カテゴリー
事務所通信

事務所通信2025年10月

事務所通信

2025年10月号『移動年計グラフ!』

毎月月次決算をしていて、単月や当期の累計の数値は把握しているものの、何となく業績が良くなっているとか悪くなっているとか感じているにもかかわらず、実際にはどうなのか分からない経営者の方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、業績のトレンドを博することができる『移動年計グラフ!』について書きたいと思います。

1.移動年計とは?

移動年計とは、当月を含めた過去12か月(1年間)の合計額を毎月、算出するものです。

決算では、年に一回だけ12か月分の合計額を算出しますが、移動年計は毎月12か月分の合計額となっています。

例えば、2025年9月であれば、2024年10月から2025年9月までの合計額となっています。

つまり、売上高・粗利益・経常利益といった重要な項目の移動年計表を作成するということは、毎月決算をしているようなものであり、季節的変動をも加味した経営状況が把握できるのです。

2.移動年計グラフで把握できること

移動年計表をグラフ化すること、つまり、移動年計グラフを作成することにより、季節的変動を練り込んだ業績のトレンドを把握することができます。

前述のとおり、各月において1年間(12 か月)の合計額を算出する、つまり毎月決算をしているようなものであるため、業績が上向いてきているのかそれとも落ち込んできているのか、「業績のトレンド」を把握できるのです。

単月ベースの比較グラフでは把握しにくい、中長期的な業績のトレンドが、移動年計グラフによって把握できます。

3.Zチャート

Zチャートとは、「月別」「累計」「移動年計」を一つのグラフにしたものです

これにより、季節的変動も加味した業績のトレンドを視覚的に把握することができます。

月別(Zの床線)、累計(Zの斜め線)、年計(Zの天井線)でチャートに表しています。

Zの形が右肩上がりであれば業績が上昇のトレンドにあり、右肩下がりであれば下降のトレンドであることが把握できます。

4.具体的な移動年計グラフの使い方

Excelなどを使って作成することもできますが、ソフトを使えば、簡単に、売上高・粗利益・固定費・経常利益を月別比較、累計比較、予算実績比較、移動年計、Zチャートでグラフ化し、業績の推移を視覚的に把握できます。

月別と期首からの累計額を当期と過年度で比較・分析できるだけでなく、移動年計グラフとZチャートで業績のトレンドを把握し、それらを元に予算実績の比較グラフを作成することもできます。

5.最後に

感覚に頼っている経営者の方も多いと思いますが、数値化とかビジュアル化は重要です。

何か手を打つ際には、何となくではなく、何か根拠のあるものをもとに行うべきです。

その時に役立つもののひとつが、移動年計グラフですので、一度見てみると、感覚と反対の結果が出るかもしれませんので、ぜひ使ってみてくださいね。

2025年10月28日 國村 年

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください