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事業承継で経営者の保証を解除せず4割が二重保証となっている!

 
 産経新聞によると、中小企業が事業を承継する際、銀行が融資のために旧経営者から取得していた個人保証を解除せず、新経営者からも二重に保証を取るケースが4割弱に上っていることが、先日、金融庁の調査で分かったようです。

 経営者の高齢化が進み、後継者不足に悩む中小企業は多くなっています。
 銀行は、融資先の倒産に備える慣行として個人保証を求めてきましたが、負担が大きいことから、事業承継ではなく廃業を選ぶ企業もあります。

 金融庁が、大手銀行や地方銀行など全国548の金融機関を対象に実施した調査によると、201710月から20183月に事業承継があった取引先25,732件のうち、二重の保証取得は36.3%9,349件だったようです。
 旧経営者の保証を解除し、新経営者からも取らなかったのは9.5%2,438件にとどまっています。

 個人保証や担保提供については、事業承継においては、ネックになることがあります。
 特に、最近では、親族以外の第三者に事業承継するケースも増えており、サラリーマンである親族ではない役員や従業員である後継者はそれほどの資力がないケースが必然的に多くなります。
 よって、個人保証や担保提供ができなかったり、嫌がったりすることで、事業承継ができないケースも出てきます。

 そこは、本来は、金融機関は事業性で判断すべきです。
 しかしながら、あまりできていないのが現実です。
 金融機関も当然、融資をするというのがビジネスですから、リスクを避けたいというのは分かりますが、事業性を評価する目をもっと養って、事業承継がうまくいくように協力してほしいですね。
 事業承継は、金融機関にとっても、後継者との関係性を深くする良いチャンスだと思いますので。

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廃業予備軍が127万社の衝撃!

2018年05月15日(火)

 東京商工リサーチによると、後継者難などで毎年3万件の企業が休業や廃業、解散しています。
 技術やノウハウが失われかねない事態にどう対応すべきでしょうか?

 JR大宮駅から北へ約10キロの埼玉県伊奈町の事業所や工場が集まる一角に、円戸(えんど)幸雄さん(82)が1989年に創業した三協技研があります。
 複数の素材を貼り合わせて包装材などに仕上げるラミネート加工が専門です。

 社屋に隣接する工場では、ゆっくりと回る2つのローラーから出た2枚の素材を自動でぴったり接着させる工程が続いていました。
 できたシートは、住宅の鉄骨と外壁の間に入れられ、緩衝材の役目を果たします。

 円戸さんが考案したこの製法は、大幅な自動化で人件費を抑えられるのが特徴で、特許もとっています。
 製品は全て大手住宅メーカーが買い上げます。
 「この製品は営業する必要がないんです」だそうで、需要は増加傾向といいます。

 そんなアイデアと技術力で会社を引っ張ってきた円戸さんですが、悩みがあります。
 自社の将来を任せる後継ぎがいないのです。

 3人いる娘はすでにそれぞれの道を見つけました。
 10年ほど前から、取引先企業に頼んで、優秀な社員を後継候補として何人か送り込んでもらいました。
 しかしながら、どの候補者も定着しませんでした。
 中小企業の社長は、営業から開発、製造まで、細かく把握する必要があります。
 円戸さんは住宅だけでなく、土木、金属、食品、化学繊維など幅広い取引先から細かい悩みを聞き、独自の技術提案をして商機につなげてきました。
 同じことを後継者が務めるのは簡単ではありません。

 会社の売却という道もありますが、密接な取引がしづらくなると心配する取引先からは、独立経営をお願いされるようです。
 「あと3年のうちには跡取りを見つけなければ」と、あらゆるつてをたどって探すつもりだそうです。

 経済産業省によると、この20年で中小企業の経営者の年齢分布は47歳から66歳へ高齢化しています。
 2020年ごろには、数十万人の「団塊の世代」の経営者が引退時期となります。
 「中小企業の競争力の源泉は『社長』自身であることが多く、創業者はなおさらです。
 引き継ぐのは簡単ではない」(大手銀行幹部)ですし、少子化や「家業」意識の薄れもあり、後継ぎのめどが立たない企業は多くなっています。

 経営者が60歳以上で後継者が決まっていない中小企業は、日本企業の3分の1にあたる127万社に達します。
 事業が続けられず廃業する企業の半分は黒字とされ、2025年ごろまでに650万人分の雇用と22兆円分の国内総生産(GDP)が失われる可能性があります。

 首都圏近郊の板金会社の社長だった女性(60)は昨春、板金工の兄が約40年前に創業した会社をたたみました。
 精密加工技術が評価され、製品は新幹線の車体にも採用されました。
 2011年に兄が急死し、社長を継ぎました。
 出入金管理や不利な手形取引の見直しを進め、就任3年で無借金経営に転換しました。

 しかしながら、兄の一人息子は後継に一時意欲を見せたが、結局別の道を選びました。
 古株の従業員にも引き継ぎを断られました。
 それゆえ、「私が会社をみとろう」と決めたそうです。

 取引先からは「同じ品質のものが調達できなくなる」と嘆かれたようです。
 廃業すれば、サプライチェーン(部品供給網)の分断にもつながります。
 何とか技術は残せないかと考え、同業者と交渉し、設備やノウハウ、従業員を譲渡することでまとまりました。

 機械設備を売り払って廃業してしまう方が、手続きは簡単で、多くの金額が残る可能性はありました。でも、事業譲渡で技術を引き継ぐことを優先しました。
 女性は言っています、「会社をつくり、経営したのは私たちだけど、培った事業は社会のものですから」と。

 中小企業の事業承継の足かせの一つが、経営者が後継者に引き継ぐ自社株の扱いです。
 政府は今後10年間に限り、後継者が受け取る株式にかかる税金を全額猶予し、承継に伴う税負担を緩和します。
 経営者が後継者に自社株を渡すと、相続税や贈与税の納税義務が後継者に発生します。
 億単位になることもあり、代替わりにちゅうちょする一因になっていました。
 既に、後継者が引き継ぐ株式の3分の2を上限に、80%まで納税を猶予する制度はあります。
 ただし、フル活用しても税額全体の53%までしか猶予されず、中途半端さは否めませんでした。

 そこで政府は、納税猶予の対象株式を「3分の2」から「全株」に、納税猶予の割合を「80%」から「100%」に拡充し、承継時の税負担をゼロにすることにしました。
 新制度を使えるのは今後10年以内に実際に会社を引き継ぐ人のみで、中小企業の事業承継への決断を早める狙いがあります。

 個人的にも、事業承継関連の仕事をしていますし、このような記事を見るたびに、社長の仕事の一つは後継者を決めるこということを、社長就任時から認識しておいてほしいなぁと思います。
 ここ10年で、事業承継税制を用いた事業承継が進むのは間違いないと思いますが、落とし穴もありますので、きちんと専門家を交えたうえで慎重に検討してから実行してほしいと切に思っています。

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上場企業でも後継経営者の育成が進んでいない!

 
 企業統治のあり方を示す「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)の適用からまもなく3年になります。

 企業統治指針は、経営者の後継を育成する計画をつくるよう求めていますが、思うように進んでいないようです。
 経済産業省の調査では、「文書の計画はない」と答えた企業はおよそ半数にのぼり、計画が存在するかどうか分からない企業とあわせると約8割に達します。

 20156月に適用が始まった企業統治指針は、企業の取締役会に対し、最高経営責任者(CEOC)などの後継者に関する計画を適切に監督するよう求めています。
 指名委員会をすでに設けたり、設ける予定の企業は約半数にのぼりますが、後継者に求められる資質・能力を文書に落とし込む作業などはなかなか進まず、試行錯誤が続いています。
 経済産業省は、201712月から20181月にかけて東証1部・2部上場の2,569社を対象に計画の進み具合の調査を実施し、941社から回答を得ました。

 これによると、社長やCEOの後継者に関する具体的な計画が存在しない企業は48%に達します。
 計画が存在するかわからない企業は29%で、計画があると答えた11%の企業の比率を大きく上回りました。

 計画があると答えた企業を見ても、「社内外の取締役に内容が共有されている」と答えた企業は半分弱にとどまります。
 指名委員会との計画共有も60%ほどです。
 次期経営者の具体策は、「いまの経営者の頭の中のみにある」という企業が多いようです。
 計画で明文化した中身(複数回答)では「後継者に求める資質・技術・経験などの定義」が、約75%で最多でした。

 次期経営者を選ぶためのプロセスが決まっているとした企業は約50%で、後継者候補者を評価する基準も決まっているとしたのは約41%どまりでした。
 経済産業省は、「後継者選びを現経営陣の専権事項とする企業が多いことも背景の一つにある」(産業組織課)とみています。

 計画のない企業に理由を聞いたところ、「現経営陣の意向が尊重されるため」という回答が半数を占めたようです。
 現経営者の任期・定年が来るまで時間があることから、具体的な議論に着手していない企業も多いようです。

 金融庁が開いている企業統治指針のフォローアップ検討会でも、取締役会で後継者計画の策定や候補者選びに十分な時間や資源が割かれているかが、主な論点の一つになっています。
 企業統治指針適用から3年がたつなか、企業統治指針が示した理想像と現実の差を埋めていく作業には時間がかかりそうですね。

 優秀な経営者で、世界的なお金持ちでもある、ソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんでも、過去に事業承継に失敗し、現状では後継者が決まっていません。
 今年から国も事業承継に一段と力を入れていますが、こういった優秀な経営者でも(カリスマ性のある経営者ゆえ)後継者育成がうまくできないわけですから、経営者の任務の一つとして事業承継を考え、上場企業のみならず、日本経済にとって大切な中小企業がなくなったり、傾いたりしないように、微力ながらお手伝いがしたいですね。

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廃業予備軍が127万社!

2018年02月16日(金)

 先日の 『週刊ダイヤモンド』の特集は、「廃業or承継 大量廃業時代の最終決断」でした。
 団塊世代の大量引退時期が迫り、大廃業時代の足音が聞こえています。
 廃業するのか、事業承継を検討するのか?
 オーナー経営者が大事に育ててきた会社の“最終決断”をどう下すべきなのでしょうか?

 経済産業省が衝撃的なシナリオを提示しました。
 日本の企業の3社に1社、127万社が2025年に廃業危機を迎えるというものです。
 このまま廃業問題を放置すると、雇用650万人、GDP22兆円が消失してしまうそうです。

 東京商工リサーチによると、廃業する企業の約半数が経常黒字です。
 優良企業が大量に退出してゆく姿は、異様にも映るでしょう。
 事業がジリ貧になっているわけではなく、後を受け継ぐ者がいないため、仕方なく廃業を選ぶ経営者が増えているのです。

 実際に、惜しまれて廃業を決めた中小企業の経営者も少なくありません。

 ご存じの方も多い『岡野工業』が製造する注射針は、赤ちゃんや糖尿病患者のインスリン注射などにも使われる「痛くない注射針」です。
 品質管理に厳しい大手自動車メーカー向けの部品も製造するなど、世界に誇る技術を持つ企業ですが、2人の娘さんは嫁いで別の道に進んだため、後継者がおらず、廃業の道を選んだのです。

技術を残すために、注射針の製造はテルモに移管することに決まっています。

 作り続けて82年、羽衣文具が製造するチョークは「世界一書きやすい」という評判でしたが、需要が低迷したうえ、後継者問題も持ち上がり、会社を畳みました。
 興味深いのがこの先で、羽衣文具の製造技術・ノウハウは海を渡って韓国企業に買収されたのです。
 他社商品で代用が利かないチョーク界の『ロールスロイス』とすら称されたメード・イン・ジャパンの技術で、廃業が決まり、アメリカの数学者らのグループが1トン分を駆け込み購入するほどの人気でした。

 2018年度の税制改正で、事業承継税制が大幅に改正される予定です。
 国が、事業承継を10年間で推し進めたいという意思の表れです。
 一方で、数年前から事業承継が大事と言われていたわけであり、やっと国も本気になったわけですが、このような日本を代表するような技術を持つ企業が廃業するというのは、日本にとって損失であり、残念でなりません。
 僕は独立開業してから6年半くらい経ちますが、独立当初から『事業承継』を看板に掲げています。
 また、2年ほど前から、中小機構で『事業承継コーディネーター』をやっています。
 少しでも、廃業しようとしている会社が廃業をせず、事業承継するようなお手伝いができればいいなぁと思っています。

 廃業予備軍が127万社もあることについて、どう思われましたか?

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