事務所通信2017年2月

事務所通信

2017年2月号『贈与があった場合には?』

 所得税等の確定申告の相談と申告書の受付期間は2月16日から3月15日なのはご存知の方が多いかと思いますが、贈与税についてはご存知ない方も結構多いのではないでしょうか?
 そこで、今回は、『贈与があった場合には?』について書きたいと思います。

1.贈与税の申告をする必要がある人
 平成28年1月1日から12月31日までの1年間に財産の贈与(法人からの贈与を除きます。)を受けた人は、その贈与を受けた財産につき、以下のに掲げるケースに応じ贈与税の申告をしなければなりません。

  • 暦年課税を適用する場合には、その財産の価額の合計額が110万円を超えるとき
  • 相続時精算課税を適用するとき

2.暦年課税とは?
 1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算する方式です。
 1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から110万円を控除した残額について、贈与者と受贈者との続柄及び受贈者の年齢に応じて、税率を乗じて贈与税額を計算します。

3.相続時精算課税とは?
 特定の贈与者から贈与を受けた財産について相続時精算課税を選択した場合には、その贈与者から1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算し、将来その贈与者が亡くなった時にその相続時精算課税の適用を受けた財産の価額(贈与時の時価)と相続または遺贈を受けた財産の価額(相続時の時価)の合計額を基に計算した相続税額から、既に支払ったその贈与税相当額を控除した金額をもって納付すべき相続税額とする方式です。
 相続時精算課税は、原則として、以下の要件を満たす人に限られます。

  • 贈与者が、贈与をした年の1月1日において60歳以上の者(父母や祖父母など)であること
  • 受贈者が、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上で、かつ、贈与を受けた時において贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫であること

 申告に際しては、以下の点に留意してください。

  • この方式は、贈与者ごとに選択することができます
  • この方式を選択した場合には、その選択に係る贈与者から贈与を受ける財産については、その選択をした年分以降全て相続時精算課税が適用され、暦年課税への変更はできません

4.贈与税の申告の相談及び申告書の受付
 平成28年分の贈与税の申告の相談及び申告書の受付は、平成29年2月1日(水)から3月15日(水)までです。
 申告書の提出方法は、①e-Tax(電子申告)、②郵便または信書便による送付、③所轄税務署へ持参のいずれかになります。

5.最後に
 既に贈与税の申告書の受付が開始されて1か月近く経ち、残りも半月ほどになりましたので、早めに申告しましょう。
 あと、贈与は、贈与者が自己の財産を無償で受贈者に与える意思を表示し、受贈者がそれを受諾することによって初めてその効力を生じますので、贈与したつもりにならないようにご注意くださいね。

2017年2月27日 國村 年

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