「ナイキ不調」の原因はスニーカー市場で「スケッチャーズ」などが急速に存在感を発揮していることか?
2026年03月09日(月)
現代ビジネスによると、スニーカー市場が空前の活況を見せています。
靴・履物のアイテム別市場規模は2024年の小売り金額ベースで1兆2、367億円とされますが、うち、スニーカーを含むスポーツシューズの構成比は58%の7、173億円。2020年対比で全体は15%増、スポーツシューズで25%増(矢野経済研究所調べ)と数字にも裏付けされています。
今までオリジナルスニーカーを開発したこともなかったアウトドアブランド、ショップまでも競って、オリジナルスニーカーを開発・販売する時代です。
一方、その煽りを受けているのが、かつての王者「ナイキ」です。
業績はここ最近、大きく低迷しているのです。
さらに、そんなナイキにとって無視できない動きが。いわゆる「ハンズフリー・スニーカー」と呼ばれる新ジャンルの台頭です。
新しい視点で大ヒットしたスニーカーがあります。
それは「ハンズフリー・スニーカー」とジャンルされる、シューズを履く時に手を使わずに楽に履けるのが特徴のスニーカーです。
かがみこんで靴紐を結ぶのが難しくなるお年寄りや妊婦、忙しいオフィスワーカー、脱ぎ履きの多い仕事に従事する人、靴紐を結ぶのが苦手な子供たちなど、幅広い層をターゲットにヒットしたスニーカーと言えます。
代表的なものとしては、「スケッチャーズ」の『スリップインズ』が挙げられます。
2023年9月にお笑いコンビ・バナナマンの日村勇記さんを使ったテレビCMが好評で、同ブランドの公式オンラインサイトは一時サーバーダウンしてしまうほどの反響があったそうです。
スケッチャーズ自体、グローバル展開している中でも特に日本での反応が大きいとされています。
おそらく、靴の脱ぎ履きが多い日本式ライフスタイルに、ベストフィットしたからでしょう。
大手量販店でもハンズフリーに着目したシューズの商品展開をしています。
東京靴流通センター、SHOE PLAZA等を全国チェーン展開している株式会社チヨダも、手を使わずに立ったままスパッと履ける『スパットシューズ』を2022年より発売しています。
初年度の15万足から、2023年に75万足、2024年は164万足と、順調に販売を伸ばしています。
ちなみに、このハンズフリー・シューズを初めて出したのはアメリカの「Kiziki(キジック)」というブランドです。
既に特許取得されている機能を、踵部分に靴ベラを組み合わせていくという形で、1年をかけて製品化にこぎつけた渾身の開発商品となりました。
「革靴離れ」と言われて久しい中、ビジネスコードのカジュアル化とともに、オフィスシーンでもスニーカー文化は広がりつつあります。
セットアップスタイルにスニーカーを合わせるオシャレ上級者以外にも、アッパーからソウルまで黒いスニーカーを通勤靴として愛用しているオフィスワーカーも多くなっています。
さらに、ここに来て「アッパー部分はドレス顔でソール部分はスニーカー」という、スマートに見えてスニーカーの履き心地を再現したハイブリットなスニーカーまで登場しています。
代表的なデザインに「ローファースニーカー」と呼ばれる商品があり、ニューバランス『#1906』、ザ・ノース・フェイス『ヌプシローファー』などが人気を集めています。
“履き心地の良さ”を優先させれば、スニーカーに勝るシューズは、今のところ見当たりません。
その上で、スニーカーの弱点だったドレスコードから外れるカジュアル感でさえ、時代とともに超えるべきハードルは低くなっています。
「スニーカーヘッズ」と呼ばれるスニーカー収集家まで現れるほど裾野を広げるまでになったスニーカーカルチャー。コレクターズラインナップも、ヴィンテージモデルを中心にブランド、モデルシリーズ、コラボレーションと多岐に渡ります。
これらレアスニーカーに至っては、鑑賞・インテリア化さえしているほどです。
こうした一部の熱烈な愛好家達を除いて考えてみても、スニーカーカルチャーの熱量は、しばらく続いていきそうに思われます。
現代の生活者が持つ爆発的な情報量に基づいた多様な価値観に応られるほど、スニーカーモデルの選択肢も広がっているのです。
この「選択肢の爆発」こそが、現在のスニーカー市場を最も象徴している変化でしょう。
かつては、ナイキか、アディダスか、あるいは国内ブランドか、といったブランド軸で選ばれていたスニーカーが、今では「用途」「気分」「生活動線」「身体状態」によって選び分けられる存在へと変化しています。
朝の通勤用、休日の街歩き用、ランニング用、アウトドア用、リカバリー用など、同じ人間が複数足のスニーカーを使い分けることは、もはや特別なことではありません。
この流れは、「ナイキ不調」の背景とも無関係ではありません。
巨大ブランドであるがゆえに、ナイキは長年“最大公約数”に向けた商品供給を続けてきました。
しかしながら、市場が成熟し、消費者が細分化される中で、その最大公約数自体が成立しにくくなっています。
厚底ランニングシューズの革命的成功は確かに市場を一変させましたが、その成功体験が逆に競合の追随を招き、機能差が縮小する中で、ブランド優位性を保つ難易度は格段に上がりました。
一方で、新興ブランドやカテゴリー横断型ブランドは、初めから「小さな共感」を狙いにいっています。
ランニング後の足の疲労をどう回復させるか、アウトドアと街をどうシームレスにつなぐか、脱ぎ履きのストレスをどう解消するかなど、こうした具体的で生活密着型の課題設定は、巨大ブランドよりもフットワーク軽く取り組める領域でもあります。
特に注目すべきは、「履き心地」や「機能性」が、もはや競技者だけのものではなくなった点です。
かつての高機能スニーカーは、アスリートや一部の愛好家のためのものでした。
しかしながら、現在では、立ち仕事の多いサービス業、長時間歩く旅行者、子育て世代、シニア層までが、明確に機能価値を求めてスニーカーを選ぶようになっています。
前述したハンズフリー・スニーカーのヒットは、その象徴的な事例でしょう。
この変化は、スニーカーが単なる「ファッションアイテム」から、「生活インフラ」に近づいていることを意味しています。
服は多少我慢できても、足元の不快感は生活の質を大きく左右します。
だからこそ、人々は価格だけでなく、履いた瞬間の感覚、長時間使用後の疲労感、脱ぎ履きの動作まで含めて評価するようになったわけです。
もう一つ見逃せないのが、情報環境の変化です。
SNSや動画メディアの普及により、スニーカーの情報はブランド発信だけでなく、一般ユーザーの体験談やレビュー、スタイリング投稿によって拡散されます。
これは、新興ブランドにとっては追い風である一方、既存ブランドにとってはコントロールの難しい市場でもあります。
広告ではなく「体験」が評価される時代において、商品力そのものが問われる構造がより鮮明になっています。
ナイキが近年掲げるようになった「スポーツへの再接続」という戦略は、こうした環境下では決して間違った方向ではありません。
むしろ、ブランドの原点を再定義し、競技軸での信頼性を取り戻すことは、長期的には不可欠でしょう。
ただし、同時に、生活者の多様なオケージョンにどう寄り添うかという視点も欠かせません。
スポーツと日常、その境界線が曖昧になった今、両者をどう橋渡しするかが次の課題となります。
スニーカー市場が「群雄割拠」の時代に入った今、もはや一社がすべてを支配する構図は考えにくいでしょう。
代わりに、それぞれのブランドが明確な役割と文脈を持ち、消費者はそれを理解した上で選択します。
これは市場としては健全であり、成熟の証でもあります。
ナイキ不調というニュースだけを見ると、スニーカー業界全体が陰りを見せているようにも映ります。
しかしながら、実態はその逆で、需要は拡張し、価値軸は増え、参入余地は広がっています。
強者の一時的な失速は、業界全体の停滞ではなく、構造変化のサインと捉えるべきでしょう。
テクノロジーやデザイン、ライフスタイルの変化を映し出しながら、人々の足元を支える存在として、スニーカーはこれからも進化を続けます。
その熱量は、少なくとも当分の間、冷めそうにありません。
なかなかお金にものを言わすマーケティングとかが難しくなってきているということなんでしょうね。
一方で、それぞれが競い合うことで、素晴らしい製品が生まれ、市場が大きくなるということは、業界にとっても消費者にとっても良いことなんでしょうね。
「ナイキ不調」の原因はスニーカー市場で「スケッチャーズ」などが急速に存在感を発揮していることか?について、あなたはどう思われましたか?
「ナイキのスニーカー」一強時代はなぜ終わりを迎えたのか?
現代ビジネスによると、「ナイキ」が不調のようです。
グローバルの売上では、2024年5月期が513億6,200万ドルに対して2025年期は、463億900万ドルと約10%近くの大幅な減収となりました。
主な要因として中国市場での低迷、在庫整理のための値引き販売、中国からの輸入品に対する新たな関税(粗利率に最大-1%)などと説明していますが、本当にそれだけなのでしょうか?
少なくとも日本市場では「空前のスニーカーブーム」と叫びたくなるほど、スニーカーは身近な存在となっていますが、一体何が起きているのか、ファッションビジネス・コンサルタントの磯部 孝さんが検証しています。
ナイキスニーカー売上の柱は、クラシック3モデルと呼ばれる『Air Force1』、『Dunk』、『AJ1』で、年間10億ドル規模を永らく牽引してきました。
近年になって意図的なポートフォリオの見直しとして、この3モデルを縮小させて「Sports Offense」というスポーツに再接続させるという戦略を打ち出しています。
具体的にはメンズ・ウィメンズ・キッズというターゲット別の商品開発体制から、競技軸(バスケットボール、ランニング、サッカーなど)の体制に切り替えます。
いわば原点に立ち返るような戦略で再浮上を狙うようです。
身近なスポーツというとランニングが挙げられるでしょう。
2020年のコロナ禍に競技人口は1、055万人をピークに迎え、2024年に減少したとはいえ758万人は楽しんでいるランニングは、健康志向や競技参加など走る理由は様々ですが、そんなランナー達を含めて毎年注目のビッグイベントが「箱根駅伝」です。
強豪大学校別に争われ、リレー方式に行われる駅伝スポーツの勝敗以外にも、各大学、ランナーごとに採用される“スニーカー競争”にも注目が注がれます。
2017年頃までは軽量でより素足に近い感覚のスニーカーが主流でした。
箱根駅伝で着用されているスニーカーも、アシックスとミズノの日本ブランドが過半数を占め、ナイキは17%と第4勢力に過ぎませんでした。
しかしながら、2018年に厚底でカーボンプレートを採用したナイキ『ヴェイパーフライ』が登場しました。
それまでの価値感とは真逆な新モデルはその商品カラーから「ピンクの衝撃」とまで言われ、2021年の箱根駅伝ではなんと96%のシェアをナイキが占める結果となったのです。
この「ピンクの衝撃」以来、ランニングスニーカーの世界でも地面からの衝撃を吸収する厚底モデルが一大トレンドとなりました。
早い話が競合各社は、こぞって厚底タイプの商品開発に取り組んだのだのです。
その結果、競争は過熱しました。
近年の箱根駅伝における着用率は、アディダスが2026年(35.7%)、2025年(36.2%)と2連覇を飾り、ナイキは2024年(42.6%)のトップを最後に、2025年(23.3%)2位、2026年(16.7%)3位と、あと一歩の位置に甘んじてしまっているのが現状です。
ひと昔前の日本のスニーカー市場と言うと、「ナイキ一強、それをアディダス、プーマが追随している」という印象でした。
それを最初に壊したのはニューバランス人気だったように思われます。
「1、000点満点中990点の仕上がり」というキャチコピーでも有名なニューバランス『996』モデルですが、2019年に、1988年デビューモデルをリバイバル・アップデイトさせた『CM996』モデルが、オシャレ嗜好な層を中心に人気に火が付いたのです。
軽量でクッション性に優れる衝撃吸収材「REV LITE(レブライト)」のミッドソールによる履き心地の良さと、上位モデルの『2002R』やエントリーモデルの『ML574』など、機能やこだわり、価格選択の広さから多くの支持を取り付け、ファッションスニーカーの代名詞的に存在にまで昇りつめました。
また、2020年のパンデミックにより再注目されたことのひとつがアウトドアです。
外出や対面での活動が制限される中、「密」を避けながら外出できるアウトドア活動に目を向ける人が続出しました。
キャンプを始めとするアウトドアへの再評価と共に、新しいシューズが生まれたのもこの頃です。
「アウトドアサンダル」にカテゴリーされるスニーカータイプのサンダルです。
南アフリカにルーツを持つ「SHAKA」や「Teva」、2本のポリエステルコードを編み上げたアッパーと一枚のソウルを組み合わせたモデルでおなじみ「KEEN」など、レジャーシーンを得意とする新興スニーカーブランドが多数登場してきたのです。
シンプルに競技、スポーツを目的に開発されるスニーカーと違って、レジャーあるいは趣味の延長戦といった視点から生まれる新興スニーカーブランド誕生の流れは止まりません。
ランニング終了後のリカバリーを目的とした「OOFOS」やトレイルランニングの「HOKKA」、「SALOMON」といった欧州発信のスニーカーブランドも、近年人気が顕著です。
特にSALOMONはパリの有名セレクトショップやハイエンドブランドなどのコラボレーションもあって、先のニューバランス後のファッションスニーカー的な存在に取って代わるくらいの存在感となりました。
新興スニーカーブランドとして、今、最も熱いのはスイス発のスポーツブランドの「On(オン)」でしょう。
日本国内にある店舗は、どこも観光客も含め入場制限とともに入店待ちの列を作っているほどの人気ぶりです。
同ブランドの歴史は新しく、2010年設立で、日本上陸はコロナパンデミック真っ只中の2022年4月でした。
既成概念に囚われない機能やデザインを求め、大きなプロモーションに頼らず、口コミやイベント開催を通じてファンを獲得しました。
また、Onを代表するモデルのスニーカーである『クラウドモンスター』は、独自のクッショニングシステムを採用し、「クラウドパーツ」と呼ばれる中央部分を空洞にしたユニークな形状パーツが特徴的で、特に人気があります。
こうして、「スニーカーと言えばナイキ」というような、ひとつの強者ブランドが長きにわたって君臨する時代は終わったのです。
ファッション、レジャー、ビジネス、リラクシングなど生活者のオケージョンや気分に合った“ベスト・スニーカー”を、こだわりや嗜好・予算感に応じて選択できる幅が広がったと見るべきでしょう。
それほど、スニーカー市場全体が大きく広がったのであり、近年のナイキの不調ぶりとも深く関係しているというわけです。
個人的には、昔からアディダスとかニューバランスが好きなのですが、ナイキは業績不調なんですね。
時代がマスからニッチへ変わっているんでしょうね。
一方で、ナイキがどう立て直してくるのだろうか?ということにもすごく興味はありますが。
「ナイキのスニーカー」一強時代はなぜ終わりを迎えたのか?について、あなたはどう思われましたか?
プルデンシャル生命は営業自粛も信頼回復の道は険しく解約は増加し退職者も後を絶たず!
2026年02月26日(木)
時事通信によると、プルデンシャル生命保険は、金銭不正受領の再発防止策を徹底するため90日間の営業自粛期間を設け、再生を期すようです。
ただし、被害はこれまで公表した案件以外にも拡大する恐れがあるほか、保険の解約件数も増加しています。
営業社員の退職も後を絶たない状況で、得丸博充社長は「信頼回復に向けた道のりは長く、険しいものになる」と覚悟しています。
プルデンシャル生命保険は、過度に業績に連動する報酬制度や、営業社員と顧客との関係が「密室化」し、監視が行き届かなかったことが不正の背景にあると分析しています。
社員が安定した収入を得られる報酬制度へ見直すほか、管理強化のために本社社員を「第二担当者」とし、チームで顧客を支えることを検討するなど、再発防止に全力を挙げます。
90日間は「組織体制を抜本的に見直していくための重要な時間」(得丸氏)との位置付けです。
しかしながら、2026年1月の不正受領公表後には、新たに不正が疑われる事案が数十件以上あることが判明しています。
プルデンシャル生命保険は第三者委員会で調査を進めますが、全容解明は見通せず、保険の解約に歯止めがかかっていない状況です。
また、営業再開後に人材を確保できるかにも不安が残っています。
プルデンシャル生命保険の営業社員は全国に約4,000人超在籍していますが、不正発覚後は平時の年500人規模を上回るペースで退職者が増加しているようです。
再発防止を優先するため、新規採用も停止しています。
今回の問題で、アメリカの本社は3億~3.5億ドル(約466億~約544億円)規模の収益減を見込んでいますが、全面的にバックアップする姿勢を強調しています。
日本法人の責任者も「(日本からの)撤退は考えていない」と話していますが、業績を持ち直せるかは予断を許さない状況です。
得丸氏は90日間で十分に体制が整わなければ自粛期間を延長する可能性も示唆しており、プルデンシャル生命保険の先行きには不透明感が漂っています。
規模や期間を考えると、ごく一部の人達が引き起こした問題だと思いますが、当然、経営者の責任はあるでしょうね。
経営者自身が、おそらくトップレベルで契約をたくさん取ってきた方でしょうから、成績があまり良くない方の気持ちや行動が分からず、問題を起こした方は当初考えていたほど稼げなかった方ですぐに退職していなくなってしまっているでしょうから、起こるべくして起こったという感じなんでしょうね。
一方、今回の事件を機に、トップレベルの方は人間的にも素晴らしく、知識も豊富な方で、販売するのが難しい生命保険をバンバン販売してきた営業能力の極めて高い方でしょうから、その方のノウハウなどがプルデンシャル生命保険全体に浸透していけば、素晴らしい組織になるようにも思いますね。
プルデンシャル生命は営業自粛も信頼回復の道は険しく解約は増加し退職者も後を絶たないことについて、あなたはどう思われましたか?
私立大学の半数以上が赤字に転落!
今年も大学入学共通テストが終了し、本格的な大学受験シーズンを迎えました。
東京商工リサーチTSRデータインサイトによると、直近の2025年3月期決算で、全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が赤字だったことがわかりました。
赤字率が最も高い地域は我が四国の88.9%で、約9割に迫りました。
また、売上高10億円未満の49法人(構成比8.9%)の赤字率は69.3%と約7割に達しました。
小規模の大学ほど、運営コストの上昇を吸収できずに採算性が低下しており、地域や事業規模による利益格差がより鮮明になっています。
また、箱根駅伝に出場した20大学のうち、売上高100億円超は19大学で8割が黒字でした。
知名度とともに、経営の安定度が目立ちました。
少子化などを背景に、入学者の減少が深刻化しています。
2024年度の入学定員充足率(入学者数÷入学定員)が100%未満の私立大学は、全体の59.2%(日本私立学校振興・共済事業団公表)にのぼり、約6割の私立大学が定員割れを引き起こしています。
18歳人口の減少が加速する「2026年問題」も浮上するなか、来年度以降に募集停止や閉校を決断する大学も相次いでいます。
特に、人口減少が進む地方や小規模の短期大学、女子大では学生確保が困難になり、こうした大学を運営する法人の業績悪化が急速に進んでいます。
大学全入時代が到来し、大学経営の事業環境は、ますます厳しい状況に置かれることが必至です。
これまで培ってきた歴史や実績、ブランド力だけでなく、研究・教育や就職支援など、多方面の特色と差別化が問われています。
私立大学の生き残りには経営力の強化と、淘汰の波に備える現実的な経営センスが求められています。
なお、本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから、大学、短期大学を経営する法人の業績を抽出したものです。
2025年3月期を最新期とし、3期連続で業績が判明した545法人を抽出、分析しています。
売上高は事業活動収支計算書内の【教育活動収入計】、利益は【基本金組入前当年度収支差額】を採用しています。
法人ベースの売上高のため、付属高校などの系列校や医療、付随事業などによる収入も含んでいます。
私立大学経営の545法人の売上高合計は、6兆8,265億円(前期比1.5%増)と増加しています。
一方、利益は1,559億円(同29.1%減)で、前期から約3割減少し、「増収減益」となりました。
利益水準は2024年3月期(前期比30.2%減)に続き、2年連続で3割減となり、2年で半減しました。
受験者数や入学定員の増加には限りがあり、収入が伸び悩む一方、物価高や人件費の上昇など運営コストの増加を吸収できず、採算悪化が深刻さを増しているようです。

売上高トップは、医療系中心に8学部を設置する順天堂大学を経営する学校法人順天堂の2,215億6,100万円で、唯一の2,000億円超えです。
次いで、学生数最多の学校法人日本大学、学校法人慶應義塾が続き、4位は西日本で唯一ランクインした学校法人近畿大学、5位は全国に系列校を持つ学校法人東海大学の順です。
売上高トップ10の顔ぶれは前年と変わらず、すべて医学部とその附属病院を持つ総合大学、医療収入の多い医科系大学でした。
利益ランキングは、学校法人帝京大学が234億9,600万円でトップでした。
同グループの学校法人帝京平成大学も9位(74億5,600万円)でランクインしています。
利益上位も医学部や歯学部を持つ医療系が上位に入っています。
売上高、利益ともにトップ10にランクインしたのは学校法人慶応義塾と学校法人近畿大学の2法人でした。

最新期の損益別では、黒字が258法人(構成比47.3%)に対し、赤字が287法人(同52.6%)で5割を超えています。
赤字法人の比率は、2022年3月期決算では34.2%でしたが、前々期41.1%、前期46.0%と上昇を続け、最新期ではついに半数を上回りました。
赤字の287法人のうち、3期以上にわたり赤字が継続しているのは169法人(同58.8%)で、約6割にのぼります。
採算割れで厳しい経営に陥った法人が増えています。
慢性的な赤字経営から脱却できない法人の中には、私学助成金への依存で経営を維持している可能性があります。
最新期の決算のうち、売上高100億円以上の130法人の赤字率は22.3%(29法人)でしたが、売上高10億円未満の49法人の赤字率は69.3%(34法人)と約7割に達しました。
小規模法人は単科大学や短期大学が多く、受験料や学費中心の運営が難しい法人と大規模法人との間で事業規模により格差が生じていることがわかりました。

545法人の損益を地域ごとに比較したところ、赤字率が最も高いのは、我が四国の88.9%で約9割にのぼりダントツです。
次いで、東北と北陸が66.7%、中部が63.1%、北海道が60.0%と6割を超えました。
最低は、関東の43.5%で、関東以外の8地区はすべて赤字率が50%を上回りました。
四国と関東とは45.4ポイントの差が生じており、地域格差が鮮明となっています。

毎年、正月の風物詩となっている「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)の本選出場校を運営する法人を抽出しています。
2026年大会で3年連続の総合優勝を飾った学校法人青山学院は、売上高が386億2,300万円で、売上は41番目にランクインしました。
売上高が唯一、100億円に届かなかったのは学校法人中央学院で、売上高53億3,600万円でした。
中央学院を除く19法人は、売上高100億円超の大規模校で、売上高1,000億円超は学校法人順天堂、学校法人日本大学、学校法人東海大学など5法人ありました。
また、利益も20法人のうち、16法人が黒字を計上しており、知名度だけでなく経営の安定度も目立っています。
箱根駅伝は関東学連の地方大会という枠を超え、いまや全国的に注目を集めるビッグイベントになっています。
出場や活躍次第では知名度、ブランド力が飛躍的に向上し、それが全国からの入学希望者数の増加にも直結します。
経営戦略のコア・コンピタンスとして位置付け、一層強化に力を入れる大学も出てくるでしょう。

明らかに、勝ち負けがはっきりしてきている感じですね。
それにしても、学校法人順天堂の売上高2,221億円というのはスゴいですね。
上場企業でも、620位くらいの水準ですからね。
しかしながら、62億円くらいの赤字ですね。
学校法人帝京大学の売上高1,098億円、利益234億円というのもスゴいですね。
四国は9割が赤字ですから、時代の変化に即した学部の新設、特定の企業へ就職できるなど色々と考えていかないと、大学の存亡にも関わりますし、若い年代の人の四国外への流出につながるでしょうから、大学のみならず、県や市なども本気で考えていかないと、一段と東京集中になってしまうと思われますので、知恵を絞ってほしいですね。
私立大学の半数以上が赤字に転落したことについて、あなたはどう思われましたか?
サイゼリヤも未進出でドンキは全国ラスト出店の高知県が日本最大の「チェーン空白地帯」である理由!
現代ビジネスによると、高知県は、全国チェーン企業にとって“最後のフロンティア”と呼ばれることがあります。
実際、その顔ぶれを並べてみると、その特異性は際立っています。
サイゼリヤやジョナサン、バーミヤン、やよい軒などの全国的な外食チェーンがいまだ出店しておらず、ガストや吉野家といったおなじみの店も数えるほどしか存在しません。
コンビニ最大手のセブンイレブンの国内都道府県別店舗数は51店舗と、2025年11月時点で全国最下位です。
また、ビジネスホテルの定番である東横インやルートインホテルも、全国で唯一未進出となっています。
全国最大の1,024軒・約14万室を展開するアパホテルでさえ、高知県への初進出は2026年3月開業予定と、ようやく重い腰を上げた格好です。
そんな高知に2025年2月、ドン・キホーテが全国で最後となる初出店を果たし、開店直後から数百人もの長蛇の列ができたことは記憶に新しいところです。
このお祭り騒ぎは、高知県民がいかに全国チェーンから切り離されてきたかを示しています。
なぜ、高知にはここまでチェーン店が根付かないのでしょうか?
その最大の理由は、地理と物流にあります。
高知県は四国の中でも特異な地形をしています。
県土は東西に長く、その大半を四国山地が占めています。
陸路で入ろうとすれば、どの県からも山を越える必要があり、高速道路網も他県に比べて脆弱です。
多店舗展開を前提とするチェーンにとっては、配送網を引く決断が難しいのです。
実際、香川・徳島・愛媛は関西や中国地方の物流センターを活用できますが、高知だけはその圏外にあります。
高知に本格進出するなら、別途新たな拠点を構える必要があり、初期投資のハードルは一気に跳ね上がるのです。
加えて、人口規模と所得水準という問題も大きいです。
2019年の全国家計構造調査によれば、都道府県別の年間収入(総世帯)において、高知県の世帯年収は全国45位にとどまっています。
可処分所得が低ければ、売り上げが見込みづらいのは当然です。
さらに、2020年の国勢調査では人口密度も全国44位とワーストクラスで、東京の約70分の1にすぎません。
となると、商圏としての厚みは決定的に弱いと言わざるを得ません。
これでは「進出しても採算が合わない」とチェーン本部が判断するのも、合理的な話でしょう。
しかしながら、それだけでは説明がつかない側面もあります。
総務省が毎年発表している家計調査によれば、実は高知県民の外食費は全国平均を上回っているのです。
高知ではファミリーレストランや全国チェーンの居酒屋が少ない一方で、街には個人経営の飲食店がひしめいています。
象徴的なのが、根強い喫茶店文化です。
漁師町が多く共働き世帯も少なくない高知では、人口当たりの喫茶店数が全国トップクラスとされ、モーニング文化が日常に深く根付いています。
こうしたチェーンが入り込みにくい難攻不落の市場で、地元密着型の飲食チェーンが着実に勢力を築いてきました。
その代表格が、高知県内に15店舗を展開する「現代企業社」グループです。
現代企業社は、高知県内のみで飲食店14店舗とベーカリー1店舗を展開するローカルチェーンです。
創業以来、全国チェーンとは一線を画す独自路線を貫き、県民のニーズを着実に囲い込んできました。
はたして、どんな工夫や戦略で、高知県民に愛される飲食店として不動の地位を築いてきたのでしょうか?
副社長の大西みちるさんに話を訊いています。
「現代企業社」の歴史を紐解くと、昭和33年に遡ります。
大西みちるさんの祖父の弟が一号店となる「ショパン」を開き、祖父が1年後に引き継ぎました。
「ショパン」は、「第一」という名への改名を経て、現在の「ファウスト」という店名になり、こちらは今なお高知市内の繁華街の人気店です。
高知の喫茶店文化は大正時代から芽吹き始めていたものの、大空襲で全滅しました。
ところが、戦後の昭和30年代、特別な知識がなくても始められる手軽さや共働きが多かったことなどから一気に再興し、喫茶店文化の黄金期を迎えるのです。
「ファウスト」が開店したのも、ちょうどそんな時期でした。
大西さんは言いいます。
「娯楽が少なかった当時の高知において、喫茶店は社交場として機能していました。とくに祖父の店ではクラシック音楽を流し、店内の雰囲気づくりにもこだわっていて、詩人や画家などの芸術家が集まって芸術論を交わす場になっていました。祖父自身も小説家を志していましたが、画家たちとの交流を通じて絵を描き始めます」
その後、街で映画を観た後に、「ファウスト」に寄り、音楽も楽しみながら映画の話をする、なんていう流れもできました。
「現代企業社」は一気に店舗展開を広げていったのです。
たまに、高知に行きますが、確かに、全国チェーン店は少ないですね。
この記事にはないですが、以前から、高知県以外の四国3県には支店やお店があるものの、高知県にはない企業が多いと聞きます。
最近では、以前ほどではないようですが。
値段などではなく、人とのつながりを大事にするところだからというのを何度も聞きましたが、それは素晴らしいことだと思いますね。
サイゼリヤも未進出でドンキは全国ラスト出店の高知県が日本最大の「チェーン空白地帯」である理由について、あなたはどう思われましたか?