固定資産税の軽減措置は2022年度で終了へ!
共同通信によると、政府、与党は固定資産税の軽減措置を2022年度で終了する方針を固めたようです。
新型コロナウイルスによる景気悪化を受け、地価が上昇しても2021年度は2020年度の額に据え置き、2022年度は商業地に限り税額の上昇を本来の半分にしていました。
2023年度は通常に戻し、地方税収を回復させると、関係者が取材に明らかにしたようです。
軽減措置は当初、2021年度で終了する予定でした。
しかしながら、国土交通省や公明党などがコロナ禍で苦しむ事業者に配慮すべきだとして、延長を要望しました。
与党税調幹部は「再度の延長はさすがにない。地方税収に配慮する必要がある」と説明しています。
とうとう軽減措置はなくなるんですね。
個人的は、計算方法がよく分かりませんし、計算を間違っていた(けれど、時効で一部しか返してくれない)というニュースを時々目にしますし、償却資産税も計算方法に疑問を感じますので、そろそろ計算方法を見直す時期に来ているのではないかと思っています。
固定資産税の軽減措置は2022年度で終了することについて、どう思われましたか?
総務省の地方財政審議会は「資本金以外の基準を」という外形課税見直しを提言!
日本経済新聞によると、総務省の地方財政審議会は、先日、2023年度税制改正に向けた意見書で、企業が資本金の規模などに応じ納める外形標準課税の見直しを提言しました。
形式的な減資のような課税逃れとみられる動きが広がっており、資本金以外の基準の追加を求めました。
地方財政審議会は2023年度地方税制改正に関する意見書をまとめ、同日、寺田稔総務相に提出しました。
「実質的に大規模といえる法人が外形標準課税の対象法人に含まれない問題に対応する仕組みを検討することが適当」と言及しています。
制度設計の議論は2023年度以降に進める方針です。
制度設計で中小企業の負担に配慮する必要性にも触れ「小規模な企業への影響に配慮するとともに、必要以上に多くの法人に制度見直しの影響が及ばないよう」資本金1億円超の基準は維持します。
追加の基準は「法人による操作可能性が小さい基準とすること、課税実務上の確認が容易で法人・課税庁にとって執行面で過度な負担とならない基準とすることなどが必要」と明記しました。
外形標準課税は地方税の法人事業税の課税方式の一つで、2004年度に導入されました。
税収の安定を目的に変動の少ない資本金の額を制度の基準として課税しています。
企業規模が大きくても経営悪化を理由に1億円以下に減資する例が相次いでいます。
対象法人数が減り、税額も減少傾向にあります。
公平性や税収の安定性が損なわれることを懸念し、地財審の有識者会議が基準の見直しを検討していました。
個人的には、会社の規模を資本金で判断するのも時代的にどうかと思っていますが、コロナ禍などにより、業績が悪くなっているので、外形標準課税の負担感が重く感じるのだろうと思われます。
当初から、黒字でも赤字でも課税するということだとは思いますが、こういった状況は想定していなかったものと思われます。
おそらく利益が出だすと、外形標準課税の方が有利に働くのではないかと思いますので、異常な状況下においては、一定の要件を満たせば計算方法とか税率を変えるみたいにする方が現実的な対応としては良いのではないかと思います。
資本金以外のものも基準とするとしても、当然、それを避けようと色々と考えるでしょうから。
総務省の地方財政審議会は「資本金以外の基準を」という外形課税見直しを提言したことについて、どう思われましたか?
外形課税逃れ影響か資本金1億円超の企業はピークから1万社減!
東京新聞によると、資本金が1億円を超え、都道府県が課す外形標準課税の対象となった企業は2020年度に約2万社で、ピークの2006年度から約1万社減少したことが、先日分かったようです。
集計した総務省は、相当数の企業が課税を逃れる目的で1億円以下に減資した可能性があるとみています。
2020年度の税収は2017年度比で、1,500億円程度減少しています。
地方財政に打撃を与えており、詳しく分析したうえで、対策を検討する構えのようです。
ただし、対策を実施する場合でも、1億円超の基準を引き下げ、中小企業へ網を広げることは想定していないようです。
都道府県の一部は、「資本金以外の指標も使い、規模の大きな企業に幅広く課税すべきだ」と提案しています。
利益が出ていれば、それほど負担感はないと思いますが、コロナ禍で業績が悪化し、赤字になったりすると、赤字であっても多額の税額が発生する外形標準課税を避けようと思うのは、営利企業の経営者として当然かなぁと、個人的には思っています。
減資をして、外形標準課税の対象外とすることは禁止されているわけではないので、とやかく言われる問題ではないと思います。
それよりは、資本金1円でも会社を設立できる時代であり、会計上、差額の概念に過ぎない純資産の一項目である『資本金』にあまり意味はない(資金的裏付けや規模を表すものではない)と思っていますので、法人住民税のうち均等割りもそうなのですが、資本金や資本金等で税額が変わってくるというのもおかしいと思われるため、そこから改正しないといけないのではないかと思っています。
人数とか売上高とか面積とか、色々と基準は設けられるのではないかと思います。
たとえ、資本金以外で設けたとしても、該当するのを避けるという行為は避けられないのではないかとも思いますが。
外形課税逃れ影響か資本金1億円超の企業はピークから1万社減となっていることについて、どう思われましたか?
ふるさと納税で旅先で寄付し電子ギフトで即返礼!
日経MJによると、岡山県などの返礼品として受け取った電子ギフトを旅先の宿泊施設や飲食店などで利用できるふるさと納税の新しい形として「旅先納税」が一部地域で人気だそうです。
特産品を返礼品として受け取るこれまでのふるさと納税と異なり、出かけた先の宿や店ですぐに使える電子ギフトが返礼品なのです。
旅先に寄付し、旅をお得に楽しめます。
2022年10月11日から政府の全国旅行支援が一部で始まりましたが、応援的な消費への関心も相まって、各地に広まりそうです。
首都圏に住む50代男性は山梨県笛吹市のワイナリー巡りツアーに参加した際、旅先納税の存在を初めて知ったそうです。
「おもしろそう」。興味本位で1万円を寄付するとすぐに返礼品として3千円分の電子ギフトを受け取りました。
早速立ち寄った店で、ワインとクラフトジンを地元の店で購入しました。
返礼品を目的に幾つかの自治体に寄付をしてきたという男性は、返礼品が届くまでに1か月、場合によっては3か月かかるのが気になっていたそうです。
「通常のネット通販ではないのでそんなに早く到着しないと頭ではわかっているけれど…。旅先納税は、旅先で欲しいモノを選んだらその場で受け取れて新鮮だった。」
電子商品券の画面を見せ、スタンプを押してもらうと決済が完了します。
旅先納税が登場したのは2019年秋に、岡山県瀬戸内市で始まりました。
その後コロナが起きたためごく一部の地域だけに限られ、全国的にはほとんど知られずに3年間がたってしまいました。
旅行者の間で口コミで話題に上るようになったのは、最近になってからです。
ほかにも北海道伊達市や倶知安町などが採用し、年内にも20以上の自治体に広まる予定です。
寄付をしたらすぐに返礼品を受け取れます。
そのスピードを支えるのがテクノロジーです。
店や施設に表示されているQRコードをスマホで読み込み、会員登録します。
寄付額を選びクレジットカード払いで納税します。
使う際には電子ギフトの画面を見せ、スタンプを押してもらう仕組みです。
これすら面倒と感じる人も中にはいるかと思いますが、利用者の視点で使いやすさを追求したデザインになっています。
システムを手掛けるのはギフティです。
SNSでプレゼントするソーシャルギフトのパイオニアです。
その知見と技術が地域と人のつながり創出に生かされています。
総務省によると、2021年度のふるさと納税の総額は8,302億円と過去最高を更新しました。
めざましい伸びを見せる一方、納税額の多い自治体の顔ぶれをみると、相変わらず、人気の名産品を持っている市や町に偏っています。
旅先納税は、強い1次産品を持っていない地域にもチャンスとなりえます。瀬戸内市では「返礼品を希望される寄付者は関東圏内の方が5割だが、旅先納税は(マイクロツーリズムの広がりで)近隣の自治体に住んでいる方の利用が8割を占める」そうです。
飲食店や産地など応援を目的とした購買行動がコロナを機に定着しました。
旅は人とのつながりを強く感じます。
最初の動機は「お得に旅を楽しむ」でも、お世話になった地域を応援したい気持ちが芽生えてくるかもしれません。
ふるさと納税を一度も利用したことがない人は多く、それだけ可能性は大きいでしょう。
すごく良い取り組みですね。
ショッピングカタログで欲しいものを選ぶという感じになっているふるさと納税とは一線を画し、そこを訪れた方が、寄付をして、返礼品で買い物をしてくれれば、その地域の経済の活性化にもつながるでしょうし、自治体も寄付金で自治体の役に立つようなことにお金が使え、自治体の活性化などにつなげることもでき、通常のふるさと納税もやっているのであれば、訪問後そちらをやってくれる方もいらっしゃるでしょうし、ふるさと納税をしたことがない方が、これを機に他の自治体を含めふるさと納税をするようになれば、自治体にとっても良いでしょうから。
ふるさと納税で旅先で寄付し電子ギフトで即返礼というところがあることについて、どう思われましたか?
固定資産税の評価基準の解釈適用の誤りを指摘し原審に差戻し!
TabisLandによると、2022年9月8日、固定資産課税台帳に登録された土地の価格を巡って審査の申出を棄却する旨の審査決定をした固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反があったか否かの判断が争われた事件で、最高裁判所(山口厚裁判長)は、登録価格の決定に違法はないとした上で損害賠償請求を棄却した原審(大阪高裁2021年6月11日判決)の判決のうち、損害賠償請求に関する判決の内容を破棄するとともに、損害賠償請求に関する部分についての審理を更に尽くすよう控訴審に差戻しを命じる判決を言い渡しました。
この事件は、ゴルフ場の用に供されている一団の土地に係る固定資産税の納税義務者が、土地課税台帳に登録された各土地の価格を不服として自治体の固定資産評価審査委員会に審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の審査決定を受けたことから、価格の適否に関する決定の判断に誤りがあるなどと主張して、自治体を相手に、納税義務者側が適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき弁護士費用相当額等の損害賠償を求めたのが発端となりました。
これに対して、控訴審の大阪高裁が、登録価格の決定に違法はない旨の結論を示すとともに、固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反があったと認めることもできないと判示して請求を斥けたことから、さらに、その取消しを求めて納税義務者側が上告していたという事案です。
最高裁はまず、この原審の判断を是認できないと判示しました。
その理由として、各土地につき必要な土工事の程度を考慮することなく、丘陵コースの平均的造成費の額を用いて造成費を評定し得るとの見解に立脚した点において、評価基準の解釈適用を誤ったものということができると指摘した上で、そうした見解に立脚して評価基準の解釈適用を誤ったことについて、固定資産評価審査委員会の委員に職務上の注意義務違反が認められないとした控訴審の判断には、国家賠償法1条1項の解釈適用を誤った違法があるとも指摘しました。
その結果、控訴審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることから、原審判決のうち、損害賠償請求に関する部分は破棄を免れないと判示した上で、さらに審理を尽くさせるため、控訴審に差し戻しました。
固定資産税の評価は、結構間違っていると言われますが、今回の差戻しは、納税者にとって良い方向ですね。
高裁は、『先例がない』ということで、しりぞけたようですが、お役所の方は、先例がないと仕事ができないということなのでしょうか?
今後、先例を作っていく自治体が増えることを期待したいと思います。
あとは、固定資産税の計算方法はよく分からないので、納税者側でも計算をチェックできるようなもっとシンプルなものにした方が良いのではないかと思っています。
固定資産税の評価基準の解釈適用の誤りを指摘し原審に差戻したことについて、どう思われましたか?
「LINEでふるさと納税」が開始!
Impress Watchによると、LINEは、「LINE」アプリでふるさと納税が可能になる「LINEでふるさと納税」を開始しました。
LINEがさとふると協業の基本合意書を締結し、サービスを提供します。
「LINEでふるさと納税」は、ふるさと納税の仕組みやサービスをより身近なものとして利用できるようにと考えられたサービスです。
LINEのユーザーが利用するだけでなく、各自治体も寄付金の活用報告を公式アカウント上で行なうといったことが可能です。
「LINEでふるさと納税」ではお礼品の検索やふるさと納税の寄付、寄付の履歴の確認、控除額のシミュレーションを利用可能です。
さとふるのWebサイトと連携して寄付金控除の証明書発行やワンストップ特例制度の電子申請も行うことができます。
8月末には、LINE公式アカウントのトーク機能で配送状況の通知機能や、ユーザーに応じたお礼品のおすすめサービスも開始される予定です。
さらに、今後は、オンラインとオフラインを融合し、訪問先で寄付の申し込みをすると、その場でアクティビティなどの「体験型ふるさと納税」を楽しめるサービスの機能拡張を検討中です。
地域とLINEユーザーのつながりを深めるとしています。
6月30日まではキャンペーンも実施されています。
期間中に「LINEでふるさと納税」で寄付をすると、寄付をした日や金額に応じて最大6%相当のPayPayギフトカードがもらえるという内容です。
LINEを使っている方は多いでしょうから、ふるさと納税の裾野を広げるにはいいかもしれませんね。
一方で、ふるさと納税が、寄附というよりは、ますますショッピングという感じになっていくのではないのかという懸念はありますね。
「LINEでふるさと納税」が開始になったことについて、どう思われましたか?
東京都税制調査会がユーチューバーなど念頭に「個人事業税見直し」を提言!
日本経済新聞によると、東京都税制調査会(会長・池上岳彦立教大教授)は、先日、2021年度答申をまとめました。
答申では、個人が事業で得た所得にかかる個人事業税でインターネットを使う新しい業種が考慮されていないとして、「早急に時代に即した見直しをすべきだ」と提言しました。
ユーチューバーやネットで単発の仕事を請け負うギグワーカーを念頭に置いたものです。
個人事業税は都道府県税の一つで、年間290万円を超える事業所得がある個人が納めることになっています。
税率は3~5%で、地方税法は課税対象として物品販売や畜産など70業種を定めています。
答申では「事業形態が著しく多様化しているが、2007年度以後、法定業種は見直されていない」と指摘しています。
事業税の対象と考えられるものでも「法定業種に該当せず課税されない業種がある」としました。
対象業種以外の人も所得税として事業所得に応じた納税はしていますが、所得税は国税のため自治体の収入にはなりません。
東京都税制調査会は、先日、答申を小池百合子知事に手渡しました。
地方税法を所管する総務省にも送付します。
個人事業税ってあまり取り上げられることがありませんが、業種によってかかったり、かからなかったりしますし、税率も業種によって異なるため、不平等な税金のように感じます。
個人事業税は、事業を展開するうえで行政サービスを利用していると考えられることから、行政経費の一部を負担するという趣旨だと思いますので、業種によって異なるのは疑問を感じますし、異なるとしても業種ごとに明確な数値を出せないと思いますし、事業で稼ぐと当然に所得が多くなり、住民税も多くなるため、所得に応じた負担はしているのではないかと思いますし、290万円という免税点がありますが、所得の多さと受けている行政サービスは必ずしも比例しないと思われるので、廃止するか、大多数の方が納得できるように根本的なところから見直す必要があるのではないかと考えます。
東京都税制調査会がユーチューバーなど念頭に「個人事業税見直し」を提言したことについて、どう思われましたか?
不動産の評価ミスによる過大課税の損害賠償請求を巡り最高裁判所が初判断!
不動産評価の誤りで固定資産税を納めすぎた場合、その損害賠償請求ができなくなる期間はいつから始まるのかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁判所第3小法廷(宇賀克也裁判長)は「毎年度の納税通知書が交付された時から始まる」との初判断を示しました。
判決は2020年3月24日で、裁判官4人全員一致の意見でした。
民法は不法行為から20年たつと賠償請求権がなくなる「除斥期間」を定めています。
今回の訴訟ではその起算点となる「不法行為の時」がいつなのかが争われていました。
不動産評価の誤りが発覚するケースは多くはありませんが、建築から長期間過ぎた後に評価ミスが明らかになった場合でも、不動産の所有者は払いすぎた税金の一部を取り戻せる可能性があります。
原告は1980年代に建築された建物を持つ東京都内の一般社団法人です。
建築当初の誤った不動産評価に基づき、固定資産税などを毎年過大に課されたとして、東京都に納めすぎた税金に相当する額の賠償を求めて2013年に提訴しました。
二審判決は建築当初に建物の価格の評価ミスをした時点から除斥期間が始まるとして、訴えを退けていました。
最高裁判所第3小法廷は判決で、「不動産評価を誤った時点では誰が損害を受けるかが不確定で、誤りは後から修正される可能性もある」と指摘しました。
誤りが修正されないまま所有者に納税通知書が交付された時点で初めて具体的な損害が発生するとして、各年度の納税通知書が所有者に交付された時点で除斥期間が始まると判断したのです。
その上で、原告の請求権の一部は提訴時点で除斥期間が経過していない可能性があるとして二審判決を破棄し、審理を東京高等裁判所に差し戻しました。
2020年3月24日はほぼ同じ争点の別訴訟の上告審判決もあり、最高裁判所第3小法廷は同様の判断を示して審理を大阪高等裁判所に差し戻した。
2020年3月24日は、これ以外にも『取引相場のない株式の評価』の判決もありましたし、歴史に残る日になりましたね。
固定資産税は、市町村などが勝手に計算して、納税者に伝え、納税者は疑いもなく納税するという賦課課税制度を取っていますので、『最初に間違ったとき』ではなく、『各年度の納税通知書が所有者に交付された時点』というのは、当然の結果だとは思いますが、長期間に渡り争っていただいてありがたいなぁと思います。
最高裁判所の判決は、国にやさしく、地方に厳しいという意見もあるようですが、良い判決だと思いました。
不動産の評価ミスによる過大課税の損害賠償請求を巡り最高裁判所が初判断を下したことについて、どう思われましたか?
3万人から税金取り過ぎの大阪市「20年たったら返さない」が覆る公算強まる!
行政が違法行為をしておいて「20年たったから賠償しないもんね」なんて、あなたは許せますか?
大阪市は、長年にわたり固定資産税を取り過ぎていたとして、約3万人に総額約16億円を返還すると先日発表しました。
ところが返還額が3倍前後に膨らむ可能性が出てきたのです。
「20年以上前に建てられた建物については賠償責任が及ばない」という大阪市の主張が、最高裁で覆される公算が強まったからです。
大阪市が敗訴した場合、返還額は40億円から50億円ほどに達すると原告側は試算しています。
事の発端は、今をさかのぼること42年前です。
1978年(昭和53年)、大阪市は市内のビルについて、国の規準とは別の独自の規準に基づいて評価額を決め、固定資産税を課税することにしました。
大阪市は地盤が軟弱なところが多く、ビルは多数の杭を使って建てることが多いため、算定方法を変えたといいます。
これによって税額は大きくなります。
この独自基準が国の基準と違うとは普通の市民にはわかりませんが、たまたまある建物の所有者が専門家にチェックを依頼して違法性に初めて気づきました。
そこで「税金の取り過ぎだ」と返還を求めましたが、大阪市の担当者は「独自規準は違法ではない。計算間違いがあっても返す必要はない」と、けんもほろろの応対だったといいます。
そこで所有者は6年前、大阪市に賠償を求めて裁判を起こしました。
最高裁まで争った結果、独自規準の違法性が認められて、2019年の暮れに大阪市の敗訴が確定し、所有者に292万円が支払われました。
これを受けて大阪市は、先日今後の対応を発表しました。
同様の規準で課税された建物が約6,000棟あるとして、約3万人の所有者を対象に固定資産税の取り過ぎ分を返還する方針を明らかにしました。
返還総額は約16億円に上ると試算しています。
ところが、同じように独自基準に基づく固定資産税を巡り大阪市を訴えた裁判はもう1件あるのです。
こちらは一審と二審で原告の訴えが退けられています。
それは、この建物が建てられて最初に固定資産税が算定されたのが20年以上前だったからです。
不法行為があってから20年をすぎると請求権がなくなる「除斥」という民法の規定に基づき、原告に請求権はなくなったという大阪市の主張が認められたのです。
これに対し原告は「固定資産税は完成時だけではなく毎年課税されるのだから、違法な規準に基づく不法な課税が毎年行われ続けてきた。だから除斥は適用されない」と主張し、最高裁に上告しました。
上告を受けて最高裁は、2020年2月25日、双方の主張を聞く弁論を開きました。
最高裁は、元の判決を見直さずに上告を退ける場合は弁論を開かず、いきなり判決や決定を出します。
逆に弁論を開く場合は、何らかの形で二審の判決を見直すのが通例です。
今回の場合は「除斥により請求権はなくなった」という大阪市の主張を認めた二審判決を見直し、「除斥は適用されない」という原告の訴えを認め、高裁に差し戻す公算が強いと原告側弁護士は見ています。
大阪市が先日発表した返還額の試算は、20年以上前に建てられた建物には除斥が適用されて賠償の対象にならないことを前提にしています。
もしも最終的に原告側が勝訴すれば、20年以上前の建物にも同様の返還を行わざるを得ません。
原告側の試算では、その総額は大阪市の試算の3倍前後、40億円から50億円に達するといいます。
さらに再算定や返還事務にあたる市の職員の業務負担も膨大なものになると見られます。
これほどの大問題を大阪市はどうしてこれまで放置してきたのでしょう?
除斥を盾に納税者に誠実に対応してこなかったツケが傷口を広げたと言えるのではないでしょうか?
大阪市課税課は「判決の前でもあり、今日の時点ではコメントはできない」と話しています。
注目の最高裁判決は2020年3月24日、最高裁判所で言い渡されます。
固定資産税は、市町村から通知がきて支払うもの(いわゆる賦課課税制度)ですから、納税者は通常、何ら疑うことなく、正しいものだろうと考えて納付すると思います。
完全に、ミスがあるということは市町村側のミスということですから、時効とかを主張すべきではないと個人的には思いますね。
僕自身、税理士もやっていますが、固定資産税については恥ずかしながら詳しくないですし、決定する市町村側も、それなりの知識が必要だと思いますし、現場もきちんと確認する必要があるのではないかと思います。
そのような中、数年で異動になるということは、そのたびに素人の方が入ってくるということだと思いますので、業務的になかなか厳しいのではないかと思います。
以前から、成功報酬で固定資産税の見直しをやっている税理士がいるように聞いていますが、市長村側も税理士も納税者も固定資産税に関する知識を高めていかないと、今回の大阪市のような事例はたくさん出てくるのではないかと思います。
3万人から税金取り過ぎの大阪市「20年たったら返さない」が覆る公算強まっていることについて、どう思われましたか?
ふるさと納税から除外された泉佐野市を再検討へ!
総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外したことをめぐり、国の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」(委員長・富越和厚元東京高裁長官)は、判断を再検討するよう総務相に勧告することを決めたようです。
係争委が自治体に対する国の政策判断の見直しを求めるのは初めてだそうです。
総務相は今後、勧告から30日以内に再検討の結果と理由を同市に伝えることになります。
除外の判断が覆らない場合、泉佐野市は高裁に提訴できます。
ふるさと納税の返礼品を巡っては、2019年6月、法律で、寄付額の3割以下の地場産品に限ると定められました。
これに先立ち、総務省は2018年秋、ギフト券などで多額の寄付を集める自治体に見直しを求めました。
泉佐野市は「閉店キャンペーン」を展開し、制度改正前の駆け込み需要の取り込みに走りました。
こうした振る舞いが総務省の態度を硬化させました。
総務省は新制度の対象を選定するに当たり、「2018年11月から19年3月までの寄付募集について、他自治体に多大な影響を与えていない」との条件を設定しました。
泉佐野市を含む4市町が制度の対象外となりました。
係争委では、この除外理由が妥当かどうかが最大の争点でしたが、富越委員長は会見で、新制度がスタートした後に不適切な取り組みをしたかどうかで判断すべきだと強調しました。
「泉佐野市の寄付集めの手法が是正を求めるべき状況にあったことは理解している」と述べつつも、「(新制度の根拠となる)改正地方税法の目的は、過去の行為を罰することではない」と指摘しました。
国地方係争処理委員会は、地方分権一括法に基づき、2000年4月に当時の総理府(現在の総務省)に設置されました。
地方自治体は、国の関与に不服がある場合に、審査を申し出ることができます。
申し出から90日以内に、5人の委員が結論を出します。
勧告が出れば、国は必要な措置を講じる義務があります。
国と地方の関係を対等にすることを目指す改革の一環として導入された仕組みですが、これまでは十分に機能していたとは言い難い状況です。
訴える資格がないなどとして、そもそも申し出を審査の対象とせず、自治体を門前払いすることが多かったようです。
それだけに今回、踏み込んだ決定を下したことに驚きが広がっているようです。
地方関係者は「さすがに総務省のやり方が強引すぎたということだろう。泉佐野市の除外について、心情的には多くの自治体が支持しているが、法律にはのっとらないといけない」と話しています。
ただし、新制度がスタートする直前の2019年4~5月の2か月間に泉佐野市が集めた寄付額は、185億2,150万円に上り、全国最多だった2018年度1年間の約4割にも相当する水準です。
通知に従った多くの自治体の間には不公平感も残るなか、総務省も安易に矛を収めることはできないでしょう。
両者の対立が収束するかは、依然として不透明です。
制度が存在し、税理士という職業柄、ふるさと納税をされている方の確定申告のお手伝いをさせていただくこともあり、僕もふるさと納税を数年前から毎年していますが、元々、制度の不備があると思っていますし、このBLOGでも何度も書いています。
よって、制度を0ベースで見直せば良いと思いますが、制度の不備を認めたくないのか、総務省が強引に進めたので、今回の問題に発展していると思います。
法人版のふるさと納税もあまり使われておらず、変えようとしているようですが、まずは、こちらを根本的なところから変えないといけないしょうね。
総務相がどういった答えを出すか楽しみですね。
ふるさと納税から除外された泉佐野市を再検討することについて、どう思われましたか?
「ふるさと納税バブル」で一番儲けたのは誰か?
泉佐野市は「ふるさと納税閉店セール」を展開中ですが、結局、この制度では誰が最も得をしたのでしょうか?
東洋経済オンラインによると、先日、大阪府泉佐野市のふるさと納税制度による2018年度の寄付額がなんと約497億円に達する見通しと報道されました。
2017年度に全国でトップだったときの135億円に比べて約3.7倍となる、大きな金額です。
泉佐野市の一般会計予算は約517億円ですから、実に一般会計予算に匹敵する寄付金を集めたことになります。
ふるさと納税はワンストップ納税、控除条件の拡大などによって一気に拡大し、2018年度には4,000億円を超えたと推定されています。
総務省は泉佐野市の取り組みを好ましくない事例として位置づけ、異例の指導に入り、すでに「特別交付税減額」という措置を2019年3月に行いました。
泉佐野市への交付税額は昨年度比1億9,500万円減の6,200万円となっていますが、別途約497億円を集めたわけですから、痛くもかゆくもないでしょう。
ふるさと納税という仕組みは、当初から「納税者」「自治体」「返礼品納入業者」のいずれも「やったもの勝ち」でした。
高額納税者ほど得をし、ルールを逸脱した自治体のほうが得をし、大量の返礼品ニーズに対応できる納入業者のほうが得をします。
一方、返礼品率を常識の範囲に留める自治体、所得が低くふるさと納税を活用できない人、返礼品に採用されない業者が実質的に損をするという税制としては当初から歪んだ構造でした。
早期に改正を行う必要がありましたが、返礼品競争は過熱しすぎるほど過熱し、ようやく今回の規制となったわけです。
数年にわたり、国は「地方自治体に良識を求める」という極めて甘い運用をやり、制度改正を先送りにしつつ、法的拘束力もない指導のみで、数年間返礼品競争を実質的に放置したに等しく、大変残念なことでした。
全国各地の返礼品業者は、今後少なくとも返礼率の低下、個別自治体によってはふるさと納税額の大幅低下などによって少なからず影響を受けることになります。
また、自治体も、ふるさと納税の勝ち組自治体とされたところほど、歳入減少の影響を受けることになるでしょう。
まさに制度改正を迎える2019年は、ふるさと納税の「逆噴射」が地方を襲うと言えます。
その影響は誤った競争環境での勝ち組とされた自治体ほど大きくなるのは必至です。
6月からは国が3つの基準を設け新制度がスタートし、国の審査を経た自治体しか税制優遇の対象にしないことになります。
3つの基準とは、①寄付募集の適正な実施、②返礼品の調達費が寄付額の30%以下、③返礼品は地場産品に限定というもので、泉佐野市など「従来の返礼品競争の勝ち組たち」の認定は厳しいというのが多くの見方となっています。
ふるさと納税の大きな問題は、国と地方を併せた税収が拡大するのではなく、返礼品や自治体の人件費など含めて実際には税収総額は減少するということです。
今度は国が細かな審査を経て認定をするしない、といったようなやりとりが追加発生します。
さらに国と地方にさらに業務コストが上乗せされるため、ふるさと納税は国と地方を連結すれば、実際のところは返礼品調達で3割の経費、サイト運営や配送料といった外注費、国と地方などの業務管理にかるコストが増大し、結果としてその分公共サービスに回す財源が減少します。
約4,000億円のふるさと納税総額は、結局公共サービス以外に大きく使われていることを忘れてはいけません。
それではふるさと納税で最も儲けたのはどこか?といえば、サイト運営者やアマゾンと言えるでしょう。
雨後の筍のように乱立するふるさと納税サイトについては、テレビCMを見た方も多くいるのではないでしょうか?
東海テレビの調査によると、東海地方125自治体へのアンケート調査によると全体流通額の10%程度が運営費として支払われたとされます。
ということは、全国で約4,000億円のふるさと納税市場において、約400億円がサイト運営費として支払われたと推定できます。
さらに、最近では各社ともサイトで目立つような広告枠の販売に力を入れており、自治体はわざわざ広告枠を追加で購入して宣伝をしようとしています。
今後返礼品率が抑えられるため、ふるさと納税の主戦場は広告宣伝とも言われています。
このようにふるさと納税を獲得するために、また税金で広告枠をバンバン買うという、まったくよくわからない構造が発生しています。
このような中、ふるさと納税サイト老舗であり、返礼品数No.1とするふるさとチョイスを運営するトラストバンク社は2018年、東証1部上場企業であるチェンジという会社が48億円で買収しています。
全国の自治体との営業チャネルとサイト運営の収益性が評価された結果と言え、それだけ儲かるビジネスになっているということです。
さらに隠れた勝者はアメリカのアマゾンです。
同社のグループは、日本国内だけでも1兆円を優に超える売り上げを有しながら、納税金額は2017年にはたった11億円程度と事業規模に対してあまり日本に納税しないことで有名です。
そのような中、ふるさと納税サイトの各社は2018年末に寄付額の一定率をアマゾンギフトでプレゼントするキャンペーン競争を展開していました。
泉佐野市に至っては、独自に100億円分のアマゾンギフトをプレゼントするキャンペーンを展開して話題になりました。
あまり日本で納税しないアマゾンに、日本の税収からアマゾンに100億円を超える金額が流れるという冗談にもならないことが起きたわけです。
国と地方が争っているうちに、いちばん税金からまとまった収入を得たのがアマゾンであり、漁夫の利とは言ったものです。
もはや笑うしかありません。
真のふるさと納税の勝者は納税者でも、地方生産者でも、自治体でもなく、手数料で着実に儲かるサイト運営者であり、国内納税額より多額の収入を得たアマゾンだったと言えるでしょう。
前述のとおり、ふるさと納税はこれから国の審査で規制強化を行いつつ継続しようというわけですが、はたして、多額の行政コストをかけ、公共サービスに利用できる財源を国と地方で減らしてまでやり続けるだけの意味のある制度なのでしょうか?
そもそも、自治体は、税金を財源にして無料同然で配る返礼品で集めるような一過性のお金で経営することなどありえないはずです。
しっかり地元の農林水産業、観光産業などのリアル経済を成長させ、そうした経済に即して税収を稼ぎつつ、その範囲で自治体を持続可能な形で経営するというのがあるべき姿のはずです。
そのために必要な財源移譲、独自税制に関する自由を国に求めるべきです。
一方、国も意味不明で誤った予算獲得競争を煽るべきではありません。
もっと地方への財源移譲を推進して、自治体が一過性の投機的な資金集めではなく、地に足の着いた地域経済と財政に向けた適切な投資の視点を持てるよう、より大きな都市経営を意識した地方自治にインセンティブがあるよう制度改正と向き合うべきです。
今回のような、特別交付金減額などという懲罰的なやり方をしたり、逆に国の言うことを聞けば認定をするといったようなやり方は、ますます地方の自立性を失わせ、国まかせの財政運営になっていくでしょう。
誤った競争は誤った結果を生み出します。
今回の騒動が、ふるさと納税頼みではない、真の地方の経済財政のあり方を探る転機になることを期待します。
僕は『ふるさと納税』をしていますが、制度として認められているからであって、個人的には、制度として失敗だと思っています。
『ふるさと』とか『地域の活性化』などを考えるのであれば、寄附できる地方を過去に住民票があったところとかに限るべきだと思いますし、返礼品は不要だと思います。
この記事の中に出てくる『ふるさとチョイス』を僕も使っていますが、ここに限らず『ふるさと納税』関連のサイトを使ったことのある方は分かると思いますが、完全なショッピングサイトであり、市町村がどこかは問題ではなく、自分の欲しいものがあるかどうかで『ふるさと納税』先を選んでいる方が多いのではないかと思います。
それゆえ、『ふるさと納税』はゼロベースで見直したほうが良いと考えています。
「ふるさと納税バブル」で一番儲けたのは誰か?について、どう思われましたか?
愛知県碧南市がふるさと納税を勧誘した都内の税理士に謝礼10%!
愛知県碧南市が8月末以降、東京都内の税理士に、碧南市へのふるさと納税を知人や顧客に勧めてくれれば、謝礼として寄付額の10%相当の現金を支払うと協力を依頼する文書計4,000通を送っていたことが、先日分かったようです。
総務省は、ふるさと納税の制度の趣旨に合わず「不適切」として文書の撤回を要請し、碧南市は9月下旬の追加発送を取りやめました。
総務省の担当者は「寄付は自発的にするもの」と指摘し、「紹介者に謝礼を支払うという自治体は聞いたことがない」と話しています。
一方、碧南市の担当者は「ふるさと納税の手続きができるインターネット上の仲介サイトにも、手数料として寄付額の10%程度を支払っており、同じ感覚で試行的に企画した」と説明しています。
「違法性はない」として、既に送付した文書に絡んで紹介による寄付があれば、謝礼を支払うとしています。
これまで税理士側から問い合わせが約20件あったようですが、謝礼を支払った事例はないそうです。
碧南市や総務省によると、文書では「愛知県内のふるさと納税件数第一位」として、うなぎやしらすなど返礼品が百種類以上あり、寄付金を地元のベンチャー企業支援に活用している点をPRしています。
大都市圏に広める狙いで都内の税理士事務所に発送したところ、9月に文書を把握した総務省が愛知県を通じて碧南市に指摘しました。
碧南市は9月26日に追加で発送予定だった文書の廃棄を決めました。
自治体も『ふるさと納税』集めに必死ですね。
確かに、インターネット上の仲介サイトにも手数料を支払っているので、それと大差はないように思いますね。
ある意味、仲介サイトのほうが、ショッピングのような感じで寄付先を選ぶことになるので、『ふるさと納税』の理念に反するような気はしますが。
ちなみに、総務省は、以下の3つの意義があるとしています。
● 第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。 それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。 |
● 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。 それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。 |
● 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。 それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。 |
3つの意義のためには、『3割ルール』を徹底するのではなく、根本的にところから変える必要があるのではないかと思いますね。
愛知県碧南市がふるさと納税を勧誘した都内の税理士に謝礼10%を支払うことについて、どう思われましたか?
ふるさと納税ルール変更に自治体が悲鳴!
実質自己負担2,000円で全国各地の自治体から豪華な返礼品を受け取れる「ふるさと納税」は、返礼品競争に拍車がかかり、ブームが過熱していましたが、先日ついに総務省から「待った」がかかり、大きな曲がり角を迎えています。
しかしながら、そんな状況下でもまだ賢く利用できる術はないのでしょうか?
地方創生の一環として整備されてきた「ふるさと納税」ですが、規制強化の動きが加速しています。
全国各地の自治体からは、怒りや戸惑いの声が噴出しているようです。
2017年度、町税の税収25億円を大きく上回る72億円の寄付金を集めた佐賀県みやき町の末安伸之町長の訴えは切実です。
「ふるさと納税を通じた寄付によって給食費や医療費の無料化、新たな保育所の整備などを進めていたので、寄付が減れば町の財政を直撃します。せっかく地方が独自の取り組みで自立しようとしてきたのに、国はわかっていない」
野田聖子前総務大臣は、9月11日の記者会見で、一部自治体が高額な返礼品で多額の寄付を集めていることについて「制度そのものが否定される不幸な結果を招く」として、返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定しました。
違反した自治体は制度から除外し、寄付しても税の優遇措置が受けられなくなるよう、来年の通常国会に地方税法改正案を提出して規制強化を目指す方針を打ち出しました。
2007年に創設されたふるさと納税は故郷や応援したい自治体に寄付すると返礼品がもらえるうえ、所得税・住民税の還付・控除が受けられて、実質的な自己負担は2,000円で済むことから、ブームと化してきた(還付・控除の上限額は所得などによって異なります。)。
一方、寄付金集めに走る一部の自治体は地場産品とは思えない高額返礼品を掲げて競うようになり、総務省は「3割ルール」「地場産品ルール」を守るよう2017年4月に通知しました。
しかしながら、それに従わない自治体が多かったことから、総務省は今回の大臣会見と同時に調査結果を公表しました。
そこでは、9月1日時点で「3割ルール」に違反している246自治体(全体の約14%)を実名で公表し、名指しされた自治体では混乱が相次いでいます。
佐賀牛のももスライス500g(寄付額1万円)や家電製品などを返礼品としてきた前出のみやき町もその一つです。
「肉の加工工場では設備投資や人員増をすでに進めている業者もいるのに、急すぎる見直しでは混乱を招くばかり。家電製品はすでに取り下げましたが、これはもともと、大手の家電量販店の進出で地元の電機店が困っているので、返礼品を出荷してもらえるよう手を差し伸べる試みだった。このままでは地元の店は潰れますよ!」(末安町長)
豚肉切り落とし5kg(寄付額1万円)などを用意する宮崎県都城市では、返礼品を供する約90の企業で構成される都城市ふるさと納税振興協議会から困惑の声が漏れています。
「急増する寄付者の期待に応えられるように、設備投資も人員も増やして量産体制をとっていますが、規制が厳しくなれば、連鎖倒産も避けられない。国の方針がコロコロ変わると困るのは、僕ら現場です」
個人的には、ふるさと納税をしていますが、遅かれ早かれ改正されると思っていましたし、特定の企業などの製品や商品を扱うのはどうなのかなぁと思っていました。
よって、みやき町長や宮崎県都城市の納税振興協議会のコメントは、どうなのかなぁ?と感じます。
一方で、『3割ルール』の中で、知恵を出し合って寄付金を集めればよいと思いますし、もう少し簡単に『ふるさと納税』が行える仕組みを作り、『ふるさと納税』をする人数を増やしていけば良いのではないかと思います。
ふるさと納税ルール変更に自治体が悲鳴をあげていることについて、どう思われましたか?
ふるさと納税「反抗自治体」を公表した総務省vs自治体の神経戦!
このブログでも、先日書きましたが、国の方針に従おうとせず、見直す意向もないのはこの自治体ですと、総務省は2018年7月に、いまだ返礼品競争が横行しているふるさと納税をめぐって、(1)返礼割合が3割超、(2)地場産品ではない返礼品を送付している、(3)2018年8月までに見直す意向がないなどとして、大阪府泉佐野市や佐賀県みやき町など12の自治体名を公表しました。
2017年4月以降、総務省が自治体への通知や記者会見を通じて、高額な返礼品などの自粛を幾度となく要請しているにもかかわらず、反抗する自治体に対してとうとうしびれを切らした格好です。
名指しされた12の自治体は、さぞ戦々恐々としているかと思いきや、各担当者から懸念として聞こえてくるのは、意外にも自民党の総裁選の動向と東京都目黒区の取り組みについてだったようです。
一体どういうことでしょうか?
一つ目の自民党の総裁選について自治体が最も気をもんでいるのは、総裁選を経て政権が代わることによって、菅義偉官房長官が閣外に放り出されることだそうです。
菅氏はふるさと納税の“生みの親”であり、制度拡充に際して反対論を唱えた総務省の局長を退任に追い込むほど、思い入れが強いそうです。
過熱する返礼品競争を時に黙認するような姿勢を取り、自治体の強力な後ろ盾になっているわけです。
総務省は、ふるさと納税に関わる普通交付税措置や特別交付税を使って、名指しした自治体を実質的に締め上げることは制度上可能ですが、菅氏が閣僚として目を光らせている間は、手を出しにくいことを自治体はよく理解しているようです。
二つ目の目黒区の取り組みとは、2018年8月からふるさと納税の返礼品として、人気音楽グループ「EXILE」のTシャツやパーカなど関連グッズを用意すると発表したことです。
目黒区内に事務所やスタジオを構えており、紛れもない地場産品だと位置付けているわけですが、これは返礼品競争が過熱する中で、一番危惧していた事態ともいえます。
財政力の高い都市部の自治体が、企業の本社や事業所があることを理由に豊富な資金で魅力的な返礼品をかき集めれば、地方の自治体には当然ながら勝ち目はありません。
目黒区以外にも、これまでふるさと納税による税収減にじっと耐えてきた都市部の自治体が、次々に本格参入することになれば、地方にもっとお金(税源)を還流させるという趣旨で始まった制度が、逆回転しかねません。
菅氏に引導を渡された局長が、反対論を唱える中で最も危惧していたのも、まさに都市部の自治体の反撃による寄付金の「都心回帰」でした。
今後もし都心回帰の流れが加速したとき、名指しされた自治体が税収減で悲鳴を上げたところで、耳を傾けてくれる人たちは果たしているのでしょうか?
ふるさと納税については、このブログで何度も述べていますが、そろそろ根本的なところから見直す時期に来ていますね。
特定の政治家の影響を受ける制度というのもどうかと思いますね。
以前から気にはなっているのですが、返礼品に特定の企業のものを使うというのもどうなのかなぁと思っています。
本来は、その地域の名産などを使うべきであり、特定の企業のものを使うものではないかと思っています。
ふるさと納税「反抗自治体」を公表した総務省vs自治体の神経戦が行われていることについて、どう思われましたか?
ふるさと納税に関し「国に反逆」した12自治体を初公表!
ふるさと納税は返礼品抑制でも伸び3,000億円が視野に!
総務省によると、2016年度の実績は2,844億円です。
市区と町村の伸び率はこれまでほぼ同じ水準で推移しており、2017年度は全国の総額で3,000億円の大台を超える見通しです。
総務省は、2017年4月に資産性の高い返礼品などを自粛し、返礼割合も3割以下に抑えるよう各自治体に通知しました。
2018年4月には返礼品の見直しの徹底を改めて求める追加の通知を出しています。
通知後も高い返礼割合の自治体は残っていますが、集め方や使い道の工夫が広がっているようです。
北海道夕張市は、あらかじめ使途を明示しました。 インターネットで不特定多数の人から少額の寄付を募るクラウドファンディングの手法を採用し、少子化に悩んでいた地元の高校を救うプロジェクトなどが共感を呼び、寄付額が3,000万円増えました。
青森県弘前市は、重要文化財である弘前城の石垣修理や弘前公園の桜の管理といった街づくりに参加できる仕組みが人気を集め、前年度より1億6,000万円上積みしました。
「高額」の返礼品だけでなく、幅広いアイデアが寄付を押し上げているようです。
一方で、2016年度にトップ30だった市区のうち、6割が2017年度は減少すると見込んでいます。
家電を返礼品から外した長野県伊那市(2016年度2位)は66億円減少し、パソコンの返礼品をやめた山形県米沢市(同5位)も17億円減りました。
ただし、全体では、2017年度も2016年度より10%伸びる見通しです。
上位の減少分を幅広い自治体の増加分でカバーしている形になっています。
自治体の最大の歳入は、約4割を占める地方税です。
2016年度は約39兆円でしたが、人口減時代を迎え今後の大幅な増収は見込みにくくなっています。
3,000億円規模の歳入は自治体にとって、ガソリン税や自動車重量税の地方分と並ぶ規模になります。
ふるさと納税が地方税の収入を上回る例も出ており、自治体の「財源」としての存在感は高まっています。
2016年度首位の宮崎県都城市を抑え、2017年度の見込み額でトップになったのは大阪府泉佐野市(同6位)でした。
関東、関西を中心に約130億円を集め、2016年度より約95億円増えました。
ふるさと納税の額は、同市の2016年度地方税収入の約6割にあたります。
返礼品を大幅に増やして、1,000以上を用意しました。
黒毛和牛などが人気で、3月までは宝飾品や自転車もそろえていました。
返礼割合は2017年度で約4割と総務省が求める基準より高かったですが、2018年度は約3割まで下げる方針です。
一方、税収が「流出」している自治体からは不満の声も漏れます。
東京23区では、2016年度だけで386億円が流出しています。
世田谷区では、52億円も減りました。
自治体によっては「既存事業や新規の事業計画に影響が出る可能性がある」と懸念するところもあるようです。
なお、この調査は、2月下旬から4月下旬に実施し、802の市区から回答を得ました。
ふるさと納税とは、生まれ育った故郷や応援したい自治体に寄付できる制度です。
納税者が税の使い道に関心を持ったり、寄付を受けた地域を活性化させたりする目的で2008年度に導入されました。
寄付額から2,000円を差し引いた金額(上限あり)が所得税と個人住民税から控除されます。
2015年度から控除上限額を2倍に引き上げ、確定申告せずに税額控除の手続きができる特例制度を導入して利用が広がりました。
本来の趣旨からはズレているんでしょうが、制度がありますし、税理士という職業柄か、ここ数年毎年ふるさと納税をしています。
もちろん、僕自身もらえるものから寄附する先を選んでいますし、そのような方が多いのではないかと思われます。
本来、返礼品目的の制度ではなく、東京の23区などは不利だと思いますので、根本的に制度を見直す時期には来ているのではないかと思っています。
ふるさと納税は返礼品抑制でも伸び3,000億円が視野に入ったことについて、どう思われましたか?
公示地価にダマされるな!
豊島区役所がペーパーレスによる課税・納税証明書の発行手続きの実験を開始!
2018年03月19日(月)
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(本社東京都港区、、以下「MDIS」)と豊島区役所(本庁舎東京都豊島区)は、区民が「特別区民税・都民税(住民税)証明書」の交付を受ける際、“専用ペン“を使用してペーパーレスで申請する実証実験を2018年3月5日に開始したと発表しました。
実証実験の対象となる「特別区民税・都民税(住民税)証明書交付サービス」とは、区民が課税証明書・納税証明書を申請する際に利用するサービスで、証明する年度や必要な人の名前・住所・生年月日などを申請書に記載して申請します。
この申請手続きは、記入欄が多く記入箇所が分かりづらいことや、年間3万件以上申請のある申請書自体の管理負荷などの問題点があったようです。
今回使用するシステムは、MDISが開発・販売するペーパーレス受付システム「らくかけくん」で、プロジェクターで表示された様式イメージに専用ペンで入力する「プロジェクションマッピング技術」を活用しています。
区役所を訪れた利用者は、窓口に設置された専用記載台にて上方のプロジェクターから投影されたイメージを見て、専用ペンにて操作します。
投影イメージに直接記入することで、文字認識技術により手書き文字が瞬時に文字データへ変換されます。
実証実験では日本語と中国語の2か国語への対応を行います。
担当者は、窓口アプリで入力結果の確認や申込書の管理が可能です。
このシステムを用いることで、従来の紙の申請用紙やディスプレイモニターと比べプロジェクターで大きな文字で表示することができます。
また、キャラクターによるガイダンスが記入箇所に応じて表示されることから、利用者の利便性向上が期待できます。
一方、窓口担当者など職員にとっては、窓口での確認・問合せ対応の減少や、データ入力、申込書管理負荷の低減等、業務効率化が期待できます。
さらに、紙が不要となることで、書類保管倉庫のスペース削減も可能です。
MDISは今回の実証実験を評価し、「らくかけくん」のさらなる機能拡充と利便性向上を目指すとともに、自治体の申請窓口、小売店の各種申し込みカウンター、金融機関の店舗、ショッピングモールでのカード申し込みなど、様々な業界への拡販を検討していくようです。
役所での手続きは、無駄と思われるものや、分かりにくいものや、記入したりするのが面倒なものなどが、多々あると思います。
今後は、このようなものが出てきて、便利になることを切に願います。
まぁ、ここでもAIに取って代わられ、人がいらなくなるところもたくさん出てくるでしょうね。
手続きとは関係ありませんが、個人的には、市とかの発行する書類はA4より微妙に大きくて、職業柄コピーすると端が欠けて読めないことが頻繁にありますので、早く、書類のサイズをA4にしてほしいですね(笑)。
豊島区役所がペーパーレスによる課税・納税証明書の発行手続きの実験を開始したことについて、どう思われましたか?