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仮想通貨を用いた資金調達(ICO)に監査法人も困惑!

2018年02月09日(金)

 最近、世間を賑わせている『仮想通貨』ですが、『仮想通貨』を用いた資金調達『ICO』が国内外で広がっています。
 ただし、その会計処理についての明確な指針がまだありません。
 週刊東洋経済によると、1月15日に東京証券取引所に提出されたある開示資料が市場関係者をざわつかせているようです。
 決済代行サービスなどを手掛けるIT企業であるメタップス(東証マザーズ上場)が提出した、韓国子会社のICO(イニシャル・コイン・オファリング=仮想通貨を用いた資金調達)をめぐる資料です。

 それによれば、メタップスは、2017年9月〜11月の四半期報告書の提出期限延長を申請しています。
 今回のICOの会計処理について追加的な検討を行うためです。
 さらに翌日、メタップスは、資料の一部を訂正し、「監査法人との協議の結果」という文言を削除し、協議がまだ終わっていない点を強調しました。

 ICOの直訳は「新規コインの売り出し」です。
 新規事業を始めたい企業などが「トークン」という独自の仮想通貨を発行し、投資家に販売して資金を集めます。
 トークン購入に使えるのは、ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨で、ICO実施者が指定します。

 メタップス子会社の場合、同社が新たに韓国に設立する仮想通貨取引所「コインルーム」の拡大に向けICOを実施し、2017年10月までにイーサリアムで約11億円(1月25日の時価で約39億円)を調達しました。

 ICOは「資金調達」の一種といわれますが、IPO(株式新規公開)などとは手法や特徴が異なります。
 ICOの場合、トークンは仮想通貨取引所で売買できるため、投資先のサービスが発展すれば売却して利益を得られる可能性もあります。

 上場企業傘下のICOはメタップスが世界初です。
 会計上の扱いについては、メタップスが採用する国際会計基準はもちろん、日本基準にも明確な指針がありません。

 メタップスは「受領した対価(仮想通貨)は将来的に収益として認識する」方針です。
 ICO直後は暫定的に流動負債の「預かり金」として計上しましたが、2017年11月のコインルーム設立と同時にホワイトペーパー(資金使途などを示す文書)の定める利用者への返還義務がなくなったとして、将来の収益認識を前提とする「前受金」へと計上し直しました。

 しかしながら、この返還義務の有無には議論の余地が残ります。
 韓国では今、仮想通貨の取引禁止を含む規制の議論が過熱しています。
 コインルームの発展性や継続性に不安が増す中で返還義務が消滅したと言い切るのは容易ではないでしょう。

 そもそも仮想通貨は現金と同様に扱えるのかという論点もあります。
 2017年12月には、韓国でハッキングによる仮想通貨喪失が発生し、メタップスの監査法人は、専門家による情報セキュリティに関する追加検討や、メタップスが保有する仮想通貨残高を適時に確認する手続きの検証が必要だと会社側に説明しているようです。

 ICOの波は、各国の上場企業に広がる可能性もあります。
 メタップスのケースはICOの会計処理の“前例”となります。
 四半期報告書の提出期限は2月15日で、その内容に注目が集まっています。

 監査法人は、PwCあらた有限責任監査法人ですが、担当者は大変でしょうね。
 今後も、仮想通貨がらみの取引はどんどん出てくると思いますが、頭を悩ましそうですね。

 仮想通貨を用いた資金調達(ICO)に監査法人も困惑していることについて、どう思われましたか?

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