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通勤手当の非課税限度額の改正について(令和7年11月)

令和7年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

この改正は、令和7年11月20日に施行され、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されます。

このため、改正前に、改正前の非課税限度額を超えた通勤手当を支払っていた場合には、令和7年分の年末調整で対応が必要となることがあります。

<改正後の非課税限度額>

改正後の1か月当たりの非課税限度額は、次のとおりです。

区分 課税されない金額
改正後
(令和7年4月1日以後適用)
改正前
①交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当 1か月当たりの合理的な運賃等の額

(最高限度 150,000円)
同左
②自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当 通勤距離が片道55km以上
である場合
38,700円 31,600円
通勤距離が片道45km以上
55km未満である場合
32,300円 28,000円
通勤距離が片道35km以上
45km未満である場合
25,900円 24,400円
通勤距離が片道25km以上
35km未満である場合
19,700円 18,700円
通勤距離が片道15km以上
25km未満である場合
13,500円 12,900円
通勤距離が片道10km以上
15km未満である場合
7,300円 7,100円
通勤距離が片道2km以上
10km未満である場合
4,200円 同左
通勤距離が片道2km未満
である場合
(全額課税) 同左
③交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額

(最高限度 150,000円)
同左
④交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券 1か月当たりの合理的な運賃等の額と②の金額との合計額

(最高限度 150,000円)
同左

★リンクはこちら⇒ 通勤手当の非課税限度額の改正について(令和7年11月)

2025年12月9


同族会社に対する無利息貸付けは、所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると判断した事例

  • ①平成30年分から令和2年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分
  • ②令和3年分から令和4年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分
  • ③平成30年分から令和4年分までの所得税及び復興特別所得税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①一部取消し、②③棄却
  • 令和7年3月7日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の同族会社に対する金員の無利息貸付けは、融資条件や無利息としたことの理由等の諸事情を総合的に考慮すると経済合理性を欠くものであって、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると認められるとしたものである。

<要旨>
請求人は、同族会社(本件同族会社)に無利息で貸付け(本件貸付け)を行ったのは、役員の同族会社に対する貸付けは無利息で行われることが一般的であったこと、請求人の自己資金を用いて実行したものであること、本件同族会社は債務超過であったこと、多額の収入が見込める状況になかったこと等を考慮したものであることから、本件貸付けを無利息としたことは、所得税法第157条《同族会社の行為又は計算の否認等》第1項に規定する所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものに該当しない旨主張する。

しかしながら、本件同族会社の財務状況等を踏まえると、本件貸付けには、請求人が本件同族会社に対して無利息で貸付けをすることに合理的な理由を見出すことはできないから、本件貸付けを無利息としたことは、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、請求人の所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると認められる。

★リンクはこちら⇒ 同族会社に対する無利息貸付けは、所得税の負担を不当に減少させる結果となるものであると判断した事例

2025年11月19


消費税等の修正申告書の提出により納付すべきこととなった消費税等の額は、消費税等の修正申告書を提出した日に具体的に納付すべき税額が確定したといえるから、当該納付すべき消費税等の額は、修正申告書を提出した日の属する年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるとした事例

  • 令和2年分及び令和3年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分
  • 棄却
  • 令和7年3月3日裁決

<ポイント>
本事例は、消費税等は、申告納税制度を採用しており、納税者のする申告により税額が確定することから、修正申告書の提出により納付することとなった消費税等の額の必要経費の算入時期は、修正申告書を提出した日の属する年分となるとしたものである。

<要旨>
請求人は、消費税等の修正申告により新たに納付すべきこととなった消費税等の額(本件消費税額)について、事業所得の金額の計算上、債務の確定がなくても必要経費に算入される場合があること及び本件消費税額は、所得税法第37条《必要経費》第1項が規定する「その年中の総収入金額を得るために直接に要した費用」に該当するなどとして、本件消費税額は、消費税等の修正申告に係る課税期間と同一年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張する。

しかしながら、本件消費税額は、所得税法第37条第1項に規定する「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」に該当すると解されるところ、同項は、必要経費の算入時期について、債務の確定を要求しており、本件消費税額は、消費税等の修正申告書を提出したことにより納付すべきことが具体的に確定したといえ、請求人の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき時期は、請求人が消費税等の修正申告書を提出した日の属する年分となるから、本件消費税額は、消費税等の修正申告に係る課税期間と同一年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。

★リンクはこちら⇒ 消費税等の修正申告書の提出により納付すべきこととなった消費税等の額は、消費税等の修正申告書を提出した日に具体的に納付すべき税額が確定したといえるから、当該納付すべき消費税等の額は、修正申告書を提出した日の属する年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されるとした事例

2025年11月17


ID・パスワードの新規発行停止について

国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」から e-Tax により税務申告を行う主な方法としては、①マイナンバーカード等を利用した「マイナンバーカード方式」のほか、②税務署が本人確認を行った上で発行する ID とパスワードを利用した「ID・パスワード方式」があったが、『ID・パスワード方式』のID・パスワードの新規発行を令和7年10月1日から停止した。

★リンクはこちら⇒ ID・パスワードの新規発行停止について

2025年10月6


「所得税」を知ろう

財務省は、『もっと知りたい税のこと(令和7月発行)』を発行した。

3.「所得税」を知ろう
❶所得税について
❷主な所得の種類について
❸主な人的控除について
❹所得税の負担の変化

★リンクはこちら⇒ 「所得税」を知ろう

2025年9月24


マイナポータル連携対応予定のお知らせ

令和8年1月から、マイナポータル連携の対象として、以下の4調書を追加する予定となりましたので、お知らせします。

  • 生命保険契約等の一時金の支払調書
  • 生命保険契約等の年金の支払調書
  • 損害保険契約等の満期返戻金等の支払調書
  • 損害保険契約等の年金の支払調書

なお、掲載日時点での対応予定保険会社については、以下のとおりです。

  • 住友生命保険相互会社
  • SOMPOひまわり生命保険株式会社
  • 第一生命保険株式会社
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 日本生命保険相互会社
  • 明治安田生命保険相互会社

また、令和8年1月から、ふるさと納税以外の寄附金についても、マイナポータル連携の対象とする予定です。
掲載日時点での対応予定寄附団体については、以下のとおりです。

  • 特定非営利活動法人国連UNHCR協会
  • 特定非営利活動法人国境なき医師団日本
  • 公益財団法人日本ユニセフ協会

(※)
対応予定の保険会社、寄附団体は順次増加していく予定ですので、最新のマイナポータル連携対応予定事業者については、マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧|国税庁(nta.go.jp)からご確認下さい。

また、本お知らせに掲載した対応予定の保険会社及び寄附団体は、現在対応に向けたシステム構築中のため、実際の運用時には変更となる場合があります。

★リンクはこちら⇒ マイナポータル連携対応予定のお知らせ

2025年9月16


通勤手当の非課税限度額の改正について

令和7年8月7日に令和7年人事院勧告が行われ、令和7年4月1日以降の措置内容として自動車などの交通用具使用者に対する通勤手当の額の引上げが勧告されました(人事院ホームページ(外部サイト))。

これを受け、今後、通勤手当に係る所得税の非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがあります。

年末調整を行う前には、リンク先で最新情報を必ずご確認いただきますようお願いします。

★リンクはこちら⇒ 通勤手当の非課税限度額の改正について

2025年9月12


一時所得の金額の計算上、生命保険契約の契約者貸付けによる借入金に係る利息を控除することができないとした事例

  • 令和2年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和6年8月23日裁決

<ポイント>
本事例は、生命保険契約の契約者貸付けによる借入金に係る利息が、当該保険契約に係る解約返戻金に係る一時所得の金額の計算上、所得税法第34条第2項に規定する「その収入を得るために支出した金額」に含まれないとしたものである。

<要旨>
請求人は、生命保険契約(本件保険契約)に係る契約者貸付け(本件契約者貸付け)による借入金(本件借入金)に係る利息(本件利息)は、請求人が受領した本件保険契約に基づく解約返戻金(本件解約返戻金)と相殺されたことなどから、本件解約返戻金に係る一時所得の金額の計算上、所得税法第34条《一時所得》第2項に規定するその収入を得るために支出した金額に含まれる旨主張する。

しかしながら、本件利息が同項に規定するその収入を得るために支出した金額に含まれるというためには、本件保険契約に係る保険料の支払に本件借入金が充てられたものであることが必要であるところ、請求人は、本件契約者貸付けを利用する前に本件保険契約に係る保険料を完納しており、本件借入金が本件保険契約に係る保険料の支払に充てられていないことは明らかであるから、本件利息は、本件解約返戻金に係る一時所得の金額の計算上、同項に規定するその収入を得るために支出した金額に含まれない。

★リンクはこちら⇒ 一時所得の金額の計算上、生命保険契約の契約者貸付けによる借入金に係る利息を控除することができないとした事例

2025年8月21


外国法人から支払われる国外給与が外貨建て円払い取引に該当せず、円換算を要しないと判断した事例

  • ①令和元年分から令和3年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分
  • ②令和2年分から令和3年分の所得税及び復興特別所得税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①一部取消し
  • ②棄却
  • 令和6年7月3日裁決

<ポイント>
本事例は、雇用契約の定めに従って国外給与を日本円で支払うために作成された所得明細に基づいて日本円で送金された給与につき、当該所得明細に記載された支給総額を給与所得の収入金額とすることが相当であって、当該所得明細は日本円で表示されているから、当該国外給与の支給は外貨建て円払い取引には該当せず、その収入金額の算定に当たって円換算は要しないと判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、外国法人が請求人に交付した税額計算書(本件計算書)には、請求人の給与(本件国外給与)が外国通貨で記載されており、本件国外給与が請求人の口座に日本円で入金されていることから、いわゆる外貨建て円払い取引に該当するとして、本件国外給与に係る給与所得の収入金額は、所得税基本通達57の3-2《外貨建取引の円換算》の注5の定めに基づき、外貨建取引に準じた方法で本件計算書の総支給額を円換算する必要がある旨主張する。

しかしながら、本件計算書は、外国法人が請求人から源泉徴収した税金を外国の国税当局に納付する際に使用する書類であって、外国法人は、請求人との雇用契約の定めに従い、請求人に本件国外給与を日本円で支払うため、日本円で算定した所得明細(本件所得明細)を請求人の給与明細として作成し、本件所得明細に基づき、本件国外給与を請求人の口座に日本円で送金していることから、本件国外給与の支給は外貨建て円払い取引には該当せず、本件国外給与の各月の収入金額は、日本円で算定された本件所得明細に記載の総支給額であることから、本件国外給与に係る給与所得の収入金額を算定するに当たり、円換算する必要はない。

★リンクはこちら⇒ 外国法人から支払われる国外給与が外貨建て円払い取引に該当せず、円換算を要しないと判断した事例

2025年8月15


令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について

令和7年度税制改正により、所得税の「基礎控除」や「給与所得控除」に関する見直し、「特定親族特別控除」の創設が⾏われました。

これらの改正は、原則として、令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適⽤されます。

このため、令和7年12月に行う年末調整など、令和7年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じます(令和7年11月までの源泉徴収事務には変更は生じません。)。

下記リンク先では、改正の概要や源泉徴収事務に関する各種情報を掲載しています。

★リンクはこちら⇒ 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について

2025年5月16


特定口座内で譲渡した上場株式等の取得費を概算取得費とすることはできないとした事例

  • 令和元年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和6年4月22日裁決

<ポイント>
本事例は、特定口座内で譲渡した上場株式等の取得費については、当該特定口座内における当該上場株式等の受入れに係る記録を基礎として金融商品取引業者等において当該上場株式に関する固有の計算方法により一元的に計算されることを予定しているのであって、納税者が申告するに当たり概算取得費とすることはできないとしたものである。

<要旨>
請求人は、①源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡所得の金額を申告するに当たり、租税特別措置法第37条の11の3《特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例》第1項が特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額とそれ以外の株式等の譲渡による譲渡所得の金額とを区分して、これらの金額を計算する旨規定したのは、特定口座創設の趣旨等からすれば、投資家の所得計算の負担を軽減するために金融商品取引業者等が計算を代行したにすぎないから、納税者が確定申告において取得費等を含めて譲渡所得の金額を再計算することができる旨、②租税特別措置法関係通達(措置法通達)37の11の3-14《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例に関する取扱い等の準用》は計算代行者である金融商品取引業者等の計算等に関する定めであって、納税者が概算取得費を譲渡所得に係る取得費として譲渡所得の金額を計算することは妨げられない旨それぞれ主張する。

しかしながら、①特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額の計算上取得費に算入する金額は、当該上場株式等の特定口座への受入れに係る記録を基礎として金融商品取引業者等が固有の計算方法により一元的に計算することが予定されており、②措置法通達37の11の3-14が、概算取得費による取得費を認める旨を定めた措置法通達37の10・37の11共-13《株式等の取得価額》を準用していないのは、特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額の計算に当たり、概算取得費を取得費とすることを認めない趣旨であると解すべきであるから、納税者が源泉徴収選択口座に係る特定口座内保管上場株式等の譲渡による譲渡所得の金額を申告するに当たり、概算取得費を取得費とすることはできない。

★リンクはこちら⇒ 特定口座内で譲渡した上場株式等の取得費を概算取得費とすることはできないとした事例

2025年3月7


未経過固定資産税等相当額は、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるとした事例

  • ①令和3年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②令和3年1月1日から令和3年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ①②棄却
  • 令和6年2月13日裁決

<ポイント>
本事例は、不動産の譲渡に際して買主から売主に支払われた未経過固定資産税等相当額について、譲渡所得の課税の趣旨及び固定資産税等の納税義務者の規定内容から検討し、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるとしたものである。

<要旨>
請求人は、請求人が譲渡した土地建物(本件土地建物)に課された固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)のうち本件土地建物の引渡日からその年の12月31日までの期間に対応する固定資産税等に相当する額(本件未経過固定資産税等相当額)は、売主である請求人に納税義務はなく、本来買主が負担すべきものを請求人が立て替えているにすぎないものであることなどから、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額には算入されない旨主張する。

しかしながら、譲渡所得に対する課税の趣旨からすると、資産の譲渡の対価として収入すべき金額については、その名目いかんにかかわらず、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるべきであると解するのが相当である。

また、固定資産税等は、その賦課期日である毎年1月1日現在における固定資産の所有者に対して課されるものであって、賦課期日後に当該固定資産の所有者に異動が生じたとしても、新たな所有者が当該固定資産のその年の固定資産税等の納税義務を負担するものではないから、本件土地建物の売買契約における固定資産税等の負担及び清算に関する定めは、新たな債権債務関係を発生させる合意内容の一つというべきである。

したがって、当該合意に基づいて買主から請求人に支払われた本件未経過固定資産税等相当額は、本件土地建物の譲渡の対価の一部であると認められることから、請求人の譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されることとなる。

★リンクはこちら⇒ 未経過固定資産税等相当額は、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるとした事例

2025年2月20


令和6年分確定申告特集

国税庁は、『令和6年分確定申告特集』をホームページに公開した。

★リンクはこちら⇒ 令和6年分確定申告特集

2025年2月4


定額減税特設サイト『確定申告に関する情報』

国税庁は、定額減税特設サイト『確定申告に関する情報』をホームページに公開しました。

このページでは、定額減税の実施を踏まえた、令和6年分所得税の確定申告に関する情報を掲載しています。

定額減税制度の概要は以下のとおりです。

詳細については、「定額減税について(制度の概要)」をご確認ください。

<定額減税の対象となる方>
定額減税の対象者は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下(注)である方)です。

(注)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下となります。

<定額減税額(令和6年分特別税額控除の額)>
特別控除の額は、次の金額の合計額です。

ただし、その合計額がその人の所得税額を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。

所得税 個人住民税
本人分 3万円 1万円
同一生計配偶者または扶養親族 1人につき3万円 1人につき1万円

★リンクはこちら⇒ 定額減税特設サイト『確定申告に関する情報』

2025年1月29


税務相談チャットボットで所得税(令和6年分)の相談を開始

国税庁は、税務相談チャットボットで所得税(令和6年分)の相談を開始した。

★リンクはこちら⇒ 税務相談チャットボットで所得税(令和6年分)の相談を開始

2025年1月27日


令和6年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

既に約9割の方が、確定申告会場に来場せずに確定申告しています。
ご自宅から申告できるe-Taxをご利用ください。
確定申告書の作成はこちらから

令和6年分確定申告期における確定申告会場は下記のとおりです。
確定申告の相談及び申告書の受付は、令和7年2月17日(月)から3月17日(月)までです。
確定申告会場への入場には整理券が必要です(申告書等の提出のみの場合は不要です。)。
入場整理券の詳細についてはこちら

確定申告会場は混雑が予想されます。
特に、確定申告期限間際は大変な混雑が予想されますので、来場される場合はお早目にお越しください。
税務署の閉庁日(土・日曜・祝日等)は、相談及び申告書の受付は行っておりません。
ただし、一部の会場では、3月2日(日)に確定申告の相談及び申告の受付を行います。
当日の会場は、大変混雑が予想されますので、国税庁HPのチャットボット(ふたば)や確定申告コールセンター(3月2日(日)にも開設)もぜひご利用ください。

★リンクはこちら⇒ 令和6年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

2025年1月23日


所得金額調整控除

所得金額調整控除とは、一定の給与所得者の総所得金額を計算する場合に、一定の金額を給与所得の金額から控除するというものです。

所得金額調整控除には、次の子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除または給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除のとおり、2種類の控除があります。

このうち、子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除は、年末調整において適用することができます。

<子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除>
その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、(1)のイからハのいずれかに該当する者の総所得金額を計算する場合に、(2)の所得金額調整控除額を給与所得から控除するものです。
(1)適用対象者

本人が特別障害者に該当する者
年齢23歳未満の扶養親族を有する者
特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する者

(2)所得金額調整控除額

{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%=控除額

1円未満の端数があるときは、その端数を切り上げます。

年末調整においてこの控除の適用を受けようとする給与所得者は、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、給与の支払者に所得金額調整控除申告書を提出する必要があります。

(注)
この控除は、扶養控除と異なり、同一生計内のいずれか一方のみの所得者に適用するという制限がありません。

したがって、例えば、夫婦ともに給与等の収入金額が850万円を超えており、夫婦の間に1人の年齢23歳未満の扶養親族である子がいるような場合には、その夫婦双方が、この控除の適用を受けることができます。

<給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除>
その年において、次の(1)に該当する者の総所得金額を計算する場合に、(2)の所得金額調整控除額を給与所得から控除するものです(注)
(1)適用対象者
その年分の給与所得控除後の給与等の金額と公的年金等に係る雑所得の金額がある居住者で、その合計額が10万円を超える者

(2)所得金額調整控除額

{給与所得控除後の給与等の金額(10万円超の場合は10万円)+公的年金等に係る雑所得の金額(10万円超の場合は10万円)}-10万円=控除額(注)

(注)
上記の「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」の適用がある場合はその適用後の給与所得の金額から控除します。

★リンクはこちら⇒ 所得金額調整控除

2024年12月27日


確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

国税庁は、『確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)』をホームページに掲載した。

★リンクはこちら⇒ 確定申告書等の様式・手引き等(令和6年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

2024年12月24日


令和6年分確定申告特集(準備編)

国税庁は、『令和6年分確定申告特集(準備編)』をホームページに公開した。

★リンクはこちら⇒ 令和6年分確定申告特集(準備編)

2024年12月20日


「外国税額控除に関する明細書」の様式誤り等に関するお知らせ

外国税額控除の適用を受ける方は、「外国税額控除に関する明細書」を申告書等に添付する必要があるところ、今般、国税庁において定める明細書に誤り(※)があり、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける方が当該明細書に沿って外国税額控除の金額を計算すると、外国税額控除の金額が過大に算出される場合があることが判明しました。

また、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」においても、同様の誤りがある明細書が作成されるプログラムとなっていました(以下、様式の誤りとあわせて「様式誤り等」といいます。)。

(※)
具体的には、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける方の外国税額控除の控除限度額の計算の基礎となる所得税及び復興特別所得税の金額は、それぞれ分配時調整外国税相当額控除の金額を控除した後の金額となるにもかかわらず、当該明細書では、同控除を控除する前の金額を記載するよう誤った案内をしていました。

是正を要すると見込まれる納税者の方に対しては、所轄の税務署から、ご自身の申告内容の見直し、申告誤りのあった内容の是正と不足分の税額の納付を行っていただくことをお願いすることとしています。

国税庁においては、今後、納税者の方に誤りのない申告をしていただけるように、様式の改訂に当たっては従来以上に厳格な確認を行うなど、適正申告の実現に努めてまいります。

<ご注意>
不審な電話や振り込め詐欺にご注意ください。

今回の見直しのお願いに際して、税務署から電話でお問合せをする際には、提出いただいた申告書等を基に、その内容をご本人に確認することを原則としています。

税務職員を名乗る者から電話などがあり、その内容について不審に思われた場合には、即答を避け、相手の所属部署、氏名、電話番号を確認した上で、一旦電話を切り、最寄りの税務署の総務課又は国税局の納税者支援調整官までお問い合わせください(国税局・税務署の電話番号は、「税務署の所在地などを知りたい方」をご覧ください。)。

詳しくは、「不審な電話や振り込め詐欺にご注意を」をご覧ください。

★リンクはこちら⇒ 「外国税額控除に関する明細書」の様式誤り等に関するお知らせ

2024年12月19日


病院へ通院するために要した自家用車のガソリン代、高速道路利用料金及び駐車場利用料金は医療費控除の対象となる医療費には該当しないとした事例

  • 平成30年分から令和2年分の所得税及び復興特別所得税の各更正の請求に対する理由なし通知処分
  • 棄却
  • 令和5年11月6日裁決

<ポイント>
本事例は、病院へ通院するために要した自家用車のガソリン代、高速道路利用料金及び駐車場利用料金は、所得税法施行令第207条第3号に掲げる病院、診療所又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価とは認められないことから、所得税基本通達73-3にいう通院費に該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人は、所得税基本通達73-3《控除の対象となる医療費の範囲》(本件通達)は、所得税法施行令第207条《医療費の範囲》第1号に掲げる医師又は歯科医師による診療又は治療の対価にはそれに付随又は関連をする費用として通院費が含まれる旨を明らかにしたものであるから、病院へ通院するために要した自家用車のガソリン代、高速道路利用料金及び駐車場利用料金(本件ガソリン代等)も医師等による診療等を受けるための通院費として、医療費控除の対象となる医療費に該当する旨主張する。

しかしながら、通院費は病院等へ往復するための旅費や交通費であり、医師等による診療行為又は治療行為に対して支出されるものではないため、所得税法施行令第207条第1号に掲げる医師又は歯科医師による診療又は治療の対価に通院費が含まれると解することはできない。

また、本件通達にいう通院費の取扱いは、飽くまで同条第3号に掲げる病院、診療所又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価の解釈として許容される範囲内に限るものと解することが相当であるところ、本件ガソリン代等は、いずれも商品の購入の対価として支出されたもの又は設備若しくは施設等の利用の対価として支出されたものであり、人的役務の提供の対価とはいえないことから、本件通達にいう通院費に該当しない。

したがって、本件ガソリン代等は医療費控除の対象となる医療費には該当しない。

★リンクはこちら⇒ 院へ通院するために要した自家用車のガソリン代、高速道路利用料金及び駐車場利用料金は医療費控除の対象となる医療費には該当しないとした事例

2024年9月4日


申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第 68 条第1項若しくは第2項又は第4項の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)(改正 令和5年6月23日)

2024年8月6日


予定納税とは?

予定納税とは、その年の5月15日現在において確定している前年分の所得金額や税額などを基に計算した金額(予定納税基準額)が15万円以上である場合、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納付するという制度です。

予定納税は、予定納税基準額の3分の1の金額を、第1期分として7月1日から7月31日までに、第2期分として11月1日から11月30日までに納めることになっています(特別農業所得者以外)。

なお、国税通則法の規定による納期限の延長(以下「期限延長」といいます。)により、第1期又は第2期において納付すべき予定納税額の納期限がその年12月31日後となる場合は、当該期限延長の対象となった予定納税額は、ないものとされます。

(注1)
令和●年分の予定納税額は、税務署から送付された「令和●年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の通知書」により確認できます(e-Taxをご利用の方は、メッセージボックスに格納される申告に関するお知らせにより確認することもできます。)。

(注2)
税務署から通知を受けた予定納税額について、実際に納めたかどうかにかかわらず、第1期分と第2期分の合計額(通知書の予定納税額の合計欄の金額)を入力します。

なお、予定納税の減額承認申請をし、税務署から『令和●年分所得税及び復興特別所得税の減額承認の承認通知書』を受け取った方は、減額承認後の予定納税額を入力してください。

★リンクはこちら⇒ 予定納税とは?

2024年6月11日


源泉徴収に係る所得税の算出において、請求人が源泉徴収に係る所得税を負担することを合意したものとは認められないと判断した事例

  • ①平成29年10月、平成30年3月、平成30年6月、平成30年7月、平成30年11月、平成31年1月から令和元年10月まで、令和元年12月から令和3年7月まで、令和3年9月、令和3年10月及び令和3年12月から令和4年3月までの各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分(平成30年6月、平成30年7月及び令和元年5月の各月分については各訂正告知処分及び不納付加算税の各変更決定処分後のもの)
  • ②平成30年1月及び令和元年11月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分
  • ①②一部取消し、棄却
  • 令和5年8月15日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人がインド法人に支払った金員は「技術上の役務に対する料金」と認められるものの、請求人と支払先法人との間で、請求人が源泉徴収に係る所得税を負担することを合意したものとは認められないとして、源泉徴収に係る所得税の算出においてグロスアップ計算を認めなかったものである。

<要旨>
請求人は、インドに所在する外国法人3社(J社、K社、L社)に対して支払った各金員(本件各支払金)について、①J社はインドの法律に基づき設立されたリミテッド・ライアビリティー・パートナーシップであるから請求人の支店的な存在であり、支払った金員は、J社の維持・管理に必要な資金の送金又は給与で、業務を委託した対価ではないこと、②請求人とK社との契約(本件K社契約)によれば、支払った金員はソフトウエアの譲渡対価であること及び③L社に支払った金員はウェブサイト及びアプリケーションのデザインの対価であり、デザインはコンピュータプログラムとは関係ないことから、それぞれ、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とインド共和国政府との間の条約(日印租税条約)第12条第4項に規定する「技術上の役務に対する料金」に該当しない旨主張する。

しかしながら、①インドの法律上、J社は、請求人とは別個の法的主体であり、かつ、請求人と協働でソフトウエア開発業務を行っていると認められることから、当該開発業務に係る役務は、日印租税条約第12条第4項に規定する「技術的性質の役務」に該当すること、②本件K社契約は、請求人がK社に対してソフトウエアの開発の支援を依頼し、K社は当該開発に関して定義された範囲の業務を行い、対価の最終支払までに当該定義された範囲の業務の全てを完了させ、当該開発に関する全てのソフトウエア等を請求人に引き渡す旨定めた契約であり、これらの業務に係る役務は、同項に規定する「技術的性質の役務」に該当することからソフトウエアの譲渡対価ではないと認められること、及び③同項は、「技術上の役務に対する料金」についてその範囲をプログラミングサービスの提供に限定しておらず、L社が行った役務は、同項に規定する「技術的性質の役務」に該当すると認められることから、本件各支払金は、同項に規定する「技術上の役務に対する料金」に該当する。

ただし、原処分庁は、K社に対する支払金の額について、源泉徴収の対象となるものの支払額が税引手取額で定められているものとして源泉徴収に係る所得税の額を算出する計算(グロスアップ計算)により当該所得税の額を算出しているところ、原処分庁がグロスアップ計算の根拠として掲げる本件K社契約の条項は、本件K社契約の履行に際し、契約違反や第三者からの訴訟等に備えて契約書に盛り込まれる条項であり、請求人が源泉徴収に係る所得税を負担することを合意したものとは認められないから、K社に対する支払金について当該所得税の額をグロスアップ計算により算出することは認められない。

★リンクはこちら⇒ 源泉徴収に係る所得税の算出において、請求人が源泉徴収に係る所得税を負担することを合意したものとは認められないと判断した事例

2024年4月23日


妻の公的年金から特別徴収される介護保険料などの社会保険料控除

<Q>
扶養している私の妻の公的年金から介護保険料が特別徴収されている場合、私の社会保険料に加えて妻の介護保険料についても私が社会保険料控除の適用を受けることができますか?

<A>
介護保険料などの社会保険料が、あなたの妻の公的年金から特別徴収されている場合、その社会保険料を支払ったのは妻になります。

したがって、あなたの妻の社会保険料控除の対象となります。

★リンクはこちら⇒ 妻の公的年金から特別徴収される介護保険料などの社会保険料控除

2024年3月18日


利子所得の収入金額の収入すべき時期

利子所得の収入金額の収入すべき時期は、法第36条第3項に規定するものを除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 定期預金(貯金及び令第2条第1号《預貯金の範囲》に掲げる貯蓄金でこれに類するものを含む。)の利子については、次に掲げる日
その契約により定められた預入期間(以下この項において「契約期間」という。)の満了後に支払を受ける利子で、その契約期間が満了するまでの期間に係るものについてはその満了の日、その契約期間が満了した後の期間に係るものについてはその支払を受けた日
契約期間の満了前に既経過期間に対応して支払い又は元本に繰り入れる旨の特約のある利子については、その特約により支払を受けることとなり又は元本に繰り入れられる日
契約期間の満了前に解約された預金の利子については、その解約の日
(2) 普通預金又は貯蓄預金(貯金及び令第2条第1号に掲げる貯蓄金でこれらに類するものを含む。)の利子については、その約定により支払を受けることとなり又は元本に繰り入れられる日。ただし、その利子計算期間の中途で解約された預金の利子については、その解約の日
(3) 通知預金(貯金及び令第2条第1号に掲げる貯蓄金でこれに類するものを含む。)の利子については、その払出しの日
(4) 合同運用信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託の収益の分配のうち、信託期間中のものについては収益計算期間の満了の日、信託の終了又は解約(一部の解約を含む。)によるものについてはその終了又は解約の日
(5) 公社債の利子については、その利子につき支払開始日と定められた日

★リンクはこちら⇒ 利子所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月15日


配当所得の収入金額の収入すべき時期

配当所得の収入金額の収入すべき時期は、法第36条第3項に規定するものを除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 法第24条第1項((配当所得))に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、金銭の分配又は基金利息(以下この項において「剰余金の配当等」という。)については、当該剰余金の配当等について定めたその効力を生ずる日。ただし、その効力を生ずる日を定めていない場合には、当該剰余金の配当等を行う法人の社員総会その他正当な権限を有する機関の決議があった日。
また、資産の流動化に関する法律第115条第1項《中間配当》の規定による金銭の分配に係る取締役の決定において、特にその決定の効力発生日(同項に規定する一定の日から3か月内に到来する日に限る。)を定めた場合には、当該効力発生日
(2) 法第13条第3項に規定する投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)の収益の分配のうち、信託期間中のものについては収益計算期間の満了の日、信託の終了又は解約(一部の解約を含む。)によるものについてはその終了又は解約の日
(3) 法第25条《配当等とみなす金額》の規定により配当等とみなされる金額については、それぞれ次に掲げる日
法第25条第1項第1号に掲げる合併によるものについては、その契約において定めたその効力を生ずる日。ただし、新設合併の場合は、新設合併設立会社の設立登記の日。
なお、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日
法第25条第1項第2号に掲げる分割型分割によるものについては、その契約において定めたその効力を生ずる日。ただし、新設分割の場合は、新設分割設立会社の設立登記の日。
なお、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日
法第25条第1項第3号に掲げる株式分配によるものについては、当該株式分配について定めたその効力を生ずる日。ただし、その効力を生ずる日を定めていない場合には、当該株式分配を行う法人の社員総会その他正当な権限を有する機関の決議があった日。
法第25条第1項第4号に掲げる資本の払戻しによるものについては、資本の払戻しに係る剰余金の配当又は法第24条第1項に規定する出資等減少分配がその効力を生ずる日
法第25条第1項第4号に掲げる解散による残余財産の分配によるものについては、その分配開始の日。ただし、その分配が数回に分割して行われる場合には、それぞれの分配開始の日
法第25条第1項第5号に掲げる自己の株式又は出資の取得によるものについては、その法人の取得の日
法第25条第1項第6号に掲げる出資の消却、出資の払戻し、社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又は株式若しくは出資を法人が取得することなく消滅させることによるものについては、これらの事実があった日
法第25条第1項第7号に掲げる組織変更によるものについては、組織変更計画において定めたその効力を生ずる日。ただし、効力を生ずる日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日
(4) いわゆる認定配当とされるもので、その支払をすべき日があらかじめ定められているものについてはその定められた日、その日が定められていないものについては現実にその交付を受けた日(その日が明らかでない場合には、その交付が行われたと認められる事業年度の終了の日)

★リンクはこちら⇒ 配当所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月14日


退職所得の収入金額の収入すべき時期

退職所得の収入金額の収入すべき時期は、その支給の基因となった退職の日によるものとする。

ただし、次の退職手当等については、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 役員に支払われる退職手当等で、その支給について株主総会その他正当な権限を有する機関の決議を要するものについては、その役員の退職後その決議があった日。ただし、その決議が退職手当等を支給することだけを定めるにとどまり、具体的な支給金額を定めていない場合には、その金額が具体的に定められた日
(2) 退職給与規程の改訂が既往にさかのぼって実施されたため支払われる新旧退職手当等の差額に相当する退職手当等で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日
(3) 法第31条《退職手当等とみなす一時金》に規定する退職手当等とみなされる一時金については、その一時金の支給の基礎となる法令、契約、規程又は規約により定められた給付事由が生じた日
(4) 引き続き勤務する者に支払われる給与で30-2により退職手当等とされるもののうち、役員であった勤続期間に係るものについては(1)に掲げる日、使用人であった勤続期間に係るものについては次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日
30-2の(1)に掲げる給与 その支給を受けた日
30-2の(2)に掲げる給与 使用人から役員になった日。
ただし、30-2の(2)のかっこ内の給与については、その制定又は改正の日
30-2の(4)に掲げる給与 その定年に達した日
30-2の(5)に掲げる給与 旧定年に達した日
30-2の(6)に掲げる給与 法人の解散の日
(5) 年金に代えて支払われる一時金で30-4及び31-1により退職手当等とされるものについては、当該退職手当等とされるものの給付事由が生じた日

(注)令第77条《退職所得の収入の時期》の規定が適用される退職手当等の課税年分については、(1)から(5)までに掲げる日にかかわらず、同条の規定によることに留意する。

★リンクはこちら⇒ 退職所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月13日


一時所得の総収入金額の収入すべき時期

一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、その支払を受けた日によるものとする。

ただし、その支払を受けるべき金額がその日前に支払者から通知されているものについては、当該通知を受けた日により、令第183条第2項《生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算》に規定する生命保険契約等に基づく一時金又は令第184条第4項《損害保険契約等に基づく満期返戻金等》に規定する損害保険契約等に基づく満期返戻金等のようなものについては、その支払を受けるべき事実が生じた日による。

★リンクはこちら⇒ 一時所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月12日


雑所得の収入金額又は総収入金額の収入すべき時期

雑所得の収入金額又は総収入金額の収入すべき時期は、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1)法第35条第3項《雑所得》に規定する公的年金等
イ.公的年金等の支給の基礎となる法令、契約、規程又は規約(以下この(1)において「法令等」という。)により定められた支給日

ロ.法令等の改正、改訂が既往にさかのぼって実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧公的年金等の差額で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改正、改訂の効力が生じた日

(注)裁定、改定等の遅延、誤びゅう等により既往にさかのぼって支払われる公的年金等については、法令等により定められた当該公的年金等の計算の対象とされた期間に係る各々の支給日によることに留意する。

(2)(1)以外のもの
その収入の態様に応じ、他の所得の収入金額又は総収入金額の収入すべき時期の取扱いに準じて判定した日

★リンクはこちら⇒ 雑所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月11日


山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期

山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、山林所得又は譲渡所得の基因となる資産の引渡しがあった日によるものとする。

ただし、納税者の選択により、当該資産の譲渡に関する契約の効力発生の日(農地法第3条第1項《農地又は採草放牧地の権利移動の制限》若しくは第5条第1項本文《農地又は採草放牧地の転用のための権利移動の制限》の規定による許可(同条第4項の規定により許可があったものとみなされる協議の成立を含む。以下同じ。)を受けなければならない農地若しくは採草放牧地(以下この項においてこれらを「農地等」という。)の譲渡又は同条第1項第6号の規定による届出をしてする農地等の譲渡については、当該農地等の譲渡に関する契約が締結された日)により総収入金額に算入して申告があったときは、これを認める。

(注)
1.山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、資産の譲渡の当事者間で行われる当該資産に係る支配の移転の事実(例えば、土地の譲渡の場合における所有権移転登記に必要な書類等の交付)に基づいて判定をした当該資産の引渡しがあった日によるのであるが、当該収入すべき時期は、原則として譲渡代金の決済を了した日より後にはならないのであるから留意する。

2.農地等の譲渡について、農地法第3条又は第5条に規定する許可を受ける前又は届出前に当該農地等の譲渡に関する契約が解除された場合(再売買と認められるものを除く。)には、通則法第23条第2項の規定により、当該契約が解除された日の翌日から2月以内に更正の請求をすることができることに留意する。

★リンクはこちら⇒ 山林所得又は譲渡所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月8日


事業所得の総収入金額の収入すべき時期

事業所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めがある場合を除き、次の収入金額については、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 棚卸資産の販売(試用販売及び委託販売を除く。)による収入金額については、その引渡しがあった日
(2) 棚卸資産の試用販売による収入金額については、相手方が購入の意思を表示した日。
ただし、積送又は配置した棚卸資産について、相手方が一定期間内に返送又は拒絶の意思を表示しない限り特約又は慣習によりその販売が確定することとなっている場合には、その期間の満了の日
(3) 棚卸資産の委託販売による収入金額については、受託者がその委託品を販売した日。
ただし、当該委託品についての売上計算書が毎日又は1月を超えない一定期間ごとに送付されている場合において、継続して当該売上計算書が到達した日の属する年分の収入金額としているときは、当該売上計算書の到達の日
(4) 請負による収入金額については、物の引渡しを要する請負契約にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の提供を完了した日。
ただし、一の契約により多量に請け負った同種の建設工事等についてその引渡量に従い工事代金等を収入する旨の特約若しくは慣習がある場合又は1個の建設工事等についてその完成した部分を引き渡した都度その割合に応じて工事代金等を収入する旨の特約若しくは慣習がある場合には、その引き渡した部分に係る収入金額については、その特約又は慣習により相手方に引き渡した日
(5) 人的役務の提供(請負を除く。)による収入金額については、その人的役務の提供を完了した日。
ただし、人的役務の提供による報酬を期間の経過又は役務の提供の程度等に応じて収入する特約又は慣習がある場合におけるその期間の経過又は役務の提供の程度等に対応する報酬については、その特約又は慣習によりその収入すべき事由が生じた日
(6) 資産(金銭を除く。)の貸付けによる賃貸料でその年に対応するものに係る収入金額については、その年の末日(貸付期間の終了する年にあっては、当該期間の終了する日)
(7) 金銭の貸付けによる利息又は手形の割引料でその年に対応するものに係る収入金額については、その年の末日(貸付期間の終了する年にあっては、当該期間の終了する日)。
ただし、その者が継続して、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日により収入金額に計上している場合には、それぞれ次に掲げる日
イ.利息を天引きして貸し付けたものに係る利息
その契約により定められている貸付元本の返済日
ロ.その他の利息
その貸付けに係る契約の内容に応じ、36-5の(1)に掲げる日
ハ.手形の割引料
その手形の満期日(当該満期日前に当該手形を譲渡した場合には、当該譲渡の日)

★リンクはこちら⇒ 事業所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月7日


不動産所得の総収入金額の収入すべき時期

不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めのある場合を除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日、支払日が定められていないものについてはその支払を受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)
(2) 賃貸借契約の存否の係争等(未払賃貸料の請求に関する係争を除く。)に係る判決、和解等により不動産の所有者等が受けることとなった既往の期間に対応する賃貸料相当額(賃貸料相当額として供託されていたもののほか、供託されていなかったもの及び遅延利息その他の損害賠償金を含む。)については、その判決、和解等のあった日。ただし、賃貸料の額に関する係争の場合において、賃貸料の弁済のため供託された金額については、(1)に掲げる日

(注)
1.当該賃貸料相当額の計算の基礎とされた期間が3年以上である場合には、当該賃貸料相当額に係る所得は、臨時所得に該当する(2-37参照)。

2.業務を営む賃借人が賃借料の弁済のため供託した金額は、当該賃借料に係る(1)に掲げる日の属する年分の当該業務に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することに留意する。

★リンクはこちら⇒ 不動産所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月6日


給与所得の収入金額の収入すべき時期

給与所得の収入金額の収入すべき時期は、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

(1) 契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等(次の(2)に掲げるものを除く。)についてはその支給日、その日が定められていないものについてはその支給を受けた日
(2) 役員に対する賞与のうち、株主総会の決議等によりその算定の基礎となる利益に関する指標の数値が確定し支給金額が定められるものその他利益を基礎として支給金額が定められるものについては、その決議等があった日。ただし、その決議等が支給する金額の総額だけを定めるにとどまり、各人ごとの具体的な支給金額を定めていない場合には、各人ごとの支給金額が具体的に定められた日
(3) 給与規程の改訂が既往にさかのぼって実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧給与の差額に相当する給与等で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日
(4) いわゆる認定賞与とされる給与等で、その支給日があらかじめ定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについては現実にその支給を受けた日(その日が明らかでない場合には、その支給が行われたと認められる事業年度の終了の日)

★リンクはこちら⇒ 給与所得の収入金額の収入すべき時期

2024年3月5日


ひとり親控除とは

ひとり親控除は、納税者が所得税法上のひとり親に該当するときに受けられる所得控除です。

なお、ひとり親控除は令和2年分の所得税から適用できます。

<ひとり親控除の金額>
控除できる金額は35万円です。

<ひとり親控除の対象となる人の範囲>
ひとり親とは、原則としてその年の12月31日の現況で、婚姻をしていないことまたは配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、以下の三つの要件の全てに当てはまる人です。

  • その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと。
  • 生計を一にする子(その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない者)がいること。
  • 合計所得金額が500万円以下であること。

★リンクはこちら⇒ ひとり親控除とは

2024年3月4日


青色事業専従者が事業から給与の支給を受けた場合の贈与税の取扱いについて

(青色事業専従者が事業から給与の支給を受けた場合)
1.青色申告書(所得税法第2条((定義))第1項第39号〔現行=第40号〕に規定する申告書をいう。)を提出することにつき税務署長の承認を受けている者(以下「青色申告者」という。)と生計を一にする配偶者その他の親族(年令15才未満である者を除く。)のうち、もっぱら当該青色申告者の営む事業で不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべきものに従事する者(以下「青色事業専従者」という。)が当該事業から給与の支給を受けた場合において、その支給を受けた金額がその年における当該青色事業専従者の職務の内容等にてらし相当と認められる金額をこえるときは、当該青色事業専従者は当該青色申告者からそのこえる金額に相当する金額を贈与により取得したものとする。

(職務の内容等にてらし相当と認められる金額の判定)
2.「1」において、青色事業専従者が従事する事業から支給を受けた給与の金額が当該青色事業専従者の職務の内容等にてらし相当と認められるかどうかは、その年に現実に支給を受けた給与の金額について、当該事業またはその地域における当該事業と同種、同規模の事業に従事する者で、当該青色事業専従者と同性質の職務に従事し、かつ、能力、職務に従事する程度、経験年数その他の給与を定める要因が近似すると認められるものの受ける給与の金額を基として判定するものとする。

★リンクはこちら⇒ 青色事業専従者が事業から給与の支給を受けた場合の贈与税の取扱いについて

2024年2月29日


口座振替により支払った後期高齢者医療制度の保険料に係る社会保険料控除

<Q>
生計を一にする妻の後期高齢者医療制度の保険料を私が口座振替により支払いました。

その保険料について、私が社会保険料控除の適用を受けることができますか?

<A>
後期高齢者医療制度の保険料について、平成21年4月以降の保険料については市区町村等へ一定の手続を行うことにより、年金からの特別徴収に代えて、口座振替により保険料を支払うことが選択できることとされました。

この場合には、口座振替によりその保険料を支払った方(被保険者または被保険者と生計を一にする配偶者その他の親族に限ります。)に社会保険料控除が適用されます。

★リンクはこちら⇒ 口座振替により支払った後期高齢者医療制度の保険料に係る社会保険料控除

2024年2月28日


共働き夫婦の夫が妻の医療費を負担した場合の医療費控除

<Q>
共働き夫婦の夫が妻の医療費を負担した場合には、その医療費は、誰の医療費控除の対象になりますか?

<A>
医療費控除は、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合に適用することとされており、この場合の配偶者その他の親族の範囲については、所得金額の要件は付されていません。

したがって、所得を有する親族のために支払った医療費であっても、その親族が医療費を支払った者と生計を一にする者であるときは、その医療費を支払った者の医療費控除の対象となります。

★リンクはこちら⇒ 共働き夫婦の夫が妻の医療費を負担した場合の医療費控除

2024年2月27日


妻名義で寄附をした場合の寄附金控除

<Q>
専業主婦である私の妻が、寄附を行い、寄附先から妻名義で寄附金の領収書を受領しました。
妻は、収入がないため私の配偶者控除の対象となっていますが、妻名義で支払った寄附金について、私の確定申告において寄附金控除の適用を受けることができますか?

<A>
寄附金控除は、納税義務者である居住者本人または非居住者本人が各年において、特定寄附金を支出した場合に適用をすることができます。

★リンクはこちら⇒ 妻名義で寄附をした場合の寄附金控除

2024年2月26日


納税地等の異動により管轄する税務署が変更になった場合の振替納税

振替納税を利用されている方で、納税地等の異動により管轄する税務署が変更になった場合には、変更後の税務署に新たに口座振替依頼書を提出するか、申告所得税または消費税の申告書の振替継続希望欄に「◯」を記載して提出する、あるいは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を提出する場合は、振替納税に関する事項欄に表示して変更後の税務署に提出する必要がある。

★リンクはこちら⇒ 納税地等の異動により管轄する税務署が変更になった場合の振替納税

2024年2月22日


新NISAのあらまし

国税庁は、「新NISAのあらまし」をホームページに掲載した。

NISAは、18歳以上(非課税口座を開設する年の1月1日現在)の居住者等が金融機関に開設している非課税口座で取得した上場株式等について、その配当等やその上場株式等を売却したことにより生じた譲渡益が非課税となる制度である。

★リンクはこちら⇒ 新NISAのあらまし

2024年2月5日


確定申告において国外居住親族に係る扶養控除の適用を受ける場合には、法令に規定する書類の添付等をする必要があるとした事例

  • ①平成28年分から令和2年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ②平成29年分の所得税及び復興特別所得税に係る還付金の充当処分
  • 棄却
  • 令和5年3月14日裁決

<ポイント>
本事例は、確定申告において国外に居住する親族について扶養控除の適用を受ける場合には、「国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするもの」の添付等をする必要があるとしたものである。

<要旨>
請求人は、所得税法施行令第262条《確定申告書に関する書類等の提出又は提示》第3項第2号に規定する送金関係書類の添付等は、所得税法第84条《扶養控除》第1項に規定する扶養控除の適用要件ではなく、国外に居住する親族が所得税法所定の扶養親族であることの立証がなされているのであれば扶養控除の適用がある旨主張する。

しかしながら、国外に居住する親族について扶養控除を適用するためには、法令に規定する書類の添付等をする必要があるところ、請求人から提出された書類はこれに該当しない。

また、その記載内容を踏まえても、当該書類は、所得税法施行規則第47条の2《確定所得申告書に添付すべき書類等》第6項に規定する「国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするもの」であるとは言い難い。

したがって、扶養控除の適用はない。

★リンクはこちら⇒ 確定申告において国外居住親族に係る扶養控除の適用を受ける場合には、法令に規定する書類の添付等をする必要があるとした事例

2023年12月27日


貸金返済債務の遅延損害金支払債務は、弁済期を経過した日以後、日々経過するごとに必要経費に算入すべき金額が確定するとした事例

  • ①平成28年分及び平成29年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ②平成30年分及び令和元年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①一部取消し、②棄却
  • 令和5年3月23日裁決

<ポイント>
本事例は、貸金返還債務が約定に従って弁済されない場合に生じる遅延損害金支払債務は、遅滞が生じた日以後、日々経過するごとに所得税基本通達37-2《必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定》が定める要件の全てを満たすものと解するのが相当であり、約定に従った弁済がなされない日からその元本の弁済がされる日までの日数に応じて、約定に従った弁済がなされない貸金返還債務の金額に約定で定められた遅延損害金利率を乗じて計算した金額が、その年に債務が確定した遅延損害金支払債務の金額となるとした事例である。

<要旨>
請求人は、貸金返還債務の遅延損害金支払債務は、その弁済の時期や金額等の借主と貸主との合意内容によってその確定時期が左右され、分割払の合意がされた場合は、所得税基本通達37-2の2《損害賠償金の必要経費算入の時期》の注書や法人税基本通達2-1-43《損害賠償金等の帰属の時期》の趣旨に基づき、遅延損害金の必要経費算入時期は、支払った日の属する年となることから、未払遅延損害金の分割払の合意に基づき支払った金額は、当該年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額である旨主張する。

しかしながら、貸金返還債務の遅延損害金支払債務は、①その本質が債務不履行(履行遅滞)に基づく損害賠償債務であるから、債務自体は弁済期を経過した時点で成立するものの、②その元本の弁済がされるまで遅滞が積み重なることで日々給付の金額が増加することから、各日ごとに具体的な給付をすべき原因となる事実が発生しており、③遅延損害金利率と弁済期からの経過日数によりその金額が算出することができるから、遅滞が生じた日以後、日々経過するごとに所得税基本通達37-2《必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定》の要件を全て満たすと解するのが相当である。

したがって、約定に従った弁済がなされない日からその元本の弁済がされる日までの日数に応じて、約定に従った弁済がなされない貸金返還債務の金額に約定で定められた遅延損害金利率を乗じて計算した金額が、その年に債務が確定した遅延損害金支払債務の金額となり、当該年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額となるのであって、過年分に発生した遅延損害金支払債務について、弁済時期等の合意がされても、その確定時期は左右されず、弁済した年分の必要経費に算入することはできない。

★リンクはこちら⇒ 貸金返済債務の遅延損害金支払債務は、弁済期を経過した日以後、日々経過するごとに必要経費に算入すべき金額が確定するとした事例

2023年12月26日


破産財団に属する株式に係る剰余金の配当は、強制換価手続による資産の譲渡による所得として非課税とはならないとした事例

  • 令和2年分の所得税及び復興特別所得税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和5年2月16日裁決

<ポイント>
本事例は、破産財団に属する株式の配当請求権を行使したことにより支払を受ける剰余金の配当は、その権利の行使により資産の帰属主体である地位や所有権が破産者から移転するとは認められないため、強制換価手続による資産の譲渡による所得として非課税とはならないとしたものである。

<要旨>
請求人は、破産手続において破産管財人が破産財団に属する財産の換価や処分をするための手段は、狭義の売買だけではなく、管理処分権に基づく破産法第78条列挙の処分などがあり、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号の規定(本件非課税規定)は、これらの手段を包括的に表現するために、処分や換価の代表的行為である「譲渡」に着目して「資産の譲渡」との名称を用いているのであるから、破産管財人が、破産財団に属する株式を売買する場合のみならず、剰余金の配当請求権を行使して支払を受ける場合も本件非課税規定の「資産の譲渡」に該当する旨主張する。

しかしながら、本件非課税規定の趣旨及び文理に照らすと、「資産の譲渡」とは、資産の帰属主体たる地位や所有権を移転させる行為を指すと解されるところ、請求人が配当請求権を行使して剰余金の配当を受けることにより資産の帰属主体たる地位や所有権が請求人から移転したとは認められないから、当該配当は本件非課税規定の「資産の譲渡」には該当しない。

また、請求人は、請求人の破産管財人(本件破産管財人)が国内において破産財団に属する株式の管理処分権の一環として国外の関連会社の取締役に就任し、その株式の剰余金の配当(本件各配当)に関する政策と実務を決定し、その資金管理や支払をしており、本件各配当の原資も国内にあるから、本件破産管財人が所得税法第181条《源泉徴収義務》第1項に規定する「支払をする者」(支払をする者)に該当することから、本件破産管財人が源泉徴収義務を負う旨主張する。

しかしながら、本件各配当は、本件破産管財人が、破産管財人としての地位に基づき行ったものであり、本件各配当の支払における本件破産管財人と請求人の関係は、直接の債権債務関係に立たないことはもとより、これに準ずるような特に密接な関係にあるということもできないから、本件破産管財人は本件各配当の「支払をする者」に該当しない。よって、本件破産管財人は源泉徴収義務を負わない。

★リンクはこちら⇒ 破産財団に属する株式に係る剰余金の配当は、強制換価手続による資産の譲渡による所得として非課税とはならないとした事例

2023年12月25日


一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例

  • ①平成28年分及び平成29年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ②平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ①棄却、②一部取消し
  • 令和4年11月8日裁決

<ポイント>
本事例は、土地と建物が一括して売買され、その土地及び建物の個別の購入の対価が明らかでない場合、所得税法施行令第126条第1項第1号イにいう「当該資産の購入の代価」は、合理的な基準により算定するのが相当であると判断したものである。

<要旨>
請求人は、国外において一括取得した賃貸用の土地及び建物(本件各物件)に係る売買契約書に売買代金総額しか記載がなかった場合、本件各物件における各土地及び各建物の購入の代価は、請求人が取得した不動産鑑定評価書における各鑑定評価額の割合で区分すべきであり、個別的な事情が捨象され、米国e州(現地)の法令等に反する方法で評価された現地の固定資産税評価額の割合で区分すべきではない旨主張する。

しかしながら、本件各物件については、建物の減価償却費の額の算出に当たり、合理的な方法によって本件各物件の土地及び建物の購入の代価を区分する必要があるところ、現地の固定資産税評価額は、同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準によって請求人が本件各物件の所有権を取得した時点の市場価値を評価したものであると推認され、かかる推認を妨げる特段の事情に当たると評価すべき事実があるとは認められない。

したがって、本件各物件に係る建物の購入の対価を算定するに当たっては、現地の固定資産税評価額の割合によって区分して算定すべきである。

また、原処分庁は、本件各物件のうち平成30年に取得した物件の変更後の固定資産税評価額については、請求人が弁護士を通じて自身に有利になるよう査定官に働きかけ、故意に作出させた可能性が排除できないため、変更前の固定資産税評価額を用いるべき旨主張する。

しかしながら、現地では、固定資産の所有者がその固定資産税評価額に同意できない場合、その評価額の見直しを求める不服申立制度があり、一度評価された固定資産税評価額が事後に変更され得ることは予定されているため、査定官の職権により事後に変更されたことをもって故意に作出させたなどということができない。

したがって、平成30年に取得した物件については、変更後の固定資産税評価額を用いるべきである。

★リンクはこちら⇒ 一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例

2023年12月8日


太陽光発電に係る取組が事業所得を生ずべき事業には該当しないとされた事例

  • ①平成28年分から平成30年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(平成30年分については、いずれも再調査決定による一部取消し後のもの)
  • ②令和元年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ①棄却、②一部取消し
  • 令和4年12月14日裁決

<ポイント>
本事例は、審査請求人が、太陽光発電への取組に係る損失の金額を事業所得の金額の計算上生じたものとして所得税等の確定申告をしたところ、当該取組は、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務とはいえず、事業に該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人は、請求人が行った太陽光発電への取組については営利性、有償性及び反復継続性を有し、危険負担を負いつつ太陽光発電設備等の規格・規模の検討と選定を行っているなどの諸般の要素に照らし判断すると、所得税法第27条《事業所得》に規定する事業に該当する旨主張する。

しかしながら、請求人は大規模な太陽光発電設備を取得しておらず、請求人の自宅屋根に設置した太陽光設備から生じる売電収入は減価償却費に満たない小規模なものであるから、同設備に係る業務は営利性及び物的設備に乏しく、加えて人的設備も存在しない。

したがって、請求人の太陽光発電への取組は、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務ということができないから、所得税法第27条に規定する事業に該当しない。

なお、内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(国送法)第6条の3《財産債務に係る過少申告加算税又は無申告加算税の特例》第1項の規定による過少申告加算税の軽減措置及び同条第2項の規定による過少申告加算税の加重措置は、いずれも財産又は債務に関して生ずる所得で政令で定めるもの(国送法施行令第12条の3《財産債務に係る過少申告加算税又は無申告加算税の特例の対象となる所得の範囲等》第1項各号及び国送法施行規則第16条《財産債務に係る過少申告加算税又は無申告加算税の特例の対象となる所得の範囲》各号)に対する所得税等に関し更正があり、過少申告加算税が課される場合などに適用されるものであるところ、本件の各更正処分のうち、上記の財産又は債務に関して生ずる所得で同項で定めるものに対する所得税に関し更正があったといえるのは、請求人の不動産所得の金額の計算における青色申告特別控除額に係る更正がされた部分であり、それ以外の部分については、請求人の本件各年分の所得税等に係る各過少申告加算税の額の算定において、上記各措置は適用されない。

★リンクはこちら⇒ 太陽光発電に係る取組が事業所得を生ずべき事業には該当しないとされた事例

2023年12月7日


税務相談チャットボット(年末調整)

個人の方の国税に関する相談は、チャットボット(ふたば)を気軽にご利用ください。

ご質問したいことをメニューから選択するか、自由に文字で入力いただくとAI(人工知能)が自動回答します。

土日、夜間でもご利用いただけます。

★リンクはこちら⇒ 税務相談チャットボット(年末調整)

2023年12月5日


令和5年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日

国税庁は、ホームページに『令和5年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日』を掲載した

[申告所得税及び復興特別所得税]
[令和5年分]

納期等の区分 納期限(法定納期限) 振替日
予定納税第1期 令和5年7月31日(月) 令和5年7月31日(月)
予定納税第2期 令和5年11月30日(木) 令和5年11月30日(木)
確定申告 令和6年3月15日(金) 令和6年4月23日(火)
確定申告延納 令和6年5月31日(金) 令和6年5月31日(金)

[消費税及び地方消費税]
・個人事業者
[令和5年分]

納期等の区分  納期限(法定納期限) 振替日
確定申告(原則) 令和6年4月1日(月) 令和6年4月30日(火)

・法人事業
確定申告分:課税期間終了日の翌日から2月以内
中間申告分・課税期間の特例適用のある方については、税務署へお尋ねください。

[法人税]
確定申告分:事業年度終了日の翌日から2月以内
中間申告分については、税務署へお尋ねください。

[源泉所得税及び復興特別所得税]
・納期の特例の承認を受けていない場合
源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日
・納期の特例の承認を受けている場合(給与等特定の所得に限ります。)
1月から6月までの支払分: 7月10日
7月から12月までの支払分:翌年1月20日

[相続税]
確定申告分:相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内

[贈与税]
確定申告分:翌年3月15日

[備考]
上記納期限が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となります。

★リンクはこちら⇒ 令和5年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日

2023年12月4日


令和5年分年末調整のための各種様式

国税庁は、ホームページに『令和5年分年末調整のための各種様式』を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和5年分年末調整のための各種様式

2023年11月30日


令和5年分年末調整控除申告書作成用ソフトウェア

「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」は、従業員の方が、年末調整手続で提出する必要がある控除申告書を、質問に回答していくだけで作成することが可能な国税庁が無料で提供するソフトウェアである。

保険料などの控除証明書等のデータを利用することで、控除額を自動で計算することが可能である。

なお、作成した控除申告書は、ソフトウェアの機能を使用して、データで(又は書面で出力して)勤務先に提出することが可能である。

★リンクはこちら⇒ 令和5年分年末調整控除申告書作成用ソフトウェア

2023年11月29日


年末調整がよくわかるページ(令和5年分)

国税庁は、ホームページに『年末調整がよくわかるページ(令和5年分)』を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 所年末調整がよくわかるページ(令和5年分)

2023年11月28日


所得税の過少申告加算税等の取扱いに係る一部改正(事務運営指針)

国税庁は、ホームページに「 所得税の過少申告加算税等の取扱いに係る一部改正(事務運営指針)」を掲載した。

標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第 68 条第1項若しくは第2項又は第4項の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものである。

★リンクはこちら⇒ 所得税の過少申告加算税等の取扱いに係る一部改正(事務運営指針)

2023年8月29日


上場廃止後の株式買取りに係る譲渡申告漏れへの対応について

国税庁は、ホームページに「 上場廃止後の株式買取りに係る譲渡申告漏れへの対応について」を掲載した。

0023006-036

★リンクはこちら⇒ 上場廃止後の株式買取りに係る譲渡申告漏れへの対応について

2023年8月22日


ストックオプションに対する課税(Q&A)(情報)

令和5年度の税制改正においては、税制適格ストックオプションの要件緩和に関する改正が行われたことを踏まえ、今般、「ストックオプションに対する課税(Q&A)」をリンクのとおり取りまとめたので、今後の参考とすること。

★リンクはこちら⇒ ストックオプションに対する課税(Q&A)(情報)

2023年8月3日


一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例

  • 平成28年分から平成30年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和4年9月9日裁決

<ポイント>
本事例は、土地と建物が一括して売買され、当該売買契約において定められた土地及び建物それぞれの価額がその客観的な価値と比較して著しく不合理なものである場合には、所得税法施行令第126条第1項第1号イにいう「当該資産の購入の代価」は、合理的な基準により算定するのが相当であると判断したものである。

<要旨>
請求人は、土地及び建物を一括で3物件(本件3物件)買い受けて貸付けの用に供したところ、各売買契約書に記載された土地及び建物の各価額(本件各内訳価額)は第三者間での相対の商取引において合意された価額であって合理的な価額といえるから、当該各建物に係る所得税法施行令第126条《減価償却資産の取得価額》第1項に規定する「当該資産の購入の代価」は、本件各内訳価額に基づいて算定すべきである旨主張する。

しかしながら、固定資産税評価額は一般的に適切な時価を反映しているといえるところ、本件3物件の各売買代金総額は各固定資産税評価額総額を上回るのに対し、各建物価額はその固定資産税評価額を大きく上回る一方、各土地価額はその固定資産税評価額と同様か又は下回っている。

本件においてそのような評価とすべき事情は見当たらず、本件各内訳価額に係る各建物価額は、各売買代金総額から過剰に価額が配分されたものというべきであり、客観的な価値と比較して著しく不合理なものである。

そして、売主が土地及び建物を一括して譲渡する場合、建物の購入の代価について、売買代金総額を土地及び建物の各固定資産税評価額の価額比によりそれぞれあん分して算定することは、一般的には合理的な基準による算定であるといえるところ、本件各内訳価額に係る各建物価額についてはいずれも上記の不合理な場合に該当し、また、本件3物件の各固定資産税評価額が適正な時価を反映しているとはいえないような事情もないから、本件3物件に係る各建物の購入の代価は、本件3物件の各売買代金総額を土地及び建物の各固定資産税評価額比によりそれぞれあん分して算定すべきである。

なお、本件3物件のうち2物件の各建物に係る取得価額に加算すべき仲介手数料の金額等及び本件3物件の各仲介手数料に係る繰延消費税額等について、いずれも計算誤りがあると認められるため、原処分はその一部を取り消すべきである。

★リンクはこちら⇒ 一括して売買された土地及び建物の購入の対価は、合理的な基準によりあん分して算定すべきであるとされた事例

2023年5月26日


所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応について

<概要>
平成30年度税制改正において、令和2年分以降の確定申告時に青色申告特別控除(65万円)の適用を受ける場合には、従前からの要件(正規の簿記の原則による記帳、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告)に加え、「e-Taxによる電子申告を行う」または「電子帳簿を保存する」ことが要件とされた。

令和2年分以降の所得税及び復興特別所得税の準確定申告(死亡の場合)についても、青色申告特別控除(65万円)の適用が受けられるよう、また利便性向上のためe-Taxでの電子申告に対応した。

(注)国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーから所得税及び復興特別所得税の準確定申告書の作成はできない。e-Taxソフト等を利用すること。

(準確定申告とは)
年の中途で死亡した人の場合は、相続人(包括受遺者を含む。)が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければならない。

これを準確定申告という。

<開始時期>
令和2年1月6日以降に提出される令和2年分以後の所得税及び復興特別所得税の準確定申告書。
(※令和元年分以前の準確定申告書については、電子申告できない。)

<提出書類等>
準確定申告書をe-Taxで提出する場合には、以下の書類の提出が必要である。

番号 提出書類 提出方法
所得税及び復興特別所得税の準確定申告書 ※1 e-Tax(XML形式)
死亡した者の令和_年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表 ※1 e-Tax(XML形式)
準確定申告の確認書 ※2 e-Tax(PDF形式)
委任状 ※3 e-Tax(PDF形式)

※1
①準確定申告書をe-Taxで提出する場合は、相続人が1名の場合でも必ず②付表をe-Tax(XML形式)で提出する必要がある。
※2
相続人が2名以上いる場合は、各相続人が申告内容等を確認し署名した上で、③確認書のイメージデータ(PDF形式)を作成し、e-Taxで送信する必要がある。
※3
相続人が2名以上いる場合で、相続人代表が、その他の相続人が受け取るべき還付金を代表して受け取る場合には、各相続人が申告内容や還付額等を確認した上で、署名した④委任状を提出する必要がある。
(注)
所得の種類等によっては、上記の書類に加え、その他の書類の提出が必要となる場合がある。

<送信方法等>
e-Taxで送信する際に使用するID(利用者識別番号)や電子証明書については、以下のとおり。

申告者 e-Taxで利用するID(利用者識別番号) 添付する電子証明書
相続人代表 ※1 相続人代表のID(1名分のみ) 相続人代表の電子証明書(1名分のみ)
税理士
(代理送信)
税理士のID
相続人代表のID(1名分のみ)
税理士の電子証明書
相続人代表の電子証明書(省略可) ※2

※1
相続人代表がe-Taxで送信する場合は、申告を行う相続人代表の電子証明書の添付が必要となる(相続人代表以外の電子証明書の添付はできない。)。
※2
税理士による代理送信の場合は、税理士の電子証明書を添付すれば、相続人代表の電子証明書の添付は省略できる。

<留意事項>
・国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーから所得税及び復興特別所得税の準確定申告書の作成はできない。e-Taxソフト等を利用し、e-Taxで送信すること。

・準確定申告書の作成に当たって氏名欄については、以下の記載例を参考に入力すること。
【記載例】
(被相続人)国税太郎
または
(被相続人)国税太郎 (相続人)国税花子
全て全角、30文字以内で入力のこと。

★リンクはこちら⇒ 所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応について

2023年3月16日


NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)

このFAQは、NFTに関する税務上の一般的な取扱いについて、質疑応答形式で取りまとめたものである。

NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン上で、デジタルデータに唯一の性質を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能をもつトークンをいう。

この情報は、令和5年1月1日現在の法令・通達等に基づいて作成されている。

この情報は、一般的な取扱いを回答したものであり、納税者の方々が行う具体的な取引等については、この回答と異なる取扱いとなる場合があることには注意すること。

★リンクはこちら⇒ NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)

2023年1月26日


税務相談チャットボットで所得税(令和4年分)の相談を開始しました

国税庁は、税務相談チャットボット(ふたば)で所得税(令和4年分)の相談を開始した。

<利用可能時間について>
24時間利用できる(メンテナンス時間を除く)。

<相談可能税目について>
・所得税の確定申告に関するご相談(令和4年分)
・インボイス制度に関するご相談
・年末調整に関するご相談(令和4年分)

【参考】今後相談可能となる税目について
・消費税の確定申告に関するご相談(令和4年分)
※令和5年1月30日(月)に相談開始予定である。

★リンクはこちら⇒ 税務相談チャットボットで所得税(令和4年分)の相談を開始しました

2023年1月23日


持分会社の社員の死亡退社に伴う持分払戻請求権の価額相当額のうち、出資した金額を超える部分はみなし配当に該当するとした事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和4年6月2日裁決

<ポイント>
本事例は、持分会社の社員が死亡退社した場合には、その社員の有していた社員権が死亡と同時に持分払戻請求権に転換し、その転換した時点において、持分払戻請求権の価額のうち元本(出資)を超える部分が、所得税法第25条第1項の規定により剰余金の配当等(みなし配当)として当該死亡社員の所得を構成すると判断したものである。

<要旨>
請求人らは、持分会社の社員(本件被相続人)の死亡退社に伴う持分払戻請求権(本件払戻請求権)について、その払戻額を零円とすることが持分会社の総社員による同意で決定されており、相続人である請求人らに対し金銭その他の資産の交付はされていないから、所得税法第25条《配当等とみなす金額》第1項の規定によって配当等とみなされる金額はない旨主張する。

しかしながら、当該持分会社の定款には会社法第608条《相続及び合併の場合の特則》第1項に規定する持分の承継に関する定めがないことからすれば、本件被相続人は死亡退社により本件払戻請求権を取得したものと認められ、本件被相続人が有していた社員権(出資)が本件払戻請求権に転換した時点、すなわち、相続開始日において本件払戻請求権の価額相当額の経済的価値が本件被相続人にもたらされたといえる。

したがって、当該価額相当額のうち、出資に対応する部分の金額を超える金額は、本件被相続人のみなし配当と認められる。

★リンクはこちら⇒ 持分会社の社員の死亡退社に伴う持分払戻請求権の価額相当額のうち、出資した金額を超える部分はみなし配当に該当するとした事例

2023年1月19日


「令和4年分確定申告特集」を開設しました

国税庁は、「令和4年分確定申告特集」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 「令和4年分確定申告特集」を開設しました

2023年1月18日


令和5年2月19日(日)及び2月26日(日)に確定申告の相談を行う税務署

一部の税務署では、令和5年2月19日(日)及び2月26日(日)に限り、確定申告の相談・申告書の受付を行う。

令和5年2月19日(日)及び2月26日(日)に、確定申告の相談等を行う税務署等についてはリンク先をご覧のこと。

香川県は、高松税務署のみ。

※道府県内の一部の税務署で閉庁日対応を行う場合、確定申告電話相談センターなどで、広く道府県内の納税者の方々からの電話相談に答えている。

★リンクはこちら⇒ 令和5年2月19日(日)及び2月26日(日)に確定申告の相談を行う税務署

2023年1月5日


令和4年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ(高松国税局)

既に85%以上の方が、確定申告会場に来場せずに確定申告している。

自宅から申告できるe-Taxをご利用のこと。

令和4年分確定申告期における確定申告会場は下記リンクのとおり。

令和4年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付は、令和5年2月16日(木)から3月15日(水)までである。

確定申告会場への入場には整理券が必要である(申告書等の提出のみの場合は不要。)。

確定申告会場は混雑が予想される。

特に、確定申告期限間際は大変な混雑が予想されるので、来場される場合はお早目に。

税務署の閉庁日(土・日曜・祝日等)は、通常、相談及び申告書の受付は行っていないが、一部の税務署(確定申告会場)においては、2月19日(日)及び2月26日(日)に限り、確定申告の相談及び申告の受付を行う。

★リンクはこちら⇒ 令和4年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ(高松国税局)

2022年12月13日


「令和4年分確定申告特集(準備編)」を開設しました

国税庁は、「令和4年分確定申告特集(準備編)」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 「令和4年分確定申告特集(準備編)」を開設しました

2022年12月8日


令和4年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日を掲載しました

<申告所得税及び復興特別所得税>
[令和4年分]

納期等の区分 納期限(法定納期限) 振替日
予定納税第1期 令和4年8月1日(月) 令和4年8月1日(月)
予定納税第2期 令和4年11月30日(水) 令和4年11月30日(水)
確定申告 令和5年3月15日(水) 令和5年4月24日(月)
確定申告延納 令和5年5月31日(水) 令和5年5月31日(水)

<消費税及び地方消費税>
・個人事業者
[令和4年分]

納期等の区分 納期限(法定納期限) 振替日
確定申告(原則) 令和5年3月31日(金) 令和5年4月27日(木)

・法人事業者
確定申告分:課税期間終了日の翌日から2月以内
中間申告分・課税期間の特例適用のある方については、税務署へお尋ねのこと。

<法人税>
確定申告分:事業年度終了日の翌日から2月以内
中間申告分については、税務署へお尋ねのこと。

<源泉所得税及び復興特別所得税>
・納期の特例の承認を受けていない場合
源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日
・納期の特例の承認を受けている場合(給与等特定の所得に限る。)
1月から6月までの支払分: 7月10日
7月から12月までの支払分:翌年1月20日

<相続税>
確定申告分:相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内

<贈与税>
確定申告分:翌年3月15日

[備考]
上記納期限が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となる。

★リンクはこちら⇒ 令和4年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日を掲載しました

2022年11月14日


帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A(2022年10月)

令和4年度税制改正により、記帳水準の向上に資する観点から、記帳義務の適正な履⾏を担保し、帳簿の不保存や記載不備を未然に抑⽌するため、過少申告加算税・無申告加算税の加重措置が講じられた。

このQ&Aは、帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関して、その概要や適⽤上の留意点等を取りまとめたものである。

(注)2022年10月25日現在の法令等に基づき作成している。

★リンクはこちら⇒ 帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A(2022年10月)

2022年11月11日


「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)(令和4年10月7日)

標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。

昭和45年7月1日付直審(所)30「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)のうち、別紙「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

(趣旨)
雑所得の範囲について、明確化を図るものである。

★雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説はこちら⇒ 雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説

★パブリックコメントからの変更点はこちら⇒ パブリックコメントからの変更点

2022年10月27日


請求人がふるさと納税を行ったことにより各地方公共団体から送付を受けた各返礼品に係る経済的利益の価額は、当該各地方公共団体の評価額によるのが相当であるとした事例

  • ①平成29年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 ①棄却、②一部取消し
  • ②平成30年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 令和4年2月7日裁決

<ポイント>
本件は、ふるさと納税に係る経済的利益の額は、地方公共団体が謝礼として供与する経済的利益の額であるから、地方公共団体が謝礼のために支出した金額(返礼品調達価格)をその算定の基礎とすることが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、請求人の受けたふるさと納税の返礼品(本件各返礼品)について原処分庁が算定した経済的利益の価額(原処分庁認定額)は適正な金額ではなく、その収入すべき時期にも誤りが認められる旨、また、仮に一時所得の金額を計算するとしても、その経済的利益の価額は、事業の広告宣伝のための賞金を受けた場合の評価に関する課税実務上の取扱いに基づき原処分庁認定額に60%を乗じた価額とすべき旨主張する。

しかしながら、ふるさと納税をした個人は地方公共団体からの贈与により返礼品を取得すること、ふるさと納税制度における返礼品の提供が当該個人に対する謝礼であることからすれば、本件各返礼品に係る経済的利益の価額は、地方公共団体が謝礼(返礼品の調達・提供)のために支出した金額(返礼品調達価格)をその算定の基礎とすることが相当である。

そして、通常、地方公共団体が返礼品等をその調達時における時価を超えて調達することはないと考えられ、また、本件において、本件各返礼品が不当に高額又は低額で取引されたといった事情は認められない。

これらのことからすると、返礼品調達価格は、地方公共団体が本件各返礼品を調達した時における返礼品の客観的交換価値を示すものと評価できるから、請求人は、本件各返礼品を取得することにより、本件各返礼品につき返礼品調達価格に相当する経済的利益を得たことになる。

したがって、本件各返礼品に係る経済的利益の価額は、本件各返礼品の返礼品調達価格によるのが相当である。

この点、原処分庁認定額については、その価額及び収入すべき時期の認定に一部誤りがあると認められたものの、返礼品調達価格を基にして算定されたものであるから、原処分庁認定額が適正でない点に関する請求人の主張は理由がない。

また、本件各返礼品はそもそも事業の広告宣伝のための賞品ではないから、当該賞品の評価に関する課税実務上の取扱いに基づいて本件各返礼品を評価すべき旨の請求人の主張を採用することはできない。

★リンクはこちら⇒ 請求人がふるさと納税を行ったことにより各地方公共団体から送付を受けた各返礼品に係る経済的利益の価額は、当該各地方公共団体の評価額によるのが相当であるとした事例

2022年10月13日


請求人が支出したデジタルWEBコンテンツの購入代金等の中には、当該コンテンツの販売のあっせん活動に不可欠と認められる部分の支出があり、当該支出は、客観的にみて、請求人の事業所得を生ずべき業務と直接関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要な費用であったといえるから、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができるとした事例

  • 平成29年分の所得税及び復興特別所得税の更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • 一部取消し
  • 令和4年3月4日裁決

<ポイント>
本事例は、デジタルWEBコンテンツの購入代金等のうち、当該コンテンツの販売のあっせん活動に不可欠と認められる部分の支出について、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができると判断した事例である。

<要旨>
請求人は、連鎖販売取引の方法によりデジタルWEBコンテンツの販売のあっせんを事業(本件事業)として営んでおり、請求人が支払ったデジタルWEBコンテンツの購入代金等(本件支出)は、本件事業を行い、本件事業に係る収入を得るためのものであり、事業所得を生ずべき業務と直接関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要な支出であることから所得税法第37条《必要経費》第1項に規定する必要経費に該当する旨主張する。

しかしながら、デジタルWEBコンテンツの購入は、その交換価値が上昇することにより将来的に利益が得られる投機目的にあったと考えられる。

もっとも、本件事業を行うためには、デジタルWEBコンテンツの販売会社の会員として会員登録をして会員IDを取得する必要があり、会員IDを取得するためには、デジタルWEBコンテンツを購入しなければならなかった。

そして、デジタルWEBコンテンツの購入が連鎖販売取引の特定負担として位置づけられていたことからすると、当該購入にはデジタルWEBコンテンツの販売のあっせん活動に不可欠な会員IDを取得するための条件が含まれていたといえる。そうすると、本件支出のうち、会員IDを取得するためにした支出は、客観的にみて本件事業と直接関係を持ち、かつ、本件事業の遂行上必要な費用であると認められるので、本件支出のうち当該部分は、所得税法第37条第1項に規定する必要経費に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人が支出したデジタルWEBコンテンツの購入代金等の中には、当該コンテンツの販売のあっせん活動に不可欠と認められる部分の支出があり、当該支出は、客観的にみて、請求人の事業所得を生ずべき業務と直接関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要な費用であったといえるから、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができるとした事例

2022年10月11日


海苔養殖業を営む請求人が事業の用に供する全自動乾海苔製造装置等は、耐用年数省令別表第二の「食料品製造業用設備(耐用年数10年)」ではなく「水産養殖業用設備(耐用年数5年)」に該当するとした事例

  • ①平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分
  • ②平成29年分及び平成30年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分
  • ③平成28年分から平成30年分までの所得税及び復興特別所得税の過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ①③全部取消し
  • ②一部取消し

<ポイント>
本事例は、耐用年数省令別表第二の機械・装置の業用設備の判定は、請求人の業種ではなく、資産の使用状況等から社会通念に照らし、これが日本標準産業分類によるいずれの業種用として通常使用されているかにより判定すべきとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、海苔養殖業を営む請求人が使用する「全自動乾海苔製造装置」等の設備(本件償却資産)について、耐用年数の適用等に関する取扱通達1-4-2《いずれの「設備の種類」に該当するかの判定》及び同1-4-3《最終製品に基づく判定》の定めに従い、本件償却資産が製造する最終製品は乾海苔であり、乾海苔は水産食料品に該当することは明らかであるとして、本件償却資産は、日本標準産業分類の中分類「09-食料品製造業」の業種用に通常使用されていると認められるから、減価償却資産の耐用年数に関する省令の別表第二《機械及び装置の耐用年数表》の番号1「食料品製造業用設備」に該当する旨主張する。

しかしながら、本件償却資産は、請求人が自家取得した原藻を自宅敷地内作業場において、乾燥させて漁業協同組合へ出荷できる乾海苔にするために、海苔養殖業従事者のみに通常使用されていると認めるのが相当である。

そして、海苔養殖業者が漁業協同組合へ出荷する乾海苔は直ちに食用に供されるものではなく、食用に加工し流通させるのは漁業協同組合から乾海苔を購入した流通業者であることからすれば、乾海苔が水産食料品であることが明らかであるとして、本件償却資産が食料品製造業用として通常使用されていると認めることは困難である。

したがって、本件償却資産は、日本標準産業分類の大分類「B-漁業」の中分類「04-水産養殖業」の業種用として通常使用されていると認められるから、別表第二の番号28「水産養殖業用設備」に該当する。

★リンクはこちら⇒ 海苔養殖業を営む請求人が事業の用に供する全自動乾海苔製造装置等は、耐用年数省令別表第二の「食料品製造業用設備(耐用年数10年)」ではなく「水産養殖業用設備(耐用年数5年)」に該当するとした事例

2022年9月21日


医師が健康診断業務に係る役務の提供の対価として関与先の病院等から受領した報酬は、給与所得の収入に当たるとした事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分、平成29年分及び平成30年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 棄却

<ポイント>
本件は、請求人の健康診断業務に係る収入について、関与先の病院等の指揮命令に服し、空間的、時間的拘束を受けて行った業務ないし労務提供の対価であると認められることから、給与所得に該当するとしたものである。

<要旨>
請求人は、関与先である法人との間の法律関係について、当該法人から業務を請け負って収入を得る事業所得者であることが判決(本件判決)において確定しており、契約内容や業務内容が当該法人と同様である他の法人等(本件法人等)との間でも請求人は事業所得者であるとして、請求人が本件法人等から得た自己の健康診断業務(本件業務)に係る収入により生じた所得(本件所得)は、所得税法第27条《事業所得》第1項に規定する事業所得に該当する旨主張する。

しかしながら、本件業務に係る報酬は、あらかじめ本件法人等との間で従事時間等に応じて決められた対価が支払われるものであり、また、本件法人等から業務に必要な器具等の貸与等及び交通費等の支給を受けていたことからすれば、請求人は、本件業務から一般的に生じ得る危険を負担することはなかったものと認められる。

また、請求人は、本件法人等から業務内容や従事時間及び従事場所などの指定を受けていたことなどからすれば、本件法人等から本件業務について指揮命令や空間的、時間的拘束を受けていたと認められるから、本件所得は、所得税法第28条《給与所得》第1項に規定する給与所得に該当する。

★リンクはこちら⇒ 医師が健康診断業務に係る役務の提供の対価として関与先の病院等から受領した報酬は、給与所得の収入に当たるとした事例

2022年9月15日


請求人が不動産業者との間で締結した不動産売買契約は、「土地及び建物」と「賃貸人の地位」について別個に認識し、それら2つの財産を当該不動産売買契約の目的としたとみるのが相当であり、請求人が受領した売買代金の一部は、「賃貸人の地位」の譲渡の対価として受領した金員であると認められ、貸付けに起因する所得であることから不動産所得に該当するとした事例

  • 平成29年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • 一部取消し

<ポイント>
本事例は、請求人が不動産売買契約に伴い受領した売買代金について、当該不動産売買契約に定められた契約条項の内容や、契約前後の請求人及び売買契約の対象となった不動産の借主の事情を把握し、当該売買に係る契約解釈を的確に行い、請求人が受領した売買代金の一部について「賃貸人の地位」の対価として受領したと判断したものである。

<要旨>
請求人は、賃貸していた不動産の賃借人が送金した金員(本件解約金相当額)は、当該不動産を含む不動産(本件不動産)の売買契約(本件売買契約)に基づく売買代金に含まれており、本件不動産の対価として請求人が譲受人から受領したものであるから譲渡所得に該当する旨主張する。

しかしながら、本件売買契約は、その特約条項によれば、本件不動産の所有権のみならず、本件不動産の賃貸借契約(本件賃貸借契約)に基づく賃貸人たる地位や、本件賃貸借契約の解約申入れに基づき賃借人から支払われる本件解約金相当額を受領する地位も移転させる趣旨のものと認められるところ、①本件解約金相当額の性質は、本件賃貸借契約に基づく中途解約金であること、②本件賃貸借契約が合意解約され、本件解約金相当額が支払われることが本件売買契約の締結より前に確定していたこと、③本件売買契約に付された不動産の価格が解約金とは別に形成されていたこと、及び④本件売買契約における売買代金から本件解約金相当額を除いた金額に相当する価格が、本件不動産の転売価格と均衡することが認められた。

これらの諸事情からすると、本件売買契約は、本件解約金相当額を含む売買代金総額の全てを本件不動産の譲渡対価とする趣旨のものであったとは解し難い。

また、本件売買契約の前に本件賃貸借契約が合意解約され中途解約金が支払われることが確定していた本件では、「賃貸人の地位」の交換価値が、本件不動産そのものの交換価値から独立した「本件解約金相当額を受領する地位」の価値として客観的に把握することができた。これらのことからすれば、請求人と譲受人は、売買された不動産と「賃貸人の地位」について、それぞれ別個の価格を認識し、それら2つの財産を本件売買契約の目的としたとみるのが相当であり、本件解約金相当額は、請求人が「賃貸人の地位」の対価として受領した金額であると認められる。

そして、本件解約金相当額が、本件賃貸借契約が合意解約されることを前提として「残賃貸借期間の賃料の補償」として支払われることが確定したものであり、本件賃貸借契約に基づく賃貸人の地位に包含されるものであることからすると、請求人が受領した本件解約金相当額は、不動産の貸付けに起因して発生した所得であるといえ、不動産所得に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人が不動産業者との間で締結した不動産売買契約は、「土地及び建物」と「賃貸人の地位」について別個に認識し、それら2つの財産を当該不動産売買契約の目的としたとみるのが相当であり、請求人が受領した売買代金の一部は、「賃貸人の地位」の譲渡の対価として受領した金員であると認められ、貸付けに起因する所得であることから不動産所得に該当するとした事例

2022年9月13日


国税庁ホームページでの所得税等の申告書等作成・e-Taxがますます便利に!

令和4年分確定申告(令和5年1月上旬~)からマイナンバーカードやスマートフォンを利用した申告がさらに便利になる!

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額等を入力するだけで、所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、贈与税の申告書や青色申告決算書・収支内訳書等の作成・e-Taxによる送信(提出)ができる。

また、自動計算されるので計算誤りがない。

以下は、令和4年分確定申告(令和5年1月上旬~)から確定申告書等作成コーナーでサービス開始予定の内容である。

<マイナンバーカードの読み取り回数が1回に!>
令和5年1月からマイナンバーカードを利用して申告される方のマイナンバーカードの読み取り回数が1回になる。

<青色申告決算書・収支内訳書がスマホで作成可能に!>
令和5年1月から青色申告決算書・収支内訳書がスマホで作成可能になる!
また、パソコンの画面もリニューアルする!

<マイナポータル連携による申告書の自動入力対象が拡大!>
マイナポータル連携とは、所得税確定申告手続について、マイナポータル経由で、控除証明書等の必要書類のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能である。
令和4年分確定申告からは、新たに医療費通知情報(1年間分)、公的年金等の源泉徴収票及び国民年金保険料控除証明書もマイナポータル連携の対象となる。
詳しくは、マイナポータル連携で確定申告書に自動入力!をご覧のこと。

★リンクはこちら⇒ 国税庁ホームページでの所得税等の申告書等作成・e-Taxがますます便利に!

2022年9月6日


原処分庁が用いた資産負債増減法による事業所得の推計方法において、純資産の増加額の算定に際し基礎とした資産の認定に一部誤りがあるとした事例

  • 平成27年分から平成29年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税は一部取消し
  • その他は棄却
  • 令和3年8月4日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が用いた資産負債増減法による推計において、請求人名義の預金口座への入金額の一部は、子名義の預金口座から引き出された金銭を原資とするものであり、請求人の事業所得を原資とするものではないから、純資産の増加額とは認められないとした事例である。

<要旨>
原処分庁は、原処分庁が請求人の事業所得を算定するに当たって採用した資産負債増減法において、子名義の普通預金口座(本件普通預金口座)から引き出された金銭によって請求人名義の定期預金口座が開設されたとの事実を裏付ける証拠はないことから、減算調整項目(事業外所得)として減算すべき金額はない旨主張する。

しかしながら、本件普通預金口座から合計2,000,000円が引き出された翌日に同額が請求人名義の定期預金口座に入金されたこと、本件普通預金口座に係る通帳等を同居人が管理していること、本件普通預金口座から引き出された2,000,000円が請求人名義の定期預金口座への入金以外に充てられたことをうかがわせる事情がないことなどからすれば、請求人名義の定期預金口座に入金された金銭は本件普通預金口座から引き出された金銭を原資とするものであり、事業所得を原資とするものとはいえない。

★リンクはこちら⇒ 原処分庁が用いた資産負債増減法による事業所得の推計方法において、純資産の増加額の算定に際し基礎とした資産の認定に一部誤りがあるとした事例

2022年4月8日


原処分庁の平均所得率の計算過程において、損失の金額が生じていた類似同業者の所得率はマイナス値で計算すべきとされた事例

  • 平成28年分から平成30年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分、平成28年1月1日から平成30年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 平成29年分の所得税及び復興特別所得税は一部取消し、その他は棄却
  • 令和3年6月23日裁決

<要旨>
請求人は、原処分庁の所得金額の推計の算出について、①原処分庁の算出基準においては、青色申告の承認を受けた者の確定申告が適切になされたものであって、かつ、請求人の確定申告と比較しうる理由の根拠が示されていないこと、②原処分庁が請求人の所得金額の推計に用いた請求人と業種・業態が類似し事業規模が同程度であると判断した同業者(本件類似同業者)の業態が全く不明であり、原処分庁が所得率の高い同業者だけを選んで推計の基礎に用いた可能性も否定できないこと、及び③本件類似同業者の本件各年分の平均所得率は年分によってかなりの開差があることから、推計の合理性があるとはいえない旨主張する。

しかしながら、原処分庁は、本件類似同業者を抽出するにあたり、業種・業態の類似性、個人又は法人の別、事業所の所在地の接近性、資料の正確性並びに事業規模の類似性等に係る基準を設けてこれらの条件に全て該当する者を抽出したのであるから、当該抽出基準は合理性を有するものであり、また、同業者の抽出過程に原処分庁の恣意が介在したとの事実は認められない。

そして、平均所得率の算出に使用した資料は、いずれも帳簿書類等が整っている青色申告者の決算書であり、その信頼性ないし正確性は高く、さらに本件類似同業者の件数も本件類似同業者の個別性を平均化するに足るということができる。

したがって、本件類似同業者と請求人の間には類似性があり、原処分庁の本件類似同業者の抽出基準及び抽出方法は合理性を有するものであると認められる。

ただし、原処分庁の平均所得率の計算過程において、本件類似同業者のうち1名に損失の金額が生じていたにもかかわらず、その者の所得率を0.00%で計算しているが、その者の所得率を0.00%とすべき特殊な事情は認められないことから、当該所得率は損失の金額で算出したマイナス値で計算すべきである。

★リンクはこちら⇒ 原処分庁の平均所得率の計算過程において、損失の金額が生じていた類似同業者の所得率はマイナス値で計算すべきとされた事例

2022年2月17日


推計による所得税等の課税処分について、原処分庁による推計の必要性が認められ、また、推計の合理性があるとした事例

  • ①平成28年分以降の所得税の青色申告の承認取消処分
  • ②平成27年分から平成29年分までの所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成27年1月1日から平成27年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • ④平成28年1月1日から平成29年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分
  • ①③④棄却、②一部取消し
  • 令和3年6月23日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁の同業者率による推計方法について、①推計基礎の正確性、②推計方法の最適性及び③推計方法の客観性があり、推計の合理性があるとしたが、類似同業者の一部の減価償却費や必要経費の算定における計算誤りがあったため、更正処分の一部を取り消すのが相当であるとした事例である。

<要旨>
請求人は、請求人の総勘定元帳により、請求人の所得金額を実額で計算することができ、推計の必要性がない旨、また、原処分庁による推計方法は合理性がない旨主張する。

しかしながら、請求人が提出した資料では実額で計算することはできず、本件には推計の必要性があったと認めるのが相当である。

また、推計方法については、原処分庁は、請求人の各年分の総収入金額に類似同業者の平均必要経費率(同業者比率)を用いる方法により請求人の事業所得の金額を算出しているところ、①同業者比率による推計方法については、一般に、業種・業態が類似する同業者にあっては、特段の事情がない限り、経験則上、同程度の同収入金額に対し、同程度の所得が得られると考えられており、請求人の営む事業の場合であっても例外でなく、本件において請求人に特段の事情があるとは認められないこと、②推計の基礎となる総収入金額は正確に把握されていること、③抽出基準に合理性がある上、類似同業者の抽出過程において課税庁の恣意や思惑が介在していないこと、及び④抽出件数も類似同業者の平均値を求める上で合理的であることが認められる。

したがって、原処分庁による推計については、抽出した類似同業者の一部の者の減価償却費や必要経費の算定における計算誤りの部分を除いて、合理性があると判断するのが相当である。

★リンクはこちら⇒ 推計による所得税等の課税処分について、原処分庁による推計の必要性が認められ、また、推計の合理性があるとした事例

2022年2月15日


定年を延長した場合に一部の従業員に対してその延長前の定年に達したときに支払う一時金の所得区分について

<照会>
1.事前照会の趣旨
当社の退職金制度は、退職一時金、確定給付企業年金、確定拠出年金から構成されており、当社の退職給付規則等に定められた方法により計算し、対象者に支給しています(以下、当社から支給される退職一時金を「本件退職一時金」といいます。)。
今般、当社は、安定的に雇用を確保しながら事業を前進させる必要があることに加え、高年齢者安定雇用の確保という社会情勢や労働組合の要望を踏まえ、労働組合との合意により労働協約書等を改定し、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づき満60歳に達した月の末日としていた従業員の定年を、満60歳から満65歳までの間で従業員が選択したいずれかの年齢に達した月の末日に延長することとしました(以下、労働協約書等の改定後の従業員が選択した定年年齢を「選択定年年齢」といい、改定後の定年制度を「本件定年制度」といいます。)。
当社は、これまで、定年年齢(60歳)に達した月の翌月末までに本件退職一時金を支給してきましたが、本件定年制度においては、原則として、選択定年年齢に達した月の翌月末までに本件退職一時金を支給することとしました。しかしながら、本件定年制度の制定前に入社した従業員のうち、満60歳に達した月の翌月末までに一時金の支給を希望する従業員(以下「本件希望者」といいます。)に対しては、選択定年年齢にかかわらず、本件退職一時金の代わりに一時金(以下「本件一時金」といいます。)を支給することとしました。
この本件一時金は、引き続き勤務する従業員に対して支給するものであり、本来の退職所得とはいえませんが、所得税基本通達30-2(5)《引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの》に定める給与に該当し、退職所得として取り扱って差し支えないか照会いたします。

2.事前照会に係る取引等の事実関係
(1)本件一時金を支給することとした経緯
本件定年制度の導入に当たり、一部の従業員から、「満60歳を迎えたときに本件退職一時金が支給されることを前提にマイホームローンや子の教育ローンの返済を計画する等の生活設計をしており、本件定年制度が導入され、選択定年年齢を61歳から65歳までのいずれかとすると、本件退職一時金の支給が延長され、不都合が生じること」(以下「本件支給事由」といいます。)を理由として、満60歳の時に本件退職一時金の支給を受けたいとの要望を受けました。
当社としては、本件定年制度の導入前後において、本件退職一時金の支給金額が同額であるにもかかわらず、定年延長の結果、その支給時期が延期されるという不利益が従業員に生じる中で、本件支給事由に係る不都合に対して特に配慮する必要があったことから、本件希望者に対して、満60歳の時に本件一時金を支給することとしました。

(2)本件定年制度について
本件定年制度において、本件退職一時金及び本件一時金は、いずれも満60歳に達した月の末日までの期間を基礎として計算され、定年を延長した期間は計算の基礎に含めません。
また、本件希望者は、満59歳に達した月の末日までに選択定年年齢を選択し、当社が指定した期日(満60歳に達した月の末日の2、3週間前)までに本件一時金の支給希望について、本件支給事由を申請書に記載し、当社に提出します。当社は、これを受け、本件希望者に対して本件一時金を支給します。
そして、本件一時金を支給した後、本件希望者に退職を理由とした一時金を支給することはありません。
なお、確定給付企業年金制度について、加入者の資格喪失の時期(60歳に達した日の翌日)及び老齢給付金の支給を請求できる年齢(60歳以上)に変更はなく、また、確定拠出年金制度についても、加入者の範囲(60歳未満)、加入者の資格喪失の時期(60歳に達したとき)及び老齢給付金の支給を請求できる年齢(60歳以上)に変更はありません。

3.事実関係に対して事前照会の求める見解となることの理由
(1)法令等について
所得税法第30条第1項《退職所得》は、退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(以下「退職手当等」といいます。)に係る所得をいう旨規定しています。
また、所得税基本通達30-2(5)は、引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、①労働協約等を改正していわゆる定年を延長した場合において、②延長前の定年(以下「旧定年」といいます。)に達した使用人に対し旧定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与であり、③その支払をすることにつき相当の理由があると認められるもので、④その給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは、退職手当等とする旨定めています。

(2)本件一時金の所得区分について
上記1及び2(2)のとおり、当社は、労働組合との合意により労働協約等を改定して旧定年を延長し、本件希望者に対して旧定年である満60歳に達した月の末日までを基礎として本件一時金の計算をすることとしていますので、本件一時金は「旧定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与」であると考えます(上記(1)1及び2)。
また、当社は、本件一時金を支給した後、本件希望者に退職を理由とした一時金を支給しないことから、本件希望者に対して旧定年時までの勤続期間を加味した一時金が支給されることもありませんので、本件一時金は、いわゆる打切支給の退職手当等であると考えます(上記(1)4)。
そして、本件一時金は、次のイないしニのことからすると、その支払をすることにつき「相当の理由がある」ものと考えます(上記(1)3)。
したがって、本件一時金は、退職手当等に該当し、退職所得として取り扱って差し支えないものと考えます。
イ.本件一時金は、入社時から、旧定年(満60歳)を迎えたときに本件退職一時金が支給されることを前提に生活設計をしてきた本件希望者の事情を踏まえ、旧定年時において精算を行うものであること。
ロ.本件定年制度導入前後において、本件退職一時金の支給金額が同額であるにもかかわらず、その支給時期が延期されるという不利益が従業員に生じる中で、本件支給事由に係る不都合に対して雇用主として特に配慮する必要があること。
ハ.本件一時金は、本件定年制度導入前に入社した従業員のうち希望者(本件希望者)に対して支給されるものであり、その支給時期も旧定年時に限られていること。
ニ.本件定年制度導入前において、旧定年時(満60歳)に支給されていた本件退職一時金は、長期間勤務したことに対する報償及び旧定年時以後の生活保障としての性格を有するものであるところ、本件一時金もその性格を有するものであることに変わりはないと考えられること。

<回答>
回答年月日
令和3年11月11日

回答者
東京国税局審理課長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
1.ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
2.この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

★リンクはこちら⇒ 定年を延長した場合に一部の従業員に対してその延長前の定年に達したときに支払う一時金の所得区分について

2022年1月24日


「個人の青色申告の承認の取消しについて」の一部改正について(事務運営指針)

平成12年7月3日付課所4-17ほか3課共同「個人の青色申告の承認の取消しについて」(事務運営指針)の一部を別紙のとおり改正したから、令和4年1月1日以後は、これによられたい。

(注)アンダーラインを付した箇所が、改正した箇所である。

<趣旨>
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の一部改正に伴い、所要の整備を図るものである。

★リンクはこちら⇒ 「個人の青色申告の承認の取消しについて」の一部改正について(事務運営指針)

2022年1月19日


令和3年分所得税の確定申告関係書類

国税庁はホームページに『令和3年分所得税の確定申告関係書類』を掲載した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年分所得税の確定申告関係書類

2022年1月14日


令和3年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日

<申告所得税及び復興特別所得税>
[令和3年分]

納期等の区分 納期限(法定納期限) 振替日
予定納税第1期 令和3年8月2日(月) 令和3年8月2日(月)
予定納税第2期 令和3年11月30日(火) 令和3年11月30日(火)
確定申告 令和4年3月15日(火) 令和4年4月21日(木)
確定申告延納 令和4年5月31日(火) 令和4年5月31日(火)

<消費税及び地方消費税>
・個人事業者
[令和3年分]

納期等の区分 納期限(法定納期限) 振替日
確定申告(原則) 令和4年3月31日(木) 令和4年4月26日(火)

・法人事業者
確定申告分:課税期間終了日の翌日から2月以内
中間申告分・課税期間の特例適用のある方については、税務署へお尋ねください。

<法人税>
確定申告分:事業年度終了日の翌日から2月以内
中間申告分については、税務署へお尋ねください。

<源泉所得税及び復興特別所得税>
・納期の特例の承認を受けていない場合
源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日
・納期の特例の承認を受けている場合(給与等特定の所得に限る。)
1月から6月までの支払分: 7月10日
7月から12月までの支払分:翌年1月20日

<相続税>
確定申告分:相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内

<贈与税>
確定申告分:翌年3月15日

[備考]
上記納期限が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となる。

★リンクはこちら⇒ 令和3年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日

2022年1月12日


令和3年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

既に80%以上の方が、確定申告会場に来場せずに確定申告している。
感染リスクを軽減するため、ご自宅から申告できるe-Taxをご利用ください。
→確定申告書の作成はこちら

令和3年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付は、令和4年2月16日(水)から3月15日(火)までである。
確定申告会場への入場には整理券が必要である(申告書等の提出のみの場合は不要である。)。
→入場整理券の詳細についてはこちら

なお、本年は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、一部の税務署(確定申告会場)においては、開設期間を拡大している。

確定申告会場は混雑が予想される。
特に、確定申告期限間際は大変な混雑が予想されるので、来場される場合はお早目にお越しください。

税務署の閉庁日(土・日曜・祝日等)は、通常、相談及び申告書の受付は行っていないが、一部の税務署(確定申告会場)においては、2月20日(日)及び2月27日(日)に限り、確定申告の相談及び申告の受付を行う。

★リンクはこちら⇒ 令和3年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

2021年12月27日


最高裁判所令和3年3月11日判決を踏まえた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の取扱いについて

1.最高裁判所令和3年3月11日判決について
最高裁判所令和3年3月11日判決(以下「本件判決」という。)において、利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当(以下「混合配当」といいます。)が行われた場合における「株式又は出資に対応する部分の金額」の計算方法の規定について、次のとおり、一定の限度において、違法なものとして無効である旨判示された。

【本件判決の概要】
混合配当は、その全体が法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの。)24条1項3号(注:現行の法人税法24条1項4号)に規定する資本の払戻しに該当するものというべきである。

株式対応部分金額の計算方法について定める法人税法施行令(平成26年政令第138号による改正前のもの。)23条1項3号(注:現行の法人税法施行令23条1項4号)の規定のうち、資本の払戻しがされた場合の直前払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分は、混合配当につき、減少資本剰余金額を超える直前払戻等対応資本金額等が算出される結果となる限度において、法人税法の趣旨に適合するものではなく、同法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効というべきである。

2.本件判決を踏まえた今後の取扱い等
(1)本件判決では、上記1のとおり、混合配当に係る株式対応部分金額の計算方法につき、減少資本剰余金額を超える直前払戻等対応資本金額等が算出される結果となる限度において、違法なものとして無効である旨判示されていることから、現行の法人税法施行令23条1項4号及び同様の規定である所得税法施行令61条2項4号について、本件判決に従い、混合配当があった場合に算出される直前払戻等対応資本金額等につき減少資本剰余金額を上限として取り扱う。

(2)上記(1)の取扱いは、過去に遡って適用されるので、上記(1)の取扱いにより直前払戻等対応資本金額等の再計算を行った結果、過去に行った申告内容等に異動が生じた株主等について、納付税額等が過大となる場合には、国税通則法の規定に基づき所轄の税務署に更正の請求を行うことができる。

更正の請求をする場合には、上記の申告内容等の異動事項が分かる書類を併せてご提出ください。

なお、法定申告期限等から5年を経過している法人税又は所得税については、法令上、減額更正を行うことはできないこととされていますので、ご注意ください。

★リンクはこちら⇒ 最高裁判所令和3年3月11日判決を踏まえた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の取扱いについて

2021年12月27日


令和3年分確定申告特集(準備編)

国税庁はホームページに『令和3年分確定申告特集(準備編)』を開設した。

★リンクはこちら⇒ 令和3年分確定申告特集(準備編)

2021年12月21日


短期退職手当等Q&A

国税庁は、『短期退職手当等Q&A』を公表した。

所得税法等の一部を改正する法律(令和3年法律第11号)により、役員等以外の者としての勤続年数が5年以下である者に対する退職手当等(短期退職手当等)について、その退職所得金額の計算方法が改正され、令和4年1月1日から施行されることから、短期退職手当等に関する質疑応答事例を取りまとめた。

(注)この資料は、令和3年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成されている。

★リンクはこちら⇒ 短期退職手当等Q&A

2021年11月15日


請求人の事業所得の金額を推計するに当たり、原処分庁が採用した類似同業者の抽出基準及び抽出方法に一応の合理性があるとした事例

  • ①平成26年分、平成28年分、平成29年分及び平成30年分の所得税及び復興特別所得税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分
  • ②平成27年分の所得税及び復興特別所得税の決定処分
  • ③平成26年1月1日から平成26年12月31日まで、平成27年1月1日から平成27年12月31日まで、平成28年1月1日から平成28年12月31日まで、平成29年1月1日から平成29年12月31日まで及び平成30年1月1日から平成30年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分
  • ①一部取消し、棄却
  • ②一部取消し
  • ③一部取消し、棄却
  • 令和3年3月4日裁決

<ポイント>
本事例は、推計の基礎数値である収入金額の異動により、審判所の認定額が原処分額を下回ったため、原処分の一部を取り消したものである。

<要旨>
請求人は、請求人の事業は自動車整備業のみで、自動車販売は附帯的に行っているだけであるから、原処分庁が、自動車整備業及び自動車販売業を営む者を類似同業者の抽出基準としていることには合理性がない旨主張する。

しかしながら、請求人は、自動車整備業だけでなく自動車の販売も行っていると認められる以上、原処分庁が、類似同業者の抽出基準において、自動車整備業及び自動車販売業を営む者を請求人の類似同業者としたことは相当である。

なお、請求人の収入金額の異動により、審判所の認定額が原処分額を下回ったため、原処分の一部を取り消した。

★リンクはこちら⇒ 請求人の事業所得の金額を推計するに当たり、原処分庁が採用した類似同業者の抽出基準及び抽出方法に一応の合理性があるとした事例

2021年11月12日


パンフレット「暮らしの税情報」(令和3年度版)

このパンフレットは、令和3年4月1日現在の法令等に基づいて作成されている。

下記リンクの各項目をクリックすると、パンフレットの該当ページがご覧いただける。

パンフレットは、7月中旬頃、各税務署の窓口に設置している。

★リンクはこちら⇒ パンフレット「暮らしの税情報」(令和3年度版)

2021年8月18日


「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達 課個3-9 課法11-22 課審5-2 令和3年6月25日)

標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。

昭和45年7月1日付直審(所)30「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)のうち、別紙「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。

(趣旨)
保険契約等に関する権利の評価の取扱いについて、適正化を図るものである。

★リンクはこちら⇒ 「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達 課個3-9 課法11-22 課審5-2 令和3年6月25日)

2021年7月9日


請求人が経営する診療所の勤務医を診療協力として別病院の診療に従事させたことに伴い当該別病院から支給を受ける協力金は、措置法第10条の5の3第2項第3号(雇用者等給与支給額が増加した場合の所得税額の特別控除)括弧書きに規定する「その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」に該当するとした事例

  • 平成29年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和2年7月7日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が雇用する勤務医に対して、(賞与を支給する定めがないにもかかわらず)給与とは別に診療協力回数に応じて支給していた賞与が、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第10条の5の3《雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除》(本件特別控除)に規定する「その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」に該当すると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が経営する診療所に勤務する医師(勤務医)を診療協力として別病院の外来患者の診療に従事させたことに伴い当該別病院から請求人が支払を受ける協力金(本件協力金)について、①当該別病院が委託費として経理処理していること、また、②当該別病院の経理担当者が「勤務医の給与に充てるために(請求人に)支払ったものではない」旨証言していることを理由に、本件特別控除に規定する「その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」に該当しないから、請求人は本件特別控除の適用を受けることができない旨主張する。

しかしながら、請求人と勤務医との雇用契約に賞与を支給する定めがないにもかかわらず、請求人が勤務医に対して当該診療協力の回数に応じて賞与を支給していたことは、当該勤務医が診療協力に従事し、本件協力金の支払を受けたために他ならないことから、本件協力金は、勤務医に対する賞与に充てるために当該別病院から支払を受けたものと認められる。

したがって、本件協力金は、租税特別措置法第10条の5の3第2項第3号括弧書きに規定する「その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」に該当する。

★リンクはこちら⇒ 請求人が経営する診療所の勤務医を診療協力として別病院の診療に従事させたことに伴い当該別病院から支給を受ける協力金は、措置法第10条の5の3第2項第3号(雇用者等給与支給額が増加した場合の所得税額の特別控除)括弧書きに規定する「その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」に該当するとした事例

2021年4月15日


イメージデータで提出可能な添付書類(所得税確定申告等)

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★リンクはこちら⇒ イメージデータで提出可能な添付書類(所得税確定申告等)

2021年3月17日


雑所得の業務に係るもの

雑所得は、令和元年度までは公的年金等とその他とに分けられていたが、令和2年度から新規に『業務に係るもの』が加わった。

総収入金額-必要経費=その他の雑所得

(注)
業務に係るものとは、副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なものをいう。
令和4年以後の所得税において、業務に係る雑所得を有する場合で、その年の前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える方は、現金預金取引等関係書類を保存しなければならないこととされている。

★リンクはこちら⇒ No.1500 雑所得

2021年2月26日


固定資産税の前納奨励金

事業用固定資産に係る前納報奨金は、事業所得として申告する。

また、賃貸不動産に係る前納報奨金は、不動産所得として申告する。

その他、業務用以外の固定資産に係る前納報奨金は、一時所得として申告する。

★リンクはこちら⇒ 固定資産税の前納奨励金

2021年2月9日


令和2年分の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の延長

今般、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の期間が令和2年分所得税の確定申告期間(令和3年2月16日~3月15日)と重なることを踏まえ、十分な申告期間を確保して確定申告会場の混雑回避の徹底を図る観点から、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限について、全国一律で令和3年4月15日(木)まで延長することとされた。

これに伴い、申告所得税及び個人事業者の消費税の振替納税を利用している方の振替日についても、下記のとおり延長されることとなった。

<申告期限・納付期限>

税 目 当 初 延 長 後
申 告 所 得 税 令和3年3月15日(月) 令和3年4月15日(木)
個人事業者の消費税  令和3年3月31日(水)
贈   与   税 令和3年3月15日(月)

<振替日>

税 目 当 初 延 長 後
申 告 所 得 税 令和3年4月19日(月) 令和3年5月31日(月)
個人事業者の消費税 令和3年4月23日(金) 令和3年5月24日(月)

確定申告会場については、レイアウト・運営方法を昨年とは大幅に見直しており、換気・消毒・距離確保といった感染症対策や時間指定の入場整理券の導入等により三密回避を徹底することで、安心して相談いただける環境整備を進めている。

なお、令和3年3月16日(火)以降は、会場によっては相談スペースの確保に制約が生じることも予想される。会場での申告相談を希望の方は、申告の準備が整い次第、可能な範囲内でお早めの来場をお願いいしたい。

(参考)確定申告会場への来場を検討されている方へ
また、申告や相談に当たっては、ご自宅等からも e-Tax や電話相談・チャットボットを利用できるので、感染症対策の観点からもぜひ利用してください。

★リンクはこちら⇒ 令和2年分の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の延長

2021年2月8日


国外財産調書制度に関するお知らせ

国税庁は、「国外財産調書制度(FAQ)を更新した。

★リンクはこちら⇒ 国外財産調書制度に関するお知らせ

2021年1月26日


振替依頼書及びダイレクト納付利用届出書(個人)のオンライン提出について

令和3年1月から、個人の方の振替依頼書及びダイレクト納付利用届出書をe-Taxで提出可能となった。

パソコンやスマートフォンからe-Tax(Web版・SP版)にログインし、入力画面に沿って必要事項を入力することにより、振替依頼書等の記入や金融機関届出印の押印なしに、オンラインで振替依頼書等を提出できるようになった。

なお、振替依頼書等のオンライン提出においては、金融機関の外部サイトにより利用者認証を行うので、電子送信時に電子署名及び電子証明書の添付は不要となる。

振替依頼書については、「申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付」をご確認のこと。

ダイレクト納付利用届出書については、「ダイレクト納付の手続」をご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 振替依頼書及びダイレクト納付利用届出書(個人)のオンライン提出について

2021年1月21日


財産債務調書制度に関するお知らせ

国税庁は、「財産債務調書制度(FAQ)を更新した。

★リンクはこちら⇒ 財産債務調書制度に関するお知らせ

2021年1月15日


暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和2年12月)

暗号資産を売却又は使用することにより生ずる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され所得税の確定申告が必要となる。

詳しくは、下記リンクの情報をご確認のこと。

★リンクはこちら⇒ 暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和2年12月)

2021年1月14日


入場整理券による申告相談体制への移行のお知らせ

令和2年分確定申告については、確定申告会場の混雑緩和を図るため、確定申告会場への入場には、入場できる時間枠が指定された「入場整理券」が必要となる。

なお、現在実施している事前予約による申告相談は、令和2年12月をもって一時終了し、税務署ごとに順次、入場整理券による申告相談体制に移行していく。

ちなみに、香川県内の各税務署における入場整理券による申告相談体制への移行日は、以下のとおり。

※オンライン事前発行の申込は、令和3年1月12日(火)以降順次開始する。

税務署名 移行日
高松税務署 令和3年1月18日(月)
丸亀税務署 令和3年2月1日(月)
坂出税務署 令和3年2月1日(月)
観音寺税務署 令和3年2月1日(月)
長尾税務署 令和3年2月1日(月)
土庄税務署 令和3年2月1日(月)

★リンクはこちら⇒ 入場整理券による申告相談体制への移行のお知らせ

2021年1月12日


令和2年分確定申告特集

国税庁は、ホームページに「令和2年分確定申告特集」を開設した。

★リンクはこちら⇒ 令和2年分確定申告特集

2021年1月7日


譲渡した土地上に存する2棟の家屋は独立しており、租税特別措置法第35条第1項に規定する特例対象土地は、家屋の建築面積に近似する床面積で按分した居住用家屋の敷地部分に限られるとした事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和2年6月19日裁決

<ポイント>
本事例は、譲渡した土地上の2棟の家屋が2階部分で接合されていたとしても、それぞれ独立した居住用家屋であり、併せて一構えの一の家屋であるとは認められない。

本件特例の対象となる土地に係る譲渡所得の金額は、譲渡した土地の譲渡所得の収入金額に、各家屋の建築面積に近似する床面積の合計に占める本件甲家屋(請求人が所有し居住用に供していた家屋)の建築面積に近似する床面積の割合を乗じて算出することが合理的としたものである。

<要旨>
請求人は、譲渡した土地上に、請求人が所有し居住用に供していた家屋(本件甲家屋)と子が所有する家屋(本件乙家屋)の2棟が存するが、これらの家屋は併せて一構えの一の家屋と認められるから、いずれの家屋の敷地も租税特別措置法第35条《居住用財産の譲渡所得の特別控除》第1項の規定(本件特例)の適用がある旨主張する。

しかしながら、各家屋は、それぞれ、玄関、台所、風呂及び便所を備え、電気、ガス、水道及び固定電話回線の各設備を有し、その規模、構造、間取り、設備等の状況からすれば、各家屋はそれぞれ独立した居住用家屋であることから、併せて一構えの一の家屋であるとは認められず、本件乙家屋敷地について本件特例を適用することはできない。

そして、本件特例の対象となる土地(本件甲家屋の敷地)に係る譲渡所得の金額は、譲渡した土地の譲渡所得の収入金額に、各家屋における各階の登記上の床面積のうち、建築面積に近似する最も広い床面積を、両家屋の各建築面積として用いるのが合理的であり、各家屋の建築面積に近似する床面積の合計に占める本件甲家屋の建築面積に近似する床面積の割合を乗じて算出することが合理的である。

★リンクはこちら⇒ 譲渡した土地上に存する2棟の家屋は独立しており、租税特別措置法第35条第1項に規定する特例対象土地は、家屋の建築面積に近似する床面積で按分した居住用家屋の敷地部分に限られるとした事例

2021年1月5日


請求人と同人が代表である法人との間で締結された請求人所有の土地の賃貸借契約について、契約書に記載された契約期間後まで契約書記載の賃料収入が維持されていたとは認められないとした事例

  • ①平成25年分以後の所得税の青色申告の承認の取消処分 棄却
  • ②平成25年分から平成29年分の所得税及び復興特別所得税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分 →全部取消し、一部取消し、棄却
  • ③平成25年1月1日から平成29年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分 →全部取消し、一部取消し、棄却
  • 令和2年4月21日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人と同人が代表である法人との間で締結された請求人所有の土地の賃貸借契約について、当該契約に係る契約書に記載された契約期間後まで当該契約書記載の賃料収入が維持されていたとは認められず、請求人主張額の賃料収入があったと認めるのが相当であり、他方でこれを上回る賃料収入があったことを認めるに足る証拠はないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が同人が代表取締役である法人(本件法人)と過去に請求人所有の土地(本件土地)に係る賃貸借契約(本件契約)を締結し、本件契約に係る契約書に記載された契約期間(本件契約期間)後、本件法人が、本件土地を別法人に転貸する旨の契約を締結して賃料収入を得ていたことからすると、請求人と本件法人は本件契約を更新していたと推認することができるとして、請求人は、本件契約期間後も本件契約に定める賃料の金額を本件法人から賃料収入として得ていた旨主張する。

しかしながら、本件契約期間後の期間における契約書等の客観的証拠はなく、本件契約期間後の期間における契約が、賃料も含めて本件契約の条件と同一内容で更新されたものであったと認めることはできない一方、請求人は本件法人から得た本件土地の賃料収入について、その具体的金額等を当審判所に対し証拠として提出していることからすると、少なくとも同金額の賃料収入があったと認めるのが相当であり、他方で、これを上回る賃料収入があったことを認めるに足る証拠はない。

★リンクはこちら ⇒ 請求人と同人が代表である法人との間で締結された請求人所有の土地の賃貸借契約について、契約書に記載された契約期間後まで契約書記載の賃料収入が維持されていたとは認められないとした事例

2020年12月28日


令和2年分所得税の確定申告関係書類

国税庁は、「令和2年分所得税の確定申告関係書類」をホームページに掲載した。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年分所得税の確定申告関係書類

2020年12月24日


令和2年分確定申告特集(準備編)

国税庁は、「令和2年分確定申告特集(準備編)」を開設した。

★リンクはこちら ⇒ 令和2年分確定申告特集(準備編)

2020年12月17日


チャットボット(ふたば)に質問する

所得税の確定申告や年末調整に関する疑問は、国税庁のチャットボットの税務職員ふたばにお気軽にご相談のこと。

医療費控除や住宅ローン控除など問い合わせが多いご質問について、入力すると自動回答してくれる。

土日、夜間でも利用できる。

チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、ご質問したいことをメニューから選択するか、自由に文字で入力すると、AI(人工知能)を活用して自動で回答する。

<チャットボットの利用可能期間>
・年末調整に関するご相談
令和2年10月28日(水)から令和2年12月28日(月)まで

・所得税の確定申告に関するご相談
令和3年1月12日(火)から
※24時間利用できる(メンテナンス時間を除く)。

<チャットボットの相談範囲>
チャットボットは、以下の相談に対応している。
“年末調整” に関する相談
主に従業員の方が年末調整の各種申告書を作成する際に問合せが多い以下の事項に対応している。
・年末調整の各種申告書の内容、書き方、添付する書類に関すること
・年末調整で適用される控除に関すること
・令和2年分の税制改正に関すること
・転職をした場合や育児休業を取得した場合など、その方の状況に応じて行う年末調整の手続に関すること など

“所得税の確定申告” に関する相談 
・確定申告の手続に関すること
・給与所得、年金の所得に関すること
・配当所得、株式の譲渡所得に関すること
・医療費控除、住宅ローン控除に関すること
・社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除(ふるさと納税)、雑損控除、寡婦・ひとり親控除、勤労学生控除、障害者控除、配偶者(特別)控除、扶養控除、基礎控除に関すること
・e-Taxや確定申告書等作成コーナーの操作に関すること
・令和2年分の税制改正に関すること

★リンクはこちら ⇒ チャットボット(ふたば)に質問する

2020年12月16日


令和2年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

令和2年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付は、令和3年2月16日(火)から3月15日(月)までである。

なお、本年は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、一部の税務署(確定申告会場)においては、開設期間を拡大している。

税務署の閉庁日(土・日曜・祝日等)は、通常、相談及び申告書の受付は行っていないが、一部の税務署(確定申告会場)においては、2月21日(日)と2月28日(日)に限り、確定申告の相談及び申告の受付を行う。

<香川県内の確定申告会場(土・日曜・祝日等を除く)>

税務署名 確定申告会場 確定申告会場所在地 開設期間
高松 高松シンボルタワー
(ホール棟1階)展示場
高松市サンポート2番1号 2/16~3/15
丸亀 丸亀税務署 丸亀市大手町二丁目1番23号 2/16~3/15
坂出 坂出税務署 坂出市京町二丁目6番27号
坂出合同庁舎
2/16~3/15
観音寺 観音寺税務署 観音寺市坂本町六丁目2番7号 2/16~3/15
長尾 長尾税務署 さぬき市長尾西871番地1 2/16~3/15
土庄 土庄税務署 小豆郡土庄町甲6192番地2 2/16~3/15

<令和3年2月21日(日)及び2月28日(日)に確定申告の相談等を行う高松国税局内の税務署>

都道府県 税務署名等
徳島県 徳島
香川県  高松 
愛媛県 松山
高知県 高知

★リンクはこちら ⇒ 令和2年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

2020年12月14日


人間ドック等の補助に係る経済的利益について、本件におけるカフェテリアプランは換金性のあるプランとは認められないから、源泉徴収義務はないとした事例

  • 平成28年7月から同年12月まで及び平成29年5月から同年7月までの各月分の各納税告知処分
  • 平成29年1月から同年4月までの各月分の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和2年1月20日裁決

<ポイント>
本事例は、財形貯蓄補助金メニューが含まれていることをもって、換金性のあるカフェテリアプランであることにはならないとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、本件におけるカフェテリアプラン(本件プラン)には財形貯蓄補助金メニューが含まれており、本件プランは換金性のあるプランと認められ、本件プランにおける各経済的利益(本件各経済的利益)の全てが源泉所得税等の課税対象になるから、請求人の被合併法人であるA社には人間ドック等の補助に係る経済的利益について源泉徴収義務がある旨主張する。

しかしながら、本件プランにおいて、①各使用人が本件各経済的利益として受ける額は、各使用人の職務上の地位や報酬額に比例して異なるものではなく、福利厚生費として社会通念上著しく多額であるとは認められず、②当該財形貯蓄補助金メニューは、各使用人のうち一定の期間内に財形貯蓄をした使用人に対してその補助として金銭が支給されるものであり、何ら要件なく各使用人に付与されたポイントを金銭に換えることを内容とするものとは認められず、③当該財形貯蓄補助金メニュー以外の各メニューについても、一定の要件を充足しなければ補助等を受けられないものであり、自由に品物を選択できるとか、何ら要件なく金銭や商品券等の支給を受けることを選択できることを内容とするものではなく、残ポイントがある場合に当該残ポイントに相当する金銭が支給されるものでもない。

以上のことからすると、本件プランは、ポイントを現金に換えられるなど換金性のあるプランとは認められず、本件各経済的利益については、各使用人が選択した現に受ける補助等の内容に応じて、課税対象となるか判断することになる。

したがって、A社には当該人間ドック等の補助に係る経済的利益について源泉徴収義務はないと認められる。

★リンクはこちら ⇒ 人間ドック等の補助に係る経済的利益について、本件におけるカフェテリアプランは換金性のあるプランとは認められないから、源泉徴収義務はないとした事例

2020年11月6日


請求人が相続により取得した上場株式の譲渡所得に係る取得費は、当該株式の被相続人への名義書換日を取得時期とし、その時期の相場(終値)によって算定することも合理的な取得費の推定方法であると判断した事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分
  • 一部取消し
  • 令和元年11月28日裁決

<ポイント>
本件は、請求人が相続により取得した上場株式の譲渡所得の計算上、控除する取得費に算入する金額は、当該株式の被相続人への名義書換日を確認し、当該名義書換日の終値により算定することも合理性を有する取得価額の把握方法であると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が相続により取得した上場株式(本件株式)の取得費について、できる限りの調査を尽くしたものの、有償で取得した上場株式等はごく一部であり、大部分の上場株式等の実際の取得価額は判明しなかった旨主張する。

しかしながら、名義書換日が判明している株式については、当該名義書換日を取得時期とし、その時期の相場(終値)で取得価額を算定することも、明確かつ簡便な推定方法として合理的であると解されるから、本件株式の取得費は概算取得費によらず、総平均法に準ずる方法により算定すべきである。

★リンクはこちら ⇒ 請求人が相続により取得した上場株式の譲渡所得に係る取得費は、当該株式の被相続人への名義書換日を取得時期とし、その時期の相場(終値)によって算定することも合理的な取得費の推定方法であると判断した事例

2020年6月29日


新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金の所得税の取扱いについて(法令解釈通達)

標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。

なお、この通達による取扱いについては、個々の具体的事案に妥当する処理を図るよう努められたい。

(趣旨)
新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金について、所得税法施行令第30条((非課税とされる保険金、損害賠償金等))の規定により非課税所得とされる見舞金に該当するものの範囲を明らかにするものである。

(用語の意義)
1.この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

(1)新型コロナウイルス感染症
新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)附則第1条の2第1項((新型コロナウイルス感染症に関する特例))に規定する新型コロナウイルス感染症をいう。
(2)使用人等
役員(法人税法第2条第15号((定義))に規定する役員をいう。)又は使用人をいう。
(3)緊急事態宣言
新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項((新型インフルエンザ等緊急事態宣言等))に規定する新型インフルエンザ等緊急事態宣言をいう。
(4)給与等
所得税法第28条第1項((給与所得))に規定する給与等をいう。

(非課税とされる見舞金の範囲)
2.新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金のうち次に掲げる要件のいずれも満たすものは、所得税法施行令第30条の規定により非課税所得に該当することに留意する。

(1) その見舞金が心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるものであること
(2) その見舞金の支給額が社会通念上相当であること
(3) その見舞金が役務の対価たる性質を有していないこと

(注)緊急事態宣言が解除されてから相当期間を経過して支給の決定がされたものについては、非課税所得とされる見舞金に該当しない場合があることに留意する。

(心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの)
3.上記2(1)の「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの」とは、例えば次のような見舞金が含まれることに留意する。

(1) 使用人等又はこれらの親族が新型コロナウイルス感染症に感染したため支払を受けるもの
(2) 緊急事態宣言の下において事業の継続を求められる使用者の使用人等で次のイ及びロに該当する者が支払を受けるもの(当該緊急事態宣言がされた時から解除されるまでの間に業務に従事せざるを得なかったことに基因して支払を受けるものに限る。)
多数の者との接触を余儀なくされる業務など新型コロナウイルス感染症に感染する可能性が高い業務に従事している者
緊急事態宣言がされる前と比較して、相当程度心身に負担がかかっていると認められる者
(注) 事業の継続が求められる使用者に該当するかどうかの判定に当たっては、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(令和2年3月28日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)参照
(3) 使用人等又はこれらの親族が新型コロナウイルス感染症に感染するなどしてその所有する資産を廃棄せざるを得なかった場合に支払を受けるもの

(社会通念上相当の見舞金)
4.上記2(2)の「社会通念上相当」であるかどうかについては、次に掲げる事項を勘案して判断することに留意する。

(1) その見舞金の支給額が、使用人等ごとに新型コロナウイルス感染症に感染する可能性の程度や感染の事実(5において「感染の可能性の程度等」という。)に応じた金額となっており、そのことが使用者の慶弔規程等において明らかにされているかどうか。
(2) その見舞金の支給額が、上記(1)の慶弔規程等や過去の取扱いに照らして相当と認められるものであるかどうか。

(役務の対価たる性質を有していないこと)
5.例えば次のような見舞金は、上記2(3)の「役務の対価たる性質を有していない」ものには該当しないことに留意する。

(1) 本来受けるべき給与等の額を減額した上で、それに相当する額を支給するもの
(2) 感染の可能性の程度等にかかわらず使用人等に一律に支給するもの
(3) 感染の可能性の程度等が同じと認められる使用人等のうち特定の者にのみ支給するもの
(4) 支給額が通常の給与等の額の多寡に応じて決定されるもの

★リンクはこちら ⇒ 新型コロナウイルス感染症に関連して使用人等が使用者から支給を受ける見舞金の所得税の取扱いについて(法令解釈通達)

2020年6月17日


租税特別措置法施行令第25条の16第1項第2号所定の「当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された金額」は本件各土地の相続税の課税価格に算入された価格に基づく金額であるとした事例

  • 平成27年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分
  • 一部取消し
  • 令和元年7月5日裁決

<ポイント>
本事例は、租税特別措置法施行令第25条の16第1項第2号所定の「当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された金額」は本件各土地の自用地としての価額に借地権割合を乗じた金額ではなく、相続税の課税価格に算入された本件各土地の貸家建付地としての価額に借地権割合を乗じた金額となると判断したものである。

<要旨>
請求人は、各土地(本件各土地)に借地権を設定したのであるから、租税特別措置法施行令第25条の16第1項第2号所定の「譲渡をした資産」は、本件各土地の自用地としての価額に借地権割合を乗じた金額となるのであって、当該金額は、本件各土地の相続税評価額を上回ることとなることから、結局、「譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された価額」は、本件各土地の相続税評価額の全額となる旨主張する。

しかしながら、当該課税価格とはあくまで本件各土地に係る相続税の課税価格に算入された価格に基づく金額であって、本件の場合、「当該課税価格の計算の基礎に算入された価額」は貸家建付地評価額である。

また、本件においては、各借地権(本件各借地権)が本件各土地の全体に占める割合(本件割合)と本件土地の周辺地域の借地権割合とを併せ考慮すれば、本件各借地権の設定契約により譲渡したものとみなされる本件各借地権の設定に係る対価は、本件各土地の権利の本件割合相当分に当たるものと認められる。

したがって、「譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された価額」として本件各借地権が本件各土地の相続税の課税価格のうちに占める価額とは、本件各土地が相続税の課税価格の計算の基礎に算入された価額すなわち貸家建付地評価額に本件割合を乗じた価額となる。

ただし、譲渡費用の一部が計上漏れとなっていることが認められることから、本件更正処分の一部を取り消すことが相当である。

★リンクはこちら ⇒ 租税特別措置法施行令第25条の16第1項第2号所定の「当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された金額」は本件各土地の相続税の課税価格に算入された価格に基づく金額であるとした事例

2020年5月15日


労務の対価として相当と認められる金額は、請求人が必要経費に算入した青色事業専従者給与の金額ではなく、類似同業者の青色事業専従者給与額の平均額であるとした事例

  • 平成26年分及び平成28年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和元年9月6日裁決

<ポイント>
請求人が必要経費に算入した青色事業専従者給与の金額は、請求人の類似同業者に従事する青色事業専従者の給与の金額の平均額と比較すると、労務の対価として相当なものとは認められないため、請求人が必要経費に算入した青色事業専従者給与の金額のうちの労務の対価として相当と認められる金額に当たる類似同業者の青色事業専従者給与額の平均額を上回る部分は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないと判断したものである。

<要旨>
請求人は、青色事業専従者である配偶者(本件配偶者)に対して支払った給与の金額(本件青色専従者給与額)が、本件配偶者の労務の性質及びその提供の程度からすれば、労務の対価として相当と認められるもの(適正給与相当額)である旨主張する。

しかしながら、本件配偶者の適正給与相当額は、本件配偶者の労務の性質が、請求人の事業に従事する本件配偶者以外の使用人(本件使用人)とは異なる上、本件配偶者の労務の提供の程度が明らかでないことから、本件使用人の給与の金額と比較してその該当性を検討することは相当でなく、また、本件青色事業専従者給与額は、類似同業者の青色事業専従者(本件類似青色事業専従者)の給与の額の平均額と比較すると、適正給与相当額とは認められず、本件の適正給与相当額は本件類似青色事業専従者の給与の額の平均額と認められるから、本件青色専従者給与額のうち本件類似青色事業専従者の給与の額の平均額を上回る部分は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。

なお、一部取消しは、原処分庁が採用した本件類似青色事業専従者の抽出基準の一部が相当でなかったことから、その点を見直した結果である。

★リンクはこちら ⇒ 労務の対価として相当と認められる金額は、請求人が必要経費に算入した青色事業専従者給与の金額ではなく、類似同業者の青色事業専従者給与額の平均額であるとした事例

2020年5月11日


請求人らが賃貸の用に供していた土地の上に存する当該土地の賃借人所有の建物収去のための請求人らの支出は、客観的にみて、請求人らの不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものであったといえるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができるとした事例

  • 平成28年分所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 令和元年9月20日裁決

<ポイント>
本事例は、賃貸の用に供していた土地の上に存する当該土地の賃借人所有の建物収去のための請求人らの支出について、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できると判断したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人らが賃貸していた土地(本件土地)は、賃貸借契約により請求人らの事業の用に供されていない資産であるから、本件土地の上に存する本件土地賃借人所有の各建物(本件各建物)を収去するため請求人らが支出した費用(本件各建物収去費)は、所得税法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》第1項の家事上の経費に該当し、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張する。

しかしながら、請求人らは、一連の法的手続を執ることにより賃料を支払わない賃借人から本件土地の明渡しを受け、それと並行して新たな賃借人への貸付けに取り掛かり、また、この間、本件土地を賃貸業務以外の用途に転用したことをうかがわせる事情も認められないことからすれば、本件土地の貸付けに係る業務は、賃貸借契約終了後、本件各建物の収去に至るまで継続していたものと認められる。

加えて、請求人らは、本件土地から収益を得る業務を遂行するには、本件各建物を収去する必要があり、その費用について自らが負担することを想定して上記法的手続を遂行し、本件各建物収去費を支出したところ、実際にも、賃借人は無資力であり、当該支出の時点において、請求又は事後的に求償しても、およそ回収が見込めない状況にあったのであり、客観的にみても、本件各建物収去費は、請求人らにおいて、自ら負担するほかなかったものと認められる。

そうすると、本件各建物収去費の支出は、客観的にみて、請求人らの不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものであったといえるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができる。

★リンクはこちら ⇒ 請求人らが賃貸の用に供していた土地の上に存する当該土地の賃借人所有の建物収去のための請求人らの支出は、客観的にみて、請求人らの不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものであったといえるから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができるとした事例

2020年5月8日


外国法人の事業分割に伴う株式の交付が配当所得に該当するとした事例

  • 平成27年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和元年8月1日裁決

<ポイント>
本事例は、外国法人の事業分割に伴い日本の居住者に交付された株式について、当該事業分割は法人税法第2条第12号の9に規定する分割型分割によるものに当たらず、所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当に該当するとしたものである。

<要旨>
請求人は、自らが株式を保有していた米国法人が事業分割(本件事業分割)し、2社の独立した法人となったことにより、新たに事業を承継した法人の株式(本件株式)の交付を受けたことについて、当該米国法人の事業分割前の株価と事業分割後の米国法人2社の株価の合計額とがほぼ同等であり、当該分割の前後において、全体としての株式の価値の増減は見られないこと、本件事業分割について、米国の課税上、米国法人2社双方の株主が非課税扱いとされていたことからすれば、本件株式の交付により請求人は所得を得ておらず、我が国の所得税法第24条《配当所得》第1項に規定する剰余金の配当に該当しない旨主張する。

しかしながら、本件株式は、当該米国法人の株主としての地位を有する者に対し、当該米国法人の利益剰余金を原資として交付されたものと認められる。

また、米国における課税上の取扱いが我が国の課税上の取扱いに影響を及ぼすことはない。

加えて、本件事業分割は、我が国の会社法上の分割に相当する法的効果を具備するとはいえず、法人税法第2条《定義》第12号の9に規定する分割型分割には当たらないというべきであるから、本件株式の交付は所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当に該当する。

★リンクはこちら ⇒ 外国法人の事業分割に伴う株式の交付が配当所得に該当するとした事例

2020年4月27日


個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い

Q
私は、ドラッグストアで商品を購入する際に、同ストアが発行するポイントの付与を受けた。
このポイントは、次回以降の買い物の際に、1ポイント1円に換算して、決済代金の値引きや景品との交換などに使用できるものである。
その後、そのポイントを商品購入の際に使用したが、私が取得又は使用したポイントについて、所得税の確定申告は必要になるか?

A
原則として、確定申告をする必要はない。

<説明>
商品購入に対する通常の商取引における値引きを受けたことによる経済的利益については、原則として課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱っている。

一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて付与されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられるので、こうしたポイントの取得または使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱うこととしている。

(注)ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして臨時・偶発的に取得したポイントについては、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとは考えられないので、そのポイントを使用した場合には、その使用したポイント相当額を使用した日の属する年分の一時所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。

<参考>
ポイントの使用に関する課税関係は上記のとおりであるが、ポイントを使用して医薬品購入の決済代金の値引きを受けた場合など、所得控除の対象となる支出にポイントを使用したことが明らかな場合には、①ポイント使用後の支払金額を基に所得控除額を計算する方法、②ポイント使用前の支払金額を基に所得控除額を計算するとともに、ポイント使用相当額を一時所得の総収入金額として算入する方法のいずれかの方法により、所得金額及び所得控除額を計算すること。

個人事業者の方が企業発行ポイントを取得または使用した場合の取扱いについては、次の資料を確認のこと。
・企業発行ポイントの使用に係る経理処理
・共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例
・事業者が商品購入時にポイントを使用した場合の消費税の仕入税額控除の考え方

★タックスアンサー No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱いはこちら ⇒ タックスアンサー No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い

★企業発行ポイントの使用に係る経理処理はこちら ⇒ 企業発行ポイントの使用に係る経理処理

★共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例はこちら ⇒ 共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例

★タックスアンサー No.6480 事業者が商品購入時にポイントを使用した場合の消費税の仕入税額控除の考え方はこちら ⇒ タックスアンサー No.6480 事業者が商品購入時にポイントを使用した場合の消費税の仕入税額控除の考え方

2020年3月31日


請求人主張の推計方法が認められず、原処分庁が採用した推計方法は、一応の合理性があるとした事例

  • 平成22年分から平成24年分の所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分、平成25年分から平成28年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分、平成22年1月1日から平成28年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税(過少申告加算税は、平成24年1月1日から平成25年12月31日まで及び平成27年1月1日から平成28年12月31日までの各課税期間に係るもの)及び重加算税の各賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 平成31年4月24日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が採用した推計方法について、請求人が自身の主張する推計方法の方が真実の所得金額に近似するとの主張をしたものの認められず、原処分庁の推計方法は、一応の合理性を有するものと認めたものである。

<要旨>
請求人は、昼営業に係る注文伝票1枚当たりの単価(昼営業伝票単価)に注文伝票の購入枚数から客の注文等を記載する以外に使用した注文伝票の枚数(伝票ロス分)を控除した枚数を乗じて売上金額を算出するという原処分庁が採用した推計方法には合理性がない旨主張する。

しかしながら、①昼営業伝票単価を推計の基礎数値に用いることは、請求人の事業専従者が主に昼営業の売上げを計上しないものとして昼営業に係る注文伝票の一部をレジ入力せず破棄していたこと及び昼営業に係る来客者数が夜営業に係る来客者数を上回る請求人の事業の実態を反映するものであること、②昼営業伝票単価及び注文伝票の購入枚数は、いずれも当該事業における正常な業務の遂行のために作成された資料から正確に把握されること、③請求人の客への飲食物の提供方法である店内飲食、持帰り及び弁当販売の3つの形態のいずれについても必ず注文伝票が作成されており、注文伝票の使用枚数と売上金額とは高い相関関係があると認められること等から、原処分庁が採用した推計方法は、一応の合理性を有する。

また、請求人は、原処分庁が採用した推計方法よりも、おしぼりのレンタル本数及び弁当箱の購入個数から客に提供する以外の用途に使用する数量を控除した数量に、客単価を乗じて売上金額を算出するという推計方法の方が真実の所得金額に近似する旨主張する。

しかしながら、①請求人の主張する推計方法は、夜営業に係る来客者数よりも昼営業に係る来客者数の方が多いという請求人の事業の実態を反映するものではなく、②おしぼりのレンタル本数及び弁当箱の購入数量について、客に提供する以外の用途に使用する数量を認定するに足る具体的な証拠はなく見積りにより算出していることに加え、おしぼりの調理使用分について使用方法が変更されていることからすると、数値の正確性・連続性に欠けるおしぼりのレンタル本数及び弁当箱の購入数量を推計の基礎とすることはできないから、請求人の主張する推計方法の方が真実の所得金額に近似するということはできない。

なお、審判所の伝票ロス分の認定等に伴い、原処分の一部を取り消した。

★リンクはこちら ⇒ 請求人主張の推計方法が認められず、原処分庁が採用した推計方法は、一応の合理性があるとした事例

2020年3月18日


サンゴ漁に係る所得が平均課税の対象となる変動所得に当たるとした事例

  • 平成26年分及び平成27年分の所得税及び復興特別所得税の更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 全部取消し
  • 令和元年5月28日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人の営むサンゴ漁に係る所得は「漁獲から生ずる所得」として変動所得に該当するとしたものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人が営むサンゴ漁について、①宝石サンゴは自ら移動せず水産植物と同様の生態であることや採取された宝石サンゴのほとんどは死滅した枯れ木であることなどから、所得税基本通達2-30《漁獲の意義》に定める「水産動物を捕獲すること」に当たらず、また、②宝石サンゴは他の水産動物とは異なり、天候等の自然現象によって漁獲高が変動しないことを理由に、所得税法第2条《定義》第1項第23号に規定する「漁獲」には該当せず、請求人が営むサンゴ漁に係る所得は変動所得に該当しない旨主張する。

しかしながら、平均課税制度の趣旨や変動所得に係る規定の改正経緯に照らすと、同号に規定する「漁獲」とは、水産物の捕獲又は採取を意味し海草等の水産植物の採取や養殖(水産養殖)はこれに含まれないと解されるところ、宝石サンゴは海中から採れる水産物(生物学上は動物に分類される。)であり、サンゴ漁は水産動物の捕獲又は採取にほかならないから同号に規定する「漁獲」に該当する。

したがって、請求人の営むサンゴ漁に係る所得は、「漁獲から生ずる所得」として変動所得に該当するというべきである。

★リンクはこちら ⇒ サンゴ漁に係る所得が平均課税の対象となる変動所得に当たるとした事例

2020年3月16日


~振替納税をご利用の方へ~口座からの振替日が、申告所得税は5月15日(金)、個人事業者の消費税は5月19日(火)になります

申告所得税及び個人事業者の消費税の振替納税をご利用の方の振替納付日については、申告期限・納付期限が令和2年4月16日(木)に延長されたことに伴い延長することとしていたが、申告所得税は5月15日(金)、個人事業者の消費税は5月19日(火)となった。

1.令和元年分申告所得税及び復興特別所得税

納期等の区分 納期限(延長後) 振替納付日(延長後)
確定申告 令和2年4月16日(木) 令和2年5月15日(金)

2.令和元年分消費税及び地方消費税(個人事業者)

納期等の区分 納期限(延長後) 振替納付日(延長後)
確定申告 令和2年4月16日(木) 令和2年5月19日(火)

※振替納税を初めて利用される方は、令和2年4月16日(木)までに所轄税務署または口座振替を利用する金融機関へ「預貯金口座振替依頼書」を提出していただく必要がある。
なお、振替納税による口座引落しができなかった場合は、令和2年4月17日(金)から延滞税がかかることになる。

3.令和元年分消費税及び地方消費税(個人事業者)の課税期間の3月特例適用分

納期等の区分 納期限(延長後) 振替納付日(延長後)
令和元年10月1日から
令和元年12月31日
令和2年4月16日(木)
令和2年5月19日(火)

4.令和元年分消費税及び地方消費税(個人事業者)の課税期間の1月特例適用分

納期等の区分 納期限(延長後) 振替納付日(延長後)
令和元年12月1日から
令和元年12月31日
令和2年4月16日(木) 令和2年5月19日(火)

5.令和2年分消費税及び地方消費税(個人事業者)の課税期間の1月特例適用分

納期等の区分 納期限(延長後) 振替納付日(延長後)
令和2年1月1日から
令和2年1月31日
令和2年4月16日(木) 令和2年5月19日(火)

(参考)
申告所得税の延納をご利用の場合、延納分の納期限及び振替日は令和2年6月1日(月)であり、変更はない。

★リンクはこちら ⇒ ~振替納税をご利用の方へ~口座からの振替日が、申告所得税は5月15日(金)、個人事業者の消費税は5月19日(火)になります

2020年3月13日


漢方薬等の購入費用が医療費控除の対象となる医療費に該当しないとした事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 令和元年5月22日裁決

<ポイント>
本事例は、4種の漢方薬等がいずれも「治療又は療養に必要な医薬品」に該当せず、その購入費用は医療費控除の対象となる医療費に該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人は、購入した4種の漢方薬等(本件漢方等)は、親族が治療に用いたものとして、いずれも所得税法第73条《医療費控除》第2項及び所得税法施行令第207条《医療費の範囲》第2号に規定する「治療又は療養に必要な医薬品」に該当し、その購入費用は、医療費控除の対象となる医療費に該当する旨主張する。

しかしながら、これらの規定に規定する「医薬品」は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第2条《定義》第1項に規定する医薬品をいうものと解するのが相当であるところ、本件漢方等のうちの2種の製品については、製薬会社が健康補助食品として製造販売し、その使用目的が食用に限定されたものであること等からすると、同項に規定する「医薬品」に該当しない。

また、その他の2種の製品(本件医薬品)については、薬機法第2条第1項に規定する「医薬品」に該当するものの、虚弱体質や肉体疲労の場合などの滋養強壮を効能効果として、疲労回復や健康維持のために用いられ、医師の処方せんがなくても薬局等で購入可能なものであるところ、請求人提出資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、本件医薬品は、請求人の親族の「治療又は療養に必要な医薬品」でなかったというべきである。

したがって、本件漢方等は、いずれも所得税法第73条第2項及び所得税法施行令第207条第2号に規定する「治療又は療養に必要な医薬品」に該当せず、本件漢方等の購入費用は医療費控除の対象となる医療費に該当しない。

★リンクはこちら ⇒ 漢方薬等の購入費用が医療費控除の対象となる医療費に該当しないとした事例

2020年3月11日


期限延長の対象となる主な手続について

今般、政府の方針を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限について、令和2年4月16日(木)まで延長することとされた。

これに伴い、申告所得税及び個人の消費税の振替納税を利用されている方の振替日についても、延長することとされている。

期限延長の対象となる主な手続についても、公表した。

申告・納付等の期限を延長する主な手続は次のとおり。

★リンクはこちら ⇒ 期限延長の対象となる主な手続について

2020年3月10日


社債と題する書面の額面金額と発行価額との差益は貸付金利息であると認められ、期間の経過により直ちに利息債権が発生し収入の原因となる権利が確定するものとした事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 一部取消し
  • 令和元年5月30日裁決

<ポイント>
本事例は、社債と題する書面の額面金額と発行価額との差益が貸付金利息であると認められ、期間の経過により直ちに利息債権が発生し収入の原因となる権利が確定するものと解されるから、当該差益のその年に対応するものについては、その年分の雑所得に係る総収入金額に算入すべきであるとしたものである。

<要旨>
請求人は、医療法人から発行を受けた社債と題する書面(本件債券)の額面金額と発行価額との差益(本件差益)について、本件債券の契約によると本件債券の償還日までは本件差益の支払を請求することができないから、本件差益の収入すべき時期は、本件債券の償還日である旨主張する。

しかしながら、本件債券の契約は、請求人と当該医療法人との間における当該償還日を弁済期として、請求人が払い込んだ金員(本件払込金)を貸し付けた契約(本件契約)であり、本件差益は、当該医療法人が本件契約成立時から弁済期までの間、本件払込金を使用することの対価、すなわち利息であると認められる。

そして、貸付金利息は、元本利用の対価であって元本が返還されるまで日々発生するものであるから、特段の事情のない限り、現実の支払の有無を問わず、期間の経過により直ちに利息債権が発生し収入の原因となる権利が確定するものと解される。

そうすると、本件差益のその年の1月1日から12月31日までの期間に対応する部分については、その年分の雑所得に係る総収入金額に算入すべきである。

なお、本件利息の計算に当たって、原処分庁は、一定の年複利率を用いて算出していないため、これにより当該総収入金額に算入すべき金額を計算すべきである。

★リンクはこちら ⇒ 社債と題する書面の額面金額と発行価額との差益は貸付金利息であると認められ、期間の経過により直ちに利息債権が発生し収入の原因となる権利が確定するものとした事例

2020年3月4日


申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の延長について

現在、全国の税務署においては、納税者の方が円滑かつ正確に申告書を作成していただけるよう、確定申告相談会場を開設し、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告相談に応じている。

今般、政府の方針を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限(※)について、令和2年4月16日(木)まで延長することとした。

これに伴い、申告所得税及び個人の消費税の振替納税をご利用されている方の振替日についても、延長することとしている。

(※)申告期限・納付期限

申告所得税 令和2年2月17日(月)~令和2年3月16日(月)
個人事業者の消費税 令和2年1月6日(月)~令和2年3月 31日(火)
贈与税 令和2年2月3日(月)~令和2年3月16日(月)

なお、マイナンバーカードやお近くの税務署で発行する ID・パスワードがあれば、確定申告会場に出向くことなく、ご自宅等からスマホやパソコンなどでインターネットにより申告(e-Tax)していただくことが可能である。

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で、必要な事項を入力して、e-Taxで申告いただければ、医療費の領収書や寄附金の受領証などの書類を提出していただく必要がなく、大変便利である。

また、令和元年分の還付申告については、5年間申告することが可能であり、令和6年12月31日まで申告することが可能である。

(還付申告の例)
・ 給与所得者や公的年金受給者で、医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税等)・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)により還付を受けられる方等

詳細については、国税庁ホームページをご覧のこと。

★リンクはこちら ⇒ 申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の延長について

2020年2月28


2020年2月24日(月)及び3月1日(日)に確定申告の相談を行う税務署の一覧

令和元年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付は、2020年2月17日(月)から3月16日(月)までである。

税務署の閉庁日(土・日曜・祝日等)は相談及び申告の受付は行っていないが、一部の税務署(確定申告会場)においては、2020年2月24日(月)及び3月1日(日)に限り、日曜日・祝日等でも確定申告の相談及び申告の受付を行っている。

★リンクはこちら ⇒ 2月24日(月)及び3月1日(日)に確定申告の相談を行う税務署の一覧

2020年2月18日


審査請求人が国内に恒久的施設を有しない非居住者期間に国内の金融商品取引業者との間で行った店頭外国為替証拠金取引に係る所得は国内源泉所得に該当するとした事例

  • 平成25年分及び平成26年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 平成27年分の所得税及び復興特別所得税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成31年3月25日裁決

<ポイント>
本事例は、審査請求人の店頭外国為替証拠金取引における未決済取引に係る契約上の地位は、所得税法第161条第1号に規定する資産に該当し、当該取引により請求人に生じた所得は、同号にいう資産の運用、保有により生じた所得として、国内源泉所得に該当するとしたものである。

<要旨>
所得税法第161条《国内源泉所得》第1号(本件規定)にいう「資産」とは、「運用、保有若しくは譲渡」による所得を生じさせ得る財産権をいうものと解され、経済的価値を有する契約上の権利や地位などを広く含む概念と解するのが相当であるところ、非居住者期間中に請求人が行った店頭外国為替証拠金取引(本件FX取引)における未決済取引に係る契約上の地位は、差金決済を行うことにより利益又は損失を生じさせ得る財産権として本件規定にいう資産に該当する。

そして、本件規定にいう資産の運用、保有により生ずる所得とは、資産の譲渡による所得以外の所得で、資産の運用又は保有に該当する行為によって生じた所得を広く含むと解するのが相当であるところ、本件FX取引に係る差金決済等に係る所得は、請求人が上記の契約上の地位に係る権利を行使又は保有することにより生じたものであって、これを他に移転したことにより生じたものではないから、本件規定にいう資産の運用、保有により生ずる所得に該当する。

なお、請求人は、本件FX取引のうち、請求人が居住者であった期間に決済された取引については、租税特別措置法第41条の14《先物取引に係る雑所得等の課税の特例》第1項の規定が適用されるべきである旨主張するが、同項にいう金融商品先物取引等の決済とは、差金の授受によってされる行為をいうところ、上記の取引についての決済が行われたのは請求人が国内に恒久的施設を有しない非居住者となった後であるから、当該取引は同項が規定する要件を満たさない。

また、請求人は、「資産の運用、又は保有」に該当する事実についての原処分庁の理由の差替えは請求人に格別の不利益を与えるものとして許されない旨主張するが、本件各更正処分に係る各通知書に記載された理由と本審査請求における原処分庁の主張は、前提となる事実関係を異にするものではなく、その結論に至るまでの考え方を異にするものにすぎず、行政手続法第14条《不利益処分の理由の開示》に規定する制度を全く無意義ならしめ、又はこれを認めることが納税者の正当な利益を害するような特段の事情があるとはいえないから、原処分庁の主張が理由の差替えに当たるとしてもそれが許されないものとはいえない。

 ★リンクはこちら ⇒ 審査請求人が国内に恒久的施設を有しない非居住者期間に国内の金融商品取引業者との間で行った店頭外国為替証拠金取引に係る所得は国内源泉所得に該当するとした事例

2020年1月16日


更正請求期限後においては、更正請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないとした事例

  • 平成23年分の所得税並びに平成23年課税期間の消費税及び地方消費税の各更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の各通知処分
  • 棄却
  • 平成31年3月28日裁決

<ポイント>
本事例は、更正の請求に対する通知処分の取消しを求める審査請求において、更正の請求期限である5年を経過した後に、更正請求書に記載しなかった事由を違法事由として新たに主張できないとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁の実地調査に基づき期限後申告した平成23年分の売上げのうちの特定のものについて、金額誤りや収入計上時期に誤りがあり同年分の収入金額が過大であるから更正の請求(本件更正の請求)は認められるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が主張する上記金額誤りや収入計上時期に誤りがあるとは認められない。

また、請求人は、本件更正の請求において更正の請求事由としなかった上記特定の売上げ以外の他の収入についても収入金額が過大である旨を本審査請求において主張する。
しかしながら、当該主張は、更正請求時には主張していなかった事由を審査請求において新たに主張するものであるところ、更正の請求が、法定申告期限から5年以内の請求期限を設け、その理由等を記載した更正請求書を課税庁に提出することを求めていることに鑑みれば、租税法律関係の早期安定及び税務行政の能率的な運営等を図る趣旨から、少なくとも更正請求期限を経過した後においては、更正請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないと解すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 更正請求期限後においては、更正請求書に記載しなかった事由を通知処分の違法事由として新たに主張することは許されないとした事例

2020年1月14日


令和元年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日等

<申告所得税及び復興特別所得税>
[令和元年分]

納期等の区分 法定納期限 振替日
予定納税第1期 令和元年7月31日(水) 令和元年7月31日(水)
予定納税第2期 令和元年12月2日(月) 令和元年12月2日(月)
確定申告 令和2年3月16日(月) 令和2年4月21日(火)
確定申告延納 令和2年6月1日(月) 令和2年6月1日(月)

<消費税及び地方消費税>
・個人事業者
[令和元年分]

納期等の区分 法定納期限 振替日
確定申告(原則) 令和2年3月31日(火) 令和2年4月23日(木)

・法人事業者
確定申告分:課税期間終了日の翌日から2月以内
中間申告分・課税期間の特例適用のある方については、税務署へお尋ねのこと。

<法人税>
確定申告分:事業年度終了日の翌日から2月以内
中間申告分については、税務署へお尋ねのこと。

<源泉所得税及び復興特別所得税>
・納期の特例の承認を受けていない場合
源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日
・納期の特例の承認を受けている場合(給与等特定の所得に限る。)
1月から6月までの支払分: 7月10日
7月から12月までの支払分:翌年1月20日

<相続税>
確定申告分:相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内

<贈与税>
確定申告分:翌年3月15日

<備考>
上記納期限が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となる。

 ★リンクはこちら ⇒ 令和元年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日

2019年12月26日


請求人が証券会社から受領した金員の所得税法上の所得区分は雑所得に該当し、また、請求人が支出した寄附金について税額控除規定と所得控除規定との部分的な選択適用は認められないとした事例

  • 平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分
  • 棄却
  • 平成30年10月1日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が証券会社から受領した金員は役務の対価としての性質を有するから、その所得税法上の所得区分は一時所得ではなく雑所得に該当し、また、請求人が支出した公益社団法人等に対する寄附金については、その一部を税額控除の対象とし、その一部を所得控除の対象とすることはできないとしたものである。

<要旨>
請求人は、証券会社から受領した金員(証券会社が国債の購入者に現金を提供するというキャンペーン(本件キャンペーン)の景品として提供したもの。本件収入)について、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものとして、一時所得に該当する旨主張する。

しかしながら、本件収入は、偶発的に発生したものではなく、請求人が一定期間内に個人向け国債を証券会社から購入し、その後、当該証券会社の口座を一定期間維持するなど、本件キャンペーンが適用される所定の要件が満たされた結果、請求人に交付されたものであるから、役務の対価としての性質を有するものと認められ、所得税法第34条《一時所得》第1項に規定する「労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの」には該当せず、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得のいずれにも該当しないものとして、雑所得に該当する。

また、請求人は、租税特別措置法第41条の18の3《公益社団法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除》第1項の規定(本件税額控除規定)は、所得税法第78条《寄附金控除》第1項の規定(本件寄附金控除規定)の適用を受けるものを除いたものをその対象としていることから、請求人が支出した寄附金のうち、本件寄附金控除規定の適用を受ける寄附金は本件税額控除規定に規定する税額控除対象寄附金には当たらない旨主張する。

しかしながら、個人がある年中に支出した本件税額控除規定第1号及び第2号の規定に該当する特定寄附金のうちから任意のものについて本件寄附金控除規定を適用し、その他の寄附金に本件税額控除規定を適用することはできないというべきであるところ、請求人は、その支出した一方の寄附金について本件税額控除規定を適用したものの他方については本件寄附金控除規定を適用し、租税特別措置法第41条の18の3第2項に規定する申告手続が行われていない。

したがって、本件税額控除規定の適用を受けることはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が証券会社から受領した金員の所得税法上の所得区分は雑所得に該当し、また、請求人が支出した寄附金について税額控除規定と所得控除規定との部分的な選択適用は認められないとした事例

2019年12月4日


原処分庁による推計計算の過程で、その採用した類似同業者の抽出基準に該当しない者が類似同業者として選定されていたため、更正処分の一部を取り消した事例

  • ①平成24年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分
  • ②平成25年分ないし平成27年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成24年課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに無申告加算税の賦課決定処分
  • ④平成25年課税期間の消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • ⑤平成26年課税期間の消費税及び地方消費税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分(再調査決定によりいずれもその一部が取り消された後のもの)
  • ⑥平成27年課税期間の消費税及び地方消費税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分
  • 平成26年分の所得税及び特別復興所得税の更正処分は一部取消し、その他は棄却
  • 平成30年12月13日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が請求人の所得金額を推計計算する過程で採用した類似同業者抽出基準は、業種、業態の類似性、事業規模の近似性等の各点で合理性を有しており、その平均所得率を算定する資料の正確性も担保され、類似同業者抽出件数も同業者の個別性を平均化するに足りるものであるから、原処分庁による推計には一応の合理性があると認められるものの、その選定した類似同業者のうちに上記の類似同業者抽出基準に該当しない者が含まれていたたことから、これを除いたところで所得率の平均値を算定し、当該平均所得率をもって請求人の所得金額を算定するのが相当であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁による税務調査に可能な限り対応しており、また、必要経費に係る集計表及び領収書により必要経費の額を算定することもできるから、本件に推計の必要性はなかった旨、また、原処分庁による推計は、請求人と業態の異なる者を類似同業者とした点で合理性を欠く旨、さらに、調査の際に帳簿の提示を拒否した事実はなく、帳簿を保存していたのであるから、消費税については仕入税額控除の規定が適用されるべきである旨主張する。

しかしながら、本件における調査の経緯からすれば、原処分庁は、請求人の帳簿不提示により、その事業所得の金額を実額で算定することができす、また、請求人の提示した集計表に信用性を認めることはできないから、本件には推計の必要性があったと認めるのが相当である。また、原処分庁がその推計の際に採用した類似同業者抽出基準は、業種、業態の類似性、事業規模の近似性等の各点で合理性を有しており、平均所得率を算定する資料の正確性も担保され、類似同業者抽出件数も同業者の個別性を平均化するに足りるものであるから、原処分庁による推計には一応の合理性があると認められる。

ただし、原処分庁が類似同業者として選定した者のうちに所定の抽出基準に該当しない者が含まれていたため、これを除いた所得率の平均値をもって請求人の所得金額を算定するのが相当である。

さらに、本件における調査の経緯からすると、請求人は適時に提示することが可能なように態勢を整えて帳簿及び請求書等を保存していたものということはできないから、請求人は、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第1項に規定する仕入税額控除の適用を受けることはできない。

 ★リンクはこちら ⇒ 原処分庁による推計計算の過程で、その採用した類似同業者の抽出基準に該当しない者が類似同業者として選定されていたため、更正処分の一部を取り消した事例

2019年11月29日


不動産所得(駐車場の賃料)の帰属について、使用貸借契約等が有効に成立したとは認められず、その収益は貸主名義にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとした事例

  • ①平成26年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分
  • ②平成26年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年10月3日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人と子らとの間の使用貸借契約等が請求人の意思に基づいて成立したものとは認められず、その収益は貸主名義(子らの名義)にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとしたものである。

<要旨>
請求人は、請求人が所有し、駐車場(本件各駐車場)として賃貸していた土地(本件各土地)について、請求人とその子らとの間において締結した本件各土地を使用貸借する旨の契約(本件各使用貸借契約)及び本件各土地上のアスファルト舗装等を贈与する旨の契約(本件各贈与契約)により、本件各土地の賃貸人としての地位が請求人からその子らにそれぞれ移転したから、本件各駐車場に係る所得は請求人の子らに帰属する旨主張する。

しかしながら、本件各使用貸借契約及び本件各贈与契約に係る各契約書(本件各契約書)には、請求人の意思に基づく署名・押印があるものの、①本件各使用貸借契約及び本件各贈与契約については、本件各土地の所有権を請求人に留保したまま、その使用収益権原のみを相応の対価を発生させることなく請求人の子らに移転する方法として採られたものと認められること、②請求人は、原処分調査において、本件各契約書については一貫して知らない旨申述しており、本件各契約書の作成事実を認識していなかったと認められること、③本件各土地を巡る一連の取引は、請求人の子から相続対策の相談を受けていた税理士法人が企図し、本件各契約書の書式も当該税理士法人が作成したものと認められること等からすると、請求人は、本件各契約書の内容を確認することがなかったため、その内容を全く認識していなかった可能性が高い。

そうすると、本件各契約書に請求人の意思に基づく署名・押印があるとしても、本件各契約書の内容自体が請求人の意思に基づくものとの推定は働かないから、本件各使用貸借契約及び本件各贈与契約が請求人の意思に基づいて成立したものとは認められない。

したがって、本件各駐車場に係る所得は、その貸主名義にかかわらず、いずれも本件各土地の所有者である請求人に帰属するというべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 不動産所得(駐車場の賃料)の帰属について、使用貸借契約等が有効に成立したとは認められず、その収益は貸主名義にかかわらず、土地の所有者である請求人に帰属するとした事例

2019年11月27日


住宅借入金等特別控除制度の適用に関し、その対象とされた住宅の取得は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第41条《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》第5項に規定する特定取得には当たらないとした事例

  • 平成27年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年7月5日裁決

<ポイント>
本件は、審査請求人がその居住用家屋の取得の際に支払った仲介手数料は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第41条《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》第5項に規定する「住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額」には当たらないから、当該家屋の取得は同項に規定する特定取得には該当しないとしたものである。

<要旨>
請求人は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)(措置法)第41条《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》第5項に規定する「住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額」には定義規定は置かれておらず、請求人が既存住宅(本件住宅)の取得(本件取得)の際に支払った仲介手数料(本件仲介手数料)は同項に規定する住宅の取得等に係る費用の額に含まれるところ、本件仲介手数料には新消費税率による消費税等の額が含まれているから、本件取得は同項に規定する特定取得に該当する旨主張する。

しかしながら、同項に規定する「住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額」とは、居住用家屋の新築又は既存住宅の取得に係る対価の額又は増改築等に係る費用の額をいうと解するべきであるから、請求人の主張は採用できない。

そして、請求人は、本件住宅を消費税等の負担なく取得したのであるから、本件取得は、同項に規定する特定取得には該当せず、このことは、本件仲介手数料に含まれる消費税等の額の合計額が新消費税率により課されるべき消費税等の額に相当する税額であるか否かによって左右されない。

 ★リンクはこちら ⇒ 住宅借入金等特別控除制度の適用に関し、その対象とされた住宅の取得は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第41条《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》第5項に規定する特定取得には当たらないとした事例

2019年7月31日


原処分庁が選定した類似同業者の中に選定基準に該当しない事業者が含まれていたと認定した事例

  • ①平成25年分及び平成26年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分 ⇒一部取消し
  • ②平成25年分の所得税及び復興特別所得税の過少申告加算税の賦課決定処分 ⇒全部取消し
  • ③平成27年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分 ⇒全部取消し
  • ④平成25年1月1日から平成25年12月31日まで及び平成26年1月1日から平成26年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分 ⇒棄却
  • ⑤平成27年1月1日から平成27年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分 ⇒棄却
  • 平成30年4月19日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が請求人の事業所得の金額等を同業者比率方式に基づき推計により算定したものの、採用した同業者の中に抽出基準に該当しない者が含まれていたことから、原処分庁が採用した同業者の一部を採用せず、所得の金額の一部を取り消したものである。

<要旨>
請求人は、帳簿書類等を提示しなかったのは調査環境を整えようとしなかった原処分庁所属の調査担当職員(本件調査担当職員)に責任があること等から、事業所得の金額の計算上、推計の必要性及び合理性は認められない旨主張する。

しかしながら、本件調査担当職員は、請求人に対し、少なくとも3回にわたって、帳簿書類等の提示又は提示の意思確認をしたものの、請求人はいずれの求めに対しても、調査理由を説明しないことなどを理由に、帳簿書類等を提示しなかったのであり、これらの事実によれば、原処分庁は、やむを得ず、推計の方法により請求人の所得金額を算出したことが認められることから、請求人の事業所得の金額の計算上、推計の必要性があったものと認められる。

また、原処分庁は、請求人の所得金額を同業者比率方式により算定し、採用した同業者(本件同業者)の抽出基準及び抽出方法自体は、一応の合理性を有するものと認められる。

ただし、本件同業者の中に抽出基準に該当しない者が含まれていたことから、これらの者を本件同業者から除外した後の同業者を、推計課税に用いるべき同業者とした結果、所得税等の更正処分が一部取消しとなった。

 ★リンクはこちら ⇒ 原処分庁が選定した類似同業者の中に選定基準に該当しない事業者が含まれていたと認定した事例

2019年6月27日


推計による所得税等の課税処分について、原処分庁による推計にその必要性が認められるとした事例

  • ①平成25年分の所得税及び復興特別所得税の決定処分並びに無申告加算税の賦課決定処分
  • ②平成26年分及び平成27年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • ③平成23年1月1日から平成23年12月31日まで、平成26年1月1日から平成26年12月31日まで及び平成27年1月1日から平成27年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各決定処分並びに無申告加算税の各賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年6月8日裁決

<ポイント>
本事例は、原処分庁が推計により請求人の所得金額等を算定して課税したところ、原処分庁による推計にはその必要性が認められるほか、その推計方法、総収入金額の正確性、類似同業者の抽出方法の各点においてその合理性が認められるとしたものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁による推計にその必要性がない旨主張するが、調査経緯に関する事実によれば、原処分庁としては請求人の所得金額を実額により計算することは不可能又は著しく困難というべきであり、請求人の所得を推計により算定する必要性があると認められる。

なお、原処分庁による推計は、その推計方法、総収入金額の正確性、類似同業者の抽出方法の各点においてその合理性が認められる。

また、請求人は、請求人の一部の取引先(本件取引先)との間の取引は出来高払の取引であるから、原処分庁が当該取引を請負であるとしてその取引額(収入金額)を認定したことは誤りである旨主張する。

しかしながら、本件取引先から請求人が請け負った工事(本件請負工事)は、受注した工事現場ごとに契約金額が決められており、毎月分の出来高に応じて支払がされているもののこれは飽くまで内金としての支払にすぎないから、その対価を収入に計上すべき時期は、目的物の全部を完成して相手方に引渡した日又はその約した役務の提供を完了した日となる。

したがって、原処分庁が認定した総収入金額にも誤りはない。

 ★リンクはこちら ⇒ 推計による所得税等の課税処分について、原処分庁による推計にその必要性が認められるとした事例

2019年6月25日


請求人の取締役が請求人から不正に取得した金員は、請求人が当該取締役に支給した給与等には該当しないとした事例

  • 平成21年12月、平成23年11月、平成23年12月、平成24年3月、平成24年8月から平成24年10月まで及び平成24年12月の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び重加算税の各賦課決定処分
  • 平成25年12月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の納税告知処分
  • 平成25年3月から平成25年8月まで、平成25年11月、平成26年1月から平成27年10月まで、平成27年12月、平成28年2月及び平成28年3月の各月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに重加算税の各賦課決定処分
  • 全部取消し
  • 平成30年5月7日裁決

<ポイント>
本事例は、代表者以外の役員が横領により法人の金員を不正に取得した場合に、当該役員が法人経営の実権を掌握し法人を実質的に支配していたとは認められないから、当該金員は当該役員に対する給与等には該当しないとして、源泉所得税等の納税告知処分等を取り消したものである。

<要旨>
原処分庁は、請求人の取締役(本件役員)が請求人から不正に取得した金員(本件金員)について、①本件役員は請求人の業務において影響力を有していたと認められること及び②経理業務の重要な部分を任されていたと認められることからすると、その地位に基づいて支給されたのであるから、所得税法第28条《給与所得》第1項に規定する給与等に該当する旨主張する。

しかしながら、①本件役員は、法律上請求人の業務執行等を決定する地位にあったとは認められず、事実上もそのような地位にあったことを認めるに足りる証拠はないのであって、本件役員が請求人の業務において影響力を有していたとは認められない。
また、②本件役員の職務内容についての申述などからは、本件役員が経理業務の重要な部分を任されていたとは認められない。

したがって、本件役員が、請求人の経営の実権を掌握し、請求人を実質的に支配していたとは認められないから、本件役員がその地位及び権限に基づいて請求人から本件金員を得たものとは認められず、本件金員は、請求人が本件役員に支給した給与等には該当しない。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人の取締役が請求人から不正に取得した金員は、請求人が当該取締役に支給した給与等には該当しないとした事例

2019年6月24日


原処分庁が請求人に帰属すると認定した所得のうちの一部について、請求人に帰属するとは認められないとした事例

  • ①平成21年分の所得税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分 ⇒全部取消し
  • ②平成22年分の所得税の更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分 ⇒一部取消し
  • ③平成24年分ないし平成27年分の所得税等の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分 ⇒更正処分は一部取消し及び重加算税の各賦課決定処分は全部取消し、その他は棄却
  • 平成30年5月14日裁決

<ポイント>
本事例は、所得の帰属、重加算税賦課要件の充足性及び更正の期間制限に関する「偽りその他不正の行為」の有無が争点となったものであるが、原処分庁が請求人に帰属すると認定した所得のうちの一部について、名義人に帰属するとの判断がされたため、これに伴い、原処分の一部又は全部を取り消したものである。

<要旨>
請求人は、原処分庁が請求人に帰属すると認定した①請求人が代表権を有する法人から請求人の家族に支給された給与(本件各金員)、②請求人の元妻名義の不動産の賃貸料(本件賃貸料)及び③同妻に支給された個人年金(本件年金)は、いずれもその名義人に帰属する旨主張する。

このうち、本件各金員については、請求人の家族に役務提供等をした事実はなく、また、本件各金員が請求人において開設し、管理していた当該家族名義の預金口座に振り込まれていたことなどからすると、いずれも請求人に帰属すると認められる。

しかし、本件賃貸料については、対象不動産の名義人及び賃貸借契約の貸主名義人はいずれも請求人の元妻であり、当該不動産の取得資金も当該妻の借入れにより賄われていたこと、また、本件年金については、その契約名義人及び受取人がいずれも当該妻であることからすると、これらについては、いずれも請求人の元妻に帰属すると認めるのが相当である。

なお、原処分庁は、請求人が本件賃貸料及び本件年金を元妻の所得であるかのように事実を仮装し、あるいは偽りその他不正の行為により税額の一部を免れたとして、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税を賦課し、同法第70条《国税の更正、決定等の期間制限》第4項第1号の規定を適用して平成21年分及び平成22年分の所得税の各更正処分をしたが、本件賃貸料及び本件年金はいずれも請求人の元妻に帰属する所得と認められるから、この点について、請求人に隠蔽又は仮装の行為はなく、偽りその他不正の行為によって税額の負担を免れた事実もない。

 ★リンクはこちら ⇒ 原処分庁が請求人に帰属すると認定した所得のうちの一部について、請求人に帰属するとは認められないとした事例

2019年6月14日


関与税理士から損害賠償金を受け取った場合の課税関係について

<事前照会の趣旨>

私は、不動産賃貸業を営んでおり、その所得については不動産所得として申告を行っている。
私は、当該事業に係る消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)について平成○年から簡易課税制度を選択し、申告及び納税を行っていたが、関与税理士から、オフィスビルを取得する日の属する課税期間の初日の前日までに簡易課税制度選択不適用届出書を提出すればオフィスビルの取得に係る消費税等相当額のうち一定の金額の還付を受けることができる旨の説明がなかったため、当該届出書を提出せず、当該還付を受けることができなかった。
関与税理士に私が被った損害に対する賠償を請求したところ、簡易課税制度を適用しないとした場合の消費税等の還付相当額と実際に納付した消費税等の額との合計額を基に算定した一定の金額(以下「本件金額」という。)を同人から受領することになった。
この場合、本件金額は、所得税法上、非課税所得には該当せず、私の不動産所得の金額の計算上、本件金額を受領することが確定した日の属する年分の不動産所得に係る総収入金額に含めるべきものと解してよろしいか照会する。

<事前照会に係る取引等の事実関係>

本件に係る事実関係は、次のとおり。

(1) 私は、不動産賃貸業を営んでおり、平成○年から平成23年までの課税期間分の消費税等の申告においては簡易課税制度(消費税法第37条)を選択していた。
(2) 平成24年に新たにオフィスビルの取得を予定していたため、その旨を関与税理士に説明し、税の取扱いについて相談していた。
平成23年中に簡易課税制度選択不適用届出書を提出すればオフィスビルの取得に係る消費税等相当額のうち一定の金額の還付を受けることができたにもかかわらず、関与税理士は私に対しその説明を行わなかったことから、私は、平成24年1月1日から平成24年12月31日までの課税期間分の消費税等の申告において簡易課税制度の適用を受けたまま申告及び納税を行った。
(3) その後、関与税理士に対し民法第709条《不法行為による損害賠償》に基づき私が被った損害に対する賠償を請求したところ、平成30年○月○日に、関与税理士との間で、本件金額を損害賠償として支払う旨の合意書を締結し、関与税理士から同年中に本件金額を受領した。
(4) 私は、消費税等の経理方式として税抜経理方式を適用しており、本件金額相当額については、所得税法施行令第182条の2《資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入》の規定に基づき、平成24年分のほか、平成25年分から平成29年分までの各年分に繰り延べて、その全額を不動産所得の金額の計算上必要経費に算入している。

<事前照会者の求める見解となることの理由>

(1)非課税規定の範囲

不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金は非課税とされているが(所法9①十七、所令30二)、その損害賠償金のうち、その損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、損害賠償金から当該金額を控除した金額に相当する部分が非課税とされる(所令30柱書)。

(2)本件金額の性質

一般に、税理士が作成した確定申告書に誤りがあり修正申告により税金を納めることとなったとしても、本税については本来納めるべき税額を納めたに過ぎないことから損害が生じていることにはならないが、本件では、簡易課税制度を選択するか否かは納税者の選択によるところ、関与税理士の説明不足により簡易課税制度の適用を受けたまま申告及び納税を行った結果、私が支払ったオフィスビルの取得に係る消費税等相当額のうち一定の金額について、原則的な制度(消費税法第30条)を適用すれば還付を受けられたであろう金額につき還付を受けられなくなったため、経済的に損失が生じたといえ、本件金額は、当該損失を補てんするものであることから、所得税法施行令第30条第2号に規定する「不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金」に該当すると考えられる。

しかしながら、税込経理方式又は税抜経理方式の別はあるものの、消費税等の額はその性質上、所得税の課税所得金額の計算に含めるものとされており、その事業者が負担した消費税等の額については必要経費に算入されている(本件については、上表(4)のとおり、本件金額相当額は、平成24年分から平成29年分までの不動産所得の金額の計算上その全額が必要経費に算入されている。)ことからすれば、本件金額は、当該必要経費に算入されている金額をその範囲内で補てんするものであり、所得税法上非課税とされる損害賠償金から除かれることになるものと考えられる。

したがって、本件金額は、私の平成30年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入することとなる。

<回答>

回答年月日
平成30年12月7日

回答者
東京国税局審理課長

回答内容
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。

ただし、次のことを申し添えます。

(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。

(2)この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 関与税理士から損害賠償金を受け取った場合の課税関係について

2019年4月5日


国内勤務期間のない中国の従業員(非居住者)が、税制適格ストックオプションの権利行使による株式の取得に係る経済的利益について、租税特別措置法第29条の2を適用せず、税制非適格ストックオプションとして取り扱うことの可否について

1.事前照会の趣旨

国内勤務期間のない中国の従業員(非居住者)が、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第29条の2《特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等》第1項に規定する要件を満たす新株予約権(以下「税制適格ストックオプション」という。)を、同条第2項の規定に従って権利行使をする場合において、当該権利行使による株式の取得に係る経済的利益について、同条第1項本文の規定を適用せず、同項本文の規定が適用されない新株予約権(以下「税制非適格ストックオプション」という。)として取り扱って差し支えないか?

2.事前照会に係る取引等の事実関係

(1)当社は、グループの業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、当社及び中国子会社の役員又は従業員(以下「割当対象者」といいう。)に対して、税制適格ストックオプションを付与した(以下、当社が割当対象者に付与した税制適格ストックオプションを「本件ストックオプション」という。)。

(2)割当対象者のうち、中国子会社の従業員で、日本国内における勤務期間がなく日本国内に恒久的施設を有していない者(以下「中国従業員」という。)が、中国の居住者期間中に、措置法第29条の2第2項に規定する誓約を行い、所定の事項を記載した書面を提出した上で、本件ストックオプションの権利行使をする予定である。

(3)中国従業員は、内国法人の役員の資格を有していない。

(4)中国従業員は、本件ストックオプションの権利行使時及び権利行使により取得した当社の株式(以下「本件株式」という。)の譲渡時において、日本国内に恒久的施設を有していない中国の居住者であることを本照会の前提とする。

3.事前照会者の求める見解となることの理由

(1)非居住者に係る税制適格ストックオプションの取扱い 非居住者が税制適格ストックオプションの権利行使により株式を取得した場合、その株式の取得に係る経済的利益(権利行使益)については、その権利行使時に課税されず(措法29の21)、その株式を譲渡した時に国内にある資産の譲渡により生ずる所得として課税される(所法1611三、所令2811四ロ、措令19の314)。

(2)日本国内における勤務期間がなく、日本国内に恒久的施設を有していない中国の従業員(非居住者)がストックオプションの権利行使をした場合の権利行使時及び株式譲渡時の課税関係について

イ.税制適格ストックオプションの場合
 上記(1)のとおり、税制適格ストックオプションの権利行使益は、権利行使時に課税されないことから、税制適格ストックオプションの権利行使により取得した株式を譲渡した場合の譲渡益は、一般に、付与時から権利行使時までの権利行使益部分と権利行使後に生じた株式譲渡益部分で構成されることになる。
そして、この権利行使益部分については、日中租税協定第15条第1項の規定が適用され、日本国内における勤務期間がない場合には、日本に課税権がなく日本において課税はされない。
一方、株式譲渡益部分については、日中租税協定第13条第4項の規定が適用されて日本において課税対象となり、恒久的施設を有しない非居住者の株式等の譲渡に係る国内源泉所得として、15%の税率による申告分離課税の対象となる(所法1611三、所令2811四ロ、措法29の24、7、37の121、措令19の314)。
なお、確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税を申告・納付することになる。

ロ.税制非適格ストックオプションの場合
税制非適格ストックオプションの権利行使により株式を取得した場合、その権利行使益については、上記イと同様、日中租税協定第15条第1項が適用され、日本国内における勤務期間がない場合には、日本において課税されない。
また、税制非適格ストックオプションの権利行使により取得した株式の譲渡に係る所得は、所得税法第161条第1項各号に掲げる国内源泉所得に該当しないため、日本において課税はされない。

(3)中国従業員が本件ストックオプションの権利行使により本件株式を取得した場合において措置法第29条の2第1項本文の規定を適用せず、税制非適格ストックオプションとして取扱うことができるか否かについて

中国従業員が本件株式を譲渡した場合、本件株式に係る譲渡益のうち株式譲渡益部分については、上記(2)イのとおり日本において課税対象となることから、当該譲渡益部分について中国で課税される場合には、日本と中国とで二重課税が生じることとなる。
一方、中国従業員が仮に税制非適格ストックオプションの権利行使により取得した株式を譲渡した場合、その株式に係る譲渡益のうち株式譲渡益部分については、上記(2)ロのとおり日本において課税されないことから、二重課税の問題は生じない。
中国従業員は、中国の居住者期間中に、措置法第29条の2第2項に規定する誓約等を行った上で本件ストックオプションの権利行使をする予定ですが、当該権利行使による経済的利益について措置法第29条の2第1項本文の規定を適用せず、本件ストックオプションを税制非適格ストックオプションとして取り扱うことで、本件株式の譲渡による所得は国内源泉所得に該当しないものとなり、二重課税の問題が解消されるので、このような場合は、本件ストックオプションを税制非適格ストックオプションとして取り扱って差し支えないものと考える。

<回答>

平成30年10月31日 関東信越国税局審理課長

標題のことについては、下記の理由から、貴見のとおり取り扱われるとは限りません。
なお、この回答内容は関東信越国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではないことを申し添えます。

(理由)
租税特別措置法(以下「措置法」といいます。)第29条の2第1項に規定する要件を満たす新株予約権(以下「税制適格ストックオプション」といいます。)の付与を受けた者が、その付与契約に従って権利行使をした場合の課税関係は、同条第1項本文において、株式の取得に係る経済的利益については所得税を課さないと規定されています。そして、この規定が、措置法第29条の2第2項において、当該権利行使の際に同項に規定する要件を満たした場合に限り適用するとされていることから、同条第1項本文の適用関係は、税制適格ストックオプションの権利行使により株式を取得した時に、同条第2項の要件を満たしているか否かによって判断することになります。
したがって、措置法第29条の2第2項の要件を満たした後に、納税者の選択によって、税制適格ストックオプションを同条第1項本文の規定が適用されないもの(税制非適格ストックオプション)として取り扱うことはできません。
なお、日本国内における勤務期間がなく、日本国内に恒久的施設を有していない中華人民共和国の従業員(日本の非居住者)が、税制適格ストックオプションの権利行使により取得した株式を譲渡した場合に発生する株式譲渡益部分については、日本の国内源泉所得として申告分離課税の対象となりますが、当該株式譲渡益部分が中華人民共和国でも課税される場合には、当該株式譲渡益部分について納付される日本の所得税等の額を、一定の範囲で中華人民共和国の租税の額から控除することとされています(所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定第23条第1項(a))。

 ★リンクはこちら ⇒ 国内勤務期間のない中国の従業員(非居住者)が、税制適格ストックオプションの権利行使による株式の取得に係る経済的利益について、租税特別措置法第29条の2を適用せず、税制非適格ストックオプションとして取り扱うことの可否について

2019年2月28日


外部金融機関を活用した積立貯蓄制度において支給される貯蓄奨励金の課税関係について

1.事前照会の趣旨
当組合は、当組合の加盟会社等の従業員及び役員(以下「従業員等」という。)を組合員として、当該組合員の相互共済福利を目的として組織された共済組合であり、これまで、当該組合員に対して、金銭消費寄託契約により金銭の寄託を受け、利息を支出する、いわゆる社内預金制度(以下「旧制度」という。)を実施していた。
今般、当組合では、当組合の事務軽減及び組合員へのサービス拡充(ATMの利用可能等)を目的として、金融機関の預金等を活用した積立貯蓄奨励金支給規則(以下「本制度」という。)を制定し、旧制度から移行している。
本制度では、金融機関から支払われる預金等の利息とは別に、当組合から組合員に対し一定の奨励金(以下「本件奨励金」という。)を当該金融機関を通じて支給することを予定している。
当組合から組合員に対し支給される本件奨励金は、所得税法上、雑所得に該当し、当組合は、本件奨励金の支払の際に源泉徴収を要しないと解して差し支えないか、照会する。

2.事前照会に係る取引等の事実関係
(1)本制度の概要
イ.本制度の目的
本制度は、組合員の貯蓄の奨励を図ることにより組合員の福祉の増進を目的としている。
ロ.本制度の対象となる貯蓄
本制度の対象となる貯蓄は、当組合との間で一定の契約を締結した金融機関が取り扱う商品のうち、次のもの(以下「積立貯蓄」という。)に限る。
(イ)指定合同運用金銭信託
(ロ)自由金利型定期預金M型
(ハ)当組合が特に認めた上記(イ)及び(ロ)に準拠する貯蓄商品
ハ.本件奨励金の算出
本件奨励金は、組合員が上記ロの要件を満たす口座を有し、かつ、積立貯蓄を決算日(9月25日及び3月25日)に有している場合で、その決算日を含む会計期間()の平均残高に当組合が定める一定の利率を乗じて計算した金額から金融機関から交付された利息の金額を控除した残額を支給することとする。
()会計期間:3月26日~9月25日、9月26日~3月25日
ニ.本件奨励金の支給
本件奨励金の支給日は、決算日の翌営業日とし、金融機関を通じて、金融機関から支払われる預金等の利息とは区分して、当組合から組合員に対する奨励金という名目により支給される。

(2)当組合の概要
イ.当組合の目的及び事業内容
当組合は、組合員の相互共済福利を目的とする組織であり、その目的を達成するために、慶弔見舞金等の贈与、協同生活及び貯蓄の奨励、消費負担の軽減と生活程度の向上、子女教育に対する援助、文化体育活動に対する援助及び指導、住宅建築に対する助成、災害に対する救済、レクリエーションに対する補助等の事業を行う。なお、当組合は、加盟会社等から完全に独立した団体であり、所得税法第2条《定義》第1項第8号に規定する人格のない社団等に該当する。
ロ.組合員から当組合に対する掛金の支出
組合員は、加入の月から、毎月、会社から支給される賃金総額の1%の金額を当組合に対して掛金として支出する。
ハ.加盟会社等から当組合に対する補給金の支出
加盟会社等は、当組合に対し、加盟会社等に勤務する従業員等に係る上記ロの金額の1.15倍相当額を当組合に対して補給金として支出する。

3.事前照会者の求める見解となることの理由
(1)本件奨励金の所得区分
イ.利子所得について
所得税法第23条《利子所得》第1項では、利子所得とは、公社債及び預貯金の利子等に係る所得をいう旨規定している。
この利子について特段定義規定は設けられていないものの、一般的には利息と同義に解し、元本債権から発生する法定果実を指すものと考える。
本件についてみると、組合員は金融機関に対し元本債権を有するものであり、当組合に対して元本債権を有していないことからすれば、当組合から組合員に対して支給される本件奨励金は、元本債権から発生する法定果実には当たらない。したがって、本件奨励金は利子所得に該当しないものと考える。
ロ.給与所得について
所得税法第28条《給与所得》第1項では、給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう旨規定している。
本件奨励金は、その支給に当たり補給金とは別に加盟会社等に費用負担を求めるものではなく、当組合の運営資金を原資として組合員に支給するものであり、その給付主体は、形式的にも実質的にも当組合となる。当組合と組合員との間に雇用関係及びこれに類する関係はないことから、本件奨励金は給与所得に該当しないものと考える。
ハ.一時所得について
所得税法第34条《一時所得》第1項では、一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう旨規定している。
本件奨励金は、本制度に基づき、当組合から組合員に対し一定の貯蓄を有する場合に継続的に支払われることとされていることからすれば、上記の一時の所得に該当しないものと考える。したがって、本件奨励金は一時所得にも該当しないものと考える。
ニ.雑所得について
所得税法第35条《雑所得》第1項では、雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう旨規定している。
本件奨励金は、上記イからハまでの検討に加え、配当所得、不動産所得、事業所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得に該当しないことは明らかなので、雑所得に該当するものと考える。

(2)源泉徴収の要否
源泉徴収が必要となる支払については、所得税法に限定的に列挙されているところ、本件奨励金は、所得税法に規定されている源泉徴収を要する支払のいずれにも該当しないことから、当組合は本件奨励金の支払の際に、源泉徴収を要しないと考える。

<回答内容>
平成30年10月18日 東京国税局審理課長
標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
ただし、次のことを申し添えます。
(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 外部金融機関を活用した積立貯蓄制度において支給される貯蓄奨励金の課税関係について

2019年2月26日


税制適格ストックオプションについて、一定の事由が生じた場合には権利行使期間内の一定の期間に限り権利行使ができる旨の条件を付した場合の税務上の取扱いについて

1.事前照会の趣旨
当社は、当社の役員及び従業員を対象に、租税特別措置法(以下「措置法」といいます。)第29条の2《特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等》第1項各号に掲げる要件(以下「適格要件」という。)を定めた契約(以下「本件付与契約」という。)により新株予約権(以下「本件新株予約権」という。)を付与することを予定している。

措置法第29条の2第1項第1号は、新株予約権等に係る付与契約に、「新株予約権等の行使は、当該新株予約権等に係る付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間に行わなければならないこと」が定められていること(以下「権利行使期間要件」という。)を適格要件の一つとして掲げているが、本件付与契約においては、権利行使期間要件に加え、一定の事由が生じた場合には、権利行使期間内の一定の期間に限り権利行使ができる旨の行使条件(以下「本件権利行使条件」という。)を付す予定である。

本件付与契約において、本件権利行使条件を付した場合であっても、本件新株予約権は税制適格ストックオプションに該当するものと取り扱ってよろしいか照会する。

2.事前照会に係る取引等の事実関係
本件付与契約に係る「新株予約権割当契約書」には、次のとおり定められている。

(1)権利行使期間
本件新株予約権の行使期間は、付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間とする。

(2)本件権利行使条件
当社の発行済株式総数の過半数の株式について、同時又は実質的に同時に特定の第三者に移転する旨の書面による合意が、当該株式の各保有者と当該第三者との間で成立した場合又は成立することが合理的に確実と見込まれる場合として当社が本件新株予約権に係る権利者(以下「本件権利者」という。)に通知を行った場合(以下「過半数超譲渡」という。)、本件権利者は、交付を受けた本件新株予約権の全てにつき、別途当社が合理的に指定する期間(以下「過半数超譲渡時行使期間」という。)(注)において、これを行使することができ、本件権利者が当該過半数超譲渡時行使期間の末日までに本件新株予約権の行使を行わなかったときは、本件権利者は、当該期間の末日より後、本件新株予約権を行使することができない。

(注)過半数超譲渡時行使期間は、上記(1)の権利行使期間内における一定の期間を指定しなければならないこととする。

なお、「新株予約権割当契約書」には、上記の(1)及び(2)のほか、措置法第29条の2第1項に規定する税制適格ストックオプションに該当するための要件が全て定められていることを本照会の前提とする。

3.事前照会者の求める見解となることの理由
本件付与契約においては、本件新株予約権の権利行使期間について「付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間」と定めるとともに、過半数超譲渡があった場合には、本件権利者は過半数超譲渡時行使期間の末日までに限り本件新株予約権の権利行使ができる旨の行使条件を定めている。また、当該過半数超譲渡時行使期間は、本件新株予約権の権利行使期間である「付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間」で指定しなければならないこととしている。

このため、本件付与契約では、その権利行使について権利行使期間要件が定める期間の範囲内で、更に権利行使できる期間が制限される場合もあることになるが、権利行使期間要件は、文理上、「付与決議の日後2年を経過した日から当該付与決議の日後10年を経過する日までの間」に権利行使しなければならないとしているのみであり、その期間外の期間における権利行使を除外するものに過ぎないものと考えられることから、その権利行使期間要件に定められた期間内であれば、その付与契約において権利行使期間を短く定めたとしても、権利行使期間要件に反することにはならないものと考える。

したがって、本件権利行使条件を本件付与契約に定めたとしても、権利行使期間要件を満たすものと考える。

<回答内容>
平成30年10月18日 東京国税局審理課長

標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。

ただし、次のことを申し添えます。
(1)ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2)この回答内容は東京国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。

 ★リンクはこちら ⇒ 税制適格ストックオプションについて、一定の事由が生じた場合には権利行使期間内の一定の期間に限り権利行使ができる旨の条件を付した場合の税務上の取扱いについて

2019年2月20日


平成30年分の確定申告においてご留意いただきたい事項(平成31年1月)

もうすぐ平成30年分の確定申告が始まる。

国税庁は、平成30年分の確定申告において納税者の方にご留意いただきたい事項について下記のとおり資料を作成した。

1.配偶者(特別)控除が変わります
平成30年分の確定申告から、控除の対象となる配偶者の範囲が拡大されるなど配偶者(特別)控除の内容が大きく変わる。

新しい配偶者(特別)控除の概要については、資料1を参照のこと。

2.スマホ✕確定申告 スマート申告始まります
確定申告書等作成コーナーは、スマートフォンでも操作ができる。
特に、サラリーマンの方の還付申告については、スマートフォンに適したデザインの専用画面を提供している。

スマートフォンによる申告等については、資料2を参照のこと。

3.マイナンバーの記載等をお忘れなく
確定申告書には、「マイナンバーの記載」及び「本人確認書類の提出」が必要である。

本人確認書類の詳細などについては、資料3を参照のこと。

4.医療費控除について
医療費控除の申告においては、医療費の領収書の提出は不要である。
代わりに、医療費控除の明細書の提出が必要である。

医療費控除の申告やセルフメディケーション税制の概要については、資料4を参照のこと。

5.忘れていませんか、その所得 申告漏れにご注意を
 ネットオークションやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得、仮想通貨の売却等による所得、競馬等の払戻金による所得については、原則として確定申告が必要である。

これらの所得の申告についての留意事項については、資料5を参照のこと。

6.住宅ローン控除の誤り等にご注意ください
住宅取得等資金の贈与についての贈与税の非課税特例の適用を受けた場合の「住宅ローン控除額の計算の誤り」やふるさと納税のワンストップ特例を申請された方の「ふるさと納税の申告漏れ」などが見受けられる。
このような申告誤りに注意すること。

これらの詳細については、資料6を参照のこと。

7.「確定申告特集ページ」のご案内
国税庁ホームページでは、ご自宅からの申告をサポートするため、「確定申告特集ページ」を設けているので、申告の際に活用のこと。

8.申告相談会場に関するご案内、確定申告の受付期間及び納期限
申告相談会場の開設は、原則、2月18日となっている。

確定申告の受付期間や納期限・振替日などについては、資料8を参照のこと。

9.QRコードを利用したコンビニ納付
所得税等の納付については、QRコードを利用してコンビニで納付することができる。

納付方法等については、資料9を参照のこと。

2019年2月6日


租税特別措置法第25条第1項の規定の適用について、免税対象となる所得金額の計算方法が争われた事例

  • 平成25年分から平成27年分の所得税及び復興特別所得税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分
  • 棄却
  • 平成30年1月22日裁決

<ポイント>
本事例は、租税特別措置法第25条《肉用牛の売却による農業所得の課税の特例》第1項の規定の適用に当たり、売却損が生じた肉用牛を除外して免税対象飼育牛の売却に係る所得の金額を計算することは許されないとしたものである。

<要旨>
請求人は、租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)第25条《肉用牛の売却による農業所得の課税の特例》第1項に規定する課税の特例(本件特例)の適用に当たり、免税の対象となる事業所得の金額は、売却損の生じた免税対象飼育牛(売却損牛)を含めずに計算すべきである旨主張する。

しかしながら、同項の規定の文理に照らし、同項に規定する「その売却により生じた事業所得」の金額の計算上、売却損牛に係る収入金額及び必要経費を除外してこれを計算することが許容されていると解する余地はなく、したがって、当該事業所得の金額を計算するに当たっては、個々に売却損が生じたか否かにかかわらず、全ての免税対象飼育牛が対象とされるべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ 租税特別措置法第25条第1項の規定の適用について、免税対象となる所得金額の計算方法が争われた事例

2019年1月21日


キャストに支払った金員は給与等に該当するとした事例

  • ①平成26年4月、平成26年10月、平成26年12月、平成27年3月から平成27年5月まで及び平成27年7月の各月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに平成26年10月分の重加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ②平成26年4月1日から平成27年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ③平成26年3月、平成26年5月から平成26年9月まで、平成26年11月、平成27年1月、平成27年2月及び平成27年6月の各月分の源泉徴収に係る所得税及び復興特別所得税の各納税告知処分並びに平成26年3月から平成26年9月まで及び平成26年11月から平成27年7月までの各月分の不納付加算税及び重加算税の各賦課決定処分並びに平成26年10月分の不納付加算税の賦課決定処分 →棄却
  • ④平成25年4月1日から平成26年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分 →棄却
  • ⑤平成23年4月1日から平成24年3月31日まで、平成24年4月1日から平成25年3月31日まで、平成25年4月1日から平成26年3月31日まで及び平成26年4月1日から平成27年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分 →棄却
  • 平成30年1月11日裁決

<ポイント>
本事例は、給与所得とは雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいい、とりわけ、給与所得については、給与支給者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものであるかどうか、いわゆる労務の提供等の従属性が重視されなければならないとして判断したものである。

<要旨>
請求人は、請求人が営むキャバクラ店において接客業務に従事する女性(キャスト)は請求人から時間的、空間的な拘束を受けておらず、営業で必要な費用(携帯電話代金等)を負担しているから、キャストへの支給額(本件支給額)は所得税法第27条《事業所得》第1項に規定する事業所得に該当する旨主張する。

しかしながら、キャストは接客業務に従事するに当たり、請求人との間で、給与体系、勤務時間及び店舗規則などの勤務条件について合意していたこと、請求人はキャストの勤務時間又は接客時間を管理していたこと、キャストは指名客以外の客に対しても店長の指示により接客していたことが認められるから、キャストは入店から退店までの間は請求人の管理下にあったと認められ、請求人から空間的、時間的な拘束を受け、継続的又は断続的に労務又は役務の提供をしていたとみることができる。

そして、キャストが営業のために必要な費用の一部を負担しているとの請求人の主張を考慮しても、本件支給額は接客時間等を基準に各種手当て及びペナルティの有無を勘案して算出されていること、採用後1、2か月間は一定の時給が保証されていること、キャストは客に対する売掛金を回収する責任を負っていなかったことからすれば、キャストは自己の計算と危険において独立して事業を営んでいたものとみることはできない。

以上によれば、本件支給額は、キャストと請求人との雇用契約に基づき、請求人の指揮命令に服して提供した労務の対価であるから、所得税法第28条《給与所得》第1項に規定する給与等に該当する。

ただし、本件支給額に係る源泉所得税の額の計算等に誤りが認められるから、納税告知処分及び重加算税の賦課決定処分の一部を取り消すべきである。

 ★リンクはこちら ⇒ キャストに支払った金員は給与等に該当するとした事例

2019年1月18日


馬券の的中によって得た払戻金に係る所得について、請求人の一連の馬券購入行為をもって一体の経済活動の実態を有するものとはいえないから、営利を目的とする継続的行為から生じた所得とは認められず、一時所得に該当するとした事例

  • ①平成24年分の所得税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分 →棄却
  • ②平成25年分及び平成26年分の所得税及び復興特別所得税の各更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の各通知処分 →棄却
  • 平成30年3月22日裁決

<要旨>
請求人は、競馬の勝馬投票券(馬券)の的中によって得た払戻金に係る所得(本件競馬所得)は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する旨主張する。

しかしながら、請求人は、馬券を自動的に購入するソフトを使用してインターネットを介して多数回かつ頻繁に馬券を購入していたと認められるものの、請求人による一連の馬券の購入行為は、その損益の状況をみると、確定申告をした各年で大きく変動しているのみならず、そのうちの1年は損失が発生しており、また、請求人は、的中確率が低い反面、一口で高額の払戻金が得られる可能性のある五重勝単勝式勝馬投票法に係る馬券を多数回購入し、その的中による利益が当該損益の額に一定割合を占めるなどしていることからすると、その期間、頻度、購入規模の大きさなどの点を考慮してもなお、客観的にみて多額の利益が恒常的に上がると期待し得る行為であったとは認められない。

加えて、個々の購入馬券の種類やその金額の全てが明らかにされていない以上、請求人が主張する独自の条件設定と計算式に基づき個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をしていたものと認めることはできない。

したがって、請求人による一連の馬券の購入行為をもって一体の経済活動の実態を有するとまではいえないから、本件競馬所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得であるとは認められず、また、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないから、一時所得に該当する。

 ★リンクはこちら ⇒ 馬券の的中によって得た払戻金に係る所得について、請求人の一連の馬券購入行為をもって一体の経済活動の実態を有するものとはいえないから、営利を目的とする継続的行為から生じた所得とは認められず、一時所得に該当するとした事例

2019年1月17日


請求人が支出した自動車関係費等は、不動産貸付業務の遂行上必要であった部分を明らかにすることができないから、必要経費の額に算入することはできないとした事例

  • ①平成24年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ②平成25年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分 →一部取消し
  • ③平成26年分の所得税及び復興特別所得税の更正の請求に対してされた更正処分 →一部取消し
  • ④平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに平成25年1月1日から平成25年12月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税にかかる過少申告加算税の賦課決定処分 →棄却
  • 平成30年2月1日裁決

<ポイント>
本事例は、請求人が支出した固定資産税、自動車関係費用及び接待交際費を不動産貸付業務の必要経費に算入するためには、当該費用が、客観的にみて、当該業務と直接の関係を持ち、かつ、当該業務の遂行上必要な支出であると認められることが必要であるとしたものである。

<要旨>
請求人は、賃貸している駐車場に係る固定資産税等(本件租税公課)、自動車関係費用(本件自動車関係費用)及び接待交際費(本件接待交際費)について、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額に該当する旨主張する。

しかしながら、このうち、本件自動車関係費用は、請求人が取引の記録等に基づき、業務の遂行上直接必要な部分を明らかにしているとはいえず、使用自動車が客観的にみて、業務に供されていたとも認められない。

また、本件接待交際費は、その具体的な支出先等の合理的な説明や証拠の提出もなく、客観的にみて、業務と直接の関係を持ち、業務の遂行上必要な支出とは認められない。

したがって、本件自動車関係費用及び本件接待交際費は、いずれも不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額に該当せず、他方で、請求人が賃貸している駐車場は家事用ではなく、賃貸専用で使用していると認められることから、本件租税公課は、請求人の業務の遂行上必要なものであり、請求人の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額に該当する。

 ★リンクはこちら ⇒ 請求人が支出した自動車関係費等は、不動産貸付業務の遂行上必要であった部分を明らかにすることができないから、必要経費の額に算入することはできないとした事例

2019年1月16日


株式などをお売りになって確定申告をする場合は、インターネットで申告ができます!(リーフ)

国税庁は、『株式などをお売りになって確定申告をする場合は、インターネットで申告ができます!』(リーフ)を作成した。

  • STEP1 「確定申告書等作成コーナー」ヘアクセス
  • STEP2 申告書を作成
  • STEP3 申告書を提出

 ★リンクはこちら ⇒ 株式などをお売りになって確定申告をする場合は、インターネットで申告ができます!(リーフ)

2019年1月9日


「国外財産調書の提出制度(FAQ)」の更新(平成30年11月)

国税庁は、「国外財産調書の提出制度(FAQ)」を更新した。

仮想通貨及び家庭用動産の取扱いを追加するなどの改訂を行った。

国外財産調書の提出制度は、近年、国外財産の保有が増加傾向にある中で、国外財産に係る課税の適正化が喫緊の課題となっていることなどを背景として、国外財産を保有する方からその保有する国外財産について申告していただく仕組みとして、平成24年度の税制改正により導入され、平成26年1月から施行されている。

具体的には、その年の12月31日においてその価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を保有する居住者の方(非永住者の方を除く。)は、その年の翌年の3月15日までに当該国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を、所轄税務署長に提出しなければならないこととされている。

 ★リンクはこちら ⇒ 「国外財産調書の提出制度(FAQ)」の更新(平成30年11月)

2018年12月21日


仮想通貨に関係する税務上の取扱について(FAQ)

国税庁は、『仮想通貨に関係する税務上の取扱について(FAQ)』を公表した。

このFAQは、仮想通貨に関する税務上の取扱いについて、税目ごとに寄せられた一般的な質問等を取りまとめたものである。

 ★リンクはこちら ⇒ 仮想通貨に関係する税務上の取扱について(FAQ)

2018年12月20日


財産債務調書の提出制度(FAQ)」の更新(平成30年11月)

国税庁は、「財産債務調書の提出制度(FAQ)」を更新した。

財産債務調書制度は、所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しなければならない方が、その年の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日において価額の合計額が3億円以上の財産または価額の合計額が1億円以上である国外転出特例対象財産を有する場合に、財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額などを記載した「財産債務調書」を、翌年の3月15日までに所得税の納税地の所轄税務署長に提出する制度である。

 ★リンクはこちら ⇒ 「財産債務調書の提出制度(FAQ)」の更新(平成30年11月)

2018年12月18日


平成30年確定申告分(申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税)の振替納付日

<主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日>

[申告所得税及び復興特別所得税]  [平成30年分]

納期等の区分 法定納期限 振替日
予定納税第1期 平成30年7月31日(火) 平成30年7月31日(火)
予定納税第2期 平成30年11月30日(金) 平成30年11月30日(金)
確定申告 平成31年3月15日(金) 平成31年4月22日(月)
確定申告延納 平成31年(2019年)5月31日(金) 平成31年(2019年)5月31日(金)

※平成31年5月以降の元号の表示については、便宜上、平成を使用するとともに西暦を併記している。

[消費税及び地方消費税] ・個人事業者  [平成30年分]

納期等の区分 法定納期限 振替日
確定申告(原則) 平成31年4月1日(月) 平成31年4月24日(水)

・法人事業者 確定申告分:課税期間終了日の翌日から2月以内 中間申告分・課税期間の特例適用のある方については、税務署へお尋ねのこと。

[法人税]  確定申告分:事業年度終了日の翌日から2月以内 中間申告分については、税務署へお尋ねのこと。

[源泉所得税及び復興特別所得税] ・納期の特例の承認を受けていない場合 源泉徴収の対象となる所得を支払った月の翌月10日 ・納期の特例の承認を受けている場合(給与等特定の所得に限る。) 1月から6月までの支払分: 7月10日 7月から12月までの支払分:翌年1月20日

[相続税]  確定申告分:相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内

[贈与税]  確定申告分:翌年3月15日

[備考]  上記納期限が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日が納期限となる。

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2018年12月13日


「仮想通貨関係FAQ」の公表について

国税庁では、仮想通貨取引に関する所得について、納税者自身による適正な納税義務の履行を後押しする環境整備を図るため、2018年4月以降、6回にわたり「仮想通貨取引等に係る申告等の環境整備に関する研究会」を開催してきたところである。

本研究会では、仮想通貨交換業者を所管する金融庁や仮想通貨関連団体の出席・協力も得つつ、各仮想通貨交換業者の実態等を確認した上で、正確な所得計算のための年間取引報告書などを交換業者から顧客へ提供できるようにするなどの申告利便向上策を検討してきた。

本研究会での議論の結果を踏まえ、簡便に所得計算をすることができる様式や方法、相続時における仮想通貨の評価方法などに加え、研究会以外で国税当局に問合せ等のあった事項をまとめた「仮想通貨関係FAQ」を公表することとした。

また、併せて、納税者が年間取引報告書の内容等に基づき入力することにより、申告に必要な所得金額等が自動計算される「仮想通貨の計算書」を国税庁ホームページで公開する。

これらの施策について、各仮想通貨関連団体を通じて各交換業者や利用者へ周知するなど、仮想通貨取引の適正な申告に向けて取り組んでいく。

国税庁は、このように、納税者自身による適正な納税義務の履行を後押しする環境整備を図り、周知・広報を行うとともに、様々な機会を捉えて課税上有効な資料収集に努め、申告のなかった方も含め、課税上問題があると認められる場合には、様々な方法で是正を促すなど、仮想通貨取引の適正な申告に向けて積極的に取り組んでいく。

 ★リンクはこちら ⇒ 「仮想通貨関係FAQ」の公表について

2018年12月7日


スマホ × 確定申告 スマート申告始まります!

<平成31年(2019年)1月から、「確定申告書等作成コーナー」が変わる>

1.スマートフォン専用の画面を利用できるようになる

スマートフォン・タブレットに最適化したデザインの画面を利用して、所得税の確定申告書が作成できるようになる。