事務所通信

事務所通信2020年12月

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2020年12月号『M&Aが節税に使われる?』

2020年12月10日に、自民党と公明党の『令和3年度税制改正大綱』が公表されました。

その中で、中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設というものがあり、一部では、これが、オペレーティングリースや保険のように節税に使われるのではないかとの声が出ています。

そこで今回は、『M&Aが節税に使われる?』について、書きたいと思います。

1.概要

中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)の認定を受けたものが、その認定に係る経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その株式等の取得価額が10億円を超える場合を除く。)において、その株式等の価格の低落による損失に備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できます。

なお、中小企業者とは、中小企業等経営強化法の中小企業者等であって租税特別措置法の中小企業者に該当するものをいいます。

この準備金は、その株式の全部または一部を有しなくなった場合、その株式等の帳簿価額を減額した場合等に取り崩すほか、その積み立てた事業年度終了の日の翌日から5年を経過した日を含む事業年度から5年間でその経過した準備金残高の均等額を取り崩して、益金算入します。

2.適用時期

中小企業等経営強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)のうち同法の改正法の施行の日から令和6年3月31日までの間です。

3.留意点

まだ、確定しておらず、上記くらいしか決まっておらず、詳細が分かりませんが、経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

よって、M&Aのスケジュールが、これに引きずられるかもしれません。

また、売り手や買い手の要件、株式等の等に何が含まれるのか、購入による取得とは何が含まれるのか、議決権は何%以上であれば良いのか、数年間に渡り分割して準備金を計上しても良いのかなど、要件等がどうなるか分かりませんので、使う場合には、取り崩しのことも含め、よく検討したうえで使わないといけないでしょうね。

あとは、広義の節税であって、単なる課税の繰延に過ぎません。

4.最後に

新型コロナウイルスの影響で、M&Aの売り案件が増えている一方、業績が上がっている企業、それほど落ちていない企業で、積極的にM&Aしたいと考えている買い手も多いように思われます。

よって、業績の良い買い手には、節税(課税の繰延)が目的ではなくても、とても素晴らしい税制が付いてくるかもしれませんね。

2020年12月21日 國村 年

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