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サイブリッジ合同会社がカーディナル株式会社(証券コード:7855)に対して山田マーケティング株式会社による公開買付けに関して質問書を送付!

 

サイブリッジ合同会社(代表:水口翼)は、カーディナル株式会社(代表取締役社長:山田弘直、証券コード:7855)の株主です。
サイブリッジ合同会社は、2021年8月5日に開示された山田マーケティング株式会社(以下「山田マーケティング社」)によるカーディナル株式会社へのいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる株式公開買付(以下「本公開買付け」)について、本公開買付けに係る買付価格が一般株主に対して十分に配慮された価格ではない可能性があるため、カーディナル株式会社に対して本文記載の内容の質問書を送付しました。

質問書

2021年8月5日付「山田マーケティング株式会社によるカーディナル株式会社株式(証券コード:7855)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」により、山田マーケティング株式会社(以下「公開買付者」といいます。)によるカーディナル株式会社(以下「貴社」といいます。)の普通株式(以下「貴社株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)が公表されました。
そして、貴社は、2021年8月5日付け「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を公表し、本件公開買付けに賛同する意見を表明しております。
一方で、本公開買付けに係る貴社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は、普通株式1株につき851円となっており、1株当たりの貴社の純資産額(第54期における1株当たりの純資産額は1,133.53円)を大幅に下回る金額となっております。
そのため、貴社の株主であるサイブリッジ合同会社(以下「サイブリッジ」といいます。)は、本公開買付価格は貴社の一般株主に対して十分に配慮された価格ではない可能性があると考えております。
貴社に対して本事前質問状を提出し、下記の質問に対して、2021年9月1日午後5時までに、貴社のHP上にて回答を公開することを求めます。
万が一、本質問書記載のご質問に対して、了解可能なご回答をいただけなかった場合、サイブリッジは本公開買付価格の見直しの要請をすることを具体的に検討しております。

1.フェアネス・オピニオンの取得について
2021年8月6日付「意見表明報告書」(以下「本意見表明報告書」といいます。)によれば、貴社は、貴社、公開買付者及び不応募合意株主から独立した株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
経済産業省の「公正なM&Aのあり方に関する指針」(以下「MA指針」といいます。)においては、「第三者評価機関からフェアネス・オピニオンの取得が行われた場合には、公正性担保措置として積極的に評価されるべきものと考えられる。」とされております。
MA指針において、MBOを実施する際の公正性担保措置の一つとして指摘をされている「フェアネス・オピニオン」をプルータス・コンサルティングから取得しないという判断をされた理由について、具体的にご説明を願います。

2.株価算定方法について
(1)加重平均資本コストの算出について
本意見表明報告書によれば、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、プルータス・コンサルティングに対し、貴社株式価値の算定を依頼し、株式価値算定書を取得しております。
プルータス・コンサルティングは、貴社株式価値の算定にあたっては市場株価法及びDCF法を算定手法として用いて、算定を行なっております。そして、本意見表明報告書によれば、DCF法での貴社株式価値の算定において、割引率は加重平均資本コスト(以下「WACC」といいます。)とし、WACCは5.288%〜9.214%を採用しております。
WACCの評価プロセスにおいて、必要な算定要素であるベータ値の抽出が必要となりますが、このベータ値は評価対象会社の事業と類似性のある他の上場企業のLeveredベータを収集したうえで業界平均のUnleveredベータを弾き、評価対象会社としてのベータ値を算出するのが一般的であると理解をしております。
この点、本意見表明報告書によれば、プルータス・コンサルティングは、貴社株式価値の算定手法として「適切な類似上場会社を選定することが困難である」ことを理由に、類似会社比較法を不採用としています。
そこで、適切な類似上場会社を選定することが困難な状況の中で、どのようにしてWACCの評価に必要なReleveredベータを抽出したのかをご教示ください。

(2)永久成長率について
第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングは、DCF法での貴社株式価値の算定において、永久成長率法を採用した上で、0%の永久成長率を採用しております。
永久成⾧率は、インフレ率、GDP成⾧率、あるいは、過去の企業成⾧率のいずれかを引用することが一般的であると理解をしております。
この点、国内の経済状況をふまえつつ合理的かつ客観的な値を見つけるのは難しいとも思われますが、国際通貨基金は、日本国の2021年から2025年にかけてのインフレ率について0.137%から0.963%と公表しています(「IMF World Economic Outlook Databases(2021年4月)」)。
このような公表情報がある中、貴社株式価値の算定において、永久成⾧率を0%に設定をした理由をご教示ください。

以上

MBOは、対象会社の役員等が出資した会社を通じて対象会社の株式を購入し、非上場化をはかるということですので、役員等に比べ情報力で圧倒的に劣る対象会社の一般株主は、勝手に株主から排除されてしまう結果となります。
それゆえ、一般株主が納得できるような内容でないといけないと思います。
以前、上場会社のMBOの際に、対象会社(上場企業)側の株価算定の仕事に携わったことがありますが、訴訟のリスクもあるため、使用する率などについて、質問があったときにどう回答するかということも考え、文章にしつつ、株価算定の作業を進めたことがあります。
おそらく日本でNo.1のプルータス・コンサルティングなので、明確な理由等を持っていると思いますので、時々バリュエーション業務をやっている僕としてはどのような回答があるのか非常に興味深いです。
また、こういう質問が一般的に行われるようになり、企業側もきちんと株主が理解できるような報告書などの文書を開示するようになるといいなぁと思います。

サイブリッジ合同会社がカーディナル株式会社(証券コード:7855)に対して山田マーケティング株式会社による公開買付けに関して質問書を送付したことについて、どう思われましたか?

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