事務所通信2013年6月

事務所通信

2013年6月号 『税務調査』

 先月、顧問先の税務調査があり、2日間税務調査に立ち会ってきました。
 今年から税務調査の手続きが変わっていますが、変わってから初めての税務調査の立会いで、結果は、指摘事項なしでした。
 そこで、今回は、『税務調査』について書きたいと思います。

1.税務調査とは? 
 税務調査とは、国税が質問検査権という権利を行使することです。
 質問検査権ついては、会社等には、調査を受けなければならない義務がありますので、税務調査をしたいと国税が言ってきたら、調査を拒否することはできないのです。
 税務調査には、以下の3つがあります。

 ①   課税処分のための調査(任意調査) 
 ②   滞納処分のための調査 
 ③   犯則事件のための調査(強制調査) 

2.税務調査の留意点
 税務調査における留意点を書きます。

 税務調査では、税理士法により、税理士以外の人が代理人として税務に関して主張することはできません。
 よって、通常は、顧問税理士が税務調査に立会います。顧問税理士がいない場合、取引銀行などに税理士を紹介してもらうと良いでしょう。


 税務調査は、原則として、事前に国税側から税務調査に行く旨の連絡があります。
 疑問を感じる点ではありますが、書面ではなく口頭です。
 また、日時を指定してきますが、立会人の都合も含めて都合が悪ければ、その旨を伝えると、都合の良い日に変えてくれます。
 事前に通知がない場合もありますが、任意調査であれば、いったん断わり、顧問税理士に連絡のうえ、都合の良い日を調整して調査日程を決めましょう。


 連絡があってから、税務調査が行われるまでは時間がありますので、書類などを確認し、不要なものや税務調査の対象となっていないもの(例えば、法人の調査で法人の金庫に保管している社長個人の通帳など)は、整理しておきましょう。


 税務調査では、質問されますが、聞かれたことだけ答えるようにしましょう。
 緊張のあまり必要以上のことしゃべり、指摘事項が増えることも多々あります。
 また、何気ない雑談でも、先方は何か探っています。


 分からない場合には、適当に答えるのではなく、「分かりません。」と言えばいいですし、調べれば分かるのであれば、「調べてから答えします。」と言えば大丈夫です。


 先方が文書を作成して、確認の署名と印鑑を求めてくることがあります。
 このような場合、署名・捺印をする義務はありませんので、基本的に断りましょう。
 署名・捺印するとしても、立会人に相談してからにしましょう。
 おそらく、調査官が十分な証拠を入手できていないので、署名・押印させているのでしょうから。


 税務調査においては、誰が、どのような質問をし、どのような調査をしたのかをきちんとメモしておきましょう。

3.最後に
 税務調査に慣れている方はあまりいないと思いますので、通常の心境で対応することはなかなか困難と言えるでしょう。
 そのような場合には、事前に留意点を把握しておけば、かなり落ち着くはずです。
 また、そう持って行くのも立ち会う税理士の役目ですし、悪い方向に行きそうなときにフォローするのが税理士ですので。

2013年6月21日 國村 年

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