事務所通信
2025年5月号『誰も教えてくれなかった月次決算の実務Q&A(第2版)』
2025年5月21日に、中央経済社から『誰も教えてくれなかった月次決算の実務Q&A(第2版)』を出版しました
2018年2月15日に、『誰も教えてくれなかった月次決算の実務Q&A』を中央経済社から出版し、2019年2月に増刷となりましたが、今回、改訂を行いました。
改訂のお話しをいただいてから1年半くらいかかりましたが、ようやく出版に至りました。
そこで今回は、『誰も教えてくれなかった月次決算の実務Q&A(第2版)』について書きたいと思います。
1.月次決算の目的
決算とは、一定期間の収益と費用を集計して損益を算出し、資産や負債、資本金、剰余金といった財政状態を確定する手続です。
法律的には、1年に1回だけ決算をすればよいですが、実際には、管理会計上の要請から、多くの企業が1か月ごと、四半期(3か月)ごと、半年ごとに決算をしています。
このうち、 1か月ごとに決算をするのが月次決算と呼ばれています。
棚卸もそうなのですが、月次決算は、年度決算のように会社法や税法などの法規制を受けないため、決算の厳密さのレベルに自由度があります。
それゆえ、どこまで厳密に行うか、いいかえれば、どの厳密さのレベルで決算を行うかは、以下のような月次決算の目的に照らして、経営者自らが決めればよいのです。
| ① | 財務諸表作成 | 
| ② | 販売価格等の決定 | 
| ③ | 損益・原価管理、予算実績管理 | 
| ④ | 資金管理 | 
| ⑤ | 経営管理、経営の意思決定 | 
2.書籍の内容
目次は、以下のとおりです。
| 第1章 | 月次決算の概要 | 
| 第2章 | 月次決算体制の構築 | 
| 第1節 | 現金及び預金プロセスの見直し | 
| 第2節 | 収益認識・債権回収プロセスの見直し | 
| 第3節 | 費用認識・債務支払プロセスの見直し | 
| 第4節 | 経費精算プロセスの見直し | 
| 第5節 | 人件費計上プロセスの見直し | 
| 第6節 | 売上原価・在庫計上プロセスの見直し | 
| 第7節 | 月次決算整理プロセス | 
| 第8節 | 月次決算のチェック | 
| 第3章 | 月次決算の分析・報告 | 
| 第1節 | 月次決算分析・報告の手順 | 
| 第2節 | 月次決算資料の作成 | 
| 第3節 | 各部門での利益分析 | 
| 第4節 | 経営者に対する報告・内容検討・対策立案 | 
| 第4章 | 月次資金管理の実務 | 
| 第1節 | 資金繰り管理の実務 | 
| 第2節 | 資金繰りの分析 | 
| 第5章 | 月次決算報告の具体例 | 
3.最後に
本書は、月次決算を行うための「仕組み」「体制」づくりに焦点を当てています。
月次決算は何のために行うか?、それは、経営者の適時、適切な経営判断を行うためということを忘れてはいけません。
本書が、時代とともに進化する月次決算体制の構築のための、一助になれば幸いです。
2025年5月26日 國村 年
