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BLOG(相続税)

信託業務の裾野が広がり5年で登録倍増!

 

 財産の管理や運用を担う信託業務に事業会社の参入が相次いでいるようです。
 信託会社として登録する企業はこの春までの5年でほぼ倍増しています。
 再生エネルギー設備や留学費用、地方の商業施設の管理といった信託銀行が手掛けてこなかった新分野で需要を掘り起こしています。
 高齢化や国際化を背景に、信託の新たな担い手が存在感を高めそうです。

 そもそも信託業務とは何なのでしょうか?
 金銭や不動産などの財産を持つ人が第三者に財産権を引き渡し、その第三者が目的に沿って財産を管理したり処分したりする業務を指します。
 日本では長く銀行法に基づく免許を持つ銀行が、信託業を兼営してきました。
 しかしながら、2004年の信託業法の改正で、銀行以外の事業会社も信託業に参入できるようになったのです。
 登録・免許を取得した企業数は2013年度末の14社から、2018年度末には25社に増えました。

 新規参入は住宅や不動産関連の企業が目立っています。
 大和ハウス工業や積水ハウス、大東建託などが信託子会社を設立し、自社で扱うアパートの事業主を対象に、認知症や相続に備えて物件の管理を受託するサービスを展開しています。

 事業会社からの参入組は信託銀と競合しない新分野を広げています。
 2019年3月に信託会社の免許を取得したジェイバリュー信託(東京・千代田)は、太陽光発電などの再エネ関連設備の管理・運用を受託しています。
 資金管理や納税を含む発電所の運営を一括で請け負います。
 既設の太陽光発電所の売買仲介も手掛け、運営に不慣れな企業でも発電所を取得しやすくします。

 信託銀行が投資や相続に関わる商品開発に力を注ぐ一方、新規参入の信託各社はより小規模な利用者を想定しています。
 ジェイバリュー信託の谷山信社長は「銀行では収益化が難しい分野で信託の需要を掘り起こす」と話しています。

 留学安心信託(東京・新宿)は、学生が支払った留学費用の海外の大学などへの送金を受託します。
 留学を支援する会社の倒産で留学費が学生に返ってこない事例が増えていることに着目しました。

 信託の仕組みを使うと費用を支援会社から切り離せます。
 支援会社から各個人の費用を受託し、留学に関わる書類の送付や両替業務も請け負います。
 2018年12月の事業開始から約1,300人分を受託しました。
 年内には専門学校とも契約する見通しです。

 地方創生に信託をいかす信託会社もあります。
 すみれ地域信託(岐阜県高山市)は、山間部の小水力発電所や商業施設の管理・運営を担っています。
 2018年秋には地元の小売業者、建設業者などから建物や借地権を受託し、新業態の複合店舗に改装しました。
 森林の相続にも進出しています。
 高齢化で施設や森林を管理する人材が不足していることが背景にあります。

 日本は銀行が信託業を兼営し、遺言信託など金融資産や不動産の管理が中心です。
 欧米では住宅の管理や環境保護、知的財産の管理など信託の仕組みが幅広く活用されています。
 新規参入各社の事業規模はまだ小粒だが信託サービスの裾野が広がり、幅広い資産の有効活用につながるかどうかが試されます。

 最近は、大手の参入してこないようなニッチなところや、自社の商品の販売のためにやっているところが多いようですね。
 まだまだ、色々なリスクを抱えているとは思いますが、様々な信託業務が出てきて、世の中の人々に早く信託が認知されるようになってほしいと思います。
 基本的に節税にはなりませんが、僕も財産管理の観点から積極的に取り組んでいきたいと思っています。

 信託業務の裾野が広がり5年で登録倍増していることについて、どう思われましたか?


中央出版創業者親族が相続税130億円の申告漏れ!

 

 教育関連事業を手掛ける「中央出版」(名古屋市名東区)の創業者で2014年に死去した前田亨氏の長男が、名古屋国税局の税務調査を受け、相続した株式の評価を巡って約130億円の申告漏れを指摘されていたことが、先日、関係者への取材で分かったようです。
 相続税の追徴税額は、過少申告加算税を含めて約70億円とみられます。

 長男は、中央出版の役員の前田和一氏で、和一氏は追加の税金を支払った上で、処分を不服として再調査を請求し、一部が取り消されました。
 現在は、全体の処分の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求をしています。

 関係者によると、和一氏は、中央出版などの親会社にあたる「中央出版ホールディングス」(非上場)の株式などを相続し、申告しました。
 国税庁は、取引相場のない非上場株の評価について、業種や事業の内容が似ている上場企業の株価などをもとに算定するよう通達で求めています。

 和一氏は通達に沿って、一株の価値を18円と算定して申告しました。
 しかしながら、名古屋国税局は、過去の同社株の取引価格などから「通達以外の方法によって価値を算定すべき特別な事情がある」と判断し、民間の第三者機関の鑑定をもとに一株の価値は55円と認定し、全体で約130億円の申告漏れを指摘しました。

 和一氏が処分の取り消しを求めたところ、価値が一部見直され、約30億円の申告漏れが取り消され、追徴税額も約15億円減額されました。
 ただし、和一氏は、全体の処分の取り消しを求めて国税不服審判所に審査請求を申し立てました。

 中央出版は、1972年に創業されました。
 現在の主力事業はプログラミング教室や保育園の運営事業で、2018年4月期の売上高は約45億円です。
 和一氏の代理人弁護士は、「通達以外で評価すべき特別な事情はなく、申告は適正なものであると認識している」とコメントしました。

 相続や贈与を巡っては、過去にも企業経営者の親族が申告漏れを指摘された例があります。
 2017年に飯田グループホールディングス元会長の遺族が株式を巡り約80億円の申告漏れを指摘されたことが明らかになったほか、2016年にキーエンス創業者の贈与でも親族が株式の評価額を巡って1,500億円超の申告漏れを指摘されたことが分かっています。

 報道からだとよく分かりませんが、「通達以外の方法によって価値を算定すべき特別な事情がある」と判断するのは、よっぽどの時ではないといけないと思いますし、特別な事情についてはきちんと説明すべきだと思います。
 安易にこれが使われてしまうと、通達が何のためにあるのかよく分かりませんし、いちいち事前に税務署に確認したうえで申告しないといけないような状況になってしまいます。
 あとは、国税庁として、『特別な事情』をきちんと世間一般に公表すべきだと思います。
 個人的には、和一氏に全面的に勝ってほしいと思いますね。

 中央出版創業者親族が相続税130億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


相続登記が義務化!

 

 所有者不明の土地が増えている問題をめぐり、法務省の研究会は先日、相続登記の義務化や所有権を放棄できる制度の導入などを提言した報告書を公表しました。
 一定期間内であれば相続登記時の戸籍謄本や除籍謄本などの書類提出を不要にするなど、手続きの簡略化を盛り込みましだ。
 相続人の負担を減らして義務化の実効性を持たせ、所有者不明土地の発生を予防します。

 研究会での検討を踏まえ、山下貴司法務大臣は、先日、法制審議会(法相の諮問機関)に民法と不動産登記法の改正を諮問しました。
 今後審議を進め、2020年秋の臨時国会にも改正案の提出をめざします。

 現行法では相続登記は任意で、土地の価値が低いと登記しないケースも多くなっています。
 報告書は相続登記を義務化し、違反者には罰金を検討すべきだとしています。
 被相続人の死亡の事実と相続対象の不動産を申し出れば、添付書類なしに不動産登記簿上の情報を書き換えられるようにすることも提言しました。

 所有権の放棄を認める要件として、(1)所有者が管理費用を負担、(2)災害で危険な状態にある、(3)土地の買い手がつかないなどのいずれかを満たす必要があると指摘しています。
 放棄した場合の帰属先や財政負担をどうするかが課題だとしました。
 放置されている土地について、所有者が所有権を放棄したとみなす制度の創設についても検討を求めました。

 相続関係の仕事をしていると、相続登記をしていないケースを見かけますが、色々と手間が生じますよね。
 よって、相続登記の義務化は良いことだと思います。
 ただし、JAなどが相続人のうちの1人に預金を払い戻して問題になっているケースがたくさんあると思いますが、手続きの簡素化は必要だと思いますが、相続人間の争いのもとにならないようなものにして欲しいですね。

 相続登記が義務化の方向にあることについて、どう思われましたか?


遺産約1億6千万円の横領容疑で元弁護士を逮捕!

 

 東京都内の寺院に寄付されるはずだった檀家(だんか)の遺産を横領したとして、警視庁捜査2課は、業務上横領の疑いで、東京都渋谷区富ケ谷の元弁護士(73)を逮捕したようです。
 元弁護士は、「間違いありません」と容疑を認めています。

 捜査関係者によると、元弁護士は、港区に所在する寺院から遺産の寄付業務を受任しました。
 檀家の女性から、死後に寄付する予定だった約1億6千万円を預かり、自身の関係口座で保管していましたが、2016年9月に女性が死亡した後、自身名義の口座に移し替えていたそうです。

 元弁護士は2018年8月、別の顧客から預かった遺産を返還しなかったとして、東京弁護士会から業務停止2年の懲戒処分を受けました。
 この処分を受け、寺院側が調べたところ、寄付金が消失していたことが判明し、被害が発覚したそうです。

 元弁護士は、横領した金を株取引の損失補てんなどに使っていたようです。

 逮捕容疑は、2016年12月下旬、業務で預かっていた遺産約1億6千万円を横領したとしています。

 年に何名かはこういう弁護士が出てきますね。
 弁護士業界も、公認会計士業界や税理士業界と同様に、経営が厳しくなってきているとは思いますが、きちんとビジネスを考えて、こういったことのないようにしてほしいですね。
 弁護士業界や士業業界の信用失墜につながりますので。
 やはり、お金を目の前にすると、人間は目がくらんでしまうんですかね?

 遺産約1億6千万円の横領容疑で元弁護士が逮捕されたことについて、どう思われましたか?


土地の相続登記を義務化!

 

 法務省は、先日、所有者不明の土地が増えている問題を解消するため、民法と不動産登記法を見直すと発表しました。
 相続登記の義務化や所有権の放棄を認める制度の創設、遺産分割の話し合いができる期間の制限などが柱となります。
 山下貴司法務大臣が、先日の法制審議会(法相の諮問機関)総会で諮問しました。
 2020年の臨時国会に改正案を提出したい考えのようです。

 山下法務大臣は、先日の閣議後の記者会見で「所有者不明土地は民間の土地取引など土地の利用を妨げている。対策は政府全体で取り組むべき重要な課題だ」と述べました。

 所有者不明の土地は、不動産登記簿などの所有者台帳で所有者がすぐ分からなかったり、判明しても連絡がつかなかったりする土地を指します。
 増田寛也元総務大臣ら民間有識者の研究会による2016年の推計によると、全国で約410万ヘクタールです。
 2040年には約720万ヘクタールにまで広がる見込みです。
 所有者を探す費用や公共事業の遅れなどの経済損失額は同年までの累計で約6兆円に上ります。

 こうした土地は所有者が亡くなった後に相続人が決まらず放置されたり、相続人が登記簿上の名義を書き換えなかったりして発生する例が多くなっています。
 権利関係を外部からわかりやすくするため、法務省は相続時の登記の義務化を検討します。
 登記していなければ罰金などを科すことも視野に入れているようです。

 現在は、相続登記は任意で、登記するかどうかは相続人の判断に委ねられています。
 名義が死亡者のまま長年放置されれば、法定相続人が分からなくなる可能性があります。
 土地の購入や賃借をしたい人がいても取引が進みません。

 相続人同士が遺産分割を話し合いで決める期間にも制限を設けます。
 話し合いでの合意や家庭裁判所への調停申し立てがされずに被相続人が亡くなって一定期間が過ぎれば、法律に従って自動的に権利が決まるようにするようです。
 期間は3年、5年、10年の複数案があります。

 土地の所有権を放棄できるようにする制度も検討するようです。
 例えば「遠方に住む親から土地を相続したが、手入れが難しく手放したい」などのケースでも、現在は放棄を認めていません。
 放棄を認める条件や、第三者機関や自治体など受け皿となる機関について議論します。
 税逃れや将来放棄するつもりで管理をしないなど、モラルハザードが発生しない仕組みも課題となるでしょう。

 相続人のいない土地も活用を促します。
 被相続人が複数の土地を持っていた場合、債権者などが土地ごとに相続財産管理人を選任できるようにします。
 管理人は相続人がいないかどうかを調べた上で、土地をもらうべき人に分けたり、売却して債務の支払いに充てたりします。

 相続人の調査にかかる期間を現行の10カ月から最短3~5か月に短縮します。
 選任の費用負担も減らします。
 全ての土地を調べる現行制度では時間が長くかかり、費用もかさんでいました。
 管理人を介しやすくし、自治体や企業などへ売却を促します。

 法務省の対策は新たな不明土地の発生を防ぐ仕組みが中心となります。
 すでにあるものも含めて不明土地を減らし、抜本的な解決に結びつけられるかは未知数です。

 良い改正だと思います。
 相続関連の業務をやっていると、相続登記がなされないままになっている不動産をたまに見かけます。
 登記費用がかかるとかいう理由で登記していないと思われますが、登記を義務付けないと、後々面倒になりますよね。
 一方で、登記費用を安くしてほしいですね。
 あとは、最近、土地を相続したがいらないとか、相続人全員が土地をいらないと言っているなど、相続したくない土地が増えているような気がします。
 よって、土地の放棄は認めて欲しいですね。

 土地の相続登記を義務化することについて、どう思われましたか?


2億5,000万円の遺産隠しで会社会長を告発!

 

 亡き夫から受け継いだ遺産2億5千万円を隠し、相続税1億3千万円を免れたとして、名古屋国税局が相続税法違反(脱税)の疑いで、化粧品会社(東京)の会長(79)を名古屋地検に告発したことが分かったようです。

 関係者らによると、愛知県豊山町の夫が2016年2月に72歳で死亡し、妻の化粧品会社会長が不動産など6億円以上の遺産を相続しましたが、このうち、50キロ分の金地金(2億5千万円相当)を隠し、申告しなかったとされます。

 国税局が2018年2月、強制調査(査察)に入り、意図的に申告から除外したと判断したもようです。

 化粧品会社会長は取材に対し、「このような事態になりとても残念」と答えたようです。
 既に修正申告し、納税済みだそうです。

 民間調査会社によると、2016年8月~2017年7月の化粧品会社の売り上げは12億円です。
 会長は化粧品会社ホームページなどで別名を名乗り、化粧品会社の創業者です。
 夫は会長と結婚後、化粧品会社の役員を務めていました。

 報道によると意図的に申告から除外したということですので、コメントの『残念』という意味がよくわかりませんが、金地金はバレないとでも思っていたのでしょうか?
 それほど甘くはないですよね。
 相続税の申告でこういうことをするのであれば、法人はどうなのだろうか?と思うのは僕だけでしょうか?

 2億5,000万円の遺産隠しで会社会長が告発されたことについて、どう思われましたか?


相続で配偶者を優遇する改正民法が成立!

 
 民法の相続分野の規定を約40年ぶりに見直す改正民法など関連法が、先日の参院本会議で可決、成立しました。
 残された配偶者が、自身が亡くなるまで今の住居に住める配偶者居住権が新設され、遺産分割で配偶者を優遇する規定も設けられます。
 この改正により、高齢化に対応し、配偶者が住まいや生活資金を確保しやすくなります。
 20207月までに施行されます。

 居住権を得た配偶者は、預貯金など他の遺産の取り分を増やすことも可能になります。
 婚姻期間20年以上の夫婦であれば、住居を生前贈与するか遺産で贈与の意思を示せば住居を遺産分割の対象から外す優遇措置も設け、高齢になった配偶者が生活に困らないようになります。

 亡くなった被相続人の親族で相続対象でない人でも、介護や看病に貢献した場合は相続人に金銭を請求できる仕組みもできます。
 息子の妻が義父母の介護をしていた場合などを想定しています。

 相続トラブルを避けるため、生前に書く「自筆証書遺言」を法務局に預けられる制度を創設するための法も可決、成立しました。

 参院法務委員会で採択した付帯決議では、配偶者居住権の評価額の基準を検討するよう求めました。
 多様な家族の保護のあり方について検討するとの内容を盛り込まれました。
 遺言書の保管制度の実効性を確保するため、遺言者の死亡届が提出されると、遺言書の存在が相続人などに通知される仕組みもつくられます。

 時代の流れに反映した改正ですね。
 相続の発生により、自宅を出ていかないといけなくなったり、自宅を相続した結果、現預金などの他の資産を相続できなくなったりするケースなどがあるからです。
 また、息子の妻が、どれほど義父母の介護を一生懸命行ったとしても、遺言がある場合など以外では金銭をもらえず、それが原因で『争族』に発展するケースもたくさんあったはずです。
 良い方向への改正だと思います。
 この改正に伴い、相続対策も、少し変わっていくでしょうね。

 相続で配偶者を優遇する改正民法が成立したことについて、どう思われましたか?

ポーラHD社長を提訴し結果次第では現経営体制の崩壊も!

 
 以前、このブログに書いた件ですが、週刊ダイヤモンドによると、化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長が遺産相続に関し不正をしたとして、故会長の妻が提訴したようです。
 鈴木社長保有のHD株約4,191万株は遺産の対象だったことの確認などを求めるもので、複数の訴訟の結果次第ではHD株の過半が対立側へ移り、現経営体制は崩壊しかねない。
 
 ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の鈴木郷史社長を相手取り、故鈴木常司会長(鈴木社長の叔父)の妻(以下、夫人)が提訴に踏み切ったことが週刊ダイヤモンドの取材で明らかになりました。
 
 背景には現経営トップに対する疑念と憤りがあり、関係者によると、夫人は「これを機に真相が解明され、上場会社にふさわしいガバナンス体制になってほしい」と話しているそうです。
 
 鈴木社長に関しては、2017年末から20183月の間に2件の疑惑が浮上しました。
 具体的には、以下のとおりです。
①常司会長が2000年に急死した際に、「鈴木社長がグループ有力会社の株約69万株を11円で会長から譲渡される契約書を生前に作られたように捏造した」とHD元ナンバー220183月まで取締役)が告発した件。
②「常司会長が美術品を寄付する旨の確約書を鈴木社長が同様の手口で捏造した」と公益財団法人ポーラ美術振興財団の元関係者が本誌に告発した件。
 
 夫人は、①の疑惑に関連して、東京地方裁判所へ提訴しました。
 焦点は鈴木社長が譲渡契約書の捏造という不正をしたのか否かです。
 夫人側代理人は契約書の捏造について、HD元取締役らの証言や鈴木社長への証人尋問などで立証していくとみられます。
 
 総額486億円といわれた常司会長の遺産の相続をめぐる「夫人vs鈴木社長」の法廷闘争は、「戦後最大級の“争族”」(関係者)として約5年続いた後に、2005年に和解しています。
 
 2018年に入って①の疑惑が報道されると、HDは「取締役が指摘している先代社長(常司会長)の相続に関しては、既に裁判所で厳正に審理、判断、確認をいただき決着しております」とのコメントを出し、疑惑も否定しました。
 
 しかしながら、夫人は、「疑惑は今年になって初めて分かったことであり、和解の前提にない」として、争族バトルの“第2ラウンド”に乗り出しています。
 夫人側は、2000年当時のグループ有力会社の株約69万株は、2010年のポーラグループ上場などを経て、現在のHD株で約4,191万株(529日終値で時価総額約2,204億円)に当たると計算しているもようです。
 
 また、夫人は、同じタイミングで、②の疑惑に関連して、鈴木社長が理事長を務めるポーラ美術振興財団を相手取り、財団所有の美術品839点は本来相続人の間で分割されるべき遺産であったことを確認する訴訟も東京地裁に起こしました。
 財団は本誌の取材に対し、疑惑を否定しています。
 
 美術品にはゴッホ、ピカソ、レオナール・フジタといった著名画家の作品が含まれており、神奈川・箱根のポーラ美術館に所蔵されているとみられます。
 
 夫人は、HD株・美術品ともに、本来は遺産の対象であったことを確定させた後、当時の法定相続分(4分の3)に当たる現在のHD株で約3,143万株(529日終値で時価総額約1,653億円)を求める調停などを東京家庭裁判所に申し立てる方針です。
 また、この間に鈴木社長が得ていた株の配当金が約110億円だと計算して、それに関する不当利得返還請求の訴訟も後日起こすとみられます。
 
 鈴木社長は約5,067万株を所有する大株主(持ち株比率22.9%)ですが、夫人の主張が全て通ればその多く(持ち株比率14.2%)が夫人に渡ることになります。
 上場前にグループ会社の株取引に関する別の疑惑もあり、それに関しても訴訟を起こして勝てば、夫人の株は持ち株比率にしてさらに数ポイント増えます。
 
 鈴木社長に対する疑惑は、別の民事訴訟も20182月から進行中です。
 
 ①の疑惑を告発した元取締役と、仲介したHDリスク管理委託業務先代表は、告発に関連してHD最大株主(約7,861万株、持ち株比率355%)であるポーラ美術振興財団の理事職を解任されました。
 
 2人は解任決議無効の確認を求め、東京地裁で財団側と係争中です。
 仮にこちらも勝訴すれば2人が理事に復帰し、今度は逆に鈴木社長の理事長解任を内部から画策する可能性が高いでしょう。
 
 そもそも①、②の疑惑に関する訴訟で鈴木社長の不正が認められれば、鈴木社長は公益財団法人のトップにふさわしくないとして、現理事らが黙っていないでしょう。
 いずれにせよ、HD最大株主の財団が、現体制を支持する安定株主とならなくなる公算が大きくなります。
 
 つまり、訴訟の結果次第ではありますが、夫人が勝ち取る株と反鈴木社長派となった場合の財団の株を合わせれば、持ち株比率で過半数に達します。
 
 それは現体制の経営基盤が失われることを意味します。
 
 夫人の訴えが認められると、前代未聞の事件でしょうね。
 直感的には、それなりに株価の高い会社の株式を11円で譲渡するというのは通常ないのではないかと思いますが、どうなんでしょうね?
 結果次第で、HDの経営にも影響が及ぶでしょうね。
 
 ポーラHD社長を提訴し結果次第では現経営体制の崩壊が起こることについて、どう思われましたか?

土地を放棄できる制度を政府が検討!


株式譲渡契約書の捏造疑惑でポーラHD社長を役員が告発!

 
  週刊ダイヤモンドによると、日本初のしわ改善化粧品「リンクルショット」のヒットなどで過去最高益を更新中の国内化粧品4位、ポーラ・オルビスホールディングス(HD)で、好調な業績とは裏腹に、鈴木社長は現役の取締役に辞任を迫られていたようです。

 鈴木社長が握る株式が、不正な行為で取得したものだと告発されたそうです。

 「取締役会は、監査役会意見も踏まえ、当該取締役に対し、辞任の勧告を行うことを決議し実行いたしました」と、ポーラ・オルビスHDの社内向けウェブページに緊迫した文言がアップされたのは2018222日です。
 かつてHDナンバー2だった現役の取締役の名を挙げ、「忠実義務に違反」「経営を混乱させる行動」などと糾弾しました。

 ポーラ・オルビスHDは、創業89年、連結従業員数4139人で、東証1部に上場しています。
 一時期を除いて創業家の鈴木家が代々トップのオーナー企業で、いったい何が起こっているのでしょうか?
 関係者によると、発端は201711月下旬に、先の取締役が「鈴木社長のワンマン経営で面従腹背が横行。もう我慢ならない。ひいては内部告発したい」とポーラ・オルビスHDのリスク管理業務委託先に相談しました。

 委託先を通じて2017126日、この取締役は鈴木社長に退任を迫りました。
 さらに201812月中旬までに数回、直接または間接的に退任を求めました。

 鈴木社長は年の瀬の20171229日、取締役会で、「取締役らから恐喝、強要されている」と主張し、さらに、2018221日の取締役会では、この取締役を会社から完全に締め出すことを決め、当の取締役は監査役会の調査の不備を指摘した上、「裁判所で決めていただくしかない」と反発しました。
 翌222日、取締役会は、冒頭の文言などを社内ウェブにアップしました。

 「近年のHDは構造改革が激しく、社長に我慢ならない人が現れてもおかしくないと思っていた」と、ある業界関係者は声を潜めているようです。
 激変の一つが、目まぐるしい子会社トップの入れ替えです。
 「業績不振で仕方がなかったり、定年だったりもありますが、多くは鈴木社長のイエスマンを起用する独善的人事だ」とあるポーラグループ幹部は言っています。

 固定費の削減も進めています。
 子会社の一つでグループの化粧品を製造するポーラ化成工業の静岡工場を2014年、静岡県内の袋井工場に統合しました。
 関係者によると、従業員約260人をリストラし、また、袋井工場も現在、閉鎖またはOEM(相手先ブランドによる生産)会社への売却が検討されているそうです。

 かつて「ポーラレディー」と呼ばれた委託販売契約のビューティーディレクターも、2016年、約13万人から約4万人へ削減されました。

 改革が奏功した面はあります。
 一方で、買収した海外2企業の不振で、2013年以降、計約180億円の減損を出すなど経営の穴も目立ちます。
 最近の好業績は「ひとえにインバウンドとリンクルショットのおかげ」との声が社内外から聞こえるようです。

 激しい環境変化が抵抗勢力を生むのは世の常ですが、この件は謀反や権力争いとは異なる次元の問題をはらんでいるようです。
 すなわち、2代目社長を務めた鈴木常司氏(鈴木社長の叔父)が2000年に急死して起きた、総額486億円といわれた遺産相続バトルの再燃となり得るのです。
 常司氏の妻と鈴木社長らの間で約5年の間に、約100件も訴訟が繰り広げられ、「戦後最大級にして最悪レベルの“争続”」(関係者)となりました。
 内部告発はこの争いに関わるものだったようです。

 週刊ダイヤモンドが入手した取締役の内部告発書面は、18年前に鈴木社長が行ったとされる株式譲渡契約書の「捏造」を暴露しています。
 告発書などによれば、鈴木社長は、子供がなく正式な遺書も残さなかった常司氏(当時会長)が急死した際、常司氏の妻が株式の多くを継承し、経営に影響を及ぼすことを懸念していました。
 そこで、社内にあった常司氏の実印を使って、グループ有力会社の約69万株(46%)を11円で常司氏が鈴木社長に譲渡する契約書を、生前の日付で捏造し、それを起点にグループ支配を優位に進めました。

 告発した取締役は当時秘書室長で、鈴木社長の指示で動いた一人であるため、事情に詳しいのだそうです。
 書面は「不法行為等で手にした資本を背景に人の上に立って、自らの考えを押し通すために力を行使していくことは、今後とも許されることなのでしょうか」と結ばれています。

 関係者によると、2017年末に退任を迫られた鈴木社長が「会社がいいときに身を引くというのは悪くはない」「年末まで時間が欲しい」などと逡巡する音声記録や、当時の「捏造」を知る別の社員の証言もある模様です。
 仮に常司氏の妻がそれらを根拠に遺産分割のやり直しを求める裁判を起こして勝てば、株主構成が変わるなどし、鈴木社長体制は崩れる恐れがあります。

 ポーラ・オルビスHDの広報担当者は、「取締役の主張は根拠がなく、事実ではない。近日中に刑事告訴する予定」と説明しています。

 いずれにせよ、201712月期で8期連続増収増益となり、鼻高々で臨めるはずだった2018327日のHD株主総会は波乱含みとなるでしょう。

 上場企業の事業承継で約100件も訴訟が起きている案件があるとは、知りませんでした。
 こういうことが、会社の経営に悪影響を与えると、誰も得する人はいませんよね。
 個人的には、箱根のポーラ美術館に行ったこともあり、相続税対策をうまくやっているんだろうなぁと思っていました。
 11円での譲渡なので、税務上どう処理したのかが気にはなりますが、司法の場で何が正しいかを明らかにして、通常の会社に早く戻ってほしいですね。

 株式譲渡契約書の捏造疑惑でポーラHD社長を役員が告発したことについて、どう思われましたか?


配偶者を優遇する相続関係の民法改正案が閣議決定!

  政府は、先日、遺産相続に関連する民法などの改正案を閣議決定しました。
 改正案は、被相続人(死亡者)と法的に結婚している配偶者の優遇を強く打ち出しているのが特徴です。
 寿命が延び、相続が発生する頃には被相続人の配偶者も高齢になっているケースが多いことから、配偶者が余生で困窮しないようにする狙いがあるようです。
 改正されれば、昭和55年以来、約40年ぶりに相続のルールが大きく変わることになります。

 改正案に盛り込まれた配偶者優遇策は、以下のようなものがあります。
①配偶者がそれまで住んでいた家に住み続けられるようにする権利「配偶者居住権」を新設
20年以上結婚していた夫婦に限り、住居が配偶者に生前贈与もしくは遺言で遺贈された場合、遺産分割の対象から除外できる

 これらの改正によって、配偶者は相続で他の相続人ともめても、住んでいた家を失わずに住めるうえに、生活に必要な現金も相続しやすくなります。

 厚生労働省によると、平成28年の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で、同い年の夫婦が平均寿命で死亡すると仮定した場合、妻は働くことが困難になる80歳過ぎから約6年、1人で生きていかなければなりません。

 しかしながら、現状の相続ルールで遺産を分割すると、妻は住む家を失うか、生活資金を相続できないといったリスクがありました。

 このほか、改正案では、自筆証書遺言を法務局に預けられるようにする制度を新設しています。
 これにより偽造・変造や紛失などのリスクを減らすことができるようになります。
 また、被相続人の預貯金を遺産分割前に引き出せるようにする制度の創設なども盛り込まれています。

 職業柄、相続税の申告業務などをやっているため、相続に関わることが多いですが、なかなか良い改正なのでないかと思います。
 改正になると、今まで行った相続対策を根本的に見直さないといけないケースも出てきそうですね。

 配偶者を優遇する相続関係の民法改正案が閣議決定されたことについて、どう思われましたか?


リスクの見えにくい「バラ色の計画」を憂い日弁連が規制強化を要望!

 「かぼちゃの馬車」などのシェアハウス投資で約束通りの賃料が支払われず、オーナーとなった会社員らが多額の借金に苦しんでいる問題に絡み、日本弁護士連合会(日弁連)は、先日、「サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書」を国土交通大臣と金融担当大臣に提出しました。

 日弁連は意見書で、「サブリース契約は一括借上により当面の賃料が確保されることから、表面的には、空室・賃料低下のリスク等が見えにくい」などと問題点を挙げました。
 サブリース契約も借地借家法が適用される賃貸借契約であり、賃料減額請求が主張される可能性があるなど、土地所有者などが貸家ビジネスの経営リスクを負担させられるおそれがあるとしています。

 その上で、サブリース業者と同一または関連会社である建設業者が、「空室や家賃滞納にかかわらず家賃保証します」などと勧誘する手法について言及しています。
 金融機関から多額の融資を受けて建設しても、30年や35年の長期間の家賃保証があるおかげで実質的な負担がなく、「バラ色の計画」が実現するものと誤認させて契約に至っている実態があると指摘しています。

 日弁連は国交省に対し、「家賃の変動リスクや期間の限定、中途解約のリスクなどに照らして将来の家賃収入が保証されているものではないこと」などを、建設工事請負契約を結ぶ前に説明することを法令上の義務とするべきだと主張しました。

 また、日弁連は、金融庁の規制や銀行など金融機関の対応についても問題視しています。
 金融庁が金融機関に対し、「アパート等のローン融資に際して、将来的な賃貸物件の需要見込み、金利上昇や空室・賃料低下リスク等を説明する義務があることを明示すべきである」と指摘しました。

 サブリースとは不動産業者が建物などを一括して借り上げ、他の人に貸すこと(転貸)で収益をあげる事業のことです。
 問題の「かぼちゃの馬車」の場合、多くの会社員らがスルガ銀行から多額の融資を受けてシェアハウスを建設し、「家賃収入の長期保証」をうたうスマートデイズがサブリース形式で借り上げました。
 しかしながら、入居率は振るわず、約束は一方的に破られ、20181月には家賃収入がゼロになり、自己破産が続出しかねない事態に陥っているようです。

 職業柄不動産投資に関わることが多いですが、経験上、業者は説明したと思っていても、オーナーは業者の意図どおりに解釈していないケースが多いのではないかと思います。
 やはり、ご家族も含めたところでのきちんとした説明を義務付けて、リスクを認識してもらい、それでも投資するという人のみと契約しないと、将来、世の中トラブルだらけになるでしょうね。
 投資する方も、そんなにリスクなく儲かるのであれば、業者自らやるでしょうということを念頭に置かないといけないでしょうね。
 よって、不動産投資事業として成り立つと考えられるであれば、やればよいと思います。

 リスクの見えにくい「バラ色の計画」を憂い日弁連が規制強化を要望したことについて、どう思われましたか?


相続税のかかる方は8.1%!

2018年01月09日(火)

 国税庁は、先日、平成28年分の相続税の申告状況を発表しました。

 これによると、平成28年中(平成28年1月1日から平成28年12月31日)に亡くなられた方から、相続や遺贈などにより財産を取得した方についての相続税の申告状況の概要は、次のとおりです。
(注)平成27年1月1日以後の相続等については、平成25年度税制改正により、基礎控除額の引下げ等が行われています。

1.被相続人数等
 平成28年中に亡くなられた方(被相続人数)は約131万人(平成27年約129万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万6千人(平成27年約10万3千人)で、課税割合は8.1%(平成27年8.0%)となっており、平成27年より0.1ポイント増加しました。

2.課税価格
 課税価格の合計は14兆7,813億円(平成27年14兆5,554億円)で、被相続人1人当たりでは1億3,960万円(平成27年1億4,126万円)となっています。

3.税額
 税額の合計は1兆8,681億円(平成27年1兆8,116億円)で、被相続人1人当たりでは1,764万円(平成27年1,758万円)となっています。

4.相続財産の金額の構成比
 相続財産の金額の構成比は、土地38.0%(平成27年38.0%)、現金・預貯金等31.2%(平成27年30.7%)、有価証券14.4%(平成27年14.9%)の順となっています。

 平成27年から相続税が増税となり、平成27年から相続税がかかる方が約2倍の8%になりましたが、平成28年もほぼ同様ですね。
 ざっくり言うと、130万人亡くなって、10万人くらいが相続税がかかるという感じです。
 これだけ(約2倍)増えると、相続税対策を急いでしないといけないと思う方もいらっしゃるのかもしれませんが、たった8%ですし、人口が減っていく中、安易に賃貸アパートを建設することだけは避けて欲しいですね。

 平成28年分の相続税の申告状況について、どう思われましたか?


一般社団法人や家なき子を利用した相続節税の抜け道が封じられる?

2017年12月04日(月) 

 政府・与党は、相続税の過度な節税防止に乗り出すようです。
 一般社団法人を設立して相続税の課税を逃れたり、住宅を贈与して宅地にかかる相続税を減らしたりする節税策が広がっており、2018年度税制改正で具体的な対策を講じるようです。
 相続税は、2015年から始まった増税で課税対象となる人が増えており、節税策を封じて課税の公平性を確保します。

 「一般社団法人の問題は放置できない」と、自民党税制調査会の宮沢洋一会長は社団法人を使った節税を問題視しています。

 一般社団法人は、2008年から営利目的でも設立できるようになりましたが、株式会社と違って相続税はかからない制度となっています。
 企業の株式に当たる持ち分が存在しないからです。
 役員の人数や親族の割合に関する定めもなく、比較的容易に設立できる面があるのです。

 この仕組みを悪用して節税に使うケースが増えているようです。
 まず、親が代表者となって法人を設立し、資産を移します。
 その後に子供を代表に就かせ、法人の支配権を承継すると、持ち分が存在しないため、資産には相続税がかかりません。
 この仕組みを使えば、子供ばかりか、孫やその先の代まで、延々と非課税で資産を相続できるのです。

 しかも、法人設立にかかる費用は、司法書士などに頼む報酬などを除けば、登記の6万円しかありません。
 国も設立要件について「公序良俗に反しない限り全ての事業が対象」(法務省)としています。
 2016年は6,075件が設立されており、この5年で1.5倍という急増ぶりです。
 登記だけで簡単に設立できる点が、節税策として活用される一因になっています。
 政府・与党は、親族が代表者を継いだ場合、非課税の対象と見なさず、課税対象とする方向で検討を進めるようです。

 政府・与党が問題視するもうひとつの節税策は、小規模宅地の特例を悪用するケースです。

 相続税には亡くなった人の住まいなどを、同居していた配偶者や親族が手放さずに済むよう、負担を軽くする仕組みがあります。
 さらに、転勤や貸家住まいなどの事情を考慮し、過去3年間、持ち家がなければ減税してもらえる特例も設けています。
 土地の評価額を330平方メートルまでは8割減らして相続の負担を軽くするのです。

 悪用とも言える税逃れとは、どのようなケースが該当するのでしょうか?
 40代男性を例に具体的に考えてみますと、まず、この男性が所有するマイホームを20代の長女に贈与し、自分は持ち家を持たない人になるのです。
 いわゆる「家なき子」として3年以上過ごすのです。
 その段階で男性の80代の父親が亡くなると、父親の宅地を相続する場合に、税負担が軽く済むのです。

 このような形で特例を使う人が増えているとみられ、特例適用による減収見込み額は2016年度で1,350億円と、3年で実に2倍近く伸びています。

 政府・与党は、相続時に住む家がもともとは自分で所有しているものだったり、3親等内の親族が所有する家に住んでいたりすれば、優遇の対象外とする方針のようです。
 課税逃れに備えている動きと判断されます。

 年間の相続税収は2兆円ほどです。
 相続税は基礎控除の見直しに伴い、税金を納める人が増えています。
 年間死亡者数に占める課税件数をみると、2015年に3.6ポイント上昇し、約2倍の8%にのぼりました。
 このため、納税者の間で相続税の負担感が急激に増しており、政府・与党も、相続税で公平に課税する姿勢を前面に打ち出す必要があるとみています。

 2017年度税制改正でも、節税防止策は論点のひとつに浮上し、高層マンションの上層階の固定資産税の負担を重くしました。
 しかしながら、新たな節税策は相次いでおり、国と納税者の間でいたちごっこになっている面もあるのです。

 上記は、日経新聞の記事ですが、個人的には、これらを税逃れというのか疑問に思います。
 税理士は、条文に基づいて仕事をすることになるため、税制改正などが行われ、新しい制度ができたり、要件が厳しくなったりすると、当然、利用するような対策を考えたり、要件を満たすための対策を考えます。
 よって、そもそも条文を作ったり、変えたりするときに、抜け穴はないだろうかという視点が抜けているか足りていないということだと思います。
 それは、『税逃れ』ではなく『条文の不備』だと思いますね。
 当然、税理士は、現在は対策として有効だけれども、将来、税制改正などによって使えなくなる可能性があるということを説明したうえで提案しているとは思います。
 個人的には、一般社団法人については、これが認められていいのだろうかと感じ、将来おそらく改正されるだろうと思っていましたので、提案などはしていませんでした。
 最近、この手(条文の不備を直す)の改正が増えていることから、提案がしにくい時代にはなってきているように感じますね。

 一般社団法人や家なき子を利用した相続節税の抜け道が封じられようとしていることについて、どう思われましたか?

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