飲食の行列を飛ばし「倍払う」ファストパス利用の半数が若者の非リッチ層!
日本経済新聞によると、列に並ばずに優先的にサービスを受けられる「ファストパス」が飲食店に広がり始めたようです。
2026年3月下旬、京都府京都市のそば店「京都鴨蕎麦田」を小雨が降る昼時に訪れると、15席ある店内は既に満席で、外には20人以上が列をなしていたようです。
田は混雑時には入店まで2〜3時間かかる行列店です。
そんな行列を横目に、一人の女性が店の軒先へと向かいました。
すると3分ほどで店員が呼び出し、そのまま店内へと入り、料理を堪能したのです。
女性が利用したのがファストパスです。
店頭に掲示されているQRコードを読み込み、クレジットカードでファストパスを購入する仕組みです。
ファストパス代は1,500円と、看板メニューである「塩鴨つけ蕎麦」の値段(平日は1,290円)を上回ります。
それでも「一日観光で京都に来ているが、並ぶ時間は惜しく、1,500円なら買ってもいいと思った。空き時間をつくれたので、これから八坂神社に行きます」と笑顔でした。
東京都の女子大学生2人もそれぞれ1,500円のファストパスを購入しました。
「おなかがすいたし、並びたくもない。仮に1枚5,000円だったとしても買っていた」
このサービスはSuiSui(スイスイ、栃木県那須塩原市)が手掛けています。
2023年秋からサービスを始め、現在は東京や大阪府、愛知県といった大都市を中心に約80店舗が導入しています。
最大の特徴は、混雑状況などに応じてファストパスの価格が変動する仕組みです。
まず業種や客単価、待ち環境など6つの指標を基に価格を決定します。
チケットが売れ続ければ自動的に価格が上がり、一定の時間内に売れなくなれば価格を戻します。
上げ幅やタイミングは店によって変えています。

飲食店側は初期費用が不要で、ファストパスの販売代金を店とスイスイが折半します。
店側は一人でも多くの客に買ってもらいたいところですが、スイスイは入店客全体のうちファストパス利用者の割合を最大10%に設定します。
割り込む形で入る客が増えすぎることで、店のオペレーションに支障が出ないようにするためです。
繁盛店の証しである行列を一定程度保ちたい、という店側の事情も考慮しました。
ロシアによるウクライナ侵略に端を発したエネルギー価格の上昇を受け、原材料価格は上昇が続いています。
飲食店も段階的にコスト上昇分を料金に反映していますが、値上げ幅によっては客の減少にもつながりかねません。
その分、ファストパスは店側が値上げ以外の手段で収益を得られる点でメリットが大きいのです。
田は2024年春にスイスイのサービスを導入しました。
現在のチケットの最低価格は1,500円で、1枚売れるごとに1,500円上昇していきます。
販売代金は月平均30万円に上り、2025年11月には過去最高の41万9,000円を達成しました。
1,000円刻みで価格が上がっていた時期に、チケット価格が最高値の8,000円を記録したのです。
平均単価(約1,500円)の6倍に匹敵します。
店内の飲食による月間売上高は800万円強といい、ファストパス代は新たな収益の柱となっています。
オーナーの柴田英行さんは「従業員の数も運営コストも導入前後で変わっておらず、チケットの収益がそのまま『純利益』になる」と話しています。
味噌カツチェーン「矢場とん」の運営会社、矢場とん(愛知県名古屋市)も現在は同市内6店舗でスイスイを採用しています。
このうち、名古屋駅前にある「エスカ店」は回転率が高く、列がどんどん進みます。
このため、チケットの最低価格は500円と客単価(約1,800円)より安く設定しています。
1,000円が3枚売れると、その後は500円刻みで上がります。
エスカ店だけで月20万円を稼ぐそうです。
矢場とんの鈴木拓将代表は「料理宅配も1つの収益源だが、販売価格に応じてマージンが取られるため、料金を店より引き上げざるを得ない」と漏らしています。
スイスイは「飲食店になかった新たな領域を収益源として確立している」と評価しています。
このほか、東京駅直結の八重洲地下街(ヤエチカ)にある「東京ラーメン横丁」でも全7店がスイスイを導入しています。
昼休みに「元祖油堂 油そば」を訪れた40代の男性会社員は、500円のファストパスを購入しました。
常に混雑する昼食時は毎回使うといい、既に5回程度利用しています。
「時間が限られるので待たずに入りたい。約1,000円のラーメンに500円のファストパス価格は妥当かなと思う」
つけ麺店「つじ田 銀座店」(東京都中央区)では9割の利用がインバウンド(訪日外国人)客で、ファストパスの売り上げは月25万〜40万円になります。
スイスイは英語や中国語、韓国語にも対応しています。
スイスイはサービス導入にあたり、約8か月の期間をかけ、利用者の購買意欲がどのように変化するかを実際の店舗で検証しました。
佐藤慶一郎代表は全国の行列店に片っ端から電話をかけました。
1日あたり5万円の協力金に加え、期間中にチケット販売で得られた収益をすべて店舗に支払うという条件で協力を仰いだのです。
その上で列に並ぶ客に「行列を飛ばす有料サービスを利用したいか」「いくらなら払えるか」などを尋ねました。
チケットの試験販売もしました。
東京都内の人気ラーメン店で一律500円で販売したところ、通常の行列とスイスイの行列の2つが発生し、大クレームに発展したのです。
そこで価格の変動で混雑を一定程度コントロールする必要性を痛感したそうです。
利用者の購入意欲が増すのが「体感で30分以上待ちそうだ」と感じた時だということも判明しました。
目安は利用者の前に10組20人が並んでいた時で、屋内か屋外かといった「待つ環境」で変動することも分かりました。
こうした試行錯誤を重ね、サービス導入にこぎ着けたのです。

ファストパスはこれまでテーマパークなどで導入され、「富裕層向けのサービス」との見方もあります。
ただし、スイスイによると、利用者の約7割は20〜30代が占め、年収別では500万円未満が半数に上っています。
チケットの平均価格は900円と、ランチ1回分相当の金額を支払っている計算です。
スイスイの佐藤代表は「お金があるかないかの二元論ではなく、行列に並んだその瞬間の時間価値がどれほどかによって購入するかどうかが決まる」と説明しています。
スイスイのデータでは、大学生が旅行中やデート中に客単価が1,000円の店舗に並び、2枚で6,000円のチケットを購入していました。
待つという無駄な時間を減らし、浮いた時間を別の目的に使いたい、という消費者心理が働いているとみられます。
足元の利用は増えています。
1人あたりの決済額は2025年が815円と、2024年(436円)に比べて9割増えました。
2026年1〜3月の利用者のうち、6%にあたる約150人が過去に一度はファストパスを利用したことがあるそうです。
導入店が80店舗であることを加味すれば、一定数の利用者が支持しているといえます。
飲食店におけるファストパスは利用拡大が見込まれ、同様のサービスを手掛ける企業もあります。
予約管理サービスのテーブルチェック(東京都中央区)は2024年にファストパスサービスを開始しました。
ラーメンチェーン「一蘭」などの麺類を中心に、カフェやパンケーキ店など約100店が導入しています。
店舗を訪れる前に日時や人数を指定して購入できるのが特徴です。
事前に予約することで旅先の計画が立てやすくなります。
谷口優代表は「当初は店の客単価をチケット価格の上限にしていた。要望を受けて引き上げたところ、それでも飛ぶように売れた」と需要の大きさに手応えを感じています。
全国には50万店ほどの飲食店があるとされています。
このうち30分以上並ぶ行列が発生する繁盛店は約1万店あると、スイスイの佐藤代表は試算しています。
足元では観光地や繁華街に立地する店が中心となりますが、チケット代の設定などによっては利用シーンが広がりそうです。
いわゆる『Z世代』の特徴として、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視すると言われますが、そこをよく突いたサービスですね。
やはり並ぶのは嫌という人は一定数おられるでしょうから、今後、どんどん広がっていくでしょうね。
我が会計業界も、『タイパ』を意識したサービスが必要かもしれませんね。
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企業統治指針を5年ぶり改訂し「現預金の有効活用を」とカネ余りに圧力!
企業が抱える現預金を有効活用できているか、取締役会に検証を求める項目を盛り込みました。
現預金を含めた経営資源を適切に配分し、成長に向けた設備投資やM&A(合併・買収)を促します。
指針の改訂は5年ぶりになります。
同日開いた有識者会議で大筋了承を得ました。
ガバナンス・コードは企業が持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上を目指して従うべき行動指針です。
企業は各原則を順守するか、順守しない場合はその理由について説明する「コンプライ・オア・エクスプレイン」と呼ぶ形式をとっています。

改訂案では取締役会に対し、収益力などの目標を示したうえで、実現のために成長投資や事業構成の見直しをどう進めるか具体的に説明するよう求めました。
現預金や政策保有株といった金融資産、不動産などの実物資産については「成長投資に有効活用できているかを含め、不断に検証を行うべきである」と記しました。
成長投資には設備投資や研究開発、M&Aのほか、賃上げや社員研修などの人的資本への投資を含みます。
成長投資を促す項目を盛り込んだ背景に、企業がお金を抱え込みすぎているという政府の問題意識があります。
2025年3月末時点の東証プライム上場企業の現預金(金融や日本郵政など除く)は約115兆円と、過去10年間で4割強増えています。

市場の関心は高いようです。
ニューバーガー・バーマンの窪田慶太・日本株式運用部長は「企業の成長投資への姿勢を後押しする内容だ」と評価しています。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「現預金の活用が明記されたことで経営者にはプレッシャーが働くようになる」とみています。
現預金に関する文言は原則の本記部分ではなく、趣旨や背景を説明した「解釈指針」に入れました。
この解釈指針は企業に「コンプライ・オア・エクスプレイン」を求めるものではありません。
野村証券の中川和哉ESGチーム・ヘッドは「企業と投資家の間で議論が深まるか不透明だ」と懐疑的な見方を示しています。
現預金が成長投資にうまく向かわず、株主還元の積み増しにとどまる可能性もあります。
近年は一連の企業統治改革によって株価を意識した経営が定着してきたものの、有望な投資先が見当たらないなどとして成長戦略を後回しにし、自社株買いや増配に動きがちだとの批判があります。

今回の改訂では、短期志向になりがちな経営陣の行動をけん制しました。
改訂に合わせて公表する文書では「株主還元に頼るなど短期目線でふるまうのではなく、中長期的な企業価値の向上に向けた成長投資の取り組みを行うこと」と記しました。
オービックの担当者は「中長期の成長につながる人的投資や拡大するクラウドビジネスへの先行投資などを進める。成長投資以外の残余資金は配当や自社株買いなどで世の中に積極的に還元する」と話しました。
インフレが現預金の活用を促すとの見方もあります。
大和総研の神尾篤史主任研究員は「インフレ局面ではお金の価値が目減りするため、企業が賃上げも含めた投資を考えるきっかけになる」と期待しています。
企業統治指針の改訂案は他に、有価証券報告書を株主総会より前に提出することも求めました。
「総会開催日の3週間以上前に提出することが最も望ましい」と時期の目安も示しました。
改訂案はパブリックコメント(意見公募)を経て、夏までに正式決定される見通しです。
上場企業には遅くとも2027年7月までに改訂をふまえた報告書を出すよう求めます。
企業がお金を抱え込みすぎているというのは、失われた30年を経験し、近年の何が起こるか分からない状況なので、将来への不安が大きいのではないかと個人的には思っており、政府の政策の失敗に起因しているように感じますので、金融庁がとやかく言うのはどうなのかな?と思いますね。
一方で、現在、雑誌の記事を書いていますが、インフレ下においては何もしないと資産の実質的価値が目減りしますので、現預金の有効活用というか資産の組み替えが上場企業かどうかを問わず重要になってきていると思いますので、企業には真剣に考えてほしいと思います。
企業統治指針を5年ぶり改訂し「現預金の有効活用を」とカネ余りに圧力をかけていることについて、あなたはどう思われましたか?
「人が足りない」宇宙産業は欧米や異業種から採用も1万人止まり!
日本経済新聞によると、日本政府は日本の宇宙関連の市場規模を2030年代初めに倍増する計画を掲げています。
実現に向けた障壁の一つが人材の不足です。
現状では宇宙産業に関わる企業などの従業員数は将来求められる規模の10分の1程度にとどまっています。
人手の確保に向けて、欧米の同業他社や国内の自動車産業などから積極的に採用する企業も現れました。
政府も必要な技能をまとめた手引書を作るなどの支援に取り組んでいます。
「とにかく人材が足りない」。
2026年2月に神奈川県横浜市で開かれた宇宙関連の企業などが集まるイベントでは、人工衛星やロケットの部品などを製造する企業から懸念の声が相次ぎました。
宇宙望遠鏡などを手掛ける清原光学(東京都板橋区)や衛星の部品を製造する由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)をはじめとする中小企業も参加しました。
政府は2020年に4兆円だった日本の宇宙関連の市場規模を、2030年代初めに2倍の8兆円に増やす目標を掲げています。
最近では中小企業など向けの「中小企業イノベーション創出推進事業」や10年間で約1兆円規模を技術開発に投じる「宇宙戦略基金」などで企業を支援してきました。
政府の取り組みは実を結びつつあります。
調査会社のケップル(東京都港区)によると、スタートアップの従業員数の増加率は2024年に宇宙産業が最も高くなっています。
しかしながら、それでも人手が足りません。
宇宙開発に詳しい和歌山大学の秋山演亮教授は「ロケットや衛星、地上で使う機器を製造したり、衛星に使う様々なサービスに関わったりする人が圧倒的に不足している」と指摘しています。
秋山教授は日本の宇宙産業で2040年までに約10万人以上の人材が必要だと試算しています。
ところが、一般社団法人の日本航空宇宙工業会によると、国内の宇宙産業の従業員数は2022年度で8,891人にとどまっています。
ここ数年のスタートアップでの増員を加味しても「現状は1万2,000〜1万5,000人くらいではないか」(秋山教授)といっています。

宇宙関連の企業は人手の確保に向けて工夫を重ねています。
人工衛星を打ち上げる小型ロケット「ZERO(ゼロ)」の開発などに取り組むインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は海外や他の産業から優れた技能を持つ人物を積極的に獲得してきました。
ロケットのシステム開発など向けに海外で活躍した人材を採用し、部品の製造を担う部署には自動車産業で品質管理などに従事していた人を配置しました。
インターステラテクノロジズは2025年度は約60人の正社員を採用しました。
委託業務などを含むメンバーの数は2026年3月時点で4年前の約3倍の325人に増えました。
人材確保に向けては課題も残っています。
宇宙産業への転職などを支援するインバイトユー(東京都港区)の浅野和之代表取締役は「職種の名称が各社で異なり、分かりにくい」と指摘しています。
自動車や化学などの主力産業に比べ、成長段階にある宇宙関連の企業は求職者が働くイメージを持ちにくい点も障壁です。

日本の宇宙開発を率いる宇宙航空研究開発機構(JAXA)も人材難に悩んでいます。
現場では「研究開発を担う人材が不足している」と嘆く声が上がっています。
文部科学省は1,600人弱で推移してきたJAXAの従業員数を200人増やす計画です。
内閣府は企業の人材獲得を促すために宇宙産業で必要な技能を整理した手引書を2026年2月に公開しました。
2026年2月5日にオンラインで開いた説明会には製造業や商社、金融機関や大学の関係者が参加しました。
手引書にはロケットや衛星の事業などに関わる数十種類の職種に必要な技能をまとめました。
企業の採用活動や教育機関のカリキュラムの策定などに使う想定です。
宇宙開発の市場は世界で広がる見込みです。
その需要を取り込むために日本がやるべきことは多いようです。
打ち上げの失敗のニュースが続いていますので、その点も、会社は存続できるのだろうか?などと将来の不安につながっていると思いますので、早く打ち上げに成功して、夢のある業界ということを証明して欲しいですね。
世界に誇れる業界になってほしいものです。
「人が足りない」宇宙産業は欧米や異業種から採用も1万人止まりであることについて、あなたはどう思われましたか?
サッポロHDの自販機売却やDyDoの2万台撤去は野放図な設置のツケ!
日本経済新聞によると、サッポロホールディングス(HD)が自動販売機事業から撤退することを決めました。
定価で販売できる自販機は稼ぎ頭でしたが、近年は市場縮小とコスト上昇で収益が悪化しています。
設置台数を増やすことによる収益拡大路線を貫いてきた自販機ビジネスは抜本的な改革が迫られているようです。
サッポロHD傘下のポッカサッポロフード&ビバレッジは自販機事業をライフドリンクカンパニー(LDC)に売却します。
2026年3月中にもLDCが事業買収するための完全子会社を設立し、10月をめどにポッカサッポロの子会社の自販機事業を吸収します。
サッポロHDはこれまで、グループ全体で事業ポートフォリオの整理を進めてきました。
2025年12月には商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」などの不動産事業の売却を決めました。
ポッカサッポロは高収益が見込めるレモン事業に資源を集中します。
ポッカサッポロフード&ビバレッジが持つ約4万台の自販機はLDCの管轄下になります。
LDCは少品種の飲料を大量に生産し価格を抑えるビジネスモデルが強みで、生産拠点を全国に展開しており物流費を抑制できます。
ポッカサッポロで自販機事業に関わる子会社の社員約300人もLDC傘下の会社に所属する形になる見通しです。
飲料業界では自販機事業の見直しが相次いでいます。
ダイドーグループホールディングス(GHD)は2026年1月期に減損損失298億円を計上しました。
GHDは販売本数の86%を自販機で売り上げています。
止血策として全国に約27万台設置する自販機のうち不採算の約2万台を撤去します。
新規設置は抑え、収益が見込める場所に置き換えます。
高松富也社長は「自販機を持続可能なビジネスにしていきたいという考えはあるが、収益構造の改善に取り組んだ後に、再度成長を目指せるのか見極めていく」と話しています。
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスも自販機の将来の収益性を見直し、帳簿価値をまとめて切り下げる減損処理を実施しました。
自販機ビジネスに関わる全ての資産が対象で、営業所や支店の土地や建物も含まれます。
伊藤園は2026年5月、自販機事業を子会社のネオス(東京都台東区)に移管し、集約します。
飲料総研(東京都新宿区)によると、自販機1台当たりの平均販売数量は2024年で207ケースと、10年で8%減りました。
全国の稼働台数も2024年に204万台と、ピークだった2013年に比べ2割減りました。

自販機はかつて「置けば売れる」といわれるほどの安定収益源でした。
しかしながら、近年は原材料高や物流費の上昇に加え、商品の補充や代金の回収を担う人手の確保も難しくなっています。
明確な戦略がないまま無秩序に拡大路線を続けたツケがここに来て回ってきたのです。
現状、飲料の販売を巡ってはバイイングパワーを背景にした量販店の力が強くなっています。
メーカーは小売り側にリベート(販売奨励金)を支払って安値販売を強いられているのです。
一方、自販機販売では商品を補充するなど管理するオペレーション会社や設置先への場所使用料、人件費など、様々なコストがかかっていて簡単に値下げすることは難しくなっています。
その上、目玉商品として安さを打ち出すことで売れる量販店とは異なり、値下げすれば必ずしも売れるとはいえない事情もあります。
自販機事業を自前で続ける大手の戦略は、自販機1台当たりの収益の最大化にシフトしています。
キリンビバレッジは定番の茶系飲料より10〜20円ほど高い「iMUSE(イミューズ)」などのヘルスサイエンス飲料に集中し、ロードサイドより需要が比較的安定して見込めるオフィスや学校、工場など屋内に戦略的に自販機を配置します。
例えば、500ミリリットルの「イミューズ ヨーグルトテイスト」の自販機での売価は180円前後です。
店頭価格を集計した日経POS(販売時点情報管理)の2025年の平均価格は108.6円で、70円近く高く売る計算です。
これまで全国各地のエリア別にある販売子会社が手掛けてきた営業を本社主導に変えます。
自販機のヘルスサイエンス飲料の商品構成や配置場所の戦略を立てる専門部署も立ち上げます。
井上一弘社長は「効率的にヘルスサイエンスのブランドを構築する」と語っています。

国内シェアトップを持つコカ・コーラボトラーズジャパンは収益性の見込める立地への新規設置を加速するようです。
値上げや設置先を選定するツールの導入などにより、2026年12月期は前年から93億円増の206億円のセグメント利益を見込んでいます。
サントリー食品インターナショナル(サントリーBF)は自販機キャッシュレスアプリ「ジハンピ」を2025年に導入したほか、人工知能(AI)を活用して品ぞろえや自販機内の位置の最適化を進めています。
サントリーBFの担当者は「自販機は2秒で価値を伝えなければならない。持ち帰らずその場で飲むため、パッとみて味がわかる商品が選ばれる」と話しています。
飲料総研は「自販機の将来性は売価次第だ。店頭ではライバルでも自販機は例外的に一緒になればオペレーションコストを抑えられ価格競争力が上がる」と指摘しています。
自販機そのものの役割が終わったわけではありません。
小売り各社が現在こぞって取り組んでいる無人店舗の原型は自販機です。
近年では「ど冷えもん」など冷凍食品を扱う自販機が登場しヒットしました。
オペレーション管理を効率化すればまだ持続できる可能性があります。
飲料メーカーのビジネスモデル変革の本気度が問われています。
自販機は、値段やおまけなどで勝負できるコンビニや(24時間)スーパーなどど競合もするでしょうから、なかなか厳しいでしょうね。
一方で、すぐに飲みたいというニーズはなくならないでしょうから、場所とか商品とかで勝負になるでしょうね。
あとは、商品の補充や代金の回収などのオペレーションのコストを他社(他業種を含む)との共通化などによって下げられるかどうかでしょう。
サッポロHDの自販機売却やDyDoの2万台撤去は野放図な設置のツケであることについて、あなたはどう思われましたか?
保管させられていた金型を融通し新製品開発で「下請け」脱し成長へ!
2026年04月03日(金)
日本経済新聞によると、国内雇用の7割を抱える中小企業の経営環境が一段と悪化しています。
関税や金利上昇、人手不足で倒産件数が増加するなか、金型保管に象徴される大企業との不公正な商慣習も残っています。
大企業と中小企業がもたれ合う悪癖を脱することが、日本経済の再成長につながるでしょう。
トヨタ自動車が繰り返し値上げ要請に応じるのが、ホイール製造のレイズ(大阪府東大阪市)です。
耐久性など技術に定評があり、世界最大級のカスタムカーの祭典として25万人強が集った今年の「東京オートサロン」(千葉県千葉市)でも、トヨタの佐藤恒治社長がお忍びでブースを訪れました。
高級車向けのOEM(相手先ブランドによる生産)としてトヨタや日産自動車にも納入しています。
値引き要請を受けた時もありましたが、最近は3年連続で計約5%の値上げをしました。
斯波翔太郎社長は「ほぼ全ての要求を認めてくれる」と話しています。
レイズのような「言い値」が通る中小企業は多くはありませn。
日本は大企業が交渉の主導権を握り、産業構造の下層ほど発言権は弱くなります。
2025年の中小企業庁の調査に費用を「全額転嫁できた」と答えた中小は27%にとどまります。
大企業と下請け(中小受託事業者)のいびつな関係の象徴が「金型保管」です。
部品の製造に使う金型は発注側が保管費用を負担しなければなりません。
ただし、長年の取引慣行や取引上の立場の優劣を背景に受注側が無償で保管することが多くなっています。
最近、公正取引委員会は中小の経営を圧迫している不当な行為への監視を強めています。
2024年3月に日産に対し下請け36社への支払金を違法に減額したとして勧告、2025年10月にはトヨタ子会社に勧告を出し本体にも改善を申し入れました。
そんな金型を新しいビジネスにつなげる中小企業があります。
自動車部品の備前発条(岡山県岡山市)の山根教代社長は2023年夏、周囲の反対を押し切り「おたくのクルマのアームレスト用の金型を他社ブランドのアームレストの生産に転用させてほしい」と、自動車大手とシート大手に直談判しました。
金型はノウハウの固まりであり、本来、転用は許されません。
山根社長は「転用できれば車業界全体の二酸化炭素排出量を抑えられる」と訴え、自動車大手から承諾を得ました。
2024年出荷したアームレストは愛好者向けで量は少ないですが、金型費用を節約し利益はでやすくなっています。
年内にアームレストを組み込んだ高級チェアも発売します。
約1万の大企業と、約336万の中小企業の格差は広がっています。
大企業を中心とする上場企業は2025年3月期の純利益が4年連続で最高益となる一方、中小企業は破綻が相次いでいます。
帝国データバンクによると、2025年4〜9月の負債5,000万円未満の小規模倒産は2000年度以降で最多でした。
格差拡大は労働生産性に理由があります。
最新の生産設備やシステムに投資できない中小企業の労働生産性は大企業の4割しかないのです。
生産性が低いので利益をだせず、給料も上げられません。
従業員10〜99人の企業に勤める会社員(40〜44歳、大卒)の平均年収は551万円と、1,000人以上の企業に勤める会社員(同)より3割少なくなっています。
日本と欧米の下請け構造を比べると、日本は大企業に逆らって仕事を失うことへの恐れが強くなっています。
大企業の要求を断り、他社に仕事を回された事例は枚挙にいとまがありません。
大企業と対等に渡り合うためには、中小企業側の工夫や努力も必要になってきます。
樹脂部品製造のコージン(富山県上市町)は取引先や受注部品ごとに自社の業績への影響が分かるチャート図を作りました。
各部品を原価計算して横軸に生産に要する社員数、縦軸に利益額を置き、部品ごとの損益を「見える化」したのです。
小柴雅信社長はチャート図を手に一部の取引先に「価格転嫁を認めないなら取引をやめさせてほしい」と迫っています。
「おたくはうちの業績にマイナスですと伝えると大概の相手は驚き、態度を変える」。
価格転嫁に理解を示す大企業は多いものの、そうではない一部の取引先に強い姿勢を示しています。
日本は就業人口の7割(3,309万人)が中小企業で働いています。
中小企業を起点に経済が活性化するために日本政策金融公庫の岡崎文太郎副総裁は「小さくてもどう生きるか考え、経営を多様化することが求められる」と指摘しています。
中小企業というよりは中堅企業の話しかと思いますが、こういう中小企業が増えてくると良いですね。
と言っても、独自性がないと他社へ切り替えられてしまうだけになるかもしれませんので、独自性を出すことを考えることが大事でしょう。
大企業にとっても、海外の企業にとっても、ないと困るような製品やサービスを提供できるようになりたいですね。
保管させられていた金型を融通し新製品開発で「下請け」脱し成長している企業があることについて、あなたはどう思われましたか?
夜も稼ぐプロントは銀座の旗艦店でカフェバーを進化させ店舗数5割増へ!
日本経済新聞によると、カフェ「プロント」を手掛けるプロントコーポレーション(東京都港区)が酒場など夜の営業に力を入れて、競合カフェとの違いを鮮明にしているようです。
東京の銀座にはアルコールメニューを充実させた新たな旗艦店を開きました。
昼はカフェ、夜はバーとしてコーヒーを使ったカクテルなどを提供しています。
カフェバーで「夜も使えるプロント」のイメージ定着を目指します。
2026年1月中旬の夕方、プロントが東京の銀座に開いた旗艦店「PRONTO THE FIRST(プロントザファースト)」をこの記事の著者が訪れました。
1階は高級感のあるカフェで、2階にはバーフロアが待ち受けます。シルバーの壁に囲まれており、薄暗いなかにピンクや青の照明が反射し、モダンで重厚感のある雰囲気です。
「コーヒーと洋酒の融合」をテーマに2025年12月に開業し、新店舗限定のコーヒーを使ったカクテルメニューを取りそろえています。
例えば「ザ・エスプレッソ・マティーニ」(1,980円)で、コーヒー粉で風味付けしたジンを使ったコーヒー味のマティーニです。
このほか、コーヒーで割ったウイスキーの上に生クリームをのせた「アイリッシュコーヒー」(1,650円)も売れ筋だそうです。
1階はカフェですが、通常の「PRONTO(プロント)」とは違い、店員が客席まで商品を運ぶフルサービス形式です。
抽出方法も異なります。
機械によるドリップ式コーヒーで、豆に合わせた蒸らし時間や注ぎ方を設定でき、味のムラを抑えられるそうです。
コーヒー1杯は825円と、通常店と比べておよそ2倍の価格水準にしています。
1階のカウンター席でコーヒーを楽しんでいた男性(20)に話を聞くと、「ドリップならではのあっさりとした味わいのコーヒーで苦すぎずおいしい」と満足げでした。
プロントはサントリーとUCC上島珈琲(兵庫県神戸市)が共同出資し、1988年に立ち上げました。
カフェ業界で唯一、アルコールに力を入れているのが特徴です。
売上高のうち4割が、午後5時以降の売り上げです。
カフェが夜に居酒屋へ変身する「キッサカバ」、ワイン酒場の「DiPUNTO(ディプント)」など計6業態を展開しています。
主力は「ワインの入門店」と位置づけるディプントです。
低価格帯の商品を増やすなど、詳しい知識がなくてもワインを気軽に楽しむことができ、30代の女性を中心に支持を集めています。
プロントは店舗数について、2030年をめどに足元から5割増となる450店に広げる目標です。
主力の4業態に加えて、メニュー数を絞ったコンパクト型の店やフルサービスに特化した店など新たな業態の出店も計画中です。
幅広い業態を使い分けて、出店を増やします。
スターバックスコーヒージャパン(東京都品川区)やタリーズコーヒージャパン(東京都新宿区)など競合との間で、出店競争は激しくなっています。
コーヒーチェーンの出店余地が限られていく中で、プロントは酒場や新業態で他社との差異化を強めます。
プロントの杉山和弘社長は「プロントは昼も夜も収益を上げられるカフェチェーンとして、フランチャイズチェーン(FC)オーナーやデベロッパーなどからの引き合いが強い」と話しています。
ただし、夜の営業は人件費などのコストがかさむという課題もあります。
インフレで、居酒屋やバーなどの価格競争も激しくなっています。
カフェの強みを生かしつつ、酒場との融合で利益を確保しながら店舗数を増やしていけるかどうか、立地や顧客層に合わせて業態、メニューを柔軟に切り替えていくことが求められるでしょう。
プロントの2025年12月期の売上高は前の期比8%増の274億円で4期連続の増収でした。
しかし、コーヒー豆の仕入れ価格や人件費など事業コストは重くなっています。
どのように成長曲線を描いていくのか、杉山和弘社長に聞いています。
――プロントならではの強みは何でしょうか。
「プロントはもともとサントリーが手掛けるバーで、朝と昼の時間帯の収益を得るために始まった。今でもカフェ業界の『カフェアンドバー』として、昼と夜の両面で収益を得られることが強みだ。サントリーのウイスキーやジン、UCCのコーヒー豆を使った商品を提供できることもプロントならではだ」
「店舗数を増やして、30年をめどに売上高で400億円規模を目指していく。一方で客数はピークだった新型コロナウイルス禍前には戻っておらず、消費者の価格に対する目は厳しくなっている。ブランド力のあるサントリーやUCCの商品で集客力を高める」

――外食業界では人手不足が一段と深刻になっています。
「昼と夜で営業するプロントは人手不足の影響が大きい。店舗の従業員や本部の社員の定着率を高める取り組みに力を入れている。26年度は資格取得支援の人事制度で対象資格を増やすほか、24年度からは店舗で働く社員を対象に手当を月額1万円から3万円に増やした。既存の人材にかける人材投資を増やしていく」
――調理場へのロボットの導入などデジタルトランスフォーメーション(DX)に力を入れています。効果と課題は。
「既に大型の調理ロボットを導入したパスタ業態の店を開いているが、設備投資の面で負担も大きい。今後はプロントでパスタ調理のみを担う小型ロボットの導入を検証したい。試行錯誤しながら調整していきたい」
「キッチン業務のオペレーションに人工知能(AI)を活用したシステムを導入する予定だ。来店客の数や待機時間に応じて、注文が入ったメニューの調理の順番をAIが最適化する。これまで熟練の従業員が感覚でやっていたが、業務の効率化で顧客の満足度向上にもつなげることができる」
僕は東京に住んでいた頃には、時々プロントに行っており、高松にもできたら良いなぁと思っていたら、高松駅前に数年前にできましたが、2026年3月末で閉店してしまいました。
高松という街にそもそも合わなかったのか、運営会社(地元飲食店)に問題があったのか分かりませんが、非常に残念です。
昼はカフェ、夜はバーというのはすごく良い発想だと思いますし、プロントは好調のようなので、再び、どれかの業態で高松に出店してほしいですね。
夜も稼ぐプロントは銀座の旗艦店でカフェバーを進化させ店舗数5割増へ向かっていることについて、あなたはどう思われましたか?
三菱ケミカルが事業撤退!
2026年03月18日(水)
読売新聞によると、三菱ケミカル(東京都)は、香川県坂出市番の州町の香川事業所の主力事業であるコークス、炭素材の生産を2027年度で停止し、撤退すると発表しました。
グループ会社も含め、携わっていた従業員約600人について、配置転換や再就職支援を行うとしています。
発表によると、製鉄に使われるコークスは世界的に供給過剰で、海外市況の低迷が長期化しています。
炭素材も需要が低迷していました。
生産停止後は関連設備の撤去を進めるようです。
香川事業所は1969年に操業を始め、約160万平方メートルの敷地にグループ会社も含めて計約1,100人が勤務しています。
コークス・炭素材事業の2025年3月期の売上高は1,157億9,000万円としています。
香川事業所では、産業用ロボットや人工衛星に使われる炭素繊維、電気自動車のバッテリー向け負極材も手がけており、これらの生産は続けるとしています。
三菱ケミカルは「50年以上の歴史がある事業を撤退する判断は、会社としても残念だ。香川事業所では今後成長が見込まれる事業を続けるので、地元の理解、支援をいただきたい」としています。
坂出市の有福哲二市長は「今後、従業員の雇用や跡地の活用などにおいて、前向きな対応をお願いしたい」とコメントしました。
番の州の三菱ケミカルって、1,100人も勤務されているんですね。
そのうち、600人に対して配置転換や再就職支援を行うわけですから、坂出市や香川県にとっても影響は大きいですね。
営利企業としては、儲からない事業から撤退するのは当然の行動だとは思いますが、会社としてもジリ貧ではだめでしょうから、跡地で何か新事業をしてほしいと思いますね。
三菱ケミカルが事業撤退することについて、あなたはどう思われましたか?
「ナイキ不調」の原因はスニーカー市場で「スケッチャーズ」などが急速に存在感を発揮していることか?
2026年03月09日(月)
現代ビジネスによると、スニーカー市場が空前の活況を見せています。
靴・履物のアイテム別市場規模は2024年の小売り金額ベースで1兆2、367億円とされますが、うち、スニーカーを含むスポーツシューズの構成比は58%の7、173億円。2020年対比で全体は15%増、スポーツシューズで25%増(矢野経済研究所調べ)と数字にも裏付けされています。
今までオリジナルスニーカーを開発したこともなかったアウトドアブランド、ショップまでも競って、オリジナルスニーカーを開発・販売する時代です。
一方、その煽りを受けているのが、かつての王者「ナイキ」です。
業績はここ最近、大きく低迷しているのです。
さらに、そんなナイキにとって無視できない動きが。いわゆる「ハンズフリー・スニーカー」と呼ばれる新ジャンルの台頭です。
新しい視点で大ヒットしたスニーカーがあります。
それは「ハンズフリー・スニーカー」とジャンルされる、シューズを履く時に手を使わずに楽に履けるのが特徴のスニーカーです。
かがみこんで靴紐を結ぶのが難しくなるお年寄りや妊婦、忙しいオフィスワーカー、脱ぎ履きの多い仕事に従事する人、靴紐を結ぶのが苦手な子供たちなど、幅広い層をターゲットにヒットしたスニーカーと言えます。
代表的なものとしては、「スケッチャーズ」の『スリップインズ』が挙げられます。
2023年9月にお笑いコンビ・バナナマンの日村勇記さんを使ったテレビCMが好評で、同ブランドの公式オンラインサイトは一時サーバーダウンしてしまうほどの反響があったそうです。
スケッチャーズ自体、グローバル展開している中でも特に日本での反応が大きいとされています。
おそらく、靴の脱ぎ履きが多い日本式ライフスタイルに、ベストフィットしたからでしょう。
大手量販店でもハンズフリーに着目したシューズの商品展開をしています。
東京靴流通センター、SHOE PLAZA等を全国チェーン展開している株式会社チヨダも、手を使わずに立ったままスパッと履ける『スパットシューズ』を2022年より発売しています。
初年度の15万足から、2023年に75万足、2024年は164万足と、順調に販売を伸ばしています。
ちなみに、このハンズフリー・シューズを初めて出したのはアメリカの「Kiziki(キジック)」というブランドです。
既に特許取得されている機能を、踵部分に靴ベラを組み合わせていくという形で、1年をかけて製品化にこぎつけた渾身の開発商品となりました。
「革靴離れ」と言われて久しい中、ビジネスコードのカジュアル化とともに、オフィスシーンでもスニーカー文化は広がりつつあります。
セットアップスタイルにスニーカーを合わせるオシャレ上級者以外にも、アッパーからソウルまで黒いスニーカーを通勤靴として愛用しているオフィスワーカーも多くなっています。
さらに、ここに来て「アッパー部分はドレス顔でソール部分はスニーカー」という、スマートに見えてスニーカーの履き心地を再現したハイブリットなスニーカーまで登場しています。
代表的なデザインに「ローファースニーカー」と呼ばれる商品があり、ニューバランス『#1906』、ザ・ノース・フェイス『ヌプシローファー』などが人気を集めています。
“履き心地の良さ”を優先させれば、スニーカーに勝るシューズは、今のところ見当たりません。
その上で、スニーカーの弱点だったドレスコードから外れるカジュアル感でさえ、時代とともに超えるべきハードルは低くなっています。
「スニーカーヘッズ」と呼ばれるスニーカー収集家まで現れるほど裾野を広げるまでになったスニーカーカルチャー。コレクターズラインナップも、ヴィンテージモデルを中心にブランド、モデルシリーズ、コラボレーションと多岐に渡ります。
これらレアスニーカーに至っては、鑑賞・インテリア化さえしているほどです。
こうした一部の熱烈な愛好家達を除いて考えてみても、スニーカーカルチャーの熱量は、しばらく続いていきそうに思われます。
現代の生活者が持つ爆発的な情報量に基づいた多様な価値観に応られるほど、スニーカーモデルの選択肢も広がっているのです。
この「選択肢の爆発」こそが、現在のスニーカー市場を最も象徴している変化でしょう。
かつては、ナイキか、アディダスか、あるいは国内ブランドか、といったブランド軸で選ばれていたスニーカーが、今では「用途」「気分」「生活動線」「身体状態」によって選び分けられる存在へと変化しています。
朝の通勤用、休日の街歩き用、ランニング用、アウトドア用、リカバリー用など、同じ人間が複数足のスニーカーを使い分けることは、もはや特別なことではありません。
この流れは、「ナイキ不調」の背景とも無関係ではありません。
巨大ブランドであるがゆえに、ナイキは長年“最大公約数”に向けた商品供給を続けてきました。
しかしながら、市場が成熟し、消費者が細分化される中で、その最大公約数自体が成立しにくくなっています。
厚底ランニングシューズの革命的成功は確かに市場を一変させましたが、その成功体験が逆に競合の追随を招き、機能差が縮小する中で、ブランド優位性を保つ難易度は格段に上がりました。
一方で、新興ブランドやカテゴリー横断型ブランドは、初めから「小さな共感」を狙いにいっています。
ランニング後の足の疲労をどう回復させるか、アウトドアと街をどうシームレスにつなぐか、脱ぎ履きのストレスをどう解消するかなど、こうした具体的で生活密着型の課題設定は、巨大ブランドよりもフットワーク軽く取り組める領域でもあります。
特に注目すべきは、「履き心地」や「機能性」が、もはや競技者だけのものではなくなった点です。
かつての高機能スニーカーは、アスリートや一部の愛好家のためのものでした。
しかしながら、現在では、立ち仕事の多いサービス業、長時間歩く旅行者、子育て世代、シニア層までが、明確に機能価値を求めてスニーカーを選ぶようになっています。
前述したハンズフリー・スニーカーのヒットは、その象徴的な事例でしょう。
この変化は、スニーカーが単なる「ファッションアイテム」から、「生活インフラ」に近づいていることを意味しています。
服は多少我慢できても、足元の不快感は生活の質を大きく左右します。
だからこそ、人々は価格だけでなく、履いた瞬間の感覚、長時間使用後の疲労感、脱ぎ履きの動作まで含めて評価するようになったわけです。
もう一つ見逃せないのが、情報環境の変化です。
SNSや動画メディアの普及により、スニーカーの情報はブランド発信だけでなく、一般ユーザーの体験談やレビュー、スタイリング投稿によって拡散されます。
これは、新興ブランドにとっては追い風である一方、既存ブランドにとってはコントロールの難しい市場でもあります。
広告ではなく「体験」が評価される時代において、商品力そのものが問われる構造がより鮮明になっています。
ナイキが近年掲げるようになった「スポーツへの再接続」という戦略は、こうした環境下では決して間違った方向ではありません。
むしろ、ブランドの原点を再定義し、競技軸での信頼性を取り戻すことは、長期的には不可欠でしょう。
ただし、同時に、生活者の多様なオケージョンにどう寄り添うかという視点も欠かせません。
スポーツと日常、その境界線が曖昧になった今、両者をどう橋渡しするかが次の課題となります。
スニーカー市場が「群雄割拠」の時代に入った今、もはや一社がすべてを支配する構図は考えにくいでしょう。
代わりに、それぞれのブランドが明確な役割と文脈を持ち、消費者はそれを理解した上で選択します。
これは市場としては健全であり、成熟の証でもあります。
ナイキ不調というニュースだけを見ると、スニーカー業界全体が陰りを見せているようにも映ります。
しかしながら、実態はその逆で、需要は拡張し、価値軸は増え、参入余地は広がっています。
強者の一時的な失速は、業界全体の停滞ではなく、構造変化のサインと捉えるべきでしょう。
テクノロジーやデザイン、ライフスタイルの変化を映し出しながら、人々の足元を支える存在として、スニーカーはこれからも進化を続けます。
その熱量は、少なくとも当分の間、冷めそうにありません。
なかなかお金にものを言わすマーケティングとかが難しくなってきているということなんでしょうね。
一方で、それぞれが競い合うことで、素晴らしい製品が生まれ、市場が大きくなるということは、業界にとっても消費者にとっても良いことなんでしょうね。
「ナイキ不調」の原因はスニーカー市場で「スケッチャーズ」などが急速に存在感を発揮していることか?について、あなたはどう思われましたか?
「ナイキのスニーカー」一強時代はなぜ終わりを迎えたのか?
現代ビジネスによると、「ナイキ」が不調のようです。
グローバルの売上では、2024年5月期が513億6,200万ドルに対して2025年期は、463億900万ドルと約10%近くの大幅な減収となりました。
主な要因として中国市場での低迷、在庫整理のための値引き販売、中国からの輸入品に対する新たな関税(粗利率に最大-1%)などと説明していますが、本当にそれだけなのでしょうか?
少なくとも日本市場では「空前のスニーカーブーム」と叫びたくなるほど、スニーカーは身近な存在となっていますが、一体何が起きているのか、ファッションビジネス・コンサルタントの磯部 孝さんが検証しています。
ナイキスニーカー売上の柱は、クラシック3モデルと呼ばれる『Air Force1』、『Dunk』、『AJ1』で、年間10億ドル規模を永らく牽引してきました。
近年になって意図的なポートフォリオの見直しとして、この3モデルを縮小させて「Sports Offense」というスポーツに再接続させるという戦略を打ち出しています。
具体的にはメンズ・ウィメンズ・キッズというターゲット別の商品開発体制から、競技軸(バスケットボール、ランニング、サッカーなど)の体制に切り替えます。
いわば原点に立ち返るような戦略で再浮上を狙うようです。
身近なスポーツというとランニングが挙げられるでしょう。
2020年のコロナ禍に競技人口は1、055万人をピークに迎え、2024年に減少したとはいえ758万人は楽しんでいるランニングは、健康志向や競技参加など走る理由は様々ですが、そんなランナー達を含めて毎年注目のビッグイベントが「箱根駅伝」です。
強豪大学校別に争われ、リレー方式に行われる駅伝スポーツの勝敗以外にも、各大学、ランナーごとに採用される“スニーカー競争”にも注目が注がれます。
2017年頃までは軽量でより素足に近い感覚のスニーカーが主流でした。
箱根駅伝で着用されているスニーカーも、アシックスとミズノの日本ブランドが過半数を占め、ナイキは17%と第4勢力に過ぎませんでした。
しかしながら、2018年に厚底でカーボンプレートを採用したナイキ『ヴェイパーフライ』が登場しました。
それまでの価値感とは真逆な新モデルはその商品カラーから「ピンクの衝撃」とまで言われ、2021年の箱根駅伝ではなんと96%のシェアをナイキが占める結果となったのです。
この「ピンクの衝撃」以来、ランニングスニーカーの世界でも地面からの衝撃を吸収する厚底モデルが一大トレンドとなりました。
早い話が競合各社は、こぞって厚底タイプの商品開発に取り組んだのだのです。
その結果、競争は過熱しました。
近年の箱根駅伝における着用率は、アディダスが2026年(35.7%)、2025年(36.2%)と2連覇を飾り、ナイキは2024年(42.6%)のトップを最後に、2025年(23.3%)2位、2026年(16.7%)3位と、あと一歩の位置に甘んじてしまっているのが現状です。
ひと昔前の日本のスニーカー市場と言うと、「ナイキ一強、それをアディダス、プーマが追随している」という印象でした。
それを最初に壊したのはニューバランス人気だったように思われます。
「1、000点満点中990点の仕上がり」というキャチコピーでも有名なニューバランス『996』モデルですが、2019年に、1988年デビューモデルをリバイバル・アップデイトさせた『CM996』モデルが、オシャレ嗜好な層を中心に人気に火が付いたのです。
軽量でクッション性に優れる衝撃吸収材「REV LITE(レブライト)」のミッドソールによる履き心地の良さと、上位モデルの『2002R』やエントリーモデルの『ML574』など、機能やこだわり、価格選択の広さから多くの支持を取り付け、ファッションスニーカーの代名詞的に存在にまで昇りつめました。
また、2020年のパンデミックにより再注目されたことのひとつがアウトドアです。
外出や対面での活動が制限される中、「密」を避けながら外出できるアウトドア活動に目を向ける人が続出しました。
キャンプを始めとするアウトドアへの再評価と共に、新しいシューズが生まれたのもこの頃です。
「アウトドアサンダル」にカテゴリーされるスニーカータイプのサンダルです。
南アフリカにルーツを持つ「SHAKA」や「Teva」、2本のポリエステルコードを編み上げたアッパーと一枚のソウルを組み合わせたモデルでおなじみ「KEEN」など、レジャーシーンを得意とする新興スニーカーブランドが多数登場してきたのです。
シンプルに競技、スポーツを目的に開発されるスニーカーと違って、レジャーあるいは趣味の延長戦といった視点から生まれる新興スニーカーブランド誕生の流れは止まりません。
ランニング終了後のリカバリーを目的とした「OOFOS」やトレイルランニングの「HOKKA」、「SALOMON」といった欧州発信のスニーカーブランドも、近年人気が顕著です。
特にSALOMONはパリの有名セレクトショップやハイエンドブランドなどのコラボレーションもあって、先のニューバランス後のファッションスニーカー的な存在に取って代わるくらいの存在感となりました。
新興スニーカーブランドとして、今、最も熱いのはスイス発のスポーツブランドの「On(オン)」でしょう。
日本国内にある店舗は、どこも観光客も含め入場制限とともに入店待ちの列を作っているほどの人気ぶりです。
同ブランドの歴史は新しく、2010年設立で、日本上陸はコロナパンデミック真っ只中の2022年4月でした。
既成概念に囚われない機能やデザインを求め、大きなプロモーションに頼らず、口コミやイベント開催を通じてファンを獲得しました。
また、Onを代表するモデルのスニーカーである『クラウドモンスター』は、独自のクッショニングシステムを採用し、「クラウドパーツ」と呼ばれる中央部分を空洞にしたユニークな形状パーツが特徴的で、特に人気があります。
こうして、「スニーカーと言えばナイキ」というような、ひとつの強者ブランドが長きにわたって君臨する時代は終わったのです。
ファッション、レジャー、ビジネス、リラクシングなど生活者のオケージョンや気分に合った“ベスト・スニーカー”を、こだわりや嗜好・予算感に応じて選択できる幅が広がったと見るべきでしょう。
それほど、スニーカー市場全体が大きく広がったのであり、近年のナイキの不調ぶりとも深く関係しているというわけです。
個人的には、昔からアディダスとかニューバランスが好きなのですが、ナイキは業績不調なんですね。
時代がマスからニッチへ変わっているんでしょうね。
一方で、ナイキがどう立て直してくるのだろうか?ということにもすごく興味はありますが。
「ナイキのスニーカー」一強時代はなぜ終わりを迎えたのか?について、あなたはどう思われましたか?
プルデンシャル生命は営業自粛も信頼回復の道は険しく解約は増加し退職者も後を絶たず!
2026年02月26日(木)
時事通信によると、プルデンシャル生命保険は、金銭不正受領の再発防止策を徹底するため90日間の営業自粛期間を設け、再生を期すようです。
ただし、被害はこれまで公表した案件以外にも拡大する恐れがあるほか、保険の解約件数も増加しています。
営業社員の退職も後を絶たない状況で、得丸博充社長は「信頼回復に向けた道のりは長く、険しいものになる」と覚悟しています。
プルデンシャル生命保険は、過度に業績に連動する報酬制度や、営業社員と顧客との関係が「密室化」し、監視が行き届かなかったことが不正の背景にあると分析しています。
社員が安定した収入を得られる報酬制度へ見直すほか、管理強化のために本社社員を「第二担当者」とし、チームで顧客を支えることを検討するなど、再発防止に全力を挙げます。
90日間は「組織体制を抜本的に見直していくための重要な時間」(得丸氏)との位置付けです。
しかしながら、2026年1月の不正受領公表後には、新たに不正が疑われる事案が数十件以上あることが判明しています。
プルデンシャル生命保険は第三者委員会で調査を進めますが、全容解明は見通せず、保険の解約に歯止めがかかっていない状況です。
また、営業再開後に人材を確保できるかにも不安が残っています。
プルデンシャル生命保険の営業社員は全国に約4,000人超在籍していますが、不正発覚後は平時の年500人規模を上回るペースで退職者が増加しているようです。
再発防止を優先するため、新規採用も停止しています。
今回の問題で、アメリカの本社は3億~3.5億ドル(約466億~約544億円)規模の収益減を見込んでいますが、全面的にバックアップする姿勢を強調しています。
日本法人の責任者も「(日本からの)撤退は考えていない」と話していますが、業績を持ち直せるかは予断を許さない状況です。
得丸氏は90日間で十分に体制が整わなければ自粛期間を延長する可能性も示唆しており、プルデンシャル生命保険の先行きには不透明感が漂っています。
規模や期間を考えると、ごく一部の人達が引き起こした問題だと思いますが、当然、経営者の責任はあるでしょうね。
経営者自身が、おそらくトップレベルで契約をたくさん取ってきた方でしょうから、成績があまり良くない方の気持ちや行動が分からず、問題を起こした方は当初考えていたほど稼げなかった方ですぐに退職していなくなってしまっているでしょうから、起こるべくして起こったという感じなんでしょうね。
一方、今回の事件を機に、トップレベルの方は人間的にも素晴らしく、知識も豊富な方で、販売するのが難しい生命保険をバンバン販売してきた営業能力の極めて高い方でしょうから、その方のノウハウなどがプルデンシャル生命保険全体に浸透していけば、素晴らしい組織になるようにも思いますね。
プルデンシャル生命は営業自粛も信頼回復の道は険しく解約は増加し退職者も後を絶たないことについて、あなたはどう思われましたか?
私立大学の半数以上が赤字に転落!
今年も大学入学共通テストが終了し、本格的な大学受験シーズンを迎えました。
東京商工リサーチTSRデータインサイトによると、直近の2025年3月期決算で、全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が赤字だったことがわかりました。
赤字率が最も高い地域は我が四国の88.9%で、約9割に迫りました。
また、売上高10億円未満の49法人(構成比8.9%)の赤字率は69.3%と約7割に達しました。
小規模の大学ほど、運営コストの上昇を吸収できずに採算性が低下しており、地域や事業規模による利益格差がより鮮明になっています。
また、箱根駅伝に出場した20大学のうち、売上高100億円超は19大学で8割が黒字でした。
知名度とともに、経営の安定度が目立ちました。
少子化などを背景に、入学者の減少が深刻化しています。
2024年度の入学定員充足率(入学者数÷入学定員)が100%未満の私立大学は、全体の59.2%(日本私立学校振興・共済事業団公表)にのぼり、約6割の私立大学が定員割れを引き起こしています。
18歳人口の減少が加速する「2026年問題」も浮上するなか、来年度以降に募集停止や閉校を決断する大学も相次いでいます。
特に、人口減少が進む地方や小規模の短期大学、女子大では学生確保が困難になり、こうした大学を運営する法人の業績悪化が急速に進んでいます。
大学全入時代が到来し、大学経営の事業環境は、ますます厳しい状況に置かれることが必至です。
これまで培ってきた歴史や実績、ブランド力だけでなく、研究・教育や就職支援など、多方面の特色と差別化が問われています。
私立大学の生き残りには経営力の強化と、淘汰の波に備える現実的な経営センスが求められています。
なお、本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから、大学、短期大学を経営する法人の業績を抽出したものです。
2025年3月期を最新期とし、3期連続で業績が判明した545法人を抽出、分析しています。
売上高は事業活動収支計算書内の【教育活動収入計】、利益は【基本金組入前当年度収支差額】を採用しています。
法人ベースの売上高のため、付属高校などの系列校や医療、付随事業などによる収入も含んでいます。
私立大学経営の545法人の売上高合計は、6兆8,265億円(前期比1.5%増)と増加しています。
一方、利益は1,559億円(同29.1%減)で、前期から約3割減少し、「増収減益」となりました。
利益水準は2024年3月期(前期比30.2%減)に続き、2年連続で3割減となり、2年で半減しました。
受験者数や入学定員の増加には限りがあり、収入が伸び悩む一方、物価高や人件費の上昇など運営コストの増加を吸収できず、採算悪化が深刻さを増しているようです。

売上高トップは、医療系中心に8学部を設置する順天堂大学を経営する学校法人順天堂の2,215億6,100万円で、唯一の2,000億円超えです。
次いで、学生数最多の学校法人日本大学、学校法人慶應義塾が続き、4位は西日本で唯一ランクインした学校法人近畿大学、5位は全国に系列校を持つ学校法人東海大学の順です。
売上高トップ10の顔ぶれは前年と変わらず、すべて医学部とその附属病院を持つ総合大学、医療収入の多い医科系大学でした。
利益ランキングは、学校法人帝京大学が234億9,600万円でトップでした。
同グループの学校法人帝京平成大学も9位(74億5,600万円)でランクインしています。
利益上位も医学部や歯学部を持つ医療系が上位に入っています。
売上高、利益ともにトップ10にランクインしたのは学校法人慶応義塾と学校法人近畿大学の2法人でした。

最新期の損益別では、黒字が258法人(構成比47.3%)に対し、赤字が287法人(同52.6%)で5割を超えています。
赤字法人の比率は、2022年3月期決算では34.2%でしたが、前々期41.1%、前期46.0%と上昇を続け、最新期ではついに半数を上回りました。
赤字の287法人のうち、3期以上にわたり赤字が継続しているのは169法人(同58.8%)で、約6割にのぼります。
採算割れで厳しい経営に陥った法人が増えています。
慢性的な赤字経営から脱却できない法人の中には、私学助成金への依存で経営を維持している可能性があります。
最新期の決算のうち、売上高100億円以上の130法人の赤字率は22.3%(29法人)でしたが、売上高10億円未満の49法人の赤字率は69.3%(34法人)と約7割に達しました。
小規模法人は単科大学や短期大学が多く、受験料や学費中心の運営が難しい法人と大規模法人との間で事業規模により格差が生じていることがわかりました。

545法人の損益を地域ごとに比較したところ、赤字率が最も高いのは、我が四国の88.9%で約9割にのぼりダントツです。
次いで、東北と北陸が66.7%、中部が63.1%、北海道が60.0%と6割を超えました。
最低は、関東の43.5%で、関東以外の8地区はすべて赤字率が50%を上回りました。
四国と関東とは45.4ポイントの差が生じており、地域格差が鮮明となっています。

毎年、正月の風物詩となっている「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)の本選出場校を運営する法人を抽出しています。
2026年大会で3年連続の総合優勝を飾った学校法人青山学院は、売上高が386億2,300万円で、売上は41番目にランクインしました。
売上高が唯一、100億円に届かなかったのは学校法人中央学院で、売上高53億3,600万円でした。
中央学院を除く19法人は、売上高100億円超の大規模校で、売上高1,000億円超は学校法人順天堂、学校法人日本大学、学校法人東海大学など5法人ありました。
また、利益も20法人のうち、16法人が黒字を計上しており、知名度だけでなく経営の安定度も目立っています。
箱根駅伝は関東学連の地方大会という枠を超え、いまや全国的に注目を集めるビッグイベントになっています。
出場や活躍次第では知名度、ブランド力が飛躍的に向上し、それが全国からの入学希望者数の増加にも直結します。
経営戦略のコア・コンピタンスとして位置付け、一層強化に力を入れる大学も出てくるでしょう。

明らかに、勝ち負けがはっきりしてきている感じですね。
それにしても、学校法人順天堂の売上高2,221億円というのはスゴいですね。
上場企業でも、620位くらいの水準ですからね。
しかしながら、62億円くらいの赤字ですね。
学校法人帝京大学の売上高1,098億円、利益234億円というのもスゴいですね。
四国は9割が赤字ですから、時代の変化に即した学部の新設、特定の企業へ就職できるなど色々と考えていかないと、大学の存亡にも関わりますし、若い年代の人の四国外への流出につながるでしょうから、大学のみならず、県や市なども本気で考えていかないと、一段と東京集中になってしまうと思われますので、知恵を絞ってほしいですね。
私立大学の半数以上が赤字に転落したことについて、あなたはどう思われましたか?
サイゼリヤも未進出でドンキは全国ラスト出店の高知県が日本最大の「チェーン空白地帯」である理由!
現代ビジネスによると、高知県は、全国チェーン企業にとって“最後のフロンティア”と呼ばれることがあります。
実際、その顔ぶれを並べてみると、その特異性は際立っています。
サイゼリヤやジョナサン、バーミヤン、やよい軒などの全国的な外食チェーンがいまだ出店しておらず、ガストや吉野家といったおなじみの店も数えるほどしか存在しません。
コンビニ最大手のセブンイレブンの国内都道府県別店舗数は51店舗と、2025年11月時点で全国最下位です。
また、ビジネスホテルの定番である東横インやルートインホテルも、全国で唯一未進出となっています。
全国最大の1,024軒・約14万室を展開するアパホテルでさえ、高知県への初進出は2026年3月開業予定と、ようやく重い腰を上げた格好です。
そんな高知に2025年2月、ドン・キホーテが全国で最後となる初出店を果たし、開店直後から数百人もの長蛇の列ができたことは記憶に新しいところです。
このお祭り騒ぎは、高知県民がいかに全国チェーンから切り離されてきたかを示しています。
なぜ、高知にはここまでチェーン店が根付かないのでしょうか?
その最大の理由は、地理と物流にあります。
高知県は四国の中でも特異な地形をしています。
県土は東西に長く、その大半を四国山地が占めています。
陸路で入ろうとすれば、どの県からも山を越える必要があり、高速道路網も他県に比べて脆弱です。
多店舗展開を前提とするチェーンにとっては、配送網を引く決断が難しいのです。
実際、香川・徳島・愛媛は関西や中国地方の物流センターを活用できますが、高知だけはその圏外にあります。
高知に本格進出するなら、別途新たな拠点を構える必要があり、初期投資のハードルは一気に跳ね上がるのです。
加えて、人口規模と所得水準という問題も大きいです。
2019年の全国家計構造調査によれば、都道府県別の年間収入(総世帯)において、高知県の世帯年収は全国45位にとどまっています。
可処分所得が低ければ、売り上げが見込みづらいのは当然です。
さらに、2020年の国勢調査では人口密度も全国44位とワーストクラスで、東京の約70分の1にすぎません。
となると、商圏としての厚みは決定的に弱いと言わざるを得ません。
これでは「進出しても採算が合わない」とチェーン本部が判断するのも、合理的な話でしょう。
しかしながら、それだけでは説明がつかない側面もあります。
総務省が毎年発表している家計調査によれば、実は高知県民の外食費は全国平均を上回っているのです。
高知ではファミリーレストランや全国チェーンの居酒屋が少ない一方で、街には個人経営の飲食店がひしめいています。
象徴的なのが、根強い喫茶店文化です。
漁師町が多く共働き世帯も少なくない高知では、人口当たりの喫茶店数が全国トップクラスとされ、モーニング文化が日常に深く根付いています。
こうしたチェーンが入り込みにくい難攻不落の市場で、地元密着型の飲食チェーンが着実に勢力を築いてきました。
その代表格が、高知県内に15店舗を展開する「現代企業社」グループです。
現代企業社は、高知県内のみで飲食店14店舗とベーカリー1店舗を展開するローカルチェーンです。
創業以来、全国チェーンとは一線を画す独自路線を貫き、県民のニーズを着実に囲い込んできました。
はたして、どんな工夫や戦略で、高知県民に愛される飲食店として不動の地位を築いてきたのでしょうか?
副社長の大西みちるさんに話を訊いています。
「現代企業社」の歴史を紐解くと、昭和33年に遡ります。
大西みちるさんの祖父の弟が一号店となる「ショパン」を開き、祖父が1年後に引き継ぎました。
「ショパン」は、「第一」という名への改名を経て、現在の「ファウスト」という店名になり、こちらは今なお高知市内の繁華街の人気店です。
高知の喫茶店文化は大正時代から芽吹き始めていたものの、大空襲で全滅しました。
ところが、戦後の昭和30年代、特別な知識がなくても始められる手軽さや共働きが多かったことなどから一気に再興し、喫茶店文化の黄金期を迎えるのです。
「ファウスト」が開店したのも、ちょうどそんな時期でした。
大西さんは言いいます。
「娯楽が少なかった当時の高知において、喫茶店は社交場として機能していました。とくに祖父の店ではクラシック音楽を流し、店内の雰囲気づくりにもこだわっていて、詩人や画家などの芸術家が集まって芸術論を交わす場になっていました。祖父自身も小説家を志していましたが、画家たちとの交流を通じて絵を描き始めます」
その後、街で映画を観た後に、「ファウスト」に寄り、音楽も楽しみながら映画の話をする、なんていう流れもできました。
「現代企業社」は一気に店舗展開を広げていったのです。
たまに、高知に行きますが、確かに、全国チェーン店は少ないですね。
この記事にはないですが、以前から、高知県以外の四国3県には支店やお店があるものの、高知県にはない企業が多いと聞きます。
最近では、以前ほどではないようですが。
値段などではなく、人とのつながりを大事にするところだからというのを何度も聞きましたが、それは素晴らしいことだと思いますね。
サイゼリヤも未進出でドンキは全国ラスト出店の高知県が日本最大の「チェーン空白地帯」である理由について、あなたはどう思われましたか?