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JALがコロナ後を見据えた投資のため1,600億円を公募増資!

 

日本経済新聞によると、日本航空(JAL)は、先日、公募増資などで最大約1,680億円を調達すると発表しました。
新型コロナウイルスで航空需要が急減し、2021年3月期は2012年の再上場後初の赤字となる見通しです。
エクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)で財務を強化しつつ、効率の高い航空機の導入など、需要回復後を見据えた投資をするようです。

新型コロナで業績が悪化した大手企業が公募増資で資本増強するのは初めてです。
調達額はアサヒグループホールディングスに並んで2020年で最大規模となります。

公募増資は国内外で実施します。
国内が3分の2、海外3分の1となります。
最大で1億株を新たに発行しますが、現在の発行済み株式数(3億3,714万株)の3割にあたります。

調達額のうち1,000億円を投資に、残りの約680億円を有利子負債の返済に充てるようです。
二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、燃費のいいエアバス社の航空機購入に800億円を使い、今後需要拡大が見込める格安航空会社(LCC)事業への投融資に150億円を投じる計画です。

社債の償還や借入金の返済などで2020年度に300億円、2021~2022年度にそれぞれ500億円の資金が必要になります。
調達資金を返済資金の一部に充てます。

新型コロナによって国際線を中心に旅客数の減少は続いています。
2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)は2,400億~2,700億円の赤字(前期は534億円の黒字)になる見通しです。
航空など運輸業界では需要急減で巨額の赤字を計上する企業も多く、優先株や劣後ローンでの資本増強が相次いでいます。

日本航空(JAL)が資本増強で先手を打ちました。
新型コロナウイルスの影響に苦しむ航空業界の中でも相対的に財務は安定しています。
体力があるうちに手を打ち、コロナ後の成長につなげます。

同日記者会見した木藤祐一郎財務部長は「財務的な余力があるうちに調達をして、ポストコロナをけん引する航空会社になりたい」と話しました。
JALは4~9月期に1,612億円の最終赤字を計上しました。
9月末の自己資本比率は3月末に比べて約8ポイント低下し44%となりました。
ただし、ANAホールディングス(32%)や欧米の航空会社よりも高い水準を維持しています。
比較的良好な財務はJALは2010年に会社更生法の適用を申請し、2012年の再上場後から2019年3月期まで繰越欠損金の控除で税負担が少なかったことが大きいようです。
2021年3月末でも自己資本比率は4割を確保できる見通しです。

資本増強を急いだのは、この相対優位を生かすためです。
航空業界は航空機などの設備投資が売り上げに先行します。
新型コロナが収束しても、財務が悪化していると借入金の返済を優先しなければいけなくなります。
JALの有利子負債は半年間で2,237億円増加しました。
自己資本と比べたDEレシオは0.3ポイント悪化していました。
今回の公募増資で得た資金を先を見据えた投資と負債返済にも充て、コロナ後に備えます。
一方、ANAも劣後ローンで資本増強することを発表しています。

しかしながら、調達額は、11月6日の時価総額(6,213億円)の3割と巨額です。
木藤氏は「短期的には既存株主に影響があるかもしれないが、投資を通じて企業価値を上げたい」と理解を求めましたが、11月6日の東証の取引終了後の私設取引システム(PTS)の取引では株価が1割以上下落しました。

新型コロナという不測の事態とはいえ、調達に見合った企業価値の増加につなげられなければ、市場の不信感は高まります。
世界中で感染者数が再び増加するなか、需要減が長期化する懸念も出ています。
調達資金を使って、想定通りに復活への道筋を描けるかが今後、問われることになるでしょう。

動きが早かったなぁという感じはします。
しかしながら、会社更生法の申請により借入金を棒引きしてもらい、相対的に財務体質の良いJALが先にやるのは、モラルハザードはどうなのだろうか?という疑問は残ります。
個人的には、7割経済と言われているように、将来的にもそれほど需要は戻らないと思っていますので、リスキーだなとは感じていますが、今後どうなるかウォッチしていきたいですね。

JALがコロナ後を見据えた投資のため1,600億円を公募増資することについて、どう思われましたか?


大和ハウスが財務基盤の強化ため初の劣後ローンで1千億円調達!

 

大和ハウス工業は、先日、ハイブリッドローン(劣後特約付きローン)で1千億円を調達すると発表しました。
調達した資金は、コマーシャルペーパー(CP)や社債の償還のほか、物流倉庫などの設備投資に充てるようです。
一部を資本としてみなせる劣後ローンで資金調達するのは同社として初めてです。
不動産開発を積極的に進める一方で財務基盤を強化する狙いです。

大和ハウスは新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり消費」などで電子商取引(EC)の急増に対応し、物流施設の開発を積極化しています 。
劣後ローンを初めて活用する背景には、物流倉庫などの投資に伴う資金需要が旺盛な一方、財務内容の健全性も保つ狙いがあります。

ダイワハウスは2020年6月、2022年3月期までの中期経営計画で物流施設などの不動産開発投資を当初計画の3,500億円から6,500億円に増額しました。
一方、有利子負債が自己資本の何倍あるかを示すDEレシオを0.5倍程度とする目標も掲げています。
2020年3月期のDEレシオは土地取得などで0.6倍です。
今後、さらに外部からの資金調達が拡大すれば、目標を達成できない懸念がありました。

今回の劣後ローンでは格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)が調達額の50%を資本と認定する予定で財務の健全性の向上につながります。

最近、劣後ローンで資金調達するケースが増えてきていますね。
劣後ローンは、貸借対照表上は負債になりますが、資金調達の際に、金融機関などが資本金とみなしてくれるというものです。
よって、この記事を見て、財務の健全性とか書いていたので、疑問に思ったので、ネットで調べてみると、カラクリがあるようですね。
最近、伊藤レポートなどで、『自己資本利益率』(いわゆるROE)が再び重視されるようになってきているようですが、こちらでは劣後ローンは負債として扱われるため分母に影響なく、一方で、『D/Eレシオ』では、一部が資本金として扱われるため、有利に働くようです。
いわゆる良いところ取りですね。
経営指標にこだわりだすと、経営指標目標を達成するがために本質からかけはなれたことをしたりするケースもありますので、注意が必要ですね。

大和ハウスが財務基盤の強化ため初の劣後ローンで1千億円調達することについて、どう思われましたか?


12兆円規模の企業の資本支援を政府が検討!

 

日本経済新聞によると、政府が企業向けに検討している資本支援策の枠組みが12兆円規模に達することがわかったようです。
日本政策投資銀行や官民ファンドなどが劣後ローンや株式を取得して。経営を支援したり事業再編を後押ししたりするものです。
新型コロナウイルス拡大の影響で財務基盤が悪化する企業に対し、安全網を広げます。

2020年度第2次補正予算案や財政投融資計画に盛り込むようです。

12兆円のうち約6兆円は政投銀や日本政策金融公庫など政府系金融機関による劣後ローンの活用を想定しています。
劣後ローンの資金調達は増資に近い効果を持ち、格付けの低下を防いだり金融機関の追加融資を受けやすくなったりすることが期待できます。
貸し手が経営に深く関与しないため、企業側も受け入れやすいのです。

残る6兆円は出資などの枠組みに活用します。
大企業・中堅向けには、すでに政投銀が設けている1千億円の出資枠を倍増するほか、産業革新投資機構(JIC)を通じて再編や成長投資に向けた資金を用意します。
中小企業向けには、地域経済活性化支援機構を通じて事業再生や地域ファンドの拡充をはかります。
債権買い取りファンドも整えます。

融資による支援策も強化します。
4月以降も融資需要が増えていることを踏まえ、政府の無利子融資制度などを拡充します。
民間金融機関と合わせて60兆円以上の資金繰り対策の規模を確保する方向で調整します。

政府が企業向けの資金対応を大幅に拡大するのは、コロナを巡る情勢が依然、不透明なことがあります。
現状では多くの日本企業の財務体質は比較的強固で破綻懸念があるわけではありません。
ただし、秋以降も景気悪化に歯止めがかからなければ、健全企業でも財務悪化のリスクがあり、雇用にも悪影響が出かねません。
「資本支援がすべて使われるとは思っていないが、早めに安全網を用意し、企業や市場を安心させる」(政府関係者)狙いがあるようです。

海外でも資本支援を拡充する動きが相次いでいます。
ドイツは大企業向けに1千億ユーロ(約11兆円)の優先株や普通株による出資基金を設立しました。
アメリカやフランスなども航空業界の支援に乗り出しています。

良い制度だとは思いますが、単なる延命や、詐欺的な行為が行われないようにして欲しいですね。
あとは、国が関わるとなると、中小企業が、株主や債権者への決算説明や、決算公告、招集通知、株主総会はどうするのだろうか?とは思います。

12兆円規模の企業の資本支援を政府が検討していることについて、どう思われましたか?


2020年4月から経営者個人保証の二重取り禁止の指針!

 

 全国銀行協会と日本商工会議所などは、中小企業の経営者が代替わりする際に金融機関が新旧トップから二重に個人保証を取ることを原則禁止するとの指針をまとめました。
 経営者保証が負担となって後継ぎが見つからず、廃業に至るのを防ごうとする政府の方針に対応しました。
 2020年4月から適用する。

 今回の指針策定により、既に決定している商工中金による無保証融資の拡大や国の中小企業支援を含め、政府が2019年6月に決定した成長戦略などで打ち出した事業承継対策が出そろうことになりました。

 指針は2014年から運用されている「経営者保証に関するガイドライン」の特則との位置付けで、二重保証の禁止に加え、後継者への保証契約も「慎重に判断すること」を金融機関に要請しました。
 中小企業の側には、無保証でも融資が受けやすくなるよう財務基盤の強化や適切な情報開示を求めました。

 指針に強制力はありませんが、金融庁が無保証融資の実績公表を金融機関に働き掛けるなど官民で順守を促すようです。
 取りまとめを主導した小林信明弁護士は、「中小企業の活性化を図るという公共的な目的で制定した」と意義を強調しました。

 そろそろ金融機関には、担保や個人保証を取るのをやめて欲しいですね。
 事業の将来性を評価して、将来のキャッシュ・フローを担保に融資ができるようになって欲しいと思います。
 そういうことができるようになると、銀行が最近言いたがるコンサルティングの能力が自然に高まるのではないでしょうか?

 2020年4月から経営者個人保証の二重取り禁止の指針がまとめられたことについて、どう思われましたか?


スタートアップ企業が医師や教授にストックオプションを付与!

 

 スタートアップ企業が医師や大学教授ら社外の専門家に、株式を利用した報酬「ストックオプション」(新株予約権)を付与する動きが広がっているようです。
 日本経済新聞社の調査では、未上場企業の9割がストックオプションを活用し、うち3割が社外の専門家に付与しているようです。
 現金支出の負担を抑えながら、専門性を持つ社外人材の知を生かし、企業価値の向上につなげているようです。

 ストックオプションを使えば、現金を常に用意しなくても高度な専門人材を生かせます。
 病院向けIT(情報技術)のリンクウェル(東京都港区)は、外部の医師にストックオプションを発行し、新事業としての消費者向け商品を共同研究しています。
 金子和真最高経営責任者(CEO)は、「病院に勤めていて社員になれなくても、製品開発に協力してもらえる」と話しています。

 日本経済新聞社は、未上場企業の企業価値を調べた「2019年の「NEXTユニコーン調査」で、ストックオプションの施策についても聞いたところ、回答企業の89%となる154社が導入していたことがわかりました。

 付与している相手は従業員83%、取締役72%に続いて社外の専門家が27%で、監査役の23%を上回っています。
 付与の対象となる専門家の幅が広がっており、半導体メモリーのフローディア(東京都小平市)の場合、大手メーカー出身のエンジニアに付与しました。

 イノベーションの創出には最新の技術を取り入れ、現場のニーズを踏まえることが欠かせません。
 高度な専門性を持つ人材が年々重要になっており、獲得競争が激しくなっています。

 スタートアップ企業は、10年前と比べれば資金を調達しやすくなったとはいえ、創業間もない赤字会社が高い給料を払って正社員を採用するのは依然として難しいでしょう。

 大学教授などの安定した職に就く人にとっては、自らの研究成果や現場の経験を新たな技術や事業アイデアにつなげるうえで、転職まで踏み込む必要がありません。

 スタートアップ企業が社外の人材とつながる利点は、知見を得られることだけではありません。
 電動車椅子のWHILL(神奈川県横浜市)は「人脈が広がる」といっています。
 そのことが新事業につながっていくきっかけになります。
 ストックオプションが様々な企業のなかで知の交流を生み、イノベーションをけん引する要因となっています。

 投資家側の変化が、こうした流れを後押しします。
 ベンチャーキャピタルなどは、これまで、ストックオプションに伴う持ち株の希薄化を嫌がる傾向にありました。
 上場時などの株売却によるもうけが減るからです。
 プルータス・コンサルティング(東京都千代田区)によると、最近は「優秀な人材確保は企業価値の向上につながるとの理解が投資家に浸透しつつある」といっています。

 増えていくのは望ましいことだとは思いますが、監査役を上回る水準というのは驚きました。
 近年、ベンチャーキャピタルなどから資金を調達しやすくなってきているとはいえ、ベンチャーキャピタルからの出資を嫌がる経営者の方もいらっしゃるでしょうし、資金的には厳しいベンチャー企業が多いでしょう。
 そのような中、ビジネスパートナーにストックオプションを付与することは、付与する側にも付与される側にもいいことなんでしょうね。
 付与される側も、自分の貢献により、将来、お金になるかもしれないとなると、モチベーションが違うでしょうから。

 スタートアップ企業が医師や教授にストックオプションを付与していることについて、どう思われましたか?


クールジャパン機構が株主企業6社に196億円を出資!

 

 東京新聞によると、政府と民間が資金を出して運営する官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が出資した事業のうち、少なくとも7件が機構の株主企業6社に関連していたことが、取材で分かったようです。
 公的資金が株主企業に還流された形で、クールジャパン機構の中立性が揺らぐ可能性があります。
 クールジャパン機構の投資先を決める内部組織に、投資先企業の役員がいたことも判明したそうです。
 識者は、公的投資の名目で私企業の利益を図る「利益相反」の疑いを指摘しています。

 東京新聞は、クールジャパン機構が2014~2019年に公表した出資32件の内容を事業報告などから調べ、株主6社に関係する出資を計7件確認しました。
 総額は196百億円で、出資全体の3割にあたるそうです。

 株主の出資額の20倍超を支援した例もあるようです。
 クールジャパン機構は、2014年9月、中国・寧波への商業施設出店事業に110億円の出資を決めました。
 この事業は、クールジャパン機構に5億円を出資する株主の「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」(大阪市)が中心を担っています。

 利益相反が疑われる出資は、マレーシアにある日系百貨店の改装事業への10億円です。
 機構株主の三越伊勢丹ホールディングス(HD)の子会社が事業を請け負いました。
 クールジャパン機構が出資を決めた2014年9月当時、投資先を選ぶ内部組織「海外需要開拓委員会」の委員長をHDの社外取締役が務めていました。

 政府は官民ファンドに中立的な投資を求めています。
 海外需要開拓支援機構法は海外需要開拓委員会の運営に関し「特別の利害関係を有する委員は議決に加わることができない」と定めています。

 経済産業省クールジャパン政策課の三牧純一郎課長は、株主が関わる事業への出資7件を認めたうえで、決定に際しては政策的意義や収益性といった政府の支援基準を守っていると東京新聞に説明したようです。
 「機構株主と出資先の企業が同じだからといって、ただちに問題があるとの認識はない」と語ったようです。

 利益相反の指摘に対しては「出資者を含む利害関係者は支援決定の議論や議決から外れることになっている。マレーシアの案件も当該取締役は議論・議決の場にいなかった」と述べています。

 官民ファンド問題を追及している立憲民主党の蓮舫参院議員は「5億円の出資で110億円の支援を受けるのは公金の還流だ」と投資の中立性に疑問を呈しました。

 慶応大大学院の小幡績准教授(企業金融)は「官民一体という構造上、政府が機構の株主に一定の配慮をしなければならず、結果的に利益相反が生まれる。公金が使われる以上、国民に疑問を持たれる余地があってはならない」と語っています。

 クールジャパン機構は日本文化の発信で成長が見込める企業に投資しています。
 2019年9月現在、政府が756億円、民間23社が計107億円を出資しています。

<官民ファンド>
 リスクが高く、民間だけでは資金を調達できませんが、成長が見込めそうな企業の株を買う機関です。
 株の売却益や配当が出れば出資者に配るが、事業の失敗で資金を回収できないこともあります。
 2012年発足の第2次安倍政権が成長戦略に掲げ、全14のうち10ファンドを新設しました。
 クールジャパン機構は2013年11月に発足したものの、業績不振が指摘され、2018年度末の累積損失は179億円となっています。

 農林水産省所管のA-FIVEもそうですが、国が主体となってファンドをやるとろくなことがないですね。
 国民におかしいなと思われても、問題がないと思っているようですし、どんどん累積損失が膨らんでいくでしょうから、早くやめた方がいいですね。
 数億円も出資できるのであれば、自社でやればいいのではないかと思います。

 クールジャパン機構が株主企業6社に196億円を出資していたことについて、どう思われましたか?


ペッパーフードが新株予約権を発行して69億円調達を想定!

 

 「いきなり!ステーキ」はペッパーフードの連結売上高の8割強を占める主力事業ですが、既存店売上高は20か月連続で前年同月を下回っています。
 ステーキ店「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスは、先日、行使価格修正条項付きの新株予約権を発行すると発表しました。
 69億円の調達を想定していますが、金額が増減する可能性があります。
 調達した資金は新規出店などで膨らんだ借入金の返済や広告宣伝費などに充てるそうです。

 割当先はSMBC日興証券で、新株予約権のすべてを行使すると520万株になります。
 2019年6月末時点の発行済み株式の24.74%にあたります。
 払込日は2020年1月15日、当初の行使価格は1,332円で、この価格での調達額は69億円となります。
 ただし、株価に応じて調達額は変化します。
 2019年12月27日の終値は1,294円でしたが、発行価格の下限は666円で、上限はありません。

 69億円を調達した場合、48億円を借入金の返済に充てるそうです。
 2019年11月末の借入金の総額は87億円でした。
 また、13億円をテレビコマーシャルなどの広告宣伝費に充てるようです。

 また、みずほ銀行など金融機関から計41億円を2019年8~9月に借り入れたと発表しました。

 いきなり!ステーキはペッパーの連結売上高の8割強を占める主力事業です。
 ただし、既存店売上高は2018年4月から20か月連続で前年同月を下回っています。
 2019年12月期の連結最終損益は25億円の赤字(前期は1億2,100万円の赤字)になる見通しです。

 財務体質も悪化しており、2016年12月期に30%だった自己資本比率は、2019年1~9月期末時点で5%まで低下していました。

 個人的には、どこかに買収されるのではないかと思っていましたが、とりあえずはSMBC日興証券への新株予約権の発行ということになりましたね。
 これで足りるとは思いませんが、今後、どう立て直していくのか、ウォッチしていきたいと思います。

 ペッパーフードが新株予約権を発行して69億円調達を想定していることについて、どう思われましたか?


農林水産省所管の官民ファンドA-FIVEが廃止へ!

 

 農水省は、先日、農水省所管の官民ファンド、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)を廃止すると発表しました。
 2020年度末で新規投資業務を終了し、早期解散を目指すようです。
 廃止の理由について、江藤拓農林水産大臣は閣議後会見で、「計画通りの累積損失を回収し、収益を確保することは困難と判断した」と述べました。

 2020年度当初予算案では、関連予算の要求を取り下げ、今後、新たな予算要求はしない方針です。

 後継組織について、江藤農林水産大臣は「今のところ考えていない」とする一方、「国が関与した出資が必要という声が上がった場合には、考えることもあるかもしれない」と述べました。

 A-FIVEは2013年、官民共同で設立された投資組織です。
 出資額は国が300億円、民間企業が19億円です。
 投資が想定どおり進まず、累積赤字が2019年3月末時点で92億円に膨らんでいました。

 既に交渉中の投資案件があることから、2020年度は投資決定を継続します。
 2019年4月時点では、当初の事業期間が2032年度末までだったことを踏まえ、2026年度末まで投資決定する計画でした。
 出資先から回収を完了するなど一定の条件が整った段階で解散します。

 農林水産省は、累積赤字が膨らんだ原因について「6次産業化は投資対象として小規模な一方で、同機構がそれに見合った組織規模ではなく、投資実績に対して高コストだった」(産業連携課)と指摘しました。
 地銀などと共同で出資するサブファンド方式も取り入れていましたが、「その仕組みもうまく機能しなかった」(同)。
 専門家による原因の検証を始めるようです。

 国が主体となってファンドをやるとろくなことがないですよね。
 やはり、ファンドは事業の将来性の分かる方がいないとうまくいくはずはないと思いますし、失敗しても責任を取らない国の方が主体となるとうまくいくはずはないですよね。
 日本を代表する経営者の1人であるソフトバンクグループの孫さんですら、ファンドはうまくいっていないわけですから。
 税金の無駄遣いをせずに、もっと有効に使って欲しいと思います。

 農林水産省所管の官民ファンドA-FIVEが廃止されることについて、どう思われましたか?


借入金利が全国で最も低いのは我が「うどん県」!

 

 日本銀行によるマイナス金利政策の継続により、企業を取り巻く金融環境はこれまでにない低金利の時代に突入しています。
 競争が激化する地域金融機関においても、その過半数で本業利ざや(貸出金利息-預金利息)が減少するなど銀行経営に影響を及ぼし、近時は SBI グループとの連携や地銀再編機運も高まりを見せています。
 五輪を控えて堅調な建設業界や、設備投資意欲の旺盛な運輸・倉庫業者など資金需要は見込めるものの、リスケジュール対応を受けながらも再建が進まない企業も多く見受けられます。
 消費税引き上げによる企業へのダメージを懸念する声も聞かれるなど、企業の金融環境への注目度は高くなっています。
 このようななか、帝国データバンク高松支店は、2019年10月末時点の企業財務データベース「COSMOS1」を用いて、四国地区に本社が所在する企業の平均借入金利を算出し、集計・分析しました。

<平均借入金利>
 2018年度の四国地区4県の平均借入金利は、我が「香川県」が1.13%(前年度比▲0.09pt)で最も低く、「愛媛県」1.26%(同▲0.08pt)、「徳島県」1.37%(同▲0.07pt)、「高知県」1.39%(同▲0.06pt)と続きました。
 また、我が「香川県」と「高知県」の平均借入金利の格差は0.26pt となり、四国地区内においても温度差がみられました。
 企業の借入金利は、2007年度~2008年度にかけてピークとなり、リーマン・ショックや日本銀行の金利政策もあって2009年度以降は各県において低下が続いています。
 なお、全国の平均借入金利は1.37%(前年度比▲0.08pt)となりました。

全国で最も借入金利が低かったのが我が「香川県」となり、県外金融機関の進出などで競争の激しさがうかがえます。
 2018年度の四国地区4県の平均借入金利について、10年前の2008年度と比較すると、「愛媛県」が▲1.10pt と低下幅が最も大きくなっています。

次いで、「高知県」(▲0.96pt)、「徳島県」(▲0.95pt)、我が「香川県」(▲0.93pt)の順に続きました。
 低下幅を「全国」(▲0.93pt)と比較すると、我が「香川県」のみ同水準ながら、その他の3県は「全国」よりも大きくなっています。

<業種別>
 業種別にみると、主要6業種で平均借入金利が最も低かったのは、「製造業」(0.94%、我が香川県)で、唯一、1%を切っています。
 なお、「愛媛県」を除く3県で「製造業」が低い傾向となりました。
 一方、平均借入金利が最も高かったのは、「建設業」(1.64%、高知県)で、4県とも「建設業」が最も高くなっています。
 「全国」との比較では、「製造業」「サービス業」において、四国4県いずれも「全国」を下回りました。

 今回の調査で、四国4県の企業の平均借入金利は2018年度も低下傾向にあることが判明しました。
 なかでも我が「香川県」は、全国都道府県別で最も低い金利となりました。
 我が「香川県」の平均借入金利は、四国地区で最も高い「高知県」とは0.26pt、全国で最も高い「沖縄県」とは0.70ptの差があり、企業を取り巻く金融環境は地域の特性によって差異が生じている状況がうかがえます。
 今後も借入金利は低水準で推移するとみられますが、世界景気の悪化により変動する可能性もあり、企業と金融機関の関係性や企業経営そのものを左右する金利の動向が注目されます。

 数年前から我が高松市は日本で一番金利が安いというのは、時々耳にしますが、うどん県全体でもそうなんですね。
 とある地銀がかなり安い金利で融資の獲得に走っていたのもあると思いますが、我が香川県の企業は借入先が多いとも昔から言われていますので、そういったところも影響しているのかもしれませんね。

 借入金利が全国で最も低いのは我が「うどん県」であることについて、どう思われましたか?


「資本コスト」を話せますか?

 

 「御社が前提とする資本コストは何%ですか」「その資本コストに見合う事業でしょうか」。
 そんなやりとりが、上場企業と投資家のあいだで増えていくかもしれません。
 金融庁と東京証券取引所が進める企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)の見直しで、2018年、資本コストという考え方が明確に盛り込まれたからです。

 借りたお金には利子がかかります。
 利子を上回るもうけがなければ、そのビジネスを続ける意味はありません。
 それを株式にもあてはめて考えるのが資本コストです。
 株主も最低限のリターンを求めているはずで、それ以上にもうけなければ企業は価値を生んでいない、とファイナンス理論では考えるのです。

 経営戦略づくりも資本コストへの意識を、持ち合い株も資本コストを上回るメリットがあるか考えてとのメッセージが、見直しには込められています。
 資産を無駄に抱えず、効率的にもうけてくれれば株式市場の評価も上がるとの期待があるのです。

 とはいえ、いざ資本コストを数値に落とし込むとなるとことは単純ではありません。
 理論的には資本資産評価モデル(CAPM)、配当割引モデルの2つが算出法の代表なのですが、実はどちらも前提の置き方次第で大きく数値が変わってくるのです。

 前者は自社の株価の変動性をどうとらえるか、後者は配当が将来何%ずつ伸びると想定するかで、数値が揺れます。
 「うちはどう計算すべきか」と慌てた問い合わせが、幹事証券などに舞い込んでいるようです。

 経営側と投資家が双方、腑に落ちない数字がまかり通っても意味はありません。
 数字に縛られすぎると、経営戦略が縮こまり、大胆さを失うかもしれません。
 一方で、数値達成を急ぐあまり無理な背伸びを誘発するかもしれません。

 資本コストで追い立てられる議論より前に、経営側に必要なのは、しっかりと稼ぐ堂々たる収益のビジョンと戦略です。
 そして、きちんと理解し評価できる投資家側の見識も求められるのです。

 株価算定(バリュエーション)の仕事をしている方は、『資本コスト』は当然知っている話ですが、一般の方には、なかなか難しいかもしれませんね。

 代表的なところでも、支払利息は損金となりますが、配当は税引後利益から支払うため損金とならないといったようなことがあります。
 これを契機に、『資本コスト』が少しでも浸透し、考慮されるようになればいいですね。

 「資本コスト」を話せますか?について、どう思われましたか?


金融庁が経営者保証の共通指標を導入!

 

 金融庁は、銀行が中小企業の経営者から取っている経営者保証の状況を比較できる共通指標を来夏から導入し、開示を求めるようです。
 企業が事業承継する際、新旧経営者の双方から保証を取り続ける「二重徴求」のケースもあります。
 銀行に不要な保証を求めないよう促し、保証が負担となって事業承継を断念し、廃業してしまう事態を防ぐのが狙いです。

 対象は大手銀行と地方銀行、第二地方銀行です。
 新規融資分のうち経営者保証を求めなかった割合や、事業承継時の新旧経営者の保証件数などを指標化し、半期ごとに開示させるようです。

 政府は2019年6月に閣議決定した成長戦略で、銀行による経営者保証の状況を指標で「見える化」することを打ち出しており、2019年度の「二重徴求」を含めた保証の状況を明らかにします。

 金融庁の調査では、全国の地銀105行のうち、事業承継時に新旧経営者から二重に保証を取っていたケースは、調査を始めた2016年度下期は46.2%でした。
 その後、2017年度下期は36.5%、2018年度上期は19.3%と減少傾向にあります。

 銀行側は「経営者への借入金返済の規律付け」として経営者保証を取っており、取引状況や融資判断によっては難しい対応を迫られるでしょう。

 金融庁は担保や保証に過度に依存せず、事業内容や将来性を見極めて取引するよう銀行を点検します。

 そもそも二重取りというのはおかしいと思いますが、金融庁が動くのは良いことだと思います。
 事業承継のネックになるものの一つが経営者保証だと思いますので、良い方向に改善されて欲しいです。
 疑問なのは、なぜ、信用金庫などは入っていないのでしょうか?
 金融機関も手数料ビジネスに走るのではなく、将来のキャッシュ・フローを見極る目を高めて、将来のキャッシュ・フローを担保に融資をして欲しいと思います。

 金融庁が経営者保証の共通指標を導入することについて、どう思われましたか?


ユニバーサルミュージックへの課税取り消し判決!

 

 会社組織の再編に伴うグループ間の資金調達を巡り、約58億円を追徴課税した東京国税局の処分を不服として、大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京・渋谷)が処分取り消しを求めた訴訟の判決が、先日、東京地方裁判所でありました。
 清水知恵子裁判長は、ユニバーサルミュージックの主張を認め、処分を取り消しました。

 ユニバーサルミュージックは、フランス親会社の組織再編の一環で、海外の関連企業から資金を借り入れ、利子を支払いました。
 国税局は、利子が関連企業への利益移転にあたるとして、2012年12月期までの5年間で計約181億円の申告漏れを指摘し、約58億円を追徴課税しました。

 判決で清水智恵子裁判長は、組織の再編や借り入れには「経済的合理性がある」と判断しました。
 ユニバーサルミュージックにとって大規模な資金調達が可能になるメリットがあり、国の処分は違法と結論づけました。

 東京国税局は「国の主張が認められず大変遺憾」とコメントしました。

 ここ数年、国税局は安易に否認しすぎているような気がします。
 一部メディアによると、この事件をきっかけに税制改正を行っているので、国側は負けても痛くないということが書かれていますが、訴訟に負ければ、改正も取り消してほしいですね。

 ユニバーサルミュージックへの課税取り消し判決について、どう思われましたか?


フラット35で「住む」と偽り賃貸用にして悪用し不動産投資!

 

 1%程度の固定低金利で長年借りられる住宅ローン「フラット35」を、不動産投資に使う不正が起きていることがわかったようです。
 ローンを提供する住宅金融支援機構も「契約違反の可能性がある」とみて調査を始め、不正を確認すれば全額返済を求める方針です。

 不正が見つかったのは、東京都内の中古マンション販売会社が売った物件向けのローンです。
 元男性社員(50)が朝日新聞の取材に応じ、「フラット35を投資目的で使ったのは、昨年6月までの約2年間に売った150戸前後。仲間の仲介業者らと一緒にやった。このしくみでトップセールスマンになれた」と証言しました。
 販売会社は2018年夏にこの社員を懲戒解雇し、2018年秋までに機構へ届け出ました。
 利用客の一部も、機構から事情を聴かれています。

 元社員が関与した不正な融資の顧客は20代~30代前半の若者を中心に100人超です。
 融資額は1人2千万~3千万円ほどで、計数十億円規模になります。
 不動産業者らがお金に困った若者らを、投資セミナーやネット上で勧誘したとみられます。
 機構によると、こうした不正が大規模に発覚した例はないそうです。
 同様な手口がほかの業者でもあれば、不正はさらに広がるでしょう。

 元社員によると、利用客は年収300万円台以下の所得層が大半で、200万円前後の借金を抱える人も多かったようです。
 「借金を帳消しにして不動産も持てる」などと勧誘していました。
 利用客はマンションの賃貸収入でローンを返します。
 本来は投資用なのに「住む」と偽って融資を引き出す手口で、不動産業界では「なんちゃって」と呼ばれているようでs。

 フラット35を借りる際、利用客は不動産業者を経由し、機構の提携先の取り次ぎ金融機関に申し込みます。
 業者らは本来の売却額を数百万円水増しした契約書を提出し、物件価値を上回る融資引き出しの不正もしました。
 その分は借金の肩代わりや、利用客を探したブローカーへの紹介料などに充てていました。

 融資の審査は金融機関や機構が担いますが、不正はチェックのすきをつかれました。
 利用客は業者の指示で、本人の居住を示すために当初だけ物件に住民票を移し、ほどなく元に戻します。
 また、機構からの郵便物は転送させるなどして発覚を防いでいましだ。

 機構は政府が7千億円超を全額出資する独立行政法人で、自らは直接貸さず、取り次ぎ金融機関に融資実務を担ってもらい、その債権買い取りで資金を出しています。

 機構のローンを巡ってはこれまでも融資金をだまし取るなどの不正が続発しています。
 会計検査院が2012年、十分な審査態勢を金融機関とともに築くように求めました。
 機構は今回の不正を踏まえ、フラット35が投資目的で使えないことを強調するなど対策に着手し、「必要に応じて審査態勢をさらに強化する」そうです。

<フラット35>
 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が民間銀行などと連携して提供する住宅ローン。
 国民の住宅取得を支えるため、低い固定金利で最長35年間借りられます。
 転勤などで入居途中から賃貸に回すことは認められますが、当初から投資目的で借りると融資契約に違反します。
 住宅ローンは不動産投資向けローンと比べ、金利が低くなっています。

 ひどい話ですね。
 こういうことがあると、結局、税金で負担することになってしまいますからね。
 もちろん、やった本人や、それに気づかなかった中古マンション販売会社に責任があると思いますが、機構の手続きなどにも不備があったのだろうと思います。
 貸したら終わりではなく、きちんとルールを守っているかどうかを事後的にチェックする仕組みが必要でしょうね。
 そうしないと、機構の存在意義が問われるのではないでしょうか?

 フラット35で「住む」と偽り賃貸用にして悪用し不動産投資をしていたことについて、どう思われましたか?


ASBJは自社発行の仮想通貨会計ルールを当面策定せず!

2018年03月16日(金)

 日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会(ASBJ)は、先日、企業が自社で発行した仮想通貨の会計ルールを当面策定しない方針を決めました。
 仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)などを念頭に「実態を網羅的につかめていない」ためのようです。
 3月中旬をメドに、自社以外が発行した仮想通貨のみを対象にルールをまとめるようです。

 ASBJでは、仮想通貨の保有や売買をした際の会計処理について議論し、2017年12月に草案を公開しました。
 自社で発行した仮想通貨については議論の範囲外としており、パブリックコメントも踏まえ、草案の適用範囲から自社発行の仮想通貨を除外することとしました。

 ちなみに、ICOは企業が「トークン」と呼ぶデジタル権利証を発行し、事業に賛同する投資家がビットコインなど広く流通する仮想通貨で買い取る仕組みです。

 既に上場企業の子会社で、ICOを使う企業が出ているのに、見送り(先送り)はどうなのかなぁと思います。
 安易に自己資本を増やせるものになってはいけないと考えますし、会計基準の公表により、過去の会計処理が違っていたということになりかねないと思いますし、過度に監査法人に負担を与えることになるのではないかと憂慮されます。
 過去に、業績の悪い企業が資金調達を通じて不正を働いていたケースもあると思いますので、早めに会計基準を作ってほしいですね。

 ASBJは自社発行の仮想通貨会計ルールを当面策定しないことについて、どう思われましたか?


食品スーパー「オーケー」の有価証券報告書が面白すぎる!

 

 東洋経済によると、食品スーパー「オーケー」の有価証券報告書が面白すぎるそうです。
 「勝つために何をするか、道は解かっています」「売上予算の達成を重視し、英知を集めて対応します」「競争には絶対に勝つ」など、株主に直接呼びかけるような表現で埋め尽くされているのです。

 神奈川県や東京都など首都圏に113店(20189月末時点)の食品スーパーを運営するオーケーは、「毎日が低価格(エブリデー・ロー・プライス)」を掲げ、チラシはまかない、値上げの理由などの商品情報を店内に「オネスト(正直)カード」として掲示するなど、独自の運営方法で知られています。
 低価格がウリながらも利益率は業界平均以上で、業界でも一目置かれる存在です。

 そのオーケーの発行する有価証券報告書(以下、『有報』といいます。)の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」が、また独自なのです。
 冒頭に引用した一節のように、株主に直接呼びかけるような表現で埋め尽くされているのです。

<紋切り型の説明はしない>
 オーケーは未上場会社ですが、株主数が多いため、有報の提出義務があります。
 オーケーの有報は、金融庁が所管する電子情報開示システム「EDINET」で閲覧できます。
 一般的に、有報における「対処すべき課題」は紋切り型で、通り一辺倒の内容になりがちです。
 「当連結会計年度における国内経済は~」から始まって、フォーマットが決まっているかのような表現が続くことが多くなっています。
 しかしながら、オーケーは違うのです。
 終わった期の振り返りに加え、次期予想も数字を明示して説明しています。
 青果、精肉、水産、総菜の各部門の状況と、認識している課題と対応策などが書かれています。
 「お友達宅配(という施策)はご利用が少なく見直しています。宅配手数料10%に抵抗があるようで、思慮が足りなかったと反省しております」「ネット販売でも『エブリデー・ロー・プライス』を実現するのが大きな課題ですが、やりがいもあります」といった調子です。
 売り場を知り尽くした経営者でなければ語れない内容が、平易な言葉で、既存店実績など必要な数字も折り込んで説明されており、個人投資家はもちろん、プロの機関投資家も歓迎するであろう内容です。
 それもそのはずで、同欄を書いているのは、創業オーナーである飯田勧代表取締役会長本人だそうです。
 飯田会長が草稿を書き、二宮涼太郎社長などとやりとりをしてまとめているようです。
 オーケーは毎年4月に取引先を集めた「オーケー会」と呼ばれる会合を開いています。
 実は有報の「対処すべき課題」は、その際のスピーチ原稿を活用したものです。
 新年度にあたりその年の会社方針を取引先に説明したもので、平易な表現で具体的な施策が並ぶのは、そうした理由もあるのです。

<閉店知らずで31期連続増収>
 オーケーの業績は好調です。
 31期連続で増収が続いており、同社が重視する経常利益も年によって多少のでこぼこはありますが、基本的なトレンドは右肩上がりです。
 低価格ゆえに粗利率は同業他社よりも低いですが、販売経費を絞り込むことで、同業他社よりも格段に高い営業利益率を確保しています。
 1982年以降に開業した店舗では、移転拡張や老朽化による閉店はあっても、業績不振での閉店は皆無です。
 そのオーケーが最も重視する経営指標は売上高だそうです。
 トップラインを重視する企業は今や珍しいですが、採算を確保する施策を徹底していれば、トップラインの上昇に利益はおのずとついてくるという発想のようです。
 創業以来の飯田氏の信念は、トップラインを上げるために1人でも多くのオーケーファンを作るということです。
 そのファン作りの施策の一つが「オーケークラブ」です。
 入会すると食料品について約3%相当の割引が受けられる、いわゆる友の会的組織です。
 流通業の一般的な会員組織は、顧客が割引などの特典を受ける代わりに自らの情報を提供、企業側が情報を分析してマーケティングなどに生かすといったギブアンドテイクの関係が成立しています。
 一方、オーケークラブは、郵便番号の登録と200円の手数料のみで入会できます。
 顧客側が一方的に得をしていることになりますが、「ファンを増やすことが目的なので、損をしている認識はない」(二宮社長)そうです。
 ファン作りという姿勢は資本政策にも現れています。
 オーケーでは2007年~2009年にかけて、計3度、種類株式を発行しています。
 応募資格をオーケークラブの会員である個人に限定し、証券会社による引受を付けず、応募はオーケーが直接、店頭で受け付けたのです。
 オーケーの株主数は、普通株式で法人77に対し個人が257人で、これだけでも未上場会社としてはかなりの数ですが、これに種類株式の延べ5,647、うち個人株主の5,638が加わります。

<株主になってもらい「同じ船に乗る」>
 種類株の調達総額は、3回合計で73億円強でした。
 販管費35日分程度の金額でしかないので、顧客に株主にもなってもらう趣旨だったことは間違いありません。
 種類株式は議決権こそついていませんが、配当順位も残余財産の分配順位も普通株式と同順位です。
 直近の配当性向は18%で、「世の趨勢に合わせて、少しずつ高めている」(二宮社長)そうです。
 1株当たりの発行価格は20077月発行分が2,500円、20089月発行分が3,07480銭、20099月発行分が3,53020銭です。
 算定方式は直前半期の経常利益の55%を2倍し、発行済み株式総数(普通株式と種類株式の合計)から自己株式を差し引いた株数で割り、それを17倍しています。
 つまり、1株当たりの税引後の経常利益の17倍です。
 特別損益を考慮しないので当期純利益ではなく経常利益を使いますが、税金は考慮するので経常益の55%、それの17倍ですから、感覚的にはPER(株価収益率)が17倍ということでしょう。
 株主は自由に株を売買することはできませんが、発行翌年から1月と7月の年2回、会社に取得請求できます。
 この際の算定方式も発行時と同じで、直近半期の経常利益が79.8億円(単体ベース)だったので、現在の買い取り価格は、ざっと5,400円程度となります。
 種類株主はオーケーの成長によって、配当だけでなく、それなりの果実を得ていることになります。
 オーケーの普通株主には取引先が多く、「株主になってもらい、取引先、そしてお客様と一つ同じ船に乗る」(二宮社長)そうです。
 もっとも、種類株式について議決権までは与えていないところは手堅いですね。
 現時点では新たに種類株式を発行する計画はないそうです。
 オーケーは株主に送付している事業報告書にも、有報と同じ文章を載せています。
 有報はプロしか読まないでしょうが、事業報告書は個人株主でも普通に目を通します。
 有報も事業報告書もプロが読むものという発想から脱却し、個人にもわかりやすい情報開示を心掛けています。
 自社製品の優待の次の一手として、ファン株主を増やしたい上場企業にとっては大いに参考になるのではないでしょうか?

 僕自身2007年から2011年まで東京に住んでいて、「オーケークラブ」に入り、隣の駅のオーケーで買い物をしていました。
 動線がよく、安いんですよね。
 上記種類株式は、僕が東京に住んでいた時に発行しており、おそらく何かの事情で応募しなかったのだと思いますが、募集していたのを見て、どうするか検討したような記憶があります。
 大学院で有報を使った授業をしている僕としては、ものすごく親近感を覚えるとともに、とても新鮮な気分になった有報でした。

 食品スーパー「オーケー」の有価証券報告書が面白すぎることについて、どう思われましたか?


上場企業は仮想通貨による資金調達に慎重な対応を!

 
 日本取引所グループ(JPX)の清田瞭・最高経営責任者(CEO)、先日の定例会見で、仮想通貨を発行して資金調達するICO(イニシャル・コイン・オファリング)について「海外では詐欺的なものが多いと報道されている。上場企業によるICOは慎重にすべき」との見方を示しました。
 
 ICOは、「トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行すれば迅速に資金調達できるメリットがあり、世界的に利用が伸びています。
 日本の上場企業でもICOを検討する動きが出ていますが、利用者保護の観点から法規制すべきだとの声が与党議員から上がっているようです。
 
 また、JPXは、保有するシンガポール取引所(SGX)株式5,3051,000株について、3年程度をかけて売却すると発表しました。
 
 SGXの株式は東京証券取引所が2007年に約370億円で取得しましたが、保有を続ける合理性を検証した結果、協力関係維持のために必ずしも保有し続ける必要はないとの結論に達したようです。
 清田CEOは、会見で「株を売るから協力関係をやめるということではない」と述べました。
 
 JPX自体上場しており、国際会計基準を採用しているため、保有株の売却で発生する損益は貸借対照表の利益剰余金に振り替えられます。
 20193月期以降の連結業績への影響はありません。
 
 個人的には、清田CEOの発言に同意します。
 株主が、仮想通貨で予期せぬ不利益を被らないようにしてほしいですね。
 
 上場企業は仮想通貨による資金調達に慎重な対応をと日本取引所グループの清田CEOが発言したことについて、どう思われましたか?

仮想通貨を用いた資金調達(ICO)に監査法人も困惑!

2018年02月09日(金)

 最近、世間を賑わせている『仮想通貨』ですが、『仮想通貨』を用いた資金調達『ICO』が国内外で広がっています。
 ただし、その会計処理についての明確な指針がまだありません。
 週刊東洋経済によると、1月15日に東京証券取引所に提出されたある開示資料が市場関係者をざわつかせているようです。
 決済代行サービスなどを手掛けるIT企業であるメタップス(東証マザーズ上場)が提出した、韓国子会社のICO(イニシャル・コイン・オファリング=仮想通貨を用いた資金調達)をめぐる資料です。

 それによれば、メタップスは、2017年9月〜11月の四半期報告書の提出期限延長を申請しています。
 今回のICOの会計処理について追加的な検討を行うためです。
 さらに翌日、メタップスは、資料の一部を訂正し、「監査法人との協議の結果」という文言を削除し、協議がまだ終わっていない点を強調しました。

 ICOの直訳は「新規コインの売り出し」です。
 新規事業を始めたい企業などが「トークン」という独自の仮想通貨を発行し、投資家に販売して資金を集めます。
 トークン購入に使えるのは、ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨で、ICO実施者が指定します。

 メタップス子会社の場合、同社が新たに韓国に設立する仮想通貨取引所「コインルーム」の拡大に向けICOを実施し、2017年10月までにイーサリアムで約11億円(1月25日の時価で約39億円)を調達しました。

 ICOは「資金調達」の一種といわれますが、IPO(株式新規公開)などとは手法や特徴が異なります。
 ICOの場合、トークンは仮想通貨取引所で売買できるため、投資先のサービスが発展すれば売却して利益を得られる可能性もあります。

 上場企業傘下のICOはメタップスが世界初です。
 会計上の扱いについては、メタップスが採用する国際会計基準はもちろん、日本基準にも明確な指針がありません。

 メタップスは「受領した対価(仮想通貨)は将来的に収益として認識する」方針です。
 ICO直後は暫定的に流動負債の「預かり金」として計上しましたが、2017年11月のコインルーム設立と同時にホワイトペーパー(資金使途などを示す文書)の定める利用者への返還義務がなくなったとして、将来の収益認識を前提とする「前受金」へと計上し直しました。

 しかしながら、この返還義務の有無には議論の余地が残ります。
 韓国では今、仮想通貨の取引禁止を含む規制の議論が過熱しています。
 コインルームの発展性や継続性に不安が増す中で返還義務が消滅したと言い切るのは容易ではないでしょう。

 そもそも仮想通貨は現金と同様に扱えるのかという論点もあります。
 2017年12月には、韓国でハッキングによる仮想通貨喪失が発生し、メタップスの監査法人は、専門家による情報セキュリティに関する追加検討や、メタップスが保有する仮想通貨残高を適時に確認する手続きの検証が必要だと会社側に説明しているようです。

 ICOの波は、各国の上場企業に広がる可能性もあります。
 メタップスのケースはICOの会計処理の“前例”となります。
 四半期報告書の提出期限は2月15日で、その内容に注目が集まっています。

 監査法人は、PwCあらた有限責任監査法人ですが、担当者は大変でしょうね。
 今後も、仮想通貨がらみの取引はどんどん出てくると思いますが、頭を悩ましそうですね。

 仮想通貨を用いた資金調達(ICO)に監査法人も困惑していることについて、どう思われましたか?

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