消費税の課税事業者である事業者は、所得税または法人税の所得金額の計算に当たり、消費税および地方消費税(以下「消費税等」といいます。)について、税抜経理方式または税込経理方式のどちらを選択してもよいこととされています。
令和5年10月1日からは、消費税の仕入税額控除の方式として「適格請求書等保存方式」(以下「インボイス制度)」といいます。)が導入され、仕入税額控除の適用を受ける消費税額は、適格請求書発行事業者から交付を受けた、適格請求書または適格簡易請求書(以下「適格請求書等」といいます。)の記載事項に基づき計算した金額その他の政令で定めるところにより計算した金額とされました。
このことから、インボイス制度導入後は、課税仕入れであっても適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がないものは、原則として仕入税額控除の適用を受けることができないため、事業者が税抜経理方式で経理している場合、適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者または登録を受けていない課税事業者をいいます。以下同じです。)からの課税仕入れ(古物営業を営む者が棚卸資産を取得する取引等を除きます。以下同じです。)のように、適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない課税仕入れについては、仕入税額控除の適用を受ける消費税額はないこととなります。
所得税または法人税においては、仕入税額控除の適用を受ける課税仕入れ等の消費税額およびこれに係る地方消費税額に相当する金額の合計額が仮払消費税等の額とされていますので、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、インボイス制度導入前のようにその対価の額と区分して経理をした仮払消費税等の額に相当する金額があっても、その金額は原則としてその課税仕入れに係る取引の対価の額に含めて所得税または法人税の所得金額の計算を行うことになります。
なお、インボイス制度開始後令和11年9月30日までの期間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、従前の仕入控除税額相当額の一定割合(80パーセント相当額または50パーセント相当額)を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
したがって、この経過措置の適用を受ける課税仕入れについて、支払対価の額のうちインボイス制度開始前の仮払消費税等の額の80パーセント相当額または50パーセント相当額を仮払消費税等の額とし、残額をその取引の対価の額として所得税または法人税の所得金額の計算を行うことになります。
しかしながら、簡易課税制度を適用している事業者または2割特例制度(適格請求書発行事業者となる小規模事業者が納税額を課税売上げに係る税額の2割に軽減できる制度をいいます。)を適用している事業者(以下「簡易課税制度適用事業者等」といいます。」)は、適格請求書等の保存の有無にかかわらず、課税売上げに係る消費税額にみなし仕入率を乗じて計算した金額または特別控除額(課税売上げに係る税額の80パーセント相当額)の仕入税額控除が認められることとされていることから、税抜経理方式を適用している簡易課税制度適用事業者等が課税仕入れを行った場合に、その取引相手が適格請求書発行事業者か適格請求書発行事業者以外の者かを厳密に区分する事務負担を軽減する観点から、簡易課税制度または2割特例制度を適用している課税期間を含む事業年度における継続適用を条件として、適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額の有無にかかわらず全ての課税仕入れについて、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となるものは108分の8)を乗じて算出した金額を仮払消費税等の額として経理した場合にはその処理も認めることとされています。
また、適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない課税仕入れについて、経過措置期間(令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間をいいます。以下同じです。)においては、従前の仕入税額相当額の50パーセント相当額または80パーセント相当額を課税仕入れに係る消費税額として仮払消費税等の額を経理することとなりますが、段階的に会計システムの改修を行うことの事務負担に配慮する観点から、経過措置期間中に適格請求書等の記載事項に基づき計算した金額がない課税仕入れについて、消費税等の額に相当する金額を取引の対価の額と区分して経理しなかったときは、仮払消費税等の額はないものとして所得税または法人税の所得金額の計算を行うことも認められることとされています。
なお、この仮払消費税等の額はないものとして所得金額の計算を行うことも認められる取扱いは、簡易課税制度や2割特例制度を適用していない事業者についても適用できることとされています。
これらの取扱いをまとめると、次の図のとおりとなります。

<税込経理方式の場合>
税込経理方式による場合は、課税売上げに係る消費税等の額は売上金額、課税仕入れに係る消費税等の額は仕入金額などに含めて計上し、消費税等の納付税額は租税公課として必要経費または損金の額に算入します。
なお、消費税の納税義務が免除されている免税事業者は、その行う取引について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、税込経理方式を適用して所得税または法人税の所得金額を計算することになります。
【具体例】
小売店が商品(標準税率10パーセントが適用されるもの)を7,000円(税抜き)で掛仕入し、10,000円(税抜き)で現金で販売した場合の具体的な仕訳は次のとおりです。
| 1.税抜経理方式 |
| (1)仕入時 |
|
(借方)
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仕 入 |
7,000円 |
(貸方) |
買 掛 金 |
7,700円
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仮払消費税等 |
700円 |
|
|
|
| (2)売上時 |
|
(借方)
|
現 金
|
11,000円
|
(貸方)
|
売 上 |
10,000円 |
|
|
|
|
仮受消費税等 |
1,000円 |
|
|
|
|
|
|
| 2.税込経理方式 |
| (1)仕入時 |
|
(借方)
|
仕 入
|
7,700円
|
(貸方)
|
買 掛 金
|
7,700円
|
| (2)売上時 |
|
(借方)
|
現 金
|
11,000円
|
(貸方)
|
売 上
|
11,000円
|
★リンクはこちら⇒ 税抜経理方式または税込経理方式による経理処理
2025年6月6日
端数計算
消費税の課税標準額および税額などの端数計算の方法は、次のとおりです。
<課税標準額の端数について>
その課税期間の課税標準額は、原則として、その課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額(消費税額および地方消費税額を含みます。)の合計額に110分の100(軽減税率の適用対象となる課税資産の譲渡等については108分の100)を掛けて算出した金額となります。
そして、この金額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
<消費税額の端数について>
その課税期間の課税標準額に対する消費税額は、原則として、上記「課税標準額の端数について」によって算出した課税標準額に7.8パーセント(軽減税率の適用対象となる課税資産の譲渡等については6.24パーセント)の税率を掛けて算出します(注)。
そして、この金額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
(注)
課税標準額に対する消費税額の計算については、コード6383「課税標準額に対する消費税額の計算」を参照してください。
<納付すべき消費税額などの端数について>
- 課税期間ごとの課税仕入れに係る消費税額は、原則として、その課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては108分の6.24)を掛けて計算した金額となり、この金額に1円未満の端数があるときはその端数を切り捨てます。
また、売上対価の返還等に係る消費税額および貸倒れに係る消費税額に1円未満の端数があるときも同様に、その端数を切り捨てます。(注)
課税仕入れに係る消費税額の計算については、コード6391「課税仕入れに係る消費税額の計算」を参照してください。
- 課税標準額に対する消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額などを控除した税額に100円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。
- 還付金に相当する消費税額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、還付金に相当する消費税額が1円未満であるときは、1円とします。
<適格請求書に記載すべき消費税額等の端数について>
適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります。
なお、切上げ、切捨て、四捨五入などの端数処理の方法については、任意の方法とすることができます。
(注)
一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められません。
★リンクはこちら⇒ 端数計算
2025年6月4日
貸倒れに係る税額の調整
売掛金その他の債権が貸倒れとなったときは、貸倒れとなった金額に対応する消費税額を貸倒れの発生した課税期間の売上げに対する消費税額から控除します。
<対象となる貸倒れ>
控除の対象となる貸倒れは、消費税の課税対象となる取引の売掛金その他の債権(以下「売掛金等」といいます。)に限られます。
貸倒れとして認められる主な例は次のとおりです。
- 更生計画認可の決定、再生計画認可の決定などにより債権の切捨てがあったこと。
- 債務者の財産状況、支払能力等からみてその債務者が債務の全額を弁済できないことが明らかであること。
- 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で、一定の要件に該当する基準により債権の切捨てがあったこと。
- 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債権の弁済を受けることができないと認められる場合に、その債務者に対し書面により債務の免除を行ったこと。
<適用要件>
貸倒れに係る消費税額について控除を受けるには、債権の切捨ての事実を証する書類その他貸倒れの事実を明らかにする書類を保存する必要があります。
【対象者または対象物】
国内で課税資産の譲渡等を行った事業者(免税事業者を除く)
【計算方法・計算式】
貸倒れの金額に消費税および地方消費税が含まれている場合には、貸倒れの金額の合計額に110分の7.8(軽減税率の適用対象の貸倒れの金額の合計額に108分の6.24)(注)を乗じて貸倒れとなった売掛金等に含まれる消費税額を計算し、その消費税額につき1円未満の端数を切り捨てた金額が課税売上げに対する消費税額から控除する消費税額となります。
(注)
平成9年3月31日までの課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒れとなった場合には、貸倒れとなった売掛金等の合計額に103分の3、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒れとなった場合には、貸倒れとなった売掛金等の合計額に105分の4、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒れとなった場合には、貸倒れとなった売掛金等の合計額に108分の6.3を乗じて課税売上げに対する消費税額から控除する消費税を計算します。
また、貸倒れ等において、その領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額が課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る部分と軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分とに合理的に区分されていないときは、その領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に、その貸倒れ等の対象となった課税資産の譲渡等の税込価額の合計額のうちに軽減対象課税資産の譲渡等の税込価額の占める割合を乗じて計算した金額を、当該軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分の金額として、計算します。
なお、貸倒れとして控除した後に売掛金等を受け取った場合の消費税額の計算についてはコード6631「貸倒債権を回収したときの消費税額の計算」を参照してください。
★リンクはこちら⇒ 貸倒れに係る税額の調整
2025年5月28日
値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入れに係る対価の返還等)
商品を購入した事業者がその取引を行った後に、販売業者から仕入値引きを受けたり、仕入割戻金や販売奨励金の支払を受けたり、仕入れた商品について販売業者へ返品をしたこと等により買掛金の減額等を行う場合には、商品を購入した事業者は、これらの金額に対応する消費税額について調整する必要があります。
その調整方法等は次のとおりです。
<調整が必要な取引>
国内で行った課税仕入れに該当する取引に基因して受け取る次のもの(以下「仕入れに係る対価の返還等」といいます。)が調整の必要な取引となります。
- 返品
- 値引き
- 事業者がその直接の取引先から受ける割戻し
この他、間接の取引先(商品等の卸売業者、製造業者等)から支払われる飛越しリベート等とされるもの
- 海上運送事業を営む事業者から収受する船舶の早出料
- 販売奨励金等のうち、事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先から金銭により支払を受けるもの
- 協同組合等から組合員等が収受する事業分量配当金のうち、課税仕入れの分量等に応じた部分
- 課税仕入れに係る対価をその支払期日より前に支払ったこと等を基因として支払を受ける仕入割引
- 保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税額の還付税額
<調整が必要ない取引>
上記の仕入れに係る対価の返還等であっても次に掲げる場合は調整の必要はありません。
- 免税事業者であった課税期間において行った課税仕入れにつき、課税事業者となった後の課税期間において受けるもの
- 課税事業者であった課税期間において行った課税仕入れにつき、事業を廃止し、または免税事業者となった後の課税期間において受けるもの
<調整を行わない取引>
以下の取引については調整を行いません。
- 保税地域からの引取りに係る課税貨物について、輸入品に係る仕入割戻しとして課税貨物の購入先から受けたもの
- 債務免除として事業者が課税仕入れの相手方に対する買掛金その他の債務の全部または一部について免除を受けたもの
<調整を行う時期>
当初の課税仕入れを行った課税期間ではなく、仕入れに係る対価の返還等を受けた課税期間において調整を行います。
<調整の方法>
課税期間において控除される課税仕入れ等の消費税額の合計額から課税仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除します。
ただし、課税仕入れの金額からその課税仕入れに係る対価の返還等の金額を控除する経理処理を継続して行っているときは、この処理も認められます。
なお、課税仕入れ等の消費税額の合計額から課税仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除しきれないときは、その控除しきれない金額を課税売上げに係る消費税額に加算します。
【対象者または対象物】
<調整を行う必要がある事業者>
国内で課税仕入れを行った事業者(免税事業者を除く)
【計算方法・計算式】
控除税額の算出方法については、次のとおりです。
(1)課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が95パーセント以上の場合
(その課税期間の課税仕入れ等に係る消費税額の合計額) - (その課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額)
(2)課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が95パーセント未満の場合
イ.個別対応方式
(イ)と(ロ)の合計額
| (イ) |
(課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ等に係る消費税額の合計額) - (課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れにつきその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額(注1)の合計額) |
| (ロ) |
(課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等に係る消費税額の合計額 × 課税売上割合(注2)) - (課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れにつきその課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額(注1) × 課税売上割合(注2)) |
ロ.一括比例配分方式
(課税仕入れ等に係る消費税額の合計額×課税売上割合) - (その課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額(注1)×課税売上割合)
ただし、仕入れに係る対価の返還等につき適格返還請求書の交付を受け、または適格返還請求書に記載すべき事項に係る電磁的記録の提供を受けた場合、その適格返還請求書に記載され、または当該電磁的記録に記録された消費税額等(その適格返還請求書にその消費税額等の記載がない、またはその電磁的記録にその消費税額等の記録がないときは、その消費税額等として一定の方法で算出した金額)に100分の78を乗じて算出した金額を仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額とすることができます。
(注1)
「仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額」は、その支払対価の額につき返還を受けた金額またはその減額を受けた債務の額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となった仕入れに係るものについては108分の6.24)(※)を乗じて計算します。
(※)
平成9年3月31日までの課税仕入れに係るものについては103分の3、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税仕入れに係るものについては105分の4、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの課税仕入れに係るものについては108分の6.3。
また、仕入れに係る対価の返還等を受けた金額が他の者から受けた課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る部分と軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分とに合理的に区分されていないときは、その仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に、その仕入れに係る対価の返還等に係る課税仕入れに係る支払対価の額の合計額のうちに軽減対象課税資産の譲渡等に係る課税仕入れに係る支払対価の額の占める割合を乗じて計算した金額を、その軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分の金額として、計算します。
(注2)
課税売上割合に準ずる割合を含みます。
★リンクはこちら⇒ 値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入れに係る対価の返還等)
2025年5月26日
値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)
商品を販売した事業者がその取引を行った後に、売上値引きをしたり、売上割戻金や販売奨励金を支払ったり、売り上げた商品について返品を受けたこと等により売掛金の減額等を行う場合には、商品を販売した事業者は、これらの金額に対応する消費税額について調整する必要があります。
その調整方法等は次のとおりです。
<調整が必要な取引>
国内で行った課税資産の譲渡等に該当する取引に基因して支払われる次のもの(以下「売上げに係る対価の返還等」といいます。)が調整の必要な取引となります。
ただし、輸出取引など消費税が免除される取引に基因して支払われるものを除きます。
- 返品
- 値引き
- 事業者がその直接の取引先に支払う割戻しこの他、間接の取引先(商品等の卸売業者、製造業者等)に支払う飛越しリベート等とされるもの
- 海上運送事業を営む事業者が支払う船舶の早出料
- 販売奨励金等のうち、事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先に対して金銭で支払うもの
- 協同組合等が組合員等に支払う事業分量配当金のうち、課税資産の譲渡等の分量等に応じた部分
- 課税資産の譲渡等に係る対価をその支払期日より前に支払を受けたこと等を基因として支払われる売上割引
<調整を行うことができない取引>
上記の売上げに係る対価の返還等であっても次に掲げる場合は調整を行うことができません。
(1)免税事業者であった課税期間における課税資産の譲渡等につき、課税事業者となった後の課税期間において行ったもの
(2)課税事業者であった課税期間における課税資産の譲渡等につき、事業を廃止し、または免税事業者となった後の課税期間において行ったもの
<調整を行う時期>
当初の課税資産の譲渡等を行った課税期間でなく、売上げに係る対価の返還等を行った課税期間において調整を行います。
<調整の方法>
課税標準額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等に係る消費税額を控除します。
ただし、課税資産の譲渡等の金額からその売上げに係る対価の返還等の金額を控除する経理処理を継続して行っているときは、この処理も認められます。
<適用要件>
売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額について控除を受けるには、売上げに係る対価の返還等をした金額の明細等を記録した帳簿を保存する必要があります。
課税資産の譲渡等の金額からその売上げに係る対価の返還等の金額を控除する経理処理を行っている場合も同様です。
なお、売上げに係る対価の返還等につき交付した適格返還請求書の写しまたは提供した適格返還請求書に記載すべき事項に係る電磁的記録に記載された消費税額等に基づき計算した金額を、売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額とする場合には、その適格返還請求書またはその電磁的記録を併せて保存する必要があります。
<適格返還請求書の交付>
売上げに係る対価の返還等を行う適格請求書発行事業者は、その売上げに係る対価の返還等を受ける他の事業者に対して、一定の事項を記載した請求書、納品書その他これらに類する書類(適格返還請求書)を交付する義務があります。
ただし、その売上げに係る対価の返還等の金額が税込1万円未満である場合など一定の場合には、その義務は免除されます。
【対象者または対象物】
<調整を行う必要がある事業者>
国内で課税資産の譲渡等を行った事業者(免税事業者を除く)
【計算方法・計算式】
売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額は、税込みの売上げに係る対価の返還等の金額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となった売上げに係るものについては108分の6.24)(注)を乗じて算出した金額となります。
(注)
平成9年3月31日までの課税資産の譲渡等に係るものについては103分の3、平成9年4月1日から平成26年3月31日までの課税資産の譲渡等に係るものについては105分の4、平成26年4月1日から令和元年9月30日までの課税資産の譲渡等に係るものについては108分の6.3。
また、売上げに係る対価の返還等の金額が課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る部分と軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分とに合理的に区分されていないときは、その売上げに係る対価の返還等に係る税込価額に、その売上げに係る対価の返還等に係る課税資産の譲渡等の税込価額の合計額のうちに軽減対象課税資産の譲渡等の税込価額の占める割合を乗じて計算した金額を、その軽減対象課税資産の譲渡等に係る部分の金額として、計算します。
ただし、売上げに係る対価の返還等につき交付した適格返還請求書の写しまたは提供した適格返還請求書に記載すべき事項に係る電磁的記録を保存している場合には、その適格返還請求書に記載し、またはその電磁的記録に記録した消費税額等に100分の78を乗じて算出した金額を、売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額とすることができます。
★リンクはこちら⇒ 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上げに係る対価の返還等)
2025年5月21日
課税売上げと課税仕入れ
事業者が国内で商品の販売やサービスの提供などを行った場合には、原則として消費税が課税されます。
この消費税の納付税額は課税期間中の課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を差し引いて計算します。
ここで課税仕入れ等に係る消費税額を差し引くことを仕入税額控除といいます。
<課税売上げ>
課税売上げとは、商品の売上げのほか、機械や建物等の事業用資産の売却など事業のための資産の譲渡、貸付け、サービスの提供をいいます。
ただし、土地の売却や貸付けなどの非課税取引は課税売上げに含まれません。
<課税仕入れ>
課税仕入れとは、商品などの棚卸資産の仕入れ、機械や建物等の事業用資産の購入または賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサービスの購入、そのほか事業者が事業として他の者から資産を譲り受けることなどをいいます。
これは、仕入先が免税事業者や消費者の場合でも課税仕入れに当たります。
ただし、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れは、原則として、仕入税額控除の対象とはなりません。
また、土地の購入や賃借などの非課税取引、課税対象とならない給与、賃金などは課税仕入れに含まれません。
<仕入税額控除>
仕入税額の控除は、実際に仕入れなどをした課税期間において行います。
したがって、建物などの減価償却資産であっても、それらの資産を購入した課税期間において、その購入価額の全額に対する消費税の額が仕入税額控除の対象になります。
なお、消費税の納税義務が免除されている事業者については、この仕入税額控除は受けられません。
(注)
適格請求書等保存方式の下、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、一定の事項が記載された帳簿および請求書等(適格請求書等)を保存する必要があります。
詳しくは、コード6496「仕入税額控除をするための帳簿および請求書等の保存」を参照ください。
★リンクはこちら⇒ 課税売上げと課税仕入れ
2025年5月19日
納付税額の計算のしかた
<納付税額の計算>
消費税の税率は、標準税率(10パーセント)と軽減税率(8パーセント)の複数税率であることから、売上げと仕入れを税率ごとに区分して税額計算を行う必要がありますが、課税期間中の売上税額から仕入税額を控除するといった消費税額の計算方法は、適格請求書等保存方式においても、これまでと変わりません。
課税期間は、原則として、個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間で、法人の場合は事業年度です。
具体的な売上税額と仕入税額の計算方法は、次のとおりとなります。
1.売上税額
(1)原則(割戻し計算)
税率ごとに区分した課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額の合計額に、110分の100または108分の100を掛けて税率ごとの課税標準額を算出し、それぞれの税率(7.8%または6.24%)を掛けて売上税額を算出します。

(2)特例(積上げ計算)
相手方に交付した適格請求書または適格簡易請求書(以下これらを併せて「適格請求書等」といいます。)の写しを保存している場合(適格請求書等の記載事項に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)には、これらの書類に記載した消費税額等の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とすることができます。
なお、売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません。

2.仕入税額
(1)原則(積上げ計算)
相手方から交付を受けた適格請求書などの請求書等(提供を受けた電磁的記録を含みます。)に記載されている消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて仕入税額を算出します。

(2)特例(割戻し計算)
税率ごとに区分した課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に、110分の7.8または108分の6.24を掛けて算出した金額を仕入税額とすることができます。
なお、割戻し計算により仕入税額を計算できるのは、売上税額を割戻し計算している場合に限られます。

(参考1)
売上税額と仕入税額の計算方法

(注)売上税額の計算方法において、「割戻し計算」と「積上げ計算」を併用することは認められていますが、仕入税額の計算方法において、「積上げ計算」と「割戻し計算」を併用することはできません。
※仕入税額の積上げ計算の方法として、課税仕入れの都度、課税仕入れに係る支払対価の額に10/110(軽減税率の対象となる場合は8/108)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)を仮払消費税額とし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に78/100を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)。
(参考2)
消費税額は、原則として、税率ごとに計算しますが、売上げを税率ごとに区分することが困難な事情がある一定の事業者については一定期間、税額計算の特例を用いて売上税額を計算することが認められていました。詳しくは、特設ページ「消費税の軽減税率制度について」を参照ください。
<簡易課税制度>
「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、その提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間について、その課税期間の前々年または前々事業年度(基準期間)の課税売上高が5,000万円以下である場合に、その課税期間の仕入れに係る消費税額を実額によらないで計算する簡易課税制度の特例が適用されます。
(参考)
インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になられた方については、仕入税額控除の金額を、特別控除税額(課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額)とすることができます(いわゆる2割特例)。
詳しくは、2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要をご参照ください。
★リンクはこちら⇒ 納付税額の計算のしかた
2025年5月8日
外貨建取引の取扱い
外貨建ての取引の売上金額や仕入金額の円換算は、為替予約がある場合を除き、原則として売上げや仕入れとして計上する日の電信売買相場の仲値(いわゆるTTM)によることとされています。
このため、これらの売上金額が入金された場合や、仕入金額を支払った場合には、売上げや仕入れに計上した日と実際に円貨で決済した日との為替レートの差により、いわゆる為替差損益が発生します。
外貨建取引に伴う消費税の取扱いにおいては、原則として資産の譲渡等を行った日または課税仕入れを行った日の電信売買相場の仲値(いわゆるTTM)で換算した円貨による金額を資産の譲渡等の金額または課税仕入の金額とすることになり、決済時との差額は調整する必要はありません。
なお、為替差損益は、資産の譲渡等の対価の額または課税仕入れに係る支払対価の額に当たりません。
★リンクはこちら⇒ 外貨建取引の取扱い
2025年5月2日
法人の役員に対する贈与・低額譲渡の取扱い
消費税は、原則として、課税資産の譲渡等の対価の額が課税標準となります。例外として、対価を得ない取引に対して、対価を得て行う資産の譲渡とみなして課税される場合と一定の取引でその対価の額が時価に比べて著しく低い場合には、その時価を対価の額とみなして課税されます。
これには、個人事業者の自家消費と法人がその役員に対して行う資産の贈与および著しく低い金額による譲渡があります。
このコードでは、法人がその役員に対して行う資産の贈与などの取扱いについて説明します。
<法人が資産をその役員に対して贈与した場合>
法人が資産をその役員に対して贈与した場合は、その資産を贈与した時のその資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準として消費税が課税されます。
ただし、棚卸資産を贈与した場合において、その棚卸資産の仕入価額以上の金額、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50パーセントに相当する金額以上の金額を対価の額として確定申告したときはその取扱いが認められます。
<法人が資産をその役員に対して低額譲渡した場合>
法人が資産をその役員に対してその資産の価額に比べて著しく低い金額により譲渡した場合は、実際に役員から受領した金額ではなく、その資産を譲渡した時のその資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準として消費税が課税されます。
この場合の、その資産の価額に比べて著しく低い金額により譲渡した場合とは、その資産の時価のおおむね50パーセントに相当する金額に満たない金額により譲渡した場合をいいます。
なお、その譲渡した資産が棚卸資産である場合で、その棚卸資産の譲渡金額が、その資産の仕入金額以上の金額で、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50パーセントに相当する金額以上の金額であるときは、著しく低い金額により譲渡した場合には該当しないものとして取り扱われます。
ただし、その資産の譲渡が、役員および使用人の全部について一律に、または勤続年数などに応じて合理的に定められた値引率に基づき行われた場合は、時価ではなく実際に役員から受領した金額により課税されます。
★リンクはこちら⇒ 法人の役員に対する贈与・低額譲渡の取扱い
2025年4月28日
個人事業者の自家消費の取扱い
消費税は、原則として、課税資産の譲渡等の対価の額が課税標準となります。
例外として、対価を得ない取引に対して、対価を得て行う資産の譲渡とみなして課税される場合と一定の取引でその対価の額が時価に比べて著しく低い場合には、その時価を対価の額とみなして課税されます。
これには、個人事業者の自家消費と法人がその役員に対して行う資産の贈与および著しく低い金額による譲渡があります。
このコードでは、個人事業者の自家消費の取扱いについて説明します。
<内容>
個人事業者の自家消費とは、個人事業者が棚卸資産または棚卸資産以外の資産で事業用に使用していたものを家事のために消費または使用することをいいます。
個人事業者が自家消費を行った場合は、その資産を消費または使用した時のその資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準として消費税が課税されます。
ただし、棚卸資産を自家消費した場合は、その棚卸資産の仕入価額以上の金額、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50パーセントに相当する金額以上の金額を対価の額として確定申告したときはその取扱いが認められます。
★リンクはこちら⇒ 個人事業者の自家消費の取扱い
2025年4月24日
酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い
消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税などが含まれます。
これは、酒税やたばこ税などの個別消費税は、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の一部を構成しているので、課税標準に含まれることになるものです。
これに対して、軽油引取税、ゴルフ場利用税、入湯税は、利用者などが納税義務者となっているものですから、その税額に相当する金額を請求書や領収証等で相手方に明らかにし、預り金または立替金等の科目で経理するなど明確に区分している場合には、課税標準には含まれないことになります。
なお、その税額に相当する金額を明確に区分していない場合には、課税標準に含まれることになります。
(注)
軽油引取税は、その特別徴収義務者である特約店等が販売する場合(特約店等からその販売委託を受けてサービス・ステーション等が販売を行う場合を含みます。)は課税標準に含まれませんが、特別徴収義務者に該当しないサービス・ステーション等が販売する場合には、課税標準から軽油引取税を控除することはできません。
★リンクはこちら⇒ 酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い
2025年4月22日
商品の安売りや下取りがあるとき
(1)原則的な取扱い
消費税の税額は、課税標準に税率を掛けて計算します。
この課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額によることとされています。
課税資産の譲渡等の対価の額とは、資産の譲渡、資産の貸付けや役務の提供について対価として収受し、または収受すべき一切の金銭等の額のことをいいます。
したがって、実際の取引に当たって、その資産の通常の価額(時価)よりも低い価額で譲渡しても、その資産の通常の価額に引き戻す必要はなく、当事者間で取引した実際の価額を課税標準として税額を計算することになります。
(2)みなし譲渡の場合
ただし、法人が役員に対してその資産の通常の価額よりも著しく低い価額で譲渡等した場合または個人事業者が棚卸資産もしくは棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のため消費もしくは使用した場合には、その資産の時価を対価の額とみなして税額を算出することになります。
(3)下取りがあるとき
また、課税資産の譲渡等に際し下取りをした場合の課税資産の譲渡等の対価の額は、譲渡価額から下取価額を控除した金額とすることはできません。
下取りを伴う取引については、課税資産の譲渡等と課税仕入れの2つの取引が同時に行われていますので、それぞれ別個の取引として取り扱うことになります。
例えば、自動車の販売会社が消費者に100万円の自動車を販売するときに消費者が所有する自動車を30万円で下取りしたとします。
この場合は、100万円から30万円を差し引いて70万円を課税資産の譲渡等の対価の額とすることはできません。
課税資産の譲渡等の対価の額は100万円および課税仕入れに係る支払対価の額は30万円としてそれぞれ計算することになります。
★リンクはこちら⇒ 商品の安売りや下取りがあるとき
2025年4月21日
消費税および地方消費税の税率
消費者が負担する消費税は、消費税および地方消費税の合計額であり、標準税率10%と軽減税率8%の複数税率になっています。
消費税率および地方消費税率については次のとおりです。
|
標準税率(注1) |
軽減税率(注2) |
| 消費税率 |
7.8% |
6.24% |
| 地方消費税率 |
2.2%
(消費税額の22/78) |
1.76%
(消費税額の22/78) |
| 合計 |
10% |
8% |
(注1)令和元年10月1日以後に事業者が行う資産の譲渡等および課税仕入れであっても、経過措置が適用されるものについては、旧税率(8%(消費税率6.3%、地方消費税率1.7%))が適用されることとなります。詳しくは「消費税率等の引上げについて(令和元年10月1日~)」 をご覧ください。
(注2)軽減税率の適用対象は、次のとおりとされています。詳しくはコードNo.6102「消費税の軽減税率制度」をご覧ください。
- 飲食料品の譲渡(食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類を除きます。)の譲渡をいい、外食を含みません。)
- 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡
★リンクはこちら⇒ 消費税および地方消費税の税率
2025年4月17日
課税標準
消費税の税額は、課税標準に税率を掛けて計算します。
この課税標準とは、課税資産の譲渡等の対価の額によることとされています。
<課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準>
課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額、すなわち、資産の譲渡、資産の貸付けや役務の提供について受け取る金額または受け取るべき金額です。
この金額は、金銭で受け取るものに限られず、金銭以外の物や権利その他経済的利益の額など、対価として受け取るすべてのものが含まれます。
なお、この課税標準となる対価の額には、消費税相当額および地方消費税相当額は含まれません(注)。
(注)特定課税仕入れ(※)に係る消費税の課税標準は、特定課税仕入れに係る「支払対価の額」となりますが、特定課税仕入れについては、当該特定課税仕入れを行った事業者に納税義務が課されていますので、支払った対価の額には消費税等に相当する金額は含まれていません。
したがって、課税資産の譲渡等の対価の額のように110 分の100 を乗じて税抜計算する必要はなく、支払った(支払うべき)金額がそのまま課税標準額となります。
(※)特定課税仕入れとは、国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」をいいます。
このように、課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、当事者間で授受することとした対価の額となりますが、例えば、次に掲げる場合には、次の金額が対価の額になります。
| (1) |
法人が自社商品などをその役員に贈与したり、著しく低い価額で譲渡した場合:その自社商品の時価 |
| (2) |
個人事業者が、自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合:その商品などの時価 |
| (3) |
代物弁済をした場合:代物弁済により消滅する債務の額 |
| (4) |
資産を交換した場合:交換により取得する資産の時価(交換差金を受け取る場合はその金額を加算した金額とし、交換差金を支払う場合はその金額を控除した金額となります。) |
<保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準>
保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は、関税課税価格いわゆるCIF価格に消費税以外の個別消費税の額および関税の額に相当する金額を加算した合計額です。
詳しくは、コード6563「輸入取引」を参照してください。
★リンクはこちら⇒ 課税標準
2025年4月15日
建物賃貸借契約の違約金など
<建物賃貸借契約を中途解約する場合の違約金>
建物の賃貸人は、建物の賃貸借の契約期間の終了前に入居者から解約の申入れによる中途解約の違約金として数か月分の家賃相当額を受け取る場合があります。
この違約金は、賃貸人が賃借人から中途解約されたことに伴い生じる逸失利益を補填するために受け取るものですから、損害賠償金として課税の対象とはなりません。
<建物賃貸借に係る保証金等から差し引く原状回復工事費用>
賃借人が立ち退く際に、賃貸人が賃借人から預かっている保証金等の中から原状回復工事に要した費用相当額を差し引いて受け取る場合があります。
賃借人には立退きに際して建物を原状に回復する義務がありますので、賃借人に代わって賃貸人が原状回復工事を行うことは、賃貸人の賃借人に対する役務の提供に当たります。
したがって、賃貸人が受け取る工事費に相当する額は、賃貸人の賃借人に対する役務の提供の対価となりますので、課税の対象となります。
<違約入居者から受け取る割増賃借料>
賃貸借契約の契約期間終了後においても入居者が立ち退かない場合に、店舗および事務所等の賃貸人がその入居者から規定の賃貸料以上の金額を受け取ることがあります。
この場合に受け取る金額は、入居者が正当な権利なくして使用していることに対して受け取る割増賃貸料の性格を有していますので、その全額が店舗および事務所等の貸付けの対価として課税の対象となります。
なお、住宅の貸付けに係る契約において住宅用であることが明らかとされている場合や貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合における割増賃借料については、住宅の貸付けの対価として非課税となります。
★リンクはこちら⇒ 建物賃貸借契約の違約金など
2025年4月11日
損害賠償金
心身または資産に対して加えられた損害の発生に伴って受ける損害賠償金については、通常は資産の譲渡等の対価に当たりません。
ただし、その損害賠償金が資産の譲渡等の対価に当たるかどうかは、その名称によって判定するのではなく、その実質によって判定すべきものとされています。
<具体例>
例えば、次のような損害賠償金は、その実質からみて資産の譲渡または貸付けの対価に当たり、課税の対象となります。
- 損害を受けた棚卸資産等が加害者に対して引き渡される場合において、その資産がそのまままたは軽微な修理を加えることによって使用することができるときにその資産の所有者が収受する損害賠償金
- 特許権や商標権などの無体財産権の侵害を受けた場合に権利者が収受する損害賠償金
- 事務所の明渡しが遅れた場合に賃貸人が収受する損害賠償金
★リンクはこちら⇒ 損害賠償金
2025年4月8日
キャンセル料
いわゆるキャンセル料といわれるものの中には、解約に伴う事務手数料としての性格のものと、解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のものとがあります。
キャンセル料に係る消費税の取扱いは、次のとおりです。
<解約に伴う事務手数料としてのキャンセル料>
解約手続などの事務を行う役務の提供の対価ですから課税の対象となります。
例えば、航空運賃のキャンセル料などで、解約等の時期に関係なく一定額を受け取ることとされている部分の金額は、解約等に伴う事務手数料に該当し課税の対象になります。
<逸失利益に対する損害賠償金としてのキャンセル料>
本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補填金ですから、資産の譲渡等の対価に該当しないため課税の対象となりません。
例えば、航空運賃のキャンセル料などで、搭乗区間や解約等の時期などにより金額の異なるものは、逸失利益等に対する損害賠償金に該当するので課税の対象となりません。
<全額について事務手数料に相当する部分と損害賠償金に相当する部分を区分することなく一括して受領しているキャンセル料>
事業者がその全額について事務手数料に相当する部分と損害賠償金に相当する部分を区分することなく一括して受領しているときは、その全額を不課税として取り扱うこととされています。
例えば、ゴルフ場の予約をキャンセルした際に受領するキャンセル料などがこれに該当します。
★リンクはこちら⇒ キャンセル料
2025年4月4日
ゴルフ会員権
ゴルフクラブが発行するゴルフ会員権には株式形態のものと金銭を一定期間預託する預託形態のものとがありますが、基本的にはその形態の相違により消費税の課税関係が異なることはありません。
具体的な取扱いは、次のようになります。
<ゴルフクラブの課税関係>
ゴルフクラブが会員権を発行する場合において、その発行に関して収受する金銭は株式形態の場合は出資金であり、預託形態の場合は預り金ですから、いずれも資産の譲渡等の対価に該当せず課税の対象になりません。
ただし、入会に際して出資金や預託金とは別に収受する入会金などで会員等の資格を付与することと引換えに収受する返還を要しないものについては、役務の提供の対価として課税の対象となります。
また、プレー代、ロッカー使用料、年会費、会員権の所有者の変更に伴う名義書換料等も課税の対象となります。
<ゴルフ会員権業者の課税関係>
会員権業者が会員権の所有者または購入希望者からの委託を受けて会員権売買の仲介を行った場合、その仲介に係る手数料は役務の提供の対価として課税の対象になります。
また、会員権の所有者から買い取った会員権を売買する場合、株式形態のものは株式の譲渡に、預託形態のものは金銭債権の譲渡にそれぞれ該当しますが、これらのゴルフ会員権に係る株式又は金銭債権の譲渡は非課税の対象から除かれていますから、いずれも課税の対象になります。この場合、これらの譲渡について購入者から収受する金額が課税資産の譲渡等の対価の額となります。
なお、会員権の所有者からのゴルフ会員権に係る株式又は金銭債権の買取りは課税仕入れとなります。
<ゴルフ会員権所有者の課税関係>
事業者である会員権所有者がゴルフクラブに支払う年会費等は課税仕入れに係る支払対価に該当します。また、事業者が会員権業者から会員権を購入した場合、その購入は課税仕入れとなります。
ただし、ゴルフクラブが発行した会員権をそのゴルフクラブから直接取得する行為は不課税取引に係るものですから、返還を要しない入会金などを除き、課税仕入れとはなりません。
なお、事業者(個人事業者を除きます。)が所有しているゴルフ会員権に係る株式又は金銭債権を譲渡した場合の課税関係は、ゴルフ会員権業者の課税関係の場合と同様です。
★リンクはこちら⇒ ゴルフ会員権
2025年4月2日
有価証券の先物取引
国債や株式などの有価証券の譲渡は、原則として、消費税の非課税取引とされています。
株式の信用取引による売付けも現物の株式を借りて売却しているため、有価証券の譲渡として取り扱われ非課税取引となります。
<内容>
現在国内において有価証券または有価証券指数を対象とした先物取引の市場が開設されており、次のような取引があります。
- 大阪取引所における国債先物取引(長期国債先物取引)
- 大阪取引所における東証株価指数先物取引(TOPIX先物取引等)
- 大阪取引所における日経平均株価指数先物取引(日経225先物取引等)
このような先物取引については、有価証券の現物の受渡しが行われる場合は、有価証券の譲渡として非課税取引となりますが、現物の受渡しが伴わない場合は消費税の対象外、すなわち不課税取引となります。
国債先物取引については、証券取引所における売買取引最終日が到来した後に売建玉または買建玉を持っている場合に有価証券の受渡しが行われます。
したがって、この場合には有価証券の譲渡として非課税取引になります。
また、TOPIX先物取引や日経225先物取引は、株価指数を取引の対象とするもので、有価証券の受渡しが行われることはありませんから不課税取引となります。
さらに売買取引最終日の前に行う新規の売買取引や反対売買による差金の決済を行う取引は資産の引渡しを伴わない取引となり消費税の対象外、すなわち不課税取引となります。
このように、有価証券の先物取引は非課税取引または不課税取引に当てはまりますから、消費税は課税されません。
★リンクはこちら⇒ 有価証券の先物取引
2025年3月25日
売掛債権とは別に請求する利子
預貯金や貸付金の利子、公社債の利子および手形の割引料など利子を対価とする金融取引については非課税とされていますが、売上代金を手形により回収する場合には、手形の支払期間に応じて計算した利息相当額を売上代金とは別にして請求することがあります。
このような場合、その利息相当額が適正金利に相当する金額であるときは、売上代金部分だけが課税標準となり、利息相当額は非課税となります。
★リンクはこちら⇒ 売掛債権とは別に請求する利子
2025年3月24日
学校の授業料や入学検定料、教科用図書の譲渡など
消費税は商品の販売やサービスの提供などあらゆる取引を課税の対象としています。
しかし、学校教育については、社会政策的配慮から授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明書等手数料、検定済教科書などの教科用図書の譲渡を非課税としています。
<非課税となる学校の範囲>
授業料などが非課税となる学校の範囲は、学校教育法に規定する学校(幼稚園、小中高等学校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校)、専修学校および次の6つの要件すべてに当てはまる各種学校などです。
- 修業年限が1年以上であること。
- 1年間の授業時間数が680時間以上であること。
- 教員数を含む施設等が同時に授業を受ける生徒数からみて十分であること。
- 年2回を超えない一定の時期に授業が開始され、その終期が明確に定められていること。
- 学年または学期ごとにその成績の評価が行われ、成績考査に関する表簿などに登載されていること。
- 成績の評価に基づいて卒業証書または修了証書が授与されていること。
| (注1) |
一般的に上記1から6の要件にあてはまらない学習塾、自動車学校、カルチャースクール等の授業料は非課税にはなりません。 |
| (注2) |
幼稚園が、給食に係る経費を「授業料」として、スクールバスの運営に要する費用を「施設設備費」として徴収している場合は、非課税となります。なお、給食代、スクールバス代として別途徴収している場合は、非課税にはなりません。 |
| (注3) |
参考書、問題集等で学校における教育を補助するための、いわゆる補助教材の譲渡については、学校が指定したものであっても、非課税にはなりません。 |
★リンクはこちら⇒ 学校の授業料や入学検定料、教科用図書の譲渡など
2025年3月19日
住宅の貸付け
<住宅の範囲>
(1)住宅とは、人の居住の用に供する家屋または家屋のうち人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほか、マンション、アパート、社宅、寮、貸間等が含まれます。
(2)通常住宅に付随して、または住宅と一体となって貸し付けられる次のようなものは「住宅の貸付け」に含まれます。
イ.庭、塀、給排水施設等住宅の一部と認められるもの
ロ.家具、じゅうたん、照明設備、冷暖房設備等の住宅の附属設備で住宅と一体となって貸し付けられるもの
(注)
これらの設備を別の賃貸借の目的物として賃料を別に定めている場合は、課税されます。
(3)駐車場等の施設については、次によります。
イ.駐車場の貸付けは、次のいずれにも該当する場合、非課税となります。
A.一戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている等の場合
B.家賃とは別に駐車場使用料等を収受していない場合
ロ.プール、アスレチック、温泉などの施設を備えた住宅については、居住者のみが使用でき、家賃とは別に利用料等を収受していない場合、非課税となります。
(4)店舗等併設住宅については、住宅部分のみが非課税とされますので、その家賃については住宅部分と店舗部分とを合理的に区分することとなります。
<住宅の貸付けの範囲>
(1)住宅の貸付けとして非課税となるのは、その貸付けに係る契約において住宅用に供することが明らかにされているものや、契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかなものに限られます。
(2)次に該当する場合は非課税となる住宅の貸付けから除かれます。
イ.貸付期間が1か月未満の場合
ロ.旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合
(注)
例えば、旅館、ホテル、貸別荘、リゾートマンション、ウィークリーマンション等は、その利用期間が1か月以上となる場合であっても、非課税とはなりません。
また、住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業(いわゆる民泊)も、旅館業法に規定する旅館業に該当しますので、非課税の対象となりません。
<対価たる家賃の範囲>
(1)家賃には、月決め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分を含みます。
(2)共同住宅における共用部分に係る費用(エレベーターの運行費用、廊下等の光熱費、集会所の維持費等)を入居者が応分に負担する、いわゆる共益費も家賃に含まれます。
(注)
入居者から家賃とは別に収受する専有部分の電気、ガス、水道等の利用料は、非課税とされる家賃には含まれません。
(3)「まかない」などのサービスが伴う下宿、有料老人ホーム等の場合、まかないなどのサービス部分は課税となり、部屋代部分は非課税となります。
<転貸する場合の取扱い>
住宅用の建物を賃貸する場合において、賃借人が自ら使用しない場合であっても、その賃貸人と賃借人との間の契約において、賃借人が住宅として転貸することが明らかな場合には、住宅の貸付けとして非課税とされます。
なお、賃貸人と賃借人との間の契約においてその貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、例えば、次のような場合には、その貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合に該当し、住宅の貸付けとして非課税とされます。
(1)住宅の賃借人がその住宅を第三者に転貸している場合であって、その賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合
(2)住宅の賃借人がその住宅を第三者に転貸している場合であって、その賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされていないが、その転借人が個人であって、その住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合
<用途変更の場合>
住宅として貸し付けられた建物について、契約当事者間で住宅以外の用途に契約変更した場合には、契約変更後のその建物の貸付けは課税の対象となります。
★リンクはこちら⇒ 住宅の貸付け
2025年3月17日
地金が消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当するとした事例
令和3年3月1日から令和4年2月28日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分・棄却
令和6年4月25日裁決
<ポイント>
本事例は、金地金の売買が請求人の事業目的から離れたところで行われたものとはいえず、請求人が当該金地金を取得した時点においてこれを売却する方針を有していたことから、当該金地金は消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当すると判断したものである。
<要旨>
請求人は、金地金の売買を反復継続して行うものではないから、金地金の売買が請求人の営業に当たることはなく、請求人が消費税を納める義務が免除されることとなった課税期間の初日の前日において保有していた金地金(本件金地金)は消費税法第36条《納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整》第5項に規定する「棚卸資産」に該当しない旨主張する。
しかしながら、消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当するか否かについては、会計処理のみにより形式的に判断するのではなく、判断の対象とされている資産と事業者の属性及び事業目的との関係、当該資産の取得時の使用・収益・処分に係る方針等といった客観的な事実に基づき、事業者が、通常の営業過程、すなわち、その事業目的に係る業務の過程において売却することを目的として保有する資産に当たるといえるかどうかにより実質的に判断するのが相当である。
そして、請求人が行う金地金の売買に係る取引額が、いずれも、請求人の事業規模に照らして大きなものである等、請求人の事業に及ぼす影響が大きいことからすると、請求人における金地金の売買は、補助ないし付随的な活動とはいえず、定款に明示的に掲げられた事業目的そのものではないとしても、事業目的から離れたところで行われているものとはいえないから、本件金地金は、請求人の事業目的に係る取引の客体にほかならないと認められる。
また、本件金地金の取得から売却に至る経緯及び本件金地金を取得するための借入金を返済するためには本件金地金を売却する必要があったこと等からすると、請求人は、本件金地金を取得した時点において、将来、これを売却する方針を有していたと認められる。
これらの事実に基づけば、請求人は、その事業目的に係る業務の過程において売却することを目的として本件金地金を保有していたものと認められるから、本件金地金は消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当する。
★リンクはこちら⇒ 地金が消費税法第36条第5項に規定する「棚卸資産」に該当するとした事例
2025年3月13日
商品券やプリペイドカードなど
<商品券やプリペイドカードなどの譲渡>
商品券、ギフト券、旅行券のほかテレホンカードなどのいわゆるプリペイドカードの譲渡は、物品切手等の譲渡として非課税とされています。
(注)
商品券などの譲渡に課税すると、最終的に提供を受ける商品やサービスが同じ一つのものであるにもかかわらず、二重に課税されることになります。
したがって、このような二重課税を避けるために商品券などの譲渡には課税しないことになっています。
<商品券やプリペイドカードを使用して商品を購入等した場合>
(1)課税仕入れの時期
商品券など物品切手等を用いる取引では、物品切手等の購入は非課税とされ、後日、物品切手等を使って実際に商品を購入したり、サービスの提供を受けた時が課税の時期となります。
すなわち、仕入れに含まれる消費税額の控除は、商品券などを購入した時ではなく、後日その商品券などを使って実際に商品の購入またはサービスの提供を受けた者が、その時に行うことになります。
なお、事業者が商品券などの物品切手等を自ら使用する場合で、その物品切手等が、商品やサービスの引換給付を受ける相手方(適格請求書発行事業者)により回収されるものであるときは、継続して当該物品切手等を購入した日の属する課税期間の課税仕入れとしていることを条件として、その経理処理が認められることになります。
(2)課税仕入れに係る支払対価の額
事業者が商品券などの物品切手等を商品やサービスの引換給付を受ける相手方から直接購入した場合において、当該物品切手等による引換給付として行った課税仕入れの際に、当該物品切手がその引換給付を受ける相手方(適格請求書発行事業者)により回収されるものであるときにおける当該課税仕入れに係る支払対価の額は、引換を受けた商品やサービスの価格ではなく、その物品切手等の購入に要した金額となります。
<チケット業者の取扱い>
チケット業者が販売する郵便切手、印紙、証紙は非課税取引とはなりませんが、物品切手等の販売は非課税取引になります。
★リンクはこちら⇒ 商品券やプリペイドカードなど
2025年2月28日
地代、家賃や権利金、敷金など
<地代>
土地の譲渡や貸付けは、消費税の課税の対象とならないこととされています(非課税取引)。
なお、土地の貸付けのうち、貸付けに係る期間が1か月に満たない場合および駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税にはなりません。
土地には、土地の上に存する権利も含まれます。
土地の上に存する権利とは、地上権、土地の賃借権、地役権、永小作権などの土地の使用収益に関する権利をいいます。
<家賃>
事務所などの建物を貸し付ける場合の家賃は課税の対象となります。
この場合、家賃を土地部分と建物部分とに区分している場合でも、その総額が建物の貸付けの対価として取り扱われます。
なお、住宅の貸付けは、貸付期間が1か月に満たない場合などを除き非課税となります。
ただし、契約において住宅用であることが明らかにされているものや、契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかなものに限られます。
<権利金、敷金などの取扱い>
(1)地上権、土地の賃借権の設定に伴い授受される更新料や名義書換料は、土地の貸付けまたは土地の上に存する権利の設定の対価として、非課税となります。
(2)事業用の建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料などのうち、返還しないものは、権利の設定の対価となりますので、資産の譲渡等の対価として課税の対象となり、契約の終了により返還される保証金や敷金などは、資産の譲渡等の対価に該当しないので、課税の対象にはなりません。
ただし、上記の住宅に係る賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料などのうち、返還しないものは非課税となります。
★リンクはこちら⇒ 地代、家賃や権利金、敷金など
2025年2月14日
預金や貸付金の利子など
消費税は、財貨やサービスの流れを通して消費に負担を求める税です。したがって、消費税の課税の対象になじまない資金の流れに関する取引などは非課税とされています。
<非課税となる取引>
具体的には、次のものを対価とする金融取引などが非課税とされています。
| 1 |
預貯金や貸付金の利子 |
| 2 |
国債、地方債、社債、新株予約権付社債、投資法人債券の利子 |
| 3 |
国際通貨基金協定に規定する特別引出権の利子 |
| 4 |
信用の保証料 |
| 5 |
合同運用信託、公社債投資信託(株式または出資に対する投資として運用しないものに限ります。)または公社債等運用投資信託の信託報酬 |
| 6 |
保険料(厚生年金基金契約等に係る事務費用部分を除きます。) |
| 7 |
保険料に類する共済掛金 |
| 8 |
集団投資信託、法人課税信託または退職年金信託もしくは特定公益信託の収益の分配金 |
| 9 |
相互掛金または定期積金の給付補填金 |
| 10 |
無尽契約の掛金差益 |
| 11 |
抵当証券(これに類する外国の証券を含みます。)の利息 |
| 12 |
割引債(利付債を含みます。)の償還差益 |
| 13 |
手形の割引料 |
| 14 |
金銭債権の買取または立替払に係る差益 |
| 15 |
有価証券(登録国債等を含み、ゴルフ場利用株式等を除きます。)の賃貸料 |
| 16 |
物上保証料 |
| 17 |
割賦販売法に基づく割賦販売、ローン提携販売、包括信用購入あっせんまたは個別信用購入あっせんの手数料(契約においてその額が明示されているものに限ります。) |
| 18 |
割賦販売などに準ずる方法により資産の譲渡等を行う場合の利子または保証料相当額(契約においてその額が明示されている部分に限ります。) |
| 19 |
動産または不動産の貸付けを行う信託で、貸付期間の終了時に未償却残額で譲渡する旨の特約が付されたものの利子または保険料相当額で契約において明らかに区分されている部分の金額 (契約において明示されている部分に限ります。) |
| 20 |
いわゆるファイナンス・リースのリース料のうち、利子または保険料相当額(契約において利子または保険料の額として明示されている部分に限ります。) |
★リンクはこちら⇒ 預金や貸付金の利子など
2025年2月12日
社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に係る非課税範囲
(1)社会福祉法に規定する社会福祉事業および更生保護事業法に規定する更生保護事業として行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、消費税が非課税となります。
(2)また、次に掲げる資産の譲渡等についても、社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に類するものとして、消費税が非課税となります。
| イ |
児童福祉法に規定する児童福祉施設を経営する事業として行われる資産の譲渡等および同法に規定する保育所を経営する事業に類する事業として行われる資産の譲渡等(平成17年厚生労働省告示第128号に定める資産の譲渡等) |
| ロ |
児童福祉法の規定に基づき指定発達支援医療機関が行う一定の治療等 |
| ハ |
児童福祉法に規定する一時保護 |
| ニ |
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定に基づき独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園がその設置する施設において行う同法に規定する介護給付費等の支給に係る施設障害福祉サービスおよび知的障害者福祉法の規定に基づき同園がその設置する施設において行う同法の更生援護 |
| ホ |
介護保険法に規定する包括的支援事業として行われる資産の譲渡等(社会福祉法に規定する老人介護支援センターを経営する事業に類する事業として行われる資産の譲渡等(平成18年厚生労働省告示第311号に定める資産の譲渡等)に限る) |
| ヘ |
子ども・子育て支援法の規定に基づく施設型給付費等の支給に係る事業として行われる資産の譲渡等 |
| ト |
母子保健法に規定する産後ケア事業として行われる資産の譲渡等 |
| チ |
老人福祉法に規定する老人居宅生活支援事業および障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害福祉サービス事業のうち一定の事業として行われる資産の譲渡等 |
(3)さらに、上記(2)チに掲げる事業に類するものとして、次に掲げる事業のうち、その要する費用の2分の1以上が国または地方公共団体により負担される事業として行われる資産の譲渡等(平成3年厚生省告示第129号に定める資産の譲渡等)についても、消費税が非課税となります。
イ.身体障害者、知的障害者または精神障害者等(注1)に対して行う次に掲げる事業
| (イ) |
居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜を供与する事業 |
| (ロ) |
施設に通わせ、入浴、食事の提供、機能訓練、介護方法の指導その他の便宜を供与する事業 |
| (ハ) |
居宅において介護を受けることが一時的に困難になった者を、施設に短期間入所させ、養護する事業 |
ロ.身体障害者、知的障害者または精神障害者(注2)が共同生活を営むべき住居において食事の提供、相談その他の日常生活上の援助を行う事業
ハ.原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に規定する被爆者であって、居宅において介護を受けることが困難な者を施設に入所させ、養護する事業
ニ.身体に障害がある児童等(注3)に対してその者の居宅において入浴の便宜を供与する事業
ホ.身体に障害がある児童等(注3)に対してその者の居宅において食事を提供する事業
(注1)
身体に障害のある18歳に満たない者、知的障害の18歳に満たない者、身体障害者福祉法に規定する身体障害者、知的障害者、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する精神障害者(発達障害のある方を含む)、身体上もしくは精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障のある65歳以上の者等(これらの者を現に介護または養護する者を含む)、母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定する配偶者のない女子もしくはその者に現に扶養されている20歳に満たない者、65歳以上の者等のみにより構成される世帯に属する者、同法に規定する配偶者のない男子に現に扶養されている20歳に満たない者もしくはその者を扶養している当該配偶者のない男子または父および母以外の者に現に扶養されている20歳に満たない者もしくはその者を扶養している者
(注2)
身体障害者福祉法に規定する身体障害者、知的障害者、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する精神障害者(発達障害のある方を含む)
(注3)
身体に障害がある児童、身体障害者福祉法に規定する身体障害者、身体上もしくは精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障のある65歳以上の者等または65歳以上の者等のみにより構成される世帯に属する者
(注4)
消費税が非課税となるかどうかを判断するに当たり、その事業が社会福祉法に規定する社会福祉事業等に該当するか否かについて疑義が生じた場合には、その事業を実施する地方公共団体等にご確認下さい。
★リンクはこちら⇒ 社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に係る非課税範囲
2025年2月6日
身体障害者用物品に該当する自動車
(1)乗用自動車のうち非課税となるものは、身体障害者の使用に供するものとして特殊な性状、構造または機能を有する次の自動車です。
| イ |
身体障害者による運転に支障がないよう、道路交通法第91条《免許の条件》の規定により付される運転免許の条件の趣旨に従い、その身体障害者の身体の状態に応じて、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段が講じられている自動車 |
| ロ |
車椅子および電動車椅子(以下「車椅子等」といいます。)を使用する者を車椅子等とともに搬送できるよう、車椅子等昇降装置を装備し、かつ、車椅子等の固定等に必要な手段を施した自動車(乗車定員11人以上の普通自動車については、車椅子等を使用する者を専ら搬送するものに限ります。) |
(2)(1)に該当する自動車であれば、その譲渡、貸付けおよび製作の請負と、次の修理が非課税とされます。
| イ |
(1)イの補助手段に係る修理 |
| ロ |
(1)ロの車椅子等昇降装置および必要な手段に係る修理 |
(注1)
他の者から委託を受けて一般自動車を非課税対象となる自動車に改造する行為は、製作の請負に該当し、非課税となります。
(注2)
改造代金のみならず、改造をした自動車の譲渡代金が非課税となりますが、例えば、いったん一般自動車を購入し、その後改造を行う場合には、当初の一般自動車の購入は課税となり、改造代金についてのみ非課税となります。
(注3)
補助手段の部品や装置自体の譲渡は非課税とはなりません。
★リンクはこちら⇒ 身体障害者用物品に該当する自動車
2025年1月31日
駐車場の使用料など
<土地の一時的貸付け>
土地の譲渡や貸付けは、消費税が非課税となります。
しかし、土地の貸付けであっても、貸付期間が1か月に満たない場合は、消費税が課されます。
<駐車場、野球場等の貸付け>
駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合は、消費税が課されます。
したがって、駐車している車両の管理を行っている場合や、駐車場としての地面の整備またはフェンス、区画、建物の設置などをして駐車場として利用させる場合には、消費税が課されます。
このほか、建物や野球場、プールまたはテニスコートなどの施設の利用に伴って土地が使用される場合も消費税が課されます。
<建物部分と敷地部分の区分>
建物(住宅を除きます。)などの施設の貸付けをする場合に、その使用料を建物部分と敷地部分とに区分しているときでも、その総額が建物の使用料として消費税が課されます。
<住宅の貸付け>
契約において住宅用であることが明らかにされている場合や貸付け等の状況からみて住宅用に供されていることが明らかな場合には、その住宅の貸付けは、貸付期間が1か月に満たない場合や、旅館業法第2条1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合を除き消費税が非課税となります。
★リンクはこちら⇒ 駐車場の使用料など
2025年1月17日
国外取引
国外取引や三国間貿易などの消費税の課税関係については、次のとおりです。
<国外取引>
国外取引については、消費税は課税されません(不課税)。
国内取引か国外取引かの判定(内外判定)は、次によります。
イ.資産の譲渡または貸付けの場合
資産の譲渡または貸付けの場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その譲渡または貸付けが行われる時においてその資産が所在していた場所で国内取引かどうかを判定します。
ロ.役務の提供の場合
役務の提供の場合は、一定の取引についての例外はありますが、原則として、その役務の提供が行われた場所で、国内取引かどうかを判定します。
(注)
電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供(電気通信利用役務の提供)については、当該役務の提供を受ける者の住所等で国内取引かどうかを判定します。
これにより、国内に住所等を有する者に提供する「電気通信利用役務の提供」については、国内、国外いずれから提供を行っても課税対象となります。
詳しくはコード6118「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係」についてをご参照ください。
<三国間貿易>
事業者が国外において購入した資産を国内に搬入することなく他へ譲渡するいわゆる三国間貿易の場合は、国外に所在する資産の譲渡であり国外取引に該当しますので、その経理処理のいかんに関わらず課税の対象とはなりません。
<国内および国外にわたって行われる役務の提供>
例えば、国内の事業者から特定国の市場調査を請け負い、国外で市場調査を行い、日本で調査結果を分析し報告書を作成する取引は、国内および国外にわたって行われる役務の提供に該当し、国内対応部分と国外対応部分の対価が契約において合理的に区分されている場合は、その区分されているところによりますが、それぞれの対価が合理的に区分されていない場合には、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地で内外判定を行います。
★リンクはこちら⇒ 国外取引
2025年1月15日
非課税と不課税の違い
<不課税取引>
消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引です。
これに当たらない取引には消費税はかかりません。
これを一般的に不課税取引といいます。
例えば、国外取引、対価を得て行うことに当たらない寄附や単なる贈与、出資に対する配当などがこれに当たります。
<非課税取引>
国内において事業者が事業として対価を得て行う取引であっても、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。
これを非課税取引といいます。
例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。
<課税売上割合の計算上の非課税と不課税の違い>
非課税取引と不課税取引では、消費税が課税されないことは同じですが、課税売上割合の計算においてその取扱いが異なります。
課税売上割合は、分母を総売上高(課税取引、非課税取引および免税取引の合計額)とし、分子を課税売上高(課税取引および免税取引の合計額)としたときの割合です。
非課税取引は、原則として分母のみに算入しますが、これに対して、不課税取引は、そもそも消費税の適用の対象にならない取引ですから、分母にも分子にも算入しません。
★リンクはこちら⇒ 非課税と不課税の違い
2025年1月10日
非課税と免税の違い
非課税と免税は、その取引のために行った課税仕入れについて仕入税額の控除を行うことができるかどうかという点が異なります。
<非課税取引>
消費税は国内で消費される財貨やサービスに対して広く公平に負担を求める税金です。原則として国内におけるすべての取引が課税の対象となります。
しかし、国内取引であっても消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引があり、これを「非課税取引」といいます。
例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。
非課税とされる取引には消費税が課税されませんので、非課税取引のために行った課税仕入れについては、原則としてその仕入れに係る消費税額を控除することができません。
<免税取引>
消費税では、非課税取引のほかにも、消費税が免除される「免税取引」があります。
例えば、商品の輸出や国際輸送、外国にある事業者に対するサービスの提供などのいわゆる輸出類似取引などです。
この場合には、輸出証明書を保管するなど、一定の要件を備えている必要があります。
免税とされる輸出や輸出類似取引は、課税資産の譲渡等に当たりますが、一定の要件が満たされる場合に、その売上げについて消費税が免除されるものです。
したがって、その輸出や輸出類似取引などの免税取引のために行った課税仕入れについては、原則として仕入れに係る消費税額を控除することができることとなります。
★リンクはこちら⇒ 非課税と免税の違い
2024年12月13日
消費税還付申告に関する国税当局の対応について(令和6年11月)
消費税は、輸出免税や免税店における免税販売が主要な事業である場合、ないしは多額の設備投資を行った場合などに、還付申告書を提出することで還付金を受けることができる仕組みとなっています。
多くの納税者の方々が正しく申告をする一方、そのような消費税の仕組みを悪用し、実際に取引をしたように見せかけるなど、虚偽の内容で申告書を提出して、消費税の還付を不正に受けようとする事案も発生しています。
消費税の還付申告の中には、上記のような不正還付事案の他にも、各取引に関する課税取引や非課税取引といった区分の誤りや固定資産等の取得時期の誤りなども見受けられます。
そのため、国税当局としては、各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留しつつ、還付申告の原因を確認するため、行政指導において、証拠書類(例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイス等の写し、設備投資である場合には契約書や請求書等の写しのほか、取引実態の確認できる資料)の提出をお願いすることや、税務調査を実施する場合もあります。
還付申告の原因の確認に当たっては、個別具体的な各種の事情に応じた対応を行うことから、例えば、課税仕入れや免税取引等の相手方と連絡が取れないことなどにより取引の実態の確認が困難である場合や、取引に係る金銭授受の事実確認が困難である場合、輸出等に係る証拠書類が適切に保管されていない場合などにおいては、それらの確認に時間を要し、還付を保留する期間が長期にわたる場合があります。
国税当局としては、可能な限り速やかに上記の実態の確認等に努めるとともに、これらの結果、還付税額が過大と認められる事由がないことが判明した場合には、遅滞なく還付を行うこととしていますので、納税者の皆様のご理解とご協力をお願いします。
★リンクはこちら⇒ 消費税還付申告に関する国税当局の対応について(令和6年11月)
2024年12月11日
非課税となる取引
消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています。
しかし、これらの取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。
<主な非課税取引>
| (1) |
土地の譲渡および貸付け |
|
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付けおよび駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。 |
| (2) |
有価証券等の譲渡 |
|
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。 |
| (3) |
支払手段(注)の譲渡 |
|
銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。
(注)
支払手段に類するものとして、資金決済に関する法律第2条に規定する電子決済手段及び暗号資産(令和2年4月までは「仮想通貨」という名称が用いられていました。)及び電子決済手段の譲渡も非課税となります。 |
| (4) |
預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等 |
|
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など |
| (5) |
日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡 |
| (6) |
商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡 |
| (7) |
国等が行う一定の事務に係る役務の提供 |
|
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。 |
| (8) |
外国為替業務に係る役務の提供 |
| (9) |
社会保険医療の給付等 |
|
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など
ただし、美容整形や差額ベッドの料金および市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。 |
| (10) |
介護保険サービスの提供等 |
|
介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど
ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。 |
| (11) |
社会福祉事業等によるサービスの提供等 |
|
社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供など |
| (12) |
助産 |
|
医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供等 |
| (13) |
火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供 |
| (14) |
一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等 |
|
義肢、視覚障害者安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車椅子、身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造または機能を有する自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負およびこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの |
| (15) |
学校教育 |
|
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など |
| (16) |
教科用図書の譲渡 |
| (17) |
住宅の貸付け |
|
契約において人の居住の用に供することが明らかにされているもの(契約において貸付けの用途が明らかにされていない場合にその貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかなものを含みます。)に限られます。
ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。
|
★リンクはこちら⇒ 非課税となる取引
2024年12月9日
消費税の軽減税率制度
令和元年10月1日から、消費税および地方消費税の税率が8パーセントから10パーセントへ引き上げられ、この税率引き上げと同時に消費税の軽減税率制度が実施されました。
<消費税率および地方消費税率>
令和元年10月1日(適用開始日)以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れおよび保税地域から引き取られる課税貨物に適用される税率は、次のとおりとなります。
- 標準税率は10パーセント(消費税率7.8パーセント、地方消費税率2.2パーセント)です。
- 軽減税率は8パーセント(消費税率6.24パーセント、地方消費税率1.76パーセント)です。
<軽減税率の対象となる品目>
軽減税率が適用されるのは、次の対象品目の譲渡(販売)です。
(1)飲食料品(酒類を除く)
飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(注1)をいい、一定の一体資産(注2)を含みます。
なお、外食やケータリング等(注3)は軽減税率の対象には含まれません。
(注1)
食品表示法に規定する食品とは、人の飲用または食用に供されるものをいい、医薬品、医薬部外品および再生医療等製品が含まれず、食品衛生法に規定する添加物が含まれます。
(注2)
一体資産とは、例えば、おもちゃ付きのお菓子など、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で、その一体となっている資産に係る価格のみが提示されているものをいいます。一体資産のうち、税抜価額が1万円以下であって、食品の価額の占める割合が3分の2以上の場合に限り、その全体が軽減税率の対象となります(それ以外は全体が標準税率の対象となります)。
(注3)
外食とは、飲食店業等の事業を営む者が飲食に用いられる設備がある場所において行う食事の提供をいいます。
ケータリング等とは、相手方が指定した場所において行う加熱、調理または給仕等の役務を伴う飲食料品の提供をいいます。
(2)新聞
軽減税率の対象となる新聞とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもの(定期購読契約に基づくものに限ります。)をいいます。
<適用税率の判定時期>
軽減税率が適用される取引か否かの判定は、事業者が課税資産の譲渡等を行うとき(飲食料品を提供する時点)で行うことになります。
販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合には、顧客がそれ以外の目的で購入し、又はそれ以外の目的で使用したとしても、その取引は「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。
<帳簿および請求書等の記載と保存>
消費税等の税率が標準税率(10パーセント)と軽減税率(8パーセント)の複数税率となっていますので、事業者は、消費税等の申告等を行うために、取引等を税率の異なるごとに区分して記帳するなどの経理(以下「区分経理」といいます。)を行う必要があります。
令和5年10月1日から、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が開始し、仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿および税務署長に申請して登録を受けた課税事業者(適格請求書発行事業者)から交付を受けた「適格請求書(インボイス)」などの請求書等の保存が必要です。
適格請求書には、「登録番号」、「適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額等」などの法定記載事項を記載する必要があります。
ただし、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。
この経過措置の適用を受けるためには、次の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が必要となります。
- 帳簿:区分記載請求書等保存方式の記載事項に加え、「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」
- 請求書等:区分記載請求書等と同様の記載事項
(参考)区分記載請求書等保存方式
令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間において、消費税の仕入税額控除を適用するためには、区分経理に対応した帳簿および請求書等(区分記載請求書等)の保存が要件となっていました(区分記載請求書等保存方式)。
適格請求書等保存方式とは異なり、免税事業者であっても、課税事業者に対して軽減税率の対象となる商品を販売する場合には、相手方に対して区分記載請求書等を交付することができました。
<税額計算の特例(参考)>
消費税額は税率ごとに計算しますが、売上げを税率ごとに区分することにつき困難な事情がある中小事業者(注)については、令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間において、税額計算の特例を用いて売上税額を計算することができます。
(注)
中小事業者とは、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者をいいます。
詳しくは、特設ページ「消費税の軽減税率制度」をご参照ください。
★リンクはこちら⇒ 消費税の軽減税率制度
2024年12月5日
前受金や前払金などがあるとき
消費税の課税資産の譲渡等や課税仕入れの時期は、所得税や法人税の場合と同じように、原則として資産の引渡しやサービスの提供があった時とされています。
したがって、例えば、工事代金の前受金を受け取ったり、機械の購入について前払金を支払っていたとしても、その受取や支払の時期に関係なく、実際に引渡しやサービスの提供があった時が売上げや仕入れの時期となります。
同じように、未収金や未払金がある時も、その代金の決済の時期に関係なく、資産の引渡しやサービスの提供があった時が売上げや仕入れの時期になります。
なお、前払費用のうち、所得税または法人税の取扱いによりその支出した年度において必要経費の額または損金の額に算入している短期前払費用は、その支出した課税期間の課税仕入れとして取り扱われます。
(注)
個人事業者で所得税法第67条の規定により、現金主義による所得計算の特例の適用を受ける者(小規模事業者等)の資産の譲渡等および課税仕入れを行った時期は、その資産の譲渡等にかかる対価の額を収入した日およびその課税仕入れにかかる費用の額を支出した日とすることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。
★リンクはこちら⇒ 前受金や前払金などがあるとき
2024年12月3日
リース取引についての消費税の取扱いの概要
<リース取引の賃貸人における処理>
(1)原則的な処理方法
所得税法または法人税法の規定により売買があったものとされるリース取引(以下「リース取引」といいます。)については、原則として、賃貸人が賃借人にその取引の目的となる資産(以下「リース資産」といいます。)の引渡し(以下「リース譲渡」といいます。)を行った日に資産の譲渡があったことになります。
したがって、事業者が行ったリース譲渡が課税資産の譲渡等に該当する場合には、そのリース資産の譲渡対価の全額がその引渡しを行った日の属する課税期間における資産の譲渡等の対価の額に含まれます。
(2)リース譲渡に係る譲渡等の時期の特例
事業者がリース取引について所得税法または法人税法の所得金額の計算において延払基準の方法により経理することにより、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます。
この場合には、リース譲渡をした日の属する課税期間においてリース料の支払期日の到来しないものに係る部分については、その課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなしてその部分に係る対価の額をその課税期間におけるリース譲渡に係る対価の額から控除することができます。
また、リース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかったものとみなされた部分は、その翌課税期間以後、そのリース料の支払期日の到来する日の属する課税期間において資産の譲渡等を行ったものとみなされます。
(注)
「延払基準の方法」については、コード5703「リース取引の賃貸人における収益及び費用の計上方法(平成20年4月1日以後契約分)」を参照してください。
<リース取引の賃借人における処理>
リース取引による資産の譲受けが課税仕入れに該当する場合には、その課税仕入れを行った日はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。
したがって、その課税仕入れについては、そのリース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間において仕入税額控除の規定の適用を受けることになります。
(注1)
リース取引の賃貸人が上記リース取引の賃貸人における処理の(2)のリース譲渡に係る譲渡等の時期の特例の適用を受ける場合であっても、そのリース取引の賃借人の課税仕入れの時期はそのリース資産の引渡しを受けた日となります。
(注2)
リース取引の契約においてリース料のうち利子に相当する部分とそれ以外の部分に区分表示されている場合には、利子に相当する部分は非課税となりますので、その部分は課税仕入れとはなりません。
(注3)
賃借人が所有権移転外リース取引に係るリース資産につき、賃貸借取引として会計処理している場合には、「所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い」を参照してください。
(注4)
所有権移転外リース取引については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。
★リンクはこちら⇒ リース取引についての消費税の取扱いの概要
2024年11月27日
延払基準、工事進行基準を用いているとき
消費税の納税義務の成立の時期は、資産の譲渡等の時とされていますが、所得税や法人税の申告に当たって、延払基準や工事進行基準により経理処理が行われ収入計上されている場合は、消費税でもこれらの基準によって申告を行うことができます。
<リース譲渡を行った場合の延払基準>
事業者がリース取引について所得税法または法人税法の所得金額の計算において延払基準の方法により経理することにより、リース譲渡にかかる資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。
この場合は、その課税期間において支払期限の到来しない賦払金の部分については、現実に支払を受けたものを除き、その課税期間において資産の譲渡等はなかったものとすることができます。
この資産の譲渡等はなかったものとした部分は、支払期限の到来したときに資産の譲渡等が行われたものとされます。
(注1)
リース取引についてこの取扱いの適用を受ける場合、コード6163「リース取引についての消費税の取扱いの概要」を参照してください。
(注2)
長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例は、平成30年4月1日から廃止されました(リース譲渡については、引き続き、延払基準による計上に関する特例の措置が設けられています。)。
なお、長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例の廃止にあたっては、以下の経過措置が設けられています。
| 1 |
平成30年4月1日(施行日)前に特定長期割賦販売等(長期割賦販売等からリース譲渡を除いたもの。)を行った事業者(施行日前に行われた特定長期割賦販売等に係る契約の移転を受けた事業者を含みます。)は、令和5年3月31日以前に開始する各事業年度に含まれる各課税期間(個人事業者の方は、令和5年12月31日以前に開始する各課税期間)については、延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算することができます。なお、当該経過措置の適用を受ける特定長期割賦販売等のうち、令和5年3月31日以前に開始した事業年度に含まれる各課税期間(個人事業者の方は、令和5年12月31日以前に開始した各課税期間)において、資産の譲渡等を行ったものとしなかった部分がある場合には、令和5年3月31日後最初に開始する事業年度終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、令和6年12月31日の属する課税期間)に資産の譲渡等を行ったものとみなされます。 |
| 2 |
1の経過措置の適用を受ける特定長期割賦販売等について、長期割賦販売等に係る特例の適用を受けないこととした場合や所得税、法人税において延払基準の方法による経理をやめた場合には、賦払金残額についてそれぞれ、その適用を受けないこととした課税期間または延払基準の方法による経理をやめた事業年度終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、その適用を受けないこととした課税期間または延払基準の方法による経理をやめた年の12月31日の属する課税期間)に資産の譲渡等を行ったものとみなされます。 |
| 3 |
法人税または所得税における経過措置(10年均等取崩特例)の規定の適用を受けようとするときは、当該規定の適用による各事業年度の益金の額に算入される収益の額または各年の総収入金額に算入される金額に係る部分については、当該規定の適用を受ける事業年度の終了の日の属する課税期間(個人事業者の方は、当該規定の適用を受ける年の12月31日の属する課税期間)において、資産の譲渡等を行ったものとみなすことができることとされており、賦払金の残額について所得税または法人税と同様に10年間の均等計上を行うことができることとされています(この場合には、その規定の適用を受けようとする最初の課税期間に係る申告書にその旨を付記するものとされています。)。 |
<工事を請け負った場合の工事進行基準>
事業者が所得税法または法人税法の所得金額の計算において工事進行基準の方法により経理することにより、工事の請負にかかる資産の譲渡等の時期の特例の適用を受けている場合には、消費税についてもこの特例の適用を受けることができます(申告書にその旨を付記するものとされています。)。
この場合は、その課税期間において売上処理した金額の部分については、その課税期間に資産の譲渡等を行ったこととすることができます。
また、工事進行基準により経理を行っていたものについて、その後その経理を行わないこととした場合の取扱いは、所得税または法人税の取扱いと同様になります。
なお、所得税または法人税の申告に当たって、工事進行基準による経理処理が行われ収入計上されている場合でも、消費税については原則どおり資産の譲渡等の時を基準として申告することも認められます。
したがって、所得税または法人税の申告に当たって、工事進行基準により経理しなければならない長期大規模工事の場合であっても、消費税については実際の資産の譲渡等の時を基準として申告することが認められます。
★リンクはこちら⇒ 延払基準、工事進行基準を用いているとき
2024年11月25日
課税の対象とならないもの(不課税)の具体例
国内において事業者が事業として(注1)対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供(以下「資産の譲渡等」といいます。)は、消費税の課税の対象となります。
したがって、国外で行われる取引や、資産の譲渡等に該当しない取引は課税の対象となりません。
| (注1) |
事業者が事業として行う取引 |
|
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業として行う取引となります。
|
| (注2) |
対価を得て行う取引 |
|
「対価を得て行う」とは、物品の販売などをして反対給付を受けることをいいます。
すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。 |
<具体例>
| (1) |
給与・賃金 |
|
雇用契約に基づく労働の対価であり、事業者が事業として行う取引(注1)ではないからです。 |
| (2) |
寄附金、祝金、見舞金、国または地方公共団体からの補助金や助成金等 |
|
一般的に対価を得て行う(注2)取引ではないからです。 |
| (3) |
無償による試供品や見本品の提供 |
|
対価を得て行う取引(注2)ではないからです。 |
| (4) |
保険金や共済金 |
|
資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。 |
| (5) |
株式の配当金やその他の出資分配金 |
|
株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであり、資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。 |
| (6) |
資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合 |
|
資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。 |
| (7) |
心身または資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金 |
|
対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引ではないからです。ただし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価を得て行う(注2)資産の譲渡や貸付け、役務の提供等の取引であり、課税の対象となります。 |
|
イ.損害を受けた製品などの棚卸資産が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合 |
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ロ.無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合 |
|
ハ.事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合 |
★リンクはこちら⇒ 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例
2024年11月21日
役務の提供の具体例
国内において事業者が事業として対価を得て行う役務の提供(サービスの提供)は、消費税の課税の対象となります。
この「役務の提供(サービスの提供)」とは、請負契約、運送契約、委任契約、寄託契約などに基づいて労務、便益その他のサービスを提供することをいいます。
また、税理士、公認会計士、作家、スポーツ選手、映画監督、棋士などによる、その専門的知識、技能に基づく役務の提供もこれに含まれます。
<具体例>
・土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、技術援助、情報の提供、便益、出演、著述は、役務の提供に該当します。
・弁護士、公認会計士、税理士、作家、スポーツ選手、映画監督、囲碁や将棋の棋士による専門的知識、技能に基づく役務の提供は、役務の提供に該当します。
なお、信用の保証、保険、登記・検査・裁判などの公共サービスといった消費税の性格からみて課税対象とすることになじまない役務の提供のほか、一定の医療、教育といった社会政策的な配慮から課税することが適用でない役務の提供は、非課税となっています。
★リンクはこちら⇒ 役務の提供の具体例
2024年11月18日
資産の貸付けの具体例
<概要>
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の貸付けは、消費税の課税の対象となります。
この「資産の貸付け」とは、事務所の賃貸借や自動車のレンタルなど賃貸料を受け取る一般の資産の貸付けだけでなく、資産に係る権利の設定のほか他人に資産を使用させる一切の行為(電気通信利用役務の提供に該当するものを除きます。)を含むものとされています。
事業として行われる資産の貸付けは、通常の貸付けのほか使用や利用も含まれます。
また、資産を貸し付けたときや利用させるときに、権利金や保証金などの名目で金銭を受け取ることがあります。これらのうち、契約の終了に際して返還する必要のない金銭は、資産の貸付けの対価として課税の対象になります。
なお、いわゆる無償の貸付けなど対価を受け取らないで行うものは課税されません。
<具体例>
| ・ |
自動車などの有形資産の貸付けのほか、特許権、実用新案権、ノウハウなどの無形の資産を利用させることは、資産の貸付けに該当します。 |
| ・ |
保養所などの福利厚生施設を割安な料金で社員に利用させる場合や音楽、デザインなどの著作物を使用させる場合は、資産の貸付けに該当します。 |
なお、土地の貸付けや住宅の貸付けは、原則として非課税となっています。
★リンクはこちら⇒ 資産の貸付けの具体例
2024年11月11日
資産の譲渡の具体例
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産(注)の譲渡は、消費税の課税の対象となります。
この「資産の譲渡」とは、資産につき同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。例えば、売買、代物弁済、交換、現物出資などにより、資産の所有権を他人に移転することをいいます。
資産の譲渡はその原因を問いませんので、例えば、他人の債務の保証を履行するために行う資産の譲渡または強制換価手続により換価された場合の資産の譲渡は、いずれも、事業として対価を得て行う資産の譲渡に該当します。
また、土地収用法その他の法律の規定に基づいてその所有権その他の権利を収用され、かつ、その権利を取得する者からその権利の消滅にかかる補償金を取得した場合は、対価を得て資産の譲渡を行ったものとされています。
なお、相続や時効により財産が移転した場合は、資産の譲渡には当たりません。
(注)
「資産」とは、販売用の商品、事業等に用いている建物、機械、備品などの有形資産のほか、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの権利やノウハウその他の無体財産権など、およそ取引の対象となるすべてのものをいいます。
<事業として対価を得て行う資産の譲渡とみなす場合>
次の場合には、その時点で、原則として、時価により譲渡したものとみなされ、消費税の課税の対象となります。
| (1) |
個人事業者が自己の販売する商品や事業に用いている資産を家庭で使用したり消費した場合 |
| (2) |
法人が自社の製品などをその役員に対して贈与した場合 |
【具体例】
| ・ |
商品の販売、事業等に用いている建物、機械、備品などの売却、特許権などの無体財産権の譲渡は、資産の譲渡に該当します。 |
| ・ |
代物弁済による資産の譲渡、負担付き贈与による資産の譲渡、資産の交換、金銭以外の資産の出資(現物出資)は、対価を得て行う資産の譲渡に該当します。 |
| ・ |
土地や建物が収用され、対価補償金を取得した場合は、対価を得て資産の譲渡を行ったものに該当します。 |
なお、土地、有価証券、郵便切手類、印紙、物品切手や一定の身体障害者用物品の譲渡は、原則として非課税となっています。
★リンクはこちら⇒ 資産の譲渡の具体例
2024年11月7日
納税義務の成立の時期
<国内取引の場合>
国内取引にかかる消費税の納税義務は、「課税資産の譲渡等をした時」又は「特定課税仕入れをした時」に成立します(注)。
納税義務はその都度成立しますが、申告や納付は課税期間ごとに行います。
課税資産の譲渡等の時期は、原則として、その取引の態様に応じた資産の引渡しの時または役務の提供の時となります。
その引渡しや役務の提供時期について取引の態様に応じて例示すると以下のとおりになります。
(1)棚卸資産の販売または固定資産の譲渡
棚卸資産の販売または固定資産の譲渡の時期は、原則としてその引渡しの日です。
(2)資産の貸付け
資産の貸付けについては、契約や慣習などにより支払日が定められている場合はその定められた支払日です。
(3)役務の提供
請負による役務の提供の時期は、原則として、物の引渡しを要する請負契約にあっては目的物の全部を完成して引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部の提供を完了した日です。
また、請負を除く人的役務の提供の時期は、原則としてその人的役務の提供を完了した日です。
(4)延払基準等
リース譲渡で延払基準を適用している場合や工事の請負で工事進行基準を適用している場合には、それらの基準に従って売上げを計上する日とすることができます。
(注)
課税資産の引渡しや役務の提供が行われる前に、前受金の収受が行われた場合には、前受金の収受の時にかかわらず、現実に課税資産の引渡しや役務の提供等をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。
また、未収金についても代金決済の時期に関係なく、課税資産の引渡しや役務の提供をした時が課税資産の譲渡等をした時となります。
ただし、所得税法上の現金主義の適用を受けている小規模事業者は、対価を受領した日を資産の譲渡等の時期とすることができます。
<輸入取引の場合>
輸入取引の場合には、「課税貨物を保税地域から引き取る時」に消費税の納税義務が成立します。
★リンクはこちら⇒ 納税義務の成立の時期
2024年11月5日
課税期間
<課税期間>
個人事業者の課税期間は、1月1日から12月31日までの期間です。
年の中途で新たに事業を開始した場合や事業を廃止した場合においても、課税期間の開始の日は1月1日、終了の日は12月31日となります。
法人の課税期間は、その法人の事業年度です。
新たに法人を設立した場合には、課税期間の開始の日は設立の日、終了の日はその事業年度の末日となります。
なお、課税事業者は、課税期間ごとに、原則として、その課税期間の終了の日の翌日から2か月以内(個人事業者の12月31日の属する課税期間は翌年3月31日まで)に、納税地の所轄税務署長に消費税および地方消費税の確定申告書を提出するとともに、その申告に係る消費税額と地方消費税額を併せて納付しなければなりません。
<課税期間の特例>
課税期間は、特例として事業者の選択により、3か月ごとまたは1か月ごとに区分して短縮することができます。
個人事業者が課税期間を3か月ごとに短縮する場合には、1月1日から3月31日まで、4月1日から6月30日まで、7月1日から9月30日まで、10月1日から12月31日までの各期間を課税期間とすることができます。
また、課税期間を1か月ごとに短縮する場合には、1月1日から1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。
法人が課税期間を短縮する場合には、事業年度の初日から3か月または1か月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます。(注1)
課税期間の特例の適用を受けようとするときや、既に課税期間の特例の適用を受けている事業者が他の課税期間の特例に変更しようとするときは、原則として、その特例の適用を受けようとするまたは変更しようとする短縮に係る課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。(注2)
また、課税期間の特例の適用を受けている事業者が、その適用をやめようとする場合には、課税期間の特例の適用をやめようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
なお、課税期間の特例の適用を受けた場合には、事業を廃止した場合を除き、2年間はその特例をやめることはできません。
(注1)
年または事業年度の途中でこの特例の適用を受けた場合は、課税期間の開始の日から適用開始の日の前日までの期間を、また、3か月ごとの課税期間の特例を適用している事業者が、1か月ごとの特例へ変更する場合は、課税期間の開始の日から変更後の課税期間の開始の日の前日までの期間を1つの課税期間とみなして確定申告をすることになります。
なお、年または事業年度の途中でこの特例の適用をやめた場合にも、その適用をしないこととした課税期間の末日の翌日から、その年の12月31日またはその事業年度の末日までが1つの課税期間となります。
(注2)
3か月ごとの課税期間から1か月ごとの課税期間へ変更する場合または1か月ごとの課税期間から3か月ごとの課税期間へ変更する場合は、変更前の特例の適用を受けた課税期間の開始の日から2年間はその特例を変更することはできません。
★リンクはこちら⇒ 課税期間
2024年10月31日
輸入する貨物の納税義務者
輸入する貨物については、その貨物を保税地域から引き取る時に消費税が課税されます。
輸入する貨物についての消費税の納税義務者は、その貨物を保税地域から引き取る者です。そして、この貨物を保税地域から引き取る者とは、輸入申告者のことです。
したがって、通関業務を通関業者に委託して輸入貨物を引き取る場合の納税義務者は、その通関業者ではなく、通関業務を委託した者となります。
<納税義務者>
輸入取引の場合の納税義務者は、国内取引の場合のように事業者に限定されず、また、事業者免税点制度などの規定も設けられていません。
したがって、事業者だけでなく給与所得者等も、外国貨物を輸入すれば消費税の納税義務者となります。
また、輸入とは、外国から我が国に到着した貨物または輸出の許可を受けた貨物を我が国に引き取ることをいいます。
したがって、一般的な貿易により輸入される貨物のほか、海外旅行からの帰国の際におみやげなどとして持ち帰ったものも課税の対象になります。
ただし、海外旅行から帰国したときに課税される輸入関税がいわゆる携帯品免税として免除されるものについては、消費税も免除になります。
なお、輸入する貨物についても地方消費税が課税されますから、保税地域から引き取る場合には、消費税と併せて地方消費税も税関長に納付する必要があります。
★リンクはこちら⇒ 輸入する貨物の納税義務者
2024年10月28日
共同企業体の納税義務
<概要>
建設工事や土木工事では、共同企業体、いわゆるジョイントベンチャーを組んで行われる場合があります。
この共同企業体は、通常、各構成員が共同企業体に対して出資を行い、その出資金の持分割合により、利益の分配を受けることになっています。
この共同企業体は、民法上の組合に当たりますので、消費税法上、共同企業体が行う資産の譲渡等や課税仕入れは、各構成員の利益の分配割合に応じて、それぞれの構成員に直接帰属することになります。
なお、法人税法上も共同企業体の損益は直接各構成員に帰属するものとして取り扱われます。
したがって、共同企業体が建設機材などの購入や請負った工事の目的物の引渡しを行ったときは、それぞれ各構成員の利益の分配割合に応じて、各構成員が課税仕入れや課税資産の譲渡等を行ったことになります。
<資産の譲渡等の時期>
共同事業において各構成員が行ったこととされる資産の譲渡等については、原則として、当該共同企業体として資産の譲渡等を行った時に各構成員が資産の譲渡等を行ったことになりますが、各構成員が、当該資産の譲渡等の時期を当該共同事業の計算期間(1年以内のものに限ります。)の終了する日の属する自己の課税期間において行ったものとして取り扱っている場合には、それも認められます。
なお、発注者から共同企業体が中間金などの名目で金銭を受領した場合に、その受領した金銭を出資金等の持分割合に応じて、各構成員に配賦金として分配したとしても、工事の発注者に対して目的物の引渡しがなされるまでは、単なる前受金でしかありませんから、消費税の課税関係は生じないことになります。
<適格請求書の発行>
共同企業体等の任意組合等が事業として行う課税資産の譲渡等については、その構成員の全てが適格請求書発行事業者であり、民法第670条第3項に規定する業務執行者などの業務執行組合員が、納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を提出した場合に限り、その任意組合等の事業として国内において行った課税資産の譲渡等について適格請求書を交付することができます。
★リンクはこちら⇒ 共同企業体の納税義務
2024年10月24日
国内取引の納税義務者
国内取引の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等および特定課税仕入れを行った事業者です。
この事業者とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。
なお、法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めのあるもの(人格のない社団等)は、法人とみなされます。
したがって、事業を行っていない給与所得者などは消費税の納税義務者にはなりません。また、国や地方公共団体、公共法人、公益法人等などが資産の譲渡や貸付け、役務の提供を行う場合は、消費税の納税義務者となります。
<納税義務の免除>
消費税には事業者免税点制度が設けられており、基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます。
ただし、令和5年10月1日以後、適格請求書発行事業者として登録を受けた事業者については、基準期間の課税売上高にかかわらず消費税の納税義務は免除されません。
詳しくは、コード6501「納税義務の免除」およびコード6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」をご参照ください。
<高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例>
課税事業者が、高額特定資産または自己建設高額特定資産の仕入れ等を行った場合は、当該高額特定資産等の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から一定の期間について、事業者免税点制度の適用および簡易課税制度の選択が制限されます。
詳しくは、コード6502「高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例」をご参照ください。
<基準期間がない法人の納税義務の免除の特例>
新たに設立された法人については、設立当初の2年間は基準期間が存在しないことから、原則として免税事業者となります。
ただし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人や特定新規設立法人に該当する法人の場合、その基準期間のない事業年度については、納税義務は免除されません。
詳しくは、コード6503「基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」をご参照ください。
★リンクはこちら⇒ 国内取引の納税義務者
2024年10月21日
納税義務者
消費税の納税義務者は、国内において課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除きます。)および特定課税仕入れを行った事業者と外国貨物を保税地域から引き取る者です。
<国内取引の納税義務者>
国内取引の場合には、事業者は、非課税取引を除き、事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供について消費税の納税義務を負うことになっています。
このように、国内取引の消費税の納税義務者は事業者ですから、事業者でない者は納税の義務はありません。
事業者とは個人事業者(事業を行う個人)および法人をいい、法人には株式会社等の営利法人、公共法人、公益法人等のほか人格のない社団等も法人とみなされますので、これらの法人が課税資産の譲渡等を行う場合には納税義務者となります。
また、国や地方公共団体も事業者となり課税資産の譲渡等を行う限り納税義務者となります。
ただし、その課税期間の基準期間(個人事業者は前々年、法人は原則として前々事業年度)における課税売上高および特定期間における課税売上高等が1,000万円以下の事業者は、課税事業者となることを選択した場合や、適格請求書発行事業者として登録を受けている場合を除き、原則として、その課税期間の納税義務が免除されています(以下「事業者免税点制度」といいます。)。
詳細については、コード6125「国内取引の納税義務者」やコード6501「納税義務の免除」を参照してください。
<特定課税仕入れにかかる納税義務者(リバースチャージ方式)>
消費税は、資産の譲渡等を行った事業者がその資産の譲渡等について申告・納付を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」の課税方式については、国外事業者からその役務の提供を受けた国内事業者が、その役務の提供に係る申告・納税を行う「リバースチャージ方式」が採られています。
(注)
「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」を「特定資産の譲渡等」といい、また、事業として他の者から受けた「特定資産の譲渡等」を「特定仕入れ」といいます。
この特定仕入れには消費税が課されます。
課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものを「特定課税仕入れ」といい、事業者は国内において行った「特定課税仕入れ」について消費税を納める義務があります。
<輸入取引の納税義務者>
輸入取引の納税義務者は、その輸入品を保税地域から引き取る者です。
したがって、事業者だけでなく給与所得者等も輸入品を保税地域から引き取った場合には、納税義務を負うことになります。
輸入品を保税地域から引き取る者には、事業者免税点制度は適用されません。
★リンクはこちら⇒ 納税義務者
2024年10月16日
国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について
電子書籍・音楽・広告の配信などの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が国内の事業者・消費者に対して行われるものについては、国内、国外いずれから行われるものも国内取引として消費税が課税されることとされています(注)。
(注)
平成27年10月1日以後、国外から行われる「電気通信利用役務の提供」についても消費税が課税されることとされました。
<「事業者向け電気通信利用役務の提供」にかかる課税方式(リバースチャージ方式)>
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のものとに区分されます。
※
「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「役務の性質または当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの」をいいます。
消費税法においては、課税資産の譲渡等を行った事業者が、当該課税資産の譲渡等に係る申告・納税を行うこととされていますが、電気通信利用役務の提供のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が、「特定課税仕入れ」として、申告・納税を行います(注)。
(注)
平成28年4月1日以後に国外事業者が国内で行う「特定役務の提供(国外事業者が国内で行う芸能・スポーツ等の役務の提供)」については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と同様に、当該役務の提供を受けた事業者が「特定課税仕入れ」としてリバースチャージ方式による申告・納税義務が課されています。
<リバースチャージ方式に関する経過措置>
「事業者向け電気通信利用役務の提供」等の特定課税仕入れ(注1)を行った国内事業者は、当該特定課税仕入れについて、申告・納税の義務が課されるとともに、仕入税額控除の対象とすることができますが、一般課税かつ当該課税期間における課税売上割合が95パーセント以上である課税期間又は簡易課税制度並びに小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(注2)が適用される課税期間については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます(注3)(注4)。
したがって、これらに該当する場合は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れを申告等に含める必要はありません。
(注1)特定課税仕入れとは、国内において国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」および「特定役務の提供」をいいます。
(注2)小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置とは、インボイス制度を機に免税事業者から適格請求書発行事業者として課税事業者になった事業者が、納付税額を課税標準額に対する消費税額の2割とすることができる特例(2割特例)をいいます。
(注3)これらに該当する場合は特定課税仕入れがなかったものとされますので、特定課税仕入れに係る申告納税義務もありません。また、仕入税額控除のみを行うこともできません。
(注4)免税事業者は、消費税の確定申告等を行う必要がありませんので、特定課税仕入れを行ったとしても申告等を行う必要はありません。
これらの詳細については、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。
<「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の電気通信利用役務の提供にかかる課税方式(国外事業者申告納税方式)>
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外のもの(いわゆる「消費者向け電気通信利用役務の提供」)については、原則どおり、その電気通信利用役務の提供を行う国外事業者が申告・納税を行います(注)。
(注)
令和7年4月以降、プラットフォーム課税の対象となる「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、特定プラットフォーム事業者(一定の要件を満たすものとして国税庁長官の指定を受けたプラットフォーム事業者をいいます。)が申告・納税を行うこととなります。プラットフォーム課税についての詳細は、「消費税のプラットフォーム課税について」をご参照ください。
<登録国外事業者制度のインボイス制度への移行について>
令和5年10月1日から、適格請求書等保存方式(インボイス制度)が開始されました。
インボイス制度では、「帳簿」および登録を受けた「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)の保存が仕入税額控除の要件となります。
これに伴い、登録国外事業者制度(注)は、令和5年9月30日をもって廃止され、インボイス制度に移行されました。
インボイス制度についての詳細は、「消費税インボイス制度特設サイト」を、廃止前の制度についての詳細は、「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」を、それぞれご参照ください。
なお、令和5年9月1日において登録国外事業者であって、「登録国外事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出していない者について、令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたものとみなされる経過措置が設けられており、この経過措置により適格請求書発行事業者となった事業者については、適格請求書等に適格請求書発行事業者の登録番号を記載等することにつき困難な事情がある場合には、令和5年10月1日から令和6年3月31日までの間は、登録国外事業者名簿に記載された登録番号(00001等の5桁の番号)を記載等することができることとされていました。
令和5年9月30日時点の登録国外事業者については、こちら(登録国外事業者名簿)をご覧ください。
(注)
登録国外事業者制度(令和5年9月30日をもって廃止)
国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は、当該役務の提供に係る仕入税額控除が制限されますが、国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受ける当該役務の提供については、その仕入税額控除を行うことができる制度です(平成27年10月1日から令和5年9月30日までの間に行った取引に適用されます。)。
★リンクはこちら⇒ 「資産の譲渡等」とは
2024年10月11日
「資産の譲渡等」とは
「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供をいいます。
(1)資産の譲渡
「資産の譲渡」とは、売買等の契約により、資産の同一性を保持しつつ、他人に移転させることをいいます。
したがって、例えば、商品や製品の販売のほか、事業用設備を売却することが資産の譲渡に当たり、また、これら有形の資産のほか、例えば、特許権や商標権などの無体財産権の譲渡も資産の譲渡に含まれます。
さらに、現物出資、負担付贈与、代物弁済なども資産の譲渡に含まれます。
(2)資産の貸付け
「資産の貸付け」とは、資産に係る権利の設定など他の者に資産を使用させる一切の行為をいいます。
なお、無体財産権の実施権や使用権等を設定する行為も資産の貸付けに含まれます。
(3)役務の提供
「役務の提供」とは、例えば、土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、情報の提供、出演などのサービスを提供することをいいます。
医師、弁護士、公認会計士、税理士などによるその専門的知識、技能等に基づく役務の提供も含まれます。
★リンクはこちら⇒ 「資産の譲渡等」とは
2024年10月8日
「対価を得て行われる」の意義
消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。
<「対価を得て行われる」の意義>
「対価を得て行われる」とは、資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供に対して反対給付を受けることをいいます。
例えば、商品を販売して代金を受け取ったり、事務所を貸し付けて家賃を受け取ったり、工事を請け負って代金を受け取ったりするような取引です。
また、交換、代物弁済、現物出資などのように金銭の支払を伴わない資産の引渡しでも、何らかの反対給付があるものは、対価を得て行われる取引になりますので、課税の対象となります。
負担付き贈与については、その負担部分を対価として行われる取引になります。
しかし、単なる贈与や寄附金、補助金、損害賠償金などは、原則として対価を得て行われる取引に当たりませんので、課税の対象になりません。
また、試供品や見本品の提供は対価を受け取らない限り課税の対象になりません。
その他、商品を販売する際にサービス品をつけたり、自社製品を得意先に無償で贈与した場合も対価を得て行われる取引となりません。
なお、個人事業者が自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となります。
★リンクはこちら⇒ 「対価を得て行われる」の意義
2024年10月4日
事業者が事業として行うものとは
消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引に課税されます。
<「事業者」の意義>
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。
(1)個人事業者の場合
個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になります。
さらに、医師、弁護士、公認会計士、税理士などの業を営む人も事業者になります。
(2)法人の場合
株式会社などの会社、国、都道府県や市町村、公共法人、宗教法人や医療法人などの公益法人など、法人はすべて事業者になります。
なお、法人でない社団または財団で、代表者または管理人の定めがあるものは、法人とみなされることにより事業者となります。
<「事業として」の意義>
「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
例えば、商店が販売用の商品を売った場合や、運送業者が運送サービスを提供して対価を受け取るような場合が典型的なものです。
なお、事業活動の一環としてまたはこれに関連して行われる取引も課税対象となります。
例えば、商品の配達用に使用していたトラックを売ったときのように、事業に使用していた自動車、機械、建物などの事業用資産を売った場合も、事業として行う取引になります。
しかし、個人事業者が事業用でない自家用車やテレビなどの生活用に使用していた資産を売った場合には、事業として行う取引とはなりませんので、消費税は課税されません。
(注)個人事業者の場合、事業者の立場と消費者の立場とを兼ねていますが、事業者の立場で行う取引が「事業として」に該当し、消費者の立場で行う取引は「事業として」には該当しません。
★リンクはこちら⇒ 事業者が事業として行うものとは
2024年9月30日
課税の対象
消費税の課税対象は、次の3つの取引に限られます。
| (1) |
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等 |
| (2) |
特定仕入れ |
| (3) |
保税地域から引き取られる外国貨物の引取り(輸入取引) |
なお、国外において行われる取引および資産の譲渡等に該当しない取引は、課税の対象とはなりません。
<国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等>
(1)事業者が事業として行う取引
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。
「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を反復、継続かつ独立して行うことをいいます。
したがって、個人の中古車販売業者が行う中古車の販売は事業として行う取引になりますが、給与所得者がたまたま自家用車を売却する行為などは、事業として行う取引とはなりません。
なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業として行う取引となります。
(2)対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売など(資産の譲渡等)をして反対給付を受けることをいいます。すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。
したがって、無償で行われる取引は、消費税の課税の対象とはなりません。
また、寄附金、補助金および宝くじの賞金などは、一般的には対価とは認められませんので、これらを受け取る取引も原則として課税の対象とはなりません。
なお、個人事業者が、販売する商品などを家庭で消費したり使用した場合や、法人が自社製品などをその役員に贈与した場合には、事業として対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となりますのでご注意ください。
(3)資産の譲渡等
消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行われる資産(注)の譲渡(商品や製品などの販売)および資産の貸付けならびに役務(サービス)の提供をいいます。
(注)資産とは、取引の対象となる一切の資産をいい、棚卸資産または固定資産のような有形資産のほか、権利その他の無形資産が含まれます。
<特定仕入れ>
「特定仕入れ」とは、事業として他の者から受けた「特定資産の譲渡等」をいいます。
ここでいう「特定資産の譲渡等」とは、「事業者向け電気通信利用役務の提供」と「特定役務の提供」であり、特定資産の譲渡等を仕入れた場合、その仕入れが「特定仕入れ」となります。
また、「特定課税仕入れ」とは、課税仕入れのうち国内において行った「特定仕入れ」に該当するものをいいます。
「特定課税仕入れ」は、リバースチャージ方式により、「特定課税仕入れ」を行った事業者に消費税の納税義務が課されることとなります。
詳しくはコード6118「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について」をご参照ください。
<外国貨物の引取り>
外国貨物の引取り(輸入取引)については、保税地域から引き取られる外国貨物が課税対象となります。
この場合、引き取る者が事業者であるかどうかは問いませんので、事業者はもとより一般消費者も納税義務者になります。
★リンクはこちら⇒ 課税の対象
2024年9月26日
消費税の基本的なしくみ
<概要>
消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税(酒税・たばこ税等)とは異なり、消費一般に広く公平に課税する間接税です。消費税が課税される取引には、併せて地方消費税も課税されます。
ほぼ全ての国内における商品の販売、サービスの提供等および保税地域から引き取られる外国貨物を課税の対象とし、取引の各段階ごとに標準税率10パーセント(うち2.2パーセントは地方消費税)、軽減税率8パーセント(うち1.76パーセントは地方消費税)の税率で課税されます。
なお、消費税の消費一般に広く公平に負担を求める税の性格からみて、課税の対象になじまないものや社会政策的な配慮から課税することが適当でない一定の取引については、消費税を課税しない非課税取引とされています。
<消費税の負担者>
消費税は、事業者に負担を求めるものではありません。
税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費しまたはサービスの提供を受ける消費者が負担することとなります。
<課税のしくみ>
生産、流通の各段階で二重、三重に税が課されることのないよう、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除し、税が累積しないしくみとなっています。
この課税仕入れ等に係る消費税額を控除することを「仕入税額控除」といいます。
令和5年10月1日から開始した「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」では、この仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)から交付を受けた適格請求書(インボイス)と一定の事項を記載した帳簿の保存が必要です。
詳しくは「インボイス制度特設サイト」をご参照ください。
<申告・納付>
納税義務者は、製造、卸、小売、サービスなどの各段階の事業者と、保税地域からの外国貨物の引取者です。
納税義務者は、納税地の所轄税務署長に、原則として、課税期間の末日の翌日から2か月以内(個人事業者の場合は翌年の3月31日まで)に消費税および地方消費税の確定申告書を提出し、消費税額と地方消費税額とを併せて納付します。
なお、直前の課税期間の確定消費税額に基づき中間申告・納付をすることになります。
また、外国貨物の引取者は、保税地域から引き取る時までに、その所轄税関長に引取りに係る消費税額および地方消費税額を申告し、納付します。
<納税事務の負担軽減措置等>
事業者の納税事務の負担等を軽減するために、次のような措置が講じられています。
1.事業者免税点制度
基準期間および特定期間(※)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、免税事業者となります。
(注)適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者は、基準期間および特定期間の課税売上高に関わらず、免税事業者となることはありません。
※特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。
2.簡易課税制度
基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、課税売上高から納付する消費税額を計算する簡易課税制度が選択できます。
3.2割特例(経過措置)
免税事業者がインボイス制度を機に課税事業者(インボイス発行事業者)となった場合に、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間において、納付する消費税額を売上に係る消費税額の2割とすることができます。
★リンクはこちら⇒ 消費税の基本的なしくみ
2024年9月20日
消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)
標題のことについては、下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。
(趣旨)
消費税及び地方消費税の更正等を行う場合並びにこれらの税について過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税を課する場合の取扱基準の整備等を図ったものである。
★リンクはこちら⇒ 消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)
2024年8月7日
消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)
国税庁は、『消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)』をホームページに掲載した。
令和6年4月に消費税法等の一部が改正された。
主な改正内容は以下のとおり。
Ⅰ 消費税のプラットフォーム課税の創設
Ⅱ 国外事業者等における事業者免税点制度の特例等の見直し
1 国外事業者における「特定期間の課税売上高による納税義務の免除の特例」の見直し
2 外国法人が国内において事業を開始した場合の納税義務の免除の特例の見直し
3 「特定新規設立法人の納税義務の免除の特例」における判定対象者に係る金額基準の見直し
4 恒久的施設を有しない国外事業者における簡易課税制度及び2割特例の適用の見直し
Ⅲ 金又は白金の地金等を取得した場合の事業者免税点制度等の制限
Ⅳ 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の適用の制限
Ⅴ 仕入税額控除に係る帳簿の記載事項の見直し
Ⅵ 免税購入品と知りながら行った課税仕入れに係る仕入税額控除の制限
★リンクはこちら⇒ 消費税法改正のお知らせ(令和6年4月)
2024年4月2日
帳簿及び請求書等の保存要件を充足するとして消費税の仕入税額控除の適用を認めた事例
- ①平成26年分以後の所得税の青色申告の承認の取消処分
- ②平成26年分から平成29年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
- ③平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに重加算税の賦課決定処分
- ④平成26年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分」
- ⑤平成29年分及び平成30年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
- ⑥平成27年分及び平成28年分の所得税及び復興特別所得税の各再更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各変更決定処分
- ⑦平成26年1月1日から平成28年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
- ⑧平成29年1月1日から平成30年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分
- ⑨平成26年1月から令和元年6月までの各期間の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分
- ①③⑧棄却、②一部取消し、棄却、却下、④⑤⑦一部取消し、棄却、⑥却下、⑨一部取消し
<ポイント>
本事例は、原処分庁が調査を行った日において消費税の請求書等の保存を要する期間を経過していた課税期間について、当該課税期間の帳簿は保存されていたことから帳簿及び請求書等の保存要件を充足しているとして、当該課税期間に係る支払対価の額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用されるとしたものである。
<要旨>
請求人は、平成26年1月1日から同年12月31日まで(平成26年課税期間)、平成27年1月1日から同年12月31日まで(平成27年課税期間)及び平成28年1月1日から同年12月31日まで(平成28年課税期間)の各課税期間(本件3課税期間)の消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第7項の規定に係る帳簿(法定帳簿)及び請求書等(法定請求書等)は、消費税等の実地の調査の初日に保存があり、調査担当職員に対し法定帳簿を提示し、また法定請求書等についても提示しようとしていたことなどから、本件3課税期間においては課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用されるべきである旨主張する。
しかしながら、法定請求書等を実際に保存している場合において、税務職員が法定請求書等を検査することができるときに限り、仕入税額控除の適用が認められるところ、平成27年課税期間及び平成28年課税期間については、請求人は調査担当職員に対して法定請求書等を、その保存を要する期間内に適時に提示しなかったのであるから、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引については仕入税額控除が認められない。
一方で、原処分庁は、本件3課税期間の法定請求書等の保存はない旨主張するが、平成26年課税期間の処分の適法性に関し具体的に主張しておらず、同課税期間については、調査初日において法定請求書等の保存を要する期間を経過しており、よって、平成26年課税期間の消費税等については、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円以上の取引についても仕入税額控除が適用される。
★リンクはこちら⇒ 帳簿及び請求書等の保存要件を充足するとして消費税の仕入税額控除の適用を認めた事例
2023年12月14日
売上先において課税仕入れの過大計上額と認定した金額を、請求人における課税売上額の過大計上額と認定した事例
- ①平成28年4月1日から平成29年3月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
- ②平成28年4月1日から平成29年3月31日まで及び平成29年4月1日から平成30年3月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
- ③平成28年4月1日から平成28年6月30日まで、平成28年7月1日から平成28年9月30日まで、平成28年10月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年3月31日まで、平成29年4月1日から平成29年6月30日まで、平成29年7月1日から平成29年9月30日まで、平成29年10月1日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
- ①棄却、②却下、③全部取消し、一部取消し、棄却
- 令和4年10月25日裁決
<ポイント>
本事例は、当審判所が認定した請求人の売上先における請求人からの課税仕入れの過大計上額が、請求人における課税売上の過大計上額に該当すると判断したものである。
<要旨>
原処分庁は、原処分庁が請求人の売上先の更正処分において過大であると認定した課税仕入れの額は、間接的な資料を用いて所得金額を認定する推計課税の方式により算出したものであり、請求人と当該売上先との取引に係る実額で認定された課税仕入れの額とは性質が異なるから、当該売上先の課税仕入れの額を過大であると認定したとしても、請求人の課税売上額が過大であるとは認められない旨主張する。
しかしながら、当審判所は、当該売上先の課税仕入れの過大計上額を実額で認定しているところ、請求人と当該売上先との間の売買取引が私法上同一の取引であることは明らかであり、当該売上先における課税仕入れの金額と請求人における課税売上の金額とは一致しているから、当該売上先における課税仕入れの過大計上額は、請求人における課税売上の過大計上額と認められ、請求人の課税売上額から減額することが相当である。
★リンクはこちら⇒ 売上先において課税仕入れの過大計上額と認定した金額を、請求人における課税売上額の過大計上額と認定した事例
2023年12月13日
請求人が輸出者として輸出免税の適用を受けることができるとした事例
- ①平成29年1月〇日から平成29年12月31日までの事業年度以後の法人税の青色申告の承認の取消処分
- ②平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各事業年度の法人税の各更正処分
- ③平成29年1月〇日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の各更正処分
- ④平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各事業年度の法人税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分
- ⑤令和2年1月1日から令和2年12月31日までの事業年度の欠損金の繰戻しによる平成31年1月1日から令和元年12月31日までの事業年度の法人税の還付請求に理由がない旨の通知処分
- ⑥平成29年1月〇日から令和元年5月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
- ⑦平成30年1月1日から平成30年12月31日まで及び平成31年1月1日から令和元年12月31日までの各課税事業年度の地方法人税の更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
- ①④⑤⑦棄却、②③却下、⑥一部取消し、棄却
- 令和4年10月25日裁決
<ポイント>
本事例は、本邦からの輸出取引について、輸出許可の申請や、輸出許可通知書の保存状況から、請求人において輸出免税の適用を受けることができると判断した事例である。
<要旨>
原処分庁は、本件における輸出取引(本件取引)は、請求人から商品を仕入れた取引先が国外に販売したものであるから、請求人が、消費税法第7条《輸出免税等》第1項第1号に規定する本邦からの輸出として行われる資産の譲渡を行ったものではない旨主張する。
しかしながら、請求人は、取引先から受注した商品を国内でコンテナに積載し、自らの名義で輸出許可を申請して国外へ搬出しているのであり、本件取引は、請求人による本邦からの輸出として行われる資産の譲渡であると認められる。
そして、請求人は、請求人名義の輸出許可通知書を保存していることから、請求人において、輸出免税の適用を受けることができる。
★リンクはこちら⇒ 請求人が輸出者として輸出免税の適用を受けることができるとした事例
2023年12月12日
任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書
国税庁は、ホームページに「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書」を掲載した。
★リンクはこちら⇒ 任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書
2023年1月12日
任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書
国税庁は、ホームページに「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を掲載した。
★リンクはこちら⇒ 任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書
2023年1月6日
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)の改訂(令和4年11月改訂)
国税庁は、『消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A』を改訂した。
★リンクはこちら⇒ 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)の改訂(令和4年11月改訂)
2022年11月29日
e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へ
<e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へのお知らせ>
適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合に提出が必要な「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)及び(国外事業者用)」については、令和4年9月20日(火)以降、令和4年度税制改正内容を反映した「新様式」の送信が可能となった。
なお、これまで令和4年度税制改正内容が反映されていない「旧様式」による送信も可能としておりましたが、令和4年10月11日(火)以降、「旧様式」で送信できないこととなる(※1)ので、現在ご利用のベンダーソフトやe-Taxソフト(※2)などについては、「新様式」に対応したソフトウェアのダウンロードやバージョンアップをした上で提出のこと。
(※1)即時通知にエラーが表示される。
(※2)e-Taxソフト(WEB版)、e-Taxソフト(SP版)をご利用の方は、そのままご利用のこと。
★リンクはこちら⇒ e-Taxで適格請求書発行事業者の登録申請書を提出される方へ
2022年10月6日
税務相談チャットボット(インボイス制度)が始まりました
個人の方の国税に関する相談は、チャットボット(ふたば)を気軽にご利用ください。
ご質問したいことをメニューから選択するか、自由に文字で入力いただくとAI(人工知能)が自動回答します。
土日、夜間でもご利用いただけます。
<チャットボットの利用可能期間>
インボイス制度に関するご相談
令和4年5月12日(木)から
※24時間ご利用いただけます(メンテナンス時間を除く)。
<チャットボットの相談範囲>
チャットボットは、次のご相談に対応しています。
“インボイス制度”に関するご相談
・インボイス制度の概要に関すること
・登録申請の手続に関すること
・インボイス発行事業者の情報の公表(公表サイト)に関すること
・インボイスの作成に当たっての留意点に関すること
・売手の留意点(インボイス発行事業者の義務)に関すること
・買手の留意点(仕入税額控除の要件)に関すること
・消費税の基本的な仕組みに関すること
★リンクはこちら⇒ チャットボット(ふたば)に質問する
2022年7月28日
『消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)』の改訂
国税庁は、『消費税申告チェックシート(国、地方公共団体及び公共法人用)』を改訂した。
国税庁は、実地調査以外の多様な手法を用いて、納税者の皆様方に自発的な適正申告をしていただく取組を充実させていくこととしており、国、地方公共団体及び公共法人の皆様が消費税申告書の作成及び提出をするにあたり、その内容の自主的な点検に活用いただくためのチェックシートを作成している。
このページは、当該取組の内容を案内するとともに、チェックシートの様式を掲載し、提供するものである。
様式はダウンロードして活用してください。
(注)
チェックシートの様式については、Excel版とPDF版の2種類が用意されている。
Excel版については、印刷時にご利用のPC環境により改ページ位置の変更等レイアウトが変更される場合があるので、利用の際は留意すること。
★消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(Excel版)はこちら⇒ 消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(Excel版)
★消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(PDF版)はこちら⇒ 消費税申告チェックシート<国、地方公共団体及び公共法人用>(PDF版)
2022年7月26日
適格請求書発行事業者公表サイトに屋号(お店の名前)を公表することができます!
屋号を公表することで、あなたがインボイス(請求書やレシート)に記載した登録番号を、取引先が公表サイトで確認する際に、それがあなたのお店の登録番号なのかを確認しやすくなる。
「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出することで、公表サイトに屋号を公表することができる。
是非、ご検討ください!
★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者公表サイトに 屋号(お店の名前)を公表することができます!
2022年6月9日
「適格請求書発行事業者の登録申請書」の処理期間について
登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでの期間については、提出された登録申請書の件数や個々の審査等に要する期間によって異なるが、おおまかな目安として、
- 書面で提出された登録申請書については1か月程度
- e-Tax で提出された登録申請書については2週間程度
の期間を見込んでいるところである。
現在、登録申請の受付開始直後で多くの登録申請書が提出されたこと、また、記載誤りや記載漏れ等が多く見受けられ、上記の期間内に登録通知が終了しないケースが発生している。
まだ登録通知が届いていない方においては、提出された登録申請書は順次審査をしているので、登録処理終了までしばらくお待ちください。
また、これから登録申請書を提出される事業者の方においては、提出前に記載誤りや記載漏れ等がないかどうか確認のうえ、提出をしましょう。
「適格請求書発行事業者の登録申請書の提出に当たりご注意いただきたい事項」は
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0021011-019.pdf
をご覧のこと。
★リンクはこちら⇒ 「適格請求書発行事業者の登録申請書」の処理期間について
2021年11月25日
インボイス登録センター
国税局(所)では、「インボイス登録センター」を設置し、インボイス制度に関する申請書の入力や電話照会等の事務について集約処理を行う。
インボイス制度に関する申請書等を書面により提出される場合は、郵送でインボイス登録センターへ送付すること。
※インボイス登録センター名をクリックすると各局(所)のインボイス登録センターの所在地等の詳細ページに遷移する。
<相談窓口>
提出いただいた申請書等の記載内容などについて、インボイス登録センターから連絡がある場合があるが、インボイス登録センターでは、インボイス制度に関する相談は受け付けていないので注意すること。
インボイス制度に関する一般的な電話相談については、軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)で受け付けている。
インボイス制度に関して、税務署での個別相談を希望される方は、あらかじめ相談日時等を予約が必要なので、所轄の税務署に電話し、自動音声案内に沿って、「2」を選択すること。
★リンクはこちら⇒ インボイス登録センター
2021年10月13日
適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書
[概要]
適格請求書発行事業者の公表に当たり、国税庁ホームページでの公表事項について「屋号」、「本店又は主たる事務所等の所在地」、「外国人の通称又は旧姓氏名」を新たに追加するまたは変更しようとする場合の手続である。
[手続根拠]
―
[手続対象者]
国税庁ホームページでの公表事項を新たに公表を追加するまたは変更しようとする個人事業者または人格のない社団等
[提出時期]
国税庁ホームページでの公表事項を新たに追加するまたは変更しようとするとき
なお、適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者の方が、登録申請書と同時にこの申出書を提出した場合、申出書の内容を反映した状態で公表される。
[提出方法]
申出書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申出書はe-Taxでも提出できる。
[手数料]
不要
[添付書類・部数]
外国人の通称または旧姓氏名を公表する場合 住民票の写し 1部
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2021年10月12日
適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書
[概要]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があった場合の手続きである。
[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第2項
[手続対象者]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があった適格請求書発行事業者
[提出時期]
適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があったとき速やかに
[提出方法]
届出書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。
[手数料]
不要
★リンクはこちら⇒ 適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書
2021年10月11日
適格請求書発行事業者の登録申請書(国外事業者用)
[概要]
国外事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の手続きである。
[手続根拠]
所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)附則第44条第1項
[手続対象者]
適格請求書発行事業者の登録を受けようする事業者
[提出時期]
2023年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、原則として2021年10月1日から2023年3月31日までに提出する必要がある。
[提出方法]
申請書を作成の上、提出先に送付すること。
なお、申請書はe-Taxでも提出できる。
[手数料]
不要
0020009-098_05