「令和5年7月から9月分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)
令和5年6月8日付課評2-39「令和5年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和5年7月分から9月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
- 短期 7月~9月 0.01%
- 中期 7月 0.05% 8月・9月 0.10%
- 長期 7月 0.50% 8月・9月 0.75%
★リンクはこちら⇒ 「令和5年7月から9月分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)
2023年10月31日
令和5年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和5年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和5年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2023年10月30日
令和5年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和5年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和5年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2023年9月11日
令和5年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和5年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和5年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2023年9月8日
令和5年4月から6月分の基準年利率について(法令解釈通達)
令和5年6月8日付課評2-39「令和5年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和5年4月分から6月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
- 短期 4月~6月 0.01%
- 中期 4月 0.10% 5月・6月 0.05%
- 長期 4月 0.75% 5月 0.50% 6月 0.75%
★リンクはこちら⇒ 「令和5年4月から6月分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)
2023年9月7日
財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-41 令和5年6月8日)
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、令和5年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。
<趣旨>
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。
記
別表2「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表」を次のとおり改める。
6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表
国税局名 | 都道府県名 | 林業地帯名 | 標準価額 | |
杉(千円) | ひのき(千円) | |||
仙台 | 宮城 | 宮城北部 | 760 | - |
福島 | 磐城 | - | 790 | |
関東信越 | 栃木 | 渡良瀬川 | 960 | 1,520 |
東京 | 東京 | 多摩 | 370 | 970 |
金沢 | 福井 | 越前 | 600 | - |
名古屋 | 静岡 | 天竜 | 750 | 1,590 |
大阪 | 奈良 | 吉野 | 460 | 830 |
広島 | 島根 | 斐伊川 | 620 | 1,010 |
高松 | 愛媛 | 今治松山 | 670 | 1.230 |
福岡 | 福岡 | 筑後・矢部川 | 580 | 1,280 |
熊本 | 熊本 | 球磨川 | 670 | 1,710 |
★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-41 令和5年6月8日)
2023年7月19日
令和5年1月から3月分の基準年利率について(法令解釈通達)
令和5年1月から3月中に相続、遺贈又は贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」を下記のとおり定めたから、これによられたい。
なお、令和5年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
- 短期 1月~3月 0.01%
- 中期 1月 0.25% 2月・3月 0.1%
- 長期 1月・2月 1.00% 3月 0.75%
★リンクはこちら⇒ 令和5年1月から3月分の基準年利率について(法令解釈通達)
2023年6月23日
令和5年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和5年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和5年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2023年6月22日
令和5年分の路線価図等の公開予定日について
国税庁は、令和5年分の路線価図等は、2023年(令和5年)7月3日(月)11 時に公開することを予定している。
★リンクはこちら⇒ 令和5年分の路線価図等の公開予定日について
2023年5月18日
令和4年11・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和4年11・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和4年11・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2023年1月25日
『令和4年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 令和5年1月6日)
令和4年5月24日付課評2-28「令和4年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和4年10月分から12月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
短期はずっと0.01%、中期は9月までは0.01%、10月からは0.05%、長期は3月までは0.25%、4月から11月までは0.50%、12月は0.75%である。
★リンクはこちら⇒ 『令和4年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 令和5年1月6日)
2023年1月16日
令和4年9・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和4年9・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和4年9・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2022年12月7日
『令和4年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-61 令和4年10月12日)
令和4年5月24日付課評2-28「令和4年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和4年7月分から9月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
短期(1年・2年)と中期(3年~6年)は、令和4年はずっと0.01%、長期(7年以上)は、令和4年1月~3月は0.25%、4月~9月は0.50%)である。
なお、令和4年10月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
★リンクはこちら⇒ 『令和4年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-61 令和4年10月12日)
2022年10月31日
令和4年7・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和4年7・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和4年7・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2022年10月19日
最近の立木価格の実態に即して所要の改正(財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達))
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、令和4年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。
(趣旨)
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。
記
別表2「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表」を次のとおり改める。
6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表
国税局名 | 都道府県名 | 林業地帯名 | 標準価額 | |
杉 | ひのき | |||
千円 | 千円 | |||
仙台 | 宮城 | 宮城北部 | 630 | - |
福島 | 磐城 | - | 600 | |
関東信越 | 栃木 | 渡良瀬川 | 740 | 1,050 |
東京 | 東京 | 多摩 | 370 | 970 |
金沢 | 福井 | 越前 | 520 | - |
名古屋 | 静岡 | 天竜 | 590 | 1,120 |
大阪 | 奈良 | 吉野 | 450 | 760 |
広島 | 島根 | 斐伊川 | 530 | 780 |
高松 | 愛媛 | 今治松山 | 500 | 840 |
福岡 | 福岡 | 筑後・矢部川 | 500 | 1,020 |
熊本 | 熊本 | 球磨川 | 510 | 1,230 |
★リンクはこちら⇒ 最近の立木価格の実態に即して所要の改正(財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達))
2022年8月23日
令和4年5・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和4年5・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和4年5・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
2022年8月18日
『令和4年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-50 令和4年7月28日)
令和4年5月24日付課評2-28「令和4年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和4年4月分から6月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
(注)課税時期の属する月の年数または期間に応ずる基準年利率を用いることに留意する。
短期(1年・2年)と中期(3年~6年)は、令和4年はずっと0.01%、長期(7年以上)は、令和4年1月~3月は0.25%、4月~6月は0.50%)である。
なお、令和4年7月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
★リンクはこちら⇒ 『令和4年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-50 令和4年7月28日)
2022年8月17日
令和4年3・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和4年3・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和4年3・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-39 令和4年6月23日)
2022年7月11日
令和4年1・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和4年1・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和4年1・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-35 令和4年6月6日)
2022年6月27日
「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)
平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を別紙のとおり改正し、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、今後これによられたい。
(注)リンクのうち、アンダーラインを付した部分が改正部分である。
★リンクはこちら⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-33 課資2-4 課審7-7 令和4年5月25日)
2022年6月16日
令和4年1月から3月分の基準年利率について(法令解釈通達)
令和4年中に相続、遺贈又は贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」を下記のとおり定めたから、これによられたい。
なお、令和4年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
- 短期・中期 1月から3月すべて0.01
- 長期 1月から3月すべて0.01
★リンクはこちら⇒ 令和4年1月から3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-28 令和4年5月24日)
2022年6月7日
令和4年分の路線価図等の公開予定日について
国税庁は、令和4年分の路線価図等は、令和4年7月1日(金)11時に公開することを予定していると公表した。
★リンクはこちら⇒ 令和4年分の路線価図等の公開予定日について
2022年6月6日
「令和3年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 令和4年1月7日)
令和3年5月20日付課評2-20「令和3年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和3年10月分から12月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
(注)課税時期の属する月の年数または期間に応ずる基準年利率を用いることに留意する。
短期(1年・2年)と中期(3年~7年)は、令和3年はずっと0.01%、長期(7年以上)は、3か月とも0.25%(令和3年1月は0.1%、2月~6月は0.25%、7月~9月は0.1%)である。
★リンクはこちら⇒ 「令和3年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 令和4年1月7日)
2022年1月26日
令和3年11・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和3年11・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 令和3年11・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-3 令和4年1月14日 )
2022年1月25日
令和3年9・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和3年9・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年9・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-74 令和3年11月29日 )
2021年12月15日
「令和3年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-70 令和3年10月21日)
令和3年5月20日付課評2-20「令和3年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和3年7月分から9月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
(注)課税時期の属する月の年数または期間に応ずる基準年利率を用いることに留意する。
短期(1年・2年)と中期(3年~7年)は、令和3年はずっと0.01%、長期(7年以上)は、3か月とも0.1%(令和3年1月は0.1%、2月~8月は0.25%)である。
なお、令和3年10月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
★リンクはこちら ⇒ 「令和3年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-70 令和3年10月21日)
2021年12月6日
令和3年7・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和3年7・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年7・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-67 令和3年10月7日 )
2021年10月19日
令和3年5・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和3年5・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年5・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-64 令和3年8月5日 )
2021年10月18日
「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(資産評価企画官情報第3号 資産課税課情報第15号 令和3年7月6日 国税庁資産評価企画官 資産課税課)
令和3年6月23日付課評2-43ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)及び令和3年6月23日付課評2-45ほか2課共同「『相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について』の一部改正について」(法令解釈通達)により、指定漁業を営むことのできる権利等の評価及び取引相場のない株式等の評価等について所要の改正を行ったところであるが、そのあらましは別添のとおりであるので、参考のため送付する。
(別添)
目次
1.指定漁業を営むことのできる権利等の評価
2.取引相場のない株式の評価(株式交付があった場合の評価)
★指定漁業を営むことのできる権利等の評価はこちら ⇒ 指定漁業を営むことのできる権利等の評価
★取引相場のない株式の評価(株式交付があった場合の評価)はこちら ⇒ 取引相場のない株式の評価(株式交付があった場合の評価)
2021年8月19日
「令和3年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-60 令和3年7月28日)
令和3年5月20日付課評2-20「令和3年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和3年4月分から6月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
(注)課税時期の属する月の年数または期間に応ずる基準年利率を用いることに留意する。
短期(1年・2年)と中期(3年~7年)は、3か月とも0.01%、長期(7年以上)は、3か月とも0.25%である。
なお、令和3年7月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
★リンクはこちら ⇒ 「令和3年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-60 令和3年7月28日)
2021年8月16日
財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達 課評2-43 課資2-10 課審7-5 令和3年6月23日)
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、別紙1については、令和3年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとし、別紙2については、令和3年3月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。
(趣旨)関係法令の改正等に伴い、所要の改正を行うものである。
★リンクはこちら ⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達 課評2-43 課資2-10 課審7-5 令和3年6月23日)
2021年7月28日
「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達 課評2-45 課資2-12 課審7-7 令和3年6月23日)
平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を別紙のとおり改正し、令和3年3月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。
(注)リンクのうち、アンダーラインを付した部分が改正部分である。
★リンクはこちら ⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達 課評2-45 課資2-12 課審7-7 令和3年6月23日)
2021年7月20日
令和3年3・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和3年3・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年3・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-50 令和3年6月28日 )
2021年7月19日
「財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらましについて(情報 資産評価企画官情報第1号 資産課税課情報第13号 令和3年6月24日 国税庁 資産評価企画官 資産課税課)
令和3年5月31日付課評2-26ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)により、都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価及び電話加入権の評価について所要の改正を行ったところであるが、そのあらましは別添のとおりであるので、参考のため送付する。
<1.都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価>
1.従来の取扱い
都市計画道路予定地の区域内にある宅地については、いずれは、道路用地として時価で買収されることから、宅地としての通常の用途に供する場合に利用の制限があるとしても、買収までの期間が短期間であれば、土地価格に及ぼす影響は小さい。
しかし、一般的には、道路用地として買収されるまでの期間は相当長期間であることから、その土地の利用用途(商業地、住宅地等の地区区分の別)、高度利用度(容積率の別)及び地積の関係によって土地価格に影響を及ぼすこととなる。
したがって、都市計画道路予定地の区域内にある宅地の価額は、地区区分、容積率、地積割合の別によって定めた補正率を乗じて計算した価額により評価することとしていた。
2.通達改正の概要
評価通達24-7(都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価))の補正率について、平成14年6月に制定してから20年近くが経過し、土地取引等の実態の変化もみられることから、現在の実態に即したものとなるよう見直すこととした。
具体的には、ビル街地区及び高度商業地区以外の地区における土地の高度利用に対する指向が強まっており、補正率に係る容積率の区分を見直す必要があると考えられたため、容積率の区分の整理及びこれに伴う補正率の見直しを行うこととした。
なお、ビル街地区及び高度商業地区については、容積率600%未満の地域がほとんど存在せず、あえて分類する必要性に乏しいことからこれを削除することとした。
<2.電話加入権の評価>
1.従来の取扱い
電話加入権とは、加入電話契約者が東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社との間で締結した加入電話契約に基づいて加入電話の提供を受ける権利をいう(電話サービス契約約款21)。
電話加入権は、同社の承認を得て譲渡することができるところ(事業法附則9、旧公衆法38)、取引相場のある電話加入権の価額は、課税時期における通常の取引価額に相当する金額として評価し、取引相場のない電話加入権の価額は、売買実例価額等を基として、電話取扱局ごとに国税局長の定める標準価額(以下「標準価額」という。)によって評価することとしていた。
2.通達改正の概要
現下の社会経済情勢においては、電話加入権の取引相場が存在していない。
また、標準価額も平成 26 年以降、一回線当たり「1,500 円」と非常に低位な金額となっていることやインターネット等の情報通信技術の発達等により、納税者において容易に売買実例価額を調べることも可能となっていること等を踏まえると、標準価額を定める必要性が乏しくなっていると考えられる。
したがって、電話加入権の評価額については、評価通達 129((一般動産の評価))の評価方法と同様、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価することとした。
また、これに伴い、評価通達 162((特殊番号の電話加入権の評価))の取扱いを廃止することとした。
(注) 相続税等の申告に当たっては、評価通達128((評価単位))の定めに基づき一括して評価する家庭用動産等に、電話加入権を含めることとして差し支えない。
★リンクはこちら ⇒ 「財産評価基本通達の一部改正について」通達のあらましについて(情報 資産評価企画官情報第1号 資産課税課情報第13号 令和3年6月24日 国税庁 資産評価企画官 資産課税課)
2021年7月16日
令和3年分の路線価図等
2021年7月1日に、国税庁が『令和3年分の路線価図等』を公表した。
この財産評価基準は、令和3年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年分の路線価図等
2021年7月6日
財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達 課評2-26 課資2-7 課審7-3 令和3年5月31日)
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、令和3年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価及び令和3年分以後の地価税の課税価格の計算の基礎となる土地等の評価に適用することとしたから、これによられたい。
(趣旨)
現下の社会経済の実態等を踏まえ、都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価及び電話加入権の評価について所要の改正を行うものである。
★リンクはこちら ⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達 課評2-26 課資2-7 課審7-3 令和3年5月31日)
2021年7月2日
財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-18 令和3年5月20日)
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部をリンクのとおり改正し、令和3年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。
<趣旨>
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。
記
別表2「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表」を次のとおり改める。
★リンクはこちら ⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-18 令和3年5月20日)
2021年6月29日
令和3年1・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
この法令解釈通達では、令和3年1・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年1・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達 課評2-28 令和3年6月7日 )
2021年6月28日
令和3年分の路線価図等の公開予定日について
国税庁は、令和3年分の路線価図等は、7月1日(木)11時に公開に公開することすることを予定している 。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年分の路線価図等の公開予定日について
2021年6月16日
令和3年分の基準年利率について法令解釈通達)(課評2-20 令和3年5月20日)
令和3年中に相続、遺贈又は贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」をリンクのとおり定めたから、これによられたい。
(注)課税時期の属する月の年数または期間に応ずる基準年利率を用いることに留意する。
短期と中期は、3か月とも0.01%、長期は、1月は0.1%、2月と3月は0.25%である。
なお、令和3年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
★リンクはこちら ⇒ 令和3年分の基準年利率について法令解釈通達)(課評2-20 令和3年5月20日)
2021年6月9日
「配偶者居住権に関する譲渡所得に係る取得費の金額の計算明細書」等の記載例について(情報)
標題のことについては、配偶者居住権に関する譲渡所得について「配偶者居住権に関する譲渡所得に係る取得費の金額の計算明細書」等の記載例を別添のとおり作成したので、執務の参考として送付する。
目次は、下記のとおり。
番号 | 事例の概要 |
事例1 | 配偶者居住権及び敷地利用権の消滅(合意解除)につき対価を取得した場合 |
事例2 | 収用等で配偶者居住権及び敷地利用権の消滅に係る補償金並びに配偶者居住権の目的となっている建物及びその敷地の用に供される土地に係る補償金を取得した場合 |
事例3 | 配偶者居住権の目的となっている建物及びその敷地の用に供される土地を配偶者居住権者に売却した場合 |
事例4 | 対価を支払って配偶者居住権及び敷地利用権を消滅(合意解除)させた後、建物及び土地を売却した場合 |
事例5 | 配偶者居住権者が配偶者居住権の目的となっている建物及びその敷地の用に供される土地を購入した後、その建物及び土地を売却した場合 |
参考 | 第22回生命表(完全生命表)に基づく平均余命 |
★リンクはこちら ⇒ 資産課税課情報 第26号 令和2年12 月16日 国税庁資産課税課「配偶者居住権に関する譲渡所得に係る取得費の金額の計算明細書」等の記載例について(情報)
2021年1月20日
令和2年11月・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和2年11月・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-4 令和3年1月8日)
2021年1月19日
令和2年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和2年9月・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-40 令和2年11月27日)
2020年12月9日
親が借地している土地の底地部分を子供が買い取ったとき
親が借地している土地の所有権(底地)をその子供が地主から買い取った場合に、親と子供の間で地代の授受が行われないときは、親の所有していた借地権は、子供が土地を買い取ったときに借地権者である親から子供に贈与があったものとして取り扱われる。
ただし、子供が土地の所有者となった後も、引き続き借地権者は親であるとして「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を子供の住所地の所轄税務署長にすみやかに提出したときは、贈与として取り扱わないことになっている。
また、この申出書は借地権者である親と土地の所有者である子供の連署により提出することになっている。
なお、この申出書の提出があった場合において、将来親に相続が開始したときには、その借地権は親の相続財産として取り扱われる。
★リンクはこちら ⇒ 親が借地している土地の底地部分を子供が買い取ったとき
2020年12月8日
親名義の建物に子供が増築したとき
親名義の建物に子供が増築した場合、増築部分は建物の所有者(親)の所有物となる。
この場合、親が子供に対して対価を支払わないときには、親は子供から増築資金相当額の利益を受けたものとして贈与税が課税されることになる。
しかし、子供が支払った増築資金に相当する建物の持分を親から子供へ移転させて共有とすれば、贈与税は課税されない。
なお、この場合、親から子供への建物の持分の移転は、親から子供に対する譲渡となり、譲渡利益が生じるときは譲渡所得の課税対象になるが、共有とするための譲渡及び親子間の譲渡であることから、居住用財産を譲渡した場合の特例は適用できない。
★リンクはこちら ⇒ 親名義の建物に子供が増築したとき
2020年12月4日
親の借地に子供が家を建てたとき
土地を借りる場合に、一般的に権利金などが授受される地域において、借地人から土地を又借りして家を建てるときには、又借りをする人は借地人に権利金や地代を支払うのが通例である。
しかし、親の借地に子供が家を建てたときに親に権利金や地代を支払うことは通常ない。
このように、親の借地権を子供が権利金や地代を支払うことなく無償で使用した場合には、借地権の使用貸借となるが、借地権の使用貸借による借地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われているので、子供に贈与税が課税されることはない。
この場合、「借地権の使用貸借に関する確認書」を使用貸借で借り受けている者の住所地の所轄税務署長にすみやかに提出すること。
この確認書は、借地権を使用する子供と借地人である親と地主の3人が、その借地権を使用貸借で又借りしていることを連名で確認するものである。
なお、借地権の貸借が使用貸借に当たらない場合には、実態に応じ借地権又は転借権の贈与として贈与税がかかる場合がある。
次に、この使用貸借されている借地権は、将来親から子供が相続する時に相続税の対象となる。
相続税の計算のときのこの借地権の価額は、他の人に賃貸している借地権の評価額ではなく、自分で使っている借地権の評価額となる。
★リンクはこちら ⇒ 親の借地に子供が家を建てたとき
2020年12月2日
使用貸借に係る土地を贈与により取得したとき
同一人が貸家とその敷地を所有している場合に、その敷地の贈与を受けたときは、貸家建付地の贈与を受けたことになる。
一方、使用貸借で借り受けた土地の上に建築した家屋を貸家としている場合に、その敷地の贈与を受けたときは、貸家建付地ではなく自用地の贈与を受けたことになる。
これは、使用貸借により土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われていることによるものである。
★リンクはこちら ⇒ 使用貸借に係る土地を贈与により取得したとき
2020年11月24日
親の土地に子供が家を建てたとき
土地の貸し借りが行われる場合に、借り手は地主に対して地代を支払う。
権利金の支払が一般的となっている地域においては、地代のほか権利金などの一時金を借地権設定の対価として支払うのが通例である。
しかしながら、親の土地に子供が家を建てたときに地代や権利金を支払うことは通常ない。
このように地代も権利金も支払うことなく土地を借りることを土地の使用貸借という。
親の土地を使用貸借して子供が家を建てた場合、子供が親から借地権相当額の贈与を受けたことになるのではないかという疑問が生じる。
しかしながら、使用貸借による土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われているので、この場合、子供が借地権相当額の贈与を受けたとして贈与税が課税されることはない。
この使用貸借されている土地は、将来親から子供が相続する時に相続税の対象となる。
相続税の計算のときのこの土地の価額は、他の人に賃貸している土地ではなく自分が使っている土地として評価される。
つまり、貸宅地としての評価額でなく自用地としての評価額になる。
★リンクはこちら ⇒ 親の土地に子供が家を建てたとき
2020年11月19日
国税庁「「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(所得税基本通達59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》)」に対する意見について
2020年6月30日付けで国税庁から、「「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(所得税基本通達59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》)」が公表され、広く意見が求められた。
日本公認会計士協会(租税調査会)では、この法令解釈通達(案)に対する意見を取りまとめ、2020年7月30日付けで国税庁に提出した。
★リンクはこちら ⇒ 国税庁「「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(所得税基本通達59-6《株式等を贈与等した場合の「その時における価額」》)」に対する意見について
2020年11月18日
『令和2年分の基準年利率について』(法令解釈通達)(課評2-37 令和2年10月20日)
令和2年5月19日付課評2-11「令和2年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和2年7月分から9月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
短期と中期は1月から0.01のままで変化なし、長期は1月と2月は0.05で、3月は0.01、4月から6月は0.1、7月は0.25、8月は0.1、9月は0.25である。
(注)課税時期の属する月の年数または期間に応ずる基準年利率を用いることに留意する。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の基準年利率について』(法令解釈通達)(課評2-37 令和2年10月20日)
2020年11月13日
複利現価率(3%)
配偶者居住権等の評価で用いる『複利現価率(3%)』は、以下のとおり。
なお、2020年4月1日以降の法定利率は3%である。
法定利率については、3年ごとに見直されることとされているが、配偶者居住権等の評価においては、配偶者居住権が設定された時における法定利率、すなわち、配偶者居住権が設定された日に適用される法定利率を用いることとなる。
★リンクはこちら ⇒ 複利現価率(3%)
2020年10月29日
第22回生命表(完全生命表)に基づく平均余命
配偶者居住権等の評価で用いる『第22回生命表(完全生命表)に基づく平均余命』は、以下のとおり。
★リンクはこちら ⇒ 第22回生命表(完全生命表)に基づく平均余命
2020年10月28日
令和元年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和2年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-34 令和2年10月9日)
2020年10月27日
配偶者居住権等の評価で用いる建物の構造別の耐用年数
『配偶者居住権等の評価で用いる建物の構造別の耐用年数』は、以下のとおり。
構 造 | 耐用年数省令に 定める耐用年数 |
配偶者居住権等の 評価で用いる耐用年数 |
鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造 | 47 | 71 |
れんが造、石造又はブロック造 | 38 | 57 |
金属造(骨格材の肉厚が四ミリ メートルを超えるものに限る。) |
34 | 51 |
金属造(骨格材の肉厚が三ミリメートルを 超え四ミリメートル以下のものに限る。) |
27 | 41 |
金属造(骨格材の肉厚が三ミリ メートル以下のものに限る。) |
19 | 29 |
木造又は合成樹脂造 | 22 | 33 |
木骨モルタル造 | 20 | 30 |
★リンクはこちら ⇒ 配偶者居住権等の評価で用いる建物の構造別の耐用年数
2020年10月26日
配偶者居住権が設定されている建物等を贈与により取得した場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
配偶者居住権が設定されている建物等を贈与により取得した場合の当該建物等の評価は、相続税法第23条の2の規定に準じて行う。
この場合、居住建物の時価から控除する配偶者居住権の価額や居住建物の敷地の時価から控除する敷地利用権の価額は、贈与により居住建物等を取得した時に配偶者居住権の設定があったものとして計算する(相基通23の2-6)。
すなわち、居住建物の経過年数は、配偶者居住権が設定された時までの年数ではなく、贈与により居住建物等を取得した時までの年数により計算し、配偶者居住権の存続年数についても、配偶者居住権が設定された時からの年数ではなく、贈与により居住建物等を取得した時からの年数により計算することとなる。
また、配偶者居住権の設定に係る被相続人の相続開始前から贈与時まで引き続き賃貸の用に供されている部分について、配偶者はその居住建物を賃借している賃借人に権利を主張することができない(対抗できない)ため、配偶者居住権及び敷地利用権の評価の対象から当該賃貸部分を除く必要がある。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
★リンクはこちら ⇒ 配偶者居住権が設定されている建物等を贈与により取得した場合
2020年10月23日
配偶者居住権が設定されている建物等を相続により取得した場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
配偶者居住権が設定されている建物等を相続により取得した場合の当該建物等の評価は、相続税法第 23条の2の規定に準じて行う(この場合の相続を以下「2次相続」という。)。
この場合、居住建物の時価から控除する配偶者居住権の価額や居住建物の敷地の時価から控除する敷地利用権の価額は、2次相続により居住建物等を取得した時に配偶者居住権の設定があったものとして計算する(相基通23の2-6)。
すなわち、居住建物の経過年数は、配偶者居住権が設定された時までの年数ではなく、2次相続により居住建物等を取得した時までの年数により計算し、配偶者居住権の存続年数についても、配偶者居住権が設定された時からの年数ではなく、2次相続により居住建物等を取得した時からの年数により計算することとなる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 配偶者居住権が設定されている建物等を相続により取得した場合
2020年10月22日
一時的な空室を「賃貸部分」として取り扱うこととした場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
貸家及び貸家建付地の評価をする場合において、いわゆる「一時的な空室」の部分を評価通達26(2)の「賃貸されている各独立部分」に含むこととしたときは、当該各独立部分を配偶者居住権等の評価をする場合の「賃貸の用に供されている部分」に含める必要がある(相基通23の2-1)。
設例の場合、居住建物の2階4室のうち、相続開始時において、いわゆる「一時的な空室」と認められる部分(25㎡)を「賃貸されている各独立部分」に含めて貸家及び貸家建付地の評価をすることとしている。
そのため、配偶者居住権等の評価をする場合の「賃貸の用に供されている部分」についても、いわゆる「一時的な空室」と認められる部分を含めて(「賃貸の用に供されている部分以外の部分」に含めないで)計算する必要がある。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 一時的な空室を「賃貸部分」として取り扱うこととした場合
2020年10月21日
相続開始時と配偶者居住権が設定された時の「賃貸の用に供されている部分以外の部分の割合」が異なる場合
<問>
相続開始時における居住建物の賃借人が、相続開始後、配偶者居住権が設定される前に退去したことにより、相続開始時と配偶者居住権が設定された時の「賃貸の用に供されている部分以外の部分の割合」が異なっている。
この場合、「賃貸の用に供されている部分以外の部分の割合」はどのように判断すべきか?
<答>
相続開始時において居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合には、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる居住建物又は敷地利用権の評価額の計算の基礎となる居住建物の敷地の価額は、「相続開始の時における当該配偶者居住権が設定されておらず、かつ、当該賃貸の用に供されていないものとした場合の時価」を基に計算することとされている(相令5の8①-イ、④-イ)。
したがって、相続開始時と配偶者居住権が設定された時の「賃貸の用に供されている部分以外の部分の割合」が異なる場合であっても、当該割合は、相続開始時の居住建物の現況により判断することとなる。
★リンクはこちら ⇒ 相続開始時と配偶者居住権が設定された時の「賃貸の用に供されている部分以外の部分の割合」が異なる場合
2020年10月20日
居住建物及びその敷地が共有(賃貸あり)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物の一部が賃貸用の場合、配偶者居住権と敷地利用権の評価額の計算の基礎となるのは、「賃貸以外の部分」である。
そのため、その賃貸されている部分を除いて、配偶者居住権と敷地利用権を評価することとなる。
また、配偶者居住権の評価額の計算の基礎は、居住建物が被相続人とその配偶者の共有であることから、被相続人の共有持分割合に対応する部分となる。
さらに、敷地利用権の評価額の計算の基礎は、居住建物とその敷地のいずれもが、被相続人と配偶者またはその他の者の共有であることから、当該被相続人の居住建物の共有持分割合(設例の場合、2分の1)と敷地の共有持分割合(設例の場合、3分の1)のうち、低い方の共有持分割合に対応する部分となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物及びその敷地が共有(賃貸あり)の場合
2020年10月19日
居住建物及びその敷地が共有(賃貸なし)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物が被相続人とその配偶者の共有の場合、配偶者居住権の評価額の計算の基礎は、被相続人の共有持分割合に対応する部分となる。
また、居住建物とその敷地のいずれもが、被相続人と配偶者又はその他の者の共有の場合には、当該被相続人の居住建物の共有持分割合(設例の場合、2分の1)と敷地の共有持分割合(設例の場合、3分の1)のうち、低い方の共有持分割合に対応する部分が、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物及びその敷地が共有(賃貸なし)の場合
2020年10月16日
居住建物の敷地のみ共有(賃貸あり)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物の一部が賃貸用の場合、配偶者居住権と敷地利用権の評価額の計算の基礎となるのは「賃貸以外の部分」である。
そのため、その賃貸されている部分を除いて、配偶者居住権と敷地利用権を評価することとなる。
また、居住建物の敷地のみが被相続人とその配偶者の共有であることから、居住建物の敷地のみ共有(賃貸なし)の場合と同様、被相続人の共有持分割合に対応する部分が、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物の敷地のみ共有(賃貸あり)の場合
2020年10月15日
居住建物の敷地のみ共有(賃貸なし)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物の敷地のみが被相続人とその配偶者の共有の場合、敷地利用権の評価額の計算の基礎は、被相続人の共有持分割合に対応する部分となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物の敷地のみ共有(賃貸なし)の場合
2020年10月13日
居住建物のみ共有(賃貸あり)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物の一部が賃貸用の場合、配偶者居住権と敷地利用権の評価額の計算の基礎となるのは「賃貸以外の部分」である。
そのため、その賃貸されている部分を除いて、配偶者居住権と敷地利用権を評価することとなる。
また、居住建物が被相続人とその配偶者の共有なので、配偶者居住権の評価額の計算の基礎は、被相続人の共有持分割合に対応する部分となる。
更に、居住建物のみが被相続人とその配偶者の共有であることから、居住建物のみ共有(賃貸なし)の場合と同様、敷地利用権の評価額の計算の基礎は、当該被相続人の居住建物の共有持分割合に対応する部分となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物のみ共有(賃貸あり)の場合
2020年10月12日
居住建物のみ共有(賃貸なし)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物が被相続人とその配偶者の共有の場合、配偶者居住権の評価額の計算の基礎は、被相続人の共有持分割合に対応する部分となる。
また、居住建物のみが被相続人とその配偶者の共有の場合には、当該被相続人の居住建物の共有持分割合に対応する部分が、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
〔居住建物の敷地の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物のみ共有(賃貸なし)の場合
2020年10月9日
使用貸借による貸付けがされている場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
配偶者が建物の全部を居住の用に供していたことは、配偶者居住権の成立要件とされていない。
そのため、被相続人と別居の親族が被相続人所有の建物の一部を使用貸借により借り受け、自己の事業の用に供していた場合であっても、配偶者が建物の一部を居住の用に供していたのであれば、配偶者居住権の成立要件を満たしていることとなる。
また、配偶者居住権等の評価額の計算の基礎となる金額から除かれる「賃貸の用に供されている部分」には、使用貸借により貸し付けられていた部分が含まれない。
そのため、当該使用貸借により貸し付けられていた部分を配偶者居住権や敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額に含めることとなるので、居住建物の時価またはその敷地の時価が、配偶者居住権又は敷地利用権の評価の基礎となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 使用貸借による貸付けがされている場合
2020年10月8日
賃貸あり(居住建物及びその敷地の共有なし)の場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物の一部が賃貸用の場合、配偶者居住権と敷地利用権の評価額の計算の基礎となるのは「賃貸以外の部分」である。
そのため、その賃貸されている部分を除いて、配偶者居住権と敷地利用権を評価することとなる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 賃貸あり(居住建物及びその敷地の共有なし)の場合
2020年10月6日
2以上の筆からなる1画地の宅地を2以上の者が取得した場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
敷地利用権の及ぶ範囲は、居住建物の敷地の用に供されている部分となりますので、設例の場合、敷地利用権はA土地・B土地の全体に及んでいる。
ここで、敷地利用権の取得者が配偶者であることから、敷地利用権は、A土地・B土地を一体として評価するようにも考えられる。
しかしながら、宅地の評価単位は、原則として、取得者が取得した宅地ごとに判定し、居住建物の敷地(所有権部分)の価額は、居住建物の敷地の時価から敷地利用権の価額を控除した残額により評価することとされており、当該所有権部分と敷地利用権の合計が100%となるような評価方法が採用されている。
そうすると、設例のような場合において、所有権部分の評価単位はA・B土地ごとであるにもかかわらず、仮に、敷地利用権をA・B土地一体で評価してしまうと、所有権部分と敷地利用権の合計が 100%にならない場合が生じうるため、合理的であるとは言えない。
そのため、敷地利用権の評価単位は、当該敷地利用権の評価額の計算の基礎となる居住建物の敷地の評価単位と同様に判定することとなる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 2以上の筆からなる1画地の宅地を2以上の者が取得した場合
2020年10月5日
相続開始前に居住建物の増改築がされた場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
相続開始前に居住建物の増改築がされた場合であっても、増改築部分を区分することなく、新築時からの経過年数により配偶者居住権等を評価する(相基通23の2-3)。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 相続開始前に居住建物の増改築がされた場合
2020年9月30日
存続年数が残存耐用年数を超える場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
配偶者居住権の価額は、基本的に次の算式により算出するが、算式中、分数の項の分母または分子が零以下となる場合には、分数の項を零とすることとされている(相法 23の2①二)。
すなわち、配偶者居住権の存続年数が居住建物の残存耐用年数(耐用年数-経過年数)を超える場合には、結果的に居住建物の時価と配偶者居住権の評価額が一致することとなる。
そのため、居住建物の時価が配偶者居住権の価額となり、所有権部分の価額は零となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
〔居住建物の敷地の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 存続年数が残存耐用年数を超える場合
2020年9月29日
居住建物の敷地が借地権である場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
設例の場合、居住建物の一部が賃貸用又は居住建物が配偶者と共有でなく、かつ、居住建物の敷地が共有ではないので、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、居住建物の敷地の時価である。
また、居住建物の敷地として、被相続人が借地権を有していたことから、当該借地権の時価が敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
〔居住建物の敷地の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物の敷地が借地権である場合
2020年9月28日
居住建物が店舗併用住宅である場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物の一部が賃貸用の場合には、当該賃貸部分を除いた居住建物の時価又はその敷地の時価が、配偶者居住権又は敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額となる。
これは、相続開始前から居住建物を賃借している賃借人に対し、配偶者が権利を主張することができないため、実質的に配偶者居住権に基づく使用・収益をすることができない部分を除いて評価するものである。
設例のように、居住建物の一部が事業用である場合、当該事業用部分については、前述の賃貸部分とは異なり、配偶者が配偶者居住権に基づく使用・収益をすることが可能である。
こうしたことから、相続税法上も、居住建物の事業用部分を配偶者居住権や敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額から除くこととはされていない。
そのため、居住建物の時価又はその敷地の時価が、配偶者居住権又は敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額となる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
〔居住建物の敷地の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 居住建物が店舗併用住宅である場合
2020年9月25日
配偶者が居住建物の敷地の所有権及び配偶者居住権を取得した場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
敷地利用権は、配偶者居住権に基づく居住建物の使用及び収益に必要な範囲で居住建物の敷地を利用することができる権利であると考えられる。
そうすると、設例のように、配偶者が配偶者居住権と居住建物の敷地の所有権を取得した場合、当該敷地について、敷地利用権の取扱いが問題となる。
敷地の所有権は、敷地を使用・収益・処分する権利であり、敷地利用権は、その権利のうち、配偶者居住権の存在を前提に敷地を使用・収益するものであると考えられることから、配偶者が取得した敷地の所有権と敷地利用権を区分して評価する必要性に乏しく、敷地利用権を所有権に含めて評価するのが合理的であると考えられる。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 配偶者が居住建物の敷地の所有権及び配偶者居住権を取得した場合
2020年9月24日
配偶者が居住建物の共有持分及び配偶者居住権を取得した場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はどうなるのか?
<答>
居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は消滅しない(民法1028②)。
したがって、配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
⑴長男が取得する居住建物の価額
⑵配偶者が取得する居住建物の価額
〔敷地利用権の価額〕
〔居住建物の敷地の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 配偶者が居住建物の共有持分及び配偶者居住権を取得した場合
2020年9月23日
配偶者以外の相続人が居住建物及びその敷地を取得した場合
<問>
次のような事例の場合の配偶者居住権等の評価額はいくらになるのか?
<答>
配偶者居住権等の評価額は次のとおり。
〔配偶者居住権の価額〕
〔居住建物の価額〕
〔敷地利用権の価額〕
〔居住建物の敷地の価額〕
★リンクはこちら ⇒ 配偶者以外の相続人が居住建物及びその敷地を取得した場合
2020年9月18日
居住建物の敷地の価額を求める場合の「居住建物の敷地の時価」
居住建物の敷地の価額(所有権部分の価額)は、「居住建物の敷地の時価」から敷地利用権の価額を控除した残額により評価します(相法23の2④)。
この場合における「時価」とは、相続税法第22条の時価をいうので、評価通達の定めるところにより評価した価額が「居住建物の敷地の時価」となる。
また、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、一定の場合を除き、相続税法第22条の時価をいう。
したがって、基本的には居住建物の敷地の価額を求める場合の「居住建物の敷地の時価」と敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、いずれも評価通達の定めるところにより評価した価額となる。
ただし、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額については、居住建物の一部が賃貸用若しくは居住建物を配偶者と共有していた場合又は居住建物の敷地を共有していた場合には、当該賃貸部分や配偶者等の共有持分に対応する部分等を除いて計算する必要があり、この点が居住建物の敷地の価額(所有権部分の価額)を求める場合の「居住建物の敷地の時価」と異なる 。
★リンクはこちら ⇒ 居住建物の敷地の価額を求める場合の「居住建物の敷地の時価」
2020年9月17日
敷地利用権の評価単位
土地の価額は、原則として、宅地、田、畑、山林等の地目の別に評価することとされている(評価通達7)。そして、宅地の評価単位は、原則として、取得者が取得した宅地ごとに判定するが、1筆単位で評価するのではなく、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいう。)ごとに評価することとされている(評価通達7-2)。
したがって、例えば、2以上の者から隣接している土地を借りて、これを一体として利用している場合、その借地権の評価に当たっては、全体を1画地として評価する。
これに対し、貸主側の貸宅地の評価に当たっては、各貸主の所有する部分ごとに区分して、それぞれを1画地の宅地として評価する。
ところで、敷地利用権とは、配偶者が配偶者居住権に基づいて居住建物の敷地を利用することができる権利をいうから、その取得者は配偶者に限られている。
そうすると、敷地利用権の評価単位は、必ず一になるようにも考えられる。
しかしながら、宅地の評価単位は、原則として、取得者が取得した宅地ごとに判定し、居住建物の敷地(所有権部分)の価額は、居住建物の敷地の時価から敷地利用権の価額を控除した残額により評価することとされており、当該所有権部分と敷地利用権の合計が100%となるような評価方法が採用されている。
そうすると、仮に、所有権部分とは異なる評価単位により敷地利用権を評価してしまうと、所有権部分と敷地利用権の合計が 100%にならない場合が生じうるため、合理的であるとは言えない。
そのため、敷地利用権については、当該敷地利用権の評価額の計算の基礎となる居住建物の敷地の評価単位と同様に判定するのが相当であると考えられる。
この場合の居住建物の敷地(宅地)の評価単位は、上記のとおり、取得した者ごとに1画地の宅地として評価することとなるから、敷地利用権の評価単位についても、その取得者が配偶者に限られているからといって、必ずしも一であるとは限らない。
★リンクはこちら ⇒ 敷地利用権の評価単位
2020年9月16日
敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額
敷地利用権の評価額は、居住建物の敷地の相続税評価額を基礎として、配偶者居住権の存続期間により定まる割引率を乗じて計算する。この場合の居住建物の敷地の相続税評価額は、「居住建物の敷地の時価」であり、基本的に評価通達の定めるところにより計算する。
ただし、その居住建物の一部が賃貸用若しくはその居住建物が配偶者と共有又はその居住建物の敷地が共有の場合には、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8④)で定めるところにより計算した金額」となる。
具体的には、以下の態様に応じてそれぞれ次の金額となる。
⑴居住建物の一部が賃貸用又は居住建物が配偶者と共有でなく、かつ、居住建物の敷地が共有でない場合
居住建物の一部が賃貸用又は居住建物が配偶者と共有でなく、かつ、居住建物の敷地が共有でない場合、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、「居住建物の敷地の時価」である。
この場合の「時価」とは、相続税法第22条の時価をいうので、評価通達の定めるところにより計算した相続税評価額が、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる。
配偶者居住権等の評価明細書の⑫欄がこれに当たる。
〔計算例1(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
⑵居住建物の一部が賃貸用である場合
居住建物の一部が賃貸用である場合、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8④一)で定めるところにより計算した金額」となる(相法23の2③一かっこ書)。
これを算式で表すと次のとおり。
上記算式のとおり、居住建物の一部が賃貸用である場合には、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額から賃貸の用に供されている部分を除くこととされている。
これは、配偶者居住権は、民法上、居住建物の全部に及ぶこととされているところ(民法1028①)、居住建物の一部が貸し付けられている場合には、配偶者は相続開始前からその居住建物を賃借している賃借人に権利を主張することができない(対抗できない)ため、実質的に配偶者居住権に基づく使用・収益をすることができない部分を除いて評価する必要があるためである。
すなわち、居住建物の一部が賃貸用である場合においても、仮に上記⑴のように「居住建物の敷地の時価」を基礎として敷地利用権の評価額を計算すると、賃貸の用に供されている部分が敷地利用権の評価の対象に含まれてしまい(※) 、敷地
利用権の評価の計算上、合理的であるとは言えない。
※「居住建物の敷地の時価」は、その居住建物の一部が賃貸用である場合、その貸家建付部分を評価通達26((貸家建付地の評価 ))等に定める貸家建付地等として評価することとな
り、評価の対象から除くわけではない。
なお、居住建物の一部が賃貸用である場合の敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、配偶者居住権等の評価明細書の⑱欄に当たる。
〔計算例2(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
⑶居住建物の敷地又は当該建物を共有していた場合
被相続人が居住建物の敷地又は当該建物を共有していた場合、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8④二)で定めるところにより計算した金額」となる(相法23の2③一かっこ書)。
これを算式で表すと次のとおり。
上記の算式のうち、「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、次の場合に応じてそれぞれ次のイからハまでのとおり。
なお、被相続人が居住建物の敷地又は当該建物を共有していた場合の敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、配偶者居住権等の評価明細書の⑱欄に当たる。
イ.居住建物の敷地のみを共有していた場合
被相続人が居住建物の全部を所有しており、居住建物の敷地のみを共有していた場合、「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、被相続人の居住建物の敷地の持分割合である。
したがって、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額が、結果として、「居住建物の敷地の時価」と一致する(※)。
※「居住建物の敷地の時価」は、被相続人が居住建物の全部を所有しており、その居住建物の敷地のみを共有していた場合、被相続人の共有持分に応じて按分した価額により評価することとなる(評価通達2)。
〔計算例3-イ(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
ロ.居住建物のみを配偶者と共有していた場合
被相続人が居住建物の敷地の全部を所有しており、居住建物のみを配偶者と共有していた場合、「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、被相続人の居住建物の持分割合である。
これは、仮に上記⑴のように「居住建物の敷地の時価」を基礎として敷地利用権の評価額を計算すると(※) 、配偶者が相続開始前から使用借権に基づいて敷地を利用する権利に相当する部分まで敷地利用権の評価の対象に含まれてしまい、敷地利用権の評価の計算上、合理的であるとは言えないためである。
※「居住建物の敷地の時価」について、被相続人が居住建物の敷地の全部を所有しており、その居住建物のみを配偶者と共有していた場合には、配偶者が相続開始前から使用借権に基づいて敷地を利用する権利が零として取り扱われることとなり(使用貸借通達3)、あくまで被相続人の敷地の持分(1分の1)に対応する部分が評価の対象となるので、当該使用借権に基づいて敷地を利用する権利に相当する部分を評価の対象から除くわけではない。
〔計算例3-ロ(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
ハ.居住建物の敷地及び当該建物を共有していた場合
被相続人が居住建物の敷地及び当該建物のいずれも共有していた場合、「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、被相続人が有していた居住建物の敷地の持分割合と当該建物の持分割合のうちいずれか低い割合となる(相令5の8④二ロ)。
そのため、被相続人が有していた居住建物の敷地の持分割合と当該建物の持分割合の態様に応じて、それぞれ次の割合となる。
(イ)居住建物の敷地の持分割合と当該建物の持分割合が同じ場合
被相続人の居住建物の敷地の持分割合と当該建物の持分割合が同じである場合の「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、被相続人の居住建物の敷地の持分割合(被相続人の居住建物の持分割合)となる。
したがって、上記イと同様、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額が、結果として、「居住建物の敷地の時価」と一致する(※) 。
※「居住建物の敷地の時価」は、被相続人がその居住建物の敷地を共有していた場合、被相続人の共有持分に応じて按分した価額により評価することとなる(評価通達2)。
〔計算例3-ハ-(イ)(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
(ロ)居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より小さい場合
被相続人の居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より小さい場合の「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、被相続人の居住建物の敷地の持分割合となる。
したがって、上記イと同様、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額が、結果として、「居住建物の敷地の時価」と一致する(※) 。
※「居住建物の敷地の時価」は、被相続人がその居住建物の敷地を共有していた場合、被相続人の共有持分に応じて按分した価額により評価することとなる(評価通達2)。
〔計算例3-ハ-(ロ)(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
(ハ)居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より大きい場合
被相続人の居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より大きい場合の「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合は、被相続人の居住建物の持分割合となる。
これは、仮に上記⑴のように「居住建物の敷地の時価」を基礎として敷地利用権の評価額を計算すると(※)、配偶者が相続開始前から使用借権に基づいて敷地を利用する権利に相当する部分まで敷地利用権の評価の対象に含まれてしまい、敷地利用権の評価の計算上、合理的であるとは言えないためである。
※「居住建物の敷地の時価」について、居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より大きい場合には、配偶者が相続開始前から使用借権に基づいて敷地を利用する権利が零として取り扱われることとなり(使用貸借通達3)、あくまで被相続人の敷地の共有持分に対応する部分が評価の対象となるので、当該使用借権に基づいて敷地を利用する権利に相当する部分を評価の対象から除くわけではない。
〔計算例3-ハ-(ハ)(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※ 居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、土地等が共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が 3,000万円であるものとする。
⑷居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、当該建物又はその敷地を共有していた場合
居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、当該建物又はその敷地を共有していた場合、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8④三)で定めるところにより計算した金額」となる(相法23の2③一かっこ書)。
これを算式で表すと次のとおり。
上記の算式のとおり、居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、当該建物又はその敷地を共有していた場合には、敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額から、賃貸の用に供されている部分を除くこととされている。
また、この場合の「評価明細書の⑫欄の相続税評価額」に乗じる割合については、上記⑶イからハまでと同様となる。
なお、居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、当該建物又はその敷地を共有していた場合の敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額は、配偶者居住権等の評価明細書の⑱欄に当たる。
〔計算例4-イ~4-ハ(敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ 、土地等が 共有でないものとした場合の居住建物の敷地の時価が3,000万円であるものとする。
4-イ 居住建物の一部が賃貸用で、その敷地のみ共有の場合
4-ロ 居住建物の一部が賃貸用で、建物のみ配偶者と共有の場合
4-ハ 居住建物の一部が賃貸用で、建物・その敷地ともに共有の場合
(イ)居住建物の敷地の持分割合と当該建物の持分割合が同じ場合
(ロ)居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より小さい場合
(ハ)居住建物の敷地の持分割合が当該建物の持分割合より大きい場合
(参考)本問中の計算例のパターンを表にまとめると次のとおり。
※表内の数字は、本問中の「計算例●」を示している。
★リンクはこちら ⇒ 敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額
2020年9月15日
居住建物の価額を求める場合の「居住建物の時価」
居住建物の価額(所有権部分の価額)は、「居住建物の時価」から配偶者居住権の価額を控除した残額により評価する(相法23の2②)。
この場合における「時価」とは、相続税法第22条の時価をいうので、評価通達の定めるところにより評価した価額が「居住建物の時価」となる。
また、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、一定の場合を除き、相続税法第22条の時価をいう。
したがって、基本的には居住建物の価額を求める場合の「居住建物の時価」と配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、いずれも評価通達の定めるところにより評価した価額となる。
ただし、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額については、居住建物の一部が賃貸用又は居住建物を配偶者と共有していた場合には、当該賃貸部分や配偶者の共有持分に対応する部分を除いて計算する必要があり、この点が居住建物の価額(所有権部分の価額)を求める場合の「居住建物の時価」と異なる。
〔イメージ〕
※居住 建物が賃貸の 用に供されておらず 、か つ、共有でないもの とし た場合の居住建物の時価を200(単位省略)であると仮定する。
① ②かつ③以外の場合
② 居住建物の一部が賃貸用の場合
※賃貸併用住宅(200㎡)のうち、100㎡を賃貸の用に供しているものとする。
相法22の時価:100+100×(1-0.3)=170
③ 居住建物を配偶者と共有していた場合
※居住建物に係る被相続人の持分が2分の1であるものとする。
相法22の時価:200×1/2=100
★リンクはこちら ⇒ 居住建物の価額を求める場合の「居住建物の時価」
2020年9月14日
経過年数又は存続年数を求める場合の「配偶者居住権が設定された時」
配偶者居住権が設定された時とは、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる時をいう(相基通 23の2-2)。
なお、配偶者居住権の設定の登記を備えた日(登記日)ではないので注意すること。
(1)遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされた場合(民法1028①一)
遺産の分割が行われた時(※)
※「遺産の分割が行われた時」とは、それぞれ次の日をいう。
① | 遺産分割の協議の場合は、その協議の成立した日 |
② | 遺産分割の調停の場合は、その調停の成立した日(家事事件手続法 268) |
③ | 遺産分割の審判の場合は、その審判の確定した日(家事事件手続法 74、86) |
(2)配偶者居住権が遺贈の目的とされた場合(民法1028①二)
相続開始の時(※)
※配偶者居住権が停止条件付遺贈の目的とされた場合には、当該遺贈の効力が生じた日となる。
★リンクはこちら ⇒ 経過年数又は存続年数を求める場合の「配偶者居住権が設定された時」
2020年9月11日
「耐用年数」・「経過年数」・「存続年数」
配偶者居住権を評価する場合の「耐用年数」・「経過年数」・「存続年数」については、次のとおり。
〔耐用年数〕
耐用年数とは、耐用年数省令に定める住宅用の耐用年数を 1.5倍したものをいう。
なお、店舗併用住宅などの非居住用部分が存する居住建物についても、居住建物の全部が「住宅用」であるものとして、耐用年数省令に定める耐用年数を1.5倍したものを用いる(相令5の8②、相規12の2)。
したがって、非居住用部分については、事業所得、不動産所得又は雑所得の計算上の耐用年数を用いないことに留意すること。
〔経過年数〕
経過年数とは、居住建物が建築された日(新築時)から配偶者居住権が設定された時までの年数をいう※ 。
なお、居住建物が相続開始前に増改築された場合であっても、増改築部分を区分することなく、新築時から配偶者居住権が設定された時までの年数をいう(相法23の2①二イ、相基通23の2-3)。
〔存続年数〕
存続年数とは、「配偶者居住権が存続する年数として政令で定める年数」をいうものとされている(相法23の2①二イ)。
具体的には、次の⑴又は⑵の場合の区分に応じ、それぞれ⑴又は⑵に定める年数をいう。
⑴配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間とされている場合
配偶者居住権が設定された時における当該配偶者の平均余命(※)
※配偶者の平均余命は、配偶者居住権が設定された時の属する年の1月1日現在において公表されている最新の完全生命表による(相基通23の2-5)。
なお、完全生命表に当てはめる配偶者の年齢は、配偶者居住権が設定された時における配偶者の満年齢による。
(参考)完全生命表は、国勢調査による日本人人口の各定数、人口動態統計の各定数を基に5年ごとに厚生労働省が公表しており、第22回生命表(完全生命表)は平成29年3月に公表されている。
⑵上記⑴以外の場合
配偶者居住権が設定された時から配偶者居住権の存続期間満了の日までの年数(配偶者居住権が設定された時における配偶者の平均余命を上限とする。)
〔耐用年数、経過年数、存続年数、平均余命及び複利現価率の端数処理〕
(参考)譲渡所得の計算における非事業用資産の 耐用年数の端数処理 は、1年未満切捨てとされているので、注意すること(所令85)。
★リンクはこちら ⇒ 「耐用年数」・「経過年数」・「存続年数」
2020年9月10日
配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額
配偶者居住権の評価額は、居住建物の相続税評価額を基礎として、配偶者居住権の存続期間や居住建物の経過年数等により定まる割合・割引率を乗じて計算する。
この場合の居住建物の相続税評価額は、「居住建物の時価」であり、基本的に評価通達の定めるところにより計算する。
ただし、その居住建物の一部が賃貸用又はその居住建物を配偶者と共有していた場合には、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8①)で定めるところにより計算した金額」となる。
具体的には、以下の態様に応じてそれぞれ次の金額となる。
⑴居住建物の一部が賃貸用でなく、かつ、居住建物を配偶者と共有していなかった場合
居住建物の一部が賃貸用でなく、かつ、居住建物を配偶者と共有していなかった(換言すると、居住建物を被相続人が自用家屋として単独所有していた)場合、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、「居住建物の時価」である。この場合の「時価」とは、相続税法第 22条の時価をいうので、評価通達の定めるところにより計算した相続税評価額が、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる。配偶者居住権等の評価明細書の⑨欄がこれに当たる。
〔計算例1(配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、共有でないものとした場合の居住建物の時価が 3,000万円であるものとする。
⑵居住建物の一部が賃貸用である場合
居住建物の一部が賃貸用である場合、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8①一)で定めるところにより計算した金額」となる(相法 23の2①一かっこ書)。
上記の算式のとおり、居住建物の一部が賃貸用である場合には、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額から賃貸の用に供されている部分を除くこととされている。
これは、配偶者居住権は、民法上、居住建物の全部に及ぶこととされているところ(民法 1028①)、居住建物の一部が貸し付けられている場合には、配偶者は相続開始前からその居住建物を賃借している賃借人に権利を主張することができない(対抗できない)ため、実質的に配偶者居住権に基づく使用・収益をすることができない部分を除いて評価する必要があるためである。
すなわち、居住建物の一部が賃貸用である場合においても、仮に上記⑴のように「居住建物の時価」を基礎として配偶者居住権の評価額を計算すると、賃貸の用に供されている部分が配偶者居住権の評価の対象に含まれてしまい(※) 、配偶者居住権の評価の計算上、合理的であるとは言えない。
※「居住建物の時価」は、その居住建物の一部が賃貸用である場合、その貸家部分を評価通達 93((貸家の評価 ))に定める貸家として評価することとなり、評価の対象から除くわけではない。
なお、居住建物の一部が賃貸用である場合の配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、配偶者居住権等の評価明細書の⑮欄に当たる。
〔計算例2(配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※ 居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、共有でないものとした場合の居住建物の時価が 3,000万円であるものとする。
⑶居住建物を配偶者と共有していた場合
被相続人が居住建物を配偶者と共有していた場合※ 、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8①二)で定めるところにより計算した金額」となる(相法 23の2①一かっこ書)。
これを算式で表すと次のとおり。
※被相続人が居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、配偶者居住権を設定することができない(民法 1028①)。
上記の算式のとおり、被相続人が居住建物を配偶者と共有していた場合には、被相続人の共有持分に応じた価額が配偶者居住権の評価額の計算の基礎とされている。
これは、前述のとおり、配偶者居住権は居住建物の全部に及ぶものの、被相続人の所有権が共有持分である場合には、その所有権の評価額は建物全体の評価額を共有持分に応じて按分した価額となるので、配偶者居住権の評価額についても、被相続人の共有持分に応じた価額を基に算定するのが妥当であると考えられるからである。
したがって、この場合、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額が、結果として、「居住建物の時価」と一致する(※) 。
※「居住建物の時価」は、被相続人がその居住建物を配偶者と共有していた場合、被相続人の共有持分に応じて按分した価額により評価することとなる(評価通達2)。
なお、被相続人が居住建物を配偶者と共有していた場合の配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、配偶者居住権等の評価明細書の⑮欄に当たる。
〔計算例3(配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、共有でないものとした場合の居住建物の時価が 3,000万円であるものとする。
⑷居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、居住建物を配偶者と共有していた場合
居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、居住建物を配偶者と共有していた場合、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、「政令(相令5の8①三)で定めるところにより計算した金額」となる(相法 23の2①一かっこ書)。
上記の算式のとおり、居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、居住建物を配偶者と共有していた場合には、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額から、賃貸の用に供されている部分と配偶者の共有持分に対応する部分を除くこととされている。
これは、上記⑵及び⑶と同様の理由によるものである。
なお、居住建物の一部が賃貸用であり、かつ、居住建物を配偶者と共有していた場合の配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額は、配偶者居住権等の評価明細書の⑮欄に当たる。
〔計算例4(配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額)〕
※居住建物が賃貸の用に供されておらず、かつ、共有でないものとした場合の居住建物の時価が 3,000万円であるものとする。
(参考)本問中の計算例のパターンを表にすると次のとおり。
※表内の数字は、本問中の「計算例●」を示している。
★リンクはこちら ⇒ 配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額
2020年9月9日
相続税法における配偶者居住権等の評価方法の概要
相続税法における配偶者居住権等の評価方法の概要は次のとおり。
〔配偶者居住権の評価方法〕
配偶者居住権の価額は、次の算式により評価することとされている。
※ここでいう「時価」は、相続税法第22条に規定する時価をいう。ただし、居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合又は被相続人が相続開始の直前において居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となる(相法 23の2①一)。以下、これらを併せて「配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる金額」という。
〔居住建物の評価方法〕
居住建物の価額は、次の算式により評価することとされている。
※ここでいう「時価」は、相続税法第 22条に規定する時価をいう。
〔敷地利用権の評価方法〕
敷地利用権の価額は、次の算式により評価することとされている。
※ここでいう「時価」は、相続税法第22条に規定する時価をいう。ただし、居住建物の一部が賃貸の用に供されている場合又は被相続人が相続開始の直前において居住建物の敷地を他の者と共有し、若しくは居住建物をその配偶者と共有していた場合には、次の算式により計算した金額となる(相法23の2③一)。以下、これらを併せて「敷地利用権の評価額の計算の基礎となる金額」という。
(注)1
敷地利用権の及ぶ範囲は、居住建物の敷地の用に供されている部分となるので、当該建物の敷地の評価単位と同一となる。
(注)2
居住建物の敷地が建物の区分所有等に関する法律の規定に基づく敷地利用権又は借地権である場合についても、被相続人が土地等の所有権を有していた場合と同様、上記の算式により評価する。
〔居住建物の敷地の評価方法〕
居住建物の敷地の価額は、次の算式により評価することとされている。
※ここでいう「時価」は、相続税法第22条に規定する時価をいう。
★リンクはこちら ⇒ 相続税法における配偶者居住権等の評価方法の概要
2020年9月8日
相続税法における配偶者居住権等の評価の考え方
相続税法における配偶者居住権等(配偶者居住権、居住建物、敷地利用権及び居住建物の敷地をいう。以下同じ。)の評価の考え方は次のとおり。
〔配偶者居住権の評価の考え方〕
居住建物の所有者は、配偶者居住権存続期間終了時に居住建物を自由に使用収益することができる状態に復帰することとなる。
この点に着目し、配偶者居住権の価額は、居住建物の所有権部分の「配偶者居住権存続期間終了時の価額(将来価値)」を求め、それを現在価値に割り戻し、居住建物の時価からその割り戻した所有権部分の価額を控除した金額により評価する。
具体的には、
① | 配偶者居住権存続期間終了時の居住建物の時価を減価償却に類する方法を用いて計算する |
② | ①で計算した配偶者居住権存続期間終了時の居住建物の時価を法定利率による複利現価率を用いて現在価値に割り戻す(所有権部分の将来価値を現在価値に割り戻した価額を求める) |
③ | 居住建物の時価から②で求めた価額を控除 |
して配偶者居住権の価額を求めようとするものである。
また、このような評価方法が採用されているのは、次の理由によるものである。
① | 仮に相続開始時の経過年数等に基づいて配偶者居住権を評価すると、配偶者が配偶者居住権を有していなかった期間(相続開始時から遺産の分割が行われた時までの期間)が「配偶者居住権」の評価に反映されてしまうこと。 |
② | 遺産の分割により配偶者居住権が設定される場合には、その遺産の分割の時を起算点として配偶者居住権の存続期間が定まることを踏まえると、居住建物の財産的価値に対する配偶者の取得割合も、遺産の分割の時において定まると考えられること。 |
おって、この算出方法により配偶者居住権及び所有権の価額を評価することは、相続税法第 23条の2第1項及び第2項の規定に基づき配偶者居住権及び所有権の価額を評価することと同義なので、実務上は、配偶者居住権等の評価明細書により配偶者居住権及び所有権の価額を評価することができる。
〔居住建物の評価の考え方〕
居住建物の価額は、相続開始時における配偶者居住権が設定されていないものとした場合の居住建物の時価から配偶者居住権の価額を控除した残額により評価することとされている。
このように配偶者居住権の評価において居住建物の所有権部分の価額を算出した上で居住建物の時価との差額を配偶者居住権の評価額としつつ、所有権部分を評価する際は改めて居住建物の時価から配偶者居住権の価額を控除した差額によることとされているのは、居住建物に賃貸部分があった場合には、配偶者居住権の評価額の計算の基礎となる居住建物の時価が賃貸部分を含まないのに対し、所有権部分には賃貸部分を含める必要があるためである。
すなわち、賃貸部分の価額は、所有権部分に全て反映されることとなる。
〔敷地利用権の評価の考え方〕
居住建物の敷地の所有者は、配偶者居住権存続期間終了時に居住建物の敷地を自由に使用収益することができる状態に復帰することとなる。
この点に着目し、敷地利用権の価額は、居住建物の敷地について、所有権部分の「配偶者居住権存続期間終了時の価額(将来価値)」を求め、それを現在価値に割り戻し、居住建物の敷地の時価からその割り戻した所有権部分の価額を控除した金額により評価する。
具体的には、
① | 配偶者居住権存続期間終了時の居住建物の敷地の時価を法定利率による複利現価率を用いて現在価値に割り戻す(所有権部分の将来価値を現在価値に割り戻した価額を求める) |
② | 居住建物の敷地の時価から①で求めた価額を控除 |
して敷地利用権の価額を求めようとするものである。
なお、将来時点における土地等の時価を評価するのは不確実性を伴い困難な場合が多いと考えられること等から、時価変動を捨象し、相続開始時の価額をそのまま配偶者居住権存続期間終了時の時価として用いて計算する。
また、配偶者居住権及び居住建物の評価と同様、遺産の分割の協議に時間を要した場合には、遺産の分割が行われた時の配偶者の平均余命年数及び法定利率等に基づき、遺産の分割が行われた時の居住建物の敷地に占める敷地利用権及び所有権の割合(敷地利用権と所有権の比率)を求め、その比率で相続開始時の時価を按分して、敷地利用権及び所有権の評価額を求める。
おって、この算出方法により敷地利用権及び所有権の価額を評価することは、相続税法第23条の2第3項及び第4項の規定に基づき敷地利用権及び所有権の価額を評価することと同義なので、実務上は、配偶者居住権等の評価明細書により敷地利用権及び所有権の価額を評価することができる。
〔居住建物の敷地の評価の考え方〕
居住建物の敷地の価額は、土地等の相続開始時における配偶者居住権が設定されていないものとした場合の時価から敷地利用権の価額を控除した残額によって評価することとされている。
★リンクはこちら ⇒ 相続税法における配偶者居住権等の評価の考え方
2020年9月7日
配偶者短期居住権の概要
配偶者が相続開始の時に無償で居住していた被相続人の所有建物を対象として、遺産の分割によりその建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間、引き続き無償でその建物を使用することができる法定の権利(配偶者短期居住権)が民法改正により創設された。
〔配偶者短期居住権の及ぶ範囲〕
配偶者短期居住権は、配偶者が無償で使用していた部分についてのみ効力が及び、その成立範囲については、居住用部分に限らず、配偶者が無償で使用していた部分全体に及ぶ(民法1037①)。
〔配偶者短期居住権の存続期間〕
配偶者短期居住権の存続期間は、居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合には、遺産の分割によりその建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間とされているが、それ以外の場合(配偶者が相続放棄をした場合など)については、居住建物の取得者からの配偶者短期居住権の消滅の申入れの日から6か月を経過する日までの間とされている(民法1037①)。
〔配偶者による使用〕
配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。
また、居住建物の取得者の承諾を得た場合には、第三者に居住建物の使用をさせることができる(民法1038①②)。
(注)配偶者居住権とは異なり、「使用」のみをすべきこととされている。
〔居住建物の費用の負担・居住建物が滅失した場合の配偶者短期居住権〕
配偶者居住権と同様である(民法1041)。
〔配偶者短期居住権の法的性質〕
配偶者短期居住権の法的性質は、使用借権類似の法定の債権であると位置付けられている(商事法務「一問一答 新しい相続法―平成30年民法等(相続法)改正、遺言書保管法の解説」法務省民事局民事法制管理官ほか(2019年3月)より)。
★リンクはこちら ⇒ 配偶者短期居住権の概要
2020年9月4日
配偶者居住権の概要
被相続人の配偶者(以下「配偶者」という。)が相続開始の時に居住していた被相続人の所有建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用及び収益を認めることを内容とする法定の権利(配偶者居住権)が民法改正により創設され、遺産の分割における選択肢の一つとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができることとされたほか、被相続人が遺贈によっても配偶者に配偶者居住権を取得させることができることとされた。
〔配偶者居住権の成立要件〕
配偶者居住権の成立要件は次のとおり(民法 1028①)。
(1)配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していたこと
(2)次のいずれかの場合に該当すること
① | 遺産の分割(※1)によって配偶者居住権を取得するものとされた場合 |
② | 配偶者居住権が遺贈の目的とされた場合(※2・3) |
(3)被相続人が相続開始の時において居住建物を配偶者以外の者と共有していないこと(※4)
※1:遺産の分割には、遺産の分割の協議のほか、調停又は審判を含む。
※2:民法第1028条第1項各号に死因贈与に関する規定はないが、死因贈与については、民法第 554条により、その性質に反しない限り遺贈に関する規定が準用されることとされており、死因贈与によることも認められるとされている(商事法務「一問一答 新しい相続法―平成30年民法等(相続法)改正、遺言書保管法の解説」法務省民事局民事法制管理官ほか(2019年3月)より)。
※3:遺産の分割の方法の指定である特定財産承継遺言(民法1014②)によって配偶者居住権を取得させることはできない。
※4:被相続人が居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、配偶者居住権を設定することができない。
〔配偶者居住権の及ぶ範囲〕
配偶者居住権は、配偶者がその居住建物の全部について無償で使用及び収益をする権利であることから、配偶者が居住建物の一部しか使用していなかった場合であっても、配偶者居住権の効力は居住建物全部に及ぶこととなる(民法1028①)。
つまり、配偶者が従前居住の用に供していた範囲と配偶者居住権の効力が及ぶ範囲とは、必ずしも一致しない場合がある。
また、配偶者居住権は、その設定の登記を備えた場合に対抗要件を具備するとされており、建物所有者(被相続人から居住建物を相続により取得した者)は、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務がある(民法1031①②)。
ただし、配偶者居住権の設定の登記は、配偶者居住権の成立要件ではない。
〔配偶者居住権の存続期間〕
配偶者居住権の存続期間は、原則として配偶者の終身の間だが、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる(民法1030)。
〔配偶者による使用及び収益〕
配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない(民法1032①)。
ただし、配偶者が従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することは妨げられないとされている(民法1032①)。
また、配偶者居住権は譲渡することはできないが、居住建物の所有者の承諾を得た場合には、第三者に居住建物の使用又は収益をさせること(第三者への賃貸)ができる(民法1032②③)。
なお、居住建物の所有者は、配偶者との間で配偶者居住権を合意により消滅させた場合であっても、そのことをもって当該第三者(賃借人)に対抗することはできない(民法1036)。
〔居住建物の費用の負担〕
配偶者は、居住建物の通常の必要費(固定資産税や通常の修繕費など)を負担する必要がある(民法1034①)。
〔居住建物が滅失した場合の配偶者居住権〕
居住建物が滅失した場合には、配偶者居住権は消滅する(民法1036)。
〔配偶者居住権の法的性質〕
配偶者居住権の法的性質は、賃借権類似の法定の債権であると位置付けられている(商事法務「一問一答 新しい相続法―平成30年民法等(相続法)改正、遺言書保管法の解説」法務省民事局民事法制管理官ほか(2019年3月)より)。
★リンクはこちら ⇒ 配偶者居住権の概要
2020年9月3日
「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例」について(情報)
国税庁課税部資産評価企画官は、配偶者居住権、配偶者居住権の目的となっている建物、配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される土地等を当該配偶者居住権に基づき使用する権利(いわゆる敷地利用権)及び配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供される土地等の評価に関する質疑応答事例を別添のとおり取りまとめた。
★リンクはこちら ⇒ 「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例」について(情報)(資産評価企画官情報・資産課税課情報・第3号・第16号・令和2年7月7日・国税庁課税部資産評価企画官・資産課税課)
2020年8月27日
『令和2年分の基準年利率について』(法令解釈通達)(課評2-28 令和2年7月30日)
令和2年5月19日付課評2-11「令和2年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和2年4月分から6月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
短期と中期は1月から0.01のままで変化なし、長期は1月と2月は0.05で、3月は0.01、4月から6月は0.1である。
★リンクはこちら ⇒ 『令和2年分の基準年利率について』(法令解釈通達)(課評2-28 令和2年7月30日)
2020年8月19日
令和2年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和2年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-31 令和2年7月31日)
★PDFはこちら ⇒ 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(令和2年分)
2020年8月18日
令和2年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和2年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-23 令和2年6月30日)
★PDFはこちら ⇒ 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(令和2年分)
2020年7月28日
令和2年分の路線価図等
2020年7月1日に、国税庁が『令和2年分の路線価図等』を公表した。
この財産評価基準は、令和2年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の路線価図等
2020年7月3日
令和2年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和2年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和2年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-16 令和2年6月10日)
★PDFはこちら ⇒ 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(令和2年分)
2020年6月18日
『令和2年分の基準年利率について』(法令解釈通達)(課評2-11 令和2年5月19日)
令和2年中に相続、遺贈又は贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」を下記のとおり定めたから、これによられたい。
なお、令和2年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
短期と中期は0.01で変化なし、長期は1月と2月は0.05で、3月は0.01である。
★リンクはこちら ⇒ 『令和2年分の基準年利率について』(法令解釈通達)(課評2-11 令和2年5月19日)
2020年6月16日
請求人らが、相続により取得した建物の価額は、固定資産評価基準を基に財産評価基本通達に従って評価すべきであり、請求人の主張する不動産鑑定評価額には合理性が認められないとした事例
- 平成27年12月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
- 一部取消し
- 平成31年2月20日裁決
<ポイント>
本事例は、請求人が相続により取得した建物は、機能的、経済的観点から市場性が全く認められないため解体除去を要し、このことを前提として算定された不動産鑑定評価額が時価であるとの主張に対し、当該不動産鑑定評価額には合理性が認められないとした上で、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情等は認められないから、同基準に従って決定した固定資産税評価額に依拠した相続税評価額は適正な時価であると判断したものである。
<要旨>
請求人らは、相続により取得した家屋(本件家屋)及びその敷地(本件土地)について、本件家屋は、大改修を行っても収益性回復は困難で、機能的、経済的観点から市場性が全く認められないため、解体除去が必要であるとして本件家屋及び本件土地(併せて本件不動産)の最有効使用を判定した不動産鑑定士による鑑定評価書(本件鑑定評価書)には合理性があり、本件鑑定評価書に基づく価額が時価である旨、また、本件家屋の固定資産税評価額は一般常識からかけ離れた評価がされている旨主張する。
しかしながら、本件家屋は、相続の開始時において、その一部が貸店舗や被相続人等の居宅として利用されていたことからすると、本件家屋には相応の経済価値があったと認められる。
一方、本件鑑定評価書における最有効使用の判定に当たっては、不動産鑑定評価基準に定める現実の本件家屋の用途等を継続する場合の経済価値と本件家屋を解体除去した場合の解体除去費用等を適切に勘案した経済価値との十分な比較考量がされているとは認め難いことなどから、本件鑑定評価書に合理性があるとは認めるに足りず、本件土地の更地価格から本件家屋の解体除去費用を控除した本件鑑定評価書による価額が、本件不動産の時価を適正に評価したものであるとは認め難い。
したがって、本件鑑定評価書に基づく請求人らの主張立証によって、財産評価基本通達の定めに従って評価した本件不動産の価額が時価であるとの事実上の推認を覆すには至らない。
また、本件家屋の固定資産税評価額については、その価額を求めるに当たり、固定資産評価基準が定める評価の方法によっては再建築費を適切に算定することができない特別の事情又は固定資産評価基準が定める減点補正を超える減価を要する特別の事情は認められないから、固定資産評価基準に従って決定した固定資産税評価額が適正な時価であると推認される。
ところで、当審判所の調査によると、本件家屋の固定資産税評価額は相続開始日前に遡及して一部減額されており、その減額前の固定資産税評価額に依拠した相続税評価額によりなされた原処分は、その一部を取り消すこととなる。
★リンクはこちら ⇒ 請求人らが、相続により取得した建物の価額は、固定資産評価基準を基に財産評価基本通達に従って評価すべきであり、請求人の主張する不動産鑑定評価額には合理性が認められないとした事例
2020年1月29日
令和元年11月・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和元年11月・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-3 令和2年1月14日)
2020年1月23日
『令和元年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 令和2年1月7日)
令和元年5月20日付課評2-16「令和元年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和元年10月分から12月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
短期と中期は0.01で変化なし、長期は10月と11月は0.01で、12月は0.05である。
★リンクはこちら ⇒ 『令和元年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 令和2年1月7日)
2020年1月22日
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地の評価について判断した事例
- 平成27年6月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
- 棄却
- 平成30年11月19日裁決
<ポイント>
本事例は、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地の評価について、財産評価基本通達82に定める雑種地の評価方法(状況が類似する財産評価基本通達49に定める市街地山林)により評価するのが相当であるとしたものである。
<要旨>
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地(本件排水路土地)の評価について、原処分庁は、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》の前段に準じて、宅地の価額の100分の30に相当する価額によって評価すべきである旨主張し、請求人らは、評価通達24の後段に準じて、その価額は評価しないこととすべきである旨主張する。
しかしながら、本件排水路土地及び本件排水路土地に隣接する急傾斜地崩壊防止施設の敷地の用に供されていた土地(本件施設土地)の地目は、いずれも雑種地であると認められるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、その利用目的等からすれば、評価通達7-2《評価単位》の(7)に定める利用の単位となっている一団の雑種地に該当するため、本件排水路土地は、本件施設土地と一の評価単位として、評価通達82《雑種地の評価》に定める雑種地の評価方法により評価することになる。
そして、本件の場合、一の評価単位の大部分を占める本件施設土地が急傾斜地であることを考慮すれば、評価通達82に定める本件排水路土地及び本件施設土地と状況が類似する付近の土地は山林と判断するのが相当であるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、評価通達49《市街地山林の評価》に定める急傾斜地であるために宅地造成ができないと認められるから、本件排水路土地は、評価通達49のなお書のとおり、近隣の純山林の価額に比準して評価するのが相当である。
★リンクはこちら ⇒ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地の評価について判断した事例
2019年12月20日
審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例
- 平成25年10月相続開始に係る相続税の更正の請求に対する更正処分
- 一部取消し
- 平成30年11月26日裁決
<ポイント>
本事例は、各土地の存する地域に係る土地の利用状況及び周辺地域の状況等の事情を総合勘案して、審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断したものである。
<要旨>
請求人は、相続した土地及び取引相場のない株式の発行会社の有する借地権(本件各土地等)について、①本件各土地等の存するその地域における標準的な宅地の使用は戸建住宅の敷地で、②その標準的な地積は110㎡ないし120㎡であり、③本件各土地等はその標準的な地積に比して著しく広大であり、戸建住宅の敷地として分割して使用する場合、いずれも潰れ地が生じることになるから、財産評価基本通達(平成29年9月20日付課評2-46ほかによる改正前のもの)24-4《広大地の評価》(広大地通達)に定める広大地に該当する旨主張し、原処分庁は、本件各土地等の存するその地域における標準的な宅地の地積は700㎡程度であり、本件各土地等の経済的に最も合理的な使用は、700㎡程度の工場等の敷地として使用することであるから、広大地通達に定める広大地に該当しない旨主張する。
しかしながら、広大地通達に定めるその地域とは、土地の利用状況の連続性や地域の一体性を分断して土地利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすことがあり得る客観的な事情を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解されるところ、本件各土地等の存する地域は、その利用状況及び環境等からみて、幅員の広い幹線道路沿いの地域(本件1地域)とそれ以外の地域(本件2地域)に区分され、本件1地域における標準的な使用は中小の工場の敷地であり、その標準的な地積は670㎡程度であると認められる。
一方、本件2地域における標準的な使用は戸建住宅の敷地であり、その標準的な地積は110㎡程度であると認められる。
そうすると、本件各土地等の属する地域のうち、本件1地域に存する土地については、地積及び位置等からみて、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な土地とは認められず、広大地には該当しないが、本件2地域に存する土地については、経済的に最も合理的な使用は戸建住宅の敷地であり、標準的な地積に比して著しく広大な土地であって、その開発には潰れ地が生じることから、広大地に該当するものと認められる。
★リンクはこちら ⇒ 審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例
2019年12月18日
令和元年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和元年9月・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-49 令和元年11月29日)
2019年12月17日
請求人らが相続税の申告において、不動産鑑定士の鑑定評価等(本件鑑定評価等)に基づいて評価額を算定した土地及び建物については、財産評価基本通達(評価通達)に定める評価方法に拠ることのできない特別の事情があるとは認められず、本件鑑定評価等には客観的合理性を直ちに肯定することができない部分があることから、評価通達に定める評価方法によるべきであるとした事例
- 平成26年12月相続開始の相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分
- 棄却
- 平成30年10月17日裁決
<要旨>
請求人らは、本件鑑定評価等による鑑定評価額等をもって相続税の申告をした土地(本件土地)及び建物(本件建物)について、本件土地は、標準的な画地の地積の2倍以上の規模があり、標準的な画地に比して市場性が劣ることなど、本件建物は、老朽化が激しく、それぞれの敷地の最有効使用の観点から取り壊すべきものであることなどの減価要因があるが、評価通達には、これらの点を反映させる定めがないことから、評価通達の定める評価方法によって評価された原処分庁が主張する評価額(原処分庁主張価額)は本件土地及び本件建物の時価を超え、原処分には本件土地及び本件建物の価額を過大に評価した違法がある旨主張する。
しかしながら、地積規模の大きな土地であっても、土地の取引価格は、最終的には取引当事者の合意によって定まるものであることからすれば、当然に当該土地の取引価格が低下するものではなく、本件建物は、一般的な合理性を肯定され、適正な時価と推認される固定資産税評価額に依拠して評価されている。
したがって、請求人らの主張するような事情をもって、本件土地及び本件建物に適用される評価通達の定める評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性が失われているということはできないし、評価通達の定める評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情があると認めることはできず、本件鑑定評価等には客観的合理性を直ちに肯定することができない部分があることからすれば、評価通達の定める評価方法により評価した原処分庁主張価額が時価を超え、過大に評価している違法はない。
2019年12月16日
『令和元年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-47 令和元年10月28日)
令和元年5月20日付課評2-16「令和元年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、令和元年7月分から9月分の基準年利率を定め、下記のとおり改正したから、これによられたい。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-45 令和元年10月9日)
2019年11月19日
令和元年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和元年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-45 令和元年10月9日)
2019年10月24日
増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価
<照会要旨>
所有する家屋について増改築を行ったが、家屋の固定資産税評価額が改訂されていないため、その固定資産税評価額が増改築に係る家屋の状況を反映していない。
このような家屋は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合の家屋の価額は、増改築等に係る部分以外の部分に対応する固定資産税評価額に、当該増改築等に係る部分の価額として、当該増改築等に係る家屋と状況の類似した付近の家屋の固定資産税評価額を基として、その付近の家屋との構造、経過年数、用途等の差を考慮して評定した価額(ただし、状況の類似した付近の家屋がない場合には、その増改築等に係る部分の再建築価額から課税時期までの間における償却費相当額を控除した価額の100分の70に相当する金額)を加算した価額(課税時期から申告期限までの間に、その家屋の課税時期の状況に応じた固定資産税評価額が付された場合には、その固定資産税評価額)に基づき財産評価基本通達89(家屋の評価)または93(貸家の評価)の定めにより評価する。
なお、償却費相当額は、財産評価基本通達89-2(文化財建造物である家屋の評価)の(2)に定める評価方法に準じて、再建築価額から当該価額に0.1を乗じて計算した金額を控除した価額に、その家屋の耐用年数(減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定する耐用年数)のうちに占める経過年数(増改築等の時から課税時期までの期間に相当する年数(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は、1年とする。))の割合を乗じて計算する。
★リンクはこちら ⇒ 増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産税評価額が付されていない家屋の評価
2019年10月7日
公開空地のある宅地の評価
<照会要旨>
いわゆる総合設計制度により容積率の割増しを受け建物を建築する場合には、敷地内に一定の空地を設け、日常一般に公開することが許可の基準となっている。
このようないわゆる公開空地として利用されている宅地については、どのように評価するのか?
<回答要旨>
建物の敷地として評価する。
建築基準法第59条の2のいわゆる総合設計制度では、建物の敷地内に日常一般に公開する一定の空地を有するなどの基準に適合して許可を受けることにより、容積率や建物の高さに係る規制の緩和を受けることができる。
この制度によって設けられたいわゆる公開空地は、建物を建てるために必要な敷地を構成するものである。
★リンクはこちら ⇒ 公開空地のある宅地の評価
2019年10月4日
一時使用のための借地権の評価
<照会要旨>
甲は、建設現場に近接した土地について、工事事務所用の簡易建物の所有を目的とし、契約期間を2年とする土地の賃貸借契約を締結している。
この場合の借地権についても、その借地権の目的となっている土地の自用地としての価額に借地権割合を乗じて計算した金額により評価するのか?
<回答要旨>
建設現場、博覧会場、一時的興行場等、その性質上一時的な事業に必要とされる臨時的な設備を所有することを目的とするいわゆる一時使用のための借地権については、存続期間及びその更新、建物買取請求、借地条件の変更、増改築などについて、借地借家法の適用がなく、期間の満了とともに消滅することとされており、他の法定更新される借地権に比較しその権利は著しく弱いということがいえる。
このような一時使用のための借地権の価額は、通常の借地権の価額と同様にその借地権の所在する地域について定められた借地権割合を自用地価額に乗じて評価することは適当でないので、雑種地の賃借権の評価方法に準じて評価する。
★リンクはこちら ⇒ 一時使用のための借地権の評価
2019年10月2日
臨時的な使用に係る賃借権の評価
<照会要旨>
臨時的な使用に係る賃借権や賃貸借期間が1年以下の賃借権の価額については、どのように評価するのか?
<回答要旨>
臨時的な使用に係る賃借権及び賃貸借期間が1年以下の賃借権(賃借権の利用状況に照らして賃貸借契約の更新が見込まれるものを除く。)については、その経済的価値が極めて小さいものと考えられることから、このような賃借権の価額は評価しない。
また、この場合の賃借権の目的となっている雑種地の価額は、自用地価額で評価する。
★リンクはこちら ⇒ 臨時的な使用に係る賃借権の評価
2019年9月30日
貸駐車場として利用している土地の評価
<照会要旨>
月極めの駐車場の用に供している土地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
土地の所有者が、自らその土地を月極め等の貸駐車場として利用している場合には、その土地の自用地としての価額により評価する。
(理由)
土地の所有者が貸駐車場を経営することは、その土地で一定の期間、自動車を保管することを引き受けることであり、このような自動車を保管することを目的とする契約は、土地の利用そのものを目的とした賃貸借契約とは本質的に異なる契約関係だから、この場合の駐車場の利用権は、その契約期間に関係なく、その土地自体に及ぶものではないと考えられるためである。
★リンクはこちら ⇒ 貸駐車場として利用している土地の評価
2019年9月26日
令和元年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和元年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
ただし、令和元年6月12日付課評2-23「令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」(法令解釈通達)の別紙「類似業種比準価額計算上の業種目別及び業種目別株価等(令和元年分)」の「A(株価)」欄については、令和元年8月8日付課評2-32「『令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について』の一部改正について」(法令解釈通達)において改正し、定めているところであるが、その金額のうち一部の業種目に対応するものを下記のとおり改正したから、これによられたい。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-34 令和元年8月22日)
2019年9月25日
雑種地の賃借権の評価
<照会要旨>
雑種地の賃借権の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
雑種地の賃借権の価額は、原則として、その賃貸借契約の内容、利用の状況等を勘案して評価するが、以下のように評価することができる。
(1) | 地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権 |
雑種地の自用地価額×法定地上権割合と借地権割合とのいずれか低い割合 | |
(2) | (1)以外の賃借権 |
雑種地の自用地価額×法定地上権割合×1/2 |
(注)
1.「地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権」には、例えば、賃借権の登記がされているもの、設定の対価として権利金その他の一時金の授受のあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものなどが該当する。
2.法定地上権割合とは、その賃借権が地上権であるとした場合に適用される相続税法第23条に定められた割合をいいます。この場合、その契約上の残存期間がその賃借権の目的となっている雑種地の上に存する構築物等の残存耐用年数、過去の契約更新の状況等からみて契約が更新されることが明らかであると認められる場合には、その契約上の残存期間に更新によって延長されると見込まれる期間を加算した期間をもってその貸借権の残存期間とする。
★リンクはこちら ⇒ 雑種地の賃借権の評価
2019年9月24日
市街化調整区域内にある雑種地の評価
<照会要旨>
市街化調整区域内にある雑種地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
雑種地(ゴルフ場用地、遊園地等用地、鉄軌道用地を除く。)の価額は、原則として、その雑種地の現況に応じ、評価対象地と状況が類似する付近の土地について評価した1㎡当たりの価額を基とし、その土地と評価対象地である雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて評価することとしている。
ところで、市街化調整区域内にある雑種地を評価する場合に、状況が類似する土地(地目)の判定をするときには、評価対象地の周囲の状況に応じて、下表により判定することになる。
また、付近の宅地の価額を基として評価する場合(宅地比準)における法的規制等(開発行為の可否、建築制限、位置等)に係るしんしゃく割合(減価率)は、市街化の影響度と雑種地の利用状況によって個別に判定することになるが、下表のしんしゃく割合によっても差し支えない。
(注1)
農地等の価額を基として評価する場合で、評価対象地が資材置場、駐車場等として利用されているときは、その土地の価額は、原則として、財産評価基本通達24-5(農業用施設用地の評価)に準じて農地等の価額に造成費相当額を加算した価額により評価する(ただし、その価額は宅地の価額を基として評価した価額を上回らないことに留意すること。)。
(注2)
③の地域は、線引き後に沿道サービス施設が建設される可能性のある土地(都市計画法第34条第9号、第43条第2項)や、線引き後に日常生活に必要な物品の小売業等の店舗として開発又は建築される可能性のある土地(都市計画法第34条第1号、第43条第2項)の存する地域をいう。
(注3)
都市計画法第34条第11号に規定する区域内については、上記の表によらず、個別に判定する。
★リンクはこちら ⇒ 市街化調整区域内にある雑種地の評価
2019年9月19日
歴史的風致形成建造物である家屋及びその敷地の評価
<照会要旨>
地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(以下、「歴史まちづくり法」という。)に基づき歴史的風致形成建造物に指定された建造物である家屋及びその敷地の用に供されている宅地は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
市町村長は、認定歴史的風致維持向上計画に記載された重点区域(以下「認定重点区域」という。)内の歴史上価値の高い重要無形文化財又は重要無形民俗文化財の用に供されることによりそれらの価値の形成に寄与している建造物その他の地域の歴史的な建造物であって、現に認定重点区域における歴史的風致を形成しており、かつ、その歴史的風致の維持及び向上のためにその保全を図る必要があると認められるもの(これと一体となって歴史的風致を形成している土地又は物件を含みます。)を、歴史的風致形成建造物として指定することができることとされている(歴史まちづくり法第12条)。
この歴史的風致形成建造物の指定を受けた建造物については、原則として増築、改築、移転又は除却(以下「増築等」という。)をしようとする者は、増築等に着手する日の三十日前までに市町村長に届け出なければならないこととされている(歴史まちづくり法第15条)など、財産評価基本通達24-8(文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価)及び89-2(文化財建造物である家屋の評価)に定める登録有形文化財と同程度の法的規制、利用制限を受けることとなる。
このことから、歴史まちづくり法に基づき歴史的風致形成建造物に指定された家屋及びその敷地の用に供されている宅地については、財産評価基本通達5(評価方法の定めのない財産の評価)の定めに基づき、同通達24-8及び89-2に定める登録有形文化財である家屋及びその敷地の用に供されている宅地の評価方法に準じて、それが歴史的風致形成建造物である家屋及びその敷地の用に供されている宅地でないものとした場合の価額からその価額に100分の30を乗じて計算した価額を控除した金額によって評価する。
★リンクはこちら ⇒ 歴史的風致形成建造物である家屋及びその敷地の評価
2019年9月17日
景観重要建造物である家屋及びその敷地の評価
<照会要旨>
景観法に基づき景観重要建造物に指定された建造物である家屋及びその敷地の用に供されている宅地は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
景観行政団体の長は、景観計画に定められた景観重要建造物の指定の方針に即し、地域の自然、歴史、文化等からみて、その外観が景観上の特徴を有し、景観計画区域内の良好な景観の形成に重要なものであるなど、一定の基準に該当する建造物(これと一体となって良好な景観を形成している土地その他の物件を含む。)を、景観重要建造物として指定することができることとされている(景観法第19条)。
この景観重要建造物の指定を受けた建造物については、原則として、景観行政団体の長の許可を受けなければ、増築、改築、移転若しくは除却、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替または色彩の変更をしてはならないこととされている(景観法第22条)など、財産評価基本通達24-8(文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価)及び89-2(文化財建造物である家屋の評価)に定める伝統的建造物と同程度の法的規制、利用制限を受けることとなる。
このことから、景観法に基づき景観重要建造物に指定された家屋及びその敷地の用に供されている宅地については、財産評価基本通達5(評価方法の定めのない財産の評価)の定めに基づき、同通達24-8及び89-2に定める伝統的建造物である家屋及びその敷地の用に供されている宅地の評価方法に準じて、それが景観重要建造物である家屋及びその敷地の用に供されている宅地でないものとした場合の価額から、その価額に100分の30を乗じて計算した価額を控除した金額によって評価する。
★リンクはこちら ⇒ 景観重要建造物である家屋及びその敷地の評価
2019年9月12日
風景地保護協定が締結されている土地の評価
<照会要旨>
風景地保護協定が締結されている土地は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
風景地保護協定制度とは、環境大臣若しくは地方公共団体または自然公園法第49条の規定に基づく公園管理団体が、国立・国定公園内の自然の風景地について、土地所有者等による管理が不十分であると認められる場合等に、土地所有者等との間で風景地の保護のための管理に関する協定(風景地保護協定)を締結し、当該土地所有者等に代わり風景地の管理を行う制度である。
なお、都道府県立自然公園においても、同法第74条により風景地保護協定を締結することができる旨を条例に定めることができることとされている。
以下の要件の全てを満たす風景地保護協定が締結されている土地については、風景地保護協定区域内の土地でないものとして財産評価基本通達の定めにより評価した価額から、その価額に100分の20を乗じて計算した金額を控除して評価する。
(1) | 自然公園法第43条第1項に規定する風景地保護協定区域内の土地であること | |
(2) | 風景地保護協定に次の事項が定められていること | |
① | 貸付けの期間が20年であること | |
② | 正当な事由がない限り貸付けを更新すること | |
③ | 土地所有者は、貸付けの期間の中途において正当な事由がない限り土地の返還を求めることはできないこと |
(注)この適用を受けるためには、相続税または贈与税の申告書に一定の書類を添付する必要がある。
★リンクはこちら ⇒ 風景地保護協定が締結されている土地の評価
2019年9月10日
市民緑地契約が締結されている土地の評価
<照会要旨>
都市計画区域内又は準都市計画区域内にある市民緑地契約が締結されている土地は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
市民緑地制度は、主として土地等の所有者からの申出に基づき、地方公共団体または緑地管理機構が当該土地等の所有者と契約(市民緑地契約)を締結し、当該土地等に住民の利用に供する緑地または緑化施設(市民緑地)を設置し、これを管理することにより、土地等の所有者が自らの土地を住民の利用に供する緑地または緑化施設として提供することを支援・促進し、緑の創出と保全を推進することを目的とした制度である。
以下の要件の全てを満たす市民緑地契約が締結されている土地については、市民緑地契約が締結されていないものとして財産評価基本通達の定めにより評価した価額から、その価額に100分の20を乗じて計算した金額を控除して評価する。
(1) | 都市緑地法第55条第1項に規定する市民緑地であること | |
(2) | 土地所有者と地方公共団体または緑地管理機構との市民緑地契約に次の事項が定められていること | |
① | 貸付けの期間が20年以上であること | |
② | 正当な事由がない限り貸付けを更新すること | |
③ | 土地所有者は、貸付けの期間の中途において正当な事由がない限り土地の返還を求めることはできないこと |
(注)この適用を受けるためには、相続税または贈与税の申告書に一定の書類を添付する必要がある。
★リンクはこちら ⇒ 市民緑地契約が締結されている土地の評価
2019年9月6日
特別緑地保全地区内で管理協定が締結されている山林の評価
<照会要旨>
特別緑地保全地区内にあり、管理協定が締結されている山林はどのように評価するのか?
<回答要旨>
管理協定制度は、地方公共団体又は緑地管理機構が、緑地保全地域内又は特別緑地保全地区内の緑地について土地所有者等による管理が不十分と認められる場合に、土地所有者等との間で緑地の管理のための協定(管理協定)を締結し、その土地所有者等に代わり緑地の保全及び管理を行う制度である。
特別緑地保全地域内にあり、次の要件の全てを満たす管理協定が締結されている山林については、財産評価基本通達50-2に定める特別緑地保全地区内にある土地として評価した価額から、その価額に100分の20を乗じて計算した金額を控除して評価する。
(1) | 都市緑地法第24条第1項に規定する管理協定区域内の土地であること | |
(2) | 管理協定に次の事項が定められていること | |
① | 貸付けの期間が20年であること | |
② | 正当な事由がない限り貸付けを更新すること | |
③ | 土地所有者は、貸付けの期間の中途において正当な事由がない限り土地の返還を求めることはできないこと |
(注)この適用を受けるためには、相続税または贈与税の申告書に一定の書類を添付する必要がある。
★リンクはこちら ⇒ 特別緑地保全地区内で管理協定が締結されている山林の評価
2019年9月5日
『令和元年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-30 令和7月29日)
令和元年5月20日付課評2-16「令和元年分の基準年利率について」(法令解釈通達)について、平成31年4月分から令和元年6月分の基準年利率を定め、下記リンクのとおり改正したから、これによられたい。
★リンクはこちら ⇒ 『令和元年分の基準年利率について』の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-30 令和7月29日)
2019年8月9日
10年以上の期間の定めのある賃貸借により貸し付けられている農地の評価
<照会要旨>
10年以上の期間の定めのある賃貸借により貸し付けられている農地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
10年以上の期間の定めのある賃貸借により貸し付けられている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、その価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(理由)
農地について10年以上の期間の定めのある賃貸借については、農地法第18条(農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の制限)第1項本文の適用が除外されており、いわゆる耕作権としての価格が生じるような強い権利ではない。
そのため、10年以上の期間の定めのある賃貸借により貸し付けられている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、その価額の100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(注)なお、その賃貸借に基づく賃借権の価額(その農地の自用地としての価額の100分の5相当額)については、相続税又は贈与税の課税価格に算入する必要はない。
★リンクはこちら ⇒ 10年以上の期間の定めのある賃貸借により貸し付けられている農地の評価
2019年7月30日
農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の評価
<照会要旨>
農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
農地中間管理事業の推進に関する法律第2条第4項に規定する農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の価額は、その農地の自用地としての価額からその価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(注)農地法第3条第1項第14号の2の規定に基づき貸し付けられている農地のうち、賃貸借期間が10年未満のものを除く。
(理由)
農地中間管理機構に貸し付けられている農地の賃貸借については、農地法第17条(農地又は採草放牧地の賃貸借の更新)本文の賃貸借の法定更新の規定の適用が除外され、また、同法第18条(農地又は採草放牧地の賃貸借の解約等の制限)第1項本文の規定の適用が除外されるなど、いわゆる耕作権としての価格が生じるような強い権利ではない。
このため、農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、その価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
なお、農地法第3条第1項第14号の2の規定に基づき農地中間管理機構に貸し付けられている農地のうち、賃貸借期間が10年未満のものについては、農地法第17条本文及び同法18条第1項本文の規定が適用されますので、耕作権の目的となっている農地として評価する。
(注)農地中間管理事業の推進に関する法律に基づく農用地利用配分計画の認可の公告により設定された賃借権の価額については、相続税または贈与税の課税価格に算入する必要はない。
<関係法令通達>
昭和56年6月9日付直評10ほか1課共同「農用地利用増進法等の規定により設定された賃貸借により貸し付けられた農用地等の評価について」
(注)「農用地利用増進法」は、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律(平成5年法律第70号)により「農業経営基盤強化促進法」と改題されている。
★リンクはこちら ⇒ 令農地中間管理機構に賃貸借により貸し付けられている農地の評価
2019年7月26日
令和元年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和元年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-25 令和元年6月24日)
2019年7月16日
令和元年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、令和元年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-23 令和元年6月12日)
2019年7月10日
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の評価
<照会要旨>
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の価額は、その農地の自用地としての価額からその価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(理由)
農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により設定されている賃借権に係る農地の賃貸借については、農地法第17条(農地又は採草放牧地の賃貸借の更新)本文の賃貸借の法定更新などの適用が除外されており、いわゆる耕作権としての価格が生じるような強い権利ではない。
そのため、この農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の価額は、その農地の自用地としての価額から、その価額に100分の5を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価する。
(注)
なお、その賃貸借に基づく賃借権の価額(その農地の自用地としての価額の100分の5相当額)については、相続税又は贈与税の課税価格に算入する必要はない。
【関係法令通達】
昭和56年6月9日付直評10ほか1課共同「農用地利用増進法等の規定により設定された賃貸借により貸し付けられた農用地等の評価について」
(注)
「農用地利用増進法」は、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律(平成5年法律第70号)により「農業経営基盤強化促進法」と改題されている。
★リンクはこちら ⇒ 農業経営基盤強化促進法に基づく農用地利用集積計画の公告により賃借権が設定されている農地の評価
2019年6月19日
令和元年1月から3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-16 令和元年5月20日)
令和元年1月から3月中に相続、遺贈又は贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同)4-4に定める「基準年利率」を下記のとおり定めたから、これによられたい。
短期と中期は0.01%、長期は0.1%である。
なお、平成31年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達する。
★リンクはこちら ⇒ 令和元年1月から3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-16 令和元年5月20日)
2019年6月11日
平成31年(2019年)分の路線価図等の公開予定日について
平成31年(2019年)分の路線価図等は、7月1日(月)11時に公開することを予定している。
公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがあるので、あらかじめご了承のこと。
なお、路線価図等の見方等がわからない場合には、「国税に関するご相談について」をご覧のうえ、最寄りの税務署に電話していただき、自動音声に従って「1」を選択すると、電話相談センターにつながる。
★リンクはこちら ⇒ 平成31年(2019年)分の路線価図等の公開予定日について
2019年4月22日
市民農園として貸し付けている農地の評価
<照会要旨>
生産緑地地区内の農地を、いわゆる特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の定めるところにより地方公共団体に市民農園として貸し付けていますが、このような農地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
照会の借地方式による市民農園は、特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律に規定する特定農地貸し付けの用に供するためのものであり、農地所有者と農地の借手である地方公共団体との間で行われる賃貸借及び当該地方公共団体と市民農園の借手である住民との間で行われる賃貸借については、農地法第18条に定める賃貸借の解約制限の規定の適用はないものとされている。
したがって、当該市民農園の用に供されている農地は耕作権の目的となっている農地には該当しない。このため、当該市民農園は、生産緑地としての利用制限に係る斟酌と賃貸借契約の期間制限に係る斟酌とを行うことになる。
この場合、賃貸借契約の期間制限に係る斟酌は、原則として、財産評価基本通達87(賃借権の評価)(2)の定めに準じて、賃借権の残存期間に応じ、その賃借権が地上権であるとした場合に適用される法定地上権割合の2分の1に相当する割合とされる。
ただし、次の要件の全てを満たす市民農園の用に供されている農地については、残存期間が20年以下の法定地上権割合に相当する20%の斟酌をすることとして差し支えない。
(1) | 地方自治法第244条の2の規定により条例で設置される市民農園であること |
(2) | 土地の賃貸借契約に次の事項が定められ、かつ、相続税及び贈与税の課税時期後において引き続き市民農園として貸し付けられること 1.貸付期間が20年以上であること 2.正当な理由がない限り貸付けを更新すること 3.農地所有者は、貸付けの期間の中途において正当な事由がない限り土地の返還を求めることはできないこと |
(注)この適用を受けるためには、相続税又は贈与税の申告書に一定の書類を添付する必要がある。
★リンクはこちら ⇒ 市民農園として貸し付けている農地の評価
2019年4月15日
農地法の許可を受けないで他人に耕作させている農地の評価
<照会要旨>
農地法の許可を受けないで、長期間にわたり他人に耕作させていた農地は小作地として評価してよろしいか?
<回答要旨>
農地に賃借権等の権利を設定するためには農地法第3条の定めるところにより都道府県知事(現行原則として農業委員会)の許可を受けなければならないので、いわゆるやみ小作については耕作権を認めることはできない。
したがって、その農地は自用地として評価する。
★リンクはこちら ⇒ 農地法の許可を受けないで他人に耕作させている農地の評価
2019年4月9日
生産緑地の評価
<照会要旨>
生産緑地に係る主たる従事者が死亡した場合の生産緑地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
生産緑地に指定されると告示の日から30年間は、原則として建築物の建築、宅地の造成等はできないといういわゆる行為制限が付されることになる(生産緑地法8)。
このような生産緑地の価額は、行為制限の解除の前提となっている買取りの申出のできる日までの期間に応じて定めた一定の割合を減額して評価することとしている。
ところで、この買取りの申出は30年間経過した場合のほか、その生産緑地に係る農林漁業の主たる従事者が死亡したときにもできる(生産緑地法10)こととされていることから、主たる従事者が死亡した時の生産緑地の価額は、生産緑地でないものとして評価した価額の95%相当額で評価する。
(生産緑地法の概要)
対象地区 |
①市街化区域内の農地等であること |
---|---|
地区面積 | 500![]() |
建築等の制限 | 宅地造成・建物等の建築等には市町村長の許可が必要(農林漁業を営むために必要である一定の施設及び市民農園に係る施設等以外の場合は原則不許可) |
買取り申出 | 指定から30年経過後又は生産緑地に係る主たる農林漁業従事者又はそれに準ずる者の死亡等のとき、市町村長へ時価での買取り申出が可能(不成立の場合は、3ヶ月後制限解除) |
★リンクはこちら ⇒ 生産緑地の評価
2019年4月3日
市街地農地等を宅地比準方式で評価する場合の形状による条件差
<照会要旨>
市街地農地や市街地周辺農地の価額を付近の宅地の価額を基に、その宅地との位置、形状等の条件の差を考慮して評価する場合に、形状の条件差については、路線価方式における奥行価格補正率等の画地調整率によってよろしいか?
<回答要旨>
路線価地域にある市街地農地や市街地周辺農地を宅地比準方式により評価する場合のその農地と付近の宅地との形状による条件の差については、評価する農地の所在する地区について定められている画地調整率を参考として計算して差し支えない。
また、倍率地域にあるものについては、普通住宅地区の画地調整率を参考とすることができる。
市街地山林及び市街地原野の価額を宅地比準方式により評価する場合についても同様である。
★リンクはこちら ⇒ 市街地農地等を宅地比準方式で評価する場合の形状による条件差
2019年3月28日
農地の評価上の分類
<照会要旨>
農地を評価する場合には、どのような基準によりどのように分類するのか?
<回答要旨>
農地は、農地法及び都市計画法等との関係によって、次の「評価上の分類」のいずれかに分類して評価する。
★リンクはこちら ⇒ 農地の評価上の分類
2019年3月25日
構築物の賃借人の土地に対する権利の評価
<照会要旨>
野球場、ゴルフ練習場、プール等の構築物を賃借している場合には、建物の賃借人がその建物の敷地に対して有する権利と同様に、構築物の敷地に対して有する権利を考慮する必要があるのか?
<回答要旨>
建物の賃貸借については、借地借家法の適用があり、財産評価基本通達では借家人がその借家の敷地である宅地等に有する権利の評価方法を定めている(ただし、その権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものについては、評価しないこととしている。)。
しかしながら、構築物の賃貸借については法律上の特別の保護を与えられたものでないこと等から、原則として、構築物の賃借人の構築物の敷地に対する権利は評価しない。
また、構築物の賃借人の構築物に対する権利についても同様とする。
なお、貸し付けられている構築物の敷地の価額は、自用地価額で評価する。
★リンクはこちら ⇒ 構築物の賃借人の土地に対する権利の評価
2019年3月18日
借地権の及ぶ範囲
<照会要旨>
郊外にあるレストランやパチンコ店のように、賃借した広い土地を建物の敷地と駐車場用地とに一体として利用している場合には、その土地全体に借地権が及ぶものとして評価してよいのか?
<回答要旨>
借地権の及ぶ範囲については、必ずしも建物敷地に限られるものではなく、一律に借地権の及ぶ範囲を定めることは実情に沿わない。
借地権の及ぶ範囲は、借地契約の内容、例えば、権利金や地代の算定根拠、土地利用の制限等に基づいて判定することが合理的であると考えられる。
なお、建物の敷地と駐車場用地とが、不特定多数の者の通行の用に供されている道路等により物理的に分離されている場合には、それぞれの土地に存する権利を別個に判定することとなる。
★リンクはこちら ⇒ 借地権の及ぶ範囲
2019年3月15日
従業員社宅の敷地の評価
<照会要旨>
従業員社宅の敷地の用に供されている宅地の価額については、貸家建付地の価額で評価するのか?
<回答要旨>
貸家建付地評価をする宅地は、借家権の目的となっている家屋の敷地の用に供されている宅地をいう。
ところで、社宅は、通常社員の福利厚生施設として設けられているものであり、一般の家屋の賃貸借と異なり賃料が極めて低廉であるなどその使用関係は従業員の身分を保有する期間に限られる特殊の契約関係であるとされている。
そしてこのことから、社宅については、一般的に借地借家法の適用はないとされている。
したがって、社宅の敷地の用に供されている宅地については、貸家建付地の評価は行わない。
★リンクはこちら ⇒ 従業員社宅の敷地の評価
2019年3月12日
貸家建付地等の評価における一時的な空室の範囲
<照会要旨>
学生専用の賃貸アパートの半分程度の部屋が空室でしたが、この空室部分は、3月上旬まで入居していた学生が卒業のため退去した部分で、新しく入居する学生を募集しており、3月末には全部の部屋が実際に賃貸されている。
例年、このような状況の中、たまたま空室が多い時が課税時期となっているが、この賃貸アパートとその敷地はどのように評価すればよいか?
<回答要旨>
課税時期において、アパートの一部に借家人がいることから、貸家及び貸家建付地として評価する。
貸家及び貸家建付地の価額は、それぞれ次の算式により評価する。
この場合において、賃貸割合は、原則として、課税時期において実際に賃貸されている部分の床面積に基づいて算定するが、一時的に空室となっている部分の床面積を実際に賃貸されている部分の床面積に加えて算定して差し支えない。
(説明)
1.取扱いの概要
借家権の目的となっている家屋は貸家として、その貸家の敷地の用に供されている宅地は貸家建付地として評価することとなり、それらの価額は、上記の算式により評価する。
これら算式における「賃貸割合」は、その貸家が構造上区分された数個の部分(各独立部分)からなっている場合において、次の算式により算定する。
この割合の算定に当たって、継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる各独立部分がある場合には、その各独立部分の床面積を、賃貸されている各独立部分の床面積(B)に加えて賃貸割合を計算して差し支えない。
2.「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分の範囲
アパート等の一部に空室がある場合の一時的な空室部分が、「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分に該当するかどうかは、その部分が、①各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか、②賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか、③空室の期間、他の用途に供されていないかどうか、④空室の期間が課税時期の前後の例えば1ケ月程度であるなど一時的な期間であったかどうか、⑤課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうかなどの事実関係から総合的に判断する。
★リンクはこちら ⇒ 貸家建付地等の評価における一時的な空室の範囲
2019年3月7日
貸家が空き家となっている場合の貸家建付地の評価
<照会要旨>
借家人が立ち退いた後、空き家となっている家屋(独立家屋)の敷地についても、貸家建付地として評価することができるか?
<回答要旨>
貸家建付地の評価をする宅地は、借家権の目的となっている家屋の敷地の用に供されているものに限られる。
したがって、以前は貸家であっても空き家となっている家屋の敷地の用に供されている宅地は、自用地価額で評価する。
また、その家屋がもっぱら賃貸用として新築されたものであっても、課税時期において現実に貸し付けられていない家屋の敷地については、自用地としての価額で評価する。
(理由)
家屋の借家人は家屋に対する権利を有するほか、その家屋の敷地についても、家屋の賃借権に基づいて、家屋の利用の範囲内で、ある程度支配権を有していると認められ、逆にその範囲において地主は、利用についての受忍義務を負うこととなっている。
そこで、貸家の敷地である貸家建付地の価額は、その宅地の自用地としての価額から、その価額にその宅地に係る借地権割合とその貸家に係る借家権割合との相乗積を乗じて計算した価額を控除した価額によって評価することとしている。
しかし、たとえその家屋がもっぱら賃貸用として建築されたものであっても、課税時期において現実に貸し付けられていない家屋の敷地については、土地に対する制約がなく、したがって、貸家建付地としての減価を考慮する必要がないことから、自用地としての価額で評価する。
★リンクはこちら ⇒ 貸家が空き家となっている場合の貸家建付地の評価
2019年2月27日
借地権と区分地上権に準ずる地役権とが競合する場合の宅地の評価
<照会要旨>
借地権と高圧架空電線の架設を目的とする区分地上権に準ずる地役権とが設定されている宅地の価額はどのように評価するのか?
<回答要旨>
借地権と区分地上権に準ずる地役権とが競合して設定されている承役地である宅地の価額は、その宅地の自用地価額から区分地上権に準ずる地役権の価額とその宅地に区分地上権に準ずる地役権が設定されていることに伴う調整をした後の借地権の価額を控除した価額によって評価する。
(設例)
- 自用地価額 5,000万円・・・①
- 借地権割合 60%
- 区分地上権に準ずる地役権の割合 30%

(計算例)
区分地上権に準ずる地役権の価額
借地権の価額
借地権と区分地上権に準ずる地役権とが競合する場合の宅地の価額
★リンクはこちら ⇒ 借地権と区分地上権に準ずる地役権とが競合する場合の宅地の評価
2019年2月25日
区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地の評価
<照会要旨>
特別高圧架空電線の架設を目的とする地役権が設定されている次の図のような宅地の価額はどのように評価するのか?
<回答要旨>
地役権が設定されている宅地の価額は、承役地である部分も含め全体を1画地の宅地として評価した価額から、その承役地である部分を1画地として計算した自用地価額を基に、土地利用制限率を基に評価した区分地上権に準ずる地役権の価額を控除して評価する。
この場合、区分地上権に準ずる地役権の価額は、その承役地である宅地についての建築制限の内容により、自用地価額に以下の割合を乗じた金額によって評価することができる。
(1)家屋の建築が全くできない場合…50%と承役地に適用される借地権割合とのいずれか高い割合
(2)家屋の構造、用途等に制限を受ける場合…30%
図の場合において、区分地上権に準ずる地役権の割合を30%とすると、以下のように評価する。
★リンクはこちら ⇒ 区分地上権に準ずる地役権の目的となっている宅地の評価
2019年2月19日
区分地上権の目的となっている宅地の評価
<照会要旨>
本来地上8階地下2階のビルが建築できるが、地下鉄のトンネルの所有を目的とする区分地上権が設定されていることにより、地上5階地下1階の建物しか建築できない土地(自用地価額50億円)がある。
このような土地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
区分地上権の目的となっている宅地の価額は、その宅地の自用地としての価額から財産評価基本通達27-4(区分地上権の評価)の定めにより評価したその区分地上権の価額を控除した金額によって評価する。
この場合、区分地上権の価額は、その区分地上権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、その区分地上権の設定契約の内容に応じた土地利用制限率を基とした割合(区分地上権の割合)を乗じて計算した金額によって評価する。
仮に、この土地の階層別利用率が以下の図のようであるとした場合には、以下のように評価する。
なお、地下鉄等のずい道の所有を目的として設定した区分地上権を評価するときにおける区分地上権の割合は、100分の30とすることができる。
(注)「土地利用制限率」は、土地の利用が防げられる程度に応じて適正に定めた割合であり、公共用地の取得に伴う損失補償基準細則別記2で定められている。
★リンクはこちら ⇒ 区分地上権の目的となっている宅地の評価
2019年2月18日
平成30年10月~12月分の基準年利率
平成30年10月~12月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-1)が公表された。
平成30年10月~12月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、平成30年はずっと横這いである。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年10月~12月分の基準年利率
2019年1月30日
平成30年11月・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成30年11月・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年11月・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
2019年1月29日
複数の地目の土地を一体利用している貸宅地等の評価
<照会要旨>
甲は、以下の図のように、宅地と雑種地を乙に貸し付けている。
この場合の甲の所有する宅地及び雑種地の価額はどのように評価するのか?
※B土地には、乙が構築物を設置して駐車場として利用している。
また、賃貸借契約の残存期間は5年である。
<回答要旨>
A、B土地を一団の土地として評価した価額を、各々の地積の割合に応じてあん分し、A土地については借地権の価額を、B土地については賃借権の価額をそれぞれ控除して評価する。
図の場合において、B土地の賃借権の割合を5%とすると、具体的にはそれぞれ以下のように評価する。
A土地とB土地とを一体として評価した価額
A土地の評価額(貸宅地の評価額)
B土地の評価額(貸し付けられている雑種地の評価額)
(説明)
A、B土地に設定された権利は異なる(借地権及び賃借権)が、権利者が同一であり一体として利用していることから、その貸宅地(底地)等についても「1画地の宅地」として一体で評価する。
★リンクはこちら ⇒ 複数の地目の土地を一体利用している貸宅地等の評価
2019年1月11日
平成30年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成30年9月・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
2018年12月12日
一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(2)
<照会要旨>
個別通達「一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて」(平成10年8月25日付課評2-8外)に定める、「課税上弊害がある」ものとされている親族等の範囲は具体的にはどのような範囲なのか?
<回答要旨>
「課税上弊害がある」ものとされている親族等の範囲は、具体的には次のとおりである。
通達該 当番号 |
範 囲 | ||||||||||||||
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(1) |
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||||||||||||||
(2) |
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||||||||||||||
(3) |
|
||||||||||||||
(4) | 借地権設定者が会社役員となっている場合の当該会社。この場合の会社役員とは、次の1または2の者をいう。
|
||||||||||||||
(5) | 借地権設定者、その親族、上記(2)及び(3)に掲げる者並びにこれらの者と特殊の関係にある法人を判定の基礎とした場合に「同族会社」に該当する法人(法人税法施行令第4条第2項) | ||||||||||||||
(6) | 上記(4)または(5)に掲げる法人の役員または使用人 | ||||||||||||||
(7) |
|
★リンクはこちら ⇒ 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(2)
2018年11月30日
租税調査会研究報告第33号「取引相場のない株式の評価の実務上の論点整理」の公表について
日本公認会計士協会は、2018年8月21日に開催された常務理事会の承認を受けて「租税調査会研究報告第33号「取引相場のない株式の評価の実務上の論点整理」」を公表した。
財産評価基本通達に従って、取引相場のない株式の評価を行うに際しては、これまでも評価の要素、過程、基準等実務上の論点が指摘されているところである。
そこで、本研究報告では、取引相場のない株式の評価を取り扱って来た多くの実務家がおおむね経験していると思われる実務上の論点にできる限り多く触れ、今後の税制改正等で取り上げられるべき議論として、個別具体的な論点整理を行った。
なお、本研究報告では、取引相場のない株式の評価に係る実務上の論点を中心に取り上げ、それに関する周辺の論点にも触れているが、本研究報告の立場をより明確にするために、議論の過程で取り扱った様々な論点、例えば、平成30年度税制改正で創設された事業承継税制の特例など、評価そのものの論点以外については、あえて取り上げていない。
本研究報告が会員の行う業務の参考となれば幸いである。
★リンクはこちら ⇒ 租税調査会研究報告第33号「取引相場のない株式の評価の実務上の論点整理」の公表について
2018年11月21日
一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(1)
<照会要旨>
個別通達「一般定期借地権の目的となっている宅地の評価に関する取扱いについて」(平成10年8月25日付課評2-8外)に定める底地割合の適用は、財産評価基本通達27-2(定期借地権等の評価)の原則的評価方法と選択できるのか?
<回答要旨>
財産評価基本通達27-2の原則的評価方法と選択はできない。
(理由)
個別通達における一般定期借地権の目的となっている宅地の評価方法は、財産評価基本通達27-2の原則的評価に代えて適用することとしたものであるが、納税者の便宜を考慮して定めたものであり、評価の安全性にも配慮しているので、いずれか有利な方を選択することはできない。
例えば、普通借地権割合のE(借地権割合50%)地域にある定期借地権の目的となっている宅地(底地)について、実際の保証金等の割合が2割であっても、その底地については80%をベースとして評価することはできず、65%をベース(底地割合)として評価することになる。
なお、これは、物納申請を行う場合にも同様である。
★リンクはこちら ⇒ 一般定期借地権の目的となっている宅地の評価-簡便法(1)
2018年11月15日
農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地の評価
<照会要旨>
農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地については、どのように評価するのか?
<回答要旨>
その農業用施設の用に供されている土地の地目に従い、通常の宅地または雑種地の評価方法により評価する。
(理由)
1.農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域内または都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域内(以下「農用地区域内等」という。)に存する農業用施設の用に供されている土地については、開発行為や建築物の建築等の土地の利用が制限されており、その用途が農業用に限定されていることから、その土地が農地であるとした場合の価額に、その農地を当該農業用施設の用に供されている土地とする場合に通常必要と認められる造成費相当額を加算した金額によって評価することとしている。
2.一方、農用地区域内等以外の地域に存する土地、すなわち、都市計画区域内の市街化調整区域外の土地(農用地区域内を除く。)及び都市計画区域外の土地(農用地区域内を除く。)は、開発行為、建築物の建築等の土地利用に関して農用地区域内等のような制限がないので、これらの地域に存する農業用施設の用に供されている土地の価額の水準はその付近に存する通常の宅地や雑種地と同程度の価格水準になっていると考えられる。
したがって、これらの地域に存する農業用施設の用に供されている土地については、その地目に従い、通常の宅地または雑種地の評価方法により評価することになる。
(注)「農業用施設」とは、畜舎、蚕室、温室、農産物集出荷施設、農機具収納施設など、農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号及び第4号に規定する施設をいう。
★リンクはこちら ⇒ 農用地区域内等以外の地域に存する農業用施設の用に供されている土地の評価
2018年11月5日
平成30年7月~9月分の基準年利率
平成30年7月~9月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-38)が公表された。
平成30年7月~9月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、平成30年はずっと横這いである。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
2018年10月24日
平成30年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成30年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
2018年10月23日
農業用施設用地の評価
<照会要旨>
財産評価基本通達24-5に定める農業用施設用地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号に規定する農用地区域内または都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域内に存する農業用施設用地の価額は、その宅地が農地であるとした場合の1㎡当たりの価額に、その農地を課税時期において当該農業用施設の用に供されている宅地とする場合に通常必要と認められる1㎡当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛りまたは土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を加算した金額に、その宅地の地積を乗じて計算した金額によって評価する。
ただし、農業用施設用地であっても、いわゆる条例指定区域内(都市計画法第34条第11号の規定に基づき都道府県等が条例で定めた区域)に存するため用途変更に制限のない農業用施設用地など、その位置、都市計画法の規定による建物の建築制限の内容等により、その地域における農業用施設用地以外の宅地の価格水準で取引されると見込まれるものについては、その付近にある宅地(農業用施設用地を除く)の価額に比準して評価する。
農業用施設用地の価額=(農地であるとした場合の1㎡当たりの価額+1㎡当たりの造成費相当額)×地積 |
(注)「農業用施設用地」とは、農業用施設(畜舎、蚕室、温室、農産物集出荷施設、農機具収納施設など、農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号及び第4号に規定する施設をいう。)の用に供されている宅地をいう。
★リンクはこちら ⇒ 農業用施設用地の評価
2018年10月22日
造成中の宅地の評価
<照会要旨>
課税時期において、評価する土地が宅地造成工事中である場合には、どのように評価するのか?
<回答要旨>
造成中の宅地の価額は、その土地の造成工事着手直前の地目により評価した課税時期における価額とその宅地の造成に要した費用現価の80%相当額との合計額によって評価する。
この場合の費用現価とは、課税時期までに投下した造成費用(例えば、埋立て費、土盛り費、土止め費、地ならし費等)の額を課税時期の価額に引き直した額の合計額をいう。
★リンクはこちら ⇒ 造成中の宅地の評価
2018年10月18日
土地区画整理事業施行中の宅地の評価
<照会要旨>
土地区画整理事業の施行地区内にある土地について、仮換地の指定を受けている。
この場合の土地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
土地区画整理事業の施行地区内にある宅地について、土地区画整理法第98条(仮換地の指定)の規定に基づき仮換地が指定されている場合には、その宅地の価額は、仮換地の価額に相当する価額によって評価する。
ただし、その仮換地の造成工事が施行中で、当該工事が完了するまでの期間が1年を超えると見込まれる場合の仮換地の価額に相当する価額は、その仮換地について造成工事が完了したものとして、路線価方式または倍率方式によって評価した価額の100分の95に相当する価額によって評価する。
この場合において、換地処分により徴収または交付されることとなる清算金のうち、課税時期において確実と見込まれるものがあるときには、その金額を評価上考慮して、徴収されるものは仮換地の価額から減算し、交付されるものは加算して評価する。
なお、仮換地が指定されている場合であっても、次の事項のいずれにも該当するときには、従前の宅地の価額により評価する。
1 | 仮換地について使用又は収益を開始する日を別に定めるとされているため、当該仮換地について使用または収益を開始することができないこと |
2 | 仮換地の造成工事が行われていないこと |
★リンクはこちら ⇒ 土地区画整理事業施行中の宅地の評価
2018年10月15日
歩道状空地の用に供されている宅地の評価
<照会要旨>
都市計画法所定の開発行為の許可を受けるため、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって設置された、次のような「歩道状空地」の用に供されている宅地については、どのように評価するのか?
なお、この「歩道状空地」はインターロッキング舗装が施されたもので、居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている。
<回答要旨>
「歩道状空地」の用に供されている宅地が、法令上の制約の有無のみならず、その宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、客観的交換価値に低下が認められる場合には、その宅地を財産評価基本通達24に基づき評価する。
具体的には、①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備され、②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであり、③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている上図の「歩道状空地」は、財産評価基本通達24に基づき評価することとなる。
上図の「歩道状空地」が、不特定多数の者の通行の用に供されている場合には、その価額は評価しない。
★リンクはこちら ⇒ 歩道状空地の用に供されている宅地の評価
2018年10月11日
不特定多数の者の通行の用に供されている私道
<照会要旨>
1.私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評価しないこととなっているが、具体的にはどのようなものをいうのか?
2.幅員2メートル程度で通り抜けのできる私道は財産評価基本通達24に定める不特定多数の者の通行の用に供されている私道に該当するか?
<回答要旨>
1.「不特定多数の者の通行の用に供されている」例を具体的に挙げると、次のようなものがある。
イ | 公道から公道へ通り抜けできる私道 |
ロ | 行き止まりの私道であるが、その私道を通行して不特定多数の者が地域等の集会所、地域センター及び公園などの公共施設や商店街等に出入りしている場合などにおけるその私道 |
ハ | 私道の一部に公共バスの転回場や停留所が設けられており、不特定多数の者が利用している場合などのその私道 |
2.不特定多数の者の通行の用に供されている私道とは、上記のようにある程度の公共性が認められるものであることが必要だが、道路の幅員の大小によって区別するものではない。
★リンクはこちら ⇒ 不特定多数の者の通行の用に供されている私道
2018年10月9日
私道の用に供されている宅地の評価
<照会要旨>
(1)倍率地域にある私道の用に供されている宅地はどのように評価するのか?
(2)専用利用している路地状敷地についてはどのように評価するのか?
<回答要旨>
(1)専ら特定の者の通行の用に供されている宅地(私道)の価額は、その宅地が私道でないものとして評価した価額の30%相当額で評価する。
この場合、私道の固定資産税評価額が私道であることを考慮して付されている場合には、その宅地が私道でないものとした場合の固定資産税評価額に倍率を乗じて評価した価額の30%相当額で評価する。
なお、その私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評価しない。
(2)以下の図のAの部分のように、宅地Bへの通路として専用利用している路地状敷地については、私道として評価することはせず、隣接する宅地Bとともに1画地の宅地として評価する。
★リンクはこちら ⇒ 私道の用に供されている宅地の評価
2018年10月5日
固定資産税評価額が付されていない土地の評価
<照会要旨>
倍率方式により評価する土地について、課税時期の直前に払下げがあったこと等により固定資産税評価額が付されていない場合には、どのように評価するのか?
また、課税時期直前に地目変更等があり現況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合には、どのように評価するのか?
<回答要旨>
倍率方式により評価する土地について、課税時期において、固定資産税評価額が付されていない場合及び地目の変更等により現況に応じた固定資産税評価額が付されていない場合には、その土地の現況に応じ、状況が類似する付近の土地の固定資産税評価額を基とし、付近の土地とその土地との位置、形状等の条件差を考慮して、その土地の固定資産税評価額に相当する額を算出し、その額に評価倍率を乗じて評価する。
ただし、相続税等の申告書の提出期限までに、その土地に新たに固定資産税評価額が付された場合には、その付された価額を基として評価する。
★リンクはこちら ⇒ 固定資産税評価額が付されていない土地の評価
2018年10月3日
倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い
<照会要旨>
固定資産課税台帳に登録されている地積が実際の面積と異なる土地を倍率方式で評価する場合には、具体的にはどのように計算するのか?
<回答要旨>
土地の価額は、課税時期における実際の面積に基づいて評価する。
ところで、固定資産課税台帳に登録されている地積は、原則として、登記簿地積とされているから、実際の面積と異なる場合がある。
このような土地を倍率方式により評価する場合には、土地の実際の面積に対応する固定資産税評価額を仮に求め、その金額に倍率を乗じて計算した価額で評価する必要がある。
この場合、仮に求める固定資産税評価額は、特に支障のない限り次の算式で計算して差し支えない。
★リンクはこちら ⇒ 倍率方式によって評価する土地の実際の面積が台帳地積と異なる場合の取扱い
2018年9月18日
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となっている宅地の評価
<照会要旨>
次の図のように、容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となっている場合、財産評価基本通達24-7(都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価)に定める補正率表の適用に当たり、「容積率」は、①都市計画道路予定地に係る部分の容積率によるべきか、それとも②各容積率を加重平均して求められる容積率(建築基準法第52条第7項)によるべきか?
<回答要旨>
②各容積率を加重平均して求められる容積率による。
(理由)
都市計画道路予定地の区域内にある宅地は、地域の土地利用が高層化されているなど立体的利用が進んでいる地域に存するものほど都市計画事業により土地の効用を阻害される割合は大きくなり、また、評価対象地に占める都市計画道路予定地の面積の割合が大きくなるほど土地価格に及ぼす影響は大きくなるという実態を踏まえ、宅地全体の容積率に対する補正率(しんしゃく率)を定めている。
したがって、財産評価基本通達24-7に定める補正率表を適用する場合の基となる容積率は、実際の都市計画道路予定地に係る容積率によるよりも、宅地全体の容積率、すなわち各容積率を加重平均して求められる容積率によるのが合理的と考えられる。
★リンクはこちら ⇒ 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の一部が都市計画道路予定地の区域内となっている宅地の評価
2018年9月18日
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(2)
<照会要旨>
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価をする場合の留意事項は何か?
<回答要旨>
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価についての留意事項は以下のとおりである。
1.1画地の宅地の正面路線に接する部分の容積率が2以上であるが、その正面路線に接する部分の容積率と異なる容積率の部分がない場合には、財産評価基本通達20-5による容積率の格差による減額調整を行わない。
2.その宅地の正面路線に接する部分の容積率が2以上である場合で、その正面路線に接する部分の容積率と異なる容積率の部分がある場合には、異なる容積率の部分との違いによる減額調整を行う。
(注)この場合の調整計算に当たっては、容積率500%地域は容積率400%地域と一体であるものとして取扱い、容積率400%地域と容積率300%地域との格差の調整計算とする。
3.1画地の宅地が2以上の路線に面する場合において、正面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額について容積率の格差による減額調整を行った価額が、正面路線以外の各路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額のいずれかを下回る場合には、容積率の格差による減額調整を適用せず、正面路線以外の路線の路線価について、それぞれ奥行価格補正率を乗じて計算した価額のうち最も高い価額となる路線を当該画地の正面路線とみなして、財産評価基本通達15(奥行価格補正)から20-4(がけ地等を有する宅地の評価)までの定めにより計算した価額によって評価する。
(1)正面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額に容積率の格差による減額調整を行った価額
600,000円×1.00-(600,000円×1.00×0.167)=499,800円
(2)裏面路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額
500,000円×1.00=500,000円
(3)(1)<(2)となるので、容積率の格差による減額調整の適用はなく、裏面路線を正面路線とみなして、当該画地の評価額を求める。
なお、この場合、宅地の価額は最も高い効用を有する路線から影響を強く受けることから、正面路線とみなされた路線(裏面路線)の路線価の地区区分に応じた補正率を適用することに留意すること。
★リンクはこちら ⇒ 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(2)
2018年9月14日
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(1)
<照会要旨>
容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価に当たり、減額割合の計算を行う場合に適用する容積率は、指定容積率と基準容積率とのいずれによるのか?
<回答要旨>
指定容積率と基準容積率とのいずれか小さい方の容積率による。
(理由)
建築基準法は、道路、公園、上下水道等の公共施設と建築物の規模との均衡を図り、その地域全体の環境を守るために、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最高限度を定めており、この割合を「容積率」という。
容積率には、都市計画にあわせて指定されるもの(指定容積率)と建築基準法独自のもの(基準容積率)とがあり、実際に適用される容積率は、これらのうちいずれか小さい方である。
財産評価基本通達20-5において適用する容積率もいずれか小さい方であり、この場合の基準容積率は、建築基準法第52条第2項の規定によるものをいう。
(注)この取扱いは、減額調整方法としての統一基準を定めたものであることから、減額割合の計算上は、容積率の制限を緩和する特例を定めた建築基準法に規定する基準容積率(①特定道路との関係による容積率の制限の緩和、②都市計画道路がある場合の特例、③壁面線の指定がある場合の特例、④一定の条件を備えた建築物の場合の特例)は関係ない。
★リンクはこちら ⇒ 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価(1)
2018年9月12日
がけ地補正率を適用するがけ地等を有する宅地
<照会要旨>
がけ地補正率を適用して評価するがけ地等を有する宅地とは、どのような宅地をいうのか?
<回答要旨>
がけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地であり、例えば、ヒナ段式に造成された住宅団地に見られるような、擁壁部分(人工擁壁と自然擁壁とを問わない。)を有する宅地である。
このような宅地のがけ部分等は、採光、通風等による平たん宅地部分への効用増に寄与すると認められるものの通常の用途に供することができないため、全体を通常の用途に供することができる宅地に比し減価があると認められるので、がけ地補正率表によるがけ地補正を行うものである。
このように、がけ地補正率が適用されるがけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地をいい、平たん部分である宅地とそれ以外の部分(山林、雑種地等)を別の評価単位として評価すべき場合はこれに該当しない。
★リンクはこちら ⇒ がけ地補正率を適用するがけ地等を有する宅地
2018年9月10日
占用権の意義
<照会要旨>
財産評価基本通達上の占用権とは、どのようなものをいうのか?
<回答要旨>
財産評価基本通達上の占用権とは、①河川法第24条の規定による河川区域内の土地の占用の許可に基づく権利で、ゴルフ場、自動車練習所、運動場その他の工作物(対価を得て他人の利用に供するものまたは専ら特定の者の用に供するものに限る。)の設置を目的とするもの、②道路法第32条第1項の規定による道路の占用の許可または都市公園法第6条第1項の規定による都市公園の占用の許可に基づく経済的利益を生ずる権利で駐車場、建物その他の工作物(対価を得て他人の利用に供するものまたは専ら特定の者の用に供するものに限る。)の設置を目的とするものをいう。
①の代表的な例として河川敷ゴルフ場、②の代表的な例として地下街が挙げられる。
なお、占用権の価額は、上記のような施設の完成後評価することとしているので、占用許可を得ていても施設の建築中である場合には評価しないこととして差し支えない。
★リンクはこちら ⇒ 占用権の意義
2018年9月5日
区分地上権に準ずる地役権の意義
<照会要旨>
財産評価基本通達上の区分地上権に準ずる地役権とは、どのようなものをいうのか?
<回答要旨>
財産評価基本通達上の区分地上権に準ずる地役権とは、特別高圧架空電線の架設、高圧のガスを通ずる導管の敷設、飛行場の設置、建築物の建築その他の目的のため地下または空間について上下の範囲を定めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するものをいい、登記の有無は問わない。
★リンクはこちら ⇒ 区分地上権に準ずる地役権の意義
2018年8月29日
借地権の意義
<照会要旨>
構築物の所有を目的とする土地の賃借権は、所得税法や法人税法の借地権に含まれているが、財産評価基本通達上の借地権には、構築物の所有を目的とする賃借権も含まれるのか?
<回答要旨>
財産評価基本通達上の借地権は、借地借家法第2条に規定する借地権すなわち建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権に限られることから構築物の所有を目的とする賃借権は含まれない。
(理由)
建物の所有を目的とする借地権は、地域的な格差はあるとしても、その権利の内容がおおむね一様であることから、その価額の評価の方法については、自用地としての価額にその地域における一定の借地権割合を乗じて算出するのに対し、構築物の所有を目的とする賃借権については、その構築物の種類が雑多であり、かつ、その構築物の所有を目的とする賃借権の権利の態様も一様ではないことから、建物の所有を目的とする借地権とは区別してその賃借権または地上権の権利の内容に応じて個別に評価することを目的として、借地権の範囲には構築物の所有を目的とする賃借権または地上権は含まない取扱いとしている。
したがって、所得税法や法人税法で規定する借地権とは異なり、構築物の所有を目的とする賃借権は、財産評価基本通達上の借地権には該当しない。
なお、構築物の所有を目的とする賃借権の価額は、財産評価基本通達87(賃借権の評価)の定めにより評価することになる。
★リンクはこちら ⇒ 借地権の意義
2018年8月27日
一団の雑種地の判定
<照会要旨>
雑種地を評価する場合の「一団の雑種地」はどのように判定するのか?
<回答要旨>
雑種地の価額は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地)ごとに評価することとしているが、この場合の「一団の雑種地」の判定は、物理的一体性を有しているか否かで行うことになる。
したがって、その雑種地が不特定多数の者の通行の用に供される道路、河川等により分離されている場合には、その分離されている部分ごとに一団の雑種地として評価する。
なお、雑種地でいずれの用にも供されていないものについては、その全体を一団の雑種地として評価する。
また、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成している地域において、宅地と状況が類似する雑種地が2以上の利用の単位により隣接しており、その形状、地積の大小、位置関係等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、それらを一団の雑種地として評価する。
★リンクはこちら ⇒ 一団の雑種地の判定
2018年8月21日
平成30年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成30年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(課評2-32 平成30年8月10日)
2018年8月20日
平成30年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成30年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一または類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(課評2-25 平成30年6月29日)
2018年8月16日
市街地農地等の評価単位
<照会要旨>
市街地農地及び市街地周辺農地(以下、市街地農地等という。)の評価単位は、「利用の単位となっている一団の農地」とされているが、この「利用の単位」とは、具体的にはどのように判定するのか?
<回答要旨>
市街地農地等は、利用の単位となっている一団の農地を評価単位とするのですが、具体的には、次のように判定する。
(1)所有している農地を自ら使用している場合には、耕作の単位にかかわらず、その全体をその利用の単位となっている一団の農地とする。
(2)所有している農地を自ら使用している場合において、その一部が生産緑地である場合には、生産緑地とそれ以外の部分をそれぞれ利用の単位となっている一団の農地とする。
(3)所有する農地の一部について、永小作権または耕作権を設定させ、他の部分を自ら使用している場合には、永小作権または耕作権が設定されている部分と自ら使用している部分をそれぞれ利用の単位となっている一団の農地とする。
(4)所有する農地を区分して複数の者に対して永小作権または耕作権を設定させている場合には、同一人に貸し付けられている部分ごとに利用の単位となっている一団の農地とする。
なお、市街地山林及び市街地原野の評価単位についても同様の考え方により判定する。
(理由)
市街地農地等の価額は、宅地の価額の影響を強く受けることから宅地比準方式により評価することとしており、これとの整合性を図るため、評価の単位についても宅地としての効用を果たす規模での評価を行う必要がある。
したがって、市街地農地等については、1枚または1筆ごとといった評価単位によらず、利用の単位となっている一団の農地を評価単位とすることが相当と考えられる。
利用の単位とは、一体として利用される範囲を指し、自用の土地であれば、他人の権利による制約がないので、その全体が一体として利用されるものであり、他人の権利が存する土地とは区分される。
したがって、自用の土地は、その全体を利用の単位として評価することとなる。
また、他人の権利の存する土地について、貸付先がそれぞれ異なっている場合には、利用についてもそれぞれ異なっているので、同一人に貸し付けられている部分ごとに利用の単位とする。
なお、生産緑地は農地等として管理しなければならないという制約があることから、市街地農地と隣接しているような場合であっても、それぞれを「利用の単位となっている一団の農地」としている。
★リンクはこちら ⇒ 市街地農地等の評価単位
2018年8月15日
土地の評価単位-市街地農地等
<照会要旨>
宅地に比準して評価する市街地農地等、及び宅地と状況が類似する雑種地について一団の土地として評価する場合とは、具体的にはどのような場合をいうのか?
<回答要旨>
(事例1)市街地農地等
市街地農地、市街地山林及び市街地原野(以下市街地農地等という。)の価額は、付近の宅地の価格形成要因の影響を受けるため、宅地比準方式により評価することとしている。
図のような市街地農地等について、1枚または1筆ごとに評価することとすると、宅地の効用を果たさない規模や形状で評価することとなり、隣接宅地と同じような規模及び形状であるにもかかわらず、価額が異なることとなるため、利用の単位となっている一団の土地を評価単位とする。
なお、農地については、市街地農地のほか、市街地周辺農地及び生産緑地についてもそれぞれごとに「利用の単位となっている一団の農地」を判定する。
(事例2)市街地的形態を形成している地域における宅地と状況が類似する雑種地
宅地と状況が類似する雑種地は、宅地の価格形成要因の影響を受けるため、宅地比準方式により評価することとしているが、A、B及びCそれぞれを利用の単位となっている一団ごとに評価した場合に、宅地の効用を果たさない規模や形状で評価することになる。
このため、それぞれの利用単位となっている雑種地の形状、地積の大小、位置等からみて全体を一団の雑種地として評価することが合理的な場合には、全体を一の評価単位とする。
★リンクはこちら ⇒ 土地の評価単位-市街地農地等
2018年8月6日
平成30年4月~6月分の基準年利率
平成30年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-30)が公表された。
平成30年4月~6月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、横這いである。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-30 平成30年7月24日)
2018年8月2日
土地の評価単位-地目の異なる土地を一団として評価する場合
<照会要旨>
市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、市街地農地、市街地山林、市街地原野及び宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目が隣接している場合で、全体を一団として評価することが合理的と認められる場合とは、具体的にはどのような場合か?
<回答要旨>
以下の事例1~4のような場合に、農地、山林及び雑種地の全体を一団として評価することが合理的と認められる。
なお、事例5のような場合はそれぞれを地目の別に評価する。
(理由)
宅地化が進展している地域のうちに介在する市街地農地等及び宅地と状況が類似する雑種地が隣接しており、その規模、形状、位置関係等から一団の土地として価格形成がなされるものもある。また、これらの土地は、近隣の宅地の価額の影響を強く受けるため、原則としていわゆる宅地比準方式により評価することとしており、基本的な評価方法はいずれも同一であることから、地目の別に評価する土地の評価単位の例外として、その形状、地積の大小、位置等からみて一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価する。
(事例1)の場合、標準的な宅地規模を考えた場合にはA土地は地積が小さく、形状を考えた場合には、B土地は単独で評価するのではなくA土地と合わせて評価するのが妥当と認められる。また、位置を考えた場合には、C土地は道路に面していない土地となり、単独で評価するのは妥当でないと認められることから、A、B及びC土地全体を一団の土地として評価することが合理的であると認められる。
(事例2)の場合、山林のみで評価することとすると、形状が間口狭小、奥行長大な土地となり、また、山林部分のみを宅地として利用する場合には、周辺の標準的な宅地と比較した場合に宅地の効用を十分に果たし得ない土地となってしまう。同様に(事例3)では、各地目の地積が小さいこと、(事例4)では山林部分が道路に面していないことから、やはり宅地の効用を果たすことができない土地となる。これらのような場合には、土地取引の実情からみても隣接の地目を含めて一団の土地を構成しているものとみるのが妥当であることから、全体を一団の土地として評価する。
また、このように全体を一団の土地として評価するときに、その一団の土地がその地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大となる場合には、財産評価基本通達24-4(広大地の評価)、同40-2(広大な市街地農地等の評価)、同49-2(広大な市街地山林の評価)及び同58-4(広大な市街地原野の評価)を適用する。
しかし、(事例5)のように農地と山林をそれぞれ別としても、その形状、地積の大小、位置等からみても宅地の効用を果たすと認められる場合には、一団としては評価しない。
★リンクはこちら ⇒ 土地の評価単位-地目の異なる土地を一団として評価する場合
2018年7月30日
平成30年分財産評価基準
国税庁は、2018年7月2日に、平成30年分財産評価基準を公表した。
財産評価基準は、平成30年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年分財産評価基準
2018年7月3日
「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6標準伐期にある森林の立木の標準価額表」の一部改定
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。
<趣旨>
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。 記 別表2「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6 標準伐期にある森林の立木の標準価額表」を次のとおり改める。
★リンクはこちら ⇒ 「主要樹種の森林の立木の標準価額表等」に定める「6標準伐期にある森林の立木の標準価額表」の一部改定
2018年6月27日
平成30年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成30年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
ようやく、平成30年1月・2月分が出た。
もう少し早く出せないのだろうか?
★リンクはこちら ⇒ 平成30年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(課評2-19 平成30年6月6日)
2018年6月20日
平成30年1月~3月分の基準年利率
平成30年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-12)が公表された。
平成30年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
短期(0.01%)、中期(0.01%)及び長期(0.25%)とも、横這いである。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-12 平成30年5月21日)
2018年6月12日
地積規模の大きな宅地の評価-計算例⑤(倍率地域に所在する場合)
<照会要旨>
以下の図のような倍率地域に所在する宅地(地積3,000㎡、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)。
宅地の固定資産税評価額:105,000,000円
近傍の固定資産税評価に係る標準宅地の1㎡当たりの価額:50,000円
倍率:1.1倍
<回答要旨>
1.標準的な1㎡当たりの価額の計算
2.規模格差補正率(小数点以下第2位未満切捨て)
3.評価額
※1:倍率地域に所在する宅地は、普通住宅地区に所在するものとして計算する。
※2:その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額が「地積規模の大きな宅地の評価」(財産評価基本通達20-2)に準じて計算した価額を上回る場合には、「地積規模の大きな宅地の評価」に準じて計算した価額により評価する。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例⑤(倍率地域に所在する場合)
2018年6月8日
地積規模の大きな宅地の評価-計算例④(正面路線が2以上の地区にわたる場合)
<照会要旨>
以下の図のような宅地(地積1,500㎡、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(地区以外の地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)。
<回答要旨>
1.地区の判定
評価対象となる宅地の接する正面路線が2以上の地区にわたる場合には、その宅地の過半の属する地区をもって、その宅地の全部が所在する地区と判定する。
上図の宅地の場合、普通住宅地区に属する部分の地積(900㎡)が中小工場地区に属する部分の地積(600㎡)よりも大きいことから、その宅地の全部が普通住宅地区に属するものと判定する。
したがって、上図の宅地は、その全部が「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる。
2.規模格差補正率の計算(小数点以下第2位未満切捨て)
3.評価額
※1:路線価の加重平均の計算
※2:原則として、判定した地区に係る画地調整率を用いる。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例④(正面路線が2以上の地区にわたる場合)
2018年6月5日
地積規模の大きな宅地の評価-計算例③(指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合)
<照会要旨>
次の図のような宅地(地積4,000、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(用途地域以外の地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)
<回答要旨>
1.用途地域の判定
評価対象となる宅地が2以上の用途地域にわたる場合には、その宅地の全部がその宅地の過半の属する用途地域に所在するものと判定する。
上図の宅地については、工業地域に属する部分の宅地の面積(3,000)が敷地の過半に属していることから、その宅地の全部が工業地域内に所在するものと判定する。
したがって、上図の宅地は、その全部が「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる。
2.規模格差補正率の計算(小数点以下第2位未満切捨て)
3.評価額
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例③(指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合)
2018年5月28日
地積規模の大きな宅地の評価-計算例②(用途地域が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合)
<照会要旨>
次の図のような宅地(地積4,000㎡、三大都市圏以外の地域に所在)の価額はどのように評価するのか?(用途地域以外の地積規模の大きな宅地の評価における要件は満たしている。)
<回答要旨>
1.用途地域の判定
評価対象となる宅地が2以上の用途地域にわたる場合には、その宅地の全部がその宅地の過半の属する用途地域に所在するものと判定する。
上図の宅地については、工業地域に属する部分の宅地の面積(3,000)が敷地の過半に属していることから、その宅地の全部が工業地域内に所在するものと判定する。
したがって、上図の宅地は、その全部が「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となる。
2.規模格差補正率の計算(小数点以下第2位未満切捨て)
3.評価額
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例②(用途地域が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合)
2018年5月25日
地積規模の大きな宅地の評価-計算例①(一般的な宅地の場合)
<照会要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合には、その宅地の容積率はどのように判定するのか?
<回答要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率(建築基準法第52条第1項)の異なる2以上の地域にわたる場合には、各地域の指定容積率に、その宅地の当該地域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計により容積率を判定する。
(例)
次の図のような宅地(地積1,400、三大都市圏以外の地域に所在)の指定容積率は、
となる。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-計算例①(一般的な宅地の場合)
2018年5月21日
地積規模の大きな宅地の評価-市街地農地等
<照会要旨>
市街地農地については「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象となるのか?
<回答要旨>
市街地農地について、「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件を満たす場合には、その適用対象となる(市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野についても同様である。)。
ただし、路線価地域にあっては、宅地の場合と同様に、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものに限られる。
なお、市街地農地等であっても、①宅地へ転用するには多額の造成費を要するため、経済合理性の観点から宅地への転用が見込めない場合や、②急傾斜地などのように宅地への造成が物理的に不可能であるため宅地への転用が見込めない場合については、戸建住宅用地としての分割分譲が想定されないので、「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象とならない。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-市街地農地等
2018年5月15日
地積規模の大きな宅地の評価-倍率地域に所在する場合の評価方法
<照会要旨>
倍率地域に所在する「地積規模の大きな宅地」はどのように評価するのか?
<回答要旨>
倍率地域に所在する「地積規模の大きな宅地」については、次のうちいずれか低い方の価額により評価する。
① | 倍率方式により評価した価額 |
② | その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額を路線価とし、かつ、その宅地が普通住宅地区に所在するものとして「地積規模の大きな宅地の評価」に準じて計算した価額 |
(注)「その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額」は、付近にある標準的な画地規模を有する宅地の価額との均衡を考慮して算定する必要がある。具体的には、評価対象となる宅地の近傍の固定資産税評価に係る標準宅地の1㎡当たりの価額を基に計算することが考えられるが、当該標準宅地が固定資産税評価に係る各種補正の適用を受ける場合には、その適用がないものとしたときの1㎡当たりの価額に基づき計算する。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-倍率地域に所在する場合の評価方法
2018年5月8日
平成30年分の路線価図等の公開予定日について
平成30年分の路線価図等は、7月2日(月)10時に公開することを予定している。
公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがあるので、あらかじめご了承のこと。
なお、路線価図等の見方等がわからない場合には、「国税に関するご相談について」をご覧の上、最寄りの税務署に電話していただき、自動音声に従って「1」を選択すること(電話相談センターにつながる。)。
★リンクはこちら ⇒ 平成30年分の路線価図等の公開予定日について
2018年4月27日
地積規模の大きな宅地の評価-正面路線が2以上の地区にわたる場合の地区の判定
<照会要旨>
評価対象となる宅地の接する正面路線が普通住宅地区などの地区のうち2以上の地区にわたる場合には、その宅地の所在する地区はどのように判定するのか?
<回答要旨>
評価対象となる宅地の接する正面路線が2以上の地区にわたる場合には、その宅地の過半の属する地区をもって、その宅地の全部が所在する地区と判定する。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-正面路線が2以上の地区にわたる場合の地区の判定
2018年4月20日
地積規模の大きな宅地の評価-基準容積率が指定容積率を下回る場合の容積率の判定
<照会要旨>
評価対象となる宅地は、指定容積率が400%以上の地域に所在するが、前面道路の幅員に基づく容積率(基準容積率)は400%未満となる。
このような場合には容積率の要件を満たすこととなるか?
<回答要旨>
「地積規模の大きな宅地の評価」の適用に係る容積率は、指定容積率(建築基準法第52条第1項)により判定する。
したがって、指定容積率が400%以上(東京都の特別区においては300%以上)である場合には、前面道路の幅員に基づく容積率(基準容積率(建築基準法第52条第2項))が400%未満(東京都の特別区においては300%未満)であったとしても、容積率の要件を満たさない。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-基準容積率が指定容積率を下回る場合の容積率の判定
2018年4月16日
地積規模の大きな宅地の評価-指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合の容積率の判定
<照会要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合には、その宅地の容積率はどのように判定するのか?
<回答要旨>
評価対象となる宅地が指定容積率(建築基準法第52条第1項)の異なる2以上の地域にわたる場合には、各地域の指定容積率に、その宅地の当該地域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計により容積率を判定する。
《例》
次の図のような宅地(地積1,400、三大都市圏以外の地域に所在)の指定容積率は、
となる。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合の容積率の判定規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定
2018年4月11日
地積規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定
<照会要旨>
評価対象となる宅地が工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合には、その宅地の所在する用途地域はどのように判定するのか?
<回答要旨>
評価対象となる宅地が工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合には、その宅地の全部がその宅地の過半の属する用途地域に所在するものと判定する。
したがって、例えば評価対象となる宅地が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合において、その宅地の過半が工業専用地域に属しているときには、その宅地全体に工業専用地域に係る用途地域の制限が適用されるため、その宅地は工業専用地域に所在する宅地と判定する。
よって、この場合には、評価対象となる宅地は「地積規模の大きな宅地の評価」の適用対象とならない。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定
2018年4月9日
地積規模の大きな宅地の評価-共有地の場合の地積規模の判定
<照会要旨>
複数の者に共有されている宅地の場合、地積規模の要件を満たすかどうかは、共有者の持分に応じてあん分した後の地積により判定するのか?
<回答要旨>
複数の者に共有されている宅地については、共有者の持分に応じてあん分する前の共有地全体の地積により地積規模を判定する。
(例)
次の図のようなAとBに持分2分の1ずつで共有されている三大都市圏に所在する地積800の宅地については、AとBの持分に応じてあん分した地積はそれぞれ400
ずつとなりますが、持分に応じてあん分する前の共有地全体の地積は800
であることから、三大都市圏における500
以上という地積規模の要件を満たす宅地に該当する。
★リンクはこちら ⇒ 地積規模の大きな宅地の評価-共有地の場合の地積規模の判定
2018年4月4日
がけ地等を有する宅地の評価-2方向にがけ地部分を有する場合
<照会要旨>
次のように2方向にがけ地部分を有する宅地のがけ地補正率はどのようにして求めるのか?
<回答要旨>
2方向以上にがけ地を有する宅地のがけ地補正率は、評価対象地の総地積に対するがけ地部分の全地積の割合に応ずる各方位別のがけ地補正率を求め、それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均して求める。
(計算例)
1.総地積に対するがけ地部分の割合
2.方位別のがけ地補正率
がけ地割合0.50の場合の西方位のがけ地補正率 0.78
がけ地割合0.50の場合の南方位のがけ地補正率 0.82
3.加重平均によるがけ地補正率
★リンクはこちら ⇒ がけ地等を有する宅地の評価-2方向にがけ地部分を有する場合
2018年3月30日
がけ地等を有する宅地の評価-南東を向いている場合
<照会要旨>
次のように南東を向いているがけ地部分を有する宅地のがけ地補正率はどのようにして求めるのか?
<回答要旨>
「がけ地補正率表」に定められた方位の中間を向いているがけ地は、それぞれの方位のがけ地補正率を平均して求める。
なお、「北北西」のような場合には、「北」のみの方位によることとしても差し支えない。
★リンクはこちら ⇒ がけ地等を有する宅地の評価-南東を向いている場合
2018年3月22日
がけ地等を有する宅地の評価
<照会要旨>
がけ地等を有する宅地については、どのように評価するのか?
<回答要旨>
がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等の部分ががけ地等でないとした場合の価額に、がけ地補正率を乗じて計算した価額によって評価する。
評価額
(注)がけ地の方位は斜面の向きによる。
★リンクはこちら ⇒ がけ地等を有する宅地の評価
2018年3月19日
接道義務を満たしていない宅地の評価
<照会要旨>
次のように間口距離が短く接道義務を満たしていない宅地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
通路部分を拡幅しなければ、建物の建築に対して著しい制限のある宅地なので、無道路地に準じた評価を行う。
なお、無道路地として評価する際に控除する通路に相当する部分の価額は、通路拡幅のための費用相当額(正面路線価に通路拡幅地積を乗じた価額)とする。
(計算例)
1.評価対象地(①)の奥行価格補正後の価額
(1)評価対象地(①)と前面宅地(②)を合わせた土地の奥行価格補正後の価額
(2)前面宅地(②)の奥行価格補正後の価額
(注)奥行距離が5mの場合の奥行価格補正率は「0.92」であるが、「0.92」とすると前記(1)の評価対象地(①)と前面宅地(②)を合わせた整形地の奥行価格補正後の単価より、道路に接する部分が欠落している不整形地の奥行価格補正後の単価が高くなり不合理なので、このように前面宅地の奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、当該奥行価格補正率は1.00とする。
ただし、前記(1)の評価対象地(①)と前面宅地(②)を合わせて評価する場合において奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、前面宅地の奥行価格補正率もその数値とする。
(3)(1)の価額から(2)の価額を控除して求めた評価対象地(①)の奥行価格補正後の価額
2.不整形地補正(又は間口狭小・奥行長大補正)後の価額
間口狭小補正率0.90(通路拡幅後の間口距離2mに対するもの)
奥行長大補正率0.90(通路拡幅後の間口距離2m・奥行距離25mに対するもの)
3.通路拡幅部分の価額
4.評価額
★リンクはこちら ⇒ 接道義務を満たしていない宅地の評価
2018年3月15日
無道路地の評価
<照会要旨>
次のような無道路地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
次のとおり評価する。
1.無道路地(①)の奥行価格補正後の価格
(1)無道路地(①)と前面宅地(②)を合わせた土地の奥行価格補正後の価額
(2)前面宅地(2)の奥行価格補正後の価額
(3)(1)の価額から(2)の価額を控除して求めた無道路地(①)の奥行価格補正後の価額
2.不整形地補正(または間口狭小・奥行長大補正)
間口狭小補正率0.90(間口距離2m)
奥行長大補正率0.90(間口距離2m・奥行距離40m)
3.通路部分の価額
4.評価額 評価額の算式
★リンクはこちら ⇒ 無道路地の評価
2018年3月12日
不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合②
<照会要旨>
次のような帯状部分を有する宅地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
帯状部分(乙)とその他部分(甲・丙)に分けて評価した価額の合計額により評価し、不整形地としての評価は行わない。
(計算例)
1.甲、丙土地を合わせて評価した価額
2.乙土地の評価額
(1)乙、丙土地を合わせた土地の奥行価格補正後の価額
(2)丙土地の奥行価格補正後の価額
(3)(1)の価額から(2)の価額を差し引いて求めた乙土地の奥行価格補正後の価額
(4)乙土地の評価額
3.評価額
(参考)
評価対象地を不整形地として評価するとした場合
1.甲地の奥行価格補正後の価額
2.乙・丙地の奥行価格補正後の価額
3.不整形地補正率
4.評価額
このように、帯状部分を有する土地について、形式的に不整形地補正を行うとかげ地割合が過大となり、帯状部分以外の部分を単独で評価した価額(40,000千円)より低い不合理な評価額となるため、不整形地としての評価は行わない。
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合②
2018年3月8日
不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合①
<照会要旨>
次のような帯状部分を有する宅地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
帯状部分(乙)とその他部分(甲)に分けて評価した価額の合計額により評価し、不整形地としての評価は行わない。
(計算例)
1.甲土地の評価額
2.乙土地の評価額
3.評価額
(参考)
評価対象地を不整形地として評価するとした場合
このように、帯状部分を有する土地について、形式的に不整形地補正を行うとかげ地割合が過大となり、帯状部分以外の部分を単独で評価した価額(20,000千円)より低い不合理な評価額となるため、不整形地としての評価は行わない。
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-不整形地としての評価を行わない場合①
2018年2月26日
不整形地の評価-差引き計算により評価する場合
<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
近似整形地(①)を求め、隣接する整形地(②)と合わせて全体の整形地の価額の計算をしてから隣接する整形地(②)の価額を差し引いた価額を基として計算した価額に、不整形地補正率を乗じて評価する。
(計算例)
1.近似整形地(①)と隣接する整形地(②)を合わせた全体の整形地の奥行価格補正後の価額
2.隣接する整形地(②)の奥行価格補正後の価額
3.1の価額から2の価額を控除して求めた近似整形地(①)の奥行価格補正後の価額
4.近似整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額(不整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額)
5.不整形地補正率
6.評価額
(注意事項)
1.近似整形地を設定する場合、その屈折角は90度とする。
2.想定整形地の地積は、近似整形地の地積と隣接する整形地の地積との合計と必ずしも一致しない。
3.全体の整形地の価額から差し引く隣接する整形地の価額の計算に当たって、奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、当該奥行価格補正率は1.00とする。
ただし、全体の整形地の奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、隣接する整形地の奥行価格補正率もその数値とする。
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-差引き計算により評価する場合
2018年2月22日
平成29年11月・12月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成29年11月・12月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
これで、平成29年分は出揃った。
★リンクはこちら ⇒ 「平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-1 平成30年1月17日)
★一括ダウンロードはこちら ⇒ 類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(平成29年分)
2018年1月26日
平成29年10月~12月分の基準年利率
平成29年10月~12月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-3)が公表された。
平成29年10月~12月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
これで、平成29年分は出揃った。
短期(0.01%)及び中期(0.01%)は横這いであるが、長期は10月から0.25%に上昇している(9月は0.1%)。
★リンクはこちら ⇒ 「平成29年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-3 平成30年1月17日)
2018年1月24日
不整形地の評価-近似整形地を基として評価する場合
<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
不整形地に近似する整形地を求め、その近似整形地を基として求めた価額に不整形地補正率を乗じて評価する。
(注意事項)
1.近似整形地は、近似整形地からはみ出す不整形地の部分の地積と近似整形地に含まれる不整形地以外の部分の地積がおおむね等しく、かつ、その合計地積ができるだけ小さくなるように求める。
2.近似整形地の屈折角は90度とする。
3.近似整形地と想定整形地の地積は必ずしも同一ではない。
(計算例)
1.近似整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額(不整形地の奥行価格補正後の1平方メートル当たりの価額)
2.不整形地補正率
3.評価額
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-近似整形地を基として評価する場合
2018年1月15日
不整形地の評価-計算上の奥行距離を基として評価する場合
<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基として求めた整形地としての価額に、不整形地補正率を乗じて評価する。
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-計算上の奥行距離を基として評価する場合
2018年1月11日
不整形地の評価-区分した整形地を基として評価する場合
<照会要旨>
次のような不整形地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
不整形地を区分して求めた整形地を基として計算した価額の合計額に、不整形地補正率を乗じて評価する。
(計算例)
1.不整形地を整形地に区分して個々に奥行価格補正を行った価額の合計額
2.不整形地補正率
不整形地補正率 0.94(普通住宅地区 地積区分A かげ地割合20%)
3.評価額
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の評価-区分した整形地を基として評価する場合
2018年1月9日
屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方
<照会要旨>
屈折路に面する不整形地の場合、想定整形地はどのようにとるのか?
<回答要旨>
屈折路に面する不整形地に係る想定整形地は、いずれかの路線からの垂線によって又は路線に接する両端を結ぶ直線によって、評価しようとする宅地の全域を囲むく形又は正方形のうち最も面積の小さいものを想定整形地とする。
以下の場合には、AからCまでのく形のうち最も面積の小さいもの、すなわちAが想定整形地となる。
★リンクはこちら ⇒ 屈折路に面する不整形地の想定整形地のとり方
2017年12月19日
不整形地の奥行距離の求め方
<照会要旨>
以下の図のような不整形地の奥行距離はどのようにして求めるのか?
<回答要旨>
奥行距離が一様でないものは平均的な奥行距離による。
具体的には、不整形地にかかる想定整形地の奥行距離を限度として、その不整形地の面積をその間口距離で除して得た数値する。
上の図のような不整形地にかかる想定整形地は以下のとおりとなる。
したがって、この不整形地の奥行距離は17.1m(600㎡÷35m=17.1<20)となる。
一般に不整形地について、その奥行距離を図示すれば以下のようになる。
★リンクはこちら ⇒ 不整形地の奥行距離の求め方
2017年12月18日
平成29年9月・10月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等
この法令解釈通達では、平成29年9月・10月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら ⇒ 「平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達 課評2-60)(平成29年12月5日)
2017年12月13日
「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(平成29年10月3日)
平成29年9月20日付課評2-46ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)及び平成29年9月29日付課評2-48ほか2課共同「『相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について』の一部改正について」(法令解釈通達)により、地積規模の大きな宅地の評価について定めるほか、取引相場のない株式等の評価等について所要の改正を行ったところであるが、そのあらましはリンクのとおりである。
★地積規模の大きな宅地の評価はこちら ⇒ 「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(資産評価企画官情報第5号 資産課税課情報第17号 国税庁資産評価企画官資産課税課 平成29年10月3日)
★取引相場のない株式等の評価はこちら ⇒ 「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)(資産評価企画官情報第5号 資産課税課情報第17号 国税庁資産評価企画官資産課税課 平成29年10月3日)
2017年12月8日
「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年9月29日)
平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を別紙のとおり改正し、平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。
★リンクはこちら ⇒ 「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達 課評2-48 課資2-19 課審7-17)(平成29年9月29日)
2017年12月6日
財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年9月20日)
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成30年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価及び平成30年分以後の地価税の課税価格の計算の基礎となる土地等の評価に適用することとしたから、これによられたい。
<趣旨>
現下の社会経済の実態等を踏まえ、広大地の評価等について所要の改正を行うものである。
★リンクはこちら ⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達 課評2-46 課資2-17 課審7-20)(平成29年9月20日)
2017年12月5日
屈折路に面する宅地の間口距離の求め方 
<照会要旨>
宅地が屈折路に面している場合の間口距離はどのようにして求めるのか?
<回答要旨>
屈折路に面する不整形地の間口距離は、その不整形地に係る想定整形地の間口に相当する距離と、屈折路に実際に面している距離とのいずれか短い距離となる。
このことから、Aの場合にはa(<「b+c」)が、Bの場合には「b+c」(<a)がそれぞれ間口距離となる。
なお、屈折路に面する不整形地に係る想定整形地は、いずれかの路線からの垂線によって又は路線に接する両端を結ぶ直線によって、評価しようとする宅地の全域を囲むく形又は正方形のうち最も面積の小さいものとする。
★リンクはこちら⇒屈折路に面する宅地の間口距離の求め方
2017年11月29日
間口が狭い宅地の評価 
<照会要旨>
以下の図のように路線に接する間口が狭い宅地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
路線価に奥行価格補正率及び間口狭小補正率を乗じ、更に奥行が長大な宅地については、奥行長大補正率を乗じた価額によって評価する。
なお、間口が狭小な宅地とは、以下の表に掲げる間口距離を有する宅地をいい、奥行が長大な宅地とは奥行距離を間口距離で除して得た数値が次の表に掲げるものをいう。
★リンクはこちら⇒間口が狭い宅地の評価
2017年11月27日
間口距離の求め方 
<照会要旨>
以下の図のような形状の宅地の間口距離はいずれによるのか?
<回答要旨>
間口距離は、原則として道路と接する部分の距離による。
したがって、Aの場合はa、Bの場合はa+cによる。
Cの場合はbによるが、aによっても差し支えない。
また、Aの場合で私道部分を評価する際には、角切で広がった部分は間口距離に含めない。
★リンクはこちら⇒間口距離の求め方
2017年11月22日
路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価 
<照会要旨>
以下の図のように路線価の高い方の路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合であっても、その路線価の高い路線を正面路線として評価しなければならないのか?
<回答要旨>
正面路線とは、原則として、路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の最も高い路線をいうこととされている。
しかし、図のように間口が狭小で接道義務を満たさないなど正面路線の影響を受ける度合いが著しく低い立地条件にある宅地については、その宅地が影響を受ける度合いが最も高いと認められる路線を正面路線として差し支えない。
なお、上記のような帯状部分を有する土地は、帯状部分(乙)とその他の部分(甲)に分けて評価した価額の合計額により評価し、不整形地としての評価は行わない。
★リンクはこちら⇒路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価
2017年11月16日
多数の路線に接する宅地の評価 
<照会要旨>
以下の図のように多数の路線に接する宅地の価額はどのように評価するのか?
<回答要旨>
多数の路線に接する宅地の価額は、各路線が正面路線に対し側方路線としての効用を果たすのか、裏面路線としての効用を果たすのかを個々に検討し、それぞれの路線価にその適用すべき側方路線影響加算率又は二方路線影響加算率を乗じた金額を基に評価する。
また、図のように裏面路線等に2以上の路線価が付されている場合には、a及びbの路線価を宅地が接する距離により加重平均した価額を基に二方路線影響加算等を行う。
★リンクはこちら⇒多数の路線に接する宅地の評価
2017年11月13日
側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合 
<照会要旨>
以下の図のように、現実に角地としての効用を有しない場合で、三方路線に面しているB宅地の価額を評価する場合の側方路線影響加算又は二方路線影響加算はどのように計算するのか?
<回答要旨>
側方路線に接する場合であっても現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用する。
これは、側方路線に接することの影響を加算するものだが、角地としての効用を有しないことから加算率の値としては側方路線影響加算率ではなく二方路線影響加算率を使用するという趣旨である。
したがって、この場合の側方路線影響加算及び二方路線影響加算は以下のとおり。
(注1)奥行距離は、面積(600平方メートル)を間口距離(25m)で除して求めている。
(注2)側方路線影響加算額は次の計算方法により算出しても差し支えない。
※A土地の奥行距離10mにかかる奥行価格補正率は0.99であるが、0.99とするとAとBを合わせた整形地の奥行価格補正後の単価より、側方路線に接する部分が欠落している不整形地Bの奥行価格補正後の単価が高くなり不合理なので、このように前面宅地の奥行が短いため奥行価格補正率が1.00未満となる場合においては、奥行価格補正率を1.00とする。
ただし、AとBを合わせて評価する場合において奥行距離が短いため奥行価格補正率が1.00未満の数値となる場合には、Aの奥行価格補正率もその数値とする。
(注3)二方路線影響加算額は、以下の計算方法により算出しても差し支えない。
★リンクはこちら⇒側方路線影響加算又は二方路線影響加算の方法-三方路線に面する場合
2017年11月10日
三方又は四方が路線に接する宅地の評価 
<照会要旨>
正面と側方と裏面の三つの路線又は四つの路線に接する宅地の価額はどのように評価するのか?
<回答要旨>
三方又は四方が路線に接する宅地の価額は、正面と側方が路線に接する宅地の評価方法と正面と裏面が路線に接する宅地の評価方法を併用して計算した価額に地積を乗じた金額によって評価する。
(設例)
(計算例)
(1)三方が路線に接する宅地の価額
(2)四方が路線に接する宅地の価額
★リンクはこちら⇒三方又は四方が路線に接する宅地の評価
2017年11月6日
2の路線に接する宅地の評価 
<照会要旨>
以下の図のように2の路線に接する宅地Bの価額を評価する場合にも、角地に該当するものとして側方路線影響加算率を適用して評価するのか?
<回答要旨>
図のAの部分の面積が大きく、現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用して評価する。
図の場合には、具体的には以下のように評価する。
- A、Bを合わせた全体の整形地の奥行価格補正後の価額からA部分の奥行価格補正後の価額を差し引き、宅地Bの奥行価格補正後の1㎡当たりの価額を算出する。
- 宅地Bの奥行価格補正後の1㎡当たりの価額に、側方路線影響加算(この場合は二方路線影響加算率を適用)及び不整形地補正を行い評価額を算出する。
(注)
- 側方路線影響加算額は次の計算方法により算出しても差し支えない。
- 評価する土地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合には、正面路線価に広大地補正率及び地積を乗じて評価するため、二方路線影響加算の必要はないことに留意すること。
★リンクはこちら⇒2の路線に接する宅地の評価
2017年10月30日
側方路線影響加算等の計算-特定路線価を設定した場合 
<照会要旨>
以下の図のA、B、C及びD土地を評価するために特定路線価が設定された場合に、E及びF土地の評価に当たって、特定路線価に基づく側方路線影響加算を行うべきか?
<回答要旨>
E及びF土地の価額の評価に当たっては、特定路線価に基づく側方路線影響加算は行わない。
(説明)
相続税や贈与税の申告のために路線価地域において路線価の設定されていない道路のみに接している土地を評価する必要があるときには、納税義務者からの申出等に基づき特定路線価を設定することができることとしている(評基通14-3)。
事例の場合において特定路線価は、A、B、C及びD土地の価額の評価に用いるものですから、E及びF土地の価額の評価に当たっては、この特定路線価に基づく側方路線影響加算は行わない。
また、以下の図のような場合も同様に、J土地の価額の評価に当たっては、G、H及びI土地の価額を評価するために設定した特定路線価に基づく二方路線影響加算は行わない。
なお、特定路線価に基づいて評価する場合においても、財産評価基本通達15(奥行価格補正)から20-5(容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価)までの定め(同通達16(側方路線影響加算)から18(三方又は四方路線影響加算)までの定めを除く。)により評価する。
★リンクはこちら⇒側方路線影響加算等の計算-特定路線価を設定した場合
2017年10月26日
平成29年7月~9月分の基準年利率 
平成29年7月~9月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-53)が公表された。
平成29年7月~9月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
なお、平成29年10月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。
短期(0.01%)及び中期(0.01%)は横這いであるが、長期は9月から0.1%に下落している(8月までは0.25%)。
★リンクはこちら⇒「平成29年分の基準年利率について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-53 平成29年10月12日)
2017年10月24日
平成29年7月・8月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等 
この法令解釈通達では、平成29年7月・8月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-51 平成29年10月12日)
2017年10月23日
二方路線影響加算の方法 
<照会要旨>
以下の図のような不整形地の二方路線影響加算はどのような計算をするのか?
<回答要旨>
上記のように、裏面路線に接する部分がその宅地に係る想定整形地の間口距離より短い場合には、裏面路線に接する部分がその宅地に係る想定整形地の間口距離に占める割合により加算額を調整する。
★リンクはこちら⇒二方路線影響加算の方法
2017年10月5日
小規模宅地等の特例について、建物が区分登記され、各々が独立して生活できる構造になっている場合、被相続人が居住していた当該建物の区分所有に係る部分の敷地のみが被相続人の居住の用に供していた宅地に当たるとした事例 
- 平成22年10月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分
- 棄却
- 平成28年9月29日裁決
<ポイント>
本事例は、小規模宅地等の特例について、建物が区分登記され、各々が独立して生活できる構造になっている場合、被相続人が居住していた当該建物の区分所有に係る部分の敷地が被相続人の居住の用に供していた宅地に当たり、被相続人と生計を一にしていない者が居住していた当該建物の部分の敷地に相当する宅地は、被相続人等の居住の用に供されていた宅地に当たらないと判断したものである。
<要旨>
請求人らは、請求人の一人である兄E及びその弟Gが2分の1ずつ相続により取得した宅地(本件宅地)について、本件宅地を敷地とする建物(本件建物)の2階部分に居住していた兄Eが、1階部分に居住していた被相続人(本件被相続人)及び弟G(本件被相続人ら)の面倒を見ていたという事情を踏まえ、本件建物の1階部分と2階部分を区別せずに1棟の建物として考えれば、建物全体が、租税特別措置法(平成23年法律第114号による改正前のもの)(措置法)第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》(本件特例)第1項に規定する「被相続人等の居住の用に供されていた家屋」に該当し、さらに、兄Eが、措置法第69条の4第3項第2号イに規定する本件被相続人らと同居していた親族に該当するので、本件宅地の全体を措置法第69条の4第3項第2号に規定する特定居住用宅地等として本件特例が適用できる旨主張する。
しかしながら、本件建物はその構造上1階部分及び2階部分に区分でき、それぞれが独立して居住の用に供することができる設備・構造を備えている上、区分登記されていることからすれば、本件被相続人の居住の用に供されていた「家屋」は、本件建物の1階部分に限られる。
また、実際の生活状況をみても、兄Eは本件被相続人と同居していた親族、あるいは生計を一にしていた親族とは認められない。
したがって、本件宅地のうち、本件被相続人らの居住の用に供されていた1階部分の敷地に相当する宅地で、本件被相続人と同居していた弟Gが相続した部分のみが、特定居住用宅地等として本件特例の適用対象となり、その他の部分は本件特例を適用することができない。
2017年9月13日
側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合 
<照会要旨>
以下の図のような不整形地の評価額は、具体的にはどのようにして計算するのか?
<回答要旨>
不整形地の地積を間口距離で除して算出した計算上の奥行距離を基とし、側方路線影響加算、不整形地補正を行い評価する。
(計算例)
1.不整形地の計算上の奥行距離による奥行価格補正
(1)正面路線に対応する奥行距離…49.3m
(2)側方路線影響加算を行う場合の奥行距離…43.2m
(3)側方路線影響加額の計算
(4)側方路線影響加算後の価額
(5)③に地積を乗じた後不整形地補正を行い評価額を算出する。
(注)
評価する土地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合には、正面路線価に広大地補正率及び地積を乗じて評価するため、側方路線影響加算及び不整形地補正の必要はないことに留意すること。
★リンクはこちら⇒側方路線影響加算の計算例-不整形地の場合
2017年9月12日
審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例 
- 平成24年5月相続開始に係る相続税の各更正の請求に対する各更正処分
- 全部取消し
- 平成28年9月26日裁決
<ポイント>
本事例は、各土地の地域に係る土地の利用状況及び周辺地域の状況等の事情を総合勘案して、審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断したものである。
<要旨>
原処分庁は、請求人らが相続(本件相続)により取得した各土地(本件各土地)の財産評価基本通達24-4《広大地の評価》(広大地通達)の適用につき、広大地通達に定める本件各土地の「その地域」は、原処分庁の主張する地域(原処分庁主張地域)は用途地域が工業地域に指定され、工場、事務所、戸建住宅及び駐車場等が混在する地域であるのに対し、その周囲は用途地域が第一種住居地域と指定されており、戸建住宅を中心とする地域であることから、本件各土地に係る「その地域」は原処分庁主張地域の用途地域、すなわち工業地域である旨主張する。
しかしながら、原処分庁主張地域において、①本件相続の開始前20年間に工場の新築はなく、工場として利用されている戸数の割合は僅かであること、②良好な住宅地としての発展等を目的とした土地区画整理事業が施行されたこと、③本件各土地の所在する地方自治体の都市計画の方針により、住居系の土地利用への誘導が図られていることを踏まえると、本件各土地の所在する地域(本件地域)における土地の標準的な使用は工場用地から住宅用地に移行しつつあるものと認められる。
そして、④本件地域は戸建住宅や共同住宅の建築において用途制限に差のない第一種住居地域に定められた地域(本件周辺地域)に囲まれるように存しており、容積率及び建ぺい率も同一であること、⑤本件地域及び本件周辺地域(審判所認定地域)の東側には川幅約8mの川が流れており、これを境に土地の利用状況が異なることなどの事情を総合勘案すると、審判所認定地域が本件各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると認めるのが相当である。
★リンクはこちら⇒審判所認定地域が各土地に係る広大地通達に定める「その地域」に当たると判断した事例
2017年9月8日
側方路線に宅地の一部が接している場合の評価 
<照会要旨>
以下の図のように、評価する宅地の一部分のみが側方路線に接している場合には、その宅地の全体について、側方路線影響加算の計算を行うのか?
<回答要旨>
図の場合において、側方路線の影響を直接受けているのは、その側方路線に直接面している30メートルに対応する部分であることから、以下のとおり、側方路線影響加算額を調整の上、評価する。
<評価額>
① ② 地積
(846,000円+48,000円)×1,200㎡=1,072,800,000円
なお、評価する宅地が正面路線に部分的に接しない場合には、正面路線に接する距離による調整計算は行わない。
(注)
評価する宅地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合には、正面路線価に広大地補正率及び地積を乗じて評価するため、側方路線影響加算は必要ないことに留意すること。
★リンクはこちら⇒側方路線に宅地の一部が接している場合の評価
2017年9月7日
側方路線影響加算又は二方路線影響加算と間口狭小補正との関係 
<照会要旨>
以下の図のような間口が狭小である宅地の評価額はどのように計算するのか?
<回答要旨>
正面路線に面する間口が狭小である宅地が、側方路線等(正面路線以外の路線をいう。)にも接する場合には、側方路線影響加算又は二方路線影響加算をして計算した1㎡当たりの価額に、間口狭小補正率、奥行長大補正率及び宅地の地積を乗じて評価額の計算をする。
したがって、事例の場合の評価額は以下のとおりとなる。
3,092,360円 × 140㎡ = 432,930,400円
★リンクはこちら⇒地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価
2017年9月4日
地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価 
<照会要旨>
以下の図のように、地区の異なる2の路線に接する宅地の価額は、高度商業地区、普通商業・併用住宅地区のいずれの地区の奥行価格補正率を適用して評価するのか?
<回答要旨>
正面路線の地区である高度商業地区の奥行価格補正率を適用して評価する。
また、側方路線影響加算額についても正面路線の地区、すなわち高度商業地区の奥行価格補正率及び側方路線影響加算率を適用して計算する。
なお、借地権の価額を評価する場合において、接する各路線の借地権割合が異なるときには、原則として、正面路線の借地権割合を適用して評価する。
したがって、図の場合の借地権割合は80%となる。
★リンクはこちら⇒地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価
2017年8月30日
宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整 
<照会要旨>
以下の図のように、宅地が2以上の異なる地区にまたがる場合の画地調整はどのように行うのか?
<回答要旨>
宅地が2以上の地区にまたがる場合には、原則として、その宅地の面積により、いずれか一の地区を判定し、判定した地区にかかる画地調整率を用いて評価する。
事例の場合には普通商業・併用住宅地区の画地調整率を用いて以下のように評価することになる。
(注)
上図のように奥行距離が一定でない宅地の奥行距離は地積を間口距離で除して求める。
(この場合の奥行距離は、想定整形地の奥行距離を限度とする。)
315㎡ ÷ 20m = 15.75m < 20m
不整形地補正率を乗じて全体の価額を算出する。
ただし、それぞれの地区の画地調整率を用いて、例えば、以下のように合理的な方法により評価することができる場合には、その方法によって差し支えない。
(注)
上記の場合、普通商業・併用住宅地区に属する部分の宅地については、普通住宅地区に属する部分の宅地と合わせて判断するため、間口狭小補正及び奥行長大補正は行わないこととなる。
★リンクはこちら⇒宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整
2017年8月28日
正面路線に2以上の路線価が付されている場合の宅地の評価 
<照会要旨>
以下の図のように、正面路線に2以上の路線価が付されている宅地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
上の図のように一の路線に2以上の路線価が付されている場合には、それぞれの路線価に接する距離により加重平均して正面路線価を計算し、その正面路線価を基に画地調整等を行い評価する。
(計算例)
路線価の加重平均
(700,000円×15㍍+790,000円×5㍍)÷(15㍍+5㍍)=722,500円(正面路線価)
宅地の評価額
722,500円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)×400㎡(地積)=289,000,000円(宅地の評価額)
(注)
設問のように路線価が異なる部分ごと(A,B)に合理的に分けることができる場合には、異なる部分に分けて評価して差し支えない。
なお、この場合、B部分のみに係る間口狭小補正及び奥行長大補正は行わない。
★リンクはこちら⇒正面路線に2以上の路線価が付されている場合の宅地の評価
2017年8月23日
平成29年5月・6月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等 
この法令解釈通達では、平成29年5月・6月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒「平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-42 平成29年8月7日)
2017年8月22日
正面路線の判定(2) 
<照会要旨>
以下のような不整形地甲は、いずれの路線が正面路線となるのか?
<回答要旨>
正面路線は、原則として、その宅地の接する路線の路線価(一路線に2以上の路線価が付されている場合には、路線に接する距離により加重平均した価額)に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線となる。
この場合における奥行価格補正率を適用する際の奥行距離は、不整形地の場合には、その不整形地に係る想定整形地の奥行距離を限度として、不整形地の面積を間口距離で除して得た数値とする。
したがって、事例の場合には、A路線からみた場合の奥行距離は20m(500㎡÷25m=20m<30m)、B路線からみた場合の奥行距離は30m(500㎡÷10m=50m>30m)となる。
これらのことから、事例の場合には、以下のとおりB路線を正面路線と判定することになる。
★リンクはこちら⇒正面路線の判定(2)
2017年8月18日
正面路線の判定(1) 
<照会要旨>
以下の図のように2の路線に面している宅地の価額を評価する場合には、a、bどちらの路線を正面路線として評価するのか?
<回答要旨>
原則として、その宅地の接する各路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線を正面路線とする。
したがって、図の場合には、bの路線を正面路線として評価する。
路線価 奥行価格補正率
a路線 4,000,000円 × 0.96 = 3,840,000円
路線価 奥行価格補正率
b路線 3,900,000円 × 1.00 = 3,900,000円
なお、地区の異なる2以上の路線に接する宅地の場合には、正面路線は、それぞれの路線の路線価に各路線の地区に適用される奥行価格補正率を乗じて計算した金額を基に判定する。
この場合、路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額が同額となる場合には、原則として、路線に接する距離の長い方の路線を正面路線とすることとなる。
(注)
評価する土地が財産評価基本通達24-4の「広大地」に該当する場合の正面路線の判定は、原則として、その広大地が面する路線の路線価のうち最も高いものとなることに留意すること。
したがって、上図の評価対象地が広大地に該当するときには、a路線の価額を基として広大地評価を行うことになる。
★リンクはこちら⇒正面路線の判定(1)
2017年8月16日
宅地の評価単位-不合理分割(2)
<照会要旨>
乙は、亡父甲から以下の図のような宅地のうち、A土地を生前に贈与を受けた。今回、甲の相続開始により、乙はB土地を相続により取得することとなったが、この場合のB土地はどのように評価するのか?
<回答要旨>
A土地は単独では通常の宅地として利用できない宅地であり、生前の贈与における土地の分割は不合理なものと認めらる。
したがって、分割前の画地(A、B土地全体)を「1画地の宅地」とし、その価額を評価した上で個々の宅地を評価するのが相当であるから、原則として、A、B土地全体を1画地の宅地として評価した価額に、A、B土地を別個に評価した価額の合計額に占めるB土地の価額の比を乗じて評価する。
(計算例)
A、B土地全体を1画地として評価した価額
Aを単独で評価した価額
Bを単独で評価した価額
Bの評価額
なお、贈与税の申告におけるA土地の評価額も、原則として、A、B土地全体を評価した価額にA土地の価額の比を乗じて算出することに留意すること。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-不合理分割(2)
2017年8月10日
宅地の評価単位-不合理分割(1)
<照会要旨>
以下の図のように宅地のうちA部分は甲が、B部分は乙が相続した場合の宅地の評価単位は、それぞれどのようになるのか?
<回答要旨>
(1)については現実の利用状況を無視した分割であり、(2)は無道路地を、(3)は無道路地及び不整形地を、(4)は不整形地を、(5)は奥行短小な土地と無道路地を、(6)は接道義務を満たさないような間口が狭小な土地を創出する分割であり、分割時のみならず将来においても有効な土地利用が図られず通常の用途に供することができない、著しく不合理な分割と認められるため、全体を1画地の宅地としてその価額を評価した上で、個々の宅地を評価することとするのが相当である。
具体的には、原則としてA、B宅地全体を1画地の宅地として評価した価額に、各土地の価額の比を乗じた価額により評価する。
(理由)
贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われ、その分割が著しく不合理であると認められる場合における宅地の価額は、所有者単位で評価するのではなくその分割前の画地を「1画地の宅地」として評価する。
例えば、遺産分割により設例のように現実の利用状況を無視した不合理な分割が行われた場合において、仮に甲、乙それぞれが取得した部分ごとに宅地の評価を行うこととすると、無道路地としての補正や奥行が短小であることによる補正を行うことになるなど、実態に則した評価がなされないことになる。
そのため、著しく不合理な分割が行われた場合は、実態に則した評価が行えるよう、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価することとしている。「その分割が著しく不合理であると認められる場合」とは、無道路地、帯状地または著しく狭あいな画地を創出するなど分割後の画地では現在及び将来においても有効な土地利用が図られないと認められる分割をした場合が考えられる。
なお、この取扱いは同族会社間等でこのような不合理分割が行われた場合にも適用される。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-不合理分割(1)
2017年8月8日
財産評価基本通達24(私道の用に供されている宅地の評価)における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
1.従来の取扱い
財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)24(私道の用に供されている宅地の評価)に定める「私道」については、道路としての利用状況や、所有者が自己の意思によって自由に使用、収益をすることに制約が存すること等の事実関係に照らして判断しているところである。
また、上記事実関係に照らして判断した結果、「歩道状空地」の用に供されている宅地については、建物の敷地の一部として、評価通達24を適用せずに評価していた事例があった。
2.最高裁判決を踏まえた「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
(1)最高裁判決の判示事項
最高裁判所平成29年2月28日判決(以下「最高裁判決」という。)において、「私道の用に供されている宅地につき客観的交換価値が低下するものとして減額されるべき場合を、建築基準法等の法令によって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理由はなく、そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるというべきである。
これを本件についてみると、本件各歩道状空地は、車道に沿って幅員2mの歩道としてインターロッキング舗装が施されたもので、いずれも相応の面積がある上に、本件各共同住宅の居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていることがうかがわれる。
また、本件各歩道状空地は、いずれも本件各共同住宅を建築する際、都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、市の指導要綱等を踏まえた行政指導によって私道の用に供されるに至ったものであり、本件各共同住宅が存在する限りにおいて、上告人らが道路以外の用途へ転用することが容易であるとは認め難い。そして、これらの事情に照らせば、本件各共同住宅の建築のための開発行為が被相続人による選択の結果であるとしても、このことから直ちに本件各歩道状空地について減額して評価をする必要がないということはできない。」と判示された。
(2)「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
上記(1)の最高裁判決の判示事項を踏まえ、①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備され、②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであり、③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている「歩道状空地」については、評価通達24に基づき評価することとする。
3.相続税等の更正の請求
上記2の取扱いは、過去に遡って適用されるので、これにより、過去の相続税又は贈与税(以下「相続税等」という。)の申告の内容に異動が生じ、相続税等が納めすぎになる場合には、国税通則法の規定に基づき所轄の税務署に更正の請求をすることにより、当該納めすぎとなっている相続税等の還付を受けることができる。
なお、法定申告期限等から既に5年(贈与税の場合は6年)を経過している相続税等については、法令上、減額できないこととされているので注意すること。
★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達24(私道の用に供されている宅地の評価)における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱い
2017年8月3日
平成29年4月~6月分の基準年利率
平成29年4月~6月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-40)が公表された。
平成29年4月~6月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
なお、平成29年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。
短期(0.01%)、中期(0.01%)、長期(0.25%)ともに横這いである。
★リンクはこちら⇒ 平成29年4月~6月分の基準年利率(法令解釈通達)(課評2-40)(平成29年7月25日)
2017年8月2日
平成29年分の路線価図等の公開
国税庁は、平成29年分の路線価図等を公開した。
これらは、平成29年1月1日から12月31日までの間に相続、遺贈または贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用する。
ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによる。
★リンクはこちら⇒ 平成29年分財産評価基準書路線価図・評価倍率表
2017年7月14日
標準伐期にある森林の立木の標準価額表
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部をリンク先のとおり改正し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによること。
(趣旨)
最近の立木価格の実態に即して所要の改正を行うものである。
★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-18)(平成29年5月16日)
2017年7月6日
平成29年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等の公表
国税庁は、平成29年3月・4月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等を公表した。
この法令解釈通達では、平成29年3月・4月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-30)
2017年7月4日
平成29年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等の公表
国税庁は、平成29年1月・2月分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等を公表した。
この法令解釈通達では、平成29年1月・2月分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式(事業の種類が同一又は類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めている。
★リンクはこちら⇒ 平成29年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(課評2-26)
2017年6月21日
「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)
平成29年4月27日付課評2-12ほか2課共同「財産評価基本通達の一部改正について」(法令解釈通達)及び平成29年4月27日付課評2-14ほか2課共同「『相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について』の一部改正について」(法令解釈通達)により、森林の立木の評価及び取引相場のない株式等の評価について所要の改正を行ったが、そのあらましはリンクのとおりである。
<目 次>
1.森林の主要樹種の立木の評価
2.森林の主要樹種以外の立木の評価
3.取引相場のない株式等の評価(類似業種比準方式の見直し)
4.取引相場のない株式等の評価(会社規模の判定基準の見直し等)
★1.はこちら⇒ 1.森林の主要樹種の立木の評価
★2.はこちら⇒ 2.森林の主要樹種以外の立木の評価
★3.はこちら⇒ 3.取引相場のない株式等の評価(類似業種比準方式の見直し)
★4.はこちら⇒ 4.取引相場のない株式等の評価(会社規模の判定基準の見直し等)
2017年6月20日
宅地の評価単位-共同ビルの敷地
<照会要旨>
甲、乙、丙及び丁は以下の図のような土地の上に共同ビルを建築している。
この場合のA、B、C及びD土地の価額はどのように評価するのか?
<回答要旨>
A、B、C及びD土地全体を1画地の宅地として評価した価額に、各土地の価額の比を乗じた金額により評価する。
この場合、価額の比は以下の算式によって計算して差し支えない。
ただし、1画地の宅地として評価した価額に基づき、各土地の地積の割合により価額を算出しても差し支えない。
(説明)
共同ビルの敷地のように個々の宅地が他の筆の宅地と一体となって利用されているのであれば、他の筆の宅地をも併せた、利用の単位となっている1画地の宅地の価額を評価した上で、個々の宅地を評価するのが合理的である。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-共同ビルの敷地
2017年6月15日
平成29年1月~3月分の基準年利率
平成29年1月~3月分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-20)が公表された。
平成29年1月~3月中に相続、遺贈または贈与により取得した財産を評価する場合における財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56、直審(資)17)4-4に定める「基準年利率」が下記のリンクのとおり定められたので、これによる必要がある。
なお、平成29年4月分以降については、基準年利率を定めた都度通達される。
短期は横這い(0.01%)であるが、中期は平成28年8月から0.05%であったが、平成29年1月から0.01%に下落し、長期は平成28年9月から0.50%であったが、平成29年1月から0.25%に下落している。
★リンクはこちら⇒ 平成29年分の基準年利率について(法令解釈通達)(課評2-20 平成29年5月17日)
2017年5月31日
宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(2)
<照会要旨>
甲は、以下の図のように自己の所有するA土地に隣接するB土地を乙から賃借し、資材置場として利用している。この場合の甲の所有するA土地の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
所有する土地に隣接する土地を賃借して所有する土地と一体として利用している場合には、原則として、所有する土地と賃借権の設定されている土地を一団の土地(1画地の宅地)として評価した価額を基礎として所有する土地と賃借権の価額を計算することになるが、その賃借権の賃貸借期間が短いことによりその賃借権の価額を評価しない場合には、所有する土地のみを1画地の宅地として評価する。
したがって、図の場合には、甲の所有するA土地のみを1画地の宅地として評価する。
これは、一時的、臨時的な賃借権については、その経済的価値が極めて小さいものと考えられることから、その価額は評価せず、またその一方、賃借権の目的となっている雑種地の価額は、自用地価額で評価するためである。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(2)
2017年5月24日
「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年4月27日)
平成2年12月27日付直評23ほか1課共同「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」の一部を以下のリンクのとおり改正し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用することとしたから、これによられたい。
(注)
以下のリンクのうち、アンダーラインを付した部分が改正部分である。
★『評価明細書の様式』はこちら⇒ 取引相場のない株式(出資)の評価明細書の様式
★『評価明細書の記載方法』はこちら⇒ 取引相場のない株式(出資)の評価明細書の記載方法
2017年5月18日
財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(平成29年4月27日)
昭和39年4月25日付直資56ほか1課共同「財産評価基本通達」の一部を下記のとおり改正し、平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用することとしたから、これによられたい。
(趣旨)
現下の社会経済の実態等を踏まえ、森林の立木の評価及び取引相場のない株式の評価について所要の改正を行うものである。
記
下記リンクの「新旧対照表」の「改正前」欄に掲げる部分を「改正後」欄のように改める。
★リンクはこちら⇒ 財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(課評2-12 課資2-6 課審7-1 平成29年4月27日)
2017年5月17日
宅地の評価単位-自用地と借地権
<照会要旨>
甲は、以下の図のように所有するA土地に隣接しているB土地を借地して、A、B土地上に建物を所有している。
この場合の宅地及び借地権の価額は、どのように評価するのか?
<回答要旨>
甲の所有する土地及び借地権の価額は、A、B土地全体を1画地として評価した価額を基に、以下の算式によって評価する。
なお、丙の貸宅地を評価する場合には、B土地を1画地の宅地として評価する。
(説明)
甲は、A土地に所有権、B土地に借地権という異なる権利を有しているが、同一の者が権利を有し一体として利用していることから、全体を1画地として評価し、各々の権利の価額はそれぞれの宅地の地積の割合に応じてあん分した価額を基に評価する。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-自用地と借地権
2017年5月16日
宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(1)
<照会要旨>
甲は、以下の図のように建物の敷地部分は乙から、駐車場部分は丙からそれぞれ賃借している。
この場合の甲の有する借地権と賃借権はどのように評価するのか?
<回答要旨>
B土地は、スーパーマーケットの買物客の駐車場としてA土地と一体として利用されていることから、A、B土地を一団の土地(宅地)として評価し、その価額をそれぞれの土地の地積の割合に応じてあん分してA土地とB土地の価額を求め、A土地の価額に借地権割合を、B土地の価額に賃借権割合をそれぞれ乗じて借地権の価額及び賃借権の価額を評価する。
なお、乙の貸宅地(底地)の価額を評価する場合には、A土地を1画地の宅地として評価し、丙の貸し付けられている雑種地の価額を評価する場合には、B土地を一団の雑種地として評価する。
(説明)
一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価するものとしている(評基通7)。
また、一団の土地の上に存する権利が借地権及び賃借権と異なっていても、それらの権利に基づき1の者が一団の土地を一体として利用しており、その者にとって一団の土地の価額に差異は生じないものと認められることから、一団の土地の価額をそれぞれの地積の割合に応じてあん分し、借地権及び賃借権の評価の基礎となる土地(自用地)価額を算出する。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-地目の異なる土地が一体として利用されている場合(1)
2017年5月12日
平成29年分の路線価図等の公開予定日
平成29年分の路線価図等は、7月3日(月)10時に公開することを予定している。
公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがある。
2017年4月26日
宅地の評価単位-貸宅地
<照会要旨>
2以上の者に貸し付けられている宅地の価額を評価する場合の評価単位は、どのように判定するのか?
<回答要旨>
2以上の者に貸し付けられている宅地の価額は、同一人に貸し付けられている1区画の宅地ごとに評価する。
したがって、以下の図のような宅地については、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
(理由)
A、B土地には、ともに他人の権利(借地権)が存し、いずれも貸宅地として利用しているが、異なる者の権利の対象となっている(借地権者が異なる)ことから、利用の単位が異なると認められるため、別個に評価する。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-貸宅地
2017年4月21日
宅地の評価単位-貸宅地と貸家建付地
<照会要旨>
甲は、以下の図のように、所有する宅地の一部を乙に貸し付け、他の部分は貸家の敷地として使用している。
このような宅地の評価単位はどのように判定するのか?
<回答要旨>
所有する宅地の一部分を他人に貸し付け、他の部分を貸家の敷地の用に供している場合には、それぞれを1画地の宅地として評価する。
したがって、図のような宅地については、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
(理由)
A土地には借地権が、B土地には借家権という他人の権利が存し、また、権利を有する者(借地権者、借家権者)が異なることから、利用の単位はそれぞれ異なると認められるため、別個に評価する。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-貸宅地と貸家建付地
2017年4月19日
宅地の評価単位-使用貸借
<照会要旨>
使用貸借により貸し付けられている以下の図のような宅地の価額を評価する場合の評価単位は、どのように判定するのか?
<回答要旨>
所有する宅地の一部を自ら使用し、他の部分を使用貸借により貸し付けている場合には、その全体を1画地の宅地として評価する。
また、自己の所有する宅地に隣接する宅地を使用貸借により借り受け、自己の所有する宅地と一体として利用している場合であっても、所有する土地のみを1画地の宅地として評価する。
したがって、上の図の(1)については、A、B土地全体を1画地の宅地として評価し、(2)については、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
なお、使用貸借に係る使用借権の価額は、零として取り扱い、使用貸借により貸し付けている宅地の価額は自用地価額で評価することに留意すること。
(理由)
使用借権は、対価を伴わずに貸主、借主間の人的つながりのみを基盤とするもので借主の権利は極めて弱いことから、宅地の評価に当たってはこのような使用借権の価額を控除すべきではない。
したがって、(1)のように、所有する宅地の一部を自己が使用し、他の部分を使用貸借により貸し付けている場合には、全体を自用の土地として1画地の宅地として評価する。
また、(2)のように、使用貸借で借り受けた宅地を自己の所有する宅地と一体として利用している場合であっても、甲の権利は極めて弱いことから、A土地、B土地それぞれを1画地の宅地として評価する。
なお、B土地は乙の自用の土地として評価する。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-使用貸借
2017年4月17日
宅地の評価単位-借地権
<照会要旨>
甲は、以下の図のように隣接している土地を乙、丙から借地して、これを一体として利用しているが、この場合の借地権の評価単位はどのように判定するのか?
<回答要旨>
2以上の者から隣接している土地を借りてこれを一体として利用している場合の借地権の価額は、借地権の目的となっているA土地及びB土地を合わせて1画地の宅地として評価する。
なお、乙及び丙の貸宅地を評価する場合には、それぞれの所有する土地ごとに1画地の宅地として評価する。
★リンクはこちら⇒ 宅地の評価単位-借地権
2017年4月14日
宅地の評価単位-自用地と自用地以外の宅地が連接している場合
<照会要旨>
以下のように利用している宅地の評価単位はどのように判定するのか?
<回答要旨>
A土地は所有者が自ら使用する他者の権利が存しない土地だが、B土地は所有者が自ら使用する一方で他人の権利(借家権)も存する土地であり、A、B両土地は利用の単位が異なっているといえるから、別個の評価単位となる。
なお、これらの土地は以下のように評価することになる。
①A土地については、通路部分が明確に区分されている場合には、その通路部分も含めたところで不整形地としての評価を行う。
通路部分が明確に区分されていない場合には、原則として、接道義務を満たす最小の幅員の通路が設置されている土地(不整形地)として評価するが、この場合には、当該通路部分の面積はA土地には算入しない。
また、無道路地としての補正は行わないことに留意する。
②B土地については、B土地を一体として評価した価額を、原則として、建物の自用部分と貸付部分との床面積の比により按分し、それぞれ自用部分の価額と貸付部分について貸家建付地としての評価をした価額を算出し、その合計金額をもって評価額とする。
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2017年4月13日
宅地の評価単位-自用地
<照会要旨>
甲は、その所有する宅地を以下の図のように居宅と自己の経営する店舗の敷地として使用している。
この場合の宅地の評価単位はどのように判定するのか?
<回答要旨>
所有する宅地を自ら使用している場合には、居住の用か事業の用かにかかわらず、その全体を1画地の宅地として評価する。
したがって、図のように、所有する宅地をいずれも自用建物の敷地の用に供している場合には、その全体を1画地の宅地として評価する。
(理由)
自用の宅地であれば、他人の権利(借地権、賃借権、借家権等)による制約がないので、その全体を一体として利用することが可能である。
したがって、自用の宅地は、その全体を利用の単位として評価することになる。
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2017年4月7日
宅地の評価単位
<照会要旨>
宅地の評価単位である1画地の判定は、どのように行うのか?
<回答要旨>
宅地の価額は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいう。)ごとに評価する。
この場合における「1画地の宅地」の判定は、原則として、①宅地の所有者による自由な使用収益を制約する他者の権利(原則として使用貸借による使用借権を除く)の存在の有無により区分し、②他者の権利が存在する場合には、その権利の種類及び権利者の異なるごとに区分するので、具体的には、例えば以下のように判定する。
なお、贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、例えば分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなどその分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」とする(いわゆる不合理分割)。
(1) | 所有する宅地を自ら使用している場合には、居住の用か事業の用かにかかわらず、その全体を1画地の宅地とする。 |
(2) | 所有する宅地の一部について普通借地権または定期借地権等を設定させ、他の部分を自己が使用している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とする。一部を貸家の敷地、他の部分を自己が使用している場合にも同様とする。 |
(3) | 所有する宅地の一部について普通借地権または定期借地権等を設定させ、他の部分を貸家の敷地の用に供している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とする。 |
(4) | 普通借地権または定期借地権等の目的となっている宅地を評価する場合において、貸付先が複数であるときには、同一人に貸し付けられている部分ごとに1画地の宅地とする。 |
(5) | 貸家建付地を評価する場合において、貸家が数棟あるときには、原則として、各棟の敷地ごとに1画地の宅地とする。 |
(6) | 2以上の者から隣接している土地を借りて、これを一体として利用している場合には、その借主の普通借地権または定期借地権等の評価に当たっては、その全体を1画地として評価する。この場合、貸主側の貸宅地の評価に当たっては、各貸主の所有する部分ごとに区分して、それぞれを1画地の宅地として評価する。 |
(7) | 共同ビルの敷地の用に供されている宅地は、その全体を1画地の宅地として評価する。 |
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2017年4月7日
山林の地積
<照会要旨>
山林の地積は、水平面積または傾斜面積のいずれによるのか?
<回答要旨>
立木は地表より垂線的に生育するものであり、また植樹本数は一般的には傾斜面積の多少に影響されるものではないので水平面積をその山林の地積とする。
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2017年4月6日
「実際の地積」によることの意義
<照会要旨>
土地の地積は、「実際の地積」によることとなっているが、全ての土地について、実測することを要求しているのか?
<回答要旨>
土地の地積を「実際の地積」によることとしているのは、台帳地積と実際地積とが異なるものについて、実際地積によることとする基本的な考え方を打ち出したものである。
したがって、全ての土地について、実測を要求しているのではない。
実務上の取扱いとしては、特に縄延(なわのび)の多い山林等について、立木に関する実地調査の実施、航空写真による地積の測定、その地域における平均的な縄延割合の適用等の方法によって、実際地積を把握することとし、それらの方法によってもその把握ができないもので、台帳地積によることが他の土地との評価の均衡を著しく失すると認められるものについては、実測を行うこととなる。
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2017年4月4日
地目の異なる土地が一体として利用されている場合の評価
<照会要旨>
建物の敷地となっている宅地と、その他の雑種地からなる以下の図のようなゴルフ練習場がある。
このような土地を評価する場合には、地目ごとに区分し評価するのか?
<回答要旨>
土地の価額は、原則として地目の別に評価するが、2以上の地目からなる一団の土地が一体として利用されている場合には、その一団の土地はそのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価する。
したがって、図のように、A土地及びB土地の一団の土地がゴルフ練習場として一体利用されている場合には、その一部に建物があっても建物敷地以外の目的による土地(雑種地)の利用を主としていると認められることから、その全体が雑種地からなるものとして雑種地の評価方法に準じて評価することになる。
なお、駐車場の用に供されているC土地は、不特定多数の者の通行の用に供されている道路によりA土地及びB土地とは物理的に分離されているから、これらの土地とは区分して評価する。
(理由)
土地の価額は、原則として、宅地、田、畑、山林等の地目の別に評価する。
これは、課税時期における現況による地目の異なるごとに、価格形成要因が異なると考えられるためである。
しかし、地目別評価の原則に従うと、大規模な工場用地、ゴルフ練習場用地のように一体として利用されている一団の土地のうちに2以上の地目がある場合にも、その一団の土地をそれぞれ地目ごとに区分して評価することとなるが、これでは一体として利用されていることによる効用が評価額に反映されないため、実態に即するよう評価を行うこととしている。
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2017年3月28日
採草放牧地の地目
<照会要旨>
採草放牧地の地目はどのように判定するのか?
<回答要旨>
採草放牧地とは、農地以外の土地で、主として耕作または養畜の事業のための採草または家畜の放牧の目的に供されるものをいう(農地法21)が、これは、農地法上の土地の区分であって、不動産登記法上の土地の区分ではない。
財産評価基本通達7のいずれの地目(通常、原野または牧場)に該当するかは、課税時期の現況により判定することとなる。
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2017年3月27日
土地の地目の判定-農地
<照会要旨>
登記簿の地目は農地(田または畑)であるが、現況が以下のような場合には地目はどのように判定するのか?
(1) | 数年前から耕作しないで放置している土地 |
(2) | 砂利を入れて青空駐車場として利用している土地 |
<回答要旨>
土地の地目は、登記簿上の地目によるのではなく課税時期の現況によって判定する。
ところで、農地とは耕作の目的に供される土地をいい(農地法21)、耕作とは土地に労費を加え肥培管理を行って作物を栽培することをいう。
また、耕作の目的に供される土地とは、現に耕作されている土地のほか、現在は耕作されていなくても耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見てその現状が耕作の目的に供されるものと認められる土地(休耕地、不耕作地)も含むものとされている(平成12年6月1日12構改B第404号農林水産事務次官依命通知)。
したがって、(1)の耕作していない土地が上記のような状態に該当すれば農地と判定するが、長期間放置されていたため、雑草等が生育し、容易に農地に復元し得ないような状況にある場合には原野または雑種地と判定することになる。
また、(2)の土地のように駐車場の用に供している土地は、雑種地と判定することになる。
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2017年3月24日
土地の地目の判定
<照会要旨>
土地の地目はどのような基準で判定するのか?
<回答要旨>
土地の地目は全て課税時期の現況によって判定することとし、地目の区分は不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日民二第456号法務省民事局長通達)第68条及び第69条に準じて判定する。
なお、同準則に定める地目の定め方の概要は以下のとおり。
(1) | 宅地 | 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地 |
(2) | 田 | 農耕地で用水を利用して耕作する土地 |
(3) | 畑 | 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地 |
(4) | 山林 | 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地 |
(5) | 原野 | 耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地 |
(6) | 牧場 | 家畜を放牧する土地 |
(7) | 池沼 | かんがい用水でない水の貯留池 |
(8) | 鉱泉地 | 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地 |
(9) | 雑種地 | 以上のいずれにも該当しない土地 |
(注)駐車場(宅地に該当するものを除く。)、ゴルフ場、遊園地、運動場、鉄軌道等の用地は雑種地となる。
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2017年3月22日
共有地の評価
<照会要旨>
共有地の各共有者の持分の価額はどのように評価するのか?
<回答要旨>
評価しようとする土地が共有となっている場合には、その共有地全体の価額に共有持分の割合を乗じて、各人の持分の価額を算出する。
したがって、例えば共有地全体の価額が1億円の宅地を甲が4分の3、乙が4分の1の割合で共有している場合には、甲の持分の価額は7,500万円(1億円×3/4)、乙の持分の価額は2,500万円(1億円×1/4)となる。
★リンクはこちら⇒ 共有地の評価
2017年3月21日