事務所通信2022年10月

事務所通信

2022年10月号『名店を事業承継で残すことはできないか?』

最近、新聞を読んでいて、以前、監査法人勤務時代に時々ランチに行っていた、香川県高松市上天神町(ドン・キホーテパウ高松店の近く)のビーフレストランウエノと、香川県高松市大工町(高松ライオン通商店街)のグリル山が閉店となったことを知り、非常に残念な気持ちになりました。

そこで今回は、『名店を事業承継で残すことはできないか?』について、書きたいと思います。

1.休業・廃業・解散の動向

帝国データバンクの『全国企業「休廃業・解散」動向調査(2021年)』によると、財務内容やキャッシュなどある程度の経営余力を残しているにもかかわらず、自主的に会社を休業・廃業、あるいは解散を行った「あきらめ休廃業(資産超過状態での休廃業・解散)」割合がコロナ禍を堺に高まっているようです。

利益が黒字かつ資産超過の状態で休廃業・解散した企業は全体の16.0%と1割強を占めています。

2.事業承継とは?

「事業承継」とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐことです。

近年、中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化がすすむなかで、事業承継は重要な経営課題になっています。

事業承継で引き継ぐものとして、「人」「資産」「知的資産」の3つの要素があります。

方法としては、「親族内承継」、「従業員承継」、「第三者承継」の3つがあります。

3.名店を事業承継で残すことはできないか?

ビーフレストランウエノやグリル山を事業承継で残すことはできなかったのだろうか?と非常に残念な気持ちになっています。

職業柄、事業承継のお手伝いをしていますが、雇用の維持や地域経済の維持・発展ためにも、こういった名店を残すことが究極の事業承継なのではないかと考えています。

色々考えたうえでの閉店かもしれませんが、事業承継でファンの多いお店を残すことができるということを、経営者の方とか個人事業主の方にもっと認識していただく必要があるのではないかと思います。

この点は、我々、事業承継関連業務に関わる事業者の努力不足や、少し前から事業承継の重要性を認識し支援に力を入れている国の国民に対する周知不足もあるのではないかと、反省をしています。

例えば、県外のニュースなどを見てみると、国が全国47都道府県に設置している事業承継・引継ぎ支援センターや事業承継マッチングプラットフォームであるrelayなどで、お店の引継ぎ先が決まったという案件を時々目にします。

最近は、M&Aにおいて、売り手が実名開示することも増えてきていますので、こういったところがあるということを、認知していただく必要があるでしょうね。

4.最後に

後継者のいない名店を事業承継で残すことで、雇用の維持や地域経済の維持・発展につながると思いますので、微力ながら、事業承継に関する事業者への認知向上や、何かお手伝いをしていきたいですね。

2022年10月31日 國村 年

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