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事務所通信2014年10月

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2014年10月号 『通勤手当の非課税限度額の引上げ』

 この度、所得税法施行令の一部改正が行われ、自動車や自転車を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
 そこで、今回は、『通勤手当の非課税限度額の引上げ』について書きたいと思います。

1.改正後の非課税限度額(改正分のみ)

 通勤距離(片道)  改正前  改正後 
 55㎞以上   31,600円   24,500円 
 45㎞以上55㎞未満   28,000円 
 35㎞以上45㎞未満   24,400円   20,900円 
 25㎞以上35㎞未満   18,700円   16,100円 
 15㎞以上25㎞未満   12,900円   11,300円 
 10㎞以上15㎞未満   7,100円    6,500円 
 2㎞以上10㎞未満   4,200円   4,100円 

2.改正後の非課税規定の適用
 以下に掲げるものを除き、改正は、平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について遡って適用されます。

 (1)  平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当 
 (2)  平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で4月1日以後に支払われるもの 
 (3)  (1)または(2)の通勤手当の差額として追加支給されるもの 

3.課税済みの通勤手当についての精算
 既に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われていますが、改正後の非課税規定を適用した場合に過納となる税額は、本年の年末調整の際に精算することになります。
 年末調整の際における精算の具体的な手続は、以下のように行います。

 イ.   既に改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をした(課税された)通勤手当のうち、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。 
 ロ.   「平成 26 年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」(以下「源泉徴収簿」といいます。)の「年末調整」欄の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、イの計算根拠及び今回の改正により新たに非課税となった部分の金額を記入します。 
 ハ.   源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等①」欄には、「給料・手当等」欄の「総支給金額」の「計①」欄の金額からロの新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を記入します。 
 ニ.   以上により、改正後の非課税規定によって新たに非課税となった部分の金額が、本年の給与総額から一括して差し引かれ、その差引後の給与の総額を基にして年末調整を行います。 

4.給与所得の源泉徴収票の記入
 給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄には、非課税とされる部分の通勤手当の金額を除いた金額を記入します。

5.最後に
 期の途中での過去に遡っての改正で、担当者の方は手間が増えますが、忘れすに年末調整の際に精算してくださいね。

2014年10月29日 國村 年

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事務所通信2014年9月

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2014年9月号 『航空機のリース取引を用いた節税』

 最近、航空機のリース取引の国内市場が活況のようです。
 これは、アベノミクスや東日本大震災の復興特需で潤った法人の資金が流れ込み、法人税の節税に使われたり、法人のオーナーにとっては相続税対策にもなるためです。
 そこで、今回は、『航空機のリース取引を用いた節税』について書きたいと思います。

1.航空機のリースを用いた節税スキーム
 一般的には、複数の法人が匿名組合へ出資を行い、一方で、匿名組合が金融機関からの借り入れを行い、匿名組合が航空機を購入し、航空会社に貸す(リースする)というものです。
 リース料は基本的にフラットな一方、最初の数年間は、定率法を用いることによって減価償却費が大きくなり、また、借入金の元本も多いため支払利息も多くなり、リース料などの収益を大きく上回り、最後の方の数年間は、減価償却費や支払利息が減り、航空機を航空会社に売却することによって利益があがるスキームになっています。
 このため、最初の数年間は、法人の本業の利益と匿名組合への出資から生じる損失を相殺して法人税を減らし、利益を後の年度に先送りができるというものです。
 また、非上場の法人は、損失が増えると非上場株式の評価額が下がることになり、オーナーはその間に相続が発生したり、贈与したり非上場株式を低い評価で移すことができるのです。

2. 現在航空機のリース取引が活況な理由
 上記のとおりであれば、現在の利益を将来に繰延べているだけであり、単なる課税の繰り延べに過ぎません。
 しかしながら、最近の動向として、消費税所得税・相続税・贈与税は増税傾向にありますが、法人税については減税傾向にあることが影響しています。
 例えば、法人税率のみならず、住民税や事業税を考慮した実効税率が現在40%で、将来35%になるとします。
 1億円の所得があれば、現在の税額は4千万円(1億円×40%)になりますが、将来の税額は3千5百万円になるのです。
 よって、税率の引き下げ局面においては、課税の繰り延べだけにとどまらず、税額の減少になります。
 また、平成27年から相続税法が大きく改正され、相続税や贈与税は基本的に増税になりますので、それを考慮すると、今年中に意図的に損失を計上し、航空機のリースに限りませんが、非上場株式の評価を下げるということを行う方が出てくるのも当然だと言えるでしょう。

3. 航空機のリースのリスク
 リットだけではなく、デメリットもあることを知っておかなくてなりません。
 原則的に中途解約はできず、リース借主等が債務不履行状態に至ったり、航空機が当初想定してした金額で売却できなかったり、外貨建てである場合には為替変動により、出資元本が毀損したり、元本を超過する損失が生じたりする可能性があります。

4.最後に
 このようなスキームを用いた節税方法があることをご存知なかった方も多いかもしれませんが、以前から、一部の方にはよく知られた節税方法です。
 知らないと損することも多いので、常にアンテナを張り巡らす必要がありますね。

2014年9月24日 國村 年

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事務所通信2014年8月

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2014年8月号 『平成27年相続税法改正』

 最近、アパート・一戸建てを問わず賃貸住宅、いわゆるおしどり夫婦贈与、一般社団法人の設立など、相続税に関する相談が増えています。
 これは、おそらく、あと4ヶ月ほどになりましたが、来年1月1日から相続税法が大きく改正されるため、新聞や雑誌にも税制改正のことがよく取り上げられていますし、ハウスメーカーも税制改正をセールストークとして賃貸住宅を建てる提案の営業をかけていることが原因だと思われます。
 そこで、今回は、『平成27年相続税法改正』について書きたいと思います。

1.平成27年相続税法改正の主なもの
 平成27年1月1日から相続税法が大きく改正されます。
 そのうち、主なものは以下の3つです。

 遺産に係る基礎控除額の引き下げ 
 相続税の税率の引き上げ 
 小規模宅地等の特例の適用範囲の拡大 

 以下で、詳しく述べることにします。

2. 遺産に係る基礎控除額の引き下げ
  これはご存じの方も多いかもしれませんが、遺産から引くことのできる基礎控除額というものがあり、現在は、5,000万円+1,000万円×法定相続人の数となっています。
 これが、来年からは、40%もカットされ、3,000万円+600万円×法定相続人の数となるのです。
 例えば、法定相続人が奥様とお子様2人の合計3人の場合、現在は、遺産が8,000万円までは相続税がかかりませんが、来年からは、遺産が4,800万円を超えると相続税がかかるようになるのです。
 これは、非常に大きな改正です。

3. 相続税の税率の引き上げ
 現在、相続税の税率は、各法定相続人の取得金額により10%から50%まで6段階となっています。
 これが、来年からは、10%から55%まの8段階となります。
 つまり、区分が詳細になるとともに、最高税率も現在の50%から55%に引き上げられるのです。
 これは、資産家の方にとっては、影響は大きいといえるでしょう。

4.小規模宅地等の特例の適用範囲の拡大
 現在、ご自宅の土地については、240㎡(約70坪)までは80%の評価減(つまり20%の評価で済む。)が認められています。
 これが、来年からは、330㎡(100坪)までに拡大されます。
 また、ご自宅の土地と事業用の土地がある場合、現在は、例えば、ご自宅の土地で240㎡を使ってしまうと、事業用の土地は評価減は認められていません。
 これが、来年からは、ご自宅の土地(330㎡まで80%減)と事業用の土地(貸付事業用を除く、400㎡まで80%減)を併用できることになるのです。
 これらについては、遺産に係る基礎控除額の引き下げや相続税の税率の引き上げと異なり、納税者にとっては有利な改正となっています。

5.最後に
 相続税のかかる方が2倍になるなど、情報が錯綜していることもあり、相続税に不安を感じるのも無理はないと思います。
 不安を感じたら、遠慮なくご相談下さい。
 相続税法改正まであと4ヶ月ほどですよ。

2014年8月28日 國村 年

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事務所通信2014年7月

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2014年7月号 『休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施』

 2011年7月1日に國村公認会計士事務所を開業してから、早いもので、4年目を迎えました。
 これもひとえに皆さまのおかげです。
 引き続き、よろしくお願いいたします。
 さて、今年は、全国の法務局が休眠会社・休眠一般法人の整理作業を行うそうです。
 そこで、今回は、『休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施』について書きたいと思います。

1.休眠会社・休眠一般法人とは?
 休眠会社・休眠一般法人とは、以下のものをいいます。

(1) 最後の登記から12年を経過している株式会社(会社法第472条の休眠会社。特例有限会社は含まれません。)
(2) 最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条または第203条の休眠一般社団法人または休眠一般財団法人で、公益社団法人または公益財団法人を含みます。併せて「休眠一般法人」といいます。)

 なお、12年以内または5年以内に登記事項証明書や代表者の届出印の印鑑証明書の交付を受けていたかどうかは、関係ありません。

2.法務大臣による公告と登記所からの通知
 平成26年11月17日(月)付けで、法務大臣による官報公告(休眠会社または休眠一般法人は、2か月以内に「まだ事業を廃止していない」旨の届出がなく、登記もされないときは、解散したものとみなされる旨の公告)が行われます。
 また、対象となる休眠会社・休眠一般法人に対しては、管轄の登記所から、法務大臣による公告が行われた旨の通知を発送します。
 なお、登記所からの通知が何らかの理由で届かない場合であっても、平成27年1月19日(月)まで(公告から2か月以内)に「まだ事業を廃止していない」旨の届出または役員変更等の登記をしない場合には、みなし解散の登記をする手続が進められますので、注意が必要です。

3. みなし解散の登記
 平成27年1月19日(月)までに「まだ事業を廃止していない」旨の届出がなく、役員変更等の登記も申請されなかった休眠会社または休眠一般法人については、平成27年1月20日(火)付けで解散したものとみなされ、登記官が職権で解散の登記をします。
 なお、みなし解散登記後3年以内に限り、

(1) 解散したものとみなされた株式会社は、株主総会の特別決議によって、株式会社を継続
(2) 解散したものとみなされた一般社団法人または一般財団法人は、社員総会の特別決議または評議員会の特別決議によって、法人を継続

することができます。 
 継続したときは、2週間以内に継続の登記の申請をする必要があります。

4.最後に
 休眠会社または休眠一般法人は、公告から2か月以内に事業を廃止していない旨の届出または役員変更等の登記をしない場合には、みなし解散登記が行われますので、該当する場合、注意して下さいね。

2014年7月29日 國村 年

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事務所通信2014年6月

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2014年6月号 『類似業種の株価等の公表時期』

 取引相場のない株式の贈与を受けたり、相続したりすると、贈与税や相続税の申告が必要になることがありますが、取引相場のない株式の原則的評価方式の1つに、『類似業種比準方式』というものがあります。
これは、国税庁から公表される『類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等』に基づいて評価を行います。
 最近は、ホームページのアクセス解析をしていると、『いつ 平成26年 類似業種比準価額』という検索キーワードが非常に多くなっています。
これには、理由があるのです。
 そこで、今回は、『類似業種の株価等の公表時期』について書きたいと思います。

1.類似業種比準価額方式とは?
 類似業種比準価額方式とは、業種の類似する大会社の平均株価に比準させて、評価会社の株式価格を求める方式です。
 比準要素は、

1株当たりの配当金額
1株当たりの利益金額
1株当たりの純資産価額(帳簿価額)

の3要素です。
 つまり、似た会社の株価及び3要素と、対象会社の3要素を用いて、対象会社の株式価格を求めるのです。

2. 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等はいつ公表されるのか?
 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(株価、1株当たりの配当金額、1株当たりの利益金額、1株当たりの純資産価額(帳簿価額))については、国税庁から公表されます。
 これは、いつ公表されるのでしょうか?
 平成25年を見てみると、以下のようになっています。

対象月 公表月
1月・2月分 平成25年6月
3月・4月分 平成25年6月
5月・6月分 平成25年8月
7月・8月分 平成25年10月
9月、10月分 平成25年12月
11月・12月分 平成26年1月

 上記のとおり、1月から4月に相続が発生したり、贈与を行った場合、相続税額や贈与税額を計算できるのは、6月以降になってしまうのです。
 そのあとは、基本的に、2か月後くらいに2か月分が公表されます。
 特筆すべきは、11月・12月分です。
 翌月の1月に公表されています。
 これは、贈与税の申告と納税の期間が、原則として、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっていることが原因です。
 ちなみに、平成26年についても、1月・2月分(6月2日付の文書)が6月16日に、3月・4月分(6月10日付の文書)が6月23日にホームページで公表されています。

3.最後に
 11月及び12月の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等については、1月中に公表されているので、1か月以内に公表できるはずです。
 相続税の申告期限はお亡くなりになってから10か月以内ですが、早く相続税額を知りたい方もいるでしょう。
 また、贈与の検討をする場合にも、贈与税がいくらかかるかを知りたい方もいるでしょう。
 よって、現在のようにしばらく経ってからではなく、翌月に公表して欲しいですね。

2014年6月26日 國村 年

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事務所通信2014年5月

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2014年5月号 『繰延税金資産』

 私は、2012年10月から、香川大学大学院地域マネジメント研究科(香川大学ビジネススクール)の教員になり、大学院生や大学生の会計の授業を担当しています。
 減価償却もそうですが、授業の中で、説明がなかなか難しく、理解してもらうのに苦労するものの一つが、税効果会計であり、その中の『繰延税金資産』です。
 そこで、今回は『繰延税金資産』について書きたいと思います。

1.繰延税金資産とは?
 ご存じない方が想像以上に多いのが、会計と税務の取り扱いは必ずしも同じではないということであり、この会計と税務の取り扱いの違いを埋めるための仕組みが税効果会計です。
 例えば、企業の業績が悪化し、リストラに踏み切る場合、貸倒引当金や固定資産の評価損などを計上することが多くなります。
 この場合、会計上は損失として処理できても、税務上は損金として認められないケースがあるのです。
 そこで、ざっくりと言うと、会計上は、税金を前払いしたものとして、税金相当額を『繰延税金資産』として計上するのです。
 ただし、すべてが税金の前払いとして認められるわけではなく、将来、税務上の所得が発生することが前提となります。

2.最近の傾向
 最近は、『繰延税金資産』を追加計上する企業が増えているようです。
 2014年3月期は、マツダやセイコーエプソンなど865社が『繰延税金資産』を積み増し、純利益が大きく改善したようです。
 『繰延税金資産』の積み増しは将来に渡り、企業が安定的に黒字を出せることを監査法人が認めたことを表すとも言えます。
 日本経済新聞社が、金融などを除く3月期決算企業で比較可能な1,701社を対象に集計したところ、2014年3月期決算で『繰延税金資産』が前期より増えたのは865社とほぼ半分を占め、前期から約3割増えています。
 『繰延税金資産』が税金の前払いという性格上、将来の税務上の所得の発生が前提となりますので、業績の回復により将来の税務上の所得が増加すると予想され、会計上『繰延税金資産』を積み増すと、純利益を押し上げる効果があるのです。
 業績が回復し、過去に赤字を出した企業が『繰延税金資産』を再計上するケースは今後も続きそうで、構造改革を進めたパナソニックは、今期に1,200億円の『繰延税金資産』の計上を見込んでいるようです。
 また、東日本大震災に関連して2013年3月期に300億円強の『繰延税金資産』を取り崩したコスモ石油は、早期に同資産を再計上することを経営課題の一つにしており、監査法人の厳しい審査をクリアして『繰延税金資産』を計上できれば財務や収益体質の改善を市場にアピールできると考えているようです。

3.最後に
 『繰延税金資産』は将来の税務上の所得の発生が前提となるため、監査人としては、非常に判断が難しいところがあります。
 業績が回復し、積み増すことになるのは喜ばしいことですが、将来、業績が悪化し、『繰延税金資産』を取り崩すことになると、ダブルパンチで赤字が増えますので、監査人の慎重な判断を期待したいですね。

2014年5月29日 國村 年

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事務所通信2014年4月

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2014年4月号 『消せるボールペン』

 数年前から、ゴムの摩擦熱で筆跡を消し書き直せるパイロットコーポレーションのフリクションボールなどの『消せるボールペン』が流行っています。
 本来、消せないものが消せるという便利なものである半面で、『消せるボールペン』を悪用した不正が相次いでいるようです。
 そこで、今回は、『消せるボールペン』について書きたいと思います。

1.消せるボールペンとは?
 消せるボールペンは、パイロットコーポレーションが2007年に発売しました。
 フリクションボールのインキは、1975年に基本原理が発見されたメタモカラーというインキを改良研究し、進化させたもので、開発に30年以上かかっています。
 このフリクションインキを使用したものが現在発売されているフリクションボールシリーズなのです。

  • こするとインキが透明になる
  • 何度でも書き・消しが可能である
  • こすっても消しカスがでない
    などの特長があります。

2.『消せるボールペン』を悪用した不正
 このようにとても便利な『消せるボールペン』ですが、この『消せるボールペン』を悪用した不正が相次いでいるようです。
 また、不正に至らなくても、自治体職員が消せるペンを使って行政文書を作成し、監査で指摘を受けた例もあるようです。
 メーカー側は、証書類や宛名書きに使わないようペンに明記するなどしており、「便利なものなので、適正な使用をしてほしい」と用途の徹底を呼びかけています。
 茨城県土浦市消防本部で、2013年9月、時間外勤務手当約70万円を不正受給していたとして、男性主任が懲戒免職となっています。
 給与担当だった男性は『消せるボールペン』で勤務管理表を書いて上司の決裁を受け、市の人事課に運ぶ途中に書き換えて時間を水増ししていたようです。

3.不正の可能性
 僕自身、昨年2月に中央経済社から『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A』という本を出版しましたが、著者3人の打ち合わせ時に、『消せるボールペン』のことが話題に登りました。
 実地棚卸の際に、在庫の数をカウントして『棚卸原票』という用紙に、在庫の名称や数量などを記入するのですが、鉛筆で書くのではなく、書き換えられたりすることを防ぐためにもボールペンで記入することが必要になってきます。
 このような場合に、『消せるボールペン』を用いると、後ほど書き換えられたりする可能性が生じます。
 このようなことは、『棚卸原票』に限らず、ボールペンで書いているものについては、起こりうる可能性があります。
 実務的には、『消せるボールペン』を使用することを禁止することになるのでしょうが、実際に消えるかどうか確かめることは非常に手間で、難しいことかもしれません。

4.最後に
 『消せるボールペン』は便利な半面、デメリットもありますね。
 かと言って、メーカーに責任があるわけではなく、個人のモラルの問題でしょう。
 内部統制上、企業も対応を早めに考えたほうが良さそうですね。

2014年4月28日 國村 年

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事務所通信2014年3月

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2014年3月号 『NISAの落とし穴』

 2014年1月からNISAが導入されています。
 新聞等でもたびたび報じられていますので、おそらく、多くの方がご存じかと思います。
 しかしながら、メリットのみ報じられ、デメリットはあまり報じられていないように感じます。
 そこで、今回は、『NISAの落とし穴』について書きたいと思います。

1.NISAとは?
 NISAとは、2014年1月から導入された「少額投資非課税制度」のことであり、毎年100万円を上限とする新規購入分を対象にその配当金や売買益等を最長5年間非課税にする制度です。
 NISAは、イギリスのISA(Individual Savings Account)を参考に導入された制度で、イギリスでは国民の約4割がISAを利用し、広く国民の資産形成・貯蓄の手段として定着しています。
 NISAのNは、NIPPON(日本)のNを意味し、日本で、ISAが広く普及・定着するようにとの願いが込められています。

2.損益通算・損失繰越
 NISAは、利益が出た場合には非課税になりますが、逆に損失が出た場合にはなかったものと見做されます。
 通常、株式の譲渡損などは、その他の株式の譲渡益などと相殺すること(いわゆる損益通算)が可能なのですが、NISAの場合、損益通算はできません。
 また、株式の譲渡損などが生じた場合に損失を3年間繰り越せる制度がありますが、NISAの場合、損失を繰り越せません。

3.特定口座などへの移行価額
 非課税期間5年間が終わると、新たにNISA口座を開設し、そのまま保有し続けることもできます(ただし、口座を新たに開設できるのは平成26年から平成35年の10年間のみ)。
 しかしながら、最終的に売却しない場合には、特定口座や一般口座に移行することになります。
 この場合、移行時の時価が取得価額となるため、元々100万円を入れ、移行時の時価が70万円で、90万円で売却すると、20万円(90万円-70万円)の譲渡益が生じてしまうのです。

4.配当金の受取方法
 NISAの場合、譲渡益のみならず、配当金等についても、原則、非課税となります。
 しかしながら、配当金等の受取方法によっては非課税とはならないこともあります。
 配当金等の受取方法は、①銀行や郵便局などで受け取る(配当金領収証方式)、②指定の銀行口座で受け取る(登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式)、③証券会社の取引口座で受け取る(株式数比例配分方式)3つの方法の中から選択できます。
 この中で非課税となるのは、③のみで、①や②は20.315%の税率で課税されます。

5.最後に
 2014年から株式の譲渡益や配当金の税率が20.315%に上昇したこと、証券会社等が顧客の囲い込みに走っていることもあり、NISAに興味を持たれている方は多いと思います。
 しかしながら、メリットだけではなく、デメリットもありますので、色々と勘案したうえで使ってくださいね。

2014年3月28日 國村 年

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事務所通信2014年2月

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2014年2月号 『農業経営アドバイザー』

 先月、日本政策金融公庫の『農業経営アドバイザー』試験に合格しました。
 おそらく、『農業経営アドバイザー』についてご存じの方は、非常に少ないかと推測されます。
 そこで、今回は、『農業経営アドバイザー』について書きたいと思います。

1.農業経営アドバイザーとは?
 農業経営アドバイザーとは、日本政策金融公庫(旧農林漁業金融公庫)が平成17年に創設した農業経営に関するアドバイザーの資格制度です。
 高度化する農業経営の特殊性を理解した上で、税務・労務・経営改善・農業マーケティング・農地制度・農業政策などを学び、専門知識をもった専門家からのアドバイスを求める農業経営者のニーズに応えるために創設されました。

2.試験
 「農業経営アドバイザー審査会」で定めた研修・試験が年2回(春、秋)募集され、この合格者に「農業経営アドバイザー」の称が付与されます(有効期間5年)。
 事前試験(公認会計士税理士は免除)、研修(4日間のうち公認会計士税理士は2日間免除)・試験、レポート、面接試験を経て合否の判定がなされます。
 試験は、農業簿記・農業税務(公認会計士税理士は免除)、農業問題、労務管理、農地制度・法人制度、志望動機(公認会計士税理士のみ)です。
 レポートは、経営分析・診断(公認会計士税理士は免除)、マーケティングです。
 役割としては、農業経営の相談役として経営の発展を支援すること、そして農政の課題である地域農業の担い手の育成・確保を進めることが期待されています。
 農業経営アドバイザーは農業経営上の様々な相談を受け、必要に応じて農林金融公庫および関係機関と連携し、改善策提案、情報提供などにより、経営を支援します。
 また、農林金融公庫の融資業務に農業経営アドバイザー機能を組合せ、政策金融の効果を高め、担い手を支援し、育成、確保の推進をします。

3.第18回試験
 日本政策金融公庫農林水産事業は1月23日に、平成25年度後期(第18回)の農業経営アドバイザー試験の結果、新たに255人が合格したと発表しました。
 僕もこのうちの一人です。
 これで、全国のアドバイザー数は2,675人となりました。
 今回の試験は453人が受験し、税理士51人、金融機関職員105人、普及指導員など88人、公庫職員11人の計255人が合格しました(合格率56.3%)。
 平成26年度前期(第19回)の研修・試験は6月に行う予定だそうです。

4.最後に
 僕の場合、水曜日と木曜日が研修で、金曜日が試験でしたが、試験に向けての勉強が結構大変でした。
 公認会計士税理士以外の方は、月曜日から金曜日なので、もっと大変でしょうね。
 高松で開業していると、農家の方、農地などに関係することが多く、この資格を活かして、農業が経営として成り立つこと、そして、地域活性化に、微力ではありますが貢献したいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

2014年2月18日 國村 年

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2014年1月号 『消費税増税に伴う会計ソフトの対応』

 本年もよろしくお願いします。
 本年(2014年)の4月1日から消費税等が5%(消費税4%、地方消費税1%)から8%(消費税6.3%、地方消費税1.7%)に引き上げられることが決まっており、来年(2015年)の10月1日からは10%(消費税7.8%、地方消費税2.2%)に引き上げられることが予定されています。
 それに対応して、現在お使いになっている会計ソフトの対応も必要になってきます。
 そこで、今回は、『消費税増税に伴う会計ソフトの対応』について書きたいと思います。

1.会計ソフト
 会計ソフトといっても、無料のものから有料ソフトまでいろいろなものがあります。
 有料のものの代表的なものとしては、弥生会計(弥生)、かんたん!法人会計(ミロク)、PCA会計(PCA)、会計王(ソリマチ)、勘定奉行(OBC)、財務応援(EPSON)などがあります。

2.消費税に増税に伴う対応
 消費税増税に伴う各社の対応は様々ですが、大きく分けると2つに分けられます。
 1つ目は、消費税率の変更をユーザーが行うことができないため、バージョンアップしないといけないものです。
 もう1つは、消費税率をユーザーが行うことはできますが、バージョンアップすることを推奨しているものです。
 弥生会計などが前者、PCAなどが後者となります。
 詳細についてはは、顧問税理士かお使いの会計ソフトメーカーのHPなどでご確認下さい。 

3.弥生会計
 私は、弥生と会計事務所のパートナーシップである弥生PAP会員ですので、以下では、弥生会計について述べます。
 弥生会計の場合、初めて購入する方も旧製品からバージョンアップする方でも、最新の『弥生会計14』を購入すれば、平成26年4月1日からの8%への増税については、日付で対応しています。
 また、「あんしん保守サポート」というものがあり、『弥生会計14』購入者であれば最大で15ヶ月間無料または特別価格で加入することができますし、次回発売される『弥生会計15』を無償で提供してもらえます。
 ただし、その期間経過後に消費税率が10%に引き上げられないことになった場合には、有償となってしまうことにはご留意下さい。

4.最後に
 消費税率が頻繁に変わることは、法人にとっても個人事業主にとっても会計事務所にとっても余分な負担が生じます。
 ただし、会計ソフトの購入やバージョンアップについては、お金は必要ですが、手間を考えるとソフトによってはそれほどの負担も生じないと考えられます。
 また、未だにたくさんの方が使っているものと思われるWindows XPのサポートが2014年4月9日に打ち切りになってしまいます。
 よって、早めの対応が望まれますね。
 弥生PAP会員は、弥生会計を市場価格より安く購入することができますので、弥生会計の購入やバージョンアップを考えている方は連絡下さいね。

2014年1月28日 國村 年