新聞によると、「ちょっとだけ。すぐに返せばいい」と、ほんの出来心で始まった着服は、5年間で5,000万円超に膨らんだようです。
滋賀県湖南市の自動車教習所で入所生の授業料を横領したとして業務上横領罪に問われた経理担当の女性(54)に対し、大津地裁は2023年3月、懲役2年6月(求刑・懲役4年6月)の実刑判決を言い渡しました。
公判では、単純かつ大胆な手口や、罪と知りながらもやめられない心理が浮かび上がりました。

判決によると、女性は滋賀県湖南市の自動車教習所で経理を担当していました。
2016年4月~2021年6月頃、入所生249人から受領した授業料など現金計約5,360万円を着服しました。

2000年1月に就職し、同僚と2人で経理に従事しました。
入所生から受け取った金を女性の卓上の手提げ金庫で一時保管し、まとまった金額が金庫にたまると専用の口座に振り込んでいました。
受領した入所生の名前や金額は、「収入金日報」に記載して管理していました。

歯車が狂い始めたのは2010年春頃です。
娘の大学進学などが重なり、金に窮していました。
家計のやりくりは全て女性が担っており、誰にも相談できなかったようです。
切羽詰まって目の前の札束に手が伸びたのです。

その手口は、受け取った授業料の一部を収入金日報に記載せず、自身のかばんに入れて持ち帰るという単純なものです。
金庫の管理は2人で月ごとに交代で担っていましたが、同僚が不正に気づくことはありませんでした。
教習所で会計監査などが行われていなかったことも女性の犯行に拍車を掛けました。

「(横領を)やめるには職場から離れるしかない」と、女性は罪悪感から、2016年4月頃、理由を伏せて夫に「退職したい」と相談しました。
しかしながら、何も知らない夫からは「生活が苦しいから、続けてほしい」と言われ、悪行を断つ機会を失いました。

やましさを感じつつも、その後も着服を重ねました。
くすねたお金は、生活費や自宅のローン返済にとどまらず、家族旅行、化粧品や衣服、家電などにも浪費しました。
弁護側は「家族にひもじい思いをさせたくなかった」などと動機の一端を明かしました。

女性は「どんどん(額が)大きくなって、止められなかった」と犯行を重ねた理由を説明しました。
「(家族に)いい思いをさせたかった」とも述べました。

発覚のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大です。
国のコロナ対策の助成金を申請しようと教習所を運営する組合が収入調査を行うと、女性がこれを自身の横領の調査と勘違いし、「これ以上隠せない」と不正を名乗り出ました。

判決で、大森直子裁判官は「被害額が大きく、5年余りで200回以上繰り返した常習的犯行で、悪質」と指摘しました。
「本来の収入をはるかに超えて、身の丈に合わない生活を続けた」と非難しました。
教習所の監査体制の甘さに言及する一方で、「信頼につけ込んだ犯行で、規範意識の乏しさによって起きた」と述べました。

横領総額のうち、これまでに親族らがかき集めて約1,000万円を弁済しました。
今後、夫の退職金などで1,300万円を支払うと約束しました。
組合とは、女性の自宅を担保にすることを条件に、約3,000万円を債権放棄する条件で和解したそうです。

大森裁判官は判決を言い渡した後、「自分のしたことの責任は果たしてもらわないといけない」と諭しました。
傍聴席で家族が見守る中、女性はすすり泣き、何度も深くうなずいていました。

経理が2人いて気付かないわけですから、管理体制はずさんだったんでしょうね。
このような着服を行えるような状態にしておいた経営陣にも、内部統制を構築するという意識はなかったんでしょうね。
記事によると、運営は組合とありますので、役員も兼務なのではないかと思います。
少子化などで、自動車教習所も経営が楽ではないと思いますが、これだけ着服されて気付かないのもどうかと思いますね。
ご家族もある程度の収入は想像できるでしょうから、おかしいと思わなかったのだろうかかと思う一方、着服したお金で裕福な生活を今までしていたことをどう思うのでしょうか?
本当に、色々な人や組織が不幸になりますので、経営者の方々には、内部統制の重要性を理解していただいて、きちんと構築してほしいですね。

経理の女性が家族のため「ちょっとだけ」札束をつかみ罪悪感を抱きつつ5千万円超を着服したことについて、どう思われましたか?


宮崎第一信用金庫で融資担当係長が4千万円を着服!

産経新聞によると、宮崎第一信用金庫(宮崎県宮崎市)は、先日、宮崎県宮崎市の清武支店に勤務していた融資担当の男性係長(34)が不正融資を繰り返し、計4,345万円を着服したと発表しました。
係長を懲戒解雇し、業務上横領で刑事告訴する方針だそうです。
遊興費や借金の返済に充てていたようです。

宮崎第一信用金庫によると、係長は2013年から2023年2月まで、親族や知人に借り入れを依頼するなどして計32回にわたって不正な融資を行い、着服していました。
本店融資部が係長に関係する書類の提出を促したところ、一時連絡が取れなくなったため、特別監査を実施しました。

落合真一理事長は記者会見で「ご迷惑をおかけしたことをおわびする」と謝罪し、再発防止を徹底すると説明しました。

ホームページを見ても何も掲載されていませんが、なぜ起こったのかを明らかにしてほしいですね。
こういう人が金融機関に勤めているというのは採用の際に資質を見抜けなかったということだと思いますが、書類の提出を促したことがきっかけで発覚したわけですから、おそらく、内部統制が存在しないんでしょうね。
こういう事件が起こるたびに思いますが、預金をする側も、金融機関だから安心と思わずに、預ける先を選ばないといけない時代になっているかもしれませんね。
金融機関は多すぎると言われて久しいですが、こういう金融機関が淘汰されていけば良いなぁと思います。

宮崎第一信用金庫で融資担当係長が4千万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


クボタの子会社で経理担当の元従業員が8億円を着服!

東京新聞によると、クボタは、先日、子会社「フモト産業」(大阪府大阪市、清算中)の元従業員が約8億円を着服したと発表しました。
元従業員は2023年1月に転籍先の別のグループ会社を懲戒解雇処分となり、クボタは大阪府警浪速署に刑事告訴しました。
監督責任を明確にするため、クボタの北尾裕一社長らは月額報酬を一部返上するそうです。

元従業員はフモト産業で経理を担当していました。
遅くとも2016年以降2022年までの間に小切手で現金を引き出し、約8億円を私的に流用したようです。

会計システムの不正操作で証拠を隠滅するなどしていました。

フモト産業は2022年3月に事業を終了しましたが、清算準備の過程で過去の小切手の入出金内容に疑義が生じ、社内調査で着服を確認したようです。

8億円も着服されていて気付かない会社ってどうなんでしょうね?
上場企業の子会社ですから。
プレスリリースを見ると、この元従業員が一人で小切手を発行でき、会計処理もできていたそうですから、内部統制が存在していないですよね。
クボタグループは大丈夫なのでしょうか?

クボタの子会社で経理担当の元従業員が8億円を着服していたことについて、どう思われましたか?


広島市社会福祉協議会職員が336万円あまりを使い込み懲戒免職!

広島テレビによると、広島市社会福祉協議会の職員が組合費を不正に引き出し、336万円あまりを横領したとして懲戒免職になりました。

懲戒免職になったのは広島市社会福祉協議会の佐伯区事務所に所属する49歳の男性主任です。

この職員は労働組合の役員で、2019年7月から2022年9月までのおよそ3年間で組合の通帳から合わせて23回にわたり不正に組合費を引き出し、総額336万円あまりを横領しました。

横領した金は全額、私的な投資や競馬、飲食などに使ったということです。

職員はすでに全額を返還しており、広島市社会福祉協議会は被害届を出さないとしています。

よくありがちなケースでしょうね。
おそらく、それなりに資金が動き、役員も兼務で、経理担当者も1人で長年やっているということなのでしょう。
トップは、本当に内部統制の重要性を理解しないと、自らの責任問題にもなりますし、退職者や犯罪者を出すことになりますし、組織の信頼を失いますので、内部統制の構築に真摯に取り組んでほしいですね。

広島市社会福祉協議会職員が336万円あまりを使い込み懲戒免職となったことについて、どう思われましたか?


自動車教習所のパート勤務の女性が5,000万円以上を横領!

読売テレビによると、勤務先の自動車教習所で教習料を横領したとして逮捕された50代のパート従業員の女性が、およそ5年間で5,000万円以上を横領していた疑いがあることが分かったようです。

滋賀県警によりますと、滋賀県湖南市の自動車教習所で経理などを担当していた54歳のパート従業員の女性は、入所者が支払った教習料を横領したとして、2022年11月に逮捕されました。

その後の警察の調べで、女性は2016年4月ごろからおよそ5年間にわたって同様の犯行を繰り返し、被害は249人分合計5,360万円にのぼることが分かりました。

警察は、これらの事実を裏付け、先日、検察庁に最終送致しました。
女性は取り調べに対し、「生活費に使った」と話しているということです。

パートの方が多額のお金をさわれるようにしているのだろうか?、5年で5,000万円以上も横領されていて資金繰りは大丈夫だったのだろうか?、これだけの金額を横領されていて気づかないものなのだろうか?と思いますが、内部統制というものは存在しないんでしょうね。
自動車教習所も人口の減少や車離れなどによって、経営が厳しいのではないかと推測されますが、経営者は、内部統制の重要性を理解しないと危ないなぁと思った1件でした。

自動車教習所のパート勤務の女性が5,000万円以上を横領していたことについて、どう思われましたか?


CBCテレビ4,000万円「着服事件」でわかったテレビ局「組合費ザル管理」事情!

Asagei+によると、CBCテレビの江田亮アナウンサーが組合費およそ4,000万円を「着服」したことが写真誌で報じられた件は、決して対岸の火事ではありません。

これは江田アナが組合の財務担当をしていた時に、組合費に手を出してしまったことが明らかになっているものです。
数千万円もの大金を一般職員が触ることは、果たして可能なのでしょうか?

中堅民放テレビ局で、かつて組合の重責を担った人物によれば、「毎月、1人当たり数百円から数千円が給与天引きで、自動的に組合の口座に入ってくる。あっという間に1,000万円単位で溜まります。組合執行部に入れば口座確認の名目で出し入れすることも可能ですが、局によっては数人で運営しているところも少なくない。会社のお金でもないため、着服や横領の発覚が遅れる、あるいは見落とすことも多々ある環境といえますね」

かつて春闘が盛んな時代は、組合員が集まった際の飲食代などに使われることも多かったようですが、「今や会社にも組合にもそんな余裕は全くないので、預金額は増える一方です。どうせならコロナ禍で物価も上がっているのだから、一時金名目で各自に支給するのも得策かもしれない」(テレビ関係者)

人間、目の前に大金があればつい誘惑に負けてしまうのは、いつの時代も変わらないのかもしれません。

それなりにお金が動く組織で、役員が兼務(加えて、1人の担当者が長年に渡ってずっと経理をしている)の場合、横領のリスクはかなり高いのではないかと思っていますが、まさにその典型例ですね。
最後は良心にゆだねられるということになってしまうのではないかと思いますが、大金を目の前にすると、よからぬことを考えてしまうんでしょうね。

CBCテレビ4,000万円「着服事件」でわかったテレビ局「組合費ザル管理」事情について、どう思われましたか?


豊橋商工信用組合で1.1億円着服しネット競艇などに!

読売新聞によると、豊橋商工信用組合(愛知県豊橋市)は、先日、男性職員(22)が顧客31人の預金計1億1,078万円を着服していたと発表しました。

豊橋商工信用組合は職員をすでに懲戒解雇しており、愛知県警に告訴する方針だそうです。

発表によると、職員は入組5年目で、東田支店で渉外業務を担当していた2022年5月10日~11月28日、顧客に対し、解約された定期預金を普通預金に入金するよう勧誘したのに、実際には入金せず、現金支払いとして着服するなどしました。

着服金はネット競艇などの遊興費に使ったそうです。

先日、来店した顧客から「解約した定期預金のお金が普通預金に入金されていない」との訴えがあり、発覚しました。

被害にあった顧客には、豊橋商工信用組合が全額を弁済しました。

内部統制はどうなっているんでしょうね?
内部統制をきちんと整備しておかないと、社会的信頼を失い、組織も損失をこうむりますし、従業員も懲戒解雇となり、誰も得しないので、改めて、経営者の方々には内部統制の重要性を認識してほしいなぁと思った1件でした。

豊橋商工信用組合で1.1億円着服しネット競艇などに使っていたことについて、どう思われましたか?


日本食品化工富士本社の社員が“3億円余着服”で懲戒解雇!

NHKによると、静岡県富士市の食品素材メーカー、日本食品化工の富士本社で、管理職の社員が約10年間にわたって3億円あまりの会社の資金を着服していたとして、懲戒解雇の処分としたことを発表しました。

日本食品化工の発表によると、富士本社で経理部門の管理職だった社員は、2022年8月までの約10年間にわたって、会社の金庫に保管されていた現金を持ち出した上、管理していた小切手やキャッシュカードを使って会社の口座から現金を引き出し、会社の資金3億800万円を着服したということです。

この社員は不正の発覚を免れようと、会計システムに原材料費や経費などと架空の費用を入力していて、着服した金のほぼ全額を私的に使い込んでいたということです。

2022年8月に行った社内調査で複数の社員から不適切な会計処理が疑われるという指摘があったため内部監査を実施したところ、着服が発覚したということです。

調査に対して社員は着服の事実を認めたということで、9月に懲戒解雇処分としました。

会社では業務上横領にあたるとして、警察に相談しているということです。

日本食品化工は「多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げます。本件を重く受け止め、再発防止策を早急に実行し、信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。

10年間も気づかない会社ってどうなんでしょうね。
よっぽど儲かっていて資金的に何ら問題ないのかもしれませんが、内部統制はないんでしょうね。
そろそろ、性善説はやめ、性悪説に基づいた内部統制を構築すべき時代になっていると思います。
経営者の方々には、内部統制の重要性を認識していただきたいですね。

日本食品化工富士本社の社員が“3億円余着服”で懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


人材派遣会社が消費税申告せず約4,400万円を脱税か?

NHKによると、物流倉庫などにスタッフを派遣している東京都大田区の人材派遣会社が税務申告を行わず、おととしまでの3年間に消費税およそ4,400万円を脱税したとして東京国税局から告発されました。

告発されたのは東京都大田区にある人材派遣会社と代表取締役です。

この会社は川崎市など湾岸部にある大型の物流倉庫などに、スタッフを派遣する事業を手がけていますが、関係者によると、10年前から税務申告を一切行わない状態が続き、税務署の再三にわたる指導にも応じなかったということです。

東京国税局は、このうち資料などから確認が取れたおととし9月までの3年間について、消費税合わせておよそ4,400万円を脱税していたとして、会社と代表取締役を消費税法違反などの疑いで東京地方検察庁に告発しました。

この会社は長年赤字経営が続いていたということで、脱税で得た資金は社員や派遣スタッフの給与などに充てていたということです。

NHKの取材に対し、会社の代理人の弁護士は「捜査中であり、取材についてはお断りさせていただきます」などと回答しています。

赤字だから消費税を納めなくていいというものではありません。
最近は人手不足で人材派遣会社は儲かっているのかと思っていましたが、そうではないんですね。
人材派遣会社も、人材の確保がなかなかできないんでしょうね。
取引先が大手だと、こういうコンプライアンスを無視したようなことが発覚すると、取引がなくなってしまう可能性があると思いますし、脱税ではなく、値上げやコスト削減を考えるのが当然かと思います。

人材派遣会社が消費税申告せず約4,400万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?


1億6千万円超不明の元理容組合の男を再逮捕!

くまもと県民テレビによると、熊本県内の理容業者でつくる組合の口座から280万円あまり横領したとして逮捕された元事務局長の男ですが、さらに100万円あまり横領した疑いで、先日、再逮捕されました。

業務上横領の疑いで再逮捕されたのは、熊本県理容生活衛生同業組合・元事務局長(50)です。
元事務局長は、2016年8月、組合の口座から引き出した現金約200万円のうち、約106万円を横領した疑いがもたれています。

この事件をめぐっては、組合が設けた調査委員会で2011年から2019年の間に1億6,800万円を超える使途不明金が判明していて、警察が捜査を進めています。

元事務局長は、2022年10月に約282万円を横領した疑いで逮捕された際「自分のためではなく組合のために使った」と容疑を否認していましたが、その後は黙秘を続けているようです。

今回の容疑については「前のことで覚えていないので何とも言えない」と供述しているそうです。
警察はさらに余罪がないか調べています。

こういうお金がそれなりに動いて、役員は兼務で、事務職員が少ない組織は危ないという典型例なんでしょうね。
これだけ世の中で横領などが起こっていますから、そろそろ経営者の方々も、内部統制の重要性を理解していただきたいですね。

1億6千万円超不明の元理容組合の男を再逮捕されたことについて、どう思われましたか?


自民党滋賀県連が前事務局長を使途不明金4,000万円の業務上横領疑いで刑事告訴へ!

京都新聞によると、自民党滋賀県連の会計に多くの不明朗な支出が見つかった問題で、自民党滋賀県連が前事務局長を業務上横領の疑いで、滋賀県警に刑事告訴したようです。

自民党滋賀県連関係者によると、前事務局長は横領を認めていますが、早期の返済には応じていないようです。
告訴には、来春の統一地方選を控え、問題に区切りをつけて党員らの理解を得る狙いがあるとみられます。

自民党滋賀県連関係者によると、2015年から2021年8月にかけて、自民党滋賀県連の口座や党県議団の会派口座から使途が分からない現金が引き出されていました。

弁護士や公認会計士に依頼して精査した結果、使途不明金は4,000万円以上にのぼるそうです。

使途不明金の総額が確定したことで告訴に踏み切る一方、国会議員らで穴埋めすることを検討しているようです。

内部統制はどうなっているんでしょうね?
自民党の県連の組織がどういう構成になっているのかは分かりませんが、こういうところも、お金がたくさん動くわりに、役員が非常勤で、担当者が少ないという、不祥事が起こりやすい組織なんでしょうね。
本当は、こういうところこそ、きちんと内部統制を構築しないと危ないのではないかと思います。

自民党滋賀県連が前事務局長を使途不明金4,000万円の業務上横領疑いで刑事告訴したことについて、どう思われましたか?


高知信用金庫の元男性職員が4,100万円を着服!

テレビ高知によると、高知信用金庫の元男性職員が、支店の金庫から持ち出した現金を着服していたことが分かったようです。
損害額はあわせて4,100万円にのぼりますが、顧客の被害はないということです。

高知信用金庫によると、伊野支店に勤めていた元男性職員(28)は2022年8月3日から9月16日まで5回にわたり、ATMに現金を補充したと見せかけ、不正に端末を操作し着服していました。

元男性職員は当時支店の出納担当役を務め、長期休暇中に行われた内部調査で、本来、ATMにあるはずの現金が足りないことが判明しました。
支店長が確認したところ、着服を認めたということです。
損害額は4,100万円にのぼり、着服した金は投資に流用していました。
顧客への被害はないということです。

高知信用金庫は元男性職員を懲戒解雇処分としました。
損害金は全額弁済される見込みで、深く反省していることから、告訴は行わない方針だそうです。

高知信用金庫は「今回の事案を厳粛に受け止め、内部管理体制の充実や強化を図るなど再発防止に取り組む」としています。

内部統制はどうなっているんでしょうね?
金融機関であり、普段から多額の現金等を取り扱う業種ですから、内部統制は非常に重要だと思います。
金融機関の長期休暇は、不正等を調べるための目的があるというのは知られていることですが、発見することが大事なのではなく、不正等を行えないようにすることが大事なのではないかと思います。
常識的に考えて、現金の補充などは一人ではなく複数人で行うようなルールがあると思いますが、守られていなかったんでしょうね。
ここの支店だけなのか、高知信用金庫全体的なものなのかは分かりませんが。
もちろん、組織の信頼を失いますし、場合によっては損失も生じますが、職員の明るい将来も失うことなりますので、内部統制って大事ですよね。
経営者が本当にもっと内部統制の重要性を認識し、きっちりと整備しないといけないのではないかと改めて感じた事件でした。

高知信用金庫の元男性職員が4,100万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


顧客口座から600万円を着服した横浜銀行の元行員を再逮捕!

FNNによると、顧客の高齢女性の口座から、現金660万円を引き出して横領した疑いで、横浜銀行の元行員の男が警視庁に再逮捕されました

再逮捕されたのは、横浜銀行の元行員(41)です。
警視庁によると、元行員は、当時の顧客の高齢女性から預かった通帳を使い、無断で、複数回にわたり口座から現金を引き出し、2018年からおよそ1年半であわせて660万円を横領した疑いが持たれています。

元行員は、「投資目的と生活費にあてた」と容疑を認めているということです。

元行員は、他の顧客の高齢女性のネットバンキングを使って、自分の口座に1,200万円あまりを不正に送金した罪で逮捕・起訴されていました。

一人暮らしの認知症が疑われる高齢者の方の場合、危ないような気がしますね。
高齢者の方は、行員を全面的に信用している方も多いでしょうから。
最近、高齢者の方と契約をする場合、会社側は二人以上で対応するとか、高齢者の親族に同席してもらうということを行っているところが増えてきているように感じますが、銀行もそろそろ対応を考えていかないと、いつまでも不祥事が続くのではないかと思います。

顧客口座から600万円を着服した横浜銀行の元行員を再逮捕したことについて、どう思われましたか?


スルガ銀行の行員が複数の口座から5,700万円着服!

スルガ銀行は、先日、小田原支店(神奈川県)に勤務する行員が顧客の預金口座から約5,700万円を不正に引き出し、着服していたと発表しました。

行員は2021年夏から、同じ世帯の複数の口座から出金を繰り返していたようです。

この顧客が「身に覚えのない出金がある」スルガ銀行に相談し、先日発覚しました。

行員は「遊興費などに使った」と着服を認めているそうです。

スルガ銀行は、被害全額を弁償するとともに、神奈川県警に被害を申告しました。

行員は懲戒処分にする方針ですが「調査中のため、現時点で行員の性別や年齢は公表できない」としています。

内部統制はどうなっているんでしょうね?
個人的には、1人やっている人がいるということは、他の人もできるということだと思いますので、他にも横領はないのかが気になりますね。
いつかはバレると思うのですが、いつまでも同様の事件はなくならないですね。
資質がまず必要だと思いますが、内部統制の重要性をもっと経営者に認識しても欲しいなぁと思った事件でした。

スルガ銀行の行員が複数の口座から5,700万円着服していたことについて、どう思われましたか?


JOCが不正隠蔽の日本バドミントン協会の再発防止策に「十分な具体策の説明がなされていない」と苦言!

スポーツニッポンによると、元職員の公金私的流用を組織的に隠ぺいしていたことが問題となっている日本バドミントン協会の関根義雄会長と顧問弁護士の葉玉匡美氏が、先日、都内で会見を行いました。

幹部は誰一人引責辞任することなく、再発防止策として、「不正会計を防ぐ業務フローの改善」「ガバナンス強化」「意識改革・コンプライアンスの周知徹底」「理事会運営の改善」「事務局体制整備及び人員確保」「本会関連団体様との連携強化」を掲げましたが、具体性に欠けているようです。

日本オリンピック委員会(JOC)は日本バドミントン協会の会見後にコメントを発表しました。
「本日の記者会見での公表内容は、本会からの要請を踏まえ、一定の対応はしていただいたと受けとめている」としながら、「一方で、再発防止策については必ずしも十分な具体策の説明がなされていないと認識をしている。現在、評議員会の開催を調整中とのことなので、まずは評議員会に対して、本日の会見で指摘された事項も含めて丁寧な説明をしていただくとともに、十分な審議を行っていただきたい。本会としても評議員会の結果報告を踏まえて、加盟団体審査委員会にて対応を審議したい。併せて適合性審査の過程においては、今後、同様のことが繰り返されないようなガバナンス体制の構築に向けてNFと丁寧なコミュニケーションをとり、助言を行っていきたい」としました。

この問題は、日本バドミントン協会の元職員が、2018年10月から2019年3月にかけて公金約680万円を横領し、2020年6月末で諭旨退職処分としたものです。
2019年3月に発覚しながら、日本バドミントン協会は東京五輪を控えていたことなどを理由に2年以上も公表せず。2022年3月に明らかにしました。

第三者委員会の報告によると、理事の有志で流用の穴埋めを行い、日本オリンピック委員会(JOC)から指摘されるまで公表しなかった行為を銭谷専務理事ら幹部が主導した隠ぺいと認定しました。
監督機関のJOCは第三者委員会の報告書や処分理由などについて公表するよう日本バドミントン協会に要請していました。

先日のスポーツ庁やJOCなどによる円卓会議で来年度の国からの強化費20%削減の処分が決定(今年度なら約3,500万円)しました。
現在調査中のガバナンスコード適合審査で不適合と判断されれば、来年度の強化費の助成申請ができなくなり、強化費ゼロの可能性もある非常事態に陥っています。

日本のバドミントンの選手は、我がうどん県出身の桃田選手をはじめ、たくさん世界で活躍しているので、こういう事件は非常に残念ですし、強化費が削減されたりゼロになったりすると、強化ができなくなってしまうのではないのかという不安が生じますね。
2年以上も公表しない組織ですから、根本的なところから変えていかないといけない(例えば、幹部の総入れ替えなど)でしょうね。
これをきっかけに、協会自体が変わって、選手が競技に専念できるようになってほしいですね。

JOCが不正隠蔽の日本バドミントン協会の再発防止策に「十分な具体策の説明がなされていない」と苦言を呈したことについて、どう思われましたか?


不正にリベート要求するなどして約1,400万円の損害を与えたタダノグループの元従業員を懲戒解雇!

OHKによると、香川県高松市に本社を置くクレーンメーカーのタダノは、先日、元従業員による不正行為が発覚したと発表しました。

タダノによると、工作機械・機械工具など工業用品全般の仕入れ・販売を行うグループ会社である戸田機工商会(香川県高松市)の元従業員が、2018年ごろから、自身の立場を利用して、複数の取引先に対して不正にリベートを要求し、私的に流用していたということです。

また、仕入れや売り上げを偽装して家電や生活関連商品を納入させ、自身で取り込んでいました。

損害総額は約1,400万円に上ります。

元従業員は、先日、懲戒解雇処分となりました。
被害金額について、回収を図るべく法的手続きをするとともに、元従業員を刑事告訴すべく警察に相談しているということです。

タダノは、「皆様に多大なご迷惑ご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。グループ社員全員が法令や社会のルールを遵守し、また高い倫理観をもって透明・健全かつ誠実な事業活動に取り組めるよう努め、再発防止に取り組みます」とコメントしています。

移転してしまいましたが、最近まで、弊事務所の近くにあった会社なので、驚きました。
リベートは、なかなか防ぐのは難しいのかもしれませんが、担当者の定期的なローテーションなどである程度は防げると思いますし、仕入れや売り上げの偽装は、なぜ気づかなかったのだろうか?という気がします。
どういうポジションの方か分かりませんが、購買関係にも関わって、仕入れや売り上げの偽装にも関われるというのは、内部統制はどうなっているのでしょうか?
どうやって発覚したのかも分かりませんが、数年前に海外の子会社で不祥事があったので、子会社等の内部統制も厳しくなるのではないかと勝手に思っていたのですが、そうではなかったんですね。
上場企業本体だけでなく、子会社などもきちんと内部統制を整備・運用しないといけないなぁと思った1件でした。

不正にリベート要求するなどして約1,400万円の損害を与えたタダノグループの元従業員を懲戒解雇したことについて、どう思われましたか?


横領容疑逮捕の元理容組合職員が複数口座から数十回引き出しか?

NHKによると、熊本県の理容生活衛生同業組合の会計責任者だった元職員が、組合の口座から現金を着服したとして逮捕された事件で、元職員は複数の口座から数十回にわたり現金を引き出していた疑いのあることが警察への取材で分かったようです。

警察によると、「組合のために使った」などと容疑を否認しているということです。

熊本県理容生活衛生同業組合の会計責任者だった元職員(50)は5年前、組合の口座から引き出した現金280万円余りを自分の口座に振り込むなど着服したとして業務上横領の疑いで逮捕され、先日、熊本地方検察庁に送られました。

これまでの調べによると、元職員は無断で数百万円を引き出していたことが分かっていますが、ほかにも、組合が管理する複数の口座から数十回にわたって現金を引き出していた疑いのあることが警察への取材で分かったようです。

また。当時、元職員は1人で会計を担当していたということです。

この組合では、2019年までの8年間に運営費合わせておよそ1億6,000万円が使途不明となっていることが内部調査で確認されていて、警察が詳しいいきさつを調べることにしています。

警察によると、調べに対し、元職員は「組合のために使った」などと供述し、容疑を否認しているということです。

それなりにお金の動く組織で、役員が兼務で、担当者が1人の組織は、本当に不祥事が多いです。
これだけ不祥事が起こっているので、経営者は、そろそろ内部統制の重要性を認識して、内部統制の整備・運用に取り組んで欲しいですね。

横領容疑逮捕の元理容組合職員が複数口座から数十回引き出していたことについて、どう思われましたか?


楽天モバイルの携帯基地局整備で不正に着服した従業員を懲戒解雇!

NHKによると、楽天モバイルは、携帯電話の基地局の整備に関わる業務で、従業員が取引先と共謀して不正に金銭を着服していたとして、この従業員を懲戒解雇していたことが分かったようです。

関係者によると、楽天モバイルは携帯電話の基地局の整備に関わる業務で、自社の従業員が取引先の会社と共謀し、費用を水増しして請求する形で不正に金銭を着服していたということです。

楽天モバイルは、先日、従業員による不正行為があったことを公表したうえで、この従業員を懲戒解雇するとともに、警察に刑事告訴したことを明らかにしました。

また、従業員の不正は社内の調査で明らかになったとしています。

一方、業務と取り引きの内容、それに被害額については、捜査に支障があるとして、公表できないとしています。

この取引先の会社は東京都千代田区に本社があり、携帯電話の基地局の整備に関連して部品の運搬などを行っていた「日本ロジステック」で、楽天モバイル側の申請に基づいて裁判所が預金口座にあった4億円の仮差し押さえを認めています。

その後、この会社は、裁判所に民事再生法の適用を申請したということです。

楽天グループは「不正行為が発生したことを厳粛に受け止め、内部管理体制の一層の強化とコンプライアンス教育を徹底しグループ全体で再発防止に努めます」とコメントしています。

外部との共謀による不正は、なかなか見つけることが難しいと思いますが、社内の調査でどうやって明らかになったのかが興味がありますね。
他の報道によると、水増し請求額は46億円にのぼるとか言われていますが、結局、こういった会社ではなく個人にバックされるということは、会社のコストは高くつくわけですから、利用者への価格にも跳ね返ると思います。
複数社から見積もりを取ったり、担当者を数年ごとに変えるとかになるのではないかと思いますが、きちんと、内部統制を構築してほしいですね。

楽天モバイルの携帯基地局整備で不正に着服した従業員が懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


町立病院から約1億5,500万円横領した疑いで三重県南伊勢町の元職員を送検!

三重テレビによると、三重県南伊勢町の町立南伊勢病院から現金を横領した疑いで逮捕された元職員の男が、先日、身柄を津地方検察庁に送られました。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、南伊勢町の元職員(38)です。

警察の調べによると、2022年3月から5月にかけ、会計経理担当者として勤務していた南伊勢町立南伊勢病院の口座から、複数回にわたって現金あわせて740万円を引き出し横領した疑いが持たれています。

調べに対し、元職員は「アイドルのグッズの購入やコンサートの代金などに使った」と容疑を認めているということです。

この事件では、内部調査を行った南伊勢町が元職員が南伊勢病院に勤務していた2019年から2022年6月までに、病院の口座から現金を引き出すなどして約1億5,500万円を着服したとして懲戒免職処分にし、2022年8月に刑事告訴していました。

警察では、被害の全容解明に向け捜査を進めています。

1億5,500万円も着服されていて気付かない組織はどうなんでしょうね?
それほど財政が豊かな町ではないでしょうから。
地方自治体も、内部統制について真剣に考える必要がありますね。

町立病院から約1億5,500万円横領した疑いで三重県南伊勢町の元職員が送検されたことについて、どう思われましたか?


兵庫県造園建設業協会から約1億円着服した元事務員の女性に懲役4年の判決!

兵庫県造園建設業協会の預金口座からおよそ1億円を着服したとして業務上横領の罪に問われている女性の裁判で、神戸地裁は、先日、懲役4年の判決を言い渡しました。

兵庫県造園建設業協会の元事務員で無職の女性(43)は、自身のクレジットカードの利用代金の支払いなどのために協会の預金口座から合わせて9,797万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われています。

これまでの裁判で元事務員は、「間違いありません」と、起訴内容を認めています。

先日の判決で、神戸地裁の岡本康博裁判官は「長期間、多数回にわたり常習的に行っていて、預金口座の管理を1人で担っていたことにつけこんだ犯行は巧妙で悪質」、「協会は破綻の申し立てを余儀なくされていて、犯行の影響は甚大」などとして、元事務員に懲役4年の判決を言い渡しました。

この事件については、以前もこのBLOGで取り上げましたが、それなりにお金の動く組織で、役員が兼務で、事務員が1人でずっと担当しているという、横領の危険極まりないケースですね。
世の中にはこのような組織がたくさんあると思いますので、他人事だと思わずに、早めに内部統制を構築しましょうね。

兵庫県造園建設業協会から約1億円着服した元事務員の女性に懲役4年の判決が言い渡されたことについて、どう思われましたか?


しまなみ信用金庫の係長が顧客の定期積金解約や普通預金など640万円を着服し失踪!

テレビ新広島によると、広島県三原市のしまなみ信用金庫は支店に勤務する35歳の男性係長が、顧客の普通預金などおよそ640万円を着服し、失踪したと発表しました。

顧客の預金を着服したのは、しまなみ信用金庫皆実支店で渉外係長を務めていた男性です。
信用金庫によりますと、この男性係長は、2022年4月中旬から7月上旬にかけ、顧客の定期積金を無断で中途解約したほか、普通預金や振込資金などあわせておよそ640万円を着服したということです。

男性係長とは、先日、欠勤して以降、連絡が取れなくなっていて、店舗内を調べたところ横領の事実が発覚したそうです。

しまなみ信用金庫は、既に被害を受けた顧客に全額弁償し、男性係長の懲戒解雇しました。

今も、男性係長の行方は分かっておらず、しまなみ信用金庫は、今後、業務上横領の疑いで警察に刑事告訴する方針です。

係長に何があったのでしょうか?
もちろん、横領をする本人がいけないのは言うまでもないですが、横領ができてしまう環境を放置していた経営陣にも責任があるのではないかと思います。
経営陣の方には、内部統制の重要性を認識してほしいですね。
横領等が発生すると、誰も得しないですから。
組織を守り、従業員を守り、顧客を守るためにも、内部統制は重要だなぁと改めて感じた1件でした。

しまなみ信用金庫の係長が顧客の定期積金解約や普通預金など640万円を着服し失踪したことについて、どう思われましたか?


第3セクター「粟島汽船」の40代総務部長が発案し給与を水増しし2,286万円支給!

読売新聞によると、粟島汽船(新潟県粟島浦村)は、先日、手当など計約2,286万円を不正に支給させたとして、40歳代の男性総務部長と50歳代の男性総務課長を懲戒解雇にしたと発表しました。
粟島汽船は刑事告訴を検討しているようです。

発表によると、2人は2021年3月~2022年5月、給与改定通知書を偽造して事務担当職員に渡すなどし、役職手当などの名目で元部長は計約947万円、元課長は計約590万円を口座に振り込ませました。
他の職員24人へも計約748万円を不正支給させました。
不正は元総務部長が発案したそうです。

2022年6月に粟島汽船の顧問会計事務所から指摘を受け、調査したところ発覚しました。
2人は不正を認め、元部長は旅行費用や車の購入費などに充てたと説明しているそうです。
元部長から未回収分約534万円、元課長から約9万円の返還を求め、他の職員からも返還させるそうです。

粟島汽船は再発防止に向けた第三者委員会を設置する方針です。

粟島汽船は粟島浦村や新潟県、村上市などが出資する第3セクターです。
社長の本保建男村長は「公的資金を受けている会社に、あってはならない不祥事」と謝罪しました。

内部統制というものは存在しないんでしょうね。
他の報道によると、元部長は「膨大な業務で休日もなく過ごしてきた。このくらいのお金をもらってもいいと思った」と言っているようですが、どういう組織なんでしょうか?
時刻表を見ると、日によって1往復から3往復で、コロナ禍でおそらく経営も厳しく、それほど儲かっているとは思えませんので、これくらい水増ししていると明らかにおかしいと思うのではないかと感じますが、どうなのでしょうか?

第3セクター「粟島汽船」の40代総務部長が発案し給与を水増しし2,286万円支給していたことについて、どう思われましたか?


「全日本私立幼稚園連合会」前会長らが“横領”していた6億円以上は高級クラブ運営会社に送金?

日本テレビによると、全日本私立幼稚園連合会と、その関連団体で、6億円を超える使途不明金が発覚した事件で、警視庁は前会長の男ら2人を業務上横領などの疑いで逮捕しました。

一部のお金は、高級クラブを運営する会社などに不正に送金されていました。

先日、全日本私立幼稚園連合会のトップだった前会長(70)と、前事務局長(49)が、業務上横領などの疑いで警視庁に逮捕されました。

捜査関係者によると、前会長ら2人は2020年までの約4年間に、全日本私立幼稚園連合会の口座から700万円ほどを不正に送金し、着服した疑いなどがもたれています。
その金が送金されていたのは、高級クラブを運営する会社などでした。

「ちょっと許せないですね、それは。子供のためのお金だから、そっちに使ってほしかったですけど。」(私立幼稚園に子供が通う母親)

全日本私立幼稚園連合会とは、全国にある私立幼稚園の約9割が加盟する任意の団体です。
この団体では、国際交流や災害対策のため基金を積み立てていましたが、2021年3月までの5年間ほどで、使途不明金が約6億5,000万円にのぼっていました。

2020年9月には、連合会の監査会で不審な点が発覚しました。
その2か月後に、前会長は責任を取る形で会長の座を辞任していました。

これまでの内部調査に対し、共に逮捕された前事務局長は「現金の引き出しは前会長の指示だった」と述べ、着服した金は前会長らの私的な飲食代などにあてられたとみられています。

また、前会長は、監査の際には使途不明金が発覚しないよう複数の通帳を偽造するなどしていたとみられています。

関東にある幼稚園関係者は「やっと逮捕されましたか。着服した金で飲み食いなんて、言語道断。私利私欲で使っていたなんて考えられない」と話しています。

警視庁は今後、本格的な取り調べを行い、お金の流れについて実態解明を進める方針です。

ひどい話ですね。
教育関係の方が結構横領等をしているように思いますが、なぜ、そのような方が教育関連の仕事に就こうと思ったのか知りたいですね。
前会長は僧侶でもありますよね。
このようなかなりのお金が動く組織で、役員が兼務で非常勤のところは、きちんと内部統制を構築しないと、こういうことになりますね。
改めて、残高証明書を入手して、原本でチェックするのが大事だと感じた1件でした。

「全日本私立幼稚園連合会」前会長らが“横領”していた6億円以上は高級クラブ運営会社に送金していたことについて、どう思われましたか?


またもや東京国税局職員が日本酒転売で利益得て懲戒!

FNNによると、東京国税局で、また職員に不祥事があったようです。

減給の懲戒処分を受けたのは、都内の税務署に勤務する、60歳の特別国税調査官です。

調査官は2012年以降、業務でかかわりのあった酒販協同組合から、日本酒を小売り価格よりも安く購入して、同僚に小売価格で転売し、およそ13万円の利益を得ていました。

また、勤務場所から近い実家から通勤して、およそ30万円の通勤手当を不正に受給するなどしていたそうです。

なお、職員は、辞職しました。

東京国税局長は、先日、厳重注意を受けていましたが、次々と大変ですね。
特別国税調査官は、『特官(とっかん)』と呼ばれ、主に大規模法人に対する税務調査のリーダーで、数名のチームメンバーとともに調査対象となった法人の事務所などを訪問して調査を行っている人なので、こういった人が13万円くらいで、定年間際に懲戒とは残念なことですね。
通勤手当もそうですが、ほかにも色々やっているのかもしれませんね。
こういう人は名前を公表して、税理士登録できないようにして欲しいですね。

またもや東京国税局職員が日本酒転売で利益得て懲戒となったことについて、どう思われましたか?


日本生命の営業15人が5年間で1億4千万円を詐取!

日本経済新聞によると、日本生命保険は、先日、2017年4月~2022年3月に、営業職員15人が契約者の配当金などを不正に取得した案件が総額1億3,800万円あったと発表しました。

すでに全額を返済したようです。

ちなみに、保険の契約手続きで、営業職員が現金を取り扱うことはないそうです。

東京都武蔵野市や大阪市、青森県弘前市など13支社の職員15人が、金銭を不正取得していました。
計16件の被害額は約1万円から5,800万円でした。
資産形成の助言をするとして、現金を受け取るなどしていたようです。
契約者に親族贈与を手伝うと持ちかけ、4年間に約100回にわたって現金総額約5,700万円をだまし取ったケースもあったようです。

生保業界では、第一生命保険で特定の職員による巨額の金銭詐取が発覚したほか、明治安田生命保険やソニー生命保険でも不正が見つかっています。

信頼関係を築いているからこそ、できるのかもしれませんが、どう考えてもどこかでバレますよね。
生保の営業職員は、不正をしないといけないほど、給与が安いのでしょうか?
ノルマが厳しすぎで、だまし取ったお金で、架空の契約をしているのでしょうか?
会社としての問題なのか、個人の資質としての問題なのか分かりませんが、後者だとしTも会社の教育や内部統制の仕組みに問題があるのだと思います。
個人的には、氷山の一角のような気はしますが。
こういった費用が保険料アップにつながらないようにしてほしいと思いますが。

日本生命の営業15人が5年間で1億4千万円を詐取していたことについて、どう思われましたか?


洛星中・高の事務局長が約5,200万円を着服!

毎日放送によると、進学校の事務局長が、学校の口座から5,000万円以上を着服して懲戒解雇されました。

洛星中学・高等学校(京都市北区)によると、当時事務局長だった男性職員(61)は2017年8月~2022年5月に、生徒たちの学費や補助金などが入っている学校の口座から毎月約100万円ずつ引き出し、計約5,200万円を着服していたということです。
公認会計士からの指摘を受けて、2022年5月に発覚しました。

男性職員は「妻の病気の治療費や生活費に全額使った」と着服を認めていて、昼休み中などに学校を抜け出して金を引き出していたということです。

学校は5月20日付で男性職員を懲戒解雇して、業務上横領の容疑で6月3日朝に刑事告訴しました。

教育の場での不祥事は本当にやめて欲しいですね。
公認会計士からの指摘を受けて発覚したということは、会計監査が機能したということなんでしょうが、内部統制の構築はきちんとできていなかったということなんでしょうね。
それなりの金額のお金が動くところは、経営者が真剣に内部統制のことを考えないとやばいですね。

洛星中・高の事務局長が約5,200万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


仙台中央食肉卸売市場で病死の元課長が8,400万円横領か?

仙台中央食肉卸売市場(仙台市宮城野区)は、先日、経理課長だった元男性契約社員(69)が18年間で、生産者に配る「奨励金」名目で市場の口座などから資金を引き出し、計8,400万円余りを着服していたと発表しました。
男性は借金返済や遊興費に充てていたと認め、2022年3月末に契約終了で退職しました。
そして、2022年5月に病死しました。

市場によると、男性は2002年から宮城県内の出荷者1団体の通帳と印鑑を管理していました。
団体に加入する生産者への奨励金交付を一手に担っていました。

2003年8月~2021年4月、市場口座から団体口座への奨励金入金後に、振り込み名目を「売掛金」などと変更することで発覚を免れていました。
ところが、2022年1月の内部調査で判明しました。

記者会見した市場の佐々木仁専務は「長年1人で同じ業務を担当しており、周囲も気付けなかった」と陳謝しました。
男性所有の不動産を差し押さえるなどして回収を図ると説明しました。

長年1人で同じ業務を担当しているという時点でアウトですね。
最近、良く思うのですが、横領などが起こるのは、本人が悪いのは言うまでもありませんが、経営者が内部統制をきちんと構築していなかったことにも原因があるわけですから、経営者も責任を取るというのが当たり前になれば、経営者も真剣に内部統制の重要性について考えるようになるんだろうなぁと考えています。
兼任とか非常勤とかも関係ないと思いますので。

仙台中央食肉卸売市場で病死の元課長が8,400万円横領していたことについて、どう思われましたか?


1億8千万円横領のNHK子会社社員の素顔!

NEWSポストセブンによると、先日、警視庁捜査2課はNHKグローバルメディアサービス元社員(44)を詐欺容疑で逮捕しました。
NHKグローバルメディアサービスは、『NHKスペシャル』などの番組制作を請け負っているNHKの子会社です。
その元社員の意外な素顔が、取材で明らかになってきたようです。
全国紙社会部記者が事件を説明しています。

「逮捕容疑は経理担当だった2021年10月下旬ごろ、大相撲九州場所の取材などの名目で正規の発注を装って旅行会社に申込書を提出し、乗車券や新幹線特急券120枚、約105万円分をだまし取ったというもの。元社員は2017年7月から約4年間、同様の手口で約780回、計約1億8,000万円分のチケットを不正に得て、払い戻して現金を手にしていたと見られています。」

NHKでは2004年に紅白歌合戦のプロデューサーが制作費約8,000万円を横領していたことが発覚し、受信料の未払いが続出しました。
国会でも取り上げられるほどの大騒動になりました。
今回のケースは金額だけを見れば、それを上回る規模です。

元社員の逮捕に驚きの声を上げるのは、公益社団法人日本ボート協会の関係者です。
「●●さんは学生時代からボート部で、社会人になってからは日本ボート協会の会員として、長年、ボート競技の発展に貢献していました。協会では審判委員会に所属し、トップに次ぐ“オフィサー”という責任ある立場を担っていた。審判のなかには選手に高圧的な態度をとる人もいるのですが、●●さんは物腰は柔らかい。また、ボート界には酒癖が悪い人が割と多い。そんな中、●●さんは酒もほどほどで、潰れた人を介抱する側でした。事務局スタッフからボート協会の上層部まで一目置かれる存在でしたね。」

元社員は詐取した金の使途について、住宅ローンの返済とギャンブルに費やしたと供述しています。
しかしながら、長年、元社員の知人だった男性によると、浪費家の面は見受けられなかったそうです。

「大学卒業後、大手有名IT企業に入社したものの、身なりはずっと地味で、ブランド品などを身につけるタイプではなかった。麻雀やパチンコもやらなかったと聞いている。趣味のひとつは車で、ポルシェが好きだったようですが、型落ちのパナメーラやカイエンを乗っていた程度なので給料で買えたと思うのですが……。」

元社員は2021年12月にNHKグローバルメディアサービスを懲戒解雇されています。
それと前後して日本ボート協会にも辞意を伝えていました。

「突然だったので協会内でも話題になりました。ただ、●●さんは親しい人には理由を明かしていたのでしょう。一部の関係者は事情を知っていたようで、“なにかお金のトラブルがあったようだ”“返せなくて逮捕されるらしい”と協会内で噂になっていました。」(前出・日本ボート協会関係者)

今回の逮捕を受け、NHKグローバルメディアサービスは「ご迷惑をかけた皆様におわびを申し上げる。今後、このようなことが起きないよう、再発防止策を徹底したい」とコメントしています。

以前からNHKは不祥事が多いですよね。
内部統制がきちんと整備されていないのか、社員のモラルが低いということなんでしょうね。
そろそろ、存在意義をゼロベースで確認して、組織解散とか民営化とか考えないといけない時期に来ているのではないかと思います。

1億8千万円横領のNHK子会社社員の素顔について、どう思われましたか?


JAの20代職員が476万円を着服した疑いで懲戒解雇処分!

NHKによると、「JAふくしま未来」に勤務していた20代の職員がおよそ480万円を着服したとして、懲戒解雇の処分を受けました。

先日、懲戒解雇の処分を受けたのは、福島県福島市に本店があるJAふくしま未来の梁川総合支店に勤務していた20代の男性職員です。

JAふくしま未来によると、元職員は、先日、梁川南給油所に設置されているATMに入っている現金を確認する際、一緒に作業していた職員の目を盗んで476万円を抜き取り着服したということです。

先日、ATMの現金が不足しているのが発覚し、本人に確認したところ着服を認めたということです。

JAの聞き取りに対し、元職員は「着服した金は競馬に充てた。申し訳ないことをした」と話しているということです。

着服した金は元職員の家族から全額弁済されたということで、JAふくしま未来は刑事告発するかどうか検討するとしています。

JAふくしま未来の数又清市代表理事組合長は、「組合員をはじめ利用者の皆様、関係する皆様に心よりお詫び申し上げます。綱紀の粛正・内部管理体制の強化を図り、信頼回復と再発防止に取り組みます」とコメントしています。

安全上や内部統制上、2人で作業しているのだと思いますが、何の意味をなしていないですね。
ルールはあっても、ルールが守られていないということなんでしょうね。
この支店だけの問題なのか、このJA全体としての問題なのかは分かりませんが、これを機に、内部統制を根本から見直してほしいですね。

JAの20代職員が476万円を着服した疑いで懲戒解雇処分となったことについて、どう思われましたか?


業務上横領の罪でJFしまね元総務部長に懲役3年6か月の判決!

NHKによると、漁業協同組合JFしまねの口座から3,200万円余りを引き出し着服したとして、業務上横領の罪に問われている元総務部長の裁判で、松江地方裁判所は、「自己の立場を利用した犯行に情状酌量の余地はない」として懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。

JFしまね境港支所の元総務部長(65)は、おととしまでのおよそ4年間に、JFしまねの口座から3,200万円余りを引き出し着服したとして、業務上横領の罪に問われています。

先日の判決で、松江地方裁判所の畑口泰成裁判官は、「自己の立場を利用し、組合を裏切って犯行に及んだのは、パチンコ代や物品の購入など、自己の収入に見合わない浪費のためであって情状酌量の余地はない」と指摘しました。

そのうえで、「ばれないようにさまざまな隠蔽工作を行うなど犯行は悪質で刑事責任は重い」として、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。

JAの横領事件はたくさんありますが、JFは珍しいですね。
扱っている資金量が圧倒的に違うのかもしれませんが。横領事件が起こるということは、内部統制がきちんと構築されていないんでしょうね。
他のJFは、このようなことが起こらないよう内部統制の重要性を理解し、きちんと構築してほしいですね。

業務上横領の罪でJFしまね元総務部長に懲役3年6か月の判決が出たことについて、どう思われましたか?


グローリーの子会社社員が21億円を横領して17億円で馬券購入か?

朝日新聞によると、券売機や両替機を製造する大手メーカーのグローリー(兵庫県姫路市、東証1部上場)は、先日、コインロッカー販売保守などを担う子会社「グローリーサービス」(大阪市北区)の社員が、13年間で計約21億5,500万円を横領していたことがわかったと公表したそうです。
先日、この社員を懲戒解雇し、刑事告訴を検討しているようです。

グローリーによると、社員は2005年に子会社に入社し、経理業務を1人で担当していました。

社員は2009年から2022年2月にかけ、売上金を口座に入金せずに着服したり、子会社の口座から自分の口座へネットバンキングで計352回送金したりするなどし、計21億5,544万4,809円を横領していたようです。
預金残高の証明書を改ざんするなどして隠ぺいしていました。

グローリーと子会社間で資金をやりとりする口座で不審な点が2022年1月に見つかり、上司が取引明細を確認して不正が発覚しました。

社内に調査委員会を設けて調べ、報告書を、先日、公表しました。
社員への聞き取りなどによると、横領したうち約17億6千万円を馬券の購入に使い、残りは飲食費や遊興費に使ったとみられます。

グローリーは、「株主や取引先をはじめ、関係者の皆様に多大なるご迷惑・ご心配をおかけしたことを、深くおわびします。社内調査結果を踏まえ、再発防止策を実行していきます」とコメントしました。

東証1部上場企業の子会社で、1人で経理を担当というのは、『内部統制』をグローリーや子会社の経営者がどのように考えているのかを知りたいですね。
13年間で計約21億5,500万円だと、単純平均で年間1億6,500万円以上ですので、それに気づかないというのがすごいですね。
上場企業の子会社ですから、親会社にそれなりの資料を提出するでしょうし、親会社の方が監査役になっているでしょうし、数年に一度は、子会社にも監査法人が来るでしょうから。

グローリーの子会社社員が21億円を横領して17億円で馬券購入していたことについて、どう思われましたか?


香川県信用組合の元支店長が他人名義口座開設で1億円余りを詐取!

NHKによると、我がうどん県の香川県信用組合のさぬき市にある長尾支店の元支店長が他人名義の口座を開設して消費者ローンを組み、組合から1億円余りをだまし取っていたことが明らかになりました。
香川県信用組合では似たような手口での不祥事が、2022年1月に発表されたばかりです。

発表によると、香川県信用組合のさぬき市にある長尾支店の49歳の元支店長が2010年から2022年1月にかけて、友人などおよそ50人の名義を借りて預金口座を開設したうえで、消費者ローンを組み、香川県信用組合から1億円余りをだまし取ったということです。

香川県信用組合は、別の元職員が似たような手口でおよそ8,400万円をだまし取ったことを2022年1月に発表したばかりですが、その調査の過程で、ATMの画像を解析したところ、元支店長が他人名義の口座を利用していることが分かり、問題が明らかになったということです。

元支店長は、香川県信用組合の聞き取りに対し事実関係を認め、だまし取った金は名義を借りた知人などとの飲食代や洋服の購入などに充てたと話しているということです。

香川県信用組合では、元支店長を先日、懲戒解雇し、だまし取った金の返済を求めるとともに今後、刑事告訴するとしています。

不祥事が相次いでいることについて、香川県信用組合の川畑貢理事長は、「重大かつ厳粛に受け止め、真摯に反省するとともに、コンプライアンス体制の強化に全力で取り組む」と述べました。

1月に引き続き2件目ですから、内部統制が機能していないんでしょうね。
こういったところに安心してお金を預けたりできるのでしょうか?
こういったことをして出世して支店長になっているのであれば、評価方法の見直しや新規契約の際のご本人への確認をきちんとしないといけないと思いますし、契約をたくさん撮る人は疑った方が良いということになるかもしれませんね。
昔、監査法人勤務時代に、とある小売店の経営者の方から、『現金過不足がまったくない店舗は逆に怪しいんですよね。』と聞いたこと(多い時にストックしておいて足りない時にそこから出しているか、もしくは、個人的に負担している)を思い出しました。

香川県信用組合の元支店長が他人名義口座開設で1億円余りを詐取していたことについて、どう思われましたか?


岡山市の職員が住居・通勤手当を13年間不正受給!

読売新聞によると、岡山市は、先日、住居手当と通勤手当を約13年間、不正に受け取った下水道河川局の50歳代男性職員を停職6か月の懲戒処分としました。
男性職員は不正受給した全額を返納し、同日、依願退職しました。

発表では、男性職員は2008年11月に自宅を新築し、岡山市内のアパートから転居しました。
両手当の支給対象外となったのに、転居の届け出をせず、2008年12月~2021年9月、計約448万円を不正に受給していました。

アパートが取り壊されていることに上司が気付き、発覚しました。
2018年8月の岡山市の調査では、偽造した賃貸借契約書と家賃の領収書を提出していました。
聞き取りに対し、「給料が減るのが嫌でやった。ばれないと思った。」などと話しているそうです。

多かれ少なかれ、こういう人はいるんでしょうね。
そもそも住居手当も、賃貸か持ち家かで支給されるかどうかが違うのもおかしいと思いますので、支給しないところも増えているのではないかと思いますが、手当の見直しからした方が良いのではないかと思いました。
職員の人にも税金が使われているという自覚を持って欲しいですね。
依願退職ということは、退職金も支給されるんでしょうね。

岡山市の職員が住居・通勤手当を13年間不正受給していたことがアパートが取り壊されていることに上司が気付いたことで発覚したことについて、どう思われましたか?


静岡県焼津市のシルバー人材センターで1,800万円の未入金!

静岡第一テレビによると、静岡県焼津市のシルバー人材センターで、1,800万円の未入金があることがわかったようです。

焼津市シルバー人材センターによると、2021年1月、会計事務を担当していた元職員の退職の申し出をきっかけに調査したところ、2017年度から2020年度までの4年間に、顧客から受注した仕事の請負代金413件分1,793万円が口座に入金されていないことがわかったようです。

このため、焼津市シルバー人材センターでは、元職員が入金処理をせず着服横領した疑いが強いとして、2021年2月に懲戒免職処分としました。

元職員は着服横領を否定していて、焼津市シルバー人材センターは、2022年1月、損害賠償を求め提訴しています。

こういうところも、内部統制というものが存在しないんでしょうね。
公益社団法人で色々と優遇されており、それなりのお金の動きがある組織だと思いますので、経営者はきちんと内部統制を構築してほしいですね。

静岡県焼津市のシルバー人材センターで1,800万円の未入金があることについて、どう思われましたか?


JAちば東葛の男性職員が顧客から預かった現金など530万円を横領!

千葉日報によると、JAちば東葛(千葉県柏市)は、先日、風早支店の30代男性職員が顧客7人から預かった現金など少なくとも530万円を横領したと発表しました。

JAちば東葛は他の顧客にも被害がないか全容解明に向け調査中です。

職員は借金の返済やギャンブル、遊興費に使ったと説明しており、全額弁済の意向を示しているそです。

JAちば東葛によると、男性職員は風早支店で金融の外回り業務に従事しており、保険の営業に担当替え後も外回りの集金業務を続けていました。

横領の期間は2017年11月~2021年10月で、普通貯金への入金や定期積金の掛け金を口実に顧客から預かった現金や、口座から払い戻した現金を着服していました。

2021年10月9日、別の職員が顧客を訪問時「男性職員に預けた通帳が返ってこないがどうなっているのか」と相談があり、発覚したようです。

男性職員は顧客から現金を預かる際、正規の預かり証を発行せず名刺の裏に記載して済ませたほか、顧客訪問の予定を日報に書き込んでいませんでした。

JAちば東葛は、「証拠となる痕跡を残さないようにしており、チェックできなかった」と説明しました。

男性職員は横領を認めており、被害額を確定後、懲戒処分を決めるそうです。
刑事告訴は「調査の見通しがついた時点で検討する」としています。
被害者にはJAちば東葛が弁済します。

またもやJAかという感じですが、今どき、名刺の裏に記載するということは、普通の会社では認められていないと思いますので、悲しいことではありますが、全面的に信用するのではなく、個人も色々と知識を身に着けないといけない時代になっていますね。
JAちば東葛の『証拠となる痕跡を残さないようにしており、チェックできなかった』というコメントもどうなのか思いますね。
集金をやめるか、集金をするときは2人以上で行くとかしないと防ぐことは厳しいかもしれませんね。
これらをやるとしても、皆さんにそのことを知れ渡らせないといけないとは思いますが。
手間とか考えると、集金もどんどん有料になっていくかもしれませんね。

JAちば東葛の男性職員が顧客から預かった現金など530万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


児童養護施設の運営口座から約1億8,000万円を横領の疑い!

中京テレビによると、三重県伊勢市にある児童養護施設の元職員が約560万円を横領したとして、先日、警察に逮捕されました。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、児童養護施設の元職員(47)で、警察の調べによりますと、2020年8月から11月までの間に、施設の運営口座から約560万円を横領した疑いがもたれています。

警察の調べに対し、児童養護施設の元職員は「間違いありません」と容疑を認めているということです。

施設を運営している社会福祉法人は、2021年、会見を開き、元職員が施設の積立金や入所児童の児童手当などを横領したため解雇したと発表していました。
当時、社会福祉法人の聞き取りに対して、元職員は「横領した金の大半は競馬に使った」と話していたということです。

警察によりますと、社会福祉法人は、2015年からの5年であわせて約1億8,000万円の被害があったと刑事告訴していて、警察は元職員の関与を調べています。

5年で約1億8,000万円も横領されていたのに、社会福祉法人は気付かないのだろうかと疑問に思います。
おそらく、内部統制が存在しないか、あっても有効に機能していないということでしょうね。
社会福祉法人は色々と優遇されている面があると思いますが、内部統制の構築及び運用は経営者の責任ですので、こういうところまで優遇する必要があるのだろうかと思ってしまいますね。

児童養護施設の運営口座から約1億8,000万円を横領の疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


賞味期限偽装や着服など不祥事続きのJA高知県が再発防止策を発表!

高知さんさんテレビによると、2021年に不祥事が相次いで発覚したJA高知県が、特別調査委員会の報告を受け、再発防止策など今後の対策について発表しました。

JA高知県・秦泉寺雅一組合長「誠に申し訳ありません。」

JA高知県は、2021年4月から9月にかけて賞味期限の偽装や保険金の着服などの5件の不祥事が発覚しました。

これらを受け、特別調査委員会がおよそ5か月かけ、現地調査や職員へのアンケートなどを行いました。
その結果、佐川支所と春野営農経済センターでの着服の被害金額は今のところ当初の内部調査を3,000万円ほど上回る総額8,400万円ほどにのぼることがわかったようです。

着服を行ったいずれの職員にも刑事告訴は行わず、懲戒解雇などにしています。
報告を受け、秦泉寺雅一組合長は、「3年前の事業統合の際に組織体制やコンプライアンス意識の強化が不十分だった」とし組織の再出発を訴えました。

秦泉寺雅一組合長「不退転の決意を持って皆さま方からの信頼回復に努めさせていただきたいと思います。」

リスク管理体制の強化や集金業務の廃止など再発防止策の方針を発表しました。
具体的な対策や組合員などへの対応は来月の理事会で取りまとめる予定だそうです。

被害金額が内部調査から3,000万円ほど増えているということは、内部調査もきちんとできない組織なんでしょうね。
刑事告訴を行わないのも、組織として甘いのではないかと思われます。
全国的にJAの不祥事は多いと思いますので、経営者は、真剣に内部統制の重要性を理解して、内部統制をきちんと構築してほしいですね。
内部統制に不備があると、組織としての信頼も失いますし、損害を本人から回収できなければ金銭的な損害も出ますし、優秀な職員が前途を失うかもしれませんし、何も良いことはありません。

賞味期限偽装や着服など不祥事続きのJA高知県が再発防止策を発表したことについて、どう思われましたか?


レジの会計取り消し28回で18万円着服した疑いで元店長を逮捕!

京都新聞によると、京都府警下京署は、先日、業務上横領の疑いで、佐賀県佐賀市のアルバイトの女性(43)(窃盗罪で起訴)を再逮捕しました。

再逮捕容疑は、京都府京都市下京区のレストラン店長だった2016年6月~2017年8月、28回にわたって店の売り上げ計約18万円を着服した疑いです。
元店長は、容疑を否認しているようです。

下京署によると、元店長はレジ操作を誤った時に会計を取り消す処理を悪用し、売り上げを実際よりも少なく偽装していました。
店の運営会社による調査で、元店長による取り消し処理が多いことが発覚したそうです。

本来、横領などを防ぐことを考えないといけない立場にある店長が着服していたということは、会社として、きちんと内部統制の教育や構築ができていなかったということでしょうね。
本人が悪いのは言うまでもないですが、経営者にも責任があるでしょうね。
やはり、現金商売は難しいですね。
きちんと、内部統制構築しましょう。

レジの会計取り消し28回で18万円着服した疑いで元店長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


「競艇するため」にATM点検を装い元ALSOK警備員が1億円を盗む!

FNNによると、警備会社ALSOKに勤めていた男が約1億円の現金を盗んだとして逮捕されたようです。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、ALSOKの元警備員(33)です。

本来、警備するべきATMから約1億円の現金を盗み出した、その手口の一部が明らかになったようです。

事件は2021年10月28日、千葉県内にある金融機関で起きました。
ATMの点検・清掃のため現場を訪れた元警備員は、現金に触れることなく行う作業のため一人で来ていました。

ところが、元警備員は本来なら必要のない鍵を持ち込み、ATMを開けて中から数百万円を盗み出したとみられています。

同様の手口で6か所の金融機関にあるATMから合計で約1億円の現金を盗み出していました。

近隣住民は、逮捕の数日前に元警備員の姿を目撃していました。
「正月2日3日、そこでバーベキューやっていたよ。今風の男の人かな…」

ALSOKで2011年から約10年間働いていたという元警備員ですが、関係者によるとトラブルなどを起こすような人物ではなかったということです。

事件を受けALSOKは、「今回の件を重く受け止め二度と起きないよう社員一丸となって信頼の回復や再発防止に取り組んでいく」と謝罪しました。

調べに対し元警備員は、「俺のやったことで間違いありません」と容疑を認めるとともに、犯行に及んだ理由を次のように話しているそうです。
「競艇をするために金が必要だった。」

警察は余罪があるとみて、調べを進めています。

多額のお金を扱う仕事で、一人で作業できる状況を作れるということは、内部統制の構築ができていないということでしょうね。
会社の信用も失いますし、本人から回収できなければ会社の損失となりますし、採用が困難な時代に従業員を失いますし、従業員の将来を失う可能性がありますし、誰も得しません。
経営者は、真剣に内部統制の重要性を認識し、きちんと内部統制を構築し、構築したあとも絶えず見直してほしいですね。

「競艇するため」にATM点検を装い元ALSOK警備員が1億円を盗んだことについて、どう思われましたか?


香川県信用組合の職員が2億6,200万円を顧客になりすまし詐取!

香川県信用組合(うどん県高松市)は、先日、本店営業部の元副長の男性(39)が顧客になりすまし、香川県信用組合の消費者ローンから計約2億6,200万円を不正に借り入れて詐取していたと発表しました。

香川県信用組合によると、男性は2011年8月~2021年12月、香川県内の計5店舗の顧客31人から預かった免許証のコピーなどを悪用して預金口座を開設。消費者ローン計約2億6,200万円を不正に借り入れてだまし取りました。
うち約8,500万円についてはパチンコや飲食費などに使い、残りは不正借り入れの返済に充てていたようです。

別の職員が2021年11月、口座資金の不審な動きに気付いて発覚しました。
男性は2021年12月7日の聞き取り調査で事実関係を認めましたが、翌日に亡くなりました。
香川県信用組合は刑事告訴はせず、借入金を全額弁済しました。
今後、遺族に返還を求めるようです。

香川県信用組合の川畑貢理事長は先日の記者会見で「口座開設やローンの業務を1人で担っていたので不正に気付けなかった。多大な心配と迷惑をかけた」と謝罪しました。
今後、第三者委員会を設置して再発防止に取り組むようです。

口座開設やローンの業務を1人で担っていたということは、内部統制が存在しないんでしょうね。
金融機関で、こういう状況でいいのでしょうか?
会計監査人もいると思いますが…。
大切なお金を預ける際には、金融機関だからといって信用するのではなく、信用できる金融機関を選んで預けないといけない時代なっているのかもしれませんね。

香川県信用組合の職員が2億6,200万円を顧客になりすまし詐取していたことについて、どう思われましたか?


「400万円の中古外車も買った」北海道消防協会の元経理担当が”2,200万円着服”で再逮捕!

先日、このBlogでも取り上げた事件の続きですが、北海道内の消防隊員・団員で作る北海道消防協会で経理主幹を担当していた52歳の男が、約2,200万円を着服したとして再逮捕されました。

業務上横領の疑いで再逮捕されたのは、北海道厚真町に住む派遣社員(52)です。

元経理担当は北海道消防協会の経理を担当していた2016年4月から2017年3月までの間、管理する口座から現金約2,200万円を引き出し着服した疑いが持たれています。

警察によりますと、当時元経理担当は北海道消防協会の経理主幹で、会員の会費などが管理されていた複数の口座から約30回に渡って現金を引き出していたということです。

北海道消防協会などによりますと、元経理担当は2007年ごろから経理を1人で担当していました。

2018年12月に北海道消防協会内の経理関連の書類に不備が見つかったことなどから内部調査をしたところ不正が発覚し、総額1億1,000万円以上を私的流用していたとして、2019年3月に刑事告訴し、元経理担当を懲戒免職処分としていました。

当時の内部調査に元経理担当は、「弟の借金の肩代わりや高い車や旅行のために使った」などと話し、口座に残高はほとんど残っていなかったということです。

警察は、元経理担当が経理主査だった2015年4月から2016年3月までの間、管理する口座から現金約1,180万円を引き出し着服していたとして2021年11月25日に逮捕していて、余罪の捜査を進め2021年12月15日に再逮捕しました。

調べに対し元経理担当は、「数万円から着服を始め、発覚しないのでエスカレートした。飲酒やパチンコ、旅行などに使った。400万円する中古の高級外車も買った」などと容疑を認めているようです。

警察は業務上横領事件の時効である7年間を捜査するとし、これまで明らかになった約3,400万円のほかに6,000万円近くの余罪があるとみて、追及する方針です。

これだけ横領されていて、実際に口座にほとんど残高がないのに気づかなかったというのは、経営者にも責任があるのではないかと思います。
組合や協会など、それなりの額のお金の動きがあって、役員が兼務の非常勤で、経理担当者が1人というのは、横領が多いのはここ数年の横領事件を見ていても明らかですから、経営者も早く内部統制の重要性に気づいて欲しいですね。
そもそも、経営者としての資質がない名ばかりの方が経営者になっていることが問題なのかもしれませんが。

「400万円の中古外車も買った」北海道消防協会の元経理担当が”2,200万円着服”で再逮捕さrてたことについて、どう思われましたか?


架空の出張仕立て2,800万円を着服したNHK子会社社員を懲戒解雇!

読売新聞によると、NHKの子会社「NHKグローバルメディアサービス(Gメディア)」(東京都渋谷区)は、先日、架空の出張を仕立て、旅費約2,800万円を着服したとして40代男性社員を懲戒解雇したと発表しました。

発表によると、男性社員は2021年7〜10月、取引先のプロダクションが業務で出張したことにし、その新幹線チケットを、旅行会社に85回申し込みました。
男性社員は毎回、代金後払いでチケットを受け取り、JRの窓口に持ち込んで換金していました。
男性社員はその後、旅行会社に代金を支払わず、着服した金はローン返済などに使っていたそうです。

今回の不正は2021年11月上旬、男性社員が自ら上司に報告して発覚しました。
男性社員は庶務・経理の担当でした。
Gメディアは旅行会社にすでに未払いの代金全額を支払い、男性社員はGメディアに返済の意思を示しています。

経理の担当なのに、支払わないとバレるというのは最初から分からなかったのでしょうか?
NHKグループも何年かに一度は不祥事が表沙汰になる不祥事が多い企業ですよね。
内部統制の重要性を経営陣は認識しているのでしょうか?
まぁ、発覚から公表まで早かったのは、良いことだと思いますが。

架空の出張仕立て2,800万円を着服したNHK子会社社員が懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


北海道消防協会元職員で協会運営費1,100万円を着服した52歳男性を逮捕!

北海道放送によると、北海道消防協会の元職員の男性が、協会の運営費1,100万円を着服していたとして、逮捕されました。

逮捕されたのは、北海道消防協会の元職員の52歳の男性です。

元職員は、札幌市にある協会で、経理主査として勤務していましたが、2015年4月から2016年3月にかけて、ギャンブルや飲酒、旅行の資金のため、協会の運営費の口座から現金合計1,100万円を引き出して着服した業務上横領の疑いが持たれています。

警察によりますと、元職員は約30回にわたり、札幌市内の銀行や郵便局の口座から現金を引き出していました。

北海道消防協会は、元職員の会計文書の管理がずさんなことを不審に思い、2018年6月から内偵調査を始め、2019年2月に着服が発覚し、3月に元職員を懲戒解雇処分としました。

警察の調べに対し、元職員は「私がやったことに間違いない」と容疑を認めているということです。

警察は、2016年以降も、元職員が同様の手口で横領を繰り返し、被害額は合わせて約9,000万円に上ると見て、調べを進めています。

これだけ着服されても気付かないということは、内部統制というものが存在しないと思われますし、協会という役員が非常勤で兼務の方が多く経営者としての意識が乏しい方が多い組織ゆえ、起こるべくして起こった事件でしょうね。
こういった組織こそ、内部統制を構築しないといけないということを役員に認識してほしいですね。

北海道消防協会元職員で協会運営費1,100万円を着服した52歳男性が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


「ハワイ旅行等で1千万円以上借金あった」県立高校の元事務長が1,700万円を横領!

東海テレビによると、愛知県の県立高校の男性が、高校の銀行口座から総額およそ1,700万円を横領していたことが分かったようです。

愛知県立犬山高校で経理を担当していた元事務長の男性(62)は2017年、高校の銀行口座から520万円あまりを横領したとして2021年3月に逮捕・起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けていました。

その後の愛知県教育委員会の調査で、元事務長が請求書を偽造して着服を繰り返し、2020年に定年退職するまでの3年間に総額およそ1,700万円を横領していたことがわかりました。

愛知県教育委員会の聞き取りに対し、元事務長は「生活費やハワイ旅行などで1千万円以上借金があり、弁済に困ったので着服した」などと話していて、横領した金は2021年8月までに全額弁済したということです。

こういった事件が起きるたびに、学校の職員には現金や預金を触らせず、何校かまとめて教育委員会などがやればいいように思います。
最近は、教育に関わる方々が、教育ということを考えているのだろうかと疑問に思う事件が多いですね。
あとは、一般企業ならば、退職金が出ない案件だとは思いますが、2020年に定年退職していますが、このような場合、退職金はどうなるんでしょうね?

「ハワイ旅行等で1千万円以上借金あった」県立高校の元事務長が1,700万円を横領したことについて、どう思われましたか?


旅行会社が「雇調金」を1億7,750万円不正受給か?

読売新聞によると、旅行会社(東京都千代田区)が、国の雇用調整助成金を不正受給した疑いがある問題で、旅行会社の特別調査委員会は、先日、東京都内で記者会見を開き、不正受給額が約1億7,750万円とみられるとの中間報告書を公表しました。
旅行会社幹部らは不正への関与を否定し、特別調査員会も「現時点では故意に虚偽申請を行ったか明らかではない」としています。

旅行会社は休業手当を支払った企業を助成する雇用調整助成金(雇調金)を、新型コロナウイルス禍の2020年3月~2021年5月分として計約4億5,000万円を受給しています。
委員長の久保利英明弁護士によると、旅行会社は従業員の勤怠を記録していなかったことから、定期券の所持者を全て出勤したとみなすなどし、計約1億7,750万円が事実と異なる受給額と推認しました。

旅行会社は本社経営企画本部が、各支店などからの報告を取りまとめて休業申請を行っていました。
東京支店では、休業中に上司から呼び出された従業員がいたといい、出社後に業務システムを使わないように指示された従業員もいたようです。

特別調査委員会は報告書で、「勤怠確認や助成金申請に関する内部統制に瑕疵(かし)があることは否定できず、あまりにずさんな管理体制だ」と指摘しました。
旅行会社は、「引き続き調査に全面的に協力する」とのコメントを出しました。
旅行会社の会長は「日本旅行業協会」会長を務めていますが、先日の協会臨時理事会で会長代行に選出された副会長が会長職を代行しています。

特別調査委員会の中間報告書では、NHKが情報提供者から得た旅行会社の内部資料を、久保利英明委員長に渡していたことが明らかになりました。

報告書によると、特別調査委員会は問題を解明できる資料が乏しかったことから、久保利委員長がNHK記者に、情報提供者から入手した資料提供などの協力を依頼しました。
NHKは先日、旅行会社の東京支店が出社時に行っていた2020年7月~2021年5月の検温記録のコピーを特別調査委員会に渡していたそうです。

特別調査委員会は全従業員の検温記録がないことから休業状況の判断は難しいとして、この資料を不正受給額の推定には用いなかったとしています。
NHK広報部は「情報提供者と相談した上で取材源を秘匿し、資料の一部を提供した。詳細は確認を進めている」とコメントしています。

最終的にどうなるか分かりませんが、故意にやっているのであれば、悪質ですね。
調査結果をウォッチしたいと思います。
内部の情報提供者がいるということは、良心を持った方がまだまだたくさんいらっしゃるのだなぁと思いました。

旅行会社が「雇調金」を1億7,750万円不正受給している疑いがあることについて、どう思われましたか?


焼津漁協職員がカツオを大量窃盗!

読売新聞によると、静岡県焼津市の魚市場で大量のカツオを盗んだとして、焼津漁業協同組合職員ら7人が逮捕された事件が、地元に衝撃を広げているようです。
以前から、水産関係者の間では「焼津港では水揚げが減る」と指摘されており、長年にわたって不正が続いていた可能性があるそうです。
日本一の水揚げを誇る漁港のブランドを傷つけかねない深刻な事態で、全容解明と再発防止が強く求められています。

「うわさは本当だったのか。太平洋で命がけで取ってきた魚を奪うとは許せない。」と、被害に遭った水産会社の関係者は声を荒らげました。
社内では、焼津港の水揚げが鹿児島の港と比べて少なくなることが不思議がられていたそうです。
「漁協を信頼していたのに裏切られた。同業他社もやられているのでは」と疑いの目を向けています。

ある漁協関係者は「30年前からうわさはあった」と証言しています。
静岡県警は、事件後に複数の水産会社から被害の相談を受けており、メンバーを替えながら窃盗が繰り返されていたとの見方を強めているようです。
捜査関係者は「バカを見ていたのは水産会社だけで、漁協関係者と水産加工会社が甘い蜜を吸っていた。パンドラの箱が開いた」と語っています。

静岡県警は、先日、水産加工会社元役員(47)、運送会社員(47)、同社員(43)の3容疑者を窃盗容疑で逮捕しました。
共犯として漁協職員(40)を逮捕したほか、後日、水産加工会社元社長(60)、漁協職員(31)、元漁協職員(30)の3容疑者を新たに逮捕し、一連の逮捕者は7人に上りました。

静岡県警が首謀的な役割を果たしたとみているのは、40歳の漁協職員、水産加工会社元社長の両容疑者です。
水揚げされたカツオは、漁協が計量してから倉庫に保管されます。
漁協で現場を仕切る立場にあった40歳の漁協職員は、計量担当の31歳の漁協職員、30歳の元漁協職員、運送担当の47歳の運送会社員、43歳の運送会社員の各容疑者に水揚げしたカツオの一部を計量せずに運び出すよう指示していたとみられます。

水産加工会社元社長は部下の元役員に指示し、倉庫に運ばせたカツオを自社の所有と偽った疑いがあります。
売り上げの一部が40歳の漁協職員に渡り、報酬として分配されていた模様です。
7人は事件への関与を認めているそうです。

この水産加工会社は創業50年を超える老舗で、焼津商工会議所が認定したブランド商品もあります。
同業者は「仕事熱心な社長だった」と口をそろえています。
漁協では職員3人の逮捕に驚きの声が上がっています。
ある同僚は「皆真面目で、悪いことをするやつらではない。ショックで信じられない」と語っています。

焼津市によると、焼津漁港の海産物の水揚げ額は412億円(2020年)で、全国トップです。
冷凍カツオの水揚げ量も約8万9,000トンで日本一を誇ります。
全国屈指の港を舞台に7人の逮捕者を出した異例の事態に、地元は衝撃を隠せません。
焼津市内でカツオ料理を提供する飲食店の男性(44)は「インターネットで『焼津』と調べると、カツオ窃盗のニュースが出てくる。これ以上評判が落ちるのは困る」と複雑な心境を語っています。
鮮魚店を営む男性(57)は「地元の自慢の港の信用が失われた」と下を向きました。

焼津漁協は、弁護士ら6人からなる調査委員会を設置し、全職員約120人の聴取を進め、11月末に結果をまとめました。
すでに民間警備員の配置やトラックのルート固定を再発防止策として導入しています。
焼津漁協幹部は「大変残念で申し訳ない。何とか信頼を取り戻したい」と語りました。

自らブランドをき損するような行為を行っていますね。
職員が120人もいるような漁協で、このようなことがおそらく従来から行われていたわけですから、内部統制もなかったのでしょう。
従来から行われていたとなると、幹部にも関わっていた方がいらっしゃるのではないでしょうか?
過去に盗んだ分を返さないといけないと思いますし、き損されたブランドを取り戻すのは大変でしょうね。
ブランドは築くのは長年かかり大変だけど、失うのは一瞬という典型例ではないでしょうか。

焼津漁協職員がカツオを大量窃盗していたことについて、どう思われましたか?


阿波銀行本部勤務の銀行員が「断り切れず」顧客の預金残高を知人に漏らす!

読売新聞によると、阿波銀行(徳島県徳島市)は、先日、元行員の男性が知人に対し、顧客1人の預金残高などの情報を漏らしていたと発表しました。
阿波銀行は、この男性を2021年9月に懲戒解雇しました。

発表によると、男性は本部勤務だった2016年2月、知人の求めに応じ、顧客の預金に関する情報を勝手に持ち出して教えたようです。
情報を漏らされた顧客が2021年7月、阿波銀行に相談したことから発覚し、阿波銀行は徳島県警に報告しました。

顧客に金銭的な被害は確認されておらず、男性は阿波銀行の調査に対し「知人から頼まれたので、断り切れなかった」と話しているそうです。

阿波銀行は「役職員一同深く反省し、再発防止を図ってまいりたい」としています。

お隣の県の地方銀行ですが、モラルが低すぎますね。
このような銀行に大事なお金を預けたいと思うでしょうか?
行員の教育をもっとしないといけないでしょうね。
あとは、どの行員でも、簡単にすべての顧客情報にアクセスできるものなのでしょうか?

阿波銀行本部勤務の銀行員が「断り切れず」顧客の預金残高を知人に漏らしていたことについて、どう思われましたか?


JAおきなわ職員が2017年~2020年まで返金を装い総額270万円を着服!

沖縄タイムスによると、JAおきなわ(普天間朝重理事長)は、職員が農業資材関連の代金を着服した疑いがあった問題で、先日、支店の購買店舗に勤務していた30代男性職員が270万円を着服していたと発表しました。

男性は実際は返品商品がないにもかかわらず返品処理を装い、売上金を着服していたようです。
JAおきなわの聞き取りに対し男性は事実関係を認めていて、現在は自宅謹慎中です。

JAおきなわは刑事告訴を検討しています。

JAおきなわによると、着服期間は2017年9月から2020年10月までです。
通常は不正防止のため、返品作業は職員2人で商品やレシートなどを照らし合わせて客へ返金するそうですが、男性は一人で手続きしていました。
着服した金は、生活費や遊興費として使ったそうです。

2020年度決算期に、購買店舗在庫商品の帳簿残高と現物の棚卸残高に差が生じたため、本店が原因を調査していました。
通常とは異なる経理処理が確認されたため、2021年6月22日に男性職員からヒアリングをしたところ着服を認めました。
10月9日まで調査を進めた結果、総額は270万円となりました。

発覚から発表までに3か月以上かかったことに対し、JAおきなわのコンプライアンス統括部の担当者は「着服していた期間が長かったため調査に時間がかかっていた」と説明しました。

普天間理事長は「組合員や利用者、関係者の皆さまに多大な迷惑と心配をおかけしたことについて、おわび申し上げる。今回の不祥事を厳粛に受け止め、再発防止策と内部管理態勢の強化を図っていく」とコメントしました。

相変わらずJAは不祥事が多いですね。
『通常は』2人と記事には書いていますが、実際には一人でしていたわけですから、内部統制を構築しているものの、形だけで運用できていないということなんでしょうね。
これだけ不祥事が起こるということはザルということでしょうから、もう『性善説』は通用せず、『性悪説』を前提に考えていかないといけないことを経営者は認識してほしいですね。

JAおきなわ職員が2017年~2020年まで返金を装い総額270万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


元郵便局長が退職後に「再任用されたがノルマある」とうそをついて無断解約して詐取!

読売新聞によると、山口県下関市内の郵便局の元局長男性が、知人の口座を無断で解約するなどして約1,950万円をだまし取ったとして、山口県山陽小野田市の女性らから被害額の返還を求める訴訟を起こされていることが分かったようです。

女性は詐欺容疑で山口県警に告訴しています。
日本郵便も情報を把握しており、読売新聞の取材に対し、「警察の捜査に協力している」とコメントしているようです。

提訴は2021年9月6日付です。
訴状によると、元局長は2014年、女性から預かった通帳と印鑑を使って無断で250万円を引き出しました。
退職後の2017年にも「郵便局に再任用されたが、ノルマがある」などとうそを言って女性やその家族の口座を無断で解約し、約1,700万円を着服したとしている。

2018年2月頃に女性らの指摘を受け、元局長は事実関係を認めて謝罪しました。
約200万円を返しましたが、支払いが滞ったため、2020年12月に山口県警に詐欺容疑で告訴し、今回、山口地裁にも提訴しました。

JAもそうですが、郵便局も不祥事が多い組織ですね。
信頼関係を構築できているということかと思いますが、こういうことがあると、本人だけでなく、組織の信頼を失ってしまうということを認識してほしいですね。
そういうことが分からない方が、局長とをやっているんですね。
普段、公認会計士や税理士の仕事の中で、JAや郵便局だとありがたいと思うこともあるのですが、裏返せば、問題も抱えていると思いますので、JAや郵便局は内部統制の重要性を改めて認識してほしいなぁと思います。

元郵便局長が退職後に「再任用されたがノルマある」とうそをついて無断解約して詐取していたことについて、どう思われましたか?


2つの子会社で架空請求や私的流用などの不正があり被害は5億円超!

JIJI.COMによると、静岡市に本社を置く東証1部上場のTOKAIホールディングス(HD)は、先日、子会社のザ・トーカイ(静岡市)と東海ガス(静岡県焼津市)の元従業員が、それぞれ架空請求や会社資金を私的に流用する不正を行ったと発表しました。

被害総額は計5億円を超えるようです。

TOKAI HDは社内調査委員会を設置して原因究明などを進めており、「関係者に厳正な処分を実施する」としています。

TOKAI HDによると、名古屋国税局が2021年7月に行った税務調査で発覚しました。

ザ・トーカイでは、元従業員が2014年2月から工事案件を受注する際に架空請求などを行い、約1億7,300万円を取得していました。

東海ガスでは、経理担当の元従業員が2014年3月から自身の銀行口座に約3億6,800万円を送金し、私的に流用していました。

スゴい額ですね。
会社の内部監査ではなく、監査法人の会計監査でもなく、国税庁の税務調査で発覚するというのが、東証1部上場企業としてふさわしい内部統制の構築ができていないということなのでしょうが。
ホールディングカンパニーとして、子会社のコントロールもできていないということなのかもしれませんが。

2つの子会社で架空請求や私的流用などの不正があり被害は5億円超であったことについて、どう思われましたか?


不適切な事務処理で高松市に損害を与えた健康福祉局の男性係長を懲戒処分!

瀬戸内海放送によると、高松市は不適切な事務処理で市に損害を与えたとして、先日、健康福祉局の男性係長を懲戒処分にしました。
戒告の処分を受けたのは、高松市健康福祉局の男性係長(52)です。

高松市によると、係長はマイナンバーカードを健康保険証として利用するためのシステム改修に関する国への補助金申請について、本来2年分申請しなければならないものを1年分しかしていませんでした。
これによって、交付額が約1,300万円減額されました。

係長は高松市の聞き取りに対して、「上司との連絡調整がうまくいかなかった」と話しているということです。
この他、この係長は2020年度の委託契約について手続きを怠り、業者への支払いが遅れるなどの影響もあったということです。

きちんと仕事してほしいですね。
ただし、大きな組織である以上、一人だけの責任ということはありえないように思いますが。
おそらく、数年ごとに異動になるので、複数の人が分かるようにしておかないと、何かと不都合な状況が生じるように思いますが、上司も業務をきちんと把握していないような状況なんですかね。
個人的には、そのような状況だと、横領などの不祥事も起こりやすいのではないかと思います。

不適切な事務処理で高松市に損害を与えた健康福祉局の男性係長が懲戒処分となったことについて、どう思われましたか?


「飲み代やギャンブルに使った」商工会議所の30代職員が167万円着服で懲戒解雇!

上毛新聞によると、群馬県の藤岡商工会議所(小坂裕一郎会頭)は、先日、30代の男性職員が会計事務を受託する民間2団体の現金計167万円を着服したと発表しました。
藤岡商工会議所は、男性職員を懲戒解雇処分としました。
ちなみに、着服金は男性職員が全額返済したとし、刑事告発は見送るようです。

藤岡商工会議所によると、先日、男性職員に2団体の現金出納帳と通帳を提示するよう求めたところ、会計データが消え、通帳も見当たらないなどと説明したそうです。
後日、再度確認すると、男性職員は「飲み代やギャンブルに使った」などと着服を認めたそうです。

その後の調査で、男性職員が2019年7月~2021年9月に計167万7,863円の現金を着服していたことが判明しました。
藤岡商工会議所は正副会頭会議などを開き、男性職員の懲戒解雇処分と退職金の不支給、管理職4人のけん責処分を決めました。

2団体は共に同業組合で、男性職員は3年半前から会計事務を担当するようになりました。
ここ2年間は年度ごとの決算報告をしていなかったため、発覚が遅れたそうです。
藤岡商工会議所は2団体に対し、着服の経緯を説明するとともに謝罪しました。
同様に会計事務を受託する7団体についても調査を行い、通知文を送りました。

藤岡商工会議所の飯島峰生専務理事は「地域経済をけん引する立場としてあってはならないこと。今後は会計事務の管理体制を強化するとともに職員へのコンプライアンス研修を実施し、再発防止と信頼回復に努める」と話しました。

知らなかったのですが、商工会議所って、会計事務の受託もしているんですね。
組合も、役員が非常勤で、事務員も一人だけだったりするので横領などが発生しやすいと思いますが、会計事務を委託して、横領されるとは、踏んだり蹴ったりですね。
2年間、決算報告をしていないというのは、組合の役員等は何も気づかなかったのだろうか?という気はしますが。
ここの商工会議所だけの話ではないかもしれませんので、商工会議所や商工会も、内部統制を再確認した方が良いかもしれないですね。

「飲み代やギャンブルに使った」商工会議所の30代職員が167万円着服で懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


JA北さつま職員が170万円着服で懲戒解雇!

MBC南日本放送によると、客からの預金およそ170万円を着服したとして、JA北さつまの職員が懲戒解雇処分となりました。

先日、懲戒解雇処分となったのは、JA北さつま伊佐地区の支所で預金担当だった40代の女性職員です。

JA北さつまによりますと、女性職員は、2018年11月以降、自治体や個人から預かった現金あわせて170万円あまりを着服しました。

2021年6月、顧客から「入金日と通帳の取引日が違う」との指摘があり発覚したもので、女性職員が着服を認めました。
生活費にあてていたということです。

すでに全額返金されたためJA北さつまは、現段階で刑事告訴は考えておらず、春田和則組合長は「再発防止計画に基づき、組織をあげて取り組んでいく」とコメントを出しています。

本当にJAは多いですね。
顧客からの指摘で発覚するということは、内部統制が機能していないということだと思いますので、内部統制をゼロから構築し直したほうが良いのではないかと思います。
リスクがあるポイントは、これ以外にもたくさんあるでしょうから。
最近、全額返済されているということで刑事告訴しないのは、内部統制の構築に責任のある経営陣の保身にあるのではないかと思うようになってきました(笑)。

JA北さつま職員が170万円着服で懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


合掌村不明金問題で下呂市が退職者に寄付を求める!

岐阜新聞によると、岐阜県下呂市営の観光施設下呂温泉合掌村で起きた不明金問題で、死亡した元職員(当時52)が同施設で勤務し計約2億6千万円の不正な支出や着服を行った2011~2019年度に任命責任や管理責任があり、すでに退職・退任した市の元幹部ら約20人に対し、下呂市は、先日、寄付を求める方針を明らかにしました。

先日の市議会全員協議会で明らかにしました。
この問題では、管理責任があった現役職員のほか、問題発生後に就任した山内登市長、市議会議員を対象に、処分や給与・報酬の減額が行われています。
退職者らには処分はできないため、額は決めずに寄付を要請する形としました。
近く市長名で文書を送るようです。

また、元職員や不正会計に使われた口座を提供した関係者らに対する賠償請求についても、手続きを進めているようです。

山内市長は「損害賠償と退職者らからの寄付に加え、合掌村の経営努力により、(被害額の)2億6千万円をどれだけ戻すことができたか、毎年市民に説明していくしかない」と話しました。

地方自治体も着服とかがありますが、税金で負担することになると思いますので、今回のように、首長を含む上司に当然弁済してほしいですね。
それくらいしないと、おそらく内部統制の構築は進まないでしょう。

合掌村不明金問題で下呂市が退職者に寄付を求めることについて、どう思われましたか?


高校生の預金830万円を着服した疑いで後見人の弁護士を逮捕!

高校生の後見人だった大阪の弁護士が、高校生の預金を解約するなどして800万円余りを着服したとして、業務上横領の疑いで警察に逮捕されました。

逮捕されたのは、大阪府中央区の弁護士(42)です。
警察の調べによると、弁護士は男子高校生の未成年後見人でしたが、2020年3月までの1年間に、高校生の口座から10回にわたって現金を引き出したほか、預金を解約して自分名義の口座に現金を移し、あわせて830万円を着服したとして、業務上横領の疑いが持たれています。
弁護士は家庭裁判所から選任され、後見人として財産の管理などを任されていましたが、高校生の親族から裁判所に相談があり、発覚したということです。

警察によると、調べに対し「間違いありません。遊興費に使いました」などと供述し、容疑を認めているということです。
警察は詳しいいきさつを調べています。

所属する弁護士の逮捕を受けて大阪弁護士会は会見を開き、弁護士が今回の事件も含めて、5人から依頼された業務で、横領した金はあわせて8,700万円余りに上る疑いがあることを明らかにしました。
大阪弁護士会が弁護士本人や依頼者に聞き取って調べたところ、弁護士は、平成30年9月から2020年3月にかけて、成年後見人と未成年後見人として管理していた4人の口座から預金を勝手に引き出し、あわせて7,800万円余りを横領した疑いがあるということです。

引き出した金は、遊興費や事務所の運営費などにあてたうえ、発覚しないよう家庭裁判所に改ざんした通帳の写しを提出するなどして、適切に管理しているよう装っていたということです。

このほか、2021年5月から8月にかけては、刑事事件の別の依頼者から被害者に対する弁償金として預かった660万円と、返還された保釈金300万円のあわせて960万円についても横領した疑いがあるということです。

横領した金の一部の弁償は進められていますが、弁護士会は、弁護士の懲戒処分を検討しています。
大阪弁護士会の田中宏会長は、「弁護士への信頼が損なわれることになり大変残念だ。会員の倫理意識をいっそう高め、自覚を求めるべく努力します。再発防止の対策を検討し速やかに実施します」とコメントしています。

ある意味スゴイ弁護士がいるんですね。
横領はダメということは弁護士試験に合格するような方でも分からないのでしょうか?
弁護士業界も人数が増えて競争が厳しいのでしょうが、あってはならないことだと思います。
こういう事件が、士業の信用を落とし、後見人ははたして士業で良いのかということになっていってしまうのではないかと思います。

高校生の預金830万円を着服した疑いで後見人の弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


「父からせびられ」女性職員が7年間で2,400万円を横領!

テレビ朝日によると、父親から、せびられていたということです。

山形県系統豚普及センター・佐藤修常務理事:「チェック体制が甘かった」
山形県系統豚普及センターの担当者:「大変申し訳ございませんでした」
謝罪したのは、山形県やJAなどが出資する、豚の繁殖や管理を行う施設の担当者です。
謝罪の理由は、経理を担当していた47歳の女性職員による横領でした。

職員による横領額は、7年間でおよそ2,400万円。
一体、何に使っていたのでしょうか?

横領した女性職員:「仕事を始めてから、ずっと父から金をせびられていた。横領した金は、父から要求されて支払っていた」
また、借金の返済にも充てていたとも話しています。

横領した女性職員:「消費者金融への返済もあった。それも父へ渡すために借りていたもの」

センターでは、女性職員を懲戒解雇しましたが、被害額は全額弁済されていて、刑事告訴はしないということです。

ひどい話ですね。
父親や女性職員が悪いのは当然ですが、横領できるような状況にしていた組織のトップにも責任があると思います。
もともと内部統制という概念がなさそうな県と、横領等が多いJAが出資している組織なのですから、なおさら内部統制をきちんと構築しないと、今後もこういうことは起こるのではないかと思います。
どうやって横領したかは報道からは分かりませんが、おそらく単純なやり方なんでしょうね。
あと、謝罪するのは当然として、今後どうするかを明確にしないと、結局、内部統制は一度構築したら良いというものではなく、絶えず見直していかないといけませんので、同じようなことが起きるのではないかと思います。

「父からせびられ」女性職員が7年間で2,400万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


警察宿舎の共益費など約250万円着服の疑いで巡査を書類送検!

千葉県警察本部の23歳の巡査が、警察宿舎の共益費など、およそ250万円を着服したとして、先日、業務上横領の疑いで書類送検されました。
着服した金はギャンブルなどに充てていたということで、警察は停職1か月の懲戒処分にしました。

書類送検されたのは、千葉県習志野市の習志野警察署に勤務する23歳の男性巡査です。

警察によりますと、巡査は、2020年7月から12月までの間、千葉県習志野市内にある警察官が暮らす宿舎の共益費など、現金およそ250万円を着服したとして、業務上横領の疑いが持たれています。

巡査はこの宿舎の会計を1人で担当し、入居している警察官から集金したり宿舎名義の口座に振り込まれたりした共益費などを管理していたということです。

横領した金はギャンブルや借金の返済に充てていて、2021年1月、管理していた現金がほとんどなくなったことから、みずから上司に申告したということで、調べに対し「ギャンブルに依存してしまい、自分をコントロールできなかった」などと容疑を認めているということです。

警察は、先日、停職1か月の懲戒処分とし、巡査は依願退職しました。

千葉県警察本部の川口光浩首席監察官は「法を順守すべき警察官として断じて許されるものではなく、誠に遺憾だ」とコメントしています。

警察官による横領事件も結構目にしますね。
そもそも、こういう人が警察官になること自体おかしいですよね。
やはり、資質というのはすごく大事だと思います。
警察でも、内部統制の構築は必要でしょうね。
あと、いつも思いますが、警察官が着服とかをしても、懲戒免職にはならず、依願退職で退職金がもらえるというのは、どうも納得がいかないですね。

警察宿舎の共益費など約250万円着服の疑いで巡査が書類送検されたことについて、どう思われましたか?


関信金職員が800万円を着服!

日刊スポーツによると、岐阜県関市の関信用金庫は、先日、支店で現金管理を担当していた職員が2年半にわたり計約800万円を着服していたと発表しました。

関信用金庫は、先日、この職員を懲戒解雇としました。
親族が全額弁済しており、刑事告訴はしない方針だそうです。

関信用金庫によると、現金管理を担当していた2018年12月から2021年6月まで、同僚の目を盗み、現金自動預払機(ATM)補充用の現金を保管する機械に入れる前、集められた札束の一部を抜き取るなどしていました。

2021年7月に別の職員が、保管記録と実際の金額が合わないことに気付きました。

着服を認め、生活費に充てたと説明したようです。

関信用金庫担当者は「二度とこのような事態を起こさないよう、内部管理体制の見直しを行う」とコメントしました。

内部統制をとりあえず作ったからO.K.という感じで、経営陣が、内部統制の重要性を認識していないんでしょうね。
有効に機能しないのであれば、絵に描いた餅にすぎません。
職員を懲戒解雇にしていますが、それ以外の方の処分はどうなっているんでしょうね。
こういうことが起きるということは、内部統制を構築する責任がある経営者の責任ということをそろそろ認識してほしいですね。

関信金職員が800万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


経費を確認しようとしたら体調不良になった福島県双葉郡楢葉町の職員が2,000万円超を横領!

福島民友新聞によると、福島県双葉郡楢葉町は、先日、40代の男性職員が会計業務などを請け負っていた土地改良区など二つの団体の口座から2,000万円以上とみられる額を横領していたと発表しました。
楢葉町は、男性職員を懲戒免職処分にしました。
楢葉町と土地改良区は今後、男性を告訴、告発するとともに返還を求める方針です。

楢葉町によると、男性は2019年4月に社会人枠で職員に採用され、産業振興課に配属されました。
同月から同課がある役場庁舎内で、土地改良区と、農地管理などを担う地元農家による任意団体「町多面的機能広域活動保全会」の会計業務を含む事務を兼務していました。
約2年半の在職期間中、金融機関の窓口で百数十回にわたり数千円から数十万円を引き出していたそうです。

楢葉町は、横領した総額は2,000万円から5,000万円未満とみて調査を進めます。
男性は弁護士を通じて横領を認め、生活費や借金の返済、遊興費などに充てていたそうです。
土地改良区の口座には、東京電力福島第1原発事故に伴う東電の損害賠償、保全会の口座には楢葉町の交付金などが預金されており、男性が1人で管理していました。

産業振興課の上司が2021年8月上旬、通帳の管理状況を確認しようとしたところ、男性は体調不良を理由に休むようになり、連絡が取れなくなりました。
その後、男性の弁護士から横領について報告があったそうです。

土地改良区では年1回監査が行われていたそうです。
楢葉町は2021年まで土地改良区などの通帳を確認しておらず、「土地改良区が適正に監査を行っていると思い込み、チェック体制が曖昧だった」としています。

土地改良区の理事長を務める松本幸英町長は、「震災以降の多くの支援を裏切る事態となり痛恨の極み」とコメントしました。

内部統制という概念がまったくないところなんでしょうね。
こういうところが未だに存在するというのが不思議なのですが、ここ以外にもたくさんあるんでしょうね。
何かあれば、上司が弁償するというくらい厳しくしないと、内部統制の構築は真剣に行われないかもしれないですね。

経費を確認しようとしたら体調不良になった福島県双葉郡楢葉町の職員が2,000万円超を横領していたことについて、どう思われましたか?


顧客の定期貯金証書偽造で1,000万円を着服したJA高知県元職員を逮捕!

高知さんさんテレビによると、JA高知県中村支所の元職員が、有印私文書偽造の疑いで逮捕されました。

高知県警によると、元職員は2019年8月から11月にかけて勤務していた中村支所で、定期貯金証書を偽造して当時70代の男性に交付した疑いです。
その際、男性から預かった300万円は着服したと見られています。

JA高知県は2020年、元職員が、顧客5名から現金860万円を着服したとして刑事告訴していました。

高知県警は着服した金が1,000万円を超えるとみて、他の顧客4名への裏付けも含め捜査を続けています。

元職員の認否は捜査に支障があるとして明らかにしていません。

相変わらずのJAですね。
税務の仕事をしていると、JAって大丈夫なのだろうか?と不安に思うことが時々あるのですが、根本的なところから業務フローを変えないといつまでもこの手の着服は続くんでしょうね。
経営者には、内部統制の重要性を早く理解してほしいですね。
あとは、監査法人の会計監査が入ることにより、改善されるといいなぁと思っています。

顧客の定期貯金証書偽造で1,000万円を着服したJA高知県元職員を逮捕されたことについて、どう思われましたか?


1億円横領の兵庫県造園建設業協会は「女性職員1人で入出金を管理」!

神戸新聞によると、兵庫県造園建設業協会(神戸市兵庫区)の女性職員が協会名義の文書を偽造して銀行から受けた融資を着服していた疑いがある問題で、兵庫県造園建設業協会の橋本渉会長が、先日、事務所前で報道陣の取材に応じ、「女性職員が1人で(協会への)入出金を管理していた」と明かしました。
使途不明金が約1億円に上ることを認める一方、「全て女性が着服したのかどうか、調査が終わっていないので詳細は分からない」とし、近く兵庫県警に告訴する考えを示しました。

兵庫県造園建設業協会は県内の造園業者など約30社が加盟する一般社団法人で、国の指定管理者として、国営明石海峡公園の管理などを担っています。

橋本会長によると、普段この事務所に勤務していたのは女性職員1人だけでした。
金銭管理のチェック体制については「税理士が入っているので、われわれは決算も総会で『ほぼ間違いないね』と承認していた」としました。
兵庫県造園建設業協会の調べに対し、女性職員は着服を認めているようですが、動機や使途については「一切分からない。告訴して詳細を明らかにしたい」としました。

女性職員には口頭で解雇を伝えているといい、橋本会長は「われわれも反省している。会員さんやほかの方々にご迷惑をおかけして大変申し訳ない」と陳謝しました。
兵庫県造園建設業協会の解散については「総会を開き、会員の意向を確認して決めることになる」と述べました。

文書を偽造して銀行から融資を受けてそのお金を着服していたとありますが、融資を受けて着服するというのは珍しいように思いますが、それなりのお金が動き、役員は非常勤で、経理を一人の方が行っているという横領の発生する典型例ですね。
税理士の責任にしようとしているのかもしれませんが、決算を承認しているので役員の責任も重いのではないかと思います。
持ち回りであろうと、役員はきちんと内部統制を構築しないと、自分の責任も生じるということを早く役員が認識するようにならないと、いつまで経っても同じようなことが世の中で起こるでしょうね。
これだけ頻繁に横領事件がニュースとかに出ていますが、しょせん他人事なんですかね。

1億円横領の兵庫県造園建設業協会は「女性職員1人で入出金を管理」していたことについて、どう思われましたか?


明浄学院横領事件の21億円着服の元理事長は控訴審も実刑判決!

毎日新聞によると、学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)の資金21億円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元理事長(63)の控訴審判決で、大阪高裁は、先日、懲役5年6月の実刑とした1審・大阪地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却しました。

村山浩昭裁判長は「被害の重大性や犯行態様の悪質性から長期の服役は免れない」と述べました。
元理事長は起訴内容を認めていましたが、量刑を不服として控訴していました。

判決によると、元理事長は東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市中央区)前社長(58)=大阪地裁で公判中=らと共謀し、2017年7月、法人が運営する明浄学院高校(同市阿倍野区)の土地売却で得た手付金21億円を別の会社に移し、着服しました。

東証1部上場企業の社長が絡んでいた事件なので、興味を持ってウォッチしていますが、長引けば長引くほど、学校のイメージダウンにつながるのではないかと思います。
東証1部上場企業の元社長の方は、起訴内容を認めていないようですが、今後もウォッチしていきたいと思います。
ちなみに、数年前からこの不動産会社からしょっちゅう営業の電話がかかってきていた(もちろん話は聞きませんが。)のですが、この事件があってからかからなくなりましたね。

明浄学院横領事件の21億円着服の元理事長は控訴審も実刑判決であったことについて、どう思われましたか?


関西みらい銀行の元社員が4,500万円の着服発覚後に死亡!

時事通信によると、関西みらい銀行は、先日、営業を担当していた45歳の元男性社員が京都府と大阪府にある4支店で、計約4,500万円を着服していたと発表しました。
2021年5月に発覚し、元社員は社内調査で着服を認めていましたが、その後に死亡しました。
被害者には謝罪しており、全額を弁済するようです。

元社員は2008年4月から2021年4月にかけ、計8人の顧客口座から4,475万9,000円の現金を不正に引き出していました。
投資信託の購入のためと偽り顧客に出金伝票を書かせ、口座から現金を引き出すなどの手口を繰り返していました。
着服した金は遊興費などに使っていたそうです。

身に覚えのない出金を不審に思った顧客からの問い合わせで、2021年5月7日に発覚しました。
その後、元社員が死亡しているのが発見されました。
遺書が見つかっており、自殺とみられるようです。

関西みらい銀行は、「関係者の皆様方に多大なるご迷惑とご心配をお掛けし、心よりおわび申し上げる」とコメントしました。

13年間も気付かないなんて、銀行の内部統制もどうなっているんでしょうね。
一方で、日本人として非常に残念なことではありますが、銀行員であっても安易に通帳を渡したり、伝票を書いたりしてはいけない時代になっているということを、利用者も認識しておかないといけないですね。
不正が起こらないようにするには、その都度、本人に別の担当者が電話などで連絡するなどして確認したうえで取引を実行しないといけないのではないかと思いますが、利用者としては、手間が増えるでしょうね。
結局、内部統制をきちんと構築しないと、銀行の信用も失い、社員がお亡くなりになり、誰も得しないという典型例だと思います。
本当に、経営者の方々には、真剣に内部統制のことを考えて欲しいですね。

関西みらい銀行の元社員が4,500万円の着服発覚後に死亡したことについて、どう思われましたか?


自殺した郵便局長は2億4,000万円を着服してすべてボートレースに!

南海放送によると、愛媛県南宇和郡愛南町の郵便局で発覚した使途不明金問題で、日本郵便四国支社は自殺した局長が2億4,000万円を着服し、すべてボートレースにつぎ込んでいたと発表しました。

日本郵便四国支社安達章支社長は、「大変申し訳ございませんでした」と謝罪しました。

この問題は、愛媛県南宇和郡愛南町の深浦郵便局で使途不明金が発覚したもので、先日、日本郵便四国支社が現地調査をしたところ、深浦郵便局の30代の男性局長は「少し休ませてください」と話して外出した後、自殺しました。

調査を進めていた日本郵便四国支社は会見を開き、男性局長が2021年5月から6月にかけ自分名義の郵便局の口座に、架空の入金処理をするなどの手口で、あわせて2億4,000万円を着服していたと発表しました。

着服した金はすべてボートレースにつぎ込んでいたそうです。

日本郵便は、社内点検を厳格に行うなど、再発防止に努めるとしています。

またもや日本郵便ですね。
日本郵便には、『内部統制』は存在するのでしょうか?
先日の関西みらい銀行と同様、日本郵便は社会的信用を失い、局長の命が失われるという誰も得しないという状況になってしまいます。
日本郵便は、ゼロベースから『内部統制』を構築するくらいやらないといけないのかもしれませんね。

自殺した郵便局長は2億4,000万円を着服してすべてボートレースにつかっていたことについて、どう思われましたか?


JA職員が顧客口座などから2,114万円着服し借金返済やギャンブルに充てていた!

読売新聞によると、あさひかわ農協(北海道旭川市)は、先日、金融共済部の50歳代男性職員が顧客から2,114万円を着服していたと発表しました。

男性職員は着服を認め、横領した金を借金の返済やギャンブルに充てていたと話しており、あさひかわ農協は男性職員を刑事告訴する方針だそうです。

発表によると、男性職員は2007年10月以降複数回にわたり、顧客の90歳代女性から預かったキャッシュカードなどを使い、口座から勝手に約1,800万円を着服したほか、顧客の50歳代男性から預かった共済証書を悪用して、共済を担保とする貸付金として得た約300万円を着服しました。

50歳代男性が共済証書を紛失したと指摘し、内部調査した結果、横領が発覚したそうです。

こういう事件があると、高齢の方で認知症とかになると、横領されていても発覚しないケースがあるのではないかと不安になりますね。
それを考えてやっているのではないのかと思ってしまいますが。
相変わらず、JAは不祥事が多いですね。
同じ組織ではないとはいえ、他のJAでたくさん不祥事が起こっているわけですから、他の組織を参考にして内部統制の構築はきちんとできるのではないかと思います。
とても残念なことだとは思いますが、通帳を預ける方も、通帳を預けることはリスクが伴うということを認識しないといけない時代になっているんでしょうね。

JA職員が顧客口座などから2,114万円着服し借金返済やギャンブルに充てていたことについて、どう思われましたか?


2,000万着服し「競馬や競艇に使った」兵庫県西脇市の男性課長が懲戒免職!

毎日新聞によると、兵庫県西脇市教育委員会は、先日、スポーツ文化担当の男性課長(50)が、管理する外部団体の活動費や西脇市の施設使用料など計約2,210万円を着服したと発表しました。
懲戒免職処分とし、近く業務上横領容疑で西脇署に告訴、告発するそうです。

西脇市教育委員会によると、男性は2017年4月、出先の市施設に新設された課の課長に就任し、外部のスポーツ団体事務局なども担い、課内の金庫で通帳や印鑑、現金を管理していました。
2019年7月以降、スポーツ少年団やマラソン実行委員会の活動費、市施設の使用料など約2,080万円を通帳11口座から32回にわたって引き出しました。
さらに、高校駅伝大会の活動費約130万円も着服したそうです。

男性課長は「競馬や競艇に使った」と話し、発覚しないよう口座への返金を繰り返していました。
返金不足の約1,450万円は、西脇市教育委員会が男性から預かっている通帳から返済される見込みで、被害額は全額回収できるようです。

通帳には通常、使途をメモ書きしていますが、2021年6月24日にスポーツ少年団の通帳を預かった部下が、メモ書きがなく使途不明の支出があることに気付き発覚しました。男性課長は「会計処理が煩雑でストレスになった。着服がいつ発覚するか不安だった」と話しているそうです。

西脇市教育委員会は出先の金庫を本庁に引き上げて一括管理し、通帳や印鑑は分けて複数の幹部で保管するそうです。
森脇達也教育部長は、「出先のお金の管理が甘かった」と謝罪し、職場で不審点があれば上司や同僚ら複数の職員に相談するよう指導するとしている。

民間企業でなくても、内部統制が重要という典型例だと思います。
新設した課の課長に就任した方なので、優秀な方なのかもしれませんが、優秀だからこそ横領等ができるということに気づくことも多いのではないかと思いますので、誰も得しない、組織の信頼・優秀な職員・個人の人生などを失うことがないよう内部統制をきちんと構築することが、経営者の責任だと思います。
本人が悪いのは言うまでもないのですが、こういうことがあると、経営者にも責任があるということが世間一般に早く認識されるようになってほしいなぁと感じた事件でした。

2,000万着服し「競馬や競艇に使った」兵庫県西脇市の男性課長が懲戒免職になったことについて、どう思われましたか?


秋田県信用組合で元支店長が675万円を着服!

産経新聞によると、秋田県信用組合(秋田県秋田市)は、先日、顧客の預金から計675万9千円を着服したとして、比内支店(秋田県大館市)の支店長だった40代男性を懲戒解雇したと発表しました。

秋田県信用組合によると、比内支店長だった平成28年8月から2021年3月、自分でカードローンに勧誘した顧客の通帳を悪用し、計6人の普通預金口座から57回にわたって着服しました。
消費者金融の返済や生活費に使ったと認めているようです。

身に覚えのない引き落としがあったことを不審に思った顧客が相談し、判明しました。
元支店長の家族が全額弁済したため、刑事告訴はしない方針だそうです。

内部統制は整備されているのでしょうか?
4年半も同じ支店で支店長をしていたというのも、不正の原因の一つなのではないかと思います。
弁済したから刑事告訴しないというのも、見つかれば弁済すればいいということになりかねませんので、甘すぎるような気はします。
こういう事件を目にすると、自分の預金は大丈夫なのだろうかなどと感じますので、取引をする金融機関を選ばないといけないなぁと思ってしまいますね。

秋田県信用組合で元支店長が675万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


「配達面倒だった」と郵便物を隠し現金着服の疑いがある元契約社員を逮捕!

日刊スポーツによると、山口県警は、先日、手紙やはがきなど201通を配達せず隠すなどしたとして、郵便法違反の疑いで日本郵便岩国郵便局の元契約社員(27)を逮捕しました。
山口県警によると、「配達が面倒だった」と話しているようです。

逮捕容疑は、2020年12月21日ごろから2021年4月15日ごろまでの間、配達すべき郵便物201通を山口県平生町の当時の自宅に隠すなどした疑いです。

元契約社員は懲戒解雇されました。

山口県警によると、山口県平生町の自宅などから現金書留3通を含む1,222通が見つかっており、空になった封筒もあったため、元契約社員が無断で現金を着服したとみて業務上横領や窃盗の疑いも視野に捜査するようです。

現金書留なんかも契約社員の方が配達するのですね。
どういう管理がなされているのか分かりませんが、現金書留って簡単に配達したことにできるのでしょうか?
これは氷山の一角で、他にもたくさんありそうな気がしますね。
日本郵政グループの中の主力企業4社のうち唯一非上場ですが、上場企業グループとしては、内部統制のレベルが低すぎるのではないでしょうか。

「配達面倒だった」と郵便物を隠し現金着服の疑いがある元契約社員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


栃木県の真岡市土地改良区で6,000万円超の使途不明金!

下野新聞によると、真岡市土地改良区(真岡市田町、小菅保理事長、組合員約3千人)で組合員の賦課金(負担金)や事業経費の余剰金など計6千万円超が使途不明になっていることが分かり、栃木県が特別検査を実施したことが、先日、複数の関係者への取材で分かったようです。
経理担当職員らは不正への関与を否定しているそうです。
真岡市土地改良区は、内部調査では限界があるとして弁護士に調査を依頼し、刑事・民事上の責任追及を視野に入れる一方、栃木県は再発防止に向けた業務改善計画の提出を求めます。

関係者によると、真岡市土地改良区は2009年4月、旧真岡市と旧二宮町の合併に伴い旧市内にあった10地区の土地改良区が合併して発足しました。
合併前は、運営管理費の経常賦課金や農地整備といった事業を行う際に徴収する特別賦課金などを10改良区がそれぞれ担当者を置き、会計処理していましたが、合併後は真岡市土地改良区の事務局が各地区の預金通帳や印鑑、定期証書を一括管理したうえで、地区別に処理しているそうです。

ところが、決裁なしで出金されているケースや、残高のある会計から内部監査を受ける別の会計に入金して残高があるように装っていたことなどが発覚しました。
真岡市土地改良区の使途不明金が約9千万円に上ったことから、2021年2月下旬に栃木県に相談し、栃木県は3月に特別検査を実施しました。
真岡市土地改良区も調査委員会を設置し、関係帳簿類の精査や経理担当職員らの聞き取りなどを進め、現時点で6千万円超と判断しました。

真岡市土地改良区は、不正経理の原因や詳細な経緯、実行行為者が個人なのか組織的なのかなどを特定するため弁護士に調査を依頼します。
近く臨時総代会を開き、現状の報告や今後の対応について説明し理解を求める方針です。

小菅理事長(74)は、「多額の使途不明金があるのは事実だが、総代会前なので詳しいことは言えない。法的な対応は弁護士と相談して決める」と話しているようです。

栃木県内の土地改良区を巡っては、1991年に旧西方村(現栃木市)の土地改良区で約7千万円の使途不明金が発覚した事件があったほか、2005年には塩谷町内の土地改良区で公金数百万円が流用される問題が起きています。

ちなみに、土地改良区とは、田畑や農道の整備、農業用水利施設の維持管理といった土地改良事業を目的に、土地改良法に基づき都道府県によって設立認可された法人です。
農地の耕作者や所有者が組合員となり、運営に必要な経費は組合員が納める賦課金や自治体の助成金が充てられます。
栃木県農政部によると、栃木県の土地改良区は2021年4月1日現在で104団体です。

この件が横領なのかどうかは分かりませんが、土地改良区も横領等が多いですね。
合併後の管理がうまく行っていないという面もあるのでしょうが、それなりのお金が動き、役員が兼務で、担当者が経理も財務もやっているというケースは、きちんと内部統制を構築しないと非常に危険です。

栃木県の真岡市土地改良区で6,000万円超の使途不明金があることについて、どう思われましたか?


石綿被害救済のNPO法人の元事務局長を活動資金9,000万円の着服で告訴!

讀賣新聞によると、アスベスト(石綿)による健康被害を受けた元労働者らの救済に取り組むNPO法人「じん肺・アスベスト被災者救済基金」(神奈川県横須賀市)は、先日、元事務局長の男性(65)が活動資金を着服したとして、業務上横領容疑で横須賀署に告訴しました。
着服額は約10年間で計約9,000万円に上るとみられ、告訴を受理した横須賀署が捜査を始めました。

NPO法人は1997年に設立され、被災者や遺族らの寄付を活動資金としてプールし、労災申請や損害賠償請求訴訟の支援、無料電話相談などを行ってきました。

告訴状などでは、元事務局長は2018年4月~2020年3月、法人の預金口座から49回にわたり、計1,316万円を引き出し、着服したとしています。

元事務局長は通帳や帳簿などを一人で管理していたといい、内部調査に対し、2011年5月頃から毎月数回、4万円~80万円を引き出したり、寄付を入金しなかったりする手口で着服していたことを認めたそうです。
NPO法人とは別に勤務していた会社の運転資金に、全額つぎ込んだと説明しているようです。

2020年夏、NPO法人から別の救済団体に送る助成金の入金が遅れたことで発覚しました。
口座には130万円しか残っていなかったようです。

どれくらいの規模か分かりませんが、9,000万円着服していても気付かないというのはスゴイですね。
それなりのお金が動き、役員が兼務で、経理の担当者が1人という、横領が起こりやすい典型例ですね。
最近、本当に、規模などを問わず、内部統制の重要性を感じるような事件が多いですね。

石綿被害救済のNPO法人の元事務局長を活動資金9,000万円の着服で告訴したことについて、どう思われましたか?


50代の消防司令が316万円横領で懲戒免職!

毎日新聞によると、岩手県の大船渡地区消防組合消防本部は、先日、50代の男性消防司令が316万4,270円を横領したとして、懲戒免職処分にしたと発表しました。

全額返済したことから、刑事告発や名前の公表はしないそうです。

男性消防司令は、「個人的な借金返済に充てた」と説明しました。

男性消防司令は、2017〜2020年度に、岩手県消防協会気仙地区支部と気仙地区婦人消防連絡協議会の口座から52回にわたり、現金を不正に引き出していました。

通帳と印鑑の管理を任されていたそうです。
後任が、2021年5月、通帳の引き落とし件数が多いことに気づいて発覚しました。

それなりにお金のある、持ち回りで管理を担当している、協会などもあぶないですね。
個人的には、全額返済したことから、刑事告発や名前の公表はしないという甘さがどうなのかなぁと思います。
退職金は支払われないかもしれませんが、普通に再就職して同じようなことを起こすかもしれませんし、バレたら返せば済むみたいな感じになってもいけないと思いますので。

50代の消防司令が316万円横領で懲戒免職なったことについて、どう思われましたか?


かんぽ生命で保険料横領!

時事通信社によると、日本郵政傘下のかんぽ生命保険は、先日、札幌支店(北海道札幌市)の課長代理を務める30代男性社員が、顧客から預かった保険料のうち約100万円を横領していたと発表しました。

社内調査を行ったうえで社員を処分する方針で、「全力を挙げて再発防止に努めていく」そうです。

横領被害を受けた顧客が申し込んだ保険契約は既に失効しており、被害者には全額を補償する方針だそうです。

社員は社内の聞き取りに「遊興費欲しさと借金返済のためにやった」と話しているそうです。

かんぽ生命は、販売も不正に行っていますし、保険金の横領もしているんですね。
この男性社員の横領がこれだけか、ほかの社員が横領していないかは分かりませんが、横領するような人がいる組織はそもそも保険を販売する資格がないと思いますので、こういう会社は、保険を販売できないようにした方が良いのではないかと思います。
民営化したものの、もともと信頼はされているでしょうから、そう簡単には築けない信頼を自ら崩していっているような行為は、とても残念ですね。

かんぽ生命で保険料横領があったことについて、どう思われましたか?


連合岩手の使途不明金1億円は被害届見送り!

河北新報によると、連合岩手(組合員約4万8,000人)は、先日、岩手県盛岡市で臨時大会を開き、2020年9月に発覚した不正経理による使途不明金問題について、再発防止の徹底や損失補てんを含む「連合岩手再生方針」を採択しました。

岩手県警への被害届の提出は見送るそうです。

再生方針によると、顧問会計事務所による毎月の会計指導と外部監査を導入します。
特別会計を設置し、被害総額1億782万9,198円に対し、過去約10年間の役員経験者が5年間で計2,056万1,118円を補てんします。

被害届の見送りは、検証委員会が横領を認定した元経理担当の40代女性職員が、2020年9月に死亡したうえ、岩手県警への相談の結果、女性の横領を裏付ける証拠が見つからなかったことを理由に挙げました。
民事訴訟に関しては、引き続き協議します。

問題発覚以降見送っていた役員補充も実施しました。
新会長に、副会長で県高教組委員長の佐々木秀市氏が就任しました。

お金がそれなりに動き、役員が兼務で、経理担当の女性が横領するという典型的な例なんでしょうね。
横領を認定したのに、横領を裏付ける証拠が見つからなかったというのもどうなのかと思いますが、調べることすらできないような杜撰な管理が行われていたのでしょうか?
今さら、顧問会計事務所による毎月の会計指導と外部監査を導入すると言っているくらいですから、『内部統制』という考えが役員の中になかったんでしょうね。
氷山の一角で、世の中にはこのような組織が数えきれないくらいあるんでしょうね。
年間何件も横領事件はニュースになっていますが、それをきっかけにでもして、『内部統制』を構築してほしいですね。

連合岩手の使途不明金1億円は被害届が見送られたことについて、どう思われましたか?


顧客の預金を無断解約3,700万円着服した信用組合女性係長を懲戒解雇!

2021年06月15日(火)

あかぎ信用組合(本店・群馬県前橋市)は、先日、顧客7人の定期預金を無断で解約し、3,712万1,041円を着服したとして、40代の女性係長を懲戒解雇処分にしたと発表しました。

本人が全額返金する見通しが立ったため、刑事告訴はしない方針だそうです。

あかぎ信用組合によると、女性係長は2011年から2021年3月にかけて、片貝支店と旧広瀬支店(現本店)の顧客7人の定期預金を解約しました。
顧客のうち5人は親戚や知人でした。

女性係長は届け印の検印を担当していたため、証書がなくても解約できる立場にあったようです。

被害者のうち1人が2021年3月中旬、定期預金解約のために本店を訪れて発覚しました。
女性係長は、着服した金を遊興費や借金の返済に使っていたそうです。

あかぎ信用組合は、被害者全員に事実関係を説明して被害額の全額を弁済しました。

再発防止に向けた業務改善を進めるとしています。

担当者が勝手に定期預金を解約できるわけですから、内部統制の不備ですね。
このレベルの組織が、業務改善で再発防止は無理なように思います。
ゼロベースで考えないと、再発するでしょうね。

顧客の預金を無断解約3,700万円着服した信用組合女性係長が懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


顧客の預金を無断解約3,700万円着服した信用組合女性係長を懲戒解雇!


テーマ:

あかぎ信用組合(本店・群馬県前橋市)は、先日、顧客7人の定期預金を無断で解約し、3,712万1,041円を着服したとして、40代の女性係長を懲戒解雇処分にしたと発表しました。

本人が全額返金する見通しが立ったため、刑事告訴はしない方針だそうです。

あかぎ信用組合によると、女性係長は2011年から2021年3月にかけて、片貝支店と旧広瀬支店(現本店)の顧客7人の定期預金を解約しました。

顧客のうち5人は親戚や知人でした。

女性係長は届け印の検印を担当していたため、証書がなくても解約できる立場にあったようです。

被害者のうち1人が2021年3月中旬、定期預金解約のために本店を訪れて発覚しました。

女性係長は、着服した金を遊興費や借金の返済に使っていたそうです。

あかぎ信用組合は、被害者全員に事実関係を説明して被害額の全額を弁済しました。

再発防止に向けた業務改善を進めるとしています。

担当者が勝手に定期預金を解約できるわけですから、内部統制の不備ですね。

このレベルの組織が、業務改善で再発防止は無理なように思います。

ゼロベースで考えないと、再発するでしょうね。

顧客の預金を無断解約3,700万円着服した信用組合女性係長が懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


信金職員の遺品整理をしていたら「偽造」された定期預金証書!

2021年06月11日(金)

讀賣新聞によると、東山口信用金庫(山口県防府市)は、先日、男性の元職員(2021年4月、69歳で死亡)が、親戚4人から預かった計約4,050万円を着服していたと発表しました。

遺品整理をしていた元職員の家族が、偽造された定期預金証書などを見つけ、東山口信用金庫に情報提供していました。

発表によると、元職員は2008年8月~2016年10月、親戚4人に定期預金口座の開設や増額などを持ちかけ、計約4,050万円を預かり、入金手続きをせずにそのまま着服しました。

また、2016年10月に退職した後も家族に退職の事実を隠し、親戚や友人ら3人から計約560万円を集めていたそうです。

家族から情報提供を受けた東山口信金が内部調査を行っていました。
使い道は分かっていないそうです。

東山口信用金庫はすでに山口県警に相談しています。
被害者に対する弁済は検討中だそうです。

ご家族もさぞかし驚かれたでしょうね。
4年半も前に退職していたのに、毎日、出勤したふりをしていたんでしょうね。
この手の不祥事が起こらないように、現金での集金をやめているのかと思っていたのですが、そうでもないんですね。
実際にはそうなっていても、預ける側がその事実を知らなければ、集金(横領?)はできるのかもしれませんが。
金融機関側も、身内の取引が多い担当者は気を付けたほうが良いかもしれませんね。

信金職員の遺品整理をしていたら「偽造」された定期預金証書が出てきたことについて、どう思われましたか?


宮崎県国富町の男性職員が公金ほか約808万円を横領!

テレビ宮崎によると、宮崎県国冨町の男性職員が関連団体の資金約808万円を横領したとして懲戒免職となりました。

懲戒免職となったのは宮崎県国富町の元農林振興課主査の30代の男性職員です。

この男性職員は、2018年度から3年間「農業用廃プラスチック適正処理対策推進協議会」の資金568万5,766円を横領していたというものです。

その後の調べで、ほかの5つの関連団体でも横領が判明し、横領した金額は合わせて約808万6,000円となっています。

すでに全額返済されたということですが、地方公務員法の規定に違反するとして、宮崎県国冨町はこの男性職員を懲戒免職処分にしました。

国冨町の中別府尚文町長は「再発防止と信頼回復に全庁を挙げて務めてまいりたい」とコメントしています。

公務員は横領しても懲戒免職にならないケースも多いと個人的には感じていますが、今回の事件は懲戒免職になっているので、妥当な処分をくだしたのではないかと感じています。
残念なことではなりますが、懲戒免職になるということが、少なからず不正の防止につながるでしょうから。
ただし、辞めさせればいいというわけではなく、こういった事件が起こらないような内部統制の構築が必要です。
再発防止をうたうのであれば、具体的なことも示してほしいと思います。
中途半端にやると、また同じようなことが起こると思いますので。

宮崎県国富町の男性職員が公金ほか約808万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


香川銀行元行員が1,440万円を詐取し懲戒解雇!

山陽新聞によると、香川銀行(うどん県高松市)は、先日、顧客2人から現金計約1,440万円を詐取したとして、50代の男性行員を、懲戒解雇したと発表しました。

香川銀行は香川県警に通報しており、近く告訴する方針だそうです。

香川銀行によると、元行員は玉野支店(玉野市)で営業を担当していた2014年9月から2015年9月にかけ、顧客に「金利条件の良い定期預金にする」と持ち掛け、計約1,340万円を着服しました。

観音寺支店(観音寺市)でも、2020年6月に同様の手口で100万円を詐取しました。

観音寺支店の顧客からの問い合わせで発覚しました。

現金は服飾品の購入に充てていましたが、元行員が全額弁済しています。

高松市内で会見した山田径男頭取は、「お客の信頼を裏切る形となったことを重く受け止めている。再発防止に全力を尽くしたい。」と述べました。

金融機関は、いつまで経っても、このような事件がなくなりませんね。
常々言っていますが、やはり、職業には『資質』というものが重要ですね。
以前と比べると、どこの金融機関も外回りの担当を減らしているのではないかと思いますが、2人組にするとか、現金の受け渡しは一切しないとか、店舗やインターネットでの取り扱いのみにするとかしないと、同じようなことは起こるでしょうね。
どうやって再発防止をするのか非常に気になります。

香川銀行元行員が1,440万円を詐取し懲戒解雇となったことについて、どう思われましたか?


東京ヴェルディ前社長のスポンサー料着服・銀座ホステスにマンション提供疑惑!

デイリー新潮によると、三浦知良さん、ラモス瑠偉さんら多くのスター選手を輩出し、Jリーグ黎明期を支えた「東京ヴェルディ」ですが、前社長は、かつての名門を再建するため送り込まれたはずが、私利私欲をむさぼる行為を行っていたようです。
親会社「ゼビオHD(ホールディングス)」の監査で判明した不正の内容とはどのようなものだったのでしょうか?

J2でも首位争いすらできない老舗チームとなっています。
その転落は2009年、日本テレビのスポンサー撤退がきっかけです。
経営難に陥り「ヴェルディ消滅」も現実味を帯びるなか、Jリーグは異例の救済措置をとりました。
傘下の「Jリーグエンタープライズ」が全株式を一時的に引き受け、ヴェルディを直轄チームへと移行させたのです。

社長の任に就いたのが、当時のJリーグの事務局長です。
2010年、前社長率いるヴェルディの新スポンサーにスポーツ用品販売のゼビオがついたことで、クラブは存続危機を脱しました。

しかしながら、チームの成績は一向に上向かないまま時が過ぎ、折からのコロナ禍で10億円もの債務超過が見込まれるほどの窮地に陥りました。
ゼビオと前社長は経営の立て直しをめぐって対立し、その結果、2020年末、ゼビオはヴェルディを子会社するとともに、前社長の退任を発表しました。
事実上の解任です。

前社長の不正は、子会社化に伴うゼビオの内部監査で見つかりました。
ゼビオ関係者によると、スポンサー料の着服疑惑に加え、ヴェルディの業績好転を装うためにスポーツクラブなどと架空取引を行い、売上の水増しの疑いもあったようです。
経費の使い方も看過できるものではなく、
「年間30回近いゴルフのプレー代として、120万円を請求していた。なおかつ、銀座の高級クラブ“ジャンヌダルク”などには隔週で通い詰め、年間220万円以上を注ぎ込んでいました。しかも、お気に入りのホステスのために東京・白金台にマンションを借り上げていた。交際費の合計は、年間1,000万円以上に上りました」(ゼビオ関係者)

法的措置の必要性も生じかねない不正であることから、ゼビオはJリーグに報告済みだそうです。
前社長に聞くと、代理人弁護士を通じ、「監査結果は事実無根」とのことです。

なお、前社長は古巣Jリーグの参与に返り咲いています。
本来なら、サッカー界からの追放もあり得るスキャンダルに違いないように思われますが。

これが真実であれば、親会社のゼビオも看過できないでしょうね。
経費を少しでも削減する中で成績を上げれるように立て直すというより、私利私欲のために行っている感じですね。
あと、Jリーグも参与にするということが分からないですね。
今後どうなっていくのか分かりませんが、事実ということになれば、Jリーグの評価も下がるでしょうし、スポンサーも減るかもしれませんね。
コロナ禍でスポンサー料も減っている(もしくは将来的に減る)でしょうから、判断を誤ったのではないかと思います。

東京ヴェルディ前社長のスポンサー料着服・銀座ホステスにマンション提供疑惑について、どう思われましたか?


葬儀代を横領し「楽器買った」元JA職員に2年6月の求刑!

上毛新聞によると、群馬県のJA佐波伊勢崎で葬儀代の集金などを任されていた立場を悪用し、約260万円を着服したとして、業務上横領の罪に問われた群馬県伊勢崎市のJA元職員の男(56)の初公判が、先日、前橋地裁(水上周裁判官)で開かれ、男は起訴内容を認めました。
検察側は「JAの信頼を裏切る犯行で、常習性もあり悪質」として懲役2年6月を求刑しました。
弁護側は反省し、被害を弁済する意思があるなどとして寛大な判決を求め、即日結審しました。
判決は、2021年5月26日に出ます。

検察側は冒頭陳述で、元JA職員が2017年10月ごろから、クレジットカードの支払いなどに充てるために葬儀代の横領を始めたと説明しました。
上司には施主側の支払いが遅れていると報告したり、葬儀代の集金の際には正規の領収書ではない別の領収書を渡したりして、横領が発覚しないようにしていたと指摘しました。

被告人質問で元JA職員は「20件以上行い、合計850万円ほど横領した」と説明しました。
横領した金で、音楽活動で使う楽器などを購入していたとしました。

論告によると、元JA職員は葬儀代の集金などを任されていた立場を悪用して2018年9月、葬儀代として施主から預かった約260万円を横領したとされています。

今どき、正規でない領収書を使えるんですね。
もらう側も、怪しいと思わないのでしょうか?
この事件も、改めて、金融機関は資質が必要だなぁと思いました。
個人的には、ここのJAがこの事件をきっかけに、どう内部統制を変えたのかという点に興味があります。
二度と同じようなことが起こらないようにしてほしいですね。
楽器とかをやったことがないので分からないのですが、横領してお金で買った楽器で、平常心で演奏ができるものなのでしょうか?

葬儀代を横領し「楽器買った」元JA職員に2年6月の求刑があったことについて、どう思われましたか?


明浄学院の横領事件逮捕されたプレサンスコーポレーションの前社長が無罪を主張!

熊本日日新聞によると、大阪観光大などを運営する学校法人明浄学院の土地売却を巡る21億円の横領事件で、大阪地検特捜部に逮捕され、業務上横領の罪で起訴された東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の前社長(58)が、2021年5月24日に開かれる大阪地裁での初公判で無罪を主張することが、先日、関係者への取材で分かったようです。

プレサンスコーポレーションの前社長は、元法人理事長らと共謀し、2017年7月ごろ、学校法人が明浄学院高の土地の一部を不動産会社と30億円余りで売却する契約を締結し、手付金21億円を複数の口座を経て横領したとして2019年12月に起訴されていました。

まだこの件は続いていたんですね。
早くすべてを終わらせないと、学校法人のイメージダウンは免れないでしょうね。
それにしても、教育の場ということが忘れ去られ、私利私欲のために学校法人が使われたということが残念ですね。

明浄学院の横領事件逮捕されたプレサンスコーポレーションの前社長が無罪を主張することについて、どう思われましたか?


唐津信用金庫の元支店長が22年余りに渡り約2億5千万着服し「投資や競艇などに使った」!

サガテレビによると、唐津信用金庫は、先日、山本支店の49歳の元支店長の男性が、顧客に無断で融資申込書を偽造したり、顧客に融資申込の名義貸しをお願いしたりして融資金を流用するなどし、合わせておよそ2億5千万円を着服していたと発表しました。

1998年11月から2021年1月までの22年余りの着服で、元支店長は懲戒解雇処分となっています。

現在も内部調査は継続中ということで、この元支店長は「投資や競艇などのギャンブルに使用した」と話しているということです。

22年で約2億5千万円なので、単純平均で年間約1千1百万円ですが、気づかないもんなんですね。
よほど、内部統制が機能していないんでしょうね。
顧客に名義貸しを頼んで引き受けてくれるくらいなので、顧客とかなり良好な関係を築いていた優秀な方だったのかもしれませんが、こういうことで、本人は懲戒解雇となり、唐津信用金庫も信頼を失いますし、本人から回収できないと財務上も損失をせざるを得ないので、誰も得しないですね。
きちんと、内部統制を構築しましょう。

唐津信用金庫の元支店長が22年余りに渡り約2億5千万着服し「投資や競艇などに使った」ことについて、どう思われましたか?


「電化製品購入や飲食に使った」NOSAI宮城職員が1,700万円の着服で懲戒解雇!

KHB東日本放送によると、宮城県農業共済組合(NOSAI宮城)は、迫支所の男性職員が約1,700万円を着服していたとして、この職員を懲戒解雇しました。

NOSAI宮城によると、2011年8月から2020年9月にかけて、迫支所の農産園芸課元課長補佐の男性職員(50)が、JAや南三陸町でつくる「南三陸町有害動植物等対策協議会」の資金など約1,700万円を着服していました。

男性職員は当時、協議会や農家の団体など複数の通帳を保管していて、着服した金を「電化製品の購入や飲食費などに使った」と話しているということです。

NOSAI宮城は警察への被害届の提出を検討しているということです。

それなりのお金が動くところは、内部統制を構築しないといけないですね。
もはや性善説の通用する世の中ではありませんので、性悪説に立ち、横領等の発生するリスクがあるところをつぶしていきましょう。
これだけ世の中で横領がたくさん起こっているわけですから、経営者は、内部統制の構築の責任があるということを、きちんと認識してほしいですね。

「電化製品購入や飲食に使った」NOSAI宮城職員が1,700万円の着服で懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


東邦銀行の福島医大病院支店の行員が374万円を着服して懲戒解雇処分に!

福島民友新聞によると、東邦銀行は、先日、福島医大病院支店(福島市)の窓口係を担当していた男性行員(35)が店内に保管されている現金を複数回にわたり抜き取り、計374万円を着服していたと発表した。

東邦銀行は、男性行員を懲戒解雇処分しました。
東邦銀行の2020年度の懲戒解雇処分は3件目となりました。

東邦銀行によると、男性行員は2019年7月から2021年3月にかけ、業務中に保管庫の鍵を開けて現金を抜き取っていました。
50万円は着服後に穴埋めしており、実質的な被害額は324万円でした。
着服した現金は、パチンコなどの遊興費に充てたそうです。

2021年3月に男性行員から申告があり、その後の行内調査で判明したようです。
なお、男性行員は既に全額弁済しています。

1年間で懲戒解雇処分が3件というのは、内部統制に不備があるからなんでしょうね。
これだけ、不祥事が起こると、経営者にも重大な責任があるように思います。
本人からの申告により判明したわけですから、自らは発見できない状況なのでしょうから。
こういう銀行が上場しているのはどうかと思いますし、コンサルティング業務なんてできないでしょうね。

東邦銀行の福島医大病院支店の行員が374万円を着服して懲戒解雇処分になったことについて、どう思われましたか?


長崎大学の内部統制!

長崎大学では、業務の適正を確保するための体制を整備・運用するため、以下の「長崎大学における内部統制に関する規則」を定めています。

○長崎大学における内部統制に関する規則
平成27年3月27日
規則第17号
改正 令和2年6月30日規則第44号

(目的)
第1条 この規則は,長崎大学(以下「本学」という。)における役員(監事を除く。)の職務の執行が国立大学法人法(平成15年法律第112号)又は他の法令に適合することを確保するための体制その他業務の適正を確保するための体制(以下「内部統制システム」という。)を整備することを目的とする。

(内部統制推進責任者)
第2条 本学に,内部統制推進責任者を置き,学長をもって充てる。

(内部統制担当理事)
第3条 学長は,理事のうちから内部統制システムの推進を担当する理事(以下「内部統制担当理事」という。)を指名するものとする。
2 内部統制担当理事は,内部統制システムを統括し,内部統制システムの整備を図るものとする。

(内部統制推進部門の設置)
第4条 管理運営部管理課に,内部統制システムの整備を推進するため,内部統制推進部門(以下「推進部門」という。)を置く。
2 推進部門は,内部統制システムに関し,内部統制担当理事に定期的に報告するものとする。

(内部統制委員会の設置)
第5条 本学に,内部統制システムの整備を推進するため,内部統制委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(委員会の審議事項)
第6条 委員会は,次の事項について審議する。
(1)内部統制システムの改善策等に関すること。
(2)内部統制システムにおけるモニタリング体制に関すること。
(3)その他内部統制システムの整備の推進に関する事項
2 委員会は,必要に応じ,前項各号に掲げる事項について役員会又は教育研究評議会に付議するものとする。

(委員会の組織)
第7条 委員会は,次に掲げる者をもって組織する。
(1)学長
(2)理事
(3)副学長
(4)事務局長
(5)事務局の各部長
(6)その他学長が必要と認めた者
2 前項第6号の委員は,学長が任命する。
3 監事は,オブザーバーとして委員会に出席するものとする。

(委員会への報告等)
第8条 内部統制担当理事は,委員会に対し,推進部門等からの内部統制システムに関する報告及び職員へのモニタリングの結果に基づき,報告を行うものとする。

(委員会の事務)
第9条 委員会の事務は,管理運営部管理課において処理する。

(職員へのモニタリング)
第10条 内部統制担当理事は,内部統制システムが有効に機能していることを継続的に確認するため,監事及び監査室と連携するとともに,職員へのモニタリングを行うものとする。
2 前項のモニタリングに関し必要な事項は,別に定めるものとする。

(補則)
第11条 この規則に定めるもののほか,内部統制システムに関し必要な事項は,別に定めることができる。

附 則
この規則は,平成27年4月1日から施行する。

附 則(令和2年6月30日規則第44号)
この規則は,令和2年7月1日から施行する。

また,長崎大学の内部統制システムを推進するための体制については,以下のような体制で運用しています。

大学も結構、不祥事の多いところですから、こういう風に内部統制の構築は必要でしょうね。
当然、国立大学法人にも、監査論を研究されている方はおられるでしょうから、理論だけでなく、身近な実践の場になるかもしれませんね。
いつになっても横領などは色々な組織で発生していますので、長崎大学に限らず、色々な組織で内部統制を構築して、内部統制ということばが一般的となる時代が早くやってきてほしいですね。

長崎大学の内部統制について、どう思われましたか?


顧客口座から計42回引き出し1,700万円を横領したJAたかさきの職員が懲戒解雇!

上毛新聞によると、群馬県のJAたかさき(中村滋組合長)は、先日、西部支店(群馬県高崎市八幡町)に勤務していた30代の男性職員が顧客の口座から1,695万円を横領していたことが判明し、懲戒解雇したと発表しました。
被害は全額弁済されていますが。刑事告訴などを今後検討するようです。

JAたかさきによると、男性職員は2019年7月~2021年2月、金融の営業で担当していた80代女性の口座から現金自動預払機(ATM)や支店窓口で計42回にわたり現金を引き出しました。
通帳や印鑑、キャッシュカードを繰り返し預かり、女性に「(引き出した金は)定期預金にする」と説明していたようです。

聞き取りに対して男性職員は、着服した現金は外国為替証拠金取引(FX)の損失穴埋めや生活費、スマートフォンゲームの課金などに充てたと説明しています。
このうち約280万円は、別の顧客7人が契約した年金やがん保険といった共済の掛け金を立て替えて支払ったようです。
顧客が解約を申し出た契約をつなぎ留めるためだったとみられ、JAたかさきは、「立て替えは農協法に違反する」と説明しました。

2021年2月9日に、被害者の知人から「預けた通帳と印鑑が戻ってこない」とJAたかさきに連絡があり、発覚しました。
多額の現金が複数回引き出された場合などにチェックする体制はなかったそうです。

被害は、男性職員の親族らが全額弁済しました。
JAたかさきは、顧客の取引などを調べた結果、「他の被害は確認されていない」としています。

先日、JAたかさきで会見した中村組合長は、「組合員、利用者、関係者の皆さまに多大なご迷惑をお掛けしたことをおわびする。コンプライアンス(法令順守)体制を立て直し、二度と起こらないよう努力する」と謝罪しました。

通帳とか印鑑を預かっている限り、必ず2人で行くとか、別の専門の担当者が行くとかしないとなかなか難しいのではないかと思いますが、コストや手間がかかるでしょうね。
預からないという方法もあるのかもしれませんが、お年寄りで店舗に簡単には行けないような方は厳しいので、解約につながるかもしれませんね。
サービスと内部統制は相反するものがあるだけに、良い方法を考えないといけないですね。

顧客口座から計42回引き出し1,700万円を横領したJAたかさきの職員が懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


びらとり農協の元職員が貸付金140万円を横領!

北海道新聞によると、びらとり農協(北海道日高管内平取町)の畜産課に勤務していた30代の元男性職員が、北海道農業公社(札幌)から雌牛を飼育する組合員向けに振り込まれた貸付金140万円を横領していたことが、先日、びらとり農協への取材でわかったようです。

元職員は横領した金を全額返済しており、びらとり農協は刑事告訴しない方針だそうです。

びらとり農協によると元職員は、貸付金の申請受け付けや組合員への支給業務などを担当していましたが、2019年10月、北海道農業公社からびらとり農協の口座に振り込まれた農家1戸分の貸付金140万円を、申請した組合員の口座に振り込まずに横領しました。

農協の口座に入ったお金を一職員が横領できるというのは、そもそも内部統制という発想がこの農協にあるのだろうかという感じはします。
過去にJAでは横領がかなりの数発生していると思いますが、他人事という感覚なのでしょうか?

びらとり農協の元職員が貸付金140万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


全国的に注目の過疎地の生活支援策運営の中心の奈良県川上村の課長が300万円を着服!

読売新聞によると、奈良県川上村の課長だった男性職員(44)が、役員を兼任する村設立の2法人の会計を不正に処理し、約300万円を着服したとして、川上村が職員を停職6か月、主任への2階級降格の懲戒処分としていたことが、川上村への取材で分かったようです。
職員が弁済を済ませているなどとして、刑事告訴はしていません。

この職員は、ホテルや土産物店、観光施設などを運営する一般財団法人「グリーンパークかわかみ」(1988年設立)の総支配人と、村民の買い物支援などを担う一般社団法人「かわかみらいふ」(2016年設立)の専務理事を務めていました。

川上村によると、職員は2018年1月頃から3年間にわたり、出張名目で買った新幹線の回数券計96万円分を着服し換金していました。
このほか、法人の費用でマイカーに給油したり、法人の交際費で購入した商品券や食事券を私的に使用したりしていました。
川上村は、被害額を299万8,428円と算定しました。
半分は2020年度に着服していたようです。

2020年末頃、関係者から不正を疑う指摘があり、川上村が調査したうえで、2021年2月下旬に職員を問いただしたところ、着服を認めたそうです。
監督責任として、栗山忠昭村長や副村長の報酬を減額する議案を開会中の村議会に提案する予定です。

かわかみらいふは、「買い物弱者」の高齢者らのために移動販売車を走らせたり、廃業したガソリンスタンドの経営を引き継いだりしており、過疎地の生活支援策として全国的に注目されています。
職員はその運営を中心的に担ってきており、今後の影響も懸念されます。

栗山村長は読売新聞の取材に対し、「彼なら間違いないと任せてきただけに、自分にも責任がある。村民の信頼を回復できるよう、法人のチェック体制を早急に見直す」と話しました。

仕事ができる方が、なぜこういうことをするのでしょうか?
仕事ができるから、内部統制の不備にも気づくのかもしれませんが、不正を犯すのではなく、内部統制の不備を正すということをしてほしいですね。
この事件も、トップの内部統制の構築が不十分なせいで、職員を不幸にし、今後の村の業務にも悪影響を与えるわけですから、民間だろうと役所だろうと、トップにもっと内部統制のことを真剣に考えてほしいと改めて感じました。

全国的に注目の過疎地の生活支援策運営の中心の奈良県川上村の課長が300万円を着服したことについて、どう思われましたか?


PCなど横流して約2,300万円を横領したJR北海道子会社の元社員に懲役3年6か月!

HTB北海道ニュースによると、業務で仕入れたおよそ2,300万円相当のデジカメなどを売却し横領した罪に問われている男に懲役3年6か月の判決が言い渡されました。

元社員(44)は、北海道ジェイ・アール・システム開発の社員で仕入れ品の管理を担当していた2012年7月から56回にわたってデジタルカメラ56台とノートパソコン16台およそ2,277万円相当を札幌市内の業者に売却して横領した罪に問われています。

先日の裁判で札幌地裁は「常習的な犯行で仕入れ先に書類の記載内容を指示するなど巧妙な偽装工作もしていて悪質である」として元社員に懲役3年6か月を言い渡しました。

あまり良いことだとは思いませんが、こういう判決が、横領事件の抑止や内部統制の構築に少しでもつながればいいですね。
内部統制の不備は経営者の責任だと思いますが、会社のみならず、従業員(そのご家族も)も不幸にしますので。
横領事件は絶えず起こっていますし、コロナウイルスの影響で、給与などが減り、リストラとかが行われると、横領のリスクは高まると考えられますので、内部統制を改めて見直す時期に来ているのではないかと考えています。

PCなど横流して約2,300万円を横領したJR北海道子会社の元社員に懲役3年6か月が言い渡されたことについて、どう思われましたか?


全日本私立幼稚園連合会の基金など4億円不正出金問題で刑事告訴!

朝日新聞によると、全日本私立幼稚園連合会の基金など約4億円が不正に出金された問題で、全日本私立幼稚園連合会は、先日、前会長と前事務局長を業務上横領と私文書偽造などの容疑で、2021年3月11日付で警視庁に刑事告訴したと発表しました。
前会長は内部調査に通帳の偽造に関与したことを認める一方、私的流用は否定しているようです。
前事務局長は「前会長の指示に従った」と説明したようです。

先日、都内で会見した全日本私立幼稚園連合会の代理人弁護士によると、告訴容疑は、全日本私立幼稚園連合会が全国の都道府県団体から集めた会費のうち、国際交流や災害対策のための基金など計約4億円を2017~2020年度に不正に引き出すなどして、横領したというものです。
前会長は2020年11月の内部調査に対し、残高を水増しした偽造通帳を示したといい、全日本私立幼稚園連合会は私文書偽造や偽造有印私文書行使未遂などの容疑でも告訴しました。

田中雅道会長代行は、「公の手ですべてを明らかにしていただくのがベストだと判断した」と述べました。

全日本私立幼稚園連合会の関連団体の全日本私立幼稚園PTA連合会でも約4,100万円の使途不明金が出ており、PTA連合会も、2021年3月11日付で前会長と前事務局長を刑事告訴しました。
前事務局長はPTA連合会の事務局長も務めていましたが、2020年12月に退職したそうです。

PTA連合会会長の河村建夫元官房長官も会見に同席し、過去5年間に幼稚園連合会などから自身が代表を務める政治団体への寄付は確認できなかった、と述べました。

全国の都道府県団体から集めた会費のうち、国際交流や災害対策のための基金など計約4億円を横領するなんて、驚くべきことですね。
前会長は、僧侶でもあり、学校法人の理事長でもあるわけですから。
長年業務を1人で担っているような女性が横領するケースはよくありますが、トップが部下に指示してやらせるとなると、内部統制がそもそも機能しないわけですから、なかなか不正を発見することは難しいでしょうね。
監査をきちんとやっていれば、気づくのかもしれませんが、監査をする人を選ぶのもおそらくトップでしょうから。
やはり、役員のほとんどが非常勤(兼務)で、それなりのお金が動くところは気をつけないといけないですね。

全日本私立幼稚園連合会の基金など4億円不正出金問題で刑事告訴したことについて、どう思われましたか?


1億5,000万円の横領で懲役6年の判決!

毎日新聞によると、経理などを担当していたIT関連会社などから1億5,000万円余を着服したとして業務上横領の罪に問われた山口県岩国市の無職の女性(30)に対し、山口地裁岩国支部(田中邦治裁判官)は、先日、懲役6年(求刑・同7年)を言い渡しました。

判決によると、無職の女性は2020年1月22日~6月23日、預金管理など経理を任されていた市内のIT関連会社やグループ会社の口座から、コンビニエンスストアや銀行のATM(現金自動受払機)で現金を引き出したり、インターネットバンキングを使って自分の口座に送金したりして計約1億5,129万円を横領しました。

田中裁判官は、無職の女性が横領した預金を、外国為替証拠金取引(FX)の資金に充て、使い果たしてしまった点を指摘し「極めて悪質で、被害弁償は一切なく、今後もめどは立っていない。刑事責任は極めて重い」と述べました。

FXで1億5,000万円も損をするというのもある意味スゴいですが、担当者レベルで、自由にATMで現金を引き出したり、インターネットバンキングで送金できるという、会社の内部統制のなさもスゴいですね。
横領した本人が悪いのは間違いないですが、横領できるような状況で放置していた経営者にも責任があるのではないでしょうか?
内部統制の構築は、会社・経営者・従業員を守ることになります。

1億5,000万円の横領で懲役6年の判決が出たことについて、どう思われましたか?


「みずほ銀行」の40歳女性行員が5,200万円を着服したシステムの盲点ついた大胆手口!

日刊ゲンダイDIGITALによると、「はっきりと思い出せないが、私1人でやりました。当時は仕事のストレスがあり、洋服を買ったり、海外旅行に行ったりするのに充てたと思います」と、女性行員はストレス発散のため銀行の金に手を付けたと供述しているそうです。

融資の申請書類を偽造し、勤務先のみずほ銀行から現金約5,200万円を着服したとして、広尾支店(東京都港区)の元行員の女性(40)が、先日、窃盗の疑いで警視庁麻布署に逮捕されました。

元行員の女性は、2003年にみずほ銀行に入行し、広尾支店に配属されました。
ローン契約を担当していた2017年12月下旬から2019年4月中旬にかけ、実在する顧客の名前を勝手に使って虚偽の書類を作成し、融資を申請し、システムを不正に操作して、支店で保管していた約5,200万円を十数回にわたってくすねました。

みずほ銀行関係者によると、元行員の女性は、上司に『お客さまからお借り入れをしたいという申し込みがありました』と報告し、当時は申請から引き出しまで1人で実行できるシステムになっていて、それを悪用したようです。
また、上司や同僚にバレないように、何らかの方法で現金を引き出していたようです。

発覚のきっかけは、元行員の女性が提出した申請書に不備があったことのようです。
支店内でヒアリング調査を進め、本人に確認したところ不正を認めました。
2019年10月に元行員の女性を懲戒解雇し、2019年12月、警視庁に刑事告訴しました。

通常、総合職であれば一定の期間を経て他の支店などに異動しますが、元行員の女性は、一般職だったことから、入行以来16年間ずっと広尾支店に勤務していました。
それも不正を見抜けなかった理由のひとつです。

本人のものとみられるSNSなどによると、2003年、大妻女子大学を卒業し、英語が堪能で、在職中は外為や投資信託、保険など幅広い分野を担当していたようです。
2019年に銀行をクビになってからも、語学を生かし、外国人アーティストやタレントを手配する会社で働いていました。

「杉並区宮前にある豪邸で、家族と一緒に住んでいます。裕福な家庭のお嬢さまですから、金には困っていなかったと思いますが……」と捜査事情通は話しているようです。
5,200万円もの大金を着服しながら、記憶が曖昧なのが気になるところです。
1人で洋服と海外旅行で5,200万円を使うのも大変だろうし、一流企業勤務なのだから、何も犯罪に手を染めなくてもちょっとしたぜいたく旅行ぐらい行けるハズです。
なぜ、わざわざ「私1人でやりました」と、強調する必要があったのでしょうか?

個人的には、1人で誰かのためにやったのではないかと直感的には推測しますが、それはさておき、みずほ銀行ともあろうところが、簡単に着服できるようなシステムになっていたのが驚きです。
内部統制のレベルがどうなのかと感じます。
このBLOGで何度も書いていますが、着服した本人が悪いのはもちろんのことですが、内部統制をきちんと構築せず、逮捕者をうみだした経営者に責任があるのではないかと思いますね。
度重なるシステム障害だけが取り上げられますが、こういう面も取り上げてほしいなぁと思います。

「みずほ銀行」の40歳女性行員が5,200万円を着服したシステムの盲点ついた大胆手口について、どう思われましたか?


宮城県登米合同庁舎の売店のパート職員の女性が売上約100万円の横領容疑で逮捕!

宮城県登米市のパート職員の女性が、以前勤めていた登米合同庁舎の売店で売上約100万円を横領した疑いで逮捕されました。

この売店では、印紙や証紙約1,450万円分がなくなっていて、警察が詳しく調べています。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、登米市のパート職員(53)です。

警察によりますと、パート職員は、当時勤めていた登米合同庁舎の売店で、2016年7月からの約2年間で、複数回にわたり印紙や証紙などの売り上げ約100万円を横領した疑いが持たれています。

パート職員は、大筋で容疑を認めているということです。

パート職員が勤めていた売店では、2019年3月に印紙や証紙約1,450万円分がなくなっていたことが分かり、売店を管理していた地方職員共済組合県支部が、警察に被害届を出していました。

警察は、残り約1,300万円分の印紙や証紙がなくなった経緯についても、パート職員が把握している可能性があるとみて調べを進めています。

会計監査で、支店や営業所に往査したときに、指摘事項がない場合、切手や印紙の管理を確かめると、大抵何かしらの不備が見つかる(税務調査の時に、指摘事項がないと、契約書などを確かめて印紙の貼り忘れを指摘するようなもの)というほど、一般企業などでも管理が甘いことが多い印紙関係ですが、販売する側もそうなんでしょうね。
事務所の隣の建物にコンビニがあるため、切手や印紙やレターパックを必要な時に必要なだけ買っていますが、レジで待っているときに、いつも切手とかの管理はどうしているのだろう?と考えてしまいます(笑)。
それなりの数を扱っているところは、きちんと管理のことを考えないと、同じようなことが起こりますよ。

宮城県登米合同庁舎の売店のパート職員の女性が売上約100万円の横領容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


信州大生協の元従業員が2,800万円を着服!

中日新聞によると、信州大(本部・長野県松本市)で食堂などを運営する信州大学生活協同組合(生協)は、元従業員が2015年1月~2020年6月に現金約2,800万円を着服していたとホームページで公表しました。
元従業員は既に全額を弁済しているため、所属先や性別、年齢などは明らかにしていません。
生協は刑事告訴しない考えのようです。

生協によると、2020年7月の担当者交代に伴う業務の引き継ぎで帳簿と現金残高が合わず発覚しました。
元従業員は着服を認め、生協が解雇しました。
調査に対し、「借金があった」と話したそうです。

マニュアルでは定期的な経理の点検を定めているが、関根明専務理事は「点検が不十分だった。組合員の財産を巡り、お騒がせして申し訳ない」とコメントしました。
今後は、定期的な点検の徹底とともに、外部の識者を含む委員会でチェックし、再発防止に努めるそうです。

生協は学生や教職員約1万6,000人が加入し、県内5キャンパスで食堂や売店を運営しています。

内部統制という概念がトップにないのかもしれませんね。
それなりの金額が動く組織で、(おそらく)役員の大半が兼務の組織は、横領等のリスクがかなり高いということを認識しておかないといけないでしょうね。
あとは、解雇だけで、氏名等を公表していないのはどうなんでしょうね。
返済すれば良いということにならないでしょうか。
役員等も処分はないんでしょうね。
普通に、他の組織に就職して、同じことを繰り返すリスクが高いのではないでしょうか。

信州大生協の元従業員が2,800万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


博報堂が子会社の元社員が金券など換金する不正で27億円損失!

日本経済新聞によると、博報堂DYホールディングスは、先日、子会社で元社員による不正行為があり、2020年4月から12月期連結決算に27億円の特別損失を計上したと発表しました。
元社員は会社名義で購入した金券などを換金し、一部を個人的に使っていました。
同日発表した2020年4月から12月期決算は、純利益が前年同期比71%減の90億円でした。
コロナ禍の広告市況低迷が響いているようです。

不正があったのは、広告制作を手がける博報堂プロダクツ(東京都江東区)です。
元社員は2016年から金券や商品券の不正な発注を繰り返し、金券ショップで換金した現金を代金の支払いにあてていました。
2020年12月に発注先からの問い合わせで発覚し、同時点で未払い代金は43億円でした。
換金した16億円は同社で保全しており、差額を発注先に支払うため特別損失を計上しました。
元社員は2021年1月29日付で懲戒解雇しました。

博報堂DYは、同日、2021年3月期の純利益が前期比55%減の200億円になりそうだと発表しました。
61%減の175億円としていた従来予想から25億円上方修正しました。
コロナ禍で落ち込んだ広告需要が回復傾向にあることを反映したものとなっています。

27億円を織り込んだあとの純利益が200億円ですので、かなりインパクトのある数値ですね。
これほどの金額を横領できる方ですので、それなりの役職の方だと思いますが、内部統制が整備されていないんでしょうね。
他の報道を見ると、まったく金券等を取り扱っていない仕入先から仕入れていたようですが、仕入先もおかしいと思わないのでしょうか?
会社のプレスリリースでは、『業務とは関わりなく行われたことから、当社としては把握することができず、…』とありますが、業務と関係なくても発注できるという状況があるということ自体、問題でしょう。
発覚したのが、発注先からの問い合わせということで、まともな取引先もいますが。
16億円は保全できたということなので、現預金等で置いていたのでしょうが、いったい何に使ったんでしょうかね?
あとは、これに気づかないくらいですから、普段からたくさん無駄使いがあり、結局、広告費などでお客さんが高い金額を負担しているということですね。

博報堂が子会社の元社員が金券など換金する不正で27億円損失を計上したことについて、どう思われましたか?


生徒会費を横領しギャンブル代に使った57歳の高校教諭を懲戒免職!

讀賣新聞によると、兵庫県委員会は、先日、生徒会費や修学旅行の積立金を横領したとして、県立高校と明石市立小の男性教諭2人を懲戒免職にしました。

発表によると、県立高校の教諭(57)は、生徒会費の会計係を担当しており、2014年6月から2016年10月、生徒会費を出金し、飲食費やギャンブル代に流用しました。

2016年10月、約51万円の使途不明金が明らかになり、別の教員らの聞き取りに横領を認め、2016年12月にボーナスで全額を返済しましたが、管理職に報告しませんでした。

2020年9月、当時の横領を告発する情報が兵庫県教育委員会に寄せられ、発覚しました。

また、明石市立小の教諭(43)は、修学旅行の積立金などの会計を担当しており、2020年4月から12月、複数回にわたり現金を引き出し、約157万円を横領しました。
旅行業者から未払い分の督促があり、支払うことができず自ら申告したようです。

教諭の資質がない人が教諭になっているんでしょうね。
生徒に色々なことを教え、人間としての見本となるべき教諭がこういうことをするなんて信じられないですね。
あと、個人的には、兵庫県は、公務員の不祥事が多いように感じます。
このBLOGでも何度も書いていますが、給食費などもそうなのですが、複数校でお金の管理等をする担当者を置き、教員にお金を扱わせないようにした方が、忙しい教員が教務に専念できると思いますし、こういった不祥事で人生を棒に振ることもなく、採用が難しい現状で新たに教員を採用したりする必要もなく、教育レベルも上がり、結果的に安くついていいのではないかと思います。

生徒会費を横領しギャンブル代に使った57歳の高校教諭が懲戒免職となったことについて、どう思われましたか?


1億3,000万円以上の横領と詐欺の疑いで香川県警が鋼材会社元社員2人を逮捕!

KSBによると、自社で保管していた鋼材を横流ししたり、水増し請求で多額の現金をだまし取ったりしたとして、香川県琴平町の鋼材加工販売会社の元社員2人が送検されました。
被害額は1億3,000万円に上ります。

業務上横領と詐欺の疑いで逮捕・送検されたのは、香川県琴平町の鋼材加工販売会社の元社員(34)と元社員(38)の2人です。

香川県警によると、2人は共謀して2017年から2018年にかけて108回にわたって約1,789トンの鋼材を無断で出荷し、売り上げを横領した疑いです。

横流しした鋼材の仕入価格は合計で1億1,600万円に上ります。
また、2018年には取引先の会社に請求を水増しさせ、差額の約820万円をだまし取った疑いです。

元社員(34)は容疑を認めていて、元社員(38)はいずれも黙秘しているようです。

どうやって発覚したのかは分かりませんが、2年弱の間にこれだけやられても会社は気づかないものなのでしょうか?
本人たちが悪いのはもちろんですが、こういうことができる状況にしていたのは経営者の責任でしょうね。
中小企業であっても、内部統制の構築・運用が重要という良い例だと思います。
経営者の皆さんには、内部統制の重要性を認識してほしいですね。

1億3,000万円以上の横領と詐欺の疑いで香川県警が鋼材会社元社員2人を逮捕したことについて、どう思われましたか?


秋田県男鹿市が元税務課長の税金着服事件の債権を一部放棄!

秋田魁新報によると、秋田県男鹿市は、先日、元税務課長(61)の税金着服事件を巡り、元課長に賠償請求している5,247万円のうち、着服を認めていない3,713万円の債権を放棄する方針を明らかにしました。
債権の時効は3月1日に迫っていますが、否認分は立証が困難と判断したようです。
2月1日予定の臨時議会に関連議案を提出するようです。

秋田県男鹿市は元税務課長の着服金額を4,557万円と認定し、遅延利息を加えて5,247万円を賠償請求しています。
このうち本人が秋田県男鹿市の調査に着服を認めた1,317万円(遅延利息を含めると1,534万円)については支払う意向を示し、家族の協力も含めこれまでに85万円の納付があったようです。

本人が着服を認めていない3,239万円(同3,713万円)は、債務の履行を求める訴訟を経て強制執行で回収することができます。
ただし、領収証書など着服を裏付ける証拠がなく、訴訟費用や弁護士報酬なども多額な上、勝訴しても元税務課長にまとまった金銭や資産はなく、回収は見込めないそうです。

先日開かれた男鹿市議会全員協議会で、男鹿市は債権の一部放棄の方針を説明しました。
市議からの質問はなかったようです。
菅原広二市長は取材に「苦渋の決断だがこのまま黙って時効を迎えるのではなく、議会から承認を得て前に進みたい」と述べました。

元税務課長は収納業務を担当していた2007年以降、市民から固定資産税や国民健康保険税などを受け取っていましたが、市の口座に入金せずに着服を繰り返しました。
2015年6月に内部通報で発覚し、懲戒免職処分を受けました。
その後、業務上横領の疑いで逮捕、起訴され、懲役4年6月の実刑判決を受けました。

複数人の交際相手に貢いでいたようですが、本当に財産はないのでしょうか?
そもそも、領収証書など着服を裏付ける証拠がないのに、なぜ着服金額としたのだろうかという疑問はありますが。
この事件は、公務員だろうと、内部統制が必要という事例ですね。

秋田県男鹿市が元税務課長の税金着服事件の債権を一部放棄することについて、どう思われましたか?


給食費など800万円を着服した学校給食会職員を市が処分を検討!

長崎新聞によると、長崎県大村市は、先日、大村市学校給食会の50代女性職員が、2018年度から2020年度にわたり、学校給食会運営費や市立小中学校の給食費の口座から計約800万円を不正に引き出し、着服していたと発表しました。

職員は「生活資金に使った」などと着服を認め、全額返還する意向を示しているそうです。
2017年度以前の分についても調査を進め、刑事告訴も含め今後、処分を検討するとしています。

大村市によると、大村市学校給食会は大村市が業務委託している任意団体で、小中学校給食の食材購入などの業務を担っています。

女性職員は2011年6月以降、1人で経理を担当していました。
学校給食会の運営費を一時的に食材購入費に充てたことを装ったり、業者と取引があったように見せかけたりして、60回以上にわたり現金を引き出していました。
その際、学校給食会のはんこを無断で押していたそうです。

本年度から複式簿記化したことに伴い、税理士に帳簿などの確認を依頼したことから発覚したようです。

大村市役所で会見した園田裕史市長は、「子どもたちの給食に関するお金が着服されたことは遺憾であり、再発防止に取り組む」と陳謝しました。
預金通帳やはんこの施錠管理徹底、チェック体制の強化など再発防止策に取り組むとしました。

我が高松市の場合、学校給食会は公益財団法人なのですが、大村市は任意団体なんですね。
やはり、それなりにお金の動きがあり、女性の担当者が長期にわたり1人で経理をしている、(おそらく)役員が他の組織との兼務(非常勤)の組織は、横領のリスクが高いという良い事例ですね。
学校給食会の口座ならともかく、市立小中学校の給食費の口座から引き出せるというのは、どういう口座の管理がされていたんでしょうね。
発見した税理士は、どういう気持ちになったんでしょうか?
たとえ公務員であろうと、もう少し、トップが内部統制の重要性を理解し、きちんと内部統制を構築していかないと、今後も同じようなことは起こると思いますね。

給食費など800万円を着服した学校給食会職員を市が処分を検討していることについて、どう思われましたか?


県立高校のサッカー部顧問が部活の遠征バス費用を横領疑い!

日刊スポーツによると、広島県警広署は、先日、部活動の遠征費用を私的に使い込んだとして、横領の疑いで、アルバイトの男性(29)を逮捕したようです。
アルバイトの男性は県立高校の元教諭で、サッカー部顧問でした。

逮捕容疑は、2020年7月23日ごろ、サッカー部の保護者会から預かった遠征のバス代金12万6,000円を着服し、横領した疑いです。

広島県教育委員会は、2020年11月、遠征費用や備品購入費などをボートレースや消費者金融への返済に充てたとして、アルバイトの男性を懲戒免職としました。

広島県教育委員会によると、他にも約170万円が不明となっており、広島県警広署が経緯を調べているようです。

生徒に色々なことを教える教育者としてあるまじき行為ですね。
本人が悪いということは間違いないですが、学校の給食費なども同じだと思いますが、お金を扱うということを極力はずしてあげないと、今後もどこかで同じようなことが起こるのではないかと思いますね。

県立高校のサッカー部顧問に部活の遠征バス費用の横領疑いがあることについて、どう思われましたか?


公立玉名中央病院の前理事長を研究費700万円の横領容疑で逮捕!

西日本新聞によると、熊本県玉名市の公立玉名中央病院の研究費約700万円を着服したとして、熊本県警は、先日、業務上横領の疑いで、玉名中央病院前理事長の医師(68)を逮捕しました。
熊本県警によると、前理事長が管理していた銀行口座からさらに約4,500万円が使途不明となっており、捜査を進める方針だそうです。

逮捕容疑は2016年3月4日、高級外車ベンツの購入費用に充てるため、病院整形外科グループの研究費などを管理する銀行口座から約700万円を横領した疑いです。

熊本県警によると、前理事長は「公用車として購入しており犯罪ではない」と容疑を否認しているようです。
ベンツは前理事長名義で購入し、2018年5月に売却していますが、売却益も使途不明だそうです。

玉名中央病院は2019年8月に前理事長を懲戒解雇し、2020年11月に熊本県警に告訴していました。

公用車であれば、しかるべき手続きが必要でしょうし、なぜ前理事長名義で購入したんでしょうね?
売却代金も病院に入れるべきだと思いますが。
そもそも公立病院で理事長の公用車としてベンツがいるのかという気はしますが。

公立玉名中央病院の前理事長が研究費700万円の横領容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


競馬のためにコンビニ売上金を横領した店長だった男性を逮捕!

神奈川新聞によると、川崎臨港署は、先日、業務上横領の疑いで、川崎市川崎区日進町、派遣社員の男(40)を逮捕しました。

逮捕容疑は、2020年6月から7月にかけ、店長を務めていた川崎市川崎区のコンビニで、約30回にわたり売上金計約696万円を横領した、としています。
元店長は「間違いない」と容疑を認めているようです。

川崎臨港署によると、元店長は2017年12月から店長を務めていました。
売上を本部に送金しない状態が続き、2020年7月に発覚しました。
元店長は「競馬に使うためにやった」と話しているようです。

簡単にバレるようなことをなぜやっていたのでしょうか?
記事によると、『元店長』なので『オーナー』ではなく、雇われ店長だったと思いますが、普段からチェック機能はないのでしょうか?
あとは、管理職は『資質』が必要でしょうから、経営者にその辺りを見極める眼が必要なんでしょうね。

競馬のためにコンビニ売上金を横領した店長だった男性が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


切手1.3億円分を着服した容疑で元郵便局総務部長を逮捕!

廃棄予定の切手約1億3千万円分を着服し、切手買い取り店で売却したとして、大阪府警捜査2課は、先日、業務上横領容疑で、堺中郵便局(堺市中区)の元総務部長(56)を逮捕しました。

逮捕容疑は2017年4月~2018年6月、同郵便局が、顧客から受け取り、保管していた千円切手約1億3千万円分を着服した疑いです。

大阪府警捜査2課によると、認否を留保しているようです。
埼玉県内の切手買い取り店で売却していたとみられます。

大阪府警によると、保管していた切手は、客が郵便物を大量に発送する際、切手の代わりにスタンプなどを押す「料金計器別納」と呼ばれる制度で用いるものだそうです。

郵便局も色々と不正がありますね。
内部統制が、きちんと整備・運用できていないのでしょうね。
毎度のことながら、日本郵便は、日本郵政を含むグループ主要4社の中で唯一、株式が非上場となっていますが、上場企業にはなれないのではないかと感じます。

切手1.3億円分を着服した容疑で元郵便局総務部長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


福島県畳工業組合の元職員が約790万円を着服!

日本テレビによると、福島県畳工業組合の元職員が組合の運営費からおよそ790万円を着服していたことが明らかになったようです。

福島県畳工業組合によると、着服をしていたのは、経理や事務を担当していた76歳の女性です。

女性は、2007年から2019年までのおよそ12年間、定期預金の解約や、架空の支出を偽造するなどおよそ790万円を着服していたそうです。

2019年、決算の監査を行う際、書類が不足していたことから、女性に確認したところ、着服が発覚しました。

組合の聞き取りに対し、女性は着服を認めていますが、用途については明らかにしていません。

組合はすでに警察に告訴状を提出しています。

毎年、監査はしているのではないかと思いますが、12年間も気づかなかったんですね。
年額にするとそれほどの金額ではないのかもしれませんが、蓄積されるとそれなりの金額になりますね。
やはり、このBLOGでも何度も書いているように、役員が持ち回りの兼務のことが多く、事務職員が長年同じことを担当しており、毎年それなりの金額が会費などで入ってくる組合は、コントロールが働きにくいと思いますので、内部統制をきちんと構築し、運用しないといけないと危険ですね。
組織が小さいとか大きいとかは、関係ないです。
使途は分からないようですが、もし、お孫さんのお小遣いなどに使われていたとしたならば、お子さんやお孫さんは複雑な気持ちでしょうね。

福島県畳工業組合の元職員が約790万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


NPO法人「ITコーディネータ協会」の元経理担当の女性を3,100万円着服で逮捕!

TBSによると、NPO法人「ITコーディネータ協会」の元経理担当の女性が、協会の金を着服したとして逮捕されました。

少なくとも3,100万円を着服していたとみられています。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、「ITコーディネータ」資格の認定などを行う東京のNPO法人「ITコーディネータ協会」の元経理担当の女性(45)です。
元経理担当の女性は2018年2月から3月にかけて、現金およそ1,500万円を着服した疑いがもたれています。

元経理担当の女性は経費を精算するために引き出したお金の一部を自分の口座に入金していたということで、取り調べに対し「投資や借金に使いました」と容疑を認めているということです。

元経理担当の女性は少なくとも3,100万円を着服していたとみられていて、警視庁は余罪についても捜査しています。

どれくらいの規模の協会か分かりませんが、『ITコーディネータ』という肩書きの入った名刺を時々見かけますので、それなりの規模なんでしょうね。
こういった協会とか同業者組合などは、役員が兼務のことが多く、職員も少なめのところが多いため、内部統制の構築や運用が不十分なところが多いんでしょうね。
コロナ禍で、業務フロー自体が変わっている組織も多いでしょうから、内部統制を改めて見直すタイミングのように思います。

NPO法人「ITコーディネータ協会」の元経理担当の女性が3,100万円着服で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


会社資金1億5千万円着服の容疑で船舶用資材会社の元課長の女性を逮捕!

日本経済新聞によると、会社の資金約1億5千万円を着服したとして、警視庁捜査2課は、先日、船舶用資材販売会社(東京都港区)の元課長の女性(46)を業務上横領容疑で逮捕したようです。

逮捕容疑は船舶用資材販売会社の財務・経理担当だった2014年4月~2019年11月に、会社名義の預金口座からインターネットバンキングを通じて、自らの名義の口座に約1億5,600万円を送金し、横領した疑いです。

捜査2課によると、元課長の女性は「間違いありません」と容疑を認めているそうです。

元課長の女性は船舶用資材販売会社の経理業務を1人で担当していたようで、横領した金の大半は洋服や宝飾品など高級ブランド品の購入費に充てられていたそうです。

世間でありがちな長年経理を担当していた女性による横領事件ですね。
どのようなことがきっかけで発覚したのか分かりませんが、これだけ横領されていて経営者は気づかないものなんでしょうかね?
中小企業だろうと大企業だろうと経営者による内部統制の構築は必要だと思いますし、服装などの変化に気づく能力も必要なんでしょうね。

会社資金1億5千万円着服の容疑で船舶用資材会社の元課長の女性が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


4,000万円超の部品を横流しした横浜の男を業務上横領疑いで逮捕!

読売新聞によると、勤務先の自動車リサイクル会社所有の部品など約10,000点(計約4,200万円相当)を、自ら設立した会社名義で売却したとして、業務上横領の疑いで横浜市の自称運送業の男(53)が千葉県警に逮捕されていたことが明らかになったようです。
男は、容疑を認めているようです。

逮捕容疑は2014年1月~2015年3月に、23回にわたり中古自動車部品などを自分の会社名義で海外法人に売却したとしています。

千葉県警によると、リサイクル会社から「帳簿が合わない」と千葉県警に相談があったようです。
男は海外法人に通常より高値で販売していたそうです。

経営者がおかしいことに気付いて、警察に相談して、横領が分かるというケースがあるんですね。
普通は、経理担当者に確認したり、社内調査を行うと思いますが、以前から何となくこの人があやしいなぁというのがあったのかもしれませんね。
大企業のみならず、中小企業でも内部統制は重要ということですね。

4,000万円超の部品を横流しした横浜の男が業務上横領疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


市職員の夫婦が着服した赤十字社の会費などの公金約668万円を生活費や競馬に!

読売新聞によると、山梨県大月市が「公金約217万円が紛失した」と発表した問題で、大月市は先日、記者会見し、福祉課に勤務する非正規の女性職員(39)が、問題の公金を含め計約668万円を着服していたことを明らかにしました。
金の一部を夫である保健介護課主任の男性職員(42)に渡していたそうです。
大月市は、先日、2人を懲戒免職処分にしました。
全額返済されていますが、大月市は告訴を検討しているようです。

発表によると、女性職員は2020年5月~9月、市内を走るバスの「シルバーお出かけパス」を利用する65歳以上の市民から集めた負担金217万5,000円や、自治会から集めた日本赤十字社の会費など451万2,093円の計668万7,093円を着服しました。

これらの公金は女性職員が一人で管理していましたが、本来、パスの負担金は会計課が管理すべきで、赤十字社の会費は福祉課が管理する口座に入金すべきだったようです。
一方、夫である男性職員は公金と知りながら現金を受け取っていたようです。
2人は着服した金を生活費や競馬に使っていたそうです。

10月12日にパスの負担金の会計課への入金が遅れていたことで、問題が発覚しました。
大月市は、先日、最初の会見を開いて「公金が紛失した」と発表し、翌日、2人が着服の事実を認めたそうです。

大月市は、上司の処分も行う方針です。
今後、公金取り扱いのルールを明文化するなどの適正化計画を策定し、再発を防ぐそうです。
小林信保市長は会見で、「管理を一人に任せきりで、会計課と連携したチェック体制がなかった。非常にずさんな管理だった」と謝罪しました。

あまりにも管理がすざんだと思いますし、市の職員の資質が問われる事件ですね。
個人的には、非正規職員に、横領等のリスクが高い現金を取り扱わせるのはどうなのだろうかと思いますね。
もし、犯人が特定できないとか横領されたお金が返済されないようなケースだとしたら、内部統制をきちんと構築していなかった市長などの責任ということで、本人たちに負担してもらってもいいようなレベルの管理体制ではないのではないかと思います。
民間か役所か、大企業か中小企業かを問わず、内部統制の構築は必須だなぁと改めて感じた一件でした。
これだけ世の中でニュースになるような横領事件がたくさん起こっている中で、内部統制の見直しや構築をしない経営者などは、経営者としての資質があるのだろうかと思ってしまいますね。

市職員の夫婦が着服した赤十字社の会費などの公金約668万円を生活費や競馬に使っていたことについて、どう思われましたか?


岡山県の7校で給食会計が管理や監査不十分!

山陽新聞によると、岡山県教育委員会は、先日このBLOGでも取り上げた岡山支援学校(岡山市北区祇園)で給食費の着服が起きたことを受け、岡山県内の支援学校など給食を提供している12校で実施した給食会計の調査結果を明らかにしました。
7校で現金管理や監査が不十分で、改善を指導しました。

この日の岡山県議会文教委員会で報告しました。
7校では、集めた現金をすぐに金融機関の口座に振り込まずに校内で保管したり、保護者を交えた会計監査を行わなかったりしていたようです。
いずれも岡山県教育委員会のマニュアルに沿っていませんでした。

岡山県教育委員会は、給食以外の会計についても適正な処理を徹底するため、岡山県立全69校を対象に調査をしました。
財務課は「不祥事の再発防止に向け、指導を徹底する」としています。

個人的には、指導を徹底するより、業務を各校で行うのではなく、何校かでまとめてやるのが効率的で、横領等のリスクも低減し、教職員の負担も減ると思っています。
公認会計士という職業柄、内部統制というものが結構気になるのですが、うちの子どもの小学校の現金での集金とかはすごく気になるんですよね。
こういう事件がきっかけで変わっていけばいいなぁと思います。

岡山県の7校で給食会計が管理や監査不十分だったことについて、どう思われましたか?


部下女性の胸を触ったり親睦会費を10万円着服した警部補を懲戒処分!

毎日新聞によると、警察署内で部下の女性の胸を触ったうえ、職場の親睦会費約10万円を着服したとして、大阪府警は、枚方署刑事課の男性警部補(50代)を減給(10分の1)6か月の懲戒処分にしたようです。
警部補は事実関係を認め、依願退職したそうです。

大阪府警によると、警部補は8月の勤務時間中、枚方署内の倉庫で、部下の女性に突然、後ろから抱きつき、胸を触ったそうです。

女性が別の上司に相談しました。
調査の過程で、警部補が4月から7月、親睦会費約10万円を使い込んでいたことも発覚したようです。

警部補は「生活費や小遣いが足りなかった」「女性に好かれていると思った。申し訳ない」と話したそうです。

こういう人が警察官というのは驚きですね。
「生活費や小遣いが足りなかった」ので着服ということがダメなのは、普通の人なら誰でも分かると思いますし、警察官ならなおさらという感じですね。
あとは、いつも思いますが、公務員は処分が甘いのではないかと思いますね。

部下女性の胸を触ったり親睦会費を10万円着服した警部補を懲戒処分としたことについて、どう思われましたか?


沖縄県に送られるはずだった「首里城義援金」414万円を石垣市職員が着服!

読売新聞によると、2019年10月に発生した首里城火災の義援金などを着服したとして、沖縄県石垣市は、市民保健部の20歳代男性職員を懲戒免職としました。
石垣市は、業務上横領の疑いで刑事告訴を検討しているようです。

石垣市によると、男性職員は2019年5月~2020年5月、複数回にわたり、管理を担当していた日本赤十字社の事務費など計約502万円を着服していました。

このうち、約414万円は、石垣市民から寄せられた首里城火災の義援金だったようです。
沖縄県への義援金送金が遅れていることから、上司が確認したところ、私的に使ったことを認めたそうです。

中山義隆市長は「公務員全体の信頼を大きく損なうもの。深くおわび申し上げる」とのコメントを発表しました。

1年くらいで約500万円を何に使ったんでしょうね。
僕自身、3年ほど前に沖縄へ旅行に行ったときに首里城にも行き、子どもたちも楽しんでおり、また行こうねと言っていたので、火災はすごくショックでしたし、義援金を着服するなんて信じられないですね。
男性職員が悪いのは言うまでもないですが、内部統制をきちんと構築していなかった市長にも責任があると思います。

沖縄県に送られるはずだった「首里城義援金」414万円を石垣市職員が着服していたことについて、どう思われましたか?


株式投資で損失が出た岡山支援学校事務部長が1千万円を着服!

山陽新聞によると、岡山県教育委員会は、先日、生徒の給食費など1千万円余りを着服したとして岡山支援学校(岡山市北区祇園)の事務部長(59)を懲戒免職処分としました。

岡山県教育委員会によると、事務部長は2018年9月20日~2020年8月31日、給食費を管理している預金口座から44回にわたり約800万円を不正に引き出したほか、学校への寄付金を持ち出すなど計1,011万8,006円を着服したとされています。

2020年9月に給食業者から岡山支援学校に未払い金の督促があり発覚したようです。
事務部長は会計処理を1人で担当し、学校の監査もなかったそうです。
岡山県教育委員会の調べに対し、「株式投資の損失で生じた借金の返済に充てた。許されない行為をしてしまった」と話しているそうです。

岡山県教育委員会は全額が弁済されていることなどから刑事告訴はしない方針だそうです。
監督責任として岡山支援学校の校長を戒告としました。

会計処理を1人で担当しているという時点でアウトですね。
最近、学校でのこの手の事件が増えていると思いますが、そろそろ給食費などは、個別の学校ごとに管理するのではなく、一定エリアもしくは全県でまとめて教育委員会や別の組織が管理し、集金は極力口座振替や口座振込などで行い、現金回収をできるだけやめ、口座からも担当者が自由に引き出せないようにしないと、忙しい教育現場では、今後も起こるのではないかと思っています。

株式投資で損失が出た岡山支援学校事務部長が1千万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


8,900万円を横領して「競馬に使った」58歳の会社員を追送検!

神戸新聞によると、勤めていた神戸市の通関業務代行会社の預金口座から約670万円を引き出すなどして着服したとして、兵庫県警捜査2課と生田署は、先日、業務上横領の疑いで会社員の男(58)を追送検し、捜査を終えました。
起訴済みの4件を含む計7件約8,900万円の被害を裏付けたとしています。

生田署によると、男は2013年9月~2019年1月、当時、経理部長を務めていた会社で会社名義の預金口座から現金を引き出したり、自分の口座に送金したりして横領した疑いがあります。
着服は計約130回に上るといい、男は現金を「競馬に使った」などと容疑を認めています。

男は経理部長として口座の管理を統括する立場でした。
業務に他の部下を関与させようとしない態度だったため、会社が調査し着服の疑いが発覚しました。

通関業務代行会社は男を懲戒解雇し、2019年12月に生田署に刑事告訴しました。
男は一連の業務上横領容疑で、兵庫県警に3回逮捕されました。

内部統制が構築できていないという面で経営者にも責任があると思いますが、これだけ横領されていても気付かないという面でも経営者にも責任があるのではないかと思いますね。
よほど儲かっていて、資金繰りも考えなくても良いような会社なのでしょうか?
たとえ、そういう会社であったとしても、内部統制は必須ということですね。

8,900万円を横領して「競馬に使った」58歳の会社員が追送検されたことについて、どう思われましたか?


銀行の行員が5,900万円を着服し競馬につぎ込む!

読売新聞によると、中京銀行(愛知県名古屋市)は、先日、顧客から預かった現金5,903万円を着服したとして、半田支店(愛知県半田市)の20歳代の男性行員を懲戒解雇処分にしたと発表したそうです。

中京銀行によると男性行員は半田支店に渉外係として勤務していました。
2020年6月から9月に、5法人と個人客2人から預かった現金を着服し、競馬につぎ込んだそうです。

9月23日になって、被害を受けた法人から「通帳をまだ受け取っていない」との相談があり、発覚したようです。

中京銀行は横領された金を被害者に弁済しました。
今後、元行員を業務上横領容疑で刑事告訴する方針だそうです。

中京銀行のプレスリリースを見ると、『当行は、コンプライアンス(法令等遵守)を経営の最重要課題のひとつと位置づけ、コンプライアンス態勢の確立に取り組んでまいりましたが、今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に向けて内部管理態勢の充実・強化を図るとともに、信頼回復に向けて全行を挙げて取り組んでまいります。』と書いていますが、一般的に使われていることばで、防げなかった原因とか防止策が分かっていないのではないかと個人的には思ってしまいます。
この前、記事を書きましたが、『不正のトライアングル』というものがありまして、『動機』『機会』『正当化』の3つが揃ったときに、不正が発生すると言われています。
『機会』は組織が有効な内部統制を構築できていないということですから、中京銀行も真剣に取り組まないと再発するのではないでしょうか。

銀行の行員が5,900万円を着服し競馬につぎ込んでいたことについて、どう思われましたか?


第一生命の80代元「生保レディ」が19億円を着服!

毎日新聞によると、生命保険大手の第一生命保険は、先日、山口県周南市の西日本マーケット統括部徳山分室に勤務していた県内の80代の元女性社員が、架空の金融取引を複数の顧客に持ちかけて集金していたと発表しました。
少なくとも21人から計19億円を集めていたとみられます。
第一生命は2020年7月に女性を懲戒解雇し、山口県警周南署に詐欺容疑で告発しました。
返金作業を始め、全容解明を急いでいるようです。

第一生命によると、女性は「生保レディ」と呼ばれる現役営業職でした。
10年以上前から、主に山口県内の個人顧客に対し、実際には存在しない「特別枠」で運用すれば高金利が適用されると持ちかけ、会社を通さず直接顧客と契約したように装い、現金を預かっていました。
ほとんどが女性と付き合いが長い顧客で、預かり証として手書きの証書のようなものを作成して提示するなどしていました。
集金分の使い道について、第一生命は「現時点では判明していない」としています。

2020年6月初旬に顧客から会社へ問い合わせがあり、発覚したようです。
第一生命は2020年7月3日付で女性を懲戒解雇し、7月31日に山口県警周南署に告発しました。
また、10月2日付で、東京本社に対策本部を設置し、実態解明と最終的な集金額の確定などを進めている。
既に顧客への返金作業や謝罪を始めています。

第一生命は「お客様ならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることを深くおわびします」とコメントを出しました。

まずは、この手の話に、少なくとも21名で19億円、一人平均だと1億円弱も出してひっかかる人がいるんだなぁと思いました。
よっぽど、信頼関係を築いていたんでしょうね。
それゆえ、こういった裏切り行為はしてはいけないように思いますが。
あとは、すごい話術があるかですね。
次に、生保レディは80代の方もおられるんですね。
この辺りは、第一生命にも原因があるように思います。
おそらくベテランの方々はご本人に任せっきりなのでしょう。
内部統制も効きにくいような気はします。
定年とかを定めると、生保レディが複数の生命保険会社の保険を扱っている代理店に移ったり、ご本人が代理店になるだけかもしれませんが、どこかのタイミングでは、別の方に担当を移していかないといけないのではないかと思います。
そもそも、正社員と個人事業主の間の中途半端な感じの『生保レディ』という形態を見直す時期に来ているのかもしれませんが。
それと、19億円は、何に使ったんでしょうね?

第一生命の80代元「生保レディ」が19億円を着服していたことについて、どう思われましたか?


「給料が少ない?」との看護師の申告で病院元職員の横領が発覚!

STVニュース北海道によると、北海道の旭川中央警察署は、先日、業務上横領の疑いで医療法人社団志恩会相川記念病院の元総務係長(60)を逮捕しました。

職員への給与の振り込み等を担当していた元総務係長は、2016年10月から2019年9月まで43回にわたり、本来の給与より水増しした金額を自分の口座に振り込み、約1,000万円を横領した疑いが持たれています。

2020年2月、相川記念病院の看護師が「源泉徴収票の給与額より、実際に振り込まれた金額の方が少ない」と病院に申告し、病院は2020年8月、旭川中央署に告訴していました。

警察によると、この看護師以外にも複数の職員の給与が本来よりも少なく支給されていて、不足金額の合計は元総務係長が横領したとされる金額と一致したそうです。

元総務係長は調べに対し「間違いありません」と容疑を認めていて、警察が事件の背景を詳しく捜査しています。

給与は見ない方はまったく見ないと思いますが、残業代などをきちんと確かめている方がおられますので、ミスだろうと、意図的だろうとご本人が気づく可能性が高いと思いますが、なぜ、このようなことをしたのでしょうか?
給与明細とか源泉徴収票なんて誰も見ていないとでも思っていたのでしょうか?
そもそも、元総務係長が一人で計算や振込をしていたのだと思いますが、内部統制として完全にアウトですよね。
病院の組織、内部統制に問題があると思いますので、経営者はその辺りの重要性を認識した方が良いと思いますね。

「給料が少ない?」との看護師の申告で病院元職員の横領が発覚したことについて、どう思われましたか?


小樽商科大学元大学職員が不正認める証言!

先日、札幌地方裁判所で開かれた刑事事件の裁判で、証人として出廷した小樽商科大学の元職員の男性が、以前、大学の備品を横領したり取引業者から現金を受け取ったりしていたなどと証言しました。
これについて大学側は「担当者が不在のためコメントは差し控える」としているようです。

横領などを認める証言をしたのは、2019年まで小樽商科大学でコンピューターの保守業務などをしていた元職員の男性です。

法廷での証言によりますと、男性は勤務していた当時、大学の備品として購入したノートパソコンやデジタルカメラなどを横領したり、業務を外注する際に取引業者から現金を受け取ったりしていたということです。

このうち横領した備品は転売して現金に換えていたほか、取引業者からの現金の授受は少なくとも10回程度であわせておよそ500万円に上ったと証言しました。

男性は、別の業務上横領事件で起訴された知人の男の裁判に証人として出廷したもので、不正を行った動機については「金が必要だったので繰り返してしまった」と認めました。

これについて小樽商科大学は「担当者が不在のためコメントは差し控える」としています。

大学はものをたくさん買ったり、工事なども大規模になるでしょうから、購買などの担当は取引先から色々とアプローチがあるんでしょうね。
内部統制上、個人へのキックバックなどは防ぐのが難しい面もあるのかもしれませんが、担当者を複数にして1人では決められないようにするとか、一定金額以上のものについては必ず3社以上合い見積もりを取るとか、担当者を2、3年ごとに変えるとか、できることはあると思います。
結局、このようなものには、税金が使われたり、学費が使われたりするわけですから、内部統制をきちんと構築して、無駄な支出は減らしてほしいですね。
あとは、大学側もきちんとコメントを出してほしいと思います。

小樽商科大学元大学職員が不正認める証言をしたことについて、どう思われましたか?


高崎信金職員がギャンブルなどのために2,223万円着服!

Livedoor NEWSによると、高崎信用金庫(群馬県高崎市)は、先日、高崎市内の支店勤務の男性職員(33)が計2,223万9,000円を着服したとして、懲戒解雇処分にしたと発表しました。

高崎信用金庫によると、男性職員は2018年8月~2020年6月、定期積金の掛込金や普通預金の入金のために預かった現金などを着服していました。
パチンコや競輪などのギャンブルなどに使っていたそうです。
着服金を入金の穴埋めに充てていたことも複数回あったようです。

通帳に記載された定期積金の掛込金の入金日と、男性職員が集金した日の日付が違うと顧客から問い合わせがあり、調査を進めた結果、6月25日に判明しました。
男性職員側が全額弁償しているとして刑事告訴はしない方針だそうです。
高崎信用金庫は「徹底した発生要因分析を行い、不祥事件を二度と発生させないよう全職員が一丸となり、全力で再発防止に取り組む」としています。

こういった金融機関の不祥事を目にするたびに、やはり『資質』というものが非常に大事だなぁと思います。
なかなか見抜くのは難しいとは思いますが、採用時に『資質』を見抜かないといけないですね。
そうしないと、職員にとっても、金融機関にとっても、金融機関の経営者にとっても、不幸なことになるのではないかと思います。
高崎信用金庫のコメントが、本来は、不祥事が起こった際には特に、内部統制の構築は経営者が主導して行かないといけないと思うのですが、そうでないところが、中途半端な感じで終わるのではないかという気が個人的にはします。

高崎信金職員がギャンブルなどのために2,223万円着服していたことについて、どう思われましたか?


岐阜県下呂市の市営観光施設で2億6,500万円の使途不明金!

産経新聞によると、岐阜県下呂市の市営観光施設「下呂温泉合掌村」で約2億6,500万円の使途不明金が見つかり、元会計担当職員の男性(52)が自殺したとみられる問題で、下呂市は、先日、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、元職員を下呂署に刑事告訴しました。

下呂市によると、元職員は2011年4月~2020年3月、同施設で会計業務を担当していました。
この間、支払う必要のない個人2人に施設名義の口座から現金を計155回振り込み、それぞれからその金を受け取ったほか、約530回にわたり施設の売上金を着服したとしています。
外国為替証拠金取引(FX)やギャンブルに使ったとみられます。

着服したとされる分については、遺族を相手に民事訴訟も起こす方針だそうです。

返してもらえるかどうかは分かりませんが、下呂市は、今後、同じようなことが起こらないようにするにはどうすれば良いかを真剣に考える必要がありますね。
当然、返してもらえなければ下呂市に損失が生じますし、内部統制がきちんと構築されていればこの元職員が自殺することもなかったと思いますので、下呂市の責任も重いと思います。
大きいか小さいか、民間か民間でないか、法人か個人か、組織形態などに関係なく、内部統制をきちんと整備・運用しないといけない時代になっていると思います。
内部統制の重要性が分かる人じゃないと、経営者などにならない方がよいでしょうね。

岐阜県下呂市の市営観光施設で2億6,500万円の使途不明金があることについて、どう思われましたか?


徳島県の公立小学校の男性事務職員が出張旅費100万円を自宅に持ち帰る!

徳島新聞によると、徳島県教育委員会は、先日、学校の出張旅費約100万円を自宅に持ち帰り、予算執行業務に支障を生じさせたとして、県内公立小学校の男性事務職員(25)を戒告処分にしました。
同校の男性校長(60)も適正な事務執行体制を確立できていないなどとし、同様の処分としました。

徳島県教育委員会によると、男性職員は教職員が立て替えた旅費を支給する業務を担当していましたが、手続き作業が遅れて支給が滞り始めたため、その発覚を免れようと学校の銀行口座に県教委から振り込まれた旅費を引き出し、支給したように装う不適正な行為を繰り返していました。
2019年7月から2020年6月までに引き出された旅費は総額約100万円で、封筒に入れて自宅に保管していました。

別の職員が2020年6月、旅費の支給遅れを市町村教育委員会に連絡して発覚しました。
男性職員による旅費の横領や流用は確認されず、旅費は教職員に支給されました。

校長は、学校の通帳を男性職員1人に管理させるなど適正な事務執行に向けた体制づくりを怠っていました。
2020年6月までに教職員から複数回にわたり「旅費が支給されない」と相談を受けたにもかかわらず、速やかに調査、確認を行っていませんでした。

徳島県教育委員会教職員課の課長は「不適正な事務処理の防止に向けて、確実な点検の実施など学校組織としての管理体制を徹底する」とコメントしました。

個人的には、本人が隠そうとしたことはダメなことだと思いますが、そもそも1人に任せ、仕事の進捗状況の把握ができておらず、担当者が銀行口座から引き出すことができ、本人が相談することもできないような状況にしていた校長に責任があるような気はします。
一方で、給食費などもそうですが、旅費なんかもそれぞれの学校ではなく、まとめて管理や処理をする組織を作った方が良いのではないかと思います。
コロナ禍で、普段は行っていなかったような業務が増えているでしょうから、校長をはじめ、教員や職員でなくてもできるような業務は、別のところに任せ、教育に専念した方が教育水準が上がるのではないかと思います。

徳島県の公立小学校の男性事務職員が出張旅費100万円を自宅に持ち帰っていたことについて、どう思われましたか?


捜査費着服で警視庁職員を書類送検!

テレビ東京によると、捜査費を着服したとして、警視庁捜査第一課特殊犯捜査係に所属する男性警部補(44)が、詐欺などの疑いで書類送検されました。

男性警部補は、通勤や私用で使った交通費を捜査上の交通費と偽り、2015年2月から5年にわたって、13万円あまりを着服した疑いが持たれています。

調べに対し、男性警部補は、「将来に備えて少しでも節約したかった」などと話していて、懲戒免職となっています。

こういう方が、特殊犯の捜査をしているというのは驚きですね。
そもそも、こういう方が、警察官というのも信じがたいですが。
警察官になるときには、何か志があったでしょうから、こういうことで懲戒免職になるというのは残念ですね。
毎年のように大学等では交通費の不正事件などが出てきますが、交通費だと、ダメなことという意識がないんでしょうか?

捜査費着服で警視庁職員が書類送検されたことについて、どう思われましたか?


愛知銀行の元⾏員が計9,246万円を着服!

毎日新聞によると、愛知銀⾏の元⾏員の⼥性(60、既に懲戒解雇)が勤務先の⾦庫か現金500万円を盗んだとして逮捕された事件で、愛知銀行は、先⽇、元⾏員が数年にわたり計9,246万5,000円を着服したとみられると明らかにしました。

愛知銀行は業務上横領容疑で県警に刑事告訴する⽅針です。

名古屋市内で記者会⾒した伊藤⾏記頭取は、「内部管理体制の⼀層の強化を⾏い、信頼回復に取り組んでいく」と述べました。

愛知銀行によると、元⾏員は1999年にパート⾏員で採⽤され、2009年に正⾏員となり、2010年から蟹江⽀店で出納係として勤務していました。
金庫の10,000円札の束の中⾝を5,000円札にすり替える⼿⼝で着服していたようです。
生活費に充てたほか、家電製品や服飾品、⾼級ブランドバッグなどの購⼊、⾼級エステサロンなどに消費したと供述しているそうです。

元行員は2020年7⽉中に定年退職を迎える予定でしたが、愛知県警に、先⽇、窃盗容疑で逮捕されました。

これは、元行員の出張にあたり業務を引き継いだ他の行員が、現金保管庫内の現金の不足に気づき、調査を行った結果、窃盗の事実が判明したようです。
元行員は約10年と長期間当該支店に勤務し、出納係の他、預かり資産担当者としてお客さまの資産運用相談業務等も務めており、勤務振りに特段の問題はなく、預かり資産獲得の実績も高く、ベテラン行員として管理監督者や他の行員からも頼られることも多くあったようです。

周囲からの信頼を利用し、休暇取得に伴う業務引継時や日常における金庫内への現金格納時におけるチェック、月1回以上不定期に実施する現金算当や監査部による抜き打ちでの現金検査等を巧妙にかわし続け、不祥事件防止のチェック態勢が正常に機能していなかった点が大きな原因とのことです。
結局、愛知銀行は、言い訳をしているだけのような気がしますが、内部統制が機能していなかったというのは隠しようのない事実だと思います。
過去の横領事件は、支店とかに長年勤務していて信頼されている女性の方が多いというのは明らかだと思いますが、愛知銀行はその辺を認識していたのでしょうか?
あとは、監査法人にも頑張って欲しいですね。

愛知銀行の元⾏員が計9,246万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


道の駅の精肉店の従業員が但馬牛の売上850万円を横領!

神戸新聞によると、兵庫県香美町村岡区大糠、道の駅「村岡ファームガーデン」で、精肉店の男性従業員が約5年10か月にわたり、仕入れた但馬牛の一部を飲食店に販売した売上金約850万円を着服していたことが、同町などへの取材で分かったようです。
2019年7月の発覚後、男性は8月までに全額を弁済し、9月に懲戒解雇されました。
美方署が業務上横領容疑で捜査しています。

香美町や、道の駅を運営する第三セクター「むらおか振興公社」によると、男性は精肉店を開業した2009年12月から勤務するチーフ従業員です。
地元の畜産会社から但馬牛を一頭買いし、精肉店での販売や、レストランで提供する肉の取り扱いを全て1人で担っていました。

同公社などによると、男性は2013年9月~2019年6月、但馬の飲食店1軒に焼き肉用などの部位を卸売りした際、売上金の一部を着服していました。
1回当たりの販売量が少なく、帳簿にも未記載だったため気付かれなかったといい、総額は847万円に及んだそうです。
2019年7月、男性が飲食店に渡していた伝票が見つかり、横領が発覚しました。
同公社は8月、同署に被害届を提出しました。

再発防止に向けて同公社は、精肉店の従業員を2人に増やし、チェック体制を強化しました。
代表取締役の男性(64)は「高額な但馬牛の取り扱いには専門知識が必要だが、従業員1人に任せすぎた。警察が捜査中なので詳しいことは分からないが、まさかという思い」と話しているようです。

これだけ世の中で従業員等に不正が起こっているのに、代表取締役のコメントはどこか他人ごとのように思いますね。
第三セクターであろうとも、経営者には、経営的知識が必要と改めて感じた1件でした。

道の駅の精肉店の従業員が但馬牛の売上850万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


卓球Tリーグが内部統制の取れた組織、体制づくりを目指す!

卓球レポートによると、2020年7月8日、日本の卓球リーグであるTリーグは「Tリーグ新体制に関するご報告」と題して2020−2021シーズンに向けた新体制に関するオンライン記者会見を行いました。

臨時理事会の終了後に行われた記者会見には、松下浩二氏と星野一朗氏が出席しました。
会見では、初めに星野氏より9名の新理事と、発足当時からチェアマンの任に就いていた松下氏が退き、元理事の福原愛氏とともにTリーグの普及に務めるアンバサダーに就任するとともに、チェアマンの後任には星野一朗氏が理事長として後を引き継ぐことが発表されました。

Tリーグのトップとして、松下氏からバトンならぬラケットを受け取った星野氏は今後のTリーグを「新時代のアリーナスポーツ」へとステップアップさせていくための新グランドデザインとして以下の「5G」のスローガンを発表しました。

<Global(世界展開)>
Tリーグへの各国有力選手の参加による海外放送配信権の販売、各国リーグのチャンピオンチームによるワールドファイナルの実施、各国チームカップ戦の実施、e-sportsへの参入

<Grouping(組分け)>
卓球愛好者のデータベース化による情報アクセス改善と裾野の拡大、する卓球から見る卓球へ、ファンクラブの拡充

<Grow Up(成長)>
コーチングライセンスの発行やコーチによる卓球クリニックの実施、各地協会との連携(共催イベントの実施)、U6(6歳以下)チームの拡充、SDGsへの取り組み

<5th Generation(第5世代)>
5Gをはじめとした新技術を使った新たな展開、中継映像の多様化とパーソナル化による映像ビジネスの拡大、配信・SNSなどによる新たな広告手法の開発、卓球技術解析のフィードバックによる選手強化への貢献、スマートスタジアムによるニュービジネスへのトライ

<Governance(統制)>
内部統制の取れた組織、体制づくり

今シーズンは予定通り11月の開幕を目指すようです。
さらに、来シーズンからは男女ともチーム数を4チームから6チームに増やし、さらに充実したシーズンを迎えたいと目標を語りました。

こういうところで『内部統制』ということばが出ると思っていなかったので、『内部統制』ということばが少しでも世の中に浸透してきたのかなぁと思いました。
あとは、この組織ができる前の組織で何か問題でもあったのかなぁと思いました。
いずれにしても、『内部統制』の重要性が認識されるということは良いことですね。

卓球Tリーグが内部統制の取れた組織、体制づくりを目指すことについて、どう思われましたか?


美化活動の実施実績はなく受託団体職員が着服!

神戸新聞によると、兵庫県監査委員は、県民局や県立高校、警察署など県の235機関を対象とした監査結果を公表しました。
41機関で、不適切な収入事務など計90項目を指摘しました。

定期監査のうち、2019年12月2日~2020年5月21日の実施分を報告書としてまとめました。
指摘項目の内訳は、財産管理38項目、収入関連27項目、支出関連8項目などです。
財産管理では、公用車の損傷の指摘が多く、25機関計80台に上りました。

県広域防災センターでは、100万円を超える業務委託は本来競争入札で契約する必要があるのにもかかわらず、100万円以下の業務3件に分割して随意契約したケースがあったようです。
県立農林水産技術総合センターでは、広報用に制作を委託した動画31本のうち9本が動画共有サイトで一般公開されておらず、情報発信の目的を果たしていなかったようです。

但馬県民局が推進した2018年度の美化活動「クリーン但馬10万人大作戦」では、委託契約に定められた実績報告書の提出がなく、県による実績確認もなかったようです。
これに絡み、受託団体の会計事務担当職員による着服も発覚しました。

特に神戸市が多いのかもしれませんが、兵庫県警など兵庫県は不祥事が多いですよね。
やはり、税金を使っているわけですから、公平性とか効果とかは重要なのではないかと思います。
効果については、当然、継続すべきものかどうか、やる意義があったのかなどを検討する必要があります。
公務員の方は、やることが目的になってしまうんですかね?
どうも税金をドブに捨てているような感じがしてなりません。
兵庫県に限りませんが、もっと民間企業に勤めていた方などを積極的に中途採用して、民間の考え方を取り入れていかないと、コロナ禍で支出も増えているでしょうから、将来的に財政的に破綻するところも増えてくるのではないかと思います。

美化活動の実施実績はなく受託団体職員が着服していたことについて、どう思われましたか?


教育長室の金庫から公金盗んだ30代主事を懲戒免職!

熊本日日新聞社によると、熊本県の益城町教育委員会は、先日、教育長室の金庫や施設の使用料券売機から計56万6,570円を盗んだとして、生涯学習課の30代の男性主事を懲戒免職処分にしたと発表しました。
同課長と主幹の上司2人も監督責任を問い、それぞれ戒告、訓告としました。

益城町によると、男性主事は2020年5月から6月上旬にかけて、始業前に同僚の机から金庫の鍵を取り出し、教育長室にあった金庫から数回にわたって公金計48万6千円を盗みました。
男性主事は町施設の使用料管理などを担当しており、券売機の売上金8万570円も着服していました。
借金返済や遊興費に使っていたそうです。

2020年6月11日に金庫内の公金紛失が見つかり、6月16日には券売機の中の残金不足も発覚しました。
6月17日に上司が本人に確認したところ、施設使用料の着服を認めたようです。
6月18日には、男性主事の両親が益城町教育委員会を訪れ、「息子から金庫内の公金を使い込んだと聞いた」と謝罪したそうです。

被害金額は両親が全額弁済しており、町は刑事告訴はしないそうです。
西村博則町長と向井康彦副町長、酒井博範教育長の処分に関する条例は直近の議会で提案するようです。
西村町長は「極めて悪質な行為で心からおわび申し上げる。再発防止へ取り組む」とのコメントを出しました。

これだけ世の中で横領事件が起こっているのに横領事件が起きるというのは、経営層の責任だと思います。
ましてや、教育委員会なのですから、教育のことを考える以前に、自らを教育しておかないといけないのではないでしょうか?
こういった方が教育に関わること自体、おかしいのではないかと思います。
自分のところには関係ないと思っているのかもしれませんが、『再発防止に取り組む』とコメントするのではなく、『このようなことが起きないような仕組み作りができていなかったのは自らの責任』というコメントが必要な気がした1件でした。

教育長室の金庫から公金盗んだ30代主事が懲戒免職となったことについて、どう思われましたか?


JAおきなわの職員が1,350万円横領しギャンブルで使い果たす!

沖縄タイムスによると、JAおきなわ(普天間朝重理事長)は、先日、20代男性職員が支店の金庫内から現金1,350万円を横領していたと発表しました。
職員は2020年6月16日から26日まで、横領を隠ぺいするため金庫内の現金の数量を確認する現金有高表を水増し、改ざんし、発覚を免れていたようです。
職員は不正を認め、7月6日から自宅謹慎中で、JAおきなわは刑事告訴を検討しているそうです。

職員は沖縄本島中部の支店で信用事業の貯金業務を担当していました。
同支店の課長が先日、現金有高表を確認中に書類と金庫内の現金が合わないことに気付き、不正が発覚しました。
横領した金はギャンブルに使い果たしたそうです。
すでに親族が全額返金したようです。

規定では金庫内に入って現金を取りに行く業務は課長と担当者の2人で担当することになっているようですが、職員は複数回、1人で現金を取りに行き、現金をポケットに入れて盗んだようです。

通常は不正を防止するため、金庫から持ってきた現金を課長が現金有高表と伝票を照らし合わせながら確認しますが、改ざん後の現金有高表のみを確認していたために発覚が遅れました。
同支店の課長も今後、経緯を調査して処分を決定するようです。

JAおきなわは2019年6月にも、男性職員が約5年にわたり自動車共済金約1,893万円を横領していたことが発覚しています。

普天間理事長は相次ぐ不正に対し「社員相互のチェック機能が十分に働いていなかった。社内のコンプライアンスが徹底されているか再度確認し、組織を挙げて再発防止に取り組んでいく」と謝罪しました。

相変わらず、JAは不祥事が多いですね。
昨年も不祥事があったにもかかわらず、今回のような不祥事が起こっているということは、内部統制のルールを決めただけで、きちんと運用できていなかかったということでしょう。
ルールを作るだけでは何の意味もありませんので、きちんと運用してほしいですね。
おそらく、組織として、そもそも内部統制がなぜ必要かとか、このルールは何のためにあるということを認識していないと思われます。
組織を守ることにも、職員を守ることにもなりますので、トップがきちんと認識のうえ主導して進めていかないと、今後も起こるような気がします。

JAおきなわの職員が1,350万円横領しギャンブルで使い果たしていたことについて、どう思われましたか?


900万円を着服した同窓会元会長を逮捕!

日本テレビによると、都立高校の同窓会の運営資金900万円を着服したとして同窓会の会長だった男が逮捕されました。

警視庁によると、自営業の同窓会元会長は2017年、都立高校の同窓会の運営資金900万円を自分の口座に移し、着服した疑いがもたれています。

同窓会元会長は15年ほど前から同窓会の会長をつとめ、運営や経理を1人で担当していましたが、定期総会などで収支報告を行わず不審に思った同窓会の役員が2019年、警視庁に相談し、発覚しました。

調べに対し、同窓会元会長は「(自営業の)取引先への支払いやゴルフなどの遊興費に充てた」などと容疑を認めているということです。

同窓会会長に自らなりたい方がどれくらいいるのか分かりませんが、なりたい方がいないのであれば1人ですべてをやることになってしまうかもしれませんね。
ただし、多額の現預金を扱う以上、横領等のリスクは伴いますので、他の役員ももっと関与すべきだったんでしょうね。
改めて、組織形態や規模などを問わず、横領等のリスクはあるため、内部統制は構築しないといけないと認識した1件でした。

900万円を着服した同窓会元会長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


福島県まちづくり区画整理協会の女性職員が1,444万円の不正経理!

福島民報新聞によると、公益財団法人福島県まちづくり区画整理協会(福島県郡山市)は、先日、協会の経理担当の女性職員(41)が協会の預金など総額14,440,183円を不正に取り扱いしていたと発表しました。
女性は懲戒解雇となりました。
協会は今後、福島県警と相談し、刑事告訴などの対応を検討するようです。

協会によると、女性は2013年度から2018年度までの6年間、電話料金などの支払い経費を協会の預金口座から引き出し、すぐに払わずに持ち帰り、一部を私的に使った後、返金するなどの不正行為を繰り返していました。
金庫に保管されていた小口の支払い用の現金も使うなど、不正な扱いを計300件以上繰り返していたそうです。

この他に2014年度からの5年間、協会職員の旅費などを着服しています。

女性は不正経理については認めているようですが、動機や用途は明らかにしていないそうです。
一時的に流用した後で口座に戻す手口のため、大半は返済されており、未返済の90,714円も返されているようです。

福島県が2020年1月に行った立ち入り検査で、領収書の添付がない会計伝票などが多数確認されたため、協会が詳細を調査して判明しました。

協会の室井良文理事長と原豊広事務局長兼総務課長は、先日、郡山市役所で記者会見を開きました。
室井理事長は「経理のチェック体制を強化し、再発防止に努める」と謝罪しました。

県の立ち入り検査で発覚したということは、おそらく、この女性に経理を任せっきりだったんでしょうね。
収入が4億円くらいあるところなのですから、内部統制をきちんと構築しないと、横領のリスクはかなり高いと思っていた方が良いのではないでしょうか?
それができないのであれば、そもそもこういった法人を作らない方が良いのではないかと思います。

福島県まちづくり区画整理協会の女性職員が1,444万円の不正経理を行っていたことについて、どう思われましたか?


東京電力の委託先が電話勧誘の録音データを改ざん!

東京電力が家庭向けに販売する電気・ガスの電話勧誘業務を請け負った「りらいあコミュニケーションズ」(東京都渋谷区)が、顧客との会話を録音した音声データを改ざん・ねつ造していたことが、朝日新聞の取材で分かったようです。
不正は、電力自由化で東京電力から他社に流れた顧客を対象に、44件で確認されたようです。
顧客が了承していないのに勝手に契約を切り替えたことなどを隠すのが目的だったそうです。

電話勧誘は、東京電力ホールディングスの完全子会社で小売り事業を担う「東京電力エナジーパートナー」(東電EP)がりらいあ社に委託しており、不正はりらいあ社の鹿児島市にあるコールセンターで行われました。

朝日新聞は、鹿児島センターが2019年3月~12月に東電EPに提出した71件の勧誘に関する音声データを入手しています。
分析した結果、44件で編集の前と後のものが確認されたそうです。
このうち33件は問題となる部分を削除して改ざんし、10件はりらいあ社の社員が顧客になりすまして一から会話をねつ造していました。
残る1件は、削除した部分にねつ造した音声を加えていました。

家庭用の電力は2016年4月に自由化され、東京電力は東京ガスをはじめとした新規参入業者に顧客を奪われました。
東電EPによると、44件はいずれも他社に切り替えた顧客を相手にした電話勧誘のやり取りでした。

編集前後の音声を比較すると、「この電話では契約できない」と言った顧客に「もちろんです」と応じたやり取りを削除するなど、顧客が契約を了承したことにするケースがありました。
また、東京ガスのサービスには何のメリットもないとする説明や、実施していない東京電力のサービス内容を伝えた部分も削られていました。

音声編集の経緯を知る関係者は「顧客が断ったり、書面を見て検討すると言ったりしたのに、勝手に電話で契約成立にしたため、後で契約完了の書類が届き、驚いて消費生活センターなどに駆け込まれることがあった」と話しています。
こうした顧客らの苦情が問題化した際の対応策として、不都合な部分の編集が行われたそうです。

特定商取引法は電話勧誘での契約締結を認めていますが、事実と違うことを告げる行為や、契約しない意思を示した顧客への勧誘を禁じています。

りらいあ社は三井物産系列で東証1部に上場し、コールセンターは業界大手の主力事業です。
取材に対し、不正を認め、2020年1月に内部通報で把握したと回答しました。
理由については「東電EPへの業務報告で、適切にオペレーションを実施していると装う点にあった」と説明しています。
44件中4件で、顧客の意向に沿わず契約を切り替えた可能性があり、「非常に重く受け止めております」としています。
東電EPに不正を報告したところ、この業務の契約を打ち切られたそうです。

東電EPは「お客さまの理解より契約獲得を優先した対応や、誤解を与えるような説明など不適切な対応があったのは事実。お客さまに対しては心よりおわび申し上げます」としています。

当然、責任は東京電力が取らないといけないのでこのような業者に依頼した東京電力もどうかと思いますが、三井物産系列で東証一部上場企業がこういうことをしているのが信じられないですね。
東京電力の仕事以外にもやっている可能性もあるでしょうし、上場企業にはふさわしくないですね。

東京電力の委託先が電話勧誘の録音データを改ざんしていたことについて、どう思われましたか?


JA元職員が無地の紙束と入れ替え5,100万円を着服!

時事通信によると、JA徳島北(鳴門市)は、先日、撫養支所の信用共済課に勤めていた40代の元課長が、金庫から約5,100万円を着服していたと発表しました。
元課長は「株取引の損失分に充てた」と認めており、JAは懲戒解雇としました。
全額返済していることなどから、刑事告訴はしない方針だそうです。

JAによると、元課長は2019年9月から2020年6月ごろまでの間、複数回にわたり支所の金庫から札束や硬貨を抜き出し、上下に本物の1万円札や5千円札を付けた無地の紙の束とすり替える細工をしていました。

今年就任した支所長が、業務時間中にパソコンで株のチャートを閲覧し、年次休暇を取らない課長を不審に思い、金庫内を調べて発覚しました。

JA徳島北の美崎健二代表理事組合長は「地域の金融機関としてあってはならないこと。心よりおわびします」と述べました。

支所長は鋭い方なのかもしれませんね。
組合長はお詫びするだけでなく、今後どうするかを明確にして欲しいですね。
相変わらず、JAは次から次へと横領事件が出てきますね。
これだけ出てくるのに、経営者は内部統制をきちんと構築しないといけないとは思わないのでしょうか?
経営者としての資質はあるのでしょうか?

JA元職員が無地の紙束と入れ替え5,100万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


6億円を着服容疑で自動車用品卸売会社経理担当の元従業員を逮捕!

朝日新聞によると、勤務先の口座から現金計約6億1,400万円を着服したとして、名古屋地検特捜部は、先日、愛知県名古屋市天白区のマッサージ店従業員(43)を業務上横領容疑で逮捕したと発表しました。
認否については、明らかにしていません。

名古屋地検特捜部によると、元従業員は自動車用品卸売会社(名古屋市)の経理を担当していた2017年1月から2019年11月の間、同社の口座から現金計約6億1,400万円を数百回にわたり引き出して、着服した疑いがあるようです。
2019年12月に離職したそうです。

同社総務部の担当者は、取材に対し、「詳細を確認中なのでコメントを控える」と話しています。

これだけの金額を着服されて気づかない経営者もどうなのかなぁと思いますね。
よっぽど儲かっていて、資金も潤沢にある会社なのでしょうか?
会社のホームページを見てみると、この件について公表しているので、それなりの規模の会社なのでしょうね。
逆に、それほどの会社が、6億円以上も着服できるような体制なのは、管理面が弱いということなのでしょうね。
営業所が5つありますので、内部統制をきちんと構築しないと色々な面で危ないでしょうね。

6億円を着服容疑で自動車用品卸売会社経理担当の元従業員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


大学教員が学生の名字の印鑑を購入して請求書を偽造して50万円を着服!

読売新聞によると、西九州大学(佐賀県)は、先日、約70万円を着服したなどとして、男性教員(40歳代)を諭旨退職の懲戒処分にしたと発表しました。

教員は同日、退職しました。
西九州大学は教員が全額返済したなどとして、刑事告訴はしない方針だそうです。

発表によると、教員は2017~2018年度、学生の名字の印鑑を購入して請求書を偽造する手口で、学生延べ数十人の交通費約50万円を着服しました。
さらに、学生との研修旅行を複数の教員での出張と偽り、大学に約20万円を支払わせました。

会計担当職員が不正に気づき、発覚したようです。

教員の地位にある方がこのようなことをするのは非常に残念ですね。
このような方は教員になるべきではないと思いますし、会社員になっても同じようなことをするかもしれませんね。
こういった方が出てくると大学のイメージダウンにもつながりますし、他の大学でも年間に何件かは不祥事がありますので。教員という閉ざされた世界にいる方には、教育も必要なんでしょうね。
大学のホームページを見ても、プレスリリースされていないのが、大学としてそれでいいのだろうかと気にはなりますが。

大学教員が学生の名字の印鑑を購入して請求書を偽造して50万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


旧JAテラル越前のパート職員が現金を着服!

日本テレビによると、合併前のJAテラル越前で、旅行業務を担当するパート職員が現金25万円を着服していたことが分かったようです。
合併後のJA福井県が刑事告訴も検討しているようです。

現金を着服していたのは、旧JAテラル越前で旅行業務を担当していた66歳の男性パート職員です。

JA福井県によると、このパート職員は2020年1月下旬に、顧客から預かった旅行代金の一部25万円を着服し、入金の処理をせずに別の顧客の旅行代金で穴埋めしていました。

JAの合併に伴う清算の過程で分かったもので、パート職員は着服の事実を認め、生活費や遊ぶ金にあてたなどと話しています。

JA福井県はこのパート職員を自宅待機にして、ほかにも処理に不明な点があるとして調査を進める一方、刑事告訴も検討しています。

おそらくこれ以外にもたくさんあるでしょうね。
それにしても、JAは、この手の着服などがほかの金融機関より多いように思いますね。
これだけ毎年のように年に数件はどこかで起こっているわけですのに、経営陣は、内部統制をきちんと構築しようという気にならないのでしょうか?
農業を営まれている方のJA離れが進んでいるかと思いますが、こういったことの信頼性を失うことになりますので、その辺りも認識しておかないといけないでしょうね。

旧JAテラル越前のパート職員が現金を着服していたことについて、どう思われましたか?


生活保護費を1,000万円着服した市の職員が懲戒免職処分!

静岡新聞によると、静岡県富士市は、先日、生活保護費の経理担当だった男性職員(32)が生活保護費の返還金など約1,000万円を着服していたと発表しました。
富士市は、この職員を懲戒免職としました。
男性職員は既に全額を返還していますが、富士市は刑事告訴の準備を進めているようです。

監督責任のある部長級2人ら関係職員計5人を減給10分の1(1か月)の懲戒処分にしました。
富士市の市長や担当副市長の減給も検討するようです。

富士市によると、男性職員は保育幼稚園課の上席主事で、2017年度から生活支援課で経理を担当し、受給者から窓口に持ち込まれた過分に支給された生活保護費の返還金や、期限を過ぎても受け取りに来なかった支給金などを一時保管していた同課の金庫から着服していました。
被害は2018年12月から2020年3月まで173件分に上り、競馬などのギャンブルによる借金の穴埋めに使ったそうです。

富士市が2019年度の生活保護費の執行状況を確定する作業を進める中で、精算処理されていないケースが見つかり、発覚しました。

富士市の「公金等取り扱いマニュアル」では、公金処理手続きは複数の職員で行うよう定められていますが、同課ではこの職員が1人で行う体制が常態化していたようです。
同課の白川安俊課長は「優秀な職員だったので他の職員の関与が薄れ、結果的に1人に任せきりになってしまった」と説明しました。

富士市は複数の職員による公金処理や、課の金庫の残金確認の徹底などの再発防止策を講じるそうです。
小長井義正市長は「市民の信頼を著しく損なったこと深くおわび申し上げる。職員一丸となり、再発防止へ万全を期したい」と謝罪しました。

学校の給食費を着服する事件なども発生したりしていますが、そもそも現金を一人で扱うのは危険ということは、経営者のみならず、県知事や市長や校長や園長も認識すべきだと思います。
これだけ、年間に何件か事件が起こっているわけですから、個人的には、こういうことが起きれば、トップとか上司が責任を取ればよい(お金を返す)のではないかと思います。
それくらいの緊張感があれば、きちんと内部統制のことを考えるのではないでしょうか?
課長のコメントに、『優秀な職員だったので他の職員の関与が薄れ、結果的に1人に任せきりになってしまった』とありますが、優秀な方ほど容易に内部統制の不備に気付くでしょうから、横領等のリスクが高まるのではないかと思いますね。
本当に優秀な方なら、将来を棒に振るようなことはせず、内部統制の不備を直すことを考えるとは思いますが。

生活保護費を1,000万円着服した市の職員が懲戒免職処分となったことについて、どう思われましたか?


小学校職員の給食費214万円の着服がコロナ対策の無償化で発覚!

琉球新報によると、沖縄県の石垣市教育委員会(石垣安志教育長)は、先日、市立小学校に勤務する事務職員が保護者から徴収した学校給食費214万円を着服していたと発表しました。
石垣教育長らが市教育委員会で会見を開き、謝罪しました。
着服額は全額返金されたそうです。

市教育委員会によると、職員は市の会計年度任用職員で、勤務先の学校で当月分の給食費を毎月、市立学校給食センターへ振り込む業務を担当していました。
2018年7月ごろから複数回にわたり、学校給食費を着服していました。
着服分を翌月以降の給食費で補てんして、市立学校給食センターに納金していました。

新型コロナウイルスに伴う経済対策の一環で、石垣市が2020年度1学期の給食費を無償化したことで補填ができなくなり、職員が5月29日に学校長に相談して事態が発覚したそうです。

市教育委員会の聴取に職員は、カードローンの返済や生活費、遊興費に充てたと説明しているそうです。
現在は自宅謹慎中で、今後処分が決まります。
市教育委員会は刑事告訴について、八重山署と相談中としました。

職員が給食費を1人で管理していたことや、1~3か月の納金遅れが2019年3月以降、複数回あったが事態を把握できなかったことを受け、市教育委員会は学校長・複数職員による給食費管理の徹底や、センターと学校間での納入状況の確認体制構築を進めるとしました。

そもそも、職員1人で管理させている時点でアウトだと思いますが、市が職員ができるだけ現金を扱わないような仕組みを作らないと、ただでさえ忙しい教職員が教育以外のことに時間を取られますので、今後も石垣市に限らず、全国の市区町村のどこかで同じようなことが次々と起こるのではないかと思います。
一般企業でもそうですが、もう15年も20年も前からですが、できるだけ現金を扱わないようにするというのは、内部統制上、当たり前のことだと思います。これは、一般企業に限らず、多額の現預金を扱う組合、業界団体、学校なども同様です。

小学校職員の給食費214万円の着服がコロナ対策の無償化で発覚したことについて、どう思われましたか?


長野県諏訪市の組合の元事務員が1億円超の横領疑い!

長野県警は、先日、諏訪生コン協同組合(長野県諏訪市)の売上金約1億2,700万円を横領したとして、業務上横領の疑いで、組合の経理担当事務員だった女性(53)を書類送検しました。

書類送検容疑は、2014年4月から2017年6月の間、組合を通じて販売した生コンクリートの代金として顧客が支払った現金を複数回にわたり着服、横領したとしています。

長野県警によると、女性は1人で組合の経理を担当していましたが、2017年6月に諏訪署に女性から申告があったそうです。

調べに対し、遊興費などに使ったと話しているようです。

長野県警は2020年1月、2013年4月から2014年3月までに約3,800万円を横領したとして、女性を書類送検しました。
長野地検松本支部が業務上横領の罪で在宅起訴しています。

よくあるパターンですね。
自ら申告するというのは珍しいのかもしれませんが、それなりの資金が動く組合で、女性が1人で担当しているというのは非常に危ないと思います。
組合は、役員が持ち回りで形だけのようなところも多いでしょうから、内部統制が機能しにくいと思います。
それゆえ、きちんと内部統制を構築しないと、今後も日本の色々なところでこのような事件が起こり、たくさんの方が人生を棒に振ってしまうと思います。
内部統制の構築は、組織だけでなく、従業員を守るためのものでもあります。
そこをきちんと経営者が理解して、内部統制をきちんと構築してほしいですね。

長野県諏訪市の組合の元事務員が1億円超の横領疑いがあることについて、どう思われましたか?


東大発ベンチャーで29億円横領の元役員を逮捕!

日本経済新聞によると、会社資金約29億円を着服したとして、警視庁捜査2課は、先日までに、人工知能(AI)を活用した医療診断支援技術を手掛ける東京大学発のベンチャー企業「エルピクセル」(東京・千代田)元取締役(45)を業務上横領容疑で逮捕しました。
同課によると、元取締役は「会社の資産運用の一環としてやった」と供述しています。

逮捕容疑は、同社ゼネラルマネージャーとして財務・経理を担当していた2018年4月~2019年1月、会社の口座から自身の名義の口座へ約29億4,000万円を送金し、横領した疑いです。
横領した資金の大半は自身のFX取引に充てていたそうです。

エルピクセルによると、元取締役は2017年4月から横領行為を繰り返していました。
被害総額は約33億5,000万円に上り、うち約5億9,500万円は横領行為の発覚前に会社口座へ返金したようです。
同社は2019年12月に警視庁に相談し、同月に元取締役を解任しました。
そして、2020年1月に警視庁に告訴していました。

同社は「一日も早い信頼回復に向けて、管理体制の強化や法令順守の徹底に努める」とのコメントを出しました。

捜査2課などによると、元取締役は会社の通帳を管理する立場で、監査の際には横領が発覚しないように、送金記録を改ざんした通帳の写しを提示したそうです。

エルピクセルは東大発ベンチャーとして2014年3月に設立され、AIを活用した医療画像診断支援技術などを開発しています。
これまでにオリンパスや富士フイルムなど医療機器大手などから出資を受けています。

やはり、監査の際には、通帳のコピーではなく、現物を確認しないといけないですね。
残高だけではなく、通帳の中身をレビューするということも必要ですね。
あとは、ベンチャーの場合、押印等は社長自らがCFOなどからあがってきた書類等をチェックしたうえで押印しないといけないですね。
これだけ横領されていて、資金繰りは大丈夫だったのでしょうか?

東大発ベンチャーで29億円横領の元役員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


約2億円をだまし取った元税理士事務所員を逮捕!

日本経済新聞によると、税務処理の名目で顧客から400万円をだまし取ったとして、警視庁町田署は、先日、詐欺の疑いで、東京都町田市の元税理士事務所員(35)を逮捕したそうです。

警視庁町田署によると、2015年以降、顧客ら計10人から約2億円を詐取したと認め「株取引の負債の穴埋めや、キャバクラに使った」と供述しているようです。

警視庁町田署によると、元税理士事務所員は株式投資の失敗などで約1億4千万円の損失があったようです。
2009年以降、複数の税理士事務所に勤務経験があり、税務処理の名目や「株でもうけられる」などと持ち掛け現金を詐取していたとみて調べています。

逮捕容疑は、2019年3月、町田市の30代男性から車の購入資金の相談を受けた際「経費処理や税金の関係で、一度私の会社に振り込まないと駄目だ」とうそを言い、現金をだまし取った疑いです。

税理士事務所の所長税理士ではなく、所員がここまでできるのはスゴイですね。
顧問料や決算料など以外にお金を振り込ませるというのは、お客さんもおかしいとは思わないんですかね?
一般的には、顧問料なども口座振替などにしていると思いますし。
所長税理士は気づかないものなのでしょうか?
所長税理士に責任はないのでしょうか?

約2億円をだまし取った元税理士事務所員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


玉野スポ振興財団の元職員を1千万円着服で起訴!

山陽新聞によると、岡山県玉野市の外郭団体である市スポーツ振興財団で多額の定期預金が使途不明になっていた問題で、岡山地検は、先日、約1千万円を着服したとして、業務上横領罪で経理担当だった元職員の男(49)を起訴しました。

起訴状では2018年4月、岡山県玉野市内の金融機関で財団の定期預金を解約して1千万円の払い戻しを受けたほか、2019年1月には財団の口座から引き出していた現金141万3千円のうち25万円を、自ら使う目的で自身の預金口座に振り込んだとされています。

発覚を免れるため残高証明書を偽造したとして書類送検されていた有印私文書偽造・同行使容疑については、不起訴処分としました。
岡山地検は、理由を明らかにしていません。

最近は、色々なところで着服が起こりますね。
やはり、内部統制は、組織形態や規模を問わず、重要ですね。
経営者の方は、内部統制の重要性を認識しないといけませんね。

玉野スポ振興財団の元職員が1千万円着服で起訴されたことについて、どう思われましたか?


ゆうパック委託不正会計で着服!

NHKによると、日本郵便は神戸中央郵便局の元部長らが「ゆうパック」の配達個数を実際よりも多く外部に委託していたように見せかける不正な会計処理を行い、およそ390万円を着服していたと発表しました。

日本郵便近畿支店によると、神戸中央郵便局輸送ゆうパック部の元部長と元総括課長の2人は、2018年11月からの1年間に、「ゆうパック」の配達をおよそ2万個多く外部に委託したように見せかける不正な会計処理を行い、およそ390万円を着服していたということです。

2人は調査に対し、「着服した全額を日本郵便が販売するジュースやお菓子などの購入に充てた。営業成績を上げたかった。買った商品は部下に配った」と話したということです。
日本郵便近畿支店は「社内規定に従って2人を厳正に対処した」と説明していて、着服した全額を返金していることから告訴はしないということです。

ただし、2人がすでに退職したことやプライバシーに関わるとして、処分の内容や退職の時期について明らかにしていません。また、商品の販売について、社員にノルマは設けていないと説明しています。

日本郵便近畿支店は「社会的・公的役割を担う弊社として、このような不正が発生したことについて深くおわび申し上げます。事態を真摯に受け止め、社員指導を徹底してまいります」と話しています。

すでに退職したからとかプライバシーに関わるからといって、処分の内容や退職の時期を明らかにしないのは、上場企業グループの会社としてどうなんでしょうね。
おそらく、退職金も支払われているんでしょうね。
このグループは本当にモラルの低い方が多いですね。
こういうところを、上場させて良かったのでしょうか?
今後このようなことをどうやって防いでいくかをきちんと説明しないといけないと思います。
あとは、本当にノルマはないのでしょうか?
今後も色々と問題の出てくる企業グループではないかと思いますね。

ゆうパック委託不正会計で着服が行われていたことについて、どう思われましたか?


特養特別養護老人ホームの入居金を経理マンが着服!

千葉日報によると、勤務していた特別養護老人ホームで施設利用者の入居料金を着服したとして、船橋東署は、先日、業務上横領の疑いで自称会社員(63)を逮捕しました。
容疑を認めているようです。

逮捕容疑は2016年5月20日ごろと6月15日ごろの2回、当時経理を担当していた船橋市内の特別養護老人ホームで、施設利用者2人から徴収した入居料金計約14万3千円を自身が使う目的で着服した疑いです。

船橋東署によると、受領金と納入金の誤差があることに別の職員が気付き、社内調査を行ったところ2018年2月に不正が判明しました。

船橋東署は2018年6月に相談を受け、千葉県警捜査2課と合同捜査していました。

自称会社員は、2015年11月から経理担当者として勤務しており、着服の発覚を受けて2018年3月に退職しました。

千葉県警はこの間にほかにも同様の行為を繰り返していたとみて裏付けを進めています。

簡単にバレるような気はしますが、バレるまではチェックが行われていなかったのかもしれませんね。やはり、内部統制は重要ですね。
人手不足かもしれませんが、逆にそういう方が危ないので、経営者の方には、内部統制の重要性を改めて認識してほしいですね。
本人は人生を棒に振るでしょうし、会社等の信用も下がるでしょうし、調査にも時間やコストがかかるでしょうし、内部統制をきちんと構築したほうが、従業員にも会社等にも良いでしょうし、安くつくのではないかと思います。

特養特別養護老人ホームの入居金を経理マンが着服していたことについて、どう思われましたか?


日本郵便元社員の男が顧客から1億円超を横領!

九州朝日放送(KBC)によると、日本郵便の社員だった男が、顧客の金を横領していたとして逮捕・起訴された事件で、被害総額は1億円を超えることが警察の捜査で新たにわかりました。

警察によると、福岡県福岡市の早良南郵便局で期間雇用社員だった男(68)は2019年7月、顧客の女性(当時79歳)から預かった現金50万円を横領したとして、2020年3月に逮捕・起訴されていました。

警察はその後、2017年9月から2年間に、28人からあわせて約1億1,500万円を横領していたことを確認し、捜査を終えました。

警察の調べに対し、元社員の男は全ての容疑を認めていて、先日、追起訴されています。

元社員の男は逮捕前の2020年2月、KBCの取材に対し、「金は、競艇やパチンコなどのギャンブルに使った」と、話していました。

多額のお金を扱うところに、期間雇用社員をあてるのはどうなのでしょうか?
横領等のリスクの高いところは、正社員に担当させたり、内部統制をきちんと構築しないといつまでもなくならないのではないかと思います。
2年間でこれだけ横領できるのですから、おそらく、表に出てきていないものが他にもたくさんあるのではないかと直感的に思いますね。

日本郵便元社員の男が顧客から1億円超を横領していたことについて、どう思われましたか?


京都大霊長類研究所における5億円の不正支出で4人処分へ!

京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の施設工事をめぐる研究費の不正使用疑惑で、教員4人が公的研究費など約5億円を不正支出したとする報告書を京大の調査委員会がまとめたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
京都大学は異議申立期間を設けた上で調査結果を公表し、不正に関わった教員らを処分する方針だそうです。

関係者によると、関与したのはチンパンジー研究の第一人者として知られ、平成18年~平成24年まで同研究所長を務めた京大高等研究院の特別教授らです。

調査委員会は平成23年以降に結ばれた約100件の契約を調べ、架空取引や入札妨害など計約5億円の不正支出を認定しました。
入札前に業者に予算額を伝えたり、入札を行うべき工事を特定業者に随意契約で発注したりする事例も確認されたようです。
不正支出分は、取引で生じた業者側の赤字補てんのために使われ、私的流用はなかったとみられます。

なお、特別教授はチンパンジー研究を通じて人間の認知や行動の起源を探り、「比較認知科学」と呼ばれる新しい研究分野を開拓し、平成25年に文化功労者に選ばれています。

大学は色々な問題が起きますね。
私的流用はないようですが、ルールに基づいていないという点では問題があると思います。
そもそも、教員が関われないようなルールを作っていない大学側に問題があるのかもしれませんが。
結局、高く購入しているわけですし、結局は税金が使われているでしょうから、適切な処理をして欲しいですね。

京都大霊長類研究所における5億円の不正支出で4人が処分されることについて、どう思われましたか?


鳴門市消防署長が見舞金を68,000円横領!

徳島県鳴門市消防本部は、先日、鳴門市消防署の男性署長(59)が病気で退職する職員のために署内で集めた見舞金68,000円(署長支払い分含む)を横領したとして、停職3か月の懲戒処分にしました。
署長は同日付で依願退職しました。

鳴門市消防本部によると、見舞金は2020年2月に署長を含む職員34人から1人3,000円ずつ計102,000円集めました。
3月上旬に署長が退職した職員の自宅を訪れて渡したものの、後日一部しか渡っていなかったことが発覚し、消防本部が鳴門署に被害届を出しました。

消防署には3月下旬、署長宛ての郵便で現金68,000円と、被害届の取り下げを願う文書が入った封筒が届きました。
消防本部の調査に対し、署長は横領や自作自演で郵便を送った事実を認め、鳴門署に出頭しました。

山下浩史消防長は記者会見で、「高い倫理を保持すべき職員がこのような不祥事を起こし誠に申し訳ない」と謝罪しました。

署長ともあろう方が、68,000円で人生を棒に振るなんて、情けない話ですね。
管理職は、仕事ができるのはもちろんだと思いますが、倫理観や人格なども当然必要でしょうね。
これだけなのか分かりませんが、依願退職ということは退職金が出るということだと思いますので、どうなんでしょうね。
これだけ世の中で不祥事が相次ぐわけですから、何か不祥事を起こせば退職金をもらえなくなるということにしないと、不祥事の抑制につながらないのではないかと思います。
特に、公務員の場合は、住民の理解が得られないのではないのでしょうか。

鳴門市消防署長が見舞金を68,000円横領したことについて、どう思われましたか?


屋久島町長が旅費を約200万円着服!

屋久島町長は、先日、会見を開いて、航空券の普通運賃とシルバー割引の差額を利用して着服した出張旅費の総額が、200万円近くに上ることを明らかにしました。
すでに判明した分は返還し、自身を6か月無給とする意向です。

屋久島町長は問題の発覚後、航空会社の搭乗記録をもとに着服額の調査を進めていて、これまでの調査でシルバー割引が利用できるようになった2015年度以降に差額を83回受け取り、その額が180万円あまりに上ることを明らかにしました。
調査は続いていて、総額は200万円近くに上る見込みだとしています。

屋久島町長は、これまでに判明した180万円あまりについてはすでに町などに返還していて、自身の報酬を6か月間無給とする考えを示しました。

屋久島町長は、「根拠はないが、罰則規定があるわけでもないので、私ができる精一杯のこと。一生懸命仕事をして返すだけだと思っている」と述べていますが、これに対し屋久島町長を追求する議員は、「町長としての資質がない。資質のある皆さんに暮らしに寄り添った施策を打ち出せる、実行できる人をリーダーに据え置くということでしか、この泥船からは救い出せない」としています。

なお、屋久島町長をめぐっては、住民が横領などの疑いがあるとして刑事告発をしています。

飛行機代は、以前は、定価で請求していたところも多かったのかもしれませんが、結構前から領収書が必要なところが増えてきており、今はほとんどのところでそうなっているのかと思っていましたが、そうでないところもあるんですね。
飛行機代は、今回のシルバー割引とか早割とか色々な価格で販売されていますし、LCCもありますので、定価で支払となると、かなり浮くのではないかと思われますので、きちんと実費精算にしないとおかしいと思いますね。
もちろん、いったん定価で予約してキャンセルして安い切符を取る方もいらっしゃると思いますので、搭乗券の添付も必要だと思います。
あとは、マイレージの帰属をどうするかを考える必要もありますね。

屋久島町長が旅費を約200万円着服していたことについて、どう思われましたか?


富山第一銀行の健康保険組合の元常務理事が組合預金横領疑いで書類送検!

富山第一銀行の健康保険組合の元常務理事が、組合の定期預金を横領した疑いで、先日、書類送検されていたことがわかりました。

業務上横領の疑いで書類送検されたのは、富山第一銀行の健康保険組合で常務理事を務めていた60代の男性です。
健康保険組合によると、2012年から2018年にかけて、当時、経理担当だった元常務理事は組合の定期預金を無断で解約し、9,000万円余りを横領した疑いがもたれています。

組合は、2018年10月に常務理事を解任し、11月に富山県警に刑事告訴していました。

そして、富山県警は、元常務理事を、先日、富山地方検察庁に書類送検しました。
また、組合は元常務理事に対し既に弁済した分を除くおよそ8,900万円の損害賠償を求める訴えを起こしていて、現在も裁判が続けられています。

このBLOGでも何度も述べていますが、組合とか業界団体は危ないですよね。
職員が少なく、兼業の役員が多い中で、多額の資金を扱っていると思いますので、横領等のリスクがかなり高いと言えるでしょう。
このような組織は、内部統制をきちんと構築し、運用しないと、横領などは起こりうるでしょうね。
もちろん横領等をした方も悪いですが、内部統制をきちんと構築し、運用していないがために犯罪を犯す人を増やしてしまうことになりますので、その辺を役員などには認識してもらいたいですね。

富山第一銀行の健康保険組合の元常務理事が組合預金横領疑いで書類送検されたことについて、どう思われましたか?


内部統制を問い直すときだ!

日本経済新聞の先日の社説によると、企業の不正や不祥事が後を絶たないようです。
日本郵政グループでは、かんぽ生命保険の不適切販売が明らかになりました。
東芝の連結子会社では売上高や利益を水増しする架空取引が発覚し、複数の上場企業や関連企業が関与していました。

日本を代表する企業で株主や顧客を裏切る行為が繰り返されます。
日本の資本市場への信頼性そのものを傷つける深刻な問題です。

なぜ未然に防げなかったのか、不正をわかっていながら是正できず、放置してしまったのか?
問題を起こした企業は、原因の究明と責任の所在を明確にし、組織のあり方を根本から問い直すべきです。

本来、企業は不正を防ぐ仕組みや社内ルールとして、内部統制を整えることが求められます。
業務の効率化だけでなく、法令を守り、財務報告の信頼性を高めるのが内部統制の重要な柱です。
問題企業はこれが機能していなかったのです。

内部統制の考え方は、2000年代に会計不正が相次いだ米国が本格導入し、日本も取り入れました。
有効に内部統制が働いているか企業自身が評価し、監査法人が監査する報告制度もつくりました。

ところが近年、その形骸化が叫ばれています。
問題企業の多くがそれまで、内部統制は機能していると報告していたのです。
いざ不祥事が起きてから、内部統制に不備があったと遡って訂正をする繰り返しなのです。

企業側に内部統制は負担が重いと不満があると聞きます。
それは業務のチェック表を埋める作業程度にしかみていないからではないでしょうか?

正確な情報が上がらなければ適切な経営判断はできないでしょう。
法令意識の乏しい組織は存続が危うくなります。
海外子会社が増えるなど事業が広がれば、よりリスクは高まります。
経営者の身を守るのが内部統制であり、監査役や社外取締役がそれをチェックする重い役目を担っているのです。

米欧は内部統制を広くとらえ、経営戦略に結びつけています。
デジタル化で内部統制に用いられるデータや手段も高度化していくでしょう。
企業はもっと積極的に内部統制を生かす意識が必要なときです。

個人的にも、最近、不祥事が多いと思いますし、内部統制の監査制度の導入は、本当に効果はあったのだろうか?と思っています。
経営者に、内部統制は重要という認識があるのでしょうか?
日々、世の中は進歩していますし、何が起こるか分からない時代ですし、これだけ不祥事が起こっているわけですから、もう性善説は通用せず、性悪説で臨まないといけないということを経営者に認識してほしいですね。

内部統制を問い直すときだ!ということについて、どう思われましたか?


91円の炭酸飲料を万引きし逮捕された男性が1億円以上横領した宮崎銀行の元銀行員と判明!

1億円余りを着服した疑いがもたれている宮崎銀行の元行員が、万引きの現行犯で逮捕されていたことがわかったようです。

逮捕されたのは、宮崎銀行の元行員で、住所不定無職の46歳の男性です。
警察によりますと、男性は、先日、宮崎市のコンビニエンスストアで、炭酸飲料1点、91円相当を万引きしました。
店員が声をかけたところ逃走し、約300メートル先で店員に取り押さえられました。

この男性は宮崎銀行に勤めていた時、顧客10人から預かった現金など合わせて約1億1,460万円を着服した疑いで、2020年1月に懲戒解雇されていました。

宮崎銀行は、2019年11月に着服の疑いで男性に聞き取りをしましたが、それ以降、行方がわからなくなっていました。

1億円以上着服していた方が、91円のものを万引きして捕まるというのも、色々と考えさせられるものがありますね。
逃亡も大変なんでしょうね。
着服は、最初は、すぐに返すからと思ってやり始めるのかもしれませんが、バレないようにしたり、逆にバレないと思って、どんどん金額が大きくなっていくのだと思います。
せっかくの人生を台無しにすることになりますので、経営者は内部統制の重要性を改めて認識し、企業や従業員を守るためにも、きちんと構築に努めて欲しいですね。

91円の炭酸飲料を万引きし逮捕された男性が1億円以上横領した宮崎銀行の元銀行員と判明したことについて、どう思われましたか?


東証二部上場の東洋テックの元幹部らに8億6,400万円の詐取の疑い!

産経新聞によると、架空の商品仕入れ代金の立て替え金として、現金約8億6,400万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は、先日、詐欺容疑で警備会社「東洋テック」(大阪市浪速区)の元幹部(45)=懲戒解雇=と知人で別の会社役員(46)を逮捕しました。
大阪府警捜査2課は認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は、共謀し、2017年12月~2018年1月、製造販売会社に対して、省エネ装置を設置する多額の工事を東洋テックが受注したように装い、「装置の仕入れ代金を払ってほしい。後で上乗せした金を支払う」などともちかけて、4回にわたり計約8億6,400万円を詐取したとしています。

大阪府警捜査2課などによると、元幹部は当時、営業開発部の副部長でした。
東洋テックの正規の仕様で、装置を大量に注文する書類を作って信用させたうえで、「代金を払ってもらう予定だった商社が急遽取引できなくなった」として、立て替えを依頼したそうです。
大阪府警捜査2課は金の使途や動機などを調べています。

東洋テックは「会社として取引に関与した事実はない」とコメントしているようです。

上場企業なので、正規の使用の注文書類を使っているのに、「会社として取引に関与した事実はない」というコメントもどうなのかなぁと思いますね。
内部統制に不備があるということでしょうから。
内部統制を根本的なところから見直した方が良い会社なんでしょうね。

東証二部上場の東洋テックの元幹部らに8億6,400万円の詐取の疑いがあることについて、どう思われましたか?


元広島銀行行員が約3,300万円着服の疑いで懲戒解雇!

中国放送によると、顧客から500万円を着服し、横領したとして元銀行員の男が警察に逮捕されました。
業務上横領の疑いで逮捕されたのは、福山市神辺町に住む広島銀行の元行員(27)です。

警察によりますと、元行員は2019年8月、当時勤務していた世羅町内の支店で、顧客から預かった500万円を着服し、横領した疑いが持たれています。
元行員は取り調べに対し、「間違いありません」と容疑を認めているということです。

広島銀行によりますと、元行員は顧客6人の預金から約3,300万円を着服したとして、2019年9月に懲戒解雇されました。
着服した現金はギャンブルなどに使っていたということで、広島銀行は2019年10月、警察に刑事告訴していました。
警察は、元行員が今回の逮捕容疑の500万円以外にも多額の現金を着服していたとみて捜査しています。

ずいぶん前に、20代で退職する行員の多くが横領ということを聞いたことがありますが、今なお横領はなくなりませんね。
それは、有効な内部統制を構築できていないということではないかと思います。
やはり、一般の方よりは大金に接することが多い職業ですから、このBLOGでも何度も言っていますが、資質というものがすごく重要なのではないかと思います。
しかしながら、数回の面接でそれを見抜くのは困難でしょうし、教育で如何ともしがたいところもあるのではないかと思います。
結局、横領を防ぐ、言い換えれば、顧客や組織や本人を守るためには、横領はできないなぁと思わせる(あきらめさせる)くらいの仕組み作りが必要なのではないかと思います。

元広島銀行行員が約3,300万円着服の疑いで懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


大和ハウス社員が総額2億数千万円の架空発注!

日本経済新聞によると、大和ハウス工業は、先日、東北工場(宮城県大崎市)に勤務する50代の男性社員が建設用の鉄骨部材を架空発注していたと発表しました。
総額は2億数千万円に上るとみられます。

大和ハウスはこの社員を懲戒解雇するとともに、刑事告訴しました。

架空発注は2013年から2017年にかけて行われたようです。
大和ハウスは捜査に影響があるとの理由で、具体的な手口や私的流用の有無などの詳細を明らかにしていません。

広報担当者は「二度と同様の事態を発生させることのないよう、社内の管理体制の強化に努める」とコメントしました。

大和ハウスを巡っては2019年以降、国内住宅約4千棟で建築基準法に違反した手続きが見つかったり、必要な実務経験年数を満たしていないにもかかわらず社員が施工管理技士の国家資格を不正に取得していたことが発覚したりしています。

大和ハウスは、業績が好調で、M&Aも積極的に行っていますが、最近は不祥事が多いですね。
高松市の大型の商業施設を見ていても、新規で建てているところは、ほとんどダイワハウスのような気がします。
事業が拡大していくと内部統制への意識が疎か(後回し)になりがちですが、こういった状況だからこそ、内部統制について再度見直し、不祥事が起こらないようにしてほしいですね。
どこかでこういったことができるということは、他でもできるところはあるでしょうから。

大和ハウス社員が総額2億数千万円の架空発注をしていたことについて、どう思われましたか?


子会社への架空請求で400万円を詐取した疑いでジャスダック上場企業元社長を逮捕!

ジャスダック上場で飲食店の管理システムを手掛ける「ジャストプランニング」の子会社から約400万円を詐取したとして、警視庁捜査2課は、先日、ジャストプランニング元社長(49)ら男2人を詐欺容疑で逮捕したと発表しました。
警視庁捜査2課によると、元社長は容疑を認めているようです。

警視庁捜査2課などによると、元社長はジャストプランニングの太陽光発電子会社「JPパワー」(東京都大田区)の取締役も務め、2014年~2018年に太陽光発電のメンテナンス業務の架空発注を繰り返していました。
元社長はJPパワーから1億円以上をだまし取り、FXなどに費やしていたとみられます。

逮捕容疑は2017年12月、太陽光発電に関するメンテナンス費用の名目で架空の請求書をJPパワーに提出し、現金約400万円をだまし取った疑いです。

税務調査で不正が発覚し、2018年8月にジャストプランニングは元社長を社長から解任していました。

最近、税務調査から不正が発覚している事件が多いように思いますが、課税当局は頑張っているということで評価できますね。
一方で、上場企業は子会社を含め、内部統制を構築し、運用し、チェックもしないといけませんし、監査も受けないといけないので、経営者や監査法人にしっかりしてほしいと思います。
もちろん、今回のような経営者が関わると、内部統制が無効にはなってしまいますが(いわゆる内部統制の限界)。
内部統制監査制度ができてずいぶん経ちますが、不正などが発覚する事例が増えているのは残念ですね。
内部統制の社内でのチェックや監査の過程で発見されれば、内部統制監査が有効に機能していると言えるでしょうが、そこで気づかず、税務調査で発覚するというのは、そもそも内部統制に不備があるということですからね。

架空請求で400万円を詐取した疑いで元会社社長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


JA全農の子会社の女性従業員が約7,000万円着服!

愛媛県にあるJA全農の子会社、「JAえひめフレッシュフーズ」で経理を担当していた女性従業員が、およそ7,000万円を着服していたことがわかったようです。

JAえひめフレッシュフーズによりますと、着服していたのは長年1人で経理を担当していた60代の女性従業員です。

女性従業員は1995年頃から2019年10月にかけ、架空の伝票を作る手口で着服を繰り返していましたが、2019年9月の決算書に記された未払金の残高が実際の金額と合わなかったため調査したところ、不正が発覚しました。

被害総額はおよそ7,000万円に上るということです。また、女性従業員は「生活費などに使った」と着服を認めているということです。

JAえひめフレッシュフーズは「被害金については最大限回収したい」と話しています。

25年近くも気づかないなんてどういう組織なんでしょうね。
やはり、定期的にジョブローテーションをしないといけないですね。
JA関連は以前ほどではないですが、この手の事件がいまだに年間数件はあると思いますが、コメントの「被害金については最大限回収したい」というのを見ると、内部統制に関する意識があるのかどうか疑問に思いますので、ゼロベースくらいで内部統制を見直した方が良いかもしれませんね。

JA全農の子会社の女性従業員が約7,000万円着服したことについて、どう思われましたか?


広島中央署の8,572万円盗難で死亡した警官が送検され有志を募り全額集金!

広島中央署(広島市中区)で2017年に特殊詐欺事件の証拠品として押収され、同署で保管されていた現金8,572万円が盗まれた事件で、広島県警は、先日、窃盗の疑いで事件発覚後に死亡した当時36歳の警部補の男を容疑者死亡のまま、書類送検しました。
2017年3月26日ごろ、広島中央署1階の会計課の二重施錠式金庫に保管してあった現金8,572万円を盗んだ疑いです。

盗まれた現金は2017年2月に生前贈与を持ち掛ける詐欺事件で容疑者らを逮捕した際に自宅などから広島中央署が押収したものです。
多額のため、同署会計課の鍵とダイヤルで二重にロックする金庫で保管されていました。

2017年5月8日に盗難が発覚し、広島県警は翌5月9日に窃盗事件として公表しました。
内部犯行の可能性が高いとみて聴取していましたが、現在も盗まれた現金は見つかっていません。

広島県警は、このままでは被害者への救済はできず、県費(税金)での穴埋めは広島県民の理解を得られないとして、広島県警全体で現金を拠出して全額を補ほてんする前代未聞の「集金」を実施しました。
広島県警幹部を含む全職員と退職者でつくるOB組織の有志から弁済金を募り、2019年春ごろまでに苦渋の全額8,572万円を集め終えています。

容疑者は盗まれた現金の保管を知る立場で、2017年春以降に多額の借金を返済したことが明らかになり、捜査線上に浮上しましたが、関与を一貫して否定していました。
広島県警は裏付け捜査の結果、事件に関与した疑いが強いと判断しました。

警察の内部で起こった恥ずかしい犯行ですね。
病死だそうですが、競馬などで9,000万円くらい借金があったようですね。
このうち一部を事件後に返済しているようです。
警察が、事件を明らかにできず、事件に関与した疑いが強いと判断したのはどうなんでしょうね。
内部統制に不備があるのは明らかだと思いますが、公務員が不祥事を起こした場合、税金で補填するのではなく、有志から集めるというのは他のところでもやってほしいですね。

広島中央署の8,572万円盗難で死亡した警官が送検され有志を募り全額集金したことについて、どう思われましたか?


全日本吹奏楽連盟事務局長ら2人を1億5,200万円不正受給で解雇!

吹奏楽の全国規模のコンクールなどを主催する全日本吹奏楽連盟の事務局長ら2人が、給与に上乗せする形で合わせて1億5,000万円余りを不正に受け取っていたとして、懲戒解雇されました。

一般社団法人全日本吹奏楽連盟によりますと、いずれも男性の50代の事務局長と40代の事務局次長の2人が、2019年までの9年余りにわたって、給与や賞与に上乗せする形で合わせて1億5,200万円を不正に受け取っていたということです。

税務申告とは別に、理事会などに報告された決算書では、上乗せ分はコンクールの会場費や楽譜の制作費などに付け替えて計上されていたということで、2人は、先日懲戒解雇されました。

内部から指摘があり全日本吹奏楽連盟が調査していたということで、聞き取りに対し2人は連盟の丸谷明夫理事長の承認を受けていたと話しているということです。

一方、丸谷理事長は会見で「そうした事実はない」と否定し、全日本吹奏楽連盟は今後、刑事告訴などを検討するとしています。

会見で、丸谷理事長は「中学生、高校生、大学生など、皆さんの信頼を裏切り深くおわびいたします」と述べ謝罪しました。

どちら側の言っていることが正しいのか分かりませんが、上乗せ分の付け替えは悪質ですね。

こういった事件があると、お金を出す側もここにお金を出してもいいのだろうかと思うでしょうし、会計監査が必要ではないかと思う方が出てくるのではないでしょうか?
こういうそれなりにお金を扱うにもかかわらず内部統制が機能していないような組織は、中小企業かどうかを問わず、根本的なところから業務を見直し、内部統制を構築しないといけないですね。
まずは、経営者に、内部統制というものが何か、内部統制の重要性を理解してもらわないといけないとは思いますが、これだけ1年間に新聞記事になるような事件がたくさんあるわけですから、経営者自らが気づかないといけないように思いますが…。

全日本吹奏楽連盟事務局長ら2人が1億5,200万円不正受給で解雇されたことについて、どう思われましたか?


宮崎銀行の2行員が総額1億2千万円を着服か?

 宮崎銀行(宮崎県宮崎市)は、先日、2人の行員男女が架空の預金証書を作成するなどの手口で、客から預かった金を着服していたと発表しました。
被害総額は1億2千万円を超すとみられ、宮崎銀行は2人を懲戒解雇しました。

宮崎銀行によると、1人は審査部に勤務していた男性行員(46)で、2011年11月から2019年11月の間、架空の定期預金証書を発行するなどの手口で、預かった金を着服していました。
被害総額は約1億1,360万円に上るとしています。
金融庁からの情報提供で、発覚したようです。

男性は内部調査で着服を否認したそうです。
2019年11月の内部調査以降、接触できておらず、家族も2020年1月上旬から男性の行方を把握できていないようです。

別の1人は門川支店(宮崎県門川町)に勤務していた女性行員(30)で、2018年4月から2019年11月の間、客になりすまして生命保険会社から解約請求書を取り寄せ、虚偽の説明をして客に記入させていました。
口座も開設させ、通帳を自分で持ったまま、振り込まれた保険解約金を着服するなどしていました。
被害総額は約1,140万円に上るとみられます。
この女性は、着服の事実を認めています。

宮崎銀行は2人について、弁護士と相談したうえで刑事告訴を検討しており、被害の一部を立て替えて弁済しています。
平野亘也頭取は記者会見し、「内部管理体制に甘さがあった。再発防止の取り組みを徹底する」と述べました。

金融機関も毎年何件かはこのような事件が出てきますので、他人事だとは思わず、内部統制を今一度点検し、不備があれば改めて欲しいですね。
時代の流れに伴い、新しい商品なども出てくるでしょうし、満期を迎えそうなものがまとめで出てる時期もあるでしょうし、手口も巧妙化していくでしょうから。
改めて、資質というものがとても重要で、金融機関は採用時も採用後も情報をキャッチしていかないといけないのではないかと感じました。

宮崎銀行の2行員が総額1億2千万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


元住友重機械労働組合連合会の書記の女性が総額6億円超を横領!

 住友重機械労働組合連合会の積み立て年金の資金から5千万円を横領したとして、警視庁捜査2課は、先日、同連合会の元書記の女性(60)を業務上横領容疑で逮捕したと発表した。
警視庁捜査2課によると、容疑を認めているようです。
被害総額は業務上横領罪の公訴時効の成立分を除いても約6億4千万円に上るとみられます。

逮捕容疑は、書記として同連合会の会計を担当していた2013年12月、住友重機械労働組合連合会のパソコンを操作して積み立て年金用の預金口座から自分の口座に5千万円を送金し、横領した疑いです。

警視庁捜査2課によると、2018年1月に住友重機械労働組合連合会側が会計を点検した際、元書記の女性が失踪しました。
預金口座を確認して、流用が発覚しました。
流用した資金は、競技馬術向けの馬6頭の飼育費や高級車(ポルシェ)の購入費などに使っていたそうです。

元書記の女性は、1982年から専従の形で、住友重機械労働組合連合会の会計を担当していました。
定期的な口座点検の際には、住友重機械労働組合連合会の別の口座の資金で穴埋めするなどして、流用を隠蔽していたようです。
住友重機械労働組合連合会は、2018年2月に、元書記の女性を解雇しました。

住友重機械労働組合連合会は、住友重機械グループの従業員などで構成し、2019年3月時点で組合員は、約7,100人です。
住友重機械労働組合連合会担当者は、「こうした事態を二度と招かないように管理態勢を見直した」とコメントしたようです。

このような横領な年に何度も取り上げていますが、多額のお金がある、経理担当者が長年変わっていない、組合などで兼務や持ち回りの役員が多い組織である場合などは、横領の可能性がかなり高いと思いますので、内部統制の重要性を認識し、早めに構築してほしいですね。

元住友重機械労働組合連合会の書記の女性が総額6億円超を横領していたことについて、どう思われましたか?


東証1部上場企業子会社の福岡市のマンション販売会社がローン申請書類を改ざんか?

 西日本新聞によると、マンション開発や販売を手がける東証1部上場のコーセーアールイー(福岡県福岡市)は、子会社がマンションを販売する際、顧客が銀行に提出するローン申請書類を改ざんした疑いがあると発表しました。
顧客の収入を水増しして融資を受けやすくしていたとみられます。
コーセーアールイーは、先日の取締役会で、外部の専門家に調査を依頼することを決めました。

コーセーアールイーによると、子会社は投資用マンションを販売するコーセーアセットプラン(福岡県福岡市)です。
コーセーアセットプランは2016年から2018年にマンションを販売した際、顧客4人が銀行にローンを申請する書類のうち、源泉徴収票などの書類を複数の社員が実際より多い金額に書き換え、金融機関2行に提出しました。
収入は100万円程度多く記載していたとしています。

外部からの指摘で不正が判明したそうです。
コーセーアールイーは、12月9日に予定していた2019年2月から10月期決算の発表を延期しました。
他にも改ざんがなかったかを調べるようです。

コーセーアールイーは1990年に設立され、「グランフォーレ」などのブランドで分譲や投資用マンションの開発を手がけています。
2019年1月期の連結売上高は121億5千万円、純利益10億1,900万円です。

子会社のコントロールは当然親会社の役目に一つだと思いますので、こういう企業は市場から撤退してほしいですね。
おそらく、ノルマが厳しいのか、給料の歩合部分が大きいかに起因するものだと思われますが、そのような中で不正が起こらないように内部統制を構築するのが経営者の役割ですので、この点をきちんと経営者には認識してほしいですね。

東証1部上場企業子会社の福岡市のマンション販売会社がローン申請書類を改ざんしていたことについて、どう思われましたか?


上場企業の会計・経理不正は最多の64社で海外子会社が目立つ!

 日本経済新聞によると、日本の上場企業で会計や経理の不祥事が増えているようです。
2019年は11月末までに64社が開示し、これまで最多だった2016年(57社)を上回りました。
日本企業の国際化が進み、中国など海外子会社や合弁会社などで不正が起きやすくなっています。
全体の約3割に相当する18社が海外で不正が発生し、国別では中国が8社で最多でした。
国内でも子会社や孫会社へのチェックが行き届かなくなっています。
グローバル時代に対応した経営管理体制の整備が急務になっているということでしょう。

東京商工リサーチが上場企業を対象に、財務諸表に影響する可能性のある不適切会計や役員・従業員の経理不正を集計しました。
2019年は11月末までで64社と2018年通年に比べて10社増えました。
過去10年で2.7倍と、上場企業数の伸びを考慮しても増加が目立っています。

国内外の子会社や関連会社、合弁会社で発生したケースが多くなっています。
日本経済新聞の集計によると、64社のうち18社が海外で発生しました。
日本企業の海外進出が一般化するなか、現地人材に権限が集中し、本社の監視の目が届かなくなっているケースが多いようです。

大和ハウス工業は、中国の合弁会社で資金の不正引き出しが発生しました。
合弁相手の中国企業が派遣した取締役らが預金口座から資金を不正に出金しました。
大和ハウス工業は資産の評価見直しを含め約130億円の持ち分法投資損失を計上しました。
素材メーカーの藤倉コンポジットでは、中国子会社で必要な費用が計上されないなどの不正がありました。

両社に共通するのは、本社の監督が不十分となり、会計の適正さをチェックする会計事務所も十分に機能しなかったことです。
上海駐在の弁護士、野村高志氏は、「日本から法務や会計の担当を送り込むなど、時間とコストをかけて不正を防止する体制をつくる必要がある」といっています。

国内でも子会社など本社の目が届きにくい関連会社で問題が生じています。
イオンは、連結子会社イオンディライト傘下の家事代行会社で売り上げの架空計上などの不適切会計が明らかとなりました。
イオン本体の20年2月期の純利益を約80億円押し下げる要因となります。

上場企業の会計・経理不正は2015年ごろから増加が目立っています。
証券取引等監視委員会に出向経験のある弁護士の鈴木正人氏は「企業の内部通報制度が浸透し、不正があぶり出されやすくなっている」と分析しています。
ジャパンディスプレイは元経理担当の従業員から不適切な会計処理をしていたとの通知を受けたとして、特別調査委員会を設置しました。

不祥事が判明した各社は新たなルールなどの再発防止策を策定しています。
大和ハウス工業はグループ会社管理の社内規定を重要な合弁会社にも適用します。
イオンではグループ企業を持つ子会社を、リスクマネジメント委員会に参加させています。
ただし、不正を防止する取り組みには、まだ改善の余地が大きいようです。
大和総研の鈴木裕主任研究員は、「不正を発見した人に積極的に報いる制度を導入することが効果的だ」と指摘しています。

数年前から、我がうどん県(香川県)のタダノなど、海外子会社の不祥事が多くなっているなぁと感じていたのですが、今年は多かったようですね。
内部統制も、時代の流れに即し、定期的に見直さないといけませんね。
日本国内の子会社などでも不祥事は毎年たくさん起こっているわけですから、海外の子会社はなおさら気をつけないといけないですね。
内部統制も、一度構築したら終わり、問題が生じていないので見直す必要がないと考えるのではダメな時代になっています。

上場企業の会計・経理不正は最多の64社で海外子会社が目立つことについて、どう思われましたか?


寺崎電気産業の元社員が銅材を転売して総額6億8千万円を横領!

 勤務先の銅材を無断で転売して代金1,120万円を着服したとして、船舶などの配電制御システムを製造販売する「寺崎電気産業」(大阪市平野区)の元社員が逮捕された事件で、元社員が総額約6億8千万円を着服していた疑いが強まり、大阪府警が業務上横領容疑で追送検したことが、先日、捜査関係者への取材で分かったようです。
元社員は容疑を認め、「ギャンブルに使った」などと供述しているそうです。

元社員(44)は銅材の買い付け担当だった2017年11月、富山県内の会社から仕入れた銅材約17トンを無断で約1,120万円で大阪市内の銅スクラップ処理業者に転売し、代金を着服したとして、2019年10月に大阪府警捜査2課に業務上横領容疑で逮捕されました。

捜査関係者によると、その後の捜査で、元社員が2013年10月から2018年5月に、同様の手口で逮捕容疑を含めて計71件にわたって無断で転売を繰り返し、銅材計約832トン、総額約6億8千万円を着服していた疑いが強まりました。

同課などによると、元社員は当時、同社の八尾工場で銅材の発注や在庫管理を担当する部署のリーダーで、実際に使用した銅材の量に、無断で転売した銅材を加えて水増しした量を管理システムに入力するなどして転売を発覚しにくくしていたようです。

単純に割ると年間1億円以上横領していたことになりますが、気づかないものなのでしょか?
内部統制に欠陥あるとは思いますが、原価計算の担当者は、原価計算をしていておかしいなぁとは思わないのでしょうか?
上場企業として、監査法人(既に変更になっています。)を含めて、大丈夫なのかなぁと思いますね。
あと、ホームページを見ていると、監査法人による監査及びレビューが未了にもかかわらず、四半期報告書及び過年度の有価証券報告書等の訂正報告書をEDINETに提出したりしていますので、管理体制に問題がある会社なんでしょうね。

寺崎電気産業の元社員が銅材を転売して総額6億8千万円を横領したことについて、どう思われましたか?


アパレル会社前代表取締役を司法取引3例目による横領容疑で逮捕!

 朝日新聞によると、東京地検特捜部は、先日、東京都渋谷区のアパレル会社の前代表取締役(41)と元社員(40)の両容疑者を業務上横領の疑いで逮捕したと発表しました。
関係者によると、特捜部は別の元社員と司法取引で合意しており、制度の適用は3例目だそうです。
前代表取締役が犯行を主導し、虚偽の帳簿を作らせていたようです。

発表によると、2人は2019年7月中旬~8月中旬、世田谷区の同社事務所で5回にわたって売上金計約500万円を着服した疑いがあります。
関係者によると、前代表取締役が店長だった元社員ら部下2人に指示し、商品を割引販売したと偽って差額を着服しました。
現金は金庫で保管し、実際の売上額から着服額を差し引いた虚偽の帳簿を作らせていたようです。

東京地検特捜部は、部下の元社員1人と司法取引で合意しました。
この元社員は実際の売り上げを記した書類やメールを提出して捜査協力したそうです。

民間調査会社によると、同社は2005年設立され、同社の服飾品は若者に人気があり、セレクトショップなどで販売されているようです。

2018年6月にスタートした司法取引は、末端の実行行為者の協力を得てトップの不正を追及することが主に想定されていました。
先行した二つの事件では専門家や弁護側から疑問や批判の声も上がっているようですが、検察は特捜部を中心に適用例を積み重ねていく構えです。

初適用は、三菱日立パワーシステムズ元幹部による外国公務員への贈賄事件です。
法人としての同社が特捜部との取引に応じ、元役員ら3人が2018年7月に在宅起訴されました。
捜査に協力した会社が免罪されて、個人が訴追される内容だったことから「トカゲのしっぽ切りだ」と批判されました。

2例目は、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の事件です。
側近だった日産幹部2人が取引に応じましたが、前会長の弁護団は会社ぐるみで前会長を失脚させる目的だったと指摘しています。
「2人は業務命令で応じたにすぎず、法の趣旨に反する」と主張しているようです。

今回の3例目の適用について、法制審議会(法相の諮問機関)で制度導入の議論に加わった椎橋隆幸中央大学名誉教授は「下位の人が会社トップの犯罪を申告するという、制度が想定した使い方だ」と評価しています。
「中小企業内の業務上横領という一般的な事件に制度が使われたことで、今後は拡大が予想される」と話しています。

ただし、司法取引にはうその供述で冤罪(えんざい)を招きかねないとの指摘もあるようです。
最高検は2018年3月、取引相手の供述について「信用性の吟味を徹底する」との指針を示し、十分な証拠の裏付けを求めています。
検察幹部の一人は、当面は独自捜査を担う体制がある特捜部などで実績を積み重ねると説明しています。
「徐々に適用を広げていきたい」と話しています。

司法取引は暴力団などがからむ組織的な詐欺や薬物・銃器犯罪も対象としていますが、別の検察幹部は「取引相手の属性を考えれば、よほど堅い証拠が得られない限り適用は難しい」と指摘しています。
こういった犯罪にまで適用を広げるのは「時期尚早」との考えのようです。

この記事では、500万円となっていますが、別の記事などによると、実際にはかなりの横領額だったようです。
従業員も自分の身も守らないといけませんので、今後、こういった司法取引が増えてくるかもしれませんね。
ただし、アンチの人が足を引っ張るために使うような間違った使い方ではなく、正しい使い方をして欲しいなぁと思います。

アパレル会社前代表取締役を司法取引3例目による横領容疑で逮捕したことについて、どう思われましたか?


横領の責任を転嫁されそうになり退職を強いられた元会計担当職員が社団法人を提訴!

 佐賀新聞によると、食品業者への衛生管理指導を行う一般社団法人「北九州市食品衛生協会」の会計担当だった40代の女性が、横領の責任を転嫁されそうになり退職を強いられたとして、協会と当時の役員2人に計330万円の損害賠償を求め、福岡地裁小倉支部に提訴していたことが、先日、分かったようです。

北九州市はこの協会に年間千数百万円の補助金を支出し、横領についても把握していました。
しかしながら、この協会や北九州市は公表していませんでした。

2019年10月25日付の訴状などによると、2017年、ある職員が売上金を着服していたと協会に打ち明け、額は約550万円に上りました。
女性はこの事実を口止めされたうえ、役員2人から、責任が女性にもあると責められたようです。

最近では隠蔽したことによって信頼が失墜した企業がたくさんありますから、今の時代に、隠ぺいは最悪だというのは普通の経営者なら分かるのではないかと思いますね。
早期に公表することが、組織の体質を対外的に示すことになり信頼性が増すこともありますし、結果的に早く終わるのではないかと思います。
自らの責任のことだけを考えて隠ぺいすると、最終的に、余計に責任を取らないといけなくなりますし、過去の実績などが水の泡となって消えてしまいますから。

横領の責任を転嫁されそうになり退職を強いられた元会計担当職員が社団法人を提訴したことについて、どう思われましたか?


JA三島函南の自殺職員の横領額は1億3,142万円!

 静岡新聞によると、JA三島函南(静岡県三島市)に勤める20代の元男性職員が顧客の口座から不正に現金を引き出すなどして横領し、失踪後に自殺した問題で、JA三島函南は、先日、被害額が1億3,142万円に上ったとする内部調査結果を発表しました。

 内部調査によると、元職員は2015年8月から2019年7月にかけ、渉外担当として勤務する支店の顧客18人の定期貯金や積金の無断解約、普通貯金の無断出金などによる現金の着服を繰り返していました。

 被害に遭った顧客には、JA三島函南が謝罪と報告を行った上で全額補償しました。
今後、元職員の親族や身元保証人に対して被害額を請求するそうです。

 JA三島函南は内部監査機能の充実・強化、所属長による部下の職員への行動管理強化などの再発防止策を打ち出し、「健全経営を通じて組合員、地域の皆様の信頼回復に努める」とコメントしました。

 自殺というとても痛ましい結果になっていますので、経営者も内部統制の重要性を理解して欲しいですね。
こういう事件を教訓に、一人でも多くの経営者が内部統制の構築に真剣に取り組んでくれることを期待したいと思います。
本人が悪いのはもちろんですが、そういう横領できるような状況を作ったのは、経営者の責任ですから。

 JA三島函南の自殺職員の横領額は1億3,142万円だったことについて、どう思われましたか?


京都大学教授らが研究資金1億円超を不正支出か?

 京都新聞によると、京都大学の複数の教授らが霊長類研究所(愛知県犬山市)などに関わる研究資金について1億円以上を不正に支出した疑いがあるとして京都大学が調査していることが、先日、関係者への取材で分かったようです。
納品の実態がないにもかかわらず代金を支払うなど複数件の不正が、約10年前から数年間にわたって行われていた可能性があるそうです。
一方、研究費の私的流用は確認できていないとしています。

調査対象は霊長類研究所におけるチンパンジー用ケージの整備に関連する支出などです。
教授らへの聞き取りの結果、納品の実態がないのに代金が支払われたり、発注済みにもかかわらず再度発注して二重に代金が支払われたりしたケースがあったとしています。
教授らは、癒着した関係にあった特定の業者からケージ関連の契約で赤字が発生したというクレームを受け、業者の負担を軽減するため仕様の変更などを行い、結果として架空発注が繰り返されるようになったとみられています。
不正を発見できなかった要因には、教員が業者と結託したうえ、霊長類研究所が京都大学本部から離れた場所にあるため事務方が少数でチェック体制が手薄だったことがあるそうです。
教授の1人は京都新聞社の取材に対し、「コメントできない」と話したようです。
京都大学は2018年12月に霊長類研究所を巡る不正に関する情報提供を受け、調査を開始しています。
今後、不正の規模などについて結論を出すようです。

国立大学法人も、交通費などの不正請求をはじめ、毎年のように何かが出てきますね。
税金が使われているわけですし、内部統制をきちんと構築して欲しいですね。
問題が生じると、国から国立大学法人に支給する資金を大幅に減らすなどしないと、自分たちのやっていることの重大性に気づかないかもしれませんが。
個人的には、私的流用をしたかどうかは2次的な話で、不正に支出していること自体が問題だと思います。

京都大学教授らが研究資金1億円超を不正支出していた疑いがあることについて、どう思われましたか?


JDIの経理担当幹部が5億円7千万円を着服!

 朝日新聞によると、経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)の経理担当幹部が約4年間にわたって不正経理を繰り返し、会社の資金を着服したとして、2018年12月に懲戒解雇されていたことが分かったようです。

JDIは着服の総額は約5億7千万円にのぼるとみており、ずさんな内部管理体制が露呈しました。
取引実態のない別の会社の口座に入金したり、収入印紙を換金したりして得た資金を私的に流用した疑いがあるようです。

複数の関係者によると、懲戒解雇されたのは経理部門を統括していた幹部職員の男性です。
経理畑が長く、JDIが株式上場した2014年から不正経理を始めました。
別の社員からの内部通報で不正経理が発覚し、懲戒解雇されました。

着服した資金はギャンブルなどで使ったという趣旨の発言をしているようです。
社内のチェック体制が甘く、不正経理の発覚が遅れたそうです。

JDIは朝日新聞の取材に対し、「不正を防止できなかったことを厳粛に受け止め、内部管理体制を強化し、再発防止に向けた取り組みを全力で実施している」としています。

経営再建中とは言え、上場企業ですから、あまりにも内部統制が低レベルだと思いますね。
残念ながら、経理担当幹部は東京都内で死亡していたことが、先日、捜査関係者への取材で分かったようです。
自殺とみられます。
経理担当幹部は、着服とは別に過去の決算について「不適切な会計処理を行っていた」との通知をJDIに送り、理由について「経営陣から指示があったため」と主張していたようで、JDIが事実関係を調査しているそうです。
内部統制が機能していれば、このような結果を避けられたと思いますので、非常に残念です。
経営者に、もっと内部統制の重要性を認識してほしいと思います。

 JDIの経理担当幹部が5億7千万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


給食費など682万円を横領し奨学金の返済などに充てていた小学校職員を懲戒免職!

 岐阜県教育委員会は、先日、勤務先の小学校で管理している児童の給食費など計約682万円を銀行口座から引き出し横領したとして、岐阜市立岩小学校の男性事務職員(27)を懲戒免職処分にしたと発表しました。

ほかに口座の入出金に必要な書類を作成しなかった事務職員に適切な監督を怠ったとして、女性校長(56)を減給10分の1(6か月)、女性教頭(51)を戒告の懲戒処分とした。

岐阜県教育委員会などによると、事務職員は2018年6月から2019年8月22日の間に給食費や教材費、職員の親睦会費などを横領しました。
岐阜県警は計約60万円の業務上横領容疑で事務職員を逮捕しましたが、岐阜地検は2019年10月に不起訴処分としていました。

岐阜市教育委員会や岐阜県教育委員会などが調査し、横領額は約682万円に上ることを確認しました。
事務職員は岐阜県教育委員会の調査に「車のローンや奨学金の返済で横領した。穴埋めするためのギャンブルにも使った」と話したそうです。
約300万円を返済しており、残額も返済の意思を示しているようです。

また、岐阜県教育委員会は同校の昨年度の校長で2019年3月末に定年退職した男性(61)にも女性校長と同じ減給10分の1(6か月)相当の責任を負うべきと求めました。
男性は減給相当分の金額を自主返還する意向を伝えているようです。

簡単に口座から引き出せるということは、内部統制が整備されていないんでしょうね。
教育の場ですので、こういったことのないよう内部統制を整備してほしいですね。
最近、内部統制は大企業だけのことではないんだと再認識させられる事件が多いですね。

給食費など682万円を横領し奨学金の返済などに充てていた小学校職員が懲戒免職されたことについて、どう思われましたか?


約7億円を着服した日本マクドナルド社員を逮捕!

 大手ハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」の財務担当の社員が3,000万円を着服したとして逮捕されました。
警視庁は合わせておよそ7億円を着服していた疑いがあるとみて調べています。

逮捕されたのは「日本マクドナルド」の財務担当の社員(38)です。

警視庁によりますと、社員は、会社から持ち出した額面3,000万円の小切手を換金して着服したとして、業務上横領の疑いが持たれています。

銀行の窓口が閉まっている時間に小切手を持ち出す姿を不審に思った同僚が、上司に相談し、不正が発覚しました。

調べに対して容疑を認め、「FX取り引きに使った。借金があった」と供述していて、着服したその日に3,000万円のうち2,000万円をFX取り引きにつぎ込んでいたということです。

ほかにも会社の口座からは、2019年1月以降合わせて7億円近くが換金された記録があるということで、警視庁は社員が着服を繰り返していたとみて調べています。

日本マクドナルドは「社員が逮捕されたことは大変遺憾であり、深くおわび申し上げます。原因を精査のうえ、管理態勢を強化して再発防止に努めます」とコメントしています。

一社員が小切手を簡単に持ち出せるということは、内部統制が機能していないということですね。
上場企業の子会社であり、親会社はホールディングカンパニーであることを考えると、あまりにもお粗末なような気がします。
僕自身、親会社の株主ですが、内部統制を今一度見直して、今後こういうことがないようにして欲しいですね。

約7億円を着服した日本マクドナルド社員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


5億4千万円の切手着服を公表しない日本郵便に高市総務大臣が行政指導!

 高市早苗総務大臣は、先日の閣議後会見で、日本郵便に情報公開の在り方を検討することなどを求めて、行政指導を行ったことを明らかにしました。
東京都内にある郵便局の幹部2人が「料金別納」制度を悪用して大量の切手を着服したことが昨年発覚し、懲戒解雇処分にしたものの、公表していなかったことに対する措置です。
「なぜ、速やかに公表されなかったのか」との問題意識を強調しました。

行政指導ではほかにも、日本郵便で対応している同様の事例がないかの実態調査、再発防止策の実施状況やその効果などの整理・分析、再発防止策のさらなる徹底について求めたそうです。
日本郵政グループでは、かんぽ生命保険の不適切販売問題も発覚し、信頼が大きく揺らいでいます。

高市総務大臣は、「郵政事業全体に対する国民の皆様の信頼確保に全力で取り組んでいただくよう総務省としても指導していく」と語っています。

かんぽ生命保険の問題にしろ、今回の切手着服にしろ、上場企業としてふさわしくないと思いますし、企業として、経営陣を一掃しないと体質が変わらないのでないかと思います。
おそらく、切手着服も、今回の5億4千万円以外にもあると思いますし、きちんと調査してほしいですね。
本当に、信書とかも民間に開放した方が良いのではないでしょうか?
あと、この着服は税務調査によって発覚したようなので、内部統制も機能していないということだと思います。

5億4千万円の切手着服を公表しない日本郵便に高市総務大臣が行政指導したことについて、どう思われましたか?


高齢者らの口座から2億円超を着服した池田泉州銀行の行員を懲戒免職!

 池田泉州銀行は、先日、男性行員(38)が2007年5月から2019年7月にかけて、顧客の口座から計2億2,600万円を不正に引き出し着服していたと発表しました。
この行員を懲戒解雇処分とし、また業務上横領罪で大阪府警曽根崎署へ刑事告訴する方針だそうです。
鵜川 淳頭取や当時の上司らの処分も検討しています。

池田泉州銀行は記者会見を開き、鵜川頭取は「顧客の信頼を裏切り大変申し訳ない」などと陳謝し、「事務ルールの見直しなど再発防止策を講じたい」と述べました。

池田泉州銀行によると、男性行員は阪南支店(大阪府阪南市)、服部支店(豊中市)、桃山台支店(吹田市)で個人営業を担当していました。
投資信託の購入や新規口座の開設を理由に、顧客の口座から不正な出金を56回繰り返しました。
被害者は50~80代が中心で、そのうち80代の女性は約7,300万円の被害にあったそうです。

2019年9月に顧客からの問い合わせで発覚しました。
池田泉州銀行の調査に対し、男性行員は「自分の言うことを信じる人を選んだ」などと話したようです。
着服金はギャンブルなどに充てていたそうです。
被害額は池田泉州銀行が全額弁済する方針です。

また、池田泉州銀行は、難波支店の派遣社員の男性(60)が集金先の3社から計695万円を着服していたことも発表しました。
刑事告発を検討しているようです。
派遣契約を解除し、被害者には弁済しました。

銀行にとってあるまじき行為ですね。
発覚すれば、銀行の信用は失墜し、自分も懲戒解雇になるのは分かると思いますが、どういった気持ちで本人はやっているのでしょうか?
最初は少額ですぐに(ギャンブルで)返せると思ったのが、雪だるま式に膨らんでいったのかもしれませんね。
こういう事件が年に何回かはニュースになりますが、個人的には、このようなニュースを見るたび、やはり資質というものが大事で、企業はそれを採用時に見極めないといけないなぁと感じます。
もちろん、本人が悪いのは言うまでもありませんが、着服できるような状況を作り、行員が着服するのを防げなかった池田泉州銀行の経営陣にも責任がありますね。

高齢者らの口座から2億円超を着服した池田泉州銀行の行員が懲戒免職されたことについて、どう思われましたか?


トヨタ紡織がヨーロッパで最大40億円の流出!

 トヨタ紡織は、先日、ベルギーの子会社「トヨタ紡織ヨーロッパ」で、外部の第三者による虚偽の指示により、約40億円の資金が流出したと発表しました。
社内調査で発覚し、詐欺事件とみて現地の捜査機関に被害届を提出しました。
2020年3月期の業績予想の修正が必要になるかどうか検討しているようです。

トヨタ紡織によると、資金流出があったのは2019年8月14日で、従業員は関わっていないそうです。
尾崎秀典・経営企画改革本部長は「詳しい内容は捜査との関係上話せない。資金の回収に努めている」と話しているようです。

トヨタ紡織ヨーロッパは2005年に設立され、ヨーロッパとアフリカ地域の自動車のシートの開発や販売などを手掛けています。
トヨタ自動車やドイツのBMWなどが取引先で、2020年3月期は約400億円の売上高を見込んでいます。

企業を巡る詐欺事件では、日本航空が2017年に取引先を装う相手に約3億8,000万円をだまし取られた事件が起きています。
また、同年には、積水ハウスが東京都品川区の土地取引をめぐり「地面師」グループに約55億円をだまし取られた事件が発生しています。

詳細は分かりませんが、トヨタ紡織の子会社で、売上高の約10%の詐欺にあうなんて、とても巧妙なんでしょうね。
従業員が関わっていないのに、どういう風に騙されたのか知りたいですね。
結局のところ、内部統制か経営判断の問題だと思いますので、猛省し、素晴らしい組織にしてほしいですね。

トヨタ紡織でヨーロッパで最大40億円の流出があったことについて、どう思われましたか?


横領した金で家のローンを返済?

 毎日放送によると、大阪市内の製材関連企業で作る協同組合で横領疑惑が持ち上がっているそうです。
経理担当だった女性が長年にわたり組合の資金を着服し、マイホームのローンの返済に充てていたそうです。

毎日放送が、疑惑の元職員を直撃しています。
大阪市住之江区で建設資材の販売会社を営む尾崎龍一さん(64)は、大阪市内の製材関連業者などで作る「大阪市製材業協同組合」の理事を務めています。
この50年以上の歴史がある組合で、今、大きな疑惑が持ち上がっているのです。
「長年に渡って、組合の収入になるべきだったお金を毎月毎月大量に搾取して自らの口座に入金されていました。」(大阪市製材業協同組合 尾崎龍一理事)とのことです。

21年前から経理を担当していた女性職員(70)が3,000万円以上の組合の資金を横領していたというのです。

その手口は以下のようになっています。
組合によると、組合は管理する土地を組合員の企業に貸し出し、賃料として毎月約160万円を現金で受け取っていました。
しかしながら、この賃料の受け取り窓口となっていた女性職員が組合の口座に全額を入金せず、金の一部を自身の口座に入れて着服していたというのです。

「仮に組合の口座に100万円入ったとしたら、女性本人の口座に(残りの)62万円が入っている。逆のパターンもありますし、それが80万円ずつの時もありますし、ひどい月は全然組合に入っていない。」(大阪市製材業協同組合 尾崎龍一理事)ようです。

組合の会計帳簿を調べた代理人弁護士は、不正は長期にわたって続けられていた可能性が高いと見ています。
「今回調査したのは、業務上横領罪の告訴期間が7年なので、一旦7年に限って調査した。7年前の時点から直近と同じような形で、賃料が実際には口座に入金されていなかったのに、入ったかのような帳簿になっている。」(組合の代理人 関西法律特許事務所 植村淳子弁護士)

ではいったいなぜ、これまで発覚しなかったのでしょうか?
「(女性は不正が)ばれないように、年度末の実際の預金残高を帳簿上の金額と合わせるようにどこかからお金を持ってきて(一時的に)合わせている。」(植村淳子弁護士)

組合が行った内部調査の資料では、平成26年度4月の欄を見てみると、組合の預金残高は帳簿上は約1,000万円あるはずが、実際の口座残高は400万円ほどになっている。平成26年度の他の月も口座残高の方が少ない状態が続いているが、年度末の3月になった途端に帳簿と口座の残高がピタリと一致している。こうして年度末の監査をクリアしていたというが、不正は去年春の監査で賃料収入が毎月きちんと入金されていないことが判明したことから発覚したようです。

女性職員は組合の調査に対して、着服を一部認めたようです。
「消え入るようなか細い声で『私が1人でやりました』と。(Q詳しいことは?)『もう忘れた』とか『わからない』とか。」(大阪市製材業協同組合 尾崎龍一理事)

女性は着服した金を一体何に使っていたのでしょうか?
「ボイストレーニングとか言ってましたね。『歌を習いにいったのか?』と聞くと『そうではない』と。『カラオケ教室か?』と聞いたら『そうではない』と。他はエステ的なものとか、飲食、お買い物(で使ったと言っていた)。組合からの給料として毎月20万円台が振り込まれているが、(提出された女性の通帳では)それに対して支払いは80万円~100万円毎月引き落とされていた。」(大阪市製材業協同組合 尾崎龍一理事)

金はこんな所でも使われていたとみられています。
黒潮の恵みを受け一年中温暖な和歌山県串本町の約65坪の土地に建てられたモダンな邸宅は、女性と女性の夫が所有者となっています。
女性はこの家のローンの返済にも着服した金を充てていたと説明したそうです。

「組合は搾取されたままで、何の説明も何の返済も受けられず。(新しい家で)ぬくぬくと暮らしていくと思うと、これはちょっと許せん。」(大阪市製材業協同組合 尾崎龍一理事)

女性は2018年5月に組合を解雇されましたが、長年勤めた組合に金を返すつもりはないのでしょうか?
毎日放送の取材班が2019年8月、自宅前にいた女性を直撃しています。
(記者)「組合で横領していた?」
(女性)「金のこと、私、あの、困る、できませんよ。ちょっと待って。」
そう言うと、女性は家に入っていった。そして数分後、再び家から出てきた。
(記者)「組合で横領をしていたのは本当か?」
(女性)「そんなことは、また…。後ほど『先生』から話があると思います。」
「先生」つまり自分の弁護士から話を聞いてほしいと話す女性。
車の中に入った女性は、弁護士と電話をしているようだ。そして突然、車を降り通話中のスマホを記者に渡してきた。
(記者)「僕が話したらいいのですか?」
(女性)「はい、どうぞ。」
(記者)「ご本人とお話したいのですが。」
(女性)「いやいや先生に聞いてみて。」
女性の代理人弁護士は「今の段階では何も答えることはない」と話しました。
取材班が再び女性本人から話を聞きたいと訴えましたが、再び車に乗り込んでしまったようです。
(記者)「横領していた?この家も横領したお金でローンを支払われていると聞いたが?」
(女性)「…」
(記者)「否定されないということはしていたということか?」
問いかけには応じることなく、女性は車を発進させました。
(記者)「なんで逃げるんですか?」
組合に対して、女性からは金の返済や詳しい経緯の説明は一切ないそうです。

「全てを正直に話してもらわないといけませんね。発端から、なんのためにやったのか、なぜやめられなかったのか。法律の下で、ちゃんと贖罪をしてもらわないといけませんね。」(大阪市製材業協同組合 尾崎龍一理事)

組合は2019年7月、組合の資金約1,000万円を横領した、業務上横領の疑いで、女性を大阪府警へ刑事告訴しました。
警察は告訴を受理し、捜査を進めています。

僕の経験上、業界で作る組合は不正の多いところの一つだと思います。
理由としては、安定したそれなりの金額収入があるなかで、役員は、自ら社長などである組合員が持ち回りで非常勤でやっており、プロパーの従業員は経理の女性のみというケースが多く、長年その女性が経理をやっていると、その女性しか分からないことが多く、信頼しきってしまうということが原因だと考えています。
当然、監査もやっているのでしょうが、残高を確認するだけで、期中の取引をきちんと確認していないところがおおいのではないでしょうか。
改めて、内部統制の重要性を感じた1件でした。
女性が悪いのは間違いないですが、横領できるような状況を放置してきた役員の方々にも責任はあると思います。
こういう事件を機に、内部統制の重要性を感じ、内部統制を構築する会社などが少しでも増えるといいなぁと思います。

横領した金で家のローンを返済していた女性について、どう思われましたか?


4億3千万円を私的流用したローソン社員を懲戒解雇!

 ローソンは、先日、2011年から9年間にわたり、取引先と共謀して4億3千万円を私的に流用したとして、IT部門を担当する50代の男性社員を懲戒解雇にしました。
近く元社員と取引先の50代男性を刑事告訴するようです。

ローソンによると、元社員は業務委託料を水増しし、予備費の名目で取引先に蓄えさせ、飲食費などに使っていたとみられます。
元社員は、事実関係を認めているそうです。

2019年2月、請求書の金額が不自然との内部通報で発覚し、社外の弁護士らが調査していました。
取引先は千葉県にあり、システム関連の業務を2004年から委託していました。
元社員はIT部門が長く、この委託を1人で担当していたようです。

ローソンは「今回の事案を厳粛に受け止め、再発防止と信頼回復に取り組む」とコメントしました。
元社員らに損害賠償も求めていくそうです。

再発防止策として、契約条件を再点検するほか、同一業務を継続して担わないよう社内規定を見直すそうです。
なお、2020年2月期の業績への影響は軽微としています。

明らかに内部統制の不備ですよね。
ローソンほどの企業でも、このレベルなんですね。
改めて、内部統制の重要性を認識するとともに、一度、内部統制を構築したとしても、定期的に現状に即しているかどうかを確認して、必要があれば変えていかないといけないですね。
同じ担当者が長期間に渡り同じ業務を担当しているのは危険ですね。
これは、色々なところで問題が生じていますね。
IT`とか経理とか、ブラックボックスになりがちな特殊な部門も、定期的にジョブローテーションしないといけないでしょうね。

4億3千万円を私的流用したローソン社員を懲戒解雇したことについて、どう思われましたか?


大阪産業大学が社会保険料の過少納付で教職員の退職後の年金が減少!

 大阪桐蔭高校などを経営する大阪府の「学校法人大阪産業大学」(大産大)は、先日、遅くとも1990年以降、教職員の年金、医療、介護などの社会保険料を過少に納付していたと発表しました。
不足額は累積で10億円以上とみられ、教職員が退職後に受け取る年金も減っていました。
社会保険料算定の根拠となる報酬から残業代や交通費などを違法に除外していたためで、管理職は問題を指摘されながら過少納付を続けるよう担当者に指示していたようです。

私立学校の教職員は、文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」が運営する私学共済に加入します。
厚生年金、公的医療保険、介護保険の保険料などを教職員と勤め先の学校法人が半分ずつ負担することになります。

法律により、保険料の額は手当を含めた給料に応じて決まります。
しかしながら、大産大は事業団に報告する給料の額に、時間外手当(残業代)、通勤手当などを算入していませんでした。
保険料の総額は本来より年間あたり約5,900万円も少なくなっていました。
その結果、将来受給できる年金は平均モデルで1年間に、事務職員約8万円、中高教員約2万円、大学教員約1万円も減ります。

賃金台帳などの資料から過少納付は1990年から確認できたようですが、私学共済に加入した1954年から続いていた可能性があるようです。
2003年以降、歴代担当者が問題に気付いて上司に相談したようですが、上司は「変更しない」と指示したり、「上と相談する」と言ったまま放置したりしていたそうです。

先日記者会見した吉岡征四郎理事長は「社会保険制度の根幹に関わる非常に重大な事案で、誠に申し訳ない」と謝罪しました。
今後は調査委員会で事実関係を究明し、関係者を処分する方針だそうです。

事業団の担当者は「まさか学校でこんな問題が起こるとは思ってもいなかった。今後、注意喚起していきたい」と話しています。

法人は、教職員へこの問題を知らせた際、「膨大な作業になる」などとして過去分の訂正を拒んでいました。
事業団から要求されると、過去2年間分に限って不足する保険料を納めると表明しました。

ただ、2年以上前の分は「法律で時効になっている」と対応しない方針だそうです。
失われた年金の大半は回復しない見通しで、退職者を含めた教職員約3,000人の大半に影響するとみられます。

法人は事務職員で年平均約8万円減ると説明していますが、勤続年数が長かったり、時間外賃金が多かったりする場合はもっと減るでしょう。
中堅職員は「年金が2,000万円不足すると言われて老後の生活に不安があるのに、さらに年金が目減りするとは許せない」と憤っているようです。

ひどい話ですよね。
こういう隠匿体質は、上層部を一新しないとなかなか直らないかもしれませんね。
何となくですが、ほかにも問題は出てくる法人なのではないかと思います。
教員のみならず職員も、生徒さんの見本になるような行動をして欲しいと思います。

個人的には、監査法人(あずさ監査法人)が監査しているようですが、監査法人は給与関係のチェックをしていないのだろうか?とも思いました。

大阪産業大学が社会保険料の過少納付で教職員の退職後の年金が減少することについて、どう思われましたか?


大阪大学が不正受給及びセクハラをした教授を解雇!

 大阪大学は、先日、大学院高等司法研究科の教授(64)を懲戒解雇したと発表しました。
大阪大学は2019年3月に、同教授が研究費や通勤手当などの名目で約9,195万円を不正受給していたと発表し、処分を検討していました。
同時に、同教授によるセクハラ行為があったことも明らかにしました。
教授はセクハラ行為は認めているようですが、不正受給に関しては「納得できない」と話しているようです。

大阪大学によると、同教授は2008~2018年度に交通費や旅費などとして計約7,722万円を不正に受け取っていました。
調査研究目的の出張としていましたが、実際は東京の自宅への帰宅や観光などが目的だったようです。

このほか2004~2018年度に自宅の住所を虚偽申請し、通勤手当計990万円や、住居手当計約483万円も不正受給していたようです。

さらに2011~2017年に身体的な接触や容姿に関する不適切な発言があったことが学内からの相談で発覚しました。

大阪大学は今後、不正受給について返還請求や刑事告訴を検討するそうです。

この件については以前取り上げましたが、事実であるとすれば、ひどい話ですよね。
僕も一時期大学院の教員をやっていましたが、民間人とはかなり違うなぁとすごく感じました。
この教授は民間企業出身の方だと思いますので、不思議な感じがします。
手続等がざるだったということでしょうか?
きちんとルールを決め、チェックの体制も作り、指導していかないと、今後もこういう教員が出てくるのではないかと思います。

大阪大学が不正受給及びセクハラをした教授を解雇したことについて、どう思われましたか?


トーカイの男性社員が8,000万円の着服で懲戒解雇!

 病院介護関連サービスを手掛けるトーカイ(岐阜市若宮町)は、先日、太陽光事業責任者の男性社員が2012~2019年に特定の取引先と共謀し、トーカイが取引先に支払った金銭から一部をキックバックさせて最大で計8,000万円を不正取得した疑いがある、と発表しました。

社内調査で明らかになったようです。

男性社員は、既に懲戒解雇しています。

トーカイによると、男性社員は自身が関与する複数の法人・個人の口座を利用して複数の取引先からキックバックを受けていました。

トーカイは、刑事告訴と損害賠償請求を検討しているため、内容の詳細な説明はできないとしています。
業績に与える影響は小さいため、不正取得のあった期間の決算は訂正しない予定だそうです。

内部統制の不備でしょうね。
キックバックを完全に防ぐのは難しいのかもしれませんが、仕入・購買・設備系の担当者を数年ごとに変えるとか、合い見積もりを複数社きちんと取るなどで防げるのではないかと思います。
本業ではなく、特殊な部門なのかもしれませんが、内部統制を考えると、部門は関係ないですよね。

トーカイの男性社員が8,000万円の着服で懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


郵便局の保険不正販売で深まる郵政とアフラックの迷走!

 ダイヤモンドオンラインによると、日本郵便とかんぽ生命保険による不適切販売問題で、当面の販売自粛か継続かを巡り、日本郵政グループとアフラック生命保険の対応が迷走しているようです。

郵政グループは、不適切な販売を受けて顧客調査などを優先するため、かんぽ商品の積極的な販売を控えるよう郵便局に指示しました。
一方で、親会社同士で資本提携しているアフラックのがん保険については、従来通りの販売を続けるというスタンスを取ってきました。

郵便局経由で販売するがん保険が、アフラックの新契約件数の4分の1を占めており、自粛となると影響が大きかったからです。

アフラック会長のチャールズ・レイク氏が、日本郵政の社外取締役に就いていることも、販売継続の判断に響いた可能性があります。

一方、郵便局員の販売手法が問題になっている中で、なぜアフラック商品については販売を続けるのかという疑問に対し、合理的な説明はできていないままです。

そうした状況でアフラックは、先日、郵便局経由で販売したがん保険(保有件数は推計で70万件以上)について、不適切な事例がないか独自で調査を始めたと明らかにしました。
調査で不適切な事例はなかったとなれば、販売継続の大義名分になると考えたのでしょう。

ただし、それは自らの首をさらに絞めることになりかねません。
本来、不適切な事例がないか調べるのであれば、まず積極的な販売を自粛するのが常識だからです。

さらに、アフラックの独自調査は、同様に郵便局に商品を卸している国内生損保を利する結果にもなっています。

現在郵便局では、アフラック以外に日本生命保険(変額年金保険、保有件数1万2,000件)と、住友生命保険(引受基準緩和型医療保険、同6万5,000件)、三井住友海上プライマリー生命保険(変額年金保険、同8万6,000件)のほか、東京海上日動火災保険を幹事会社とする損保5社の共同引受自動車保険(約9万7,000件)、東京海上単独の傷害保険(2万7,000件)を取り扱っています。

契約件数が相対的に少ない国内生損保にとってみれば、一代理店である郵便局で不適切な販売があった以上、積極的な販売は控えてもらいたいというのが本音で、日本生命は当面の販売自粛について協議の申し入れすらしています。

しかしながら、郵便局を統括する日本郵便は、アフラックの商品だけを販売継続とするような状況は見栄えが悪く避けたかったようで、自粛するのはかんぽ生命だけという姿勢を強気で押し通し、日本生命などとにらみ合ってきた経緯がある。

にもかかわらず、アフラックの調査開始を受けて、これまで郵政グループに配慮してきた日本生命などの各社も、不適切な事例がないか堂々と改めて調査できることになったわけです。
7月25日には東京海上も調査に乗り出すことを決めました。
調査=積極的な販売の自粛が常識である以上、自粛の“お墨付き”を郵政とアフラックが自ら与えてしまったといえます。

日本郵便とアフラックは7月25日時点で、調査期間中も従来通りの販売を続けるとしており、整合性が欠けていると言わざるを得ないでしょう。
そうした迷走を、一体どのように顧客や世間に説明するのでしょうか?

かなり悪質なことをしているようなので、こういうところには、厳しい処分をしてほしいですね。
個人的には、保険を販売できないようにした方が良いのではないかと思います。

郵便局の保険不正販売で深まる郵政とアフラックの迷走について、どう思われましたか?


学校法人の新校舎資金の21億円が確認できず!

 先日、このBLOGで仮想通貨(暗号資産)の話で取り上げた明浄学院高校(大阪市)を運営する学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)は、先日、高校校舎の建て替え資金として大阪府吹田市の不動産会社に預けていた21億円が確認できない状態になっていると発表しました。
明浄学院は、第三者委員会を設置して事実関係を調べ、校舎の建て替え計画を停止して見直すそうです。

発表によると、明浄学院は、高校の土地を一部売った資金などで、総工費約85億円の校舎建て替えを計画し、2017年7月、大阪市の不動産開発会社に高校の土地の半分(約7,000平方メートル)を約32億円で売却する契約を結びました。
明浄学院は、同月、手付金21億円を受け取り、残る半分の土地に校舎を建て替える資金として、土地売買を仲介した大阪府吹田市の不動産会社に預けました。

大阪府吹田市の不動産会社が明浄学院に出した「預かり証」では、資金は校舎建設以外に流用できず、学院の決算時に21億円の存在が確認できる残高証明を提出する取り決めがありました。
2019年6月に就任した西和彦理事長は、金融機関の残高証明が一度も出されていないため、大阪府吹田市の不動産会社に求めましたが、期限までに提出されなかったようです。
大阪府吹田市の不動産会社は明浄学院に、「残高証明は間に合わない。21億円は用意できる」と説明しているそうです。

記者会見した西和彦理事長は、「21億円を預けた経緯に不審な点が多い。建て替え計画も無謀」と指摘し、既存の校舎の耐震化や計画縮小で対応する方針を示しました。

大阪府吹田市の不動産会社の担当者は、先日、読売新聞の取材に対し、「守秘義務があり、何も話せない」と答えたようです。

明浄学院を巡っては、前理事長の女性が理事会の決議を経ずに学院の資金1億円を流用し、暗号資産(仮想通貨)の購入に充てていたとして、2019年6月に辞任しています。

色々な問題のある学校法人ですね。
預けているのに、不動産会社の『用意できる』というコメントもどうかと思いますね。
理事長のおっしゃるように、おそらく、取引自体が怪しいんでしょうね。
暗号資産(仮想通貨)の取引もそうですが、前理事長に意見できる人がいなかったんでしょうね。
学校法人という教育の場なのですから、経営者自身が、きちんとしてところを生徒さんに見せて欲しいですね。

学校法人の新校舎資金の21億円が確認できないことについて、どう思われましたか?


すてきナイスグループの元会長ら3名を逮捕!

 先日、横浜地検は金融商品取引法違反の疑いで、すてきナイスグループ㈱(神奈川県横浜市、東証1部、以下すてきナイス)の元代表取締役会長と元代表取締役副会長、元取締役を逮捕しました。

これに先立ち、すてきナイスは、事実関係などを検証していた第三者委員会から調査報告書を受領したと発表しました。
すてきナイスは、「本調査報告書に記載の調査結果および提言を真摯に受け止める」としています。

調査報告書によると、不正会計の背景として創業家の影響力をあげています。
創業家の元代表取締役会長は、辞任した2019年5月までグループに強い影響力を有していました。
元代表取締役会長が定めた「ワイシャツは白」、「喫煙禁止」、「ゴルフ禁止」などの決まりに違反した役員には降格を命じていたそうです。
こうした強い影響力で意見を述べることすら躊躇する企業風土だったと指摘しています。

不正会計は、2015年3月期の通期連結業績を期中に2度の下方修正を避けるため、元代表取締役会長が幹部に強く利益改善を求めました。
元代表取締役会長は、取締役会で、「約束した数字ができなければ辞表を出すように」とプレッシャーをかけたそうです。

そのため、幹部らはあらゆる「益出し」を検討しました。
「マンション」を元代表取締役会長が間接的に支配する会社へ売却し、会計上認められない売上計上が行われたと断罪しました。
不動産の売却価格は30億円以上で、購入資金はグループ企業が貸し付け、最終的に当期純利益12億円程度を調整したとみられます。

調査報告書では、創業家の支配体制の刷新、ガバナンス(企業統治)、内部統制の不全を指摘しています。
グループ会社やグループ外支配会社を利用した認められない不正な会計処理が行われていたとし、有価証券報告書の訂正も求めています。

横浜地検などの捜査から4日後、杉田理之社長は会見を開き、「(地検の容疑は)通常取引で粉飾に当たらない」と強弁していました。

これが事実だとすれば、上場企業にふさわしくない企業ですね。
粉飾がいけないのは当然のこととして、上場企業はプライベートカンパニーではなく、パブリックカンパニーということを認識できていない方は、そもそも上場企業の経営者にはなるべきではないと思います。
また、結果が出せなければ、辞めるのは経営者だと思います。
事由に意見もできない社風というのも、パブリックカンパニーではないですよね。
このBLOGでも何度も言っていますが、一度、上場したら終わりではなく、経営者が交代するときには、証券取引所が上場企業の経営者としてふさわしいかどうかの何らかのチェックが必要な時代になってきているのではないかと思います。

すてきナイスグループの元会長ら3名が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


大阪観光大の前理事長が仮想通貨に1億円流用か?

 大阪観光大(大阪府熊取町)などを運営する学校法人明浄学院は、先日、大阪市で記者会見し、法人の前理事長の女性が2018年4月、理事会に諮らずに大学の運営資金1億円を自身が役員を務める関連会社の口座に振り込み、暗号資産(仮想通貨)への投資に流用した疑いがあると明らかにしました。

一連の取引が法人内で問題視され、前理事長は2019年6月22日付で辞職しました。
明浄学院によると、前理事長は「系列高校の新校舎建設計画があり、資金を増やしたかった」と説明しているそうです。
関連会社は2018年6月~9月に3回に分け、計9千万円を返金しました。
仮想通貨は暴落し、現在は約20万円の価値しかなくなっているようです。

1億円が20万円になっているというのがスゴイですね。
投資のプロでない方が、資金を増やそうというのはなかなか難しいでしょうね。
やるとしても、学校法人なんですから、個人でやってほしいですね。
万が一やるとしても、きちんと学校法人内で手続きを取ってからでしょうね。
こういう方が、教育機関のトップにいたというのはどうなんでしょうね。
ここに限らず、年間いくつか学校法人トップの不祥事が出てきますが、教育機関ゆえ、生徒さんの見本になるような経営をして欲しいものです。

大阪観光大の前理事長が仮想通貨に1億円流用していたことについて、どう思われましたか?


かんぽ生命の問題契約数が拡大し顧客が「無保険状態」のケースも!

 かんぽ生命が勧誘した保険契約の乗り換えで顧客の不利益になった恐れが出ている問題が深刻化しています。
かんぽ生命は不適切な対応をした可能性のある契約件数が、約2万3,900件に上ると発表しました。
新たな保険契約に移行できず、顧客が「無保険状態」になるケースもあったとみられます。
金融庁は、保険業法などに違反する対応がなかったかを調べています。

かんぽ生命は、2019年6月24日、2018年11月の契約分だけで「経済合理性に乏しい」契約が約5,800件あると発表しました。
過去にさかのぼって調査したところ、2019年6月27日には、2014年4月以降で、顧客の不利益になった可能性のある契約乗り換えが約2万3,900件に上ると発表し、問題が一気に拡大しました。

旧契約を解約後、健康状態の悪化などを理由に新たな保険への加入を断られたケースが約1万5,800件に上りました。
顧客がどの保険にも加入していない無保険の状態に陥った可能性があるようです。

新たな保険に乗り換えた場合でも、病歴などを自己申告しなかったとして後日、契約を解除されたケースが約3,100件あったようです。
その多くが保険金支払いを求めた際に契約を解除され、保険金を受け取れなかったすぉうです。
旧契約の特約切り替えで対応した方が契約乗り換えより顧客に有利だった可能性のあるケースは、2017年10月以降で約5,000件判明しました。

保険の乗り換えは一般的にトラブルになりやすく、特に高齢者が不利益を被るケースが目立っています。
生保業界関係者は、「かんぽへの苦情は異常に多い」と指摘しています。
各社が生命保険協会に提出した資料によると、乗り換えを含む新契約関係の苦情(2018年度)は、かんぽ生命が大手生保4社の数倍多いようです。

背景には、営業を担う郵便局員への過剰なノルマがあると指摘されています。
かんぽ生命と日本郵便は協議して営業目標を設定し、各郵便局に割り振っています。
これが契約者の利益を軽視し、安易に保険の乗り換えを勧誘するきっかけになった可能性があります。

また、かんぽ生命は、法律で契約できる保険金の上限が1人2,000万円に制限されているという特殊事情もあります。
大手生保では契約乗り換えの場合、新契約の審査が通ってから旧契約を解除するようです。
かんぽ生命は、上限超過を避けるため、旧契約の解除を先行させた可能性もあります。

かんぽ生命は今後、2万3,900件について個別に調査するようです。
実際に不適切な対応があったと確認できた場合、当然だと思いますが、旧契約に戻すなどの対応をするようです。
ただし、一連の問題について、かんぽ生命は、「説明不足が全くなかったわけではないが、(契約書類などで)手続き的に欠陥はない」との立場を取っています。
営業ノルマ見直しも検討するとしているが、契約者らの納得を得られるかは見通せない状況のようです。

<かんぽ生命>
日本郵政グループ傘下の生命保険会社。
郵政民営化に伴い、2007年10月に開業。
2015年11月に日本郵政、ゆうちょ銀行とともに東証1部に上場した。
現在、日本郵政が64%の株式を保有。郵政民営化法では早期に全ての株式を売却するとしている。
個人保険の保有契約件数は2,914万件(2019年3月末時点)で、単体では業界首位。
超低金利下で販売が低迷する中、2017年10月に医療特約や終身保険など三つの新商品を発売し、かんぽ内での契約の乗り換えが従来からほぼ倍増した。
契約件数の9割は郵便局員が販売し、残り1割を直営店で法人向けに販売。
日本郵便に年間約4,000億円の手数料を支払う。
全国2.4万局ある郵便局網を維持する原資となっている。

現実にクレームが多いということは、きちんと説明できていないということでしょう。
それなのに、『手続き的に欠陥はない』という立場を取っているのはどうなんでしょうね。
企業体質が見て取れますね。
ノルマが原因というのもどうなんでしょうね?
世の中に高いノルマが課されている企業はたくさんあると思いますが、すべての企業が不正をしているわけではないと思いますので。
あと、僕もかんぽ生命の生命保険契約がありますが、別の方に保険の見直しをしてもらったときに、この契約については、良い時期に契約しているので、そのまま継続したほうが良いと言われたのですが、掛け金の集金時に、担当者が新しい保険に乗り換えることをすごく勧めていたので、個人的には信用はしていません。
おそらく、今回問題となっているのは氷山の一角で、顧客にとって不利な内容(かんぽ生命にとっては有利な内容)に勧められて乗り換えさせられているケースはかなりあるのではないかと思っています。

かんぽ生命の問題契約数が拡大し顧客が「無保険状態」のケースもあることについて、どう思われましたか?


宮城県タクシー協会仙台総支部の元総務部長が4,000万円を着服!

 宮城県タクシー協会仙台地区総支部(仙台市宮城野区)の総務部長だった男性(64)が総支部の会計などから8年間で計約4,000万円を着服した疑いのあることが、先日、複数の関係者への取材で分かったようです。
総支部は、2019年3月に男性を懲戒解雇処分としており、業務上横領容疑で宮城県警に告訴する方針だそうです。

関係者によると、元総務部長は、2009年の採用時から総務部に配属され、経費などを出入金できる立場にありました。
総支部の内部調査で、2011~2018年度に総支部の会計、市内各地区の事故防止協議会の会費などを不正に処理していたことが判明したようです。

協議会の会費は総支部に加盟する市内のタクシー会社から集めたものです。
元総務部長は、虚偽の書類を作るなどの手口で実際よりも多く支出したように見せかけ、差額分を着服していたとみられます。

総支部は、2018年12月、元総務部長を知る人物の情報提供を基に調査を開始しました。
元総務部長は聞き取りに正を認め、弁済の意思を示しているそうです。
一連の経緯は、2019年4~5月、総支部の総会や加盟社の社長会で報告されました。
刑事処分を求める声が参加者から多く上がり、告訴することとしたようです。

総支部の支部長は河北新報社の取材に対し、不正処理があったことを認め、「長期間にわたり不正を見抜けず、管理が甘かった。今後は態勢の見直しなども検討し再発防止に努める」と話しています。

この手の業界団体なども、不正が多いですよね。
役員が加盟企業の役員が非常勤で勤めている一方、収入はそれなりにあるにもかかわらず、専任の職員が少ないことが多いため、簡単に横領などができてしまうんでしょうね。
こういった業界団体なども、内部統制の重要性を認識し、内部統制を構築してほしいですね。
組織の特質上、まずは、加盟企業自体で内部統制の重要性を認識する必要があるかもしれませんが。

宮城県タクシー協会仙台総支部の元総務部長が4,000万円を着服していたことについて、どう思われましたか?


山梨県甲斐市が公金着服の職員を懲戒免職!

 山梨県甲斐市の非常勤職員が、甲斐市が運営するスポーツ施設の使用料およそ412万円を着服した問題で、甲斐市教育委員会はこの職員を、先日、懲戒免職処分としました。

懲戒免職となったのは、甲斐市教育委員会スポーツ振興課に勤務していた33歳の男性非常勤職員です。

甲斐市によりますと、この職員は2018年6月から2019年5月にかけ敷島総合文化会館で集めていた市が運営するスポーツ施設の使用料およそ412万円を着服したとされています。

甲斐市の聞き取りに対して、職員は、「スロットで遊ぶ金が欲しかった」と着服を認め、甲斐市の教育委員会は、懲戒免職としました。

また、当時の上司ら4人の幹部職員を戒告や訓告としたほか、教育長は給与の10分の1を1か月分返納することにしています。

着服した金額は全額弁済していますが、甲斐市は、「着服額が大きく事態を重く受け止める」としてこの職員を刑事告訴する方針のようです。

市とはいえ、内部統制はきちんと構築しないといけないですね。
個人的には、非常勤職員に、お金をさわらせる(お金を着服できる)状況を作っている時点でアウトだろうなぁと思います。
もはや『性善説』は通用しない世の中だということを、認識してほしいですね。
あとは、僕は、甲斐市とは全く関係ありませんが、処分として、給与の10分の1を1か月分返納というのは、パフォーマンスに過ぎないような気がしますね。

山梨県甲斐市が公金着服の職員を懲戒免職にしたことについて、どう思われましたか?


着服が相次いで発覚した都留信用組合が第三者委員会を設置!

 職員による顧客の預金などの着服が相次いで発覚した山梨県の都留信用組合は、先日、弁護士ら外部の有識者で作る第三者委員会を設置し、原因究明と抜本的な再発防止策の検討に入ることになりました。

都留信用組合では元支店長が15年間にわたって顧客からおよそ1億9,500万円を着服したほか、3人の職員がおよそ2,000万円を着服したことも発覚しましたが、監督官庁への届出はしていませんでした。

都留信用組合は、着服のいきさつや組織構造などの問題点を明らかにして抜本的な再発防止を検討する特別調査委員会を設置しました。

委員会は弁護士と公認会計士の第三者の外部の有識者で構成され、近く初会合を開いて問題の検証に入いるそうです。

都留信用組合は、職員による着服が他にないか確認するためおよそ13万7,000件の顧客に預金などの残高の確認を依頼するはがきを送っています。

なお、2度目の不祥事の発表後、本店と支店に着服などに関する問い合わせが数百件寄せられたということです。

15年も発覚しないということは、そもそも、内部統制がきちんと構築されていないんでしょうね。
こういった、内部統制がきちんと構築されていないところに、大事なお金を預けることはできるのでしょうか?
経営陣には、内部統制の重要性を認識してほしいですね。

着服が相次いで発覚した都留信用組合が第三者委員会を設置したことについて、どう思われましたか?


工事費を水増しした詐欺の疑いでJR東海子会社の元社員を逮捕!

 JR東海子会社の「ジェイアール東海不動産」(東京都港区)から約300万円を詐取したとして、警視庁は、先日、ジェイアール東海不動産の元施設課長(68)を詐欺の疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかったようです。

ジェイアール東海不動産発注の工事で施工業者から費用を水増し請求させていたといい、業者の元取締役(53)も逮捕されました。
2人が同様の手口で2008年~2015年に計約4億5千万円をだまし取っていたとみて調べています。

捜査関係者によると、逮捕容疑は、2014年5月に、ジェイアール東海不動産が発注した社宅の工事費用について、ジェイアール東海不動産の元施設課長が水増しして請求するよう業者の元取締役に指示し、水増し分約300万円をだまし取ったというものです。

取引業者とグルになってやられると、発見するのはなかなか難しいかもしれませんが、購買系の担当者は一定期間ごとにローテーションを図ること、見積もりを複数社から取ること、社内教育をきちんとすることなど、会社の規模を問わず、内部統制が機能するようにしないといけないですね。

工事費を水増しした詐欺の疑いでJR東海子会社の元社員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


大阪大学大学院教授が出張費9,200万円を不正受給!

 大阪大学は、先日、大学院高等司法研究科の教授(63)が出張費の虚偽請求などで2004年以降、計約9,195万円を不正に受け取っていたと発表しました。
大阪大学は返還を求め、刑事告訴を検討しているようです。
一方、教授側は、大学の認定に重大な事実誤認があるとして、裁判で争う姿勢を示しているようです。

大阪大学によると、教授は20044月に着任した際、岡山県内に自宅があるとして架空の賃貸借証明書を提出し、20193月までに住居手当と通勤手当計1,473万円を受け取りました。
実際は、年間の約半分は東京の知人宅などに滞在し、東京―大阪間の交通費を出張費として申請していました。
東京滞在中の宿泊代や日当も受け取ったとしています。
大阪では学内施設に宿泊していたそうです。

さらに、研究調査目的と称して国内外へ学生や家族らを伴った出張を繰り返していたようですが、大学は「ほとんどの出張で調査の成果物が存在せず、業務とは認められない私的な旅行」と判断しました。
20092018年度に604件計7,522万円の研究費の不正使用があったと認定しました。

また、教授がセンター長を務める知的財産センターの規定で、出張中のタクシー利用は認められていないそうですが、教授はタクシー乗車券に虚偽の業務内容や場所を記入し、20102018年度に771件計199万円分を利用したようです。

教授は大学の調査に対し、「悪意や不正な利益は全くない。調査を受けて初めて違反と知った」と否定したそうです。

大阪大学の西尾章治郎学長は、「非常に重く責任を感じており、国民の皆様に深くおわびする」とのコメントを出しています。

何年にも渡り、同じようなことが年に何回か国立大学法人で発覚していると思いますが、本人もダメなこととか、税金を使っているということを認識していないのでしょうか?
大学側も、これだけ不祥事が生じているので、厳しいルールを整備し、厳格に運用する必要があるのではないかと思います。
そもそも現在は、それぞれのいわゆる国立大学が国立大学法人になっているので、遠くに住んでいる教員を採用する必要があるのかという疑問はありますが。
教員も大学も、民間人を積極的に採用するなどして、認識を根本的なところから改めないといけないのではないかと思いますね。

大阪大学大学院教授が出張費9,200万円を不正受給していたことについて、どう思われましたか?


新日鉄住金から4億8,700万円詐取した元社員に懲役8年の判決!

2019年03月28日(木)

 このブログでも以前書きましたが、鋼材の原料になる鉄スクラップを業者から納入したとする架空の伝票を作成し、会社から代金計約48,700万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた新日鉄住金広畑製作所(兵庫県姫路市広畑区)の元社員の被告の男(43)の判決公判が、先日、神戸地裁姫路支部で開かれました。
長島寧子裁判官は懲役8年(求刑懲役10年)を言い渡しました。

判決によると、被告は2012年~2017年の間、兵庫県内の鉄くず販売業者の男3人とそれぞれ共謀の上、虚偽の伝票を作成し、新日鉄住金から業者の口座に約170回にわたって振り込み入金させ、計約48,700万円をだまし取りました。

長島裁判官は判決理由で、「社員である立場を利用したもので、事件に必要不可欠な役割だった」と指摘しました。
また、詐取金額や犯行が計5年以上の長期にわたることについて「共犯の業者と比較してもその責任は重い」と述べました。

事件発覚後、被告は新日鉄住金の調査に対し、「借金の返済やギャンブルなどに使った」などと説明していたそうです。
業者3人も詐欺罪で起訴され、2人は一審で懲役の実刑判決を受けました。
残る1人も同支部で審理が続いているようです。

本人に責任があるのは言うまでもないですが、こういうことが可能であった状態を作り出していた会社の責任も重いのではないかと思います。
内部統制の構築は、それに基づいて業務を行っていれば従業員の責任は問わないという従業員を守るものであるとともに、不正などを行ってもすぐバレるとかやるだけ無駄と思わせるようなけん制機能も重要だということを改めて感じた1件でした。
内部統制を構築するうえで、もう性善説は通じない世の中になっているのだということを認識しないといけないですね。

新日鉄住金から48,700万円詐取した元社員に懲役8年の判決が下されたことについて、どう思われましたか?


京葉銀行行員が2億円超着服!

 京葉銀行(千葉市)は、先日、定年後に再雇用した60代の男性行員が20011月~201811月、口座振替の事務手数料計約24,900万円を着服していたと発表しました。
20181226日付で懲戒解雇処分としており、千葉県警に業務上横領などの疑いで告訴する方針のようです。

京葉銀行によると、当時、手数料に関する事務の検査や監督を担っており、顧客から徴収した手数料を個人口座に移し、着服していたようです。

201812月、口座振替の伝票に不備が見つかり、内部調査して発覚しました。
既に千葉県警に被害を相談しており、今後、弁済を求めるそうです。

検査や監督をしていた方が着服していたということは、内部統制が機能していないということだと思いますし、着服した方を再雇用していたというのも恥ずかしい話ですね。
検査や監督をしていたから、これなら着服ができると思ったのでしょうが、もう少し、内部統制というものを重視してほしいですね。
銀行の評判を落としますし、個人は人生を棒に振ると思いますし、調査や顧客への説明にもそれなりにコストはかかりますので。

京葉銀行行員が2億円超着服していたことについて、どう思われましたか?


学校法人の制度改革で守りと攻めのガバナンス!

 文部科学省の学校法人制度改善検討小委員会が1月、「学校法人制度の改善方策について」の最終報告をまとめました。
大学問題に詳しく、委員として議論に参加したTMI総合法律事務所の大河原遼平弁護士は、報告が学校法人運営の健全性・透明性を促進する契機になればといっています。

学校法人制度改善検討小委員会は、私立学校を運営する「学校法人」の経営環境の悪化や一部法人の不祥事事案の発生等を受けて、学校法人制度の改善を検討するために設置されました。
1年余りの審議では、(1)ガバナンスの改善・強化、(2)情報公開の推進、(3)経営強化、(4)破綻処理手続きの明確化などを主な論点に議論を重ねてきました。
報告で特に重要なのが、ガバナンスの改善・強化です。
大多数の学校法人の経営陣は健全な運営を行っているはずですが、昨今、学校法人のガバナンスに疑念を生じさせかねない経営陣の不祥事が立て続けに明るみに出たこともあり、経営陣に対するチェック機能強化という観点、すなわち“守りのガバナンス”の強化が重要な課題となっています。
具体的には、理事の違法行為に対する差し止め請求権など監事権限の強化、役員(理事と監事)の責任の明確化、評議員会への諮問が必要な事項の増加、利益相反行為の対象の拡大などが提言されました。
提言を受けて、私立学校法の改正などガバナンス制度の強化が図られることになるでしょう。
もう一つのポイントは、中長期計画の策定の推進や、私立大学版ガバナンスコードの策定など、学校法人のさらなる成長・発展のための“攻めのガバナンス”的方策の提言です。

私立大学版ガバナンスコードは企業のコーポレートガバナンス・コードに倣いました。
大学の経営陣が、説明責任を果たしながらも過度に萎縮することなく積極経営を推進し、難局を乗り越えていくための重要な方策となり得るもので、これを策定する私学団体は今後の学校法人のガバナンスのあり方を形作る重要な役割を担うことになります。
これらの方策は私立学校の自主性を意識した自律的なガバナンスを志向しつつ、改革が著しく進む他の法人制度の最新動向も踏まえたもので、現在の議論の到達点として有意なものといえます。
ただし、課題も残っています。
制度をいくら構築しても、適任者がその仕組みを適切に動かさないと、絵に描いた餅に終わってしまいます。
経営陣へのチェック機能強化という今回の観点からすれば、特に外部理事・監事のなり手をどのように発見・育成するかという問題があります。
これには役員研修の充実はもちろん、人材供給の仕組み作りも必要となります。
役員の責任を明確化したことで、適任の人材が就任を避ける事態を招かないように、役員賠償責任保険の充実なども欠かせません。
役員選任の仕組みでも課題があります。
株式会社であれば、所有者である株主が役員を選任するというわかりやすい構図ですが、学校法人には所有者という概念がないのです。
そのため、現行法下の選任方法としては、理事は一定のルールはあるものの各学校法人の自由に委ねられており、監事は、(評議員会の同意が必要であるものの)理事長が選任することとなっています。
後者については、監査される側のトップである理事長が監査する側である監事を選任するという制度のままでは、監事の権限をいくら強化してもその効果は限定的と言わざるを得ません。
合理的な選任方法の確立が必要です。
学校法人と同様に財団法人に由来する社会福祉法人や財団型医療法人では、評議員会を意見具申のみを原則とする諮問機関から役員の選任や一定事項の議決を行う議決機関に位置付け、評議員と役職員との兼任を禁止する制度改正が行われました。
一方で、今回の報告では、学校法人の評議員会については議決機関化も兼任禁止も見送られました。
そのような状況を前提に、評議員会の役割や活用方法を改めて検証する必要があるでしょう。
少子化の進行で、学校法人を取り巻く環境が今後ますます悪化することを考えると、経営強化や破綻処理手続きの明確化も待ったなしです。
私立学校の多様性や伝統を維持するためには、撤退よりも連携・統合の道を模索することが基本となると思われますが、持ち分がなく非営利法人という特質ゆえに、これまであまり活発な動きはありませんでした。
今後は経営上の理由から連携・統合を模索する場合に、その実現が容易になるよう制度的な手当てが必要となります。
実務的には何よりも相手先とのマッチングが肝要です。
学校法人への補助金交付や融資、経営相談などを業とし、各学校法人の実情を熟知する日本私立学校振興・共済事業団の役割がますます重要となるでしょう。
撤退、特に破綻処理においては、学生保護のために円滑な転学を図る仕組みの構築という重要課題もありますが、学生の前納授業料の返還債権の優先順位など、法的に検討・解決すべき課題も少なくありません。
円滑な連携・統合・撤退に向け、財政措置も含むあるべき方策を早急に詰めることが求められます。
今後は私立学校の自主性を尊重しつつも、他の法人制度も踏まえながら、公共性を十分に満たし国民の信頼を得るに足りる仕組み作りが求められます。
何よりも学生が誇りを持って学校に通い、安心して勉学に取り組めるための土台作りとなるよう願っています。

ガバナンス改革は制度の見直しが議論の中心になりがちですが、両角亜希子東京大学准教授も指摘したように、大学経営の担い手をどのように発掘し、育成していくかが、重要なカギになるでしょう。
優れた学長や理事長人材を選ぶのは当然として、外部理事や監事など、経営をチェックして透明度を高める役割を期待される人材についても、その役割にふさわしい人材を起用できなければ、いくら制度をいじっても意味がありません。
外部人材の起用が、有力OBや元企業経営者の“名誉欲”を満たすお飾りになっている私立大学もあります。
大学経営に関わるには相応の覚悟と見識が必要でしょう。

せっかく改正するのであれば、効果のあるものにして欲しいですね。
少子化で、どんどん経営が厳しくなっている私学が多いでしょうから、ガバナンスをきかせて、教育機関として日本の未来を作ってほしいですね。

学校法人の制度改革による守りと攻めのガバナンスについて、どう思われましたか?


大和ハウス工業元営業所長に取引先から裏金4,000万円!

 大手住宅メーカー「大和ハウス工業」(大阪市北区)の東京本店環境エネルギー事業部の元営業所長(48)が東京国税局の税務調査を受け、取引先の太陽光発電関連会社「ハンセン・ジャパン」(東京都品川区)から裏金4千万円を受け取ったとして所得隠しを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
大和ハウス工業の社内調査では元営業所長の裏金授受は認定しませんでしたが、国税局は個人所得と認定し、コンサルティング料として計上していたハンセン社に対しても仮装・隠蔽を伴う所得隠しと認定しました。

関係者によると、大和ハウス工業が手がける千葉県内の太陽光発電所建設事業をめぐり、元営業所長は、2016年、ハンセン社側に太陽光パネルの納入取引を持ちかけ、見返りとして裏金を要求し、ハンセン社は要求に応じました。

元営業所長は、自身の妻が取締役を務めていたシンガポールの株式会社に8千万円を送金するよう指示し、ハンセン社は、2017年3月、この株式会社とコンサル契約を締結した上で2017年8月と10月に4千万円ずつ送金しました。
8千万円は元営業所長とハンセン社の副社長(35)で折半したそうです。

国税局は、この株式会社に実体がないと判断し、元営業所長の個人所得と認定し、重加算税を含む所得税約2,500万円を追徴課税しました。
ハンセン社はこの4千万円をコンサル料として計上したが国税局は交際費に当たると判断し、架空経費による所得隠しと認定しました。
経理ミスを含めた申告漏れを指摘し重加算税などを含めた法人税など約3千万を追徴課税し、いずれも修正申告に応じたもようです。

元営業所長は大和ハウス工業の社内調査後、2018年7月に自主退職しています。
大和ハウス工業は、産経新聞の取材に対し、「社内調査は適切に行ったという認識だったが、国税局の調査や課税処分が事実だとすれば残念だ」と回答しています。
ハンセン社は、「大企業との取引は実績になるとの思いから裏金の要求に応じてしまったのは不適切だった。今後はコンプライアンス(法令順守)を重視したい」としています。

バックマージンをもらっているケースは世の中に結構あるのかもしれませんが、当事者の親族の海外の会社を使うというのは珍しいような気はします。
バレないようにそうしたのだと思いますが、それほど甘くないですよね。
なかなかバックマージンに対する内部統制は難しいかもしれませんが、数年ごとに担当者を変えたり、複数社で見積もりを取るといったようなことをきちんとやっていかないと、今後も繰り返されるでしょうね。
まずは、教育というか人間性の問題かもしれませんが。
実際に、大和ハウス工業の社内調査では元営業所長の裏金授受は認定しませんでしたが、国税局は個人所得と認定したわけですから、発見は難しい反面、大和ハウス工業の社内調査が甘いということですよね。

大和ハウス工業元営業所長に取引先から裏金が4,000万円支払われていたことについて、どう思われましたか?


2億7,000万円の横領容疑で保育所元副園長を逮捕!

 大阪市城東区の社会福祉法人の運営資金約2億7,000万円を着服したとして、大阪府警は、先日、学園が運営する保育所の元副園長(56)を業務上横領容疑で逮捕したと発表しました。
「独立して社会福祉法人を立ち上げるため、学園の資金を先物取引につぎ込んだ」と供述しているようです。

大阪府警城東署によると、元副園長は、2013年4月~2016年1月に84回、学園の運営資金を自分名義の口座に振り込むなどし、計約2億7,000万円を着服した疑いがあります。
元副園長は当時、学園の資金や口座の管理を担っていました。
これまで少なくとも約5,800万円を弁済しているようです。

学園によると、運営費は大阪市からの委託費などでまかなわれていましたが、2014年度の監査で不正が発覚し、学園は2016年12月に元副園長を懲戒解雇としたようです。

ずいぶん前の事件なんですね。
こういう事件があるたびに、大企業以外も内部統制の構築が必要だと思いますね。
大企業ではないがゆえに、個人で何でもできるような状況になりがちですから。
個人的には、もっと『内部統制』の重要性を、世の中に浸透させていきたいですね。

2億7,000万円の横領容疑で保育所元副園長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


三重県松阪市の木材組合の経理主任が2億9,000万円を横領か?

 三重県松阪市の木材業者でつくる協同組合の経理主任の30代男性が、過去5年間で計29,400万円を横領していた疑いがあることが、組合関係者などへの取材で分かったようです。 組合は三重県警松阪署に相談しており、松阪署は業務上横領などの疑いで捜査を進めているようです。 関係者によると、組合は松阪市内で定期的に木材の市場を開催し、組合員の業者らが木材などを販売し、代金を組合がまとめて集めていました。 男性は2014年から組合の経理を1人で担当しており、回収した代金を実際の金額より少なく帳簿に計上し、差額を横領していた疑いがあるそうです。 横領は20189月中旬ごろ、男性の申告で発覚したといい、組合の調査で横領したとみられる額が計29,400万円と分かったようです。 関係者によると、この影響で組合は13,000万円程度の債務超過になりますが、今後、組合員で出資して解消する方針だそうです。 男性は組合に対し、「ほとんどをギャンブルに使った」と話しているようです。 組合は申告後、男性を懲戒解雇しました。 それなりの現預金が動く組織の場合、経理を1人に任せっきりというのは非常に危ないという典型例ですね。 特に、組合の場合、役員を持ち回りでやるようなケースが多く、役員の関与度が薄くなるため、危険度は高まりますね。 やはり、内部統制の構築は重要ということでしょう。 三重県松阪市の木材組合の経理主任が29,000万円を横領したことについて、どう思われましたか?


旭化成の元秘書が7,940万円を不正引き出し!

 社長の慶弔費を立て替えたように装って会社から不正に金を引き出したとして、旭化成が元社長秘書の女性(懲戒解雇)に7,940万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、先日、東京地裁でありました。 直江泰輝裁判官は不正があったと認め、全額の支払いを女性に命じました。

判決によると、女性は1997年から2011年まで社長秘書を務め、社長が使う交際費などの事務処理を担当していました。 旭化成は訴訟で、女性が2003年から2011年、社長の慶弔費を立て替えたように装って精算手続きを行い、7,940万円を自身の口座に振り込ませたと主張していました。

直江裁判官は判決理由で、当時の社長の日程記録には問題の立て替え分に対応する葬儀や祝い事のスケジュールがなく、社長から慶弔費支出の指示もなかったと指摘し、女性が精算書類を作成して上司に社長の指示があると誤信させ、口座に入金させていたと認定しました。

旭化成は「元社員の不正なので大変残念に思う。判決を確認していないので、それ以上のコメントは差し控える」としています。

社長関連となると、周りも遠慮して内部統制が機能しにくくなるんでしょうね。 かと言ってそれが許されるわけではなく、旭化成の内部統制の甘いところでしょう。 そもそも、個人に立て替えさせるというのは、立て替える人にも負担を与えますし、リスクも高くなりますから。

旭化成の元秘書が7,940万円を不正引き出ししたことについて、どう思われましたか?


京セラ元社員が1億円超の架空取引容疑で逮捕!

 電子部品大手の京セラ(京都府京都市)から架空の取引で約3,700万円をだまし取ったとして、神奈川県警は、先日、元社員(52)を詐欺の疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材でわかったようです。 神奈川県警は、被害総額は約12,600万円に上るとみて調べています。

 捜査関係者によると、元社員は同社事業所の経理責任者だった20129月、実在の取引先と実際に取引があったように装って取引先への支払い名目で約3,700万円を支出し、自らが開設した架空名義の口座に送金して詐取した疑いがあるようです。

別の社員が不自然な取引に気づき、同社は20177月に社内調査を始め、同8月に元社員を懲戒解雇としました。

 20182月には、20129月以降4回にわたり計約12,600万円を着服したとして、業務上横領容疑で刑事告訴していました。 元社員は調査に事実関係を認め、「住宅ローンの返済や遊興費などに充てた」と説明しています。 これまでに約6千万円を弁済したそうです。

元社員の逮捕について「京セラ」は、「従業員へのコンプライアンスを徹底し、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。

京セラでもこのようなことが起こるんですね。 財務部門と経理部門を分けるのは、内部統制の基本だと思いますが。 改めて、内部統制の重要性を感じました。

京セラ元社員が1億円超の架空取引容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


医療法人で議事録を偽装か?

 東海・関東地域で医療機関を展開する医療法人グループ(本部・愛知県名古屋市)が、重要な議題を決める社員総会や理事会を開いていないのに議事録を偽装して作っていたと、元職員が愛知県に告発していたことがわかったようです。
法人を監督する県に対して毎年度、こうした理事会などが開催されたとして報告していたそうです。
愛知県は、先日、この医療法人グループに立ち入り調査に入りました。

医療法は経営の透明化を目的に、医療法人に各年度ごとの事業報告書を都道府県に提出することを求めています。
報告書には議事録をもとに、理事会などの開催日や決められた議案の一覧が記載されます。 虚偽の報告をすれば、20万円以下の行政罰が科されます。

この医療法人グループは、複数の法人で構成されています。 告発内容などによると、各法人は少なくとも20173月以前、理事会などの議事録の作成をグループ本部の総務部にメールなどで依頼していたそうです。
あるメールには「手形借入をしますので、下記内容の議事録をご準備頂けますでしょうか」と書かれ、銀行からの借り入れ条件や金額などが記されていました。

総務部の担当者は、そうした内容に沿って議案を作ったり、前年度のものをコピーしたりして議事録を作っていたとしています。
開催日や時間は出席者のスケジュールを確認して不都合がない日時を設定したり、議事録を受け取った法人側が入力したりしていたそうです。

こうして作られた議事録には、銀行からの借り入れのほか、事業計画や予算の承認、幹部の解任などの議決が記されていました。

この医療法人グループは、これまでの朝日新聞の取材に対し、「実質上の審議・議決により対応していた。各理事・社員・評議員から異議はなく、実質的には手続き的に問題なく運用されている。(現在は)取り扱いをさらに厳正化し、理事会・社員総会・評議員会を開催し、より適正化に努めている」と回答しています。

愛知県医務課の担当者は、先日、「内容が事実であれば、医療法人運営に問題があり、指導・処分の対象となりうる」と話しています。

この医療法人グループをめぐっては、2014年の衆院選の際に、国土交通政務官(自民党)や元厚生労働政務官(国民民主党)の選挙運動に勤務中の職員を派遣していたことがわかっています。

これだけ世の中に、理事会などの承認を経ずに金融機関から借り入れを行い、問題となっているケースがたくさんある中で、このような運営ではダメでしょうね。
決算書を見れば借り入れとかには気づくと思いますが、理事とかに、異論を唱える人はいなかったのでしょうか?
そもそも決算書すら見せられていなかったのでしょうか?
役員などの責任についても、自覚してほしいですね。

医療法人で議事録が偽装されていたことについて、どう思われましたか?


56歳女性が横領した資金でルイ・ヴィトンを2億円“爆買い”!

2018年11月26日(月)

週刊文春によると、先日、神戸地検特別刑事部は、300万円を着服したとして土木工事請負会社(兵庫県三木市)の元取締役(56)を業務上横領の疑いで逮捕したようです。 起訴された日には、金融機関から計2,550万円を引き出し、着服した疑いで再逮捕されました。

元取締役は2018年2月に離婚しましたが、犯行当時は別の名字で、土木工事請負会社で経理を担当していたようです。 土木工事請負会社の社長は週刊文春の取材に対し、「実際の被害額は3億円以上のはず」と憤っています。

横領が発覚したのは、2017年12月です。 調査の過程で関係者が目を疑ったのは、元取締役が購入したブランド品の点数と金額だったようです。 2003年頃から計812点、総額は実に2億円以上です。

とりわけ元取締役が愛したのはルイ・ヴィトンでした。 その購入履歴からは、毎月のようにバッグや時計、服などを数十万円~数百万円単位で買っていたことが読み取れます。

たとえば、2017年9月17日にはハンドバッグ「ミラリス」117万円など8点、計176万円分を購入し、その6日後にハンドバッグ「カプシーヌ」318万円など12点、計697万円、10月21日にはダイヤをちりばめた腕時計「タンブール」298万円など14点、計507万円を購入しています。 タンブールは2015年11月(249万円)、2016年1月(313万円)、2016年11月(398万円)などにも購入しており、中国人富裕層も顔負けの“爆買い”ぶりだったようです。

「彼女の月収は50万円程度。あんな買い物できる筈がない」と土木工事請負会社役員は言っているようです。

また彼女は、不倫相手との逢い引き用に、一軒家まで購入していました。

このような事件が起こるたびにいつも思いますが、3億円も横領されていて気づかないのかと思いますね。 経理というのは少し特殊な部門だとは思いますが、特定の人に任せっぱなしというのは非常に危険ですので、数年ごとにローテーションしたり、経理担当者と財務担当者を分けたりすることが必要でしょうね、 改めて、企業の規模を問わず、内部統制の構築は重要ということを再認識した1件でした。

56歳女性が横領した資金でルイ・ヴィトンを2億円“爆買い”していたことについて、どう思われましたか?


ファミマ元社員がコンビニ賃料を詐取か?

 コンビニ大手、ファミリーマートの元社員らが、出店予定地の賃貸借契約をめぐり、ファミリーマートに対して「土地の所有者との直接取引はできない」などとうその報告をあげ、仲介を装う不動産会社を通じて賃料およそ8,000万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで逮捕されました。 逮捕されたのは、ファミリーマートの元社員2人ら3人です。

警察の調べによると、元社員らは、ファミリーマートの社員だった2012年、新規に出店する予定の福岡県内の土地の賃貸借契約をめぐり、「土地の所有者との直接取引はできない」などとうその報告をあげて仲介を装う不動産会社が介在する賃貸借契約を結ばせ、月120万円、およそ8,000万円の賃料をファミリーマートからだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。

2017年、ファミリーマートの内部調査で発覚し、会社からの被害届けを受けて警察が捜査を進めていました。 警察は3人の認否を明らかにしていません。

これまでの調べによると、当時、元社員2人は、福岡県などの新規の出店予定地を探したり確保したりする業務を担当していたということです。

九州のファミリーマートの店舗の中には同じ不動産会社を介在させた物件が複数あることから、警察は、これらの物件の契約なども詳しく調べることにしているようです。

これって、バレないと思ってやっているのでしょうか? コンビニは毎年かなりの数の出店をしているでしょうから契約についてはかなりのノウハウがあるでしょうし、契約期間は長いでしょうから、いつかは分かるような気はしますが。

ファミマ元社員がコンビニ賃料を詐取していたことについて、どう思われましたか?


逮捕されたセブン&アイ・ホールディングス系の元社員が着服を認める供述!

 セブン&アイ・ホールディングス系列のネット通販会社の元社員の男が警視庁に詐欺容疑などで逮捕された事件で、男が容疑を認めていることが、先日、警視庁への取材で分かったようです。 警視庁は、男が会社資金の着服を繰り返し、総額で少なくとも約2,500万円に上るとみて調べています。

逮捕されたのは「セブンネットショッピング」(東京都千代田区)の元経理担当社員(50)です。 警視庁捜査2課によると、「間違いありません」と容疑を認めているそうです。

逮捕容疑は20168月から9月、会社の印鑑を無断で使用して払戻書類を作成し、銀行に提出し、複数回にわたり会社の口座から計約360万円を引き出し、だまし取った疑いです。 着服した金は生活費に充てていたようです。

セブン&アイ・ホールディングスによると、監査で不正が発覚し、201711月に元経理担当社員を懲戒解雇しました。 セブン&アイ・ホールディングスは、「子会社でこのような事件が発生したことは誠に遺憾。再発防止の徹底に努めていく」とコメントしています。

この社員の役職などは分かりませんが、会社の印鑑を無断で使用しているので、内部統制に不備があったのは間違いないですね。 よくある大企業の子会社での不正事件ですね。 親会社からの出向者や兼務の方とプロパーの入り混じっている会社は、遠慮しあったり、形式的な管理職であったりして、内部統制が機能しないのかもしれませんね。 『監査』が『内部監査』なのか『外部監査』なのかはよく分かりませんが、何度も言っているように、内部統制をきちんと整備・運用しないと、従業員も会社も不幸になりますので、きちんと整備しましょうね。 これは、大企業に限ったことではありませんので。

逮捕されたセブン&アイ・ホールディングス系の元社員が着服を認める供述をしていることについて、どう思われましたか?


竹中工務店の元社員が下請け使い架空請求の疑いで逮捕!

 下請け会社に架空の工事代金を請求させ、大手ゼネコン竹中工務店(大阪市)から現金約145万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は、先日、詐欺の疑いで、元社員(68)を逮捕しました。 元社員は、「だまし取ろうという気持ちはなかった」と容疑を否認しているそうです。

大阪府警捜査2課によると、元社員は、同様の手口などで約1億円を竹中工務店から詐取したとみられます。

逮捕容疑は、徳島県内の竹中工務店作業所で勤務していた20141月から4月に、架空の工事を協力会社に発注して請求書を提出させ、竹中工務店から協力会社名義の銀行口座に振り込ませた代金約145万円をだまし取った疑いです。

大阪府警捜査2課は、口座記録などから、使途は借金返済やギャンブルとみており、同様の手口を繰り返していた疑いがあるようです。

竹中工務店によると、外部から指摘を受け、社内調査を実施したところ、元社員が不正を認めたそうです。 広報担当者は「再発防止に努める」と話しています。

よくありそうな事件ですね。 下請け会社との力関係の改善や、セネコンの社員はもちろんのこと、下請け企業のコンプライアンス意識の向上も図らないとはいけないと思いますが、「再発防止に努める」という中身のないコメントではなく、どうやるかを示してほしいですね。 そうしないと、同じことが何度も繰り返されるような気がします。

竹中工務店の元社員が下請け使い架空請求の疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


元JTB社員が「51人から24億円」の詐欺で逮捕!

 FRIDAYによると、近年稀に見る巨額詐欺事件の犯人が、先日、栃木県警に逮捕されたようです。 2010年頃から約6年にわたり詐欺に手を染め、多額のカネを詐取した元JTB社員(49)は、犯行当時、大手旅行会社JTBの完全子会社である「JTB関東」の社員でした。 元JTB社員はJTBの別の子会社を経て、JTB関東に2006年の設立時から在籍し、栃木県足利市や群馬県高崎市の支店に勤務していました。

1,000万円近いカネを騙し取られた被害者が、その手口を証言しています。 「私が●●と知り合ったのは、2011年の8月でした。知人から、『JTBの社員でいろんな業界に顔の広い人がいるから、会ってみたら』と言われて。私は自営業をやっているので、仕事に繋がるかもと思って会いました。後でわかったことですが、紹介してくれたその知人もすでに●●の被害にあっていたみたいです」 東北出身の朴訥で真面目な人物、それが、元JTB社員の第一印象だったようです。 しかしながら、そんなイメージとは裏腹に、元JTB社員は初対面から詐欺を仕掛けてきたそうです。 「『JTBの外貨両替に申し込みませんか』と言ってきました。『JTBを通じて円をドルに替えると、手数料の4%がもらえるんです』と熱心にプレゼンしてきたようです。 仮に1,000万円申し込んだとすれば、3か月に一度40万円をもらえて、希望すればいつでも元本も返してくれる、というものでした」 なぜ両替して手数料をもらえるのか疑問だったそうですが、「預かったカネをJTBが運用する。JTBだからできるサービス」という元JTB社員の言葉を信用し、後日、被害者は100万円をわたしてしまったそうです。 「カネは●●個人ではなく、JTBに預けた気持ちでいました。というのも、●●と会った後に検索したら、『外貨両替サービス』というビジネスを確かにJTBはやっていたんです。その後は、『ノルマが厳しい』などと●●に言われるたびにカネを払い、結局1,000万円近いカネをわたしてしまいました」 狡猾にも元JTB社員は、実際にあるJTBのサービス名を出しただけでなく、会社が作成したパンフレットまで見せた上、社名入りの領収書まで手渡して被害者から信用を得ていたそうです。 そして、極めつけには、自分がいかに手堅く儲けているかを証明するため、5,000万円以上はあろうかという大量の札束を見せることまであったようです。

こうして50人以上から大金を荒稼ぎした元JTB社員ですが、「手数料」の振り込みは次第に滞るようになり、2016年頃から連絡もつかなくなったようです。 被害者のなかには、JTBに直接乗り込んで、「●●を出せ」と迫る者もあり、露見を怖れた元JTB社員は少しでも罪を軽くしようと思ったのか、20167月に足利署に自首し、その直後に、JTBも懲戒解雇されました。 被害者が多数にのぼったため捜査は慎重に行われ、このたびようやく逮捕となったようです。 被害者31人の代理人を務める弁護士が言っています。 「5,500万円もの被害にあった方もおり、●●に対しては、民事でも損害賠償を求めて提訴しています。判決はすでに昨年428日に出ており、41,400万円の支払い命令が下されていますが、●●はいまだ一銭たりとも払っていません。●●が社名入りの名刺や領収書を使用していたことから、JTBが詐欺行為を認識していなかったとは考えにくいし、知らなかったとしても違法行為を止めるべき責任はあった。我々は今後も、JTBの使用者責任を追及していきます」

24億円も騙し取っておきながら、カネが返せないのは驚きですが、元JTB社員はいったい何に使っていたのでしょうか? 今回の事件に詳しい、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストが語っています。 「20137月に栃木県足利市内に277㎡の豪邸を購入し、4台のベンツとレクサスを乗り回していた。また、稼いだカネでカジノにも行っていました。マカオにも行っていたようですが、特に気に入っていたのは韓国。ソウルや釜山のカジノで一晩に1,000万円以上を使い、総額では間違いなく数億円のカネを失っています。韓国へ渡航する際には、カジノ側がビジネスクラスの航空券やホテルのスイートルームを用意していたようですから、相当のVIPだったんでしょう」 2016年に自首して以降の2年間、自宅も差し押さえられた元JTB社員は、転居を重ね、バイトをしながら細々と生活をしてきたそうです。 しかしながら、警察はまだ多額のカネを隠し持っていると見て、いまも捜査を進めているようです。

金額的にすごいですね。 この手の事件を目にするたびに、これだけのことができる話術があるのであれば、普通に商売していれば、かなり稼げる人なのではないのかぁと思ってしまいます。 JTBが気づいていたかどうかは分かりませんが、領収書に関しては内部統制上も管理は大事なポイントだと思いますし、お金を預かるようなものについては、他の部署の人が本人にきちんと確認するような仕組みを作っておかないと危険でしょうね。

JTB社員が「51人から24億円」の詐欺で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


架空取引による詐取疑いで新日鉄住金元社員ら3人を逮捕!

2018年09月07日(金)

鋼材の原料となる鉄くずを納入したように装い、新日鉄住金広畑製鉄所(兵庫県姫路市)から計約700万円をだまし取ったとして、兵庫県警捜査2課は、先日、新日鉄住金広畑製鉄所元社員(43)と、鉄くず業者の男2人を逮捕したと発表しました。

同様の架空取引による被害額は平成23年以降で約5億円に上るといい、新日鉄住金は2018年2月に元社員を懲戒免職とし、詐欺罪で刑事告訴していました。

兵庫県警によると、新日鉄住金広畑製鉄所の原料調達担当だった元社員が、逮捕された男2人と示し合わせ、鉄くずの納入を記した架空伝票を作成していたことが、社内調査で平成29年夏ごろに発覚したようです。 新日鉄住金は鉄くずの納入を受けていませんでしたが、10年以上前から別の業者を通じて男2人に代金を支払い、元社員も分配を受けていました。

逮捕容疑は共謀し、平成27年7月~11月に、鉄くずの架空取引で新日鉄住金に代金計約770万円を支払わせ、詐取したとしています。

上場企業にしては、内部統制が甘いという印象ですね。 調達担当は、数年ごとに変えないと危ないと思います。 内部統制をきちんと構築しないと、会社も信用を失い、不幸になる従業員を出してしまうという典型例のような気がします。 従業員が不正に手を染めるのを防ぐのも、会社の責任だと思います。

架空取引による詐取疑いで新日鉄住金元社員ら3人が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


労働金庫の職員が1億6,000万円を着服!

 北海道労働金庫(札幌市)は、先日、帯広支店で出納業務を担当していた20代の男性職員が現金計約16,000万円を着服していたと発表しました。
 男性職員は、発覚翌日に死亡しているのが見つかったようです。
 北海道労働金庫によると、男性職員は20174月から201886日までの間に、現金自動預払機(ATM)などで使う現金を出し入れする機器から、複数回にわたって現金を着服したそうです。
 201887日に別の職員が機器内の現金を確認し、着服が発覚したようです。
 男性は発覚直後に所在不明となり、201888日に帯広市近郊で死亡しているのが見つかったようです。
 北海道労働金庫は、事件性はないとして死亡の詳しい経緯を明らかにしていません。
 北海道労働金庫は管理責任を問い、理事長や役員、当時の上司らを処分する方針です。
 内部統制の不備がまねいた悲劇だとしか思えません。
 人間ですから、大金を目にすると、横領しようという意思が働くことは否定できません。
 この辺りを防ぐ仕組みを作り、会社や従業員を守るのが内部統制です。
 経営者はもっと内部統制の重要性を認識してほしいですね。
 この辺りは、会社が小さいからとか、人が足りないからというのは言い訳にならないと思います。
 北海道労働金庫の職員が16,000万円を着服したことについて、どう思われましたか?

ヤマト運輸の不正・懲戒の実態!

 ヤマト運輸で起きた不正行為や犯罪、事件・事故に対する懲戒事案をまとめた「懲戒委員会審査決定事項について」という社外秘資料を、週刊ダイヤモンドは独自入手したようです。
 ヤマト運輸は、2017年の大規模な違法労働問題に続き、20187月には法人向け引っ越し事業の全国的な過大請求が判明しましたが、本丸の宅急便事業ではどのようなコンプライアンス体制を敷いているのでしょうか?
 「懲戒」と赤文字で大きく書かれた表紙で、中をめくると「交通事故を隠蔽していた」「代金の着服を行った」など物々しい文面が幾つも並んでいるようです。
 これは宅配便最大手のヤマト運輸で起きた不正行為や犯罪、事件・事故に対する懲戒事案をまとめた「懲戒委員会審査決定事項について」という社外秘資料、通称「赤社報」だそうです。
 週刊ダイヤモンドはヤマト運輸関係者から、2017413日付の第432回分から20171222日付の第440回分までの赤社報を入手したようです。
 なお、ヤマト運輸に対して資料の確認と幾つかの質問をしたところ、ヤマト運輸は「コメントは控える」と回答し、否定はしなかったそうです。
 その数、9か月間で総計203件です。
 資料を提供した関係者は、「お客さまから運賃や代引き手数料を頂きながら、不正に着服する行為が全国的に多い。飲酒運転などで逮捕される事案も毎月のように発生している」と深刻さを訴えているようです。
 そして「これは宅急便事業のみの不祥事で、グループ全体では驚くほどの件数になる」そうです。
 まるでそれを裏付けるかのような問題が起きています。
 20187月、引っ越し事業を行うグループ会社のヤマトホームコンビニエンス(YHC)が過去2年間にわたり、法人客2,640社に総額17億円を過大請求していたことが判明したのです。
 「顧客から信頼を頂いているクロネコブランドとして、あってはいけないこと」と、ヤマトホールディングスの山内雅喜社長は記者会見の席で謝罪を繰り返し、「組織的に指示したことはない」と弁明しました。
 しかしながら、全国の事業所の9割近くで過大請求が見つかっており、全社的に不正が横行していたのは明らかです。
 会見の数日後に過大請求額を過去5年間で総額31億円に訂正するなど、その全容は計り知れず、先日、国土交通省がYHC本社に立ち入り検査を行う異例の事態となっています。
 ヤマト運輸は2017年、本丸の宅急便事業で230億円もの未払い残業代が発覚し、働き方改革に取り組んでいる真っ最中です。
 にもかかわらず、またもコンプライアンス(法令・社会的規範の順守)違反が露呈しました。
 いったいヤマト運輸のコンプライアンス体制はどうなっているのでしょうか?
 その実態を垣間見ることができるのが、冒頭の赤社報なのです。
 衝撃的な事案が並ぶ中でもひときわ目を引くのが、首都圏のあるセンターで起きたコレクト商品(通信販売などの代金引換商品)の代金の着服です。
 約1年間で353件、総額7,652392円を、ドライバーが「遊興費欲しさから」着服したと記してあります。
 それはどんな手口なのでしょうか?
 複数の関係者に取材すると、通称「コレクトの回し」と呼ばれるもので着服の「常とう手段」だそうです。
 具体的にはこうです。
 ヤマト運輸の各センターでは毎日、全ての荷物をドライバーが持つ携帯端末とそれにひも付く基幹システムで管理しているのですが、ドライバーがコレクト商品を「持ち出し」(配達)の入力をしないで客に届け、回収した代金を着服したり、または、配達は完了して代金を回収していますが、端末には持ち戻り(不在)で入力し、代金は懐に入れます。
 こうした不正を繰り返すのがコレクトの回しで、そのトータルが353件、7,652万円に上ったとみられます。
 しかしながら、こうした行為を防ぐために一応は「牽制管理システム」があります。
 コレクト商品の配達状況をチェックし、何日も持ち戻りが続いたり、センターに入金がなかったりするとアラートが出る仕組みです。
 通常は荷物や金が行方不明になれば事務員や早朝アシストと呼ばれる荷物の仕分け作業員、あるいは別のドライバーが気付いて捜索が始ります。
 ところが、幾つかの「抜け穴」があり、周囲に気付かれないことも現実にはあるようです。
 「この場合は当該ドライバーが他の人にチェックをさせなかったり、休みの前日に着服分を幾らか入金したりして、ばれないようにしていたのだろう」(関係者)。
 平均すると1件につき約20万円の高額商品を1年も「回し」続けたことになり、当該センターは相当ずさんな管理体制だったと推測されます。
 取材中、9か月間で203件の懲戒事案数に対して、「マンモス企業だから仕方ない」という関係者の声もあったようです。
 何しろ、ヤマト運輸は全国に6,000の営業拠点を抱え、従業員数は20万人超であり、件数と従業員数の割合で測れば、一般的水準という意味だそうです。
 だからといって、ヤマト運輸も不正を野放図に放置しているわけではなく、仕組みは整備しています。
 まず、コレクト回しの荷物に対して、「届いた商品が壊れている」と客からのクレームが入れば、システム上では「届いているはずのない荷物」として判明するようになっています。
 さらに、大きいのが社内監査です(監査に関する質問もヤマト運輸から回答を得られなかったため、記事では現場社員の証言を基に述べています)。
 監査には幾つかパターンがあるようです。
 ざっくり言えば本社の監査部が年に1回程度実施する“本監査”と、その前に主管支店が実施する“主管監査”があります。
 本監査はより厳密な監査を行うために、当該センターが所属する管轄以外の、遠く離れた別のエリアの監査人を派遣する場合もあるようです。
 他方、ヤマトで古株社員を中心に語り継がれるのが警察OBなど“プロ”が集う特別調査部隊で、特に悪質な不正を担当する通称「マザーキャッツ」の存在です。
 クロネコに引っ掛けて、母猫が目を光らせる様子からその名が付いたもようで、「組織図にも載せていない秘密組織」とうわさされています。
 実際は、マザーキャッツ課は10年以上前に「品質監理課」に名称が変更されているし、監査部は組織図上に示されています。
 しかも、2017年春からは働き方改革の一環で、監査部は社長直轄に切り替わり、より表に出てきています。
 つまり、現場で語り継がれるマザーキャッツは“都市伝説”に近いものとなっています。
 ただし、それだけ現場社員にとって監査部隊は、謎のベールに包まれ、恐れ多い存在なのです。
 加えて赤社報そのものが不正防止に役立っているようです。
 全国のセンターに配布され、正社員・契約社員だけでなく末端のパート・アルバイトも回覧し確認のサインをすることから「全社全員で情報を共有する赤社報はコンプラ違反の抑止力になっている」と評されているようです。
 このように、仕組みや抑止力は二重三重に張り巡らされていて、社員もそれを認知し恐れているようです。
 ところが、社歴20年超のベテランドライバーは「多い、少ないじゃなくて、“懲りない”だ」と明かしています。
 「赤社報を初めて見たときから着服、暴力、事故隠蔽はずっと掲載されていて、何ら変わっていない」(同)といいます。
 まっとうな仕組みにもかかわらず、不正が繰り返される原因は仕組みを動かす“人”にありそうです。
 冒頭の関係者は「結局、本社の経営陣が真に有効な手を打っていない。全従業員に対するコンプライアンス研修すらない」と憤っています。
 不正の発生に対して本社や支社の幹部が責任を取ることはまれで、当事者と、場合によっては併せてその現場の上司(センター長やエリア支店長)、あるいはせいぜい主管支店長が軽い懲戒を受ける程度だそうです。
 宅急便は地域に根差した業務の性質上、本社や支社から事細かに指示を出すというよりも、現場に裁量を与える「現場主義」です。
 この方針は時に「現場任せ」となり、不祥事の責任も現場に“丸投げ”する構造で、改善されません。
 他方、現場からは「人手不足で誰彼構わず採用したせいで、人材の質が低下しているのが原因だ」(中堅ドライバー)、「昔は先輩から後輩へ指導する過程で、仕事に対するモラルも自然と伝わっていたと思う。しかし今は目の前の業務に手いっぱいで余裕がない」(前出のベテランドライバー)との声があがっています。
 要するにネット通販の荷物の急増に端を発した労働過多が、現場のモラル低下を招いているといいます。
 最後に、大多数の従業員は真面目に業務を遂行していることを強調しています。
 週刊ダイヤモンドの調査では「サービスの質が高い配送業者」として8割弱の利用者が「ヤマト」と答えています。
 消費者からの絶大な信頼を裏切らないためにも、引っ越し事業、宅急便事業を問わず、ヤマト運輸はグループ総出で企業倫理の在り方を見直すべきでしょう。
 従業員の数からして多い、少ないという議論は別にして、数多くの不祥事が起こっているのは事実だと思います。
 やはり、いつの時代も現金を扱うということは横領のリスクが伴うと思いますので、現金を扱うケースを極力減らすということが、不祥事を減らすためには有効な手法の一つだとは思いますね。
 ヤマト運輸の不正・懲戒の実態について、どう思われましたか?

スルガ銀行の行員が顧客の預金1億6,500万円を無断解約して流用!

 スルガ銀行(静岡県沼津市)は、先日、顧客の定期預金約16,500万円を無断で解約して融資に流用したとして、本店営業部の男性行員(40)を懲戒解雇処分にしたと発表しました。

スルガ銀行によると、この行員は、20154月~20186月に、顧客3人の定期預金を無断で解約し、大部分を自分が担当する取引先への融資金に流用していたそうです。 預金の解約通知を受け取った客から相談があり、社内調査で発覚したようです。

男性行員は主に静岡県東部の法人や個人事業主への融資を担当しており、部長、副部長に次ぐ「チーフマネジャー」でした。 社内調査に対し、「自分のミスで融資を継続できなくなった穴を埋めようとした」という趣旨の説明をしているようです。

定期預金の解約には印鑑や通帳、本人確認証が必要で、融資決定には店長や審査部の決裁がいるが、不正の手口についてスルガ銀行は「お答えできない」としているようです。

スルガ銀行は不祥事続きですね。 今回のケースは、私的流用ではなく、他の貸付に回していたケースだと思いますが、どこの金融機関でもあるのでしょうが、担当者と会社との間では、融資はできそうという話になっていたにもかかわらず、本部の審査でダメになったり、時期が間に合わなかったりするケースは、それなりにあるのではないかと思います。 担当者にもノルマがあるのでしょうが、安易に貸せそうですと言わないようにしないと、金融機関の信用や自分の将来を失いかねませんので、慎重に対応してほしいですね。 融資というものは、場合によっては、会社の死活問題に関わることですので。

スルガ銀行の行員が顧客の預金16,500万円を無断解約して流用していたことについて、どう思われましたか?


サッカーJ1の清水エスパルスの経理担当者が6,700万円を着服!

 清水エスパルスで、不祥事が発覚したようです。
 清水エスパルスは、先日、元出向社員による売上金などの不正私的流用について発表しました。
 経理担当の30代男性がチケット代やスポンサーからの協賛金などから約6,700万円を着服し、高級国産車や高級腕時計の物品購入や遊興費、貯蓄にあてていたことが判明したようです。
 着服は73日に見つかり、調査を開始し、当該元出向社員は731日付で懲戒解雇されました。
 清水エスパルスの左伴(ひだりとも)繁雄社長は静岡市内で会見を開き、謝罪した上で経緯を説明しました。
 「現金出納を含む経理業務を1人に任せていたことが全ての原因です。チェックも不十分で、管理監督責任もあります」。
 左伴社長は、月額報酬の30%を3か月間減額するそうです。
 取材によると、横領した30代男性はクラブスポンサーの関連会社から出向していたようです。
 2011年から経理担当となり、翌2012年頃から6年間にわたって着服していました。
 20185月末に出向元へ帰任しましたが、新たな経理担当者が会計システム上の帳簿に不可解な点があったことを指摘し、社内調査を行った上で本人に確認し認めたそうです。
 既に当該元出向社員から約3,000万円が弁済されており、今後全額返済される見込みのため、刑事告訴は見送られるようです。
 過去には、2013年にJ!東京の経理担当部長が、総額約2,300万円の会社経費を私的流用し、2016年にはJ3盛岡の平川智也元副社長が約3,600万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われました。
 清水は対応策として業務上の手続きでダブルチェックを徹底することと、定期的な人事ローテーションなどを挙げました。
 Jリーグはそこそこ不祥事が多いですね。
 やはり経営が厳しいところが多く、管理部門の人員が不足していたりするのでしょうが、かなりの金額が動くでしょうし、スポンサー収入がそれなりに重要性が高いため、信用ということも大事でしょうから、内部統制の構築がかかせないと思いますね。
 これだけJリーグで不祥事が起こっているわけですから、他社のことだと思わず、真摯に内部統制の構築に取り組んでほしいですね。
 そうしないと、お金を出す方も出しにくいですよね。
 サッカーJ1の清水エスパルスの経理担当者が6,700万円を着服していたことについて、どう思われましたか?

ゲーム課金の支払いなどのために770万円を横領した文部科学省職員を懲戒免職!

 文部科学省は、先日、課長補佐級の40代の男性職員が京都教育大に出向していた際を中心に、学生の保護者から集めた約770万円を横領したとして、同日付で懲戒免職処分にしました。

 文部科学省の調査に対し、職員は「スマートフォンゲームの課金の支払いなどに充てた」と説明しているそうです。 職員が全額を弁済したため、京都教育大は刑事告訴しない方針のようです。

文部科学省によると、この職員は20154月から20183月まで京都教育大に出向していました。 学生の課外活動や海外留学の補助をするために保護者が納めた、教育後援会費を管理しており、201510月ごろから20187月上旬に発覚するまで横領を続けたそうです。 このうち約46万円は、20184月に文部科学省に異動後に横領していました。

職員は「引き継ぎ資料ができていない」として通帳などを後任に渡さなかったため、20187月上旬に大学が口座の取引記録などを調べ、不正が発覚しました。 調査委員会を設置して本人に確認したところ、横領を認めたそうです。 調査に対し職員は、「スマホゲームの課金の支払いや、プレミアが付いた中古のプラモデルなどを買うのに使った。迷惑をかけて申し訳ない」と話したそうです。

最近、省庁の役人による不祥事が続いていますね。 監督官庁でもあるわけですから、省庁挙げて、根本的なところから教育に努めてほしいですね。 このような事件を見るたびに、省庁が権限を持たないように再編をするとともに、省庁や公務員の抜本的な改革が必要な時期に来ているのでないかと思いますね。

ゲーム課金の支払いなどのために770万円を横領した文部科学省職員が懲戒免職されたことについて、どう思われましたか?


ヤマトホームコンビニエンスが過大請求を社外指摘まで放置!

 毎日新聞によると、2017年、従業員への残業代未払いが発覚した宅配便大手ヤマトホールディングス(HD)でまた、不祥事が明らかになりました。
 傘下の引っ越し会社(YHC)が、法人向け引っ越し事業の4割で料金を過大に請求していたことが判明しました。
 社外からの指摘で発覚するまで長年、過大請求が放置されてきたとみられ、ずさんな管理体制が浮き彫りとなりました。
 「顧客から信頼を頂いている黒猫ブランドとして、あってはいけないことと重く受け止めている」と、ヤマトHDの山内雅喜社長は、先日の記者会見で謝罪を繰り返しました。
 ヤマトHDの社内調査では、データが照合できる20165月~20186月の22か月間で、法人顧客に対し料金を不適切に請求した件数は2,640社、約48,000件に及び、過大請求額は約17億円に達しました。
 過大請求は全国11の統括支店のすべてで行われていたようです。
 会見で記者団から「組織ぐるみでは?」と問われた山内社長は、「組織として指示したことはない」と否定しつつも、「結果としてこうなったことは厳粛に受け止めている」と語っています。
 ヤマトHDによると、2011年に内部告発で過大請求の指摘があり、当時、社内調査を行い対処したそうです。
 しかしながら、「全国的な問題との認識に至らなかった」(山内社長)といい、全社的な調査は行いませんでした。
 今回も報道機関からの問い合わせを受けた調査で発覚しており、過大請求は長年見過ごされてきたとみられます。
 YHC20183月期の営業利益は52,200万円で、過大請求分を差し引くと赤字に陥っていた可能性があります。
 会見では、記者団から「業績をよく見せかけようとしたのでは?」など動機を尋ねる質問が相次いだが、山内社長は「外部専門家による調査委員会の調査で究明したい」と述べるにとどまりました。
 ヤマトHDでは2017年、宅配便子会社のヤマト運輸でドライバーに対する大規模な残業代の未払いが発覚し、未払残業代の支払いに追い込まれるとともに、人手不足による長時間労働が背景にあるとして、ドライバーの増員に加えて宅配便の値上げを実施しました。
 山内社長は「昨年度、料金改定など顧客にいろいろと理解、ご協力いただいていた中でこうした事態を起こしてしまった。申し訳ないと思っている」と陳謝しましたが、相次ぐ不祥事で社内の管理体制のあり方が厳しく問われそうです。
 別の報道によると、意図的に過大請求していたと証言している元支店長の方もおられるようですね。
 あってはならないことをしている会社ですね。
 色々な既成概念を打ち破って、様々なサービスを拡大してきた業界のリーダーですので、コンプライアンスとかモラルの面でも、業界のリーダーであってほしいですね。
 ヤマトホームコンビニエンスが過大請求を社外指摘まで放置していたことについて、どう思われましたか?

金融庁が細野氏へ5千万円提供したJC証券の登録取り消し!

 細野豪志元環境相(無所属)に201710月の衆院選期間中に5千万円を提供していた証券会社「JC証券」(東京都港区)について、金融庁は、先日、法令を守ったり経営を管理したりする態勢が機能していないとして、証券会社としての登録を取り消したと発表しました。
 関係者によると、細野氏への資金提供をめぐるずさんな経緯も金融庁から問題視されたようです。
 金融庁によると、JC証券は、201710月、会社法で必要とされる取締役会を開かずに増資し、親会社から増資資金を得ました。
 その資金の一部を個人に提供する際、借用書を作らず、資金使途や返済条件も検討せずに、しばらく利息も催促しませんでした。
 一部の取締役が独断で資金提供を決めたことなども、金融庁は「不適切な行為」と認定したようです。
 金融庁が問題視した資金提供が、細野氏への5千万円とみられます。
 JC証券の内部文書などによると、JC証券は資金提供の2か月後に借用書を作成し、利息は3か月以上受け取っておらず、20182月になって請求を始めたようです。
 また、JC証券は、取締役会を開いて貸し付けを決めたとするウソの議事録を作成し、作成日を2か月早めた借用書とともに金融庁に提出するなど、虚偽の報告を行っていたとそうです。
 細野氏は、関東財務局が細野氏への資金提供についてJC証券に報告を求めた後の20184月、すでに提出していた資産報告書を訂正し、「借入金」として5千万円を届け出ました。
 その5日後に返済したとされます。
 JC証券は、先日、「多大なる心配、迷惑をかけたことを心よりおわびする」とのコメントを公表しました。
 登録取り消しは、行政処分で最も重い処分にあたります。
 証券会社としての実態があるのかどうか分かりませんが、細野氏も脇が甘いですね。
 色々と調べられ、足を引っ張られる世界ですから、清廉潔白でないといけないと思いますが、脇が甘い人が多すぎますね。
 本当に、適性試験を課したほうが容易のではないかと思ってしまいます。
 色々と近づいてくる人も多い世界かもしれませんが、本当に国のために役立ちたいという方だけに議員になってほしいですね。
 あとは、企業側も、コンプライアンスというものをもっと重視しないといけないと思います。
 金融庁が細野氏へ5千万円提供したJC証券の登録を取り消したことについて、どう思われましたか?

パチンコ店から景品を横領した元店長に24億円の賠償命令!

 神戸市内のパチンコ店で現金と交換できる景品が横領された事件を巡り、業務上横領罪で実刑判決が確定した当時の店長に対し、店の運営会社(神戸市灘区)などのグループ3社が損害賠償を求めた民事訴訟の判決で、先日、神戸地裁は計約241,500万円の支払いを命じました。
 刑事裁判では、神戸地裁が201712月、元店長(44)が別の男女らと共謀して201534月、約870万円相当を横領したと認定し、主導的な役割を果たしたとして懲役24月の判決を言い渡しています。
 民事訴訟で、会社側は計約255,300万円を請求しました。
 元店長が自分の銀行口座に約39,700万円を入金したほか、マンション賃料などに月100万円、経営する風俗店の損失穴埋めに数千万円を使ったなどと主張しました。
 元店長側は、被害額は約14億円としていました。
 判決で和久田斉裁判長は、元店長が店長を務めた3店舗で20082015年、共犯者らと出玉を記録する機械を不正に操作するなどし、横領をしたと認定しました。
 「(元店長が)賠償額を低くするため虚偽供述をした強い疑いがある」と指摘した一方、会社側が算定した損害額は「控えめで合理的」としました。
 神戸新聞社の取材に、同社は「弁護士に任せておりお答えできない」としているようです。
 一方、元店長側の弁護士は「判決を精査して控訴するかを検討する」としているようです。
 これだけの金額を横領されて何年間も気づかないというのは、スゴいですね。
 255,300万円は、『控えめ』なようですので、実際にはこれよりも多いでしょうから。
 自分で店を経営したり、高級な賃貸マンションに住んでいたというのも、驚きですね。
 やはり、内部統制は重要ということを改めて感じた1件でした。
 パチンコ店から景品を横領した元店長に24億円の賠償命令が下されたことについて、どう思われましたか?

農協の外部監査費用を国が負担?

 2019年度から農協の義務となる公認会計士による監査の費用を、税金で負担するかどうかが論争になっているようです。
 全国農業協同組合中央会(JA全中)が「配慮」との表現で、国からの補助を求めているためです。
 企業であれば監査の費用は経営に必要なコストですが、JAは政治を頼って負担を逃れようとしているようです。
 先日、東京・平河町の砂防会館別館に約850人の農協関係者と、与党議員が集まったようです。
 話題になったのが、公認会計士の監査にかかる農協の負担です。
 与党からは「監査コストはJAの死活問題」(公明党の佐藤英道農林水産部会長)などと農協への配慮を示す声が相次いだようです。
 現在は、農協に対する監査をJA全中や、都道府県ごとの組織である中央会が担っています。
 200億円以上の貯金を預かる農協などが対象で、農協全体の約8割が監査を受けています。
 改正農協法で、この監査業務は2019年度から公認会計士に移ることになります。
 改革の源流は20年以上前にあります。
 住宅金融専門会社(住専)問題で農協に多額の不良債権が発生したことを受け、農政審議会(首相の諮問機関)が1996年に外部監査の導入を提言し、日本公認会計士協会も2008年に農協への外部監査の導入を求めていました。
 外部監査の導入が浮上してから約20年経ちますが、2016年の農業総産出額は9.2兆円と1996年から11%減り、多くの農協は農産品販売の赤字を金融の収益で補っています。
 結果として、貯金量が1兆円超と地方銀行並みになった農協もあります。
 金融のリスク評価は難しく、農林水産省幹部は「身内ではなく、公認会計士による外部監査が必要だ」と話しているようです。
 いわば経営に必要なコストが問題になるのは、2016年施行の改正農協法で導入時の負担に政府による「配慮規定」があるためです。
 ある与党議員は「これまでより多くの監査費用がかかるなら、国が面倒を見るべきだ」と主張しています。
 「配慮」との名目で国から予算を出すことになれば、政治に頼る農協の体質が変わっていないことになります。
 政府が進める農協改革は、農協に自立を求めています。
 農協経営の透明化は、「改革の象徴のひとつ」(農水省幹部)で、これすら安易に国に頼るなら、農協の自立は遠のくばかりですね。
 現状は、農業ではなく、農家ではない準組合員に関する金融事業で稼いでいるのが実態だと思います。
 また、最近は減ったと思いますが、不祥事がたくさん起こっているのも事実です。
 税理士の仕事をしていると、あまり手続きなどが厳しくないのでありがたいと思うこともあるのですが、一方で、表には出てこないような問題が生じていることも多々あるでしょう。
 監査コストは、農協の利用者が安心して取引を行うために必要なコストだと思います。
 内部統制が今よりは整備・運用されると推測されますので、信頼につながり、結果的に恩恵を被るのは農協でしょう。
 そのコストを国に求めるというのは、最近、会計監査が必要になった社会福祉法人や医療法人などとのバランスを欠くと思いますので、国民はどう思うんでしょうね?
 農協の外部監査費用を国に負担させようとしていることについて、どう思われましたか?

3億7,000万円着服の疑いのきらぼし銀行元行員が失踪!

 東京が地盤の東京都民・八千代・新銀行東京の3銀行が合併して201851日に発足したきらぼし銀行は、先日、男性行員(36)が顧客から預かった現金約37,500万円を着服した疑いがあるとして、先日、懲戒解雇処分にしたと発表しました。
 元行員は失踪しており、きらぼし銀行は、警視庁に相談しているようです。
 きらぼし銀行によると、男性行員は東京都練馬区の石神井支店で営業担当だった20165月から20185月にかけ、「定期預金の作成」を名目に顧客の普通預金から現金を払い出して着服した疑いがあります。
 顧客には偽造した定期預金証書を渡していたようです。
 被害は法人2社、個人4人で確認されています。
 先日、顧客から定期預金を解約したいという連絡があり、発覚したようです。
 きらぼし銀行は、「信頼回復に向けて全行を挙げて取り組んでいく」とのコメントを出しています。
 いつになっても、銀行員による着服は年に何件も起こりますね。
 自身及び所属銀行の信頼を失うような行為はやめてほしいですね。
 やはり、資質というものを考えないといけないですね。
 また、担当者がお金を触れないようにする必要がありますね。
 37,000万円着服の疑いのきらぼし銀行元行員が失踪したことについて、どう思われましたか?

JAとうかつ中央の女性係長が9,633万円を管理する金庫から着服!

 JAとうかつ中央(とうかつ中央農協、本店・松戸市上本郷)の松戸南支店に勤務している50代の女性係長が、20177月から約1年間にわたって金庫内に保管していた現金計9,633万円を着服していたことが、先日、千葉日報社の取材で分かったようです。
 JAとうかつ中央によると、女性係長は出納事務担当で日常的に金庫を管理しており、聞き取りに対して現金の着服を認めているようです。
 JAとうかつ中央は早急に内部調査を行い、松戸署に被害届を提出するとともに係長を処分する方針だそうです。
 先日行った抜き打ちの内部監査で発覚したようです。
 係長は聞き取り調査で着服を認めました。
 着服の理由や現金の使い道などを、早急に調査するようです。
 JAとうかつ中央は、松戸署に相談しており、女性係長に自宅待機を命じました。
 女性係長は勤続30年以上のベテラン職員だそうです。
 JAとうかつ中央は、本年度の「通常総代会」を松戸市民会館で開きましたが、女性係長が現金を着服した事実を急きょ報告事項に追加しました。
 理事長は、千葉日報社の取材に対し、「現金の取り扱いについてルールに基づいた運用をきちんとしていなかった。関係部署と協議し再発防止策を検討中」と女性係長の現金着服を認め、再発防止策を講じると述べました。
 なお、JAとうかつ中央は、2008年、松戸市、千葉小金、流山市の各農協が合併して設立され、組合員数は正組合員・准組合員の合計で2016年度で21,261人です。
 1年で約1億円横領するというのは大胆ですね。
 30年間ずっと経理をやっていたのかどうか分かりませんが、すっとやっていたのであれば、これだけ(1年間)なのかという気はします。
 JAは全国的にそれなりに不祥事が発生していると思いますので、内部統制をきちんと構築してほしいですね。
 JAとうかつ中央の女性係長が9,633万円を管理する金庫から着服したことについて、どう思われましたか?

朝日新聞販売会社元社長を少なくとも3,300万円の横領の疑いで逮捕!

 朝日新聞の販売会社「朝日新聞東京サービスセンター(現・朝日新聞東東京販売)」から現金を着服したとして、警視庁捜査2課は、先日、業務上横領容疑で、同社元社長(50)と元社員の男(58)を逮捕しました。  「間違いない」と容疑を認めているようです。
 警視庁捜査2課によると、元社長が元社員に指示し、会社名義の口座から現金を引き出していたようです。
 帳簿を改竄するなどして発覚を免れていました。
 着服額は少なくとも約3,300万円に上り、元社長の債務の返済や遊興費にあてていたそうです。
 関係者によると、同社は昭和56年設立、平成27年に社名を変更しました。
 朝日新聞をはじめ複数の新聞などを配布しているそうです。
 逮捕容疑は、平成244月~10月、同社の口座から約1,900万円を引き出し、着服したとしています。
 社長が指示をすると従業員も断りにくいでしょうから、従業員も気の毒ですね。
 社長(経営者)がやると、内部統制は機能しないですからね。
 役員報酬を増やすなどの方法はなかったのでしょうか?
 朝日新聞販売会社元社長が少なくとも3,300万円の横領の疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?

岡山県の社会福祉法人が使途不明金で改善命令!

岡山県の赤磐市、高梁市で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人(赤磐市西軽部)で前理事長の男性(62)が関与したとみられる使途不明金が見つかった問題で、岡山県は、先日、社会福祉法人に対して社会福祉法に基づく改善命令を出しました。

岡山県や法人の内部調査によると、前理事長は20112016年度、理事会の決議を経ずに法人口座から自身の個人口座に金を移すなど約8,700万円を帳簿外で扱ったとされています。 改善命令は、実態解明や決算の修正、前理事長からの資金の速やかな回収、再発防止策の作成、会計責任者の任命といった内容になっています。 再発防止策は83日、その他は629日までに対応を県に報告するよう求めています。

岡山県は、20179月の特別監査を経て、201711月から20185月にかけて計4回、実態解明などを求める改善勧告を行いましたが、法人側の対応が不十分と判断し、より重い改善命令に切り替えました。

この社会福祉法人は、2009年に設立し、特別養護老人ホームなど四つの福祉施設を運営しています。 岡山県によると、前理事長は201711月まで理事長を務め、現在は理事となっています。 各施設はほぼ満床(定員計約170人)で、現在も通常通り運営されています。

社会福祉法人も、理事長などによる不正が多くなっていますね。 色々と優遇されているわけですから、県などもきちんと監査をしてほしいと思いますし、公認会計士や監査法人による会計監査を受ける基準ももっと下げることも考えないといけないような気はします。 補助金をもらうには会計監査を受けないといけない学校法人と比べ、不公平な感じがします。

岡山県の社会福祉法人が使途不明金で改善命令を受けたことについて、どう思われましたか?


会社資金を7億超着服しブランド品の購入やキャバクラの飲食代に!

東京都千代田区にある会社の元社員が会社の資金200万円を着服したとして逮捕されたようです。 警視庁は、被害はおよそ78,000万円に上るとみて調べています。逮捕されたのは、東京都千代田区にある貿易会社の元社員(49)で、警視庁の調べによりますと、7年前の平成238月、会社の資金200万円を銀行口座から引き出し、着服したとして、業務上横領の疑いがもたれています。書類を偽造して、実際に必要な金額以上の経費を引き出していたということです。 5年前に社内調査で不正が発覚し、会社は元社員を解雇するとともに、刑事告訴していました。警視庁によりますと、元社員は当時会社の経理責任者を務めていて、調べに対し容疑を認め、ブランド品の購入やキャバクラの飲食代などに充てていたとみられるということです。
 警視庁は同様の手口で、平成16年からのおよそ10年間に着服を繰り返し、被害はおよそ78,000万円に上るとみて調べています。およそ10年間で約8億円というのはスゴイですね。 経理の仕事は属人的になりがちですので、上場企業かどうかを問わず、内部統制はきちんと構築しないといけないですね。 やはり、お金というものは人を変えてしまいますので、気を付けたいですね。会社資金を7億超着服しブランド品の購入やキャバクラの飲食代に充てていた元社員について、どう思われましたか?

沖縄県の歯科医師会で女性職員が4,822万円着服!

 沖縄県の公益社団法人の南部地区歯科医師会に勤務していた50代の女性職員が18年間にわたって、会員が積み立てた共済会費4,822万円を着服していたことが、先日、同会への取材で分かったようです。 通帳や口座の残高証明書を偽造して、発覚を免れていたそうです。 20182月に退職した女性は、着服金の使途について、「生活費に充てた」などと話しているようです。女性側が既に4,200万円を弁済し、将来的に完済する意思を示したことを受け、同会理事会は刑事告訴を見送る方針を固めました。 先日の総会で賛否を諮りました。同会によると、女性は約25年間勤務し、うち18年間、1人で経理を担っていました。 共済会費は、会員への融資や病気などの際の見舞金に充てられます。着服されたのは融資の返済金で、公的資金などは含まれていないようです。女性の仕事が頻繁に遅滞することを不審に思った幹部が、20177月に外部監査を実施したことで発覚し、同月から出勤停止となっていました。会員から振り込まれた返済金を毎月20万円程度引き出し、着服していました。 監査の際には、改ざんした通帳や口座の残高証明を提出していたようです。同会は沖縄県浦添市以南の545村の歯科医師ら計255人でつくっています。小中学校への歯科検診など、公益性の高い事業を実施する公益法人で、税制の優遇措置を受けています。着服の典型例のような事件ですね。 やはり、何年間にもわたり経理を1人の人に任せるのは危険です。 あとは、このようなほかに仕事を持っている方が役員等をしている同業者団体のようなところは、コストをあまりかけられず、役員の常勤ではありませんし、責任の所在も不明確なことが多いと思いますので、気を付けないといけないですね。沖縄県の歯科医師会で女性職員が4,822万円着服したことについて、どう思われましたか?

青果卸売の元社員が架空取引で2億5,000万円着服

福岡市青果市場の卸売会社の課長代理だった30代男性が8年間、架空取引を繰り返して約25,000万円を着服していたことが分かったようです。 部長だった50代男性も取引で生じた損失を隠すために架空取引をしており、20183月末に2人とも懲戒解雇となったそうです。 卸売会社は2人に全額返済を求め、法的措置も検討しているようです。卸売会社などによると、元課長代理は20101月から20182月まで、福岡県内の業者から野菜を仕入れたとする架空取引を100回以上繰り返し、卸売会社が支払った代金を業者から現金で受け取り着服しました。 取引で生じた架空の在庫は、別の業者と行った正規取引より帳簿の数量を多くするなどして帳尻を合わせていました。 元課長代理は卸売会社の調査に対し、「ギャンブルに使った」と話しているそうです。元部長は野菜の仕入れ価格の高騰で生じた数百万円の損失を隠すため、20134月~201711月、販売先と口裏合わせをした上で、数百回の架空取引をしました。 帳簿上は利益が出るように偽装し着服はありませんでしたが、架空取引に伴う手数料の支払いで、卸売会社が約8,000万円の損失を被っていました。201710月の定期検査で、元部長の架空取引の疑惑が浮上したため、過去の取引を調べ直し、元課長代理の架空取引も判明したようです。 市場開設者の福岡市は、農林水産省と協議の上で「市場の信用を失墜させた」として6月中に業務改善命令を出す方針だそうです。 卸売会社は九州最大手の青果卸売会社で、2016年度の取扱量は約34万トン、売上高は約741億円でした。このような事件のたびに思いますが、これだけ着服されていて何年も気づかないものなのでしょうか? ある程度の規模の会社になると、内部統制上の観点からも業務のローテーションを何年かごとにやるべきだと思いますし、卸売業は一般的に粗利率が高くないと思いますので、財務分析を行うことによってある程度おかしな取引先などは分かるのではないかと思います。 あとは不祥事が発覚したからといって、それを隠すようなことをする(しなければならない)会社の風土自体、変える必要があるのではないかと考えます。青果卸売の元社員が架空取引で2億5,000万円着服したことについて、どう思われましたか?

金融庁が鹿児島相互信用金庫に改善命令!

 金融庁は、先日、鹿児島相互信用金庫(鹿児島市)に業務改善命令を出したと発表しました。
 営業店舗で顧客の定期積金の着服や流用が起きた不祥事を受け、事実確認の報告を求めたところ、幹部の指示で隠蔽しようとしたことを確認したようです。
 鹿児島相互信用金庫に法令順守や内部監査の体制などを整えるよう求め、5月21日までに改善計画を出すように命じました。
 金融機関は、いつになってもこのような事件がなくなりませんね。
 幹部が隠蔽しようとしていたことを鑑みると、組織として、根本的なところから立て直さないと将来はないでしょうね。
 内部統制の構築も当然必要だと思いますが、行員そのものの意識を変える必要があるでしょうね。
 金融庁が鹿児島相互信用金庫に改善命令を出したことについて、どう思われましたか?

ドイツ銀行が間違って350億ドル(約3兆7,600億円)を送金!

 ドイツの銀行最大手ドイツ銀行で、取引先に誤って350億ドル(約37,600億円)を送金してしまうハプニングが起きていたことが、関係者の話で明らかになったようです。 350億ドルという金額は、ドイツ銀行の時価総額を50億ドルも上回ります。  広報によると、手違いは数分後に発見され、修正されたそうです。 手違いは、大手デリバティブ取引所ユーレックスの口座に担保を送金する際に起きました。  誤ってゼロを幾つか余分に入力してしまったと思われます。  関係者によると、ハプニングが起きたのは3月下旬です。 実際に送金するはずだった金額は不明ですが、350億ドルにはほど遠い額でした。  ドイツ銀行広報は「今回のようなミスが起きた原因を徹底的に検証し、再発防止策を講じた」と述べ、それ以上のコメントを避けているようです。 ドイツ銀行は経営が悪化して、2014年以来、黒字を計上していません。  先日、ジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)が解任されています。 業績が悪いと、リストラをしたり、諸々の負担を強いたりすることで、内部統制が機能しなくなりがちです。  そのことを改めて認識し、環境が内部統制に与える悪影響にどう対処すべきかを考えさせられた1件でした。 ドイツ銀行が間違って350億ドル(約37,600億円)を送金したことについて、どう思われましたか?

高知県の小学校の元校長が4,800万円を横領!

 高知県教育委員会は、先日、教職員団体の口座から約4,800万円を着服したとして、土佐市立戸波(へわ)小学校の元校長(60)を業務上横領容疑で告発したと発表しました。
 飲食費やギャンブルに使ったとみられ、着服を認めているそうです。
 高知県教育委員会によると、元校長は、2007年から、市町村立小中学校の管理職が加入して研修などを実施している県管理職教員組合の役員を務めていました。
 金銭を管理する担当で、2009年から2016年にかけて複数回にわたり組合の口座から計約4,800万円を不正に引き出したそうです。
 元校長は「おわび申し上げる」と話しているようです。
 20162月ごろ、不審に思った当時の組合長が横領の事実を知ったようですが、高知県教育委員会や警察には報告せず、債務に関する弁済契約公正証書を作成し、弁済を求めていました。
 しかしながら、元校長は約60万円を返済しただけで、その後弁済が滞り、現組合長が証書の存在を高知県教育委員会に報告し、20183月に発覚しました。
 元校長は同年同月、定年退職しました。
 本体は内部統制がきちんと構築されていても、こういった関係団体で不祥事が起きることが昔から多いですね。
 持ち回りで役員をやったり、逆に同じ人がずっと同じ業務をやったりしていることが多いため、内部統制が機能せず、不祥事の発生の可能性が高くなります。
 こういったところが意外と多額の資金を扱っていたりしますので、こういう組織ほど内部統制の構築が必要でしょうね。
 高知県の小学校の元校長が4,800万円を横領したことについて、どう思われましたか?

東京に住んでいる京都大学教授が出張費を計上して手当など不正請求!

 京都大経済研究所の元所長で60代の男性教授が手当などを不正に請求したとして、京都大学は懲戒処分(停職1月間)を行いました。  住所が京都市にあると大学に届け出ながら実際は東京の自宅に住み、実態にあわない出張費を計上し、単身赴任手当や東京―京都間の交通費などを受け取っていました。  総額は2年間で計約270万円で、教授は学内の調査に不正を認めています。  教授は、経済理論の専門家で、日本経済学会長を務めたことがあります。  201510月に一橋大学から京都大学に移っています。  関係者によると、京都大学は寄せられた情報に基づき、20179月から調べていました。  教授は京都市内にある賃貸住宅を住所として大学に届け出て、20178月までに単身赴任手当や住居手当など計180万円あまりを受け取っていました。  また、教授は京都大学で授業を受け持っていませんでしたが、会議などのために出勤する際に、京都から東京方面に出張したことにして実態にあわない出張費を請求し、実際にかかった交通費にあてていました。  こうした「カラ出張」は24件、計80万円あまりに上っています。  昨年度までの出勤状況を確認すると、大学に実際に出勤したのが計約80日に対し、学外で従事したとする日が計300日以上ありました。  秘書に指示して出勤簿に押印させ、出勤したことにしていたこともあったようです。  調査に対し教授は、当初は京都に住む予定でしたが、持病が悪化し、東京の自宅で家族と同居して京都に通うようにしていたと釈明しています。  また、自宅で研究や業務ができると考えていたといい、「不正の認識はなかったが、反省している」と説明しているそうです。  京都大学では、2015年と2017年にも元教授や助教のカラ出張が判明し、京都大学は20177月、再発を防ぐ体制を整備すると表明していました。  京都大学は、今回の不正経理事案に関する調査で明らかになった発生要因等を踏まえ、今後、二度とこのような問題が生じないよう、改めて一層の取り組みの強化を図るとしています。  具体的には、当該部局及び全学として、以下の再発防止策を実施するようです。 1)部局における再発防止策 ①秘書業務を行う者、出勤簿管理担当者、経理担当者間の情報共有と各業務間の理解促進、処理状況把握の緊密化 ②用務先へ出張事実確認を適宜実施 ③教職員に対する会計事務説明会の実施 2)全学的な再発防止策  以下について新たに取り組み、教職員の意識向上を図る。①正しい旅費の手続きと支給の流れについて改めての通知 ②不正経理に関して、具体的な事例や想定を紹介し、注意点を重点的に認識できるよう効果的な周知 ③今回の事案について、研究費使用ハンドブック及び e-Learning 研修において事例として取り上げ、不正防止意識の高揚を図る。 ④教員の勤怠管理の適正化を図るための通知

 これだけ、京都大学を含め、国立大学法人でカラ出張などの問題が多発し、京都大学も20177月に再発を防ぐ体制を整備すると表明していたことを考えると、停職1月間というのは甘いのではないかと思います。  あとは、授業を受け持っていない教員は必要なのでしょうか?  こういった大学は、国からの補助金も減らして欲しいですね。

 東京に住んでいる京都大学教授が出張費を計上して手当など不正請求していたことについて、どう思われましたか?


ソニー子会社の社長が不適切な高額接待で辞任!

 ソニーの内部監査で、子会社の経営陣による不適切な交際費や出張費の支出が見つかったことがわかったようです。
 金額や回数が過剰で、ソニーは私的流用がないかどうかなどの調査を続けているようです。
 問題を指摘された子会社の社長らはすでに辞任しているようですが、ソニーはこの人事を公表していません。
 問題があった子会社は、ソニー製品などの設計を手がけるソニーエンジニアリング(神奈川県藤沢市)と、ソフトウェア開発を担うソニーデジタルネットワークアプリケーションズ(東京都品川区)の2社です。
 ソニーによると、この2社の取締役を兼ねる3人が必要な社内手続きを経ずに、最近2年間に高額な接待の授受や出張を繰り返していたことが判明しました。
 ソニーが「取締役として不適格だ」と伝えたところ、3人は、先日、自ら辞職しました。
 うち1人は2社の社長を兼ねており、後任には、同様に2社の取締役を兼ねていたソニー本社の執行役が就きました。
 辞任した3人が問題を認めているかどうかは、「確認できていない」(広報)そうです。
 内部監査で3人以外の不適切な支出は見つかっておらず、ソニーは組織ぐるみの不正ではないとみているようです。
 不正な会計処理も判明していないそうです。
 ソニーの神戸司郎執行役(法務担当)は、「社長交代の公表が必要な規模の子会社ではない。調査を進め、追加的な措置が必要になれば対応する」と話しています。
 ここ数年、上場企業の子会社などでの不正が多いですね。
 上場企業も、きちんと子会社の内部統制を構築して欲しいですね。
 あとは、こういった問題は、形式上公表が必要でなくても、自発的に公表して欲しいですね。
 個人的には、その辺に企業の誠実性が現れるような気はします。
 ソニー子会社の社長が不適切な高額接待で辞任したことについて、どう思われましたか?

20数億円を横領し台湾で豪勢な暮らし!

 台湾の警察当局は、先日、勤務先から約55,000万円を着服した業務上横領容疑で警視庁に指名手配されていた東京都内の自動車部品会社の元総務課長(43)を高雄市で拘束したと発表しました。
 元総務課長は、今後、日本に移送される見通しだそうです。
 発表によると、元総務課長は、20141月、勤務先の会社の預金口座から、約55,000万円を着服した疑いで指名手配されていました。
 元総務課長は、日本で高級腕時計や宝飾品を購入し、台湾人の元妻(52)と一緒に台湾に逃亡しました。
 台湾では、宝飾品などを売却して約1億円の戸建てなど住宅3軒を購入し、豪勢な暮らしをしていたようです。
 自宅からは高級腕時計やバッグ、宝石(約3億円相当)が押収されました。
 元総務課長は、調べに対して、「これまでに20数億円を横領した」と供述しているそうです。
 このような事件があるといつも思いますが、20数億円を横領されてしばらく気づかない会社もどうなのかと思いますね。
 やはり、経営者がきちんとコストを掛けて内部統制を構築して、会社も従業員も守らないといけないですね。
 20数億円を横領し台湾で豪勢な暮らしをしていたことについて、どう思われましたか?

金融庁が生保の完全歩合制を問題視し架空契約事件のソニー生命に立ち入り検査!

2018年05月10日(木)

ソニー生命保険の社員から架空の生命保険契約で現金をだまし取られる被害が相次いだ問題で、金融庁がソニー生命に立ち入り検査に入っていることが、先日、分かったようです。 業務の成果に応じて賃金が支払われる「完全歩合制」の給与形態が事件を招いた可能性があるとして、実態の把握に乗り出しているようです。

被害は、顧客からの問い合わせで発覚し、ソニー生命が20177月に発表しました。 我が香川県内で営業を担当していた元男性社員が20099月~20174月に、6人の顧客と架空の生命保険契約を結び、計13,521万円をだまし取ったという事件です。  20179月には、広島県内の元男性社員が同様の手口で複数の顧客から現金数千万円をだまし取っていたことも判明し、広島県内の男性社員は20181月に逮捕されました。

金融庁は、一連の事件を受けて、2017年秋から検査官をソニー生命に派遣し、ソニー生命の完全歩合制の給与形態に問題がなかったかなど、検査を行っているようです。 ソニー生命の社員が「契約の取れない月に現金をだまし取って補填(ほてん)していた可能性もある」とみているためです。  20185月末までに検査を終え、問題があると判断した場合は業務改善命令を出すようです。

完全歩合制は、外資系生命保険会社でも採用されており、契約の件数や金額によって年数千万円を稼ぐ社員もいます。 ただし、成果給のため収入は安定せず、これが不祥事が起こる一因となっている可能性もあり、金融庁は固定給を手厚くする国内大手生保の賃金体系と比較するなどして、保険業界全体の給与形態についても見極める方針です。

一方、ソニー生命は、20184月から、支社のコンプライアンス(法令順守)強化を目的に「コンプライアンスオフィサー」を40人配置しました。 また、過度な競争を招きかねないとして、年2回の販売強化月間を廃止しました。 営業成績が優秀な社員を表彰し、海外旅行を授与する報奨制度の廃止も検討しているようです。

個人的には、そういう事件を起こすような人は一部の人だけだと思いますし、能力があるから完全歩合制の世界でやっていけている方がたくさんおられると思います。 歩合制ではない金融機関でも不祥事は年間何件も起きているわけであり、完全歩合制が悪いというのは的外れのような気がします。 そうではなく、不祥事が起こらないような仕組み(内部統制)の構築や教育がされていないからだと思います。 金融庁には、まともな仕事をしてもらいたいと思います。

金融庁が生保の完全歩合制を問題視し架空契約事件のソニー生命に立ち入り検査をしていることについて、どう思われましたか?


中国保険大手の元会長が1兆円を搾取か?

2018年04月19日(木)

違法経営の問題で中国政府の管理下に置かれた中国保険大手の安邦(アンパン)保険集団の元会長が、出資詐欺などの罪で起訴され、公判が、先日、上海で始まったようです。

 起訴状によると、元会長は保険料から6524,800万元(約1兆1千億円)をだまし取り、国外投資などにあてたそうです。

安邦保険集団は、2011年、虚偽の書類で監督当局から投資型保険商品を売る許可を取得し、保険料の一部を元会長の会社に移し、対外投資や債務の返済、個人用途に使ったとされます。 元会長は、業務上横領の罪でも起訴され、保険金計100億元を自分の会社に移したとされます。 元会長は、事実関係や罪名に異議を申し立て、「自分は法律がわからず、その行為が法に触れるのかわからない」と述べています。

安邦保険集団は、アメリカの高級ホテル「ウォルドルフ・アストリア・ニューヨーク」などの買収で知られます。 国外投資で中国から大量のお金を流出させ、人民元安を招いた企業の代表格とされています。

さすが中国、桁違いという感じですね。 日本でも、売上高が1兆円を超える企業は、150社くらいしかないですからね。

中国保険大手の元会長が1兆円を詐取したことについて、どう思われましたか?


資産運用失敗で多額の損失を出した夙川学院元理事長に7億円賠償命令!

2018年04月18日(水)

リスクの高いデリバティブ(金融派生商品)取引による資産運用の失敗で33億円余りの損害を出したとして、神戸市の学校法人「夙川学院」が、元理事長に約10億円の賠償を求めた訴訟の判決が、先日、神戸地裁尼崎支部でありました。

 河田充規裁判長は「各取引を十分に調査、検討すべきだった」として、元理事長に約7億6千万円の支払いを命じました。

河田裁判長は、理事長がデリバティブ取引を始める際、法人の資産運用の内規に反し、理事会に諮っていなかったと指摘しました。 さらに、監査法人や一部の理事から危険性を指摘された後も、十分な検討をしないまま投資を続けたことが「合理的な裁量の範囲を超えている」としました。

判決などによると、元理事長は平成15年に夙川学院の理事長に就任し、平成16年~平成20年、証券会社3社とデリバティブ取引を行いましたが、リーマンショックの影響などで約335,600万円の損害を出し、平成23年に理事長を辞任していました。

夙川学院は「担当者がいないのでコメントできない」としています。

ここは、僕が大学生のころは、住んでいた近くにあったのですが、現在は神戸市に移っているんですね。 学校法人が、デリバティブ取引をすること自体どうかと思いますが、教育機関である以上、内部的な手続きもきちんとしないといけないですね。

資産運用失敗で多額の損失を出した夙川学院元理事長に7億円賠償命令があったことについて、どう思われましたか?


商工中金で新たに不正577件!

2018年04月17日(火)

政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金)は、先日、融資や統計など幅広い分野で、新たに577件の不正が見つかり、累計で5,538件に達したと発表しました。

 その後、西武ホールディングス出身の関根正裕氏が社長に就任しましたが、不正に手を染める企業体質は根深く、抜本的な改革は容易ではないでしょう。

商工中金によると、政府の危機対応融資関連で、新たに23件の不正が見つかったほか、これまで不正が見つかっていなかった地方自治体の制度に基づく融資でも、13件の不正が行われていたようです。

危機対応融資の不正と同様、本来は対象ではない好業績の企業の財務諸表などを改ざんし、自治体からの利子補給をもらうなどして低利で貸し付けていました。 日本銀行の制度を利用した成長・創業支援融資でも、新たに不正が見つかりました。 貸付先を十分に調査しないまま融資していた事例が見つかり、不正の数は、これまでに発覚していた8件から大幅に増え、481件に上りました。

融資以外では、取引先を対象に毎月行っていた経済統計調査「中小企業月次景況観測」で、新たに不正が見つかりました。 企業から数字を聞き取らず、職員が勝手に記入していた事例などが165件に及びました。 201710月から調査を中断していたようですが、廃止を決めたそうです。

何らかの不正に関与した職員数は、553人となりました。 新たに不正が判明した109人は、処分するようです。

「コンプライアンス(法令順守)などについて、経営の周知努力が極めて不十分だった」と、菊地慶幸副社長は、先日の記者会見で、不正が広範に行われていた理由を問われ、経営陣の責任を強調しました。 菊地副社長は、不正の背景として、職場における改ざん手口の共有などがあったとの認識を明らかにしました。

融資実績が業績評価の対象となっていたことから、不正が広がった可能性があるとの考えを示しつつ、「職員の負担に配慮しなかった経営の問題が極めて大きいと思っている」と述べました。

商工中金は、新たな社長に西武ホールディングス傘下のプリンスホテルから関根氏を招き、組織の立て直しを図ります。 経済産業省出身の安達健祐(けんゆう)社長は退任しました。

商工中金を巡っては、昨春の第三者委員会の調査や、それを踏まえた昨秋の全件調査でも、うみを出し切れず、不正の件数がずるずると増えていきました。 経産省や金融庁などから、2度の業務改善命令を受けていますが、2度目の改善計画はいまだ提出できていないようです。

経産省が2017年秋に設置した商工中金のあり方を議論する有識者会議は、20181月、危機対応融資などの低利融資を縮小した上で、将来の民営化を前提とする経営改革の提言をまとめました。

政府が株式の約46%を保有する政府系金融機関として、民間との差別化を図りながら再起できるかどうか、新社長の前途には、課題が山積しています。

こういうことが平気でできる組織なのでしょうし、こういうことで実績を上げた方が役員や管理職になっていると思いますので、再起はかなり厳しいのではないかと思います。 それが、再び民業を圧迫するようなことをする原因となるのではないかと危惧します。 よって、個人的には、民営化ではなく解体だと思いますね。

商工中金で新たに不正577件が発覚したことについて、どう思われましたか?


安倍首相が森友問題で全省庁に電子決裁導入を指示!

 「書き換えにより行政全体の信頼が損なわれ痛恨の極みだ。閣僚が先頭に立って、全ての政府職員が一からやり直すつもりで信頼回復に全力で取り組む」と強調しました。

電子決裁システムは文書の修正などの履歴を自動的に記録します。 全ての文書の決裁や保存、更新をシステム上で管理していれば、早期の不正発見や書き換えの防止につながる可能性があります。 今回の森友学園をめぐる書き換えでは、14件の文書のうち1件は書き換え前の原本がシステム上に記録されていました。

電子決裁システムは、各省庁が導入済みです。 全ての決裁文書のうち電子決裁の割合は全省庁を合わせた2016年の実績で91.4%です。 ただし、電子決裁をする案件の判断基準は各省庁に委ねられ、電子決裁の割合も省庁ごとに異なっています。 野田聖子総務相は、閣議後の記者会見で、各省庁による公文書管理のあり方を調査し、電子決裁への移行が進んでいない原因や必要な対応策を検討する考えを明らかにしました。

4月からは行政文書の恣意的な廃棄を防ぐ政府の指針見直しに基づき、各府省庁が検証に必要な行政文書を1年以上保存するよう定める新規則を適用します。 財務省が昨年、森友学園に関する交渉記録を1年未満の保存期間の対象文書として破棄していたと明らかにした問題を受けた措置です。

菅義偉官房長官は、閣議後の記者会見で、「新たな指針による厳格なルールを徹底し運用する」と述べました。

そもそも、今回の森友問題の諸悪の根源がどこになるかはさておき、今回の措置は当然のことだと思います。 全省庁統一の最低限のルールも決める必要があると思いますが。書き換えや改ざんは懲戒解雇くらいにしておく必要があるのではないでしょうか?

安倍首相が森友問題で全省庁に電子決裁導入を指示したことについて、どう思われましたか?


京セラの経理担当の元社員が1億2千万円超の着服で刑事告訴!

2018年03月06日(火)

京セラ(本社・京都市伏見区)は、先日、神奈川秦野工場(神奈川県秦野市)の経理担当者だった元社員の男性(51)が、会社の資金1億2千万円超を着服したとして、業務上横領罪で神奈川県警に刑事告訴したと発表しました。 元社員は会社の調査に事実関係を認めており、京セラは2017年8月に懲戒解雇しました。

京セラによると、元社員は平成24年9月~平成29年6月に、計4回にわたり京セラの預金口座から本人が開設した口座へ、工場の支払い名目などで計約1億2,600万円を送金したとしています。

2017年7月の社内調査で発覚しました。 元社員は「住宅ローンの返済や遊興費に充てた」と事実関係を認めたそうです。 これまでに約5,960万円が返金されました。

京セラは「コンプライアンス(法令順守)の徹底と管理体制の強化により再発防止に努める」としています。

社内調査で発覚したとは言え、京セラほどの会社でも、内部統制が不十分ということですね。 大企業も、リスクを再認識してほしいですね。

京セラの経理担当の元社員が1億2千万円超の着服で刑事告訴されたことについて、どう思われましたか?


2億円を横領した元経理責任者を逮捕!

2018年03月01日(木)

宮城県柴田町に本社があるスーパー「伊藤チェーン」で経理業務を担当していた女性が、会社の口座から50万円を着服したとして先日、業務上横領の疑いで逮捕されました。 警察は着服した総額が2億円に上るとみて捜査しているようです。

逮捕されたのは「伊藤チェーン」の元経理責任者で、東京都江戸川区の無職の女性(59)です。 警察によりますと、元経理責任者は、2015年5月、東京都内のコンビニエンスストアでこの会社の口座から現金50万円を引き出した疑いがもたれています。

元経理責任者の不正は会社が銀行から融資を受けるための審査の過程で発覚したということです。 元経理責任者は経理の責任者を2006年から務めていて、警察は発覚を受け、解雇された2015年6月までの約10年間に2億円を着服したとみて捜査しています。

着服した金は株券の購入などに使ったとみられていて、取り調べに対し元経理責任者は容疑を認めているということです。

この手の事件があったときにはいつも思いますが、これだけ多額の現預金を横領されて気がつかないものなのか?と思ってしまいます。 やはり、長年同じ方(特に女性)に経理を担当させるのはリスキーだと思いますし、内部統制は大事(必須)ですね。

2億円を横領した元経理責任者が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


日本取引所グループが不祥事頻発で危機感を持ち企業不正防止で指針!

2018年02月28日(水)

東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループは上場企業に不祥事の防止に向けた新指針を導入するようです。 経営陣と現場の連携強化や問題を早期に発見する仕組みづくりを促します。 東芝や神戸製鋼所など大企業の不祥事が頻発し、放置していれば市場の信頼低下につながると判断し、企業に具体的な防止策の徹底を呼びかける異例の措置をとります。

上場企業の管理や審査を担う自主規制法人が策定し、月内に原案を公表するようです。 指針の名称は「上場企業における不祥事予防のプリンシプル(規範)」になる見通しです。

指針は6つの原則で構成します。 経営陣と現場の双方向のコミュニケーションを求めるほか、不正の芽を発見した際の機敏な対応や取引先を含めたサプライチェーン(供給網)全体に責任を果たすことなどを要請します。

仮に新指針を守らなくても罰則はありません。 ただし、新規上場をめざす企業の上場審査の際には、指針に沿った予防策が整っているかどうかを点検します。

東証には内部管理体制に問題がある企業の上場を廃止する罰則があります。 それでも東芝の不正会計や神鋼のデータ改ざんなど上場企業の不祥事が止まらないのが実情です。 不祥事を起こした後に改善策に取り組むだけでは不十分とみて、指針を通じて未然に予防策を講じる必要を呼びかけ、企業の自発的な取り組みを促します。

既に上場している企業について効果があるのか分かりませんが、少しは良くなるのでしょうね。 個人的には、このブログでも何度か書いていますが、既に上場している企業についても、代表者が交代する際などには、何らかの義務を与えるべきなのではないかと常々思っています。

日本取引所グループが不祥事頻発で危機感を持ち企業不正防止で指針を導入することについて、どう思われましたか?


ネット銀を悪用し勤務先から1億円詐取した男を逮捕!

  勤務先の会社から1億円超をだまし取ったとして、京都府警捜査2課と八幡署は、先日、電子計算機使用詐欺の疑いで、大阪市中央区南船場1丁目の美容サロン会社社長の男(36)を逮捕しました。
 逮捕容疑は、20166月~20175月に、インターネットバンキングを悪用し、当時勤務していた八幡市の鋼板加工会社の預金口座から、自らが管理する口座に送金を繰り返し、計約11,900万円をだまし取った疑いです。
 京都府警によると、男は当時、会社の経理を担当していました。

 20177月から無断欠勤が続いたため、同社が業務実態を調べたところ、不正送金が判明したそうです。 京都府警の説明では、男は201612月に美容サロン会社の社長に就任しており、会社の運営資金に充てたとみて調べています。

無断欠勤が続いたので、業務実態を調べ、不正送金が判明したようですが、これだけの金額を横領していても気付かないんですね。 こういうお金で美容サロンの運営がされていたと思うと、何だか複雑な気分になりますね。

ネット銀を悪用し勤務先から1億円詐取した男が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


竹中工務店子会社の元次長を背任容疑で逮捕!

2018年01月31日(水)

下請け業者への架空発注で会社に損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は、先日、背任容疑で、大手ゼネコン竹中工務店の子会社「TAKシステムズ」(大阪市中央区)の元社員(67)を逮捕しました。 架空取引の総額は6年間で約1億円に上るといい、大阪府警捜査2課で使途を調べています。

逮捕容疑はTAKシステムズ社の大阪支店次長だった平成28年8月~10月、下請け業者と架空の設計業務委託契約を結んでTAKシステムズ社に報酬を請求させ、TAKシステムズ社に約130万円の損害を与えたとしています。 なお、元社員は容疑を認めているようです。

大阪府警捜査2課によると、元社員は取引関係のあった業者に「退職者や心の病気になった社員に渡すため、ストックする必要がある」として裏金作りへの協力を呼びかけていたようです。

正規の業務委託に架空の追加発注を上乗せする手口で、いったん業者に支払われた報酬を還流させていたそうです。

もちろんダメなことですが、世の中でこの手の裏金作りは昔からずっと続いているのだろうと思いますが、『心の病気になった社員に渡すため』というのは、時代の流れを感じますね。 この手の事件があるといつも思いますが、取引先も大企業のプレッシャーで断れずに仕方なくやっているのだと思いますが、どうやって会計処理しているのでしょうね?

竹中工務店子会社の元次長が背任容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


クリニックで1億3,500万円の使途不明金!

2018年01月29日(月)

伊豆新聞によると、医療法人社団望洋会(伊東市和田)が運営する下田市高馬の「下田循環器・腎臓クリニック」で昨秋、約1億3,500万円に上る使途不明金が発覚し、直後に事情を知る30代の事務長が失踪したようです。

同院によると、事務長は2012年4月の開院以来、事務長を務め、経理を一手に任されていました。 2017年10月3日、経理に不自然な点があるため、理事長代理の事務局長と税理士が同院を訪れ、事務長に説明を求めました。 事務長は「説明の準備をするため10分ほど時間がほしい」と退席し、この間に姿を消したそうです。

およそ1か月後に自転車を盗んだとして千葉県松戸署に身柄を拘束されましたが、釈放後に身元引受人(母親)の元からいなくなり、現在も行方が分かっていないようです。

使途不明金の大半は、外来診療で患者が窓口で支払う診療費で、これらの現金収入は、出納帳に出入金を記載した上、院内の金庫で管理し、ある程度たまると同院名義の預金口座へ入金する仕組みになっていたようです。 しかしながら、2013年10月以降、口座に入金された形跡はなく、出納帳残高は急激に増加していました。 この出納帳残高と金庫内現金残高の差額が1億3,500万円に上るそうです。

同院担当の税理士は、帳簿上問題はなかったため、現金をチェックしていなかったそうです。 現金の所在について事務長は、税理士の問いに「別の金庫があって、そこに保管してある」、花房院長の問いには「理事長の個人口座に入れてある」などと、その都度言い逃れしていたそうです。 院内外に監査担当者は置いていませんでした。 同院から相談を受けた下田署は、内偵捜査を進めています。

花房院長は「非常に多額であり、経営に影響が出始めている。汚れた金ではないか、脱税に関与しているのではないかなど、ありもしないことを言われ困っている。スタッフの士気がそがれ、患者にも迷惑を掛けている。まず事務長に出てきてもらい、真実を語ってもらいたい」と訴えています。 同院はホームページでも、事務長に関する情報提供を呼び掛けています(画像も掲載しています。)。

同法人は同院を中核に、いずれも伊東市内で横山病院、介護老人保健施設のぞみ、伊豆のさと診療所の計4施設を運営しています。 同院は人工透析も行っており、約130人の透析患者を抱えています。

少なくともそれだけの現金が帳簿上は存在するわけですから、税理士はおかしいと思わなかったのでしょうか? 今は、横領のリスクがあるため、時代的に現金を持たないようになってきていると思います。 お忙しいとは思いますが、面倒くさいと思わずに、経営者も少なくとも決算時には、現金の実査をしたり、実査の場に立ち会うほうがいいでしょうね。 そういう行動が、色々な問題を未然に防ぐことになると思います。

クリニックで1億3,500万円の使途不明金が発覚したことについて、どう思われましたか?


南野陽子さんの夫が9,000万円の横領で刑事告訴!

2018年01月22日(月)

「彼は、我々医療法人のお金を勝手に引き出し、財布代わりに使っていた。彼の行為は横領です。許せません」 怒りをこめてそう話すのは、東京・赤坂で医療法人を経営する理事長のA氏です。 A氏が告発する「彼」とは、女優・南野陽子さん(50)の夫です。

南野さんが4歳年下の夫と結婚したのは2011年です。 当時はインターネット関連会社社長と紹介され、1,000万円といわれた婚約指輪が話題を呼びました。 その後、銀座にある別の医療法人の経営に携わっていました。 ちなみに、南野さん本人も同法人の役員として名前を連ねていました。

事の発端は、2016年7月、A氏の医療法人に南野さんの夫が事務局長として就任したことでした。 A氏は、知人を介して南野さんの夫を紹介されたそうです。

「南野さんの夫は『銀座にある自分の医療法人では、大手企業の検診を何社も手がけている』と、束になった書類を見せてきました。 また、南野さんの夫は『あなた方の法人を盛り上げていきたいと思っています。協力させてください。いずれは私の法人と合併して、もっと大きくして、徳洲会を抜きましょうよ』と話していました。 紹介してくれたのが知人だったこともあり、事務局長として経理を仕切ってもらうことにしました。印鑑と通帳も渡しました」(A氏)。

それまでクリニックの経営は順調でした。 ところが2016年12月、1本の電話から異変に気づくこととなりました。 「融資を受けている新潟の地方銀行から電話があり、『今月分の引き落としがなかった』というのです。南野さんの夫に確認すると、ネットバンキングで他行から回した、と。しかし、それでも引き落としができず、やむなく私が自分の口座から振り込みました。 さらに2017年1月、今度は血液検査を請け負ってもらっている会社から『半年前から検査料が振り込まれていない』と連絡がきた。いったい、どうなっているんだと南野さんの夫を問いつめたんです」(A氏)

A氏が調べると、従業員の給料は支払っていましたが、税金や年金や保険料、そのほか外部への支払いのほとんどが滞っていることが判明しました。 しかも、南野さんの夫は「A氏に代わって、自分が法人オーナーになった」と外部に触れ回っていたそうです。

「直ちに南野さんの夫との契約を解除して、通帳と印鑑を取り返した。すると口座から勝手に引き出した金が2億円近いことがわかりました。手口なのか口座に一部は戻しているのですが、9,000万円以上が使途不明のままです」(A氏)。

A氏は2017年末、警視庁赤坂署に業務上横領で南野さんの夫に対する告訴状を提出しました。 A氏が明らかにした通帳の記録を見ると、近田氏が使途不明な引き出しをたびたびおこなっていた実態がわかります。

南野さんの夫は、なぜ勝手に大金を引き出したのでしょうか? 2017年12月下旬、銀座の職場に現われた本人を直撃したところ、週刊FLASHの取材に戸惑いながら、こう答えたそうです。

「横領しているという事実はないですよ。僕のほうが横領されている。僕のほうから提訴していますから。それ以上は言えません。何もしゃべりません」 南野さんの夫が言う提訴は、1月3日現在なされている形跡はなかったようです。

南野さん本人はこの件について把握しているのでしょうか? 自宅マンションでインターホン越しに聞くと、「迷惑なので、事務所を通してもらえませんか」とピシャリだったようです。 所属事務所を通じてコメントを求めたようですが、期日までに回答は得られなかったそうです。

2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』で篤姫の女中頭の幾島役に抜擢された南野さんですが、新たに発覚した夫の横領疑惑の火の粉が南野さんに飛ばないことを願うばかりです。 ニュースになりやすいだけかもしれませんが、芸能人のご主人って、問題を起こす方が多いように思いますね。

南野陽子さんの夫が9,000万円の横領で刑事告訴されたことについて、どう思われましたか?


亀田製菓がタイ子会社の不適切会計で調査報告書を公表!

2018年01月11日(木)

以前、このブログに決算発表延期のことを書きましたが、亀田製菓は、先日、米菓を生産するタイ子会社の不適切会計問題に関する調査報告書を公表しました。 調査報告書では、2010年12月から2017年9月にかけて棚卸資産が累計で約6億円過大に計上されていたと認定しています。 原因として、子会社の経理部以外の第三者によるチェック機能が働かないなどガバナンスや内部統制が不十分だったと指摘しています。

独立調査委員会の報告書によると、不適切会計は現地子会社のタイ人の経理部長が主導したと指摘しています。 この経理部長は、独立調査委の調べに不適切会計をした理由として、「赤字が続くと会社が閉鎖されてしまうと思った」と話しているそうです。

また、独立調査委の調査に伴い延期していた2017年4~9月期の連結決算も発表しました。 純利益は前年同期比36%減の10億円でした。 米菓の主原料である国産米の価格が上昇したほか、アメリカ子会社が、気象要因で一時的に操業を停止したことも響いたようです。

2018年3月期通期の業績予想も、下方修正しています。 連結純利益は前期比74%増の47億円になる見通しですが、従来予想を10億円下回ります。

ここ数年、上場企業の海外子会社における不正が散見される中で、あまりにも内部統制が杜撰と言うほかないですね。 会社にも監査法人にも、海外子会社に、最低でも3年に1回くらいは行って、監査して欲しいですね。

亀田製菓がタイ子会社の不適切会計で調査報告書を公表したことについて、どう思われましたか?


大豊建設が下請け業者に架空・水増し発注の疑い!

 東証一部上場の大豊建設は、先日、下請け業者との不正取引の疑いが判明したと発表しました。 2015年10月から2017年8月にかけ、東日本の事業所が特定の下請け業者へ架空発注や水増し発注をして、約1億4,000万円の工事費を不正に支払った疑いがあるそうです。 近日中に外部の識者を含めた内部調査委員会を設けたうえで,「なるべく早く結果を公表する」としています。

1.不正取引の経緯と内容 平成29年9月6日付で外注契約における不正な経理処理を告発する匿名の投書が弊社内部通報窓口等に届きました。 弊社は、本通報を経営上のリスクと捉え、同月26日の取締役会の決定により、社外役員および社外有識者により構成した調査チームに調査を委託し、公正で客観的な事実調査を開始いたしました。 調査の結果、平成27年10月から平成29年8月までの間、弊社事業所において、特定の協力会社に対し、架空発注、水増し発注を行い、工事費約1億4千万円を不正に支払っていた疑義が生じております。

2.今後の見通し 弊社は、本件不正取引の全容の解明及び原因究明ならびに同種の事案の有無について、外部有識者を含めた内部調査委員会を設置し、調査を進めることといたしました。 詳細につきましては、内容が判明し次第、別途開示させて頂きます。

内部通報窓口に投書があったということは、社内の人か下請け業者の方だろうと推測されますが、こういうまともな方がおられるということは、ホッとしますね。 ただ、こういうことを防げないということは、内部統制が不十分ということだと思います。 キックバックとかは発見が難しいとは思いますが、担当者のローテーションなどで、防いでほしいですね。 立場の弱い下請け業者も迷惑を被ると思いますので。

大豊建設に下請け業者に架空・水増し発注の疑いがることについて、どう思われましたか?


JALが3億8千万円の振り込め詐欺の被害!

2018年01月04日(木)

日本航空(JAL)は、先日、取引先を装った電子メールに指定された不正な銀行口座に航空機のリース料などを送金し、計約3億8千万円をだまし取られる被害に遭ったと発表しました。 JALは、警視庁品川署や香港の警察当局などに被害届を提出し、受理されました。 担当者の処分を検討しており、平成29年度決算に特別損失の計上を予定しているようです。

JALによると、JAL本社財務部に、9月下旬、「ボーイング777-300ER」をリースしているアメリカの金融会社の担当者を装い、リース料の支払先を香港の銀行の別名義口座に変更するよう電子メールが届きました。 偽のアドレスでしたが、パソコンには担当者と同一のものが表示されていたため、信用したJAL社員は4日後の支払期日に3か月分のリース料約325万5千ドル(約3億6千万円)を送金しました。

その後、金融会社から督促が来て発覚しました。 担当者は社内調査に「リース機のため、支払いが遅れると止められる恐れがあり、(変更口座の)確認前に支払いを優先した」と説明したそうです。

このほか、アメリカ支店の貨物事業所にも、8月、取引先を装った同様のメールが届き、2か月分の貨物地上業務委託料約21万6千ドル(約2千400万円)を香港の銀行口座に送金し、アメリカ連邦捜査局(FBI)などに被害を届け出ました。

JALともあろう大会社が、同じような手口の詐欺に1件のみならず、2件も引っかかったんですね。 こういう変更は、少し余裕を持って郵便ではなく、直前にメールで来るものなのでしょうか? JALは、口座情報の確認を厳格化するなどの対策を講じたとしているようですが、内部統制派とうなっているのでしょうか?

あまりにもお粗末な事件ですね。

JALが3億8千万円の振り込め詐欺の被害にあったことについて、どう思われましたか?


清水建設執行役員の実家を除染作業員が草むしり!

 国の除染事業が私物化されていたのでしょうか?

 福島第1原発事故の除染事業を担う清水建設のJV(共同企業体)で、除染作業員が、除染の対象地域ではない清水建設の執行役員の実家で、草むしりなどを行っていたことが、FNNの取材でわかったようです。 執行役員は事実を認め、辞任しています。

実家は、新潟県との県境の福島県西会津町にあり、除染の対象地域ではありませんが、作業員12人が、草むしりを行っていまいた。 また、冬には3年にわたり、4回、雪かきを行っていたそうです。 作業車でやってきた除染作業員たちは、この執行役員の実家裏庭などを、およそ5時間かけ、作業道具を使って草むしりしたそうです。 「草むしり」に参加した除染作業員は、「『清水建設の偉い人の実家だから、気をつけてやれ』と。『ガラスとか割ったり、家を傷つけたりすればクビになるからな』って。みんな集められて、きょうは大熊で(の除染作業として勤務に)つけていいからって」と語っています。 このJVの除染では、作業員は、国から危険手当1万円を日当に上乗せして受け取れますが、参加した作業員によると、下請け企業の幹部の指示で、草むしりを除染作業として勤務報告していたそうです。 「草むしり」に参加した除染作業員は、「除染で出た廃棄物と一緒に処分という形でやりました。おかしいなと思いました」と語っています。 参加した作業員によると、黒い袋は除染専用のもので、刈り取った草は、下請け企業の幹部の指示で、国の除染廃棄物の仮置き場に捨てたそうです。

一方、当初、下請け企業の代表は、仮置き場への投棄と、危険手当の国への請求を否定していました。 下請け企業の代表は、「(作業員は、勤務につけろと指示されたと)ふーん」、「(草を仮置き場に廃棄したと)そんなことないでしょうよ、そんなのあり得ない。(実家がどこにあるかも知らない)会津だとは、わかってますよ。(どうしてご存じなんですか?)われわれの得意先ですからね」と話していました。 しかしながら、下請け企業の代表は、このあと、作業員に執行役員の実家の草むしりなどをさせた事実を認め、「深く反省している」と話しました。

この下請け企業は、原発事故の翌年に設立され、清水建設の下請けとして、年間100億円を売り上げるまでに急成長しています。 下請け企業との癒着があったのか、清水建設の執行役員は、「(これは育った実家ですよね?)広報通してお願いします。(指示されたんですか)指示してないです」と話しています。 執行役員は、指示したことを否定する一方、「草むしり」などをしてもらった事実を認めました。 そして、FNNの取材が進む中、その費用を個人負担で下請け企業に支払ったうえで、執行役員を、辞任しました。

清水建設は、内部調査を始めていて、「疑義を持たれるような行為があったことは誠に遺憾です」とコメントしています。 また、除染事業の発注元である環境省は、この問題について、「事実関係を調査中です」とコメントしています。

こういうことをして受注するというのは商売上あるのかもしれませんが、事実であれば、国の手当てである1万円は税金が使われているわけですから、許しがたいことですね。 執行役員のほうから要求したわけではないのかもしれませんが、結局、そういうものが清水建設の仕入価格や経費に跳ね返ってくるわけなので、内部統制上も問題があるでしょうね。

清水建設執行役員の実家を除染作業員が草むしりしていたことについて、どう思われましたか?


商品券3,000万円を不正取得した日本経済新聞社次長を懲戒解雇!

 日本経済新聞社は、先日、業務を装って計3,000万円相当の商品券を不正取得していた東京本社販売局第2部次長の男性社員(44)を懲戒解雇しました。

男性社員は、2012年8月~2017年5月に、西部支社販売部などで63回にわたりグループ会社に商品券を発注し、換金して私的に使用していましたが、虚偽の説明をして新聞販売店や本社に代金を負担させていました。 男性社員は、本社を通じて全額弁済する意向を示しているようです。

本社はまた、男性社員の不正を把握したのに対応を怠った元上司の東京本社販売局次長を降格としました。 2017年7月に別の販売局社員を懲戒解雇した件と合わせて管理責任を問い、常務執行役員販売担当、東京本社販売局長をけん責としました。 常務取締役販売統括は、役員報酬30%を1か月返上します。

日本経済新聞社は、「社員による不正行為であり、厳正に対処するとともに、おわびいたします。社員教育を徹底、管理体制を強化します」(広報室)としています。

他社の不正などを報道している日本経済新聞社の内部統制がこの程度かと思うと、残念ですね。 それにしても、『商品券』ってどのような局面で使うのでしょうか? 『虚偽の説明』というのがどのようなものか知りたいですが、報道機関ゆえ、上司などの処分が甘いように思いますね。

商品券3,000万円を不正取得した日本経済新聞社次長が懲戒解雇されたことについて、どう思われましたか?


パソコンを詐取したことを「謝罪代行業者」に謝らせて発覚を免れる!

 総合印刷「凸版印刷」(東京)の関連会社「トッパンエムアンドアイ」(現NDIソリューションズ)で多額のパソコンが詐取された事件で、詐欺容疑で警視庁に逮捕された元同社営業担当社員(35)が、「謝罪代行業者」を使って、発覚を免れていたことが捜査関係者への取材でわかりました。

 詐取したOA機器は、総額約13億円に上るそうです。

元社員は、取引先から受注したように装った虚偽の注文書を提出し、同社からノートパソコン約740台(計約1億円相当)をだまし取った疑いで、先日逮捕されました。 パソコンなどは中古品買い取り業者に転売し、高級外車やマンションの購入費用などに充てていました。

不正が発覚しないよう、「謝罪代行業者」から勤務先に電話をかけさせ、「代金の支払いが遅れる」などと謝らせていました。 謝罪代行業者はインターネット上などで客を募り、依頼主に代わって苦情に対応したり、謝ったりするサービスを提供しており、電話での謝罪の相場は数万円だそうです。

この会社の内部統制はどうなっているんでしょうね? まともな与信管理や購買管理などが行われていないんでしょうね。 「謝罪代行業者」というものがあるのを初めて知りました。 今回の事件は悪用しているケースですが、人のお悩みは仕事につながると言いますが、世の中のニーズをきちんととらえたお仕事だなぁと感心しました。 ネットで調べてみると、結構ニーズがあるようです。

パソコンを詐取したことを「謝罪代行業者」に謝らせて発覚を免れていたことについて、どう思われましたか?


1億3千万円を無断で借り入れた背任容疑で社会福祉法人の元理事長を逮捕!

 大阪市摂津市の特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人の名義で不正に1億3千万円を無断で借り入れて損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は、先日、背任の疑いで、元理事長(71)を逮捕しました。

 逮捕容疑は、理事長だった平成267月、理事会の決議や承認を得ずに議事録などを銀行に提出し、1億3千万円を借りて社会福祉法人に損害を与えたとしています。

大阪府警捜査2課によると、元理事長は借りた金のうち約1億円で買収した兵庫県西宮市の介護サービス会社の社長に就任しました。 残りの金の使途は分かっておらず、同社はすでに破綻しています。

元理事長は「買収した会社の事業は社会福祉法人の事業にするつもりだったし、損害を与える目的はなかった」と容疑を否認しているそうです。

この社会福祉法人をめぐっては、元理事長が約13億円を不正に流用していたことが内部調査で判明し、社会福祉法人が20173月に、大阪府警に刑事告訴していました。

この手の事件もよく目にしますね。 社会福祉法人は、いろいろと優遇されているわけですから、私腹を肥やすのではなく、社会福祉に知識のある方に理事長に就いてもらいたいと思いますし、手続き的なこともルールに基づいてきちんとしてほしいですね。

13千万円を無断で借り入れた背任容疑で社会福祉法人の元理事長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


JA佐久浅間の元職員の女が104万円を横領し逮捕!

  顧客の定期貯金口座を不正に解約し100万円あまりを横領したとして、元JA職員の女が逮捕されました。

 業務上横領の疑いで逮捕されたのは、JA佐久浅間の元職員で佐久穂町の容疑者(45)です。

容疑者は、JA佐久浅間に勤務していた20145月下旬、顧客の定期貯金を不正に解約し現金100万円あまりを横領した疑いがもたれています。 容疑者は当時、貯金を扱う窓口業務を担当していましたが、JAが不正に気づいて20169月に懲戒解雇し、先日警察に告訴していました。

調べに対し、容疑者は容疑を認めていて、警察は余罪があるとみて捜査を進めています。  JAによりますと、横領した金額は4,700万円に上り、容疑者は生活費に充てたと話しているということです。

香川県に限らず、JAは不祥事が多いですね。 内部統制という意識が、一般企業より劣っているんでしょうね。 一金融機関として、きちんと内部統制の構築に努めてほしいものです。

 JA佐久浅間の元職員の女が104万円を横領し逮捕されたことについて、どう思われましたか?


中国銀行の31歳行員が顧客の預金2億円を着服!

2017年12月07日(木) 

中国銀行(岡山市)は、先日、顧客の預金約2億円を着服したとして、高松支店の男性行員(31)を懲戒解雇処分にしたと発表しました。 業務上横領容疑で告訴・告発する方針だそうです。

中国銀行によると、行員は2015年7月~2017年10月に、顧客の30~70代の男女11人に「国債、投資信託の運用に必要」などとうその話をし、現金を窓口で引き出す際に必要な払戻伝票を書かせるなどして、預金を着服していたそうです。

行員が休暇中の11月上旬、顧客から高松支店に問い合わせがあり、不正が発覚しました。

行員は「現金は外為取引の損失の穴埋めやギャンブルに使っていた」などと説明しているようです。

被害額のうち、行員と親族が約8,900万円を返金し、残り約1億1,600万円を銀行が肩代わりしたそうです。 宮長雅人頭取は会見し、「信頼を裏切ったことに対して申し訳なく思っている。再発防止策にきちんと取り組んで参りたい」と謝罪しました。

多かれ少なかれ金融機関ではこのような事件は起きるのでしょうが、2年間も気づかない組織もどうなのかと思いますね。 本当に、内部統制をきちんと構築することが、従業員のためにも会社のためにもなりますので、一度構築したらそれで終わりではなく、時代の流れに沿ってタイムリーに変えていってほしいですね。

中国銀行の31歳行員が顧客の預金2億円を着服したことについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(税理士)

20歳で自己破産しその後もホスト沼・闇金・愛人生活の元風俗嬢税理士の人生を変えた運命の出会い!

集英社オンラインによると、ナイトワークに従事する女性たちから、駆け込み寺のようなかたちで数多くの相談を受ける税理士がいるそうです。

東京都港区南青山に税理士事務所を構える沖有美子さんです。

かつて自身も夜の世界に身を置いていました。

「私も風俗で働いていたので、気軽に相談できるんだと思います」笑顔を浮かべる沖さんに、その波乱万丈な人生を語ってもらっています。

「ホストにハマって風俗で働くことになったんですが、その前に自己破産もしているんですよ」(沖有美子さん 以下同)

笑いながら驚きの発言をする沖さんは、鹿児島県出身で、医師である父親と医療関係の国家資格を持つ母親の間に産まれ、裕福な家庭で幼少期を送ったそうです。

しかし父親が病気で早世、その後の生活は決して裕福とは言えなかったようです。

しかしながら、都会に住みたいと上京資金を自ら作り上京しました。

自己破産をしたのは、英語の専門学校へ進学のために18歳で上京した後、ネットワークビジネスにハマってしまったのが原因のひとつです。

「あと東京の女の子ってキレイな服を着て、キラキラしているじゃないですか。それがうらやましくて、服などを買うのにお金を借りまくっていたんです」

沖さんが学生時代を送った2000年初頭は消費者金融の全盛期で、「収入がなくても借りたい人にはいくらでも貸してくれた」時代だったのです。

「結局20歳そこそこで借金が600万円近くになってしまって。当時勤めていた不動産会社の社長に『もう自己破産したほうがいいよ』と言われて、自己破産したんです」

自己破産が完了すれば、それはまだ「若い頃の苦い思い出」で終わったかもしれません。

ところが、沖さんは、自己破産の手続きをおこなっている最中にホストにハマってしまいました。

「ホストクラブが今みたいに問題になる前の時代ですね。1回店に行ったらその後ホストから営業電話が来て、会いに行ったらホテルで(笑)。枕営業ですね、それで結局貢ぐようになってしまいました」

いわゆる「ガチ恋営業」と呼ばれる手法です。

沖さんもホストから「いつか結婚しよう」「一緒に住もう」などささやかれ、その気になっていたそうです。

ホストに貢ぐ生活を続けていた沖さんは、ある日彼から1枚の紙切れを渡されました。
「風俗の店名と電話番号が書いてあって『ここに電話して』って。ホストに貢ぐとなったら、普通のお仕事じゃ全然お金が足りないんですよ。だから私も『じゃあ風俗でいいか』って面接に行って。当日、店長と30分くらい研修したらすぐにお客さんがついて、1万円もらいました」

風俗で働けば、一般の仕事よりも短時間で大金が稼げる。それを実際に経験した沖さんは、それ以降は風俗1本で働くようになりました。

「簡単に稼げるんだよって体験させて、次の日からも来るようにってお店の策略ですよね、見事に染まってしまいました(笑)」

いくら好きなホストからのお願いだとは言え、風俗で働くことに抵抗感はなかったのだろうでしょうか?

「それまで男性経験も少なく風俗の仕事に詳しくもなかったので『ちょっとやってみようか』と、好奇心でしたね。それで実際にやってみたら『普通に働くより楽だな』と思っちゃったんです」

風俗で働き始めた沖さんは、連日のようにホストクラブに通い、担当ホストに貢ぐ生活を送るようになりました。

さらには、風俗の稼ぎでも足りず闇金にまで手を出すことに。

「闇金で200万円借りました。自己破産中だったので闇金でしか借りられなかったんですよね」

闇金での、しかも200万円という高額な借金。2000年台初頭にまかり通っていた違法な金利で返済するとなると、一般的な職業の給料ではまず返済ができず、風俗の世界で働き続けるしかなくなっていた可能性が高いでしょう。

漫画『闇金ウシジマくん』で描かれる典型的な転落生活のような人生。

ところが、この借金を沖さんに変わって返済してくれる男性が現れたのです。

「風俗のお客さんで公認会計士さんでした。そのお客さんが闇金の200万円を返済してくれて、住む場所も用意してくれて。風俗から『水上げ』してもらったんです」

その後、男性の愛人としての生活がスタートしました。

そしてこの愛人生活が、沖さんが税理士となるきっかけとなりました。

「その男性から『税理士やってみたら?』と言われて。でも専門学校しか卒業していないので、簿記の資格を取らないと税理士の試験が受けられなかったんです」

まずは簿記の勉強から始めたところ、半年で簿記2級、そして1級にも合格しました。

「数学は好きだし、勉強も苦じゃなかったし」と笑う沖さんだが、簿記1級は合格率10%とされる難関資格で、「数学が好きだから」で合格できる資格ではありません。

簿記資格に合格して自信を深めた沖さんだが、それから税理士の試験を受け始めてから合格するまでに7年かかっています。

「長かったですよ。22歳から29歳までの人生で一番楽しい時期に勉強三昧ですから。今考えてみれば、それで良かったと思えますけど当時は辛かったですね」

7年間の受験生活、挫折しそうにはならなかったのでしょうか?

「もちろん挫折しそうになりましたよ。でも、その前の4年間のツケが大きすぎました。自己破産して闇金に借金があった当時の私には、税理士に合格するしか道がなかったですから。でも、ときどき『風俗に戻ったほうが楽なんじゃないかな』とは思っちゃいましたね(笑)。それくらい勉強は辛かった」

沖さんが挫折せずに税理士試験に合格できたのは、沖さんを風俗店から水上げして「税理士になる」という目標を与えてくれた愛人の存在と、当時できた恋人の存在があります。

特に恋人は、沖さんと同じく税理士試験の受験生で、挫折しそうになる心を支えてくれたのです。

「恋人ができた時点で、さすがに申し訳ないので愛人には『もう会えない』と伝えました。ただ、相手が『心の準備ができていない』って、別れるまで1年かかりましたけど(笑)」

大きなトラブルにはならなかったようですが、恩人を差し置いて恋人を作ってしまうあたりも沖さんの人生の波乱万丈さを示すエピソードかもしれません。

沖さんは2007年に税理士試験に合格後、2014年に独立して「沖有美子税理士事務所」を開設しました。

税理士として風俗で働く女の子たちをはじめとする夜職の人間の相談を積極的に受け入れています。

「夜職の子たちは、まだ納税に対する意識が薄いんです。風俗店も今はちゃんと女の子に清算シート(稼いだ額が記載されているもの)を渡すお店は増えてきていますが、その紙をすぐ捨ててしまう子も多くて…。確定申告に必要だから『写真に撮っておくといいよ』みたいなアドバイスはしていますね」

しっかりと確定申告をして税金を払うためにも、働く女性自身が税金に対する意識を高める必要があります。

「確定申告をしないと、罰金も含めた追徴税のリスクもあるしデメリットが大きい。せっかく体を張って稼いだお金が取られてしまう悲しい経験をさせたくないということもありますが、それ以上に確定申告は『私はここにいるよ』という、社会に対する証明だと思っているんです。

自分の居場所があるって大切なんですよ。納税し社会の一員なんだと自覚することで意識が変わっていく夜職の女の子をたくさん見てきました。だから税金が気になるって方は、気軽に相談に来てほしいです。最初は雑談だけに来るのも構いません、初回1時間は無料ですから。ってまるでホストの誘い文句みたいですね(笑)」

自身の波瀾万丈な人生経験をふまえ、後輩が損をしないためにと尽くしてきた沖さん。

沖さんもまた、たくさんの夜職の女性たちに支えながら税理士として11年目を迎えました。

最近は、ホストをやっているなど、変わった経歴の方が増えてきましたね。

昔もいらっしゃったのかもしれませんが、なかなか公にする方がいらっしゃらなかったのかもわかりませんが。

しかし、経歴が業種特化とかぬつながるのかもしれませんね。

そう考えると、色々な経歴の方が業界に増えてくるのは素晴らしいことですね。

20歳で自己破産しその後もホスト沼・闇金・愛人生活の元風俗嬢税理士の人生を変えた運命の出会いについて、あなたはどう思われましたか?


72歳の女性が大学院で猛勉強し税理士の道へ!

中京テレビによると、大学院の修了式で学位記を受け取る72歳の女性がある難関資格に挑戦していました。

2025年3月22日に愛知県日進市で行われた名古屋商科大学ビジネススクールの卒業式ですが、ずらりと並ぶ教授陣もハットをかぶりガウンを身につけ参列しました。

学位記を受け取る大学院の修了生の列には、宝性恵子さんがいました。

孫が4人もいる72歳の修了生です。

式が終わると、孫たちがお祝いにかけつけました。
宝性さんの孫 「おばあちゃんが大学院を卒業してめでたい」

大学院の教室では・・・。
記者:いつもそこに座っていた?
宝性さん:「先生にあてていただかないといけないので」
矢野教授:「すごく熱心な生徒さんでした」

担当の矢野教授は62歳で、宝性さんより10歳も年下です。
矢野厚登 教授:
「(教え子で)ぼくより上の方は、初めてでしたね。でも一緒に勉強していく中で、あまり年齢は関係ないなって」

70歳で大学院に入学しましたが、入学式では学生だとは思われず、父母席に案内されたエピソードもあるそうです。

同級生はみな親子ほど年が離れていましたが、人生経験豊富な宝性さんに話を聞きたいと相談に来る人が続出しました。
その様子は「恵子(けいこ)の部屋」と呼ばれていたそうです。
宝性さん:
「個人的なプライベートなこともいろいろ。炊飯器壊れたけど何買おう?っていうのまで」

宝性さんの大学院入学にはある理由がありました。
愛知県安城市にある宝性さんの自宅には、税法や会計学の本ばかりです。

実は、税理士になるために大学院に通っていたのです。

税理士を目指すきっかけは。
宝性さん:
「(税理士の)叔父の話を聞いて、税金ってものは絶対なくなるものじゃないから、絶対必要なものだから勉強して損はないよって言われて、目指してみようかなと」

30歳の時に税理士を目指し子育ての傍ら独学で簿記の勉強をスタートしました。
宝性さん:
「借り方貸し方の数字がぴったりと合わないといけないんですけど、それが合ったときの達成感。それでおもしろくなった」

簿記の資格を取って税理士事務所にスタッフとして就職しました。
実務を学びながら税理士試験の勉強もできるかと思いきや、夏休みなどに子どもを預ける場所がなく退職を余儀なくされます。

数年後、再び税理士事務所で働き出しますが、65歳の時に乳がんになったのです。
がんで手術やホルモン剤治療を経験し死を身近に感じたと言います。

そして強く思ったのが・・・。
宝性さん:
「(人生)なんかやり残したことがあるんじゃないかなって、30歳のときに思った、税理士っていうのをチャレンジしてみようと。子どもも孫もいましたから孫のためにもおばあちゃんがんばってるよっていうところを見せたいなって思って」

猛勉強の末、税法や会計学の試験に合格しました。
修士論文が国税審議会で認定されれば、晴れて税理士の仲間入りです。

修士論文の内容は教授も太鼓判を押す出来とのこと。

大学院を卒業し、現在勤める税理士事務所の所長が花束をサプライズプレゼント。
宝性さん:
「所長が理解してくれて応援してくれたところが一番大きい」

今はサポート業務が中心ですが、今後は一税理士として働く予定です。
野村昌司所長:
「新しいことにチャレンジっていうのが年齢を重ねるとどうしても消極的になるじゃないですか。でも彼女の場合は全てにおいてすごく意欲的で好奇心も強くてすごいですね」
宝性さん:
「40年越しの夢だったので、みなさんにもとにかく夢はあきらめないでって伝えたいですね」

70歳から大学院に入学して72歳で税理士というのは、同業者として、素直にすごいなぁと思います。

税理士業界は、国税局OBが多いので、72歳でもそれほど高齢でもないのかもしれませんが。

僕自身が70歳で猛勉強というのは多分無理だと思いますので、尊敬しますね。

守りに入らずに、いつまでもチャレンジしないといけないなぁと改めて感じた1件でした。

72歳の女性が大学院で猛勉強し税理士の道へ進むことについて、あなたはどう思われましたか?


マイナンバーカードで申告等データを送信した場合にエラーとなる事象が解消!

国税庁は、事象解消のお知らせを出しました。

以下のとおりです。

【重要】マイナンバーカードで申告等データを送信した場合にエラーとなる事象が解消しました。
【令和7年1月11日追記】
下記の事象について令和7年1月11日(土)にメンテナンスを実施し、現在は解消しておりますので、お知らせします。
ご不便をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。

令和7年1月6日以降、e-Taxにマイナンバーカード(スマホ用電子証明書を含みます。)でログインを行い、申告等データを作成後、マイナンバーカードで電子署名を付与して送信した場合、 送信エラーとなる事象が発生しており、現在、復旧に向けた作業を進めております。
(※)事象の解消については、改めて、「お知らせ」に掲載し、ご案内いたします。

令和7年1月6日以降、マイナンバーカードで電子署名を付与して申告等データを送信された方は、以下の 「①受信通知(送信結果)の確認方法」の手順により 受信通知(送信結果)をご確認ください。 受信通知に送信エラーが表示されている場合は、申告等データを再送信してください。

なお、復旧までの間であっても、マイナンバーカードで申告等データを送信することは可能ですので、以下の「 ②ご利用ソフトごとの送信方法」をご確認いただき、申告等データを送信して いただくようお願いします。

上記の事象が発生していたようです。

我々税理士は、税理士用電子証明書を使って電子申告などをしていますが、期限直前に何らかの理由で使えなくなると、焦るでしょうね。

過去にも地方税のサーバーがパンクして、送信できなくなったことなどがありますが、便利になった反面、不便な面もありますね。

現在も、法定調書提出などで忙しい時期ですが、こういうことがないようにして欲しいですね。

マイナンバーカードで申告等データを送信した場合にエラーとなる事象が解消したことについて、あなたはどう思われましたか?


元税務署長が公用車私的利用などで名古屋国税局から懲戒処分!

NHKによると、愛知県内の税務署で署長を務めていた男性職員が、公用車を最寄り駅までの移動に私的に利用するなどしたとして、停職1か月の懲戒処分を受けたようです。

男性職員は、先日、依願退職しました。

処分を受けたのは、愛知県内の税務署で署長を務めていた60代の男性職員です。

名古屋国税局によると、2024年7月までの3か月の間に、4回にわたって署の公用車を最寄り駅までの移動や昼食のために使用したほか、勤務開始が遅れた際に電車が遅延したとするうその申請をしたり、フレックスタイム制を利用する際に申請書類を期限内に提出せずに利用したりしていたということです。

男性職員は、勤務時間の管理者である総務課長からこうした不正について複数回にわたり指摘があったにもかかわらず、聞き入れなかったということで、「署長だからこれくらいは許されるだろうと安易に考えていた」などと話しているということです。

国税庁は、男性職員を停職1か月の懲戒処分にしました。

男性職員は、先日、依願退職したということです。
 名古屋国税局は「幹部による非行行為が相次いで発生したことを極めて重く受け止めている。行動規範の徹底を図るよう注意喚起を行い、信頼確保に努めていく」などとコメントしています。

おそらく税務署長を1年やって退職するのでしょうから、しょうもないことで依願退職になるのはもったいないですね。

こういう人も、おそらく、税理士登録するのでしょう。

税務署にもフレックスタイム制があるんですね。

それにしても、新聞記事になるようなことをする税務署職員が多いです。

署長がこのレベルだと、資質や教育は期待できませんね。

元税務署長が公用車私的利用などで名古屋国税局から懲戒処分を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


大阪国税局が顧問先2社からの依頼で所得3億円超を隠す脱税指南の税理士を告発!

産経新聞によると、顧問税理士として契約を結んだ2社からの依頼で脱税を指南したとして、大阪国税局が法人税法違反や消費税法違反などの罪で、大阪市平野区の税理士(63)を大阪地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

計約3億円超の所得を隠し、脱税額は計約1億2,700万円に上ります。

大阪国税局は、顧問先の大阪府寝屋川市の会社と大阪市城東区の会社(清算中)の両前社長と法人としての両社も同罪で告発しました。

関係者によると、別の顧問先に架空の請求書を用意させ、架空の外注費を計上する手口で2019年から2022年の3年間、2社の法人税などを脱税しました。

隠した所得の一部を報酬として得ていたようです。

また、この税理士が顧問を務める大阪市東淀川区の会社の前社長と法人としての同社も計約1億2千万円を脱税したとする同罪で告発しました。

ただし、関与の度合いを考慮し、同社への告発では税理士を対象から見送ったとみられます。

脱税指南は税理士が一番やってはいけないことだと思いますし、やると税理士資格を失うことは本人も分かっていると思いますので、なぜやるのでしょうか?

こういう人がいると税理士業界の信頼が失われますし、あの税理士は認めてくれたのにとか言う先が増えて他の税理士が困ることが生じると推測されますので、こういう人はそもそも税理士をやるべきではないと思いますね。

大阪国税局が顧問先2社からの依頼で所得3億円超を隠す脱税指南の税理士を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


弁護士が法人税2,700万円の脱税疑いで東京地検特捜部が逮捕!

日本経済新聞によると、代表を務める弁護士事務所で法人税など計約2,700万円を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、弁護士(53)を法人税法違反(脱税)などの疑いで逮捕しました。

逮捕容疑は弁護士法人(東京都千代田区)の業務に関し、架空の業務委託費を計上するなどして2017年、2019年の2事業年度の所得計約1億1,100万円を隠し、法人税と地方法人税を免れた疑いです。

東京地検特捜部と東京国税局査察部は、同日、事務所など関係先を合同で家宅捜索しました。

関係者によると、弁護士は逮捕前の任意聴取に対し、容疑を否認したようです。

ホームページなどによると、この弁護士は2002年に弁護士登録、2009年に弁護士事務所を設立、2010年に弁護士法人化して代表に就きました。

弁護士法人は東京や大阪、名古屋に拠点を置き、クレジットカード会社や携帯キャリアなどから委託を受けた債権回収を主に手掛けています。

債権回収の弁護士は儲かるんですね。

もちろん、脱税は認められる行為ではありません。

そんなことはもちろん分かる弁護士の方だから、なおさら脱税ではなく節税をしてほしかったですね。

弁護士が法人税2,700万円の脱税疑いで東京地検特捜部が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


税理士法人の元事務員が無資格で確定申告書を作成の疑い!

京都新聞によると、無資格で税務書類を作成したとして、京都府警捜査2課と福知山署は、先日、税理士法違反の疑いで、京都府福知山市の無職の男(41)を逮捕しました。

逮捕容疑は2023年10月~2024年2月、税理士資格がないにもかかわらず、法人1社と個人2人からの求めに応じて、法人税や所得税の確定申告書などの税務書類6通を作成した疑いです。

「法人税確定申告書の作成については、税理士法違反にあたると理解していなかった」と容疑の一部を否認しているようです。

京都府警によると、元事務員は2011年から2023年まで、京都府福知山市の税理士法人の事務員として勤務していました。

個人的に依頼を受けて1件10万~20万円ほどの報酬を得て、税務書類を作成していました。

最近、ニセ税理士が逮捕されるケースが増えてきていますね。

会計事務所経験者ならば、確定申告書を作成できる方が多いでしょうが、有償だろうと無償だろうと、税理士以外がやってはいけないことは、当然知っているのではないかと思います。

こういうケースは、頼んだ方も何か罰則等を課した方がよいのではないかと思います。

税理士法人の元事務員が無資格で確定申告書を作成の疑いで逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


弁護士が口座から約670万円不正出金の疑いで懲戒処分に向け調査開始!

熊本県民テレビによると、熊本県弁護士会に所属する弁護士が、依頼人への支払いなどに使う口座から約670万円を不正に出金した疑いがあることがわかったようです。

熊本県弁護士会は、懲戒処分に向けた綱紀委員会の調査が始まったことを明らかにしました。

懲戒処分の手続きが進められているのは、熊本県弁護士会に所属する弁護士(50)です。

熊本県弁護士会によると、弁護士は裁判の相手方から受け取った損害賠償金を依頼人に渡すために保管する口座と相手方に渡すために依頼人から預かった和解金を保管する口座の2つから、あわせて約670万円を不正に出金したとみています。

2023年度、熊本県弁護士会に「和解金が振り込まれない」という相談が寄せられたことで事態が発覚しました。

日弁連や熊本県弁護士会の規定では、預り金口座は所属の弁護士会に届け出るよう定められていますが、弁護士はいずれも届け出ていませんでした。

弁護士は損害賠償金については全額依頼人に返還したと説明しているということで、熊本県民テレビの取材に対し、「不正出金や私的流用はしていない」と話しています。

熊本県弁護士会では、2024年2月に2億円あまりを横領した罪で元弁護士が有罪判決を受けたほか、B型肝炎訴訟の弁護団の口座から約9,000万円の着服が判明するなど不祥事が相次いでいます。

■熊本県弁護士会
「大変最近続いておりまして、もう本当に遺憾としか言いようがない」

熊本県弁護士会は情報提供と被害の掘り起こしのために、臨時の相談窓口を設置しました。
■電話番号:096-312-3451
■午前10時~午後4時(平日のみ)
■9月18日(水)~9月27日(金)

弁護士も毎年、こういう方が何人か出てきますね。

預り金口座は所属の弁護士会に届け出るよう定められているというのは、知りませんでした。

熊本県は、工場の進出などで潤っているのかと思っていましたが、やはり、弁護士も人数が増えて、経営が厳しい方もたくさんいらっしゃるんでしょうね。

弁護士が口座から約670万円不正出金の疑いで懲戒処分に向け調査開始となったことについて、あなたはどう思われましたか?


依頼人から1億円以上を横領した容疑で広島地検が女性弁護士を追起訴!

産経新聞によると、広島地検は、先日、自分で使うために依頼人などからの預かり金計1億1,200万円を横領したとして、業務上横領罪で、広島弁護士会に所属する女性弁護士(48)を追起訴しました。

起訴状によると、2020年6月22日から2023年8月28日、広島県内の成年被後見人の男性と、70代男性から委任を受け、自身の名義の口座で保管していた預かり金計1億1,200万円を、民事事件の依頼人への立て替え金として送金し、横領したとしています。

女性弁護士は、先日、自動車購入やエステサロン代金などに充てる目的で計1,860万3,120円を着服したとして、同罪で起訴されていました。

毎年、こういう事件を起こす弁護士が出てきますね。

法律のことを一番知っている弁護士が、なぜこういう事件を起こすのか、心理が分かりません。

弁護士も人数がかなり増えているので、競争が厳しいのでしょうね。

だからと言って、横領が認められるわけではないので、本当にやめてほしいですね。

弁護士を信頼してお金を預けているわけでしょうから、こういうことがあると、誰を信じてよいかが分からなくなり、弁護士だけでなく、士業の信頼も失われてしまうことになりかねませんから。

依頼人から1億円以上を横領した容疑で広島地検が女性弁護士を追起訴したことについて、あなたはどう思われましたか?


1億4,000万円を脱税の疑いで大阪の工事業者と元税理士を告発!

日本経済新聞によると、架空の外注費用を計上して約1億4,000万円を脱税したとして、大阪国税局が大阪府摂津市の建築工事会社と同社の前社長(51)、元税理士(74)=2024年1月に廃業=を法人税法違反などの容疑で大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

重加算税を含め追徴課税は約1億9,000万円とみられ、既に修正申告済みだそうです。

関係者によると、建築工事会社は下請け先に工事を外注したように偽装するなどして、2021年9月期までの3年間に約3億8,900万円の所得を隠した疑いが持たれています。

隠した所得は、前社長の貯蓄や賃貸用マンションの購入費に充てられたようです。

元税理士については、大阪国税局は、前社長に脱税方法を指南し、受け取った報酬約9,400万円を過少に申告したとして所得税法違反などの疑いで告発したことも判明しました。

既に修正申告を済ませたようです。

脱税指南なんて、税理士がもっともやってはいけないことだと思いますので、驚きです。

建設工事会社前社長も、架空の経費計上はダメなのは常識的に分かると思いますし、報酬を9,400万円も支払っているので、分かってやっていたのでしょうか?

いつもこのような事件を目にするたびに思いますが、儲かっているのだから、費用を払ってでも毎月きちんと月次決算をして、節税対策も考えればよいと思いますが、なぜ安易に架空経費の計上に走ってしまうのでしょうか?

1億4,000万円を脱税の疑いで大阪の工事業者と元税理士を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


女子大学生に「パンツを見せてもらったらお金を渡す」と駅のホームで迫った疑いで国税局職員を逮捕!

関西テレビによると、19歳の女子大学生に駅のホームで「パンツを見せて」「10秒でも1秒でもダメですか?」などと卑わいな言葉をかけた疑いで国家公務員である大阪国税局の職員が逮捕されました。

迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、大阪国税局の職員(35)です。

大阪国税局の職員は2024年2月28日、午後8時半ごろJR奈良駅のホームで電車から降りた19歳の女子大学生に「パンツを見せてもらったらお金を渡す」「10秒でも1秒でもダメですか?お願いします」「今急いでますか?」などと卑わいな言葉をかけた疑いが持たれています。

警察によると、女子大学生は「無理です」と拒絶し、ホームから階段を降りて逃げようとしましたが、大阪国税局の職員がしつこく後をつけてきたということです。

女子大学生が駅員に相談し、駅員が近くの交番に申告したことで事態が発覚しました。
警察は、防犯カメラの映像から大阪国税局の職員を特定しました。

大阪国税局の職員は当時、酒に酔った様子ではなく、大学生と面識はなかったということです。

調べに対し、大阪国税局の職員は「女性に『パンツを見せてくれたらお金を渡す』と言いましたが、その言葉をきっかけに私と遊んでくれると思ったからです」と話し、本当にパンツを見せてくれるとは思っておらず、『ナンパをするきかっけ』の言葉だったという趣旨の供述をしています。

大阪国税局の職員は帰宅途中に犯行に及んでいたとみられ、警察は余罪の有無についても捜査しています。

大阪国税局は、職員の逮捕を受けて「当局の職員が警察に逮捕されるという事態を招いたことは誠に遺憾であります。職員の容疑が事実であれば税務職員としてあるまじき行為であり、事実関係が確認され次第、組織として厳正に対処する所存です」とコメントしてます。

大阪国税局によると、逮捕された職員は、一般職員の国税実査官で、2021年7月から現在まで在籍しているということです。

国税局の職員も次ぎから次へと、色々な問題が出てきますね。

まともな教育とかは、されているのでしょうか?

事件が明るみになるたびに思いますが、税務調査とかがやりにくくなると思いますので、国税局も真剣に採用や教育に取り組んだ方が、国税局のためになるのではないかと思います。

退職者も多い一方、なかなか採用できず、採用難の結果モラルの低い方の採用が多くなるのかもしれませんが、将来的には税理士業界に入ってくる方が多いわけですから、まともな人を採用してほしいと感じますね。

女子大学生に「パンツを見せてもらったらお金を渡す」と駅のホームで迫った疑いで国税局職員が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


風俗店で勤務もしていた国税職員が医療費控除で237万円不正で懲戒免職!

2024年07月12日(金)

朝日新聞によると、東京国税局は28日、不正に医療費控除を受けたり風俗店で働いたりする国家公務員法違反(信用失墜行為など)が確認されたとして、女性職員(40代)を懲戒免職処分にしたと発表しました。

発表によると、女性職員は2019年~2023年分の確定申告で、医療費控除の対象外の美容関連費用を計上していました。

2020年、2021年分については、架空の医療費を含む親族名義の確定申告書も提出して、計約237万円の所得税の還付を不正に受けていたようです。

また、2019年と2022年には、財務省共済組合にうその書類を提出し「住宅貸し付け」と「医療貸し付け」の名目で計1,680万円を借り入れていました。

さらに、2024年3月以降は、国税職員として働きながら、東京都内のソープランドでも約50日間勤務していたようです。

東京国税局は「公務員としてあるまじき行為。国民の信頼を損ない、誠に申し訳なく、深くおわびします」とコメントしています。

東京国税局は人数も多いのでしょうが、毎年のように何名か国税職員としてふさわしくないような方が出てきますね。

ベテランの方も含めて、きちんと教育などを行ってほしいですね。

住宅貸し付けとか医療貸し付けの名目でお金を借りて、美容整形に使っていたということでしょうから、結構な額を美容整形に使っていたんでしょうね。

風俗店で勤務もしていた国税職員が医療費控除で237万円不正で懲戒免職になったことについて、あなたはどう思われましたか?


業務中に官用車使って日本酒を購入していた名古屋国税局前首席監察官を調査!

朝日新聞によると、名古屋国税局で職員の非行を取り締まる監察部門のトップだった50代の男性職員が、官用車を私的に利用したり、出張中に有給休暇を取って観光し、不適切に手当を受給したりしていたことが、関係者への取材でわかったようです。

名古屋国税局内で調査の対象となっており、辞職する意向を示しているそうです。

関係者によると、男性職員は2023年7月に名古屋派遣首席国税庁監察官に就任しましたが、就任後に複数回、業務時間中に官用車を別の職員に運転させて、名古屋市内の酒店に日本酒を買いに行くなどしたそうです。

また、監察業務で使うシステムの使用状況を視察するとして5月中旬に九州に2泊3日で出張した際には、2日目に公務が終了したのに帰任せずに、3日目は有給休暇を取って現地で砂風呂に入ったり、観光地を訪れたりしていました。

2泊目の宿泊費と3日目の出張手当を受給した点について不適切だったと認めているようです。

男性職員は税務署長などを歴任した幹部職員でしたが、国税庁は2024年6月3日付で同国税局総務部付としました。

名古屋国税局は朝日新聞の取材に対し、「個別の人事については回答を差し控えたい」と回答しています。

国税局で監察官経験がある東京の税理士は「監察官は身内に服務規律の徹底を求め、非行を追及する嫌われ役だが、職員の模範となるべき立場だ。その監察官自身の不祥事など聞いたことがない。他人に厳しく、自分に甘い部分が出てしまったのではないか」と話しています。

税務署長経験者で、身内に服務規律の徹底を求める立場の人がこれですから、名古屋国税局がまともな組織とは思えないですね。

こういう組織が税務調査とかをしていいのでしょうか?

退職金も出るのでしょうし、税理士登録もするんでしょうね。

業務中に官用車使って日本酒を購入していた名古屋国税局前首席監察官を調査していることについて、あなたはどう思われましたか?


「超大手法律事務所」弁護士34人が8,700万円の詐欺被害か?

ダイヤモンド・オンラインによると、東京地検特捜部は、先日、税務顧問契約を結ぶ法律事務所の弁護士34人から約8,700万円をだまし取ったとして、東京の税理士を逮捕しました。

税理士が弁護士をだましたとされる異例の事件ですが、取材を進めたところ、被害に遭った法律事務所は国内有数の大手とみられ、さらに逮捕された税理士は有名作家の親族であることが明らかになりました。

東京地検特捜部は、先日、税理士(63)を詐欺容疑で逮捕しました。

税理士は2022年4月~11月、税務顧問契約を結んでいた法律事務所に所属する34人の弁護士から共済金の掛け金名目で約8,700万円をだまし取った疑いがあるそうです。

税理士が弁護士をだましたとされる異例の事件ですが、被害に遭ったのが少なくとも34人の弁護士が所属する法律事務所というから、それなりの大手の事務所ではないかと弁護士業界がざわつきました。

結論から言うと被害に遭ったのは「森・濱田松本法律事務所」(東京都千代田区)の弁護士たちとみられます。

この事件について、事情を知る人物が証言しています。

森・濱田松本といえば、「西村あさひ」「アンダーソン・毛利・友常」「長島・大野・常松」「TMI」と並ぶ五大事務所の一角で、週刊ダイヤモンド3月23日号の特集によれば、所属する弁護士数は754人で、西村あさひの832人に次ぐ2位です。

東大出身者がそのうち約半分を占めるという。スーパーエリートがだまされた背景には何があったのでしょうか?

前出事情通によれば、税理士は森・濱田松本の関連組織である「MHM税理士事務所」(千代田区)で顧問税理士の立場にありました。

その立場を利用して、多くの弁護士を信用させていたとみられます。

実際、MHM税理士事務所のウェブサイトのアーカイブを確認すると、2015年12月の時点で「所属税理士等」に「●●●● 顧問」としてこの税理士の名前が確認できます。

しかしながら、2023年1月の時点では名前が消えていました。

最後に顧問としての記載が確認できるのが2022年5月のアーカイブです。

この間、この税理士の名前が思わぬところで登場していました。

実は、東証スタンダードに上場する宝飾品大手「ナガホリ」(東京都台東区)の経営権を巡る騒動で、買い占め側の「リ・ジェネレーション」(東京都港区)が2022年4月14日に初めて提出した「大量保有報告書」には、ナガホリ株式115万株(6.87%)の取得資金4億2,500万円の原資が「合同会社STAND UP GROUP」(東京都港区、不動産業、以下SUG社)という会社から借入金であると記されています。

このSUG社の2人いる代表社員のうち1人がこの税理士です。

翌日の「変更報告書」でリ・ジェネ社の持ち株比率は9.96%に上昇し、取得金額合計も7億1,700万円となりましたが、引き続き原資全額がSUG社からの借り入れとなっています。

SUG社はナガホリ株に担保権を設定しておらず、実質的に無担保でリ・ジェネ社に融資していることになります。

ナガホリ側はリ・ジェネ社に対し、SUG社からの借入条件や同社の2人の代表社員などとの関係について質しています。

それに対し、リ・ジェネ社の回答は「借入条件等は守秘義務がある」(2022年4月22日付回答書)、この税理士などの代表2人についてはリ・ジェネ社代表と「ビジネス上の面識がある」(同年7月28日付回答書兼質問状兼要望書〈5〉)としながらも「貴社(ナガホリ)株式の共同取得に関する合意ないし指図等の類の事実は一切ございません」(同)などというものでした。

ナガホリとリ・ジェネ社の対立はいまも続いており、今年6月27日開催予定の定時株主総会に向けてリ・ジェネ社が出した剰余金処分に関する株主提案に対し、ナガホリ取締役会は反対を表明しています。

いずれにせよ、SUG社はリ・ジェネ社に気前良く7億円を超える融資を行っていた一方、税理士の懐具合に余裕はなかったとみられます。

この税理士は新宿区高田馬場で会計事務所を開業する傍ら、同じ所在地で医療コンサルティング会社を設立して代表を務めています。

ところが、医療コンサルティング会社には2016年以降、ノンバンクやファクタリング会社を譲受人とする「債権譲渡登記」がたびたび設定されてきました。

直近の登記は2024年5月です。

また、税理士の東京都小平市内の自宅の不動産登記を確認すると、土地は親族3人の共有となっており、そのうち税理士の持ち分には医療コンサルティング会社を債務者、ノンバンクを権利者とする年利10%の3億円の抵当権などが確認できます。

資金繰りに苦労していたことがうかがえます。

税理士の逮捕について、読売新聞は「弁護士からだまし取った金を自身の借金返済などに充てていたとみられる」と報じました。

なお、余談ですが、税理士の自宅の登記を確認すると、税理士が亡くなった作家から2002年に土地を相続したことがわかるようです。

どうやら、この作家の親族のようです。

税理士はMHM税理士事務所で数年間にわたって顧問を務め、「事務所の弁護士の給与計算をするほど信頼を得ていた」(前出事情通)ようです。

税理士の逮捕を受けて「日本税理士会連合会」は会長名で「正確な事実関係を把握しておりませんが、当該行為は、国民・納税者の皆様の税理士及び税理士制度に対する信頼を著しく損なうものであり、極めて遺憾であります」とのコメントを出しています。

ダイヤモンド・オンラインは、森・濱田松本法律事務所に対し、今回の件に関する質問を送付したようです。
<質問1>6月5日に税理士が詐欺容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。被害者の弁護士34名が所属していたのは貴法人との情報がありますが、事実ですか?
<質問2>税理士がMHM税理士事務所の顧問税理士だった期間はいつからいつまでですか?
<質問3>その就任経緯と退任理由をご教示ください
<質問4>税理士は貴法人所属弁護士の給与計算をしていたとの情報がありますが、事実ですか?

これらの質問に対し、森・濱田松本法律事務所からは「お問い合わせの件につき、恐れ入りますが当事務所からの回答は控えさせて頂きます」との回答があったようです。

超大手の弁護士事務所の弁護士からだまし取るなんて、ある意味スゴい人ですね。

どういう経緯で契約を結ぶようになったのか分かりませんが、こういう大きな事務所と契約を結べる税理士はごく一部だと思いますが、あえてそれを失うリスクを冒してまでやることだったのでしょうか?

こういう事件が、税理士の信用失墜に繋がらなければいいなぁと思います。

「超大手法律事務所」弁護士34人が8,700万円の詐欺被害にあったことについて、あなたはどう思われましたか?


税理士資格失うも確定申告の書類作成などをした元税理士を逮捕!

NHKによると、50代の元税理士が業務を行う資格を失っているのに埼玉県内にある法人の確定申告の書類を作成したなどとして、税理士法違反の疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは、住居不詳で元税理士(53)です。

警察によると、2023年5月から11月にかけて、税理士の業務を行う資格を失っているのに埼玉県内の3つの法人から依頼を受け法人税の確定申告の書類を作成したなどとして税理士法違反の疑いが持たれています。

元税理士は脱税をしたなどとして国から4年前に業務禁止処分を受けましたが、知人が経営する会計事務所で税務書類などを作り、1件当たり15万円ほどの報酬を受け取っていたということです。

調べに対し黙秘しているということです。

元税理士は2024年3月までの1年間に、顧客だった企業や個人などからおよそ4,000万円の報酬を受け取っていたとみられ、警察は詳しいいきさつを調べています。

先日もニセ税理士が逮捕されていましたが、最近は、厳しく対応しているんですね。

我が香川県でも、依頼者に話を聞いているというようなことを耳にしますが、どんどん取り締まって欲しいですね。

それにしても、1年間で4,000万円というのはかなりスゴいと思います。

逮捕されるリスクを抱えたままやらなくても、会計事務所で番頭さんとかで雇ってもらえば、それなりの報酬はもらえるのではないかと思いました。

税理士資格失うも確定申告の書類作成などをした元税理士が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


知人税理士の名義を借りて確定申告の書類などを作成した疑いで“ニセ税理士”の男を逮捕!

TBSテレビによると、資格がないにもかかわらず、知人の税理士の名義を借りて確定申告の書類などを作成したとして、警視庁が54歳の男を逮捕しました。

税理士法違反の疑いで逮捕されたのは、会社役員(54)です。

会社役員は税理士資格がないのに知人の税理士から名義を借りて、法人税の確定申告書などあわせて6通を作成した疑いがもたれています。

警視庁によると、会社役員は30年以上前から税理士事務所などで勤務し、税理士業務の知識を習得していたとみられています。

警視庁は東京国税局から「会社役員がニセ税理士をやっている」との告発を受け、捜査を進めていました。

会社役員は「答えたくありません」と黙秘していますが、警視庁は会社役員が2019年からの3年間で300件ほどの報酬として、およそ1億3,000万円を得ていたとみて調べを進めています。

また、警視庁は会社役員に名義を貸し、報酬の2割を受け取っていた税理士の男性(55)を、書類送検しました。

名義貸しは税理士として絶対にやってはいけない行為だと思いますが、税理士の名義貸しでの摘発は、警視庁で初めてだそうです。

それにしても、3年間で、300件およそ1億3,000万円というのは、単純平均で年間4,000万円以上なので、無茶苦茶すごいですね。

何人で作業をやっていたのかも気にはなりますが。

これだけの営業力があれば、あえて逮捕されるリスクを冒さなくても、どこかの会計事務所に勤めれば、それなりの報酬をもらえるのではないかと考えます。

最近、ニセ税理士を厳しく取り締まっているようなことを耳にしますが、どんどん摘発してほしいですね。

申告等を頼んでいる企業なども困るでしょうから。

知人税理士の名義を借りて確定申告の書類などを作成した疑いで“ニセ税理士”の男が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


生成AIによる【業務効率化】で税理士は【創造性】を求められる時代へ!

PR TIMESによると、株式会社ROBON(本社:東京都新宿区、代表取締役:荒木 岳夫、以下当社)は、2024年1月より税務AI相談チャットサービス『税務相談ロボット』を提供開始しました。
アナログな税務業界を革新すべく、デジタル化を牽引しています。
本プレスリリースでは、『税務相談ロボット』を導入し活用する佐々木みちよ税理士の事例を紹介しています。

■導入背景:情報収集、クライアントから質問対応 情報の信憑性に神経を使う
『税務相談ロボット』導入前は、セミナーや執筆内容の検討時、クライアントからの質問回答時に、インターネット検索にて国税庁が公表している情報を参考にしたり、最新の条文は有料サイトにて念入りに調べたりしていたそうです。

「頂いた質問の難易度が高いほど、正しい情報に辿りつくのに時間がかかりますし、回答文書を作る際は神経を使います。」『税務相談ロボット』を導入して感じられたことは、「まず収集しているデータが完全にパブリックな情報のみのため、信頼性が高く、今までにない新しい情報収集の方法だと感じました。回答には出典元とそのリンクも表示されます。リンクをタップすればすぐにその出典元に飛べるので、根拠が正しいか否かを明確に把握することができ、本当に便利です。」

『税務相談ロボット』を活用する中で、その効果が2つあると感じられたそうです。

「1つ目は、業務効率化により付加価値の高いコンサルティング業務に注力できるということ。2つ目は少し大きな話になるのですが、税理士自身や職員の働きがいの向上、ひいては事務所運営の安定化にも寄与すると感じたのです。」

■①基本文章を生成AIが作ってくれるからこそ、より有益なアドバイスの検討に注力できる
「昨今の人手不足は税理士業界も同様です。若手の候補者ほど大手に採用される傾向にあるため、特に中小の税理士事務所では慢性的な人手不足です。

クライアントからの質問に対する回答案を一次的に『税務相談ロボット』が自動生成してくれるだけで、業務効率化が図れます。

税理士や職員にとっては、その回答案がヒントになり、クライアントの実情に即した回答を考える力が引き出されます。

『税務相談ロボット』の活用により、税務のプロとしての付加価値の高いサービス提供に注力できるのです。

また生成AIの回答を得て終わりではなく、『税務相談ロボット』は国税庁の質疑応答事例や裁決事例といった周辺情報も提供してくれるので、税理士に新たな気づきや発想のきっかけを常に与えてくれます。

『税務相談ロボット』から得ることができる周辺情報を知れば知るほど、もっと勉強しようと向上心が掻き立てられます。」

■②税理士自身に自律的思考が求められるからこそ“働きがい改革”に繋がる
「自律的とは、ChatGPTによると「外部からの指示や制約に左右されず、自らの意思や判断に基づいて行動すること」を指します。最近、自律的思考と働きがいとの関係に言及する『AI時代の「自律性」』*という本を読みました。近年では働き方改革に加えて、働きがい改革も重要視されていますよね。働きがいは税理士法人に勤めている職員の方にとっても、税理士自身にとっても、非常に重要だと思います。この本では、職場にAIを導入したことによる、組織構成員の思考への影響に関する検証結果が示されていて、AIが提示する情報は職務上求められる気づきや新しい発想のきっかけとなり、さらに自律的思考を促すとしています。また、個人が自律性を保つことは心理的・身体的健全性に繋がり、働きがいに繋がっていくと指摘しています。まさしく、『税務相談ロボット』は働きがい改革の一端を担うツールになり得ると感じています。
さらに本には、AI導入が自律的思考を促進する副次的効果として、職場構成員の自信や労働意欲、また組織への帰属意識を引き出しているとも書かれています。税理士業界は税理士事務所、税理士法人の規模に関わらず転職が多い業界なので、職員の定着促進と円滑な事務所運営のためには、『税務相談ロボット』のようなAIツールの導入が必須ではないでしょうか。」

*河島茂生編著『AI時代の「自律性」-未来の礎となる概念を再構築する』(勁草書房・2019年)

■顧客の経営状態やミッションにあったコンサルティングができるか、AI時代の税理士のあるべき姿とは
「ただ、『税務相談ロボット』を活用する中で、今後の税理士はどうあるべきか考えるようになりました。
私の早稲田大学大学院時代の恩師である渡辺徹也教授は、『AIは一般的な情報提供には適しているのだから、そのようなAIを利用することで、クライアントごとにカスタマイズされたサービスを提供することこそが、これからの税理士等の存在意義ということになりそうである。やや誇張すれば、AIを上手く利用できる税理士等だけが、今後は生き残ることができるとさえいえるかもしれない。』**と述べていらっしゃいます。私も、まさにその通りだと思っています。生成AIを情報収集のツールとして効果的に使いこなすことが重要なのであって、生成AIが作成した文章をそのままクライアントに伝えるだけの税理士は、税理士としての価値や存在意義を自ら放棄しているのに等しいと思います。企業の経営理念や経営者の価値観は、税理士が最も良く理解しているはずです。ChatGPT自身、「ChatGPTは自律的ではない」、「一般的な情報提供や質問に答えることはできるが、経営戦略やビジネスの課題に対する深い理解や洞察を提供することはできない」と言っています。税理士にとって必要な資質が、まさにこの洞察力だと思います。会社の意思や価値観に沿った提案や情報提供ができるのが税理士であり、そうあるべきだと思います。税理士にとって自己研鑽は引き続き重要ですし、生成AIを情報収集のツールとして使いこなせる税理士が生き残れるのだと思います。」

**渡辺徹也「生成AIと課税-ロボット課税からAI利用へ-」フィナンシャル・レビュー(近日掲載予定)

■『税務相談ロボット』とは
『税務相談ロボット』は、税務に関する悩みを生成AIチャットに質問するだけで、出典元の明示とともに要約した文章を回答するサービスです。

質問できる対象税目は法人税、所得税、消費税、相続税、地方税(※1)で、法人企業の財務・経理担当者様や会計士・税理士の皆さまはもちろん、個人事業主や個人の皆さまにも活用いただける税目をカバーしています。

また、生成AIが学習しているデータは国税庁・その他省庁・地方自治体のオフィシャルなデータはもちろん、法令や通達・判例・裁決事例も学習しています。

税務に関する情報は日々アップデートされることが多く、最新の情報を追うことが難しいと言われていますが、『税務相談ロボット』にチャット質問するだけで、最新の情報を獲得することができます。

これらの情報収集を即座にできる『税務相談ロボット』は、税務の現場の生産性の大幅な向上に貢献します。

(※1)一部の地方税に関しては、次回以降のアップデートにて相談範囲に追加する予定です。

■ROBONについて
近い将来、「ビジネスのデジタル化」がホワイトカラーの主たる職務となります。

これまで、「ビジネスのデジタル化」を担ってきたのは、我々IT産業でした。

そしてIT産業は、労働集約的でヒトに依存したビジネスモデルによって、これに対応してきました。

経済産業省の調査によると、2019年をピークにIT産業への入職者が退職者を下回ると予測されています。

このため産業人口が減少し、従事者の平均年齢は2030年まで上昇の一途を辿ります。

この少ないエンジニアをIT産業だけでなく、デジタル・トランスフォーメーションを目指す全ての企業が奪い合うことになると考えられます。

ROBON(ロボン)は、このような時代に対応した新しいビジネスモデルを実現する為に設立しました。

社名は「全ての業務にロボットをオン(実装)する」ことに由来します。

また、「IT技術で全てのお客様の生産性を飛躍的に向上させる」ことを経営理念としています。

お客様の生産性を飛躍的に向上させる為のロボットを実装するターゲットは「専門家に依存した業務」です。

「専門家に依存した業務」は、ビジネスのスピード、コストのボトルネックになりやすいと言えます。

これをソフトウェアによって自動化し、フル・マネージドのサービスとして提供することでボトルネックを解消していきます。

ROBONのコーポレート・メッセージである「未来をいち早く今に取り込む会社」として、お客様から自社の働き方まで改革を目指しています。

個人的には、まだ試したわけではないのですが、近いうちにこういうのがスタンダードになっていくんでしょうね。

AIに任せられるものはAIに任せて、我々はコンサル的なところにシフトしていかないと、業界として生き残っていけないのだろうなぁと思いますね。

生成AIによる【業務効率化】で税理士は【創造性】を求められる時代になってきていることについて、あなたはどう思われましたか?


警察捜査初の司法取引で四国銀行から詐取疑いで税理士を逮捕!

日本経済新聞によると、兵庫県警が税理士らを逮捕した融資金詐取事件で、捜査に協力する見返りに刑事処分を免除・軽減する「司法取引」が適用されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

司法取引の適用が明らかになったのは2018年の導入以降4例目です。

これまでの3件はいずれも東京地検特捜部による事件で、警察が捜査した事件では初めてとみられます。

警察が取り扱う事件は検察の独自捜査と比べ件数が多いそうです。

裁判所が捜査協力者の供述の信用性を慎重に判断する流れがあることなどを背景に司法取引の利用が増えないなか、制度の運用が広がる転換点となるかどうか注目されます。

対象となったのは四国銀行が被害者となった事件です。

兵庫県警は2023年11月、四国銀の支店担当者に虚偽の決算報告書を示して融資を申し込み、2020年10月〜2021年2月に4,000万円をだまし取ったとして自動車販売会社の元社長ら3人を詐欺容疑で逮捕しました。

さらに、2024年2月、同社が契約していた税理士法人の税理士ら2人も逮捕しました。

自動車販売会社には多額の負債があったとされ、融資を受けた後の2021年8月に破産手続きが始まりました。

捜査で焦点となったのは、融資を申し込んだ時点で会社の財務状況を元社長や税理士がどう認識していたかでした。

関係者によると、司法取引は税理士法人職員との間で合意しました。

収集された証拠は厳しい財務状況を元社長や税理士らが認識した上で、虚偽の決算書類などが作成された一連の経緯の立証に生かされたとみられます。

税理士法人職員は不起訴処分となりました。

司法取引は2024年6月で導入から6年となりますが、利用が進んでいません。

裁判所が司法取引に応じた捜査協力者の供述の信用性を慎重に判断するケースが目立つといった要因があります。

警察事件での初適用を巡り、検察内部では「組織犯罪では活用のメリットが大きく一定の意義がある」と前向きに受け止める声が多いようです。

日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の報酬過少記載事件では、元秘書室長が司法取引に合意しました。

特捜部は元室長の証言を軸に、同被告との共謀があったとして元代表取締役、グレッグ・ケリー被告を起訴しました。

元室長は20回以上出廷しました。

ケリー元役員に対する東京地裁判決は元室長の証言について「有利な扱いを受けたいとの思いから検察官の意向に沿って供述する危険性をはらむ」と厳しく評価しました。

客観証拠のあった一部を除く大半を無罪と結論づけました。

3例目も同様の流れは続きました。

アパレル会社元代表取締役=有罪が確定=から不正の指示を受けた元社員が司法取引に合意しました。

東京地裁判決は元社員の証言について「客観的な裏付けを欠き、信用性の判断で相当慎重な姿勢で臨む必要がある」と指摘しました。

元社員は事情聴取に出向いたことが明るみに出ないよう、架空の用事を口実に外出していたそうです。

こうした組織的な犯罪で、上位者の不正を打ち明けた証人の負担が重いことも適用が広がらない一因とされています。

司法取引は本来、客観的な証拠が少ない密室のやりとりが多い組織犯罪や経済犯罪の捜査における「武器」になるとみられていました。

適用が広がれば捜査機関と協力した訴追が可能になり、組織の自浄作用が働くという期待もあったのです。

海外では企業の不正防止に活用する動きがあります。

アメリカ司法省は2022年に公表した指針で、企業側が贈収賄やカルテルに関わった社員に自発的に金銭的処罰をしたり、捜査に必要な情報を提供する体制を整えたりすれば企業側の罪を問わない姿勢を示しました。

日本での活用拡大について「慎重に事例を積み重ねる必要がある」(検察幹部)という見方はなお強いようです。

制度を機能させるためには司法取引で得られた供述を客観証拠で裏付ける緻密な捜査と、協力に応じた証人をどう保護するかが課題になるでしょう。

▼司法取引
2010年に発覚した大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を契機とする刑事司法制度改革の一環として、2018年6月施行の改正刑事訴訟法に盛り込まれました。

「協議・合意制度」とも呼ばれます。
容疑者や被告に対し共犯者らに対する捜査協力と引き換えに、起訴の見送りや取り消し、軽い罪への訴因変更、求刑を軽くするといった対応を取れます。

末端の実行役を免責して首謀者らを処罰する狙いで、経済犯罪や組織犯罪などでの活用を想定しています。
刑訴法では、検察官と本人、弁護人の合意が必要と定めています。

3者が署名して合意文書を作成します。

嘘の証言で他人を巻き込む恐れもあることから、虚偽の供述や偽造の証拠を提出した場合は5年以下の懲役に処せられます。

2018年に起訴された三菱日立パワーシステムズ(現三菱パワー)元幹部らの外国公務員贈賄事件で、初めて適用されました。

司法取引が税理士法人の職員との間で行われ、税理士法人の税理士が逮捕されているというのがすごく気になりました。

自ら粉飾に加担することはありませんが、会計事務所として、クライアントとどう接していくべきかを考えさせられる1件でした。

警察捜査初の司法取引で四国銀行から詐取疑いで税理士が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


「顧客を装ってもバレないと思った」札幌国税局元職員を逮捕!

2024年03月11日(月)

TBSによると、税理士の登録がないにもかかわらず、顧客の確定申告書の作成を代行したとして、札幌国税局の元職員の男が警視庁に逮捕されました。

逮捕されたのは、札幌国税局元職員(68)で、2023年1月ごろからの半年間に、税理士登録が抹消されているにもかかわらず、顧客3人の確定申告書10通を顧客を装って作成した疑いがもたれています。

札幌国税局元職員は2023年1月、別の顧客の確定申告で不正な処理をしたとして懲戒処分を受け、税理士登録を抹消されていました。

札幌国税局元職員は「顧客を装って作成してもバレないと思った」と容疑を認めていて、警視庁は同じ手口でおよそ30人から報酬として少なくとも100万円を得ていたとみています。

国税OBで、税理士登録を抹消されたにも関わらず、にせ税理士として業務をしていたわけですから、たちが悪いですね。

国税局は、職員にきちんと教育を行ってほしいですね。

にせ税理士に業務を依頼する方もどうなのかと思いますが。

最近、にせ税理士の取り締まりが厳しくなっているのでしょうか?

以前からにせ税理士と言われる方はそれなりにいるのではないかと思いますが、先日、風のうわさで、我が香川県でも調査が行われているということを耳にしました。

有償だろうと無償だろうと、税務は税理士の独占業務ですからね。

「顧客を装ってもバレないと思った」札幌国税局元職員が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


神田財務副大臣の知人が自動車税など200万円を立て替えし返済求められても応じず!

読売新聞によると、340万円にも上る税金滞納を認めた神田憲次財務副大臣(60)が、先日、事実上更迭されました。

税理士でありながら固定資産税などを納めず、経営会社の保有不動産が4度も差し押さえられていた財務省ナンバー2の姿に、「辞任は当然だ」と有権者らから憤りの声が上がりました。

「国会に迷惑をかけることを避けたい」と、神田氏は、先日、財務省前で報道陣の取材に応じ、辞表を提出した理由をそう語りました。

神田氏は、固定資産税など計約340万円を滞納し、自身が経営する会社が保有する土地や建物が名古屋市に計4回差し押さえられた問題で批判を浴びていました。

神田氏は愛知学院大学大学院を修了後、1991年に税理士登録しました。

2012年12月の衆院選に愛知5区(名古屋市中村区など)から立候補し、初当選を果たしました。

神田氏と愛知学院大学大学院時代からの知り合いで、名古屋市内に事務所を構える税理士の男性(61)は読売新聞の取材に対し、この衆院選直前、今回の滞納問題とは別に、神田氏が滞納していた自動車税など約200万円を立て替えたと明かしたようです。

この男性の証言によると、神田氏は税理士になった後に「税金を滞納している」と男性に打ち明けたことがあり、「税理士なのに大丈夫か」と疑問に思ったそうです。

出馬の際、改めて滞納の有無を確認したところ、神田氏は自動車税などの未払いの納付書を複数枚示し、納付期限が約半年過ぎたものもあったようです。

神田氏が「払う金がない」と説明したため、男性が代わりに納付しましたが、当選後に返済を求めても神田氏は応じず、やがて連絡も取れなくなったそうです。

この男性は「ずさんさにあぜんとした。税金を滞納する人間が、税金を扱う財務省の副大臣というのはおかしい」とあきれたように話しました。

読売新聞はこの滞納について神田氏に書面で取材を申し込みましたが、2023年11月13日夕方までに回答はなかったようです。

選挙では、税理士として中小企業の支援に力を尽くしたとたびたびアピールしていた神田氏ですが、2019年11月発行の金融庁の広報誌に内閣府政務官(当時)として登場した際には、税理士になって3年目の頃の話を披露しています。

記事によると、神田氏は、資金繰りに窮して涙を流す企業の社長の姿を見て「助けてあげたい」と思い、個人的に資金を用立てて倒産を回避させたそうです。

一方で、政治資金の処理のずさんさも指摘されていました。

財務副大臣就任直後の2023年10月11日、自身が代表を務める資金管理団体が、政治資金収支報告書に派閥からの200万円の寄付を記載していなかったことが発覚しました。

取材に対し、「事務処理上のミス」とコメントしています。

選挙で支援してきた男性(79)は「人柄が良く、地域の声に耳を傾けていただけに残念でならない。税理士として税制に精通していたため、甘い考えがあったのかもしれない」と話しました。

河村たかし名古屋市長は、先日、報道陣に対し、「税金をいただく立場の財務副大臣が滞納していたのは恥ずかしく、(徴収する)市としてもとんでもない話。あとは国会議員を辞めるかどうかだ」と述べました。

税制を巡っては、「インボイス(適格請求書)制度」が2023年10月に始まったばかりです。

小規模事業者の税負担増や、事務作業の煩雑さが指摘されており、税を巡る国民の目は厳しくなっています。

東京都新宿区のラーメン店店長(24)はインボイス制度導入に伴い、対応の領収書が発行できるよう券売機の設定を変更するなどの作業に迫られました。

店長は、「インボイス制度への理解を呼びかける立場の財務副大臣が税金滞納をしていては、制度への信用も深まらないのではないか。辞任は当然だ」と憤っています。

2023年9月の内閣改造後、神田氏で3人目となる政務三役の辞任に、有権者の政治不信は募るばかりです。

岩手県盛岡市で酒小売業を営む50歳代の男性経営者は、「コロナ禍で売り上げが5割以上減少したが、在庫管理を徹底するなどして売り上げの回復に努めてきた。我々は生きるか死ぬかの世界で商売している。政治家も覚悟を持って仕事をすべきだ」と語っています。

税金を納めましょうという立場にある財務省の副大臣がこのような人だったことに驚きですが、同業者である税理士であることにとても驚きました。

同業者として恥ずかしい限りですし、こういったことで税理士の信頼が失われることを考えると腹立たしいです。

自民党も人材不足なのでしょうが、身元調査をきちんとした方が良いのではないでしょうか?

このような方が、衆議院議員選挙に出ること自体おかしいとは思いますが。

この方は、報道等によると、ダブルマスター(以前は大学院に2つ行くと税理士試験が5科目とも免除となり税理士試験を受けずに税理士になれる)で税理士になった方で、世の中の税理士の不祥事等で国税OBが多いことを考えると、税理士の登録制度や更新制度をゼロから検討しないといけない時代になっているのではないかと改めて感じた事件でした。

神田財務副大臣の知人が自動車税など200万円を立て替えし返済求められても応じていないことについて、あなたはどう思われましたか?


「キャリアアップ助成金」の代理申請で2,300万円を詐取した社労士を逮捕!

毎日新聞 によると、非正規労働者の待遇改善に取り組む事業者に支給される「キャリアアップ助成金」など国の補助金約2,300万円をだまし取ったとして、大阪府警は、先日、元社会保険労務士(39)を詐欺の疑いで逮捕しました。
元や社会保険労務士は事業者の代理で申請を繰り返して報酬を得ていたとされ、大阪府警は業者側の関与の有無も調べています。

キャリアアップ助成金は、事業者が非正規労働者を正社員にしたり、給与をアップしたりした場合、申請に基づいて国が補助する制度です。

逮捕容疑は、社会保険労務士だった2016年8月~2018年10月、大阪府内にある複数社の助成金申請を代行しましたが、非正規の従業員を正社員化したり、健康診断を受けさせたりしたとする虚偽の書類を作り、大阪労働局に提出してキャリアアップ助成金約1,700万円を詐取した疑いです。
また、人材育成制度を導入した事業者を支援する国の補助金「企業内人材育成推進助成金」(名称は当時)約600万円をだまし取った疑いが持たれています。
元社会保険労務士は「間違いない」と容疑を認めているそうです。

キャリアアップ助成金などを巡っては、社会保険労務士ら代理人による申請で不正受給が相次いでいることが、会計検査院の調査でも確認されています。
調査で見つかった不正受給額は総額で数千万円に上るという情報もあり、厚生労働省では不正があった場合の代理人の情報を労働局間で共有しているそうです。

要件が厳しかったり、書類の提出が多かったりすると、使える人や使う人が少なくなり、助成金などの意味があまりなくなりますし、かと言って、緩すぎると、こういった案件が出てくるので、なかなか制度設計として難しい話しのように思います。
もちろん、士業がこういった不正に加担することは決してダメだということは、言うまでもありませんが。
どれくらいやっているのか分かりませんが、補助金や助成金は、事後的に、効果の測定や不正がなかったかどうかのチェックが必要というのは間違いないでしょうね。

「キャリアアップ助成金」の代理申請で2,300万円を詐取した社労士が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


社労士向けのクラウドサービスが重いサイバー被害で復旧遅れや顧問料減!

日本経済新聞によると、国内最大の社会保険労務士向けクラウドサービス「社労夢」が受けたサイバー攻撃の波紋が広がっているようです。
社労士が一時、顧問先の企業の社会保険料や給与を正確に計算できず、企業から顧問料の減額を迫られた例もあるそうです。

「全ての業務が進められなくなった」と、2,700以上の社労士事務所が利用する「社労夢」を手掛ける大阪のシステム会社、エムケイシステムがランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の攻撃を受けた2023年6月、SNS(交流サイト)上で社労士の悲鳴が相次ぎました。

社労夢の利用事務所が管理する事業所は約57万です。
クラウド上で給与履歴や勤務表など顧問企業の従業員情報をまとめて見られるのが特徴で、給与の自動計算や社会保険の手続きをする機能も提供しています。
エムケイは幅広い手続きや契約に対応する仕組みをいち早く整え、首位に立ちました。

社労士が被った被害は多岐にわたります。
大阪市のある事務所は勤務時間や年齢情報が分からず、顧問企業の従業員の給与計算ができなくなりました。
数百人いる従業員の情報を1人ずつエクセルに入力して計算し、しのいだそうです。
別の事務所は6月の支払日に間に合わず、前月と同じ給料を支払い、後日調整する措置をとったようです。

6月は社労士にとって通常の給与に加え、賞与の支払い、労働保険料の申告や1年間の社会保険料の基本となる報酬を決定するための書類提出が重なる繁忙期です。
都内のある社労士は「体感の仕事量は通常の3〜4倍だ」と強調しています。
繁忙期のサイバー被害により、長時間残業を強いられる社労士は少なくなかったようです。

関係者によると、企業から顧問料の減額という事実上の賠償を求められた社労士事務所が複数あり、その一部は減額を受け入れたそうです。

エムケイは6月30日以降は一部のサービスを順次再開しましたが、ある社労士は7月に入っても「つながりにくかったり処理速度が遅かったりする不具合が残る」と指摘しています。
「サイバー攻撃を受けて立ち上がった臨時のシステムに入力したデータを本来のシステムに移す作業もスムーズとは言えない」といっています。

エムケイは、再発防止に向けて「外部の専門機関と連携して今後の情報セキュリティーの強化につとめる」としています。

社労夢では従業員の個人情報やマイナンバーも管理しています。
エムケイは、先日、「調査の結果、個人情報の漏洩は確認されなかった」と公表しましたが、サービスを利用していた三井金属や東急のグループ会社ではアルバイトや正社員の情報漏洩リスクを開示しました。

近年は1社のサイバー被害が芋づる式に広がるケースが目立ちます。
2021年7月にはロシア系ハッカー集団が、米IT(情報技術)企業カセヤが提供する法人向けソフトの脆弱性を突き、世界各国のソフトの利用企業を攻撃しました。
カセヤによると最大で約1,500社が影響を受けた可能性があります。

国内では2023年6月8日に約1,100社のLPガス事業者が利用するシステム「クラウドAZタワー」を提供するパーパス(静岡県富士市)がサイバー被害を受け、システムを全面停止しました。
利用する各事業者は、検針や請求などの業務で影響が出ました。

サイバー被害の法務に詳しい山岡裕明弁護士は「(クラウド経由でソフトを提供する)SaaS(サース)の普及でこうした大規模被害が今後は増える」と話しっています。
一般的にSaaS事業者は損害賠償などの責任を制限する条項を契約に入れており、「繰り返し注意喚起された脆弱性を長期間放置するなど悪意や重過失が認められなければ、賠償金額は一定にとどまる可能性が高い」と話しています。

一方、ソフト利用者とエンドユーザーとの間ではそうした契約がない場合もあり、一方的に賠償などを負うことになりかねません。
山岡氏は「ソフト提供業者と同じく責任を制限する契約条項を顧客と結んでおくことが望ましい」と指摘しています。

クラウドサービスは安全と思っている方も多いでしょうから、改めて、こういったリスクも考えないといけないですね。
我々も、会計ソフトや税務申告ソフトが使えないと仕事になりませんし。

社労士向けのクラウドサービスが重いサイバー被害で復旧遅れや顧問料減があったことについて、あなたはどう思われましたか?


成年後見人の立場を悪用して3人の口座から7,200万円を着服した弁護士を起訴!

2023年05月31日(水)

成年後見人の立場を悪用して7,200万円を着服した罪で、京都弁護士会の元弁護士の男が起訴されたようです。

罪を問われているのは、京都弁護士会の元弁護士(71)です。

元弁護士は7年前から2022年にかけて、成年後見人などで3人の口座の管理を任されていましたが、その立場を悪用したのです。

元弁護士は、合わせて7,200万円を着服した罪に問われています。

元弁護士が着服したとされる金は、どこへ行ったのでしょうか?
裁判では、検察側が以下のように指摘しています。
検察側:
着服した現金については経費の支払いや返済などにあてて、残金はカバンに入れて保管し遊興費に使った。

元弁護士は、起訴内容を認めています。

弁護士であった方がどういう意識で着服しているのかよく分かりませんが、管理している口座のお金は自分のものだと思っているのでしょうか?
弁護士の方でもこういうことを起こすわけですから、誰に頼めばいいんだろうか?となってしまうのではないでしょうか?
士業の信用の失墜につながりますので、本当にこういうことはやめてほしいですね。

成年後見人の立場を悪用して3人の口座から7,200万円を着服した弁護士が起訴されたことについて、どう思われましたか?


社労士の女性がコロナ雇調金不正で3,000万円詐取か?

読売新聞によると、国の雇用調整助成金(雇調金)約400万円をだまし取ったとして、警視庁は、先日、社会保険労務士の女性(52)(東京都品川区)、中古車販売業の男性(48)(埼玉県吉川市)の2人を詐欺容疑で逮捕しました。
警視庁は社労士の女が2020年から約10社に不正受給を指南し、約3,000万円を詐取したとみて調べています。

発表によると、2人はコロナ禍の2021年3~7月、男が営む中古車販売会社の従業員2人が半年間休業したとする虚偽の書類を国に提出し、雇調金約400万円を詐取した疑いです。
社労士の女は1回の申請につき手数料8万円と、受給額の2割を報酬として受け取っていたそうです。

雇調金は企業が従業員に支払う休業手当の一部を助成する制度で、コロナ禍を受け助成率や上限額が引き上げられています。

やはり、こういう方がいらっしゃいますね。
雇調金は雇用保険に入っていない企業等まで支給して、原資が枯渇していますので、どんどん調査して、不正分は取り戻してほしいですね。
同じ士業として、不正に手を染める士業の方が出てくるのは本当に残念です。

社労士の女性がコロナ雇調金不正で3,000万円詐取していたことについて、どう思われましたか?


Authense法律事務所が弁理士法人と税理士法人を傘下に!

2022年12月09日(金)

日本経済新聞によると、弁護士法人Authense法律事務所(東京都港区)は2023年1月、商標出願代理件数で国内トップの弁理士法人と、小型の税理士事務所をグループ傘下に取り込むそうです。
「Authense(オーセンス)」を共通ブランドに掲げ、法務、知的財産、税務などに関するサービスをワンストップで企業に提供します。

はつな弁理士法人(東京都千代田区、所属弁理士7人)、日本橋税務会計事務所(東京都中央区、所属税理士3人)とそれぞれ「グループ法人化契約」を結びました。
2023年にそれぞれ「Authense弁理士法人」「Authense税理士法人」に改称し、各代表者が弁護士法人が開くグループ会議に参加します。

はつな弁理士法人は2021年の商標出願代理件数が6,700件超で、国内の弁理士事務所で最多です。
代表の五味和泰弁理士は2016年に人工知能(AI)で顧客の商標登録作業を支援するスタートアップ、cotobox(東京都千代田区)を立ち上げ、現在は同法人と連携しています。

現行法では弁護士法人への出資は弁護士に、弁理士法人への出資は弁理士に限られるなどのルールがあるため、各法人は資本関係は持てません。
売り上げや利益も独立採算を継続しますが、同じブランド名を掲げるグループとして顧客企業に総合的な法律サービスを提供する体制を整えます。

Authense法律事務所は2005年、弁護士ドットコム創業者の元栄太一郎氏が弁護士として設立し、現在は弁護士66人を含む230人の規模です。
現在は社会保険労務士法人、コンサルティング会社などでオーセンスグループを形成しています。
弁理士法人と税理士法人が加わることで、グループ全体の規模が270人規模となります。

将来的には、こういった同じ名前を掲げるグループでワンストップでサービスを提供するのが主流になっていくんでしょうね。
お客さんからすると、業際のことはよく分からず、一つのところに頼んですべてやってくれるところが便利でしょうから。

Authense法律事務所が弁理士法人と税理士法人を傘下におさめることについて、どう思われましたか?


「殺すぞ」「アホか」と奈良税務署幹部が女性税理士に暴言、暴力!

毎日新聞によると、大阪国税局奈良税務署(奈良市登大路町)の副署長だった50代男性が2022年9月中旬、近畿税理士会奈良支部との懇親会で、女性税理士に「殺すぞ」などと暴言を繰り返し、背中や肩を平手でたたく暴力も振るっていたことが関係者への取材で判明したようです。

男性は泥酔状態だったとされ、「酒に酔っていて不適切な言動に及んだことを全く覚えていない」と話しているそうです。

男性は問題発覚後、大阪国税局総務部付に異動しました。
国税局は近く、男性を国家公務員法違反で処分する方針です。

関係者によると、懇親会は2022年9月12日夜に奈良市内で開催され、約20人が参加しました。
奈良税務署側は署長も出席していました。
男性は懇親会の開始から間もない午後6時ごろ、隣の女性税理士と確定申告の業務について会話していた最中にからみ始めたそうです。
相当量の日本酒を飲んでいたとされます。

男性は机をたたきながら、「しょーもないことを言ってくるな」「絶対に許さないからな」と発言したようです。
「殺すぞ」「アホとちがうか」と暴言を繰り返し、女性の背中や肩を平手で何度もたたいていたことも確認されました。
女性にけがはなかったようですが、精神的ショックを受けているそうです。

女性税理士は確定申告を巡り、税務署に税理士会側のさまざまな要望を伝える担当者の一人でした。
目撃情報などによると、男性は税理士会側の要望に不満を抱いていたとみられ、一方的に激高していました。

署長ら税務署側の出席者は別の席にいたため、一連の言動に気付いていなかったとされています。

女性は税理士会を通じて国税局に被害申告し、問題が発覚した模様です。

大阪国税局は毎日新聞の取材に対し、「事実関係を確認した上で厳正に処分する」としています。

あるまじき行為ですね。
お酒の場で、本音が出たんでしょうね。
懇親会だけではなく、意見交換の場もあると思うのですが、そこで話し合えばいいのではないかと思います。
内部の人間だけではない懇親会の場で、言ったことを覚えていないほど飲むのでしょうか?
こういう人でも、税務署をやめたあとは税理士登録できるんでしょうね。
制度を見直してほしいですね。

「殺すぞ」「アホか」と奈良税務署幹部が女性税理士に暴言、暴力を行ったことについて、どう思われましたか?


「判決」「裁決」「判例」の違いは?

ソリマチの税務ニュースによると、我々税理士に対する相談事や税務調査の際の折衝において拠り所とするものが「税法」です。
しかしながら、法律というものは「税法」に限らず、取り扱いを明示しているものではなく、基本的な考え方を示すにとどまっています。
これを補完するために「施行令」や「施行規則」というものも準備されておりますがこちらも法の保管という位置づけに過ぎません。

一方でこれらの法の下、行動をし、結論付けられた結果があります。
これらが「判決」「裁決」「判例」です。
いずれも具体的ケースにおいてどの様に法が解釈され適用されたかということが詳細に示されており、実務上大きな拠り所となります。
近年「裁決」の出たタワマン節税をはじめ、これらの具体事例が今後の税務判断に影響を与えるのです。

<判決>
「判決」は皆様も新聞やニュース、ドラマなどでも耳にしたことがあるのではないでしょうか?
こちらは「裁判所が下した判断の結果」を指します。
それゆえ、「東京地裁で認容」や「最高裁で棄却」などというように実際の裁判が行われた裁判所と合わせて結果が報じられます。
ちなみに、税金に関する争いに対してはいきなり裁判になることはありません。
まずは、「裁決」を経た上で不服が残る場合に訴訟を提起し裁判に移行します。
言い換えれば「判決」は数回に渡り争われた結果ですのでより強い拠り所となります。

<裁決>
一方、「裁決」は聞きなじみがない言葉かもしれません。
こちらは「裁判所」ではなく「審判所」という行政法上の法律関係の訴訟を扱う機関が下した判断です。
国税に関しては「国税不服審判所」という機関がこれを扱います。
納税者は税務署などが行った更正・決定などの課税処分等に不服があるときはその処分や変更を求めて不服申し立てを行うことができます。
その申し立てにつき審判所にて調査及び審理を行った上での判断の結果が「裁決」です。

<判例>
最後に、「判例」は、過去に最高裁判所が下した個別判断である「判決」をまとめたものになります。
「判決」はあくまで個別事案に対しての判断となるわけですが、「判例」として似ている「判決」をまとめることによって、より強い根拠をもたらすのです。

それぞれについての違いを認識していただくと、「判例」>「判決」>「裁決」の順により強い根拠を持つことがご理解いただけるでしょう。
これらが用いられる場面は、税務調査や課税リスクのある取引を行う際など限られているかと思います。
しかしながら、限られた場面であるからこそ、正しい理解の下で結論を導く拠り所として向き合っていきたいですね。

これまでお伝えしてきた拠り所ですが、「判決」も「裁決」も日々新しいものが出てきます。
これまでのものと類似する判断であれば拠り所をより強固なものにすることとなります。
一方、これまでの拠り所を大きく変える「判決」や「裁決」も出てきます。
私たちは常に最新の「判決」「裁決」を学んでいく必要があるわけです。

そもそも争いはないに越したことはないでしょう。
しかしながら、税務調査の場面等で理不尽な指摘を受ける可能性もあります。
税務署は法の専門家ではありません。
間違った指摘には根拠を持った反論が必要です。
争いになる前に、過去の「判決」「裁決」「判例」を正しく理解し、適切な対応を行わないといけません。

これらの違いを的確に答えられるかどうかが、税務調査に強い税理士であるかどうかを見抜く一つの問いかけかもしれません。

税理士としては、当然、何かの判断をしたり、税務調査での指摘に対して反論したりするときなどに、税法を確認したり、「判決」「裁決」「判例」を確認したりします。
納税者の方は、税務は黒か白かがはっきりしていると思っている方が多いのかもしれませんが、税法はバチっと規定しているものは少なく、意外と判断に困るものも多いのです。
そのときに、書籍などから入ることも多いのですが、最終的には、条文や「判決」「裁決」「判例」にあたるようには心掛けています。
反論として、「判決」「裁決」「判例」などを出すと、それであっさりと終わることもあります。
そこが、事務所としてもノウハウにもつながっていきますから。

「判決」「裁決」「判例」の違いは?について、どう思われましたか?


2億4,000万円超を横領した弁護士を逮捕!

テレビ熊本によると、遺産整理の代理人の立場を利用し預り金2,300万円余りを私的流用したとして、弁護士の男が業務上横領の疑いで逮捕されました。

被害総額は2億4,000万円を超えるとみられていて、警察は余罪があるとみて調べを進めています。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、住所不定本籍熊本市の弁護士(49)です。
警察によると、弁護士は、2021年11月、熊本県八代市の夫婦(60代)から依頼された遺産整理の代理人の立場を利用し、管理していた相続財産約2,370万円を横領した疑いです。

被害者夫婦は、2021年10月に亡くなった家族からの相続財産約5,000万円の整理を弁護士に依頼していました。

2022年2月に連絡がつかなくなり、警察に相談したことで事件が発覚しました。

先日、警察が福岡県福岡市内のホテルにいた弁護士を発見し逮捕しました、
調べに対し弁護士は容疑を認め「競馬や私事に使った」と供述しているということです。

熊本県弁護士会によると、この弁護士の私的流用による被害は、これまでに11件2億4,000万円を超えるとみられています。

警察は夫婦から受け取った残りの預り金についても横領したとみて調べを進めるほか、余罪があるとみて捜査を進める方針です。

毎年、このような弁護士が何名か出てきますね。
弁護士なのに、このようなことをするとどうなるか分からないのでしょうか?
弁護士は、お金を預かっていたり、弁護士の口座にいったんお金が入金されたりするのだと思いますが、自分のお金のような錯覚に陥るのでしょうか?

2億4,000万円超を横領した弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


依頼人の高齢女性の遺産など約4億6千万円の横領や詐欺等の罪の元弁護士が起訴内容を一部否認!

東海テレビによると、依頼人の遺産など約4億6,000万円を横領したり詐取したなどの罪に問われている名古屋市の元弁護士の男は、先日の裁判で起訴内容を一部否認しました。

名古屋市瑞穂区の元弁護士(59)は、2022年3月までに代理人を務めていた会社の資産や、依頼人の高齢女性の遺産など計約4億6,000万円を横領したり、だまし取ったりしたなどの罪に問われています。

先日の裁判で、弁護側は会社の資産の横領などは認めたものの、高齢女性の遺産2億3,600万円の詐欺や横領については「債権が存在すると思い手続きしただけ」などと否認しました。

続く冒頭陳述で検察側は、高齢女性への詐欺について「『あなたの預貯金が暴力団に狙われている』とウソを言い現金をだまし取った」などと指摘しました。

なお、元弁護士は、2021年10月の初公判では認否を留保していました。

毎年、何名か横領した弁護士が出てきますが、毎回、こういったことがあると、誰を信じて良いのか分からないと感じてしまいましね。
弁護士も人数が増えて、競争が厳しいのでしょうが、横領等をしても良いということには決してなりません。
本当に、こういったことがないようにしてほしいですね。

依頼人の高齢女性の遺産など約4億6千万円の横領や詐欺等の罪の元弁護士が起訴内容を一部否認したことについて、どう思われましたか?


顧客のマイナンバーを元勤務先から持ち出した疑いで税理士らを逮捕!

毎日新聞によると、元勤務先の税理士事務所から顧客のマイナンバーを含む営業情報を不正に持ち出したとして、京都府警は、先日、京都市下京区の税理士事務所の代表の税理士(39)と同事務所アルバイト(33)を、不正競争防止法違反(営業秘密の領得)とマイナンバー法違反(個人番号の取得)の両容疑で逮捕しました。

京都府警は顧客を奪う目的だったとみています。

逮捕容疑は2020年6月下旬、共謀して2回にわたり、2人が当時勤務していた京都市中京区の税理士法人で、営業秘密に当たる顧客2社の財務情報や、その社員10人分のマイナンバーを含む給与情報などを、パソコンから外付けハードディスクにコピーして持ち出したとしています。
ともに容疑を認めているそうです。

京都府警によると、2人は直後の6月30日に税理士法人を退職し、その後現在の事務所を設立しました。

2020年10月ごろ、税理士法人で顧客の解約が相次いだため社内調査を実施したところ、顧客情報を管理していたパソコンから情報を持ち出した形跡が見つかり、2021年3月に京都府警に相談していました。

税理士は、税理士法人では課長職で、顧客情報が保存されているパソコンへのアクセス権限を持っていました。

京都府警によると、他にも9社の情報が持ち出された形跡があるようです。
今後、情報を営業活動に使用したのかも含め、調べを進めます。

多かれ少なかれ、税理士業界ではあることのように思いますが、逮捕されたというのは、初めて目にしました。
逮捕された税理士なども、おそらく逮捕されるとは思っていなかったでしょう。
税理士事務所の経営者は、職員の退職に伴い、顧客も持っていかれるのが悩みやリスクだと思いますが、逮捕の可能性があるということが公になったことは良いことかもしれませんね。
ただし、税理士事務所を選ぶのはお客さまですから、退職者を選ぶ場合があることは当然あります。
税理士事務所や税理士法人との契約とはゆえ、お客さまと普段接しているのは、所長などではなく職員のことが一般的には多いでしょうから、当然、そういうケースは出てくると思います。
そこを極力なくすように仕組みを作っていくのが、所長などの能力だとは思いますが。

顧客のマイナンバーを元勤務先から持ち出した疑いで税理士らが逮捕されたことについて、どう思われましたか?


資格なしに税務書類作成した会社役員を税理士法違反の疑いで逮捕!

NHKによると、税理士の資格がないのに委託を受けた会社の税務書類を作成したとして、札幌市の会社役員が税理士法違反の疑いで逮捕されようです。

逮捕されたのは、札幌市北区の会社役員(64)です。

警察の調べによると、会社役員は税理士の資格がないのに、2021年2月までのおよそ2年間にわたって札幌や旭川などの7社から委託を受け確定申告の書類を作成したとして税理士法違反の疑いが持たれています。

みずから代表を務める会社には、顧客からあわせて800万円以上の報酬が支払われていたということです。

会社役員は別の脱税事件でも、架空の経費を計上した確定申告の書類を提出したとして法人税法違反などの罪ですでに起訴されています。

警察は認否を明らかにしていませんが、無資格で書類の作成を繰り返していたとみて捜査するとともに、脱税の指南をしていなかったかどうかも調べることにしています。

いまだにこういう『にせ税理士』と言われる方がいらっしゃいますね。
頼む方も、なぜ税理士でない方に頼むのだろうかと思いますが、節税できるからということで一任していたものの、税務調査で架空経費が判明し、すべて『にせ税理士』に任せていたということで判明するんですかね。
税理士法に違反する『にせ税理士』に頼んだ経営者も何か罰するようにしないと、バレなければ得して、バレたら責任を押し付けるということになるのではないかと思います。

資格なしに税務書類作成した会社役員が税理士法違反の疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


国税OB側が所得隠しを「提案」と不服審判所認定したが国税OBは関与を否定!

産経新聞によると、大阪国税局OBの男性税理士(72)が代表を務める税理士法人が、顧問先の課税を不正に免れるため、所得隠しを提案していたと大阪国税不服審判所の裁決で認定されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
所得隠し額は約1億3千万円で、大阪国税局の税務調査で発覚しました。
国税OB税理士は取材に対し、関与を否定したようですが、専門家は税理士法に抵触する可能性を指摘しています。

関係者の話や関係資料などによると、税務調査の対象は、大阪府内の太陽光発電会社側が2016年、神奈川県内で実施した太陽光発電パネル設置工事をめぐる会計処理です。
発電会社がグループ会社から発注を受ける形で工事が実施され、2016年6月までにグループ会社から工事代金として約4億6千万円が支払われました。

うち約1億3千万円が神奈川県の補助対象で、2016年8月に神奈川県から補助金を受け取った発電会社は、補助金と同額を発注元のグループ会社に送金しました。
しかしながら、グループ会社は送金額は工事代金の値引き分だとして、2016年12月期の収益に計上しませんでした。

これに対し、国税局は、2社間で値引きの事前合意は確認できず、補助金の収益計上を免れるために値引きを偽装した悪質な所得隠しと判断しました。
グループ会社に2019年4月、重加算税を含む約4千万円を追徴課税(更正処分)しました。
同社は処分を不服として国税不服審判所に審査請求しましたが、2020年6月の裁決で棄却されました。

裁決では、値引きの事前合意を装った会計処理が、税務顧問だった国税OB税理士側の提案だったとも認定しています。
事前合意があったと装うため発電会社本体の帳簿を作成し直した上で、当初の帳簿を国税局側に見せないことや、以前の書類やデータを破棄することも国税OB税理士本人らが指示したと指摘しました。

関係者によると、グループ会社を合併した発電会社は裁決後、国税OB税理士側に損害賠償を請求しました。
2021年4月ごろ、国税OB税理士側が別の業務上の不備と合わせ、解決金2,800万円を発電会社に支払うことで決着しました。

国税OB税理士は取材に対し、所得隠しの提案を「していない」と否定しています。
解決金の支払いは認めましたが、理由は「消費税の手続きで失敗したため」と説明しました。
発電会社側の担当者は「お答えできない」としています。

税理士法人のホームページによると、国税OB税理士は大阪国税局で約30年にわたり法人調査などを担当し、退職後の約20年前から税理士として活動しています。

税理士法では、税理士が脱税や所得隠しを指南するなどした場合、業務停止など懲戒処分の対象になると規定しています。
大阪学院大の八ツ尾順一教授(租税法)は「税理士側の行為が事実ならば安直な上に悪質で、法に抵触する可能性もある」としています。

「税務のプロ」である国税局OBの税理士が、経験や専門知識を悪用し、顧問先の不正に加担する事例は後を絶ちません。
悪質な不正に関与した国税OB税理士が逮捕されるケースも目立ちます。

顧問先の企業に脱税を指南したなどとして、大阪国税局OBの税理士が2013年3月、法人税法違反容疑で大阪地検に逮捕されました。
立件された脱税額は約2億7千万円にのぼり、情報漏洩えいの見返りに国税局職員に現金を渡していました。

2020年12月には、新型コロナウイルス禍で収入が減った事業者らを支援する国の持続化給付金をだまし取ったとして、大阪国税局OBの元税理士が詐欺容疑で大阪府警に逮捕されました。
40件以上の不正受給の指南に関与し、給付金の一部を報酬として受け取ったとされています。

国税庁によると、2016年度~2020年度、税理士法の規定で税理士らが業務の停止や禁止といった懲戒処分を受けたのは計193件です。
5年間で最多の2018年度には処分が51件にのぼりました。
処分の多くが、虚偽内容の税務書類を作成して脱税や所得隠しに関与したケースでした。

<国税不服審判所>
国税局や税務署から独立した国の機関で、東京・霞が関の本部のほか、全国に12支部と7支所があります。
納税者の正当な権利利益の救済を目的に、課税処分などに対する審査請求について、3人以上の国税審判官などの議決に基づいて裁決を行います。

最近、脱税指南などでニュースになる税理士は国税OBが多いですね。
脱税ほう助って、税理士が一番やってはいけないことだと思うのですが、元々、国側で税金を取る立場にあった国税OB税理士が脱税ほう助をするなんて、国税局や税務署ではどういった教育がなされているんでしょうね。
早く、国税で一定期間以上勤務した職員が、試験もなく税理士に登録できるという制度を見直さないといけない、少なくとも、職業倫理の試験ぐらいは課さないといけないのではないでしょうか?

国税OB側が所得隠しを「提案」と不服審判所認定したが国税OBは関与を否定していることについて、どう思われましたか?


コンサルが所得隠しを指南し国税OBが申告を担当していたが廃業で「懲戒処分逃れ」!

読売新聞によると、経営コンサルティング会社(千葉県市原市)と顧問先の約50社が東京国税局の税務調査を受け、昨年までの7年間に計約20億円の所得隠しを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。
経営コンサルティング会社の元社長が、「赤字法人」を使った税逃れを指南していました。

経営コンサルティング会社の元社長が指南した所得隠しで、税務申告の手続きを担っていたのは、元社長が実質経営していた税理士法人(千葉県市原市)でした。
所属する税理士3人はいずれも東京国税局OBで、税務調査の開始後に税理士を廃業し、懲戒処分を免れていました。

税理士法は、税理士が不正に関与した場合、国税当局が調査し、財務省が業務停止などの懲戒処分を行うと定めています。
処分時には、官報などで氏名や不正の概要が公表されます。

しかしながら、対象は税理士に限られ、今回廃業した3人の調査や処分、氏名などの公表は行われていません。
制度上、再び税理士に復帰することが可能なため、こうした廃業は「懲戒逃れ」として以前から問題視されています。

国税庁税理士監理室によると、廃業によって税理士に対する調査ができなくなった場合でも、税理士に復帰すれば調査の再開が可能です。
ところが、廃業中に関係者への口止めや口裏合わせを行う悪質なケースもあり、復帰後の調査で不正の裏付けが取れず、懲戒処分に至らないこともあるそうです。

税理士法人の3人の中には税務署長経験者も含まれ、こうした実態を熟知していた可能性があります。
3人のうち1人は取材に対し「お話しできない」と答えたようです。

税理士制度に関する著書のある浪花健三税理士は「懲戒逃れの横行を許せば、税理士制度への信頼が揺らぐ。調査中の廃業を認めないなど、“逃げ得”を防ぐ必要がある」と話しています。

年に何度か税理士が脱税指南に関わっていたというニュースなどを目にしますが、国税OBが多い(ほとんど?)ように思います。
一時期、公認会計士などが税理士登録できないようにする動きがありました(結果的にはなりませんでした。)が、その時から言っていますが、公認会計士や弁護士の税理士登録を排除するよりは、国税OBの無試験での税理士登録を見直した方が良いのではないかと思っています。
廃業すれば処分されないというのも以前からおかしいと言われていたところですが、それも改正が必要だと思いますし、税理士登録の在り方や、税理士登録後の更新制度みたいなものも考える時期に来ているのではないかと思います。

コンサルが所得隠しを指南し国税OBが申告を担当していたが廃業で「懲戒処分逃れ」したことについて、どう思われましたか?


納税者の個人データ持ち出した上席国税調査官を懲戒処分!

読売新聞によると、熊本国税局は、先日、私的な目的で部内のシステムを使い、知人や同僚の個人情報を閲覧したとして、熊本県内の税務署に勤務する上席国税調査官の男性(50歳代)を停職3か月の懲戒処分にしました。
なお、男性は同日、辞職しました。

発表によると、2018年6月~2021年2月、知人や同僚ら延べ266人分の氏名や住所、生年月日を閲覧したり、納税者の申告内容のデータを持ち出したりしていました。
また、インターネットの投稿サイトに知人を中傷する書き込みをし、名誉き損罪で罰金10万円の略式命令を受けていたそうです。
熊本国税局に対し、「その時々の感情で行った行為で、反省している」と話したそうです。

熊本国税局は、「税務行政に携わる公務員としてあるまじき行為。誠に遺憾で、深くおわびする」としています。

国税局の職員も、毎年、おかしなことをする方が何名か出てきますね。
名前も出ませんし、おそらく何年かすれば税理士登録ができるんですよね。
この辺りは、税理士法を改正して、税理士登録できないようにしてほしいです。

納税者の個人データ持ち出した上席国税調査官が懲戒処分となったことについて、どう思われましたか?


三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務!

週刊新潮 によると、三菱UFJ銀行本店で「ニセ税理士」が堂々と働いているそうです。
無資格の者が税理士業務に携わる「ニセ税理士事件」について時折警察当局が摘発して報道もされますが、日本を代表する大企業が深く関わったケースは、おそらく過去に類例がないのではないでしょうか?

西川美和監督の映画「ディア・ドクター」の主人公は、笑福亭鶴瓶が演じるニセ医者・伊野治です。
山間部の寒村にある村営診療所で働くただ一人の医者として村民から慕われていた伊野は、ある出来事をきっかけに失踪しました。
その後、彼が医師免許を持たないニセ医者だと判明するが、それでも伊野を悪く言う村民はほとんどいませんでした……。
そんなストーリーの映画が公開されたのは2009年です。
一方、令和の現実世界に“発覚”したニセモノ騒動の舞台は、世界第5位の総資産額を誇る三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行です。
なんとその本店で堂々と「ニセ税理士」が働いているというのですから、事実は小説より何とやら、です。

問題の人物はKPMG税理士法人から三菱UFJ銀行本店に出向している30代前半の男性社員、西田公介氏(仮名)です。
ちなみにKPMGは世界四大会計事務所(BIG4)の一角を占める多国籍企業です。

「18年12月頃に出向してきた西田さんは三菱UFJ銀行本店のソリューションプロダクツ部ソリューションフィナンシャルグループに所属しており、同部署の職員はもちろん、同グループの職員も、彼のことは税理士だと思っています」
そう語るのは三菱UFJ銀行関係者です。

「その彼が実は“ニセ税理士”だと気づいたのは先月のことです。ある日、たまたまKPMGの関係者と話す機会があり、西田さんの話題になった時、その関係者が“西田さんは税理士ではない”と言うのです。彼が社内外で配っていた名刺にははっきりと『税理士』とありますし、本人も税理士を名乗っていたので最初はそんなことはあるはずがないと、信じられずにいました。しかし……」

この関係者が半信半疑で日本税理士会連合会のHPにある税理士情報検索サイトに彼の名前を打ち込んでみたところ、「該当するデータはありませんでした」とのメッセージが。

「念のため、連合会には電話でも問い合わせましたが、“その名前の税理士の登録はない。彼の職場での行為は税理士法違反にあたる”と言われました。最初は銀行に告発しようと考えました。しかし、もし銀行も組織ぐるみで関与していたとしたら……。大きな組織ですし、隠蔽されてしまったり私自身が不利益を被る可能性もあります」(同)

そこで、「週刊新潮」に情報提供するに至ったわけだそうです。
週刊新潮も独自に日本税理士会連合会に問い合わせたようですが、やはり彼の名前での税理士登録はなかったそうです。

「税理士名簿に名前のない者は税理士業務を行うことはもちろん、税理士を名乗ることも許されません。税理士法第52条では税理士でない者の税理士業務が禁止されており、これに抵触する場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。また第53条では税理士でない者が税理士を名乗ることを禁止しており、これに反すると100万円以下の罰金を科されます」(日本税理士会連合会の担当者)

実際、無資格の者が税理士業務を行う「ニセ税理士事件」は過去に何度も摘発されており、悪質だとして逮捕されたケースもあります。

ちなみに税理士試験の科目には会計学科目と税法科目の2種類があり、会計学科目2科目、税法科目3科目の計5科目をパスすると合格となり、晴れて税理士になれます。
西田氏は一部の科目をすでにパスしている「科目合格者」ではあるようですが、
「科目を一部パスしていても税理士業務はできないし、税理士と名乗ることも許されません」(同)

一体なぜ日本を代表するメガバンクで「ニセ税理士」が働いているのでしょうか?
名刺に「税理士」と書かれていることについて西田氏本人に聞くと、
「僕はそれは分かんないです。上の……上の判断なので。僕は知らないです」

三菱UFJ銀行にも取材を申し込んだところ、文書で回答が寄せられようです。
「ご指摘を受けて調査したところ、名刺の肩書に税理士の表記があることが判明致しました。当行顧客又は第三者に対して税務アドバイス等の業務は提供しておらず、税理士法52条違反に当たるとの認識はございません」

事情を知るMUFG関係者によると、
「彼が税理士資格を有していないことは受け入れ時には分かっていたのですが、彼の前にKPMGから出向してきた人が全員税理士さんだったので、勘違いして、前任者の名刺の名前と連絡先だけを変えたものを作ってしまったようです」

KPMG税理士法人は、
「出向中の業務は税理士業務に該当しないことを確認しております」

揃って「税理士業務はしていない」と強調する両社ですが、しかし、彼の名刺には「税理士」と記載され、彼が銀行内外で「税理士」として振る舞っていたことは紛れもない事実です。
その彼が税理士業務に携わっていないとは、いかにも不自然な言い訳です。

先の三菱UFJ銀行関係者はこう話しています。
「彼は銀行内で税務の相談に乗るだけではなく、社外の人のいる席にも同席していたはずです」

そもそも、無資格者が税理士と名乗るだけでも税理士法違反になることは前述のとおりです。
「それは詐称であり、刑法上の問題に問われる可能性もあります」(税理士の浦野広明氏)

さらに奇妙な事実があるようです。
西田氏の知人によると、
「彼は17年頃にKPMGに入っているのですが、その前にも会計や税務を扱う会社で働いていました。その時にはすでに自分は税理士だと言っていましたよ」

そんな彼が三菱UFJ銀行に出向してきた際、“誤って”名刺に税理士と記載されるというのは驚くべき偶然と言う他ありませんが、あるいは、その裏に事の真相が隠れているのでしょうか?

「彼はどんな席などでも仕事を聞かれたら税理士と答えていました。だから彼の友人は皆、当然のように本物の税理士だと思い込んでいました」
西田氏の地元の知人男性はそう語っています。

「ただ、それが嘘だったとしても、“彼ならやりかねないな”としか思いません。彼の実家は会社を経営しているお金持ちで、小さい頃から欲しいものは何でも手に入る環境で育った。そのせいかワガママな性格で、自分の思い通りにするためなら平気で嘘をつくようなところがあるのです」

その私生活も決して褒められたものではなく、
「彼女がいるのに新しい女を探して乗り換え、さらに女を物色する、といったことを繰り返しており、女性を騙してトラブルになったことも。それでいて“子育て中の女性の活躍をサポートしたい”と語るなど、二面性を持っています」(同)

冒頭で触れた映画「ディア・ドクター」の予告編には、「人は誰もが何かになりすまして生きている」という言葉が出てくる。西田氏は自身のインスタグラムでセレブのような生活を自慢していたという。本誌が彼に取材した直後、そのインスタは非公開となったようです。

自分自身関係ないので詳しいことは分からないのですが、税理士の登録は、開業税理士、所属税理士、社員税理士(税理士法人のパートナー税理士のことです。)しかなく、企業に所属している場合、開業税理士として登録していたとしても、その企業の業務の一環として税理士業務はできないのではないでしょうか?
また、税理士は、2か所事務所禁止という厳しい決まりがあります。
そう考えると、税理士だとしても、企業に勤務している税理士が名刺に税理士ということを書くこと自体アウトな気がしますがどうなんでしょうね?
三菱UFJ銀行やKPMG税理士法人は、その辺りもきちんと説明してほしいですね。

三菱UFJ銀行本店に「ニセ税理士」が勤務していることについて、どう思われましたか?


顧客口座から4,000万円超を着服した行政書士に実刑判決!

産経新聞によると、財産を管理する女性の口座から現金4,635万円を引き出して着服したとして、業務上横領の罪に問われた行政書士(52)の判決公判が、先日、函館地方裁判所で開かれ、酒井孝之裁判官は懲役3年6月(求刑懲役5年)を言い渡しました。

判決理由で酒井裁判官は、「契約から2か月とたたないうちに着服し、事務所の運営経費や生活費、投資資金に充て、専門職の財産管理者としてあるまじき行為」と指摘しました。

判決によると、この行政書士は、2016年10月から約2年間、女性の口座から50回にわたって現金を引き出し、着服しました。

弁護士、司法書士、行政書士など、着服する士業が跡を絶ちませんね。
フロフェッショナルとしての自覚やプライドはないのでしょうか?
どの士業の業界も、人数の増加や法人数の減少などで厳しくなってきているのは分かるのですが、サービス内容や新しい仕事の創出などで仕事を取っていくべきで、決して横領などはしてはいけないのは言うまでもないと思いますが。

顧客口座から4,000万円超を着服した行政書士に実刑判決が言い渡されたことについて、どう思われましたか?


遺産2,400万円着服の弁護士を愛知県弁護士会が処分!

中日新聞によると、愛知県弁護士会は、先日、依頼人の遺産約2,400万円を着服したなどとして、愛知県弁護士会所属の弁護士(81)を業務停止1年6か月の懲戒処分にしたと発表しました。

愛知県弁護士会によると、この弁護士は高齢女性が2017年9月に亡くなると遺言執行者に就任し、遺言通りに遺産を分配する立場でしたが、1か月後に女性の預金口座を解約し、払戻金約2,400万円を、預り金を管理する口座でなく、通常業務で使う口座に送金し、全額を着服しました。

他の依頼者からの預り金の返済などに充てたそうです。
遺産を受けるはずだった団体の代表者と2021年1月に和解が成立し、頭金1,300万円は弁済したそうです。

他に、交通事故の損害賠償請求案件を受任したのに一方的に辞任し、書類も紛失したそうです。

愛知県弁護士会の井口浩治会長は「市民の信頼を大きく損なう行為で心よりおわびする」と謝罪しました。

弁護士も毎年何名か着服する人が出てきますよね。
おそらく、表沙汰になっているのは、氷山の一角なんでしょう。
残念ではありますが、倫理の研修も必要な時代になっているのではないかと思いますね。
職業的専門家として、プライドを持って欲しいです。

遺産2,400万円着服の弁護士を愛知県弁護士会が処分したことについて、どう思われましたか?


元弁護士が成年後見人の立場を悪用し2,100万円を横領!

読売新聞によると、成年後見人の立場を悪用し、現金2,100万円を着服したとして、京都地検は、先日、京都弁護士会の元弁護士(53)を業務上横領罪で在宅起訴したと発表しました。

起訴状では、元弁護士は2018年11月~2019年11月、成年後見人として保管していた預金口座から12回にわたって計2,100万円を着服した、としています。
京都地検は、認否を明らかにしていません。

成年後見人に選任した家庭裁判所が、業務の状況を確認したところ不正行為が疑われたことから、2020年5月に京都地検に刑事告発していました。

京都弁護士会によると、元弁護士は2020年7月に同会を退会したそうです。

毎年、何名かは、横領する弁護士が出てきますね。
社会的信頼のもとに、弁護士が成年後見人として選任されているんでしょうから、プライドを持って業務にあたって欲しいですね。
弁護士がこういった事件を起こすと、誰を信じて良いのか、誰を成年後見人として選任すべきかということになり、本人だけではなく、弁護士業界や、他の士業の業界にも悪影響を及ぼしてしまいます。
やはり、弁護士は人数が増えすぎて、食べていけない人がたくさん出てきているということなのでしょうか?

元弁護士が成年後見人の立場を悪用し2,100万円を横領していたことについて、どう思われましたか?


複数の税理士が関与した持続化給付金の不正受給疑惑で農林水産大臣が「JRAは厳正な対応を」と指示!

デイリースポーツによると、JRAの東西トレセン関係者が、新型コロナウイルスに関する持続化給付金を不正に受け取った疑いが浮上した問題で、先日、野上浩太郎農林水産大臣は「厳正な対応を」とJRAに調査を指示しました。
また、この件には複数の税理士が関わっているとみられ、仲介者を通じて熱心な勧誘が行われていたことが分かったようです。

野上農林水産大臣は、調教助手らによる持続化給付金の不正受給疑惑を受け、JRAに事実関係を把握するよう指示したと明らかにしました。
衆院予算委員会で「競馬への信頼を確保するため、不正受給があれば返還させるなど厳正な対応を取るよう指示した」と述べました。

委員会にはJRAの後藤正幸理事長も出席し、日本調教師会に調査を要請したと説明しました。
「必要な対応を取りたい」と語りました。

調教助手や厩務員を巡っては、レースの獲得賞金に応じて得られる報酬が新型コロナウイルスの影響で減少したとして、国の給付金を不正に申請し、受け取った疑いが浮上し、調教師会が返還を求めています。

他の記事によると、調教助手や厩務員は固定給をもらい、それに加えてレースの獲得賞金に応じた金額を受け取り、その部分を個人事業主として確定申告しているようです。
JRAのレースは無観客とかにはなったようですが、レース自体は減っておらず、収入が減ったのは、単にレースの成績が悪かっただけで、新型コロナウイルスの影響はまったくないということで、問題になっているわけです。
不正でかんぽを販売できなくなり、収入が減ったものの、新型コロナウイルスの影響はまったくないとされた郵便局の職員と同じですね。
熱心な勧誘をした税理士に言われるがまま持続化給付金を申請した方も多いのでしょうが、他人任せではなく、自分で納得したうえでやらないといけないですね。
こういうので稼いでいる税理士もどうかと思いますが、税理士の信頼性を損ねているわけですから、適性に処分してほしいですね。

複数の税理士が関与した持続化給付金の不正受給疑惑で農林水産大臣が「JRAは厳正な対応を」と指示したことについて、どう思われましたか?


沖縄のコロナ給付金詐欺で逮捕された税理士は「金に困って」勧誘?

沖縄タイムス社によると、沖縄県警特別捜査本部は、先日、国の持続化給付金100万円をだまし取ったとして、那覇市の税理士・行政書士の男(51)を詐欺容疑で逮捕しました。
共謀したとして、那覇市の会社役員の男性(54)、妻で自営業の女性(53)両容疑者(いずれも別の詐欺罪で起訴済み)を同容疑で再逮捕しました。
持続化給付金を巡る詐欺事件で現役税理士の逮捕は、全国初とみられます。

沖縄県内の詐欺事件での逮捕者は、この税理士が5人目です。
これまで逮捕された4人は、同容疑者の税理士事務所でうその内容で申請手続きを済ませており、同事務所を起点に不正受給が広がった可能性が高いようです。

逮捕容疑は2020年5月9日~19日に、県内在住の女性と共謀し、確定申告や売上台帳に虚偽の職業や売上金を記載して、女性名義の口座に給付金が振り込まれるよう申請し、100万円をだまし取った疑いがあります。
口座名義の女性は詐欺容疑で書類送検されました。

沖縄県警は捜査に支障があるとして逮捕した3人の認否を明らかにしていません。

先日、捜査本部は容疑者の自宅や那覇市久米の税理士事務所を家宅捜索し、那覇地検へ送検しました。

逮捕された税理士を知る人物によると、複数の知人や元顧客から借金を重ね、資金難に陥っていたそうです。
「お金に困っていて、そこに持続化給付金の話が舞い込んだ。手っ取り早く稼げると思ったんだろう」

2020年5月に持続化給付金制度が始まると、税務処理で面倒を見る飲食店関係者に電話し、申し込みを募ったそうです。
口コミで瞬く間に広がり、事務所前に列をなして手続きを待つ飲食業関係者が目撃されているようです。

ある飲食店オーナーは同容疑者から電話で誘われ、税理士事務所で手続きを済ませ、手数料として15万円を支払ったそうです。
その時、容疑者の隣にいた会社役員の容疑者から「従業員でも給付金申請ができる」と言われたが、思いとどまったそうです。

同容疑者は2009年に税理士事務所を開業し、2017年ごろに現在の那覇市久米の事務所に移り、同じ関西出身の会社役員と知り合ったようです。

手数料が億単位のようですし、行列ができていたくらいなので、かなりの数の法人や個人事業主の方がされているんでしょうね。
話しに乗った方もおかしいとは思わなかったんですかね。

沖縄のコロナ給付金詐欺で逮捕された税理士は「金に困って」勧誘していたことについて、どう思われましたか?


長野県松本市の弁護士が3,000万円の横領で長野県弁護士会が退会命令!

長野県弁護士会は、先日、同会所属の松本市の弁護士(34)が2018年、交通事故で重度の障害を負った県内の男性の成年後見人の立場を利用し、保険会社からの損害賠償金3千万円を横領したとして、退会命令の懲戒処分としたと発表しました。
松本市の弁護士は事実を隠すため、示談書や通帳の記載を偽装していたそうです。
男性側に謝罪し、全額を弁償したものの、私文書偽造・同行使容疑も含め犯罪行為に当たると判断しました。
長野県弁護士会は、刑事告発したかどうかは明らかにしていません。

長野県弁護士会によると、この弁護士は2016年9月から男性の代理人として交通事故の加害者側と示談交渉に当たり、2018年4月に保険会社から3千万円を預かり金口座に振り込ませました。
外国人で日本語での意思疎通が困難だった妻から委任を受け、2018年6月に男性の成年後見人に就任しました。
着手金や報酬金などの名目で2020年1月までに3回に分け、自らの業務用個人口座や法人口座に振り替えて横領しました。

長野県弁護士会は2020年5月、関係者からの告発を受け事実関係を調査しました。
この弁護士は事実を隠すため、男性を支援してきた社会福祉協議会や長野県弁護士会に対し、示談書や通帳を偽装して提出するなどしていたことが分かったようです。
裁判官や弁護士でつくる懲戒委員会が、先日、退会命令相当と議決しました。

退会命令は、除名に次いで重い懲戒処分です。
この弁護士は同会員ではなくなり、弁護士として活動できなくなります。
既に業務を停止し、担当事件は他の弁護士に引き継いだそうです。

中嶌知文会長は、先日、長野市の長野県弁護士会館で「重大な非行。被害者らに申し訳なく誠に遺憾」と謝罪しました。
今後、全会員対象の研修などで再発防止に取り組むとしました。

弁護士なので、私文書偽造がダメということは分かると思いますが、弁護士に限らず、こういうことがあると、成年後見人制度自体の意味がなくなってくるのではないかと思います。
人数が増えて、食えない士業が増えていることに起因していると思いますが、本当に、倫理教育や、担保提唱などをするようにしないと、今後も同じようなことが起こるでしょうね。

長野県松本市の弁護士が3,000万円の横領で長野県弁護士会が退会命令を出したことについて、どう思われましたか?


「誤った価値観」で遺言書を偽造した弁護士に有罪判決!

神戸新聞によると、法定相続人がいない故人の親族らと共謀して偽の遺言書を作成したとして、有印私文書偽造・同行使の罪に問われた兵庫県弁護士会所属の弁護士(43)の判決公判が、先日、神戸地裁でありました。
松井修裁判官は懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)を言い渡しました。

判決によると、弁護士は故人の親族ら2人と共謀して2020年1~2月、自筆証書遺言1通を偽造し大阪家裁に提出しました。
また、別の故人の親族2人と共謀して2020年4~6月、自筆証書遺言1通を偽造し同家裁に提出しました。

松井裁判官は、量刑理由で「自筆証書遺言の社会的信用を失墜させる悪質なもの」と指摘しました。
弁護士が依頼者に遺言の案を提示していたことなどから「主導的な立場だった」と述べました。

弁護士は被告人質問で、「(法定相続人がいない故人の)遺産が国に帰属するよりも、近しい人のものになるべきという誤った価値観を持っていた」と弁解しました。
経営する法律事務所の事務員に「おかしい」と指摘されたこともあったようですが、「手続きが進んでいたので思いとどまる勇気がなかった」と話していました。

兵庫県弁護士会は弁護士法に基づき、同会の独立組織に被告の懲戒請求をしており、今後処分されるそうです。

法定相続人がいない場合、遺産が国に帰属してしまうので、近しい人のものになるべきというのは分からなくもないですが、それは、当然、生前に対策をしておかないといけないことです。
当然、法律の専門家である弁護士の方だと分かることだと思いますが、なぜ、こういったことに走るんでしょうね。
弁護士が増えすぎて、なかなか食えない時代になっているのかもしれませんが、弁護士の資格を失ってしまうような行為をする理由が僕には理解できません。
弁護士だけではないでしょうが、こういった方々が増えてきているので、士業の方々も、残念ではありますが、毎年、きちんと倫理教育をしないといけない時代になっているのかもしれませんね。

「誤った価値観」で遺言書を偽造した弁護士に有罪判決があったことについて、どう思われましたか?


依頼者から預かった800万円を着服した元弁護士を横領罪で起訴!

産経新聞によると、依頼人から預かっていた現金800万円を着服したとして、大阪地検は、先日、業務上横領罪で大阪弁護士会所属の弁護士だった容疑者(38)を起訴しました。
大阪地検は認否を明らかにしていません。

起訴状などによると、元弁護士は兵庫県西宮市の70代女性から依頼を受けた訴訟関連手続きをめぐり、女性から供託金として預かっていた800万円を着服したとしています。

元弁護士は起訴内容とは別に、弁護士が任意加入する会派の口座から計約1,980万円を横領したとして2020年9月、大阪弁護士会から退会命令の懲戒処分を受け、弁護士としての活動はできない状態だそうです。

最近、弁護士の横領等も多いですね。
この前、たまたまネットで調べていると、香川県でも約180名もの弁護士がいらっしゃいますね。
数年前まで、公認会計士より少なかったと思いますが、知らない間に、香川県でも公認会計士の1.5倍くらいになっていますね。
弁護士の仕事が極端に増えているわけではないでしょうから、当然、人数が増えると食えない人が増えてくるのではないかと思います。
そうなると、こういったことが必然的に増えてくるんでしょうね。
あまり人数を増やし過ぎると、良くないんでしょうね。

依頼者から預かった800万円を着服した元弁護士が横領罪で起訴されたことについて、どう思われましたか?


行政書士が顧客の預金の着服を認める!

NHKによると、財産を管理していた顧客の口座から現金を引き出して着服したとして業務上横領の罪に問われている行政書士の男の初公判が函館地方裁判所で開かれ、男は起訴された内容を認めました。

函館市の行政書士(51)は、2018年4月から8月にかけて財産の管理を委任されていた70代の女性の銀行口座から合わせて270万円を引き出して着服したとして業務上横領の罪に問われています。

函館地方裁判所で先日開かれた初公判で、行政書士は「認めます」と述べ、起訴された内容を認めました。
このあと検察側は冒頭陳述で「クレジットカードの支払いが毎月100万円ほどあり、その支払いに困っていたことなどから被害者の口座から金を引き出して着服した」と指摘しました。

また、行政書士はこのほかにも女性の口座から3千数百万円を引き出し着服していたとして、2020年9月、業務上横領の疑いで追送検されていて、検察は2020年9月25日の裁判で今後、追起訴する方針を明らかにしました。

次回の裁判は2020年11月6日に行われます。

クレジットカードの支払いが毎月100万円ほどっていうのは、一体何に使っているんでしょうね。
こういう人がいるので、士業の信頼が失われていくのは残念ですね。
僕は公認会計士ですが、いわゆるCPE(継続的専門研修制度)の中で、毎年『職業倫理』を2単位以上取得しないといけないのですが、以前から『職業倫理』の研修受講義務化は必要ないのではないのかと思っていますが、残念ながら、こういう事件があると、毎年、すべての士業などの専門家に義務付ける必要もあるのではないかと思ってしまいますね。

行政書士が顧客の預金の着服を認めたことについて、どう思われましたか?


弁護士が遺言書を偽造!

NHKによると、相談者からの依頼で、亡くなった親族の遺言書を偽造するなどした罪に問われている兵庫県弁護士会の弁護士の裁判が神戸地方裁判所で始まり、弁護士は起訴された内容を認めたようです。

兵庫県弁護士会に所属する弁護士(43)は、依頼を受けた兵庫県洲本市の相談者など2組4人に、それぞれの亡くなった親族の遺産を相続させるなどの目的で遺言書を偽装し、2020年2月と6月に裁判所に提出したとして、有印私文書偽造などの罪に問われています。

神戸地方裁判所で開かれた先日の初公判で、弁護士は「間違いありません」と起訴された内容を認めました。

検察は冒頭陳述や証拠調べのなかで、「おととしごろから早く安定した収入を得たいなどとして、相談者に偽造を勧めるようになった。被告は『よほどのことがない限り筆跡鑑定は行われない。偽装とは分からない』などと話し、相談者は被告が作った案に従って遺言書を偽造した」と指摘しました。

一方、弁護側は「被告は報酬や相談料として1,800万円余りを得たが、すでに全額返還している。また、弁護士の資格を返上する手続を取っている」と述べました。

次回の裁判は10月30日に行われる予定です。

兵庫県弁護士会では、資格返上の手続きとは別に懲戒処分のための手続きを行っているということです。

安定した収入を得たいということで、法律の専門家である弁護士がこういうことをするということが信じられないですね。
バレるとどうかるかというのは、弁護士が一番分かっているような気がしますが。
一方で、相談者もおかしいなぁと思わないといけないと思います。
悲しいことですが、専門家ですら信用できない時代になっていますので、セカンドオピニオンも重要かもしれませんね。

弁護士が遺言書を偽造していたことについて、どう思われましたか?


「8億円脱税」認定の弁護士ら2人に逆転有罪判決!

毎日新聞によると、個人の不動産取引を会社による取引のように装い、脱税したとして所得税法違反に問われた弁護士(78)と元妻の公認会計士(69)の差し戻し審で、東京地裁は、先日、弁護士に懲役2年6月、罰金2億円(求刑・懲役3年6月、罰金2億5,000万円)、公認会計士に懲役1年6月(同・懲役2年)の逆転有罪判決を言い渡しました。
野原俊郎裁判長は「計画的かつ大がかりで手が込んだ犯行」と述べました。

両被告は2010年に東京地検特捜部に逮捕・起訴され、2014年に東京地裁で無罪とされました。
しかしながら、東京高裁が2016年、1審判決を破棄して審理を地裁に差し戻す判決を言い渡し、2017年に最高裁で確定しました。

公判では、被告の知人らが役員だった会社の不動産取引が争いになり、1審判決は「弁護士が取引の利益を受け取ったとはいえない」としていました。

これに対し今回の判決は、弁護士が返済予定のない金銭を会社から受け取っていたことなどを列挙し、実質的に弁護士の支配下にあり、取引の利益は弁護士に帰属すると認定しました。
公認会計士も弁護士と共謀関係にあったとしました。

判決によると、両被告は共謀して2004年と2005年分の弁護士の所得税計約8億1,067万円を脱税しました。

有罪になったくらいなので、かなり悪質だったんでしょうね。
弁護士と公認会計士が共謀して行うなんて、同業者として、非常に残念ですね。
脱税ではなく、節税に知恵を絞ってほしかったですね。

「8億円脱税」認定の弁護士ら2人に逆転有罪判決があったことについて、どう思われましたか?


弁護士が遺産4,200万円を着服した疑いで逮捕!

関西テレビによると、大阪弁護士会所属の弁護士の男が、遺産の相続で預かっていた現金約4,200 万円を着服した疑いで逮捕されたそうです。

警察は、男が着服した金を借金の返済にあてていたとみて調べています。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、大阪弁護士会所属の弁護士(74)です。

警察によると、この弁護士は、成年後見人として依頼を受けていた70代の男性が死亡したため、男性の妻から遺産相続に関する業務を依頼されました。

しかし、男性の妻に遺産の引き渡しをせず、2018年に男性の口座から現金約4,200万円を自分の口座に移して着服した疑いが持たれています。

警察の調べに対し、この弁護士は「全額使い切ってしまった」と容疑を認めています。

警察は、この弁護士が着服した金の一部を借金の返済にあてていたとみて調べています。

弁護士としてあるまじき行為ですね。
世の中で一番法律を分かっているはずの弁護士がこのようなことをするのは信じられないですね。
やはり、大金を目の前にするともらいたいという欲望が芽生えるのかもしれませんが、そこは、職業的専門家としてのモラルやプライドで抑えて欲しいですね。
自らの行為で自らの業界の信用を落とすという行為は、本当にやめて欲しいですね。
本当に誰を信用してよいのか、分からなくなってしまいます。

弁護士が遺産4,200万円を着服した疑いで逮捕されたことについて、どう思われましたか?


僧侶が「檀家を増やしたくて」無資格で税理士業務を請け負っていた!

岐阜県警は、先日、岐阜県本巣市の僧侶男性(71)を税理士法違反の疑いで岐阜地検に書類送検しました。

発表によると、男性は税理士でないのに、2018年3月1日頃から2019年3月11日頃までの間、グフ兼本巣市の事業主らの求めに応じ、8回にわたり、確定申告書作成などの税理士業務を行った疑いです。

男性は1回1万円から4万円で税理士業務を請け負っていたとみられ、「檀家(だんか)を増やしたくてやった」と供述しているそうです。

こういった『にせ税理士』に、僕らの業界は一定数仕事を奪われているんでしょうね。
会計事務所の勤務経験があると資格がなくても確定申告書の作成などは簡単にできるでしょうから、昔はあの人はもぐりの税理士をやっていたとか、あの税理士の父親はもぐりの税理士だったとか、顧問契約の引き合いがあって話を聞いていたら行政書士が決算・申告をやっていたとか色々と耳にしますので、国税庁にはもっと『にせ税理士』を取り締まってほしいですね。
有償か無償かを問わず、税理士業務は税理士でないとできませんので、依頼する方もその点は認識しておいてほしいですね。

僧侶が「檀家を増やしたくて」無資格で税理士業務を請け負っていたことについて、どう思われましたか?


5,000万円超の横領の疑いで行政書士を逮捕!

産経新聞によると、北海道警函館西署は、先日、財産を管理する女性の口座から引き出した70万円を着服したとして業務上横領の疑いで、函館市元町の行政書士(51)を逮捕しました。
女性の口座では他に約5,000万~6,000万円の使途不明金があり、同署は関連を調べています。

逮捕容疑は、平成30年7月までの約3か月間に、財産の管理を受託した女性(70)の貯金口座から150万円を引き出し、うち70万円を自分の口座に入れたとしています。
同署は認否を明らかにしていません。

同署によると、女性と行政書士が結んだ財産管理契約などの内容を不審に思った親族が女性の口座を確認したところ、使途不明金があり、同署に届け出ていました。

行政書士に限りませんが、年に何人かはこういった事件を起こす士業の方がいますね。
こういったことがあると、士業の業界の全体の信頼性を失うということを自覚して、業務にあたってほしいですね。
一般の方より信頼できるということで士業の方が選ばれているのでしょうから、そんなことも分からない方が士業をやっているということが残念でなりません。

5,000万円超の横領の疑いで行政書士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


税理士政治連盟訴訟で原告主張の「会員でない」を認める判決!

毎日新聞によると、税理士会に入っているだけで政治団体「栃木県税理士政治連盟(栃税政)」に加入させられ、憲法で保障された思想・信条の自由を侵害されたとして、栃木県宇都宮市の税理士が会員でないことの確認などを求めた訴訟で、宇都宮地裁(伊良原恵吾裁判長)は、先日、「原告は入会の意思を明らかにしたことはない」として、会員でないとする原告側の主張を認める判決を言い渡しました。

一方で、栃税政が原告を事実上の会員として扱ったとし、「思想・良心の自由を害すると言えないわけではない」と指摘しましたが、「強制や不利益を伴うとまでは言えず不法ではない」と慰謝料の請求は棄却しました。

訴えたのは、関東信越税理士会栃木県連に所属する税理士(65)です。

判決によると、栃税政は規約で「県連に所属する会員をもって組織する」と定めており、この税理士は入会の意思がないのに、税理士登録した1983年から会費の振込用紙の送付が止まった2014年まで事実上、会員として扱われました。

この税理士は、栃税政が政治献金していることを指摘し、「思想信条の合致しない政治家を支持させられた」と主張しました。

これに対し、栃税政側は訴訟の終盤で「会員であったことはない」と原告側の主張を一部認めた上で、政治的自由の侵害は否定していました。

僕は、政治などに興味がないので、公認会計士としても税理士としても政治連盟には入っていない(僕の場合は、会計士協会や税理士会は入会の意思を問われたりしています。)のですが、半強制的な税理士会もあるんですね。
他の業界では、半強制的なところがあるように聞きますが。
この判決により、税理士会のみならず、その他の業界でも入会が強制されないものになって欲しいですね。

税理士政治連盟訴訟で原告主張の「会員でない」を認める判決があったことについて、どう思われましたか?


顧客45人以上の無資格の『にせ税理士』を逮捕!

 税理士の資格がないのに顧客の依頼を受けて税務書類を作成したとして、大阪府内の無職の男が逮捕されました。

税理士法違反の疑いで逮捕されたのは、豊中市の男性(43)です。

警察によりますと男性は、税理士の資格がないのに2017年2月から2019年3月までの間に顧客4人の依頼を受け、確定申告に必要な税務書類28通を作成した疑いです。

税務署から追徴課税された顧客が、男性に相談したところ「僕は分かりません。これ以上力になれません」などと言われ、その後、連絡がつかなくなったということです。

男性は簿記2級の資格を持ち、顧客は45人以上いたということで、2007年以降の売り上げは約3,000万円に上るとみられています。

調べに対し男性は、容疑を認めているということです。

昔は会計事務所の元職員で『にせ税理士』をやっている方が多かったと聞いたことがありますし、これって『にせ税理士』ではないのだろうか?と思ったことが何度かありますが、どんどん取り締まってほしいですね。
税理士業務は、有償であれ、無償であれ、基本的に税理士しかできないことになっておりますので。

顧客45人以上の無資格の『にせ税理士』が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


国税OBから「陣中見舞い」の現金を受け取った国税幹部4人を懲戒処分!

 国税OBの税理士から現金計12万円を受け取ったとして、東京国税局は、先日、幹部職員4人を戒告の懲戒処分にし、発表しました。
他に2人も、同じOBから計約1万2千円分の飲食接待を受けたとして厳重注意としました。
6人は現在、国税庁と東京・大阪・名古屋の各国税局の課長級以上だそうです。

発表によると、4人は東京国税局管内の税務署で署長や副署長、総務課長の立場にあった2014年2月から2017年2月、来署したOBから「確定申告の陣中見舞い」として、1回当たり現金2万円から3万円を受け取りました。
現金は菓子購入や懇親会などに使ったそうです。

国税OBはこの署で副署長を務め、都内の署長を最後に2012年に退職しました。
「確定申告が繁忙期で大変だと知っていたので、少しでも助けになればと渡した」と説明しているようです。
2016年と2017年に3万円ずつ受け取った当時の総務課長は、かつて国税OBと上下関係でした。

また、厳重注意を受けた2人は、国税局課長だった2018年3月と10月、この国税OBと居酒屋に2次会に行き、それぞれ1回あたり約3千円の飲食費を負担してもらったそうです。

いずれも、国税OBに便宜を図る行為などは確認されなかったとしています。
会見した東京国税局の中山隆介総務部長は、「庁舎内でOBから現金を受領したのは言語道断」と話し、陳謝しました。

国税局の職員もOBもモラルが低すぎますね。
そもそも利害の対立する関係にある国税局職員と税理士の間で、金銭のやり取りや、接待が行われるというのは、客観的に見ると、完全にアウトですよね。
意図があるかないかというのは、確認することはできませんし、第三者から見ると関係ないと思います。
やはり、国税局に勤めていた職員が税理士登録できるという制度をそろそろ見直す時代に来ているのではないかと思います。

国税OBから「陣中見舞い」の現金を受け取った国税幹部4人が懲戒処分となったことについて、どう思われましたか?


修繕費を水増し請求した元税理士を脱税容疑で告発!

 法人税など計約2,300万円を脱税したとして、大阪国税局が不動産会社(大阪府吹田市)など計5社と、各社の社長(70)を法人税法違反などの疑いで大阪地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で明らかになったようです。
社長は税理士でしたが、2018年12月に廃業しているそうです。

関係者によると、社長は2013年10月~2017年4月に、所有するマンションや集合住宅の修繕費を取引先に水増し請求させるなどの手口で、法人所得計約1億2,000万円を隠したとされます。
取引先に請求額を振り込んだ後、水増し分の払い戻しを受けていたようです。
重加算税を含む追徴税額は計約3,100万円とされ、既に大半を納付しているようです。

税理士としてやってはいけないことをやっていますね。
こういう行為が、税理士の信頼性を引き下げることになりますので、本当にやめて欲しいですね。
利益が出ているのであれば、税理士として、脱税ではなく、良い節税対策をして欲しいと思います。

修繕費を水増し請求した元税理士が脱税容疑で告発されたことについて、どう思われましたか?


はれのひ元社長が銀行に「税理士がミス」と虚偽説明!

 振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市)=破産=が売上高を粉飾した決算書類で銀行から融資を受けたとされる事件で、詐欺容疑で神奈川県警に逮捕された同社元社長(55)が、平成28年に債務超過を報告した決算書について銀行から理由を問われた際、「税理士が仕訳ミスをしていた」などと虚偽の説明をしていたことが、先日、捜査関係者への取材で分かったようです。
 捜査関係者によると、同社は平成279月の決算で約4,800万円の売り上げを架空計上するなど、数期連続で資産超過状態を示す決算書を融資元の銀行などに提出していました。
 平成289月期の決算書では、前期の架空売り上げの修正などを余儀なくされたことから、金融機関からの借入金残高が約43,700万円に上るなど債務超過状態に陥っていました。
 元社長は、突如発生した巨額の赤字について、融資元の銀行に「今まで税理士が仕訳ミスをしていた部分を整理したら、この決算になった」と、架空計上の修正を隠した上で虚偽の説明をしていたそうです。
 県警捜査2課は、同社が平成27年の数年前から売上高を水増しするなど偽造した決算書を作成、銀行に示すなどして融資を受けていた可能性もあるとみて詳しい経緯を調べています。
 この事件は201818日の成人式当日、同社で晴れ着を購入するなどした新成人らが待機していた着付け会場に同社の社員らが現れなかったことなどから発覚し、同月26日には同社の破産手続き開始が決定しました。
 同日に会見した元社長は決算書の偽造など一切の疑惑を否定していましたが、逮捕後の県警の調べに対しては「私が粉飾を指示して融資を受けていたことに間違いない」とおおむね容疑を認めているようです。
 別の報道によると、毎年、税理士を変えていたようですね。
 この虚偽説明に対し、銀行はどう判断していたかをぜひ知りたいですね。
 僕自身、税理士で、受注の際はそれなりに気を付けているつもりですが、やはり、過去の顧問税理士などをできる限り確認して(ヒアリングすると過去の税理士に問題があるようなことをおっしゃるとは思いますが・・・)、何かおかしいなぁと思えば断るということを今後も徹底していきたいと改めて感じた1件でした。
 はれのひ元社長が銀行に「税理士がミス」と虚偽説明をしていたことについて、どう思われましたか?

経済産業省が税理士に対して補助金交付等の停止措置!

 経済産業省の補助金を原資として、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」という。)が実施する「認定支援機関による早期経営改善計画策定支援事業」において、認定支援機関である熊本県の税理士は、当該事業の要件である支援先企業からの計画策定費の支払いを適正に受けていないにも関わらず領収書を発行するとともに、補助金額を申請する際に業務従事時間を過大に積算することにより、機構から補助金を不正に受給していた事実が認められたようです。
 これを受け、経済産業省は、この熊本県の税理士に対して補助金交付等停止措置を行ったようです。
 なお、この熊本県の税理士から中小機構に対して補助金の返還がなされているようです。
 また、中小機構から委託を受けて当該事業の申請受付事務を行う熊本県経営改善支援センター(熊本商工会議所)の職員による上記事実の調査の際の対応が不十分であったことから、熊本商工会議所より中小機構に対して委託費の一部返還及び再発防止策の報告を受けているようです。
 今後、国として、申請手続を見直す等、再発防止を講じていくようです。
 悪質な税理士ですね。
 同業者として、恥ずかしい限りです。
 日本税理士会連合会の神津会長も、『6月22日、認定支援機関による早期経営改善計画策定支援事業において、税理士が補助金の不正受給を行っていたことが発覚し、当該税理士に対して経済産業省から補助金交付等の停止措置がなされました。当該税理士の行為は、税理士及び税理士制度に対する社会的信用を著しく損ねるものであり、誠に遺憾であります。今後、本会では、再発防止の観点から、各税理士に対して法令遵守を強く要請するとともに、研修及び広報等を通じ適正な業務の遂行を指導していく所存です。』とのコメントを出されています。
 「認定支援機関による早期経営改善計画策定支援事業」については、とある税理士団体に属する税理士が結構申請を出しているという噂を聞いたことがあります。
 調べてみると、この税理士もこの税理士団体に属していますね。
 「認定支援機関による早期経営改善計画策定支援事業」を使うことは良いことだと思いますが、税理士としてそもそものところからの指導が必要なのではないかと思いました。
 経済産業省が税理士に対して補助金交付等の停止措置を行ったことについて、どう思われましたか?

国税庁ホームページのリニューアルの混乱を受け「国税庁URL変換器」を個人が開発!

 国税庁のWebサイトが2018331日にリニューアルされ、ほぼすべてのURLが変わりました。
URLのページはすべてトップページにリダイレクトされ、サイト内検索でも旧URLのページがヒットするため、「トップページの無限ループ」「目的のページにたどり着けない」と利用者が困惑しています。

国税庁は「検索エンジン側にURL更新のリクエストを出している」としており、「新しいページの検索結果が蓄積されるまでの間(一般的には2週間程度)は、トップページのメニューから利用してほしい」と呼び掛けていますが、解決までにはしばらく時間がかかりそうです。

このような状況を受け、エンジニアの「ぽち@pchw」さんが201843日、国税庁サイトの旧URLを新URLに変換するサービス「国税庁URL変換器」を個人で開発・公開しました。
ブックマークや検索エンジンなどから旧URLをコピーし、フォームにペーストしてチェックボタンを押すだけで、同じ内容を収めた新URLのリンクを表示するというものです。

普段はバックエンドエンジニアとしてTokyo Otaku Modeに勤めているぽち@pchwさんですが、国税庁サイトのリニューアルが話題になり、「これはひどい」などと批判を集める中、「愚痴を言うだけで終わるのではなく、エンジニアとして、何かしら別の手段で解決できれば」と、サービスの開発を思い立ったそうです。

開発に当たり、新サイトと旧サイトのURLを眺めていると、類似する部分を発見し、「サイトリニューアルで階層構造は変更されたが、URLの途中からは新旧サイトとも同じ構造になっている」と推測し、旧URLを新URLに「無理やり」変換する仕組みを開発したそうです。
開発にかかった時間は、なんと「5時間ほど」だそうです。

入力された旧URLは、サーバレスでコードを実行できる「AWS lambda」で受け取り、データベース(MongoDB Atlas)に保存してある新URLの一覧と曖昧にマッチングします。
クライアントサイドはすべて「AWS S3」に置いています。
JavaScriptライブラリのReact.jsで構築し、UIフレームワークはFoundationを利用しているそうです。

現在「約19,000個のURLにマッチングを取ってる」状態で、「もし旧URLを入力しても新URLが出てこないページがあれば、確認してルールを追加するので、サイト下部にある『お問い合わせ』から送って頂ければ」としています。

ぽち@pchwさんは、開発の経緯をつづったブログ記事も公開います。
「ハッカー」という言葉には、「雑だけどうまく役に立つものを作る」といった意味があるらしい、と紹介した上で、「自分は、これからも愚痴をこぼす前に自分の行動で何かを変えていきたいと思っています」などとづつっています。

僕自身、税理士という職業柄、今回の国税庁のホームページのリニューアルには大変迷惑を被っているのですが、個人の方が、これほど早くこのようなものを開発してくれて、非常に感謝していますし、すごく敬意を示したいと思います。
翌日くらいに、マネーフォワードのエンジニアが似たようなものを作って公表していますが、個人の方が作られたということは、素晴らしいことだと思います。
本当に、国税局が買い取ってもいいのではないかとも思いますね。

国税庁ホームページのリニューアルの混乱を受け「国税庁URL変換器」を個人が開発したことについて、どう思われましたか?


国税庁のホームページがリニューアルされ検索できない!

2018年04月03日(火)

国税庁は、電子政府指針等を踏まえ、ホームページの更なる利便性の向上を図るため、平成30年(2018年)3月31日(土)に国税庁ホームページのリニューアルを行いました。

<リニューアルの対象>
・国税庁ホームページ(www.nta.go.jpをドメインとするサイト)

なお、以下のサイトは、今回のリニューアルの対象ではありません。
・国税電子申告・納税システム(e-Tax)(www.e-tax.nta.go.jp)
・確定申告書等作成コーナー(www.keisan.nta.go.jp)
・財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)(www.rosenka.nta.go.jp)
・公売情報(www.koubai.nta.go.jp)
・法人番号公表サイト(www.houjin-bangou.nta.go.jp)
・国税不服審判所(www.kfs.go.jp)

<ご留意いただきたい事項>
リニューアルに当たり、トップページのURL(https://www.nta.go.jp)に変更はありませんが、情報分類の整理を行ったことから、各ページの掲載場所やほぼ全てのページのURLが変更になっています。
リニューアル前の各ページをブックマークに登録されている方やリンク設定をされている方は、お手数をおかけいたしますが、ブックマークの再登録やリンク設定の変更をお願いいたします。

税理士という職業柄、ネットで検索して、国税庁のホームページで確認するということが非常に多いのですが、今回のリニューアルによって、検索してクリックしてもたどり着けなくなりました。
非常に不便です。
国税庁のホームページのトップページからはもともと検索しにくいんんですよね。
同じような方は世の中にたくさんいらっしゃると思いますから、どうにかして欲しいですね。

国税庁のホームページがリニューアルされ検索できないことについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(粉飾)

AI新興のオルツは収益過大計上疑惑で株価急落し問われる企業統治!

日本経済新聞によると、人工知能(AI)開発のオルツで、主力の議事録作成サービスに関する売上高を過大計上している可能性が明らかになりました。

第三者委員会を設置して調査するため、2025年1〜3月期の連結決算の発表を延期しました。

オルツは2024年10月に東証グロース市場に上場したばかりです。

グロース市場改革の議論が進む中で、新興企業のガバナンス(企業統治)が問われそうです。

オルツ株は2025年4月28日に急落しました。

制限値幅の下限(ストップ安水準)である前週末比80円(19%)安の337円まで切り下げました。

オルツはメディアドゥで取締役を務めた米倉千貴社長が2014年に設立しました。

AIを使ったサービス開発を主力とし、生成AIを活用して従業員の分身をつくる「デジタルクローン」も手掛けています。

売り上げの過大計上が疑われているのは、オルツの売上高の9割を占める議事録作成サービス「AI GIJIROKU」です。

自社で開発している音声認識技術などを使って、日本語や英語など35カ国語に対応しています。

2020年にサービスを始め、2025年1月時点で利用企業数は9,000社となったとしています。

販売経路は自社で直接販売する場合と販売代理店を通じて顧客企業に販売する場合があります。

4月初旬から証券取引等監視委員会の調査を受けており、「一部の販売パートナーから受注し計上した売り上げについて、有料アカウントが実際には利用されていないなど、過大に計上されている可能性が認められた」としています。

オルツは、日本経済新聞の取材に対し、「現在第三者委員会の調査中のため、取材は差し控えたい」と答えました。

有価証券報告書によると、主要な販売代理店は3社あり、2024年12月期の連結業績では売上高60億円のうち約5割をこのうちの1社に依存しています。

また、連結売上高に占める広告宣伝費比率は76%となり、顧客獲得に向け先行投資を集中させています。

上場前にはベンチャーキャピタル(VC)大手のジャフコグループ、SBIインベストメント、キーエンスといった事業会社も出資しています。

新規株式公開(IPO)時には会計監査を監査法人シドー、主幹事証券は大和証券が務めました。

監査法人は監査の過程で会社の内部統制の整備状況を調査し、重要な虚偽表示がないかどうかを確かめる実証手続きをとらなければならなりません。

大和証券は「事案は認識しているが、個別の案件のためコメントは差し控える」としました。

現在もオルツ株を保有するジャフコは「情報収集をしながら第三者委員会の調査結果を注視したい」としました。

第三者委員会の調査の行方によっては会社だけでなく、監査法人や証券会社などの責任が問われる可能性もあります。

他の報道によると、広告宣伝費を支払った先が、そのうちの大半をオルツのサービスを購入するという取引をしているのではないかということですが、僕が独立する少し前に、売上のほとんどが粉飾だったというFOIという会社が世間を騒がせましたが、それに次ぐ会社が久しぶりに出てきたかもしれませんね。

大学院の授業で、ずっとFOIを取り上げてきましたが、今年はオルツに変えないといけないかもしれません。

AI新興のオルツは収益過大計上疑惑で株価急落し問われる企業統治について、あなたはどう思われましたか?


粉飾決算を繰り返し数十億円の融資を受けた携帯電話販売会社の元社長ら3人を逮捕!

中京テレビによると、粉飾決算を行い、融資名目で銀行から、約2億円をだまし取ったとして、携帯電話販売会社の元社長ら3人が逮捕された事件で、3人が、粉飾決算を繰り返し、10社以上の金融機関から、数十億円の融資を受けていたとみられることがわかりました。

詐欺の疑いで逮捕されたのは、愛知県名古屋市に本社があった携帯電話販売会社の元社長(68)ら男3人です。

警察によると、3人は、3年前からおととしの間に、愛知県名古屋市千種区にある銀行の支店に虚偽の決算報告書を提出し、融資名目で、計1億9,000万円を入金させ、だまし取った疑いがもたれています。

その後の警察への取材で、3人が、少なくとも8年前から、粉飾決算を繰り返し、10社以上の金融機関から、数十億円の融資を受けていたとみられることがわかりました。

携帯電話販売会社はおととし、約27億円の負債をかかえて倒産しました。

この会社は、愛知県小牧市の美容専門学校を運営していましたが、倒産した影響により、学校は、2024年5月、突然閉校する事態となり、生徒は、転校や退学を余儀なくされました。

元生徒の女性(20)は、「閉校しなければ、みんなと一緒に国家試験を受けて、春から美容師として働いていただろうなと思います。学校関係者より上の人が逮捕されるとは思っていなかったので驚いています」などと話していました。

警察は、3人の認否を明らかにしていません。

携帯電話販売は儲かるイメージがあるのかもしれませんが、ドコモショップでもどんどん閉店しているところを見ると、経営は厳しいのでしょうね。

かと言って、粉飾をして良いわけではありません。

金融機関や会計事務所に、隠すのではなく、明らかにして一緒に再建策を考えて実行していく方が望ましいのではないかと思います。

粉飾決算を繰り返し数十億円の融資を受けた携帯電話販売会社の元社長ら3人が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


「史上稀に見る悪質な倒産劇」堀正工業が粉飾決算で得た資金はどこに消えたのか?

企業の信用情報を扱う東京商工リサーチが「史上稀に見る悪質な倒産劇」評したのが、7月24日、東京地裁から破産開始決定を受けた堀正工業(東京都品川区)です。
1933年創業の老舗で大手ベアリングメーカーNTN(東証プライム)の代理店として成長しました。
地味な分野の商社破産のどこがそれほど悪質だったのでしょうか?

「粉飾決算を長年続けて金融機関を騙してきた。会社側が数行と説明していた取引金融機関は、実際は地方銀行を主体に50数行に及び300億円以上を引っ張っていた。負債総額は282億円。金融機関はパニックだ」(経済記者)

週刊現代によると、粉飾は20年近くに及ぶと見られ、直近の2022年9月期では売上高約45億円、最終赤字約3.4億円のところ、粉飾により売上高約68億円、最終利益は約4.8億円にかさ上げされ、その数字も金融機関ごとに変えられていました。
裏には損保系生保の大物営業マンがいて、出身銀行の名刺を渡しながら堀正工業を紹介し、「融資の輪」を広げていったそうです。

粉飾で得た資金はどこに消えたのでしょうか?
決算書によれば、堀雅晴代表個人や代表が関係する企業や親族への貸し付けは約93億円に達します。
東京都内のタワーマンション、軽井沢の保養所などに散財された形跡もあるようです。
疑惑は、捜査当局によって解明されることになりそうです。

結構な額の粉飾ですね。
最初はすぐに取り戻せると思ったのが取り戻せずに、どんどん増えていったんでしょうね。
どんな手法だったのか明らかにして欲しいですね。
個人的には、取引銀行が多いのは何かあるのでは???と思ってしまいますが、20年近く銀行も何も気付かなかったんでしょうか?
会計事務所もどこまで知っていたんでしょうね?

「史上稀に見る悪質な倒産劇」堀正工業が粉飾決算で得た資金はどこに消えたのか?について、あなたはどう思われましたか?


コロナ融資悪用し9,800万円詐取疑いで会社役員を逮捕!

朝日新聞によると、粉飾した決算報告書を金融機関に提出し、新型コロナウイルス対応の融資金をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は、先日、大阪市の修繕工事会社の社長(38)を詐欺容疑で、税理士法人元事務員(53)を詐欺ほう助の疑いで逮捕しました。
大阪地検特捜部は認否を明らかにしていません。

発表によると、社長は2020年4月、大阪府がコロナの影響を受けた中小企業向け制度融資を受けるため、売上高を過大に粉飾した決算報告書などを大阪府内の金融機関に提出し、翌月、計9,800万円の融資金を会社名義の預金口座に振り込ませた疑いがあります。

関係者によると、大阪地検特捜部は、2022年春、修繕工事会社の複数の関係先を家宅捜索していました。
融資金を振り込んだ金融機関の担当者は、朝日新聞の取材に対し、「コメントは差し控える」と答えています。

大阪地検特捜部によると、税理士法人元事務員は2019年12月と2020年3月、決算報告書などを粉飾して社長に提供し、犯行を助けた疑いがあるそうです。
税理士法人元事務員は、2022年3月、横浜市の家庭用給湯器の設置・販売会社の元社長が銀行から多額の融資をだまし取ったとされる事件に関与したとして、詐欺ほう助罪で起訴されています。

これって誰が主導しているのでしょうか?
税理士法人の元事務員が主導していたとすれば、会計事務所をやっている身としては恐ろしいですね。
社長が主導しているとすれば、こういった話しを持ちかけてくる会社とは契約を解除しないといけないでしょうね。
9,800万円も貸すわけですから、金融機関もどうなんでしょうね?

コロナ融資悪用し9,800万円詐取疑いで会社役員が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


粉飾決算に手を染めていた不動産会社がコロナ禍で倒産の顛末!

デザインハウス東京は、地場の不動産業者などを主な得意先に抱え、東京都世田谷区の若林・三軒茶屋など城西地区を主要営業エリアに、マンションおよび戸建住宅の販売を行っていました。

特に近年は、中古の戸建て物件を買い取った後に更地にして建売業者や個人に販売する形態で、1件当たり数千万円から1億円強程度の案件を年数件のペースで取り扱い、2017年5月期には年売上高約6億6,000万円を公表していました。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、情勢は一変しました。
戸建ての売却が大幅に減少し市場が停滞したことで、取引機会の減少や取得価格の上昇を招き、土地の仕入れが著しく困難となったのです。
また、いわゆるウッドショックの影響による建設資材高騰も、相対的な土地販売価格の抑制につながり、利益率の低下を招いていました。

資金繰り確保のために、セーフティネットやコロナ特別融資などで5,000万円を超える借り入れを行いましたが、不動産取得のためのプロジェクト融資もあることから借入金負担は増す一方となってしまいました。

また、プロジェクト融資を得る目的で、過年度より架空の売上高や実在性のない固定資産の計上といった粉飾決算に手を染めていたことから、金融機関への支援要請も断念せざるを得ない状況となっていました。

業態特性もあるが、借入過多と粉飾決算で、気づいたときには身動きがとれない状況に陥いりました。
結果論にはなりますが、早い段階で金融機関や専門家へ相談することでハードランディングを極力避けられるような結末を迎えることもできたはずです。

政策的に、金融機関は貸付先との伴走を求められており、事業再生が難しい場合でも各種私的整理制度などを活用することで、ステークホルダーや地域経済へのダメージを軽減できる可能性があります。
業容縮小期の事業運営において、金融機関への早期の相談と連携は必須事項でしょう。

粉飾は、最初はこれくらいならと思い、業績が回復すれば取り返せると思うのかもしれませんが、これだけ、コロナ禍が続くと、取り返しのつかないレベルまで行ってしまうんでしょうね。
経営者が悪いのは言うまでもないのですが、相談もされないような銀行も反省しないといけないのかもしれませんね。
同業者ゆえ、顧問税理士はどれくらい相談を受けていたのだろうかということも気になります。

粉飾決算に手を染めていた不動産会社がコロナ禍で倒産の顛末について、どう思われましたか?


「シックスパッド」など美容・健康器具を手がける美容器具会社に課徴金勧告!

徳島新聞によると、証券取引等監視委員会は、先日、売上の過大計上があったとして、金融商品取引法違反の疑いで、東証グロース上場で、トレーニング機器「シックスパッド」など美容・健康器具を手がける「MTG」(愛知県名古屋市)に課徴金366万円を納付させるよう金融庁に勧告しました。

証券取引等監視委員会などによると、MTGは「美容ローラー」などについて、MTGが最終的な販売先を確保することを前提に中国の業者に販売し、売上として計上していました。
しかしながら、その後販売先を見つけられず、商品の大半を業者から買い戻していました。

証券取引等監視委員会は、業者に販売した時点で売上として計上するのは不適切だったと判断しました。

いわゆる押し込み販売ですね。
上場企業としてあるまじき行為だと思います。
2019年9月期の上半期の話しですが、売上高を21億円、営業利益を20億円ほど修正し、通期の営業利益も黒字予想だったのが赤字に転落しています。
投資家をだましている行為だと思いますので、本当にやめて欲しいですね。

「シックスパッド」など美容・健康器具を手がける美容器具会社が課徴金勧告を受けたことについて、どう思われましたか?


長野の社会福祉法人が事業借金穴埋めで粉飾決算!

中日新聞によると、長野県内で介護サービスを展開する社会福祉法人(長野県長野市)は先日、前理事長らが高齢者向け住宅事業などで発生した借金を穴埋めするため2018年度の決算を粉飾していたと発表しました。
私的流用はなかったとしています。

社会福祉法人によると、前理事長は借金で発生した利息数千万円の支払いに法人の運営資金を流用しましたが、回収可能な資金のように会計上見せかけていました。

会計事務所の調査で2020年春に発覚しました。
2021年5月に長野県の特別監査を受け、7月19日までに改善報告を提出するよう指導されていました。

社会福祉法人は、「深くおわび申し上げる。引き続き、関係者に対する責任追及、再発防止、経営改善に取り組み、信頼の回復に努める」とコメントしました。
介護サービスの利用者らには、書面で説明したようです。

社会福祉法人も大きいところから、公認会計士または監査法人による会計監査が義務付けられるようになっていますが、取りたくてもなかなか取れない法人格である社会福祉法人であり、様々な優遇等もありますので、早期に基本的にすべての社会福祉法人に会計監査を義務付けた方がいいのではないかと思っています。
学校法人の場合、補助金をもらっているところは会計監査が義務付けられていますので、学校法人とのバランスを考えても、それが当然だと考えています。

長野の社会福祉法人が事業借金穴埋めで粉飾決算をしていたことについて、どう思われましたか?


不正会計の東芝に初の賠償命令!

2015年に発覚した東芝の不正会計問題で株価が下落し損失を被ったとして、2銀行が計約5億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地方裁判所は、先日、東芝に計約1億6千万円の支払いを命じました。
東芝によると、不正会計問題を巡り、賠償命令が出たのは初めてだそうです。

国内外の個人や機関投資家が起こした同種訴訟は、今回を含めて37件あり、請求額は総額約1,780億円に上ります。
一部では和解が成立したり、原告側の敗訴が確定したりした訴訟もあるようです。

2行は日本カストディ銀行と日本マスタートラスト信託銀行(いずれも東京)で、飛沢知行裁判長は、2010~2015年に公開された東芝の有価証券報告書の一部について「投資判断に影響を与える重要な事項に虚偽記載があった」として株価下落との因果関係を認め、法人として虚偽記載がないよう配慮すべき注意義務を怠ったと判断しました。

東芝は「判決の内容を精査し適切に対応する」とのコメントを出しました。

悲しいことではありますが、東芝の敗訴が確定し、少しでも不正会計の抑止につながればいいなぁと思っています。
損害賠償が当たり前になり、不正会計をした当時の役員も当然賠償を行うようになれば、取締役会とかも緊張感を持ったものになると思いますし、問題を隠すのではなく、利益を増やすということを考えるようになるのではないかと思います。
そうなってくると、監査法人の責任も重くなると推測されますが、監査法人に勤める人が少なくなるかもしれませんね。

不正会計の東芝に初の賠償命令が下されたことについて、どう思われましたか?


シャープの子会社でシャープ出身の社長も黙認していた不正会計が75億円!

朝日新聞によると、シャープは、先日、スマートフォン向けのカメラレンズの製造子会社「カンタツ」(東京都)で、2018年4月~2020年9月に架空計上などで売り上げを75億円水増しする不正会計があったと発表しました。
シャープ出身の社長が目標達成に強いプレッシャーをかけたことが一因だったそうです。

不正会計の影響などで、シャープは2019年3月期と2020年3月期の純利益を、それぞれ13・8%、34・5%引き下げました。
一方、2021年3月期の業績予想は、家電の販売などが好調で据え置きました。

調査にあたった弁護士らの委員会の報告書によると、シャープからカンタツに送り込まれた社長(現顧問)が、業績目標の達成を現場に強く指示し、注文がないのに売り上げを架空計上するなどの不正を黙認していました。
一部では自ら不正を指示していました。
カンタツ社内にも、親会社出身者の方針に口を挟まない「忖度(そんたく)」の雰囲気があったようです。

記者会見をしたシャープの野村勝明社長は、「管理監督が甘かった。グループのガバナンスを強化していく」と謝罪しました。
不正会計は2020年11月の内部監査で発覚しました。調査に時間がかかったため、シャープは2020年4月~12月期決算発表を金融商品取引法が定める20121年2月15日の期限までにできず、先送りしていました。

おそらく、親会社から来た方には逆らえないようなグループ全体の社風なのでしょうね。
自ら不正を指示するような方が社長として送り込まれるのくらいなので、この社長自身も強いプレッシャーを受けていたのかもしれませんが、経営者としての資格がないのではないでしょうか。
親会社の役員を含め、グループ全体の役員の教育、もしくは一掃が必要なのではないかと考えます。

シャープの子会社でシャープ出身の社長も黙認していた不正会計が75億円あったことについて、どう思われましたか?


富士電機の子会社が242億円架空取引に絡んでいた!

東証1部上場の富士電機は、先日、連結子会社の富士電機ITソリューション(東京都千代田区)が絡む架空取引で、総額242億円を売上高として計上していたと発表しました。

取引期間は2015年3月から2019年10月までで、取引件数は38件です。
すでに発注を解除した4件を加えると、総額は289億円に上ります。

富士電機は、「業績に与える影響は軽微で過年度修正はしない」としているようです。

架空取引は、ほかに、このBLOGでも取り上げましたが、東芝子会社の東芝ITサービス(神奈川県川崎市)、日本製鉄子会社の日鉄ソリューションズ、リース会社のみずほ東芝リース(東京都港区)など複数社が関与し、東証1部上場のシステム開発会社、ネットワンシステムズが取引を持ちかけるなど主導的な役割を担っていたことが分かっています。

富士電機は社外の弁護士らでつくる特別調査委員会を立ち上げ、事実関係を調べていました。
富士電機は「社員が実体のない架空取引だったと認識していたことを示す証拠や、不正の証拠は認められなかった」と結論づけました。

富士電機が言っていることが正しいのかどうか分かりませんが、いわゆる最近話題になった東芝子会社の循環取引の話です。
循環取引はぐるぐる回っているだけですから、書類はきちんと整えられているため、会計監査人は見破れないことが多いのではないかと思いますが、当事者である会社は気づかないものなのでしょうか?
1件当たりそれなりの金額の取引だと思いますので、エンドユーザーは誰とか、どういった使い方をされるものなのだろうかとか、価格は妥当なのだろうかとか、仕入れたのもの中身はどういったものなのだろうとかは、分からないものなのだろうかと思ってしまいますね。

富士電機の子会社が242億円架空取引に絡んでいたことについて、どう思われましたか?


中小企業の粉飾決算が激増している!

 日刊ゲンダイDIGITALによると、地方銀行を中心に、取引先である中堅・中小企業の長年にわたる粉飾決算が露呈するケースが増えているようです。

「昨年6月のバンクミーティングで40年間にわたり粉飾を行ってきたことを明らかにした広島の名門書店『フタバ図書』など、最近になって取引先の中堅・中小企業の粉飾が増えていることが気にかかる」(地銀幹部)というのです。

全国地方銀行協会の笹島律夫会長(常陽銀行頭取)も、2019年11月の会見で、「融資先の粉飾決算が最近になって見られている。資金繰りがついていて形式上は普通に見えていたが、後になって気が付くケースが出ている」と懸念を示しています。

粉飾から倒産にいたるケースも急増しているようです。
大手信用情報機関の東京商工リサーチが2020年1月8日に発表した2019年1月~12月の「コンプライアンス違反」倒産のうち、粉飾決算が確認された倒産は18件で、前年から倍増しています。
また、30年にわたり粉飾決算を続けていた「開成コーポレーション」(埼玉県・破産)のように、「粉飾決算の期間が30年、15年、10年など長期にわたるケースが目立った」そうです。

この背景について、東京商工リサーチは、「粉飾決算は、資金繰りが維持されている間は発覚しにくいが、人件費の負担などから資金繰りが逼迫し、金融機関に借り入れ返済のリスケ(返済猶予)を要請する際、発覚するケースが増えている」と分析しています。

特に、2009年12月に施行された中小企業等金融円滑化法により融資の返済を猶予されてきた中小企業が、円滑化法の適用からほぼ10年を迎え、さらなる返済の繰り延べを許されなくなったことが大きく影響しているとみられます。

「中小企業等金融円滑化法の適用を受けるためには、実効性のある抜本的な再建計画を策定し、金融機関に承認してもらうことが前提になっていた。その俗に、“実抜計画”と呼ばれる再建計画の最長期間は10年とされている。その期限到来を控え、再建できなかった企業が退場を余儀なくされ始めた」(地銀幹部)というわけです。

金融庁幹部も、「粉飾はなかなか見抜けないが、貸し手の銀行と企業とが距離があって話をしないので、見抜けないこともあるのではないか」とくぎを刺しています。
粉飾倒産は、地銀の与信コストを増加させ、苦しい決算をさらに苦しいものにしかねません。

個人的には、あまり、金融機関が融資先を訪問しなくなっているので、当然の結果なのでないかと思います。
生命保険や投信やM&Aなどの手数料商売に走るのではなく、金融機関の本業である融資を融資後も含めたところで今一度きちんとやらないと、金融機関の将来はないのではないかと思いますね。

中小企業の粉飾決算が激増していることについて、どう思われましたか?


東芝の子会社が架空取引200億円!

 東芝は、先日、IT(情報技術)サービスを手掛ける連結子会社で架空取引があったと発表しました。
2019年4月~9月に計上した売上高約200億円規模がこれまで明らかになっており、2019年4月~12月期決算で取り消す方向だそうです。
2020年3月期に営業利益(米国会計基準)1,400億円を見込んでいますが、「該当するのは利益率が高くない案件で、現時点で影響があるとはみていない」としています。

架空取引があった子会社は、東芝ITサービス(川崎市)で、情報システムの導入支援や構築などを手掛けています。
製品やサービスのやりとりが存在せず、資金のみが循環する「循環取引」があったとみられます。
東芝は、子会社が積極的に関与したかどうかについて、「証拠が検出されていない」と説明しています。

東芝は2月14日に予定している2019年4月~12月期決算の発表までに詳細を明らかにし、業績に反映する見通しです。
20年3月期の売上高は3兆4,400億円を見込んでいます。
東芝は、2015年にも不正会計が発覚しています。
パソコンやテレビなどの事業で、2015年3月期までの7年間で2千億円を超す利益を水増しし、東京証券取引所から特設注意市場銘柄に一時指定されました。

あれだけ世間を騒がせたのに、今なお循環取引をやっているなんて、どういう企業体質なんでしょうね。
他の報道によると、この子会社の売り上げの半分くらいが架空取引のようです。
当然、子会社の管理責任は親会社にあると思いますので、こういう企業は、早く市場から出ていって欲しいですね。
ゆうちょ銀行もそうですが、やはり、上場企業及びそのグループ会社の役員・従業員は、モラル・常識・品格・資質などが必要なんだろうなぁと改めて感じました。

東芝の子会社が架空取引200億円を行っていたことについて、どう思われましたか?


JDIは内部通報受け昨秋にも不適切会計の有無を調査!

 朝日新聞によると、経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)が昨秋、内部通報を受けて不適切会計の有無を調べていたことが分かったようです。
当時の調査では、指摘された会計処理は適切だったと判断しましたが、この内部通報とは別に、不適切会計に関わったと主張する元社員からの通知が先日あり、JDIは再調査を迫られています。
内部通報を受けた調査での判断が覆れば経営再建に影響が出かねず、再調査の結果が焦点になっているようです。

複数の関係者によると、昨秋の内部通報を受けて、JDIの当時の経営陣は会計監査人のあずさ監査法人にも確認し、過去の会計処理に問題はなかったと判断しました。
JDIはこうした経緯や元社員からの通知などに基づき、在庫評価や減損処理などに問題がなかったかどうかを調べています。

不適切会計への関与を通知した元社員は、5億7,800万円を着服したとして2018年12月に懲戒解雇されました。
着服とは別に、過去の経営陣からの指示を受けて、「過年度決算で不適切な会計を行った」と先日JDIに通知しています。
これを受け、JDIは弁護士などでつくる特別調査委員会を立ち上げました。

元社員は入社以来、経理部門の幹部を務めていました。
特別調査委員会は今後、歴代の最高経営責任者(CEO)や最高財務責任者(CFO)から不正経理への関与などを聞き取ります。
ただし、元社員は11月下旬に自殺を図り、その後に死亡したとみられることから事情を聴くことはできなくなっています。

JDIは「適切な会計処理が行われてきた」と主張しており、2019年4月から12月期決算を発表する2020年2月までに結果を公表したい考えのようです。
特別調査委員会の調査が長引けば、金融支援の受け入れに向けた手続きが滞る可能性があるためです。

JDIは先日、投資顧問会社いちごアセットマネジメント系の企業から800億円から900億円の金融支援を受け入れることで基本合意したと発表しました。
取引先の台湾の電子機器受託製造大手ウィストロンからも5千万ドル(約54億円)の金融支援を受けることで基本合意しています。
主要顧客のアメリカのアップルは、2019年7月から操業停止中の白山工場(石川県)の一部設備を2億ドル(約216億円)で買い取ることを検討しているようです。

JDIは2020年1月中にいちご側と最終契約を結び、2~3月に資金調達を完了させようとしているようですが、特別調査委員会の調査結果次第では金融支援の受け入れに影響が出かねません。

通知したご本人がお亡くなりになっているので、うやむやにされてしまうかもしれませんが、特別調査委員会の調査結果がどうなるかウォッチしていきたいと思います。
場合によっては、再生させるに値しない会社になってしまうかもしれませんね。

JDIは内部通報受け昨秋にも不適切会計の有無を調査していたことについて、どう思われましたか?


低収益による甘い銀行審査で「粉飾倒産」が増えている!

 粉飾決算で財務内容をごまかしていた中小企業の倒産がじわりと増えているようです。
日銀の超低金利政策の影響で収益の低迷が続く中、甘い審査でこうした取引先に資金を貸し出し、痛手を被る金融機関も目立つようです。

「各金融機関、顔を合わせれば(融資先の)粉飾という言葉が出てくる」と、西日本シティ銀行と長崎銀行を傘下に置く西日本フィナンシャルホールディングスの谷川浩道社長は、先日の記者会見でこう嘆きました。

信用調査会社の東京商工リサーチによると、2019年1~10月の企業倒産件数のうち、粉飾決算を理由とする倒産は16件で、前年同期の2倍に増えました。
「経営不振で長らく粉飾を続け、隠し切れなくなった企業が多い」(担当者)そうです。

横浜銀行などを抱えるコンコルディア・フィナンシャルグループの川村健一社長は、「結構いい調子に見える会社が実は粉飾で、倒産している」と指摘しています。
多くの銀行が警戒感を強め、倒産に備えた引当金の積み増しに動いているようです。

粉飾が増えた理由はさまざまです。
景気の影響より経営者の順法意識など「個別の話」(全国地方銀行協会の笹島律夫会長)との声が多いようです。
ただし、プロである銀行が見抜けなかったのは、低金利と地元の融資先減少に苦しむ地方銀行などが「地の利がない地域で融資した」(笹島氏)事例が増えたことも一因のようです。

金融当局筋は「都道府県境を越えた融資の審査が緩くなっている。危ない融資先が(他地域から来た)新参者に押し付けられている」と不安視しています。
粉飾倒産の「地雷」を踏む銀行が一段と増える恐れもありそうです。

ここ数年、県外での融資に積極的になっている金融機関は多いと思いますが、ある種、事前に想定されていたのではないかと思います。
それでも融資しないといけないほど、金融機関の経営が厳しくなっているのでしょうね。
やはり、金融機関の数が多すぎるところに起因している面もあると思いますので、どんどん統合や淘汰が進んでいくんでしょうね。

低収益による甘い銀行審査で「粉飾倒産」が増えていることについて、どう思われましたか?


名門ラジオ局「エフエム東京」が不正会計!

 「番組出演者の皆様、エンタメ業界の皆様、そして何よりリスナーの皆様に大変なご心配をおかけした。国民の共有財産である電波をお預かりし、公共性の高い放送事業者としてあってはならない事態を発生させた。心よりお詫び申し上げます」
「TOKYO FM(トウキョウ エフエム)」の愛称で知られるラジオ局大手のエフエム東京の黒坂修社長は、先日の記者会見でこう言って謝罪しました。

エフエム東京は、同日、5月に設置した第三者委員会の調査報告書を公表しました。
それによると、2016年度から3期にわたる決算で、当時の経営陣が新規メディア関連子会社「トーキョー スマートキャスト」(TS社)で生じた赤字を隠匿するために、エフエム東京などが保有するTS社株を異動させることによって、TS社を連結対象から不当に除外するなどの不正会計がなされていたようです。

不正会計発覚のきっかけは、エフエム東京や同社の会計監査を担当する監査法人への内部通報でした。
本来、計上されるべきであった営業損失は3年間で約11億円にのぼります。
エフエム東京の2018年3月期の営業利益は15億円弱と発表されていましたが、TS社の2018年3月期の営業損失4億円超を加味すると、実際の営業利益は約10億円だった計算になります。

そのほかにも、銀行を介してTS社に貸し付けを行った際、必要な取締役会への報告を怠ったり、エフエム東京のラジオ番組に関する広告会社との取引に、TS社を関与させて手数料を供与していた点も問題だと指摘されています。

TS社が手がけていた新規メディアは、「i-dio」という地上波デジタル放送兼インターネットラジオです。
専用の携帯端末や車載型の受信機で移動しながらでも情報が入手できることがセールスポイントで、高音質で映像や文字も楽しめる新しいメディアです。
2013年3月にエフエム東京が公表した資料には、「ラジオを活性化し、ひいてはラジオの価値向上につながっていくことが期待されます」という意気込みが記されています。

その後、エフエム東京の関連会社が基地局開設や放送事業に必要な認可を総務省から取得し、TS社は番組企画や制作を担う形で2016年3月から放送を開始しました。
エフエム東京がi-dio事業に投じた金額は債務保証なども含めて約100億円にのぼります。

売上高185億円、総資産400億円弱(いずれも2018年3月期)のエフエム東京にとって社運を賭けたi-dio事業ですが、TS社の赤字は徐々に膨らんでいきました。
2018年3月期には債務超過に転落、2019年3月期にその額は4.5億円に拡大しました。

報告書によれば、i-dio事業の経営悪化が取締役や株主などに明らかになると、撤退を含めたi-dio事業の抜本的な見直しと経営陣の責任が問われかねないため、これを回避する動機があったようです。

i-dio事業はどの程度厳しい状況なのでしょうか?
黒坂社長は「正直、状況が厳しいという現実はある」と述べるにとどまりました。
ただし、i-dioを放送波で利用するためには専用端末が必要で、インターネットコンテンツが台頭する中、専用端末の普及は進んでいないとみられます。

i-dioを生かした防災情報配信システムが自治体に導入されつつあり、総務省から免許を付与されている立場で、i-dio事業から撤退するわけにはいかないようです。
事業の今後について、黒坂社長は「複数の協業先候補と交渉を進め、パートナーとして事業の一部を担っていただくレベルではなく、(事実上)事業そのものの営業権を担っていただく」形で検討していくと話しています。

目下の課題は発表を延期している2019年3月期決算の公表で、9月末を目指すそうです。
エフエム東京は非上場会社ですが、冒頭の黒坂社長の発言どおり、公共の電波を用いて事業を行っている放送局が決算を公表できていない事態は憂慮すべきです。

「i-dio」という新しい挑戦で「ラジオの未来」を作ろうとしましたが、その姿勢が裏目に出てしまったエフエム東京です。
調査報告書が「閉鎖的かつ風通しの悪い組織風土が醸成されたのは、(前会長の)冨木田(道臣)氏の代表取締役としての在任期間が長いこと」「(冨木田氏に)権限が集中し、(中略)経営陣の意向に対して、異を唱えることが困難な状況になっていたことも(不正会計の)重要な要因の一つ」と指摘するように、一連の不正会計を主導した冨木田氏らの「罪」は大きいようです。

旧経営陣に代わって6月に社長に就任した黒坂社長ら新経営陣がどこまで組織改革を進められるか、その手腕が問われています。

保身のために赤字企業を不当に連結対象から外すというのは、かなり悪質ですね。
公共の電波を用いて事業を行っている放送局がこういった体質だと、説得力がなくなるのではないでしょうか?

名門ラジオ局「エフエム東京」が不正会計をしていたことについて、どう思われましたか?


ホシザキが不正調査費用かさみ減益!

 子会社で不適切取引があった厨房用機器大手ホシザキが、先日発表した2019年6月中間決算は、売上高が前年同期比0.2%減の1,496億円、営業利益は13.1%減の186億円でした。

中間期の減収は10年ぶりのようです。
なお、営業利益減益は2年ぶりです。

顧客の大手飲食チェーンが人手不足から出店計画を見直したことなどで国内販売が伸び悩んだほか、不正の調査費用11億円を計上したことが響いたようです。

不正の調査費用って11億円もかかるんですね。
直感的には高すぎる気がしますが、ホシザキにとって高くつきましたね。
結局、不正をしても、何も得られるものはないということですよね。
株主の配当も減るわけでしょうから。
その辺は、すべての上場企業の経営者に認識してほしいですね。

ホシザキが不正調査費用かさみ減益となったことについて、どう思われましたか?


「J.FERRY」ブランドの会社で10年以上の粉飾が発覚!

 銀座本店のほか、自由ヶ丘や表参道、お台場のヴィーナスフォートでアパレルブランド「J.FERRY」のショップを展開してきたリファクトリィ(東京都中央区)が、先日、東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請しました。

 ファストファッションの台頭や少子化、ネット通販市場の拡大などに伴うアパレル不況が主因の倒産かと思いきや、社長が10年以上にわたって粉飾決算していたことを告白し、周辺に衝撃を与えているようです。

リファクトリィは、1992年7月に設立され、30~50代を対象とした比較的高価なラインの『J.FERRY』、20~50代を対象としたリーズナブルな価格設定の『003 J.FERRY』『MAISON TOKYO』の3ブランド・店舗名および「J.FERRY OUTLETSELECT」の店舗名で事業を展開しています。
最近は、東京(7店舗)、千葉(5店舗)をはじめ、北海道から福岡まで計30店舗を展開しています。
運営方法は直営路面店舗(5店舗)、インショップ店舗(3店舗)、リファクトリィが店舗を賃貸して運営を販売代行業者に一括委託する店舗(22店舗)の3形態となっていました。

店舗数を増やし続けたことで、会社公表による年間の売上高は約6億1,700万円(2002年6月期)、約13億8,000万円(2007年6月期)、約28億8,500万円(2012年6月期)、約43億5,300万円(2017年6月期)と拡大しています。
この間、年間の売上高が前年を下回ることは一度もなく、経営は順調に推移しているように映っていたようです。

そうしたなか、リファクトリィが倒産に向かうきっかけとなったのは、2019年5月末の金融機関への返済が厳しくなり、5月中旬に弁護士に相談したことでした。
その後、5月27日に金融機関、リース会社(計約30社)向けに説明会を開催したようです。

驚くことに、その場で10年以上にわたり粉飾決算を行っていたことを明かしたのです。
そのうえで、リファクトリィは私的整理を目指す意向を示したが、複数の金融機関から「金融機関の数が多いので、私的整理はハードルが高い」といった意見があり、自主再建を断念し、わずか2日後の5月29日に東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請しました。

負債は4月30日時点で債権者265人に対する60億1,367万円で、そのうち借入金は21行に対する53億5,613万円と負債全体の89%を占めています。

会社側によると、粉飾決算をはじめるきっかけとなった時期は、2007年ごろで、当時、金融機関からの借入残高は約15億円でしたが、同じ頃に一部の金融機関から「これ以上の追加融資は行えない。借入金を15億円までに抑えるように」との指摘を受けたことだそうです。

しかしながら、新規店舗の開業準備を進めており、引き返すことはできない状態にあっため、指摘を受けた金融機関以外からの借り入れを繰り返すこととなりました。

その実態をそのまま開示すると、金融機関との関係が悪化してしまうことを恐れ、借入金を少なく見せるために2008年6月期の決算の頃から、金融機関からの借り入れを売り上げに計上するなどの粉飾決算をはじめました。
そしてその後も、財務諸表の整合性、連続性を維持するために粉飾は恒常化してしまったようです。

粉飾を行うようになったものの、その後の数年間の業績は順調に推移し、粉飾した数値と実態の数値に大きな乖離かいりはなかったそうです。
しかしながら、その後、双方の数値の乖離が大きくなっていくこととなります。
大きな原因のひとつはスマートフォンの爆発的な普及です。

このころのスマートフォンの個人保有率の推移(総務省データ)をみると、2011年から2016年までの5年間で20代が44.8%→94.2%、30代が28.9%→90.4%と急伸しました。
これによって社会で起きた現象が、ネット通販市場の急拡大でした。

それに伴い同業者は、アマゾンやゾゾタウンといったネット通販に力を注ぎ、同販路での売り上げを増やしていきましたが、リファクトリィはそれまで通り店舗数拡大に伴う売り上げ拡大方針を変えることはなかったようです。
その結果、2016年6月期(実際の売り上げは約30億2,700万円)においてはじめて前期の売り上げを下回り、さらに翌2018年6月期の実際の年間の売上高は約25億6,300万円にまでダウンし、約7億4,100万円の最終赤字となり、限界となったようです。

申請から5日後の6月3日、都内で債権者説明会が開催され、取引先約120人が集まりました。
会社側からは社長のほか、オブザーバーとして申請代理人弁護士、監督委員弁護士が参加しました。

「スポンサー選定をM&A専門会社に依頼し、早急に外部から経営・資金支援を受ける予定。7月中旬にはスポンサーに経営権を移転したい」「候補は20~30社リストアップし、数社から好印象の回答をもらっている」などと現状と見通しを伝え、今後はその進捗が注目されることとなります。

現在、公式通販サイトでは「本気のタイムセール 最大85%オフ」と称したセールが開催されており、売れ行きはとても好調のようです。

今回のケース以外にも、最近は業歴が長く、売り上げが数十億円規模で、社名や商品の知名度が高い企業の10年以上にわたる粉飾決算発覚が相次ぎ話題になっています。

知名度が高い企業、売り上げが大きい企業であると、内部統制に大きな問題は生じていないだろうといった思い込みなどから、経営状況について、疑いの目を持つステークホルダーが現れなかった背景があるのかもしれません。

10年以上前から粉飾をしていたということは、「リーマン・ショックを乗り越えられなかったはず」との見方もできるでしょう。
今後の取引先実態調査の方法について、一石を投じる案件となったのではないでしょうか?

金融機関の融資担当者も店舗を見に行くなどすれば、ある程度分かるような気はしますが、そういうこともしていないんでしょうね。
あとは、個人的には、スポンサー探しをM&A専門会社に頼むんだなぁと思いました。
再生案件とはいえ、ある意味、買い手を探すということですから、納得できました。

「J.FERRY」ブランドの会社で10年以上の粉飾が発覚したことについて、どう思われましたか?


「すてきナイスグループ」がペーパーカンパニーを介した架空の不動産取引で粉飾!

 東証1部上場の住宅関連会社「すてきナイスグループ」(横浜市鶴見区)が粉飾決算の疑いで強制捜査を受けた事件で、すてきナイスグループがペーパーカンパニーを介して架空の不動産取引を装い、業績を水増ししていたとみられることが、関係者への取材で判明したようです。

こうした架空取引による業績の水増しを複数年にわたって行っていた可能性もあり、横浜地検などは、先日、金融商品取引法違反の疑いで関係先を家宅捜索して資料などを押収し、全容解明を進めるようです。

関係者によると、2015年3月期で、すてきナイスグループ側はペーパーカンパニーに数十億円規模の資金を貸し付け、ペーパーカンパニーはその資金でグループ傘下企業の不動産を購入し、すてきナイスグループの連結決算で利益が出たように装い、本来の損失を隠した疑いがあります。
すてきナイスグループはこうした虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出したとされます。

問題の有価証券報告書では、第1~第3四半期(2014年4月~12月)まで赤字でしたが、第4四半期(2015年1月~3月)には大幅な黒字に転換し、通期でも黒字となっていました。

もともと、問題となった商工ローン会社と会社名が似ていたため、会社名を変えた会社だと思いますが、『すてきナイス』な会社ではないでしょうね。
ライブドアがやっていたことと、あまり違いがないような気がします。
監査法人も第4四半期で巻き返して黒字に転換したような場合には、普段にも増して慎重な監査をして欲しいですね。
たぶん、こういうことがあると、そこの監査法人(特に小規模監査法人)が監査をしている他のクライアントの決算も疑わしいと思われるでしょうね。

「すてきナイスグループ」がペーパーカンパニーを介した架空の不動産取引で粉飾をしていたことについて、どう思われましたか?


決算書を7種類偽造した元社長らを融資金詐取容疑で逮捕!

 うその決算書を提出して銀行から融資金1億円を詐取したとして、室内装飾品販売会社(東京都港区)の元社長ら5人が詐欺容疑で逮捕された事件で、室内装飾品販売会社が偽造の決算書を少なくとも7種類作成していた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかったようです。
警視庁はこれらの偽造書類を悪用し、複数の金融機関から融資金を詐取した疑いがあるとみて調べています。

警視庁は8日夜、元社長の(44)、投資会社役員(53)両容疑者ら男5人を逮捕したと、先日発表しました。
組織犯罪対策4課によると、逮捕容疑は2016年5月~9月、架空の売り上げを計上するなどした室内装飾品販売会社の決算書を銀行に提出し、融資金1億円を詐取したというものです。

投資会社役員ら2人は容疑を否認し、元社長ら3人は認めているすです。
同課は、金融ブローカーの投資会社役員が室内装飾品販売会社の実質的オーナーで、他の容疑者らに指示して詐欺を主導したとみているようです。

捜査関係者によると、売り上げを水増しし、債務額を少なくするなどした決算書が2016年10月期分で7種類確認されました。
前年分までも数種類ありました。
5人が経営に関与したとされる2015年~2016年ごろ、室内装飾品販売会社は約20の金融機関から総額二十数億円の融資を引き出しているそうです。
警視庁は複数の偽造決算書を使い、今回の逮捕容疑以外にも融資金を詐取した疑いがあるとみています。

7種類とはスゴいですね。
ここまでくると、金融機関にボロが出ないようにするための管理が大変でしょうね。
個人的には、そういったことに労力をかけるのであれば、これだけ資金調達が出来るのであれば事業の将来性があったり、プレゼン能力が高いと思われますので、事業に注力して成功させてほしいですね。
金融機関も、見極める力を高めてほしいですね。

決算書を7種類偽造した元社長らが融資金詐取容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


売り上げ目標の重圧でホシザキ子会社6社も不適切取引!

 業務用厨房機器大手のホシザキ(愛知県豊明市)は、新たにホシザキ北海道(札幌市)やホシザキ北関東(さいたま市)など販売子会社6社で不適切な取引が見つかったと発表しました。
2018年秋に、ホシザキ東海(名古屋市)で工事の架空発注などが発覚し、第三者委員会が販売子会社15社の2018年1月~2019年1月の取引を調べていました。

営業成績が足りない場合に売り上げを先行計上したり、急きょ発生した工事費用を協力業者に支払わせる一方、その業者に工事を架空発注してお金を戻したりしていました。
社外取締役らが社員の処分を検討しています。
こうした事案が生じた背景について、第三者委の報告書は「(売り上げの)目標達成プレッシャーがあった」と指摘しました。
名古屋市内で会見したホシザキの小林靖浩社長は「大きな要因としてプレッシャーがあった。末端の営業担当者とのコミュニケーションが不足していたことを反省している。親会社主導で経営人材を育てる」と述べました。

ホシザキは2018年秋に、ホシザキ東海の2018年1月~9月の取引を対象に社内調査しました。
不適切取引に関与した従業員が70人以上にのぼり、小林社長を含む取締役13人が月額報酬の一部を自主返納しました。
ホシザキ東海の社長と管理部長を取締役から解任し、関係する全従業員を処分しました。
2019年2月には、監査法人が2018年10月~12月もホシザキ東海で不適切取引が続いていたことを指摘し、第三者委員会が調査してきました。

ホシザキは、先日、延期していた2018年12月期決算をようやく発表しました。
売上高は前年比3.7%増の2,927億円で、フードサービス産業の設備投資が好調で、冷蔵庫や製氷機販売が伸びています。

<ホシザキ、不適切取引をめぐる経緯>
2018年9月 子会社のホシザキ東海で架空発注などがあると通報を受ける
2018年10月 2018年1月~9月期決算の開示延期を発表
2018年12月 社内調査で架空発注や着服が判明。関与した従業員は少なくとも70人に。その後、ホシザキ東海社長らを取締役から解任
2019年2月 ホシザキ東海で2018年10月~12月も不適切取引が続いていたことが判明。2018年12月期決算の開示を延期
2019年3月 第三者委員会による調査が終わらず、2018年12月期の有価証券報告書の提出を延期
2019年5月 新たにホシザキ北海道(札幌市)、ホシザキ北関東(さいたま市)、ホシザキ阪神(大阪市)、ホシザキ中国(広島市)などで不適切な取引が発覚。2018年12月期決算を発表

指摘後も粉飾を続けていたこと、関与した従業員が少なくとも70人はいたことを考えると、ノルマのプレッシャーがすごいんでしょうね。
社長を始め役員の方々は、(今回のような粉飾をしていたのかもしれませんが)ノルマを達成してきた方々でしょうから、役員を一掃しないと、そもそもノルマ必達主義の考え方が変わらないのではないかと思います。
あとは、上場企業ですので、こういったことがあると、株主などいろいろな方々に迷惑がかかりますので、役員から一般の従業員の方々まで、上場企業もしくは上場企業グループの一員ということを常に念頭に置いておいてほしいですね。

売り上げ目標の重圧でホシザキ子会社6社も不適切取引をしていたことについて、どう思われましたか?


キャッシュ・フロー計算書の粉飾!

 証券取引等監視委員会は、先日、金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出)の嫌疑で、株式会社ソルガム・ジャパン・ホールディングス及び嫌疑者3名を東京地方検察庁に告発しました。

告発の対象となった犯則事実については、下記のとおりです。

1.告発の対象となった犯則事実
 犯則嫌疑法人株式会社ソルガム・ジャパン・ホールディングス(以下「犯則嫌疑法人」という。平成28年10月1日、株式会社SOL Holdingsから商号を変更)は、東京都品川区に本店を置き、植物種子、植物加工品に関する製品化及びサービスの企画、開発、販売、輸出入等の事業を営む会社等の株式又は持分を取得・保有することにより、当該会社等の事業活動を支配・管理することを目的とする会社であって、その発行する株券を株式会社東京証券取引所が開設するJASDAQ市場に上場していたもの(平成30年9月3日付けで上場廃止)、犯則嫌疑者Aは、犯則嫌疑法人の実質的経営者であったもの、犯則嫌疑者Bは、犯則嫌疑法人の代表取締役であったもの、犯則嫌疑者Cは、犯則嫌疑法人の取締役管理部長であったものであるが、犯則嫌疑者らは、共謀の上、犯則嫌疑法人の業務及び財産に関し、平成29年6月30日、東京都品川区内に設置された入出力装置から、開示用電子情報処理組織を使用して、内閣府の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録させる方法により、関東財務局において、同財務局長に対し、同法人の平成28年4月1日から平成29年3月31日までの連結会計年度につき、営業活動によるキャッシュ・フローの額が負の9億6,625万8,000円(1,000円未満切捨て)であったにもかかわらず、11億円の借入金をスーパーソルガム種子の売上代金と偽装する方法により、営業活動によるキャッシュ・フローの額を正の1億3,374万1,000円と記載するなどした連結キャッシュ・フロー計算書を掲載した有価証券報告書を提出し、もって重要な事項につき虚偽の記載のある有価証券報告書を提出した。

基本的に、損益計算書で粉飾をしていてもキャッシュ・フロー計算書で粉飾が分かると言われていますが、おそらく、キャッシュ・フロー計算書を粉飾して告発された初の事例ですね。
比較的容易にイメージをつかめる貸借対照表や損益計算書と違い、キャッシュ・フロー計算書はつかみにくいと思いますので、ある程度分かっていないと粉飾もできないような気はしますが、借入金を売上にするのは中小企業が使っていたと聞いている非常に古典的な手法だと思いますが、監査法人は気づかなかったのでしょうか?

キャッシュ・フロー計算書の粉飾について、どう思われましたか?


ホシザキのアメリカ子会社を巡り監査法人に通報!

2019年03月27日(水)

 厨房機器のホシザキは、先日、アメリカの製造販売子会社で取引などを巡る問題が生じたことを明らかにしました。
現地の監査法人に対し、監査に影響を及ぼしかねない通報があったといい、現地の法律事務所を通じて実態を調べています。
ホシザキは国内販社の不適切取引で2018年12月期通期の決算開示が遅れています。

 ホシザキアメリカ(ジョージア州)の監査手続きの過程で、監査法人に何らかの通報があったようです。
通報者を保護するため、詳細は明らかになっていません。
ホシザキは現地の法律事務所に調査を依頼しました。
ホシザキは2018年秋、販売子会社のホシザキ東海(名古屋市)で架空発注などの不適切取引が発覚。米国では代理店経由で販売するなど日本とは商流は異なりますが、ホシザキ東海との関連についても焦点になるでしょう。

 ホシザキは一連の不適切取引を精査するため、2018年12月期通期の決算発表を延期しています。
2019月3月中に開示する予定でしたが、4月にずれ込むようです。
業績や株価にも打撃となるでしょう。
海を越えた新たな問題の発覚で、企業統治(ガバナンス)のあり方を問う声が一段と強まりそうです。

 ホシザキは、株主総会を3月27日(本日)午前10時に愛知県豊明市の本社で開くと発表しています。
決算が開示できていないため、この日は剰余金の配当や取締役の選任議案などにとどめるようです。
株主の承認が得られれば、決算報告の総会を後日開きます。
「株主、投資家、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をかけたことを深くおわびします」とのコメントを発表しました。

  やはり、内部統制をしっかりと整備・運用しないといけないですね。
最近は、どこかの支店や営業所や子会社で問題が生じると、他の支店や営業所や子会社で同様の問題がないか確かめるため、規模が大きな会社ほど時間がかかるようになってきています。

 ホシザキのアメリカ子会社を巡り監査法人に通報があったことについて、どう思われましたか?


大和ハウス工業の中国の関連会社で234億円の横領!

 大和ハウス工業は、先日、中国の大連市の住宅販売の関連会社で、約234億円の会社資金が不正に引き出されたと発表しました。
中国の合弁先から派遣された取締役の中国人男性2人と出納担当者の中国人女性の計3人が関与したとみられるそうです。
現地の捜査当局に、業務上横領罪などで刑事告訴する手続きを行っているようです。

大阪市内で会見した芳井敬一社長は、「大変ご迷惑をおかけした。心より深くおわび申し上げます」と陳謝し、「関連会社でガバナンスが甘くなっていた」と悔みました。

この関連会社は「大連大和中盛房地産有限公司」で、現地の建設会社と合弁で2005年に設立し、分譲マンションの販売、開発を行っています。
不正を行ったとみられる3人は親族で、合弁先の建設会社を経営しています。

大和ハウス工業によると、関連会社の経理担当者から2019312日、預金残高と帳簿で金額の差異があると報告を受け調査を開始しました。
2015年からインターネットバンキングを通じ不正に送金された形跡があり、約141,500万元(約234億円)が使途不明金になっていました。

201937日に出納担当者の女性が会計書類を持ち出そうとしているのを現地社員が発見し、それを機に女性が出社しなくなったことを怪しみ、帳簿などを確認したようです。

合弁先の建設会社は昨年夏、関連会社が開発した物件を無断で譲渡していたことが判明し、大和ハウス工業側は合弁解消の方針を固め、両社の対立が深まっていました。

全額が回収できなかった場合、約117億円の持分法投資損失を計上する見込みです。
大和ハウス工業は関連会社の内部統制システムを見直すとともに、第三者委員会を立ち上げ、全容解明と今後の再発防止策を検討するようです。

関連会社は子会社ではないため、支配しておらず、主導権を握れないことから、内部統制上のリスクは高くなると思われます。
それゆえ、合弁会社の出資比率を、その辺も考え見直さないと危ないでしょうね。
特に、大和ハウス工業は、ここ数年、色々な会社を買いまくっていますから、子会社を含め、社長がおっしゃっているようにガバナンスが弱くなっているのではないかと思います。
色々な会社を買って、規模を拡大するのも戦略としては間違っていないとは思いますが、人が追い付かない企業もたくさんありますから、マネジメントできる人のこと(能力や人数など)も考えたうえでやっていかないとだめでしょうね。

大和ハウス工業の中国の関連会社で234億円の横領があったことについて、どう思われましたか?


2018年全上場企業「不適切な会計・経理の開示企業」調査

 2018年(1-12月)に「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」を開示した上場企業は54社で、2017年の53社(前年比1.8%増)を1社上回りました。
不適切会計の開示企業は、調査を開始した2008年の25社から2016年は過去最多の57社と9年間で2.2倍に増え、2018年は過去2番目となりました。
市場別では東証1部上場が26社(構成比48.1%)でほぼ半数を占めました。
内容別は、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が22社(同40.7%)のほか、子会社で不適切会計処理が行われるなどの「粉飾」が21社(同38.8%)でした。
産業別の最多は「製造業」で、17社(同31.4%)、次いで運輸・情報通信業が、10社(同18.5%)でした。
適正会計に対するコンプライアンス意識が求められる中、不適切会計は高止まりが続いています。
なお、本調査は、このようななか、東京商工リサーチが、自社開示、金融庁、東京証券取引所などの公表資料を基に、上場企業、有価証券報告書提出企業を対象に「不適切な会計・経理」で過年度決算に影響が出た企業、今後影響が出る可能性を開示した企業を集計したものです。
同一企業で調査期間内に2回以上内容を異にした開示の場合、社数は1社、件数は2件としてカウントしています。
業種分類は、証券コード協議会の業種分類に基づく。上場の市場は、東証1部、同2部、マザーズ、JASDAQ、名古屋1部、同2部、セントレックス、アンビシャス、福岡、Qボードを対象にしています。

<開示企業数>
2018(1-12月)に「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」を開示した上場企業は、過去最多の2016年(57社)に次ぐ、過去2番目の54社でした。
2015年5月に発覚した東芝の不適切会計問題が表面化して以降、開示資料の信頼性確保や企業のガバナンス強化の取り組みを求める声は強まっています。
上場企業は、国内市場の成熟化で各企業は売上拡大を求め、海外展開を進めています。
しかしながら、拡大する営業網のなかでグループ各社へのガバナンスが行き届かず、不適切会計の開示に追い込まれる企業は少なくありません。
また、企業会計は厳格な運用が求められていますが、経営側に時価会計や連結会計などの厳格な会計知識が欠如し、現場で適切に対応できず会計処理を誤る事例も生じています。
内部統制報告書(企業の財務報告に関する内部統制が有効に機能しているかを経営者自身が評価し、その結果を記載した報告書)を訂正する企業も相次いでいます。
背景には、会計処理の高度化(能力不足)や現場の人手不足などがあり、この状況を改善できないと今後も不適切会計が増える可能性を示しています。

<内容別>
内容別では、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が22社(構成比40.7%)で最多でした。
次いで、「架空売上の計上」や「水増し発注」など、営業ノルマの達成を推測させる「粉飾」が21社(同38.8%)と続きます。
また、子会社・関係会社の役員や従業員による着服横領は11社(同20.3%)で、「会社資金の私的流用」、「商品の不正転売」など、個人の不祥事についても監査法人が厳格な監査を求めた結果が表れているようです。

<発生当事者別>
発生当事者別では、最多は「会社」の26社(構成比48.1%)で、2017年の21社から5社増えました。
会計処理手続きの誤りや事業部門で売上の前倒し計上などのケースがありました。
「子会社・関係会社」は15社(同27.7%)で、子会社による売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が目立ちます。
「会社」と「子会社・関係会社」を合わせると41社で、社数全体の75.9%と多数を占めました。

<市場別>
市場別では、「東証1部」が26社(構成比48.1%)で最多となりました。
「ジャスダック」が14社(同25.9%)、「東証2部」が8社(同14.8%)と続きます。
2013年までは新興市場が目立ちましたが、2015年から国内外に子会社や関連会社を多く展開する東証1部の増加が目立っています。

<産業別>
産業別では、「製造業」の17社(構成比31.4%)が最多でした。
製造業は、国内外の子会社、関連会社による製造や販売管理の体制不備に起因するものが多くなっています。
運輸・情報通信業では、元社長や元役員が不明瞭な外部取引を通じて着服横領を行っていたケースなどが目立ちました。

2018年の不適切会計の開示企業数は54社で、高水準が続いています。
2015年5月に発覚した東芝の不適切会計を契機に、監査の信頼性確保が強く求められている事も一因です。
2018年1月、不適切会計を開示した愛知県三河地域を地盤とする中堅食品スーパーの㈱ドミー(TSR企業コード:400215950、愛知県岡崎市、元名証2部)は監査法人より、仕入先からのリベートや協賛金を不適切に傾斜配賦していた不正会計の疑いの指摘を受けました。
その後、第三者委員会の調査でも全容が判明せず、2018年5月期第2四半期(2017年6~11月期)報告書が提出できず、3月27日上場廃止に追い込まれました。
また、㈱ディー・エル・イー(TSR企業コード:295371960、千代田区、東証1部)も不適切会計処理に関する決算開示に問題があるとして東証から上場契約違約金の徴求を受けました。
こうした企業の相次ぐ不祥事で、公認会計士の職業倫理に関する規則が2019年4月から厳格化されます。
公認会計士は監査を請負う企業で違法行為を発見した場合、監督官庁などへの通報義務が課せられています。
企業側は、公認会計士との適切な距離感を保つと同時に、会計倫理の向上が一層求められることになります。
ビジネスのグローバル化で事業規模が拡大し、海外子会社との取引に伴う不適切会計も増加傾向にあります。
一方、売上達成に対する過度なプレッシャーで、不正会計に陥る企業、担当者も後を絶ちません。
コーポレートガバナンスやコンプライアンスへの意識向上だけでなく、不適切会計を生じさせないためには社員の働きやすい環境づくり、風通しの良い組織への整備も急務になっています。

小規模な上場企業や上場間もない企業は内部統制報告書を緩和するような意見が以前からありますが、こういったものを見ていると、緩和なんてあり得ないと思いますね。
最近では、資金調達方法は色々あるわけですから、内部統制の整備や運用ができないのであれば、そもそも上場しなければ良いのではないかと思います。
内部統制報告書が緩和された市場を作り、リスクを承知した上で投資するというのはありかもしれませんが。
ただし、監査法人も、内部統制が整備・運用されているからこそ、決算のときの手続きが少なくなるわけなので、決算時の作業が膨大に増え、結果として、監査報酬も膨大に増えるような気がします。
おそらく、そのような企業の会計監査を大手の監査法人は引き受けないように思いますが。

2018年全上場企業「不適切な会計・経理の開示企業」調査について、どう思われましたか?


会計操作に巨額報酬で破綻招いた異常経営!

 首都圏で老人ホーム「未来倶楽部」など37施設を運営し、2千人近い入居者を抱える未来設計(東京)が経営破綻しました。
その創業者には、毎年3億円前後という巨額の報酬が支払われ続けていました。
巨額報酬はどのように捻出されたのでしょうか?
異常な経営はなぜこれまで放置されてきたのでしょうか?

未来設計の親会社を2018年に買収した同業の創生事業団(福岡市)が内部告発を端緒に未来の経営実態を調べたところ、『BK』と書かれたファイルが複数見つかったようです。
『BK』はBANK(銀行)の略です。
銀行から融資を引き出そうと、経営を黒字に見せかけるよう粉飾された決算書だったと、未来設計の幹部が証言したそうです。

未来設計の売上高は年間90億円規模で、老人ホーム運営会社としては中堅です。
それが創業者(70)に毎年3億円前後もの報酬を支払い続けた結果、資金繰りが悪化しました。
2011年8月期には債務超過に陥っていたものの、創業者は高額の報酬を受け取り続けました。

幹部の証言などによれば、経営を黒字に見せかける会計操作は2011年ごろから続けられていたようです。
支払いを翌期に繰り延べたり、翌期に入ってくるはずの介護報酬を前倒しで計上したりしていたそうです。

さらに目を付けたのが、入居時に支払われる「入居一時金」です。
未来設計では240万円~1千万円が入居のたびに入ってきます。
しかしながら、この一時金は「前払いの家賃」に相当する預かり金で、月々に分割して売上高に計上することが入居者との契約で定められています。

ところが未来設計は、2012年8月期から、翌期の売上高に計上しなくてはいけない一時金を一部前倒しで計上して売上高をかさ上げしていました。
2016年8月期からは、入金後すぐに全額を計上し、まるまる運転資金に回すことで役員報酬の「原資」を捻出していたそうです。

創生事業団の調査では、銀行からの融資をめぐって2017年4月に創業者と未来幹部が交わしたとされる会話の音声記録も出てきました。
銀行に経営実態を開示するよう進言する幹部に対し、創業者が引き続き融資を受けられるようにするべきだと繰り返し主張する内容だったようです。

創業者による会計操作の指示があったのか?、経営が苦しい中でなぜ高額の報酬をもらい続けたのか?など、朝日新聞は創業者側に質問を送ってコメントを求めたようですが、回答はないようです。

未来設計で長年続いていた一連の会計処理は、内部告発されるまで表面化しませんでした。
背景には、民間企業の老人ホーム運営に「外部の目」によるチェックが入りにくい構造的な問題があります。

老人福祉法は、運営会社に帳簿の作成や保存を義務づけているものの、財務資料を公表したり、会計監査を受けたりすることまでは求められていません。
厚生労働省の担当者によれば、会計処理の方法も企業側に任されているそうです。

老人ホームの監督権限は自治体にあり、未来設計の場合は東京都になります。
東京都は独自の取り組みとして、ホーム運営会社に毎年の決算の報告を求めていますが、未来設計は黒字に見せかけた決算を東京都に報告していたため、未来設計に対する東京都の評価は「短期的にも長期的にも安全」でした。
東京都の担当者は「(報告される決算書が)粉飾されたら見抜けない」と話しているようです。

一方、特別養護老人ホームなど公的な介護施設を運営する社会福祉法人の経営には厳しいチェックが入いります。
主な財務資料は公表が義務づけられ、役員報酬の支給基準や総額も明らかにする義務があります。

入居一時金をめぐっては、かつて「短い入居でも返金されない」といったトラブルが相次ぎ、2012年施行の改正老人福祉法で返還義務などが明確化されました。
ただし、同法は、老人ホーム運営会社の会計処理まで規制するものではありません。

有料老人ホームの経営に詳しい田所貴広公認会計士(監査法人・薄衣佐吉事務所代表)は「老人ホーム運営会社のガバナンス(企業統治)は極めて不透明なまま放置されてきた。性善説に立たずに、簡易な監査であっても『外部の目』を入れる仕組みが必要だ」と指摘しています。

報道のとおりだとすれば、かなり悪質ですね。
自治体に監督権限があるところについては、自治体の担当者の会計に関する知識のレベルを上げたり、公認会計士に委託したり、会計監査を義務付けるなどして、急に破綻することがないような利用者が安心して利用できる制度にしてほしいですね

会計操作に巨額報酬で破綻招いた異常経営について、どう思われましたか?


融資名目で約2億円を詐取した容疑でラジコンヘリメーカー元財務部長を逮捕!

 金融機関に粉飾した決算書類などを提出し、約2億円の融資をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は、先日、詐欺容疑で、電気製品製造メーカー(本店・三重県松阪市、破産手続き中)の元財務部長(58)を逮捕しました。
大阪府警捜査2課によると、「融資金をだまし取ったことは間違いない」と容疑を認めているそうです。

逮捕容疑は、201511月中旬~20161月下旬、金融機関に電気製品製造メーカーの売上高を水増しした決算書類や架空の事業計画書などを提出し、融資名目で約2億円をだまし取ったとしています。

大阪府警捜査2課によると、元財務部長は、201412月ごろから電気製品製造メーカーの創業者一族に近付き経営に関与しました。
電気製品製造メーカーの資金を外国為替証拠金取引(FX)に充て約15億円の損失を出し、だましとった2億円もおよそ半額をFXに充てていました。
他の金融機関からも借り入れがあり、大阪府警捜査2課は余罪を調べています。

関係者によると、電気製品製造メーカーはラジコンヘリコプターメーカーとして高い知名度を持ち、2009年には大阪府東大阪市の中小企業がつくった人工衛星「まいど1号」の姿勢制御などを担当していました。
経営悪化で、2017年末に破産手続きを始めていました。

高い知名度を持っていただけに、この事件が経営悪化の原因であるとすれば、非常に残念な事件ですね。
普通の法人でFXをするというのもどうかと思いますし、万が一するとしたら、定期的に数値を報告しないといけないでしょうね。

融資名目で約2億円を詐取した容疑でラジコンヘリメーカー元財務部長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(法人税)

スーパービリオネアで公人「マスク氏」のテスラ社の昨年の納税額は驚異のゼロ!

THE GOLD ONLINEによると、2017年、第1次トランプ政権時代に実施された税制改正には、富裕層に対する大幅な優遇措置が含まれていました。

バイデン政権下では富裕層課税の強化が図られましたが、再びトランプ政権に戻る中で、その特別措置の期限が迫っています。

こうした状況の中、イーロン・マスク氏が政治的に優遇されているのではないかという議論が浮上しています。

ここでは、カリフォルニア州にオフィスを構える国際税務の専門家が、アメリカの富裕層優遇の実態を解説しています。            

2017年に実施された税制改正の特別措置は、2025年に期限を迎えます。

トランプ氏が所属する共和党は、その延長やさらなる減税措置を進めようとしています。

一方、民主党は企業への課税強化を目指しており、特に税金をほとんど納めていない大企業を対象に対策を検討しています。

直近のトランプ氏の発言によると、年収15万ドル未満の国民は所得税を免除すべきとの考えがあるとされています。

2022年の国勢調査によると、アメリカ国民の93%がこの基準に該当し、日本では99.8%が該当します。

この施策が実現すれば、ほとんどのアメリカ人が所得税を免除されることになります。 

法人税についても、現行の21%から15%への引き下げが検討されています。

2017年の減税時には「経済活動が活発化し、財政的に黒字化する」との見込みがありましたが、実際には財政赤字が拡大しました。

しかし、アメリカ経済は堅調で、ニューヨーク・ダウ平均株価は上昇を続けています。

今後のトランプ氏の動向に注目が集まります。

マスク氏の政治的影響力が強まるなか、テスラ社の納税額がゼロであったことが批判の的となっています。

テスラ社は昨年度、71億ドルの当期利益を計上しましたが、その納税額はゼロでした。

過去3年間では108億ドルの利益を上げながらも、納税額はわずか4,800万ドルにとどまっています。

このため、マスク氏がトランプ政権から特別な優遇措置を受けているのではないかとの憶測が広がっています。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、民主党のエリザベス・ウォーレン議員は、テスラ社の税制優遇を問題視しています。

ウォーレン議員は、「アメリカ国民がテスラ社の税制優遇を負担している」として、マスク氏に対して説明を求める書簡を送ったと報じられています。

テスラ社の利益の内訳を見ると、主な収益源はEV車やソーラーパネルの販売ではなく、高金利による利息収入(約44億ドル)や、環境規制に基づくEVクレジットの販売によるものです。

また、テスラ社所有のビットコインの含み益も約6億ドルを占めています。

テスラ社の法人税がゼロである理由の一つは、2003年から2020年まで毎年赤字を計上していたことにあります。

アメリカの税制では、過去の累積損失と現在の利益を相殺できるため、税負担が軽減されます。

さらに、テスラ社はEV関連の税額控除を活用しており、2023年時点で7億5,600万ドルの控除を受けています。

興味深いことに、これらの税制優遇措置の多くはバイデン政権下で議会を通過したものです。

したがって、テスラ社が違法行為を行っているわけではなく、むしろ民主党が推進した政策の恩恵を受けているに過ぎません。

マスク氏は公人としての影響力を持つため、政治とビジネスの利害関係が絡むのは避けられません。

今後、トランプ氏がさらなる減税措置を打ち出せば、テスラ社の優遇措置を巡る議論が一層激しくなるでしょう。

一方、日本の税制では「公平・公正な税負担」が強調されるものの、実際には富裕層への課税が強化される傾向にあります。

対照的に、トランプ氏は富裕層課税に消極的な立場を取っています。

今後、富裕層がどちらの国に住むことを選ぶのかは、税制の動向次第かもしれません。

テスラもあまり税金を支払っていないんですね。

それも、バイデン政権下で決まった税制優遇措置が影響しているというのは皮肉ですね。

トランプ氏ご自身も富裕層でしょうから、どうなるかは目に見えている感じはしますが、日本はどうなるんでしょうね?

ばらまきを考えていたところを見ると、富裕層への課税が強化されるようには思いますが。

スーパービリオネアで公人「マスク氏」のテスラ社の昨年の納税額は驚異のゼロであることについて、あなたはどう思われましたか?


東京国税局が脱税の中国籍代表会社の晴海フラッグの6物件を差し押さえ!

共同通信によると、東京国税局が2024年、法人税の脱税事件に絡み、東京都中央区のマンション「晴海フラッグ」の6物件を差し押さえていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

これらの物件は、東京地検に逮捕、起訴され、一審で有罪判決を受けた中国籍の男性(47)が代表の貿易会社が所有していました。

なお、晴海フラッグは、東京五輪・パラリンピックの選手村を再整備した巨大マンション群として知られています。

東京国税局が実施したのは、財産の散逸を防ぐために税額が確定する前に差し押さえる「保全差し押さえ」という手法で、実施は異例だそうです。

貿易会社には一審判決で認定された約2億2千万円の脱税額を含めた8億円超の納税義務があったとみられ、差し押さえは徴収後に解除されました。

保全差し押さえの実施が徴収につながったもようです。

共同通信は貿易会社に取材を申し込みなしたが、2回答はなかったそうです。

関係者によると、貿易会社は新型コロナワクチン用の注射器を中国から輸入していた東京都港区の会社で、東京地検特捜部が、2024年6月、注射器の仕入れ高を水増しし法人税約2億2千万円を脱税したとして男性を逮捕しました。

そして、男性は東京地裁で懲役2年、執行猶予4年の判決を受けました。

架空仕入れの計上ですので、かなり悪質だと思いますが、東京国税局の対応は素晴らしかったと思います。

悪質な会社が多いため、真面目に消費税の還付申告をした会社は、なかなか還付してもらえませんので、今後も、こういう悪質なところは厳しく調査して、きっちりと取ってほしいですね。

東京国税局が脱税の中国籍代表会社の晴海フラッグの6物件を差し押さえたことについて、あなたはどう思われましたか?


元大阪国税局職員の脱税事件で東京の不動産会社代表を告発!

朝日新聞によると、法人税など約5千万円を脱税したとして、大阪国税局元職員の会社役員(50)が法人税法違反の疑いで逮捕された事件で、東京国税局査察部が、不動産会社(東京都世田谷区)の代表(48)を東京地検に同容疑で告発したことがわかったようです。

関係者によると、不動産会社代表と大阪国税局元職員は共謀し、不動産会社が2020年4月期に不動産の売却で多額の収入があったのに、複数の合同会社に投資して失敗したように装い、架空の有価証券売却損を計上しました。

約2億1,100万円の所得を隠し、約5,100万円を脱税した疑いがあります。

大阪国税局元職員は報酬として約1,700万円を得ていたそうです。

年間に脱税事件で逮捕される税理士や節税(脱税?)コンサルタントが何名かいますが、国税局OBが多いですよね。

脱税ほう助は絶対にダメという意識が乏しいんですかね。

国税局で不祥事が多いのも、国税局という組織に問題があるのかもしれませんね。

元大阪国税局職員の脱税事件で東京の不動産会社代表が告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


福島県国見町が「企業版ふるさと納税」めぐり初の認定取り消し!

NHKによると、「企業版ふるさと納税」をめぐり、福島県国見町に寄付をした会社の子会社が事業を受注したことは便宜供与にあたるとして、内閣府は、対象となった町の計画の認定を取り消しました。

「企業版ふるさと納税」をめぐる認定の取り消しは初めてです。

「企業版ふるさと納税」は地方創生につながる自治体の事業に企業が寄付した場合、法人税などが軽減される制度です。

内閣府によると、福島県国見町は令和3年度から「企業版ふるさと納税」を活用して「高規格救急車」を研究・開発し貸し出す計画を作成しました。

これについて内閣府が調査した結果、寄付をした会社の子会社が事業を受注したことが確認され、町はこの子会社が受注する可能性が高いことを認識しながら公募の条件を設定していたということです。

このため「町が寄付をした会社に対して便宜供与を行った」と結論づけ、先日、町の計画の認定を取り消しました。

「企業版ふるさと納税」をめぐる認定の取り消しは初めてです。

制度を所管する伊東地方創生担当大臣は記者会見で「今後、本事案なども踏まえ、制度の健全な発展の観点から、必要な改善策を検討していく」と述べました。

最近、税理士関係の研修などを受けていると、『企業版ふるさと納税』が徐々に使われるようになっているとよく耳にするので、今後、地方にとって有効な寄付がどんどん出てくれば良いなぁと思っていたのですが、このような事件が出てくると、悪いイメージが付くので、非常に残念に思います。

自社のためではなく、地方のために寄付をして欲しいですね。

福島県国見町が「企業版ふるさと納税」めぐり初の認定取り消しとなったことについて、あなたはどう思われましたか?


新型コロナ融資の手続き代行で約6,700万円を脱税か?

NHKによると、大阪市でエステ店を経営する会社の社長が、新型コロナウイルス対策の公的融資の手続きを代行するなどして得た所得を申告せず、法人税などおよそ6,700万円を脱税した疑いで大阪国税局から告発されたことが関係者への取材で分かりました。

告発されたのは、大阪市西区でエステ店を経営する会社と社長(42)です。

関係者によると、この会社はエステ店を経営しながら、新型コロナ対策の公的融資の手続きを代行して手数料を得ていましたが、こうした所得を申告していなかった疑いがあるということです。

この融資は新型コロナで影響を受けた医療機関や福祉施設に対し、「福祉医療機構」が1億円を上限に無利子で貸し付けていたもので、会社は手続きの代行でエステとは別に売り上げを増やしていたということです。

大阪国税局は、2021年7月までの1年間でおよそ2億6,500万円の所得を申告せず、法人税などおよそ6,700万円を脱税したとして、会社と社長を法人税法違反などの疑いで大阪地方検察庁に告発しました。

関係者によると、脱税で得た金は、社長の自宅マンションの購入費などに充てられたということです。

エステ店をやっている会社が、公的融資の手続きを代行をしているんですね。

どうやって、顧客を獲得しているのか興味があります。

何件くらいやっているのか分かりませんが、1年間で2億6,500万円というのはスゴいですね。

それを申告しないというのも、スゴいと思いますが。

新型コロナ融資の手続き代行で約6,700万円を脱税していたことについて、あなたはどう思われましたか?


1億9,300万円を申告せず法人税4,800万円脱税の疑いで東京国税局が広告会社と代表らを告発!

読売新聞によると、法人税約4,800万円を脱税したとして、東京国税局が広告会社(東京都中央区)と同社の代表取締役(31)、父親(61)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、同社はインターネットの動画広告の制作などを手がけ、2020年8月期に約1億9,300万円の所得を得ましたが、税務申告をせずに法人税約4,800万円を脱税した疑いです。

隠した所得の大半は、父親が自宅や貸金庫に現金で保管していたようです。

読売新聞は2人に文書で取材を申し込みましたが、回答はなかったそうです。

約2億円の所得ってスゴイですね。

なぜ申告をしないのか分かりませんが、周りにアドバイス等する人がいないんですかね。

こういう事件を見ると、無申告の法人などが分かるような仕組みが必要なのではないかと思いますね。

申告をしていなかったり、納税をしていなかったりする企業などとは取引をしたくない企業や個人も多いでしょうから。

1億9,300万円を申告せず法人税4,800万円脱税の疑いで東京国税局が広告会社と代表らを告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


JTの1,200億円の配当返還に「税負担なし」と国税当局が伝達!

日本経済新聞によると、日本たばこ産業(JT)が海外子会社から受け取った約1,200億円(8億ドル)の配当を返還したことを巡り、税負担は生じないとする見解を国税当局が同社側に伝達していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

課税対象になれば、JTから多額の資金が流出して財務が悪化する恐れがあり、当局の判断が注目されていました。

JTは2023年8月にオランダの子会社と孫会社を合併させ、存続会社となった旧孫会社から配当8億ドルを受け取りました。

しかしながら、2023年12月に同額を旧孫会社に返還したのです。

巨額の配当金返還は、極めて異例でした。

JTは当時、返還理由を「グループ内の現金保有量の最適化等」と開示していました。

2009年度の税制改正で、海外子会社からの配当収入は一定要件を満たせば95%が非課税(益金不算入)となります。

ただし、子会社株式の25%以上を6か月以上保有することが要件です。

ところが、JTは旧孫会社の株式を直接持っておらず、非課税要件を満たしていなかったのです。

2023年12月中旬に旧孫会社の取締役会で配当決議が取り消され、これを受けてJTが返還しました。

仮にこの配当が課税対象になれば、JTは300億円規模の税負担が生じる恐れがあったのです。

JTは、法人税などの取り扱いについて東京国税局に相談できる「J-CAP」制度を使って照会し、回答を得たようです。

国税当局への照会や回答について、日本経済新聞はJTに回答を求めましたが、「当局の見解については当社がお答えできる立場にない」としました。

一方、東京国税局は「個別の事案についてはコメントしない」と回答しました。

JTは、自社の株主に対し利益の75%を配当する方針を掲げており、高配当銘柄として個人投資家から人気が高くなっています。

JTは、2023年末に1,200億円を返還したことで単体の利益が減り、配当できる上限額が下がってしまいました。

この上限額を引き上げるため、2024年3月の株主総会で株主資本のうち配当可能額に含まれない「資本準備金」を、配当可能な「その他資本剰余金」に振り替える議案を諮り、可決されていました。

ミスに後から気付き、慌てて戻したのだと思いますが、税負担がないということになり良かったですね。

担当者は、しばらくの間、気が気でなかったでしょうね。

JTほどの会社となると、社内にも優秀な方がたくさんいると思いますし、大手税理士法人やOB税理士が付いていると思いますが、なぜ配当をする前に気付かなかったんでしょうか?

JTの1,200億円の配当返還に「税負担なし」と国税当局が伝達したことについて、あなたはどう思われましたか?


ネット広告業者が法人税など約1億9,000万円脱税か?

NHKによると、東京都渋谷区でインターネット広告の代理店や、ウェブサイトの運営会社を経営している44歳の会社役員が、架空の外注費などを計上する手口で、法人税などおよそ1億9,000万円を脱税したとして、東京国税局から告発されました。

告発されたのは、東京都渋谷区にあるインターネット広告の代理店と、ウェブサイト運営会社の実質的経営者の役員(44)です。

関係者によると、役員は広告デザインなどに関連した会社の業務を外注したように見せかけるなどして、架空の経費を計上していた疑いがあり、東京国税局は、役員が、2022年7月までの2年間に、2つの会社あわせておよそ5億7,300万円の利益を隠し、法人税と消費税およそ1億9,000万円を脱税したとして、東京地方検察庁に告発したということです。

役員は脱税で得たカネをカジノなどでの遊興費に充てていたということです。

役員は弁護士を通じ、「すでに修正申告をし、納税も行っています。再発防止に向け、コンプライアンスを強化していきます。」などとコメントしています。

インターネット広告の代理店とかウェブサイト運営会社は儲かるんですね。

もちろん、儲かるから脱税しても良いということはなく、これだけ脱税して捕まっている人がたくさんいるのに、なぜ安易に架空経費の計上に走るのでしょうか?

月次決算とかをやっていれば、ある程度の損益予測は分かるでしょうから、節税対策もそれほど難しくないのではないかと思いますが。

ネット広告業者が法人税など約1億9,000万円脱税していたことについて、あなたはどう思われましたか?


下請法違反の日産は「賃上げ税優遇」の適用除外で最低1年で収益面に悪影響の可能性!

読売新聞によると、下請け業者への納入代金を発注後に減額した下請法違反問題を受け、日産自動車が、賃上げを行った企業の法人税を減額する「賃上げ促進税制」を利用する資格を失ったことがわかったようです。

日産はこれまで同税制を利用しており、違反問題が収益面にも悪影響を及ぼす可能性があります。

同税制は2013年度に始まったもので、岸田政権は企業の賃上げを後押しするために制度を拡充しました。

大企業では2024年度以降、賃上げによる給与の支払総額の増加分について最大35%が減額される仕組みとなっています。

日産のような大企業が同税制を利用するには、まず自社のホームページに、従業員への利益還元や取引先への配慮に関する経営方針を掲示しなければなりません。

その上で、政府などが作る専用サイトで、取引先への不合理な価格交渉を行わないことを約束する「パートナーシップ構築宣言」を公表する必要があります。

2024年4月5日時点で、トヨタ自動車など約4万4,000社が掲載されています。

日産は2024年3月、下請法違反で公正取引委員会の勧告を受け、所管省庁の経済産業省を通じて専用サイトから掲載が削除されました。

一度削除されると1年間は再掲載されないため、日産は少なくとも1年間は同税制を利用できないことになります。

日産によると、2022年度以前の納税分については同税制を利用していたそうです。

日産は2023年春闘で3.4%の賃上げの実施を決めたほか、2024年春闘では5%という高水準の賃上げの実施を労働組合に回答しました。

違反問題がなければ、申請によって2023年度の納税分の法人税も減税措置を受けられた可能性があります。

財務省によると、同税制を導入した2013年度は減税額が計420億円、適用件数は約1万件でしたが、2022年度には計5,150億円、約21.5万件に拡大しました。

大企業の場合は、年間数十億円以上の減税効果を得られるケースもあるようです。

下請法違反の問題を巡り、日産は公正取引委員会から違法認定を受けた下請け業者36社に約30億円を返金しました。

取引先との信頼回復を急ぐため、公正取引委員会の認定では対象外となった企業についても独自に返金する方向で検討しています。

最近良いニュースを聞かない日産ですが、決算への影響もあるでしょうね。

賃上げ促進税制は、結局のところ、大企業の賃上げの一部を税金でまかなっているに過ぎないという気がしますね。

やはり、大企業は自社で努力してもらって、中小企業の賃金が上がるようなことをしないと、いつまで経っても、物価上昇に賃金上昇が追いつかないのではないかと思います。

話は変わりますが、先日、イオンが過去最高益であることを発表していましたが、理由の一つが仕入先の見直しによるコスト削減とのことですが、取引を切られた仕入先は業績が悪化するもしくは倒産等に追い込まれるでしょうし、結局のところ、消費者である仕入先の関係者の年収は減るでしょうし、イオンで買い物しなくなるかもしれませんので、マクロで考えると、大企業が儲かるということはあまり良いことではないのではないかと思いました。

下請法違反の日産は「賃上げ税優遇」の適用除外で最低1年で収益面に悪影響の可能性があることについて、あなたはどう思われましたか?


“Amazonせどり”コンサル会社の社長を法人税など約5,000万円脱税疑いで刑事告発!

TBSによると、ネット通販に商品を転売して利益を得る「せどり」のコンサルティングをしていた東京都内の会社社長が、法人税などおよそ5,000万円を脱税したとして東京国税局から刑事告発されました。

刑事告発されたのは、東京都台東区の転売コンサルティング業の会社と社長(38)です。

社長は売り上げの一部を税務申告しないなどの手法で、2021年11月までのおよそ4年間に法人税などおよそ5,000万円を脱税した疑いがもたれています。

転売コンサルティング業の会社は、仕入れた商品をAmazonに出品して利益を得る「Amazonせどり」と呼ばれる手法のコンサルティングなどを行い、利益を上げていました。

<コンサルを受けていた男性>
「(社長が)『私がコンサルするんだから儲かります』と。『すぐにもとが取れるんで(受講料)50万円は安いですよ』と私を説得にかかりました。味噌とか醤油とか単価の安いものですよね。継続的に仕入れて販売できるような商品を薦めていました」

社長は、脱税で得たお金を投資などに充てていたとみられていて、JNNの取材に対してこれまでに回答していません。

この社長はYouTubeとかをやっていると思いますが、露出すると課税当局も調べているのは自明でしょうから、脱税していると、当然バレますよね。

あと、こういった脱税をしている人からコンサルを受けた人はどんな気持ちになるんでしょうね。

コンサルを受ける人も、コンサルをする人をきちんと選ばないといけないですね。

“Amazonせどり”コンサル会社の社長が法人税など約5,000万円脱税疑いで刑事告発を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


2億4,000万円の脱税疑いで大阪の測量設計会社を告発!

日本経済新聞によると、架空の外注費を計上するなどして約2億4,000万円を脱税したとして、大阪国税局が法人税法違反などの疑いで、大阪府大阪市の測量設計会社と同社の元社長を大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

重加算税を含む追徴課税は3億4,000万円に上る見通しです。

既に修正申告したそうです。

脱税したお金は遊興費などに充てていたとみられます。

関係者によると、元社長は、取引先の同業者の名前を利用して架空の経費を計上し、2021年12月期までの3事業年度に所得約6億6,800万円を過少申告し、法人税や消費税などの支払いを免れた疑いがあります。

測量設計会社は全地球測位システム(GPS)などを使った測量技術を利用し、官公庁などから道路建設などの仕事を請け負っています。

なぜ、これほど安易に架空経費を計上する事件が多発するんでしょうね。

決算の数値が出てから慌てて脱税ではなく、普段から月次決算をきちんとして数値を把握しておき、節税すれば何の問題もないように思いますが。

脱税するくらいですから、そもそも、官公庁が支払っている金額が高すぎるのではないかとも推測されますが。

数か月の指名停止ではなく、こういった業者を排除していかないといけないのではないかと思ってしまいますね。

2億4,000万円の脱税疑いで大阪の測量設計会社が告発されたことについて、あなたはどう思われましたか?


法人税4,800万円を脱税の疑いで無申告分を馬券購入費などに充てた内装工事会社代表を告発!

読売新聞によると、法人税約4,800万円を脱税したとして、東京国税局が内装工事会社(東京都港区)と内装工事会社代表の男性(51)を法人税法違反容疑で東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、内装工事会社はオフィスや保養所の内装工事などで多額の利益を上げていましたが、2022年5月期までの2年間の所得計約1億9,500万円を申告せず、法人税約4,800万円を脱税した疑いがあります。

内装工事会社は近年、無申告の状態が続いており、帳簿類もほぼ記載がなかったそうです。

代表の男性は、申告しなかった所得を競馬の馬券購入費などに充てていたとみられます。

読売新聞は、内装工事会社に取材を申し込んだようですが、回答はなかったとのことです。

最近、架空経費の計上による脱税事件は新聞等でよく目にしますが、無申告というのは珍しいですね。

代表の男性に、そもそも申告が必要という意識があったのでしょうか?

見つけるのが難しいかもしれませんが、こういった案件を、課税当局はどんどん見つけて、税金をがっぽり取ってほしいですね。

法人税4,800万円を脱税の疑いで無申告分を馬券購入費などに充てた内装工事会社代表を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


1億円脱税疑いで会社役員の男を逮捕!

日本経済新聞によると、貸付金を業務委託費に仮装するといった手口で法人税など計約1億円を脱税したとして、東京地検特捜部は、先日、会社役員(43)を法人税法違反(脱税)などの疑いで逮捕しました。

東京地検特捜部は、認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は東京都内のベアリング販売会社から会社役員が実質的に経営するシステム販売会社(東京都渋谷区)への貸付金を業務委託費と仮装させ、ベアリング販売会社の2021年3月期の法人税など計約7,800万円を脱税した疑いです。

ベアリング販売会社に架空の課税仕入れを計上させ、消費税など計約2,300万円を免れさせたほか、計約680万円の不正還付を受けた疑いも持たれています。

貸借対照表に計上すべき貸付金を、損益計算書の業務委託費に計上するというのはスゴいですね。

いわゆる架空経費なので、法人税や消費税を減らし(脱税し)、消費税については不正還付まで受けているので、かなり悪質ですね。

こういう事案は、どんどん課税して欲しいと思いますが、こういう事案がたくさんあるので、真面目に申告して還付になる会社が、簡単に還付してもらえないのは勘弁して欲しいですね。

1億円脱税疑いで会社役員の男が逮捕されたことについて、あなたはどう思われましたか?


法人税1億5千万円の脱税容疑のコンサル会社社長は「税理士に断られ申告できなかった」!

2023年06月20日(火)

読売新聞によると、法人税約1億5,800万円を脱税したとして、東京国税局が東京都中央区のコンサルタント会社と同社の社長(78)を法人税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、コンサルタント会社は2018年9月に設立され、新宿区の土地の売買などで多額の利益を上げましたが、2019年3月期の税務申告をせず、約6億5,500万円の所得を隠し、法人税約1億5,800万円の納税を免れた疑いです。

隠した所得は、社長が借金の返済などに充てていたようです。

社長は取材に対し、「税理士に断られたために申告できなかった。脱税の意図はなかった」と話しました。

税理士に断られたのであれば、他の税理士を探せば済むように思いますが、複雑な案件で、面倒くさいことを言う社長で、誰も引き受けたがらなかったのかもしれませんね。

法人税1億5千万円の脱税容疑のコンサル会社社長は「税理士に断られ申告できなかった」とコメントしていることについて、どう思われましたか?


架空の外注費などの計上で3,900万円の脱税の疑いで建築会社と社長ら2人を告発!

札幌テレビ放送によると、札幌国税局は、先日、法人税法違反などの疑いで、札幌市白石区の建築会社と、社長(49)と役員(39)の2人を札幌地方検察庁に告発したと発表しました。

2人は共謀し、2019年から2020年にかけて、架空の外注費や支払手数料を計上して、約1億6,000万円の所得を隠し、約3,900万円を脱税した疑いが持たれています。

札幌国税局によると、社長の男は業務全般を統括し、役員の男は決算書類などを作成していたということです。

2人は、先日、同じ容疑ですでに札幌地検に逮捕されています。

最近、安易な架空経費の計上による脱税事件が多いですね。
普段から数値を把握しておけば、色々と検討したうえで節税ができると思いますが、バレないと思っているのか、決算日を過ぎて数値を把握すると思いのほか利益が出ていて慌てて架空経費を計上するのか、理由はよく分かりませんが、年間にすると、ニュース等に取り上げられる事件だけでもかなりの件数あると思いますので、それほど甘くはないということに早く気付いてほしいですね。
こちらの架空経費の経費は、相手にとっては売上になるわけですから、相手を調べればおそらくすぐに分かりますよね。

架空の外注費などの計上で3,900万円の脱税の疑いで建築会社と社長ら2人を告発したことについて、どう思われましたか?


法人税など1億円余り脱税の前社長に有罪判決!

NHKによると、架空の外注費用を計上し、所得を少なく見せかけて法人税を免れるなどして合わせて1億円余りを脱税したとして長崎県長崎市の会社と前の社長が法人税法違反などの罪に問われていた裁判で、長崎地方裁判所は前の社長に対し懲役1年6か月、執行猶予3年、会社に対し罰金2,500万円の判決を言い渡しました。

長崎市の重量機器の搬入会社と前社長(69)は平成28年10月期から平成30年10月期にかけて、架空の外注費用を計上して所得を少なく見せかけて法人税を免れたり、控除の対象となる仕入れを過大に計上して消費税を免れたりして合わせて1億円余りを脱税したとして法人税法や消費税法違反の罪に問われています。

先日の裁判で長崎地方裁判所の芹澤俊明裁判官は「知人に依頼して実体のない会社を設立させ、継続的に架空の請求書を発行させるなどしており巧妙かつ悪質である。動機や経緯につき特に酌量すべき余地はない」などと指摘しました。

そのうえで「会社は本税、延滞税などを全て納付し、役員や税理士などを一新して経理体制の改善を図ったことなど考慮すべき事情もある」などとして、前社長に対し懲役1年6か月、執行猶予3年、会社に対し罰金2,500万円の判決を言い渡しました。

架空経費を計上して、脱税する事件が後を絶ちませんが、当然、多額になると有罪になりますね。
こういったことがあるということを認識して、安易な脱税はやめてほしいと思います。

法人税など1億円余り脱税の前社長に有罪判決があったことについて、どう思われましたか?


2,700万円脱税の疑いで大阪国税局が大阪府堺市の工事会社を告発!

外注費の架空計上などで約2,700万円を脱税したとして、大阪国税局が型枠工事を手がける会社(大阪府堺市)と元社長(48)を法人税法違反などの疑いで大阪地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

修正申告はすでに済ませたそうです。

関係者によると、同社は下請け業者に支払った外注費を還流させるなどして、2020年3月期までの2年間に約1億1,500万円の所得を隠し、法人税など約2,700万円を不正に免れた疑いが持たれています。

隠した所得は元社長名義の不動産購入などに充てたそうです。

最近、架空経費の計上による脱税が多いですね。
告発されるのは、もっと金額が多いケースかと思っていましたが、そうではないみたいですね。
悪質なところから、国税局はどんどん取って欲しいですね。
社会的信用の失墜、重加算税などを考えると、普通に税金を支払うか、合法的な節税をすれば良いと思うのですが、なぜ、脱税に走るのでしょうか?

2,700万円脱税の疑いで大阪国税局が大阪府堺市の工事会社を告発したことについて、どう思われましたか?


東京国税局が法人税4,500万円の脱税容疑でアニメイト関連会社を告発!

時事通信によると、アニメショップチェーン「アニメイト」のグループ会社で、アニメカード販売などを手掛ける「カードラボ」(東京都板橋区)が法人税など約4,500万円を脱税したとして、東京国税局査察部が同社と前代表(47)を法人税法違反容疑などで東京地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、前代表は知人男性から人気漫画「遊☆戯☆王」やアニメ「ポケットモンスター」の希少カードを仕入れたように装って所得を圧縮していました。
虚偽の請求書に基づきカードラボから知人の銀行口座に資金を移した上、95%程度を返金させて自らの口座に入れていたそうです。

かなり悪質な脱税ですね。
知人も巻き込んでいますし。
最近、架空の経費を計上して脱税を図るところを新聞記事等でyちょくちょく目にしますが、誰が主導で行っているのでしょうか?
指南をするコンサルタントなどがいるのでしょうか?

東京国税局が法人税4,500万円の脱税容疑でアニメイト関連会社を告発したことについて、どう思われましたか?


民間資金で学校新設を法人税負担減で後押し!

日本経済新聞によると、政府・与党はエンジニアや起業家らを養成する学校の整備に民間資金を生かす仕組みづくりを進めるようです。
高等専門学校などの新設に資金支援した企業の法人税負担を軽くする案を検討します。
最新のデジタル技術など産業界のニーズに合った教育を提供する場を広げます。
2022年12月にまとめる2023年度の税制改正大綱への反映をめざしているようです。

今冬までの税制改正論議で、政府・与党は岸田文雄首相が訴える「人への投資」を主要テーマに位置づけています。
財務省・経済産業両省で制度の詳細を詰めます。

政府・与党は現行の制度を見直し、企業がより資金を出しやすい環境を整える方向で議論します。
企業が損金算入する際の限度額を引き上げる案などが浮上しています。
企業側の利便性も考慮し、制度設計します。

政府の「人への投資」をめぐっては、リスキリング(学び直し)を中心に就業経験がある社会人向けの支援策がこれまでは目立っていました。
しかしながら、今回の税制改正では、就業前の若年世代の能力向上も狙っています。

財務省・経産両省がモデルケースとして着目するのが、2023年4月に開校を予定する私立の「神山まるごと高等専門学校」(徳島県神山町)です。
山間部に全寮制の校舎を設け、IT(情報技術)分野を中心とした起業家の育成に重点を置いています。
デジタル技術やデザインといったスキルの習得へのカリキュラムを打ち出しています。

同校の新設にあたっては国内の起業家らが発起人となり、数十億円の寄付を民間から集めました。
衣料通販大手のZOZOで最高技術責任者(CTO)を務めた大蔵峰樹氏が初代校長に就いています。

日本の高専は国立が中心で、私立は少ないです。
政府は少子化のなかでもユニークな人材育成を手がける学校の新設を後押しします。

国立だとできることが限られてくると思いますので、私立で独自の人材育成を行いやすくなると、日本のために良いことだと思いますね。
同じ四国の神山町から素晴らしい起業家が誕生してくれたら嬉しいですし、公認会計士・税理士として、何かお役に立つことがあれば協力させていただきたいと思います。

民間資金で学校新設を法人税負担減で後押しすることについて、どう思われましたか?


「経営強化税制」、「固定資産税特例」等の税制特例に関する誤った内容の「工業会等による証明書」発行!

先日、同業者からの情報で、すごいプレスリリースを見ました。
現在、工業会等による証明書が取れるかどうか検討している案件があるので、非常にタイムリーな話でした。
以下は、ダイキン工業のプレスリリースです。

~ここから~

大切なお知らせ

「経営強化税制」、「固定資産税特例」等の税制特例に関する誤った内容の「工業会等による証明書」発行についてのお詫びとお願い

この度、「中小企業経営強化税制」、「先端設備等導入計画に関する固定資産税の特例」、「(旧)生産性向上設備投資促進税制」、「(旧)中小企業投資促進税制(上乗せ措置)」、「(旧)経営力向上計画に関する固定資産税の特例」において、弊社の空調等設備の一部が、これら税制特例の対象設備に該当しないにもかかわらず、誤って該当要件を満たしているものとして「工業会等による証明書」が発行されていたことが判明しました。
「工業会等による証明書」の発行を受けたお客様のうち、誤った内容の証明書を用いて税制特例の適用を受けられていたお客様におかれましては、お手数をおかけしますが、税額の修正申告、納付手続等の税務手続をしていただく必要がございます。
ご愛用いただいているお客様に深くお詫びを申し上げるとともに、発生の経緯と今後の対応についてご案内いたします。
今回、お客様から「工業会等による証明書」の記載内容についてお問合せがありました。
「工業会等による証明書」は、弊社が自社のソフトウェアを用いて申請対象の該非判定を行った上で記入しており、同ソフトウェアに登録している一部の製品の仕様データに誤りがあることが判明しました。
社内にて調査した結果、対象期間である平成26年1月〜現在の間に、誤った内容の証明書が発行されたことを確認しました。
該当する証明書の発行を受けた可能性があるお客様には、弊社より直接ご連絡し、証明書の誤り部分のご説明、ならびに修正申告等の税務手続のお願いと、税額のお支払いを含めた具体的な今後の手続きについてのご案内をさせていただきます。
なお、お心当たりがあり弊社からの連絡が無くご心配のお客様は、誠にお手数ですが、以下のフリーダイヤル、または弊社ウェブサイトにてご相談下さい。
弊社にて状況を確認の上で、個別にご回答申し上げます。
今後、このようなことがないように、証明書発行に関わる仕様データの作成から申請書発行までの業務手順の厳格化、各手順におけるデータや記載内容のクロスチェックの徹底、業務の実施状況の定期点検および改善など、万全の対策を期して参ります。
お客様におかれましては、大変ご迷惑とお手数をおかけいたしますが、なにとぞ、ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

フリーダイヤル 0120−557−704(平日9時〜17時30分)
お問合せフォーム https://www.daikinaircon.com/info/20220823/contact/

~ここまで~

ざっくりと言うと、固定資産を取得した際に、『工業会等による証明書』があると、特別償却や税額控除や固定資産税などの税制上の優遇があるという制度の『工業会等による証明書』が間違っていた(本来は発行してはいけないものだった。)ということです。
もちろん、この製品が欲しくて買ったところもあるでしょうが、固定資産を取得する際に、税制上の優遇措置が使えるからということでこの製品を取得したり、税制上の優遇措置が使えるものの中からこの製品を選んでいるケースも多いのではないかと思います。
証明書を発行してはいけない製品だったわけなので、当然、税制上の優遇措置が使えないということで修正申告等が必要になりますし、税制上の優遇措置が目的で購入したのであれば、税額分を負担する必要がありますので、ダイキン工業は、どれくらいになるのかは想像もつきませんが、かなりの手間や負担額が発生するでしょうね。

「経営強化税制」、「固定資産税特例」等の税制特例に関する誤った内容の「工業会等による証明書」発行についてのお詫びとお願いについて、どう思われましたか?


法人税率の引き上げ案が浮上!

時事通信によると、与党の税制調査会で、法人税の実効税率を引き上げる案が浮上していることが、先日、明らかになったようです。
併せて、設備投資などに対する減税措置も拡充し、増税と減税を組み合わせることで企業にも「貯蓄から投資」を強く促し、日本経済の構造転換を後押しします。
与党税調幹部は2023年度の税制改正を見据え、政府側と検討を進めたい考えのようです。
ただし、企業業績には不透明感が強まっており、経済界が難色を示す可能性もあります。

実効税率の引き上げが実現すれば、1984年以来となります。

法人税率をめぐっては、2021年、経済協力開発機構(OECD)主導で最低税率を設定することで国際合意が成立し、世界的な引き下げ競争に歯止めがかかってきました。
アメリカのバイデン大統領も税率引き上げを提案しており、新型コロナ対応で財政赤字が拡大した各国で政策を転換する動きが出ています。

現在、法人税(国税)と法人事業税(地方税)などを合わせた法人実効税率は29.74%です。
政府は2015年度以降、企業が減税分を賃上げや設備投資に回すと期待し、34.62%だった税率を段階的に引き下げてきました。

これに対し自民、公明両党は2021年12月にまとめた2022年度税制改正大綱で、税率引き下げにより企業の内部留保は増加したものの、投資拡大など「意図した成果を挙げてこなかった」と指摘しました。
そのうえで「企業の行動変容を促すためにどう対応するか幅広く検討する」と、民間資金を投資に誘導する仕組みづくりを示唆していました。

今回は増税額と減税額が同規模となる仕組みを想定しているようです。
税調幹部は「大幅には引き上げられないが、日本の実態に合った構造転換は必要だ」と訴えています。

ただし、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う原材料価格の高騰で、企業業績は今後厳しさを増す可能性があります。
また、設備投資の規模は業種によってばらつきが大きく、サービス業など減税措置の恩恵が限られる業界は差し引きで増税となる恐れがあります。
大企業を中心とする黒字企業などからは強い反発も予想され、実効税率の引き上げが実現するかは不透明な情勢です。

相続税、消費税、所得税などが増税傾向にあるなか、唯一と言ってよいほど、法人税は減税傾向にありましたが、法人税も増税になるかもしれませんね。
以前の総理が、グローバル企業が世界的な市場で勝負できるように、実効税率の30%切りにこだわり、表面上は実現させました(課税対象が拡大になっているため、実際には引き下げにはなっていない。)が、手のひらを返す感じですね。
企業だと、業績が悪くなると、ますはコスト削減を考え、そのあとに値上げを考えるのが一般的なように思いますので、増税するのであれば、まずは国の無駄遣いを削減してからにして欲しいですね。
法人税率が上がれば節税効果は上がるのですが、一方で、法人税率が低いということが法人化の理由の一つとなっていると思いますので、法人税率が上がると、税理士としての対応も変わってはきますね。

法人税率の引き上げ案が浮上していることについて、どう思われましたか?


政治家個人への寄付は禁止なのに使い道報告義務のない「抜け穴」から与野党が計22億円支出!

東京新聞によると、自民党、国民民主党、日本維新の会、社民党、れいわ新選組の5党が2019年、「政策活動費」や「組織活動費」の名目で党幹部ら30人に総額約22億円を支出していたことが、政治資金収支報告書の東京新聞の調査で分かったようです。
禁止されている政治家個人への寄付を政党だけに認める制度があるためで、その先の使途は報告義務がありません。
1994年の政治改革で小選挙区制と同時に埋め込まれた「抜け穴」は、秋に総選挙を控えた現在も解消されていません。

ちなみに、政治資金収支報告書は、政治団体の収入、支出、資産を記載するよう政治資金規正法で定める報告書で、年間5万円超の寄付をした人や、20万円を超える政治資金パーティー券の購入者も記載します。
総務大臣や都道府県の選挙管理委員会に提出します。
総務大臣所管の2019年分は2020年11月に公表されました。

政治資金規正法は政治家個人への寄付を禁じ、資金管理団体や政党支部で受けて収支報告書を提出するよう定めています。
ただし、「政党がする寄付」には適用しないという例外規定があり、支出が認められています。

2019年の収支報告書を集計したところ、こうした政策活動費などを最も多く支出していたのは自民党です。
二階俊博幹事長や甘利明選挙対策委員長(当時)ら計18人に13億410万円を出していました。
国民民主党は玉木雄一郎代表と平野博文幹事長(同)に8億1,000万円を支出していました。
日本維新の会は党支部の位置付けの国会議員団から、5,865万8,000円を馬場伸幸幹事長ら4人に出していました。
社民党は照屋寛徳国対委員長ら5人に1,500万円を、れいわ新選組は山本太郎代表に40万円を出していました。

支出された議員らが代表を務める資金管理団体や政党支部で、判明した約100団体の収支報告書を調べたようですが、受領の記載はなかったようです。
取材に対し、自民党、国民民主党、日本維新の会は、党勢拡大や政策立案の資金としたうえで「政治資金規正法に則のっとり、適正に処理している」などと回答しています。
社民党は「適正に支出」としたうえで「使途報告が求められない現行制度は法の趣旨に照らして十分とはいえない」と答えました。
れいわ新選組は「領収書管理の負担軽減のため。ただ、支援者が寄付した資金を分かりづらい形で支出することは改善する必要がある」としています。
立憲民主党、公明党、共産党は2019年分の支出がありませんでした。

東京大の谷口将紀教授(現代日本政治論)は「政治資金規正法の狙いは政治家の資金面の公私の峻別だが、大きな抜け穴になっている。議員が自らの資金管理団体で収支報告するか、政党が使途を説明させるなど、制度を変える必要がある」と指摘しています。

「子どもにお使いを頼んで、家計簿にそのまま『お使い』とだけ書いておくようなもの。何を買ったか分からない」
使途の報告義務がない「政策活動費」などの問題点を、神戸学院大の上脇博之ひろし教授はこう例えています。

「抜け穴」は、1994年成立の政治改革関連法で生まれました。
政治腐敗が相次いだ時期。金権政治の温床を断ち切るべく、政治献金の制限など政治資金の「入り口」の議論に熱視線が注がれました。
しかしながら、その裏で、使途などの「出口」を巡り、政治家自身の縛りを緩める法改正がひっそりと行われたのです。

それから30年近く、与野党問わず制度は使われ続けています。
国会での追及も散発的です。
「答える立場にない」「適正に支出」と述べ合い、自浄作用が働いたとは言えない状態でした。

コロナ禍で国民が困窮にあえぐ中、政治の現場で不透明な資金が横行する現状は許されるのでしょうか?
今秋には総選挙があります。
民主主義を担う公党である以上、与野党で法改正に向けた議論を始める必要があります。
少なくとも、使途報告を義務づけるルール作りは今すぐにでもできるはずでしょう。

法人とか個人事業主は、例えば、領収書は7年間の保管が義務付けられ、使途秘匿金は、消費税においては仕入税額控除の適用を受けることができませんし、法人税においては損金不算入に加えて、使途秘匿金の40%の税額が課されます。
法人とか個人事業主はこういうのがありますが、政治の世界でのこういったものが認められているということには、税理士としてすごく違和感を感じます。

政治家個人への寄付は禁止なのに使い道報告義務のない「抜け穴」から与野党が計22億円支出していることについて、どう思われましたか?


住友化学がコーポレートガバナンスを強化し税務方針を制定!

ゴムタイムスによると、住友化学は、先日、「住友化学グループ税務方針」を制定したと発表しました。
同方針は、同社グループにおけるコーポレートガバナンス強化の一環として、これまでの税務に関する取り組み方針を明文化したものとなっています。

2012年6月に経済協力開発機構(OECD)において発足した「BEPS(Base Erosion and Profit Shifting・税源浸食と利益移転)プロジェクト」を契機として、租税回避行為の防止に向けた国際課税ルールの見直しが各国・地域で進められています。

このような世界的な税務コンプライアンス強化の動きのほか、企業によるグローバル展開の拡大などに伴い、企業グループが抱える潜在的な税務リスクの規模や複雑性が増大しています。

同社グループは現在、世界の約30カ国で事業展開をしており、納税を企業が果たすべき最も基本的かつ重要な社会的責任の一つと捉えています。

これまでも各国・地域において適用される税法を順守し、適切な納税を行ってきましたが、税務コンプライアンスと税の透明性確保に向けた取り組みを全グループ会社がより高いレベルで実行するため、同方針を制定しました。

同社グループは、コンプライアンスを企業経営の根幹と位置付けており、引き続き、事業活動を行っている各国・地域において、諸法令はもとより、企業倫理の順守を徹底していくとしています。

GAFAなどが税法を研究して節税を図っているなか、このような真面目な企業が彼らと世界的に戦っていけるのだろうかと思ってしまいますが、過度に保守的になり過ぎないようにしていただき、こういう企業がグローバルスタンダードになればいいなぁと思います。

住友化学がコーポレートガバナンスを強化し税務方針を制定したことについて、どう思われましたか?

★㈱RE-経営では、2020年12月末まで半額セール中です。★

(1)「51の経営課題、テーマ別2000のヒアリングチェックリスト」

 これは経営者からの質問に即対応できるよう 新人コンサル向けに教育ツールとして開発。

 会計事務所、コンサル向けに「監査時経営者面談」「コンサルティング現場で明確」明確な再質問、付加価値のある会話の為に活用します。

 昨年だけでも70ダウンロードされた人気商品です。

 https://re-keiei.shop/data-sales/47-package/399-package008.html

※買い物かごに進むと「備考欄」に紹介者を尋ねられますので、必ず「紹介者名」に『國村 年』とご記入いただくようにお願いしたします。

(2)「病院18職種 等級別職能要件書」

 これは 病院を担当している会計事務所やコンサル、今後医療機関に提案するツールとして人気のある職能要件書事例集です。

 https://re-keiei.shop/data-sales/47-package/394-package003.html

※買い物かごに進むと「備考欄」に紹介者を尋ねられますので、必ず「紹介者名」に『國村 年』とご記入いただくようにお願いしたします。

(3)「介護16職種 等級別職能要件書」

 これも介護施設、介護事業所と取引をしているコンサルや会計事務所、又は今後新規開拓を考えている方向けの職能要件書事例集です。

 https://re-keiei.shop/data-sales/47-package/396-package005.html

※買い物かごに進むと「備考欄」に紹介者を尋ねられますので、必ず「紹介者名」に『國村 年』とご記入いただくようにお願いしたします。


入居事業者からの賃料減免なら損金として計上可能に!

国土交通省は2020年4月10日までに、テナントビル所有者に対し、入居する事業者からの賃料を減免した場合、損失額を税務上の損金として計上することが可能だと通知しました。

通常は寄付金扱いとなりますが、損金とすることで法人税の負担軽減を図ります。

通知は2020年4月9日付けです。
新型コロナウイルス感染拡大による売り上げ減少で、賃料の支払いが困難な事業者が増えていることを踏まえたものです。
国税庁が近く適用要件を公表します。

国土交通省は、3月末、テナントビル所有者に対し、支払いの猶予など柔軟な対応を要請していました。

テナントビル所有者も事業としてやっているわけですから、当然のことだと思いますね。
もちろん、要請するのであれば、固定資産税の免除も当たり前かと思いますが、テナントビル所有者側に立った報道等が少ないのはなぜなんでしょうね?

入居事業者からの賃料減免なら損金として計上可能になったことについて、どう思われましたか?


「巧妙な隠ぺい」“スパコン詐欺”の元社長に懲役5年!

以前このBLOGでも取り上げましたが、スーパーコンピューターの開発を巡って国の助成金をだまし取った罪などに問われた開発会社の元社長に対し、東京地裁は懲役5年の判決を言い渡しました。

ベンチャー企業「PEZY Computing」の元社長(52)は、経済産業省が所管するNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金6億5,000万円余りをだまし取ったほか、法人税約2億3,000万円を脱税した罪などで起訴されました。

判決で東京地裁は「虚偽の書類を示すなど巧妙な隠蔽策で詐欺を完遂した」「助成金を無関係な運転資金や個人的な支払いなどに流用した」などと指摘し、元社長に懲役5年を言い渡しました。

弁護側が一部を除いて無罪を主張していた脱税の罪については「故意の脱税だった」と認め、弁護側の主張を退けました。

こういう事件がありますので、助成金という制度自体を見直さないといけない時代になっていると思います。
助成金も補助金も一部の知っている企業だけが使っている傾向にあると思いますので、金額を小さくして、多くの企業に与えるのも一案かと思います。
また、返さなくても良いということが詐欺や効果のなさにつながっていると考えられますので、何か要件を充たせば返さなくても良いといった感じに変えても良いかもしれませんね。

「巧妙な隠ぺい」“スパコン詐欺”の元社長に懲役5年の判決が言い渡されたことについて、どう思われましたか?


税・社会保険の電子申告の導入が迫るなか企業の準備は整っていない!

日本経済新聞によると、2019年12月、行政の電子化を目的とするデジタル手続法が施行され、パスポートの申請など約500の手続きが順次電子化されます。2020年4月からは、企業の税申告や社会保険の申請の電子化も義務付けられます。約2万4,000社が対象となりますが、準備が整っていない企業が多いのが実情だそうです。

政府が2019年12月下旬に公表した「デジタル・ガバメント実行計画」には、仕事や暮らしに関わる様々な手続きの電子化計画が並んでいます。
2020年4月以降、資本金1億円超の大企業に義務付けられるのが、法人税と消費税の電子申告です。
3月期決算の企業の場合、法人税については、9月期までの中間申告から電子化が求められます。
消費税は、年間申告回数によって異なりますが、早い企業では6月末までの対応が必要になります。

導入まであと2か月弱と迫るなか、現場では不安の声が広がっているようです。

NTTデータで法人税の電子申告システムの販売を担当する小谷智昭氏は、「間に合わない企業が続出しかねない」と話しています。
同社が2019年7月から11月にかけて実施したアンケートによると、6割の企業が準備に着手していなかったようです。
「書面ベースで進める稟議など、社内の承認手続きの流れを見直すには相当の時間がかかる」(小谷氏)。
システムを導入するだけでは不十分で、経営陣を含めた業務プロセスの見直しが欠かせないようです。

対象企業は、国税庁の納税システム「e-Tax」などを用い、法人税と消費税の確定申告書を提出します。
複数のITベンダーがe-Taxと連携した申告システムを販売しており、国税庁の2018年の調査でも資本金1億円を超える7割の企業が電子申告を利用しているようです。

しかしながら、会計システム大手のTKCの富永倫教執行役員は、「制度変更に完全に対応できていない企業は多い」と指摘しています。
法人税では「別表」と呼ばれる申告書本体だけでなく、財務諸表や勘定科目内訳明細書などを添付して提出します。
2020年4月からの義務化では、これら全ての書類を電子化して提出する必要がありますが、申告書本体のみにとどまっている企業も多いようです。

化学メーカーのリケンテクノスは、2016年から法人税の電子申告に対応しました。
しかしながら、財務諸表などの添付書類を50枚以上、今でも郵送で送っているそうです。
電子化する際のファイル形式が申告書本体と異なり、システム対応に手間がかかるためです。
「対応できるように検討している。義務化には間に合わせたい」と同社の担当者は話しています。

より広い範囲で対応が求められるのが、社会保険の電子申請です。
2020年4月から健康保険、厚生年金保険、労働保険、雇用保険に関する12の手続きの電子化が義務付けられます。
総務省の「e-Gov」と呼ぶシステムを使いますが、ここでも対応の遅れが指摘されています。

2020年4月には早速、新入社員の雇用保険手続きで電子申請が必要です。
しかしながら、労務管理システムを販売するエムケイシステムの三宅登社長は、「当初から完全対応できる企業は2割程度にとどまる」と見ています。
給与や人事、マイナンバーなど関連する社内の業務システムを一元管理できていない企業が多いのが理由です。
「被保険者の報酬月額変更届など、頻度の少ない手続きも義務化の対象」(社会保険労務士の片山力氏)ですが、すべてシステムで対応しようとすると投資負担が大きくなるのです。

政府は2024年度中に、年10億件近い行政手続きのうち、件数ベースで9割の電子化を目指すそうです。
企業が戸惑うのは「システムが使いづらく、変更も多い。対応に手間と費用がかかる」状態が長引きそうなことです。
電子化を進める関係省庁部局が複数にまたがり、情報が一本化されていません。
企業側も税務、人事など担当レベルで部分的に把握できたとしても、企業全体でどう対応すべきか経営トップがつかみにくい状況にあるといえます。

労働人口が減るなかで生産性の向上は避けて通れない課題です。
中長期でみれば「税や行政手続きの電子化によって、企業の間接業務の効率化は進む」(野村総合研究所制度戦略研究室の梅屋真一郎室長)でしょう。
梅屋氏は、「人材配置の最適化を進める機会とするのが望ましい」と指摘しています。

この行政手続きのオンライン化を進める上で欠かせないのが「ハンコ文化」の見直しです。
印鑑証明書が必要な行政手続きは100種類以上あります。
電子証明書で代用できる手続きも多いですが、利用が進んでいません。
契約書など民間業務でも必要とされることがあり、法人の印鑑証明書の発行は、年間約1,300万件(2018年)にもなります。

政府は2019年12月に策定した「デジタル・ガバメント実行計画」で、印鑑証明書の省略や印鑑の代わりとなる電子証明書の普及を進める方針を打ち出しています。
商業登記法では法人を登記する際、代表者の印鑑を届け出ることが義務付けられています。
この条文が2019年12月に成立した改正法で削除され、印鑑登録が任意になりました。
改正法は2021年2月までに施行される見通しです。

電子証明書や電子署名などデジタル認証の仕組みは整いつつありますが、日本では「ハンコ文化」が根強いのです。
企業でも、正式文書は押印した紙で保存する習慣が残っています。

税や社会保険の手続きを電子化することにより、手間が省けるのであれば、個人的には大賛成です。
僕自身、税理士として、法人税や消費税の申告は100%電子申告していますが、中小企業でも紙で出さないといけないものがあったりして不便だなぁと感じることがあります。
中小企業ですらこのような状況ですから、加減算項目の多い大企業になるとものすごい手間が生じるのではないかと思います。
また、e-Taxを導入した当初、導入企業がまったく増えず、税理士会経由で税理士に呼びかけ、利用率は増加したものの、実質は一部の別表だけ電子申告し、残りは紙で提出している企業が多いというような記事も見かけましたので、実質的な利用率はそもそも低い状況下で電子申告を義務化するというのもどうかと思います。
国には、きちんとシステムを整備し、電子申告する企業にメリットがある状況にしたうえで、やってほしかったなと思います。

税・社会保険の電子申告の導入が迫るなか企業の準備は整っていないことについて、どう思われましたか?


企業版ふるさと納税につき寄付額の9割軽減を政府が検討!

 政府は、地方自治体に寄付した企業の税負担を軽くする「企業版ふるさと納税」を拡充するようです。
税負担を軽減する割合を現在の約6割から、約9割に広げたうえで、2019年度までの時限措置を2024年度まで5年間延長する方向で調整します。
「個人版」に比べ伸び悩む企業の寄付をテコ入れし、地方創生への資金の流れを促します。

内閣府が提出する2020年度の税制改正要望に盛り込み、2019年末に向けた与党の税制改正議論などで詳細を詰めます。

企業版ふるさと納税である「地方創生応援税制」は、2016年度に始まりました。
現行制度は内閣府が認定した自治体の事業に企業が寄付すると、損金算入措置による約3割の税の軽減効果に加え、寄付額の3割が税額控除され、合計で寄付額の約6割分の税負担が軽くなり、実質の企業負担は約4割で済みます。

2020年度からは税額控除の割合をさらに3割拡大し、税負担の軽減幅を合計で約9割に広げる方向で検討します。
企業版は、「個人版」で一定の範囲で許容されている返礼品のような経済的な見返りがなく、企業側のメリットの分かりにくさが寄付低迷の一因との指摘があります。

これまでの例では、企業が創業の地や工場がある地域、被災地などの自治体に寄付する例が多くなっています。
自治体は地域の再生に企業資金を呼び込むことができ、企業にとっては社会的責任(CSR)活動の一環として地域貢献をアピールできる利点があります。
今後は企業の寄付を促すため、表彰制度の創設も検討するようです。

寄付の対象も広げます。
企業版は内閣府の認定を受けた事業に寄付する仕組みですが、いまは予算など詳細が固まった後でないと企業が申請できません。
2020年度から詳細が固まる前でも申請を受け付けられるようにし、企業側の都合に合わせて申請できるようにする方針です。

拡充案では、国の交付金や補助金を受けている事業も寄付対象の事業として認定を可能にします。
これまでは「地方創生関係交付金」など一部を除き、他の財政支援を受けている事業は寄付の対象として認定を受けられませんでした。

企業版ふるさと納税を募っているのは都道府県と市町村を合わせて406で、全自治体の23%にとどまっています。
寄付額も個人版に比べ見劣りします。
企業版は2018年度に34億円(速報値)と2016年度の開始当初より4倍以上増えましたが、個人版の5,127億円と大きく離れています。

本当に創業の地や工場がある地域に貢献したいのであれば、損金になるかどうかを考えずやればよいと思いますし、寄付は売名行為ではありませんので、表彰というのは寄付金の性質上、違うのではないかと個人的には思います。
まさか、個人版のふるさと納税による税収が減ると見込まれるため法人版に期待しているということはないと思いますが、個人版のふるさと納税制度は失敗だと思っていますので、個人版をまねるのではなく、本来のふるさと納税の趣旨に立ち返って、変えるところは変えて欲しいと思います。

企業版ふるさと納税につき寄付額の9割軽減を政府が検討していることについて、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(4/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
4日目の今日は、『その他の社会的波及効果の高い事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
近年、市場が拡大する分野における脱税など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対して積極的に取り組みました。

<トピック8>好況なネット通販事業者の告発
近年、インターネット等のネットワークを通じた多様な経済取引が可能となっているところ、このような取引で得た多額の利益を隠し法人税を免れていた事案に対し、デジタルフォレンジック技術を活用するなどして不正を解明し告発しました。
【事例】
H社は、インターネットや各種メディアを利用して自社商品を販売し、多額の利益を得ていたものですが、不正加担者と通謀し、同人の主宰会社に対して架空の広告宣伝費等を計上する方法により法人税を免れ、同会社に送金した資金を現金でバックさせるなどして還流させていました。
本事案では、デジタルフォレンジックツールを使用して、スマートフォン内のデータを解析し、不正資金の還流の事実を解明しました。

<トピック9>好況な不動産事業者の告発
近年、不動産業の売上及び経常利益が上向いている状況ですが、不動産取引による売上を正しく申告しないほか、架空経費を計上し、所得(利益)を過少に申告していた事案を告発しました。
【事例】
I社は、入場者数が増加している国内有数のテーマパーク近隣の開発予定地に係る不動産売買取引に関与し、多額の利益を得ていたものですが、仲介手数料収入を除外するほか、取引に係る虚偽の覚書を作成し架空外注費を計上するなどの方法により法人税を免れていました。

<トピック10>クラブ経営者らによる消費税・源泉所得税事案を告発
日本有数の歓楽街でクラブ及びキャバクラ等を経営する法人による消費税及び源泉所得税事案を告発しました。
【事例】
Jは、クラブ及びキャバクラ等を経営する法人を主宰するものですが、経理責任者Kと共謀し、主宰法人の消費税の確定申告を一切せずに納税を免れたほか、店舗従業員の給与に係る源泉所得税を一切納付していませんでした。

その他の社会的波及効果の高い事案について、どう思われましたか?


連結納税のミス修正の事務負担を軽くすることを検討!

 財務省は、企業グループを一体とみなして法人税を計算する連結納税制度について、企業の事務負担の軽減をめざしているようです。
制度を使えばグループ内の利益から損失を差し引いて課税所得を圧縮できる半面、1つの子会社の税務申告に間違いがあるだけでグループ全社の集計作業がやり直しになります。
企業にとって大きな負担のため、ミスした企業の修正だけで済むような制度の見直しを検討するようです。

政府税制調査会(首相の諮問機関)で、近く連結納税制度の見直しを検討事項の一つに取り上げるそうです。
制度が複雑なうえ、企業実務に絡む専門的な議論が必要なため、2019年度の税制改正をめざすのではなく、中期的な課題と位置づけて議論するようです。
財務省は、政府税制調査会などで企業側の意見を聴き、問題点を洗い出します。

2002年度に導入された同制度を使うと、国内グループ企業の利益と損失を通算できるため、一般的には個別に納税するよりも、法人税がかかる所得を小さく抑えられます。
制度を使うかどうかは企業が選ぶことができます。
2010年度税制改正で、子会社が持つ過去の欠損金を反映できるようにするなど使い勝手がよくなり、利用が増えました。
現在、資本金1億円以上の大企業のうち、3割超が制度を利用しています。

一方で、税務申告にかかわる企業の事務負担は重くなりがちです。
特に、対象となる子会社や孫会社のどこか1か所で経費計算などにミスが起きるだけで、グループ全体の集計作業がやり直しになる問題を抱えています。
対象企業の税務上の損失や控除額などをいったん足し上げて、全体の税額などを計算するためです。

こうした負担を軽くする方策の一つとして、財務省内では連結納税の対象となる各社がそれぞれ個別に税務申告書をつくる案が浮上しています。
現行制度では、親会社がまとめる連結申告書に一本化されています。
情報を一括して把握できる半面、いったん内容に疑問が生じると、グループ全社で集計作業をやり直さなければ問題を修正できない原因にもなっています。

個別に申告書を備えておくことで、ミスが生じても部分的な修正だけで済まそうという考え方です。
個々の会社による申告書の作成作業が増えるようにみえますが、実際には各社はすでに同じような作業を手掛けており、修正が必要になった場合の対応を大幅に簡素化できるメリットの方が大きいと財務省はみています。

税務当局にも利点があります。
例えば、申告内容に問題があれば、税務署は親会社だけでなく、全国各地の子会社も調べなければなりません。
制度の見直しは、「人員が限られ、十分な調査ができない」(国税庁関係者)という現状の改善につながります。

財務省は、連結納税の対象企業の範囲といった制度の骨格は変えない方針ですが、企業のM&A(合併・買収)の増加に対応する見直しなどは課題となりそうです。
現行制度では、新たに買収した会社を連結納税の対象に加えようとすると、その会社の資産の含み益に応じた税金を事前に払う必要が生じます。
せっかく買収した企業の価値が目減りしかねず、課税の繰り延べなどが検討課題となります。

僕自身は、連結納税の申告業務をやったことがないので、実務上の煩雑さなどが分からないのですが、『連結納税』というくらいですから、子会社の申告書にミスがあれば、グループ全体の集計が異なってくるのは当然だと思いますが、どうなのでしょうか?
手間をかけてでも税金を安くしたいという企業が使えばいいと思いますし、実務上の負担が大きいのであれば、もっとシンプルな制度にすればよいのではないかと思います。

連結納税のミス修正の事務負担を軽くすることを検討していることについて、どう思われましたか?


陸上自衛隊演習場の地権団体が100億円の申告漏れ!

静岡県にある陸上自衛隊東富士演習場の土地を国に貸し、賃料を得ている静岡県内の一般社団法人と一般財団法人の計10法人が、名古屋国税局から総額約100億円の申告漏れを指摘されたことが、関係者への取材でわかったようです。
2008年の公益法人制度改革に伴い、課税対象になった賃料収入を数年間にわたって申告していませんでした。
追徴税額は、過少申告加算税を含め計約20億円に上るようです。

関係者によると、御殿場、裾野、小山の21町には演習場に土地を貸している法人が11あるそうです。
以前、所得隠しを指摘された1法人を除き、残る10法人が指摘をうけました。
法人の大半は国から年間数億円の賃料を受け取っていますが、申告していなかったそうです。

公益法人制度改革前、10法人は公益法人の社団法人もしくは財団法人で、税の優遇を受けていました。
公益法人の場合、国に直接貸した土地の賃料は所得から除外され、非課税になります。
それゆえ、演習場の賃料も税金がかかりませんでした。

公益法人制度改革後、10法人は一般社団法人もしくは一般財団法人となり、公益法人ではなくなりました。
引き続き演習場の賃料が非課税とされるには、「特定の個人・団体に特別の利益を与えていない」ことなどが要件になりました。

国税局は、10法人は事務所がある一部の地域に限って寄付や助成をしており、これが特定の個人や団体への利益供与にあたると認定されたようです。
非課税の要件を満たしていないとして、演習場の賃料は申告が必要な所得と判断した模様です。

年間約5億円の賃料収入があるという御殿場市の法人代表は、取材に対し、5年分で計約25億円の申告漏れを指摘されたことを認めたようです。
この代表は「演習場による賃料は非課税だと思っていた。税理士にも相談したが、わからなかった」としています。

「税理士にも相談したが、わからなかった」というところからは、これらの法人に顧問税理士がいるのか単に相談しただけなのかどうかは分かりませんが、多額の収入があるわけですから、公益法人制度改革時にきちんと税務面での検討を行うべきだったように思います。
直感的に、寄付や助成の仕方を変えれば、行けるかもしれないのではないかと感じますね。

陸上自衛隊演習場の地権団体が100億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


NPO法人による障害者就労支援に課税!

 NPO法人による障害者向けの就労支援について、国税庁が「原則、収益事業で納税義務がある」との見解を示したようです。

 全国の小規模作業所に不安が広がり、課税を不服として争う法人もあるそうです。
作業所などの全国団体「きょうされん」(事務局・東京)は近く、国税庁長官に撤回を求めるようです。

 国税庁は、2017年7月、ホームページで見解を発表しました。
こうしたNPO法人は障害者と契約して役務を提供し、利用料を受け取る「請負業」との判断を示しました。

税法上、収益事業は「継続して事業場を設けて行われるもの」で、請負のほか、物品販売、製造など34業種が限定列挙されています。
国税庁の法人課税課の担当者は「NPO法人の障害福祉サービスは以前から収益事業だが、複数の税務署から相談があり、見解を示した」と話しているようです。

広島市の「つくしんぼ作業所」は国などの給付を受け、就労困難な知的障害者が家にこもらないように働く場を提供し、1946歳の男女18人がクッキーを作るなどしています。
2007年にNPO法人となった際、税務署から「収益事業でない」と説明を受けたそうです。
しかしながら、2015年に一転して収益事業と指摘され、法人税や無申告加算税など過去3年分で計約200万円を課されました。

2017年4月、「運営はボランティアの支えもあり、福祉が目的で収益事業ではない」と、広島国税不服審判所に税の取り消しを求めて審査請求しました。
今月にも結論が出る見通しです。
厚生労働省によると、つくしんぼ作業所のようなNPO法人は、全国で約3,300201610月現在)に上るようです。

きょうされんは、201712月、障害福祉サービスを実施する加盟の507NPO法人にアンケートを実施しました。
回答した231法人のうち、法人税を申告したとするのは77法人でした。
多田薫事務局長は、「資金力のない法人は課税で圧迫され、福祉サービスが低下しかねない」と話しています。

NPO法人は、そもそも非営利団体のことです。
特定非営利活動促進法により設立されたNPO法人は株式会社と違い、毎年の利益や解散する時の残余財産を構成員に分配できませんが、利益を上げる事業は行えます。
法人税は所得に課税するので、赤字のNPO法人は課税されません。
なお、所得が年800万円以下のNPO法人の税率は、中小企業と同じ15%です。

これに関しては。このような法人に限らず、収益事業かどうかという判断に迷うことが多々あります。
納税者の方も、なぜボランティア的なことをしているのに課税されるのかと思ったりすることが多いのではないでしょうか?
ただ、安易に収益事業ではないとすると、おそらく悪用する方がたくさん出てくるのでしょう。
個人的には、まず、『特定非営利活動法人』という名称を変えたほうが良いのではないかと常々思っています。
普通の方は、『非営利』と言われると『営利を追求しない』と考えるでしょうから。
あとは、税法上『収益事業』となる34業種も、見直す時期に来ているのではないかと感じています。
これは、時代の変化に合わせて新たな業種も生まれてくるでしょうから、タイムリーに改正していかないといけないと思います。

NPO法人による障害者就労支援が課税されることについて、どう思われましたか?


2019年からスマホでコンビニ納税!

2018年01月19日(金)

2019年1月から、スマートフォン(スマホ)などを使い、コンビニエンスストアで納税できるようになるようです。
スマホやタブレット端末などで手続きを簡素にし、電子申告・納税の利用を促します。
納税者らの利便性を高めるほか、税務署の納付書の宛先確認や郵送といった業務の削減を目指します。

財務省と国税庁が主導します。
納税者が電子申告するとその税額や、所得税や法人税といった税目などのデータを記録したQRコードがPDFとして表示されます。
利用者がスマホ画面などに表示されたQRコードをコンビニの読み取り端末にかざすと、税目や税額が印字された書類が発行され、レジで税金を納めることができます。

納税は現金で、全ての税目が対象となります。
読み取り端末はセブンイレブンの「マルチコピー機」やファミリーマートの「Famiポート」、ローソンの「Loppi」などを想定しています。

こうした端末では、既に、イベントのチケットやスポーツ振興くじ(toto)の購入、住民票の写しや印鑑登録証明書などの発行、自動車保険の加入といった手続きができます。
2019年からスマホを使った納税も加わります。

ただ、QRコードの読み取り端末があるコンビニでしか使えず、現状では対象となる店舗が限られるようです。
財務省と国税庁は今後利用できるコンビニを広げていく考えです。

スマホ納税の利用者として想定されるのは、主に個人事業主や法人です。
現在は電子申告したあとに、税務署が作成した納付書を受け取りに行ったり、税務署から郵送してもらったりして、納付書を手に入れなくてはなりません。
納付書があれば今もコンビニで支払えますが、税務署や銀行で支払う人がほとんどだそうです。

また、電子申告をするにはこれまでは本人認証でマイナンバーカードなどの電子証明書や読み取り機器が必要でしたが、2019年からは税務署で一度でも本人確認すれば、IDとパスワードで認証できるようになるため、電子申告を利用する人が増えるとみられます。

政府は規制改革推進会議でICT(情報通信技術)による業務コストの削減を掲げており、電子申告・納税の普及を進めています。
コンビニは生活者にとって様々なサービスの拠点となっており、身近なスマホを使って納税できるようになれば、利便性が高まり電子申告・納税に弾みがつくでしょう。

実は、税理士も僕が使っている申告用のソフトであるNTTデータの達人シリーズなんかは、数年前から納付書を出力できるようになっています。
しかしながら、納付書は3枚綴りなので、B4に3枚分が印刷され、それを3枚に切って、銀行の窓口などに持って行く必要があり、少し手間です。
QRコードでいけるとなると、便利になりますね。
一方で、最近、窓口に来る人がかなり減っていると言われている銀行ですが、税金の納付の方がまぁまぁ多いのではないかと思います。
これらの方がコンビニで支払うようになると、銀行は不要になってきますね。
AIに取って代わるとも言われていますし、最近、手数料の値上げとか言っていますが、銀行の存在自体が危うくなってくるかもしれませんね。

2019年からスマホでコンビニ納税ができるようになることについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(事業承継)

2024年度の後継者難倒産は500件超の高水準が続く!

帝国データバンクによると、2024年度の「後継者難倒産」は、507件発生しました。

過去最多だった2023年度(586件)から減少に転じたものの、2年連続で500件を上回りました。

社長の平均年齢は60.7歳(2024年)となり年々上昇が続いており、高齢化が進めば「不測の事態」に見舞われるリスクも高まり、今後も後継者難倒産は高水準で推移する可能性があります。

後継者がいないことで事業継続が困難になったことによる「後継者難倒産」(負債1,000万円以上、法的整理)は、2024年度に507件判明しました。

2013年度に集計を開始して以降で最多の件数となった2023年度(586件)に比べると79件(前年度比-13.5%)少なかったですが、2年連続で500件を上回り、過去2番目の高水準となりました。

業種別では、建設業が127件と全体の25.0%を占めました。

建設業は他の業界と比較して労働環境が厳しいといった印象が強く、若年層から就業を敬遠される傾向があります。

結果、後継者候補となる人材が不足していることや技術伝承の難しさが、後継者難倒産が多い要因と考えられます。

次いで製造業(88件)、サービス業(87件)などが続きました。

2024年6月に中小企業庁が取りまとめた、民間企業による中小企業向けM&A成約件数は2022年度時点で4,036件、事業承継・引継ぎ支援センターによる件数は同1,681件で、いずれも増加傾向にあります。

それでも後継者難倒産が相次ぐ背景には、深刻な社長の高齢化があげられます。

帝国データバンクの調査では2024年時点の社長の平均年齢は60.7歳となり、34年連続で上昇を続けています。

後継者難で倒産した企業を倒産時の社長平均年齢を算出すると、2024年時点で69.8歳に及び、過去10年でみても70歳前後で推移しています。

高齢になれば病気・死亡など「不測の事態」に見舞われるリスクも増加すると考えられ、社長平均年齢が上昇し続けた場合、今後も後継者難倒産は高水準で発生する可能性があり、早いタイミングで後継者の選定・育成を進めることが望まれます。

後継者難倒産はある程度防ぐことができると思っています。

倒産となると、取引先、従業員、従業員のご家族、金融機関、社長のご家族など、たくさんの方に迷惑がかかります。

ノウハウ・技術・雇用などの継続が失われると、日本経済にとっても大損失です。

普段接している我々税理士や金融機関、事業承継に取り組みだして結構経っている国などの力不足もあるのでしょうが、できるだけ早めに、事業承継に取り組みましょう。

2024年度の後継者難倒産は500件超の高水準が続いていることについて、あなたはどう思われましたか?


四国化成HDが香川県の「骨付鳥」実店舗で老舗の味を継承!

香川県で讃岐うどんと並ぶ名物といえば、丸亀市が発祥の骨付鳥でしょう。

日本経済新聞によると、地元の四国化成ホールディングス(HD)は傘下のシコク・フーズ商事(宇多津町)を通じ、骨付鳥の持ち帰り専門店を丸亀市内に開きました。

味を監修したのは老舗居酒屋の「藤(とう)ちゃん」です。

異業種の大手企業が地域の食文化を受け継ぎ、より大きな事業に育てようとしているのです。

丸亀市の青果市場内に2024年6月下旬、「おやわか厨房」の1号店が開業しました。

独自の下味を付けた骨付きの鳥もも肉を、注文を受けてからオーブンで焼き上げます。

値段は1本900円です。

営業は金曜と土曜の週2日のみですが、多いときには1日100本前後を売り上げる人気ぶりです。

四国化成HDは化学品や建材の製造などを手がけています。

一方、子会社のシコク・フーズは食品関連の商社で、香川県内でハンバーガーチェーン「モスバーガー」のフランチャイズ店を運営し、「オリーブ牛」など地元の名産品を通信販売しています。

骨付鳥の販売を始めたのは2023年2月からです。

シコク・フーズで新規事業の立ち上げを指揮する大空浩基取締役によると「フランチャイズではない、独自の事業をチームで模索したところ、地元発祥の骨付鳥を使うアイデアが浮上した」と振り返っています。

丸亀市で骨付鳥が生まれたのは約70年前のことです。

ある飲食店経営者が外国映画を鑑賞中に、登場人物が骨付きの鳥もも肉をうまそうに食べるシーンを見てひらめいたそうです。

その後、骨付鳥を提供する店は丸亀市内外に広がり、味付けも多彩になりました。

シコク・フーズが目を付けたのは、地元で人気の居酒屋「藤ちゃん」でした。

骨付鳥発祥の店で創業期から働いていた店主が、独立して開業しました。

藤ちゃんの骨付鳥は、本家本元の作り方を今に伝えているわけです。

調味料は塩とコショウ、ガーリックのみです。

シンプルな味わいで鳥肉のうまみを生かしています。

「スパイスに頼りすぎず、女性や子供にも食べやすい味付けにしたい」という社内からの意見にも合致しました。

店主から鳥肉の下処理や味付けなどの指導を受けた後、冷蔵した骨付鳥の通信販売と、焼きたてを提供するキッチンカーの営業を始めたのです。

「藤ちゃんの味やね」と、老舗の味を知る地元の人からも評価を得て、着実に販売実績を伸ばしました。

口コミ効果もあって、販売開始から1年で約3万本を売り上げました。

2023年末のクリスマス商戦で店舗販売を試したところ好評で、2024年6月に1号店を開業しました。

一方で、同じ6月末に藤ちゃんは休業を決めました。

高齢の店主の体調不良もあり、営業が難しくなったそうです。

このため藤ちゃん流の骨付鳥の味を楽しめるのは、現時点ではシコク・フーズの製品だけです。

自社の新事業開拓を目的に始めた骨付鳥の販売は、いつしか「後世に残したい伝統食品の保存・継承」に変わったのです。

シコク・フーズは多店舗展開により、「おやわか厨房」を商事部門の新たな柱に育てたい考えです。

大空取締役は「将来はイートイン(店内飲食)ができる店も開きたい」と話しています。

香川県でも、有名飲食店が閉店し、残念に思っている方も多いと思います。

誰か個人が引き継いでくれたら良かったのになぁと思うことも多いですが、今回の四国化成HDのように、地元の大手企業が引き継ぐことも大事だと考えています。

名店を残し、それも県外資本ではなく、地元資本で承継していくことになりますので。

四国化成HDが香川県の「骨付鳥」実店舗で老舗の味を継承したことについて、あなたはどう思われましたか?


中小企業の事業承継を地銀が支援!

日本経済新聞によると、経営者の高齢化や後継者難で、中小企業の廃業が増えている状況に対応して、地方銀行が企業の買い取り先を探す「事業承継・M&A(合併・買収)」業務を強化しています。
事業承継支援を目的にしたファンド組成などを手掛けているほか、営業エリア外の企業とのマッチングができるプラットフォームを活用するなど、デジタル技術の活用にも熱心です。

岐阜県岐阜市に本店を置く十六フィナンシャルグループ(FG)は、2023年7月、日本M&Aセンターホールディングス(HD)と、中小企業の事業承継を支援する共同出資会社「NOBUNAGAサクセション」(岐阜県岐阜市)を設立しました。
十六FGの営業基盤である岐阜県と愛知県でも、中小企業の後継者難は深刻です。
新会社は企業に後継人材を紹介したり、他社とのM&Aを仲介したりして、地域経済の活性化を目指そうとしています。

事業承継を支援するため、ファンドを設ける動きも広がっています。
最近では秋田銀行が10億円規模の「あきぎんNEXTファンド」の組成を発表しました。
「ベンチャー企業や事業承継等の課題を抱える企業」を、出資や株式取得を通じて支援する計画です。
事業承継したい中小企業と経営人材をつなぐファンドは「サーチファンド」と呼ばれ、地域金融機関の出資が相次いでいます。

事業の売り手と買い手をマッチングするプラットフォームの利用も活発です。
我が香川県高松市に本店がある百十四銀行は、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(FA)が運営するプラットフォーム「M&Aプラス」を活用しています。
百十四銀行は「支店の情報網が及ばない地域での企業探しに役立てている」(中山正史コンサルティング部長)といいます。

このプラットフォームは、地銀などの地域金融機関や会計事務所、M&A仲介会社など700社あまりがデロイトの審査を経て参加し、M&A案件などの情報を交換しています。
他の会員に案件情報を知られたくない場合には非開示先を設定することで、情報の流出リスクを抑える仕組みを取り入れています。

東京商工リサーチによると、2022年の企業の休廃業・解散件数は49,625件で、ここ数年増加傾向にあります。
休廃業・解散直前期の業績を見ると黒字企業が54.9%、赤字企業は45.1%です。
黒字であっても、後継者難などで廃業を余儀なくされる企業は少なくありません。

中小企業の事業承継問題に詳しいデロイトトーマツFAの牟禮貴史シニアアナリストは、「地銀やM&A事業者などが手がけるM&Aは、年間3千〜4千件程度と推定されるが、廃業防止に十分寄与しているとは言い難い」と話しています。
中小企業の事業承継・M&Aを支援する社会ニーズはますます高まりそうです。

百十四銀行は、地域経済の振興を目的に、取引先企業の事業承継やM&Aを支援する業務に力を入れ、事業承継先の企業を探すデジタルツールも積極的に活用しています。
百十四銀行が進める事業承継・M&A支援の現状や見通しを中山正史コンサルティング部長に聞きました。

「顧客である取引先企業に事業を継続してもらうことは、我々のような地域金融機関にとって極めて重要です。取引先企業が直面している状況や課題を最も理解できる立場にあるのが地域の金融機関です。地方銀行だからこそ可能な支援業務があります。地域経済や雇用を支える企業の事業承継やM&Aを支援することには、大きな社会的価値があると考えています」

「取引先企業の事業承継やM&Aに関与すると、多くの場合はその後も当該企業との取引関係が長く続きます。これも事業承継・M&A支援を重視している大きな理由です。事業承継やM&Aのディール完了といった顧客にとっての大きなターニングポイントの局面を支援することは、地銀の様々な業務の中でも重要性が増しています」

実際の事業承継・M&Aではどのようなケースが多いのでしょうか。
「やはり中小企業で後継者がいないという事情を抱えているところが多いですね。ただ、後継者が確保されている場合でも、経営者が事業の先行きに不安を感じているケースが最近は多いと感じています。その一方で事業成長のためM&Aを選択され、そのための相談に来られる経営者も少なくありません」

「我々の場合、中国・四国地方を中心に支店を展開しており、これらの地域の案件が多いです。東京都や福岡市にも支店を置いており、それらのネットワークを通じて寄せられる案件もあります。年によって変動がありますが、事業承継・M&Aの成立件数はこのところ年間10数件の水準で推移しています」

どのような体制で事業承継・M&A支援に取り組んでいますか。
「コンサルティング部の中に事業承継担当が3人、M&A担当が5人います。これ以外に事業承継ファンドや関連企業への出向者が3人います。コンサルティング部は約60人の体制で、企業の事業計画や人事制度、ICT(情報通信技術)構築、人材紹介など事業に関する支援をすべて行うことができます。事業承継・M&Aの前後で多面的な支援ができる体制を整えているところが我々の強みです」

事業承継の相手先を探すマッチングプラットフォームを活用しているそうですね。
「デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーが運営している会員制プラットフォーム『M&Aプラス』を約5年前から使っています。事業譲渡を希望する顧客からの依頼を受けて、買い手企業を探す際などに利用しています。そうした買い手企業の情報は、関東以北など支店のない地域では得にくいため、マッチングの可能エリアを広げる目的でこのプラットフォームを活用しています」

「M&Aプラスの場合、我々のような地域金融機関のほか、会計事務所や税理士法人といったM&Aに精通した会員が多く、案件が具体的に進み始めた場合に、実務の分かった人間同士で話が非常にスムーズに進むという特徴もあります」

それ以前はどんな方法で事業承継先などを探していたのですか。
「支店のない地域では、同業の金融機関から寄せられる情報や、人脈を頼りに探していました。同じ地銀で比較的親密な関係があるところと定期的に連絡をとりながら、そのネットワークの中で探していました。M&Aプラスのようなデジタルツールを使うことで、業務の効率性が飛躍的に向上したと思います」

今後、どのような分野に特に力を入れますか。
「新型コロナウイルス感染症の流行期には、我々から見て十分に事業継続の余地がある会社でも、将来に不安を感じる経営者が増えました。地域の企業が減ることは地域経済の衰退につながりかねません。事業を承継する意欲のある経営者を広く探して、地元企業とマッチングを進められればと思います。その場合も、地域のサプライチェーン(供給網)を維持できる形で話が進むのが望ましいです」

「地元の医院やクリニックの事業承継を支援するのも重要な業務です。開業医の方々の高齢化が進み、後継者がいなくなっていくためです。香川県の医師会と事業承継に関する連携協定を結んでマッチングに力を入れているところです」

『取引先企業が直面している状況や課題を最も理解できる立場にあるのが地域の金融機関です。』とありますが、自戒を込めて、会計事務所がそうでないといけないように思います。
手数料ビジネスではなく、クライアントのために提案等をできるのが会計事務所だと考えています。
公認会計士や税理士の業界をあげて、事業承継やM&Aに取り組んでいかないといけないのではないかと改めて感じた記事でした。

中小企業の事業承継を地銀が支援していることについて、あなたはどう思われましたか?


ジャニーズ事務所ジュリー氏「代表取締役残留」は相続税支払い免除のためだった!

文春オンラインによると、2023年9月7日の会見で、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏(57)は、社長からの引責辞任を発表したが、同時に「性加害の補償への取り組み」を理由に、代表取締役の留任を明かしていました。

会見に先立ち、「外部専門家による再発防止特別チーム」は、性加害問題の背景に同族経営の問題があると指弾したうえで、ジュリー氏は代表取締役社長を辞任し、「解体的出直し」を図るべきだと提案していました。

なぜ、それでもジュリー氏は「代表取締役」に居座ったのでしょうか?
その主な理由が、ジャニーズ事務所が「事業承継税制」の特例措置で税優遇を受けるためだったことが、「週刊文春」の取材で明らかになりました。
同誌の取材に対し、ジャニーズ事務所も事業承継税制の特例措置を申請し、適用されていると認めました。

ジャニー氏が逝去したのは2019年7月で、ジャニーズ事務所の株は、メリー氏とジュリー氏の2人で分け合い、50%ずつ保有する形になりました。
さらに、2021年にメリー氏が亡くなると、メリー氏の株がジュリー氏にわたり、彼女は全株を保有することとなりました。

専門家が同業他社などの株価を勘案し、ジャニー氏が亡くなった時点での1株当たりの評価額を約200万円とした場合、ジュリー氏が納めるべき株に対する相続税は約860億円と推計できるそうです。
しかしながら、この巨額の相続税をジュリー氏は一切、支払っていないのです。
「事業承継税制」の特例措置を申請し、相続税の支払いを免れているからです。

それでは、「事業承継税制」とはどのような制度なのでしょうか?
税理士の板倉京氏が解説しています。
「近年、後継者不足や後継者の重い税負担を理由に、黒字廃業する中小企業が後を絶たない。そこで国は、2009年から中小企業の事業承継を後押しするため、『事業承継税制』を導入しました。2018年にできた特例措置が適用されれば、株式の相続税や贈与税の納税が猶予され、実質ゼロにできるのです」

ただし、ジャニーズ事務所が事業承継税制の特例措置で税優遇を受けるためには、ジュリー氏が「代表取締役」の座に座り続ける必要があります。

「相続税をゼロにするには、申告期限の翌日から5年間、代表取締役を務めないといけません。また5年後以降は株を継続して保有する必要がある。この税優遇の目的は、後継者が事業を円滑に次世代に繋ぐことを条件に、本来かかる税金を全額免除しますよ、というもの。なぜ、5年間かというと、後継者育成に最低5年は必要とされているからです。ジャニー氏が亡くなった際の、相続税の申告期限は2020年5月。そこから5年間つまり2025年5月まで、ジュリー氏は代表取締役を務める必要があるのです」(同前)

制度の適用対象は、非上場の中小企業です。
年間の売り上げが1,000億円を超えるジャニーズ帝国は中小企業といえるのでしょうか?

「サービス業の場合、従業員100人以下、もしくは資本金5,000万円以下のどちらかに該当すれば適用対象となる。同社の社員数は200人以上とされますが、資本金は設立以来ずっと変わらず、1,000万円に設定されており、中小企業扱いとなります」(同前)

もし、今回、ジュリー氏が代表取締役を辞任していたら、どうなったのでしょうか?
「精神疾患や要介護認定を受けるなど、やむを得ない事情を除き、特例措置の認定が取り消しになる。それまで猶予されていた相続税に利子分を加えて納税しなくてはいけません」(同前)

ジャニーズ事務所の同制度利用について、国税庁関係者は、「被害者やファンを馬鹿にした話」と憤っています。

「ジュリー氏が代表取締役を留任した最大の理由は、税金逃れに他ならない。このまま彼女は、性加害の被害者補償を名目に、2025年5月まで時間稼ぎをするつもりでしょう。もちろん事業承継税制を申請すること自体は何ら違法ではないが、きちんと会見で説明すべき。税逃れを隠して『被害者への補償・救済』へと目的をすり替えるのは、悪質な手口と言わざるを得ません」

「事業承継税制」の趣旨の観点から、前出の板倉氏が指摘しています。
「事業承継税制は、地道に経営する中小企業を助けるための優遇措置です。ジャニーズ事務所のように巨額の資産を保有する企業を想定していません。また先代の性加害への対応で芸能事務所として適切な事業継続が求められる中、免税のために留任しているのであれば、事業承継税制の本来の趣旨にも反していると言わざるを得ません」

ジャニーズ事務所に尋ねると、「事業承継税制を受けているのは事実です」と認めたうえで、次のように回答した。

「中小企業が事業および雇用の継続等を行うための事業承継税制であり、当社は雇用を維持し、事業を継続しております。法律事務所、会計事務所と協議し事業を継続するためには、どのようにするのが一番良いか話し合った結果であり、税金逃れと言われるのは大変遺憾です。(相続税の額が860億円か?との質問には)違います」

個人的には、この記事に、国税庁関係者が憤っているとありますが、ジュリー氏が事業承継税制を使っていることについては、批判されるべき話ではないと思います。
要件を満たしているからこそ、使えているわけであり、制度の趣旨にそぐわないというのであれば、制度の設計がおかしかったということだと思います。
相続税の猶予を継続するのであれば、要件を満たす(代表取締役であることを継続する)のは当然なのではないかと思います。
100%株主であり、また、事業承継税制を用いるときに、色々と検討したうえでやったわけでしょうから。
一方で、僕自身は、この件もそうだと思いますが、税制の要件を満たすために、経営における判断等が制約されるものは、そもそも使うべきではないと考えており、事業承継税制は、よほど納税できないという状況を除いては、色々と要件があるため使うべきではないと考えていますので、改めて、この考え方は間違っていないなぁと感じたニュースでした。

ジャニーズ事務所ジュリー氏「代表取締役残留」は相続税支払い免除のためだったことについて、あなたはどう思われましたか?


親族内承継は早めの行動と準備が必要!

中小企業にとって事業承継は重要なテーマですが、その選択肢の一つとして親族内承継があります。
しかしながら、適任者の選定や教育など、成功させるためには慎重な準備と対策が必要です。
J-Net21では、事業承継を考える経営者の方々に向けて、親族内承継の方法と注意点、メリット・デメリットなどについて解説しています。

1.親族内承継とは
親族内承継は、経営者が自身の親族(子供、孫、甥、姪、兄弟など)に会社の経営を引き継ぐことです。
この方法は、日本では最も一般的な事業承継手法ですが、親族内承継には適任者の選定や教育を含む複数年にわたる準備が必要なため、現経営者が健康なうちから計画を立てることが重要です。
親族内承継は、経営者が直接的に後継者を指名できるため、経営理念や企業文化の継承が比較的スムーズに行われることが特徴です。
この形態の事業承継を実現するためには、遺言書作成や各種税金対策などを事前に考慮することが重要です。
後継者不足が問題化している現在では、親族内承継の割合も年々減少しています。
このような背景もあり、事業承継や親族内承継は、早めの準備と対応がポイントとなるでしょう。

2.親族内承継のメリット
(1)早めの準備や後継者の育成が可能
親族内承継では、経営者本人の子供や兄弟などの親族が後継者となるため、早い段階で育成や事業の引継ぎ準備を始めることができます。

(2)従業員や取引先などの理解や協力を得やすい
円滑に事業承継を進めるためには、あらかじめ従業員や取引先に後継者を周知していくことが必要です。
日本では、現経営者の子供が会社を引き継ぐケースが一般的であり、その点で社内外の関係者を納得させやすい利点があります。
周囲に明確な説明を行い、後継者が事業を引き継ぐことについての納得を得ることで、得意先や金融機関との取引を円滑に引き継ぐことが可能となります。

(3)相続・贈与などの節税対策がしやすい
親族内承継では、経営者が生前に相続や贈与の計画を立てることができます。
これにより、相続税や贈与税の節税対策をすることができ、事業の継続性や財務面においてメリットを享受できます。

3.親族内承継のデメリット
(1)適切な後継者の不在
親族内承継では、経営者の子供や兄弟など親族が後継者となりますが、必ずしも経営能力や意欲があるとは限りません。
適任者が不在の場合、事業の継続と成長が困難になる可能性があります。

(2)後継者以外の親族とのトラブル
親族内承継では、後継者以外の親族との関係が事業に影響を及ぼす可能性があります。
相続や遺産の分配に関するトラブルが生じる場合もあり、経営者としての判断や意思決定に制約が生じることがあります。

(3)現経営者の借入に対する個人保証の問題
親族内承継では、現経営者が過去に行った借入に対する個人保証や、契約などの責任も後継者に引き継がれます。
これにより、後継者に負担がかかり、事業の安定性に悪影響を与えることがあります。
また、個人保証を引継ぐには、金融機関の承諾が必要ですが、変更が認められないケースもあります。

4.親族内承継の方法
親族内承継の流れは下記のような手順で進められます。
事業の継続や相続税の負担軽減に向けて、遺言書作成や税金対策などをしっかりと考慮し、専門家などの適切な指導を受けながら進めることが重要です。
(1)親族内から後継者を選んで育成する
事業を継続的に成功させるためには、後継者の選定と育成が重要です。
適切な資質を備えた一族のメンバーを選び、新しい役割を担うための適切なスキルと知識を身につけさせることが重要です。
後継者は、必要なトレーニングや能力開発を行えるよう、早い段階で選定することが望ましいと言えるでしょう。
また、後継者をどのように親族や従業員、その他の利害関係者に周知するかを検討することも重要です。

(2)株式など会社資産の承継準備をする
親族内承継を行うためには、自社株などの資産を移転する必要があります。
事業承継の早い段階で、所有割合などを明確にしておくことが望ましいでしょう。
そうすることで、将来の意思決定や経営管理が明確になり、トラブル(争族)の予防にもなります。
さらに、会社資産の譲渡による法的・税務的問題から、後継者を保護するための対策を講じることが可能になります。

(3)従業員や取引先に事業承継を周知する
従業員・株主・取引先に、事業承継について、周知するタイミングや方法も重要です。
事業承継のプロセスを早期に開示することで、利害関係者は経営者の交代に対応するために必要な調整を行うことができます。
また、懸念事項があればそれに対処し、円滑な移行のために必要な措置を講じることができます。

(4)実際の株式や会社資産の承継手続きを行う(相続・生前贈与・遺言など)
親族内承継の場合、慎重に遺言などを作成する必要があります。
遺言によって、重要な会社資産や株式を後継者に譲ることができます。
また、生前贈与によって株式などを引き継ぐ場合には、節税対策を検討する必要があります。

(5)借入などの個人保証を後継者に変更する
現経営者が会社の借入の個人保証や、個人資産を担保に入れている場合には、金融機関と交渉をして保証や担保を外し、後継者に替える必要があります。
変更がスムーズに行えるように、事前に交渉しておくことが重要です。

5.親族内承継の注意点
後継者不足が社会問題化している現在においては、事業承継を希望する場合には、早い段階から計画的に対策を講じることが重要です。
特に親族内承継は、親族だからこそ注意すべき点を考慮して行うことが求められます。
(1)後継者を早めに決めて対策を講じる
親族内承継を成功させるポイントは、後継者を早期に決定し、その育成に必要な対策を講じることです。
誰が経営者に最も適しているかは、意欲・野心・経営センスといった、個人の資質や適性に基づいて判断すべきでしょう。
事業承継の準備や、後継者選びが原因で、事業が衰退するケースも多いので、十分に注意しましょう。

(2)公正証書遺言を作成する
事業を親族に引き継ぐことを決めたら、遺言書の作成を行う必要がある。遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」がありますが、事業承継においては、公的な証明性の高い公正証書遺言を作成することが重要です。
公正証書遺言があれば、不測の事態に備え、現経営者の希望に沿った承継手続きを行うことができます。
まだお持ちでない場合は、司法書士などの専門家に相談して遺言書を作成することをおすすめします。
さらに、一度作れば良いというわけではなく、事業や状況やお気持ちに変化があった場合は、その都度遺言書を更新することが重要です。

(3)相続税や贈与税などを考慮して承継方法を決める
相続時には相続税が、贈与時には贈与税が課されることがあります。
例えば、株式の相続の場合、経営者に退職金を支払うなどして株式の評価額を抑え、生前に贈与することで節税できるケースもあります。

(4)有利な税制や補助金の最新情報を入手しておく
事業譲渡に伴う節税のためには、状況に応じて有利な税制や補助金などの、最新情報を事前に入手することが重要です。
現在は、事業譲渡に関する特例措置などが用意されており、関連する税金を最小限に抑えることが可能になります。
また、事業承継や後継者育成のための補助金もあるので、最新情報の把握は非常に重要です。

以前から何度も言っていますが、やはり、事業承継に重要なことは、早めに検討するということだと思います。
まだ早いと思わずに、早めにスタートして、事業承継計画を立てましょう。

親族内承継は早めの行動と準備が必要であることについて、あなたはどう思われましたか?


意欲低下が原因で中小企業の「事業承継したい」が過去最低に!

ニューススイッチによると、大同生命保険が発表した中小企業を対象にしたアンケートでは、「事業承継したい」と答えた企業の割合は53%と、2019年に同様の質問を始めて以来、最低となりました。

大同生命は、専門家の見方として「コロナ禍やインフレといった急激な経営環境の変化に中小企業が対応しきれていない」ことが原因の一つとしています。

調査によると、事業承継したいと答えた企業の割合2022年比で3ポイント低下し2019年比では20ポイント減と大幅に下がりました。
事業承継したいと答えなかった理由としては、廃業予定や後継者不在を挙げています。

企業からは「コロナ禍により業界構造が変化し、外注先の廃業が進んだ。今後が心配」(卸売業・南関東)との声があがっています。

事業承継したいと答えた企業に課題を尋ねたところ、「後継者の育成」が最多の48%となり、「後継者の選定・確保」が28%で続きました。

また、事業承継先を検討する際の相談相手を聞いたところ、公認会計士・税理士が61%、自社で検討が26%、銀行が20%の順番でした。

調査は2023年6月1日から28日に大同生命と契約のある企業を中心に大同生命営業職員が聞き取りで実施し、8,000社超の企業から回答を得ました。

災害やコロナなど何が起こるか分からず、経営環境の変化が激しい時代なので、設備投資や事業承継の意欲が低下するのは、当然のことのように思います。
サラリーマンをしているお子さんがいても、将来が見えない会社だと引き継ごうとは思わないでしょうね。
明るい未来が見えるようにならないと、国も数年前から事業承継を進めようとしていますが、なかなか厳しいでしょうね。

意欲低下が原因で中小企業の「事業承継したい」が過去最低になっていることについて、あなたはどう思われましたか?


羽二重餅の老舗が6代目への承継を機に和カフェをオープン!

朝日新聞によると、福井の銘菓「羽二重餅」の老舗(福井県福井市)が、6代目に事業を継承するのを機に和カフェを始めました。
来春の北陸新幹線福井開業を見据えた取り組みで、老舗の強みを生かして打ち出しました。

福井駅西口から約800メートル。
足羽川の近くで、かつて繊維業者が軒を連ねた地域の一角に「羽二重餅総本舗松岡軒」はあります。

1897年に高級絹織物「羽二重」を扱う織物屋として創業。
ただし、繊維業は浮き沈みが激しいことから、2代目が東京で菓子修業を積み、絹織物の白さと、なめらかな肌触りを表現し、1905年から販売したのが羽二重餅です。

現在は5代目の淡島律子さん(74)が切り盛りしています。
2014年に亡くなった夫の洋さんから引き継ぎましたが、事業承継は懸案でした。

後継ぎに期待されたのが長女の智子さん(49)でした。
大学進学を機に福井を離れ、東京都内で働いていました。
しかしながら、経営に関わったことはありません。
「自分の代で店が途絶えるのか」と考えても、継ぐのは重圧だと感じ、背を向けた状況が続いていました。

転機はコロナ禍です。
仕事量が減り、自分自身と向き合う時間が増えたのです。
娘は2人とも成人し、仕事も一段落していました。

「今、決断すれば10~15年は働ける」と考え、2022年春、Uターンしました。
国の委託を受けた「福井県事業承継・引継ぎ支援センター」に相談し、第三者の視点も入れて会社を分析しました。

強みは、代々受け継がれた材料の配合で築いた商品力です。
味にこだわり、粘りや保存を高める添加物を一切使わなかったことで、安心安全という評価も得ました。

一方で、老舗企業であっても人手不足は深刻です。
新たな事業展開を打ち出しにくい状況にありました。

たどり着いたのが、和カフェでした。
羽二重餅を取り入れたメニューを通じて、福井県内外の人に改めて魅力を感じてもらうのが狙いで、強みを伸ばせると考えました。

実は、本店で夏場を中心に販売するかき氷はカンナで削ったもので、明治期から続くロングセラー商品です。
この取り組みをリニューアルし、通年でカフェを構えることにしたのです。

目玉の抹茶パフェなどと一緒に提供する日本茶は、福井県内の専門店で試飲を繰り返し、合うものを厳選しました。
融資に関わった日本政策金融公庫福井支店の担当者は「和菓子の販売との相乗効果も期待できる」と話しています。

中小企業庁の2023年版「中小企業白書」によると、事業を承継した企業は、実施しない企業と比べて、売上高成長率が高い傾向です。
中小企業庁は、承継を機に事業を再構築し、企業の付加価値を高めたとみています。

4月21日に新装開店しましたが、智子さんは「福井を盛り上げる取り組みにつなげていきたい」と意気込んでいます。

2023年版中小企業白書によると、後継者の不在率は2017年の66.5%をピークに減少傾向にあり、2022年には57.2%となりました。
2011年以降の調査で初めて60%を下回りました。

一方、事業承継が円滑に進められなかったことが原因の倒産が増加しています。
帝国データバンクによると、そのことが原因の2022年度の倒産件数は487件となっています。
このうち半数近い48%は「代表者の病気・死亡」が理由でした。

不測の事態で会社の事業が途絶えてしまうことを意味し、「全体が減少傾向でも楽観できない」と中小企業基盤整備機構の担当者は指摘しています。

福井商工会議所が運営する「県事業承継・引継ぎ支援センター」によると、事業承継が行われた2022年度の案件のうち約7割は、「高齢・後継者不在」が事業を譲渡する理由でした。
全国平均より厳しい状況にあると言えそうです。

やはり、親族内で承継するにしろ、親族外で承継するにしろ、自社の分析(SWOT分析など)を行い、引き継いでもらえるような将来性のある状態に磨き上げておくことが重要だなぁと思った1件でした。

羽二重餅の老舗が6代目への承継を機に和カフェをオープンしたことについて、あなたはどう思われましたか?


「柿の種」の元祖である浪花屋が事業承継で再スタート!

新潟テレビ21によると、新潟ならではの米菓「柿の種」を巡る事業承継ですが、柿の種の元祖とも言われる長岡市の浪花屋製菓が新たな体制で再スタートしました。

創業100周年という節目に事業承継した浪花屋製菓ですが、引受先は同じく米菓を手がける新潟県小千谷市の阿部幸製菓です。

■浪花屋製菓 兼 阿部幸製菓専務 阿部幸明社長
「浪花屋製菓は元祖柿の種っていうブランドと歴史があってお土産の方での販売の強みがある。阿部幸製菓は業務用柿の種という販路と強みがある、お互いの強みを活かしてグループ一体になってともに成長し合う」

新型コロナ禍によるお土産の需要低迷と後継者問題が重なった浪花屋製菓ですが、歴史を絶やさぬため事業承継を選びました。

■浪花屋製菓 兼 阿部幸製菓専務 阿部幸明社長
「実は中越地震の時に、阿部幸製菓は震源地だったので被災した。商品供給が滞った時に浪花屋製菓から助けてもらった経緯がある」

阿部幸製菓が設立した新たな会社が引き継ぐ形で「浪花屋製菓」の名前・商品も、約70人の従業員の雇用も守られました。

■浪花屋製菓 螻健児 製造部長
「今まで以上にお客さんに喜んでもらえるネットワークが広がることになるので日本を超えて世界にもサービスを届けられるように広げていきたい」

今後はお互いの強みを生かして海外も含めた販路開拓商品開発を進めます。

■浪花屋製菓 兼 阿部幸製菓専務 阿部幸明社長
「柿の種や米菓の世界・海外に向けての発信。両者の強みを活かしてともに成長していきながら次の100年につなげていくことを目指していきたい」

こういう老舗は守っていきたいですね。
それなりの規模の会社となると、営業マンや職人などではなく、経営者が必要になってきますが、親族内にも会社内にもそういった人はなかなかいないでしょうから、外部に求めるのは至極当然のことのように思います。
今後、こういった流れはどんどん進んでいくのではないかと思います。

「柿の種」の元祖である浪花屋が事業承継で再スタートしたことについて、あなたはどう思われましたか?


徳島県の中小事業者の11%が事業承継せず「清算・廃業」!

2023年06月02日(金)

朝日新聞によると、後継者の確保に悩む企業などを支える徳島県事業承継・引継ぎ支援センターが、徳島県内の中小・小規模事業者に事業承継の進め方をアンケートしたところ、経営資源を引き継がずに「清算・廃業予定」と回答した社が11%を占めたようです。
センターは、相談会を開くなど、廃業をなくす取り組みに力を入れたいとしています。

センターは中小企業庁・四国経済産業局の委託を受けた公的相談窓口で、徳島市南末広町5丁目の徳島経済産業会館内にあります。
2023年2~3月に代表者・経営者が55歳以上の徳島県内3,076社を対象に調査をし、809社から回答を得ました。
結果の公表は、2023年4月24日付けです。

事業承継の課題(複数回答)を尋ねると、「後継者育成」が36.54%、「後継者未定」が24.32%、「負債」が15.05%でした。

現在考えていたり、決めたりしている承継方法は「親族承継」52.20%、「役員・従業員承継」12.05%、「第三者M&A(合併・買収)」7.65%の順でした。
一方で、「清算・廃業予定」も11.67%ありました。

清算・廃業を選んだ事業者に「引き継いでくれる会社・人材が見つかれば譲渡を検討するか」と聞くと、「するつもりはない」30.93%、「わからない」25.77%、「相手の会社や経営者により検討」15.46%といった回答でした。

センターの担当者は、「譲渡したくないという回答が予想より多かった。廃業は地域経済や雇用への影響が大きいため、セミナーや相談会を通じて事業者の意識を変えていきたい」と話している。

国が事業承継に取り組みだして、結構経ちますが、まだまだ経営者の方々には重要性が伝わっていないということしょうね。
こういったアンケートも結構やっていると思いますが、フォローができていないんでしょうね。
徳島県だけの話ではなく、我が香川県でも同じような状況かと推測されますが、やはり、事業承継するとなると、後継者が引き継ぎたいと思うような財務内容、将来性などが必要になると思いますので、そのあたりが見いだせず、自分の代で、終わりにしようと考える経営者の方々が一定数いらっしゃるのは仕方ないと思いますが、従業員の方の雇用もできれば守っていきたいでしょうし、経営者ご本人が買ってくれるところはないだろうと思っていたとしても、価値を見いだし買ってくれるところもあるかもしれませんので、少しでも、清算・廃業しようと考えているところを減らすことのお手伝いが何かできないかなぁと感じます。

徳島県の中小事業者の11%が事業承継せず「清算・廃業」を考えていることについて、どう思われましたか?


筑邦銀行が北九州市のふく太郎本部の株式を取得!

㈱筑邦銀行(久留米市諏訪野町、佐藤清一郎頭取)は、先日、事業承継ファンドの㈱事業承継機構(東京都千代田区、吉川明社長)との合弁会社を通じて、ふぐ加工食品製造加工の㈲ふく太郎本部(北九州市門司区白野江1丁目)の株式を取得したようです。

両社では後継者不在など事業承継に課題を抱える中小企業にファンド「ちくぎん事業承継投資事業有限責任組合」(ファンド総額10億100万円)を通じて投資して、事業継続や雇用の維持を目指す取り組みを2020年11月から実施しました。

今回が2号案件となります。
新社長には千葉忍氏が就き、創業者で前社長の古川順一氏は相談役に就きました。

合弁会社の㈱ちくぎん事業永久承継では同社の株式を永年保有し、事業継続を支援します。
同行では「中小企業廃業の急増により、2025年頃までに約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性がある『2025年問題』が問題視されています。事業承継問題を積極的に解決し、『必要な企業は地域に残す』『地域の雇用を守る』ことで、地域とともに成長・発展していくことを目指す」と話しています。

地域のためにも、地域の名店などを残していくことはすごく重要なことだと思います。
ただし、ファンドが永年保有するのはどうなのかなぁという気はします。
どこかのタイミングで、経営陣がバイアウトして、自由に経営していくほうが企業の将来的な成長につながるのではないかと思いますね。

筑邦銀行が北九州市のふく太郎本部の株式を取得したことについて、どう思われましたか?


日本企業の約半数が「同族企業」 でその事業承継に潜むリスクと失敗パターン!

日刊ゲンダイによると、企業の後継者不足が深刻です。
近年は、大企業にかかわらず中小企業の事業承継も増え、家族間のトラブルも起きています。
「いきなり事業承継」(講談社)の著者で、税理士法人小形会計事務所所長の小形剛央氏は、公認会計士・税理士として中小企業の税務顧問や事業承継のコンサルティングを行っていますが、実際、後継者の能力やマインドが不十分なまま事業承継した結果、短期間で従業員や取引先が離れてしまい、数年で廃業に追い込まれたという会社をたくさん見てきたそうです。
失敗パターンとして多いのが「同族経営」のケースです。

日本の上場企業は、ファミリービジネス(同族経営)が53%、単独経営が10%、一般企業が37%という構成で成り立っています。たしかにお子さんである後継者は、小さいときから経営者としての親の背中を見て育ってきています。
そのため、経営の細かい内実はわからないにせよ、従業員や取引先を大切にする気持ちや、経営者としての責任感などを体感として学び、持ち合わせているものです。

ところが中小企業や零細企業の場合、「家族だから」という盲目的な信頼によって、経営能力がない我が子を後継者に据え、失敗してしまう例が非常に多いのです。

創業から50年近く経つ産廃関連会社(売上約5億円)のケースです。
ニッチな分野ではありますが、クライアントや従業員からも信頼されており、着実な経営を続けていました。
仕事一筋だった先代経営者は、「これからは家族のために何かしてあげたい」という気持ちを強く抱き、自身が80歳に近づいたタイミングで娘(43歳)に会社を継がせることにしました。
しかし、娘にはリーダーシップがなく、目先の利益を優先して行動するタイプで、承継後まもなく経営に致命的な損害を与え、1年も経たずに事業は廃止となりました。
その後、先代経営者も心労から持病が悪化し、お亡くなりになったのです。

また、建設業(リフォーム=売上約3億円)の65歳の先代経営者は、息子(35歳)を後継者にすることを決めていたものの、「年齢的には、まだまだ現役としていけるだろう」と考えていました。
しかし、引き継ぐ前に先代経営者が急死したことで事態は一変します。
後継者である息子も、引き継ぐのはまだまだ先のことと考えていて、心の準備もできていなかったのです。
もちろん後継者に経営の知識や経験はほとんどなく、それどころか、「経営者になったら経費を使いたい放題だ」くらいの考えしか持っておらず、非常に危険な状態でした。
結局、バタバタと承継したものの、その後すぐに従業員の退職が相次ぎ、取引先は離れていき……と、わずか1年足らずで廃業寸前まで追い込まれてしまったのです。
何の準備を何もしないまま「親族」という理由だけで後継者を選ぶと、ほぼ確実に会社が立ち行かなくなってしまいます。先代経営者は、自分の子どものことだとフィルターがかかって正しい判断を下しにくくなるため、後継者候補を選定する段階で第三者の意見を聞くことが大切です。
また、経営者には「元気だからこそ、今のうちに準備を進めよう」という意識が必要です。
高齢になるほど、突然死のリスクは高まります。
急死すると同時に資金繰りがショートするという事例も、決して少なくありません。
突然死でなくとも、ケガや病気で入院せざるを得なくなったり、それまでのように働けなくなったりという恐れもあります。

結局、事業承継は、計画(事業承継計画)を作って、できるだけ早く取り組みましょうということだと思います。
お子様に引き継ぐことがベストだと限りませんし、お子様が引き継がないかもしれませんし、一般的に、事業承継は5年から10年かかると言われていますので、年齢的な問題や突然死のリスクを考えると、早く取り掛かることに越したことはありません。
何を誰に相談すればいいのかわからないかもしれませんが、事業承継の相談を行っている士業、金融機関、公的機関などはたくさんありますので、相談しやすいところに相談してみればいかがでしょうか?

日本企業の約半数が「同族企業」 でその事業承継に潜むリスクと失敗パターンについて、どう思われましたか?


「休廃業」企業の7割が十分な資産があった!

読売新聞によると、2022年に休廃業や解散した山梨県内の企業のうち、十分な資産があるのにもかかわらず休廃業や解散した企業が7割近くに上ることが、帝国データバンクの調査で分かったようです。
事業承継や事業改革の課題を克服する見通しが立たない中でコロナ禍となり、経営へのダメージが広がる前に休廃業などを決断したとみられます。

帝国データバンク甲府支店によると、2022年に休廃業や解散した山梨県内企業は340件です。
このうち資産が負債を上回る「資産超過型」の割合が前年比7.2ポイント増の67.9%で、2016年に現在の手法で調査を始めて以来最高でした。
コロナ禍となった2020年から急激に増えており、担当者は「コロナ禍が経営に影響し、資産がなくなる前に事業をやめることにした」と分析しています。

休廃業や解散した企業の代表者の年齢は、前年並みの平均71.4歳です。
年代別では70代が35.4%で最も多く、80代以上が28%、60代が21.2%で続きました。
80代以上は前年比7.5ポイント増で、事業承継がうまくいかないまま高齢化が進んでいるとみられます。
担当者は「(高齢の経営者が)判断に迷った末に、休廃業・解散を余儀なくされている可能性もある」と話しています。

こうした状況に危機感を持った山梨県や商工団体は、事業承継のサポートに取り組んでいます。

山梨県は2018年7月、商工団体や金融機関などと「山梨県事業承継ネットワーク会議」を設立し、2021年には、やまなし産業支援機構に「山梨県事業承継・引継ぎ支援センター」を設置しました。

同会議が、事業承継を希望する事業者を掘り起こし、センターが金融機関や、企業の合併・買収(M&A)を専門に行う業者を紹介するなどしています。
2021年度に事業承継が成功した件数は45件で、目標(39件)を上回りました。
同会議への相談も3,250件で、目標(1,547件)の2倍以上となりました。

また、補助金も用意し、企業価値の簡易算定や事業を引き継ぐマニュアルの作成、M&Aにかかる経費などの3分の2(上限50万円)を助成しています。

山梨県商工会連合会は会員事業者へのアンケートで事業承継のニーズを把握し、中小企業診断士や税理士といった専門家を派遣するなどしています。

山梨県産業振興課は「すばらしい技術を引き継いでいくためにも、事業者の掘り起こしに力を入れていきたい」と話しています。

山梨県に限らず、基本的に地方は同じような状況だと思いますが、まだまだ、会議やセンターの認知度はそれほど高くないのではないでしょうか?
国も力を入れていることは間違いないと思いますが、普段事業者と接している我々会計事務所や金融機関や商工会議所・商工会などが、もっともっと頑張らないといけないですね。

「休廃業」企業の7割が十分な資産があったことについて、どう思われましたか?


2022年6月で閉店した福岡県柳川市の名物回転焼きのお店の味が事業承継で復活!

読売新聞によると、2022年6月末で閉店した福岡県柳川市辻町の「まよい焼き でんちゃん」の回転焼きが、同市坂本町にオープンしたベーカリーカフェに引き継がれたそうです。
市民のソウルフードとして親しまれ、惜しまれながら30余年の歴史に幕を下ろしたでんちゃんの元女将おかみである高崎貴美代さん(79)は「良い事業承継先が見つかり、うれしい」と 安堵しているようです。

事業を引き継いだのは、「tanabata(たなばた)」です。
同市などでコンビニを経営する会社「Newem」社長の石橋隆也さん(37)が、日吉神社そばの古民家を改装し、9月17日にオープンさせました。

石橋さんは小学生の頃にでんちゃんの常連で、「安くておいしい」まよい焼きの味を覚えていました。
体調が優れず、店を閉めることにした高崎さんが事業承継を望んでいることを知り、柳川商工会議所に相談をすると、福岡県事業承継・引継ぎ支援センターを紹介され、高崎さんと引き合わせてもらったそうです。

高崎さんは「しっかりしていて人物も良い」と、石橋さんへの承継を決断しました。
カフェの店舗前に止めたキッチンカーに回転焼きの機材が据えられると、「もう一踏ん張り」と足を運び、石橋さんらに作り方を指導しました。

店名の由来となり、選ぶのに迷うほど種類が多い具材は定番の黒あんと白あんをはじめ、チョコレート、ベーコン、ピザなど14種類もあり、一つ一つを丁寧に教えました。
10月中旬に販売を始めると多くの客が訪れ、連日100個以上を売り上げるほど人気になしました。
高崎さんは「石橋さんがもっと自信を持って作れるよう、しばらくは教え続けようと思う」と話しています。

石橋さんは「場所や人が変わっても味は変わらず、きちっと引き継ぐことを大事にしたい」と誓い、将来はキッチンカーで市外にも出向き、まよい焼きの魅力を広げる夢も描いているそうです。

このようなケースが、本当の事業承継なんでしょうね。
我がうどん県高松市でも、今年、昔、高松の監査法人で働いていたころに時々行っていたビーフレストランウエノやグリル山が閉店になりましたが、個人的には事業承継で誰かが引き継ぐことができなかったのだろうかと残念な気持ちでいっぱいです。
こういった名店を、てんちゃんのように、事業承継で残していけるお手伝いをどうにかしてやっていけないだろうかと思う今日この頃です。

2022年6月で閉店した福岡県柳川市の名物回転焼きのお店の味が事業承継で復活したことについて、どう思われましたか?


若手後継者が新市場を開く[業を継ぐ]ベンチャー型事業承継に注目!

読売新聞によると、家族や親族らが営む会社の若手後継者らが、本業を守りつつ新事業などに挑むケースが目立ち始めているようです。

「ベンチャー型事業承継」と呼ばれる取り組みで、事業の継続と、新市場の開拓などによる会社の成長を両立させるのが狙いのようです。

「みそ汁に入れたり、ポップコーンにかけたりと、使い方は様々です」と、野菜加工を手がける「村ネットワーク」(大分県豊後大野市)の応和春香常務(37)は、自身が開発した野菜パウダー「ベジマリ」を手に笑顔を見せています。

応和さんが家業を継ぐため同社に入ったのは2016年です。

大分県大分市で臨床心理士として働いていましたが、2005年に同社を設立した父の小原秀樹社長(66)から「後継者がいない」と聞き、思い切って転身しました。

同社は、地元の規格外野菜をカットして学校給食用などに販売する事業が主力ですが、生野菜のため賞味期限が短く、販路も限られていました。

応和さんは、野菜をパウダーにすれば用途と販路が広がることに着目し、ニンジンやカボチャなどを原料に、栄養素を逃がさないよう低温乾燥など製造法にこだわって2019年に完成させました。

臨床心理士の経験も生かし、女性が手に取りやすいようシンプルなデザインのパッケージも考案しました。

年間4,000個が売れるヒット商品となり、日本貿易振興機構(ジェトロ)の商談会を機にフランスと豪州にも取引が広がりました。

応和さんは「新事業を通じ、会社を継ぐ自負が生まれてきた。父が大事にしてきた会社を残したい」と話し、小原社長も「私では生み出せなかったであろう商品を開発してくれた」と目を細めています。

増田桐箱店(福岡県古賀市)の3代目である藤井博文社長(35)も、アイデアで市場を切り開いた後継者の一人です。

社長に就いた約10年前はリーマン・ショックの影響で高級品の需要が伸びず、工芸品を入れる桐箱の卸販売も低迷していました。

「自分と同年代の消費者が気軽に買える商品が作れないか」と、知り合いのデザイナーの協力を得て2015年頃に米びつやブックエンド(本立て)などを開発してインターネットで販売したところ人気となり、小売り事業は売上高の2割を占めるまで成長しました。

藤井社長は「職人や社員の意識向上にもつながった」と手応えを語っています。

中小企業の社長が後継者を決めるときの選択肢として最も多いのは、家族や親族ら「同族承継」とされています。

東京商工リサーチが2021年、全国の中小企業約17万社を対象に調べたところ、後継者が「いる」とした約72,000社のうち67%は経営者の息子や娘らが後継ぎで、従業員を昇格させる「内部昇進」の17%を大きく上回りました。

経営を受け継いだ若手による「起業」が相次ぐのは、情報技術(IT)の進化などで経営を巡る環境が一変し、生き残りに向けて新たな対応が必要となっているためです。

九州・山口でホームセンター「グッデイ」を展開する嘉穂無線ホールディングス(福岡県福岡市)の柳瀬隆志社長(46)が2016年の就任後に力を入れたのは、デジタル技術の活用です。

店舗などで得られるデータを分析して営業や在庫管理などに生かし、売上高を就任前の1.2倍に伸ばしました。

2017年には企業のデータ分析を支援する新会社も設立し、事業領域を広げています。

ただし、家業を継いだ経営者が始めた事業が軌道に乗るかどうかは未知数で、失敗すれば大きな損失につながる恐れもあります。

新事業に傾注しすぎると本業とのバランスが崩れる可能性もあり、従業員の理解を得られるかが課題となります。

事業承継に詳しい早大ビジネススクールの入山章栄教授は「中小企業の活性化は経済成長に不可欠で、ベンチャー型事業承継は有効な手段だ。後継者が30~40歳代の頃から任せるなど、経営トップが思い切った世代交代を図る必要がある。後継者は、産業構造や市場の変化に応じた事業に取り組むことが求められる」と指摘しています。

ベンチャー型事業承継を巡っては、地域企業の廃業が減って経済活性化につながるとみて、自治体などの支援も充実してきています。

大分県は2022年9月、家業を継ぐ40歳以下の後継者ら10人に対し、デザインや市場分析などの専門家が手助けする事業を始めました。

福岡県も、新商品の開発などを目指す後継者らの相談に応じる制度を設けており、今年度は選ばれた8社をサポートしている。

若手後継者を支える全国組織もあります。

企業経営者らでつくる一般社団法人「ベンチャー型事業承継」(東京)は、新事業の開発支援や、投資家との仲介などを行っています。

九州地区担当の山岸勇太・事業戦略マネージャーは「企業が存続するためにも、若い世代の後継者によるイノベーション(革新)が必要だ」と話しています。

後継者が会社を引き継いだときに悩むのが、既存事業の安定・成長と、新規事業だとよく言われます。

どちらかだけというわけではなく、時代の変化を読み取り、バランスを取ることが必要かと思います。

新規事業は、もちろん、必ずしもうまく行くとは限りませんし、結果が出るまでに長期間を要するものもあります。

場合によっては、会社の存亡危機に陥るかもしれません。

しかしながら、商売の面白さは新しいことをすることではないかと思っています。

周りのサポートを受けながら、新規事業を軌道を乗せ、地域活性化につながればいいですね。

若手後継者が新市場を開く[業を継ぐ]ベンチャー型事業承継に注目が集まっていることについて、どう思われましたか?


ソフトバンクGは3人いた副社長がゼロに!

読売新聞によると、ソフトバンクグループは、先日、ラジーブ・ミスラ氏が副社長を辞任したと発表しました。
ソフトバンクグループでは2018年に3人の副社長が就任し、一時は孫正義会長兼社長の後継者候補と目されていました。
すでに2人が退社しており、ミスラ氏の辞任で副社長はゼロとなりました。

ミスラ氏は、欧州の大手銀行などを経て2014年に入社し、2017年にソフトバンクグループ傘下の新興企業向け投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の設立を主導しました。
副社長辞任後も、SVFの運営責任者は続けるようです。

ソフトバンクグループの副社長では、ゴールドマン・サックス証券副会長やゆうちょ銀行副社長を歴任した佐護勝紀氏が、2021年辞任しました。

2022年1月には、海外事業を統括するマルセロ・クラウレ氏も退社しました。

ソフトバンクグループは2022年4~6月期連結決算(国際会計基準)で、投資事業の低迷により最終利益が3兆1,627億円の赤字に陥るなど、厳しい経営環境が続いています。

ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井さんや日本電産の永守さんなどもそうですが、 日本を代表する優秀な経営者で、会社をすごく大きくされましたが、後継者が未だにいないです。
経営者の重要な仕事の一つは、後継者を見つけたり、育てたりすることだと思いますので、その点については、御三方ともにできていないということです。
もちろん、ご本人が非常に優秀なので、ご本人が求めるレベルに達する方がいまだにいないということだと思いますが、そういうレベルの方は世の中にはそうはいないということを認識するというのも重要なのではないかと思います。

ソフトバンクGは3人いた副社長がゼロになったことについて、どう思われましたか?


2021年度は後継者難倒産が深刻化!

日本経済新聞によると、後継者がいないために倒産や廃業をする企業が東京都内で増えています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行政の資金繰り支援策で企業倒産件数は低水準に抑えられていますが、後継者難による倒産は2021年度に過去最多を更新しました。
経営者の高齢化が進む中、金融機関などは事業承継や事業再生の支援強化を急いでいます。

「早く後継者を決めなければ……」と、東京都内で内装業を経営する80代女性は危機感を口にしています。
社長の夫は90歳を超えました。
後継者候補として迎え入れた社員との調整もうまく進まず、脳裏に”廃業”の2文字がよぎているようです。
女性は「取引先との人間関係が重要な仕事。経営者として任せられるようになるには何年もかかる」と事業承継の難しさに直面しています。

東京商工リサーチの調査では、2021年度の後継者難による東京都内の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は86件で、中小・零細企業が中心で、統計を取り始めた2013年度に比べ倍増しました。
特に2021年度は前年比で40.9%増え、増加ペースが大幅に加速しました。

東京商工リサーチによると、新規出店の減少に伴い需要が縮小した建築内装関連などが目立つそうです。
要因別では、代表者の死亡と体調不良が約8割を占めました。
東京商工リサーチは「後継者の育成や事業承継が後手に回っていたところに経営の中核を失い、事業継続を断念するケースが大半」と指摘しています。

経営者の高齢化は深刻さが増しています。
中小企業白書によると、最も多い経営者年齢層は2000年は50~54歳だったのに対し、2015年は65~69歳となりました。
2020年も70歳以上の経営者の割合は高まりました。
廃業する企業数も高水準で推移していて、東京都内の金融機関の幹部は「経済の規模が拡大し続けてきた東京では、事業承継を考えていなかった経営者が地方よりも多い」と明かしています。

中小企業が地域から減っていく厳しい現実を受け、金融機関などはより実効性の高い支援を展開する必要性に迫られています。
東京都墨田区では、東京東信用金庫と区内に拠点を置く地元の3信用組合が連携協定を2月に締結し、利害が対立しがちな組織の枠を超え、企業情報を共有しながら事業承継を支援する体制を整えました。

全国信用金庫協会によると、こうした金融機関主導の取り組みは全国的に珍しいそうです。
担当者は「業態をまたぎ、顧客の方を向いて足並みをそろえて取り組むのはいいこと。今後広がっていくのでは」と話しています。

長引くコロナ禍で都内の事業所は疲弊しています。
行政の資金繰り支援で倒産件数は抑制されているものの、ウクライナ情勢の悪化もあって経営環境は一層厳しくなっています。
増大する債務に苦しむ中小の支援を強化するため、経済産業省は2022年4月1日、中小企業活性化協議会を設置し、収益力改善や事業再生などの一元的なサポートに力を入れます。

事業再生支援が専門の宮原一東弁護士は、コロナ禍で受けた融資の返済期限が多くの企業で迫ってきていることに関し「(2回目の)『おかわり』の融資はハードルが高い。資金繰りがつかず、やむを得ず倒産する会社が増える可能性がある」と見通しています。
その上で、中小企業活性化協議会について「再生支援のニーズは多い。マンパワーを拡充するなどして、事業再生の案件を増やしていくことが望まれる」と指摘しています。

長引くコロナで廃業を決断する経営者も多いのでしょうが、地域経済や雇用などをまもっていくためにも、事業承継に早めに取り組んでほしいですね。
事業承継も経営者の重要な仕事の一つですから。
毎回、このような記事を見るたびに思いますが、国や金融機関や会計事務所がなかなか事業承継に取り組んでこなかったことが原因であり、僕自身も公認会計士・税理士として、事業承継のお手伝いをして、1社でも倒産や廃業を防ぎたいと思っています。

2021年度は後継者難倒産が深刻化していることについて、どう思われましたか?

北信越の事業承継は新潟の酒蔵を中心に「後継は非同族」で広がる!

日本経済新聞によると、北信越5県の2021年の後継者不在率を2011年と比べたところ、新潟・福井・長野が改善(低下)した一方、石川・富山は悪化(上昇)したようです。
4年連続で不在率が改善した新潟では、日本酒業界を中心に後継者難から非同族への承継が広がっています。
また、各地域では事業承継を支援する組織を設立し、技術や伝統を次代につなげて、地域再生に生かそうとしています。

日本三大夜桜の地としても知られる高田城址公園(新潟県上越市)からも近い地にある1804年創業の老舗造り酒屋、上越酒造は、2021年秋に導入した新設備で「越後美人 初しぼり」を初出荷しました。
旧来の設備も展示用に残し、見学もできます。

「上越に酒造りを残すことができ、本当に良かった」と、飯野美徳会長は語っています。
後継者がおらず、廃業も視野に相談した関東甲信越酒税担当官から紹介をされたのが「新潟県事業承継・引継ぎ支援センター」です。
にいがた産業創造機構(NICO)内に2015年7月に設立されました。

新潟県内外から多くの譲り受け希望会社が名乗りをあげたなか、選ばれたのは公営競技の企画・運営を全国展開する日本トーター(東京都港区)でした。
日本トーターは、地方創生につながる新事業開発の一つとして日本酒業界への参入を検討していました。
新潟とは、妙高市の競輪場外車券売場「サテライト妙高」や全国で唯一、村が運営する「弥彦競輪場」などで縁があったのです。

上越酒造は2021年8月に日本トーターの子会社となりました。
新設備を導入し、機械化・省人化を推進し、温度などのデータ管理も工場に泊まる必要なくスマホで遠隔で確認できるようにしました。
新ブランド開発に加え、競技場ごとのオリジナルラベル日本酒なども検討し、シナジー効果を高める考えです。

日本のアンデルセンといわれた児童文学作家・小川未明の「赤い蝋燭(ろうそく)と人魚」ですが、そのモチーフとされる日本海に近い上越市の海岸近くにある小山酒造店の看板商品の一つだったのが「人魚の里」です。
江戸時代から続く老舗を半世紀の間、守ってきた小山伸一さんですが、後継者不在で国税局酒類業調整官に廃業を打診したところ、新潟県事業承継・引継ぎ支援センターを紹介されました。

3年程度をメドに自宅に隣接する会社名義の工場・作業場などを解体し、更地に戻したい小山さんの意向を受け、譲り受け候補先を探しました。
登録民間支援機関の大光銀行(新潟県長岡市)が伝えてきたのが、低たんぱく米を製造するバイオテックジャパン(新潟県阿賀野市)でした。
新潟県事業承継・引継ぎ支援センターと、バイオ社のアドバイザーとなった大光銀行が連携し支援しました。

バイオ社は自社の発酵技術を生かし清酒製造業への参入をめざしており、主力商品の低たんぱく米を使った酒造りなどを計画しており、清酒製造拠点は阿賀野市に移します。
まだ使える設備は移設します。
「雪解けが進んだら阿賀野に行く」と、2021年12月に事業承継の最終契約を結び、技術顧問として残る小山さんには技術の伝承という大仕事が残っています。

「やめるのが早いと言われるが、早いうちがいい」と、2022年に創業60年を迎えた自動車販売・整備の旭自動車工業(新潟市)の原山徹社長は、こう話しています。
86歳の父親が創業した同社の株式の大半を中古車販売のONE&PEACE(新潟市)に売却しました。
ONE&PEACEの販売網と、旭自動車工業が地元で培った顧客への対応力や整備技術のシナジー効果をめざします。

広い県土をもち「車社会」の新潟県のなかでも新潟市などの下越地域では「過当競争で我慢比べの状況が続いている」(原山さん)。
20社ほどの候補先があるなかから選んだのが「新潟県事業承継・引継ぎ支援センター」から紹介されたONE&PEACEでした。
原山さんは「顧客へのサービスと従業員の雇用を守り、父親が作った会社を続けるための最善の選択ができた」と語っています。

地方企業の事業承継を手がける企業も生まれています。
新潟ベンチャーキャピタル(VC、新潟市)取締役などを務める星野善宣氏は2021年5月、エスイノベーション(新潟市)を設立しました。
星野最高経営責任者(CEO)は「小規模事業者の想いやストーリーを引き継げる後継者を探していきたい」と話しています。
スタートアップや首都圏の人材との連携も仲介し、地方企業の成長を後押しします。
スノーピークの山井太会長、デジタルホールディングスの野内敦社長らも取り組みを支援します。

北陸3県で唯一、不在率が改善した福井は、歴史的に中小企業や家族経営が多く、福井商工会議所の調べでは5割近い経営者が60歳代以上です。
帝国データバンクによると、コロナ禍前の2019年の「休廃業・解散率」は全国で首位でした。
危機感は強く、福井県は2022年度当初予算案に、中小企業の経営を県外から引き継いだ社長に奨励金300万円を支給する事業を計上しました。

2022年1月31日、地元電器店のデンキ・ビート(福井市)は開業4年目の新興IT企業、PTOK(同)と事業譲渡契約を結びました。
社長が70歳を超え廃業を考えていましたが、業容拡大を狙う若手IT経営者の意向と一致しました。
福井商工会議所内に2021年4月に設置された「福井県事業承継・引き継ぎ支援センター」の仲介です。

福井県事業承継・引き継ぎ支援センターは全国に先駆け福井弁護士会と提携し、依頼料の一部を補助するなどしてM&A(合併・買収)案件に早期に県内弁護士が関与する仕組みを構築しました。
中小零細企業では弁護士を頼みづらいことも多く「法律面の安心感につながる」との声が上がるほか、弁護士側も県内ではまだ数少ないM&Aの経験を積めます。

福井県事業承継・引き継ぎ支援センターは2021年4月、第三者承継と親族承継の相談窓口を一本化する形で発足しました。
2022年1月までの相談件数はすでに前年度比6割増、第三者承継の成約率も4割増えています。
弁護士紹介のほか、民間M&A仲介会社からも出向を受け入れ、相談機能を強化します
他都道府県の同様のセンターに比べ、広報に力を入れ案件の掘り起こしを進めています。

士業とセンターがうまく連携できているところは、事業承継がうまく進んでいるみたいですね。
中小零細企業は、センターとかを利用して、うまく事業承継できれば、雇用も継続できますし、技術なども後世に残していくことができますので、こういった取り組みが、全国的に広がると良いなぁと思います。
今なお社長の高齢化が進んでいるようであり、早く、事業承継を進めていかないと将来の日本経済に大きな影響が出るのではないかと思っています。

北信越の事業承継は新潟の酒蔵を中心に「後継は非同族」で広がっていることについて、どう思われましたか?


社長の平均年齢は60.3歳と「社長の高齢化」に歯止めがかからず!

帝国データバンクによると、「社長の高齢化」に歯止めがかからないようです。
帝国データバンクの調査では、2021年の平均社長年齢は60.3歳(前年比+0.2歳)となり過去最高を更新しました。
調査を開始した1990年以降右肩上がりの状況が続いています。
事業承継や世代交代などが進んでいない現状が表れており、後継者の選定・育成など事業承継が課題として一段と鮮明になっています。

内閣府の発表した『令和3年版高齢社会白書』によると「日本の高齢化率は世界で最も高い」とされています。
また、2022年以降は団塊の世代が後期高齢者になり、事業承継の課題が一段と深刻になるといわれる「2025年問題」まで残り3年となるなど、高齢化の問題は日本社会に重くのしかかり今後さまざまな影響が懸念されています。
特に企業においても代表者の平均年齢は年々上昇を続け、2020年には調査開始以来初の60歳超となりましたが、2021年はさらに社長の高齢化が進んだ格好となりました。

2021年の社長の平均年齢は60.3歳(前年比+0.2歳)と、調査を開始した1990年以降右肩上がりの状況が続き、31年連続で過去最高を更新しました。
年代別の割合をみると、「50代」が構成比27.6%を占め最多、「60代」が同26.9%、「70代」が同20.2%で続いています。
また、交代企業の平均年齢は交代前の68.6歳に対して交代後は52.1歳となり、交代による若返りは平均16.5歳となりました。

社長の高齢化が進むと、年齢を理由に引退を迎える社長が増えると予想されますが、企業がこれまで培ってきた事業や貴重な経営資源を次世代の社長(後継者)へ引き継いでいくことは重要です。
そこで、社長年齢別に後継者の有無について確認すると、「60代」では約半数、「70代」は約4割、「80代以上」は約3割で後継者が不在となっており、社長年齢の高い企業においても、後継者が不在の企業が多く存在することが分かります。

2021年の社長年齢の平均は昨年比で「50代」と「80代以上」が増加しました。
「70代」の増加幅は昨年までと比べると落ち着いたものの、引き続き「70代」と「80代以上」を含めた70歳以上の代表が全体の25%近くを占める高齢化の傾向が続いています。

昨今のコロナ禍以降、事業環境が急激に変化するなか、依然6割を超える企業が後継者不在であるものの、4年連続で不在率は低下し過去10年で最も低くなりました。
後継者問題に対する社長の意識に変化がみられ、明るい兆しも見えてきています。

一方で、2021年の社長交代率は、3.92%と依然低水準の状態が続いています。
直近2年では改善傾向となっているものの、リーマン・ショック以降低下した交代率が元の水準に戻りきっているとはいえず、引き続き低水準を脱していない点は否めません。

帝国データバンクが実施した「事業承継に関する企業の意識調査(2021年8月)」では、「後継者への移行にかかる期間」を3年以上と回答した企業が半分以上を占めているように、事業承継には長い年月が必要となります。
また、適切な人材の選定・育成などを含めると交代は容易でなく、今後も社長交代率の短期間における大幅な上昇は見込めない可能性が高いと言えます。

社長の平均年齢を業種別にみると、「不動産業」が62.4歳で最も高く、「製造業」(61.3歳)、「卸売業」(61.1歳)、「小売業」(60.3歳)も全体の平均年齢を上回りました。
また、この4業種のうち、「不動産業」では「70代」が最多、「製造業」「卸売業」「小売業」では「60代」が最多となりました。
「サービス業」も58.8歳と上昇しました。
さらに、「運輸・通信業」は初の60歳超えとなるなど、全業種で平均年齢の上昇が続いています。
上場企業社長の平均年齢は58.5歳(前年比-0.2歳)、年代別では「60代」が構成比42.0%を占め、最多となりました。

また、平均年齢を年商規模別にみると、「1億円未満」(61.6歳)が最も高く、次いで「500億以上」(60.7歳)が続き、比較的小規模な事業者と大規模な事業者の二者で平均年齢を上回る結果となりました。

都道府県別にみると、社長年齢が最も高いのは「秋田県」の平均62.3歳(全国平均+2.0歳)です。
次いで「岩手県」が62.1歳(同+1.8歳)、「青森県」が61.9歳(同+1.6歳)でこれに続いています。
秋田県は対90年比で+8.5歳と対90年比ではトップ、青森県は2021年で対90年比+8.0歳になるなど、東北地方における平均年齢の上昇が目立ちます。
また、東北以外でも主に東日本において全国平均を上回る地域が目立ち、東京都(同59.7歳)、石川県(同59.3歳)以外は平均を上回る結果となりました。

一方、前年比減となったのは西日本の島根県(同-0.1歳)と徳島県(同-0.1歳)の2県のみと、引き続き“東高西低”のような状況が続いています。

社長年齢の上昇は、代表の培ってきた業界経験や経営手腕などを生かし、最前線で今なお活躍していることを示す一方で、事業承継や世代交代などが進んでいないことを表しています。
事業の将来的な存続に欠かせない後継者の選定と育成にかかる時間を見誤ると、不測の事態が起きた際に円滑な移行に失敗する危険性をはらんでいます。

今後は経営リスクの軽減に向けて、事業承継や後継者の選定・育成はさらなる課題になるでしょう。
世界的に事業を取り巻く環境が変化しつつある今、企業がこれまで培ってきた経営資源や企業が紡いできた長年の歴史を絶やさないためにも、内部からの昇格や外部からの招聘、あるいは近年さらに増加しつつあるM&Aなども視野に入れた様々な事業承継の形から、会社の将来を選択する必要に迫られています。

数年前から国もかなり力を入れて(税金を使って)、事業承継を進めようとしていますが、それほど効果があがっていないということなんでしょうね。
事業承継は重要ではあるものも、喫緊性はない(事業承継に取り組んでも売り上げが上がるなど目に見えるものは少なく、むしろコスト等がかかる。)ということだと思います。
しかしながら、公認会計士や税理士や金融機関などが頑張って事業承継を進めないと、日本経済の将来に関わってくるでしょう。
微力ではありますが、事業承継のお手伝いを1件でも多くさせていただきたいと思っています。

社長の平均年齢は60.3歳と「社長の高齢化」に歯止めがかかっていないことについて、どう思われましたか?


東海4県でも後継者難は解消せず!

日本経済新聞によると、経営を次世代にバトンタッチする事業承継の進み具合で全国トップは三重県で、2021年までの10年間で後継者のいない企業の割合が31.3ポイント改善したそうです。
東海4県では愛知県が全国8位で7.5%の改善。岐阜県(31位)と静岡県(34位)はマイナスでした。
三重県では地域金融機関が仲介に入り、県境を超えたM&A(合併・買収)にも取り組んでいます。
行政も支援体制の拡充を急いでいます。

「後継者はどうするんですか」。
金属加工の森安鉄工(三重県桑名市)を経営していた森浩光さん(76)は60歳を過ぎたころ、取引先からこう聞かれて後継ぎを考え始めました。
子どもには断られ清算も頭をよぎったようですが、会社は黒字経営で無借金です。
従業員の雇用を守ろうとM&Aの仲介を依頼したのはメインバンクの百五銀行でした。

紹介されたのは三重県桑名市に拠点を持つ自動車部品のエイベックス(名古屋市)でした。
エイベックスは「財務状況が良く、独自の技術と顧客を持つ」(加藤丈典社長)と森安鉄工を評価しました。
社員に子会社を任せて経営感覚を磨いてもらう狙いもありました。
森さんも「大きい会社に任せれば従業員の雇用も安心」と売却を決め、2017年に無事に社長を引き継ぎました。

百五銀行は本部に事業承継M&A支援課を設置し、専門の担当者を11人置き、営業店の担当者と連携して売り手と買い手をつないでいます。

チラシ配布を手掛けるミッド八光(三重県菰野町)創業者の横山義之会長(80)は70歳を迎えた2012年から承継を考え始めました。
長男に打診したようですが、多数の社員をまとめる自信がないと断られました。
当時未成年だった孫に継がせることも考えたようですが、中継ぎ社長として期待した社員が退社し、2018年にメインバンクの百五銀行にM&Aの仲介を依頼しました。

紹介されたのは三重県桑名市で印刷業を手掛けるアサプリホールディングスでした。
同社社長は横山会長と10年来の付き合いで話は進み、2020年に傘下に入いりました。
家族以外の社員が引き継ぐ場合には、株式の買い取りに大きな資金が必要になります。
横山会長は家族に後継者がいなければ「承継してくれる会社を見つけるのが手っ取り早い」と語っています。

政府系の金融機関でも取り組みが進んでいます。
日本政策金融公庫岐阜支店・多治見支店は岐阜県商工会連合会と2021年12月に事業承継で提携しました。
各地の商工会に寄せられた事業譲渡の相談を日本公庫に紹介し、日本公庫が持つ全国のネットワークから買い手を探します。
こうした提携は全国で2例目です。
2022年1月末までに商工会連合会から4件の相談の紹介を受け、買い手を探し中です。

一方、行政も地道に取り組んでいます。
静岡県の事業承継・引継ぎ支援センターは事業承継の事例集を2冊つくりました。
センターが支援した企業の経営者や後継者にインタビューして、何に悩み、どう解決してきたかを紹介しており、相談会の参加者などに渡している。「冊子を家に持ち帰ってもらい、家族で事業承継を話し合うきっかけにしてほしい」(担当者)そうです。

愛知県は外国人経営者にも手を差し伸べています。
2022年4月から外国人経営者の事業承継などの相談に乗る経営支援センターを設けます。
予約制で英語、中国語、ポルトガル語のほか、ベトナム語、タガログ語など幅広い言語に対応します。
相談は無料です。
愛知県は人口に占める外国人の比率が3.4%で全国2位で、会社を経営する人もたくさんいます。

ただし、社長が交代すれば終わりではありません。
森安鉄工ではエイベックスに買収された直後に社員数人が退社しました。
エイベックスの加藤社長は「買収してもすぐに当社の色に染めるのではなく、社員の思いを理解して10年、20年かけて企業文化を伝えることが必要だ」と指摘しています。
官民の支援も息長く続けていくことが欠かせません。

事業承継は簡単ではありません。
株式譲渡とかが終われば完了ではありません。
事業承継後のことも考えて、きちんと事業承継計画を立てて、事業承継を着実進めていきましょう。
後回しにせず、早めにスタートしましょう。

東海4県でも後継者難は解消していないことについて、どう思われましたか?


広島のお好み焼き「みっちゃん総本店」の全株式を広島マツダが取得!

広島経済新聞によると、広島のお好み焼き店「みっちゃん総本店」(八丁堀本店=広島市中区)を運営する「株式会社ISE広島育ち」(広島市佐伯区)の全株式を、先日、カーディーラーや「おりづるタワー」などの観光、宿泊業を手掛ける株式会社広島マツダ(広島市中区)が取得しました。

「みっちゃん総本店」は「美笠屋(みかさや)」の名称で、1950(昭和25)年に中区中央通りで創業したお好み焼き店です。
1968(昭和43)年に現在の店名に改め、現在は広島市内を中心に広島県内に6店、東京都内に2店舗を展開しています。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外食需要が低迷し、売り上げは例年に比べて8割減少したそうです。

支援を決めた株式会社広島マツダの松田哲也会長と株式会社ISE広島育ちの小林直哉社長は中学、高校の同級生だった縁もあったそうです。
店名や経営体制は現状維持で、広島マツダが経営の多角化をサポートし、経営基盤を強化します。

先日、福岡でもありましたが、こういった地元の名店を地元の名士が引き継いで、守っていくという案件が増えていくんでしょうね。
想像以上に会社が大きくなると、普通の方では経営が難しく、プロの経営者に任せるとかバックについてもらい、さらに大きくしていくケースですね。
それは、地元にとってもとても素晴らしいことだと思います。
飲食店は、コロナ禍で経営が大変だと思いますが、頑張って、広島のお好み焼きをもっともっと広めていってほしいですね。

広島のお好み焼き「みっちゃん総本店」の全株式を広島マツダが取得したことについて、どう思われましたか?


会社の後継ぎも働き手もいない場合の第三者への事業譲渡という選択肢!

朝日新聞によると、戦後のベビーブーム世代の高齢化が進み、山口県内でも働き手の世代の減少が著しいようです。

先行きが見通せないなか、社会を支える産業の維持は大きな課題です。
後継者がいない中小企業の経営者には、第三者への事業譲渡を選ぶ人もいます。

山口県山口市朝田の幹線道路沿いですが、オレンジの壁の工場が目を引きます。
2021年7月に設立された自動車整備会社「二光自動車工業」です。
工場はトヨタ車の販売店だった建物を改修したものです。

「自分は運が良かった」と新会社の設立に同市の吉崎祐美さん(66)は胸をなで下ろしました。
約1.5キロ離れた場所で別の自動車整備会社を経営していましたが、その社名と、約20人の従業員のほとんどが新会社に引き継がれたからです。

旧二光自動車工業は1961年の創業で、吉崎さんの父親やおじが支えてきました。
吉崎さんは約30年前に社長に就き、主にリース車のメンテナンスを手がけてきました。
自前のデータベースをつくって作業を効率化するなどして取引先を増やし、会社を成長させました。

しかしながら、自分や弟の子どもは県外に就職し、後継ぎがいませんでした。
工場は電気設備の老朽化などで改修が必要でしたが、その費用は約1億円。
数年前からは、従業員を募集しても採用につながらなくなりました。
人口減少で市場規模が縮む中、新たな投資の決断はできませんでした。

廃業も考えたようですが、「親から継いだ会社を自分の代で終わらせたくない」と思っていた時に、知人に紹介されたのが山口県宇部市で同じ自動車整備業を営む俵美将さん(68)でした。

俵さんの会社は、一般客の車検や新車・中古車販売を手がけていたため、営業のノウハウが違う新会社を持つことによる相乗効果に期待し、事業を引き継ぐことを決めました。

空き店舗を改修した現在の社屋に移転しましたが、「地場でやってきた看板と信用がある」と、社名はそのまま残しました。
新社屋の設備投資など、全体で約7千万円の資金は、日本政策金融公庫の融資を受けるなどしてまかないました。

戦後のベビーブーム世代を中心に高齢化が進み、山口県内の働き手世代は激減しています。
2020年の国勢調査によると、山口県内の15~64歳の「生産年齢人口」は72万3,588人で、10年前から13万人以上減少しました。
山口県は生産年齢人口の割合(53.9%)が全国の都道府県で4番目に低く、逆に高齢化率は3番目に高くなっています。
その影響は山口県内の中小企業にも及び、後継者不在は課題の一つです。

帝国データバンクが2021年に発表した調査結果では、回答が得られた山口県内企業2,516社のうち、後継者がいないか、決まっていない会社は1,786社で、71.0%を占めました。
全国の61.5%を上回り、都道府県で5番目に高くなっています。
山口県経営金融課の担当者は「廃業が続けば、地域経済が先細りしてしまう」と危機感を募らせています。

国の委託を受けた「山口県事業承継・引継ぎ支援センター」(山口県山口市)では、山口県内で出張相談会を開催するなど、無料の個別相談に乗っています。しかしながら、事業者にはほとんど知られていないそうです。

一般に、事業承継は引き継ぎに5~10年かかると言われています。
一方、廃業を選ぶ事業者のうち半分は黒字とされ、支援センターの福田敏彦統括責任者は「事業者が減って雇用が失われれば、価値ある技術が失われ、若者が県外に流出するなど生産年齢人口が減る負のスパイラルに陥る。切羽詰まる前に、とにかく早く相談を」と呼びかけています。

働き手の減少を受け入れつつ、どう産業力を維持するか、山口県の施策も問われています。

これは山口県だけの問題ではなく、日本全体の問題だと思います。
団塊の世代から第2次ベビーブームの世代に事業承継するのが、当面の事業承継では多いのかもしれませんが、その次の事業承継を考えると、人口が多い年代がありませんので、さらに厳しくなるのではないかと思います。
それゆえ、当面の事業承継は、早めに取り組んで、ぜひとも成功させて雇用を守り、知的資産もきちんと引き継いで、日本経済が活性化するよう僕自身も微力ながら貢献したいと思います。
もちろん、都道府県や市町村も、魅力ある街づくりをしていただいて、従業員の方などが楽しく、安全に過ごせるようにすることが、地域の活性化、夢のある日本につながると思いますので、真剣に取り組んでほしいですね。

会社の後継ぎも働き手もいない場合の第三者への事業譲渡という選択肢もあることについて、どう思われましたか?


農業と事業承継!

幻冬舎オンラインによると、農業の事業承継は我が国にとって重要なテーマです。
なぜならば、農業という食の根幹事業であるにもかかわらず、農業の担い手は、通常の中小企業以上に少子高齢化の状態に陥っている場合が多いからです。
具体的には、農林水産省によると「農村において、少子高齢化・人口減少が都市に先駆けて進行しており、農村の高齢化率は特に平成27(2015)年時点で31.0%であり、都市部よりも20年程度先行して」いると報告されている。

さらに、事業承継に悩む農家にとっては採算性もまた重要な問題となりえます。
そのため、農業の事業承継を円滑に行うにあたっては、採算性等に目処を立てるか、あるいは大手の農家に全てを委ねるかという判断にもなりかねません。

それでは、農家にとって採算性を高めるにはどのような方法があるのでしょうか?
仮に採算性=利益率の向上と考えた場合、利益=売上-経費である以上、売上を上げるか、経費を下げることが考えられます。
経費を削減する1つの方法としては無人収穫ロボット等のスマート農業を活用することが考えられます。

また、売上は商品単価×販売量によって決まるので、理論的には付加価値をつけて単価を上げるか、作付面積を増やして収穫量を増加するか、あるいは、高性能土壌の利用や環境制御装置による生産性の向上が考えられます。

しかしながら、現実はもっと複雑であり、①品種改良の進んだ作物であればあるほど付加価値をつけることが難しい場合があり、②マーケット価格の影響を大きく受ける作物も存在し、③作付面積が増えたことによって、かえって収穫の効率性が落ちる場合も想定されます。
したがって、農業における採算性の向上はこのような諸要素を踏まえて実行していく必要があるのです。

次に、採算性に目処がついたとしても、それをどのように事業承継させるかという問題が存在します。

類型的には、①親族に承継させる場合、②従業員に承継させる場合、③第三者にM&Aで承継させる場合があります。
また、それぞれ農地を承継させるのか、それとも農業法人の株式を承継させるのかという場合分けが考えられます。

親族への承継の場合、遺言によって承継させる場合もあれば、事前に生前贈与や負担付贈与を実行する場合が考えられます。
もっとも生前贈与等の場合は農地法の許可を得る必要があります。
このことは、従業員や第三者に有償譲渡する場合も同様です。

これに対して、農業法人の株式を譲渡する場合には、農地法の許可は直ちには必要ありませんが、農業法人が農地所有適格法人であるための農地法の要件を具備しておく必要があります。
具体的には、(非常に簡単に記載すると)①法人形態要件(株式会社であれば非公開会社)、②事業要件(主たる事業が農業であること)、③議決権要件(農業関係者が総議決権の過半を占めること)、④役員要件(役員の過半が法人の行う農業に常時従事する構成員であること)、⑤農作業従事要件(役員又は重要な使用人の1人以上が法人の行う農業に必要な農作業に従事すること)が規定されています。

次に、農業の承継に際しては、①農地のような可視化された資産のみならず、②可視化されていない資産の承継も重要です。
②の資産としては、農業上のノウハウ、取引先との人間関係(原材料の調達等を含む)等であり、これらは一朝一夕に承継できるものではないため、時間をかけた承継、場合によっては承継後のサポートが必要になることもあります。

また、農業は各地のルールを尊重することが非常に重要となりうる事業でもあります。
したがって、農地の獲得に際しては、地元との友好関係構築、土地改良区のスケジュール把握等の情報にも配慮が必要となる場合があります。
さらに、農業は農地という土壌があってこそ、実施できる事業ではありますが、農地に関しては相続未登記農地の問題にも留意が必要です
なお、農業は光合成を利用した事業であるため、土壌は当然のこと、水や光といった光合成に不可欠な要素に関する情報取得も重要です。

また、農業の事業承継は必ずしも短期間で行うものでもありません。
既に述べたように可視化できない資産の承継には、信頼関係構築の時間が必要なこともあります。
そのような場合には、①入り口段階として業務提携を締結したり、②農業法人の株式をマジョリティとマイノリティで分け合い、株主間協定を締結することも想定されます。
すなわち、一定期間を経て信頼関係が構築された場合には(農地所有適格法人の要件に留意しつつ)プットオプション(株式売却権)を行使してすべての株式を譲渡し、逆に信頼関係の構築が難しいと判断された場合にはコールオプション(株式購入権)を行使して全ての株式を買い戻すことが考えられます。

さらに、事業が債務超過である場合、どのように負債を承継させるかという問題が存在します。
債務超過が過大でなければ、今後の収益等で埋め合わせることが考えられるでしょう。
しかしながら、債務超過が過大な場合、事業を廃止し、事業承継を断念することも選択肢としてありえるでしょう。

他方、当該債務をリストラクチャリングする場合には、通常以上の留意が必要になることが想定されます。
農業の現場は狭い社会です。
そのため、債務のリストラが思わぬ形でレピュテーションリスクを生む場合があれば、金融機関の同意が得にくい場合も想定されます。
また、スポンサーが農家を救済しようにも、前述した農地法の許可等が得られるかという問題も存在します。

しかしながら、債務のリストラクチャリングがまったく行われていないわけでもありません。
帝国データバンクの分析によると、2019年度の「野菜作農業」倒産は、過去20年で最多の37件(前年度比105.5%増)に達し、そのうち負債1億円未満が21件を占めるとのことですが、実際にはレピュテーションリスクの回避の観点から、私的整理を通じたリストラクチャリングも存在します。
また、金融機関側も、農業経営体は家族経営が多く、経営リスクへの対応力が必ずしも十分とはいえないことから早期に対応できる相談窓口設置の必要性を認識しているようです。

さらに、事業承継に関しては保証契約の承継が問題となりえます。
特に事業借入は個人にとって巨額になりうるため、承継は相続人等から難色を示されることも多いです。
この問題に明確な解は存在しませんが、対応策としては、①相続人全員が(相続分に応じて)承継する方法、②事業承継の対象者のみが保証切替により承継する方法、③保証によらない融資が望まれていることを丹念に金融機関に説明する方法、④経営者保証ガイドラインまたは特定調停等の手法により保証債務の削減を依頼する方法等が考えられます。

このような状況を踏まえ、政府としても、農業競争力強化支援法を準備し、農家の事業承継をサポートしています。
具体的には、①登録免許税の軽減、②減価償却の特例、③事業再編における資産評価損の損金算入、③事業譲渡時の債権者みなし同意の規定を設けています。

農業は国民生活の根幹であり、安定的な生産供給を維持するためにも、また、海外への輸出によって売上を確保するためにも、農業及び農業を取り巻く環境の特質を理解した対応が必要と思われます。

事業承継は、一般企業でも、簡単に考えられている方もたくさんおられますが、実際には何かと難しいのですが、農業の場合、さらに難しくなったりしますね。
一つは農地の問題ですね。
自由に売買などができないので、手間も時間もかかります
あとは、ほとんど農協に出荷しているケースですね。
その場合、自分で値段を付けることができないので、将来的な採算を検討しにくいからです。
まぁ、事業承継はすぐにはできませんので、しっかりと計画を立てて、時間をかけて取り組んでいきましょう。

農業と事業承継について、どう思われましたか?


ホワイトデー発祥の博多の「鶴乃子」の老舗和菓子店「石村萬盛堂」が業績悪化で新会社に事業譲渡!

「鶴乃子」で知られる老舗菓子店「石村萬盛堂」が、複数の地場企業が出資する新会社に事業を譲渡したと発表しましたそうです。

新型コロナによる業績の悪化が理由だそうです。

石村萬盛堂が事業を譲渡したのは、明太子メーカー「ふくや」の持ち株会社の「かわとし」や福岡地所など、6つの地場企業が出資する新会社です。

石村萬盛堂は1905年創業で、あんをマシュマロで包んだ「銘菓鶴乃子」が、博多土産として全国に知られています。

しかしながら、他社との競争に加え、コロナ禍で土産物の需要が減り、2020年6月期の売り上げは約30億円で、5年前の半分ほどに落ち込むなど業績が悪化したことから、事業の譲渡を決断したものです。

今後は新会社が、従業員の雇用と店舗の経営を引き継ぎ、商号はそのままで営業を継続するそうです。

この記事を見て、こういうのが、地方における事業承継の一つの在り方かなと思いました。
ちなみに、ネットで調べると、現在では定着したホワイトデーの起源は、昭和52年にこの石村萬盛堂の考えついた「マシュマロデー」に由来しているそうです。
マシュマロの売上を増やすために、百貨店に話を持ち込み、バレンタインデーの1か月後をマシュマロデーにしたようですが、7、8年間それほど売れず、百貨店の提案でホワイトデーに変更したところ、定着したそうです。
今回のような業績の悪化だけではなく、後継者不在などのケースでも、いわゆる地元の名士みたいなところが共同で出資して、地元の企業を守っていくというのは非常に重要なのではないかと思います。
県外の企業に事業譲渡したり、株式譲渡したりすると、商号はそのまま残ったとしても実質的に県外の企業になるかもしれませんし、将来的に本社移転とか、合併で、県外の企業になってしまうかもしれないからです。
まぁ、こういうことが可能になるには、普段から地元の経営者が顔を合わせていて、(地元の経営者に知られるのは嫌ということで県外の企業などに話を持ちかけることがないよう)色々なことを隠さずに相談できるような環境を作っておかないといけないでしょうが。

博多の「鶴乃子」の老舗和菓子店「石村萬盛堂」が業績悪化で新会社に事業譲渡したことについて、どう思われましたか?


中小企業の事業承継で大切な技術や雇用を守れるか?

読売新聞によると、中小企業の後継者不足が深刻化し、廃業になるケースが増えています。
技術や雇用を支えている中小企業を守るために、官民挙げて支援策を強化することが不可欠です。

民間の信用調査会社によると、2020年の企業の休廃業、解散は、前年より1割以上多い約5万件で、過去最高でした。
この中で、黒字の企業が6割を占めています。

後継者難にコロナ禍が追い打ちをかけ、事業継続を断念した中小企業が相次いだようです。

2025年までに70歳を超える経営者は約245万人に上るとみられますが、半数程度は後継者が決まっていないとの推計もあります。

中小企業には高度な技術を持つ町工場や、雇用の受け皿となって地域経済を支えているサービス業も少なくありません。
そうした健全な会社が、後継者がいないという理由で廃業に追い込まれるとすれば、経済の損失は計り知れないでしょう。

これまでは、親族や従業員に引き継ぐのが主流でしたが、受け手がいない場合の打開策として、他企業や起業を目指す人による買収が有望視されています。

経済産業省によると、中小企業の合併・買収(M&A)は年3,000~4,000件に達し、事業承継にも活用されています。

売り手と買い手を仲介する業者も増加しており、経済産業省は業者の登録制度を始めました。
政府が「お墨付き」を与えて使いやすくする狙いです。
トラブルを防ぎつつ、事業承継の円滑化につながるといいですね。

M&Aでは、会社の資産査定などに多額の費用がかかるほか、手続きがわかりにくいため、尻込みする経営者が目立つそうです。

政府は、全国に相談窓口として「事業承継・引継ぎ支援センター」を整備して、自ら紹介業務も手がけています。
体制を強化するとともに、国による費用補助の拡充などを検討してほしいですね。

すでに成功事例は増えています。
社員十数人の石川県の産業機械企業は社長が急逝しましたが、支援センターに相談し、地元出身で東京の大手重工メーカーに勤務経験がある人材に株式を売却して社長に迎え入れ、雇用を守りました。

好業績を上げながら後継者難に悩んでいた長崎県の機械設計会社は、強みが異なる同業者の傘下に入り、業務を補完し合って一層の事業拡大につなげました。

地域金融機関の役割も重要です。
企業の経営状況や成長力を熟知しているはずで、融資だけでなく、事業承継に関する助言や仲介業務に力を注いでもらいたいですね。

経済産業省のM&A支援機関の登録制度は、僕(及び法人)も先日申請はしました。
ただし、過去の実績等が問われるわけではなく、おそらく申請すれば、書類の不備がなければ登録されると言われています。
よって、登録されている支援機関だからといって安心というわけではなく、個人的にはM&Aの成立ではなく、その後の統合(いわゆるPMI)の方がかなり重要だと思っていますので、その辺も考慮したうえで、登録支援機関や支援センターを選んで欲しいと思いますし、僕自身(法人を含む。)も、大切な技術や雇用を守るためにできるだけのお手伝いをしていきたいと思っています。

中小企業の事業承継で大切な技術や雇用を守れるか?について、どう思われましたか?


秋田県由利本荘市が移住者が担う事業承継へ挑戦!

日本経済新聞によると、オムレツとタルトが人気の秋田県由利本荘市のカフェ「カトルセゾン」は約2年半前、愛知県から移住した夫婦が前オーナーから店を引き継ぎました。
人口減と少子高齢化が進む秋田県由利本荘市では移住者に事業承継も担ってもらう取り組みを進めており、成功事例の一つです。

前経営者(72)が愛知県岡崎市から移住した後継者(33)夫妻に店を引き継いでもらったのは2019年4月のことです。

その10年ほど前、フランスで菓子づくりを2年間学んだ前経営者が妻の実家がある秋田県で開業しました。
焼き菓子のタルトは風味豊かで人気を呼んだのです。
「食い道楽」という前経営者は旬の食材にこだわり、ランチも工夫して地域の人々の胃袋をつかみました。

しかしながら、飲食店経営は重労働です。
仕込みは午前9時ごろに始めますが、菓子づくりに取りかかるのは閉店後です。
一段落つくころには日付が変わっていたことも少なくありません。
60代後半で持病もある前経営者は体力に不安があったようです。

「開店して約10年。ありがたいことに常連さんがお店についてくれていた。閉めるのは忍びなく、誰かに引き継げないか」、前経営者がこう考えていたとき、秋田県由利本荘市が引き合わせたのが愛知県の食品会社に勤めていた後継者です。

後継者は当時30歳で、「新しいことに挑戦したい」と脱サラも考えながら、自治体の移住関連情報をよく調べていたのです。

「やっていけるのか」、後継者を探していたカトルセゾンを見つけて興味を覚えたものの、後継者の最大の懸念は飲食店勤務の経験がなかったことでした。
それでも前経営者は「本気で考えるなら、面倒を見るよ」と。
「開店して半年は横にいて店を手伝う」、そのひと言が迷っていた後継者の背中を押したのです。

移住前、毎月のように愛知県から通い、前経営者から接客の方法も料理も一から学びました。
店のメニューで人気のオムレツも同じ味を再現できるまで「何十回も作り直しさせた」(前経営者)。
塩加減ひとつ違っていても同じ味を再現できなかったのです。

後継者夫妻が引き継いだのは店やレシピだけではありません。
常連客もです。
地域には年配者が多く、当初は「味が変わったね」「しょっぱいね」と告げられました。
後継者の妻は今も感謝しています。
「店の常連さんが頑張ってね、といつも声をかけてくれた。味を引き継げるようになるまで、辛抱強く待ってくれた」

秋田県由利本荘市も後継者夫妻を支えました。
移住まるごとサポート課の長谷部浩司課長は「2人が互いに納得するまで時間をかけたこと、関係機関の連携と情報共有が後押しした」と振り返っています。

後継者が愛知県から前経営者のもとに通う際、秋田県由利本荘市はその旅費の一部を補助しました。
双方の思いを受け止め、クッション役を果たしました。
互いの話を聞き、焦らず雰囲気を醸成していったのです。

秋田県由利本荘市と商工会、秋田県事業承継・引継ぎ支援センターの連携と情報共有も機能しました。
秋田県由利本荘市が調整役になり、商工会は必要な資金の手当て、センターは契約など法律面の助言を請け負いました。
後継者の不安について情報を共有し、解消に努めたのです。

秋田県由利本荘市は「移住」と「継業(事業を継続)」をテーマに掲げ、移住・定住対策を進めてきました。
地域の企業や店舗に後継者がおらず、事業を続けられない事例も増えているからです。
事業を継ぐ意欲がある移住希望者にその役割を担ってもらい、人口と地域の活気の双方を維持する狙いです。

「飲食店に限らず、お客さんや取引先の思いに一つひとつ応えていくことが大切」と、店を継ぎ2年半近くが過ぎてたどり着いた後継者のこの思いが地域の活力になっているようです。

秋田県は昔から事業承継に力を入れていることは知っていましたが、国とか県とか市はこういう案件に取り組んでほしいですね。
店が続き、雇用も守られ、移住者も増えるわけですから。
あとは、地元の方より、外から来られた方のほうが、客観的にものごとを見れると思いますので、色々なことを残したり、変えたりすることができるのではないかと思います。
それが、地域活性化にもつながっていくでしょう。

秋田県由利本荘市が移住者が担う事業承継へ挑戦について、どう思われましたか?


阿波銀行がAIチャットボット「あわぎん事業承継Bebot」の導入!

阿波銀行(頭取 長岡奨、本店:徳島県徳島市)は、2021年8月20日(金)に株式会社ビースポーク(代表取締役 綱川明美、本社:東京都渋谷区)との共同開発により、AIチャットボット「あわぎん事業承継Bebot」のサービスを開始しました。

近年、企業オーナーのみなさまが抱える事業承継に関する悩みは、経営者の高齢化、後継者不足等、年々深刻さを増しています。
また、企業にとってデリケートな問題であることから、どこに、何を相談すればよいのか分からず、先延ばしにしてしまう傾向があります。
当サービスの導入により、来店不要で事業承継課題に対する相談に24時間(365日)対応可能な体制を整えます。
また、AIチャットボットを通じ、事前に課題を整理されることで、阿波銀行にご相談いただいた際に、より具体的なサポートが可能となります。

ちなみに、AIチャットボット(Chatbot)とは、AIを活用した自動会話プログラムです。
リアルタイムで短文のやり取りを行う「チャット」と、ロボットを意味する「ボット」を合わせた言葉で、人間同士のような感覚でAIと会話を行い、自動応答による情報収集を行うことができます。

■サービス概要
名称  :あわぎん事業承継Bebot
提供開始:2021年8月20日(金) 12:00から
搭載場所:阿波銀行 公式ウェブサイト 「法人のお客さま」トップページ
https://www.awabank.co.jp/houjin/
内容  :事業承継(親族内承継・社内承継)・M&A等に関する対策や手続等
対応言語:日本語

■開発会社概要
会社名 :株式会社ビースポーク
代表者 :綱川 明美
所在地 :東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
設立  :2015年10月
事業内容:DXソリューション「Bebot」の開発・運用
URL :https://www.be-spoke.io/jp/

■株式会社阿波銀行(The Awa Bank, Ltd.)について
本店所在地:徳島県徳島市西船場町二丁目24番地の1
設立   :明治29(1896)年6月19日
資本金  :234億円
店舗数  :102店舗(徳島県内83店舗、県外19店舗、2021年6月末現在)
URL   : https://www.awabank.co.jp/

少しさわってみましたが、別にここだけではなくほかもそうですが、会話というよりは、選んでいくと簡単な説明文が出てくるだけという感じです。
この文章を読んで分かるのだろうか?、抽象的すぎないか?などと感じますが、大企業がこういうのを作って、調べたい方が調べて、具体的なことは会計事務所に聞くという流れになるのではないかと思っていまいます。

阿波銀行がAIチャットボット「あわぎん事業承継Bebot」の導入をしたことについて、どう思われましたか?


事業承継は3社に2社が『経営上の問題』と認識!

帝国データバンクによると、新型コロナウイルスの影響拡大により倒産のみならず休廃業の増加も懸念されるなか、その回避策としての事業承継が今まで以上に注目されています。
また、政府は若い世代における事業承継の気運醸成や、世代交代にともなう中小企業の成長を促進する施策のほか、税制面の優遇措置や第三者承継の促進など、事業承継への支援体制を強化しています。
なお、調査期間は2021年5月18日~31日、調査対象は全国23,724社で、有効回答企業数は11,242社(回答率47.4%)です。
事業承継に関する調査は、2017年10月、2020年8月に続き、今回で3回目です。

<事業承継に対する考え方>
事業承継について、どのように考えているか尋ねたところ、「経営上の問題のひとつと認識している」と回答した企業が55.5%と半数を超え、最多でした。
また、「最優先の経営上の問題と認識している」は11.9%となり、企業の67.4%が事業承継を経営上の問題として考えていることが明らかとなりました。
他方、「経営上の問題として認識していない」(21.6%)は2割程度にとどまり、「分からない」は11.0%でした。
事業承継を『経営上の問題として考えている』割合(「最優先の経営上の問題として認識している」と「経営上の問題のひとつと認識している」の合計)を業界別みると、『建設』が71.7%で最も高くなりました。
次いで、『製造』(70.0%)、『卸売』(68.2%)が続きました。
他方、『金融』が44.0%で低水準となりました。
また、従業員数別では、「6~20人」(72.9%)、「21~50人」(70.9%)が7割超となった一方で、「1,000人超」(33.6%)が3割台にとどまりました。
業界や企業規模によって事業承継の捉え方に濃淡がみられます。
企業からは「中小企業が持続可能であるためには、継続的な収益を確保できるための事業の確立と、後継者の確保・育成は最重要課題の一つと考える」(コンクリート製品製造、大阪府)といった声があがっています。
他方で、「継承していくための準備がまだできておらず、人材育成を行うとしてもその若手人材が決まっていないのが問題点である」(一般貨物自動車運送、香川県)というように経営上の問題と捉えつつも後継者の人材に苦慮している様子もうかがえました。

<事業承継を『経営上の問題として考えている』割合>
事業承継を円滑に行うためにどのようなことが必要か尋ねたところ、「現代表(社長)と後継候補者との意識の共有」が43.5%で最高となりました(複数回答、以下同)。
以下、「経営状況・課題を正しく認識」(37.4%)、「早期・計画的な事業承継の準備」(36.2%)、「早めに後継者を決定」(33.9%)、「事業の将来性、魅力の維持」(30.1%)が3割台で続きました。
とりわけ、「早めの後継者を決定」は、「中小企業」(35.1%)の方が「大企業」(27.8%)と比較すると7.3ポイント高く、先を見据えて次世代への継承を意識している様子がうかがえました。
他方で、企業からは「今年から後継予定者を定めて教育と経験を積ませることを取り組み始めた。しかし、順調に進まなかった場合が心配だ」(和洋紙卸売、東京都)といった長期的な準備が必要なため不安を感じる声もあるようです。

本調査の結果、7割近くの企業で、事業承継を経営上の問題として考えており、およそ1割の企業は、最優先の問題として捉えていました。
しかしながら、その認識は、業界や企業規模で差異が生じています。
また、企業の多くは、円滑な事業承継のためには、現代表と後継候補者との意識の共有をはじめ、経営状況の現状認識や早期の計画的な準備などが重要と考えています。
一方で、後継者の育成など長期の準備期間が必要であることから事業承継に不安を感じている企業もあります。
他方で、「株の引継ぎなど相続が発生した際の税金納付が大きな経営課題となる」(ごみ収集運搬、北海道)とあるように、後継者が取得した資産に対する贈与税や相続税といった税負担が障壁となっているといった意見も多数あがっています。

日本企業を支える中小企業を中心に事業承継は喫緊の課題となっています。
企業にとって円滑な事業承継には、自社における承継に向けた意識共有や事前準備に加えて、税制の改善は不可欠と言えるでしょう。

事業承継の重要性が叫ばれて久しいですが、これだけ事業承継が進まないのは、お金をかけて取り組んでいる国、金融機関、我々会計事務所に原因があると思っています。
事業承継の重要性をきちんと周知し、説明していくことはもちろん重要です。
それ以前に、現時点での事業承継は、第2次ベビーブームの時に生まれた方が後継者や引受先となることができるため、後継者や引受先がたくさんいるので、まだ何とかなるのかもしれませんが、次の事業承継の時代には、後継者や引受先となる人の多い年代層がありませんので、かなり難しいと思いますので、今回は本気で事業承継を成功させないと日本の将来はないというくらいの気持ちで取り組んでいかないといけないということを認識したうえで取り組んでいかないといけないのではないかと思っています。
個人的には、帝国データバンクの記事には『税制の改善は不可欠と言えるでしょう。』と書いていますが、日本の場合、ほとんどが中小企業で、黒字企業が3割くらいしかないわけですから、税制の改善はそれほど大した問題ではないと考えています。
それよりは、SWOT分析を行うなどじっくりと時間をかけて事業承継についてしっかりと考えていく中で、税理士と税金対策も考えていけばいいのではないかと思います。
税金対策は主目的ではありませんから。

事業承継は3社に2社が『経営上の問題』と認識していることについて、どう思われましたか?


他の社員は年上の営業担当がまさかの社長に!

朝日新聞によると、経営は好調なのに後継者がいないため事業を畳む中小企業が増えています。
従業員や取引先との問題だけでなく、地域経済の衰退にもつながりかねません。
商工団体などが間に入り、「事業承継」の支援に動き出しています。

電設資材の販売、設備工事などを主要業務とするエバラデンキ(千葉県市原市、従業員14人)は2021年5月に創業者(86)から従業員(41)に社長を引き継ぎました。
2人に縁戚関係はなく、親族外承継になります。

エバラデンキは1959年創業し、京葉コンビナートの埋め立てとともに発展しました。
「1日に2回、3回とお得意先に通った。苦しかったが支払いを現金にすることで信用を得た」(創業者)。
安定した取引先を持ち、コロナ禍でも業績は変わらないそうです。

しかしながら、悩みの種が後継者でした。
3人の子どもは、事業を継ぐ意思はありませんでした。
実は60歳の時に社長を従業員に譲ったのです。
ところが、「後継者は高圧的で、社内で自由に話せる空気がなくなってしまった」ということで、社長に復帰後、外部登用も試みたがうまくいかなかったようです。

そんな中で目を付けたのが、2004年に入社した後継者です。
工事の現場で働きたいという希望を持って入社したが、「工事はほかの人でもできる。自分が営業に回った方が会社の利益になる」と考え、創業者とともに地域を走り回っていました。

2年前に話を持ちかけられたとき、後継者は「責任が重すぎる」と断りました。
社員の多くは年上で、まとめる自信がなかったからです。
ところが、1年以上かけて説得され、「今まで社長がつくった土台を崩してはいけない」と承諾しました。

事業承継の実務は千葉県信用保証協会が相談に乗ってくれましたが、課題は株式承継だったようです。
事業が好調なことで、株式の評価額は1株3,000円を超していました。
まずは、後継者が20,000株中1,000株を買い取り、時間をかけて3分の2まで買い増すことにしました。
「譲ることは証書で取り決めている。撤回することはない」(創業者)

社長になっても後継者が営業の先頭に立つことに変わりはないようです。
「自分もここで育ててもらい成長してきた。他の社員とともにステップアップしていきたい」

最近、この手の事業承継の成功事例をちょくちょく目にしますが(事例や宣伝のために積極的に出しているのでしょうが)、顧問の公認会計士とか税理士の名前が出てこないのが、残念ですね。
近いところにいて、数値のことは分かっているわけですから、業界として、クライアントの事業承継について常日ごろから考え、提案していかないと、他の業界の人たちに仕事を取られ、信頼関係も築けないのではないかと思った1件でした。

他の社員は年上の営業担当がまさかの社長になったことについて、どう思われましたか?


宮崎県高原町の小さなパン屋さんの店主の思いが事業承継へ!

テレビ宮崎による特集で、2021年6月26日で店を閉めた宮崎県高原町のパン屋さんが取り上げられました。
先日、地元の人たちによって開かれたお別れイベントでは清々しい表情を浮かべる店主の姿がありました。
「町から店をなくしたくない」と話す店主の思いは、新たな形で引き継がれるようです。

2021年6月20日に宮崎県高原町の皇子原公園で開催された「さよならパンまつり」。
高原町のパン屋さん「天然酵母田舎のぱん屋さん」が、6月26日に閉店することになり、有志が企画し開催されました。
店主(64)と妻(60)の九州産の小麦と天然酵母を使用し地元の野菜を使うなど素材にこだわるパンは地元の人に愛され、この日も別れを惜しむ多くの常連客が訪れました。
(客)「名残惜しいですけど、顔見にきたいと思って…」

店主は、高原町の自宅の横に店舗を構えていました。
大阪でシステムエンジニアとして働いていた店主が、15年前に脱サラして高原町出身の妻とオープンさせました。
(店主)「買ってくださる、おいしかったというのがやりがい。第2の人生の中でおもしろい。」

店主は、夫婦二人三脚で大好きなパン作りをやりきったという思いから閉店することを決めました。
ただ一つだけ心残りが…
(店主)「やめたら高原町自体がパン店が少ないので、そこを誰か引き継いでくれれば、1軒消えた分、1軒起こしてくれればうれしいかな。」

宮崎県高原町で数少ないパン屋さん。
店主は閉店を決めたものの、後ろ髪を引かれる思いでした。
そんな店主に宮崎県高原町は、あるサイトへの掲載を提案しました。
それは「リレイ」という事業承継のサイトで、後継者を募集する事業者の思いや店のストーリーが掲載されます。
また引き継ぐことに興味がある人は、事業承継をする際の譲渡金額や売上げの推移などの財務情報も見ることができます。

町から店をなくしたくないと話す店主は、機材やノウハウを無償で譲渡することにしました。
すると、宮崎県小林市出身で現在は千葉県に家族で住む女性が、Uターンして店主の店を継ぎたいと名乗り出たのです。
女性はパン屋やカフェで働いていて、いつか自分の店を持ちたいという夢があったそうです。
(女性)「きっかけがなかったからずっとできなかったんですけど、こういった形で紹介していただいたりすると店主からレシピ教えていただいたりですとか、機材の譲渡というのも大きいと思うので、開業する上でのハードルをすごい下げてくれたと思う。」

帰省した時に店主のパンを買いにきていたという女性は、店主からレシピや機材を引き継ぎ、町内でパンも楽しめるカフェをオープンすることを目指します。
(店主)「自分の店を知っている方がやってみたいというのが嬉しい」
(女性)「体に優しいものとか店主の思いも受け継いで私が継ぐことで町も少しでも元気になってくれればなと思っています。」
(店主)「嬉しいですね。次を継続する相手の方が見つかりましたので、その方にバトンをタッチして一軒新しい店ができると、また皆さんで支えていっていただきたい。本当にきょうはありがとうございました。」

地域住民に愛された田舎のパン屋さん。
店主の、店と地域への思いは次の時代へとつながります。
女性は、2021年度中のオープンを目指しているそうです。

宮崎県内の60歳以上の経営者を対象にしたアンケートによると、自分の代で廃業を考えている方の理由で最も多いのが、後継者がいないからです。

こういうのが、究極の事業承継だと思いますね。
街には、昔から飲みに行ったり、買いに行ったりしている、なくなってほしくない小さな飲食店やパン屋さんやケーキ屋さんなどは皆さんにもあるかと思いますが、後継者のいないところがほとんどではないかと思います。
お店を使っていて、お店を残したいと思う方が引き継ぐのが、一番いいのではないかと思います。
後継者がいなくて悩んでいるという方や廃業しかないと考えている方は、各都道府県の事業承継・引き継ぎ支援センターやM&Aの仲介会社などに相談してみてくださいね。
ちなみに、うちも、バトンズM&A相談所高松市木太町店になっており、無料で相談を受け付けています。

宮崎県高原町の小さなパン屋さんの店主の思いが事業承継へつながったことについて、どう思われましたか?


投資ファンドを歓喜させた久美子氏の「中期経営計画」の中身と戦略!

日刊ゲンダイDIGITALによると、2015年2月26日に開かれた記者会見で、大塚家具社長の大塚久美子氏は創業者の父・勝久氏との確執について自分なりの意見をひとしきり話すと、本題の「中期経営計画」について説明を始めました。
これは単なる大塚家具再建のシナリオではありませんでした。
雌雄を決する株主総会で大口投資家たちを取り込んで勝久氏を追放するプレゼンテーションの材料でもあるわけです。
そのためには大口投資家である投資ファンドが食いつくような内容でなければなりませんでした。

もともと投資ファンドは企業現場の実態にあまり関心を寄せません。
興味を示すのは流行のビジネスモデルや財務戦略、配当性向などです。
目先の株価が上がるかどうかを重視しているからであり、金融出身の久美子氏は、そうした投資ファンドの気心を熟知していました。

会見で明らかになった「中期経営計画」のポイントは、①ビジネスモデルの変革、②開かれたガバナンス、③財務戦略としての積極的な株主還元の3つでした。
新しいビジネスモデルの構築については、単純な対立の構図を示して説明しました。
それは、時代遅れの旧態依然とした勝久氏の経営手法に対して、新しい時代にマッチした最先端の経営手法を採用するというものでした。

勝久氏は、丁寧な接客と会員制の導入で高級ブランドイメージを構築してきました。
それによって結婚や新築などのハレの日のまとめ買い需要をつかむことに成功し、大塚家具を急成長させています。

それに対して久美子氏は、「消費者の購買スタイルが『まとめ買い』に代わり、『単品買い』が主流になっている」と分析しました。
勝久氏が構築した会員制や高級ブランドイメージを活用したビジネスモデルはすでに過去の遺物になっており、これらのビジネスモデルを見直すことが必要であると主張しました。

「当社が中価格帯のメインプレーヤーとして認知されることで、IKEAやニトリが攻勢をかける低価格帯から中価格帯へ顧客が回帰する」(久美子氏)

さらに専門店の出店、地方の百貨店などとの提携、B to B事業の強化などで2015年下期までには黒字化を達成し、売上高は2014年度の555億円から2017年度には594億円、営業利益は4億円の赤字から19億円の黒字、当期利益は5億円から14億円を達成するとしました。

さらにコーポレートガバナンスを強化するために社内取締役を5人から4人に減らし、一方で社外取締役を2人から6人、監査役を3人から4人に増やすことを表明しました。
社外取締役や監査役候補には有名大学教授、大手金融機関元役員、弁護士ら投資ファンドが喜びそうな華やかな学歴、キャリアの人材を集めました。

そして2015年度から2017年度までの3年間、株主配当を40円から80円に引き上げることを約束したのです。

こうした久美子氏の計画は表面的なビジネスモデルや財務戦略、コーポレートガバナンス体制を重視する投資ファンドの心をとらえることに成功し、株主総会での勝機をつかみました。
しかしながら、これがキャッシュリッチの優良企業だった大塚家具を地獄の底に陥れるとは、このとき誰も予想だにしていなかったのです。

先日、ジャパネットたかたの前社長の高田さんのセミナーをオンラインで受講した(2回目)のですが、事業承継に大事なのは、『残す』『捨てる』『変える』『加える』の4つだとおっしゃっておられましたが、その時に、大塚家具のことが真っ先に頭に浮かびました。
この4つを見誤ると、事業承継どころか、会社の存亡の危機につながってしまいますね。
個人的には、今でも、既存のままではダメだったと思いますが、高級路線でブランドイメージのある大塚家具が、ニトリやIKEAを意識して、中価格帯の方に向かっていったのが失敗だった(高価格帯は残すところであった。)、変えるところは店舗の展示の仕方などであったと思っています。
投資ファンドも、企業現場の実態をきちんと把握しないといけないですね。

投資ファンドを歓喜させた久美子氏の「中期経営計画」の中身と戦略について、どう思われましたか?


なぜ事業承継は会社法で考えないといけないのか?

DIAMOND onlineで、株式会社武蔵野の小山 昇代表取締役社長が、書籍『経営・戦略 門外不出の経営ノート』のうち、事業承継は「会社法」で考える理由を取り上げています。

事業承継には、「民法(相続)」「会社法(株式承継)」「税法(株式売却益課税・贈与税・相続税)」という、3つの法律が関わってきます。

A社の先代社長は、「自分が亡くなった後、会社を継ぐのは長男。自分が100%保有している自社株は、妻と子ども(3人)の計4人に相続させる」ことにしました。

法定相続人(妻と子ども)は、一定の割合で財産を相続できることが「民法」により保障されています。
民法では、法定相続人は、
・配偶者……財産の2分の1
・子ども……残りの2分の1を子どもの数で均等に分割の割合
で相続できます。

したがって、母親が50%、子どもたちはそれぞれ17%弱の株を持つことになりました。

先代経営者が保有していた株式を妻と子どもたちで分けるのは、民法上は正しいでしょう。

しかしながら、「会社法」で事業承継を考えた場合、「後継者が(長男が会社を継ぐなら長男が)、すべての自社株式を相続する」のが正しいのです。

後継者がどれだけ自社株を保有しているかによって、経営者に与えられる議決権が変わるからです。

結果的にA社では、先代社長が亡くなった後、母親と次男が経営方針をめぐって長男と対立しました。
母親は次男に、「長男を追い出してあなたが社長になったほうがいい」とそそのかしました。
結果、長男は会社を追い出され、母親に操られた弟に社長の椅子を譲ることになりました。

自社株が分散していたり、自分の会社の株を、誰が、どれくらい持っているかわからない状況だったりすると、後継者に会社を承継させても、安定した経営はできません。

A社のケースだと、先代経営者が「長男に自社株を集中させる」計画をあらかじめ立てておけば、母と子の骨肉の争いは避けられたはずです。

僕もおっしゃるとおりだと思います。
今まで、民法・会社法・税法という切り口は持っていなかったのですが、以前から、『事業承継は平等さを考えなくてよい。』とか『相続税対策でたくさんの子どもや孫に110万円の範囲で自社株を贈与をするのは会社の経営を考えるとすべきではない。』とか『株主は極力少なく。』ということは、色々なところで言ってきました。
その辺は、結局、会社法(議決権)の話しです。
切り口というか説明の仕方として、『民法』『会社法』『税法』というのは、すっきりしていてよいなぁと感じました。

なぜ事業承継は会社法で考えないといけないのか?ということについて、どう思われましたか?


建設業の事業承継!

建設通信新聞によると、事業譲渡の合意までに一般的に1年程度を要する企業の第三者承継(M&A)にとって、2021年度以降に新型コロナウイルス感染症の影響が表面化してくる可能性があるようです。

影響度合いは現段階で予測しづらいですが、廃業が増加に傾けば大きな経済損失をもたらすだけに、予防線となり得る事業承継の役割は否が応でも高まっていきます。

また、コロナ禍のM&Aという枠組みの中で、エッセンシャルワーカーとして業務継続が求められる建設業の立ち位置も変化しそうです。

全国48か所(東京都は2か所)にある事業引継ぎ支援センターをサポートする、中小企業基盤整備機構(中小機構)中小企業事業引継ぎ支援全国本部によると、2020年11月末までの2020年度累計(4月から11月)の取扱件数は相談が7,556件と前年度同期と比べ、ほぼ横ばいとなっています。

一方、事業引継ぎの成約は902件と前年度(通期1,176件)を上回るペースで推移しています。

2012年から2020年度までの合計は4,479件に上り、事業承継に携わる国内の機関・企業でトップクラスの実績を誇ります。

建設業の成約は110件(2020年度4月から11月累計)と例年並みですが、今後の状況によっては単年度で最多だった2019年度(131件)を超えることも見込まれます。

全産業に占める割合は12%で、サービス・その他(30%)、製造業(24%)、卸・小売業(19%)に次ぐ比率となっています。

一般的に事業承継の成立には1年程度がかかり、2020年度の成約は2019年度以前に着手した案件のため、コロナ禍の影響は現段階で顕在化していません。

ただし、今後はコロナ禍が経営面などを直撃し、かじ取りが難しくなるとみられる業種も少なくありません。

中小機構事業承継・再生支援部の木口慎一審議役は、「(企業存続・成長の観点から)世代交代が進み事業承継が増えるのか、それとも廃業が増えるのか。先行きを見通せず、予断を許さない」と吐露しています。

どちらに振れても、国内の雇用・経済損失を防ぐ上で事業承継が果たす役割が高まることから「相談体制を拡充していきたい」と話しています。

建設業については、未曾有の感染症下でも社会・経済活動を支えるために事業継続が要請される、“安定産業”として買い手にとって魅力的に映り、事業承継が加速する可能性があります。

また、建設企業や専門工事企業を対象とした第三者承継の場合、買い手は、売り手が持つ公共工事の入札参加要件に設定される地域要件や工事実績などが取得できるとともに、技術者、技能者の人材も引き継げ、当該地域の建設事業を取り込めます。

一方、次の経営者がいない、もしくはその候補を探している売り手は、社会資本の整備・維持管理、災害対応などを通じて地域の安心・安全に貢献する社会的使命を受け渡すことができ、双方にとってのメリットは多いものとなっています。

中小機構中小企業事業引継ぎ支援全国本部では相談体制を強化するため、各支援センターの増員を計画しています。

さらに、中小企業庁が民間委託していた事業承継ネットワーク事業の業務を2021年度から実施する見通しです。

同ネットワークは地銀や商工会議所などと連携しながら、地元企業を直接訪問し、事業承継に関する相談に応じています。

能動的な相談体制を加えることで、潜在的な事業承継を掘り起こすのが狙いです。

木口審議役は、「『うちのような会社は事業引継ぎの対象として目にとまらない』と決め付けずに、気軽に相談してほしい。立地やネームバリュー、技術力、ノウハウなど(売り手)自身では気付かない魅力を買い手が感じてくれることも多い」と話しています。

中小企業庁は、全国の中小企業経営者の平均年齢(2018年時点・62歳)と引退年齢(70歳)に基づいて、2025年までに245万人が70歳以上を迎え、そのうち後継者未定が127万人に上ると試算しています。

具体策を講じずに廃業が加速すると、2025年ごろまでの10年間の累計で約650万人の雇用と約22兆円のGDP(国内総生産)が失われると予測され、中小企業庁は事業承継を最重要施策に位置付けています。

新型コロナウイルスの影響で、生き残りが最優先事項となり、ますます事業承継の優先度が下がるのではないかと個人的には危惧しています。
M&A市場では今後売り案件が増加すると推測していますが、新型コロナウイルスの影響でどうしようもなくなって売りに出すところが多くなってくるでしょう。
そうなると、買い手としては、良いところかそうでないところかの見極めが必要になってくるでしょうし、どうしようもなくなっているところを買うことを検討するとしては、立て直し方が今までにはないような難しさもあるでしょう。
安く買えると考えるところもあるでしょうが、結局のところ、買うことを決定するのに時間やコストがかかり、その間にもますます悪化していくという状況が多くなり、スピードも重要なM&A市場ではその点もネックになってくるのではないかと考えています。
あとは、建設業のM&Aの実務に関わっている方でないと分からないかもしれませんが、建設業のM&Aは他の業種と比べて、難しい面が多く、時間がかかる可能性があるかもしれませんので、その点も認識はしておいた方が良いでしょうね。

建設業の事業承継について、どう思われましたか?


東邦銀行が中小企業の事業承継絡みのM&A資金を融資!

日本経済新聞によると、東邦銀行(福島県福島市)は、先日、中小企業の事業承継に絡むM&A(合併・買収)資金の一部を融資したと発表しました。
買収対象企業の資産や収益力を担保とするLBO(レバレッジド・バイアウト)ローンと呼ばれる手法で、東北地方では珍しいそうです。

民間投資会社の技術承継機構(東京都中央区)が特別目的会社(SPC)を通じ、はんだ付け装置製造のFAシンカテクノロジー(福島県福島市)の全株式を取得しました。
東邦銀行は、買収資金のほぼ全額をSPCに貸し付けました。

FA社は主に車載向けのプリント基板製造用のはんだ付け装置を製造し、売り上げを伸ばしています。
2020年6月期の売上高は、約4億2,000万円でした。
現時点で山口薫社長(59)の後継者がおらず、自社株式の譲渡を先行実施しました。

同機構は、官民ファンドの旧産業革新機構(現INCJ)に参画した新居英一社長が2018年に設立しました。
後継者不足などに悩む中小製造業者の買収で技術継承の受け皿となり、転売を目的とせず、長期的な成長を目指す経営手法をとっています。
投資は今回で3件目だそうです。

すぐに事業承継したい、会社を売りたいというニーズがあっても、すぐに、承継できる人、買ってくれるところがあるとは限りませんので、こういう形態の事業承継やM&Aは増えていくでしょうね。
銀行としても、融資が発生しますから。
ただ、渡り鳥経営者みたいな方がいらっしゃるのかどうかは疑問ですが。

東邦銀行が中小企業の事業承継絡みのM&A資金を融資したことについて、どう思われましたか?


社長の平均年齢が調査開始以来初めて60歳に到達!

社長の平均年齢は年々上昇し続けており、70歳以上で現役の社長も珍しくはありません。
その一方、全国の後継者不在率は2020年時点で65.1%(「全国企業『後継者不在率』動向調査(2020年)」帝国データバンク、2020年11月発表)と依然高水準であり、事業承継への備えが追いついていない現状もうかがえます。

帝国データバンクは、2021年1月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)から企業の社長データ(個人、非営利、公益法人等除く)を抽出し、約94万社を、業種別、業歴別、都道府県別に集計・分析しました。

2020年の社長の平均年齢は60.1歳(前年比+0.2歳)と、調査を開始した1990年以降初めて60歳を上回りました。
年代別の割合をみると、「60代」が構成比27.3%を占め、最多となっています。
業歴別にみると、30年以上では全体の平均年齢を上回りました。
また、「30~50年未満」では「60代」「70代」、「50~100年未満」「100年以上」では「60代」がそれぞれ最多となっています。
都道府県別にみると、「秋田県」が平均62.2歳(全国平均+2.1歳)で最も高く、「岩手県」が62.0歳(同+1.9歳)、「青森県」が61.8歳(同+1.7歳)でこれに続いています。
上位3県はすべて東北地方となっています。

<社長の平均年齢>
2020年の社長の平均年齢は60.1歳(前年比+0.2歳)と、調査を開始した1990年以降初めて60歳を超え、過去最高を更新しました。
年代別の割合をみると、「60代」が構成比27.3%を占め最多、「50代」が同26.9%、「70代」が同20.3%で続いています。
上場企業社長の平均年齢は58.7歳(前年比±0.0歳)、年代別では「60代」が構成比43.3%を占め最多となりました。

<業種別>
社長の平均年齢を業種別にみると、「不動産業」が62.2歳で最も高く、「製造業」(61.3歳)、「卸売業」(61.0歳)、「小売業」(60.2歳)も全体の平均年齢を上回りました。
また、「製造業」「卸売業」「小売業」では「60代」が最多、「不動産業」では「70代」が最多となりました。

<業歴別>
業歴別にみると、30年以上では全体の平均年齢を上回りました。
また、「10年未満」では「40代」が最多(構成比34.5%)となる一方、「30~50年未満」では「60代」「70代」(同29.3%)、「50~100年未満」「100年以上」では「60代」(各、同29.7%、同32.7%)がそれぞれ最多となりました。
業歴別における「80歳以上」の割合をみると、「50~100年未満」では構成比7.4%、「100年以上」では同6.2%と、50年未満よりも割合が大きくなる傾向がみられました。

<都道府県別>
都道府県別にみると、「秋田県」が平均62.2歳(全国平均+2.1歳)で最も高く、「岩手県」が62.0歳(同+1.9歳)、「青森県」が61.8歳(同+1.7歳)でこれに続いています。
また、東北以外でも主に東日本において全国平均を上回る地域が目立ちました。
1990年と比較して社長の平均年齢が最も高くなったのは「秋田県」(+8.4歳)、次いで「青森県」(+7.9歳)、「山梨県」・「沖縄県」(+7.8歳)となりました。
一方、「三重県」は平均58.8歳(全国平均▲1.3歳)と、全国で最も平均年齢が低くなっています。

<早めの後継者選定および育成に取り組むことの重要性>
2020年の社長の平均年齢は60.1歳と、調査開始以来初の60歳超となりました。
高齢化が進むにつれて社長の平均年齢も右肩上がりで推移しており、1990年(平均54.0歳)と比較して6.1歳上昇しました。
また、業歴30年以上では全体の平均年齢を上回っており、老舗クラスの企業においては社長の高齢化が顕著に進んでいるといえるでしょう。
社長平均年齢の上昇は、年齢に関係なく第一線で活躍し続ける社長が多いことを示しています。
その反面、事業承継の観点では課題の一つになり得ます。
2020年時点の社長交代率は3.80%と、ここ数年の推移から大きな変動はみられないほか、後継者が不在であることなどが一因となった倒産(後継者難倒産)は2020年1月から12月で452件と、依然高水準です。
企業の将来性を担保する観点からも、早めの後継者選定および育成に取り組むことの重要性が増しています。
社長の平均年齢は今後も上昇傾向が続くとみられますが、これまでに培ってきたノウハウや歴史を絶やさないためにも、円滑な事業承継に向けた準備が急務になっているといえるでしょう。

国も事業承継に力を入れていますが、新型コロナウイルスの影響もあるのかもしれませんが、事業承継が思ったほど進んでいませんね。
日本経済を支え、雇用を守り、地域に貢献するためなどには円滑な事業承継は必要です。
国もそうですが、金融機関、我々公認会計士や税理士がもっと積極的に推し進めていかないと手遅れになってしまうと思います。
今後は引き継ぐ世代の人口がどんどん減っていくわけですから。

社長の平均年齢が調査開始以来初めて60歳に到達したことについて、どう思われましたか?


広島銀行が事業承継の専門サイト立ち上げ中小企業を開拓!

日本経済新聞によると、広島銀行はNTTドコモなどと組み、企業の事業承継をサポートする専門サイトを2月1日に試験的に開設すると発表しました。
ネットで申し込みを受け付け、地元の税理士などを紹介するようです。

広島銀行はこれまでも事業承継業務を手がけてきましたが、経営者の高齢化でニーズが増え中小企業まで手が回らないこともあったようです。
より効率的に地場企業の相談に対応できる仕組みとして期待しているようです。

広島県内にある年間売上高10億円未満の会社を主なターゲットとします。
サイト名は「事業承継サポート」です。
経営者は申し込み後、地元の税理士など10人の中からアドバイザーを選んで相談できます。
事業承継の手法を決めて契約を結ぶまで費用はかかりません。
親族内承継が難しく、外部の企業に自社を売却するための相談が中心になると見込んでいるようです。

サイトの試験運用は2022年1月末までで、期間内に100件の相談受け付けを目指しています。
うまくいけば、2022年3月ごろに本格的なサービスとして始めます。

個人的には、今まで、手が回らないというよりは、(手数料ビジネスの)収益にならないと思って取り組んでいなかったけれど、銀行の業績が悪くなり、もう少し小さな企業から手数料を取ることを考え始めたのではないかと思います。
中小企業から手数料があまり取れなくても、紹介した税理士から取ることができますから。
あとは、事業承継のお手伝いをしないと、融資先がなくなったり、(事業承継の支援を積極的に行っている)サブにメインを取られたりするリスクもあるわけですから。

広島銀行が事業承継の専門サイト立ち上げ中小企業を開拓することについて、どう思われましたか?


事業承継の仲介企業が受け皿としてファンドを設立!

日本経済新聞によると、第三者承継のニーズの高まりを受け、事業承継の仲介企業も動き出したようです。
名南コンサルティングネットワーク(名古屋市)は2020年10月、投資専門会社の「名南経営キャピタル」を設立しました。
自己資金で投資しながら経営を支援するセレンディップ・ホールディングス(HD、名古屋市)はグループ企業を6社に増やしています。

名南経営キャピタルは2021年1月にも1号ファンドを組成します。
自己資金で10億円規模をまかないます。
「後継者不足に悩みつつも、成長が期待できる中部圏の中小企業を投資対象としたい」(永井晶也社長)そうです。
議決権の過半数を抑え、名南ネットワークのサポートで投資先の収益力を高めるのが基本戦略です。
3~5年程度をかけて第三者への再譲渡や新規株式公開(IPO)で出口を探ります。

名南ネットワークに相談する顧客企業の中には「後継者不足に悩むが、譲渡先がいきなり第三者というのには抵抗感がある」という企業が少なくないそうです。
ファンドはこうした企業の受け皿としての役割を担うことになります。

ファンドと聞いただけでアレルギー反応を起こす経営者はまだいるようです。
セレンディップHDは長期保有を前提にしています。
投資先の信頼感を得ながら、収益を立て直して経営指導料を得る事業モデルです。
目指すのは「経営力の高いものづくり企業集団」(竹内在社長)です。

2018年にはトヨタ自動車の内装部品を手掛ける三井屋工業(愛知県豊田市)を譲り受けました。
トヨタと関係の深いサプライヤーがコンサルティング会社に事業譲渡するのは珍しいそうです。
2020年夏にはシステム開発会社を傘下に収め、グループのIT(情報技術)基盤を整えています。

最近は、事業承継の受け皿としてファンドを作るところが増えているみたいですね。
早く入りたい、直接第三者に売るのは抵抗があるとかいう場合には、ファンドもバリューアップして売却益を得ることができますので、両者の利害が一致する感じですね。
スキームはどうであれ、事業承継ができ、会社が存続し、雇用も継続するということで日本の経済を守っていけると思いますので、どんどん色々なスキームができてほしいですね。

事業承継の仲介企業が受け皿としてファンドを設立したことについて、どう思われましたか?


後継者難倒産がコロナで加速!

J-CASTニュースによると、少子高齢が進むなか、中小企業では事業後継が大きな課題の一つになっています。
東京商工リサーチが2020年11月2日に発表した調査結果によると、2020年1~9月に発生した後継者難による倒産は278件で、前年同期比54.4%増と急増していることがわかりました。

東京商工リサーチが集計を開始した2013年以降で年間(1~12月)の最多を記録した2015年(279件)を大幅に上回り、最多件数を塗り替えることが確実です。
2020年になって突然社会を覆ったコロナ禍の影響が大きいとみられます。

2020年1~9月に発生した後継者難を要因とする倒産のうち、48.5%とほぼ半数の135件は、1980年代以前に設立・創業した業歴30年以上の企業です。
また、倒産に至った代表をめぐる理由は、「死亡」が119件(前年同期比21.4%増)と最多で、次いで「体調不良」の96件(同57.3%増)となっています。
構成比は前者が42.8%、後者が34.5%と、1、2位で計215件と77.3%を占めています。

トップの高齢や健康不安が、後継者がいない企業での最大の経営リスクになっているということでしょう。

2020年1~9月の全国の企業倒産件数は6,022件(前年同期比2.4%減)で、前年同期を下回っています。
新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われて増えた倒産件数でしたが、政府の支援策が奏功し、再び企業倒産は小康状態になっています。

その一方で、後継者難倒産は急増しています。
代表者が高齢化などに悩むなか、コロナ禍の直撃を受けて事業意欲が低下したとみられます。

後継者難倒産が、全倒産に占める割合は、2013年1~9月は2.1%でしたが、2020年同期は4.6%に拡大しました。

東京商工リサーチによると、中小企業では、代表者が営業や経理の責任者を兼務することも少なくなく、このことが会社全体での情報共有に障害となり、後継者候補などブレーンも育ちにくい要因になっています。
そのため、代表者の急な死亡や病気に直面すると事業継続が困難に陥りやすいと言えるでしょう。

コロナ禍の収束が見えないなか、後継者がいない企業では倒産や廃業が加速する可能性も高いようです。

みずほフィナンシャルグループ系列シンクタンク、みずほ総合研究所の上席主任コンサルタント、堀内直太郎さんは、2020年8月25日に「ウィズコロナの事業承継に必要な中長期的『構造変革』の備え」と題するレポートを公開しました。
このなかで東京商工リサーチが2020年7月に発表した「2020年上半期(1~6月)『後継者難』の倒産状況調査」を引用して、コロナ禍の収束が見通せないこと関連づけて、経営者の高齢化や人手不足による事業承継問題が深刻さを増していることを指摘しています。
「内に後継者がいない企業の中には、これまで想定してこなかったM&Aを具体的に検討し始めるケースも少なくない」と、指摘しています。

狭義の事業承継やM&Aに関わる僕としては、実感として合っています。
事業承継関連のお仕事で経営者の方にお話を聞いていると、後継者が既に会社にいて、ほとんどのことは経験しているが、経営者や経営者の配偶者が握っている経理・財務だけ経験していないというケースが非常に多いように感じます。
ここも早めに引き継いておかないと、危ないですね。
また、M&Aのネットでのマッチングサイトのアドバイザーとして登録していますが、最近は、飲食店をはじめ、かなり売り案件が多くなっています。
良い意味でコロナがきっかけで広義の事業承継が進めば良いとは思います。
ただし、コロナによる業績悪化で売らざるをえないようになってからでは、買い手もなかなか見つからないと思いますので、こちらも早めの決断が必要ですね。

後継者難倒産がコロナで加速していることについて、どう思われましたか?


群馬銀行が事業承継や相続のCM!

日本経済新聞によると、群馬銀行は、事業承継と相続に関するテレビCMを群馬テレビや自行ホームページなどで配信を始めました。
2020年8月下旬から順次配信しており、時間の長さによって、15秒と30秒の2種類ずつ制作しています。
事業承継と相続に関する顧客のニーズを喚起し、関連業務での収益の積み増しを狙うようです。

群馬銀行が事業承継や相続に関するテレビCMを配信するのは初めてだそうです。
群馬テレビでは、群馬銀行がスポンサーの番組内で配信しています。

群馬銀行は2022年3月まで3年間の中期経営計画で、事業承継支援では6千件の実施を目標に掲げています。
2020年6月末までの累計では3,343件でした。
同じく400件を目標とする相続関連業務では93件でした。

銀行がどれほど事業承継や相続の支援ができるのか分かりませんが、こういったCMで、少しでも事業承継や相続のニーズの掘り起こしができるのであれば、資金に余裕があるところにどんどんやって欲しいですね。
我々公認会計士や税理士では、限界がありますので。
両方ともCMを観てみましたが、少しインパクトに欠けるなぁという感じはしますが。

群馬銀行が事業承継や相続のCMを配信し始めたことについて、どう思われましたか?


山陰の6信金が事業承継で連携!

日本経済新聞によると、山陰地方の6つの信用金庫は、先日、事業承継の後押しで連携することで合意しました。
山陰地方では企業経営者の高齢化が大きな課題であるため、引き継ぎ先候補の企業を紹介し合うほか、信金中央金庫の提携先の専門機関も活用し、地域経済の維持や雇用確保を図ります。

ネットワークに参加するのは、鳥取県内の鳥取、米子、倉吉の3信金、島根県内は、しまね、日本海、島根中央の3信金で、これに、信金中央金庫と信金キャピタルも加わります。
「山陰の企業で承継できれば、地元の雇用が守られ意義が大きい」と山陰信用金庫協議会会長を務める島根中央信金の福間均理事長は話しています。

同様の連携は2019年秋に岡山県の8信金が全国で初めてスタートさせ、2020年7月に広島県の4信金も取り組むなど中国地方の取り組みが先行しています。

帝国データバンクの調査によると「後継者がいない(決まっていない)」という企業は鳥取県で約76%、島根県で約71%あり、全国平均(65%)と比べて高水準です。

こちらも、広島県に引き続き、良い試みですね。
個人的には、やはり、売り手も買い手も数が多い方が良いと思いますので、信用金庫だけでなく、地方銀行なども加わればいいなぁとは思いますが。
信金キャピタルのホームページを見ても、2001年5月14日から2020年8月17日までの19年間で140件しか成約していないわけですので。

山陰の6信金が事業承継で連携したことについて、どう思われましたか?


「廃業惜しい」と昔ながらの老舗を近所の食品メーカー社員が新社長に就任し職人技を引き継ぐ!

上毛新聞によると、100年以上続く老舗の技術を守れと、昔ながらの製法であめを作る小見製菓(群馬県高崎市江木町)の新社長に、近くの食品メーカーに勤める方(36)が就任しました。
先代社長(71)から職人技を少しずつ受け継ぎ、新たな一歩を踏み出しました。

「あと2回でよろしく」と、水盤という冷たい台の上で煮詰めた水あめや砂糖を何度も折り畳んでいます。
あめ全体を均一に冷やせるかどうかで仕上がりが左右される重要な工程です。後継者は先代社長から微妙なあんばいを教わり、重さ20キロ以上のあめを練り込んでいます。

2019年12月に相川さんが食品衛生指導員として同社を訪問したのが、2人の出会いでした。
体力の低下などから廃業を決めた先代社長が機械を手放し始めた頃でした。
先代社長の職人技を反映させた年季の入った機械を前に「まだ動くのに、なくしてしまうのは惜しい」と跡取りに名乗りを上げたのです。

同社は1918年に先代社長の祖父が創業し、ニッキあめや黒あめなど伝統的な菓子を製造、販売してきました。
以前は高崎市内だけであめ製造の会社が10社以上あったそうですが、現在は同社のみだそうです。
企業買収での継続も考えていたようですが、創業100年を区切りに畳もうとしていました。

2020年5月1日付で正式に社長を交代しました。
後継者は勤務する会社と小見製菓が同じ町内にあり、業務を掛け持ちしています。
引退した先代社長からあめ作りを学び、技術を磨いています。

卸売業者だけでなく個人客からも注文が入るたびに、小見製菓は愛されていると感じるという後継者ですが、新社長となった今、伝統を受け継ぐ地元の産業としての価値を高め、新たな販路をつくれないかと考えています。
先代社長に支えてもらいながら「まずは売り上げを増やし、少しずつ頑張りたい」と意気込んでいます。

群馬経済研究所(前橋市)が2018年に実施した事業承継動向調査によると、群馬県内企業263社のうち16.7%(44社)が「後継者不在」と回答しています。
73.5%が経営上の課題として捉えているにもかかわらず、「(承継の)計画があり、進めている」と応えた企業は36.4%にとどまりました。

同研究所は「後継者がいないことで廃業する企業が増えれば、技術やノウハウ、雇用が失われる。地域経済の活力を維持するためには円滑な事業承継が重要」としています」。

国もここ数年事業承継に力を入れていますが、ビジネスとして見合う報酬を支払うことのできないような案件、この事例のような案件を引き継ぐことが、個人的には重要だと思っています。
地元の方に愛されていたお店が急にやめて、悲しい思いをしたことのある方も多いのではないかと思います。
もちろん、全国展開のチェーン店ではなく、地元の小さなお店に行くという地元の方の貢献は必要になると思いますが、味や技術や雇用や町の存続を図っていくことが非常に大事なのではないかと思います。
そのためには、Uターンを考えている人、転勤とかをしたくない人、今の仕事に満足していない人、何か新しいことをしたい人、そのお店を大好きな人などが、こういうお店を引き継いでいって欲しいなぁと改めて思いました。

「廃業惜しい」と昔ながらの老舗を近所の食品メーカー社員が新社長に就任し職人技を引き継ぐことについて、どう思われましたか?


広島の4信金が事業承継で連携!

日本経済新聞によると、広島県内の4つの信用金庫は、先日、取引先の事業承継を後押しするネットワークを立ち上げました。
引き継ぎ先の候補となる企業を紹介し合うほか、信金中央金庫の提携先の専門機関も活用します。
広島県内では後継者難に加え、新型コロナウイルスによる業況悪化で中小の廃業が増えかねません。
各信金は地域の技術や雇用を守る取り組みを「点」から「面」で展開する狙いです。

同ネットワークに参加するのは広島信金(広島市)、呉信金(広島県呉市)、しまなみ信金(同三原市)、広島みどり信金(同庄原市)です。
信金中央金庫や同中金が提携する専門機関、信金キャピタルなども入ります。

4信金は事業承継の相談があった場合、買い手となる可能性がある取引先の情報を交換します。
従来はそれぞれの金庫の取引先内で引き継ぎ先を探すことが多かったようですが、営業エリアが限定されているために限界もあったようです。
他の信金の協力を得ることで、事業基盤を県内にとどめることにつなげます。

今回の取り組みでは信金同士の横の連携に加え、信金中金が業務提携を結んでいるスタートアップ企業や専門機関なども力を発揮します。
トランビ(東京都港区)が手掛ける事業承継の仲介サイトに各信金が案件をあげることで、より広域で買い手企業を探すことができるようにします。

事業承継を検討する売り手企業は相手探しに時間や費用がかかることが多く、煩わしさから廃業を決める例も少なくありません。
買い手とのマッチングまでは売り手に費用がかからない仕組みにすることで、廃業ではなく事業譲渡や売却といった承継につなげることを目指します。
マッチング後の監査や株式譲渡にかかる契約書類の作成などはミロク情報サービスグループなどが税理士や会計士を紹介するようです。

同様の仕組みは2019年秋に岡山県でも立ち上がっており、今回は全国で2例目です。
岡山県では既に複数の成功事例が出ているそうです。

広島でも同ネットワークが立ち上がった背景には、広島県内の後継者不足の問題があります。
帝国データバンク広島支店がまとめた調査によると、県内企業の後継者不在率(2019年)は7割超で、全国で4番目に高い水準です。
広島県内の経営者の平均年齢は59.8歳と、高齢化も年々進行しています。

足元では新型コロナの影響で、幅広い業種で収益環境が悪化しています。
呉市では日本製鉄が呉製鉄所(現・瀬戸内製鉄所呉地区)を2023年9月末までに閉鎖することもあり、広島県内での廃業増も懸念されています。
2019年の県内における休廃業・解散件数は650件と、3年ぶりに増加しました。
帝国データバンク広島支店の藤井俊氏は「今後はさらに増加基調になる可能性が高い」と指摘しています。

先日の発足式で、広島信金の武田龍雄理事長は「コロナによる廃業は何としても防ぎたい」と話しました。
地域金融機関としては取引先に事業を継続してもらうことが最も望ましいですが、「事業承継も一つの選択肢として提示できることが大事」(呉信金の向井淳滋理事長)と話しています。
廃業を防ぎつつ、円滑な承継の好事例を広島県内で共有する取り組みも欠かせません。

良い試みですね。
本当は、自県のことを考えるのであれば、地銀も巻き込めればいいのでしょうが、そう簡単にはいかないんでしょうね。
一方で、残念ながら、国が各都道府県に設置している事業引継ぎ支援センターや事業承継ネットワークにあまり期待していないということの表れようにも思われますので、事業引継ぎ支援センターや事業承継ネットワークにも頑張って欲しいと思います。

広島の4信金が事業承継で連携したことについて、どう思われましたか?


事業承継の際の個人保証が不要になる中小企業成長促進法が成立!

日本経済新聞によると、中小企業の事業承継の際に、経営者の個人保証を不要にする制度を盛り込んだ「中小企業成長促進法」が、先日の参議院本会議で可決、成立したようです。
信用保証協会が経営者の個人保証を肩代わりする制度を新設します。
中小企業が事業承継をためらう一因を排除し、体力のある中小企業の廃業を防ぎます。

同法は事業承継を後押しする改正経営承継円滑化法などを束ねています。
経済産業大臣の認定を受けると、事業承継の際に通常の保証と別枠で最大2.8億円の保証を受けられるようになります。

経営者の高齢化などで中小企業が後継者を探す場合、個人保証の存在がネックとなるケースは多く、円滑な事業承継の妨げとなっていました。

事業の拡大で公的支援を打ち切られることが理由で中小企業が経営革新に尻込みするのを防ぐため、支援制度も見直すようです。
国や地方自治体が地域活性化に重要と認めた場合、大企業へと成長した後も地域未来投資促進法に基づく計画期間中は低利融資などの特例を受けられるようにします。

血縁関係のない社内のサラリーマン役員や従業員を後継者とすることを考えたとしても、財産がそれほどないことも多く、保証や担保提供がネックとなり事業承継が進まないこともありますので、良い方向に向かっていますね。
そもそものところは、金融機関が事業内容を評価して、将来のキャッシュ・フローを担保に融資すれば、経営者の担保提供や保証はいらないと思うのですが、金融機関にその能力があまりないのと、世の中には悪いことを考える人もたくさんいますので、なかなか難しい面もありますが、こういった方法で補われるのはありがたいですね。
コロナ禍で、事業承継がさらに後回しになってしまうかもしれませんが、使えるところは有効に使ってほしいですね。

事業承継の際の個人保証が不要になる中小企業成長促進法が成立したことについて、どう思われましたか?


中小企業の休廃業件数の推移!

新型コロナウイルスの感染拡大により資金繰りや財務が悪化する中小企業が相次ぐなか、後継者を見つけられず廃業に追い込まれるケースが出てきています。

政府は2020年度補正予算に事業承継の支援策として、100億円を計上しました。
廃業の抑制を図りたい考えです。

一方、東京商工リサーチによると、新型コロナに関連した経営破綻は4月に急増し、4月27日時点で100件に達しました。

4月20日には、東京・銀座の歌舞伎座前の老舗弁当店「木挽町辨松」が、後継者がいないことなどを理由に廃業し、歌舞伎役者やファンの間に波紋が広がったのも記憶に新しいところです。

2019年に約4万3,000件だった中小の休廃業件数は2020年、増加するとみられます。

新型コロナウイルスの影響で、お店を一定期間閉めたり、営業時間を短縮したり、お店を閉めたものの再び開けるタイミングが見つからないなど、中小企業も、今後、どんどん休業や廃業するところが出てくると思います。
現在、色々な融資制度や給付金や助成金などが出てきたり、社会保険料や税金の猶予が認められたりはしていますが、給付金や助成金など返さなくてもよいものを除き、結局は無利息だろうと、元本を返済したり、社会保険料や税金を支払ったりしないといけません。
新型コロナウイルスが落ち着いたとしても、おそらくしばらくは厳しい状況は続くでしょう。
それゆえ、融資などで延命したとしても、結局は破綻に追い込まれる企業も増えてくると思われます。
よって、将来的なことを考え、早めに休業や廃業を決めることも英断かと思いますので、休廃業は増えるでしょうが、良い意味での早めの休廃業の決断が増えることは、悪くはないかもしれません。

中小企業の休廃業件数の推移について、どう思われましたか?


特例で猶予される事業承継税制の申請は10倍だが認知向上に課題!

日本経済新聞によると、「約3000万円の贈与税の支払いがすべて猶予されました」と都内で部品製造会社を経営するAさんはほっとしたように話しています。
創業者の父親が80代と高齢のため、2019年に父の所有する株式の贈与を受けて社長に就任しました。
会社を継ぐ際の税負担がネックでしたが、「事業承継税制」が2018年に大幅に緩和されたことが背中を押したそうです。

(親族内)事業承継とは、大まかにいえば中小企業を経営する親から子に経営を譲ることです。
その際に子は親の株式を贈与や相続や売買で取得する必要があります。
ただし業績が好調だったり、会社の保有資産が多額だったりすると株式評価額は高くなり、贈与税や相続税や所得税の負担が重くなる例は少なくありません。
そこで雇用維持(現在は実質的に撤廃)などの条件を満たせば納税負担を軽減するのが、事業承継税制なのです。

経営を引き継いだとき猶予された贈与税は先代の経営者が亡くなると免除になります。
一方で、贈与された株式は相続税の対象ですが、手続きをすれば、納税は猶予されます。
次の世代まで経営を引き継ぐと、猶予されていた相続税は最終的に免除となります。

事業承継税制は2009年に始まりましたが、条件が厳格で利用は低調でした。
そこで政府は2018年1月から10年間の特例として、一定の手筒機などをすれば、贈与や相続に伴う税負担を全額猶予・免除することにしました。
従来からあった特例措置ではない一般措置は、相続税は全株式の53%相当のみ、贈与税は67%相当のみの猶予で、残りは納税する必要があるだけに、思い切った措置なのです。

政府の緩和を受けて、都道府県に特例承継計画を提出する経営者は増えています。
特例措置に必要な計画の申請件数は2019年に3,815件と、一般措置だけだった2017年の396件に比べほぼ10倍に膨らんでいます。

優遇のメリットに加えて、特例の対象になるには2023年3月31日までに計画を申請する必要があることも件数を押し上げたようです。
期限を過ぎると一般措置しか受けられないため「特例を受けるか否かは別として、ひとまず計画を提出する経営者が目立った」と税理士の藤曲武美氏は話しています。

ただ、特例の内容が十分に知られていない面もあるようです。
東京商工会議所が特例承継計画の策定状況を中小企業に調査したところ「申請中」「申請を検討している」との回答は合計で14%弱にとどまり、「よく分からない」が23%あまりを占めました。

中小企業は国内企業の大半を占め、独自の技術・ノウハウをもつ企業はたくさんあります。
中小企業庁によると、2025年までに平均引退年齢の70歳を超える中小企業経営者は245万人で、その約半数は後継者が未定です。
特例の認知度が上がれば、活用する企業が増える余地は大きいといえそうです。

上記はもともと日本経済新聞の記事ですが、少し付け加えています。
あまりにも、簡単に事業承継税制が使えるような書き方だからです。
個人的には、この記事ほど、事業承継税制が知られていないわけではないように感じます。
皆さんが考えているほど、簡単ではありません。
『猶予』であって『免除』ではないからです。
上記に『免除』というところがでてきますが、一方で後継者が『猶予』を引き継ぐだけです。
新型コロナウイルスの影響で、業績が悪化し、財務状況も悪化する企業が増えると推測されます。
確かに株価は安くなり、事業承継対策はしやすくなる面はあるかもしれませんが、そのような会社を後継者が引き継ぎたいと思うでしょうか?
個人的には、いわゆる親族内もしくは会社内の第三者への承継は思ったほど増えず、会社外の第三者への承継(いわゆるM&A)が増えるのではないかと考えています。
国がせっかく多額の予算を投入して事業承継を進めようとしていますが、当初の想定とは違う方向に行きそうですね。

特例で猶予される事業承継税制の申請は10倍だが認知向上に課題があることについて、どう思われましたか?


新型コロナで後継者不足が深刻化し政府が中小企業・個人事業者の事業承継の支援を強化!

新型コロナウイルスの感染拡大により資金繰りや財務が悪化する中小企業が相次ぐ中、後継者を見つけられず廃業に追い込まれるケースが出てきています。
政府は2020年度補正予算に事業承継の支援策として100億円を計上しました。
廃業の抑制を図りたい考えです。

東京商工リサーチによると、新型コロナに関連した経営破綻は4月に急増し、4月27日時点で100件に達しました。
先日、東京・銀座の歌舞伎座前の老舗弁当店「木挽町辨松」が、後継者がいないことなどを理由に廃業し、歌舞伎役者やファンの間に波紋が広がりました。
2019年に約4万3,000件だった中小の休廃業件数は今年、増加するとみられます。

国内雇用の7割を占める中小企業の経営者や個人事業者の多くが後継者不足に頭を悩ませる中、コロナ拡大がこの問題を一段と深刻化させています。
宿泊・飲食業を中心に需要回復が見通せないだけに、事業を引き継いでくれる人が見つかりにくくなっているためです。

政府は補正予算で事業承継の仲介手数料などに対応した補助金を新設しました。
官民が出資する支援ファンドも創設します。
後継者が見つからない場合でも、企業の合併・買収(M&A)は事業を存続させる有効な手段となります。中小企業庁は2020年3月、中小企業向けにM&A契約の具体例や仲介手数料の目安をまとめた指針を策定しました。
「ハゲタカのイメージが強いM&Aに対する不安を払拭(ふっしょく)したい」(幹部)としており、M&Aによる廃業回避を進める方針です。

このような状況を考えると、破綻や休廃業が増えるのは明らかでしょう。
当然、M&A市場で、売り希望の企業は増えるでしょう。
しかしながら、一般的に、財務状態や経営成績が悪化している企業を買い手が買う可能性は下がるでしょうし、買い手側の財務状態や経営成績が悪化している可能性も高いため、買いにくくはなるでしょう。
ただし、一部の元気な企業はチャンスとみて積極的にM&Aを進めるでしょう。
このような中で、事業承継の仲介手数料などに対応した補助金を新設したり、官民が出資する支援ファンドを創設したり、中小企業向けにM&A契約の具体例や仲介手数料の目安をまとめた指針を策定したりしても、あまり役に立たないのではないかとも思えますね。

新型コロナで後継者不足が深刻化し政府が中小企業・個人事業者の事業承継の支援を強化していることについて、どう思われましたか?


「事業承継」の窓口である事業引継ぎ支援センターと事業承継ネットワークを一本化!

政府は事業承継を支援する国の機関「事業引継ぎ支援センター」と、経済産業省が自治体などと連携して支援する「事業承継ネットワーク」を2021年4月に統合するそうです。
5月にも今通常国会に提出する「中小企業成長促進法案」に関連法案を盛り込みます。

関連事業の窓口を一本化することで、連続性のある支援の提供と事業者の利便性向上につなげます。
統合した機関を、経営再建を支援する国の機関「再生支援協議会」に合流させるかが今後の焦点とみられます。

事業承継ネットワークは、親族内外の事業承継を促進するため、2017年度から経済産業省のプッシュ型事業承継支援高度化事業として開始しました。
東京都を除く道府県で支援事業を展開しています。
独自の事業承継診断を活用し、商工団体や金融機関などの専門家が課題を探るとともに、経営者に事業承継の準備に対する“気付き”を促しています。
事業承継診断の実績は2019年4月から9月の半年間で約6万3,400件です。
中小企業庁は、この診断結果を事業引継ぎ支援センターでも活用し、“気付き”を事業承継の実現につなげたい意向です。

事業引継ぎ支援センターはデータベースを活用し、県境を越えたマッチングで事業承継を促進しています。
センターは全国47都道府県に設置され、2011年度の発足以来、相談件数は累計4万件超と増加傾向にあります。
ただし、政府が今後10年間で60万人の第三者承継を目指しているのに対し、事業引継ぎ支援センターの事業引継ぎ件数は、累計約3,000件にとどまっています。

事業引継ぎ支援センターの業務はM&A(合併・買収)による事業承継に限られていることが背景にあります。
事業引継ぎ支援センターと事業承継ネットワークが円滑に統合するには、親族内承継事業を追加する必要があり、今国会で法改正を目指します。

また、東京商工リサーチがまとめた「2019年休廃業・解散企業動向調査」によると、休廃業・解散する直前期の決算は、2019年には赤字率が5年前より1.2ポイント上昇して38.6%になっています。
赤字経営が廃業を促す一因となっていると言えるでしょう。

事業引継ぎ支援センターと、経営再建を支援する再生支援協議会が統合すれば、こうした事態を回避する効果が期待され、今後の課題になります。
ワンストップの支援により、経営再建と経営者の交代が同時に進むことになります。

僕自身、中小企業基盤整備機構(いわゆる中小機構)で事業承継コーディネーターをやっているので、『色々なところがあるのでどこに頼んでよいのか分からない』と言われることがまぁまぁあります。
個人的には、まずは窓口を一本化したほうが良いと思っていたので、とりあえず一本化は良いことだと思います。
ただし、一本化して終わりということではなく、あとは目標などの数値を達成することが目的ではないと思いますので、きちんと事業引継ぎの後押しができる組織になってほしいですね。

「事業承継」の窓口である事業引継ぎ支援センターと事業承継ネットワークを一本化することについて、どう思われましたか?


中小企業の「2025年問題」は根深い!

 ニッセイ基礎研究所によると、中小企業の事業承継問題が話題になる機会が増えています。
経営者が高齢化していく中、後継者が見つからない中小企業も多くなっています。
2017年秋に経済産業省と中小企業庁が出した試算によれば、「現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる」可能性があるそうです。
あわせて、休廃業・解散企業の約5割が黒字であることにも触れ、地方経済の再生・持続的発展には事業承継問題の解消が必要であると言及しています。
上記は一定の仮定を置いた試算ではありますが、2025年まで残された時間は少なくなる中、政府も中小企業の事業承継対策に取組んでいる状況です。

中小企業は、企業数では日本企業の約99%を占め、従業員数では約70%を占めます。
経済や社会の基盤を支え、雇用の受け皿として機能としていると言えるでしょう。
中小企業の経営は、経営者自身の手腕・信用によるところも大きくなっています。
しかしながら、その経営者の高齢化が進んでいるのです。
年代別に見た経営者の年齢分布を見てみると、1995年から2015年にかけて高齢の経営者の割合が増加しています。
経営者年齢のボリュームゾーンは、40代後半から60代半ばへと移動しています。
あと数年で、そのボリュームゾーンが70代に突入するのです。
まだまだ元気で活力ある経営者も多いのでしょうが、そのボリュームゾーンにいる多くの経営者が引退を考える時期がもうすぐやってくるのです。

しかしながら、まだ後継者を決められていない経営者が多くなっています。
東京商工会議所のアンケート調査によれば、「既に後継者を決めている」経営者は、60代で約3割、70代でも約5割に留まっています。

また、同アンケートで「後継者は決めていないが、事業は継続したい」と回答した経営者の多くが後継者探索・確保を障害・課題と感じています。
ところが、そう感じていてもその準備・対策に取組む経営者は少ないようです。
日々の経営で精一杯、または何から始めたら良いのか分からないといったことも背景にあるのでしょう。
後継者を決定して終わりではなく、後継者の育成、承継準備にも時間がかかることを考えると、承継のハードルは年々上がっていくことになります。

かつては子や親族が事業を承継するケースが多かったですが、親族内承継が必ずしも当たり前ではなくなってきています。
事業承継のリスクや不安から、安定した会社勤めを選ぶ経営者の子・親族も多くなっています。
最近は、役員・従業員への承継や、M&A等(株式譲渡や事業譲渡等)による承継が増加傾向にあります。
こうした後継者確保の難しさ、親族外承継のニーズの高まりもあって、中堅・中小企業のM&A仲介を手掛ける株式会社日本M&AセンターのM&A成約件数は堅調に伸びているのです。
地方銀行への事業承継への相談件数も増加傾向にあり、事業承継問題はM&A仲介業や地方銀行、コンサルティング会社等にとっては、大きなビジネスチャンスになっている一面もあるのです。

政府も、成長戦略において今後10年程度を「集中実施期間」とする等、取組みを強化する方針です。
例えば、「平成30年度税制改正」では、事業承継の際の贈与税・相続税の納税を猶予する事業承継税制について、「今後5年以内に特例承継計画を提出し、10年以内に実際に承継を行う者」を対象として抜本的に拡充しています。
また、2018年7月に中小企業等経営強化法、及び中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部改正が施行され、M&A等再編による事業承継への措置や、親族外承継時の資金ニーズへの対応が追加されました。

まだまだ後継者が決まっていない企業も多い中、政府の支援策や、M&A仲介業・地方銀行といった民間のサポートで、事業承継問題がどこまで好転するのかに注目が集まっています。

経営者の高齢化、事業承継の問題は今になって叫ばれているわけではありません。
2004年度版の中小企業白書にも、経営者の高齢化、後継者難が言及されています。
それから約14年、経済環境は改善しましたが、事業承継問題は依然として大きな課題として残っており、解決の難しさを改めて認識させられます。

事業承継を考える経営者・中小企業は、早めに課題に着手する必要があります。
仮に後継者が見つかったとしても、後継者の育成やその準備に数年かかることも多くなっています。
M&Aによる株式譲渡、事業譲渡等を考えるにも、実際にM&Aが成立するまでには時間がかかります。
買い手がすぐに見つかるとは限りませんし、買い手候補が見つかったとしても、企業価値算定・デューデリジェンス・条件交渉(譲渡価格、今後の経営方針、従業員の処遇等)には一定の時間を要します。
売り手の時間に余裕がなければ、足もとを見られて買い手ペースで交渉を進めなくてはならないこともあるでしょう。
また、所在不明株主が存在する場合には、買い手が嫌がって条件で譲歩せざるを得ないケースもあります。
そうした所在不明株主の整理等にも時間を要する点には留意が必要です。
また、M&Aによる承継が増えてきたとはいえ、小規模・零細事業者のM&Aの担い手はまだまだ少なく、小規模・零細になるほどハードルも高くなっています。
このように、事業承継には時間がかかり、早めの着手が求められるものの、実際には何から手をつけて良いか分からない経営者も多くなっています。
地域金融機関、地方自治体、商工会・商工会議所等の支援組織の一層の啓蒙・支援活動に期待したいですね。

また、親族内承継であっても、親族外承継であっても、如何に企業の魅力を高められるかが重要です。
中小企業庁の「経営者のための事業承継マニュアル」の中でも、事業承継に向けた経営改善、会社の「磨き上げ」の重要性が強く指摘されています。
後継者候補に是非継ぎたいと思わせるように、他の企業から是非買いたい、その事業が欲しいと言われるように、企業の魅力を高めていく必要があるのです。

継続的に利益を出して成長し、雇用の受け皿となるような魅力や可能性のある中小企業が、後継者がいないという理由で廃業に追い込まれるのは余りに惜しいですね。
事業承継で経営者としてチャレンジしたいという人材を増やしていく必要があります。
イノベーション推進・ベンチャー支援策にも共通する点ですが、日本はリスクをとって起業等にチャレンジする人が少ないことが長らく指摘されてきました。
アントレプレナーシップ(起業家精神)を育む起業家教育や、承継後間もない経営者への支援策、ロールモデルの提示等の更なる推進が必要でしょう。

アベノミクスで景況感が改善したものの、中小企業は新たな経営課題に直面しています。
深刻化する人手不足が中小企業を悩ませています。
また、小売や生産の現場等、様々な領域でデジタル化が急速に進もうとしています。
今後、IT人材に乏しく、積極的なIT投資に手を打てない中小企業が、競争力を失う可能性もあります。

後継者がなかなか見つからない状況下、中核人材獲得や生産性向上を果たせず競争力に乏しくなった中小企業の退出(廃業)が一定程度増えていくことは避けられないでしょう。
ネガティブな話題が先行する事業承継問題ですが、むしろこれを契機に、廃業、再編、経営者の若返り等を通じて、産業や経済の新陳代謝を進めていくことも求められます。
活力ある中小企業が次々と登場し、日本経済、地方経済を盛り上げていくことが出来るでしょうか?
今後の展開を見守りたいですね。

上記は目新しいことは一つも書いていませんが、事業承継がなかなか進んでいないのは事実です。
僕自身、独立して8年半ほど経ちますが、独立当初から事業承継は事務所の柱として捉えています。
色々な面で、事業承継の重要性が叫ばれていますが、まだまだ進んでいないのは、公認会計士・税理士・中小企業基盤整備機構事業承継コーディネーターとして力不足と、認識していただく難しさを感じています。
業務として、M&Aも柱として捉えていますが、独立してから、圧倒的にお手伝いさせていただいているのはM&Aです。
ここ数年、特にその傾向が強いように思います。
個人的には、1947年から1949年に生まれたいわゆる団塊の世代の経営者から、僕もそうですがいわゆる第2次ベビーブームで生まれた経営者に承継することが、ここ数年は中心になると思いますが、本当に大変なのはその次の事業承継だと思っています。
人口分布図を見ても、第2次ベビーブーム以降、大きな山はないわけですから。
それゆえ、今回の事業承継が順調に進まないと、日本経済が終わってしまうのではないかとすら思っています。
それゆえ、親族内の事業承継にしろ、M&Aにしろ、1件でも多くの案件をお手伝いさせていただき、雇用や地域経済を少しでも守ることに貢献したいと思っています。

中小企業の「2025年問題」は根深いことについて、どう思われましたか?


大戸屋のお家騒動が終結!

 M&A Onlineによると、居酒屋「甘太郎」などを運営するコロワイドが、大戸屋ホールディングスの株式18.67%を取得して筆頭株主になったようです。
急逝した創業者・三森久実氏の妻・三枝子氏とその息子・智仁氏が、保有していた株式をすべて譲渡したのです。
大戸屋ホールディングスは久実氏が逝去した後、現社長・窪田健一氏と三森家の間で後継者を巡る壮絶な争いを繰り広げていました。
コロワイドの登場により、後継者争いに終止符が打たれました。
これは大戸屋の騒動をまとめたものです。

大戸屋ホールディングスの創業者である三森久実氏が、肺がんにより逝去したのは平成27年7月27日のことです。
その後、久実氏の従弟で取締役の窪田健一氏がトップに立ちました。
46歳だった窪田氏は国内事業本部長などを務めており、その実力は社内外からも認められていました。
しかしながら、それを良しとしない三枝子夫人が、会社の裏口から社長室に入り込み、机の上に久実氏の遺骨と位牌、遺影を置いて退任を迫るといった。そんなドラマのような一幕があったことはあまり知られていません。
「主人があなたを見ている。窪田、社長を辞めなさい。そして、智仁を社長にしなさい」
この鬼気迫るやり取りに至るまでに、いったい何があったのでしょうか?

こじれた要因は大きく2つあります。
1つは久実氏の肺がんが判明してから死に至るまで、わずか一年しかなく後継者問題に決着をつける時間がなかったこと、2つ目は息子の智仁氏が当時27歳とあまりにも若かったことです。

久実氏が不治の病だとわかったのは、平成26年7月でした。
そのときすでに脳への転移が認められており、悪化すれば通常の判断ができない状態でした。
窪田氏と智仁氏は主治医から、久実氏がいなくなった後の会社の方針をできるだけ早く本人から吸収するようにと伝えられます。

創業者・久実氏が息子の智仁氏にかける期待と熱の入れ方は相当なものです。
戸田公園店の店長だった智仁氏は、肺がんが判明した直後の平成26年8月に執行役員社長付に昇進しています。
更に平成27年6月の株主総会では取締役に選任され、常務取締役海外事業本部長に就任しました。

役員や執行役、社外役員の大半が「昇進は早すぎる」という印象を持っていました。
しかしながら、死期が迫る会長の意向を汲み、反論ができませんでした。
生前の久実氏は親族だけでなく、窪田氏などの主要経営幹部にも「智仁を後継者に」という意向を伝えていたといいます。

久実氏の死後、窪田氏と智仁氏の関係は悪化します。
平成27年8月に窪田氏と智仁氏は都内の焼き鳥店で食事をしました。
そこで智仁氏が「僕が正当な事業の継承者だ」などと思いのたけを口にします。
対する窪田氏は「もっと経験を積んで地べたを這ってやらないと誰もついてこないし、そんな簡単な会社じゃない」とたしなめます。
会話はヒートアップし、「(智仁氏は)もう会社には来なくていい」との発言に至りました。
それが決定的となり、二人の関係は急速に冷え込みます。
そのおよそ一か月後に三枝子夫人が遺骨と位牌を持って会社にやってくるのです。

そんな折、功労金を巡る大問題が巻き起こります。
それが智仁氏の逆鱗に触れるのです。
功労金は生前に支払うことができませんでしたが、役員は創業家に8億円程度を準備するつもりでした。
しかしながら、それに待ったがかかるのです。
大戸屋は「祇園ミクニ」や上海事業、植物工場などの負の遺産を抱えていました。
まずはそれらを整理するための資金に充てた方が良いのではないかという意見が出たのです。
結局、功労金の支払いは先延ばしになりました。
決まりかけていたことを知っていた智仁氏は激怒しました。

追い打ちをかけるように、窪田氏は智仁氏に対して、海外事業本部長の任を解いて香港事業運営部長に任命します。
事実上の降格です。
「僕が唯一無二の存在だ」と言い放つ智仁氏の未熟さを考慮し、経験を積ませるための決断でした。

社会の厳しさを知り、客観的かつドライに対応する窪田氏と、久実氏と三枝子夫人に可愛がられ、期待されて大志を抱く智仁氏の間で、跡継ぎ問題は、価値観や視座が異なることで巻き起こった出来事でした。
これは、カリスマ性を持った創業者が急逝した際によくみられる事象の一つです。

結局、会社に居場所を失くした智仁氏は、平成28年に大戸屋ホールディングスの役員を辞任し、スリーフォレストという高齢者向けの宅配事業の会社を立ち上げました。
平成29年6月の株主総会では、功労金2億円の支給が決まるのです。

そして今回、持ち株すべてをコロワイドに譲渡して、智仁氏と三枝子夫人の株主としての影響力もなくなりました。

一連の後継者を巡る騒動は、こうして終焉を迎えたのです。

最近の事業承継の失敗例として取り上げられたりする大戸屋ですが、とりあえず騒動は終わりを迎えたようですね。
上場企業は、プライベートカンパニーではなくパブリックカンパニーですから、やはり、早くから取り組んでおかないと、会社の存続問題につながりかねないということを改めて認識しました。
これは、上場企業だけでなく、中小企業でも同様です。

大戸屋のお家騒動が終結したことについて、どう思われましたか?


中小企業の第三者承継に関する支援税制を中小企業庁と財務省が検討!

 後継ぎのいない中小企業の経営者が第三者に円滑に事業を譲り渡せるよう、中小企業庁と財務省は新たな支援税制の創設を検討するようです。
経営者が会社を売った時に手にする利益にかかる税金を、一定条件のもとで繰り延べる内容です。
会社を譲り受けた側にも、損失に備えた引当金を税務上の損金とすることを認めるなど優遇策を検討します。

中小企業庁が近くまとめる税制改正要望のなかに「第三者承継促進税制」の創設を盛り込み、財務省と折衝します。
2025年には全国の中小企業の経営者の約6割が70歳以上になり、その半分の約127万人は後継者不在とされています。
税制面の支援措置を設け、後継者難による廃業を回避する狙いがあります。

検討中の新たな税制の柱となるのが経営者の税負担軽減です。
経営者が他企業やファンドなど第三者に会社を売って退任する際、株式の簿価と売却額の差分だけ譲渡益(黒字)が生じ、通常20.315%の税金がかかります。
検討中の新税制では、課税をいったん繰り延べます。

経営者が退任後、譲渡益を元手にベンチャー企業などに投資して赤字が発生した場合などは、赤字と譲渡時に生じた黒字を相殺することを認めることを検討しています。

経営者から事業を承継した第三者側への優遇措置も設けます。
承継に伴って発生した「のれん」の価値について、通常は5年かけて償却するところを、特別に一括償却できるようにします。

承継後に投資損失に備えて計上した引当金を税務上の損金として扱い、毎年の税負担を圧縮できるようにする案も浮上しているようです。

事業承継を巡っては、親族内の承継に伴う贈与税・相続税の負担を大幅に減らす「新事業承継税制」が2018年4月からスタートしています。
2019年度からは個人事業主版の事業承継税制も創設されました。

事業承継を進めていくのは大事なことだとは思いますが、どこか支援税制が的外れだと思うのは僕だけでしょうか?
高齢の方が多いなか、課税を繰り延べる必要があるのか疑問ですし、高齢の方がベンチャー企業に投資するでしょうか?
第三者側を優遇するのは良いかと思いますが、『のれん』を償却するのが嫌で、IFRSを採用している上場企業が多いと思いますので、一括償却はニーズがどれほどあるのかなぁと疑問に思います。
株式譲渡所得の税率を軽減したり、第三者側は法人を含め、エンジェル税制的なものを整備すれば良いのではないかと個人的には思っています。

中小企業の第三者承継に関する支援税制を中小企業庁と財務省が検討していることについて、どう思われましたか?


2018年は「人手不足」関連倒産が過去最多の387件発生!

 2018年(1-12月)の「人手不足」関連倒産は387件(前年比22.0%増、前年317件)に達したようです。
2013年に調査を開始以来、これまで最多だった2015年の340件を上回り、最多記録を更新しました。

<2018年の要因別>
2018年の「人手不足」関連倒産387件の内訳では、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が278件(前年比11.6%増、前年249件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が59件(同68.5%増、同35件)、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が24件(同33.3%増、同18件)、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が26件(同73.3%増、同15件)でした。
事業承継が問題になるなか、「後継者難」型が全体の7割(構成比71.8%)を占めた一方、「求人難」型や「人件費高騰」型の増勢が目立ちました。

<2018年の産業別>
2018年の産業別では、最多がサービス業他の106件(前年比39.4%増、前年76件)でした。
次いで、建設業71件(同10.1%減、同79件)、卸売業63件(同61.5%増、同39件)、製造業63件(同50.0%増、同42件)、運輸業28件(同21.7%増、同23件)の順です。
2018年の地区別では、全国9地区のすべてで倒産が発生し、このうち関東(132→170件)、九州(40→51件)、中部(32→45件)、近畿(33→36件)、東北(21→29件)、我が四国(10→15件)の6地区で前年を上回りました。
一方、減少は中国(21→20件)と北海道(24→17件)の2地区だけで、同数が北陸(4→4件)でした。

政府は深刻な人手不足から外国人労働者の受け入れ策として「出入国管理法」を改正しました。
しかしながら、新制度導入は2019年4月以降で、当面の間は人手不足の早急な解消は難しく、「人手不足」関連倒産は今後も増勢をたどるとみられます。
時代を如実に反映したような結果になっていますね。
個人的には、日本の将来のためにも1社でも事業承継のお手伝いをしたいなぁと思います。

2018年は「人手不足」関連倒産が過去最多の387件発生したことについて、どう思われましたか?


「後継者不在企業」の動向はどうなっているのか?

 地域の経済や雇用を支える中小企業ですが、近年は後継者が見つからないことで、事業が黒字でも廃業を選択する企業は多いと見られています。
経済産業省が201710月に公表した試算では、今後10年間で70歳を超える全国の中小企業経営者は約245万人と推計しています。
経済産業省は、2025年頃までに約650万人の雇用と約22兆円分のGDP(国内総生産)が失われる可能性を指摘しています。
こうした中、小企業の休廃業が相次げば地域経済の衰退や雇用喪失を招きかねないとして、国や県、地域金融機関などが中心となって事業承継への支援を強化するなど、日本企業の後継者問題は官民ともに喫緊の課題として捉えられています。
帝国データバンクは、201810月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)及び信用調査報告書ファイル(約180万社収録)をもとに、2016年以降の事業承継の実態について分析可能な約276千社(全国・全業種)を対象に、後継者の決定状況など後継者問題と事業承継動向について調査を行いました。
なお、同様の調査は201711月以来5回目です。

●後継者不在状況・概要●
<年代別後継者不在率>
2016年以降(201610月~201810月間)の詳細な実態が判明した約276千社(全国・全業種)の後継者不在状況は、全体の約66.4%に当たる約18万社で後継者が「不在」となりました。
社長年代別に見た後継者不在率では、最も高いのは「30代未満」の94.1%となり、経営者が高齢になるにつれ、後継者不在率は減少傾向となっています。
過去3年間の傾向を見ると、2016年に全年代で後継者不在率は悪化していましたが、2017年以降「50代」以上で後継者不在率は改善し、2018年における「60代」~「80代以上」の後継者不在率は調査開始以降最低となりました。
一方、「30代」と「40代」では、2018年における後継者不在率は調査開始以降最高となるなど、事業承継に対する意識は年代別で傾向に差も見られます。
現社長における先代経営者との関係別(就任経緯別)に見た後継者不在状況では、全年齢で一貫して「同族承継」で就任した社長の後継者不在率が、「創業者」の後継者不在率を下回りました。
「同族承継」では、親族間で確立した世代交代制度などが、後継候補の確保に寄与している可能性があります。
他方、「創業者」では事業承継が未経験の企業も多く、事業を承継させるために「何に取り組めばいいのかがわからない」まま、先延ばししている中小企業も少なくないと見られます。
一方、「内部昇格」で就任した社長の後継者不在率は、67歳以降全国平均を上回り、68歳以降で「創業者」を上回りました。
内部昇格や外部招聘などにおいて、若い世代が事業承継を受けた企業では次代の後継者選定に向けた十分な時間が取れているケースが多いと見られます。
一方、比較的高齢で事業を引き継いだ経営者などでは、後継候補の選定や育成といった事業承継の準備期間が短くなりやすく、後継者候補の選定や事業承継が難航する要因となっています。

<地域・都道府県別>
地域別の後継者不在状況を見ると、9地域中4地域で前年を下回りました。
このうち、「北海道」が後継者不在率73.5%となり、過去調査同様に全国で最も高かったものの、2017年からは0.5ポイント低下しました。
また、「中国」(70.4%)は3年連続で後継者不在率が前年から低下しました。
一方、「東北」(64.8%)や「北陸」(58.2%)など5地域では前年を上回り、なかでも「北陸」は2017年から1.1 ポイント上昇しました。
また、5地域中「東北」と「近畿」を除く3地域では、いずれも2011年の調査開始以降で後継者不在率が最高となりました。
都道府県別では、「沖縄県」が全国平均(66.4%)を大幅に上回る83.5%で全国トップとなり、全国で唯一8割台を超えました。
沖縄県では、ベンチャー企業をはじめとした創業年数が比較的若い企業や、沖縄県の本土復帰に伴い創業した企業なども多く、他地域に比べ事業承継を経験した機会が比較的少ないことも背景にあると考えられます。
以下、「山口県」(75.0%)、「神奈川県」(73.8%)、「北海道」(73.5%)などが続いています。
他方、「佐賀県」では全国平均を大幅に下回る43.2%で全国最低となりました。

<業種・企業規模別>
業種別の後継者不在率では「その他」を除く7業種中4業種で全国平均を上回り、なかでも「建設業」(71.4%)は2017年から0.2ポイント上昇しました。
後継者不在率が最も高いのは「サービス業」(71.6%)となりましたが、2017年と比較して0.2ポイント低下し、後継者問題への対応の改善が見られました。
2018年における後継者不在率を従業員数別に見ると、従業員数「5人以下」の企業は全体の75.0%が後継者不在となりました。
売上高規模別では「5,000万円未満」で81.4%、資本金別では個人事業主を含む「1,000万円未満」で76.9%の企業がそれぞれ後継者不在となっており、中・小規模企業を中心に後継者の選定を終えていない企業が多くなっています。
一方、中堅~大規模企業になるほど後継者の選定が進んでいる傾向が見られます。

●事業承継動向●
<就任経緯別(事業承継前)>
276千社(全国・全業種)のうち、詳細な後継候補が判明している約93千社の後継者候補の属性を見ると、後継候補として全国で最も多いのは「子供」の39.7%となり、次いで「非同族」の33.0%となりました。
年代別に見ると、60代以降の社長では後継候補として「子供」を選定するケースが多い一方、50代以下の社長では「親族」や「非同族」を後継候補としている企業が多く、50代では約4割が「非同族」を後継候補としていました。
この結果、全国平均では「非同族」の割合は2017年と比較して1.5ポイント上昇しました。
承継を受けた社長における先代経営者との関係別(就任経緯別)に、後継者候補の属性をみると、「子供」を後継者候補とする企業が多いのは「創業者」(60.3%)、「同族承継」(48.5%)となり、いずれも「子供」の次は「親族」「配偶者」の順に後継者候補とする企業が多くなっています。
しかしながら、2017年と比較すると、ほとんどで後継者候補に、従業員など社内外の第三者である「非同族」を挙げる企業の割合が増加しました。
近年は、同族外への承継に際しても利用可能な「事業承継税制」における対象制限の緩和など、国や自治体による政策的な事業承継の支援のほか、社内外の第三者へ事業譲渡を行う事に対する抵抗感が、従前より軟化しつつあることも影響していると見られます。

<就任経緯別(事業承継後)>
276千社(全国・全業種)の代表就任経緯を見ると、全体の40.3%に当たる約11万社の企業が「同族承継」となり、計算上国内企業の約2.5社に1社が同族企業となりました。
次いで「創業者」(34.7%)、「内部昇格」(14.7%)となり、社外の第三者による事業の継承など「外部招聘」は3.2%にとどまりました。

2016年以降に事業承継が判明した企業約35千社の社長について、先代経営者との関係(就任経緯別)を見ると、2018年は「同族承継」で引き継いだ割合が最も高く36.0%となりました。
しかしながら、2016年(42.4%)と比較すると6.4ポイント低下し、2017年からも2.8ポイント低下しました。
一方、「同族承継」の次に多い「内部昇格」による事業継承は32.0%となり、2016年(30.8%)から1.2ポイント上昇しました。
社外の第三者が就任した「外部招聘」は、2018年は8.2%となり、2016年(7.7%)から0.5ポイント上昇しましたが、2017年からは同水準で推移しました。
この結果、2018年に判明した事業承継は、子供や配偶者、親族間で事業を引き継ぐ「同族承継」より、親族以外の従業員などが事業を承継した「内部昇格」や「その他(買収・出向・分社化等)」などの割合が上昇し、全体の半数超で親族以外出身の社長が事業承継を受けていました。
こうしたケースでは、幹部人材の登用による50代や60代の社長で多くみられ、豊富な業界経験や経営経験を背景に代表職へ就任した企業が多くなっています。
このほか、2018年は「創業者」への事業承継が5.3%を占め、2016年から1.4ポイント上昇しました。
創業者による事業承継は、特に70代や80代など高齢社長による事業承継が多く、一度社長職から代表権のない会長職などに退任したものの、後継候補の育成に伴うものや、経営幹部人材の不足などで、再度代表職へ復帰したケースが見られました。

今回の調査では、2018年の後継者不在率は全国・全業種で66.4%となり、2017年からほぼ横ばいで推移しました。
㈱日本政策金融公庫が行った調査では、中規模企業の9割以上、小規模企業では8割以上の企業が、後継者の育成には最低でも3年以上かかると回答しています。
後継候補の育成は中長期間に渡ることから、事業承継には後継者の育成を考慮したうえでの計画的な準備が重要であることを指摘しています。
しかしながら、今回の調査では社長の平均年齢である50代で約7割、社長引退の平均年齢である60代でも約5割の企業で後継者候補が未定となるなど、事業承継時期に差し掛かる年代の後継者不在率は依然高位に留まっています。
他方、事業承継を行いたくとも後継者候補がいない企業では、転廃業や上場、M&Aなど事業承継のための選択肢が限られやすくなります。
また、技術力など有用な経営資源を有していても債務負担が重い企業では、後継者や事業売却先、金融機関との調整が難航するケースもあり、承継に向けた心理的ハードルの高さから事業承継を断念してしまう可能性もあると見られます。
こうしたなか、今年に入って後継者不在のため事業継続の見込みが立たないことで倒産した企業は316件発生し(201810月時点)、2018年通年では2015年以来3年ぶりに増加する可能性が高くなりました。
代表者の逝去や体調不良で事業継続がままならなかった企業や、後継社長への引継ぎや育成が上手くいかず、経営が立ち行かなくなったことで事業清算を選択する企業が多くなっています。
近年は「非同族」を後継候補とする企業や、経営経験や現場経験が豊富な「内部昇格」「外部招聘」により事業承継を行った企業の割合は年々上昇傾向にあり、親族だけでなく「社内外の第三者」による親族外承継も含めた事業継承を検討・実施する動きが徐々に広がりつつあります。
そのため、国や地方自治体では「プッシュ型事業承継支援高度化事業」や「よろず支援拠点」などの公的支援を活用しました、
中小企業経営者への事業承継に向けた積極的な働きかけのほか、より利便性の高い事業承継の選択肢、制度拡充への取り組みが引き続き求められます。
また、地域金融機関では地域の事業者情報等を有する強みを生かし、「事業性評価」の活用による中小企業の事業承継フォローなど、債務面以外に着目した多面的なサポートが期待されるでしょう。

国も『事業承継』に力を入れており、その例がいわゆる『新事業承継税制』だと思いますが、それもあってか、最近は経営者がかなり『事業承継』に興味を持つようになってきていると実感しています。
ただし、『事業承継』の必要性を認識されていない経営者や『事業承継』の必要性を認識しているもののどうしていいのか分からない経営者も、まだまだたくさんいらっしゃると思いますので、その辺りの顕在化やニーズの把握に少しでも貢献できればいいなぁと思っています。

2018年全国「後継者不在企業」動向調査について、どう思われましたか?


事業承継で経営者の保証を解除せず4割が二重保証となっている!

 産経新聞によると、中小企業が事業を承継する際、銀行が融資のために旧経営者から取得していた個人保証を解除せず、新経営者からも二重に保証を取るケースが4割弱に上っていることが、先日、金融庁の調査で分かったようです。

 経営者の高齢化が進み、後継者不足に悩む中小企業は多くなっています。
銀行は、融資先の倒産に備える慣行として個人保証を求めてきましたが、負担が大きいことから、事業承継ではなく廃業を選ぶ企業もあります。

金融庁が、大手銀行や地方銀行など全国548の金融機関を対象に実施した調査によると、201710月から20183月に事業承継があった取引先25,732件のうち、二重の保証取得は36.3%9,349件だったようです。
旧経営者の保証を解除し、新経営者からも取らなかったのは9.5%2,438件にとどまっています。

個人保証や担保提供については、事業承継においては、ネックになることがあります。
特に、最近では、親族以外の第三者に事業承継するケースも増えており、サラリーマンである親族ではない役員や従業員である後継者はそれほどの資力がないケースが必然的に多くなります。
よって、個人保証や担保提供ができなかったり、嫌がったりすることで、事業承継ができないケースも出てきます。

そこは、本来は、金融機関は事業性で判断すべきです。
しかしながら、あまりできていないのが現実です。
金融機関も当然、融資をするというのがビジネスですから、リスクを避けたいというのは分かりますが、事業性を評価する目をもっと養って、事業承継がうまくいくように協力してほしいですね。
事業承継は、金融機関にとっても、後継者との関係性を深くする良いチャンスだと思いますので。

事業承継で経営者の保証を解除せず4割が二重保証となっていることについて、どう思われましたか?


廃業予備軍が127万社の衝撃!

2018年05月15日(火)

東京商工リサーチによると、後継者難などで毎年3万件の企業が休業や廃業、解散しています。
技術やノウハウが失われかねない事態にどう対応すべきでしょうか?

JR大宮駅から北へ約10キロの埼玉県伊奈町の事業所や工場が集まる一角に、円戸(えんど)幸雄さん(82)が1989年に創業した三協技研があります。
複数の素材を貼り合わせて包装材などに仕上げるラミネート加工が専門です。

社屋に隣接する工場では、ゆっくりと回る2つのローラーから出た2枚の素材を自動でぴったり接着させる工程が続いていました。
できたシートは、住宅の鉄骨と外壁の間に入れられ、緩衝材の役目を果たします。

円戸さんが考案したこの製法は、大幅な自動化で人件費を抑えられるのが特徴で、特許もとっています。
製品は全て大手住宅メーカーが買い上げます。
「この製品は営業する必要がないんです」だそうで、需要は増加傾向といいます。

そんなアイデアと技術力で会社を引っ張ってきた円戸さんですが、悩みがあります。
自社の将来を任せる後継ぎがいないのです。

3人いる娘はすでにそれぞれの道を見つけました。
10年ほど前から、取引先企業に頼んで、優秀な社員を後継候補として何人か送り込んでもらいました。
しかしながら、どの候補者も定着しませんでした。
中小企業の社長は、営業から開発、製造まで、細かく把握する必要があります。
円戸さんは住宅だけでなく、土木、金属、食品、化学繊維など幅広い取引先から細かい悩みを聞き、独自の技術提案をして商機につなげてきました。
同じことを後継者が務めるのは簡単ではありません。

会社の売却という道もありますが、密接な取引がしづらくなると心配する取引先からは、独立経営をお願いされるようです。
「あと3年のうちには跡取りを見つけなければ」と、あらゆるつてをたどって探すつもりだそうです。

経済産業省によると、この20年で中小企業の経営者の年齢分布は47歳から66歳へ高齢化しています。
2020年ごろには、数十万人の「団塊の世代」の経営者が引退時期となります。
「中小企業の競争力の源泉は『社長』自身であることが多く、創業者はなおさらです。
引き継ぐのは簡単ではない」(大手銀行幹部)ですし、少子化や「家業」意識の薄れもあり、後継ぎのめどが立たない企業は多くなっています。

経営者が60歳以上で後継者が決まっていない中小企業は、日本企業の3分の1にあたる127万社に達します。
事業が続けられず廃業する企業の半分は黒字とされ、2025年ごろまでに650万人分の雇用と22兆円分の国内総生産(GDP)が失われる可能性があります。

首都圏近郊の板金会社の社長だった女性(60)は昨春、板金工の兄が約40年前に創業した会社をたたみました。
精密加工技術が評価され、製品は新幹線の車体にも採用されました。
 2011年に兄が急死し、社長を継ぎました。
出入金管理や不利な手形取引の見直しを進め、就任3年で無借金経営に転換しました。

しかしながら、兄の一人息子は後継に一時意欲を見せたが、結局別の道を選びました。
古株の従業員にも引き継ぎを断られました。
それゆえ、「私が会社をみとろう」と決めたそうです。

取引先からは「同じ品質のものが調達できなくなる」と嘆かれたようです。
廃業すれば、サプライチェーン(部品供給網)の分断にもつながります。
何とか技術は残せないかと考え、同業者と交渉し、設備やノウハウ、従業員を譲渡することでまとまりました。

機械設備を売り払って廃業してしまう方が、手続きは簡単で、多くの金額が残る可能性はありました。でも、事業譲渡で技術を引き継ぐことを優先しました。
女性は言っています、「会社をつくり、経営したのは私たちだけど、培った事業は社会のものですから」と。

中小企業の事業承継の足かせの一つが、経営者が後継者に引き継ぐ自社株の扱いです。
政府は今後10年間に限り、後継者が受け取る株式にかかる税金を全額猶予し、承継に伴う税負担を緩和します。
経営者が後継者に自社株を渡すと、相続税や贈与税の納税義務が後継者に発生します。
億単位になることもあり、代替わりにちゅうちょする一因になっていました。
既に、後継者が引き継ぐ株式の3分の2を上限に、80%まで納税を猶予する制度はあります。
ただし、フル活用しても税額全体の53%までしか猶予されず、中途半端さは否めませんでした。

そこで政府は、納税猶予の対象株式を「3分の2」から「全株」に、納税猶予の割合を「80%」から「100%」に拡充し、承継時の税負担をゼロにすることにしました。
新制度を使えるのは今後10年以内に実際に会社を引き継ぐ人のみで、中小企業の事業承継への決断を早める狙いがあります。

個人的にも、事業承継関連の仕事をしていますし、このような記事を見るたびに、社長の仕事の一つは後継者を決めるこということを、社長就任時から認識しておいてほしいなぁと思います。
ここ10年で、事業承継税制を用いた事業承継が進むのは間違いないと思いますが、落とし穴もありますので、きちんと専門家を交えたうえで慎重に検討してから実行してほしいと切に思っています。

廃業予備軍が127万社の衝撃について、どう思われましたか?


上場企業でも後継経営者の育成が進んでいない!

 企業統治のあり方を示す「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)の適用からまもなく3年になります。

 企業統治指針は、経営者の後継を育成する計画をつくるよう求めていますが、思うように進んでいないようです。
経済産業省の調査では、「文書の計画はない」と答えた企業はおよそ半数にのぼり、計画が存在するかどうか分からない企業とあわせると約8割に達します。

20156月に適用が始まった企業統治指針は、企業の取締役会に対し、最高経営責任者(CEOC)などの後継者に関する計画を適切に監督するよう求めています。
指名委員会をすでに設けたり、設ける予定の企業は約半数にのぼりますが、後継者に求められる資質・能力を文書に落とし込む作業などはなかなか進まず、試行錯誤が続いています。
経済産業省は、201712月から20181月にかけて東証1部・2部上場の2,569社を対象に計画の進み具合の調査を実施し、941社から回答を得ました。

これによると、社長やCEOの後継者に関する具体的な計画が存在しない企業は48%に達します。
計画が存在するかわからない企業は29%で、計画があると答えた11%の企業の比率を大きく上回りました。

計画があると答えた企業を見ても、「社内外の取締役に内容が共有されている」と答えた企業は半分弱にとどまります。
指名委員会との計画共有も60%ほどです。
次期経営者の具体策は、「いまの経営者の頭の中のみにある」という企業が多いようです。
計画で明文化した中身(複数回答)では「後継者に求める資質・技術・経験などの定義」が、約75%で最多でした。

次期経営者を選ぶためのプロセスが決まっているとした企業は約50%で、後継者候補者を評価する基準も決まっているとしたのは約41%どまりでした。
経済産業省は、「後継者選びを現経営陣の専権事項とする企業が多いことも背景の一つにある」(産業組織課)とみています。

計画のない企業に理由を聞いたところ、「現経営陣の意向が尊重されるため」という回答が半数を占めたようです。
現経営者の任期・定年が来るまで時間があることから、具体的な議論に着手していない企業も多いようです。

金融庁が開いている企業統治指針のフォローアップ検討会でも、取締役会で後継者計画の策定や候補者選びに十分な時間や資源が割かれているかが、主な論点の一つになっています。
企業統治指針適用から3年がたつなか、企業統治指針が示した理想像と現実の差を埋めていく作業には時間がかかりそうですね。

優秀な経営者で、世界的なお金持ちでもある、ソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんでも、過去に事業承継に失敗し、現状では後継者が決まっていません。
今年から国も事業承継に一段と力を入れていますが、こういった優秀な経営者でも(カリスマ性のある経営者ゆえ)後継者育成がうまくできないわけですから、経営者の任務の一つとして事業承継を考え、上場企業のみならず、日本経済にとって大切な中小企業がなくなったり、傾いたりしないように、微力ながらお手伝いがしたいですね。

上場企業でも後継経営者の育成が進んでいないことについて、どう思われましたか?


廃業予備軍が127万社!

2018年02月16日(金)

先日の 『週刊ダイヤモンド』の特集は、「廃業or承継 大量廃業時代の最終決断」でした。
団塊世代の大量引退時期が迫り、大廃業時代の足音が聞こえています。
廃業するのか、事業承継を検討するのか?
オーナー経営者が大事に育ててきた会社の“最終決断”をどう下すべきなのでしょうか?

経済産業省が衝撃的なシナリオを提示しました。
日本の企業の3社に1社、127万社が2025年に廃業危機を迎えるというものです。
このまま廃業問題を放置すると、雇用650万人、GDP22兆円が消失してしまうそうです。

東京商工リサーチによると、廃業する企業の約半数が経常黒字です。
優良企業が大量に退出してゆく姿は、異様にも映るでしょう。
事業がジリ貧になっているわけではなく、後を受け継ぐ者がいないため、仕方なく廃業を選ぶ経営者が増えているのです。

実際に、惜しまれて廃業を決めた中小企業の経営者も少なくありません。

ご存じの方も多い『岡野工業』が製造する注射針は、赤ちゃんや糖尿病患者のインスリン注射などにも使われる「痛くない注射針」です。
品質管理に厳しい大手自動車メーカー向けの部品も製造するなど、世界に誇る技術を持つ企業ですが、2人の娘さんは嫁いで別の道に進んだため、後継者がおらず、廃業の道を選んだのです。

技術を残すために、注射針の製造はテルモに移管することに決まっています。

作り続けて82年、羽衣文具が製造するチョークは「世界一書きやすい」という評判でしたが、需要が低迷したうえ、後継者問題も持ち上がり、会社を畳みました。
興味深いのがこの先で、羽衣文具の製造技術・ノウハウは海を渡って韓国企業に買収されたのです。
他社商品で代用が利かないチョーク界の『ロールスロイス』とすら称されたメード・イン・ジャパンの技術で、廃業が決まり、アメリカの数学者らのグループが1トン分を駆け込み購入するほどの人気でした。

2018年度の税制改正で、事業承継税制が大幅に改正される予定です。
国が、事業承継を10年間で推し進めたいという意思の表れです。
一方で、数年前から事業承継が大事と言われていたわけであり、やっと国も本気になったわけですが、このような日本を代表するような技術を持つ企業が廃業するというのは、日本にとって損失であり、残念でなりません。
僕は独立開業してから6年半くらい経ちますが、独立当初から『事業承継』を看板に掲げています。
また、2年ほど前から、中小機構で『事業承継コーディネーター』をやっています。
少しでも、廃業しようとしている会社が廃業をせず、事業承継するようなお手伝いができればいいなぁと思っています。

廃業予備軍が127万社もあることについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(合併)

三井住友海上とあいおい損保が合併し東京海上日動を抜き売上首位に!

朝日新聞によると、損害保険業界3位の三井住友海上火災保険と4位のあいおいニッセイ同和損害保険が合併する方針を決めました。

持ち株会社のMS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)が、先日、正式に発表しました。

実現すれば東京海上日動火災保険を抜き、国内損保の事業規模で首位となります。

人口減などで国内市場は縮小が見込まれており、合併による効率化で収益性を高め、より強固な事業体制を構築します。

発表によると、合併時期は2027年4月をめどとします。

「今後、具体的な検討・対応準備を進める」とし、新社名や合併方式、トップの選任などは未定だそうです。

両社をめぐっては2010年4月、持ち株会社にぶら下がる形で、三井住友海上と、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合しました。

そして、2010年10月、あいおい損保とニッセイ同和損保が合併し、あいおいニッセイ同和損保となりました。

その結果、損保大手3グループのなかで唯一、中核損保を2社持つ体制となっていました。

売上高に相当する正味収入保険料(2023年度)でみると、三井住友海上は1兆6,233億円、あいおいニッセイ同和が1兆3,689億円でした。

首位の東京海上日動が2兆4,179億円、2位の損害保険ジャパンが2兆1,779億円なので、今回の2社が合併すれば収入規模で3兆円近くに増え、首位に躍り出ます。

以前から、グループの中でなぜ2社あるのだろうか?と疑問に思っていましたが、ようやく一つになりますね。

ビッグモーターの事件やら、出向者の情報漏洩問題やらで、色々と大変なんでしょうね。

時代的に人手不足でしょうから、合併することによって重複している業務は統合して、その分、新たな業務等に回すことで、人手不足の解消かつ収益の改善を図ってほしいですね。

三井住友海上とあいおい損保が合併し東京海上日動を抜き売上首位になることについて、あなたはどう思われましたか?


旧年金施設の組織改編巡り運営会社が20億円の申告漏れ!

読売新聞によると、旧「年金福祉施設」を運営する企業グループの組織再編を巡り、運営会社「ホテルマネージメントインターナショナル」(HMI、東京都中央区)が東京国税局から約20億円の申告漏れを指摘されたことが関係者の話でわかったようです。
吸収合併した子会社の欠損金を取り込むことで所得が圧縮されていましたが、税負担の軽減が目的の「租税回避行為」に当たると判断されたとみられます。

過少申告加算税を含む法人税の追徴税額は約5億円です。
HMIは修正申告に応じており、取材に「解釈の相違があったが、意見交換をしていく中で国税局の解釈が正しいと判断した。租税回避や仮装・ 隠蔽いんぺいの認定を受けた事実はない」と文書などで回答しました。

関係者によると、HMIは2017年10月、ホテル運営会社「 知立観光」(愛知県、解散)を子会社化しました。
翌11月21日、知立観光が出資して新たに合同会社を設立し、知立観光が全国約10か所で運営していた旧年金福祉施設などのホテル事業を合同会社に承継しました。

会社間で事業や不動産を承継する場合、帳簿上の価格(簿価)と時価に差があれば、譲渡益や欠損金が発生します。
知立観光が運営していた施設は建設から年数がたち、時価が簿価を下回っていたことから、知立観光に約35億円の欠損金が生じました。

8日後の11月29日、HMIは知立観光を吸収合併し、欠損金をHMIに取り込みました。
HMIはその後の2019年6月期の税務申告で、この欠損金のうち約20億円を自社の黒字と相殺し、法人税額をゼロと申告しました。

これに対し、2020年に開始された東京国税局の調査では、吸収合併の前日、知立観光が合同会社の経営権(持ち分)を別の関連会社に譲渡していたことが判明しました。

企業の合併や分割に関わる「組織再編税制」では、別会社に譲った事業や不動産に対する「支配」が続いていると、欠損金が発生しない仕組みになっています。
HMIの組織再編では、知立観光が合同会社の経営権を手放したことで、欠損金が生まれていました。

しかしながら、東京国税局の調査では、再編後、接客や仕入れなどの施設の運営は、合同会社やその経営権を持つ関連会社ではなく、HMIが実質的に行っていたことが確認されたそうです。

東京国税局はこうした経緯を踏まえ、一連の再編には欠損金を利用して税負担を減らす狙いがあったと判断し、欠損金の計上や黒字との相殺は認められないと指摘したとみられます。

ちなみに、HMIは2005年設立で、旧年金福祉施設などを買収して事業を拡大しています。
2008年には郵政民営化に伴う「かんぽの宿」の入札にも参加しました。
2022年6月時点で全国46施設を運営しています。
民間の信用調査会社によると、2021年6月期の売上高は約196億円です。

なお、年金福祉施設 とは、「厚生年金会館」や「健康福祉センター(サンピア)」など、国が厚生年金や国民年金の保険料を使って建設したものです。
保険料の無駄遣いと批判され、2005~2010年に約300施設が民間に売却されました。

その後、HMIのホームページに、この件に関して、ニュースリリースが公表されています。
それによると、『意図的な租税回避行為や仮装隠蔽などの不正行為を行ったというような事実は一切ございません。また、今回の修正申告において、重加算税も課されておりません。』と書かれています。
重加算税が課されていないのであれば、仮装・隠ぺいはなかったということですね。
組織再編に詳しい税理士も付かれているでしょうから。

旧年金施設の組織改編巡り運営会社が20億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


「合併は租税回避目的」でPMG子会社が57億円の申告漏れ指摘も不服で提訴!

産経新聞によると、全国で100か所以上のゴルフ場を経営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)の子会社が、東京国税局の税務調査を受け、約57億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
合併で引き継いだ欠損金(赤字)を用い、租税回避を図ったと判断されたもようです。

PGM側は過少申告加算税を含む約15億円を追徴課税(更正処分)され、処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こしました。

関係者によると、ゴルフ場などの資産を保有する子会社「PGMプロパティーズ」は2017年2月、グループ会社と合併し、企業再編を優遇する税制に基づきグループ会社の約57億円の赤字を引き継ぎ、利益と通算(相殺)して税務申告しました。
ただし、グループ会社の赤字はもともと別のグループ会社で発生したもので、直前に別のグループ会社との合併を通じて引き継いでいました。

これに対し国税局は、別のグループ会社は事実上の休眠会社で、2度にわたる合併は赤字を子会社に移すことが目的だったと指摘しました。
税制の乱用と判断して赤字の引き継ぎを認めず、申告漏れの対象にしたようです。

PGM側は、合併は経営の効率化などが目的で、別のグループ会社も「休眠会社ではない」と主張し、課税処分を不服として2021年4月に提訴しました。
PGMは、「買収によって増加した法人を合併で減少させるビジネスモデルを基本としている。今回の合併も従前どおりで何ら『不当』なものでなく、税制度の乱用を行った事実もない」とコメントしています。

『買収によって増加した法人を合併で減少させる』というのがビジネスモデルと言えるのかどうか疑問ですが、合併を2段階で行う必要性があるのかどうかが問題とされたんでしょうね。
直前ということなので、節税目的と判断されても仕方ないような気はしますが。
一昔前のように、条文で細かい規定がなされているからこれを満たせば良いというのは間違いで、組織再編は、きちんとストーリーを描いて、租税回避と判断されないようにきちんと理屈付けしておかないと否認される可能性が結構高いということを改めて感じた1件でした。

「合併は租税回避目的」でPMG子会社が57億円の申告漏れ指摘も不服で提訴したことについて、どう思われましたか?


使い捨てカイロ大手の「桐灰化学」が日本初の「地球温暖化」で姿を消す!

 使い捨てカイロ国内大手の桐灰化学(大阪市淀川区)が、親会社の小林製薬に吸収合併され、104年にわたる歴史の幕を閉じることになったようです。
百年企業だった桐灰化学の息の根を止めたのは、「地球温暖化」でした。

2019年1月に米カリフォルニア州の電力大手PG&Eが、異常乾燥で発生した大規模な山火事により経営が悪化し、連邦破産法11条の適用を裁判所に申請したのが「世界初の地球温暖化による経営破綻」とされます。
日本でもスキー場などの廃業は相次いでいますが、地球温暖化よりもスキー人口の減少による影響が大きいようです。
国内で公式に地球温暖化を理由とした会社の消滅は、桐灰化学が初めてとみられます。
今後も温暖化による企業の倒産や救済合併が増加する可能性が高いようです。

桐灰化学は1915(大正4)年に広島市で、創業者の植木康之氏が半練製カイロ灰を製造する「植木カイロ灰製造所」として創業しました。
1928年に大阪市東淀川区に三国工場を設置して以降、同区内に工場を建設し、大阪を拠点に事業を拡大しました。

同社の転機は1989年の「はるカイロ」の発売です。
使い捨てカイロの片側を粘着面に加工し、衣服の上から貼るというアイデアが大ヒットし、使い捨てカイロ市場をリードする存在となりました。
1997年には群馬県藤岡市に藤岡工場を開設し、東日本での生産にも乗り出しました。

ところが、消耗品である使い捨てカイロはスーパーやドラッグストアなどで「安売り」の目玉となり、市場競争が激化しました。
2001年に小林製薬の100%子会社になり、その後は2006年に米Heat Max, nc.を、2012年には米Grabber,Inc.を、それぞれ子会社化するカイロ事業の海外展開などで、温熱製品は小林製薬グループの主力製品の一つに育ちました。

しかしながら、「地球温暖化に伴う暖冬傾向が想定され、市場も競争激化の流れにある中で、カイロを中心とした温熱製品のさらなる成長のためには開発・販売体制を抜本的に見直す必要がある」(小林製薬)として、2020年7月1日に吸収合併の上、桐灰化学を解散することになりました。

今後は小林製薬の営業力を活かして使い捨てカイロの国内販売力を強化するとともに、桐灰化学の温熱技術をより効果的に活用した新製品開発を加速するようです。
地球温暖化で気温は上昇していますが、冬向けのシーズンビジネスを展開する企業にとっては背筋も凍る「超氷河期」を迎えたようです。

僕の中では、カイロと言えば、『桐灰』でしたので、非常に残念ですね。
地球温暖化は、様々なところに影響を及ぼすんだなぁと改めて感じました。
使い捨てカイロは、旭化成が発明し、ロッテ電子工業が『ホカロン』を発売したことで一気に売れたということですが、本当に素晴らしい発明でしょうね。
別の技術に応用して、新たなヒット商品を出してほしいと思います。

使い捨てカイロ大手の「桐灰化学」が日本初の「地球温暖化」で姿を消すことについて、どう思われましたか?


ユニマットグループ3社が組織再編で100億円の申告漏れ!

2018年06月26日(火)

オフィス向けのコーヒーサービス事業などを展開する「ユニマットライフ」(東京都港区)などグループ企業3社が、平成283月期までの数年間で総額約100億円の申告漏れを東京国税局から指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、税務調査を受け申告漏れを指摘されたのは、ユニマットライフのほかに、グループ持ち株会社の「ユニマットホールディング」と、リゾートホテルやゴルフ場などを経営する「ユニマットプレシャス」(いずれも東京都港区)だそうです。

グループ企業内の組織再編を進める中で、赤字企業を取り込んで黒字企業の所得を減らす行為があったようです。
国税局は、こうした組織再編について、租税を回避する目的があったと判断したとみられます。

個人的には、税法で組織再編時の要件をかっちりと決めているのに、伝家の宝刀である『行為計算の否認』を安易に用いるのはやめてほしいですね。
怖くて何もできなくなると、組織再編税制を作った意味がなくなってしまいかねないような気がします。
過去にも合併などを何度もやっている会社なので、事前に慎重に検討していると思いますので、不服であれば、争ってほしいですね。

ユニマットグループ3社が組織再編で100億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(公認会計士)

真の勝者はMLBの会計士?

RONSPOによると、メジャーリーグ機構はドジャースとカブスの東京ドームでの開幕シリーズがメジャー史上最大の単独国際イベントとなったことを発表しました。

ドジャースの大谷翔平(30)選手ら日本人メジャーリーガー5人が出場した今回のシリーズの視聴者数、グッズ販売数、観客動員数でメジャーの新記録を樹立しました。

アメリカのメディアは「真の勝者はメジャーリーグの会計士だ」と皮肉っています。

“MVP男”大谷選手が凱旋帰国した東京シリーズは記録づくしの大成功に終わりました。
史上初の日本人同士の開幕対決となった山本由伸選手と今永昇太選手が投げ合い、大谷選手が2安打2得点をマークして、ドジャースがカブスに4-1で勝利した開幕戦の日本での平均視聴者数は、2,500万人以上で、国際イベントでは過去最高だった昨年のドジャースとパドレスの韓国シリーズの1,870万人を600万人以上も上回ったのです。
マリナーズのイチローの引退試合となった2019年のマリナーズとアスレチックスの東京シリーズの開幕戦の560万人に比べると1,900万人以上も多かったそうです。
全米での過去最高記録である2017年のワールドシリーズ第7戦、ドジャース対アストロズの2,820万人には届かなかったですが、2位の記録だった2019年のワールドシリーズ第7戦、アストロズ対ナショナルズの2,300万人を上回りました。
大谷選手が今季1号を放ちドジャースが連勝した第2戦も2,300万人以上の視聴者数を記録しました。

また、ドジャース対巨人のエキシビションゲームも1,800万人の平均視聴者数を記録し、これは全米で最も視聴されたMLBのエキシビションゲームとなりました。

ドジャース対阪神の平均視聴者数も1,230万人でした。
時間帯が悪かったアメリカでの視聴者数も大成功でした。

シカゴで午前5時、ロサンゼルスで午前3時に試合が始まりましたが、開幕戦がFOXで平均83万8,000人の視聴者を記録し、アジアで行われた開幕戦としてはMLB史上最高記録を更新しました。

昨年の韓国シリーズでの平均視聴者数35万人を139%上回っています。
グッズ販売も史上最大の売り上げを記録しました。

Fanatics社によると、総売り上げは4,029万ドル(約60億円)にのぼり、同社の最高記録となりました。

東京ドームの場外に設置された巨大なオフィシャルストアには、140台のレジが設置され、1時間あたり平均1,000件以上の取引があり、50万以上の商品が販売されました。

最も売れたのは東京シリーズのワッペンが貼られた大谷選手のユニホームでした。

また、ネットで販売されたアーティストの村上隆氏とコラボした東京シリーズのユニホームは、発売開始1時間で在庫がなくなったそうです。

約60億円の売り上げは、国際イベントでは過去最大だった2024年のロンドンシリーズを320%も上回り、全米で最もグッズ売り上げのあった2022年のロサンゼルスでのオールスター戦ウイークの数字も105%上回っています。
トレーディングカードのTOPP社も、特別に「TokyoSeries MegaBox」を販売しました。

これも大ヒットで1週間で1万2,000箱を販売し、約20万人が楽しんだそうです。
また、観客動員も、阪神、巨人のエキシビションゲーム4試合と開幕2試合を合わせた6試合で計25万2,795人を数えました。

Mastercardのチケットの先行販売では、38万人以上が同時に殺到しました。
さらに、東京スカイツリーなど東京ドーム以外の各所でファンフェスティバルも行われ、12日間で45万人以上のファンが集まりました。
SNSやネットの世界も席巻しました。

MLBの公式アカウントに投稿された動画コンテンツは、計8,807万回も再生され、昨年の韓国シリーズに比べて75%増でした。

SNSの関連コンテンツのインタラクションは、917万回で、これも韓国シリーズの50%増でした。

今回は、MLBアプリ内で初めて日本語のコンテンツが公開されたことで、期間中のアクセスが急増したのです。

アプリへのアクセス数は、平均的な春季キャンプ時に比べて約2倍になっています。
スポンサー収入も記録を更新しました。

今回は23社のスポンサーが全国各地で活動を展開しました。

MLB公式サイトは、各社の広告企画を紹介しています。

セブンイレブンは全国2万2,000以上の店舗でプロモーションを行い、日本航空は大谷とMLBのロゴが描いたドリームショウジェットを運航し、チケットプレゼント企画を実施して27万人以上の応募者があったそうです。

アサヒビールは、東京シリーズの記念のビール缶を200万本以上製造し、チケットプレゼント企画には、44万8,000人が応募したそうです。

スポンサー収入は、これまで最多だった2024年の韓国シリーズを240%上回りました。
アメリカのスポーツサイトの「エッセンシャリスポーツ」は「ポケモンや鬼滅の刃などの人気アニメメシリーズとコラボしたファンイベントもたくさんあった。試合だけでなくMLBと日本の野球の絆が強まった。東京シリーズは、単なる野球の試合ではなく、スポーツマーケティング、文化融合、経済的成功の特別な舞台だった」と、東京シリーズの成功を評価した上で、こう皮肉ることを忘れていませんでした。
「MLBは野球だけのために活動しているのではなく収益のために活動している。この傾向が続けば真の勝者はMLBの会計士になるのかもしれない」

会計士が儲かるのかどうか分かりませんが、マーケティング会社やコンサルティング会社とかと契約していて、結構な報酬を支払っているんでしょうね。

皮肉られるほど日本が熱狂したのだと思いますが、やはり、大谷選手をはじめ、たくさんの選手がメジャーリーグで主力として活躍していることやWBCなんかが影響しているんでしょうね。

それを考えると、野茂選手やイチロー選手たちが築いてきた道が素晴らしかったんだなぁと改めて感じました。

真の勝者はMLBの会計士?について、あなたはどう思われましたか?


インボイス制度開始で8割超の公認会計士や税理士の業務量が増加!

2024年04月26日(金)

TECH+によると、freeeは2024年4月11日、公認会計士や税理士を対象に実施した、インボイス制度と電子帳簿保存法対応に関するアンケート調査の結果を公表しました。

インボイス制度開始によって80.6%の公認会計士や税理士は業務量が増えたことが明らかになりました。

このレポートは、freeeが2024年2月22日〜3月1日、公認会計士または税理士196人を対象にWEBアンケート方式で実施したインボイス制度と電子帳簿保存法対応に関する調査の結果に基づいています。

インボイス制度対応は業務量に影響をおよぼしたか尋ねると、「20〜39%増えた」が36.2%、「1〜19%増えた」が31.1%、「変わらない」が18.9%「40%以上増えた」が13.3%、「減った」が0.1%の回答となっています。

全体の80.6%がインボイス制度対応で業務量が増えたと回答しました。

インボイス制度対応のために顧問料を値上げしたか質問すると、「行っておらず、検討もしていない」が41.8%、次いで「行ってはいないが、検討している」が32.7%、「行った」が20.9%、「その他」が4.6%となり、インボイス制度対応を目的とした値上げは現状74.5%が行っていませんでした。

インボイス制度対応のために従業員を増員したかという問いには、「行っておらず、検討もしていない」が85.2%、次いで「行ってはいないが、検討している」が12.2%、「行った」が1.5%、「その他」が1%と、従業員増員は行わず現状維持で対応する事務所がほとんどでした。

また、電子帳簿保存法対応は業務量が増えたか聞くと、「変わらない」が46.9%、「1〜19%増えた」が32.1%、「20〜39%増えた」が15.3%、「40%以上増えた」が4.1%、「その他」が1.5%と、電帳法対応で業務量が増えた先は半数を超えることがわかりました。

今後新たに生じる制度対応に不安はあるか尋ねると、「少しある」が41.3%、「大いにある」が24.5%、「ある」が19.4%、「全くない 」12.2%、「その他」が2.6%で、85.2%が将来の制度変更対応に関して不安を感じていることが明らかになりました。

記帳代行を基本的にやっていない弊事務所でも、グダグダの電子帳簿保存法はともかく、インボイスは質問対応を含めて業務量は増加しています。

そして今年は、定額減税で業務量が増えることが明らかです。

個人的には、賃上げと言っている割に、一方で収益を生まないような業務を増やしているので、時間やコストが増加しているのは明らかなので、業務量が増加した事業者や会計事務所に、1人当たりいくらとか税額控除してくれるような仕組みを作ってほしいなぁと思います。

インボイス制度開始で8割超の公認会計士や税理士の業務量が増加していることについて、あなたはどう思われましたか?


公認会計士のマネロン対策が厳格に!

日本経済新聞によると、政府は2024年4月から司法書士や公認会計士に対し、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を厳しくするように求める見通しです。

顧客となる企業や個人に、取引目的や職業を確認することを義務付け、疑わしい取引は行政に報告することを課します。

改正犯罪収益移転防止法の施行に伴うもので、対象は司法書士や行政書士、公認会計士、税理士といった士業になります。

これまでは氏名や住居、生年月日など顧客の基本情報を確認する義務が課されていました。

今後は本人確認以外に、取引を行う目的、職業・事業内容も確認します。

法人の場合は、実質的支配者の確認も求めます。

すでに義務化している金融機関と同様の内容を求めることになるのです。

行政書士、公認会計士、税理士には新たに「疑わしい取引」の届け出義務を課します。

顧客から得た収益が犯罪による収益である疑いがあると判断した場合に、所管行政庁に速やかに届け出ることを義務付けます。

200万円を超える取引は、資産や収入の状況も確認します。

公認会計士は顧客の会社設立の手続きを行うことがあります。

例えば、事業実態のないペーパーカンパニーは、資金洗浄に使われる可能性があります。

こうした場合は「疑わしい取引」として届け出対象になることが想定されます。

マネロン対策を強化する背景には、特殊詐欺などが増え、犯罪者の資金源となっている可能性があるからです。

警察庁によると、2022年には特殊詐欺の被害額が8年ぶりに増加し、2023年も11月末時点で2022年を上回る被害額となりました。

クレジットカードの不正利用被害額も2022年には約437億円にのぼり、過去最悪を更新しました。

テロ資金などを警戒する国際社会からの圧力も強まっています。

各国・地域のマネロン対策を調べる国際組織「金融活動作業部会(FATF)」が2021年に公表した第4次審査の結果で、日本は実質的に不合格を意味する「重点フォローアップ国」という評価を受けたのです。

なかでも士業や非金融機関は「マネロン対策への理解が不十分」「その監督当局もリスクベースによる監督を実施していない」など厳しい評価を受けました。

数年後に控える第5次審査では士業・非金融機関への審査が強化される見込みです。

士業の一つである公認会計士を所管する金融庁は、公認会計士と監査法人を対象に改正犯収法施行に伴う実務上の新たな指針を2024年3月末までに示すようです。

指針案によると取引目的や職業などの確認義務の対象業務は、財務に関する相談業務に付随した会社設立の手続き時などになる見通しです。

金融庁は新たな指針をもとにモニタリングも行います。

問題が見つかれば犯収法に基づき報告徴収や是正命令を出すことも視野に入れています。

マネロン対策は預金を扱う大手銀行や地域金融機関にとっても喫緊の課題です。

金融庁が2021年から金融機関にマネロンに関する体制整備を要請していました。

80超の項目を並べて対応を求めており、2024年3月末は対応完了の期限となります。

金融庁や財務局は、各地域でマネロン担当役員を対象としたフォーラムや勉強会を開いて対応を促します。

金融庁は2024年4月以降、指針に関する不備がある金融機関には業務改善命令などの行政処分を出すことも辞さない構えです。

公認会計士も、マネロンに関する対応が必要な時代なんですね。

それだけ、特殊詐欺などが増えているということなんでしょうけど。

公認会計士のマネロン対策が厳格になることについて、あなたはどう思われましたか?


PwCあらたとPwC京都が合併して「PwC Japan有限責任監査法人」へ!

LIMOによると、PwCあらた監査法人(以下「あらた」という)とPwC京都監査法人(以下「京都」という)は、2023年12月1日付で合併すると発表しました。

あらた・京都ともに4大国際会計ファーム・コンサルティングファーム(Big 4)の一つである「PwC(PricewaterhouseCoopers、プライスウォーターハウスクーパース)」のメンバーファームです。

監査法人とは、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明を組織的に行うことを目的として、公認会計士法第34条の2の2第1項によって、公認会計士が共同して設立した法人のことです(公認会計士法第1条の3第3項、第2条第1項)。

一般的には、上場している企業の決算を監査する、公認会計士資格を持つ者が所属する組織と言われます。

実際は、上述の法定監査以外にも、「任意監査」「決算早期化支援」「経理・財務に関する相談業務」「コンサルティング業務」など多くの業務を行っています。

そのため、社員も公認会計士資格者のみで組織されているわけではなく、様々なバックグラウンドを持った者が在籍しています(法律上、公認会計士でない社員の割合は決められています)。

国際会計ファーム・コンサルティングファームとしては大規模グループが存在し、
・Deloitte Touche Tohmatsu(デロイト トウシュ トーマツ)
・EY(Ernst & Young、アーンスト&ヤング)
・KPMG
・PwC(PricewaterhouseCoopers、プライスウォーターハウスクーパース)
の4グループ(順不同)が「Big 4」と呼ばれます。

「Big 4」それぞれのメンバーファームが日本国内にも存在し、4大監査法人と呼ばれており、以下のとおりです。
・有限責任監査法人トーマツ(デロイト)
・EY新日本有限責任監査法人(EY)
・有限責任あずさ監査法人(KPMG)
・PwCあらた有限責任監査法人(PwC)

2023年6月1日、あらたは京都との統合に向けた協議を開始したと公表しています。
ともに同じPwCのメンバーファームであるため、Purposeも共通しています。

また、監査業界では、人的資本や気候変動対策を記載する、サステナビリティ関連開示情報の保証業務(著者注:「経理の状況」に対してと同様に何らかの保証をすること)を担うことが想定されることや、テクノロジーを用いた監査の更なる高度化が求められることなど、監査法人を取り巻く環境が大きく変化することが見込まれています。

両法人の強みを活かすことで、統合して規模を拡大することが高品質の保証サービスを提供できるとしています。

<各社概要>
●PwCあらた有限責任監査法人
・設立:2006年6月1日
・人員:3,006名(2023年6月30日時点)
・売上高:609億8,100万円(2022年7月1日~2023年6月30日)
・主要顧客:トヨタ自動車株式会社(東証プライム、7203)、ソニーグループ株式会社(東証プライム、6758)ほか、トヨタ傘下企業、ソニーグループ傘下企業など

●PwC京都監査法人
・設立:2007年3月19日
・人員:443名(2023年6月30日時点) ・売上高:69億9,000万円(2022年7月1日~2023年6月30日)
・主要顧客:KDDI株式会社(東証プライム、9433)、ニデック(旧:日本電産)(東証プライム、6594)、京セラ株式会社(東証プライム、6971)、任天堂(東証プライム、7974)

京都の主要顧客を見て、驚かれた方もいるのではないでしょうか?
準大手監査法人ながら、多くのグローバル企業の会計検査人を担当しているのです。

2023年12月より、4大監査法人の名称が変更となります。
17年の歴史がある「あらた」の名が消えて、「PwC Japan有限責任監査法人」となります。

僕は、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)の出身ですが、就職活動をしていた頃は、6大監査法人と言われていました。
・太田昭和監査法人(E&Y)
・中央監査法人(C&L)
・監査法人トーマツ(DTT)
・朝日監査法人(AA)
・センチュリー監査法人(KPMG)
・青山監査法人(Pw)
色々とくっついたり、離れたりで提携ファームが変わったり、この中にはカネボウ事件でなくなった監査法人もありますし、今でも名前が残っているのはトーマツだけですね。
『トーマツ』はあまり知られていないのかもしれませんが、実は、監査法人等松・青木・津田・塚田・青木・宇野・月下部事務所の『等松』なのです。
大手監査法人がくっついたり、離れたりするたびに、粉飾の歴史などを思い出しますね。

PwCあらたとPwC京都が合併して「PwC Japan有限責任監査法人」になることについて、あなたはどう思われましたか?


会計監査の現場離れ!

日本経済新聞に東京都立大学大学院の松田千恵子教授が以下のように、書かれています。記録的な猛暑とそれに続く豪雨などで体調を崩した人も多いでしょう。
新型コロナウイルスも相変わらず猛威を振るっています。
しかしながら、感染症法上の分類が「5類」に移行して以来、会食や旅行需要は相当回復してきました。

コーポレートガバナンス(企業統治)の世界でも、社外役員を含む現場視察やオフサイト、監査役員による現場実査などもコロナ前と同様に活発に行われるようになっています。
ただひとつ気になるのは、時たまささやかれる「会計監査のリモート化が戻らない」という点だそうです。

もちろん、多くの会計監査人は真摯に現場で業務を遂行しています。
移動にさしたる障害がなくなった今、リアルでの監査は通常のことでしょう。
しかしながら、コロナ禍で行われていたような、実地棚卸をスマートフォン越しに済ませるといったことも引き続きあるという声を時々耳にするようです。

リモートワークに異を唱えるつもりはありません。
むしろ、適宜活用して生産性を上げることは大事です。
会計など情報を扱う分野は、リモートワークとの親和性も高いでしょう。
ただし、率直に言えば、実地棚卸などを含む会計監査については、当然ながら現場をしっかり見てほしいというのが本音です。

ある監査法人の調査によれば「今後は不正リスクが高まる」と感じている企業の割合は2020年に59%でしたが、22年には64%へと上昇しました。
これまで現場のチェックや対面での状況把握が難しかったため、不正の芽が見えなくなっているのではという不安の表れとも言えるでしょう。

一般に、景気の先行きが不透明になれば、将来への不安や金銭面の困窮、ノルマ達成圧力の増大などにより、不正に走る動機は多くなります。
基本中の基本とも言える、「しっかりと現場を把握すること」の重要性を改めてかみしめるべき時機でしょう。

僕自身は、実地棚卸の本を出していますので、少し前に監査法人の後輩から棚卸の立会はZoomとかで現場でつないでやっていますと聞いて、コロナ禍とはいえ大丈夫なのだろうか?と思いましたが、やはり現場に行って現物を確認することが重要だと思いますね。
過去においても、棚卸を通じた粉飾がたくさんあり、会計監査人が基本的に必ずやらなければならないこととして、実査・立会・確認があるわけですから、実地棚卸の立会は必ず現場に行ってやってほしいですね。

会計監査の現場離れについて、どう思われましたか?


形式的な作業に失望し公認会計士の監査法人離れが進む!

日本経済新聞によると、財務諸表をチェックする会計監査の担い手不足が深刻になっているようです。
監査法人で働く公認会計士の比率は10年で10ポイント下がりました。
上場企業数や監査業務量が増え続けるなか、やりがいに乏しい形式的な作業に失望し、スタートアップやコンサルティング企業に転身する動きが目立っています。
資本市場の門番役を担う監査制度に、空洞化の危機が迫っています。

「お世話になりました」と、監査法人の年度末から初めにあたる6月から7月、大手法人幹部のメールボックスには所属公認会計士から届く離職のあいさつが引きも切らないようです。
「採用するのと同じ規模の人数がやめてしまう」と頭を抱えています。

公認会計士登録者は2023年3月末時点で3万4,436人と10年前から38%増えていますが、監査法人所属の公認会計士は1万3,980人と7%しか増えていません。
10年前に51%だった監査法人所属者比率は41%まで低下しました。

公認会計士は歴史的に流動性の高い職種です。
監査法人内でパートナーと呼ばれる役職者になれるのは同期の1割ほどで、経験を重ねつつ徐々に責任が重くなるピラミッド構造にあります。
入所10年程度で昇格するマネジャー職まで経験を積み、別の道を歩むのがかつての典型でした。

しかしながら、近年は離職する公認会計士が若手スタッフからパートナーまで全職階に広がりました。
「マネジャーまで頑張ろうと思っていたが、1年働くごとに気持ちが変わっていった」と、2021年8月に監査法人を去った20代公認会計士は吐露しています。

なぜなのでしょうか?
まず、「本当に意味があるのかと思う部分まで、全てをしゃくし定規に記録に残す」(30代公認会計士)監査業務への失望が挙げられます。
監査法人を退職した公認会計士約10人への取材で多く聞かれたのが、日本公認会計士協会が監査でやるべき手続きを定めた「監査基準委員会報告書」、通称「カンキホウ」への不満です。
元あずさ監査法人所属の40代独立公認会計士は「(報告書では)形式的で膨大な作業が積み上がっている」と明かしています。

東芝や英カリリオン、独ワイヤーカードなど、世界的に大きな会計不正は絶えず、発覚の度に監査法人に批判の矛先が向きました。
国際的な監査基準の要求事項は上乗せされ、監査法人も所属公認会計士に、規制当局から責められないように実施手続きを監査調書に細かく記録するよう求めたことも形式化に一段と拍車をかけています。

前出の20代公認会計士は「労働時間の概念を取っ払って大量のチェック項目をつぶすことが生きがいなのか、自問した」と話しています。
監査法人トーマツパートナーを経て早稲田大学会計大学院で教える林敬子教授は「(若い公認会計士に)回り道したくないという意識が強まっている」と指摘しています。
成長に寄与しない業務を避ける構図が、監査法人離れの背景にあるようです。

全体の業務が増える一方、近年は若手スタッフの残業時間上限が管理されるため、上司であるマネジャーやシニアスタッフらが「残務を巻き取っていた」(2022年に大手法人を退職した30代公認会計士)。
若手の離脱や働き方改革のしわ寄せが上の階層に波及し、監査現場全体の疲弊が進んでいるようです。

監査法人以外の「活躍のフィールドが広がっている」(日本公認会計士協会の鶴田光夫副会長)ことも要因です。
企業では経理のほか、経営企画や内部監査など引く手あまたです。
スタートアップでは若くして最高財務責任者(CFO)も珍しくありません。

かつては高収入の代表格だった監査法人ですが、一般企業の待遇面は遜色なくなってきています。
監査法人入所後、数年で昇格するシニアスタッフの年収が最低でも600万円程度、10年前後でなれるマネジャーは800万〜1,000万円程度とされます。
他方、会計系の転職エージェントでは内部監査や経理で700万円程度、戦略コンサルだと900万円強が提示されます。

監査法人に公認会計士をつなぎ留めるには、賃上げやデジタルを活用した業務効率化が必要です。
原資となる顧客から受け取る監査報酬の引き上げが欠かせませんが、時間単価はここ10年ほど1万2,000円弱と一向に伸びていません。
日本の上場企業は過去最高水準まで増えているにもかかわらず、顧客企業に危機感が伝わっていないようです。
EY新日本監査法人の片倉正美理事長は「値上げを納得してもらうには、単に監査意見を出すだけでなく付加価値のある知見を提供する必要がある」と語っています。

監査が空洞化して情報の信頼性が欠如すれば市場は効率的に機能しなくなります。
ある会計監査業界の関係者は「中小企業と大企業で同じ情報開示が必要かなど、資本市場システムの全体像を議論すべきだ」と強調しています。
公認会計士の監査法人離れは監査制度の土台を揺るがしかねず、すでに崩壊の瀬戸際にあるのかもしれません。

公認会計士に時間的な余裕を生み出すための監査DX(デジタルトランスフォーメーション)で各法人がしのぎを削っています。
カギを握るのが人工知能(AI)の活用です。

理化学研究所が日本公認会計士協会の協力で実施した2022年発表の調査によると、監査現場の進捗管理や取りまとめなどを担う現場責任者「主査」の各業務はAI活用で10年後に平均35%の時間短縮をもたらす可能性があります。
特に定型的な監査手続きは70%減、監査契約時のリスク評価は42%減と想定効果が大きいようです。

AI監査は実証段階から本格導入へ移行し始めています。
EY新日本監査法人は「リアルタイム監査」などと呼ばれる仕組みの本格展開を開始しました。
企業の統合基幹業務システム(ERP)からの取引データなどの定期的抽出や加工、AI分析による異常検知まで人手を介さず進めます。
足元では10社程度で、3年後までに100社に広げます。

今後は生成AIも広がりそうです。
あずさ監査法人では取引を勘定科目で記録した仕訳データの分析で活用を目指します。
「基礎分析して」と指示すると平均や分散などの統計量を出すとともに「金額が大きい項目の詳細分析をする」など次の行動も推奨するのです。

生成AIは、一見もっともらしいが事実と異なる内容を返す「ハルシネーション(幻覚)」を起こすこともあります。
業務効率化を理由に監査の質を落とさないため、回答をうのみにしないで高度な判断につなげる知見は欠かせません。

<公認会計士>
財務諸表に不正などがないか確認する監査業務を独占的に担います。
イギリスで誕生し、日本では医師、司法試験に並ぶ難関資格とされています。
資格取得には短答式と論文式試験の合格、監査法人勤務など3年以上の実務経験のうえ、修了考査合格が必要になります。
2006年以降の新試験制度から大学卒業などの受験資格要件をなくしました。
直後に試験合格率は2割弱まで上昇しましたが、近年の合格率は1割程度、人数はおよそ1,300〜1,400人で推移しています。
2022年試験合格者の平均年齢は24.4歳と、10年前から2歳下がるなど低年齢化が進んでおり、資格自体の若者の人気は高いようです。
試験合格後に監査法人を経ず、コンサルティング企業に就職を希望する例も増えています。

僕は、約11年監査法人に勤め、そのあと東京の会計事務所に転職し、約4年勤めてから独立開業しましたが、監査法人をやめた理由のうちの大きな一つが、当時、カネボウの粉飾事件があり、金融庁の検査のために行っているのではないかと思われる手続きが増えたことです。
もう16年以上前の話しになりますが、その当時と比べても、格段にそのようなことが増えているんでしょうね。
個人的には、会計監査は、マニュアルも重要かもしれませんが、直観も非常に大事だと思っていますので、マニュアル化やAIは、直観とか経験があまり生かせなくなりますので、自分で考えて仕事がしたい方には、会計監査という仕事は面白くないでしょうね。
かと言って、公認会計士になったからといって、企業の経理やコンサルティングがすぐにできるわけはない(会計監査という仕事は、会社が作った財務諸表などに大きな間違いがないかどうかを確かめる仕事)ということは、雇う側も公認会計士も知っておいた方がよいかと思います。
僕自身、転職活動をするときに、監査法人で会計監査のみしていた人間にセールスポイントはあるのだろうか?と本当に思いましたから。

形式的な作業に失望し公認会計士の監査法人離れが進んでいることについて、あなたはどう思われましたか?


金融庁が専門部署を設置し監査法人を直接監督へ!

日本経済新聞によると、金融庁が監査法人を直接監督する体制を整えます。
2023年度に金融庁内に「監査モニタリング室」を置き、傘下の公認会計士・監査審査会の中に「公認会計士監査検査室」を設置する方向です。

15年ぶりに公認会計士法を改正し、自主規制機関(日本公認会計士協会)だけでなく、金融庁も直接監督・検査できるようにしました。

金融庁が近くまとめる23年度の機構・定員要求に盛り込むそうです。

2022年5月に改正公認会計士法が成立していました。
上場企業の監査を担うにあたって、自主規制団体の日本公認会計士協会による登録を法律で義務付けます。
また、公認会計士・監査審査会の立ち入り検査などにおいて、通常の業務運営体制に加えて新たに有価証券報告書に対する虚偽の監査証明の検証も行えるようになります。

金融庁による監査法人への検査・監督では行政処分を発動するといった監督権限は企画市場局が持ち、検査については公認会計士・監査審査会が担っています。
監査モニタリング室は企画市場局に、公認会計士監査検査室は公認会計士・監査審査会にそれぞれ設置することを想定しているようです。

大手監査法人からそれ以外の監査法人への監査契約のシフトがここ数年、急激に進んでいます。
『監査難民』ということばが使われるほど、監査法人との監査契約が締結できないところも増えています。
当然、大手監査法人と監査レベルが大きく異なる監査法人が、上場企業の監査をしていることがあるのも事実です。
自主規制機関では年間に検査できる件数が限られているようですので、今後、一定のレベルに達していない監査法人の排除が進めばいいですね。

金融庁が専門部署を設置し監査法人を直接監督することについて、どう思われましたか?


あずさ監査法人の公認会計士が法定研修で不正で45人処分!

大手のあずさ監査法人は、先日、所属する公認会計士45人が法律で義務づけられた研修をオンラインで不正に受講していた疑いがあると発表しました。
2つの講座に同時にログインして受講したと偽り、単位認定を受けた可能性があるようです。
あずさ監査法人は公認会計士たちを減給などの懲戒処分にすることを検討中だそうです。
また、高波博之理事長ら役員10人の報酬をカットする方針を決めました。

公認会計士たちが不正に受講していたのは、公認会計士法で義務づけられている「継続的専門研修」(CPE)です。
「職業倫理」「不正リスク対応」などの科目を直近3年間で120単位以上、年20単位以上取得する必要があります。

2020年3月に内部告発があり、過去数年にわたってパソコンのログなどを調べたところ、20代~40代の45人が1台の端末を使って2つのオンライン講義を同時に受講した可能性があることがわかったようです。
あずさ監査法人は最終的な調査を現在進めていますが、対象となる公認会計士の中に「パートナー」と呼ばれる幹部社員も含まれています。

システムに二重ログインができるようになった2014年から、不正受講を繰り返していた公認会計士もいるようです。
あずさ監査法人は2020年5月にシステムを改修し、現在は同時にアクセスできない仕組みに変えています。

CPEは、アメリカのエンロン事件など続発した会計不祥事に対応するため、監査の質向上をめざし、2004年から法律で義務づけられました。
ただし、オンラインで受講したり、学会に出席したりすれば単位取得が認められることもあるため、研修制度そのものが形骸化していた可能性もあります。

先日会見した日本公認会計士協会の手塚正彦会長は「会計士制度の根幹をなす研修を怠ったのは極めて遺憾だ」と語り、協会として他の監査法人にも同様の不正がなかったのか調べる考えのようです。
不正を繰り返し悪質な場合は、金融庁の行政処分を受けて公認会計士の登録を抹消される可能性もあるそうです。

公認会計士の教育や研修をめぐっては2017年、公認会計士試験に合格した補習生12人が実務補習中に提出した論文に、他の文献を引き写す盗用行為が見つかり、大手監査法人から処分を受けたことがあります。
公認会計士としての資質が問われかねない事態が再び起こり、2006年に簡素化され、試験合格者を大量に出すようになった会計士試験のあり方を変えるべきだとの声もあがっているようです。

青山学院大の八田進二名誉教授は「不正を見抜く立場にある会計士としての資質に欠けていると言わざるをえない。試験制度そのものを見直し、マナーや倫理観を兼ね備えるような会計士を育てていく必要がある」と指摘しています。

ちなみに、あずさ監査法人は、旧新日本監査法人(現EY新日本監査法人)から国際会計事務所KPMGと提携する部門が独立し、2004年に旧朝日監査法人と合併して発足した監査法人です。
国内の4大監査法人のひとつで、約3千人の会計士が所属し、約3,600にのぼる企業や学校法人などの監査を手がけています。

同業者として恥ずかしい限りです。
普段、内部統制がどうとか、決算の数値がどうとか言っている監査法人の人間が、このような不正をしているとは、モラルが低すぎますね。
こういう人たちは、会計監査をすべきではないと思いますし、公認会計士をやめるべきだと思います。
社風なども影響しているでしょうから、あずさ監査法人にも責任があるのではないでしょうか。
あずさ監査法人にも会計監査を受けている企業はどう思われるのでしょうか?
コンプライアンスが重要とは監査法人の人間は言っているでしょうから、これをきっかけに契約解除されても仕方ないようなことだと思います。
日本公認会計士協会も、厳しい処分を課して欲しいと思います。

あずさ監査法人の公認会計士が法定研修で不正で45人処分されたことについて、どう思われましたか?


BACK TO THE BASIC!

 今日は、いつもと違った感じです。

 現在、連載もので執筆しているものがあるのですが、来年度も継続の依頼をいただきました。

 2か月ごとに発行されますので、年間6回書くことになるのですが、初回はこれについて書いて欲しいというオーダーをいただきました。

 税務のテクニカルな話しではなく、会計のベーシックな話しでしたので、事務所の本棚から古い本を取り出しました。

 飯野利夫氏の書かれた『財務会計論(三訂版)』です。

 10数年以上前にお亡くなりになっていますが、僕が大学2年生のときに、公認会計士試験のために専門学校にも通い始めて一番最初に買った会計の本なのではないかと思いますので、僕の公認会計士としてのベースになっている本ですね。

 それから25年以上経っていますが、さらっと見たところ、会計の理論は色褪せていないかもしれないですね。

 この本を参考に、来年度は6回の連載を執筆していこうと思います。

 さらっと見ましたが、日頃は目の前の仕訳や税務に対応していることが多いですが、会計のベーシックなことを久しぶりに目にして、スゴく新鮮な気持ちになりました。

 普段もシンプルにものごとを考えるということを念頭に置いて仕事に取り組んでいますが、たまには、こういうベーシックなところに立ち返って、シンプルにものごとを考えるということを改めて考えるというのも良いなぁと感じました。

 ちなみに、櫻井通晴氏の書かれた『原価計算<理論と計算>』や『経営原価計算論(増補版)』も、僕の公認会計士としてのベースになっている本です。


金融庁が清流監査法人を処分!

 金融庁は、清流監査法人に対して処分を行いました。

内容は、以下のとおりです。

 金融庁は、令和元年7月5日、公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)から、清流監査法人(法人番号8011205001626)に対して行った検査の結果、当監査法人の運営が著しく不当なものと認められたとして、当監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるよう勧告を受けました。
 同勧告を踏まえ、金融庁は本日、下記のとおり、当監査法人に対して公認会計士法第34条の21第2項に基づき、以下の処分を行いました。

                      記

1.処分の概要
(1)処分の対象
名称:清流監査法人(法人番号8011205001626)
事務所所在地:東京都千代田区

(2)処分の内容
業務改善命令(業務管理体制の改善)

(3)処分理由
別紙のとおり、運営が著しく不当と認められるため。

2.業務改善命令の内容
(1)総括代表社員は、組織的に監査の品質を確保する必要性を十分に認識し、社員の職責の明確化、社員会の機能発揮、社員及び職員の経験に依存した業務運営の改善など、実効性のある品質管理のシステムの構築に向け、当監査法人の業務管理態勢を整備すること。
(2)総括代表社員は、審査会の検査及び日本公認会計士協会の品質管理レビューにおいて指摘された不備の原因を十分に分析したうえで改善策を策定及び実施し、改善状況の適切な検証ができる態勢を整備するとともに、監査契約の新規の締結における十分かつ適切なリスク評価、監査実施者に対する実効性のある教育・訓練、審査担当責任者による批判的かつ適切な審査、実効性のある日常的監視及び定期的な検証を実施できる態勢を整備するなど、当監査法人の品質管理態勢の整備に責任を持って取り組むこと。
(3)現行の監査の基準に準拠した監査手続を実施するための態勢を強化すること(固定資産の減損会計における兆候判定、株式移転の会計処理、関連当事者取引に関する検討など、審査会の検査において指摘された事項の改善を含む。)。
(4)上記(1)から(3)に関する業務の改善計画について、令和元年11月末日までに提出し、直ちに実行すること。
(5)上記(4)の報告後、当該計画の実施完了までの間、令和2年4月末日を第1回目とし、以後、6か月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。

上記の『別紙』の内容は以下のとおりです。

清流監査法人の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。

               記

1 業務管理態勢
 当監査法人は、社員5名、非常勤職員を中心とした監査補助者等により構成されているが、総括代表社員を除く社員は、それぞれの個人事務所等の業務を主としており、当監査法人の業務への関与は低く、総括代表社員が品質管理担当責任者を兼務している。
 また、当監査法人は、設立以来、特定の個人により実質的に支配されている企業グループを主な被監査会社とし、その監査報酬は当監査法人の業務収入の大部分を占めている。
 当監査法人の監査業務は、社員2名がそれぞれ審査又は定期的な検証の専任であることから、総括代表社員を含む3名の社員を中心に実施されている。また、監査補助者は主に非常勤職員で構成され、業務執行社員が主査を担当する監査業務もあるなど監査実施態勢は十分ではない。この点について、総括代表社員は、当監査法人の強みを、経験を積んだ公認会計士を基本に監査チームを編成していることであるとし、社員及び職員のこれまでの経験に依存した運営を継続しており、品質管理態勢を十分に整備する必要性を認識していない。
 このような状況において、当監査法人は、日本公認会計士協会(以下「協会」という。)の平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項を付されており、総括代表社員は、限定事項とされた関連当事者取引の不備の根本原因を会計基準や監査の基準の理解不足にあると認識している。
 しかしながら、下記2に記載するとおり、その改善は、チェックリストの整備等の対症療法的な対応であり、知識や能力の向上を各自に委ねており、適切な教育・訓練態勢を構築していない。また、限定事項とされた審査態勢や定期的な検証等の実施態勢の改善を検討していない。
 そのため、下記3に記載するとおり、今回公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)検査で検証対象とした全ての個別監査業務の業務執行社員及び監査補助者において、会計基準及び現行の監査の基準が求める水準の理解が不足している状況、職業的懐疑心が発揮できていない状況がみられ、それらに起因する重要な不備を含む不備が広範かつ多数認められている。
 また、総括代表社員以外の社員は、当監査法人の業務運営を総括代表社員に委ね、重要事項の意思決定に十分に関与していない。そのため、財務諸表等の訂正要否や監査契約の新規の締結の審査などの重要事項が社員会に付議されているにもかかわらず、十分に検討されることなく承認されるなど社員会の機能が発揮されていない。
 このように、総括代表社員においては、法人トップとして組織的に監査の品質を確保するという意識に欠けており、当監査法人の監査業務の現状を踏まえた実効的な品質管理のシステムを構築するためにリーダーシップを発揮していない。また、総括代表社員以外の社員においては、当監査法人の業務運営、品質管理のシステムの整備及び運用を総括代表社員に委ね、これに関与するという意識に乏しく、社員としての職責を十分に果たしていない。

2 品質管理態勢
(前回審査会検査及び品質管理レビューでの指摘事項に対する改善状況)
 総括代表社員は、前回審査会検査及び平成29年度品質管理レビューでの指摘事項を踏まえた対応として、全社員及び職員を対象として品質管理レビュー等の結果報告会を開催し、指摘事項を周知するとともに、指摘事項を反映したチェックリストを作成し、業務執行社員が当該チェックリストを用いて改善状況を確認する等の改善措置を指示している。
 しかしながら、総括代表社員は、社員及び職員が会計基準や監査の基準を十分に理解していないことを個別監査業務における不備の根本原因として認識していたにもかかわらず、法人内での指示やチェックリストは、指摘事項に直接対応する対症療法的な内容にとどまっており、認識していた根本原因に対応したものとしていない。
 また、平成29年度品質管理レビューにおいて、「指示と監督及び監査調書の査閲並びに監査業務の審査、定期的な検証」について限定事項とされているが、これに対する改善は、限定事項の理由とされた関連当事者取引を重点的に確認する等の措置のみにとどまっており、総括代表社員は、審査、定期的な検証等の実施態勢の改善を検討していない。
 このように、いずれの取組も不十分であることから、今回審査会検査で検証した個別監査業務の全てにおいて、これまでの品質管理レビュー等での指摘事項と同様の不備が繰り返されている。

(監査契約の新規の締結及び更新)
 当監査法人は、監査契約の新規の締結及び更新に関する方針及び手続を「監査の品質管理規程」に定めているが、業務執行社員予定者の選任、独立性の確認、リスク評価などについて具体的な実施手続を整備していない。
 また、前回審査会検査において監査契約の新規の締結に伴うリスク評価の不備について指摘を受けているが、今回審査会検査においても監査契約の新規の締結に当たり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況に係る検討が不足しており、また、主要な経営者、監査役等の異動をリスクとして識別していないなど、リスク評価が不十分である。
 さらに、限定事項付き結論となった平成29年度品質管理レビューの結果を会計監査人の選任議案の決定権限を有する監査役等に書面で伝達していない。

(監査実施者の教育・訓練)
 監査実施者の教育・訓練を担当する総括代表社員は、前回審査会検査及び平成29年度品質管理レビューにおいて指摘された不備には、社員及び職員の会計基準及び監査の基準の理解不足に起因するものがあると認識している。このような認識の下、総括代表社員は、自ら出席した協会研修のうち業務上重要と判断した研修資料を社員及び職員へのメール等で共有し、また、専門要員の年間40単位以上の継続的専門研修の履修を確認したとしている。
 しかしながら、今回審査会検査においても、会計基準及び監査の基準の理解不足に起因した不備が多数生じており、当監査法人の教育・訓練は実効性のあるものとなっていない。

(監査業務に係る審査)
 当監査法人は、特定の社員を審査担当責任者として選任し、全ての監査業務の審査を担当させている。
 当該審査担当責任者は、審査で気付いた点を監査チームに伝達するにとどまり、最終的な判断を業務執行社員に委ねていること、監査チームの説明に過度に依存し、監査調書に基づいた客観的な検証が不足していることなどから、今回審査会検査において指摘した重要な不備を指摘できていない。
 このように、平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項とされた後も、審査担当責任者は、審査の職責を果たしておらず、当監査法人の審査態勢は十分に機能していない。また、総括代表社員は、限定事項とされた後も、このような審査態勢の改善を検討していない。

(品質管理のシステムの監視)
 当監査法人は、特定の社員を定期的な検証担当責任者として選任し、日常的監視及び監査業務の定期的な検証の全てを担当させている。
 当該定期的な検証担当責任者は、日常的監視において、内部規程の内容を十分に確認しておらず、定期的な検証業務においては、会計上の論点を中心に検証し、監査証拠の適切性及び十分性の観点からの検証が不足している。このようなことから、今回審査会検査において認められた内部規程等の整備及び運用状況に係る不備や個別監査業務の重要な不備を看過しており、定期的な検証担当責任者が実施する、日常的監視及び定期的な検証による品質管理システムの監視は不十分である。また、総括代表社員は、定期的な検証について平成29年度品質管理レビューにおいて限定事項とされた後も、このような実施態勢の改善を検討していない。
 このように、当監査法人の品質管理態勢は、前回審査会検査及び品質管理レビューでの指摘事項に対する改善状況、監査契約の新規の締結及び更新並びに監査業務に係る審査に重要な不備が認められるほか、広範に不備が認められており、著しく不十分である。

3 個別監査業務
 総括代表社員を含む業務執行社員及び監査補助者は、会計基準及び現行の監査の基準が求める水準の理解が不足している。そのため、固定資産の減損会計における兆候判定の誤りや株式移転の会計処理の誤りを見落としている事例、関連当事者取引の開示や連結財務諸表に関する会計基準に従った連結範囲の検討が不足している事例などの重要な不備が認められる。
 また、当監査法人の主な被監査会社は、特定の個人により実質的に支配されており、関連当事者間で多様な取引が行われている状況にあるが、総括代表社員を含む業務執行社員及び監査補助者は、関連当事者取引の検討や会計上の見積りの監査などにおいて、職業的懐疑心が不足している。そのため、当該特定の個人との通例ではない重要な取引を批判的に検討していない事例、工事進行基準の適用における会計上の見積りの検討が不足している事例などの重要な不備が認められる。
 上記のような重要な不備は今回審査会検査で検証対象とした個別監査業務の全てにみられる。そのほか重要な不備ではないものの、被監査会社が作成した情報の信頼性を評価していない事例、経営者が利用する専門家の適性・能力及び客観性の評価が不足している事例、不正リスクを識別している売上高の実証手続が不足している事例、監査報告書日後に実施した手続を監査報告書日前に実施したように監査調書に記載している事例など、不備が広範かつ多数認められる。
 このように、検証した個別監査業務において、重要な不備を含めて広範かつ多数の不備が認められており、当監査法人の個別監査業務の実施は著しく不十分なものとなっている。

以上

このような状況の監査法人が、上場企業の会計監査をやっていて良いのでしょうか?
毎年、いくつかの監査法人が処分されていると思いますが、オピニオンショッピング(会計監査を受ける企業が、自社にとって都合の良い監査意見を表明してくれる監査法人や公認会計士を新たに選任すること。)の温床とならないこと祈るばかりです。
市場から退場していただかないといけないところは早めに退場していただかないと思いますし、このようなことがあると、公認会計士業界全体の信頼が失われてしまいますので。

金融庁が清流監査法人を処分したことについて、どう思われましたか?


女子中学生にわいせつな行為をしようとした公認会計士を逮捕!

 先日、公認会計士の男が女子中学生にわいせつな行為をしようとしたとして、警視庁に逮捕されました。

強制わいせつ未遂の疑いで逮捕されたのは、東京都調布市の公認会計士(32)です。
公認会計士は5月12日午後5時ごろ、調布市のマンションで帰宅途中の女子中学生がエレベーターからおりたところ、後ろから抱きついて口を塞ぎ、わいせつな行為をしようとした疑いがもたれています。

警視庁によると、2人に面識はなく、女子中学生が悲鳴をあげたため、公認会計士は非常階段から逃げましたが、防犯カメラの捜査で関与が浮上したようです。
取り調べに対し、公認会計士は「間違いありません」と容疑を認めているということです。

後日、PwCあらた有限責任監査法人が、『当法人の職員の逮捕に関するお詫び』という以下のプレスリリースを行っています。
 昨日PwCあらた有限責任監査法人の職員が逮捕されました。詳細は現在調査中であり、事実関係を確認次第、厳正に対処いたします。皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
                                    2019年5月22日
                              PwCあらた有限責任監査法人

本当にこういったことはやめて欲しいですね。
1人の行為が、所属監査法人、公認会計士業界に多大なる影響を与えてしまいます。
先生と呼ばれることの多い士業には、人格や品位などが必要だと思いますね。
PwCあらた有限責任監査法人のプレスリリースも『皆様』になっていますが、まずは被害者の方やご家族に謝罪すべきであると思いますので、このプレスリリースはどうなんだろうと思いますね。
クライアントに向けてリリースしているのでしょうか?

女子中学生にわいせつな行為をしようとした公認会計士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


イギリスの競争当局が4大監査法人の「業務分離」を報告!

 イギリスの競争当局である競争・市場庁は、先日、イギリス監査業界の改革に関する最終報告書を公表しました。
「ビッグ4」と呼ばれる4大監査法人グループについて、監査とそれ以外の業務を組織内で分離するよう求めるのが柱です。
大手4社の寡占が監査の質を下げていると問題視し、上場する大企業には複数の監査法人による共同監査を義務付けることも提言しました。

イギリス政府は、報告書への見解や対応方針を90日以内に明らかにし、法制化の必要性などを判断するようです。

イギリスでは建設大手カリリオンが2018年1月に経営破綻したのを機に、経営悪化を見抜けなかった外部監査人のKPMGなど大手監査法人への批判が強まりました。
競争・市場庁は、2018年12月、利益相反リスクを減らすため監査とそれ以外の非監査業務を組織内で分けたり、共同監査を導入したりする案を示して意見を募っていました。

最終報告書は、これまでの議論を踏襲しました。
まず大手4グループについて、決算書類が正しいか調べる監査業務と、経営や税務戦略を指南するコンサルティングなどの非監査業務を運営上分離するよう求めました。
グループ内で経営や収益管理などを分け、監査部門は監査に集中すべきだと訴えました。

この背景には利益相反の懸念に加え、高収益な非監査部門の存在が監査部門を資金的にも支え、準大手以下の参入を妨げる一因になっているとの問題意識もあるようです。
政界からは別法人として完全に切り分ける「解体」論も上がっていたようですが、急進的な変更はリスクがあるとして踏み込みませんでした。

ロンドン証券取引所に上場する主要350社を対象に、原則として2つ以上の監査法人による共同監査を義務付けることも提案しました。
イギリスでは主要350社の97%の監査を4大法人が行っています。
寡占を打破するため少なくとも1つは4大監査法人以外とし、準大手以下の参入による競争の活性化を促すようです。

競争・市場庁は声明で「市民の生計や貯蓄、年金は監査が高い基準で行われているかにかかっている」と述べ、改革の必要性を強調しました。
一方で、市場関係者からは実効性に疑問の声も出ているようです。
英金融業界団体ザ・シティーUKは「真の監査の質向上につながる証拠はない」とし、急進的な改革で副作用が出ないよう慎重な実施を求めました。

僕は公認会計士で、もともと監査法人に勤めていた人間ですが、個人的には、独立性の観点からは、一般の方々にとっては、同一クライアントに対して監査以外のサービスを提供しているという状況は監査上大丈夫なのだろうかという疑問は生じると思いますので、同一クライアントに対して監査業務以外のサービス提供はやめた方がよいのではないかと思います。
共同監査については、個人的には、反対です。
日本でもあまり行われていないということは効果がないことの表れだと思いますが、監査法人ごとに監査手続きの進め方などに独自のやり方があると思いますが、共同監査になると、それを見せることになり、独自性がなくなっていく(存在意義がなくなる)と思います。
結局、お互いが手の内を見せないことになると、担当を完全に切り分けるだけになると思いますが、コミュニケーションのなさが粉飾等を見落とす原因となると推測されます。
あとは、監査意見や会計処理についてもそれぞれ独自のものがあるでしょうから、監査法人間の意見の対立・調整という監査の本質ではない無駄な時間が増加する可能性があるように思います。

イギリスの競争当局が4大監査法人の「業務分離」を報告したことについて、どう思われましたか?


東芝の監査法人である新日本監査法人に1兆円請求!

 東芝の不適切会計問題を巡り、株主が会計監査を担った新日本監査法人(東京)に損害賠償を求めた株主代表訴訟で、原告の株主側が請求額を約105億円から1兆円に増額したことがわかったようです。
監査法人を訴えた同種訴訟は珍しく、請求額が1兆円に上るのは異例です。

東芝は、20157月、パソコン部門で利益を水増しするなどの不適切会計があったとする外部の第三者委員会の報告書を公表し、3人の歴代社長が辞任しました。
金融庁は201512月~20161月、不適切会計を見抜けなかったとして、新日本監査法人に一部業務停止や約21億円の課徴金納付を命じ、20169月、大阪府内の株主が約105億円の賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

ただし、その約3か月後、アメリカにある東芝の原発子会社ウェスチングハウス(WH)が201512月に買収したアメリカの原発建設企業の資産価値が想定より大幅に低かったことも発覚し、東芝は、アメリカの原子力事業で1兆円超の損失を計上する事態となりました。

原告側が問題視するのは、アメリカでの原発建設の遅れに伴ってWH20122013年度に計上した約1,100億円の損失を東芝がすぐには公表しなかった点です。
東芝は201511月に公表したものの、この時にはWHと原発建設企業が買収に合意していました。

原告側は「WHの損失が早く公表されていれば、株主は原発建設企業の買収を認めなかった。公表しないという東芝の判断を追認した監査法人は損失の責任を負う」として、20191月に請求額を増額しました。
これに対し、新日本監査法人は「企業が何を公表するかは監査法人の監査対象ではない」として請求棄却を求めています。

株主代表訴訟は、提訴時の手数料が一律13,000円で、請求額に応じて上昇する通常の民事訴訟よりも巨額訴訟を起こしやすいとされます。
会社法に詳しい上村達男早稲田大教授は、今回の訴訟について、「会社で生じた損失には多くの要因があり、全てを監査法人に負担させようというのは無理がある」とした上で、「1兆円の請求額は根拠に乏しい」と指摘しています。

一方、原告側代理人の弁護士は「監査法人の責任でどれだけ損害が生じたのかを裁判で明らかにすることは、再発防止のためにも意味がある」と話しているようです。

僕自身、公認会計士というのもあるとは思いますが、上村教授のおっしゃるとおりだと思います、
粉飾も第一義的には、東芝に責任があるということをきちんと認識してほしいですね。
当然、会計監査人に責任がないとは思いませんが、こういうことがどんどん出てくると、最近増えている大手監査法人が監査契約を断るというケースがますます増え、いわゆる『監査難民』となる上場企業が増えるのではないかと思います。
世間一般的に、会計監査人側と投資家側の会計監査に対する『ギャップ』があるのは事実だと思いますが、金融庁とか証券取引所とか日本公認会計士協会などが、地道に取り組んでいかないといけないでしょうね。

東芝の監査法人である新日本監査法人に1兆円請求がなされたことについて、どう思われましたか?


日本公認会計士協会が通年でビジネスカジュアルを実施!

 日本公認会計士協会は、これまで、官庁が提唱する温暖化対策への対応として、夏季期間に会館内で執務する役職員の軽装を実施していました。
しかしながら、今後は、通年で「ビジネスカジュアル」を実施するようです。

役職員のビジネスカジュアルに当たっては、『来館者の方々に対し、失礼とならない服装に努めますので、何卒、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。』とコメントしています。

僕自身も、普段お会いしている方はご存知かと思いますが、監査法人トーマツ時代に、夏場はビジネスカジュアルだったこともありますが、年がら年中、ビジネスカジュアルで、スーツを着るのは年間数日です。

昔は、スーツや靴やネクタイやシャツに結構お金をかけていましたし、スーツが嫌いなわけではないのですが、特に必要もないのではないかと思っています。
クールビズでも、上着を着ず、ネクタイをしない(クールビズにふさわしくないようなシャツ)だけなのは、中途半端さが個人的には大嫌いで、やめた方が良いと思っています。
服装で仕事をするわけではないので、こういった流れがどんどん広がり、ビジネスカジュアルが普通という時代に早くなってほしいですね。

日本公認会計士協会が通年でビジネスカジュアルを実施することについて、どう思われましたか?


監査法人トーマツが罰金2億円を支払い!

 アメリカ証券取引委員会(SEC)は、先日、僕の出身の監査法人トーマツが会計監査の独立性ルールに違反し、200万ドル(約2億2,000万円)の罰金を支払うと発表しました。
トーマツ元幹部は同法人が監査を担当する金融機関の口座に一定基準を上回る金額を預けていました。
「独立性が損なわれた状態」で監査報告書が提出されていた上に、法人内の監督体制も不十分で、今回の処分につながったようです。

SECの発表によると、トーマツの元最高経営責任者(CEO)である天野太道氏が独立性ルールに違反しました。
金融機関名は公表されていませんが、アメリカニューヨーク証券取引所に上場する三菱UFJフィナンシャル・グループとみられます。
三菱UFJフィナンシャル・グループが2015年にSECに提出した資料で、トーマツ幹部の預金残高が限度額を超え、独立性ルールに抵触していたと開示していました。
天野氏、は2015年7月末にトーマツのCEO職を辞任しています。

SECのルールでは会計監査の独立性を保つために、監査法人の幹部や監査チームのスタッフが、監査担当企業の銀行口座に一定水準を超す金額を預けないように求めています。
日本企業の場合、預金保険機構の保険限度額(1千万円)がこの水準に当てはまります。
天野氏は三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の銀行に口座を持ち、預金額が一定期間、1千万円を超えていたとみられます。
この間、三菱UFJフィナンシャル・グループは、トーマツの監査報告書を添付してSECに財務書類を提出していた。

SECによると、天野氏の違反は2014年3月にトーマツ内で発見されましたが、監査先の金融機関に伝達されたのは2015年に入ってからでした。
さらに別の調査によって、トーマツに所属する計88人が「独立性ルール」に違反していたことが判明したそうです。
SECはトーマツの違反発見後の対応のまずさや、ずさんな監督体制を問題視し、今回の重い処分につながったようです。

トーマツは「品質管理態勢への影響はない。今後とも監査品質の向上に最善を尽くす」とコメントしています。

独立性が重要な監査法人のトップがこれでは、処分されて当然のように思います。
僕が勤務していた時から、こういったことはチェックするシステムがありましたが、甘かったんでしょうね。
幹部の方々はたくさん報酬をもらっていらっしゃるでしょうから、忙しくて数か月放置しておくとすぐに超えてしまうのかもしれませんね。
それについては、元々、報酬の振込口座としてクライアントを除くことにしておけば良いかと思いますが。

監査法人トーマツが罰金2億円を支払ったことについて、どう思われましたか?


タクシー運転手を蹴った公認会計士を暴行容疑で逮捕!

 タクシー運転手の男性に暴行を加えたとして、神奈川県警緑署は、先日、暴行容疑で、横浜市緑区長津田町の公認会計士(49)を逮捕したようです。
公認会計者は、「覚えていない」と供述しているそうです。

逮捕容疑は、2019日午前2時5分ごろ、自宅近くの路上に止まったタクシー車内で男性運転手(54)を蹴ったとしています。

神奈川県警緑署によると、公認会計士は東京都千代田区内からタクシーに乗車し、自宅付近にさしかかったため寝ていた公認会計士を男性運転手が起こそうとした際、足蹴りしたそうです。
男性運転手が取り押さえて通報し、駆け付けた同署員に引き渡しました。

こういったことで『公認会計士』の名前が出ることは、残念なことです。
人格なども大事ですね。
おそらく、この方はコンサル会社の執行役員だと思いますが、そもそもこういう方がコンサルをできるのでしょうか?
あとは、公認会計士協会のホームページから検索すると、平成29年度は、継続的専門研修(いわゆるCPE)の履修義務が不履行になっていますね。

タクシー運転手を蹴った公認会計士が暴行容疑で逮捕されたことについて、どう思われましたか?


1億8千万円横領容疑で弁護士を逮捕!

 土地建物管理会社から依頼を受けて弁護士の業務として預かっていた計約18,200万円を着服したとして、大阪地検特捜部は、先日、業務上横領容疑で、大阪弁護士会所属の弁護士(66)を逮捕したようです。
大阪地検特捜部は認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は、土地建物管理会社が所有するビルの賃料相当損害金を管理する業務を行っていた20135月~201412月、19回にわたり、同社から預かっていた賃料相当損害金を、預かり金口座から出金して流用したり、自分個人名義の口座に振り込んだりして計約18,200万円を着服したとしています。

弁護士をめぐっては、大阪弁護士会が20183月、預かり金をめぐるトラブルの調査に誠実な回答をしなかったとして、業務停止3か月の懲戒処分にしたと発表していました。

大阪弁護士会によると、弁護士が建物の明け渡しや賃料の支払いをめぐる訴訟の代理人をしていた2012年~2014年、相手方が賃料として預かり金口座に振り込んだうち、約9,200万円の行方が分からなくなったようです。

大阪弁護士会が調査に乗り出したようですが、弁護士は口座の取引明細証明書の一部を黒塗りにして大阪弁護士会に提出し、開示を求めても応じなかったりしたため、懲戒処分を決定したそうです。

毎年何人かこのような弁護士のことが新聞などに出ていますが、専門家としては、悲しくなりますね。
信用で成り立っている専門家ですので、一人の行為が、業界全体の信用失墜につながりますからね。
専門家として、プライドを持って仕事をしてほしいですね。
仕事を頼まれる方も、誰を信じていいのか分からなくなると思いますので。

18千万円横領容疑で弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


公認会計士の継続的専門研修における「会員の研修履修結果の開示」!

 公認会計士は、導入されてかなり経ちますが、継続的専門研修制度(いわゆるCPE制度)は、公認会計士としての使命及び職責を全うし、監査業務等の質的向上を図るため、公認会計士の資質の向上及び公認会計士が環境の変化に適応するための支援を目的とし行われ、会員は所定の単位数の取得を義務付けられています。

日本公認会計士協会の会員の義務達成率は平成29年度では98.8%となっており、大多数の会員が義務を達成し、その資質の向上に役立てています。

この度、公認会計士に業務を依頼する際の参考に資するための情報充実の観点から、会員の研修履修結果が開示されることになりました。

会員の研修履修結果については、公認会計士等検索システムで会員個人を検索していただいた画面で確認することができます。

僕も自分のものを確認してみましたが、開示されるようになっています。
僕自身も、年間に、公認会計士や税理士向けの研修だけでなく、かなりの数の研修を受講していますので、良い試みではないかと思います。
これを見て、この人に仕事を頼もうなどといった考えが働くかどうかは疑問ではありますが。

公認会計士の継続的専門研修における「会員の研修履修結果の開示」について、どう思われましたか?


ユニクロの柳井氏が記念式典で講演し「公認会計士がハンコを押す人になっている」!

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、先日、日本公認会計士協会が開催した記念講演で、公認会計士に対して「経営者と経営課題を議論できるパートナーになってもらいたい」と語った。人工知能(AI)の発達などで会計業務が標準化される可能性について言及したうえで、会計知識の経営への活用を参加者らに呼びかけました。

 日本公認会計士協会が東京国際フォーラム(東京・千代田)で開いた「公認会計士制度70周年記念式典及び記念講演」に登壇しました。

柳井氏は、公認会計士が「(監査業務で)ハンコを押す人になっている」と指摘しました。
AIの発達などで「単純な計算や分析は必要がなくなる」との見通しを示したうえで、経営者との協調を呼びかけました。

柳井氏は、また、国内企業の経営力が劣化しているとの持論を展開し、その例として「一番もうかっている半導体の部門を売って時代遅れの重厚長大な部門を残す経営判断はおかしい」と半導体メモリー子会社を売却した東芝を挙げました。

近くで開催されれば行ったのですが、流石に、柳井さんは的をついたことをおっしゃいますね。
日本公認会計士協会は、AIが発達しても、業務に影響がないことをアピールしたいのでしょうが(笑)。
僕が、監査法人にいた頃から、指導はしてはいけないということがあったので、疑問は感じでいました。
本当に、『ハンコを押す人』になっていると思います。
やはり、監査に関すること以外も経営者と協議をして、色々なことに対して発言・指導することによって、存在感が増し、クライアントとの良好な関係が構築されるのではないかと思います。
当然、監査を行う公認会計士に、幅広い知識が要求されます。

ユニクロの柳井氏が記念式典で講演し「公認会計士はハンコを押す人になっている。」と述べられたことについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(消費税)

東京国税局が旅館改修で水増しして消費税を不正還付未遂の社長らを告発!

時事通信によると、神奈川県箱根町にある旅館の改装工事で、消費税約2,900万円の還付を不正に受けようとしたとして、東京国税局査察部が消費税法違反などの容疑で、不動産会社(神奈川県箱根町)と不動産会社社長(54)を横浜地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

告発は2024年11月27日付です。

関係者によると、不動産会社社長は2022年12月~2023年11月、不動産会社が箱根町に所有する3旅館の改修工事代金を水増しして過大に計上しました。

水増しした分の消費税と地方消費税計約2,900万円の還付を不正に受けようとした疑いが持たれています。

実際の工事代金は3旅館で計約3億3,000万円でしたが、建設業者に虚偽の請求書などを作成させて計約6億6,330万円に代金を水増ししていました。

不動産会社社長が代表を務め、3旅館を運営する会社は取材に対し、「捜査中のため回答を差し控える」とコメントしたようです。

本当に、最近、安易な架空経費の計上による脱税事件が多いですね。

それだけ、儲かっている会社が多くなってきているということだとは思いますが、脱税は犯罪です。

特に、消費税の不正還付は、支払ってもいない消費税を国から返してもらうわけですから、詐欺です。

いつも思いますが、消費税の還付は厳しいので、金額が大きくなると反面(架空経費の相手先)の調査もしているのではないかと思いますが、こっちの架空経費の計上は、あっちでは架空売上の計上になりますので、税額が増えるはずです。

代金をとりあえず支払ってもらうとしても、後から戻すときに処理に困ると思いますが、どうやっているんでしょうね。

ここでもまた架空経費の計上が行われているとなると、架空経費のループに陥ってしまい、芋づる式に発覚してしまうのではないかと思います。

東京国税局が旅館改修で水増しして消費税を不正還付未遂の社長らを告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京地検特捜部が消費税不正還付容疑で東京都世田谷区の会社役員を逮捕!

共同通信によると、東京地検特捜部は、先日、消費税計約7,200万円の不正還付を受けたなどとして、消費税法違反容疑で、東京都世田谷区の会社役員(53)を逮捕しました。

逮捕容疑は2020年~20023年、会社役員が代表を務める宮城、石川両県などにある不動産賃貸会社4社の業務に関し、金地金売買を仮装し、架空の課税仕入れを計上するなどして消費税約7,200万円の不正還付を受けたほか、他の3社についても同様の手口で約8,800万円の還付を受けようとした疑いです。

消費税の還付は、このような不正還付事件が多いこともあり、課税当局も書類の提出を求めたり、税務調査に入ったうえで行われることが多いのは、周知の事実だと思いますが、安易にやられる方もまだまだいらっしゃるんですね。

架空取引の計上による消費税の還付は、法人税などが少なくなるだけではなく、支払ってもいない消費税を還付してもらうというかなり悪質なスキームですので、本当になくなって欲しいと思います。

東京地検特捜部が消費税不正還付容疑で東京都世田谷区の会社役員を逮捕したことについて、あなたはどう思われましたか?


東京国税局が消費税無申告のオンラインゲームの海外法人に「電光石火」で18億円追徴課税!

読売新聞によると、オンラインゲームを日本国内に配信するなどしていた香港法人が、東京国税局から2022年までの3年間で消費税計約18億円を追徴課税されていたことが関係者の話でわかったようです。

同社は税務調査に非協力的で、納税の見込みもなかったことから、東京国税局は本来の納付期限を前倒しする「繰り上げ請求」を行い、国内にある同社の財産を早期に差し押さえたようです。

海外法人に対しては税務調査が難しいだけではなく、国税当局が追徴課税をしても自主的に納めない場合、税の徴収は容易ではありません。

今回は東京国税局が徴収制度を駆使し、財産が海外に散逸する前に迅速な差し押さえに成功した形です。

今後、差し押さえた財産から消費税が徴収される見通しです。

関係者によると、追徴課税されたのは、2017年頃に設立された香港法人で、ゲームなどの開発を行うグループの主要会社です。

日本を含めた世界各国にゲームを配信し、利益を得ていたようです。

消費税は海外事業者によるサービスも含め、日本国内での取引が課税対象となります。

しかしながら、東京国税局が調べたところ、同社は、日本の利用者がアイテムを購入するなどしてゲーム内で課金された場合にかかる消費税を申告していなかったことが判明しました。

その額は計約15億円で、東京国税局は無申告加算税を含む計約18億円を追徴課税しました。

同社は税務調査に非協力的で、日本国内の「納税管理人」も定めていなかったことから、同国税局は自主的に納税する見込みがないと判断し、繰り上げ請求を実施しました。

前倒しされた期限が過ぎても同社は納税せず、東京国税局は、同社が日本子会社(東京都港区)に対して保有していた約15億円の売掛債権(将来、代金を受け取る権利)を財産として差し押さえたそうです。

追徴課税から財産の差し押さえまでは通常、1か月以上を要しますが、今回は繰り上げ請求によって10日程度で完了しました。

日本子会社から香港法人へ代金が支払われてしまうと、税にあてるべき財産が海外に散逸する恐れがあることから、東京国税局は差し押さえを急いだとみられます。

読売新聞は香港法人に追徴課税の事実などをメールで尋ねましたが、返答はなかったそうです。

日本子会社の担当者は「取材はお断りしている」と回答しました。

<繰り上げ請求>

国税通則法で定められた手続き。

納付期限までに税の完納が見込めないという「主観的要件」に加え、海外企業が国税当局との窓口となる「納税管理人」を定めていないなどの「客観的要件」を満たす場合、税務署長は期限を繰り上げて納税を求めることができます。

国税庁によると、2024年6月までの1年間に全国で259回、実施されました。

『繰り上げ請求』というものを恥ずかしながら知りませんでしたが、東京国税局も頑張っていますね。

悪質なところからは、きっちりと取って欲しいと思います。

東京国税局が消費税無申告のオンラインゲームの海外法人に「電光石火」で18億円追徴課税したことについて、あなたはどう思われましたか?


過大に消費税の還付受けた疑いで「ファーマライズ」に追徴課税!

NHKによると、全国で調剤薬局を展開する「ファーマライズ」が卸売り業者から医薬品を仕入れて別のグループ会社に販売する形を取り、消費税の計算上、仕入れの際の税額を多くすることで過大に消費税の還付を受けていたとして東京国税局から3億円余りを追徴課税されていたことが関係者への取材で分かりました。

追徴課税を受けたのは、全国でおよそ200店舗の調剤薬局を展開する東京都中野区に本社がある「ファーマライズ」です。

関係者によると、「ファーマライズ」は卸売り業者から医薬品を仕入れて別のグループ会社に販売する形を取り、消費税の計算上、仕入れにかかった税額を多くすることで還付される消費税があるとして税務申告をしていました。

しかし、一部の医薬品について、グループ会社が直接発注したり、「ファーマライズ」を経由せずに配送されたりしていて、東京国税局は「ファーマライズ」が仕入れていたとは言えず実際より多く消費税が還付されていたと判断したということです。

東京国税局は2023年5月までの3年間で過大に還付された消費税と過少申告加算税を含めて、3億3,000万円余りを追徴課税しました。

親会社の「ファーマライズホールディングス」は、「東京国税局との間で一部見解の相違はあるものの税務上はその見解に基づいて計算し連結損益計算書に反映を見込んでいる」としています。

きちんと証明できれば否認されることはないと思いますので、このケースで見解の相違があるのかどうかは個人的に疑問ですが、意図的にやっているのであれば悪質なように思います。

仕入れてもいないものを仕入れたことにして、決算時には在庫として計上して、期をまたいでからグループ会社に販売したことにすれば、消費税の支払いを実質的に先送り(もしくは還付)できますので。

過大に消費税の還付受けた疑いで「ファーマライズ」に追徴課税が行われたことについて、あなたはどう思われましたか?


消費税申告ミスで8億円追徴のエンビプロ子会社は「承服できず」不服申し立て!

朝日新聞によると、東証プライム上場企業「エンビプロ・ホールディングス」の子会社で、リサイクル資源会社「NEWSCON(ニュースコン)」(東京都中央区)が東京国税局の税務調査を受け、輸出免税取引をめぐる消費税の還付申告に誤りがあったとして、2023年までの3年間で約8億円の追徴課税(更正処分)を受けたことが関係者への取材でわかったようです。

エンビプロ社は「承服できず、国税不服審判所に不服申し立てをした」としています。

関係者によると、NEWSCONは主な輸出品である製鋼原料などのリサイクル資源に加え、中国で需要が高まった雑貨などを含めて、輸出免税の適用を受けるために申告していました。

しかしながら、東京国税局は、雑貨など約70億円分の商品については、実際の輸出元は同社ではなく仕入れ先の業者だったとして、輸出免税を認めず、2024年7月に追徴課税をしたようです。

事業者は、売上時に受け取った税額から、仕入れ時に支払った消費税額を差し引き、納税します。

輸出による売り上げは免税のため、仕入れ時の税額を還付申告できます。

輸出免税はなかなか難しいですね。

争って、白黒はっきりさせて欲しいですね。

今後どうなるかウォッチしていきたいと思います。

消費税申告ミスで8億円追徴のエンビプロ子会社は「承服できず」不服申し立てを行ったことについて、あなたはどう思われましたか?


渡航者の免税品不所持の消費税の課税漏れが3億円超!

時事通信によると、海外からの渡航者が購入した免税品を出国時に所持していない場合に、消費税が適切に課税されているかを会計検査院が調べたところ、成田、羽田両空港の税関で2022年度、計約3億3,900万円が課税漏れとなっていたことが、先日、分かったようです。

税関は、渡航者が日本国内で購入した免税品を出国時に所持せず、輸出も確認されない場合、国内で消費したと見なして消費税を課税します。

購入総額が1億円を超えるケースでは、渡航者の搭乗時に書面か口頭で課税を通知します。

会計検査院は2022~2023年度、税関が渡航者の購入額計約647億600万円について適切に課税されたかを調査しました。

両空港の税関で2022年度、9人が購入した高級腕時計など計約33億9,800万円分の消費税約3億3,900万円が課税漏れでした。

書面作成の時間が足りなかったことなどにより、渡航者の搭乗時刻までに通知が間に合わなかったようです。

税関を所管する財務省は、検査院の指摘を受けて課税通知に関する実施要領を改正するなどしました。

日本国民が外国人の消費税を負担しているのと同じだと思いますので、きっちりと取って欲しいですね。

そもそも免税品の消費税は、色々なところが確認を怠って追徴課税されたりしていますが、いったんは消費税を支払ってもらって、空港などで確認のうえ返すなど、見直した方が良いのではないかと思っています。

渡航者の免税品不所持の消費税の課税漏れが3億円超であることについて、あなたはどう思われましたか?


調剤薬局グループが架空取引で消費税16億円を不正還付か?

朝日新聞によると、全国で調剤薬局チェーンを展開する会社(兵庫県芦屋市)やグループ企業など約60社が国税当局の税務調査を受け、2022年から2023年の約1年間に消費税計約16億円の不正還付を受けたと指摘されたことがわかったようです。

薬局間での医薬品の架空取引を通じて、還付対象の消費税があるように装ったと判断されたとみられます。

追徴税額は、重加算税を含め計約23億円とみられます。

この会社は朝日新聞の取材に対し、「架空取引の認識ではなかった。見解の相違があったが、指摘を真摯(しんし)に受け止め、修正申告と追徴税額を含む納税を行った」と回答しました。

消費税は、モノやサービスを売った時に受け取る税額より仕入れ時に支払った税額が多い場合、その差額が還付されます。

関係者によると、この会社は近年、企業合併・買収の資金調達のためにグループ企業などとの間で医薬品の在庫を売買していたそうです。

大阪国税局など全国の国税当局が約60社について調べたところ、書類だけで実態のない取引が見つかり、それにより仕入れなどで支払ったとして差し引ける消費税が実際より多いように装って還付請求したと判断されたとみられます。

帝国データバンクなどによると、この会社は各地の調剤薬局チェーンを買収するなどして規模を拡大し、調剤薬局などを全国で計562店舗展開しています。

2023年5月期の連結売上高は2,233億円で、調剤薬局グループでは国内で大手とされています。

大手ドラッグストア「スギ薬局」を運営するスギホールディングスが2024年9月にこの会社を子会社化しています。

見解の相違があるのであれば、争えば良かったのではないかと思いますが、争わなかったんですね。

実態のない取引があるとされたということだと思いますので、よほど杜撰な処理をしていたんでしょうね。

過去に悪質な方法で還付申告をした会社等がたくさんあり、消費税の還付申告をすると税務調査が入る可能性が高いということを認識して、おかしなところがないことを確かめて還付申告をしないといけないということを知っておいた方がいいですね。

調剤薬局グループが架空取引で消費税16億円を不正還付していたことについて、あなたはどう思われましたか?


消費税2,400万円不正還付疑いで東京国税局が電子決済会社を告発!

共同通信によると、キャッシュレス端末の架空仕入れを計上し、消費税約2,400万円の不正還付を受けたとして、東京国税局が消費税法違反の疑いで電子決済システム関連会社(東京)と、前代表取締役(51)を東京地検に告発したことが、先日、関係者への取材で分かったようです。

関係者によると、電子決済システム関連会社は他社から仕入れたキャッシュレス端末を店舗などに卸しています。

告発容疑は、キャッシュレス端末の架空仕入れを計上して仕入れ時に多額の消費税を支払ったと虚偽申告し、2020年分の消費税について不正還付を受けた疑いです。

不正に得た資金は事業費に充てていたとみられます。

こういう人がいるから、真面目に申告している会社が消費税の還付申告をすると、税務調査に来たり、資料の提出を求められたりで、なかなか還付してもらえませんので、絶対にやめて欲しいですね。

払ってもいないのに還付してもらうなんて、国からだまし取っているということですからね。

消費税2,400万円不正還付疑いで東京国税局が電子決済会社を告発したことについて、あなたはどう思われましたか?


「買い子」が免税品大量購入で転売のダイコクドラッグに3億円を追徴!

朝日新聞によると、化粧品などの免税販売をめぐり、ドラッグストア「ダイコクドラッグ」をチェーン展開する運営会社2社が大阪国税局の税務調査を受け、2021年8月期までの2年間に過少申告加算税を含め消費税計約3億円を追徴課税されたことがわかったようです。

転売目的など、免税要件を満たさない外国人客への販売が約30億円分あったとみられます。

追徴課税されたのは「中央ダイコク」と「道頓堀ダイコク」(いずれも大阪市中央区)です。

2社とも修正申告をし、全額を納付したそうです。

関係者によると、日本に住む中国人らが転売業者に雇われ、「買い子」として2社の一部店舗で化粧品や日用品を大量購入するなどしたケースが多数見つかり、免税要件を満たさないと指摘されたそうです。

指摘を受けた期間は、コロナ禍の影響で訪日客が激減していた時期と重なります。

親会社の「ダイコク」は取材に「パスポートでの本人確認や在留期間の確認などが不十分だったと国税局から指摘を受けた。真摯に受け止め、適正な免税販売をする」としています。

以前は高松の商店街の中にあるダイコクドラッグで時々買い物していましたが、最近は、高松にもドラッグストアがたくさんできて、違うところで買っているので、『ダイコクドラッグ』という名前を聞いたり、見たりすることがほとんどなかったのですが、久しぶりに名前を目にするとこういうことだったんですね。

インバウンド向けの販売が多いことは分かっていましたが、会社を分けていることは初めて知りました。

株式会社四国ダイコクもありますが、本社は大阪市中央区です。

本来免税とならないものを免税とすると、国の消費税の税収が減るわけですから、課税当局には厳しく調査してもらい、適正に販売するようになってほしいと思います。

許可の取り消しとか、何年間かは許可しないとかも考えないといけないのかもしれませんね。

「買い子」が免税品大量購入で転売のダイコクドラッグに3億円を追徴したことについて、あなたはどう思われましたか?


「領収書や請求書を捨てればばれないと」などと個人事業者7,615人が消費税無申告!

読売新聞によると、消費税の申告義務がある個人事業者が申告しない事案が全国で横行しているようです。

2023年6月までの1年間の税務調査で、7,615人の無申告者が過去最高となる計198億円を追徴課税されました。

申告義務がないように装うために年間売上高をごまかしたり、故意に申告しなかったりするケースが目立つようです。

国税当局は積極的に調査に乗り出すなどして、警戒を強化しています。

福岡県内の女性ブリーダー(70歳代)は福岡国税局の税務調査を受け、2021年までの7年間で得た所得のうち約9,600万円を申告せず、消費税約1,000万円の納税を意図的に逃れていたとして、2022年に重加算税を含む計約5,300万円を追徴課税されました。

関係者によると、ブリーダーとしての年間売上金額が消費税の納税義務が生じる1,000万円を超えることが想定されましたが、申告がなかったため、同局は調査に着手しました。

女性は当初、「年間売上高は1,000万円以下で消費税の納税義務はない」と説明していました。

出品したペットオークションの運営会社が発行し、犬や猫の売買代金が記された書類などについては「捨てた」と話していました。

このため、同局は女性が出品していたペットオークションやペットショップを運営する会社に対し、女性との取引履歴を確認しました。

その結果、ブリーダー業の年間売上高が1,000万円を超えることを把握しました。

調査結果を基に女性をただしたところ、「納税義務があることを知っていた。売上金額を意図的に少なく申告した」と認め、期限後申告を行いました。

「領収書や請求書などの書類を捨てて、確定申告を行わなければ、税務署にばれないと思った」と、2023年、消費税の無申告などを指摘された長崎県在住の設備工事業の男性(60歳代)は、福岡国税局の税務調査に対し、こう語ったそうです。

関係者によると、2021年までの7年間で得た所得約5,200万円とともに、消費税約1,400万円を申告せず、納税を免れていました。

男性は売り上げや仕入れに関する領収書などの資料を破棄し、納税義務がないように装っていました。

同局の指摘を受け、重加算税を含む計約3,100万円を追徴課税されました。

国税庁によると、2023 年6月までの1年間の税務調査で確認された消費税の無申告者は、全国で7,615人に上りました。

指摘された個人事業者の業種は、ブリーダーのほか、建築業、運送業、飲食業など様々です。

追徴税額は前年度比約1.5倍で過去最高の198億円に膨らみ、1人当たりの平均額も過去最高だった前年度を上回る260万円でした。

追徴税額が増えた背景には、消費税は身近な税で、無申告が相次げば適切に納税する国民の不公平感を招きかねないため、国税当局が監視の目を光らせていることがあります。

2023年10月に始まった消費税のインボイス(適格請求書)制度導入を見据えて調査を強化したとみられ、それが影響した可能性もあります。

福岡国税局管内(福岡、佐賀、長崎各県)では、470人が消費税の無申告を指摘されました。

追徴税額の総額12億8,600万円と、1人当たりの平均額274万円はともに過去最高を更新しました。

同局の担当者は「引き続き適正に課税するため、厳格に対応していきたい」としています。

書類を破棄すればバレないと思っているのがスゴいですね。

どこかのサイトを使っていればサイト運営会社を調べればすぐに分かるでしょうし、反面調査もありますから。

名前が出るとそれまで築き上げてきた信用も一瞬にして失うでしょうし、重加算税を課されるとその後の税務調査の頻度も高くなるでしょうし、青色申告取り消しの可能性もありますから、何もいいことはないですよね。

「領収書や請求書を捨てればばれないと」などと個人事業者7,615人が消費税無申告だったことについて、あなたはどう思われましたか?


中国人爆買いの近鉄百貨店に8億円追徴!

産経新聞によると、消費税の免税要件を満たさない中国人客らに化粧品などを大量販売したとして、近鉄百貨店(本店・大阪市阿倍野区)は、先日、大阪国税局の税務調査を受け、令和4年2月期までの4年間で約7億円の申告漏れを指摘されたと明らかにしました。

過少申告加算税などを含む追徴税額は約8億円で、修正申告するとしています。
消費税法は、訪日外国人が土産物として国外に持ち出すことを前提に、1回50万円までの免税販売を認めています。

ただし、転売目的で不正購入された場合などは適用されず、阪急阪神百貨店(大阪)や大丸松坂屋百貨店(東京)などで、同様の指摘が相次いでいます。

近鉄百貨店によると、あべのハルカス本店などで、同一の外国人客が化粧品などを大量に購入するケースがあり、国税局は4年間に免税販売された一部の約75億円分が、転売目的などとみて追徴対象にしたそうです。

この期間に免税販売した約9割が中国からの訪日客で、うち7割がメークやスキンケア商品でした。

近鉄百貨店は「見解の相違はあったが指摘を受け入れた。今後は適正な処理に努める」としています。

最近、消費税の免税の指摘が増えていますが、購入した本人ではなく、販売した企業が消費税を負担することになるわけですから、適切に運用して欲しいですね。

それよりは、そもそも論として運用方法を変える必要があるのかもしれませんが。

株主とかはどう思われるんでしょうね。

利益が減るわけですから。

中国人爆買いの近鉄百貨店に8億円追徴課税が行われたことについて、あなたはどう思われましたか?


携帯買い取り店運営会社が約28億円の消費税申告漏れの指摘!

NHKによると、携帯電話の買い取り店を運営する東京の会社が、虚偽の客の名義を使って、大量のiPhoneの取り引きをしていたとして、およそ28億円の消費税の申告漏れを、東京国税局から指摘されていたことが関係者への取材で分かったようです。会社側はこれを不服として、審査を請求しました。申告漏れを指摘されたのは、東京都豊島区の携帯電話買い取り店の運営会社です。関係者によると、この会社は、令和3年までの2年間に、中国人などおよそ80人の客からおよそ60万台のiPhoneを買い取り、輸出業者に販売したと申告し、仕入れの際に支払った消費税額の控除を受けていました。しかしながら、客1人当たりの台数が不自然に多く、組織的な転売などが疑われるとして、東京国税局が取り引きの実態を調べたところ、一部の客は、「店にiPhoneを持ち込んではいない」などと話したということです。東京国税局は、この会社が虚偽の客の名義を使って大量のi Phoneを買い取っていたとみていて、適切な形で帳簿に取り引きを記載せず、税の控除は認められないとして、およそ28億円の消費税の申告漏れを指摘し、およそ32億円を追徴課税したということです。一方、会社側はこれを不服として国税不服審判所に審査請求したということです。どれくらいの規模の会社か分かりませんが、80人から60万台、約28億円というのは、すごい数・金額ですね。消費税に関しては、悪質な還付申告などが以前から結構あるようですので、課税当局も厳しいですから。不服を申し立てているということですから、今後どうなるのか楽しみにウォッチしていきたいですね。携帯買い取り店運営会社が約28億円の消費税申告漏れを指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?

委託事業の消費税の取り扱いを誤り課税対象約4,000万円を非課税に!

OHKによると、香川県は、社会福祉法人などに委託している障害者相談支援事業などの委託料について、誤って消費税を非課税にしていたと発表しました。

総額は6年分で約4,000万円に上っています。

香川県によると、誤って消費税を非課税としていたのは、香川県内11の社会福祉法人などに委託していた17の事業の委託料です。

障害者やその家族の悩みや相談を受け付ける事業などで、非課税としていた総額は、6年分で約4,210万円に上ります。

2023年10月4日付で委託事業が法律上の社会福祉事業には該当せず、国から課税対象であるとの通知が届き、判明しました。

非課税とされていたのは2002年度からで、香川県は修正が可能な過去5年分について事業を委託した法人に修正申告と納付を依頼し、課税対象分の消費税と延滞税相当額などを法人に支払うとしています。

また、高松市も同じように8つの事業で約1億2,00万円を非課税としていたほか、坂出市でも4つの事業で1,050万円が非課税となっていました。

県や市が事前に確認しないものなのでしょうか?

このようなものに税金が使われるのであれば、それでいいのだろうかとの疑問が湧きますね。

修正申告にかかる税理士報酬などはどうするのだろうか?とも思いますし。

委託事業の消費税の取り扱いを誤り課税対象約4,000万円を非課税にしていたことについて、あなたはどう思われましたか?


インボイス制度導入後は経理作業が「月12時間増」!

日本経済新聞によると、2023年10月に始まった消費税のインボイス(適格請求書)制度への対応を巡り、企業の現場で混乱が続いているようです。

民間調査によると月次決算で経理担当者1人当たりの作業が平均約12時間増えていることが分かったようです。

取引先から受け取った請求書がインボイスの要件を満たしているかどうか、目視で確認する作業の負担が増しています。

特に資金力に乏しい中小・零細事業者はデジタル化が遅れており、混乱は長期化する可能性が高いでしょう。

請求書管理ソフトを手がけるSansanが、2023年11月6〜8日、請求書業務を担当する経理担当者500人を対象に調べました。

インボイス制度対応に「課題を感じている」と答えた経理担当者の割合は70%を占めました。

課題の内容(複数回答)は「請求書業務の負荷が増えた」が最多の39.2%、「社内理解が不十分で混乱が生じた」が28.6%で続いています。

制度の理解不足などを背景に記載内容に不備がある請求書が多く出回っていることが背景にあるようです。

Sansanの調べによると、同社のソフト「Bill One」を使い、顧客企業が処理した請求書のうち、適格請求書の要件を満たさずに「要確認」と判定された項目で最も多かったのは「適用税率の記載漏れ」で4割を占めました。

不動産売買・開発を手がける日本ユニスト(大阪市)では、2023年10月に取引先から受け取った請求書のうち、1割程度で税率や税額の記載が漏れるなどの不備があったようです。

制度開始の1〜2か月前から新たな請求書の様式を取引先に周知しましたが、「不動産売買の業界はこれまで消費税を入れずに請求書を発行することが多く、対応が遅れている」(同社)とのことです。

Sansanによると受け取った請求書は経理や現場部門が「人力で対応している」との回答が計8割を占め、ソフト導入など「外部サービスで対応」は1割未満にとどまっています。

経理の作業時間が増加することは、企業側は当然分かっていたと思いますが、インボイス制度を作った側は考慮していたのでしょうか?

経理担当者でこれだけ増加しているということは、会計事務所はどれだけ増えているのでしょうか?

うちの事務所は基本的に記帳代行をやっていないので、それほど作業時間が増えるわけではありませんが、質問対応に結構時間は費やしています。

インボイス制度の導入により、もちろん、潤う事業者もいらっしゃるでしょうが、対応にかかるコストが増えますので、消費税の税収は増えるのかもしれませんが、法人税や地方税の税収は減るでしょうね。

一方、ますます、働き方改革や賃上げは厳しくなるのではないかとも思います。

インボイス制度導入後は経理作業が「月12時間増」となっていることについて、あなたはどう思われましたか?


インボイスで「消費税二重取り」の巧妙手口は財務省の試算以上の税収増の可能性!

週刊ポストによると、消費税のインボイス(適格請求書)制度導入について、「増税を目的としたものではない」と説明したのは鈴木俊一財務大臣です。

義兄の麻生太郎氏も財務大臣時代、インボイス登録が開始された日の会見でこう語っていました。

「複数税率で適正な課税をやっていくにはインボイス制度は必ず必要だ」

兄弟揃って白々しい嘘でした。

2023年10月に導入されたインボイス制度には、免税業者との取引によって、国(地方分を含む)に消費税率10%以上の税収が入ってくる「消費税二重取り」の仕組みがあります。

財務省はそれを国民にひた隠しにしたまま導入したのです。

「インボイス増税」(消費税二重取り)のカラクリは、図にすると簡単にわかります。

A社は税率10%の商品を1万円(消費税納税額は1,000円)でB社に売り、B社は1万1,000円(同100円)でC社に販売、C社は1万2,000円(同100円)で消費者に小売りする。

このケースでは本来、国(地方分を含む)に入る消費税収の合計は小売価格の10%の合計1,200円です。

B社が年間売り上げ1,000万円以下の免税業者の場合、従来は消費税分の100円はいわゆる「益税」となって納めなくていいから、税収合計は1,100円でした。

インボイス制度は、免税業者と取引する業者(C社)に、「益税」分を肩代わり納税させる制度と説明されています。

ところが、実態はもっとひどいのです。

B社が免税業者の場合、仕入れ控除を受けられないC社は、小売価格の10%の1,200円の消費税を丸ごと納めなければならないのです。

1つの商品でA社とC社が重複して消費税を納めることになります。

税理士の木村昇氏が、以下のように指摘しています。

「インボイス導入によって、C社は免税業者B社の益税分100円を肩代わり払いさせられるだけではなく、A社が納める消費税1,000円も控除できないからその分を二重払いしなければならないわけです。その結果、このケースでは小売価格1万2,000円の商品なのに消費税の納税額は合わせて2200円となり、税率約18%になってしまう。

インボイス導入から3年間は免税業者との取引は8割の仕入れ控除が認められるなどの経過措置(注:令和5年10月1日から令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%控除、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%控除という6年間の経過措置が設けられている)がありますが、それでもC社の消費税納税額はB社の益税分を肩代わりするより多くなります」

これのどこが「適正な課税」で「増税ではない」などと言えるのでしょうか?

財務省のインボイス導入の狙いは、「免税業者」を取引から排除させ、売り上げ1,000万円以下でも消費税納税の義務がある課税業者(インボイス登録)を選択させることだと指摘されてきましたが、そうではないようです。

財務省にとっては、たとえ免税業者が課税登録しなくても、この「消費税二重取り」の仕組みがあれば消費税をどんどん二重取りできるから好都合なのです。

財務省はインボイス導入後は「益税」の減少で2,480億円の税収増になるとの試算を発表していますが、実際は、二重取りによってそれをはるかに上回る増収になる可能性が高いようです。

しかも、インボイス導入で税負担が増える事業者は、当然、損しないためにその分を小売価格に転嫁して値上げする。国が二重取りする消費税は最終的には全て消費者が負担させられるのです。

岸田文雄首相は「物価高騰対策」で所得税減税すると言いながら、財務省が仕組んだこの消費者を苦しめるカラクリに頬被りを決め込んでいます。

僕自身を含め、会計事務所は毎日のようにインボイスの質問等を受けていると思いますが、この計算については、少し前にクライアントの方から『税額が増えますが、インボイス制度はおかしくないですか?』と言われ、図に書いてみると、確かに税収が増えるんだなと思いました。

個人的には、免税事業者を排除するのがインボイス制度の目的だと思いますので、経過措置の最初の3年間は2%を負担するということで仕方なく泣く事業者もそれなりにいるのかもしれませんが、あとの3年間の5%や経過措置がなくなってからの10%の負担は厳しいでしょうから、当然に、免税事業者は取引から排除されていくと思っていますので、結果的には、益税が減るということになり、週刊ポストが書いているような二重取りはあほとんど起こらないのではないかと思っています。

それにしても、特例などで複雑になり、事業者に事務的・コスト的負担の多いインボイス制度は、シンプルなものにしてほしいなぁと思います。

軽減税率をなくしたり、免税事業者をなくしたり、簡易課税の基準を緩和するなどを考えてほしいなあと思いますね。

インボイスで「消費税二重取り」の巧妙手口は財務省の試算以上の税収増の可能性があることについて、あなたはどう思われましたか?


「フォートナイト」提供会社の子会社が消費税約30億円の申告漏れ!

NHKによると、世界的に人気のオンラインゲーム「フォートナイト」を提供するアメリカのゲーム会社「エピックゲームズ」の海外の子会社が、日本のユーザーからの課金収入をめぐって、東京国税局からおよそ30億円の消費税の申告漏れを指摘され、およそ35億円を追徴課税されていたことが、関係者への取材でわかったそうです。

申告漏れを指摘されたのは、世界で数億人のユーザーがいる人気オンラインゲーム「フォートナイト」を提供するアメリカのゲーム会社「エピックゲームズ」の、ルクセンブルクにある子会社です。

関係者によると、この子会社は、日本のユーザー向けに「フォートナイト」を配信していますが、ユーザーがゲーム内でのアイテムの購入などで課金したおよそ300億円について、本来は、日本の消費税の課税対象であり、申告納税の義務があるのに、これをしていなかったことが、東京国税局の税務調査で分かったようです。

東京国税局は、この子会社に対し、2020年までの3年間でおよそ30億円の消費税の申告漏れを指摘し、過少申告加算税を含め、およそ35億円を追徴課税しました。

関係者によると「エピックゲームズ」側は、すでに修正申告を済ませ、追徴課税分を全額納付しているそうです。

海外企業に対する追徴課税としては、過去最大規模とみられます。

海外からの配信などは課税されず、日本国内企業が不利ということで数年前に税制が改正されましたが、いまだに取れていないものも、ここ以外にもおそらくあるということでしょうね。

国税局には頑張ってもらって、取るべきものはきちんと取ってほしいですね。

「フォートナイト」提供会社の子会社が消費税約30億円の申告漏れを指摘されたことについて、あなたはどう思われましたか?


インボイスの税務調査は「大口・悪質」に限定と国税庁長官がコメント!

日本経済新聞によると、国税庁の住沢整長官は10月に始まるインボイス(適格請求書)制度の税務調査について、従来と変わらず大口で悪質な事例に限定して実施する意向を示しました。
「軽微な記載のミスを確認するための調査はこれまでしてきていない。記載事項(の不備)をあげつらうような調査はしない」と、日本経済新聞のインタビューに答えました。

住沢氏は税務調査に関して「制度の定着を図ることが当面重要な課題だ。柔軟かつ丁寧な対応をしていきたい」と述べました。

インボイスには税率ごとの消費税額や税務署から事業者ごとに割り振られる登録番号などの記載が必要になります。
住沢氏は仕入れ先から受け取ったインボイスに記載事項の不備があった場合でも、納品書や契約書など他の書類で必要事項を確認できれば、仕入れにかかった消費税額の差し引きを認める考えを明らかにしました。

仕入れ先から再度、必要事項を記載して修正したインボイスを受け取ることも選択肢になります。
「記載の漏れがあったときに、(別の方法で)きちんと確認できれば申告漏れだと指摘することはない」と強調しました。

政府は免税事業者が課税事業者に転換すると、納める税額が売り上げにかかる税額の2割で済む時限措置を設けています。
売上高5,000万円以下の「簡易課税事業者」にはインボイスがなくても支払った消費税額を控除できる仕組みもあります。
住沢氏は「インボイスが必要なケースは限られる」と説明しました。

国税庁によるとインボイス制度の申請件数は2023年8月末時点で388万件となりました。
そのうち300万いる課税事業者の申請件数は285万件で9割を超えます。
460万いる免税事業者の申請件数は103万件に達しました。
財務省は460万のうち新たに課税事業者になり得るのは160万と推計しています。

インボイスを必要としない一般消費者や、インボイスを受け取らなくても支払った消費税額を簡易に計算して差し引ける簡易課税事業者を取引先とする事業者が一定数いることを念頭に、住沢氏は「相当程度、登録申請は進んできていると見ることもできる」と訴えました。

登録を迷っている事業者に関しては制度開始後も説明会を継続するなど丁寧に対応する意向です。

免税事業者の中には、インボイスを発行できないことを理由に取引を止められたり、一方的に購入価格を下げられたりしかねないとの不安があります。
「中小事業者の不安に寄り添ってきめ細やかな対応をしていく」と言明しました。
税務署で相談を受けた場合は、公正取引委員会や中小企業庁など必要な窓口を紹介するなど関係省庁と連携します。

岸田文雄首相は、先日、事業者の不安軽減を目的に閣僚級会議の立ち上げを指示しました。
経済対策での支援を含めた必要な対応を取るそうです。
住沢氏は「新しい支援策が出てくればきちんと周知・広報していく」と話しました。

インボイス制度開始後も、免税事業者からの仕入れについても一定割合の税の差し引きを認めるなどの経過措置が用意されています。
日本税理士会連合会は「経過措置の延長や恒久化」などの検討を求めています。
住沢氏は「必要があれば与党の税制調査会などで検討することになる」と述べるにとどめました。

▼インボイス制度
「適格請求書等保存方式」の通称。2019年10月に消費税率を10%に引き上げた際に食料品などには8%の軽減税率を適用しました。
どの税率を適用したかを正確に把握して納税するために導入が決まりました。

モノやサービスの売り手は請求書に事業者の登録番号や税率ごとに区分した税額を記載することが求められます。
10月以降は売り手が課税事業者として登録しておらずインボイスを発行しないと買い手は仕入れにかかった消費税額の全額を控除できなくなる場合があります。

インボイスを発行する事業者として登録するかは任意ですが、登録すると納税義務が生じます。

ある意味想像はできていたことですが、国税庁長官が導入前にコメントする必要があるのでしょうか?
真面目にインボイスに対応するためにコスト等をかけている企業や個人事業主もたくさんおられるわけですから。
インボイス制度自体がグタグタになってしまうのではないかと思ってしまいます。
個人的には、消費税の計算は簡単にしないといけないと思いますので、インボイス導入に伴う特例は話しや処理を複雑にしますので、極力やめて欲しいと思います。

インボイスの税務調査は「大口・悪質」に限定と国税庁長官がコメントしたことについて、どう思われましたか?


農家が「減収避けられぬ」インボイス巡るJTの「通告」に公正取引委員会が注意!

朝日新聞によると、2023年10月に始まるインボイス(適格請求書)制度をめぐり、日本たばこ産業(JT)が葉タバコの生産農家に一方的に取引価格の引き下げを通告したとして、公正取引委員会から注意を受けていたことがわかったようです。
制度後に予想される消費税の負担増を農家側に転嫁しようとしたとみられます。
JTは引き下げ幅を小さくするなど修正しましたが、減収が避けられない農家側からは待遇の改善を求める声が上がっています。

JTはたばこ事業法に基づき、国内農家が生産した葉タバコを全量、買い取っています。
現在は買い取り価格に含まれる消費税分を自らの納税額から控除できますが、インボイス制度が始まると、農家側からインボイスを受け取らなければ控除できなくなり、負担が増します。
インボイスは商品の販売先に対し、適用した税率や税額を伝えるための請求書などを指します。

ただし、インボイスを発行できるのは消費税の納税義務のある「課税事業者」だけです。
現状、タバコ農家の多くは年間売り上げが1千万円以下で納税が免除された「免税事業者」です。
課税事業者にならなければ、インボイスを発行できません。

岩手県二戸市の葉タバコ農家が加入する二戸農民組合によると、JTは2022年末以降、岩手県たばこ耕作組合を通じて農家に「インボイス登録をしない免税農家には消費税額分を除いた税抜き価格で支払う」と価格引き下げを伝えました。

関係者によると、公正取引委員会はJTによる価格引き下げの通告が一方的だったことを問題視しました。
仕入れ先が免税事業者でも一定割合で税控除を認める経過措置が計6年は認められているのに、控除可能な部分も含めて大幅に価格の引き下げを求めた点も含めて独占禁止法上、問題につながるおそれがあると判断して注意に踏み切った模様です。

JTともあろう大きな会社にしてはお粗末な対応ですね。
世の中にはインボイス制度導入をきっかけに廃業などをするところも出てくるでしょうから、消費税分を値切ると廃業して仕入先などがなくなる可能性もありますので、慎重に協議のうえ取引価額を決定しないといけませんね。
個人的には、苦労なく課税売上高が1千万円を超えるような日本経済にしないといけないのではないかと思っていますが。

農家が「減収避けられぬ」インボイス巡るJTの「通告」に公正取引委員会が注意を受けたことについて、あなたはどう思われましたか?


インボイス導入で複雑ルールも背景に取引先への圧力懸念!

日本経済新聞によると、消費税の税率と税額を記した請求書などをやりとりするインボイス制度が2023年10月に始まるのを前に、取引先に不適切な圧力をかける企業などが出始めているようです。
個人や零細の事業者に一方的に取引価格の引き下げを迫るといった行為で、公正取引委員会が問題視しています。
一部の専門家は、制度やルールが複雑で企業が混乱しているとも指摘しています。
ルールを明快に周知できるかという課題も浮かんできます。

「独占禁止法違反につながる恐れがある」と、公正取引委員会は、2023年5月、インボイス導入を巡り、フリーランスなどに仕事を発注する事業者が、取引先に一方的な取引価格の引き下げを通告した5つの問題事例を公表しました。
公正取引委員会が各事業者に注意をしたそうです。

イラスト制作業者が関わった例では、業務委託先のイラストレーターに「インボイス導入後も免税事業者のままでいるなら、消費税相当額を取引価格から一律に引き下げる」などと一方的に通知したとされます。

インボイス制度は、国に納税されずに一部事業者の利益となっている「益税」解消などの狙いがあるとされています。
事業者は消費者や他の事業者から受け取った消費税から、仕入れ時などに他の事業者に支払った消費税分を差し引く「控除」をしたうえで納税しています。
しかしながら、売上高が1,000万円以下だと免税事業者とされ、受け取った消費税を納税せずに自らのものにできます。
これが益税と呼ばれています。

制度導入後は、登録事業者からの仕入れなどで支払った消費税分しか控除できなくなります。
免税事業者は消費税分を含んだ代金を受け取らなくなって、益税解消につながると見込まれています。

ただし、消費税の適正な納税が期待される一方、「個人や零細の事業者が不利益を押しつけられかねない」との指摘も出ていました。
今回の公正取引委員会による注意事例は、その懸念が現実になりつつある証左ともいえるでしょう。

インボイス制度を理由にして一方的に不利益な取引条件変更を迫るのは、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」や下請法違反にあたる恐れがあります。
公正取引委員会は事業者向けのQ&Aの公表などを通じて適切な対応を呼びかけてきましたが、問題事例を止められませんでした。

なぜ、取引先への不適切な圧力が起きるのでしょうか?
専門家には「インボイス対応に独禁法が適用されること自体があまり知られていない」との見方があります。
平山賢太郎弁護士は「そもそも『優越的地位』やその『乱用』の認定はいずれも難しい。適切な対応と不適切な乱用の線引きは、非常にわかりにくい」と指摘しています。

例えば、取引先に課税事業者への転換を要請するのは正当ですが、一方的に取引条件の変更を通知すると違法行為に問われるリスクが高まります。
転換を受け入れた相手との価格の見直し交渉では「十分な協議」が求められますが、どうすれば「十分」なのかの判断も難しいです。

大半の企業は、もっぱら税理士と相談しながら対応準備を進めています。
独占禁止法に詳しい弁護士の助言も受けるような、充実した準備ができる企業は少ないです。

新興や中小からの相談が多い緒方文彦弁護士は「新興や中小などの取引の発注元の事業者と、仕事を受けるフリーランス側の双方で制度やルールの理解が浸透していない」とみています。

仕事を発注する企業にとっては、免税事業者との取引条件を見直さなければ消費税分を余分に負担することになります。
一方で、適切な説明や協議を経なければ独禁法違反のリスクとなり、板挟みです。
長沢哲也弁護士は「(適切な手続きを進めるには)かなり複雑で作り込んだマニュアルが必要になる」と話しています。

結局「独禁法リスクを重くみて、負担増を自社で吸収すると判断する企業も出ている」(長沢弁護士)ようです。
インボイスの対応準備を進める、ある企業の担当者は「(制度の複雑さの)ツケが企業側にまわされているように感じる」と不満を漏らしています。

インボイス制度の導入まで約2かですが、対応準備が遅れている事業者も多いです。
制度開始後に戸惑いが広がる可能性もあります。

国税庁や公正取引委員会はこれまでも、特設のウェブサイトや専用の電話相談窓口などで制度の適切な運用についての周知を図ってきました。
しかしながら、事業者間のトラブルや混乱を避け、円滑に制度を導入するには、さらにわかりやすく対応の参考になる情報発信ができるかが問われます。

多数のフリーランスと取引する企業は、インボイス制度の導入にあたり、対応に苦慮しています。

ポーラ・オルビスホールディングス傘下のポーラ(東京都品川区)は、エステやカウンセリングを通じて化粧品などを販売する個人事業主2万5,000人と委託販売契約を結んでいます。
「課税事業者登録への協力を呼びかけている」(ポーラ)ようです。
同時に、オンライン説明会や動画配信、コールセンター設置など独自で手厚い対応も進めています。

仕事の発注者と働き手をマッチングする仲介サービスは、板挟みに悩む様子が垣間見えます。

約90万社の企業と働き手約560万人が登録する最大手のクラウドワークスは、2023年10月以降、働き手が課税登録をしているかどうか発注者側が確認できる仕組みにします。
クラウドワークスは、インボイス対応の方針について自社ブログで説明しています。
一方で、働き手を保護するため、発注者側に対しては従来どおり、働き手に消費税分を含んだ料金を支払うよう求める方針です。

ただし、働き手の個人事業主らからは「免税事業者のままだと選別されて、受注が減るのではないか」といった不安も出ているようです。
クラウドワークスは「制度開始後の状況によって、必要な対応をさらに検討していく」としています。

<インボイス制度とは>
消費税額を正確に計算するための制度。10%と8%税率のうち、どの税率の取引か把握するため売り手が請求書(インボイス)に税率ごとに税額を記します。
インボイスを発行できるのは税務署に登録した課税事業者のみです。
インボイスがないと買い手が消費税を納める際、仕入れにかかった消費税額を差し引けません。
フリーランスなどに多い免税事業者との取引が敬遠される懸念もあります。
ただし、制度導入後6年間は、免税事業者からの仕入れについて一定割合を差し引ける経過措置もあります。

10月にインボイス制度がスタートすると、色々と混乱するでしょうね。
個人的には、まだまだ国の周知が足りないのではないかと思いますし、特例などを設けることにより余計複雑になっているのではないかと思います。
インボイス制度導入に反対されている方もおられるようですが、登録するかどうか悩むくらいであれば、課税事業者となるよう頑張れば良いとおっしゃる方も多いですし、僕自身もそう思います。

インボイス導入で複雑ルールも背景に取引先への圧力懸念が強まっていることについて、あなたはどう思われましたか?


中身は水なのに「高級化粧品370億円分輸出」と申告し消費税を不正還付!

読売新聞によると、高級化粧品の架空取引を巡り、東京都内の卸売会社と輸出会社が東京国税局の税務調査を受け、計約44億円を追徴課税されていたことが関係者の話でわかったようです。
仕入れにかかる消費税を過大に計上したほか、輸出免税制度を悪用し、消費税の不正還付を受けようとしていました。

関係者によると、東京都新宿区の卸売会社は2021年11月までの2年間に、都内の会社から高級化粧品などを約370億円で仕入れ、輸出会社約10社に販売したと税務申告しました。
輸出会社は化粧品を香港に輸出したと申告していたようです。

東京国税局は税務調査の結果、実際に取引されていたのは化粧品ではなく、飲料水だったと判断しました。
卸売会社が約370億円とした仕入れは、実際には約30億円で、東京国税局は、仕入れにかかる消費税を過大計上していたなどとして、卸売会社に過少申告加算税を含む消費税約35億円を追徴課税しました。

輸出会社に対しては、商品を海外に輸出すると、仕入れ時に支払った消費税が還付される免税制度を悪用し、不正な還付申告をしたとして計約9億円を追徴課税しました。
東京国税局は、卸売会社が輸出会社に還付申告を促し、受け取った還付金を分配しようとしていたとみています。

卸売会社の代表は税務調査後、中国に出国して連絡がつかず、会社所在地のマンションも不在となっているようです。

事実だとすると、かなり悪質ですね。
取れないと日本として大損害ですので、どうにかして、税金を取って欲しいですね。

中身は水なのに「高級化粧品370億円分輸出」と申告し消費税を不正還付していたことについて、あなたはどう思われましたか?


ポイント交換は無償取引であるとの逆転判決!

TabisLandによると、企業間のポイント交換に応じて支払われた金員が消費税法上の役務の提供の対価に該当するか否かの判断が争われた事件で、大阪高裁(善本貞彦裁判長)は、共同で行う顧客に対する企業ポイントの交換サービスを実施して、他の法人から受領した金員は資産の譲渡等の対価に当たらず不課税取引に該当すると判断して一審の判決内容を否定し、カード運営事業者側の請求を認容する逆転判決を言い渡しました。

この事件は、会員に対して鉄道等の旅客運賃等及び商品購入代金等を決済するサービスや、商品購入代金等の決済手段としてカードを利用した際に企業ポイントを付与するサービスを提供する他、その企業ポイントと提携法人が付与する企業ポイントとを交換するなどのサービスを提供する交通系ICカードを発行する運営事業者が控訴していたものです。

控訴人は当初、提携ポイントを企業ポイントに交換した後に提携ポイントを付与した提携法人から支払われた金員を消費税の課税標準で課税資産の譲渡等の対価の額に算入した上で申告をした後、その金員は消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないなどとして更正の請求をしたところ、原処分庁から更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けたため、その一部取消しを求めて提訴したという事案です。

しかしながら、一審の大阪地裁が、控訴人に支払われた金員は、提携法人に対してポイント交換がされた提携ポイントを保有していた双方の会員に、提携ポイント数を基に所定の割合によって算出した数の企業ポイントを付与し、その数の企業ポイントについて控訴人が実施するポイントサービスの対象に組み込むという役務の提供に対する反対給付であるというべきであるから、対価に該当すると判示して訴えを斥けたことから、判決内容を不服とした運営事業者側が更にその取消しを求めて控訴していたわけです。

控訴審は、提携ポイントを付与した提携法人から支払われた金員は、ポイント交換に係る提携ポイントを発行した者としてその利用に係る経済的負担を負うべき立場にある提携法人がポイント還元を行う控訴人のためにその原資を提供する行為に他ならないことから、ポイント交換は無償取引であると判断し、運営事業者側の請求を認容する逆転判決を言い渡しました。
国側が上告を断念したため、納税者勝訴で確定しました。

納税者の勝訴は嬉しいですね。
納得できなければ、争って、課税当局の考えを正してほしいですね。

ポイント交換は無償取引であるとの逆転判決があったことについて、あなたはどう思われましたか?


不適正な免税販売で大丸松坂屋に4億円超の追徴課税!

日本経済新聞によると、大丸松坂屋百貨店が消費税の免税販売を巡って東京国税局の税務調査を受け、2022年2月までの2年間で約3億9,000万円の申告漏れを指摘されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
免税販売の要件を満たさない取引が複数あり、過少申告加算税を含めて約4億3,000万円を追徴課税されました。

消費税法は外国人観光客らが購入した土産品などに免税を認めています。
転売目的での購入はできません。

関係者によると、大丸心斎橋店(大阪府大阪市)などの一部店舗で、本人確認が不十分なまま化粧品を販売したり、購入者の誓約書など必要書類を保管していなかったりした事例が相次いで確認されました。
パスポートの人物とは異なる購入者が同じ商品を免税で数十万円分購入するなど、転売目的が疑われる事例もあったそうです。

日本経済新聞の取材に対し、大丸松坂屋百貨店は「今回の税務調査での指摘を踏まえ、今後より一層、適切な免税処理に努める」とコメントしました。

百貨店の免税販売を巡ってはそごう・西武、小田急百貨店、松屋の3社も要件を満たさない取引があったとして追徴課税を受けています。

百貨店は免税だと訪日客の売上が増えていいのかもしれませんが、不正に使われると、日本の税収が減るということを認識してほしいですね。
そもそも、それが分かっているところだけに、免税店の許可を与えるべきだと思いますが。
なぜ、海外では一般的だと思われるいったん消費税は支払って、あとから返すみたいなやり方にしなかったのでしょうか?

不適正な免税販売で大丸松坂屋に4億円超の追徴課税が行われたことについて、どう思われましたか?


給料を外注費と偽り消費税など5,500万円を脱税!

テレビ朝日によると、消費税などおよそ5,500万円を脱税したなどとして、神奈川県大和市の土木工事業の実質的経営者の男ら2人が在宅起訴されました。

土木工事業の実質的経営者(53)と役員(58)は、2019年8月までの3年間で消費税などおよそ5,500万円を脱税した罪などで在宅起訴されました。

横浜地検によると、実質的経営者らは消費税が控除されない従業員の給料について、消費税が控除される「外注費」と偽って計上し、確定申告をしていました。

横浜地検は2人の認否を明らかにしていません。

また、同じ手法で脱税したとして逮捕されていた別の代表(64)も起訴されました。

これも悪質なケースですね。
こういうのは、指南役がいるのでしょうか?
そもそも、給与か外注費かというのは判断がなかなか難しいところので、こういったところで脱税を図ると、税務調査があると、バレやすいのではなかと思います。
常々言っていますが、安易に脱税するのではなく、きちんと検討したうえで節税をしましょうということですね。

給料を外注費と偽り消費税など5,500万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?


銀行送金をインボイスと連動し入出金の確認を大幅に短縮!

日本経済新聞によると、政府が2023年10月にインボイス(適格請求書)を導入するのに合わせ、全国銀行協会が企業間の決済を簡単にできるようにするようです。
多くの情報を載せられる送金システムの規格をデジタルインボイスに対応させ、企業が請求から決済までをデジタルで一括でできる仕組みを整えます。
三菱商事がアナログ取引削減のため顧客への普及を目指すなど、企業側の動きも広がっているようです。

政府は2023年10月にインボイス制度を導入します。
商品・サービスの売り手は税率などを記したインボイスの発行が求められます。
国が普及を推進するのが、請求書情報をデータ化したデジタルインボイスです。

全銀協は2023年春をめどに、デジタルインボイスの標準仕様に対応した送金規格をまとます。
通常よりも情報処理量が多い送金システム「全銀EDI(ZEDI)」での送金でこの規格を使います。
規格に対応した会計ソフトなどを使えば、企業が取引先からデジタルインボイスとして受け取った請求書データを送金情報に自動連携でき、送金は請求書とひも付けられます。

具体的には「どの請求書に対する支払いか」や請求書発行日、請求金額、連絡先などの情報が載せられます。
お金を受け取った企業は会計ソフトを使うと、この情報を自動で記録できるようになります。
企業の決済・会計業務を大幅に効率化できると期待されています。

恩恵が大きいのはお金の受け取り手です。
通常の送金で送る情報は「宛先」「金額」などわずかです。
商品・サービスを売ってお金を受け取った企業は「これは何のお金か」を手作業で確認して記帳しなければなりません。
送金側とメールなどでやりとりして照合する必要があることも多くなっています。
全銀協の調べでは、中小企業の半数以上が入金確認作業に月5時間以上を費やしています。
中小の素材メーカーや専門商社では電話や紙、ファクスなどアナログ取引の慣行も多く残っています。
三菱商事は請求や決済を効率化する製品を開発し、ZEDIに連携させる計画です。
決済のデジタル化を顧客や関係企業に普及させたい考えのようです。
三菱商事の担当者は2022年12月の全銀協の会合で「まずは鉄鋼業界への普及を図りたい」と話しました。

今回デジタルインボイスと連動するZEDIは、銀行間送金を担う全国銀行データ通信システム(全銀システム)を補完する送金網として2018年に稼働を始めました。

銀行界は企業の決済を効率化させる目的でZEDIを設けましたが、専用の会計ソフトが企業の間で普及しておらず、利用率が低迷していました。
普及に弾みをつけるため、全銀協はインボイスとZEDIの双方に対応する会計ソフトなどを開発する企業に助成金を交付する事業を募集し、NTTコミュニケーションズなど19事業者が応じました。

ZEDIは2024年12月に更改期限を迎えます。
更改後は、全銀協で初めて送金網にクラウドサービスを使う方針です。
NTTデータのクラウドを利用します。
クラウド化で運用コストを引き下げ、金融機関の負担を減らします。

送金に請求書などの情報を載せて決済事務を効率化する動きは世界の潮流です。
世界の銀行が出資し、1973年に設立された国際的な資金決済網であるスイフトは情報量の多い新たな送金規格への移行を進めています。
スイフトは200以上の国・地域で1万1,000社以上の金融機関が利用しており、国際送金の共通基盤となっています。
国境を越えた資金のやり取りが増えるなか、日本の国内でも決済のデジタル化は急務です。

早く、中小企業でも低コストで使えるようなデジタルインボイスが普及して、スタンダードなものになってほしいですね。
そうなると、事務処理がかなり減少すると思います。

銀行送金をインボイスと連動し入出金の確認を大幅に短縮することについて、どう思われましたか?


インボイス発行なしでもフリーランスと取引!

日本経済新聞によると、消費税の税率と税額を記した請求書をやりとりするインボイス制度の10月からの導入を控え、人材サービスのWaris(東京都千代田区)やマイナビなど7社・団体は、先日、インボイスを発行しないフリーランスと取引を続けると表明しました。
インボイスがないと税負担が増しますが、事業に欠かせないフリーランスとの協業を優先するようです。

フリーランスら1万人超が会員となっているプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(フリーランス協会、東京都中央区)が取引の維持や待遇の改善を呼びかけていました。
フリーランスが消費税の課税事業者に転換し、インボイスを発行できるようになる場合は2%以上の報酬の引き上げを促します。

現在、企業は消費税の納税で、取引先からの仕入れにかかった税額は控除できます。
しかしながら、10月以降は原則としてインボイスがなければ控除できなくなります。
よって、インボイスを発行しない事業者は取引を打ち切られる懸念がありました。

インボイスを発行するには自らが消費税の課税事業者となる必要があります。
フリーランスは売上高1,000万円以下の免税事業者が大半で、フリーランス協会が2021年に実施した調査では課税事業者への移行を選ぶ事業者は4割弱です。

中小企業庁が2022年に実施した免税事業者への調査では「課税事業者として登録する予定はない」との回答が3割でした。
取引先からインボイスの発行を求められている事業者の1割が「発注側から値下げや打ち切りを言われている」そうです。

こうした発注側の対応について、政府は「独占禁止法上の優越的地位の乱用にあたる可能性がある」と法令順守を呼びかけています。
下請け事業者の保護をめざす下請法に違反する可能性もあります。

フリーランスとの取引継続を表明したのはWarisなどのほか、IT(情報技術)系フリーランス仲介のPE-BANK(東京都港区)、キャリア開発のクオリティ・オブ・ライフ(東京都中央区)、コンサル会社のヒューマン・コネクト(東京都千代田区)、システム開発のビーブレイクシステムズ、民間団体TETAU(和歌山県上富田町)です。

協会はインボイスがないことを理由に報酬を引き下げないよう促します。

最近は、インボイスのことを聞かれることも多くなりました。
免税事業者の場合、なかなか難しい判断をしないといけないケースもあります。
10月からスタートしないのではないかと思っている方もそれなりにいるのではないかと感じていますが、個人的にはスタートすると思います。
軽減税率8%の財源の大きな部分を占めるのが、インボイス制度の導入によるものですから。

インボイス発行なしでもフリーランスと取引すると明言するところが現れたことについてどう思われましたか?


パワーストーンの仕入れを装い消費税7.5 億円の不正還付受けようとした疑いで刑事告発! 

TBS によると、パワーストーンの仕入れを装い、消費税の還付を不正に受けようとしたとして、コンサルティング会社の代表らが東京国税局に刑事告発されました。

消費税法違反の疑いで刑事告発されたのは、東京都内のコンサルティング会社の代表(36)と、雑貨販売会社などの代表ら6人です。

関係者によると、代表は6人にパワーストーンを仕入れたことにして、消費税およそ7億5,000 万円の還付を不正に受けさせようとした疑いがもたれています。

代表は「関係各所へは真摯に対応させて頂く」とコメントしています。

これも悪質な事案ですね。
脱税の指南をやってはいけないのは明白だと思いますが、やる会社の経営者も払ってもいない消費税が還付されるということをおかしいとは思わないのでしょうか?

パワーストーンの仕入れを装い消費税7.5 億円の不正還付受けようとした疑いで刑事告発されたことについて、どう思われましたか?


イオンリテールが免税不適正対応で追徴課税2億円超!

日本経済新聞によると 総合スーパーを展開するイオンリテール(千葉県千葉市)は東京国税局の税務調査で、消費税の免税販売を巡り保管が義務付けられている書類を破棄するなど不適正な対応があったとして、計2億3,600万円の追徴課税を受けたと発表しました。

既に納付を済ませたそうです。

税務調査は2021年8月~2022年2月に行われ、イオンリテールによると、同社の店舗で2020年度までの5年間にわたり必要書類を破棄していたほか、2019、2020年度にはパスポートなどによる本人確認をしないまま免税販売をしていたことが判明しました。

イオンリテールは「国税当局からの指摘を真摯に受け止め、適正な免税販売に努める」とコメントしています。

不正により日本の税収が減るわけですから、課税当局には厳正に対応していただき、今回のようにきちんとルールを守っていないとことからはきっちり取ってほしいですね。
こういうことがあると、取り消しとかはできないんですかね?

イオンリテールが免税不適正対応で追徴課税2億円超となったことについて、どう思われましたか?


不動産会社と国税局が賃料収入の解釈の対立によるマンション転売時の消費税控除は?

日本経済新聞によると、中古賃貸マンションを転売する際の消費税控除を認めず、課税処分をした国税当局の対応は不当だとして、不動産会社が処分取り消しを求めた訴訟の上告審弁論が、先日、最高裁第1小法廷(安浪亮介裁判長)で開かれました。

不動産会社は「エー・ディー・ワークス」(東京都)です。
マンションを購入して大規模修繕などして、投資家らに転売する事業を手掛けています。
2017年3月期までの3年間の売買に関する消費税の税務処理を巡って国税当局から計約5億3千万円の課税処分を受け、2018年に提訴しました。

訴訟では、消費税の「仕入れ税額控除」の適用の可否が争われました。
販売時に受け取った税額から購入時に支払った税額を控除して納税する仕組みです。

エー・ディー・ワークスは制度に基づいて税務申告しましたが、国税側は転売先が決まるまでの間、一部の住居から賃料収入を得ていた点を問題視し。控除を一部しか認めず申告漏れを指摘しました。

先日の上告審弁論で、エー・ディー・ワークス側は「マンションの購入は転売収入が目的で、賃料収入が目的ではなかった」と主張しました。
国側は「購入時点で賃料収入の発生は見込まれていた。課税処分は適法だ」と反論しました。

下級審では判断が割れました。

一審・東京地裁は2020年9月、エー・ディー・ワークスの取引の主眼は転売で賃料収入は「副産物」として、処分の取り消しを認めました。
二審・東京高裁は2021年7月、控除の対象にならないとしてエー・ディー・ワークスの逆転敗訴としました。

2020年4月に中古マンションの売買は仕入れ税額控除制度の対象から一律で除外され、今回の訴訟と同様の問題は生じないようになっています。

国税庁が解釈を途中で変えた案件だと思いますので、エー・ディー・ワークスには勝っていただいて、国税庁の勝手な解釈の変更を認めないでほしいですね。

不動産会社と国税局が賃料収入の解釈の対立によるマンション転売時の消費税控除について、どう思われましたか?


10月開始のインボイスショックで声優の「4人に1人が廃業」を検討!

ダイヤモンド・オンラインによると、声優は日本に1万人以上いますが、その約76%が年収300万円以下だそうです。
ほとんどの声優が免税事業者であり、受け取った消費税の納税は免除され益税となっています。

およそ4人に1人が廃業を検討という驚愕の事実が明らかになりました。
2022 年秋に声優やアニメ、漫画、演劇といったエンターテインメント業界4団体が、関係者たちにインボイスの影響について尋ねたアンケートの結果です。

エンタメ業界では、フリーランスや個人事業主として働く人が大半ですが、インボイス制度に対して悲観的であることがうかがえます。

例えば、声優は日本に1万人以上いますが、その約76%が年収300万円以下です。
ほとんどの声優が売上高1,000万円以下の免税事業者であり、受け取った消費税の納税は免除され益税となっています。
とはいえ、レッスンなどに多額の経費がかかり、生活は苦しいというのが実態です。

そうした中、インボイスの発行事業者(適格事業者)になれば消費税の納税義務が発生するだけでなく、事務作業の負担も増します。

何より、適格事業者にならなければ、発注元が仕入税額控除できないため仕事の依頼が来なくなったり、単価の引き下げを求められたりすることになります。

「経済的事情から事業の継続を諦めざるを得ない人が出てくる。多くの才能が集まらなくなり、クオリティーが落ちるだろう」(40代、俳優・声優)

「所属俳優でインボイス登録しない者は、消費税分のギャラを引くと言われた。実質年収1割減が確定した。登録してもしなくても収入が減り、負担が増える制度はおかしいと思う」(50代、声優・ナレーター・講師)

20代の大学生からは、「将来、私はアーティストとして活動するために勉強中です。でも、インボイス制度が導入されれば、今学んでいることが無駄になりかねません」という声も上がっています。

しかも、新型コロナウイルスの感染拡大により、特に声優や俳優、演劇の仕事はなくなり、そもそも低めだった収入がさらに大幅に減っています。
そのタイミングでの事実上の増税である“インボイスショック”に対し、悲鳴が上がるのも無理はないでしょう。

こうした憂き目に遭うのは、何もエンタメ業界だけではありません。
個人タクシーもインボイス制度の影響が大きい業界なのです。

というのも、個人タクシーの運転手は免税事業者がほとんどです。
そのため、適格事業者にならなければ、個人タクシーを利用した企業は仕入税額控除ができず、企業側の納税負担が増えてしまうのです。

それゆえ、企業から敬遠されまいとして多くの個人タクシー運転手は適格事業者となる見込みですが、消費税の納税負担があるだけでなく、インボイスを発行する機械の交換などの費用もかかるため、廃業を検討している人も少なくありません。

しかも、簡易課税制度を利用すれば売上消費税の50%を控除できますが、高額な自動車を購入した場合には簡易課税制度の方が多額になるケースも出てくるため、判断が難しいのです。

また、当面は経過措置もあり、適格事業者と免税事業者が混在することになりそうですが、社名表示灯(あんどん)や車体の色で区別する方向とはいうものの、利用者からすれば混乱を招くことになるでしょう。

インボイス導入により、業界によっては色々な問題が出てくるかと思います。
インボイス導入の目的のひとつが益税の排除なのですから、悲観ばかりせず、業界の構造を変えるチャンスとか、ご自身の商売について再度考える必要があるように思いますね。
個人的には、売上が1,000万円にいっていないから登録すると損をするからどうしようかと考えるより、1,000万円を超えるようになるにはどうすれば良いかを考える方がわくわくしますし、将来性があるのではないかと思います。

10月開始のインボイスショックで声優の「4人に1人が廃業」を検討していることについて、どう思われましたか?


インボイス制度でネットバンキングと連携し自治体が中小企業を支援!

日本経済新聞によると、消費税の軽減税率に対応し正確な税額を示すインボイス(適格請求書)制度が2023年10月1日に始まるのに合わせ、インボイスの作成や送受信を自動化するシステムを開発する動きが自治体から出てきました。
地域の中小企業などが対応を迫られる受発注業務のデジタル化を支え負担を軽減します。
岐阜県のシステムは最大約100社が実証に参加する見通しで、本格稼働すれば全国のモデルケースとなる可能性があります。

インボイス制度が始まると中小の事業者は受発注業務のデジタル化が不可欠となります。
現在、年間の課税売上高が1,000万円以下の企業は消費税の納付が免除されています。
制度開始後は、多くの企業は課税売上高などにかかわらず、消費税の適用税率や税額の明細を記したインボイス(請求書や納品書)を基に納税するのが原則となります。
中小企業にとってそのためのシステム投資は重荷です。

そこで岐阜県は県内の金融機関やシステム会社と協力し、企業間の受発注に使われる既存のEDI(電子受発注)システムを生かした「EDIデータ連携共通基盤システム」を開発します。
2023年度当初予算案に事業費を計上し実証実験を行う。岐阜県産業デジタル推進課の担当者によると、実証に参加する事業者は最大約100社に上る見通しで、本格稼働すれば「岐阜モデル」として注目されそうです。

特徴は金融機関のインターネットバンキングシステムを介してデジタルインボイスのやり取りができる点です。
利用企業は法人口座を持つ金融機関のネットバンキングシステムにログインすれば、岐阜県のEDIデータ連携共通基盤システムを利用できます。
全銀EDIシステム(ZEDI)を介しEDIの取引データと連携することで、自動振り込みやデジタルインボイスの自動作成・保存が可能になります。
ZEDIは全国銀行資金決済ネットワーク(東京都千代田区)が運用する企業間決済基盤です。

岐阜県のシステムはデジタルインボイスをやり取りできる国際規格「Peppol(ペポル)」に準拠し、2024年1月に義務化される電子帳簿保存法にも対応します。
岐阜県は中小企業への普及を促すとともに、自ら発注者として電子調達にこの仕組みを活用します。
金融機関にとっては取引データを生かした融資などの新サービスにつながる可能性があります。

インボイスのデジタル化を巡っては、会計システムを手掛ける約20社がペポル対応製品を近い時期に発表する見通しです。
ただし、製品は出そろっておらず、自治体は地元企業の支援が急務となっています。
岐阜県の情報化を推進する公益財団法人ソフトピアジャパン(岐阜県大垣市)の松島桂樹理事長は「方言が『標準語』になれる可能性がある」と全国で参考になるモデルにしたいと意気込みを語っています。

会計ソフトの会社などがデジタルインボイスのサービスを提供すると思っていたのですが、自治体でも提供するところが出てきたんですね。
税金の無駄づかいにならないよう、切磋琢磨して、事業者にとって使い勝手が良いものができることを期待しています。

インボイス制度でネットバンキングと連携し自治体が中小企業を支援することについて、どう思われましたか?


消費税免税の制度悪用を見抜けずAppleに130億円の追徴課税!

日本経済新聞によると、アメリカのアップルの日本法人、アップルジャパン(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、約130億円の消費税を追徴課税されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
過去数年間にiPhoneなどの販売で、消費税の免税制度の要件を満たさない取引を見抜けなかったケースが多数あったなどと指摘されたもようです。
客の申告に基づく日本独特の制度が悪用された形で「抜け穴」の解消が急務でしょう。

消費税で100億円を超える追徴税額は極めて異例です。
アップルジャパンは修正申告したとみられます。

消費税法は、来日6か月未満の非居住者が購入した土産物や日用品などの免税を認めています。
転売目的などは課税対象となり、不適切な購入を見抜けなかった免税店側が消費税分を負担しなければいけない場合があります。
インバウンド(訪日外国人)客の購買需要が増すなか、日本製品や高級品を巡る適切な免税販売の徹底が改め
アップルジャパンは、2022年6月に免税販売を自主的に中止しました。
日本経済新聞の取材に対し、「弊店では免税でのお買い物はご利用いただけません。ご不便をおかけすることをおわび致します」とコメントしました。

消費税の導入から33年経ちました。
国税当局が2022年6月までの1年間に実施した法人調査で、消費税は約2万4千件の申告漏れがあり、追徴税額は計869億円に上りました。
5年前から11%増え、過去最高となりました。

近年増えているとされるのが、インバウンド客への不適切な免税販売です。
2021年以降、大手百貨店3社が東京国税局から計1億円超を追徴課税されました。

政府は2012年以降、インバウンドを成長戦略の柱と位置付け、空港の発着枠や免税店を拡充してきました。
訪日客の購買意欲を示す免税売上高(日本百貨店協会)は2019年に3,400億円を超え、3年連続で過去最高を更新しました。
一部で不適切な免税販売が行われれば、本来は国の社会保障財源となるはずの消費税が納付されず「国の損失」となります。

海外では出国時に免税額を払い戻す制度が主流で、手続きが煩雑な半面、不適切な免税販売は起きにくくなっています。欧州連合(EU)は主に税関の確認を経て事業者が払い戻します。
出国時に税相当額を政府機関が還付する国もあります。

日本政府は2020年4月に、免税店が購入情報の電子データを国税庁や税関と共有する仕組みを導入しました。
国税当局は、一部業界で不正が疑われれば免税販売しないよう行政指導しました。
免税販売を適正化できるか実効性が問われています。

そもそも消費税率を上げたり、インボイス制度を導入して免税事業者を課税事業者にさせる前に、こういった取りっぱぐれをなくすことを考える方が先決なのではないかと思います。
いったんは消費税を支払ってもらって、税関で現物を確認のうえ、払い戻すのが現実的なのではないかと思います。
手続きが面倒な人からは消費税が取れ、また、転売目的のものを一定数は防げるでしょうから。

消費税免税の制度悪用を見抜けずAppleに130億円の追徴課税が行われたことについて、どう思われましたか?


絵画や骨董品で高額取引を装う消費税の不正還付申告を東京国税局が指摘!

朝日新聞によると、輸出の際に消費税が還付される制度を悪用したとして、東京都内の輸出会社が東京国税局の税務調査を受け、消費税約5,400万円の還付を不正に申告したと指摘されたようです。

重加算税を含めた追徴課税は約7,300万円です。

東京国税局は、複数の業者が組織ぐるみで絵画や骨董品などを高額で取引したように見せかけていたとみています。

関係者によると、追徴課税されたのは東京都台東区の輸出会社です。
輸出会社は、今回の追徴課税の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求しているようです。
東京国税局は取引自体が架空だったとみていますが、輸出会社は「適正な輸出手続きの過程で消費税の還付申告をしているので、還付を受けるのが相当だ」と主張しています。

消費税は国内で売買された商品にかかる税金のため、輸出品は免税となります。
そのため、国内で商品を仕入れて輸出した場合、仕入れの際に支払った消費税は国から還付される仕組みになっています。

関係者によると、輸出会社は2020年2月~2021年3月に、中国人画家の絵画の贋作や中国製のつぼ、陶器といった骨董品など計約30点を都内の古物販売業者から総額約6億円で仕入れ、ほぼ同額で香港の業者に輸出したとする申告書を税務署に提出しました。
「仕入れ時に支払った」として消費税約5,400万円の還付を受けようとしましたが、東京国税局は不審な申告だとして還付を保留し、実際に還付されることはなかったそうです。

どちらの主張が正しいのかはよく分かりませんが、不正還付なのであれば、きちんと対処して欲しいですね。
こういったことがあるので、普通に消費税の還付申告をしてもなかなか返してくれませんので、どうにかしてほしいですね。

絵画や骨董品で高額取引を装う消費税の不正還付申告を東京国税局が指摘したことについて、どう思われましたか?


訪日客の免税品の転売防止のために買い手から税を徴収!

日本経済新聞によると、政府は一部の訪日外国人による悪質な転売事例への対策も強めるようです。
政府・与党は訪日外国人に免税品を購入させて買い取り、消費税を免れる不正行為を防ぐための対策の検討に入いりました。

自国に持ち帰らず日本国内で転売した場合、買い取った業者側から消費税を徴収しやすくします。
2022年12月中にまとめる2023年度税制改正大綱に盛り込むことを目指すようです。

消費税法では、訪日客など日本に住まない人が一定の条件を満たす商品を買って自国に持ち帰る場合、消費税を免除する制度があります。

この制度を悪用し、国内を拠点とする業者から指示を受けた訪日外国人が免税で大量に購入した化粧品やブランド品を国内で転売し、消費税分などの利ざやを稼ぐケースが相次いでいました。

これまでは買い取った業者から徴収できるのは訪日客が特定できない場合に限っていました。
政府・与党は水際対策の緩和で訪日客が再び増えることも想定し、訪日客を特定できるかを問わず、業者側から徴収できるように制度を改めます。

日本が消費税を損しているわけですから、こういった改正は良いことだと思います。
こういうことをやる目的で日本に来て爆買いしているとしたら、訪日客が増えても喜ばしいことではないですね。

訪日客の免税品の転売防止のために買い手から税を徴収することについて、どう思われましたか?


東京地検が5,100万円の脱税疑いで不動産会社の役員を逮捕!

日本経済新聞によると、東京地検特捜部は、先日、約5,100万円を脱税したとして東京都中央区にある不動産会社の実質的経営者の会社役員(59)を法人税法違反などの疑いで逮捕しました。
東京国税局と合同で関係先を家宅捜索しました。
東京地検特捜部は、認否を明らかにしていません。

逮捕容疑は架空の業務委託費を計上するなどして約2億900万円の所得を隠し、2015年8月から2016年7月までの事業年度の法人税と地方法人税を免れた疑いです。

不動産会社のホームページなどによると、ビルやマンションの管理代行、売買などを手がけています。
不動産会社の実質的経営者の会社役員は大手の保険代理店の創業者に、消費税計約2,500万円の不正還付を指南したとして、2013年に消費税法違反などの罪で起訴され一、二審で執行猶予付きの有罪判決を受けていました。

脱税である架空の経費を計上するくらいなら、合法的な節税の方法はたくさんあると思いますが、なぜ脱税に走るんでしょうね。
決算の段階で利益が出過ぎていることに気づいて、慌てて架空の経費を入れるのでしょうか?
それならば、月次決算を行って、毎月の状況を確認しつつ、合法的な節税をすればよいと思いますが。

東京地検が5,100万円の脱税疑いで不動産会社の役員を逮捕したことについて、どう思われましたか?


小規模業者はインボイスなしでも税額控除を可能にすることを政府・与党が検討!

日本経済新聞によると、政府・与党は消費税の税率や税額を請求書に正確に記載・保存する「インボイス制度」を巡り、2023年10月の導入時に小規模な事業者向けの猶予措置を設ける調整に入ったようです。
仕入れ時にかかる消費税額の控除を、少額の取引ならインボイスがなくても受けられるようにします。
中小零細企業の事務負担を軽くし、制度を円滑に導入できる環境を整えます。

インボイス制度は「適格請求書等保存方式」の別称。取引した商品やサービスごとに消費税額と税率を記載した請求書をやりとりします。
軽減税率の導入で8%と10%に税率が分かれた消費税の正確な納税に欠かせない仕組みです。

2023年10月の導入が迫り、規模の小さい事業主の事務負担の軽減が課題となっています。
会計ソフトなどを活用していない場合、インボイスを1枚ずつ手作業で確認する必要があります。

政府・与党は会計システムの導入には一定の期間がかかるとみています。
このため数年間の時限措置として、一回の仕入れ額が少額な取引ではインボイスがなくても控除を受けられるようにします。

対象となる事業者の線引きと期間、取引額の上限は今後詰めます。
事業者は課税売上高で年1億円以下に絞る案があります。
少額取引の額は1万円未満とする方向で調整するようです。

財務省によると、課税売上高が5,000万円以下の事業者は2021年3月末時点で全国に114万あります。
1億円以下が基準となれば、100万を上回る事業者が対象となります。

現在はインボイスよりも簡素な請求書を使っています。
一回3万円未満の取引は請求書を保存しなくても仕入れ時の消費税の控除を受けられる特例があります。
この特例に似た措置を小規模事業者の少額取引に限って設けます。

消費税を納めない小規模な免税事業者はインボイスを発行できません。
控除を受けられなくなる買い手から敬遠されて取引を打ち切られる可能性がありました。
こうした心配が当面は和らぎます。

2022年10月末時点でインボイス発行の登録・申請を済ませたのは約168万社です。
日本商工会議所が2022年9月に公表した調査によると、4割の事業者は特段の準備をしていないようです。
日本税理士会連合会は2023年度税制改正に向けて「少なくとも中小企業者の実務を踏まえた柔軟な運用を行うべきだ」と要望していました。

政府は会計ソフトの導入などに使える補助金も用意しています。
手作業がいらないデジタルインボイスが広がれば、小規模事業者の事務負担を緩和できるとみています。

税額と税率を正確に記載したインボイスは、納税実務をデジタル化する基盤となります。
制度の導入は2016年に決まりました。
政府は移行時の負担軽減策を設けつつ、制度の普及を急ぎます。

結局、小規模事業者の少額取引のみが対象であれば、あまり意味をなさないのではないかと思います。
大企業と取引のあるところは、この制度を使えない大企業側は登録していないところとの取引は極力避けるでしょうし、1万円以上のものを売っているところは関係ないでしょうから。
中途半端に特例を作ると、余計面倒になるような気がしてなりません。

小規模業者はインボイスなしでも税額控除を可能にすることを政府・与党が検討していることについて、どう思われましたか?


中国人男女ら7人で77億円分の“爆買い”は消費税の免税対象外!

NHKによると、中国人の男女ら7人が大阪市内の百貨店などでいわゆる“爆買い”した高級ブランド品など77億円相当の商品について、必要な書類などがなく免税の対象にならないとして、大阪国税局が消費税およそ7億6,000万円を徴収する処分を出したことが、関係者への取材で分かったようです。
業者から頼まれた転売目的の疑いがあり、7人は大半を納付せず、すでに出国したということです。

関係者によると、中国人の男女ら7人はおととし以降、観光などの目的で日本を訪れ、大阪市内の百貨店などで高級ブランドの腕時計やバッグなど合わせて77億円相当を“爆買い”し、消費税の免除の手続きをとったということです。

しかしながら、7人は半年以上日本に滞在したうえ、免税に必要な、商品を海外に送ったことを証明する書類を持っていなかったことなどから、大阪国税局は免税の対象にならないとして、7人が納めなかった消費税、合わせておよそ7億6,000万円を徴収する処分を出したということです。

関係者によると、7人は転売目的の業者から資金を得て高級品を購入して渡し、報酬を得ていた疑いがあるということです。
また、大半を納付せず、すでに出国したということです。

大阪国税局は「免税品は、お土産などとして国外に持ち帰る目的で購入する人だけのものなので、転売目的やSNSなどで依頼を受けて購入することはできないことを周知徹底していきたい」としています。

今回、悪用されたとみられるのは、外国人観光客が商品を国外に持ち出して消費する場合などに、消費税が免税される制度です。

免税品は、外国人観光客などが税務署の許可を受けた免税店で購入することができ、家電製品やカバン、化粧品や食品など、日常の生活で使われるものが対象になっています。

免税手続きをした人が、出国時に免税品を所持していなかったり、出国までに輸出していなかったりすると、免税の対象にならないとして、消費税を徴収されます。

一方、免税品は、事業用や販売目的の場合は免税の対象になりません。

免税品をめぐっては、コロナ禍前には、インバウンドの増加を背景に、免税制度を悪用した不正な消費税の還付や、転売目的の購入が相次いでいて、水際対策が大幅に緩和される中、国税当局は警戒を強めています。

国税庁は、不正の防止などを目的に、おととし4月から、免税店が購入記録や客のパスポート情報を国税庁に送る仕組みを導入し、税関ともこの情報を共有して、対策強化を進めています。

日本百貨店協会によると、ことし1月から9月までの全国の88の百貨店の免税品の売り上げはおよそ615億3,900万円で、コロナ禍で落ち込んだ去年1年間をすでにおよそ156億円上回っています。

入国者数の段階的な引き上げとともに、ことし7月以降は1か月当たりの売り上げが去年の同じ時期と比べて倍以上に伸びていて、ことし9月の売り上げは去年の同じ時期のおよそ3倍になっています。

ことし9月は、免税品を購入した客はおよそ2万8,000人に上り、客1人当たりの平均では、およそ33万円相当の商品を購入しているということです。

人気の商品をみると、1位が化粧品、次いで高級ブランド品、食料品です。

免税手続きをした人を国や地域別でみると、最も多かったのは中国で、次いで、台湾、韓国でした。

日本百貨店協会は、「コロナ禍前と比べるとまだ低い水準ではあるものの、水際対策が大幅に緩和された先月以降、免税品の売上はさらに伸びていると感じる」としています。

爆買いは、百貨店などは売り上げが増加して喜ばしいのでしょうが、こういうことがあると、日本としては損をしていますので、どうにかして、取り返してほしいですし、今後、こういったことがないように仕組みを考えてほしいですね。

中国人男女ら7人で77億円分の“爆買い”は消費税の免税対象外であることについて、どう思われましたか?


東京国税局が全国初の「消費税不正還付対策本部」を設置!

テレビ朝日によると、東京国税局が輸出商品への免税制度などを悪用した消費税の不正還付を防ぐため、全国で初めて対策本部を設置しました。

東京国税局の重藤哲郎局長は「通常の調査事案に比べても非常に困難性が高い場合が多々あります。国税当局の様々な部署が一体となって総力を上げて取り組んでいく必要があると認識しています。」とコメントしています。

先日設置された消費税不正還付対策本部には、東京国税局や税務署の職員ら100人以上が参加しています。

不正に還付された消費税額は、2021年6月までの1年間で全国で34億円でした。

そのうち8億円は東京国税局管内で、全国で最も多くなっています。

対策本部に関係部署の職員らを一同に集めることで、効率的に調査を進める狙いがあります。

消費税の不正還付は以前からたくさんあると言われており、真面目に申告している会社でも、消費税の還付申告をすると、最近では、簡単には還付をしてくれません。
税務調査がはいったり、資料を色々と提出しないと、それほどの金額でなくても還付してくれないことが多いように感じます。
一方で、後日、e-Taxで資料を提出しておきますと言っているのに、定期異動で担当者が変わり、引継ぎがきちんと行われていなかったのか、『まだ提出していただいておりませんが、どうなっていますか?』と言われ、『1か月以上前にe-Taxで提出しましたけど。』と答えると、多額であってもすぐに還付されたケースもありましたが(笑)。
こういうのができて、消費税の不正還付が減り、真面目に申告している企業は極力早めに還付されるようになることを期待したいですね。

東京国税局が全国初の「消費税不正還付対策本部」を設置したことについて、どう思われましたか?


インボイス制度でサイトに本名ずらりという身バレ懸念を受け国税庁が見直し!

朝日新聞によると、消費税の「インボイス制度」に登録した個人事業主の名前などの公表方法について、国税庁が見直す方針を決めたことが同庁への取材でわかったようです。

国税庁のウェブサイトから名前の一覧を誰でもダウンロードできる状況になっていましたが、先日、一時的に停止しました。
個人事業主の中には本名を明かさずに仕事をしている人も多く、「身バレにつながる」と懸念する声があがっていました。

サイトでは、2022年8月末までに登録した約20万件の個人事業主の名前が登録番号などとともにファイルにまとめられ、一括でダウンロードできていました。

国税庁によると、ダウンロードを一時的に停止し、このファイルの中で公表する情報の中身を見直すそうです。

インボイスとは、請求書や領収書のことです。
通常、事業者は商品などの販売時に受け取った消費税額から、仕入れなどにかかった消費税額を差し引いて納税しています。
仕入先からインボイスをもらえなければ、消費税から差し引けずに納税額が増えるのです。
2023年10月から、仕入先の事業主から受け取ったインボイスの保存が必要となる「インボイス制度」がスタートします。

制度に登録していない事業主からの仕入れでは控除を受けられないため、取引を敬遠される可能性があり、国税庁は個人事業主にも積極的な登録を呼びかけてきました。
サイトでの氏名の公表は、登録状況を誰でも確認できるために行っています。

しかしながら、掲載が2021年11月に始まると、事業主の間で波紋が広がりました。

「名字は公表したくないが、仕事をもらっている弱い立場で断れない」と話すのは声優の岡本麻弥さんです。
「機動戦士ガンダム」シリーズなど数々の有名アニメに、旧姓であり芸名でもあるこの名前で出演してきました。

サイトで公表される情報は原則は本名だけで、住所や芸名などの「屋号」については任意となります。
ただし、取引先から求められて公表すると、サイト上に本名と芸名が並ぶことになってしまいます。
「自分の本名を誰かがネットで拡散したら」という同じ不安を多くの声優仲間が抱えていることを知り、「VOICTION(ボイクション)」という団体を立ち上げ、公表を含む制度の見直しを求めてきたのです。

少し前にできたM&Aの登録支援機関なども、登録後、M&A関連の業者からDMなどが結構来るのですが、今回のインボイス制度の件も、ある程度は想定できていたのではないかと思います。
法人の場合、いわゆる登記簿に役員の氏名や代表取締役などの住所が記載され、誰もが見ようと思えば見れるため、法人と個人事業主とで差をつける必要がないという考えもあるのかもしれませんが、個人事業主の開業届や、支払調書などの個人番号(個人事業主としての個人番号は存在せず、個人としての個人番号が使われる。)や、事業所得なのか雑所得なのかを含め、国税庁が色々と見直さないといけない時期にきているのではないかと感じた1件でした。

インボイス制度でサイトに本名ずらりという身バレ懸念を受け国税庁が見直しを行うことについて、どう思われましたか?


「インボイス制度」への対応で免税事業者と「取引しない」が約1割で半数は検討中!

2023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。
東京商工リサーチによると、消費税の仕入額税が控除されるインボイス制度について、「知らない」は7.5%で、制度の認知は広がっています。
しかしながら、準備や対応は鈍く、まだ半数近く(46.7%)の企業が取引方針を決めていない実態もわかりました。
一方、税控除ができない免税事業者との取引については、「これまで通り」との回答は4割(41.2%)にとどまり、「取引しない」(9.8%)が約1割、「取引価格を引き下げる」も2%(2.1%)ありました。
今後、取引関係に変化をもたらす可能性も危惧されます。

なお、東京商工リサーチは2022年8月1日~9日に、インターネットによる「インボイス制度」についての企業向けアンケート調査を実施し、有効回答6,441社を集計・分析しました。
資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義しています。

課税売上高1,000万円以下のフリーランスなど小・零細規模の事業者は、消費税の申告・納税義務が免除されています。
制度開始後、消費税の申告・納税が必要となる課税事業者が、インボイス発行事業者になると、売上先は仕入税額を控除できます。
ところが、免税事業者のままだとインボイスを発行できず、売上先は仕入税額を控除できないため納税額が大きくなるのです。

これを避けたい事業者が、免税事業者との取引解消や値下を要求する懸念が問題となっています。
一方で、免税事業者が、課税事業者を選択すると消費税の納税義務が生じ、小規模事業者ほど板挟みに苦悩しています。

Q1.2023年10月に導入される「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」についてご存じですか?(択一回答)
インボイス制度を「知らない」と回答した企業は7.5%(6,441社中、483社)にとどまり、「よく知っている」19.5%(1,257社)、「大体知っている」49.0%(3,158社)、「少し知っている」23.9%(1,543社)を合わせた「知っている」は92.5%に達しました。
規模別では、「知らない」は、大企業が6.2%(988社中、62社)、中小企業が7.7%(5,453社中、421社)で、規模を問わずインボイス制度の認識は広がっています。

Q2.インボイス制度導入後、免税事業者との取引はどうする方針ですか?(択一回答)
インボイス制度の導入後、免税事業者との取引について、「これまで通り」が41.2%(5,292社中2,181社)と4割超を占めました。
一方で、「免税事業者とは取引しない」は9.8%(523社)、「取引価格を引き下げる」は2.1%(115社)と、1割強(11.9%)が取引中止や取引価格の引き下げ意向を示しています。
また、「検討中」は46.7%(2,473社)と、まだ半数近くは取引方針を迷い、免税事業者への悪影響が広がる可能性もあります。
規模別では、「免税事業者とは取引しない」は、大企業が6.4%(765社中、49社)、中小企業が10.4%(4,527社中、474社)で、中小企業が大企業を4ポイント上回りました。
また、「取引価格を引き下げる」は、大企業が1.4%(11社)、中小企業が2.3%(104社)で、取引継続は資金負担が生じることもあるだけに中小企業のシビアな回答が目立ちました。
一方、「これまで通り」は大企業が38.3%(293社)、中小企業が41.7%(1,888社)で中小企業が高くなっています。
「検討中」は大企業が53.8%(412社)、中小企業が45.5%(2,061社)と大企業では過半以上が検討中で、今後の方針決定で取引関係が大きく変わる可能性があります。

例えば、メーカーのA社が小売業のB社に11,000円(消費税1,000円)で納品し、B社が消費者に16,500円(消費税1,500円)で販売した場合、A社がインボイスを交付しB社が仕入税額控除を行うと1,500円から1,000円を引いた500円が納付税額となります。
しかしながら、A社が免税事業者だと、一定期間(6年間)の経過措置が設けられていますが、B社は控除できず、1,500円を納付しなければならないケースが出てきます。
そのためB社は、免税事業者との取引見直しを検討し、今回のアンケート調査では約1割の企業が取引を止めると回答しました。

免税事業者から課税事業者への移行を前に、個人事業から法人へシフトする動きも目立っています。
東京商工リサーチの調べでは、2021年の新たな「合同会社」の法人設立は36,934社で、5年前から1.6倍に急増しました。
設立手続きが簡単で、運用コストが安いメリットの合同会社を個人事業主が選択しているとみられます。

消費税の納税義務を免除されていた一部のフリーランスなどの免税事業者は、課税事業者に移行すると納税負担が増します。
一方、免税事業者のままでは取引解消のリスクが現実味を帯びてきます。
国は免税事業者との取引に配慮し、制度開始から6年間は仕入税額の一部控除が可能としました。
また、免税事業者との取引を、インボイス制度実施を契機に取引条件を見直すと、優越的地位の濫用として問題にもなりかねないと警鐘を鳴らしている。
ただし、企業は、基本的に取引先の選択を自由にでき、税負担が増す免税事業者との取引縮小の動きが加速する可能性は高いでしょう。
長引くコロナ禍で、小・零細事業者は経営不振が続くだけに、インボイス制度の導入で混乱が起きないように、事前の支援やフォローが重要になっています。

個人的に、知らないが7.5%というのは低すぎるのではないかと思いますが、かなり認知度は増してきているのは事実だと思います。
2021年10月1日から、インボイス制度の登録がスタートしていますが、1年ほど前に弊事務所のお客様にインボイス制度の説明をしたときには、ほとんどご存じの方はおられませんでしたが、最近では、取引先から説明を受けたりいているのか、お会いした方にインボイス制度の話しをすると、制度のことは知っている方が多いように思います。
継続的に多額の取引をしているところでなくても、飲食店、消耗品を買っているところなども、結局、インボイスの登録をしていないところだと、経理処理が煩雑になりますので、敬遠されていくのではないかと思っています。
免税事業者の方は、どうするかを早くから慎重に検討しましょう。

「インボイス制度」への対応で免税事業者と「取引しない」が約1割で半数は検討中であることについて、どう思われましたか?


消費税4,900万円を脱税した税理士だった社長は国税告発直前に税理士を廃業!

読売新聞によると、消費税約4,900万円を脱税したとして、東京国税局が衣料品卸売会社(東京都渋谷区)と、衣料品卸売会社社長で元税理士の男性(54)を消費税法違反の疑いで東京地検に告発していたことがわかったようです。

関係者によると、衣料品卸売会社は海外からカシミヤ製の衣料品を輸入し、百貨店の顧客向けに販売していました。
社長は、衣料品卸売会社に消費税の申告義務があることを知りながら、2020年8月までの3年間、消費税の確定申告を行わず、同期間の売り上げにかかる消費税計約4,900万円を免れた疑いです。

不正に得た資金は、社長の生活費や、衣料品の仕入れ費などに充てられていたようです。

取材に対し、社長は「国税局の指導に従って期限後申告を行い、納税も一部済ませた。今後は期限内に申告、納税をしていく」と文書で回答しました。

社長は衣料品卸売会社経営のほか、ビジネスコンサルタントとして企業向けの講演などをしていました。
税理士としても相続の相談や税務調査の立ち会いなどの業務を行っていましたが、告発直前の2022年3月13日に税理士を廃業しました。

これも、税理士としての処分を受ける前に廃業して処分を回避するという案件ですね。
税理士としては、当然、消費税の申告義務があることは分かっていたはずですから、あってはいけないことだと思います。
この社長は何冊か本も出されている方だと思いますが、同業者として恥ずかしいですね。
税理士であることを除いて考えても、こういう人に社長やビジネスコンサルタントがつとまるのだろうかと思ってしまいますが。

消費税4,900万円を脱税した税理士だった社長は国税告発直前に税理士を廃業したことについて、どう思われましたか?


消費税の過少申告で多額の追徴課税を受けた貴金属の買取・販売業者が破産!

東京商工リサーチによると、東京都台東区の貴金属の買取・販売会社が、先日、東京地裁から破産開始決定を受けたようです。

負債は債権者6名に対し、公租公課を中心に約24億9,700万円だそうです。

貴金属の買取店を出店し、一般顧客などを対象に金・銀・プラチナなどの貴金属の買取を手掛けていました。

買い取った貴金属の転売により収益を得ていましたが、2020年に消費税の過少申告が発覚し、過去3年間について東京国税局より過少申告加算税を含めて約24億円を追徴課税される事態が発生しました。

以降、追徴課税の負担がのしかかるなか、経営も限界に達し今回の措置となったようです。

記事からは意図的なのかどうか分かりませんが、きちんと申告しないと、追徴課税のみならず、会社の存続にもかかわるという一例ですね。
金額から推測すると、結構な金額の貴金属を扱っていたんでしょうね。
破産となると、税金を取りっぱぐれてしまうのではないか思いますが、どうなるんでしょうか?

消費税の過少申告で多額の追徴課税を受けた貴金属の買取・販売業者が破産したことについて、どう思われましたか?


外注費偽装で4,300万を円脱税した和歌山県の会社を告発!

産経WESTによると、従業員の人件費の一部を外注費と偽るなどし、約4,300万円を脱税したとして、大阪国税局が消費税法違反などの罪で、和歌山県岩出市の運送会社の元社長(65)と法人としての運送会社を和歌山地検に告発していたことが関係者への取材で分かったようです。

追徴税額は重加算税を含む約5,800万円で、すでに修正申告を済ませて大半を納付したようです。

関係者によると、運送会社は令和2年6月末までの3年間で、人件費の一部を、消費税の控除を受けることができる外注費に偽装して計上し、不正に消費税の還付を受けるなどし、約4,300万円を脱税したとされます。

消費税がかからない給与か消費税がかかる外注費かは、実務上判断が難しく、税務上、問題になることも多い論点だとは思いますが、偽装して、重加算税が課されているということは、悪質だったんでしょうね。
改めて、雇用か業務委託かは注意しないといけないなぁと思った1件でした。

2023年10月1日からインボイス制度が導入されますが、免税事業者である外注先がある場合、取引をどうするかなどの問題も出てきますので、早めに外注先のリストアップ、インボイス制度への対応策なども考えたほうが良いと思います。

外注費偽装で4,300万を円脱税した和歌山県の会社を告発したことについて、どう思われましたか?


「1,000万円の猫」と偽装し消費税の不正還付を受けようとした社長を逮捕!

日本経済新聞によると、東京地検特捜部は、先日、イベント用として数百万~1千万円の猫を仕入れたと装い、不正に消費税の還付を受けたとして、東京都中央区のペット関連会社の社長を(70)を消費税法違反などの疑いで逮捕しました。
東京地検特捜部と東京国税局は、同日、合同でペット関連会社の店舗を家宅捜索しました。

関係者によると、ペット関連会社の社長は実際には数十万円の猫を100匹ほどしか所有していなかったのに、数百匹分を総額20億円超で仕入れたと装っていたようです。
任意の事情聴取には、「多くは死んでしまった」と話したそうです。

消費税の還付制度では、物品の仕入れ先に払った消費税が売上時に受け取った消費税より多い際、差額分の還付が受けられます。
ペット関連会社は所有する猫と触れ合える「ふれあいねこ展」を全国で開催しており、仕入れに伴う消費税額がイベント収入などで受け取った分を上回ったとして、税務署に還付を申告していました。

逮捕容疑は、2018年1~9月に消費税と地方消費税計約9,100万円の還付を不正に受け、2018年10月~2019年9月に計約1億100万円の還付を不正に受けようとした疑いです。

事実だとすれば、かなり悪質ですね。
記事からすると、2018年1~9月分については消費税を還付を受けているようなので、国税局も還付する際の調査等が甘かったのではないかと思います。
これに味をしめて、2018年10月~2019年9月も不正還付申告をしたのではないかと思います。
こういう不正還付申告をする人が結構いるので、本当に消費税が還付になる会社などが還付申告をすると、税務調査が入ったりしてなかなか還付してもらえませんので、本当にやめて欲しいですよね。
架空経費で法人税等を脱税する行為はもちろん悪質だと思いますが、架空仕入れで消費税を不正還付を受けるという行為は、国などから不正にお金を搾取しているということですので、かなり悪質ということは理解してほしいですね。

「1,000万円の猫」と偽装し消費税の不正還付を受けようとした社長が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


公明党議員秘書が国税に再三要望!

朝日新聞によると、公明党選対委員長の高木陽介衆院議員(61)=比例東京=の公設秘書が2020年12月から2021年2月にかけて、知人が顧問を務める会社の税務調査をめぐり、会社側の要望を電話で10回以上、国税庁に伝えていたことが関係者への取材でわかったようです。
秘書は、国税側と会社側との面会の場を設けたほか、同庁職員を議員会館に呼んで会社側の不満を伝えていました。

秘書は朝日新聞の取材に対し、会社側の要望を繰り返し国税庁に伝えた事実を認めたうえで、「納税者の意見を伝えただけで、圧力をかけたわけではない」と説明しました。
一方、個別の税務調査への介入ではないかとの指摘については「真摯(しんし)に受け止めたい」と答えたようです。

東京国税局の税務調査を受けたのは、サプリメント販売会社(東京都新宿区)です。

関係者によると、サプリメント販売会社は、仕入れ時に支払った消費税が売上時に受け取った消費税を上回った場合に差額が還付される制度を使い、還付を申請していました。
しかしながら、2020年8月に税務調査が始まり、申し立てていた消費税約1億円の還付手続きがストップし、サプリメント販売会社の顧問は還付されないことなどへの不満を知人の秘書に相談しました。

秘書は2020年12月下旬以降、調査中を理由に止まっていた消費税の還付を求めるサプリメント販売会社の要望を、国税庁に電話で繰り返し伝え、社長らと面会するよう求めました。
国税側は2020年12月24日に東京上野税務署(台東区)で社長らと面会しました。
しかしながら、社長らが対応に不満を持ったため、秘書は国税庁に「うちの顔を立てて下さい」と伝えました。
その後、2020年12月28日には東京国税局(中央区)で再度の面会が行われました。

その後も続いた税務調査の中で、国税側は2021年1月27日、社長らに調査結果の見通しを説明し、課税処分する可能性を示しました。

秘書は会社側からこの説明内容への不満を聞き、2021年1月28日、国税庁の課長補佐2人を議員会館に呼び、還付が行われていないといったサプリメント販売会社の不満を直接伝えました。
サプリメント販売会社側に不正の根拠を明確に示すことを求めたうえで、「気をつけてもらいたい」と述べたそうです。

税務調査の結果、東京国税局は2021年4月、サプリメント販売会社がサプリ原料の仕入れ額を過大に計上し、2019年10月までの1年間で約11億円の所得隠しをし、消費税の還付額も過大に申し立てたと認定しました。
重加算税を含む法人税と消費税計約7億円を追徴課税(更正処分)しました。
サプリメント販売会社はこれを不服とし、2021年7月に国税不服審判所に審査を請求した。

サプリメント販売会社は朝日新聞の取材に応じていないようです。
サプリメント販売会社の税理士は、「消費税還付がされず、資金繰りが厳しくなった窮状を訴えるため、代議士事務所に国税庁への働きかけを求め、動いてもらった、と社長から聞いている」と話しているようです。

国税庁は「個別の税務調査にはコメントしない。一般論として議員や議員秘書からの問い合わせに関わらず、国税庁としては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし適切に対応している」としています。

税務署の処分が正しいとすれば、悪質な企業なわけですから、税務調査が終わってから消費税を還付するという税務署の態度は正しいのではないかと思います。
たとえ不正をしていなくても、消費税の不正還付が過去から横行しているわけですから、消費税の還付申告をすれば、少額であっても、追加資料の提出を求められたり、税務調査に入って確認した後でないと最近は還付されないというのは周知の事実ですから。
あと、疑問に思うのは、この秘書のやっていることは税務代理のような気がしますので、税理士法違反なのではないかと思ってしまいますね。
当然、秘書のやっていることは議員にも責任があると思いますが。
国税庁の方は議員会館に行く必要はなかったように思いますが、圧力に屈することなく、最後まで毅然とした態度で臨まれたと思います。

公明党議員秘書が国税に再三要望していたことについて、どう思われましたか?


コロナ禍で国税が調査チームを作り消費税不正還付で9社で5億円を追徴!

朝日新聞によると、消費税の輸出免税制度を悪用して還付申告をしたとして、化粧品やマスクなどを扱う東海地方の貿易会社など9社が、名古屋国税局から消費税計約5億円の追徴課税を受けたことが分かったようです。

コロナ禍が企業活動にも影響を与えるなか、名古屋国税局は消費税の還付申告額が急増した業者に着目し、約100人態勢のチームで調査していました。

国税幹部は「消費税の不正還付は国から金をだまし取るようなもので、税金を納めない脱税よりも悪質と言える。コロナ禍でも厳正に調査する」と話しています。

調査を受けたのは、岐阜県瑞穂市の中国系の貿易会社7社と、不動産管理会社など2社です。

関係者によると、貿易会社などは主に、日本製のハンドクリームやマスクといった海外で人気がある化粧品・日用品を販売し、利益を上げていましたが、架空の仕入れを計上して、取引先に消費税を支払ったように仮装していました。
さらに売り上げについて、輸出や外国人旅行者向けの免税販売だったように見せかけ、税務署に消費税の還付申告をし、不正に還付を受けたとされます。

仕入れ先をごまかすため、大手ドラッグストアの白紙領収書を悪用したケースもあったそうです。

取材に対し、岐阜県瑞穂市の貿易会社の社長は「国税の指摘は納得できず、争っているところだ」、別の貿易会社(名古屋市中区)の社長は「消費税の還付について国税の指摘を受けた」と話しています。

事業者が国内で仕入れた商品を輸出すると、仕入れ時に消費税を支払う一方で、輸出先からは消費税を受け取れません。
そのため税務署に申告すると、仕入れでかかった消費税分が還付されます。
この仕組みを悪用して還付額を膨らませる事案が後を絶ちません。

国税庁によると、2020年6月までの3年間に、還付申告をめぐり意図的な不正があったとして130億円を追徴課税しました。
名古屋国税局の管内(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)では計33億円にのぼっています。
外国人旅行者に雑貨などを免税品として販売したように装う手口が目立つようです。

国税庁は2021年7月、不正還付に特化した「消費税専門官」を新設しました。
新宿や渋谷、浦和、静岡、名古屋中、神戸、福岡など全国の主要11税務署に配置しています。

消費税の不正還付は、納めないということでなく、それに加えて国からだまし取るということなので、事実だとすると、かなり悪質ですね。
消費税の不正還付はかなり前から横行しているようで、普通に消費税の還付申告をするとしたとしても、税務調査に来たり、追加で色々と書類を提出しないと、なかなか還付してもらえません。
こういった悪質な例が多いからであり、真面目に申告して還付となっている事業者は結構迷惑を被っているのではないでしょうか?
専門のチームを作ったのが遅いような気はしますが、作った以上、どんどん悪質なところを指摘して、追徴してほしいですね。

コロナ禍で国税が調査チームを作り消費税不正還付で9社で5億円を追徴したことについて、どう思われましたか?


東京都直営市場が消費税1億円の申告漏れ!

産経新聞によると、東京都直営の中央卸売市場の一つ「食肉市場」(東京都港区)が東京国税局の税務調査を受け、2018年度までの3年間で約1億600万円の消費税の申告漏れを指摘されたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
本来は消費税のかからない都債の償還(返済)について、課税対象と誤解して税務処理したのが原因でした。
追徴税額は過少申告加算税などを含め約1億2千万円で、東京都側はすでに修正申告したとしています。

消費税は、商品を販売した際などに受け取った「課税売り上げ」にかかる消費税額から、仕入れや外注などで支払った「課税仕入れ」にかかる消費税額を差し引いたものが納税額となります。
東京都の特別会計で収支を管理している食肉市場でも、食肉処理場の使用料などとして業者から消費税を徴収しており、他の経費などで支払った消費税分を差し引いて納税しています。

東京都や関係者によると、食肉市場では資金調達のために発行した都債の返済費として2016~2018年度、元本と利子を含め総額約22億円を充当しました。
このうち元本の返済分を課税仕入れとして計上していました。
これに対し国税局は、都債の返済はそもそも消費税のかからない「不課税取引」で、課税仕入れには計上できないと指摘しました。
課税仕入れ額が圧縮されたことで、1億円超の消費税が申告漏れとなりました。

東京都中央卸売市場財務課は「国税当局の手引きなどに基づき、課税仕入れになると認識して税務処理したが誤っていた。指摘に従って昨年5月に修正申告し、納税を済ませた。現在は認識を改め、適正に納付している」と話しています。

食肉市場は、豊洲市場など都内に11か所ある都中央卸売市場の一つです。
食肉の取扱量は1日当たり約315トン(2019年)で国内では最大規模です。

経営者の中にも、なぜ借入金の返済が経費にならないのかと思っている方がそれなりにいらっしゃるような気はしますが、借入金等の返済が課税仕入になるのであれば、当然、借り入れなどが課税売上になりますよね。
借り入れなどが課税売上にはならないと考えていると思いますので、借入金の返済が課税仕入にならないのは当たり前のような気はしますが、それなりの規模のところでも、そういった知識のところがあることに驚きでした。
東京都って顧問税理士がいないんですかね。

東京都直営市場が消費税1億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


3年分の税控除を過大申告し2,558万円脱税疑いで給食業者の代表取締役を逮捕!

沖縄タイムスによると、消費税と地方消費税約2,558万円を脱税したとして、那覇地検は、先日、消費税法違反と地方税法違反の疑いで、給食受託業(那覇市)の代表取締役(69)を逮捕したと発表しました。

「捜査に支障が生じる」として、認否を明らかにしていません。

那覇地検によると、代表取締役は業務全般を統括しており、2016年5月~2019年4月分の確定申告時、税控除額を過大に計上するなどして、納付税額を実際より少ない約210万円と申告し、約2,558万円の支払いを免れた疑いがあります。

那覇地検は、先日、沖縄国税事務所と合同で代表取締役の関係先を家宅捜索しました。

おそらく架空経費の計上ですが、そうであるならば、結構悪質ですよね。
消費税は、架空経費の計上で、還付申告するという悪質なものが世の中には結構あると耳にしますが、還付申告ではなく、消費税を納付していれば大丈夫と思っていたのでしょうか?
それほど、甘いものではないと思います。

3年分の税控除を過大申告し2,558万円脱税疑いで給食業者の代表取締役が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。

<所得税>
①事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!
<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!
<贈与税>
⑤すぐに贈与税の申告ができない!

すでに、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』、『役所を信じてはいけない!』、『雑所得でも所得税の還付申告ができる!』については書きましたので、4日目の本日は、『新型コロナウイルス影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!』です。

新型コロナウイルス感染症の影響で、急遽、多額の設備投資を行うことがあるでしょう。
簡易課税を選択している場合、課税期間を短縮したうえで原則課税に変更するという手もありますが、新型コロナウイルス感染症等の影響による被害を受けたことにより、簡易課税制度の適用を受ける(またはやめる)必要が生じた場合、税務署長の承認により、その被害を受けた課税期間から、その適用を受ける(またはやめる)ことができます。

書類としては、『災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書』を提出します。
発生した災害その他やむを得ない理由、被害の状況、被害を受けたことにより特例規定の適用を受けることが必要となった事情、災害等の生じた日及び災害等のやんだ日などの記入が必要です。
提出時期は、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2か月以内です。
ただし、災害等のやんだ日がその申請に係る課税期間等の末日の翌日(個人事業者の場合は、当該末日の翌日から1月を経過した日)以後に到来する場合には、その課税期間等に係る申告書の提出期限までとなります。

ちなみに、2通提出が必要で、税務署長が承認すると、1通は税務署長が押印して郵送されます。
(税務署の人に確認したところ、電子申告できますと言われたのですが…)僕の使っている申告ソフト(NTTデータ達人シリーズ)は、この申請書は電子申告に対応していないので、紙で提出しました。

新型コロナウイルス感染症の影響はまだまだ続くと思いますので、有効に使いたいですね。

新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できることについて、どう思われましたか?


雑所得でも消費税の還付申告ができる!

2021/4/15に自分の確定申告を終え、今シーズンの確定申告業務が終わりました。
昨シーズンは、自分を除き、当初の期限である3/15に終えたのですが、今シーズンは、3/16以降に申告を終えた方がそれなりにいて、4/14にも2名電子申告をしました。

備忘録を兼ねて、今週は、今回の確定申告で感じた留意点をまとめたいと思います。
<所得税>
①事業的規模でなくても65万円控除ができる!
②役所を信じてはいけない!
<消費税>
③雑所得でも所得税の還付申告ができる!
④新型コロナウイルス感染症の影響があれば簡易課税・原則課税を変更できる!
<贈与税>
⑤すぐに贈与税の申告ができない!

すでに、『事業的規模でなくても65万円控除ができる!』、『役所を信じてはいけない!』については書きましたので、3日目の本日は、『雑所得でも所得税の還付申告ができる!』です。

これまで、公的年金等かそれ以外の2つの区分しかなかったのですが、副業をしている方が多いのか『業務』加わり、令和2年分からは以下の3つに区分されました。
●公的年金等
●業務
●その他

ここで、所得税法上、『事業』と『業務』の明確な定義はないのです(不動産所得を除きます。)が、最高裁の判決により、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるものを『事業』とし、それ以外のものを「業務」として区分しているようです。
『事業』と『業務』の主なものに、(1)事業所得と雑所得、(2)不動産所得を生ずべき「事業」と「業務」の区分があります。

一方、消費税法上、『事業』とは、対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供が反復、継続、独立して行われることをいいます。

それゆえ、消費税の方が、『事業』の範囲が広いということになります。

よって、所得税法上、『事業(所得)』にあたらず『雑所得』であると考えているとしても、消費税法上、『事業』に該当すれば、所得税の確定申告書では『雑所得』で申告していたとしても、消費税の還付申告はできます。

ただし、税務署から電話がかかってきて理由を求められましたし、雑所得の場合、青色決算書などを提出しないため、税務署は収支などが分からないため、会計ソフトから出力することができる消費税の集計表を求められました。
理由の説明としては、上記の、所得税法上と消費税法上の『事業』の範囲が異なり、所得税法上は、●●という理由(ここはそれぞれ異なると思います。)で『事業』ではないと考えているものの、消費税法上は『事業』に当たるということを説明すれば大丈夫です。

雑所得でも消費税の還付申告ができることについて、どう思われましたか?


金1.7トンを密輸し10億円を脱税した韓国籍の男性らを逮捕!

金地金を密輸入して消費税など約1,800万円を脱税しようとしたとして、千葉県警は、先日、消費税法違反などの疑いで、韓国籍の無職の男性(34)ら2人を逮捕しました。

東京税関によると、2人は報酬目的だったと供述しているようです。
他に複数の韓国人が関与し、密輸入した金地金は計1.7トン、脱税額は10億円に上るということです。

逮捕容疑は、2020年6月4日、金地金30キロを香港から航空貨物で成田空港に無許可で持ち込み、消費税などを脱税しようとした疑いです。

金と比重が似たタングステン製の筒に入れて持ち込んでいたそうです。
筒は医療機器の部品と申告していました。

最近、金地金を利用した脱税が横行しているようですが、かなりの金額をやっている人がいるんですね。
消費税はインパクトが大きいので、昔から脱税とかが行われることが多いですね。
金地金の取引は課税取引ゆえ、消費税を支払っていない金地金を海外から持ってきて国内で仕入れたことにして仕入税額控除を取り、脱税するというスキームです。
おそらく、氷山の一角だと思いますので、どんどん摘発してほしいですね。

金1.7トンを密輸し10億円を脱税した韓国籍の男性らが逮捕されたことについて、どう思われましたか?


金地金買い取り業者など80法人・個人を消費税不正で40億円を追徴課税!

読売新聞によると、国税当局が、全国の免税店などを対象に消費税の不正申告の有無を調べる一斉税務調査を行い、約80の法人と個人に計約40億円を追徴課税したことが関係者の話で分かったようです。

うち約30億円は金地金買い取り業者2社への課税で、中国人などから金地金を買い取ったとする帳簿の記載に裏付けがないと判断されたようです。

2019年10月の消費増税で不正による利得額も増すため、調査を強化する必要があるとして、東京、大阪、福岡など7国税局が実施しました。

消費税の不正申告に特化した全国一斉調査は、初めてのようです。

関係者によると、最も多額の追徴を受けたのは、東京都台東区の金地金買い取り業者で、2019年8月期までの3年間について、過少申告加算税を含め約24億円を追徴課税(更正処分)されたようです。

3年間で24億円も取られるなんて、かなりの取引量がある中で、かなりの不正をしていたということでしょうね。
こういった悪質な業者からは、今回のような全国一斉調査をどんどんして、どんどん税金を取って、不正が減るように国税庁には頑張って欲しいですね。
ただし、以前、消費税の不正還付が横行して、数年前から、きちんと処理・申告をしていても、すぐには還付してくれない状況になっていますので、こういう悪質な業者がいっぱい出てくると、ますます還付が簡単にはしてもらえなくなるんでしょうね。

金地金買い取り業者など80法人・個人を消費税不正で40億円を追徴課税したことについて、どう思われましたか?


中古マンション転売の消費税の課税処分取り消し!

中古賃貸マンションの売買時の消費税の税務処理が争われた訴訟で、東京地裁(清水知恵子裁判長)は、先日、東京国税局の課税処分を取り消す国税局側敗訴の判決を言い渡しました。
法改正で現在は同じ問題は起こりませんが、過去の同種事案に波及し、不服申し立てなどにつながる可能性があります。

争っていたのは不動産会社「エー・ディー・ワークス」で、中古の賃貸マンションを購入した後、大規模修繕などで価値を高め、収益が見込める投資用不動産として販売する事業を行っています。
中古マンションの売買時にかかる消費税の税務処理をめぐって、約5億3千万円の課税処分を受け、取り消しを求めていました。

消費税には販売時に受け取った税から、仕入時に支払った税を差し引いて申告、納税する「仕入税額控除」の制度があります。
控除できる金額の計算には詳細なルールがありますが、今回は中古マンションの仕入れの目的が投資家への販売なのか、家賃収入を得る目的もあったのかが最大の争点となったのです。

エー・ディー・ワークスは販売目的の仕入れであり、仕入時の消費税を全額差し引くことができると主張しました。
一方、東京国税局は販売までの期間にマンション居住者から家賃を受け取っていると指摘し、「家賃収入も事業の目的の一つで、全額を差し引く処理はできない」としてエー・ディー・ワークスに申告漏れを指摘しました。

判決で清水裁判長は「仕入れの目的が不動産の売却にあることは明らか。賃料収入は不可避的に生じる副産物として位置づけられる」と指摘しました。
賃料収入が見込まれるからといって全額を差し引けないとする国税の判断は「相当性を欠く」と結論づけました。

同様の課税処分は全国で行われており、「判決が確定すれば、不服の申し立てなどが相次ぐ可能性もある」(国税OB)ようです。

親会社のADワークスグループは「主張の正当性が全面的に認められたものであり、妥当な判断であると考えている」とコメントしています。
一方、東京国税局は「国側の主張が認められなかったことは大変、残念。控訴するかどうか関係機関と判決文を検討中」としています。

この事件については、このBLOGでも何度か取り上げましたが、国税側がO.K.と言っていたものを急に変えて否認したというケースです。
当たり前の判決だと思いますが、こういう判決を機に、国税側のスタンスを改めて欲しいと思います。
場当たり的な対応ではなく、筋の通った、誰もが理解できるような税制にして欲しいと思います。
結局、こういう裁判関係の費用は税金で支払われていると思いますので。
個人的には、ここ数年流行っている商品でエー・ディー・ワークスさんとは付き合いがあるので、本当に良かったなぁと思います。

中古マンション転売の消費税の課税処分取り消しの判決が出たことについて、どう思われましたか?


キャッシュレス決済に係る決済手数料の消費税課否判断は?

 消費税率引上げと同時に、キャッシュレス・消費者還元事業が本格的にスタートしています。
事業者にあっては、これを機にキャッシュレス決済端末を実質無料で入手し、対応している場合もあることでしょう。

 キャッシュレス決済により商品の販売を行った場合、その販売代金は、お客様が利用した決済方法に係る決済会社に応じ、ある程度の時期にまとめて入金がされます。
その入金の際、ほとんどのケースにおいて決済手数料が差引かれることとなっていますが、この決済手数料に係る消費税について、改めて確認しておきましょう。

まずは、クレジットカード決済に係る決済手数料についてです。
これは、国税庁サイトで公表されている質疑応答事例集になります。
この事例は、加盟店が信販会社に対して商品代金という『金銭債権』を譲渡し、譲渡代金を受取っているケースです。
このような場合の決済手数料は、金銭債権の譲渡ということで、消費税は非課税として取扱われます。
決済手数料に係る消費税が非課税となるものとしては、他に、QUICPayやiDなどが該当します。
ただし、1点気をつけていただきたいのは、加盟店が信販会社と直接契約ではなく、決済代行会社を通しているケースです。
このような場合には、決済代行会社に対して『金銭債権』を譲渡しているわけではないので、決済代行会社に支払う決済手数料に係る消費税は課税として捉えられます。

また、この他に『金銭債権』を譲渡しないケースが存在します。
いわゆる“チャージ”方式のキャッシュレス決済手段を用いた場合の決済手数料です。
こちらも、消費税が“課税”になります。
代表的な決済手段ですと、Suicaなどの交通系電子マネー、LINE Pay、Alipay、WeChat Pay、d払いなどです。

以上をまとめると、以下のとおりです。

決済手数料に係る消費税が
『非課税』となる決済手段

決済手数料に係る消費税が
『課税』となる決済手段

・クレジットカード
・QUICPay
・iD
など(ただし、契約先が決済代行会社の場合には、課税)

・交通系電子マネー(Suicaなど)
・LINE Pay
・Alipay
・WeChat Pay
・d払い
・楽天Edy
・nanaco
・WAON
左の非課税となっている決済手段のうち、契約先が決済代行会社のケース
など

会計処理を行う上では、必ず契約書や入金に関する明細書をご覧いただき、消費税の課否判断を行いましょう。

なんちゃらPayとか、色々な決済手段が増えていますので、取り扱いには注意したいですね。
個人的には、なんちゃらPayも早く淘汰されて、数社に集約されて欲しいですね。
そうしないと、お店も大変だと思います。

キャッシュレス決済に係る決済手数料の消費税課否判断について、どう思われましたか?


マンション取引に関し東京地裁で消費税の注目判決!

 最近の話題の1つに消費税増税がありますが、我々、税の専門家の間で消費税の話題といえば、2018年6月にマスコミ報道のあった株式会社ムゲンエステートや株式会社エー・ディー・ワークスと課税当局との争いが挙げられるでしょう。

マンション販売事業者らが取得した居住用建物に係る消費税仕入税額控除の取扱いを巡っては、課税当局とムゲンエステート、エー・ディー・ワークスが現在東京地裁で係争中です。
争点は、入居者がいる中古賃貸マンションの建物や部屋を購入し、その後転売する取引の税務処理です。
消費税では、仕入れに際して支払った消費税を、売上時に受け取った消費税から控除して納める、いわゆる「仕入れ税額控除」をすることになります。
2019年10月1日からは、消費税率が引き上げられたことから、不動産会社によっては影響も大きく、関係者は裁判の行方を注視しています。
この地裁での争いが2019年6月25日に結審し、判決の言い渡しが10月11日に行われました。
同社並びに同様の問題を抱える同業者には厳しい内容となりました。

同裁判の争点は、中古賃貸マンションを転売目的で購入した場合の消費税還付申告について「すでに建物を仕入れた日には貸付と家賃の収受が前提で、賃借権負担付売買契約締結していた」場合、非課税所得である個人家賃収入と共同して要する課税仕入れとなるとし、全額還付とはならないことの是非を問うものでした。
従来は転売目的が明確であり、賃貸が一時的なものは全額が還付対象とされてきました。
しかしながら、近年同様のケースで、仕入れ税額控除の大部分を否認する更正処分が相次ぎましだ。

根拠となったのが平成24年1月19日付大阪国税不服審判所裁決で、「課税仕入れ等の用途区分(消費税法30条2項)の判定について、課税仕入れ等を行った日の状況により、当該課税仕入れ等の目的及び当該課税仕入れ等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案して行う」とされました。
この裁決により、課税売上割合が95%未満の個別対応方式の場合、仕入れ税額控除が全額認められなくなり還付金額が激減するリスクが顕在化したのです。

一方、さいたま地裁平成25年6月26日付判決では、前記大阪国税不服審判所裁決を前提にしながらも、消費税法30条2項一号イに規定される「課税資産の譲渡等のみに要する課税仕入れ」の解釈について、マンション等の課税仕入れを大方容認するかのごとき「コスト」なる用語を使用されていました。
マンション等販売業社の間ではこの一点を頼みとする流れが発生しました(ただし、課税仕入れと同日に賃貸管理契約を締結しているため原告納税者側がこの裁判では敗訴しています)。
また一部の識者から指摘された、行政側の同様のケースで仕入れ税額控除全面容認を示す「国税庁内部文書」提出命令申し立ては裁判長により却下され、「国側から原告に対する反証も必要なし」との心証を示すなど原告には厳しい局面となっています。
この件はほぼ同内容で追徴税額5.4億円を争うエー・ディー・ワークス社が継続している裁判にも影響を与えると考えられますが、前記識者が関わっている事案だけに注目されています。

消費税の税収は、導入当初平成元年3.3兆円だったものが、令和元年予算では所得税収に匹敵する19.4兆円が予定されている。

2019年10月1日付で消費税率も8%から10%に引き上げられたのと同時に、2023年10月1日以降予定されている適格請求書保存方式(インボイス方式―登録ナンバーを得た事業者の請求書でなければ仕入れ税額控除できない)導入を睨み、経済合理性や効果を無視してでも消費税の課税方式の精緻化が進展しそうな状況です。

このBLOGでも以前書いていますが、国税局が従来の考え方を変えてきている案件ですが、現状では、理論的に考えれば、また、間違ったものがあれば直していくのが当然と考えれば、ムゲンエステートやエー・ディー・ワークスにこれ以上争っても勝ち目はないように思いますね。
ただし、国税局も、考え方を変えるときは、周知すべきなのではないかと思います。

マンション取引に関し東京地裁で消費税の注目判決があったことについて、どう思われましたか?


“イートイン脱税”に対し麻生財務大臣が「必要な対応とる」!

 10月1日に導入された消費税の軽減税率制度について、コンビニエンスストアなどの店内で飲食するにも関わらず、申告せずに85%の税率で購入する行為が行われていることについて、麻生太郎財務大臣は、先日の記者会見で、「業界団体などを通じ実態把握に努めないといけない」としたうえで、「周知、広報を含め、軽減税率制度の円滑な実施・定着にむけて必要な対応を講じたい」と述べました。

軽減税率制度は、酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く制度です。
低所得者対策として、税率10%への引き上げに合わせて導入されました。
レストランなど外食は軽減税率の対象外で、コンビニやスーパーなどで購入した食品も、イートインコーナーで飲食する場合は、外食扱いとなり10%の税率が適用されます。

ただし、店員が全ての客に店内飲食か持ち帰りかを聞く必要はなく、張り紙などで申告を促せばよいことになっています。
そのため、申告せずに8%の税率で購入したにも関わらず、店内飲食する行為が横行しており、インターネット上では“イートイン脱税”などと指摘されています。

これは、導入前から指摘されてきたことだと思います。
コンビニによっては、イートインコーナーに張り紙をしているようです。
代金を支払ったあとに、イートインコーナーで気付くこともあるのではないでしょうか?
このBLOGでも何度か書いていますが、もともと消費税が導入された趣旨が、簡単に計算できるということだったと思いますし、低所得者の保護が軽減税率の趣旨であれば、マイナンバーの普及を絡めたところで他にやり方はあったと思います。
本当に、軽減税率はすぐにでもやめて欲しいと思います。

“イートイン脱税”に対し麻生財務大臣が「必要な対応とる」!と発言したことについて、どう思われましたか?


輸出企業への還付が「大手優遇」との不公平感を指摘!

 輸出時に消費税が企業に払い戻される「輸出免税制度」が、大手輸出企業を優遇しているとして、税法の専門家が国を批判しているようです。
輸出先の海外では消費税を徴収できず、国内の仕入れ時に支払った税額分が「利息」付きで戻されるからです。
10月1日に税率が10%に上がれば、大手輸出企業への利息を含めた還付金額はさらに膨らみ、不公平感は大きくなるでしょう。

企業は仕入れ時に支払った消費税を商品価格に上乗せして消費者に負担してもらいますが、輸出すると消費税を受け取れないため、仕入れ時の消費税は戻ってくるのです。
2017年度の消費税の還付金額は約4兆1千億円で、消費税収の約2割の規模となっています。
財務省は「税額分を返しているだけ」と強調しています。
しかしながら、税務署から払い戻される還付金には、年率1.6%の「利息」に相当する還付加算金が上乗せされるのです。

税理士で元静岡大教授の湖東京至(ことうきょうじ)氏が2017年度の決算を基に大手企業への利息を除いた還付金額を推計したところ、トヨタ自動車は3,506億円、日産自動車は1,509億円、パナソニックは220億円だそうです。
輸出企業だけが対象になるうえ、加算金の高い利率も理由に、湖東氏は「輸出企業を優遇する補助金と言わざるを得ない」と語っています。

日本大学教授で税理士の阿部徳幸氏も、仕入れ先など下請け企業は大手企業の圧力で税額分を上乗せしにくい現状を挙げ「今回の増税で中小零細企業は負担を強いられる一方、大手輸出企業の還付金が増えるのはおかしい。制度自体を見直してほしい」と訴えています。

これに対し、財務省は、輸出免税制度は経済協力開発機構(OECD)のガイドラインに規定されているとした上で、「国際ルールに従っており、制度に問題はない」としています。

<消費税の還付>
企業が税務署に払いすぎた消費税が返金されること。消費税は消費者が負担する仕組みになっており、企業が仕入れ時に取引先に払った消費税は税務署に立て替えた形にすぎず、商品を売って消費者から回収しています。
セールなどで商品価格を下げ、立て替えた消費税のほうが高くなれば差額が還付されます。
特に、海外に商品を売った場合は消費税を受け取れず、立て替えた税額分は払い戻されるため、「輸出免税制度」とも呼ばれます。

制度上問題はないのでしょうが、心理上は疑問符が付きますね。
還付加算金は、現在の金利水準から考えてかなり高めの『金利』になっていますから、金額的な上限を設けるか、還付加算金(延滞税もそうですが)の計算方法の見直しが必要な時期になっているように思いますね。

輸出企業への還付が「大手優遇」との不公平感が指摘されていることについて、どう思われましたか?


大東建託の子会社がオーナーに増税分30億を円未払いか?

 不動産会社が賃貸用の物件をオーナーから借り上げる「サブリース契約」をめぐり、全国の不動産オーナー約3万人への支払いに消費増税分を上乗せしなかったとして、公正取引委員会は、先日、不動産管理会社の大東建託パートナーズ(東京)に消費税転嫁対策特別措置法違反(買いたたき)で勧告を出し、公表しました。
未払い分は推定で約30億円に上り、同法の施行以来、過去最高額だそうです。

発表によると、大東建託パートナーズは、駐車場や事務所用ビルを一括で借り上げて転貸するサブリース契約を個人や法人のオーナーと結び、その物件を利用者に貸し出して得た収入から管理費を差し引いた金額をオーナーに支払っていました。

しかしながら、消費税が5%から8%に上がった2014年4月以降、大東建託パートナーズは自ら受け取る管理費を増税に合わせて値上げする一方、オーナーへの支払額には本来必要な増税分を上乗せしていませんでした。
大東建託パートナーズが利用者から受け取る賃貸料は据え置きだったため、オーナーへの支払いは実質的に減額されたかたちになっていました。
公正取引委員会の調べに対し、大東建託パートナーズは「違反だと気づかなかった」と説明したようです。

サブリース契約をめぐっては、個人のオーナーを中心に「賃料を一方的に減額された」「契約解除をしたくてもできない」といった不動産会社とのトラブルが相次いで表面化しています。
ただし、借地借家法では借り主の不動産会社の権利が保護されるため、貸主側が守られにくくなっています。
このため公正取引委員会の担当者は、「オーナーのほとんどは個人事業者で、サブリース契約では往々にして弱い立場に立たされる。本件事案を契機に業界全体に良い影響を与えられることを期待する」と話しているようです。

また、公正取引委員会は、大東建託パートナーズの親会社である大東建託(東京)についても、自社が使用するために借りた事務所や駐車場の賃料に消費増税分を上乗せしていなかったとして、貸主約140人への上乗せ分約1,200万円を払うよう勧告しました。

大東建託は「公取委の処分を厳粛に受け止め、グループ全体で再発防止に取り組む」とコメントしています。

本当に、「違反だと気づかなかった」のでしょうか?
大東建託は節税をセールストークにしてアパート建設の営業をしていると思いますので、相続税だけではなく、消費税や所得税の知識を持って販売して欲しいですね。
それは、子会社である管理会社も同様だと思います。
あとは、消費税率が10%になる直前での公表は、良いタイミングで公正取引委員会は出してきたなぁと思いますね。
今回の増税は、こういったことがないようにして欲しいですね。

大東建託の子会社がオーナーに増税分30億を円未払いであることについて、どう思われましたか?


アニメ制作会社が3千万円の脱税容疑で告発!

 消費税約3千万円を脱税したとして、東京国税局がアニメ制作会社(東京都杉並区)と実質経営者(68)を消費税法違反の疑いで東京地検に告発したことがわかったようです。

関係者によると、アニメ制作会社は国内の会社からアニメの原画や動画づくりを受注し、中国や韓国の業者に下請けに出していましたが、国外からの仕入れに消費税がかからない仕組みを悪用していました。
下請け先が国内の会社であるように装って、仕入れにかかった消費税額を過大に計上し、その分を支払うべき消費税額から控除することで、2018年6月までの2年間に約3千万円を脱税した疑いがあります。

アニメ制作会社の担当者は、取材に対し、「本人は中国に行っている。会社として特にコメントはない」と話しているようです。

最近、国税局が公表した査察の概要を見ても、消費税の不正還付などに力を入れているようです。
還付でなくても、納付税額が少ないケースは、悪質さでいうと同等かと思います。
ここ数年、消費税については、還付の申告書を出すと、結構すぐに税務署から電話があって、税務調査となったり、消費税の集計表や請求書を追加で求められ、それらが終わらないと、還付になりません。
よほど、消費税の不正還付が多いということだと思います。
税務署は、最近は消費税については特に厳しいということは認識しておいてほしいですね。

アニメ制作会社が3千万円の脱税容疑で告発されたことについて、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(5/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
最終日の今日は、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についてです。

<不正資金の留保状況及び隠匿場所>
脱税によって得た不正資金の多くは、現金や預貯金として留保されていましたが、その他に、有価証券、居宅、暗号資産(仮想通貨)、金地金、ブランド品の取得費用、親族や特殊関係人への援助資金、ギャンブル等の遊興費などに充てられていた事例もみられました。
また、不正資金の一部が、海外の預金口座で留保されていたほか、海外における投資、コンドミニアムの取得費用、遊興費(カジノ)などに充てられていた事例もありました。
脱税によって得た不正資金の隠匿場所は様々でしたが、
○居宅階段下の収納庫に存在した金庫及びバッグ並びに脱衣所内の金庫の中(法人税法違反)
○居宅応接間の金庫及び居室内の衣装ケースの中(所得税法及び法人税法違反)
○居宅寝室のベッドの下(法人税法違反)
に現金を隠していた事例などがありました。

<査察事件の一審判決の状況>
平成30年度中に一審判決が言い渡された件数は122件であり、全てに有罪判決が出され、そのうち実刑判決が7人に出されました。
なお、実刑判決のうち最も重いものは、査察事件単独に係るものが懲役4年6月、他の犯罪と併合されたものが懲役7年でした。

<トピック11>悪質な脱税者に実刑判決
平成30年度においても、特に悪質な脱税者に対しては実刑判決が出されています。
【事例1】
L社は、美容関連製品の輸出販売を行うものですが、架空の国内仕入(課税取引)及び架空の輸出売上(免税取引)を計上する方法により、不正に多額の消費税の還付を受けていました。
同社の代表者Mは、消費税法及び地方税法違反の罪で、懲役4年6月の実刑判決を受けました。
【事例2】
N社は、繁華街に所在する多数のビルを管理し飲食店等のテナント賃貸を行うものですが、賃料収入の一部を除外するなどの方法により所得を隠し、多額の法人税を免れていました。
同社の代表者Oは、法人税法違反の罪で、懲役4年の実刑判決を受けました。
【事例3】
Pは、Qと共謀の上、暴力団に対して上納された資金からの収入を申告から除外し、多額の所得税を免れていました。
PとQは、所得税法違反の罪で、それぞれ懲役3年と懲役2年6月の実刑判決を受けました。

不正資金の留保状況及び隠匿場所と査察事件の一審判決の状況について、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(3/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
3日目の今日は、『国際事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(3)国際事案
海外取引を利用した悪質・巧妙な事案や海外に不正資金を隠すなどの国際事案に積極的に取り組み、平成30年度は20件を告発しました。
国際事案では、租税条約等に基づく外国税務当局との情報交換制度を活用しました。

<トピック6>外国法人を利用した法人税・源泉所得税事案を告発
海外取引を利用した不正は、執行管轄権等の制約のため調査は困難を伴いますが、外国との間で締結した租税条約等に基づく情報交換制度を活用するなどして、海外取引を利用した不正を解明し、法人税及び源泉所得税事案を告発しました。
【事例】
F社は、香港法人の代表者に虚偽のインボイスを発行させ架空仕入を計上する方法により法人税を免れたほか、同不正により得た資金からF社の役員に対する簿外の役員報酬を国外で支給し、同報酬に係る源泉所得税を一切徴収せずに納付していませんでした。

<トピック7>中古自動車の輸出販売を装った消費税受還付の長期事案を告発
中古自動車の販売事業者による輸出販売を装った不正取引の解明に3年余りを要しましたが、検察当局の協力の下、当該不正取引を解明し、消費税の不正受還付事案を告発しました。
【事例】
G社は、中古自動車の仕入れに係る領収証及び虚偽の輸出許可通知書を作成し、架空の国内仕入(課税取引)及び架空の輸出売上(免税取引)を計上する方法により、内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けていたほか、受けようとしました(一部未遂)。

国際事案について、どう思われましたか?


平成30年度査察の概要(1/5)

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
初日の今日は、『消費税受還付事案』についてです。

平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(1)消費税受還付事案
消費税の輸出免税制度などを利用した消費税受還付事案は、いわば国庫金の詐取ともいえる悪質性の高い事案です。
平成30年度は16件と過去5年間で最も多くの告発を行いました。

<トピック1>免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した不正受還付事案を告発
近年の訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加や免税店(輸出物品販売場)の増加を背景に、免税店における輸出免税制度を悪用して不正に消費税の還付を受けようとした者を告発しました。
【事例】
A社は、高額な腕時計の仕入れを装い架空仕入(課税取引)を計上するとともに、その商品を輸出物品販売場の許可を受けた免税店で外国人旅行者に販売したように装い架空売上(免税取引)を計上する方法により、多額の消費税還付金額を記載した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けようとしました。

<トピック2>太陽光発電施設の取得を装った不正受還付事案を告発
太陽光発電施設を運営し、発電した電気を再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づき販売していた事業者による消費税の不正受還付事案を告発しました。
【事例】
B社は、太陽光発電施設を実際には取得していないにもかかわらず、これを取得したように装い架空仕入(課税取引)を計上する方法により、消費税の控除対象仕入税額を過大に計上した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けていました。

<トピック3>過去最多・最高額の消費税不正受還付の「未遂犯」を告発
平成23年に創設された消費税不正受還付の未遂犯は、平成26年度に初めて告発し、平成30年度においては、過去から最も多い8件、不正還付(未遂)総額15億円余りを告発しました。
【事例】
C社は、取引事実がないにもかかわらず、高級腕時計を代表者から仕入れたとする虚偽の納品書を作成し架空仕入(課税取引)を計上するとともに、香港でのオークション販売を装い架空輸出売上(免税取引)を計上する方法により、多額の消費税還付金額を記載した内容虚偽の消費税の確定申告を行い、不正に消費税の還付を受けようとしました。
(参考)消費税の不正受還付に係る未遂処罰規定は、悪質性の高い消費税の不正受還付事案に厳正に対処するため、平成23年に創設されました。

消費税受還付事案について、どう思われましたか?


軽減税率で高所得層で2,880億円の恩恵と財務省が試算!

 財務省は、先日、201910月の消費税率引き上げ時に導入する軽減税率制度について、所得階層別の軽減度合いに関する試算をまとめました。
衆議院の財務金融委員会に提出しました。

2018年の家計調査をもとに階層別の消費支出額とシェアを計算しています。
そのうえで、軽減税率制度による減収額1.1兆円を各所得階層のシェアで割り、それぞれの階層ごとの減収額を算出しています。

最も所得が低い層(年収238万円未満)では計1,430億円が軽減されるのに対して、最も所得が高い層(年収738万円以上)では計2,880億円でした。
中位層(同355万円以上500万円未満)は計2,190億円が軽減される計算となりました。

試算を要求していた立憲民主党の川内博史衆院議員は「低所得層への恩恵が少ない」と批判しています。
これに対し、麻生太郎財務相は高所得層の方が消費額が多く、世帯当たりの人数も低所得層の3倍弱いるとしています。

国の出すデータも正しいのかどうか分かりませんが、元々、消費税の軽減税率は低所得層の方向けのものだったと思います。
日刊紙が消費税の軽減税率の対象になっているのがよく分かりませんが(マスコミ関係を味方につけるため?)、本当に、軽減税率って必要なのかと思いますね。
早く軽減税率をやめて、期限付きの商品券を与えるなどしてほしいですね。

軽減税率で高所得層で2,880億円の恩恵と財務省が試算していることについて、どう思われましたか?


中古マンションの消費税を巡る不動産業者vs国税局の争い!

 入居者がいるマンションを売買したときの税務申告をめぐり、不動産業者と国税当局が裁判で争っているようです。
売買の際にかかる消費税と、入居者からの家賃収入の関係について見解の相違が生じている形です。
消費税率引き上げも予定されるなか、不動産会社によっては影響も大きく、関係者は裁判の行方を注視しているようです。

争点となっているのは、入居者がいる中古賃貸マンションの建物や部屋を購入し、その後に転売する取引の税務申告です。
消費税は、仕入れ時に支払った税額を売上時に受け取った税額から控除して納めます(仕入税額控除)。
たとえば、不動産会社が建物を2億1,600万円(消費税額1,600万円)で購入し、3億2,400万円(同2,400万円)で転売したとすると、納税額は800万円となります。

「ムゲンエステート」(東京)と「エー・ディー・ワークス」(同)はこの考え方で税務申告しましたが、東京国税局は、両社が購入から転売までの間に入居者から家賃を得ていたことを問題視し、家賃には消費税がかからないため、「課税対象の仕入れ(建物の購入費)から、非課税の売り上げ(家賃収入)が生じている」として、控除を一部しか認めず、両社は申告漏れを指摘されました。
エー・ディー・ワークスによると、控除は3割程度しか認められなかったようです。

過少申告加算税などを含めた追徴課税(更正処分)は、ムゲンエステートが2015年12月期までの3年間で約6億3,900万円、エー・ディー・ワークスが2017年3月期までの3年間で約5億3,700万円で、両社とも不服申し立てをしました。

両社は課税取り消しを求めて東京地裁で国税局と係争中で、エー・ディー・ワークスは「仕入れの目的は建物の転売であって、家賃収入は副次的なものにすぎない」などと主張しています。
さらに国税庁が約20年前に作成した内部文書があり、同様の取引で仕入れ税額控除を全額認める解釈が記されているとして、この文書を証拠として提出する見込み。ムゲンエステートもこの文書の提出命令を国に出すよう裁判所に申し立てており、2018年12月の口頭弁論で裁判長は「もし文書が存在するなら、業者側の主張が独自の見解だとは言えなくなる」と述べ、任意提出するか、申し立てに反論するかを国に求めたそうです。

家賃収入が見込めるワンルームマンションなどの中古不動産は、投資先として富裕層を中心に人気があり、リノベーション(改修)などで資産価値を上げてから転売されるのが一般的で、入居者が多い物件のほうが高値がつくようです。

エー・ディー・ワークスの幹部は取材に対し、「20年以上、同じ考え方で申告していて、税務調査で問題にされたことはなかった。追徴課税に戸惑っている」と話しているようです。
国税局の指摘に従うと、消費税の負担は年2億円程度増え、税率が10%に引き上げられるとさらに大きくなる見込みだそうです。
エー・ディー・ワークスの経常利益は年約9億~16億円程度で、この幹部は「不動産を再生し、投資先として提供する社会的意義の高いビジネス。このモデルを見直すことになりかねない」と心配しています。
裁判を担当する弁護士によると、他に10社ほどから同様の課税をめぐって相談があるようです。

なお、仕入税額控除の仕組みは、消費税の申告納税義務がある事業者が対象で、一般の人には適用されません。

平成12年に国税庁消費税課が出している消費税審理事例検索システムに載っていた文章(『譲渡用住宅を一時期賃貸用に供する場合の仕入税額控除』)を見ると、ムゲンエステートやエー・ディー・ワークスの処理で問題ないと思いますが、なぜ解釈を変えたのでしょうか?
その辺を明確にしてほしいですね。

中古マンションの消費税を巡る不動産業者vs国税局の争いについて、どう思われましたか?


消費増税で政府がカード手数料の引き下げを要請?

 政府が平成3110月の消費税率引き上げにあわせ消費者にポイントを還元する景気対策で、クレジットカード会社に対し、小売りなどの加盟店から受け取る手数料を引き下げるよう要請する方向で調整に入ったことが、先日、分かったようです。
ポイント還元は、クレジットカードなど現金を使わないキャッシュレス決済をした買い物客が対象です。
政府は店側の負担を軽減してクレジットカードの導入を後押しし、消費者が幅広くポイント還元を受けられるようにします。

クレジットカードを導入した店は、カードの読み取り端末を設置し、売上高に応じた手数料をカード会社に支払っており、手数料は数%で店により異なります。

しかしながら、手数料は「倒産などのリスクに備えるため、小規模な店ほど高くなる」(大手カード会社幹部)傾向にあるそうです。
このため中小の店では手数料の重い負担を嫌って、クレジットカードの導入に二の足を踏むケースも多かったようです。

カード払いができる店が少なければポイント還元による景気対策の効果も薄れるため、政府は手数料引き下げを促し、クレジットカードの導入拡大を図ります。
カード会社に要請する引き下げ幅などは今後詰めるようです。

政府が検討する景気対策では、中小の小売店で消費者がクレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済で商品を購入したときに、増税分の2%をポイントで還元します。

レストランでの食事などサービス業でのポイント還元も検討するそうです。
期間は数か月から1年程度を想定しており、ポイントを発行するカード会社などを通じて還元し、費用は国が補助します。

経済産業省によると、平成27年のキャッシュレス決済の比率は18%です。
政府は景気対策を生かして、この比率を引き上げたい考えのようです。

クレジットカード会社は、当然貸倒リスクを考慮して手数料率を決めていると思いますが、この設定に政府が口を出すのはどうかなぁと思います。
こういうことをするのであれば、軽減税率をやめて、マイナンバーを利用して所得を把握し、一定以下の所得の方に、期限付きで商品券、キャッシュレス決済の比率を高めたいのであればプリペイドカードなどで還元すれば良いのではないかと思います。
もちろん、転売などを防ぐ方法は考えないといけないとは思いますが、そうすれば、景気拡大にもつながると思いますし、キャッシュレス決済の比率が高まると思いますし、キャッシュレス決済に対応しようとするお店も増えるのではないかと思います。

消費増税で政府がカード手数料の引き下げを要請したことについて、どう思われましたか?


「軽減税率」導入の波紋を受け外食・小売りが苦悩!

 「週刊東洋経済」によると、6月中旬、ある大手外食チェーン本社の会議室に十数人の幹部が集まったようです。
 「レジの改修にいくらかかるのか」「現場のオペレーションをどのように変えたらいいのか」など、議題となっていたのは、201910月に導入される軽減税率制度の影響についてです。
 2019年秋に控える消費増税により、税率が8%から10%に引き上げられますが、それと同時に導入されるのが軽減税率です。
 20186月に閣議決定された「骨太の方針」にも明記された同制度は、生活必需品の消費税率を低く抑える低所得者対策という位置づけです。
 今回は生活必需品とされた飲食料品の税率を8%に据え置く反面、外食や酒類は10%に引き上げられます。
 軽減税率の実施まで1年余りとなり、いよいよ準備に動きだした外食・小売り各社ですが、聞こえてくるのは不安の声ばかりです。
 「食事のシーンによって分ける税制というのは無理があります。
 お客様対応の負担も増え、生産性は明らかに落ちる」と、外食の業界団体である日本フードサービス協会の髙岡慎一郎会長はそう不満を漏らしています。
 外食企業にとって問題なのは、店内飲食であれば税率10%、持ち帰りであれば8%というように、同じ商品に2つの税率が存在する点です。
 今回の税制改正では、外食に該当しない持ち帰りや宅配、出前などは軽減税率が適用されることになっています。
 ある牛丼チェーン関係者は、「軽減税率で(割安となる)持ち帰り販売の比率が高まれば、包材などの関連コスト増が想定される」と語っています。
 具体的な試算はこれからだそうですが、年間数千万〜数億円のコスト増になるおそれがあるようです。
 接客時の混乱を懸念する声も多いようです。
 別の外食チェーン幹部は「フードコートで(税率の低い)持ち帰り注文をした客が、テーブルに座って飲食することがありうる」と話しています。
 接客時に店内飲食か持ち帰りかを確認する必要が生じ、接客の手間が増えます。
 「クレームの原因にもなりそうだ。面倒な接客を嫌って、これまで以上に人手を集めることが難しくなる」(同)とも話しています。
 人手不足対策や現場の負担軽減の観点から導入が進む券売機についても、問題が指摘されています。
 現在、外食チェーンなどで使われる券売機は10円単位のものが主流で、1円玉や5円玉に対応できていないものが多くなっています。
 ただし、同じ本体価格で税率8%と10%に対応する場合、ほぼ確実に1円単位の金額が発生します。
 そのため、業界内からは「本体価格を持ち帰りと店内飲食で別々に設定して、税込み価格を統一する選択肢もある」(前出の牛丼チェーン関係者)という声も聞こえてくるようです。
 仮に持ち帰りの本体価格を306円、店内飲食を300円とした場合、税込み価格はいずれも330円となり、10円単位の券売機でも対応が可能というわけです。
 こうした価格設定は国税庁も容認しているようです。
 税制に詳しい東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は「価格設定は本来店の自由であるべき」と前置きしたうえで、「税込み価格を同じにしても、不正は生じうる」と指摘しています。
 軽減税率を導入しているドイツでは、税率の低い持ち帰りの割合を店側が実際より過大に申告することで、納税額を抑える問題が発生しているようです。
 懸念を示すのは外食企業だけではありません。
 スーパーなどの小売り事業者は8%と10%の商品を分別できるよう受発注システムやレジの改修を進める必要があります。
 中でも不安視されるのが、イートインコーナーの扱いです。
 近年、スーパー各社は購入した弁当などを店内の客席で食べられる、イートインコーナー併設店の充実に力を入れています。
 イートインコーナーでの飲食については、今回の税制改正では外食と見なされ、10%の標準税率が適用されることになっています。
 ただし、国税庁によると、「イートインコーナーをご利用する場合、お申し出ください」などの掲示で済ませればよいということだそうです。
 「適用税率の判定時期は商品を売ったとき。客が申し出ない時点で軽減税率と判定されるので、気が変わって店内で食べても、税率は変わらない」(国税庁の担当者)とのことです。
 つまり、商品購入時に「イートインコーナーを利用する」と利用者自らが申し出ないかぎり、税率は8%のままとなるのです。
 小売り事業者で構成される日本チェーンストア協会の小濵裕正会長は、「申告によって不公平感が出るおそれがある。そもそもイートインコーナーは交流の場を提供する社会貢献の意味合いもある」と憤りを隠しません。
 現場の作業負担軽減を目的としたセルフレジの導入も増える中、「店内飲食するかを確認するため、対応するシステムを入れる必要が出てくると、大きなコスト増になりかねない」(スーパー関係者)ようです。
 ある外食企業首脳は「1,000円以上の高級弁当が税率8%で、300円台の牛丼は店内飲食だと10%。どこが低所得者対策なのか」と首をかしげているようです。
 いずれにせよ、外食・小売り各社に残された準備時間はそう多くはありません。
 個人的には、軽減税率には大反対です。
 そもそも、消費税は、計算を簡単に行うために一律の税率を用いるもののはずです。
 低所得者対策を行いたのであれば、色々な方のコストや手間の増すものではなく、マイナンバーの普及も兼ねて、所得を把握し、一定の所得以下の方に、期間限定でスーパーなどで使える金券を渡す方がいいのではないかと思っています。
 あとは、税理士という仕事をしていますが、消費税の申告のために、会社も個人事業主も手間やコストが増え、税理士も手間がかかりますが、おそらく申告の報酬は上がらないでしょう。
 また、税込み金額を同じにするのが主流になると、本来は10%のものなのに税率の低い8%の方で申告して脱税するような人がたくさん出てくるでしょうね。
 本当に、軽減税率は廃止にして欲しいですね。
 「軽減税率」導入の波紋を受け外食・小売りが苦悩していることについて、どう思われましたか?

「輸出免税」悪用して消費税1億4千万円を脱税!

 輸出する商品に消費税がかからない「輸出免税制度」を悪用して約14千万円を脱税したとして、大阪国税局が消費税法違反などの罪で、兵庫県尼崎市の輸出業者の社長(51)と法人を神戸地検に告発していたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
 すでに修正申告済みで、重加算税を含む追徴税額は約17千万円に上るとみられます。
 関係者によると、平成25年3月~平成282月に、自動車の中古バッテリーなどの国内売上分を帳簿上、輸出取引で売り上げたかのように装うなどして虚偽の確定申告書を提出しました。
 還付を受けた消費税を含め、計約14千万円を脱税したとされます。
 この会社は平成21年ごろから非鉄金属相場の下落により経営が悪化し、不正に得た金を事業資金に充てていたとみられ、現在は休業しているようです。
 消費税を悪用するケースは多いですね。
 以前、消費税の不正還付が多発したこともあり、最近は、消費税の還付申告をすると、すぐに税務署から電話がかかってきて、調査に行きますとか書類を提出してくださいと言われ、それが終わらないと還付してくれないようになってきていると思います。
 きちんと申告されている企業などからすると、いい迷惑ですね。
 軽減税率がどうこうと考えるより、インボイスのことを含め、そもそもの消費税の仕組みを根本的に考え直さないといけない時期になってきているのではないかと思います。
 輸出業者が「輸出免税」悪用して消費税14千万円を脱税していたことについて、どう思われましたか?

株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版による消費税転嫁対策特別措置法違反!

 中小企業庁が、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版が支払う委託料等(原稿料、著作権使用料(印税)、広告販売手数料、講師料)に関して調査を行った結果、消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為が認められたようです。
 当該調査結果を受け、先日、中小企業庁長官は、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版による違反行為に関して、同法第5条の規定に基づき、公正取引委員会に対して、適当な措置をとるよう請求しました。
<違反事実の概要>
(1) 株式会社マイナビ(以下「マイナビ」という。)は、就職・転職等の情報を提供する「マイナビ」と称するポータルサイト(以下「情報ポータルサイト」という。)を運営している。
 また、株式会社マイナビ出版(以下「マイナビ出版」という。)は、マイナビの出版部門を平成27101日に分社化して設立したものであり、マイナビから出版事業を承継し、雑誌・書籍等を発行している。
(2) マイナビ及びマイナビ出版は、自らが発行する雑誌・書籍の編集にあたり必要な原稿・イラスト作成等の業務(以下「原稿等作成業務」という。)や、当該雑誌等に掲載する広告の営業業務である広告販売促進業務について、個人事業者を中心に継続して委託している。そのほか、マイナビは、各部門が運営する情報ポータルサイトに関する原稿等作成業務や、自らが運営する就職イベント等の講師業務について、個人事業者を中心に継続して委託している。(両社の委託先を以下「本件委託先」という。)
(3) 上記(2)で記載した業務の委託料は、原稿等作成業務については業務内容ごとの「原稿単価」を消費税を含まない額(外税単価)又は消費税を含む額(内税単価)で定め、業務実績を乗じて算出した額を委託料(原稿料)として本件委託先に支払っている。
 また、著作権使用料が発生する場合は、著作権を有する事業者(以下「本件著作権者」という。)との間で出版契約書を締結し、「著作物ごとの利用単価」を消費税を含む額(内税単価)で定め、一定期間の実売部数を乗じて算出した額を著作権使用料として本件著作権者に支払っている。
 さらに、広告販売促進業務については「月額報酬単価等」を、講師業務については一回当たりの「講師単価」を、それぞれ消費税を含む額(内税単価)で定め、業務実績を乗じて算出した額を委託料(広告販売手数料、講師料)として本件委託先に支払っている。
 なお、講師業務はマイナビのみであり、講師料もマイナビのみ支払っている。
(4) マイナビ及びマイナビ出版は上記(3)で記載した消費税を含む額(内税単価)で定めた原稿単価等について平成2641日以後も消費税率引上げ分を上乗せせず、同年3月分までの原稿単価等と同額に定め、本件委託先及び本件著作権者に対し、上記(3)の方法で算出した額を当該業務の委託料及び著作権使用料として、マイナビは平成283月分まで、マイナビ出版は平成2912月分まで、支払っていた。
(5) 両社における当該行為は、消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為であり、多数の本件委託先及び本件著作権者(マイナビ約960名、マイナビ出版約190)に対して当該行為が行われていた。
(6) なお、マイナビは平成264月1日以後に消費税率引上げ分を上乗せせず支払った上記(4)の委託料(原稿料、広告販売手数料、講師料)及び著作権使用料について、平成30228日までに、消費税率引上げ分に相当する額を上乗せした額に定め、平成264月1日に遡って当該引上げ分相当額を本件委託先及び本件著作権者に対して支払った。
 また、マイナビ出版は、平成279月以前の前身会社であるマイナビから継続して消費税率引上げ分を上乗せせず支払った上記(4)の委託料(原稿料、広告販売手数料)及び著作権使用料について、平成30329日までに、消費税率引上げ分に相当する額を上乗せした額に定め、平成27101日に遡って当該引上げ分相当額を本件委託先及び本件著作権者に対して支払った。
 最近、消費税転嫁対策特別措置法違反の話を目にしていなかったのですが、毎年、数件はあるみたいですね。
 ・平成26年 1113
 ・平成27年 1518
 ・平成28年 45
 ・平成29年 55
 ・平成30年 44社(6月末まで)
 我がうどん県高松市でも、平成2710月に㈱穴吹ハウジングサービスが勧告を受けていますね。
 株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版による消費税転嫁対策特別措置法違反について、どう思われましたか?
カテゴリー
BLOG

BLOG(地方税)

神戸市へ有識者がタワマン適正管理へ「空室税」の検討を提案!

日本経済新聞によると、神戸市は、タワーマンションの空室所有者に新税を課す検討を始めるようです。

神戸市の有識者会議が、先日、空室が増えると適切な修繕がなされない恐れがあるとして、自治体が独自に課税する法定外税の創設を提案しました。

久元喜造市長は「事業者や市民の議論も注視し、検討を進めたい」と述べました。

有識者会議は神戸市長に提出した報告書で、タワマンに空室が増えると修繕や解体の際の合意形成が困難になり、修繕積立金の引き上げもできない恐れがあると指摘しました。

貴重な住宅ストックが活用されない可能性にも触れ、まずは都心のタワマンに限定して法定外税で負担を求めるのが適当としました。

税収の使途には、マンション管理の専門家派遣や防災・防犯の整備費用などを挙げました。

適正に管理されるマンションを増やすため、管理状況の届け出の義務化も提案しました。

神戸市は2021年に管理組合に届け出を任意で求める制度を設けましたが、実際の届け出は全体の2割にとどまっています。

災害対策として非常用電源や備蓄に対する補助金の創設を求めたほか、将来的な課題として、大規模マンションを新設する建築主への法定外税の創設やマンション建設の規制内容の見直しを検討するよう明記しました。

新税の導入には、神戸市議会での条例制定や国からの同意が必要となります。

神戸市は2020年にタワマンの林立を防ぐ条例を施行しました。

JR三ノ宮駅周辺で住宅の新築を禁じ、周辺の都心エリアでは1,000平方メートル以上の敷地の住宅容積率の上限を400%に制限しました。

郊外の駅周辺を再整備して、住宅地としての魅力向上に力を入れています。

久元市町はかねて「資産価値の劣化が起きればタワマンの中で空き家が増えて廃虚化する可能性が極めて高いのではないか」と指摘しています。

神戸市は人口が減少しており、タワマン建設抑制策で人口減がさらに進むとの見方もあります。

久元市町は「目の前の人口増をめざすのではなく、長い目でみて持続可能な都市として発展していきたい」と述べました。

タワーマンションは、相続税対策や投資目的で買っている人が多く人が住んでいない(ゴースト化している)とか外国人が買いあさっているとかいう話しを聞きますが、この提案は、それらを考えると、良い提案のように思いますね。

個人的には、神戸市はスゴく好きな場所なので、人口が減少しているのはとても残念ですが、我が関西学院大学の『王子キャンパス』や『空室税』で良い方向に向かうといいですね。

神戸市へ有識者がタワマン適正管理へ「空室税」の検討を提案したことについて、あなたはどう思われましたか?


修正申告を放置して確定申告情報の未処理が197件の町役場職員を懲戒処分!

京都新聞によると、滋賀県愛荘町は、先日、確定申告情報の必要な事務処理を怠ったとして、税務課だった40代男性職員を減給10分の1(1か月)の懲戒処分にしたと発表しました。

管理監督が不十分だったとして税務課で上司だった50代男性職員を、戒告としました。

愛荘町によると、40代職員は2022年度の個人町県民税で確定申告期間以外に行われた修正申告などの情報を放置し、入力事務を怠ったようです。

未処理は増額と減額で計197件に上り、課税遅れの影響が出ました。

愛荘町は「法令順守を徹底し、再発防止と信頼回復に取り組む」としています。

業務の進捗状況などを把握していないんですね。

それにしても、減給10分の1(1か月)の懲戒処分って軽すぎるように思いますね。

仕事をしていないわけですから。

人手不足で忙しすぎるのかもしれませんが、それならそれで上司に相談すれば良いのになぁと思いました。

どうやって、法令遵守をしていくのか、具体的に知りたいですね。

修正申告を放置して確定申告情報の未処理が197件の町役場職員を懲戒処分としたことについて、あなたはどう思われましたか?


市道として売却したのに市が所有権移転せず男性に45年課税し訴え無視し差し押さえも!

読売新聞によると、約45年前、当時の愛媛県川之江市(現愛媛県四国中央市)の道路拡幅工事で、市道に取り込まれた民有地の一部の手続きに不備があり、四国中央市の男性(74)に固定資産税が課せられ続けていることが分かったようです。

2024年6月、男性の自宅倉庫から当時の関係書類が見つかり、市は固定資産税の非課税範囲を示した地方税法に抵触している恐れもあるとみて、調査を始めました。

問題が発覚したのは、市道東金川1号線(総延長991メートル)のうち、東金川橋付近から南へ延びる約160メートルの部分です。

男性によると、男性の父親が1979年11月、山林の一部だった15.57平方メートルについて、当時の石津栄一川之江市長と土地売買契約を交わしました。

道路の山側部分の工事は、のり面をコンクリート擁壁にすることになり、工事完了後に市が用地面積を測量して価格を算出し、売買契約を確定させる約束だったそうです。

工事は1982年度に完了しました。

しかし、川之江市は土地所有権移転手続きを行わず、「今は予算がないので次年度で実施する」と用地測量や移転登記を延期していました。

男性は1987年12月、父親の死去に伴い土地所有者となりました。

川之江市建設課や税務課に「市道となった部分はもう民有地ではないから、工事前の面積で課税し続けるのはおかしい」と訴えました。

ところが、歴代の担当者は「今は測量調査の予算がない。来年度行う」「旧市時代の話で資料は残っておらず、工事が本当に行われたかどうかも疑問」と繰り返し、測量や課税額の修正に応じなかったそうです。

男性は2005年頃から固定資産税の支払いを拒否しました。

愛媛県内20市町でつくる「愛媛地方税滞納整理機構」からの納税催告にも応じなかったため、2008年10月には自家用車と電子オルガンを差し押さえられました。

2024年4月には納税催告書が届き、2019年度から5年間分として、延滞金を含めて計135万800円を請求すると記されていました。

男性が支払いを拒むと、2024年5月に普通預金口座の現金32円が差し押さえられました。

そんな中、男性が2024年6月に自宅倉庫を整理していたところ、当時の工事図面や工事請負契約書などが見つかったのです。

関係書類を見た四国中央市建設部の石田暁裕部長らは「男性の言い分は事実だった」と初めて認めました。

男性は「そもそも現地調査と公図との照合で簡単に判明すること。固定資産税額を修正したくないから、資料がないことを理由に動かなかったとしか思えない」と憤っているようです。

読売新聞の取材に対し、石田部長は「市道として取り込んだ民有地に課税するなど、本来あり得ない。男性には長年にわたり、大変なご迷惑と心労をおかけした」と謝罪しました。

「早急に測量を実施し、固定資産税額の修正を検討する。同時に、過去の担当者や市職員OBから放置した経緯を聞き取り、再発防止に努める」としています。

本当にひどい話しですね。

精神的苦痛・手間・時間・資金など、かなりの負担があったと思いますので、ご本人にきちんと賠償などするのは当たり前だと思いますが、過去の担当者(退職者も含む。)もきっちりと処分して欲しいですね。

市道として売却したのに市が所有権移転せず男性に45年課税し訴え無視し差し押さえもしていたことについて、あなたはどう思われましたか?


2024年度から1人年額1,000円を徴収する森林環境税がスタート!

日税ジャーナルによると、2024年度から1人年額1,000円が徴収される「森林環境税」がスタートしました。

森林環境税は、2018年5月に成立した森林経営管理法を踏まえ、パリ協定の枠組みの下における日本の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、2019年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」と「森林環境譲与税」が創設されたのです。

森林環境税は、2024年度から、個人住民税均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市町村が賦課徴収するものです。

森林環境税は、国を通じて森林環境譲与税として全国すべての市町村と都道府県に配分され、森林整備やその促進のための取組みに活用されます。

なお、森林環境譲与税は、市町村による森林整備の財源として、2019年度から先行する形で国庫から交付金として配分が始まっており、市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数および人口による客観的な基準で按分して譲与されています。

森林環境譲与税の使途としては、市町村においては間伐などの「森林の整備に関する施策」と人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発などの「森林の整備の促進に関する施策」に充てられ、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされています。

なお、障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下の人や生活保護法による生活扶助を受けている人など、非課税基準に該当する人は森林環境税が非課税となります。

よく分からない税金が取られますね。

きちんと説明をして、趣旨などが浸透してから徴収するようにして欲しいですね。

あと、使途が決まっているわけですから、何に使ったかをきちんと説明しないと住民の納得を得られないでしょうね。

2024年度から1人年額1,000円を徴収する森林環境税がスタートしたことについて、あなたはどう思われましたか?


保育料・国保・ふるさと納税のために「今すぐ住民税額を知りたい」を可能にするサービスが便利!

INTERNET Watchによると、3歳未満の保育料、国民健康保険など、住民税によって支払額が決まるものは多数あります。

サラリーマンは6月の給与明細と一緒に受け取る「住民税の決定通知書」、個人事業主は5月末ごろに郵送される「住民税 課税明細書」に詳細が記載されていますが、SNSを見ると「保育料がいくらになるか、住民税を早く知りたい」「ふるさと納税の結果を確認したい」など、住民税の明細を早く知りたい人がいるようです。

これから紹介する、各自治体が提供している「住民税額シミュレーション」を利用すれば、ご自身の源泉徴収票や確定申告書の内容をもとに、すぐに住民税を試算することができるのです。

長野県塩尻市の「住民税や所得が影響する制度等の一覧」というサイトを見ると、国民健康保険、医療費の自己負担限度額、保育料、市営住宅等の入居、結婚新生活支援事業など、自治体窓口のものが55項目、長野県・国関係のものを含めると70項目ほど住民税や所得が影響する制度が掲載されています。

中には介護用品券の支給、高齢者世帯タクシー利用料金助成事業など自治体独自のものと思われる項目もあり、自治体により差はあるが、住民税の影響を受ける制度は多数あるようです。

試しに同じ年収で、この記事の筆者が住民票を置く名古屋市、オフィスのある川崎市に札幌市を加えて、住民税と保育料を比較してみたようです。

まずは住民税ですが、条件は年収500万円、社会保険料60万円、配偶者控除、3歳未満1人、新生命保険10万円。

住民税は多くの自治体で大きな差はないですが、標準税率の札幌市、県民税が高い川崎市、市民税が安い名古屋市の比較なので、課税所得は同じ217万2,000円ですが、市民税・県民税に若干の差があるようです。

3歳未満の保育料は3都市とも市民税の所得割で決まります。

札幌市・川崎市の市民税所得割17万1,700円、名古屋市の市民税所得割16万5,200円の保育標準時間の保育料は以下のとおりです(※令和6年の保育料が公表前なので、住民税、保育料とも令和5年で計算)。
札幌市 :45,870円
川崎市 :41,200円
名古屋市:34,900円

この事例では名古屋市と札幌市で1万円以上の差となっています。

住民税の年額の差に比べ、月額1万円の差は大きいでしょう。

ただし、保育料の体系が札幌市は10段階、川崎市は25段階、名古屋市は16段階となっていて、課税所得によって順位は異なります。

住民税の計算はそこそこ面倒くさいです。

上記の住民税の計算は、3都市が公開している住民税額シミュレーションサイトを利用したのでサクッと算出することができたようです。

この記事の筆者が確認できた住民税額シミュレーションサイトは190の自治体が公開しているようです。

昨年調べたときは180自治体だったので、1年で10自治体増えています。

全国の自治体は、総務省のサイトによると1,718で、特別区(=東京23区)を加えると1,

741となります。

今回、数百の自治体のサイトを力技で調べ、この記事の筆者が確認できた住民税額シミュレーションを導入済みの自治体は190で、導入率は1,741分の190=10.9%となりました。

ぶっちゃけ自分の住む自治体に「住民税額シミュレーション」がない人の方が多いです。

特に青森県、秋田県、山梨県、徳島県、愛媛県、高知県、宮崎県、鹿児島県の8県は、県内に導入自治体が1つもありませんので、どうしますか?

実は、住民税の地域差はそれほど多くはないです。

一部を除き、都道府県内はどの市町村でも住民税は同じです。

例えば北海道で住民税額シミュレーションを導入しているのは札幌市のみですが、道内で住民税を納めている人は函館市でも夕張市でも美瑛町でも住民税に差はありません。

札幌市以外の道内178自治体に住む人は札幌市のシミュレーションサイトを利用させていただきましょう。

さらに言うと、全国47都道府県のうち、北海道、青森県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、福井県、徳島県、香川県、沖縄県の10道府県は独自の増税を行っていないので、この10道府県にお住まいの人は札幌市でも千葉市でも東京都千代田区でも那覇市でも税額試算の結果は同じとなります。

県内に導入自治体のない青森県と徳島県の人は、税額が同じ10道府県に含まれるので、その中の導入自治体のサイトを利用させていただきましょう。

秋田県は「秋田県水と緑の森づくり税」として800円を県独自に増税しています。

秋田県と同額の県民税に800円の増税をしているのは滋賀県と兵庫県です。

秋田県の人は滋賀県、兵庫県のサイトで住民税の試算は可能です。

ただし、兵庫県の神戸市と豊岡市は市独自の増税を行っていますので、試算結果は両市の市民以外の人には当てはまりません。

愛媛県は森林環境税として700円を県独自に増税しています。

愛媛県と同額の県民税に700円を増税しているのは栃木県と群馬県です。

愛媛県の人は栃木県、群馬県のサイトの試算結果が参考になるはずです。

山梨県、高知県、宮崎県、鹿児島県の4県は500円を県独自に増税しています。

同額の県民税に500円を増税している県は16県と多いです。

富山県、石川県、長野県、愛知県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県の16県のうち、愛知県の名古屋市は市独自の減税を行っているので利用不可ですが、それ以外の自治体のシミュレーションサイトが利用できます。

念のためにお伝えすると、横浜市、名古屋市、兵庫県の神戸市と豊岡市は同じ県内であっても、市独自の増税・減税を行っていますので、他の自治体に住む人は試算結果が参考になりません。

また、神奈川県は全国で唯一、住民税の税率が他の46都道府県より0.025%高くなっています。

さらに横浜市は「横浜みどり税」として900円を市独自に増税しています。

自分が住む自治体に住民税額シミュレーションがない神奈川県民は、横浜市以外のサイトを利用させていただきましょう。

確認できた190自治体の住民税額シミュレーションサービスを提供しているのは4社です。

サンネット株式会社が92自治体、株式会社インテックが83自治体、株式会社茨城計算センターが10自治体、キステム株式会社が5自治体にサービス提供を行っています。

未導入の自治体の関係者は参考にしていただきたいですね。

僕自身は税理士として住民税の計算をすることがないので、非常に参考になる記事でした。

神奈川県だけ住民税の税率が他の46都道府県より0.025%高くなっているというのも初めて知りました。

住民の方はご存じなんでしょうか?

愛媛県は法人も住民税が香川県より高いので独自の税金を取っているのは知っていましたが、住民税も結構複雑ですね。

保育料・国保・ふるさと納税のために「今すぐ住民税額を知りたい」を可能にするサービスが便利ということについて、あなたはどう思われましたか?


85市町村の地価がバブル期を超える!

日本経済新聞によると、地価の回復が地方に広がっています。

国土交通省が2023年9月に公表した2023年の基準地価を市区町村別にみると、沖縄県などの85市町村で過去最高だったバブル期の1990年を上回りました。

新規の工場立地などに加え、子育て環境の整備などで住みやすさを実現した自治体が目立っており、まちづくりの〝通信簿〟にもなっているようです。

2023年の基準地価は、全用途の全国平均が前年比1.0%上昇と2年連続で上がりました。

投資資金の流入や再開発で三大都市圏が2.7%上がり、地方圏も0.3%上昇しました。

バブル期の地価上昇が三大都市圏に比べて緩やかだった影響もあり、1990年を上回った85市町村は大半が地方圏でした。

都道府県別で唯一バブル期を超えた沖縄県は、過半の24市町村が上回りました。

2003年に那覇市内でモノレールが開通し、訪日客が増えて観光関連産業の投資も拡大しています。

バブル期の5倍近くと全国で最も上がった沖縄県南部の八重瀬町は2006年の町村合併で誕生しました。

2000年代後半に国道が延伸され、那覇市までのアクセスが30分足らずと半減しました。

サトウキビ畑が広がっていた八重瀬町屋宜原地区には住宅が増え、人口は約2,000人と7倍になりました。

国道沿いには大型スーパーや飲食店が立ち並んでいます。

不動産鑑定士の仲本徹氏は「那覇市の不動産に手が届かなかった層が流れてきた」と説明しています。

若い世代が増え、合計特殊出生率も2.15と全国16位の高水準となっています。

八重瀬町は、2023年中に学童保育施設を2か所増設します。

地元住民は「歩道が広く、登下校時の事故の心配も少ない」と話しています。

バブル超えの市町村の多くが子育て支援や移住促進、工場誘致などで新たな土地需要を生んでいるようです。

地価がほぼ2倍になった宮城県利府町も、運動着の無料支給や、ベビー用品の無料レンタルなどが好評です。

利府町には仙台市とつながる駅や高速道路のインターチェンジがあります。

通勤・通学圏の仙台市内での不動産価格上昇もあり、「戸建て住宅を望む子連れ夫婦の転入が目立つ」(地元不動産会社)ようです。

インターチェンジ付近には物流施設も増えました。

利府町は土地整備事業を進めて、さらなる宅地需要に備えます。

熊谷大町長は「仙台市と日本三景の松島の中間にあるため通過される町だったが、選ばれる町に変貌した」と胸を張っています。

日本一面積が小さい富山県舟橋村も地価が41%上がりました。

2020年時点の人口は3,132人と1990年比で2.3倍に増加し、「奇跡の村」とも呼ばれるようになりました。

きっかけは、規制が厳しい市街化調整区域の指定が1988年に解除されて宅地開発が進んだことです。

以前から子育て支援に熱心だったうえ、隣接する富山市などに比べた割安感もあって、若い家族層が移り住むようになったのです。

舟橋村はさらなる移住促進に向けて、2019年から村営賃貸住宅を提供しており、将来の定住につなげるようです。

一方、2013年に始まった日銀の金融緩和を柱とした「アベノミクス」のもと、この10年間の全国の地価は平均45%上がり、市町村別でも4分の1の自治体が上昇しました。

特に中心都市である都道府県庁所在地の上昇率は平均65%に達しました。

再開発などが相次ぐ大阪や札幌、福岡、名古屋の4市は2倍以上となりました。

人口問題などに詳しい東北大学の吉田浩教授は「投資対象となる都市部とは異なり、地方圏の地価はそこに住みたいという人がいなければ上がらない」と強調しています。

「今後も育児環境や教育、空き家対策など総合的な住みやすさが地価に反映される流れが続くだろう」としています。

以前から、住みよい街に人が集まるようになり、そのために市町村も競い合うようになればいいなぁと思っています。

今、地価が上がっているところは、そういうところなんでしょうね。

世の中には色々なニーズがある方がいらっしゃるでしょうから、自治体の職員の方々には知恵を絞っていただいて、ふるさと納税の返礼品ではなく、サービスなどで競ってほしいですね。

競い合うと、当然、破綻するところも出てくることになるかと思いますが、自治体の職員の方々も、公務員は将来安泰と思わず、危機感を持って仕事に取り組んでいただきたいですね。

85市町村の地価がバブル期を超えたことについて、あなたはどう思われましたか?


岩手県北上市が国の基準を無視した固定資産税の算出ミスで還付総額8億円に!

朝日新聞によると、岩手県北上市が木造家屋の固定資産税を課税する際、独自のルールを適用し続け、補てんしたり追徴したりする必要が出た問題で、誤った課税は1994年度~2011年度の18年間に計1万7,553人に対して行われ、利息を含めた還付される総額は約8億1,400万円に上ることがわかったようです。
北上市が、先日の市議会全員協議会で明らかにしました。

木造家屋の固定資産税の課税は総務省が全国一律の基準を設けています。
自治体は資材や設備を調査して4つの区分に分け、経年で補正することになっています。

ところが、北上市は1991年の市町村合併前から基準を無視し、自動的に特定の区分にして課税額を算出していました。
その結果、課税額に誤りが生じていたのです。

北上市によると、還付の対象は個人1万6,987人、法人566です。
還付額は計約4億341万円で、利息相当額は計約4億1,081万円に上ります。
還付される最高額は612万700円で、平均は4万6,387円でした。

北上市は11月に市議会に提出する補正予算案に計上する予定です。
対象者には12月から通知を始め、2024年1月以降に支払いを行います。

八重樫浩文市長は「多大なるご迷惑をお掛けし、おわび申し上げたいと思います。もっと早くできなかったのかということは確かにあるが、限られた職員でギリギリの態勢で取り組んできた。幹部も含めた職員の意識をしっかりしたい」と述べました。

この問題への北上市の対応は時間がかかりました。
担当職員が不自然さに気づいても問題意識は共有されず、2016年には内部告発した北上市職員に対し幹部が「あなたがやってきたことでしょう」などと公益通報の取り下げを求めました。
北上市議会で何度も指摘されても、北上市は「裁量の範囲内」と突っぱね続けたのです。

しかし、北上市議会での追及が続き、北上市民からの問い合わせも増え、北上市は2021年12月に「考えを改めた」と表明し、差額を算定する精算を進めていました。

一連の問題を追及してきた高橋孝二市議は「職員の内部通報を隠ぺいしたうえ、これほど多額の誤りを生じさせた責任は重大。市民の信頼を回復するため、具体的な再発防止策を明示するべきだ」と訴えています。

一方、北上市はこの日、2021、2022年の保育料の算定でも誤りがあったと明らかにしました。
市民税のデータがシステムと正しく連携していなかったとして、園児17人に計約51万円を還付し、3人から計約23万円を追加徴収するそうです。

なぜ頑なに突っぱね続けたのでしょうか?
総務省が基準を設けているわけですから、基準を確認すれば分かると思いますし、おそらく前例を踏襲する方が多い市役所の仕事の中で、過去に気付いたり、内部告発をした方もおられるわけですから。
還付額より利息相当額の方が上回るということはかなり罪深いと思いますし、過去に関わった人たちで支払えということにもなりかねないのではないかと思います。
固定資産税は昔からミスが多いと言われますが、、市町村もきちんとルールを確認しなおすべきだと思いますし、現地調査もきちんと行うべきだと思いますし、ルールも分かりやすいものに見直す時期にきているのではないかと思いました。

岩手県北上市が国の基準を無視した固定資産税の算出ミスで還付総額8億円になっていることについて、あなたはどう思われましたか?


徳島県徳島市が確定申告書の課税処理間に合わず!

四国放送によると、徳島県徳島市は、2022年分の確定申告書約6,400件の処理が間に合わず、市民税や県民税の課税処理が遅れていると発表しました。

徳島県徳島市によると、遅れているのは3月15日の期限までに確定申告をした市民のうち、約6,400人分の市民税や県民税の課税処理です。

この影響で、税が給与から天引きされる「特別徴収」の人には、申告内容が反映されていない税額の通知書が5月に既に送付済みとなっています。

また、納付書で納付する「普通徴収」の人には、6月に発送される通知書や納付書の発送が遅れています。

徳島県徳島市では、2023年1月に税額を算出する新たなシステムを導入し、処理を進めていたところ、手作業になる操作が多く必要になってしまったことが処理が遅れた原因としています。

徳島県徳島市は、確定申告の内容を正しく反映させる処理を可能な限り早く進めるとしています。

事前に分からないものなんですかね?
どこのベンダーなのでしょうか?
ご本人、会社の経理の方などに迷惑がかかると思いますので、きちんと対応して欲しいですね。
マイナンバーの問題にしろ、ベンダーに原因があるのかもしれませんが、発注側にシステムのことが分かる人が少ないのかもしれませんね。
国として、システムエンジニアの方を育てていかないと、将来的に国際的競争に負けてしまうように思いますね。

徳島県徳島市が確定申告書の課税処理間に合わないことについて、あなたはどう思われましたか?


固定資産税の軽減措置は2022年度で終了へ!

共同通信によると、政府、与党は固定資産税の軽減措置を2022年度で終了する方針を固めたようです。

新型コロナウイルスによる景気悪化を受け、地価が上昇しても2021年度は2020年度の額に据え置き、2022年度は商業地に限り税額の上昇を本来の半分にしていました。

2023年度は通常に戻し、地方税収を回復させると、関係者が取材に明らかにしたようです。

軽減措置は当初、2021年度で終了する予定でした。

しかしながら、国土交通省や公明党などがコロナ禍で苦しむ事業者に配慮すべきだとして、延長を要望しました。

与党税調幹部は「再度の延長はさすがにない。地方税収に配慮する必要がある」と説明しています。

とうとう軽減措置はなくなるんですね。
個人的は、計算方法がよく分かりませんし、計算を間違っていた(けれど、時効で一部しか返してくれない)というニュースを時々目にしますし、償却資産税も計算方法に疑問を感じますので、そろそろ計算方法を見直す時期に来ているのではないかと思っています。

固定資産税の軽減措置は2022年度で終了することについて、どう思われましたか?


総務省の地方財政審議会は「資本金以外の基準を」という外形課税見直しを提言!

日本経済新聞によると、総務省の地方財政審議会は、先日、2023年度税制改正に向けた意見書で、企業が資本金の規模などに応じ納める外形標準課税の見直しを提言しました。
形式的な減資のような課税逃れとみられる動きが広がっており、資本金以外の基準の追加を求めました。

地方財政審議会は2023年度地方税制改正に関する意見書をまとめ、同日、寺田稔総務相に提出しました。
「実質的に大規模といえる法人が外形標準課税の対象法人に含まれない問題に対応する仕組みを検討することが適当」と言及しています。
制度設計の議論は2023年度以降に進める方針です。

制度設計で中小企業の負担に配慮する必要性にも触れ「小規模な企業への影響に配慮するとともに、必要以上に多くの法人に制度見直しの影響が及ばないよう」資本金1億円超の基準は維持します。

追加の基準は「法人による操作可能性が小さい基準とすること、課税実務上の確認が容易で法人・課税庁にとって執行面で過度な負担とならない基準とすることなどが必要」と明記しました。

外形標準課税は地方税の法人事業税の課税方式の一つで、2004年度に導入されました。
税収の安定を目的に変動の少ない資本金の額を制度の基準として課税しています。

企業規模が大きくても経営悪化を理由に1億円以下に減資する例が相次いでいます。
対象法人数が減り、税額も減少傾向にあります。
公平性や税収の安定性が損なわれることを懸念し、地財審の有識者会議が基準の見直しを検討していました。

個人的には、会社の規模を資本金で判断するのも時代的にどうかと思っていますが、コロナ禍などにより、業績が悪くなっているので、外形標準課税の負担感が重く感じるのだろうと思われます。
当初から、黒字でも赤字でも課税するということだとは思いますが、こういった状況は想定していなかったものと思われます。
おそらく利益が出だすと、外形標準課税の方が有利に働くのではないかと思いますので、異常な状況下においては、一定の要件を満たせば計算方法とか税率を変えるみたいにする方が現実的な対応としては良いのではないかと思います。
資本金以外のものも基準とするとしても、当然、それを避けようと色々と考えるでしょうから。

総務省の地方財政審議会は「資本金以外の基準を」という外形課税見直しを提言したことについて、どう思われましたか?


外形課税逃れ影響か資本金1億円超の企業はピークから1万社減!

東京新聞によると、資本金が1億円を超え、都道府県が課す外形標準課税の対象となった企業は2020年度に約2万社で、ピークの2006年度から約1万社減少したことが、先日分かったようです。

集計した総務省は、相当数の企業が課税を逃れる目的で1億円以下に減資した可能性があるとみています。

2020年度の税収は2017年度比で、1,500億円程度減少しています。

地方財政に打撃を与えており、詳しく分析したうえで、対策を検討する構えのようです。

ただし、対策を実施する場合でも、1億円超の基準を引き下げ、中小企業へ網を広げることは想定していないようです。

都道府県の一部は、「資本金以外の指標も使い、規模の大きな企業に幅広く課税すべきだ」と提案しています。

利益が出ていれば、それほど負担感はないと思いますが、コロナ禍で業績が悪化し、赤字になったりすると、赤字であっても多額の税額が発生する外形標準課税を避けようと思うのは、営利企業の経営者として当然かなぁと、個人的には思っています。
減資をして、外形標準課税の対象外とすることは禁止されているわけではないので、とやかく言われる問題ではないと思います。
それよりは、資本金1円でも会社を設立できる時代であり、会計上、差額の概念に過ぎない純資産の一項目である『資本金』にあまり意味はない(資金的裏付けや規模を表すものではない)と思っていますので、法人住民税のうち均等割りもそうなのですが、資本金や資本金等で税額が変わってくるというのもおかしいと思われるため、そこから改正しないといけないのではないかと思っています。
人数とか売上高とか面積とか、色々と基準は設けられるのではないかと思います。
たとえ、資本金以外で設けたとしても、該当するのを避けるという行為は避けられないのではないかとも思いますが。

外形課税逃れ影響か資本金1億円超の企業はピークから1万社減となっていることについて、どう思われましたか?


ふるさと納税で旅先で寄付し電子ギフトで即返礼!

日経MJによると、岡山県などの返礼品として受け取った電子ギフトを旅先の宿泊施設や飲食店などで利用できるふるさと納税の新しい形として「旅先納税」が一部地域で人気だそうです。
特産品を返礼品として受け取るこれまでのふるさと納税と異なり、出かけた先の宿や店ですぐに使える電子ギフトが返礼品なのです。
旅先に寄付し、旅をお得に楽しめます。
2022年10月11日から政府の全国旅行支援が一部で始まりましたが、応援的な消費への関心も相まって、各地に広まりそうです。

首都圏に住む50代男性は山梨県笛吹市のワイナリー巡りツアーに参加した際、旅先納税の存在を初めて知ったそうです。
「おもしろそう」。興味本位で1万円を寄付するとすぐに返礼品として3千円分の電子ギフトを受け取りました。
早速立ち寄った店で、ワインとクラフトジンを地元の店で購入しました。

返礼品を目的に幾つかの自治体に寄付をしてきたという男性は、返礼品が届くまでに1か月、場合によっては3か月かかるのが気になっていたそうです。
「通常のネット通販ではないのでそんなに早く到着しないと頭ではわかっているけれど…。旅先納税は、旅先で欲しいモノを選んだらその場で受け取れて新鮮だった。」

電子商品券の画面を見せ、スタンプを押してもらうと決済が完了します。
旅先納税が登場したのは2019年秋に、岡山県瀬戸内市で始まりました。
その後コロナが起きたためごく一部の地域だけに限られ、全国的にはほとんど知られずに3年間がたってしまいました。
旅行者の間で口コミで話題に上るようになったのは、最近になってからです。
ほかにも北海道伊達市や倶知安町などが採用し、年内にも20以上の自治体に広まる予定です。

寄付をしたらすぐに返礼品を受け取れます。
そのスピードを支えるのがテクノロジーです。
店や施設に表示されているQRコードをスマホで読み込み、会員登録します。
寄付額を選びクレジットカード払いで納税します。
使う際には電子ギフトの画面を見せ、スタンプを押してもらう仕組みです。

これすら面倒と感じる人も中にはいるかと思いますが、利用者の視点で使いやすさを追求したデザインになっています。
システムを手掛けるのはギフティです。
SNSでプレゼントするソーシャルギフトのパイオニアです。
その知見と技術が地域と人のつながり創出に生かされています。

総務省によると、2021年度のふるさと納税の総額は8,302億円と過去最高を更新しました。
めざましい伸びを見せる一方、納税額の多い自治体の顔ぶれをみると、相変わらず、人気の名産品を持っている市や町に偏っています。
旅先納税は、強い1次産品を持っていない地域にもチャンスとなりえます。瀬戸内市では「返礼品を希望される寄付者は関東圏内の方が5割だが、旅先納税は(マイクロツーリズムの広がりで)近隣の自治体に住んでいる方の利用が8割を占める」そうです。

飲食店や産地など応援を目的とした購買行動がコロナを機に定着しました。
旅は人とのつながりを強く感じます。
最初の動機は「お得に旅を楽しむ」でも、お世話になった地域を応援したい気持ちが芽生えてくるかもしれません。
ふるさと納税を一度も利用したことがない人は多く、それだけ可能性は大きいでしょう。

すごく良い取り組みですね。
ショッピングカタログで欲しいものを選ぶという感じになっているふるさと納税とは一線を画し、そこを訪れた方が、寄付をして、返礼品で買い物をしてくれれば、その地域の経済の活性化にもつながるでしょうし、自治体も寄付金で自治体の役に立つようなことにお金が使え、自治体の活性化などにつなげることもでき、通常のふるさと納税もやっているのであれば、訪問後そちらをやってくれる方もいらっしゃるでしょうし、ふるさと納税をしたことがない方が、これを機に他の自治体を含めふるさと納税をするようになれば、自治体にとっても良いでしょうから。

ふるさと納税で旅先で寄付し電子ギフトで即返礼というところがあることについて、どう思われましたか?


固定資産税の評価基準の解釈適用の誤りを指摘し原審に差戻し!

TabisLandによると、2022年9月8日、固定資産課税台帳に登録された土地の価格を巡って審査の申出を棄却する旨の審査決定をした固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反があったか否かの判断が争われた事件で、最高裁判所(山口厚裁判長)は、登録価格の決定に違法はないとした上で損害賠償請求を棄却した原審(大阪高裁2021年6月11日判決)の判決のうち、損害賠償請求に関する判決の内容を破棄するとともに、損害賠償請求に関する部分についての審理を更に尽くすよう控訴審に差戻しを命じる判決を言い渡しました。

この事件は、ゴルフ場の用に供されている一団の土地に係る固定資産税の納税義務者が、土地課税台帳に登録された各土地の価格を不服として自治体の固定資産評価審査委員会に審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の審査決定を受けたことから、価格の適否に関する決定の判断に誤りがあるなどと主張して、自治体を相手に、納税義務者側が適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき弁護士費用相当額等の損害賠償を求めたのが発端となりました。

これに対して、控訴審の大阪高裁が、登録価格の決定に違法はない旨の結論を示すとともに、固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反があったと認めることもできないと判示して請求を斥けたことから、さらに、その取消しを求めて納税義務者側が上告していたという事案です。

最高裁はまず、この原審の判断を是認できないと判示しました。
その理由として、各土地につき必要な土工事の程度を考慮することなく、丘陵コースの平均的造成費の額を用いて造成費を評定し得るとの見解に立脚した点において、評価基準の解釈適用を誤ったものということができると指摘した上で、そうした見解に立脚して評価基準の解釈適用を誤ったことについて、固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした控訴審の判断には、国家賠償法1条1項の解釈適用を誤った違法があるとも指摘しました。

その結果、控訴審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることから、原審判決のうち、損害賠償請求に関する部分は破棄を免れないと判示した上で、さらに審理を尽くさせるため、控訴審に差し戻しました。

固定資産税の評価は、結構間違っていると言われますが、今回の差戻しは、納税者にとって良い方向ですね。
高裁は、『先例がない』ということで、しりぞけたようですが、お役所の方は、先例がないと仕事ができないということなのでしょうか?
今後、先例を作っていく自治体が増えることを期待したいと思います。
あとは、固定資産税の計算方法はよく分からないので、納税者側でも計算をチェックできるようなもっとシンプルなものにした方が良いのではないかと思っています。

固定資産税の評価基準の解釈適用の誤りを指摘し原審に差戻したことについて、どう思われましたか?


「LINEでふるさと納税」が開始!

Impress Watchによると、LINEは、「LINE」アプリでふるさと納税が可能になる「LINEでふるさと納税」を開始しました。
LINEがさとふると協業の基本合意書を締結し、サービスを提供します。

「LINEでふるさと納税」は、ふるさと納税の仕組みやサービスをより身近なものとして利用できるようにと考えられたサービスです。
LINEのユーザーが利用するだけでなく、各自治体も寄付金の活用報告を公式アカウント上で行なうといったことが可能です。

「LINEでふるさと納税」ではお礼品の検索やふるさと納税の寄付、寄付の履歴の確認、控除額のシミュレーションを利用可能です。
さとふるのWebサイトと連携して寄付金控除の証明書発行やワンストップ特例制度の電子申請も行うことができます。

8月末には、LINE公式アカウントのトーク機能で配送状況の通知機能や、ユーザーに応じたお礼品のおすすめサービスも開始される予定です。

さらに、今後は、オンラインとオフラインを融合し、訪問先で寄付の申し込みをすると、その場でアクティビティなどの「体験型ふるさと納税」を楽しめるサービスの機能拡張を検討中です。
地域とLINEユーザーのつながりを深めるとしています。

6月30日まではキャンペーンも実施されています。
期間中に「LINEでふるさと納税」で寄付をすると、寄付をした日や金額に応じて最大6%相当のPayPayギフトカードがもらえるという内容です。

LINEを使っている方は多いでしょうから、ふるさと納税の裾野を広げるにはいいかもしれませんね。
一方で、ふるさと納税が、寄附というよりは、ますますショッピングという感じになっていくのではないのかという懸念はありますね。

「LINEでふるさと納税」が開始になったことについて、どう思われましたか?


東京都税制調査会がユーチューバーなど念頭に「個人事業税見直し」を提言!

日本経済新聞によると、東京都税制調査会(会長・池上岳彦立教大教授)は、先日、2021年度答申をまとめました。
答申では、個人が事業で得た所得にかかる個人事業税でインターネットを使う新しい業種が考慮されていないとして、「早急に時代に即した見直しをすべきだ」と提言しました。
ユーチューバーやネットで単発の仕事を請け負うギグワーカーを念頭に置いたものです。

個人事業税は都道府県税の一つで、年間290万円を超える事業所得がある個人が納めることになっています。
税率は3~5%で、地方税法は課税対象として物品販売や畜産など70業種を定めています。

答申では「事業形態が著しく多様化しているが、2007年度以後、法定業種は見直されていない」と指摘しています。
事業税の対象と考えられるものでも「法定業種に該当せず課税されない業種がある」としました。

対象業種以外の人も所得税として事業所得に応じた納税はしていますが、所得税は国税のため自治体の収入にはなりません。
東京都税制調査会は、先日、答申を小池百合子知事に手渡しました。
地方税法を所管する総務省にも送付します。

個人事業税ってあまり取り上げられることがありませんが、業種によってかかったり、かからなかったりしますし、税率も業種によって異なるため、不平等な税金のように感じます。
個人事業税は、事業を展開するうえで行政サービスを利用していると考えられることから、行政経費の一部を負担するという趣旨だと思いますので、業種によって異なるのは疑問を感じますし、異なるとしても業種ごとに明確な数値を出せないと思いますし、事業で稼ぐと当然に所得が多くなり、住民税も多くなるため、所得に応じた負担はしているのではないかと思いますし、290万円という免税点がありますが、所得の多さと受けている行政サービスは必ずしも比例しないと思われるので、廃止するか、大多数の方が納得できるように根本的なところから見直す必要があるのではないかと考えます。

東京都税制調査会がユーチューバーなど念頭に「個人事業税見直し」を提言したことについて、どう思われましたか?


不動産の評価ミスによる過大課税の損害賠償請求を巡り最高裁判所が初判断!

不動産評価の誤りで固定資産税を納めすぎた場合、その損害賠償請求ができなくなる期間はいつから始まるのかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁判所第3小法廷(宇賀克也裁判長)は「毎年度の納税通知書が交付された時から始まる」との初判断を示しました。
判決は2020年3月24日で、裁判官4人全員一致の意見でした。

民法は不法行為から20年たつと賠償請求権がなくなる「除斥期間」を定めています。
今回の訴訟ではその起算点となる「不法行為の時」がいつなのかが争われていました。
不動産評価の誤りが発覚するケースは多くはありませんが、建築から長期間過ぎた後に評価ミスが明らかになった場合でも、不動産の所有者は払いすぎた税金の一部を取り戻せる可能性があります。

原告は1980年代に建築された建物を持つ東京都内の一般社団法人です。
建築当初の誤った不動産評価に基づき、固定資産税などを毎年過大に課されたとして、東京都に納めすぎた税金に相当する額の賠償を求めて2013年に提訴しました。
二審判決は建築当初に建物の価格の評価ミスをした時点から除斥期間が始まるとして、訴えを退けていました。

最高裁判所第3小法廷は判決で、「不動産評価を誤った時点では誰が損害を受けるかが不確定で、誤りは後から修正される可能性もある」と指摘しました。
誤りが修正されないまま所有者に納税通知書が交付された時点で初めて具体的な損害が発生するとして、各年度の納税通知書が所有者に交付された時点で除斥期間が始まると判断したのです。

その上で、原告の請求権の一部は提訴時点で除斥期間が経過していない可能性があるとして二審判決を破棄し、審理を東京高等裁判所に差し戻しました。

2020年3月24日はほぼ同じ争点の別訴訟の上告審判決もあり、最高裁判所第3小法廷は同様の判断を示して審理を大阪高等裁判所に差し戻した。

2020年3月24日は、これ以外にも『取引相場のない株式の評価』の判決もありましたし、歴史に残る日になりましたね。
固定資産税は、市町村などが勝手に計算して、納税者に伝え、納税者は疑いもなく納税するという賦課課税制度を取っていますので、『最初に間違ったとき』ではなく、『各年度の納税通知書が所有者に交付された時点』というのは、当然の結果だとは思いますが、長期間に渡り争っていただいてありがたいなぁと思います。
最高裁判所の判決は、国にやさしく、地方に厳しいという意見もあるようですが、良い判決だと思いました。

不動産の評価ミスによる過大課税の損害賠償請求を巡り最高裁判所が初判断を下したことについて、どう思われましたか?


3万人から税金取り過ぎの大阪市「20年たったら返さない」が覆る公算強まる!

行政が違法行為をしておいて「20年たったから賠償しないもんね」なんて、あなたは許せますか?
大阪市は、長年にわたり固定資産税を取り過ぎていたとして、約3万人に総額約16億円を返還すると先日発表しました。
ところが返還額が3倍前後に膨らむ可能性が出てきたのです。
「20年以上前に建てられた建物については賠償責任が及ばない」という大阪市の主張が、最高裁で覆される公算が強まったからです。
大阪市が敗訴した場合、返還額は40億円から50億円ほどに達すると原告側は試算しています。

事の発端は、今をさかのぼること42年前です。
1978年(昭和53年)、大阪市は市内のビルについて、国の規準とは別の独自の規準に基づいて評価額を決め、固定資産税を課税することにしました。
大阪市は地盤が軟弱なところが多く、ビルは多数の杭を使って建てることが多いため、算定方法を変えたといいます。
これによって税額は大きくなります。

この独自基準が国の基準と違うとは普通の市民にはわかりませんが、たまたまある建物の所有者が専門家にチェックを依頼して違法性に初めて気づきました。
そこで「税金の取り過ぎだ」と返還を求めましたが、大阪市の担当者は「独自規準は違法ではない。計算間違いがあっても返す必要はない」と、けんもほろろの応対だったといいます。

そこで所有者は6年前、大阪市に賠償を求めて裁判を起こしました。
最高裁まで争った結果、独自規準の違法性が認められて、2019年の暮れに大阪市の敗訴が確定し、所有者に292万円が支払われました。

これを受けて大阪市は、先日今後の対応を発表しました。
同様の規準で課税された建物が約6,000棟あるとして、約3万人の所有者を対象に固定資産税の取り過ぎ分を返還する方針を明らかにしました。
返還総額は約16億円に上ると試算しています。

ところが、同じように独自基準に基づく固定資産税を巡り大阪市を訴えた裁判はもう1件あるのです。
こちらは一審と二審で原告の訴えが退けられています。
それは、この建物が建てられて最初に固定資産税が算定されたのが20年以上前だったからです。
不法行為があってから20年をすぎると請求権がなくなる「除斥」という民法の規定に基づき、原告に請求権はなくなったという大阪市の主張が認められたのです。

これに対し原告は「固定資産税は完成時だけではなく毎年課税されるのだから、違法な規準に基づく不法な課税が毎年行われ続けてきた。だから除斥は適用されない」と主張し、最高裁に上告しました。

上告を受けて最高裁は、2020年2月25日、双方の主張を聞く弁論を開きました。
最高裁は、元の判決を見直さずに上告を退ける場合は弁論を開かず、いきなり判決や決定を出します。
逆に弁論を開く場合は、何らかの形で二審の判決を見直すのが通例です。

今回の場合は「除斥により請求権はなくなった」という大阪市の主張を認めた二審判決を見直し、「除斥は適用されない」という原告の訴えを認め、高裁に差し戻す公算が強いと原告側弁護士は見ています。

大阪市が先日発表した返還額の試算は、20年以上前に建てられた建物には除斥が適用されて賠償の対象にならないことを前提にしています。
もしも最終的に原告側が勝訴すれば、20年以上前の建物にも同様の返還を行わざるを得ません。
原告側の試算では、その総額は大阪市の試算の3倍前後、40億円から50億円に達するといいます。
さらに再算定や返還事務にあたる市の職員の業務負担も膨大なものになると見られます。

これほどの大問題を大阪市はどうしてこれまで放置してきたのでしょう?
除斥を盾に納税者に誠実に対応してこなかったツケが傷口を広げたと言えるのではないでしょうか?
大阪市課税課は「判決の前でもあり、今日の時点ではコメントはできない」と話しています。

注目の最高裁判決は2020年3月24日、最高裁判所で言い渡されます。

固定資産税は、市町村から通知がきて支払うもの(いわゆる賦課課税制度)ですから、納税者は通常、何ら疑うことなく、正しいものだろうと考えて納付すると思います。
完全に、ミスがあるということは市町村側のミスということですから、時効とかを主張すべきではないと個人的には思いますね。
僕自身、税理士もやっていますが、固定資産税については恥ずかしながら詳しくないですし、決定する市町村側も、それなりの知識が必要だと思いますし、現場もきちんと確認する必要があるのではないかと思います。
そのような中、数年で異動になるということは、そのたびに素人の方が入ってくるということだと思いますので、業務的になかなか厳しいのではないかと思います。
以前から、成功報酬で固定資産税の見直しをやっている税理士がいるように聞いていますが、市長村側も税理士も納税者も固定資産税に関する知識を高めていかないと、今回の大阪市のような事例はたくさん出てくるのではないかと思います。

3万人から税金取り過ぎの大阪市「20年たったら返さない」が覆る公算強まっていることについて、どう思われましたか?


ふるさと納税から除外された泉佐野市を再検討へ!

 総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外したことをめぐり、国の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」(委員長・富越和厚元東京高裁長官)は、判断を再検討するよう総務相に勧告することを決めたようです。
係争委が自治体に対する国の政策判断の見直しを求めるのは初めてだそうです。

総務相は今後、勧告から30日以内に再検討の結果と理由を同市に伝えることになります。
除外の判断が覆らない場合、泉佐野市は高裁に提訴できます。

ふるさと納税の返礼品を巡っては、2019年6月、法律で、寄付額の3割以下の地場産品に限ると定められました。
これに先立ち、総務省は2018年秋、ギフト券などで多額の寄付を集める自治体に見直しを求めました。
泉佐野市は「閉店キャンペーン」を展開し、制度改正前の駆け込み需要の取り込みに走りました。

こうした振る舞いが総務省の態度を硬化させました。
総務省は新制度の対象を選定するに当たり、「2018年11月から19年3月までの寄付募集について、他自治体に多大な影響を与えていない」との条件を設定しました。
泉佐野市を含む4市町が制度の対象外となりました。

係争委では、この除外理由が妥当かどうかが最大の争点でしたが、富越委員長は会見で、新制度がスタートした後に不適切な取り組みをしたかどうかで判断すべきだと強調しました。
「泉佐野市の寄付集めの手法が是正を求めるべき状況にあったことは理解している」と述べつつも、「(新制度の根拠となる)改正地方税法の目的は、過去の行為を罰することではない」と指摘しました。

国地方係争処理委員会は、地方分権一括法に基づき、2000年4月に当時の総理府(現在の総務省)に設置されました。
地方自治体は、国の関与に不服がある場合に、審査を申し出ることができます。
申し出から90日以内に、5人の委員が結論を出します。
勧告が出れば、国は必要な措置を講じる義務があります。

国と地方の関係を対等にすることを目指す改革の一環として導入された仕組みですが、これまでは十分に機能していたとは言い難い状況です。
訴える資格がないなどとして、そもそも申し出を審査の対象とせず、自治体を門前払いすることが多かったようです。

それだけに今回、踏み込んだ決定を下したことに驚きが広がっているようです。
地方関係者は「さすがに総務省のやり方が強引すぎたということだろう。泉佐野市の除外について、心情的には多くの自治体が支持しているが、法律にはのっとらないといけない」と話しています。

ただし、新制度がスタートする直前の2019年4~5月の2か月間に泉佐野市が集めた寄付額は、185億2,150万円に上り、全国最多だった2018年度1年間の約4割にも相当する水準です。
通知に従った多くの自治体の間には不公平感も残るなか、総務省も安易に矛を収めることはできないでしょう。
両者の対立が収束するかは、依然として不透明です。

制度が存在し、税理士という職業柄、ふるさと納税をされている方の確定申告のお手伝いをさせていただくこともあり、僕もふるさと納税を数年前から毎年していますが、元々、制度の不備があると思っていますし、このBLOGでも何度も書いています。
よって、制度を0ベースで見直せば良いと思いますが、制度の不備を認めたくないのか、総務省が強引に進めたので、今回の問題に発展していると思います。
法人版のふるさと納税もあまり使われておらず、変えようとしているようですが、まずは、こちらを根本的なところから変えないといけないしょうね。
総務相がどういった答えを出すか楽しみですね。

ふるさと納税から除外された泉佐野市を再検討することについて、どう思われましたか?


「ふるさと納税バブル」で一番儲けたのは誰か?

 泉佐野市は「ふるさと納税閉店セール」を展開中ですが、結局、この制度では誰が最も得をしたのでしょうか?
東洋経済オンラインによると、先日、大阪府泉佐野市のふるさと納税制度による2018年度の寄付額がなんと約497億円に達する見通しと報道されました。
2017年度に全国でトップだったときの135億円に比べて約3.7倍となる、大きな金額です。
泉佐野市の一般会計予算は約517億円ですから、実に一般会計予算に匹敵する寄付金を集めたことになります。

ふるさと納税はワンストップ納税、控除条件の拡大などによって一気に拡大し、2018年度には4,000億円を超えたと推定されています。
総務省は泉佐野市の取り組みを好ましくない事例として位置づけ、異例の指導に入り、すでに「特別交付税減額」という措置を2019年3月に行いました。
泉佐野市への交付税額は昨年度比1億9,500万円減の6,200万円となっていますが、別途約497億円を集めたわけですから、痛くもかゆくもないでしょう。

ふるさと納税という仕組みは、当初から「納税者」「自治体」「返礼品納入業者」のいずれも「やったもの勝ち」でした。
高額納税者ほど得をし、ルールを逸脱した自治体のほうが得をし、大量の返礼品ニーズに対応できる納入業者のほうが得をします。
一方、返礼品率を常識の範囲に留める自治体、所得が低くふるさと納税を活用できない人、返礼品に採用されない業者が実質的に損をするという税制としては当初から歪んだ構造でした。

早期に改正を行う必要がありましたが、返礼品競争は過熱しすぎるほど過熱し、ようやく今回の規制となったわけです。

数年にわたり、国は「地方自治体に良識を求める」という極めて甘い運用をやり、制度改正を先送りにしつつ、法的拘束力もない指導のみで、数年間返礼品競争を実質的に放置したに等しく、大変残念なことでした。
全国各地の返礼品業者は、今後少なくとも返礼率の低下、個別自治体によってはふるさと納税額の大幅低下などによって少なからず影響を受けることになります。
また、自治体も、ふるさと納税の勝ち組自治体とされたところほど、歳入減少の影響を受けることになるでしょう。

まさに制度改正を迎える2019年は、ふるさと納税の「逆噴射」が地方を襲うと言えます。
その影響は誤った競争環境での勝ち組とされた自治体ほど大きくなるのは必至です。

6月からは国が3つの基準を設け新制度がスタートし、国の審査を経た自治体しか税制優遇の対象にしないことになります。
3つの基準とは、①寄付募集の適正な実施、②返礼品の調達費が寄付額の30%以下、③返礼品は地場産品に限定というもので、泉佐野市など「従来の返礼品競争の勝ち組たち」の認定は厳しいというのが多くの見方となっています。

ふるさと納税の大きな問題は、国と地方を併せた税収が拡大するのではなく、返礼品や自治体の人件費など含めて実際には税収総額は減少するということです。

今度は国が細かな審査を経て認定をするしない、といったようなやりとりが追加発生します。
さらに国と地方にさらに業務コストが上乗せされるため、ふるさと納税は国と地方を連結すれば、実際のところは返礼品調達で3割の経費、サイト運営や配送料といった外注費、国と地方などの業務管理にかるコストが増大し、結果としてその分公共サービスに回す財源が減少します。
約4,000億円のふるさと納税総額は、結局公共サービス以外に大きく使われていることを忘れてはいけません。

それではふるさと納税で最も儲けたのはどこか?といえば、サイト運営者やアマゾンと言えるでしょう。

雨後の筍のように乱立するふるさと納税サイトについては、テレビCMを見た方も多くいるのではないでしょうか?
東海テレビの調査によると、東海地方125自治体へのアンケート調査によると全体流通額の10%程度が運営費として支払われたとされます。
ということは、全国で約4,000億円のふるさと納税市場において、約400億円がサイト運営費として支払われたと推定できます。

さらに、最近では各社ともサイトで目立つような広告枠の販売に力を入れており、自治体はわざわざ広告枠を追加で購入して宣伝をしようとしています。
今後返礼品率が抑えられるため、ふるさと納税の主戦場は広告宣伝とも言われています。
このようにふるさと納税を獲得するために、また税金で広告枠をバンバン買うという、まったくよくわからない構造が発生しています。

このような中、ふるさと納税サイト老舗であり、返礼品数No.1とするふるさとチョイスを運営するトラストバンク社は2018年、東証1部上場企業であるチェンジという会社が48億円で買収しています。
全国の自治体との営業チャネルとサイト運営の収益性が評価された結果と言え、それだけ儲かるビジネスになっているということです。

さらに隠れた勝者はアメリカのアマゾンです。
同社のグループは、日本国内だけでも1兆円を優に超える売り上げを有しながら、納税金額は2017年にはたった11億円程度と事業規模に対してあまり日本に納税しないことで有名です。
そのような中、ふるさと納税サイトの各社は2018年末に寄付額の一定率をアマゾンギフトでプレゼントするキャンペーン競争を展開していました。
泉佐野市に至っては、独自に100億円分のアマゾンギフトをプレゼントするキャンペーンを展開して話題になりました。

あまり日本で納税しないアマゾンに、日本の税収からアマゾンに100億円を超える金額が流れるという冗談にもならないことが起きたわけです。
国と地方が争っているうちに、いちばん税金からまとまった収入を得たのがアマゾンであり、漁夫の利とは言ったものです。
もはや笑うしかありません。

真のふるさと納税の勝者は納税者でも、地方生産者でも、自治体でもなく、手数料で着実に儲かるサイト運営者であり、国内納税額より多額の収入を得たアマゾンだったと言えるでしょう。

前述のとおり、ふるさと納税はこれから国の審査で規制強化を行いつつ継続しようというわけですが、はたして、多額の行政コストをかけ、公共サービスに利用できる財源を国と地方で減らしてまでやり続けるだけの意味のある制度なのでしょうか?

そもそも、自治体は、税金を財源にして無料同然で配る返礼品で集めるような一過性のお金で経営することなどありえないはずです。
しっかり地元の農林水産業、観光産業などのリアル経済を成長させ、そうした経済に即して税収を稼ぎつつ、その範囲で自治体を持続可能な形で経営するというのがあるべき姿のはずです。
そのために必要な財源移譲、独自税制に関する自由を国に求めるべきです。

一方、国も意味不明で誤った予算獲得競争を煽るべきではありません。
もっと地方への財源移譲を推進して、自治体が一過性の投機的な資金集めではなく、地に足の着いた地域経済と財政に向けた適切な投資の視点を持てるよう、より大きな都市経営を意識した地方自治にインセンティブがあるよう制度改正と向き合うべきです。
今回のような、特別交付金減額などという懲罰的なやり方をしたり、逆に国の言うことを聞けば認定をするといったようなやり方は、ますます地方の自立性を失わせ、国まかせの財政運営になっていくでしょう。

誤った競争は誤った結果を生み出します。
今回の騒動が、ふるさと納税頼みではない、真の地方の経済財政のあり方を探る転機になることを期待します。

僕は『ふるさと納税』をしていますが、制度として認められているからであって、個人的には、制度として失敗だと思っています。
『ふるさと』とか『地域の活性化』などを考えるのであれば、寄附できる地方を過去に住民票があったところとかに限るべきだと思いますし、返礼品は不要だと思います。
この記事の中に出てくる『ふるさとチョイス』を僕も使っていますが、ここに限らず『ふるさと納税』関連のサイトを使ったことのある方は分かると思いますが、完全なショッピングサイトであり、市町村がどこかは問題ではなく、自分の欲しいものがあるかどうかで『ふるさと納税』先を選んでいる方が多いのではないかと思います。
それゆえ、『ふるさと納税』はゼロベースで見直したほうが良いと考えています。

「ふるさと納税バブル」で一番儲けたのは誰か?について、どう思われましたか?


愛知県碧南へきなん市がふるさと納税を勧誘した都内の税理士に謝礼10%!

10日(水)

 愛知県碧南市が8月末以降、東京都内の税理士に、碧南市へのふるさと納税を知人や顧客に勧めてくれれば、謝礼として寄付額の10%相当の現金を支払うと協力を依頼する文書計4,000通を送っていたことが、先日分かったようです。
総務省は、ふるさと納税の制度の趣旨に合わず「不適切」として文書の撤回を要請し、碧南市9月下旬の追加発送を取りやめました。

総務省の担当者は「寄付は自発的にするもの」と指摘し、「紹介者に謝礼を支払うという自治体は聞いたことがない」と話しています。

一方、碧南市の担当者は「ふるさと納税の手続きができるインターネット上の仲介サイトにも、手数料として寄付額の10%程度を支払っており、同じ感覚で試行的に企画した」と説明しています。
「違法性はない」として、既に送付した文書に絡んで紹介による寄付があれば、謝礼を支払うとしています。

これまで税理士側から問い合わせが約20件あったようですが、謝礼を支払った事例はないそうです。

碧南市や総務省によると、文書では「愛知県内のふるさと納税件数第一位」として、うなぎやしらすなど返礼品が百種類以上あり、寄付金を地元のベンチャー企業支援に活用している点をPRしています。

大都市圏に広める狙いで都内の税理士事務所に発送したところ、9月に文書を把握した総務省が愛知県を通じて碧南市に指摘しました。
碧南市は926日に追加で発送予定だった文書の廃棄を決めました。

自治体も『ふるさと納税』集めに必死ですね。
確かに、インターネット上の仲介サイトにも手数料を支払っているので、それと大差はないように思いますね。
ある意味、仲介サイトのほうが、ショッピングのような感じで寄付先を選ぶことになるので、『ふるさと納税』の理念に反するような気はしますが。
ちなみに、総務省は、以下の3つの意義があるとしています。

 ● 第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。
それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
 ● 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。
それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
 ● 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。
それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。

3つの意義のためには、『3割ルール』を徹底するのではなく、根本的にところから変える必要があるのではないかと思いますね。

愛知県碧南市がふるさと納税を勧誘した都内の税理士に謝礼10%を支払うことについて、どう思われましたか?


ふるさと納税ルール変更に自治体が悲鳴!

 実質自己負担2,000円で全国各地の自治体から豪華な返礼品を受け取れる「ふるさと納税」は、返礼品競争に拍車がかかり、ブームが過熱していましたが、先日ついに総務省から「待った」がかかり、大きな曲がり角を迎えています。
しかしながら、そんな状況下でもまだ賢く利用できる術はないのでしょうか?

地方創生の一環として整備されてきた「ふるさと納税」ですが、規制強化の動きが加速しています。
全国各地の自治体からは、怒りや戸惑いの声が噴出しているようです。

2017年度、町税の税収25億円を大きく上回る72億円の寄付金を集めた佐賀県みやき町の末安伸之町長の訴えは切実です。
「ふるさと納税を通じた寄付によって給食費や医療費の無料化、新たな保育所の整備などを進めていたので、寄付が減れば町の財政を直撃します。せっかく地方が独自の取り組みで自立しようとしてきたのに、国はわかっていない」

野田聖子前総務大臣は、911日の記者会見で、一部自治体が高額な返礼品で多額の寄付を集めていることについて「制度そのものが否定される不幸な結果を招く」として、返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定しました。
違反した自治体は制度から除外し、寄付しても税の優遇措置が受けられなくなるよう、来年の通常国会に地方税法改正案を提出して規制強化を目指す方針を打ち出しました。

2007年に創設されたふるさと納税は故郷や応援したい自治体に寄付すると返礼品がもらえるうえ、所得税・住民税の還付・控除が受けられて、実質的な自己負担は2,000円で済むことから、ブームと化してきた(還付・控除の上限額は所得などによって異なります。)。
一方、寄付金集めに走る一部の自治体は地場産品とは思えない高額返礼品を掲げて競うようになり、総務省は「3割ルール」「地場産品ルール」を守るよう20174月に通知しました。
しかしながら、それに従わない自治体が多かったことから、総務省は今回の大臣会見と同時に調査結果を公表しました。

そこでは、91日時点で「3割ルール」に違反している246自治体(全体の約14%)を実名で公表し、名指しされた自治体では混乱が相次いでいます。

佐賀牛のももスライス500g(寄付額1万円)や家電製品などを返礼品としてきた前出のみやき町もその一つです。

「肉の加工工場では設備投資や人員増をすでに進めている業者もいるのに、急すぎる見直しでは混乱を招くばかり。家電製品はすでに取り下げましたが、これはもともと、大手の家電量販店の進出で地元の電機店が困っているので、返礼品を出荷してもらえるよう手を差し伸べる試みだった。このままでは地元の店は潰れますよ!」(末安町長)

豚肉切り落とし5kg(寄付額1万円)などを用意する宮崎県都城市では、返礼品を供する約90の企業で構成される都城市ふるさと納税振興協議会から困惑の声が漏れています。

「急増する寄付者の期待に応えられるように、設備投資も人員も増やして量産体制をとっていますが、規制が厳しくなれば、連鎖倒産も避けられない。国の方針がコロコロ変わると困るのは、僕ら現場です」

個人的には、ふるさと納税をしていますが、遅かれ早かれ改正されると思っていましたし、特定の企業などの製品や商品を扱うのはどうなのかなぁと思っていました。
よって、みやき町長や宮崎県都城市の納税振興協議会のコメントは、どうなのかなぁ?と感じます。
一方で、『3割ルール』の中で、知恵を出し合って寄付金を集めればよいと思いますし、もう少し簡単に『ふるさと納税』が行える仕組みを作り、『ふるさと納税』をする人数を増やしていけば良いのではないかと思います。

ふるさと納税ルール変更に自治体が悲鳴をあげていることについて、どう思われましたか?


ふるさと納税「反抗自治体」を公表した総務省vs自治体の神経戦!

 このブログでも、先日書きましたが、国の方針に従おうとせず、見直す意向もないのはこの自治体ですと、総務省は20187月に、いまだ返礼品競争が横行しているふるさと納税をめぐって、(1)返礼割合が3割超、(2)地場産品ではない返礼品を送付している、(3)20188月までに見直す意向がないなどとして、大阪府泉佐野市や佐賀県みやき町など12の自治体名を公表しました。

20174月以降、総務省が自治体への通知や記者会見を通じて、高額な返礼品などの自粛を幾度となく要請しているにもかかわらず、反抗する自治体に対してとうとうしびれを切らした格好です。

名指しされた12の自治体は、さぞ戦々恐々としているかと思いきや、各担当者から懸念として聞こえてくるのは、意外にも自民党の総裁選の動向と東京都目黒区の取り組みについてだったようです。

一体どういうことでしょうか?
一つ目の自民党の総裁選について自治体が最も気をもんでいるのは、総裁選を経て政権が代わることによって、菅義偉官房長官が閣外に放り出されることだそうです。

菅氏はふるさと納税の“生みの親”であり、制度拡充に際して反対論を唱えた総務省の局長を退任に追い込むほど、思い入れが強いそうです。
過熱する返礼品競争を時に黙認するような姿勢を取り、自治体の強力な後ろ盾になっているわけです。

総務省は、ふるさと納税に関わる普通交付税措置や特別交付税を使って、名指しした自治体を実質的に締め上げることは制度上可能ですが、菅氏が閣僚として目を光らせている間は、手を出しにくいことを自治体はよく理解しているようです。

二つ目の目黒区の取り組みとは、20188月からふるさと納税の返礼品として、人気音楽グループ「EXILE」のTシャツやパーカなど関連グッズを用意すると発表したことです。

目黒区内に事務所やスタジオを構えており、紛れもない地場産品だと位置付けているわけですが、これは返礼品競争が過熱する中で、一番危惧していた事態ともいえます。

財政力の高い都市部の自治体が、企業の本社や事業所があることを理由に豊富な資金で魅力的な返礼品をかき集めれば、地方の自治体には当然ながら勝ち目はありません。

目黒区以外にも、これまでふるさと納税による税収減にじっと耐えてきた都市部の自治体が、次々に本格参入することになれば、地方にもっとお金(税源)を還流させるという趣旨で始まった制度が、逆回転しかねません。
菅氏に引導を渡された局長が、反対論を唱える中で最も危惧していたのも、まさに都市部の自治体の反撃による寄付金の「都心回帰」でした。
今後もし都心回帰の流れが加速したとき、名指しされた自治体が税収減で悲鳴を上げたところで、耳を傾けてくれる人たちは果たしているのでしょうか?

ふるさと納税については、このブログで何度も述べていますが、そろそろ根本的なところから見直す時期に来ていますね。
特定の政治家の影響を受ける制度というのもどうかと思いますね。
以前から気にはなっているのですが、返礼品に特定の企業のものを使うというのもどうなのかなぁと思っています。
本来は、その地域の名産などを使うべきであり、特定の企業のものを使うものではないかと思っています。

ふるさと納税「反抗自治体」を公表した総務省vs自治体の神経戦が行われていることについて、どう思われましたか?


ふるさと納税に関し「国に反逆」した12自治体を初公表!

 弁護士ドットコムによると、総務省は、先日、2017年度のふるさと納税の実績を発表しました。
 それによると、自治体が受け入れた額は3,653億円で過去最高で、2016年度(2,844億円)の約1.28倍に増加しました。
<自治体別>
 自治体別では、鹿児島産のうなぎや信州の桃、高級ビールなど地場産品以外の返礼品も大胆にそろえる大阪府泉佐野市が135億円で最も多い額を集めました。
 総務省によると、受け入れ額が多い自治体の2位から10位は、以下のとおりです。
 ・2位 宮崎県都農町(79億円)
 ・3位 宮崎県都城市(74億円)
 ・4位 佐賀県みやき町(72億円)
 ・5位 佐賀県上峰町(66億円)
 ・6位 和歌山県湯浅町(49億円)
 ・7位 佐賀県唐津市(43億円)
 ・8位 北海道根室市(39億円)
 ・9位 高知県奈半利町(39億円)
 ・10位 静岡県藤枝市(37億円)
<「通知に従う気なし」の自治体>
 一方、総務省は自治体に対する通知で、ふるさと納税をした人に対する返礼品について、原則として地場産品とすることや調達価格を3割以下におさえることを求めています。
 法的に従う義務はありませんが、通知への自治体側の対応状況(20186月時点)を総務省がまとめたところ、以下の自治体は「20188月までに見直す意向がない」ことがわかったようです。
 ・茨城県境町(21億円)
 ・岐阜県関市(14億円)
 ・静岡県小山町(27億円)
 ・滋賀県近江八幡市(17億円)
 ・大阪府泉佐野市(135億円)
 ・福岡県宗像市(15億円)
 ・福岡県上毛町(12億円)
 ・佐賀県唐津市(43億円)
 ・佐賀県嬉野市(26億円)
 ・佐賀県基山町(10億円)
 ・佐賀県みやき町(72億円)
 ・大分県佐伯市(13億円)
 あえて、通知に従わない自治体リストを明らかにするあたり、過剰な返礼品競争に歯止めをかけたい総務省が「引き締め」を狙っていることがうかがえます。
 総務省市町村税課によると、こうしたリストを公表するのは初めてだそうです。
 ちなみに、上記の従わない自治体リストは、2017年度のふるさと納税額が10億円以上の自治体に限っています。
 僕もそうですが、返礼品でふるさと納税先を選んでいる方が多いと思いますので、通知に従うと、ふるさと納税額が減り、従わないと、たくさん集まるといった状況になり、地方自治体としても頭を悩ますところだと思います。
 やはり、返礼割合の上限を決めておく、地元の品に限定する、ゆかりのある地方自治体のみにするなど、根本的なところから見直さないと、ふるさと納税に地方自治体が振り回されてしまうことになるのではないかと危惧します。
 ふるさと納税に関し「国に反逆」した12自治体を初公表したことについて、どう思われましたか?

ふるさと納税は返礼品抑制でも伸び3,000億円が視野に!

 ふるさと納税が返礼品の抑制が広がるなかでも増えているようです。
 日本経済新聞が全国814市区を調査したところ、6割が2017年度の寄付額が増えると見込んでいるようです。
 市区分だけでも2014億円と前年度より10%伸びており、都道府県や町村分を含めると3,000億円の大台を突破する勢いとなっています。
 自治体の歳入としては、ガソリン税に匹敵する規模で、主要な収入源になってきているようです。
 2017年度の自治体別の増額幅をみると、最も多かったのは1億円未満で全体の45%を占めます。
 5億円以上は3%にとどまっており、1億~5億円未満が11%でした。
 ふるさと納税が特定の自治体に集中するのではなく、利用の裾野が広がり多くの自治体で厚みを増している構図が浮かび上がります。

総務省によると、
2016年度の実績は2,844億円です。
 市区の合計額はふるさと納税全体の64%を占めていました。
 都道府県は1%で、町村は35%でした。
 市区と町村の伸び率はこれまでほぼ同じ水準で推移しており、2017年度は全国の総額で3,000億円の大台を超える見通しです。

総務省は、
20174月に資産性の高い返礼品などを自粛し、返礼割合も3割以下に抑えるよう各自治体に通知しました。
 20184月には返礼品の見直しの徹底を改めて求める追加の通知を出しています。
 通知後も高い返礼割合の自治体は残っていますが、集め方や使い道の工夫が広がっているようです。 北海道夕張市は、あらかじめ使途を明示しました。 インターネットで不特定多数の人から少額の寄付を募るクラウドファンディングの手法を採用し、少子化に悩んでいた地元の高校を救うプロジェクトなどが共感を呼び、寄付額が3,000万円増えました。 青森県弘前市は、重要文化財である弘前城の石垣修理や弘前公園の桜の管理といった街づくりに参加できる仕組みが人気を集め、前年度より16,000万円上積みしました。
 「高額」の返礼品だけでなく、幅広いアイデアが寄付を押し上げているようです。

一方で、
2016年度にトップ30だった市区のうち、6割が2017年度は減少すると見込んでいます。
 家電を返礼品から外した長野県伊那市(2016年度2位)は66億円減少し、パソコンの返礼品をやめた山形県米沢市(同5位)も17億円減りました。 ただし、全体では、2017年度も2016年度より10%伸びる見通しです。
 上位の減少分を幅広い自治体の増加分でカバーしている形になっています。 自治体の最大の歳入は、約4割を占める地方税です。
 2016年度は約39兆円でしたが、人口減時代を迎え今後の大幅な増収は見込みにくくなっています。
 3,000億円規模の歳入は自治体にとって、ガソリン税や自動車重量税の地方分と並ぶ規模になります。
 ふるさと納税が地方税の収入を上回る例も出ており、自治体の「財源」としての存在感は高まっています。 2016年度首位の宮崎県都城市を抑え、2017年度の見込み額でトップになったのは大阪府泉佐野市(同6位)でした。
 関東、関西を中心に約130億円を集め、2016年度より約95億円増えました。
 ふるさと納税の額は、同市の2016年度地方税収入の約6割にあたります。
 返礼品を大幅に増やして、1,000以上を用意しました。
 黒毛和牛などが人気で、3月までは宝飾品や自転車もそろえていました。
 返礼割合は2017年度で約4割と総務省が求める基準より高かったですが、2018年度は約3割まで下げる方針です。 一方、税収が「流出」している自治体からは不満の声も漏れます。
 東京23区では、2016年度だけで386億円が流出しています。
 世田谷区では、52億円も減りました。
 自治体によっては「既存事業や新規の事業計画に影響が出る可能性がある」と懸念するところもあるようです。 なお、この調査は、2月下旬から4月下旬に実施し、802の市区から回答を得ました。
 ふるさと納税とは、生まれ育った故郷や応援したい自治体に寄付できる制度です。
 納税者が税の使い道に関心を持ったり、寄付を受けた地域を活性化させたりする目的で2008年度に導入されました。
 寄付額から2,000円を差し引いた金額(上限あり)が所得税と個人住民税から控除されます。
 2015年度から控除上限額を2倍に引き上げ、確定申告せずに税額控除の手続きができる特例制度を導入して利用が広がりました。 本来の趣旨からはズレているんでしょうが、制度がありますし、税理士という職業柄か、ここ数年毎年ふるさと納税をしています。
 もちろん、僕自身もらえるものから寄附する先を選んでいますし、そのような方が多いのではないかと思われます。
 本来、返礼品目的の制度ではなく、東京の23区などは不利だと思いますので、根本的に制度を見直す時期には来ているのではないかと思っています。 ふるさと納税は返礼品抑制でも伸び3,000億円が視野に入ったことについて、どう思われましたか?

公示地価にダマされるな!

 国土交通省が20183月末に発表した201811日時点の公示地価は、商業・工業・住宅の全用途で0.7%のプラスでした。
 地価上昇は3年連続で、これはバブル崩壊の1992年以降で初めてのことだそうです。
 驚くのは、外資マネーが流入して再開発が活発な大都市圏だけではなく、地方圏平均でも商業地が0.5%とわずかながら、26年ぶりに上昇に転じたことです。
 新聞各紙も「地価上昇が全国的に波及、脱・資産デフレが進む」などと報じていますが、はたして本当なのでしょうか?
 ダイヤモンド・ザイによると、その背景に迫ると、不動産鑑定士がお客さんの自治体に忖度して公示地価が決まる実態が見えてきたようです。
 2018年の公示地価で、上昇率ベスト3を独占したのは、北海道倶知安(くっちゃん)町で、スキーリゾートが人気のニセコ地区は、商業地も住宅地もプラス30%を超えました。
 オーストラリア人を中心とする外国人観光客が押し寄せるニセコ地区は、スキー場に隣接する住宅地だけではなく、JR倶知安駅周辺の商業地にも地価上昇が波及しました。
 2017年の訪日客数は、2,869万人と過去最高を記録しました。
 地方圏の商業地の上昇を牽引しているのも、外国人観光客の増加で店舗やホテル需要が高まっている地方都市なのです。
 それらの恩恵を受けている4市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)だけを取り上げると、前年との平均変動率は7.9%ものプラスになります。
 しかしながら、ほとんどの地方都市はそんな活況とは無縁でしょう。
 人口流出・高齢化にあえぎ、住宅地は空き家が続出、駅前立地がシャッター通りと化している街も少なくありません。
 茨城県は、同じ関東でも13県とは違い、“地盤沈下”が激しくなっています。
 日立市に向かう国道6号沿いは閉鎖したドライブイン、飲食店、ガソリンスタンドなどが生い茂った草に覆われ、寂しい風景が続きます。
 散歩に出れば、月ごとに増える空き家、駅前は土日なのにシャッターを閉めている店舗、テナント募集の店舗が軒を連ねます。
 外国人観光客は、ほとんどいません。
 それでも、茨城県の地価変動率は住宅地、商業地ともに▲0.7%です。
 つくばエクスプレス沿線の再開発エリアが人気を集めていて、それが全体を押し上げているとしても、実感からするとマイナス幅が少ないように感じられます。
 茨城県以外に目を転じても、地方圏の商業地で、前出の上昇率の高い4市(7.9%)を除いた市区町村の変動率も▲0.4%とマイナス幅は小さくなっています。
 公示地価に詳しい不動産鑑定士が重い口を開いているようです。
 「実は、公示地価は大きく上げ下げできない事情がある。税金との絡みが公示地価にゆがみをもたらしています」
 公示地価は国が示す地価の指標です。
 国土交通省によると、売り急ぎや買い急ぎなどの特殊事情を除いた「正常な価格」(必ずしも実勢価格ではない)を表しています。
 公的な土地評価はほかにもあって、都道府県が毎年9月ごろに公表する基準地価、国税庁が毎年7月ごろに公表する相続税路線価、市区町村が3年に1回、4月ごろに公表する固定資産税評価額があります。
 土地が、『一物多価』と言われるところです。
 問題は、相続税路線価は公示地価の8割水準、固定資産税評価額は公示地価の7割水準に設定されていることです。
 相続税路線価はその名のとおり、相続税や贈与税の算出に用いられる評価額であり、固定資産税評価額は固定資産税や不動産取得税を決める基準となります。
 つまり、公示地価は、国や自治体の税収を決める基準の大元になっているのです。
 それゆえ、公示地価を実勢にあわせると、銀座の一等地のように公示地価の23倍でも売れるところは急激に相続税や固定資産税が上がってしまい、逆に、過疎化する地方のように、公示地価の8割水準の路線価でさえ売れないエリアは、税収が大きく落ち込んでしまうことになります。
 問題として大きいのが、後者でしょう。
 いまや、自治体の税収の40%強が固定資産税によるものなのです。
 地価下落は、自治体の財政悪化に直結するのです。
 不動産鑑定士の資格を持ち、複数の著書で「公示地価は実質的に破綻している」と主張する森田義男税理士が語っています。
 「自治体はできるなら公示地価は下げてほしくないと考えている。国交省もそれは認識している。調査にあたる鑑定士は、数字のごまかしはできないが、なるべく希望に沿う数字を出す。だから、結果的に地方の公示地価は“高示地価”になる。お上の意に沿わない鑑定評価をすると、翌年から仕事が来なくなる恐れがある。鑑定の世界にも、忖度が働くのです」
 森田氏によれば、特に地方の不動産鑑定士にとっておいしいのは、公示地価よりも固定資産税評価額の仕事だそうです。
 1地点当たりの報酬は54,000円(税別)で公示地価や路線価より低いですが、評価地点は全国で約44万地点に及びます。
 3年に1回、200億円以上の金額(税金)が、全国の不動産鑑定士に配分される計算になります。
 衰退が進む地方において、不動産鑑定士に、民間の仕事はそれほど多くはないでしょう。
 不動産鑑定士に限らず、「士業」の多くは官庁の強い影響下にあります。
 我が税理士は国税庁、司法書士なら法務省です。
 しかしながら、多くの士業は、官庁から直接仕事をもらうことはありません。
 ほとんどのお客さんが民間の人です。
 我が公認会計士や税理士はそうです。
 ところが、不動産鑑定士の世界は違い、お客さん=官庁なのです。
 森田氏のように不動産鑑定士の仕事に見切りをつけ、税理士として生計を立てているならいざしらず、“お客さん”には逆らえないでしょう。
 しかしながら、公示地価は我々が払う税金と密接に絡んできます。
 地価下落が進んでいる地方で、公示地価の8割水準の路線価でさえ売れない土地は珍しくありません。
 これは、相続税を払って不動産を維持しても割が合わなくなることを意味しています。
 おりしも、20183月末に厚生労働省が発表した将来推計人口によれば、2030年にはすべての都道府県で人口が減り始め、2045年には7割の市区町村で2015年に比べ人口が20%以上減る見通しです。
 秋田県では41.2%、青森県では37.0%も減るそうです。
 地方においては、一部の人気エリアを除き、これからも地価下落の大きな要因となる人口減少・高齢化が重くのしかかります。
 かくして、公示地価と実勢価格とのかい離は、ますます広がっていくでしょう。
 こういう実態があったのですね。
 職業柄、相続税の申告も年に何件かはやっていますので、路線価図は結構見るのですが、路線価の付いているエリアはどんどん減っています(つまり、評価するコストが削減されています。)。
 固定資産税評価額は、基本的にすべての土地や建屋に付きますので、それほど評価地点は減らせないでしょうね。
 税収を考慮したものではなく、実態に合ったものにしてもらいたいですね。
 公示地価について、どう思われましたか?

豊島区役所がペーパーレスによる課税・納税証明書の発行手続きの実験を開始!

2018年03月19日(月)

 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(本社東京都港区、、以下「MDIS」)と豊島区役所(本庁舎東京都豊島区)は、区民が「特別区民税・都民税(住民税)証明書」の交付を受ける際、“専用ペン“を使用してペーパーレスで申請する実証実験を201835日に開始したと発表しました。

実証実験の対象となる「特別区民税・都民税(住民税)証明書交付サービス」とは、区民が課税証明書・納税証明書を申請する際に利用するサービスで、証明する年度や必要な人の名前・住所・生年月日などを申請書に記載して申請します。
この申請手続きは、記入欄が多く記入箇所が分かりづらいことや、年間3万件以上申請のある申請書自体の管理負荷などの問題点があったようです。

今回使用するシステムは、MDISが開発・販売するペーパーレス受付システム「らくかけくん」で、プロジェクターで表示された様式イメージに専用ペンで入力する「プロジェクションマッピング技術」を活用しています。

区役所を訪れた利用者は、窓口に設置された専用記載台にて上方のプロジェクターから投影されたイメージを見て、専用ペンにて操作します。
投影イメージに直接記入することで、文字認識技術により手書き文字が瞬時に文字データへ変換されます。
実証実験では日本語と中国語の2か国語への対応を行います。
担当者は、窓口アプリで入力結果の確認や申込書の管理が可能です。

このシステムを用いることで、従来の紙の申請用紙やディスプレイモニターと比べプロジェクターで大きな文字で表示することができます。
また、キャラクターによるガイダンスが記入箇所に応じて表示されることから、利用者の利便性向上が期待できます。
一方、窓口担当者など職員にとっては、窓口での確認・問合せ対応の減少や、データ入力、申込書管理負荷の低減等、業務効率化が期待できます。
さらに、紙が不要となることで、書類保管倉庫のスペース削減も可能です。

MDISは今回の実証実験を評価し、「らくかけくん」のさらなる機能拡充と利便性向上を目指すとともに、自治体の申請窓口、小売店の各種申し込みカウンター、金融機関の店舗、ショッピングモールでのカード申し込みなど、様々な業界への拡販を検討していくようです。

役所での手続きは、無駄と思われるものや、分かりにくいものや、記入したりするのが面倒なものなどが、多々あると思います。
今後は、このようなものが出てきて、便利になることを切に願います。
まぁ、ここでもAIに取って代わられ、人がいらなくなるところもたくさん出てくるでしょうね。
手続きとは関係ありませんが、個人的には、市とかの発行する書類はA4より微妙に大きくて、職業柄コピーすると端が欠けて読めないことが頻繁にありますので、早く、書類のサイズをA4にしてほしいですね(笑)。

豊島区役所がペーパーレスによる課税・納税証明書の発行手続きの実験を開始したことについて、どう思われましたか?

カテゴリー
BLOG

BLOG(ファイナンス)

日本政策金融公庫が与信費用の増加で1,196億円の最終赤字!

日本経済新聞によると、日本政策金融公庫が3日発表した2024年4〜9月期決算は、最終損益が1,196億円の赤字(前年同期は69億円の黒字)でした。

信用保証協会から保険を引き受ける事業で、保険金の支払いに備えて積む保険契約準備金の戻し入れ額が減少したのです。

貸出先の業績悪化に伴う与信関係費用も増えました。

日本政策金融公庫は民間金融機関が信用保証協会による保証付き融資を実行する際、保証協会から保険を引き受ける業務を手掛けています。

保険引受収益は戻し入れ額の減少に伴い、26%減の1,858億円となりました。

保険引受費用は保険金の支払い増加に伴い23%増の1,868億円でした。

与信関係費用は35%増の1,734億円で、条件変更や債務不履行が高水準となったことが響きました。

日銀の利上げに伴い金融機関の貸出金利は上昇傾向にあります。

取引先の中小企業からは「借入金利の上昇はボディーブローのように今後効いてくると思われ、なかなか大きな設備投資を行う気にはなれない」(土木建築業)といった声が出ていると紹介しました。

新型コロナウイルス関連融資に関する状況も公表しました。

2021年3月末までの貸付先約70万件のうち、2024年9月末時点で元金返済中が52.3%を占め、完済などは15.8%にとどまりました。

返済が厳しく条件を変更したのは7.2%と、2024年3月末の6.9%から高まりました。

日本政策金融公庫が、民間金融機関が信用保証協会による保証付き融資を実行する際、保証協会から保険を引き受ける業務を手掛けているということは、初めて知りました。

コロナ融資の返済が始まり、返済できない事業者が増えていると思いますので、予想された結果だと思いますし、今後もしばらく赤字が続くのではないかと思います。

噂では、日本政策金融公庫も積極的に融資していると聞きますし、保証協会は保証付の短期融資(ころがしを想定)に舵を切ったとも聞きますし、今後どうなっていくのかウォッチしていきたいですね。

日本政策金融公庫が与信費用の増加で1,196億円の最終赤字となったことについて、あなたはどう思われましたか?


資生堂が借入金返済のため2年ぶりに社債を100億円発行!

日本経済新聞によると、資生堂が普通社債(SB)を約100億円発行するそうです。

発行は、約2年ぶりです。

利回りなどの条件決定は、2024年12月6日を予定しています。

起債するのは満期までの期間が5年の普通社債で、調達する資金は借入金の返済にあてます。

主幹事には、大和証券とみずほ証券を指名しました。

2025年2月に償還予定の社債の借り換えに充てます。

社債発行は2022年12月に200億円発行したESG(環境・社会・企業統治)債の一種「サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)」以来となります。

長期発行体格付けは、ムーディーズ・ジャパンから「A3」(シングルAマイナス相当)を取得しています。

ムーディーズ・ジャパンは、2024年9月には信用格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」へと引き下げています。

資生堂は、有利子負債が自己資本の何倍に当たるかを示す純負債資本倍率(ネットDEレシオ)が2024年9月末時点で0.18倍で、2023年12月末時点の0.06倍から上がっています。

資生堂は、2024年12月期の連結純利益(国際会計基準)は、前期比72%減の60億円を見込んでいます。

先日、増益としていた従来予想を一転減益に下方修正しました。

免税品向けや中国の化粧品販売が落ち込んでいます。

収益改善に向け、2024年から2025年にかけて日本での人員削減や中国での不採算店舗の閉鎖など400億円規模のコスト削減に取り組んでいます。

2024年11月29日には、新たな構造改革の発表を予定しています。

追加のコスト削減や中国戦略の見直し、欧米などの収益性向上に努めます。

資生堂は、驚くほど業績が悪化していますね。

それゆえ、社債発行して、借入金返済しないといけない状況に陥っているのでしょう。

ブランド力のある日本を代表する企業だと思いますので、ぜひとも構造改革を成功させて欲しいですね。

資生堂が借入金返済のため2年ぶりに社債を100億円発行することについて、あなたはどう思われましたか?


銀行支店の統廃合で乗り換え需要が生じ金利が上昇で信用金庫の存在感も上昇!

神奈川新聞によると、コロナ禍から経済が再開し、神奈川県内で信用金庫が存在感を高めているようです。

相互扶助の協同組織として、営利法人である銀行と経営理念の違いが際立っています。

金利上昇下で資金調達の敷居が高まり始め、地域に根付いた「寄り添いやすさ」が中小企業の支持を集めています。

大手行が神奈川県東部に構えていた支店が統廃合され、地元企業は取引を打ち切りました。

乗り換え先が信用金庫です。

銀行はコスト削減で店舗縮小が時流です。

企業側は「身近に相談先があるのは心強い」ようです。

一方、信用金庫担当者は「銀行支店の統廃合で乗り換え需要が生じ金利が上昇で信用金庫の存在感も上昇! の真価が試されている」と気負っています。

東京商工リサーチ横浜支店が2024年8月に発表した神奈川県内企業8万2千社の主力取引銀行(メインバンク)調査によると、21.9%を占めた横浜銀行が調査開始の2013年から12年連続で首位です。

金融機関は一様に融資先を拡大し、20位まで前年と変動はありませんが、注目はシェア率の高下です。

横浜銀行を含む地方銀行と主要行が軒並み低下する一方、神奈川県内に本店を置く8信用金庫のうち7信用金庫は小幅ながら上昇しました。

信用金庫勢トップで5位の横浜信用金庫は8%台に浮上しました。

2024年3月末の法人融資先は前年同期より484先増えました。

神名圭営業統括部長は「事業者支援こそ当金庫の強み。顔の見える営業活動が結実している」と手応え十分です。

2年前に東京都大田区と鎌倉市大船に新設した法人営業所が、新規先を掘り起こしています。

香川県でも、対応の変化により、あまり良い話を聞かない金融機関もありますが、他県でも同じような状況なんですね。

当然、金融機関もコスト削減などをしていかないと、将来生き残れないとは思いますが、我々会計事務所もそうですが、顧客の相談先としては上位に浮かぶ存在なので、手数料のことばかりを考えるのではなく、顧客のことを考えないとどんどん顧客は減っていくでしょうね。

銀行支店の統廃合で乗り換え需要が生じ金利が上昇で信用金庫の存在感も上昇していることについて、あなたはどう思われましたか?


3メガバンクが手形・小切手の発行を終了へ!

日本経済新聞によると、3メガバンクは2025年度中にも紙の約束手形、小切手の発行を終了するそうです。

三井住友銀行は2025年9月に既存の当座預金口座を持つ顧客向けの手形・小切手帳の発行を取りやめ、他のメガバンクも終える予定です。

取引先の企業は電子決済や銀行振り込みへの移行が必要になり、明治期以来、根強く続いてきた紙を使った商慣習は転機を迎えます。

約束手形は企業間取引の代金決済方法の一つで、将来の代金支払いを約束する有価証券を指します。

受取人は指定された期日以降に金融機関に手形を取り立てに出し、現金に換金できます。

経済成長期には手元資金に余裕のない発注企業の資金繰りに役立ってきましたが、近年は入金の遅さなど紙媒体に依存した決済の弊害が目立ってきていたのです。

三井住友銀行は、先日、2025年9月に既存の顧客向けの手形・小切手帳の発行を終了する方針を公表しました。

既に新規の当座預金口座の開設者への発行は停止しており、2026年9月末を手形、小切手の決済期限としています。

2026年10月以降は手形、小切手を使った決済ができなくなります。

未使用の手形、小切手帳は希望者を対象に、買い戻しを実施します。

2025年10月から決済時の入金に1件660円の手数料を新たに設けて移行を促します。

三井住友銀行で紙の約束手形や小切手を利用する企業は、中小企業を中心に約5万社にのぼります。

2023年度は同行だけで約170万枚の決済実績があり、金融界全体では年2,500万枚規模の取引がありました。

三菱UFJ銀行とみずほ銀行も近く手形、小切手の発行を終える日程を公表します。

発行済みの手形、小切手の扱いなどを詰めていますが、既存の顧客向けの手形・小切手帳の発行終了は2025年度中にも実現する見通しです。

3メガバンクが足並みをそろえることで、地方銀行なども今後追随する可能性が高いでしょう。

手形の交換は信用金庫、信用組合などを含め1,000超の金融機関が参加しています。

3メガバンクは今後、手形や小切手を使ってきた企業に対して代替サービスへの移行を促します。

インターネットバンキングによる振り込みや、決めた期日に金融機関の間で代金を自動送金する「電子記録債権」など電子取引が中心となります。

電子記録債権は紙の手形のように第三者に譲渡したり、融資を受ける際の担保として利用したりできます。

紛失や盗難のリスクもないため、メガバンクは企業決済の効率性や安全性が高まるとみています。

電子記録債権の利用実績は2023年に約700万件と紙の手形・小切手に比べ少ないものの、利用件数は年率2割のペースで伸びています。

手形は期日まで代金の支払いが猶予されることから、企業の資金繰りの緩和に役立ってきました。

ただし、大企業を中心に決済の電子化が進み、近年は利用の減少傾向が目立っていました。

政府も2021年の成長戦略実行計画で、手形の利用廃止や電子化の促進を打ち出していました。

メガバンクが実際に手形や小切手の発行を終えることで、中小企業の金融取引でも紙から電子への移行が決定的になります。

ところが、企業間取引を電子化するには、買い手と売り手の双方が同時に対応する必要があります。

中小企業の資金繰りへの影響を抑えるには、下請けの代金を適切な条件で支払うなど大企業を頂点とするサプライチェーン(供給網)全体への働きかけも欠かせません。

海外ではシンガポールが2025年末までに企業間の小切手のやり取りを廃止する予定であるほか、米欧でも銀行振り込みや電子決済への移行が進んでいます。

世界的に電子決済への移行は不可逆的な流れで、手形や小切手の廃止がその流れを加速することになります。

▼約束手形

将来の支払いを約束する有価証券のこと。

支払期日を指定して手渡すことで買い手の企業にとって支払いまでの資金繰りに役立つほか、売り手にとっても手数料を支払って代金を先んじて受け取れる利点がありました。

明治時代の手形交換所以来の日本独特の商慣行で、経済成長期には企業の資金不足を補う役割を果たしました。

ただし、近年は銀行での振り込みなどの支払いが主流の欧米に比べ支払いまでの期間が長いといった弊害も目立ってきました。

「紙」でのやりとりが必要になるのも難点で、紛失などのリスクがあったのです。

デジタル化を進めたい政府の方針も背景に、全国銀行協会は手形や小切手の電子化に向けた対応を進めてきました。

支払期日を指定して支払う仕組みの代替として有力視されるのは電子記録債権と呼ぶ仕組みで、2008年施行の電子記録債権法で導入されました。

現金化や譲渡、担保としての利用などは従来の手形と同様に可能で、事務を効率化する利点は大きいとされます。

導入の広がりが課題となっており、紙の約束手形の廃止によって電子への移行が加速するかが焦点となるでしょう。

個人的には、手形・小切手の廃止には賛成です。

管理的な手間やコスト、盗難などのリスク、手形を発行しているからゆえ不渡りが生じることなどを考えると、廃止が望ましいでしょう。

廃止となると、でんさいにシフトすることになると思いますが、早く、でんさいが一般的になって欲しいと思います。

ただし、でんさいを資金化するときに相手先によっては資金化できないリスクは残ると思いますので、何らかの対策は必要になるかもしれませんね。

3メガバンクが手形・小切手の発行を終了することについて、あなたはどう思われましたか?


中小企業の資金繰り改善が狙いで約束手形の支払期日を60日以内に短縮へ!

YAHOO!ニュースによると、中小企業庁と公正取引委員会は、2024年11月から約束手形の支払い期日までの期間「手形サイト」を60日以内に短縮するよう各業界に要請しています。

長期の手形は、下請け企業の資金繰りを圧迫する要因となるため、手形サイト短縮で中小企業の経営改善につなげ、賃上げや設備投資を後押しする狙いです。

今後、60日を超える手形サイトは、行政指導の対象となります。

中小企業庁と公正取引委員会は、以前から手形サイトについて、繊維業では90日、その他の業種では120日を超える場合、下請法違反の可能性があると指導してきました。

両者が連名で、各産業の業界団体・金融機関・監督省庁等に対して出した要請の概要は、以下のとおりです。

①行政指導の対象
手形サイト等が60日を超える場合は「割引困難な手形」等にあたるとして行政指導の対象とする。

ファクタリング(事業者が保有する売掛債権などを、期日前に一定の手数料を差し引いて買い取るサービス)などの一括決済方式も含まれる。

②下請法対象外の取引
下請法対象外の取引においても手形サイト等を60日以内に短縮すること。

可能な限り現金での支払いを行う。

特に建設工事や大型機器の製造など、納期が長期にわたる取引における前払い比率や期中払い比率の向上を求めている。

③三者契約の徹底
一括決済方式の加入は下請事業者の自由意志によるものであること。

親事業者・下請事業者・金融機関の間の三者契約が必要であることが徹底されること。

④資金繰り支援
手形サイトの短縮に取り組む事業者に対しては、資金繰りの支援を丁寧に行い、事業者の状況に応じた柔軟な対応を行うこと。

手形サイトの期間短縮に対しては、サプライチェーン全体で資金繰りに及ぼす影響を考慮し、支援策を講じながら進めることが求められる。

事業承継にも当然関係しており、後継者は取引先の支払いサイト・回収サイトについて理解しておく必要がある。

場合によっては経営者の交替に合わせて支払いサイト・回収サイトの変更が必要になるケースも発生する可能性がある。

職業柄、手形をサイトなどを目にすることが多いですが、120日サイトって長すぎますよね。

例えば、月末締め、翌月末起算120日サイトだとすると、製品を売ったり、サービスを提供してから、現金化するまで、150日~180日、つまり、5か月から6か月かかるわけですから。

ある意味、短縮は当然のような気はしますが、行政指導をきちんとして、中小企業が資金繰りに困ることのないようにしてほしいですね。

中小企業の資金繰り改善が狙いで約束手形の支払期日を60日以内に短縮されることについて、あなたはどう思われましたか?


企業価値を担保にした融資をメガバンクが活用に向け準備!

日本経済新聞によると、企業の技術力や成長性といった事業価値を担保に融資できるようになる新法が成立し、メガバンクが活用を探ろうと準備を進めているようです。

不動産、生産設備を持たないスタートアップや、後継者難で事業譲渡を検討する中小企業が資金調達しやすくなりますが、事業の成長性を見極める銀行の目利き力が重要になってきます。

先日成立した「事業性融資推進法」は、担保の登記システム更改などを経て2年半以内に施行されます。

最大のポイントは、企業の持つ事業価値全体に担保権を設定できる「企業価値担保権」を新設したことです。

一般的に銀行が企業に融資する場合、返済されないリスクに備えて担保や保証をとります。

経営者個人の資産が対象の経営者保証を利用したり、企業が持つ不動産を担保にしたりすることが多くなっています。

在庫や売掛債権など「動産担保」と呼ぶものもあります。

これらは企業が傾いたときに企業活動に欠かせないオフィスや生産設備を失いかねず、企業再生の足を引っ張る要因になっていました。

スタートアップなど新興企業は担保として差し出せる手持ちの資産が少なく、融資を受けにくい課題がありました。

企業価値を担保にできるようになれば、資産を持たなくても成長が見込める事業モデルなどに融資しやすくなるのです。

ただし、担保は本来、融資先企業が立ちゆかなくなった際に債権を保全するためのものです。

企業の業績と直接連動しない不動産や経営者自身の財産であれば、価値が大きく目減りしないのです。

一方、企業価値は事業環境が悪くなれば減少、消失するリスクがあります。

そのため債権者である銀行が、中小企業などに日頃から目を配り、事業が傾き始めたら早期に経営支援や再建に取り組む意識が高まりやすくなります。

金融庁の有識者会議の委員を務めた長島・大野・常松法律事務所の井上聡弁護士は、「銀行など担保権者も融資先を支えようとするインセンティブが生まれるという点で画期的だ」と評価しています。

みずほフィナンシャルグループは、部門ごとにどのような活用が可能かアイデア会議を開きました。

受託者が担保権の管理や保全を行う担保権信託など、類似の手法をみずほ信託銀行が手がけています。

三井住友銀行は外部講師を招き、行内で勉強会を開催しました。

実務上の論点を洗い出すなど、準備を進めます。

導入には目利き力を高められるかという課題もあります。

「うちの行員が対応できるか未知数だ。まずはメガの動きをウオッチする」と、ある地方銀行の頭取はこう話しています。

地銀の多くが融資する際に使うのは、企業の貸借対照表や損益計算書、調査会社の評価を機械処理にかけ、評点を出して債務者区分する方法です。

企業価値担保権が導入されれば、企業のノウハウや技術力、将来性など財務諸表に表れない価値を行員が評価する必要があります。

特に、将来キャッシュフローの現在価値をはかるディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)がよく使われますが、地銀などになじみは薄いです。

「営業の現場が案件を取ってきても審査部門が対応できるのかが心配だ」(金融庁)との声も漏れているようです。

金融庁は、担保や保証に依存せず事業そのものの成長性を見極めて貸し付ける「事業性融資」を金融機関に促してきました。

初めて文言として登場したのは2014年で、今からちょうど10年前のことです。

事業者との綿密な関係性によって得た情報をもとに貸し出す、リレーションシップバンキング(リレバン)の一環として推奨してきました。

地銀もこの動きに呼応して決算説明資料などで「事業性融資」という項目を導入しましたが、実態は「ほとんどが担保融資や保証協会付き融資だ」と金融庁幹部は明かしています。

新法の制定過程で、金融庁は、定期的に地銀や信金の幹部に企業価値担保権のコンセプトや活用策についてレクチャーを重ねてきました。

金融機関、事業者それぞれに対応する支援機関を民間に設け、助成金などで支援することも視野に入れているようです。

綿密な制度設計と銀行の本気度が試されます。

企業価値を担保にした融資はできるのでしょうか?

事業性融資もほとんどできていないでしょうから。

個人的には、バリュエーション業務(株価算定業務)をやっているので、いわゆるDCF法を使って計算を行うことがあるのですが、説明しても分かる方は少ないですし、恣意性の入る余地が多分にありますので、地銀や信金は経験がないとなかなか厳しいでしょうね。

企業価値を担保にした融資をメガバンクが活用に向け準備していることについて、あなたはどう思われましたか?


商工中金が2025年4月の民営化に向け財務省が株売却へ7月に入札を開始!

共同通信によると、財務省は、先日、中小企業への融資を担う政府系金融機関の商工中金を2025年4月にも民営化する見通しだと発表しました。

政府が保有する約46.5%の商工中金株を売却するための一般競争入札を2024年7月に開始し、2025年3月末までに売却手続きを終える予定です。

株式の売却先は中小企業のほか、中小企業関連の組合や団体に制限します。

財務省は売却額の見通しを明らかにしていませんが、証券会社の店頭扱いによる売買価格から単純計算すると、1,700億円を超える可能性があります。

商工中金を巡っては、民営化に向けた改正商工中金法が2023年6月に成立し、政府が保有する全株式について、2年以内に売却するよう定めています。

個人的には、民間の金融機関と同じレベルで競争させるべきだと思っていますので、商工中金の民営化はよいことだと思います。

そのうえで、金融機関は多すぎると思いますので、(金利ではなく)サービス等で競って、淘汰されたり、統合したりしていけばよいと考えています。

商工中金が2025年4月の民営化に向け財務省が株売却へ7月に入札を開始することについて、あなたはどう思われましたか?


保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等を開始!

法人である中小企業者が、一定の要件を満たした場合に、保証料率の上乗せを条件に保証人による保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等が創設され、2024年3月15日から取扱いを開始されました。

2022年12月23日、経済産業省は金融庁・財務省とも連携の下、①スタートアップ・創業、②民間金融機関による融資、③信用保証付融資、④中小企業のガバナンス、の4分野に重点的に取り組む「経営者保証改革プログラム」を策定しました。

同プログラムでは、「経営者保証に関するガイドライン」(以下「経営者保証ガイドライン」という。)が定める経営者保証を提供することなく資金調達を受ける場合の要件(①法人・個人の資産分離、②財務基盤の強化、③経営の透明性確保)を充たしていれば経営者保証を解除する現在の取組を徹底するとともに、経営者保証ガイドラインの要件のすべてを充足していない場合でも、経営者保証の機能を代替する手法を用いることで、経営者保証の解除を中小企業者が選択できる制度を創設することなどが明記されました。

こうした背景等を踏まえて、中小企業の4割が利用している信用保証制度において、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を更に加速させ中小企業の事業の発展を後押しするため、以下の3つの制度を創設し、2024年3月15日から保証申込の受付を開始しました。

なお、本制度の利用に関しては、金融機関または最寄りの信用保証協会にお問い合わせください。

1.事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の創設について
信用保証付融資において、一定の要件を備えた中小企業者が保証料率の上乗せを条件として経営者保証を提供しないことを選択できる制度です。

本制度を様々な信用保証付融資に適用することで、経営者保証を提供することなく融資を受けることができます。

●事業者選択型経営者保証非提供制度の概要●
<要件>
次の要件のいずれにも該当すること(*)
① 過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において決算書等(*1)を申込金融機関の求めに応じて提出していること。
② 直近の決算において代表者(*2)への貸付金等(*3)がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと。
③ 直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと。
④ 上記①及び②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること。
⑤ 中小企業者が、保証料率の上乗せにより保証人の保証を提供しないことを希望していること(*4)。

(*)法人の設立後最初の決算が未了の者の場合にあっては①から③までに掲げるものを、法人の設立後最初の2期分の決算が未了の者にあっては③に掲げるものをそれぞれ除く。

<保証料率>
上記の③の要件の両方を満たす場合
→信用保証協会所定の保証料率に0.25%上乗せ
上記の③の要件のいずれか一方を満たす場合又は法人の設立後2事業年度の決算がない場合
→信用保証協会所定の保証料率に0.45%上乗せ
<保証人>
不要

<対象となる保証>
無担保保険(限度額8,000万円)に係る保証など。
<その他>
原則として、本制度を適用する個別の保証制度等の取扱いに準じる。
(*1) 原則、決算書とするが、必要に応じて試算表や資金繰り表等も含む。
(*2) 「代表者」には代表権を持つ者のほか、代表者に準ずる者も含む。
(*3) 「貸付金」以外の金銭債権(仮払金・未収入金等)も含み、少額のものや事業の実施に必要なものは除く。
(*4) 経営者保証を不要とすることができる既存の保証制度等については、本制度によらず、引き続き従前の取扱いが可能。

2.事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度(国補助制度)について
前記1.の横断的制度の活用を一気に加速していくため、当初3年間(2027年3月末まで)の時限措置として、上乗せされる保証料率の一部を国が補助する信用保証制度を創設します。
●事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度の概要●
<要件>
前記1.の事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の要件と同じ。
<保証限度額>
8,000万円
セーフティネット保証(4号・5号)の場合は、別枠で8,000万円
<保証期間>
(1)一括返済の場合:1年以内
(2)分割返済の場合:10年以内(据置期間は1年以内)
<保証料率>
前記1.の事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の保証料率と同じ。
<保証料補助>
保証申込日に応じて、次の補助率に相当する額を国が補助します。
・2024年3月15日~2025年3月31日の保証申込分
補助率 0.15%
・2025年4月1日~2026年3月31日の保証申込分
補助率 0.10%
・2026年4月1日~2027年3月31日保証申込分
補助率 0.05%
<保証人>
不要
<取扱期間>
2027年3月31日まで
3.プロパー融資借換特別保証制度について
経営者保証を求めない取組による信用収縮を防止し、民間金融機関における取組浸透を促すために、例外的に、既往のプロパー融資(*)(経営者保証あり)から信用保証付き融資(経営者保証なし)への借換を認める保証制度を時限的に創設します。
(*) 信用保証協会の保証を付さない融資のこと

●プロパー融資借換特別保証制度の概要●
<要件>
以下の全ての要件を充足する法人
① 資産超過であること
② EBITDA有利子負債倍率(*1)が15倍以内であること
③ 法人・個人の分離がなされていること
④ 申込日(*2)において返済緩和している借入金がないこと

(*1) EBITDA有利子負債倍率=(借入金・社債-現預金)÷(営業利益+減価償却費)
(*2) 危機関連保証又はSN保証4号(新型コロナ)の指定期間内の場合は、指定期間の始期の前日でも差し支えない。

<対象資金>
借換資金(プロパー融資のうち、経営者保証を提供している事業資金の借換えに限る。)
<保証限度額>
保証限度額:2億8,000万円(組合等4億8,000万円)
申込金融機関における保証限度額は、プロパー融資のうち、経営者保証を提供していない残高の範囲内。
<保証期間>
(1)一括返済の場合:1年以内
(2)分割返済の場合:10年以内(据置期間は1年以内)
<保証料率>
0.45%~1.90%
<保証人>
不要
<取扱期間>
2027年3月31日まで
<その他>
申込金融機関において、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
(1)経営者保証を不要とし、かつ、保全のないプロパー融資を実行すること
(2)経営者保証を提供している既往のプロパー融資(本制度による返済部分を除く。)の全部又は一部について経営者保証を解除し、かつ、解除したプロパー融資については保全がないこと

<お問い合わせ先>
中小企業庁事業環境部 金融課 神崎
担当者:来島、青木、古川
電話:03-3501-1511(内線5271)
FAX:03-3501-6861

経営者保証を外す動きがどんどん加速していますね。

金融機関のスタンスは濃淡あると思いますが、思ったよりは簡単に外せるのではないかと思います。

我々公認会計士・税理士・社外CFOも腕の見せ所ですね。

保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度等を開始したことについて、あなたはどう思われましたか?


紙の手形・小切手サービスを大手銀行が廃止し発行停止も議論!

日本経済新聞によると、三井住友銀行やみずほ銀行が紙の約束手形、小切手のサービスを相次ぎ廃止するようです。

政府は2026年をめどに紙の手形・小切手の電子化を目指していますが、削減幅は2026年度の全廃に向けた全国銀行協会の当初計画の7割にとどまっています。

大手銀行が背中を押すことで、中小企業の業務負担を改善し生産性改善につなげる狙いがあるようです。

約束手形とは商取引における代金決済方法の一つで、将来の一定期日に代金を支払うことを約束した有価証券を指します。

受取人は指定された期日になったら金融機関に手形を取り立てに出し、現金に換金することができます。

手形による取引は、明治時代の手形交換所以来の商慣行です。

取引先への支払いが猶予されることから経済成長期には、手元資金に余裕のない発注企業の資金繰りに役立ってきました。

ただし、近年は入金の遅さなどの弊害が目立ってきました。

三井住友銀行が廃止するのは明細の一覧化のほか、「連続手形」と呼ぶ手形の用紙を1,000枚以上ひとまとめにして印刷したり、用紙に事前に支払い元の社名を印字しておいたりするサービスです。

廃止対象のサービスを利用する企業数は1,000社を超える規模になります。

みずほ銀行は企業がみずほ銀行に持ち込んだ取り立て手形の持ち込み日別、期日別の明細や入金予定を一覧にするサービスを2025年12月に廃止します。

三菱UFJ銀行もサービスの縮小を検討する方針です。

紙の約束手形、小切手を利用する企業にとっては手形の管理を自前でこなさなければならないなど利便性の低下につながります。

大手銀行が相次ぎ紙の手形サービスを縮小する背景には、2017年の未来投資会議で掲げた約束手形や小切手の電子化を目指す政府方針があります。

2021年の成長戦略実行計画でも5年後の手形の廃止や、小切手の全面的な電子化を目指す方針を盛りこみました。

全国銀行協会は2026年度末までに手形、小切手の交換枚数をゼロにする自主行動計画を定めました。

新規発行についてはすでに停止している銀行が多いようです。

三井住友銀行は2023年10月以降の新規の当座預金口座の開設者を対象に手形・小切手の発行を停止したほか、2027年4月以降を期日や振出日とする手形や小切手の取り立て受け付けを2023年末で止めました。

三菱UFJ銀行、みずほ銀行の両行も2023年9月に追随する方針を明かしました。

ただし、手形、小切手の利用縮小ペースは落ちてきています。

手形や小切手の電子化には支払い元、支払先が一体となった移行が必要となり、中小企業への周知は十分とはいえません。

手形や小切手での支払いの決済費用が値上げされても、なお他の決済手段に比べて高いと言い切れない事情もあります。

三井住友銀行は既存の当座預金の顧客向けに新規の発行に応じてきた手形・小切手の停止の議論を始める方針です。

三井住友銀行の手形・小切手類の利用件数は年数百万枚規模にのぼり、新規顧客向けに設けた当座預金の規定と従来の規定を統合することを検討しています。

三菱UFJ銀行とみずほ銀行も検討を進める意向を示しています。

政府は下請け企業への支払いに使う約束手形の運用をおよそ60年ぶりに改め、商品を納入し手形を発行してから決済までの期限を原則120日から60日以内に短縮する方針です。

電子化の恩恵を念頭に企業間決済の迅速化を後押しする狙いがあります。

大手銀行の新規顧客を対象にした手形、小切手の発行停止を受け、りそな銀行も2024年1月から新規顧客の発行停止に踏み切りました。

地方銀行でも群馬銀行や常陽銀行が当座預金口座の新規開設停止に踏み切るなど各行の動きが加速しています。

紙の手形がなくなっても、電子化された手形は残ります。

電子化された手形は電子記録債権と呼ばれ、全国銀行協会がやりとりを仲介する「でんさいネット」があります。

全国銀行協会は手形・小切手の電子化で年400億円近くのコスト削減効果があるとみています。

アメリカもかつては小切手主体でしたが、中小企業にも銀行振込やクレジットカードが浸透し始めているほか、中国でも手形の半分は電子化されているとされます。

労働力不足に悩む日本の中小企業にとって紙の手形の廃止は業務のデジタル化へ向けた好機になりそうです。

紙の手形や小切手は盗難や紛失のリスクもありますし、管理コストもかかりますので、早く電子化が当たり前になって欲しいですね。

紙の手形・小切手サービスを大手銀行が廃止し発行停止も議論していることについて、あなたはどう思われましたか?


世界最強のゴールドマン・サックスでも1年で撤退した日本の銀行業務の特殊さ!

Business Journalによると、アメリカのゴールドマン・サックス・グループ(GS)が日本での銀行業務から撤退するようです。

GSは2021年に日本で銀行免許を取得し、2023年4月からゴールドマン・サックス・バンクUSA東京支店を通じて主にトランザクション・バンキング業務を提供していましたが、すでに新規取引の受付を終了しています。

「世界最強の金融グループ」と呼ばれるGSは、なぜ開始から1年もたたないうちに日本での銀行業務からの撤退に追い込まれたのでしょうか?

GSは日本では、主にゴールドマン・サックス証券とゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを通じて、投資銀行事業や資産運用事業を展開しました。

国内外の株式やデリバティブ、債券・為替商品をはじめとする投資関連サービス、M&Aアドバイザリー業務、社債発行をはじめとする企業の資金調達引受業務、自己勘定投資・運用などを行っています。

なかでもM&Aアドバイザリー業務では2023年まで7年連続で世界シェア1位であり、「世界最強」と呼ばれるゆえんともなっています。

「GSの強みはM&A業務などを通じて培った世界中の大企業との取引関係にあります。

M&Aや投資、提携などあらゆる面で顧客企業に有望な相手を見つけて引き合わせる力を持っているのです。

また、世界中に拠点を持ち、あらゆる金融サービスを手掛けているため、日本の銀行や証券会社と比較して圧倒的に幅の広い内容の提案を顧客企業に行うことができます。

商品開発からトレーディング、アナリスト、資産運用、営業まで多岐にわたる領域に高度なスキルの人材を揃え、さらに全部門がグローバルな規模で密に連携して日々の業務を展開しているのもGSの強力な武器」(外資系証券会社関係者)

GSは「投資銀行」とカテゴライズされることが多いですが、日本のメガバンクや地方銀行が手掛ける個人向け預金口座の運用や企業融資業務、決済業務など、日本で一般的に「銀行業務」と呼ばれるものは行っていませんでした。

2021年には日本で銀行免許を取得し、2023年からトランザクション・バンキング業務を始めるとして銀行業務に参入しました。

トランザクション・バンキング業務とは、口座管理、資金管理、送金、支払いなどを企業などから受託するものです。

GSはグローバルでシステムを構築しており、企業は24時間365日、世界160カ国、120の通貨での送金や資金管理などが可能となります。

「銀行業務から撤退といっても、GSは個人からの預金集めや企業融資をやっていたわけではなく、国内外への送金、資金管理を企業から受託しようとしていた。

ただし、日本の大手企業はこのあたりの業務はすでにメインバンクの大手銀行などに任せており、今さら外資系に乗り換える理由は少ない。

一方のGSもそれほどこの新事業に力を入れていた様子はうかがえず、『試しに少しやってみたものの芽が出なそうだ』ということで早々に撤退したということでは」(外資系証券会社関係者)

メガバンク関係者は言っています。
「GSは法人向けの投資銀行業務やトレーディングは強いが、この分野はそのときどきの市況に左右されて業績に波が生じる。一方、競合のモルガン・スタンレーが強い富裕層向けの資産管理業務は業績の振り幅が小さく安定的に利益を生むとされる。そのためGSも近年では資金管理の分野を強めようとしており、欧米では一定の成果が出ているようだ」

GSは2019年にアメリカのユナイテッド・キャピタル・ファイナンシャル・パートナーズの買収を発表し、個人富裕層向け資産管理事業に力を入れていましたが、当初見込んでいた成果を出せずに2023年に同事業を売却しています。

「日本に限っていえば、企業とメインバンクの関係は強固であり、それまでメインバンクにお願いしていた業務を簡単に『こっちのほうが便利なので外資に切り替えますね』とはならないし、事業会社にとって送金や決済は本業ではなく事務処理の一部なので、従来通りメインバンクに丸投げしたほうがラクという面もあるだろう。

こうした日本の特殊事情もGSの新規参入をはばんだのかもしれない」(メガバンク関係者)

世界的に強い企業でも、日本の商慣習などに勝てないということなんでしょうね。

日本でも、金融機関が多すぎると言われて久しいので、あまりおいしい業務ではないように思いますが。

一方、資産管理業務は、個人的には、ニーズはそれなりにあるのではないかと思っています。

世界最強のゴールドマン・サックスでも1年で撤退した日本の銀行業務の特殊さについて、あなたはどう思われましたか?


トモニHD社長は「公募増資で貸し出しニーズ応える」!

2024年03月12日(火)

日本経済新聞によると、徳島大正銀行と香川銀行を傘下に持つトモニホールディングス(HD)は、2023年末に公募増資などを通じて112億円を調達しました。

全国の地銀で公募増資を実施したのは5年ぶりとみられます。

その狙いや経営環境、事業の見通しなどについて中村武社長に聞いています。

――全般的な経営環境をどう見ていますか?
「最大の注目点はモノの価格が上がり、賃金が上がり、そして『金利のある世界』がまもなくやって来そうだということ。国内では20年、30年ぶりの出来事だ。金利が上がれば、金融機関にとっては貸出金利息の増加というプラス面と、与信コストの増加というマイナス面の綱引きが起こるだろう」

――足元の経営状況はどうですか?
「2023年4〜12月期の業績は、経常利益が同時期では過去最高だ。中身を見ても本業の利益が伸び、役務収益など非金利収入でも稼げるようになっている。経費節減の成果も出ている。貸し出し面では取引先のニーズに応え、役務取引でもビジネスコンサルティングやサステナビリティー(持続可能性)の分野で利益が出ている」

――2023年末に公募増資を実施した背景は?
「当社の自己資本比率はこれまで8%台で、全地銀の中でも下から数えた方が早かった。経営上の最大の弱点といえた。地域の中小企業向けの貸し出しが多く、リスクを取りながら事業を進めてきたのが大きい。利益の積み上げで9%台を目指したが、貸し出しで分母となるリスク資産が増え、思うように行かなかった」
「これからの経営環境を考えたとき、取引先の融資ニーズに積極的に応えるためにも財務基盤の強化は不可欠だ。貸し出しがあるからこそ取引先のニーズがわかり、コンサルティングにもつながる。今回の増資で自己資本比率は9%を超えた」

――公募増資を公表後、株式希薄化の懸念から株価は2割程度下がりました。
「株式市場が厳しい反応を示したことは真摯に受け止める。だが、より大事なのは、この資本を使って我々がどういうビジネスを展開するかをきちんと説明し、実際の利益につなげることだ。金融機関で低位のPBR(株価純資産倍率)を含め、中長期的に考えていきたい」

――新たな経営計画が走り始めて1年、進捗をどう捉えていますか?
「順調とみる。例えば法人コンサルティングの売り上げは2024年3月期の上半期だけで、2023年3月期の7割の水準に達した。今回の増資で財務基盤が整ったこともあり、施策をさらに加速していく」

――エリア戦略についてはどう考えていますか?
「地元の徳島・香川については、持続可能な地域経済にいかに貢献するかを重視している。一方、東京の経済規模は両県の16倍。新店舗は東京が中心になるだろう。香川・徳島の取引先と東京・大阪のビジネスをつなぎながら、皆で成長を目指したい。貸し出しは東京の伸びが大きくなるが、地元軽視ではない」

(聞き手は日本経済新聞社鈴木泰介氏)

新型コロナウイルス禍の影響が薄れる一方、ゼロゼロ(実質無利子・無担保)融資の返済や物価高など四国企業を取り巻く状況は厳しいです。

財務基盤を強化したトモニHDが、こうした地元企業の課題にどう対処するかに注目が集まります。
一方で、公募増資は株価の下落という副作用をもたらしました。

同社のPBRは0.3倍前後で、解散価値とされる1倍を大きく下回ります。

地域経済への貢献と自社の利益拡大を両立する展望を描けるか、日銀出身の中村社長の手腕の見せどころです。

個人的には、公募増資で株価が下がっていたので、PBRが異常に低いのは気にはなりますが、株を買ってみました。

社長が日銀出身ということは知りませんでしたが、どうなっていくか楽しみですね。

知名度のない東京の融資を増やすというのがよく分かりませんが、地域に貢献する銀行であってほしいと思います。

トモニHD社長は「公募増資で貸し出しニーズ応える」について、あなたはどう思われましたか?


2023年の香川県のメインバンクシェアは1位は百十四銀行、2位は香川銀行、3位は高松信用金庫!

OHKによると、民間の信用調査会社、帝国データバンク高松支店は2023年の香川県内にある企業のメインバンクのシェアランキングを発表しました。

1位は高松市の百十四銀行でした。

9位までは前年と順位は変わっていません。

上位20の金融機関のうちメインの社数が前年に比べて10社以上増えたのは、百十四銀行と観音寺信用金庫の2つの金融機関のみでした。

また、全国のメインバンク社数ランキングでは百十四銀行が前の年と順位は変わらず39位(8,556社)でした。

香川以外の四国3県にある地方銀行では、愛媛県の伊予銀行が22位(13,201社)、徳島県の阿波銀行が51位(7,328社)、高知県の四国銀行が57位(6,808社)でした。

20位までは下記のとおりです。

順位 金融機関名 社数 シェア 前年比 前年順位
1位 百十四銀行(高松市) 6,968 45.78% ▲ 0.44 1位
2位 香川銀行(高松市) 2,658 17.47% ▲ 0.42 2位
3位 高松信用金庫 1,314 8.63% ▲ 0.26 3位
4位 中国銀行(岡山) 1,175 7.72% ▲ 0.30 4位
5位 観音寺信用金庫 617 4.05% +0.06 5位
6位 四国銀行(高知) 386 2.54% ▲ 0.06 6位
7位 香川県農協 306 2.01% ▲ 0.10 7位
8位 伊予銀行(愛媛) 278 1.83% ▲ 0.05 8位
9位 香川県信組 164 1.08% +0.03 9位
10位 愛媛銀行(愛媛) 87 0.57% +0.01 12位
11位 三菱UFJ銀行 86 0.57% ▲ 0.03 10位
12位 阿波銀行(徳島) 83 0.55% ▲ 0.02 11位
13位 三井住友銀行 64 0.42% ±0.00 13位
14位 徳島大正銀行(徳島) 53 0.35% ▲ 0.02 15位
15位 西日本信漁連 52 0.34% ▲ 0.01 16位
15位 みずほ銀行 52 0.34% ▲ 0.04 14位
17位 ゆうちょ銀行 32 0.21% ▲ 0.01 17位
18位 商工中金 27 0.18% ▲ 0.02 18位
19位 高知銀行 (高知) 13 0.09% ±0.00 19位
20位 香川県信連 7 0.05% ±0.00 20位
20位 楽天銀行 7 0.05% +0.01 21位

【調査について】
・1企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位と認識している金融機関をメインバンクとして集計しています。
・帝国データバンクの企業概要データベースを基に分析しています。

個人的には、楽天銀行がメインバンクのところがそれなりにあるのが驚きでした。

あとは、都銀がメインバンクのところは少ない(メインバンクにする必要がない?)なぁと思いました。

いずれにしても、最後まで責任をもって助けてくれるところをメインバンクとしないといけないですね。

2023年の香川県のメインバンクシェアは1位は百十四銀行、2位は香川銀行、3位は高松信用金庫だったことについて、あなたはどう思われましたか?


経済産業省が経済対策に基づく新たな資金繰り支援策を行います!

経済産業省が、経済対策に基づく新たな資金繰り支援策を行います。

経済産業省は、2023年11月2日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき、以下2点の新たな資金繰り支援を行います。
●保証料上乗せにより経営者保証の提供を不要とする信用保証制度を創設するとともに、制度の活用促進のため、3年間の時限的な保証料負担軽減策を実施

●日本政策金融公庫等のコロナ資本性劣後ローンについて、黒字額が小さい事業者の金利負担軽減措置を講じる

<1.新たな信用保証制度を創設>
中小企業の4割が利用している信用保証制度で、依然として信用保証付融資の7割で経営者保証を徴求している現状を変えるため、保証料を上乗せすることで、経営者保証の提供を不要とする信用保証制度を創設することに加え、3年間の時限的な保証料負担軽減策を行います。

●保証料率の上乗せという経営者保証の機能を代替する手法を活用することから、経営者保証ガイドラインの3要件(①法人・個人の資産分離、②財務基盤の強化、③経営の透明性確保)よりも緩和した要件を設定。

●新制度の活用を促すため、新制度における「上乗せ保証料」について、3年の時限措置として軽減(2025年3月末までの保証申込分は0.15%、2025年4月から2026年3月までの保証申込分は0.10%、2026年4月から2027年3月までの保証申込分は0.05%に相当する保証料を国が補助)。

【対象要件 (一定の経営規律等、経済産業省令に規定)】

次の要件のいずれにも該当すること(※)

①過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において貸借対照表、損益計算書等その他財産、損益又は資金繰りの状況を示す書類(※1)を当該金融機関の求めに応じて提出していること。

②直近の決算書において代表者への貸付金等(※2・3)がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと。

③直近の決算において債務超過ではない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字ではないこと。

④上記①及び②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること。

⑤中小企業者が保証人の保証を提供しないことを希望していること(※4)。

(※)法人の設立後最初の決算が未了の者の場合にあっては①から③までに掲げるものを、法人の設立後最初の2期分の決算が未了の者にあっては③に掲げるものをそれぞれ除く。

【保証料率】

●通常の保証料率に、上記③の要件を両方とも満たしている場合は0.25%、どちらか一方のみを満たしている場合は0.45%の上乗せを行う(2期分の決算書がない場合は0.45%の上乗せ)。

●事業者負担軽減のため、時限措置として、上乗せした保証料の一部について軽減措置を実施。

(※1)原則、貸借対照表及び損益計算書とするが、必要に応じて試算表や資金繰り表等も含む。

(※2)「代表者」には代表権を持つ者のほか、代表者に準ずる者も含む。

(※3)「貸付金」以外の金銭債権(仮払金・未収入金等)も含み、少額のものや事業の実施に必要なものは除く。

(※4)経営者保証を不要とすることができる既存の保証制度等については、本制度によらず、引き続き従前の取扱いを可能とする。

本制度については、2024年3月15日より申込受付を開始し、それに先立ち2024年2月16日より、要件確認などの事前審査も開始します。

<2.日本政策金融公庫等のコロナ資本性劣後ローンの金利運用見直し>
コロナ資本性劣後ローンの黒字金利は、直近決算の黒字額から負担することになりますが、黒字額が小さい場合、金利負担により実態上赤字に転落する場合があります。

そのため、直近決算で黒字の事業者が翌年度に黒字金利を支払った場合に、直近決算において事実上の赤字に陥る場合には、直近決算期後1年間については赤字金利(0.5%)を適用するという運用見直しを2024年2月16日より行います。

最近、地銀の方何名かに聞いたところ、経営者保証を取らないようになっているとは言っていますが、一方で、貸さないところも出てくるでしょうから、保証料を上乗せするというのはニーズがあるでしょうね。

ただし、保証付の融資よりプロパー融資の方が借りやすくなるほど、保証協会が厳しくなっているとも耳にしますが。

経済産業省が経済対策に基づく新たな資金繰り支援策を行うことについて、あなたはどう思われましたか?


非上場株投信が日本でも可能に!

日本経済新聞によると、誰でも買える公募投資信託に非上場株を組み込めるようになるようです。

これまでは時価を算出しにくいため制限されてきましたが、ベンチャーキャピタル(VC)などが使う国際基準を使って公正に評価できるようにします。

身近な投信で投資できるようになれば個人の選択肢が広がり、上場予備軍の新興企業も大規模な資金調達が可能になります。

金融庁の金融審議会(首相の諮問機関)の方針を受け、運用業界の自主規制団体である投資信託協会が2024年2月15日に自主ルールを改正しました。

非上場株の組み入れの上限は、米国の制度を参考に、純資産総額の15%までです。

個人にとっては新規株式公開(IPO)前の成長段階で投資機会を得ることにつながります。

新たなしくみで、野村アセットマネジメントや三井住友DSアセットマネジメント、フィデリティ投信などが非上場株を組み入れた投信づくりを検討します。

株価指数に連動したパッシブ運用にとどまらない運用商品の多様化につながる可能性があります。

非上場株の投信への組み入れは法令で禁じられているわけではありません。

ただし、日本の公募投信は時価評価の規則が厳しく、発表頻度が少ない気配相場による算定を求めてきました。

このため、非上場株を投資対象にすることは事実上、できませんでした。

投資信託協会は非上場株を「公正価値」で評価するようにルールに明記しました。

公正価値評価は国際会計基準(IFRS)や米国会計基準が求める時価の算定手法で、純資産や割引キャッシュフロー、類似企業との比較などで価値を測定します。

欧米のVCはスタートアップに投資する上で公正価値を出しており、日本のVCにも広がってきています。

非上場株の解禁に伴い投資家保護の新たなルールも導入しました。

投信の販売会社に対して顧客に渡す目論見書で非上場株の流動性の低さなどリスクの説明を求めます。

運用会社には非上場株の発行企業の経営の健全性を確保し、財務諸表を基に企業の継続に重要な疑義を抱かせる内容がないか継続的な審査を義務づけます。

アメリカでは非上場株を組み入れた投信が普及しています。

アメリカの資産運用大手フィデリティ・インベスメンツやアメリカのティー・ロウ・プライスは2019年に上場した配車アプリ大手のアメリカのウーバー・テクノロジーズの株を非上場の段階から投信に組み入れていました。

ティー・ロウは上場前のアメリカのX(旧ツイッター)株も投信に組み入れており、プロの運用担当者が投資銘柄を選ぶアクティブ運用投信の好成績を支える一因になりました。

すでに、イギリスのフィデリティ・インターナショナルが運用するイギリス籍の投信において一部、日本の非上場株を組み入れており、その一つが18年に上場したネット印刷仲介サービスのラクスルでした。

運用会社が新たに日本籍の投信を設定する際も、投資対象はIPOが近い「レイター」段階が中心になる見通しです。

アメリカのCBインサイツによると、アメリカで企業価値が10億ドル(約1,500億円)以上の非上場企業を指す「ユニコーン」は、2023年10月19日時点で約650社あり世界で最も多い一方、日本は7社にとどまります。

小粒なまま上場して機関投資家に相手にされず、市場から資金調達できない悪循環に陥っていました。

非上場株を組み入れた投信を運営する上で、非上場株の売買を仲介する流通市場の整備が必要となります。

多くの投資家が売買に参加する公開市場と異なり、簡単には売却できない分、リスクは高いとされます。

非上場株の組み入れは純資産総額の最大15%で、残りは上場株が中心になります。

解約が相次げば非上場株の比率が15%を超える可能性があります。

例えば、非上場株のIPO時に既存株主が売却できない「ロックアップ期間」は換金を認めないなどの工夫が必要になるでしょう。

日本は1997年に未公開株を売買するグリーンシート市場を開設し、15%を上限に非上場株や私募債などの組み入れを認めていました。

ただし、2000年に流動性の低い不動産を追加する際にこの規定を撤回したことで、運用期限がなく毎月購入や解約ができる投信に非上場株を組み込む動きが広がりませんでした。

2.000兆円の家計金融資産をプロの目利きで非上場株に供給すれば、スタートアップが上場する前の段階でも大規模な資金調達をして企業価値を高めやすくなります。

個人マネーを活用して企業の成長力を高める「資産運用立国」の実現をめざします。

会社の資金調達方法が増えることはいいことですね。

そして、もっと非上場株式への投資が世間に認識されればいいなぁと思います。

こういったことがきっかけで、日本でもユニコーンがたくさん出てきて欲しいですね。

非上場株投信が日本でも可能になることについて、あなたはどう思われましたか?


地銀融資は「無保証」が過半で事業承継・起業に追い風!

日本経済新聞によると、地方銀行で経営者に個人的な債務保証を求めない無保証融資が急増しているようです。

金融庁によると、2023年4~9月の地銀99行の新規融資に占める無保証融資割合が、半年前(2022年10月~2023年3月)より14ポイント高い54%となりました。

メガバンクなど大手行9行は4ポイント高い76.5%でした。

2023年4月の金融庁の監督指針改正をきっかけに、個人保証に頼った融資慣行が大きく変わりつつあるようです。

経営者保証は、会社が返済不能になった場合に経営者個人が私財を差し出して借金を返済する契約のことです。

経営者の心理的なハードルが高く、事業承継や起業の妨げになっているとの指摘があります。

金融庁の調査によると、2023年4~9月は99地銀のうち96地銀で無保証融資の割合が半年前より上昇しました。

無保証融資比率の伸びが最も大きかったのが福井県が地盤の福邦銀行で、25%から74%へ49ポイント上昇しました。

次いで京都銀行が39ポイント、琉球銀行が38ポイント、長野県が地盤の八十二銀行が37ポイント、横浜銀行が35ポイント上昇しました。

福邦銀行は昨春から、経営者保証を求める案件を本部に申請し、申請後も必要かどうか一件一件精査するプロセスに変えました。

従来は、経営者保証を求めない場合に本部に申請をしていました。

担当者は「保証を求めない融資を進めるには従来以上に企業としっかりと向き合うことが必要。企業との関係性で良い効果が出てきている」と話しています。

京都銀行は「原則代表権を有する経営者1人を徴求する」としていた保証の取り扱いを「原則無保証にする」に変更しました。

支店長の権限で無保証融資を決裁できるようにしたのも伸びの要因です。

現場経験が浅い行員でも一定のレベルで企業に説明できるように、説明の助けとなる動画も作成しました。

新規融資に占める無保証融資比率は、東京スター銀行の96%が最も高くなっています。

次いで、地銀単独の融資(プロパー融資)で経営者保証を廃止した北国銀行が87%です。

あとは、中小企業向け融資を専門とする東日本銀行が81%と高くなっています。

地銀で無保証融資比率が軒並み上昇したのは、2023年4月の金融庁の監督指針改正で経営者保証を求める手続きが厳格になったことがあります。

経営者保証を求める場合は、保証契約の必要性などを企業に具体的に説明することを義務付けました。

説明した件数は金融庁にも報告が必要となり、安易に経営者保証を付ける慣行を是正する狙いです。

金融庁が経営者保証を付ける慣行の見直しを促すのは、事業承継や起業などによる経済の新陳代謝を促すためです。

経営者保証は経営の規律につながる一方、事業に失敗すると経営者は自宅不動産や私財を失い、生活や再挑戦が難しくなります。

それゆえ、事業承継などに二の足を踏む要因といわれてきました。

経営者保証が外れても、貸出金利などの貸し出し条件には「直接的な影響は及んでいない」(金融庁)との指摘があります。

もともと銀行が経営者保証を求めるのは、全国銀行協会などのガイドラインで示される法人と個人の分離などの要件を満たしていない場合に限られるはずでした。

ところが、要件を満たしていても「慣習で当たり前のように(経営者保証を)付けていた」(関東地区地銀)ケースが多かったようです。

こうした保証を外したからといって、金利引き上げは求めにくいようです。

今後の課題は、比較的リスクの高い先が対象となる信用保証付き融資での経営者保証の取り扱いです。

中小企業の4割が使う信用保証制度では、融資の7割で経営者保証が使われています。

銀行が信用保証付き融資を利用する場合に経営者保証を求めるかどうかは、あらかじめ信用保証協会が銀行に示している基準がベースで、付けざるを得ない面があります。

経済産業省は、中小企業などが経営者保証なしでも融資を受けられる信用保証制度を創設します。

3月から受け付けを開始し、通常よりも高い保証料を支払うことで経営者保証が不要になります。

制度開始から3年間は国の補助で保証料上乗せ分の負担を軽減する方針で、利用が進むかが焦点となります。

経営者保証がなくなるのは、借りる方からすれば良いことですね。

少し前に、とあるところで借入金の執筆の中で経営者保証は取らないようになってくるということを書いたのですが、僕が想像した以上に、経営者保証を取らない融資が増えていますね。

金融機関側からすれば、色々と思うところはあるようですが(笑)。

地銀融資は「無保証」が過半で事業承継・起業に追い風が吹いていることについて、あなたはどう思われましたか?


銀行界が新型融資の活用を拡大して新興企業の資金調達を支援!

時事ドットコムによると、銀行が、創業間もないスタートアップ(新興企業)の資金調達支援に乗り出しているようです。

新株予約権と融資などを組み合わせた「ベンチャーデット」と呼ばれる手法を活用しています。

ベンチャーキャピタル(VC)による出資に依存してきた新興企業の資金調達手段の多様化が期待されています。

ベンチャーデットは、銀行が企業から新株予約権を取得し、それを担保代わりに融資する手法です。

銀行側は株式の価値が高まるのを待って権利行使するケースが多く、VCへの新株発行よりも株式の価値の希薄化を避けられるほか、土地や建物など資産がなくても、多額の融資を受けやすい利点があります。

銀行側も、新興企業が株式を上場すれば、取得した株式を売却しリターンを得られます。

ベンチャーデットは、2023年に入ってみずほフィナンシャルグループや三井住友銀行、りそな銀行などの大手が本格参入しました。

静岡銀行など地域金融機関も強化し始めています。

早稲田大学の入山章栄教授は「経済の疲弊が進む地方では新産業創出が不可欠。地銀には力を入れてほしい」と期待しています。
2008年度に取り組みを始めた日本政策金融公庫の2022年度の融資実績は75億円と前年度の2倍に拡大しました。

創業間もない企業の審査は難しく、最近は金融機関からノウハウについての問い合わせが増加しています。

日本政策金融公庫の荻布靖新事業・スタートアップ支援総括課長は「競争優位性や販売体制など黒字化の道筋について丁寧で細かな分析が大事だ」と話していますす。
日本政策金融公庫などから融資を受けたIT企業、スカイディスク(福岡県福岡市)の内村安里最高経営責任者(CEO)は「資本政策的にも、株式の割合を抑えて大口資金を調達できるのが魅力」と語っています。

三菱総合研究所によると、ベンチャーデットの規模はアメリカで年間2兆円超(2020年時点)ですが、日本は推計で100億円程度にとどまっています。

全国各地で起業家育成事業を行うガイアックスの上田祐司社長は「これまで銀行が参入しないのに違和感があった」と語り、銀行による積極的な取り組みを求めました。

色々な資金調達方法が出てくるのは、良いことですね。

金融機関も投資信託やイデコなどの手数料で稼ぐのではなく、融資を受ける側の立場に立った独自のサービスで競って、稼いでほしいですね。

銀行界が新型融資の活用を拡大して新興企業の資金調達を支援し始めたことについて、あなたはどう思われましたか?


「経営者保証なし」が急増し新規融資の47%に!

日本経済新聞によると、金融庁は、先日、万が一の場合に経営者個人が私財を差し出して借金を返済する「経営者保証」に関する融資の実態調査の結果を公表しました。

2023年4〜9月の民間金融機関の新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合は、2022年度に比べ13ポイント上昇し、47%となりました。

金融庁がメガバンクや地方銀行、信用金庫など計533機関の実態を調査しました。

2020年度から約3%ずつしか上昇していませんでしたが、金融庁が2023年4月に監督指針を改正したのを機に、比率が急上昇しました。

経営者保証に依存しない融資のうち、2023年4〜9月に新規に無保証で融資した件数は57万4,100件と、前年同期比で41%増加しました。

経営者保証を代替するコベナンツなどを活用した融資の件数は5.3倍に増えました。

既存融資で経営者保証を解除した件数も80%程度増加しました。

金融庁によると、業態別ではメガバンクなどの主要行が61%、地銀が55%、信金が37%、信組が22%と、すべての業態で22年度と比較して改善しているそうです。

個別の銀行の実態は、2024年1月末にも公表されます。

金融庁は2023年4月に金融機関向けの監督指針を改正し、経営者保証を求める場合は保証契約の必要性などを企業に具体的に説明することを義務付けました。

経営者保証を求める手続きを厳格にすることで、安易に経営者保証をつける融資を抑制する目的でした。

経営者保証は経営の規律づけに寄与する一方で、思い切った事業転換や再挑戦の妨げとなっていると指摘されてきました。

起業や事業承継をためらう一因にもなっているとされます。

2022年12月には経済産業省、金融庁、財務省が「経営者保証改革プログラム」を策定し、金融機関に対して安易に経営者保証をつける慣行の改善を要請していました。

経営者保証なしの方向性は良いことだと思います。

個人的には、思ったより、経営者保証なしの割合が高かったなぁと感じています。

まぁ、金融機関も融資できる先を探しているような状況だと思いますので、どこかの金融機関が経営者保証なしで来ると、ほかの金融機関も横並びで来ると思いますので、ますます加速していくでしょうね。

「経営者保証なし」が急増し新規融資の47%になっていることについて、あなたはどう思われましたか?


弥生の顧客にGMOあおぞら銀行がAI融資を導入!

日本経済新聞によると、インターネット専業のGMOあおぞらネット銀行は、人工知能(AI)を活用して最短即日で審査結果を通知する融資サービスを始めます。

弥生(東京都千代田区)の会計ソフトを利用する企業が対象で、財務諸表ではなく会計データを分析して与信判断します。

融資上限は3,000万円と従来よりも上がり、規模の大きい企業に取引を広げることを狙っているようです。

弥生の子会社、アルトア(東京都千代田区)が手掛けるAIを使った会計データ分析システムを利用します。

1年以上の会計データがあることが条件で、利用する会計データには取引の日付や売掛金・買掛金などの勘定科目、金額などが含まれます。

時系列での資産の推移やキャッシュフローなどを分析しやすくなります。

融資額は100万円〜3,000万円の範囲で、金利は0.5〜8.5%の固定金利です。

返済期間は最長3年です。

オンラインで申し込み、最短即日で審査が終わります。

財務諸表を使わないAI融資は住信SBIネット銀行なども運転資金を対象に手掛けていますが、GMOあおぞらの融資は運転資金にも設備資金にも使えることが特徴です。

GMOあおぞらはこれまで最大1,500万円の融資枠型のローンを手掛けていました。

創業間もないスタートアップが主な対象でしたが、融資額が小さく企業が成長すると対応できない場合もあったようです。

AI融資で売上高が数億円程度の企業まで対応できるようになります。

僕自身、弥生PAPのゴールド会員なので、こういう融資の形があることは、ありがたいですね。

返済期間が最長3年で、設備資金として借りる人がいるかどうかは疑問ですが。

結局は、返済ができれば良いと思いますので、事業計画を作ったり、色々な書類を出したりする手間が省けますから。

弥生の顧客にGMOあおぞら銀行がAI融資を導入することについて、あなたはどう思われましたか?


政府系コロナ融資の不良債権は6%の8,700億円!

日本経済新聞によると、政府系金融機関が中小企業に行った新型コロナウイルス対策融資で不良債権が拡大しているようです。

実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの不良債権が2022年度末に約8,700億円と全体の6%になったことが会計検査院の調べで分かりました。

回収不能額は既に697億円に上ります。

民間の融資分も含めれば不良債権は2兆円を超す可能性があり、スピード優先の副作用が出ています。

会計検査院は、先日、官庁や政府出資法人を調べた2022年度決算検査報告を岸田文雄首相に提出しました。

検査で税金の無駄遣いを指摘したり改善を求めたりしたのは344件、総額約580億円でした。

併せて日本政策金融公庫と商工組合中央金庫によるコロナ対策融資の検査結果を示しました。

同貸付は国が財政援助しており、焦げ付きは国民負担になる恐れがあります。

会計検査院は債務者の状況把握を適切に実施するよう求めました。

ゼロゼロ融資は、コロナ禍で需要が蒸発した中小企業の資金繰りを支えるため2020年3月に公庫や商工中金など政府系金融機関で取り扱いを始めました。

融資要請が殺到し2020年5月から民間金融機関でも受け付けるようになりました。

合計の利用件数は2022年9月末時点で約245万件、実行額は約43兆円にのぼります。

民間分も同様の傾向ならゼロゼロ融資全体の不良債権は単純計算で2兆円超になる可能性があります。

公庫と商工中金の2022年度末までの貸付実績は19兆4,365億円で5兆582億円が返済され、残高は14兆3,085億円でした。

回収不能額を減損処理する「償却」は697億円ありました。

「正常債権」は13兆5,064億円でした。

回収不能の恐れがある「リスク管理債権」が8,785億円、公庫が回収不能の可能性が高いとして償却した「部分直接償却」が1,246億円ありました。

リスク管理債権の額は2020年度末の3倍強になりました。

8,785億円の内訳は、返済が3か月以上遅延したなどの「要管理債権」が4,929億円、経営・財務が非常に悪化した「危険債権」が3,731億円でした。

経営破綻先の「破産更生債権」などが124億円でした。

ゼロゼロ融資はコロナ禍で中小企業の資金繰りを支え、倒産や失業者の急増に伴う社会不安の抑制に効果を発揮しました。

半面、大手銀幹部が「非常事態でほぼ目をつむって貸していた」と話す通り、スピードを重視した結果、すでに経営が行き詰まっていた企業を延命させたり審査が甘くなったりする副作用を生んだのです。

金融庁によると、銀行や信金など民間金融機関の融資に占める不良債権比率は2022年3月末時点で1.6%です。

民間を補完する役割の政府系金融機関の不良債権比率はおのずと高くなりがちです。

ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は増えています。

東京商工リサーチによると2020年7月から2023年9月までの累計の倒産(負債額1,000万円以上)件数は1,077件でした。

2023年4〜9月は333件で前年同期比44%増えました。

2023年5月から5か月連続で50件を超えるなどペースは速まっています。

旅館業を営んでいた猪の倉(三重県津市)は2023年9月、津地裁から破産手続きの開始決定を受けました。

コロナ禍の行動制限で来客数が大幅に落ち込み資金繰りが悪化しました。

ゼロゼロ融資を受けて事業継続を目指したものの、過去の設備投資による負担もかさみ、再建を断念しました。

背景にあるのがゼロゼロ融資の返済本格化です。

元本の返済猶予期間が終わる企業が続出し2023年7月には約5万社で返済が始まりました。

物価高や人手不足が経営の重荷になる中、ゼロゼロ融資の返済が重なって資金繰りに窮する企業が増えているのです。

帝国データバンクによると、実質破綻状態でありながら事業を続ける「ゾンビ企業」は2021年度末で約18.8万社と、コロナ禍前の2019年度から約3割増えました。

金融機関の融資姿勢にも問題はありました。

ゼロゼロ融資は自治体が最初の3年間は利子を企業に代わって払うのに加え、返済が焦げ付いても信用保証協会が肩代わりします。

金融機関はほぼリスクを負わずに貸し出しを伸ばすことができるため、地銀や信金は競い合うように利用を促したのです。

未曽有の危機に直面して審査が甘くなったのは海外も同じです。

アメリカでは2020年春に担保不要で保証料なしの「給与保護プログラム」など中小企業向けの緊急支援を実施しました。

アメリカ中小企業庁が2023年6月に公表した報告書によると、1.2兆ドル(約180兆円)の緊急支援のうち360億ドル分で不正が見つかったのです。

不正の9割弱はプログラム開始から当初9か月間で発生しました。

経済活動が急停止する未曽有のコロナ禍で、経済の底割れを防ぐためにゼロゼロ融資などの資金繰り支援は必須でした。

ただし、いつまでも延命的な支援は続けられません。

M&A(合併・買収)や事業譲渡で雇用を確保するなどして、再生の見込みがある企業に支援を集めるといった政策が求められます。

少し前から予想されていたことではありますが、表面化してきましたね。

今後、国がどうするのか分かりませんが、個人的には、追加の支援をしても延命するだけであり、根本的な解決につながらないと推測されるため、もう支援はいらないのではないかと思います。

当然、経営者や個人事業主が再起できるような手当は考える必要はあると思いますが。

金融機関が安易に融資して、国民が負担するというのもどうなんでしょうね。

政府系コロナ融資の不良債権は6%の8,700億円であることについて、あなたはどう思われましたか?


コロナ禍の迅速融資の副作用でコンプラ違反倒産が最多!

日本経済新聞によると、粉飾決算などコンプライアンス(法令順守)違反が発覚し、借り換え融資などを受けられずに倒産する企業が増えているようです。
民間調査会社によると、コンプラ違反関連の倒産は2023年1〜8月で228件と前年同期比39%増え、同期間で過去最多でした。
新型コロナウイルス禍の融資で金融機関が審査の質よりスピードを優先させた「副作用」が出ているとみられます。

帝国データバンクによると、要因別では粉飾決算、違法な営業活動などによる業法違反がそれぞれ50件で最多となっています。
補助金などの不正受給(19件)、私的流用による資金流出や横領などの不正(18件)が続きました。粉飾が発覚した業種では、卸売業が全体の30%を占め最多でした。
架空取引のほか、資金調達を目的にした取引の実態を伴わない不正な手形を使ったケースが多くなっています。

背景には実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化があります。
2023年7月から2024年4月にかけて返済ピークを迎えるなか、「ゼロゼロ融資の返済開始後に資金を手当てできず、借り換えや追加融資を金融機関に求めた際に不正が発覚したケースが目立つ」(帝国データの内藤修・情報統括部課長)ようです。

産業用機械のトガシ技研(山形県鶴岡市)は2023年2月、民事再生法の適用を申請しました。
帝国データによると、2022年7月、架空取引による粉飾が発覚し債務超過に転落しました。
固定費削減などに取り組んできましたが、自力での再建を断念しました。

コロナ禍での資金繰り支援は融資実行のスピードが重視され、本来は審査で問題が疑われるような企業にも資金が回り、結果としてコンプラ違反企業の延命につながっていた可能性があります。
2020年3月に始まったゼロゼロ融資は2022年9月末時点で約245万件、実行額は約43兆円まで膨れ上がったのです。

ある都内の信用金庫関係者は「審査が緩んだ面は否めない」と振り返っています。
ゼロゼロ融資は各都道府県が最初の3年間は利子を企業に代わって払うのに加え、返済が焦げ付いても信用保証協会が肩代わりするのです。
金融機関の負うリスクは小さく、むしろ低金利にあえぐ信金や地銀は競い合うように貸し出しを積極化しました。

実際、コンプラ違反は融資を受ける企業だけでなく、貸し手側にもありました。
中日信用金庫(名古屋市)はゼロゼロ融資を実行しやすくするために取引先の業績を改ざんしていたことが発覚し、2022年9月に東海財務局から業務改善命令を受けました。
その後、中日信金は経営責任を明確にするため当時の理事長が辞任しました。

コンプラ違反企業の倒産が増えている状況について、東洋大学の野崎浩成教授は「銀行の審査機能、情報をきちんと分析する能力が十分に発揮されないまま、ある意味で銀行のモラルハザード、借り手のモラルハザード、両方が原因で増えた」と指摘しています。

コロナ禍の資金繰り支援は倒産抑制に寄与した半面、本来なら淘汰されるべき企業の延命にもつながりました(いわゆるゾンビ企業)。
日本も金利のある世界になれば、利払い負担が重くなり、こうした「ゾンビ企業」の淘汰は一段と加速する可能性があります。

「今後、金融機関は事業の成長を見極める事業性評価をきちんと実施していくことが重要だ。事業性に問題があれば、廃業や他社によるM&A(合併・買収)を含めた方向性を示していく必要がある」(東洋大の野崎氏)としています。

平時ではない有事の際には、細かいことよりスピードが重視されるのは当然か思いますが、平時の時から、金融機関はもっと事業の成長を見極める眼を養っておく必要があると思いますし、補助金などではないので返済しないといけないなど、借り入れに関す知識を持っておかないといけないと思いますし、財務の状況を把握しておかないといけないのではないかと改めて感じた記事でした。

コロナ禍の迅速融資の副作用でコンプラ違反倒産が最多となったことについて、あなたはどう思われましたか?


りそな銀行が金利6%でも需要見込みベンチャー融資に100億円!

日経ビジネスによると、スタートアップ向け融資に大手銀行が本腰を入れ始めたようです。
今秋には、りそな銀行がまず首都圏と関西の一部店舗での融資を開始し、合計100億円規模を貸し出す想定のようです。
りそなはこれまで銀行が避けてきた、貸し倒れリスクの高い「アーリー期」も融資対象とする異例の戦略をとります。

りそな銀行は2023年10月内をメドに、スタートアップ向けの融資を本格化します。
これまでも資金ニーズに応じて貸し出してはいましたが、まだ事業基盤の薄い企業のリスクと成長性をどう見極めるか、支店ごとに判断が難しい面もあります。
今後はまず関東と関西の一部店舗で、業界内で「ベンチャーデット」と呼ばれる手法を広めます。
1件当たり1億円前後を想定しており、第一段階として合計100億円規模を貸し出す方針です。

新株予約権を組み合わせた融資で、起業家や既存の投資家に配慮しながら、長期的な関係構築を狙います。
企業ごとの事情にもよりけりですが、金利は概ね年3~6%を想定しています。
既存の中小企業向け融資より高水準ではあるものの、「運転資金や人材獲得費用など幅広い資金ニーズを想定している」そうです(ベンチャー支援グループの小川悠介グループリーダー)。

りそなホールディングス(HD)の南昌宏社長は2023年5月の決算会見で、「(りそな自身の)資本面の蓄積が進み、本格的に活用するフェーズになってきた」と語っています。
りそな銀行は今から20年前の2003年に資本不足が表面化し公的資金を受け入れましたが、経営再建を進めこれを完済しました。
自己資本比率は2023年6月末時点で12.61%(国内基準)と、健全な水準を維持しています。
一般的な企業に比べるとリスクの高いスタートアップにも、融資を広げられる余裕が出てきたのです。

政府が「スタートアップ5カ年計画」を実行中という追い風もあり、新興企業の資金調達をどう支えるかが重要なテーマです。
三菱UFJ銀行のようなメガバンクから比較的大手の地方金融機関まで、この分野への融資拡大を進め始めました。
そうした新たな取引先がいずれ各地の有力企業や中堅・大企業に成長すれば、継続的な貸出先になり得ます。

りそな銀行が差別化を図るのは、対象とするスタートアップの成長ステージです。
比較的初期に分類される「アーリー」の段階でも、有望な事業内容なら融資できるようにします。

通常なら、アーリー期ではまだ貸し倒れリスクが高いので、銀行が取引するのは難しいでしょう。
土地や建物など、担保にできる資産をほぼ持っていないケースも多くなっています。
商品やサービスが対象市場に合致していると判断できるPMF(プロダクト・マーケット・フィット)という状態に達するまで、予想キャッシュフローから企業価値を割り出すことも難があります。
既存の上場企業と比較して価値を算定することも多いですが、まだ金額は揺らぐ段階です。
このため、スタートアップ向け融資に参入した多くの金融機関は、新規上場(IPO)や他社による買収などが視野に入るレイター期、もしくはその手前のミドル期を主な対象としています。

ただ、特にレイター期の有力なスタートアップに対しては融資競争が激しくなるでしょう。
金融機関にとってのブルーオーシャンを探すためにも、りそな銀行はあえてリスクがより高いアーリー期へ乗り出すことにしたのです。

具体的には、すでにエクイティ(資本)の調達ラウンドで概ね初回または2回目に相当する「シリーズA」を終えた企業を対象とします。
ベンチャーキャピタル(VC)が将来性を見込んで出資しており、創業初期に比べると事業計画や財務を書面で確認しやすい状況になっているはずです。
実際の売り上げを計上し始める時期でもあり、「本当にPMFを達成できるかは別途検証が必要となるが、お客さんに購入理由をヒアリングして潜在力を検討できる段階」(小川氏)とみています。

起業家がベンチャーデットを活用するのは、「保有株の希薄化を防ぎたい」という理由もあるようです。
例えば創業初期の時点で、創業者として自社の発行済み株式の80%を所有しているとします。
そこからエクイティ調達でシリーズA、B、Cと進み、第三者割当増資などで株式を割り当てていきます。
その時々の企業価値と発行株数にもよりけりですが、創業者の持ち分は70%や60%などと低下していきます。

これはVCにとっても同です。
各ラウンドで複数のVCが協調して出資するケースが一般的ですが、エクイティ調達を重ねて多数のVCが入るたびに、既存VCの持ち分は希薄化します。
このため、返済可能なら投資先スタートアップが融資も活用したほうが将来のリターンを狙えるのです。

資金を借りたいスタートアップの経営陣にとっては、融資条件となる新株予約権の内容について銀行とよく相談しておく必要があります。
銀行は借り手の返済能力について「正常先」や「要注意先」「破綻懸念先」などと債務者区分を設けていますが、スタートアップについても特別扱いはしないそうです。
赤字でも貸し出す銀行は増えつつありますが、取引開始時点から「要注意先」として警戒される可能性があります。
銀行は与信費用を計上したり既存企業より高い金利を設定したりしておきますが、もう1つのリスク管理手法が新株予約権です。

多くのベンチャーデットでは、スタートアップが融資を受けるのと併せて、新株予約権を銀行に発行します。
このとき企業価値の評価額が低ければ、銀行は転換可能な株式数をより多く設定しないとリスクに見合わないのです。
スタートアップ経営陣は、企業価値への期待や返済能力について十分に説明する必要があります。

スタートアップ側としてはせっかくエクイティでなく融資で調達する以上、株式の希薄化リスクを抑制するために、銀行がいつから新株予約権を行使できるのかよく確認しておくべきです。
りそな銀行のケースだと「IPO後の市場売却」を念頭に置いており、基本的に上場前の段階では権利行使しない予定だそうです。
創業者やVCがいつの時点で持ち株を放出する段取りなのかをよく考えながら、ベンチャーデットの条件を確かめねばなりません。

銀行が期限前の融資返済を迫ることが可能な「コベナンツ(財務制限条項)」も要チェックです。
現預金の最低残高を条件として設定されるケースも多く、借りた資金をすべて使い切るわけにはいきません。
そうしたことを考慮した上で、企業として資金を使えるペースを算出する必要があります。

銀行は融資の審査時だけでなく、実行後もスタートアップの財務状況と成長性を継続的に見ていきます。
特に「本当に事業成長に資する資金の使い方なのかどうか」(小川氏)については、エクイティ調達に比べてシビアに判断するようです。

一方、「銀行によっては組織内の稟議書が非常に多く、ベンチャーやスタートアップのスピード感に追いついていないところもある」ようです(国内の起業アドバイザー)。
ベンチャーデットの活用に当たっては、銀行もスタートアップもお互いに相手の実情をよく確かめておく必要があります。

りそな銀行がベンチャー融資に本腰を入れるということで、ノウハウはあるのだろうかと思いましたが、結局、VCが出資しているところに融資するということなんですね。
ベンチャー企業にとって、資金調達の幅が広がるのは良いことなんでしょうが、融資する側も今までにないような将来性を見極めた融資もしてくれたらなぁと思いました。

りそな銀行が金利6%でも需要見込みベンチャー融資に100億円を貸し出すことについて、あなたはどう思われましたか?


ビッグモーターの90億円の返済に銀行団は借り換え応じず8月18日までに返済!

中古車販売大手ビッグモーターが借入金90億円を取引先金融機関に返済したことが、先日、分かったようです。

ビッグモーターは借り換えを要請していましたが、銀行団が応じませんでした。
現預金を取り崩すなどして対応したとみられます。
2023年8月18日が返済期限でした。

ビッグモーターは直近で300億円以上の現預金があり、ただちに資金繰りが悪化するようなことにはならないと思われますが、自動車保険の不正請求問題を受けて、顧客離れが進んでおり、販売が大きく落ち込んでいます。

銀行団に融資のリスクが大きいと判断されていることから、今後は支援企業が必要になるとの見方が強まっています。

今回の騒動を受けて、ビッグモーターで車を売ったり、車を買ったり、車検をする人は激減するでしょうから、個人的には、このままでは破綻に向かうのではないかと思います。
報道では、デロイトのコンサルを受けているとのことですが、売却等のための資産査定をしているのではないかと思います。
大きな会社が買うのではないかと推測されますが、早く創業者を一掃することと、過去の悪事を明らかにすることが必要でしょうね。
それでないと、金融機関は支援しにくいでしょう。

ビッグモーターの90億円の返済に銀行団は借り換え応じず8月18日までに返済したことについて、あなたはどう思われましたか?


中小の資金繰り支援策を9月末まで半年延長!

日本経済新聞によると、政府は新型コロナウイルス対策として導入した中小企業の資金繰り支援策を9月末まで半年間延長するようです。
日本政策金融公庫の低利・無担保融資などが対象となります。
実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済期限を迎える企業に対して支援を続ける必要があると判断しました。

日本公庫の低利・無担保融資は、新型コロナの感染拡大を受けて2020年3月に始まりました。
コロナの影響で売上高が減少した中小企業に無担保で、通常より低い金利で資金を貸し出します。

政府は2022年9月のゼロゼロ融資の終了に合わせて、同月で終了予定だった低利・無担保融資の期限を2023年3月末まで延長することを決めていました。
その期限をさらに2023年9月末まで延長します。

ゼロゼロ融資の融資総額は2022年9月末時点で計43兆円にのぼり、2023年に返済開始の山場をむかえます。

政府は低利・無担保融資の期限を2023年9月末まで延長することで、ゼロゼロ融資からの借り換えを円滑にします。
エネルギーや食料を中心に物価高騰が続いていることも考慮しました。

コロナ対策向けの資本性劣後ローンや、物価高騰対策で導入されたセーフティネット貸付についても、2023年9月末まで期限を半年間延長します。

一時的な資金繰りに困っている事業者を支援することは良いことだと思いますが、ゾンビ企業をさらに増やしたり、延命させたりするような状況にはならないようにしてほしいですね。
5月以降どうなるかはよく分かりませんが、おそらく、コロナ前の状況には戻らないでしょうから、退場すべきところにはいったん退場していただいて、再出発していただいたほうが日本の将来のためにも良いと考えています。

中小の資金繰り支援策を9月末まで半年延長することについて、どう思われましたか?


商工中金は政府関与を段階縮小!

日本経済新聞によると、政府が今国会への提出を目指す商工組合中央金庫(商工中金)法の改正案の概要がわかったようです。
政府保有株は公布から2年以内に全株を売却する方針を明記しました。
将来的な政府関与の縮小に向けて、業務のあり方4年以内に再検討する規定も設けます。

政府は商工中金に46%出資しています。
法案では政府保有株を「できる限り速やか」に売却すると記しました。
代表取締役を選ぶ際の国の認可は4年以内に廃止し、届け出制とするようです。
災害時などの危機対応融資の業務は残します。
株式会社化する際に政府出資を振り替えた特別準備金も維持します。

法案の付則には、政府関与を縮小するための検討規定を盛り込みました。
公布から4年以内に事業の見直しを検討します。
政府株売却後のガバナンスや地域金融機関との連携の状況を踏まえます。
危機対応業務も「所要の措置を講ずる」と記しました。
将来的な同業務の責務の廃止を視野に入れています。

政府は全株を売却し、商工中金法を廃止した段階で「完全民営化」になると位置づけています。
法廃止の時期の明示は見送りました。
「法律を廃止するための措置を講ずることができると認めるとき」に廃止するとの表現にとどめたのです。

改正案は、経済産業省の有識者会議が先日まとめた報告書に沿った内容です。
公的な役割は残しつつ、業務範囲は全株を売却した段階で銀行法に近づけます。

再生企業への出資上限を引き上げて100%出資できるようにするほか、登録型人材派遣やIT(情報技術)システム販売といった業務が新たに可能になります。

政府系金融機関として、日本政策金融公庫もありますし、一時期不祥事続きだったので、ようやくかぁという感じですね。
検討に4年もかけていたら、時代の変化に追いつかないような気はしますが、良い方向に変わればいいですね。

商工中金は政府関与を段階縮小することについて、どう思われましたか?


経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度が2023年3月にスタート!

日前ジャーナルによると、経営者の個人保証(経営者保証)が起業・創業の阻害要因とならないように、経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度として創設された「スタートアップ創出促進保証制度」が2023年3月中にスタートするそうです。

スタートアップを含む起業家・創業者の育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決する鍵と言えますが、失敗時のリスクが大きいために起業することをためらう起業関心層のうち、約8割が「借金や個人保証を抱えること」を懸念しています。

そこで、こうした懸念を取り除き、創業機運の醸成、起業・創業の促進につながるように、経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度としてスタートアップ創出促進保証制度が創設されたのです。

スタートアップ創出促進保証制度は2023年3月中に開始予定とされていますが、その利用が円滑にできるように、2月20日から信用保証協会と金融機関が連携して事前相談の受付を開始しています。

<スタートアップ創出促進保証制度>
【保証対象者】
・創業予定者(これから法人を設立し、事業を開始する具体的な計画がある者)
・分社化予定者(中小企業にあたる会社で事業を継続しつつ、新たに会社を設立する具体的な計画がある者)
・創業後5年未満の法人
・分社化後5年未満の法人
・創業後5年未満の法人成り企業

【保証限度額】    3,500万円

【保証期間】       10年以内

【据置期間】       1年以内(一定の条件を満たす場合には3年以内)

【金利】              金融機関所定

※2023年3月中に保証取扱いを開始予定(開始日の確定後、中小企業庁のホームページで公表。)。
※スタートアップ創出促進保証制度の利用に関する問い合わせは、金融機関または最寄りの信用保証協会まで。

個人的には、ゾンビ企業を増やすような施策よりは、スタートアップ企業を増やし、経済を活性化させるほうが良いと考えていますので、良いことだと思います。
どんどん起業していただいて、そのうちの何割かが、うまくいくことを期待しています。

経営者保証を不要とする創業時の新しい信用保証制度が2023年3月にスタートすることについて、どう思われましたか?


新興企業向け「経営者保証」不要の融資制度が2023年3月に開始!

日本経済新聞によると、経営者個人が会社の連帯保証人となる「経営者保証」を不要にできる制度の全容が、先日、判明しました。
2023年3月に経営者保証が不要になる新興企業向けの融資制度を始めるほか、民間の銀行と政府系金融機関に不必要な経営者保証を外すように求めます。
事業再生や新興企業の育成を妨げる一因となってきた融資慣行を、官民で見直します。

経済産業省、金融庁、財務省が「経営者保証改革プログラム」を、先日、公表しました。
民間銀行だけでなく、公的機関にも経営者保証を安易につける商慣習を見直すように求めます。
民間金融機関の業界団体や政府系金融機関、信用保証協会などに対して「個人保証に依存しない融資慣行の確立に向けた取り組みの促進について」と題した要請文を出しました。

銀行だけでなく、信用保証協会など公的機関も経営者保証を求める慣行がありました。
万が一、倒産すれば自宅や自家用車などを差し出す必要があり自己破産に陥るケースもあります。
金融機関にとっては安心して融資できる一方で、創業の意欲や事業承継を妨げる一因となっていました。

創業5年以内のスタートアップは経営者保証を不要にする新しい信用保証制度を始めます。
2023年3月に開始する予定です。
保証上限額は3,500万円で全額保証、無担保とします。
事業者は信用保証協会所定の保証料率に0.2%上乗せした保証料を負担します。

スタートアップの経営者保証をなくすと融資を回収できない「焦げ付き」が発生する懸念もあるため、損失を補塡するための費用として補正予算で約120億円を計上しました。
創業関連保証は年間約1万件の利用があり、原則的に経営者保証を求める慣行があります。
起業に関心がある人の約8割が起業をためらう原因に経営者保証をあげており、保証を不要にする制度をつくりスタートアップを支援します。

2023年4月からは、民間金融機関が安易に保証をとる慣行も是正します。
金融庁が監督指針を改正し経営者保証をつける場合にその必要性について説明義務を課すのです。
結果を記録し、2023年9月期実績から金融庁への報告が必要になります。

「金融機関から経営者保証に関する適切な説明がない」など相談を受け付ける専用窓口も金融庁に設置します。
問題があれば、金融機関に対して特別ヒアリングを行います。

2024年4月からは、創業5年を超えた事業者も経営者保証の解除を選択できる信用保証制度も始めます。法人から代表者への貸し付けがないことや決算書類を金融機関に定期的に提出しているなどの条件を満たし、経営状態に応じた上乗せ保証料を負担すれば解除できます。
中小企業信用保険法の改正案を2023年の通常国会に提出する見通しです。

中小・零細企業のなかには財務状況が悪かったり、法人と個人の資産が分離されていなかったりして経営者保証を求めざるを得ないケースもあります。
経営者保証解除の前提になる収益力改善やガバナンス強化への対応も求めていきます。

良い制度ですね。
やはり、経営者保証というのは、結構な心理的負担があるでしょうから。
保証料が0.2%の上乗せであれば、それほどの負担にはならず、また、個人ではなく会社負担ということになりますので。
ただし、悪用されないように、金融機関や保証協会に事業を見る眼を持ってほしいと思います。

新興企業向け「経営者保証」不要の融資制度が2023年3月に開始となることについて、どう思われましたか?


民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)が開始!

中小企業庁は、2022年10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響の下で債務が増大した中小企業者の収益力改善等を支援するため、借換え需要に加え、新たな資金需要にも対応する信用保証制度(コロナ借換保証)を2023年1月10日から開始しました。

<コロナ借換保証について>
コロナの影響の長期化や物価高など、多くの中小企業が引き続き厳しい状況にある中、積み上がった債務の返済負担への対応はもちろん、事業再構築などの前向きな取組の促進など、個々の事業者の実態を踏まえた支援が重要です。

そのため、今後、コロナ融資の借換え保証制度を創設することで、返済負担軽減のみならず、新たな資金需要にも対応します。

そこで、一定の要件を満たした中小企業者が、金融機関との対話を通じて「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げるコロナ借換保証を1月10日より開始します。

<制度概要>
保証限度額 1億円
保証期間 10年以内
据置期間 5年以内
金利 金融機関所定
保証料(事業者負担) 0.2%等(補助前は0.85%等)
要件 売上または利益率が5%以上減少 など
その他
・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能
・経営行動計画書の作成
・金融機関の継続的な伴走支援

<手続イメージ>

安易に借り換えを認めるのも果たして日本のために良いのだろうかという気はしますが、金融機関の継続的な伴走支援できちんと返済できるようになればいいですね。
実効性のあるものになることを期待します。

民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)が開始したことについて、どう思われましたか?


中小企業庁は数値基準を導入し経営者保証ない融資を促す!

中小企業庁は「経営者保証」をつけない融資を金融機関に促す仕組みを導入するようです。
企業の稼ぐ力や有利子負債の返済能力など具体的な数値基準を設け、経営者保証がなくても融資できるかどうかの判断材料にします。
企業にとっても融資を受けられる条件が分かりやすくなります。
事業再生やスタートアップの成長を阻んでいた融資慣行の見直しが進みます。

経営者保証は個人保証とも呼ばれ、高度成長期に確立されました。
金融機関から受けた融資の返済が滞ったときに、会社が持っている資産と個人の財産を一体で支払う仕組みで、銀行には安心して融資できる面がありました。
一方で経営者は銀行からお金を借りて起業することをためらったり、事業を拡大する意欲を失ったりするとの指摘も多くなっています。

金融庁は2023年4月から金融機関に対し、経営者個人が信用保証を負う場合、具体的な理由を説明するよう義務付け、事実上制限することを決めました。
今回の中小企業庁の仕組みは、その一環となります。

中小企業庁は、先日の有識者会議で詳細を公表し、2022年4月から導入します。
現在のガイドラインには経営者保証をつけない融資を受けるための要件として、①法人・個人の分離②財務基盤の強化③経営の透明性確保の3つがあります。
新たにそれぞれに具体的なチェック項目を策定します。

例えば、財務基盤の強化では、「(有利子負債がキャッシュフローの何倍あるかを示す)EBITDA有利子負債倍率が15倍以内」「減価償却前の経常損益が2期連続赤字でない」といった目安を設けます。

経営の透明性確保については「経営者は日々、現預金の出入りを管理する。終業時に金庫やレジの現金と記帳残高を一致させるなど収支を確認する」といった趣旨の具体例を示します。

新たなルールは強制ではなく、金融機関が使うかどうかは任意となります。
ただし、これまでは経営者保証をつけるかどうかの交渉で金融機関ごとに基準が異なっていたり、基準がなかったりしました。
経営者はどのような点をどのくらい改善すれば、経営者保証をつけずに済むかわかりにくい状況でした。

経営者保証をつけない中小企業向け融資件数は全体の約3割にとどまっています。
金融庁は現状の経営者保証について「合理的な理由がなく不必要に経営者保証を付けている例が多い」と指摘しています。

今回、中小企業庁が数値基準などを導入することで、経営者保証を巡る金融機関と企業の交渉の透明性が増します。
銀行側は財務面だけでなく、アイデアを評価して融資するなどリスクを取る姿勢に転換できるかが今後の焦点となります。

中小企業庁は中小企業の収益力改善やガバナンス体制を整備するための実務指針案も示します。
金融機関や税理士、中小企業診断士向けで指針を活用してもらうように促します。

本来、金融機関は、事業性を評価して融資を行うべきでしょうから、経営者にとって良いことだと思います。
一方で、経営者保証は経営者の責任感を保つ一因となっているのも事実だと思いますので、悪用しようと経営者を防ぐ必要もあるんでしょうね。
事業承継のネックになったりもしますので、日本経済の発展のためにも経営者保証とか担保の提供は、本当になくしてほしいですね。

中小企業庁は数値基準を導入し経営者保証ない融資を促すことについて、どう思われましたか?


税理士支援を手がける日税グループが税理士を通じて債権買い取り!

日本経済新聞によると、税理士支援を手がける日税グループの日税経営情報センター(東京都新宿区)はフィンテック企業のTranzax(トランザックス、東京都港区)と提携し、企業の請求書などの売掛債権を買い取るサービスを始めました。
税理士の紹介を通じて企業に提供することで、買い取り手数料を0.1%からと業界最低水準に抑えています。

新サービスの「日税ファクタリング」は請求書のほか、注文書や補助金、助成金、診療報酬などを買い取り、企業の資金繰りを支援します。

買い取り手数料は請求書の場合で0.1~3%です。
請求書から買い取りを開始し、2022年11月末に注文書などの買い取りを始めます。

ファクタリングサービスの買い取り手数料は、一般的に請求書の場合で3~20%程度が多いようです。
中小企業の負担を抑えるため、日税グループは顧問税理士の紹介書を求めることで信用力を補い、手数料水準を低くしました。

日税グループが提供する税理士報酬の集金事務代行サービスは全国約4万の税理士事務所のうち約15,000を超える事務所が利用しています。
税理士のネットワークを活用し、全国の中小企業や個人事業主へ利用を呼びかけます。

弊事務所も、日税グループが提供している税理士報酬の集金事務代行サービスを利用していますが、ファクタリングサービスのことは、この記事で知りました。
ファクタリングのニーズがどこまであるのか分かりませんが、買い取り手数料が安いということは魅力的なのかもしれませんね。
顧問税理士の紹介書というものがどんなものか分かりませんが…。

税理士支援を手がける日税グループが税理士を通じて債権買い取りを行うことについて、どう思われましたか?


中小企業の融資保証を金融庁が11年ぶりに改正し起業を支援!

日本経済新聞によると、中小企業向け融資で経営者が個人で背負う「経営者保証」の慣行が見直されます。
金融庁が先日発表した監督指針改正案は金融機関に対し、経営者個人に信用保証を負ってもらう場合は具体的な理由を説明するよう義務付ける内容で、事実上、制限を加える規制です。
国が融資慣行にメスを入れるのは、スタートアップ企業が増えない危機感があるようです。

経営者保証の慣行は高度成長期に確立されました。
間接金融主体の日本は銀行がリスクをとり、起業や事業拡大する際の融資手段として定着しました。

金融庁が信用保証を規制するのは11年ぶりです。
2011年には監督指針を改正し、経営者以外の第三者に債務履行を求める「第三者保証」を原則禁止しました。

金融庁の監督指針改正案は、経営者個人が負う「経営者保証」を2023年4月から事実上制限する規制です。
2021年度の中小向け新規融資に占める経営者保証の割合は、民間金融機関全体で約7割に上ります。

改正案は金融機関に対し説明義務を課す内容となっています。
金融機関は理由を説明したことを記録し金融庁に報告しなければならず、経営者保証を求める手続きは煩雑になります。
金融庁はディスクロージャー誌などで取り組み方針を公表するよう要請します。

私財を隠していないか、経営の健全性を確保する意志があるか、不都合な情報を隠したりしないか?
経営者保証をつける場合、経営者保証を外す要件の「法人・個人の区分・分離」「財務基盤の強化」「適時適切な情報開示」の観点で、「どの部分が十分でないために保証契約が必要になるか」「どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるか」の具体的な説明を金融機関に求めます。

監督指針は行政処分につながる手続きを記載するルールブックです。
必要があればヒアリングや検査を実施し、手続きに違反があったり企業とトラブルが起きたりすれば行政処分の対象にします。
第三者保証を原則禁止したときと同じ規制の仕組みで、今回も経営者保証が姿を消す可能性があります。

これまで金融機関は債権保全重視の観点から、従来の慣行のまま保証を付けている例もあります。
金融庁の調査では、金融機関の7割超が新規融資で保証を取る場合に「常にガイドラインについて説明を行う方針」としています。
ただし、実際に金融機関から「ガイドラインの説明を受けた」と答えた事業者は3割程度にとどまっています。
自主的な取り組みを要請してきましたが、金融機関の姿勢に差があるなど現状を踏まえて規制に切り替えることにしたようです。

中小企業庁も、先日、中小企業政策審議会・金融小委員会を開き、経営者保証を解除できる新制度を導入する議論を本格的に始めました。
中小企業が信用保証協会に支払う保証料を上乗せすれば経営者保証を不要にできる仕組みで、財務書類を金融機関に提出したり、代表者が当該企業から貸し付けを受けていないことなどが条件となる方向です。

経営者保証は海外でも珍しくありません。
米連邦準備理事会(FRB)の2020年の報告書によると、アメリカも約6割に上りますが日本より少ないです。
日本の場合、財務内容が良好だったり、逆に弁済能力が不足していたり、「合理的な理由がなく不必要に経営者保証を付けている例が多い」(金融庁)ようです。

中小企業庁の小規模企業白書によると、日本の開業率(2020年)は5.1%で、フランスの12.1%、イギリスの11.9%、アメリカの9.2%と比べて低くなっています。
政府は、2022年6月に閣議決定した「新しい資本主義」実行計画で、成長のエンジンとなるスタートアップ支援を柱に創業資金を借りやすい制度をつくる方針を掲げていました。

新規先や挑戦する事業者に対して銀行側がリスクを取る姿勢に転換することが必須となります。
東洋大学の野崎浩成教授は「財務も大事だが、アイデアを評価して融資するなどこれまで以上に経営者を深く見ていくことが重要」と話しています。

融資の信用保証を巡っては、かつて限度額や保証期間の定めもない「包括根保証」もありました。
しかしながら、生活破綻や自殺の要因と社会的に批判も出ました。
2005年に民法を改正し、今では禁止されています。

事業承継の足かせの一つが、後継者の担保や経営者保証だと言われていますし、そもそも杓子定規に取る必要はあるのだろうかと疑問に思っていたので、制限が入ることは良いことだと思います。
ただし、金融機関にその企業等のビジネスの将来性を見る能力があるのか疑問はありますし、結局、保証料や金利が上がれば、融資を受けにくくなるのではないかと思います。
経営者側が、きちんとビジネスの説明ができ、将来の事業計画を作成できるようにならないといけなくなるのかもしれませんが。

中小企業の融資保証を金融庁が11年ぶりに改正し起業を支援することについて、どう思われましたか?


手形決済の支払いを3日に短縮し信用情報も瞬時に把握!

以前にこのBlogでも書きましたが、日本経済新聞によると、紙の手形や小切手を通じた企業間決済がようやく電子化に向かいます。
全国銀行協会は、2022年11月4日に電子交換所を稼働し、140年以上続いた対面でやりとりする手形交換所を順次、廃止します。
2023年1月からは債権の発生日から支払いまでの期間を最短7営業日から3営業日に短縮します。
また、不渡り情報は瞬時に共有します。
これにより、決済の利便性が増し、企業の経理がやりやすくなります。

銀行、信用金庫、信用組合など全国1,100の金融機関は2022年11月4日以降、原則すべての手形・小切手について、電子交換所上でデータを送受信します。
全国銀行協会によると、全国の手形交換所の廃止によって金融機関全体で年間約8億円のコストを削減できるそうです。
企業の手続き方法には大きな変更はありません。

当座預金に十分な残高がないなど手形・小切手で決済ができず信用力に影響する不渡り情報は、これまで各地の参加金融機関の間で共有してきました。
今後は電子交換所に参加する全ての金融機関が瞬時に把握できるようになります。
異なる地域の企業や顧客の信用不安に関する情報が共有されることで、決済の安全性が高まります。

電子決済に移行しやすくするため、全国銀行協会は2023年1月には手形に代わる決済手段「でんさい」の機能を改善します。
債権の発生日から支払いまでの期間を最短7営業日から3営業日まで短縮するほか、債権金額の下限も1万円から1円に引き下げます。

紙の手形や小切手は残るものの、大手行や地方銀行は手数料を相次ぎ引き上げ、電子決済への移行を促します。
横浜銀行は2022年12月から振り出し側が負担する手形帳や小切手帳の発行手数料を8,800円増の11,000円にします。
受け取り側が負担する代金取立手数料も、2022年11月以降、利用する手形交換所によって異なっていた手数料区分を多くの金融機関が一律にします。
こちらも一部の手数料は上がる方向です。

全国銀行協会の2021年調査によると、回答を得た885金融機関の約半数が発行手数料や取立手数料の見直しを実施・検討しているようです。
常陽銀行は中小企業のインターネットバンキングへの移行を促すため、契約料金と半年分の月間基本料金を2023年6月末までの期間限定で無料にしています。

手形や小切手の歴史は古いです。
手形交換所は1879年に大阪で誕生し、現在は全国107カ所に設置されています。
昭和初期に制定された手形法・小切手法に基づき、企業間の資金決済に使われるようになりました。
印紙税や保管にコストがかかり、2008年に施行した電子記録債権法によって電子手形を発行できるようになったこともあり、交換高は1990年の4,797兆円をピークに減少を続け、2021年度の118兆円まで40分の1に減りました。

政府は2026年度末に紙の手形・小切手もなくす計画です。
金融界も小切手を含めた紙の全面廃止へ年間約536万枚の削減に取り組んでいます。
印紙代や人件費の削減などで、紙から電子決済へ移行することによる利用者全体の効果は約732億円に上ると試算されています。

手形や小切手は管理の手間もかかりますし、紛失等のリスクもありますので、早くなくしてほしいですね。
銀行がインターネットバンキングの利用を促すのであれば、利用料などを大幅に引き下げないといけないかと思います。
個人だと無料で、法人だと有料というのもよく分からないですし。

手形決済の支払いを3日に短縮し信用情報も瞬時に把握できるようになることについて、どう思われましたか?


法人税を払いたくない社長は多いが「中小企業の節税」が招く“本末転倒”!

なぜ、小規模な事業は廃業に追い込まれやすいのでしょうか?
幻冬舎ゴールドオンラインの弊事務所も提携している株式会社SoLaboの代表取締役の田原広一さんの記事によると、突き詰めていくと、原因は「資金不足」ただ一つです。
小さな会社にとっての成長エンジンは、節税ではなく融資・投資です。
融資を受ける可能性が少しでもあるならば知っておきたい、節税にまつわるポイントを見ていきましょう。

自分で事業をしている方のなかには、「税金をなるべく払いたくない」という方も多いようです。

以前、(田原さんが)税理士事務所に勤務していた際も、節税のために「なるべく多くの経費を計上し、赤字申告したい」「なるべく利益を出したくない」という会社も少なくありませんでした。
しかし、赤字決算は融資を受ける際には大きなマイナス評価になるのです。

創業後、少しでも多くの融資を受けるならば、「売上・利益が上がっている」ことが条件となります。

もちろん黒字になれば、税金の支払額は多くなります。
特に法人税を払うことにアレルギーをもつ社長は多くいらっしゃいますが、利益が出た分、役員報酬で支払いを出したとしたら、法人税で支払うか、個人の所得税で支払うかの違いです。

しかも、税率から考えると、法人税で支払うより、所得税(住民税含む)+社会保険料(含む企業負担分)のほうが高くつくケースもあるのです。

また、決算が近づき、利益が出ていると、税金を払いたくないため、決算直前に生命保険を活用した節税策を実践する方もいます。
しかし、現在、法人で加入する保険は、支払保険料の全額を損金計上できる全損商品は少なく、支払い保険料の半分だけ損金計上できる半損商品が大半です。
節税額から見ると、費用対効果が見合わないケースも多いのです。

微々たる節税にせっせと励んだ結果、肝心の投資をしたいときに、利益が出ていないために借入ができず、事業が立ち行かなくなるような“本末転倒”の事態さえ招きかねません。

もちろん、「創業融資以降、融資を受けるつもりはいっさいない」と考えるならば、節税に励むのも一つのやり方ですが、もし融資を受ける可能性が少しでもあるのであれば、確定申告書や決算書を作成する際には注意が必要です。

私(田原さん)自身、創業時に融資のお手伝いをしたお客さまから、「今後も融資を受けていきたいのですが、決算上の数字について留意するポイントはありますか」といったご質問を受けることがあります。

その際は節税ではなく、あくまでも融資の観点から私でできるアドバイスをさせていただきますが、その観点から一つ注意点として、税理士との付き合い方があります。

税理士は税金のプロではありますが、融資に関して精通しているかというと個人差があります。
税理士が売上や利益アップより節税に注力した決算書を作成したがために、融資を受けにくくなるリスクもあるのです。

また、先の保険加入による節税策も、税理士の多くが特定の保険会社の代理店業も兼任しているため、手数料目当てだけではないとしても、将来の事業プランはさておき、目先の節税のために保険加入を勧めるようなケースもないとはいえません。

決算や会社の数字の見せ方については、税理士に一任するのではなく、長期スパンで事業をどうやっていくのか、融資の可能性も含めて、自身の考えを事前にしっかりと伝えておくことが肝心です。
さらに、税理士を選ぶ際には、融資のサポートの実績があるかどうかもチェックしておきましょう。

もちろん、私(田原さん)自身も節税対策が不要だとは思っておりません。
将来融資を受ける可能性があるのであれば、将来を見据えた計画を立てることが大切だと考えております。

ここで私(田原さん)の考えとして申し上げたいのは、小さな会社にとって成長エンジンは“投資”であるということです。

そもそも売上をはじめ、スケールが小さい中小企業や個人事業主が節税で得られるメリットは、大企業に比べて微々たるものです。

それよりも売上を伸ばすことに注力し、現預金を手厚くし、倒産リスクを抑えるとともに、ここぞと思ったときに人材や設備に投資していく。
これこそが、小さな会社にとっての成長、事業拡大につながるのです。

資金繰りも考慮し、多店舗展開したい、資金調達したいというときに、節税に目をとらわれると倒産リスクを高めることにもなりかねません。

借入で上手な資金繰りをしている経営者は、これぐらいは利益を出さなければ回らないという感覚をもっているものです。

目先の損得だけにとらわれることなく、融資を有利に運ぶためには「法人税=必要経費」という考え方で、税金をしっかり払うことこそが安定経営を目指す社長の務めと心得ましょう。

基本的には、僕自身は田原さんがおっしゃっていることと同じことを考えています。
このBLOGでも何度か述べていますが、過去には、節税が経営者の能力と考えている方が何名かいました。
節税も、本当の節税と単なる課税の繰り延べに過ぎないもの、お金がかかるものとかからないものとがあると思いますが、その当たりを理解せずに、ひとくくりで『節税』と思っている方が多いですよね。
今は、保険は節税商品としては売れませんし、個人的には売上高ではなく利益が増えることを考えないといけないと思っています(これについては、普段から費用を変動費と固定費とに分けて考えています。)。
ちなみに、先日、日本ではじめて明太子をつくった『ふくや』の川原社長のお話を聴く機会があったのですが、創業者は、納税額の予定額を決めてから逆算で売上高の予算などを決めていたそうです。

法人税を払いたくない社長は多いが「中小企業の節税」が招く“本末転倒”について、どう思われましたか?


全国の手形交換所の業務が2022年11月に終了で143年の歴史に幕!

TabisLandによると、東京商工リサーチが発表したレポートによると、文明開化の音が響く1879年(明治12年)、近代国家への道を歩み始めた日本で初の手形交換所が大阪に設立されました。
それから143年目の2022年11月2日、全国179か所の手形交換所が手形・小切手の交換業務を終了します。
現在の紙の手形、小切手は引き続き流通し、企業側に手続き変更などは必要ありません。
今後の手形交換業務は、全国銀行協会が運営する電子交換所が引き継ぎます。

これまで手形交換所を経由して搬送していた手形現物は、データ化して電子交換所に送信します。
これにより遠隔地への取立の時間短縮や災害時の輸送リスクも解消します。
政府は、2026年度までに紙の約束手形の廃止を打ち出し、“でんさい”やインターネットバンキングなど決済の電子化を急いでいます。
全銀協などによると、手形交換所は1879年に大阪手形交換所、1887年に東京手形交換所が設立されました。

その後、経済発展とともに手形の流通が活発になり、ピークの1990年の手形交換高は4,797兆2,906億円に達しました。
しかしながら、現金決済への移行や、手形の印紙税、保管、輸送などのコスト負担から手形離れが進みました。
2013年に電子記録債権“でんさい”も始まり、インターネットバンキングなどで決済の電子化が進みました。
この流れを受け2021年の手形交換高は、ピーク時の2.5%にとどまる122兆9,846億円にまで激減しました。

電子交換所でも不渡手形による銀行取引停止処分の措置は続いています。
これまで各手形交換所に参加する金融機関に通知されていた情報は、今後、電子交換所に参加する全国すべての金融機関で共有します。
全銀協によると、手形交換所の業務終了後は、これまでの不渡り情報は削除され、電子交換所に手形交換所の不渡り情報は引き継がれないそうです。

明治時代から続く商慣習が大きく変わります。
個人決済は電子マネーなどが急速に進行し、現金を使わず生活することも可能になりました。
一方、企業の決済は依然として紙の手形、小切手が残り、電子化が遅れています。
電子交換所の誕生は、紙の手形の廃止に向けた歴史的な転換の一歩になります。
ところが、運用をスムーズに進めるには、なかなか利用が進まない“でんさい”の認知と同時に、企業側のITリテラシーの向上も急務となります。

僕が会計業界で働き始めた頃は、結構、手形取引があり、決算時に実際に保管している手形を確認したり、手形のミミをチェックしたりしていましたが、期日現金が導入され、その後、でんさいも導入されましたので、最近は、あまり目にすることがなくなりましたね。
数日前に、いまだに使える場面はあるなぁと思いましたが。

全国の手形交換所の業務が2022年11月に終了で143年の歴史に幕を下ろすことについて、どう思われましたか?


住みながら自宅を売却し高齢者の老後資金を確保する需要が増加!

日本経済新聞によると、持ち家に住みながら売却できる「ハウス・リースバック」を利用する高齢者が増えているそうです。
老後資金などの調達法となり、希望すれば物件の再購入もできるためです。
不動産仲介を手掛けるAnd Doホールディングスは2022年6月期に物件取得数が初めて1,000件を超える可能性があるそうです。
ただし、相次ぐ企業参入でトラブルも散見されており、利用者に対する丁寧な説明は欠かせません。

ハウス・リースバックは、不動産会社が立地や築年数などを調べた上で顧客の持ち家を買い取ります。
顧客は資金調達に加え、不動産会社と賃貸借契約を結ぶことで住み続けることができます。
将来希望すれば、物件を再度購入することも可能なサービスです。

高齢化が進むなか、老後資金の確保や住宅ローンの返済のため、ハウス・リースバックに対する高齢者の需要は高まっています。
不動産業界で2013年にいち早くサービスを始めたのが「ハウスドゥ」ブランドで不動産仲介を手掛けるAnd Doホールディングスでした。

And Doホールディングスの安藤正弘社長は「高齢者は老後資金が必要になるなか、不動産を所有していても現金を持つ人は少ない」と知り、持ち家を使った資金提供の方法を模索しました。

調達法で多いのは持ち家を売却する形ですが、それでは一過性の資金は入っても住まいに困ります。
そこで、引っ越しすることなく、家賃を払って住みながら持ち家の売却で資金を得るサービスを始めました。

And Doホールディングスは全国で直営やフランチャイズチェーン(FC)により、約700のハウスドゥの店舗を持っています。
店に舞い込む依頼や営業担当者による営業活動で需要を掘り起こした結果、2022年3月の単月物件取得数は190件と過去最高を更新しました。
2022年6月期は993~1,060件と大台の1,000件を超える可能性もあるようです。
取得物件について「立地などを見て売却可能かも考慮する」(花谷清明執行役員)なか、2025年6月期には10年前の26倍の1,440件まで伸ばす計画です。

ただし、ハウス・リースバックを一段と浸透させるには課題もあります。
そのひとつが利用者に対する適切な説明です。
ニッチ市場ながら成長性が見込めるとして新規参入企業が増え、「当初の説明と話が違う」など不動産会社と顧客の間でトラブルも聞かれます。
And Doホールディングスの安藤社長は「繊細な事業のため慎重にやっていかないといけない」と話しています。
業界全体で克服すべき問題と言えるでしょう。

ハウス・リースバック以外では、高齢者が持ち家を担保に住み続けて資金を借りる「リバースモーゲージ」の活用も増えています。
日常生活のため生活資金などは必要ですが、住み慣れた家から引っ越しをせずに暮らしたい人は多いようです。
顧客に寄り添ったサービスや対応が求められていますね。

長生きすることは素晴らしいことだと思いますが、一方で、老後の資金が不安にもなってきますよね。
よって、ハウス・リースバックやリバースモーゲージが流行るのは当然のことだと思います。
老後の生活を心配しなくてもいいような日本になってほしいと思いますが。
悪質な業者にだまされたり、説明を聞いていなかったという案件が今後増えてくると推測されますが、自分で調べたり、お子さんに調べてもらったり、納得がいくまで質問したりなどして、失敗のないようにしてほしいですね。

住みながら自宅を売却し高齢者の老後資金を確保する需要が増加していることについて、どう思われましたか?


遠山元衆院議員の仲介で公庫が34支店で37億円超を融資!

読売新聞によると、日本政策金融公庫の融資を巡る貸金業法違反事件で、公庫全体の2割にあたる34支店が、元公明党衆院議員の遠山清彦元財務副大臣(52)(在宅起訴)側が仲介した企業や個人に対する融資業務を担当し、計37億円超を融資していたことがわかったようです。

東京地検特捜部は、融資の手続きが国会議員の紹介を想定したマニュアルに沿って進められていたことから、公庫内部で遠山元衆院議員らの議員案件について組織的な優遇が行われていたとみているようです。

起訴状では、遠山元衆院議員は公庫が行う新型コロナウイルス対策の特別融資などを巡り、2020年3月頃~2021年6月頃、企業や個人の融資希望を公庫に伝え、公庫の担当者を紹介するなど延べ111回の仲介を無登録で行ったとしています。

関係者によると、遠山元衆院議員側の仲介で、全国152の公庫支店のうち、東京都内の12支店など、東北から九州まで16都府県の計34支店が企業や個人事業主から申し込みを受けて審査などの融資業務にあたり、総額約37億2,000万円が融資されました。

事業者は飲食業や建設業、アパレル会社など幅広い業種にわたり、融資1件当たりの最高は3億5,000万円で、数百万円~3,000万円台が多いそうです。

公庫は、国会議員案件に対応するマニュアルを複数作成し、幹部の間で共有していました。

マニュアルには、議員から紹介された企業には支店幹部が応対し、審査結果を迅速に議員に伝えるなど「特別対応」の手順が記されているそうです。

コロナ禍で融資の申し込みが殺到する中、支店幹部が対応することで早期の融資が実現したケースもあったそうです。

東京地検特捜部は、遠山元衆院議員からの仲介で公庫から融資を受けた事業者から任意で事情聴取を実施しました。

複数の業者が「『融資はできない』と言われていたのに、追加融資を受けられた」などと、口利きの効果があったことを認める供述をしたようです。

公庫は読売新聞の取材に対し、「審査基準に沿って適正に対応しており、誰からの紹介であっても特別な取り扱いをすることはなく、審査結果や審査スピードが変わることはない」としています。

国会議員案件に対応するマニュアルを作って対応していること自体、特別な扱いをしているということだと思えますが、公庫のコメントはどうなんでしょうね。
国が100%出資する金融機関だからこそ、平等であってほしいですね。
そうしないと、存在意義がなくなってしまいますから。
そもそも国会議員の口利きビジネスも問題だと思いますので、こういった規制もしてほしいなぁと思います。

遠山元衆院議員の仲介で公庫が34支店で37億円超を融資していたことについて、どう思われましたか?


東証1部から最上位プライムに8割超である1,841社が移行!

時事通信によると、東京証券取引所は、先日、2022年4月4日の市場再編で発足する新市場の所属企業を発表しました。
最上位である「プライム市場」には、トヨタ自動車など現在の東証1部企業の8割超に当たる1,841社が移行します。
このうち、Zホールディングスなど296社は上場基準を満たしておらず、暫定的にプライムにとどまる「経過措置」の適用を受けます。

現在の東証1部など4市場をグローバル企業中心の「プライム」、中堅向け「スタンダード」、新興向け「グロース」の3市場に再編します。
各市場の特徴を明確にし、国内外から活発な投資を呼び込むのが狙いです。
日本の金融市場活性化へ、今後は上場する各企業の稼ぐ力が問われることになります。

東証の山道裕己社長はスピーチし、「企業の持続的成長を支え、国内外の投資家に支持される市場を提供したい」と強調しました。

スタンダードには1,477社が上場し、このうち344社が東証1部から移ります。
長野銀行はスタンダードを選択した理由について、「営業基盤を地元に置く金融機関として身の丈の選択を行った」と説明しました。

グロースには459社が入り、メルカリなどは将来のプライム入りを目指しています。

経過措置が16%も占め、要件を満たすまでの経過措置の期間も決まっていないようですから、中途半端な感が否めないですね。
国外からの活発な投資を呼び込みたいのならば、日本的な中途半端な感じではなく、ルールはルールとしてきちんと運用したほうが良いのではないかと思います。
結局は、東証一部にふさわしくない企業が、東証一部に上場していたということですから。
きちんと運用するほうが、プライムを目指すという企業が増え、プライムの価値が高まるでしょうね。
今後、東証が、経過措置をどう扱うかをウォッチしていきます。

東証1部から最上位プライムに8割超である1,841社が移行することについて、どう思われましたか?


日本政策金融公庫の融資を巡り公明党秘書に1,600万円の「謝礼」受領疑惑!

どこまで捜査の手は伸びるのでしょうか?
日刊ゲンダイによると、日本政策金融公庫の融資を巡り、遠山清彦・公明党元衆院議員の元秘書2人と、太田昌孝前衆院議員の元政策秘書が、違法な“口利き”をした謝礼として計約1,600万円の現金を貸金業登録のない2事業者から受け取っていた疑いがあることが分かったようです。
先日、読売新聞朝刊が報じました。
東京地検特捜部が、貸金業法違反容疑で捜査しているようです。

早速、永田町では「選挙直後に新事実が出てくるのは、何か意図があるのではないか」と噂になっているようです。

「選挙前に発覚していれば、自公にとって大打撃だったのは間違いありません。『特捜部は自公に気を使って、選挙が終わるのを待ったのだろう』とみる関係者は少なくありません」(永田町関係者)

この“口利き事件”が最初に表ざたになったのは2021年8月です。
これまでは、“口利き”には遠山、太田両氏の元秘書2人が関わったとされていましたが、遠山氏の別の元秘書1人にも関与の疑いがあることが分かったようです。

「捜査対象が拡大しているのは明らかです。特捜部は早期に遠山氏の外堀を埋めて関係者の逮捕に踏み切り“幕引き”を図るつもりなのではないか。囁かれているのは、国政への影響を避けるため、12月の臨時国会閉会後、年内に一気にケリをつけるというシナリオです。年を越せば通常国会が始まり、夏の参院選に影響する恐れもあります。そこまで長々と引っ張ることはしないでしょう」(同)

「事件のキーマンとして浮上しているのが、環境関連会社を営む70代男性です。再生可能エネルギー事業を巡る詐欺事件で、社長らが逮捕された太陽光発電関連会社『テクノシステム』で顧問を務めていた人物です。複数のメディアに『遠山をテクノ社社長に紹介したのは俺』『捜査の本丸は遠山じゃない』などと発言。政界人脈は相当なものです。ただ、特捜部は自公政権に気を使っているように見えます。このまま、捜査は広がらずに終わってしまうのではないか」(官邸事情通)

これまで、テクノ社社長が小池百合子都知事の資金管理団体に献金していたことが分かっています。
デイリー新潮は、テクノ社社長と麻生副総理、原田義昭元環境相がともに写る写真を掲載しています。
やはり、大物の逮捕はないでしょうか?

融資を受けられず困っている企業がある中で、口利きで融資を受けれるとしたら、由々しき問題ですよね。
この件が事実ならば、公明党の関係者はもちろんのこと、口利きに応じた日本政策金融金庫の関係者も処分されてしかるべきではないかと思います。

日本政策金融公庫の融資を巡り公明党秘書に1,600万円の「謝礼」受領疑惑があることについて、どう思われましたか?


劣後ローンが中小企業のピンチ救う命綱に!

読売新聞によると、コロナ禍で財務状況が悪化した中小企業などを支援するため、政府系金融機関が設けた「資本性劣後ローン」の融資制度を利用する動きが広がっているようです。
政府系金融機関が資金繰りを助けることで、民間金融機関が中小企業への融資をしやすくなる「呼び水効果」を狙っており、打撃を受けた中小企業の命綱となっています。

東京・赤坂や銀座などに店舗を構える中国料理レストラン「赤坂璃宮(りきゅう)」ですが、緊急事態宣言の解除を受け、客足は戻りつつありますが、先行きの不安は拭えないままです。
蓄積されたコロナ禍のダメージは大きいようです。

店舗を運営する「タン企画」(東京都)の岩渕彦彬会長(78)は「緊急事態宣言中には、売り上げがコロナ禍前の1割程度まで落ちた月もあった」と振り返っています。

2020年、コロナ禍に直面したタン企画はまず、従業員約40人の雇用も守るため、地元の城南信用金庫から融資を受けました。
ただし、借金の増加で財務状況は悪化し、信用力が重視される「フカヒレ」など高級食材の仕入れに支障が生じる恐れが生じたのです。

ここでピンチを救ったのが、劣後ローンです。
日本政策金融公庫と劣後ローンの融資交渉を始め、2021年1月に1億円を借り入れました。

借金が膨らんだ企業に対し、金融機関は貸し倒れリスクを警戒して、当然、追加融資には慎重になります。
大企業であれば新株を発行して自己資本を増強することも可能ですが、中小企業の場合は引受先を探すことが難しいでしょう。

現実的な選択肢となるのが、劣後ローンによる資金調達です。
劣後ローンは借金ながら、借入時には自己資本と見なすことが可能で、大企業の増資に似た効果を持つものです。
タン企画の場合も、劣後ローンにより資本が増強され、城南信金がタン企画への追加の融資を実行しました。

日本政策金公庫は劣後ローンの役割について「民間金融機関による融資の『呼び水』」(広報担当者)と説明しています。
タン企画のケースは、日本政策金融公庫が想定する典型例です。

政府系金融機関による新型コロナ対応の中小企業向け劣後ローン制度は、2020年8月に始まり、日本政策金融公庫のほか商工組合中央金庫(いわゆる商工中金)も担当しています。

限度額は10億円、期間は最大20年で、元本は融資の終了時に一括返済する仕組みです。
金利の支払いは最初の3年目までは年0.5%で、4年目以降は最終利益が黒字であれば引き上げ、赤字ならば据え置きとなります。
日本政策金融公庫の融資決定実績は、2021年8月末までに計3847先、計5,759億円となりました。

コロナ禍の長期化により、借金が膨らむ一方で、手持ち資金が細る企業が増え続けています。
今後も劣後ローンの利用は拡大しそうです。

財務省がまとめた2021年4~6月の法人企業統計によると、資本金1,000万円以上1億円未満の企業(金融・保険業を除く)の借入金総額は約184兆円です。
1年前より10.6%も増えていました。
東京商工リサーチが8月上旬に行った調査では、「過剰債務」と回答した中小企業は35.7%と大企業の16.7%を20ポイント近く上回りました。

経済活動の正常化が今後進むとしても、これまでに蓄積された過剰債務が原因で資金調達ができなければ、中小企業の経営再建はおぼつかなくなります。
東京商工リサーチの友田信男・情報本部長は「短期的な業績回復が見通せない中小企業にとって劣後ローンを利用する効果は大きい」と話しています。

<資本性劣後ローン>
企業が倒産した場合に返済する順位が低い借り入れで、借入金は株式発行で調達した自己資本と同等と見なすことが可能で、企業の財務改善につながります。
一方、金融機関にとっては通常より貸出金を回収できなくなる危険性が高い融資となるため、一般的に金利は高めに設定されます。

従来から資本性劣後ローンは存在し、弊事務所のクライアントも何社か利用していますが、コロナ禍で増えているようですね。
しかしながら、融資時に借入金ではなく資本としてみなしてくれるだけで、返済が必要な借入金ということには変わりませんので、その点は理解した上で借りていただきたいですね。

劣後ローンが中小企業のピンチ救う命綱になっていることについて、どう思われましたか?


孫社長を審議会に呼ぼう!

日本経済新聞によると、大量の投資マネーが未公開株に流入する世界の潮流から、日本は取り残されています。
政府は新規株式公開(IPO)の値付けの是正や特別買収目的会社(SPAC)の解禁によってお金を流そうと躍起ですが、解決策としては的外れにみえます。
規制緩和などを通じて、投資に値するスタートアップが日本に育つ環境をつくるのが先決でしょう。

ベンチャーエンタープライズセンターによると、2021年1~3月の日本のスタートアップ投資額は前年同期比18%増の456億円です。
時期は異なりますが、アメリカは4~6月に同2.3倍の704億ドル(7.7兆円)、欧州は3.8倍の306億ドルに達し、日本はケタが2つ小さい状況です。

世界で700社を超える企業価値10億ドル以上の未公開企業「ユニコーン」は、日本は現在6社しかありません。
スタートアップにお金を流す仕組みに問題があるとみて、政府は成長戦略に「IPOの価格決定プロセスの見直し」と「SPAC制度の検討」を盛り込んだのです。

証券会社がIPOに応募した個人顧客をもうけさせるために、公開価格を不当に低く設定しており、スタートアップが必要な資金を調達できていません。
アメリカでブームになったSPACを使えば正当な価格で上場し、十分な資金を調達できるはずだという理屈なのです。

この政府案は、実務を担う専門家たちから「市場の実態を理解していない無理筋の案」という批判が相次いでいるようです。
実際、公正取引委員会がIPO実施企業に今週送った調査票を見ると重箱の隅をつつくような技術的な質問が並び、ユニコーンが育つ環境整備につながるとはとても思えないそうです。

必要なのは、発想の転換なのです。
急成長する魅力的なスタートアップがあれば、必ずお金はついてくるはずです。
そんなスタートアップが見当たらないからお金が集まらないのです。

忘れがちなのですが、世界の未公開株投資で最大のお金の出し手は日本企業です。
ソフトバンクグループのビジョン・ファンド第2号は4~6月、47社に135億ドルを投じました。
しかしながら、1号ファンドにさかのぼっても同ファンドの投資先に日本企業は1社も入っていないのです。

政府は審議会に、孫正義会長兼社長を呼んで解決策を聞いたらどうなのでしょうか。
孫社長のことです、投資したくなるスタートアップを日本で育てるためのアイデアを、たくさん持っているに違いありません。

本当に的はずれな擬音をしているような気がします。
資金調達時の調達額を増やすことが目的ではなく、資金調達ができるような企業を増やすことが大事ですから。
数年前に、IPOではなく孫さんのところに買ってもらうことを目標としている経営者が増えているというような記事を目にしましたが、ユニコーンを目指してほしいですね。

孫社長を審議会に呼ぼうということについて、どう思われましたか?


ハローズが45億円を投じ香川県坂出市に物流センターを新設!

LNEWSによると、ハローズは、先日、資金調達及び株式売出しについて発表しました。

ハローズは、2020年12月25日に新中期経営計画「2125計画」(2022年2月期から2026年2月期まで)を公表しています。
この計画では、新四国物流センター新設による物流拠点網の拡大と効率的な物流体制等を展開し、「生産性の高い会社づくり」を行っていくとしています。

今回の一般募集及び第三者割当増資に係る手取概算額合計上限49億3,008万6,093円については、全額を設備投資資金に充当する予定です。

これらの資金は、店舗新設や物流施設の一部に充てられる予定です。
物流施設では、香川県坂出市に45億円を投じて「四国物流センター(仮称)」を新設する予定です。
着手は2021年8月、完了は2023年1月を予定しています。

広島県が本社のハローズは、我がうどん県(香川県)にもたくさん出店しており、24時間営業で、たまに行きますが、上場企業で設備投資資金を増資でまかなうというのは珍しいと思いますね。
JALやANAもアフターコロナを見据え増資などをしていますが、おそらく、ハローズもアフターコロナやニューノーマルを考えているんでしょうね。
こういう状況だからこそ、コロナで儲かっている企業は積極的設備投資で、雇用拡大など地域にも貢献してほしいと思います。

ハローズが45億円を投じ香川県坂出市に物流センターを新設することについて、どう思われましたか?


JALがコロナ後を見据えた投資のため1,600億円を公募増資!

日本経済新聞によると、日本航空(JAL)は、先日、公募増資などで最大約1,680億円を調達すると発表しました。
新型コロナウイルスで航空需要が急減し、2021年3月期は2012年の再上場後初の赤字となる見通しです。
エクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)で財務を強化しつつ、効率の高い航空機の導入など、需要回復後を見据えた投資をするようです。

新型コロナで業績が悪化した大手企業が公募増資で資本増強するのは初めてです。
調達額はアサヒグループホールディングスに並んで2020年で最大規模となります。

公募増資は国内外で実施します。
国内が3分の2、海外3分の1となります。
最大で1億株を新たに発行しますが、現在の発行済み株式数(3億3,714万株)の3割にあたります。

調達額のうち1,000億円を投資に、残りの約680億円を有利子負債の返済に充てるようです。
二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、燃費のいいエアバス社の航空機購入に800億円を使い、今後需要拡大が見込める格安航空会社(LCC)事業への投融資に150億円を投じる計画です。

社債の償還や借入金の返済などで2020年度に300億円、2021~2022年度にそれぞれ500億円の資金が必要になります。
調達資金を返済資金の一部に充てます。

新型コロナによって国際線を中心に旅客数の減少は続いています。
2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)は2,400億~2,700億円の赤字(前期は534億円の黒字)になる見通しです。
航空など運輸業界では需要急減で巨額の赤字を計上する企業も多く、優先株や劣後ローンでの資本増強が相次いでいます。

日本航空(JAL)が資本増強で先手を打ちました。
新型コロナウイルスの影響に苦しむ航空業界の中でも相対的に財務は安定しています。
体力があるうちに手を打ち、コロナ後の成長につなげます。

同日記者会見した木藤祐一郎財務部長は「財務的な余力があるうちに調達をして、ポストコロナをけん引する航空会社になりたい」と話しました。
JALは4~9月期に1,612億円の最終赤字を計上しました。
9月末の自己資本比率は3月末に比べて約8ポイント低下し44%となりました。
ただし、ANAホールディングス(32%)や欧米の航空会社よりも高い水準を維持しています。
比較的良好な財務はJALは2010年に会社更生法の適用を申請し、2012年の再上場後から2019年3月期まで繰越欠損金の控除で税負担が少なかったことが大きいようです。
2021年3月末でも自己資本比率は4割を確保できる見通しです。

資本増強を急いだのは、この相対優位を生かすためです。
航空業界は航空機などの設備投資が売り上げに先行します。
新型コロナが収束しても、財務が悪化していると借入金の返済を優先しなければいけなくなります。
JALの有利子負債は半年間で2,237億円増加しました。
自己資本と比べたDEレシオは0.3ポイント悪化していました。
今回の公募増資で得た資金を先を見据えた投資と負債返済にも充て、コロナ後に備えます。
一方、ANAも劣後ローンで資本増強することを発表しています。

しかしながら、調達額は、11月6日の時価総額(6,213億円)の3割と巨額です。
木藤氏は「短期的には既存株主に影響があるかもしれないが、投資を通じて企業価値を上げたい」と理解を求めましたが、11月6日の東証の取引終了後の私設取引システム(PTS)の取引では株価が1割以上下落しました。

新型コロナという不測の事態とはいえ、調達に見合った企業価値の増加につなげられなければ、市場の不信感は高まります。
世界中で感染者数が再び増加するなか、需要減が長期化する懸念も出ています。
調達資金を使って、想定通りに復活への道筋を描けるかが今後、問われることになるでしょう。

動きが早かったなぁという感じはします。
しかしながら、会社更生法の申請により借入金を棒引きしてもらい、相対的に財務体質の良いJALが先にやるのは、モラルハザードはどうなのだろうか?という疑問は残ります。
個人的には、7割経済と言われているように、将来的にもそれほど需要は戻らないと思っていますので、リスキーだなとは感じていますが、今後どうなるかウォッチしていきたいですね。

JALがコロナ後を見据えた投資のため1,600億円を公募増資することについて、どう思われましたか?


大和ハウスが財務基盤の強化ため初の劣後ローンで1千億円調達!

大和ハウス工業は、先日、ハイブリッドローン(劣後特約付きローン)で1千億円を調達すると発表しました。
調達した資金は、コマーシャルペーパー(CP)や社債の償還のほか、物流倉庫などの設備投資に充てるようです。
一部を資本としてみなせる劣後ローンで資金調達するのは同社として初めてです。
不動産開発を積極的に進める一方で財務基盤を強化する狙いです。

大和ハウスは新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり消費」などで電子商取引(EC)の急増に対応し、物流施設の開発を積極化しています 。
劣後ローンを初めて活用する背景には、物流倉庫などの投資に伴う資金需要が旺盛な一方、財務内容の健全性も保つ狙いがあります。

ダイワハウスは2020年6月、2022年3月期までの中期経営計画で物流施設などの不動産開発投資を当初計画の3,500億円から6,500億円に増額しました。
一方、有利子負債が自己資本の何倍あるかを示すDEレシオを0.5倍程度とする目標も掲げています。
2020年3月期のDEレシオは土地取得などで0.6倍です。
今後、さらに外部からの資金調達が拡大すれば、目標を達成できない懸念がありました。

今回の劣後ローンでは格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)が調達額の50%を資本と認定する予定で財務の健全性の向上につながります。

最近、劣後ローンで資金調達するケースが増えてきていますね。
劣後ローンは、貸借対照表上は負債になりますが、資金調達の際に、金融機関などが資本金とみなしてくれるというものです。
よって、この記事を見て、財務の健全性とか書いていたので、疑問に思ったので、ネットで調べてみると、カラクリがあるようですね。
最近、伊藤レポートなどで、『自己資本利益率』(いわゆるROE)が再び重視されるようになってきているようですが、こちらでは劣後ローンは負債として扱われるため分母に影響なく、一方で、『D/Eレシオ』では、一部が資本金として扱われるため、有利に働くようです。
いわゆる良いところ取りですね。
経営指標にこだわりだすと、経営指標目標を達成するがために本質からかけはなれたことをしたりするケースもありますので、注意が必要ですね。

大和ハウスが財務基盤の強化ため初の劣後ローンで1千億円調達することについて、どう思われましたか?


12兆円規模の企業の資本支援を政府が検討!

日本経済新聞によると、政府が企業向けに検討している資本支援策の枠組みが12兆円規模に達することがわかったようです。
日本政策投資銀行や官民ファンドなどが劣後ローンや株式を取得して。経営を支援したり事業再編を後押ししたりするものです。
新型コロナウイルス拡大の影響で財務基盤が悪化する企業に対し、安全網を広げます。

2020年度第2次補正予算案や財政投融資計画に盛り込むようです。

12兆円のうち約6兆円は政投銀や日本政策金融公庫など政府系金融機関による劣後ローンの活用を想定しています。
劣後ローンの資金調達は増資に近い効果を持ち、格付けの低下を防いだり金融機関の追加融資を受けやすくなったりすることが期待できます。
貸し手が経営に深く関与しないため、企業側も受け入れやすいのです。

残る6兆円は出資などの枠組みに活用します。
大企業・中堅向けには、すでに政投銀が設けている1千億円の出資枠を倍増するほか、産業革新投資機構(JIC)を通じて再編や成長投資に向けた資金を用意します。
中小企業向けには、地域経済活性化支援機構を通じて事業再生や地域ファンドの拡充をはかります。
債権買い取りファンドも整えます。

融資による支援策も強化します。
4月以降も融資需要が増えていることを踏まえ、政府の無利子融資制度などを拡充します。
民間金融機関と合わせて60兆円以上の資金繰り対策の規模を確保する方向で調整します。

政府が企業向けの資金対応を大幅に拡大するのは、コロナを巡る情勢が依然、不透明なことがあります。
現状では多くの日本企業の財務体質は比較的強固で破綻懸念があるわけではありません。
ただし、秋以降も景気悪化に歯止めがかからなければ、健全企業でも財務悪化のリスクがあり、雇用にも悪影響が出かねません。
「資本支援がすべて使われるとは思っていないが、早めに安全網を用意し、企業や市場を安心させる」(政府関係者)狙いがあるようです。

海外でも資本支援を拡充する動きが相次いでいます。
ドイツは大企業向けに1千億ユーロ(約11兆円)の優先株や普通株による出資基金を設立しました。
アメリカやフランスなども航空業界の支援に乗り出しています。

良い制度だとは思いますが、単なる延命や、詐欺的な行為が行われないようにして欲しいですね。
あとは、国が関わるとなると、中小企業が、株主や債権者への決算説明や、決算公告、招集通知、株主総会はどうするのだろうか?とは思います。

12兆円規模の企業の資本支援を政府が検討していることについて、どう思われましたか?


2020年4月から経営者個人保証の二重取り禁止の指針!

 全国銀行協会と日本商工会議所などは、中小企業の経営者が代替わりする際に金融機関が新旧トップから二重に個人保証を取ることを原則禁止するとの指針をまとめました。
経営者保証が負担となって後継ぎが見つからず、廃業に至るのを防ごうとする政府の方針に対応しました。
2020年4月から適用する。

今回の指針策定により、既に決定している商工中金による無保証融資の拡大や国の中小企業支援を含め、政府が2019年6月に決定した成長戦略などで打ち出した事業承継対策が出そろうことになりました。

指針は2014年から運用されている「経営者保証に関するガイドライン」の特則との位置付けで、二重保証の禁止に加え、後継者への保証契約も「慎重に判断すること」を金融機関に要請しました。
中小企業の側には、無保証でも融資が受けやすくなるよう財務基盤の強化や適切な情報開示を求めました。

指針に強制力はありませんが、金融庁が無保証融資の実績公表を金融機関に働き掛けるなど官民で順守を促すようです。
取りまとめを主導した小林信明弁護士は、「中小企業の活性化を図るという公共的な目的で制定した」と意義を強調しました。

そろそろ金融機関には、担保や個人保証を取るのをやめて欲しいですね。
事業の将来性を評価して、将来のキャッシュ・フローを担保に融資ができるようになって欲しいと思います。
そういうことができるようになると、銀行が最近言いたがるコンサルティングの能力が自然に高まるのではないでしょうか?

2020年4月から経営者個人保証の二重取り禁止の指針がまとめられたことについて、どう思われましたか?


スタートアップ企業が医師や教授にストックオプションを付与!

 スタートアップ企業が医師や大学教授ら社外の専門家に、株式を利用した報酬「ストックオプション」(新株予約権)を付与する動きが広がっているようです。
日本経済新聞社の調査では、未上場企業の9割がストックオプションを活用し、うち3割が社外の専門家に付与しているようです。
現金支出の負担を抑えながら、専門性を持つ社外人材の知を生かし、企業価値の向上につなげているようです。

ストックオプションを使えば、現金を常に用意しなくても高度な専門人材を生かせます。
病院向けIT(情報技術)のリンクウェル(東京都港区)は、外部の医師にストックオプションを発行し、新事業としての消費者向け商品を共同研究しています。
金子和真最高経営責任者(CEO)は、「病院に勤めていて社員になれなくても、製品開発に協力してもらえる」と話しています。

日本経済新聞社は、未上場企業の企業価値を調べた「2019年の「NEXTユニコーン調査」で、ストックオプションの施策についても聞いたところ、回答企業の89%となる154社が導入していたことがわかりました。

付与している相手は従業員83%、取締役72%に続いて社外の専門家が27%で、監査役の23%を上回っています。
付与の対象となる専門家の幅が広がっており、半導体メモリーのフローディア(東京都小平市)の場合、大手メーカー出身のエンジニアに付与しました。

イノベーションの創出には最新の技術を取り入れ、現場のニーズを踏まえることが欠かせません。
高度な専門性を持つ人材が年々重要になっており、獲得競争が激しくなっています。

スタートアップ企業は、10年前と比べれば資金を調達しやすくなったとはいえ、創業間もない赤字会社が高い給料を払って正社員を採用するのは依然として難しいでしょう。

大学教授などの安定した職に就く人にとっては、自らの研究成果や現場の経験を新たな技術や事業アイデアにつなげるうえで、転職まで踏み込む必要がありません。

スタートアップ企業が社外の人材とつながる利点は、知見を得られることだけではありません。
電動車椅子のWHILL(神奈川県横浜市)は「人脈が広がる」といっています。
そのことが新事業につながっていくきっかけになります。
ストックオプションが様々な企業のなかで知の交流を生み、イノベーションをけん引する要因となっています。

投資家側の変化が、こうした流れを後押しします。
ベンチャーキャピタルなどは、これまで、ストックオプションに伴う持ち株の希薄化を嫌がる傾向にありました。
上場時などの株売却によるもうけが減るからです。
プルータス・コンサルティング(東京都千代田区)によると、最近は「優秀な人材確保は企業価値の向上につながるとの理解が投資家に浸透しつつある」といっています。

増えていくのは望ましいことだとは思いますが、監査役を上回る水準というのは驚きました。
近年、ベンチャーキャピタルなどから資金を調達しやすくなってきているとはいえ、ベンチャーキャピタルからの出資を嫌がる経営者の方もいらっしゃるでしょうし、資金的には厳しいベンチャー企業が多いでしょう。
そのような中、ビジネスパートナーにストックオプションを付与することは、付与する側にも付与される側にもいいことなんでしょうね。
付与される側も、自分の貢献により、将来、お金になるかもしれないとなると、モチベーションが違うでしょうから。

スタートアップ企業が医師や教授にストックオプションを付与していることについて、どう思われましたか?


クールジャパン機構が株主企業6社に196億円を出資!

 東京新聞によると、政府と民間が資金を出して運営する官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が出資した事業のうち、少なくとも7件が機構の株主企業6社に関連していたことが、取材で分かったようです。
公的資金が株主企業に還流された形で、クールジャパン機構の中立性が揺らぐ可能性があります。
クールジャパン機構の投資先を決める内部組織に、投資先企業の役員がいたことも判明したそうです。
識者は、公的投資の名目で私企業の利益を図る「利益相反」の疑いを指摘しています。

東京新聞は、クールジャパン機構が2014~2019年に公表した出資32件の内容を事業報告などから調べ、株主6社に関係する出資を計7件確認しました。
総額は196百億円で、出資全体の3割にあたるそうです。

株主の出資額の20倍超を支援した例もあるようです。
クールジャパン機構は、2014年9月、中国・寧波への商業施設出店事業に110億円の出資を決めました。
この事業は、クールジャパン機構に5億円を出資する株主の「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」(大阪市)が中心を担っています。

利益相反が疑われる出資は、マレーシアにある日系百貨店の改装事業への10億円です。
機構株主の三越伊勢丹ホールディングス(HD)の子会社が事業を請け負いました。
クールジャパン機構が出資を決めた2014年9月当時、投資先を選ぶ内部組織「海外需要開拓委員会」の委員長をHDの社外取締役が務めていました。

政府は官民ファンドに中立的な投資を求めています。
海外需要開拓支援機構法は海外需要開拓委員会の運営に関し「特別の利害関係を有する委員は議決に加わることができない」と定めています。

経済産業省クールジャパン政策課の三牧純一郎課長は、株主が関わる事業への出資7件を認めたうえで、決定に際しては政策的意義や収益性といった政府の支援基準を守っていると東京新聞に説明したようです。
「機構株主と出資先の企業が同じだからといって、ただちに問題があるとの認識はない」と語ったようです。

利益相反の指摘に対しては「出資者を含む利害関係者は支援決定の議論や議決から外れることになっている。マレーシアの案件も当該取締役は議論・議決の場にいなかった」と述べています。

官民ファンド問題を追及している立憲民主党の蓮舫参院議員は「5億円の出資で110億円の支援を受けるのは公金の還流だ」と投資の中立性に疑問を呈しました。

慶応大大学院の小幡績准教授(企業金融)は「官民一体という構造上、政府が機構の株主に一定の配慮をしなければならず、結果的に利益相反が生まれる。公金が使われる以上、国民に疑問を持たれる余地があってはならない」と語っています。

クールジャパン機構は日本文化の発信で成長が見込める企業に投資しています。
2019年9月現在、政府が756億円、民間23社が計107億円を出資しています。

<官民ファンド>
リスクが高く、民間だけでは資金を調達できませんが、成長が見込めそうな企業の株を買う機関です。
株の売却益や配当が出れば出資者に配るが、事業の失敗で資金を回収できないこともあります。
2012年発足の第2次安倍政権が成長戦略に掲げ、全14のうち10ファンドを新設しました。
クールジャパン機構は2013年11月に発足したものの、業績不振が指摘され、2018年度末の累積損失は179億円となっています。

農林水産省所管のA-FIVEもそうですが、国が主体となってファンドをやるとろくなことがないですね。
国民におかしいなと思われても、問題がないと思っているようですし、どんどん累積損失が膨らんでいくでしょうから、早くやめた方がいいですね。
数億円も出資できるのであれば、自社でやればいいのではないかと思います。

クールジャパン機構が株主企業6社に196億円を出資していたことについて、どう思われましたか?


ペッパーフードが新株予約権を発行して69億円調達を想定!

 「いきなり!ステーキ」はペッパーフードの連結売上高の8割強を占める主力事業ですが、既存店売上高は20か月連続で前年同月を下回っています。
ステーキ店「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスは、先日、行使価格修正条項付きの新株予約権を発行すると発表しました。
69億円の調達を想定していますが、金額が増減する可能性があります。
調達した資金は新規出店などで膨らんだ借入金の返済や広告宣伝費などに充てるそうです。

割当先はSMBC日興証券で、新株予約権のすべてを行使すると520万株になります。
2019年6月末時点の発行済み株式の24.74%にあたります。
払込日は2020年1月15日、当初の行使価格は1,332円で、この価格での調達額は69億円となります。
ただし、株価に応じて調達額は変化します。
2019年12月27日の終値は1,294円でしたが、発行価格の下限は666円で、上限はありません。

69億円を調達した場合、48億円を借入金の返済に充てるそうです。
2019年11月末の借入金の総額は87億円でした。
また、13億円をテレビコマーシャルなどの広告宣伝費に充てるようです。

また、みずほ銀行など金融機関から計41億円を2019年8~9月に借り入れたと発表しました。

いきなり!ステーキはペッパーの連結売上高の8割強を占める主力事業です。
ただし、既存店売上高は2018年4月から20か月連続で前年同月を下回っています。
2019年12月期の連結最終損益は25億円の赤字(前期は1億2,100万円の赤字)になる見通しです。

財務体質も悪化しており、2016年12月期に30%だった自己資本比率は、2019年1~9月期末時点で5%まで低下していました。

個人的には、どこかに買収されるのではないかと思っていましたが、とりあえずはSMBC日興証券への新株予約権の発行ということになりましたね。
これで足りるとは思いませんが、今後、どう立て直していくのか、ウォッチしていきたいと思います。

ペッパーフードが新株予約権を発行して69億円調達を想定していることについて、どう思われましたか?


農林水産省所管の官民ファンドA-FIVEが廃止へ!

 農水省は、先日、農水省所管の官民ファンド、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)を廃止すると発表しました。
2020年度末で新規投資業務を終了し、早期解散を目指すようです。
廃止の理由について、江藤拓農林水産大臣は閣議後会見で、「計画通りの累積損失を回収し、収益を確保することは困難と判断した」と述べました。

2020年度当初予算案では、関連予算の要求を取り下げ、今後、新たな予算要求はしない方針です。

後継組織について、江藤農林水産大臣は「今のところ考えていない」とする一方、「国が関与した出資が必要という声が上がった場合には、考えることもあるかもしれない」と述べました。

A-FIVEは2013年、官民共同で設立された投資組織です。
出資額は国が300億円、民間企業が19億円です。
投資が想定どおり進まず、累積赤字が2019年3月末時点で92億円に膨らんでいました。

既に交渉中の投資案件があることから、2020年度は投資決定を継続します。
2019年4月時点では、当初の事業期間が2032年度末までだったことを踏まえ、2026年度末まで投資決定する計画でした。
出資先から回収を完了するなど一定の条件が整った段階で解散します。

農林水産省は、累積赤字が膨らんだ原因について「6次産業化は投資対象として小規模な一方で、同機構がそれに見合った組織規模ではなく、投資実績に対して高コストだった」(産業連携課)と指摘しました。
地銀などと共同で出資するサブファンド方式も取り入れていましたが、「その仕組みもうまく機能しなかった」(同)。
専門家による原因の検証を始めるようです。

国が主体となってファンドをやるとろくなことがないですよね。
やはり、ファンドは事業の将来性の分かる方がいないとうまくいくはずはないと思いますし、失敗しても責任を取らない国の方が主体となるとうまくいくはずはないですよね。
日本を代表する経営者の1人であるソフトバンクグループの孫さんですら、ファンドはうまくいっていないわけですから。
税金の無駄遣いをせずに、もっと有効に使って欲しいと思います。

農林水産省所管の官民ファンドA-FIVEが廃止されることについて、どう思われましたか?


借入金利が全国で最も低いのは我が「うどん県」!

 日本銀行によるマイナス金利政策の継続により、企業を取り巻く金融環境はこれまでにない低金利の時代に突入しています。
競争が激化する地域金融機関においても、その過半数で本業利ざや(貸出金利息-預金利息)が減少するなど銀行経営に影響を及ぼし、近時は SBI グループとの連携や地銀再編機運も高まりを見せています。
五輪を控えて堅調な建設業界や、設備投資意欲の旺盛な運輸・倉庫業者など資金需要は見込めるものの、リスケジュール対応を受けながらも再建が進まない企業も多く見受けられます。
消費税引き上げによる企業へのダメージを懸念する声も聞かれるなど、企業の金融環境への注目度は高くなっています。
このようななか、帝国データバンク高松支店は、2019年10月末時点の企業財務データベース「COSMOS1」を用いて、四国地区に本社が所在する企業の平均借入金利を算出し、集計・分析しました。

<平均借入金利>
2018年度の四国地区4県の平均借入金利は、我が「香川県」が1.13%(前年度比▲0.09pt)で最も低く、「愛媛県」1.26%(同▲0.08pt)、「徳島県」1.37%(同▲0.07pt)、「高知県」1.39%(同▲0.06pt)と続きました。
また、我が「香川県」と「高知県」の平均借入金利の格差は0.26pt となり、四国地区内においても温度差がみられました。
企業の借入金利は、2007年度~2008年度にかけてピークとなり、リーマン・ショックや日本銀行の金利政策もあって2009年度以降は各県において低下が続いています。
なお、全国の平均借入金利は1.37%(前年度比▲0.08pt)となりました。

全国で最も借入金利が低かったのが我が「香川県」となり、県外金融機関の進出などで競争の激しさがうかがえます。
2018年度の四国地区4県の平均借入金利について、10年前の2008年度と比較すると、「愛媛県」が▲1.10pt と低下幅が最も大きくなっています。

次いで、「高知県」(▲0.96pt)、「徳島県」(▲0.95pt)、我が「香川県」(▲0.93pt)の順に続きました。
低下幅を「全国」(▲0.93pt)と比較すると、我が「香川県」のみ同水準ながら、その他の3県は「全国」よりも大きくなっています。

<業種別>
業種別にみると、主要6業種で平均借入金利が最も低かったのは、「製造業」(0.94%、我が香川県)で、唯一、1%を切っています。
なお、「愛媛県」を除く3県で「製造業」が低い傾向となりました。
一方、平均借入金利が最も高かったのは、「建設業」(1.64%、高知県)で、4県とも「建設業」が最も高くなっています。
「全国」との比較では、「製造業」「サービス業」において、四国4県いずれも「全国」を下回りました。

今回の調査で、四国4県の企業の平均借入金利は2018年度も低下傾向にあることが判明しました。
なかでも我が「香川県」は、全国都道府県別で最も低い金利となりました。
我が「香川県」の平均借入金利は、四国地区で最も高い「高知県」とは0.26pt、全国で最も高い「沖縄県」とは0.70ptの差があり、企業を取り巻く金融環境は地域の特性によって差異が生じている状況がうかがえます。
今後も借入金利は低水準で推移するとみられますが、世界景気の悪化により変動する可能性もあり、企業と金融機関の関係性や企業経営そのものを左右する金利の動向が注目されます。

数年前から我が高松市は日本で一番金利が安いというのは、時々耳にしますが、うどん県全体でもそうなんですね。
とある地銀がかなり安い金利で融資の獲得に走っていたのもあると思いますが、我が香川県の企業は借入先が多いとも昔から言われていますので、そういったところも影響しているのかもしれませんね。

借入金利が全国で最も低いのは我が「うどん県」であることについて、どう思われましたか?


「資本コスト」を話せますか?

 「御社が前提とする資本コストは何%ですか」「その資本コストに見合う事業でしょうか」。
そんなやりとりが、上場企業と投資家のあいだで増えていくかもしれません。
金融庁と東京証券取引所が進める企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の見直しで、2018年、資本コストという考え方が明確に盛り込まれたからです。

借りたお金には利子がかかります。
利子を上回るもうけがなければ、そのビジネスを続ける意味はありません。
それを株式にもあてはめて考えるのが資本コストです。
株主も最低限のリターンを求めているはずで、それ以上にもうけなければ企業は価値を生んでいない、とファイナンス理論では考えるのです。

経営戦略づくりも資本コストへの意識を、持ち合い株も資本コストを上回るメリットがあるか考えてとのメッセージが、見直しには込められています。
資産を無駄に抱えず、効率的にもうけてくれれば株式市場の評価も上がるとの期待があるのです。

とはいえ、いざ資本コストを数値に落とし込むとなるとことは単純ではありません。
理論的には資本資産評価モデル(CAPM)、配当割引モデルの2つが算出法の代表なのですが、実はどちらも前提の置き方次第で大きく数値が変わってくるのです。

前者は自社の株価の変動性をどうとらえるか、後者は配当が将来何%ずつ伸びると想定するかで、数値が揺れます。
「うちはどう計算すべきか」と慌てた問い合わせが、幹事証券などに舞い込んでいるようです。

経営側と投資家が双方、腑に落ちない数字がまかり通っても意味はありません。
数字に縛られすぎると、経営戦略が縮こまり、大胆さを失うかもしれません。
一方で、数値達成を急ぐあまり無理な背伸びを誘発するかもしれません。

資本コストで追い立てられる議論より前に、経営側に必要なのは、しっかりと稼ぐ堂々たる収益のビジョンと戦略です。
そして、きちんと理解し評価できる投資家側の見識も求められるのです。

株価算定(バリュエーション)の仕事をしている方は、『資本コスト』は当然知っている話ですが、一般の方には、なかなか難しいかもしれませんね。

代表的なところでも、支払利息は損金となりますが、配当は税引後利益から支払うため損金とならないといったようなことがあります。
これを契機に、『資本コスト』が少しでも浸透し、考慮されるようになればいいですね。

「資本コスト」を話せますか?について、どう思われましたか?


金融庁が経営者保証の共通指標を導入!

 金融庁は、銀行が中小企業の経営者から取っている経営者保証の状況を比較できる共通指標を来夏から導入し、開示を求めるようです。
企業が事業承継する際、新旧経営者の双方から保証を取り続ける「二重徴求」のケースもあります。
銀行に不要な保証を求めないよう促し、保証が負担となって事業承継を断念し、廃業してしまう事態を防ぐのが狙いです。

対象は大手銀行と地方銀行、第二地方銀行です。
新規融資分のうち経営者保証を求めなかった割合や、事業承継時の新旧経営者の保証件数などを指標化し、半期ごとに開示させるようです。

政府は2019年6月に閣議決定した成長戦略で、銀行による経営者保証の状況を指標で「見える化」することを打ち出しており、2019年度の「二重徴求」を含めた保証の状況を明らかにします。

金融庁の調査では、全国の地銀105行のうち、事業承継時に新旧経営者から二重に保証を取っていたケースは、調査を始めた2016年度下期は46.2%でした。
その後、2017年度下期は36.5%、2018年度上期は19.3%と減少傾向にあります。

銀行側は「経営者への借入金返済の規律付け」として経営者保証を取っており、取引状況や融資判断によっては難しい対応を迫られるでしょう。

金融庁は担保や保証に過度に依存せず、事業内容や将来性を見極めて取引するよう銀行を点検します。

そもそも二重取りというのはおかしいと思いますが、金融庁が動くのは良いことだと思います。
事業承継のネックになるものの一つが経営者保証だと思いますので、良い方向に改善されて欲しいです。
疑問なのは、なぜ、信用金庫などは入っていないのでしょうか?
金融機関も手数料ビジネスに走るのではなく、将来のキャッシュ・フローを見極る目を高めて、将来のキャッシュ・フローを担保に融資をして欲しいと思います。

金融庁が経営者保証の共通指標を導入することについて、どう思われましたか?


ユニバーサルミュージックへの課税取り消し判決!

 会社組織の再編に伴うグループ間の資金調達を巡り、約58億円を追徴課税した東京国税局の処分を不服として、大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京・渋谷)が処分取り消しを求めた訴訟の判決が、先日、東京地方裁判所でありました。
清水知恵子裁判長は、ユニバーサルミュージックの主張を認め、処分を取り消しました。

ユニバーサルミュージックは、フランス親会社の組織再編の一環で、海外の関連企業から資金を借り入れ、利子を支払いました。
国税局は、利子が関連企業への利益移転にあたるとして、2012年12月期までの5年間で計約181億円の申告漏れを指摘し、約58億円を追徴課税しました。

判決で清水智恵子裁判長は、組織の再編や借り入れには「経済的合理性がある」と判断しました。
ユニバーサルミュージックにとって大規模な資金調達が可能になるメリットがあり、国の処分は違法と結論づけました。

東京国税局は「国の主張が認められず大変遺憾」とコメントしました。

ここ数年、国税局は安易に否認しすぎているような気がします。
一部メディアによると、この事件をきっかけに税制改正を行っているので、国側は負けても痛くないということが書かれていますが、訴訟に負ければ、改正も取り消してほしいですね。

ユニバーサルミュージックへの課税取り消し判決について、どう思われましたか?


フラット35で「住む」と偽り賃貸用にして悪用し不動産投資!

 1%程度の固定低金利で長年借りられる住宅ローン「フラット35」を、不動産投資に使う不正が起きていることがわかったようです。
ローンを提供する住宅金融支援機構も「契約違反の可能性がある」とみて調査を始め、不正を確認すれば全額返済を求める方針です。

不正が見つかったのは、東京都内の中古マンション販売会社が売った物件向けのローンです。
元男性社員(50)が朝日新聞の取材に応じ、「フラット35を投資目的で使ったのは、昨年6月までの約2年間に売った150戸前後。仲間の仲介業者らと一緒にやった。このしくみでトップセールスマンになれた」と証言しました。
販売会社は2018年夏にこの社員を懲戒解雇し、2018年秋までに機構へ届け出ました。
利用客の一部も、機構から事情を聴かれています。

元社員が関与した不正な融資の顧客は20代~30代前半の若者を中心に100人超です。
融資額は1人2千万~3千万円ほどで、計数十億円規模になります。
不動産業者らがお金に困った若者らを、投資セミナーやネット上で勧誘したとみられます。
機構によると、こうした不正が大規模に発覚した例はないそうです。
同様な手口がほかの業者でもあれば、不正はさらに広がるでしょう。

元社員によると、利用客は年収300万円台以下の所得層が大半で、200万円前後の借金を抱える人も多かったようです。
「借金を帳消しにして不動産も持てる」などと勧誘していました。
利用客はマンションの賃貸収入でローンを返します。
本来は投資用なのに「住む」と偽って融資を引き出す手口で、不動産業界では「なんちゃって」と呼ばれているようでs。

フラット35を借りる際、利用客は不動産業者を経由し、機構の提携先の取り次ぎ金融機関に申し込みます。
業者らは本来の売却額を数百万円水増しした契約書を提出し、物件価値を上回る融資引き出しの不正もしました。
その分は借金の肩代わりや、利用客を探したブローカーへの紹介料などに充てていました。

融資の審査は金融機関や機構が担いますが、不正はチェックのすきをつかれました。
利用客は業者の指示で、本人の居住を示すために当初だけ物件に住民票を移し、ほどなく元に戻します。
また、機構からの郵便物は転送させるなどして発覚を防いでいましだ。

機構は政府が7千億円超を全額出資する独立行政法人で、自らは直接貸さず、取り次ぎ金融機関に融資実務を担ってもらい、その債権買い取りで資金を出しています。

機構のローンを巡ってはこれまでも融資金をだまし取るなどの不正が続発しています。
会計検査院が2012年、十分な審査態勢を金融機関とともに築くように求めました。
機構は今回の不正を踏まえ、フラット35が投資目的で使えないことを強調するなど対策に着手し、「必要に応じて審査態勢をさらに強化する」そうです。

<フラット35>
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が民間銀行などと連携して提供する住宅ローン。
国民の住宅取得を支えるため、低い固定金利で最長35年間借りられます。
転勤などで入居途中から賃貸に回すことは認められますが、当初から投資目的で借りると融資契約に違反します。
住宅ローンは不動産投資向けローンと比べ、金利が低くなっています。

ひどい話ですね。
こういうことがあると、結局、税金で負担することになってしまいますからね。
もちろん、やった本人や、それに気づかなかった中古マンション販売会社に責任があると思いますが、機構の手続きなどにも不備があったのだろうと思います。
貸したら終わりではなく、きちんとルールを守っているかどうかを事後的にチェックする仕組みが必要でしょうね。
そうしないと、機構の存在意義が問われるのではないでしょうか?

フラット35で「住む」と偽り賃貸用にして悪用し不動産投資をしていたことについて、どう思われましたか?


ASBJは自社発行の仮想通貨会計ルールを当面策定せず!

2018年03月16日(金)

日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会(ASBJ)は、先日、企業が自社で発行した仮想通貨の会計ルールを当面策定しない方針を決めました。
仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)などを念頭に「実態を網羅的につかめていない」ためのようです。
3月中旬をメドに、自社以外が発行した仮想通貨のみを対象にルールをまとめるようです。

ASBJでは、仮想通貨の保有や売買をした際の会計処理について議論し、2017年12月に草案を公開しました。
自社で発行した仮想通貨については議論の範囲外としており、パブリックコメントも踏まえ、草案の適用範囲から自社発行の仮想通貨を除外することとしました。

ちなみに、ICOは企業が「トークン」と呼ぶデジタル権利証を発行し、事業に賛同する投資家がビットコインなど広く流通する仮想通貨で買い取る仕組みです。

既に上場企業の子会社で、ICOを使う企業が出ているのに、見送り(先送り)はどうなのかなぁと思います。
安易に自己資本を増やせるものになってはいけないと考えますし、会計基準の公表により、過去の会計処理が違っていたということになりかねないと思いますし、過度に監査法人に負担を与えることになるのではないかと憂慮されます。
過去に、業績の悪い企業が資金調達を通じて不正を働いていたケースもあると思いますので、早めに会計基準を作ってほしいですね。

ASBJは自社発行の仮想通貨会計ルールを当面策定しないことについて、どう思われましたか?


食品スーパー「オーケー」の有価証券報告書が面白すぎる!

 東洋経済によると、食品スーパー「オーケー」の有価証券報告書が面白すぎるそうです。
「勝つために何をするか、道は解かっています」「売上予算の達成を重視し、英知を集めて対応します」「競争には絶対に勝つ」など、株主に直接呼びかけるような表現で埋め尽くされているのです。

神奈川県や東京都など首都圏に113店(20189月末時点)の食品スーパーを運営するオーケーは、「毎日が低価格(エブリデー・ロー・プライス)」を掲げ、チラシはまかない、値上げの理由などの商品情報を店内に「オネスト(正直)カード」として掲示するなど、独自の運営方法で知られています。
低価格がウリながらも利益率は業界平均以上で、業界でも一目置かれる存在です。

そのオーケーの発行する有価証券報告書(以下、『有報』といいます。)の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」が、また独自なのです。
冒頭に引用した一節のように、株主に直接呼びかけるような表現で埋め尽くされているのです。

<紋切り型の説明はしない>
オーケーは未上場会社ですが、株主数が多いため、有報の提出義務があります。
オーケーの有報は、金融庁が所管する電子情報開示システム「EDINET」で閲覧できます。
一般的に、有報における「対処すべき課題」は紋切り型で、通り一辺倒の内容になりがちです。
「当連結会計年度における国内経済は~」から始まって、フォーマットが決まっているかのような表現が続くことが多くなっています。
しかしながら、オーケーは違うのです。
終わった期の振り返りに加え、次期予想も数字を明示して説明しています。
青果、精肉、水産、総菜の各部門の状況と、認識している課題と対応策などが書かれています。
「お友達宅配(という施策)はご利用が少なく見直しています。宅配手数料10%に抵抗があるようで、思慮が足りなかったと反省しております」「ネット販売でも『エブリデー・ロー・プライス』を実現するのが大きな課題ですが、やりがいもあります」といった調子です。
売り場を知り尽くした経営者でなければ語れない内容が、平易な言葉で、既存店実績など必要な数字も折り込んで説明されており、個人投資家はもちろん、プロの機関投資家も歓迎するであろう内容です。
それもそのはずで、同欄を書いているのは、創業オーナーである飯田勧代表取締役会長本人だそうです。
飯田会長が草稿を書き、二宮涼太郎社長などとやりとりをしてまとめているようです。
オーケーは毎年4月に取引先を集めた「オーケー会」と呼ばれる会合を開いています。
実は有報の「対処すべき課題」は、その際のスピーチ原稿を活用したものです。
新年度にあたりその年の会社方針を取引先に説明したもので、平易な表現で具体的な施策が並ぶのは、そうした理由もあるのです。

<閉店知らずで31期連続増収>
オーケーの業績は好調です。
31期連続で増収が続いており、同社が重視する経常利益も年によって多少のでこぼこはありますが、基本的なトレンドは右肩上がりです。
低価格ゆえに粗利率は同業他社よりも低いですが、販売経費を絞り込むことで、同業他社よりも格段に高い営業利益率を確保しています。
1982年以降に開業した店舗では、移転拡張や老朽化による閉店はあっても、業績不振での閉店は皆無です。
そのオーケーが最も重視する経営指標は売上高だそうです。
トップラインを重視する企業は今や珍しいですが、採算を確保する施策を徹底していれば、トップラインの上昇に利益はおのずとついてくるという発想のようです。
創業以来の飯田氏の信念は、トップラインを上げるために1人でも多くのオーケーファンを作るということです。
そのファン作りの施策の一つが「オーケークラブ」です。
入会すると食料品について約3%相当の割引が受けられる、いわゆる友の会的組織です。
流通業の一般的な会員組織は、顧客が割引などの特典を受ける代わりに自らの情報を提供、企業側が情報を分析してマーケティングなどに生かすといったギブアンドテイクの関係が成立しています。
一方、オーケークラブは、郵便番号の登録と200円の手数料のみで入会できます。
顧客側が一方的に得をしていることになりますが、「ファンを増やすことが目的なので、損をしている認識はない」(二宮社長)そうです。
ファン作りという姿勢は資本政策にも現れています。
オーケーでは2007年~2009年にかけて、計3度、種類株式を発行しています。
応募資格をオーケークラブの会員である個人に限定し、証券会社による引受を付けず、応募はオーケーが直接、店頭で受け付けたのです。
オーケーの株主数は、普通株式で法人77に対し個人が257人で、これだけでも未上場会社としてはかなりの数ですが、これに種類株式の延べ5,647、うち個人株主の5,638が加わります。

<株主になってもらい「同じ船に乗る」>
種類株の調達総額は、3回合計で73億円強でした。
販管費35日分程度の金額でしかないので、顧客に株主にもなってもらう趣旨だったことは間違いありません。
種類株式は議決権こそついていませんが、配当順位も残余財産の分配順位も普通株式と同順位です。
直近の配当性向は18%で、「世の趨勢に合わせて、少しずつ高めている」(二宮社長)そうです。
1株当たりの発行価格は20077月発行分が2,500円、20089月発行分が3,07480銭、20099月発行分が3,53020銭です。
算定方式は直前半期の経常利益の55%を2倍し、発行済み株式総数(普通株式と種類株式の合計)から自己株式を差し引いた株数で割り、それを17倍しています。
つまり、1株当たりの税引後の経常利益の17倍です。
特別損益を考慮しないので当期純利益ではなく経常利益を使いますが、税金は考慮するので経常益の55%、それの17倍ですから、感覚的にはPER(株価収益率)が17倍ということでしょう。
株主は自由に株を売買することはできませんが、発行翌年から1月と7月の年2回、会社に取得請求できます。
この際の算定方式も発行時と同じで、直近半期の経常利益が79.8億円(単体ベース)だったので、現在の買い取り価格は、ざっと5,400円程度となります。
種類株主はオーケーの成長によって、配当だけでなく、それなりの果実を得ていることになります。
オーケーの普通株主には取引先が多く、「株主になってもらい、取引先、そしてお客様と一つ同じ船に乗る」(二宮社長)そうです。
もっとも、種類株式について議決権までは与えていないところは手堅いですね。
現時点では新たに種類株式を発行する計画はないそうです。
オーケーは株主に送付している事業報告書にも、有報と同じ文章を載せています。
有報はプロしか読まないでしょうが、事業報告書は個人株主でも普通に目を通します。
有報も事業報告書もプロが読むものという発想から脱却し、個人にもわかりやすい情報開示を心掛けています。
自社製品の優待の次の一手として、ファン株主を増やしたい上場企業にとっては大いに参考になるのではないでしょうか?

僕自身2007年から2011年まで東京に住んでいて、「オーケークラブ」に入り、隣の駅のオーケーで買い物をしていました。
動線がよく、安いんですよね。
上記種類株式は、僕が東京に住んでいた時に発行しており、おそらく何かの事情で応募しなかったのだと思いますが、募集していたのを見て、どうするか検討したような記憶があります。
大学院で有報を使った授業をしている僕としては、ものすごく親近感を覚えるとともに、とても新鮮な気分になった有報でした。

食品スーパー「オーケー」の有価証券報告書が面白すぎることについて、どう思われましたか?


上場企業は仮想通貨による資金調達に慎重な対応を!

 日本取引所グループ(JPX)の清田瞭・最高経営責任者(CEO)、先日の定例会見で、仮想通貨を発行して資金調達するICO(イニシャル・コイン・オファリング)について「海外では詐欺的なものが多いと報道されている。上場企業によるICOは慎重にすべき」との見方を示しました。
 ICOは、「トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行すれば迅速に資金調達できるメリットがあり、世界的に利用が伸びています。
 日本の上場企業でもICOを検討する動きが出ていますが、利用者保護の観点から法規制すべきだとの声が与党議員から上がっているようです。
 また、JPXは、保有するシンガポール取引所(SGX)株式5,3051,000株について、3年程度をかけて売却すると発表しました。
 SGXの株式は東京証券取引所が2007年に約370億円で取得しましたが、保有を続ける合理性を検証した結果、協力関係維持のために必ずしも保有し続ける必要はないとの結論に達したようです。
 清田CEOは、会見で「株を売るから協力関係をやめるということではない」と述べました。
 JPX自体上場しており、国際会計基準を採用しているため、保有株の売却で発生する損益は貸借対照表の利益剰余金に振り替えられます。
 20193月期以降の連結業績への影響はありません。
 個人的には、清田CEOの発言に同意します。
 株主が、仮想通貨で予期せぬ不利益を被らないようにしてほしいですね。
 上場企業は仮想通貨による資金調達に慎重な対応をと日本取引所グループの清田CEOが発言したことについて、どう思われましたか?

仮想通貨を用いた資金調達(ICO)に監査法人も困惑!

2018年02月09日(金)

最近、世間を賑わせている『仮想通貨』ですが、『仮想通貨』を用いた資金調達『ICO』が国内外で広がっています。
ただし、その会計処理についての明確な指針がまだありません。
週刊東洋経済によると、1月15日に東京証券取引所に提出されたある開示資料が市場関係者をざわつかせているようです。
決済代行サービスなどを手掛けるIT企業であるメタップス(東証マザーズ上場)が提出した、韓国子会社のICO(イニシャル・コイン・オファリング=仮想通貨を用いた資金調達)をめぐる資料です。

それによれば、メタップスは、2017年9月〜11月の四半期報告書の提出期限延長を申請しています。
今回のICOの会計処理について追加的な検討を行うためです。
さらに翌日、メタップスは、資料の一部を訂正し、「監査法人との協議の結果」という文言を削除し、協議がまだ終わっていない点を強調しました。

ICOの直訳は「新規コインの売り出し」です。
新規事業を始めたい企業などが「トークン」という独自の仮想通貨を発行し、投資家に販売して資金を集めます。
トークン購入に使えるのは、ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨で、ICO実施者が指定します。

メタップス子会社の場合、同社が新たに韓国に設立する仮想通貨取引所「コインルーム」の拡大に向けICOを実施し、2017年10月までにイーサリアムで約11億円(1月25日の時価で約39億円)を調達しました。

ICOは「資金調達」の一種といわれますが、IPO(株式新規公開)などとは手法や特徴が異なります。
ICOの場合、トークンは仮想通貨取引所で売買できるため、投資先のサービスが発展すれば売却して利益を得られる可能性もあります。

上場企業傘下のICOはメタップスが世界初です。
会計上の扱いについては、メタップスが採用する国際会計基準はもちろん、日本基準にも明確な指針がありません。

メタップスは「受領した対価(仮想通貨)は将来的に収益として認識する」方針です。
ICO直後は暫定的に流動負債の「預かり金」として計上しましたが、2017年11月のコインルーム設立と同時にホワイトペーパー(資金使途などを示す文書)の定める利用者への返還義務がなくなったとして、将来の収益認識を前提とする「前受金」へと計上し直しました。

しかしながら、この返還義務の有無には議論の余地が残ります。
韓国では今、仮想通貨の取引禁止を含む規制の議論が過熱しています。
コインルームの発展性や継続性に不安が増す中で返還義務が消滅したと言い切るのは容易ではないでしょう。

そもそも仮想通貨は現金と同様に扱えるのかという論点もあります。
2017年12月には、韓国でハッキングによる仮想通貨喪失が発生し、メタップスの監査法人は、専門家による情報セキュリティに関する追加検討や、メタップスが保有する仮想通貨残高を適時に確認する手続きの検証が必要だと会社側に説明しているようです。

ICOの波は、各国の上場企業に広がる可能性もあります。
メタップスのケースはICOの会計処理の“前例”となります。
四半期報告書の提出期限は2月15日で、その内容に注目が集まっています。

監査法人は、PwCあらた有限責任監査法人ですが、担当者は大変でしょうね。
今後も、仮想通貨がらみの取引はどんどん出てくると思いますが、頭を悩ましそうですね。

仮想通貨を用いた資金調達(ICO)に監査法人も困惑していることについて、どう思われましたか?