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事務所通信2026年3月

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2026年3月号『企業価値担保権!』

2024年6月に『事業性融資の推進等に関する法律』が成立し、交付されました。

そして、2026年5月25日に施行される予定です。

そこで今回は、『企業価値担保権!』について書きたいと思います。

1.企業価値担保権とは?

企業価値担保権は、事業の将来性に基づく融資を後押しする新しい制度です。

事業の将来性に基づく融資のための新たな選択肢となります。

事業者と金融機関の緊密な信頼関係を構築
(=将来性に依拠するための大前提)
  • 担保目的財産は、会社の総財産
  • 企業価値担保権は、商業登記簿に登記
  • 企業価値担保権者は、制度概要等の説明義務を負う
  • 事業者は、将来性に基づく融資判断の前提(事業計画等)を超える財産処分(事業譲渡等)をする際、企業価値担保権者と事前のコミュニケーション・同意が必要
事業の継続・成長を支える
(=将来性に依拠した融資の後押し)
  • 極度額の設定(上限額の設定)は、任意であり、事業の成長に応じた資金需要の増加にも対応可能。なお、極度額は、借り手からの請求があれば、設定される
  • 事業の継続に支障を来すような他の担保権の実行等に対して異議が可能

2.主な活用例

スタートアップ企業への融資(VCと協調)
  • アーリーステージの赤字資金への対応(新株予約権付き)等
地域の中小/中堅企業への融資
  • 事業の継続・成長のために必要な設備投資等に対応
事業再生・事業承継
  • 新たな事業計画・経営体制等の下での資金需要に対応
  • 負債再構築(取引行の整理・スリム化、経営者保証の解除等)
M&A/プロジェクト・ファイナンス
  • 既存の全財産担保設定実務の負担軽減とコスト削減
  • ローンの譲渡性向上

3.よくあるご質問

企業価値担保権は、借り手にどのようなメリットがあるのでしょうか?
借り手が、総財産(将来性を含めた事業全体)を担保とすることで、金融機関との事業の将来性に基づく資金調達の相談が円滑になり、資金調達後も、業況を理解する金融機関から経営支援を受けやすくなります。
お取引先等からはどのような見方をされるのでしょうか?
金融機関に事業の将来性を評価・期待されており、資金・経営支援を受けやすい緊密な関係にある等、前向きな見方がされるものと考えております。
担保価値(企業価値)の範囲内で融資を受けられるということですか?
融資可否・融資額は、事業の将来性(事業計画等)を踏まえ、その実現に必要な資金額の評価等に基づいて判断されます。
企業価値は、融資時に算定されない場合も多く想定されるなど、融資額に直結するものではありません。

4.最後に

色々な局面で『企業価値担保権』は活用される可能性がありますので、融資のための選択肢として考えていきましょう。

2026年3月31日 國村 年

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