香川県高松市木太町の棚卸、事業承継、M&A・組織再編、贈与・相続を主たる業務とする公認会計士事務所です。

事務所通信2015年11月

事務所通信

2015年11月号 『タワマンを使った節税ができなくなる?』

 杭打ち偽装問題が水を差すことになるかもしれませんが、東京や大阪などでは、タワーマンション(タワマン)が売れています。
 ステータス、値崩れしにくい、賃貸すれば安定した賃料収入が見込めるなどの理由もあるのでしょうが、今年から相続税法が改正され増税されることになったこともあり、相続税の節税対策として購入されている方も多くなっています。
 一方で、国税庁は、チェックを厳しくするようです。
 そこで、今回は、『タワマンを使った節税ができなくなる?』について書きたいと思います。

1.相続税の計算における不動産の評価
 相続税の計算においては、一般的に、土地は路線価もしくは固定資産税評価額、建物は固定資産税評価額がベースとなります。
 これを賃貸すると、建物は30%、土地は約20%の評価減が可能であり、さらに、一定の面積までは50%の評価減を行うことができます。

2.タワマンを使った節税が行われる理由
 タワマンについては、土地の持ち分が狭いため、一定の面積の上限に達することが少なく、評価減の金額が大きくなります。
 また、同じ面積だとすれば、一般的に販売価格の高い上層階の部屋も安い下層階の部屋も相続税の評価額は同じになるため、時価と相続税の評価額の差が大きくなる上層階の部屋が節税目的で購入されたりするのです。

3.タワマンを使った節税が認められなかったケース
 最近では、平成23年7月1日の国税不服審判所で納税者が負けるという採決が下されています。
 内容的には、父が入院1か月後に2億9,300万円のマンションを購入し、1か月後に父は亡くなり、相続税の申告においては5,802万円で評価し、マンション購入後1年弱で2億8,500万円で売却したというものです。
 結局、購入後一度も住んだり貸したりしておらず、節税目的ということで、2億9,300万円の評価と判断されています。

4.国税庁の姿勢
 タワマンを使った相続税の節税をめぐり、国税庁が行きすぎた節税策がないかチェックを厳しくするよう全国の国税局に指示したそうです。
 相続財産の評価に用いられる『財産評価基本通達』に、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」という規定があり、すべてのタワマンの評価について適用するかどうか検討する考えのようです。

5.最後に
 国税庁が2013年までの3年間を調べたところ、評価額が約3,600万円の物件が約1億円で売られるなど、343件の平均で時価が評価額の3倍を超えていたようです。
 また、過去には相続後すぐに売り抜けて多額の差益を得るケースもあったようです。
 個人的には、節税の提案をするのが僕ら税理士の存在価値の一つだと思いますし、上記の採決は露骨すぎる例だと思います。
 やはり、節税を行う際には、税務署に否認されないよう、ストーリーをきちんと描いて実行しないといけませんね。

2015年11月20日 國村 年

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