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平成30年度査察の概要(4/5)

 

 先日、国税庁が『平成30年度査察の概要』を公表しました。
 査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
 国税査察官は、近年における経済取引の広域化、国際化及びICT化等による脱税の手段・方法の複雑・巧妙化など、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者に対して厳正な調査を実施しています。

<査察調査の概要>
【平成30年度の取組】
○査察事案121件を告発
 平成30年度は、免税店(輸出物品販売場)制度を悪用した消費税受還付事案、太陽光発電設備の取得を装った消費税 受還付事案、他人名義を使用したFX取引利益の無申告ほ脱事案、外国法人を利用した国際事案など、計121件を告発。
○重点事案を多数告発、特に消費税受還付事案は16件を告発(注)
 消費税受還付事案16件、無申告ほ脱事案18件、国際事案20件を告発 。
 消費税受還付事案は、国庫金の詐取ともいえ悪質性が高いが、過去5年間で最も多い16件を告発。うち、平成23年に創設された未遂犯も過去最多の8件を告発。
 無申告ほ脱事案は、申告納税制度の根幹を揺るがすものであり、平成23年に創設された単純無申告ほ脱犯も含め、18件を告発。
(注)重点事案とは、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案及びその他社会的波及効果が高いと見込まれる事案をいう。
○脱税総額(告発分)は112億円
 平成30年度の査察事案に係る脱税額(告発分)は112億円。
【平成30年度中の判決状況】
○122件の一審判決全てに有罪判決が言い渡され、7人に実刑判決
 最も重い実刑判決は、査察事件単独に係るものでは懲役4年6月。

 この中で、『重点事案への取組』として、以下のものが挙げられています。
(1)消費税受還付事案
(2)無申告ほ脱事案
(3)国際事案
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
 また、『不正資金の留保状況及び隠匿場所』と『査察事件の一審判決の状況』についても書かれています。

 今週は、これらについて、順番に取り上げていきたいと思います。
 4日目の今日は、『その他の社会的波及効果の高い事案』についてです。

 平成30年度においては、現下の経済社会情勢を踏まえて、特に、消費税受還付事案、無申告ほ脱事案、国際事案、市場が拡大する分野における事案などの社会的波及効果の高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組みました。
(4)その他の社会的波及効果の高い事案
 近年、市場が拡大する分野における脱税など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対して積極的に取り組みました。

<トピック8>好況なネット通販事業者の告発
 近年、インターネット等のネットワークを通じた多様な経済取引が可能となっているところ、このような取引で得た多額の利益を隠し法人税を免れていた事案に対し、デジタルフォレンジック技術を活用するなどして不正を解明し告発しました。
【事例】
 H社は、インターネットや各種メディアを利用して自社商品を販売し、多額の利益を得ていたものですが、不正加担者と通謀し、同人の主宰会社に対して架空の広告宣伝費等を計上する方法により法人税を免れ、同会社に送金した資金を現金でバックさせるなどして還流させていました。
 本事案では、デジタルフォレンジックツールを使用して、スマートフォン内のデータを解析し、不正資金の還流の事実を解明しました。

<トピック9>好況な不動産事業者の告発
 近年、不動産業の売上及び経常利益が上向いている状況ですが、不動産取引による売上を正しく申告しないほか、架空経費を計上し、所得(利益)を過少に申告していた事案を告発しました。
【事例】
 I社は、入場者数が増加している国内有数のテーマパーク近隣の開発予定地に係る不動産売買取引に関与し、多額の利益を得ていたものですが、仲介手数料収入を除外するほか、取引に係る虚偽の覚書を作成し架空外注費を計上するなどの方法により法人税を免れていました。

<トピック10>クラブ経営者らによる消費税・源泉所得税事案を告発
 日本有数の歓楽街でクラブ及びキャバクラ等を経営する法人による消費税及び源泉所得税事案を告発しました。
【事例】
 Jは、クラブ及びキャバクラ等を経営する法人を主宰するものですが、経理責任者Kと共謀し、主宰法人の消費税の確定申告を一切せずに納税を免れたほか、店舗従業員の給与に係る源泉所得税を一切納付していませんでした。

 その他の社会的波及効果の高い事案について、どう思われましたか?


連結納税のミス修正の事務負担を軽くすることを検討!

 

 財務省は、企業グループを一体とみなして法人税を計算する連結納税制度について、企業の事務負担の軽減をめざしているようです。
 制度を使えばグループ内の利益から損失を差し引いて課税所得を圧縮できる半面、1つの子会社の税務申告に間違いがあるだけでグループ全社の集計作業がやり直しになります。
 企業にとって大きな負担のため、ミスした企業の修正だけで済むような制度の見直しを検討するようです。

 政府税制調査会(首相の諮問機関)で、近く連結納税制度の見直しを検討事項の一つに取り上げるそうです。
 制度が複雑なうえ、企業実務に絡む専門的な議論が必要なため、2019年度の税制改正をめざすのではなく、中期的な課題と位置づけて議論するようです。
 財務省は、政府税制調査会などで企業側の意見を聴き、問題点を洗い出します。

 2002年度に導入された同制度を使うと、国内グループ企業の利益と損失を通算できるため、一般的には個別に納税するよりも、法人税がかかる所得を小さく抑えられます。
 制度を使うかどうかは企業が選ぶことができます。
 2010年度税制改正で、子会社が持つ過去の欠損金を反映できるようにするなど使い勝手がよくなり、利用が増えました。
 現在、資本金1億円以上の大企業のうち、3割超が制度を利用しています。

 一方で、税務申告にかかわる企業の事務負担は重くなりがちです。
 特に、対象となる子会社や孫会社のどこか1か所で経費計算などにミスが起きるだけで、グループ全体の集計作業がやり直しになる問題を抱えています。
 対象企業の税務上の損失や控除額などをいったん足し上げて、全体の税額などを計算するためです。

 こうした負担を軽くする方策の一つとして、財務省内では連結納税の対象となる各社がそれぞれ個別に税務申告書をつくる案が浮上しています。
 現行制度では、親会社がまとめる連結申告書に一本化されています。
 情報を一括して把握できる半面、いったん内容に疑問が生じると、グループ全社で集計作業をやり直さなければ問題を修正できない原因にもなっています。

 個別に申告書を備えておくことで、ミスが生じても部分的な修正だけで済まそうという考え方です。
 個々の会社による申告書の作成作業が増えるようにみえますが、実際には各社はすでに同じような作業を手掛けており、修正が必要になった場合の対応を大幅に簡素化できるメリットの方が大きいと財務省はみています。

 税務当局にも利点があります。
 例えば、申告内容に問題があれば、税務署は親会社だけでなく、全国各地の子会社も調べなければなりません。
 制度の見直しは、「人員が限られ、十分な調査ができない」(国税庁関係者)という現状の改善につながります。

 財務省は、連結納税の対象企業の範囲といった制度の骨格は変えない方針ですが、企業のM&A(合併・買収)の増加に対応する見直しなどは課題となりそうです。
 現行制度では、新たに買収した会社を連結納税の対象に加えようとすると、その会社の資産の含み益に応じた税金を事前に払う必要が生じます。
 せっかく買収した企業の価値が目減りしかねず、課税の繰り延べなどが検討課題となります。

 僕自身は、連結納税の申告業務をやったことがないので、実務上の煩雑さなどが分からないのですが、『連結納税』というくらいですから、子会社の申告書にミスがあれば、グループ全体の集計が異なってくるのは当然だと思いますが、どうなのでしょうか?
 手間をかけてでも税金を安くしたいという企業が使えばいいと思いますし、実務上の負担が大きいのであれば、もっとシンプルな制度にすればよいのではないかと思います。

 連結納税のミス修正の事務負担を軽くすることを検討していることについて、どう思われましたか?


陸上自衛隊演習場の地権団体が100億円の申告漏れ!

 静岡県にある陸上自衛隊東富士演習場の土地を国に貸し、賃料を得ている静岡県内の一般社団法人と一般財団法人の計10法人が、名古屋国税局から総額約100億円の申告漏れを指摘されたことが、関係者への取材でわかったようです。
 2008年の公益法人制度改革に伴い、課税対象になった賃料収入を数年間にわたって申告していませんでした。
 追徴税額は、過少申告加算税を含め計約20億円に上るようです。

 関係者によると、御殿場、裾野、小山の21町には演習場に土地を貸している法人が11あるそうです。
 以前、所得隠しを指摘された1法人を除き、残る10法人が指摘をうけました。
 法人の大半は国から年間数億円の賃料を受け取っていますが、申告していなかったそうです。

 公益法人制度改革前、10法人は公益法人の社団法人もしくは財団法人で、税の優遇を受けていました。
 公益法人の場合、国に直接貸した土地の賃料は所得から除外され、非課税になります。
 それゆえ、演習場の賃料も税金がかかりませんでした。

 公益法人制度改革後、10法人は一般社団法人もしくは一般財団法人となり、公益法人ではなくなりました。
 引き続き演習場の賃料が非課税とされるには、「特定の個人・団体に特別の利益を与えていない」ことなどが要件になりました。

 国税局は、10法人は事務所がある一部の地域に限って寄付や助成をしており、これが特定の個人や団体への利益供与にあたると認定されたようです。
 非課税の要件を満たしていないとして、演習場の賃料は申告が必要な所得と判断した模様です。

 年間約5億円の賃料収入があるという御殿場市の法人代表は、取材に対し、5年分で計約25億円の申告漏れを指摘されたことを認めたようです。
 この代表は「演習場による賃料は非課税だと思っていた。税理士にも相談したが、わからなかった」としています。

 「税理士にも相談したが、わからなかった」というところからは、これらの法人に顧問税理士がいるのか単に相談しただけなのかどうかは分かりませんが、多額の収入があるわけですから、公益法人制度改革時にきちんと税務面での検討を行うべきだったように思います。
 直感的に、寄付や助成の仕方を変えれば、行けるかもしれないのではないかと感じますね。

 陸上自衛隊演習場の地権団体が100億円の申告漏れを指摘されたことについて、どう思われましたか?


NPO法人による障害者就労支援に課税!

 
 NPO法人による障害者向けの就労支援について、国税庁が「原則、収益事業で納税義務がある」との見解を示したようです。

 全国の小規模作業所に不安が広がり、課税を不服として争う法人もあるそうです。
 作業所などの全国団体「きょうされん」(事務局・東京)は近く、国税庁長官に撤回を求めるようです。

 国税庁は、2017年7月、ホームページで見解を発表しました。
 こうしたNPO法人は障害者と契約して役務を提供し、利用料を受け取る「請負業」との判断を示しました。

 税法上、収益事業は「継続して事業場を設けて行われるもの」で、請負のほか、物品販売、製造など34業種が限定列挙されています。
 国税庁の法人課税課の担当者は「NPO法人の障害福祉サービスは以前から収益事業だが、複数の税務署から相談があり、見解を示した」と話しているようです。

 広島市の「つくしんぼ作業所」は国などの給付を受け、就労困難な知的障害者が家にこもらないように働く場を提供し、1946歳の男女18人がクッキーを作るなどしています。
 2007年にNPO法人となった際、税務署から「収益事業でない」と説明を受けたそうです。
 しかしながら、2015年に一転して収益事業と指摘され、法人税や無申告加算税など過去3年分で計約200万円を課されました。

 2017年4月、「運営はボランティアの支えもあり、福祉が目的で収益事業ではない」と、広島国税不服審判所に税の取り消しを求めて審査請求しました。
 今月にも結論が出る見通しです。
 厚生労働省によると、つくしんぼ作業所のようなNPO法人は、全国で約3,300201610月現在)に上るようです。

 きょうされんは、201712月、障害福祉サービスを実施する加盟の507NPO法人にアンケートを実施しました。
 回答した231法人のうち、法人税を申告したとするのは77法人でした。
 多田薫事務局長は、「資金力のない法人は課税で圧迫され、福祉サービスが低下しかねない」と話しています。

 NPO法人は、そもそも非営利団体のことです。
 特定非営利活動促進法により設立されたNPO法人は株式会社と違い、毎年の利益や解散する時の残余財産を構成員に分配できませんが、利益を上げる事業は行えます。
 法人税は所得に課税するので、赤字のNPO法人は課税されません。
 なお、所得が年800万円以下のNPO法人の税率は、中小企業と同じ15%です。

 これに関しては。このような法人に限らず、収益事業かどうかという判断に迷うことが多々あります。
 納税者の方も、なぜボランティア的なことをしているのに課税されるのかと思ったりすることが多いのではないでしょうか?
 ただ、安易に収益事業ではないとすると、おそらく悪用する方がたくさん出てくるのでしょう。
 個人的には、まず、『特定非営利活動法人』という名称を変えたほうが良いのではないかと常々思っています。
 普通の方は、『非営利』と言われると『営利を追求しない』と考えるでしょうから。
 あとは、税法上『収益事業』となる34業種も、見直す時期に来ているのではないかと感じています。
 これは、時代の変化に合わせて新たな業種も生まれてくるでしょうから、タイムリーに改正していかないといけないと思います。

 NPO法人による障害者就労支援が課税されることについて、どう思われましたか?


2019年からスマホでコンビニ納税!

2018年01月19日(金)

 2019年1月から、スマートフォン(スマホ)などを使い、コンビニエンスストアで納税できるようになるようです。
 スマホやタブレット端末などで手続きを簡素にし、電子申告・納税の利用を促します。
 納税者らの利便性を高めるほか、税務署の納付書の宛先確認や郵送といった業務の削減を目指します。

 財務省と国税庁が主導します。
 納税者が電子申告するとその税額や、所得税や法人税といった税目などのデータを記録したQRコードがPDFとして表示されます。
 利用者がスマホ画面などに表示されたQRコードをコンビニの読み取り端末にかざすと、税目や税額が印字された書類が発行され、レジで税金を納めることができます。

 納税は現金で、全ての税目が対象となります。
 読み取り端末はセブンイレブンの「マルチコピー機」やファミリーマートの「Famiポート」、ローソンの「Loppi」などを想定しています。

 こうした端末では、既に、イベントのチケットやスポーツ振興くじ(toto)の購入、住民票の写しや印鑑登録証明書などの発行、自動車保険の加入といった手続きができます。
 2019年からスマホを使った納税も加わります。

 ただ、QRコードの読み取り端末があるコンビニでしか使えず、現状では対象となる店舗が限られるようです。
 財務省と国税庁は今後利用できるコンビニを広げていく考えです。

 スマホ納税の利用者として想定されるのは、主に個人事業主や法人です。
 現在は電子申告したあとに、税務署が作成した納付書を受け取りに行ったり、税務署から郵送してもらったりして、納付書を手に入れなくてはなりません。
 納付書があれば今もコンビニで支払えますが、税務署や銀行で支払う人がほとんどだそうです。

 また、電子申告をするにはこれまでは本人認証でマイナンバーカードなどの電子証明書や読み取り機器が必要でしたが、2019年からは税務署で一度でも本人確認すれば、IDとパスワードで認証できるようになるため、電子申告を利用する人が増えるとみられます。

 政府は規制改革推進会議でICT(情報通信技術)による業務コストの削減を掲げており、電子申告・納税の普及を進めています。
 コンビニは生活者にとって様々なサービスの拠点となっており、身近なスマホを使って納税できるようになれば、利便性が高まり電子申告・納税に弾みがつくでしょう。

 実は、税理士も僕が使っている申告用のソフトであるNTTデータの達人シリーズなんかは、数年前から納付書を出力できるようになっています。
 しかしながら、納付書は3枚綴りなので、B4に3枚分が印刷され、それを3枚に切って、銀行の窓口などに持って行く必要があり、少し手間です。
 QRコードでいけるとなると、便利になりますね。
 一方で、最近、窓口に来る人がかなり減っていると言われている銀行ですが、税金の納付の方がまぁまぁ多いのではないかと思います。
 これらの方がコンビニで支払うようになると、銀行は不要になってきますね。
 AIに取って代わるとも言われていますし、最近、手数料の値上げとか言っていますが、銀行の存在自体が危うくなってくるかもしれませんね。

 2019年からスマホでコンビニ納税ができるようになることについて、どう思われましたか?

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