事務所通信2012年4月

事務所通信

2012年4月号 『事業承継の必要性』

 事業承継は必要だと感じて入るものの、まだ早いとか、具体的にどうしたらいいか分からないという方が多いかと思います。
 しかしながら、会社にとっては相続のようなものであり、避けては通れないものです。
 そこで、今回は、『事業承継の必要性』について書きたいと思います。

1.事業承継とは?
 事業承継とは、文字どおり、企業の現経営者が後継者に事業を承継させることです。

 事業承継の目的には、事業を継続することと、オーナーの財産を守ることがあります。

 事業承継の方法には、以下の4つがあります。

  • 親族への承継
  • 親族以外の役員・従業員・外部から招いた経営者への承継、
  • M&A
  • 廃業

2.事業承継の現状
 2011年3月に中小企業基盤整備機構が公表した『事業承継実態調査報告書』によると、事業承継をどう考えているかについては、約40%が親族への承継、役員・従業員への承継が約14%、明確に決まっていないが約29%、廃業が約8%となっています。

 また、現在、後継者が決まっているかどうかについては、決まっているが約30%、予定者がいるが約22%、決まっていないが約47%となっています。
 
 この報告書を読むと、事業承継は必要だと感じて入るものの、まだ早いとか、具体的にどうしたらいいか分からないという方が多いのではないかと推測されます。

3.事業承継の対策
 事業承継の対策には、経営承継対策と資産承継対策とがあります。

 経営承継対策は、事業を継続させるためのものです。これには、以下のようなことが重要となってきます。

  • 後継者の誰にするのか
  • 後継者をどうやって育てるのか
  • 後継者をそうやって支援していくのか

 資産承継対策は、オーナーの財産を守るためのものです。これには、以下のようなことが重要となってきます。

  • 財産をどう分けるか
  • 納税資金をどうやって準備するか
  • 相続税をどうやって引き下げるか

 事業承継には、以下の3つのリスクが伴います。

  • 事業を継続できるか
  • 納税できるか
  • 争族にならないか

 これらのリスクを避けるために、後継者を選定し、事業承継計画に基づいて周りの方にバックアップしてもらいながら後継者を育成していく必要があります。
 また、遺言書を作成したり、財産を分けやすいものや換金性の高いものに組み替えたり、生前に贈与を行ったり、自社株の評価額の引き下げを図る必要もあります。

4.最後に
 事業承継は必要だと感じているものの、まだ早いとか、具体的にどうしたらいいか分からないという方が多いかと思います。
 GWで、家族で集まることもあるかと思いますので、一度、事業承継について考えてみてはいかがですか?

2012年4月26日 國村 年

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